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シャングリラ学園つれづれ語り

☆商売上手なお寺


電電宮から美坊主図鑑へと話が派手に飛躍している間に、本堂が間近に。
既に先客が詰め掛けているようでございます。

ブルー 「ほらね、法要まではまだ時間があるのに人が来てるだろ?」
ジョミー「みんな菊の花目当てで来てるわけ?」
ブルー 「観光客もいるけど、基本はそうだね。後は茱萸袋」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「グミぶくろ、って言ったんだよ。重陽限定のお守りでさ」
キース 「それは今日しか売らないのか?」
ブルー 「うん。装飾品としてなら香木店でも扱うけれど」

お守りとして売られているのはレアケースだそうでございます。

スウェナ「グミ袋って、どんなものなの?」
ブルー 「お香を詰めた袋に菊とグミの造花がついてて、長寿のお守り」
シロエ 「そっちは菊と違ってお金を払えば買えるんですね?」
ブルー 「でも沢山は売らないよ? お守りにしては高い部類だし」
キース 「そうなのか?」
ブルー 「観光寺院の拝観料だと四人前だね、茱萸袋1個で」
サム  「それってメチャクチャ高いじゃねえかよ!」
ジョミー「えーっと、えーっと…。お札が二枚も要るんだよね…」
スウェナ「ちょっとしたランチが食べられちゃうわよ、洒落たお店で」

なんという価格設定なのだ、と呆然とするシャン学メンバー。
いくら一日限りの限定品でも、もう少しお安くならないのでしょうか?

ジョミー「暴利だよ、それ!」
キース 「そこまでは言わんが、高すぎるという気はするな…」
ブルー 「ところがコレが安いんだな。香木店の茱萸袋だとその十倍だ」
全員  「「「十倍!?」」」
ブルー 「腕利きの職人さんが作ったヤツだと三十倍近い」
シロエ 「その値段を出しても御利益はゼロなんですよね、お店のは」
ブルー 「縁起物だからゼロじゃないけど…」

御祈祷とかはしてないし、と生徒会長は笑っております。
お守りにしては高い値段でも御祈祷済みというのは有難いもの。
何処までも商売上手なお寺に来ちゃったみたいですねえ…。

2012/09/16 (Sun)

 

☆商売の限界


重陽限定のお守りだという茱萸袋。
お値段は非常にゴージャスですけど、市販品より安い価格で御祈祷済み。
これを目当てにやって来る人がいるというのも納得ですが。

キース 「しかしだな…。その値段の差は何なんだ。普通は逆だぞ」
ブルー 「御祈祷済みの方が高いって?」
スウェナ「だって、そうでしょ? 節分の恵方巻でもそうよ」
シロエ 「ですね、開運祈願の御祈祷済みを謳う恵方巻は高かったかと」
サム  「御祈祷済みってのはアレだろ、プラスアルファだろ?」

御祈祷料が上乗せになって当然だ、とサム君も言っておりますが…。

ブルー 「茱萸袋はメジャーじゃないからね。市販品は殆ど売れない」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「縁起物だとは言ったけど…。門松とかとは違うんだ」

何処の家でも飾るものではない、と生徒会長。

ブルー 「重陽の節句から端午の節句までの間だけ飾る邪気払いさ」
キース 「今日から5月5日までだと? その後の期間はどうなるんだ」
シロエ 「そうですよ、夏の思いっ切り暑い間はどうするんですか!」
サム  「邪気払いがより切実に要るんじゃねえのか、夏の間は」
ジョミー「夏バテするしね…」
マツカ 「それ以前に昔だと夏は衛生状態が…。病気も流行りそうです」
ブルー 「夏の間は代わりに薬玉を飾るってことに決まっているよ」
ジョミー「えっ? 薬玉って…割れたら中からテープとかが出るヤツ?」
ブルー 「別物だってば! 菖蒲とか蓬を入れて綺麗に飾った玉のこと」
キース 「ここはそっちも売っているのか、5月5日に?」
ブルー 「そこまでは…。ここは茱萸袋専門だよ」
ジョミー「なんで? セットで薬玉も売ればいいのに」
ブルー 「そうだろうけど、ちょっと苦しい。御本尊様に繋がらないし」
キース 「どういう意味だ?」
ブルー 「菊だよ、菊。虚空蔵菩薩様は菊がお好きなんだ」

だから重陽の節句に法要が…、と生徒会長。
商売上手なお寺とはいえ、越えられない一線はあるようです…。

2012/09/17 (Mon)

 

☆お寺いろいろ


商売上手なお寺といえども、越えてはならない最後の一線。
茱萸袋と対を成すのが端午の節句の薬玉ですけど、薬玉は販売不可能で。

ブルー 「重陽は菊の節句とも言うからね。虚空蔵菩薩様にはピッタリ」
シロエ 「薬玉の素材とは無関係なんですね、虚空蔵菩薩は」
ブルー 「残念ながら、そうなんだ。菖蒲か蓬が被っていればね…」

そっちも販売出来ただろうに、と生徒会長。
お寺たるもの、縁もゆかりも無い代物を授与するのはNGらしいです。

サム  「セットで売ったら稼げそうなのになぁ…」
キース 「歴史も由緒も無い寺だったら、それもアリかもしれんがな」
ジョミー「なにそれ?」
キース 「マイナーな寺が一気にメジャーになるのも珍しくはない」

具体的な名は挙げられないが…、とキース君は声を潜めております。

キース 「そんな仏像が何処にあったんだ、というケースもあるぞ」
サム  「おいおい、新しく作ったとかじゃねえだろうな?」
キース 「それもアリだ。でもって信者がついてしまえば大成功なんだ」
シロエ 「思い切り酷いじゃないですか! それって霊感商法ですよ」
ブルー 「無理な売り込みをやらなかったら全く問題ないからねえ…」
キース 「ついた信者がお布施をするのは個人の自由だしな」
ブルー 「そう、そう。リュックにお布施を詰めて通うのも信心からさ」
マツカ 「リュック…ですか?」
ブルー 「お参りする度にリュックに一杯。そんな人もいる」
ジョミー「それってスゴイ…」
スウェナ「お寺も凄いけど、リュック一杯のお金も凄いわ…」
サム  「新しく作った仏像でソレかよ…。なんか泣けて来たぜ」
ブルー 「頼もしいねえ、サムはそうならないように頑張って」
キース 「節度ってヤツは大切なんだぞ。守るべき所はしっかり守れ」

この寺みたいに…、と言ったキース君ですが。

キース 「ところで、例の茱萸袋だが。市販品の値段は高すぎないか?」

良心的な値段にするべきだ、と言われてみればそうなのかも?

2012/09/18 (Tue)

 

☆茱萸袋のお値段


市販品の茱萸袋の値段は高すぎないか、というのがキース君の指摘。
香木店で買えばお守りの十倍、腕利きの職人さんが作った品なら三十倍。

キース 「いくら門松ほどには売れないと言っても、その値段ではな…」
シロエ 「そうですね。興味を持っても気軽に買って飾るわけには…」
サム  「マツカみたいな大金持ちなら別だけどなぁ」
ジョミー「安ければ普及するんじゃない? 門松みたいに」
ブルー 「門松とは原価が違うんだよ。入っているのはお香だよ?」

あれは高い、と生徒会長は申しております。

ブルー 「キースなら分かると思うんだけど、お線香だってピンキリだ」
シロエ 「お線香にランクがあるんですか!?」
キース 「仏壇が無いと馴染みがないかもな…。実はあるんだ」
ブルー 「高価なヤツだと一本分の値段で普及品が一箱買えてお釣りが」
サム  「マジかよ?」
ブルー 「原料のお香が高いわけ。安価なお線香だとお香は使わない」
スウェナ「お線香なのに、どういうことなの?」
キース 「それっぽく見えればいいからな。杉の粉で作って香料を…」
ジョミー「なんか酷くない?」
ブルー 「でも本物にこだわると値段がグングンと…ね」

茱萸袋の値段もその理屈、とニッコリ笑う生徒会長。

ブルー 「ここの茱萸袋に入っているお香はそこそこ。香木店のは…」
キース 「こだわりのお香というわけか。それなら高くても仕方ないな」
ブルー 「それと造花と袋のお値段。袋の布は絹織物だよ」
シロエ 「あー…。とことん装飾品なんですね」
ブルー 「そういうこと。インテリアは高級感が命ってことで」
スウェナ「御利益の方は二の次なのね…」
マツカ 「ぼくなら御利益を選びますけど」
ブルー 「じゃあ、授かって帰るかい? 茱萸袋」
マツカ 「いえ、ぼくは…。まだ御仏縁というのはちょっと…」

慎重に予防線を張るマツカ君の隣でシロエ君もコクコク頷いています。
御仏縁をうっかり結ぶと坊主フラグってヤツが立ちますからねえ…。

2012/09/19 (Wed)

 

☆本堂を目指せ


重陽限定の茱萸袋なるお守りですが。
頂いてしまうと坊主フラグが立ちそうとあって、男の子たちは警戒態勢。

ジョミー「値段もアレだけど、御仏縁つきなら要らないよ、ぼくも」
サム  「なに言ってんだよ、お前、とっくに仏弟子だろ?」
キース 「出家したからには積極的に御仏縁を結ぶべきだと思うが」
ブルー 「そうだよ、宗派が違っても仏様を敬う心が大切で…」
シロエ 「あーあ、早速やっていますよ」
マツカ 「ぼくたちも巻き込まれないように気を付けましょう」
スウェナ「大丈夫よ。お弟子さんはジョミーとサムで手一杯なんだし」
シロエ 「他所に紹介ってコマンドも持っているんですよ、会長は」
マツカ 「用心するのが一番なんです。触らぬ神に祟り無しです」
ブルー 「あれっ、呼んだかい?」
シロエ 「いえ、電電宮の話をしてただけです」
ブルー 「しっかり覚えてくれてたんだね? 嬉しいなぁ」

話した甲斐があった、と生徒会長はにこやかに。

ブルー 「それじゃ本堂に入ろうか。一応、軽くシールドをかけて」
全員  「「「シールド!?」」」
ブルー 「シッ、声が高い! これだからシールドが要るんだよ」
ジョミー「なんで?」
ブルー 「善男善女の前で失言のオンパレードだと追い出されちゃう」
キース 「そうかもしれんな。追い出さなくても厳重注意だ」
ジョミー「まだ追い出された方がマシかも…」
ブルー 「ほら、もう失言が始まってるし! 御仏縁は要らないってね」
キース 「御本尊様にも失礼だぞ。それで、どういうシールドなんだ」
ブルー 「音声だけを攪乱するのさ。印象に残らないように」
キース 「なるほどな…。それなら普通にうるさいだけか」
ブルー 「そういうこと。こんな感じで」

キラッと一瞬、青い光が走りましたが。

全員  「「「えっ?」」」
ブルー 「シールド完了。さあ、行くよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」

いざ、商売上手なお寺の本堂へ。
御仏縁には要注意ですよ~!

2012/09/20 (Thu)

 

☆謎の仏像と菊


入口で靴を脱ぎ、善男善女で溢れる本堂の中へ。
生徒会長が言っていたとおり、菊の香りが思い切り漂っておりますが…。

ジョミー「な、なんなの、アレ…」
ブルー 「指さしちゃダメだよ、失礼にあたる」
ジョミー「で、でも…! か、髪の毛が生えた仏像って初めて見るし!」
シロエ 「そうですねえ…。でも本当に仏像ですか?」

人形みたいに見えますよ、とシロエ君。
金屏風を背負って座っているのはボサボサ黒髪の男の子っぽい像でして。

お坊さん「お参りありがとうございます。こちらをどうぞ」
ジョミー「えっ?」
お坊さん「菊慈童様に献花をお願いしております」
ジョミー「きくじどう?」
ブルー 「ほらほら、説明は後でするから花を貰って」
ジョミー「う、うん…」

お坊さんから手渡されたのは菊の花。
どうするのだ、と戸惑うシャン学メンバーを押し退けた生徒会長が像の
前へと。菊を供えて合掌、一礼。

ブルー 「…南無阿弥陀仏」
ジョミー「な、南無阿弥陀仏? やっぱり仏像?」
キース 「落ち着け、俺たちの宗派は基本は南無阿弥陀仏なんだぞ」
ジョミー「どういうことさ?」
キース 「特段の指示がある時以外は何を拝んでも南無阿弥陀仏だ」
ブルー 「代わりに解説ありがとう。さあ、君たちも行って、行って」

後がつかえているからね、と言われてみれば行列が。
ジョミー君たち、慌てて献花でございます。

シロエ 「分からないんで南無阿弥陀仏で行ってきましたけど…」
サム  「あれって何だよ、何の像だよ?」
ブルー 「菊慈童だと言っただろ? 重陽の節句の由来みたいなもの」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「七百歳とも八百歳とも言われる長寿を保った子供なのさ」

菊慈童は中華の国の皇帝に仕えていた男の子だそうでございます。
皇帝の枕をまたいでしまって、追放されたそうなのですが。

ブルー 「その先で菊の露を飲んで暮らす間に不老長寿ってね」

以来、重陽には菊の花。
不老長寿の神様でしたか、菊慈童…。

2012/09/21 (Fri)

 

☆カラフルな菊


菊慈童の像に献花した後は、本堂の空きスペースに座るお約束のようで。
シャン学メンバー、善男善女に混じって着席です。

ジョミー「ここって座布団、置いてないの?」
ブルー 「本堂一杯になるんだよ? 何枚あっても足りないじゃないか」
キース 「人数が決まった法要だったら用意も出来るが…」
ブルー 「不特定多数に下手に配ると奪い合いになっちゃうからねえ…」

御本尊様の前で座布団の奪い合いなど見苦しい、と生徒会長。

ジョミー「そりゃそうだけど…。でも、争奪戦って言わなかった?」
サム  「うんうん、座布団じゃなくて菊だけどな」
シロエ 「えーっと…。争奪戦をするっていうのはアレですか?」

なんだか変わった菊ですけれど、とシロエ君が指差す先には菊の花。
菊慈童の像の両脇や、御本尊様の前を菊が埋め尽くしておりますが…。

スウェナ「何を被せてあるのかしら?」
ジョミー「…座布団かなぁ?」
ブルー 「座布団なわけがないだろう。確かに形は似ているけれど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お座布団を積んだみたいだね!」

菊の花の上にはフカフカの四角い綿が載っております。
それも一枚どころか三枚、四枚。色も白、赤、黄、青と鮮やかで。

キース 「教義としては分からんでもないが…。凄い色彩感覚だな」
シロエ 「黄色の上に青や赤まで重ねて置くのが教義ですか?」
キース 「密教系だと一応、基本の色なんだ。だが、しかし…」
ブルー 「菊の色までまるっと無視して載せるのもねえ…」

教義じゃ仕方ないけれど、と生徒会長は小声でコソコソと。

ブルー 「赤い菊には白、白菊には黄色、黄菊には赤さ、本当は」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「全部に白って流儀もあるけど、基本はコレ」

更に綿を載せるのは菊一輪につき、一枚だそうでございます。

キース 「そこを何枚も重ねてきたか…。色もゴタ混ぜで」
ブルー 「本当にセンス最悪だよね」

生徒会長までが失言。
シールドを張って正解でしたねえ…。


※アニテラ最終話・『地球の緑の丘』 放映から今日で5周年。
 あれからもう5年も経ってしまったんだなぁ…、と、少ししんみり。
 7月28日合わせで捏造した 『奇跡の青から』 がございますので、
 拙作の世界では誰一人として死んではいないわけですが…。
 ん? こんな日に菊はマズかったかな? 仏花の王道でした…(汗)
 
 以下、全員生存EDを踏まえたシャングリラ学園特別編です!


    ++++++シャングリラ学園特別編++++++


教頭先生「では、生き残られた皆様方の御健康と前途を祝して乾杯!」
ブルー 「そこは献杯だと思うんだ。今日が祥月命日だろう?」
教頭先生「いや、しかし…。ちゃんと生き残っておいでなわけだし」
ブルー 「けじめだよ、けじめ。世間的には祥月命日」
教頭先生「だが、皆様ここにおいでになるのに、献杯というのはだな…」
ブルー 「要は飲めればいいんだってば。じゃあ、献杯!」
一同  「「「けんぱーい!!!」」」

『奇跡の青から』 で生き残られた皆様方と、シャン学の面々と。
賑やかな酒宴となっておりますが、ジョミー君の坊主宣言は大丈夫かな?


2012/09/22 (Sat)

 

☆菊の被せ綿


カラフルと言うか、悪趣味と言うか。
凄まじい配色の綿を何枚も被せられた菊、所狭しと並べられております。

キース 「で、あのセンスの悪い菊は何なんだ?」
ブルー 「菊の被せ綿」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「きせわた、ってね。その名の通り綿を被せるのさ」

知らないかな、とキース君とシロエ君を見詰める生徒会長。

ブルー 「君たちなら知っていそうな気もしたけどねえ…」
キース 「生憎と俺は寺と直接関係の無い行事には疎くてな」
シロエ 「…ぼくも花とかについてはちょっと…」
ブルー 「ハーレイの古典でも教えてないかな、そういえば」
サム  「あの綿に意味があるのかよ?」
ブルー 「茱萸袋と同じで重陽限定、不老長寿のお守りなんだよ」

重陽の前の夜から菊の花に綿を被せておくのが被せ綿。
綿が含んだ露で身体を拭うと不老長寿とか、若返るとかだそうですが。

ジョミー「じゃあ、あの菊を奪い合うわけ?」
ブルー 「違うよ、あれは本堂の飾り。奪い合うのは献花した菊」
キース 「なるほど…。法要で祈祷して御利益という仕組みだな」
ブルー 「そういうこと。おっと、そろそろ始まるかな?」
キース 「法要の時間か?」
ブルー 「お守りの販売と菊酒だよ。法要はその後」

本堂には人が詰まってきておりますが、中央部分が空けてあります。
お坊さんが数人、そこに机を据えまして…。

お坊さん「お待たせいたしました。只今より茱萸袋を授与いたします」

途端にドドッと善男善女が中央に向けて大移動。
机の上に積み上げられた白い箱が飛ぶように売れていくわけで。

キース 「凄い勢いだな。限定品というだけのことはある」
ブルー 「おまけに御祈祷済みだしね。君たちも一個、頂いてきたら?」
シロエ 「いえ、不老長寿は今の所は間に合ってます」
マツカ 「ぼくもです」

御仏縁など結んでたまるか、と座った場所から動かざること山の如し。
シャン学メンバーの慎重な姿勢、生徒会長の日頃の行いのせいとしか…。

2012/09/23 (Sun)

 

☆完売御礼


被せ綿とやらを被った菊が飾られた本堂を舞台に、限定お守り販売開始。
茱萸袋、ゴージャスなお値段の割にサクッと完売でございます。

ジョミー「凄いや、アッと言う間に売れちゃったよ…」
キース 「買えなかった人も多いようだな」
ブルー 「この段階で既に争奪戦ってね。頂きそびれた人は怖いよ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「茱萸袋が手に入らなかったら後は菊しか無いだろう?」
シロエ 「それで争奪戦ですか…。でも一人一本、献花したんじゃあ?」
サム  「最後の方に入って来た人はしていないかもしれねえぜ」
キース 「あっちの方も数に限りがあっただろうしな」
ブルー 「全員の分は当然、無いさ。おまけに一人一本限りじゃないし」
マツカ 「どういう意味ですか?」
ブルー 「何本貰っても構わないんだ。家族の分とか、親戚の分とか」
スウェナ「だったら全然足りないわよ?」
ブルー 「足りないねえ…。だけど欲しいんだから仕方がない」
サム  「仁義なき戦いって言ってたのはそれかよ…」

献花は一人一本限り。献花しそびれた人も本堂の中に。
そして御祈祷済みの菊を一人で何本もゲットしたい人もいるわけで…。

ブルー 「不老長寿は間に合っている、と言うんだったら働きたまえ」
キース 「争奪戦で菊を奪って、貰いそびれた人に配るわけだな」
ブルー 「そういう目的で来たんだからね。ボランティアだよ」
サム  「よーし、頑張るぞ! なあ、ジョミー?」
ジョミー「う、うん…。人にあげるんなら御仏縁とは関係無いよね」
ブルー 「功徳を積んだことにはなるけど…。まあ、頑張って」
ジョミー「功徳って…。な、なんか不吉な感じだけど…」
キース 「細かいことは気にするな。お前も仏弟子の端くれだろうが」
ブルー 「ほら、菊酒が振舞われるよ? 行ってグイッと」
ジョミー「き、菊酒…?」

ヤバイ、と青ざめるジョミー君。
お酒を飲んで坊主宣言はお正月以来の恒例行事となっております。
今回は無事に済むのでしょうか…?

2012/09/24 (Mon)

 

☆菊酒を頂こう


茱萸袋の販売……いえいえ、授与が終わると菊酒だそうでございます。
中央のスペースに据えられたのは振舞いのための酒器一式で、準備完了。

お坊さん「菊酒の用意が整いました。皆様、順にこちらへお願いします」

押し合わないように、と注意がされて、今度はきちんと行列が。
菊酒の方は充分な量があるようです。

ブルー 「さあ、君たちも並んで、並んで」
シロエ 「いいんですか? ぼくたち、未成年ですよ?」
ブルー 「小学生とか幼稚園児はともかく、その年だったら無問題だよ」

お屠蘇だって飲むだろう、と言われてみればその通りで。

ブルー 「不老長寿の縁起物だし、頂きたまえ」
スウェナ「菊で作ったお酒なの?」
ブルー 「菊の花びらを浸してあるのさ。菊の香りが素敵なんだ」
ぶるぅ 「あのね、フワッと匂いがするの! でも…」

甘くないからちょっと残念、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はジュース感覚。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」でも飲めるなら、と皆で行列に並びまして…。

お坊さん「ようこそお参り下さいました。さあ、どうぞ」
ブルー 「ありがとうございます。頂きます」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ありがとう!」

クイッと飲み干した二人に続いて今度はジョミー君ですが。

お坊さん「ささ、どうぞどうぞ」
ジョミー「あ、あのう…」
お坊さん「なんでしょう?」
ジョミー「こ、これって一杯だけですか? お代わりは無し?」
お坊さん「はあ…。お持ち帰りを御希望ですか? 御家族の方に?」
ジョミー「う、ううん、そういうわけじゃなくって…」
お坊さん「どうしてもというお話でしたら、後ほど奥で伺いますが」
ジョミー「奥?」
お坊さん「関係者用のがございます。お入り用でしたら特別に」
ジョミー「え? ええっ?」
お坊さん「そちらも御祈祷済みの菊酒です。お代の方は結構ですよ」

どうぞ御遠慮なくお持ち帰りを、と商売っ気抜きのお坊さんたち。
ジョミー君、御利益の持ち帰り希望な信者さんフラグが立ちましたか?

2012/09/25 (Tue)

 

☆菊酒で御仏縁


電電宮だの茱萸袋のと、とっても商売上手なお寺。
しかし来られなかった誰かにも御利益を、となれば話は別のようでして。

お坊さん「まだお若いのに代参なさるとは御立派ですねえ」
ジョミー「え、えっと…」
お坊さん「法要が終わりましたら庫裏の方へいらして下さい」
ジョミー「そ、そうじゃなくて! 一人一杯なら別にいいんだけど…」
お坊さん「お尋ねになられたのも御仏縁でございましょう。御遠慮なく」
ジョミー「……ご、御仏縁……」

坊主宣言どころか庫裏に招かれて御仏縁。
ジョミー君、ピンチでございますが。

ブルー 「不肖の弟子がお世話を掛けるね。申し訳ない」
お坊さん「は?」
ブルー 「一応、ぼくの弟子なんだ。菊酒は一杯あれば充分」
お坊さん「ですが、お代わりと仰いましたが?」
ブルー 「酔うと坊主宣言をする癖があるんだ。それで警戒してるだけ」
お坊さん「ああ、なるほど…。では、お持ち帰り希望ではないのですね」
ブルー 「残念ながら…ね。そこまで熱心に仏様に帰依してくれれば…」
お坊さん「お若いのですし、これからですよ。どうぞ、これを御縁に」

仏の道に精進して下さい、とジョミー君に注がれた菊酒は多め。
お坊さんたちが「さあ、飲め」とばかりに見詰めております。

ジョミー「う、うう…。こ、このくらいならきっと大丈夫…」
ブルー 「大袈裟だねえ…。酔いやしなよ、少しくらいじゃ」
ジョミー「い、頂きますっ!」

ヤケクソで菊酒を呷ったジョミー君に、お坊さんたちの視線は温かく。

お坊さん「来年もお待ちしております。どうぞ修行に励んで下さい」
ブルー 「虚空蔵菩薩様は学問の道をお守り下さる。頑張りたまえ」
サム  「お前、お経も覚えねえもんな…。効くといいな、菊酒」
キース 「ドーピングか…。学問に王道なしとは言うが、必要かもな」

ジョミー君、菊酒の御利益で暗記力アップといくのでしょうか?
坊主宣言は回避したものの、御仏縁の方はガッツリと。
やはりお寺は鬼門でしたねえ…。

2012/09/26 (Wed)

 

☆お能と法要


菊酒で酔いはしなかったものの、御仏縁を結ばれてしまったジョミー君。
虚空蔵菩薩様は学問の道をお守り下さるとあって…。

ブルー 「これで少しはお経を覚えてくれるといいねえ」
ジョミー「却下だよ! そういう目的で来たんじゃないし!」
シロエ 「えーっと…。争奪戦はまだですか?」
ブルー 「それは法要が済んでから。その前にお能の奉納もあるよ」
全員  「「「能?」」」
ブルー 「菊慈童というお能があるのさ。その舞を少し」

中央のスペースが片付けられて、舞台になったようでございます。
そこへ菊慈童の人形そっくりの鬘にお面をつけた舞い手が登場。

キース 「こんなイベントまであったのか…。人気の筈だな」
ブルー 「お能を気軽に見られるチャンスは少ないからね」
スウェナ「観光の人はこれ目当てなのね」

あちこちで切られるカメラのシャッター。
観光客はシャン学メンバーと同じで茱萸袋も買わないタダ見です。

サム  「観光客も多いじゃねえかよ、みんなお守りは買っていねえぞ」
ブルー 「買えと強制しないのも商売の秘訣。無理強いはダメだ」
キース 「信心というのはそういうものではないからな…」
ブルー 「菊酒だってタダでくれると言っただろう? 広い心も大切さ」
シロエ 「タダで貰って悪い気持ちはしませんしね」
ブルー 「良かったなぁ、嬉しいなぁって気持ちが次に繋がるんだよ」

リピーターになってくれればいつかはお客、と生徒会長。

ブルー 「また来年、と通う間に信仰心も生まれるものでさ」
ジョミー「ぼくは御仏縁は要らないってば!」
ブルー 「さあ、どうだか…。おっと、お次は法要だよ」

お能が終わると御本尊様と菊慈童の像の前にお坊さんがズラリ。
香煙の中、読経の声が朗々と…。

ブルー 「ジョミー、君もいつかは法要を取り仕切る方にならないとね」
ジョミー「絶対無理だし!」

お経を覚えるなんて一生無理、とジョミー君は叫んでおります。
菊酒でドーピングしてもダメですかねえ?

2012/09/27 (Thu)

 

☆不発な坊主宣言


菊酒の後はお能に法要と盛りだくさんな重陽の節句。
流石は商売上手なお寺だけあって、タダ見の観光客も大歓迎らしいです。

ブルー 「写真を撮ってるだけの人でもクチコミで広めてくれるしね」
シロエ 「ブログに載せたりして貰えれば大成功ってわけですか」
キース 「そうだろうな。ツイッターだとコレは今一つか…」
ブルー 「菊酒なう、では何のことやらサッパリだよ」
マツカ 「お寺の名前を呟いて貰っても……間に合いませんよね」
ブルー 「何日もやるわけじゃないから拡散しても効果はゼロだよ」

来年までには忘れ去られる、と生徒会長。
その点、旅のブログを書く人の方が後々まで役に立ちそうかも…。

ブルー 「観光客といえども疎かにしてはいけないのさ。次に繋がるし」
キース 「そこまで考えているわけか…。寺院経営も大変だな」
ブルー 「元老寺も大きくしたいんだったら手を貸すよ?」
キース 「俺は商売に走る気は無いっ!」
スウェナ「キースはイケメン美坊主図鑑で行くのよね?」
シロエ 「応援してますよ、キース先輩!」
サム  「載る時には俺も呼んでくれよな、友達だろ?」
ジョミー「あーっ、ズルイよ、なんでサムだけ!」
ブルー 「おやおや、ジョミーも載りたいのかい?」

載ったら漏れなく坊主だけれど、と言われたジョミー君、顔面蒼白。

ジョミー「お、お友達ではダメなんだ…?」
ブルー 「当たり前だよ、お坊さんを紹介する本だからね」
キース 「俺の朋輩としてなら喜んで一緒に記事にして貰うが」
ジョミー「い、要らないよ、ぼくは一般人だってば!」
ぶるぅ 「えとえと…。坊主宣言は?」
ジョミー「酔ってないから!」
ブルー 「菊酒一杯では無理だったか…。ぶるぅも楽しみにしてたのに」
ぶるぅ 「面白いもん、坊主宣言! お坊さん目指して頑張るぞーって」
サム  「だよな、あれも一種の隠し芸だよな」

今日は見られなくて残念だった、と頷き合っているシャン学メンバー。
坊主宣言、凄いですもんね…。

2012/09/28 (Fri)

 

☆いざ、争奪戦!


菊酒一杯では発動しなかったジョミー君の坊主宣言。
隠し芸とまで呼ばれてオモチャにされる内に、法要は終了したようで…。

ブルー 「シールドを張っておいて良かったよ。でなきゃ御近所迷惑だ」
キース 「俺としたことが、法要の最中に気を散らすとは…」
ブルー 「仕方ないさ、お経も作法も違うんだから」
シロエ 「お供えした菊を運んでいますね、これから争奪戦ですか?」
ブルー 「うん。中央のスペースから四方八方に投げるわけ」
ジョミー「丁重に扱えって言ってなかった?」
ブルー 「そりゃ手渡しが理想だけれど…。将棋倒しになるじゃないか」
マツカ 「一ヶ所に人が集中するのは危ないですよね」
ブルー 「だから投げるんだよ。まだ何ヶ所かに分けた方がマシ」

さて、とニヤリと笑う生徒会長。

ブルー 「争奪戦で菊を何本ゲット出来るか、頑張りたまえ」
キース 「おい。貰えなかった人に譲るにしても、何本も持つのは…」
サム  「恨まれそうだぜ、取りそびれたヤツに」
ブルー 「その辺は臨機応変に! すぐに譲るのも良し、キープも良し」
シロエ 「会長も参加するんですか?」
ブルー 「もちろんさ。そして女性に優先的に…ね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも沢山配るんだもん!」
ジョミー「よーし、なんだか燃えてきたかも!」

フットワークには自信があるし、とジョミー君はやる気満々。
他の面子もスタンバイする中、お坊さんたちが菊を投げ始めました。

ジョミー「その菊、もらったぁー!」
キース 「うわぁっ、なんだ、どうなってるんだ!」
ブルー 「ボヤボヤしてると押し潰されるよ? 仁義なき戦いだから」
シロエ 「そ、そうみたいですね、注意します!」

殺到してくる老若男女にタックルされるわ、引っ張られるわ。
争奪戦が終わる頃にはシャン学メンバー、ほぼズタボロでございます。

ジョミー「し、死ぬかと思った…」

でも配って配って配りまくった、とジョミー君は満足そう。
功徳の方も積めましたかねえ?

2012/09/29 (Sat)

 

☆締めは修行で


重陽の節句の締めは菊慈童にお供えされた菊の争奪戦。
茱萸袋の箱を抱えた人までが殺到する中、シャン学メンバーは頑張って。

ブルー 「最高記録はジョミーかな? 素晴らしかったよ」
ジョミー「え、ブルーたちより多かったの?」
ぶるぅ 「ジョミーの勢い、凄かったもん! みんな喜んでいたもんね」
ブルー 「そうだね、御礼を言われると嬉しいだろう?」
ジョミー「ま、まあ…。悪い気持ちはしないかな…」

ぼくには遊びだったんだけど、と頭を掻いているジョミー君。
イベントが全て終わった本堂からは人がどんどん帰ってゆきます。

キース 「さっきまでの騒ぎが嘘のようだな、もうガラガラだぞ」
ブルー 「御利益を早く持ち帰りたいのさ、菊が萎れちゃ台無しだ」
スウェナ「そうね、花瓶に生けてあげなきゃ」
シロエ 「ぼくたちも何か食べに行きませんか? お腹ペコペコです」
サム  「朝飯を食ったきりだもんなあ。…あれ?」

帰り支度をしていた所へ近付いてきたのはお坊さんで。

お坊さん「頑張って菊を配っておられましたね。御本尊様も喜ばれます」
ジョミー「…ぼく?」
お坊さん「はい、修行の道にも励んで下さい」
ジョミー「そ、そんなつもりじゃなかったし!」
ブルー 「そうなんだよねえ、お経も覚えられない不肖の弟子でさ…」

いい方法は無いだろうか、と生徒会長は深い溜息。

お坊さん「お経ですか…。どんなお経も二度と忘れない方法でしたら」
ジョミー「えっ、ホント!?」
お坊さん「虚空蔵求聞持法と申しましてね、ございますよ」
ジョミー「こくぞう……ぐもんじほう?」
ブルー 「あったね、記憶力アップの秘法! やるかい、ジョミー?」
ジョミー「ちょっといいかも…」
ブルー 「じゃあ、早速…。明日から百日、缶詰だ」
ジョミー「え?」
ブルー 「虚空蔵菩薩様の御真言を百日かけて百万回唱えるだけってね」

さあ頑張れ、と言われて泣きそうなジョミー君と、囃し立てる面々と。
缶詰の危機な中継、これにて終了~。

2012/09/30 (Sun)

 

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☆9月の始まり


ハーレイの日のスカイダイビングで大いに盛り上がった夏休み。
恒例のマツカ君の海の別荘ライフなども堪能しまして、今日からは9月。
とはいえ、土曜でございますので。

ジョミー「うん、今年は得した気分だよねえ」
ブルー 「夏休みが少し多めって? 特別生のくせに」

シャン学メンバー、生徒会長の家に遊びに来ております。

ブルー 「出席義務が無いんだからさ、夏休みも何も無いって言うのに」
ジョミー「でも…。時間割とかを配られちゃったら休みにくいよ」
シロエ 「それにグレイブ先生ですしね、担任が」
サム  「うんうん、学生の本分は勉強だ! が、口癖だもんな」
スウェナ「出席簿にも名前が載ってるものね…」
キース 「俺は大学と掛け持ちしたしな…。出席日数は今も気になる」
マツカ 「キース、頑張っていましたもんね。凄かったですよ」
ブルー 「よく頑張ったとは思うけど…」

ぼくのオススメはサボリなんだ、と生徒会長。

ブルー 「暑い間は夏休みにして、寒くなったら冬休みとか」
キース 「それで秋休みもあったりするのか?」
ブルー 「決まってるだろう、秋休みは実在するんだよ?」
シロエ 「二学期制の学校ですよね」
ブルー 「君たちの年代で言うとそうなるねえ…」
ジョミー「えっ、そうじゃないヤツもあったわけ? 秋休みに?」
ブルー 「地域によるけど、三学期制でも存在したよ」
サム  「なんだ、それ? 秋に休んでも意味ねえだろ?」
ブルー 「あるんだな、それが。いや、あった……と言うべきか…」
ジョミー「どんな意味が?」
ブルー 「お手伝いだよ、農作業の! 農繁期だから」
全員  「「「お手伝い!?」」」

そんな休みは嬉しくない、と頭を抱えるシャン学メンバー。

ブルー 「今で言うならキースなんかは取ってもいいかも、秋休み」
サム  「秋のお彼岸があるもんなあ…」
キース 「断固断る!」

絶対に嫌だ、とキース君。
休みを取ってお手伝いなんて、全然楽しくないですもんねえ…。

2012/09/01 (Sat)

 

☆秋休みは如何?


サボリ大好きな生徒会長のオススメは秋休み。
本来は農繁期に家の手伝いをするためのものだったそうで、対象者は…。

ブルー 「うん、取るならキースがお似合いだね。連休でもあるし」
シロエ 「秋分の日ですもんねえ、秋のお彼岸」
キース 「なんでそういう展開になる! 俺はただでも忙しいんだ!」
サム  「ああ、お彼岸でも墓回向がついてくるもんな」
ブルー 「棚経が無い分、お盆よりかは随分楽だよ」
マツカ 「棚経は大変ですからね。檀家さんを全部回るんでしょう?」
キース 「言わないでくれ、こないだ終わったばかりなんだからな」

聞いただけでも憂鬱になる、とキース君は呻いております。

ブルー 「だったら、やっぱり秋休みを取れば? 少しは楽だよ」
スウェナ「学校に来なくて済むものね。休んでしまえば?」
キース 「休んだら親父にこき使われるだけで終わるだろうが!」
サム  「大変なんだなぁ、本職になると…」
ブルー 「そりゃね、お寺を預かるわけだし責任もあるさ」

お寺は総本山からの預かりもの、と生徒会長。
個人の所有物ではないらしいです。

ブルー 「だから色々頑張らないと…。あ、そうだ」
キース 「なんだ?」
ブルー 「いや、君じゃなくて。サムとジョミーも秋休みはどう?」
サム  「えっ、俺が?」
ジョミー「なんでぼくが?」
ブルー 「ほら、二人とも僧籍だろう? 元老寺に行ってお手伝い!」
キース 「それは助かるな。ジョミーはともかく、サムは使える」
サム  「そ、そうかな…」
ジョミー「却下だし! 夏休みだけで充分だよ!」
ブルー 「いい案だと思ったんだけど…。秋休みを取って楽しくお彼岸」
シロエ 「もしかして、ぼくたちまで巻き込む気ですか?」
ブルー 「お寺に親しむいい機会だよね。お墓参りにお彼岸の法要」
キース 「俺の家に来て遊ぶつもりか、罰当たりな!」

許さんぞ、と拳を握り締めているキース君。
秋のお彼岸にみんな揃って秋休みとは、あまりに抹香臭いのでは…。

2012/09/02 (Sun)

 

☆遊ぶなら、お寺


秋のお彼岸に合わせて秋休みを、と言われてしまったシャン学メンバー。
ただでもサボリは後ろめたいのに、抹香臭い秋休みなどは…。

ジョミー「却下だし! キースに言われなくても却下!」
キース 「当然だ! 野次馬根性で来られても迷惑なだけだ」
ブルー 「うーん…。ぼくが法要に出るって言っても?」
キース 「親父は歓迎するだろうがな、あんたの世話係は俺だろうが!」

あれやこれやと手を焼かされるに決まっている、とキース君。
緋色の衣の生徒会長、なまじ偉いだけに完全にお客様ですし…。

ブルー 「バレちゃったか。いい案だと思ったんだけど…」
キース 「俺の家はあんたの別荘じゃないっ!」
ブルー 「なるほどねえ…。仕方ない、他のお寺で遊ぼう」
キース 「お彼岸にか? あんたは何を考えてるんだ!」

高僧のくせに、とキース君は詰っておりますが。

ブルー 「何もお彼岸とは言っていないよ。今度の日曜はどうだろう」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「9月9日が何の日だったか覚えていない?」
シロエ 「えーっと…。重陽の節句でしたか?」
キース 「そう言えばそんな日だったか…」
ジョミー「チョウヨウの節句…。去年にちょこっと聞いたような…」
ブルー 「長寿を祝う菊の節句さ。盛大にやるお寺があるんだ」
サム  「お寺かよ?」
ブルー 「うん。知る人ぞ知るイベントなのさ」
スウェナ「何があるわけ?」
ブルー 「重陽に因んだ能の奉納とかもあるけど、菊の争奪戦」
全員  「「「争奪戦?」」」
ブルー 「法要に使った菊を善男善女が奪い合うんだよ」

それはもう仁義なき戦いで…、と生徒会長は申しております。
押し合いなんかは序の口だそうで、圧死しそうな勢いなのだとか。

ブルー 「でも御利益があるからねえ…。欲しい人は必死なわけ」
キース 「餅撒きみたいな行事なのか…」

餅を撒いたり散華を撒いたり、お寺の行事は様々です。
菊の争奪戦があるお寺に出掛けて、何をしようというのやら…。

2012/09/03 (Mon)

 

☆お寺な行き先


お彼岸合わせの秋休みの提案を却下されてしまった生徒会長。
その代わりにと持ち出してきたものはお寺で、菊の争奪戦がどうとか…。

ブルー 「9月9日なら日曜だしさ、学校を休む必要もないよね」
ジョミー「待ってよ、行き先はお寺だなんて却下だし!」
スウェナ「ジョミーには鬼門だったわねえ…。お寺」
シロエ 「節分の時も色々ありましたしね。今度もアウトかも」
ブルー 「ああ、その点は大丈夫。今回の振舞い酒は制限つきだ」
キース 「そうなのか?」
ブルー 「菊酒は甘酒とは違うからねえ、飲み放題とはいかないさ」

基本はお一人様一杯限り、と生徒会長は笑っております。

ブルー 「スーパーの特売品ってわけじゃないけど、数に限りが」
キース 「なるほどな…。酔っ払うほどには飲めないわけだ」
シロエ 「それならジョミー先輩も安心ですね」
マツカ 「酔っ払うと漏れなく坊主宣言ですからね…」
ジョミー「言わないでよ、ぼくは覚えていないんだから!」
スウェナ「だけど目撃証言多数よ、きっと密かに願望なのよ」
サム  「分かる、分かる。普段は照れ隠しで言わないだけだよな?」

俺と一緒に修行しようぜ、とサム君の顔がニヤニヤと。

ジョミー「なんでそういうことになるのさ! お断りだよ!」
ブルー 「本当に往生際が悪いね、ジョミーは。ま、気長に待つけど」
ジョミー「待たなくていいっ!」
キース 「おい、ブルーから逃げ切れるなんて思うなよ?」
サム  「そうそう、いつかはきっと坊主なんだぜ」
シロエ 「応援してますよ、ジョミー先輩!」
スウェナ「そうねえ、逃げられるわけがないものねえ…」
ジョミー「お断りだってば!!!」

絶対に嫌だ、と喚くジョミー君ですが。

ブルー 「ふうん…。だったら9月9日は仲間外れで」
ジョミー「えっ?」
ブルー 「お寺は却下なんだろう? 君は自宅でゆっくりしたまえ」

他のみんなはお出掛けだ、と生徒会長はニッコリ笑顔。
お寺は却下なジョミー君だけ仲間外れ…ですか?

2012/09/04 (Tue)

 

☆仲間外れの危機


お寺に行くのは絶対に嫌だ、と主張しまくるジョミー君ですが。
他のみんなは9月9日にお出掛けするのに、仲間外れにされそうな空気。

ブルー 「ジョミーは放ってみんなで行こう。それでいいよね?」
キース 「そうだな、嫌がるヤツを連れて行ってもうるさいだけだ」
サム  「たまにはジョミー抜きっていうのも楽しそうだぜ」
シロエ 「キース先輩が欠けていたことは何度もありましたけど…」
スウェナ「ジョミーは皆勤賞だったものね。家で留守番していなさいよ」
マツカ 「きっとその方がいいですよ。万一ってこともありますから」
ブルー 「君子危うきに近寄らず…ってね。じゃ、そういうことで」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 他のみんなでお出掛けだね!」
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ、なんで留守番?」
ブルー 「嫌な所に行く必要は無いだろう? なにしろお寺だ」
サム  「後で話が合わないかもなぁ、留守番になると」
キース 「自業自得だ、放っておけ。で、何処へ行くんだ?」
ブルー 「十三参りで有名なお寺さ。ぼくたちとは宗派が違うけどね」
シロエ 「ああ、あそこですか」
キース 「重陽の行事をやっていたとは知らなかったな…」

それは見に行く価値がある、とキース君は言っております。
他のメンバーも期待に満ちた顔つきですが…。

ジョミー「行くよ、ぼくも一緒に行くってば!」
ブルー 「おや。お寺は却下と言わなかったかい?」
ジョミー「南無阿弥陀仏のお寺じゃないなら無問題だよ!」
サム  「へえ…。節分で行ったお寺は南無阿弥陀仏じゃなかったぜ?」
ジョミー「飲まなきゃ問題ないわけだし!」
キース 「確かに菊酒一杯くらいで酔いはしないか…」
ジョミー「それよりも菊の争奪戦だよ、そういうのは自信あるってば!」
ブルー 「やれやれ、菊はサッカーボールじゃないんだけどねえ?」

丁重に扱わないと滅茶苦茶に、と生徒会長は申しておりますが。
俄然、行く気になったジョミー君、果たして心得ているのやら…。

2012/09/05 (Wed)

 

☆お寺に出掛けよう


行き先は南無阿弥陀仏のお寺ではない、と聞かされたジョミー君。
それなら安全圏とばかりに行く気になった上、菊の争奪戦がお目当てで。

ジョミー「それってさあ、沢山ゲットすればいいわけ?」
ブルー 「罰当たりな…。御利益グッズだと言っただろう?」
サム  「一人一本限りかよ?」
ブルー 「そうなるね。ただ、手に入れられない人も多いから…」

分けてあげれば喜ばれるよ、と生徒会長は申しております。

ブルー 「重陽の菊は不老長寿のお守りなんだ。君たちの場合は…」
シロエ 「あまり関係無さそうですね」
キース 「どうやら歳は取らないようだし、寿命も長いか…」
ブルー 「だから争奪戦に負けた人に分けてあげるのさ」

これも一種のボランティア、と言われてみればそのとおりかも。

ブルー 「せっかくのお守りなんだからねえ、扱いの方は大切に!」
スウェナ「サッカーボールじゃないっていうのはそのことね」
ジョミー「分かったよ、ちゃんと大事に扱うってば!」
キース 「そして寺の行事に参加する…、と。気を付けろよ」
シロエ 「お坊さん多数でしょうからねえ…」
サム  「菊酒もあるって言うもんな。要注意だぜ」
ジョミー「一杯だけなら酔っ払わないよ!」

というわけで、9月9日はお寺にお出掛けに決定です。

キース 「持ち物は特に要らないのか? たとえば数珠とか」
ブルー 「法衣で出たけりゃ数珠も要るけど…。お勧めしないな」

素人さんには宗派の区別がつかないから、と生徒会長。

ブルー 「関係者まで菊を奪い合ってたなんてスキャンダルだよ」
サム  「そりゃそうだよなぁ、見た目は普通に坊主だもんな」
キース 「分かった、俺が坊主だとバレそうなモノは自粛する」
ブルー 「数珠レットくらいはいいと思うな、素人さんも愛用してるし」

それ以外のグッズは封印すること、と生徒会長は厳しく指導。
集合場所と時間も決まって、後は9月9日を待つのみ。
重陽の節句、どんなイベントなんでしょうねえ?

2012/09/06 (Thu)

 

☆お寺へ出発!


やって来ました、9月9日の日曜日。
土曜日も遊びまくったシャン学メンバー、今日も朝から燃えております。

ジョミー「よーし、争奪戦には負けないぞー!」
ブルー 「宗教行事だというのを忘れちゃダメだよ? 暴れないように」
サム  「ジョミーが暴れるのは酔った時だろ」
スウェナ「そうそう、緋色の衣を目指して頑張るぞー! ってね」
シロエ 「服は緋色が最高ですよね、と叫んだこともありましたよねえ」
ジョミー「ぼくは覚えてないってば!」
キース 「しかし親父は覚えているぞ? 正月から坊主宣言だったし」
ジョミー「もう時効だよ、半年以上も経ってるんだし!」
ブルー 「次から誓約書を書かせようかな、そういう時は」
シロエ 「いいですね、それ。ハンコは拇印で」
ジョミー「やだよ、絶対書かないから!」
キース 「いいや、あの勢いなら調子に乗って書くと思うぞ」
サム  「本当に坊主を目指していないのかよ? 怪しいよな」
マツカ 「心の底では帰依しているかもしれませんね。阿弥陀様に」
ジョミー「冗談じゃないよ!」

阿弥陀様も坊主も絶対嫌だ、と叫んではいても僧籍なのがジョミー君。
生徒会長に強引に出家させられ、『徐未』という立派な法名までが。

ブルー 「まあ、こればっかりは御仏縁だし…。気長に待つさ」
キース 「いいのか、それで? 何年かかるか分からないぞ」
ブルー 「きっといつかは緋の衣! それを楽しみに待つのも一興」
サム  「でも、今日のお寺は別口だよな?」
ブルー 「うん。ソレイド八十八ヶ所と同じ系列だよ。より古いけど」
キース 「そういえば、あそこは古義だったか…」
サム  「古義って何だよ?」
ブルー 「お大師様の時代より前からあるってことさ」

その割に最先端のモノもあるんだけどね、と生徒会長は路線バスへ。

ブルー 「うん、いい具合に空いてるかな」

降りるのは終点近くだから、と最後尾に陣取るシャン学メンバー。
由緒あるお寺みたいですけど、最先端のモノって何?

2012/09/07 (Fri)

 

☆十三参りのお寺


路線バスに乗って辿り着いた先は、節分に行ったお寺の近くの観光名所。
そこから橋を渡った対岸の山に目的のお寺がございます。

ブルー 「さてと…。十三参りに来たんじゃないから注意は不要か」
シロエ 「あれは振り向いたら終わりなんですよね、帰り道で」
ブルー 「そう、この橋を渡り終えるまでの間は…ね」
スウェナ「振り返ったらバカになっちゃうのよね?」
ブルー 「うん。御本尊様に頂いた智恵をお返ししてしまうんだ」
サム  「あれは本気で怖かったぜ。でも、振り向いてないのになあ…」

俺の智恵は何処に行ったんだろう、とサム君は首を捻っております。

ジョミー「返さなくてもその程度って話なんじゃないの?」
サム  「お前がそれを言うのかよ! ブルーがいなけりゃ赤点だろ!」
ジョミー「今は関係無いもんね。授業の中身は頭にバッチリ!」
ブルー 「何度も1年生をやっているんだ、覚えて当然」
キース 「ブルーのフォローもあったしな。それと智恵を返す話だが…」
シロエ 「返したんですよね、キース先輩は」
マツカ 「返したんですか!?」
キース 「おふくろがうるさく言うものだから、俺は自力で頑張ろうと」
ブルー 「あえて振り向いたというわけか…」
キース 「そういうことだ。おふくろには思い切り叱られたがな」
サム  「返しちまっても天才かよ…。なんか人生、不公平だぜ…」

ワイワイと思い出話を繰り広げながら橋を渡って参道へ。

ジョミー「あ、そうだ。すっかり忘れちゃっていたんだけど…」
キース 「何をだ?」
ジョミー「ブルーが言ってた話だよ。バスに乗る前に」

最先端のモノって何さ、とジョミー君に生徒会長が指差したものは。

ブルー 「あそこに小さな神社があるだろ? あれがそうだけど」
ジョミー「普通だよ?」
ブルー 「甘いね、あれは電電宮と言って電波の神様」
全員  「「「電波!?」」」

そんな神社が存在するのか、と誰もが仰天。
古いお寺に電波の神様。それは確かに最先端…。

2012/09/08 (Sat)

 

☆本日、重陽の節句


9月9日、重陽の節句にシャン学メンバーがやって来たのは立派なお寺。
ソレイド八十八ヶ所で知られたお大師様よりも古いそうなのですが…。

キース 「電波の神様は知らなかったぞ。本当なのか?」
ブルー 「宗派が違うし、知らない方が普通かな。でも本当だよ」
サム  「ホントに電波の神様なのかよ、だったら新しい神社だよな?」
ブルー 「んーと…。今のお社が出来たのが60年くらい前だったかと」
全員  「「「60年!?」」」
ブルー 「そう。150年ほど前に火事で焼けちゃって、暫く仮宮」
ジョミー「なんか新しくないんだけど…」
シロエ 「でも、会長はそれより前から生徒会長な筈ですよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルーは300年以上も生徒会長だもん!」
ジョミー「あ、そっか。じゃあ、ブルーよりかは新しいんだ?」
ブルー 「失礼な…。人を年寄りみたいに」

それに神社はもっと古い、と唇を尖らせる生徒会長。

ブルー 「この神社はねえ、千年以上も前から此処にあるんだから」
全員  「「「せ、千年!?」」」
ブルー 「千二百年近いかな? とにかく由緒正しい神社なんだよ」
ジョミー「せ、千二百年前に電波の神様って…」
キース 「そんな時代に電波の概念があったのか、おい?」
ブルー 「あるわけないだろ、電波は後付け設定さ」
シロエ 「それじゃ電電宮って名前も後付けですか?」
ブルー 「そこは微妙な所かなぁ…。明星社って名前だったけど…」
ジョミー「だったけど……何さ?」
ブルー 「祭られていたのは電電明神だったわけ」
キース 「分かったぞ! 雷神というオチなんだな?」
ブルー 「残念でした。虚空蔵菩薩様が明星にお姿を変えて御顕現」

そのお姿である明星天子が電電明神、と言われましても。

ジョミー「うーん、頭が混乱してきた…」
ブルー 「本堂に行けばスッキリするよ、菊の香りで一杯だから」

生徒会長は先に立って歩いてゆきますが。
重陽の節句って、菊だらけのイベントなんですかねえ?

2012/09/09 (Sun)

 

☆お寺と商売


千二百年ほども昔の時代から電波の神様をお祭りするお寺。
いくら後付け設定だからと言っても、最先端なのは間違いない事実で…。

キース 「電電明神だから電電宮か…。でもって電波の神様ときたか」
ブルー 「なかなか商売上手だろ? やっぱりこうでなくっちゃね」
シロエ 「商売上手って…。お寺ってそういうものなんですか?」
ブルー 「それはもう。維持管理にもお金がかかるし」
キース 「確かにそこは間違いないな。ましてこれほどの広さだと…」
ブルー 「そう、維持費も馬鹿にならないよ。稼がなくっちゃね」
サム  「十三参りがあるじゃねえかよ」
ジョミー「大抵の子供は来るんだからさ、充分じゃないの?」
キース 「甘いな。大寺院の経営ってヤツは大変なんだ」

何十年、何百年に一度の大修理とか、とキース君。

キース 「そういう時には大金がかかる。日頃からの備えが大切だ」
ブルー 「修理に合わせて募る寄付金だけでやるのは無理だよ」
シロエ 「えっ、でも…。色々なパターンで集めまくるじゃないですか」
スウェナ「瓦に名前を書いてあげますとか、そういうのよね?」
マツカ 「写経を納めるタイプもありますよ」
ジョミー「修学旅行生でも記念に払えそうな額からあると思うんだけど」
ブルー 「ダメダメ、そんなのじゃ全然足りない」
キース 「塵も積もれば山となる、と言ってもな…。桁が違うんだ」
サム  「あー、そっか…。家を一軒建てるのとは全然別物だもんな」
ブルー 「大工さんだって専門の人が必要なんだよ」
キース 「場合によっては建材から探さなくてはならないんだぞ」

寺院建築は奥が深い、とキース君は人差し指を立てて。

キース 「元老寺くらいの規模の寺の本堂でもピンキリなんだぜ」
ジョミー「なに、それ…」
キース 「建てるのに必要な経費の額だ。凝り始めたらキリがない」
ブルー 「建てた後は維持費がかかるしね」

電電宮は凄いんだよ、と生徒会長。
もしかしなくても稼ぎが半端じゃない神社ですか?

2012/09/10 (Mon)

 

☆商売の秘訣


生徒会長とキース君曰く、お寺の維持に金銭は必須だそうでございます。
商売が下手だと修理もままならないらしく…。

ブルー 「電電宮は放っておいても年々稼ぎが増えるからねえ」
キース 「放っておいても? …どういうことだ?」

経営努力は必要だろう、とキース君は大真面目。

キース 「霊園だって今どきのヤツは宣伝しないと売れないぞ」
サム  「キースの所も広告とかを出してるのかよ?」
キース 「いや、ウチは檀家さんのクチコミだけで充分だが」
ブルー 「そこそこ歴史があるお寺だからこそ出来ることだよ」
シロエ 「それじゃ電電宮も由緒あるお寺にあるからいけるんですか?」
ブルー 「違うんだな、これが。電波って所が重要なんだよ」

今どきは何でも電波に電気、とニッコリ笑う生徒会長。

ブルー 「なにしろ電電宮だから…。電気と電波の守り神ってことで」
キース 「後付け設定だとか言わなかったか?」
ブルー 「こういうモノはね、言った者勝ち! だから独り勝ち状態で」
ジョミー「分かった、お賽銭が半端じゃないんだね?」
ブルー 「お賽銭なんてレベルじゃないよ。維持のための会まであるさ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「電電宮奉賛会と言ってね、お供えも整備もバッチリだってば」
キース 「それ専門の会があるのか…」
ブルー 「年に一度は会員が集まって住職が祈祷。御布施がドカンと」
マツカ 「御布施ですか…。それは凄そうですね」
ブルー 「しかも会員はテレビ局とか電気関連事業の会社だ」
シロエ 「つまり会社が儲かれば儲かるほど御布施も増えるわけですね」
ブルー 「おまけにオンリーワンだろう? 会員数は増える一方」
キース 「あんな小さな神社がか…。分からんものだな」
ブルー 「つまり世の中、アイデアなんだよ。元老寺も何か考えたら?」
キース 「銀青様の台詞とも思えんな…」

新規の商売で儲けてどうする、とキース君は顔を顰めております。
檀家さんだけで充分ですか、そうですか…。

2012/09/11 (Tue)

 

☆商売はじめました


お寺の維持管理にお金は不可欠。
電電宮で抜かりなく稼ぐお寺を舞台に、アイデア次第だと説く生徒会長。

ブルー 「アイデアにも色々あるだろう? そこの所を考えなくちゃ」
キース 「俺は新規で商売を始めるつもりはないぞ」
シロエ 「お守りを売るのもアウトってわけじゃないでしょう?」
キース 「何のお守りを売れと言うんだ、ウチの寺で!」
ジョミー「王道は合格祈願じゃないの?」
スウェナ「縁結びも人気が高いわよ」
キース 「阿弥陀様がどう結び付くんだ、その二つに!」

無責任に発言するな、とキース君は眉を吊り上げておりますが。

ブルー 「うーん…。それを言い出すと璃慕恩院の立場がねえ…」
キース 「…はぁ? あんた、正気か?」
ブルー 「その台詞、そっくりそのまま君に返すよ」
キース 「なんでそうなる!」
ブルー 「学校と坊主の掛け持ちで忙しいのは分かるけどねえ…」

宗報には目を通したまえ、と生徒会長は深い溜息。

ジョミー「宗報って何さ?」
ブルー 「総本山の発行物さ。月刊シャングリラの璃慕恩院版」
キース 「俺は毎月読んでるぞ! もちろん親父もだ」
ブルー 「その割に分かっていないようだけど? さっきの話だと」
キース 「商売を始めましたなどとは一切書かれていない筈だが?」
ブルー 「…やっぱりアッサリ見落としてたか…」
キース 「ま、まさか…。本当に商売を始めたのか? 璃慕恩院が?」
ブルー 「始めちゃったんだよ、つい最近…ね」

これがなかなか素晴らしい、と生徒会長はニコニコ顔で。

ブルー 「明神様のお社があるだろう? あそこで各種祈願と御祈祷」
キース 「御本尊様…とは違うのか……」
ブルー 「阿弥陀様に合格祈願とか縁結びとかを頼むのはちょっと」
サム  「それで神社の出番なのかよ?」
ブルー 「うん。考えたよねえ、要受付で護摩も焚くんだ」

信者の人から観光客まで需要は沢山あるそうです。
総本山でも新規の商売。元老寺も何か考えるべき時代なのかも?

2012/09/12 (Wed)

 

☆商売の黒幕


総本山の璃慕恩院でも新しい商売を始める時代。
お寺を末永く維持するためには、アイデアが不可欠のようでございます。

ブルー 「元老寺もいずれは何か考えた方がいいかと思うよ」
キース 「これでも安定経営なんだが…。宿坊もあるしな」
ブルー 「ダメダメ、人は世につれ、世は人につれ」

総本山でも護摩なんだから、と生徒会長は指をチッチッと。

ブルー 「ぼくたちの宗派に護摩は無いだろ? 基本はね」
キース 「ああ。途中から宗旨替えしてきた寺は別だが」
シロエ 「そうなんですか? そういえば聞いたような気も…」
ブルー 「教義に護摩焚きは無いんだよ。だから習わないね」
サム  「へえ…。じゃあ、俺やジョミーが大学とかに入っても?」
キース 「そういう講義は一切無いな。だから俺だって作法は知らん」
ブルー 「ふふ、ぼくは護摩焚きもバッチリだけどねえ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルーは恵須出井寺にもいたもんね!」

とっても厳しいお寺なんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
璃慕恩院の開祖様も修行なさったという郊外の山の頂上のお寺です。

ジョミー「思い出したよ、校外学習で行ったっけ…」
スウェナ「写経と座禅だったわねえ…」
ブルー 「別の宗派でも修行をするとね、こう、色々と役に立つわけ」
キース 「おい。璃慕恩院の護摩、あんたの仕業じゃないだろうな?」
ブルー 「えっ? 違うよ、多分」
キース 「…多分だと?」
ブルー 「うん。前に老師と話をしててさ、護摩は目立つよって…」
キース 「焚きつけたのか?」
ブルー 「ち、違うってば、護摩は派手だから人目に立つって!」
キース 「………。それだな、老師が覚えてらっしゃったんだ」
ブルー 「そうなる…のかな?」
キース 「決まってるだろう、老師以外の誰に決定権がある!」
ブルー 「そうかも…。じゃあさ、何か考えてあげようか?」

元老寺用のアイデアを、とニッコリ笑う生徒会長。
緋の衣には逆らえないだけに、キース君の未来に赤信号?

2012/09/13 (Thu)

 

☆お客を呼び込め


璃慕恩院が新しく始めたという護摩焚き、一枚噛んでいたのが生徒会長。
本人に自覚は無かったのですが、どうやらアイデア源だったようで。

ブルー 「うーん…。元老寺だと何がいいかなぁ?」
キース 「よ、余計なことはしなくていいっ!」
ブルー 「そうかなぁ? アドス和尚も喜んでくれると思うけど」
キース 「やめてくれ、親父はあんたのファンなんだぞ!」

言われたら何でも通りそうだ、と頭を抱えるキース君。
生徒会長にアイデアを提供されたら、元老寺まで牛耳られるのは確実で。

ブルー 「やっぱり護摩が集客力があるかもね」
キース 「俺も親父も護摩焚きは出来ん!」
ブルー 「だからさ、今から君が修行してきて護摩の作法を覚えるんだ」
サム  「それってカッコイイじゃねえかよ、やっちまえよ」
ジョミー「うんうん、ぼくにばっかり修行って言わずにお手本に」
ブルー 「行くなら一筆書いてあげるよ、恵須出井寺にさ」
キース 「じょ、冗談だろう? 俺はだな、元老寺だけで手一杯で…」
ブルー 「そうかい? だったら布教師を目指すのはどうだろう」
全員  「「「布教師?」」」
ブルー 「ぼくたちの宗派の教えを説くのが布教師さ。法話の専門家」

でもって元老寺で毎月、説法会を…と生徒会長は申しております。

ブルー 「美坊主図鑑が人気の時代だ、人を呼べるのは間違いないよ」
全員  「「「美坊主図鑑!?」」」
キース 「あれは外道だ、俺は認めん!」
シロエ 「美坊主図鑑って何なんですか?」
ブルー 「名前そのまま。イケメンのお坊さんの図鑑っていうわけ」

説法会をしているお寺や、座禅体験が出来るお寺。
宿坊に泊まれるお寺などなど、敷居の低いお寺のイケメンを図鑑に掲載。

ブルー 「元老寺も宿坊をやっているんだ、載せて貰えば良かったのに」
キース 「客寄せパンダの真似が出来るかあ!」

俺はあくまで坊主なんだ、とキース君。
美坊主図鑑とやらの取材申し込みが来たようですけど、断りましたか…。

2012/09/14 (Fri)

 

☆イケメンで行こう


シャン学メンバーが知らない間に、世間では美坊主図鑑が人気。
イケメンのお坊さんを掲載していて、会いに行こうというコンセプトで。

ブルー 「その様子だと、取材の申し込みを蹴ったのは君か…」
キース 「親父も一応、渋っていたぞ」
ジョミー「一応って?」
キース 「お寺に親しみを持って貰うという趣旨には賛同してたんだ」
ブルー 「例によってアレだね、君のその髪がネックになった、と」
キース 「そういうことだ。親父は未だに恥晒しだと言ってるし…」
スウェナ「だけど美坊主っていうんだったら無問題じゃない?」
ブルー 「うん、有髪が似合う坊主はポイント高いんだよ」
キース 「その辺が親父は頭が固いんだ。ブルーのファンの割にはな」

生徒会長こと銀青様はバッチリ有髪でございます。
それが売りでもあるのですけど、アドス和尚にとっては別件。

キース 「何かある度に剃ってしまえとうるさくて…」
ブルー 「だったら是非とも載るべきだったね、美坊主図鑑に」
キース 「なんでそうなる!」
ブルー 「だってイケメンが売りなんだよ? 写真そのままの姿が大切」

有髪で美坊主図鑑に載ったら守り抜くのがお約束、と言われてみれば…。

キース 「そ、そういう解釈もあったのか…。載ったら髪を守れたか…」
ブルー 「後悔先に立たずってね。イライザさんは賛成してただろうに」
キース 「何故おふくろの意見を知っている!?」
ブルー 「女性の心理も分からない男はモテないよ。単なる推測」
キース 「くっそぉ…。巷の女性を味方につければ良かったのか…」
ブルー 「次の機会があった時には断らないで受けるんだね」
キース 「分かった。心に留めておくことにする」
ブルー 「あ、でもさ。表向きは元老寺の未来のためにと受けること!」

髪を守れて千客万来、と生徒会長は得意顔。
美坊主図鑑とやらの第二弾が出たら、キース君が載るかもしれません。
商売繁盛の秘訣はまず集客力。電電宮や護摩の代わりにイケメンで勝負?

2012/09/15 (Sat)

 

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☆二人でチャレンジ


月刊シャングリラの記者やら、中継用のカメラやら。
ハーレイの日な8月10日、振り替えとも思えぬ盛り上がりっぷりですが。
肝心の教頭先生、初っ端から鼻血でございます。

ゼル  「まったく情けない男じゃわい。もう鼻血かい!」
ブラウ 「心の準備が無いだって? 年中妄想全開なのにさ」
エラ  「仕方ないわよ、サプライズだもの。…で、どうするの?」
ハーレイ「………」
ブラウ 「ちょっと、ハーレイ! ボケてんじゃないよ、返事は!?」
ハーレイ「…は? す、すまない、何を訊いていたのだ?」
ブラウ 「あーあ、ホントにしょうがないねえ…」
エラ  「どうするの、って訊いたのよ。ここまで来たらやるのよね?」
ハーレイ「何をだ?」
ゼル  「分かっておらんのう、本日のメインイベントじゃ!」
ヒルマン「断ったりはしないだろうね? 皆、楽しみにしているのだし」
ゼル  「うむ、うむ。特にブルーがのう」
ハーレイ「ブ、ブルーが……」

またまた鼻血な教頭先生、耳の先まで真っ赤です。
生徒会長が楽しみにしているとあれば、お断りになる筈もなく。

ハーレイ「せっかく祝ってくれるのだ。有難く受けるつもりでいるが」
ゼル  「それでこそじゃ! 頑張るんじゃぞ」
ブラウ 「精一杯応援させてもらうよ、声までは届かないけどさ」
エラ  「ブルーが一緒だもの、大丈夫よ、きっと」
ヒルマン「大船に乗った気でいたまえ。ブルーはその道の達人だ」
ハーレイ「…た、達人……」

教頭先生、鼻血MAX。
その光景もテレビカメラが絶賛中継中で。

ブルー 「あのさ…。なんだか誤解されそうだよ、ぼくが」
ゼル  「そうかのう? わしらは嘘は言っておらんが」
ブルー 「達人って言われると話が間違う」
ハーレイ「い、いや、そのぅ…。私よりかは経験豊富で…」
ブルー 「まあね。とにかく二人でチャレンジしようか」
ハーレイ「ちゃ、チャレンジ…」

鼻血が止まらない教頭先生。
こんな調子じゃ、使い物にはならないのでは…?

2012/08/16 (Thu)

 

☆結婚式を控えて


ハーレイの日のメインイベントを前に鼻血ダラダラな教頭先生。
生徒会長と二人でチャレンジとなれば、無理もないことでございますが。

ハーレイ「す、すまない、ブルー。私は本当に初心者で…」
ブルー 「分かってるってば、そんなことくらい。さあ、行こうか」

教頭先生の腕を取って生徒会長は建物の中へと。

キース 「おい…。あれって何かが間違ってないか?」
スウェナ「花嫁が新郎を引っ張る…ものではないわよねえ?」
シロエ 「会長のお父さんはいないにしても、ヒルマン先生とか…」
マツカ 「そうです、父親か父親役が連れて行くものですよ、花嫁は」
ジョミー「まあ、ブルーだしね…。あれでいいのかも」
サム  「俺は何でも気にしねえぜ。ドレス姿が見られれば」
キース 「他人に嫁入りでも気にしないってか…。出来た男だな」
ジョミー「だから公認カップルになれたんじゃないの?」
シロエ 「その仲とも今日でサヨナラですけどね…」
スウェナ「とうとう結婚しちゃうんじゃねえ…」
サム  「ブルーが幸せならいいじゃねえかよ、相手は誰でも」

ワイワイ騒ぎながらシャン学メンバーも建物の中へ。
見物に集まった仲間たちも期待に満ちた顔でゾロゾロと…。

ジョミー「うーん、こっちも思い切りド派手…」
キース 「ハーレイの日で溢れているな。あっちもこっちも」
スウェナ「御成婚って書けばいいのに…。これじゃ何かのお祭りみたい」
シロエ 「ですよね、会長の名前もセットで書くべきです」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今日の主役はハーレイ! だからハーレイ!」
キース 「ぶるぅ、それは間違いではないんだが…。こういうのはだな」
シロエ 「バランスが大切なんですよ。せっかく結婚するんですから」
ぶるぅ 「結婚? それって、誰が?」
キース 「おい、ボケたのか? これから結婚式だろうが!」

大丈夫か、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の額に手を当てるキース君。
今日は朝から暑かったですし、小さな子供にはキツすぎましたか…?

2012/08/17 (Fri)

 

☆正気と暑気あたり


振り替えハーレイの日な8月10日は朝から快晴。
気温もグングン上がっているだけに、暑気あたりするのも無理はなく…。

キース 「熱は無いが…。ぶるぅ、向こうで休んでいろ」
ぶるぅ 「えっ、なんで? ぼく、元気だよ?」
ジョミー「ダメだってば! 結婚式にぶるぅがいないとブルーが困るよ」
スウェナ「そうよ、暫く休んでいましょ」
ぶるぅ 「んーと…。だから結婚式って誰の?」
サム  「こりゃダメだぜ。もう完全にイッちまってる…」
シロエ 「ヒルマン先生に言いに行った方が良さそうですね」
ぶるぅ 「何のお話? ホントに全然分かんないよう」
マツカ 「今日はブルーと教頭先生の結婚式ですよ。もうすぐです」
ぶるぅ 「えぇっ!? なんでブルーとハーレイが!?」
キース 「落ち着け、ぶるぅ。そのためにみんな集まってるんだ」
ぶるぅ 「違う、違うよ、違うってば! それって間違い!」
全員  「「「間違い!?」」」

なんのこっちゃ、と顔を見合わせるシャン学メンバー。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」がボケているのか、ボケているのは自分たちか。
しかし…。

サム  「あれっ、ブルーが消えちまった…」
スウェナ「着替えでしょ? ウェディングドレスに」
キース 「そうだろうな。教頭先生はあそこで待っておいでだし」
ジョミー「やっぱり結婚式だよねえ?」
シロエ 「間違っていないと思うんですけど…」
マツカ 「ぶるぅは子供ですからね。きっと分かっていないんですよ」
ぶるぅ 「分かってるもん! 今日はハーレイの日なんだもん!」
キース 「仕方ないな…。よく聞けよ、ぶるぅ。今日のテーマは…」

サプライズだ、と説明を始めるキース君。

キース 「だからだな、お前にとってもビックリな日になるんだろう」
ぶるぅ 「絶対違うと思うんだけど…」

ブルーは結婚しないもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は困り顔です。
とはいえ、教頭先生はタキシード姿で待機中。
生徒会長のお召し替えが済んだら挙式なのでは…?

2012/08/18 (Sat)

 

☆花嫁のお召し物


ハーレイの日のメインイベントは教頭先生と生徒会長の結婚式。
緊張の面持ちで待っておられる教頭先生、視線をチラチラと奥の方へと。
生徒会長がお召し替え中なのはそちらのようでございます。

サム  「ブルー、綺麗だろうなあ…。楽しみだぜ」
キース 「お前は本当に心が広いな。他人の嫁になるっていうのに」
サム  「ブルーの幸せが一番じゃねえかよ。あっ、そろそろかな?」

中継クルーのカメラが奥に向かって構えられ、扉が開いて…。
ワッと歓声が上がったまではいいですけれど。

ジョミー「えっ? ドレスじゃ…ない…?」
シロエ 「なんでソルジャーの格好なんです!?」
マツカ 「あれが正装かもしれません。ドレスよりも格が上だとか」
スウェナ「でも教頭先生はタキシードよ? 釣り合わないじゃない」
サム  「ドレスの方が絶対いいと思うけどなぁ…。俺も」

心底残念そうなサム君。
しかし紫のマントの生徒会長は盛大な拍手を浴びております。

ブルー 「みんな、今日はハーレイの日に集まってくれてありがとう」
一同  「「「ハーレイの日、おめでとうございまーす!」」」
ブルー 「ほら、ハーレイ。みんなに御礼を言わないと」
ハーレイ「う、うむ…。暑い中、此処まで来てくれて感謝する」
ブルー 「もっとにこやかに笑えないかな? まあ、地顔だしねえ…」
ゼル  「眉間の皺は直らんからのう。じゃが、微笑まんかい!」
ハーレイ「…こ、こうだろうか?」
ブルー 「やめた方がいいよ、子供が泣き出す」
ハーレイ「…そ、そうか…」

項垂れている教頭先生の肩をポンポンと叩く生徒会長。

ブルー 「ほらほら、今日の主役はシャキッと! ぼくのためにも」
ハーレイ「…ああ、お前に恥はかかせられんな」
ブルー 「満足させてくれるんだろう? 期待してるよ」
ハーレイ「うっ…! すまん、ちょっと…」

教頭先生、またまた派手に鼻血を噴いておられます。
挙式を前に失血死なんていう情けない結末にならないでしょうね…?

2012/08/19 (Sun)

 

☆花嫁の記者会見


生徒会長のお召し替えも済み、いよいよ婚礼が始まるようでございます。
とはいえ、教頭先生の鼻血が止まらないことには格好がつかず。

ブルー 「まだかい、ハーレイ? 気合で止めてよ」
ハーレイ「わ、分かってはいるのだが…」
ブラウ 「仕方ないねえ、先に会見を始めちまったらどうなんだい?」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! 皆が待ちくたびれておるからな」
ブルー 「うーん…。こういうのは二人揃った方が…ね」
ゼル  「並んでおるだけで充分じゃろうが! ハーレイの日じゃぞ」
ブルー 「だから肝心の主役がいないと…」
ブラウ 「そこにいるじゃないか。会見の間に鼻血も止まるさ」
ブルー 「そうかなあ? まあ、どうせテーマはサプライズだし…」

始めちゃおうか、と微笑む生徒会長にカメラが向けられております。
もちろんマイクも。

ブルー 「みんな、今日はハーレイの日に集まってくれてありがとう」
キース 「おいおい、花嫁が会見するのか?」
シロエ 「そうみたいですね。何かが間違っているような…」
スウェナ「だけど婚約指輪を披露するとか、よくあるじゃない」
サム  「そ、そっか、婚約指輪かあ…。俺には無理だもんな」
ジョミー「なんだかんだ言っても教頭先生、大人だもんね…」
マツカ 「でも…。何かおかしくないですか?」

雰囲気が、と言うマツカ君。
会場は大いに沸いていますが、祝賀というよりお祭りムード。

ブルー 「今日の主役はハーレイだ。あくまでハーレイ」
見物客 「「「分かってまーす!」」」
ブルー 「でもってテーマはサプライズ! 気になる中身は…」

ゴクリと唾を飲み込む見物客たち。
たかが婚礼、されど婚礼。
三百年越しの片想い叶って御成婚となれば無理もなく…。

ブルー 「ハーレイの一世一代の見せ場、スカイダイビング!」
見物客 「「「待ってましたあー!」」」
サムたち「「「スカイダイビング!?」」」

シャン学メンバー、見事に目が点。
婚礼じゃなかったんですか…?

2012/08/20 (Mon)

 

☆消えた結婚式


発表されたハーレイの日のメインイベントは、なんとスカイダイビング。
生徒会長との結婚式は何処へ行ったというのでしょう?

キース 「な、なんだ? 何処からスカイダイビングなんだ?」
スウェナ「スカイダイビングで結婚式っていうのはあるわよ?」
ジョミー「それなのかなあ? 結婚する気満々だったもんね」

などとシャン学メンバーは騒いでおりますが、肝心の教頭先生は。

ハーレイ「す……スカイダイビングだと?」
ブルー 「そうだよ、ぼくを満足させてくれるんだろう?」
ゼル  「ここは一発、頑張らんかい! 男じゃろうが!」
ブラウ 「出来ないだなんて言わないだろうね? 今日のメインだ」
ハーレイ「…そ、それはブルーとの結婚式では……」
ブラウ 「何を寝言を言ってるんだい、思い上がりも大概にしな」
ゼル  「まったく呆れたヤツじゃわい…。結婚じゃと?」
ヒルマン「どうやら勘違いをしていたようだね、気の毒だが」
エラ  「日頃の妄想が悪いのです。普段から暴走しがちですから」
ハーレイ「し、しかし…。タキシードだし、ブルーと二人なのだし…」
ブルー 「誰が結婚するって言った? 思い込むようにはしたけれど」

でないと連れ出せないからねえ…、と生徒会長は悪魔の微笑み。

ブルー 「最初からスカイダイビングだとバラしていたら来ないだろ?」
ハーレイ「…ほ、本当にスカイダイビング…なのか?」
ブルー 「大丈夫、ぼくも一緒に飛ぶからさ」
ゼル  「ブルーはその道の達人じゃしのう、任せておけい!」
ブラウ 「そうそう、成層圏からでも飛べるんだしね」
ハーレイ「で、では…。ブルーを満足させるというのは…」
ブルー 「君が期待した方面じゃなくて、スピードかな?」
ハーレイ「スピード?」
ブルー 「降下速度が見どころなんだよ、ハーレイの日だし!」
ハーレイ「な、なんだそれは?」
ブルー 「だから、ハーレイ!」

盛大に勘違いをしていた教頭先生はスピードが苦手。
はてさて、今後の展開は…?

2012/08/21 (Tue)

 

☆自由落下と速度


ハーレイの日だけに、生徒会長との結婚式だと思い込んでいた教頭先生。
しかし実態は結婚どころか別物で…。

ジョミー「結婚式じゃなかったんだ…」
ぶるぅ 「ぼく、最初から言ってたもん! 違うんだって!」
キース 「悪かった、ぶるぅ。…でもってスカイダイビングなんだな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ だからソルジャーの格好なんだよ!」

飛ぶならアレが一番だもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はニコニコ顔。
けれど教頭先生の方は。

ハーレイ「ほ、本当にスカイダイビングなのか…?」
ブルー 「今更嘘を言うとでも? 見物客も集まってるのに」
ゼル  「騙されたお前が悪いんじゃ! ブルーは楽しみにしておるぞ」
ハーレイ「そう…なのか…?」
ブルー 「もちろんさ。ハーレイの日にピッタリなんだよ」
ブラウ 「どの辺がだい? そりゃハーレイはパニックだろうけど…」
エラ  「スピードは半端じゃないものね。でも、それだけなの?」
ヒルマン「これだけの客を集めたんだ。何かあるんじゃないのかね?」
ブルー 「よくぞ聞いてくれました…ってね」

生徒会長、意気揚々とマイクに向かって。

ブルー 「今日のスカイダイビングは降下速度に注目だ!」
ジョミー「降下速度?」
ブルー 「オリンピックの開会式でスカイダイビングがあっただろう?」
ブラウ 「ああ、女王陛下も御出演のサプライズだっけね」
ブルー 「ハーレイの日にはアレを超えたい、と思っていたら…」
キース 「ニュースを見たとか言っていたな?」
ブルー 「そう、それは素晴らしいネタが降って来たわけ」
ゼル  「ニュースとな? どんなニュースじゃ?」
ブルー 「超音速の自由落下を目指す男!」
全員  「「「超音速!?」」」
ブルー 「生身で音速を超える初の人類を目指すんだってさ」

ぼくはとっくに超えているけど、と生徒会長は笑顔でございます。
第一宇宙速度を突破して飛べるのは本当の話。
ですが、超音速での自由落下を目指す男がどうしたと…?

2012/08/22 (Wed)

 

☆自由落下と音速


生徒会長が見たというニュースは超音速での自由落下を目指す男。
ハーレイの日に向けてネタ探し中だけに、思い切り閃いたそうでして…。

ブルー 「これしかない! と思ったんだよ」
ジョミー「もしかして先にやっちゃおうって? 音速超え」
キース 「まさかギネスを目指すつもりじゃないだろうな?」
ゼル  「いかん、いかんぞ! ギネスなんぞはもっての外じゃ」
ヒルマン「ブルー…。我々はあまり目立ってはならないのだよ」
エラ  「ええ、そうです。ギネスに登録などとなったら…」
ブラウ 「色々と調べが入るだろうしね。その計画はやめときな」

長老の先生方、口々に止めておられます。
そりゃそうでしょう、サイオンの存在が極秘なだけに無理もないですが。

ブルー 「誰がギネスに載せるって言った?」
ブラウ 「違うのかい?」
ブルー 「ぼくも一応ソルジャーだよ? その辺はちゃんと心得てるさ」
ゼル  「だったら何をすると言うんじゃ?」
ブルー 「そもそも音速を超えようだなんて思ってないし!」
全員  「「「えっ!?」」」

この流れで音速超えを目指さないだなんて、何かが変でございます。
せっかくハーレイの日だというのに…。

ジョミー「音速超えをするんじゃないの?」
ブラウ 「ギネス登録はともかくとして、音速超えは楽しいじゃないか」
ゼル  「この際じゃ、やってしまわんかい!」
ブルー 「うーん…。どうする、ハーレイ? 期待されてるみたいだよ」
ハーレイ「…わ、私は……そういうのは……」

教頭先生、顔面蒼白。
スカイダイビングとスピードだけでも大概な企画なわけですし。

ハーレイ「頼む、スピードは苦手なんだ! …音速超えはちょっと…」
ブルー 「やっぱりそう? じゃあ、最初からのプランどおりで」
ハーレイ「スカイダイビングは外せないのか…?」
ブルー 「外せないねえ、二人でチャレンジするんだろ?」

逃がさないよ、と生徒会長、教頭先生をガッツリ確保。
教頭先生、万事休すか…?

2012/08/23 (Thu)

 

☆ハーレイな速度


ハーレイの日のイベントは教頭先生と生徒会長のスカイダイビング。
生徒会長、最初から音速超えなぞを目指してはいないそうですけども…。

ハーレイ「…ど、どうしてスカイダイビングなんだ!」
ブルー 「閃いたって言ったじゃないか。聞いてなかった?」
ゼル  「その件はワシも聞きたいのう。何故なんじゃ?」
ブラウ 「ギネスは目指してないんだろう? 意図が全く不明だよ」
ブルー 「大切なのはスピードなわけ。ハーレイの日だし」
ヒルマン「記念に音速を突破するんじゃないのかね?」
ブルー 「そこまで行ったらやりすぎだよ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「超音速だとハーレイの日じゃなくなっちゃうんだ」
ブラウ 「どういう意味だい?」
ブルー 「ハーレイの日の由来は何だっけ?」

ニッコリ微笑む生徒会長。
それに応じてあちこちから声が上がっております。

ジョミー「確かハチレイイチ…だよね?」
キース 「ああ、0801でハーレイだ。本来は8月1日の筈だ」
ブラウ 「今日に振り替えになっちまったけど801だねえ…」
ブルー 「ご名答。その801が大切なんだ」
ゼル  「スカイダイビングとどう繋がるんじゃ?」
ブルー 「んーと…。ぼくが見ていたニュースではねえ…」

ちょっと解説、と生徒会長は指を一本立てて。

ブルー 「音速超えを目指すための最終実験で、高度2万9455メートル」
ゼル  「ふむふむ、そこから飛んだんじゃな?」
ブルー 「そうさ、気球に吊るしたカプセルで上昇してね」
エラ  「で、どうなったの?」
ブルー 「落下時間は3分48秒、最高時速は862キロだってさ」
ゼル  「ほほぉ…。するとアレじゃな、801キロを目指すんじゃな」
ブルー 「そのとおり! 目標は時速801キロ!」
ハーレイ「……は、801キロ……」
ブルー 「うん。ぼくと一緒にチャレンジしようよ」

身の安全は保障するから、と言われましても。
スピードが苦手な教頭先生、そんな速度に耐えられるのか?

2012/08/24 (Fri)

 

☆教頭先生の決意


ハーレイの日のメインイベント、スカイダイビング。
目標は時速801キロ、ハーレイな速度の自由落下だそうでございます。

ブルー 「ハーレイには腕時計式の速度計を装着して貰うんだ」
ゼル  「なるほど…。ワシが作ったヤツじゃな」
ブルー 「高度は2万9455メートルでいいよね、801キロは確実だし」
ブラウ 「801キロに達した所で止めるのかい? ゴージャスだねえ」
ブルー 「そりゃもう! みんなも期待しているんだろ?」
ゼル  「もちろんじゃ! そこまで派手とは思わんかったが」
ブルー 「じゃ、そういうことで。行こうか、ハーレイ」
ハーレイ「ま、待ってくれ! 今日は私の日じゃなかったのか!?」
ブルー 「ハーレイの日だよ? だからお祝いにぼくと二人で」
ハーレイ「む、無理だ! 801キロなどは考えただけで…」
ブルー 「足がすくんで動けないって? そうなんだ…」

仕方ないね、と溜息をつく生徒会長。

ブルー 「ぼくと一緒に飛ぶのも嫌だし、ぼくも信用していないのか…」
ハーレイ「し、信用…?」
ブルー 「そう、信用。身の安全は保障するって言ったのにさ」
ハーレイ「そ、それはそうだが…」
ブルー 「だけど信じてないんだろ? 信じていたら飛べる筈だよ」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! この腰抜けめが!」
ブラウ 「永久に結婚出来そうにないねえ、その調子だとさ」
ハーレイ「…そうなる…のか…?」
ブルー 「うん。ぼくを信じてくれない男はお断りだね」

今日はここまで、と生徒会長は教頭先生に背中を向けて。

ブルー 「みんな、残念だけどハーレイの日のイベントは中止だ」
一同  「「「えーっ!?」」」
ブルー 「ぼくはハーレイに心の底から失望したよ。最低だよね」
ハーレイ「……さ、最低……」

涙目になった教頭先生、グッと拳を握り締めると。

ハーレイ「わ、分かった! 私も男だ! 一緒に飛ぼう、ブルー!」

たちまち起こる拍手喝采。
教頭先生、本当にそれでいいんですか?

2012/08/25 (Sat)

 

☆いよいよ空へ


生徒会長とのスカイダイビングを決行しよう、と決意を固めた教頭先生。
そりゃ振られるよりマシなんでしょうが…。

ブルー 「やっと決心がついたって? それじゃ早速」
ハーレイ「き、気球に乗るのか…?」
ブルー 「ううん、そこの所は特別サービス! ハーレイの日だし」
ハーレイ「特別サービス?」
ブルー 「そうさ、ぼくが君を抱えて飛び上がるわけ。最高だろう?」
ハーレイ「お、お前と…なのか…?」
ブルー 「うん、こんな感じでグッと密着」

ギュウッと教頭先生に抱き付く生徒会長。
フラッシュが光りテレビカメラも追っている中、教頭先生、鼻血再び。

ブルー 「あーあ…。ホントに大丈夫かなぁ?」
ハーレイ「す、すまん…」
ゼル  「ブルー、上では気を付けるんじゃぞ? 相手は痴漢じゃ」
ブラウ 「なんだい、それは?」
ゼル  「先月のサマースクールで色々と…のう。覗きにお触り」
エラ  「如何にもありそうな話です。ブルー、用心するのですよ」
ハーレイ「ち、違う! 私は決して痴漢などは…!」
ヒルマン「痴漢は誰でもそう言うものだよ。恥を知るのだね」
ブルー 「良かったねえ、ハーレイ。注意で済んで」
ハーレイ「……ほ、本当に違うのだが……」

濡れ衣なのだ、といくら訴えても誰も聞く耳を持つ筈がなく。
教頭先生、痴漢の容疑が晴れないままで生徒会長と建物の外へ。

ブルー 「じゃあ、行って来るよ。カメラの準備はOKなんだね?」
中継男性「はい! 上昇中から着陸までの全てを追える仕様です!」
ブルー 「それは楽しみ。はい、ハーレイはこれを背負って」
ハーレイ「何だ、これは?」
ブルー 「パラシュートさ。君を地上まで送り届ける気は無いから」
ハーレイ「は?」
ブルー 「801キロまではサポートするけど、その後は自力!」
ハーレイ「む、無理だ、私には絶対に無理だ!」

パラシュートを開くよりも先に気絶する、と教頭先生は真っ青です。
そうなる確率は高そうですけど、無事に生還出来るのか…?


※シャングリラ学園生徒会室、本日でオープン1周年を迎えました。
 毎日更新で年中無休ですけど、『毎日シャン学』 になってからでは
 まだ1周年になっておりません。そちらは9月9日で1周年ですね。
 此処までお越し下さる皆様に感謝、感謝でございます。

 さてと、何処まで行けるかなぁ?

2012/08/26 (Sun)

 

☆大空を目指せ


801キロまではサポートするが、その先は自力でやれという生徒会長。
教頭先生、無理だと絶叫しておられます。

ハーレイ「そ、そんな速さまで私は保たん!」
ブルー 「ふうん? ぼくを放って気絶するんだ?」
ゼル  「最低じゃのう…。自分だけ先に昇天なんぞは男の恥じゃ!」
ヒルマン「私もゼルに賛成だね。パートナーを満足させるべきだよ」
ハーレイ「…し、しかし…」
ブラウ 「ま、いいんじゃないかい? ハーレイには似合いさ」
エラ  「そうねえ、いつも勝手に鼻血で昇天だものね」
ブルー 「なのに結婚する気でいたというのが厚かましいよ」

無理、無茶、無駄、と生徒会長に嘲笑われても、教頭先生、反論不可能。

ブルー 「こんな調子じゃ結婚しても結果は同じさ。一人で昇天」
ゼル  「肝心の夫婦生活も営めないくせに痴漢とはのう…」
ブラウ 「だから痴漢に走るんだよ。覗きとお触りが限界なのさ」
ヒルマン「いやはや、本当に情けない。甲斐性なしとはこのことだよ」
ハーレイ「違う、痴漢は濡れ衣だ! 私は何も…」
ブルー 「濡れ衣か何か知らないけどね、勝手に昇天は頂けないな」
ハーレイ「…わ、私にいったいどうしろと…」
ブルー 「801キロまで耐え抜けた時は、少し評価が上がるかも」
ハーレイ「ほ、本当か?」
ブルー 「うん。ちょっとは見直す気になる…かもしれない」

結婚生活はともかくとして、と生徒会長は笑っておりますが。
もはや全く聞いていないのが教頭先生クオリティ。

ハーレイ「そ、そうか…。801キロに耐えたら男が上がるのだな」

頑張るぞ、とパラシュートを背負い、蝶ネクタイを直す教頭先生。

ハーレイ「行こうか、ブルー。お前のために根性を出そう」
ブルー 「やる気になった? パラシュートを開く仕掛けはね…」
ハーレイ「ふむふむ、意外に単純なのだな」

これならいける、と教頭先生は自信満々でらっしゃいますけど。
時速801キロとやらに耐えられなければ、おしまいなんじゃあ…?

2012/08/27 (Mon)

 

☆飛び立つ教頭先生


ハーレイの日な落下速度は801キロ。
その速さまで耐えることが出来たら、教頭先生の評価が上がるそうです。

ブルー 「ホントに覚悟はいいんだね?」
ハーレイ「もちろんだ。お前との結婚生活に向けて頑張る所存だ」
ブルー 「またまた勝手に盛り上がってるよ…。それでこそだけどさ」
ハーレイ「何か言ったか?」
ブルー 「ううん、なんにも。おっと、忘れるとこだった」

出掛ける前に、とゼル先生から小型カメラを受け取る生徒会長。

ブルー 「えっと、電源を入れるだけだよね?」
ゼル  「うむ。基本はデジカメと全く同じじゃ。これがズームで…」
ブルー 「ありがとう。これでバッチリ中継出来る」
ハーレイ「は?」
ブルー 「中継用のカメラも飛んでいるけど、物足りないだろ?」

迫真の映像ってヤツも欲しいんだ、と生徒会長は笑っております。
どの映像を放送するかは中継係の腕の見せ所で。

ブルー 「じゃあ、出発!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いってらっしゃ~い!」
ハーレイ「う、うわぁっ!?」

生徒会長、教頭先生の腰をグッと抱えて華麗に離陸いたしました。
目指すは高度2万9455メートル。アッという間に点となり…。

ブラウ 「流石だねえ…。おっと、痴漢はしてないだろうね?」
ヒルマン「それどころではないようだよ」

建物の前に据えられた巨大スクリーンに映る中継映像。
教頭先生、生徒会長にしがみつくのが精一杯でございます。

ゼル  「ハーレイが着けた腕時計には高度計もついておるんじゃ」
キース 「画面の数字はそれですか?」
ゼル  「そのとおりじゃ! もう2万メートルに達したようじゃぞ」
ジョミー「そっか、もうすぐ落ち始めるんだ…」
ブラウ 「おーっと、言ってる間に御到着だよ」

画面下の数字が2万9455になり、映像がパッと切り替わって。

ジョミー「凄いや、笑顔でVサインだ!」
キース 「ブルーだけがな…」

いよいよ始まる自由落下。
引き攣った顔の教頭先生の明日はどっちだ!?

2012/08/28 (Tue)

 

☆801キロを目指せ


快晴の中、高度2万9455メートルまで上昇した生徒会長と教頭先生。
生徒会長は満面の笑顔ですけど、教頭先生は全く余裕をお持ちではなく。

シロエ 「教頭先生、真っ青ですね…」
キース 「あの高さまで上がるだけでも半端な速さじゃなかったしな」
サム  「ひょっとして801キロよりも速かったんじゃねえの?」
ゼル  「そのとおりじゃ! なにしろロケット並みじゃからな」
ジョミー「えっと…。それってどのくらい?」
ゼル  「秒速8キロは超えとるじゃろう」
ブラウ 「時速3万キロは軽いよ、なんと言ってもブルーだからねえ」
ジョミー「なんだ、それなら801キロで落っこちるくらい…」
スウェナ「大したことではないわよねえ?」
ヒルマン「さあ、どうだろうね。無事に生還出来ればいいが」
キース 「ま、待って下さい、冗談ですよね?」
ゼル  「そりゃまあ、葬式は面倒じゃしのう…。暑い最中に」
ブラウ 「あたしだって御免だよ。なんで真夏に喪服なんだい」

猛暑の葬儀は身体に堪える、と長老の先生方は笑っておられます。
まさか本気でお葬式にはならないでしょうが…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 始まるみたいだよ!」

中継画面の向こうで生徒会長が秒読み開始。
教頭先生はグッと唇を引き結び、足元は見ない姿勢のようで。

ブルー 「5、4、3…」
ハーレイ「………」
ブルー 「1、落下スタート!」

二人が揃って落ち始めるのをカメラがしっかり追っております。
マントを靡かせた生徒会長は慣れた様子でございますが。

ジョミー「…あれってシールドしてるのかな?」
キース 「ブルーの方は張ってるようだな」
シロエ 「でなきゃ髪とか思い切り逆立ちますもんねえ」
サム  「でもさ、教頭先生はシールドしてないみたいだぜ?」
ゼル  「それはな、ハーレイが阿呆だからじゃ!」
ブラウ 「思い付いてもいないってね。こりゃいいや」

真っ逆さまに落っこちてゆく教頭先生。
シールド無しで耐えられるのか…?

2012/08/29 (Wed)

 

☆只今、落下中


始まりました、自由落下。
時速801キロを目指す教頭先生、真っ逆さまに落下中でございますが。

シロエ 「えっと…。スカイダイビングって、あんなのでした?」
ジョミー「そういえば…。何か違うような気がするよね」
キース 「姿勢じゃないか? もっとこう、手足を広げてだな…」
ゼル  「基本の中の基本じゃな。わしは体験したことはないが」
ブラウ 「ブルーが教えてないんだろうねえ、あの様子じゃさ」
ヒルマン「いやいや、教えても無駄だったかもしれないよ」

下を見る余裕など無いだろうし、とヒルマン先生。

ヒルマン「シールドも張っていないのだからね、とてもとても」
ゼル  「あれでパラシュートを開くのは無理そうじゃのう…」
エラ  「それじゃやっぱり…」
ブラウ 「葬式だねえ、この暑いのに」

困ったものだ、と言われましても…。

ジョミー「ど、どうなっちゃうの、教頭先生…」
キース 「俺たちにどうこう出来ると思うか? くそっ、1分か…」
中継男性「1分が経過いたしました! まだまだですね」

画面下の速度は801キロには程遠く。
たまに切り替わる生徒会長のカメラからは教頭先生の必死の形相。

ブラウ 「うーん、案外頑張るもんだね」
ゼル  「死んだら元も子も無いからのう…」
ヒルマン「男を上げるのに必死なのだよ。夢はブルーとの結婚だ」
エラ  「でも…。ブルーとギャップがありすぎるわよ」

中継画面の生徒会長はシールドを張って優雅に降下中。
対する教頭先生はと言えば、タキシードも髪も風圧で乱れて滅茶苦茶で。

ゼル  「百年どころか千年の恋も冷めそうじゃわい」
ブラウ 「ブルーは最初から恋してないだろ?」
ヒルマン「そこに全く気付かないのがハーレイだよ」
エラ  「お蔭で私たちも楽しめるけど…」

お葬式となると大変よねえ、とエラ先生。
それだけは絶対無いのでしょうけど、801キロは目前です。
教頭先生、自力でパラシュートを開いて地上に帰ってこられますかねえ?

2012/08/30 (Thu)

 

☆ハーレイの日の結末


ハーレイの日な教頭先生のスカイダイビング。
落下時間は間もなく3分、時速801キロが近付いてまいりましたが…。

キース 「ど、どうなるんだ…」
ジョミー「本気でお葬式っていうのは無いよね?」
シロエ 「いくらなんでもやらないでしょう」
サム  「やったら殺人犯じゃねえかよ! ブルーが逮捕されちまう」
マツカ 「サムはそっちの心配ですか…」
スウェナ「いいんじゃない? あ、そろそろかしら?」
中継男性「間もなくです! 皆様、画面の数字にご注目を!」

落下速度を示す数字がグングン上がって、801に。

見物客 「「「ハーレイの日、バンザーイ!!!」」」

そこで数字はピタリと停止。
教頭先生、パラシュートを開くことが出来たのでしょうか?

ゼル  「…情けないのう、討ち死にしおった」
ヒルマン「いやいや、立ち往生と言うべきだよ。頑張った方だ」
ブラウ 「パラシュートだけは開いたようだねえ、そこまでだけどさ」
エラ  「結局、一人で昇天なのよね…」

中継画面に映っているのは見事に開いたパラシュート。
白地に赤で『祝・ハーレイの日』と大きく書かれております。
お祝いだから紅白なのか、紅白縞の下着を意識したのかは謎ですが…。

ジョミー「思いっ切り気絶してるよねえ…」
サム  「白目だもんなあ…。で、どうなるんだよ?」
ゼル  「決まっておろう。ハーレイを肴に宴会じゃ!」
キース 「そうなんですか?」
ブラウ 「そりゃそうさ。ハーレイの日だよ?」
キース 「嫌がらせにしか見えませんでしたが…」
ゼル  「キャプテンたるもの、娯楽を提供してなんぼじゃろうが!」
ヒルマン「この中継はウケたと思うよ、ブルーの案は素晴らしかった」

気絶したままの教頭先生、着地するなり担架で搬送。

ブルー 「801キロまで耐えてもアレじゃあね…」

パートナーを放って昇天する男に未来など無い、と毒づく生徒会長。
宴会の準備が始まりましたが、ハーレイの日の中継はここで終了です~。

2012/08/31 (Fri)

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☆8月1日!


教頭先生が散々な目に遭わされたサマースクール。
謹慎処分なレッドカードはなんとか出ずに済み、数日を経て今日は8月。
シャン学メンバー、生徒会長のマンションに遊びに来ております。

ジョミー「あ~、暑かった~! なんでこんなに暑いのさ!」
サム  「そうかぁ? 朝はそこそこ涼しかったぜ」
ジョミー「始発のバスで来るようなサムと一緒にしないでよ!」
キース 「いや、それに関してはお前が悪い。朝のお勤めなんだからな」
スウェナ「そうよ、夏休みくらい真面目にやってみたらどう?」
ブルー 「君たちもそう思うよねえ? なのに全然来ないんだから」
ジョミー「夏休みは夜ふかしと寝坊が王道じゃない!」
シロエ 「そうでしょうか…。ぼくなんか早起きになりますけれど?」
マツカ 「柔道部の朝練がある日は特に…ですよね」
キース 「坊主の夏も朝は早いんだぞ。暁天講座なんかもあるしな」
全員  「「「暁天講座?」」」

それは何だ、と首を傾げるシャン学メンバーに微笑んだのは生徒会長。

ブルー 「お寺の特別講座だよ。偉いお坊さんの法話を聞くんだ」
キース 「いろんな寺でやってるぞ。宗派によっては朝粥も食える」
ジョミー「朝粥って、ぶるぅが作ってくれるアレ? 美味しいヤツ?」
キース 「あれは料亭の味だろうが! 暁天講座のは普通に粥だ」
ジョミー「なんだぁ…。まあ、どっちにしても行かないけどね」

坊主の世界はお断り、とジョミー君はキッパリと。

ブルー 「ふうん? だけど暑いのが嫌なら早めに家を出なくっちゃ」
スウェナ「でも…。暑くっても頑張ってる人がいるわよ、今日は」
キース 「今日に限らず毎日だろう? 社会人には夏休みは無い」
スウェナ「そうじゃなくって、ほら、八朔! パルテノンの」
キース 「ああ、アレか。あれは確かに暑そうだな」
ブルー 「しまった! 今日は8月1日だっけ…」

生徒会長、ガックリと肩を落としておりますが。
八朔だとか8月1日だとか、それがいったいどうしたと…?

2012/08/01 (Wed)

 

☆忘れられた日


8月1日を忘れていた、と嘆きまくっている生徒会長。
出掛ける予定があったというなら、カレンダーに書いておくべきですが。

キース 「どうした、暁天講座の出張予定でもあったのか?」
ブルー 「ううん、その手の話は断ってるよ。ぼくは安売りしない主義」
キース 「なるほどな…。それでこそ伝説の高僧ってヤツか」
ブルー 「そういうこと。顔が売れまくったら何かと困るし」
キース 「そっちの方か…。確かに迂闊な場所には出入り出来んし」
ブルー 「普通の坊主でも人目を避けなきゃヤバイ場所もあるしね」

パルテノンとか色々と…、と生徒会長は申しております。

シロエ 「花街は流石にマズイですよねえ、お坊さんには」
ジョミー「さっき言ってた八朔って何さ? パルテノンだよね?」
スウェナ「あら、知らない? 舞妓さんと芸妓さんの挨拶回りよ」
マツカ 「お茶屋さんとかを回るんです。黒紋付の正装で」
サム  「正装って…。それ、思いっ切り暑いんじゃねえか?」
キース 「暑いなんてレベルじゃないだろうな。この暑さだしな…」
スウェナ「朝の9時半からだもの。30℃を軽く超えてるわよ」
ジョミー「そ、その暑いのに正装なわけ?」
キース 「ああ。化粧もバッチリ白塗りだぞ」
ジョミー「うわぁ…。汗で流れてしまうんじゃないの?」
ブルー 「流れないね。着付けのコツがあるんだよ」
全員  「「「コツ?」」」
ブルー 「うん。胸のすぐ下でギュウギュウに締めると大丈夫らしい」

その代わり着物の下は汗だくだそうで。
黒紋付は挨拶回りが終わったらすぐに洗いに出すのがお約束。

キース 「そうだったのか…。何処の世界もプロは大変だな」
ブルー 「君だって暑い盛りにお盆の棚経と墓回向だしね」
キース 「全力で親父に押し付ける! で、あんたは何を忘れたんだ?」
ブルー 「だから8月1日だよ!」
全員  「「「はぁ?」」」

8月1日をド忘れすると困ることでもあるのでしょうか?
何かの記念日なんですかねえ…?

2012/08/02 (Thu)

 

☆謎のナンバー


生徒会長が忘れていたのは8月1日だそうでございます。
何の日なんだかサッパリですけど、ガックリっぷりは半端ではなくて…。

ブルー 「年に一度のチャンスだったのに、忘れるなんて…」
キース 「チャンスだと? 何かの限定販売か?」
スウェナ「八朔限定のお菓子とかならありそうよねえ」
サム  「うんうん、この日に食べなきゃっていうヤツな」
ジョミー「土用のウナギみたいなもの?」
キース 「どうだかな…。だが、限定菓子はありがちだろう?」
シロエ 「雛祭りとか端午の節句とか、確かにバッチリ限定ですね」
マツカ 「七夕限定もありますよ。要予約で配達無しっていうのが」
ジョミー「配達無し?」
マツカ 「そうなんです。七夕当日に取りに行ける人しか買えません」
サム  「うっわー、それはハードル高いよなぁ…」
キース 「ブルーが忘れたのもそういうのかもな。八朔限定」
スウェナ「パルテノンの辺りでしか売ってない上に要予約とか?」
ブルー 「違うよ、お菓子なんかじゃなくて…。単に8月1日だってば」

本当に思い切り忘れてたんだ、と溜息をつく生徒会長。

ブルー 「8月1日で何か連想しないかい?」
キース 「八朔だろう?」
ブルー 「ううん、8月1日だよ? 文字で書いたら分かるかなぁ」

メモ用紙を出した生徒会長、ボールペンでサラサラと。

ブルー 「いい? 8月1日はこうも書けるんだ。0801」
ジョミー「それって何処かの電話番号?」
ブルー 「最初のゼロは無視していい。残りの801が大切」
キース 「お、おい、それは…」
スウェナ「まりぃ先生が大好きなヤツじゃなかったかしら?」
シロエ 「ですよね、確か『やおい』とかいう…」
キース 「ひょっとしてボーイズラブの日か!?」
ブルー 「そっか、そうとも読めるんだっけ。…違うんだけどな」
サム  「煩悩の数は108だよなぁ、801って知らねえぜ」

それは何だ、と首を捻っているシャン学メンバー。
8月1日で801って、何の暗号?

2012/08/03 (Fri)

 

☆801を読み解け


8月1日、書き方によっては0801。
先頭のゼロを除いた801が大切なのだ、と生徒会長は申しております。

ブルー 「やおいじゃなくて、他に何かを思い付かない?」
キース 「801でか? やおい以外に何があると言うんだ」
シロエ 「ほら、北の方にある商店街のマスコットキャラもそれですよ」
サム  「あー、ある、ある、801商店街のヤツな」
スウェナ「確かバカ受けしたのよね。ネーミングの凄さで」
ジョミー「うん、知ってる。凄いセンスだよねえ、商店街の名前自体が」
キース 「やおいという言葉を知らずに名付けたんだろう」
ブルー 「そうだよ、商店街の長さか何かに関連する数字さ」
キース 「ほら見ろ、やっぱり801と言えばやおいだ」
シロエ 「なんで会長がソレにこだわるのかが謎ですけどね」
ジョミー「教頭先生とエロドクターで懲りてるのにね…」
ブルー 「だから違うと言ってるだろう!」

やおいとは全く関係無い、と数字を指差す生徒会長。

ブルー 「8はハチなんだよ、ゼロはレイでさ…」
全員  「「「ハチレイイチ?」」」
ブルー 「それじゃ電話番号だってば、これはハーレイ!」
全員  「「「ハーレイ!?」」」
ブルー 「そう、ハーレイと読めるわけ。8月1日はハーレイの日!」
キース 「な、何なんだ、それは?」
ジョミー「教頭先生の誕生日とか?」
ブルー 「関係ないねえ、単なるこじつけ」

だけど素敵な日付だろう、と生徒会長は得意そうです。

ブルー 「ハーレイの日だよね、と言ってあげるだけで舞い上がるって」
キース 「それで忘れたと呻いていたのか…」
ジョミー「だったら今から行ってくれば? まだ間に合うよ」
マツカ 「お昼前ですしね、お祝いごとで訪問するなら急いだ方が」
キース 「それともアレか、一人じゃ行けないっていうわけか?」
シロエ 「そんな決まりもありましたっけね…」

教頭先生の家に一人で行くのを禁止されている生徒会長。
果たしてお出掛けするのでしょうか?

2012/08/04 (Sat)

 

☆生徒会長のこだわり


8月1日はハーレイの日だ、と主張し始めた生徒会長。
教頭先生にそう言ってあげるだけで舞い上がる、と考えていたようで…。

キース 「一人で行けないと言うんだったら、不本意ながら付き合うぞ」
シロエ 「…ですよね、サマースクールの恩がありますし…」
ジョミー「ぼくたちだけじゃあ無理だったしね、アレは」
サム  「暑そうだけど、ブルーが行きたいんだったら俺は行くぜ」
マツカ 「ぼくも行きます。暑いのが嫌ならタクシーを呼びますか?」
サム  「おおっ、流石はマツカ! 気が利くよなぁ」
スウェナ「えっと…タクシー代は…」
マツカ 「勿論、ぼくが出しますよ。すぐに出掛けますか?」

スマートフォンを取り出したマツカ君ですが。

ブルー 「ちょっと待った! みんなの気持ちは嬉しいけどさ…」
キース 「何か問題でもあるっていうのか?」
ジョミー「プレゼントを用意するつもりだったとか?」
ブルー 「…そうなんだよね…。プレゼントでなくても、こう、何か…」
シロエ 「サプライズですか?」
ブルー 「女王陛下でもスカイダイビングって時代だからねえ」
サム  「あー、アレって本人なんだってな。飛ぶの以外は」
ブルー 「うん。映像作品には初出演で、リテイク無しの一発撮り!」

それに負けてはいられない、と言われましても。
全世界規模のオリンピックの開会式と張り合う方が無茶なのでは…。

キース 「まさかジェームズ・ボンドを連れて来る気じゃないだろうな」
ブルー 「ギャラをハーレイに払わせるってのも楽しいけれど…」
シロエ 「それ、いろんな意味でサプライズですよ…。お財布にまで」
ブルー 「あーあ、去年までだったらプレゼントくらいでいけたのに…」
ジョミー「どうしても捻りが欲しいわけ?」
ブルー 「捻りと言うか、芸と言うか…。仕方ない、日を改めよう」
全員  「「「は?」」」

ハーレイの日はあくまで8月1日。
日を改めるって、そんなことしちゃったらハーレイの日の存在意義は…?

2012/08/05 (Sun)

 

☆振り替えでいこう


ハーレイの日には捻りが欲しい、という生徒会長。
8月1日では間に合わないとかで、日を改めると言い出したから大変で。

キース 「お、おい…。8月1日は今日だぞ、今日!」
シロエ 「日を改めてどうするんですか、来年ですか?」
ジョミー「だよねえ、来年まで無いよ、8月1日」
サム  「もう挨拶だけでいいじゃねえかよ、今から行こうぜ」
マツカ 「どうしても何かって言うんでしたら、花束とか…」
スウェナ「そうね、花束なら間に合いそうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ケーキも今日のおやつの分があるよ!」
ジョミー「あっ、それはダメ! ケーキを持ってくならお店で買おうよ」
サム  「俺も賛成。どうせ教頭先生、甘い食べ物はダメだもんな」

よし行こう、と腰を上げかけたシャン学メンバー。
マツカ君は既に馴染みの花屋さんの電話番号を検索中ですが。

ブルー 「いいんだってば、もう今日は!」
キース 「なんでそうなる? 日を改めたら意味が無いぞ」
ブルー 「ハーレイの日くらい、振り替えにすればいいんだよ」
全員  「「「振り替え?」」」
ブルー 「そう、振り替え。どうせ本人はハーレイの日を知らないし」
キース 「言われてみればそうか…。あんたが勝手にこじつけたんだな」
ブルー 「ハーレイで遊ぶためだけに…ね。毎年忘れまくってたけど」

だけど今年はやってやる、と生徒会長は拳を握っております。

ブルー 「当日に思い出した上に、君たちがいたのも何かの縁だ」
キース 「正直、そんな御縁は思い切り遠慮したいんだが…」
ブルー 「ダメダメ、思い立ったが吉日ってね」
ジョミー「分かってるよ…。で、振り替えだと明日になるわけ?」
ブルー 「ううん、8月10日にしようかと。810だろ?」
シロエ 「似て非なるモノって気もしますけどねえ…」
ブルー 「気は心だよ、要はハーレイの日をやればいいんだ」

8月1日はハーレイの日。
それを振り替えて8月10日って、そこまでして何をやらかしたいと…?

2012/08/06 (Mon)

 

☆ナイスな振り替え


ハーレイの日は8月10日に振り替える、と独断で決めた生徒会長。
何をやるのかも分からないまま解散となり、翌日はプールへ行くことに。
しかし…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ プールはお昼からだって!」
ジョミー「えぇっ!? それって一番混みそうじゃない!」
シロエ 「そうですよ、だから朝イチで集まったのに…」
ブルー 「大丈夫。ドリームワールドのプールじゃないしね」
全員  「「「えっ?」」」
ブルー 「ほら、仲間がやってるフィットネスクラブのヤツさ」
キース 「まさかソルジャー権限で貸し切ったのか!?」
ブルー 「うん。今日のぼくは最高に気分がいいものだから」
キース 「……思いっ切り裏がありそうだな……」
ブルー 「無い、無い。心配しなくてもそれは無いって」

だから時間まで家でゆっくり、と生徒会長のマンションでクーラー三昧。

ブルー 「屋外プールもいいんだけどねえ、ここまで暑いと屋内の方が」
スウェナ「それでフィットネスクラブなわけね」
ジョミー「な~んだ、心配しちゃって損したかも…」
シロエ 「ですね、安心しましたよ」
キース 「いや、待て。…最高に気分がいいとか言っていたぞ」
サム  「そういえば…。ブルー、あれって何の事だよ?」
ブルー 「ん? 待てば海路の日和あり…とでも」
マツカ 「何の譬えですか?」
ブルー 「ハーレイの日だよ、慌てずに振り替えて良かったなぁ…って」
ぶるぅ 「あのね、いいアイデアが出来たんだって!」
キース 「アイデアだと?」
ブルー 「そう。昨日、あれからニュースを見てたら素晴らしいネタが」
全員  「「「ネタ?」」」
ブルー 「いやもう、これ以上の案は無いだろうってくらいに凄くって」
キース 「凄いだと? あんた、いったい何をする気だ?」
ブルー 「そこは当日のお楽しみ! とりあえず、プール」

サプライズでなんぼ、と生徒会長は喋るつもりは無いようです。
プールを貸し切りしたくなるほど気分が良くなるネタって、どんなの…?

2012/08/07 (Tue)

 

☆ハーレイの日、迫る


8月10日に振り替えられた8月1日、0801な『ハーレイの日』。
生徒会長は企画について何も語らないまま、いよいよ明日でございます。
シャン学メンバー、本日も生徒会長の家でダラダラしておりますが。

ブルー 「いいかい、明日は忘れないでよ?」
キース 「分かっている。朝一番に集合だったな、何処へ行くんだ?」
ブルー 「そりゃあ勿論、ハーレイの家さ。ハーレイの日だしね」
キース 「教頭先生は御存知なのか?」
ブルー 「ハーレイの日とは言ってないけど、声はかけてあるよ」
シロエ 「えっと…。逆に御馳走になりに行くんじゃないでしょうね?」
ブルー 「ううん、どちらかと言えばお出迎え!」
全員  「「「お出迎え?」」」
ブルー 「そう、素敵な場所へお出掛けするんだ」
ジョミー「お祝いに御飯を食べに行くとか?」
ブルー 「それに近いね。やっぱり盛大に祝ってあげないと」
キース 「………。ネタがどうこうと聞いたような気がするんだが…」
サム  「なんか変わった料理なのかもしれないぜ?」
スウェナ「美味しいけれど素材がゲテモノ系ってあるものね…」
マツカ 「ええ。サソリの素揚げなんかは美味しいですよ」
サム  「…サソリかよ…。マツカ、意外と変な料理も食ってたんだな」

誰もが驚いていますけれども、マツカ君が言うにはサソリは付け合わせ。
北京ダックを本場で食べたら一緒についてきたのだそうで。

マツカ 「味は桜エビに似てますね。パリッとしてて」
キース 「なるほどな…。そういう系の祝い料理というのはありそうだ」
ブルー 「さあ、どうだろうね? とにかく楽しみに待っててよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 準備の方もバッチリだしね!」
ブルー 「幸い、天気も良さそうだ。きっと喜んで貰えると思う」
全員  「「「天気?」」」
ブルー 「同じなら気持ち良く晴れた方が…ね」

みんなで楽しくお祝いしよう、と生徒会長は上機嫌。
振り替えハーレイの日な8月10日、果たしてどんなイベントが…?

2012/08/08 (Wed)

 

☆ハーレイの日の朝


0801な『ハーレイの日』、8月1日。
ハーレイの日をやりたかった生徒会長がド忘れしたため、振り替えに…。
振り替えられた8月10日は朝から見事に晴れております。

ブルー 「ちょっと暑いけど、綺麗に晴れて良かったよね」
キース 「まあ、祝い事には雨より晴れだな」
ジョミー「で、何処へ行くわけ?」
ブルー 「もうすぐ迎えが来るんだよ。涼しい所で待っていよう」

生徒会長のマンションに朝イチで集まったシャン学メンバー。
クーラーが効いた玄関脇のスペースでのんびり待っておりますと…。

ジョミー「あれっ、シド先生?」
シド  「ああ、おはよう。出掛けようか」
ブルー 「悪いね、夏休みなのに呼び出しちゃって」
シド  「いやいや、かなり集まりそうだぞ」
キース 「集まる…って、何のことですか?」
シド  「君たちと同じさ、ハーレイの日が目的だ」
ブルー 「そういうこと。仲間には通知が行っているんだ」
シロエ 「教頭先生の所にも?」
ブルー 「まさか。それじゃサプライズにならないじゃないか」

行くよ、と出てゆく生徒会長。
シド先生が運転するマイクロバスで向かった先は…。

ブルー 「さて…と。うん、ハーレイはちゃんと起きてるね」

生徒会長、門扉の脇のチャイムをピンポーン♪ と。

ハーレイ「どなたですか?」
ブルー 「ぼくだけど?」
ハーレイ「ブ、ブルー!?」

飛び出して来た教頭先生、門扉を開けて。

ハーレイ「暑かっただろう、入りなさい。すぐに冷たいものを…」
ブルー 「ううん、それより今日はおめでとう」
ハーレイ「は?」
ブルー 「お祝いを言いに来たんだよ。8月1日の代わりにね」
ハーレイ「8月1日?」
ブルー 「0801でハーレイだろう? だからハーレイの日!」
ハーレイ「ハーレイの…日…?」
ブルー 「そう、君の日だ。今日に振り替えになっちゃったけど」

お祝いの気持ちを受け取って、と生徒会長は申しております。
それ、受け取っても大丈夫ですか…?

2012/08/09 (Thu)

 

☆ハーレイの日!


振り替えで『ハーレイの日』となった8月10日。
教頭先生の家を電撃訪問した生徒会長、お祝いの言葉を述べております。

ブルー 「ハーレイの日、本当におめでとう。振り替えでもいいよね?」
ハーレイ「そ、それは…別にかまわないが、何なんだ、それは」
ブルー 「だからハーレイの日だってば! 本物は8月1日だけどさ」
ハーレイ「語呂合わせとかいうヤツか?」
ブルー 「うん、まさにソレ。でも当日にド忘れしちゃって…」
キース 「忘れる程度の日だそうです。お気になさらず」
ハーレイ「いや、こうして祝いを言って貰うと悪い気はせんぞ」
ブルー 「ホントかい? じゃあ、改めてみんなで言おうか。せーの!」
全員  「「「ハーレイの日、おめでとうございます!」」」
ぶるぅ 「おめでとうございまぁーす!」

パァーン! とクラッカーを鳴らす「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
一気にお祭りムードですけど、シド先生が車の窓から顔を出して。

シド  「ブルー、まだ出掛けなくても大丈夫なのか?」
ブルー 「あっ、いけない! ハーレイの準備も要るんだっけ…」
ハーレイ「準備?」
ブルー 「そうだよ、お祝いに行くんだからさ。着替えてきて」
ハーレイ「この格好ではダメなのか?」
ブルー 「それ、思いっ切り普段着じゃないか。タキシードとかは?」
全員  「「「タキシード!?」」」
ブルー 「うん、そのくらいの気合が入った格好がイチオシ」
ハーレイ「ま、まさか…」
ブルー 「ん?」
ハーレイ「タキシードを着て、お前と……とかか?」
ブルー 「ふふ、婚礼の定番だもんね、タキシード。そこはどうかな?」
シド  「教頭先生、テーマはサプライズだそうですよ!」
ハーレイ「そ、そうか…。サプライズなのか…」
ブルー 「でもって、お祝い! せめて背広を着て欲しいんだけど」
ハーレイ「分かった、急いで着替えてこよう」

待っていてくれ、と家に飛び込んでゆく教頭先生。
ドレスコードはタキシードって、まさかホントに婚礼を…?

2012/08/10 (Fri)

 

☆いざ、出発!


ハーレイの日にはタキシードがイチオシ、せめて背広を…と生徒会長。
何やら期待したらしい教頭先生、大急ぎで家に駆け込んでサクサクと…。

ハーレイ「待たせてしまって申し訳ない。滅多に着ないものだから…」
ブルー 「そりゃそうだろうね。持ってるだけでも素晴らしいよ」

教頭先生、この暑いのにタキシードをカッチリお召しです。

ハーレイ「しかしアレだな、早めに言ってくれていたなら…」
ブルー 「なんだい?」
ハーレイ「もっとこう…。お前と釣り合うものを誂えたのに…」
ブルー 「気にしない、気にしない。気は心って言うものね」
ハーレイ「そうだろうか?」
ブルー 「ぼくがOKって言ってるんだよ? さあ、出掛けよう」

先に立ってマイクロバスに乗り込む生徒会長でございますが。

ブルー 「あ、ハーレイ。君の席は一番後ろだから」
ハーレイ「お前の隣になるんじゃないのか?」
ブルー 「あのさ…。新郎と花嫁って一緒の車で式場入りかい?」
ハーレイ「す、すまん…。ウッカリしていた」
ブルー 「それに狭いんだよ、君と並んで座るとね」

ついでに痴漢の危険もあるし…、と生徒会長は小声で言っております。

キース 「おい。あんた、本気で婚礼なのか?」
ジョミー「結婚するなら少しくらい痴漢されてもいいんじゃないの?」
ブルー 「ジョミー…。君は命が惜しくないわけ?」
ジョミー「お、惜しいです! 前言撤回!」
ブルー 「よし。それじゃ出発!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」

走り始めたマイクロバスはマザー農場の方角へ。
広大な農場の脇を通り過ぎ、アルテメシアの郊外へと…。

ジョミー「あれっ、この道って…」
キース 「シャングリラ学園の専用空港に行く道だな」
シロエ 「もしかしてシャングリラ号の出番でしょうか?」
スウェナ「宇宙で結婚式っていう企画だったりするのかしら?」

なんだ、なんだ…と騒ぎ始めるシャン学メンバー。
ハーレイの日はシャングリラ号も巻き込む一大イベント…?

2012/08/11 (Sat)

 

☆盛り上がる道中


振り替えハーレイの日な8月10日、一同を乗せたマイクロバスは郊外へ。
シャングリラ学園専用空港に向かうルートでございます。

警備員 「おはようございます。許可証の提示をお願いします」
シド  「御苦労様。これでいいかな?」
警備員 「すみません、一応、決まりですので…。それで、これから?」
シド  「ああ、主役をお連れしないとね」
警備員 「中継もあると聞いていますし、楽しみですよ」
シド  「なにしろ一大イベントだから…。じゃあ、行ってくる」

ゲートを通過したマイクロバスの中は大騒ぎ。

ジョミー「中継だってさ、なんか凄そう…」
キース 「こりゃ間違いなく婚礼だな。それもド派手な」
シロエ 「婚礼は別にかまいませんけど、怖いのはオチですよ」
スウェナ「オチって何?」
シロエ 「会長が本気で結婚するわけないでしょう? 何かあります」
サム  「だよな、いつものパターンを考えるとなあ…」
ブルー 「そうでもないよ? ハーレイの日だしね」
キース 「オチは無いのか!?」
ブルー 「多分、無い……と思う」
サム  「無いのかよ!?」
ブルー 「祝賀ムードは盛り上げてなんぼ! 白けるのはNG!」
ハーレイ「で、では…。今日という今日は本当に…」
ブルー 「期待しててよ、ぼくからの心をこめたお祝いだ」

ついでに身体も張る予定、と生徒会長はニッコリと。

ハーレイ「か、身体……」
ジョミー「わわっ、誰か、ティッシュ、ティッシュ!」
キース 「大丈夫ですか、教頭先生!?」
ブルー 「あーあ、到着前から鼻血ってね…。なんか心配」
キース 「あんたの言い方が悪いんだろうが!」
ブルー 「本当のことを言ったまでだよ。実際、身体を張るんだからさ」
キース 「………。何をする気だ?」
ブルー 「ハーレイの日のお祝いだってば、一世一代の」
全員  「「「一世一代…」」」

生徒会長、身体を張ると言い出しましたが。
まさか本気で婚礼の上に、シャングリラ号で新婚旅行に御出発とか…?

2012/08/12 (Sun)

 

☆荒れ模様の道中


ハーレイの日を祝うためなら身体を張る、と生徒会長は申しております。
教頭先生はタキシードですし、これはいよいよ婚礼っぽく…。

サム  「おい、マジかよ? ブルー、本気で?」
ブルー 「うーん、サムには悪いんだけど、今日の主役はハーレイだし」
キース 「あんた、サムの気持ちを踏み躙るのか? 交替させろ!」
ブルー 「主役交代は有り得ないんだよ。それにサムには無理だと思う」
ジョミー「そっか、ぼくたち、永遠の高校1年生だっけ…」
ブルー 「実際の歳はともかく、中身の方がね」
キース 「くっそぉ、それを言われると反論できんか…」

シャン学メンバー、全員が万年十八歳未満お断り。
結婚式を挙げたとしても、その後がどうにもなりません。
その点、教頭先生の方は童貞なだけで立派な大人でございます。

ブルー 「だからさ、君たちは今日は見ているだけってことさ」
サム  「そうなのか…。まぁ、ブルーが幸せならそれでいいけど」
ジョミー「ちょ、それでいいわけ!?」
サム  「俺は心が狭くはねえぜ? あ、いけねえ、教頭先生は?」
シロエ 「そ、そういえばサムの話は内緒でしたね」
マツカ 「もしかして聞こえちゃったでしょうか?」
スウェナ「大丈夫みたいよ、心ここに在らずって感じ」
ブルー 「平気、平気。ハーレイはとっくに妄想の彼方」

何も聞こえちゃいやしない、とクスクス笑う生徒会長。
確かに鼻にティッシュを詰めた教頭先生、ボーッと座っておられます。

ブルー 「頭の中ではウェディングベルが高らかに鳴っていると思うよ」
キース 「サムが納得している以上は止めん。…もう好きにしろ」
ブルー 「もちろんだってば、仲間も楽しみにしてるんだから」
キース 「何処まで中継する気か知らんが、悪趣味なのは断るぞ」
ブルー 「アダルトチャンネルはぼくも却下だ、心配無用さ」

そこまで趣味は悪くない、と生徒会長は断言しておりますが。
教頭先生と身体を張っての挙式で、本当にそれを排除出来ますかねえ…?

2012/08/13 (Mon)

 

☆会場は目の前


専用空港へ向かうマイクロバスの車内は大荒れ。
生徒会長は涼しい顔をしておりますが、教頭先生は鼻の穴にティッシュ。
その状態で走り続けて、空港の建物が見えてくる頃。

ジョミー「わぁ、幟だ!」
キース 「祝・ハーレイの日だと? なんだ、これは」
ブルー 「賑やかしだよ、派手に演出しなくちゃね。あ、ハーレイ」
ハーレイ「…なんだ?」
ブルー 「そろそろ鼻血も止まっただろう? ティッシュは取らなきゃ」
シド  「教頭先生は注目の的ですからね、カメラも待っている筈です」
ハーレイ「そ、そうなのか…。緊張するな」
キース 「大丈夫ですか、鼻血の方は?」
ハーレイ「うむ。慣れている…というのも情けないが、止まったようだ」

血染めのティッシュを備え付けのゴミ袋に捨てる教頭先生。
確かに鼻血は止まっております。

ブルー 「髪の毛とかもちゃんとしといてよ? 蝶ネクタイも」
ハーレイ「ああ、お前に恥はかかせられないしな」

教頭先生、いそいそと服装チェックをしておられますが。

シロエ 「えーっと…。何処で婚礼するんでしょう?」
サム  「何処だろうなぁ、シャングリラ号かな?」
ジョミー「じゃあ、ぼくたちも乗れるよね! 久しぶりだなぁ」
キース 「夏休みに乗ったことは一度も無いしな」
スウェナ「豪華料理が出るといいわね、結婚式だし!」

ワイワイと盛り上がるシャン学メンバー。
前方に現れた空港の建物には大きな垂れ幕と横断幕が。

ジョミー「凄いや、祝・ハーレイの日って、あそこにも!」
キース 「それより人が凄くないか? 集まってるぞ」
シロエ 「みんな小旗を振っていますよ?」
マツカ 「シャングリラ学園のマークみたいですね」
ブルー 「国旗みたいな感じかな? シャングリラ学園の紋章だから」
ハーレイ「…晴れがましすぎる感じなのだが…」
ブルー 「気にしない、気にしない。今日の主役は堂々と!」

暑い中、小旗を振っている仲間たち。
ハーレイの日は華やかになりそうですよ~!

2012/08/14 (Tue)

 

☆祝賀ムード一色


振り替えハーレイの日な8月10日。
シャングリラ学園専用空港の建物、思いっ切り祝賀ムードでございます。
大勢の仲間が小旗を振る中、教頭先生がマイクロバスから降り立つと…。

一同  「「「ハーレイの日、おめでとうございます!」」」
ハーレイ「…あ、ありがとう…。照れるな、どうも」
女性  「月刊シャングリラです! 今のお気持ちを一言!」
ハーレイ「い、いや、そのぅ…。とにかく驚いているのだが…」
男性  「テーマはサプライズだそうですが、お知りになったのは?」
ハーレイ「さっき迎えが来て知ったばかりだ」
男性  「だそうです。画面を御覧の皆様、これからですよ!」

クルーの制服を着た男性の後ろにはテレビカメラ。
中継スタッフは全員、クルーの格好で来ているみたいです。

キース 「本当に中継が入るのか…」
ブルー 「そりゃもう、一大イベントだもの。上でも見てるよ」
ジョミー「上?」
ブルー 「シャングリラ号さ。家で見ている人たちもいるし」
シロエ 「い、家って、自宅のことですか!?」
ブルー 「うん。役職がつくレベルの人だと専用テレビが」
サム  「そんなものまであったのかよ…」
ブルー 「マザー農場の管理棟でも見られるしね」

だけど大半は現場に来ちゃったかな、と生徒会長。
そこへ建物の中から現れたのは…。

ゼル  「やっと主役の到着か。待ちくたびれたぞ」
ブラウ 「ハーレイの日だってねえ? あんた、自信はあるのかい?」
ハーレイ「じ、自信…?」
ゼル  「決まっておろうが、ブルーを満足させる自信じゃ!」
ハーレイ「…う、うむ…。精一杯、頑張りたいと…」

そう言いつつも教頭先生、鼻を押さえておられます。
エラ先生がティッシュを差し出し、ヒルマン先生は首を振って。

ヒルマン「大丈夫なのかね、そんなことで?」
ハーレイ「きゅ、急なことなので心の準備が…」

長老の先生方も結婚を認めておいでの様子です。
後は主役の頑張り次第。教頭先生、無事に結婚出来るのか?

2012/08/15 (Wed)

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☆教頭先生と肉体労働


サマースクールで何処に泊まるのか、気になるというシャン学メンバー。
生徒会長は冷房がどうこう言っておりますが、人気はテント。
しかしテント生活だと教頭先生が頑張ることになるとは、これ如何に?

キース 「おい、どうして教頭先生なんだ?」
ブルー 「決まってるじゃないか、肉体労働はハーレイだろ?」
ジョミー「テントくらいは、ぼくたちで張るよ! それが醍醐味だし!」
シロエ 「楽しみの内ですよね、それも」
ブルー 「ぼくは嫌だな、ただでも暑いのに労働なんかさ」
キース 「それで教頭先生なのか? あんたの分を張らせると?」
ブルー 「ぼくの分と、スウェナとぶるぅが泊まる分だよ。それと…」
マツカ 「ぼくだってテントは張れますよ」
サム  「俺も自分のテントは張るぜ」
ブルー 「違うってば、張らせるのは二張りでいいんだ。その後が問題」
全員  「「「その後?」」」
ブルー 「うん。団扇の風じゃ耐えられないしね、扇風機もちょっと」
ジョミー「なに、それ?」
ブルー 「ぼくのテントの冷房だよ。ハーレイの根性にかかってるのさ」
キース 「肉体労働がどうとか言ったな? サッパリ意味が謎なんだが」
ブルー 「自転車を漕いでもらうわけ。自家発電の王道だろ?」
全員  「「「えぇっ!?」」」

それってまさか一晩中では、と大騒ぎになっておりますが。
生徒会長は涼しい顔で…。

ブルー 「決まってるじゃないか、冷房が止まると寝苦しい」
キース 「タイマーで止まる冷房だってあるだろうが!」
ブルー 「ぼくは心地良く寝ていたいんだよ。それに用心もいいからね」
ジョミー「用心って?」
ブルー 「自転車を漕がせておけば夜這いに来られる心配が無い」
シロエ 「そういう問題なんですか? 過労で倒れますってば」
ブルー 「そうかなあ? 得意技だと思ったけれど」
キース 「何がだ?」
ブルー 「自家発電!」

絶対得意に決まっている、と主張している生徒会長。
そんな得意技ってアリなんですか?

2012/07/16 (Mon)

 

☆教頭先生の得意技


テント生活でもクーラーは必須、と主張している生徒会長。
そのための電力を賄うために、教頭先生に自家発電をさせるのだとか…。

キース 「教頭先生がタフでらっしゃると言うなら分かる。だがな…」
シロエ 「自家発電が得意技って、何なんです?」
ジョミー「家にママチャリがあるのは知っているけど、自転車のこと?」
ブルー 「違うよ、自家発電と言ったら自家発電!」
全員  「「「???」」」
ブルー 「分からないかな、最近は使わない言い回しかもね」
サム  「別の意味でもあるのかよ?」
ブルー 「そう、大有り。大きな声では言いたくないけど」
キース 「だったら思念波で囁いておけ。…いや、ちょっと待った!」
ブルー 「何さ?」
キース 「やっぱり聞かなくていいような気がする。どうせロクでも…」
ブルー 「それで正解。なにしろ妄想が激しくて」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「ぼくの写真を見ながらせっせと自家発電だよ、夜の習慣」
キース 「………。お、おい、それは……」
ブルー 「いやもうホントによくやるよ、ってね。童貞のくせに」
全員  「「「………」」」

聞くんじゃなかった、と討ち死にしているシャン学メンバー。
自家発電が何の意味かは嫌でも分かったみたいです。

キース 「もういい、今ので死ぬほど疲れた。テント生活はやめておく」
ブルー 「えっ、なんで?」
キース 「あんたのテントを見たくないんだ、クーラーつきの」
ジョミー「だよねえ、教頭先生が自転車を漕いでる姿なんか見たら…」
シロエ 「それこそドッと疲れますってば、ぼくたちが」
ブルー 「じゃあ、冷房完備の部屋に泊まるのでいいんだね?」
キース 「不本意ながら…な。で、何処なんだ、それは」
ブルー 「礼法室だよ。あそこなら広いし、何かと便利」
キース 「そういえば校内合宿用にも使っていたな…」

いいかもしれん、と頷いているキース君。
テント生活が却下な以上、合宿に使われる部屋というのは魅力的かも?

2012/07/17 (Tue)

 

☆宿泊は礼法室


サマースクールとやらで泊まる場所。
希望者の多いテントでしたが、生徒会長の怪しげな発想のせいで却下に。
校内合宿でも使われるという礼法室になるようです。

ブルー 「冷房完備で設備も充実。別室もあるからスウェナはそっちに」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもそっちだよね!」
ジョミー「教頭先生はぼくたちと一緒になるのかな?」
キース 「引率役だしな、そうなるだろう」
ブルー 「ダメダメ、そんな危険なのは! 得意技は自家発電だよ?」
シロエ 「じゃあ、どうするんです?」
ブルー 「廊下で寝させればいいじゃないか。段ボールを敷いて」
キース 「段ボールだと?」
ブルー 「そりゃ寝袋でもいいけどさ。段ボールの方が涼しいと思う」
シロエ 「それって少し酷すぎませんか? せめて何処かの教室とか…」
ブルー 「そうかなぁ? まあ、考えておくよ」

当日までに、と生徒会長。
教頭先生の扱いはロクなものではなさそうです。

ブルー 「というわけで、宿泊場所も明かしたし! 合宿を頑張って」
キース 「もちろんだ。ジョミーも明日から璃慕恩院だな」
ジョミー「うえ~…。言わないでよ、ぼくは行きたくないんだからさ!」
サム  「俺と一緒に頑張ろうぜ。毎日念仏三昧だぞ」
ブルー 「修行の成果に期待してるよ。それが終わればサマースクール」
ジョミー「約束はちゃんと守ってよね! 巨大そうめん流しだよ?」
ブルー 「分かってるってば。ねえ、マツカ?」
マツカ 「ええ、竹藪は何処を切ってもいいと両親も言っていますから」
シロエ 「楽しみですよね、そうめん流し!」
キース 「お前の腕の見せ所だしな。もう設計図も描いたのか?」
シロエ 「いいえ、ぶっつけ本番です。その方がきっと面白いですよ」
ブルー 「だよねえ、みんなで試行錯誤もいいと思うな」

とにかく素敵なサマースクールを目指すべし、と生徒会長は上機嫌。
問題は教頭先生に迷惑をかけまくりたいという点ですが。
廊下で寝るだけで済みますかねえ…?

2012/07/18 (Wed)

 

☆楽しみな明日


柔道部の合宿と、ジョミー君とサム君の璃慕恩院での修行体験ツアーと。
恒例行事が無事に終わって、明日からサマースクールです。

ブルー 「良かったねえ、今年も元気に修行が出来て」
サム  「おう! やっぱアレだよな、総本山は気が引き締まるよな」
ジョミー「ぼくは緊張しまくりだったよ! もうヤだよ、アレ…」
キース 「今からそんなことでどうする? 修行生活はもっとキツイぞ」
ジョミー「修行する気は無いもんね。お坊さんなんかならないし!」
ブルー 「何を寝言を言ってるんだい、君はとっくにお坊さんだろ」
シロエ 「僧籍って言うんでしたっけ? 確か登録済みでしたよね」
ブルー 「そういうこと。後は修行を積むだけ…ってね」
スウェナ「頑張ってよね、期待してるわよ」
キース 「俺も親父も力になるぞ」
ジョミー「要らないってば! それよりサマースクールだよ!」
ブルー 「うーん…。未だに遊びが優先なのかい?」
ジョミー「決まってるじゃない、永遠の高校1年生!」
キース 「ブルーは高校3年生だが、既に伝説の高僧だぞ?」
ジョミー「あれは例外! 三百歳超えと同列にしないでよ」

遊ばにゃ損々、とジョミー君は浮かれております。
その辺は他の面子も似たり寄ったり。

シロエ 「明日ですもんねえ、サマースクール。楽しみです」
マツカ 「竹藪の方はいつでもどうぞ、と父が言ってました」
ブルー 「伐採用の道具は学校で用意してくれるそうだよ」
全員  「「「学校!?」」」
ブルー 「マザー農場から借りるんだってさ。ハーレイが責任者」
キース 「そうめん流しの装置の工具も学校が貸してくれるのか?」
ブルー 「当然だろ? なんたってサマースクールなんだし」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 調理場も好きに使っていいって!」
ブルー 「というわけで、集合時間に遅れないようにね」

忘れ物にも気を付けて、と持ち物を書いた栞なんかが配られました。
シャングリラ学園を私物化してのサマースクール、明日からですよ~!

2012/07/19 (Thu)

 

☆生徒会長の用心


やってきました、7月28日の土曜日。
今日から一泊二日のサマースクール、シャン学メンバーもワクワクです。
暑さもなんのその、早起きをしてシャングリラ学園へと。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんな早いね!」
ジョミー「そりゃもう、遅刻している暇なんかないよ、遊ばなきゃ!」
ブルー 「その勢いで修行も頑張って欲しいんだけど…」
キース 「言うだけ無駄だと思うがな。あ、おはようございます」

現れたのは教頭先生。
普段着ですけど、引率役なのは確かでございます。

ハーレイ「ああ、おはよう。二日間、迷惑をかけないようにな」
ブルー 「迷惑をかけるのは君の方だろ?」
ハーレイ「どうしてそういうことになるんだ?」
ブルー 「え、だって。顔にしっかり書いてあるじゃないか、役得って」
ハーレイ「役得?」
ブルー 「そう、役得。二日間、ぼくの世話係だしね」
ハーレイ「あ、いや、それは……そのぅ…」
ブルー 「ほーら、やっぱり妄想してた。危ないったらありゃしない」

油断も隙もないんだから、と生徒会長は荷物をゴソゴソ。

ブルー 「用意してきて正解だったよ。転ばぬ先の杖って言うし」
キース 「なんだ、それは?」
ブルー 「流行りのキッズ携帯ってヤツさ。これを引っ張ると…」

たちまち鳴り響く防犯ブザー。
けたたましいなんてレベルではなく、誰もが耳を塞いでいますが。

ゼル  「なんじゃ、なんじゃ、朝っぱらから痴漢が出たか!?」
ブルー 「うわぁ、早いね。これなら安心」
ゼル  「テストならテストと言わんかい! 無駄足じゃったぞ」
ブルー 「ううん、犯罪抑止力。こうなるぞ、って警告だってば」
ゼル  「なるほどのぅ…。聞いたか、ハーレイ?」
ハーレイ「…そんなに信用が無いのか、私は…」
ブルー 「あるわけがない。これ、GPSもついているから」
ゼル  「何処で襲われても、すぐ呼ぶんじゃぞ!」

カカカと笑ってゼル先生は本館の方へ。
教頭先生の監視体制、万全になってるみたいですねえ…。

2012/07/20 (Fri)

 

☆キッズ携帯の効果


教頭先生に襲われないよう、キッズ携帯まで用意してきたのが生徒会長。
本館で待機中のゼル先生をいつでも呼べるそうですが…。

ブルー 「さてと、どのタイミングで使おうかな?」
ジョミー「それよりサマースクールだよ! 何をするわけ?」
ブルー 「午前中はプールで遊ぼうと思うんだけど」
シロエ 「いいですね! この人数で貸し切りでしょう?」
ブルー 「もちろんさ。その辺のプールより楽しめるってば」
キース 「この季節は何処も混んでるしな…」
サム  「下手するとイモ洗いってヤツだもんなあ」
スウェナ「今日は土曜日だし、確実にそれね」
ブルー 「だから値打ちがあるんだよ。さて、行こうか」
ぶるぅ 「わぁーい、プールだ、水遊びだぁー!」

いそいそと体育館へと向かう面々。
更衣室に入って間もなく、響き渡ったのが防犯ブザー。

ゼル  「こらぁっ、ハーレイ! 盗撮とはなんじゃ、盗撮とは!」
ハーレイ「ち、ちが…! わ、私は何も…」
ゼル  「やかましい! ここにカメラが入っておるわい!」
ブルー 「何かがキラッと光ったんだよね、そしたらレンズが…」
ゼル  「ふむふむ…。明らかにブルー狙いじゃのう…」

ここに着替える映像が、とカメラの動画を再生しているゼル先生。
教頭先生は顔面蒼白、違うと叫んでおられますけど。

ゼル  「論より証拠じゃ、この痴漢めが! 学校の恥じゃ」
ブルー 「警察までは呼ばなくていいよ、騒ぎになるから」
ゼル  「ふむ…。エラたちにはどうするんじゃ?」
ブルー 「続くようなら報告書を出して処分ってトコかな」
ゼル  「よし。では、とりあえずイエローカードじゃ」
ハーレイ「そ、そんな…。バッグにカメラを入れた覚えは…」
ゼル  「白々しいわい、レッドカードも近いようじゃのう」
ブルー 「だよねえ、初っ端からコレではねえ…」

何かあったらまた呼ぶから、とゼル先生に手を振っておりますが。
ヘタレな教頭先生がバッグにカメラを仕込んで盗撮…ですか?


※ブルー三部作の2話目、『赤い瞳 蒼い星』の放映から今日で5周年。
 ブルフィシ的には美味しい回でございましたが、ラスト10秒の衝撃で
 美味しい気分は頭からスコーンと抜けましたです…。

2012/07/21 (Sat)

 

☆使える愛弟子

 
盗撮容疑でゼル先生にイエローカードを出された教頭先生。
プールサイドでシャン学メンバーを見守りつつも、明らかに意気消沈で。

ブルー 「ねえ、ハーレイは泳がないわけ? 楽しいのにさ」
ハーレイ「い、いや…。その、なんだ…」
ブルー 「ああ、またムラムラとしそうだって? じゃ、仕方ないね」

ぼくたちだけで楽しもう、と生徒会長は申しておりますが。

キース 「おい。さっきのカメラはあんたじゃないのか?」
ブルー 「違うよ、あれはハーレイのだけど」
ジョミー「えっ? それじゃホントに教頭先生が…?」
ブルー 「まさか。ヘタレが盗撮出来るとでも? 仕込んだのは、ぼく」
キース 「やっぱりあんたの仕業じゃないか!」
ブルー 「でも持ち主はハーレイだってば、カメラのね」
シロエ 「思い切り濡れ衣じゃないですか…」
ブルー 「そうでもないさ。ごらんよ、あの顔! ぼくばかり見てる」
サム  「あー…。言われてみればそうかもなぁ…」
ブルー 「懲りてないよね、イエローカード。変な所でタフなんだ」
キース 「プールに入っておいでになったら、また何かする気だな?」
ブルー 「決まってるだろう? だけど来ないねえ…」
スウェナ「用心深くなると思うわよ、いきなりアレじゃね」
マツカ 「そうですよねえ…」
ブルー 「ちぇっ、面白くないったら…」

濡れ衣だった盗撮容疑。
教頭先生、水着に着替えてらっしゃるものの、水にお入りになりません。

ブルー 「いっそ溺れてみようかな?」
キース 「人工呼吸の途中で防犯ブザーが鳴るんだろうが!」
ブルー 「あ、分かっちゃった?」
キース 「当然だ! あんたが溺れたら俺が救助する」
ブルー 「え!? 君とキスするのは……ちょっと勘弁…」
キース 「俺の方でも願い下げだ! 溺れるなよ?」
ブルー 「わ、分かったってば、君の覚悟は!」

持つべきものは真面目な弟子。
柔道部の美しき師弟関係のお蔭で、教頭先生は無事にプールの監督終了。
さて、お次は…?

2012/07/22 (Sun)

 

☆廊下が定位置


貸し切りのプールで遊び放題だったシャン学メンバー。
そろそろお昼も近いとあって、着替えて宿泊場所の礼法室へと移動です。

キース 「ん? なんだ、ここに置いてあるのは誰の荷物だ?」
ブルー 「ハーレイのヤツだよ。そうだよね?」
ハーレイ「う、うむ…」
シロエ 「でも廊下ですよ? まさか本気で教頭先生を廊下に…」
ブルー 「当然じゃないか。盗撮するような危険な男と同室は嫌だ」
ジョミー「盗撮はブルーの悪戯じゃないか!」
ブルー 「ゼルはバッチリ信じたしねえ…。日頃の行いが物を言うのさ」

寝かせておくのは廊下で充分、と教頭先生の荷物を蹴飛ばす生徒会長。
何を言っても無駄というもので、礼法室へと入ってゆくと。

ゼル  「おお、来たか。ブルー、肉と野菜は切っておいたぞ」
ブルー 「流石はゼル。後は楽しく焼くだけって?」
ゼル  「もちろんじゃ。ホットプレートも温まっておる」
ジョミー「ホットプレート?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お昼は焼きそば食べ放題だよ!」
ブルー 「スタンダードからエスニック風まで、色々と…ね」
サム  「すげえや、好きなの食っていいんだ?」
ブルー 「そうだよ、作るのは基本ぶるぅにお任せだけど…」
ゼル  「わしも参加じゃ! 手伝いたいヤツは大いに手伝え!」
全員  「「「はーい!」」」

ワッと机に並んだホットプレートを囲むシャン学メンバー。
しかし…。

ゼル  「ハーレイ、お前の席は廊下じゃ」
ハーレイ「は?」
ゼル  「ブルーと同じ釜…いや、ホットプレートからは食わせん」
ブルー 「間接キスは御免蒙りたいからね。盗撮もされたし」
ぶるぅ 「えとえと、焼きそばは届けてあげるから!」
ゼル  「痴漢には紙皿で充分じゃがな。さっさと行けい!」
ハーレイ「そ、そんな…。わ、私は決して…」
ブルー 「見苦しいねえ、はい、外へ出る!」

お気の毒な教頭先生、ゼル先生に腰を蹴られて廊下へと。
昼食からしてこの調子では、そうめん流しはどうなるやら…。

2012/07/23 (Mon)

 

☆暑くても廊下


食べ放題だった昼食の焼きそば、教頭先生は孤独に廊下で食べる羽目に。
礼法室の中の面子は陶器のお皿なのに、教頭先生は紙皿で。

サム  「あー、食った、食った! 美味かったなぁ」
ジョミー「えっと…。後片付けはどうするのかな?」
ブルー 「ハーレイに決まっているだろう? そのための引率役だ」
ゼル  「ハーレイ! 早く来んかい、皿洗いじゃ!」
ハーレイ「は、入ってもいい…のか?」
ブルー 「いいけどさ。ぼくの荷物に触ったりしたらコレだからね」

キッズ携帯をちらつかせている生徒会長。
教頭先生、しおしおと後片付けをしておられますが…。

ブルー 「暑い盛りだし、しばらく涼もう。ハーレイ抜きでゲームでも」
ゼル  「いいのう、わしは花札が得意なんじゃ」
シロエ 「賭けるんですか?」
ブルー 「やめた方がいいよ、ゼルはホントに強いから」
キース 「そうなのか…。挑みたい気もするが、やめておくか」

クーラーが効いた部屋で始まった花札勝負はゼル先生の一人勝ち。
生徒会長もサイオン抜きでは勝てないそうでございます。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ おやつはやっぱりカキ氷だよね!」
ゼル  「シロップもトッピングもたっぷりあるぞ」
ブルー 「うーん、何味にしようかなぁ…。あ、ハーレイを忘れてた」
キース 「あんたが廊下に出したんだろうが、ずいぶん前に!」
ブルー 「だって、後片付けが済んだら用は無いしさ。生きてるかな?」
ゼル  「死ぬようなタマじゃなかろうて。どれ、見てくるか」

どっこいしょ、と廊下を見に行ったゼル先生は…。

ゼル  「ふん、汗まみれで座っておったわい。どうするんじゃ?」
ブルー 「カキ氷は差し入れしておこうかな。肉体労働が待ってるし」
全員  「「「肉体労働?」」」
ブルー 「忘れたのかい、そうめん流し! ハーレイの出番だ」

竹を切るのは重労働、と生徒会長は手ずからカキ氷の差し入れに。
感激のあまり舞い上がってしまった教頭先生、これからどうなる…?

2012/07/24 (Tue)

 

☆竹藪を切りに


カキ氷を堪能した後は、そうめん流し用の竹をゲットするために竹藪へ。
マツカ君の家の竹藪まで瞬間移動でお出掛けですが。

ジョミー「教頭先生、なんか顔色が悪くない?」
ブルー 「平気だよねえ、ハーレイ? たかがカキ氷くらいでさ」
ハーレイ「う、うむ…。大丈夫だ」
キース 「胃腸薬なら持って来てるぞ、よく効くヤツを」
ブルー 「違うよ、カキ氷の甘さでダウン! 気分は最悪」
シロエ 「そういえば甘い食べ物はダメでしたっけ…」
キース 「あんた、思い切り苺シロップをかけてなかったか?」
ジョミー「アイスと生クリームも乗っけてたよね?」
マツカ 「フルーツも缶詰のシロップ漬けでしたよ」
サム  「食った気持ちは分かるけどな。俺もブルーに貰ったら…」
キース 「苦手なモノでも食うってか? しかし…」

本当に大丈夫ですか、と教頭先生を気遣うキース君。

ハーレイ「ブルーの心遣いを無下には出来ん。さあ、行こうか」
ブルー 「本人もこう言ってるし! 出掛けるよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」

シャン学メンバー、一瞬で竹藪へ移動でございます。
竹を切る鋸などはマザー農場からの借り物で。

ブルー 「巨大そうめん流しだからねえ、竹は沢山あった方がいいね」
シロエ 「それと太さですよ。どれにします?」
マツカ 「好きなのを切って下さいね。何本でもいいです」
ブルー 「じゃあ、ハーレイ。まずはこの竹。その次がアレで…」
ジョミー「ぼくたちも切るよ、面白そうだし!」

カーン、カーン、と響き渡るナタと鋸の音。
シャン学メンバーは切り倒すだけで、汗だくで枝を払うのは教頭先生。

ハーレイ「ま、まだ足りないのか?」
ブルー 「文句を言わない! ゼルにバイクで駆け付けられたい?」

竹藪に痴漢が出るのは王道だよ、とキッズ携帯で脅す生徒会長。
それは女性の一人歩きの場合じゃないか、と誰もが思っていますけど…。
とりあえず竹は無事にゲット出来、瞬間移動で学校に御帰還ですよ~!

2012/07/25 (Wed)

 

☆そうめん流しの準備


大量の竹を持ち帰って来たシャン学メンバー。
いよいよハイライト、巨大そうめん流し用の組み立て作業でございます。

ブルー 「グラウンドいっぱいと行きたいけれど…流石に無理かな?」
シロエ 「高低差が命ですからねえ…。どうなんでしょう?」
キース 「竹は三本並べるんだったか?」
ブルー 「うん。一本じゃ奪い合いになっちゃうしさ。まずは揃えて…」
サム  「だよな、長さは合わせておきたいもんなぁ、三本セットの」
ブルー 「そこはハーレイに頑張らせよう。出来た分から運ぼうか」

カーン、カーンとグラウンドに響くのは教頭先生が竹を割る音。
そうめん流し用に真っ二つに割り、更に長さを揃えてます。

シロエ 「出発点はこの辺で…と。でもって、あっちに流して」
マツカ 「終点にビニールプールですよね、受け止め用の」
ブルー 「流れ落ちちゃったら勿体ないしね」
ゼル  「ほうほう、なかなか大規模じゃのう。こう組むとどうじゃ?」
シロエ 「あっ、それは考えていませんでした! いいですね」
ゼル  「支柱もこう組んだ方が強度が出るんじゃ」
ジョミー「凄いや、ホントに巨大そうめん流しだ!」
ブルー 「食べるスペースはこの辺でいいかな。えっと…ハーレイ?」
ハーレイ「なんだ? 竹の長さでも調整するのか?」
ブルー 「ううん、水は循環式にするから、運搬係を」
ハーレイ「運搬係?」
ブルー 「流しっぱなしだと水道代が…ね。そこで肉体労働の出番」
シロエ 「サイフォンの原理でいけますよ? でなきゃポンプか」
ブルー 「分かってないねえ、下僕を使ってなんぼなんだよ」

王様気分で食べなくちゃ、と生徒会長。
教頭先生の仕事はビニールプールの水を出発点まで運ぶこと。

ブルー 「水が止まったら味わいが無いし、出発点には桶を置くんだ」
ゼル  「ふむふむ。それなら溜めておけるのう」

桶から流れ落ちる水にそうめんを入れる係も教頭先生らしいです。
思いっ切り奴隷扱いですけど、大丈夫ですか…?

2012/07/26 (Thu)

 

☆そうめん流しの奴隷

組み上がった巨大そうめん流し。
たっぷりと茹で上がったそうめんを流すわけですが、設備の方は循環式。

ブルー 「ハーレイ、途切れないようキリキリ頼むよ」
ゼル  「そうめんの方も水もじゃぞ! 盗撮の詫びに丁度いいわい」
ハーレイ「盗撮はしていないのだが…」
ブルー 「見苦しいねえ、証拠があったろ? じゃあ、頑張って」
シロエ 「スタートですね? うわぁ、いい感じに流れてますよ」
ブルー 「ぼくたちは此処で食べ放題! よ~し、来た、来た」
全員  「「「いっただっきま~す!」」」

流れて来るそうめんは取り放題。
教頭先生はといえば、流れ落ちてプールに溜まった水を出発点へと運び、
桶に流し込んで水量を確保。更にそうめんを流す係も兼務。

ブルー 「ハーレイ、そうめんが途切れがちだよ? 努力してよね」
ハーレイ「た、頼む、私にも休憩時間を…」
ゼル  「ふん、その図体は飾り物かい! 気張ってなんぼじゃ」
ブルー 「そうめん流しで力尽きたら夜這いの心配も無いからねえ…」
ゼル  「いやいや、ブルー、油断はならんぞ」

なにしろ相手はハーレイじゃから、とゼル先生は説いておられます。

ゼル  「ファイト一発とばかりにドリンク剤で復活もアリじゃ」
ブルー 「それは困るなぁ…。いざとなったらよろしく頼むよ」
ゼル  「任せておけい! 痴漢なんぞは切り捨て御免じゃ」
ジョミー「き、切り捨てって…。まさか刀で一刀両断?」
ゼル  「竹刀で一発ぐらいかのう…。竹刀が腐ってしまいそうじゃが」
ブルー 「だよねえ、レッドカードで充分だよ」
キース 「おい…。教頭先生が処分されたら部活の方が困るんだが」
シロエ 「そうですよ! 謹慎処分とかはやめて下さい」
ブルー 「ふうん? まあ、体力の方も限界っぽいし…」
ゼル  「ハーレイ、そうめんが流れて来んぞ! 働かんかい!」

教頭先生、そうめん流しで討ち死に寸前。
みんなが満腹するまで働き続けて、ぶっ倒れるのも近そうですねえ…。

2012/07/27 (Fri)

 

☆お風呂でゆっくり


巨大そうめん流しを楽しんだシャン学メンバー。
たっぷり食べた後は礼法室で休憩してから、お風呂タイムにお出掛けで。

サム  「へえ…。体育館のシャワーに行くんじゃねえんだ…」
ジョミー「教職員専用のお風呂っていうのがあるんだねえ」
ブルー 「そりゃそうさ。設備も充実、専用棟ならではの福利厚生!」

向かった先は教職員の専用棟。
泊まり込みで仕事をする人が対象らしいのですけど、立派なお風呂が。

ブルー 「ぶるぅは女湯に行くのかい?」
ぶるぅ 「うん! スウェナ、一人じゃ慣れてないでしょ?」
スウェナ「初めての場所だし、ぶるぅが一緒だと落ち着けそうね」
ジョミー「じゃ、ぼくたちは隣だから! また後でね」

その頃、教頭先生はグラウンドでそうめん流しの片付け中。
汗だくになって装置をバラし、隅っこの方に積み上げるのが仕事です。
明日の朝にはマザー農場のトラックが来て処分場へと運ぶわけで。

キース 「大浴場並みだな、ここの風呂は」
シロエ 「打たせ湯とかまでありますしね。それにジャグジーも」
ブルー 「ゆっくり楽しまないと損だよ? 生徒は普通は入れないんだ」
ジョミー「露天風呂もあるといいんだけどなぁ…」
ブルー 「学校の中でそこまでは、ちょっと…。ん?」
キース 「どうした?」
ブルー 「シッ、脱衣場に人影が…。ぼくたちしか来ない筈なのに」
シロエ 「なんですって?」

そこでガラリと扉が開き、入って来たのは教頭先生。
そうめん流しの後片付けでかいた汗を流しに来られたようですが…。

ブルー 「ち、痴漢~!!!」
ハーレイ「ま、待て、私は…!」

けたたましく響き渡るキッズ携帯の防犯ブザー。
こんな所まで持ち込んだのか、と誰もが唖然呆然ですけど。

ゼル  「痴漢じゃと!? なんと、風呂場に出おったか!」
ブルー 「覗きどころか真っ裸なんだよ、これって公然猥褻だよね?」

ギャーギャーと騒ぐ生徒会長。
タオル一枚しか持たずに入った教頭先生の運命や如何に…?


※ついに7月28日。
 あの17話が放映された日から5周年、奇しくも同じ土曜日です。
 「ブルーに生き延びて欲しかった」という思いだけで昨年書いたのが
 ハレブルな『奇跡の碧に…』でした。
 今年はそれの続編、『奇跡の青から』を本日付で発表しております。
 生き延びたブルーがどうなったのか…。
 「読んでやろう」という方はバナーから『ハレブル別館』へどうぞ。
ハレブル別館


 

※ブルー三部作のラスト、『永遠と陽炎と』の放映から今日で5周年。
 言いたいことは当時も今もてんこ盛りで大盛り、特盛りですけれど。
 ブルーの瞳への銃撃が「許せないもの」、憎くてたまらないのがトマト。

 ゼル爺、なぜに「こんなに美味かったんじゃな…。ハロルド」なの?
 トマトを取りに行く暇はあってもブルーを悼む涙は無いのかい、と。
 そういう意図ではないのでしょうが、放映の瞬間にはそう思いました。
 憎む対象がトマトになったのは、野菜の無人販売所が多いド田舎だから?

2012/07/28 (Sat)

 

☆お風呂と露出狂


生徒会長が入浴中のお風呂場に入り、痴漢扱いされた教頭先生。
パニック状態で真っ裸ですが、シャン学メンバーはサクサク服を着て…。
スウェナと「そるじゃぁ・ぶるぅ」も脱衣場に駆け付けてまいりました。

スウェナ「さっきのブザーは何だったの!?」
ぶるぅ 「あれっ、ハーレイ、お洋服は?」
ゼル  「痴漢が出たんじゃ! よりにもよって真っ裸でのう」
ハーレイ「ち、違う、私は風呂に入ろうと…」
ブルー 「教頭室にシャワーがあるだろう? なんで来るのさ」
ゼル  「うむ。風呂場の使用許可は出しておらんぞ」
ハーレイ「…教職員はいつでも入れる筈だが…」
ブルー 「普段はそうかもしれないけどね、ぼくが入っているんだよ?」
ゼル  「ブルーが入っているのを見に来たんじゃろう、痴漢めが!」
ハーレイ「い、いや、単に後片付けが終わっただけで…」
ゼル  「言い訳無用じゃ、この馬鹿者め!」

素っ裸とは最低じゃ、と糾弾しまくるゼル先生。
人前で下半身を露出するより罪は重いそうで。

ゼル  「さっさとソレを仕舞わんかい! いつまで露出しとるんじゃ」
ブルー 「見せたい気持ちが見え見えなんだよ、みっともない」
ハーレイ「………」

教頭先生、今の今まで丸裸だったのでございます。
持ち込んだタオルは痴漢騒ぎで驚いたあまり、床に落としてそれっきり。
慌てて紅白縞のトランクスを取り出し、足を突っ込んでおられますが。

ブルー 「どうしよう…。こんなのが廊下に寝るんじゃねえ…」
ゼル  「不用心じゃな。わしと引率役を代わるか?」
ブルー 「今から届け出るのかい? 理由を言って?」
ハーレイ「た、頼む! それは勘弁してくれ、謹慎になる!」
キース 「そうです、俺たち柔道部も困ります」
ゼル  「わしも面倒は避けたいが…。しかしのう…」
ブルー 「あっ、そうだ! 夜這いが出来なきゃ問題ないよね」

名案を思い付いたんだ、とニッコリ微笑む生徒会長。
どう考えてもロクなものではなさそうですが…?

2012/07/29 (Sun)

 

☆夜這いの封じ方


公然猥褻だの露出狂だのと、さんざんな扱いをされてしまった教頭先生。
寝場所が廊下でも安心できない、と生徒会長は申しておりまして…。

ブルー 「ぼくたちが寝てる所に入って来られなきゃいいわけだしね」
ゼル  「どうするんじゃ? 鍵をかけても扉を壊して入るかもしれん」
ハーレイ「い、いや…。学校の設備を壊すようなことは…」
ブルー 「ほら、言った。何か方法を思案中なんだよ、侵入のための」
ハーレイ「違う、私は…!」
ゼル  「ふん、露出狂のくせに何を言うか! 盗撮の上に痴漢じゃぞ」

何をやらかすか想像もつかん、とゼル先生は激怒しておられます。
そこで生徒会長がニヤリと笑って。

ブルー 「手も足も出なけりゃ何も出来ないと思わないかい?」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「簀巻きにしとけば大丈夫! でもって廊下に転がしとくんだ」
ハーレイ「す、簀巻きだと?」
ブルー 「そう、簀巻き。ゴザじゃ甘いしマットとかだろ」
ゼル  「名案じゃ! それなら何も出来んしのう。よし、やるか」
ハーレイ「待ってくれ! せめてパジャマを…」
ブルー 「紅白縞で充分だってば、マットで包めばどうせ見えないし」
ハーレイ「し、しかし礼法室まで歩く途中が…」
ゼル  「安心せい、誰もおらんわい! 今日の当直はワシだけじゃ」
ブルー 「警備の人が巡回に来たらシールドで誤魔化してあげるからさ」

哀れ、紅白縞一丁で引っ立てられた教頭先生。
柔道部三人組が体育館から運んだマットで簀巻きにされて廊下の住人。

ブルー 「じゃあ、おやすみ。蚊とかが寄ってこないといいねえ」
ハーレイ「そ、その前に暑いのだが…」
ブルー 「謹慎処分になるよりマシだろ? あ、キース」
キース 「なんだ?」
ブルー 「廊下の窓は全開にしといてくれるかな? 暑いらしいし」

この下は蚊が多いんだけどね、と窓から見下ろす生徒会長。
ゼル先生は本館に引き揚げ、シャン学メンバーは礼法室で爆睡です。
果たして教頭先生は…?

2012/07/30 (Mon)

 

☆最後まで受難


サマースクールの夜は明けて、礼法室で充実の朝食タイムでございます。
ゼル先生と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が腕をふるいましたが。

キース 「おい、教頭先生はまた廊下なのか?」
ブルー 「当然じゃないか。おにぎりが3個もあれば充分だろう?」
キース 「いや、そうじゃなくて…。あそこにはまだ蚊が」
ブルー 「シールドを張れば大丈夫だって知っていた?」
全員  「「「えっ?」」」
ブルー 「ちゃんと張ったら蚊も通さない。だから自業自得」

思い付かなかったハーレイが悪い、と生徒会長は嘲っています。

ブルー 「防御力では最強のタイプ・グリーンだよ? 馬鹿だよねえ」
ゼル  「まったくじゃ。顔はパンパン、足は痒くて堪らんそうじゃし」

マットから出ていた頭と足を刺されまくった教頭先生。
簀巻きを解かれて服は着たものの、気が狂いそうに痒いのだとか。

ジョミー「もう、あの顔が凄すぎだよね。なんて言うか、こう…」
サム  「お化け屋敷の世界だよなあ、あれは女の幽霊だけど」
シロエ 「足もキツイと思いますよ。痒いんですよね、指の間とか」
ブルー 「馬鹿は放ってプールに行こうよ、夏は水遊び!」
ゼル  「いやいや、ちゃんと監督させんとな。ハーレイの役目じゃ」

というわけで教頭先生、プールサイドで監視役。
水着姿に腫れ上がった顔は似合わず、笑うしかない状態です。

ブルー 「ふふ、一晩中、刺されまくって寝不足ってね」
サム  「眠そうだよなぁ…」
ブルー 「ぶっ倒れるのも時間の問題! よし、そろそろかな」
ジョミー「何が?」
ブルー 「チャンス到来!」

パタリと倒れた教頭先生の身体の下には生徒会長。
プールから瞬間移動したらしく、その手にキッズ携帯が…。

ブルー 「ち、痴漢~!!」
ハーレイ「む? い、いや、私は何も…!」
ゼル  「また痴漢か! しかもその顔で!」

怪談もかくやな御面相の教頭先生、まだまだ受難が続きそうですが。
サマースクール、これにて中継終了です~。

2012/07/31 (Tue)

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