シャングリラ学園つれづれ語り
☆外は無理な暑さ
さて8月。容赦なく太陽が照り付ける毎日、厳しい暑さ。
生徒会長宅に来ている面々、涼しい部屋でのんびりで…。
ジョミー「暑いよねえ…。ここまで暑いと、外なんか…」
シロエ 「とても無理ですよ、プールも海も勘弁です」
サム 「いいのかよ? 海は勘弁とか言ってたらよ…」
スウェナ「海の別荘、パアになるわよ?」
置いて行かれておしまいじゃない、とスウェナちゃん。
スウェナ「此処の留守番を任されちゃって…」
サム 「涼しくっても、美味いものとか全くねえぜ?」
ぶるぅ 「んとんと、お留守番するんだったら…」
食事とおやつは作っとくよ、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「此処なら、日焼けもしなくて済むし…」
ブルー 「クラゲに刺される心配も無いね」
シロエ 「いえ、ぼくはそういうつもりでは…!」
なかったんです、とシロエ君、顔面蒼白。
シロエ 「マツカ先輩の別荘だったら、話は別です!」
ジョミー「そうだよ、食事は最高、部屋も涼しくて…」
シロエ 「海の家とは違いますしねえ…」
サム 「あー、海の家な…」
あれはあれで楽しいヤツだけどよ、とサム君の相槌。
サム 「マツカの別荘で慣れちまうとよ…」
シロエ 「今更、戻れないですよねえ…」
ジョミー「誰だって、快適な方がいいって!」
山の別荘も楽しかったし…、とジョミー君。
ジョミー「ボートに乗馬に、高原で散歩!」
シロエ 「充実した別荘ライフでしたよ、今年も」
キース 「貴様らの場合は、そうだろうな…」
俺は殆ど楽しめてないぞ、とキース君の仏頂面。
キース 「殆どの日を、厨房で過ごしていたからな!」
一同 「「「あー…」」」
そうだったっけ、と完全に忘れ果てていた人たち。
ジョミー「そういや、キースが合流して来たのって…」
シロエ 「終盤でしたね…」
サム 「別荘じゃなくて、厨房ライフってヤツな…」
キース 「その通りだ!」
俺の苦労を増やしやがって、と握り締める拳。
そういえば…。
2023/08/01 (Tue)
☆忙しすぎた厨房
暑さが最高に厳しいシーズン、生徒会長宅で過ごす面々。
山の別荘が良かった話から、キース君が御機嫌斜めで…。
キース 「いいか、俺は毎朝、貴様らのせいで…!」
ジョミー「走り回ってたらしいよねえ…」
シロエ 「野菜を洗って、卵を割るんでしたっけ?」
キース 「ホットケーキの用意もさせられたぞ!」
焼かせては貰えなかったんだが…、とキース君。
キース 「なんと言っても、マツカの別荘だけに…」
サム 「何か問題あったのかよ?」
キース 「お前たちにとっては、ホットケーキは…」
ホットケーキミックスかもしれないが、とブツブツブツ。
キース 「ぶるぅが作るホットケーキを考えてみろ!」
ジョミー「そう言われても、作る所なんか…」
シロエ 「見ていませんから、詳しいことは…」
キース 「…そうだった…」
俺も、かつてはそうだったな、とキース君の深い溜息。
キース 「ホットケーキといえば、粉を量って…」
ジョミー「卵と牛乳を入れるんじゃあ…?」
シロエ 「そんな感じですよね、ぼくの家もそうですよ」
スウェナ「別荘のヤツは、違ったわけ?」
粉と卵と牛乳じゃないの、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「キースの仕事は、量るだけでしょ?」
キース 「量るだけだが、他に材料が色々と…!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 生クリームとかだよね?」
キース 「分かってくれるんだな、俺の苦労を…!」
迷惑な方のぶるぅと違って…、とキース君。
キース 「あいつには、マジで酷い目に…!」
ジョミー「パフェ三昧のこと?」
シロエ 「みんなで注文しまくりましたね…」
ぶるぅが言い出しっぺで、とシロエ君、回想モード。
シロエ 「でも美味しかったですよ、抹茶パフェ」
ジョミー「いろんなパフェを頼んだっけね」
サム 「うんうん、注文、かぶらなかったぜ」
スウェナ「奇跡だわねえ…」
キース 「何故、同じのを注文しない…!」
俺への気遣いゼロなのか、と唸ってますけど。
当然では…?
2023/08/02 (Wed)
☆胃に悪かった厨房
太陽が容赦ない猛暑な季節は、涼しい生徒会長宅が一番。
のんびりと過ごすシャン学メンバー、山の別荘を回想で。
ジョミー「何故って、好きなのを頼めばいい、って…」
シロエ 「言いましたよねえ、例の迷惑な人が」
スウェナ「キースの仕事が増えるなら、って…」
サム 「ノリノリで煽っていたわけでよ…」
乗らねえ馬鹿はいねえよな、とサム君、ニンマリ。
サム 「話に乗ったら、好みのパフェだぜ?」
シロエ 「そうですよ。ぶるぅが最初に頼んだのは…」
ジョミー「フルーツパフェだし、揃えるんなら…」
全員、そっちになったんだけど、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、どうせなら好きなヤツをさ…」
シロエ 「頼みたいのが人情ですよね」
キース 「だからと言って、よくも尻馬に…!」
サム 「フルーツパフェで揃えろってか?」
それはそれで地獄になるんでねえの、とサム君の指摘。
サム 「人数分のフルーツ、下準備だろ?」
キース 「うっ…」
シロエ 「キース先輩の仕事は、盛り付けじゃなくて…」
洗ったり、皮を剥いたりでは…、とシロエ君も。
シロエ 「飾り切りとかも出来ないでしょうし…」
ジョミー「早くやれ、って怒鳴られるんじゃあ…?」
キース 「いや、俺は一応、ゲストだったし…」
怒鳴られることはなかったんだが…、とキース君。
キース 「とはいえ、やはり仕事が遅いと…」
サム 「嫌味なのかよ?」
キース 「違う、代わりにやります、とサッと横から…」
他の人が出て来て、持って行くんだ、と顰める顔。
キース 「でもって、それは素早い手つきで…」
サム 「サッサと済ませちまうのな…」
下手な嫌味よりキツくねえか、とサム君の問い。
サム 「なんかストレス、かかりそうだぜ?」
キース 「そうなんだ! プレッシャーが毎日、毎日…」
シロエ 「のしかかっていたわけですね?」
キース 「MAXでな!」
繊細なヤツなら胃をやられるぞ、と唸る人。
キツそう…。
2023/08/03 (Thu)
☆役に立った修行
暑さが一番厳しい8月、生徒会長宅に来ている御一同様。
涼しい部屋でのんびりですけど、山の別荘を回想中で…。
ジョミー「胃をやられそうな勢いって…」
シロエ 「半端なかったんですね、厨房の仕事…」
キース 「真面目に毎日、キツかったんだが…!」
ジビエ料理に向けての指導もあったしな、とキース君。
キース 「当日は、手伝って貰えるとは言うものの…」
ジョミー「厨房の人と息が合わないと、失敗するって…」
シロエ 「マツカ先輩も言ってましたしねえ…」
マツカ 「でも、本当のことですから…」
でないと執事は提案しません、とマツカ君、キッパリ。
マツカ 「執事の役目は、お客様に別荘で快適に…」
シロエ 「過ごして貰うことなんですよね?」
マツカ 「そうです、ですから、キースの場合は…」
料理で苦労をしないよう気配りですよ、と御曹司。
マツカ 「実際、修行は役に立ったと思いますけど…?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 美味しかったよ、お料理!」
サム 「うんうん、イノシシとセロリのよ…」
シロエ 「パートフィロー包み焼き、最高でした!」
また食べたくなるくらいですよ、とシロエ君の笑顔。
シロエ 「別荘でも、思い切り、おかわりで…」
ジョミー「食べまくったよねえ、美味しすぎてさ」
キース 「お前たち、幾つ食ったんだ!」
サム 「俺は三つは食ったかなあ…。四つかな?」
そんなの、いちいち数えてねえよ、とサム君、しれっと。
サム 「もう一個、って言えば持って来てくれたし…」
ジョミー「もっと如何ですか、って勧めてくれたし…」
シロエ 「食べたいだけ、食べただけですけれど?」
キース 「よくも山ほど頼みやがって…!」
あっちのぶるぅの団体様か、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「焼いても、焼いても、終わらないんだ…!」
ジョミー「ぶるぅの悪戯、出なかったしさ…」
サム 「いいじゃねえかよ」
美味かったからこそ無事なんだぜ、とツッコミが。
ですよね…?
2023/08/04 (Fri)
☆調理器具で悪戯
厳しい暑さが続く季節は、生徒会長宅が一番な御一同様。
山の別荘を回想中で、キース君のジビエ料理が話題な今。
シロエ 「ホントですよね、焦げていたりしたら…」
サム 「あっちのぶるぅが、許すわけがねえよな」
ジョミー「最初から予告していたもんねえ…」
ぶるぅ 「そだよ、失敗した時は、カエル袋って!」
足で踏み踏み、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の証言が。
ぶるぅ 「でもって、そこから色々と…」
シロエ 「悪戯が続く勘定ですか?」
ぶるぅ 「そう言ってたよ、なんか、アドリブで…」
厨房の道具を使って大暴れなの! と怖すぎる言葉。
ぶるぅ 「包丁は使わないらしいけど…」
ジョミー「あー、キースの命がヤバいからかな?」
ぶるぅ 「殺しちゃったら、楽しめないでしょ?」
一同 「「「うわー…」」」
生かしておいてオモチャだったか、と誰もがガクブル。
シロエ 「キース先輩、よかったですね、助かって…」
キース 「どうやら命を拾ったようだな…」
ぶるぅ 「違うよ、絶対、殺さない、って…」
ぶるぅが宣言してたもん! と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「まな板で殴るとか、そんなのも無しで…」
ジョミー「めん棒パンチもしない、って?」
ぶるぅ 「そうなの、頭にボウルを被せて…」
ガンガン叩いてみようかな、って…、とニコニコニコ。
ぶるぅ 「何で叩くといい音がするか、聞かれたし…」
キース 「嫌すぎるんだが!」
ぶるぅ 「あとは、泡立て器の使い方とか…」
シロエ 「考えていたんですね、あっちのぶるぅは…」
流石ですよ、とシロエ君、苦笑。
シロエ 「もちろん、悪戯は厨房じゃなくて…」
ぶるぅ 「みんなが食事をしてるトコだよ!」
余興を提供するんだしね、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「だけど、お料理、美味しかったから…」
サム 「頑張った甲斐があったじゃねえかよ」
キース 「そうだな、酷い目に遭わされて…」
晒し者では浮かばれんし、と唸ってますけど。
嫌すぎ…。
2023/08/05 (Sat)
☆もう一度作って
暑さが厳しすぎるシーズン、生徒会長宅が一番ですけど。
山の別荘の思い出話で、キース君は命を拾ったそうで…。
シロエ 「よかったですねえ、オモチャにされなくて」
キース 「まったくだ。泡立て器での悪戯とかは…」
サム 「知りたくもねえよな、どういうヤツなのか…」
ぶるぅ 「そだね、ぶるぅもアイデア考え中で…」
ぶっつけ本番って言ってたよ、と無邪気なお子様の証言。
ぶるぅ 「だから、なんにも聞いていないの!」
ジョミー「ちょっと見たかった気もするかな、ソレ」
シロエ 「全くの謎だと、気になりますよね」
ジョミー「キース、もう一度、料理してみない?」
場所は此処でもいいじゃない、とジョミー君。
ジョミー「道具は一式、揃ってるしさ…」
サム 「ぶるぅの代わりに作るってか?」
ジョミー「どうかな、夏休みの間にさ…。そうだ!」
海の別荘もあるんだっけね、とジョミー君が乗り出す膝。
ジョミー「あそこで新鮮な海の幸とか、良さそうだけど」
シロエ 「なるほど、食材はバッチリですよね」
スウェナ「アワビとかなら、調達してくる所から…」
出来るものね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「毎年、素潜りで獲ってるじゃないの」
ジョミー「そうだね、キースが料理してくれるんなら…」
シロエ 「ぼくたちも気合いが入りますよ!」
頑張ってドッサリ獲って来ます、とシロエ君の輝く瞳。
シロエ 「でもって、キース先輩が料理で…」
ジョミー「うんと美味しいのを食べ放題!」
失敗したら、泡立て器を使った悪戯で…、と立てる親指。
ジョミー「キース、お願い、もう一回!」
シロエ 「ジョミー先輩、ナイスです!」
いろんな意味で美味しいですし、とシロエ君もノリノリ。
シロエ 「キース先輩、作って下さいよ!」
キース 「その前に、何か忘れていないか?」
シロエ 「何をです?」
キース 「お前じゃなくて、ジョミーなんだが…」
自分の立場が分かってないな、と言ってますけど。
えっと…?
2023/08/06 (Sun)
☆頭が煮える暑さ
暑さが厳しすぎる季節は、涼しい生徒会長宅な御一同様。
山の別荘の話から海の別荘へ、キース君の料理を希望で。
ジョミー「ぼく? 忘れるって、何を?」
キース 「今はいつだと思っているんだ?」
ジョミー「えっと…? 今日は8月の…」
何日だっけ、とジョミー君が眺める壁のカレンダー。
ジョミー「木曜だから、3日かな?」
シロエ 「多分、そうだと思いますけど…」
これだけ暑いと忘れますよ、とシロエ君。
シロエ 「夏休みだけに、日付は関係無いですし…」
サム 「忘れていたって困らねえよなあ…」
旅行とかだけ覚えとけばよ、とサム君も。
サム 「他は気にしなくってもよ…」
キース 「お前も頭が煮えているのか?」
サム 「えっ、俺?」
キース 「今の流れで、お前以外に誰がいると?」
よくも綺麗に忘れやがって、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「貴様、腐っても僧籍だろうが!」
サム 「あー…。海の別荘の前に、お盆な…」
ジョミー「げっ!」
また棚経のシーズンなんだ、とジョミー君、愕然。
ジョミー「ご、ごめん! 料理しろとか言わないから…」
キース 「棚経のお供は許してくれ、と?」
ジョミー「そう! 頼むよ、棚経、キツいんだしさ…」
??? 「ダメダメ、やってくれないと!」
困るんだよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「お供がいないと、有難味が減るし…」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「何処って、ぼくの青の間だけど?」
料理の話が出てたから、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「海の別荘でも料理するのかな、って…」
キース 「二度と御免だ!」
誰がするか、とキース君、グッと拳を。
キース 「まずは棚経、今年もジョミーを鍛えてだな…」
サム 「お経を覚えさせるのかよ?」
キース 「その前に、作法もなっていないし…」
ジョミー「酷いってば!」
料理を頼んだ復讐なわけ、と悲鳴ですけど。
仕返しですか…?
2023/08/07 (Mon)
☆棚経の代わりに
今年も暑さが厳しい8月、生徒会長宅で過ごす御一同様。
海の別荘でもキース君の料理、という話が出ましたが…。
キース 「いいか、棚経は坊主の義務だ!」
サム 「復讐は関係ねえってか?」
キース 「当然だろう、個人的な感情は一切、入らん!」
とにかく今年もやってもらう、とキース君の睨み。
キース 「逃げた場合は、海の別荘行きの面子から…」
シロエ 「外すんですか?」
キース 「マツカ、外してもかまわんな?」
マツカ 「いいですけれど…。でも、それよりは…」
料理がいいんじゃないでしょうか、とマツカ君の問い。
マツカ 「キースの代わりに、今度はジョミーが…」
ジョミー「料理するわけ!?」
マツカ 「ええ、そういうのは如何でしょう?」
キース 「なるほど、それも悪くはないか…」
ぶるぅのオモチャもジョミーだな、とキース君、ニヤリ。
キース 「よし、今年の棚経は許してやろう」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
シロエ 「ジョミー先輩の料理も、きっとそれなりに…」
サム 「形になるかもしれねえなあ…」
プロの指導が入るんだしよ、とサム君も。
サム 「努力次第で、オモチャの刑は免れそうだぜ」
スウェナ「そうねえ、資質があれば、だけれど」
シロエ 「無かった場合は、泡立て器の出番ですよ!」
どう使うのか楽しみですね、とシロエ君、ワクワク。
シロエ 「料理もいいんですけど、泡立て器も…」
サム 「見てえ気持ちは確かにあるよな」
ジョミー「嫌すぎるって!」
Aブルー「ぼくもだよ!」
棚経のお供がいないなんて、とソルジャーが割り込み。
Aブルー「料理なんかより、棚経だってば!」
ジョミー「そうだよねえ?」
棚経の方が大事だよね、とジョミー君も必死。
ジョミー「お供するから、料理は勘弁してよ!」
Aブルー「ぼくからも頼むよ、棚経の方で!」
キース 「なら、代わるか?」
Aブルー「えっ?」
何を代わるって、とソルジャー、キョトン。
代わる…?
2023/08/08 (Tue)
☆ツケを払うべし
暑さ厳しい8月ですけど、生徒会長宅なら涼しいわけで。
キース君の料理を再び、との話がジョミー君に回って…。
ジョミー「もしかして、ぼくと代わってくれるわけ?」
シロエ 「そうかもですね、今の流れだと」
サム 「それっぽいけどよ、料理なんてよ…」
ジョミー以上に下手なんじゃあ…、とサム君の分析。
サム 「ジョミーは一応、調理実習してるしよ…」
シロエ 「ですね、学校では必修ですから…」
ジョミー「うん、カレーくらいなら、作れないことは…」
ないと思う、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、あっちのぶるぅはグルメすぎるし…」
サム 「キースのようにはいかねえってか?」
ジョミー「当たり前だよ、厨房で何日か修行したって…」
凝った料理なんかは絶対に無理、と肩をブルッと。
ジョミー「ぶるぅのオモチャになるよりは、棚経!」
Aブルー「そうだよ、棚経の方でお願い!」
キース 「話がループしているようだが、代わる件は…」
どうするんだ、とキース君、腕組み。
キース 「俺で遊ぼうとしたツケは、是非とも…」
シロエ 「払って欲しい、と言うんですか?」
キース 「ああ、キッチリと料理でな!」
ジョミーでも、そいつでもいいぞ、とキース君、ニヤリ。
キース 「ジョミーの場合は、海の別荘で料理で…」
サム 「そっちのブルーだと、違うのかよ?」
キース 「棚経が大事だとぬかす以上は、そっちだな」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? 棚経に料理、ありましたか?」
スウェナ「特別な御馳走、あったような気は…」
しないわよ、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「果物とかを供えて、精進料理のお膳でしょ?」
キース 「俺が言うのは、まさにそれだが?」
シロエ 「まさか、お膳を、その人にですね…」
キース 「作れと言ったら?」
Aブルー「無理すぎるから!」
無茶を言われても、とソルジャー、悲鳴ですけど。
お膳…?
2023/08/09 (Wed)
☆お鉢が回った人
この夏も暑さ厳しい8月、生徒会長宅で過ごすのが一番。
其処で出て来た料理する話、只今、ソルジャーにお鉢が。
キース 「そうか、ダメなら、無理にとは言わん」
Aブルー「本当かい!?」
キース 「ただし、ジョミーが棚経に来るかどうかは…」
微妙なわけでな、とキース君が繰る左手首の数珠レット。
キース 「あんたが料理を断る場合は、ジョミーがだ…」
シロエ 「海の別荘で料理になるわけですか?」
キース 「そうなるな。でもって、料理をするんなら…」
棚経のお供は免除になる、とキース君、キッパリと。
キース 「両方やれ、と言っても逃げるだろうし…」
ジョミー「当たり前だよ、でもって料理をするよりは…」
棚経の方がマシだから、とジョミー君も必死。
ジョミー「料理が下手だと、あっちのぶるぅが…」
サム 「泡立て器とかで悪戯だよなあ、確実に」
シロエ 「ぼくたちは、別にかまいませんけど…」
ジョミー「嫌すぎるんだよ、やられる方は!」
棚経のお供をやらせてよ、とジョミー君の泣きそうな声。
ジョミー「頼むから、料理は勘弁して!」
キース 「そう思うのなら、そいつに土下座で頼め!」
ジョミー「えっと…?」
キース 「棚経を希望の、其処の馬鹿に、だ…」
土下座して料理をして貰え、と容赦ない台詞が。
キース 「棚経の日は、お膳を作って下さい、と!」
ジョミー「分かった、そうする!」
この通りです、とジョミー君、ソルジャーに土下座。
ジョミー「棚経のお供をするから、お願いします!」
Aブルー「ぼくに作れ、と?」
キース 「代理を立てるのは認めんぞ!」
コーチをつけることは許す、とキース君。
キース 「ぶるぅ、イチから指導してやれ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理の基本からだね!」
キース 「そうだ、明日から飯を作りに通って来い!」
一同 「「「イイネ!」」」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
此処のキッチンで頑張れと、と慌ててますけど。
料理修行…?
2023/08/10 (Thu)
☆料理を教わる人
暑さ厳しい8月ですけど、やって来るのがお盆なわけで。
お盆と言えば棚経がセット、棚経に欠かせないのがお膳。
Aブルー「どうして、そういうことになるのさ!」
キース 「嫌なら、別にいいんだぞ?」
棚経に俺が一人で来るだけだ、とキース君、ピシャリ。
キース 「サムは親父のお供と決まっているからな」
Aブルー「こっちに回して貰えない、と?」
キース 「当然だろうが、住職は親父だ!」
お供をつけるのは住職の方、と正論が。
キース 「副住職がつけてどうする、格下なのに!」
Aブルー「でもさ、ジョミーは棚経を希望で…」
ジョミー「海の別荘で料理よりかは、棚経だよ!」
利害は一致してると思う、とジョミー君の目が副住職に。
ジョミー「土下座したけど、別にそこまでしなくても…」
Aブルー「ジョミーは棚経に来てくれるよね?」
ジョミー「喜んで!」
Aブルー「ほらね、商談成立だってば!」
流されそうになっちゃったけど、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「これで解決、お膳の話は無かったことに!」
キース 「大事なことを忘れていないか、二人とも」
ジョミー「えっ、ぼくたち?」
キース 「そうだ、料理の話は俺の復讐なんだが…?」
そっちは解決していないぞ、とキース君の睨み。
キース 「二人の内の、どちらかが料理しない限りは…」
シロエ 「復讐、チャラにならないんですね?」
キース 「俺は散々、遊ばれたしな!」
それで、どっちが料理するんだ、と詰め寄る人。
キース 「ジョミーか、それとも…」
Aブルー「分かった、明日から作りに来る!」
一同 「「「イイネ!」」」
面白そうだ、と大歓声で、次の日、ソルジャー登場で。
Aブルー「来たよ、練習は昼の御飯でいいかな?」
キース 「そうだな、まずは昼飯からだ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キッチン、こっちだよ!」
Aブルー「頑張って来る!」
キース 「よし、期待しよう」
美味い料理を作ってこい、と送り出しましたが。
さて…?
2023/08/11 (Fri)
☆上手に作れた人
今年も暑さが厳しい8月、じきにお盆の棚経ですけれど。
欠かせないのがお膳なわけで、ソルジャーが作ることに。
シロエ 「あの人、料理が出来るんでしょうか?」
キース 「正直、期待はしていないんだが…」
復讐な以上、嫌がらせだな、とキース君の冷たい笑み。
キース 「不味いのが出来たら、文句を言うんだぞ?」
シロエ 「後々、復讐されそうですけど!」
キース 「お前たちは、そうかもしれないな」
だが俺だけは安全圏だ、とキース君、勝ち誇った顔。
キース 「棚経がかかっているんだし…」
ジョミー「だったら、ぼくも大丈夫かな?」
キース 「そうなるだろうな、遠慮なく文句三昧で…」
ジョミー「フルボッコかあ…」
美味しい方が嬉しいけどね、と苦笑しているジョミー君。
ジョミー「不味いよりかは、美味しい方がさ…」
シロエ 「そりゃ、誰だって喜びますよね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お昼、出来たよ!」
Aブルー「これなら合格点だって!」
ぶるぅの教え方が上手いから、とソルジャー、ウインク。
Aブルー「まあ、食べてみてよ!」
ぶるぅ 「お味、ホントに合格なの!」
どんどん食べてね、と並べられてゆく料理が盛られた器。
ジョミー「えっと…?」
シロエ 「何です、これは?」
Aブルー「がんもどきとインゲンの煮物だけど?」
ぶるぅ 「これは白和え、揚げだし豆腐に、すまし汁!」
美味しそうでしょ、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ホントのホントに美味しいから!」
キース 「あ、ああ…。確かにな…」
否定はしない、と食べてみたキース君、複雑な表情。
キース 「しかしだな…。この暑いのに、精進料理は…」
Aブルー「何か問題があるとでも?」
美味しいのにさ、とソルジャーの仏頂面。
Aブルー「お膳の練習だし、精進で当然!」
キース 「まさか、あんたが作るのは、全部…」
Aブルー「精進料理になるよね、もちろん!」
お盆までしっかり練習を、と言ってますけど。
精進料理…?
2023/08/12 (Sat)
☆協力をよろしく
8月と言えばお盆なわけで、じきに棚経の日ですけれど。
お膳を作れと言われたソルジャー、只今、料理の修行中。
キース 「今日の晩飯も、精進料理を作る気か!?」
Aブルー「決まってるだろう、他に何があると?」
精進料理を習うんだしね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「棚経の日が来るまで、数をこなして…」
ぶるぅ 「慣れて貰わないと、お膳、作れないよ?」
だって、基礎からダメなんだもん、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「アイスしか作ったことがない、って…」
一同 「「「アイス?」」」
Aブルー「そう! 大好物だから、厨房に行って…」
作るんだよね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「材料を混ぜて、凍らせるだけで出来るから!」
シロエ 「包丁とかは使えないって言うんですか?」
Aブルー「ピンポーン! 凶器としてなら、充分に…」
使いこなせると思うんだけどね、と怖すぎる台詞。
Aブルー「でもねえ、正しい使い方となると全然で…」
ぶるぅ 「慣れて、覚えて貰うしかないの!」
だから、みんなも協力してね、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「今日から棚経の日まで、精進料理!」
キース 「ハッキリ言って、パワーが出ないんだが!」
Aブルー「えっと…?」
キース 「ガス欠だ、棚経の日までにバテてしまうぞ!」
卒塔婆書きも残っているんだからな、と副住職の苦情。
キース 「サムとジョミーは、大丈夫かもしれないが…」
Aブルー「あー…。それじゃキースだけ、ぶるぅにさ…」
キース 「別メニューを頼め、と?」
Aブルー「そう! 君がバテたら大変だしね!」
とりあえず、今日は、うな重でも、という案で。
キース 「よし、許す! 他の面子は精進料理だ!」
シロエ 「酷すぎますから!」
Aブルー「ぼくの料理に文句があるのかな?」
シロエ 「い、いえ、無いです!」
Aブルー「はい、決定! お盆まで、協力よろしく!」
精進料理の腕を磨くからね、と張り切る人。
迷惑すぎ…。
2023/08/13 (Sun)
☆キツそうな棚経
やって来ました、8月14日。スッポンタケの棚経の日。
朝イチで生徒会長宅に集う面々、欠員が3名ほどでして。
シロエ 「おはようございます。朝から暑いですよね…」
スウェナ「参っちゃうわよね、毎日、毎日…」
マツカ 「でも、キースたちは、もっと大変ですよ?」
とうにスタートしている筈で…、とマツカ君。
マツカ 「一番早いお宅は、朝の6時だそうですし…」
シロエ 「その辺だと、まだ涼しい気もしますけど…」
スウェナ「後は暑くなる一方だわねえ…」
その中を自転車で走るんでしょ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「おまけに法衣で、アレって、黒いし…」
シロエ 「思いっ切り、暑くなる色ですよね…」
マツカ 「下に着るのは、白ですけどね…」
もう汗だくだと思いますよ、とマツカ君の視線が窓へ。
マツカ 「今日の予報も猛暑日ですから、キツそうです」
シロエ 「ジョミー先輩とサム先輩は、もっと…」
キツイ棚経になるんじゃあ…、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「キース先輩は、ガッツリ食べてましたけど…」
スウェナ「サムとジョミーは、精進料理だったわねえ…」
マツカ 「そこは、ぼくたちも同じですけど…」
棚経で走り回りはしませんし…、とマツカ君の相槌。
マツカ 「あの食事だけで、今日一日をこなすのは…」
シロエ 「修行よりキツイかもですよ」
Aブルー「おはよう! みんな揃っているね!」
今日の棚経、よろしく頼むよ、とソルジャー、登場。
Aブルー「さてと、今日はいよいよ、本番だから…」
ぶるぅ 「お膳、頑張って作ってね!」
Aブルー「もちろんだよ!」
この日のために料理を習ったんだし、と張り切る人。
Aブルー「とはいえ、すぐに忘れるだろうけど!」
シロエ 「忘れるって、料理のやり方を…ですか?」
Aブルー「他に何があると?」
シロエ 「普通、忘れないと思いますけど!」
Aブルー「多忙な身だしね!」
ソルジャー稼業は忙しいし、と言ってますけど。
本当に…?
2023/08/14 (Mon)
☆出ないのが仕事
今日はスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅な面々。
ソルジャーも来まして、お膳を作るわけなんですけど…。
シロエ 「どの辺が多忙なんですか!」
スウェナ「そんな風には見えないわよねえ…」
マツカ 「どうでしょう? 忙しい時は忙しいとか…」
その可能性もありますよ、とマツカ君の控えめな発言。
マツカ 「ぼくたちが全く知らない間に、色々と…」
シロエ 「多分、その逆だと思いますけど!」
Aブルー「ピンポーン!」
一同 「「「えっと…?」」」
今の流れだと、どっちなんだ、と首を傾げる御一同様。
スウェナ「意外だけど、本当に忙しい…のかしら?」
シロエ 「違うでしょう、暇を持て余す方で…」
Aブルー「そう、そんな感じ!」
マツカ 「あのぅ…。それだと分かりませんよ?」
正解を言った人を示さないと…、とマツカ君の言。
マツカ 「シロエか、ぼくか、どっちなんです?」
Aブルー「両方だよ!」
一同 「「「両方…?」」」
ますます謎だ、と飛び交う「?」マーク。
マツカ 「暇だけど、忙しいということでしょうか…?」
Aブルー「大正解!」
それで合ってる、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「ぼくの仕事は、青の間にいることだから!」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「分からないかな、部屋から出ないのが仕事!」
一同 「「「ええっ!?」」」」
まさかのデスクワークとか…、と誰もが仰天。
シロエ 「青の間に缶詰めで、仕事…ですか?」
Aブルー「違うね、青の間から外に出ないのが…」
ぼくの大事な役目なんだよ、と威張り返る人。
Aブルー「ソルジャーは威厳が必要らしいね、偉いから」
シロエ 「それはまあ、そうでしょうけれど…」
スウェナ「部屋から出ないのと、どう繋がるのよ?」
Aブルー「いいかい、ぼくは一種の偶像なわけで…」
シロエ 「イメージダウンを避けるんですか?」
Aブルー「大当たり!」
だから出ないのが仕事でね、と言ってますけど。
えっと…?
2023/08/15 (Tue)
さて8月。容赦なく太陽が照り付ける毎日、厳しい暑さ。
生徒会長宅に来ている面々、涼しい部屋でのんびりで…。
ジョミー「暑いよねえ…。ここまで暑いと、外なんか…」
シロエ 「とても無理ですよ、プールも海も勘弁です」
サム 「いいのかよ? 海は勘弁とか言ってたらよ…」
スウェナ「海の別荘、パアになるわよ?」
置いて行かれておしまいじゃない、とスウェナちゃん。
スウェナ「此処の留守番を任されちゃって…」
サム 「涼しくっても、美味いものとか全くねえぜ?」
ぶるぅ 「んとんと、お留守番するんだったら…」
食事とおやつは作っとくよ、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「此処なら、日焼けもしなくて済むし…」
ブルー 「クラゲに刺される心配も無いね」
シロエ 「いえ、ぼくはそういうつもりでは…!」
なかったんです、とシロエ君、顔面蒼白。
シロエ 「マツカ先輩の別荘だったら、話は別です!」
ジョミー「そうだよ、食事は最高、部屋も涼しくて…」
シロエ 「海の家とは違いますしねえ…」
サム 「あー、海の家な…」
あれはあれで楽しいヤツだけどよ、とサム君の相槌。
サム 「マツカの別荘で慣れちまうとよ…」
シロエ 「今更、戻れないですよねえ…」
ジョミー「誰だって、快適な方がいいって!」
山の別荘も楽しかったし…、とジョミー君。
ジョミー「ボートに乗馬に、高原で散歩!」
シロエ 「充実した別荘ライフでしたよ、今年も」
キース 「貴様らの場合は、そうだろうな…」
俺は殆ど楽しめてないぞ、とキース君の仏頂面。
キース 「殆どの日を、厨房で過ごしていたからな!」
一同 「「「あー…」」」
そうだったっけ、と完全に忘れ果てていた人たち。
ジョミー「そういや、キースが合流して来たのって…」
シロエ 「終盤でしたね…」
サム 「別荘じゃなくて、厨房ライフってヤツな…」
キース 「その通りだ!」
俺の苦労を増やしやがって、と握り締める拳。
そういえば…。
2023/08/01 (Tue)
☆忙しすぎた厨房
暑さが最高に厳しいシーズン、生徒会長宅で過ごす面々。
山の別荘が良かった話から、キース君が御機嫌斜めで…。
キース 「いいか、俺は毎朝、貴様らのせいで…!」
ジョミー「走り回ってたらしいよねえ…」
シロエ 「野菜を洗って、卵を割るんでしたっけ?」
キース 「ホットケーキの用意もさせられたぞ!」
焼かせては貰えなかったんだが…、とキース君。
キース 「なんと言っても、マツカの別荘だけに…」
サム 「何か問題あったのかよ?」
キース 「お前たちにとっては、ホットケーキは…」
ホットケーキミックスかもしれないが、とブツブツブツ。
キース 「ぶるぅが作るホットケーキを考えてみろ!」
ジョミー「そう言われても、作る所なんか…」
シロエ 「見ていませんから、詳しいことは…」
キース 「…そうだった…」
俺も、かつてはそうだったな、とキース君の深い溜息。
キース 「ホットケーキといえば、粉を量って…」
ジョミー「卵と牛乳を入れるんじゃあ…?」
シロエ 「そんな感じですよね、ぼくの家もそうですよ」
スウェナ「別荘のヤツは、違ったわけ?」
粉と卵と牛乳じゃないの、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「キースの仕事は、量るだけでしょ?」
キース 「量るだけだが、他に材料が色々と…!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 生クリームとかだよね?」
キース 「分かってくれるんだな、俺の苦労を…!」
迷惑な方のぶるぅと違って…、とキース君。
キース 「あいつには、マジで酷い目に…!」
ジョミー「パフェ三昧のこと?」
シロエ 「みんなで注文しまくりましたね…」
ぶるぅが言い出しっぺで、とシロエ君、回想モード。
シロエ 「でも美味しかったですよ、抹茶パフェ」
ジョミー「いろんなパフェを頼んだっけね」
サム 「うんうん、注文、かぶらなかったぜ」
スウェナ「奇跡だわねえ…」
キース 「何故、同じのを注文しない…!」
俺への気遣いゼロなのか、と唸ってますけど。
当然では…?
2023/08/02 (Wed)
☆胃に悪かった厨房
太陽が容赦ない猛暑な季節は、涼しい生徒会長宅が一番。
のんびりと過ごすシャン学メンバー、山の別荘を回想で。
ジョミー「何故って、好きなのを頼めばいい、って…」
シロエ 「言いましたよねえ、例の迷惑な人が」
スウェナ「キースの仕事が増えるなら、って…」
サム 「ノリノリで煽っていたわけでよ…」
乗らねえ馬鹿はいねえよな、とサム君、ニンマリ。
サム 「話に乗ったら、好みのパフェだぜ?」
シロエ 「そうですよ。ぶるぅが最初に頼んだのは…」
ジョミー「フルーツパフェだし、揃えるんなら…」
全員、そっちになったんだけど、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、どうせなら好きなヤツをさ…」
シロエ 「頼みたいのが人情ですよね」
キース 「だからと言って、よくも尻馬に…!」
サム 「フルーツパフェで揃えろってか?」
それはそれで地獄になるんでねえの、とサム君の指摘。
サム 「人数分のフルーツ、下準備だろ?」
キース 「うっ…」
シロエ 「キース先輩の仕事は、盛り付けじゃなくて…」
洗ったり、皮を剥いたりでは…、とシロエ君も。
シロエ 「飾り切りとかも出来ないでしょうし…」
ジョミー「早くやれ、って怒鳴られるんじゃあ…?」
キース 「いや、俺は一応、ゲストだったし…」
怒鳴られることはなかったんだが…、とキース君。
キース 「とはいえ、やはり仕事が遅いと…」
サム 「嫌味なのかよ?」
キース 「違う、代わりにやります、とサッと横から…」
他の人が出て来て、持って行くんだ、と顰める顔。
キース 「でもって、それは素早い手つきで…」
サム 「サッサと済ませちまうのな…」
下手な嫌味よりキツくねえか、とサム君の問い。
サム 「なんかストレス、かかりそうだぜ?」
キース 「そうなんだ! プレッシャーが毎日、毎日…」
シロエ 「のしかかっていたわけですね?」
キース 「MAXでな!」
繊細なヤツなら胃をやられるぞ、と唸る人。
キツそう…。
2023/08/03 (Thu)
☆役に立った修行
暑さが一番厳しい8月、生徒会長宅に来ている御一同様。
涼しい部屋でのんびりですけど、山の別荘を回想中で…。
ジョミー「胃をやられそうな勢いって…」
シロエ 「半端なかったんですね、厨房の仕事…」
キース 「真面目に毎日、キツかったんだが…!」
ジビエ料理に向けての指導もあったしな、とキース君。
キース 「当日は、手伝って貰えるとは言うものの…」
ジョミー「厨房の人と息が合わないと、失敗するって…」
シロエ 「マツカ先輩も言ってましたしねえ…」
マツカ 「でも、本当のことですから…」
でないと執事は提案しません、とマツカ君、キッパリ。
マツカ 「執事の役目は、お客様に別荘で快適に…」
シロエ 「過ごして貰うことなんですよね?」
マツカ 「そうです、ですから、キースの場合は…」
料理で苦労をしないよう気配りですよ、と御曹司。
マツカ 「実際、修行は役に立ったと思いますけど…?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 美味しかったよ、お料理!」
サム 「うんうん、イノシシとセロリのよ…」
シロエ 「パートフィロー包み焼き、最高でした!」
また食べたくなるくらいですよ、とシロエ君の笑顔。
シロエ 「別荘でも、思い切り、おかわりで…」
ジョミー「食べまくったよねえ、美味しすぎてさ」
キース 「お前たち、幾つ食ったんだ!」
サム 「俺は三つは食ったかなあ…。四つかな?」
そんなの、いちいち数えてねえよ、とサム君、しれっと。
サム 「もう一個、って言えば持って来てくれたし…」
ジョミー「もっと如何ですか、って勧めてくれたし…」
シロエ 「食べたいだけ、食べただけですけれど?」
キース 「よくも山ほど頼みやがって…!」
あっちのぶるぅの団体様か、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「焼いても、焼いても、終わらないんだ…!」
ジョミー「ぶるぅの悪戯、出なかったしさ…」
サム 「いいじゃねえかよ」
美味かったからこそ無事なんだぜ、とツッコミが。
ですよね…?
2023/08/04 (Fri)
☆調理器具で悪戯
厳しい暑さが続く季節は、生徒会長宅が一番な御一同様。
山の別荘を回想中で、キース君のジビエ料理が話題な今。
シロエ 「ホントですよね、焦げていたりしたら…」
サム 「あっちのぶるぅが、許すわけがねえよな」
ジョミー「最初から予告していたもんねえ…」
ぶるぅ 「そだよ、失敗した時は、カエル袋って!」
足で踏み踏み、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の証言が。
ぶるぅ 「でもって、そこから色々と…」
シロエ 「悪戯が続く勘定ですか?」
ぶるぅ 「そう言ってたよ、なんか、アドリブで…」
厨房の道具を使って大暴れなの! と怖すぎる言葉。
ぶるぅ 「包丁は使わないらしいけど…」
ジョミー「あー、キースの命がヤバいからかな?」
ぶるぅ 「殺しちゃったら、楽しめないでしょ?」
一同 「「「うわー…」」」
生かしておいてオモチャだったか、と誰もがガクブル。
シロエ 「キース先輩、よかったですね、助かって…」
キース 「どうやら命を拾ったようだな…」
ぶるぅ 「違うよ、絶対、殺さない、って…」
ぶるぅが宣言してたもん! と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「まな板で殴るとか、そんなのも無しで…」
ジョミー「めん棒パンチもしない、って?」
ぶるぅ 「そうなの、頭にボウルを被せて…」
ガンガン叩いてみようかな、って…、とニコニコニコ。
ぶるぅ 「何で叩くといい音がするか、聞かれたし…」
キース 「嫌すぎるんだが!」
ぶるぅ 「あとは、泡立て器の使い方とか…」
シロエ 「考えていたんですね、あっちのぶるぅは…」
流石ですよ、とシロエ君、苦笑。
シロエ 「もちろん、悪戯は厨房じゃなくて…」
ぶるぅ 「みんなが食事をしてるトコだよ!」
余興を提供するんだしね、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「だけど、お料理、美味しかったから…」
サム 「頑張った甲斐があったじゃねえかよ」
キース 「そうだな、酷い目に遭わされて…」
晒し者では浮かばれんし、と唸ってますけど。
嫌すぎ…。
2023/08/05 (Sat)
☆もう一度作って
暑さが厳しすぎるシーズン、生徒会長宅が一番ですけど。
山の別荘の思い出話で、キース君は命を拾ったそうで…。
シロエ 「よかったですねえ、オモチャにされなくて」
キース 「まったくだ。泡立て器での悪戯とかは…」
サム 「知りたくもねえよな、どういうヤツなのか…」
ぶるぅ 「そだね、ぶるぅもアイデア考え中で…」
ぶっつけ本番って言ってたよ、と無邪気なお子様の証言。
ぶるぅ 「だから、なんにも聞いていないの!」
ジョミー「ちょっと見たかった気もするかな、ソレ」
シロエ 「全くの謎だと、気になりますよね」
ジョミー「キース、もう一度、料理してみない?」
場所は此処でもいいじゃない、とジョミー君。
ジョミー「道具は一式、揃ってるしさ…」
サム 「ぶるぅの代わりに作るってか?」
ジョミー「どうかな、夏休みの間にさ…。そうだ!」
海の別荘もあるんだっけね、とジョミー君が乗り出す膝。
ジョミー「あそこで新鮮な海の幸とか、良さそうだけど」
シロエ 「なるほど、食材はバッチリですよね」
スウェナ「アワビとかなら、調達してくる所から…」
出来るものね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「毎年、素潜りで獲ってるじゃないの」
ジョミー「そうだね、キースが料理してくれるんなら…」
シロエ 「ぼくたちも気合いが入りますよ!」
頑張ってドッサリ獲って来ます、とシロエ君の輝く瞳。
シロエ 「でもって、キース先輩が料理で…」
ジョミー「うんと美味しいのを食べ放題!」
失敗したら、泡立て器を使った悪戯で…、と立てる親指。
ジョミー「キース、お願い、もう一回!」
シロエ 「ジョミー先輩、ナイスです!」
いろんな意味で美味しいですし、とシロエ君もノリノリ。
シロエ 「キース先輩、作って下さいよ!」
キース 「その前に、何か忘れていないか?」
シロエ 「何をです?」
キース 「お前じゃなくて、ジョミーなんだが…」
自分の立場が分かってないな、と言ってますけど。
えっと…?
2023/08/06 (Sun)
☆頭が煮える暑さ
暑さが厳しすぎる季節は、涼しい生徒会長宅な御一同様。
山の別荘の話から海の別荘へ、キース君の料理を希望で。
ジョミー「ぼく? 忘れるって、何を?」
キース 「今はいつだと思っているんだ?」
ジョミー「えっと…? 今日は8月の…」
何日だっけ、とジョミー君が眺める壁のカレンダー。
ジョミー「木曜だから、3日かな?」
シロエ 「多分、そうだと思いますけど…」
これだけ暑いと忘れますよ、とシロエ君。
シロエ 「夏休みだけに、日付は関係無いですし…」
サム 「忘れていたって困らねえよなあ…」
旅行とかだけ覚えとけばよ、とサム君も。
サム 「他は気にしなくってもよ…」
キース 「お前も頭が煮えているのか?」
サム 「えっ、俺?」
キース 「今の流れで、お前以外に誰がいると?」
よくも綺麗に忘れやがって、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「貴様、腐っても僧籍だろうが!」
サム 「あー…。海の別荘の前に、お盆な…」
ジョミー「げっ!」
また棚経のシーズンなんだ、とジョミー君、愕然。
ジョミー「ご、ごめん! 料理しろとか言わないから…」
キース 「棚経のお供は許してくれ、と?」
ジョミー「そう! 頼むよ、棚経、キツいんだしさ…」
??? 「ダメダメ、やってくれないと!」
困るんだよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「お供がいないと、有難味が減るし…」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「何処って、ぼくの青の間だけど?」
料理の話が出てたから、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「海の別荘でも料理するのかな、って…」
キース 「二度と御免だ!」
誰がするか、とキース君、グッと拳を。
キース 「まずは棚経、今年もジョミーを鍛えてだな…」
サム 「お経を覚えさせるのかよ?」
キース 「その前に、作法もなっていないし…」
ジョミー「酷いってば!」
料理を頼んだ復讐なわけ、と悲鳴ですけど。
仕返しですか…?
2023/08/07 (Mon)
☆棚経の代わりに
今年も暑さが厳しい8月、生徒会長宅で過ごす御一同様。
海の別荘でもキース君の料理、という話が出ましたが…。
キース 「いいか、棚経は坊主の義務だ!」
サム 「復讐は関係ねえってか?」
キース 「当然だろう、個人的な感情は一切、入らん!」
とにかく今年もやってもらう、とキース君の睨み。
キース 「逃げた場合は、海の別荘行きの面子から…」
シロエ 「外すんですか?」
キース 「マツカ、外してもかまわんな?」
マツカ 「いいですけれど…。でも、それよりは…」
料理がいいんじゃないでしょうか、とマツカ君の問い。
マツカ 「キースの代わりに、今度はジョミーが…」
ジョミー「料理するわけ!?」
マツカ 「ええ、そういうのは如何でしょう?」
キース 「なるほど、それも悪くはないか…」
ぶるぅのオモチャもジョミーだな、とキース君、ニヤリ。
キース 「よし、今年の棚経は許してやろう」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
シロエ 「ジョミー先輩の料理も、きっとそれなりに…」
サム 「形になるかもしれねえなあ…」
プロの指導が入るんだしよ、とサム君も。
サム 「努力次第で、オモチャの刑は免れそうだぜ」
スウェナ「そうねえ、資質があれば、だけれど」
シロエ 「無かった場合は、泡立て器の出番ですよ!」
どう使うのか楽しみですね、とシロエ君、ワクワク。
シロエ 「料理もいいんですけど、泡立て器も…」
サム 「見てえ気持ちは確かにあるよな」
ジョミー「嫌すぎるって!」
Aブルー「ぼくもだよ!」
棚経のお供がいないなんて、とソルジャーが割り込み。
Aブルー「料理なんかより、棚経だってば!」
ジョミー「そうだよねえ?」
棚経の方が大事だよね、とジョミー君も必死。
ジョミー「お供するから、料理は勘弁してよ!」
Aブルー「ぼくからも頼むよ、棚経の方で!」
キース 「なら、代わるか?」
Aブルー「えっ?」
何を代わるって、とソルジャー、キョトン。
代わる…?
2023/08/08 (Tue)
☆ツケを払うべし
暑さ厳しい8月ですけど、生徒会長宅なら涼しいわけで。
キース君の料理を再び、との話がジョミー君に回って…。
ジョミー「もしかして、ぼくと代わってくれるわけ?」
シロエ 「そうかもですね、今の流れだと」
サム 「それっぽいけどよ、料理なんてよ…」
ジョミー以上に下手なんじゃあ…、とサム君の分析。
サム 「ジョミーは一応、調理実習してるしよ…」
シロエ 「ですね、学校では必修ですから…」
ジョミー「うん、カレーくらいなら、作れないことは…」
ないと思う、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、あっちのぶるぅはグルメすぎるし…」
サム 「キースのようにはいかねえってか?」
ジョミー「当たり前だよ、厨房で何日か修行したって…」
凝った料理なんかは絶対に無理、と肩をブルッと。
ジョミー「ぶるぅのオモチャになるよりは、棚経!」
Aブルー「そうだよ、棚経の方でお願い!」
キース 「話がループしているようだが、代わる件は…」
どうするんだ、とキース君、腕組み。
キース 「俺で遊ぼうとしたツケは、是非とも…」
シロエ 「払って欲しい、と言うんですか?」
キース 「ああ、キッチリと料理でな!」
ジョミーでも、そいつでもいいぞ、とキース君、ニヤリ。
キース 「ジョミーの場合は、海の別荘で料理で…」
サム 「そっちのブルーだと、違うのかよ?」
キース 「棚経が大事だとぬかす以上は、そっちだな」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? 棚経に料理、ありましたか?」
スウェナ「特別な御馳走、あったような気は…」
しないわよ、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「果物とかを供えて、精進料理のお膳でしょ?」
キース 「俺が言うのは、まさにそれだが?」
シロエ 「まさか、お膳を、その人にですね…」
キース 「作れと言ったら?」
Aブルー「無理すぎるから!」
無茶を言われても、とソルジャー、悲鳴ですけど。
お膳…?
2023/08/09 (Wed)
☆お鉢が回った人
この夏も暑さ厳しい8月、生徒会長宅で過ごすのが一番。
其処で出て来た料理する話、只今、ソルジャーにお鉢が。
キース 「そうか、ダメなら、無理にとは言わん」
Aブルー「本当かい!?」
キース 「ただし、ジョミーが棚経に来るかどうかは…」
微妙なわけでな、とキース君が繰る左手首の数珠レット。
キース 「あんたが料理を断る場合は、ジョミーがだ…」
シロエ 「海の別荘で料理になるわけですか?」
キース 「そうなるな。でもって、料理をするんなら…」
棚経のお供は免除になる、とキース君、キッパリと。
キース 「両方やれ、と言っても逃げるだろうし…」
ジョミー「当たり前だよ、でもって料理をするよりは…」
棚経の方がマシだから、とジョミー君も必死。
ジョミー「料理が下手だと、あっちのぶるぅが…」
サム 「泡立て器とかで悪戯だよなあ、確実に」
シロエ 「ぼくたちは、別にかまいませんけど…」
ジョミー「嫌すぎるんだよ、やられる方は!」
棚経のお供をやらせてよ、とジョミー君の泣きそうな声。
ジョミー「頼むから、料理は勘弁して!」
キース 「そう思うのなら、そいつに土下座で頼め!」
ジョミー「えっと…?」
キース 「棚経を希望の、其処の馬鹿に、だ…」
土下座して料理をして貰え、と容赦ない台詞が。
キース 「棚経の日は、お膳を作って下さい、と!」
ジョミー「分かった、そうする!」
この通りです、とジョミー君、ソルジャーに土下座。
ジョミー「棚経のお供をするから、お願いします!」
Aブルー「ぼくに作れ、と?」
キース 「代理を立てるのは認めんぞ!」
コーチをつけることは許す、とキース君。
キース 「ぶるぅ、イチから指導してやれ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理の基本からだね!」
キース 「そうだ、明日から飯を作りに通って来い!」
一同 「「「イイネ!」」」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
此処のキッチンで頑張れと、と慌ててますけど。
料理修行…?
2023/08/10 (Thu)
☆料理を教わる人
暑さ厳しい8月ですけど、やって来るのがお盆なわけで。
お盆と言えば棚経がセット、棚経に欠かせないのがお膳。
Aブルー「どうして、そういうことになるのさ!」
キース 「嫌なら、別にいいんだぞ?」
棚経に俺が一人で来るだけだ、とキース君、ピシャリ。
キース 「サムは親父のお供と決まっているからな」
Aブルー「こっちに回して貰えない、と?」
キース 「当然だろうが、住職は親父だ!」
お供をつけるのは住職の方、と正論が。
キース 「副住職がつけてどうする、格下なのに!」
Aブルー「でもさ、ジョミーは棚経を希望で…」
ジョミー「海の別荘で料理よりかは、棚経だよ!」
利害は一致してると思う、とジョミー君の目が副住職に。
ジョミー「土下座したけど、別にそこまでしなくても…」
Aブルー「ジョミーは棚経に来てくれるよね?」
ジョミー「喜んで!」
Aブルー「ほらね、商談成立だってば!」
流されそうになっちゃったけど、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「これで解決、お膳の話は無かったことに!」
キース 「大事なことを忘れていないか、二人とも」
ジョミー「えっ、ぼくたち?」
キース 「そうだ、料理の話は俺の復讐なんだが…?」
そっちは解決していないぞ、とキース君の睨み。
キース 「二人の内の、どちらかが料理しない限りは…」
シロエ 「復讐、チャラにならないんですね?」
キース 「俺は散々、遊ばれたしな!」
それで、どっちが料理するんだ、と詰め寄る人。
キース 「ジョミーか、それとも…」
Aブルー「分かった、明日から作りに来る!」
一同 「「「イイネ!」」」
面白そうだ、と大歓声で、次の日、ソルジャー登場で。
Aブルー「来たよ、練習は昼の御飯でいいかな?」
キース 「そうだな、まずは昼飯からだ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キッチン、こっちだよ!」
Aブルー「頑張って来る!」
キース 「よし、期待しよう」
美味い料理を作ってこい、と送り出しましたが。
さて…?
2023/08/11 (Fri)
☆上手に作れた人
今年も暑さが厳しい8月、じきにお盆の棚経ですけれど。
欠かせないのがお膳なわけで、ソルジャーが作ることに。
シロエ 「あの人、料理が出来るんでしょうか?」
キース 「正直、期待はしていないんだが…」
復讐な以上、嫌がらせだな、とキース君の冷たい笑み。
キース 「不味いのが出来たら、文句を言うんだぞ?」
シロエ 「後々、復讐されそうですけど!」
キース 「お前たちは、そうかもしれないな」
だが俺だけは安全圏だ、とキース君、勝ち誇った顔。
キース 「棚経がかかっているんだし…」
ジョミー「だったら、ぼくも大丈夫かな?」
キース 「そうなるだろうな、遠慮なく文句三昧で…」
ジョミー「フルボッコかあ…」
美味しい方が嬉しいけどね、と苦笑しているジョミー君。
ジョミー「不味いよりかは、美味しい方がさ…」
シロエ 「そりゃ、誰だって喜びますよね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お昼、出来たよ!」
Aブルー「これなら合格点だって!」
ぶるぅの教え方が上手いから、とソルジャー、ウインク。
Aブルー「まあ、食べてみてよ!」
ぶるぅ 「お味、ホントに合格なの!」
どんどん食べてね、と並べられてゆく料理が盛られた器。
ジョミー「えっと…?」
シロエ 「何です、これは?」
Aブルー「がんもどきとインゲンの煮物だけど?」
ぶるぅ 「これは白和え、揚げだし豆腐に、すまし汁!」
美味しそうでしょ、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ホントのホントに美味しいから!」
キース 「あ、ああ…。確かにな…」
否定はしない、と食べてみたキース君、複雑な表情。
キース 「しかしだな…。この暑いのに、精進料理は…」
Aブルー「何か問題があるとでも?」
美味しいのにさ、とソルジャーの仏頂面。
Aブルー「お膳の練習だし、精進で当然!」
キース 「まさか、あんたが作るのは、全部…」
Aブルー「精進料理になるよね、もちろん!」
お盆までしっかり練習を、と言ってますけど。
精進料理…?
2023/08/12 (Sat)
☆協力をよろしく
8月と言えばお盆なわけで、じきに棚経の日ですけれど。
お膳を作れと言われたソルジャー、只今、料理の修行中。
キース 「今日の晩飯も、精進料理を作る気か!?」
Aブルー「決まってるだろう、他に何があると?」
精進料理を習うんだしね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「棚経の日が来るまで、数をこなして…」
ぶるぅ 「慣れて貰わないと、お膳、作れないよ?」
だって、基礎からダメなんだもん、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「アイスしか作ったことがない、って…」
一同 「「「アイス?」」」
Aブルー「そう! 大好物だから、厨房に行って…」
作るんだよね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「材料を混ぜて、凍らせるだけで出来るから!」
シロエ 「包丁とかは使えないって言うんですか?」
Aブルー「ピンポーン! 凶器としてなら、充分に…」
使いこなせると思うんだけどね、と怖すぎる台詞。
Aブルー「でもねえ、正しい使い方となると全然で…」
ぶるぅ 「慣れて、覚えて貰うしかないの!」
だから、みんなも協力してね、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「今日から棚経の日まで、精進料理!」
キース 「ハッキリ言って、パワーが出ないんだが!」
Aブルー「えっと…?」
キース 「ガス欠だ、棚経の日までにバテてしまうぞ!」
卒塔婆書きも残っているんだからな、と副住職の苦情。
キース 「サムとジョミーは、大丈夫かもしれないが…」
Aブルー「あー…。それじゃキースだけ、ぶるぅにさ…」
キース 「別メニューを頼め、と?」
Aブルー「そう! 君がバテたら大変だしね!」
とりあえず、今日は、うな重でも、という案で。
キース 「よし、許す! 他の面子は精進料理だ!」
シロエ 「酷すぎますから!」
Aブルー「ぼくの料理に文句があるのかな?」
シロエ 「い、いえ、無いです!」
Aブルー「はい、決定! お盆まで、協力よろしく!」
精進料理の腕を磨くからね、と張り切る人。
迷惑すぎ…。
2023/08/13 (Sun)
☆キツそうな棚経
やって来ました、8月14日。スッポンタケの棚経の日。
朝イチで生徒会長宅に集う面々、欠員が3名ほどでして。
シロエ 「おはようございます。朝から暑いですよね…」
スウェナ「参っちゃうわよね、毎日、毎日…」
マツカ 「でも、キースたちは、もっと大変ですよ?」
とうにスタートしている筈で…、とマツカ君。
マツカ 「一番早いお宅は、朝の6時だそうですし…」
シロエ 「その辺だと、まだ涼しい気もしますけど…」
スウェナ「後は暑くなる一方だわねえ…」
その中を自転車で走るんでしょ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「おまけに法衣で、アレって、黒いし…」
シロエ 「思いっ切り、暑くなる色ですよね…」
マツカ 「下に着るのは、白ですけどね…」
もう汗だくだと思いますよ、とマツカ君の視線が窓へ。
マツカ 「今日の予報も猛暑日ですから、キツそうです」
シロエ 「ジョミー先輩とサム先輩は、もっと…」
キツイ棚経になるんじゃあ…、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「キース先輩は、ガッツリ食べてましたけど…」
スウェナ「サムとジョミーは、精進料理だったわねえ…」
マツカ 「そこは、ぼくたちも同じですけど…」
棚経で走り回りはしませんし…、とマツカ君の相槌。
マツカ 「あの食事だけで、今日一日をこなすのは…」
シロエ 「修行よりキツイかもですよ」
Aブルー「おはよう! みんな揃っているね!」
今日の棚経、よろしく頼むよ、とソルジャー、登場。
Aブルー「さてと、今日はいよいよ、本番だから…」
ぶるぅ 「お膳、頑張って作ってね!」
Aブルー「もちろんだよ!」
この日のために料理を習ったんだし、と張り切る人。
Aブルー「とはいえ、すぐに忘れるだろうけど!」
シロエ 「忘れるって、料理のやり方を…ですか?」
Aブルー「他に何があると?」
シロエ 「普通、忘れないと思いますけど!」
Aブルー「多忙な身だしね!」
ソルジャー稼業は忙しいし、と言ってますけど。
本当に…?
2023/08/14 (Mon)
☆出ないのが仕事
今日はスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅な面々。
ソルジャーも来まして、お膳を作るわけなんですけど…。
シロエ 「どの辺が多忙なんですか!」
スウェナ「そんな風には見えないわよねえ…」
マツカ 「どうでしょう? 忙しい時は忙しいとか…」
その可能性もありますよ、とマツカ君の控えめな発言。
マツカ 「ぼくたちが全く知らない間に、色々と…」
シロエ 「多分、その逆だと思いますけど!」
Aブルー「ピンポーン!」
一同 「「「えっと…?」」」
今の流れだと、どっちなんだ、と首を傾げる御一同様。
スウェナ「意外だけど、本当に忙しい…のかしら?」
シロエ 「違うでしょう、暇を持て余す方で…」
Aブルー「そう、そんな感じ!」
マツカ 「あのぅ…。それだと分かりませんよ?」
正解を言った人を示さないと…、とマツカ君の言。
マツカ 「シロエか、ぼくか、どっちなんです?」
Aブルー「両方だよ!」
一同 「「「両方…?」」」
ますます謎だ、と飛び交う「?」マーク。
マツカ 「暇だけど、忙しいということでしょうか…?」
Aブルー「大正解!」
それで合ってる、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「ぼくの仕事は、青の間にいることだから!」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「分からないかな、部屋から出ないのが仕事!」
一同 「「「ええっ!?」」」」
まさかのデスクワークとか…、と誰もが仰天。
シロエ 「青の間に缶詰めで、仕事…ですか?」
Aブルー「違うね、青の間から外に出ないのが…」
ぼくの大事な役目なんだよ、と威張り返る人。
Aブルー「ソルジャーは威厳が必要らしいね、偉いから」
シロエ 「それはまあ、そうでしょうけれど…」
スウェナ「部屋から出ないのと、どう繋がるのよ?」
Aブルー「いいかい、ぼくは一種の偶像なわけで…」
シロエ 「イメージダウンを避けるんですか?」
Aブルー「大当たり!」
だから出ないのが仕事でね、と言ってますけど。
えっと…?
2023/08/15 (Tue)
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☆流血は避けたい
夏休みが近い御一同様、生徒会長宅で涼しく過ごす週末。
山の別荘の話が出まして、ジビエ料理から物騒な方向へ。
シロエ 「本当に死ぬじゃないですか、ソレ!」
キース 「牙を避ければ、問題は無いと思うがな?」
サム 「そんなの、逃げられねえじゃねえかよ!」
シロエでも無理な相手なんだぜ、とサム君、ガクブル。
サム 「姿を見たら、即、逃げるしかねえヤツで…」
キース 「まあ、それが一番、安全だろう」
戦わなければ流血も無い、とキース君。
キース 「ジビエ料理は諦めることだ」
ジョミー「言われなくても、諦めるから!」
シロエ 「ですよね、真面目に命懸けですし…」
サム 「別荘で出て来るヤツを食おうぜ、ジビエはよ」
第一、プロの料理なんだし、とサム君の開き直った台詞。
サム 「キースじゃ、所詮は素人料理で…」
スウェナ「プロの腕には負けるわよねえ…」
Aブルー「そうかな、美味しかったよ、石焼きビビンバ」
アユの塩焼きも…、とソルジャーが挙げる先月の料理。
Aブルー「キースでも、やれば出来る筈でさ…」
ぶるぅ 「んとんと、ちゃんとレシピがあれば…」
キースは出来るタイプだよね、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「うんと真面目で、手先も器用なんだもん!」
ブルー 「料理人には向いているねえ、確かにね」
キース 「決め付けるな!」
ぶるぅ 「でもでも、素質はあると思うの!」
舌だって肥えて来てるでしょ、と太鼓判が。
ぶるぅ 「ぼくとかプロのお料理を食べて、経験値が…」
ブルー 「順調に上がっているわけだしさ」
Aブルー「うん、キースだったら、イノシシだって!」
完璧に料理出来ると思う、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「まずは食材の確保からだよ、頑張りたまえ!」
シロエ 「無理ですから!」
サム 「死ぬじゃねえかよ!」
Aブルー「そう言わないでさ、人生、チャレンジ精神!」
イノシシとバトル! と煽ってますけど。
無責任すぎ…。
2023/07/16 (Sun)
☆気が合う人たち
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな件から、キース君に作らせる話へと。
シロエ 「やるなら、自分でやって下さい!」
サム 「サイオンで一発いけるじゃねえかよ!」
Aブルー「あのねえ…。それはガチとは言わないから!」
罠とか銃よりズルいヤツだよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「キースの希望はガチンコ勝負! 違うかい?」
キース 「まさにその通りだ、今日は気が合うな」
いつもは何かと波乱なのに、とキース君、嬉しそうな顔。
キース 「あんたも、俺を分かってくれたか」
Aブルー「そりゃあ、付き合い、長いからねえ…」
ついでにセットものでもあるし、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくと君とで、疫病仏!」
キース 「まあ、そうなんだが…」
Aブルー「だからバッチリ、息が合うんだよ!」
今、まさに厄を呼んでるわけで…、とニコニコニコ。
Aブルー「タッグを組んで、そこのみんなに…」
キース 「命の危機を招いている、と?」
そうなるのか、とキース君、愕然。
キース 「そんな自覚は無いんだが…!」
Aブルー「でも、そういう勘定になると思うけど?」
君が振ったネタを、ぼくが煽って…、とソルジャーの言。
Aブルー「これが疫病仏でなければ、何だと?」
シロエ 「そうです、それで合ってます!」
真面目に命の危機ですから、とシロエ君の縋るような目。
シロエ 「前言撤回でお願いします、キース先輩!」
ジョミー「頼むよ、疫病仏は中止で!」
キース 「そうだな、不名誉な例は増やしたくないし…」
Aブルー「甘すぎるから!」
それに面白くない、とソルジャーがグッと握り締める拳。
Aブルー「ガチンコ勝負をさせるべきだよ、絶対に!」
シロエ 「自分でやればいいでしょう!」
Aブルー「じゃあ、監督ってことでどう?」
一同 「「「監督?」」」
Aブルー「技術指導だよ!」
ぼくの豊富な経験を活かして! と笑顔ですけど。
監督…?
2023/07/17 (Mon)
☆技術指導と経験
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
けれど山の別荘でジビエ料理な話が、物騒な方へ展開中。
シロエ 「技術指導って、何なんです!」
サム 「イノシシ狩りの話かよ、ソレ?」
あんたもド素人じゃねえか、とサム君、必死のツッコミ。
サム 「あんたの世界に、野生のイノシシはよ…」
シロエ 「いないんですから、技術も何もありません!」
ジョミー「そうだよ、やったことないんだからさ!」
無責任なことを言わないでくれる、とジョミー君も。
ジョミー「キースだったら、まだ分かるけど…」
Aブルー「なんでキースが出て来るわけ?」
キースだって素人だろう、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「狩りをするとは聞かないけどねえ…?」
シロエ 「その点は、ぼくも同じですよ」
サム 「俺も全く知らねえけど?」
何処からキースになるんだよ、とサム君たちも怪訝な顔。
サム 「おい、キース。お前、イノシシなんかをよ…」
シロエ 「捕まえたことがあるんですか?」
キース 「いや、そんなハードな経験はだな…」
俺の人生に一度も無いが、と当の本人までが不思議そう。
キース 「ジョミー、何処から俺の名前が出るんだ?」
ジョミー「遭遇率って所かな…」
一同 「「「遭遇率?」」」
なんだソレは、と誰もが傾げる首。
キース 「遭遇率というのが謎なんだが?」
ジョミー「そのまんまだよ、出会う確率だよ!」
イノシシにね、とジョミー君が立てる人差し指。
ジョミー「裏山の墓地に出るって、言ってなかった?」
一同 「「「あっ!」」」
アレか、と一発でピンと来た面々。
シロエ 「そう言えば、出るんでしたっけ…」
サム 「墓石を倒して、お供え物を荒らすんだよな?」
ジョミー「その対策で走り回っている筈だしさ…」
Aブルー「なるほど、ぼくよりも技術がある、と…」
キース 「勝手に決め付けて納得するな!」
俺は対策してなどいない、と怒鳴ってますけど。
本当に…?
2023/07/18 (Tue)
☆疎かになる季節
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな話が、物騒な方へ進んでますけど…。
ジョミー「対策してないって、ホントにそうかな?」
シロエ 「放置とは思えませんよね、確かに」
腐っても副住職ですし…、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「放っておいたら、墓地がメチャメチャですよ」
ジョミー「だから絶対、何かやってるって!」
キース 「やかましい! 俺がやるのは張り紙だけだ!」
それと現場で注意とだな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「お供え物は、お持ち帰り下さい、と…」
シロエ 「それだけですか?」
キース 「他に何が出来ると言うんだ!」
ジョミー「柵とかは…? 設置してるって聞いたけど…」
あんまり効果は無さそうだけど、とジョミー君。
ジョミー「それもキースがやってるんじゃあ…?」
キース 「墓地の維持管理は、専門の人に頼んでいる!」
柵の設置も任せてある、とキース君、キッパリ。
キース 「それでもイノシシは、突破して来て…」
サム 「墓地を荒らして行くってか?」
キース 「今の季節は、大変なんだ!」
墓参りの人が多いからな、と副住職が顰める顔。
キース 「墓地は広いし、山の斜面だし…」
シロエ 「監視の目が行き届かないわけですね?」
キース 「そうなんだ。どう頑張っても、見落としが…」
ついでに俺も多忙だし…、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「卒塔婆書きに追われて、見回りの方が…」
サム 「疎かになっちまうのかよ?」
キース 「仕方なかろう、管理専門の人までが…」
墓地そのものの整備で多忙な時期で…、と副住職。
キース 「墓参りに来た檀家さんから、色々と…」
シロエ 「修理とかの注文が入るんですか?」
キース 「それに加えて、生垣を綺麗に刈り込むとか…」
サム 「イノシシの対策がお留守になるわけな…」
Aブルー「対策ねえ…」
それは困った問題かもね、と頷いてますけど。
まあねえ…。
2023/07/19 (Wed)
☆命懸けで書くブツ
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘が楽しみでして、キース君のジビエ料理を希望。
Aブルー「ちょっと、キースに聞きたいんだけど…」
キース 「なんだ?」
Aブルー「卒塔婆書きっていうのは、命懸けかな?」
毎年、この時期にやってるけどさ、とソルジャーの問い。
Aブルー「ノルマがどうとか、増やされたとか…」
キース 「ある意味、命懸けだと言えるな」
シロエ 「お盆までに書き上げないと、詰みますしね…」
サム 「出来てねえとか、アドス和尚によ…」
締め上げられるヤツでねえの、とサム君、うんうん、と。
サム 「遅れがバレたら、連日、徹夜で書かされるぜ」
ジョミー「それでフラフラになった身体で、棚経だよね」
シロエ 「栄養ドリンク、貰えないでしょうねえ…」
スウェナ「書かされる間も、食事抜きでしょ?」
時間との戦いなんだから、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「お茶は飲めると思うけど…」
ジョミー「栄養補給は無理っぽいよね…」
食べながら書くのはダメだろうし、とジョミー君。
ジョミー「ゼリーになってて、飲めるのもあるけど…」
サム 「零したら、卒塔婆が汚れるしよ…」
シロエ 「お茶だって、シミになりますよ?」
スウェナ「そうなると、お茶もアウトだわねえ…」
水だけで書くことになるわね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「命懸けコースで確定でしょ、コレ」
シロエ 「キース先輩が言う命懸けって、それですか?」
キース 「まさにそうなる」
命が懸かった大仕事だ、とキース君、合掌。
キース 「今年も無事に終わらせたいが…」
Aブルー「イノシシ対策が疎かになる、と…」
よし! とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「君たち、墓地で戦いたまえ!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「キースのジビエ料理だよ!」
ジョミー「えっと…?」
シロエ 「どういう意味です?」
話が見えませんけれど、とシロエ君の疑問。
墓地で戦う…?
2023/07/20 (Thu)
☆墓地でバトルを
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘の話が元で、キース君のジビエ料理を希望で…。
シロエ 「キース先輩のジビエ料理で、何故、墓地で…」
ジョミー「戦うって話が出て来るわけ?」
Aブルー「分からないかな、条件は命懸けなんだよ?」
キースが出して来たヤツは、とソルジャーの言。
Aブルー「卒塔婆書きに、命が懸かっているんなら…」
シロエ 「あっ、もしかして、墓地でですね…」
イノシシとバトルじゃないでしょうね、とシロエ君。
シロエ 「場所が何処でも、無理すぎですから!」
サム 「そうだぜ、相手はイノシシだしよ…」
キース 「俺からも言うが、やめておくのが吉だろうな」
墓地で戦うのは危険すぎる、と副住職の渋面。
キース 「金網を突破して来た直後のイノシシだぞ?」
ジョミー「それって、思い切り、気が立ってない…?」
キース 「だから墓石が倒されるんだ!」
突っ込んで来た勢いのままで走るしな、と怖すぎる台詞。
キース 「お供え物めがけて、全速力で疾走だぞ?」
一同 「「「うわー…」」」
立ち向かったらダメなヤツだ、と誰もがガクブル。
シロエ 「確実に死ぬじゃないですか!」
キース 「運が良ければ、避けられるかもしれないが…」
サム 「バトルどころじゃねえよな、ソレ…」
冗談じゃねえよ、とサム君が広げる両手。
サム 「それともアレかよ、あんたがシールドして…」
シロエ 「守ってくれると言うんですか?」
Aブルー「違うよ、もっと安全なコース!」
一同 「「「は?」」」
どんな方法があると言うんだ、と一同、キョトン。
シロエ 「安全って、相手はイノシシですよ?」
Aブルー「だから防ぐんだよ、来ないようにさ」
ジョミー「止めるとか、もっと危ないんだけど!」
サム 「そうだぜ、柵の手前で防ぐとか、プロでも…」
シロエ 「銃とか、罠が要るヤツですから!」
でないと死んでしまいます、とシロエ君の悲鳴。
ヤバすぎ…。
2023/07/21 (Fri)
☆炎天下で作業を
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘へ行くのが楽しみ、ジビエ料理に期待ですけど。
シロエ 「あなたは煽るだけで済むんですけど…」
ジョミー「ぼくたちの方は、マジで命の危機だから!」
Aブルー「あのねえ…。ぼくもキースのジビエ料理を…」
食べてみたいと思うわけでね、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「そうするためには、死人が出るのは…」
キース 「困るんだったら、黙っていやがれ!」
Aブルー「でもねえ、君にもいい話かと…」
墓地の被害を防げるんだよ、と言い募る人。
Aブルー「炎天下で作業して貰うだけで、バッチリと!」
一同 「「「炎天下?」」」
Aブルー「そう、太陽が照り付ける下で!」
キース 「イノシシは、夜行性なんだが…」
昼間は姿を見せないんだが…、とキース君が傾げる首。
キース 「あんた、その辺を理解してるのか?」
Aブルー「もちろんだよ! だから安全なコースだと…」
言ったんだよね、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「チラシの配布に掃除、声掛け!」
一同 「「「は?」」」
なんだソレは、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? イノシシとバトルですよね?」
Aブルー「そうだけど?」
シロエ 「イノシシは字なんか読めませんよ?」
チラシを配ってどうするんです、とシロエ君。
シロエ 「第一、受け取って貰える気がしませんが…」
ジョミー「だよねえ、無視して突っ込んで来て…」
牙で刺される気がするんだけど、とジョミー君も。
ジョミー「声掛けだって、聞いちゃくれないよ?」
サム 「馬の耳に念仏の方が、まだマシでねえの?」
馬の方が言葉が分かりそうだぜ、とサム君の指摘。
サム 「イノシシは、話して分かる相手じゃねえよ」
Aブルー「誰がイノシシにやれって言った?」
シロエ 「違うんですか?」
Aブルー「当たり前だよ、チラシに声掛けなんだから!」
もっと冷静に考えたまえ、と言ってますけど。
チラシ…?
2023/07/22 (Sat)
☆チラシを配って
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな話が、キース君の料理に転がって…。
シロエ 「冷静に、って言われてもですね…」
ジョミー「イノシシとバトルで、誰にチラシなのさ?」
Aブルー「決まってるだろう、檀家さんだよ!」
お供え物を持って来るんだからさ、とソルジャーの言。
Aブルー「チラシを配って、お持ち帰り下さい、と…」
シロエ 「あー…! なるほど、その手がありますね!」
サム 「張り紙だけより、効果ありそうだぜ」
Aブルー「加えて声掛け、掃除でバッチリ!」
置いて帰りそうな人には注意でさ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「それでも忘れて帰った分は、掃除だってば!」
ジョミー「そっか、お供え物が残っていないと…」
スウェナ「イノシシの餌は無いのよねえ…」
キース 「こいつらを動員するわけか…」
それは助かる、と副住職も。
キース 「やってくれるんなら、バイト料代わりに…」
シロエ 「イノシシ、料理してくれるんですか?」
キース 「鹿かもしれんが、山の別荘でいける食材で…」
料理してもいい、とキース君の提案が。
キース 「そっちが安全なコースなんだし、俺もだな…」
ジョミー「命は半端に懸ける、って?」
キース 「そうだ、料理人さんの手伝いも…」
欠かせないぞ、と腕組みする人。
キース 「その条件でいいんだったら、もう明日から…」
Aブルー「チラシの配布と声掛けなんだね?」
キース 「当然だろう、明日は日曜だ!」
夏休みも初日から働いて貰う、とキッパリと。
キース 「柔道部の合宿中だけ、休みでな!」
一同 「「「うわー…」」」
Aブルー「でもさ、貴重なキースの料理!」
頑張ってくれたまえ、とソルジャーもプッシュ。
Aブルー「ぼくも楽しみにしてるから!」
シロエ 「山の別荘、呼ばれてませんよ?」
Aブルー「食べに来るくらいは、許されるって!」
アイデアを出したわけだしさ、と強気ですけど。
来ると…?
2023/07/23 (Sun)
☆ジビエ料理に招待
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘行きが楽しみ、キース君のジビエ料理も来そう。
シロエ 「確かに、アイデアは出してくれましたけど…」
サム 「それより前に、面白がっていたじゃねえかよ」
ジョミー「ガチで戦えとか、無茶も言ったし…」
差し引きゼロになるんじゃないの、とジョミー君。
ジョミー「来なくていいと思うんだけど!」
シロエ 「キース先輩とセットで、疫病仏ですし…」
Aブルー「君たち、SD体制で苦労している、ぼくを…」
ハブる気なのかい、とソルジャーが吊り上げる眉。
Aブルー「こうなったら、ぼくのぶるぅも一緒に…!」
マツカ 「ええ、是非、お二人でいらして下さい」
一同 「「「ええっ!?」」」
酷い、と誰もが悲鳴ですけど。
マツカ 「お忘れですか、招待するのは、ぼくなんです」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「ありがとう、マツカ! じゃあ、その日は…」
マツカ 「お席を用意しておきますよ、お二人分」
食堂は広いですからね、と御曹司。
マツカ 「キースのジビエ料理をメインに、存分に…」
Aブルー「食べていいわけだね、ぼくも、ぶるぅも」
マツカ 「もちろんです。日程の方は…」
Aブルー「大丈夫、青の間からチェック出来るし!」
ジビエ料理の日にお邪魔するよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「キースも、料理を作るわけだし…」
キース 「ぶるぅのオモチャは免れるんだな?」
Aブルー「そう! 仲良くやろうよ!」
じゃあ、また山の別荘で! と消え失せた人。
シロエ 「マジですか…」
サム 「あいつと、ぶるぅが来るのかよ…」
キース 「だが、俺は安全圏なんだ!」
お前たちの方は知らんがな、とキース君、しれっと。
キース 「明日から、頑張ってチラシを配れよ」
シロエ 「そうでした…。明日の予報は…」
キース 「猛暑日だ!」
一同 「「「うわー…」」」
初日からソレか、と泣きが入ってますけど。
炎天下…。
2023/07/24 (Mon)
☆冷却ベストは不可
夏休みは山の別荘に期待ですけど、その前に試練な面々。
キース君のジビエ料理のために、元老寺の墓地で労働を。
シロエ 「暑いですねえ、猛暑日の連続はキツイですよ」
サム 「仕方ねえだろ、そもそも初日から猛暑日で…」
ジョミー「思い切り、幸先、悪かったしね…」
夏休みに入ったら更に拍車が…、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「お参りの人も増えたしさ…」
スウェナ「そうよね、お盆が近くなるほど増えるから…」
サム 「まあ、キースも庫裏で、卒塔婆地獄だしよ…」
シロエ 「直射日光が無いだけ、マシそうですけど!」
ぼくたちは熱中症の危機です、とシロエ君。
シロエ 「この炎天下で、長袖、長ズボンですよ?」
ジョミー「じゃあさ、法衣の方がいいわけ?」
シロエ 「いえ、それは…」
ジョミー「墓地で働くなら、それなりの服、って…」
キースに釘を刺されたんだよ、とジョミー君、溜息。
ジョミー「ぼくとサムには、法衣と作務衣が…」
サム 「コースとしてはあったんだよなあ、マジで」
ジョミー「もっと仕事が増えそうだから、逃げたけど…」
サム 「うんうん、あんなの着ちまったらよ…」
墓回向の見習いになるじゃねえかよ、とサム君も。
サム 「檀家さんに、お経を頼まれちまって…」
ジョミー「でも、無資格だし、出来ないからさ…」
サム 「アドス和尚のトコまで、走るしかねえし…」
ジョミー「走ったついでに、香炉とかをさ…」
持たされて、お供で戻るわけで…、とジョミー君。
ジョミー「最悪、墓地の階段、上から下まで…」
サム 「ガッツリ往復になっちまうしよ…」
ジョミー「真面目に死ぬよね…」
チラシ配りの方がまだマシ、とジョミー君の言。
ジョミー「でもさ、冷却ベストが欲しいよ…」
シロエ 「ぼくもですけど、そういうグッズは…」
サム 「キースにバレたら、終わりだぜ?」
シロエ 「そうですよね…」
アドス和尚も見てますし、とグッズも無理。
キツそう…。
2023/07/25 (Tue)
☆チップが貰える人
山の別荘行きを控えて、元老寺の墓地でタダ働きな面々。
キース君のジビエ料理のためには、耐えるしかなくて…。
シロエ 「暑すぎて、気を失いそうなんですけれど…」
ジョミー「上には上がいるのがね…」
サム 「マツカのスキルは、半端ねえよな…」
何の小細工もしてねえのがよ、と眺める先にスーツな人。
マツカ 「暑い中、お参り、ご苦労様です」
檀家さん「あっ、どうも。宿坊の方ですか?」
マツカ 「いえ、高校生バイトなんですけれど…」
これをどうぞ、とマツカ君が渡しているチラシ。
檀家さん「あー、イノシシ…。お疲れ様です」
マツカ 「お供え物のお持ち帰りを、お忘れなく」
檀家さん「分かりました。バイト、頑張って下さいね」
少しですが、と檀家さん、お年玉のような小さな袋を。
檀家さん「これで冷たいものでも、どうぞ」
マツカ 「ありがとうございます!」
よいお参りを、と深々とお辞儀で見送る御曹司。
ジョミー「マツカにチップ、これで何人くらいだっけ?」
サム 「虚しくなるから数えてねえけど、今日もよ…」
シロエ 「軽く十人を超えてますよね、朝から…」
スウェナ「お金が、お金を呼ぶのかしらねえ…」
私たちは何も貰えないのに…、とスウェナちゃん、涙目。
スウェナ「スーツがポイント高いのかしら?」
ジョミー「そうだと思うよ、プロっぽいしさ…」
サム 「なのに高校生バイトって所が、最強なんだぜ」
分かっちゃいても、スーツは無理、とサム君が竦める肩。
サム 「まあ、バイトも今日で最終日だしよ…」
ジョミー「明日から涼しい高原だしね…」
シロエ 「キース先輩のジビエ料理も来ますから…」
頑張りましょう、とシロエ君、グッと拳を。
シロエ 「あっ、そこの方、お供え物はお持ち帰りで…」
ジョミー「お願いしてます!」
檀家さん「あー、気を付けますね!」
サム 「やっぱ、俺たちにはチップ無しかよ…」
最終日はスーツにすれば良かった、との声も。
チップ…。
2023/07/26 (Wed)
☆一度で充分なバイト
炎天下の墓地でのバイトも終わって、ようやく山の別荘。
涼しい高原の空気を満喫、御馳走も食べて夜もワイワイ。
ジョミー「最高だよねえ、暑い下界と違って天国!」
シロエ 「昨日まで、地獄にいましたからね…」
サム 「タダ働きで墓地の掃除と、チラシ配りな…」
キース 「お蔭で、イノシシの被害が出なかったから…」
親父が来年も頼みたいそうだ、とキース君。
キース 「バイト料は出すと言っていたぞ」
シロエ 「お断りします!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、あんな地獄は!」
サム 「マジで灼熱地獄だったしよ…」
もう勘弁だぜ、とサム君も。
サム 「ジビエ料理と引き換えってのも、一回でよ…」
ジョミー「充分だよねえ、キースが一人で作るなら…」
シロエ 「価値もありますけど、プロが手伝って…」
出来上がる料理なんですからね、とシロエ君の指摘。
シロエ 「料理人さんが作って出すのと、ほぼ同じです」
サム 「間違いねえよな、そういう料理は普通によ…」
ジョミー「此処で頼めば、出て来るもんね…」
イノシシでも鹿でも、いくらでも、とジョミー君の相槌。
ジョミー「まあ、頑張って作ってみてよ」
シロエ 「美味しく仕上げて下さいよ?」
キース 「分かっている。なにしろ、ゲストで…」
ぶるぅが来やがるわけだしな、とキース君、苦い顔付き。
キース 「うっかり焦げたり、不味かったりしたら…」
ブルー 「ただでは済まないだろうしねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅ、そう言ってたよ!」
こないだ遊びに来た時に、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「カエル袋にするんだって!」
キース 「げっ…!」
執事 「ご歓談中、失礼します」
厨房の方から伝言です、と執事さんが部屋に。
執事 「ジビエ料理のメニューの御確認を…」
キース 「は?」
マツカ 「コース料理の進行ですよ」
執事 「そちらに合わせて、お料理を…」
して頂かないといけませんし、と説明が。
そうかも…。
2023/07/27 (Thu)
☆理解不能なメニュー
ようやく来られた山の別荘、初日の夜はワイワイ歓談中。
其処でキース君に来た用件が、コース料理の確認でして。
キース 「あの、俺…。いえ、ぼくが作るのは…」
執事 「メイン料理だと伺ってはおりますが…」
進行の兼ね合いもございますので…、と執事さん。
執事 「出すタイミングを押さえて頂きませんと…」
キース 「そうなんですか?」
ぶるぅ 「そだよ、熱々を出すんだったら、直前に…」
加熱しないとダメだしね、と料理上手なお子様が解説を。
ぶるぅ 「いつ焼き始めるとか、いつ煮込むとか…」
マツカ 「大事なんですよ、厨房では」
執事 「左様でございます。ですので、こちらを」
ご覧下さい、とキース君に差し出された紙。
執事 「当日のコースは、こうなっておりまして…」
キース 「えっと…? まずオードブルで…。ええっ?」
シロエ 「キース先輩、何か問題でも?」
キース 「い、イノシシまでは分かるんだが…」
セロリというのも分かっているが…、とキース君、愕然。
キース 「何なんだ、このナントカの包み焼きとは…!」
執事 「パートフィローでございますが?」
キース 「ですから、それはどういう…」
ぶるぅ 「んーとね、イノシシとセロリのだから…」
パイ生地で包んで焼くの! 「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「パートフィローは、パイ生地だしね」
ジョミー「美味しそうだね、ソレ!」
スウェナ「キースの腕に期待だわねえ…」
キース 「しかし、いきなり名称で…」
つまずくようでは先が怖い、とキース君の良くない顔色。
キース 「当日、俺は大丈夫なのか…?」
執事 「そう仰るかと思いまして…」
厨房と話はついております、と執事さん。
執事 「よろしかったら、明日から厨房で…」
キース 「見習いですか…?」
執事 「やはり、現場で覚えて頂くのが一番です」
一同 「「「イイネ!」」」
頑張って来い! と一同、エールですけど。
料理修行…。
2023/07/28 (Fri)
☆現場で見習いを
山の別荘初日の夜に、キース君に来たのが料理修行の話。
ジビエ料理を作る日に備えて、厨房で見習いだそうで…。
キース 「あの、見習いというのは、どんな具合に…」
執事 「出来れば、朝一番に厨房に入って頂いて…」
キース 「現場で仕事を覚えるんですか?」
執事 「シェフが言うには、それが理想だそうです」
料理の日には、頂点に立たれるわけですし、と執事さん。
執事 「メイン料理は、シェフが担当するもので…」
マツカ 「下手な間は、任せて貰えないんですよ」
火加減さえも見られません、とマツカ君、キッパリ。
マツカ 「次の料理を載せるお皿の用意とかですね」
執事 「そうです、食材は下洗いくらいしか…」
ぶるぅ 「見習いの間は、させて貰えないの!」
厳しいんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「でもでも、キースはゲストで、特別だから…」
マツカ 「メインを作っても許されるんです」
キース 「…マジか…」
執事 「はい。ですから、他の者を上手く使うには…」
仲良くなっておくのをお勧めします、と執事さんの言。
執事 「シェフが言うには、阿吽の呼吸が大切だとか」
ぶるぅ 「そだね、お料理、ホントに一瞬の勝負だし…」
火加減は特にそうなるよね、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「そこで止めて、って言われて、出来る?」
キース 「た、確かに…」
ぶるぅ 「焼けすぎちゃったら、カエル袋だよ?」
キース 「嫌すぎる…! 分かった、明日から…」
厨房で見習いをやって来る、とキース君、悲壮な決意。
キース 「というわけで、よろしくお願いします!」
執事さん「承知しました、伝えておきますね」
では、明日から…、と去ってゆきまして。
ジョミー「そっか、明日の朝御飯は…」
シロエ 「キース先輩が、お皿を用意して…」
サム 「他にも色々、働くわけな?」
一同 「「「イイネ!」」」
あれこれ注文しまくろう、と歓声ですけど。
こき使う、と…?
2023/07/29 (Sat)
☆厨房で修行な人
山の別荘ライフですけど、キース君は厨房で料理の修行。
ジビエ料理を作る日に備えて、毎日、朝から夜までで…。
ジョミー「大変だよねえ、キースもさあ…」
キース 「分かっているなら、何故、毎朝、毎朝!」
あれこれ注文しやがるんだ、と怒声が響く夕食の後。
キース 「お蔭で俺は、あちこち走り回ってばかりで…」
ジョミー「でも、やっておかないと詰むんだし…」
シロエ 「そうですよ。厨房の皆さんと仲良くなって…」
スウェナ「息ピッタリになっていないと、終わりでしょ」
料理を見事に焦がしちゃって、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「いい? イノシシとセロリの、えっと…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ パートフィロー包み焼き!」
サム 「なんか、ハードル高そうだぜ?」
キース 「そうなんだ。手伝っては貰えるんだが…」
例のパイ生地も練習中で…、とキース君の嘆き節。
キース 「当日は、専門の人が作ってくれるのに…」
シロエ 「なんで練習してるんです?」
キース 「見習い中に、練習を重ねるものらしくてな…」
作り方くらいは覚えておけと…、とフウと溜息。
キース 「他にもあれこれ、基礎をやらされている!」
一同 「「「あー…」」」
まあそうかも、と誰もが納得。
ジョミー「頑張ってよね、いよいよ明日の夜だよ?」
キース 「夕方、イノシシ肉の肉が届いて、だ…」
シロエ 「下ごしらえをしてたんですか?」
キース 「ついさっきまでな!」
明日が怖い、と呻くキース君を他所に、次の日が来て…。
??? 「こんにちはーっ!」
??? 「ジビエ、食べに来たよーっ!」
ゲストが早々に到着(会話表記はAブルー、Aぶるぅ)。
Aブルー「夕食には、ちょっと早いけど…」
マツカ 「いえ、どうぞ御遠慮なく、皆さんとお茶でも」
Aブルー「キースの仕事が増えるって?」
マツカ 「そうなりますが…」
Aぶるぅ「パフェ、食べたーい!」
フルーツたっぷりのヤツ、と悪戯小僧。
作らせろと…?
2023/07/30 (Sun)
☆食べまくる人たち
山の別荘でキース君のジビエ料理、いよいよ今夜の夕食。
早めに来たのが迷惑なゲスト、容赦なくパフェを注文で。
Aぶるぅ「ねえねえ、パフェも食べられるでしょ?」
マツカ 「もちろんですよ。では、厨房に…」
執事 「伝えて参ります。他に御注文は?」
Aブルー「ぼくはチョコレートパフェでお願いするよ」
甘いものには目が無くてね、とソルジャーも便乗。
Aブルー「せっかくだから、みんなもどう?」
ジョミー「晩御飯には、まだ早いしね…」
シロエ 「大丈夫ですよね、じゃあ、ぼくは抹茶で!」
スウェナ「私、チョコミントで!」
好き放題に注文しまくり、食べまくりで、やがて夕食で。
執事 「皆様、お食事の支度が整いました」
Aぶるぅ「んとんと、キースは?」
執事 「厨房で格闘しておられますよ」
Aブルー「なるほど、美味しく出来るといいねえ…」
失敗したら後が無いしね、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「イノシシとセロリの、えっと…」
執事 「パートフィロー包み焼きでございます」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ パイ生地だよね!」
パイ包み、好き! と悪戯小僧の輝く瞳。
Aぶるぅ「美味しかったら、おかわりだも~ん!」
一同 「「「えっ?」」」
Aぶるぅ「次のお料理も、デザートも食べるけど…」
メイン料理を飽きるまで! と恐ろしすぎる台詞。
Aぶるぅ「それとも、お肉、足りないとか?」
マツカ 「いえ、そうした場合も考えまして…」
厨房の者に頼んであります、と御曹司の笑み。
マツカ 「ただ、キースには何も…」
サム 「言ってねえのな?」
マツカ 「ええ。人数分を作れば終わりだと…」
思い込んでいますよ、とクスクスと。
マツカ 「皆さんも、おかわりなさいますか?」
Aブルー「当然だよ!」
ジョミー「美味しいに決まっているからさ…」
シロエ 「食べまくりですね!」
一同 「「「おーっ!」」」
食べ放題だ、と大歓声ですけれど。
今月、これにて中継終了~。
2023/07/31 (Mon)
夏休みが近い御一同様、生徒会長宅で涼しく過ごす週末。
山の別荘の話が出まして、ジビエ料理から物騒な方向へ。
シロエ 「本当に死ぬじゃないですか、ソレ!」
キース 「牙を避ければ、問題は無いと思うがな?」
サム 「そんなの、逃げられねえじゃねえかよ!」
シロエでも無理な相手なんだぜ、とサム君、ガクブル。
サム 「姿を見たら、即、逃げるしかねえヤツで…」
キース 「まあ、それが一番、安全だろう」
戦わなければ流血も無い、とキース君。
キース 「ジビエ料理は諦めることだ」
ジョミー「言われなくても、諦めるから!」
シロエ 「ですよね、真面目に命懸けですし…」
サム 「別荘で出て来るヤツを食おうぜ、ジビエはよ」
第一、プロの料理なんだし、とサム君の開き直った台詞。
サム 「キースじゃ、所詮は素人料理で…」
スウェナ「プロの腕には負けるわよねえ…」
Aブルー「そうかな、美味しかったよ、石焼きビビンバ」
アユの塩焼きも…、とソルジャーが挙げる先月の料理。
Aブルー「キースでも、やれば出来る筈でさ…」
ぶるぅ 「んとんと、ちゃんとレシピがあれば…」
キースは出来るタイプだよね、と料理上手なお子様も。
ぶるぅ 「うんと真面目で、手先も器用なんだもん!」
ブルー 「料理人には向いているねえ、確かにね」
キース 「決め付けるな!」
ぶるぅ 「でもでも、素質はあると思うの!」
舌だって肥えて来てるでしょ、と太鼓判が。
ぶるぅ 「ぼくとかプロのお料理を食べて、経験値が…」
ブルー 「順調に上がっているわけだしさ」
Aブルー「うん、キースだったら、イノシシだって!」
完璧に料理出来ると思う、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「まずは食材の確保からだよ、頑張りたまえ!」
シロエ 「無理ですから!」
サム 「死ぬじゃねえかよ!」
Aブルー「そう言わないでさ、人生、チャレンジ精神!」
イノシシとバトル! と煽ってますけど。
無責任すぎ…。
2023/07/16 (Sun)
☆気が合う人たち
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな件から、キース君に作らせる話へと。
シロエ 「やるなら、自分でやって下さい!」
サム 「サイオンで一発いけるじゃねえかよ!」
Aブルー「あのねえ…。それはガチとは言わないから!」
罠とか銃よりズルいヤツだよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「キースの希望はガチンコ勝負! 違うかい?」
キース 「まさにその通りだ、今日は気が合うな」
いつもは何かと波乱なのに、とキース君、嬉しそうな顔。
キース 「あんたも、俺を分かってくれたか」
Aブルー「そりゃあ、付き合い、長いからねえ…」
ついでにセットものでもあるし、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくと君とで、疫病仏!」
キース 「まあ、そうなんだが…」
Aブルー「だからバッチリ、息が合うんだよ!」
今、まさに厄を呼んでるわけで…、とニコニコニコ。
Aブルー「タッグを組んで、そこのみんなに…」
キース 「命の危機を招いている、と?」
そうなるのか、とキース君、愕然。
キース 「そんな自覚は無いんだが…!」
Aブルー「でも、そういう勘定になると思うけど?」
君が振ったネタを、ぼくが煽って…、とソルジャーの言。
Aブルー「これが疫病仏でなければ、何だと?」
シロエ 「そうです、それで合ってます!」
真面目に命の危機ですから、とシロエ君の縋るような目。
シロエ 「前言撤回でお願いします、キース先輩!」
ジョミー「頼むよ、疫病仏は中止で!」
キース 「そうだな、不名誉な例は増やしたくないし…」
Aブルー「甘すぎるから!」
それに面白くない、とソルジャーがグッと握り締める拳。
Aブルー「ガチンコ勝負をさせるべきだよ、絶対に!」
シロエ 「自分でやればいいでしょう!」
Aブルー「じゃあ、監督ってことでどう?」
一同 「「「監督?」」」
Aブルー「技術指導だよ!」
ぼくの豊富な経験を活かして! と笑顔ですけど。
監督…?
2023/07/17 (Mon)
☆技術指導と経験
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
けれど山の別荘でジビエ料理な話が、物騒な方へ展開中。
シロエ 「技術指導って、何なんです!」
サム 「イノシシ狩りの話かよ、ソレ?」
あんたもド素人じゃねえか、とサム君、必死のツッコミ。
サム 「あんたの世界に、野生のイノシシはよ…」
シロエ 「いないんですから、技術も何もありません!」
ジョミー「そうだよ、やったことないんだからさ!」
無責任なことを言わないでくれる、とジョミー君も。
ジョミー「キースだったら、まだ分かるけど…」
Aブルー「なんでキースが出て来るわけ?」
キースだって素人だろう、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「狩りをするとは聞かないけどねえ…?」
シロエ 「その点は、ぼくも同じですよ」
サム 「俺も全く知らねえけど?」
何処からキースになるんだよ、とサム君たちも怪訝な顔。
サム 「おい、キース。お前、イノシシなんかをよ…」
シロエ 「捕まえたことがあるんですか?」
キース 「いや、そんなハードな経験はだな…」
俺の人生に一度も無いが、と当の本人までが不思議そう。
キース 「ジョミー、何処から俺の名前が出るんだ?」
ジョミー「遭遇率って所かな…」
一同 「「「遭遇率?」」」
なんだソレは、と誰もが傾げる首。
キース 「遭遇率というのが謎なんだが?」
ジョミー「そのまんまだよ、出会う確率だよ!」
イノシシにね、とジョミー君が立てる人差し指。
ジョミー「裏山の墓地に出るって、言ってなかった?」
一同 「「「あっ!」」」
アレか、と一発でピンと来た面々。
シロエ 「そう言えば、出るんでしたっけ…」
サム 「墓石を倒して、お供え物を荒らすんだよな?」
ジョミー「その対策で走り回っている筈だしさ…」
Aブルー「なるほど、ぼくよりも技術がある、と…」
キース 「勝手に決め付けて納得するな!」
俺は対策してなどいない、と怒鳴ってますけど。
本当に…?
2023/07/18 (Tue)
☆疎かになる季節
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな話が、物騒な方へ進んでますけど…。
ジョミー「対策してないって、ホントにそうかな?」
シロエ 「放置とは思えませんよね、確かに」
腐っても副住職ですし…、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「放っておいたら、墓地がメチャメチャですよ」
ジョミー「だから絶対、何かやってるって!」
キース 「やかましい! 俺がやるのは張り紙だけだ!」
それと現場で注意とだな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「お供え物は、お持ち帰り下さい、と…」
シロエ 「それだけですか?」
キース 「他に何が出来ると言うんだ!」
ジョミー「柵とかは…? 設置してるって聞いたけど…」
あんまり効果は無さそうだけど、とジョミー君。
ジョミー「それもキースがやってるんじゃあ…?」
キース 「墓地の維持管理は、専門の人に頼んでいる!」
柵の設置も任せてある、とキース君、キッパリ。
キース 「それでもイノシシは、突破して来て…」
サム 「墓地を荒らして行くってか?」
キース 「今の季節は、大変なんだ!」
墓参りの人が多いからな、と副住職が顰める顔。
キース 「墓地は広いし、山の斜面だし…」
シロエ 「監視の目が行き届かないわけですね?」
キース 「そうなんだ。どう頑張っても、見落としが…」
ついでに俺も多忙だし…、とキース君が繰る数珠レット。
キース 「卒塔婆書きに追われて、見回りの方が…」
サム 「疎かになっちまうのかよ?」
キース 「仕方なかろう、管理専門の人までが…」
墓地そのものの整備で多忙な時期で…、と副住職。
キース 「墓参りに来た檀家さんから、色々と…」
シロエ 「修理とかの注文が入るんですか?」
キース 「それに加えて、生垣を綺麗に刈り込むとか…」
サム 「イノシシの対策がお留守になるわけな…」
Aブルー「対策ねえ…」
それは困った問題かもね、と頷いてますけど。
まあねえ…。
2023/07/19 (Wed)
☆命懸けで書くブツ
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘が楽しみでして、キース君のジビエ料理を希望。
Aブルー「ちょっと、キースに聞きたいんだけど…」
キース 「なんだ?」
Aブルー「卒塔婆書きっていうのは、命懸けかな?」
毎年、この時期にやってるけどさ、とソルジャーの問い。
Aブルー「ノルマがどうとか、増やされたとか…」
キース 「ある意味、命懸けだと言えるな」
シロエ 「お盆までに書き上げないと、詰みますしね…」
サム 「出来てねえとか、アドス和尚によ…」
締め上げられるヤツでねえの、とサム君、うんうん、と。
サム 「遅れがバレたら、連日、徹夜で書かされるぜ」
ジョミー「それでフラフラになった身体で、棚経だよね」
シロエ 「栄養ドリンク、貰えないでしょうねえ…」
スウェナ「書かされる間も、食事抜きでしょ?」
時間との戦いなんだから、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「お茶は飲めると思うけど…」
ジョミー「栄養補給は無理っぽいよね…」
食べながら書くのはダメだろうし、とジョミー君。
ジョミー「ゼリーになってて、飲めるのもあるけど…」
サム 「零したら、卒塔婆が汚れるしよ…」
シロエ 「お茶だって、シミになりますよ?」
スウェナ「そうなると、お茶もアウトだわねえ…」
水だけで書くことになるわね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「命懸けコースで確定でしょ、コレ」
シロエ 「キース先輩が言う命懸けって、それですか?」
キース 「まさにそうなる」
命が懸かった大仕事だ、とキース君、合掌。
キース 「今年も無事に終わらせたいが…」
Aブルー「イノシシ対策が疎かになる、と…」
よし! とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「君たち、墓地で戦いたまえ!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「キースのジビエ料理だよ!」
ジョミー「えっと…?」
シロエ 「どういう意味です?」
話が見えませんけれど、とシロエ君の疑問。
墓地で戦う…?
2023/07/20 (Thu)
☆墓地でバトルを
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘の話が元で、キース君のジビエ料理を希望で…。
シロエ 「キース先輩のジビエ料理で、何故、墓地で…」
ジョミー「戦うって話が出て来るわけ?」
Aブルー「分からないかな、条件は命懸けなんだよ?」
キースが出して来たヤツは、とソルジャーの言。
Aブルー「卒塔婆書きに、命が懸かっているんなら…」
シロエ 「あっ、もしかして、墓地でですね…」
イノシシとバトルじゃないでしょうね、とシロエ君。
シロエ 「場所が何処でも、無理すぎですから!」
サム 「そうだぜ、相手はイノシシだしよ…」
キース 「俺からも言うが、やめておくのが吉だろうな」
墓地で戦うのは危険すぎる、と副住職の渋面。
キース 「金網を突破して来た直後のイノシシだぞ?」
ジョミー「それって、思い切り、気が立ってない…?」
キース 「だから墓石が倒されるんだ!」
突っ込んで来た勢いのままで走るしな、と怖すぎる台詞。
キース 「お供え物めがけて、全速力で疾走だぞ?」
一同 「「「うわー…」」」
立ち向かったらダメなヤツだ、と誰もがガクブル。
シロエ 「確実に死ぬじゃないですか!」
キース 「運が良ければ、避けられるかもしれないが…」
サム 「バトルどころじゃねえよな、ソレ…」
冗談じゃねえよ、とサム君が広げる両手。
サム 「それともアレかよ、あんたがシールドして…」
シロエ 「守ってくれると言うんですか?」
Aブルー「違うよ、もっと安全なコース!」
一同 「「「は?」」」
どんな方法があると言うんだ、と一同、キョトン。
シロエ 「安全って、相手はイノシシですよ?」
Aブルー「だから防ぐんだよ、来ないようにさ」
ジョミー「止めるとか、もっと危ないんだけど!」
サム 「そうだぜ、柵の手前で防ぐとか、プロでも…」
シロエ 「銃とか、罠が要るヤツですから!」
でないと死んでしまいます、とシロエ君の悲鳴。
ヤバすぎ…。
2023/07/21 (Fri)
☆炎天下で作業を
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘へ行くのが楽しみ、ジビエ料理に期待ですけど。
シロエ 「あなたは煽るだけで済むんですけど…」
ジョミー「ぼくたちの方は、マジで命の危機だから!」
Aブルー「あのねえ…。ぼくもキースのジビエ料理を…」
食べてみたいと思うわけでね、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「そうするためには、死人が出るのは…」
キース 「困るんだったら、黙っていやがれ!」
Aブルー「でもねえ、君にもいい話かと…」
墓地の被害を防げるんだよ、と言い募る人。
Aブルー「炎天下で作業して貰うだけで、バッチリと!」
一同 「「「炎天下?」」」
Aブルー「そう、太陽が照り付ける下で!」
キース 「イノシシは、夜行性なんだが…」
昼間は姿を見せないんだが…、とキース君が傾げる首。
キース 「あんた、その辺を理解してるのか?」
Aブルー「もちろんだよ! だから安全なコースだと…」
言ったんだよね、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「チラシの配布に掃除、声掛け!」
一同 「「「は?」」」
なんだソレは、と誰もがキョトン。
シロエ 「えっと…? イノシシとバトルですよね?」
Aブルー「そうだけど?」
シロエ 「イノシシは字なんか読めませんよ?」
チラシを配ってどうするんです、とシロエ君。
シロエ 「第一、受け取って貰える気がしませんが…」
ジョミー「だよねえ、無視して突っ込んで来て…」
牙で刺される気がするんだけど、とジョミー君も。
ジョミー「声掛けだって、聞いちゃくれないよ?」
サム 「馬の耳に念仏の方が、まだマシでねえの?」
馬の方が言葉が分かりそうだぜ、とサム君の指摘。
サム 「イノシシは、話して分かる相手じゃねえよ」
Aブルー「誰がイノシシにやれって言った?」
シロエ 「違うんですか?」
Aブルー「当たり前だよ、チラシに声掛けなんだから!」
もっと冷静に考えたまえ、と言ってますけど。
チラシ…?
2023/07/22 (Sat)
☆チラシを配って
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘でジビエな話が、キース君の料理に転がって…。
シロエ 「冷静に、って言われてもですね…」
ジョミー「イノシシとバトルで、誰にチラシなのさ?」
Aブルー「決まってるだろう、檀家さんだよ!」
お供え物を持って来るんだからさ、とソルジャーの言。
Aブルー「チラシを配って、お持ち帰り下さい、と…」
シロエ 「あー…! なるほど、その手がありますね!」
サム 「張り紙だけより、効果ありそうだぜ」
Aブルー「加えて声掛け、掃除でバッチリ!」
置いて帰りそうな人には注意でさ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「それでも忘れて帰った分は、掃除だってば!」
ジョミー「そっか、お供え物が残っていないと…」
スウェナ「イノシシの餌は無いのよねえ…」
キース 「こいつらを動員するわけか…」
それは助かる、と副住職も。
キース 「やってくれるんなら、バイト料代わりに…」
シロエ 「イノシシ、料理してくれるんですか?」
キース 「鹿かもしれんが、山の別荘でいける食材で…」
料理してもいい、とキース君の提案が。
キース 「そっちが安全なコースなんだし、俺もだな…」
ジョミー「命は半端に懸ける、って?」
キース 「そうだ、料理人さんの手伝いも…」
欠かせないぞ、と腕組みする人。
キース 「その条件でいいんだったら、もう明日から…」
Aブルー「チラシの配布と声掛けなんだね?」
キース 「当然だろう、明日は日曜だ!」
夏休みも初日から働いて貰う、とキッパリと。
キース 「柔道部の合宿中だけ、休みでな!」
一同 「「「うわー…」」」
Aブルー「でもさ、貴重なキースの料理!」
頑張ってくれたまえ、とソルジャーもプッシュ。
Aブルー「ぼくも楽しみにしてるから!」
シロエ 「山の別荘、呼ばれてませんよ?」
Aブルー「食べに来るくらいは、許されるって!」
アイデアを出したわけだしさ、と強気ですけど。
来ると…?
2023/07/23 (Sun)
☆ジビエ料理に招待
じきに夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘行きが楽しみ、キース君のジビエ料理も来そう。
シロエ 「確かに、アイデアは出してくれましたけど…」
サム 「それより前に、面白がっていたじゃねえかよ」
ジョミー「ガチで戦えとか、無茶も言ったし…」
差し引きゼロになるんじゃないの、とジョミー君。
ジョミー「来なくていいと思うんだけど!」
シロエ 「キース先輩とセットで、疫病仏ですし…」
Aブルー「君たち、SD体制で苦労している、ぼくを…」
ハブる気なのかい、とソルジャーが吊り上げる眉。
Aブルー「こうなったら、ぼくのぶるぅも一緒に…!」
マツカ 「ええ、是非、お二人でいらして下さい」
一同 「「「ええっ!?」」」
酷い、と誰もが悲鳴ですけど。
マツカ 「お忘れですか、招待するのは、ぼくなんです」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「ありがとう、マツカ! じゃあ、その日は…」
マツカ 「お席を用意しておきますよ、お二人分」
食堂は広いですからね、と御曹司。
マツカ 「キースのジビエ料理をメインに、存分に…」
Aブルー「食べていいわけだね、ぼくも、ぶるぅも」
マツカ 「もちろんです。日程の方は…」
Aブルー「大丈夫、青の間からチェック出来るし!」
ジビエ料理の日にお邪魔するよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「キースも、料理を作るわけだし…」
キース 「ぶるぅのオモチャは免れるんだな?」
Aブルー「そう! 仲良くやろうよ!」
じゃあ、また山の別荘で! と消え失せた人。
シロエ 「マジですか…」
サム 「あいつと、ぶるぅが来るのかよ…」
キース 「だが、俺は安全圏なんだ!」
お前たちの方は知らんがな、とキース君、しれっと。
キース 「明日から、頑張ってチラシを配れよ」
シロエ 「そうでした…。明日の予報は…」
キース 「猛暑日だ!」
一同 「「「うわー…」」」
初日からソレか、と泣きが入ってますけど。
炎天下…。
2023/07/24 (Mon)
☆冷却ベストは不可
夏休みは山の別荘に期待ですけど、その前に試練な面々。
キース君のジビエ料理のために、元老寺の墓地で労働を。
シロエ 「暑いですねえ、猛暑日の連続はキツイですよ」
サム 「仕方ねえだろ、そもそも初日から猛暑日で…」
ジョミー「思い切り、幸先、悪かったしね…」
夏休みに入ったら更に拍車が…、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「お参りの人も増えたしさ…」
スウェナ「そうよね、お盆が近くなるほど増えるから…」
サム 「まあ、キースも庫裏で、卒塔婆地獄だしよ…」
シロエ 「直射日光が無いだけ、マシそうですけど!」
ぼくたちは熱中症の危機です、とシロエ君。
シロエ 「この炎天下で、長袖、長ズボンですよ?」
ジョミー「じゃあさ、法衣の方がいいわけ?」
シロエ 「いえ、それは…」
ジョミー「墓地で働くなら、それなりの服、って…」
キースに釘を刺されたんだよ、とジョミー君、溜息。
ジョミー「ぼくとサムには、法衣と作務衣が…」
サム 「コースとしてはあったんだよなあ、マジで」
ジョミー「もっと仕事が増えそうだから、逃げたけど…」
サム 「うんうん、あんなの着ちまったらよ…」
墓回向の見習いになるじゃねえかよ、とサム君も。
サム 「檀家さんに、お経を頼まれちまって…」
ジョミー「でも、無資格だし、出来ないからさ…」
サム 「アドス和尚のトコまで、走るしかねえし…」
ジョミー「走ったついでに、香炉とかをさ…」
持たされて、お供で戻るわけで…、とジョミー君。
ジョミー「最悪、墓地の階段、上から下まで…」
サム 「ガッツリ往復になっちまうしよ…」
ジョミー「真面目に死ぬよね…」
チラシ配りの方がまだマシ、とジョミー君の言。
ジョミー「でもさ、冷却ベストが欲しいよ…」
シロエ 「ぼくもですけど、そういうグッズは…」
サム 「キースにバレたら、終わりだぜ?」
シロエ 「そうですよね…」
アドス和尚も見てますし、とグッズも無理。
キツそう…。
2023/07/25 (Tue)
☆チップが貰える人
山の別荘行きを控えて、元老寺の墓地でタダ働きな面々。
キース君のジビエ料理のためには、耐えるしかなくて…。
シロエ 「暑すぎて、気を失いそうなんですけれど…」
ジョミー「上には上がいるのがね…」
サム 「マツカのスキルは、半端ねえよな…」
何の小細工もしてねえのがよ、と眺める先にスーツな人。
マツカ 「暑い中、お参り、ご苦労様です」
檀家さん「あっ、どうも。宿坊の方ですか?」
マツカ 「いえ、高校生バイトなんですけれど…」
これをどうぞ、とマツカ君が渡しているチラシ。
檀家さん「あー、イノシシ…。お疲れ様です」
マツカ 「お供え物のお持ち帰りを、お忘れなく」
檀家さん「分かりました。バイト、頑張って下さいね」
少しですが、と檀家さん、お年玉のような小さな袋を。
檀家さん「これで冷たいものでも、どうぞ」
マツカ 「ありがとうございます!」
よいお参りを、と深々とお辞儀で見送る御曹司。
ジョミー「マツカにチップ、これで何人くらいだっけ?」
サム 「虚しくなるから数えてねえけど、今日もよ…」
シロエ 「軽く十人を超えてますよね、朝から…」
スウェナ「お金が、お金を呼ぶのかしらねえ…」
私たちは何も貰えないのに…、とスウェナちゃん、涙目。
スウェナ「スーツがポイント高いのかしら?」
ジョミー「そうだと思うよ、プロっぽいしさ…」
サム 「なのに高校生バイトって所が、最強なんだぜ」
分かっちゃいても、スーツは無理、とサム君が竦める肩。
サム 「まあ、バイトも今日で最終日だしよ…」
ジョミー「明日から涼しい高原だしね…」
シロエ 「キース先輩のジビエ料理も来ますから…」
頑張りましょう、とシロエ君、グッと拳を。
シロエ 「あっ、そこの方、お供え物はお持ち帰りで…」
ジョミー「お願いしてます!」
檀家さん「あー、気を付けますね!」
サム 「やっぱ、俺たちにはチップ無しかよ…」
最終日はスーツにすれば良かった、との声も。
チップ…。
2023/07/26 (Wed)
☆一度で充分なバイト
炎天下の墓地でのバイトも終わって、ようやく山の別荘。
涼しい高原の空気を満喫、御馳走も食べて夜もワイワイ。
ジョミー「最高だよねえ、暑い下界と違って天国!」
シロエ 「昨日まで、地獄にいましたからね…」
サム 「タダ働きで墓地の掃除と、チラシ配りな…」
キース 「お蔭で、イノシシの被害が出なかったから…」
親父が来年も頼みたいそうだ、とキース君。
キース 「バイト料は出すと言っていたぞ」
シロエ 「お断りします!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、あんな地獄は!」
サム 「マジで灼熱地獄だったしよ…」
もう勘弁だぜ、とサム君も。
サム 「ジビエ料理と引き換えってのも、一回でよ…」
ジョミー「充分だよねえ、キースが一人で作るなら…」
シロエ 「価値もありますけど、プロが手伝って…」
出来上がる料理なんですからね、とシロエ君の指摘。
シロエ 「料理人さんが作って出すのと、ほぼ同じです」
サム 「間違いねえよな、そういう料理は普通によ…」
ジョミー「此処で頼めば、出て来るもんね…」
イノシシでも鹿でも、いくらでも、とジョミー君の相槌。
ジョミー「まあ、頑張って作ってみてよ」
シロエ 「美味しく仕上げて下さいよ?」
キース 「分かっている。なにしろ、ゲストで…」
ぶるぅが来やがるわけだしな、とキース君、苦い顔付き。
キース 「うっかり焦げたり、不味かったりしたら…」
ブルー 「ただでは済まないだろうしねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅ、そう言ってたよ!」
こないだ遊びに来た時に、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「カエル袋にするんだって!」
キース 「げっ…!」
執事 「ご歓談中、失礼します」
厨房の方から伝言です、と執事さんが部屋に。
執事 「ジビエ料理のメニューの御確認を…」
キース 「は?」
マツカ 「コース料理の進行ですよ」
執事 「そちらに合わせて、お料理を…」
して頂かないといけませんし、と説明が。
そうかも…。
2023/07/27 (Thu)
☆理解不能なメニュー
ようやく来られた山の別荘、初日の夜はワイワイ歓談中。
其処でキース君に来た用件が、コース料理の確認でして。
キース 「あの、俺…。いえ、ぼくが作るのは…」
執事 「メイン料理だと伺ってはおりますが…」
進行の兼ね合いもございますので…、と執事さん。
執事 「出すタイミングを押さえて頂きませんと…」
キース 「そうなんですか?」
ぶるぅ 「そだよ、熱々を出すんだったら、直前に…」
加熱しないとダメだしね、と料理上手なお子様が解説を。
ぶるぅ 「いつ焼き始めるとか、いつ煮込むとか…」
マツカ 「大事なんですよ、厨房では」
執事 「左様でございます。ですので、こちらを」
ご覧下さい、とキース君に差し出された紙。
執事 「当日のコースは、こうなっておりまして…」
キース 「えっと…? まずオードブルで…。ええっ?」
シロエ 「キース先輩、何か問題でも?」
キース 「い、イノシシまでは分かるんだが…」
セロリというのも分かっているが…、とキース君、愕然。
キース 「何なんだ、このナントカの包み焼きとは…!」
執事 「パートフィローでございますが?」
キース 「ですから、それはどういう…」
ぶるぅ 「んーとね、イノシシとセロリのだから…」
パイ生地で包んで焼くの! 「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「パートフィローは、パイ生地だしね」
ジョミー「美味しそうだね、ソレ!」
スウェナ「キースの腕に期待だわねえ…」
キース 「しかし、いきなり名称で…」
つまずくようでは先が怖い、とキース君の良くない顔色。
キース 「当日、俺は大丈夫なのか…?」
執事 「そう仰るかと思いまして…」
厨房と話はついております、と執事さん。
執事 「よろしかったら、明日から厨房で…」
キース 「見習いですか…?」
執事 「やはり、現場で覚えて頂くのが一番です」
一同 「「「イイネ!」」」
頑張って来い! と一同、エールですけど。
料理修行…。
2023/07/28 (Fri)
☆現場で見習いを
山の別荘初日の夜に、キース君に来たのが料理修行の話。
ジビエ料理を作る日に備えて、厨房で見習いだそうで…。
キース 「あの、見習いというのは、どんな具合に…」
執事 「出来れば、朝一番に厨房に入って頂いて…」
キース 「現場で仕事を覚えるんですか?」
執事 「シェフが言うには、それが理想だそうです」
料理の日には、頂点に立たれるわけですし、と執事さん。
執事 「メイン料理は、シェフが担当するもので…」
マツカ 「下手な間は、任せて貰えないんですよ」
火加減さえも見られません、とマツカ君、キッパリ。
マツカ 「次の料理を載せるお皿の用意とかですね」
執事 「そうです、食材は下洗いくらいしか…」
ぶるぅ 「見習いの間は、させて貰えないの!」
厳しいんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「でもでも、キースはゲストで、特別だから…」
マツカ 「メインを作っても許されるんです」
キース 「…マジか…」
執事 「はい。ですから、他の者を上手く使うには…」
仲良くなっておくのをお勧めします、と執事さんの言。
執事 「シェフが言うには、阿吽の呼吸が大切だとか」
ぶるぅ 「そだね、お料理、ホントに一瞬の勝負だし…」
火加減は特にそうなるよね、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「そこで止めて、って言われて、出来る?」
キース 「た、確かに…」
ぶるぅ 「焼けすぎちゃったら、カエル袋だよ?」
キース 「嫌すぎる…! 分かった、明日から…」
厨房で見習いをやって来る、とキース君、悲壮な決意。
キース 「というわけで、よろしくお願いします!」
執事さん「承知しました、伝えておきますね」
では、明日から…、と去ってゆきまして。
ジョミー「そっか、明日の朝御飯は…」
シロエ 「キース先輩が、お皿を用意して…」
サム 「他にも色々、働くわけな?」
一同 「「「イイネ!」」」
あれこれ注文しまくろう、と歓声ですけど。
こき使う、と…?
2023/07/29 (Sat)
☆厨房で修行な人
山の別荘ライフですけど、キース君は厨房で料理の修行。
ジビエ料理を作る日に備えて、毎日、朝から夜までで…。
ジョミー「大変だよねえ、キースもさあ…」
キース 「分かっているなら、何故、毎朝、毎朝!」
あれこれ注文しやがるんだ、と怒声が響く夕食の後。
キース 「お蔭で俺は、あちこち走り回ってばかりで…」
ジョミー「でも、やっておかないと詰むんだし…」
シロエ 「そうですよ。厨房の皆さんと仲良くなって…」
スウェナ「息ピッタリになっていないと、終わりでしょ」
料理を見事に焦がしちゃって、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「いい? イノシシとセロリの、えっと…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ パートフィロー包み焼き!」
サム 「なんか、ハードル高そうだぜ?」
キース 「そうなんだ。手伝っては貰えるんだが…」
例のパイ生地も練習中で…、とキース君の嘆き節。
キース 「当日は、専門の人が作ってくれるのに…」
シロエ 「なんで練習してるんです?」
キース 「見習い中に、練習を重ねるものらしくてな…」
作り方くらいは覚えておけと…、とフウと溜息。
キース 「他にもあれこれ、基礎をやらされている!」
一同 「「「あー…」」」
まあそうかも、と誰もが納得。
ジョミー「頑張ってよね、いよいよ明日の夜だよ?」
キース 「夕方、イノシシ肉の肉が届いて、だ…」
シロエ 「下ごしらえをしてたんですか?」
キース 「ついさっきまでな!」
明日が怖い、と呻くキース君を他所に、次の日が来て…。
??? 「こんにちはーっ!」
??? 「ジビエ、食べに来たよーっ!」
ゲストが早々に到着(会話表記はAブルー、Aぶるぅ)。
Aブルー「夕食には、ちょっと早いけど…」
マツカ 「いえ、どうぞ御遠慮なく、皆さんとお茶でも」
Aブルー「キースの仕事が増えるって?」
マツカ 「そうなりますが…」
Aぶるぅ「パフェ、食べたーい!」
フルーツたっぷりのヤツ、と悪戯小僧。
作らせろと…?
2023/07/30 (Sun)
☆食べまくる人たち
山の別荘でキース君のジビエ料理、いよいよ今夜の夕食。
早めに来たのが迷惑なゲスト、容赦なくパフェを注文で。
Aぶるぅ「ねえねえ、パフェも食べられるでしょ?」
マツカ 「もちろんですよ。では、厨房に…」
執事 「伝えて参ります。他に御注文は?」
Aブルー「ぼくはチョコレートパフェでお願いするよ」
甘いものには目が無くてね、とソルジャーも便乗。
Aブルー「せっかくだから、みんなもどう?」
ジョミー「晩御飯には、まだ早いしね…」
シロエ 「大丈夫ですよね、じゃあ、ぼくは抹茶で!」
スウェナ「私、チョコミントで!」
好き放題に注文しまくり、食べまくりで、やがて夕食で。
執事 「皆様、お食事の支度が整いました」
Aぶるぅ「んとんと、キースは?」
執事 「厨房で格闘しておられますよ」
Aブルー「なるほど、美味しく出来るといいねえ…」
失敗したら後が無いしね、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「イノシシとセロリの、えっと…」
執事 「パートフィロー包み焼きでございます」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ パイ生地だよね!」
パイ包み、好き! と悪戯小僧の輝く瞳。
Aぶるぅ「美味しかったら、おかわりだも~ん!」
一同 「「「えっ?」」」
Aぶるぅ「次のお料理も、デザートも食べるけど…」
メイン料理を飽きるまで! と恐ろしすぎる台詞。
Aぶるぅ「それとも、お肉、足りないとか?」
マツカ 「いえ、そうした場合も考えまして…」
厨房の者に頼んであります、と御曹司の笑み。
マツカ 「ただ、キースには何も…」
サム 「言ってねえのな?」
マツカ 「ええ。人数分を作れば終わりだと…」
思い込んでいますよ、とクスクスと。
マツカ 「皆さんも、おかわりなさいますか?」
Aブルー「当然だよ!」
ジョミー「美味しいに決まっているからさ…」
シロエ 「食べまくりですね!」
一同 「「「おーっ!」」」
食べ放題だ、と大歓声ですけれど。
今月、これにて中継終了~。
2023/07/31 (Mon)
☆山の別荘な季節
さて、7月。暑さの方もいよいよ本番、太陽もギラギラ。
休日は生徒会長宅が一番、涼しく過ごしている御一同様。
シロエ 「いいですねえ…。此処はホントに天国ですよ」
ジョミー「だよねえ、外は暑すぎてさ…」
サム 「先月みたいにはいかねえよな、うん」
川遊びは楽しかったけどよ、とサム君が眺める窓の外。
サム 「こう暑くなると、浮き輪で川下りはキツイぜ」
シロエ 「アレ、乗っかってるだけでしたしね…」
ジョミー「水はかかるけど、太陽は上から直射だし…」
こんがり焼かれてバテるヤツだよ、とジョミー君も。
ジョミー「やっぱり夏は、身体ごと水に入らなきゃ!」
サム 「海とプールの季節だよなあ…」
マツカ 「高原だと、かなり涼しいですよ?」
スウェナ「そうね、夏休みに入ったら…」
今年も山の別荘でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「ねえ、マツカ?」
マツカ 「もちろんです。楽しみにしてて下さいね」
一同 「「「イイネ!」」」
涼しい高原で別荘ライフ、と誰もが歓声。
ジョミー「ジビエとかだって、食べられるよね?」
マツカ 「ええ、鹿もイノシシもいけますよ」
サム 「楽しみだよなあ、何が食えるかなあ…」
シロエ 「流石にジビエは、キース先輩には…」
ちょっとハードル高すぎですよね、とシロエ君。
シロエ 「アユの塩焼き、美味しかったんですけど…」
ジョミー「焼きたての熱々に、塩を振ってさ…」
サム 「美味かったよなあ、最高だったぜ」
キース 「俺は命が懸かってたんだが…!」
焦がしたら、ぶるぅの餌食だからな、とキース君の渋面。
キース 「あんな橋は、二度と渡りたくない!」
シロエ 「そうでしょうねえ…」
命懸けで料理するなんて…、とシロエ君の相槌。
シロエ 「別荘では食べる方ですね?」
キース 「当然だろう!」
ジョミー「鹿とか、イノシシ料理とか…」
キース 「無理すぎるからな!」
俺を何だと思ってるんだ、と叫んでますけど。
料理人…?
2023/07/01 (Sat)
☆命を懸ける料理
もうすぐ夏休みな季節到来、週末は生徒会長宅ですけど。
山の別荘が楽しみな面々、ジビエ料理に期待なわけで…。
ジョミー「でもさ、石焼きビビンバ、絶品だったし…」
サム 「アユの塩焼きも美味かったぜ?」
あっちのぶるぅも大満足でよ…、とサム君が立てる親指。
サム 「もしかして、ジビエもいけるんでねえの?」
スウェナ「レシピがあったら、出来そうよねえ?」
シロエ 「あー…。ぶるぅは上手に作れますから…」
ジョミー「出来ないことはないと思うんだよね」
挑戦するのもいいんじゃないの、とジョミー君。
ジョミー「山の別荘なら、ぶるぅも来ないし…」
キース 「俺が命を懸ける必要も、全く無いと思うが?」
作る理由がゼロだからな、とキース君の苦い顔付き。
キース 「命懸けだからこそ、必死だったが…」
ジョミー「ぼくたちだけだと、手抜きするって?」
キース 「普通、そうなる流れだろう!」
それともアレか…、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「お前たちの方も命を懸ける、と?」
ジョミー「えっと…?」
キース 「そういう場合は、ウインウインで…」
俺が料理をしてもいいが、とキース君。
キース 「そっちが命懸けで来るなら、俺だって…」
サム 「手抜きしねえで、頑張るってか?」
キース 「ああ、全力で調理する!」
ただしイノシシに限るからな、と食材の指定が。
キース 「鹿は認めん、イノシシだけだ!」
ジョミー「なんで、イノシシ?」
キース 「自信があるなら、クマも許そう」
イノシシかクマでやってくれ、と腕組みする人。
キース 「どっちになっても、俺はかまわん」
シロエ 「ちょ、待って下さい、キース先輩!」
それってまさか…、とシロエ君の悪い顔色。
シロエ 「捕まえて来い、というわけですか?」
キース 「他に何があると?」
ジョミー「無理すぎるから!」
キース 「俺も無理だし、お互い様だ」
ジビエ料理は諦めろ、と睨んでますけど。
正論かも…。
2023/07/02 (Sun)
☆オマケして欲しい
じきに夏休みに入る週末、生徒会長宅で過ごす御一同様。
山の別荘に行く話から、ジビエ料理になったんですけど。
ジョミー「捕まえないと、料理しないって?」
キース 「命懸けの料理を注文するなら、当然だろう!」
そっちも命を懸けるべきだ、とキース君、腕組み。
キース 「もっとも、俺は料理するだけで…」
シロエ 「命は懸かっていませんよねえ?」
あっちのぶるぅは来ないんですし…、とシロエ君。
シロエ 「その分、オマケして貰えませんか?」
キース 「オマケだと?」
シロエ 「ええ。罠を使うの認めて欲しいんです」
ジョミー「いいね、ソレ!」
罠ならリスクがグンと減るよ、とジョミー君も。
ジョミー「そりゃまあ、罠から外す時には…」
サム 「大暴れかもしれねえけどよ、捕まえる時は…」
シロエ 「安心、安全だと思いませんか?」
立ち向かうわけじゃないですからね、とシロエ君の見解。
シロエ 「ガチで勝負だと、ヤバいですけど…」
ジョミー「罠なら、牙とか避けられるもんね…」
クマにしてもさ、と頷くジョミー君。
ジョミー「ケチケチしないで、オマケでお願い!」
キース 「そう来たか…。だが、甘いな」
シロエ 「認めてくれないんですか?」
キース 「俺はいいんだが、お前たちの身が危ういぞ」
罠を使って捕まえたらな、と妙な台詞が。
キース 「それでいいなら、好きにしてくれ」
ジョミー「何それ、なんで危ないのさ?」
シロエ 「罠のプロではないからでしょうか…?」
実は外す時が危ないだとか…、とシロエ君の問い。
シロエ 「窮鼠猫を噛むの、猛獣バージョンですか?」
キース 「もちろん、それも有り得るんだが…」
もっと根本的な所になるな、とキース君、ニヤリ。
キース 「お前たち、罠を仕掛けるんだろう?」
シロエ 「そうですけど?」
キース 「罠を仕掛けたら、お上が来るぞ」
一同 「「「お上?」」」
何のことだ、と顔を見合わせる面々ですけど。
お上…?
2023/07/03 (Mon)
☆お上が来る罠
夏休みを控えたシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘へ行く話から、ジビエ料理を希望ですけれど…。
シロエ 「お上って、どういう意味ですか?」
キース 「知らんのか? お上と言えば、お上だろうが」
その他に何があると言うんだ、とキース君の渋面。
キース 「上様とまでは言っていないぞ、ただのお上で」
シロエ 「あのぅ…。もしかして、国家権力をですね…」
持っている人のことでしょうか、とシロエ君の質問。
シロエ 「お役人とか、警察官とか、そういう系の…」
キース 「まさにソレだな」
俺も正確な管轄までは知らないが…、とキース君。
キース 「どれが来るかは分からないんだが、確実に…」
ジョミー「そういう人が、やって来るって?」
キース 「罠を仕掛けた場合はな!」
逮捕かどうかは俺も知らん、と繰る左手首の数珠レット。
キース 「とにかく、ただでは済まないぞ」
シロエ 「なんで逮捕で、お上なんです!」
キース 「逮捕かは知らんと言ったろう!」
シロエ 「でも、そのくらいにヤバいんですよね?」
どうして罠でそうなるんです、とシロエ君の更なる問い。
シロエ 「罠は違法じゃない筈ですけど?」
スウェナ「そうでもないでしょ、罠によっては…」
ブルー 「アウトなヤツも存在するねえ、霞網とか」
動物用だとトラバサミが違法だったっけ、と生徒会長。
ブルー 「使った場合は、大変なことに…」
シロエ 「あー…。でも、そういうのを使わなければ…」
サム 「お上なんかは来ねえだろ?」
適切に使用してればよ、とサム君の言。
サム 「普通の罠なら、何も問題ねえんだし…」
シロエ 「いけますよねえ?」
ヤバい橋なんか渡りませんよ、とシロエ君。
シロエ 「合法的に捕まえますって、真っ当な罠で」
ジョミー「そうだよ、猟師の人に借りてさ」
キース 「借りた時点で、詰むと思うが」
一同 「「「えっ?」」」
なんで詰むんだ、と一同、キョトン。
何故だと…?
2023/07/04 (Tue)
☆詰む理由が謎
夏休みを控えた週末、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
山の別荘へ行く話から、キース君のジビエ料理を希望で。
シロエ 「借りた時点で、何故、詰むんです?」
ジョミー「猟師さんから借りるんだよ?」
サム 「違法な罠は持ってねえだろ、プロなんだしよ」
でねえと自分が詰むじゃねえか、とサム君の指摘。
サム 「プロなら、免許も要りそうだしよ…」
シロエ 「要るでしょうねえ、狩猟免許と言いますから」
ジョミー「鉄砲だけじゃないのかな、ソレ」
ブルー 「違うよ、罠の猟師も免許は必須だよね」
ちゃんと試験があるんだから、と生徒会長の解説が。
ブルー 「ついでに更新もしなきゃダメでさ…」
サム 「んじゃ、プロ中のプロだよな?」
ブルー 「そういうことだね、罠が専門でも」
シロエ 「だったら余計に、違法な罠は持ってませんよ」
免許取り消しになるでしょうし…、とシロエ君。
シロエ 「安心して借りに行けますってば!」
キース 「だから、その時点で詰むと言ったが?」
ジョミー「違法な罠を貸してくれとは言わないよ!」
サム 「俺たち、其処までバカじゃねえぜ?」
違法な罠の威力が凄えにしても…、とサム君の言。
サム 「そもそも、罠の種類ってヤツに疎いしよ…」
シロエ 「お勧めのヤツを借りて、使い方もですね…」
きちんと聞いて使いますよ、とシロエ君も。
シロエ 「ですから、詰むような要素は何も…」
サム 「何処にもねえと思うけど?」
キース 「分かっていないな、今、何月だ?」
一同 「「「えっ?」」」
いきなり何を言い出すんだ、と皆の視線がカレンダーに。
ジョミー「7月だけど?」
キース 「ああ、7月だな」
7月の季節は何だと思う、とキース君が指すカレンダー。
キース 「一般的な答えでいいんだが…」
一同 「「「一般的?」」」
キース 「常識でいい、と言っている!」
一同 「「「常識?」」」
ますます謎だ、と首を傾げる御一同様。
常識…?
2023/07/05 (Wed)
☆謎すぎる季節
じきに夏休みを迎える週末、生徒会長宅に来ている面々。
山の別荘行きが楽しみなわけで、ジビエ料理に期待な今。
シロエ 「常識と言われてもですね…」
サム 「誰に聞いても、7月とくればよ…」
夏じゃねえか、とサム君の答え。
サム 「それともアレかよ、他にも説があるのかよ?」
キース 「あるからこそ、常識でと言ったわけだが?」
ジョミー「そんなの、誰が言ってるわけ?」
でもってソレだといつになるわけ、とジョミー君の問い。
ジョミー「まさか、春とか言わないよね?」
キース 「全くの逆だ、7月は秋だ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
そんな馬鹿な、と一同、仰天。
シロエ 「秋って、7月が秋なんですか!?」
キース 「立派に秋の始まりだな」
夏は先月で終わっている、とキース君、キッパリ。
キース 「いいか、五月雨は梅雨なんだぞ?」
一同 「「「梅雨?」」」
五月の雨と言うじゃないか、と誰もがポカーン。
ジョミー「なんで五月雨が梅雨になるのさ?」
キース 「ズバリ、5月に降るからだが?」
シロエ 「待って下さい、それって、もしかして…」
旧暦というヤツなんですか、とシロエ君。
シロエ 「確か、思い切りズレてますよね…?」
サム 「あー…。8月に立秋とか言うよな、アレ…」
でもよ…、とサム君が顎に当てる手。
サム 「立秋は8月で、そこまでは夏だぜ?」
シロエ 「ですよね、7月は夏ですってば!」
キース 「その辺は色々とややこしいんだ!」
だが、7月と言えば秋で…、とキース君、譲らず。
キース 「桔梗は夏の花ではないぞ」
一同 「「「え?」」」
桔梗は夏の花だろう、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「普通に夏に咲いていますよ?」
キース 「だが、6月には咲かないんだが?」
シロエ 「そうですけど…」
キース 「だから桔梗は、秋草なんだ!」
一同 「「「秋!?」」」
そんな無茶な、と一同、目が点ですけど。
秋だと…?
2023/07/06 (Thu)
☆借りたら通報
もうすぐ夏休みな週末の土曜、生徒会長宅で過ごす面々。
山の別荘へ行く話から、キース君のジビエ料理を希望で。
ジョミー「なんで桔梗が秋の花になるわけ?」
キース 「秋に咲くからに決まっているだろう!」
7月は秋になるんだしな、とキース君が指すカレンダー。
キース 「和歌の世界では、7月から9月までの間が…」
シロエ 「秋になるって言うんですか?」
キース 「そうなんだ。それで、常識で答えろと…」
俺は言った、とキース君、腕組み。
キース 「でないと、詭弁を弄するヤツが出そうだし…」
一同 「「「は?」」」
キース 「さっきの話だ、罠でお上が来る方だ!」
暦の話はもういいだろう、とバッサリ切り捨て。
キース 「さて、改めて聞かせて貰うが、今の季節は…」
シロエ 「いつになるのか、でしたよね?」
キース 「ああ、常識の方で頼むぞ」
ジョミー「思いっ切り、夏!」
立秋は来月なんだしね、とジョミー君、自信満々の答え。
ジョミー「間違ってないと思うけど?」
キース 「その通りだ。でもって、罠を借りるんだな?」
シロエ 「ええ、マツカ先輩に相談してですね…」
サム 「腕のいい猟師を探して貰おうぜ!」
コネはあるだろ、とサム君の視線がマツカ君に。
サム 「ジビエの仕入れに使うだろうしよ」
マツカ 「まあ、そうですね」
サム 「んじゃ、決まりな!」
罠の借り賃の方も頼むぜ、とサム君、親指をグッと。
サム 「俺たちじゃ、払えねえからよ」
マツカ 「えっと、その件なんですけれど…」
ジョミー「けど、って、何か問題でも?」
キース 「流石だな。ジビエに馴染みがあるだけに…」
マツカも気付いているようだぞ、とキース君。
キース 「そうだな、マツカ? 罠を借りたら…」
マツカ 「多分、通報されちゃいますよ」
一同 「「「ええっ!?」」」
キース 「分かったか!」
一同 「「「えええ…?」」」
なんで通報、と誰もがポカーンですけれど。
通報…?
2023/07/07 (Fri)
☆問題は何処に
夏休みが近い週末の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
マツカ君の山の別荘が楽しみ、そこからジビエ料理な話。
シロエ 「どうして通報されるんですか!」
ジョミー「黙って借りて行くんだったら、ヤバいけど…」
サム 「ちゃんと頼んで、金も払うんだぜ?」
通報される理由がねえよ、とサム君の不満そうな顔。
サム 「それともアレかよ、狩猟免許の関係で…」
シロエ 「無免許だから、ってことなんでしょうか?」
マツカ 「いえ、その件なら、いけないことも…」
ないんですよね、とマツカ君の答え。
マツカ 「設置する人には免許が無くても、監督が…」
ジョミー「プロの人なら、オッケーなんだ?」
マツカ 「ええ。ですから、猟師さんに来て頂いて…」
指導して貰えば問題無いです、とキッパリ断言。
マツカ 「そうでなければ、困る人たちが増えますよ」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「農家の人とか、林業をやってる人ですね」
シロエ 「あー…。被害が出てるんでしたっけ…」
作物を食べられるとか、荒らされるとか…、とシロエ君。
シロエ 「免許が無いと罠はダメなら、困りますよね…」
マツカ 「でしょう? 免許の件は無関係です」
皆さんだって罠を使えますよ、とマツカ君の言。
マツカ 「ですから、今回の問題は、其処ではなくて…」
キース 「他の所にあるわけだ」
確実に通報されてしまうヤツが…、とキース君。
キース 「諦めるんだな、罠を借りるのは」
シロエ 「全然、納得出来ませんよ!」
素人さんでもいけるんでしょう、とシロエ君の反論。
シロエ 「農家の人とか、林業の人は!」
キース 「まあ、そうなるが…」
ジョミー「なら、いける気がするんだけど!」
ダメな理由が見付からないよ、とジョミー君。
ジョミー「もしかしなくても、言いがかり?」
キース 「それは無い!」
シロエ 「だったら、何処がダメなんです!」
きちんと説明して下さい、と怒鳴ってますけど。
問題って…?
2023/07/08 (Sat)
☆7月はアウト
もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅。
山の別荘へ行く話から、キース君にジビエ料理を注文で。
キース 「言いがかりでないのは、マツカも承知だぞ?」
シロエ 「らしいですけど、罠は問題無いと…」
さっき、マツカ先輩が言いましたよ、とシロエ君の反論。
シロエ 「ぼくたちだけ、ダメと言われてもですね…」
サム 「納得出来るわけがねえだろ?」
ジョミー「そうだよ、何が問題なのさ!」
言いがかりじゃないなら言えるよね、とジョミー君。
ジョミー「キースでも、マツカでもかまわないけど…」
シロエ 「マツカ先輩、どうなんです!?」
マツカ 「ヒントでしたら、キースがとっくに…」
出していますよ、とマツカ君が指す壁のカレンダー。
マツカ 「今の季節を常識で、というヤツですけど」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「そのまま、素直に考えた場合…」
罠はアウトになるんですが、とマツカ君。
マツカ 「借りに行ったら断られるか、通報かです」
ジョミー「なんで、そういうことになるわけ?」
キース 「もちろん、今が7月だからだ!」
夏真っ盛りの…、とキース君、ピシャリと。
キース 「和歌の季節で来られた場合は、少し微妙で…」
マツカ 「ですよね、一応、秋ですから…」
場所によってはいけることも…、とマツカ君の相槌。
マツカ 「寒い土地だと、この辺で秋な季節でも…」
キース 「解禁になると言うからな」
一同 「「「え?」」」
キース 「此処まで聞いても分からないのか?」
お前たちの耳は飾りらしいな、とキース君が顰める顔。
キース 「罠と解禁で閃くヤツは、誰もいないと?」
シロエ 「えっ、まさか先月のアユみたいに…」
時期があるんじゃないでしょうね、とシロエ君。
シロエ 「今の季節は、罠を仕掛けたらダメだとか?」
キース 「猟期は冬がメインでだな…」
マツカ 「山の木の葉が、散った後の…」
見通しのいい頃なんですよ、と説明が。
ダメだと…?
2023/07/09 (Sun)
☆名物なコロッケ
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘が話題ですけど、キース君のジビエ料理を希望。
ジョミー「見通しのいい頃って、それ、猟銃じゃあ…?」
サム 「だよなあ、誤射をしねえためだろ?」
マツカ 「そうなんですけど、罠とかの猟も…」
キース 「セットで猟期が決まってるんだ!」
秋の終わりから冬までと…、とキース君、腕組み。
キース 「つまり、今の時期に罠で捕まえるのは…」
マツカ 「ダメなんですよね、何処の地域でも」
スウェナ「だから、借りたら通報なのね?」
マツカ 「ええ。通報よりは、叱られるコースだと…」
思いますけど…、とマツカ君の控えめな口調。
マツカ 「なんと言っても、高校生のやることですから」
一同 「「「あー…」」」
年はともかく、見た目はそうだ、と誰もが納得。
ジョミー「罠は無理かあ…」
サム 「くっそぉ、いい案だったのによ…」
シロエ 「ホントですよね、猟期だなんて…。あれっ?」
でも変ですよ、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「鹿肉とか、町おこしでですね…」
スウェナ「年中、やってるトコがあるわね…」
シロエ 「そうでしょう? 先月、川遊びした場所も…」
鹿肉コロッケが名物だったような、という指摘。
シロエ 「ぼくたちは寄ってませんけど、道の駅で…」
ジョミー「揚げたてが食べられるんだっけ?」
マツカ 「ああ、ありますね。確か、お店も何軒か…」
ある筈ですよ、とマツカ君。
マツカ 「本業は喫茶店とか、食堂ですけど」
サム 「鹿肉コロッケも食えるのな?」
マツカ 「厨房があれば作れますからね」
注文が入れば揚げるようです、と穏やかな笑み。
マツカ 「前に食べましたけど、美味しかったですよ」
シロエ 「それ、冷凍の鹿肉ですか?」
マツカ 「コロッケは冷凍かもですけど…」
シロエ 「冷凍前は新鮮なんですね?」
マツカ 「もちろんです!」
だって名物ですからね、と頷いてますけど。
新鮮だと…?
2023/07/10 (Mon)
☆一年中あります
もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、生徒会長宅で週末。
マツカ君の山の別荘の話から、ジビエ料理に転がって…。
シロエ 「それって矛盾していませんか、新鮮だなんて」
ジョミー「変だと思うよ、どうやって新鮮な鹿肉を…」
手に入れるのさ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「名物になるくらいなんだし、量だって…」
シロエ 「半端じゃないと思いますけど?」
冬の間に獲った分だけで足りるんですか、とシロエ君。
シロエ 「それとも、冷凍しておいた分が無くなると…」
サム 「鹿肉コロッケは作らねえのかよ?」
それだと人は呼べねえぜ、とサム君の意見。
サム 「そりゃ、期間限定の食べ物は多いけどよ…」
シロエ 「町おこしには向かないんじゃないですか?」
限られた季節しか無いのでは…、とシロエ君も。
シロエ 「ついでに、期間限定品とも聞きませんよね?」
ジョミー「そう、ソレ! 名物だっていう話しか…」
スウェナ「聞かないわよねえ…?」
いつも売られているような気が…、とスウェナちゃん。
スウェナ「今年の分は終わりました、って記事なんか…」
サム 「見たことねえよな、宣伝の方は見るけどよ」
ジョミー「年中、鹿肉、あるんじゃないの?」
でないと絶対、足りなくなるし、とジョミー君の疑問。
ジョミー「鹿の牧場って話も聞かないし…」
シロエ 「飼っているなら、ジビエじゃないですよ?」
ジョミー「だよねえ、やっぱり変だってば!」
一年中、あるとしか思えないよ、とジョミー君。
ジョミー「マツカ、ハッキリさせてくれない?」
マツカ 「ズバリ言うなら、ありますけど」
一同 「「「なんで!?」」」
どうして新鮮な鹿肉があるんだ、と誰もが仰天。
ジョミー「猟期じゃないのに、獲っていいって…?」
マツカ 「そうなりますね」
ジョミー「まさか、抜け道とか…?」
マツカ 「違いますけど」
ジョミー「えっと…?」
話が全然見えないんだけど、と途惑う人。
謎すぎ…。
2023/07/11 (Tue)
☆銃でもオッケー
夏休みが近い御一同様、涼しい生徒会長宅で過ごす週末。
山の別荘が楽しみなわけで、ジビエ料理の話になって…。
ジョミー「ちょっと確認してもいい?」
マツカ 「何でしょう?」
ジョミー「ぼくたちが罠を借りた場合は、通報だよね?」
マツカ 「いえ、厳重注意程度で済むかと…」
叱られるのは確かですけど、とマツカ君が見回す部屋。
マツカ 「どう見ても皆さん、高校生ですし…」
サム 「前途ある若者に、前科はつけねえ、って?」
マツカ 「はい。猟師さんも、後継者難な時代ですから」
恨まれるよりは恩を売る方かと…、とマツカ君の答え。
マツカ 「わざわざ罠を借りに来た高校生ですよ?」
シロエ 「あー…。通報するより、スカウトですか」
マツカ 「そうなりそうだと思いませんか?」
猟期になったらまたおいで、というヤツです、と解説が。
マツカ 「もし来てくれたら、後継者が出来ますよね?」
サム 「技術継承もバッチリってか?」
マツカ 「そうです、しかも、この人数で…」
一気に若手が増えるんですよ、と納得な話。
マツカ 「そっちに賭けて、通報はまず無いでしょう」
ジョミー「まあ、そうかも…。でもさあ…」
罠を借りるのはアウトだよね、とジョミー君。
ジョミー「罠がダメなのに、なんで新鮮な鹿肉が…」
スウェナ「年中あるのか、其処が気になるトコだわよ」
シロエ 「まったくです。しかも、獲るって…」
言いましたよね、とシロエ君も。
シロエ 「猟期じゃないのに、何故、獲れるんです!」
マツカ 「駆除だからですよ」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「駆除と言ったら、駆除ですけれど?」
ゴキブリ駆除とか、白アリだとか…、とマツカ君。
マツカ 「そういう駆除です、駆除ですから…」
ジョミー「罠を仕掛けてかまわない、って?」
マツカ 「銃も使えますよ」
一同 「「「ええっ!?」」」
マツカ 「駆除ですしね」
トドメを刺すのが必須ですよ、と言ってますけど。
駆除…?
2023/07/12 (Wed)
☆駆除が無理なら
夏休みを控えたシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
マツカ君の山の別荘が楽しみ、ジビエ料理という方向へ。
シロエ 「それって、害獣駆除…ですか?」
マツカ 「ええ、そうです。ご存知でしたか」
シロエ 「知識としては…。でもですね…」
年中、鹿肉を提供できる勢いですか、とシロエ君の問い。
シロエ 「そんなに沢山、獲れるんでしょうか?」
マツカ 「らしいですねえ、あの辺りは林業と農業で…」
山も畑も大事ですから、とマツカ君。
マツカ 「鹿にやられました、では済まないんですよ」
サム 「あー…。んじゃ、俺たちでもいけるのかよ?」
ジョミー「かもねえ、山の別荘で害獣駆除、って」
マツカ 「監督して貰って、罠の設置は出来ますけど…」
高原に獣害は無いんですよね、とマツカ君、苦笑。
マツカ 「無いことは無くても、被害に遭うのが…」
シロエ 「高山植物、っていうわけですか?」
マツカ 「それに笹とか、植生に影響するんですけど…」
ジョミー「駆除するほどじゃないってこと?」
人間様が困るわけじゃないし、とジョミー君が捻る首。
ジョミー「だから罠とか、無理ってことかな…?」
マツカ 「残念ですけど、そうなりますね」
自力で鹿肉は諦めて下さい、とマツカ君の宣告が。
マツカ 「罠を借りるのは無理ですよ」
ジョミー「だったら、キースのジビエ料理は?」
キース 「当然、有り得ないだろう!」
それが嫌なら戦って来い、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「自分に危害が及んだ場合は、倒しても…」
マツカ 「お咎めは無いと思います」
ジョミー「ちょ、倒すって、何?」
キース 「そのままの意味だ!」
鹿とバトルに決まっている、とキース君。
キース 「現実的なのは、イノシシだろうと思うがな」
マツカ 「そうですね。アレは突っ込んで来ますから…」
キース 「出くわしたら、ガチで…」
マツカ 「勝負になります」
まさしく命懸けですよ、と解説ですけど。
戦え、と…?
2023/07/13 (Thu)
☆ガチで勝負すべし
もうすぐ夏休みな御一同様、生徒会長宅に来ている週末。
山の別荘行きの話から、キース君のジビエ料理を希望で。
ジョミー「イノシシと戦って、獲って来いって!?」
シロエ 「猟銃も罠もダメなんですよね…?」
キース 「罠はアウトだし、猟銃はもっと無理だしな!」
狩猟免許だけでは済まないぞ、とキース君の睨み。
キース 「銃の所持には、それとは別の許可が要る!」
マツカ 「そうなりますよね、しかも猟銃だと…」
持っているだけで逮捕ですから、とマツカ君も。
マツカ 「銃刀法違反は厳しいですよ」
サム 「んじゃ、どうやって戦うんだよ!」
イノシシなんか素手じゃ無理だぜ、とサム君の叫び。
サム 「棒で殴るのはいいのかよ!?」
キース 「危険が及んでいるとなったら、許されるが…」
マツカ 「武器を用意している時間は、多分、無いです」
出会ったら、即、突っ込んで来ます、とマツカ君。
マツカ 「猪突猛進の言葉通りに、真っ直ぐですよ」
一同 「「「うわー…」」」
無理すぎるから、と誰もがガクブル。
ジョミー「そんなのと、ガチで勝負って…」
シロエ 「死ぬしか無いと思いますけど!」
キース 「いや、勝った例なら、俺の大学でも聞いた」
一同 「「「は?」」」
マジか、と一同、目が真ん丸に。
ジョミー「ソレ、イノシシに…?」
キース 「そうだ、冷静に、横にサッと避けて、だ…」
シロエ 「殴ったんですか?」
キース 「いや、首を抱えて、こう、ボキッと…」
折ったそうだぞ、と物凄い話。
キース 「相撲部だけに、力は半端ないからな」
ジョミー「プロって言わない?」
シロエ 「ほぼ、プロですよね…」
格闘技の…、とシロエ君も。
シロエ 「素人には無理なヤツですから!」
ジョミー「シロエで無理なら、ぼくはもっと無理!」
キース 「なら、諦めろ!」
ジョミー「でも…!」
??? 「勝負だって?」
命懸けで何をするって、と声が聞こえましたけど。
誰…?
2023/07/14 (Fri)
☆交換条件は命懸け
じきに夏休みなシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘が楽しみなわけで、ジビエ料理の話になって…。
??? 「命懸けの勝負だったら、得意だけど!」
一同 「「「げっ!」」」
前触れもなく、ソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「何をするのさ、イノシシなんかと」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間からだよ!」
暇だったから、ちょっと覗き見、と悪気ゼロ。
Aブルー「誰がイノシシと勝負するって?」
キース 「こいつらだな」
俺じゃなくて、とキース君が指差す他の面々。
キース 「命懸けでイノシシを捕まえて来い、と…」
Aブルー「ふうん…? それはキースの命令なわけ?」
キース 「そうなるが…」
Aブルー「珍しいねえ、キースの方が強いだなんて」
いつもと立場が逆じゃないか、とソルジャー、興味津々。
Aブルー「なんで強気に出られるのかな?」
キース 「俺に料理をしろと言うから、交換条件で…」
命を懸けろと言ったんだ、とキース君。
キース 「なんと言っても、俺が料理をする前提は…」
Aブルー「命が懸かっている時だ、って?」
キース 「当然だろうが、先月のビビンバも、アユも…」
ぶるぅの悪戯避けで命懸けだった、とキッパリと。
キース 「そういう時しか、俺は料理はしないんだ!」
Aブルー「なるほど、それでイノシシを獲れ、と…」
面白そうな話じゃないか、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくも見物させて貰うよ、その勝負!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「そんな光景、ぼくの世界じゃ無理だしね!」
野生のイノシシなんかはいないしさ、とニコニコニコ。
Aブルー「戦いぶりを是非、拝見したいと…」
シロエ 「正直、死ぬと思うんですけど!」
サム 「マジで死人が出てた気がするぜ…」
キース 「牙があるだけに、下手に刺されると…」
死ねるらしいぞ、とサラッと言い放つ人。
危なすぎ…。
2023/07/15 (Sat)
さて、7月。暑さの方もいよいよ本番、太陽もギラギラ。
休日は生徒会長宅が一番、涼しく過ごしている御一同様。
シロエ 「いいですねえ…。此処はホントに天国ですよ」
ジョミー「だよねえ、外は暑すぎてさ…」
サム 「先月みたいにはいかねえよな、うん」
川遊びは楽しかったけどよ、とサム君が眺める窓の外。
サム 「こう暑くなると、浮き輪で川下りはキツイぜ」
シロエ 「アレ、乗っかってるだけでしたしね…」
ジョミー「水はかかるけど、太陽は上から直射だし…」
こんがり焼かれてバテるヤツだよ、とジョミー君も。
ジョミー「やっぱり夏は、身体ごと水に入らなきゃ!」
サム 「海とプールの季節だよなあ…」
マツカ 「高原だと、かなり涼しいですよ?」
スウェナ「そうね、夏休みに入ったら…」
今年も山の別荘でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「ねえ、マツカ?」
マツカ 「もちろんです。楽しみにしてて下さいね」
一同 「「「イイネ!」」」
涼しい高原で別荘ライフ、と誰もが歓声。
ジョミー「ジビエとかだって、食べられるよね?」
マツカ 「ええ、鹿もイノシシもいけますよ」
サム 「楽しみだよなあ、何が食えるかなあ…」
シロエ 「流石にジビエは、キース先輩には…」
ちょっとハードル高すぎですよね、とシロエ君。
シロエ 「アユの塩焼き、美味しかったんですけど…」
ジョミー「焼きたての熱々に、塩を振ってさ…」
サム 「美味かったよなあ、最高だったぜ」
キース 「俺は命が懸かってたんだが…!」
焦がしたら、ぶるぅの餌食だからな、とキース君の渋面。
キース 「あんな橋は、二度と渡りたくない!」
シロエ 「そうでしょうねえ…」
命懸けで料理するなんて…、とシロエ君の相槌。
シロエ 「別荘では食べる方ですね?」
キース 「当然だろう!」
ジョミー「鹿とか、イノシシ料理とか…」
キース 「無理すぎるからな!」
俺を何だと思ってるんだ、と叫んでますけど。
料理人…?
2023/07/01 (Sat)
☆命を懸ける料理
もうすぐ夏休みな季節到来、週末は生徒会長宅ですけど。
山の別荘が楽しみな面々、ジビエ料理に期待なわけで…。
ジョミー「でもさ、石焼きビビンバ、絶品だったし…」
サム 「アユの塩焼きも美味かったぜ?」
あっちのぶるぅも大満足でよ…、とサム君が立てる親指。
サム 「もしかして、ジビエもいけるんでねえの?」
スウェナ「レシピがあったら、出来そうよねえ?」
シロエ 「あー…。ぶるぅは上手に作れますから…」
ジョミー「出来ないことはないと思うんだよね」
挑戦するのもいいんじゃないの、とジョミー君。
ジョミー「山の別荘なら、ぶるぅも来ないし…」
キース 「俺が命を懸ける必要も、全く無いと思うが?」
作る理由がゼロだからな、とキース君の苦い顔付き。
キース 「命懸けだからこそ、必死だったが…」
ジョミー「ぼくたちだけだと、手抜きするって?」
キース 「普通、そうなる流れだろう!」
それともアレか…、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「お前たちの方も命を懸ける、と?」
ジョミー「えっと…?」
キース 「そういう場合は、ウインウインで…」
俺が料理をしてもいいが、とキース君。
キース 「そっちが命懸けで来るなら、俺だって…」
サム 「手抜きしねえで、頑張るってか?」
キース 「ああ、全力で調理する!」
ただしイノシシに限るからな、と食材の指定が。
キース 「鹿は認めん、イノシシだけだ!」
ジョミー「なんで、イノシシ?」
キース 「自信があるなら、クマも許そう」
イノシシかクマでやってくれ、と腕組みする人。
キース 「どっちになっても、俺はかまわん」
シロエ 「ちょ、待って下さい、キース先輩!」
それってまさか…、とシロエ君の悪い顔色。
シロエ 「捕まえて来い、というわけですか?」
キース 「他に何があると?」
ジョミー「無理すぎるから!」
キース 「俺も無理だし、お互い様だ」
ジビエ料理は諦めろ、と睨んでますけど。
正論かも…。
2023/07/02 (Sun)
☆オマケして欲しい
じきに夏休みに入る週末、生徒会長宅で過ごす御一同様。
山の別荘に行く話から、ジビエ料理になったんですけど。
ジョミー「捕まえないと、料理しないって?」
キース 「命懸けの料理を注文するなら、当然だろう!」
そっちも命を懸けるべきだ、とキース君、腕組み。
キース 「もっとも、俺は料理するだけで…」
シロエ 「命は懸かっていませんよねえ?」
あっちのぶるぅは来ないんですし…、とシロエ君。
シロエ 「その分、オマケして貰えませんか?」
キース 「オマケだと?」
シロエ 「ええ。罠を使うの認めて欲しいんです」
ジョミー「いいね、ソレ!」
罠ならリスクがグンと減るよ、とジョミー君も。
ジョミー「そりゃまあ、罠から外す時には…」
サム 「大暴れかもしれねえけどよ、捕まえる時は…」
シロエ 「安心、安全だと思いませんか?」
立ち向かうわけじゃないですからね、とシロエ君の見解。
シロエ 「ガチで勝負だと、ヤバいですけど…」
ジョミー「罠なら、牙とか避けられるもんね…」
クマにしてもさ、と頷くジョミー君。
ジョミー「ケチケチしないで、オマケでお願い!」
キース 「そう来たか…。だが、甘いな」
シロエ 「認めてくれないんですか?」
キース 「俺はいいんだが、お前たちの身が危ういぞ」
罠を使って捕まえたらな、と妙な台詞が。
キース 「それでいいなら、好きにしてくれ」
ジョミー「何それ、なんで危ないのさ?」
シロエ 「罠のプロではないからでしょうか…?」
実は外す時が危ないだとか…、とシロエ君の問い。
シロエ 「窮鼠猫を噛むの、猛獣バージョンですか?」
キース 「もちろん、それも有り得るんだが…」
もっと根本的な所になるな、とキース君、ニヤリ。
キース 「お前たち、罠を仕掛けるんだろう?」
シロエ 「そうですけど?」
キース 「罠を仕掛けたら、お上が来るぞ」
一同 「「「お上?」」」
何のことだ、と顔を見合わせる面々ですけど。
お上…?
2023/07/03 (Mon)
☆お上が来る罠
夏休みを控えたシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
山の別荘へ行く話から、ジビエ料理を希望ですけれど…。
シロエ 「お上って、どういう意味ですか?」
キース 「知らんのか? お上と言えば、お上だろうが」
その他に何があると言うんだ、とキース君の渋面。
キース 「上様とまでは言っていないぞ、ただのお上で」
シロエ 「あのぅ…。もしかして、国家権力をですね…」
持っている人のことでしょうか、とシロエ君の質問。
シロエ 「お役人とか、警察官とか、そういう系の…」
キース 「まさにソレだな」
俺も正確な管轄までは知らないが…、とキース君。
キース 「どれが来るかは分からないんだが、確実に…」
ジョミー「そういう人が、やって来るって?」
キース 「罠を仕掛けた場合はな!」
逮捕かどうかは俺も知らん、と繰る左手首の数珠レット。
キース 「とにかく、ただでは済まないぞ」
シロエ 「なんで逮捕で、お上なんです!」
キース 「逮捕かは知らんと言ったろう!」
シロエ 「でも、そのくらいにヤバいんですよね?」
どうして罠でそうなるんです、とシロエ君の更なる問い。
シロエ 「罠は違法じゃない筈ですけど?」
スウェナ「そうでもないでしょ、罠によっては…」
ブルー 「アウトなヤツも存在するねえ、霞網とか」
動物用だとトラバサミが違法だったっけ、と生徒会長。
ブルー 「使った場合は、大変なことに…」
シロエ 「あー…。でも、そういうのを使わなければ…」
サム 「お上なんかは来ねえだろ?」
適切に使用してればよ、とサム君の言。
サム 「普通の罠なら、何も問題ねえんだし…」
シロエ 「いけますよねえ?」
ヤバい橋なんか渡りませんよ、とシロエ君。
シロエ 「合法的に捕まえますって、真っ当な罠で」
ジョミー「そうだよ、猟師の人に借りてさ」
キース 「借りた時点で、詰むと思うが」
一同 「「「えっ?」」」
なんで詰むんだ、と一同、キョトン。
何故だと…?
2023/07/04 (Tue)
☆詰む理由が謎
夏休みを控えた週末、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
山の別荘へ行く話から、キース君のジビエ料理を希望で。
シロエ 「借りた時点で、何故、詰むんです?」
ジョミー「猟師さんから借りるんだよ?」
サム 「違法な罠は持ってねえだろ、プロなんだしよ」
でねえと自分が詰むじゃねえか、とサム君の指摘。
サム 「プロなら、免許も要りそうだしよ…」
シロエ 「要るでしょうねえ、狩猟免許と言いますから」
ジョミー「鉄砲だけじゃないのかな、ソレ」
ブルー 「違うよ、罠の猟師も免許は必須だよね」
ちゃんと試験があるんだから、と生徒会長の解説が。
ブルー 「ついでに更新もしなきゃダメでさ…」
サム 「んじゃ、プロ中のプロだよな?」
ブルー 「そういうことだね、罠が専門でも」
シロエ 「だったら余計に、違法な罠は持ってませんよ」
免許取り消しになるでしょうし…、とシロエ君。
シロエ 「安心して借りに行けますってば!」
キース 「だから、その時点で詰むと言ったが?」
ジョミー「違法な罠を貸してくれとは言わないよ!」
サム 「俺たち、其処までバカじゃねえぜ?」
違法な罠の威力が凄えにしても…、とサム君の言。
サム 「そもそも、罠の種類ってヤツに疎いしよ…」
シロエ 「お勧めのヤツを借りて、使い方もですね…」
きちんと聞いて使いますよ、とシロエ君も。
シロエ 「ですから、詰むような要素は何も…」
サム 「何処にもねえと思うけど?」
キース 「分かっていないな、今、何月だ?」
一同 「「「えっ?」」」
いきなり何を言い出すんだ、と皆の視線がカレンダーに。
ジョミー「7月だけど?」
キース 「ああ、7月だな」
7月の季節は何だと思う、とキース君が指すカレンダー。
キース 「一般的な答えでいいんだが…」
一同 「「「一般的?」」」
キース 「常識でいい、と言っている!」
一同 「「「常識?」」」
ますます謎だ、と首を傾げる御一同様。
常識…?
2023/07/05 (Wed)
☆謎すぎる季節
じきに夏休みを迎える週末、生徒会長宅に来ている面々。
山の別荘行きが楽しみなわけで、ジビエ料理に期待な今。
シロエ 「常識と言われてもですね…」
サム 「誰に聞いても、7月とくればよ…」
夏じゃねえか、とサム君の答え。
サム 「それともアレかよ、他にも説があるのかよ?」
キース 「あるからこそ、常識でと言ったわけだが?」
ジョミー「そんなの、誰が言ってるわけ?」
でもってソレだといつになるわけ、とジョミー君の問い。
ジョミー「まさか、春とか言わないよね?」
キース 「全くの逆だ、7月は秋だ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
そんな馬鹿な、と一同、仰天。
シロエ 「秋って、7月が秋なんですか!?」
キース 「立派に秋の始まりだな」
夏は先月で終わっている、とキース君、キッパリ。
キース 「いいか、五月雨は梅雨なんだぞ?」
一同 「「「梅雨?」」」
五月の雨と言うじゃないか、と誰もがポカーン。
ジョミー「なんで五月雨が梅雨になるのさ?」
キース 「ズバリ、5月に降るからだが?」
シロエ 「待って下さい、それって、もしかして…」
旧暦というヤツなんですか、とシロエ君。
シロエ 「確か、思い切りズレてますよね…?」
サム 「あー…。8月に立秋とか言うよな、アレ…」
でもよ…、とサム君が顎に当てる手。
サム 「立秋は8月で、そこまでは夏だぜ?」
シロエ 「ですよね、7月は夏ですってば!」
キース 「その辺は色々とややこしいんだ!」
だが、7月と言えば秋で…、とキース君、譲らず。
キース 「桔梗は夏の花ではないぞ」
一同 「「「え?」」」
桔梗は夏の花だろう、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「普通に夏に咲いていますよ?」
キース 「だが、6月には咲かないんだが?」
シロエ 「そうですけど…」
キース 「だから桔梗は、秋草なんだ!」
一同 「「「秋!?」」」
そんな無茶な、と一同、目が点ですけど。
秋だと…?
2023/07/06 (Thu)
☆借りたら通報
もうすぐ夏休みな週末の土曜、生徒会長宅で過ごす面々。
山の別荘へ行く話から、キース君のジビエ料理を希望で。
ジョミー「なんで桔梗が秋の花になるわけ?」
キース 「秋に咲くからに決まっているだろう!」
7月は秋になるんだしな、とキース君が指すカレンダー。
キース 「和歌の世界では、7月から9月までの間が…」
シロエ 「秋になるって言うんですか?」
キース 「そうなんだ。それで、常識で答えろと…」
俺は言った、とキース君、腕組み。
キース 「でないと、詭弁を弄するヤツが出そうだし…」
一同 「「「は?」」」
キース 「さっきの話だ、罠でお上が来る方だ!」
暦の話はもういいだろう、とバッサリ切り捨て。
キース 「さて、改めて聞かせて貰うが、今の季節は…」
シロエ 「いつになるのか、でしたよね?」
キース 「ああ、常識の方で頼むぞ」
ジョミー「思いっ切り、夏!」
立秋は来月なんだしね、とジョミー君、自信満々の答え。
ジョミー「間違ってないと思うけど?」
キース 「その通りだ。でもって、罠を借りるんだな?」
シロエ 「ええ、マツカ先輩に相談してですね…」
サム 「腕のいい猟師を探して貰おうぜ!」
コネはあるだろ、とサム君の視線がマツカ君に。
サム 「ジビエの仕入れに使うだろうしよ」
マツカ 「まあ、そうですね」
サム 「んじゃ、決まりな!」
罠の借り賃の方も頼むぜ、とサム君、親指をグッと。
サム 「俺たちじゃ、払えねえからよ」
マツカ 「えっと、その件なんですけれど…」
ジョミー「けど、って、何か問題でも?」
キース 「流石だな。ジビエに馴染みがあるだけに…」
マツカも気付いているようだぞ、とキース君。
キース 「そうだな、マツカ? 罠を借りたら…」
マツカ 「多分、通報されちゃいますよ」
一同 「「「ええっ!?」」」
キース 「分かったか!」
一同 「「「えええ…?」」」
なんで通報、と誰もがポカーンですけれど。
通報…?
2023/07/07 (Fri)
☆問題は何処に
夏休みが近い週末の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
マツカ君の山の別荘が楽しみ、そこからジビエ料理な話。
シロエ 「どうして通報されるんですか!」
ジョミー「黙って借りて行くんだったら、ヤバいけど…」
サム 「ちゃんと頼んで、金も払うんだぜ?」
通報される理由がねえよ、とサム君の不満そうな顔。
サム 「それともアレかよ、狩猟免許の関係で…」
シロエ 「無免許だから、ってことなんでしょうか?」
マツカ 「いえ、その件なら、いけないことも…」
ないんですよね、とマツカ君の答え。
マツカ 「設置する人には免許が無くても、監督が…」
ジョミー「プロの人なら、オッケーなんだ?」
マツカ 「ええ。ですから、猟師さんに来て頂いて…」
指導して貰えば問題無いです、とキッパリ断言。
マツカ 「そうでなければ、困る人たちが増えますよ」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「農家の人とか、林業をやってる人ですね」
シロエ 「あー…。被害が出てるんでしたっけ…」
作物を食べられるとか、荒らされるとか…、とシロエ君。
シロエ 「免許が無いと罠はダメなら、困りますよね…」
マツカ 「でしょう? 免許の件は無関係です」
皆さんだって罠を使えますよ、とマツカ君の言。
マツカ 「ですから、今回の問題は、其処ではなくて…」
キース 「他の所にあるわけだ」
確実に通報されてしまうヤツが…、とキース君。
キース 「諦めるんだな、罠を借りるのは」
シロエ 「全然、納得出来ませんよ!」
素人さんでもいけるんでしょう、とシロエ君の反論。
シロエ 「農家の人とか、林業の人は!」
キース 「まあ、そうなるが…」
ジョミー「なら、いける気がするんだけど!」
ダメな理由が見付からないよ、とジョミー君。
ジョミー「もしかしなくても、言いがかり?」
キース 「それは無い!」
シロエ 「だったら、何処がダメなんです!」
きちんと説明して下さい、と怒鳴ってますけど。
問題って…?
2023/07/08 (Sat)
☆7月はアウト
もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、週末は生徒会長宅。
山の別荘へ行く話から、キース君にジビエ料理を注文で。
キース 「言いがかりでないのは、マツカも承知だぞ?」
シロエ 「らしいですけど、罠は問題無いと…」
さっき、マツカ先輩が言いましたよ、とシロエ君の反論。
シロエ 「ぼくたちだけ、ダメと言われてもですね…」
サム 「納得出来るわけがねえだろ?」
ジョミー「そうだよ、何が問題なのさ!」
言いがかりじゃないなら言えるよね、とジョミー君。
ジョミー「キースでも、マツカでもかまわないけど…」
シロエ 「マツカ先輩、どうなんです!?」
マツカ 「ヒントでしたら、キースがとっくに…」
出していますよ、とマツカ君が指す壁のカレンダー。
マツカ 「今の季節を常識で、というヤツですけど」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「そのまま、素直に考えた場合…」
罠はアウトになるんですが、とマツカ君。
マツカ 「借りに行ったら断られるか、通報かです」
ジョミー「なんで、そういうことになるわけ?」
キース 「もちろん、今が7月だからだ!」
夏真っ盛りの…、とキース君、ピシャリと。
キース 「和歌の季節で来られた場合は、少し微妙で…」
マツカ 「ですよね、一応、秋ですから…」
場所によってはいけることも…、とマツカ君の相槌。
マツカ 「寒い土地だと、この辺で秋な季節でも…」
キース 「解禁になると言うからな」
一同 「「「え?」」」
キース 「此処まで聞いても分からないのか?」
お前たちの耳は飾りらしいな、とキース君が顰める顔。
キース 「罠と解禁で閃くヤツは、誰もいないと?」
シロエ 「えっ、まさか先月のアユみたいに…」
時期があるんじゃないでしょうね、とシロエ君。
シロエ 「今の季節は、罠を仕掛けたらダメだとか?」
キース 「猟期は冬がメインでだな…」
マツカ 「山の木の葉が、散った後の…」
見通しのいい頃なんですよ、と説明が。
ダメだと…?
2023/07/09 (Sun)
☆名物なコロッケ
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘が話題ですけど、キース君のジビエ料理を希望。
ジョミー「見通しのいい頃って、それ、猟銃じゃあ…?」
サム 「だよなあ、誤射をしねえためだろ?」
マツカ 「そうなんですけど、罠とかの猟も…」
キース 「セットで猟期が決まってるんだ!」
秋の終わりから冬までと…、とキース君、腕組み。
キース 「つまり、今の時期に罠で捕まえるのは…」
マツカ 「ダメなんですよね、何処の地域でも」
スウェナ「だから、借りたら通報なのね?」
マツカ 「ええ。通報よりは、叱られるコースだと…」
思いますけど…、とマツカ君の控えめな口調。
マツカ 「なんと言っても、高校生のやることですから」
一同 「「「あー…」」」
年はともかく、見た目はそうだ、と誰もが納得。
ジョミー「罠は無理かあ…」
サム 「くっそぉ、いい案だったのによ…」
シロエ 「ホントですよね、猟期だなんて…。あれっ?」
でも変ですよ、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「鹿肉とか、町おこしでですね…」
スウェナ「年中、やってるトコがあるわね…」
シロエ 「そうでしょう? 先月、川遊びした場所も…」
鹿肉コロッケが名物だったような、という指摘。
シロエ 「ぼくたちは寄ってませんけど、道の駅で…」
ジョミー「揚げたてが食べられるんだっけ?」
マツカ 「ああ、ありますね。確か、お店も何軒か…」
ある筈ですよ、とマツカ君。
マツカ 「本業は喫茶店とか、食堂ですけど」
サム 「鹿肉コロッケも食えるのな?」
マツカ 「厨房があれば作れますからね」
注文が入れば揚げるようです、と穏やかな笑み。
マツカ 「前に食べましたけど、美味しかったですよ」
シロエ 「それ、冷凍の鹿肉ですか?」
マツカ 「コロッケは冷凍かもですけど…」
シロエ 「冷凍前は新鮮なんですね?」
マツカ 「もちろんです!」
だって名物ですからね、と頷いてますけど。
新鮮だと…?
2023/07/10 (Mon)
☆一年中あります
もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、生徒会長宅で週末。
マツカ君の山の別荘の話から、ジビエ料理に転がって…。
シロエ 「それって矛盾していませんか、新鮮だなんて」
ジョミー「変だと思うよ、どうやって新鮮な鹿肉を…」
手に入れるのさ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「名物になるくらいなんだし、量だって…」
シロエ 「半端じゃないと思いますけど?」
冬の間に獲った分だけで足りるんですか、とシロエ君。
シロエ 「それとも、冷凍しておいた分が無くなると…」
サム 「鹿肉コロッケは作らねえのかよ?」
それだと人は呼べねえぜ、とサム君の意見。
サム 「そりゃ、期間限定の食べ物は多いけどよ…」
シロエ 「町おこしには向かないんじゃないですか?」
限られた季節しか無いのでは…、とシロエ君も。
シロエ 「ついでに、期間限定品とも聞きませんよね?」
ジョミー「そう、ソレ! 名物だっていう話しか…」
スウェナ「聞かないわよねえ…?」
いつも売られているような気が…、とスウェナちゃん。
スウェナ「今年の分は終わりました、って記事なんか…」
サム 「見たことねえよな、宣伝の方は見るけどよ」
ジョミー「年中、鹿肉、あるんじゃないの?」
でないと絶対、足りなくなるし、とジョミー君の疑問。
ジョミー「鹿の牧場って話も聞かないし…」
シロエ 「飼っているなら、ジビエじゃないですよ?」
ジョミー「だよねえ、やっぱり変だってば!」
一年中、あるとしか思えないよ、とジョミー君。
ジョミー「マツカ、ハッキリさせてくれない?」
マツカ 「ズバリ言うなら、ありますけど」
一同 「「「なんで!?」」」
どうして新鮮な鹿肉があるんだ、と誰もが仰天。
ジョミー「猟期じゃないのに、獲っていいって…?」
マツカ 「そうなりますね」
ジョミー「まさか、抜け道とか…?」
マツカ 「違いますけど」
ジョミー「えっと…?」
話が全然見えないんだけど、と途惑う人。
謎すぎ…。
2023/07/11 (Tue)
☆銃でもオッケー
夏休みが近い御一同様、涼しい生徒会長宅で過ごす週末。
山の別荘が楽しみなわけで、ジビエ料理の話になって…。
ジョミー「ちょっと確認してもいい?」
マツカ 「何でしょう?」
ジョミー「ぼくたちが罠を借りた場合は、通報だよね?」
マツカ 「いえ、厳重注意程度で済むかと…」
叱られるのは確かですけど、とマツカ君が見回す部屋。
マツカ 「どう見ても皆さん、高校生ですし…」
サム 「前途ある若者に、前科はつけねえ、って?」
マツカ 「はい。猟師さんも、後継者難な時代ですから」
恨まれるよりは恩を売る方かと…、とマツカ君の答え。
マツカ 「わざわざ罠を借りに来た高校生ですよ?」
シロエ 「あー…。通報するより、スカウトですか」
マツカ 「そうなりそうだと思いませんか?」
猟期になったらまたおいで、というヤツです、と解説が。
マツカ 「もし来てくれたら、後継者が出来ますよね?」
サム 「技術継承もバッチリってか?」
マツカ 「そうです、しかも、この人数で…」
一気に若手が増えるんですよ、と納得な話。
マツカ 「そっちに賭けて、通報はまず無いでしょう」
ジョミー「まあ、そうかも…。でもさあ…」
罠を借りるのはアウトだよね、とジョミー君。
ジョミー「罠がダメなのに、なんで新鮮な鹿肉が…」
スウェナ「年中あるのか、其処が気になるトコだわよ」
シロエ 「まったくです。しかも、獲るって…」
言いましたよね、とシロエ君も。
シロエ 「猟期じゃないのに、何故、獲れるんです!」
マツカ 「駆除だからですよ」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「駆除と言ったら、駆除ですけれど?」
ゴキブリ駆除とか、白アリだとか…、とマツカ君。
マツカ 「そういう駆除です、駆除ですから…」
ジョミー「罠を仕掛けてかまわない、って?」
マツカ 「銃も使えますよ」
一同 「「「ええっ!?」」」
マツカ 「駆除ですしね」
トドメを刺すのが必須ですよ、と言ってますけど。
駆除…?
2023/07/12 (Wed)
☆駆除が無理なら
夏休みを控えたシャン学メンバー、週末は生徒会長宅で。
マツカ君の山の別荘が楽しみ、ジビエ料理という方向へ。
シロエ 「それって、害獣駆除…ですか?」
マツカ 「ええ、そうです。ご存知でしたか」
シロエ 「知識としては…。でもですね…」
年中、鹿肉を提供できる勢いですか、とシロエ君の問い。
シロエ 「そんなに沢山、獲れるんでしょうか?」
マツカ 「らしいですねえ、あの辺りは林業と農業で…」
山も畑も大事ですから、とマツカ君。
マツカ 「鹿にやられました、では済まないんですよ」
サム 「あー…。んじゃ、俺たちでもいけるのかよ?」
ジョミー「かもねえ、山の別荘で害獣駆除、って」
マツカ 「監督して貰って、罠の設置は出来ますけど…」
高原に獣害は無いんですよね、とマツカ君、苦笑。
マツカ 「無いことは無くても、被害に遭うのが…」
シロエ 「高山植物、っていうわけですか?」
マツカ 「それに笹とか、植生に影響するんですけど…」
ジョミー「駆除するほどじゃないってこと?」
人間様が困るわけじゃないし、とジョミー君が捻る首。
ジョミー「だから罠とか、無理ってことかな…?」
マツカ 「残念ですけど、そうなりますね」
自力で鹿肉は諦めて下さい、とマツカ君の宣告が。
マツカ 「罠を借りるのは無理ですよ」
ジョミー「だったら、キースのジビエ料理は?」
キース 「当然、有り得ないだろう!」
それが嫌なら戦って来い、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「自分に危害が及んだ場合は、倒しても…」
マツカ 「お咎めは無いと思います」
ジョミー「ちょ、倒すって、何?」
キース 「そのままの意味だ!」
鹿とバトルに決まっている、とキース君。
キース 「現実的なのは、イノシシだろうと思うがな」
マツカ 「そうですね。アレは突っ込んで来ますから…」
キース 「出くわしたら、ガチで…」
マツカ 「勝負になります」
まさしく命懸けですよ、と解説ですけど。
戦え、と…?
2023/07/13 (Thu)
☆ガチで勝負すべし
もうすぐ夏休みな御一同様、生徒会長宅に来ている週末。
山の別荘行きの話から、キース君のジビエ料理を希望で。
ジョミー「イノシシと戦って、獲って来いって!?」
シロエ 「猟銃も罠もダメなんですよね…?」
キース 「罠はアウトだし、猟銃はもっと無理だしな!」
狩猟免許だけでは済まないぞ、とキース君の睨み。
キース 「銃の所持には、それとは別の許可が要る!」
マツカ 「そうなりますよね、しかも猟銃だと…」
持っているだけで逮捕ですから、とマツカ君も。
マツカ 「銃刀法違反は厳しいですよ」
サム 「んじゃ、どうやって戦うんだよ!」
イノシシなんか素手じゃ無理だぜ、とサム君の叫び。
サム 「棒で殴るのはいいのかよ!?」
キース 「危険が及んでいるとなったら、許されるが…」
マツカ 「武器を用意している時間は、多分、無いです」
出会ったら、即、突っ込んで来ます、とマツカ君。
マツカ 「猪突猛進の言葉通りに、真っ直ぐですよ」
一同 「「「うわー…」」」
無理すぎるから、と誰もがガクブル。
ジョミー「そんなのと、ガチで勝負って…」
シロエ 「死ぬしか無いと思いますけど!」
キース 「いや、勝った例なら、俺の大学でも聞いた」
一同 「「「は?」」」
マジか、と一同、目が真ん丸に。
ジョミー「ソレ、イノシシに…?」
キース 「そうだ、冷静に、横にサッと避けて、だ…」
シロエ 「殴ったんですか?」
キース 「いや、首を抱えて、こう、ボキッと…」
折ったそうだぞ、と物凄い話。
キース 「相撲部だけに、力は半端ないからな」
ジョミー「プロって言わない?」
シロエ 「ほぼ、プロですよね…」
格闘技の…、とシロエ君も。
シロエ 「素人には無理なヤツですから!」
ジョミー「シロエで無理なら、ぼくはもっと無理!」
キース 「なら、諦めろ!」
ジョミー「でも…!」
??? 「勝負だって?」
命懸けで何をするって、と声が聞こえましたけど。
誰…?
2023/07/14 (Fri)
☆交換条件は命懸け
じきに夏休みなシャン学メンバー、生徒会長宅での週末。
山の別荘が楽しみなわけで、ジビエ料理の話になって…。
??? 「命懸けの勝負だったら、得意だけど!」
一同 「「「げっ!」」」
前触れもなく、ソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「何をするのさ、イノシシなんかと」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間からだよ!」
暇だったから、ちょっと覗き見、と悪気ゼロ。
Aブルー「誰がイノシシと勝負するって?」
キース 「こいつらだな」
俺じゃなくて、とキース君が指差す他の面々。
キース 「命懸けでイノシシを捕まえて来い、と…」
Aブルー「ふうん…? それはキースの命令なわけ?」
キース 「そうなるが…」
Aブルー「珍しいねえ、キースの方が強いだなんて」
いつもと立場が逆じゃないか、とソルジャー、興味津々。
Aブルー「なんで強気に出られるのかな?」
キース 「俺に料理をしろと言うから、交換条件で…」
命を懸けろと言ったんだ、とキース君。
キース 「なんと言っても、俺が料理をする前提は…」
Aブルー「命が懸かっている時だ、って?」
キース 「当然だろうが、先月のビビンバも、アユも…」
ぶるぅの悪戯避けで命懸けだった、とキッパリと。
キース 「そういう時しか、俺は料理はしないんだ!」
Aブルー「なるほど、それでイノシシを獲れ、と…」
面白そうな話じゃないか、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ぼくも見物させて貰うよ、その勝負!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「そんな光景、ぼくの世界じゃ無理だしね!」
野生のイノシシなんかはいないしさ、とニコニコニコ。
Aブルー「戦いぶりを是非、拝見したいと…」
シロエ 「正直、死ぬと思うんですけど!」
サム 「マジで死人が出てた気がするぜ…」
キース 「牙があるだけに、下手に刺されると…」
死ねるらしいぞ、とサラッと言い放つ人。
危なすぎ…。
2023/07/15 (Sat)
☆おしのびでお出掛け
雨がシトシトな梅雨のシーズン、とはいえ晴れ間もアリ。
土砂降りが続いた後にスッキリ快晴、そんな土曜日到来。
シロエ 「おはようございます! 晴れましたね!」
ジョミー「ホントにね! もし雨だったら…」
サム 「集合場所、エントランスになってたよな」
いつもの駐車場でいけたけどよ、とサム君の相槌。
マツカ 「今回は送迎、無しですけどね…」
ジョミー「いいって、いいって! モノがモノだし…」
ブルー 「コッソリ行くのがオススメだよ、うん」
一種のおしのびと言うかもね、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「食事もコンビニ弁当だしさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 一杯、買って来たよ!」
シロエ 「うわぁ…。この辺りのコンビニ、制覇ですね」
ぶるぅ 「そうなの、お弁当の棚も、スイーツの棚も…」
全部、空っぽにして来ちゃったあ! と元気なお子様。
ぶるぅ 「これだけ買っても、きっと足りないから…」
Aブルー「うん、その分なら、お任せってね!」
ドーンと買ったよ、とソルジャー登場。
Aブルー「ぶるぅが欲しがるのを、片っ端から!」
??? 「だって、ノルディのお財布だも~ん!」
使い放題! と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)も。
Aぶるぅ「今日はハーレイ、来ていないから…」
Aブルー「ぶっちゃけ、やりたい放題ってね!」
ノルディを好きに使えちゃうよ、と悪びれない人。
Aブルー「ちょっと借りるね、って財布もカードも…」
Aぶるぅ「借りて出掛けて、買い占めたもんね!」
Aブルー「君たちも、存分に食べてくれたまえ!」
一同 「「「やったーっ!」」」
生徒会長のマンションの駐車場に、食料、山積み。
シロエ 「お天気の方も、キース先輩の祈祷のお蔭で…」
Aブルー「注文通りに、大雨の後の快晴ってね!」
キース 「御本尊様には、ひたすら感謝だ」
ジョミー「でも、自分の首…」
キース 「締まるんだがな…」
仕方なかろう、と超特大の溜息ですけど。
まあねえ…。
2023/06/16 (Fri)
☆嫌なら帰っていい
梅雨の晴れ間になった土曜日、朝から集合した御一同様。
コンビニ弁当やスイーツも用意、後は出発するばかりで。
Aブルー「それじゃ、面子も揃ったことだし…」
ブルー 「瞬間移動でお出掛けしようか、目的地まで」
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「イイネじゃないのは、俺だけだな…」
死刑台に上る気分なんだが、とキース君の嘆き節。
キース 「もう絶対に、詰むコースで…」
Aブルー「嫌なら帰っていいんだよ?」
アドス和尚も喜ぶしね、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「今日も本堂は、午前も午後も…」
ブルー 「法事の予約で埋まっているから、戦場だよ」
イライザさんは裏方だけしか出来ないし…、と生徒会長。
ブルー 「キースが帰れば、もう間違いなく即戦力で…」
サム 「直ぐに着替えて本堂に来い、ってヤツだよな」
ブルー 「うん。キースだけ、行先、変更しようか?」
オプションの料金は要らないからさ、と生徒会長の笑み。
ブルー 「他は全員、河原へ瞬間移動だけれど…」
Aブルー「キースは家に帰るわけだね、その程度なら…」
ぼくにお任せ、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「アドス和尚の連絡先を知らなくてもさ…」
シロエ 「元老寺は知ってますもんねえ…」
Aブルー「そう! 何処に送って欲しいのかな?」
着替えもしないとダメだしね、とソルジャーの問い。
Aブルー「キースの部屋か、イライザさんの目の前か…」
シロエ 「イライザさんじゃないですか?」
サム 「だよな、急ぎで着替えだしよ」
ブルー 「手伝いは欲しいトコだよね」
それでオッケーだと思う、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「帰りたいなら、ブルーに送って貰いたまえ!」
Aブルー「死刑台よりマシじゃないかな、帰った方が」
キース 「そうかもしれんが、此処まで来たら…」
ジョミー「ワンチャンあるかも、って?」
キース 「まあな…」
無いかもしれんが賭けてみたい、と言ってますけど。
賭け…。
2023/06/17 (Sat)
☆川遊びに出発
梅雨の晴れ間で快晴な土曜日、川遊びをしに出発ですが。
キース君だけ元老寺へ瞬間移動、という怖い提案もアリ。
シロエ 「ワンチャン狙いなら、帰らないんですね?」
キース 「どうせ、帰っても詰むからな…」
なんせ時間が遅すぎる、と副住職の深い溜息。
キース 「法要自体は、まだ始まってはいないんだが…」
ジョミー「準備に追われる最中なわけ?」
キース 「それ以前にだ、お施主様だけは、もう…」
御到着になっておられるわけで…、と繰る数珠レット。
キース 「参列する方をお迎えしないとダメだしな」
シロエ 「じゃあ、キース先輩が今、帰っても…」
キース 「今まで何処で遊んでいた、と後で親父に…」
怒鳴られるヤツだ、とブツブツブツ。
キース 「それくらいなら、川に出掛けた方が…」
サム 「ちっとはマシかもしれねえなあ…」
どうせ普段からババなんだしよ、とサム君の相槌。
サム 「俺たちと違って、慣れてる分は大きいぜ」
ジョミー「言えてるよねえ、ぶるぅのオモチャの達人で」
シロエ 「あらゆる役をこなしますよね、本当に」
下僕からカエル袋まで…、とシロエ君、ベタ褒め。
シロエ 「今日も、その調子でお願いします!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ オモチャ、よろしくね!」
キース 「や、やっぱりか…!」
Aぶるぅ「だって、とっても楽しいんだも~ん!」
今日は何して遊ぼうかなあ、と悪戯小僧。
Aぶるぅ「でも、その前に、お出掛け、お出掛け!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなで瞬間移動!」
ブルー 「オッケー、いくよ?」
Aブルー「了解、それじゃ、河原へ出発!」
タイプ・ブルーのサイオン発動、一気に河原へ到着で。
Aぶるぅ「うわあ、お水が一杯だよ!」
ぶるぅ 「でもでも、河原はお日様のお蔭でカラカラ!」
Aブルー「荷物も置き放題だよね!」
シロエ 「キース先輩、流石です!」
キース 「不本意すぎる…」
自分の首が締まる祈祷なんて、と呻いてますけど。
気の毒に…。
2023/06/18 (Sun)
☆熱くなる河原
梅雨の晴れ間になった土曜日、河原に到着した御一同様。
前日までの雨で増水、けれど河原の石は乾いて快適で…。
ぶるぅ 「んとんと、お弁当とかは木陰に置いて、と…」
ブルー 「保冷剤は入ってるけど、日向はねえ…」
この暑さだとアウトだよ、と生徒会長が見上げる太陽。
ブルー 「ただでも石は熱くなるしさ」
ぶるぅ 「岩盤浴とかあるもんね!」
Aぶるぅ「ガンバンヨク?」
それってなあに、と悪戯小僧が傾げる首。
Aぶるぅ「知らないんだけど、何かの遊び?」
Aブルー「あー…。ぶるぅはスーパー銭湯には…」
行ってないしね、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「考えてみれば、ぼくのハーレイも未体験で…」
ブルー 「じゃあ、君は何処で体験したんだい?」
Aブルー「それはもう、あちこちで何回も!」
ノルディとお出掛けしたついでにね、と悪びれない人。
Aブルー「たまには、餌もあげないと…」
シロエ 「それで銭湯なんですか!?」
Aブルー「銭湯じゃなくて、スーパー銭湯!」
間違えないように、とソルジャーのツッコミ。
Aブルー「料金からして違うんだから!」
ブルー 「うーん…。そこでノルディとデートかい?」
Aブルー「裸くらいは、見せてあげても減らないしね!」
一同 「「「うっ…」」」
なんという面の皮の厚さ、と誰もが絶句。
ブルー 「見せるだけ、って?」
Aブルー「そうだよ、出血大サービス!」
ノルディにも好評なんだから、と威張り返り。
Aブルー「岩盤浴も、何度も一緒に!」
Aぶるぅ「大人の時間が出来るトコ?」
Aブルー「やろうと思えば、出来るかもだけど…」
多分、暑くて無理じゃないかな、とソルジャーが捻る首。
Aブルー「下からジワジワ熱が来るしね、温まりすぎて」
Aぶるぅ「えっと…? 石がビッチリ敷いてあるとか?」
Aブルー「だいたい、そんな感じかなあ…」
Aぶるぅ「石焼きビビンバ?」
そのイメージで合ってるの、と聞いてますけど。
ビビンバ…?
2023/06/19 (Mon)
☆他所の国でグルメ
梅雨の晴れ間で快晴な土曜、川遊びをしに到着した面々。
河原は乾いて荷物を置くのに最適、お弁当には熱すぎで。
シロエ 「石焼きビビンバは知ってるんですね?」
Aぶるぅ「もっちろ~ん! ブルーと食べに行ったよ!」
美味しいよね、と悪戯小僧、得意満面。
Aぶるぅ「えっとね、本場の国でも食べたの!」
一同 「「「えっ!?」」」
この国だけじゃなかったのか、と誰もが仰天。
ジョミー「他所の国まで行ってるわけ!?」
Aぶるぅ「そだよ、本場が一番だも~ん!」
シロエ 「いったい、誰と行ってるんです!?」
Aぶるぅ「ブルーと出掛けることもあるけど…」
こっちのぶるぅも多いかな、とニコニコニコ。
Aぶるぅ「食材を仕入れに行く時に、誘って貰って…」
ぶるぅ 「そうなの、一緒にお出掛けでグルメ!」
一同 「「「うーん…」」」
知らなかった、と一同、目をパチクリと。
シロエ 「それじゃ、他所の国でも悪戯ですよね?」
Aぶるぅ「ううん、しないよ、追い出されるもん!」
ぶるぅ 「お食事するなら、悪戯しちゃダメ!」
でないと出禁にされちゃうよ、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「でもでも、美味しいお料理があれば…」
Aぶるぅ「悪戯は忘れちゃうもんね!」
シロエ 「ああ、なるほど…。えっ、ということは…」
待って下さいよ、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「キース先輩が、凄腕の料理人だった場合は…」
サム 「悪戯されねえかも、ってか?」
シロエ 「そういう理屈になりませんか?」
苛めたら食べられないんですよ、とシロエ君。
シロエ 「もう貴様には食べさせない、と怒り狂って…」
ジョミー「ぶるぅの分だけ、作らないって?」
それはそうかも、とジョミー君の視線が悪戯小僧に。
ジョミー「その辺のトコは、どうなるわけ?」
シロエ 「悪戯は封印するんですか?」
Aぶるぅ「んとんと、石焼きビビンバとか…?」
キースが作る設定なの、と質問ですけど。
そうなりますね?
2023/06/20 (Tue)
☆グルメのためなら
週末は梅雨の晴れ間で快晴、川遊びにはピッタリでして。
河原に荷物を置いた面々、お弁当は日陰をチョイスで…。
シロエ 「そうです、ビビンバには限りませんけれど…」
ジョミー「キースが凄腕の料理人だと、悪戯は…?」
もしかしなくてもしないとか…、とジョミー君。
ジョミー「悪戯しちゃうと、キースは作らないんだよ?」
Aぶるぅ「ソレ、困るから!」
シロエ 「じゃあ、悪戯はしないんですね?」
美味しい料理を食べるためなら、とシロエ君の念押し。
シロエ 「カエル袋も、下僕にするのも…」
Aぶるぅ「絶対、やらない!」
サム 「マジかよ、キースを許すってか?」
Aぶるぅ「そだよ、悪戯よりグルメだも~ん!」
食べないと悪戯も出来ないしね、と明快な答え。
Aぶるぅ「だから何処でも、料理人さんには…」
ぶるぅ 「ぶるぅは悪戯なんかしないよ、ホントに」
一緒に行くから知ってるもん、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「屋台の人にも、やらないもんね!」
Aぶるぅ「そう! 屋台で作るのも美味しいし…」
お花見の時も悪戯してないよ、と挙げられた例。
Aぶるぅ「お好み焼きとか、タコ焼きとか…」
ジョミー「ホントだ、言われてみればそうかも…」
シロエ 「キース先輩、料理です!」
助かるためには料理ですよ、とシロエ君、グッと拳を。
シロエ 「頑張って、命を拾いましょう!」
スウェナ「そうねえ、今日ならワンチャンあるわよ?」
ジョミー「コンビニ弁当と、コンビニスイーツの日で…」
豪華料理が何も無いよね、とジョミー君も。
ジョミー「石焼きビビンバでも、いけるって!」
サム 「だよなあ、アレは美味いしよ…」
川遊びで冷えたらピッタリでねえの、とサム君も同意。
サム 「河原で作って、ぶるぅに振舞うならよ…」
シロエ 「悪戯は回避出来そうですよ?」
Aぶるぅ「キース、美味しく作れるの?」
シロエ 「どうなんです?」
キース先輩、と聞いてますけど。
石焼きビビンバ…?
2023/06/21 (Wed)
☆ビビンバと具材
梅雨の晴れ間になった週末、川遊びに来た面々ですけど。
お弁当を置くのが日陰な件から、石焼きビビンバの話に。
ジョミー「キースってさあ…。料理、出来たっけ?」
シロエ 「合宿では作ってますけどねえ…」
でも単独ではありませんから、とシロエ君。
シロエ 「柔道部の部員全員で、当番制ですし…」
マツカ 「何人か組になってますよね」
サム 「キース、その辺、どうなんだよ?」
一人でも料理は作れるのかよ、とサム君の問い。
サム 「作れるんなら、チャンスだぜ?」
キース 「まるで出来ないこともないがな…」
シロエ 「いけるんですか?」
キース 「正直、基本の初心者向けしか…」
一人で作ったことがないんだ、とキース君、苦悶の表情。
キース 「カレーはいけるが、凝った料理は未経験で…」
ジョミー「石焼きビビンバ、簡単そうだよ?」
シロエ 「ですね、石の器で焼くだけですし…」
ぶるぅ 「んとんと、そうでもないんだけど…」
確かに仕上げはそうだけど…、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ビビンバは、ナムルが一杯だよ?」
一同 「「「ナムル?」」」
ぶるぅ 「ビビンバの上に色々、乗ってるでしょ?」
うんとカラフルに、お肉に野菜に…、と説明が。
ぶるぅ 「アレの野菜は全部、ナムルってヤツで…」
サム 「そういや、味がついてたっけか?」
ぶるぅ 「そだよ、野菜の和え物なの!」
味付けも素材で変わって来るんだよね、とニコニコニコ。
ぶるぅ 「だから和え物、野菜の数だけ作らないと…」
一同 「「「げっ!」」」
ぶるぅ 「お肉も下味をつけて、それから焼いて…」
ご飯に乗っけるのは、その後だよね、と怖すぎる台詞。
ぶるぅ 「全部出来たら、上に綺麗に盛り付けて…」
シロエ 「其処から石焼きなんですか…?」
ぶるぅ 「うんっ、とっても手間がかかるの!」
サム 「マジかよ…」
ジョミー「なんか凄そう…」
そこまでなのか、と一同、愕然。
恐るべし、ビビンバ…。
2023/06/22 (Thu)
☆ビビンバのお約束
快晴で梅雨の晴れ間な週末、川遊びをしに来た御一同様。
お弁当を河原に置くのに、日陰を選んだわけですけれど。
シロエ 「キース先輩、作れそうですか? …ビビンバ」
キース 「やってやれないことはないかも…しれんが…」
ハッキリ言って死ねる気しか、とキース君の悪い顔色。
キース 「ナムルの種類は、半端な数ではないような…」
ぶるぅ 「んとね、数は決まってないんだけれど…」
シロエ 「多いほどいい、とか言わないでしょうね?」
ぶるぅ 「ソレに近いかなぁ、ハッキリ言って…」
混ざった味を楽しむお料理だから、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ビビンバって、混ぜるって意味だしね」
サム 「マジかよ、本場の言葉でかよ?」
ぶるぅ 「そだよ、ビビンが混ぜるって意味で…」
ブルー 「バと言うか、本場じゃパブなんだけど…」
ソレが御飯を指すんだよね、と生徒会長も。
ブルー 「だから訳すと、混ぜ御飯、ってことでさ…」
ぶるぅ 「混ぜ御飯の具は、多いほどいいでしょ?」
この国でもね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「御飯の量とのバランスもあるけど…」
ブルー 「ちらし寿司でも、具は多いほど嬉しいよね?」
シロエ 「そうですねえ…。うんと豪華な感じで」
ぶるぅ 「ビビンバの国の人も、おんなじだから…」
上に乗っけるナムルの種類は沢山、と解説が。
ぶるぅ 「それに色だって大事なんだよ、ビビンバは」
一同 「「「は?」」」
ぶるぅ 「上に乗っけるナムルの色!」
色の数も多い程いいの! と弾ける笑顔。
ぶるぅ 「本場のお料理、色も考えて作ってるから…」
ブルー 「医食同源と、五行説に基づくらしいね」
カラフルに作るべきなんだよ、と生徒会長。
ブルー 「いくらナムルの種類があっても…」
ぶるぅ 「色がおんなじだと、全然ダメ!」
シロエ 「またハードルが上がってませんか?」
キース 「そう思う…」
俺は本当に作れるのか、と唸ってますけど。
作れますか…?
2023/06/23 (Fri)
☆十種類は欲しい
梅雨の晴れ間で快晴になった週末、川へ遊びに来た面々。
河原にお弁当を置いておくのに、日陰をチョイスでして。
ジョミー「なんかさ、めっちゃ難しそうだよ?」
サム 「種類が多いだけでも、キツそうなのによ…」
スウェナ「味付けを変えて、色もカラフルに、でしょ?」
石焼きビビンバ、確かにカラフル、とスウェナちゃん。
スウェナ「赤に緑に、茶色に、白に…」
ブルー 「うん、ソレ! それが五行説から来るんだよ」
シロエ 「えっと…? 色に決まりがあるわけですか?」
ブルー 「そういうことだね、陰陽五行と言って…」
陰陽師で有名なヤツなんだけど、と生徒会長の説明が。
ブルー 「木、火、土、金、水、この五つでさ…」
シロエ 「あー、聞いたことはありますね…」
ブルー 「それぞれ色が決まってるんだよ、火は赤とか」
水の場合は、料理だと黒やグレーかな、と生徒会長。
ブルー 「この五つの色は必ず、入れていくのが…」
ぶるぅ 「本場のビビンバのナムルになるの!」
だから五色は作らないと…、と恐ろしい約束事。
ぶるぅ 「最低でも五色で、味付けも変えて…」
ブルー 「やってくれないと、ビビンバとは呼べないよ」
Aブルー「なるほどね! すると、キースは…」
ぶるぅ 「五つは作らなきゃダメってこと!」
頑張ってね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のエール。
ぶるぅ 「作り方とか、食材は教えてあげるから!」
キース 「俺に作れ、と…?」
シロエ 「作らないと、命は拾えませんよ?」
許されるのは料理人だけですからね、とシロエ君。
シロエ 「ぶるぅの悪戯を避けるためには、料理です!」
Aぶるぅ「えとえと、ナムル、うんと多めで!」
十種類くらい欲しいんだけど、と悪戯小僧の注文。
Aぶるぅ「ぶるぅだったら、楽勝だよね?」
ぶるぅ 「もっちろ~ん!」
Aぶるぅ「だったらキースも、作って欲しいの!」
キース 「十種類!?」
マジか、とキース君、真っ青ですけど。
作れ、と…?
2023/06/24 (Sat)
☆ビビンバと悪戯
梅雨の晴れ間で快晴な土曜日、川へ遊びに来た御一同様。
お弁当を置くのは河原の日陰で、そこからビビンバな今。
Aぶるぅ「美味しいビビンバ、食べたいもんね!」
Aブルー「どうせだったら、最高のヤツが欲しいよね?」
Aぶるぅ「そうなの、ぶるぅのに負けてないヤツ!」
作ってくれるなら悪戯しないよ、と悪戯小僧の誓いが。
Aぶるぅ「作ってくれてる間も、うんと大人しく!」
シロエ 「他のみんなと川遊びですね?」
Aぶるぅ「そだよ、もちろん悪戯は無しで!」
最初から約束してたもんね、と悪戯小僧。
Aぶるぅ「悪戯は、キースだけだ、って!」
一同 「「「イイネ!」」」
早速、川へ遊びに行こう、と誰もが突き上げる拳。
シロエ 「キース先輩、頑張って下さいね!」
ジョミー「十種類とかハードそうだけど、いけるって!」
サム 「うんうん、命が助かるんだしよ…」
スウェナ「ぶるぅも協力してくれるのよ?」
やるしかないでしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「材料とかは、マツカに任せればいいし…」
マツカ 「急いで調達させますよ」
ぶるぅ 「えっとね、調理器具の方をお願い!」
材料は買い出しに行ってくるから、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「その間に、バーベキュー用のでいいから…」
マツカ 「調理用の火とか、調理場の支度ですね?」
ぶるぅ 「そう! まな板と包丁、フライパンに…」
それからこれと…、と挙げられてゆく調理器具。
ぶるぅ 「すぐ戻るから、揃えといてね!」
マツカ 「了解です!」
ぶるぅ 「じゃあ、行ってくるねーっ!」
お買い物~っ! と瞬間移動で買い出しに。
Aぶるぅ「わぁーい、豪華な石焼きビビンバ!」
Aブルー「楽しみだねえ…」
頑張りたまえ、とソルジャー、キース君の肩をポンと。
Aブルー「うんと美味しいヤツで頼むよ」
Aぶるぅ「不味かった時は、仕返しだも~ん!」
キース 「努力する…」
なんとか美味いビビンバを、と悲壮な顔付き。
命懸け…?
2023/06/25 (Sun)
☆浮き輪で楽しく
快晴になった週末の土曜日、川遊びに来た面々ですけど。
お弁当を日陰に置いたことから、石焼きビビンバな話に。
Aブルー「それじゃ、ぼくたちは川で遊ぶから!」
Aぶるぅ「浮き輪に乗って、流されちゃうも~ん!」
シロエ 「なるほど、ボートは要らないんですね?」
Aぶるぅ「それに、とってもスリリング!」
空気を入れて…、とサイオンで一瞬で膨らむ浮き輪。
Aぶるぅ「他にも浮き輪が欲しい人、いる?」
ジョミー「くれるんなら、貰う!」
サム 「俺も頼むぜ!」
Aブルー「ぼくの世界のヤツだからねえ、強度は充分!」
岩に当たっても破れないよ、とソルジャーの太鼓判。
Aブルー「他に欲しい人ーっ!」
シロエ 「貰います!」
スウェナ「私も貰うわ、頑丈だったらボートより…」
ブルー 「楽しいに決まっているからねえ…」
ぼくも貰うよ、と生徒会長も。
ブルー 「ぶるぅの分も、よろしくね!」
Aブルー「オッケー! マツカはどうするんだい?」
マツカ 「調理場の準備が済んだら、頂きます」
Aブルー「了解。ぶるぅの分と、マツカの分、と…」
膨らませて置いておくからね、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「行こうか、早速、流されに!」
一同 「「「イイネ!」」」
行くぞ、と水着に着替えもしないで、一同、川へ一直線。
キース 「実に恐ろしい光景だな…」
マツカ 「そうですけど、安全は保障されてますからね」
それよりキースは大丈夫ですか、とマツカ君の問い。
マツカ 「調理場の方は、じきに設営完了ですよ?」
キース 「準備に来たのは、見張りをしていた係か?」
マツカ 「いえ、別口で呼びましたが、川遊びの件は…」
承知ですから問題ないです、と穏やかな笑み。
マツカ 「流されようが、全く気にしていませんから」
キース 「本当に流されたようだな、全員…」
マツカ 「ええ。帰って来るのは食事時では?」
キース 「うっ…」
それまでにナムルを十種類か、と呻く人。
作るしか…。
2023/06/26 (Mon)
☆レシピで頑張れ
梅雨の晴れ間で快晴な土曜日、川で遊ぶにはピッタリで。
川へ入って行った面々、浮き輪を装備で消えましたけど。
キース 「美味いナムルを作れなかったら…」
マツカ 「詰むでしょうねえ、どう考えても」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 食材、買って来たよーっ!」
頑張ってね! と料理上手なお子様の帰還。
ぶるぅ 「そっか、みんなは行っちゃったんだ?」
マツカ 「ええ。浮き輪に乗って流れて行きましたよ」
ぶるぅ 「楽しそう! じゃあ、そこの浮き輪は…」
マツカ 「ぶるぅのと、ぼくの分ですね」
膨らませて置いて行ってくれたんです、と御曹司。
マツカ 「あちらの世界の浮き輪だそうで、頑丈で…」
ぶるぅ 「もしかして、絶対、破れないヤツ?」
マツカ 「岩に当たっても大丈夫、と言っていました」
ぶるぅ 「それ、最高! 急いで追い掛けなくちゃ!」
お料理を教えてる場合じゃないよね、とピョンピョンと。
ぶるぅ 「行こうよ、みんなと瞬間移動で合流!」
マツカ 「えっ、それじゃキースは、どうなるんです?」
ぶるぅ 「んーとね、今どき、お料理の手順は…」
動画で見られたりもするよね、とニコニコ。
ぶるぅ 「大丈夫、メモは書いていくから!」
キース 「レシピだけ置いて行くというのか!?」
ぶるぅ 「だって、基本は出来るんでしょ?」
合宿でお料理してるんだから、と正論が。
ぶるぅ 「細かいところは、分からなかったら…」
マツカ 「自分で調べろ、ということですね?」
ぶるぅ 「そだよ、命を拾うためなら、そのくらい…」
全然、大した手間じゃないもん! と笑顔なお子様。
ぶるぅ 「えとえと、ナムル、ワラビ用のレシピは…」
キース 「ハードルが上がりすぎてるんだが!」
ぶるぅ 「でも、作らないと、おしまいだよ?」
マツカ 「そうですよ。幸い、レシピは貰えますから…」
キース 「そう言われても、俺はナムルは初心者で…」
とても出来る気がしないんだが、と悲鳴ですけど。
やるしか…。
2023/06/27 (Tue)
☆コンロも来ました
梅雨の晴れ間の土曜は快晴、浮き輪で川遊びな御一同様。
岩に当たっても平気な仕様で、川に流されて行きまして。
ぶるぅ 「んとね、誰でも最初は初心者だから!」
マツカ 「なるほど、一理ありますね」
ぶるぅ 「美味しく出来たら、一気にプロなの!」
みんなも、きっと大感激! と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「はい、レシピ! これで美味しく!」
キース 「まさか、もう行くと!?」
ぶるぅ 「だって、早めに追い掛けないと…」
マツカ 「川下りが終わってしまいますよ?」
人目のある所までは下れませんし、とマツカ君の指摘。
マツカ 「ですから、急いで行かないと」
ぶるぅ 「スリル、楽しめなくなっちゃうも~ん!」
じゃあね! と浮き輪を抱えて、瞬間移動で消滅でして。
キース 「…マジか、本当に俺だけなのか…」
使用人A「お困りでしたら、手伝いましょうか?」
キース 「厨房からおいでだったんですか?」
使用人B「いえ、私たちは外仕事が専門でして…」
料理の方は素人ですね、と設営に来ていた使用人さん。
使用人A「とはいえ、アウトドアが趣味ですから…」
使用人B「食材を切ったり、火加減を調節する方なら…」
バッチリいけます、と助っ人の申し出。
使用人A「どうなさいますか?」
キース 「この際、猫の手も借りたくはあるが…」
使用人B「私たちでは、お役に立てないでしょうか?」
キース 「手伝いがいたとバレたら、どうなるか…」
実のところ、それが怖いんです、とキース君の悪い顔色。
キース 「今も何処かで見られていそうで…」
Aブルー『その程度なら、許すってさーっ!』
Aぶるぅ『人間コンロだと思っとくからーっ!』
美味しく出来れば、それでオッケー! と思念波が。
キース 「許すそうです、お願いします」
使用人ズ「「了解です!」」
Aぶるぅ『うんと美味しく作ってねーっ!』
Aブルー『コンロもいるしね!』
期待してるよ、と更にハードルが上がった感が。
大丈夫…?
2023/06/28 (Wed)
☆いよいよ石焼き
梅雨の晴れ間で快晴な土曜、浮き輪で川を下るには最高。
流されて行った御一同様、キース君だけがビビンバ作り。
キース 「美味いのを作るしかないわけか…」
使用人A「火加減は任せて下さいね」
使用人B「食材は、どれから切って行きますか?」
キース 「このメモからして、手がかかりそうなのは…」
この辺でしょうか、と指示を出しつつ、キース君も調理。
キース 「くっそぉ、たかが和え物なんだが…」
使用人A「ビビンバの味は、ナムルで決まりますからね」
使用人B「そこが美味しく出来ていたなら、大丈夫です」
肉の味付けも大切ですけど、と肉を切ってゆく助っ人。
使用人B「下味をしっかり、其処がコツでしょうか」
キース 「詳しいですね、ビビンバ」
使用人B「アウトドアで焼肉は、定番中の定番ですよ」
石焼きビビンバに乗せる肉も同じです、と爽やかな笑顔。
使用人A「そうなんですよね、焼肉を乗せるんですし」
使用人B「石焼きで焼くのは、卵と御飯がメインで…」
キース 「なるほど、準備が大切だ、と…」
使用人ズ「「そうです、頑張って下さいね!」」
皆さんが戻られるまでに…、と河原でナムル作りで。
Aブルー「ただいまーっ、帰りは反則技ーっ!」
ぶるぅ 「瞬間移動で帰って来ちゃったぁーっ!」
遡るのは大変だしね、と浮き輪を抱えた面子の御帰還。
Aブルー「楽しかったよ、スリル満点!」
ジョミー「いい感じに肝が冷えたよねえ…」
シロエ 「身体も濡れて冷えましたけどね」
Aぶるぅ「そうなの、石焼きビビンバ、食べたーい!」
熱々を食べて温まる! と悪戯小僧の注文が。
Aぶるぅ「ナムル十種類、作ってくれた?」
キース 「なんとか…」
レシピ通りに作りはした、とビビンバの準備。
キース 「これを綺麗に盛り付けて、と…」
使用人ズ「「火はバッチリです!」」
キース 「卵を割って…」
Aぶるぅ「後は焼くだけーっ!」
食べるの、楽しみ! と飛び跳ねる悪戯小僧。
さて、お味は…?
2023/06/29 (Thu)
☆ビビンバの次は
快晴で梅雨の晴れ間な土曜日、川遊びに興じた御一同様。
浮き輪に乗って流されたわけで、身体が冷えて御帰還で。
ジョミー「凄いね、キースって実は料理が上手かった?」
サム 「見た目だけだと、プロ並みだよなあ…」
ぶるぅ 「んとんと、味もいいんじゃないかな?」
レシピ通りに作ったんなら、と料理上手なお子様。
キース 「そう願いたいが…」
使用人A「いい感じに焼けて来ましたよ」
使用人B「そろそろ、火から下ろしてもいいでしょう」
キース 「そのようですね、では…」
配ります! とキース君、石焼きの器を鍋つかみで。
キース 「出来たぞ、熱いから気を付けろよ」
Aぶるぅ「もっちろ~ん!」
Aブルー「さてと、美味しく出来てるかな?」
ぶるぅ 「はい、コチュジャン! 好みで入れてね!」
いい匂い! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も唾をゴックン。
キース 「頼む、美味しく出来ていてくれ…!」
一同 「「「いっただっきまぁーす!」」」
熱々だあ! とスプーンを握って食べ始めまして。
シロエ 「いけますよ、コレ!」
ジョミー「ホントだ、ぶるぅに負けてないって!」
Aぶるぅ「わぁーい、本場の味がするーっ!」
キースもやれば出来るみたい、と悪戯小僧も大絶賛。
Aぶるぅ「他のお料理も出来そうだよね!」
一同 「「「は?」」」
Aぶるぅ「アユの塩焼きとか、上手そう!」
Aブルー「いいねえ、アユ釣り、解禁してたっけ?」
どうだったかな、とマツカ君に質問が。
マツカ 「してますけれど、この水量では…」
Aブルー「そこはお任せ!」
Aぶるぅ「アユがいる場所、サイオンで仕切って…」
みんなで手掴み、塩焼きでどう? と悪戯小僧。
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「マジか、今度はアユを焼くのか!?」
Aぶるぅ「その代わり、悪戯しないも~ん!」
Aブルー「じゃあ、早速!」
一同 「「「やったーっ!」」」
アユを獲るぞ、と歓声ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2023/06/30 (Fri)
雨がシトシトな梅雨のシーズン、とはいえ晴れ間もアリ。
土砂降りが続いた後にスッキリ快晴、そんな土曜日到来。
シロエ 「おはようございます! 晴れましたね!」
ジョミー「ホントにね! もし雨だったら…」
サム 「集合場所、エントランスになってたよな」
いつもの駐車場でいけたけどよ、とサム君の相槌。
マツカ 「今回は送迎、無しですけどね…」
ジョミー「いいって、いいって! モノがモノだし…」
ブルー 「コッソリ行くのがオススメだよ、うん」
一種のおしのびと言うかもね、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「食事もコンビニ弁当だしさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 一杯、買って来たよ!」
シロエ 「うわぁ…。この辺りのコンビニ、制覇ですね」
ぶるぅ 「そうなの、お弁当の棚も、スイーツの棚も…」
全部、空っぽにして来ちゃったあ! と元気なお子様。
ぶるぅ 「これだけ買っても、きっと足りないから…」
Aブルー「うん、その分なら、お任せってね!」
ドーンと買ったよ、とソルジャー登場。
Aブルー「ぶるぅが欲しがるのを、片っ端から!」
??? 「だって、ノルディのお財布だも~ん!」
使い放題! と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)も。
Aぶるぅ「今日はハーレイ、来ていないから…」
Aブルー「ぶっちゃけ、やりたい放題ってね!」
ノルディを好きに使えちゃうよ、と悪びれない人。
Aブルー「ちょっと借りるね、って財布もカードも…」
Aぶるぅ「借りて出掛けて、買い占めたもんね!」
Aブルー「君たちも、存分に食べてくれたまえ!」
一同 「「「やったーっ!」」」
生徒会長のマンションの駐車場に、食料、山積み。
シロエ 「お天気の方も、キース先輩の祈祷のお蔭で…」
Aブルー「注文通りに、大雨の後の快晴ってね!」
キース 「御本尊様には、ひたすら感謝だ」
ジョミー「でも、自分の首…」
キース 「締まるんだがな…」
仕方なかろう、と超特大の溜息ですけど。
まあねえ…。
2023/06/16 (Fri)
☆嫌なら帰っていい
梅雨の晴れ間になった土曜日、朝から集合した御一同様。
コンビニ弁当やスイーツも用意、後は出発するばかりで。
Aブルー「それじゃ、面子も揃ったことだし…」
ブルー 「瞬間移動でお出掛けしようか、目的地まで」
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「イイネじゃないのは、俺だけだな…」
死刑台に上る気分なんだが、とキース君の嘆き節。
キース 「もう絶対に、詰むコースで…」
Aブルー「嫌なら帰っていいんだよ?」
アドス和尚も喜ぶしね、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「今日も本堂は、午前も午後も…」
ブルー 「法事の予約で埋まっているから、戦場だよ」
イライザさんは裏方だけしか出来ないし…、と生徒会長。
ブルー 「キースが帰れば、もう間違いなく即戦力で…」
サム 「直ぐに着替えて本堂に来い、ってヤツだよな」
ブルー 「うん。キースだけ、行先、変更しようか?」
オプションの料金は要らないからさ、と生徒会長の笑み。
ブルー 「他は全員、河原へ瞬間移動だけれど…」
Aブルー「キースは家に帰るわけだね、その程度なら…」
ぼくにお任せ、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「アドス和尚の連絡先を知らなくてもさ…」
シロエ 「元老寺は知ってますもんねえ…」
Aブルー「そう! 何処に送って欲しいのかな?」
着替えもしないとダメだしね、とソルジャーの問い。
Aブルー「キースの部屋か、イライザさんの目の前か…」
シロエ 「イライザさんじゃないですか?」
サム 「だよな、急ぎで着替えだしよ」
ブルー 「手伝いは欲しいトコだよね」
それでオッケーだと思う、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「帰りたいなら、ブルーに送って貰いたまえ!」
Aブルー「死刑台よりマシじゃないかな、帰った方が」
キース 「そうかもしれんが、此処まで来たら…」
ジョミー「ワンチャンあるかも、って?」
キース 「まあな…」
無いかもしれんが賭けてみたい、と言ってますけど。
賭け…。
2023/06/17 (Sat)
☆川遊びに出発
梅雨の晴れ間で快晴な土曜日、川遊びをしに出発ですが。
キース君だけ元老寺へ瞬間移動、という怖い提案もアリ。
シロエ 「ワンチャン狙いなら、帰らないんですね?」
キース 「どうせ、帰っても詰むからな…」
なんせ時間が遅すぎる、と副住職の深い溜息。
キース 「法要自体は、まだ始まってはいないんだが…」
ジョミー「準備に追われる最中なわけ?」
キース 「それ以前にだ、お施主様だけは、もう…」
御到着になっておられるわけで…、と繰る数珠レット。
キース 「参列する方をお迎えしないとダメだしな」
シロエ 「じゃあ、キース先輩が今、帰っても…」
キース 「今まで何処で遊んでいた、と後で親父に…」
怒鳴られるヤツだ、とブツブツブツ。
キース 「それくらいなら、川に出掛けた方が…」
サム 「ちっとはマシかもしれねえなあ…」
どうせ普段からババなんだしよ、とサム君の相槌。
サム 「俺たちと違って、慣れてる分は大きいぜ」
ジョミー「言えてるよねえ、ぶるぅのオモチャの達人で」
シロエ 「あらゆる役をこなしますよね、本当に」
下僕からカエル袋まで…、とシロエ君、ベタ褒め。
シロエ 「今日も、その調子でお願いします!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ オモチャ、よろしくね!」
キース 「や、やっぱりか…!」
Aぶるぅ「だって、とっても楽しいんだも~ん!」
今日は何して遊ぼうかなあ、と悪戯小僧。
Aぶるぅ「でも、その前に、お出掛け、お出掛け!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなで瞬間移動!」
ブルー 「オッケー、いくよ?」
Aブルー「了解、それじゃ、河原へ出発!」
タイプ・ブルーのサイオン発動、一気に河原へ到着で。
Aぶるぅ「うわあ、お水が一杯だよ!」
ぶるぅ 「でもでも、河原はお日様のお蔭でカラカラ!」
Aブルー「荷物も置き放題だよね!」
シロエ 「キース先輩、流石です!」
キース 「不本意すぎる…」
自分の首が締まる祈祷なんて、と呻いてますけど。
気の毒に…。
2023/06/18 (Sun)
☆熱くなる河原
梅雨の晴れ間になった土曜日、河原に到着した御一同様。
前日までの雨で増水、けれど河原の石は乾いて快適で…。
ぶるぅ 「んとんと、お弁当とかは木陰に置いて、と…」
ブルー 「保冷剤は入ってるけど、日向はねえ…」
この暑さだとアウトだよ、と生徒会長が見上げる太陽。
ブルー 「ただでも石は熱くなるしさ」
ぶるぅ 「岩盤浴とかあるもんね!」
Aぶるぅ「ガンバンヨク?」
それってなあに、と悪戯小僧が傾げる首。
Aぶるぅ「知らないんだけど、何かの遊び?」
Aブルー「あー…。ぶるぅはスーパー銭湯には…」
行ってないしね、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「考えてみれば、ぼくのハーレイも未体験で…」
ブルー 「じゃあ、君は何処で体験したんだい?」
Aブルー「それはもう、あちこちで何回も!」
ノルディとお出掛けしたついでにね、と悪びれない人。
Aブルー「たまには、餌もあげないと…」
シロエ 「それで銭湯なんですか!?」
Aブルー「銭湯じゃなくて、スーパー銭湯!」
間違えないように、とソルジャーのツッコミ。
Aブルー「料金からして違うんだから!」
ブルー 「うーん…。そこでノルディとデートかい?」
Aブルー「裸くらいは、見せてあげても減らないしね!」
一同 「「「うっ…」」」
なんという面の皮の厚さ、と誰もが絶句。
ブルー 「見せるだけ、って?」
Aブルー「そうだよ、出血大サービス!」
ノルディにも好評なんだから、と威張り返り。
Aブルー「岩盤浴も、何度も一緒に!」
Aぶるぅ「大人の時間が出来るトコ?」
Aブルー「やろうと思えば、出来るかもだけど…」
多分、暑くて無理じゃないかな、とソルジャーが捻る首。
Aブルー「下からジワジワ熱が来るしね、温まりすぎて」
Aぶるぅ「えっと…? 石がビッチリ敷いてあるとか?」
Aブルー「だいたい、そんな感じかなあ…」
Aぶるぅ「石焼きビビンバ?」
そのイメージで合ってるの、と聞いてますけど。
ビビンバ…?
2023/06/19 (Mon)
☆他所の国でグルメ
梅雨の晴れ間で快晴な土曜、川遊びをしに到着した面々。
河原は乾いて荷物を置くのに最適、お弁当には熱すぎで。
シロエ 「石焼きビビンバは知ってるんですね?」
Aぶるぅ「もっちろ~ん! ブルーと食べに行ったよ!」
美味しいよね、と悪戯小僧、得意満面。
Aぶるぅ「えっとね、本場の国でも食べたの!」
一同 「「「えっ!?」」」
この国だけじゃなかったのか、と誰もが仰天。
ジョミー「他所の国まで行ってるわけ!?」
Aぶるぅ「そだよ、本場が一番だも~ん!」
シロエ 「いったい、誰と行ってるんです!?」
Aぶるぅ「ブルーと出掛けることもあるけど…」
こっちのぶるぅも多いかな、とニコニコニコ。
Aぶるぅ「食材を仕入れに行く時に、誘って貰って…」
ぶるぅ 「そうなの、一緒にお出掛けでグルメ!」
一同 「「「うーん…」」」
知らなかった、と一同、目をパチクリと。
シロエ 「それじゃ、他所の国でも悪戯ですよね?」
Aぶるぅ「ううん、しないよ、追い出されるもん!」
ぶるぅ 「お食事するなら、悪戯しちゃダメ!」
でないと出禁にされちゃうよ、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「でもでも、美味しいお料理があれば…」
Aぶるぅ「悪戯は忘れちゃうもんね!」
シロエ 「ああ、なるほど…。えっ、ということは…」
待って下さいよ、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「キース先輩が、凄腕の料理人だった場合は…」
サム 「悪戯されねえかも、ってか?」
シロエ 「そういう理屈になりませんか?」
苛めたら食べられないんですよ、とシロエ君。
シロエ 「もう貴様には食べさせない、と怒り狂って…」
ジョミー「ぶるぅの分だけ、作らないって?」
それはそうかも、とジョミー君の視線が悪戯小僧に。
ジョミー「その辺のトコは、どうなるわけ?」
シロエ 「悪戯は封印するんですか?」
Aぶるぅ「んとんと、石焼きビビンバとか…?」
キースが作る設定なの、と質問ですけど。
そうなりますね?
2023/06/20 (Tue)
☆グルメのためなら
週末は梅雨の晴れ間で快晴、川遊びにはピッタリでして。
河原に荷物を置いた面々、お弁当は日陰をチョイスで…。
シロエ 「そうです、ビビンバには限りませんけれど…」
ジョミー「キースが凄腕の料理人だと、悪戯は…?」
もしかしなくてもしないとか…、とジョミー君。
ジョミー「悪戯しちゃうと、キースは作らないんだよ?」
Aぶるぅ「ソレ、困るから!」
シロエ 「じゃあ、悪戯はしないんですね?」
美味しい料理を食べるためなら、とシロエ君の念押し。
シロエ 「カエル袋も、下僕にするのも…」
Aぶるぅ「絶対、やらない!」
サム 「マジかよ、キースを許すってか?」
Aぶるぅ「そだよ、悪戯よりグルメだも~ん!」
食べないと悪戯も出来ないしね、と明快な答え。
Aぶるぅ「だから何処でも、料理人さんには…」
ぶるぅ 「ぶるぅは悪戯なんかしないよ、ホントに」
一緒に行くから知ってるもん、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「屋台の人にも、やらないもんね!」
Aぶるぅ「そう! 屋台で作るのも美味しいし…」
お花見の時も悪戯してないよ、と挙げられた例。
Aぶるぅ「お好み焼きとか、タコ焼きとか…」
ジョミー「ホントだ、言われてみればそうかも…」
シロエ 「キース先輩、料理です!」
助かるためには料理ですよ、とシロエ君、グッと拳を。
シロエ 「頑張って、命を拾いましょう!」
スウェナ「そうねえ、今日ならワンチャンあるわよ?」
ジョミー「コンビニ弁当と、コンビニスイーツの日で…」
豪華料理が何も無いよね、とジョミー君も。
ジョミー「石焼きビビンバでも、いけるって!」
サム 「だよなあ、アレは美味いしよ…」
川遊びで冷えたらピッタリでねえの、とサム君も同意。
サム 「河原で作って、ぶるぅに振舞うならよ…」
シロエ 「悪戯は回避出来そうですよ?」
Aぶるぅ「キース、美味しく作れるの?」
シロエ 「どうなんです?」
キース先輩、と聞いてますけど。
石焼きビビンバ…?
2023/06/21 (Wed)
☆ビビンバと具材
梅雨の晴れ間になった週末、川遊びに来た面々ですけど。
お弁当を置くのが日陰な件から、石焼きビビンバの話に。
ジョミー「キースってさあ…。料理、出来たっけ?」
シロエ 「合宿では作ってますけどねえ…」
でも単独ではありませんから、とシロエ君。
シロエ 「柔道部の部員全員で、当番制ですし…」
マツカ 「何人か組になってますよね」
サム 「キース、その辺、どうなんだよ?」
一人でも料理は作れるのかよ、とサム君の問い。
サム 「作れるんなら、チャンスだぜ?」
キース 「まるで出来ないこともないがな…」
シロエ 「いけるんですか?」
キース 「正直、基本の初心者向けしか…」
一人で作ったことがないんだ、とキース君、苦悶の表情。
キース 「カレーはいけるが、凝った料理は未経験で…」
ジョミー「石焼きビビンバ、簡単そうだよ?」
シロエ 「ですね、石の器で焼くだけですし…」
ぶるぅ 「んとんと、そうでもないんだけど…」
確かに仕上げはそうだけど…、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ビビンバは、ナムルが一杯だよ?」
一同 「「「ナムル?」」」
ぶるぅ 「ビビンバの上に色々、乗ってるでしょ?」
うんとカラフルに、お肉に野菜に…、と説明が。
ぶるぅ 「アレの野菜は全部、ナムルってヤツで…」
サム 「そういや、味がついてたっけか?」
ぶるぅ 「そだよ、野菜の和え物なの!」
味付けも素材で変わって来るんだよね、とニコニコニコ。
ぶるぅ 「だから和え物、野菜の数だけ作らないと…」
一同 「「「げっ!」」」
ぶるぅ 「お肉も下味をつけて、それから焼いて…」
ご飯に乗っけるのは、その後だよね、と怖すぎる台詞。
ぶるぅ 「全部出来たら、上に綺麗に盛り付けて…」
シロエ 「其処から石焼きなんですか…?」
ぶるぅ 「うんっ、とっても手間がかかるの!」
サム 「マジかよ…」
ジョミー「なんか凄そう…」
そこまでなのか、と一同、愕然。
恐るべし、ビビンバ…。
2023/06/22 (Thu)
☆ビビンバのお約束
快晴で梅雨の晴れ間な週末、川遊びをしに来た御一同様。
お弁当を河原に置くのに、日陰を選んだわけですけれど。
シロエ 「キース先輩、作れそうですか? …ビビンバ」
キース 「やってやれないことはないかも…しれんが…」
ハッキリ言って死ねる気しか、とキース君の悪い顔色。
キース 「ナムルの種類は、半端な数ではないような…」
ぶるぅ 「んとね、数は決まってないんだけれど…」
シロエ 「多いほどいい、とか言わないでしょうね?」
ぶるぅ 「ソレに近いかなぁ、ハッキリ言って…」
混ざった味を楽しむお料理だから、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ビビンバって、混ぜるって意味だしね」
サム 「マジかよ、本場の言葉でかよ?」
ぶるぅ 「そだよ、ビビンが混ぜるって意味で…」
ブルー 「バと言うか、本場じゃパブなんだけど…」
ソレが御飯を指すんだよね、と生徒会長も。
ブルー 「だから訳すと、混ぜ御飯、ってことでさ…」
ぶるぅ 「混ぜ御飯の具は、多いほどいいでしょ?」
この国でもね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「御飯の量とのバランスもあるけど…」
ブルー 「ちらし寿司でも、具は多いほど嬉しいよね?」
シロエ 「そうですねえ…。うんと豪華な感じで」
ぶるぅ 「ビビンバの国の人も、おんなじだから…」
上に乗っけるナムルの種類は沢山、と解説が。
ぶるぅ 「それに色だって大事なんだよ、ビビンバは」
一同 「「「は?」」」
ぶるぅ 「上に乗っけるナムルの色!」
色の数も多い程いいの! と弾ける笑顔。
ぶるぅ 「本場のお料理、色も考えて作ってるから…」
ブルー 「医食同源と、五行説に基づくらしいね」
カラフルに作るべきなんだよ、と生徒会長。
ブルー 「いくらナムルの種類があっても…」
ぶるぅ 「色がおんなじだと、全然ダメ!」
シロエ 「またハードルが上がってませんか?」
キース 「そう思う…」
俺は本当に作れるのか、と唸ってますけど。
作れますか…?
2023/06/23 (Fri)
☆十種類は欲しい
梅雨の晴れ間で快晴になった週末、川へ遊びに来た面々。
河原にお弁当を置いておくのに、日陰をチョイスでして。
ジョミー「なんかさ、めっちゃ難しそうだよ?」
サム 「種類が多いだけでも、キツそうなのによ…」
スウェナ「味付けを変えて、色もカラフルに、でしょ?」
石焼きビビンバ、確かにカラフル、とスウェナちゃん。
スウェナ「赤に緑に、茶色に、白に…」
ブルー 「うん、ソレ! それが五行説から来るんだよ」
シロエ 「えっと…? 色に決まりがあるわけですか?」
ブルー 「そういうことだね、陰陽五行と言って…」
陰陽師で有名なヤツなんだけど、と生徒会長の説明が。
ブルー 「木、火、土、金、水、この五つでさ…」
シロエ 「あー、聞いたことはありますね…」
ブルー 「それぞれ色が決まってるんだよ、火は赤とか」
水の場合は、料理だと黒やグレーかな、と生徒会長。
ブルー 「この五つの色は必ず、入れていくのが…」
ぶるぅ 「本場のビビンバのナムルになるの!」
だから五色は作らないと…、と恐ろしい約束事。
ぶるぅ 「最低でも五色で、味付けも変えて…」
ブルー 「やってくれないと、ビビンバとは呼べないよ」
Aブルー「なるほどね! すると、キースは…」
ぶるぅ 「五つは作らなきゃダメってこと!」
頑張ってね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のエール。
ぶるぅ 「作り方とか、食材は教えてあげるから!」
キース 「俺に作れ、と…?」
シロエ 「作らないと、命は拾えませんよ?」
許されるのは料理人だけですからね、とシロエ君。
シロエ 「ぶるぅの悪戯を避けるためには、料理です!」
Aぶるぅ「えとえと、ナムル、うんと多めで!」
十種類くらい欲しいんだけど、と悪戯小僧の注文。
Aぶるぅ「ぶるぅだったら、楽勝だよね?」
ぶるぅ 「もっちろ~ん!」
Aぶるぅ「だったらキースも、作って欲しいの!」
キース 「十種類!?」
マジか、とキース君、真っ青ですけど。
作れ、と…?
2023/06/24 (Sat)
☆ビビンバと悪戯
梅雨の晴れ間で快晴な土曜日、川へ遊びに来た御一同様。
お弁当を置くのは河原の日陰で、そこからビビンバな今。
Aぶるぅ「美味しいビビンバ、食べたいもんね!」
Aブルー「どうせだったら、最高のヤツが欲しいよね?」
Aぶるぅ「そうなの、ぶるぅのに負けてないヤツ!」
作ってくれるなら悪戯しないよ、と悪戯小僧の誓いが。
Aぶるぅ「作ってくれてる間も、うんと大人しく!」
シロエ 「他のみんなと川遊びですね?」
Aぶるぅ「そだよ、もちろん悪戯は無しで!」
最初から約束してたもんね、と悪戯小僧。
Aぶるぅ「悪戯は、キースだけだ、って!」
一同 「「「イイネ!」」」
早速、川へ遊びに行こう、と誰もが突き上げる拳。
シロエ 「キース先輩、頑張って下さいね!」
ジョミー「十種類とかハードそうだけど、いけるって!」
サム 「うんうん、命が助かるんだしよ…」
スウェナ「ぶるぅも協力してくれるのよ?」
やるしかないでしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「材料とかは、マツカに任せればいいし…」
マツカ 「急いで調達させますよ」
ぶるぅ 「えっとね、調理器具の方をお願い!」
材料は買い出しに行ってくるから、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「その間に、バーベキュー用のでいいから…」
マツカ 「調理用の火とか、調理場の支度ですね?」
ぶるぅ 「そう! まな板と包丁、フライパンに…」
それからこれと…、と挙げられてゆく調理器具。
ぶるぅ 「すぐ戻るから、揃えといてね!」
マツカ 「了解です!」
ぶるぅ 「じゃあ、行ってくるねーっ!」
お買い物~っ! と瞬間移動で買い出しに。
Aぶるぅ「わぁーい、豪華な石焼きビビンバ!」
Aブルー「楽しみだねえ…」
頑張りたまえ、とソルジャー、キース君の肩をポンと。
Aブルー「うんと美味しいヤツで頼むよ」
Aぶるぅ「不味かった時は、仕返しだも~ん!」
キース 「努力する…」
なんとか美味いビビンバを、と悲壮な顔付き。
命懸け…?
2023/06/25 (Sun)
☆浮き輪で楽しく
快晴になった週末の土曜日、川遊びに来た面々ですけど。
お弁当を日陰に置いたことから、石焼きビビンバな話に。
Aブルー「それじゃ、ぼくたちは川で遊ぶから!」
Aぶるぅ「浮き輪に乗って、流されちゃうも~ん!」
シロエ 「なるほど、ボートは要らないんですね?」
Aぶるぅ「それに、とってもスリリング!」
空気を入れて…、とサイオンで一瞬で膨らむ浮き輪。
Aぶるぅ「他にも浮き輪が欲しい人、いる?」
ジョミー「くれるんなら、貰う!」
サム 「俺も頼むぜ!」
Aブルー「ぼくの世界のヤツだからねえ、強度は充分!」
岩に当たっても破れないよ、とソルジャーの太鼓判。
Aブルー「他に欲しい人ーっ!」
シロエ 「貰います!」
スウェナ「私も貰うわ、頑丈だったらボートより…」
ブルー 「楽しいに決まっているからねえ…」
ぼくも貰うよ、と生徒会長も。
ブルー 「ぶるぅの分も、よろしくね!」
Aブルー「オッケー! マツカはどうするんだい?」
マツカ 「調理場の準備が済んだら、頂きます」
Aブルー「了解。ぶるぅの分と、マツカの分、と…」
膨らませて置いておくからね、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「行こうか、早速、流されに!」
一同 「「「イイネ!」」」
行くぞ、と水着に着替えもしないで、一同、川へ一直線。
キース 「実に恐ろしい光景だな…」
マツカ 「そうですけど、安全は保障されてますからね」
それよりキースは大丈夫ですか、とマツカ君の問い。
マツカ 「調理場の方は、じきに設営完了ですよ?」
キース 「準備に来たのは、見張りをしていた係か?」
マツカ 「いえ、別口で呼びましたが、川遊びの件は…」
承知ですから問題ないです、と穏やかな笑み。
マツカ 「流されようが、全く気にしていませんから」
キース 「本当に流されたようだな、全員…」
マツカ 「ええ。帰って来るのは食事時では?」
キース 「うっ…」
それまでにナムルを十種類か、と呻く人。
作るしか…。
2023/06/26 (Mon)
☆レシピで頑張れ
梅雨の晴れ間で快晴な土曜日、川で遊ぶにはピッタリで。
川へ入って行った面々、浮き輪を装備で消えましたけど。
キース 「美味いナムルを作れなかったら…」
マツカ 「詰むでしょうねえ、どう考えても」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 食材、買って来たよーっ!」
頑張ってね! と料理上手なお子様の帰還。
ぶるぅ 「そっか、みんなは行っちゃったんだ?」
マツカ 「ええ。浮き輪に乗って流れて行きましたよ」
ぶるぅ 「楽しそう! じゃあ、そこの浮き輪は…」
マツカ 「ぶるぅのと、ぼくの分ですね」
膨らませて置いて行ってくれたんです、と御曹司。
マツカ 「あちらの世界の浮き輪だそうで、頑丈で…」
ぶるぅ 「もしかして、絶対、破れないヤツ?」
マツカ 「岩に当たっても大丈夫、と言っていました」
ぶるぅ 「それ、最高! 急いで追い掛けなくちゃ!」
お料理を教えてる場合じゃないよね、とピョンピョンと。
ぶるぅ 「行こうよ、みんなと瞬間移動で合流!」
マツカ 「えっ、それじゃキースは、どうなるんです?」
ぶるぅ 「んーとね、今どき、お料理の手順は…」
動画で見られたりもするよね、とニコニコ。
ぶるぅ 「大丈夫、メモは書いていくから!」
キース 「レシピだけ置いて行くというのか!?」
ぶるぅ 「だって、基本は出来るんでしょ?」
合宿でお料理してるんだから、と正論が。
ぶるぅ 「細かいところは、分からなかったら…」
マツカ 「自分で調べろ、ということですね?」
ぶるぅ 「そだよ、命を拾うためなら、そのくらい…」
全然、大した手間じゃないもん! と笑顔なお子様。
ぶるぅ 「えとえと、ナムル、ワラビ用のレシピは…」
キース 「ハードルが上がりすぎてるんだが!」
ぶるぅ 「でも、作らないと、おしまいだよ?」
マツカ 「そうですよ。幸い、レシピは貰えますから…」
キース 「そう言われても、俺はナムルは初心者で…」
とても出来る気がしないんだが、と悲鳴ですけど。
やるしか…。
2023/06/27 (Tue)
☆コンロも来ました
梅雨の晴れ間の土曜は快晴、浮き輪で川遊びな御一同様。
岩に当たっても平気な仕様で、川に流されて行きまして。
ぶるぅ 「んとね、誰でも最初は初心者だから!」
マツカ 「なるほど、一理ありますね」
ぶるぅ 「美味しく出来たら、一気にプロなの!」
みんなも、きっと大感激! と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「はい、レシピ! これで美味しく!」
キース 「まさか、もう行くと!?」
ぶるぅ 「だって、早めに追い掛けないと…」
マツカ 「川下りが終わってしまいますよ?」
人目のある所までは下れませんし、とマツカ君の指摘。
マツカ 「ですから、急いで行かないと」
ぶるぅ 「スリル、楽しめなくなっちゃうも~ん!」
じゃあね! と浮き輪を抱えて、瞬間移動で消滅でして。
キース 「…マジか、本当に俺だけなのか…」
使用人A「お困りでしたら、手伝いましょうか?」
キース 「厨房からおいでだったんですか?」
使用人B「いえ、私たちは外仕事が専門でして…」
料理の方は素人ですね、と設営に来ていた使用人さん。
使用人A「とはいえ、アウトドアが趣味ですから…」
使用人B「食材を切ったり、火加減を調節する方なら…」
バッチリいけます、と助っ人の申し出。
使用人A「どうなさいますか?」
キース 「この際、猫の手も借りたくはあるが…」
使用人B「私たちでは、お役に立てないでしょうか?」
キース 「手伝いがいたとバレたら、どうなるか…」
実のところ、それが怖いんです、とキース君の悪い顔色。
キース 「今も何処かで見られていそうで…」
Aブルー『その程度なら、許すってさーっ!』
Aぶるぅ『人間コンロだと思っとくからーっ!』
美味しく出来れば、それでオッケー! と思念波が。
キース 「許すそうです、お願いします」
使用人ズ「「了解です!」」
Aぶるぅ『うんと美味しく作ってねーっ!』
Aブルー『コンロもいるしね!』
期待してるよ、と更にハードルが上がった感が。
大丈夫…?
2023/06/28 (Wed)
☆いよいよ石焼き
梅雨の晴れ間で快晴な土曜、浮き輪で川を下るには最高。
流されて行った御一同様、キース君だけがビビンバ作り。
キース 「美味いのを作るしかないわけか…」
使用人A「火加減は任せて下さいね」
使用人B「食材は、どれから切って行きますか?」
キース 「このメモからして、手がかかりそうなのは…」
この辺でしょうか、と指示を出しつつ、キース君も調理。
キース 「くっそぉ、たかが和え物なんだが…」
使用人A「ビビンバの味は、ナムルで決まりますからね」
使用人B「そこが美味しく出来ていたなら、大丈夫です」
肉の味付けも大切ですけど、と肉を切ってゆく助っ人。
使用人B「下味をしっかり、其処がコツでしょうか」
キース 「詳しいですね、ビビンバ」
使用人B「アウトドアで焼肉は、定番中の定番ですよ」
石焼きビビンバに乗せる肉も同じです、と爽やかな笑顔。
使用人A「そうなんですよね、焼肉を乗せるんですし」
使用人B「石焼きで焼くのは、卵と御飯がメインで…」
キース 「なるほど、準備が大切だ、と…」
使用人ズ「「そうです、頑張って下さいね!」」
皆さんが戻られるまでに…、と河原でナムル作りで。
Aブルー「ただいまーっ、帰りは反則技ーっ!」
ぶるぅ 「瞬間移動で帰って来ちゃったぁーっ!」
遡るのは大変だしね、と浮き輪を抱えた面子の御帰還。
Aブルー「楽しかったよ、スリル満点!」
ジョミー「いい感じに肝が冷えたよねえ…」
シロエ 「身体も濡れて冷えましたけどね」
Aぶるぅ「そうなの、石焼きビビンバ、食べたーい!」
熱々を食べて温まる! と悪戯小僧の注文が。
Aぶるぅ「ナムル十種類、作ってくれた?」
キース 「なんとか…」
レシピ通りに作りはした、とビビンバの準備。
キース 「これを綺麗に盛り付けて、と…」
使用人ズ「「火はバッチリです!」」
キース 「卵を割って…」
Aぶるぅ「後は焼くだけーっ!」
食べるの、楽しみ! と飛び跳ねる悪戯小僧。
さて、お味は…?
2023/06/29 (Thu)
☆ビビンバの次は
快晴で梅雨の晴れ間な土曜日、川遊びに興じた御一同様。
浮き輪に乗って流されたわけで、身体が冷えて御帰還で。
ジョミー「凄いね、キースって実は料理が上手かった?」
サム 「見た目だけだと、プロ並みだよなあ…」
ぶるぅ 「んとんと、味もいいんじゃないかな?」
レシピ通りに作ったんなら、と料理上手なお子様。
キース 「そう願いたいが…」
使用人A「いい感じに焼けて来ましたよ」
使用人B「そろそろ、火から下ろしてもいいでしょう」
キース 「そのようですね、では…」
配ります! とキース君、石焼きの器を鍋つかみで。
キース 「出来たぞ、熱いから気を付けろよ」
Aぶるぅ「もっちろ~ん!」
Aブルー「さてと、美味しく出来てるかな?」
ぶるぅ 「はい、コチュジャン! 好みで入れてね!」
いい匂い! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も唾をゴックン。
キース 「頼む、美味しく出来ていてくれ…!」
一同 「「「いっただっきまぁーす!」」」
熱々だあ! とスプーンを握って食べ始めまして。
シロエ 「いけますよ、コレ!」
ジョミー「ホントだ、ぶるぅに負けてないって!」
Aぶるぅ「わぁーい、本場の味がするーっ!」
キースもやれば出来るみたい、と悪戯小僧も大絶賛。
Aぶるぅ「他のお料理も出来そうだよね!」
一同 「「「は?」」」
Aぶるぅ「アユの塩焼きとか、上手そう!」
Aブルー「いいねえ、アユ釣り、解禁してたっけ?」
どうだったかな、とマツカ君に質問が。
マツカ 「してますけれど、この水量では…」
Aブルー「そこはお任せ!」
Aぶるぅ「アユがいる場所、サイオンで仕切って…」
みんなで手掴み、塩焼きでどう? と悪戯小僧。
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「マジか、今度はアユを焼くのか!?」
Aぶるぅ「その代わり、悪戯しないも~ん!」
Aブルー「じゃあ、早速!」
一同 「「「やったーっ!」」」
アユを獲るぞ、と歓声ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2023/06/30 (Fri)
☆雨でも遊びたい
さて、6月。今年も梅雨のシーズンでして、土曜日も雨。
生徒会長宅に来ている面々、外を眺めて溜息なわけで…。
シロエ 「雨ですよねえ…」
サム 「止みそうにねえよな、この週末はよ」
ジョミー「平日も、ずっと降ってたのにさあ…」
いい加減に止んでくれないかな、とジョミー君の愚痴。
ジョミー「学校に行くのも面倒なんだよ、雨の日は」
シロエ 「分かります。昨今の梅雨は、雨と言っても…」
サム 「下手すると土砂降りで来やがるしよ…」
スウェナ「そうなのよねえ、雷まで鳴る勢いで…」
シトシト降る日はまだマシだけど、とスウェナちゃんも。
スウェナ「土砂降りだと、傘を差しても無駄だし…」
ジョミー「足元から濡れて来るもんねえ…」
サム 「うんうん、歩道で跳ね返ってよ…」
マジで最悪、とサム君もブツブツと。
サム 「でもって、休みの日までが雨なんだぜ?」
シロエ 「お出掛けなんかは出来ませんよね…」
ジョミー「食事だけとか、屋内だったらいけるけど…」
なんか一味、足りないんだよ、とジョミー君。
ジョミー「やっぱり、外で遊びたいよね」
サム 「雨が続いた後だと、特にそうなるぜ」
でもよ、とサム君が傾げる首。
サム 「河原なんかは危ねえしよ…」
シロエ 「鉄砲水が来るらしいですよね」
ジョミー「たまにあるよね、流されてるヤツ」
動けなくなってヘリ救助とか…、とジョミー君の相槌。
ジョミー「まあ、ぼくたちだと、ヘリは要らないけど」
シロエ 「鉄砲水でも、ワンチャン、いけるかもです」
瞬間移動が間に合えば、とシロエ君も似たような意見。
シロエ 「ぼくたちだけだと、逃げられませんけどね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 瞬間移動は、お任せ!」
ブルー 「ぼくでも楽勝でいけるんだよねえ、脱出技」
ジョミー「そういうのも、スリルがあっていいかな…」
キース 「おい待て、本気で言っているのか!?」
梅雨の河原は危険なんだぞ、とキース君。
常識ですよね…?
2023/06/01 (Thu)
☆川遊びとリスク
雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末も雨なわけでして。
生徒会長宅に来ている面々、お出掛けしたいという声が。
キース 「いいか、鉄砲水も大概、危ないんだが…」
ジョミー「他にも何かあったっけ?」
キース 「曇り空でも、暑い日は、暑くなるんだぞ?」
しかも湿度が高いわけでな、とキース君。
キース 「そういう時に、河原で遊んでいたら…」
シロエ 「クマが出るとか、そういうのですか?」
キース 「そうじゃなくてだ、目の前は川で…」
とても涼しく見えるんだが、とキース君の説明が。
キース 「つい、入りたくならないか?」
サム 「あー…。足を浸けに、ていうヤツな?」
キース 「最初の間は、その程度だが…」
どんどん調子に乗るのが人間だぞ、とキース君の渋面。
キース 「もうちょっとだけ、と入って行って…」
シロエ 「深みにハマッて詰むんですね?」
キース 「それもある。もっと酷いと、泳ぎ始めて…」
マジで流されてしまうコース、と川遊びあるあるな危険。
キース 「お前たちの場合は、真面目にありそうで…」
ジョミー「うーん、否定は出来ないかも…」
シロエ 「どうせ詰んでも、助けて貰えるわけですし…」
サム 「充分いける、って気にはなるよな」
ジョミーは特に危ねえタイプ、とサム君、名指し。
サム 「ただでも絶叫マシンが好きでよ…」
シロエ 「さっきだって、スリルと言いましたよね」
ジョミー「そりゃまあ、確実に助かるんなら…」
深みにハマるのも、流されるのも…、と頷く人。
ジョミー「スリルの内だ、って思っちゃうかな」
ぶるぅ 「んとんと…。本気でお出掛けするの?」
ジョミー「ちょっといいかも、って…」
思ってるトコ、とジョミー君、只今、興味津々。
ジョミー「ホントに助けてくれるんだよね?」
ぶるぅ 「そだよ、ぼくでも、ブルーでもオッケー!」
ジョミー「楽しそうかも…」
キース 「馬鹿か!」
リスクを取りに行く気か、と叫んでますけど。
さて…?
2023/06/02 (Fri)
☆リスクと臆病者
雨が降り続く梅雨のシーズン、土曜日も雨がシトシトと。
生徒会長宅に来ている面々、屋外へお出掛けは難しそう。
ジョミー「でもさ、助けて貰えるんだよ、確実に」
シロエ 「それはそうですけど、リスクが高いですし…」
キース 「あえてリスクを取りに行くのは…」
さっきも言ったが馬鹿でしかない、とキース君、断言。
ジョミー「そうかな、バンジージャンプとかでも…」
サム 「馬鹿になるのか、と言いてえのかよ?」
ジョミー「うん。サムは馬鹿だと思うわけ?」
バンジージャンプをやりたがる人、とジョミー君の問い。
ジョミー「勇気があるのか、馬鹿なのか、どっち?」
サム 「馬鹿なんでねえの?」
ジョミー「じゃあさ、サムが、やれって言われたら…」
馬鹿じゃねえからしねえ、で済む? とジョミー君。
ジョミー「ぼくたちだけなら、それでいいけど…」
シロエ 「他人様がいたら、微妙ですよね…」
クラスメイトとお出掛けだとか、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「みんながやる中、やらないとなると…」
ジョミー「ただの臆病者にならない?」
サム 「あー…。そりゃマズイよなあ…」
そうなりゃ、俺もやるしかねえかも、とサム君の呻き。
サム 「馬鹿とか言っても通らねえしよ…」
ジョミー「ほらね、TPOっていうのもあるし…」
バンジージャンプは安全だし、とジョミー君の切り返し。
ジョミー「梅雨の川遊びだって、同じじゃないかな?」
シロエ 「安全が保障されているからですね?」
ジョミー「そう! 深みにハマッても、流されてもさ…」
必ず助けて貰えるんだよ、とジョミー君、やる気満々。
ジョミー「それとも、ぼくを馬鹿だって言うけれど…」
サム 「勇気がねえだけ、って扱いなのかよ?」
ジョミー「今の理屈で行くとそうだよ、キースなんかは」
シロエ 「確かに否定は出来ませんねえ…」
キース 「俺は臆病者ではないぞ!」
慎重なだけだ、と怒鳴ってますけど。
この流れではねえ…?
2023/06/03 (Sat)
☆意識が高い人
雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末も止む気配は無し。
生徒会長宅に来ている面々、外で遊べないわけですが…。
シロエ 「慎重と言えば、まあ、そうですけど…」
ジョミー「臆病な上に、ノリが悪いって感じだよ?」
付き合いが悪いというヤツで、とジョミー君のツッコミ。
ジョミー「みんなが、バンジージャンプをやるのにさ…」
サム 「やらねえって言って、馬鹿呼ばわりまで…」
してるんでねえの、とサム君も。
サム 「俺は慎重なだけだ、ってえのも…」
シロエ 「意識高い系になるわけですね?」
サム 「そう思わねえか?」
スウェナ「間違っていない気がするわよねえ…」
そういう人って困るのよね、とスウェナちゃん、溜息。
スウェナ「ノリは悪いし、場は白けるし…」
ジョミー「空気が読めない人なんだよ、うん」
キース 「そうじゃない! 俺は職業柄、空気はだな…」
嫌というほど読む方なんだ、と副住職の反論が。
キース 「空気が読めないようでは、坊主の仕事は…」
サム 「務まらねえって言うのかよ?」
キース 「当然だろうが!」
ジョミー「じゃあさ、どうして馬鹿にするわけ?」
慎重になる必要はゼロなんだよ、とジョミー君。
ジョミー「リスクは全く無いんだけど?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 流されちゃっても大丈夫!」
深みにハマッた時も安心、と救助係の太鼓判。
ぶるぅ 「ぼくとブルーが、すぐ助けるから!」
ジョミー「ほらね、ぶるぅもこう言ってるのに…」
サム 「反対するのは、どうかと思うぜ」
自分がやりたくねえってだけだろ、とサム君の冷たい瞳。
サム 「流される勇気が出ねえから」
シロエ 「まさにソレですよね、分かります」
だから屁理屈をこねるんですよ、とシロエ君の相槌。
シロエ 「慎重だとか、リスクがどうとか、偉そうに…」
スウェナ「ご高説を垂れるのよねえ…」
キース 「何故、そうなる!」
俺はあくまで真面目にだな…、と文句ですけど。
分が悪い気が…。
2023/06/04 (Sun)
☆説法は抜きで
梅雨のシーズンは雨がシトシト、この週末も止まない雨。
生徒会長宅に来ている面々、外へお出掛け出来なくて…。
シロエ 「違うと言うなら、なんで賛成しないんです?」
ジョミー「まだ、出掛けるとは決まってないけど…」
サム 「盛り上がってる時に、否定するのはよ…」
やっぱ空気が読めねえとしか、とサム君のキッツイ言葉。
サム 「お前だけだぜ、ノリが悪いのは」
シロエ 「まったくです。スウェナ先輩さえもですね…」
スウェナ「川に入ろうとは思わないけど、ボートなら…」
乗ってみたいと思うわね、と梅雨の川遊びに大賛成な人。
スウェナ「急流下りの雰囲気、あるんじゃないかしら?」
ジョミー「あると思うよ、普段より流れが速いしさ…」
サム 「普通の川でも、楽しめるんでねえの?」
シロエ 「ほらね、スウェナ先輩だって、こうです」
それなのにキース先輩は…、とシロエ君が振っている首。
シロエ 「否定しまくり、おまけに意識が高い系で…」
ジョミー「ぼくたちを馬鹿にするんだもんねえ…」
キース 「だから、違うと!」
ブルー 「だったら、君も賛成なのかい?」
流されて深みにハマりたいかな、と生徒会長の問い。
ブルー 「そうだと言うなら、みんなもさ…」
シロエ 「何も文句は言いませんけど?」
どうなんですか、とシロエ君も。
シロエ 「キース先輩も、梅雨時の川に出掛けて…」
サム 「俺たちと一緒に、リスク皆無のスリルをよ…」
ジョミー「楽しみたいのか、欠席するのか、見学か…」
スウェナ「決めなさいよね、法話はどうでもいいから」
そんなの、誰も聞いてないから、とスウェナちゃん。
スウェナ「法話も説法も、例え話も、抜きでサッサと!」
シロエ 「お釈迦様の教えで煙に巻くのは、無しですよ」
キース 「なんで、そういう話になるんだ…!」
ブルー 「まず、結論を述べたまえ!」
サム 「お前、どっちになるんだよ?」
賛成なのか、反対なのか…、と聞いてますけど。
どっち?
2023/06/05 (Mon)
☆法事が多い時期
雨がシトシトな梅雨のシーズン、お出掛けが難しい面々。
生徒会長宅で過ごす週末、川遊びの話が出て来たわけで。
サム 「ハッキリしろよな、どっちなのかを」
シロエ 「臆病者か、そうでないのかが分かりますしね」
ジョミー「だよね、欠席とか見学だとさ…」
スウェナ「臆病者で、チキンってことだわよ」
で、どっちなのよ、とスウェナちゃんも詰め寄り。
スウェナ「梅雨時の川で遊ぶ話には、反対なわけ?」
キース 「愚行だと言っているだろう!」
シロエ 「出ましたよ、意識高い系…」
ジョミー「もうさ、こんな人は放っといてさ…」
ぼくたちだけで出掛けるとか…、とジョミー君の提案が。
ジョミー「どうせ行くなら、週末なんだし…」
サム 「あー…。キースには用がありそうだぜ、うん」
シロエ 「アドス和尚に、法要に動員されるんですね」
ブルー 「そうじゃないかな、梅雨でも法事はあるし…」
結婚式には向いてない分、多いかもね、と生徒会長。
ブルー 「なんと言っても、親戚が集まる行事だけにさ」
シロエ 「なるほど、婚礼と重なったらダメですよね…」
スウェナ「婚礼が優先で当然だわねえ、そういう時は…」
ブルー 「ピンポーン! だから前倒しで6月に…」
法事を持って来るケースもあるよ、と銀青様の解説。
ブルー 「法事を延ばすのは厳禁だけど、前倒しはさ…」
サム 「いいんだっけな、すると今月の元老寺はよ…」
ジョミー「本堂、予約で埋まってるとか?」
キース 「うっ…」
言われてみれば、と副住職の額にタラリ冷汗。
キース 「午前も午後も、ビッチリ入っていたな…」
ブルー 「オッケー、存分に手伝いたまえ!」
ぼくたちは川に遊びに行くから、と生徒会長、ピシャリ。
ブルー 「みんなもいいよね、キースは抜きで…」
ジョミー「梅雨の川で遊びまくりで、どう?」
サム 「いいじゃねえかよ!」
シロエ 「楽しみましょう!」
一名欠席な方向で、と纏めにかかってますけど。
ハブると…?
2023/06/06 (Tue)
☆人目があると面倒
梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末だろうが関係無し。
生徒会長宅に集う面々、それでもお出掛けしたいわけで。
ブルー 「じゃあ、来週の土曜でいいかな?」
シロエ 「もちろんです!」
サム 「マツカの別荘から行ける川かよ?」
先月、バーベキューに行ったトコの、とサム君の問い。
ブルー 「そうだね、あそこだったら人目も無いし…」
ジョミー「貸し切り状態でいけるもんね!」
シロエ 「いえ、会長が言う人目は違う気がします」
注意されないという意味では…、とシロエ君。
シロエ 「だって、梅雨時の川ですよ?」
サム 「あー…。おせっかい焼きはいるよな、うん」
ジョミー「通報しちゃう人もいるかも…」
ブルー 「そういうこと! 警察が来ると面倒だしさ」
都会は何かとうるさいんだよ、と生徒会長の深い溜息。
ブルー 「下手すると、テレビ局まで来るし…」
シロエ 「来るでしょうねえ、救出するのを中継しに…」
サム 「救助なんかは、誰も頼んでねえのによ…」
ジョミー「絶対、通用しないよね、ソレ…」
有無を言わさず救助されて…、とジョミー君。
ジョミー「でもって、ガッツリお説教でさ…」
ブルー 「学校にも通報されるってね!」
一同 「「「うわー…」」」
それは勘弁、と誰もがガクブル。
サム 「やっぱ、田舎にしとこうぜ!」
ブルー 「それがオススメ!」
ジョミー「マツカの別荘の人は、どうかな…」
マツカ 「大丈夫ですよ、いっそ見張りをさせますか?」
地元の人が来ないように…、と御曹司。
マツカ 「地元の人も、うるさいですしね」
ブルー 「川の怖さを知ってるからねえ…」
シールドする気でいたんだけどさ、と生徒会長。
ブルー 「それじゃ、見張りを頼めるかな?」
マツカ 「分かりました。送迎の方はどうします?」
ブルー 「いいよ、瞬間移動で行くから」
シロエ 「キース先輩は放って、ですね?」
法事で忙しいですし…、と言ってますけど。
留守番決定…?
2023/06/07 (Wed)
☆増えそうな面子
雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末も止まないわけで。
生徒会長宅に集う面々、外で遊びたくて川遊びという案。
キース 「欠席したら、親父の下僕か…」
シロエ 「でも、ぶるぅの下僕よりはマシでしょう?」
ジョミー「だよねえ、この間も散々、遊ばれてたし…」
サム 「まあ、今回は来ねえんだけどよ」
呼んでねえから、とサム君、親指をグッと。
サム 「俺たちだけで遊んで来ようぜ!」
スウェナ「いいわね、キースは留守番ってことで」
キース 「チキンな件はどうなるんだ?」
欠席な場合…、とキース君の問い。
キース 「俺は、用があって欠席なんだが…」
サム 「何を言ってんだよ、用は後付けだろ?」
ジョミー「そうだよ、チキンを隠すためのさ」
シロエ 「意識が高い人ですからねえ…」
慎重だなんて言い出して…、とシロエ君、軽蔑の眼差し。
シロエ 「要は勇気が無いだけですよ、本当は」
キース 「それは違うぞ!」
??? 「チキンなんだと思うけどねえ?」
誰が聞いても、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!?」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間からだよ!」
面白そうな話だしね、と笑顔な人。
Aブルー「川へ遊びに行くんだって?」
シロエ 「今回は、呼んでいませんから!」
Aブルー「でも、飛び入りは許されるよねえ?」
ぼくはSD体制の世界で苦労しているんだし、と必殺技。
Aブルー「是非とも、混ぜて欲しいんだけど…」
シロエ 「豪華料理は無いですってば!」
Aブルー「コンビニ弁当があれば充分だよ!」
ぶるぅもそれで満足だから、とソルジャーの言。
Aブルー「コンビニスイーツとかも、好物だしねえ…」
シロエ 「なんで、ぶるぅが来るんですか!」
Aブルー「逆に、来ないと盛り上がらないよ?」
ジョミー「あー…。それは確かにあるかもね…」
サム 「間違いねえな…」
盛り上げ役としては最高だよな、とサム君も。
呼ぶと…?
2023/06/08 (Thu)
☆ヒッキーが吉かも
梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末も容赦なく雨模様。
生徒会長宅に集う面々、それでもお出掛けしたいわけで。
キース 「盛り上がるのは、お前たちだけだろう!」
シロエ 「それはまあ…。キース先輩がババですし…」
サム 「ぶっちゃけ、俺たちは関係ねえしよ」
ぶるぅが来ても、とサム君、ニヤニヤ。
サム 「キースに任せて、安心ってな!」
ジョミー「待ってよ、キースは欠席だよ?」
一同 「「「げっ!」」」
それはヤバいヤツ、と誰もがドン引き。
シロエ 「キース先輩不在で、ぶるぅが来るんですか…」
ジョミー「絶対、誰かがババを引かされると思うけど…」
サム 「マジかよ、詰みじゃねえかよ、ソレ…」
人生終わるぜ、とサム君、顔面蒼白。
サム 「コンビニ弁当でも、来やがるとなると…」
ジョミー「お断りとか、無理なヤツだよ?」
シロエ 「お出掛けをやめるしかないですね…」
そうすれば問題ないですよ、とシロエ君の案。
シロエ 「残念ですけど、川遊びは諦めるということで」
ジョミー「だよね、酷い目に遭うよりは…」
サム 「此処でヒッキーしてようぜ、うん」
ぶるぅの飯は美味いんだしよ、とサム君も賛成。
サム 「んじゃ、お出掛けは無しってことで!」
一同 「「「オッケー!」」」
Aブルー「却下!」
ぼくの娯楽を奪わないで欲しい、とソルジャーの渋面。
Aブルー「遊ぶと言ったら、遊ぶんだってば!」
シロエ 「でも、ぼくたちが困るんです!」
Aブルー「そうかな、ぶるぅの相手役がさ…」
いないから困るだけだろう、と鋭い指摘。
Aブルー「それさえいれば、行くんだよねえ?」
シロエ 「まあ、そうですけど…」
でも、いないものはいないんですよ、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩は欠席ですから…」
サム 「いねえよなあ?」
ジョミー「いるわけないって、もう確実に…」
スウェナ「死ぬものねえ…」
死亡フラグというヤツで、と皆が口々に。
正論ですね?
2023/06/09 (Fri)
☆正論を述べる人
雨がシトシトな梅雨のシーズン、ヒッキーするのが一番。
生徒会長宅に集う面々、週末は此処がいいとの結論で…。
シロエ 「梅雨の間は、外出は無しでいきましょう!」
サム 「それがいいよな、死ぬよりはよ…」
ジョミー「ぶるぅの料理で満足すべき!」
おやつも作って貰えるしね、とジョミー君が纏めに。
ジョミー「ぶるぅも、それでかまわないよね?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おもてなし、大好き!」
お出掛けもいいけど、おもてなしも、と元気なお子様。
ぶるぅ 「ぶるぅと遊びたい気はするけれど…」
ブルー 「ソレをやると、犠牲者が出るからねえ…」
ぶるぅ 「そうなの、ババを引く人が可哀相だし…」
川で遊ぶのは無しでいいよ、と健気な発言。
ぶるぅ 「だから、ぶるぅによろしくね!」
サム 「おっ、テイクアウトで御馳走コースな?」
ぶるぅ 「そだよ、今日のも持って帰って!」
多めに作って詰めるから、とニコニコニコ。
ぶるぅ 「ぶるぅ、沢山食べるもんね!」
Aブルー「ありがとう! それは嬉しいんだけど…」
川遊びも諦めたくないんだよね、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「要は、キースを引っ張り出せたら…」
シロエ 「無理だと思いますけれど?」
サム 「だよな、チキンではあるけどよ…」
ジョミー「言い訳の方は、間違っていないしね…」
本当に用があるんだからさ、とジョミー君。
ジョミー「休んで、法要のお手伝いだし…」
シロエ 「頑張る副住職ですよ」
Aブルー「そうかもだけど、チキンは確かで…」
キース 「違うと言っているだろうが!」
俺はあくまで正しい意見を言っている、と副住職の反論。
キース 「梅雨の最中に川遊びするのは、愚の骨頂で…」
Aブルー「でもねえ、リスクは完全にゼロで…」
キース 「それがどうした!」
Aブルー「リスクが無いのに、君は逃げてるんだよ?」
シロエ 「あー、そうなりますね…」
それも間違ってはいないですよ、とシロエ君。
確かに…。
2023/06/10 (Sat)
☆チキンが嫌なら
梅雨のシーズンは雨がシトシト、この週末も雨ですけど。
次の土曜はお出掛けな案、川遊びに行くか否かが問題で。
Aブルー「リスクがゼロでも、逃げてるとなると…」
シロエ 「チキンってことになるかもです」
Aブルー「ううん、確実にチキンだから!」
法要はただの言い訳だよ、とソルジャー、ビシィ! と。
Aブルー「まあいいけどね、チキンに決定でもさ」
キース 「あんた、喧嘩を売ってるのか!」
Aブルー「そうだけど?」
キース 「勝手に出て来て、決め付けるな!」
俺はチキンではないからな、とキース君の怒声。
キース 「チキンに坊主は務まらないぞ!」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「考えてもみろ、俺の家の裏山は墓地だ!」
大抵の寺は墓地とセットなんだぞ、と副住職。
キース 「幸い、俺の家には何も出ないが…」
ジョミー「あー、幽霊!」
サム 「墓地と言ったら定番だよなあ…」
幽霊だとか、人魂だとか…、とサム君も。
サム 「怖がっていたんじゃ、務まらねえか…」
キース 「そもそも、家に住めないだろうが!」
自宅イコール寺なんだしな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「そんな環境で、チキンに育つわけがない!」
ジョミー「かもねえ、心霊スポットに親しんでるし」
キース 「俺の家には出ないがな!」
Aブルー「オッケー、チキンは有り得ない、と…」
じゃあ、川遊びにも来られるよね、とソルジャーの笑み。
Aブルー「チキンじゃないのを証明しに!」
キース 「なんだって!?」
Aブルー「来ないんだったら、チキンで確定だよ!」
なんと言おうがチキンはチキン、と凄い論法。
Aブルー「それが嫌なら、参加したまえ!」
一同 「「「イイネ!」」」
それでいこう、と一同、拍手喝采。
シロエ 「ここは一発、度胸試しですね!」
ジョミー「肝試しの方がピッタリかも…」
Aブルー「どうするんだい、チキンでいい?」
決めるのは君だ、と言ってますけど。
選べ、と…?
2023/06/11 (Sun)
☆参加か欠席か
雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末も雨が続くわけで。
それでも川遊びに行くかどうかを、只今、検討中な面々。
シロエ 「キース先輩、返事はどうなんです?」
サム 「欠席を選べば、チキン確定だぜ?」
ジョミー「どっちにするのさ、チキンでいいわけ?」
決められないのもチキンかもね、とジョミー君の意見。
ジョミー「日和見主義って、一種のチキンな気がする」
シロエ 「言えてますねえ、こう、様子見で…」
スウェナ「臆病なのよね、結局のところ」
Aブルー「なるほどねえ…。どんどんチキンに…」
近付いてるよ、とソルジャー、首をうんうん、と。
Aブルー「まあ、本人がそれでいいなら…」
シロエ 「チキン確定、川遊びの方は見送りですか?」
Aブルー「他のみんなが、ぶるぅを嫌がる以上はねえ…」
仕方ないよ、とソルジャーの深い溜息。
Aブルー「ということでさ、ぶるぅの料理に期待だね」
ぶるぅ 「オッケー! ぶるぅの好物、用意しとくね!」
テイクアウト用にドッサリ山ほど、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ぼくもホントは、ぶるぅと一緒に…」
シロエ 「遊びたかったですよね、コンビニ弁当で」
ぶるぅ 「そうなの、コンビニスイーツも買って…」
みんなでお出掛けしたかったよう! と本音がポロリ。
ぶるぅ 「だけど、みんなに迷惑かけられないし…」
ジョミー「ごめんね、キースのせいだよね…」
シロエ 「本当に。ぶるぅには、キース先輩だって…」
お世話になっているというのに…、とシロエ君。
シロエ 「恩を仇で返すというヤツですよ」
ジョミー「仕方ないって、チキンは自分が大事でさ…」
サム 「周りに気を配る余裕はねえよな」
チキンだけによ、とサム君も。
サム 「ますますもって坊主失格、ダメなヤツだぜ」
ブルー 「坊主は気配り必須だしねえ…」
キース 「だから、違うと!」
Aブルー「それを言うなら、川遊びだよ!」
まずは参加を表明したまえ、とソルジャーの言。
詰み…?
2023/06/12 (Mon)
☆チクるそうです
梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末だろうが関係無し。
外へお出掛けしたい面々、川遊びという案が出ている今。
Aブルー「チキンじゃないなら、川遊びってね!」
ジョミー「そうだよ、ぶるぅも喜ぶし…」
シロエ 「キース先輩の名誉も守られますよ」
このままだとチキン認定まっしぐらです、とシロエ君。
シロエ 「その上、お坊さん失格らしいじゃないですか」
キース 「しかしだな…!」
Aブルー「まだ言ってるよ、やっぱり中止かなあ…」
ぶるぅ 「残念だけど、そうみたい…」
来週はテイクアウト用に頑張るね、と健気な発言。
ぶるぅ 「ぶるぅの好物、うんと沢山作らなきゃ!」
シロエ 「泣かせる展開ですよね、コレ…」
サム 「まったくだぜ。こんないい子に恩を仇とか…」
ジョミー「酷すぎるよねえ、坊主のくせにさ」
まあいいけど…、とジョミー君が取り出すスマホ。
ジョミー「アドス和尚の連絡先って、誰か知ってる?」
シロエ 「どうするんです?」
ジョミー「もちろん、次の土曜日の件をチクるんだよ!」
キースの欠席と、ぶるぅ苛めを…、とニンマリと。
ジョミー「キースが法要の手伝いにかこつけてさ…」
シロエ 「ぶるぅ苛めをする、と密告ですか?」
ジョミー「そう! ぶるぅを手伝う筈だったのに…」
サム 「逃げる気ですよ、って御注進な!」
いいじゃねえかよ、とサム君が立てる親指。
サム 「それでいこうぜ、そしたら色んな意味でよ…」
スウェナ「アドス和尚が大噴火だわね」
ジョミー「うん。でもって、元老寺から叩き出されて…」
シロエ 「川遊びに強制参加エンドになるんですね!」
ソレ、最高じゃないですか、とシロエ君が乗り出す膝。
シロエ 「やって下さい、遠慮なく!」
ブルー 「いいねえ、連絡先なら、ぼくが知ってるし…」
ジョミー「やっぱりね! じゃあ、教えてよ!」
ブルー 「もちろんだよ!」
キース 「待ってくれ!」
ちょっと待つんだ、と叫んでますけど。
どうすると…?
2023/06/13 (Tue)
☆参加した方がマシ
雨がシトシトな梅雨のシーズン、難しいのが屋外の遊び。
それでもお出掛けしたい面々、川遊びを計画中でして…。
ジョミー「待つのはいいけど、早くしてよね」
ブルー 「アドス和尚も、土日は忙しいからねえ…」
シロエ 「そうですよ。本堂は予約で一杯なんですし…」
スマホを見る機会も少ない筈で…、とシロエ君。
シロエ 「この時間だと、お昼時しか無理でしょう?」
サム 「そうだと思うぜ、でもって次は夕方までよ…」
ジョミー「見られそうにないから、急ぎだってば!」
それで連絡先は何処、とジョミー君の問い。
ジョミー「ブルー、教えてよ」
ブルー 「いいとも、えっと…」
キース 「頼む、それだけはやめてくれ!」
真面目に俺が悪かった、とキース君、土下座。
キース 「ぶるぅに恩を仇で返すなど、出来ないし…」
サム 「おっ、川遊びに参加かよ?」
キース 「強制参加で、しかも親父が激怒よりかは…」
自発的に参加した方が…、と腹を括った人。
キース 「俺も命が惜しいんだ。リスクがゼロなら…」
シロエ 「梅雨時の川を選ぶ、というわけですね?」
キース 「親父に叩き出されるより、マシだしな!」
Aブルー「オッケー、これで決まりだね!」
次の土曜は川遊びだよ、とソルジャーが纏めに。
Aブルー「コンビニ弁当とスイーツを買って…」
サム 「マツカの別荘の近くの川な!」
マツカ 「分かりました、見張りの手配をしますね」
一同 「「「やったーっ!」」」
大雨の後だと最高だよね、と盛り上がる御一同様。
ジョミー「凄い水嵩で、でも晴れてるといいんだけど…」
ブルー 「そうだね、キースに期待しようか」
頑張って雨乞いと晴れ乞いをね、と祈祷の注文。
ブルー 「参加するなら、サービスすべき!」
Aブルー「いいねえ、頑張って祈ってくれたまえ!」
キース 「それで詰むのは、俺なんだが!」
Aブルー「文句でも?」
アドス和尚の連絡先は何処だっけ、と脅し文句が。
詰むヤツ…。
2023/06/14 (Wed)
☆雨乞いと晴れ乞い
梅雨のシーズンは雨がシトシト、それでも川遊びに決定。
マツカ君の別荘の近くの川へ、コンビニ弁当でお出掛け。
Aブルー「文句があるなら、アドス和尚に通報だよ!」
ジョミー「そういえば、スマホも持ってるんだっけ…」
Aブルー「こっちの世界で遊び倒すには、必須だしね!」
アドス和尚の連絡先も入れておきたいな、と怖い台詞が。
Aブルー「そしたら色々、便利そうだし…」
キース 「脅すつもりか!?」
Aブルー「ううん、脅すほど甘くはないよ」
ぼくは全力でやるタイプ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「特に、破壊は得意技でねえ…」
シロエ 「キース先輩を破滅させるんですか?」
Aブルー「それはもう!」
ぼくの本気を見てくれたまえ、と取り出すスマホ。
Aブルー「で、アドス和尚の連絡先って?」
ブルー 「えっと、電話をかけるなら…」
キース 「教えないでくれーっ!」
でないと俺が殺される、とキース君の絶叫が。
キース 「分かった、祈祷はしておくから!」
Aブルー「オッケー、前日までは土砂降りの雨で…」
ジョミー「当日はスッキリ、梅雨の晴れ間で!」
暑いくらいの天気がいいな、とジョミー君。
ジョミー「コンビニ弁当とかは、保冷剤があれば…」
シロエ 「安心ですしね、快晴で真夏日希望ですよ」
キース 「仕方ない…」
水嵩が多いと嫌すぎるんだが…、とキース君の深い溜息。
キース 「しかし、親父に殺されるよりは…」
Aブルー「ぶるぅの方が、断然、マシ、って?」
キース 「当然だろう!」
だからいいんだ、と悲壮な覚悟。
キース 「ヤツの悪戯は、俺が引っかぶる!」
一同 「「「イイネ!」」」
Aブルー「じゃあ、来週の土曜日だね!」
コンビニ弁当のオススメは…、と始まった打ち合わせ。
キース 「くっそぉ、またしてもババなのか…」
Aブルー「祈祷の効き目が無いと、もっと詰むから!」
キース 「うう…」
自分の首を絞める祈祷か、と唸ってますけど。
やるしか…。
2023/06/15 (Thu)
さて、6月。今年も梅雨のシーズンでして、土曜日も雨。
生徒会長宅に来ている面々、外を眺めて溜息なわけで…。
シロエ 「雨ですよねえ…」
サム 「止みそうにねえよな、この週末はよ」
ジョミー「平日も、ずっと降ってたのにさあ…」
いい加減に止んでくれないかな、とジョミー君の愚痴。
ジョミー「学校に行くのも面倒なんだよ、雨の日は」
シロエ 「分かります。昨今の梅雨は、雨と言っても…」
サム 「下手すると土砂降りで来やがるしよ…」
スウェナ「そうなのよねえ、雷まで鳴る勢いで…」
シトシト降る日はまだマシだけど、とスウェナちゃんも。
スウェナ「土砂降りだと、傘を差しても無駄だし…」
ジョミー「足元から濡れて来るもんねえ…」
サム 「うんうん、歩道で跳ね返ってよ…」
マジで最悪、とサム君もブツブツと。
サム 「でもって、休みの日までが雨なんだぜ?」
シロエ 「お出掛けなんかは出来ませんよね…」
ジョミー「食事だけとか、屋内だったらいけるけど…」
なんか一味、足りないんだよ、とジョミー君。
ジョミー「やっぱり、外で遊びたいよね」
サム 「雨が続いた後だと、特にそうなるぜ」
でもよ、とサム君が傾げる首。
サム 「河原なんかは危ねえしよ…」
シロエ 「鉄砲水が来るらしいですよね」
ジョミー「たまにあるよね、流されてるヤツ」
動けなくなってヘリ救助とか…、とジョミー君の相槌。
ジョミー「まあ、ぼくたちだと、ヘリは要らないけど」
シロエ 「鉄砲水でも、ワンチャン、いけるかもです」
瞬間移動が間に合えば、とシロエ君も似たような意見。
シロエ 「ぼくたちだけだと、逃げられませんけどね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 瞬間移動は、お任せ!」
ブルー 「ぼくでも楽勝でいけるんだよねえ、脱出技」
ジョミー「そういうのも、スリルがあっていいかな…」
キース 「おい待て、本気で言っているのか!?」
梅雨の河原は危険なんだぞ、とキース君。
常識ですよね…?
2023/06/01 (Thu)
☆川遊びとリスク
雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末も雨なわけでして。
生徒会長宅に来ている面々、お出掛けしたいという声が。
キース 「いいか、鉄砲水も大概、危ないんだが…」
ジョミー「他にも何かあったっけ?」
キース 「曇り空でも、暑い日は、暑くなるんだぞ?」
しかも湿度が高いわけでな、とキース君。
キース 「そういう時に、河原で遊んでいたら…」
シロエ 「クマが出るとか、そういうのですか?」
キース 「そうじゃなくてだ、目の前は川で…」
とても涼しく見えるんだが、とキース君の説明が。
キース 「つい、入りたくならないか?」
サム 「あー…。足を浸けに、ていうヤツな?」
キース 「最初の間は、その程度だが…」
どんどん調子に乗るのが人間だぞ、とキース君の渋面。
キース 「もうちょっとだけ、と入って行って…」
シロエ 「深みにハマッて詰むんですね?」
キース 「それもある。もっと酷いと、泳ぎ始めて…」
マジで流されてしまうコース、と川遊びあるあるな危険。
キース 「お前たちの場合は、真面目にありそうで…」
ジョミー「うーん、否定は出来ないかも…」
シロエ 「どうせ詰んでも、助けて貰えるわけですし…」
サム 「充分いける、って気にはなるよな」
ジョミーは特に危ねえタイプ、とサム君、名指し。
サム 「ただでも絶叫マシンが好きでよ…」
シロエ 「さっきだって、スリルと言いましたよね」
ジョミー「そりゃまあ、確実に助かるんなら…」
深みにハマるのも、流されるのも…、と頷く人。
ジョミー「スリルの内だ、って思っちゃうかな」
ぶるぅ 「んとんと…。本気でお出掛けするの?」
ジョミー「ちょっといいかも、って…」
思ってるトコ、とジョミー君、只今、興味津々。
ジョミー「ホントに助けてくれるんだよね?」
ぶるぅ 「そだよ、ぼくでも、ブルーでもオッケー!」
ジョミー「楽しそうかも…」
キース 「馬鹿か!」
リスクを取りに行く気か、と叫んでますけど。
さて…?
2023/06/02 (Fri)
☆リスクと臆病者
雨が降り続く梅雨のシーズン、土曜日も雨がシトシトと。
生徒会長宅に来ている面々、屋外へお出掛けは難しそう。
ジョミー「でもさ、助けて貰えるんだよ、確実に」
シロエ 「それはそうですけど、リスクが高いですし…」
キース 「あえてリスクを取りに行くのは…」
さっきも言ったが馬鹿でしかない、とキース君、断言。
ジョミー「そうかな、バンジージャンプとかでも…」
サム 「馬鹿になるのか、と言いてえのかよ?」
ジョミー「うん。サムは馬鹿だと思うわけ?」
バンジージャンプをやりたがる人、とジョミー君の問い。
ジョミー「勇気があるのか、馬鹿なのか、どっち?」
サム 「馬鹿なんでねえの?」
ジョミー「じゃあさ、サムが、やれって言われたら…」
馬鹿じゃねえからしねえ、で済む? とジョミー君。
ジョミー「ぼくたちだけなら、それでいいけど…」
シロエ 「他人様がいたら、微妙ですよね…」
クラスメイトとお出掛けだとか、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「みんながやる中、やらないとなると…」
ジョミー「ただの臆病者にならない?」
サム 「あー…。そりゃマズイよなあ…」
そうなりゃ、俺もやるしかねえかも、とサム君の呻き。
サム 「馬鹿とか言っても通らねえしよ…」
ジョミー「ほらね、TPOっていうのもあるし…」
バンジージャンプは安全だし、とジョミー君の切り返し。
ジョミー「梅雨の川遊びだって、同じじゃないかな?」
シロエ 「安全が保障されているからですね?」
ジョミー「そう! 深みにハマッても、流されてもさ…」
必ず助けて貰えるんだよ、とジョミー君、やる気満々。
ジョミー「それとも、ぼくを馬鹿だって言うけれど…」
サム 「勇気がねえだけ、って扱いなのかよ?」
ジョミー「今の理屈で行くとそうだよ、キースなんかは」
シロエ 「確かに否定は出来ませんねえ…」
キース 「俺は臆病者ではないぞ!」
慎重なだけだ、と怒鳴ってますけど。
この流れではねえ…?
2023/06/03 (Sat)
☆意識が高い人
雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末も止む気配は無し。
生徒会長宅に来ている面々、外で遊べないわけですが…。
シロエ 「慎重と言えば、まあ、そうですけど…」
ジョミー「臆病な上に、ノリが悪いって感じだよ?」
付き合いが悪いというヤツで、とジョミー君のツッコミ。
ジョミー「みんなが、バンジージャンプをやるのにさ…」
サム 「やらねえって言って、馬鹿呼ばわりまで…」
してるんでねえの、とサム君も。
サム 「俺は慎重なだけだ、ってえのも…」
シロエ 「意識高い系になるわけですね?」
サム 「そう思わねえか?」
スウェナ「間違っていない気がするわよねえ…」
そういう人って困るのよね、とスウェナちゃん、溜息。
スウェナ「ノリは悪いし、場は白けるし…」
ジョミー「空気が読めない人なんだよ、うん」
キース 「そうじゃない! 俺は職業柄、空気はだな…」
嫌というほど読む方なんだ、と副住職の反論が。
キース 「空気が読めないようでは、坊主の仕事は…」
サム 「務まらねえって言うのかよ?」
キース 「当然だろうが!」
ジョミー「じゃあさ、どうして馬鹿にするわけ?」
慎重になる必要はゼロなんだよ、とジョミー君。
ジョミー「リスクは全く無いんだけど?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 流されちゃっても大丈夫!」
深みにハマッた時も安心、と救助係の太鼓判。
ぶるぅ 「ぼくとブルーが、すぐ助けるから!」
ジョミー「ほらね、ぶるぅもこう言ってるのに…」
サム 「反対するのは、どうかと思うぜ」
自分がやりたくねえってだけだろ、とサム君の冷たい瞳。
サム 「流される勇気が出ねえから」
シロエ 「まさにソレですよね、分かります」
だから屁理屈をこねるんですよ、とシロエ君の相槌。
シロエ 「慎重だとか、リスクがどうとか、偉そうに…」
スウェナ「ご高説を垂れるのよねえ…」
キース 「何故、そうなる!」
俺はあくまで真面目にだな…、と文句ですけど。
分が悪い気が…。
2023/06/04 (Sun)
☆説法は抜きで
梅雨のシーズンは雨がシトシト、この週末も止まない雨。
生徒会長宅に来ている面々、外へお出掛け出来なくて…。
シロエ 「違うと言うなら、なんで賛成しないんです?」
ジョミー「まだ、出掛けるとは決まってないけど…」
サム 「盛り上がってる時に、否定するのはよ…」
やっぱ空気が読めねえとしか、とサム君のキッツイ言葉。
サム 「お前だけだぜ、ノリが悪いのは」
シロエ 「まったくです。スウェナ先輩さえもですね…」
スウェナ「川に入ろうとは思わないけど、ボートなら…」
乗ってみたいと思うわね、と梅雨の川遊びに大賛成な人。
スウェナ「急流下りの雰囲気、あるんじゃないかしら?」
ジョミー「あると思うよ、普段より流れが速いしさ…」
サム 「普通の川でも、楽しめるんでねえの?」
シロエ 「ほらね、スウェナ先輩だって、こうです」
それなのにキース先輩は…、とシロエ君が振っている首。
シロエ 「否定しまくり、おまけに意識が高い系で…」
ジョミー「ぼくたちを馬鹿にするんだもんねえ…」
キース 「だから、違うと!」
ブルー 「だったら、君も賛成なのかい?」
流されて深みにハマりたいかな、と生徒会長の問い。
ブルー 「そうだと言うなら、みんなもさ…」
シロエ 「何も文句は言いませんけど?」
どうなんですか、とシロエ君も。
シロエ 「キース先輩も、梅雨時の川に出掛けて…」
サム 「俺たちと一緒に、リスク皆無のスリルをよ…」
ジョミー「楽しみたいのか、欠席するのか、見学か…」
スウェナ「決めなさいよね、法話はどうでもいいから」
そんなの、誰も聞いてないから、とスウェナちゃん。
スウェナ「法話も説法も、例え話も、抜きでサッサと!」
シロエ 「お釈迦様の教えで煙に巻くのは、無しですよ」
キース 「なんで、そういう話になるんだ…!」
ブルー 「まず、結論を述べたまえ!」
サム 「お前、どっちになるんだよ?」
賛成なのか、反対なのか…、と聞いてますけど。
どっち?
2023/06/05 (Mon)
☆法事が多い時期
雨がシトシトな梅雨のシーズン、お出掛けが難しい面々。
生徒会長宅で過ごす週末、川遊びの話が出て来たわけで。
サム 「ハッキリしろよな、どっちなのかを」
シロエ 「臆病者か、そうでないのかが分かりますしね」
ジョミー「だよね、欠席とか見学だとさ…」
スウェナ「臆病者で、チキンってことだわよ」
で、どっちなのよ、とスウェナちゃんも詰め寄り。
スウェナ「梅雨時の川で遊ぶ話には、反対なわけ?」
キース 「愚行だと言っているだろう!」
シロエ 「出ましたよ、意識高い系…」
ジョミー「もうさ、こんな人は放っといてさ…」
ぼくたちだけで出掛けるとか…、とジョミー君の提案が。
ジョミー「どうせ行くなら、週末なんだし…」
サム 「あー…。キースには用がありそうだぜ、うん」
シロエ 「アドス和尚に、法要に動員されるんですね」
ブルー 「そうじゃないかな、梅雨でも法事はあるし…」
結婚式には向いてない分、多いかもね、と生徒会長。
ブルー 「なんと言っても、親戚が集まる行事だけにさ」
シロエ 「なるほど、婚礼と重なったらダメですよね…」
スウェナ「婚礼が優先で当然だわねえ、そういう時は…」
ブルー 「ピンポーン! だから前倒しで6月に…」
法事を持って来るケースもあるよ、と銀青様の解説。
ブルー 「法事を延ばすのは厳禁だけど、前倒しはさ…」
サム 「いいんだっけな、すると今月の元老寺はよ…」
ジョミー「本堂、予約で埋まってるとか?」
キース 「うっ…」
言われてみれば、と副住職の額にタラリ冷汗。
キース 「午前も午後も、ビッチリ入っていたな…」
ブルー 「オッケー、存分に手伝いたまえ!」
ぼくたちは川に遊びに行くから、と生徒会長、ピシャリ。
ブルー 「みんなもいいよね、キースは抜きで…」
ジョミー「梅雨の川で遊びまくりで、どう?」
サム 「いいじゃねえかよ!」
シロエ 「楽しみましょう!」
一名欠席な方向で、と纏めにかかってますけど。
ハブると…?
2023/06/06 (Tue)
☆人目があると面倒
梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末だろうが関係無し。
生徒会長宅に集う面々、それでもお出掛けしたいわけで。
ブルー 「じゃあ、来週の土曜でいいかな?」
シロエ 「もちろんです!」
サム 「マツカの別荘から行ける川かよ?」
先月、バーベキューに行ったトコの、とサム君の問い。
ブルー 「そうだね、あそこだったら人目も無いし…」
ジョミー「貸し切り状態でいけるもんね!」
シロエ 「いえ、会長が言う人目は違う気がします」
注意されないという意味では…、とシロエ君。
シロエ 「だって、梅雨時の川ですよ?」
サム 「あー…。おせっかい焼きはいるよな、うん」
ジョミー「通報しちゃう人もいるかも…」
ブルー 「そういうこと! 警察が来ると面倒だしさ」
都会は何かとうるさいんだよ、と生徒会長の深い溜息。
ブルー 「下手すると、テレビ局まで来るし…」
シロエ 「来るでしょうねえ、救出するのを中継しに…」
サム 「救助なんかは、誰も頼んでねえのによ…」
ジョミー「絶対、通用しないよね、ソレ…」
有無を言わさず救助されて…、とジョミー君。
ジョミー「でもって、ガッツリお説教でさ…」
ブルー 「学校にも通報されるってね!」
一同 「「「うわー…」」」
それは勘弁、と誰もがガクブル。
サム 「やっぱ、田舎にしとこうぜ!」
ブルー 「それがオススメ!」
ジョミー「マツカの別荘の人は、どうかな…」
マツカ 「大丈夫ですよ、いっそ見張りをさせますか?」
地元の人が来ないように…、と御曹司。
マツカ 「地元の人も、うるさいですしね」
ブルー 「川の怖さを知ってるからねえ…」
シールドする気でいたんだけどさ、と生徒会長。
ブルー 「それじゃ、見張りを頼めるかな?」
マツカ 「分かりました。送迎の方はどうします?」
ブルー 「いいよ、瞬間移動で行くから」
シロエ 「キース先輩は放って、ですね?」
法事で忙しいですし…、と言ってますけど。
留守番決定…?
2023/06/07 (Wed)
☆増えそうな面子
雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末も止まないわけで。
生徒会長宅に集う面々、外で遊びたくて川遊びという案。
キース 「欠席したら、親父の下僕か…」
シロエ 「でも、ぶるぅの下僕よりはマシでしょう?」
ジョミー「だよねえ、この間も散々、遊ばれてたし…」
サム 「まあ、今回は来ねえんだけどよ」
呼んでねえから、とサム君、親指をグッと。
サム 「俺たちだけで遊んで来ようぜ!」
スウェナ「いいわね、キースは留守番ってことで」
キース 「チキンな件はどうなるんだ?」
欠席な場合…、とキース君の問い。
キース 「俺は、用があって欠席なんだが…」
サム 「何を言ってんだよ、用は後付けだろ?」
ジョミー「そうだよ、チキンを隠すためのさ」
シロエ 「意識が高い人ですからねえ…」
慎重だなんて言い出して…、とシロエ君、軽蔑の眼差し。
シロエ 「要は勇気が無いだけですよ、本当は」
キース 「それは違うぞ!」
??? 「チキンなんだと思うけどねえ?」
誰が聞いても、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!?」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間からだよ!」
面白そうな話だしね、と笑顔な人。
Aブルー「川へ遊びに行くんだって?」
シロエ 「今回は、呼んでいませんから!」
Aブルー「でも、飛び入りは許されるよねえ?」
ぼくはSD体制の世界で苦労しているんだし、と必殺技。
Aブルー「是非とも、混ぜて欲しいんだけど…」
シロエ 「豪華料理は無いですってば!」
Aブルー「コンビニ弁当があれば充分だよ!」
ぶるぅもそれで満足だから、とソルジャーの言。
Aブルー「コンビニスイーツとかも、好物だしねえ…」
シロエ 「なんで、ぶるぅが来るんですか!」
Aブルー「逆に、来ないと盛り上がらないよ?」
ジョミー「あー…。それは確かにあるかもね…」
サム 「間違いねえな…」
盛り上げ役としては最高だよな、とサム君も。
呼ぶと…?
2023/06/08 (Thu)
☆ヒッキーが吉かも
梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末も容赦なく雨模様。
生徒会長宅に集う面々、それでもお出掛けしたいわけで。
キース 「盛り上がるのは、お前たちだけだろう!」
シロエ 「それはまあ…。キース先輩がババですし…」
サム 「ぶっちゃけ、俺たちは関係ねえしよ」
ぶるぅが来ても、とサム君、ニヤニヤ。
サム 「キースに任せて、安心ってな!」
ジョミー「待ってよ、キースは欠席だよ?」
一同 「「「げっ!」」」
それはヤバいヤツ、と誰もがドン引き。
シロエ 「キース先輩不在で、ぶるぅが来るんですか…」
ジョミー「絶対、誰かがババを引かされると思うけど…」
サム 「マジかよ、詰みじゃねえかよ、ソレ…」
人生終わるぜ、とサム君、顔面蒼白。
サム 「コンビニ弁当でも、来やがるとなると…」
ジョミー「お断りとか、無理なヤツだよ?」
シロエ 「お出掛けをやめるしかないですね…」
そうすれば問題ないですよ、とシロエ君の案。
シロエ 「残念ですけど、川遊びは諦めるということで」
ジョミー「だよね、酷い目に遭うよりは…」
サム 「此処でヒッキーしてようぜ、うん」
ぶるぅの飯は美味いんだしよ、とサム君も賛成。
サム 「んじゃ、お出掛けは無しってことで!」
一同 「「「オッケー!」」」
Aブルー「却下!」
ぼくの娯楽を奪わないで欲しい、とソルジャーの渋面。
Aブルー「遊ぶと言ったら、遊ぶんだってば!」
シロエ 「でも、ぼくたちが困るんです!」
Aブルー「そうかな、ぶるぅの相手役がさ…」
いないから困るだけだろう、と鋭い指摘。
Aブルー「それさえいれば、行くんだよねえ?」
シロエ 「まあ、そうですけど…」
でも、いないものはいないんですよ、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩は欠席ですから…」
サム 「いねえよなあ?」
ジョミー「いるわけないって、もう確実に…」
スウェナ「死ぬものねえ…」
死亡フラグというヤツで、と皆が口々に。
正論ですね?
2023/06/09 (Fri)
☆正論を述べる人
雨がシトシトな梅雨のシーズン、ヒッキーするのが一番。
生徒会長宅に集う面々、週末は此処がいいとの結論で…。
シロエ 「梅雨の間は、外出は無しでいきましょう!」
サム 「それがいいよな、死ぬよりはよ…」
ジョミー「ぶるぅの料理で満足すべき!」
おやつも作って貰えるしね、とジョミー君が纏めに。
ジョミー「ぶるぅも、それでかまわないよね?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おもてなし、大好き!」
お出掛けもいいけど、おもてなしも、と元気なお子様。
ぶるぅ 「ぶるぅと遊びたい気はするけれど…」
ブルー 「ソレをやると、犠牲者が出るからねえ…」
ぶるぅ 「そうなの、ババを引く人が可哀相だし…」
川で遊ぶのは無しでいいよ、と健気な発言。
ぶるぅ 「だから、ぶるぅによろしくね!」
サム 「おっ、テイクアウトで御馳走コースな?」
ぶるぅ 「そだよ、今日のも持って帰って!」
多めに作って詰めるから、とニコニコニコ。
ぶるぅ 「ぶるぅ、沢山食べるもんね!」
Aブルー「ありがとう! それは嬉しいんだけど…」
川遊びも諦めたくないんだよね、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「要は、キースを引っ張り出せたら…」
シロエ 「無理だと思いますけれど?」
サム 「だよな、チキンではあるけどよ…」
ジョミー「言い訳の方は、間違っていないしね…」
本当に用があるんだからさ、とジョミー君。
ジョミー「休んで、法要のお手伝いだし…」
シロエ 「頑張る副住職ですよ」
Aブルー「そうかもだけど、チキンは確かで…」
キース 「違うと言っているだろうが!」
俺はあくまで正しい意見を言っている、と副住職の反論。
キース 「梅雨の最中に川遊びするのは、愚の骨頂で…」
Aブルー「でもねえ、リスクは完全にゼロで…」
キース 「それがどうした!」
Aブルー「リスクが無いのに、君は逃げてるんだよ?」
シロエ 「あー、そうなりますね…」
それも間違ってはいないですよ、とシロエ君。
確かに…。
2023/06/10 (Sat)
☆チキンが嫌なら
梅雨のシーズンは雨がシトシト、この週末も雨ですけど。
次の土曜はお出掛けな案、川遊びに行くか否かが問題で。
Aブルー「リスクがゼロでも、逃げてるとなると…」
シロエ 「チキンってことになるかもです」
Aブルー「ううん、確実にチキンだから!」
法要はただの言い訳だよ、とソルジャー、ビシィ! と。
Aブルー「まあいいけどね、チキンに決定でもさ」
キース 「あんた、喧嘩を売ってるのか!」
Aブルー「そうだけど?」
キース 「勝手に出て来て、決め付けるな!」
俺はチキンではないからな、とキース君の怒声。
キース 「チキンに坊主は務まらないぞ!」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「考えてもみろ、俺の家の裏山は墓地だ!」
大抵の寺は墓地とセットなんだぞ、と副住職。
キース 「幸い、俺の家には何も出ないが…」
ジョミー「あー、幽霊!」
サム 「墓地と言ったら定番だよなあ…」
幽霊だとか、人魂だとか…、とサム君も。
サム 「怖がっていたんじゃ、務まらねえか…」
キース 「そもそも、家に住めないだろうが!」
自宅イコール寺なんだしな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「そんな環境で、チキンに育つわけがない!」
ジョミー「かもねえ、心霊スポットに親しんでるし」
キース 「俺の家には出ないがな!」
Aブルー「オッケー、チキンは有り得ない、と…」
じゃあ、川遊びにも来られるよね、とソルジャーの笑み。
Aブルー「チキンじゃないのを証明しに!」
キース 「なんだって!?」
Aブルー「来ないんだったら、チキンで確定だよ!」
なんと言おうがチキンはチキン、と凄い論法。
Aブルー「それが嫌なら、参加したまえ!」
一同 「「「イイネ!」」」
それでいこう、と一同、拍手喝采。
シロエ 「ここは一発、度胸試しですね!」
ジョミー「肝試しの方がピッタリかも…」
Aブルー「どうするんだい、チキンでいい?」
決めるのは君だ、と言ってますけど。
選べ、と…?
2023/06/11 (Sun)
☆参加か欠席か
雨がシトシトな梅雨のシーズン、週末も雨が続くわけで。
それでも川遊びに行くかどうかを、只今、検討中な面々。
シロエ 「キース先輩、返事はどうなんです?」
サム 「欠席を選べば、チキン確定だぜ?」
ジョミー「どっちにするのさ、チキンでいいわけ?」
決められないのもチキンかもね、とジョミー君の意見。
ジョミー「日和見主義って、一種のチキンな気がする」
シロエ 「言えてますねえ、こう、様子見で…」
スウェナ「臆病なのよね、結局のところ」
Aブルー「なるほどねえ…。どんどんチキンに…」
近付いてるよ、とソルジャー、首をうんうん、と。
Aブルー「まあ、本人がそれでいいなら…」
シロエ 「チキン確定、川遊びの方は見送りですか?」
Aブルー「他のみんなが、ぶるぅを嫌がる以上はねえ…」
仕方ないよ、とソルジャーの深い溜息。
Aブルー「ということでさ、ぶるぅの料理に期待だね」
ぶるぅ 「オッケー! ぶるぅの好物、用意しとくね!」
テイクアウト用にドッサリ山ほど、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ぼくもホントは、ぶるぅと一緒に…」
シロエ 「遊びたかったですよね、コンビニ弁当で」
ぶるぅ 「そうなの、コンビニスイーツも買って…」
みんなでお出掛けしたかったよう! と本音がポロリ。
ぶるぅ 「だけど、みんなに迷惑かけられないし…」
ジョミー「ごめんね、キースのせいだよね…」
シロエ 「本当に。ぶるぅには、キース先輩だって…」
お世話になっているというのに…、とシロエ君。
シロエ 「恩を仇で返すというヤツですよ」
ジョミー「仕方ないって、チキンは自分が大事でさ…」
サム 「周りに気を配る余裕はねえよな」
チキンだけによ、とサム君も。
サム 「ますますもって坊主失格、ダメなヤツだぜ」
ブルー 「坊主は気配り必須だしねえ…」
キース 「だから、違うと!」
Aブルー「それを言うなら、川遊びだよ!」
まずは参加を表明したまえ、とソルジャーの言。
詰み…?
2023/06/12 (Mon)
☆チクるそうです
梅雨のシーズンは雨がシトシト、週末だろうが関係無し。
外へお出掛けしたい面々、川遊びという案が出ている今。
Aブルー「チキンじゃないなら、川遊びってね!」
ジョミー「そうだよ、ぶるぅも喜ぶし…」
シロエ 「キース先輩の名誉も守られますよ」
このままだとチキン認定まっしぐらです、とシロエ君。
シロエ 「その上、お坊さん失格らしいじゃないですか」
キース 「しかしだな…!」
Aブルー「まだ言ってるよ、やっぱり中止かなあ…」
ぶるぅ 「残念だけど、そうみたい…」
来週はテイクアウト用に頑張るね、と健気な発言。
ぶるぅ 「ぶるぅの好物、うんと沢山作らなきゃ!」
シロエ 「泣かせる展開ですよね、コレ…」
サム 「まったくだぜ。こんないい子に恩を仇とか…」
ジョミー「酷すぎるよねえ、坊主のくせにさ」
まあいいけど…、とジョミー君が取り出すスマホ。
ジョミー「アドス和尚の連絡先って、誰か知ってる?」
シロエ 「どうするんです?」
ジョミー「もちろん、次の土曜日の件をチクるんだよ!」
キースの欠席と、ぶるぅ苛めを…、とニンマリと。
ジョミー「キースが法要の手伝いにかこつけてさ…」
シロエ 「ぶるぅ苛めをする、と密告ですか?」
ジョミー「そう! ぶるぅを手伝う筈だったのに…」
サム 「逃げる気ですよ、って御注進な!」
いいじゃねえかよ、とサム君が立てる親指。
サム 「それでいこうぜ、そしたら色んな意味でよ…」
スウェナ「アドス和尚が大噴火だわね」
ジョミー「うん。でもって、元老寺から叩き出されて…」
シロエ 「川遊びに強制参加エンドになるんですね!」
ソレ、最高じゃないですか、とシロエ君が乗り出す膝。
シロエ 「やって下さい、遠慮なく!」
ブルー 「いいねえ、連絡先なら、ぼくが知ってるし…」
ジョミー「やっぱりね! じゃあ、教えてよ!」
ブルー 「もちろんだよ!」
キース 「待ってくれ!」
ちょっと待つんだ、と叫んでますけど。
どうすると…?
2023/06/13 (Tue)
☆参加した方がマシ
雨がシトシトな梅雨のシーズン、難しいのが屋外の遊び。
それでもお出掛けしたい面々、川遊びを計画中でして…。
ジョミー「待つのはいいけど、早くしてよね」
ブルー 「アドス和尚も、土日は忙しいからねえ…」
シロエ 「そうですよ。本堂は予約で一杯なんですし…」
スマホを見る機会も少ない筈で…、とシロエ君。
シロエ 「この時間だと、お昼時しか無理でしょう?」
サム 「そうだと思うぜ、でもって次は夕方までよ…」
ジョミー「見られそうにないから、急ぎだってば!」
それで連絡先は何処、とジョミー君の問い。
ジョミー「ブルー、教えてよ」
ブルー 「いいとも、えっと…」
キース 「頼む、それだけはやめてくれ!」
真面目に俺が悪かった、とキース君、土下座。
キース 「ぶるぅに恩を仇で返すなど、出来ないし…」
サム 「おっ、川遊びに参加かよ?」
キース 「強制参加で、しかも親父が激怒よりかは…」
自発的に参加した方が…、と腹を括った人。
キース 「俺も命が惜しいんだ。リスクがゼロなら…」
シロエ 「梅雨時の川を選ぶ、というわけですね?」
キース 「親父に叩き出されるより、マシだしな!」
Aブルー「オッケー、これで決まりだね!」
次の土曜は川遊びだよ、とソルジャーが纏めに。
Aブルー「コンビニ弁当とスイーツを買って…」
サム 「マツカの別荘の近くの川な!」
マツカ 「分かりました、見張りの手配をしますね」
一同 「「「やったーっ!」」」
大雨の後だと最高だよね、と盛り上がる御一同様。
ジョミー「凄い水嵩で、でも晴れてるといいんだけど…」
ブルー 「そうだね、キースに期待しようか」
頑張って雨乞いと晴れ乞いをね、と祈祷の注文。
ブルー 「参加するなら、サービスすべき!」
Aブルー「いいねえ、頑張って祈ってくれたまえ!」
キース 「それで詰むのは、俺なんだが!」
Aブルー「文句でも?」
アドス和尚の連絡先は何処だっけ、と脅し文句が。
詰むヤツ…。
2023/06/14 (Wed)
☆雨乞いと晴れ乞い
梅雨のシーズンは雨がシトシト、それでも川遊びに決定。
マツカ君の別荘の近くの川へ、コンビニ弁当でお出掛け。
Aブルー「文句があるなら、アドス和尚に通報だよ!」
ジョミー「そういえば、スマホも持ってるんだっけ…」
Aブルー「こっちの世界で遊び倒すには、必須だしね!」
アドス和尚の連絡先も入れておきたいな、と怖い台詞が。
Aブルー「そしたら色々、便利そうだし…」
キース 「脅すつもりか!?」
Aブルー「ううん、脅すほど甘くはないよ」
ぼくは全力でやるタイプ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「特に、破壊は得意技でねえ…」
シロエ 「キース先輩を破滅させるんですか?」
Aブルー「それはもう!」
ぼくの本気を見てくれたまえ、と取り出すスマホ。
Aブルー「で、アドス和尚の連絡先って?」
ブルー 「えっと、電話をかけるなら…」
キース 「教えないでくれーっ!」
でないと俺が殺される、とキース君の絶叫が。
キース 「分かった、祈祷はしておくから!」
Aブルー「オッケー、前日までは土砂降りの雨で…」
ジョミー「当日はスッキリ、梅雨の晴れ間で!」
暑いくらいの天気がいいな、とジョミー君。
ジョミー「コンビニ弁当とかは、保冷剤があれば…」
シロエ 「安心ですしね、快晴で真夏日希望ですよ」
キース 「仕方ない…」
水嵩が多いと嫌すぎるんだが…、とキース君の深い溜息。
キース 「しかし、親父に殺されるよりは…」
Aブルー「ぶるぅの方が、断然、マシ、って?」
キース 「当然だろう!」
だからいいんだ、と悲壮な覚悟。
キース 「ヤツの悪戯は、俺が引っかぶる!」
一同 「「「イイネ!」」」
Aブルー「じゃあ、来週の土曜日だね!」
コンビニ弁当のオススメは…、と始まった打ち合わせ。
キース 「くっそぉ、またしてもババなのか…」
Aブルー「祈祷の効き目が無いと、もっと詰むから!」
キース 「うう…」
自分の首を絞める祈祷か、と唸ってますけど。
やるしか…。
2023/06/15 (Thu)
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