シャングリラ学園つれづれ語り
☆贅沢に食べたい人
暑さが残った10月の頭、生徒会長宅で週末を過ごす面々。
北の国のキノコ狩りが話題で、其処から松茸料理な状況で。
Aブルー「ぼくも松茸、何度も食べてはいるんだけれどさ」
シロエ 「いわゆる定番なんですね?」
Aブルー「ノルディと行っても、その辺の事情は同じで…」
変わり種は食べたことが無くって、とソルジャーの言。
Aブルー「トリュフだったら、うんと贅沢に特注のを…」
サム 「エロドクターと食ったのかよ?」
Aブルー「なにしろノルディは、グルメだしねえ…」
トリュフ尽くしで店を貸し切り、と自慢話が。
Aブルー「松茸尽くしも、やっているけど、普通だったね」
ジョミー「シチューもフライも、無かったんだ?」
Aブルー「松茸うどんも出なかったよ!」
トリュフの時には、パスタだったのに、と残念そう。
Aブルー「トリュフだけで作ったソースで、リッチにさ…」
キース 「松茸でも、それをやりたいと?」
Aブルー「シチューの応用で、出来るわけだろう?」
クリームパスタ、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「トリュフのパスタは、違ったんだけどね」
シロエ 「クリームパスタじゃなかったんですか?」
Aブルー「トリュフを削って、基本の調味料だけだよ!」
トリュフの香りが生きるらしいね、とグルメ談議。
Aブルー「贅沢すぎるし、店のメニューに出来ないってさ」
キース 「ウケるかどうかも分からないしな…」
Aブルー「お値段、半端ないみたいだよ?」
一人前がトリュフ1個で、と手で作る大きさ。
Aブルー「塩コショウだけで食べてしまいたいかい?」
一同 「「「うーん…」」」
凝った料理で味わいたいよね、と皆が見合わせる顔。
キース 「それだけあったら、何人前に使えるんだか…」
Aブルー「究極の贅沢メニューってヤツだってば!」
シロエ 「その感覚で、松茸も食べたいんですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
シチューにパスタにフライとか、と言ってますけど。
松茸で…?
2025/10/16 (Thu)
☆松茸を食べるなら
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
北の国のキノコ事情から、松茸料理に話が転がったわけで。
Aブルー「そういう料理も、ぶるぅなら作れそうだしさ!」
一同 「「「ぶるぅ!?」」」
Aブルー「マツカの別荘の料理人さんじゃ、拒否られそう」
料理人のプライド、あるだろうしね、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「調理場だけを貸して貰って、ぶるぅが料理で!」
ぶるぅ 「んとんと…。松茸狩りに山に行くわけ?」
Aブルー「だって、話は、其処からだろう?」
最高級品はアルテメシア産、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「ノルディに聞いたよ、味も香りも最高らしいね」
キース 「そう言われるが、俺は食べ比べたことは…」
ジョミー「マツカの別荘とかで食べるか、スーパーのを…」
シロエ 「自分の家で松茸ご飯な程度ですよね…」
ちょっと落差が大きすぎます、とシロエ君も。
シロエ 「どう違うのかを聞かれても、語れません」
Aブルー「いいんだってば、美味しければね!」
ところでマツカ、とソルジャーの視線がマツカ君に。
Aブルー「ぼくの企画に、何か問題、ありそうかな?」
マツカ 「いいえ、特には…。シーズンだけが問題です」
Aブルー「シーズン?」
マツカ 「今年は暑さが長いですから、下旬でないと…」
松茸狩りは難しいかと、とマツカ君の答え。
マツカ 「学校の関係もありますし、早くても25日かと」
Aブルー「うーん…。先は長いね…」
マツカ 「20日頃には出始めますから、25日で」
土曜日です、とマツカ君が眺める壁のカレンダー。
マツカ 「如何ですか?」
Aブルー「要は学校のせいなんだね?」
休んじゃえば、とソルジャー、サラリと。
Aブルー「節分だって、毎年、欠席届けだしさ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「平日に行くには、それが一番!」
一同 「「「あー…」」」
欠席届けか、と顔を見合わせてますけど。
松茸狩りで欠席…?
2025/10/17 (Fri)
☆休んでもいい学校
暑さが残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
北の国の松茸事情から料理の話で、ソルジャーが来まして。
Aブルー「休んでしまえばいいと思うな、真面目に!」
シロエ 「面白そうではありますけど…」
Aブルー「どうせ出席義務なんかは、無いらしいしね」
君たちは特別生だから、とソルジャーも知っている待遇。
Aブルー「欠席届けを出さなくっても、休み放題で…」
キース 「まあな…。顔を見せないヤツまでいるし」
ジョミー「欠席大王のジルベールだよね」
サム 「寮生なのによ、学校に出ては来ねえんだよなあ」
マジで学校では見たことねえぜ、とサム君も。
サム 「寮も、学校にカウントするかもしれねえけど…」
Aブルー「そんな大物もいる学校だろう、休みオッケー!」
スウェナ「グレイブ先生、呆れ返るわよね…」
シロエ 「松茸狩りに行くので休みます、ですしね…」
嫌味の台詞が浮かびますよ、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「いい御身分だな、諸君、っていう定番のが…」
ジョミー「だけど、止めるの、無理なんだよね…」
出席義務が無いわけだから、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「面白そうだし、休んじゃおうか」
サム 「グレイブ先生の嫌味がかよ?」
ジョミー「違うよ、松茸狩りだってば!」
平日に行ったことは無いしね、とジョミー君、乗り気。
ジョミー「20日頃には出るんだったら、どの辺かな?」
マツカ 「香りがいいのが揃い始めますから…」
22日以降で如何でしょうか、とマツカ君。
マツカ 「水曜か木曜、そんな感じで」
キース 「そうだな、選ぶなら水曜かもしれん」
グレイブ先生の授業が無い日だ、とキース君のマジレス。
キース 「運が良ければ、本人が休暇で消えてくれるしな」
シロエ 「あー、その線は有り得ますよね」
Aブルー「じゃあ、22日でいいのかな?」
マツカ 「別荘の方は、用意出来ます」
22日にしておきますか、と聞いてますけど。
欠席ですか…。
2025/10/18 (Sat)
☆不味かったら怖い
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
北の国の松茸事情から、松茸狩りに行くのが決まりまして。
ジョミー「休むんだったら、リスク低めの日に限るよね」
サム 「グレイブ先生、自分も休むなら、嫌味はよ…」
シロエ 「控えめになるのが当然でしょう」
言い返される恐れがありますから、とシロエ君も。
シロエ 「ミシェル先生と出掛けるとかだと、特にですよ」
キース 「まったくだ。言えた義理では無いんだしな」
マツカ 「22日でよろしいですね?」
Aブルー「もちろん、ぼくもオッケーだよ!」
ハーレイにも休暇を申請させるし、とソルジャーの笑み。
Aブルー「今朝の時点で、予定は入っていなかったしね」
キース 「おい。そうなると、例の迷惑なヤツも…」
Aブルー「ぶるぅかい? 来ないわけなんか、ないだろう」
ハーレイがダメでも単独で来るよ、と目がマジな人。
Aブルー「なにしろモノが松茸狩りと、料理イベだし!」
キース 「しかし、美味いとは限らないんだ!」
一同 「「「あー…」」」
不味かった場合、暴れまくりか、と一同、ガクブル。
サム 「やべえよ、キース、引き受けられるのかよ?」
キース 「俺が踏まれて済む問題では…」
シロエ 「ありませんよね、どうするんです?」
ジョミー「被害者多数で、死屍累々かな…」
お前が食え、で詰め込まれてさ、とジョミー君の悪い顔色。
ジョミー「シチューにフライに、パスタとかをさ…」
マツカ 「それに関しては、手があるかもです」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「確か、自称はグルメですよね?」
違いましたか、とマツカ君、ソルジャーの方に視線を。
マツカ 「味が分かっているかはともかく、食通だとか…」
Aブルー「そうだよ、美味しいものには目が無くってね」
マツカ 「分かりました。料理は、プロに任せましょう」
Aブルー「別荘の料理人さんかい?」
そうすれば逃げ道が出来るとでも、と聞いてますけど。
プロ…?
2025/10/19 (Sun)
☆プロならではの料理
暑さが残った10月の頭、生徒会長宅で週末を過ごす面々。
其処へソルジャー登場でして、松茸狩りの日取りが決定で。
マツカ 「逃げ道と言うよりは、裏技的な解決策ですね」
Aブルー「えっと…?」
マツカ 「食通を気取っている所を、逆手に取ります」
料理するのはプロなんですから、とマツカ君の説明が。
マツカ 「プロの料理人が、不味い料理を作りますか?」
Aブルー「不味いなんて、プロの意味が無いって!」
マツカ 「其処です、シチューやフライや、パスタでも…」
美味しく仕上げてこそでしょう、と言われれば、そう。
マツカ 「もっとも、美味しいかどうか現時点では謎です」
ジョミー「なんとかするのが、プロなんじゃないの?」
Aブルー「あっ、そうか! 美味しい松茸料理だけしか…」
出して来ないという勘定だよね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「ぶるぅの場合は、皆の注文に応じるだけで…」
キース 「不味くならない保証は、全く無いな」
ぶるぅ 「そだね、シチューにしたって、定番通りに…」
まずは作ってみると思うよ、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「味見するけど、手は加えないで、出しそう」
サム 「プロじゃねえから、お遊びってことな?」
ぶるぅ 「そうなの、松茸さんにも、失礼だしね」
不味いのが出来たら、処分なんて、と真剣な瞳。
ぶるぅ 「だけどプロなら、全部捨てちゃって…」
シロエ 「一から作り直しになりますよね…」
Aブルー「なるほど、ぶるぅがキレそうな不味い料理は…」
最初から出ては来ないわけだ、とソルジャー、手をポンと。
Aブルー「それでお願い!」
マツカ 「違うんですよね、裏技ですよ?」
不味く出来ても、出すようにします、とマツカ君の笑み。
マツカ 「食通にしか分からないという、美味な一品で…」
ジョミー「逆手って、そういう意味だったわけ?」
Aブルー「グルメだったら、食べるしか…」
道が無いってことなんだ、とソルジャーも愕然。
怖すぎ…。
2025/10/20 (Mon)
☆味が分かる食通
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
松茸狩りの日取りが決定、シチューやフライで食べる企画。
キース 「不味い料理が出来た場合も、ヤツは食うのか…」
サム 「恐ろしすぎるぜ、でもよ…」
Aブルー「ぼくたちの方にも、同じ料理が来るんだよね?」
しかも食べないとダメなコース、とソルジャーの悪い顔色。
Aブルー「ぶるぅと一蓮托生だなんて…」
シロエ 「暴れまくりは、回避出来るんですけど…」
ジョミー「気分は罰ゲーな流れだってば…」
あんまりすぎる、と誰もがドン底な気分。
キース 「ヤツが来るのは、止められないしな…」
Aブルー「普通の料理で、食べておくのがマシっぽいよ…」
変わり種の料理は、またの機会で、とソルジャー、白旗。
Aブルー「ぼくだけ来た時、個人的にさ…」
サム 「そうしろよな…」
スウェナ「誓うわ、文句は言わないわよ」
だから松茸狩りの日は、定番料理で、とスウェナちゃんも。
スウェナ「不味い料理な強制イベより、我慢出来るわ」
キース 「俺もだ…」
マツカ 「待って下さい、食べないで済むんですから」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と皆がキョトン。
シロエ 「食べないというのは、不味い料理の話ですか?」
マツカ 「ええ。食通にしか、分からない味ですよ?」
不味いと思うのは、舌のせいです、とマツカ君の目がマジ。
マツカ 「味音痴で、ダメなタイプの人間ですね」
キース 「そうか、不味くて食えない俺たちは…」
Aブルー「食通の逆で、ぶるぅだけ、美味を味わうと…」
いいじゃないか、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「それでいこうよ、22日はシチューとかにさ…」
キース 「料理された松茸を食って、美味い分だけ…」
シロエ 「食べて、ぶるぅがババですね?」
マツカ 「不味い料理が出来た時には、そうです」
一同 「「「イイネ!」」」
最高すぎる、と盛り上がってイベが決定ですけど。
ぶるぅがババ…。
2025/10/21 (Tue)
☆平日に松茸狩り
やって来ました、松茸狩りの22日。学校は欠席な水曜日。
朝イチで生徒会長のマンション前に集合、お天気も秋晴れ。
シロエ 「おはようございます! 松茸狩り日和ですね」
ジョミー「最高だよね、学校を休んで松茸狩りだし」
サム 「キースの読みが当たって、嫌味、無かったしよ」
グレイブ先生も休みなんだぜ、とサム君が立てる親指。
サム 「ミシェル先生とデートなんでねえの?」
キース 「多分な。ミシェル先生も、授業が無い日だし」
Aブルー「夫婦で休暇を重ねておくのは、基本だよ!」
ぼくとハーレイじゃ難しいけどね、とソルジャーも登場。
Aブルー「お互い、立ち位置が上すぎてさ…」
??? 「そうなんですよ、揃って休みは取りにくいです」
もぎ取りましたが、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「なんでも、珍しい松茸料理を頂けるそうで」
??? 「ぼくも楽しみ!」
食べるもんね、と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)の笑顔。
Aぶるぅ「シチューにフライに、パスタなんでしょ?」
マツカ 「うどんと天婦羅も、ご用意出来ると思いますよ」
松茸が沢山採れてくれれば、とマツカ君。
マツカ 「もちろん、召し上がりたいと仰るようなら…」
サム 「他の山のを調達かよ?」
マツカ 「ええ。そのように話をつけてあります」
近隣の山を押さえました、と流石な手回し。
マツカ 「採れたてが美味しいんですけど、余ったら…」
シロエ 「明日、格安で出荷なコースですね?」
マツカ 「そうなりますね、まだまだ高い時期ですので」
明日の出荷でも、元が充分、とマツカ君の笑み。
マツカ 「とはいえ、せっかくの松茸狩りですし…」
Aブルー「自分で採ったの、食べたいよね!」
マツカ 「頑張って山で探して下さい、バスの方へどうぞ」
ぶるぅズ「「かみお~ん♪ 別荘へ出発!」」
マツカ 「到着したら、すぐに山へご案内しますね」
松茸は出始めていますから、と御曹司の太鼓判。
期待ですよね!
2025/10/22 (Wed)
☆料理人のスキル
学校を休んで松茸狩りな面々、ソルジャーたちも来て出発。
マツカ君の別荘に着いたら、すぐに山に入って、松茸探し。
Aブルー「出来れば、自力で集めたいよね!」
A船長 「他の山のでもいいんですけど、やはり自分で…」
探し出したいものですからね、とキャプテン、やる気満々。
A船長 「珍しい料理を頂けるとなれば、尚更ですよ」
Aブルー「土瓶蒸しとか、焼き松茸も美味しいんだけどね」
定番料理は何処でもあるし、とソルジャーも。
Aブルー「シチューなんかは、ファミレスでも無いよ!」
キース 「あんた、ファミレスにも詳しかったのか?」
Aブルー「暇な時には、あちこちを見てみたいじゃないか」
なにしろ憧れの地球なんだしさ、と納得の理由。
Aブルー「どんな味かな、シチューにパスタ!」
A船長 「料理人さんの腕も、素晴らしいですね」
シロエ 「素晴らしいって…。まだ、食べていませんよ?」
なんで分かるんです、とシロエ君の問い。
シロエ 「しかも、寄ってもいないんですが…」
サム 「山に直行したもんなあ…」
ジョミー「トイレに寄った人くらいしか、別荘には…」
入っていないよ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「お昼は松茸料理なんだし、お弁当だって…」
スウェナ「貰ってないわよ、おむすびもね」
料理人さんの腕は過去形かしら、とスウェナちゃん。
スウェナ「今までに食べた料理が基準かもよ」
シロエ 「なるほど、それなら納得です」
A船長 「いいえ、そういう話ではなく…」
腕の凄さを褒めております、とキャプテンの答え。
A船長 「シチューやパスタは、和食ですか?」
一同 「「「は?」」」
A船長 「違いますよね?」
料理人の世界も違う筈です、とキャプテンの笑み。
A船長 「両方こなせる料理人さん、珍しいのでは?」
キース 「確かに、凄腕の料理人だな」
マツカ 「外国からの、お客様も…」
お招きしますし、当然ですよ、とマツカ君。
スキル、必須ですか…。
2025/10/23 (Thu)
☆洋食に合う部屋
松茸狩りで学校を休んだ御一同様、山で松茸探しですけど。
料理してくれる料理人さん、和食も洋食もいける腕でして。
Aブルー「外国からのお客様って、あの別荘でかい?」
マツカ 「そうですけど?」
Aブルー「和食でもいける人はともかく、違う人はさ…」
キツイのでは、とソルジャー、松茸を探しながらの疑問。
Aブルー「だって、お箸も使えないのに、桟敷とかさ…」
A船長 「言われてみれば、そうですよね。私も最初は…」
実は途惑っていたんですよ、とキャプテンの苦笑。
A船長 「ブルーに正座から叩き込まれて、苦労しました」
一同 「「「あー…」」」
A船長 「慣れた今では、料亭も旅館も平気ですがね」
キース 「なるほどな。しかし、寺でもデカいトコだと…」
外国からの賓客用に部屋があるんだ、とキース君。
キース 「洋室を作るわけにはいかんが、絨毯を敷いて…」
サム 「椅子とテーブルかよ?」
キース 「ああ。照明も、和風のシャンデリアとかになる」
Aブルー「だったら、マツカの別荘にも?」
そういう部屋があるのかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「和室だけしか行ってないけど、あの中にさ」
マツカ 「ええ。今日、御案内する予定ですよ」
シロエ 「マジですか!?」
マツカ 「シチューにパスタに、フライですしね」
お座敷や桟敷では合いませんから、と御曹司の笑み。
マツカ 「もっとも、松茸うどんと天婦羅が場違いで…」
ジョミー「気にしないから、ドンと出してよ!」
スウェナ「掟破りな料理なんだし、ご愛敬だわよ!」
サム 「でもよ、まずは松茸、集めねえとよ…」
自分で採ったのを食えねえんだぜ、とサム君が見回す山。
サム 「固まっていねえで、散るべきでねえの?」
マツカ 「そうなるでしょうね、狙い目は、尾根筋とか…」
Aブルー「松の木の下だね、分かってるってば!
A船長 「では、皆でローラー作戦で!」
松茸狩りに発進! と号令、散ってゆきましたが。
さて…?
2025/10/24 (Fri)
☆いつもと違う部屋
学校を休んで松茸狩りな面々、山に入って懸命に松茸探し。
手入れしてある山だけに、探し回れば見付かるわけでして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お昼が近いよ、集合、集合!」
一同 「「「オッケー!」」」
元気一杯なお子様の声で、続々と集った山の中のスポット。
ぶるぅ 「みんな、採れてるみたいだね!」
シロエ 「頑張りました、匂いを頼りに探しまくって」
ジョミー「松茸、香りで分かるもんね」
サム 「ド素人でも、間違えようがねえしな」
食えそうな他のキノコは、放置しといたぜ、とサム君も。
サム 「今日の目当ては、松茸料理なんだしよ」
マツカ 「松茸以外のは、管理している人のお小遣いです」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「見回りついでに採って帰って、売るんですよ」
道の駅に出せば売れますしね、と納得の説明。
マツカ 「キノコの名前と調理法を添えて、目玉商品で」
Aブルー「わざわざ買いに来る人も、いるとか?」
マツカ 「そのようです。でも、今日は脱線は無しで」
お願いします、とマツカ君の釘。
マツカ 「気になるようなら、帰りに買ってお帰り下さい」
キース 「松茸料理が、留守になるしな…」
マツカ 「ええ。皆さん、沢山集めておられますから…」
他の山のは要らないかもです、と見回す皆の収穫物。
マツカ 「まずは、別荘に御案内しますね」
一同 「「「イイネ!」」」
椅子とテーブルの部屋で食事だ、と大歓声で下山。
執事 「皆様、お帰りなさいませ」
マツカ 「戻りました、かなり採れたようです」
執事 「早速、厨房に運ばせます。お疲れでしょう」
お部屋の方で御休憩を、と案内された別荘の奥。
Aブルー「ホントだ、椅子とテーブルだよ!」
A船長 「襖を開けたら、シャンデリアですか…」
キース 「この絨毯も凄いヤツだな…」
ジョミー「貴賓室みたいだよね…」
マツカ 「それほどでも…」
ありませんよ、と謙遜していますけど。
ゴージャスですよね!
2025/10/25 (Sat)
☆豪華なオードブル
学校を休んでの松茸狩り、収穫は上々でマツカ君の別荘へ。
案内された部屋に椅子とテーブル、貴賓室のような豪華さ。
マツカ 「皆さん、お腹が空いておられるでしょう?」
Aぶるぅ「とっても! ご飯、すぐに出来るの?」
マツカ 「少し時間がかかりますから、軽くお茶でも」
お持ちします、という声が終わらない内に、開いた襖。
執事 「お待ち頂く間、こちらをどうぞ」
Aぶるぅ「やったあ! サンドイッチが一杯!」
執事 「お食事に備えて、控えめでお願い致しますね」
使用人さんたちが運んで来た、紅茶にコーヒーなども。
執事 「では、後ほど」
Aぶるぅ「いっただっきまあーす!」
襖が閉まらない内に、悪戯小僧、パクパク。
Aぶるぅ「美味しい、最高!」
Aブルー「カナッペとかもあるけど、これってさ…」
A船長 「高級食材のように思えるのですが…」
トリュフにフォアグラ、キャビアなどでは、という指摘。
A船長 「カナッペに似合いの食材とはいえ…」
Aブルー「惜しみなく使いすぎっていう気が…」
マツカ 「後に来るのが、松茸ですしね」
しかも贅沢にフライとかです、とマツカ君の笑み。
マツカ 「オードブルの方も、合わせませんと」
キース 「それで高級食材なのか?」
シロエ 「そうなってくると、サンドイッチも…」
サム 「ローストビーフ、黒毛和牛なのかよ?」
スモークサーモンも高級品で、とサム君の問い。
サム 「ハムにしたって、半端ねえとか?」
マツカ 「輸入食材を使っていますね、チーズとかにも」
ジョミー「じゃあさ、卵も半端ないわけ?」
マツカ 「平飼いの地鶏です、放し飼いだそうですよ」
松茸の前にお楽しみ下さい、と太っ腹すぎる食前の軽食。
Aブルー「分かった、ぶるぅに負けてられない!」
ぶるぅ 「食べなくっちゃね!」
Aぶるぅ「酷いよ、全部、ぼくのだってば!」
A船長 「総員、突撃!」
キャプテンの号令ですけど、その前に皆が突撃。
当然かと…。
2025/10/26 (Sun)
☆食い意地と食通
学校を休んで松茸狩りな面々、マツカ君の別荘で料理待ち。
豪華オードブルがズラリ並んで、悪戯小僧と食い意地勝負。
Aぶるぅ「あっ、盗っちゃダメ、食べるんだから!」
A船長 「皆さん、無視で食べて下さい!」
Aぶるぅ「ハーレイ、酷い!」
A船長 「無駄口を叩く暇があったら、食べるべきです!」
皆さん、食い意地なんですし、とキャプテン、ピシャリ。
A船長 「私も同じで、かまってなんかいられませんよ!」
Aブルー「早く食べないと、食べられちゃうしね!」
Aぶるぅ「酷いってばーっ!」
いつも譲ってくれるくせに、と叫ぶ間も、減ってゆく料理。
シロエ 「美味しいですねえ、フォアグラのカナッペ!」
サム 「黒毛和牛のサンドイッチも、美味いんだよな!」
ジョミー「食べまくらなきゃ、損だしね!」
キース 「ぶるぅ用には、後でたっぷり届く筈だぞ」
通にしか分からない美味い料理が、とキース君。
キース 「お前だったら、味が分かるし、いくらでも…」
マツカ 「お召し上がりになって下さいね」
Aぶるぅ「えっと…?」
何のお話、と悪戯小僧、首を傾げながらもパクパク。
Aぶるぅ「お料理、みんなで食べるんでしょ?」
キース 「それはそうだが、初めての味で…」
マツカ 「不味い料理は、出ないんですけど…」
プロの料理人が作りますし、とマツカ君の説明。
マツカ 「とはいえ、皆さんの舌が問題でして…」
サム 「珍味とかには慣れていえねし、自信なくてよ…」
Aブルー「ぼくもイマイチ、自信なくって…」
A船長 「ぶるぅだけしか、美味しさがですね…」
分からないかも、ということで、とキャプテンも。
A船長 「そうなった時は、全部、ぶるぅに…」
マツカ 「回りそうだ、という話になっていたんですよ」
Aぶるぅ「ホント!? ぼくが一人占め!?」
キース 「遠慮しないで食べまくってくれ」
Aぶるぅ「やったーっ!」
食べるもんね、と食い意地の矛先が逸れましたけど。
どうなる?
2025/10/27 (Mon)
☆一品目はシチュー
学校を休んで松茸狩りで、マツカ君の別荘で食事ですけど。
定番から外れた料理が出るので、テーブルと椅子の部屋で。
Aぶるぅ「もう出来るかな、松茸料理!」
マツカ 「食通向けに出来上がったら、嬉しいですか?」
Aぶるぅ「もっちろ~ん! 一人占め出来るんだもん!」
味音痴な人には合わないんだしね、と跳ねる悪戯小僧。
Aぶるぅ「シチューもパスタも、フライトかも、全部!」
キース 「よかったな、ぶるぅ」
Aぶるぅ「うんっ、グルメ三昧してて良かったあ!」
舌を鍛えた甲斐があったよ、と勘違いして期待MAX。
Aぶるぅ「不味い料理が出るの、待ってる!」
シロエ 「ぼくたちは、ハズレになるんですけどね…」
サム 「いいんでねえの? 話のタネってことでよ」
ジョミー「違う意味では、自慢できるしね」
不味くてもさ、とジョミー君が言った所で、開いた襖。
執事 「お待たせしました、シチューからどうぞ」
一同 「「「うーん…」」」
これが松茸シチューなのか、と並べられる器を眺める面々。
キース 「臭いという気は、しないんだが?」
シロエ 「松茸の香りも、さほど強くはありませんよね」
サム 「でもよ、嫌な匂いは分かるモンだぜ?」
スウェナ「北の国の人だと、無理かもしれないわね」
とにかく普通に食べられそうよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「味がどうかは、分からないけど」
執事 「どうぞ、お召し上がりになって下さい」
Aブルー「そうだね、口に入れれば、答えが出るしさ」
食べてみよう、とソルジャー、スプーンで口へと。
Aブルー「えっと…? 美味しいシチューなんだけど?」
A船長 「クリームシチューですよね、ベーコン入りの」
このベーコンも美味なんですが、とキャプテンも。
A船長 「合わせる具材で変わるんでしょうか?」
執事 「ドングリだけで育てた豚のベーコンですね」
一同 「「「うわー…」」」
高級品だ、と皆が驚くベーコン。
それで美味だと…?
2025/10/28 (Tue)
☆出番が来ない料理
マツカ君の別荘で松茸料理、テーブル席で食事スタートで。
一品目のシチューが美味な仕上がり、舌鼓を打つ御一同様。
シロエ 「味って、ベーコンで変わって来るんですね」
サム 「安いヤツだと、美味くねえかもなあ…」
執事 「いわゆる出汁にも、こだわったそうです」
最高の牛のブイヨンを使っております、と説明が。
執事 「お味はお気に召しましたか?」
Aブルー「最高だよ!」
執事 「では、お出ししてよろしいですね?」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と皆がキョトンですけど。
執事 「今の器は試食用ですし、シチュー用の器で」
A船長 「なるほど、上品な器だと思っていましたが…」
Aブルー「試食用なら、納得だよね」
小さいのも、とソルジャー、残りのシチューをスプーンで。
Aブルー「コレを食べ終わったら、ドンと来るんだ?」
執事 「はい。厨房に連絡して参りますね」
一同 「「「イイネ!」」」
間もなく届いたシチューたっぷりの器、美味しく頂く面々。
キース 「美味いな、嫌っている国のヤツらの感覚が謎だ」
ジョミー「味音痴ってことになるのかな?」
サム 「そうなんでねえの?」
Aブルー「その人たち、人生、損をしているよねえ…」
美味しい料理を逃しちゃって、とソルジャーも苦笑。
Aブルー「きっと普通のベーコンとかでも、美味しくて…」
A船長 「いい味になりそうな気がしますよ」
スウェナ「食わず嫌いでいいのかしらねえ…」
シロエ 「匂いだけで逃げるわけですしね…」
もったいないです、とシロエ君が言う通り。
シロエ 「食べればいいのに、食べないだなんて…」
Aぶるぅ「ちょっと待ってよ、みんな、食べちゃうわけ?」
キース 「当たり前だろう、美味いシチューなんだぞ」
Aブルー「ぶるぅの出番は無いと思うよ、コレに関しては」
Aぶるぅ「不味い時しか、一人占め出来ない仕組み!?」
酷すぎるよ、と悪戯小僧の悲鳴ですけど。
次を待つしか…。
2025/10/29 (Wed)
☆口に合わない人
学校を休んで松茸狩りで、マツカ君の別荘で食事ですけど。
シチューでスタート、美味な仕上がり、次が楽しみな面々。
Aブルー「美味しかったねえ、松茸シチュー!」
A船長 「本当に。次に来るのはフライでしょうか?」
マツカ 「そう聞いてますね、じきに来ますよ」
シチューの器が下げられて直ぐに、熱々のフライが登場。
執事 「どうぞ、ソースは各種ございますので」
Aブルー「好みで選べばいいんだね?」
執事 「はい。お取り分けの方も、お好きなだけ」
お口に合わなかったら、お呼び下さい、と控えめな台詞。
執事 「他のフライを用意いたします、お好きなものを」
Aブルー「海老でも、牡蠣でも、かまわないわけ?」
執事 「厨房に揃えてある品でしたら、何でも」
串カツ仕立ても出来るそうです、と襖を閉めて向こうへ。
サム 「すげえな、不味かった時は豪華そうだぜ!」
ジョミー「でもさ、美味しいフライだったら…」
キース 「出番は来ないというわけか…」
少し複雑な気もするが、とキース君、フライを取り皿に。
キース 「さてと、ソースは何にするかな」
マツカ 「説明が添えてありますよ」
キース 「なるほど。これはキノコのソースか。…ん?」
ジョミー「みじん切りだけど、トリュフとかって…」
なんか凄そう、とジョミー君、ソースをかけて口へと。
ジョミー「うわ、美味しい!」
シロエ 「ホントですねえ、すると、中華風とかのも…」
スウェナ「タルタルソースも、美味しいわよ」
食べてみてよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「串カツ用のソースも、老舗の秘伝らしいわ」
マツカ 「特別に貰って来たそうですよ」
Aブルー「フライにも合うね、あれっ?」
ぶるぅは、とソルジャー、キョロキョロ。
A船長 「いないようです、何処へ?」
キース 「まさか、厨房に押し掛けたとか?」
執事 「坊ちゃまは、別室でお食事中です」
普通のフライを御希望で、と執事さん。
そう来ましたか…。
2025/10/30 (Thu)
☆当たりだったババ
学校を休んで松茸狩りにお出掛け、マツカ君の別荘で食事。
松茸尽くしの料理ですけど、シチューにフライという展開。
キース 「そうか、美味いと独占は無理、と踏んだのか…」
シロエ 「お食事って、豪華フライですよね?」
執事 「色々と召し上がっておられましたが」
先ほどは活けの車海老でしたね、と執事さん。
執事 「松茸フライは、お口に合わないそうで」
Aブルー「なんで、そういうことになるのさ!」
A船長 「不味かった時に、ババを引く筈でしたのに…」
ヤツが一人で食べるしかなくて、とキャプテン、深い溜息。
A船長 「これだと、ババは我々なのでは?」
Aブルー「不味い料理に期待しようよ、次はパスタだし!」
ジョミー「美味しそうな予感しかしないんだけど…」
サム 「マジでヤベえよ、あいつだけが豪華料理を…」
食いまくって終わる日なんでねえの、とサム君が抱える頭。
サム 「うどんくらいは、外してえよな…」
スウェナ「学食で貧乏学生用だったらしいものね…」
松茸うどんに賭けるしかないわ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「きっと天婦羅も、美味しいのよ」
マツカ 「否定出来ませんね…」
松茸だけに、とマツカ君も苦笑で、食事は順調に進行。
執事 「お食事の方は、如何ですか?」
Aブルー「美味しすぎるから、泣けてくるけど…」
A船長 「ぶるぅのメニューを聞いてしまうと、本当に…」
執事 「松茸うどんで締めになります、お持ちしても?」
よろしいでしょうか、と聞かれて、ついに締めが登場。
執事 「熱い間にお召し上がり下さい」
Aブルー「美味しそうだね…。うん、美味しい!」
キース 「最後まで外しまくったか…」
別メニューは何になるんだ、とキース君の問い。
キース 「天婦羅うどんのように思うが…」
執事 「フカヒレのラーメンですよ」
Aブルー「ぼくたちにも! 締めは別腹!」
ぶるぅだけとか酷すぎ、と悲鳴ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/10/31 (Fri)
暑さが残った10月の頭、生徒会長宅で週末を過ごす面々。
北の国のキノコ狩りが話題で、其処から松茸料理な状況で。
Aブルー「ぼくも松茸、何度も食べてはいるんだけれどさ」
シロエ 「いわゆる定番なんですね?」
Aブルー「ノルディと行っても、その辺の事情は同じで…」
変わり種は食べたことが無くって、とソルジャーの言。
Aブルー「トリュフだったら、うんと贅沢に特注のを…」
サム 「エロドクターと食ったのかよ?」
Aブルー「なにしろノルディは、グルメだしねえ…」
トリュフ尽くしで店を貸し切り、と自慢話が。
Aブルー「松茸尽くしも、やっているけど、普通だったね」
ジョミー「シチューもフライも、無かったんだ?」
Aブルー「松茸うどんも出なかったよ!」
トリュフの時には、パスタだったのに、と残念そう。
Aブルー「トリュフだけで作ったソースで、リッチにさ…」
キース 「松茸でも、それをやりたいと?」
Aブルー「シチューの応用で、出来るわけだろう?」
クリームパスタ、とソルジャー、ズイと。
Aブルー「トリュフのパスタは、違ったんだけどね」
シロエ 「クリームパスタじゃなかったんですか?」
Aブルー「トリュフを削って、基本の調味料だけだよ!」
トリュフの香りが生きるらしいね、とグルメ談議。
Aブルー「贅沢すぎるし、店のメニューに出来ないってさ」
キース 「ウケるかどうかも分からないしな…」
Aブルー「お値段、半端ないみたいだよ?」
一人前がトリュフ1個で、と手で作る大きさ。
Aブルー「塩コショウだけで食べてしまいたいかい?」
一同 「「「うーん…」」」
凝った料理で味わいたいよね、と皆が見合わせる顔。
キース 「それだけあったら、何人前に使えるんだか…」
Aブルー「究極の贅沢メニューってヤツだってば!」
シロエ 「その感覚で、松茸も食べたいんですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
シチューにパスタにフライとか、と言ってますけど。
松茸で…?
2025/10/16 (Thu)
☆松茸を食べるなら
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
北の国のキノコ事情から、松茸料理に話が転がったわけで。
Aブルー「そういう料理も、ぶるぅなら作れそうだしさ!」
一同 「「「ぶるぅ!?」」」
Aブルー「マツカの別荘の料理人さんじゃ、拒否られそう」
料理人のプライド、あるだろうしね、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「調理場だけを貸して貰って、ぶるぅが料理で!」
ぶるぅ 「んとんと…。松茸狩りに山に行くわけ?」
Aブルー「だって、話は、其処からだろう?」
最高級品はアルテメシア産、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「ノルディに聞いたよ、味も香りも最高らしいね」
キース 「そう言われるが、俺は食べ比べたことは…」
ジョミー「マツカの別荘とかで食べるか、スーパーのを…」
シロエ 「自分の家で松茸ご飯な程度ですよね…」
ちょっと落差が大きすぎます、とシロエ君も。
シロエ 「どう違うのかを聞かれても、語れません」
Aブルー「いいんだってば、美味しければね!」
ところでマツカ、とソルジャーの視線がマツカ君に。
Aブルー「ぼくの企画に、何か問題、ありそうかな?」
マツカ 「いいえ、特には…。シーズンだけが問題です」
Aブルー「シーズン?」
マツカ 「今年は暑さが長いですから、下旬でないと…」
松茸狩りは難しいかと、とマツカ君の答え。
マツカ 「学校の関係もありますし、早くても25日かと」
Aブルー「うーん…。先は長いね…」
マツカ 「20日頃には出始めますから、25日で」
土曜日です、とマツカ君が眺める壁のカレンダー。
マツカ 「如何ですか?」
Aブルー「要は学校のせいなんだね?」
休んじゃえば、とソルジャー、サラリと。
Aブルー「節分だって、毎年、欠席届けだしさ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「平日に行くには、それが一番!」
一同 「「「あー…」」」
欠席届けか、と顔を見合わせてますけど。
松茸狩りで欠席…?
2025/10/17 (Fri)
☆休んでもいい学校
暑さが残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
北の国の松茸事情から料理の話で、ソルジャーが来まして。
Aブルー「休んでしまえばいいと思うな、真面目に!」
シロエ 「面白そうではありますけど…」
Aブルー「どうせ出席義務なんかは、無いらしいしね」
君たちは特別生だから、とソルジャーも知っている待遇。
Aブルー「欠席届けを出さなくっても、休み放題で…」
キース 「まあな…。顔を見せないヤツまでいるし」
ジョミー「欠席大王のジルベールだよね」
サム 「寮生なのによ、学校に出ては来ねえんだよなあ」
マジで学校では見たことねえぜ、とサム君も。
サム 「寮も、学校にカウントするかもしれねえけど…」
Aブルー「そんな大物もいる学校だろう、休みオッケー!」
スウェナ「グレイブ先生、呆れ返るわよね…」
シロエ 「松茸狩りに行くので休みます、ですしね…」
嫌味の台詞が浮かびますよ、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「いい御身分だな、諸君、っていう定番のが…」
ジョミー「だけど、止めるの、無理なんだよね…」
出席義務が無いわけだから、とジョミー君が竦める肩。
ジョミー「面白そうだし、休んじゃおうか」
サム 「グレイブ先生の嫌味がかよ?」
ジョミー「違うよ、松茸狩りだってば!」
平日に行ったことは無いしね、とジョミー君、乗り気。
ジョミー「20日頃には出るんだったら、どの辺かな?」
マツカ 「香りがいいのが揃い始めますから…」
22日以降で如何でしょうか、とマツカ君。
マツカ 「水曜か木曜、そんな感じで」
キース 「そうだな、選ぶなら水曜かもしれん」
グレイブ先生の授業が無い日だ、とキース君のマジレス。
キース 「運が良ければ、本人が休暇で消えてくれるしな」
シロエ 「あー、その線は有り得ますよね」
Aブルー「じゃあ、22日でいいのかな?」
マツカ 「別荘の方は、用意出来ます」
22日にしておきますか、と聞いてますけど。
欠席ですか…。
2025/10/18 (Sat)
☆不味かったら怖い
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
北の国の松茸事情から、松茸狩りに行くのが決まりまして。
ジョミー「休むんだったら、リスク低めの日に限るよね」
サム 「グレイブ先生、自分も休むなら、嫌味はよ…」
シロエ 「控えめになるのが当然でしょう」
言い返される恐れがありますから、とシロエ君も。
シロエ 「ミシェル先生と出掛けるとかだと、特にですよ」
キース 「まったくだ。言えた義理では無いんだしな」
マツカ 「22日でよろしいですね?」
Aブルー「もちろん、ぼくもオッケーだよ!」
ハーレイにも休暇を申請させるし、とソルジャーの笑み。
Aブルー「今朝の時点で、予定は入っていなかったしね」
キース 「おい。そうなると、例の迷惑なヤツも…」
Aブルー「ぶるぅかい? 来ないわけなんか、ないだろう」
ハーレイがダメでも単独で来るよ、と目がマジな人。
Aブルー「なにしろモノが松茸狩りと、料理イベだし!」
キース 「しかし、美味いとは限らないんだ!」
一同 「「「あー…」」」
不味かった場合、暴れまくりか、と一同、ガクブル。
サム 「やべえよ、キース、引き受けられるのかよ?」
キース 「俺が踏まれて済む問題では…」
シロエ 「ありませんよね、どうするんです?」
ジョミー「被害者多数で、死屍累々かな…」
お前が食え、で詰め込まれてさ、とジョミー君の悪い顔色。
ジョミー「シチューにフライに、パスタとかをさ…」
マツカ 「それに関しては、手があるかもです」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「確か、自称はグルメですよね?」
違いましたか、とマツカ君、ソルジャーの方に視線を。
マツカ 「味が分かっているかはともかく、食通だとか…」
Aブルー「そうだよ、美味しいものには目が無くってね」
マツカ 「分かりました。料理は、プロに任せましょう」
Aブルー「別荘の料理人さんかい?」
そうすれば逃げ道が出来るとでも、と聞いてますけど。
プロ…?
2025/10/19 (Sun)
☆プロならではの料理
暑さが残った10月の頭、生徒会長宅で週末を過ごす面々。
其処へソルジャー登場でして、松茸狩りの日取りが決定で。
マツカ 「逃げ道と言うよりは、裏技的な解決策ですね」
Aブルー「えっと…?」
マツカ 「食通を気取っている所を、逆手に取ります」
料理するのはプロなんですから、とマツカ君の説明が。
マツカ 「プロの料理人が、不味い料理を作りますか?」
Aブルー「不味いなんて、プロの意味が無いって!」
マツカ 「其処です、シチューやフライや、パスタでも…」
美味しく仕上げてこそでしょう、と言われれば、そう。
マツカ 「もっとも、美味しいかどうか現時点では謎です」
ジョミー「なんとかするのが、プロなんじゃないの?」
Aブルー「あっ、そうか! 美味しい松茸料理だけしか…」
出して来ないという勘定だよね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「ぶるぅの場合は、皆の注文に応じるだけで…」
キース 「不味くならない保証は、全く無いな」
ぶるぅ 「そだね、シチューにしたって、定番通りに…」
まずは作ってみると思うよ、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「味見するけど、手は加えないで、出しそう」
サム 「プロじゃねえから、お遊びってことな?」
ぶるぅ 「そうなの、松茸さんにも、失礼だしね」
不味いのが出来たら、処分なんて、と真剣な瞳。
ぶるぅ 「だけどプロなら、全部捨てちゃって…」
シロエ 「一から作り直しになりますよね…」
Aブルー「なるほど、ぶるぅがキレそうな不味い料理は…」
最初から出ては来ないわけだ、とソルジャー、手をポンと。
Aブルー「それでお願い!」
マツカ 「違うんですよね、裏技ですよ?」
不味く出来ても、出すようにします、とマツカ君の笑み。
マツカ 「食通にしか分からないという、美味な一品で…」
ジョミー「逆手って、そういう意味だったわけ?」
Aブルー「グルメだったら、食べるしか…」
道が無いってことなんだ、とソルジャーも愕然。
怖すぎ…。
2025/10/20 (Mon)
☆味が分かる食通
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
松茸狩りの日取りが決定、シチューやフライで食べる企画。
キース 「不味い料理が出来た場合も、ヤツは食うのか…」
サム 「恐ろしすぎるぜ、でもよ…」
Aブルー「ぼくたちの方にも、同じ料理が来るんだよね?」
しかも食べないとダメなコース、とソルジャーの悪い顔色。
Aブルー「ぶるぅと一蓮托生だなんて…」
シロエ 「暴れまくりは、回避出来るんですけど…」
ジョミー「気分は罰ゲーな流れだってば…」
あんまりすぎる、と誰もがドン底な気分。
キース 「ヤツが来るのは、止められないしな…」
Aブルー「普通の料理で、食べておくのがマシっぽいよ…」
変わり種の料理は、またの機会で、とソルジャー、白旗。
Aブルー「ぼくだけ来た時、個人的にさ…」
サム 「そうしろよな…」
スウェナ「誓うわ、文句は言わないわよ」
だから松茸狩りの日は、定番料理で、とスウェナちゃんも。
スウェナ「不味い料理な強制イベより、我慢出来るわ」
キース 「俺もだ…」
マツカ 「待って下さい、食べないで済むんですから」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と皆がキョトン。
シロエ 「食べないというのは、不味い料理の話ですか?」
マツカ 「ええ。食通にしか、分からない味ですよ?」
不味いと思うのは、舌のせいです、とマツカ君の目がマジ。
マツカ 「味音痴で、ダメなタイプの人間ですね」
キース 「そうか、不味くて食えない俺たちは…」
Aブルー「食通の逆で、ぶるぅだけ、美味を味わうと…」
いいじゃないか、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「それでいこうよ、22日はシチューとかにさ…」
キース 「料理された松茸を食って、美味い分だけ…」
シロエ 「食べて、ぶるぅがババですね?」
マツカ 「不味い料理が出来た時には、そうです」
一同 「「「イイネ!」」」
最高すぎる、と盛り上がってイベが決定ですけど。
ぶるぅがババ…。
2025/10/21 (Tue)
☆平日に松茸狩り
やって来ました、松茸狩りの22日。学校は欠席な水曜日。
朝イチで生徒会長のマンション前に集合、お天気も秋晴れ。
シロエ 「おはようございます! 松茸狩り日和ですね」
ジョミー「最高だよね、学校を休んで松茸狩りだし」
サム 「キースの読みが当たって、嫌味、無かったしよ」
グレイブ先生も休みなんだぜ、とサム君が立てる親指。
サム 「ミシェル先生とデートなんでねえの?」
キース 「多分な。ミシェル先生も、授業が無い日だし」
Aブルー「夫婦で休暇を重ねておくのは、基本だよ!」
ぼくとハーレイじゃ難しいけどね、とソルジャーも登場。
Aブルー「お互い、立ち位置が上すぎてさ…」
??? 「そうなんですよ、揃って休みは取りにくいです」
もぎ取りましたが、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「なんでも、珍しい松茸料理を頂けるそうで」
??? 「ぼくも楽しみ!」
食べるもんね、と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)の笑顔。
Aぶるぅ「シチューにフライに、パスタなんでしょ?」
マツカ 「うどんと天婦羅も、ご用意出来ると思いますよ」
松茸が沢山採れてくれれば、とマツカ君。
マツカ 「もちろん、召し上がりたいと仰るようなら…」
サム 「他の山のを調達かよ?」
マツカ 「ええ。そのように話をつけてあります」
近隣の山を押さえました、と流石な手回し。
マツカ 「採れたてが美味しいんですけど、余ったら…」
シロエ 「明日、格安で出荷なコースですね?」
マツカ 「そうなりますね、まだまだ高い時期ですので」
明日の出荷でも、元が充分、とマツカ君の笑み。
マツカ 「とはいえ、せっかくの松茸狩りですし…」
Aブルー「自分で採ったの、食べたいよね!」
マツカ 「頑張って山で探して下さい、バスの方へどうぞ」
ぶるぅズ「「かみお~ん♪ 別荘へ出発!」」
マツカ 「到着したら、すぐに山へご案内しますね」
松茸は出始めていますから、と御曹司の太鼓判。
期待ですよね!
2025/10/22 (Wed)
☆料理人のスキル
学校を休んで松茸狩りな面々、ソルジャーたちも来て出発。
マツカ君の別荘に着いたら、すぐに山に入って、松茸探し。
Aブルー「出来れば、自力で集めたいよね!」
A船長 「他の山のでもいいんですけど、やはり自分で…」
探し出したいものですからね、とキャプテン、やる気満々。
A船長 「珍しい料理を頂けるとなれば、尚更ですよ」
Aブルー「土瓶蒸しとか、焼き松茸も美味しいんだけどね」
定番料理は何処でもあるし、とソルジャーも。
Aブルー「シチューなんかは、ファミレスでも無いよ!」
キース 「あんた、ファミレスにも詳しかったのか?」
Aブルー「暇な時には、あちこちを見てみたいじゃないか」
なにしろ憧れの地球なんだしさ、と納得の理由。
Aブルー「どんな味かな、シチューにパスタ!」
A船長 「料理人さんの腕も、素晴らしいですね」
シロエ 「素晴らしいって…。まだ、食べていませんよ?」
なんで分かるんです、とシロエ君の問い。
シロエ 「しかも、寄ってもいないんですが…」
サム 「山に直行したもんなあ…」
ジョミー「トイレに寄った人くらいしか、別荘には…」
入っていないよ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「お昼は松茸料理なんだし、お弁当だって…」
スウェナ「貰ってないわよ、おむすびもね」
料理人さんの腕は過去形かしら、とスウェナちゃん。
スウェナ「今までに食べた料理が基準かもよ」
シロエ 「なるほど、それなら納得です」
A船長 「いいえ、そういう話ではなく…」
腕の凄さを褒めております、とキャプテンの答え。
A船長 「シチューやパスタは、和食ですか?」
一同 「「「は?」」」
A船長 「違いますよね?」
料理人の世界も違う筈です、とキャプテンの笑み。
A船長 「両方こなせる料理人さん、珍しいのでは?」
キース 「確かに、凄腕の料理人だな」
マツカ 「外国からの、お客様も…」
お招きしますし、当然ですよ、とマツカ君。
スキル、必須ですか…。
2025/10/23 (Thu)
☆洋食に合う部屋
松茸狩りで学校を休んだ御一同様、山で松茸探しですけど。
料理してくれる料理人さん、和食も洋食もいける腕でして。
Aブルー「外国からのお客様って、あの別荘でかい?」
マツカ 「そうですけど?」
Aブルー「和食でもいける人はともかく、違う人はさ…」
キツイのでは、とソルジャー、松茸を探しながらの疑問。
Aブルー「だって、お箸も使えないのに、桟敷とかさ…」
A船長 「言われてみれば、そうですよね。私も最初は…」
実は途惑っていたんですよ、とキャプテンの苦笑。
A船長 「ブルーに正座から叩き込まれて、苦労しました」
一同 「「「あー…」」」
A船長 「慣れた今では、料亭も旅館も平気ですがね」
キース 「なるほどな。しかし、寺でもデカいトコだと…」
外国からの賓客用に部屋があるんだ、とキース君。
キース 「洋室を作るわけにはいかんが、絨毯を敷いて…」
サム 「椅子とテーブルかよ?」
キース 「ああ。照明も、和風のシャンデリアとかになる」
Aブルー「だったら、マツカの別荘にも?」
そういう部屋があるのかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「和室だけしか行ってないけど、あの中にさ」
マツカ 「ええ。今日、御案内する予定ですよ」
シロエ 「マジですか!?」
マツカ 「シチューにパスタに、フライですしね」
お座敷や桟敷では合いませんから、と御曹司の笑み。
マツカ 「もっとも、松茸うどんと天婦羅が場違いで…」
ジョミー「気にしないから、ドンと出してよ!」
スウェナ「掟破りな料理なんだし、ご愛敬だわよ!」
サム 「でもよ、まずは松茸、集めねえとよ…」
自分で採ったのを食えねえんだぜ、とサム君が見回す山。
サム 「固まっていねえで、散るべきでねえの?」
マツカ 「そうなるでしょうね、狙い目は、尾根筋とか…」
Aブルー「松の木の下だね、分かってるってば!
A船長 「では、皆でローラー作戦で!」
松茸狩りに発進! と号令、散ってゆきましたが。
さて…?
2025/10/24 (Fri)
☆いつもと違う部屋
学校を休んで松茸狩りな面々、山に入って懸命に松茸探し。
手入れしてある山だけに、探し回れば見付かるわけでして。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お昼が近いよ、集合、集合!」
一同 「「「オッケー!」」」
元気一杯なお子様の声で、続々と集った山の中のスポット。
ぶるぅ 「みんな、採れてるみたいだね!」
シロエ 「頑張りました、匂いを頼りに探しまくって」
ジョミー「松茸、香りで分かるもんね」
サム 「ド素人でも、間違えようがねえしな」
食えそうな他のキノコは、放置しといたぜ、とサム君も。
サム 「今日の目当ては、松茸料理なんだしよ」
マツカ 「松茸以外のは、管理している人のお小遣いです」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「見回りついでに採って帰って、売るんですよ」
道の駅に出せば売れますしね、と納得の説明。
マツカ 「キノコの名前と調理法を添えて、目玉商品で」
Aブルー「わざわざ買いに来る人も、いるとか?」
マツカ 「そのようです。でも、今日は脱線は無しで」
お願いします、とマツカ君の釘。
マツカ 「気になるようなら、帰りに買ってお帰り下さい」
キース 「松茸料理が、留守になるしな…」
マツカ 「ええ。皆さん、沢山集めておられますから…」
他の山のは要らないかもです、と見回す皆の収穫物。
マツカ 「まずは、別荘に御案内しますね」
一同 「「「イイネ!」」」
椅子とテーブルの部屋で食事だ、と大歓声で下山。
執事 「皆様、お帰りなさいませ」
マツカ 「戻りました、かなり採れたようです」
執事 「早速、厨房に運ばせます。お疲れでしょう」
お部屋の方で御休憩を、と案内された別荘の奥。
Aブルー「ホントだ、椅子とテーブルだよ!」
A船長 「襖を開けたら、シャンデリアですか…」
キース 「この絨毯も凄いヤツだな…」
ジョミー「貴賓室みたいだよね…」
マツカ 「それほどでも…」
ありませんよ、と謙遜していますけど。
ゴージャスですよね!
2025/10/25 (Sat)
☆豪華なオードブル
学校を休んでの松茸狩り、収穫は上々でマツカ君の別荘へ。
案内された部屋に椅子とテーブル、貴賓室のような豪華さ。
マツカ 「皆さん、お腹が空いておられるでしょう?」
Aぶるぅ「とっても! ご飯、すぐに出来るの?」
マツカ 「少し時間がかかりますから、軽くお茶でも」
お持ちします、という声が終わらない内に、開いた襖。
執事 「お待ち頂く間、こちらをどうぞ」
Aぶるぅ「やったあ! サンドイッチが一杯!」
執事 「お食事に備えて、控えめでお願い致しますね」
使用人さんたちが運んで来た、紅茶にコーヒーなども。
執事 「では、後ほど」
Aぶるぅ「いっただっきまあーす!」
襖が閉まらない内に、悪戯小僧、パクパク。
Aぶるぅ「美味しい、最高!」
Aブルー「カナッペとかもあるけど、これってさ…」
A船長 「高級食材のように思えるのですが…」
トリュフにフォアグラ、キャビアなどでは、という指摘。
A船長 「カナッペに似合いの食材とはいえ…」
Aブルー「惜しみなく使いすぎっていう気が…」
マツカ 「後に来るのが、松茸ですしね」
しかも贅沢にフライとかです、とマツカ君の笑み。
マツカ 「オードブルの方も、合わせませんと」
キース 「それで高級食材なのか?」
シロエ 「そうなってくると、サンドイッチも…」
サム 「ローストビーフ、黒毛和牛なのかよ?」
スモークサーモンも高級品で、とサム君の問い。
サム 「ハムにしたって、半端ねえとか?」
マツカ 「輸入食材を使っていますね、チーズとかにも」
ジョミー「じゃあさ、卵も半端ないわけ?」
マツカ 「平飼いの地鶏です、放し飼いだそうですよ」
松茸の前にお楽しみ下さい、と太っ腹すぎる食前の軽食。
Aブルー「分かった、ぶるぅに負けてられない!」
ぶるぅ 「食べなくっちゃね!」
Aぶるぅ「酷いよ、全部、ぼくのだってば!」
A船長 「総員、突撃!」
キャプテンの号令ですけど、その前に皆が突撃。
当然かと…。
2025/10/26 (Sun)
☆食い意地と食通
学校を休んで松茸狩りな面々、マツカ君の別荘で料理待ち。
豪華オードブルがズラリ並んで、悪戯小僧と食い意地勝負。
Aぶるぅ「あっ、盗っちゃダメ、食べるんだから!」
A船長 「皆さん、無視で食べて下さい!」
Aぶるぅ「ハーレイ、酷い!」
A船長 「無駄口を叩く暇があったら、食べるべきです!」
皆さん、食い意地なんですし、とキャプテン、ピシャリ。
A船長 「私も同じで、かまってなんかいられませんよ!」
Aブルー「早く食べないと、食べられちゃうしね!」
Aぶるぅ「酷いってばーっ!」
いつも譲ってくれるくせに、と叫ぶ間も、減ってゆく料理。
シロエ 「美味しいですねえ、フォアグラのカナッペ!」
サム 「黒毛和牛のサンドイッチも、美味いんだよな!」
ジョミー「食べまくらなきゃ、損だしね!」
キース 「ぶるぅ用には、後でたっぷり届く筈だぞ」
通にしか分からない美味い料理が、とキース君。
キース 「お前だったら、味が分かるし、いくらでも…」
マツカ 「お召し上がりになって下さいね」
Aぶるぅ「えっと…?」
何のお話、と悪戯小僧、首を傾げながらもパクパク。
Aぶるぅ「お料理、みんなで食べるんでしょ?」
キース 「それはそうだが、初めての味で…」
マツカ 「不味い料理は、出ないんですけど…」
プロの料理人が作りますし、とマツカ君の説明。
マツカ 「とはいえ、皆さんの舌が問題でして…」
サム 「珍味とかには慣れていえねし、自信なくてよ…」
Aブルー「ぼくもイマイチ、自信なくって…」
A船長 「ぶるぅだけしか、美味しさがですね…」
分からないかも、ということで、とキャプテンも。
A船長 「そうなった時は、全部、ぶるぅに…」
マツカ 「回りそうだ、という話になっていたんですよ」
Aぶるぅ「ホント!? ぼくが一人占め!?」
キース 「遠慮しないで食べまくってくれ」
Aぶるぅ「やったーっ!」
食べるもんね、と食い意地の矛先が逸れましたけど。
どうなる?
2025/10/27 (Mon)
☆一品目はシチュー
学校を休んで松茸狩りで、マツカ君の別荘で食事ですけど。
定番から外れた料理が出るので、テーブルと椅子の部屋で。
Aぶるぅ「もう出来るかな、松茸料理!」
マツカ 「食通向けに出来上がったら、嬉しいですか?」
Aぶるぅ「もっちろ~ん! 一人占め出来るんだもん!」
味音痴な人には合わないんだしね、と跳ねる悪戯小僧。
Aぶるぅ「シチューもパスタも、フライトかも、全部!」
キース 「よかったな、ぶるぅ」
Aぶるぅ「うんっ、グルメ三昧してて良かったあ!」
舌を鍛えた甲斐があったよ、と勘違いして期待MAX。
Aぶるぅ「不味い料理が出るの、待ってる!」
シロエ 「ぼくたちは、ハズレになるんですけどね…」
サム 「いいんでねえの? 話のタネってことでよ」
ジョミー「違う意味では、自慢できるしね」
不味くてもさ、とジョミー君が言った所で、開いた襖。
執事 「お待たせしました、シチューからどうぞ」
一同 「「「うーん…」」」
これが松茸シチューなのか、と並べられる器を眺める面々。
キース 「臭いという気は、しないんだが?」
シロエ 「松茸の香りも、さほど強くはありませんよね」
サム 「でもよ、嫌な匂いは分かるモンだぜ?」
スウェナ「北の国の人だと、無理かもしれないわね」
とにかく普通に食べられそうよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「味がどうかは、分からないけど」
執事 「どうぞ、お召し上がりになって下さい」
Aブルー「そうだね、口に入れれば、答えが出るしさ」
食べてみよう、とソルジャー、スプーンで口へと。
Aブルー「えっと…? 美味しいシチューなんだけど?」
A船長 「クリームシチューですよね、ベーコン入りの」
このベーコンも美味なんですが、とキャプテンも。
A船長 「合わせる具材で変わるんでしょうか?」
執事 「ドングリだけで育てた豚のベーコンですね」
一同 「「「うわー…」」」
高級品だ、と皆が驚くベーコン。
それで美味だと…?
2025/10/28 (Tue)
☆出番が来ない料理
マツカ君の別荘で松茸料理、テーブル席で食事スタートで。
一品目のシチューが美味な仕上がり、舌鼓を打つ御一同様。
シロエ 「味って、ベーコンで変わって来るんですね」
サム 「安いヤツだと、美味くねえかもなあ…」
執事 「いわゆる出汁にも、こだわったそうです」
最高の牛のブイヨンを使っております、と説明が。
執事 「お味はお気に召しましたか?」
Aブルー「最高だよ!」
執事 「では、お出ししてよろしいですね?」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と皆がキョトンですけど。
執事 「今の器は試食用ですし、シチュー用の器で」
A船長 「なるほど、上品な器だと思っていましたが…」
Aブルー「試食用なら、納得だよね」
小さいのも、とソルジャー、残りのシチューをスプーンで。
Aブルー「コレを食べ終わったら、ドンと来るんだ?」
執事 「はい。厨房に連絡して参りますね」
一同 「「「イイネ!」」」
間もなく届いたシチューたっぷりの器、美味しく頂く面々。
キース 「美味いな、嫌っている国のヤツらの感覚が謎だ」
ジョミー「味音痴ってことになるのかな?」
サム 「そうなんでねえの?」
Aブルー「その人たち、人生、損をしているよねえ…」
美味しい料理を逃しちゃって、とソルジャーも苦笑。
Aブルー「きっと普通のベーコンとかでも、美味しくて…」
A船長 「いい味になりそうな気がしますよ」
スウェナ「食わず嫌いでいいのかしらねえ…」
シロエ 「匂いだけで逃げるわけですしね…」
もったいないです、とシロエ君が言う通り。
シロエ 「食べればいいのに、食べないだなんて…」
Aぶるぅ「ちょっと待ってよ、みんな、食べちゃうわけ?」
キース 「当たり前だろう、美味いシチューなんだぞ」
Aブルー「ぶるぅの出番は無いと思うよ、コレに関しては」
Aぶるぅ「不味い時しか、一人占め出来ない仕組み!?」
酷すぎるよ、と悪戯小僧の悲鳴ですけど。
次を待つしか…。
2025/10/29 (Wed)
☆口に合わない人
学校を休んで松茸狩りで、マツカ君の別荘で食事ですけど。
シチューでスタート、美味な仕上がり、次が楽しみな面々。
Aブルー「美味しかったねえ、松茸シチュー!」
A船長 「本当に。次に来るのはフライでしょうか?」
マツカ 「そう聞いてますね、じきに来ますよ」
シチューの器が下げられて直ぐに、熱々のフライが登場。
執事 「どうぞ、ソースは各種ございますので」
Aブルー「好みで選べばいいんだね?」
執事 「はい。お取り分けの方も、お好きなだけ」
お口に合わなかったら、お呼び下さい、と控えめな台詞。
執事 「他のフライを用意いたします、お好きなものを」
Aブルー「海老でも、牡蠣でも、かまわないわけ?」
執事 「厨房に揃えてある品でしたら、何でも」
串カツ仕立ても出来るそうです、と襖を閉めて向こうへ。
サム 「すげえな、不味かった時は豪華そうだぜ!」
ジョミー「でもさ、美味しいフライだったら…」
キース 「出番は来ないというわけか…」
少し複雑な気もするが、とキース君、フライを取り皿に。
キース 「さてと、ソースは何にするかな」
マツカ 「説明が添えてありますよ」
キース 「なるほど。これはキノコのソースか。…ん?」
ジョミー「みじん切りだけど、トリュフとかって…」
なんか凄そう、とジョミー君、ソースをかけて口へと。
ジョミー「うわ、美味しい!」
シロエ 「ホントですねえ、すると、中華風とかのも…」
スウェナ「タルタルソースも、美味しいわよ」
食べてみてよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「串カツ用のソースも、老舗の秘伝らしいわ」
マツカ 「特別に貰って来たそうですよ」
Aブルー「フライにも合うね、あれっ?」
ぶるぅは、とソルジャー、キョロキョロ。
A船長 「いないようです、何処へ?」
キース 「まさか、厨房に押し掛けたとか?」
執事 「坊ちゃまは、別室でお食事中です」
普通のフライを御希望で、と執事さん。
そう来ましたか…。
2025/10/30 (Thu)
☆当たりだったババ
学校を休んで松茸狩りにお出掛け、マツカ君の別荘で食事。
松茸尽くしの料理ですけど、シチューにフライという展開。
キース 「そうか、美味いと独占は無理、と踏んだのか…」
シロエ 「お食事って、豪華フライですよね?」
執事 「色々と召し上がっておられましたが」
先ほどは活けの車海老でしたね、と執事さん。
執事 「松茸フライは、お口に合わないそうで」
Aブルー「なんで、そういうことになるのさ!」
A船長 「不味かった時に、ババを引く筈でしたのに…」
ヤツが一人で食べるしかなくて、とキャプテン、深い溜息。
A船長 「これだと、ババは我々なのでは?」
Aブルー「不味い料理に期待しようよ、次はパスタだし!」
ジョミー「美味しそうな予感しかしないんだけど…」
サム 「マジでヤベえよ、あいつだけが豪華料理を…」
食いまくって終わる日なんでねえの、とサム君が抱える頭。
サム 「うどんくらいは、外してえよな…」
スウェナ「学食で貧乏学生用だったらしいものね…」
松茸うどんに賭けるしかないわ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「きっと天婦羅も、美味しいのよ」
マツカ 「否定出来ませんね…」
松茸だけに、とマツカ君も苦笑で、食事は順調に進行。
執事 「お食事の方は、如何ですか?」
Aブルー「美味しすぎるから、泣けてくるけど…」
A船長 「ぶるぅのメニューを聞いてしまうと、本当に…」
執事 「松茸うどんで締めになります、お持ちしても?」
よろしいでしょうか、と聞かれて、ついに締めが登場。
執事 「熱い間にお召し上がり下さい」
Aブルー「美味しそうだね…。うん、美味しい!」
キース 「最後まで外しまくったか…」
別メニューは何になるんだ、とキース君の問い。
キース 「天婦羅うどんのように思うが…」
執事 「フカヒレのラーメンですよ」
Aブルー「ぼくたちにも! 締めは別腹!」
ぶるぅだけとか酷すぎ、と悲鳴ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/10/31 (Fri)
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☆怖すぎるネタバレ
さて、10月。暦はキッチリ秋な季節で、その筈ですけど。
生徒会長宅で週末な御一同様、口々に愚痴る長すぎる残暑。
ジョミー「なんで今頃、エアコンなのさ…」
サム 「来週頃には涼しくなるって予報だぜ?」
シロエ 「あまり信用出来ませんよね…」
夏真っ盛りから、騙されまくりで、とシロエ君、ブツブツ。
シロエ 「暑さのピークはこの辺だ、と言うんですけど…」
スウェナ「外れまくって9月突入、暑いままだったわね…」
キース 「俺にしたって、アレが無ければ…」
何処かで討ち死にしていた筈だ、とキース君も合掌。
キース 「アンダーで涼しく過ごせたお蔭で、助かったぞ」
ジョミー「まだ借りてるわけ?」
キース 「もう要らない、と言い切れるか?」
一同 「「「あー…」」」
確かに油断出来ないよね、と皆が納得。
サム 「その日の予報も、外しやがるしよ…」
シロエ 「最高気温も、ゲリラ豪雨の襲来もです…」
ジョミー「やっぱアレかな、地球温暖化のせいなのかな…」
ブルー 「どうなんだろうねえ…」
ぼくも怖くて聞いていない、と生徒会長。
一同 「「「は?」」」
ブルー 「誰かさんだよ、地球を目指している人が…」
一同 「「「えっと…?」」」
誰のことかはピンと来るものの、何を聞くのか謎。
キース 「あの馬鹿野郎から、何を聞き出すんだ?」
シロエ 「地球温暖化とか、興味無さそうですよ?」
ブルー 「そうだろうけど、過去の歴史を知ってるしさ…」
温暖化の時代もあったかもだし、と生徒会長、目がマジ。
ブルー 「ネタバレで語ってくれそうでね」
一同 「「「うーん…」」」
それはあまりに怖すぎるのでは、と誰もがガクブル。
シロエ 「あの世界の地球、滅びたんですよね…」
ジョミー「今は復活してるらしいけど、其処までがね…」
サム 「聞かねえ方が、吉なんでねえの?」
キース 「俺も同意だ」
此処は話題を変えるべきだな、という提案。
それが良さそう…。
2025/10/01 (Wed)
☆北の国だと秋
残暑を引き摺ったままで10月、週末は生徒会長宅な面々。
地球温暖化が話題になったら、怖すぎるオチが来たわけで。
ジョミー「じゃあさ、代わりに何かネタはあるかな?」
サム 「うーん…。暑さの愚痴は、ループしそうでよ…」
キース 「さっきの話に戻りそうではある」
スウェナ「だけど、キッチリ切り替えるのは、ちょっと…」
今の流れじゃ厳しそうよ、とスウェナちゃんの分析。
スウェナ「涼しい話題を出して来ようにも、暑すぎて…」
サム 「北の方でも、エアコン必須なご時世だしよ…」
シロエ 「そうだ、ソレです!」
一同 「「「は?」」」
エアコンとは、と皆の視線がシロエ君に。
ジョミー「まさか、この夏、エアコンを改造してたとか?」
サム 「違うんでねえの、シロエなんだぜ?」
キース 「改造するより、自作しそうな輩だしな…」
シロエ 「そうなんですけど、やっていません!」
ぼくが言うのは北の方です、とシロエ君が眺める窓の方向。
シロエ 「流石に此処より北の方では、秋の入口ですしね」
ジョミー「あー…。でもさ、ネタって、クマが出たとか?」
サム 「ドングリ不作で出るらしいよなあ…」
キース 「物騒な話は、お断りだぞ」
クマ登場は御免蒙る、とクマと相撲な経験のある人。
キース 「もっと平和なネタにしてくれ」
シロエ 「大丈夫ですよ、クマは出ません」
リスが出て来た程度ですね、とシロエ君の苦笑い。
シロエ 「北の国にあるライブカメラだと、もう紅葉で…」
ジョミー「サンタクロースの村のヤツかな?」
シロエ 「そこまで北ではありませんけど、秋ですね」
機械弄りで疲れた時に、目を休めてます、と納得の理由。
シロエ 「豊かな自然を眺めていたら、凄い爆音が…」
一同 「「「爆音?」」」
シロエ 「ドーン! と響いて、ドドーン! でしたね」
サム 「雷かよ?」
シロエ 「いえ、晴れてました」
雲一つ無い青空でしたよ、と言ってますけど。
何故に爆音…?
2025/10/02 (Thu)
☆意外すぎる正体
夏の暑さが残る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
地球温暖化の話が出たものの、物騒なので話題を切り替え。
ジョミー「晴れていてもさ、雷は鳴るらしいよね?」
キース 「たまにあると聞くな」
運が悪いと落ちるそうだ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「柔道部員は無関係だが、野球部員は要注意で…」
サム 「顧問の先生が、気にしてるわけな?」
キース 「グラウンドは広いし、サッカーよりも動きが…」
無いポジションが多いだけに、と言われれば、そう。
キース 「落ちる確率、サッカー部より高くなるしな…」
一同 「「「あー…」」」
たまにグラウンドが空いているのはソレか、と皆が納得。
スウェナ「放課後のグラウンド、がら空きな時は、ソレね」
キース 「雷注意報で、皆、退避中なんだ」
サム 「んじゃよ、シロエが聞いたらしい爆音もよ…」
ジョミー「何処か近くに落ちたんじゃないの?」
快晴でも油断禁物だしね、とジョミー君。
ジョミー「確かに、涼しくて怖い話題かも…」
キース 「あまり愉快な話ではないな…」
サム 「喋るんなら、もっといいネタにしろよ…」
シロエ 「違いますって!」
誤解ですよ、とシロエ君、指を左右にチッチッと。
シロエ 「爆音の正体、バイクですから!」
一同 「「「はあ?」」」
バイクだって、と誰もがキョトン。
ジョミー「バイクって、ドーンと音がしたっけ?」
サム 「ふかす時でも、ブオーンなんでねえの?」
シロエ 「知りませんけど、バイクなんです!」
走行音も聞こえましたし、とシロエ君。
シロエ 「もっとも、ぼくも解説が無ければ…」
一同 「「「解説?」」」
誰が解説、と首を捻るしかない今の展開。
キース 「自然豊かなライブカメラと言わなかったか?」
ジョミー「解説員とか、いなさそうだよ?」
シロエ 「付属チャットが、地元の人の交流の場です」
常連さんが解説ですね、と説明していますけど。
バイクで爆音…?
2025/10/03 (Fri)
☆飛び出した質問
暑さが残る10月の頭、週末の生徒会長宅に集う御一同様。
シロエ君が持ち出した謎の爆音、ライブカメラで聞いた音。
サム 「んじゃよ、爆音、リアタイで聞いたわけかよ?」
シロエ 「ええ。いつものように、休憩しようと…」
画面を開いた直後でした、とシロエ君が語る音の瞬間。
シロエ 「よく晴れた日で、遠くの方まで見えてましたね」
ジョミー「自然豊かだと、森なのかな?」
シロエ 「国立公園の一角から、森と川とを見放題ですよ」
人間の姿もありませんし、というライブカメラの光景。
シロエ 「目を休めるには丁度いいので、よく行ってます」
サム 「バイクの音とか、無縁そうだぜ?」
シロエ 「そうなんです。普段は鳥の声くらいで…」
後は自然の音でしょうか、と風や雨音の味わいもありそう。
シロエ 「其処へ突然、ドーン! でした」
キース 「雷だと思わなかったのか?」
シロエ 「思いますってば、ドドーン! が続きましたし」
でも…、とシロエ君が浮かべた苦笑。
シロエ 「都会住まいの人なんでしょうか、質問が出て…」
スウェナ「雷の音を知らない人なのね?」
シロエ 「詳しくない、と言うべきですよ」
色々なタイプが存在するのを、と言われれば、そう。
ジョミー「基本、ゴロゴロなヤツだもんね…」
シロエ 「ともかく、一人、チャットに書き込んだんです」
爆音が響き渡った直後に、とシロエ君。
シロエ 「うわー、なんだ、今の音は! と、速攻でした」
サム 「見てるヤツ、やっぱ、多そうだよなあ…」
シロエ 「入れ替わり立ち代わり、10人はいますね」
それだけにレスも即レスですよ、と語られる現場。
シロエ 「答えを見るなり、口がポカーンとなりました…」
ジョミー「バイクが来るとは思えないからかな?」
シロエ 「答えが斜め上だったからです」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「意味が不明すぎて…」
考え込んでしまいましたね、と言ってますけど。
バイクですよね…?
2025/10/04 (Sat)
☆結び付かないバイク
暑さが残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
其処で出て来た話題が爆音、シロエ君が見たライブカメラ。
ジョミー「意味が不明って、音の説明だったんだよね?」
シロエ 「そうなんですけど…」
キース 「バイクの音が、特に謎とは思えないが?」
来る筈がない場所ならともかく、とキース君も。
キース 「普段は来ないと、さっき言ったが、どうなんだ」
シロエ 「どうも近くに、キャンプ場があるみたいで…」
サム 「バイク自体は、たまに来るのな?」
シロエ 「大音量の音楽が聞こえる時も、週末などに…」
ありがちですよね、という国立公園内の事情。
シロエ 「ですから、バイクでも納得とはいえ…」
スウェナ「どういう具合に、意味不明なのよ?」
シロエ 「答えが、バイクのキノコ狩りですよ?」
一同 「「「はあ?」」」
キノコ狩りにバイクで出動なのか、と一同、ポカーン。
ジョミー「あのさ、キノコ狩りって、若い人がさ…」
サム 「行くような趣味じゃねえよなあ?」
シロエ 「おまけに、バイク乗りです!」
ドーン! と爆音が響くような、とシロエ君の念押し。
シロエ 「この国だったら、あると思いますか?」
一同 「「「あー…」」」
理解の範疇外だったわけだ、と皆が納得。
キース 「意味が不明と言うより、混乱したんだな?」
シロエ 「後から思うと、そうなりますね…」
バイク乗りとキノコ狩りが結び付きません、とシロエ君。
シロエ 「どういう意味だ、と思う間に、話が進んで…」
サム 「付属チャットでかよ?」
シロエ 「ええ。キノコ狩りのシーズン到来、と…」
楽しそうでした、とシロエ君の証言。
シロエ 「国が違うと、レジャーも変わるようです」
ジョミー「バイク乗りがさ、キノコ狩りとか、ないよね…」
サム 「原チャリだったら、分かるんだけどよ…」
キース 「ガチのバイクは、同じ山でも…」
峠を攻めに行く方なのでは、という声ですけど。
そうかも…。
2025/10/05 (Sun)
☆お国柄とバイク乗り
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
出て来た話題が北の国のレジャー、バイクでキノコ狩りで。
シロエ 「ガチのバイクなら、峠攻めですよね…」
サム 「それか、警察に追われながらの爆走でよ…」
キノコ狩りになんか行くかよ、とサム君も。
サム 「国が違うと、マジで事情が変わるのな…」
キース 「バイク自体もそうだが、乗ってるヤツもだ」
シロエ 「キノコ狩りが趣味ですしね…」
ジョミー「ホント、想像つかないってば…」
バイクを降りたら、メット外して出動で、とジョミー君。
ジョミー「スーパーのレジ袋とか、提げて行くのかな…」
シロエ 「バイクの後ろに、籠の類は不釣り合いですよ」
サム 「ライダージャケットで、レジ袋かよ…」
コンビニから出て来たんならともかく、とサム君の呆れ顔。
サム 「籠も大概、似合わねえけど、レジ袋もだぜ?」
ジョミー「この国だったら、チラ見されそう…」
スウェナ「ついつい、視線が行っちゃうわよねえ…」
そんなのに山で出会ったら、とスウェナちゃんも苦笑い。
スウェナ「だけど、話が弾んでたんなら、普通なのよね…」
シロエ 「そのようです。お国柄の違いを実感しました」
キース 「不釣り合いなのは、其処だけじゃないぞ」
一同 「「「は?」」」
他に大きな違いでも、と皆の視線がキース君に。
シロエ 「格好とかの他にも、何かありますか?」
キース 「峠を攻めているようなヤツらを、考えてみろ」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「例外もあるが、大部分の輩は、頭がだ…」
軽めに出来ているものなんだが、とキース君の言。
キース 「キノコで中毒しそうな系のヤツらで…」
一同 「「「あー…」」」
そうかも、と誰もが見合わせる顔。
ジョミー「道端のキノコでも、採って食べそうだよね…」
シロエ 「ありそうです…」
キース 「事実、多いぞ」
適当に採って食べる輩は、と言われれば、そう。
危機感ゼロ…。
2025/10/06 (Mon)
☆キノコ狩りの背景
残暑が残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
シロエ君が持ち出した北の国のレジャーが、キノコ狩りで。
キース 「キノコの選別、プロでも間違うらしいんだが」
一同 「「「ええっ!?」」」
キース 「道の駅などで販売したのが、毒キノコ入りで…」
回収騒ぎも定番だぞ、とキース君、目がマジ。
キース 「この国のバイク乗りでは、難しいかと…」
ジョミー「プロでも間違えるんならね…」
サム 「その国、毒キノコとか、ねえんじゃねえの?」
シロエ 「どうなんでしょう? そんな話は無かったです」
キノコ狩りの楽しさで盛り上がっていて、とシロエ君。
シロエ 「幼稚園からも、出掛けるそうですよ」
サム 「マジかよ、キノコの区別が出来る年じゃねえぜ」
スウェナ「後で、先生が仕分けするのかしら?」
ジョミー「そうかも、それなら安心だしね」
やっぱり国が違いすぎるよ、とジョミー君が眺める窓の方。
ジョミー「幼稚園なら、芋掘りとかが定番でさ…」
シロエ 「ブドウや梨だと、背が届きませんしね…」
サム 「キノコは地面に生えている分、楽だけどもよ…」
幼稚園児のレジャーじゃねえな、とサム君が振っている首。
サム 「幼稚園時代から行ってる間に、知識つくとか…」
ジョミー「ありそう、小学校でも行くんだろうし…」
キース 「キノコ狩りのエキスパートに育つわけだな…」
いわゆる英才教育で、とキース君の言。
キース 「だったら、バイク乗りでも見分けられるか…」
シロエ 「頭の出来とは無関係に、覚えられますしね…」
スウェナ「楽しく遊んで、学ぶ仕様ね…」
ホントにお国柄だわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「キノコ料理にも、こだわってるのかしら?」
シロエ 「料理の話は出てませんでした」
キース 「適当に切って、シチューかもしれんぞ」
サム 「アバウトすぎねえ?」
キース 「しかしだ…」
耳にしたことがあるわけで、と言ってますけど。
キノコ料理を…?
2025/10/07 (Tue)
☆アバウトすぎる料理
残暑の名残な10月の頭で、週末は生徒会長宅な御一同様。
シロエ君の話から、北の国のキノコ狩りで盛り上がり中で。
ジョミー「適当に切ってシチューって、どんなキノコも?」
キース 「聞いた話では、そうらしいぞ」
とにかく切って鍋に投げ込むスタイルで、とキース君の言。
キース 「キノコの種類より、キノコ狩りの方を重視で…」
シロエ 「楽しんだ後は、食べるだけなんでしょうか?」
ジョミー「しかも適当って、なんだかさ…」
サム 「採ったキノコに失礼すぎねえか?」
もっと丁寧に料理しろよな、とサム君の呆れ返った顔。
サム 「このキノコならコレ、といった風によ…」
スウェナ「松茸をシチューにするような人、この国だと…」
バイク乗りでもいないんじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「松茸ご飯を炊くスキルは無くても、焼くとか…」
シロエ 「焼き松茸なら、トースターでもいけますよね」
ぶるぅ 「そだね、シイタケとかも焼くしね」
トースターでもオッケーだよ、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「焼いて、ポン酢で一品になると思うの!」
サム 「バイク乗りなら、その程度だよなあ…」
ジョミー「柚子を搾るとかは、しそうにないよね…」
スウェナ「それでも、シチューよりかはマシな料理法よ?」
シチューだなんて、とスウェナちゃんが軽く広げる両手。
スウェナ「アバウトすぎだわ、採って来た後が…」
キース 「それを言うなら、松茸だけは別枠だそうだ」
ジョミー「あー…。この国向けに、輸出するヤツ!」
いろんな国から輸入だしさ、とジョミー君、うんうん、と。
ジョミー「市場に持って行けば、買って貰えるとか?」
キース 「それは玄人向けのコースだ」
一般人だと事情が異なる、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「松茸だけは、嫌われるキノコで…」
一同 「「「は?」」」
キース 「煮ると臭い、と悪評が…」
高いと聞いたぞ、と思いもよらない話ですけど。
松茸が…?
2025/10/08 (Wed)
☆嫌われる松茸
暑さを引き摺る10月の頭、週末の生徒会長宅に集う面々。
シロエ君の話が切っ掛け、海の向こうのキノコ事情などが。
サム 「松茸、臭いって言い出すのかよ?」
シロエ 「しかも松茸、限定ですか?」
キース 「聞いた話では、そうなっていたな…」
バイクでキノコ狩りの国の隣だ、とキース君が語る松茸。
キース 「其処の国でも、キノコ狩りは秋のレジャーで…」
ジョミー「若い人でも、出掛けるんだ?」
キース 「家族揃ってとか、誘い合わせてとかで…」
秋の森へと繰り出すらしい、と北の国では人気な模様。
キース 「片っ端から採って帰って、シチューだそうだ」
スウェナ「他の料理は作らないのかしら?」
キース 「あるんだろうが、シチューがお手軽コースで…」
料理の腕前、問われないしな、と言われれば、そうかも。
キース 「今の時代は、何処の国でも、ルーが市販で…」
シロエ 「スーパーで買えば、煮るだけでいけますよね…」
キース 「ああ。キノコ料理にも、凝ったのは…」
紅茶の国でさえ、あるようだぞ、とキース君。
キース 「料理が不味いと評判なのに、作るんだからな…」
ジョミー「他の国なら、あって当然だよね…」
キース 「無いわけがなかろう、キノコのパイとかが…」
紅茶の国だとパイが名物、とキース君の豆知識。
キース 「パイに似合いのキノコまで、指定なんだぞ」
一同 「「「あー…」」」
それなら他の国でも色々あるな、と誰もが納得。
サム 「簡単なのが、シチューってことかよ…」
キース 「恐らくな。確か、クリームシチューだったか…」
スウェナ「確かに、香りが際立ちそうね…」
デミグラスソース系の煮込みよりは、とスウェナちゃん。
スウェナ「だけど、松茸、入れた場合は…」
キース 「臭すぎて、食えたものではないらしいぞ…」
シロエ 「トリュフだったら、いいんでしょうか?」
キース 「そうかもしれん…」
トリュフは高級品だけに、と言ってますけど。
松茸は…?
2025/10/09 (Thu)
☆好みの問題かも
暑さが残った10月の頭、生徒会長宅で週末を過ごす面々。
バイクでキノコ狩りな北の国の話題から、キノコ事情へと。
サム 「でもよ、松茸だって、高級品だぜ?」
キース 「お国柄の違いというヤツだろう」
現にトリュフの良さは分からん、とキース君の苦笑い。
キース 「ぶるぅの料理や、マツカの別荘で食っても…」
ジョミー「トリュフ、イマイチ、意識してないよね…」
シロエ 「松茸だったら、ご飯に炊き込んであるヤツも…」
刻んであっても分かりますよね、とシロエ君の相槌。
シロエ 「マツカ先輩の別荘でも、刻みタイプのが…」
スウェナ「出て来る時があるわよね」
マツカ 「あのタイプは、お気に召しませんか?」
ご好評を頂いているんですが、とマツカ君の控えめな問い。
マツカ 「ご高齢の方に限らず、上品だから、と…」
キース 「なるほどな。大きく切るより、繊細な出来で…」
ぶるぅ 「他のお料理にも、似合うからだよ」
ああいうのを出すトコ、増えてるね、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「だけど、物足りない人も多いし、難しいかも…」
一同 「「「うーん…」」」
同じ松茸ご飯でも、この有様か、と皆が見合わせる顔。
ジョミー「切り方だけで、好みが分かれちゃうんだ…」
サム 「トリュフ以前の問題だよなあ…」
シロエ 「他の国にまで、口出し出来ませんよね…」
たとえシチューになっていたって、とシロエ君。
シロエ 「もっとも、シチューは、不評らしいですけど…」
キース 「臭い料理は、御免蒙りたいだろうしな…」
ジョミー「でもさ、臭いと思うの、お国柄かも…」
ぼくたちだったら、平気かもね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「そもそも、松茸自体が、臭いかもだし…」
スウェナ「ありそうだわねえ、最初からダメとかは…」
キース 「シチューに入れたら、悪臭アップか…」
ジョミー「そう思うんだけど、どうなんだろう?」
トリュフがウケる国なんだしさ、と出された疑問。
お国柄…?
2025/10/10 (Fri)
☆臭くないのかも
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
北の国のキノコ事情から、お国柄へと話が転がってまして。
キース 「お国柄というのは、あるかもしれんな…」
ジョミー「海外赴任の人が食べたら、平気なのかも…」
スウェナ「そういう人なら、シチューにしないわよ?」
サム 「松茸狩りに出掛けて、松茸だけを狙いそうだぜ」
嫌われ者のキノコなんだし、残ってるよな、とサム君の言。
サム 「バイクのヤツらまで、押し掛ける山でもよ…」
シロエ 「これはダメだ、と分かっているキノコですしね」
キース 「幼稚園児はともかく、小学生くらいなら…」
臭いキノコだと習うヤツだな、とキース君も。
キース 「お国柄なら、生の時から、臭いだろうし…」
ジョミー「コレは煮たって臭いんだ、と教えそうだよ」
サム 「キノコ狩りに行っても、採らねえってな…」
海外赴任のヤツらが採り放題、とサム君が言う通りかも。
サム 「シチューにしねえで、松茸尽くしで豪華によ…」
ジョミー「食べそうだけどさ、付き合いもあるしね…」
シロエ 「その国の人と出掛けた場合は、シチューかも…」
ウッカリ混ざってしまっていて、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「みんなが臭いとドン引きしてても、特には…」
ジョミー「臭いと思うどころか、いい香りとかさ…」
一同 「「「うーん…」」」
松茸の香り高いシチューなのかも、と誰もが首を捻り中。
キース 「まるで無いとは言い切れんな…」
サム 「そんな食い方、したことねえしよ…」
ジョミー「高級品だし、失礼すぎるよね…」
ブルー 「そうなんだけど、それは今の時代だからで…」
昔だったら、あったかもね、と生徒会長が顎に当てる手。
ブルー 「松茸フライが、安かった時代があったしさ」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「フライだってば、学食で出してたんだよね…」
一同 「「「ええっ!?」」」
学食というのは、学校の、と皆が仰天ですけど。
皆の学校…?
2025/10/11 (Sat)
☆学食で松茸フライ
暑さが残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
北の国のレジャーなキノコ狩り、其処から松茸の話でして。
シロエ 「学食で松茸フライって、何処の学校ですか?」
サム 「もしかして、俺らの学校かよ?」
ブルー 「逆に何処だと思うんだい?」
ぼくが話題にしてるんだよ、と語る生徒会長、生き字引。
ブルー 「あの時代だったら、何処でも事情は同じかな…」
ジョミー「松茸フライだけでも、ビックリだけどさ…」
スウェナ「安かったっていうのは、学食プライスかしら?」
安く仕入れて学生向けに、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「他所で食べたら、それなりの値段だったとか?」
シロエ 「ありそうですよね、学食、お値段安いですし…」
サム 「町の食堂の半額とかで食えるもんなあ…」
ジョミー「松茸フライも、その口だったかもね」
スウェナの読みが当たってるのかも、とジョミー君も。
ジョミー「だけど、松茸フライって初耳だよ…」
サム 「俺も知らねえ、天麩羅だったら分かるけどよ…」
シロエ 「天麩羅だったら、和風ですしね」
スウェナ「マイタケとかのを、見掛けるわよね」
どうしてフライなのかしら、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「松茸だったら、天麩羅の方が似合いだわよ?」
ブルー 「手間の問題というヤツじゃないかな」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「学食メニューに、フライ系は割とあるしさ」
豚カツだとか、コロッケだとか、と生徒会長。
ブルー 「ついでに揚げればオッケー、そんな感じで」
一同 「「「うーん…」」」
ブルー 「松茸うどんも、定番だったね」
一同 「「「ええっ!?」」」
うどんまでか、と誰もが仰天。
シロエ 「会長、それはマジなんですか!?」
ブルー 「マジだよ、松茸うどんも、安くってさ…」
キース 「学食プライスで、安かったんだろうな?」
ブルー 「違うんだよね…」
貧乏学生御用達のメニューで、と言ってますけど。
金欠用…?
2025/10/12 (Sun)
☆平凡すぎた時代
残暑を引き摺る10月の頭、生徒会長宅で週末な御一同様。
北の国のキノコ狩りから、松茸の話題ですけど、今は学食。
キース 「貧乏学生御用達というのは、格安だったのか?」
ブルー 「そうだよ、麺類の中では、ダントツでさ…」
松茸うどんの下は素うどんだったね、と生徒会長。
ブルー 「キツネうどんは、松茸うどんよりも格上で…」
一同 「「「ええっ!?」」」
ブルー 「ラーメンになったら、もっと高かったよ」
チャーシューが入っているものだから、と説明が。
ブルー 「貧乏学生は、素うどんか、松茸うどんしか…」
サム 「食えなかったのかよ?」
ブルー 「ネギだけは、入れ放題だったんだけれどね…」
メンマはネギとは違うわけでさ、と生徒会長の苦笑い。
ブルー 「ラーメンの値段に、メンマ代も反映されてて…」
シロエ 「余裕のある人だけが、食べていたんですか?」
ブルー 「注文するのが、ステイタスだった時代なんだよ」
金欠メニューの真逆だしね、とクスクスと。
ブルー 「松茸うどん組は、肩身が狭くて、端っこで…」
キース 「黙々と食っていたわけか…」
ブルー 「ううん、開き直りで、騒いでたけど…」
今となってはゴージャスな思い出、と親指をグッと。
ブルー 「当時を知らない人に話せば、どうなるかな?」
シロエ 「凄く尊敬されそうです…」
キース 「松茸フライも、同じだろうな…」
ジョミー「安かったなんて、知らなかったもんね…」
沢山あった時代なのかな、とジョミー君。
ジョミー「油揚げの方が、高いほどだし…」
ブルー 「シイタケ並みか、それ以下かなあ…」
山にドッサリだった時代だしね、と三百歳以上な人の証言。
ブルー 「キノコ狩りに行ったら、踏んづけるくらいで…」
サム 「レアの反対だったのな…」
シロエ 「時代ですねえ…」
ジョミー「味も想像つかないんだけど、状況も無理だよ…」
松茸だらけの山だなんて、とジョミー君が広げる両手。
本当に…。
2025/10/13 (Mon)
☆レジャーな時代
暑さが残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
北の国のキノコの料理法から、学食メニューに転がった今。
キース 「俺の親父でさえ、そんな話はしていないぞ…」
シロエ 「アドス和尚だったら、詳しそうですけど…」
サム 「檀家さんから、聞いたとかはねえのかよ?」
キース 「確かに、昔は松茸狩りがレジャーな時代が…」
あったとは聞くが、とキース君が顎に当てる手。
キース 「とはいえ、既にレアものだった感があったな…」
スウェナ「どんな話を聞かされたのよ?」
キース 「松茸の採れる山には、ロープなどで仕切りが…」
されていたそうだ、とキース君。
キース 「それを越えると、松茸泥棒扱いされても…」
サム 「仕方なかったってか?」
キース 「子供だったらまだしも、大人はアウトで…」
ハイキングに行って、誤解されたケースも、と語る秋の山。
キース 「都会育ちの人には、仕切りのロープなんぞは…」
ジョミー「何のロープか、分かんないよね…」
キース 「入山禁止と書いてあったわけでもないらしい」
運が良ければ、お持ち帰り出来たそうだ、とオチが来た件。
キース 「知らずに入って、松茸ゲットで、ラッキーで…」
シロエ 「山の持ち主、見張っていなかったんですね?」
キース 「今ほどレアではなかったんだろうな」
泥棒は困るが、ハイキング客程度は、と許せたらしい時代。
キース 「だから、レジャーで入れたのは、知り合いで…」
一同 「「「うーん…」」」
キース 「一般人は、山が公開されてから入るんだ」
今もそうだぞ、とキース君の松茸関連の知識。
キース 「マツカだったら、知っている筈で…」
マツカ 「ええ。年々、暑さで先延ばしになる傾向ですね」
サム 「松茸山を一般公開かよ?」
マツカ 「好きに入っていいんですけれど…」
キース 「シーズンは、既に終わり近くて、収穫の方は…」
さほど無いとも聞いているな、という松茸事情。
フライとか無理…。
2025/10/14 (Tue)
☆食べてみたい人
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
北の国のキノコ狩りから、キノコ料理へ転がった今でして。
ジョミー「松茸フライとか、出来やしないね…」
シロエ 「臭いと言い出すシチューの国でも、フライは…」
臭いと嫌がるでしょうしね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「松茸、ドッサリあるかもですけど」
サム 「あるんでねえの、この国に輸出してる分まで」
ジョミー「でもさ、この国に来た後じゃ、それなりの…」
お値段がついてしまうんだよ、とジョミー君。
ジョミー「お手頃価格で松茸だなんて、聞かないし…」
キース 「目玉商品で並ぶ時でも、そこそこ高いしな…」
フライなんぞは夢のまた夢、とキース君の苦笑。
キース 「ましてシチューは、お目にかかるのも…」
スウェナ「難しいわよね、どう考えても…」
サム 「パスタにしたって、出来やしねえぜ」
キノコのパスタは定番だけどよ、とサム君も。
サム 「パスタのソースと、シチュー、似ていねえか?」
一同 「「「あー…」」」
クリームパスタだったら、と皆が納得。
シロエ 「やっぱりパスタも、臭いんでしょうねえ…」
キース 「お国柄だろうと思うんだが…」
サム 「俺もなんだけど、御縁ってヤツが皆無だよな…」
高級品だし、手も足も出ねえよ、とサム君が広げる両手。
サム 「松茸うどんとか、フライの時代じゃねえし…」
ブルー 「当時の学食、どっちも見てはいないよ」
松茸うどんとフライだけで、と生徒会長。
ブルー 「貧乏学生、洒落たメニューは無理なんだしさ」
一同 「「「うーん…」」」
??? 「この際、チャレンジしたらどうかな?」
シチューとか、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「面白そうな話じゃないか、食べてみたいね」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!?」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間からだよ!」
それよりもシチューの話、と笑顔ですけど。
食べたいと…?
2025/10/15 (Wed)
さて、10月。暦はキッチリ秋な季節で、その筈ですけど。
生徒会長宅で週末な御一同様、口々に愚痴る長すぎる残暑。
ジョミー「なんで今頃、エアコンなのさ…」
サム 「来週頃には涼しくなるって予報だぜ?」
シロエ 「あまり信用出来ませんよね…」
夏真っ盛りから、騙されまくりで、とシロエ君、ブツブツ。
シロエ 「暑さのピークはこの辺だ、と言うんですけど…」
スウェナ「外れまくって9月突入、暑いままだったわね…」
キース 「俺にしたって、アレが無ければ…」
何処かで討ち死にしていた筈だ、とキース君も合掌。
キース 「アンダーで涼しく過ごせたお蔭で、助かったぞ」
ジョミー「まだ借りてるわけ?」
キース 「もう要らない、と言い切れるか?」
一同 「「「あー…」」」
確かに油断出来ないよね、と皆が納得。
サム 「その日の予報も、外しやがるしよ…」
シロエ 「最高気温も、ゲリラ豪雨の襲来もです…」
ジョミー「やっぱアレかな、地球温暖化のせいなのかな…」
ブルー 「どうなんだろうねえ…」
ぼくも怖くて聞いていない、と生徒会長。
一同 「「「は?」」」
ブルー 「誰かさんだよ、地球を目指している人が…」
一同 「「「えっと…?」」」
誰のことかはピンと来るものの、何を聞くのか謎。
キース 「あの馬鹿野郎から、何を聞き出すんだ?」
シロエ 「地球温暖化とか、興味無さそうですよ?」
ブルー 「そうだろうけど、過去の歴史を知ってるしさ…」
温暖化の時代もあったかもだし、と生徒会長、目がマジ。
ブルー 「ネタバレで語ってくれそうでね」
一同 「「「うーん…」」」
それはあまりに怖すぎるのでは、と誰もがガクブル。
シロエ 「あの世界の地球、滅びたんですよね…」
ジョミー「今は復活してるらしいけど、其処までがね…」
サム 「聞かねえ方が、吉なんでねえの?」
キース 「俺も同意だ」
此処は話題を変えるべきだな、という提案。
それが良さそう…。
2025/10/01 (Wed)
☆北の国だと秋
残暑を引き摺ったままで10月、週末は生徒会長宅な面々。
地球温暖化が話題になったら、怖すぎるオチが来たわけで。
ジョミー「じゃあさ、代わりに何かネタはあるかな?」
サム 「うーん…。暑さの愚痴は、ループしそうでよ…」
キース 「さっきの話に戻りそうではある」
スウェナ「だけど、キッチリ切り替えるのは、ちょっと…」
今の流れじゃ厳しそうよ、とスウェナちゃんの分析。
スウェナ「涼しい話題を出して来ようにも、暑すぎて…」
サム 「北の方でも、エアコン必須なご時世だしよ…」
シロエ 「そうだ、ソレです!」
一同 「「「は?」」」
エアコンとは、と皆の視線がシロエ君に。
ジョミー「まさか、この夏、エアコンを改造してたとか?」
サム 「違うんでねえの、シロエなんだぜ?」
キース 「改造するより、自作しそうな輩だしな…」
シロエ 「そうなんですけど、やっていません!」
ぼくが言うのは北の方です、とシロエ君が眺める窓の方向。
シロエ 「流石に此処より北の方では、秋の入口ですしね」
ジョミー「あー…。でもさ、ネタって、クマが出たとか?」
サム 「ドングリ不作で出るらしいよなあ…」
キース 「物騒な話は、お断りだぞ」
クマ登場は御免蒙る、とクマと相撲な経験のある人。
キース 「もっと平和なネタにしてくれ」
シロエ 「大丈夫ですよ、クマは出ません」
リスが出て来た程度ですね、とシロエ君の苦笑い。
シロエ 「北の国にあるライブカメラだと、もう紅葉で…」
ジョミー「サンタクロースの村のヤツかな?」
シロエ 「そこまで北ではありませんけど、秋ですね」
機械弄りで疲れた時に、目を休めてます、と納得の理由。
シロエ 「豊かな自然を眺めていたら、凄い爆音が…」
一同 「「「爆音?」」」
シロエ 「ドーン! と響いて、ドドーン! でしたね」
サム 「雷かよ?」
シロエ 「いえ、晴れてました」
雲一つ無い青空でしたよ、と言ってますけど。
何故に爆音…?
2025/10/02 (Thu)
☆意外すぎる正体
夏の暑さが残る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
地球温暖化の話が出たものの、物騒なので話題を切り替え。
ジョミー「晴れていてもさ、雷は鳴るらしいよね?」
キース 「たまにあると聞くな」
運が悪いと落ちるそうだ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「柔道部員は無関係だが、野球部員は要注意で…」
サム 「顧問の先生が、気にしてるわけな?」
キース 「グラウンドは広いし、サッカーよりも動きが…」
無いポジションが多いだけに、と言われれば、そう。
キース 「落ちる確率、サッカー部より高くなるしな…」
一同 「「「あー…」」」
たまにグラウンドが空いているのはソレか、と皆が納得。
スウェナ「放課後のグラウンド、がら空きな時は、ソレね」
キース 「雷注意報で、皆、退避中なんだ」
サム 「んじゃよ、シロエが聞いたらしい爆音もよ…」
ジョミー「何処か近くに落ちたんじゃないの?」
快晴でも油断禁物だしね、とジョミー君。
ジョミー「確かに、涼しくて怖い話題かも…」
キース 「あまり愉快な話ではないな…」
サム 「喋るんなら、もっといいネタにしろよ…」
シロエ 「違いますって!」
誤解ですよ、とシロエ君、指を左右にチッチッと。
シロエ 「爆音の正体、バイクですから!」
一同 「「「はあ?」」」
バイクだって、と誰もがキョトン。
ジョミー「バイクって、ドーンと音がしたっけ?」
サム 「ふかす時でも、ブオーンなんでねえの?」
シロエ 「知りませんけど、バイクなんです!」
走行音も聞こえましたし、とシロエ君。
シロエ 「もっとも、ぼくも解説が無ければ…」
一同 「「「解説?」」」
誰が解説、と首を捻るしかない今の展開。
キース 「自然豊かなライブカメラと言わなかったか?」
ジョミー「解説員とか、いなさそうだよ?」
シロエ 「付属チャットが、地元の人の交流の場です」
常連さんが解説ですね、と説明していますけど。
バイクで爆音…?
2025/10/03 (Fri)
☆飛び出した質問
暑さが残る10月の頭、週末の生徒会長宅に集う御一同様。
シロエ君が持ち出した謎の爆音、ライブカメラで聞いた音。
サム 「んじゃよ、爆音、リアタイで聞いたわけかよ?」
シロエ 「ええ。いつものように、休憩しようと…」
画面を開いた直後でした、とシロエ君が語る音の瞬間。
シロエ 「よく晴れた日で、遠くの方まで見えてましたね」
ジョミー「自然豊かだと、森なのかな?」
シロエ 「国立公園の一角から、森と川とを見放題ですよ」
人間の姿もありませんし、というライブカメラの光景。
シロエ 「目を休めるには丁度いいので、よく行ってます」
サム 「バイクの音とか、無縁そうだぜ?」
シロエ 「そうなんです。普段は鳥の声くらいで…」
後は自然の音でしょうか、と風や雨音の味わいもありそう。
シロエ 「其処へ突然、ドーン! でした」
キース 「雷だと思わなかったのか?」
シロエ 「思いますってば、ドドーン! が続きましたし」
でも…、とシロエ君が浮かべた苦笑。
シロエ 「都会住まいの人なんでしょうか、質問が出て…」
スウェナ「雷の音を知らない人なのね?」
シロエ 「詳しくない、と言うべきですよ」
色々なタイプが存在するのを、と言われれば、そう。
ジョミー「基本、ゴロゴロなヤツだもんね…」
シロエ 「ともかく、一人、チャットに書き込んだんです」
爆音が響き渡った直後に、とシロエ君。
シロエ 「うわー、なんだ、今の音は! と、速攻でした」
サム 「見てるヤツ、やっぱ、多そうだよなあ…」
シロエ 「入れ替わり立ち代わり、10人はいますね」
それだけにレスも即レスですよ、と語られる現場。
シロエ 「答えを見るなり、口がポカーンとなりました…」
ジョミー「バイクが来るとは思えないからかな?」
シロエ 「答えが斜め上だったからです」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「意味が不明すぎて…」
考え込んでしまいましたね、と言ってますけど。
バイクですよね…?
2025/10/04 (Sat)
☆結び付かないバイク
暑さが残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
其処で出て来た話題が爆音、シロエ君が見たライブカメラ。
ジョミー「意味が不明って、音の説明だったんだよね?」
シロエ 「そうなんですけど…」
キース 「バイクの音が、特に謎とは思えないが?」
来る筈がない場所ならともかく、とキース君も。
キース 「普段は来ないと、さっき言ったが、どうなんだ」
シロエ 「どうも近くに、キャンプ場があるみたいで…」
サム 「バイク自体は、たまに来るのな?」
シロエ 「大音量の音楽が聞こえる時も、週末などに…」
ありがちですよね、という国立公園内の事情。
シロエ 「ですから、バイクでも納得とはいえ…」
スウェナ「どういう具合に、意味不明なのよ?」
シロエ 「答えが、バイクのキノコ狩りですよ?」
一同 「「「はあ?」」」
キノコ狩りにバイクで出動なのか、と一同、ポカーン。
ジョミー「あのさ、キノコ狩りって、若い人がさ…」
サム 「行くような趣味じゃねえよなあ?」
シロエ 「おまけに、バイク乗りです!」
ドーン! と爆音が響くような、とシロエ君の念押し。
シロエ 「この国だったら、あると思いますか?」
一同 「「「あー…」」」
理解の範疇外だったわけだ、と皆が納得。
キース 「意味が不明と言うより、混乱したんだな?」
シロエ 「後から思うと、そうなりますね…」
バイク乗りとキノコ狩りが結び付きません、とシロエ君。
シロエ 「どういう意味だ、と思う間に、話が進んで…」
サム 「付属チャットでかよ?」
シロエ 「ええ。キノコ狩りのシーズン到来、と…」
楽しそうでした、とシロエ君の証言。
シロエ 「国が違うと、レジャーも変わるようです」
ジョミー「バイク乗りがさ、キノコ狩りとか、ないよね…」
サム 「原チャリだったら、分かるんだけどよ…」
キース 「ガチのバイクは、同じ山でも…」
峠を攻めに行く方なのでは、という声ですけど。
そうかも…。
2025/10/05 (Sun)
☆お国柄とバイク乗り
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
出て来た話題が北の国のレジャー、バイクでキノコ狩りで。
シロエ 「ガチのバイクなら、峠攻めですよね…」
サム 「それか、警察に追われながらの爆走でよ…」
キノコ狩りになんか行くかよ、とサム君も。
サム 「国が違うと、マジで事情が変わるのな…」
キース 「バイク自体もそうだが、乗ってるヤツもだ」
シロエ 「キノコ狩りが趣味ですしね…」
ジョミー「ホント、想像つかないってば…」
バイクを降りたら、メット外して出動で、とジョミー君。
ジョミー「スーパーのレジ袋とか、提げて行くのかな…」
シロエ 「バイクの後ろに、籠の類は不釣り合いですよ」
サム 「ライダージャケットで、レジ袋かよ…」
コンビニから出て来たんならともかく、とサム君の呆れ顔。
サム 「籠も大概、似合わねえけど、レジ袋もだぜ?」
ジョミー「この国だったら、チラ見されそう…」
スウェナ「ついつい、視線が行っちゃうわよねえ…」
そんなのに山で出会ったら、とスウェナちゃんも苦笑い。
スウェナ「だけど、話が弾んでたんなら、普通なのよね…」
シロエ 「そのようです。お国柄の違いを実感しました」
キース 「不釣り合いなのは、其処だけじゃないぞ」
一同 「「「は?」」」
他に大きな違いでも、と皆の視線がキース君に。
シロエ 「格好とかの他にも、何かありますか?」
キース 「峠を攻めているようなヤツらを、考えてみろ」
一同 「「「えっと…?」」」
キース 「例外もあるが、大部分の輩は、頭がだ…」
軽めに出来ているものなんだが、とキース君の言。
キース 「キノコで中毒しそうな系のヤツらで…」
一同 「「「あー…」」」
そうかも、と誰もが見合わせる顔。
ジョミー「道端のキノコでも、採って食べそうだよね…」
シロエ 「ありそうです…」
キース 「事実、多いぞ」
適当に採って食べる輩は、と言われれば、そう。
危機感ゼロ…。
2025/10/06 (Mon)
☆キノコ狩りの背景
残暑が残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
シロエ君が持ち出した北の国のレジャーが、キノコ狩りで。
キース 「キノコの選別、プロでも間違うらしいんだが」
一同 「「「ええっ!?」」」
キース 「道の駅などで販売したのが、毒キノコ入りで…」
回収騒ぎも定番だぞ、とキース君、目がマジ。
キース 「この国のバイク乗りでは、難しいかと…」
ジョミー「プロでも間違えるんならね…」
サム 「その国、毒キノコとか、ねえんじゃねえの?」
シロエ 「どうなんでしょう? そんな話は無かったです」
キノコ狩りの楽しさで盛り上がっていて、とシロエ君。
シロエ 「幼稚園からも、出掛けるそうですよ」
サム 「マジかよ、キノコの区別が出来る年じゃねえぜ」
スウェナ「後で、先生が仕分けするのかしら?」
ジョミー「そうかも、それなら安心だしね」
やっぱり国が違いすぎるよ、とジョミー君が眺める窓の方。
ジョミー「幼稚園なら、芋掘りとかが定番でさ…」
シロエ 「ブドウや梨だと、背が届きませんしね…」
サム 「キノコは地面に生えている分、楽だけどもよ…」
幼稚園児のレジャーじゃねえな、とサム君が振っている首。
サム 「幼稚園時代から行ってる間に、知識つくとか…」
ジョミー「ありそう、小学校でも行くんだろうし…」
キース 「キノコ狩りのエキスパートに育つわけだな…」
いわゆる英才教育で、とキース君の言。
キース 「だったら、バイク乗りでも見分けられるか…」
シロエ 「頭の出来とは無関係に、覚えられますしね…」
スウェナ「楽しく遊んで、学ぶ仕様ね…」
ホントにお国柄だわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「キノコ料理にも、こだわってるのかしら?」
シロエ 「料理の話は出てませんでした」
キース 「適当に切って、シチューかもしれんぞ」
サム 「アバウトすぎねえ?」
キース 「しかしだ…」
耳にしたことがあるわけで、と言ってますけど。
キノコ料理を…?
2025/10/07 (Tue)
☆アバウトすぎる料理
残暑の名残な10月の頭で、週末は生徒会長宅な御一同様。
シロエ君の話から、北の国のキノコ狩りで盛り上がり中で。
ジョミー「適当に切ってシチューって、どんなキノコも?」
キース 「聞いた話では、そうらしいぞ」
とにかく切って鍋に投げ込むスタイルで、とキース君の言。
キース 「キノコの種類より、キノコ狩りの方を重視で…」
シロエ 「楽しんだ後は、食べるだけなんでしょうか?」
ジョミー「しかも適当って、なんだかさ…」
サム 「採ったキノコに失礼すぎねえか?」
もっと丁寧に料理しろよな、とサム君の呆れ返った顔。
サム 「このキノコならコレ、といった風によ…」
スウェナ「松茸をシチューにするような人、この国だと…」
バイク乗りでもいないんじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「松茸ご飯を炊くスキルは無くても、焼くとか…」
シロエ 「焼き松茸なら、トースターでもいけますよね」
ぶるぅ 「そだね、シイタケとかも焼くしね」
トースターでもオッケーだよ、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「焼いて、ポン酢で一品になると思うの!」
サム 「バイク乗りなら、その程度だよなあ…」
ジョミー「柚子を搾るとかは、しそうにないよね…」
スウェナ「それでも、シチューよりかはマシな料理法よ?」
シチューだなんて、とスウェナちゃんが軽く広げる両手。
スウェナ「アバウトすぎだわ、採って来た後が…」
キース 「それを言うなら、松茸だけは別枠だそうだ」
ジョミー「あー…。この国向けに、輸出するヤツ!」
いろんな国から輸入だしさ、とジョミー君、うんうん、と。
ジョミー「市場に持って行けば、買って貰えるとか?」
キース 「それは玄人向けのコースだ」
一般人だと事情が異なる、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「松茸だけは、嫌われるキノコで…」
一同 「「「は?」」」
キース 「煮ると臭い、と悪評が…」
高いと聞いたぞ、と思いもよらない話ですけど。
松茸が…?
2025/10/08 (Wed)
☆嫌われる松茸
暑さを引き摺る10月の頭、週末の生徒会長宅に集う面々。
シロエ君の話が切っ掛け、海の向こうのキノコ事情などが。
サム 「松茸、臭いって言い出すのかよ?」
シロエ 「しかも松茸、限定ですか?」
キース 「聞いた話では、そうなっていたな…」
バイクでキノコ狩りの国の隣だ、とキース君が語る松茸。
キース 「其処の国でも、キノコ狩りは秋のレジャーで…」
ジョミー「若い人でも、出掛けるんだ?」
キース 「家族揃ってとか、誘い合わせてとかで…」
秋の森へと繰り出すらしい、と北の国では人気な模様。
キース 「片っ端から採って帰って、シチューだそうだ」
スウェナ「他の料理は作らないのかしら?」
キース 「あるんだろうが、シチューがお手軽コースで…」
料理の腕前、問われないしな、と言われれば、そうかも。
キース 「今の時代は、何処の国でも、ルーが市販で…」
シロエ 「スーパーで買えば、煮るだけでいけますよね…」
キース 「ああ。キノコ料理にも、凝ったのは…」
紅茶の国でさえ、あるようだぞ、とキース君。
キース 「料理が不味いと評判なのに、作るんだからな…」
ジョミー「他の国なら、あって当然だよね…」
キース 「無いわけがなかろう、キノコのパイとかが…」
紅茶の国だとパイが名物、とキース君の豆知識。
キース 「パイに似合いのキノコまで、指定なんだぞ」
一同 「「「あー…」」」
それなら他の国でも色々あるな、と誰もが納得。
サム 「簡単なのが、シチューってことかよ…」
キース 「恐らくな。確か、クリームシチューだったか…」
スウェナ「確かに、香りが際立ちそうね…」
デミグラスソース系の煮込みよりは、とスウェナちゃん。
スウェナ「だけど、松茸、入れた場合は…」
キース 「臭すぎて、食えたものではないらしいぞ…」
シロエ 「トリュフだったら、いいんでしょうか?」
キース 「そうかもしれん…」
トリュフは高級品だけに、と言ってますけど。
松茸は…?
2025/10/09 (Thu)
☆好みの問題かも
暑さが残った10月の頭、生徒会長宅で週末を過ごす面々。
バイクでキノコ狩りな北の国の話題から、キノコ事情へと。
サム 「でもよ、松茸だって、高級品だぜ?」
キース 「お国柄の違いというヤツだろう」
現にトリュフの良さは分からん、とキース君の苦笑い。
キース 「ぶるぅの料理や、マツカの別荘で食っても…」
ジョミー「トリュフ、イマイチ、意識してないよね…」
シロエ 「松茸だったら、ご飯に炊き込んであるヤツも…」
刻んであっても分かりますよね、とシロエ君の相槌。
シロエ 「マツカ先輩の別荘でも、刻みタイプのが…」
スウェナ「出て来る時があるわよね」
マツカ 「あのタイプは、お気に召しませんか?」
ご好評を頂いているんですが、とマツカ君の控えめな問い。
マツカ 「ご高齢の方に限らず、上品だから、と…」
キース 「なるほどな。大きく切るより、繊細な出来で…」
ぶるぅ 「他のお料理にも、似合うからだよ」
ああいうのを出すトコ、増えてるね、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「だけど、物足りない人も多いし、難しいかも…」
一同 「「「うーん…」」」
同じ松茸ご飯でも、この有様か、と皆が見合わせる顔。
ジョミー「切り方だけで、好みが分かれちゃうんだ…」
サム 「トリュフ以前の問題だよなあ…」
シロエ 「他の国にまで、口出し出来ませんよね…」
たとえシチューになっていたって、とシロエ君。
シロエ 「もっとも、シチューは、不評らしいですけど…」
キース 「臭い料理は、御免蒙りたいだろうしな…」
ジョミー「でもさ、臭いと思うの、お国柄かも…」
ぼくたちだったら、平気かもね、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「そもそも、松茸自体が、臭いかもだし…」
スウェナ「ありそうだわねえ、最初からダメとかは…」
キース 「シチューに入れたら、悪臭アップか…」
ジョミー「そう思うんだけど、どうなんだろう?」
トリュフがウケる国なんだしさ、と出された疑問。
お国柄…?
2025/10/10 (Fri)
☆臭くないのかも
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
北の国のキノコ事情から、お国柄へと話が転がってまして。
キース 「お国柄というのは、あるかもしれんな…」
ジョミー「海外赴任の人が食べたら、平気なのかも…」
スウェナ「そういう人なら、シチューにしないわよ?」
サム 「松茸狩りに出掛けて、松茸だけを狙いそうだぜ」
嫌われ者のキノコなんだし、残ってるよな、とサム君の言。
サム 「バイクのヤツらまで、押し掛ける山でもよ…」
シロエ 「これはダメだ、と分かっているキノコですしね」
キース 「幼稚園児はともかく、小学生くらいなら…」
臭いキノコだと習うヤツだな、とキース君も。
キース 「お国柄なら、生の時から、臭いだろうし…」
ジョミー「コレは煮たって臭いんだ、と教えそうだよ」
サム 「キノコ狩りに行っても、採らねえってな…」
海外赴任のヤツらが採り放題、とサム君が言う通りかも。
サム 「シチューにしねえで、松茸尽くしで豪華によ…」
ジョミー「食べそうだけどさ、付き合いもあるしね…」
シロエ 「その国の人と出掛けた場合は、シチューかも…」
ウッカリ混ざってしまっていて、とシロエ君の苦笑。
シロエ 「みんなが臭いとドン引きしてても、特には…」
ジョミー「臭いと思うどころか、いい香りとかさ…」
一同 「「「うーん…」」」
松茸の香り高いシチューなのかも、と誰もが首を捻り中。
キース 「まるで無いとは言い切れんな…」
サム 「そんな食い方、したことねえしよ…」
ジョミー「高級品だし、失礼すぎるよね…」
ブルー 「そうなんだけど、それは今の時代だからで…」
昔だったら、あったかもね、と生徒会長が顎に当てる手。
ブルー 「松茸フライが、安かった時代があったしさ」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「フライだってば、学食で出してたんだよね…」
一同 「「「ええっ!?」」」
学食というのは、学校の、と皆が仰天ですけど。
皆の学校…?
2025/10/11 (Sat)
☆学食で松茸フライ
暑さが残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
北の国のレジャーなキノコ狩り、其処から松茸の話でして。
シロエ 「学食で松茸フライって、何処の学校ですか?」
サム 「もしかして、俺らの学校かよ?」
ブルー 「逆に何処だと思うんだい?」
ぼくが話題にしてるんだよ、と語る生徒会長、生き字引。
ブルー 「あの時代だったら、何処でも事情は同じかな…」
ジョミー「松茸フライだけでも、ビックリだけどさ…」
スウェナ「安かったっていうのは、学食プライスかしら?」
安く仕入れて学生向けに、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「他所で食べたら、それなりの値段だったとか?」
シロエ 「ありそうですよね、学食、お値段安いですし…」
サム 「町の食堂の半額とかで食えるもんなあ…」
ジョミー「松茸フライも、その口だったかもね」
スウェナの読みが当たってるのかも、とジョミー君も。
ジョミー「だけど、松茸フライって初耳だよ…」
サム 「俺も知らねえ、天麩羅だったら分かるけどよ…」
シロエ 「天麩羅だったら、和風ですしね」
スウェナ「マイタケとかのを、見掛けるわよね」
どうしてフライなのかしら、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「松茸だったら、天麩羅の方が似合いだわよ?」
ブルー 「手間の問題というヤツじゃないかな」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「学食メニューに、フライ系は割とあるしさ」
豚カツだとか、コロッケだとか、と生徒会長。
ブルー 「ついでに揚げればオッケー、そんな感じで」
一同 「「「うーん…」」」
ブルー 「松茸うどんも、定番だったね」
一同 「「「ええっ!?」」」
うどんまでか、と誰もが仰天。
シロエ 「会長、それはマジなんですか!?」
ブルー 「マジだよ、松茸うどんも、安くってさ…」
キース 「学食プライスで、安かったんだろうな?」
ブルー 「違うんだよね…」
貧乏学生御用達のメニューで、と言ってますけど。
金欠用…?
2025/10/12 (Sun)
☆平凡すぎた時代
残暑を引き摺る10月の頭、生徒会長宅で週末な御一同様。
北の国のキノコ狩りから、松茸の話題ですけど、今は学食。
キース 「貧乏学生御用達というのは、格安だったのか?」
ブルー 「そうだよ、麺類の中では、ダントツでさ…」
松茸うどんの下は素うどんだったね、と生徒会長。
ブルー 「キツネうどんは、松茸うどんよりも格上で…」
一同 「「「ええっ!?」」」
ブルー 「ラーメンになったら、もっと高かったよ」
チャーシューが入っているものだから、と説明が。
ブルー 「貧乏学生は、素うどんか、松茸うどんしか…」
サム 「食えなかったのかよ?」
ブルー 「ネギだけは、入れ放題だったんだけれどね…」
メンマはネギとは違うわけでさ、と生徒会長の苦笑い。
ブルー 「ラーメンの値段に、メンマ代も反映されてて…」
シロエ 「余裕のある人だけが、食べていたんですか?」
ブルー 「注文するのが、ステイタスだった時代なんだよ」
金欠メニューの真逆だしね、とクスクスと。
ブルー 「松茸うどん組は、肩身が狭くて、端っこで…」
キース 「黙々と食っていたわけか…」
ブルー 「ううん、開き直りで、騒いでたけど…」
今となってはゴージャスな思い出、と親指をグッと。
ブルー 「当時を知らない人に話せば、どうなるかな?」
シロエ 「凄く尊敬されそうです…」
キース 「松茸フライも、同じだろうな…」
ジョミー「安かったなんて、知らなかったもんね…」
沢山あった時代なのかな、とジョミー君。
ジョミー「油揚げの方が、高いほどだし…」
ブルー 「シイタケ並みか、それ以下かなあ…」
山にドッサリだった時代だしね、と三百歳以上な人の証言。
ブルー 「キノコ狩りに行ったら、踏んづけるくらいで…」
サム 「レアの反対だったのな…」
シロエ 「時代ですねえ…」
ジョミー「味も想像つかないんだけど、状況も無理だよ…」
松茸だらけの山だなんて、とジョミー君が広げる両手。
本当に…。
2025/10/13 (Mon)
☆レジャーな時代
暑さが残った10月の頭、週末を生徒会長宅で過ごす面々。
北の国のキノコの料理法から、学食メニューに転がった今。
キース 「俺の親父でさえ、そんな話はしていないぞ…」
シロエ 「アドス和尚だったら、詳しそうですけど…」
サム 「檀家さんから、聞いたとかはねえのかよ?」
キース 「確かに、昔は松茸狩りがレジャーな時代が…」
あったとは聞くが、とキース君が顎に当てる手。
キース 「とはいえ、既にレアものだった感があったな…」
スウェナ「どんな話を聞かされたのよ?」
キース 「松茸の採れる山には、ロープなどで仕切りが…」
されていたそうだ、とキース君。
キース 「それを越えると、松茸泥棒扱いされても…」
サム 「仕方なかったってか?」
キース 「子供だったらまだしも、大人はアウトで…」
ハイキングに行って、誤解されたケースも、と語る秋の山。
キース 「都会育ちの人には、仕切りのロープなんぞは…」
ジョミー「何のロープか、分かんないよね…」
キース 「入山禁止と書いてあったわけでもないらしい」
運が良ければ、お持ち帰り出来たそうだ、とオチが来た件。
キース 「知らずに入って、松茸ゲットで、ラッキーで…」
シロエ 「山の持ち主、見張っていなかったんですね?」
キース 「今ほどレアではなかったんだろうな」
泥棒は困るが、ハイキング客程度は、と許せたらしい時代。
キース 「だから、レジャーで入れたのは、知り合いで…」
一同 「「「うーん…」」」
キース 「一般人は、山が公開されてから入るんだ」
今もそうだぞ、とキース君の松茸関連の知識。
キース 「マツカだったら、知っている筈で…」
マツカ 「ええ。年々、暑さで先延ばしになる傾向ですね」
サム 「松茸山を一般公開かよ?」
マツカ 「好きに入っていいんですけれど…」
キース 「シーズンは、既に終わり近くて、収穫の方は…」
さほど無いとも聞いているな、という松茸事情。
フライとか無理…。
2025/10/14 (Tue)
☆食べてみたい人
残暑を引き摺る10月の頭、週末は生徒会長宅な御一同様。
北の国のキノコ狩りから、キノコ料理へ転がった今でして。
ジョミー「松茸フライとか、出来やしないね…」
シロエ 「臭いと言い出すシチューの国でも、フライは…」
臭いと嫌がるでしょうしね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「松茸、ドッサリあるかもですけど」
サム 「あるんでねえの、この国に輸出してる分まで」
ジョミー「でもさ、この国に来た後じゃ、それなりの…」
お値段がついてしまうんだよ、とジョミー君。
ジョミー「お手頃価格で松茸だなんて、聞かないし…」
キース 「目玉商品で並ぶ時でも、そこそこ高いしな…」
フライなんぞは夢のまた夢、とキース君の苦笑。
キース 「ましてシチューは、お目にかかるのも…」
スウェナ「難しいわよね、どう考えても…」
サム 「パスタにしたって、出来やしねえぜ」
キノコのパスタは定番だけどよ、とサム君も。
サム 「パスタのソースと、シチュー、似ていねえか?」
一同 「「「あー…」」」
クリームパスタだったら、と皆が納得。
シロエ 「やっぱりパスタも、臭いんでしょうねえ…」
キース 「お国柄だろうと思うんだが…」
サム 「俺もなんだけど、御縁ってヤツが皆無だよな…」
高級品だし、手も足も出ねえよ、とサム君が広げる両手。
サム 「松茸うどんとか、フライの時代じゃねえし…」
ブルー 「当時の学食、どっちも見てはいないよ」
松茸うどんとフライだけで、と生徒会長。
ブルー 「貧乏学生、洒落たメニューは無理なんだしさ」
一同 「「「うーん…」」」
??? 「この際、チャレンジしたらどうかな?」
シチューとか、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「面白そうな話じゃないか、食べてみたいね」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!?」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間からだよ!」
それよりもシチューの話、と笑顔ですけど。
食べたいと…?
2025/10/15 (Wed)
☆自転車では無理
お盆の翌月は秋のお彼岸、ろくに休めないお坊さんの世界。
残暑が厳しいだけにハードで、キース君は倒れそうだとか。
シロエ 「お願いです、借りは勘弁して下さい!」
Aブルー「借りじゃないって、タダなんだからさ!」
シロエ 「たとえそうでも、ぼくの心臓が持ちません!」
今だってバクバクしてるんです、とシロエ君の悪い顔色。
シロエ 「運ぶ係は、ぼくにやらせて貰えませんか!?」
Aブルー「うーん…。君は運転、出来るのかい?」
シロエ 「運転免許は持っていません、バイクのもです!」
自転車を漕いで走りますから、とシロエ君、必死の形相。
シロエ 「キース先輩の家は遠いですけど、頑張ります!」
キース 「お前なあ…。俺でもキツいルートなんだぞ?」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「近付くにつれて、坂道だろうが」
裏山が墓地な環境だぞ、とキース君のマジレス。
キース 「目に見えて分かる傾斜は、近所だけだが…」
サム 「遠くから、地味に上り坂かよ?」
キース 「かなりのトコから、上りなんだ…」
自転車で月参りをすると分かるな、と経験者の談。
キース 「行きは楽だが、帰りは漕ぎ続けないと無理だ」
ジョミー「言われてみれば、アルテメシアの街の中から…」
スウェナ「元老寺の辺りの山が、見えているわね…」
キース 「慣れていないと、シロエの家から辿り着けない」
途中で討ち死には目に見えている、とキース君、キッパリ。
キース 「つまり荷物は届かないわけで、俺が困るんだ!」
一同 「「「あー…」」」
心配は、シロエ君よりも其処か、と誰もが納得。
ジョミー「せっかく借りたの、届かないとか、無いよね…」
サム 「分かるぜ、シロエをアテに出来ねえのは…」
シロエ 「でもですね…! 案外、いけるかもですし…!」
キース 「お前にワンチャンをやるような、義理は…」
Aブルー「無いと思うよ、ぼくも!」
直接お届け便が安心、とソルジャーも切り捨て。
安全第一…。
2025/09/16 (Tue)
☆交換条件を希望
お盆が済んだら秋のお彼岸、お坊さんの世界は連続で行事。
其処へ厳しい残暑が追い打ち、キース君が倒れる危険性が。
Aブルー「シロエが借りが嫌なんだったら、他に何かさ…」
キース 「そうだな、交換条件を出すのはどうだ?」
シロエならではのヤツが良かろう、とキース君の提案。
キース 「幸い、手先は器用なんだし…」
Aブルー「なるほど、機械弄りが趣味だっけね」
シロエ 「そっちの世界のは、分かりませんから!」
何も作れやしませんよ、とシロエ君、逃げ腰。
シロエ 「もっと普通の条件を出して貰った方が…!」
Aブルー「うーん…。君の特技を活かしたいんだけど…」
サム 「他には何もねえと思うぜ?」
ぶるぅの相手も出来やしねえよ、とサム君の言。
サム 「ヤツの悪戯、こなすスキルは持っていねえし…」
ジョミー「あんなの、キースしか無理だってば!」
Aブルー「そういえば、いたね、悪戯が生き甲斐のが…」
アレを丸投げしてもいいかな、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「一晩だけでいいから、頼みたいよね」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「託児だってば、預かりサービス!」
夜は基本は暴れないしね、とソルジャー、うんうん、と。
Aブルー「土鍋の寝床で寝てるだけだし、一晩、お願い!」
シロエ 「ちょ、ちょっと…!」
待って下さい、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「空いてるスペース、ありませんから!」
Aブルー「でもねえ…。お泊まりとなれば、ぶるぅもさ…」
借りて来た猫になるかもだし、とソルジャーの笑み。
Aブルー「土鍋が置けたら、それでオッケー!」
ぶるぅ 「そだね、土鍋の大きさ、こんなのだから」
置く場所、充分、あると思うよ、と家事万能なお子様も。
ぶるぅ 「ご飯は此処で食べればいいから、寝るだけで!」
Aブルー「食事つきなら、ぶるぅも大喜びだよ!」
シロエ 「無理すぎですって!」
普通コースでお願いします、と悲鳴ですけど。
預かれと…?
2025/09/17 (Wed)
☆更に丸投げな人
お盆の後には秋のお彼岸、ノンストップなお坊さんの世界。
今年は残暑が真夏並みだけに、キース君が倒れそうでして。
Aブルー「たかが、ぶるぅを預かるだけでさ…」
ぶるぅ 「お風呂だって、此処で入って行くから大丈夫!」
ホントに後は寝るだけだもん、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「心配だったら、お酒も御馳走しておく!」
シロエ 「それは勘弁して下さい!」
酔っ払ったら恐ろしすぎです、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「暴れられても、どうしようも…!」
キース 「俺は散々、ヤツにやられて来たんだが…?」
シロエ 「知ってますけど、ぼくはスキル不足で…」
先輩のようにはいきませんよ、と逃げを打ちまくり。
シロエ 「そうだ、ぶるぅの件は、ぼくが丸投げします!」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「会長、此処で預かって貰えませんか!?」
借りは必ず返しますから、とシロエ君、土下座。
シロエ 「ぶるぅ的にも、その方が、きっと…!」
ブルー 「うーん…。ぶるぅ、どうする?」
ぶるぅ 「そだね、シロエも困ってるしね…」
貸しにしとけばいいと思うな、とシロエ君をチラリ。
ぶるぅ 「元々、タダって言っているのに、借りたくて…」
ブルー 「ぶるぅを預かる羽目に陥ってるしね…」
自業自得でバカの極み、と生徒会長、冷ややかな視線。
ブルー 「それじゃ、ぶるぅは、お泊まりってことで」
Aブルー「いいのかい?」
ぶるぅ 「今夜でもいいよ、いつでもオッケー!」
Aブルー「ありがとう!」
覗きの被害が激しくてね、とソルジャー、嬉しそう。
Aブルー「今夜、お願い!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅ、喜ぶよ!」
ご馳走を用意しなくっちゃ、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「急いで、買い出し、行って来る!」
ブルー 「そうだね、借りはソレでどうかな?」
一同 「「「えっと…?」」」
ブルー 「シロエのだよ!」
買い出しで借りを返してくれれば、と笑顔ですけど。
借り…?
2025/09/18 (Thu)
☆借りを返すには
お盆が済んだら秋のお彼岸、お坊さんの世界は連続で行事。
其処へ残暑が追い打ちな今年、キース君がバテて倒れそう。
シロエ 「何なんです、ソレ…?」
ブルー 「借りは必ず返しますから、と言っただろう?」
シロエ 「ぼくも、金欠なんですけど!」
キース先輩に負けていません、とシロエ君の悲鳴。
シロエ 「機械弄りは、何かと高価な買い物が多くて…!」
サム 「分かるんだけどよ、お前、自分で言ったんだぜ」
ジョミー「全額は無理でも、出せるだけ、出せば?」
キース 「肉は高いが、野菜とかなら払えそうだぞ」
レアな野菜は無理だろうがな、とキース君も。
キース 「ぶるぅに財布を渡しておけば、その辺は…」
スウェナ「考えて使ってくれそうよね」
サム 「シロエに必須の金を、取り分けておいてよ…」
ジョミー「残りは、お任せでいいと思うな」
最低限だけ取っておけば、とジョミー君もプッシュ。
ジョミー「次のお小遣いが来るまで、要る分をさ」
シロエ 「でもですね…! 不意の出費が多い世界で…」
Aブルー「君が自分で作った借りだし、返さないとね」
丸投げの件を貸しにしようか、とソルジャーの怖い台詞が。
Aブルー「タダでいいって言っていたけど、取り消しで」
シロエ 「やめて下さい!」
赤貧になった方がマシです、とシロエ君が取り出す財布。
シロエ 「えっと…。まだ暑いから、学校で買う飲み物…」
ジョミー「水道の水じゃ、熱中症のリスクあるしね…」
シロエ 「他に必須の買い物、ありましたっけ?」
キース 「特に無くても、少し余裕を持たせることだな」
万年金欠からのアドバイスだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「足りなくなったら、借りるしかないぞ」
シロエ 「ヤバいですよね、じゃあ、ぶるぅ、残りで…」
ぶるぅ 「んとんと…。お財布、ぼくに渡されても…」
ブルー 「ぶるぅも困るよ、君は労働するんだってば!」
買い出しで借りを返すためにね、と言ってますけど。
労働…?
2025/09/19 (Fri)
☆買い出しは無理
お盆の翌月は秋のお彼岸、立て続けなのがお坊さんの世界。
今年は残暑が厳しいだけに、キース君が倒れそうという話。
シロエ 「労働ですって!?」
ぶるぅ 「えとえと、シロエが何をするわけ?」
全然使えないと思うんだけど、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「食材を選ぶの、無理そうだし…」
シロエ 「当たり前ですよ、魚どころか、野菜だって…!」
鮮度さえも見極められません、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「お手伝い出来るようなスキル、無いです!」
ブルー 「何を言うかな、運ぶだけだよ!」
シロエ 「荷物ですか!?」
ブルー 「ピンポーン!」
頑張りたまえ、と生徒会長、ニッコリ。
ブルー 「ぶるぅ、いいかい、会計が済んだら、渡して…」
ぶるぅ 「シロエが此処まで持って帰るの?」
そんなのはダメ、と即答で却下。
ぶるぅ 「瞬間移動で運んで来ないと、傷んじゃうから!」
一同 「「「あー…」」」
この暑さでは、と誰もが納得の理由。
サム 「肉も魚も、傷んじまうよなあ…」
ジョミー「野菜だって、萎れちゃうしね…」
スウェナ「スパイスとかなら、いけそうだけど…」
ぶるぅ 「そうなの、シロエが運ぶなんて、ダメすぎ!」
でも、お財布も要らないから、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「シロエに借りが出来ちゃうしね!」
一同 「「「は?」」」
ぶるぅ 「シロエのお金で買ったんだ、って思うから…」
それは借りでしょ、と言われてみれば、そうかも。
ぶるぅ 「それじゃ、買い出し、行って来るね!」
シロエ 「あっ、ちょっと…!」
サム 「行っちまったぜ…?」
借りの話はどうなるんだよ、とサム君も皆も、ポカーン。
ブルー 「うーん…。いい方法だと思ったんだけど…」
キース 「俺もだ、しかしシロエの借りは、あんたが…」
Aブルー「握ってるのは、確かだよねえ…」
ブルー 「他にいいのがあったかなあ…?」
シロエに返せそうな借り、と首を捻ってますけど。
ありそう…?
2025/09/20 (Sat)
☆返せそうな借り
お盆が済んだら秋のお彼岸、お坊さんの世界は連続で行事。
更に残暑が厳しいわけで、キース君がバテて倒れそうとか。
Aブルー「タダでいいから、って言ったんだしさ…」
ブルー 「チャラにしておけ、って?」
それは甘すぎ、と生徒会長、シロエ君をジロリ。
ブルー 「キースの家まで、自転車で走る気だったしね」
キース 「そうだが、俺はアンダーを借りられるなら…」
Aブルー「細かいことは言わないよねえ?」
それでこそだよ、とソルジャー、うんうん、と。
Aブルー「ぼくも、お彼岸の法要が出来れば、オッケー!」
ブルー 「なるほど、ソレがあったっけ!」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「借りの話だよ、シロエに返せそうなヤツ!」
労働で返してくれたまえ、と生徒会長が見回す部屋。
ブルー 「法要に使う部屋は此処だし、朝イチで来てさ…」
シロエ 「掃除ですか!?」
ブルー 「ピンポーン!」
ぶるぅ並みの仕上がりを目指すんだね、と極上の笑み。
ブルー 「ぼくがチェックして、いいと言うまで…」
キース 「やり直しなんだな?」
ブルー 「もちろんだよ!」
ぶるぅは掃除監督だけ、とシロエ君に突きつける指。
ブルー 「使う道具や、やり方は教えてくれるから…」
シロエ 「言われる通りに、此処をですか…?」
ブルー 「窓の枠まで、丁寧にね!」
一同 「「「イイネ!」」」
ナイスアイデア、と皆が賛同。
サム 「いいじゃねえかよ、ただの掃除だぜ?」
キース 「かなり広いが、本堂よりは狭いぞ」
Aブルー「心をこめて、掃除してくれたまえ!」
スッポンタケに失礼のないように、とソルジャーも。
Aブルー「よし、これで話は成立だね!」
キース 「有難い。明日から、涼しく月参りが出来るな」
Aブルー「ぼくも安心、お彼岸の法要をして貰えるしね!」
シロエ 「荷物持ちの方が、マシでしたってば!」
Aブルー「頑張りたまえ!」
お彼岸に会おう、と空間移動で消えましたけど。
掃除係…。
2025/09/21 (Sun)
☆掃除係で決定
お盆の翌月は秋のお彼岸、ノンストップなお坊さんの世界。
其処へ残暑が追い打ちでして、倒れそうだったキース君で。
キース 「助かった…。この暑さ、まだ続くらいしな」
サム 「例のアンダーさえあれば、乗り切れるぜ」
幸い、借りも出来てねえしよ、とサム君が眺めるシロエ君。
サム 「勝手に借りを作ったバカが、一人いるけどよ」
ジョミー「此処の掃除は、キツそうだよね…」
ブルー 「ぼくがビシバシ、チェックするしね!」
手抜き無しで、と生徒会長、上機嫌。
ブルー 「ぶるぅも、お膳に専念出来て、喜ぶと思うよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ただいまあ!」
買い出し済んだよ、と料理上手なお子様の帰還。
ぶるぅ 「んとんと、ぶるぅ、いつ来るのかな?」
Aブルー「夜になったら、来させるから!」
その件、忘れていたんだよね、と空間移動で戻った人が。
Aブルー「一晩、お願い! それと、掃除も!」
ぶるぅ 「お掃除?」
何処の、と家事万能なお子様、目が真ん丸。
ぶるぅ 「家中、毎朝、掃除してるよ?」
Aブルー「そうじゃなくって、お彼岸の日にさ…」
ブルー 「シロエが此処を掃除するから、指導係をね」
掃除で借りを返すそうだよ、と生徒会長の笑み。
ブルー 「やり方と道具を教えておけば、後はぼくがさ…」
キース 「監督すると言っているから、それだけでいい」
ぶるぅ 「オッケー! シロエ、頑張ってね!」
それじゃ、ぶるぅの御馳走、用意してくる、とキッチンへ。
シロエ 「マジで掃除で確定ですか…」
Aブルー「文句があるなら、今夜の、ぶるぅを…」
ブルー 「預かってくれても、かまわないけど?」
食事が済んだ後でいいしね、と生徒会長。
ブルー 「それが嫌なら、掃除係で!」
シロエ 「掃除係にしておきます…」
キース 「いい判断だと、俺は思うぞ」
ブルー 「同感だね」
Aブルー「じゃあ、今度こそ、お彼岸に!」
ぶるぅをよろしく、と空間移動で去りましたけど。
掃除決定…。
2025/09/22 (Mon)
☆討ち死にした人
やって来ました、秋のお彼岸。スッポンタケの法要な秋分。
朝イチで生徒会長宅に集合ですけど、玄関前に佇む人たち。
マツカ 「シロエ、大丈夫なんでしょうか…」
ジョミー「なんか入るの、ためらっちゃうよね…」
サム 「あの部屋、無駄に広いんだぜ?」
スウェナ「ブルーが監督してるわけだし、ハードそうよ…」
窓の枠までとか言っていたもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「キースが本堂を掃除するより、キツいかも…」
サム 「あっちは、ルーチンワークだしよ…」
ジョミー「アドス和尚のスイッチ、入らない日はさ…」
マツカ 「さほどチェックはしないでしょうね…」
掃除チェックも手間がかかりますし、とマツカ君の相槌。
マツカ 「目立つ場所さえ綺麗だったら、セーフなのでは」
サム 「端の方まで目を配ってたら、キリがねえしな」
ジョミー「シロエ、どうなってるんだろう…」
スウェナ「気にはなるけど、あまり遅れて入ってくのも…」
ブルーの怒りを招きそうよ、とスウェナちゃんが竦める肩。
スウェナ「誰か、チャイムを押さないと…」
マツカ 「分かりました。ぼくがやります」
皆さん、押したくないでしょうし、とマツカ君が名乗り。
マツカ 「押しますけれど、かまいませんね?」
一同 「「「はいっ!」」」
サッと整列、背筋を正して、マツカ君がチャイム。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃーい!」
マツカ 「すみません、少し遅れたかもです」
ぶるぅ 「ううん、ちっとも!」
お掃除、済んだ所だしね、と跳ねてゆくお子様。
ぶるぅ 「ブルー! みんな、着いたよ!」
ブルー 「ナイスタイミング!」
どうぞ入って、と生徒会長が迎える、いつもの部屋。
ブルー 「其処に死んでる人がいるけど、気にしないで!」
一同 「「「げっ!」」」
ブルー 「平気だってば、討ち死にだしね」
ぶるぅ 「そうなの、疲れて倒れてるだけ!」
じきに起きるよ、と栄養ドリンクの瓶などが。
討ち死に…。
2025/09/23 (Tue)
☆高レベルな掃除
秋分の日は秋のお彼岸のお中日、スッポンタケの法要の日。
生徒会長宅に集う面々、倒れたシロエ君を目にしたわけで。
サム 「マジかよ、掃除で討ち死にってか…?」
ブルー 「明日は筋肉痛でダウンかもねえ…」
柔道部で鍛えてるから、大丈夫かも、と生徒会長。
ブルー 「使わない筋肉を使ってた分は、どうなんだか…」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「柔道と掃除じゃ、違って来るだろう?」
掃き掃除から拭き掃除まで、と生徒会長の説明が。
ブルー 「ビシバシ指導しまくったけど、イマイチで…」
ジョミー「何がイマイチ?」
ブルー 「腰が入ってないと言うかさ…」
キースだったらマシだったかも、と顎に当てる手。
ブルー 「日頃、本堂でやっているしね」
ぶるぅ 「でもでも、お部屋の構造、違いすぎるよ?」
サム 「あっちは襖に障子な世界だっけな…」
ぶるぅ 「そうなの、窓の拭き掃除、あるだろうけど…」
此処とは違ってくると思うの、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「シロエ、頑張ったから、仕上がりはいいよ?」
ブルー 「ぼくが厳しくチェックしたしさ」
スウェナ「埃チェックね?」
ブルー 「絨毯のトコの毛足も、揃えさせたよ!」
綺麗に繋がって見えるようにね、と生徒会長、溢れる自信。
ブルー 「掃除機をかけた跡とか、分からないだろう?」
一同 「「「うーん…」」」
レベル高すぎ、と誰もが唸るしかない、ガチ掃除の流儀。
ブルー 「お蔭で、ぶるぅは、お膳作りに専念出来たし…」
ぶるぅ 「うん、張り切って作っちゃったあ!」
??? 「有難いねえ、スッポンタケも喜ぶよ!」
みんな幸せ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「ぼくは、ぶるぅを一晩、預けて、キースはさ…」
サム 「例のアンダー、大活躍だと聞いてるぜ」
ジョミー「月参りの愚痴、激減したよね」
Aブルー「若干一名、不幸な人が…」
転がってるけど、自業自得で、とバッサリ。
当然かと…。
2025/09/24 (Wed)
☆まだ起きない人
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に朝イチで。
集まった皆が目にしたモノは、掃除で討ち死になシロエ君。
Aブルー「ところで、キースは、来ていないのかい?」
サム 「まだ早すぎるぜ、一応、寺の方もよ…」
ブルー 「最低限の仕事くらいは、して来ないとね」
本堂の掃除、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「前日から用意してあったって、一晩あればさ…」
ぶるぅ 「虫が落ちてることもあるから、お掃除しないと」
スウェナ「そうね、小さな埃よりも虫はアウトよね…」
ぶるぅ 「キースの家だと、凄いの、落ちてそうだしね」
クモの抜け殻、と家事万能なお子様、肩をブルッと。
ぶるぅ 「家がお寺で、裏山もあるし、お庭もあるし…」
Aブルー「クモの抜け殻、凄いのかい?」
目立ちそうではあるけれど、とソルジャーの問い。
Aブルー「一目で分かるサイズなのかな?」
ぶるぅ 「だって、大きさ、このくらいだしね…」
抜け殻だけが丸まっていても、と指で作った小さな輪。
サム 「でけえ…! 3センチくれえでねえの?」
ぶるぅ 「生きてるサイズが、こんなのだよ?」
ぼくの手のひら、と差し出す子供サイズの手のひら。
Aブルー「そんな大きなクモがいるって!?」
ブルー 「いるんだよねえ、キースの家なら出るだろうね」
サム 「目立つなんてモンじゃねえよな…」
ぶるぅ 「抜け殻、あったらマズイでしょ?」
掃除してないことがバレるし、と納得な理由。
ぶるぅ 「お掃除キースが来るより先に、シロエがね…」
ブルー 「起きると思うよ、でないとヤバいし」
法要を欠席しちゃうことになるしね、と生徒会長。
ブルー 「そうなった場合、今度こそ、借りが出来てさ…」
ジョミー「詰みそうだよねえ、シロエ、思いっ切り…」
サム 「起こさなくてもいいのかよ?」
スウェナ「死んじゃってるものね…」
Aブルー「望むトコだよ!」
欠席されても楽しそうだし、と言ってますけど。
貸しにすると…?
2025/09/25 (Thu)
☆叩き起こした人
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、朝イチで集合した面々。
早朝から部屋を掃除していたシロエ君、討ち死に中でして。
ジョミー「シロエ、起きなかったら、貸しにするわけ?」
Aブルー「元々、借りたがっていたしね!」
一同 「「「うわー…」」」
恐ろしすぎる、と誰もがガクブル。
Aブルー「いいかい、起きるまで、起こさないように!」
サム 「起こしたヤツは、同罪かよ?」
Aブルー「シロエの肩を持ったことになるだろう?」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
起こしたら負けだ、と緊張が走った所へ、チャイムの音。
ぶるぅ 「あっ、キースだ! お出迎え、行って来る!」
サム 「マジかよ、シロエ、時間切れだぜ?」
ジョミー「仕方ないって、起こせないから…」
気の毒だけど、とジョミー君が眺める間に、開いた扉。
キース 「邪魔するぞ。…なんだ、そいつは?」
ぶるぅ 「んとんと、シロエ、お掃除疲れで倒れてて…」
キース 「それで、栄養ドリンクなのか?」
ぶるぅ 「そうなの、飲めるトコまで、行ってなくって…」
パワー回復、時間かかりそう、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「キースが着替えしてる間に、起きるかなあ…」
キース 「なんだと、俺だって、掃除して来たんだ!」
そのまま家を出て来たんだが、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「俺が来たのに寝ているだとか、甘すぎだしな!」
Aブルー「あっ、ちょっと!」
キース 「止めるな、性根を叩き直してやる!」
起きろ、とキース君の蹴りが、シロエ君の向こう脛に。
シロエ 「ぎゃっ!!!」
キース 「愚か者めが! よくも呑気に寝やがって!」
シロエ 「キース先輩!?」
蹴りを入れたの、先輩ですか、と足を抱えているシロエ君。
キース 「他に誰がいるんだ、着替えて来る!」
シロエ 「は、はいっ!」
キース 「戻るまでには、復活しておけ!」
Aブルー「うーん、残念…」
想定外の展開だった、と唸っている人が一名。
グッジョブ…。
2025/09/26 (Fri)
☆復活を目指せ
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、キース君も到着でして。
掃除で討ち死にだったシロエ君、蹴られて飛び起きる結末。
シロエ 「いたたた…。キース先輩、容赦なさすぎです…」
サム 「でもよ、お蔭で命拾いなんだぜ?」
ジョミー「そうだよ、あのまま起きなかったらさ…」
最悪の事態になっていたし、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「起こしちゃダメだ、って言われてたわけで…」
シロエ 「誰にですか?」
サム 「心当たりなら、あるんでねえの?」
お前に貸しを作りてえヤツ、とサム君、ソルジャーをチラ。
サム 「特に誰とは言わねえんだけどよ…」
ジョミー「今日が何の日か分かっていれば、分かるよね?」
シロエ 「…ぶるぅを押し付けて来た人でしょうか?」
Aブルー「ピンポーン!」
もう本当に残念でねえ、とソルジャーの深い溜息。
Aブルー「キースが蹴らなきゃ、法要、欠席だったのに…」
シロエ 「ひぃっ!」
Aブルー「起きた以上は、ベストを尽くしてくれたまえ!」
完全復活、掃除疲れを見せないで、と注文が。
Aブルー「栄養ドリンク、一気飲みでね!」
シロエ 「は、はいっ!」
頑張ります、とシロエ君、栄養ドリンクを片っ端から。
Aブルー「いい飲みっぷりだねえ…」
シロエ 「必死ですから!」
Aブルー「おっと、待った!」
ソレは貰うよ、とソルジャーがサッと奪った栄養ドリンク。
Aブルー「ぼくのハーレイ御用達だし、もったいないし!」
シロエ 「でもですね…!」
Aブルー「まむしドリンクでなくても、構わないだろう!」
そのスッポンも寄越したまえ、と奪い取る人。
Aブルー「ぶるぅ、シロエ用には、他のを追加でね!」
ぶるぅ 「オッケー! 復活させればいいんだし…」
シロエ 「何を飲ませるつもりなんです!?」
ぶるぅ 「うんと苦いけど、漢方薬入りの、あるから!」
Aブルー「アルコールじゃなくて…?」
お酒が効くと思うんだけどな、と言ってますけど。
酔えと…?
2025/09/27 (Sat)
☆アルコールよりは
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、キース君の着替え待ち。
掃除疲れで死んだシロエ君、復活しないと詰むわけでして。
シロエ 「アルコールですって!?」
Aブルー「そう! ぼくは強すぎるから、実感ないけど…」
飲むと気分が上がるそうだし、パワーもさ、と笑顔な人。
Aブルー「一気に復活、法要の足の痺れも平気だってば!」
サム 「そりゃまあ、痺れには鈍くなりそうだけどよ…」
ジョミー「眠くなるとか、逆の効果も出て来るんじゃあ?」
シロエ 「そうですよね?」
それくらいなら漢方薬入りので、とシロエ君、必死の形相。
シロエ 「ぶるぅ、持って来て下さい!」
ぶるぅ 「オッケー!」
パッと出掛けて、サッと戻って来た料理上手なお子様。
ぶるぅ 「はい、どうぞ! 口直し用に、水飴もね!」
シロエ 「ありがとうございます!」
グイと飲み干し、咳き込んだ後に、水飴を口一杯に。
シロエ 「…凄い味でしたけど、復活出来た気がします…」
Aブルー「うーん…。惜しい、悪酔い、期待したのに!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「酔って、踊ってくれるかもだし!」
念仏踊りというのがあるそうだしね、と怖い台詞が。
Aブルー「お経に合わせて踊りまくれば、きっと効果が…」
サム 「ねえと思うぜ、逆なんでねえの?」
キース 「……まったくだ……」
部屋の外まで聞こえていたぞ、とキース君が法衣で登場。
キース 「念仏踊りを甘く見るなよ」
Aブルー「踊りの型が難しいのかい?」
キース 「踊る場所にもよって変わるが、本来は…」
ブルー 「盆踊り系のとは違うんだよね…」
踊るのはプロの坊主だからさ、と生徒会長も。
ブルー 「お念仏を唱えながらの、法要みたいなヤツだね」
一同 「「「ええっ!?」」」
キース 「マジでそうだし、シロエには無理だ」
Aブルー「うーん…」
キース 「いいから、サッサと正座しやがれ!」
聞かなかったことにしてやる、と合掌ですけど。
貸しですか…?
2025/09/28 (Sun)
☆ツケにして法要
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、キース君も着替え完了。
正座するよう促してますけど、念仏踊りの話が出ていた今。
シロエ 「キース先輩、今の台詞は貸しなんですか?」
キース 「は?」
シロエ 「念仏踊りの話ですけど、聞かなかったことに…」
しておくんですよね、と掃除疲れから復活したシロエ君。
シロエ 「そういうことなら、貸しかと思いまして…」
サム 「あー…。貸しが出来たと言っていいよなあ…」
ジョミー「うん。念仏踊りを馬鹿にしていた発言だよね…」
酔っ払ったシロエに踊らせるとか、とジョミー君も。
ジョミー「聞かなかったことにするなら、貸しだと思うよ」
キース 「なるほどな…。馬鹿野郎に貸しか…」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
まさか法要キャンセルなのでは、とソルジャー、顔面蒼白。
Aブルー「貸しは嫌だと言い返したら、そうなるわけ!?」
キース 「ほほう…。実に殊勝な心掛けだ」
だったら貸しにしておこう、とキース君が繰る正式な数珠。
キース 「俺は今から法要をやって、貸しはツケておく」
一同 「「「イイネ!」」」
Aブルー「そ、そんな…!」
キース 「愚痴は後にしろ、法要が先だ!」
泣き言は済んでからでいい、とキース君、祭壇の前に正座。
キース 「お前たちも、早く正座しろ!」
一同 「「「はいっ!」」」
急いで正座で並んだ面々、ツケに興味津々な中、法要開始。
キース 「願我~身浄~如香炉~…」
一同 (((始まった…)))
早く終われ、と願う間もツケが気になって、早い時間経過。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((あれ?)))
もう終わりか、と驚くくらいに早く流れた法要の時間。
キース 「南無阿弥陀仏…。皆様、よくお勤めでした」
Aブルー「ありがとう! スッポンタケも喜ぶよ!」
キース 「ときに、さっきのツケの話だが…」
坊主を丁重に扱うのも功徳なんだ、と法話っぽい件。
えっと…?
2025/09/29 (Mon)
☆ツケを返せる話
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、読経の後は法話タイム。
けれどキース君、ツケがどうのと念仏踊りの件を蒸し返し。
Aブルー「ツケの話より、法話じゃないのかい?」
キース 「もちろんだ。だから法話を兼ねているわけで…」
坊主をもてなすことは大切だぞ、と副住職が繰る数珠。
キース 「しかし、あんたは別の世界の住人だしな…」
Aブルー「こっちの世界で、君を接待しろとでも?」
キース 「いや、あんたも俺も、損をしない話があって…」
さっきのツケを返す気は無いか、とキース君の問い。
キース 「あるなら、例のアンダーを貸して欲しくて…」
シロエ 「あー…。今年は、まだまだ暑そうですしね…」
ジョミー「猛暑日は無くても、普通に夏だしさ…」
キース 「涼しくなるまで借りられるんなら、有難い」
月参りで暑いのはキツイからな、とキース君の切実な事情。
キース 「ご高齢の檀家さんだと、もうエアコンは…」
サム 「暦が秋だし、切っているのな…」
キース 「暑さ寒さも彼岸まで、を実践する人も多くて…」
まだ入れていた人も、消している頃だ、と納得の理由。
キース 「アンダーを貸して、功徳を積もうと思わんか?」
Aブルー「貸したら、ツケはチャラになるって?」
キース 「もちろんだ。俺がいいと言うまで、貸してくれ」
今まで通り、顔を合わせないで交換で、と細かい注文も。
キース 「もう不要だ、と思ったら、メモを添えておく」
Aブルー「オッケー、もう早速に、今夜から!」
君の部屋までお届けだよ、と商談成立。
Aブルー「それでチャラだね?」
キース 「後は、阿弥陀様に謝っておけ!」
念仏踊りの件のお詫びで、お念仏を、と指す祭壇。
キース 「正式な作法は、お念仏を十回だ。いいな?」
Aブルー「分かった、お詫びする! 南無阿弥陀仏…」
シロエ 「なんだか平和すぎるんですけど…」
サム 「いいんでねえの?」
いい法要でよ、と和んでますけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/09/30 (Tue)
お盆の翌月は秋のお彼岸、ろくに休めないお坊さんの世界。
残暑が厳しいだけにハードで、キース君は倒れそうだとか。
シロエ 「お願いです、借りは勘弁して下さい!」
Aブルー「借りじゃないって、タダなんだからさ!」
シロエ 「たとえそうでも、ぼくの心臓が持ちません!」
今だってバクバクしてるんです、とシロエ君の悪い顔色。
シロエ 「運ぶ係は、ぼくにやらせて貰えませんか!?」
Aブルー「うーん…。君は運転、出来るのかい?」
シロエ 「運転免許は持っていません、バイクのもです!」
自転車を漕いで走りますから、とシロエ君、必死の形相。
シロエ 「キース先輩の家は遠いですけど、頑張ります!」
キース 「お前なあ…。俺でもキツいルートなんだぞ?」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「近付くにつれて、坂道だろうが」
裏山が墓地な環境だぞ、とキース君のマジレス。
キース 「目に見えて分かる傾斜は、近所だけだが…」
サム 「遠くから、地味に上り坂かよ?」
キース 「かなりのトコから、上りなんだ…」
自転車で月参りをすると分かるな、と経験者の談。
キース 「行きは楽だが、帰りは漕ぎ続けないと無理だ」
ジョミー「言われてみれば、アルテメシアの街の中から…」
スウェナ「元老寺の辺りの山が、見えているわね…」
キース 「慣れていないと、シロエの家から辿り着けない」
途中で討ち死には目に見えている、とキース君、キッパリ。
キース 「つまり荷物は届かないわけで、俺が困るんだ!」
一同 「「「あー…」」」
心配は、シロエ君よりも其処か、と誰もが納得。
ジョミー「せっかく借りたの、届かないとか、無いよね…」
サム 「分かるぜ、シロエをアテに出来ねえのは…」
シロエ 「でもですね…! 案外、いけるかもですし…!」
キース 「お前にワンチャンをやるような、義理は…」
Aブルー「無いと思うよ、ぼくも!」
直接お届け便が安心、とソルジャーも切り捨て。
安全第一…。
2025/09/16 (Tue)
☆交換条件を希望
お盆が済んだら秋のお彼岸、お坊さんの世界は連続で行事。
其処へ厳しい残暑が追い打ち、キース君が倒れる危険性が。
Aブルー「シロエが借りが嫌なんだったら、他に何かさ…」
キース 「そうだな、交換条件を出すのはどうだ?」
シロエならではのヤツが良かろう、とキース君の提案。
キース 「幸い、手先は器用なんだし…」
Aブルー「なるほど、機械弄りが趣味だっけね」
シロエ 「そっちの世界のは、分かりませんから!」
何も作れやしませんよ、とシロエ君、逃げ腰。
シロエ 「もっと普通の条件を出して貰った方が…!」
Aブルー「うーん…。君の特技を活かしたいんだけど…」
サム 「他には何もねえと思うぜ?」
ぶるぅの相手も出来やしねえよ、とサム君の言。
サム 「ヤツの悪戯、こなすスキルは持っていねえし…」
ジョミー「あんなの、キースしか無理だってば!」
Aブルー「そういえば、いたね、悪戯が生き甲斐のが…」
アレを丸投げしてもいいかな、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「一晩だけでいいから、頼みたいよね」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「託児だってば、預かりサービス!」
夜は基本は暴れないしね、とソルジャー、うんうん、と。
Aブルー「土鍋の寝床で寝てるだけだし、一晩、お願い!」
シロエ 「ちょ、ちょっと…!」
待って下さい、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「空いてるスペース、ありませんから!」
Aブルー「でもねえ…。お泊まりとなれば、ぶるぅもさ…」
借りて来た猫になるかもだし、とソルジャーの笑み。
Aブルー「土鍋が置けたら、それでオッケー!」
ぶるぅ 「そだね、土鍋の大きさ、こんなのだから」
置く場所、充分、あると思うよ、と家事万能なお子様も。
ぶるぅ 「ご飯は此処で食べればいいから、寝るだけで!」
Aブルー「食事つきなら、ぶるぅも大喜びだよ!」
シロエ 「無理すぎですって!」
普通コースでお願いします、と悲鳴ですけど。
預かれと…?
2025/09/17 (Wed)
☆更に丸投げな人
お盆の後には秋のお彼岸、ノンストップなお坊さんの世界。
今年は残暑が真夏並みだけに、キース君が倒れそうでして。
Aブルー「たかが、ぶるぅを預かるだけでさ…」
ぶるぅ 「お風呂だって、此処で入って行くから大丈夫!」
ホントに後は寝るだけだもん、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「心配だったら、お酒も御馳走しておく!」
シロエ 「それは勘弁して下さい!」
酔っ払ったら恐ろしすぎです、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「暴れられても、どうしようも…!」
キース 「俺は散々、ヤツにやられて来たんだが…?」
シロエ 「知ってますけど、ぼくはスキル不足で…」
先輩のようにはいきませんよ、と逃げを打ちまくり。
シロエ 「そうだ、ぶるぅの件は、ぼくが丸投げします!」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「会長、此処で預かって貰えませんか!?」
借りは必ず返しますから、とシロエ君、土下座。
シロエ 「ぶるぅ的にも、その方が、きっと…!」
ブルー 「うーん…。ぶるぅ、どうする?」
ぶるぅ 「そだね、シロエも困ってるしね…」
貸しにしとけばいいと思うな、とシロエ君をチラリ。
ぶるぅ 「元々、タダって言っているのに、借りたくて…」
ブルー 「ぶるぅを預かる羽目に陥ってるしね…」
自業自得でバカの極み、と生徒会長、冷ややかな視線。
ブルー 「それじゃ、ぶるぅは、お泊まりってことで」
Aブルー「いいのかい?」
ぶるぅ 「今夜でもいいよ、いつでもオッケー!」
Aブルー「ありがとう!」
覗きの被害が激しくてね、とソルジャー、嬉しそう。
Aブルー「今夜、お願い!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅ、喜ぶよ!」
ご馳走を用意しなくっちゃ、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「急いで、買い出し、行って来る!」
ブルー 「そうだね、借りはソレでどうかな?」
一同 「「「えっと…?」」」
ブルー 「シロエのだよ!」
買い出しで借りを返してくれれば、と笑顔ですけど。
借り…?
2025/09/18 (Thu)
☆借りを返すには
お盆が済んだら秋のお彼岸、お坊さんの世界は連続で行事。
其処へ残暑が追い打ちな今年、キース君がバテて倒れそう。
シロエ 「何なんです、ソレ…?」
ブルー 「借りは必ず返しますから、と言っただろう?」
シロエ 「ぼくも、金欠なんですけど!」
キース先輩に負けていません、とシロエ君の悲鳴。
シロエ 「機械弄りは、何かと高価な買い物が多くて…!」
サム 「分かるんだけどよ、お前、自分で言ったんだぜ」
ジョミー「全額は無理でも、出せるだけ、出せば?」
キース 「肉は高いが、野菜とかなら払えそうだぞ」
レアな野菜は無理だろうがな、とキース君も。
キース 「ぶるぅに財布を渡しておけば、その辺は…」
スウェナ「考えて使ってくれそうよね」
サム 「シロエに必須の金を、取り分けておいてよ…」
ジョミー「残りは、お任せでいいと思うな」
最低限だけ取っておけば、とジョミー君もプッシュ。
ジョミー「次のお小遣いが来るまで、要る分をさ」
シロエ 「でもですね…! 不意の出費が多い世界で…」
Aブルー「君が自分で作った借りだし、返さないとね」
丸投げの件を貸しにしようか、とソルジャーの怖い台詞が。
Aブルー「タダでいいって言っていたけど、取り消しで」
シロエ 「やめて下さい!」
赤貧になった方がマシです、とシロエ君が取り出す財布。
シロエ 「えっと…。まだ暑いから、学校で買う飲み物…」
ジョミー「水道の水じゃ、熱中症のリスクあるしね…」
シロエ 「他に必須の買い物、ありましたっけ?」
キース 「特に無くても、少し余裕を持たせることだな」
万年金欠からのアドバイスだ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「足りなくなったら、借りるしかないぞ」
シロエ 「ヤバいですよね、じゃあ、ぶるぅ、残りで…」
ぶるぅ 「んとんと…。お財布、ぼくに渡されても…」
ブルー 「ぶるぅも困るよ、君は労働するんだってば!」
買い出しで借りを返すためにね、と言ってますけど。
労働…?
2025/09/19 (Fri)
☆買い出しは無理
お盆の翌月は秋のお彼岸、立て続けなのがお坊さんの世界。
今年は残暑が厳しいだけに、キース君が倒れそうという話。
シロエ 「労働ですって!?」
ぶるぅ 「えとえと、シロエが何をするわけ?」
全然使えないと思うんだけど、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「食材を選ぶの、無理そうだし…」
シロエ 「当たり前ですよ、魚どころか、野菜だって…!」
鮮度さえも見極められません、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「お手伝い出来るようなスキル、無いです!」
ブルー 「何を言うかな、運ぶだけだよ!」
シロエ 「荷物ですか!?」
ブルー 「ピンポーン!」
頑張りたまえ、と生徒会長、ニッコリ。
ブルー 「ぶるぅ、いいかい、会計が済んだら、渡して…」
ぶるぅ 「シロエが此処まで持って帰るの?」
そんなのはダメ、と即答で却下。
ぶるぅ 「瞬間移動で運んで来ないと、傷んじゃうから!」
一同 「「「あー…」」」
この暑さでは、と誰もが納得の理由。
サム 「肉も魚も、傷んじまうよなあ…」
ジョミー「野菜だって、萎れちゃうしね…」
スウェナ「スパイスとかなら、いけそうだけど…」
ぶるぅ 「そうなの、シロエが運ぶなんて、ダメすぎ!」
でも、お財布も要らないから、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「シロエに借りが出来ちゃうしね!」
一同 「「「は?」」」
ぶるぅ 「シロエのお金で買ったんだ、って思うから…」
それは借りでしょ、と言われてみれば、そうかも。
ぶるぅ 「それじゃ、買い出し、行って来るね!」
シロエ 「あっ、ちょっと…!」
サム 「行っちまったぜ…?」
借りの話はどうなるんだよ、とサム君も皆も、ポカーン。
ブルー 「うーん…。いい方法だと思ったんだけど…」
キース 「俺もだ、しかしシロエの借りは、あんたが…」
Aブルー「握ってるのは、確かだよねえ…」
ブルー 「他にいいのがあったかなあ…?」
シロエに返せそうな借り、と首を捻ってますけど。
ありそう…?
2025/09/20 (Sat)
☆返せそうな借り
お盆が済んだら秋のお彼岸、お坊さんの世界は連続で行事。
更に残暑が厳しいわけで、キース君がバテて倒れそうとか。
Aブルー「タダでいいから、って言ったんだしさ…」
ブルー 「チャラにしておけ、って?」
それは甘すぎ、と生徒会長、シロエ君をジロリ。
ブルー 「キースの家まで、自転車で走る気だったしね」
キース 「そうだが、俺はアンダーを借りられるなら…」
Aブルー「細かいことは言わないよねえ?」
それでこそだよ、とソルジャー、うんうん、と。
Aブルー「ぼくも、お彼岸の法要が出来れば、オッケー!」
ブルー 「なるほど、ソレがあったっけ!」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「借りの話だよ、シロエに返せそうなヤツ!」
労働で返してくれたまえ、と生徒会長が見回す部屋。
ブルー 「法要に使う部屋は此処だし、朝イチで来てさ…」
シロエ 「掃除ですか!?」
ブルー 「ピンポーン!」
ぶるぅ並みの仕上がりを目指すんだね、と極上の笑み。
ブルー 「ぼくがチェックして、いいと言うまで…」
キース 「やり直しなんだな?」
ブルー 「もちろんだよ!」
ぶるぅは掃除監督だけ、とシロエ君に突きつける指。
ブルー 「使う道具や、やり方は教えてくれるから…」
シロエ 「言われる通りに、此処をですか…?」
ブルー 「窓の枠まで、丁寧にね!」
一同 「「「イイネ!」」」
ナイスアイデア、と皆が賛同。
サム 「いいじゃねえかよ、ただの掃除だぜ?」
キース 「かなり広いが、本堂よりは狭いぞ」
Aブルー「心をこめて、掃除してくれたまえ!」
スッポンタケに失礼のないように、とソルジャーも。
Aブルー「よし、これで話は成立だね!」
キース 「有難い。明日から、涼しく月参りが出来るな」
Aブルー「ぼくも安心、お彼岸の法要をして貰えるしね!」
シロエ 「荷物持ちの方が、マシでしたってば!」
Aブルー「頑張りたまえ!」
お彼岸に会おう、と空間移動で消えましたけど。
掃除係…。
2025/09/21 (Sun)
☆掃除係で決定
お盆の翌月は秋のお彼岸、ノンストップなお坊さんの世界。
其処へ残暑が追い打ちでして、倒れそうだったキース君で。
キース 「助かった…。この暑さ、まだ続くらいしな」
サム 「例のアンダーさえあれば、乗り切れるぜ」
幸い、借りも出来てねえしよ、とサム君が眺めるシロエ君。
サム 「勝手に借りを作ったバカが、一人いるけどよ」
ジョミー「此処の掃除は、キツそうだよね…」
ブルー 「ぼくがビシバシ、チェックするしね!」
手抜き無しで、と生徒会長、上機嫌。
ブルー 「ぶるぅも、お膳に専念出来て、喜ぶと思うよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ただいまあ!」
買い出し済んだよ、と料理上手なお子様の帰還。
ぶるぅ 「んとんと、ぶるぅ、いつ来るのかな?」
Aブルー「夜になったら、来させるから!」
その件、忘れていたんだよね、と空間移動で戻った人が。
Aブルー「一晩、お願い! それと、掃除も!」
ぶるぅ 「お掃除?」
何処の、と家事万能なお子様、目が真ん丸。
ぶるぅ 「家中、毎朝、掃除してるよ?」
Aブルー「そうじゃなくって、お彼岸の日にさ…」
ブルー 「シロエが此処を掃除するから、指導係をね」
掃除で借りを返すそうだよ、と生徒会長の笑み。
ブルー 「やり方と道具を教えておけば、後はぼくがさ…」
キース 「監督すると言っているから、それだけでいい」
ぶるぅ 「オッケー! シロエ、頑張ってね!」
それじゃ、ぶるぅの御馳走、用意してくる、とキッチンへ。
シロエ 「マジで掃除で確定ですか…」
Aブルー「文句があるなら、今夜の、ぶるぅを…」
ブルー 「預かってくれても、かまわないけど?」
食事が済んだ後でいいしね、と生徒会長。
ブルー 「それが嫌なら、掃除係で!」
シロエ 「掃除係にしておきます…」
キース 「いい判断だと、俺は思うぞ」
ブルー 「同感だね」
Aブルー「じゃあ、今度こそ、お彼岸に!」
ぶるぅをよろしく、と空間移動で去りましたけど。
掃除決定…。
2025/09/22 (Mon)
☆討ち死にした人
やって来ました、秋のお彼岸。スッポンタケの法要な秋分。
朝イチで生徒会長宅に集合ですけど、玄関前に佇む人たち。
マツカ 「シロエ、大丈夫なんでしょうか…」
ジョミー「なんか入るの、ためらっちゃうよね…」
サム 「あの部屋、無駄に広いんだぜ?」
スウェナ「ブルーが監督してるわけだし、ハードそうよ…」
窓の枠までとか言っていたもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「キースが本堂を掃除するより、キツいかも…」
サム 「あっちは、ルーチンワークだしよ…」
ジョミー「アドス和尚のスイッチ、入らない日はさ…」
マツカ 「さほどチェックはしないでしょうね…」
掃除チェックも手間がかかりますし、とマツカ君の相槌。
マツカ 「目立つ場所さえ綺麗だったら、セーフなのでは」
サム 「端の方まで目を配ってたら、キリがねえしな」
ジョミー「シロエ、どうなってるんだろう…」
スウェナ「気にはなるけど、あまり遅れて入ってくのも…」
ブルーの怒りを招きそうよ、とスウェナちゃんが竦める肩。
スウェナ「誰か、チャイムを押さないと…」
マツカ 「分かりました。ぼくがやります」
皆さん、押したくないでしょうし、とマツカ君が名乗り。
マツカ 「押しますけれど、かまいませんね?」
一同 「「「はいっ!」」」
サッと整列、背筋を正して、マツカ君がチャイム。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃーい!」
マツカ 「すみません、少し遅れたかもです」
ぶるぅ 「ううん、ちっとも!」
お掃除、済んだ所だしね、と跳ねてゆくお子様。
ぶるぅ 「ブルー! みんな、着いたよ!」
ブルー 「ナイスタイミング!」
どうぞ入って、と生徒会長が迎える、いつもの部屋。
ブルー 「其処に死んでる人がいるけど、気にしないで!」
一同 「「「げっ!」」」
ブルー 「平気だってば、討ち死にだしね」
ぶるぅ 「そうなの、疲れて倒れてるだけ!」
じきに起きるよ、と栄養ドリンクの瓶などが。
討ち死に…。
2025/09/23 (Tue)
☆高レベルな掃除
秋分の日は秋のお彼岸のお中日、スッポンタケの法要の日。
生徒会長宅に集う面々、倒れたシロエ君を目にしたわけで。
サム 「マジかよ、掃除で討ち死にってか…?」
ブルー 「明日は筋肉痛でダウンかもねえ…」
柔道部で鍛えてるから、大丈夫かも、と生徒会長。
ブルー 「使わない筋肉を使ってた分は、どうなんだか…」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「柔道と掃除じゃ、違って来るだろう?」
掃き掃除から拭き掃除まで、と生徒会長の説明が。
ブルー 「ビシバシ指導しまくったけど、イマイチで…」
ジョミー「何がイマイチ?」
ブルー 「腰が入ってないと言うかさ…」
キースだったらマシだったかも、と顎に当てる手。
ブルー 「日頃、本堂でやっているしね」
ぶるぅ 「でもでも、お部屋の構造、違いすぎるよ?」
サム 「あっちは襖に障子な世界だっけな…」
ぶるぅ 「そうなの、窓の拭き掃除、あるだろうけど…」
此処とは違ってくると思うの、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「シロエ、頑張ったから、仕上がりはいいよ?」
ブルー 「ぼくが厳しくチェックしたしさ」
スウェナ「埃チェックね?」
ブルー 「絨毯のトコの毛足も、揃えさせたよ!」
綺麗に繋がって見えるようにね、と生徒会長、溢れる自信。
ブルー 「掃除機をかけた跡とか、分からないだろう?」
一同 「「「うーん…」」」
レベル高すぎ、と誰もが唸るしかない、ガチ掃除の流儀。
ブルー 「お蔭で、ぶるぅは、お膳作りに専念出来たし…」
ぶるぅ 「うん、張り切って作っちゃったあ!」
??? 「有難いねえ、スッポンタケも喜ぶよ!」
みんな幸せ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「ぼくは、ぶるぅを一晩、預けて、キースはさ…」
サム 「例のアンダー、大活躍だと聞いてるぜ」
ジョミー「月参りの愚痴、激減したよね」
Aブルー「若干一名、不幸な人が…」
転がってるけど、自業自得で、とバッサリ。
当然かと…。
2025/09/24 (Wed)
☆まだ起きない人
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に朝イチで。
集まった皆が目にしたモノは、掃除で討ち死になシロエ君。
Aブルー「ところで、キースは、来ていないのかい?」
サム 「まだ早すぎるぜ、一応、寺の方もよ…」
ブルー 「最低限の仕事くらいは、して来ないとね」
本堂の掃除、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「前日から用意してあったって、一晩あればさ…」
ぶるぅ 「虫が落ちてることもあるから、お掃除しないと」
スウェナ「そうね、小さな埃よりも虫はアウトよね…」
ぶるぅ 「キースの家だと、凄いの、落ちてそうだしね」
クモの抜け殻、と家事万能なお子様、肩をブルッと。
ぶるぅ 「家がお寺で、裏山もあるし、お庭もあるし…」
Aブルー「クモの抜け殻、凄いのかい?」
目立ちそうではあるけれど、とソルジャーの問い。
Aブルー「一目で分かるサイズなのかな?」
ぶるぅ 「だって、大きさ、このくらいだしね…」
抜け殻だけが丸まっていても、と指で作った小さな輪。
サム 「でけえ…! 3センチくれえでねえの?」
ぶるぅ 「生きてるサイズが、こんなのだよ?」
ぼくの手のひら、と差し出す子供サイズの手のひら。
Aブルー「そんな大きなクモがいるって!?」
ブルー 「いるんだよねえ、キースの家なら出るだろうね」
サム 「目立つなんてモンじゃねえよな…」
ぶるぅ 「抜け殻、あったらマズイでしょ?」
掃除してないことがバレるし、と納得な理由。
ぶるぅ 「お掃除キースが来るより先に、シロエがね…」
ブルー 「起きると思うよ、でないとヤバいし」
法要を欠席しちゃうことになるしね、と生徒会長。
ブルー 「そうなった場合、今度こそ、借りが出来てさ…」
ジョミー「詰みそうだよねえ、シロエ、思いっ切り…」
サム 「起こさなくてもいいのかよ?」
スウェナ「死んじゃってるものね…」
Aブルー「望むトコだよ!」
欠席されても楽しそうだし、と言ってますけど。
貸しにすると…?
2025/09/25 (Thu)
☆叩き起こした人
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、朝イチで集合した面々。
早朝から部屋を掃除していたシロエ君、討ち死に中でして。
ジョミー「シロエ、起きなかったら、貸しにするわけ?」
Aブルー「元々、借りたがっていたしね!」
一同 「「「うわー…」」」
恐ろしすぎる、と誰もがガクブル。
Aブルー「いいかい、起きるまで、起こさないように!」
サム 「起こしたヤツは、同罪かよ?」
Aブルー「シロエの肩を持ったことになるだろう?」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
起こしたら負けだ、と緊張が走った所へ、チャイムの音。
ぶるぅ 「あっ、キースだ! お出迎え、行って来る!」
サム 「マジかよ、シロエ、時間切れだぜ?」
ジョミー「仕方ないって、起こせないから…」
気の毒だけど、とジョミー君が眺める間に、開いた扉。
キース 「邪魔するぞ。…なんだ、そいつは?」
ぶるぅ 「んとんと、シロエ、お掃除疲れで倒れてて…」
キース 「それで、栄養ドリンクなのか?」
ぶるぅ 「そうなの、飲めるトコまで、行ってなくって…」
パワー回復、時間かかりそう、と家事万能なお子様。
ぶるぅ 「キースが着替えしてる間に、起きるかなあ…」
キース 「なんだと、俺だって、掃除して来たんだ!」
そのまま家を出て来たんだが、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「俺が来たのに寝ているだとか、甘すぎだしな!」
Aブルー「あっ、ちょっと!」
キース 「止めるな、性根を叩き直してやる!」
起きろ、とキース君の蹴りが、シロエ君の向こう脛に。
シロエ 「ぎゃっ!!!」
キース 「愚か者めが! よくも呑気に寝やがって!」
シロエ 「キース先輩!?」
蹴りを入れたの、先輩ですか、と足を抱えているシロエ君。
キース 「他に誰がいるんだ、着替えて来る!」
シロエ 「は、はいっ!」
キース 「戻るまでには、復活しておけ!」
Aブルー「うーん、残念…」
想定外の展開だった、と唸っている人が一名。
グッジョブ…。
2025/09/26 (Fri)
☆復活を目指せ
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、キース君も到着でして。
掃除で討ち死にだったシロエ君、蹴られて飛び起きる結末。
シロエ 「いたたた…。キース先輩、容赦なさすぎです…」
サム 「でもよ、お蔭で命拾いなんだぜ?」
ジョミー「そうだよ、あのまま起きなかったらさ…」
最悪の事態になっていたし、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「起こしちゃダメだ、って言われてたわけで…」
シロエ 「誰にですか?」
サム 「心当たりなら、あるんでねえの?」
お前に貸しを作りてえヤツ、とサム君、ソルジャーをチラ。
サム 「特に誰とは言わねえんだけどよ…」
ジョミー「今日が何の日か分かっていれば、分かるよね?」
シロエ 「…ぶるぅを押し付けて来た人でしょうか?」
Aブルー「ピンポーン!」
もう本当に残念でねえ、とソルジャーの深い溜息。
Aブルー「キースが蹴らなきゃ、法要、欠席だったのに…」
シロエ 「ひぃっ!」
Aブルー「起きた以上は、ベストを尽くしてくれたまえ!」
完全復活、掃除疲れを見せないで、と注文が。
Aブルー「栄養ドリンク、一気飲みでね!」
シロエ 「は、はいっ!」
頑張ります、とシロエ君、栄養ドリンクを片っ端から。
Aブルー「いい飲みっぷりだねえ…」
シロエ 「必死ですから!」
Aブルー「おっと、待った!」
ソレは貰うよ、とソルジャーがサッと奪った栄養ドリンク。
Aブルー「ぼくのハーレイ御用達だし、もったいないし!」
シロエ 「でもですね…!」
Aブルー「まむしドリンクでなくても、構わないだろう!」
そのスッポンも寄越したまえ、と奪い取る人。
Aブルー「ぶるぅ、シロエ用には、他のを追加でね!」
ぶるぅ 「オッケー! 復活させればいいんだし…」
シロエ 「何を飲ませるつもりなんです!?」
ぶるぅ 「うんと苦いけど、漢方薬入りの、あるから!」
Aブルー「アルコールじゃなくて…?」
お酒が効くと思うんだけどな、と言ってますけど。
酔えと…?
2025/09/27 (Sat)
☆アルコールよりは
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、キース君の着替え待ち。
掃除疲れで死んだシロエ君、復活しないと詰むわけでして。
シロエ 「アルコールですって!?」
Aブルー「そう! ぼくは強すぎるから、実感ないけど…」
飲むと気分が上がるそうだし、パワーもさ、と笑顔な人。
Aブルー「一気に復活、法要の足の痺れも平気だってば!」
サム 「そりゃまあ、痺れには鈍くなりそうだけどよ…」
ジョミー「眠くなるとか、逆の効果も出て来るんじゃあ?」
シロエ 「そうですよね?」
それくらいなら漢方薬入りので、とシロエ君、必死の形相。
シロエ 「ぶるぅ、持って来て下さい!」
ぶるぅ 「オッケー!」
パッと出掛けて、サッと戻って来た料理上手なお子様。
ぶるぅ 「はい、どうぞ! 口直し用に、水飴もね!」
シロエ 「ありがとうございます!」
グイと飲み干し、咳き込んだ後に、水飴を口一杯に。
シロエ 「…凄い味でしたけど、復活出来た気がします…」
Aブルー「うーん…。惜しい、悪酔い、期待したのに!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「酔って、踊ってくれるかもだし!」
念仏踊りというのがあるそうだしね、と怖い台詞が。
Aブルー「お経に合わせて踊りまくれば、きっと効果が…」
サム 「ねえと思うぜ、逆なんでねえの?」
キース 「……まったくだ……」
部屋の外まで聞こえていたぞ、とキース君が法衣で登場。
キース 「念仏踊りを甘く見るなよ」
Aブルー「踊りの型が難しいのかい?」
キース 「踊る場所にもよって変わるが、本来は…」
ブルー 「盆踊り系のとは違うんだよね…」
踊るのはプロの坊主だからさ、と生徒会長も。
ブルー 「お念仏を唱えながらの、法要みたいなヤツだね」
一同 「「「ええっ!?」」」
キース 「マジでそうだし、シロエには無理だ」
Aブルー「うーん…」
キース 「いいから、サッサと正座しやがれ!」
聞かなかったことにしてやる、と合掌ですけど。
貸しですか…?
2025/09/28 (Sun)
☆ツケにして法要
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、キース君も着替え完了。
正座するよう促してますけど、念仏踊りの話が出ていた今。
シロエ 「キース先輩、今の台詞は貸しなんですか?」
キース 「は?」
シロエ 「念仏踊りの話ですけど、聞かなかったことに…」
しておくんですよね、と掃除疲れから復活したシロエ君。
シロエ 「そういうことなら、貸しかと思いまして…」
サム 「あー…。貸しが出来たと言っていいよなあ…」
ジョミー「うん。念仏踊りを馬鹿にしていた発言だよね…」
酔っ払ったシロエに踊らせるとか、とジョミー君も。
ジョミー「聞かなかったことにするなら、貸しだと思うよ」
キース 「なるほどな…。馬鹿野郎に貸しか…」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
まさか法要キャンセルなのでは、とソルジャー、顔面蒼白。
Aブルー「貸しは嫌だと言い返したら、そうなるわけ!?」
キース 「ほほう…。実に殊勝な心掛けだ」
だったら貸しにしておこう、とキース君が繰る正式な数珠。
キース 「俺は今から法要をやって、貸しはツケておく」
一同 「「「イイネ!」」」
Aブルー「そ、そんな…!」
キース 「愚痴は後にしろ、法要が先だ!」
泣き言は済んでからでいい、とキース君、祭壇の前に正座。
キース 「お前たちも、早く正座しろ!」
一同 「「「はいっ!」」」
急いで正座で並んだ面々、ツケに興味津々な中、法要開始。
キース 「願我~身浄~如香炉~…」
一同 (((始まった…)))
早く終われ、と願う間もツケが気になって、早い時間経過。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((あれ?)))
もう終わりか、と驚くくらいに早く流れた法要の時間。
キース 「南無阿弥陀仏…。皆様、よくお勤めでした」
Aブルー「ありがとう! スッポンタケも喜ぶよ!」
キース 「ときに、さっきのツケの話だが…」
坊主を丁重に扱うのも功徳なんだ、と法話っぽい件。
えっと…?
2025/09/29 (Mon)
☆ツケを返せる話
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、読経の後は法話タイム。
けれどキース君、ツケがどうのと念仏踊りの件を蒸し返し。
Aブルー「ツケの話より、法話じゃないのかい?」
キース 「もちろんだ。だから法話を兼ねているわけで…」
坊主をもてなすことは大切だぞ、と副住職が繰る数珠。
キース 「しかし、あんたは別の世界の住人だしな…」
Aブルー「こっちの世界で、君を接待しろとでも?」
キース 「いや、あんたも俺も、損をしない話があって…」
さっきのツケを返す気は無いか、とキース君の問い。
キース 「あるなら、例のアンダーを貸して欲しくて…」
シロエ 「あー…。今年は、まだまだ暑そうですしね…」
ジョミー「猛暑日は無くても、普通に夏だしさ…」
キース 「涼しくなるまで借りられるんなら、有難い」
月参りで暑いのはキツイからな、とキース君の切実な事情。
キース 「ご高齢の檀家さんだと、もうエアコンは…」
サム 「暦が秋だし、切っているのな…」
キース 「暑さ寒さも彼岸まで、を実践する人も多くて…」
まだ入れていた人も、消している頃だ、と納得の理由。
キース 「アンダーを貸して、功徳を積もうと思わんか?」
Aブルー「貸したら、ツケはチャラになるって?」
キース 「もちろんだ。俺がいいと言うまで、貸してくれ」
今まで通り、顔を合わせないで交換で、と細かい注文も。
キース 「もう不要だ、と思ったら、メモを添えておく」
Aブルー「オッケー、もう早速に、今夜から!」
君の部屋までお届けだよ、と商談成立。
Aブルー「それでチャラだね?」
キース 「後は、阿弥陀様に謝っておけ!」
念仏踊りの件のお詫びで、お念仏を、と指す祭壇。
キース 「正式な作法は、お念仏を十回だ。いいな?」
Aブルー「分かった、お詫びする! 南無阿弥陀仏…」
シロエ 「なんだか平和すぎるんですけど…」
サム 「いいんでねえの?」
いい法要でよ、と和んでますけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/09/30 (Tue)
☆秋なのに真夏
さて9月。シャングリラ学園も、新学期スタートですけど。
暦通りに9月始まり、1日は月曜日でフルに登校して週末。
ジョミー「ブルーの家に来るの、久しぶりだね…」
シロエ 「懐かしい気がして来るくらいに、ご無沙汰です」
サム 「夏休み中は、入り浸っていたしよ…」
海と山の別荘行きの他は殆ど、と嘆きまくりな御一同様。
ジョミー「今年はタダでも暑いのにさ…」
スウェナ「残暑どころか、真夏だわよ、コレ…」
キース 「暑さ寒さも彼岸まで、というのは昔話だな…」
坊主の間でも言われてるぞ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「昔だったら、お盆が済んだら秋風だったそうだ」
シロエ 「ホントですか?」
キース 「親父でさえも、そう言っているぞ」
しかし今では事情が違う、とキース君が眺める窓の方向。
キース 「お彼岸でさえも、今の暑さを引き摺ったまま…」
サム 「墓回向の時期がやって来るのな…」
一同 「「「あー…」」」
そんな時期か、と誰もが愕然。
シロエ 「もしかしなくても、アレが来ますね…」
ジョミー「この間、やったばかりなのに…」
サム 「お前も俺も、他人事ではねえんだぜ?」
坊主の修行を始めた途端に、巻き込まれるぞ、と僧籍な人。
サム 「聞いた話じゃ、一番ハードな時期が今でよ…」
ジョミー「そうなんだ?」
キース 「いいか、お盆が終わった一か月後に…」
お彼岸がやって来るわけでな、とキース君の深い溜息。
キース 「休んでいる暇が、ほんの僅かで…」
サム 「しかも暑くて、キツイ時代になっているしよ…」
キース 「なのに、月参りは復活で…」
暑い中でも回るしかない、と副住職ならではの毎月の仕事。
キース 「例のアンダー、涼しかったんだが…」
シロエ 「頼んで借りたらどうでしょう?」
キース 「お彼岸の法要に、何か注文されそうでな…」
サム 「交換条件、出されるんだぜ…」
頼まねえのが吉でねえの、と言ってますけど。
それはそう…。
2025/09/01 (Mon)
☆暑さは我慢で
お盆が先月だったというのに、お彼岸がやって来るわけで。
暑い今年はキツそうな中、キース君の仕事は月参りも復活。
キース 「借りたら最後、詰む気しかしない」
ジョミー「だよね、暑さは我慢するしか…」
ぼくは棚経の暑さに耐えて自転車、とジョミー君。
ジョミー「キースと違って、暑さ耐性あったけれどさ…」
シロエ 「最後までアンダー、無しでしたよね」
ジョミー「ぼくの分まで、持って来るほど親切じゃないよ」
サム 「どっちかってえと、天然なんじゃね?」
気が利くようなキャラじゃねえし、とサム君のツッコミ。
サム 「二人分とか、考え付きもしねえよ」
スウェナ「言えているわね、でも、逃げ道はあるのよね…」
シロエ 「逃げ道ですか?」
スウェナ「正当な理由と言っていいかも…」
ジョミーには貸せなかった原因、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「だって、サイズが分からないでしょ?」
一同 「「「あー…」」」
キース君のサイズで問題になったヤツ、と一同、納得。
サム 「棚経の最中じゃ、測れねえしなあ…」
シロエ 「第一、調達している暇もありませんよ」
キース先輩のは、空間移動でいけましたが、とシロエ君も。
シロエ 「棚経のルート短縮で、瞬間移動に忙しくて…」
ジョミー「そっか、色々な意味で無理だったんだ…」
仕方ないかな、とジョミー君の苦笑い。
ジョミー「キースも倒れないで済んだし、助かったよ」
サム 「倒れられてたら、俺もセットで地獄でよ…」
シロエ 「アドス和尚も、超多忙でしたよね…」
ブルー 「ピンチヒッター、普段の人は頼めないしね…」
無事に終わって良しとしたまえ、と生徒会長こと銀青様。
ブルー 「帰りにマックで休めたんだし」
シロエ 「あー、その件、気になっていたんですよ!」
スウェナ「法衣のままで行ったわけよね?」
キース 「そうなるな」
ジョミー「着替えられないしね…」
ちょっと場違いだったけどさ、と言われましても。
当然…。
2025/09/02 (Tue)
☆マックは内緒
お盆が終わった次の月には、秋のお彼岸というわけでして。
暑い今年は特にキツくて、月参りもあるキース君ですけど。
シロエ 「それでも、二人で入ったんでしょう?」
キース 「家に帰れば、親父にこき使われるだけだぞ?」
ジョミー「アドス和尚とサムが戻るの、後だろうけど…」
あっちはあっちで忙しいしね、とジョミー君。
ジョミー「実際、ぼくたちが戻った時に、帰ったトコでさ」
サム 「そうなんだよなあ、寄り道していねえのによ…」
マックどころじゃなかったぜ、とサム君の深い溜息。
サム 「アドス和尚はスクーターだし、容赦ねえしよ…」
スウェナ「減速してはくれないのね?」
サム 「例年通りに走っていねえと、間に合わねえし…」
檀家さんにもご迷惑だろ、と僧籍な人の嘆き節。
サム 「キースとジョミーは休んでたとか、思わねえよ」
シロエ 「棚経が終わって、直帰だと信じてたんですね?」
サム 「後になってから此処で聞くまで、勘違いだぜ」
ババを引く羽目になっちまった、とサム君が仰ぐ天井。
サム 「キースは副住職の仕事、あるしよ…」
スウェナ「代わりに何か引き受けたわけ?」
サム 「夕方のお勤め前の、本堂の準備一切…」
ジョミーと一緒にこなしてたんだ、と明かされる事実。
サム 「夕食のお膳を供えて、蝋燭とかもよ…」
シロエ 「それが終わったら、お勤めですね?」
サム 「決まってるじゃねえかよ、お盆なんだぜ?」
出ねえわけにはいかねえだろ、と僧籍な人のお仕事。
サム 「此処でやってる法要並みに、長いヤツをよ…」
スウェナ「やっていたのね…」
サム 「俺もジョミーも、座ってるだけでもよ…」
棚経の後だけにキツイんだぜ、とブツブツブツ。
サム 「マックの話を知っていればよ…」
シロエ 「ジョミー先輩に丸投げしてたんですね?」
サム 「プラス、キースな!」
キース 「すまん…」
しかしマックなんぞ言えるか、と言い訳ですけど。
確かに…。
2025/09/03 (Wed)
☆後悔している人
お盆が終わったと思った途端に、秋のお彼岸なお寺の世界。
今年は暑さが厳しい中で、キース君には月参りまでが復活。
スウェナ「やっぱり、マックは言えないのね?」
キース 「親父なんだぞ、許されるとでも?」
マックの何処が精進料理だ、とキース君が言う通り。
シロエ 「ベジタリアン向けじゃないですよね…」
サム 「ハンバーガー、食って来やがったわけで…」
ドリンクとポテトだけならマシだけどよ、とサム君の言。
サム 「それなら、精進料理で通らねえことも…」
シロエ 「フライドポテトは、ジャガイモですしね…」
スウェナ「ドリンクにしたって、肉じゃないわね…」
サム 「そうしてくれてりゃ、同情の余地も…」
あったんだぜ、とサム君の恨めしそうな表情。
サム 「なんでハンバーガー、食ってたんだよ!」
キース 「肉がアウトの日々がキツくて、限界だったし…」
シロエ 「精進料理は、お盆の間だけでしょう?」
しかも初日じゃないですか、とシロエ君の鋭い指摘。
シロエ 「それとも、イブの期間があるとか?」
キース 「違うが、棚経で疲れ果てても、スタミナ食は…」
お盆が済むまで出て来ないんだ、と副住職の嘆き節。
キース 「例年、ソレでバテているのに、今年は更に…」
ジョミー「熱中症で倒れかけていたんだしさ…」
肉を補給でいいと思う、と僧籍な人の援護射撃が。
ジョミー「焼肉じゃないし、許されそうだよ」
シロエ 「でもですね…。お盆の間に、お坊さんが…」
スウェナ「二人でマックは、マズいんじゃないの?」
ネットで拡散されそうよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「個人情報の問題があるから、顔は隠して…」
シロエ 「隠し撮りして、SNSに…」
UPするのは王道でしょう、とシロエ君も。
シロエ 「店を伏せれば、罪は問われないと思いますよ」
サム 「お前、生き生きしてねえか?」
シロエ 「えっと…」
実はちょっぴり後悔してます、と苦笑ですけど。
何を後悔…?
2025/09/04 (Thu)
☆後悔の理由が謎
お盆の翌月は秋のお彼岸、お坊さんはハードモードな現実。
暑い今年はキツさ格別、キース君は月参りまで復活でして。
サム 「何を後悔してんだよ?」
シロエ 「今の流れでピンと来ませんか?」
一同 「「「えっと…?」」」
後悔するような展開だっけ、と首を傾げる御一同様。
スウェナ「後悔してるの、キースだったら分かるけど…」
サム 「ジョミーの方でも、いけるんだぜ?」
ジョミー「なんで、ぼくが後悔するって?」
スウェナ「決まっているじゃないのよ、マックでしょ!」
棚経の帰りにハンバーガー、とスウェナちゃんのツッコミ。
スウェナ「普段はともかく、お盆の真っ最中なんだから…」
サム 「元老寺で出て来る飯も、精進料理でよ…」
肉を食っていい時期じゃねえだろ、とサム君も。
サム 「キースとジョミーが、後悔ならよ…」
スウェナ「当然なんだけど、シロエは無関係じゃないの」
シロエ 「ええ、その点に関しては」
全くの無関係ですね、とシロエ君、キッパリ。
シロエ 「ぼくが言うのは、他の点です」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「マックは、大いに関係ありますから」
サム 「どの辺がだよ? あっ!?」
もしかして、とサム君、手をポンと。
サム 「時期が時期だけに、イベだったとか?」
一同 「「「イベ?」」」
サム 「ハッピーセットとか、そういうのでよ…」
何かコラボがあったのかも、とサム君の推理。
サム 「マックに行っときゃ、良かったとか?」
ジョミー「そっか、人気商品なら、買っておいてさ…」
スウェナ「転売しちゃえば、儲かるわよね」
キース 「いや、俺の記憶では…」
その手のイベは無かった筈だ、とキース君から証言が。
キース 「棚経の後でバテていたって、あれば気付くぞ」
ジョミー「だよねえ、完売してても分かるだろうし…」
スウェナ「だけど後悔、マックが絡むんでしょ?」
転売の他に何があるのよ、と言ってますけど。
それはそう…。
2025/09/05 (Fri)
☆後悔は隠し撮り
九月に来るのが秋のお彼岸、お坊さんには立て続けなイベ。
お盆が済んだら次が来るわけで、おまけに今年は真夏並み。
シロエ 「ええ、さっきも言った通りです」
サム 「大いに関係あるって言ってたよなあ…」
キース 「あまり考えたくはないんだが…」
それまでの流れからすると、隠し撮りでは、とキース君。
キース 「棚経に行く俺たちを追って、入ったマックで…」
ジョミー「シロエが撮って、拡散なわけ!?」
シロエ 「分かりましたか?」
まさしくソレを後悔してます、とシロエ君、悪びれない顔。
シロエ 「マックに行くのは、間違いないですしね」
一同 「「「うーん…」」」
恐ろしすぎる、と誰もがガクブル。
サム 「マジかよ、お前だったら、投稿者もよ…」
スウェナ「完璧に隠蔽出来そうよね…」
シロエ 「当たり前です、危ない橋は渡りませんって!」
ちょっと細工を、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「その日の内に投稿じゃなくて、日を開けて…」
ジョミー「足がつかないようにするんだ?」
キース 「自分の足取りを消し去る気だな?」
防犯カメラとかにアクセスして、とキース君の問い。
キース 「店内のヤツと、其処までのルート上のを」
シロエ 「ピンポーン! 流石は、キース先輩!」
画像があるのは怖いですしね、とシロエ君の答え。
シロエ 「消すと言うより、ちょっと加工を…」
サム 「モザイクかよ?」
シロエ 「画像が乱れるようにするんですよ」
ごく自然に、と機械弄りが趣味な人。
シロエ 「日を開けるのにも、意味があります」
サム 「防犯カメラ対策かよ?」
一気に片付けるのはマズイとか、とサム君が傾げる首。
サム 「それとも多くて、日がかかるとか?」
シロエ 「投稿用のスマホ待ちです」
キース 「機種変をして、前のを捨てるんだな?」
シロエ 「皆さんのですよ」
一同 「「「は?」」」
何を待つんだ、と一同、キョトンですけど。
スマホですよね…?
2025/09/06 (Sat)
☆他人様ので投稿
秋のお彼岸が来るのが九月、お盆が終わった一カ月後な件。
お坊さんにはハードですけど、今年は残暑が厳しくて真夏。
サム 「俺たちのスマホなんかで、どうすんだよ?」
シロエ 「もちろん、ソレで投稿ですとも!」
誰のにするかは出たトコ勝負で、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「その辺に、ポイと置いてありますしね」
一同 「「「あー…」」」
そういえば、と皆が心当たりな、スマホの放置。
サム 「此処じゃ出番がねえもんな…」
ジョミー「基本、みんなが揃ってるしね…」
キース 「俺も此処では、寺院関係はシャットアウトで…」
たまに親父からの連絡程度、とキース君も。
キース 「無視したらヤバい、と置きっ放しで…」
スウェナ「他のみんなも、事情は同じでしょ?」
マツカ 「そうですね、ぼくも連絡が来るかもですし…」
ジョミー「ぼくもそうだよ、晩ご飯は家族で外食とかさ…」
イレギュラーな連絡が来ても分かるように、とジョミー君。
ジョミー「置いておいたら、一人くらいは気が付くし…」
サム 「今の着信、誰のだった、って言い出すしなあ…」
ソレを期待で、あの辺りに、と指差す所でスマホが充電中。
シロエ 「ぼくのも、あそこにあるわけですから…」
ジョミー「ドサクサ紛れに、誰かのを使って投稿って!?」
シロエ 「ええ。絶対に、気付かれないでしょうね」
こちらに背中を向けてますから、と怖すぎる台詞。
シロエ 「ぼくのスマホに、着信音をセットしておけば…」
サム 「何か来ました、で立って行くってか!?」
シロエ 「誰も疑わないでしょう?」
でもって、適当に一つ選んで、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「用意して来た、捨てアカウントを設定で…」
キース 「俺とジョミーの写真を、投稿なんだな!?」
シロエ 「やっておけば良かったよね、と後悔中です」
一同 「「「うわー…」」」
シロエ 「何か?」
楽しそうだと思いませんか、と笑顔ですけど。
どの辺が…?
2025/09/07 (Sun)
☆投稿は自己責任
お盆の翌月は秋のお彼岸、お坊さんには休む暇が殆ど無し。
今年は残暑が真夏並みなのに、キース君は月参りも復活で。
キース 「投稿した後は、証拠隠滅しておく、と…」
シロエ 「当たり前ですよ、足がついたら困りますから」
設定とかも一瞬で消去、とシロエ君、しれっと。
シロエ 「いくら調べても、辿り着けるの、其処までで…」
サム 「スマホを使われた誰かが、ババを引くのかよ?」
シロエ 「そうなりますね、それもありますので…」
絶対に選ばない人もあります、とシロエ君の笑み。
シロエ 「マツカ先輩は、最優先で除外です」
マツカ 「ぼくなんですか?」
シロエ 「日頃、お世話になっていますし、これからも…」
いて下さらないと、というのが除外の理由。
シロエ 「それに先輩、厄介な話は持って来ません」
ジョミー「じゃあさ、最優先で選ばれそうなの、キース?」
シロエ 「厄病仏な上に、投稿してもセーフでしょう?」
一同 「「「は?」」」
セーフとは、と誰もがキョトン。
サム 「セーフってえのは、何なんだよ?」
シロエ 「アップしたのは、自撮りですしね!」
一同 「「「あー…」」」
キース君を撮った以上は、そうなるか、と皆が愕然。
ジョミー「自撮りだったら、拡散したって…」
スウェナ「アップした自分が悪いだけよね…」
シロエ 「お分かりでしょうか?」
炎上しようが事故責任です、とシロエ君の恐ろしい台詞。
シロエ 「居合わせた人に、記念撮影を頼んだわけで…」
サム 「坊主仲間のインスタとかだと、ウケそうだぜ」
キース 「残念ながら、その通りではある…」
お盆に人気のハッシュタグが亜種だ、とキース君。
キース 「坊さんあるある盆で、一般人が喜ぶヤツで…」
シロエ 「ぼくの投稿、亜種ですか?」
キース 「坊主仲間は内輪で、盛大に…」
サム 「写真アップかよ?」
キース 「武勇伝もな…」
ソレ用に記念写真は有り得る、と呻いてますけど。
マックで…?
2025/09/08 (Mon)
☆詰みそうな投稿
お盆が終わった途端に秋のお彼岸、お坊さんの世界の現実。
暑い今年も例外ではなく、キース君は月参りもこなす日々。
シロエ 「お坊さんが、お盆にマックで自撮りですって?」
キース 「お前は、無いと思っているわけか」
まだまだ甘いぞ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「俺は親父が恐ろしいから、大人しいだけだ」
ジョミー「そうじゃない人、マックなわけ?」
キース 「皆無だったとは断言出来ん」
サム 「マジかよ、やって許されるのかよ…?」
バレなきゃいいって理屈なのかよ、とサム君、愕然。
サム 「言われてみりゃあ、坊さんあるあるの投稿者…」
シロエ 「お坊さんがメインですよね、ウケてるヤツは…」
キース 「気が付いたか?」
一般人が見ている場所でも、あの有様だ、と副住職。
キース 「内輪だったら、誰に遠慮も要らないしな」
ジョミー「じゃあさ、自分が住職やってる人だとさ…」
サム 「若手だったら、マック飯して、投稿ってか?」
キース 「やっていそうなことは認める」
しかし…、とキース君の視線がシロエ君に。
キース 「俺の場合は、親父にバレたら詰みだぞ」
シロエ 「大丈夫ですって、顔は隠しておきますから!」
ジョミー「次があったら、アップするって?」
シロエ 「考え中です、二通りで」
どっちがお得か検討しないと、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「隠し撮りして、表に出すか、脅すかですよね」
一同 「「「うわー…」」」
脅しのネタに使う気か、と一同、ガクブル。
キース 「親父に見せるか、投稿かだな…?」
シロエ 「もちろんですって!」
どっちのコースがお好みでしょう、とシロエ君の笑顔。
シロエ 「どっちも嫌なら、それなりの交換条件を…」
キース 「出して来られても、俺は万年金欠なんだが!」
シロエ 「ぼくだけ、次の法要は欠席していいとか…」
キース 「そう来たか…」
その程度なら俺の裁量だな、と言ってますけど。
法要を欠席…?
2025/09/09 (Tue)
☆マックは禁止で
お盆の一カ月後は秋のお彼岸、お坊さんにはハードモード。
しかも今年はキツイ残暑で、キース君は月参り復活でして。
シロエ 「アドス和尚にバラすのも、投稿もお嫌ですか?」
キース 「そうに決まっているだろう!」
交換条件はソレでいいんだな、とキース君、真剣。
キース 「お前に隠し撮りをされた場合は、欠席許可で」
シロエ 「そのくらいしか、無理そうですしね」
金欠なのは知ってますから、とシロエ君の笑み。
シロエ 「次回に期待してますよ!」
キース 「分かった…」
??? 「君は良くても、良くないから!」
許せないね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「法要を頼んでるのは、ぼくじゃないか!」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!?」
Aブルー「青の間からだよ、面白そうだし覗いてたら…」
酷い展開になりそうだし、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「法要を欠席していいだなんて、有り得ないね!」
シロエ 「でもですね…。キース先輩が…」
Aブルー「俺の裁量だとか言っていたけど、違うってば!」
仕切ってるのは、ぼくなんだから、とソルジャーの言。
Aブルー「キース、今後は、マック禁止で!」
一同 「「「は?」」」
何故にマック、と顔を見合わせる御一同様。
サム 「なんで、マックが出て来るんだよ?」
ジョミー「隠し撮りされるからじゃないのかな?」
Aブルー「ピンポーン!」
普段だったら許すけどね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「法衣の時には、入らないでくれたまえ!」
キース 「そう言われてもだな…!」
坊主仲間の付き合いもあるし、とキース君も必死。
キース 「法衣で焼肉コースも、普通にあるんだ!」
Aブルー「マックくらいは序の口だ、って?」
キース 「それに世間様も、暗黙の了解でスルーだし…」
Aブルー「うーん…」
キース 「文句は、其処のシロエに言え!」
隠し撮りとか言い出したしな、と指摘ですけど。
どうなる…?
2025/09/10 (Wed)
☆ドサクサで決定
お盆が済んだら秋のお彼岸、お坊さんには過酷すぎる時期。
特に今年は厳しい残暑、キース君は普段通りに月参りまで。
シロエ 「ぼくに続きを押し付ける気ですか!?」
キース 「俺にマックを切れと言うのか?」
法衣で出掛ける機会はゼロじゃないぞ、と副住職の反論。
キース 「雲の上でも、ケンタを食ってる世界なんだ!」
一同 「「「は?」」」
キース 「パーティーバーレルを、皆で囲んで…」
ホテルで食うというケースもある、とキース君。
キース 「海外出張で法要の後にやった実例、聞いたしな」
サム 「マジかよ、なんで海外なんだよ?」
キース 「衛生状態がイマイチの国で、法要となると…」
心配なのは飯だからな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「ホテルの飯より、ケンタの方が衛生的だし…」
スウェナ「アレって、国際的な基準があるわけよね?」
マツカ 「ええ。調理場はもちろん、スタッフにしても…」
クリアしないと開店は無理です、とマツカ君の知識。
マツカ 「教育期間を長めにしてでも、完璧にやります」
ジョミー「そっか、ホテルは、其処までは…」
マツカ 「高級ホテルにしたって、怪しいそうですよ」
場所によっては、とマツカ君の苦笑。
マツカ 「現地スタッフを使う以上は、行き届きません」
キース 「そういうことで、安全のために、ケンタで…」
雲の上の皆さんも召し上がったそうだ、と副住職。
キース 「遊び心のある方がトップで、表向きは法要でな」
一同 「「「法要?」」」
キース 「パーティーバーレルにされた、鶏の供養だ」
Aブルー「なるほどねえ…」
やっぱり法要は大事なんだよ、とソルジャー、感激の表情。
Aブルー「シロエも欠席なんて言わずに、出てくれないと」
シロエ 「出ます、出ますから、許して下さい!」
Aブルー「じゃあさ、キース、秋のお彼岸も…」
キース 「承知している、法要だな…」
やるしかなかろう、と法要が決まったようで。
ドサクサ…。
2025/09/11 (Thu)
☆作りたくない借り
お盆の翌月は秋のお彼岸、お坊さんの仕事はノンストップ。
ただでも残暑が厳しい中で、キース君は月参りもある現実。
キース 「此処で法要を断る気力は、俺は、もう無い…」
Aブルー「えっと…?」
大人しいけど、どうしたんだい、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「隠し撮りの件で、気力を使い果たしたとか?」
キース 「それも多少は、無いこともないが…」
Aブルー「他に理由が?」
ジョミー「暑さバテしているからじゃないな」
最初は、そういう話だったよ、とジョミー君が横から。
ジョミー「今年は暑いし、月参りに行くのがキツイって」
サム 「棚経までは、あんたに借りた、アンダーでよ…」
乗り切ってたけど、ソレがねえしな、とサム君も。
サム 「正直、借りてえ気分らしいぜ」
キース 「余計な話はしなくていい!」
借りを作るのは、御免蒙る、とキース君、ピシャリと。
キース 「いいか、あんたも貸してくれるなよ!」
Aブルー「でもねえ…。法要の前に倒れられても…」
キース 「俺はいいんだ、家で寝てれば済むんだしな!」
元老寺でやる法要にだけ、顔を出せば、と副住職。
キース 「体調不良なら親父も許すし、コアタイムだけ…」
サム 「参加しとけばオッケーってか?」
キース 「なにしろ、俺が寝込んでしまえば、大惨事で…」
俺の仕事が全て親父に、とキース君の苦笑い。
キース 「本格的に寝込まれるよりも、手抜き参加をだ…」
サム 「許しといた方が、お得なのな…」
キース 「此処で法要をやっているより、俺も得だし…」
Aブルー「ソレって、ぼくはどうなるのさ!」
スッポンタケだって困るんだけど、とソルジャー、真っ青。
Aブルー「アンダーは貸すから、フルに着てくれたまえ!」
キース 「断固断る、借りは作らん!」
Aブルー「貸したいんだから、借りじゃないって!」
キース 「あんたは信用出来ないんだ!」
借りを作ってたまるもんか、と叫んでますけど。
そうですよね…。
2025/09/12 (Fri)
☆借りてくれない人
九月に来るのが秋のお彼岸、お坊さんには行事が立て続け。
暑い今年はキツすぎるわけで、キース君もバテ気味な様子。
Aブルー「なんで、素直に借りないのさ!」
キース 「自分の行いを思い出してみやがれ!」
どれだけババを引かせたんだ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「あんたに借りを作るよりかは、倒れた方が…」
サム 「マシっぽいよなあ…」
ジョミー「お得そうだよ、元老寺でも休めそうだし」
スウェナ「アドス和尚も公認で、サボれるんだものね…」
法要に出るのは一部だけで、とスウェナちゃんも。
スウェナ「お経を読む間だけ、出てればいいのかしら?」
キース 「そうなるな。雑用は一切、しなくても済む」
寺院関係の控室の準備だとか、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「本堂の方も、お供え物などは俺の仕事で…」
シロエ 「イライザさんじゃないんですか?」
キース 「おふくろは、いわゆる無資格で…」
坊主ならではの作法が出来んからな、と副住職。
キース 「真似事は出来ても、法要の時は通らないんだ」
サム 「あー…。資格がねえと、正式な供え方は…」
Aブルー「出来ないのかい?」
キース 「お供えの効果が、反映されない」
御本尊様とかに届かないしな、とキース君、合掌。
キース 「その辺を親父に丸投げ出来れば、うんとお得だ」
シロエ 「倒れる方向でいいわけですね?」
キース 「こいつに借りは、断固断る!」
Aブルー「困るってば!」
倒れられたら本当に、とソルジャーも必死。
Aブルー「条件は無しで貸すって言うのに!」
キース 「タダほど怖いモノは無いんだ!」
Aブルー「うーん…」
だけど貸したい、とソルジャーが見回す部屋の中。
Aブルー「何か方法、あればいいけど…」
シロエ 「諦めた方が早いですよ?」
Aブルー「あっ、そうか! 丸投げすればいいんだ!」
一同 「「「丸投げ…?」」」
誰に何を丸投げなんだ、と皆がキョトンですけど。
丸投げ…?
2025/09/13 (Sat)
☆丸投げしたい人
お盆の翌月は秋のお彼岸、お坊さんの世界はハードモード。
其処へ残暑が追い打ちでして、キース君が倒れそうだとか。
キース 「おい。丸投げと言うのは、何の話だ?」
Aブルー「君が嫌がる、借りのことだよ!」
貸してあげると言ってるのにさ、とソルジャーの説明。
Aブルー「だけど、借りてはくれないんだし…」
キース 「当然だろうが、俺は借りんぞ!」
Aブルー「でもさ、このまま暑いままだと、体力的にさ…」
キース 「倒れてもいい、と言った筈だが!」
お彼岸の法要は元老寺でやる、とキース君、キッパリ。
キース 「運よく倒れずに乗り切った時は、此処でだ…」
サム 「例の仏様の法要なのな?」
キース 「俺が無事だった場合だけな!」
他は知らん、とスッポンタケの法要は二の次な模様。
キース 「文句は残暑に言えばよかろう!」
Aブルー「それが嫌だから、丸投げだってば!」
其処のシロエに、とソルジャーが指差すシロエ君。
Aブルー「今の流れになった原因、シロエだしね!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「マックの件から、隠し撮りの話へ転がってさ…」
ぼくが出て来たわけだろう、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「キースが嫌がる借りというのを、丸投げで…」
シロエ 「ちょ、ちょっと…!」
待って下さい、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「ぼくは一般人ですよ!?」
Aブルー「何か問題あるのかい?」
シロエ 「大ありですって、丸投げの意味が無いですし!」
法要なんかは出来ませんしね、とシロエ君も必死。
シロエ 「投げるんだったら、サム先輩にでも…!」
サム 「なんで俺だよ!」
ジョミーでいいだろ、とサム君の悲鳴。
サム 「口パク野郎でも、僧籍だしよ!」
ジョミー「嫌すぎるってば!」
Aブルー「慌てなくても、ぼくはシロエで構わないけど?」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「本当だよ!」
ぼくを信じてくれたまえ、と言ってますけど。
信じろと…?
2025/09/14 (Sun)
☆丸投げされる人
お盆が終われば秋のお彼岸、お坊さんには過酷すぎる現実。
其処へ今年は残暑が追い打ち、キース君がバテて倒れそう。
サム 「丸投げ、シロエでオッケーなのかよ?」
ジョミー「ぼくに投げられても、困るんだけどさ…」
ド素人だよ、とジョミー君もポカンとした顔。
ジョミー「シロエに借りを丸投げだなんて、どんなの?」
Aブルー「そのままだけど?」
キースに貸しても嫌がられるしね、とソルジャーの言。
Aブルー「シロエに貸して、シロエからキースに貸せば…」
ジョミー「そっか、キースは無関係なんだ?」
Aブルー「ピンポーン!」
シロエに服を借りるだけだしね、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「キースはシロエの先輩なんだし、借りたって…」
サム 「踏み倒したって、構わねえよな…」
ジョミー「体育会系の上下関係、半端ないしね…」
Aブルー「名案だろう?」
これならキースは借りが出来ない、と自信に溢れた人。
Aブルー「キース、どうかな?」
キース 「確かに、俺は損をしないな…」
受け渡し係もシロエなのか、とキース君の問い。
キース 「あんたがシロエの家に届けて、運ばせると?」
Aブルー「それじゃイマイチ、機動性がね…」
君に直接お届けコースで、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「元々、貸すと言ってたんだし、前と同じで」
キース 「それもシロエにツケておくのか?」
Aブルー「借りが出来ると思われるしね!」
シロエ経由だと考えたまえ、と視線がシロエ君に。
Aブルー「シロエも、その方が楽でいいだろう?」
シロエ 「とんでもない!」
運ばせて下さい、とシロエ君、土下座。
シロエ 「ぼくだって、借りは困りますから!」
Aブルー「丸投げな時点で、借りだってば!」
シロエ 「そう言われても…! 返すアテなんか…!」
Aブルー「タダでいいって言ってるだろう!」
シロエ 「それが怖いんです!」
キース先輩も逃げたんですよ、と慌ててますけど。
その通り…。
2025/09/15 (Mon)
さて9月。シャングリラ学園も、新学期スタートですけど。
暦通りに9月始まり、1日は月曜日でフルに登校して週末。
ジョミー「ブルーの家に来るの、久しぶりだね…」
シロエ 「懐かしい気がして来るくらいに、ご無沙汰です」
サム 「夏休み中は、入り浸っていたしよ…」
海と山の別荘行きの他は殆ど、と嘆きまくりな御一同様。
ジョミー「今年はタダでも暑いのにさ…」
スウェナ「残暑どころか、真夏だわよ、コレ…」
キース 「暑さ寒さも彼岸まで、というのは昔話だな…」
坊主の間でも言われてるぞ、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「昔だったら、お盆が済んだら秋風だったそうだ」
シロエ 「ホントですか?」
キース 「親父でさえも、そう言っているぞ」
しかし今では事情が違う、とキース君が眺める窓の方向。
キース 「お彼岸でさえも、今の暑さを引き摺ったまま…」
サム 「墓回向の時期がやって来るのな…」
一同 「「「あー…」」」
そんな時期か、と誰もが愕然。
シロエ 「もしかしなくても、アレが来ますね…」
ジョミー「この間、やったばかりなのに…」
サム 「お前も俺も、他人事ではねえんだぜ?」
坊主の修行を始めた途端に、巻き込まれるぞ、と僧籍な人。
サム 「聞いた話じゃ、一番ハードな時期が今でよ…」
ジョミー「そうなんだ?」
キース 「いいか、お盆が終わった一か月後に…」
お彼岸がやって来るわけでな、とキース君の深い溜息。
キース 「休んでいる暇が、ほんの僅かで…」
サム 「しかも暑くて、キツイ時代になっているしよ…」
キース 「なのに、月参りは復活で…」
暑い中でも回るしかない、と副住職ならではの毎月の仕事。
キース 「例のアンダー、涼しかったんだが…」
シロエ 「頼んで借りたらどうでしょう?」
キース 「お彼岸の法要に、何か注文されそうでな…」
サム 「交換条件、出されるんだぜ…」
頼まねえのが吉でねえの、と言ってますけど。
それはそう…。
2025/09/01 (Mon)
☆暑さは我慢で
お盆が先月だったというのに、お彼岸がやって来るわけで。
暑い今年はキツそうな中、キース君の仕事は月参りも復活。
キース 「借りたら最後、詰む気しかしない」
ジョミー「だよね、暑さは我慢するしか…」
ぼくは棚経の暑さに耐えて自転車、とジョミー君。
ジョミー「キースと違って、暑さ耐性あったけれどさ…」
シロエ 「最後までアンダー、無しでしたよね」
ジョミー「ぼくの分まで、持って来るほど親切じゃないよ」
サム 「どっちかってえと、天然なんじゃね?」
気が利くようなキャラじゃねえし、とサム君のツッコミ。
サム 「二人分とか、考え付きもしねえよ」
スウェナ「言えているわね、でも、逃げ道はあるのよね…」
シロエ 「逃げ道ですか?」
スウェナ「正当な理由と言っていいかも…」
ジョミーには貸せなかった原因、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「だって、サイズが分からないでしょ?」
一同 「「「あー…」」」
キース君のサイズで問題になったヤツ、と一同、納得。
サム 「棚経の最中じゃ、測れねえしなあ…」
シロエ 「第一、調達している暇もありませんよ」
キース先輩のは、空間移動でいけましたが、とシロエ君も。
シロエ 「棚経のルート短縮で、瞬間移動に忙しくて…」
ジョミー「そっか、色々な意味で無理だったんだ…」
仕方ないかな、とジョミー君の苦笑い。
ジョミー「キースも倒れないで済んだし、助かったよ」
サム 「倒れられてたら、俺もセットで地獄でよ…」
シロエ 「アドス和尚も、超多忙でしたよね…」
ブルー 「ピンチヒッター、普段の人は頼めないしね…」
無事に終わって良しとしたまえ、と生徒会長こと銀青様。
ブルー 「帰りにマックで休めたんだし」
シロエ 「あー、その件、気になっていたんですよ!」
スウェナ「法衣のままで行ったわけよね?」
キース 「そうなるな」
ジョミー「着替えられないしね…」
ちょっと場違いだったけどさ、と言われましても。
当然…。
2025/09/02 (Tue)
☆マックは内緒
お盆が終わった次の月には、秋のお彼岸というわけでして。
暑い今年は特にキツくて、月参りもあるキース君ですけど。
シロエ 「それでも、二人で入ったんでしょう?」
キース 「家に帰れば、親父にこき使われるだけだぞ?」
ジョミー「アドス和尚とサムが戻るの、後だろうけど…」
あっちはあっちで忙しいしね、とジョミー君。
ジョミー「実際、ぼくたちが戻った時に、帰ったトコでさ」
サム 「そうなんだよなあ、寄り道していねえのによ…」
マックどころじゃなかったぜ、とサム君の深い溜息。
サム 「アドス和尚はスクーターだし、容赦ねえしよ…」
スウェナ「減速してはくれないのね?」
サム 「例年通りに走っていねえと、間に合わねえし…」
檀家さんにもご迷惑だろ、と僧籍な人の嘆き節。
サム 「キースとジョミーは休んでたとか、思わねえよ」
シロエ 「棚経が終わって、直帰だと信じてたんですね?」
サム 「後になってから此処で聞くまで、勘違いだぜ」
ババを引く羽目になっちまった、とサム君が仰ぐ天井。
サム 「キースは副住職の仕事、あるしよ…」
スウェナ「代わりに何か引き受けたわけ?」
サム 「夕方のお勤め前の、本堂の準備一切…」
ジョミーと一緒にこなしてたんだ、と明かされる事実。
サム 「夕食のお膳を供えて、蝋燭とかもよ…」
シロエ 「それが終わったら、お勤めですね?」
サム 「決まってるじゃねえかよ、お盆なんだぜ?」
出ねえわけにはいかねえだろ、と僧籍な人のお仕事。
サム 「此処でやってる法要並みに、長いヤツをよ…」
スウェナ「やっていたのね…」
サム 「俺もジョミーも、座ってるだけでもよ…」
棚経の後だけにキツイんだぜ、とブツブツブツ。
サム 「マックの話を知っていればよ…」
シロエ 「ジョミー先輩に丸投げしてたんですね?」
サム 「プラス、キースな!」
キース 「すまん…」
しかしマックなんぞ言えるか、と言い訳ですけど。
確かに…。
2025/09/03 (Wed)
☆後悔している人
お盆が終わったと思った途端に、秋のお彼岸なお寺の世界。
今年は暑さが厳しい中で、キース君には月参りまでが復活。
スウェナ「やっぱり、マックは言えないのね?」
キース 「親父なんだぞ、許されるとでも?」
マックの何処が精進料理だ、とキース君が言う通り。
シロエ 「ベジタリアン向けじゃないですよね…」
サム 「ハンバーガー、食って来やがったわけで…」
ドリンクとポテトだけならマシだけどよ、とサム君の言。
サム 「それなら、精進料理で通らねえことも…」
シロエ 「フライドポテトは、ジャガイモですしね…」
スウェナ「ドリンクにしたって、肉じゃないわね…」
サム 「そうしてくれてりゃ、同情の余地も…」
あったんだぜ、とサム君の恨めしそうな表情。
サム 「なんでハンバーガー、食ってたんだよ!」
キース 「肉がアウトの日々がキツくて、限界だったし…」
シロエ 「精進料理は、お盆の間だけでしょう?」
しかも初日じゃないですか、とシロエ君の鋭い指摘。
シロエ 「それとも、イブの期間があるとか?」
キース 「違うが、棚経で疲れ果てても、スタミナ食は…」
お盆が済むまで出て来ないんだ、と副住職の嘆き節。
キース 「例年、ソレでバテているのに、今年は更に…」
ジョミー「熱中症で倒れかけていたんだしさ…」
肉を補給でいいと思う、と僧籍な人の援護射撃が。
ジョミー「焼肉じゃないし、許されそうだよ」
シロエ 「でもですね…。お盆の間に、お坊さんが…」
スウェナ「二人でマックは、マズいんじゃないの?」
ネットで拡散されそうよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「個人情報の問題があるから、顔は隠して…」
シロエ 「隠し撮りして、SNSに…」
UPするのは王道でしょう、とシロエ君も。
シロエ 「店を伏せれば、罪は問われないと思いますよ」
サム 「お前、生き生きしてねえか?」
シロエ 「えっと…」
実はちょっぴり後悔してます、と苦笑ですけど。
何を後悔…?
2025/09/04 (Thu)
☆後悔の理由が謎
お盆の翌月は秋のお彼岸、お坊さんはハードモードな現実。
暑い今年はキツさ格別、キース君は月参りまで復活でして。
サム 「何を後悔してんだよ?」
シロエ 「今の流れでピンと来ませんか?」
一同 「「「えっと…?」」」
後悔するような展開だっけ、と首を傾げる御一同様。
スウェナ「後悔してるの、キースだったら分かるけど…」
サム 「ジョミーの方でも、いけるんだぜ?」
ジョミー「なんで、ぼくが後悔するって?」
スウェナ「決まっているじゃないのよ、マックでしょ!」
棚経の帰りにハンバーガー、とスウェナちゃんのツッコミ。
スウェナ「普段はともかく、お盆の真っ最中なんだから…」
サム 「元老寺で出て来る飯も、精進料理でよ…」
肉を食っていい時期じゃねえだろ、とサム君も。
サム 「キースとジョミーが、後悔ならよ…」
スウェナ「当然なんだけど、シロエは無関係じゃないの」
シロエ 「ええ、その点に関しては」
全くの無関係ですね、とシロエ君、キッパリ。
シロエ 「ぼくが言うのは、他の点です」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「マックは、大いに関係ありますから」
サム 「どの辺がだよ? あっ!?」
もしかして、とサム君、手をポンと。
サム 「時期が時期だけに、イベだったとか?」
一同 「「「イベ?」」」
サム 「ハッピーセットとか、そういうのでよ…」
何かコラボがあったのかも、とサム君の推理。
サム 「マックに行っときゃ、良かったとか?」
ジョミー「そっか、人気商品なら、買っておいてさ…」
スウェナ「転売しちゃえば、儲かるわよね」
キース 「いや、俺の記憶では…」
その手のイベは無かった筈だ、とキース君から証言が。
キース 「棚経の後でバテていたって、あれば気付くぞ」
ジョミー「だよねえ、完売してても分かるだろうし…」
スウェナ「だけど後悔、マックが絡むんでしょ?」
転売の他に何があるのよ、と言ってますけど。
それはそう…。
2025/09/05 (Fri)
☆後悔は隠し撮り
九月に来るのが秋のお彼岸、お坊さんには立て続けなイベ。
お盆が済んだら次が来るわけで、おまけに今年は真夏並み。
シロエ 「ええ、さっきも言った通りです」
サム 「大いに関係あるって言ってたよなあ…」
キース 「あまり考えたくはないんだが…」
それまでの流れからすると、隠し撮りでは、とキース君。
キース 「棚経に行く俺たちを追って、入ったマックで…」
ジョミー「シロエが撮って、拡散なわけ!?」
シロエ 「分かりましたか?」
まさしくソレを後悔してます、とシロエ君、悪びれない顔。
シロエ 「マックに行くのは、間違いないですしね」
一同 「「「うーん…」」」
恐ろしすぎる、と誰もがガクブル。
サム 「マジかよ、お前だったら、投稿者もよ…」
スウェナ「完璧に隠蔽出来そうよね…」
シロエ 「当たり前です、危ない橋は渡りませんって!」
ちょっと細工を、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「その日の内に投稿じゃなくて、日を開けて…」
ジョミー「足がつかないようにするんだ?」
キース 「自分の足取りを消し去る気だな?」
防犯カメラとかにアクセスして、とキース君の問い。
キース 「店内のヤツと、其処までのルート上のを」
シロエ 「ピンポーン! 流石は、キース先輩!」
画像があるのは怖いですしね、とシロエ君の答え。
シロエ 「消すと言うより、ちょっと加工を…」
サム 「モザイクかよ?」
シロエ 「画像が乱れるようにするんですよ」
ごく自然に、と機械弄りが趣味な人。
シロエ 「日を開けるのにも、意味があります」
サム 「防犯カメラ対策かよ?」
一気に片付けるのはマズイとか、とサム君が傾げる首。
サム 「それとも多くて、日がかかるとか?」
シロエ 「投稿用のスマホ待ちです」
キース 「機種変をして、前のを捨てるんだな?」
シロエ 「皆さんのですよ」
一同 「「「は?」」」
何を待つんだ、と一同、キョトンですけど。
スマホですよね…?
2025/09/06 (Sat)
☆他人様ので投稿
秋のお彼岸が来るのが九月、お盆が終わった一カ月後な件。
お坊さんにはハードですけど、今年は残暑が厳しくて真夏。
サム 「俺たちのスマホなんかで、どうすんだよ?」
シロエ 「もちろん、ソレで投稿ですとも!」
誰のにするかは出たトコ勝負で、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「その辺に、ポイと置いてありますしね」
一同 「「「あー…」」」
そういえば、と皆が心当たりな、スマホの放置。
サム 「此処じゃ出番がねえもんな…」
ジョミー「基本、みんなが揃ってるしね…」
キース 「俺も此処では、寺院関係はシャットアウトで…」
たまに親父からの連絡程度、とキース君も。
キース 「無視したらヤバい、と置きっ放しで…」
スウェナ「他のみんなも、事情は同じでしょ?」
マツカ 「そうですね、ぼくも連絡が来るかもですし…」
ジョミー「ぼくもそうだよ、晩ご飯は家族で外食とかさ…」
イレギュラーな連絡が来ても分かるように、とジョミー君。
ジョミー「置いておいたら、一人くらいは気が付くし…」
サム 「今の着信、誰のだった、って言い出すしなあ…」
ソレを期待で、あの辺りに、と指差す所でスマホが充電中。
シロエ 「ぼくのも、あそこにあるわけですから…」
ジョミー「ドサクサ紛れに、誰かのを使って投稿って!?」
シロエ 「ええ。絶対に、気付かれないでしょうね」
こちらに背中を向けてますから、と怖すぎる台詞。
シロエ 「ぼくのスマホに、着信音をセットしておけば…」
サム 「何か来ました、で立って行くってか!?」
シロエ 「誰も疑わないでしょう?」
でもって、適当に一つ選んで、とシロエ君、ニッコリ。
シロエ 「用意して来た、捨てアカウントを設定で…」
キース 「俺とジョミーの写真を、投稿なんだな!?」
シロエ 「やっておけば良かったよね、と後悔中です」
一同 「「「うわー…」」」
シロエ 「何か?」
楽しそうだと思いませんか、と笑顔ですけど。
どの辺が…?
2025/09/07 (Sun)
☆投稿は自己責任
お盆の翌月は秋のお彼岸、お坊さんには休む暇が殆ど無し。
今年は残暑が真夏並みなのに、キース君は月参りも復活で。
キース 「投稿した後は、証拠隠滅しておく、と…」
シロエ 「当たり前ですよ、足がついたら困りますから」
設定とかも一瞬で消去、とシロエ君、しれっと。
シロエ 「いくら調べても、辿り着けるの、其処までで…」
サム 「スマホを使われた誰かが、ババを引くのかよ?」
シロエ 「そうなりますね、それもありますので…」
絶対に選ばない人もあります、とシロエ君の笑み。
シロエ 「マツカ先輩は、最優先で除外です」
マツカ 「ぼくなんですか?」
シロエ 「日頃、お世話になっていますし、これからも…」
いて下さらないと、というのが除外の理由。
シロエ 「それに先輩、厄介な話は持って来ません」
ジョミー「じゃあさ、最優先で選ばれそうなの、キース?」
シロエ 「厄病仏な上に、投稿してもセーフでしょう?」
一同 「「「は?」」」
セーフとは、と誰もがキョトン。
サム 「セーフってえのは、何なんだよ?」
シロエ 「アップしたのは、自撮りですしね!」
一同 「「「あー…」」」
キース君を撮った以上は、そうなるか、と皆が愕然。
ジョミー「自撮りだったら、拡散したって…」
スウェナ「アップした自分が悪いだけよね…」
シロエ 「お分かりでしょうか?」
炎上しようが事故責任です、とシロエ君の恐ろしい台詞。
シロエ 「居合わせた人に、記念撮影を頼んだわけで…」
サム 「坊主仲間のインスタとかだと、ウケそうだぜ」
キース 「残念ながら、その通りではある…」
お盆に人気のハッシュタグが亜種だ、とキース君。
キース 「坊さんあるある盆で、一般人が喜ぶヤツで…」
シロエ 「ぼくの投稿、亜種ですか?」
キース 「坊主仲間は内輪で、盛大に…」
サム 「写真アップかよ?」
キース 「武勇伝もな…」
ソレ用に記念写真は有り得る、と呻いてますけど。
マックで…?
2025/09/08 (Mon)
☆詰みそうな投稿
お盆が終わった途端に秋のお彼岸、お坊さんの世界の現実。
暑い今年も例外ではなく、キース君は月参りもこなす日々。
シロエ 「お坊さんが、お盆にマックで自撮りですって?」
キース 「お前は、無いと思っているわけか」
まだまだ甘いぞ、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「俺は親父が恐ろしいから、大人しいだけだ」
ジョミー「そうじゃない人、マックなわけ?」
キース 「皆無だったとは断言出来ん」
サム 「マジかよ、やって許されるのかよ…?」
バレなきゃいいって理屈なのかよ、とサム君、愕然。
サム 「言われてみりゃあ、坊さんあるあるの投稿者…」
シロエ 「お坊さんがメインですよね、ウケてるヤツは…」
キース 「気が付いたか?」
一般人が見ている場所でも、あの有様だ、と副住職。
キース 「内輪だったら、誰に遠慮も要らないしな」
ジョミー「じゃあさ、自分が住職やってる人だとさ…」
サム 「若手だったら、マック飯して、投稿ってか?」
キース 「やっていそうなことは認める」
しかし…、とキース君の視線がシロエ君に。
キース 「俺の場合は、親父にバレたら詰みだぞ」
シロエ 「大丈夫ですって、顔は隠しておきますから!」
ジョミー「次があったら、アップするって?」
シロエ 「考え中です、二通りで」
どっちがお得か検討しないと、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「隠し撮りして、表に出すか、脅すかですよね」
一同 「「「うわー…」」」
脅しのネタに使う気か、と一同、ガクブル。
キース 「親父に見せるか、投稿かだな…?」
シロエ 「もちろんですって!」
どっちのコースがお好みでしょう、とシロエ君の笑顔。
シロエ 「どっちも嫌なら、それなりの交換条件を…」
キース 「出して来られても、俺は万年金欠なんだが!」
シロエ 「ぼくだけ、次の法要は欠席していいとか…」
キース 「そう来たか…」
その程度なら俺の裁量だな、と言ってますけど。
法要を欠席…?
2025/09/09 (Tue)
☆マックは禁止で
お盆の一カ月後は秋のお彼岸、お坊さんにはハードモード。
しかも今年はキツイ残暑で、キース君は月参り復活でして。
シロエ 「アドス和尚にバラすのも、投稿もお嫌ですか?」
キース 「そうに決まっているだろう!」
交換条件はソレでいいんだな、とキース君、真剣。
キース 「お前に隠し撮りをされた場合は、欠席許可で」
シロエ 「そのくらいしか、無理そうですしね」
金欠なのは知ってますから、とシロエ君の笑み。
シロエ 「次回に期待してますよ!」
キース 「分かった…」
??? 「君は良くても、良くないから!」
許せないね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「法要を頼んでるのは、ぼくじゃないか!」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!?」
Aブルー「青の間からだよ、面白そうだし覗いてたら…」
酷い展開になりそうだし、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「法要を欠席していいだなんて、有り得ないね!」
シロエ 「でもですね…。キース先輩が…」
Aブルー「俺の裁量だとか言っていたけど、違うってば!」
仕切ってるのは、ぼくなんだから、とソルジャーの言。
Aブルー「キース、今後は、マック禁止で!」
一同 「「「は?」」」
何故にマック、と顔を見合わせる御一同様。
サム 「なんで、マックが出て来るんだよ?」
ジョミー「隠し撮りされるからじゃないのかな?」
Aブルー「ピンポーン!」
普段だったら許すけどね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「法衣の時には、入らないでくれたまえ!」
キース 「そう言われてもだな…!」
坊主仲間の付き合いもあるし、とキース君も必死。
キース 「法衣で焼肉コースも、普通にあるんだ!」
Aブルー「マックくらいは序の口だ、って?」
キース 「それに世間様も、暗黙の了解でスルーだし…」
Aブルー「うーん…」
キース 「文句は、其処のシロエに言え!」
隠し撮りとか言い出したしな、と指摘ですけど。
どうなる…?
2025/09/10 (Wed)
☆ドサクサで決定
お盆が済んだら秋のお彼岸、お坊さんには過酷すぎる時期。
特に今年は厳しい残暑、キース君は普段通りに月参りまで。
シロエ 「ぼくに続きを押し付ける気ですか!?」
キース 「俺にマックを切れと言うのか?」
法衣で出掛ける機会はゼロじゃないぞ、と副住職の反論。
キース 「雲の上でも、ケンタを食ってる世界なんだ!」
一同 「「「は?」」」
キース 「パーティーバーレルを、皆で囲んで…」
ホテルで食うというケースもある、とキース君。
キース 「海外出張で法要の後にやった実例、聞いたしな」
サム 「マジかよ、なんで海外なんだよ?」
キース 「衛生状態がイマイチの国で、法要となると…」
心配なのは飯だからな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「ホテルの飯より、ケンタの方が衛生的だし…」
スウェナ「アレって、国際的な基準があるわけよね?」
マツカ 「ええ。調理場はもちろん、スタッフにしても…」
クリアしないと開店は無理です、とマツカ君の知識。
マツカ 「教育期間を長めにしてでも、完璧にやります」
ジョミー「そっか、ホテルは、其処までは…」
マツカ 「高級ホテルにしたって、怪しいそうですよ」
場所によっては、とマツカ君の苦笑。
マツカ 「現地スタッフを使う以上は、行き届きません」
キース 「そういうことで、安全のために、ケンタで…」
雲の上の皆さんも召し上がったそうだ、と副住職。
キース 「遊び心のある方がトップで、表向きは法要でな」
一同 「「「法要?」」」
キース 「パーティーバーレルにされた、鶏の供養だ」
Aブルー「なるほどねえ…」
やっぱり法要は大事なんだよ、とソルジャー、感激の表情。
Aブルー「シロエも欠席なんて言わずに、出てくれないと」
シロエ 「出ます、出ますから、許して下さい!」
Aブルー「じゃあさ、キース、秋のお彼岸も…」
キース 「承知している、法要だな…」
やるしかなかろう、と法要が決まったようで。
ドサクサ…。
2025/09/11 (Thu)
☆作りたくない借り
お盆の翌月は秋のお彼岸、お坊さんの仕事はノンストップ。
ただでも残暑が厳しい中で、キース君は月参りもある現実。
キース 「此処で法要を断る気力は、俺は、もう無い…」
Aブルー「えっと…?」
大人しいけど、どうしたんだい、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「隠し撮りの件で、気力を使い果たしたとか?」
キース 「それも多少は、無いこともないが…」
Aブルー「他に理由が?」
ジョミー「暑さバテしているからじゃないな」
最初は、そういう話だったよ、とジョミー君が横から。
ジョミー「今年は暑いし、月参りに行くのがキツイって」
サム 「棚経までは、あんたに借りた、アンダーでよ…」
乗り切ってたけど、ソレがねえしな、とサム君も。
サム 「正直、借りてえ気分らしいぜ」
キース 「余計な話はしなくていい!」
借りを作るのは、御免蒙る、とキース君、ピシャリと。
キース 「いいか、あんたも貸してくれるなよ!」
Aブルー「でもねえ…。法要の前に倒れられても…」
キース 「俺はいいんだ、家で寝てれば済むんだしな!」
元老寺でやる法要にだけ、顔を出せば、と副住職。
キース 「体調不良なら親父も許すし、コアタイムだけ…」
サム 「参加しとけばオッケーってか?」
キース 「なにしろ、俺が寝込んでしまえば、大惨事で…」
俺の仕事が全て親父に、とキース君の苦笑い。
キース 「本格的に寝込まれるよりも、手抜き参加をだ…」
サム 「許しといた方が、お得なのな…」
キース 「此処で法要をやっているより、俺も得だし…」
Aブルー「ソレって、ぼくはどうなるのさ!」
スッポンタケだって困るんだけど、とソルジャー、真っ青。
Aブルー「アンダーは貸すから、フルに着てくれたまえ!」
キース 「断固断る、借りは作らん!」
Aブルー「貸したいんだから、借りじゃないって!」
キース 「あんたは信用出来ないんだ!」
借りを作ってたまるもんか、と叫んでますけど。
そうですよね…。
2025/09/12 (Fri)
☆借りてくれない人
九月に来るのが秋のお彼岸、お坊さんには行事が立て続け。
暑い今年はキツすぎるわけで、キース君もバテ気味な様子。
Aブルー「なんで、素直に借りないのさ!」
キース 「自分の行いを思い出してみやがれ!」
どれだけババを引かせたんだ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「あんたに借りを作るよりかは、倒れた方が…」
サム 「マシっぽいよなあ…」
ジョミー「お得そうだよ、元老寺でも休めそうだし」
スウェナ「アドス和尚も公認で、サボれるんだものね…」
法要に出るのは一部だけで、とスウェナちゃんも。
スウェナ「お経を読む間だけ、出てればいいのかしら?」
キース 「そうなるな。雑用は一切、しなくても済む」
寺院関係の控室の準備だとか、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「本堂の方も、お供え物などは俺の仕事で…」
シロエ 「イライザさんじゃないんですか?」
キース 「おふくろは、いわゆる無資格で…」
坊主ならではの作法が出来んからな、と副住職。
キース 「真似事は出来ても、法要の時は通らないんだ」
サム 「あー…。資格がねえと、正式な供え方は…」
Aブルー「出来ないのかい?」
キース 「お供えの効果が、反映されない」
御本尊様とかに届かないしな、とキース君、合掌。
キース 「その辺を親父に丸投げ出来れば、うんとお得だ」
シロエ 「倒れる方向でいいわけですね?」
キース 「こいつに借りは、断固断る!」
Aブルー「困るってば!」
倒れられたら本当に、とソルジャーも必死。
Aブルー「条件は無しで貸すって言うのに!」
キース 「タダほど怖いモノは無いんだ!」
Aブルー「うーん…」
だけど貸したい、とソルジャーが見回す部屋の中。
Aブルー「何か方法、あればいいけど…」
シロエ 「諦めた方が早いですよ?」
Aブルー「あっ、そうか! 丸投げすればいいんだ!」
一同 「「「丸投げ…?」」」
誰に何を丸投げなんだ、と皆がキョトンですけど。
丸投げ…?
2025/09/13 (Sat)
☆丸投げしたい人
お盆の翌月は秋のお彼岸、お坊さんの世界はハードモード。
其処へ残暑が追い打ちでして、キース君が倒れそうだとか。
キース 「おい。丸投げと言うのは、何の話だ?」
Aブルー「君が嫌がる、借りのことだよ!」
貸してあげると言ってるのにさ、とソルジャーの説明。
Aブルー「だけど、借りてはくれないんだし…」
キース 「当然だろうが、俺は借りんぞ!」
Aブルー「でもさ、このまま暑いままだと、体力的にさ…」
キース 「倒れてもいい、と言った筈だが!」
お彼岸の法要は元老寺でやる、とキース君、キッパリ。
キース 「運よく倒れずに乗り切った時は、此処でだ…」
サム 「例の仏様の法要なのな?」
キース 「俺が無事だった場合だけな!」
他は知らん、とスッポンタケの法要は二の次な模様。
キース 「文句は残暑に言えばよかろう!」
Aブルー「それが嫌だから、丸投げだってば!」
其処のシロエに、とソルジャーが指差すシロエ君。
Aブルー「今の流れになった原因、シロエだしね!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「マックの件から、隠し撮りの話へ転がってさ…」
ぼくが出て来たわけだろう、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「キースが嫌がる借りというのを、丸投げで…」
シロエ 「ちょ、ちょっと…!」
待って下さい、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「ぼくは一般人ですよ!?」
Aブルー「何か問題あるのかい?」
シロエ 「大ありですって、丸投げの意味が無いですし!」
法要なんかは出来ませんしね、とシロエ君も必死。
シロエ 「投げるんだったら、サム先輩にでも…!」
サム 「なんで俺だよ!」
ジョミーでいいだろ、とサム君の悲鳴。
サム 「口パク野郎でも、僧籍だしよ!」
ジョミー「嫌すぎるってば!」
Aブルー「慌てなくても、ぼくはシロエで構わないけど?」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「本当だよ!」
ぼくを信じてくれたまえ、と言ってますけど。
信じろと…?
2025/09/14 (Sun)
☆丸投げされる人
お盆が終われば秋のお彼岸、お坊さんには過酷すぎる現実。
其処へ今年は残暑が追い打ち、キース君がバテて倒れそう。
サム 「丸投げ、シロエでオッケーなのかよ?」
ジョミー「ぼくに投げられても、困るんだけどさ…」
ド素人だよ、とジョミー君もポカンとした顔。
ジョミー「シロエに借りを丸投げだなんて、どんなの?」
Aブルー「そのままだけど?」
キースに貸しても嫌がられるしね、とソルジャーの言。
Aブルー「シロエに貸して、シロエからキースに貸せば…」
ジョミー「そっか、キースは無関係なんだ?」
Aブルー「ピンポーン!」
シロエに服を借りるだけだしね、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「キースはシロエの先輩なんだし、借りたって…」
サム 「踏み倒したって、構わねえよな…」
ジョミー「体育会系の上下関係、半端ないしね…」
Aブルー「名案だろう?」
これならキースは借りが出来ない、と自信に溢れた人。
Aブルー「キース、どうかな?」
キース 「確かに、俺は損をしないな…」
受け渡し係もシロエなのか、とキース君の問い。
キース 「あんたがシロエの家に届けて、運ばせると?」
Aブルー「それじゃイマイチ、機動性がね…」
君に直接お届けコースで、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「元々、貸すと言ってたんだし、前と同じで」
キース 「それもシロエにツケておくのか?」
Aブルー「借りが出来ると思われるしね!」
シロエ経由だと考えたまえ、と視線がシロエ君に。
Aブルー「シロエも、その方が楽でいいだろう?」
シロエ 「とんでもない!」
運ばせて下さい、とシロエ君、土下座。
シロエ 「ぼくだって、借りは困りますから!」
Aブルー「丸投げな時点で、借りだってば!」
シロエ 「そう言われても…! 返すアテなんか…!」
Aブルー「タダでいいって言ってるだろう!」
シロエ 「それが怖いんです!」
キース先輩も逃げたんですよ、と慌ててますけど。
その通り…。
2025/09/15 (Mon)
☆時短用に非ず
お盆と言えばスッポンタケの棚経、今年も朝イチで集合で。
生徒会長宅に来ている面々、僧籍な人は不在で数が少なめ。
ブルー 「お経の本を読んでる言葉は、この国の音だよ?」
シロエ 「確かにそうです…」
マツカ 「すると、棚経のお経は短時間でも…」
お釈迦様の国の言葉で有難いんですか、とマツカ君の問い。
マツカ 「倍にするなら、この国の言葉に訳すとかで?」
ブルー 「うーん…。時短用というわけじゃないから…」
訳してみても意味は無さそう、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「それよりも前に、お約束で縛られてるし…」
シロエ 「棚経用のお経がですか?」
ブルー 「そうなんだけど、君たちが言う呪文の方もさ…」
訳しちゃったらアウトなんだよ、と生徒会長の真剣な顔。
ブルー 「般若心経は知っているよね?」
シロエ 「キース先輩が、ソレイド八十八カ所に…」
スウェナ「行っていた時に、見物がてら、ついてったし…」
マツカ 「あの時、何度か読んでますよね」
御朱印集めに必須でしたし、とマツカ君が浮かべる苦笑。
マツカ 「読経しないと、御朱印が貰えない札所が…」
シロエ 「あったんですよね、厳しかったです…」
スウェナ「本堂と大師堂、二カ所なのよね…」
嫌でも二回だったわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「でも、般若心経がどうしたのよ?」
ブルー 「ラスト近くに、謎の呪文があっただろう?」
シロエ 「言われてみれば、あったかもです」
マツカ 「ありますね…」
呪文に意味があるんですか、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「あの部分だけは訳せないとか?」
ブルー 「ピンポーン!」
さっき言ってた件がソレだよ、と生徒会長、合掌して一礼。
ブルー 「お釈迦様の国の言葉でないと、効果が無いわけ」
一同 「「「ええっ!?」」」
ブルー 「棚経用のも、理屈は同じでさ…」
シロエ 「訳して時間延長は…」
出来ないんですね、とシロエ君が頷いてますけど。
倍は無理…?
2025/08/16 (Sat)
☆断られた延長
今年もスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅ですけど。
僧籍の人は棚経中で、他の面子がソルジャー待ちな仕組み。
シロエ 「するとやっぱり、時間延長はお経を二倍ですか」
??? 「そう願いたいけど、断られたよ!」
一瞬でね、とソルジャー(会話表記はAブルー)が登場。
シロエ 「今年は登場、早いですね?」
Aブルー「君たちの話を聞いていたしさ…」
寝ながらだけど、と基本がサボリなソルジャーの台詞。
Aブルー「思い出したら、悔しくって…」
シロエ 「棚経の延長を却下されたの、いつなんです?」
Aブルー「昨夜だってば!」
キースの部屋に行った時にね、と悔しそうな表情。
Aブルー「例のアンダー、回収するのは顔を合わせずに…」
スウェナ「空間移動だと言ってたわよね?」
Aブルー「ピンポーン!」
昨夜まで一度も会っていないよ、と目がマジ。
Aブルー「昨夜にしたって、回収、ラストの夜だしね…」
シロエ 「だったら、出会わないでしょう?」
Aブルー「呼ばれたんだよ!」
キース本人から、直接に、とソルジャーの言。
Aブルー「アンダーを回収しようとしたら、メモがさ…」
スウェナ「袋に貼ってあったのかしら?」
Aブルー「思い切り目立つように、ベッタリとね!」
アレは嫌でも目につくってば、というキース君のメモ。
Aブルー「話があるから、来てくれないか、と…」
シロエ 「キース先輩が呼び出しって、何か不都合でも?」
Aブルー「普通、そうだと考えるよね…」
棚経の時間変更とかさ、とソルジャーも。
Aブルー「だから急いで、駆け付けたわけ!」
スウェナ「時間変更の件だったの?」
でもって延長お断りかしら、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「ドサクサ紛れに頼んで、却下なんでしょ?」
Aブルー「違うよ、頼み事なのはキースで…」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「例のアンダー、貸してくれって…」
棚経の日に使いたいと、と言ってますけど。
涼しいですしね…。
2025/08/17 (Sun)
☆目には目で却下
スッポンタケの棚経の日でして、生徒会長宅に集合な面々。
僧籍な人は棚経中で、面子少なめな所へソルジャーが登場。
シロエ 「キース先輩、やっぱり思い付いたんですね」
スウェナ「思い付くでしょ、便利アイテムなんだもの」
マツカ 「墓回向よりも、棚経の方が暑いと思いますよ…」
自転車で走り回るんですから、とマツカ君も。
マツカ 「範囲も広くて、時間も早朝から夕方までですし」
Aブルー「そうなんだよねえ、だからキースも真剣でさ…」
この通りだ、って頼み込んだわけ、とソルジャーの説明。
Aブルー「もう一日だけ、期間延長でお願いしたい、って」
シロエ 「もしかして、そこで交換条件を?」
出したんですか、とシロエ君の問い。
シロエ 「棚経の時間を増やして欲しい、というヤツで?」
Aブルー「ピンポーン!」
申し出としては妥当だろう、とソルジャー、即答。
Aブルー「期間延長の対価としては、棚経の時間延長だよ」
シロエ 「そうかもですけど…」
スウェナ「ただでも時間との戦いなのよね…」
此処に来る時間も、瞬間移動で稼いでるし、という指摘。
スウェナ「時間延長するとなったら、厳しいわよ?」
Aブルー「分かってるから、瞬間移動を増やしてさ…」
時間稼ぎをするつもりで、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「なのに言うなり、却下されたよ!」
シロエ 「さっきの話と、繋がるんですね?」
Aブルー「もう思いっ切り、直結だってば!」
その場で却下で法話もどきまで、と嘆き節が炸裂。
Aブルー「君たちが聞いてた話を、分かりやすくさ…」
マツカ 「法話で聞かされたんですか…」
お気の毒です、とマツカ君の瞳に同情の色。
マツカ 「しかも断られたとか、ショックですよね…」
Aブルー「もちろん、仕返ししたけどね!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくの方でも、アンダーの件を却下!」
一同 「「「あー…」」」
この暑いのに貸さなかったと、と皆が納得。
ハードそう…。
2025/08/18 (Mon)
☆可哀相だそうです
今年もスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅ですけど。
ソルジャーも早くやって来まして、棚経の件で愚痴でして。
Aブルー「ケチなキースには、暑い棚経で充分だよ!」
シロエ 「不可抗力だと思いますけど…」
時間延長は出来ない仕様ですしね、とシロエ君。
シロエ 「法話もどきを食らったんなら、分かる筈です」
Aブルー「理解するのと、ぼくの気持ちは別物だってば!」
まあいいけどね、とソルジャーが見回す部屋の中。
Aブルー「時間延長が出来なかったの、スッポンタケに…」
シロエ 「申し訳ないとでも言うんですか?」
Aブルー「当たり前だよ、キースに却下されたんだし!」
期待してたと思うんだよね、とスッポンタケに同情な人。
Aブルー「可哀相な気がして来ないかい?」
シロエ 「棚経自体が、そういう決まりなんです!」
スウェナ「短時間でも、ギュっと濃縮バージョンでしょ?」
マツカ 「ブルーの話で聞いた印象、その通りですよ」
時間と比例しないのでは、とマツカ君も。
マツカ 「この解釈で合っていますか?」
ブルー 「大正解!」
そのための謎の呪文だしね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「お供えしたお膳を、有難い食事に格上げとかさ」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「仏様に相応しいヤツに、バージョンアップ!」
阿弥陀様をヨイショする呪文もあるし、という説明が。
ブルー 「普通の法要でやるとなったら、大変だよ?」
シロエ 「凄そうですけど、ぼくは一般人ですし…」
マツカ 「ぼくも、本当に理解したのか自信が無いです…」
スウェナ「私もだわね…」
脳内のキャパを超えているわ、とスウェナちゃんも溜息。
スウェナ「分かっているのは、可哀相じゃないことだけね」
シロエ 「間違いないです、気の毒なのはキース先輩で…」
マツカ 「アンダーを借りられなかったなんて…」
ブルー 「目には目だから!」
可哀相なのはスッポンタケ、と言ってますけど。
本当に…?
2025/08/19 (Tue)
☆気の毒なのは誰だ
スッポンタケの棚経の日でして、生徒会長宅に集合な面々。
今年はソルジャーも早く登場、棚経の件で愚痴っている今。
Aブルー「期待したお経、例年通りで延長は無しで…」
シロエ 「そもそも、期待していないでしょう?」
仏様かどうかも怪しいんですよ、とシロエ君のツッコミ。
シロエ 「命日は不明で、次から次へと生えて来ますし…」
スウェナ「全部纏めて、あの戒名だものね…」
マツカ 「期待するレベルの知能も、気になる所です」
知能以前の問題なのかも、とマツカ君も。
マツカ 「音楽を聞かせたら、よく育つ程度なのでは…?」
シロエ 「言えてますよね、お経なんかは馬の耳ですよ」
音楽よりも効果が無さそうです、とシロエ君の相槌が。
シロエ 「綺麗なメロディ、ありませんしね」
Aブルー「あのねえ…」
有難い仏様に、その言いぐさは失礼だよ、と主張する人。
Aブルー「棚経だとか、お彼岸の後は、パワーMAX!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「御利益が凄くて、ぼくのハーレイがさ…」
ブルー 「その先、禁止!」
棚経の日でも退場だしね、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「第一、気の毒なのは、ガチでキースで…」
シロエ 「アンダー、断られたのはキツイですよ…」
ブルー 「その件について、心配なのはさ…」
便利グッズに頼ってたトコ、と生徒会長。
ブルー 「確かに今年の夏は暑くて、早朝から蚊で…」
Aブルー「倒れられたら棚経、アウトらしいし…」
気前よく貸してあげたんだけど、とソルジャーの仏頂面。
Aブルー「今日も借りるなら、それなりにね!」
ブルー 「対価を要求したのも、まあ、分かるけど…」
断った結果を考えたのかい、と生徒会長の問い。
ブルー 「この暑い中、アンダーは無しで棚経だよ?」
Aブルー「当然の報いというヤツだってば!」
ブルー 「その先のことは?」
Aブルー「えっと…?」
いったい何が言いたいわけ、と聞いてますけど。
先のことって…?
2025/08/20 (Wed)
☆外された梯子
お盆と言えばスッポンタケの棚経、生徒会長宅に集う面々。
僧籍な人は棚経ですけど、ソルジャーが取った態度が問題。
ブルー 「いいかい、今年の暑さは例年以上でさ…」
Aブルー「それは聞いてる、早朝でも蚊が出るって話で」
ブルー 「キースは、桁外れにハードな暑さを裏技で…」
昨日まで乗り越えて来てたわけ、と生徒会長、腕組み。
ブルー 「なのに梯子を外されたんだよ、MAXな時に」
Aブルー「こっちも提案、断られたし!」
ブルー 「即断即決、その場で切って捨ててるけれど…」
自分の過去を振り返ったら分かるかもね、と生徒会長。
ブルー 「君が痛みに強すぎるのは、何が原因?」
Aブルー「散々、実験されまくったから!」
ブルー 「耐性が出来たってことで、今のキースは…」
真逆なんだけど、と生徒会長が指差す窓の外。
ブルー 「ぬるま湯どころか、冷水に浸かった毎日で…」
一同 「「「あー…」」」
暑さ耐性がゼロに近い、と愕然とする御一同様。
シロエ 「キース先輩、マジでヤバいんでは!?」
スウェナ「熱中症が多発するのは、夏の初めも多いわよね」
マツカ 「身体が暑さに慣れていなくて、急な暑さで…」
ついていけなくて発症でしたっけ、とマツカ君も悪い顔色。
マツカ 「キース、その状態に近いですよね…」
シロエ 「もう思いっ切り、ド真ん中っぽいです」
スウェナ「ジョミーだったら、例年よりもキツイ程度で…」
済みそうだけど、とスウェナちゃんが竦める首。
スウェナ「キースの場合は、熱中症コースを走りそうよ?」
シロエ 「まさに走っている最中でしょう」
マツカ 「自転車を漕いで、まっしぐらですね…」
塩分タブレッツか塩飴でも、とマツカ君が対策を。
マツカ 「水分だけを補給したって、駄目らしいですし」
シロエ 「放って置いたら、倒れますよね…」
スウェナ「なんてことをしたのよ!」
Aブルー「そう言われても…」
知らなかったし、と戸惑う戦犯ですけど。
ヤバそう…。
2025/08/21 (Thu)
☆急がないと危険
スッポンタケの棚経の日は、朝イチで生徒会長宅ですけど。
今年は早めに来たソルジャー、キース君を追い詰めたかも。
Aブルー「あの涼しさに慣れているから、危険だなんて…」
ブルー 「気付かなかった君が悪いね、全面的に」
キースに詫びを入れたかったら、急がないと、と生徒会長。
ブルー 「熱中症で倒れてからでは、遅いんだよ?」
シロエ 「棚経の代理、見付からないんでしたっけ…」
マツカ 「当然、此処のもドタキャンでしょうね」
スウェナ「最初から、やって来ないのよね…」
あの棚経の二人組が、とスウェナちゃんも心配そう。
スウェナ「アドス和尚が代理したって、此処の場合は…」
ブルー 「過去帳に載っていないわけだし、スルー!」
アドス和尚は知りようが無いよ、と生徒会長、目がマジ。
ブルー 「キースが勝手に戒名を出しただけでさ…」
シロエ 「元老寺としては、ノータッチですか…」
ブルー 「あんな戒名、アドス和尚にバレたら詰みかと」
一同 「「「あー…」」」
立派過ぎる戒名だけに、と誰もが頷くしかない現実。
シロエ 「アドス和尚には、頼れませんね…」
マツカ 「お坊さんなら、一人、いるんですけど…」
スウェナ「棚経の代理なんかを、するわけないわよ!」
おまけに、あんな仏様よ、とスウェナちゃん。
スウェナ「大金を積んでも、蹴り倒されるわね」
ブルー 「当たり前だよ!」
ぼくが代理を務めるなんて、と生徒会長、銀青様モード。
ブルー 「キースの方が代理だったら、許すけれどね!」
シロエ 「やっぱり、プライドの問題ですか?」
ブルー 「ピンポーン! 格が違いすぎるよ!」
でもさ、と生徒会長が真剣な顔で指差す窓の方向。
ブルー 「キースに倒れて欲しくなければ、急ぎたまえ!」
Aブルー「瞬間移動で送りまくれ、と?」
ブルー 「それも手だけど、もっと根本的にね!」
Aブルー「アレを貸せ、って?」
瞬間移動で着せるのかい、と聞いてますけど。
例のアンダー…?
2025/08/22 (Fri)
☆難しい着付け
スッポンタケの棚経の日ですけど、今年は暑さが例年以上。
朝イチで生徒会長宅な面々、キース君の危機に気付いた今。
ブルー 「着物の着せ方、知っているわけ?」
Aブルー「えっと…。温泉旅館の浴衣くらいなら…」
辛うじて着付けられるかも、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「キースのヤツだと、難しそうだね…」
ブルー 「当たり前だよ、普通の着物とも違ってるしさ」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「下に来ている白い着物は、共通だけど…」
法衣は全然違うんだよね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「着物にプリーツ、ついているかい?」
一同 「「「プリーツ?」」」
ブルー 「裾の方だよ、切り替えがあって、その下にね」
一同 「「「あっ!?」」」
言われてみれば、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「そういえば、そんなの、ありましたっけ…」
マツカ 「ぼくも注意はしてませんでした…」
スウェナ「それじゃ、着付けが難しいわけ?」
ブルー 「そうでもないけど、絵になるようには…」
素人さんの腕じゃ、ちょっとね、と生徒会長の苦笑い。
ブルー 「キース自身に来て貰うのが…」
シロエ 「ベストでしょうね…」
ブルー 「だから、急げと言ってるんだよ!」
何処かで時間を作るしか、と生徒会長、真剣。
ブルー 「瞬間移動で時間を稼ぎまくって、その分を…」
Aブルー「着替えの時間に転用しろと?」
ブルー 「それしか無いと思うけれどね!」
コレを参考に考えてみれば、と差し出す紙。
Aブルー「コレは何だい?」
ブルー 「キースが棚経で回る、檀家さんのリスト!」
イライザさん用の控えを、ちょっと拝借、と生徒会長。
ブルー 「ぶるぅ、コピーしてあげて!」
ぶるぅ 「オッケー!」
ブルー 「後はスマホで地図を睨んで、ルートをね」
Aブルー「ルート?」
ブルー 「長距離移動になる区間を探すんだよ!」
其処をカットで連れて来たまえ、という命令。
着替えタイム…。
2025/08/23 (Sat)
☆着替え用の時間
スッポンタケの棚経の日も、朝から半端ない暑さですけど。
キース君を見舞う熱中症の危機に、今更気付いた御一同様。
Aブルー「やってみるけど、間に合うのかな…」
ブルー 「間に合わなかった時は、キースが倒れて…」
此処の棚経は無しになるね、と生徒会長、腕組み。
ブルー 「それが嫌なら、迅速に!」
Aブルー「分かった、誰か、助っ人お願い!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「スマホの操作は慣れているけど、普通のさ…」
民家を探すの、やったことない、と別の世界の住人の悲鳴。
Aブルー「地図にルートを書き込みたくても、無理ゲー!」
シロエ 「手伝いますよ、キース先輩のためですしね」
マツカ 「じゃあ、シロエは住所検索をしてくれますか?」
ぼくが書き込み担当で、とマツカ君も助け舟。
マツカ 「スウェナは、それを見ながら検討を…」
スウェナ「そうね、土地勘ゼロな人だし…」
信号とかもイマイチ、とスウェナちゃん。
スウェナ「三人がかりでやれば、すぐに出来るわ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ コピー出来たよ!」
シロエ 「では、始めましょう!」
一同 「「「オッケー!」」」
急げ、とスマホで住所検索、書き込まれてゆく地点。
マツカ 「直線で行けば、此処は近そうですけど…」
スウェナ「自転車で走れないと思うわ、幹線道路よ?」
お坊さんの二人組じゃね、とスウェナちゃんの思案顔。
スウェナ「他の車両の邪魔になるから、こっちでしょ」
マツカ 「そうですね…。すると道順としては…」
スウェナ「遠回りってことで、狙い目っぽいわ」
シロエ 「何処なんです?」
ちょっと失礼、とシロエ君も地図を覗き込みまして。
シロエ 「いい感じですよ、時間を稼げそうです」
Aブルー「本当かい? 其処で着替えの時間を取れる?」
シロエ 「待って下さい、其処から次の家までだと…」
マツカ 「普通に距離があるようですよ」
着替えに呼ぶなら此処ですね、という話ですけど。
やるしか…。
2025/08/24 (Sun)
☆一回しか来ない人
スッポンタケの棚経の日ですけど、朝から大変な展開な今。
キース君が熱中症の危機、倒れた場合は棚経は無いわけで。
Aブルー「だったら、其処で着替えに来て貰う方向で…」
ブルー 「頑張ってくれまえ!」
それから、と生徒会長が見回す部屋。
ブルー 「ぶるぅ、お膳の用意を急いでくれるかな?」
ぶるぅ 「んとんと、仏様用のヤツ?」
ブルー 「そう! 悪いんだけど、此処で要りそう」
一同 「「「は?」」」
此処とは、と誰もがキョトンですけど。
ブルー 「キースを着替えに呼んだ時だよ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
順番としては、もっと後では、と驚く面々。
シロエ 「どうして、其処になるんですか?」
ブルー 「熱中症の危機だったキースが、此処に二回も…」
足を運ぶと思うのかい、と生徒会長、目がマジ。
ブルー 「着替えたついでに、棚経だろうね」
ぶるぅ 「そだね、元々、押し込んでるんだし…」
一度で済ませて帰りたいよね、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「それじゃ、急いで作って来る!」
ブルー 「よろしく頼むよ、他のみんなも協力で!」
シロエ 「ちょ、ぼくは精進料理なんかは…!」
作れませんけど、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「材料を上手く切れるかどうかも、怪しいです」
マツカ 「ぼくも、味付けなどは自信が…」
まるで無いです、とマツカ君も。
マツカ 「盛り付けくらいは、出来そうですけど…」
スウェナ「私も、ぶるぅの腕には、うんと遠くて…」
調理実習レベルだわね、とスウェナちゃんも逃げ腰。
スウェナ「手伝わないと間に合わないの?」
ブルー 「違うよ、祭壇の方だってば!」
ぶるぅは料理にかかりきりだし、と生徒会長。
ブルー 「机を並べて、お供え物とかを…」
シロエ 「あー、セッティングですね…」
Aブルー「ぼくも手伝えないけど、注文が…」
一同 「「「えっと…?」」」
何を注文する気なんだ、と首を傾げる面々ですけど。
注文…?
2025/08/25 (Mon)
☆蝋燭でキレそう
今年のスッポンタケの棚経、イレギュラーな上に急な展開。
順番が繰り上がりそうで、急ぎで祭壇などの準備ですけど。
Aブルー「キースが着替えに行ってる間、ジョミーはさ…」
シロエ 「多分、へばっているでしょうね」
スウェナ「ジョミーに何かしてあげたいわけ?」
Aブルー「逆だよ、手持ち無沙汰だろうし、その分の…」
時間を有効活用して欲しい、とソルジャーの妙な発言。
Aブルー「蝋燭、多分、沢山あるよね?」
シロエ 「用意を始めないと分かりませんけど、恐らく」
Aブルー「多めに並べてくれないかな?」
一同 「「「は?」」」
蝋燭多めで何をする気だ、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「どうするんです、ソレ?」
Aブルー「蝋燭っていうヤツ、仏様にお供えするしね…」
お経を増やして貰えない分、蝋燭で、とソルジャーの注文。
Aブルー「ジョミーの時間が余ってるなら、いけるって!」
シロエ 「そりゃまあ、蝋燭係ですけど…」
スウェナ「キース、普通にキレて終わりよ?」
Aブルー「どうしてさ?」
追悼イベントで蝋燭もアリだし、と知識があるらしい人。
Aブルー「沢山あっても、怒る人なんかは無さそうで…」
スウェナ「TPOを考えたら?」
Aブルー「棚経なんだよ、無問題かと」
スウェナ「キースは熱中症のピンチなんでしょ!?」
やっと着替えが出来た所で、蝋燭だらけ、という指摘。
スウェナ「蝋燭の炎サイズでも、ズラリ並べられたら…」
シロエ 「キース先輩、キレそうですね…」
マツカ 「沸点を越えてしまいそうです」
やめておいた方が、とマツカ君も。
マツカ 「例年通りが一番ですよ」
シロエ 「何かしたいなら、団扇でしょうか」
心をこめて風を送って、とシロエ君。
シロエ 「お詫びの心が伝わるのでは?」
スウェナ「そうね、原因、貸さなかったせいだし…」
マツカ 「ぼくも団扇をお勧めします」
Aブルー「うーん…」
下僕みたいな気がするけど、と唸ってますけど。
扇げと…?
2025/08/26 (Tue)
☆団扇が熱い時代
スッポンタケの棚経の日ですけど、思いがけない事態発生。
キース君が熱中症になりそう、繰り上げで来て貰う展開に。
シロエ 「団扇、下僕とは限らないですよ?」
マツカ 「そういえば、必須アイテムでしたっけ…」
スウェナ「あら、マツカ、そんなの、知っているわけ?」
俗な世界よ、とスウェナちゃんの意外そうな顔。
スウェナ「ライブなんかは行かないでしょ?」
Aブルー「えっと…?」
話が全然見えないんだけど、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「ライブは団扇が必須なのかい?」
シロエ 「出演者にもよるんですけど、女性向けだと…」
マツカ 「高確率で団扇が使われてますね」
ペンライトの時代は終わりましたよ、とマツカ君。
マツカ 「もちろん、ペンライトの方も欠かせませんけど」
シロエ 「アレは手作り出来ませんしね」
Aブルー「手作り?」
シロエ 「応援グッズの団扇の場合、市販品よりも…」
ハンドメイドが熱いんです、とシロエ君の説明が。
シロエ 「今から作っても、間に合いませんが…」
Aブルー「応援用の団扇で扇げって?」
スウェナ「諸刃の剣っぽいわよ?」
マツカ 「ブルーに書いて貰うのは、どうでしょう?」
銀青様の墨跡ですし、とマツカ君が出したアイデア。
マツカ 「棚経の後は、お持ち帰りで」
シロエ 「ナイスアイデアです、マツカ先輩!」
会長なら暇にしていますしね、とシロエ君、賛同。
シロエ 「会長、その辺の団扇に応援の文字を…」
マツカ 「書いて貰えると、嬉しいんですが…」
ブルー 「オッケー、マツカにはお世話になっているしね」
それじゃ早速、と生徒会長、いそいそと別室へ。
マツカ 「これで団扇が出来て来ますし、それで扇いで…」
シロエ 「お持ち帰りなコースで、安心ですよ」
Aブルー「アンダーを貸さなかった件も、大丈夫かな?」
マツカ 「心をこめて風をサービス、団扇プレゼントで…」
なんとかなると思いますよ、と言ってますけど。
団扇ですか…。
2025/08/27 (Wed)
☆有難い団扇
スッポンタケの棚経の日に、キース君が熱中症になる危機。
回避するには涼しい服に着替えで、棚経の時間も繰り上げ。
Aブルー「恨まれていないと、いいんだけど…」
シロエ 「キース先輩にも、それなりに非はありますしね」
スウェナ「どの辺がよ?」
シロエ 「暑さに慣れていないトコです、本当だったら…」
蚊に刺される件とセットで、クリアすべき点、とシロエ君。
シロエ 「裏技で楽をした結果が、今日の地獄ですよ」
一同 「「「あー…」」」
それもそうか、と納得しながら、祭壇の準備。
マツカ 「こんな感じでよかったでしょうか」
スウェナ「そうね、後は、お膳が出来たらセッティングで」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お待たせ!」
お膳、出来たよ、と料理上手なお子様が持って来た、お膳。
ぶるぅ 「んとんと、祭壇、出来ているから、置いて…」
シロエ 「この祭壇で、間違っていませんか?」
ぶるぅ 「うん、大丈夫!」
完璧だよね、と太鼓判な所へ、生徒会長が戻りまして。
ブルー 「お待たせ、団扇はコレでいいかな?」
一同 「「「うーん…」」」
有難いのか、そうでないのか、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「その団扇、花火大会のヤツでは…?」
マツカ 「無料で配布していた団扇ですよね…」
山の別荘で行った花火大会で、とマツカ君も。
マツカ 「空きスペースに、納涼と書いたわけですか…」
ブルー 「要は、涼しくなったらいいんだしさ!」
年号も日付も入ってないのがポイント、と生徒会長。
ブルー 「来年の夏に、アドス和尚が有難く使えるよ!」
一同 「「「あー…」」」
キース君の得点稼ぎ用か、と言われてみればハンコまで。
シロエ 「お持ち帰りするには、最高ですね…」
ブルー 「元はタダだし、質素倹約の精神を表していて…」
マツカ 「素晴らしいです、キースも喜びますよ」
ブルー 「こじつけだけどね!」
上等の団扇はもったいなくて、と笑ってますけど。
付加価値ですか…。
2025/08/28 (Thu)
☆お互い反省中
お盆はスッポンタケの棚経、今年は繰り上げでやる展開に。
キース君が熱中症の危機でして、着替えに呼んだ時に棚経。
ブルー 「お膳も団扇も揃ったんだけど、キースの方は?」
Aブルー「瞬間移動で稼ぎまくりで、次で召喚!」
よし、お経が終わった、とソルジャー、準備態勢に。
Aブルー「家を出てから自転車に乗って、右折したトコで」
シロエ 「一気に此処まで移動ですね?」
Aブルー「そう! 玄関前まで、自転車ごと!」
ぶるぅ 「じゃあ、お迎えに行って来る!」
キース、事情を知らないしね、と駆けてゆく元気なお子様。
Aブルー「あっ、そうか、何も連絡していなかったっけ」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ジョミーと二人で、はかどってるつもり!」
瞬間移動の自覚ゼロでね、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「早いペースで進んでるな、と思ってるわけ!」
一同 「「「うーん…」」」
まあいいか、と皆が呆れる間に、表に到着したようで。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースたち、来たよ!」
キース 「邪魔するぞ。事情は、ぶるぅから聞いたんだが」
Aブルー「アンダーの件は、本当に、ごめん!」
キース 「いいや、俺にも反省点はあるしな」
楽をしたツケだ、と猛省中なキース君。
キース 「なのに着替えられるとは、有難い」
Aブルー「こっちこそ! 早く着替えて!」
コレ、とソルジャーが差し出すアンダー入りの紙袋。
キース 「では、着替えて来る」
Aブルー「棚経の方も、後で頼むよ!」
キース 「もちろんだ。ジョミー、俺が着替える間に…」
ジョミー「蝋燭とお線香の準備、しておくから!」
着替えが出来て良かったね、とジョミー君、笑顔で見送り。
ジョミー「キース、ホントにヤバかったんだよ…」
シロエ 「そうでしょうねえ、暑いですから…」
ジョミー「倒れなかったの、流石、プロだと思う…」
Aブルー「危なかったかも…」
ぼくも反省しまくってるし、と殊勝な台詞。
後は団扇ですね…。
2025/08/29 (Fri)
☆サクサク棚経
スッポンタケの棚経ですけど、半端ない暑さだったわけで。
キース君が熱中症の危機で、着替えで棚経の方も繰り上げ。
シロエ 「あっ、戻って来たみたいですよ」
ジョミー「うわー、早すぎ!」
蝋燭とお線香、とジョミー君、大慌てでライターで点火。
キース 「待たせたな。なんだ、ジョミーはサボってたか」
ジョミー「だって、暑くてキツかったしさ…」
キース 「俺も人のことは言えんし、いいだろう」
では、始めるぞ、と促されて、一同、正座。
キース 「…今年は、席順が違うようだが」
Aブルー「お詫びの心で、扇ぐようにって言われたし…」
キース 「有難い。ジョミーにも風を送ってやってくれ」
Aブルー「オッケー! 蝋燭を消さないように気を付ける」
出来る範囲で、目一杯、とソルジャーが手にする特製団扇。
キース 「南無阿弥陀仏…」
ジョミー「南無阿弥陀仏…」
最初のお念仏だけ、口パクではないのが、ジョミー君。
キース 「のうまくさらば たたぎゃた ばろきてい…」
ジョミー「…………」
一同 (((有難い呪文の一つ…)))
意味はサッパリ分からないけど、と思う間も、棚経で。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((締めのヤツが来た…)))
キース 「南無阿弥陀仏…」
チーンと鐘を鳴らして、棚経が終了。
キース 「皆さん、よくお勤めでした。おい、ジョミー!」
ジョミー「分かってるって、次だよね」
また灼熱の地獄で自転車、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「キースのアンダー、羨ましいけど…」
キース 「墓回向もしていないくせに、言う権利はない!」
行くぞ、と立ち上がったキース君に、差し出された団扇。
Aブルー「待ってよ、コレをお持ち帰りで!」
キース 「花火大会で貰って来たヤツだろう?」
Aブルー「そうらしいけど、文字とハンコが…」
キース 「まさか、ブルーの書き下ろしか?」
銀青の名前も書いてあるな、と驚いてますけど。
有難いブツ…。
2025/08/30 (Sat)
☆棚経の後には
スッポンタケの棚経、キース君が熱中症の危機で急な展開。
無事に終わってホッと一息、棚経組は次へ急ぐんですけど。
キース 「こんな団扇を、どうしたんだ?」
Aブルー「アンダーのお詫びに、扇げって言われてさ…」
其処から応援団扇の話になって、とソルジャーの説明。
Aブルー「今は団扇が熱い時代で、手作りが基本らしいね」
キース 「それで、ブルーが書いてくれたと?」
Aブルー「手作り団扇じゃ、間に合わないし…」
花火大会の団扇にも理由があるって、と指差す団扇。
Aブルー「無料配布の使い回しは、質素倹約の精神で…」
キース 「なるほど、そう聞くと有難味がグンと増すな」
Aブルー「君が自分で使ってもいいし、アドス和尚に…」
渡して点数稼ぎでも、とソルジャー、受け売りの喋り。
Aブルー「お詫びの品だし、受け取ってくれたまえ!」
キース 「有難い! 親父が大喜びするだろう」
ジョミー「渡しちゃうわけ?」
キース 「ブルーの有難さは、親父の方が承知だしな」
俺はイマイチ理解出来んぞ、とキース君の苦笑。
キース 「日頃、行動を共にしているだけに、色々と…」
ブルー 「いいから、次を急ぐんだろう!?」
キース 「そうだった! ジョミー、次だ!」
団扇を取り返されない内に、と大急ぎで次へ向かう人たち。
キース 「おい、この後の瞬間移動も、例年通りに…」
Aブルー「分かってるってば、お詫びに頑張る!]
早く終わったら、ゆっくり休んで、とソルジャー、やる気。
Aブルー「家に帰ったら忙しいだろうし、何処か他所でさ」
キース 「当然だ! どうせ、親父に…」
ジョミー「こき使われるだけだしね…」
マックにでも行こう、と出て行ったものの。
シロエ 「お盆の間は、精進料理じゃないんですか?」
ぶるぅ 「んとんと…。ドリンクだけ?」
ブルー 「ハンバーガーの誘惑がね…」
一同 「「「うーん…」」」
棚経でマックか、と違和感MAXですけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/08/31 (Sun)
お盆と言えばスッポンタケの棚経、今年も朝イチで集合で。
生徒会長宅に来ている面々、僧籍な人は不在で数が少なめ。
ブルー 「お経の本を読んでる言葉は、この国の音だよ?」
シロエ 「確かにそうです…」
マツカ 「すると、棚経のお経は短時間でも…」
お釈迦様の国の言葉で有難いんですか、とマツカ君の問い。
マツカ 「倍にするなら、この国の言葉に訳すとかで?」
ブルー 「うーん…。時短用というわけじゃないから…」
訳してみても意味は無さそう、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「それよりも前に、お約束で縛られてるし…」
シロエ 「棚経用のお経がですか?」
ブルー 「そうなんだけど、君たちが言う呪文の方もさ…」
訳しちゃったらアウトなんだよ、と生徒会長の真剣な顔。
ブルー 「般若心経は知っているよね?」
シロエ 「キース先輩が、ソレイド八十八カ所に…」
スウェナ「行っていた時に、見物がてら、ついてったし…」
マツカ 「あの時、何度か読んでますよね」
御朱印集めに必須でしたし、とマツカ君が浮かべる苦笑。
マツカ 「読経しないと、御朱印が貰えない札所が…」
シロエ 「あったんですよね、厳しかったです…」
スウェナ「本堂と大師堂、二カ所なのよね…」
嫌でも二回だったわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「でも、般若心経がどうしたのよ?」
ブルー 「ラスト近くに、謎の呪文があっただろう?」
シロエ 「言われてみれば、あったかもです」
マツカ 「ありますね…」
呪文に意味があるんですか、とマツカ君が傾げる首。
マツカ 「あの部分だけは訳せないとか?」
ブルー 「ピンポーン!」
さっき言ってた件がソレだよ、と生徒会長、合掌して一礼。
ブルー 「お釈迦様の国の言葉でないと、効果が無いわけ」
一同 「「「ええっ!?」」」
ブルー 「棚経用のも、理屈は同じでさ…」
シロエ 「訳して時間延長は…」
出来ないんですね、とシロエ君が頷いてますけど。
倍は無理…?
2025/08/16 (Sat)
☆断られた延長
今年もスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅ですけど。
僧籍の人は棚経中で、他の面子がソルジャー待ちな仕組み。
シロエ 「するとやっぱり、時間延長はお経を二倍ですか」
??? 「そう願いたいけど、断られたよ!」
一瞬でね、とソルジャー(会話表記はAブルー)が登場。
シロエ 「今年は登場、早いですね?」
Aブルー「君たちの話を聞いていたしさ…」
寝ながらだけど、と基本がサボリなソルジャーの台詞。
Aブルー「思い出したら、悔しくって…」
シロエ 「棚経の延長を却下されたの、いつなんです?」
Aブルー「昨夜だってば!」
キースの部屋に行った時にね、と悔しそうな表情。
Aブルー「例のアンダー、回収するのは顔を合わせずに…」
スウェナ「空間移動だと言ってたわよね?」
Aブルー「ピンポーン!」
昨夜まで一度も会っていないよ、と目がマジ。
Aブルー「昨夜にしたって、回収、ラストの夜だしね…」
シロエ 「だったら、出会わないでしょう?」
Aブルー「呼ばれたんだよ!」
キース本人から、直接に、とソルジャーの言。
Aブルー「アンダーを回収しようとしたら、メモがさ…」
スウェナ「袋に貼ってあったのかしら?」
Aブルー「思い切り目立つように、ベッタリとね!」
アレは嫌でも目につくってば、というキース君のメモ。
Aブルー「話があるから、来てくれないか、と…」
シロエ 「キース先輩が呼び出しって、何か不都合でも?」
Aブルー「普通、そうだと考えるよね…」
棚経の時間変更とかさ、とソルジャーも。
Aブルー「だから急いで、駆け付けたわけ!」
スウェナ「時間変更の件だったの?」
でもって延長お断りかしら、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「ドサクサ紛れに頼んで、却下なんでしょ?」
Aブルー「違うよ、頼み事なのはキースで…」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「例のアンダー、貸してくれって…」
棚経の日に使いたいと、と言ってますけど。
涼しいですしね…。
2025/08/17 (Sun)
☆目には目で却下
スッポンタケの棚経の日でして、生徒会長宅に集合な面々。
僧籍な人は棚経中で、面子少なめな所へソルジャーが登場。
シロエ 「キース先輩、やっぱり思い付いたんですね」
スウェナ「思い付くでしょ、便利アイテムなんだもの」
マツカ 「墓回向よりも、棚経の方が暑いと思いますよ…」
自転車で走り回るんですから、とマツカ君も。
マツカ 「範囲も広くて、時間も早朝から夕方までですし」
Aブルー「そうなんだよねえ、だからキースも真剣でさ…」
この通りだ、って頼み込んだわけ、とソルジャーの説明。
Aブルー「もう一日だけ、期間延長でお願いしたい、って」
シロエ 「もしかして、そこで交換条件を?」
出したんですか、とシロエ君の問い。
シロエ 「棚経の時間を増やして欲しい、というヤツで?」
Aブルー「ピンポーン!」
申し出としては妥当だろう、とソルジャー、即答。
Aブルー「期間延長の対価としては、棚経の時間延長だよ」
シロエ 「そうかもですけど…」
スウェナ「ただでも時間との戦いなのよね…」
此処に来る時間も、瞬間移動で稼いでるし、という指摘。
スウェナ「時間延長するとなったら、厳しいわよ?」
Aブルー「分かってるから、瞬間移動を増やしてさ…」
時間稼ぎをするつもりで、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「なのに言うなり、却下されたよ!」
シロエ 「さっきの話と、繋がるんですね?」
Aブルー「もう思いっ切り、直結だってば!」
その場で却下で法話もどきまで、と嘆き節が炸裂。
Aブルー「君たちが聞いてた話を、分かりやすくさ…」
マツカ 「法話で聞かされたんですか…」
お気の毒です、とマツカ君の瞳に同情の色。
マツカ 「しかも断られたとか、ショックですよね…」
Aブルー「もちろん、仕返ししたけどね!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくの方でも、アンダーの件を却下!」
一同 「「「あー…」」」
この暑いのに貸さなかったと、と皆が納得。
ハードそう…。
2025/08/18 (Mon)
☆可哀相だそうです
今年もスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅ですけど。
ソルジャーも早くやって来まして、棚経の件で愚痴でして。
Aブルー「ケチなキースには、暑い棚経で充分だよ!」
シロエ 「不可抗力だと思いますけど…」
時間延長は出来ない仕様ですしね、とシロエ君。
シロエ 「法話もどきを食らったんなら、分かる筈です」
Aブルー「理解するのと、ぼくの気持ちは別物だってば!」
まあいいけどね、とソルジャーが見回す部屋の中。
Aブルー「時間延長が出来なかったの、スッポンタケに…」
シロエ 「申し訳ないとでも言うんですか?」
Aブルー「当たり前だよ、キースに却下されたんだし!」
期待してたと思うんだよね、とスッポンタケに同情な人。
Aブルー「可哀相な気がして来ないかい?」
シロエ 「棚経自体が、そういう決まりなんです!」
スウェナ「短時間でも、ギュっと濃縮バージョンでしょ?」
マツカ 「ブルーの話で聞いた印象、その通りですよ」
時間と比例しないのでは、とマツカ君も。
マツカ 「この解釈で合っていますか?」
ブルー 「大正解!」
そのための謎の呪文だしね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「お供えしたお膳を、有難い食事に格上げとかさ」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「仏様に相応しいヤツに、バージョンアップ!」
阿弥陀様をヨイショする呪文もあるし、という説明が。
ブルー 「普通の法要でやるとなったら、大変だよ?」
シロエ 「凄そうですけど、ぼくは一般人ですし…」
マツカ 「ぼくも、本当に理解したのか自信が無いです…」
スウェナ「私もだわね…」
脳内のキャパを超えているわ、とスウェナちゃんも溜息。
スウェナ「分かっているのは、可哀相じゃないことだけね」
シロエ 「間違いないです、気の毒なのはキース先輩で…」
マツカ 「アンダーを借りられなかったなんて…」
ブルー 「目には目だから!」
可哀相なのはスッポンタケ、と言ってますけど。
本当に…?
2025/08/19 (Tue)
☆気の毒なのは誰だ
スッポンタケの棚経の日でして、生徒会長宅に集合な面々。
今年はソルジャーも早く登場、棚経の件で愚痴っている今。
Aブルー「期待したお経、例年通りで延長は無しで…」
シロエ 「そもそも、期待していないでしょう?」
仏様かどうかも怪しいんですよ、とシロエ君のツッコミ。
シロエ 「命日は不明で、次から次へと生えて来ますし…」
スウェナ「全部纏めて、あの戒名だものね…」
マツカ 「期待するレベルの知能も、気になる所です」
知能以前の問題なのかも、とマツカ君も。
マツカ 「音楽を聞かせたら、よく育つ程度なのでは…?」
シロエ 「言えてますよね、お経なんかは馬の耳ですよ」
音楽よりも効果が無さそうです、とシロエ君の相槌が。
シロエ 「綺麗なメロディ、ありませんしね」
Aブルー「あのねえ…」
有難い仏様に、その言いぐさは失礼だよ、と主張する人。
Aブルー「棚経だとか、お彼岸の後は、パワーMAX!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「御利益が凄くて、ぼくのハーレイがさ…」
ブルー 「その先、禁止!」
棚経の日でも退場だしね、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「第一、気の毒なのは、ガチでキースで…」
シロエ 「アンダー、断られたのはキツイですよ…」
ブルー 「その件について、心配なのはさ…」
便利グッズに頼ってたトコ、と生徒会長。
ブルー 「確かに今年の夏は暑くて、早朝から蚊で…」
Aブルー「倒れられたら棚経、アウトらしいし…」
気前よく貸してあげたんだけど、とソルジャーの仏頂面。
Aブルー「今日も借りるなら、それなりにね!」
ブルー 「対価を要求したのも、まあ、分かるけど…」
断った結果を考えたのかい、と生徒会長の問い。
ブルー 「この暑い中、アンダーは無しで棚経だよ?」
Aブルー「当然の報いというヤツだってば!」
ブルー 「その先のことは?」
Aブルー「えっと…?」
いったい何が言いたいわけ、と聞いてますけど。
先のことって…?
2025/08/20 (Wed)
☆外された梯子
お盆と言えばスッポンタケの棚経、生徒会長宅に集う面々。
僧籍な人は棚経ですけど、ソルジャーが取った態度が問題。
ブルー 「いいかい、今年の暑さは例年以上でさ…」
Aブルー「それは聞いてる、早朝でも蚊が出るって話で」
ブルー 「キースは、桁外れにハードな暑さを裏技で…」
昨日まで乗り越えて来てたわけ、と生徒会長、腕組み。
ブルー 「なのに梯子を外されたんだよ、MAXな時に」
Aブルー「こっちも提案、断られたし!」
ブルー 「即断即決、その場で切って捨ててるけれど…」
自分の過去を振り返ったら分かるかもね、と生徒会長。
ブルー 「君が痛みに強すぎるのは、何が原因?」
Aブルー「散々、実験されまくったから!」
ブルー 「耐性が出来たってことで、今のキースは…」
真逆なんだけど、と生徒会長が指差す窓の外。
ブルー 「ぬるま湯どころか、冷水に浸かった毎日で…」
一同 「「「あー…」」」
暑さ耐性がゼロに近い、と愕然とする御一同様。
シロエ 「キース先輩、マジでヤバいんでは!?」
スウェナ「熱中症が多発するのは、夏の初めも多いわよね」
マツカ 「身体が暑さに慣れていなくて、急な暑さで…」
ついていけなくて発症でしたっけ、とマツカ君も悪い顔色。
マツカ 「キース、その状態に近いですよね…」
シロエ 「もう思いっ切り、ド真ん中っぽいです」
スウェナ「ジョミーだったら、例年よりもキツイ程度で…」
済みそうだけど、とスウェナちゃんが竦める首。
スウェナ「キースの場合は、熱中症コースを走りそうよ?」
シロエ 「まさに走っている最中でしょう」
マツカ 「自転車を漕いで、まっしぐらですね…」
塩分タブレッツか塩飴でも、とマツカ君が対策を。
マツカ 「水分だけを補給したって、駄目らしいですし」
シロエ 「放って置いたら、倒れますよね…」
スウェナ「なんてことをしたのよ!」
Aブルー「そう言われても…」
知らなかったし、と戸惑う戦犯ですけど。
ヤバそう…。
2025/08/21 (Thu)
☆急がないと危険
スッポンタケの棚経の日は、朝イチで生徒会長宅ですけど。
今年は早めに来たソルジャー、キース君を追い詰めたかも。
Aブルー「あの涼しさに慣れているから、危険だなんて…」
ブルー 「気付かなかった君が悪いね、全面的に」
キースに詫びを入れたかったら、急がないと、と生徒会長。
ブルー 「熱中症で倒れてからでは、遅いんだよ?」
シロエ 「棚経の代理、見付からないんでしたっけ…」
マツカ 「当然、此処のもドタキャンでしょうね」
スウェナ「最初から、やって来ないのよね…」
あの棚経の二人組が、とスウェナちゃんも心配そう。
スウェナ「アドス和尚が代理したって、此処の場合は…」
ブルー 「過去帳に載っていないわけだし、スルー!」
アドス和尚は知りようが無いよ、と生徒会長、目がマジ。
ブルー 「キースが勝手に戒名を出しただけでさ…」
シロエ 「元老寺としては、ノータッチですか…」
ブルー 「あんな戒名、アドス和尚にバレたら詰みかと」
一同 「「「あー…」」」
立派過ぎる戒名だけに、と誰もが頷くしかない現実。
シロエ 「アドス和尚には、頼れませんね…」
マツカ 「お坊さんなら、一人、いるんですけど…」
スウェナ「棚経の代理なんかを、するわけないわよ!」
おまけに、あんな仏様よ、とスウェナちゃん。
スウェナ「大金を積んでも、蹴り倒されるわね」
ブルー 「当たり前だよ!」
ぼくが代理を務めるなんて、と生徒会長、銀青様モード。
ブルー 「キースの方が代理だったら、許すけれどね!」
シロエ 「やっぱり、プライドの問題ですか?」
ブルー 「ピンポーン! 格が違いすぎるよ!」
でもさ、と生徒会長が真剣な顔で指差す窓の方向。
ブルー 「キースに倒れて欲しくなければ、急ぎたまえ!」
Aブルー「瞬間移動で送りまくれ、と?」
ブルー 「それも手だけど、もっと根本的にね!」
Aブルー「アレを貸せ、って?」
瞬間移動で着せるのかい、と聞いてますけど。
例のアンダー…?
2025/08/22 (Fri)
☆難しい着付け
スッポンタケの棚経の日ですけど、今年は暑さが例年以上。
朝イチで生徒会長宅な面々、キース君の危機に気付いた今。
ブルー 「着物の着せ方、知っているわけ?」
Aブルー「えっと…。温泉旅館の浴衣くらいなら…」
辛うじて着付けられるかも、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「キースのヤツだと、難しそうだね…」
ブルー 「当たり前だよ、普通の着物とも違ってるしさ」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「下に来ている白い着物は、共通だけど…」
法衣は全然違うんだよね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「着物にプリーツ、ついているかい?」
一同 「「「プリーツ?」」」
ブルー 「裾の方だよ、切り替えがあって、その下にね」
一同 「「「あっ!?」」」
言われてみれば、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「そういえば、そんなの、ありましたっけ…」
マツカ 「ぼくも注意はしてませんでした…」
スウェナ「それじゃ、着付けが難しいわけ?」
ブルー 「そうでもないけど、絵になるようには…」
素人さんの腕じゃ、ちょっとね、と生徒会長の苦笑い。
ブルー 「キース自身に来て貰うのが…」
シロエ 「ベストでしょうね…」
ブルー 「だから、急げと言ってるんだよ!」
何処かで時間を作るしか、と生徒会長、真剣。
ブルー 「瞬間移動で時間を稼ぎまくって、その分を…」
Aブルー「着替えの時間に転用しろと?」
ブルー 「それしか無いと思うけれどね!」
コレを参考に考えてみれば、と差し出す紙。
Aブルー「コレは何だい?」
ブルー 「キースが棚経で回る、檀家さんのリスト!」
イライザさん用の控えを、ちょっと拝借、と生徒会長。
ブルー 「ぶるぅ、コピーしてあげて!」
ぶるぅ 「オッケー!」
ブルー 「後はスマホで地図を睨んで、ルートをね」
Aブルー「ルート?」
ブルー 「長距離移動になる区間を探すんだよ!」
其処をカットで連れて来たまえ、という命令。
着替えタイム…。
2025/08/23 (Sat)
☆着替え用の時間
スッポンタケの棚経の日も、朝から半端ない暑さですけど。
キース君を見舞う熱中症の危機に、今更気付いた御一同様。
Aブルー「やってみるけど、間に合うのかな…」
ブルー 「間に合わなかった時は、キースが倒れて…」
此処の棚経は無しになるね、と生徒会長、腕組み。
ブルー 「それが嫌なら、迅速に!」
Aブルー「分かった、誰か、助っ人お願い!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「スマホの操作は慣れているけど、普通のさ…」
民家を探すの、やったことない、と別の世界の住人の悲鳴。
Aブルー「地図にルートを書き込みたくても、無理ゲー!」
シロエ 「手伝いますよ、キース先輩のためですしね」
マツカ 「じゃあ、シロエは住所検索をしてくれますか?」
ぼくが書き込み担当で、とマツカ君も助け舟。
マツカ 「スウェナは、それを見ながら検討を…」
スウェナ「そうね、土地勘ゼロな人だし…」
信号とかもイマイチ、とスウェナちゃん。
スウェナ「三人がかりでやれば、すぐに出来るわ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ コピー出来たよ!」
シロエ 「では、始めましょう!」
一同 「「「オッケー!」」」
急げ、とスマホで住所検索、書き込まれてゆく地点。
マツカ 「直線で行けば、此処は近そうですけど…」
スウェナ「自転車で走れないと思うわ、幹線道路よ?」
お坊さんの二人組じゃね、とスウェナちゃんの思案顔。
スウェナ「他の車両の邪魔になるから、こっちでしょ」
マツカ 「そうですね…。すると道順としては…」
スウェナ「遠回りってことで、狙い目っぽいわ」
シロエ 「何処なんです?」
ちょっと失礼、とシロエ君も地図を覗き込みまして。
シロエ 「いい感じですよ、時間を稼げそうです」
Aブルー「本当かい? 其処で着替えの時間を取れる?」
シロエ 「待って下さい、其処から次の家までだと…」
マツカ 「普通に距離があるようですよ」
着替えに呼ぶなら此処ですね、という話ですけど。
やるしか…。
2025/08/24 (Sun)
☆一回しか来ない人
スッポンタケの棚経の日ですけど、朝から大変な展開な今。
キース君が熱中症の危機、倒れた場合は棚経は無いわけで。
Aブルー「だったら、其処で着替えに来て貰う方向で…」
ブルー 「頑張ってくれまえ!」
それから、と生徒会長が見回す部屋。
ブルー 「ぶるぅ、お膳の用意を急いでくれるかな?」
ぶるぅ 「んとんと、仏様用のヤツ?」
ブルー 「そう! 悪いんだけど、此処で要りそう」
一同 「「「は?」」」
此処とは、と誰もがキョトンですけど。
ブルー 「キースを着替えに呼んだ時だよ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
順番としては、もっと後では、と驚く面々。
シロエ 「どうして、其処になるんですか?」
ブルー 「熱中症の危機だったキースが、此処に二回も…」
足を運ぶと思うのかい、と生徒会長、目がマジ。
ブルー 「着替えたついでに、棚経だろうね」
ぶるぅ 「そだね、元々、押し込んでるんだし…」
一度で済ませて帰りたいよね、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「それじゃ、急いで作って来る!」
ブルー 「よろしく頼むよ、他のみんなも協力で!」
シロエ 「ちょ、ぼくは精進料理なんかは…!」
作れませんけど、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「材料を上手く切れるかどうかも、怪しいです」
マツカ 「ぼくも、味付けなどは自信が…」
まるで無いです、とマツカ君も。
マツカ 「盛り付けくらいは、出来そうですけど…」
スウェナ「私も、ぶるぅの腕には、うんと遠くて…」
調理実習レベルだわね、とスウェナちゃんも逃げ腰。
スウェナ「手伝わないと間に合わないの?」
ブルー 「違うよ、祭壇の方だってば!」
ぶるぅは料理にかかりきりだし、と生徒会長。
ブルー 「机を並べて、お供え物とかを…」
シロエ 「あー、セッティングですね…」
Aブルー「ぼくも手伝えないけど、注文が…」
一同 「「「えっと…?」」」
何を注文する気なんだ、と首を傾げる面々ですけど。
注文…?
2025/08/25 (Mon)
☆蝋燭でキレそう
今年のスッポンタケの棚経、イレギュラーな上に急な展開。
順番が繰り上がりそうで、急ぎで祭壇などの準備ですけど。
Aブルー「キースが着替えに行ってる間、ジョミーはさ…」
シロエ 「多分、へばっているでしょうね」
スウェナ「ジョミーに何かしてあげたいわけ?」
Aブルー「逆だよ、手持ち無沙汰だろうし、その分の…」
時間を有効活用して欲しい、とソルジャーの妙な発言。
Aブルー「蝋燭、多分、沢山あるよね?」
シロエ 「用意を始めないと分かりませんけど、恐らく」
Aブルー「多めに並べてくれないかな?」
一同 「「「は?」」」
蝋燭多めで何をする気だ、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「どうするんです、ソレ?」
Aブルー「蝋燭っていうヤツ、仏様にお供えするしね…」
お経を増やして貰えない分、蝋燭で、とソルジャーの注文。
Aブルー「ジョミーの時間が余ってるなら、いけるって!」
シロエ 「そりゃまあ、蝋燭係ですけど…」
スウェナ「キース、普通にキレて終わりよ?」
Aブルー「どうしてさ?」
追悼イベントで蝋燭もアリだし、と知識があるらしい人。
Aブルー「沢山あっても、怒る人なんかは無さそうで…」
スウェナ「TPOを考えたら?」
Aブルー「棚経なんだよ、無問題かと」
スウェナ「キースは熱中症のピンチなんでしょ!?」
やっと着替えが出来た所で、蝋燭だらけ、という指摘。
スウェナ「蝋燭の炎サイズでも、ズラリ並べられたら…」
シロエ 「キース先輩、キレそうですね…」
マツカ 「沸点を越えてしまいそうです」
やめておいた方が、とマツカ君も。
マツカ 「例年通りが一番ですよ」
シロエ 「何かしたいなら、団扇でしょうか」
心をこめて風を送って、とシロエ君。
シロエ 「お詫びの心が伝わるのでは?」
スウェナ「そうね、原因、貸さなかったせいだし…」
マツカ 「ぼくも団扇をお勧めします」
Aブルー「うーん…」
下僕みたいな気がするけど、と唸ってますけど。
扇げと…?
2025/08/26 (Tue)
☆団扇が熱い時代
スッポンタケの棚経の日ですけど、思いがけない事態発生。
キース君が熱中症になりそう、繰り上げで来て貰う展開に。
シロエ 「団扇、下僕とは限らないですよ?」
マツカ 「そういえば、必須アイテムでしたっけ…」
スウェナ「あら、マツカ、そんなの、知っているわけ?」
俗な世界よ、とスウェナちゃんの意外そうな顔。
スウェナ「ライブなんかは行かないでしょ?」
Aブルー「えっと…?」
話が全然見えないんだけど、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「ライブは団扇が必須なのかい?」
シロエ 「出演者にもよるんですけど、女性向けだと…」
マツカ 「高確率で団扇が使われてますね」
ペンライトの時代は終わりましたよ、とマツカ君。
マツカ 「もちろん、ペンライトの方も欠かせませんけど」
シロエ 「アレは手作り出来ませんしね」
Aブルー「手作り?」
シロエ 「応援グッズの団扇の場合、市販品よりも…」
ハンドメイドが熱いんです、とシロエ君の説明が。
シロエ 「今から作っても、間に合いませんが…」
Aブルー「応援用の団扇で扇げって?」
スウェナ「諸刃の剣っぽいわよ?」
マツカ 「ブルーに書いて貰うのは、どうでしょう?」
銀青様の墨跡ですし、とマツカ君が出したアイデア。
マツカ 「棚経の後は、お持ち帰りで」
シロエ 「ナイスアイデアです、マツカ先輩!」
会長なら暇にしていますしね、とシロエ君、賛同。
シロエ 「会長、その辺の団扇に応援の文字を…」
マツカ 「書いて貰えると、嬉しいんですが…」
ブルー 「オッケー、マツカにはお世話になっているしね」
それじゃ早速、と生徒会長、いそいそと別室へ。
マツカ 「これで団扇が出来て来ますし、それで扇いで…」
シロエ 「お持ち帰りなコースで、安心ですよ」
Aブルー「アンダーを貸さなかった件も、大丈夫かな?」
マツカ 「心をこめて風をサービス、団扇プレゼントで…」
なんとかなると思いますよ、と言ってますけど。
団扇ですか…。
2025/08/27 (Wed)
☆有難い団扇
スッポンタケの棚経の日に、キース君が熱中症になる危機。
回避するには涼しい服に着替えで、棚経の時間も繰り上げ。
Aブルー「恨まれていないと、いいんだけど…」
シロエ 「キース先輩にも、それなりに非はありますしね」
スウェナ「どの辺がよ?」
シロエ 「暑さに慣れていないトコです、本当だったら…」
蚊に刺される件とセットで、クリアすべき点、とシロエ君。
シロエ 「裏技で楽をした結果が、今日の地獄ですよ」
一同 「「「あー…」」」
それもそうか、と納得しながら、祭壇の準備。
マツカ 「こんな感じでよかったでしょうか」
スウェナ「そうね、後は、お膳が出来たらセッティングで」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お待たせ!」
お膳、出来たよ、と料理上手なお子様が持って来た、お膳。
ぶるぅ 「んとんと、祭壇、出来ているから、置いて…」
シロエ 「この祭壇で、間違っていませんか?」
ぶるぅ 「うん、大丈夫!」
完璧だよね、と太鼓判な所へ、生徒会長が戻りまして。
ブルー 「お待たせ、団扇はコレでいいかな?」
一同 「「「うーん…」」」
有難いのか、そうでないのか、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「その団扇、花火大会のヤツでは…?」
マツカ 「無料で配布していた団扇ですよね…」
山の別荘で行った花火大会で、とマツカ君も。
マツカ 「空きスペースに、納涼と書いたわけですか…」
ブルー 「要は、涼しくなったらいいんだしさ!」
年号も日付も入ってないのがポイント、と生徒会長。
ブルー 「来年の夏に、アドス和尚が有難く使えるよ!」
一同 「「「あー…」」」
キース君の得点稼ぎ用か、と言われてみればハンコまで。
シロエ 「お持ち帰りするには、最高ですね…」
ブルー 「元はタダだし、質素倹約の精神を表していて…」
マツカ 「素晴らしいです、キースも喜びますよ」
ブルー 「こじつけだけどね!」
上等の団扇はもったいなくて、と笑ってますけど。
付加価値ですか…。
2025/08/28 (Thu)
☆お互い反省中
お盆はスッポンタケの棚経、今年は繰り上げでやる展開に。
キース君が熱中症の危機でして、着替えに呼んだ時に棚経。
ブルー 「お膳も団扇も揃ったんだけど、キースの方は?」
Aブルー「瞬間移動で稼ぎまくりで、次で召喚!」
よし、お経が終わった、とソルジャー、準備態勢に。
Aブルー「家を出てから自転車に乗って、右折したトコで」
シロエ 「一気に此処まで移動ですね?」
Aブルー「そう! 玄関前まで、自転車ごと!」
ぶるぅ 「じゃあ、お迎えに行って来る!」
キース、事情を知らないしね、と駆けてゆく元気なお子様。
Aブルー「あっ、そうか、何も連絡していなかったっけ」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ジョミーと二人で、はかどってるつもり!」
瞬間移動の自覚ゼロでね、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「早いペースで進んでるな、と思ってるわけ!」
一同 「「「うーん…」」」
まあいいか、と皆が呆れる間に、表に到着したようで。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースたち、来たよ!」
キース 「邪魔するぞ。事情は、ぶるぅから聞いたんだが」
Aブルー「アンダーの件は、本当に、ごめん!」
キース 「いいや、俺にも反省点はあるしな」
楽をしたツケだ、と猛省中なキース君。
キース 「なのに着替えられるとは、有難い」
Aブルー「こっちこそ! 早く着替えて!」
コレ、とソルジャーが差し出すアンダー入りの紙袋。
キース 「では、着替えて来る」
Aブルー「棚経の方も、後で頼むよ!」
キース 「もちろんだ。ジョミー、俺が着替える間に…」
ジョミー「蝋燭とお線香の準備、しておくから!」
着替えが出来て良かったね、とジョミー君、笑顔で見送り。
ジョミー「キース、ホントにヤバかったんだよ…」
シロエ 「そうでしょうねえ、暑いですから…」
ジョミー「倒れなかったの、流石、プロだと思う…」
Aブルー「危なかったかも…」
ぼくも反省しまくってるし、と殊勝な台詞。
後は団扇ですね…。
2025/08/29 (Fri)
☆サクサク棚経
スッポンタケの棚経ですけど、半端ない暑さだったわけで。
キース君が熱中症の危機で、着替えで棚経の方も繰り上げ。
シロエ 「あっ、戻って来たみたいですよ」
ジョミー「うわー、早すぎ!」
蝋燭とお線香、とジョミー君、大慌てでライターで点火。
キース 「待たせたな。なんだ、ジョミーはサボってたか」
ジョミー「だって、暑くてキツかったしさ…」
キース 「俺も人のことは言えんし、いいだろう」
では、始めるぞ、と促されて、一同、正座。
キース 「…今年は、席順が違うようだが」
Aブルー「お詫びの心で、扇ぐようにって言われたし…」
キース 「有難い。ジョミーにも風を送ってやってくれ」
Aブルー「オッケー! 蝋燭を消さないように気を付ける」
出来る範囲で、目一杯、とソルジャーが手にする特製団扇。
キース 「南無阿弥陀仏…」
ジョミー「南無阿弥陀仏…」
最初のお念仏だけ、口パクではないのが、ジョミー君。
キース 「のうまくさらば たたぎゃた ばろきてい…」
ジョミー「…………」
一同 (((有難い呪文の一つ…)))
意味はサッパリ分からないけど、と思う間も、棚経で。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同 (((締めのヤツが来た…)))
キース 「南無阿弥陀仏…」
チーンと鐘を鳴らして、棚経が終了。
キース 「皆さん、よくお勤めでした。おい、ジョミー!」
ジョミー「分かってるって、次だよね」
また灼熱の地獄で自転車、とジョミー君の深い溜息。
ジョミー「キースのアンダー、羨ましいけど…」
キース 「墓回向もしていないくせに、言う権利はない!」
行くぞ、と立ち上がったキース君に、差し出された団扇。
Aブルー「待ってよ、コレをお持ち帰りで!」
キース 「花火大会で貰って来たヤツだろう?」
Aブルー「そうらしいけど、文字とハンコが…」
キース 「まさか、ブルーの書き下ろしか?」
銀青の名前も書いてあるな、と驚いてますけど。
有難いブツ…。
2025/08/30 (Sat)
☆棚経の後には
スッポンタケの棚経、キース君が熱中症の危機で急な展開。
無事に終わってホッと一息、棚経組は次へ急ぐんですけど。
キース 「こんな団扇を、どうしたんだ?」
Aブルー「アンダーのお詫びに、扇げって言われてさ…」
其処から応援団扇の話になって、とソルジャーの説明。
Aブルー「今は団扇が熱い時代で、手作りが基本らしいね」
キース 「それで、ブルーが書いてくれたと?」
Aブルー「手作り団扇じゃ、間に合わないし…」
花火大会の団扇にも理由があるって、と指差す団扇。
Aブルー「無料配布の使い回しは、質素倹約の精神で…」
キース 「なるほど、そう聞くと有難味がグンと増すな」
Aブルー「君が自分で使ってもいいし、アドス和尚に…」
渡して点数稼ぎでも、とソルジャー、受け売りの喋り。
Aブルー「お詫びの品だし、受け取ってくれたまえ!」
キース 「有難い! 親父が大喜びするだろう」
ジョミー「渡しちゃうわけ?」
キース 「ブルーの有難さは、親父の方が承知だしな」
俺はイマイチ理解出来んぞ、とキース君の苦笑。
キース 「日頃、行動を共にしているだけに、色々と…」
ブルー 「いいから、次を急ぐんだろう!?」
キース 「そうだった! ジョミー、次だ!」
団扇を取り返されない内に、と大急ぎで次へ向かう人たち。
キース 「おい、この後の瞬間移動も、例年通りに…」
Aブルー「分かってるってば、お詫びに頑張る!]
早く終わったら、ゆっくり休んで、とソルジャー、やる気。
Aブルー「家に帰ったら忙しいだろうし、何処か他所でさ」
キース 「当然だ! どうせ、親父に…」
ジョミー「こき使われるだけだしね…」
マックにでも行こう、と出て行ったものの。
シロエ 「お盆の間は、精進料理じゃないんですか?」
ぶるぅ 「んとんと…。ドリンクだけ?」
ブルー 「ハンバーガーの誘惑がね…」
一同 「「「うーん…」」」
棚経でマックか、と違和感MAXですけど。
今月、これにて中継終了~。
2025/08/31 (Sun)
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