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シャングリラ学園つれづれ語り

☆お坊さんの好意


夫婦和合の文字が躍った絵馬に加えて、夫婦茶碗なバカップル。
露骨すぎる願い事を口にされまくるよりは、まだ微笑ましい光景でして。

Aブルー「これは「あ~ん♪」とはいかないねえ…」
A船長 「よろしかったら口移しで」
Aブルー「いいね、それ! じゃあ、早速」
ブルー 「やめたまえ!」

公衆の面前なんだから、とストップをかける生徒会長。
こんな所で熱烈なキスなぞされたら、また晒し者でございます。

Aブルー「ダメなのかい? お願い事の最中なのに?」
ブルー 「そういう時こそ慎むものだよ、精進潔斎と言うだろう!」
Aブルー「うーん…。ちょっと方向性が違う気が…」

熱々で祈願に回った方が、とソルジャーは不満そうですが。

お坊さん「すみません、少しよろしいですか?」
一同  「「「!!!」」」

叱られるぞ、と首を竦めるシャン学メンバー。
生徒会長も緊張の面持ちですけど、テントから声を掛けたお坊さんは。

お坊さん「夫婦和合を御祈願だそうで…。実はこちらの」
坊主B 「どうも、こちらで修行中の者です!」
坊主C 「こいつの実家、聖天さんをお祭りしてるんですよ」
一同  「「「…ショウテンさん…?」」」

聞き返すジョミー君たちの隣でウッと息を飲むキース君と生徒会長。
それもその筈、聖天さんという神様は…。

お坊さん「商売繁盛で有名ですけど、その実態はですね…」
坊主B 「夫婦和合と子孫繁栄なら聖天さんです!」
坊主C 「お姿からして夫婦和合ですよ、もう本当に効きますって!」
Aブルー「本当かい?」
坊主B 「象の頭の二人の神様が抱き合っておられるお姿です」
坊主C 「二股大根が絡み合った絵が御紋だったりするんですよ~」
Aブルー「二股大根?」
坊主C 「こう、大根が二股にですね…」

人の足みたいな形に分かれてるんです、と解説してくれるお坊さん。
それを絡めたのが聖天様の御紋だそうで。
神様が抱き合っておられるお姿といい、この流れ、ヤバくないですか…?

2013/02/16 (Sat)

 

☆聖天さんにお願い


夫婦和合なお願い事と夫婦茶碗と。
バカップルのアピールを目にしたお坊さんたち、聖天さんがどうこうと。

お坊さん「夫婦和合のお願いでしたら、聖天さんがイチオシですよ」
Aブルー「うん、本当に効きそうだよね。ねえ、ハーレイ?」
A船長 「ええ、私たちにはピッタリですね」

やはり精力もつくのでしょうか、とキャプテンは頬を染めております。
お坊さんたち、厳しい修行の息抜きとばかりに大盛り上がりで。

坊主B 「夫婦和合に子孫繁栄ですよ? もうバッチリです!」
坊主C 「こいつの実家、お参りの人が多いんですよ~」
お坊さん「とても御利益があるそうでしてね、よろしかったら」
坊主B 「無料で御祈祷いたします! お名前を書いて頂ければ…」

人助けも修行の内ですし、とメモを取り出すお坊さん。
修行中でもお師僧さんへの電話はOK、後で実家に連絡するとか。

坊主B 「父が心をこめて御祈祷させて頂きますので」
お坊さん「個人情報は漏らしませんから、御安心下さい」
Aブルー「別に漏れても気にしないけど…。ここに書いたらいいんだね」

サラサラと名前を書くソルジャー。
キャプテンも照れ笑いをしつつ、隣に名前を。

坊主B 「確かに承りました。どうぞ御利益がありますように」
お坊さん「他の皆さんも良いお参りを」
坊主C 「良いお参りをー!」
Aブルー「ありがとう! 御利益、思いっ切り期待しているからねー!」

精力がついて夫婦和合だ、と大喜びで手を振るソルジャー。
お坊さんたちとの会話のせいで周囲の視線がグサグサなのは至極当然。

一同  (((な、なんでこうなる…)))
Aブルー「良かったねえ、ハーレイ。また御利益を貰えたよ」
A船長 「他所でも御祈祷して頂けるとは、もう励むしかありませんね」
Aブルー「うん、ヌカロクで夫婦和合だってば!」

残りのお参りも張り切って行こう! とバカップルは誓いの熱いキス。
また晒し者のシャン学メンバー、もう御愁傷様としか言えませんです~!

2013/02/17 (Sun)

 

☆普通にお参り


甘酒のお接待でもエライ目に遭ったシャン学メンバー。
残る七福神巡りは四ヶ所ですけど、これ以上の災難は勘弁でございます。

ブルー 「いいかい、次は不動明王だから! 何もないから!」
Aブルー「無いってことはないだろう? 七福神に入ってるんだし」
キース 「あんたが期待する類ではない。お不動様は現世利益だ」
Aブルー「なんだ、それなら…」
ブルー 「間違えないように! お不動様は本来、煩悩消滅」

煩悩を消して下さるからね、と生徒会長。
バカップルのお願い事など吹っ飛びそうな感じですけど…。

Aブルー「煩悩じゃないよ、お願い事だし!」

ちゃんと書いた、と指差す先には例の絵馬。
『夫婦和合』とデカデカと。

Aブルー「だから御利益あるんだよ。間違いないって!」
A船長 「現世利益だけに効きそうですね」

お願い事と煩悩は別物、これは効くかもしれません。
バカップルは神妙にお参りしまして、次のお寺は恵比寿様。

Aブルー「恵比寿様は何に効くのかな?」
ブルー 「商売繁盛! 今度こそ君には関係ないよ」

ざまあみろ、と舌を出す生徒会長。
境内に入れば商売繁盛だけに大いに賑わっておりますが。

参拝者A「儲かりますようにー!」
参拝者B「商売繁盛、どうぞよろしく!」

ガランガランと鈴を鳴らすやら、叫ぶやら。
お堂の板壁をバンバン叩いている人も。

Aブルー「なんだい、あれは?」
ブルー 「恵比寿様は耳が遠いと言われていてね」
キース 「是非とも聞いて頂きたい、という人は大声を出すわけだ」
ブルー 「壁を叩くのも同じ理屈さ、注意を引くわけ」
Aブルー「そういえば、お願い事は神様に届かないとダメなんだっけね」
A船長 「しかし、商売繁盛では…。此処は関係ないですね」
Aブルー「次の所に期待しようよ、二ヶ所も残っているんだからさ」
一同  (((期待するな!!!)))

七福神巡り、二ヶ所続けて普通にお参り出来ました。
残る二つも今の調子でクリア出来たらゴールですよ~!

2013/02/18 (Mon)

 

☆七福神の御利益


不動明王に恵比寿様と無事に巡ったシャン学メンバー。
七福神巡りは残り二ヶ所とクライマックス、何事もなく終えたいところ。

Aブルー「えっと、次は…と」
ブルー 「お稲荷さん! 五穀豊穣、商売繁盛。無関係だね」

君のシャングリラが豊作になるよう祈りたまえ、と生徒会長。
ソルジャーは不満そうでしたけども、キャプテンは真剣にお参りで。

Aブルー「やけに真面目にお祈りしてたねえ?」
A船長 「豊作はしっかり祈りませんと。なにしろ私はこの身体ですし」
Aブルー「そうか、君が沢山食べられなければエネルギー切れ…」

それは大変、と取って返したソルジャー、お賽銭を入れて二度目の祈願。
五穀豊穣も夫婦和合に結びつくのか、とシャン学メンバーは軽く頭痛で。

キース 「これで最後が大黒天とは…」
ブルー 「諦めるんだね、もう終わりだしさ」
Aブルー「なになに、最後がどうかした?」
ブルー 「一番最後は大黒天! 五穀豊穣と不本意ながら子孫繁栄」
Aブルー「やったね、子孫繁栄には夫婦和合が大前提!」

気合を入れてお参りするぞ、とソルジャーは思い切り燃えております。
キャプテンとの密着度も一気にアップで、門をくぐって柏手を。
でもって声を張り上げまして…。

Aブルー「夫婦和合も、どうぞよろしく!」
A船長 「ヌカロクでお願いいたしますー!」
一同  (((うわぁぁぁぁぁ!!!)))

なんてことをしてくれるのだ、と叫ぼうにも周囲の視線がグサグサ。
泣きの涙で福笹に最後のお札を結んで貰って、逃亡するのが精一杯で。

ブルー 「び、びっくりした…」
Aブルー「なんで走って逃げるのさ? あそこが最後だったんだよ?」

お願い事は神様に届かないと、とソルジャーは真顔。

Aブルー「恵比寿様の所で叫んでた人がいたからねえ」
A船長 「見習って叫ばせて頂きましたが、いけませんでしたか?」
ブルー 「それは恵比寿様限定だよ!」

最後の最後で赤っ恥。
七福神巡り、御利益は全部バカップルに…?

2013/02/19 (Tue)

 

☆食べたい湯豆腐


七福神巡りの締めで大恥をかかされたシャン学メンバー。
よほどパニックになっていたらしく、逃走した先は門外ならぬ境内の奥。

ブルー 「うーん…。このまま裏手に回って瞬間移動で帰ろうか」
キース 「そうだな、去年もそのルートだし」
Aブルー「待ってよ、お昼御飯がまだだってば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 帰ったらすぐに作るよ!」
Aブルー「そうじゃなくって…。七福神のお寺がやってる湯豆腐!」

去年は食べていただろう、と指摘するソルジャー。

Aブルー「せっかく来たんだ、御利益のある所で食べなくちゃ」
ブルー 「お稲荷さんのお寺だけど? 五穀豊饒に商売繁盛」
Aブルー「だったら余計に大切じゃないか! 五穀豊穣!」

ハーレイの身体を養わなくちゃ、とソルジャーは強気でございます。
キャプテンもまんざらではなさそうでして。

A船長 「ブルーを満足させるためには栄養が必要ですからねえ…」
ブルー 「わ、分かったよ! …とりあえず人は入れ替わったかな…」

もうほとぼりは冷めただろう、と来た道を戻るわけですが。
バカップルは密着中で『夫婦和合』の絵馬も健在、好奇の視線も継続中。

一同  (((……拷問だ……)))

急いで通り過ぎるに限る、と足を速めてやって来ました、湯豆腐のお寺。
お座敷に通されホッと一息、机の上には湯豆腐の土鍋。

Aブルー「嬉しいねえ。この湯豆腐がハーレイの逞しい身体を作る、と」
ブルー 「ここは精進料理だから! 精をつけないのが目的だから!」
Aブルー「なんだい、それは?」
ブルー 「修行僧向けの料理なんだよ、精がつく料理は修行の妨げ!」
Aブルー「えーーーっ? でもさ、お願いに来たんだからさ…」

御利益が欲しい所だけれど、とソルジャーがゴネておりますと。

仲居さん「八寸と天麩羅でございます。ごゆっくりどうぞ」
Aブルー「…ん?」

仲居さんが置いていった八寸のお皿にソルジャーの視線が釘付けに。
この人に料理が分かるんですかねえ…?

2013/02/20 (Wed)

 

☆最後まで御利益


ソルジャーが注目している八寸のお皿。
胡麻豆腐やガンモドキのお皿も並んでいる中、オードブル的な存在です。

ブルー 「ああ、珍しいかもね、若竹の木の芽和え」

季節じゃないし、と生徒会長。
一月の末辺りから早掘りと称して小さいタケノコが出回るとか。

ブルー 「この辺りは竹藪が多いし、季節を先取りって感じかな」
Aブルー「そうなんだ? …それよりも、横の」
一同  「「「???」」」

ソルジャーが指差したものは小茄子の田楽。
小さいだけにヘタをつけたまま、真っ二つに切ってありますが。

Aブルー「いい形をしてると思わないかい? ほら、ぷっくりと」
A船長 「そういえば…」

似ていますね、と頬を赤らめるキャプテン。

Aブルー「かなりサイズは小さめだけどさ、あの飴だって小さいし!」

これだって効くに違いない、と言われて頭に蘇る子授け飴。
小茄子の田楽、アレを二つに割った形に似ております。

Aブルー「五穀豊穣のお寺で出てくるんだから、これを食べれば…」
A船長 「栄養が一点集中ですね!」

ビンビンのガンガンでヌカロクですね、と頷くキャプテン。
ソルジャーはニッコリ微笑みまして。

Aブルー「というわけでさ、よかったら譲ってくれないかな?」

君たちの分もハーレイに、と声を掛けられたシャン学メンバー。
頼まれなくても今の流れで茄子など御免でございます。
ポイポイポイ、とキャプテンのお皿に小茄子が集合、ソルジャーは…。

Aブルー「有難いねえ、御利益たっぷり! はい、あ~ん♪」
一同  (((見たくない、見たくない…)))

バカップルめ、と泣きたい気持ちで湯豆腐定食。
もちろんメインの湯豆腐も「あ~ん♪」と仲良く食べさせ合いで。

Aブルー「美味しかったね、来て良かったよ」
ブルー 「…そうだろうねえ…」

とんだ七福神巡りだった、と誰もが溜息。
バカップル以外は福を逃したっぽく…。
これ以上の恥は勘弁ですから、お寺の裏から生徒会長の家へ瞬間移動~!

2013/02/21 (Thu)

 

☆恵方巻のお届け


エライ目に遭ったシャン学メンバー、生徒会長の家でグッタリですが…。
バカップルの方は至極ご機嫌、御利益を数えて大喜びで。

Aブルー「子授け飴と聖天さんと…。小茄子の田楽も効きそうだよね」
A船長 「七福神の他にそれだけあれば凄そうですよ」
Aブルー「うん、ビンビンのガンガンでヌカロクってね!」

子供が要らない分、夫婦和合がバージョンアップで凄くなるとか。
皆が頭痛を覚えていればチャイムの音がピンポーン♪ と。
管理人さんが恵方巻を受け取り、部屋までお届けでございます。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 恵方巻、持ってきてくれたよ!」
ブルー 「それは良かった。はい、君たちの分」

生徒会長が二本取り出し、バカップルの方へ差し出して。

ブルー 「いいかい、今年の恵方は南南東! 忘れないようにね」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「恵方を向いて黙って食べる! それが恵方巻のお約束だよ」

夜になったら実行したまえ、と手渡そうとしたのですけれど。

Aブルー「うーん、今から貰ってもねえ…。その時でいいよ」
ブルー 「は?」
Aブルー「だから、その時! 最高のお願いスポットがあるんだろう?」

絶対に其処で食べなくちゃ、とソルジャーが言うのは去年の恵方社。
毎年、恵方に向きを変える小さな祠で、パワースポットに建っていて。

Aブルー「仕上げにあそこでお願いしなくちゃ意味無いし!」
一同  (((い、居座るのか…)))
Aブルー「夫婦和合ならハーレイと並んで食べるべきかな?」
ブルー 「知らないよ!」
Aブルー「だって、抱き合っていたら揃って恵方を向けないし…」
ブルー 「その発想は何処から来たわけ!?」
Aブルー「お坊さんが言ってた聖天さんだよ」
A船長 「二人の神様が抱き合っておられる御姿だと伺いましたね」
Aブルー「せっかくだから、あやからなくちゃ!」

夫婦和合を祈願するなら全力で、というバカップル。
恵方社の前で二人並んで恵方巻とは、また晒し者になりそうな…。

2013/02/22 (Fri)

 

☆恵方巻の食べ方


恵方巻を渡して追い出すつもりが、居座ってしまったバカップル。
夫婦和合の祈願の仕上げに、恵方社の前で二人仲良く食べるのだそうで。

Aブルー「やっぱりアレかな、腕を組むのがいいのかな?」
A船長 「そうですね。…いえ、それよりも」
Aブルー「何かいい手を思い付いたわけ?」
A船長 「私があなたを抱え込むのはどうでしょう? こう、後ろから」

ちょっと立ってみて下さいますか、と促すキャプテン。
ソルジャーがソファから立てば、背後からギュッと抱き締めまして。

A船長 「恵方巻がこのサイズですから…。出来ないことはないですね」
Aブルー「いいねえ、お前と密着しながら恵方巻だね!」
A船長 「両腕で抱き締めるのは無理ですが…。片手に恵方巻ですし」
Aブルー「ううん、全然オッケーだってば!」

ぼくの頭に食べこぼされても気にしない、と微笑むソルジャー。
バカップルが恵方巻を食べるスタイル、決まったようでございます。

Aブルー「夜になるのが楽しみだねえ」
A船長 「しっかりお願いしましょうね」
一同  (((……なんのイジメだ……)))

もう嫌だ、と泣けど叫べどバカップルが帰る筈もなく。
やがて日は暮れ、瞬間移動で恵方社の近所に飛んで残りは徒歩で。

ジョミー「うわぁ、今年も大勢いるね…」
キース 「日曜だからな…。よりにもよって」
サム  「こんな所で晒し者かよ…」
ブルー 「バカップル退散でも祈願するかい? あっ、ハーレイ!」
ハーレイ「おお、来たか。ちゃんと順番を取っておいたぞ」

コートを着込んだ教頭先生、今年も場所取りをしていた模様。
バカップルにも丁寧に頭を下げまして。

ハーレイ「こんばんは。節分体験ツアーだそうで」
Aブルー「そうなんだ。もう色々と最高でさ!」
A船長 「こちらでも是非、祈願したいと」
ハーレイ「そうですか。並んだ甲斐がありましたよ」

お役に立てて何よりです、と教頭先生。
バカップルのお参りスタイル、炸裂するまで秒読みですよ…。

2013/02/23 (Sat)

 

☆恵方巻でお参り

 
教頭先生が場所取りをしていた恵方社前。
居並ぶ人々をゴボウ抜きして、一番前での祈願が可能となっております。

ハーレイ「で、誰が最初にお参りするんだ? お客様か?」
客人以外「「「………」」」
ハーレイ「どうした、妙に元気が無いが…。そういう時こそ恵方巻だぞ」

しっかり食べてお参りしろ、と教頭先生。
バカップルが何をするのか御存知ないだけに無理もありません。

Aブルー「遠慮しないでお参りしてよ、ぼくたちは最後でいいからさ」
A船長 「ええ、皆さんのお参りを参考に致しますから」

参考も何もあったものではないのですけど。
バカップルに先にやられるよりかは、後の方がまだマシというもの。

ブルー 「だったら先に行かせてもらうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、一番!」

恵方社の前で柏手を打った「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
老舗料亭の恵方巻を頬張り、無言でモグモグ食べ終えまして。

ぶるぅ 「美味しかったぁー! お酢もお米も最高だもんね!」
ブルー 「お願い事は?」
ぶるぅ 「あーーーっ!!!」

忘れちゃってた、と叫ぶ「そるじゃぁ・ぶるぅ」に大爆笑。
シャン学メンバーたち、自分は絶対忘れないぞと心に固く誓ったのに。

ジョミー「…どうだった?」
キース 「お前と同じだ」
シロエ 「結局、全員おんなじですか…」
ハーレイ「なんだ、どうしたんだ?」

私は恋愛成就を祈願したが、と教頭先生だけがお気楽。
他の面子はウッカリしっかりバカップル退散を祈ってしまい。

ブルー 「……別にいいんだ、無駄骨だろうし……」
ハーレイ「は?」
ブルー 「すぐに分かるさ、君にもね」
ハーレイ「???」
Aブルー「ハーレイ、ぼくたちの番みたいだよ」
A船長 「そうですね。二人でお願いいたしましょう」

キャプテン、ソルジャーを背後から左腕でギュッと。
お願い事を口に出せない分、姿勢でアピールしていくようでございます。
聖天さんにあやかったお参りスタイル、夫婦和合の恵方巻です~!

2013/02/24 (Sun)

 

☆トドメの恵方巻


キャプテンがソルジャーを背後からギュッと抱き締め、恵方巻タイム。
二人とも無言でモグモグ頬張ってますけど、お願い事が何かは一目瞭然。

ハーレイ「な、何なんだ、あれは?」
ブルー 「二人揃って恵方を向けるスタイルらしいよ」
ハーレイ「し、しかしだな…」

思い切り注目されているのだが、と教頭先生。
順番待ちの人々の視線、バカップルを避けて同行者たちにビシビシと。

ブルー 「君は遙かにマシなんだってば、ぼくたちは朝から晒し者でさ」
ハーレイ「朝から…?」
キース 「七福神巡りで派手にやられました」

こんなのはまだ序の口です、とキース君が嘆く間も密着中のバカップル。
ようやっと恵方巻を食べ終えまして…。

Aブルー「…どうだった? ハーレイ」
A船長 「勿論しっかりお願いしました、夫婦和合でヌカロクですよ!」
一同  (((ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!)))

またやられた、とダッシュで逃げ出すシャン学メンバー。
教頭先生も一緒に駆け出しましたが、その後ろからはバカップルが。

Aブルー「なんで逃げるのさ、薄情者ーっ!」
A船長 「私たちが何かやりましたかーっ!?」

恵方巻のマナーは守りましたが、と大声で絶叫されましても。

ブルー 「追っかけてくるなら黙っててーっ!」
A船長 「だそうです、ブルー」
Aブルー「じゃ、黙ろうか」

ちょうどそういう気分だしね、と追い付いたバカップル、ピタリと沈黙。
生徒会長宅に瞬間移動で逃げ帰った後も無言でして。

ブルー 「あーあ、酷い目に遭っちゃった。で、豆まきの方だけど」
ハーレイ「今年も私が鬼をやるのか?」
ブルー 「そのつもりで用意はしてあるよ。…ん?」

朝から何かと言えば密着していたバカップルが距離を取っております。
生徒会長の目線を追ったシャン学メンバーたちもそれを確認。

一同  (((…???)))

追突防止の車間距離ならぬ人間(じんかん)距離。
夫婦和合を願った筈のバカップルに何があったんでしょう…?

2013/02/25 (Mon)

 

☆距離を取る二人


何かと言えばイチャイチャ、ベタベタ、密着していたバカップル。
恵方巻まで凄いスタイルで食べたというのに、何故か二人の間に距離が。

ブルー 「そこの二人! 夫婦喧嘩なら帰ってくれる?」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「こんな所で冷戦状態は困るんだってば、豆まきするしね」
Aブルー「冷戦状態? ぼくたちが?」

なんでまた、と返したソルジャー、皆の視線に気が付いたようで。

Aブルー「ああ、ハーレイと距離を取ってることか…。勘違いだし!」
一同  「「「勘違い?」」」
Aブルー「喧嘩じゃなくって、むしろその逆!」
A船長 「今、近付くとマズイんです」
一同  「「「はぁ?」」」
Aブルー「くっついて恵方巻を食べちゃったからね、ちょっと気分が」
A船長 「お互い、抑えが利かなくなりそうでして…」

なにしろ無言で恵方巻を丸かぶりです、と続けるキャプテン。

A船長 「ブルーよりかは大きめだな、と思い始めてしまいまして…」
Aブルー「ぼくもなんだよ、ハーレイに海苔を巻いちゃった気分」
ブルー 「ちょ、ちょっと…」

もうそれ以上は言わなくていい、と生徒会長は顔面蒼白。
しかし…。

Aブルー「だからね、二人でくっついちゃうとヤリたくなるんだ」
キース 「何をだ?」

万年十八歳未満お断りゆえの素朴な疑問。
ソルジャーは我が意を得たりとばかりに得意げに。

Aブルー「いわゆるシックスナインというヤツ!」
ブルー 「やめたまえ!!!」
ジョミー「…しっくす…?」
A船長 「69です、私がブルーを、ブルーが私をというものでして」
シロエ 「はあ…」

サッパリ分からないんですけど、とシャン学メンバー。
生徒会長は口をパクパク、教頭先生は派手に鼻血で。

ぶるぅ 「大変、鬼さん、鼻血が出ちゃった!」
Aブルー「いいじゃないか、どうせ脱衣豆まきするんだろ?」

今なら鬼に金棒状態、とソルジャーはいけしゃあしゃあと。
教頭先生の大事な金棒、ビンビンのガンガンになりましたかねえ?

2013/02/26 (Tue)

 

☆鬼と金棒


密着して恵方巻を食べたばかりに、けしからぬ気分になったバカップル。
お互いに距離を取っていないと69をやりたくなるそうで…。

ブルー 「さっさと帰って実践したまえ、豆まきはもういいだろう!」
Aブルー「ぼくたちは節分ツアーに来たんだよ?」
A船長 「節分は豆まきで締めるものだとブルーが言っていましたが」
Aブルー「こっちのハーレイも金棒を装備出来た筈だし…」

脱衣豆まきをやらなきゃ損だ、とソルジャーは主張しております。

ブルー 「鬼の衣装は用意したけど、絶対嫌だ!」
Aブルー「なんで? ビンビンでガンガンの金棒つきだよ」
A船長 「ええ、窮屈そうでいらっしゃいますしね」

是非とも解放してあげて下さい、とキャプテンまでが。
69ネタで煽られた教頭先生、確かにズボンがキツイようです。

Aブルー「だからね、パァーッと豆まきしなくっちゃ!」
ブルー 「豆が当たると服は透けるけどね、それは視覚の問題だから!」

消えてなくなるわけではない、と生徒会長。

ブルー 「スッポンポンになったとしても見た目だけだよ」
Aブルー「窮屈なのは変わらないのか…。でもさ、金棒は拝めるよね?」
ブルー 「ぼくは拝みたくないってば!」
Aブルー「そう言わずにさ。君もいつかは御世話になるかもしれないよ」

その金棒に、とソルジャーはノリノリでございます。
教頭先生は鼻血が止まらず、もうビンビンのガンガンですけど。

ブルー 「………。豆まきの意味を知ってるのかい?」
Aブルー「鬼を追い出して福を呼ぶのが目的だろう?」
ブルー 「本来、厄除けの行事なんだよ! 追い出すべきは厄という鬼」
Aブルー「それで?」
ブルー 「ぼくたちにすれば、君たちこそが厄そのものだと思うけど?」
Aブルー「じゃあ、ぼくとハーレイが脱げばいいわけ?」

いつでもどうぞ、と笑顔のソルジャー。
豆が当たると服が透けるのが脱衣豆まきというヤツですが。
バカップルなぞに脱衣させたら、その場で69を始めてしまうのでは…?

2013/02/27 (Wed)

 

☆仕上げは豆まき


君たちこそが厄そのものだ、と言われてしまったバカップル。
ところがソルジャー、自分たちが厄なら脱ぐと開き直ってしまいまして。

Aブルー「節分のフィナーレは豆まきだしさ、いくらでも脱ぐよ」
A船長 「正直、恥ずかしいのですが…。それがブルーの望みでしたら」
ブルー 「脱がなくていい! 脱衣豆まきは本来、邪道!」

鬼に豆をぶつけて追い出すだけだ、と生徒会長。

ブルー 「だから今から普通に豆まき! 鬼の衣装は諦めた!」
Aブルー「ちょっと待ってよ、鬼はぼくたちなんだろう?」
ブルー 「それは単なる喩えというヤツ!」
Aブルー「せっかくだから鬼をやりたいんだけど」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「ただし、ぼくたちが追いかける方! 鬼ごっこってね」

豆をぶつけながら逃げたまえ、と微笑むソルジャー。

Aブルー「捕まった人には厄をたっぷり! 69の見学会だ」
ブルー 「な、な、な……」
Aブルー「ぶるぅ、豆まきのアイテムは何処?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すぐに持ってくるね!」

はいどうぞ、と豆入りの桝が鬼を除いた全員に。

Aブルー「一番奥の部屋からだよね、それじゃ行こうか」
一同  (((…あ、悪夢だ…)))

バカップルに捕獲されたら69の見学会。
豆をまきつつ必死に逃げるシャン学メンバーたちですが。

ブルー 「捕まりたいわけ? ハーレイのスケベ!」
ハーレイ「いや、私は…!」
Aブルー「ほらほら、もうすぐ追い付いちゃうよ?」
一同  「「「鬼は~外~!!!」」」

バァン! と玄関の扉を開けた一同、我先に外へ。
背後で扉がバタンと閉まって、鍵をかける音がガッチャンと。

キース 「おい、家の鍵は?」
ブルー 「も、持ってない…」
Aブルー「あっても無駄だよ、それじゃ朝まで御世話になるね~♪」

節分の締めは夫婦和合で69、とソルジャーの声。
鬼に追われて廊下で難民、教頭先生の金棒も69を見損ねてションボリ。
今年の節分、福は逃したようですねえ…。

2013/02/28 (Thu)



 

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☆恵方巻をよろしく


ジョミー君とシロエ君が散々なスタートを切った今年の元日。
あれから順調に日は流れまして、梅もほころぶ二月の到来でございます。

ブルー 「さてと、明後日が節分だけど…。今年はどうする?」
キース 「日曜だしな…。各自、自宅で豆まきという手もあるが」
ジョミー「それってあんまり楽しくないし!」
??? 「そうだよね、ぼくもそう思う」
全員  「「「!!?」」」

バッと振り返った先に立っていたのは紫のマントの例の人。
いわゆるソルジャー(会話表記はAブルー)ご登場で。

Aブルー「恵方巻の予約をしただろう? 追加をお願いしたいんだけど」
ブルー 「そりゃ出来るけどさ…。ぶるぅ、追加だ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すぐにお電話するね!」

もしもし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が電話した先は高級料亭。
パルテノンでも指折りの店で、上得意様にだけ恵方巻お届けサービスが。

ぶるぅ 「えっと、えっとね、恵方巻の追加、一本お願い!」
Aブルー「違う、二本で」
ぶるぅ 「間違えちゃった、二本だったぁ! お願いしまぁ~す♪」

それじゃよろしく、と追加注文は簡単に終わりましたが。

ブルー 「二本って…。恵方巻は一人一本だよ?」
Aブルー「忘れないで欲しいね、ぼくは結婚してるんだけど」
ブルー 「だったら三本要るだろう! ぶるぅの分はどうするのさ!」
Aブルー「お留守番には御褒美たっぷり! 市販のヤツをドカンとね」
全員  「「「お留守番?」」」
Aブルー「うん。ぼくとハーレイは節分をこっちで過ごそうかと」

楽しそうなイベントが盛りだくさん、と言われましても。
たかが節分、世間はバレンタインデーの前哨戦で盛り上がり中で。

ブルー 「バレンタインデーの方が楽しいだろうと思うけど?」
Aブルー「そっちはぼくのシャングリラにもあるからねえ…」

異文化体験、節分ツアー! とソルジャーはブチ上げているものの。
ソルジャー夫妻が来るとなったら、恵方巻を食べるだけではなさそうな?

2013/02/01 (Fri)

 

☆バカップルと節分


異文化を体験してみたい、と節分に押し掛けてきたのがソルジャー夫妻。
シャン学メンバーも朝早くから生徒会長の家に集合で。

ブルー 「まったく、なんでこうなるんだか…」
Aブルー「ぼくもハーレイも素人なんだよ、節分ってヤツは」

そうだよね? と同意を求められたキャプテン(会話表記はA船長)、
穏やかな笑みを浮かべつつ。

A船長 「ええ、ブルーの話を聞いただけでは右も左もサッパリで」
Aブルー「去年、覗き見してたんだよね。色々と楽しそうだったしさ」

みんなで笹とか持っていたし、とソルジャーは既にお祭り気分。
今年の節分も七福神巡りでスタートすることになりそうです。

ジョミー「またお寺だぁ…。あそこ、ぼくには鬼門なのにさ…」
サム  「坊主宣言しちまったもんなぁ…」
キース 「これも御仏縁というものだ。精進しますと誓うんだな」
ジョミー「やだよ、そんなの!」
シロエ 「落ち着いて下さい、ジョミー先輩。今年は矛先が逸れるかも」

あそこに熱々のバカップルが、とシロエ君は声をひそめて。

シロエ 「会長はバカップルで手一杯だと思います。大丈夫ですよ」
マツカ 「ジョミーどころじゃなさそうですよね」
ジョミー「そ、そっか…。そうかもね!」
Aブルー「ん? ぼくたちがどうかしたのかい?」
シロエ 「いえ、節分を楽しんで頂きたいな、と」
Aブルー「それはもう! 御利益もたっぷり頂かなくっちゃ」

お賽銭とかの用意もバッチリ、とソルジャーは得意げでございます。
キャプテンに財布を持たせておりまして…。

Aブルー「何かと物入りだろうしね。ちゃんとお小遣いを貰ってきたよ」
ブルー 「そ、それって、まさか…」
Aブルー「決まってるだろう、ノルディだってば!」
ブルー 「君のハーレイはそれでいいわけ!?」
A船長 「私はブルーが幸せでしたら、それで幸せなのですよ」

なんと言っても夫婦ですし、とバカップルは朝からイチャイチャと。
節分はデートの口実だったりするのかも…?

2013/02/02 (Sat)

 

☆バカップルと出発


節分といえば節分寒波。
今年も厳しい冷え込みになり、雪が降りしきる中を七福神巡りに出発で。

Aブルー「いいねえ、雪を見るとノルディの別荘を思い出すよ」
A船長 「雪景色が素晴らしかったですからね。…あなたもですが」
Aブルー「讃美歌でウットリしちゃってさ…。それが良かったかな?」

流されるまま、されるまま…、とキャプテンの腕に縋り付くソルジャー。
いつぞやの別荘ライフの夜の主導権、キャプテンにあったようでして。

Aブルー「お前って情熱的なんだなぁ、と実感したよ」
A船長 「そ、そうですか? 改めて言われると照れますね…」
ブルー 「そこの二人! もう目の前がバス停だから!」

恥ずかしい会話はやめたまえ、と眉を吊り上げる生徒会長。
七福神巡りのお寺に行くにはバスに乗らねばなりません。

ブルー 「バス停に先客はいないけれどね、バスに乗ったら人の目が!」
Aブルー「いいじゃないか、別に減るものじゃなし」
A船長 「…私は気になってきたのですが…」
Aブルー「出発前からヘタレないでよ、声がダメなら態度と思念波!」

こうやって、とグイとキャプテンに抱き付き、熱いキス。
思念は流れてきませんでしたが、キャプテンもノリノリでございます。

ブルー 「…余計に酷くなった気がする…」
キース 「他人のふりをして通すしかないな」
ブルー 「バスの中はそれでいいけどさ…。そこから後が」
一同  「「「あー…」」」

バカップルを連れて行動するのか、と誰もが遠い目。
路線バスが到着しまして、乗り込めば。

Aブルー「んーと…。席はあるけど、詰めた方がいい?」
ブルー 「は?」
Aブルー「お年寄りも多いようだし、二人で一つにしておくよ」

それがいいよね、とソルジャーが座らせたのはキャプテンで。

Aブルー「よろしく、ハーレイ」
A船長 「ええ、ブルー…」

しっかり抱えていますから、とキャプテンはソルジャーを背後から。
キャプテンの膝に座って二人で一つの席ですか~!

2013/02/03 (Sun)

 

☆抱っこで二人掛け


路線バスに乗り、七福神巡りのお寺を目指すシャン学メンバー。
それに同行しているソルジャー、キャプテンの膝の上にストンと腰を…。

一同  「「「………」」」

体格のいいキャプテンにソルジャーが後ろから抱えられての二人掛け。
そんな座り方が可能なシートは最後尾にしか無いわけでして。

ブルー (た、他人のふり…。他人のふり…)
Aブルー「隣の席が空いてるよ? 座らないわけ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも抱っこがいいな!」

ねぇねぇブルー、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の瞳がキラキラ。
乗客の視線が生徒会長に集中しております。

ブルー 「ぶるぅ、他人様のお邪魔をしちゃいけないよ」
ぶるぅ 「えっ? ブルーとブルーはお友達でしょ?」

他人じゃないよ、と更なる一撃。
車内の人々、それこそ他人なのに生徒会長とバカップルに好奇の視線を。

ぶるぅ 「抱っこがいいよぅ、ハーレイのお隣、空いてるもん!」
A船長 「どうぞ、どうぞ。もう少し横に詰めましょうか?」

キャプテンが幅を取っているため、五人掛けシートの余りは三人分ほど。
抱っこで二人掛けが可能なスペースも一人分しか無さそうで。

Aブルー「右でも左でも早く座れば? 突っ立ってないで」
A船長 「他の皆さんも御遠慮なく。私たちは別に気にしませんから」
ぶるぅ 「ブルーってばぁ! 早く座ろうよぅ~!」

お膝に抱っこ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は生徒会長の服をグイグイ。
もはや他人のふりをしたって無理、無茶、無駄でございます。

ブルー 「うう…。分かったよ、ぶるぅ。座ろうか」
ぶるぅ 「わぁーい!!!」
Aブルー「ほらほら、ハーレイ、横に寄ってあげて」
ブルー 「ちょっと待った! その前に、配置」
Aブルー「配置?」
ブルー 「そう、座席には詰めて座るもの! 優先座席が空席でもね」

後から乗ってくる人のためにも最大限の空間を残すべき、と生徒会長。
それは確かにマナーですけど、配置というのはどういう意味…?

2013/02/04 (Mon)

 

☆バカップルとお隣


キャプテンの膝に座って最後尾のシートに陣取るソルジャー。
その隣に座る羽目に陥った生徒会長、配置がどうのとか言い出しまして。

ブルー 「ぶるぅは身体が小さいからねえ、右は余裕だと思うんだよ」
Aブルー「…右?」
A船長 「では、私とブルーは少し左に」
ブルー 「逆、逆! ごめん、言い方がマズかった」

ぼくから見て右の意味だったんだ、と生徒会長が指差したのは乗車口。
整理券を発行する機械がございます。

ブルー 「こっち側は前にシートが無いだろう?」
A船長 「ああ、なるほど…。あちらより余裕があるわけですね」

反対側は前に二人掛けのシートがあるため、抱っこ座りには向きません。
乗車口側なら機械があっても、子供は膝でゆったり出来ます。

ブルー 「だからさ、ぼくとぶるぅはこっちに」
A船長 「分かりました。入りやすいよう空けますので」
ブルー 「あ、まだ配置が決まってないから! そこの男子たち!」
男子一同「「「は?」」」
ブルー 「返事したね? これで一蓮托生だ」

もはや他人のふりは出来ない、と言われて顔面蒼白の男子たち。
他の乗客の目は今度は男子に注がれております。

ブルー 「まだ二人分余ってるんだよ、後ろのシートは。誰が座る?」
キース 「お、俺はバスの中では座らん主義だ!」
シロエ 「ぼくもです。公共の交通機関では座らないことにしています」

柔道部の指導方針ですから、と逃げを打ったシロエ君ですが。

ブルー 「ふうん? その割にいつも座ってるよねえ、路線バス」
ジョミー「去年の節分もみんなで座って行ったじゃない!」
サム  「そうだぜ、俺たちの仲で遠慮するなんて水臭えじゃねえか」
スウェナ「逃げるなんてカッコ悪いわよ? そこで座るのが男でしょ!」
マツカ 「あのぅ…。スウェナ、今のは失言ですよ」

せっかく蚊帳の外だったのに、とマツカ君。
乗客の皆さん、スウェナちゃんをもチラチラと…。
げに恐るべし一蓮托生、バカップルとの珍道中です~!

2013/02/05 (Tue)

 

☆バカップルと一緒


返事したばかりに身バレな男子と、声を掛けて身バレしたスウェナ。
他の乗客の視線が注がれる中、誰か二人がバカップルの隣でございます。

スウェナ「私はイヤよ、男同士で座ればいいじゃない!」
ブルー 「スウェナの意見は一理あるね。男だけの席に女性はちょっと」
キース 「紅一点という言葉もあるぞ? 別にかまわないと思うのだが」
シロエ 「ですよね、身体も細いですからシートに余裕が出来ますし」

ぼくたちは立って行きますから、とスウェナちゃんを促すシロエ君。
キース君もレディー・ファーストとばかりに通路を空けておりますが。

ブルー 「…決まったね。残り二つはキースとシロエだ」
キース 「なんでそうなる!」
シロエ 「スウェナ先輩に譲りましたよ、ぼくたちは!」
ブルー 「そういう態度が許せないんだよ、逃げたり女性を陥れたり!」

それでも男か、と一喝されて、柔道部な二人に白羽の矢がバスッと。
もはや逃げ場は何処にも無くて。

キース 「おい、シロエ。最初はグー!!!」
シロエ 「えっ?」

一方的にジャンケン宣言をしたキース君、グーを素早くチョキに変え…。

キース 「よし、俺の勝ちだな。シロエ、あいつらの隣はお前だ」
シロエ 「ひ、酷いですよ、キース先輩!」
Aブルー「決まったんだ? どうぞ、ぼくたちは気にしないから」
A船長 「どうぞどうぞ、幅を取らないよう努力しますので」
Aブルー「一番邪魔なのは腕とかだしねえ、こう、ギュッと!」

思いっ切り強く抱き締めて、と微笑むソルジャーに応じるキャプテン。
密着度アップなバカップルの両隣、もう座るしかありません。

ぶるぅ 「わぁーい、抱っこだぁ! 抱っこ、大好き!」
Aブルー「ぶるぅも好きかい? 膝ってホントに座り心地が最高だよね」
隣の面子(((……見たくない、見たくない……)))

目的地に着くまでバカップルの隣で市中引き回しの刑な面子と、外野と。
どちらにしてもバスの中では晒し者ですし、早めの到着を祈るしか…。

2013/02/06 (Wed)

 

☆どこまでも身バレ


お膝で抱っこなバカップルの知り合いとバレて、市中引き回しの処刑中。
もっと車内が混んでくれれば、と誰もが祈っておりますと…。

運転手 「順番に前の方へとお詰め下さーい」

とあるバス停からドヤドヤと乗り込んで来た男女の一団。
何かのグループらしいですけど、どう見ても御老人でございます。

キース 「あっ、どうぞこちらへお座り下さい」
シロエ 「ぼくも立ちます! バスが揺れると危ないですよ」

席を譲るという善意の裏にはバカップルとの決別を願う切なる思いが。
そんな下心がマズかったのか…。

老人A 「失礼な! ワシらはそこまで落ちておらんわ!」
キース 「えっ?」
老人B 「お気持ちは有難いんですが…。ワシら、こういう者でして」

指差す先には揃いのバッジ。
山とピッケルを組み合わせた粋なデザインの品で。

老人A 「山岳同好会のOBなんじゃぞ、今日は例会じゃ」
老人B 「月に一回、終点まで行って神社にお参りしております」
キース 「し、失礼しました…」

良いお参りを、と頭を下げるキース君。
終点の神社とは千メートル近い山の山頂、若者でもキツイ登山道です。

Aブルー「珍しいねえ、キースがドジって」
A船長 「本当ですね。内輪でドジならまだ分かりますが…」
老人B 「おや、お知り合いですか?」
Aブルー「うん、この辺はみんな友達なんだよ」
一同  (((や、やられた…)))

御老人の団体様にも一気に身バレ。
いたたまれない気持ちの面子を他所に、バカップルは密着しております。

老人A 「若いもんはええのう、お盛んで」
Aブルー「あっ、分かる?」
老人B 「それはもう…。今日はどちらまで?」
Aブルー「何処だったっけ…。七福神巡りなんだけど」
老人A 「あそこに子授けはあったかいのう?」
老人B 「どうでしたかねえ…。しかし何事もまずは信心からで」

火伏せの神社へは月参り、と頷き合っている老人たち。
何やらおかしな雲行きですけど、どうなりますやら…。

2013/02/07 (Thu)

 

☆御利益をあなたに


バスの終点に聳える山の山頂には火伏せの御利益で名高い神社。
そこへのお参りを兼ねた登山が例会だという御老人たち、お達者印で…。

老人A 「あそこが子授け神社じゃったら良かったのう…」
老人B 「袖触れ合うも多生の縁と言いますしねえ…」
一同  「「「???」」」

謎の会話に『?』マークが乱舞中。
と、御老人たちと同じバッジの女性が近付いて参りまして。

老人C 「子授けに夫婦和合かい? 七福神じゃあ範疇外だねえ」
老人A 「そうじゃろう? ワシらが代参してやろうにも別物じゃしな」
老人B 「火伏せではどうにもなりませんしね」
老人C 「だから私が来たんじゃないか。こないだお参りしたんだよ」

娘夫婦になかなか子供が授からなくて、と女性は溜息。
ウエストポーチに手を突っ込むと…。

老人C 「ほれ、手を出して」
A船長 「は?」
老人C 「アンタだよ、アンタ! これは御利益のある飴なんだ」

バラバラバラッとキャプテンの手に飴玉が。
個別包装の袋から透ける飴玉は開く前の松茸にも似た妙な形で。

老人C 「コレ食べてしっかり頑張るんだよ、夫婦円満!」
老人A 「ほうほう、子授け飴とは効きそうな…」
Aブルー「え、えっと…。ぼくは子供は要らないんだけど…」

間に合ってるし、とソルジャーが言うのは「ぶるぅ」の事でございます。
しかし御老人たち、ワハハと笑い出しまして。

老人C 「なに言ってんのさ、旦那がしっかりしなくちゃね」
老人A 「目指せ生涯現役じゃ! 人生、大いに潤わんとのう」
老人B 「バスの中でもくっつくほどの熱さと御縁を末永く、ですよ」
A船長 「そ、そうですね…。頑張ります」
Aブルー「そっか、そっちに効く飴なんだ?」
老人C 「そういう形をしてるだろ? もうビンビンのガンガンってね」

御神体もソレの形なんだよ、との台詞に登山仲間から口笛などが。
車内の空気は猥談もどきで更に痛々しいものに…。
シャン学メンバー、針の莚でございますよ~!

2013/02/08 (Fri)

 

☆ようやく到着


子授けと夫婦和合に御利益があるという有難い飴玉。
口にするのもはばかられる形ですけど、ソルジャーは感激しております。

Aブルー「これでビンビンのガンガンかぁ…。良かったね、ハーレイ」
A船長 「まだお参りもしない内から御利益を頂いてしまいましたね」
老人C 「なぁに、これも御縁というヤツさ」
老人B 「おや、次のバス停が七福神では?」
老人A 「そうじゃな、乗り過ごしては大変じゃ」

ピンポーン♪ と降車ボタンを押してくれる御老人。
間もなくバスは停車しまして、逃げるように降りるシャン学メンバー。

老人たち「「「良いお参りを―!!!」」」
Aブルー「ありがとう、飴は大事に食べさせるねー!」

プシューッとバスの扉が閉まってブロロロ…と走り去りましたが。
一緒に下車した人々の視線はバカップルを遠慮なくジロジロと。

一同  (((む、無駄だけど他人、他人のふり…)))
Aブルー「いい人たちに会えたよね。その飴、しまっておかなくちゃ」
A船長 「何処にです?」
Aブルー「ん? もちろん青の間の例の所に」

貸して、と飴を受け取ったソルジャー、空間移動をさせたようです。
一般人にそれと気付かれないよう、ポケットに入れるふりをして。

ぶるぅ 「あれっ、キャンディー、片付けちゃったの?」

ゆっくり見たいと思ってたのに、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は純真無垢。
変わった形の飴玉だけに興味があったみたいです。

ブルー 「シッ、ぶるぅ! あれはね、大人の飴なんだよ」
Aブルー「子供にはちょっと早過ぎるってね。そこのみんなも」

万年十八歳未満お断り、と指を差されたシャン学メンバー、ガックリと。

キース 「早過ぎるだなんてレベルじゃないぞ…」
シロエ 「お願いですから、巻き込まないで下さいよ!」
ブルー 「此処から先では慎んで欲しいね、やっと人目がなくなったし」

バスの乗客たちは先にお参りに出掛けた模様。
気を取り直して七福神巡りといきたいですけど、大丈夫かな…?

2013/02/09 (Sat)

 

☆福笹に願いを


バカップルに振り回されたバスからやっと逃れたシャン学メンバー。
乗客の姿も無くなり、平常心を取り戻した所で七福神巡りでございます。

ブルー 「さて、まずは福笹を頂かなくちゃ」
Aブルー「色々とつけて貰うんだよね? お参りをしてさ」

去年バッチリ覗き見したよ、とソルジャーは心得ている様子。
これなら安心、とジョミー君たちは列に並んで巫女さんの手から福笹を。

巫女さん「どうぞ良いお参りを」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ありがとう!」
キース 「あいつらは…、と。なんだ、最後に並んだのか」
ジョミー「そりゃそうじゃない? 初めてなんだし」
シロエ 「ジョミー先輩、坊主祈願はしないんですか?」
ジョミー「やらないよ! どっちかと言えば断る方だし!」

去年ウッカリやっちゃったから、と嘆いているのは坊主宣言。
お接待の甘酒で酔った末の苦い思い出です。

ジョミー「だからしっかり撤回しなくちゃ」
Aブルー「みんな、お待たせ! ジョミーのお願いはそれなんだね」
ジョミー「決まってるじゃない! 今年はガッツリ断るんだよ」
Aブルー「………。その割に書いてないようだけど?」
ジョミー「えっ、何を?」
Aブルー「お願い事だよ、コレに書き込むものだろう?」

ソルジャーが指差したのは福笹に結ばれた干支の絵馬。
今年の干支の蛇が可愛く描かれております。

Aブルー「初詣とかいうヤツに行ったら書いてるよね?」
ブルー 「あっちはお願い専用の絵馬で、これは単なる飾りだよ」

この干支の年にお参りしましたという印、と生徒会長は言いましたが。

Aブルー「えーーーっ? 飾りでも書けば効きそうだけどなぁ…」
ブルー 「それはまぁ…。まるで効かないってこともないかも」
Aブルー「だったら書いてもいいんだよね?」
ブルー 「好きにすれば?」
Aブルー「書く!」

筆ペンってヤツがあったよね、と瞬間移動で取り出すソルジャー。
生徒会長の家から拝借してきたみたいです。
はてさて、何を書くのやら…。

2013/02/10 (Sun)

 

☆願い事を絵馬に


福笹に最初からくっついている干支の絵馬。
祈願用ではないのですけど、ソルジャーは願い事を書きたいそうでして。

Aブルー「んーと…。あれってどういう字を書くのかな?」
ブルー 「は?」
Aブルー「飴をくれた人が言ってたヤツだよ、夫婦ナントカ…って」
ブルー 「夫婦円満なら丸いの円と満月の満!」

なんというモノを書いてくれるのだ、と誰もが頭を抱えましたが。

Aブルー「その漢字なら知ってるってば! それじゃなくって」
一同  (((ま、まさか…)))
Aブルー「ビンビンのガンガンな御利益のヤツを知りたいんだけど」

ズーン…と地面にめり込みそうな生徒会長とシャン学メンバー。
しかし知らないふりを通せば被害の拡大は確実で。

ブルー 「ふ、夫婦和合ね…。それなら、こう」

説明するのも嫌だったらしい生徒会長、取り出したメモにサラサラと。
覗き込んだソルジャー、大きく頷いてニッコリと。

Aブルー「いいねえ、夫婦仲良く合体なんだ? ズバリそのもの!」
ブルー 「ち、違うんじゃないかな、和気あいあいの意味かと…」
Aブルー「苦しい嘘はやめたまえ。君の頭の中には違う字がある」

難しすぎる漢字だけれど、とバッサリ切って捨てるソルジャー。
確かに和気あいあいを漢字で書くなら『和気藹々』ございます。

Aブルー「ふふ、仲良く合体って御利益ありそう! これは書かなきゃ」
一同  (((書かなくていい!!!)))

やめてくれ、という心の叫びも虚しくソルジャーの絵馬に躍る四文字。
おまけに相手はバカップルなだけに。

Aブルー「ハーレイ、お前も書くんだよ。はい、筆ペン」
A船長 「夫婦和合ですね。ブルー、末永くよろしくお願いします」
Aブルー「もちろんさ。これからも仲良く合体しようね」

もうビンビンのガンガンで、とバカップルの絵馬にはお揃いの文字。
可愛い蛇の絵柄も吹っ飛ぶ勢いで『夫婦和合』と黒々と…。
そんな絵馬つきの福笹を持っての七福神巡り、他の面子には前途多難…?

2013/02/11 (Mon)

 

☆意外な毘沙門天


夫婦和合と書き込んだ絵馬が自慢のバカップル。
しっかり腕を組みピタリと密着、空いた方の手に福笹でイチャイチャと。

Aブルー「ガッツリお願いして回らなくちゃね、七福神に」
A船長 「叶えて頂けると嬉しいですね」
ブルー 「言っておくけど、お願いするだけ無駄だから!」

七福神はそういう神様ではない、とビシッと指摘する生徒会長。

ブルー 「バスの人たちもそう言ってただろ、違うって!」
Aブルー「そりゃそうだけど…。でも、願い事はちゃんと書いたよ」
ブルー 「見せびらかさなくていいってば!」

恥ずかしいから隠しておけ、と言うだけ無駄というもので。
バカップルと絵馬の文字に行き交う人々が注目中。

一同  (((む、無駄だけど他人のふり…。他人のふり…)))
Aブルー「えっと、順番に回るんだよね?」
ブルー 「そうだよ、最初は毘沙門天。福を授けて下さる神様で…」

きちんとお参りするように、と生徒会長は先頭を切って柏手を。
シャン学メンバーとソルジャー夫妻もお賽銭を入れ、お参りしまして。

お坊さん「ようこそお参りでした」

こちらでお札を、と福笹に毘沙門天のお札を結んで頂けます。
ソルジャーも笹を差し出しましたが。

お坊さん「夫婦和合でらっしゃいますか。毘沙門天様は効きますよ」
Aブルー「えっ?」
お坊さん「夫婦和合も司っておられますから」
Aブルー「ハーレイ、ここは効くんだってさ。良かったね」
お坊さん「御主人も御一緒ですし、どうぞ御利益がありますように」

キャプテンの福笹にお札を結んだお坊さん。
左手首に巻いていた数珠を両手に持ち直し、ジャラジャラと繰って。

お坊さん「オン ベイシラ マンダヤ ソワカ!」
一同  「「「???」」」
お坊さん「お願いが叶いますよう、お祈りさせて頂きました」
Aブルー「嬉しいな、絵馬も書いておくものだね」
お坊さん「お願い事は神様に届きませんとね」

でないと叶えて頂けませんよ、と、お坊さん。
絵馬は効力アリですか!

2013/02/12 (Tue)

 

☆弁天様の御利益


毘沙門天の御利益に夫婦和合があるそうで。
お坊さんに祈願して貰ったソルジャー、御機嫌で絵馬を撫でております。

Aブルー「ほらね、書いてて正解だったし!」
A船長 「本当ですね。伝えることが大切なのですね」

他の神様にもお願いしましょう、とキャプテンもやる気満々ですが。

ブルー 「…無駄だと思うよ、次は弁天様だから」
Aブルー「え、今の所だって君は違うと言ったじゃないか」
ブルー 「ぼくだって知らなかったんだよ!」

毘沙門天は勝運に武芸だとばかり…、とブツブツ呟く生徒会長。
キース君も隣で頷いています。

Aブルー「だったら次の所も御利益あるかもしれないよ?」
ブルー 「それは無い! 今度こそ財運と技芸上達!」
Aブルー「技芸上達…? ハーレイ、今のを聞いたかい?」

これは頑張ってお祈りしないと、とキャプテンに思念でヒソヒソと。
キャプテンは急に頬を赤らめ、何故か密着度がグッと上昇。

一同  (((…???)))
Aブルー「行こうよ、まずはお賽銭から!」

此処はドカンと入れなくちゃ、とキャプテンに用意させたのは紙幣。
目をむくシャン学メンバーを他所に、ソルジャー夫妻は柏手を。
お坊さんは笹にお札を結んだだけでしたが…。

Aブルー「ふふ、効くといいねえ、弁天様」
ブルー 「お賽銭は無駄だったようだけど? 御祈祷無しだし」
Aブルー「別にいいんだ。夫婦和合は、今回、関係無いからね」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「お願いしたのは技芸上達! 夜のテクニックも大切だよ」
A船長 「ブルーをもっと満足させられますよう、お祈りしました」
一同  (((そっちかい!)))
Aブルー「四十八手はモノにしたいよねえ、やっぱりさ」
A船長 「私はヌカロクが基本になるよう、お願いを」
Aブルー「嬉しいな。毎晩、ビンビンのガンガンなんだね!」

テクニックもいいけど硬さと長持ち、とソルジャーは大喜びですが。
行き交う人々の視線がグサグサ、またしても晒し者ですよ~!

2013/02/13 (Wed)

 

☆福禄寿の御利益


弁天様は技芸上達と聞き、テクニック上達を祈願したというバカップル。
公衆の面前でヌカロクだのビンビンのガンガンだのと…。

Aブルー「で、次の所は何に効くわけ?」
ブルー 「福禄寿だから富貴に子孫繁栄、延命長寿」

夫婦和合は関係ないね、と流そうとした生徒会長ですが。

Aブルー「ちょっと待った! 子孫繁栄ってことは子授けだよね?」
ブルー 「…それも無いとは言わないけれど…」
Aブルー「だったらまずは夫婦円満、でもって合体しなくっちゃ!」
A船長 「でないと子供は授かりませんね」

SD体制の世界では有り得ませんが、と言うキャプテンにソルジャーは。

Aブルー「でも理屈ではそうだしね? それに子供はどうせ産めない」
A船長 「あなたも私も男ですしね。子孫繁栄は無理ですねえ…」
Aブルー「子供が要らない分、こっちに回して貰おうよ」
A船長 「ええ、ブルー…」

こっちと言うのは絵馬に書かれた夫婦和合でございます。
シャン学メンバー、頭痛をこらえて福禄寿にバカップルとお参りを。
福笹にお札を結ぶお坊さん、ソルジャー夫妻に満面の笑顔で。

お坊さん「ようこそお参りでした。子宝が授かりますように」
Aブルー「ありがとう! 二人で思い切り頑張るね」
A船長 「ありがとうございます。精一杯、励ませて頂きます」
一同  (((言わなくていい!!!)))

お参りの人々の視線がグサグサ、逃げるように出たシャン学メンバー。
これ以上は勘弁願いたい、と目をやった先に。

お坊さん「どうぞ、甘酒のお接待です!」

去年ジョミー君が酔っ払ってしまった甘酒お接待のテント再び。
この際、ここで仕切り直しだと生徒会長も思ったらしく。

ブルー 「一休みしようよ、寒いから」
ジョミー「え、えっと…。これ、酔っ払うヤツだよね?」
ブルー 「飲みすぎなければ大丈夫! 甘酒なんだし」
キース 「休んで行こうぜ、俺も疲れた」

小休止、と甘酒に並ぶシャン学メンバー。
立ち昇る湯気が嬉しいですね!

2013/02/14 (Thu)

 

☆甘酒と湯呑み


バカップルに振り回されての七福神巡り、甘酒のお接待テントで小休止。
順に並べばお坊さんたちが湯呑みに甘酒を注いでくれます。

お坊さん「はい、どうぞ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ありがとう!」
ブルー 「ありがとう、これは温まるよね」
お坊さん「それはもう! よろしかったらお代わりもどうぞ」
ジョミー「ぼ、ぼくはお代わりは要らない…かな…」
キース 「遠慮せずに貰っておいたらどうだ? ん?」

列の最後はバカップルですが、ソルジャーが何やらゴソゴソと。
キャプテンに持たせたバッグを探っておりまして…。

キース 「あいつらは何をやっているんだ?」
サム  「財布を探しているんじゃねえか? おい、無料だぜ、ここは」
Aブルー「うん、そのくらいは知ってるよ。えーっと…」
A船長 「ありましたか? いつもの場所にある筈ですが」
一同  「「「???」」」
Aブルー「あ、あった、あった! 甘酒、これにお願い出来るかな?」

マイ湯呑み、とソルジャーが出してきたのは夫婦茶碗でございます。
ソルジャーの分とキャプテンの分がお接待の机に仲良く鎮座。

お坊さん「か、かまいませんが…。それを御持参でお参りに?」
Aブルー「お願い事がお願い事だし、こういう姿勢も大切かなぁ、って」

ほらね、と福笹に結んだ絵馬を指差すソルジャー。
干支の蛇の隣に『夫婦和合』の文字が躍っております。

お坊さん「ああ、なるほど…。良い心がけでらっしゃいますね」
Aブルー「だからね、夫婦茶碗でお願いしたいな」
お坊さん「はいはい、どうぞ!」

夫婦茶碗にたっぷり甘酒。
御機嫌なソルジャー夫妻ですけど、夫婦茶碗を持参とは…。

ブルー 「それって、いつも持ってるわけ?」
Aブルー「まさか。お取り寄せだよ、空間移動で青の間からね」
一同  「「「………」」」

マジックショーかい、と呆れる面々。
夫婦茶碗で仲良く甘酒なバカップルの姿に、お坊さんたちも注目中。
囁き合いが気になりますけど、気のせいですよね?

2013/02/15 (Fri)




 

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☆下駄スケートの達人


下駄スケートが使われていた頃、綺麗どころと滑ったらしい生徒会長。
思い出話に耳を傾けてしまった男子一同、紐の結び方を見逃しまして…。

シロエ 「ど、どうしましょう…。もう思いっ切り手遅れですよね」
ジョミー「まだ脱ぐ時があるじゃない! そっちに期待するしかないよ」
マツカ 「ですね、今度こそ頑張りましょう」
サム  「それよりブルーの滑りだぜ! 綺麗だろうなぁ…」
ジョミー「なんか変なこと言ってるし…。下駄スケートだよ?」

所詮は下駄でスケートなのだ、とジョミー君は鼻で笑っておりますが。

ブルー 「ぶるぅ、曲を流してくれるかな?」
ぶるぅ 「オッケー!」

アドス和尚ご自慢のCDプレーヤーから大音響で流れる『かみほー♪』。
生徒会長、スイーッとリンクに滑り出すと。

ジョミー「わわっ!」
シロエ 「いきなりトリプルルッツですか!?」
サム  「だから言ったろ、ブルーならきっと凄いって!」
スウェナ「ぶるぅに出来る技が出来ないわけないと思うわよ?」
マツカ 「もっと凄いかもしれません。…分かりませんけど」
サム  「すげえ、すげえや、プロに負けてねえぜ!」

即興とも思えぬ滑りを披露してゆく生徒会長。
スピンにステップ、どれを取っても、もう完璧な仕上がりで。

ジョミー「サビでトリプルアクセルは基本みたいだね…」
シロエ 「ああいう大技は最初に持ってくると聞きましたけど」
マツカ 「全然気にしていないみたいですね、流石です」
サム  「どんなフィニッシュか楽しみだよな!」
スウェナ「そうね、ひょっとしたら幻のアレが出るかも」
男子一同「「「は?」」」
ぶるぅ 「わぁーい、成功ーっ!!!」

氷を蹴った生徒会長、華麗にジャンプ。
見事な回転を決めて滑り終え、優雅に一礼。

ブルー 「見てくれた? ぼくの四回転半」
スウェナ「きゃあっ、やっぱりクアドラプルね!」
男子一同「「「!!!」」」

クアドラプルといえば四回転。
四回転半とは、まさかのアクセル?

2013/01/16 (Wed)

 

☆ピンチな男子たち


お手本を終えた生徒会長、四回転半を見てくれたか、と申しております。
半回転がついてくるのはアクセルのみで、難易度は最高でございますが。

ジョミー「よ、四回転半って……アレってアクセル?」
ブルー 「前向きに踏み切るのはアクセルジャンプだけだけど?」
シロエ 「そ、それってまさか…」
サム  「すげえや、ブルー! あれが跳べるヤツ、いねえよな!」
マツカ 「その筈です。…今のところは」
スウェナ「オリンピックの選手以上よ、いいもの見せてもらったわ!」
ブルー 「どういたしまして。…じゃあ、君たちも頑張って」

はい、と下駄スケートを差し出す生徒会長。
いつの間にやらスニーカーに履き替えてしまったようで。

男子一同「「「あーーーっ!!!」」」
ブルー 「まだ何か?」
シロエ 「い、いえ…。なんでもないです…」

分からずじまいの紐の結び方。
もう適当に結ぶより他に道は無く。

サム  「とにかく最初はシロエがやれよ」
シロエ 「そ、そんな…。ジョミー先輩でいいじゃないですか!」
ジョミー「ぼくはスニーカーでも滑れるもんね、朝も石畳で滑ったし!」

練習、練習…とリンクに飛び出したジョミー君ですけど。

ジョミー「あれ?」
サム  「何やってんだよ、景気良く滑れよ!」
ジョミー「滑ってるってば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ジョミー、おっそーい!」

ツイーッと滑ってゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
生徒会長がクスクスと…。

ブルー 「スニーカーでは無理、無茶、無駄ってね」
ジョミー「スウェナと滑っていたじゃない! それに、ぶるぅも!」

子供靴だよ、と指差しているジョミー君。
スイスイ滑る小さな足には普通の靴が。

ブルー 「サイオンで調整してるのさ。君にはまだ無理」
ジョミー「それじゃ練習できないよ!」
シロエ 「そうです、靴が足りません!」

滑りに適したブレードつきの下駄スケートは一足だけ。
元老寺カップで競い合おうにも、練習不足で不戦敗ですか?

2013/01/17 (Thu)

 

☆跳ぶならアクセル


下駄スケートは紐の結び方が分からず、スニーカーでは滑りがイマイチ。
男子一同、いきなりピンチでございます。

ジョミー「滑れないんじゃ、元老寺カップなんて絶対無理だし!」
ブルー 「下駄スケートがあるじゃないか。一足あれば充分だろう?」
シロエ 「足りませんよ!」
ブルー 「練習時間が短いところが面白い。そう言った筈だけど?」
ジョミー「そうだけど…。でも…」
ブルー 「そもそもキースは練習時間が足りないんだよね」

初詣の真っ最中だから、と言われてみればそのとおり。
スニーカーでの滑りも何も、リンクに姿を見せないわけで。

サム  「仕方ねえか…。地道にやろうぜ」
マツカ 「コツコツやるのも大切ですよね」
ジョミー「えーっ! そこで納得しちゃうわけ?」

スニーカーでいくら練習したって、とリンクを蹴ったジョミー君ですが。

ジョミー「どわぁぁぁっ!?」
ぶるぅ 「すっごーい!」

ツルッと滑ったジョミー君。
素早く体勢を立て直したものの、氷はツルツルのようでして。

ジョミー「わっ、わっ、うわわわ…」
シロエ 「なんだか普通に滑ってますねえ…」
スウェナ「スピンとかにも見えないことはないわよね?」
サム  「滑れねえとか言ってなかったか?」
マツカ 「その筈ですけど…」
 
ツルンツルンと滑りまくっていたジョミー君、やっと戻って参りまして。
 
ジョミー「し、死ぬかと思った…」
ブルー 「どういたしまして。サイオンで調整した靴はどうだい?」
ジョミー「えっ?」
ブルー 「ブツブツ言うからやってあげたよ、全員分」
シロエ 「本当ですか!?」
ブルー 「リンク限定のスケート仕様! これなら文句は無いだろう?」
サム  「マジかよ、だったら頑張らなくちゃな!」
ブルー 「その代わり、メインは下駄スケートだよ?」

練習する以上はアクセルを跳べ、と生徒会長は申しております。
しかも基本はトリプルだそうで…。
ずぶの素人が挑戦するには、あまりにハードル高すぎませんか?

2013/01/18 (Fri)

 

☆トリプルが基本


スニーカーでも滑れるように調整した、と微笑んでいる生徒会長。
サイオンでの細工は有難いですが、アクセルを跳ぶよう言われてしまい。

ジョミー「あ、アクセルって…下駄スケートで!?」
ブルー 「当然じゃないか。元老寺カップは下駄スケートの競技会だ」
シロエ 「で、でも…。トリプルが基本っていうのは冗談ですよね?」
ブルー 「練習用の靴を貰った以上は頑張りを見せて欲しいけど?」
サム  「あー、頑張ればいいわけな? 跳べなくっても」
ブルー 「まあね。点数が低くなるのは御愛嬌かな」
ジョミー「あのさぁ、点数って誰が採点するわけ?」

気になってたんだ、とジョミー君。
他の男子もコクコク頷いておりますが。

ブルー 「任せて安心、審査員票!」
男子一同「「「は?」」」
ブルー 「分からないかな、アドス和尚とイライザさんだよ」
ジョミー「二人揃って素人じゃないか!」
ブルー 「だからこそ素直に評価が出来る。凄いと思えば高得点!」

派手にやりたまえ、と生徒会長は笑っております。

ブルー 「素人さんでもジャンプの高さや回転なんかは分かるからね」
シロエ 「でも見逃したら終わりですよ?」
ブルー 「その辺が勝負の醍醐味ってね。運も実力の内なんだ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 回転数はぼくが数えてあげてもいいよ!」

どんなに速くても分かるもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は自信満々。
そりゃそうでしょう、子供とはいえタイプ・ブルーなわけでして。

ブルー 「ぶるぅが数えてくれるってさ。これで文句は無いだろう?」
ジョミー「無理だよ、トリプルアクセルなんか!」
ブルー 「やりもしないでガタガタ言わない! さっさと練習!」
スウェナ「で、下駄スケートは誰が最初に練習するの?」
サム  「俺は一番最後でいいかな…」
ジョミー「ぼくも一番最後でいいよ」

俺だ、お前だ、と始まっている下駄スケートの押し付け合い。
そんなことより、トリプルアクセルを跳ぶ練習を始めた方がいいのでは?

2013/01/19 (Sat)

 

☆差し入れで休憩


下駄スケートを履く順番を押し付け合っている男子一同。
練習時間がどんどん減ってゆくのですけど、誰も気付かないようでして。

イライザ「はい、皆さんに差し入れですよ。…あら?」
キース 「誰も練習してないようだな」

おふくろの愛が無駄になったか、と大鍋を抱えた法衣姿のキース君。
イライザさんはお椀を載せたお盆を手にしておりますが…。

ブルー 「嬉しいな。何を持ってきてくれたんだい?」
イライザ「おぜんざいですわ。甘いものは疲れが取れますでしょ?」
キース 「それに身体も暖まる。…だが、どうやら必要なさそうだな」
ブルー 「まあねえ、別の意味で熱くなっちゃってるから」
キース 「あいつらは何をやっているんだ?」
ブルー 「下駄スケートの押し付け合いさ。履き方が分からないらしい」
イライザ「あらあら…。それは大変ですわね」

少し休憩なさっては、とイライザさんはテントの中のテーブルへ。
キース君はカセットコンロも持参で、セットされた大鍋がグツグツと。

ブルー 「そこで揉めてる男子たち! 差し入れが来たよ!」
ジョミー「えっ、ホント!?」
イライザ「おぜんざいで暖まって下さいね」

順番ですよ、と言われるまでもなく並んで受け取る男子たち。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」も生徒会長も、キース君も熱々のおぜんざいを。

イライザ「練習は進んでないようですわね」
男子一同「「「…は、はい…」」」
キース 「初詣の檀家さんが一段落したから抜けてきたんだが…」
ブルー 「練習に参加するのかい?」
キース 「そのつもりだ。この様子では俺にも勝機があるのか?」
ブルー 「どうだろう? 特製スニーカーは君には無理だし…」
キース 「は?」
ブルー 「みんなの靴には滑れる細工をしたんだよ。サイオンでさ」
キース 「なるほどな…。草履では細工が出来ない、と」

仕方ないか、と呟くキース君の足元は法衣に合わせて普通の草履。
せっかく練習にやって来たのに、履物のせいで不利な状況ですかねえ…?

2013/01/20 (Sun)

 

☆下駄と草履と


おぜんざいを差し入れに来たイライザさんと一緒に現れたキース君。
初詣を抜けて練習をという心づもりでしたが、履物は草履でございます。

キース 「草履で練習は出来んと言うなら、待つしかないな」
ジョミー「下駄スケートなら一番に貸してあげるけど?」
シロエ 「いいですね、それ! まずキース先輩に滑って貰いましょう」
キース 「…俺に押し付けようというのか?」
サム  「いいじゃねえかよ、下駄も草履も似たようなモンだぜ」
キース 「そこの所は認めよう。しかしだな…」

俺も下駄スケートは初めてなんだ、とキース君は溜息をついております。

キース 「どうやって履くのか分からないのは俺にしたって同じだぞ」
ブルー 「だろうね、分かるわけがない。だけど草履は応用が利くよ?」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「下駄も草履も、どっちも鼻緒だ。草履でいけたら下駄もOK」
キース 「細工が出来ないとか言わなかったか?」
ブルー 「特製スニーカーは無理だよね、と言っただけだよ」

草履でもサイオンで細工は可能、とニッコリ微笑む生徒会長。

ブルー 「ただし、草履は脱げやすい。それなりの技術が必要なわけ」
キース 「技術だと?」
ブルー 「元老寺カップの基本はトリプルアクセル! 草履も吹っ飛ぶ」
キース 「そ、それは確かに…。いや、ちょっと待て!」

素人にそんなジャンプが出来るか、とキース君は食ってかかりましたが。

ブルー 「サイオンを使えば楽勝さ。ぼくは四回転半を跳んだし」
キース 「四回転半!?」
スウェナ「凄いクアドラプルだったわよ? トリプルに挑戦しなさいよ」
キース 「し、しかし…。ジャンプを跳んだら確実に草履が…」
イライザ「下駄スケートと同じ要領で足に結べばいいでしょう?」
男子一同「「「えっ?」」」
イライザ「私も若い頃にやりましたの。クリームちゃんのお誘いで」

クリームちゃんとはアドス和尚の若き日の渾名。
下駄スケートの正しい履き方、救いの神の登場ですか?

2013/01/21 (Mon)

 

☆思わぬ助っ人


下駄スケートの経験アリだったイライザさん。
アドス和尚と滑っていたとあって、紐の結び方も覚えているとの話です。

シロエ 「それ、ぼくたちに教えて下さい! お願いします!」
ブルー 「君たちには何度もチャンスをあげただろう? 何を今更」
イライザ「そうでしたの? それじゃ教えちゃいけませんわね」
ジョミー「えーーーっ!!! 酷いよ、それ!」
キース 「おふくろ、俺は習っていないんだが…」
イライザ「あらあら…。じゃあ、どうしたらいいのかしら?」
ブルー 「仕方ないねえ、最後のチャンスはキースの草履で」
男子一同「「「は?」」」
ブルー 「キースも練習しないとダメだし、こっちの紐で草履を…ね」

予備のヤツなんだ、と生徒会長は紐を取り出しまして。

ブルー 「キースの草履の固定を頼むよ。ブレードは無いけど」
イライザ「紐が裏側まで回りますわよ? 滑れますの?」
ブルー 「そこはサイオンで調整出来るさ。ひとつよろしく」
イライザ「いいですわ。…キース、右足をお出しなさいな」
キース 「あ、ああ…」

椅子に座っていたキース君が右足を出すと、イライザさんは手際よく。

イライザ「こう、こう、こう…。で、最後の結びがこうなりますの」
シロエ 「えっ? イマイチ分からなかったんですが…」
ブルー 「まだ左足があるだろう? 紐の端の処理も見ておきたまえ」
イライザ「途中で解けると大変ですから、ここにこうして」
サム  「あー…。そこは何となく分かる気がするぜ」
イライザ「それでは左足を始めますわね。簡単ですのよ」

チョチョイのチョイ、と紐を絡めて結んで、端の処理。
どの辺がどう簡単なのだ、と男子一同、泣きの涙でございますが。

ブルー 「これで教えは完璧ってね。いいかい、基本はトリプルだよ」
イライザ「皆さん、頑張って練習して下さいね」

元老寺カップが楽しみですわ、とイライザさんは去ってゆきました。
試合開始は初詣が終わる午後三時。それまでにトリプルアクセルですか?

2013/01/22 (Tue)

 

☆追い越す後発


キース君、イライザさんの技で下駄スケートならぬ草履スケートを入手。
まだ揉めている他の男子を残して雪のリンクに颯爽と。

キース 「おい、本当に基本はトリプルなんだな?」
ブルー 「もちろんさ。跳べなくっても御愛嬌だけど」
キース 「俺はそういう逃げは嫌いだ。で、どうやれば跳べるんだ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくが見本を見せてあげるね!」

下駄でも草履でもないけれど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
子供靴でスイーッと滑ってクルクルクル。

キース 「なるほど、踏み切りと高さが命か…」

やってみよう、と草履で挑んだキース君。
法衣の裾を乱しながらも、辛うじて一回転半を決めまして。

ブルー 「うん、なかなか筋がいいと思うよ。その調子!」
ぶるぅ 「今度はぼくと一緒に跳ぼうよ♪」

CDプレーヤーから『かみほー♪』が流れ、キース君の練習は順調に。
ダブルアクセルをモノにするのも時間の問題みたいです。

ジョミー「ずるいよ、なんでキースだけ!」
ブルー 「君たちもやればいいだろう? スニーカーでさ」
シロエ 「それはそうなんですけれど…」
サム  「本番で下駄スケートが飛んで行ったら失格だよな?」
ブルー 「まあね」
マツカ 「ですから練習しておかないと…。下駄スケートを」
ブルー 「その前に練習ありきだと思うけどねえ…」

好きにすれば、と溜息をつく生徒会長。
そこへアドス和尚とイライザさんが現れて…。

イライザ「皆さん、お昼御飯ですよ。あら、キースは一人で練習を?」
アドス 「出遅れた分、技術が劣っておりますかな?」
ブルー 「劣ってるのは他の連中! 一度も練習していないんだよ」
アドス 「なんと、元日からサボリとは…」

それは感心しませんな、とギロリと睨まれた男子一同、震え上がって。

ジョミー「ち、違うってば、ぼくたち、履き方が分からなくって!」
イライザ「そこで止まったままですの?」

呆れましたわ、とイライザさん。
男子一同、ピンチですか?

2013/01/23 (Wed)

 

☆見えてきた光


昼食の用意が出来た、とリンクにやって来たアドス和尚とイライザさん。
誰も練習していないと聞き、睨み付けるやら呆れるやらで。

アドス 「一年の計は元旦にありと申しましてな」
イライザ「皆さん、今年はサボリが目標ですの?」
シロエ 「違います! ぼくたち、決してそんなつもりじゃ…!」
アドス 「はて、そのようにしか見えませんがのう…」
ジョミー「違うんだってば、ホントに困っているんだよ!」

下駄スケート、と口々に叫ぶ男子一同。
しかしアドス和尚とイライザさんは庫裏に戻って行きまして…。

キース 「おい、昼飯だと言っていたぞ? 行かないのか?」
ジョミー「なんか睨まれちゃったしさ…。行きにくいよね」
サム  「だよなぁ、俺たち、練習出来る見込みもねえし…」
マツカ 「キースは草履で滑れますからいいですけどね」
スウェナ「それなんだけど…。キースの草履を写真に撮ったら?」
男子一同「「「は?」」」
スウェナ「時間をかけて脱いで貰って、過程を写真で記録するのよ」

それを逆回しに再現すれば履ける筈、というのがスウェナのアイデア。
まさに天啓でございます。

シロエ 「言われてみれば…。機械の分解とかでも使う手ですね」
サム  「なんで今まで気付かねえんだよ!」
シロエ 「すみません、下駄と機械じゃ違いすぎて…」
ジョミー「とにかく撮ろうよ、キースも協力してくれるよね?」
キース 「ああ。正月早々、見捨てるわけにはいかないからな」
男子一同「「「やったー!!!」」」

草履を縛った紐を解くキース君の手元をスマホや携帯で撮影会。
男子一同、もうホクホクで。

ジョミー「これで午後の部はバッチリだよね!」
サム  「おう、トリプルアクセル頑張ろうぜ!」
ブルー 「やれやれ…。とりあえず靴と草履のサイオンは解除、と」
ぶるぅ 「そのまま行ったら滑るもんね!」

石畳が凍ってツルツルだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
庫裏までの道も練習しながら往復するのが吉なのでは?

2013/01/24 (Thu)

 

☆法衣でアクセル


正月早々、大雪が積もった元老寺。
お昼になっても融ける気配は全くなくて、石畳もツルツルでございます。

ぶるぅ 「わぁーい、ツルツル―!」
サム  「元気だよなぁ、子供ってヤツは」

クルンクルンとジャンプにスピン、「そるじゃぁ・ぶるぅ」は御機嫌で。

ぶるぅ 「子供は風の子、元気な子だもん! お昼も食べたし!」
ブルー 「美味しかったよねえ、イライザさんの特製オムライス」
ジョミー「うんうん、卵もフワフワでさ!」
キース 「昼飯を食ったからにはキッチリ練習するんだろうな?」
ジョミー「もちろんさ! 紐の結び方も掴んだし!」

みんなで写真を撮ったんだから、とジョミー君。
リンクに戻った男子一同、ワクワクしながら下駄スケートを持ち出して。

シロエ 「最初はキース先輩ですよね、敬意を表して」
キース 「なんでそうなる?」
ジョミー「草履のお蔭で紐の結び方が分かったんだよ?」
サム  「それに草履で練習してたし、最初に行けよ」
キース 「お前たちの練習時間が減りそうだが?」
マツカ 「ちゃんと時間は計ってますから大丈夫ですよ」
キース 「そうなのか? では遠慮なくやらせて貰うぞ」

椅子に腰掛け、草履を脱いで下駄スケートを。
手際良く紐で足に固定し、キュッと結ぶとリンクに向かってスタスタと。

ジョミー「分かってしまうと簡単だったね」
シロエ 「ええ。キース先輩の滑りはどうでしょう?」
ブルー 「君たちと違って練習してたし、上手いだろうね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも一緒に滑ってこようっと!」

音楽スタート! とCDプレーヤーから流れる『かみほー♪』。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」と法衣のキース君、実に見事な滑りっぷり。

ブルー 「へえ、ダブルアクセルをモノにしたのか…」
ジョミー「でもさあ、法衣でキメると笑えるよねえ」

衣の裾から足が覗くし、と笑い転げる男子たち。
防寒用の股引なんかも見えてますけど…。
笑うより前に、自分の技術を磨いた方がいいのでは?

2013/01/25 (Fri)

 

☆意外な落とし穴


『かみほー♪』が三回流れる間、練習していたキース君。
見る間に腕を上げ、トリプルアクセルに手が届きそうなフィニッシュで。

ブルー 「頑張った甲斐があったね、キース。続きは草履で」
キース 「よろしく頼む。俺はサイオンが使えないしな」
ブルー 「やっぱりアレもサイオン抜きかい、アクセルも?」
キース 「ああ。畑違いでもやればなんとかなるものだな」

意地でも跳ぶ、とキース君は燃えております。
下駄スケートは次の挑戦者に譲られまして。

ジョミー「じゃあ、行ってくるね!」
サム  「おう、キースに負けずにキメてくれよー!」

颯爽とリンクに飛び出して行ったジョミー君ですが…。

ジョミー「あれっ? えっ、えっ、えぇっ!?」
キース 「へっぴり腰で何をやってる? アクセルは思い切ってだな…」

こうだ、と氷を蹴って宙に舞い上がるキース君。
クルクルクルとついにキメました、三回転半!

男子一同「「「おぉっ!?」」」
キース 「やっと跳べたか…。今の調子を維持しないとな」
ジョミー「ま、待ってよ、今のにコツとかは!?」
キース 「ん? 踏み切って回るだけだが」

頑張ってくれ、とキース君は草履で練習続行。
ジョミー君の方は下駄スケートで滑るのだけが精一杯で。

ジョミー「ダメだよ、アクセルどころじゃないよ!」
シロエ 「履き方をマスターしたってダメなんですか?」
ブルー 「何を今更…。履くだけで跳べたらプロは要らない」
男子一同「「「そ、そんなぁ…」」」
ブルー 「時間一杯、努力あるのみ! スニーカーでも!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 見本ならいくらでも跳ぶよ!」

トリプルアクセル、トリプルルッツ…と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
キース君も法衣をはためかせつつスイスイと。

サム  「とにかくやるしかねえってことだな…」
シロエ 「手遅れって気もしますけれどね…」

下駄スケートは魔法の靴ではございません。
元老寺カップの開催までにトリプルアクセルを跳べますかねえ?

2013/01/26 (Sat)

 

☆跳べない男子たち


下駄スケートの履き方で悩む間に勘違いをしていた男子一同。
履くだけでトリプルアクセルが跳べる魔法の靴だ、と思い込んだようで。

シロエ 「履けたら跳べるって気がしてましたよね…」
マツカ 「冷静に考えてみたら、それじゃ話が旨すぎますよね」
サム  「どーすんだよ、俺たち、全く跳べねえんだぜ!?」
ジョミー「だから目一杯、頑張るしか…! うわわわ…」

やっぱり無理、とドシャアッと転んだジョミー君。
下駄スケートでの二度目の練習、転びまくりでバトンタッチ。

サム  「あーあ、シロエも転んでやがるぜ…。俺も無理だよな」
ジョミー「もうさ、キースが優勝でいいじゃない!」
マツカ 「トリプルをモノにしていますしね…」
スウェナ「あら、優勝は会長でしょ? 四回転半が跳べるのよ」
ジョミー「そ、そうだっけ…。それじゃキースは頑張り損?」

ひたすら努力の人だけど、と指差す先ではキース君がスピンの練習中。
法衣を乱さず美しく、と片足を軸に上体を反らして回るレイバック。

シロエ 「サム先輩、次どうぞ!」
サム  「お、おう! とにかく練習してくるぜ」

無駄っぽいけどな、と氷を蹴るなり派手に転倒。
その向こうではキース君がトリプルルッツを決めております。

ジョミー「キース、あんなに上手いけどさぁ…。負けるんだよね…」
シロエ 「仕方ないですよ、会長には誰も勝てませんってば」
ブルー 「ぼくは出場しないけど?」
一同  「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「技術が違いすぎるだろ? 模範演技しかやらないよ」
男子一同「「「そ、そんな…」」」

愕然とする男子一同。
生徒会長が出場しないとなれば、後は練習量の差で。

ジョミー「や、やばい…」
シロエ 「やる気なし認定が出ちゃいますよ!」
アドス 「皆さん、仕上がりは如何ですかな?」

間もなくですぞ、とアドス和尚とイライザさんの登場でございます。
下駄スケート元老寺カップ、いよいよ開幕。
跳べない男子たちの運命や如何に…?

2013/01/27 (Sun)

 

☆下駄スケートで跳べ


課題とされたトリプル・アクセル、キース君以外は跳べないのですが…。
容赦なく元老寺カップの開幕時間でございます。

ブルー 「それじゃ、元老寺カップ開幕! ぼくが最初に模範演技を」
アドス 「銀青様はエントリーなさらないので?」
ブルー 「ダントツで優勝に決まってるしね。サイオンも使うし」
キース 「四回転半が跳べるそうだぞ」
イライザ「あらあら、それは楽しみですわ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 音楽、スタート!」

リンクに響き渡る『かみほー♪』。
下駄スケートを履いた生徒会長、それは優雅に滑っております。

アドス 「流石は銀青様ですな。実に完璧でいらっしゃる」
イライザ「今のがトリプルアクセルですわね? …多分」
ぶるぅ 「うん! 回転数はぼくが数えてあげるよ」

録画とかが無いもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
生徒会長はジャンプにスピンと披露しまくり、やはりフィニッシュは。

全員  「「「おぉぉっ!!!」」」
ぶるぅ 「四回転半~!」
ブルー 「はい、おしまい。みんなもトリプル、頑張ってよ?」
男子たち「「「…は、はい…」」」
アドス 「おや、皆さん、元気が無いですな。キースはともかく」
ジョミー「あ、あのぅ…。跳べなかったらどうなっちゃうわけ?」
アドス 「失敗は仕方ないでしょう。誰にでもミスはあるものですぞ」
シロエ 「よ、良かったぁ…。頑張ります!」
イライザ「落ち着いて演技して下さいね」
ブルー 「採点はアドス和尚とイライザさんに任せるよ」

素人さんだし適当でいい、と生徒会長は申しております。

ブルー 「凄いと思えば高得点! 百点満点のテスト気分で」
アドス 「承知しました。…跳べなかったら0点ですかな?」
ブルー 「宿題が出来てないのと同じだからね。…そんな感じで」
男子たち「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「大丈夫。一回転でも出来ているなら点数はつくよ」

問題ない、と笑顔で言われましても。
一回転すらも跳べない状態なのですが…?

2013/01/28 (Mon)

 

☆下駄でも頑張れ


退路を断たれた男子一同、逃げ場は何処にもございません。
出場の順番をクジ引きで決められてしまい、もはや滑るしかないわけで。

マツカ 「い、行ってきます…」
サム  「頑張れよなー!」

おずおずと出掛けたマツカ君ですが、そこは流石の御曹司。
下駄スケートでも優雅な滑りにワルツなどの心得が生きております。

アドス 「ふうむ、なかなか…」
イライザ「ああっ、残念! ジャンプに失敗しましたわ!」
アドス 「それでも乱れなく滑っているのが素晴らしいわい」

落ち着いた良い演技だった、と出てきた数字は60点。
お次はシロエ君でございます。

キース 「おい、そんな結び方で大丈夫か?」
シロエ 「大丈夫です、問題ありません」

少し緩めがいいんです、と滑り始めたシロエ君。
『かみほー♪』のサビに差し掛かるなり、氷を蹴って跳びましたが。

アドス 「惜しい! 高さが足りませんでしたかな」
イライザ「それよりも紐が!」
アドス 「いかん、解けてきておるわい!」

ストップ、ストップ! と声が掛かってシロエ君は棄権ということに。
紐さえ無ければ次のジャンプは成功したかも、と40点。

サム  「も、もう俺かよ…。緊張するぜ」
アドス 「なあに、深呼吸すれば落ち着きますぞ」

御武運を、と言われたサム君ですけど、踏み切りに失敗いたしまして。
バランスを崩し、顔でリンクをズザザザザーッ! と。

アドス 「な、なんと…。あれは痛そうですなあ」
イライザ「でも頑張って滑っていますわ、棄権もせずに」

これは御褒美をあげないと、と50点がつきました。
続いてリンクに出たジョミー君、もう真っ青で。

ジョミー(や、やばい…。なんとか点を貰うには…。そうだ!)
アドス 「むむぅっ、いきなり転ぶとは…」
イライザ「右足が攣ったようですわね」
アドス 「あれで跳ぶのは無理じゃろう。滑るだけでも精一杯じゃて」

よく最後まで頑張った、とシロエ君と並んで40点ゲット。
残るはキース君ですよ~!

2013/01/29 (Tue)

 

☆高得点のツケ


元老寺カップ、いよいよ最後の出場者。
キース君の登場ですけど、法衣だけに下駄スケートが似合っております。

ブルー 「うん、やっぱり下駄には着物だよねえ」
キース 「その辺りから今の事態が引き起こされたと思うがな」

行ってくる、と滑り始めたキース君。
『かみほー♪』のサビに合わせて決めてきました、トリプルアクセル!

男子一同「「「わぁっ!」」」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今のが三回転半!」
ブルー 「見事に課題をクリアってね」

この後は、と皆が注目する中、スピンも交えた見事な滑り。
法衣の裾が乱れるのは御愛嬌として、最後までミス無しでございます。

アドス 「うーむ…」
ブルー 「どうしたんだい? 点数が出ないようだけど?」
イライザ「身内を贔屓するのはマズイでしょう?」
ブルー 「事実なんだし問題ないだろ?」

マズイと思うならぼくの演技を百点として採点すれば、と生徒会長。
アドス和尚とイライザさんは暫し悩んだ末、70点を。

サム  「すげえな、キース! 優勝だぜ!」
キース 「俺は地道にやっただけだが…」
アドス 「ほれ、トロフィーじゃ」

身内に授与しても有難味が無いが、とアドス和尚が愚痴った所で。

ブルー 「優勝はともかく、不正な得点が気になるね」
アドス 「は?」
イライザ「70点は高すぎましたかしら?」
ブルー 「そうじゃなくって…。本来なら0点が二人いるんだよ」
アドス 「なんですと!?」

誰のことですかな、と、皆を見回すアドス和尚。
縮み上がる男子たちを他所に、生徒会長は容赦なく…。

ブルー 「紐が解けるように緩めにしたね? シロエ」
シロエ 「い、いえ、ぼくは…!」
ブルー 「ジョミー、足なんか攣っていないだろう?」
ジョミー「嘘じゃないってば、ホントに凄く痛かったんだよ!」
アドス 「な、なんと…」

最低ですな、と眉を吊り上げるアドス和尚と、顔面蒼白の男子二人と。
嘘をついたのは態度でバレバレ、姑息な手段を使ったばかりに大ピンチ?

2013/01/30 (Wed)

 

☆後始末は二人で


紐が解けるよう細工したシロエ君と、足が攣ったふりをしたジョミー君。
生徒会長の指摘にアドス和尚はカンカンで。

アドス 「練習不足もさることながら、誤魔化しは実に許し難いですな」
イライザ「お二人は0点でよろしいわね?」
ジョミー「…は、はい…」
シロエ 「反省してます…」
ブルー 「口ではなんとでも言えるものだよ、ここは態度で」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「二人でテントとかを片付けるんだね、それにリンクも」

サイオンで雪を固めたリンク、放置しておくと三日間ほど融けないとか。
宿坊の営業開始に間に合うように氷を割って処分と言われても…。

ジョミー「シロエと二人で割って運ぶわけ、これ全部?」
ブルー 「うん、裏山の空地まで。途中の溝に捨てないように!」
シロエ 「あ、あのう、メチャクチャ硬そうですけど…」
ブルー 「アスファルトまで割らないように丁寧にね? 後はよろしく」

ぼくたちは優勝祝賀会だ、と生徒会長。
中華に洋風と各種おせちに寄せ鍋なんかもあるそうです。

アドス 「お正月ですしな、ひとつ豪華に」
イライザ「伊勢エビがたっぷり入りますわよ、味噌仕立てですの」
ぶるぅ 「わーい、美味しそう!」
サム  「温まりそうな鍋だよな! んじゃ、お先に!」

下駄スケートを提げたアドス和尚を先頭に庫裏へと引き揚げる面々。
ジョミー君とシロエ君はリンクに取り残されまして。

シロエ 「端の方から割りましょうか…」
ジョミー「バールと金槌じゃ、徹夜でも終わらない気がするよ…」

おまけに雪まで降ってきたし、と二人で嘆きつつコンコン、コツコツ。
裏山の空地に第一弾を運び出すのもいつになるやら分かりません。

アドス 「それでは皆さん、元老寺カップの開催を祝して!」
一同  「「「かんぱーい!!!」」」

いっただっきまーす、と響く歓声。
トロフィーを飾って豪華寄せ鍋、正直者は報われるようでございます。
一年の計は元旦にあり。今年もいい年になりますように~!

2013/01/31 (Thu)



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☆新年おめでとう


新年あけましておめでとうございます。
元老寺で除夜の鐘を撞いたシャン学メンバー、元旦に備えて昨夜は早寝。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう! 起床、起床ーっ!」
ジョミー「うへぇ…。お寺の朝ってホント、早いよ」
サム  「毎年の事だろ、早くしないと初日の出に間に合わねえぜ」

各部屋から起き出した面々ですが、なんと窓の外は。

シロエ 「大雪ですよ…」
マツカ 「どおりで寒いと思いました」
スウェナ「30センチはありそうね」
ブルー 「やあ、おはよう。キースが根性で掃除してたよ、山門までね」

初日の出を拝むのは山門から。
キース君、真っ暗な内に起き出して雪かきをしていたそうでございます。
綺麗になった石畳を踏み、皆で山門へ出掛けまして。

アドス 「さあ、初日の出ですぞ」
イライザ「二礼二拍手一礼ですよ、間違えないで下さいね」
キース 「今年は特にペナルティーは無い。良心に任せることになった」
ジョミー「…そっちの方がプレッシャーだよ…」

とは言うものの、昨年で懲りたジョミー君はキッチリ練習したらしく。
揃って二礼二拍手一礼、良いお参りが出来ました。

アドス 「今年は幸先がいいですな。では、庫裏の方へ」
ぶるぅ 「わぁーい、おせちとお雑煮だぁ!」

来た道を戻る面々ですけど、大雪に加えて正月寒波。
踏んで来た石畳、ガッツリ凍って鈍い光が。

アドス 「ふうむ、少々滑りますぞ。お気を付けて」
キース 「どこぞの馬鹿が初滑りかもな」
ブルー 「うんうん、滑りそうな予感がするね」
ぶるぅ 「うわぁ、ツルツル!」

ツイーッと滑る「そるじゃぁ・ぶるぅ」の真後ろで。

ジョミー「どわぁぁぁっ!」

思い切り足を滑らせたジョミー君。
このまま転べば馬鹿は確定、必死に体勢を立て直し…。

サム  「つまんねえなあ、転んでおけよ」
ジョミー「やだよ、運気が落ちそうだし!」

正月早々、滑る、転ぶを披露しなくて一安心。
今年もいい年になりますように~!

2013/01/01 (Tue)

 

☆おせちで歓談


お正月から大雪になった元老寺。
庭に降り積もる雪を眺めつつ、まずは御屠蘇で御挨拶からでございます。

アドス 「では、改めまして…。あけましておめでとうございます」
全員  「「「おめでとうございまーす!」」」
イライザ「さあさあ、皆さん、御屠蘇をどうぞ」
ジョミー「え、えっと…。これってやっぱりお酒だよね?」
アドス 「わははは、去年を思い出されましたか。なに、大丈夫ですぞ」
イライザ「去年も御屠蘇では酔っておられませんでしたでしょ?」
ブルー 「縁起物だよ、頂きたまえ」
ジョミー「じゃ、じゃあ…少しだけ…」
アドス 「酔っ払いたいと仰るのでしたら、後ほど酒宴を」
ジョミー「遠慮します!」
キース 「つまらんな…。今年も期待しているんだが」
サム  「そうだぜ、パァーッと派手に一発、叫んでしまえよ」
ジョミー「嫌だってば!」

坊主宣言は二度と御免だ、とジョミー君。
御屠蘇の後はお雑煮とおせち。お煮しめなどの伝統おせちがたっぷりと。

キース 「ジョミー、今年は何も文句を言わんのか?」
ブルー 「去年でしっかり懲りたんだろう」
ジョミー「ぼくだって学習能力はあるし!」
シロエ 「伝統おせちに文句をつけたのが不幸の始まりでしたしね…」
スウェナ「今年は上手に回避しそうね、さっきも滑って転ばなかったし」
マツカ 「反射神経が凄いですよね、驚きました」
ブルー 「ダテにサッカーはやってない…かな?」
アドス 「いやあ、なかなかお見事でした。若い頃を思い出しますな」
ブルー 「サッカーをやっていたのかい?」
アドス 「いえいえ、スケートの方でして」
全員  「「「スケート!?」」」

似合わねえ、との声も上がる中、キース君も首を傾げております。

キース 「親父がスケートとは初耳だが…」
アドス 「わしの親父が好きだったんじゃ。昔はもっと寒くてのう…」

池が凍ると滑ったもんじゃ、とアドス和尚。
婿養子に来る前のことらしいですが、スケートとはまたアクティブな…。

2013/01/02 (Wed)

 

☆坊主とスケート


おせちを食べつつ歓談中のシャン学メンバー。
アドス和尚が若かりし日にスケートと聞き、誰もが仰天しておりますが。

キース 「…俺はスケートに連れて行って貰った覚えはないぞ」
イライザ「行ってませんよ。あなたは冬も柔道でしょう?」
アドス 「連れてやっても良かったんじゃが、寺の子じゃしのう…」
キース 「家が寺だと何かマズイのか?」
シロエ 「スケートリンクに入場規制は無さそうですけど」
ジョミー「あー、プールだと刺青お断りとかいうのがあるよね」
サム  「でも坊主だぜ? スキンヘッドはお断りかよ?」
スウェナ「確かに衣を着てなかったら、ヤクザっぽいかもしれないわね」
マツカ 「スケートリンクでスキンヘッドお断り…ですか?」
ブルー 「そんな規則は聞いたことがないよ」
キース 「俺も知らんぞ。どうしてスケートがダメなんだ?」
アドス 「親父は厳しい人でしてなあ、服装にも非常に厳格でして」
全員  「「「は?」」」
アドス 「坊主たるもの、人前に出る時は常に檀家さんを意識しろと」

スケートに行く時も着物なんじゃ、と言われてしまって一同、絶句。

キース 「そ、それは…。確かに悪目立ちしそうではある…」
ブルー 「そうだね、池で滑った時代はともかく、スケートリンクは…」
アドス 「いやいや、それだけではございませんぞ」
シロエ 「他にも理由があるんですか?」
アドス 「着物を着たら履物もそれなりに調えませんと」
ジョミー「履物って…。草履とかだと滑れないよ?」
アドス 「専用のヤツがございましてな。…どれ、久しぶりに」

お見せしましょう、と座敷を出て行ったアドス和尚。
暫くしてから箱を抱えて参りまして…。

アドス 「如何ですかな? 大学時代の愛用品でして、桐製ですぞ」
ジョミー「な、なにコレ…」
イライザ「あら、分かりません? 下駄スケートですわ」
全員  「「「下駄スケート!?」」」

鼻緒のついた下駄の裏に輝く金属製のブレード。
これは何かの冗談ですか?

2013/01/03 (Thu)

 

☆希少な下駄スケート


坊主たるもの、常に檀家さんを意識すべしと教えられていたアドス和尚。
大学時代の愛用品は下駄スケートとかいうモノで。

キース 「これが下駄だというのは分かる。しかし…」
シロエ 「裏側はスケート靴のブレードですよ?」
ジョミー「下駄スケートとか言ってたよね…」
イライザ「最近は見かけませんでしょう? 着物でスケートしませんし」
マツカ 「昔は流行ってたんですか?」
アドス 「そうですなぁ…。わしの時代には希少品でしたな」
ブルー 「五十年前くらいまでは普通にあったよ、下駄スケート」
サム  「ブルーもコレを履いて滑っていたのかよ!?」
ブルー 「まさか。ぼくは最初から靴だってば」

修行時代しか着物は着てない、と生徒会長は申しております。

キース 「だったら下駄スケートは誰が履いていたんだ?」
ブルー 「着物を着るのが仕事の人だよ、お坊さんでなくても色々と」
イライザ「舞妓さんや芸妓さんが履いているのを見かけましたわ」
アドス 「男性ですと、お茶人さんに坊主ですかな」

既に珍しい光景でしたが、とアドス和尚は懐かしそうに。

アドス 「下駄スケートを使う人が激減しまして、職人さんも廃業で」
イライザ「キースの分を作って貰っておけば良かったですわねえ…」
キース 「い、いや、俺はそこまでしてスケートは…!」
アドス 「そうじゃろうと思って、スケートには行かなかったんじゃ」
ブルー 「うーん…。ちょっと見たかった気がするね、それ」

子供のキースが下駄スケート、とクスクス笑う生徒会長。

ブルー 「そうだ、今からでも遅くはないかも」
キース 「何がだ?」
ブルー 「下駄スケートだよ、これで初滑りと洒落込まないかい?」
キース 「お断りだ! 今日は檀家さんが初詣にいらっしゃるんだぞ」
ブルー 「その後で滑ればいいじゃないか」

せっかく下駄スケートが出てきたんだし、と生徒会長はやる気満々。
気の毒なキース君、新年早々、スケートリンクで笑い物になる運命とか?

2013/01/04 (Fri)

 

☆下駄スケートで滑れ


キース君に向かって「下駄スケートで初滑り」などと言い出す生徒会長。
確かにレアなアイテムですけど、どう転んでも見た目は立派な下駄で…。

キース 「こんなのを履いて出掛けられるか、スケート場に!」
スウェナ「あら、ウケるかもしれないわよ?」
サム  「注目の的になるのは間違いねえよな」
シロエ 「どうせなら法衣か作務衣ですよね、下駄に合わせて」
ジョミー「リンクが白いし、法衣がいいんじゃないのかな?」
マツカ 「墨染の衣が映えそうですね」
キース 「お前ら、他人事だと思いやがって!」
イライザ「あらあら、キース。お友達に乱暴な言葉はいけませんわよ」
アドス 「まったくじゃ。せっかく誘って下さっとるのに」
キース 「俺に今更、下駄スケートで滑って来いと!?」

そういうことは子供の頃に言ってくれ、とキース君は叫んでおりますが。

アドス 「これも何かの御縁じゃろう。下駄スケートもいいもんじゃぞ」
ブルー 「そうだよ、この際、体験するべき!」
キース 「し、しかし…。下駄スケートは入場お断りだと思うぞ」
ジョミー「あ、そっかぁ…。変なヤツだし、ダメかもね」
サム  「氷が傷むとか言われちまうかもしれねえなぁ…」
ブルー 「ああ、その点は大丈夫! スケート場ってわけではないし」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「外をご覧よ、大雪だろう? これを使えば素敵なリンクが」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ サイオンで雪を固めるんだよ!」

軽く溶かして固め直して、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
たまにマンションの駐車場にリンクを作っているそうでして。

アドス 「ほほう、それなら宿坊の駐車場が空いておりますぞ」
イライザ「お正月の間は休業ですもの、お好きに使って下さいな」
ブルー 「いいのかい? だったら広いのが作れそうだ」
ぶるぅ 「わぁーい! ぼくも一緒にスケートしようっと!」

宿坊の駐車場、かなりの広さがございます。
キース君、下駄スケートと法衣で華麗に初滑りですか…?

2013/01/05 (Sat)

 

☆下駄スケートの復活


雪を固めたスケートリンクで下駄スケート。
アドス和尚とイライザさん、宿坊の駐車場を提供すると申し出まして…。

キース 「ま、待ってくれ、本気でスケートリンクを作るのか?」
ブルー 「そうだけど? 君が初詣の応対をしてる間に完成するさ」
スウェナ「もちろん法衣で滑るのよね?」
アドス 「それが一番よろしいでしょうな、下駄スケートですから」
キース 「お、親父、こいつらに乗せられてどうする!」
アドス 「懐かしの下駄スケートじゃぞ? 正月早々縁起がいいわい」
イライザ「そうですわよねえ、伝統を受け継ぐのはいいことですわ」
ブルー 「お正月こそ、昔ながらの遊びをしなくちゃ」

羽根つきと凧揚げも消えたよね、と生徒会長は回想しております。

ブルー 「お正月といえばアレだったのにさ、今は見ないねえ」
アドス 「ゲーム機も無かった時代ですしなぁ…」
イライザ「下駄スケートの復活は嬉しいですわね、皆さんもいかが?」
全員  「「「は?」」」
イライザ「キースだけでは少し寂しい気がいたしますの」
アドス 「ふむ…。皆さんにも下駄スケートを知って頂きたいですな」

ひとつ賞品を出しますか、とアドス和尚。
奥へ引っ込み、暫くしてからトロフィーを抱えて戻りまして。

アドス 「これを提供いたしましょう。前にゴルフで貰いましてな」
ブルー 「そりゃいいね。下駄スケート元老寺カップってね」
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ、ぼくたちまで!?」
サム  「本気かよ? 下駄スケートは一つしかねえんだぞ?」
ブルー 「分かってないねえ、そこがいいんだ」
シロエ 「どういう意味です?」
ブルー 「下駄スケートでの練習時間が短くなるから楽しいんだよ」

ぶっつけ本番に近いところが面白い、と生徒会長。

ブルー 「どうせなら本格的にいこうか、課題曲つきで」
全員  「「「課題曲?」」」

課題曲だなどと言われましても。
下駄スケートを履いて課題も何も、元老寺カップはどうなりますやら…。

2013/01/06 (Sun)

 

☆課題曲も決定


下駄スケートを知って頂きたい、とアドス和尚がトロフィーを提供。
生徒会長もやる気満々、課題曲つきで元老寺カップとか言い出しました。

ブルー 「普通に滑るだけだと面白くないしね、芸もしなくちゃ」
ジョミー「芸って何さ?」
ブルー 「そりゃあもちろん、ダブルアクセルとかトリプルルッツ」
キース 「法衣でフィギュアの真似が出来るかぁ!」
アドス 「年に一度の正月じゃぞ? ご本尊様もお許し下さるじゃろう」
イライザ「着崩れが嫌なら減点対象になればいいでしょう?」
キース 「なんでこいつを焚きつけるんだ!」
アドス 「せっかくの元老寺カップじゃからのう、盛り上げるべきじゃ」
ブルー 「分かってくれて嬉しいよ。じゃ、そういうことで」
シロエ 「本気で元老寺カップですか!?」
ブルー 「決まってるだろう? 課題曲は当然、『かみほー♪』で!」
ぶるぅ 「わぁーい、楽しみ!」
アドス 「CDプレーヤーもお貸ししましょう、高音質ですぞ」
ブルー 「ありがとう、下駄スケートも恩に着るよ」
アドス 「いえいえ、わしの方こそ皆さんの滑りが楽しみで」
イライザ「外は冷えますから、暖かいものを差し入れいたしますわね」
キース 「勝手に話を進めるなぁーっ!」

悪乗りするな、と絶叫するだけ無駄というもので。
おせちタイムが終わると、キース君とアドス和尚は初詣のために本堂へ。

アドス 「銀青様、失礼いたします。スケートリンクはどうぞご自由に」
ブルー 「任せといてよ、キースも初詣が済んだら来るんだよ?」
キース 「く、くっそぉ…。なんでこうなる…」

文句を言いつつキース君が立ち去った後は…。

ブルー 「それじゃ早速、スケートリンクを作ろうか」
ジョミー「本当に『かみほー♪』で滑るわけ? 下駄スケートで?」
ブルー 「一年の計は元旦にあり! みんな揃って元老寺カップ!」

さあやるぞ、と生徒会長は燃えております。
雪を固めたスケートリンクで初滑りはともかく、『かみほー♪』ですか?

2013/01/07 (Mon)

 

☆リンクは完成


元老寺に限らず、お寺のお正月といえば檀家さんが初詣に訪れるもの。
アドス和尚とキース君は本堂に炬燵を据え、檀家さんを迎えております。

ジョミー「大雪でも初詣の人って来るんだねえ…」
ブルー 「そりゃそうさ。熱心な檀家さんとはそういうものだよ」
サム  「ジョミー、去年は下足番だっけな。今年は楽でいいだろう?」
ジョミー「まあね、法衣も着なくていいし…。でもさ…」

今年とどっちがマシなんだろう、とジョミー君。
キース君を除いたシャン学メンバー、宿坊の駐車場に行く途中でして。

シロエ 「元老寺カップですからねえ…。ぼくは今年が不幸です」
マツカ 「ぼくたち、去年はお座敷でのんびりしてましたから」
スウェナ「あら、面白いと思うわよ? 下駄スケートも」
ジョミー「スウェナはエントリーしてないじゃないか!」
サム  「仕方ねえだろ、フィギュアは男子と女子が別だし」
ブルー 「そうだよ、スウェナが不利になるのは見えているから」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくとスウェナは見学だもん!」
スウェナ「ちょっと体験するだけなのよね」
男子一同「「「…それってズルイ…」」」
ブルー 「ぶるぅも下駄のサイズが合わないんだよ」

四の五の言うな、と生徒会長はバッサリと。

ブルー 「さてと…。この駐車場を全面リンクにすればいいかな」
ぶるぅ 「わぁーい、楽しく滑れそう!」
シロエ 「やっぱり本気でやるんですか…」
ブルー 「もちろんさ。観覧席は道路の雪かきをしてからテントをね」

そっちは任せた、と道具一式を男子に丸投げ。
サム君たちが雪かきを始めた途端に青いサイオンが迸りまして。

ブルー 「はい、完成。ぶるぅとスウェナは今の間に滑るといいよ」
スウェナ「えーっと…。これは普通に履くだけでいいの?」
ブルー 「まさか。それだと脱げてしまうじゃないか」

ダブルアクセルどころではない、と生徒会長は申しております。
鼻緒がついた下駄スケートですが、それの脱げない履き方とは…?

2013/01/08 (Tue)

 

☆脱げない履き方


来るべき元老寺カップに備えて男子はテントを設営中。
不参加組は男子が来るまでの間、下駄スケートを体験するそうですが…。

ブルー 「まずは鼻緒を調べないと…。なにしろ古いヤツだから」
スウェナ「アドス和尚の大学時代って言ってたものね」
ブルー 「…よし、挿げ替えなくても大丈夫そうだ」

念のためにサイオンで強化しておこう、と生徒会長。

ブルー 「これでOK! スウェナが先に滑るかい?」
スウェナ「もちろんよ。元ジャーナリスト志望なのよ?」
ブルー 「未知の世界は体験してなんぼって?」
スウェナ「そうだけど…。履くだけじゃないって言ってたわよね?」
ブルー 「固定しないとダメなんだよ。えーっと、椅子は、と」
ぶるぅ 「んとんと、向こうに置いてあるけど…」
ブルー 「そこの男子! パイプ椅子を一つくれるかな?」
サム  「おっしゃあ!」

何に使うんだ、と椅子を持ってきたサム君、興味津々。
他の男子も手がお留守です。

ブルー 「なんだ、全員、気にしてるんだ?」
ジョミー「気になるよ! 下駄スケートなのに椅子なわけ?」
ブルー 「これが一番安定するんだ。スウェナ、座って」
スウェナ「はぁーい!」
ブルー 「次は靴を脱いで、下駄スケートを履く」

靴下の爪先を緩めるんだよ、と生徒会長は指導しております。
足袋風にしないと鼻緒にマッチしないのだそうで。

ブルー 「うん、大体こんな感じかな。ここから先が大切でさ」
シロエ 「ええっ、その紐で縛り付けるんですか!?」
ブルー 「固定しないと下駄だけ滑って行っちゃうじゃないか」
サム  「あー、そうか…。ジャンプとかしたら飛んで行くよな」
ブルー 「だからね、紐で縛るわけ。これにもコツがあるんだよ」
マツカ 「後で教えてくれるんですよね?」
ブルー 「まさか。技は目で見て盗みたまえ」
男子一同「「「えぇっ!?」」」

今の過程をもう一度、と真っ青になる男子たち。
下駄スケートが脱げない縛り方、今更盗めと言われても…。

2013/01/09 (Wed)

 

☆下駄スケート体験


履いただけだと脱げてしまうという下駄スケート。
そうならないように紐で縛るのですけど、生徒会長には教える気が無く。

ジョミー「無理だよ、技なんて盗めないよ!」
シロエ 「もう一度だけ最初からやって下さい、お願いします!」
ブルー 「ダメダメ、体験タイムは一人一回」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくがスウェナの後で滑るよ!」
サム  「そうだ、ぶるぅも履くんだよな?」
マツカ 「その時にしっかり見ておきましょう」

よっしゃあ! と拳を突き上げる男子たち。
その間に生徒会長はスウェナの手を取りまして。

ブルー 「じゃあ、立って。うんうん、そんな調子でリンクまでね」
スウェナ「バランスを取るのが難しいのね…」
ブルー 「そりゃあ、靴とは違うから…。転ばないようサポートするよ」

ぼくが一緒に滑ってあげる、とシャングリラ・ジゴロ・ブルー登場。
スケート靴を履くわけでもなく、普通にスニーカーですが…。

スウェナ「きゃあっ!」
ブルー 「おっと、危ない。下駄といえどもスケートなんだよ」
スウェナ「そ、そうみたいね…。手すりもないのに歩けるかしら」
ブルー 「大丈夫。ぼくが手すりの代わりってね」

最初はゆっくり歩いてみよう、と生徒会長はリードしております。
一周するとスウェナも慣れてきたようで。

ブルー 「少しスピードを出してみようか。右、左、右…」
スウェナ「右、左、右…」

掛け声をかけつつ、下駄スケートとスニーカーのペアがスイスイと。
その隣では「そるじゃぁ・ぶるぅ」がクルクル回って滑っていたり…。

サム  「なんか見た目は簡単そうだぜ?」
シロエ 「そうですね…。バランスさえ取れればいけそうです」
ジョミー「だよね、脱げなきゃ平気だよね!」
ブルー 「そこの男子たち! さっさとテントを設営する!」
男子一同「「「はぁーい…」」」

テントを設置している間にスウェナの体験タイム終了。
お次は「そるじゃぁ・ぶるぅ」ですけど、紐の結び方はマスター可能?

2013/01/10 (Thu)

 

☆下駄スケートのサイズ


元老寺カップの観覧用にテントを設置した男子たち。
手が空いたとあって、下駄スケートの履き方を学びにやって来ましたが。

ジョミー「…解くのを見たって分からなかったね」
サム  「なんかこう、紐をシュルッてえのか? 掴めねえよな」
シロエ 「結び方が大事だと思うんです。ぶるぅの方に期待しましょう」
マツカ 「そうですね…。頑張って技を盗まないと」
ブルー 「ぶるぅの体験タイムが済んだら順番に練習していいよ」
ぶるぅ 「でもでも、ぼくも滑ってみるんだもんね!」

早く履かせて、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は椅子に座って足をブラブラ。
生徒会長が履かせた下駄スケートはサイズ違いどころの騒ぎではなく。

ぶるぅ 「おっきな下駄だね、飛んで行きそう!」
ブルー 「うん、キッチリ縛っておかないとね」

よいしょ、と紐を取り出した生徒会長ですが。

シロエ 「ま、待って下さい、さっきと全然違うんですけど?」
ブルー 「何がだい?」
シロエ 「結び方です! 紐の掛け方からして違うみたいな…」
ブルー 「決まってるだろ、足のサイズが違うんだからさ」

外れないよう調整中、と生徒会長は涼しい顔で。

ブルー 「正統派はスウェナが履いていたヤツ。これはアレンジ」
男子一同「「「アレンジ…」」」
ブルー 「まあ、基本の部分は同じだよ。最後の結び方とかね」
ジョミー「あーっ!」
サム  「い、今の、見てたか?」
シロエ 「すみません、アレンジに気を取られていて…」
マツカ 「ぼくもです。ど、どうしましょう…」
ブルー 「さあねえ? 見て盗めって言った以上は自己責任で」

これで完成、と生徒会長、「そるじゃぁ・ぶるぅ」の両足をポンポンと。

ブルー 「はい、時間いっぱい滑っておいで。五分間だよ」
ぶるぅ 「わぁーい! ダブルアクセル、トリプルルッツ―!」

『かみほー♪』で滑りまくるんだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
御機嫌で歌いつつスイスイスイ。下駄スケートって簡単なんですか?

2013/01/11 (Fri)

 

☆華麗なる下駄スケート


「そるじゃぁ・ぶるぅ」の下駄スケートの体験タイムは五分間。
雪のリンクに飛び出して行き、下駄とも思えぬ華麗な滑りでスイスイと。

シロエ 「う、歌って踊ってるんですけど?」
ブルー 「そりゃそうさ。ぶるぅの十八番が課題曲だしね」
ジョミー「本気でやるわけ、『かみほー♪』の歌で?」
ブルー 「せっかくの元老寺カップじゃないか。派手にやらなきゃ」
シロエ 「で、でも…。フィギュアの曲に歌はつきませんよ?」
スウェナ「そういえば…。OKなのはアイスダンスの方だったかしら?」
ブルー 「細かいことは気にしない! 楽しくやれればいいんだよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪」
男子一同「「「わわっ!?」」」

『かみほー♪』のサビに差し掛かった「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
下駄スケートで氷を蹴ると宙に舞い上がってクルクルクル。

ぶるぅ 「わーい、トリプルアクセル成功ーっ!!!」
ブルー 「その調子! トリプルルッツも綺麗にキメてよ」
ぶるぅ 「もっちろーん!」

氷を蹴ってクルクルクル。
あまりにも見事な滑りっぷりに、男子は唖然としております。

ジョミー「ほ……ホントにアレって下駄なわけ?」
ブルー 「それ以外の何に見えるんだい?」
サム  「だよな、どう見ても下駄だよなぁ…。で、サイオンは?」
ブルー 「多少は使っていると思うよ。君たちも使えばいいじゃないか」
男子一同「「「は?」」」
ブルー 「サイオンは禁止していない。自由に使って問題なし!」
シロエ 「無茶を言わないで下さいよ! 思念波が精一杯なんですよ?」
ブルー 「そうだったっけ? じゃあ、実力で」
男子一同「「「じ、実力…」」」

とても無理だ、と泣きが入っている男子。

ジョミー「転ばないのが限界っぽいような気がするんだけど…」
マツカ 「ですよね、ぼくも不安になってきました」
サム  「どうすんだよ、おい!?」

いきなり試練なシャン学メンバー。
下駄スケートで実力勝負な元老寺カップの明日はどっちだ!?

2013/01/12 (Sat)

 

☆下駄でも大技


元老寺カップの見本とばかりに見事に滑った「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
下駄スケートでトリプルアクセル、トリプルルッツと決めまくりまして。

ぶるぅ 「わぁーい、フィニッシュー!」
ジョミー「な、なんで最後にジャンプなわけ!?」
ブルー 「スピンから華麗にトリプルルッツ。何か問題があるのかい?」
サム  「あんなの出来るわけねえだろう! 普通に!」
シロエ 「そうです、しかもアレです、座った姿勢でクルクルと!」
ブルー 「シットスピンと言いたまえ。難易度は低いと思うけど」
サム  「どの辺がだよ!?」
ブルー 「身体が柔らかくなくても出来るし」

足を頭の上に持ち上げるヤツよりマシだろう、などと言われましても。

シロエ 「まさか、ああいうのも入れろと言うんじゃないでしょうね?」
ブルー 「別に? 採点が思い切り低くていいなら滑るだけでもOKさ」
男子一同「「「す、滑るだけ…」」」
ブルー 「うん。『かみほー♪』に合わせて適当に…ね」

でたらめなステップだろうが気にしない、と生徒会長は申しております。
ただし腐っても元老寺カップ。観客の目があるわけで…。

ブルー 「アドス和尚とイライザさんに評価されるよ、君たちの滑り」
ジョミー「も、もしかして…やる気なしだと後でお勤め?」
ブルー 「さあねえ…。根性を鍛え直すとかで五体投地はアリかもね」
男子一同「「「五体投地!?」」」
ブルー 「南無阿弥陀仏に合わせてスクワット! いい修行だろう?」
シロエ 「お、お断りします!」
ブルー 「おや。新年早々、修行も素敵だと思ったけどな」
シロエ 「坊主フラグはジョミー先輩だけでいいです!」

ぼくは真面目に練習します、と拳を握ったシロエ君ですが。

シロエ 「あーーーっ!!!」
サム  「どうしたんだよ?」
シロエ 「ぶるぅ、下駄スケートを脱いでしまってますよ…」
ジョミー「み、見てなかった…」

愕然とする男子一同。
見そびれてしまった紐の解き方、こんな調子で大丈夫ですか?

2013/01/13 (Sun)

 

☆お手本を所望


「そるじゃぁ・ぶるぅ」が下駄スケートを脱ぐのを見そびれた男子たち。
紐の結び方の技を盗むどころか、見当もつかない状態に陥ってしまい…。

サム  「どうすんだよ、おい!? アレって適当でいいのかよ?」
シロエ 「さ、さあ…。多分、独特の結び方だと思うんですけど…」
マツカ 「結び終えた紐の処理みたいなのもありましたよ?」
ジョミー「そっか、端っこを何処かに押し込んでたよね…」

どう結ぶんだ、と悩み苦しむ男子一同。
結び方以前の問題として、紐の掛け方も全く分かっておりません。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ はい、誰が一番最初に滑るの?」
ブルー 「ほら、下駄スケートが空いてるよ? 練習しないと」
ジョミー「え、えっと…。シロエが一番でいいんじゃないかな?」
シロエ 「なんでですか!」
ジョミー「だってさ、柔道やってるし…。運動神経良さそうじゃない」
サム  「それを言うならジョミーだぜ? そもそも、お前が最初に」
マツカ 「ですよね、石畳で滑りを披露していましたし」
ジョミー「無理だってば! スニーカーとは違うんだから!」

履き方が全然分からないし、と話は再び振り出しへ。
額を集めた男子一同、ひとしきり作戦会議を繰り広げまして。

シロエ 「会長、ちょっといいですか?」
ブルー 「なんだい?」
シロエ 「ぼくたちの真剣なお願いです。是非お手本を見せて下さい」
ブルー 「お手本?」
シロエ 「そうです、どんな風に滑ればいいのか、見本だけでも」
ジョミー「下駄スケートってよく分からないし、基本の技とか!」
ブルー 「基本も何も、普通のフィギュアと同じだけどねえ?」
シロエ 「フィギュアは馴染みが無いんです。お願いします!」
ブルー 「うーん…。紐の結び方を知りたいだけってバレバレだけど?」
ジョミー「分かってるんならケチらないでよ!」

ここは一発、見本をよろしく、と必死に食い下がるジョミー君たち。
一生のお願いとか言ってますけど、生徒会長は滑ってくれますかねえ…?

2013/01/14 (Mon)

 

☆下駄スケートの先達


下駄スケートの紐の結び方も掛け方も全く分からない男子一同。
なんとかして技を盗み出すべく、生徒会長に手本を頼み込んでおります。

シロエ 「ぼくたち、本当に真剣なんです! 一生のお願いです!」
ブルー 「そう言われてもねえ…。今年中にソレを何回聞くやら」
ジョミー「うっ…。でもさ、今年初の一生のお願いだし!」
ブルー 「今年初と来たか…。まあ、いいけどさ」

生徒会長、やおら下駄スケートを手にしましたが。

サム  「あれっ? ブルーは下駄スケートの経験、皆無なんじゃあ?」
マツカ 「そういえば…。着物でスケートはしていないとか…」
ジョミー「なのに結び方とか分かるんだ? なんで?」
ブルー 「そりゃね、経験豊富だからさ」

長生きしてると色々あるよ、と生徒会長、椅子に座って靴を脱ぎ…。

ブルー 「お正月って晴れ着が似合うと思わないかい?」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「晴れ着だよ、晴れ着! 着物姿の女性っていいものだよね」
ジョミー「なんの話さ?」
ブルー 「着物の女性と初詣! これぞお正月の醍醐味だってば」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルー、昔からモテてたもんね!」
シロエ 「えぇっ? じゃ、じゃあ、綺麗どころを引き連れて…とか?」
ブルー 「もちろんさ。初詣の後は初滑りと洒落込むことだってあるし」
サム  「そこで下駄スケートをしてたのかよ!?」
ブルー 「着物の女性をエスコートするには羽織袴が必須だからね」

昔取った杵柄、とリンクに向かう生徒会長。
足にはしっかり下駄スケートが。

シロエ 「あーーーっ!!!」
サム  「今度は何だよ?」
シロエ 「み、見てませんでしたよ、紐の掛け方…」
ジョミー「ぼくも…。ブルーがモテたって話だけしか…」
サム  「俺も話を聞くのに夢中で、ブルーの顔しか見てねえや…」

おしまいだぁぁぁ、と頭を抱える男子たちですが、時すでに遅し。
下駄スケートも経験アリの生徒会長、どんな滑りを見せるのでしょうか?

2013/01/15 (Tue)


 

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☆近付く本番


キャロリング当日にトチる可能性があまりにも高いジョミー君。
練習中のドジが合計百回を超えた場合は、坊主コースと決まりまして…。

キース 「おい、今日はなんとかなるんだろうな? かなりヤバイぞ」
ジョミー「うう…。分かってるってば、昨日は急過ぎてパニックでさ…」
ブルー 「百回でアウトと言った途端にアレではねえ…」
スウェナ「ホントに危機感、あるのかしらね?」

皆が揃って見詰める先にはホワイトボード。
「本番まであと3日」の文字と並んで「坊主まで残り65回」と燦然と。

シロエ 「昨日、あれから35回もミスったというのが信じられませんよ」
ジョミー「仕方ないじゃないか、パニックだったし!」
サム  「落ち着かねえとマジでヤバイぜ、罰礼どころじゃねえんだぞ」
ジョミー「う、うん…。筋肉痛より坊主コースが怖いよね…」
キース 「いきなり罰礼350回というのも凄かったが」
シロエ 「スクワットみたいですもんねえ…。五体投地って」
ブルー 「本物の道場で失敗したら1回につき十回どころか百回だよ?」

かなり大目に見てやっている、と生徒会長。

ブルー 「まあ、あと65回で坊主コースだ。本物の道場が待っているさ」
キース 「昨日のペースでトチッていたら確実に坊主コースだな」
ジョミー「それは嫌だから頑張るよ!」
ブルー 「大いに頑張ってくれたまえ。でもって、今日から…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 聖歌隊の服でリハーサルだよ!」
全員  「「「リハーサル!?」」」
ブルー 「慣れない衣装でいきなり本番は緊張するしね」

まずは衣装を着けてみて、と生徒会長はニコニコ顔でございます。
奥の部屋から「そるじゃぁ・ぶるぅ」が縫い上げた服を運んで来て。

サム  「なんかコスプレって感じじゃねえか?」
スウェナ「そうね、去年の天使みたいね」
男子全員「「「て、天使…」」」

馬小屋セットで生徒会長が扮していたのは純白の衣装の大天使。
それに似ていると言われましても、男子一同、複雑かも…。

2012/12/16 (Sun)

 

☆天使な男子たち


「そるじゃぁ・ぶるぅ」御手製の衣装を纏ったシャン学メンバー。
純白の衣装は足首近くまでが隠れる長さで、飾り帯も純白でございます。

キース 「確かに去年の天使だな。ぶるぅ、これはブルーの注文か?」
ぶるぅ 「えっと、えっとね、写真を見せて貰ったんだけど…」
シロエ 「聖歌隊の写真ですか?」
ぶるぅ 「うん! 天使じゃなくって聖歌隊だよ、おじさんもいたし」
サム  「お、おじさんって…。オッサンがコレかよ?」

びらびらだぜ、とサム君は衣装をつまんでおりますが。

ぶるぅ 「オルガン弾いてた人もコレだったよ? ハゲのおじいさん」
男子一同「「「お、おじいさん?」」」
スウェナ「ほら、コスプレとは違うじゃないの。これが正しいのよ」
ブルー 「そういうこと! ぶるぅの力作に文句を言わない!」
キース 「し、しかしだな…。俺には似合っていないと思うが」
サム  「俺も、俺も! 無理があるぜ、これは」
ブルー 「だけどブルーの注文なんだよ、聖歌隊の服は」
シロエ 「もっと色々あるでしょう! 短いヤツとか!」
ブルー 「そりゃ、あるけどね…。一応、それも作ってはみた」
キース 「だったらそっちを出してくれ!」
ブルー 「おや、いいのかい? モデルは誰が?」
男子一同「「「………」」」

嫌な予感を覚えたらしい男子一同。
暫く顔を見合わせた末に…。

ジョミー「えぇっ、ぼく!?」
キース 「一番弱い立場だろうが! トチッてばかりで坊主寸前だ」
ジョミー「うう…。ぼくって、とっても不幸かも…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ じゃあ、これを着てね!」

青いサイオンがキラッと光って着替え完了。
ジョミー君、制服の上に腰まで届く純白のケープを着ておりまして。

キース 「こ、これは……」
マツカ 「可愛いですよね、襟元に黒いリボンもついていますし」
ジョミー「やだよ、こんなの!」

鏡を見せられたジョミー君の顔は半泣きで。
キャロリングの衣装、天使みたいな純白のローブに決定ですね…。

2012/12/17 (Mon)

 

☆中庭でリハーサル


衣装を着けての練習も進み、キャロリング前日の21日は終業式。
先生方からのお歳暮ゲットを目指して、全校生徒が走り回っている中で。

キース 「この格好で歌うのか…。それも中庭で」
サム  「なんか去年より悲惨じゃねえか?」
ブルー 「ジョミーのカウントがアレでなければいいんだけどね」

人前で歌う度胸をつけておかないと、と純白の衣装の生徒会長。
指差す先のホワイトボードには「坊主まで残り6回」の文字が。

キース 「くっそぉ…。いっそ坊主になればいいんだ」
シロエ 「ジョミー先輩はそれで済みますけど、ぼくたちは?」
マツカ 「雪玉攻撃は連帯責任なんですよ」
ブルー 「食らってからでは遅いんだ。さあ、行こうか」
サム  「ジョミー、有難く思っとけよ? これは貸しだぜ」
キース 「まったくだ。なんでジョミーの度胸試しに俺たちまで…」
ジョミー「ご、ごめん…。今度おごるよ」
ブルー 「君の財布はアテにしてない。ハーレイの方が遙かにマシだ」

今月のお小遣いは使い果たした後だろう、と鋭い指摘。
反論できないジョミー君を引っ張り、シャン学メンバーは中庭へ。

生徒A 「うわわ…。なんか聞こえると思ったら…」
生徒B 「へええ、今年は讃美歌かよ? 無料かな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 聴いてくれるだけでいいからね!」

「無料だってよ」「無料だ、無料だ」と見物客がワイワイと。
先生方まで見物に現れ、思いっ切り晒し者でございましたが。

ブルー 「う~ん、ジョミーはトチらなかったね」
キース 「本番に強いタイプだったか…」
スウェナ「あれで度胸がついたみたいね、残念だわ」
ジョミー「残念って何さ、残念って!」
キース 「いや、残り6回だったのに…と思ってな」
ブルー 「とにかく悲惨な記録は止まった。後は本番だよ」
シロエ 「明日の夜ですね、頑張らないと…」

明日はいよいよソルジャー夫妻のためにキャロリング。
雪玉の機銃掃射を食らわないよう、見事に合唱できますように~!

2012/12/18 (Tue)

 

☆いざ、別荘地へ


やって来ました、12月22日。
生徒会長の家に集まったシャン学メンバー、総仕上げをしておりますが。

ブルー 「ジョミーもドジを踏まなくなったし、雪玉の方は大丈夫かな」
キース 「そう願いたいぜ。後は寒さが問題か…」
ぶるぅ 「えっとね、ぼくとブルーでシールドを張るの!」
シロエ 「ホントですか? だったらカイロは要りませんね」
キース 「待て、裏があるかもしれないぞ。俺たちに恩を売ってだな…」
ブルー 「無い、無い。どちらかと言えばブルー対策」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「ご祝儀で別荘に入れてくれないとも限らないしね」

中は暖房でポカポカだ、と生徒会長。

ブルー 「厳重装備で行ってごらんよ、暑くて耐えられないってば」
キース 「ああ、そうか…。下手をすると風邪を引きかねないな」
ブルー 「風邪で済めばいいけど、遠慮なく脱げと言われたら?」
シロエ 「えーっと…。パンツ一丁にされそうな感じですよね」
ブルー 「でもって、渋った時には代わりに脱ぐとか言い出すんだ」
キース 「そいつは遠慮しておきたいぞ」
ブルー 「しかも相手はバカップルだから、ブルーが脱いだら…」
キース 「言わなくていい! シールドは有難く頂戴しておく」

ラブシーンなぞお断りだ、というのが一致した意見。
そうでなくても特別休暇に華を添えるためのキャロリングですし…。

ブルー 「というわけで、夕食が済んだら出発だ。丼だけどさ」
ジョミー「えぇっ? なんだかショボイ…」
サム  「そうでもねえぜ、ガツンと腹に溜まりそうだし」
ブルー 「うんうん、サムは良く分かってるね。長丁場には丼が一番!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ フォアグラ丼の特盛りだよ!」
シロエ 「凄い、豪華じゃないですか!」
ブルー 「だけどジョミーは牛丼でいいかな」
ジョミー「ちょ、それ、酷いし!」

ギャイギャイと騒ぎながらの夕食は牛ステーキも載ったフォアグラ丼。
豪華丼で腹ごしらえして、瞬間移動で雪の別荘地へ出発です~。

2012/12/19 (Wed)

 

☆バカップルのお宿


足首まで届く純白の衣装を纏った天使のようなシャン学メンバー。
蝋燭が揺らめくキャンドルホルダーを持ち、別荘地に到着でございます。

ぶるぅ 「わーい、真っ白!」
キース 「雪は止んでるみたいだな」
シロエ 「ええ、満天の星空ですね。クリスマスっぽいですけれど…」
ブルー 「生憎と、まだクリスマスではないってね」

とんだフライングもあったものだ、と生徒会長はブツブツと。
シールドで寒さは感じませんが、別荘地は深く積もった雪の中で。

ジョミー「えーっと…。もしかしてアレかな、エロドクターの別荘」
サム  「すげえな、でっかいツリーだぜ」
ブルー 「本物の樅の木だよ、別荘まで無駄に豪華ってね」

マツカ君の山の別荘には及ばないものの、立派な別荘が建っております。
玄関まで続く道の両脇にはイルミネーション、前庭にはツリーが。

キース 「あの下あたりで歌えばいいのか? クリスマスツリーだし」
ブルー 「そのつもりだけど…。ちゃんと気付いているのかな?」
ジョミー「何が?」
ブルー 「ぼくたちが来てるという事実! バカップルだしね…」
シロエ 「サイオンで覗いてみればいいじゃないですか」
ブルー 「お断りだよ、真っ最中だと目も当てられない」
サム  「ここまで来といて無駄足かよ!?」
ぶるぅ 「ねえねえ、真っ最中って、お食事?」

ぼくが代わりに覗こうか、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がニコニコと。

ブルー 「違う、そうじゃなくて! 子供には…ちょっと…」
キース 「やめておけ、目が腐るらしいぞ」
ぶるぅ 「えぇっ!? やだよ、そんなの怖いよ、困るよぅ~」
ブルー 「覗かなければ大丈夫さ。ダメで元々、歌ってみようか」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなでキャロリングだね!」
ジョミー「よ~し、特訓の成果を披露しようっと!」
キース 「トチるなよ? ここでトチッたら終わりだからな」

雪玉攻撃を食らうか、喜ばれるか。
バカップルが滞在中の別荘の前庭でキャロリングですよ~!

2012/12/20 (Thu)

 

☆主はきませり


エロドクターの別荘の前庭にはイルミネーションが輝く樅の木。
シャン学メンバー、樅の木の下に並んでキャロリングの準備が完了です。

ブルー 「最初は定番で始めよう。きよしこの夜」
全員  「「「き~よ~し~~♪」」」

生徒会長が小声で取った音を合図に雪の別荘地に響く歌声。
天使の歌声とまでは申しませんけど、なかなか見事でございます。

全員  「「「め~ぐみ~のみ~よ~の~♪」」」
キース 『おい、出てこないぞ? もう3番だぞ?』
ブルー 『出てこないねえ…』
全員  「「「か~がや~けり~~、ほ~がら~かに~♪」」」

終わってしまいました、『きよしこの夜』。
ソルジャーもキャプテンも出てこない内にサックリと…。

ブルー 「うーん、本気でお取り込み中かな?」
キース 「だったらサッサと帰りたいんだが…」
シロエ 「盛り上げ役とか言ってましたし、BGMの代わりなのかも…」
サム  「うへえ、その手の時間のかよ?」
キース 「讃美歌をBGMにするとは罰当たりな…」
ブルー 「無駄無駄、ブルーに言うだけ無駄だよ、そういうのはさ」

こうなったら賑やかにやってやる、と生徒会長。

ブルー 「あっちのハーレイもヘタレらしいから、ハイペースでいこう」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「BGMがせわしなかったら息切れするかもしれないし!」
ジョミー「そういうものなの?」
ブルー 「ペースが乱れると立て直すのは大変かもねえ…」

お子様には分からないだろうけれど、と生徒会長は笑っております。

ブルー 「景気よくアレだ、もろびとこぞりて」
全員  「「「も~ろびと~、こぞ~り~て~♪」」」

これが噂の「主はきませり」。
声を張り上げて歌っていれば、別荘の扉が開きまして。

Aブルー「やあ、こんばんは」
A船長 「こんばんは、遠い所をどうも」
全員  「「「主は、主は~、きま~せ~り~♪」」」

主ならぬソルジャー夫妻が来たようで。
シャン学メンバーの運命や如何に?

2012/12/21 (Fri)

 

☆バカップルのお招き


大人の時間の真っ最中かと思われていたソルジャー夫妻。
そういうわけでもなかったらしく、キャロリングに見とれておりまして。

全員  「「「主はきませり~、主はきませり~♪」」」
Aブルー「うん、いいねえ。クリスマスって感じだよ」
A船長 「シャングリラの子供たちの歌とはまた違いますね」
全員  「「「主は~、主は~、きま~せ~り~♪」」」

けっこう長い『もろびとこぞりて』。
5番までキッチリ歌い終えると、ソルジャー夫妻からパチパチ拍手が。

Aブルー「ありがとう。まあ、入ってゆっくりしてってよ」
ブルー 「さっきは思い切り無視されたけど?」
Aブルー「無視しちゃいないよ、聴いてたってば」
A船長 「きよしこの夜でしたよね? どうもありがとうございました」
ブルー 「聞こえてたんなら出てきてくれても…って、いや、忘れて!」
Aブルー「何かブツブツ言ってたっけね、そういえば」

ぼくには筒抜け、と笑うソルジャー。

Aブルー「BGMにして励んでいたってわけではないよね、ハーレイ」
A船長 「は?」
Aブルー「いや、だから。ブルーたちが勘違いをしていたわけで」
A船長 「わ、私のペースが乱れるですって!?」

思念で詳細を伝えられたらしいキャプテン、耳まで真っ赤でございます。

A船長 「や、やっていません、そういうことは!」
Aブルー「だよねえ、おもてなしの支度に手間取っただけで」
全員  「「「おもてなし?」」」
Aブルー「寒い所まで来てくれた上に、雪の前庭でキャロリングだしね」
A船長 「中で暖まって頂こうと…」

暖かい飲み物を御用意しました、と言うキャプテン。

A船長 「どうぞ遠慮なくお入り下さい」
Aブルー「そうだよ、二人で準備したんだからさ」
ブルー 「…君たちが?」
Aブルー「使用人さんに教えてもらって頑張った!」

中へどうぞ、とソルジャー夫妻は扉を開いて満面の笑み。
飲み物を振舞ってくれるそうですが、御招待を受けても大丈夫ですか…?

2012/12/22 (Sat)

 

☆バカップルの手作り


ソルジャー夫妻、シャン学メンバーのために飲み物を作っていたそうで。
中へどうぞと言われましても、悩む所でございます。

サム  「どうするんだよ?」
キース 「断るわけには……いかんだろうな」
ブルー 「断ったら雪玉機銃掃射じゃないかと」
Aブルー「そっちも楽しそうだけど…。ぜひ招待を受けて欲しいな」
サム  「やっぱり断れねえじゃねえかよ…」
シロエ 「仕方ないですよ、ぼくたちの立場が弱すぎです」
A船長 「すみません、いつもブルーが御迷惑を…」
Aブルー「まあまあ、ここで立ち話もアレだしね。入って、入って」
全員  「「「………」」」

なんとか無事に済みますように、と別荘に入ったシャン学メンバー。
広い居間には暖炉が赤々、クリスマスツリーなども飾ってあって。

Aブルー「凄いだろ? この別荘を貸し切りなんだよ」
A船長 「どうぞ、そちらのテーブルへ。今、飲み物をお持ちします」

運ばれて来たのは湯気の立つマグ。
ホットココアかミルクっぽいですが、何やら不思議なスパイスの香り。

ぶるぅ 「わぁーい、グリューワインだぁ!」
シロエ 「なんですか、それ?」
ブルー 「知らないかな? ホットワインの一種だよ」
Aブルー「うん、クリスマスの名物だってね?」

ノルディに教えてもらったんだ、と得意げなソルジャー。
使用人さんに習ってキャプテンと二人で作ったそうで。

A船長 「オレンジにレモン、スパイスなどを赤ワインに入れるんです」
Aブルー「沸騰しないようにコトコト煮てたら時間がかかって」
ブルー 「それで出迎えが遅れた、と…」
Aブルー「そういうこと。遠慮なくどうぞ」
ジョミー「え、えっと…。ぼくはちょっと…」
Aブルー「ああ、坊主宣言なら大丈夫! アルコール度数は低いから」
A船長 「妙な酒癖をお持ちだそうですが、安全ですよ」

この程度では酔いません、と太鼓判を押すキャプテン。
坊主宣言が目当てじゃないなら、この御招待に裏は無いのでしょうか…?

2012/12/23 (Sun)

 

☆手作りホットワイン


クリスマス名物だというホットワインのグリュ―ワイン。
赤ワインにオレンジやスパイスなどを入れ、沸騰しないよう煮るもので。

ジョミー「酔わないの? 本当に?」
A船長 「ええ、やはり温めるとアルコール分が逃げますからね」
Aブルー「そうなんだよねえ、ぼくは普通にホットドリンク感覚だし」

ソルジャー夫妻、本場ものを味わってきたらしいです。
クリスマス用品が売られるマーケットには必ずあるそうでして。

Aブルー「白ワインで作ったヤツもあったよ。寒い国だから美味しくて」
A船長 「ブルーとあちこち飲み歩きましたが、酔いませんでした」
ジョミー「そっか。じゃあ、一杯くらいなら大丈夫かな?」
Aブルー「大丈夫! クリスマス気分に坊主で水を差されちゃ困るよ」
ブルー 「確かに坊主宣言は似合わないかもねえ…」
キース 「しかしだ、本当に裏は無いのか?」
Aブルー「んーと…。強いて言うならリクエストかな?」
全員  「「「リクエスト?」」」
Aブルー「うん、是非とも歌って欲しい曲があって」
ブルー 「なんだ、そんなことか。だったら有難く頂いておくよ」

ジョミーもトチらなくなったから、とマグに口をつける生徒会長。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」も飲んでみて。

ぶるぅ 「うわぁ、美味しい! ポカポカするね」
Aブルー「ぶるぅに褒めて貰えると嬉しいな。ねえ、ハーレイ?」
A船長 「ええ、頑張った甲斐がありました」
ブルー 「みんなも飲んだら? アルコール度数はホントに低いよ」
キース 「なるほど、美味いな。暖まるぞ、ジョミー」
ジョミー「えーっと…。あ、これくらいなら問題なさそう」
サム  「すげえスパイス効いてんのな」
マツカ 「色々と入っているみたいですね」
Aブルー「シナモンにクローブ、カルダモンだっけ?」
A船長 「生姜もですよ」
Aブルー「とにかくスパイスたっぷりなのさ」

その分、手間もかかるけど、とソルジャーは笑顔でございます。
ここは一発、歌声で御礼しなくては!

2012/12/24 (Mon)

 

☆この曲を所望


手作りグリュ―ワインを御馳走になったシャン学メンバー。
温かい飲み物で身体の芯から暖まった後は、きちんと御礼をするべきで。

ブルー 「ご馳走様。御礼の歌は何がいいんだい?」
キース 「キャロルの修行は積んできた。大抵の曲はいけると思うが」
Aブルー「頼もしいね。…だけどキャロルじゃないんだな」
全員  「「「は?」」」
Aブルー「子供たちのキャロリングをキャンセルするって言ったろう?」
ブルー 「それが何か?」
Aブルー「ノルディの所に言いに行ったら、コレをくれてさ」

ソルジャーが取り出したものは1枚の紙。
楽譜と歌詞が印刷してあるそうです。

Aブルー「君たちがキャロリングに来た時にリクエストしろって」
A船長 「皆さんの分も作りました」

アンチョコです、と表紙つきの楽譜を配るキャプテン。
手作りだというアンチョコの表紙の模様はベルやリボンで。

ブルー 「乙女チックな表紙だねえ…。ノルディの趣味かな?」
A船長 「いえ、こちらの教頭先生の御趣味ですが」
全員  「「「えぇっ!?」」」
Aブルー「あ、ハーレイには相談してないよ? 心を読んだだけ」
A船長 「こういう事のエキスパートでらっしゃいますから」
ブルー 「なんだか嫌な予感がするんだけれど…」

表紙をめくった生徒会長、瞬時にピキンと固まりまして。

ブルー 「…讃美歌312番…?」
キース 「おい、どうしたんだ? 確かに知らない曲ではあるが」
ジョミー「やばいよ、楽譜は読めないんだよ!」
Aブルー「そこの所は心配無用! ちゃんとサイオンで教えてあげるさ」
シロエ 「そうなんですか? ぼくも助かります」

初見で歌うのは流石にちょっと、とシロエ君。
他の面々もホッと安堵しておりますが。

ブルー 「上手下手は関係ないんだよ。この曲、結婚式の定番」
全員  「「「結婚式!?」」」
Aブルー「らしいね、ノルディのイチオシなんだ」

是非よろしく、と笑顔のソルジャー。
えらい事態になりましたよ~!

2012/12/25 (Tue)

 

☆バカップルに讃美歌


ソルジャーのリクエストは讃美歌312番。
いわゆるキャロルというヤツではなく、結婚式の定番と言われましても。

キース 「俺たちはキャロリングに来たんだぞ! なんでこうなる!」
Aブルー「せっかくの天使の歌声だしねえ? 大いに活用すべきだよ」
A船長 「私たちの結婚式は讃美歌も何も無かったですから」

ひとつよろしくお願いします、とキャプテンは頬を染めまして。

A船長 「皆さんの歌声に送られて寝室に行きたい、と実はブルーが」
Aブルー「お姫様抱っこでベッドまで…ってね」
全員  「「「………」」」

あまりの展開にシャン学メンバー、目が点ですが。
ここで断ったら雪玉どころか、生きて帰れなくなりそうです。

ブルー 「御招待には裏があったか…」
キース 「まさに飛んで火に入る夏の虫だな…。いや、冬の虫か」
Aブルー「もちろん歌ってくれるよね? ぼくたちはSD体制の下で…」
ブルー 「知ってるよ、君の苦労はさ! 要は歌えばいいんだろう!」
Aブルー「そうこなくっちゃ。それじゃ、早速」

キラリと走る青いサイオン。
シャン学メンバーの頭の中には讃美歌312番なるモノが。

Aブルー「最後まで行ったらリピートだよ? 十回でいいかな」
ブルー 「そ、そんなに…?」
Aブルー「十回もあれば充分ベッドイン出来るからね」

祝福されながら二人でベッドへ、とソルジャーはいけしゃあしゃあと。
早い話が脱いでいる間も歌っていろというわけで…。

キース 「結局、BGMにされる運命だったか…」
ブルー 「仕方ないよ、潔く諦めよう。ぶるぅ、十回数えてて」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 子守唄の代わりなんだね!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅ。いい子だね」
A船長 「これで数えるといいですよ。よろしくお願いいたします」
ぶるぅ 「わぁーい、ジンジャークッキーだぁ!」

クリスマスマーケットのお土産のクッキーが全部で十枚。
ソルジャー夫妻のベッドインまで歌い続けるしかなさそうですねえ…。

2012/12/26 (Wed)

 

☆締めは讃美歌


ソルジャー夫妻の御招待を受けたばかりに、えらい事態に。
お姫様抱っこでベッドに向かうソルジャーを見送り、結婚式の讃美歌を。

Aブルー「これでBGMはOK! 後はベッドに行くだけってね」
A船長 「では、そろそろ…。皆さん、今日はありがとうございました」

キャプテンがソルジャーを抱き上げまして、扉の方へと。
もう歌うしかございません。

ブルー 「いくよ、十回」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いっちまーい!」

ジンジャークッキーを1枚、横に取り分ける「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
生徒会長が小声で取った音に合わせて、いざ合唱。

全員  「「「い~つくしみふか~き~♪」」」
Aブルー「じゃあね、おやすみ」
A船長 「お気をつけてお帰り下さい」

普段はヘタレの筈のキャプテン、悠然と出てゆきました。
別荘でキャロリングという非日常が背中を押しているようで。

全員  「「「こ~ころの嘆き~を~つ~つまず述べて~♪」」」
キース 『くっそぉ、真面目に嘆きたいぜ…』
全員  「「「な~どかは下ろさぬ~負える重荷を~♪」」」
ブルー 『ぼくだって思い切り投げ捨てたいよ、こんな重荷は!』

結婚式の定番、讃美歌312番。
今の心境にピッタリという素晴らしい歌詞でございまして。

ぶるぅ 「じゅうーまーい!」
全員  「「「世~の友、我ら~を~捨~て去る時も~♪」」」
シロエ 『捨てられましたよね、バカップルに…』
全員  「「「い~のりに応え~て~労りたまわ~ん♪」」」
ぶるぅ 「はい、おしまい~!」
ジョミー「で、どうなったわけ?」
キース 「知るか!」
ブルー 「こんな所に長居は無用だ。さっさと帰ろう」

その前に、と別荘から出た生徒会長、皆を指揮して超特大の雪玉を。

ブルー 「瞬間移動すると同時にコレを投げ込む。上手くいったら…」
シロエ 「復讐できるというわけですね!」

最終兵器を目指した雪玉、ソルジャーに弾き返されて。
生徒会長宅で大惨事になったらしいですけど、中継終了~。

2012/12/27 (Thu)

 

☆大惨事の後は


超特大の雪玉を食らって大惨事に終わったキャロリング。
そんな事など忘れたように、やってくるのがソルジャーという人でして。

ジョミー「うーん、酷い目に遭ったよね、アレ」
シロエ 「リビング中に飛び散りましたもんねえ、雪の塊が」
サム  「俺たちもビショ濡れだったんだぜ? スウェナ以外はよ」
スウェナ「あら、ぶるぅと会長は無事だったわよ?」
マツカ 「あの二人はシールドのプロですからねえ…」
サム  「だよな、そうでなきゃブルーじゃねえよな」

ブツブツと文句を零すシャン学メンバー、面子が一人足りないようで。
それもその筈、今日は大晦日でございます。

ジョミー「でもさぁ、あっちのブルーって謝ってもくれなかったよね」
シロエ 「自分の方が被害者だとか主張しまくっていましたしね…」
サム  「うんうん、でもって飯もケーキも多めに食うのな」
マツカ 「ぶるぅまで連れて来ましたからねえ…。敵いませんよ」
スウェナ「仕方ないわよ、ぶるぅはクリスマスが誕生日なのよ?」
ジョミー「それは分かっているんだけどさぁ…」

なんか色々報われないよ、と嘆く対象はクリスマス・パーティー。
ソルジャーと「ぶるぅ」が面子に加わり、派手に飲み食いしたのです。

ジョミー「キャロリングまでしてあげたのに、来なくってもさぁ…」
シロエ 「特別休暇とクリスマスは別物だとか言ってましたよ?」
サム  「勝てるわけねえんだよな、俺たちがさ」
マツカ 「会長だって勝てないんです。挑むだけ無駄だと思いますが」
スウェナ「そうよ、もう大晦日なんだから忘れたら?」
ジョミー「そりゃそうだけど、行き先がちょっと」

向かっている先は生徒会長の家でして。
マンションの玄関から入り、エレベーターで最上階へと。

ジョミー「リビングを見たら思い出しそうでさ、雪玉攻撃」
シロエ 「なんで会長の家に集合なんでしょうねえ?」

例年だったら大晦日は元老寺に集合でございます。
今年の大晦日、何か特別なイベントでも…?

2012/12/28 (Fri)

 

☆お出掛けの前に


大晦日なのに生徒会長の家に集合なシャン学メンバー。
キース君からは例年どおり、除夜の鐘撞きの招待が来ているわけですが。

シロエ 「キース先輩の家に行くのは間違いないと思うんですけど…」
サム  「その前にブルーの家っていうのが謎だよなあ…」
ジョミー「いつも自分だけタクシーのお迎えってヤツを自慢してない?」
マツカ 「シーッ、聞こえたら大変ですよ?」

最上階に着き、玄関のチャイムをピンポーン♪と。
すぐに扉がガチャリと開きまして…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルーが待ってるよ!」
ジョミー「何処で?」
ぶるぅ 「いつものリビング!」
サム  「なんだ、普段と同じじゃねえかよ」
シロエ 「取り越し苦労だったみたいですね」
ぶるぅ 「早く、早く! でないと遅刻しちゃうかも!」
全員  「「「遅刻?」」」
ぶるぅ 「そうだよ、みんなでキースのお家に行くんでしょ?」
ジョミー「えーっと…。その前に御馳走してくれるんだよね?」
ぶるぅ 「お昼御飯? みんなの頑張り次第かなぁ…」
全員  「「「は?」」」
ぶるぅ 「残り時間が短かったら素ウドンだよね」
サム  「なんだよ、それ?」
ぶるぅ 「見れば分かると思うんだけど…」

はいどうぞ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がリビングの扉を開けまして。

全員  「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「やあ、来たね。今日はこれから大掃除ってね」
ぶるぅ 「雪玉攻撃を再現しようってブルーが言ってたんだけど…」
ブルー 「水浸しの絨毯やソファは素人には荷が重いんだってさ」
ぶるぅ 「お部屋がメチャクチャになったら困るし、やめて貰ったの!」
シロエ 「それで一面の畳ですか…。レンタルですか?」
ブルー 「決まってるだろ? これを綺麗に掃除するだけ」
ぶるぅ 「はい、箒!」
ジョミー「特にゴミって落ちていないし…」
サム  「楽勝だよな?」

さあやるぞ、と箒を握るシャン学メンバー。
昼食が素ウドンにならないようにサッサと掃除しなくては…。

2012/12/29 (Sat)

 

☆懺悔の大掃除


生徒会長の家に集合させられたシャン学メンバー。
待っていたのはリビングの掃除、それも一面に畳が敷かれておりまして。

ジョミー「よーし、急いで片付けよう!」
ブルー 「ちょっと待った! 畳の掃除はそうじゃない」
シロエ 「えっ? 畳の目に沿って掃いていったらいいんでしょう?」
ブルー 「それじゃ埃が綺麗に取れないんだよ。ぶるぅ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪」

飛び出してきた「そるじゃぁ・ぶるぅ」の手にはバケツと古新聞。
古新聞をドボンとバケツの水に浸け、絞ったかと思えばビリビリと。

ジョミー「何するのさ!」
シロエ 「な、なんでそんなの散らかすんですか、酷いですよ!」
ぶるぅ 「畳はコレが定番だもん!」
ブルー 「お茶殻か湿った古新聞だよ、それに埃がくっつくわけ」
全員  「「「ひ、ヒドイ…」」」
ブルー 「さっさとしないと素ウドンになるよ、昼御飯」
全員  「「「はーい…」」」

雪玉攻撃の再現を掃除するよりはマシというものの、リビングは広く。
誰もがソルジャーへの愚痴を零しつつ、頑張って。

サム  「や、やっと終わったぜ…」
ブルー 「お疲れ様。年の暮れに懺悔っていいものだろ?」
全員  「「「懺悔?」」」
ブルー 「雪玉の後片付けは本当に大変だったんだ。本当に…ね」
ジョミー「あれを仕掛けたの、ブルーじゃない!」
ブルー 「そうだったかなぁ? ともあれ、ぶるぅが掃除したんだし」

懺悔の気持ちで大掃除、と言われましても…。

ぶるぅ 「お昼、出来たよ! ハヤシオムライス!」
ブルー 「素ウドンじゃなくて良かったねえ?」
ジョミー「待ってよ、懺悔ならキースも呼ばなきゃ!」
ブルー 「キースは元老寺で頑張ってるから除外なんだよ」
ジョミー「それってズルイし!」
ブルー 「じゃあ、君も一足先に行って手伝うかい?」
ジョミー「い、いいです…」

敬語になっているジョミー君。
昼食が済んだら瞬間移動で元老寺だそうでございます。
今年も揃って除夜の鐘ですよ~!

2012/12/30 (Sun)

 

☆今年も除夜の鐘


瞬間移動でやって来ました、元老寺。
宿坊に泊まって除夜の鐘を撞き、年越しをする魂胆なのでございますが。

キース 「やっと来たか。今年も残しておいてやったぞ」
全員  「「「は?」」」
キース 「大広間と廊下の大掃除だ! キリキリやれよ」
ジョミー「えーっ! 大掃除はさっき、ブルーの家で…」
シロエ 「そうです、懺悔の大掃除とかで」
キース 「大晦日に懺悔、大いに結構。掃除も修行の内だからな」
ブルー 「だよねえ? じゃあ、君たちは頑張って」
アドス 「銀青様、ようこそおいで下さいました。どうぞこちらへ」
イライザ「ぶるぅちゃんにもお菓子がありますよ」
ぶるぅ 「わぁーい!」

生徒会長、サクッと逃亡。
キース君も法要の準備に出掛けてしまい、またしても大掃除する羽目に。

ジョミー「なんでこういうことになるのさ…」
スウェナ「普通に箒で掃けばいい分、まだマシよ」
サム  「だよな、古新聞も茶殻もねえもんな」
マツカ 「広さは半端じゃないですけどね…」

宿坊の大広間と廊下、生徒会長宅のリビングの比ではございません。
無駄に広いのがお寺の空間というもので…。

ジョミー「あーあ、酷い目に遭っちゃった」
キース 「働いた後の飯は格別だろう?」
ブルー 「感謝の気持ちで年越し蕎麦だよ、坊主の基本だ」
シロエ 「あのぅ…。ぼくは坊主じゃないんですけど」
ブルー 「細かい事は気にしない!」

煩悩と共に除夜の鐘で消してしまえ、と生徒会長。
ワイワイと揉めている間に除夜の鐘の時間となりまして。
緋色の衣の生徒会長、お供を従えて鐘楼へ。

スウェナ「結局、捕まっちゃったわねえ…」
マツカ 「坊主宣言が敗因ですよね、お正月の」
シロエ 「サム先輩は自分から志願しましたけどね」

ジョミー君とサム君、法衣でお供をしております。
先導はキース君、小僧さんスタイルの「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
生徒会長が最初の鐘をゴーンと厳かに撞き、いよいよ年越し。
来年も良い年になりますように~!

2012/12/31 (Mon)



 

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