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シャングリラ学園つれづれ語り
☆得をしたアフター


さて、10月。なんと1日が土曜日でして、見事に休日。
お約束な生徒会長宅で過ごす面々、のんびり、ゆったり。

シロエ 「月の初めから、休みというのはいいですね」
ジョミー「だよねえ、得した気分になるよ」
サム  「得と言えばよ、やっぱ、こないだの…」

お彼岸だよな、とサム君、回想モード。

サム  「ただのアフターの筈が、逆転劇でよ…」
ジョミー「誰かさんが、もてなしてくれたもんねえ…」

不満たらたらだったけどさ、とジョミー君。

ジョミー「オレンジスカッシュ、って言うだけで…」
スウェナ「渋々だけど、ちゃんと取って来て注ぐのよね」
ジョミー「そう! ぼくのグラスに、たっぷりと!」
サム  「俺も色々、注がせて、あれこれ運ばせてよ…」

もう最高の宴会だったぜ、とサム君の満足そうな表情。

サム  「お盆の棚経は大変だけどよ、僧籍で得したぜ」
ジョミー「それは言えてる!」
キース 「俺が提案したんだぞ?」

あの展開は、とキース君の割り込みが。

キース 「坊主をもてなせ、と言った結果がアレで…」
ブルー 「必死で接待してたよねえ…」

例のキノコの供養のために、と生徒会長、クスクスと。

ブルー 「地獄に落ちたら大変だしさ」
キース 「落ちたら最後、更にもてなすしかないからな」
ブルー 「坊主組をね!」

本当にアレはいい案だった、と生徒会長も褒める名案。

ブルー 「毎回、使えればいいんだけどさ…」
キース 「なんと言っても、相手は、あいつで…」
ブルー 「何をやらかしても、不思議じゃないし…」

いずれ、ろくでもないことに…、と生徒会長の深い溜息。

ブルー 「接待要員を連れて来るとか、そういう感じで」
キース 「もてなしの中身が、変わるというのも…」

ありそうだぞ、とキース君。

キース 「あの馬鹿にとっては、もてなしでも、だ…」
ブルー 「一般人には…」
ジョミー「大迷惑とかね…」

確かに分かる、とジョミー君も。
ソルジャーですしね…。


2022/10/01 (Sat)



☆魔法は一回きり


なんと1日が土曜な10月、生徒会長宅に集う御一同様。
秋のお彼岸で得をした話題で、僧籍な面子が対象ですが。

ジョミー「あの人、感性、ズレているしね…」
キース 「ついでに、思い切り厚顔無恥で、だ…」
サム  「発想も斜め上だしよ…」

次はねえのが吉ってヤツ、とサム君が広げる両手。

サム  「また、もてなせ、って言ったらよ…」
ブルー 「待ってました、と大喜びでさ…」
ジョミー「して欲しくもない接待をさ…」
シロエ 「するんですよね、分かります」

二度目は頼んじゃいけませんね、とシロエ君も。

シロエ 「美味しいアフターだったんですけど…」
マツカ 「ええ。ぼくたちは、得はしていませんけど…」
スウェナ「誰かさんが接待に必死で、平和だったものね」

そういう意味では、お得だったわよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「でもねえ、ホントに一回きりよね」
キース 「まったくだ。もっと大切に使うべきだった」

魔法の呪文だったのに…、とキース君、残念そうな顔。

キース 「あそこまで効くと分かっていたら…」
ジョミー「またの機会に取っておいたわけ?」
キース 「当然だろうが! でもって、ぶるぅに…」

とっておきの料理を頼んでだな…、とブツブツと。

キース 「これ以上は無い、というクオリティの…」
シロエ 「アフターを用意したかったですねえ…」
ジョミー「でもさ、ソレだと、例の人もさ…」

お土産とテイクアウトで得を、とジョミー君の指摘。

ジョミー「しっかり持って帰ったんだよ?」
キース 「そこか…」
シロエ 「それはそれで、悔しい気がしますね…」

あのタイミングで良しとしましょう、とシロエ君。

シロエ 「魔法の呪文に、ありがちなオチです」
ジョミー「だよねえ、昔話とかでも、あるあるだしさ…」
キース 「俺の失点には、ならないんだな?」
シロエ 「どうでしょう?」
ジョミー「疫病仏だもんね…」

ツッコミどころは満載かも、という声ですけど。
失点だと…?


2022/10/02 (Sun)



☆やる気だった人


初日が土曜という今年の10月、生徒会長宅に集う面々。
秋のお彼岸に得をした話で、僧籍な人が対象でしたけど。

キース 「疫病仏だと言われてもだな…!」
シロエ 「たまには福を招くんですか?」
キース 「現に、お彼岸はそうだったろうが!」

失点にしたら祟ってやるぞ、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「それこそ疫病仏になってだ、思いっ切り…」
サム  「厄を呼ぶってか?」

そいつは勘弁してくれよな、とサム君、ガクブル。

サム  「ただでも、セットものなのによ…」
ジョミー「そうだっけ…。キース単体じゃなくて…」
スウェナ「例の人も、疫病仏だわねえ…」

じゃあ、お彼岸の逆もあるかしら、とスウェナちゃん。

スウェナ「キースが福を招いたんでしょ、その逆よ!」
シロエ 「それは、どういう意味なんです?」
スウェナ「例の人が福を招くってヤツよ、私たちに」

でもって、キースが接待係、という台詞。

スウェナ「例の人も含めて、おもてなしとか…」
シロエ 「災いしか思い付きませんけど?」
キース 「まったくだ。天変地異が起きるぞ、それは」

有り得なさすぎる話だからな、とキース君の渋面。

キース 「あいつが来たら、もれなく迷惑でだ…」
シロエ 「前回だけが例外ですか…」
??? 「ピンポーン!」

大当たり! とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「げっ!」」」
Aブルー「御挨拶だねえ、親切にしてあげたのに…」

この前の法要のアフターで、と偉そうな人。

Aブルー「魔法の呪文だったらしいね、アレ」
キース 「聞いていたのか!?」
Aブルー「暇だったしさ…」

青の間から覗き見していただけ、としれっと返事が。

Aブルー「つまり、二度目は無いんだろう?」
シロエ 「は?」
Aブルー「毎回、アレだと覚悟したけど…」
キース 「あんた、真面目にやる気だったと?」
Aブルー「当然だよ!」

スッポンタケのためならね、と言ってますけど。
マジで…?


2022/10/03 (Mon)



☆偶然だった御利益


今年の10月は初日が土曜、生徒会長宅に来ている面々。
お彼岸に得をした話ですけど、ソルジャーが来まして…。

シロエ 「毎回、接待係のつもりだったんですか?」
Aブルー「そうなんだよねえ、地獄は勘弁願いたいし…」

スッポンタケが落ちたら困る、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「そのくらいなら、多少、苦労したって…」
キース 「俺たち坊主を、もてなしていた、と?」
Aブルー「決まってるだろう、ぼくは真剣なんだから!」

スッポンタケのパワーは大事なんだよ、と目がマジな人。

Aブルー「法要をすれば、ぼくのハーレイがさ…」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「説明中だよ、漲りまくって、ビンビンで…」
ブルー 「もういいから!」

もう充分に通じたから、と生徒会長の怒声。

ブルー 「それより、本気で接待係の覚悟だったと?」
Aブルー「だって、ハーレイのパワーがさ…」

今回、半端なかったんだよ、とソルジャーの言。

Aブルー「壊れそうなくらいに、凄くって!」
ブルー 「はいはい、分かった!」

御利益パワーが凄かったと…、と生徒会長。

ブルー 「お蔭で、法要の意味を悟ったんだね?」
Aブルー「そう! 頑張って、おもてなしすれば…」

法要の度に御利益絶大、と赤い瞳がキラキラと。

Aブルー「だから今後も続けよう、って決心を…」
シロエ 「固めていたのに、違うと分かったんですね?」
Aブルー「うん。ただの偶然だったようだね」

魔法の呪文だったらしいし、とソルジャーの笑み。

Aブルー「そういうことなら、二度目は無しで!」
一同  「「「ええっ!?」」」

本当にやる気だったのか、と誰もが愕然。

シロエ 「キース先輩、これは失点ですからね!」
キース 「何故、そうなるんだ!」
ジョミー「キースが暴露しちゃったんだよ?」
サム  「魔法の呪文だと言わなけりゃよ…」
シロエ 「バレてませんから!」

この始末をどうつけるんです、とシロエ君。
どうなる…?


2022/10/04 (Tue)



☆借金が返せる職


初日が土曜な今年の10月、生徒会長宅に集う御一同様。
秋のお彼岸で得をした話、今後も継続する筈だったとか。

シロエ 「いいですか? キース先輩がですね…」
ジョミー「余計なことを言わなかったら、この先もさ…」
サム  「俺たち坊主組は、法要の度に接待でよ…」
スウェナ「一般参加の私たちだって、被害はゼロよ?」

それをキースがパアにしたのよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「落とし前はつけて貰わないと…」
ジョミー「それが筋ってヤツだよねえ?」
サム  「死んで詫びろとまでは、言わねえけどよ…」
シロエ 「この失点は、高くつきますよ?」

有耶無耶にはさせませんからね、とシロエ君の睨み。

シロエ 「何らかの形で、詫びて頂きたいですよ」
キース 「そう言われても、俺は万年金欠で…!」
ジョミー「うん、知ってる。でも、借金の返し方はさ…」
サム  「色々あるよな、ついでに金が全てじゃねえし」

働くっていう手もあるんだぜ、とサム君も。

サム  「そういや、借金が返せる職場ってえのが…」
シロエ 「あるんですか?」
サム  「らしいぜ、仕事はキツイらしいんだけどよ」

給料が凄いらしくって…、とサム君が立てる人差し指。

サム  「しかも使ってる暇がねえから、貯まる一方!」
ジョミー「ブラック企業っていうヤツかな?」
シロエ 「それっぽいですねえ…」
サム  「うーん、ブラックかもしれねえけどよ…」

休憩時間はあるんでねえの、とサム君、指をチッチッと。

サム  「なんたって、身体が資本みてえなモンだし」
シロエ 「土木作業員とか、そっち系ですか?」
サム  「そうじゃなくってよ…」

職場は海の上ってヤツ、とサム君の言。

サム  「一年の殆どが船の上でよ…」
シロエ 「船員さんですか?」
サム  「どっちかってえと、漁師だよなあ…」
一同  「「「漁師?」」」
サム  「そうだと思うぜ?」

船員ってついているけどよ、との話ですけど。
どんな職だと?


2022/10/05 (Wed)



☆実刑にピッタリ


今年の10月は初日が土曜、生徒会長宅に来ている面々。
秋のお彼岸で得をした件、今後も継続な筈だったのに…。

ジョミー「漁師で船員って、船長さんかな?」
シロエ 「そうかもです。自分の船で漁をするなら…」
マツカ 「船長ってことになりますよね」
スウェナ「それなら、稼ぎはありそうねえ…」

でも、船だって高いような、とスウェナちゃん。

スウェナ「借金を抱えて、船を買うのは無茶だわよ」
シロエ 「その前に、貸して貰えませんよ」
ジョミー「だよねえ、なのに借金が返せるってさ…」

どんな船員で漁師なわけ、とジョミー君の問い。

ジョミー「高級魚限定で漁をするとか?」
シロエ 「あー…。でも、それだって船が要りますよ?」
ジョミー「うーん…。まるで見当つかないんだけど…」
サム  「魚自体は、めっちゃ馴染みがあると思うぜ」

高級魚には違いねえけど、とサム君の言。

サム  「この国のヤツなら、大抵、食ってそうだし」
シロエ 「高級なのに、庶民的なお値段なんですか?」
サム  「ピンキリだよなあ、マグロだしよ」
一同  「「「マグロ?」」」

言われてみれば、と誰もが納得。

ジョミー「回転寿司でも回ってるよね…」
シロエ 「高級なお店だと、時価ですよね…」
スウェナ「マグロを獲る漁師さんなのね?」

遠洋漁業になるわけかしら、とスウェナちゃん。

スウェナ「殆ど船の上なんだし…」
サム  「らしいぜ、でもって給料が半端ねえからよ…」

借金も返せてしまう勢い、とサム君、親指をグッと。

サム  「最近、地味に人気でよ…」
シロエ 「そうなんですか?」
サム  「大卒の船員も増えてるらしいぜ」

しかも一流大の新卒、とサム君。

サム  「だからキースのプライドってヤツも…」
シロエ 「傷付かないかもしれませんね、ソレ」
キース 「マグロ漁船に乗れと言うのか!?」
ジョミー「実刑には丁度いいかもね…」

一回、乗って稼いでくれば、という声が。
マグロ漁船に…?


2022/10/06 (Thu)



☆兼業もいいかも


初日が土曜な今年の10月、生徒会長宅に集う御一同様。
ソルジャーも来ているんですけど、キース君が問題で…。

Aブルー「えっと…? キースを漁船に乗せるって?」
サム  「何か文句があるのかよ?」
Aブルー「稼げるってトコはいいんだけどさ…」

帰って来られるのはいつなわけ、とソルジャーの問い。

Aブルー「使えないから、貯まる一方なんだよね?」
サム  「そりゃまあ、殆どが海の上だしよ…」
シロエ 「それで高給取りとなったら、貯まりますよね」
Aブルー「お金はともかく、いつ帰れるのさ?」

まさか、お正月とお盆だけとか…、という質問。

Aブルー「それ以外は、ずっと海の上とか?」
サム  「休暇の時期は、俺も知らねえけど…」
シロエ 「年に二回とかっていうのは、ありそうですね」
Aブルー「困るんだよ、ソレ!」

スッポンタケの法要はどうなるのさ、と膨らませる頬。

Aブルー「君たちは厄介払いが出来て、満足でもさ…」
キース 「あんたは大いに困りそうだな?」

俺がいないと…、とキース君、秒で反応。

キース 「年に二度では、法要は必ず一つ欠けるぞ」
Aブルー「あっ、やっぱり?」
キース 「お彼岸が二回と、お盆だからな」
Aブルー「嫌すぎるから!」

せっかくの御利益が減ってしまう、とソルジャーの文句。

Aブルー「断固反対だよ、マグロ漁船は!」
シロエ 「だったら、代わりに乗るんですか?」
Aブルー「えっ、ぼくが?」
シロエ 「そうですけど?」

代わりに稼いでくるんですか、とシロエ君。

シロエ 「でなきゃ、法要で接待係を続けるとかです」
Aブルー「マグロ漁船の方がマシかな…」

兼業になってしまうけどさ、とソルジャー、顎に手を。

Aブルー「ソルジャー稼業は、やめられないし…」
キース 「確かに、あんたなら可能だろうな」
Aブルー「ちょっと面白そうでもあるしね」
シロエ 「乗る気ですか!?」

マグロ漁船に、とシロエ君、目が点。
本気ですかねえ…?


2022/10/07 (Fri)



☆漁船の方がマシ


今年の10月は初日が土曜、生徒会長宅に来ている面々。
ソルジャーも来てしまったわけで、キース君が失言で…。

Aブルー「キースを乗せるくらいだったら、ぼくが!」
シロエ 「マグロ漁船って、本気なんですか!?」
Aブルー「キースを失うわけにはいかないし…」

スッポンタケの法要は大切だしね、とソルジャー、真剣。

Aブルー「それに君たちを接待するより、ぼく向けで…」
キース 「…そうなるのか?」
Aブルー「だって、稼ぎがいいんだろう?」

この連中を接待したって稼げないよ、という指摘。

Aブルー「こき使われるだけで、バイト料はゼロ!」
シロエ 「接待係は、そういうものですからね」
サム  「バイト料が出る方がおかしいぜ、うん」
スウェナ「出すなら、それはキースの役目ね」

だけど、それだと本末転倒、とスウェナちゃん。

スウェナ「お坊さんを、もてなさないとダメなんだし…」
ジョミー「そのお坊さんから、バイト料なんかは…」
サム  「有り得ねえよな、絶対に」

そこは無料で接待だぜ、とサム君も。

サム  「稼ごうって方が間違ってるしよ…」
Aブルー「そうなんだよ! マグロ漁船の方がマシ!」

稼げるからね、と親指をグッと。

Aブルー「でもって、兼業なんだから…」
キース 「船の暮らしには縛られない、と…」
Aブルー「そう! 海の上だけが全てじゃないよ!」

夜はもちろん、青の間のベッドで快適に、と笑顔な人。

Aブルー「食事だってさ、好きな時にさ…」
シロエ 「此処に来る気じゃないでしょうね!?」
Aブルー「メニューによるかな、それにノルディが…」

おごってくれる時もあるしさ、とニコニコと。

Aブルー「そういう時には、抜け出して食事!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おやつも食べに来る?」
Aブルー「そのお誘いは、毎日ってこと?」
ぶるぅ 「そだよ、こっちにいるんだし!」
一同  「「「わーっ!」」」

それは困る、と誰もが悲鳴ですけど。
毎日ではねえ…?


2022/10/08 (Sat)



☆もてなすそうです


初日が土曜な今年の10月、生徒会長宅に集う御一同様。
キース君の失言が元で、マグロ漁船という話が出まして。

シロエ 「毎日来るとか、酷すぎますから!」
ジョミー「あんまりすぎるよ、ぼくたちのおやつが…」
Aブルー「減ることは無いと思うけど?」

だって、ぶるぅがいるんだからさ、とソルジャーの笑み。

Aブルー「そうだよね、ぶるぅ?」
ぶるぅ 「量なら、心配いらないよ!」

人数が増えても大丈夫! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「いつも多めに作ってるから、全然、平気!」
Aブルー「現にさ、ぼくがいつ来たってさ…」
ぶるぅ 「足りなくなったことは、無いと思うの!」
一同  「「「うっ…」」」

そうだった、と誰もが気付いた恐ろしい現実。

シロエ 「今だって、ガンガン食べられてますね…」
ジョミー「手づかみしそうな勢いでね…」
ぶるぅ 「でもでも、ちっとも減ってないでしょ?」

追加のお菓子が出て来るだけで、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「みんなのおやつは、減らないも~ん!」
Aブルー「頼もしいねえ、毎日、来てもいいんだよね?」
ぶるぅ 「うん、おもてなし、大好きだしね!」

毎日歓迎、と弾ける笑顔。

ぶるぅ 「マグロ漁船は忙しそうだし、休憩しに!」
Aブルー「ありがとう! これは是非とも…」

乗らなくっちゃね、とソルジャー、すっかりその気。

Aブルー「毎日、おやつは、ぶるぅの手作り!」
ぶるぅ 「食事も、いつでも食べに来てよね!」
Aブルー「もしかして、三食、大歓迎とか?」
ぶるぅ 「朝御飯だって、張り切っちゃうよ!」

お客様が来てくれるんなら、と大喜びで跳ねるお子様。

ぶるぅ 「毎朝、ビュッフェにしちゃいたいくらい!」
シロエ 「それって、待遇、良すぎませんか!?」
ジョミー「ビュッフェだなんて、贅沢すぎだし!」
Aブルー「じゃあ、君たちも一緒にどう?」
ぶるぅ 「そだね!」

学校の前に食べに来てよ、と言ってますけど。
朝御飯を…?


2022/10/09 (Sun)



☆みんなが来るなら


今年の10月は初日が土曜、生徒会長宅に来ている面々。
キース君の失言が元で、ソルジャーがマグロ漁船だとか。

Aブルー「それなら文句は無いだろう?」
ぶるぅ 「朝からビュッフェでスタートだよ?」

うんと素敵な朝になるもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「卵料理も、注文に応じて作るしね!」
Aブルー「本当かい?」
ぶるぅ 「朝のビュッフェの定番だもん!」

目玉焼きとかオムレツとか、と卵料理の名前が。

ぶるぅ 「他のお料理も、頑張っちゃう!」
Aブルー「和食と洋食、揃うんだよね?」
ぶるぅ 「みんなが来るなら、中華も作るよ!」
Aブルー「最高だよ、ソレ!」

小籠包もあるといいな、とソルジャーが飲み込む生唾。

Aブルー「蒸したばかりの熱々を、朝一番に…」
ぶるぅ 「オッケー! 大根餅とか、他にも色々!」
Aブルー「いいねえ、でもさ、中華メニューは…」

他の面子が必須なんだよね、とソルジャー、グルリと。

Aブルー「来てくれないかな、朝食ビュッフェ!」
シロエ 「魅力的ではありますねえ…」
ジョミー「でもさ、早起きしないとダメだよ?」
サム  「だよなあ、朝イチで此処まで来ねえと…」

食えねえんだよ、とサム君も。

サム  「でねえと、遅刻しちまうし…」
シロエ 「遅刻の理由には、出来ないでしょうね…」
一同  「「「は?」」」
シロエ 「アレですよ、キース先輩がやってるヤツで…」

月参りでの遅刻はノーカウントです、とシロエ君。

シロエ 「グレイブ先生公認で遅刻してますよ?」
ジョミー「そうだっけ…。するとキースは…」
サム  「月参りだ、って嘘をつけばよ…」

朝食ビュッフェを楽しめるわけな、とサム君の苦い顔。

サム  「ねえよな、キースだけ許されるってよ…」
シロエ 「何かこう、他に無いでしょうか?」
Aブルー「特別生だし、普通に朝御飯でいい気が…」
一同  「「「あー…」」」

それはあるかも、と顔を見合わせる面々。
朝御飯で…?


2022/10/10 (Mon)



☆届けさえ出せば


初日が土曜な今年の10月、生徒会長宅に集う御一同様。
ソルジャーも来まして、マグロ漁船に乗るという話で…。

Aブルー「特別生って、欠席したっていいんだろう?」
シロエ 「まあ、本来はそうですね…」
ジョミー「出席義務が無いもんねえ…」
Aブルー「それなら、遅刻も全然オッケーなんじゃあ?」

届けを出すだけマシってヤツで、とソルジャーの言。

Aブルー「月参りがいけるんだったら、朝御飯でも…」
シロエ 「いける気がして来ますよね、ソレ…」
ジョミー「グレイブ先生、嫌味を言いそうだけど…」
サム  「諸君、結構な御身分だな、ってヤツな…」

言うのは確実ってヤツでねえの、とサム君も。

サム  「でもよ、遅刻のカウントの方は…」
スウェナ「届けさえ出したら、いける感じね…」
ジョミー「重要度とかを聞かれないかな?」

月参りとは違うんだしさ、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「朝御飯に意味があるのかね、とか…」
シロエ 「あー…。グレイブ先生ですからね…」
サム  「美味い飯を食えるチャンス、ってえのは…」

いい御身分の上塗りだよな、とサム君、フウと溜息。

サム  「けど、それでいくしかねえような気が…」
Aブルー「何を言うかな、朝御飯だよ?」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「朝一番から集まって、一緒に朝食!」

意味は何とでもなるじゃないか、とソルジャーの笑み。

Aブルー「現に、ぼくの世界のシャングリラだと…」
シロエ 「朝御飯に意味があるんですか?」
Aブルー「食べながら会議とか、普通だけど?」

時間は有効に使わないと…、とソルジャーが立てる指。

Aブルー「ぼくだって、たまに呼ばれるんだよ!」
ジョミー「朝御飯を食べて、会議ってヤツに?」
Aブルー「そうなんだよねえ、食べたくないのに…」
シロエ 「無理やり、朝御飯になるわけですね?」
Aブルー「そう! これは使えないかな?」

朝御飯で遅刻する言い訳に、と言ってますけど。
さて…?


2022/10/11 (Tue)



☆理由が要ります


今年の10月は初日が土曜、生徒会長宅に来ている面々。
其処へ来たソルジャー、マグロ漁船に乗る気満々でして。

Aブルー「朝御飯を食べながら、ミーティングとか…」
シロエ 「どうでしょう? グレイブ先生ですからね…」
Aブルー「ぼくは直接、会ったことはないんだけど…」

厳しいらしいよね、と頷くソルジャー。

Aブルー「でも、こっちの世界でも、食事中に会議…」
ブルー 「ぼくのシャングリラには、そういう制度は…」
ジョミー「無い気がするけど、あったっけ?」
ブルー 「無いねえ、なにしろ、ぼくも普段は…」

地球暮らしなものだから、と生徒会長の苦笑。

ブルー 「定時連絡さえ、してないほどだし…」
サム  「たまに行っても、飯は俺たちと一緒でよ…」
シロエ 「会議なんかはゼロですねえ…」

シャングリラは言い訳になりませんよ、とシロエ君。

シロエ 「第一、ぼくたちが会議に出たってですね…」
サム  「何の役にも立たねえしよ…」

朝飯で会議は無理でねえの、とサム君も。

サム  「グレイブ先生だって、そのくらいはよ…」
ジョミー「充分、承知してるよねえ…」
Aブルー「うーん…。だったら、他の理由を…」

挙げるのはどう、とソルジャーの言。

Aブルー「君たちがいないと、中華メニューがさ…」
シロエ 「出ないんで、必死なんですね?」
Aブルー「そうなんだよ! 是非、君たちにも…」

朝御飯に来て欲しくてね、と自分の食欲に正直な人。

Aブルー「集まって相談するようなことは、無いかな?」
ジョミー「宿題とかだと、毎日じゃないし…」
スウェナ「それに提出義務が無いわよ?」
シロエ 「ついでに、今の時期はですね…」

宿題、出ないじゃないですか、とシロエ君の指摘。

シロエ 「学園祭の準備がありますからねえ…」
ジョミー「そうだ、ソレ!」
シロエ 「えっ?」
ジョミー「いけるんじゃないかな、学園祭の準備で!」

相談したいと言えばいいかも、とジョミー君。
そうかも…?


2022/10/12 (Wed)



☆学園祭でいこう


初日が土曜な今年の10月、生徒会長宅に集う御一同様。
ソルジャーも来まして、マグロ漁船に乗るという話で…。

シロエ 「学園祭って、ぼくたちは何もしませんけど?」
サム  「だよあな、クラス展示もノータッチだしよ…」
スウェナ「模擬店だって、やらないわよねえ…」

何かと面倒なんだもの、とスウェナちゃん。

スウェナ「届け出だとか、色々と…」
ジョミー「だからさ、今年は何かやるってことで…」
マツカ 「そういうことなら、会議ですよね」

朝一番で集まって…、とマツカ君、同意。

マツカ 「食事しながら相談だったら、いけそうですよ」
ジョミー「ほらね、マツカもこう言ってるし!」
スウェナ「その手の会議って、よくあるのかしら?」
マツカ 「うちの父も、たまに出掛けてますね」

多忙な方にはピッタリですし、と御曹司の証言。

マツカ 「夜の会食も多いですけど、朝もあるんです」
サム  「へー…。やっぱ、料亭とかなのかよ?」
マツカ 「ええ。朝しか出ない料理も珍しくないですね」
Aブルー「中華な朝御飯は、まさにソレだよ!」

だから是非、とソルジャーのプッシュ。

Aブルー「朝から会議で、ぶるぅの中華メニューをね!」
ジョミー「それでいこうよ、学園祭も近いしさ…」
サム  「でもよ、今しか使えねえぜ?」

朝飯は毎日なんでねえの、とサム君が顎に当てる手。

サム  「学園祭までは、いけてもよ…」
シロエ 「終わっちゃったら、ダメですよね…」

反省会で一週間も持てばいい方ですよ、とシロエ君も。

シロエ 「そこから先は、どうするんです?」
ジョミー「うーん、そっかあ…」
Aブルー「その時は、また何か考えようよ!」

とにかく今は学園祭で…、とソルジャー、必死。

Aブルー「中華メニューは、逃したくないし…」
ジョミー「食べたいよねえ…」
シロエ 「学園祭でいきますか?」
スウェナ「今の時期なら、有効よ?」

使わない手は無いんじゃない、という声が。
学園祭ですか…。


2022/10/13 (Thu)



☆議題は欠席理由


今年の10月は初日が土曜、生徒会長宅に来ている面々。
ソルジャーも登場で、マグロ漁船に乗る気満々なわけで。

Aブルー「とりあえず、学園祭の準備にしておけば?」
ジョミー「それで出そうよ、いけるって!」
シロエ 「じゃあ、ソレで朝御飯を食べながらですね…」

次の理由を相談するのはどうでしょう、とシロエ君の案。

シロエ 「ちゃんと会議になっていますし…」
サム  「まるっきりの嘘でもねえってことな?」
シロエ 「議題が別だというだけですよ」
一同  「「「イイネ!」」」

それでいこう、と一同、賛成。

ジョミー「それなら、次の欠席理由も、誰かがさ…」
シロエ 「思い付くだろうと思いませんか?」
マツカ 「ええ。きっと閃く人が出ますよ」

朝は頭も冴えていますし、とマツカ君。

マツカ 「名案が期待出来そうですよね」
Aブルー「ぼくは朝御飯に期待だよ! 中華メニュー!」

でもって毎朝、豪華なビュッフェ、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「今の生活より、断然、いいって!」
シロエ 「本気で兼業するんですね?」
Aブルー「稼ぎがいい上、美味しい食事が毎日だよ?」

ただのソルジャーより、ずっといいね、と煌めく瞳。

Aブルー「これはもう、やるしかないってば!」
キース 「あんたが、それでいいんなら…」
シロエ 「止める理由は無いですねえ…」

でも…、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「何処で募集しているんでしょう?」
サム  「あー…。漁協とかでねえの?」
キース 「そのようだな」

求人は出ているようだ、とキース君がスマホで検索。

キース 「出している場所が色々あるぞ」
Aブルー「場所っていうと?」

港の場所かな、とソルジャーの問い。

Aブルー「いわゆる、母港っていうヤツのこと?」
キース 「あんた、港に詳しいのか?」
シロエ 「母港って、すぐに出ましたよね?」
Aブルー「単語は共通!」

本物の海でも宇宙でも、とソルジャー、即答。
納得…。


2022/10/14 (Fri)



☆基地もピンキリ


初日が土曜な今年の10月、生徒会長宅に集う御一同様。
ソルジャーがマグロ漁船に乗る気で、その方向で相談中。

シロエ 「宇宙船にも、母港があるんですね?」
Aブルー「そういうことだね、軍艦なら所属基地だけど」
ジョミー「海賊船もあるって言ってなかった?」
Aブルー「あるよ、一時期、お世話になったねえ…」

あの船の場合は、母港より基地かな、とソルジャーの言。

Aブルー「一大拠点で、その辺の軍事基地よりも…」
ジョミー「凄かったわけ?」
Aブルー「そうだね、ケチな基地だと貧相だから」

人類軍でもピンキリだよ、と笑う人。

Aブルー「民間の資源採取基地より、小さいとかね」
サム  「そんなんで役に立つのかよ?」
Aブルー「あるということが大切らしいよ?」

マザーの目が届くということで…、とクスクス笑い。

Aブルー「SD体制で何が怖いって、マザーだしねえ…」
シロエ 「グランド・マザーでしたっけ?」
Aブルー「うん。基地があるなら、必然的に端末が…」

其処にあることになるだろう、と立てられる人差し指。

Aブルー「つまり、近辺で何かやったら…」
ジョミー「グランド・マザーに即バレなんだね?」
Aブルー「そういうことになっているねえ…」

現実の方はともかくとして、とソルジャー、クックッと。

Aブルー「実際は、ただのこけおどしだよ」
シロエ 「言い切るってことは、悪さをしたんですね?」
Aブルー「人聞きの悪い…。こう、ミュウとしてさ…」

当然の権利を主張したまで、とソルジャーが広げる両手。

Aブルー「ぼくたちだって、生活かかってるんだしね!」
キース 「盗みか?」
Aブルー「ピンポーン!」

ちょっと物資を頂きましたあ! と笑顔全開。

Aブルー「今じゃなくって、昔だけどね」
キース 「マグロ漁船で、ソレはやるなよ?」
Aブルー「えっと、例えば…?」
キース 「厨房から失敬するヤツだ!」

あんた、常習犯だろうが、とキース君の指摘。
そういえば…。


2022/10/15 (Sat)




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☆お勧めは高級店


秋のお彼岸はマツカ君の別荘、二泊三日で南の島へ旅行。
お彼岸の法要はソルジャーが一人、留守番で営む方針で。

キース 「何が出張法要だ! あんたは此処で、だ…」
シロエ 「留守番で一人で法要ですよ?」
Aブルー「お布施なら、ちゃんと払うから!」

なんなら、スッポンタケの戒名代も、とソルジャーの言。

Aブルー「払ってないのが問題だったら、キッチリと!」
キース 「それは断る!」

戒名代は断固受け取り拒否だ、とキース君の怒声。

キース 「貰ったら最後、公認扱いになるからな!」
Aブルー「じゃあ、お布施! 出張法要の分を上乗せ!」

このくらいでどう、と指ならぬ右手を突き出す人。

Aブルー「指一本が10ってことでさ、ドーンと50!」
キース 「それだけ上乗せするというのか?」
Aブルー「えっと…。込みのつもりだったんだけど…」

出張法要を頼めるんなら、この分、上乗せ、という台詞。

Aブルー「これだけあったら、みんなのお土産代も…」
シロエ 「そりゃまあ、充分に足りますけどね…」
ジョミー「そういう問題じゃないよね、コレって…」

なんで南の島で法要、とジョミー君が顰める顔。

ジョミー「それに、一緒に来る気だとしか…」
シロエ 「思えませんけど、どうなんです?」
Aブルー「もちろん、行くよ!」

浜辺でバーベキューもしたいし、と赤い瞳がキラキラと。

Aブルー「それに南の島のグルメも楽しめるしさ…」
キース 「俺は真面目に断るからな!」

承知したら皆に殺される、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「だから、あんたは留守番しやがれ!」
シロエ 「そうですよ。でもって、おはぎをお土産に…」
ブルー 「帰ればいいと思うけどねえ?」

ぼくも高級店を推すよ、と生徒会長も。

ブルー 「お勧めの店を教えるから、留守番で!」
Aブルー「それなら、ぼくは現地参加で!」
一同  「「「は?」」」

現地参加とは何なんだ、と誰もがキョトン。
どうする気だと…?


2022/09/16 (Fri)



☆現地参加を希望


秋のお彼岸は二泊三日で、マツカ君の南の島の別荘行き。
法要はソルジャーが留守番がてら、一人で営む方向で…。

キース 「…おい。現地参加というのは、何だ?」
Aブルー「そのまんまだけど?」

現地で参加するんだよ、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「プライベートジェットも魅力的だけど…」
シロエ 「絶対、お断りですからね!」
Aブルー「ほらね、そう言うに決まっているから…」

ぼくは現地で合流で、とソルジャーが立てる親指。

Aブルー「瞬間移動でパッとお出掛け、これなら簡単!」
一同  「「「げっ!」」」
Aブルー「それに、現地で参加するなら…」

ぼくのハーレイも大丈夫、と嫌すぎる台詞が。

Aブルー「特別休暇は無理だろうけど、夜だけはね!」
キース 「飯を食ったら帰るんだろうな?」
Aブルー「何を言うかな、当然、お泊まり!」

部屋はあるよね、とソルジャーの視線がマツカ君に。

Aブルー「出来れば、豪華なダブルベッドで!」
マツカ 「そういうお部屋は、あるんですけど…」
キース 「相槌を打つな!」

そういう時は無いと言うんだ、とキース君、拳をグッと。

キース 「ツインさえ無くて、シングルだけだとか!」
マツカ 「あっ…! す、すみません…!」
Aブルー「無駄、無駄! マツカの家の別荘がさ…」

そんなにショボいわけがないしね、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「だからさ、此処は現地参加で!」
シロエ 「嫌だと言っても来るんですね、ソレ…?」
Aブルー「決まってるだろう!」

せっかくのチャンスなんだから、と譲らない人。

Aブルー「でもって、キースは出張用の鞄を持参で…」
キース 「断固、断る!」

誰がやるか、とキース君、ピシャリ。

キース 「やったら、皆に恨まれるからな!」
シロエ 「当然ですね、末代まで恨みまくりですよ」
キース 「ほら見ろ!」
Aブルー「それなら、アドス和尚にさ…」

ちょっと御注進してもいいかな、と言ってますけど。
何を…?


2022/09/17 (Sat)



☆アリバイは完璧


秋のお彼岸はマツカ君の別荘、二泊三日で南の島へ旅行。
そういう計画を立てた面々、ソルジャーは留守番な方向。

キース 「御注進だと?」
Aブルー「うん、善良な市民の義務ってヤツで」
シロエ 「何を知らせる気なんです?」
Aブルー「もちろん、キースが旅行な件だよ!」

お彼岸の法要を放り出して…、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「ブルーの家で法要、っていう言い訳だよね?」
キース 「そうだが、此処にいなくても…」

電話に出れば問題ないぞ、とキース君の反撃が。

キース 「どうせ親父は、法要で動けないからな!」
Aブルー「そうなのかい?」
キース 「お中日だぞ、応援の人も来ているし…」
サム  「住職が抜けるのは、有り得ねえぜ?」

ほんの少しの間でもよ、とサム君も。

サム  「イライザさんだって、裏方で忙しいしよ…」
キース 「ああ。檀家さんも大勢、いらっしゃるしな」

俺の居場所なぞ把握出来ん、とキース君、勝ち誇った顔。

キース 「せいぜい、電話で確認くらいだ」
シロエ 「GPSさえ切っておいたら、完璧ですよね」
キース 「居場所が掴めないからな」

南の島だとバレるわけがない、と自信満々。

キース 「俺のスマホは防水だし…」
ジョミー「海の中でも平気だよねえ?」
キース 「流石に、潜水中は出られないんだが…」

海面に出ればオッケーだ、と親指をグッと。

キース 「直ぐに電話に出られないのは、法要の時は…」
サム  「あるあるだよなあ、お経は中断出来ねえしよ」
シロエ 「半時間とかは余裕ですよね」
キース 「そういうことだな、だから俺のアリバイは…」

どうとでもなる、とキース君。

キース 「御注進だろうが、好きにしやがれ!」
Aブルー「なるほどねえ…。でもさ、それでバレたら?」
キース 「ただで済むわけがないだろう!」
Aブルー「例えば?」
キース 「もしもの話は、必要無い!」

俺のアリバイは完璧なんだ、と怒鳴ってますけど。
本当に…?


2022/09/18 (Sun)



☆崩れそうなアリバイ


秋のお彼岸は二泊三日でマツカ君の別荘、南の島な面々。
そういう計画を立てたわけですが、ソルジャーは留守番。

Aブルー「一応、参考までに聞きたくってさ…」
サム  「バレた場合に、キースが食らう罰をかよ?」
Aブルー「出来れば、それを見たいからねえ…」
キース 「もしもは無い、と言ってるだろうが!」

俺のアリバイは崩せないぞ、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「親父にバレるわけがない!」
Aブルー「それは、電話に出るからだよね?」
キース 「それがどうした!」
Aブルー「じゃあさ、電話を失くしちゃったら?」

海で失くしたら大変だろうね、とソルジャー、ニヤニヤ。

Aブルー「沈んじゃったら、見付からないかと…」
キース 「そうならないよう、しっかり固定だ!」
シロエ 「グッズは色々ありますからね」
Aブルー「何か忘れていないかな?」

失敬するのは簡単でね、とウインクする人。

Aブルー「ぼくの身体は此処にあっても、サイオンは…」
キース 「届くというのか、あんな場所まで!?」
Aブルー「南の島だろ、近すぎるくらいの距離だけど?」

月ほども離れていないじゃないか、とソルジャーの笑み。

Aブルー「瞬間移動で飛べる距離なら、サイオンはさ…」
シロエ 「まさか、楽勝なんですか?」
Aブルー「ピンポーン!」

おまけに、たかがスマホだしさ、と指をチッチッと。

Aブルー「何の労力も必要無いよね、失敬するのは」
キース 「盗んで、海に沈める気か!?」
Aブルー「それでもいいし、ぼくが貰っておいても…」

でもって電話に出てもいいかな、と恐ろしい台詞が。

Aブルー「ぼくの声は、ブルーと同じだし…」
キース 「親父にバラすと…?」
Aブルー「出られません、とね!」

画像も送れるんだっけ、と赤い瞳に物騒な光。

Aブルー「現地に瞬間移動でさ…」
キース 「泳ぐ俺を撮る、と?」
Aブルー「そう!」

それを送ればどうなるかな、と質問ですけど。
詰むのでは…?


2022/09/19 (Mon)



☆最悪なコースは


秋のお彼岸はマツカ君の別荘、南の島で二泊三日の休日。
ところがソルジャーも来たいと言い出し、ヤバい方向へ。

シロエ 「キース先輩、流石に写真はマズいですよ!」
サム  「だよなあ、動画もいけるしよ…」
Aブルー「そうだよ、ぼくの声で生中継で!」

こちら南の島になります、と景色もね、と怖すぎる台詞。

Aブルー「時計も写せば、もう完璧!」
キース 「俺が親父に殺されるんだが!」
Aブルー「だったら、ぼくの現地参加も許可してよ!」

でもって出張法要をね、と食い下がるソルジャー。

Aブルー「でないと、何が起きても知らないよ?」
一同  「「「うわー…」」」

詰んだのでは、と誰もが顔面蒼白。

シロエ 「南の島まで行って、法要ですか…」
ジョミー「それに、キャプテンまで来るんだよねえ?」
サム  「嫌な予感しかしねえぜ、ソレ…」
スウェナ「そうよね、それに最悪なコースとしては…」

台風が来るとかあるんじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「直撃されたら、別荘どころか…」
シロエ 「空港に着陸出来ませんよね…」
ブルー 「行ってから詰むってコースもあるねえ…」

急に進路が変わる台風、と生徒会長も良くない顔色。

ブルー 「こんな筈では、ってほど海が荒れるとか…」
ジョミー「そっか、台風は早くから影響あるしね…」
Aブルー「ぼくは全く気にしないけど?」

法要と、ハーレイとお泊まりが出来れば、とお気楽な人。

Aブルー「別荘に缶詰めでも、食事は最高なんだしさ…」
キース 「俺たちは嬉しくないんだが!」
Aブルー「何を言うかな、夜は寝室覗き放題!」

公開するから来て楽しんで、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「台風で海がダメな時には、熱い夜をね!」
一同  「「「ええっ!?」」」
Aブルー「録画してもいいし、写真もオッケー!」
シロエ 「要りませんから!」
Aブルー「サービスだよ!」

海がダメなら娯楽を提供、と言われましても。
嬉しいですか…?


2022/09/20 (Tue)



☆あるあるは嫌だ


秋のお彼岸は二泊三日でマツカ君の別荘、南の島へ旅行。
そんな計画だったんですけど、非常に怪しい雲行きで…。

シロエ 「そんなサービスは、求めてません!」
Aブルー「遠慮しないで、どんどん覗いてくれたまえ!」

出張法要のお礼の分も、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「法要に参列してくれるんだし、そのお礼だよ」
シロエ 「お断りします!」
Aブルー「でもさ、せっかく開放的な南の島でさ…」

缶詰なんてつまらないだろう、と見せる気満々な人。

Aブルー「台風の時には、別の楽しみ方がなくちゃね!」
シロエ 「嫌でも見せるとか言わないでしょうね?」
Aブルー「もちろん、みんなに大公開だよ!」

ぼくのぶるぅが最高のスポットに御案内、と弾ける笑顔。

Aブルー「覗きのプロだし、解説にも期待しててよね!」
一同  「「「げっ!」」」

詰んだのでは、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「台風が来たら、最低最悪な旅行ですよね…」
マツカ 「お天気ばかりは、どうしようもないですよ…」
サム  「行ったら、詰む気しかしねえんだけど…」
ジョミー「行かなかったら、晴れるかもだけど…」

これって旅行あるあるだよね、とジョミー君の悪い顔色。

ジョミー「キャンセルしちゃった時に限って…」
スウェナ「台風のコースが外れるヤツよね」
シロエ 「でも、決行した時は直撃なんですよ…」

ぼくたちの運は良くない気が、とシロエ君。

シロエ 「おまけに、キース先輩がいます」
一同  「「「あー…」」」

疫病仏と一緒の旅じゃダメかも、と誰もが溜息。

シロエ 「お彼岸は普通にするべきですね…」
ジョミー「南の島、行きたかったんだけどね…」

詰んでからだと手遅れだしさ、とジョミー君。

ジョミー「いつも通りに法要だけかな…」
シロエ 「そうですね…」
Aブルー「えーっ、旅行は!?」
キース 「知るか、あんたのせいだろうが!」

いつも通りが一番なんだ、とキース君の怒声。
此処で法要…。


2022/09/21 (Wed)



☆南の島がパアに


秋のお彼岸はマツカ君の別荘、南の島へ二泊三日で旅行。
そんな計画を立てた面々ですけど、白紙に戻ったわけで。

キース 「いいな、お彼岸は此処で法要に決定だ!」
一同  「「「はーい…」」」

仕方ないしね、と頷く御一同様。

シロエ 「命あっての物種ですから…」
ジョミー「別荘は逃げて行かないしね…」
Aブルー「ぼくは旅行に行きたいんだけど!」
キース 「だったら、マツカに手配して貰え!」

法要の代わりに旅行してこい、とキース君、ピシャリと。

キース 「俺たちは此処で羽を伸ばすから、好きにしろ」
シロエ 「いいですね! 法要が無いなら、お彼岸も…」
サム  「そんなに悪くはねえよな、うん」
Aブルー「酷すぎるから!」

法要の無いお彼岸なんて、とソルジャーの悲鳴。

Aブルー「分かったよ、いつも通りでいいよ!」
キース 「よし。当日は遅刻するんじゃないぞ」
Aブルー「心がけとく…。あーあ、残念…」
シロエ 「ソレ、ぼくたちの台詞ですから!」

南の島がパアなんですよ、とシロエ君が尖らせる唇。

シロエ 「法要もサボりたいくらいですってば!」
Aブルー「困るよ、出席してくれないと!」
シロエ 「そう思うんなら、今日は早めに帰って下さい」

でないと皆がキレますよ、という脅しが。

シロエ 「あなたの顔を見ているとですね…」
ジョミー「ムカついてくるよね…」
Aブルー「じゃ、じゃあ、お彼岸はよろしくね!」

法要お願い、と慌てて消え失せた人。

シロエ 「マッハの速さで帰りましたよ?」
キース 「土産も強請っていかなかったな…」

よっぽど焦っていたんだろう、とキース君の苦笑。

キース 「とはいえ、俺たちも詰んだわけだが…」
シロエ 「疫病仏の伝説が、また増えましたね」
キース 「言わないでくれ、気が滅入る。だが…」
シロエ 「お彼岸は協力してくれ、でしょう?」
キース 「すまんが、頼む…!」

親父に殺されたくはない、と土下座。
仕方ないですね…?


2022/09/22 (Thu)



☆アフターに期待


南の島への旅行はパアで、やって来ました、秋のお彼岸。
23日は生徒会長宅で法要、朝イチで集合した御一同様。

シロエ 「おはようございます。いい天気ですね…」
ジョミー「情けないくらいに快晴だよね…」

台風の欠片も無いんだから、とジョミー君の深い溜息。

ジョミー「これなら絶対、海で泳げた筈なのに…」
サム  「でもよ、旅行あるあるが怖いしよ…」
スウェナ「決行してたら、台風の可能性が高いのよね…」
シロエ 「なんと言っても、キース先輩がいますから…」

疫病仏の厄は半端ないですしね、とシロエ君。

シロエ 「節分だって、思いっ切りの大雪でしたよ?」
ジョミー「あー…。狙いすましたように来たよね…」
サム  「あれで厄除け祈願が、パアだったんだぜ?」

キースが代参する予定だったヤツな、とサム君の指摘。

サム  「厄除けも潰す勢いなんだぜ、旅行くらいは…」
シロエ 「朝飯前で潰しますよね、それも大型台風で…」

でもって別荘に缶詰めで詰み、とシロエ君が広げる両手。

シロエ 「あの厄介な人と、二泊三日もですよ?」
スウェナ「嫌すぎだわよ、そんな旅行は!」
ジョミー「しかも、キャプテン付きだもんね…」
サム  「法要を選んだ方がマシってモンだぜ」

諦めて気分を切り替えようぜ、とサム君の前向きな意見。

サム  「やるしかねえなら、開き直るしか…」
シロエ 「そうですね、アフターに期待でしょうか」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走、用意してるよ!」

南の島がパアだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「その分、美味しいものを食べなきゃ!」
一同  「「「やったーっ!」」」

そうこなくっちゃ、と誰もが歓声。

シロエ 「例の人が、帰ってくれるといいんですけど…」
サム  「俺たちだけで楽しみてえよな…」
ジョミー「うまく帰ってくれるかなあ?」
ぶるぅ 「お土産はどう?」
シロエ 「さあ…?」

お土産なんかで帰るでしょうか、という疑問。
確かに…。


2022/09/23 (Fri)



☆アフターを希望


秋のお彼岸はスッポンタケの法要、南の島を諦めた面々。
法要のアフターに期待ですけど、ソルジャーが問題で…。

ぶるぅ 「お土産、ダメかなあ…?」
??? 「もちろん、ダメに決まっているとも!」

酷すぎるよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

シロエ 「もう来たんですか!?」
Aブルー「アフターと聞いたからにはね!」

ぼくだけ帰らせる方向なんて、と地獄耳な人。

Aブルー「御馳走を逃すとか、有り得ないから!」
シロエ 「でもですね、ただの宴会ですし…」
ジョミー「あんまりメリット無いと思うよ?」
サム  「そうだぜ、帰って昼寝がいいんでねえの?」

料理はテイクアウトでよ、とサム君の提案。

サム  「その方が絶対、ゆっくり出来てよ…」
ジョミー「いいんじゃないかと思うけどなあ…」
シロエ 「ぼくも、そっちを推しますね」

お勧めはお土産とテイクアウトです、とシロエ君も。

シロエ 「それなら、キャプテンも食べられますし…」
Aブルー「あー…。だったら、それも頼もうかな?」
一同  「「「は?」」」

それもというのは、と誰もが傾げる首。

シロエ 「えっと、どういう意味なんです?」
Aブルー「お土産と、テイクアウトだよ!」

ぼくのハーレイも、ぶるぅも喜ぶしね、と笑顔な人。

Aブルー「でもって、ぼくは御馳走たっぷり!」
シロエ 「アフターに出て、お土産までですか!?」
ジョミー「そんなの、許されないからね!」
Aブルー「何を言うかな、今日のアフターはさ…」

誰のお蔭だと思ってるんだい、とソルジャーの言。

Aブルー「何故、アフターがあるのかな?」
一同  「「「うっ…」」」

法要があるからアフターだった、と一同、絶句。

Aブルー「分かったんなら、ぼくもアフターに参加!」
シロエ 「お土産は厚かましすぎませんか?」
サム  「そうだぜ、テイクアウトもよ…」
Aブルー「それは違うね!」

ぼくは間違っていない筈、と言ってますけど。
何処が…?


2022/09/24 (Sat)



☆お土産もつく筈


南の島はパアでスッポンタケの法要、そんな秋のお彼岸。
せめてアフターを楽しもう、と思った面々ですけれど…。

シロエ 「間違ってないって、どの辺がですか!」
ジョミー「そうだよ、そんなの、おかしすぎるし!」
サム  「アフターに出た上、土産はねえよ」

出たんなら、其処で終わりだろ、とサム君の指摘。

サム  「土産も、テイクアウトも無くてよ…」
シロエ 「解散するのが、アフターですよね」
Aブルー「うーん、普通はそうかもだけどさ…」

法要は違うと思うんだよね、とソルジャーの主張。

Aブルー「アフターがあって、お土産もついて…」
シロエ 「初耳ですけど、何処の話です?」
Aブルー「何処って、多分、何処のお寺でも…」

そうじゃないかな、と言い出した人。

Aブルー「あっ、丁度、キースが来たみたいだから…」
ぶるぅ 「ホントだ、お迎えに行ってくる!」

チャイムの音で「そるじゃぁ・ぶるぅ」が出迎えに。

Aブルー「よし、じきに証人が来るってね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キース、来たよーっ!」
キース 「邪魔するぞ。ほう、今回も早く来たな」

いい心がけだ、とキース君の視線がソルジャーに。

キース 「なら、早速着替えて、法要を…」
Aブルー「その前に、君に質問があって…」
キース 「はあ?」

お布施を値切るというのは無しだぞ、とキース君。

キース 「法要のことなら、後で法話の時に…」
Aブルー「法話とは、ちょっと違うと思うけど…」
キース 「なんだ、どういう質問なんだ?」

分からんぞ、とキース君が傾げる首。

キース 「気になるから、早く言ってくれ」
Aブルー「お土産だよ!」
キース 「土産?」

話が全く見えないんだが、とキース君、ポカーン。

キース 「何故、此処で土産が出て来るんだ?」
Aブルー「アフターの件で、もめててさ…」
キース 「何のだ?」
Aブルー「法要に決まっているだろう!」

本職の君に聞くのが一番、と笑顔ですけど。
何を…?


2022/09/25 (Sun)



☆法要の後には


南の島へ旅行の代わりに、スッポンタケの法要なお彼岸。
アフターに期待な面々ですけど、ソルジャーも希望で…。

キース 「法要のアフターだと?」
Aブルー「そう! 終わったら御馳走らしいんだけど…」

ぼくはお土産が欲しくてね、と面の皮が厚いソルジャー。

Aブルー「ついでにテイクアウトも希望でさ…」
キース 「何故、そうなる? 出席するなら満足だろう」
Aブルー「違うよ、ぼくのハーレイと、ぶるぅ用だよ!」
シロエ 「さっきから、こう言ってるんです、この人は」

厚かましいにも程があります、とシロエ君が顰める顔。

シロエ 「その上、法要の時は、それが普通だと…」
Aブルー「ぼくが正しいと思うんだけどね?」

元老寺だって、その筈だよ、とソルジャーの言。

Aブルー「お彼岸の法要の後には、大宴会で…」
キース 「なんで、あんたが知っているんだ!」
Aブルー「覗き見したことがあるからね!」

でもって、残りをテイクアウトで…、と続ける人。

Aブルー「その他に、折詰のお土産だって!」
シロエ 「キース先輩、そうなんですか!?」
キース 「こいつが言うのは、間違っていない…」
一同  「「「ええっ!?」」」

マジか、と一同、目を白黒。

Aブルー「ほらね、正しいと言っただろう?」
シロエ 「そ、そんな…。何処のお寺も、そうですか?」
キース 「基本ではあるな、そういうのが」

宴会するのは関係者だが…、と副住職。

キース 「手伝って貰った坊主仲間とか、檀家さんで…」
Aブルー「法要に出ただけの人も、お土産、あるよね?」
キース 「あるな、折詰を持って帰って頂いている」
一同  「「「げっ!」」」

ヤバイ、と誰もが焦りまくり。

ジョミー「じゃあ、お土産とテイクアウトは…」
キース 「認めてやるしかないと思うが」
シロエ 「踏んだり蹴ったりなんですけど!」
キース 「だが、法要では常識になっているからな…」

断る理由が皆無なんだ、と呻いている人。
お土産付き…。


2022/09/26 (Mon)



☆泥棒に追い銭


南の島への旅行はパアで、スッポンタケの法要なお彼岸。
しかもアフターに参加希望のソルジャー、お土産も要求。

シロエ 「それは、泥棒に追い銭とか言いませんか!?」
キース 「俺も同感だが、どうにも出来ん」
Aブルー「失礼だねえ、誰が泥棒なのさ!」
シロエ 「泥棒に加えて、ほぼ強盗だと思いますけど!」

アフターに押し入りなんですからね、とシロエ君。

シロエ 「その上、お土産とテイクアウトだなんて…」
ジョミー「火事場泥棒って気がするよね、ソレ」
Aブルー「だけど、キースも認めてるから!」

そうだよね、とソルジャーの視線がキース君に。

Aブルー「アフターも、お土産もテイクアウトも常識!」
キース 「慣例になっているからな…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 沢山、持って帰ってね!」

ぼくも詰めるの張り切っちゃう、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「食べて貰えるのは、嬉しいもん!」
Aブルー「ありがとう! 今日は来た甲斐があったよ」

そろそろ法要を頼めるかな、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「サッサと済ませて、ドーンと宴会!」
キース 「そうだな…」

着替えて来る、とキース君、法衣鞄を提げて別室へ。

シロエ 「台風は来なかった上に、コレですか…」
サム  「火事場泥棒に追い銭かよ…」
Aブルー「君たち、失礼すぎるから!」

そもそも、誰のお蔭でアフター、とソルジャーの文句が。

Aブルー「法要が無ければ、アフターも無いしね!」
シロエ 「南の島を逃したんですけど!」
Aブルー「君たちが決めたことだろう?」

ゲスト多めが嫌だと言って…、とズバリ正論。

Aブルー「ぼくのハーレイの参加を認めてくれれば…」
キース 「その件も否定は不可能だな」

諦めるしか、と法衣で戻って来たキース君。

キース 「俺だって、旅行に行きたかったんだ!」
Aブルー「出張法要でも良かったよねえ?」
キース 「否定はしないが…」

だが仕方ない、と数珠をジャラッと。
いよいよ、法要…。


2022/09/27 (Tue)


☆法要のメインは


秋のお彼岸は南の島へ旅行な筈が、スッポンタケの法要。
しかもソルジャーがアフターに参加、お土産もつくとか。

キース 「諦めて、いつも通りに正座してくれ」
一同  「「「はーい…」」」

法要タイムだ、と正座するしかない面々。

キース 「では、始めるぞ」
Aブルー「心をこめて、よろしく頼むよ!」
キース 「俺は手抜きはしない主義だ!」

ブツが何でも真面目にやる、とキース君、副住職モード。

キース 「願我~身浄~、如~香~炉~…」
一同  (((いつものヤツだ…)))
キース 「願我~心如~、知~恵~火~…」

いよいよ読経が始まりまして、法要は順調に進行。

キース 「皆さん、順にお焼香を」
一同  (((抹香臭いけど、仕方ない…)))

お経が響く中、香炉が回され、焼香で煙がもうもうと。

キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同  (((この連続が来たら、終了間近…)))
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」

木魚と鐘の乱打が終わって、締めのお経とお念仏が。

キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同  (((よし、終わりだ!)))
キース 「南無阿弥陀仏~…」」」

ハハーッとお辞儀で、読経が終了。

キース 「はい、よくお勤めでございました」
一同  (((次は法話で…)))
キース 「それでは、今日はお彼岸について…」
Aブルー「法話はいいから、アフターで!」

今日は早くから来てるんだしさ、とソルジャーの注文。

Aブルー「みんなも、お腹、減ってるよね?」
キース 「やかましい! 法話を聞かんか!」
Aブルー「でも、お坊さんだってアフターなんだし…」

宴会に移行でいいと思う、とカッ飛んだ主張。

Aブルー「法要のメインは宴会だってば、絶対に!」
キース 「それについても否定はせんが…」
シロエ 「なんですって!?」
Aブルー「ほらね、キースもこう言ってるし!」

アフターにしよう、と言ってますけど。
正しい、と…?


2022/09/28 (Wed)



☆アフターが正しい


南の島へ旅行の筈が、スッポンタケの法要な秋のお彼岸。
読経の後は法話ですけど、宴会だと主張するソルジャー。

Aブルー「法要のメインは宴会なんだし、アフターで!」
シロエ 「キース先輩、どういうことです!?」
キース 「お彼岸はともかく、お盆の方が、だ…」

元は宴会だったんだ、とキース君の苦い顔付き。

キース 「それも、坊主をもてなすヤツで…」
一同  「「「ええっ!?」」」

マジか、と誰もが見合わせる顔。

シロエ 「お坊さんを呼んで、宴会なんですか…?」
キース 「ああ。徳の高い坊主を、大勢招いて…」
Aブルー「大宴会がお盆なんだね?」
キース 「お盆と言うか、お盆のルーツと言うべきか…」

お経にもそう書かれている、とキース君が繰る数珠。

キース 「お彼岸にお盆の話もアレだが、仕方ない」
スウェナ「法話ってわけね?」
キース 「そういうことでカウントしておく」

やらないわけにもいかんしな、と数珠をジャラジャラと。

キース 「お釈迦様の弟子の一人が、母親を亡くして…」
Aブルー「お葬式で大宴会かな?」
キース 「違う、しばらく経ってからの話だ」

母親は地獄に落ちていたんだ、と副住職。

キース 「気付いた弟子が、お釈迦様に相談すると…」
シロエ 「宴会を提案されたんですか?」
キース 「その通りだ。お前も坊主の素質があるな」
シロエ 「違いますから!」

頭の回転が速いだけです、とシロエ君の逃げ。

シロエ 「宴会が何の役に立つのか、分かりませんしね」
キース 「逃げる気か? まあいい、よく聞け」

大勢の坊主をもてなすことに意義がある、と副住職。

キース 「つまり、功徳を積むわけで…」
シロエ 「あー…。その功徳で、お母さんを…」

救うんですね、とシロエ君、納得。

シロエ 「それがお彼岸の始まりだ、と…」
キース 「そうなるな」
Aブルー「ほらね、宴会するのが正しいんだよ!」

さあ、アフターだ、と拳を突き上げる人。
宴会でいいと?


2022/09/29 (Thu)



☆アフターの主役は


南の島へ旅行の代わりに、スッポンタケの法要ですけど。
法要の後は宴会するのが正しい、とソルジャーが主張。

Aブルー「法話も済んだし、宴会だってば!」
シロエ 「そうなるんですか、キース先輩?」
キース 「さっきも言ったが、否定するのは不可能で…」

諦めてくれ、とキース君、超特大の溜息。

キース 「本音を言えば、俺をもてなして欲しいがな」
一同  「「「は?」」」

何故に、と一同、キョトンとした顔。

シロエ 「えっとですね…。キース先輩は疫病仏で…」
スウェナ「諸悪の根源ってヤツじゃない!」

もてなす必要なんか無いわ、とスウェナちゃん。

スウェナ「放っておいて、勝手にやりましょ!」
Aブルー「うん、お土産とテイクアウトにも期待だよ!」
キース 「お前たち、法話を聞いていなかったな?」

坊主をもてなすと言わなかったか、とキース君、腕組み。

キース 「その馬鹿よりも、俺を重視の方向でだな…」
シロエ 「あー…。確かに、一理ありますね」
Aブルー「ちょっと待ってよ、今日の主役はさ…」

スッポンタケだと思うんだけど、とソルジャーの言。

Aブルー「それに、法要を頼んだのは、ぼく!」
キース 「坊主をもてなして、功徳を積むんだぞ?」

仏様が地獄に落ちてもいいのか、と副住職の反撃。

キース 「俺をもてなすべきだと思うが?」
Aブルー「そうなるのかな…」
ブルー 「徳の高さだと、ぼくが上だけどねえ?」
キース 「そうか、あんたが格上だったな」

俺より上座に座るべきだ、とキース君。

キース 「サムとジョミーも、僧籍なんだし…」
Aブルー「えーっ!?」
キース 「俺は法要の、あるべき姿を言っている!」

文句があるなら帰ってくれ、と強烈な台詞。

キース 「嫌なら、俺たち坊主をもてなせ!」
ブルー 「よろしく頼むよ、お酌もね」
一同  「「「イイネ!」」」
Aブルー「ぼくが世話係!?」

あんまりだ、と嘆いてますけど。
今月、これにて中継終了~。

2022/09/30 (Fri)





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☆古傷を抉るな


さて、9月。夏休みも終わって、新学期開始ですけれど。
まだまだ残暑で、休日は生徒会長宅で過ごす面々でして。

シロエ 「暑いですねえ、残暑どころか夏ですよ、コレ」
ジョミー「ホントに暑いよ、外なんか出たくない…」

棚経で一生分を出た気が、とジョミー君が広げる両手。

ジョミー「特に今年はキツかったしさ…」
サム  「俺も死ぬかと思ったぜ」

アドス和尚はスクーターだしよ、とサム君も。

サム  「ついて走るのが精一杯でよ…」
シロエ 「でも凄いですよ、サム先輩は正気でしたから」

ハイタッチも替え歌も無しでしょう、とシロエ君の賞賛。

シロエ 「キース先輩たちは、イッちゃってましたし…」
キース 「古傷を抉らないでくれ!」
スウェナ「あら、正気に戻ったんだからいいでしょう?」

此処に来た途端に、とスウェナちゃん。

スウェナ「此処から後は、バテてただけで、普通で…」
シロエ 「そうですよ。誰かさんも使いようですね」
キース 「不本意ながら、そうではあるな」

あの馬鹿のお蔭で一気に正気に…、とキース君の仏頂面。

キース 「迎えが遅れただけでも、怒りMAXで…」
ジョミー「なんかこう、頭の中がフツフツと…」

別のベクトルで沸騰なんだよ、とジョミー君も。

ジョミー「着いたら絶対、怒鳴ってやる、って…」
キース 「俺も、一発、殴りたい気を抑えてだな…」

必死にテンションを維持してたのに…、とブツブツブツ。

キース 「着いた途端に、祭りだなどと言いやがって!」
ジョミー「しかも、歌って踊れ、だもんねえ…」

アレでキレない方がおかしい、とジョミー君。

ジョミー「一気に沸点突破だよ」
キース 「まったくだ。嫌でも正気に戻るしかない」

あの馬鹿が其処にいるだけでな、とキース君が顰める顔。

キース 「実にとんでもない棚経だったぞ!」
ジョミー「来年は普通にやりたいよねえ…」
キース 「同感だ」

バテバテだろうが普通がいい、と意見が一致。
そうですよね…。


2022/09/01 (Thu)



☆また来そうな人


二学期がスタートなんですけれど、まだまだ残暑な季節。
休日は生徒会長宅が一番、そういうシャン学メンバーで。

シロエ 「そうですねえ…。ぼくも普通で頼みたいです」
キース 「お前たちは、今年も普通だったろうが!」
シロエ 「いえ、それが…。例の人がですね…」

早く来て引っ掻き回したので…、とシロエ君。

シロエ 「手伝うどころか、何の役にも立たなくて…」
キース 「挙句に祭りな発言なんだな?」
シロエ 「そうなんです。来年は来ないで欲しいですね」

来るのは仕方ないんですが、とシロエ君の深い溜息。

シロエ 「例年通りに重役出勤、遅めがいいです」
キース 「でもって、迎えが遅れるんだな?」

今年も見事に忘れやがって、とキース君、拳をグッと。

キース 「お蔭で正気に返ったとはいえ、腹が立つ!」
ジョミー「でもさあ、また、じきに來るんだよ?」
ぶるぅ 「そだね、しょっちゅう来るもんね…」

おやつと食事が大好きだし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「でも、ぼくもお料理、大好きだから…」
スウェナ「どうしても召還しちゃうのよねえ…」

こればっかりは仕方ないわ、とスウェナちゃんの援護。

スウェナ「みんなも、手抜き料理は嫌でしょ?」
シロエ 「嫌すぎます!」
サム  「スキルは発揮してこそだぜ、うん」

召還の呪文になってもよ、とサム君も。

サム  「遠慮しねえで作ってくれよな!」
マツカ 「本当に。うちのシェフより凄いですから」
ぶるぅ 「ありがとう! 今日も頑張る!」

おやつも食事も、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「うんと美味しく作るからねーっ!」
一同  「「「イイネ!」」」

アレが来たって気にしない、と歓声が。

シロエ 「来るものは仕方ないですし…」
ジョミー「違うよ、そうじゃなくってさ…」
シロエ 「何なんです?」
ジョミー「別件で、来ると思うけど…」
一同  「「「は?」」」

どういう意味だ、と誰もがキョトン。
何のことだと…?


2022/09/02 (Fri)



☆別件と言われても


まだまだ残暑な二学期スタート、休日は生徒会長の家で。
そういうシャン学メンバーですけど、今の話題は例の人。

シロエ 「別件って、何のことですか?」
サム  「おやつと食事で来るんだぜ、アレは?」
スウェナ「イベントも来てしまうんだけど…」

この暑さだとソレも無いでしょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「プールくらいじゃ、来るわけが無いし…」
キース 「バーベキューの予定も無い筈だが?」

花火大会の季節も済んだ、とキース君も。

キース 「イベント関連は、今月は無いぞ?」
マツカ 「強いて言うなら、お月見ですけど…」
シロエ 「あー…。今年は土曜日でしたっけねえ…」
サム  「でもよ、俺たちは何もしねえし…」

エロドクターの管轄でねえの、とサム君の指摘。

サム  「デートするには、もってこいだぜ?」
シロエ 「ですよね、行くなら、そっちですよ」

賭けてもいいです、とシロエ君、賛同。

シロエ 「御馳走を食べて、お月見ドライブですね」
キース 「俺もシロエに賛成だな」
スウェナ「お月見、暑くて行く気もしないわ」

今年は特に早いんだもの、とカレンダーを指す人。

スウェナ「10日だなんて、夏だわよ!」
シロエ 「まったくです。せいぜい、窓から…」
マツカ 「見るだけですよね、綺麗だな、と…」

そんな所には来ませんよ、とマツカ君。

マツカ 「ですから、別件と言われても…」
キース 「全く思い浮かばないんだが?」
ジョミー「あのさあ…。他のみんなは仕方ないけど…」

キースが言ってどうするのさ、とジョミー君、溜息。

ジョミー「それに、祝日だよ?」
サム  「敬老の日かよ?」

あれで中身は年寄りだしよ、とサム君が顎に当てる手。

サム  「でも、それだって、やったことねえぜ?」
シロエ 「やれとも言われませんからねえ…」
ジョミー「違うよ、23日だってば!」
一同  「「「23日?」」」

そういえば休みだ、とカレンダーに視線ですけど。
何があると?


2022/09/03 (Sat)



☆先に気付いた人


二学期スタートなんですけれども、まだまだ残暑な季節。
休日は生徒会長宅で過ごすのが一番、そういう御一同様。

シロエ 「23日って、秋分の日ですよね?」
スウェナ「そっちは、今年は遅いのよね」

中秋は早すぎる日になってるのに、とスウェナちゃん。

スウェナ「秋分の日って、だいたい21日でしょ?」
シロエ 「そうですね。遅い年でも、22日くらいで…」

今年は遅すぎる感じですね、とシロエ君も。

シロエ 「でも、それがどうかしたんですか?」
ジョミー「キースは気付いたみたいだよ?」
一同  「「「え?」」」

視線がキース君に集中、顔色が良くないようでして。

シロエ 「キース先輩、何処か具合でも…?」
ぶるぅ 「熱中症は無いと思うんだけど…」

ずっと涼しい部屋にいるしね、と心配そうな顔のお子様。

ぶるぅ 「アイスで、お腹、冷えすぎちゃった?」
キース 「いや、体調には特に問題は…」
ジョミー「だよね、どっちかと言えば、メンタル」

思いっ切り打撃ってトコじゃないかな、と推測が。

ジョミー「どう、当たってる?」
キース 「不本意ながら、それが正解だ…」

なんで、お前が先に気付く、とキース君の苦い顔付き。

キース 「本職の俺が、綺麗サッパリ忘れていたのに!」
一同  「「「本職?」」」
ジョミー「キースの職業ってヤツだけど?」

お坊さんで元老寺の副住職、とジョミー君。

ジョミー「それで忘れていたのはキツイよ」
キース 「くっそぉ…」

しかし、とキース君、グッと拳を。

キース 「お前が先に気付いたのなら、御縁だろう」
ジョミー「御縁?」
キース 「早く修行を始めるべきだ!」

来年からのコースでどうだ、とキース君が浮かべる笑み。

キース 「まだ申し込みも始まっていないし、余裕だぞ」
ジョミー「要らないから!」
シロエ 「えっと、話が全く見えないんですが…?」
キース 「お彼岸だ!」

秋分の日は秋のお彼岸なんだ、と副住職。
そうでしたっけ…。


2022/09/04 (Sun)



☆修行すべき人は


残暑の中での二学期スタート、休日は生徒会長宅が一番。
エアコンが効いて快適ですけど、問題が発生したようで。

シロエ 「そういえば…。秋分は秋のお彼岸ですね…」
スウェナ「例の人が来るイベントだわよ…」
ジョミー「そう、ソレ、ぼくが言いたいヤツは!」

修行なんかは要らないからね、とジョミー君、必死。

ジョミー「どっちかと言えば、忘れ果ててたキースが…」
サム  「修行をし直すべきだぜ、うん」

アドス和尚の耳に入ったら即死でねえの、とサム君の言。

サム  「たるんでるぞ、と怒鳴られてよ…」
ジョミー「罰礼、三千回とかだよね?」
キース 「うっ…」

言葉に詰まったキース君。

キース 「頼む、親父には言わないでくれ!」
ジョミー「じゃあさ、ぼくの修行も無しってことで」
シロエ 「当然ですよね、ジョミー先輩が修行なら…」
マツカ 「キースも、今以上の修行をすべきです」

あるのかどうかは知りませんが、とマツカ君も。

マツカ 「あるなら、ジョミーとセットでですね…」
ジョミー「修行コースに突入だよね?」

でないと不公平すぎる、とジョミー君が膨らませる頬。

ジョミー「ぼくだけだなんて、有り得ないし!」
シロエ 「あるんでしょうか、キース先輩用のヤツ…」
ブルー 「あるねえ、本職の総仕上げってヤツが」

璃母恩院で缶詰なヤツ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「前に行ってた道場と同じで、キツくてさ…」
ジョミー「いいね、ソレ!」

ぼくに行かせるなら、キースもね、と笑顔な人。

ジョミー「それとも、修行の話は無し?」
キース 「無しだ、親父に告げ口の方もしないでくれ!」

でないと確実に殺される、とキース君、ガクブル。

キース 「そうでなくても、あの馬鹿がだな…」
シロエ 「来るのが、お彼岸ですからねえ…」
キース 「ただでも災難なんだぞ、俺は!」
シロエ 「自業自得だと思いますけど?」

もう間違いなく、とシロエ君の指摘ですけど。
正論ですね?


2022/09/05 (Mon)



☆タダで出した人


9月と言っても残暑が厳しく、生徒会長宅で過ごす休日。
そこで挙がった今月のイベント、秋のお彼岸が問題な今。

サム  「うん、自業自得で間違いねえよ」
スウェナ「災難なのは、私たちの方だと思うわよ?」

どう考えてもそうじゃない、とスウェナちゃんも苦い顔。

スウェナ「あんな戒名をサービスするから、例の人が…」
シロエ 「調子に乗って、来ちゃうわけですよ」
ジョミー「だよねえ、全部、キースのせいだよ」

なんでサービスしちゃうかな、とジョミー君も。

ジョミー「その場のノリって言ってるけどさあ…」
サム  「鯨の戒名のパクリはねえぜ」

そのせいで立派すぎるんだしよ、とサム君の言。

サム  「適当につけときゃ良かったのによ…」
ブルー 「ホントにねえ…」

サービスするにも程があるよ、と生徒会長。

ブルー 「あんなのを、タダで出すなんて…」
一同  「「「は?」」」
ブルー 「戒名代だよ、キースは貰ってたかい?」
一同  「「「あっ!」」」

そういえば…、と誰もが回想モード。

シロエ 「貰ってませんね…?」
マツカ 「ええ。つけただけだと記憶してます」
サム  「その後も、持って来てねえよな、お布施…」
ブルー 「そう。戒名に関しては、一回もね!」

つまりはタダ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「戒名代が問題なのにさ…」
一同  「「「えっと…?」」」
ブルー 「いわゆる、高いと言われるヤツ!」

お亡くなりになった時にね、と銀青様の説明が。

ブルー 「明確な相場が無いものだから…」
シロエ 「ぼったくりですか?」
ブルー 「お寺の側では、それなりにさ…」

考えて決めているんだけどね、と生徒会長の苦笑。

ブルー 「素人さんには、理解不能で…」
スウェナ「高い、と言われちゃうわけね?」
ブルー 「そうなんだよねえ、悲しいことに」
シロエ 「じゃあ、キース先輩がタダにしたのは…」

有り得ないんですか、とシロエ君の質問。
さて、答えは…?


2022/09/06 (Tue)



☆タダなケースは


9月といえども残暑なわけで、休日は生徒会長宅が一番。
エアコンが効いて快適ですけど、今月は秋のお彼岸で…。

ブルー 「タダで出すのは、無いことはないね」
サム  「マジかよ、あんなのをサービスかよ!?」
シロエ 「だったら、何処が問題なんです?」

キース先輩が戒名をつけた件は、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「タダもアリなら、アレもですね…」
ジョミー「アリってことになりそうだよ?」
ブルー 「違うね、場合によるってこと!」

貰う人によって変わるんだよ、と銀青様の解説が。

ブルー 「一般人が貰うとなると、もう大変で…」
シロエ 「高いんですか?」
ブルー 「それはもう! ついでに、出して貰うのも…」

そう簡単にはいかないよね、と銀青様。

ブルー 「まずは住職と相談ってことで、これがまた…」
サム  「高くつくのかよ?」
ブルー 「なかなか、首を縦に振ってはくれないし…」

戒名代の他に色々と…、とフウと溜息。

ブルー 「それだけやっても、ダメなケースも多いしね」
シロエ 「だったら、タダで貰える人は何なんです?」
ブルー 「元から資格を持ってる人だよ」
一同  「「「資格?」」」

なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「戒名を貰うのに、資格ですか?」
ブルー 「そうだけど?」
サム  「聞いたこともねえけど、何処で取るんだよ?」

その資格はよ、とサム君の疑問。

サム  「死んでからだと取れねえぜ?」
シロエ 「ですよね、何処かで修行でしょうか?」
ブルー 「ソレで貰える戒名もあるけど…」

院殿号とかは別物だね、と銀青様の仰せ。

ブルー 「持って生まれた資格と言うか…」
シロエ 「家柄ですか?」

それなら分かる気もします、とシロエ君。

シロエ 「いい家柄だと、タダで貰えるんですね?」
ブルー 「先祖代々、院殿号の戒名だしねえ…」
ジョミー「そうなると、アレは…」

タダじゃないよね、とジョミー君の指摘。
家柄以前…。


2022/09/07 (Wed)



☆三連休がいいな


まだまだ残暑が厳しい季節で、休日は生徒会長宅な面々。
そこで話題に上ったお彼岸、今月のイベントですけれど。

ブルー 「タダで貰えるケースじゃないねえ…」
ジョミー「それなのに、タダで出しちゃったんだ?」
ブルー 「そういうことだね、ついでに言うと…」

タダな人でも、タダで貰うことは少ないよ、と銀青様。

ブルー 「いい家柄だと、大抵はお金持ちだしさ…」
サム  「言われなくても、ドンと出すのな?」
ブルー 「うん。でもって、代々、そうしてた結果…」

お金が無くなった時もタダなんだよ、とニッコリと。

ブルー 「ご先祖様のお蔭ってヤツで、タダで院殿号!」
シロエ 「あー…。先払い扱いなわけですね?」
ブルー 「まあ、それに近いものがあるかな」

子々孫々までタダでいけるね、と頷く人。

ブルー 「とはいえ、例のキノコの場合は…」
ジョミー「論外だよねえ、やっぱりキースが悪いんだよ」

今から取り立てられないかな、とジョミー君の凄い発言。

ジョミー「時効が無いなら、いけるのかも…」
シロエ 「でも、取り立てたら、公認になりませんか?」

今以上に…、とシロエ君が竦める肩。

シロエ 「誰かさんが威張り返って、困る気がします」
スウェナ「今でも、充分、偉そうだものね…」
サム  「結局、キースが悪いってことな…」

サービスしたのも、今の状況も…、とサム君の言。

サム  「A級戦犯って、前から言われてるしよ…」
シロエ 「なのに、自分の苦労を嘆かれてもですね…」

誰も同情しませんから、とシロエ君。

シロエ 「お彼岸は一人でやればどうです?」
ジョミー「いいねえ、ぼくたちは三連休でさ!」

23日は金曜日だし…、とジョミー君、手をポンと。

ジョミー「二泊三日で旅行とか、どう?」
シロエ 「マツカ先輩、出番ですよ!」
マツカ 「キースは置いて行くんですか?」
ジョミー「当たり前だよ、戦犯だし!」

留守番でいいよね、と言ってますけど。
旅行ですか…。


2022/09/08 (Thu)



☆留守番をよろしく


まだまだ残暑な季節なだけに、休日は生徒会長宅が一番。
話題に上った秋のお彼岸、今年は23日の金曜日でして。

キース 「ちょっと待て! 何故、お前たちだけで!」
ジョミー「旅行なのか、って言われてもさあ…」
シロエ 「戦犯の自覚はあるんですか?」

あるなら黙っていて下さい、とシロエ君、バッサリ。

シロエ 「マツカ先輩、今からでも間に合いますよね?」
マツカ 「三連休ですし、ホテルは難しそうですけど…」
ジョミー「別荘でいいよ、下手なホテルより豪華だし!」
スウェナ「部屋も素敵だし、シェフの腕前もいいし…」

別荘にしましょ、とスウェナちゃんもプッシュ。

スウェナ「泳げる所がいいかしら?」
サム  「この残暑だしよ、南の方なら23日でも…」
マツカ 「ええ、充分に泳げますよ」
ジョミー「じゃあ、いつもと違う海の別荘?」

普段のトコだと、シーズン終わっているもんね、との声。

ジョミー「南の島ってことになるわけ?」
マツカ 「そうなりますね、景色からして南国です」
一同  「「「イイネ!」」」

其処に決めた、と一同、突き上げる拳。

シロエ 「キース先輩、留守番よろしくお願いします!」
ぶるぅ 「んとんと、お部屋の鍵は管理人さんに…」
ブルー 「預けておくから、勝手に入って法要をね」

花筒とかも出しておくよ、と生徒会長、ニッコリ。

ブルー 「蝋燭とかお線香はあるから、君は花だけ…」
ぶるぅ 「持って来てくれたら、オッケーなの!」

お膳も作って冷凍しとくね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「解凍して、盛り付けて並べてくれれば…」
ブルー 「法要の用意はバッチリってね!」

頑張りたまえ、と生徒会長、キース君の肩をポン、と。

ブルー 「月参りの豪華版だと思って、ここは一発!」
キース 「あんた、本気で見捨てる気なのか!?」
ブルー 「何か問題あるのかい?」
キース 「い、いや…」

無いが、とグッと詰まっているキース君。
留守番で決定…?


2022/09/09 (Fri)



☆留守番では困る


まだまだ残暑な9月上旬、休日は生徒会長宅な御一同様。
秋のお彼岸が来るんですけど、キース君だけ留守番で…。

ブルー 「問題無いなら、留守番で一人法要だよ」
キース 「し、しかし…」

あの馬鹿が納得するだろうか、とキース君。

キース 「俺しかいないということになったら…」
??? 「もちろん困るよ、思いっ切り!」

酷い話だよね、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。

一同  「「「げっ!」」」
Aブルー「いないと思って、勝手に話を進めるなんて…」
キース 「有難い、来てくれたのか!」
シロエ 「…キース先輩、今の発言は何なんです?」

流石、戦犯は違いますね、とシロエ君、腕組み。

シロエ 「有難いだなんて、この人をですね…」
サム  「仲間と認める発言だぜ、ソレ」
キース 「うっ…!」

ついウッカリ…、とキース君、顔面蒼白。

キース 「違うんだ、仲間と認めたわけでは…!」
Aブルー「何を言うのさ、仲間でセットものなんだよ?」

疫病仏を忘れたのかい、とソルジャー、指をチッチッと。

Aブルー「ぼくが如来で、君が菩薩じゃなかったっけ?」
シロエ 「ええ、合ってますね」

ついでに邪魔しに来たんですね、とシロエ君の深い溜息。

シロエ 「ぼくたちは、旅行に行きたいんですが…」
Aブルー「キースも行きたいらしいけど?」
ジョミー「ダメだよ、キースは留守番だから!」

でないと法要がパアになるよ、とジョミー君。

ジョミー「一人でやってくれるだけでも、マシだしさ…」
サム  「俺たちの旅行を止めるんじゃねえよ」
Aブルー「じゃあさ、出張法要とかは?」
一同  「「「は?」」」

いきなり何を言い出すんだ、と一同、キョトン。

シロエ 「出張法要って、キース先輩が…ですか?」
Aブルー「そうだけど? 出張用の鞄もあるよね?」
キース 「法衣を入れる鞄のことか?」
Aブルー「そう、ソレ、ソレ!」

それの出番というヤツで、と言ってますけど。
出張法要…?


2022/09/10 (Sat)



☆知らなかった人


まだまだ残暑な9月の休日、生徒会長宅に集う御一同様。
秋のお彼岸は旅行な話で、キース君は留守番説ですけど。

Aブルー「あの鞄があれば、出張出来るんだよね?」
キース 「そうだが、出張法要というのは…」

何なんだ、とキース君の問い。

キース 「確かに俺は出張もするが、それはだな…」
サム  「遠くの寺に呼ばれた時だろ?」
キース 「ああ。俺の大学には、全国から来ていたし…」
シロエ 「そういえば、エリート校でしたっけね」

お坊さん限定の話ですけど、とシロエ君。

シロエ 「他の学部は、ごくごく普通の大学なのに…」
スウェナ「お坊さんだと、超がつくほどの名門なのよね」
Aブルー「そうだったのかい?」
キース 「悪いか、真面目に難関なんだぞ」

入れない坊主も多いからな、とキース君の仏頂面。

キース 「なのに世間では、通りが悪くて…」
シロエ 「キース先輩のエリートぶりが、サッパリで…」
Aブルー「誰も分かってくれないわけ?」
キース 「檀家さんと、お寺の関係者以外はな!」

名乗っても尊敬しては貰えん、とキース君、ブツブツと。

キース 「本当だったら、俺は本物の名門大学に…」
シロエ 「入学予定だったんですよね」
Aブルー「でも、落ちたんだね?」

入試ってヤツに、とソルジャーの言。

Aブルー「仕方ないから、お坊さんの道に進んだ、と…」
キース 「馬鹿野郎!」

最初から受けていないんだ、とキース君の怒声。

キース 「俺はブルーに触発されて、自主的に…」
シロエ 「お坊さんの道を選んだんですよ」
Aブルー「知らなかったよ…」
キース 「よくも失礼なことを言いやがって!」

もう知らん、とキース君が背ける顔。

キース 「俺も旅行に行くからな!」
シロエ 「法要は放って行くつもりですか?」
キース 「当然だろうが、馬鹿にしやがったんだし!」
ジョミー「だよねえ…」
サム  「仕方ねえよな」

見放されても当然だぜ、とサム君たちも。
法要は無し…?


2022/09/11 (Sun)



☆一人で拝むべき


残暑が厳しい9月の休日、生徒会長宅で過ごすのが一番。
キース君を残して旅行な計画、キース君も同行する方へ。

Aブルー「待ってよ、ぼくも一緒に行くから!」
一同  「「「は?」」」

なんでこいつが、と皆の視線がソルジャーに集中。

シロエ 「あのですね…。ぼくたちの旅行計画ですよ?」
スウェナ「そうよ、キースは残して行くから、って…」
ジョミー「話が決まっていたんだけどさあ…」
キース 「あんたが、自分でパアにしたんだ!」

俺が残るというのをな、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「一人で残って反省しやがれ、法要は無しで!」
一同  「「「イイネ!」」」

放置だ、放置だ、と誰もが賛成。

シロエ 「そうだ、一人でやったらどうです?」
ブルー 「いいねえ、本来、お中日の法要ってヤツは…」
キース 「檀家さんの家でするものではないからな!」

寺で纏めて法要なんだ、とキース君。

キース 「それを、あんたがうるさく言うから…」
サム  「元老寺のを、抜けさせて貰ってんだよなあ?」
キース 「そう、其処だ。本来、俺にお彼岸の休みは…」

一生、無い筈の流れだしな、とキース君の深い溜息。

キース 「此処のが無いなら、親父と一緒に元老寺で…」
サム  「法要なんだし、旅行なんかは絶対無理でよ…」
キース 「ああ。それが今回、行けそうだしな」

この馬鹿が法要を潰したから、とキース君が立てる親指。

キース 「俺もマツカの別荘へ行くぞ!」
シロエ 「というわけです、留守番をよろしく」

一人で拝んでいて下さい、とシロエ君も。

シロエ 「花瓶やお膳は、ぶるぅに頼めば…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ バッチリ揃えておくよ!」
Aブルー「嫌だよ、ぼくも旅行だってば!」

そのために鞄があるんじゃないか、とソルジャー、必死。

シロエ 「持っていないじゃないですか、鞄」
Aブルー「違うよ、キースの出張用の…」

鞄だってば、と食い下がってますけれど。
それがどうしたと?


2022/09/12 (Mon)



☆旅行鞄に非ず


まだまだ残暑な9月の休日、生徒会長宅に来ている面々。
今年のお彼岸は旅行な企画で、キース君も行く方向で…。

シロエ 「キース先輩の鞄なんかを、どうする気です?」
キース 「言っておくがな、アレは法衣の専用鞄で…」

あんたの旅行鞄ではない、とキース君、キッパリ。

キース 「俺は貸さんぞ、絶対に!」
Aブルー「違うんだってば、使うのは君で…」
キース 「今月、出張の予定は無いが?」

来月もな、とキース君が確認している、スケジュール帳。

キース 「今のところ、年内は出張予定は入っていない」
Aブルー「だったら、其処に書き加えてよ!」
キース 「はあ?」

何を書くんだ、とキース君が傾げる首。

キース 「どちらかと言えば、消す方でだな…」
シロエ 「お中日の予定を書き換えですね?」
キース 「ああ。法要を消して、旅行の日程を…」

二泊三日で決定だな、とキース君の視線がマツカ君に。

マツカ 「そうなりますね、三連休ですから」
キース 「よし。集合場所は駅で良かっただろうか?」
マツカ 「空港までは、送迎バスを出すつもりです」
キース 「すると、いつもの駐車場だな?」

此処の下の、とキース君が指差す窓。

キース 「集合場所の定番だが…」
マツカ 「皆さん、集まりやすいですしね」
キース 「分かった。それで、集合時間は?」
マツカ 「それは、何時でもいいですよ?」

プライベートジェットですからね、と流石な御曹司。

マツカ 「離陸の時間は、ご自由にどうぞ」
一同  「「「やったーっ!」」」

豪華版だ、と誰もが歓声。

ジョミー「リッチな旅になりそうだよね!」
シロエ 「貸し切りの比じゃないですからねえ…」

楽しみですよ、とシロエ君の笑み。

シロエ 「キース先輩も嬉しいでしょう?」
キース 「そうだな、留守番の刑も免れたし…」
Aブルー「鞄を忘れないでよね!」
キース 「やかましい!」

あんな鞄は持って行かん、と怒鳴る人。
旅行ですしね?


2022/09/13 (Tue)



☆出張はお断り


残暑が厳しい9月の休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
秋のお彼岸は旅行な予定で、キース君も参加の方向で…。

Aブルー「でも、アレが無いと困るじゃないか!」
キース 「誰も困らないと思うがな?」

旅先でアレは必要無い、とキース君、断言。

キース 「出張ならともかく、ただの旅行だぞ?」
シロエ 「ですよね、法衣の出番なんかは…」
Aブルー「あるんだってば、出張だから!」

さっきから言っているじゃないか、とソルジャーの言。

Aブルー「別荘で出張法要だよ!」
一同  「「「は?」」」

なんでそうなる、と誰もがポカーン。

シロエ 「あのですね…。今回は南の島へ旅行で…」
サム  「海水浴に行くんだぜ?」
スウェナ「そうよ、バカンスというヤツなのよ?」

今年はお彼岸の法要も無いし、とスウェナちゃん。

スウェナ「あなたが此処で、一人で拝んで…」
ジョミー「キースは羽を伸ばすんだよねえ?」
キース 「ああ。旅先で拝む義理などは無い」

俺は泳ぐぞ、とキース君も。

キース 「お彼岸に遊べる貴重な機会だ、楽しまないと」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 浜辺でバーベキューとかも!」
マツカ 「分かりました。用意をさせておきますね」
一同  「「「やったーっ!」」」

珍しい食材がありそうだ、と盛り上がる面々。

ジョミー「南の島だと、魚の種類も違うしね!」
マツカ 「ええ。ヤシガニなんかもありますよ」
ぶるぅ 「わーい、楽しみ!」

食べるもんね! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大喜び。

ぶるぅ 「食べて、泳いで、他にも色々!」
Aブルー「いいねえ、ぼくも楽しみだよ!」
一同  「「「へ?」」」

留守番の何処が楽しいんだ、と飛び交う『?』マーク。

キース 「言っておくが、土産は無いからな!」
Aブルー「うん、それは自分で調達するよ」
シロエ 「何の話です?」
Aブルー「お土産だけど?」
キース 「何処の土産だ?」

おはぎでも買って帰るのか、とキース君。
定番ですね?


2022/09/14 (Wed)



☆おはぎは無いかも


秋のお彼岸は二泊三日で旅行な計画、南の島の別荘行き。
法要は無しでソルジャーは留守番、そういう流れでして。

Aブルー「おはぎって…。そんなの、売っているかな?」
キース 「今も言ったが、お彼岸と言えば、おはぎだぞ」

何処の菓子屋にもある筈だ、とキース君。

キース 「上等の菓子が専門で、普段は扱わない店も…」
マツカ 「その時期だけは、作っている所が多いですよ」

お値段も高くはありません、とマツカ君も。

マツカ 「材料がいい分、他所より少し高い程度で…」
キース 「高級店とは思えん良心価格だぞ?」

自信を持ってお勧めするが、とキース君の太鼓判。

キース 「買うなら、高級店にしておけ」
マツカ 「期間限定のレアものですしね」
Aブルー「うーん…。でもさあ、それって南の島でも…」

条件は同じになるんだろうか、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「確か、お菓子の種類も名前も、全然違って…」
シロエ 「あー…。ちんすこうとか、そういうのですね」
サム  「サーターアンダギーも、半端ねえ名前だぜ?」
Aブルー「そう、そういうヤツ!」

おはぎがあるとは思えないけど、と悩んでいる人。

Aブルー「あっても、全く別物だとか…」
キース 「そうかもしれんが、あんたは無関係だぞ」
シロエ 「ぼくたちも、おはぎは買いませんから!」

買うなら、ちんすこうとかです、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「やっぱり、其処の名物をですね…」
キース 「買って帰るのが旅だからな」
Aブルー「ほらね、ぼくだって、そうしたいから!」

何がいいかな、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ぼくのハーレイも、食べられそうなヤツで…」
キース 「だから、あんたは関係無いと!」

自分でおはぎを買って帰れ、とキース君。

キース 「甘いものが苦手なヤツには、煎餅だな」
Aブルー「違うよ、出張法要だから!」
一同  「「「出張法要?」」」

なんでそうなる、と誰もが見合わせる顔。
留守番は…?


2022/09/15 (Thu)





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☆ただの焼肉なら


お盆はスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅に集合。
けれど僧籍な面子は棚経なわけで、それ以外の面々で…。

マツカ 「ウナギやステーキも許される日なのに…」
シロエ 「精進料理で、それもアッサリ系ですしね…」
スウェナ「どう考えても、貧乏クジよね…」

特にジョミーとサムだわよ、とスウェナちゃんの指摘。

スウェナ「本当だったら、焼肉パーティーの方でしょ?」
シロエ 「キース先輩が言わなかったら、そうですね…」
マツカ 「もしも、ガーリックじゃなかったら…」

焼肉は許されていたんでしょうか、とマツカ君。

マツカ 「キースは精進料理になっても、あの二人は…」
ブルー 「文句を言う権利は、あったと思うね」

実態を知らなかったとしても、と生徒会長の言。

ブルー 「ただの焼肉なら、匂いの方はそれほどは…」
ぶるぅ 「酷くないよね、食べた日は匂うかもだけど…」

次の日の朝には抜けちゃってるよ、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「でも、吸血鬼退治だったし…」
シロエ 「ニンニクは必須アイテムですしね…」
マツカ 「本気で退治するんだったら、杭ですけれど…」

でなければ銀の弾丸ですね、とマツカ君が挙げるブツ。

マツカ 「息の根を止める場合は、そうなりますが…」
シロエ 「嫌がらせイベントでしたしねえ…」
スウェナ「気付かなかった、サムとジョミーがババよね」

キースはともかく…、とスウェナちゃん、溜息。

スウェナ「もう今頃はバテてるわよ、きっと」
シロエ 「そうでしょうねえ、自転車ですし…」
マツカ 「差し入れをしてあげたいですけど…」

それも難しそうですし…、とマツカ君が見る窓の外。

マツカ 「棚経のルートを知りませんしね…」
シロエ 「例の人なら、知ってるかもですよ」
スウェナ「そんなわけないでしょ、ド素人よ?」
シロエ 「毎年、瞬間移動で送迎していませんか?」
マツカ 「そういえば…」

此処の前後はそうでしたね、とマツカ君。
恒例でしたっけ…。


2022/08/16 (Tue)



☆手伝わない人


スッポンタケの棚経の日で、生徒会長宅に来ている面々。
僧籍な面子は棚経だけに、それ以外の三人ですけれど…。

シロエ 「ほらね、知ってるかもって思いませんか?」
マツカ 「ええ。聞いてみる価値はありそうですね」
スウェナ「でもソレ、どうやって質問するの?」

いつも重役出勤だわよ、とスウェナちゃんが顰める顔。

スウェナ「私たちには、朝一番から来いって言って…」
シロエ 「来ないんでしたね、肝心の人が」
マツカ 「そうでした…。ついでに、最近…」

瞬間移動も忘れがちなんでしたっけ、とマツカ君。

マツカ 「此処の前の家を出たら、即、移動なのに…」
シロエ 「走行距離が増えてましたね、先輩たち…」

忘れ去られていたせいで…、とシロエ君も。

シロエ 「ということは、今年もやっぱり…」
ブルー 「来るわけがないね、早めになんて!」

でもって今年も忘れるかもねえ、と生徒会長の苦笑。

ブルー 「到着の直前になって思い出すとかさ…」
シロエ 「あー…。忘れておいて、遅いと文句を…」

言いかねません、とシロエ君。

シロエ 「そんな人が差し入れを手伝うなんて…」
マツカ 「無いでしょうねえ、どう考えても…」
ブルー 「特典がつくなら別だろうけど…」

棚経に特典もお徳も無いし…、と生徒会長が傾げる首。

ブルー 「そうなると、特典は此処で出すしか…」
シロエ 「どういう意味です?」
ブルー 「ぼくたちで用意するしか無いってこと!」

誰かさんが食いつくようなブツを、と生徒会長。

ブルー 「でもねえ、そこまでしてあげる義理は…」
シロエ 「無いと思いますよ、まるで全く」

自業自得というヤツですから、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「キース先輩は、自分で棺桶行きでしたし…」
マツカ 「サムとジョミーは、失言ですし…」
ぶるぅ 「特典、用意してあげないの?」
スウェナ「当然でしょ?」
ぶるぅ 「でも…」

おもてなしも特典だよね、と言ってますけど。
えっと…?


2022/08/17 (Wed)



☆特典があれば


お盆はスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅な面々。
僧籍な面子は棚経中で、それ以外のメンバーですけれど。

シロエ 「おもてなしって、何なんです?」
マツカ 「キースたちなら、次を急ぎますから…」
スウェナ「ゆっくりしている暇は無いわよ?」

おもてなしの用意が無駄になるわね、とスウェナちゃん。

スウェナ「だから毎年、飲み物も出していないんだし…」
シロエ 「ケーキなんかは論外ですよね、アイスだって」
マツカ 「冷たいおしぼりくらいでしょうか…」

用意しても邪魔にならないのは、とマツカ君の意見。

マツカ 「あとは部屋をキンキンに冷やす程度で…」
シロエ 「他に出来ること、無いですよねえ?」
スウェナ「そうなのよ。冷えたおしぼりで充分だわね」

いっそ冷凍庫で凍らせておけば、という声が。

スウェナ「汗だくなんだし、喜ばれるわよ?」
シロエ 「それって、お肌に貼り付きませんか?」
マツカ 「少し前に出しておくべきですね、冷凍庫から」

貼り付いたら時間を取られますし、とマツカ君。

マツカ 「ゆっくり剥がさないと痛いですから…」
スウェナ「そうね、だったら、その方向で」
シロエ 「おしぼりってことで決定ですね?」
ぶるぅ 「んとんと、そういうヤツじゃなくって…」

特典だよう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の割り込み。

ぶるぅ 「特典があれば、来てくれるんでしょ?」
シロエ 「もしかして、例の人ですか?」
ぶるぅ 「そだよ、早めに来るかもだし…」

おもてなしなら出来るもん、と笑顔のお子様。

ぶるぅ 「おもてなしを特典にすればオッケー!」
シロエ 「あのですね…」

何故、あの人をもてなすんです、とシロエ君の苦い顔。

シロエ 「ぼくたちは巻き込まれ中なんですよ?」
スウェナ「放置でいいわよ、あんな迷惑な人!」
マツカ 「放っておいても、その内に来ますし…」
ぶるぅ 「でも、キースたちが…」

外はとっても暑そうなの! と窓を見てますけど。
夏ですしね…。


2022/08/18 (Thu)



☆特典と聞いて


スッポンタケの棚経の日は、朝イチで生徒会長宅に集合。
僧籍な面子は棚経だけに、それ以外の三人ですけれど…。

シロエ 「確かに暑そうですけどね…」
マツカ 「キースたちの場合は、毎年ですから…」
スウェナ「覚悟は出来ている筈だわよ」
ぶるぅ 「だけど今年は、前の日、精進料理だったし…」

エネルギー不足でキツイと思うの、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「カロリーが足りていないんだし…」
シロエ 「ですから、自業自得ですって!」
マツカ 「サムとジョミーは微妙ですけど…」
スウェナ「アレも一種の自業自得よ!」

人を呪わば穴二つでしょ、とスウェナちゃん、断言。

スウェナ「ガーリック作戦に乗り気だったんだもの」
マツカ 「まあ、そうですね…」
シロエ 「ただの焼肉なら、セーフでしたしね…」
スウェナ「そうでしょ、だから放置でいいのよ」

例の人なんかを呼ばなくても、とキッパリと。

スウェナ「それも特典をつけてまで!」
??? 「なになに、何が貰えるんだって?」

乗った! とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「出たーっ!」」」
Aブルー「失礼だねえ、早く来てあげたのに!」

特典がつくそうだから、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「いいものが貰えそうだしね!」
ぶるぅ 「んとんと、おもてなしなんだけど…」
Aブルー「いいねえ、御馳走してくれるとか?」
ぶるぅ 「他のみんなとセットで御飯!」

キースたちは来られないけれど、と提案するお子様。

ぶるぅ 「棚経が済んだら、打ち上げっぽく!」
Aブルー「パーティーってこと?」
ぶるぅ 「そだよ、お疲れ様でした、って!」
Aブルー「貰ったあ!」

その特典、とソルジャーが突き上げる拳。

Aブルー「ありがとう、早く来た甲斐があったよ!」
ぶるぅ 「よかったあ!」
Aブルー「え?」
ぶるぅ 「だから、特典!」
Aブルー「えっと…?」

何が良かったと、と首を捻ってますけど。
条件を知らないとか…?


2022/08/19 (Fri)



☆コースが謎だと


お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に来ている面々。
僧籍な面子は棚経中で、それ以外の三人なわけですが…。

Aブルー「ぼくが早く来たら、特典だよね?」
ぶるぅ 「そうなの、特典、おもてなしなの!」
Aブルー「じゃあ、良かった、って何の話さ?」

貰えて嬉しいのは、ぼくだけど、とソルジャーの疑問。

Aブルー「ぶるぅが喜ぶトコって、あるわけ?」
ぶるぅ 「そだよ、来てくれたんだもん!」
Aブルー「ああ、そういえば、ぶるぅはお客様とか…」

おもてなしとか大好きだっけ、とソルジャー、納得。

Aブルー「おもてなし出来るから、大喜びで…」
シロエ 「違いますから!」
Aブルー「えっ?」

何処が違うと、と赤い瞳が真ん丸に。

Aブルー「だって、早く来るだけで特典ゲットで…」
シロエ 「ですから、それが違うんです!」

呼んだ理由があるんですよ、とシロエ君、ピシャリと。

シロエ 「その点をクリアしないとですね…」
マツカ 「特典は出ないわけなんですよ」
Aブルー「ええっ!?」

来るだけでゲットじゃなかったんだ、と愕然とする人。

Aブルー「もしかして、早まっちゃったかな…」
ぶるぅ 「んとんと、そんなに難しくないから!」
Aブルー「何かやらなきゃいけないわけ?」
ぶるぅ 「ん-とね、棚経のコース、知ってる?」

キースたちが回っていく順番、と質問が。

ぶるぅ 「棚経で回る檀家さんの家なんだけど…」
Aブルー「ああ、アレね…。此処の前後はバッチリ!」
シロエ 「他はどうなんです?」
Aブルー「こう、なんとなく、うろ覚え程度で…」

たまにチェックするだけだから、とダメすぎる答え。

Aブルー「今だと何処かな、キースたちを探せば…」
ぶるぅ 「見付けられても、次が分かんないと…」
シロエ 「意味が無いんですか?」
ぶるぅ 「だって、トイレのスポットとかが…」
マツカ 「謎だと、確かにマズイですよね…」

差し入れが仇になるかもです、とマツカ君。
水分ですね?


2022/08/20 (Sat)



☆たまには最初から


スッポンタケの棚経の日で、朝イチで生徒会長宅に集合。
僧籍以外の面子が三人、ソルジャーも早く来たものの…。

Aブルー「えっ、トイレ? それに差し入れって?」
シロエ 「全く聞いてなかったんですね…」

肝心の部分というヤツを、とシロエ君、超特大の溜息。

シロエ 「要するに、キース先輩たちに差し入れです!」
Aブルー「なんで差し入れ? そんなの、いつもは…」

やってないよね、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「第一、どうして、ぼくを呼ぶわけ?」
ぶるぅ 「棚経のコースを知ってるかも、って…」
Aブルー「だったら、コースを知らないぼくには…」

特典を貰う権利は無いと…、とショックを受けている人。

Aブルー「ごめん、今すぐ帰っていいかな?」
ブルー 「たまには最初から参加したまえ!」

毎年、重役出勤だし、と生徒会長の厳しい声音。

ブルー 「他のみんなは、朝イチなんだよ?」
Aブルー「でも、みんなには打ち上げ、あるよね…」
ぶるぅ 「一人増えても、大丈夫なの!」

食材は沢山買ってあるから、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「せっかく、早く来てくれたんだし…」
シロエ 「もてなすんですか!?」
ぶるぅ 「だって人数、多い方が賑やかで楽しいし…」

いつもより三人足りないんだもん、という台詞。

ぶるぅ 「キースもサムも、ジョミーも棚経…」
Aブルー「喜んで、三人分を埋めるよ!」

あと二人にも心当たりが、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「今日は特別な会議とかも無いし…」
ブルー 「君だけで充分、間に合ってるから!」

君のハーレイは呼ばなくていい、と生徒会長、ビシッと。

ブルー 「悪戯小僧も要らないから!」
Aブルー「えーっ!?」

ちょうど三人いるのにさ、とソルジャーの文句。

Aブルー「抜けた面子の分を補填で!」
ブルー 「あのねえ、お祭りじゃないんだから…」
Aブルー「違うのかい?」

お盆というのはお祭りでは、と言ってますけど。
盆踊り…?


2022/08/21 (Sun)



☆お祭りなんです


お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に集合ですけど。
僧籍以外の面子が三人、ソルジャーも早く来たわけで…。

シロエ 「お盆の何処がお祭りなんです!」
マツカ 「盆踊りでしょうか?」

此処ではやっていませんけど、とマツカ君。

マツカ 「あれは確かにお祭りですよ?」
スウェナ「言われてみれば、そうだったわね…」
シロエ 「露店が出るトコもあるみたいですし…」

実はお祭りだったんですか、とシロエ君、ポカーン。

シロエ 「今の今まで、全く気付いていませんでした…」
マツカ 「ぼくもです。お盆と言えば棚経だとばかり…」
スウェナ「思い込まされていたわよねえ…」

誰かさんのせいで…、とスウェナちゃんの非難の視線。

スウェナ「毎年、毎年、朝一番に集合なんだし…」
シロエ 「ですよね、盆踊りなんか忘れてましたよ」
マツカ 「広告やポスターも見るんですけど…」

右から左に抜けてましたね、とマツカ君も。

マツカ 「よく考えたら、お盆はお祭りなんですよ」
シロエ 「帰省で賑やかな時期ですしね…」
スウェナ「私たちには、まるっきり御縁が無かったし…」

まさに戦犯というヤツだわよ、とスウェナちゃんの怒り。

スウェナ「なんで戦犯と打ち上げなのよ!」
シロエ 「しかもA級戦犯ですよね…」
Aブルー「違うから!」

戦犯は他にいると思う、とソルジャー、反論。

Aブルー「キースだってば、諸悪の根源は!」
シロエ 「責任転嫁ですか?」
Aブルー「違うよ、スッポンタケの件が無くても…」

キースは卒塔婆書きで棚経な筈、とソルジャーの指摘。

Aブルー「そもそも、家がお寺なんだし!」
一同  「「「あー…」」」

それはあるかも、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「するとA級戦犯は、キース先輩だと…?」
マツカ 「一理ありますね…」
スウェナ「そうだわねえ…」
Aブルー「ほらね、ぼくは戦犯じゃないんだし…」

ハーレイたちも呼んで打ち上げ、と笑顔ですけど。
どうなる…?


2022/08/22 (Mon)



☆お祭りにするなら


スッポンタケの棚経の日で、朝イチで生徒会長宅に集合。
ソルジャーも早めに来たんですけど、それが問題でして。

ブルー 「あのねえ…。なんで余計な面子まで!」
Aブルー「だって、お盆はお祭りなんだよ?」

シロエたちも認めたんだしね、とソルジャー、得意げ。

Aブルー「お祭りは、面子が多い方が盛り上がるしさ!」
ブルー 「だからと言って、そのメンバーは…」
シロエ 「あんまりすぎると思いますけど!」

そもそも棚経に理解が無いです、とシロエ君。

シロエ 「お盆が何かも知らないでしょうし…」
Aブルー「お祭りだよね?」
シロエ 「キース先輩が聞いたら、ブチ切れですから!」
Aブルー「そのキースが戦犯なんだけど?」

お祭りをパアにして来たんだし、とソルジャーの指摘。

Aブルー「もしもキースが、普通の高校生だったら?」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「お盆だってば、どう過ごしてると思う?」

夏が一番盛り上がる時期だよ、とソルジャー、目がマジ。

Aブルー「帰省ラッシュで、花火大会に盆踊りでさ…」
シロエ 「あー…。花火大会に行ったかもですねえ…」
スウェナ「盆踊りの可能性もあるわね」
マツカ 「旅行にも行っていそうですよ?」

いろんな行事がありますからね、と御曹司も。

マツカ 「有名どころを回るだけでも、何年も…」
シロエ 「そうでした! 宿が取りにくい時期で…」
スウェナ「列車も乗車率が半端なくって…」

でも、マツカなら楽勝なのよね、とスウェナちゃん。

スウェナ「お盆って、そういうものだったわねえ…」
Aブルー「ほらね、戦犯はキースなんだよ」

お盆を楽しんでもいいと思う、とソルジャーの言。

Aブルー「たまにはパァーッと、ゲスト多めで!」
シロエ 「だったら、言い訳してくれますか?」
Aブルー「言い訳って?」
シロエ 「キース先輩がキレた時ですよ」
スウェナ「言い出しっぺの役目よね」

お祭りにするなら言うべきだ、との意見ですけど。
さて…?


2022/08/23 (Tue)



☆キレられたら終わり


お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に来ている面々。
ソルジャーも早く来たわけですけど、話があらぬ方向へ。

Aブルー「キースがキレるって、なんでキレるわけ?」
シロエ 「妙な面子が増えているんですよ?」

普段は見ない顔が二人も、とシロエ君が立てる指が二本。

シロエ 「何故、増えたのか、聞かれないとでも?」
Aブルー「棚経なんだし、たまには来たって…」

いいと思う、とソルジャー、しれっと。

Aブルー「要はお祭りなんだしね!」
シロエ 「キース先輩に、そう説明をするんですか?」
Aブルー「だって、お盆はお祭りだろう?」
シロエ 「そう言うのは勝手ですけどね…」

後がどうなっても知りませんよ、とシロエ君の冷たい瞳。

シロエ 「ただでも気が立っていますしね…」
スウェナ「其処へ今年は、エネルギー不足でしょ?」
マツカ 「差し入れの話が出るくらいですし…」
ブルー 「沸点はとても低いと思うね」

瞬間湯沸かし器な勢いでキレると思う、と生徒会長。

ブルー 「俺は帰るぞ、とUターンでさ…」
シロエ 「ジョミー、次だ、で終わりですよね」
Aブルー「えっと、それって…?」
ブルー 「棚経無しだよ、次に行くんだから!」

此処はスルーで次の檀家さん、と生徒会長の説明が。

ブルー 「なにしろ、ハードな一日だしねえ…」
シロエ 「一軒でも減ったら嬉しいですよね」
ブルー 「そうだと思うよ、この暑さだしさ」

嫌なら言い訳を考えたまえ、とキッツイお言葉。

ブルー 「もっとも、なんと言い訳しようが…」
シロエ 「あの面子がいるだけで、無駄な気がします」
スウェナ「どう見ても、お祭り要員だものね」
マツカ 「日頃、そういうポジションですしね…」

イベントの時しか来ませんから、とマツカ君も。

マツカ 「キースがキレるのは、確実でしょう」
Aブルー「じゃあ、棚経をして貰うには…」
ブルー 「さあねえ…?」

状況をよく見極めたら、と知らんぷりな人。
当然ですね?


2022/08/24 (Wed)



☆確実に詰みます


スッポンタケの棚経の日は、朝イチで生徒会長宅に集合。
今年はソルジャーも早く来たものの、ズレた発想でして。

Aブルー「ぼくのハーレイや、ぶるぅがいたら…」
シロエ 「詰みだと思いますけれど?」

棚経は無しで終わりでしょうね、とシロエ君、断言。

シロエ 「ぼくは、どうでもいいですけど」
Aブルー「やっぱり、呼ばない方がいいかなあ…?」
ブルー 「お祭り発言も、避けるべきだね」

キースがキレるよ、と生徒会長。

ブルー 「それより、棚経の準備をすべき!」
Aブルー「なんで、ぼくが!」
シロエ 「それはこっちの台詞ですよ!」

巻き込まれているわけですからね、とシロエ君の怒り。

シロエ 「お膳の用意くらい、したらどうです!」
Aブルー「精進料理なんか、作れないってば!」
ブルー 「せめて盛り付けするとかさ…」
Aブルー「無理だから!」

お約束を知らないからね、とソルジャー、キッパリ。

Aブルー「祭壇だって、どう飾るのか知らないし…」
ブルー 「あのねえ…。それで打ち上げしたいって…」
シロエ 「厚かましいにも程がありますよ」
Aブルー「ぶるぅは歓迎してくれたよ?」

だからいいんだ、と威張り返る人。

Aブルー「ハーレイたちも、呼びたいんだけど…」
シロエ 「本当に、詰む気満々ですね…」
Aブルー「呼んだら、詰むって?」
ブルー 「確実にね!」

来年以降の棚経も無いかも、と生徒会長、フウと溜息。

ブルー 「一度、外されると、大変でねえ…」
Aブルー「そうなのかい?」
ブルー 「菩提寺を怒らせると、怖いんだよ」

お彼岸の法要も来てくれないかもね、と怖い台詞が。

ブルー 「それでいいなら、好きに呼んだら?」
Aブルー「嫌すぎるから!」

大人しくする、とソルジャー、ガクブル。

Aブルー「打ち上げだけで我慢しておくよ…」
ブルー 「じゃあ、棚経の準備を…」
Aブルー「無理だってば!」

やったら失敗するだけだから、と悲鳴ですけど。
ありそう…。


2022/08/25 (Thu)



☆出直すそうです


スッポンタケの棚経の日ですけど、早く来たソルジャー。
けれど打ち上げ目当てなだけで、全く役に立たない感じ。

Aブルー「ぶるぅも、無理だと思うよねえ?」
ぶるぅ 「んとんと、お膳は無理そうだけど…」
シロエ 「花を飾るとかなら、出来ますよね?」
スウェナ「お供え物も並べられそうだわよ」

果物とかを置けばいいんだから、という声が。

スウェナ「花は元々、お盆用のがあるんだし…」
マツカ 「センスは問われませんからね」
Aブルー「でも、置き方を知らないから!」

やっぱり慣れた人が一番、とソルジャーの逃げ。

Aブルー「とりあえず、一度、帰って出直すよ!」
シロエ 「逃げる気ですか!?」
Aブルー「打ち上げは参加するからねーっ!」

それじゃ、と消えてしまった姿。

ぶるぅ 「帰っちゃった…」
シロエ 「美味しいトコだけ、持ってく気ですね…」
スウェナ「何なのよ、アレ!」
ブルー 「まあ、下手に居座られるよりは…」

気楽かもね、と生徒会長が広げる両手。

ブルー 「棚経の準備をしておこうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お膳は出来てるの!」
シロエ 「花を飾って、お供え物ですね」
スウェナ「結局、今年もこうなるのよねえ…」

ところでキースは、とスウェナちゃんが傾げる首。

スウェナ「差し入れの話がズレちゃったけど…」
シロエ 「そうでした! バテてるんでしたっけ…」
ぶるぅ 「ん-とね、意識朦朧みたい…」

だけどプロだし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「棚経は、ちゃんとやってるよ?」
シロエ 「あー…。身体にしみついていますしね…」
ぶるぅ 「そうなの、だから出来るんだけど…」

お経も間違えないけれど、と覗き見の報告。

ぶるぅ 「でも、檀家さんの家を出ちゃうと…」
シロエ 「倒れそうになるわけですか?」
ぶるぅ 「出来上がってるよ?」
一同  「「「は?」」」
ぶるぅ 「千鳥足なの!」

ジョミーと二人で酔っ払い、と言ってますけど。
熱中症では…?


2022/08/26 (Fri)



☆ハイになった人


スッポンタケの棚経の日で、生徒会長宅に来ている面々。
早く来たソルジャーは逃げてしまって、残りの面子で…。

シロエ 「千鳥足って…。熱中症じゃないんですか?」
ぶるぅ 「そうかもだけど、なんかハイだよ?」
一同  「「「ハイ?」」」
ぶるぅ 「一軒済む度に、ジョミーとハイタッチなの!」

凄くテンション高いみたい、と覗き見したお子様の証言。

ぶるぅ 「でもって、次のお宅に行くぞーっ! って…」
シロエ 「自転車に乗るわけですね?」
ぶるぅ 「そだよ、お念仏で歌まで歌ってるよ?」
一同  「「「歌!?」」」

なんだソレは、と一同、目が点。

シロエ 「お念仏の歌って、ありましたっけ?」
ぶるぅ 「ううん、替え歌を全部、お念仏なの!」

流行りの歌から校歌まで、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「それならジョミーも歌えるし…」
シロエ 「ジョミー先輩も歌っているんですか!?」
ぶるぅ 「酔っ払いで、出来上がっているんだもん!」

バテバテの筈なのにハイだもんね、と呆れ顔のお子様。

ぶるぅ 「元気は余っているみたい…」
シロエ 「ランナーズハイじゃないんでしょうか?」
マツカ 「そうかもです。例年以上にバテてますから…」

有り得ない方向に行ったかも、とマツカ君、心配そう。

マツカ 「大丈夫でしょうか、その状態で?」
ブルー 「既に正気が危ういかもねえ…」
シロエ 「思い切りヤバいじゃないですか!」
ブルー 「倒れはしないよ、そこはプロだから」

ジョミーも経験値は高いからね、と生徒会長。

ブルー 「多分、この家がヤマじゃないかな」
一同  「「「は?」」」

どういう意味だ、と誰もがキョトン。

シロエ 「ヤマですか?」
ブルー 「そう、テンションが頂点に!」
シロエ 「まさか、踊ったりしないでしょうね?」
ブルー 「どうかな、念仏踊りもあるし…」
一同  「「「念仏踊り!?」」」

そんな踊りがあるなんて、と仰天ですけど。
盆踊りの一種…?


2022/08/27 (Sat)



☆踊り始めるかも


お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に集合ですけど。
早く来たソルジャーが逃げてしまって、残りの面子のみ。

シロエ 「念仏踊りって、何なんですか?」
ブルー 「お念仏に合わせて踊るか、唱えながら…」

踊るかというヤツだよね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「唱えながらの方は、踊り念仏とも言うけれど」
スウェナ「盆踊りみたいなものかしら?」
ブルー 「そうだね、お盆にやってる所が多いかな」

伝統芸能にもなっているよ、と説明が。

ブルー 「アルテメシアでも、場所によっては…」
シロエ 「やっているんですか?」
ブルー 「うん、保存会とかもあるからね」
マツカ 「すると、キースも踊れるんでしょうか?」

お念仏の宗派ですし…、とマツカ君の質問。

マツカ 「そんな話は聞いてませんけど…」
ブルー 「お坊さんが始めたのが由来だけどさ…」

今の踊り手は一般人で…、と生徒会長。

ブルー 「だからキースは、習ってないかと」
シロエ 「じゃあ、どうやって踊るんです?」
ブルー 「それはアレだね、即興だよね!」

その場のノリで適当に、という答え。

ブルー 「ジョミーもいるから、肩を組むとか…」
スウェナ「盆踊りに、そんなのは無いと思うわよ?」
ブルー 「習ってないから、どうとでもなるね」

替え歌次第でアレンジだよ、と生徒会長、クスクスと。

ブルー 「盆踊りの曲なら、それっぽくなるし…」
シロエ 「サンバだったら、サンバになるんですか?」
ブルー 「多分ね!」
Aブルー「なになに、誰が踊るんだって!?」

サンバだってね、とソルジャーがヒョイと出現。

Aブルー「今の流れだと、もしかして…」
ブルー 「キースたちだけど?」

踊るかもねという話、と生徒会長。

ブルー 「なにしろ、テンション高すぎだから…」
Aブルー「踊るって?」
ブルー 「お念仏の替え歌でね!」
Aブルー「最高じゃないか!」

まさにお祭りだよ、とソルジャー、ワクワク。
棚経ですよ…?


2022/08/28 (Sun)



☆踊りに期待な人


スッポンタケの棚経の日で、準備を整えて待機ですけど。
逃げ帰ったソルジャーが戻って来まして、期待に輝く瞳。

Aブルー「お念仏で踊ってくれるなんて、嬉しいねえ…」
シロエ 「棚経は、そうじゃないと思いますけれど?」
Aブルー「お盆は本来、お祭りじゃないか!」

それが実現するなんて…、と嬉しそうな人。

Aブルー「これなら、ぼくのハーレイたちを呼んでも…」
ブルー 「ドサクサ紛れは許さないからね!」
Aブルー「そう言わないでさ、打ち上げパーティーに…」
ブルー 「あのねえ…。ところで、キースたちだけど…」

時間が迫っているような気が、と生徒会長が指差す時計。

ブルー 「例年、今頃じゃなかったかな、と…」
シロエ 「そういえば…。すると、今年も…」

瞬間移動を忘れていませんか、とシロエ君の指摘。

シロエ 「檀家さんの家からの移動を、サポートで…」
スウェナ「時短して、時間を捻り出すのよね?」

此処で棚経する分の…、とスウェナちゃんも。

スウェナ「スッポンタケは、数に入ってないから…」
Aブルー「そうだっけ…!」

ヤバい、とソルジャー、顔面蒼白。

Aブルー「えっと、キースたちは…」
マツカ 「間に合いますか?」
Aブルー「うん、なんとか…!」

よし! とソルジャー、ガッツポーズ。

Aブルー「ハイタッチしたトコで、移動完了!」
ブルー 「檀家さんに見られていないだろうね?」
Aブルー「大丈夫、誰も見ていないって!」

だからこそハイタッチが出来るんだろう、と笑顔。

Aブルー「あのテンションで来てくれるんだ?」
ぶるぅ 「そだね、あっ、来た!」

お迎えに行く! とチャイムの音で跳ねてゆくお子様。

ぶるぅ 「キースたち、来たよーっ!」
キース 「邪魔するぞ」

よくも今年も遅れやがって、とキース君、怒りの形相。

キース 「棚経を何だと思ってるんだ!」
Aブルー「お祭りだよね!」

歌って踊ってくれたまえ、と歓迎ですけど。
踊りますか…?


2022/08/29 (Mon)



☆盆踊りは後付け


いよいよスッポンタケの棚経、やって来たキース君たち。
テンションが高いと聞いたソルジャー、踊りに期待で…。

キース 「棚経の何処が、祭りになるんだ!」
Aブルー「えっ、だって…。盆踊りとかもあるし…」

念仏踊りもあるんだってね、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「お念仏で歌って走ってるんだろ、今年は?」
キース 「貴様の迎えが遅れたお蔭で、余計にな!」

走行距離が伸びたんだぞ、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「ジョミー、蝋燭と線香だ!」
ジョミー「オッケー!」

ジョミー君が手早く支度で、サッと正座なキース君たち。

キース 「お前たちも、早く正座しろ!」
Aブルー「踊りは後になるのかい?」
キース 「やかましい!」

チーンと鐘を鳴らして催促、御一同様、慌てて正座。

キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
シロエ 「…正気ですね?」
マツカ 「ええ、完全に」
キース 「お静かに!」

ピシャリと叱られ、シロエ君たち、肩を竦めて沈黙。

キース 「のうまく さらば たたぎゃた…」
一同  (((いつも通りだ…)))

変な呪文だ、と思う間に、またお念仏が始まりまして。

キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
一同  (((確か、これで終わり…)))
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」

木魚と叩き鉦を連打で、ハハーッとお辞儀なお坊さん組。

キース 「皆さん、よくお勤めでございました」
Aブルー「ありがとう! それで、踊りは?」
キース 「俺は、正気に返ったんだが?」

もうハイタッチも替え歌もない、とキース君の鋭い瞳。

キース 「ジョミー、次に行くぞ!」
Aブルー「ちょっと待ってよ!」

お布施が足りないなら増やすから、とソルジャー、必死。

Aブルー「なにも正気に返らなくても!」
キース 「お盆を侮辱しやがって!」
Aブルー「お祭りだろう?」
キース 「違う!」

盆踊りの方が後付けなんだ、とキース君の怒声。
確かに…。


2022/08/30 (Tue)



☆自分で踊るべき


スッポンタケの棚経は無事に終了、念仏踊りなどは無し。
正気に返ったキース君たち、次の檀家さんへ行くそうで。

Aブルー「後付けって、何さ?」
キース 「お盆があるから、盆踊りなんだ!」

御先祖様の供養から派生したんだ、と副住職。

キース 「お盆は本来、娯楽ではない!」
Aブルー「そう言わないで、一曲だけでも踊ってよ!」
キース 「あんたが踊ればいいだろう!」

お祭り騒ぎが好きなんだしな、と突き放し。

キース 「シロエ、一曲、歌ってやれ!」
シロエ 「ぼくですか!?」
キース 「俺たちは次を急ぐからな!」

次の檀家さんの家まで瞬間移動で送れよ、とズズイと。

キース 「でないと、此処は来年から外す!」
Aブルー「それは困るよ、じゃあ、送るから!」

自転車ごとね、という声と同時に消えたキース君たち。

Aブルー「なんとか、セーフ…。だけど、踊りが…」
スウェナ「自分で踊れ、って言ってたわよねえ?」
マツカ 「ええ。シロエに一曲、歌うように、と…」

でも歌えますか、とマツカ君の問い。

マツカ 「お念仏で替え歌なんて、素人には…」
シロエ 「ちょっと分からない感覚ですよ…」

カラオケは大好きなんですが、とシロエ君も困惑。

シロエ 「ぼくはいったい、どうしたら…」
ぶるぅ 「んとんと、盆踊りの曲のCDとかは?」

シャングリラ学園に揃ってるでしょ、という声が。

ぶるぅ 「あれを借りればいいと思うの!」
シロエ 「名案ですね!」
マツカ 「まさに盆踊りの曲ですからね」

どうぞ一曲踊って下さい、とマツカ君。

マツカ 「浴衣も御用意しますから」
Aブルー「なんでぼくが!」

踊らないからね、とソルジャー、ワタワタ。

Aブルー「キースが踊ってこそなんだし…!」
ブルー 「踊りたまえ!」
ぶるぅ 「CD、借りて来るねーっ!」
シロエ 「お盆はお祭りですからね」
Aブルー「前言撤回!」

二度と言わない、と悲鳴ですけど。
今月、これにて中継終了~。


2022/08/31 (Wed)






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☆詰みそうな人


さて8月。夏休み絶賛継続中で、生徒会長宅に集う面々。
クーラーが効いて、アイスも食べ放題な環境ですけれど。

キース 「くっそぉ…。なんだって、俺がこんな目に!」
ブルー 「愚痴っている間に、帰るのがオススメだよ」
シロエ 「そうですよ。このままだと、もう確実に…」

詰むしかないと思いますけど、とシロエ君。

シロエ 「卒塔婆書き、例年以上に地獄なんでしょう?」
キース 「ああ、あの馬鹿野郎のお蔭でな!」
サム  「それは違うと俺は思うぜ」
ジョミー「うん、ぼくも。山の別荘で書いていればさ…」

間に合ってたと思うんだよね、とジョミー君も。

ジョミー「確かにノルマは増えていたけど…」
シロエ 「マツカ先輩をアテにしたからですよ?」

出発を早めましたよね、と鋭い指摘が。

シロエ 「それでアドス和尚に、数を増やされて…」
スウェナ「凄い数だったのに、書かずに遊んだわよね?」
キース 「あの馬鹿が呪って来るからだ!」
ブルー 「だけど、呪いに屈したのはさ…」

君じゃないか、と生徒会長、ピシャリ。

ブルー 「呪われたって、書けば良かったんだよ」
キース 「あの環境でか!?」
ブルー 「いいかい、相手はブルーなわけでさ…」

24時間、呪い続けるわけがない、と生徒会長。

ブルー 「飽きるのもあるし、それに夜中は…」
シロエ 「あっ、それどころじゃないんですよね?」
ブルー 「あっちのハーレイと、お楽しみでねえ…」

キースなんかは放置だよね、と生徒会長の読み。

ブルー 「おまけに、こっちは別荘ライフで…」
シロエ 「羨ましい分、余計に夜中に賭けますよね…」
ブルー 「そう! だから深夜は、もう絶対に…」

呪いなんかがある筈が無い、とキッパリと。

ブルー 「徹夜で遊んで騒ぐ代わりに…」
シロエ 「卒塔婆を書けば良かったんですね?」
ブルー 「そういうことだね」
キース 「ちょっと待て!」

何故、あの時に言わなかった、と叫んでますけど。
さあねえ…?


2022/08/01 (Mon)



☆首を絞めた人


夏休み絶賛継続中な8月、生徒会長宅に集っている面々。
キース君は卒塔婆地獄なわけで、書くしかないんですが。

ブルー 「ぼくには、教える義務なんか無いし…」
シロエ 「キース先輩だって、冷静に考えていれば…」

気付いていたと思いますけど、とシロエ君。

シロエ 「誰かさんの行動パターンは、誰だって…」
サム  「知ってるもんなあ、知りたくねえけど」
ジョミー「一種の夜行性だしね…」

向こうで活動している間は来ない、とジョミー君も。

ジョミー「キャプテンが忙しい時なら、別だけれどさ」
スウェナ「それ以外の時は、夜は姿を見せないわよね」
マツカ 「ええ。目撃した人はいませんよ」

有難いことに…、とマツカ君の相槌。

マツカ 「誰も見たくはないですし…」
サム  「見に行きてえってヤツもいねえよな」

其処に気付けよ、とサム君、お手上げのポーズ。

サム  「同じ徹夜なら、卒塔婆を書けばよ…」
ジョミー「呪いの声も聞こえないから、いけたよね?」
ブルー 「はかどったと思うよ、ブルーは朝も遅いし…」

朝食の時間が来るまで、充分いけた、と生徒会長。

ブルー 「なのに、書かずに遊んだわけでさ…」
シロエ 「自業自得というヤツですよね」
キース 「そ、そんな…!」

俺は自分で自分の首を絞めたのか、とキース君、愕然。

キース 「徹夜でゲームだの、カラオケだのと…」
ブルー 「貴重な時間を捨てたんだよ」

自分で招いた地獄だよね、と生徒会長、涼しい顔。

ブルー 「遊びまくった分は、取り返すしか…」
シロエ 「無いんですよね、どう考えても」
マツカ 「あの…。ぼくで良ければ、お手伝いを…」

ボランティアでさせて頂きますが、とマツカ君の申し出。

マツカ 「もう、呪っては来ないでしょうし…」
シロエ 「ダメです、癖になりますから!」
サム  「やらせとけよな、自分の責任でよ」
マツカ 「でも、気の毒で…」

見ていられません、と言ってますけど。
手伝うと…?


2022/08/02 (Tue)



☆缶詰で書けば


夏休み絶賛継続中、生徒会長宅に集うシャン学メンバー。
キース君は卒塔婆地獄ですけど、来ているわけでして…。

シロエ 「あのですね…。見ていられない、って…」
サム  「そもそも、なんでキースが此処にいるんだよ」
ジョミー「帰って卒塔婆を書くべきだよねえ…」

こんな所でサボッてないで、とジョミー君のツッコミ。

ジョミー「キースがいるから、マツカだってさ…」
スウェナ「気の毒になってしまうわけでしょ?」

帰りなさいよ、とスウェナちゃんが指差す扉。

スウェナ「それにマツカも、甘すぎるわね」
ブルー 「まあ、それがマツカのいい所だけど…」

手伝う必要は無いと思う、と生徒会長も。

ブルー 「シロエが言う通り、癖になるしね」
シロエ 「まったくです。癖になったら、来年だって…」

同じ轍を踏むと思いますね、とシロエ君の冷たい瞳。

シロエ 「帰らないなら、缶詰でどうです?」
一同  「「「缶詰?」」」
シロエ 「ええ。こう、一室に閉じ込めてですね…」

卒塔婆を書かせるんですよ、という案が。

シロエ 「元老寺よりは、いい環境だと思いますけど」
サム  「あー、此処ならエアコン完備だもんな!」
ジョミー「エアコン無しで、セミがうるさいらしいし…」

比べれば天国ってヤツだもんね、とジョミー君。

ジョミー「それに、ぶるぅの美味しい料理もつくしさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おやつも作るも~ん!」
キース 「なるほどな…」

一理あるか、とキース君が顎に当てる手。

キース 「何処で書こうが、要は書ければ…」
ブルー 「アドス和尚だって、許す筈だよ」
キース 「確かにな…」

部屋とかは貸してくれるのか、とキース君の問い。

キース 「借りられるのなら、有難いが…」
ブルー 「もちろん、タダで提供するよ。硯とかもね」
シロエ 「キース先輩、チャンスじゃないですか!」
キース 「渡りに船というヤツだな」

チャンス到来、と話に乗ったキース君。
此処で書く、と…。


2022/08/03 (Wed)



☆泊まりは不可能


夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅でのんびりと。
キース君だけが卒塔婆地獄でして、此処で書くそうで…。

ブルー 「じゃあ、缶詰で書くんだね?」
キース 「なんとか目途がつく所までは…」

今日だけでは済みそうもないんだが、とキース君、溜息。

キース 「恐らく、当分、世話になるかと…」
ブルー 「泊まりで書ければ、かなり早いだろうけど…」
キース 「それは親父に殺されるしな…」

ノルマが加算されるのは確実、と唸る人。

キース 「山の別荘の時と同じで、いい身分だな、と…」
一同  「「「あー…」」」

エアコン完備で書くんだし…、と誰もが納得。

シロエ 「また増えたら、後が無いですしねえ…」
キース 「それだけは勘弁願いたい…」
ブルー 「オッケー、その分、書ける時間に…」

頑張りたまえ、と生徒会長のエール。

ブルー 「ぶるぅ、和室を使わせてあげて」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 用意してくるねーっ!」

エアコンに硯、と跳ねてゆきまして、マッハで帰還。

ぶるぅ 「用意出来たよ、すぐに涼しくなるから!」
キース 「有難い。後は、卒塔婆を…」
ぶるぅ 「瞬間移動でお取り寄せだね!」

はい、と宙に取り出された卒塔婆の包み。

ぶるぅ 「頑張ってねーっ!」
キース 「いや、卒塔婆だけでは無理なんだが…!」
ぶるぅ 「えっと…?」
キース 「戒名だ!」

リストが無いと何も書けん、とキース君。

キース 「俺の部屋の机に、リストがだな…」
ぶるぅ 「コレ?」
キース 「すまん、まさにコレだ」

先は長いな、とキース君が繰るページ。

キース 「半分も書けていないのか…」
シロエ 「それ、過去帳というヤツですか?」

初めて見ました、とシロエ君、興味津々。

シロエ 「わあ、戒名が一杯ですねえ…」
キース 「そうだが、過去帳ではないぞ」
シロエ 「違うんですか?」
キース 「ただのリストだ!」

一緒にするな、と顔を顰めてますけど。
そうなんですか…?


2022/08/04 (Thu)



☆増やしたそうです


絶賛夏休みなシャン学メンバー、生徒会長宅でダラダラ。
キース君だけが卒塔婆地獄で、此処で書くことに決定で。

シロエ 「これの立派なバージョンが、過去帳ですか?」
キース 「いいや、中身が全く違う」
サム  「えっ、戒名じゃねえのかよ?」
キース 「戒名の他に、色々と書くものがあってだな…」

こんなリストとは全く別だ、と副住職。

キース 「もっとも今時、紙の過去帳とは限らんが…」
一同  「「「は?」」」
キース 「パソコン用のヤツもあるんだ!」

だからだな…、と副住職の苦い顔付き。

キース 「紙の過去帳をお求めの寺院様へ、と案内が…」
サム  「業者から送られて来るわけな?」
キース 「そうなんだ。俺の家では、紙一択だが」

なにしろ親父がアレだからな、とブツブツブツ。

キース 「しかも、便利なバインダー式も使えなくて…」
一同  「「「バインダー?」」」
キース 「別売りの紙で、こう、いくらでも…」

差し替えとかが出来るのに…、と唸る人。

キース 「昔ながらのヤツは、扱いも大変で…」
シロエ 「檀家さんが全員、載ってるんですよね?」
キース 「仏様になられた人だけだがな」

ご存命の方は無関係だぞ、と副住職の訂正が。

キース 「仏様なら、全員、書き込むわけで…」
ジョミー「追加するのに、バインダー式が便利、って?」
キース 「当然だろうが、増える一方なんだぞ?」
??? 「うん、分かるよ!」

増やしたしね、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。

一同  「「「出たーっ!」」」
Aブルー「失礼だねえ、君たちは!」

人を幽霊みたいにさ…、とソルジャーが顰める顔。

Aブルー「まあいいけどね、過去帳の話が面白そうだし」
キース 「俺は卒塔婆書きで忙しいんだが!」
Aブルー「分かってる。で、ぼくも増やして…」
キース 「例の仏様の卒塔婆は、まだだが?」
Aブルー「過去帳だよ!」

増やしたよね、と御機嫌な笑顔ですけど。
何を増やしたと…?


2022/08/05 (Fri)



☆無いらしいです


夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅でのんびりと。
キース君は卒塔婆を書くそうですけど、其処へ乱入者が。

Aブルー「いつ増やしたかは知らないけどさ…」
キース 「何の話だ?」
Aブルー「ぼくの分の過去帳だよ!」
キース 「あんた、いつの間に死んだんだ?」

知らなかったぞ、とキース君、呆れ果てた顔。

キース 「話を適当に聞いていたんだな?」
Aブルー「えっと…?」
シロエ 「過去帳に載るのは、仏様だけらしいですよ」

生きている人は無いんですけど…、とシロエ君が横から。

シロエ 「あなたの分があるとなったら、幽霊ですけど」
ジョミー「でも、幽霊には見えないよね…」
サム  「これは違うぜ、俺が見てもよ」

死んでねえな、と霊感持ちのサム君も。

サム  「過去帳には載っていねえ筈だぜ」
キース 「第一、あんたは、ウチの檀家ではないし…」

死んでいたって載るわけがない、と副住職。

キース 「まずは檀家にならないと…」
Aブルー「檀家だってば!」

棚経だってして貰ってる、とソルジャー、目がマジ。

Aブルー「お布施もしてるし、過去帳だって…!」
キース 「なんだ、例のヤツか」

スッポンタケか、とキース君。

キース 「あんたは、アレとセットでいいのか?」
Aブルー「セットって?」
キース 「アレが、あんたの家の仏様となると…」

過去帳にはセットで書き込むんだぞ、という説明が。

キース 「過去帳は、家ごとにあるものだしな」
Aブルー「そうなんだ? でも、セットでもさ…」

ぼくはちっとも気にしないけど、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「是非、書き込んでくれたまえ!」
キース 「しかしだな…」

その過去帳が無いんだが、と副住職。

キース 「過去帳は、親父の管轄でだな…」
Aブルー「君は書けないって言うのかい?」
キース 「加筆は出来るが、新規作成は不可能だ」
Aブルー「ええっ!?」

だったらスッポンタケの分は、と悲鳴ですけど。
存在しないと…?


2022/08/06 (Sat)



☆作った場合は


夏休みは涼しい生徒会長宅、いつもの過ごし方ですけど。
キース君は此処で卒塔婆書きでして、其処へ乱入者で…。

Aブルー「スッポンタケの過去帳は、無いってこと!?」
キース 「さっき言った通りの事情で、存在しないな」
Aブルー「酷いよ、お布施も払ってるのに!」

過去帳に載っていないだなんて、とソルジャーの苦情。

Aブルー「あんまりすぎるよ、載せるべきだよ!」
キース 「親父の管轄では、どうにもならん」
Aブルー「じゃあ、アドス和尚の意識を、ちょっと…」
キース 「操作するだけ無駄だと思うが?」

過去帳は代々受け継がれるもので…、と副住職。

キース 「それだけに、檀家さんが見ることもある」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「ご先祖様が、全員、載っているからな」

其処で院殿号の戒名があればどうなる、と質問が。

キース 「そう簡単には出さないヤツだぞ、アレは」
シロエ 「あー…。誰なのか、気になりますよねえ…」
キース 「当然、親父に聞くことになるな」

そして親父が正気に戻る、とキース君、キッパリ。

キース 「俺が呼ばれて、お調べがあるぞ」
サム  「勝手に加筆した容疑ってヤツな?」
キース 「ついでに、院殿号を出した方もな!」

もう吊し上げでビシバシと…、と肩をブルッと。

キース 「恐らく、俺はフルボッコで…」
シロエ 「過去帳の方はどうなるんです?」
キース 「そのページだけ、破って捨てられるかと」
Aブルー「そ、そんな…!」

あんまりだよ、とソルジャー、泣きそうな顔。

Aブルー「載ってないより酷いじゃないか!」
キース 「そうなるな」

それが嫌なら諦めろ、と副住職。

キース 「いくらあんたでも、俺の家をずっと…」
シロエ 「監視は出来ないと思いますけど?」
Aブルー「目を離した隙とかに来そうだよねえ…」
ジョミー「あるあるだよ、ソレ」
キース 「で、どうするんだ?」

作る気なのか、と聞いてますけど。
どうするんでしょう…?


2022/08/07 (Sun)



☆他所でも出来ます


何もない日は生徒会長宅、夏休みの定番なんですけれど。
キース君だけが卒塔婆地獄で、其処へソルジャー乱入で。

Aブルー「無いままにするか、作って捨てられるか?」
キース 「その二択だな、どう考えても」

どっちがいいんだ、とキース君、腕組み。

キース 「好きに選んでくれればいいが」
Aブルー「捨てられちゃったら、どうなるわけ?」

スッポンタケは、とソルジャーの問い。

Aブルー「もう棚経とかは出来ないとか?」
キース 「いや、頼んで来る人がいる限りは、だ…」

無縁仏にはならないな、と副住職。

キース 「当然、棚経も、お彼岸も、今まで通りに…」
シロエ 「出来ちゃうんですか?」
キース 「そういう仕組みになっているぞ」

昔の有名人とかの法要がソレだ、と説明が。

キース 「ファンが法要をやってるだろうが」
ジョミー「あー…。子孫でも何でもないよね、アレは」
キース 「スッポンタケでも、同じ理屈だ」

戒名さえ分かっていればオッケー、と副住職の言。

キース 「戒名が謎でも、出来ないことはないんだし…」
スウェナ「あら、そうなの?」
キース 「生前の名前が分かればいいんだ」

要は供養の気持ちだからな、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「それで、過去帳はどうするんだ?」
Aブルー「うーん…。捨てられちゃっても影響はゼロ…」
キース 「俺の被害は甚大だがな」
サム  「だよなあ、罰礼も来そうだしよ…」

そんな目に遭っても供養するのかよ、とサム君、遠い目。

サム  「お前、心が広すぎるぜ…」
キース 「誰が供養を続けると言った?」
Aブルー「えっ?」
キース 「今、俺が言った通りだが?」

俺は其処までやらないからな、とキース君。

キース 「そうなった時は、供養は他所でやってくれ!」
Aブルー「他所って、ブルーに頼むとか?」
キース 「何処の寺でも出来る筈だぞ」
Aブルー「酷すぎるよ!」

見捨てないでよ、とソルジャー、真っ青ですけど。
さて…?


2022/08/08 (Mon)



☆作ったらゴミ


イベントが無い日は生徒会長宅へ、それが夏休みの定番。
皆が集う中、キース君だけ卒塔婆地獄で、乱入者までが。

キース 「だから、あんたに選べと言ったが?」
Aブルー「何を選ぶのさ!?」
キース 「過去帳は無いままでいくのか、増やすかだ!」

増やしてバレたら、俺は供養を放棄するぞ、と副住職。

キース 「親父に怒鳴られて、酷い目に遭って、だ…」
サム  「罰礼三昧で、足腰立たなくなりそうだよな…」
ジョミー「アドス和尚だし、半端じゃないよね…」
シロエ 「半殺しにされるのは、確実ですよね」

キース先輩が放棄するのも分かります、とシロエ君も。

シロエ 「そんな迷惑な仏様なんて、絶縁すべきです!」
スウェナ「過去帳とセットで、クリーンセンターだわね」
Aブルー「クリーンセンターって?」
キース 「早い話が、ゴミ処理場だ!」

お焚き上げでさえないからな、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「古い卒塔婆などは、裏山でお焚き上げだが…」
サム  「例のキノコの過去帳は、ゴミな?」
キース 「あの親父だぞ?」

こう、ビリビリと破いてだな…、とゴミを丸める手真似。

キース 「ゴミ箱にポイで、それをおふくろが…」
シロエ 「燃えるゴミの日に出すんですね?」
キース 「生ゴミとかと一緒にな」
Aブルー「酷すぎるから!」

最悪だよ、とソルジャー、泣きそう。

Aブルー「スッポンタケだって、浮かばれないよ!」
キース 「過去帳を作ると、ほぼ、そうなるが?」

そういう末路が来るんだが…、とキース君。

キース 「それでも作りたいのか、作らないのか?」
Aブルー「供養を放棄されるどころか、ゴミの日って…」

ミュウ並みの酷い扱いだよね、とソルジャーの嘆き節。

Aブルー「過去帳無しだと、どうなるわけ?」
キース 「どうなるも何も、今の時点でだな…」
シロエ 「無いわけですよね?」
キース 「無いな、何処にも」

最初から作っていないんだし…、と言ってますけど。
どうする…?


2022/08/09 (Tue)



☆過去帳は無しで


夏休み中なシャン学メンバー、生徒会長宅で涼を満喫中。
けれどキース君は卒塔婆地獄で、ソルジャーまで乱入で。

Aブルー「えっと…。過去帳無しなのが今だよね?」
キース 「ああ。存在したことは一度も無いが」
Aブルー「だけど棚経が出来て、お彼岸だって…」
キース 「不本意ながら、供養をしてやっている」

しかし作った場合は知らんぞ、とキース君、念押し。

キース 「親父に破り捨てられた時は、俺は手を切る!」
Aブルー「それは困るんだよ!」
キース 「なら、どうするんだ?」
Aブルー「過去帳は、とても欲しいんだけど…」

ゴミは嫌だ、とソルジャーの泣き。

Aブルー「おまけに棚経も、お彼岸の法要もパアで…」
キース 「他所の寺なら出来るんだぞ?」
Aブルー「それじゃ、参加者ゼロになるから!」
シロエ 「当然でしょうね、付き合う義務はありません」

どうぞ一人で行って下さい、っとシロエ君の冷たい言葉。

シロエ 「キャプテンくらいは、来てくれますよ」
サム  「だよなあ、例のキノコは養子だしよ…」
スウェナ「他人ってわけじゃないものねえ…」
Aブルー「寂しすぎるから!」

面子が足りなさすぎるんだよ、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「やっぱり、過去帳は諦めるしか…」
キース 「そうするんなら、立ち去ってくれ」
Aブルー「えっ?」

諦めれば御縁は続くんだろう、と愕然とする人。

Aブルー「なんで、帰れって言い出すのさ!」
キース 「俺の卒塔婆書きがリーチなんだ!」

思いっ切り時間をロスしたぞ、とキース君の怒声。

キース 「缶詰で書かないとヤバいのに!」
Aブルー「ご、ごめん…!」

帰るから棚経は見捨てないで、とソルジャー、懇願。

Aブルー「過去帳は要らないから、棚経とかは!」
キース 「仕方ないから、やってやる」
Aブルー「恩に着るよ、じゃあ、帰るから、お土産…」
キース 「ぶるぅ、お帰りだ!」

土産なんぞは無しでいい、と怒鳴ってますけど。
無いと…?


2022/08/10 (Wed)



☆早く書かないと


クーラーが効いた生徒会長宅で過ごす、夏休み中な面々。
けれどキース君には卒塔婆書きのノルマで、リーチな今。

Aブルー「いいじゃないか、お土産くらい貰っても!」
キース 「やかましい、邪魔をしに来たくせに!」
Aブルー「違うよ、ぼくは、そんなつもりじゃ…!」
ブルー 「ぶるぅ、いいから、お土産をね」

その方が早く帰るってば、と生徒会長の指示が。

ぶるぅ 「オッケー! アイスと今日のケーキでいい?」
Aブルー「ありがとう! アイスも手作りなのかな?」
ぶるぅ 「違うけど、美味しいって評判のお店ので…」
Aブルー「いいねえ、来た甲斐があったってば!」

過去帳の件は残念だけど…、とソルジャー、嬉しそう。

Aブルー「アイスの種類は選べるのかい?」
ぶるぅ 「んとんと…。見て貰う方が早いと思うの!」

それにケーキも、とソルジャーに提案するお子様。

ぶるぅ 「フレーバー、いっぱい買ったから…」
Aブルー「ケーキも色々ありそうだよね」
ぶるぅ 「そうなの、今日はケーキバイキング!」

だから好きなの選んでね、とソルジャー連れで扉の方へ。

Aブルー「やったね、それじゃ直接帰るから!」
キース 「二度と来るなよ、お盆までな!」
Aブルー「分かってるってば、棚経、よろしく!」

それに卒塔婆も…、と去ってゆきましたけど。

キース 「畜生、時間のロスが半端なかった…」
ブルー 「お土産無しコースだと、まだ揉めてるよ」
シロエ 「ですよね、あの人を分かってないです」

無駄に付き合いが長いのに…、とシロエ君も。

シロエ 「ついでに、早く書いた方がですね…」
サム  「いいと思うぜ、棺桶でよ」

ぶるぅが用意してくれただろ、と和室の方を指すサム君。

サム  「でないとマジで詰んじまうしよ…」
キース 「棺桶だと!?」
サム  「すまん、缶詰! わざとじゃねえよ!」
ジョミー「ハマりすぎだよね、今のヤツ…」

もう棺桶でいいんじゃないの、という声ですけど。
不吉な…。


2022/08/11 (Thu)



☆出て来た時には


生徒会長宅はクーラーで快適、夏休み中な面々ですけど。
卒塔婆書きに追われているキース君、もはやリーチで…。

キース 「いくら詰みそうでも、棺桶はだな…!」
ブルー 「早く書かないと、文字通り棺桶になるからね」

アドス和尚が怖いんだろう、と生徒会長。

ブルー 「まるで全く書けないままで、お盆とかはさ…」
サム  「殺されるよなあ?」
ブルー 「もう間違いなく、処刑だよね」

まあ、前日までに確認されるだろうけど、と冷たい声音。

ブルー 「書けたのか、と来て、書けていないと…」
キース 「言わないでくれ、それ以上は!」

俺は棺桶で書いて来る、とキース君、ダッシュで和室へ。

シロエ 「行っちゃいましたよ、凄い勢いで…」
ブルー 「真面目に詰みかけているからねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お客様、帰ってったよ!」

キースによろしく、って、と無邪気なお子様の帰還。

ぶるぅ 「あれっ、キースは?」
シロエ 「もう棺桶に行きましたよ」
ぶるぅ 「棺桶って…。キース、どうしちゃったの!?」

熱中症は無いと思うけど…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「まさか、過労で倒れちゃったとか…?」
シロエ 「いえ、卒塔婆書きが詰んでるだけです」
サム  「テンパッててよ、缶詰を自分で棺桶ってよ…」
ジョミー「言い間違えて走ってったよ、さっき和室へ」

最初に間違えたのはサムだけど、とジョミー君、苦笑。

ジョミー「自分で棺桶って言うくらいにさ…」
スウェナ「棺桶になりそうな自覚はあるみたいねえ…」
ブルー 「どう見てもヤバくて、ギリギリだしね」

棚経の前日まで棺桶だよ、と生徒会長、キッパリ。

ブルー 「暖かく見守ってあげたまえ」
シロエ 「棺桶から出て来るまでですか?」
サム  「吸血鬼かキョンシーみたいだぜ、ソレ」
シロエ 「じゃあ、出て来たら退治ですね?」
ぶるぅ 「わぁーい、お化け屋敷!」

すっごく楽しみ! と飛び跳ねてますけど。
退治すると?


2022/08/12 (Fri)



☆吸血鬼にはコレ


夏休みを満喫中なシャン学メンバー、生徒会長宅な毎日。
キース君だけが卒塔婆書きでして、いよいよ明日が棚経。

シロエ 「ホントに前日まで棺桶になりましたねえ…」
マツカ 「棺桶で定着しましたよね」

正しくは缶詰なんですが、とマツカ君が眺める和室の方。

マツカ 「キースが自分で言い間違えたせいで…」
シロエ 「ですから、出て来たら退治でしょう?」
ぶるぅ 「そだよ、吸血鬼なんだから…」
ジョミー「あっ、出て来た!」

終わったみたい、というジョミー君の声で開いた扉。

キース 「やっと書けたぞ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お疲れ様でしたぁーっ!」

明日の棚経も頑張ってね、と早速、食事の用意が。

ぶるぅ 「はい、食べて、食べて!」
キース 「…おい、コレは何だ?」
ぶるぅ 「今日は焼肉、ガーリックたっぷり!」

タレとかもガーリックを効かせたもん、と得意満面。

ぶるぅ 「締めもガーリックライスだから!」
キース 「あ、有難いんだが、明日は棚経でだな…」

ガーリックはダメだ、と副住職。

ぶるぅ 「ほらね、やっぱり吸血鬼だあ!」
シロエ 「ですよね、キース先輩用には精進料理が…」

あるそうですよ、とシロエ君の笑顔。

シロエ 「焼肉パーティーは、ぼくたちだけで…」
ジョミー「楽しむんだから、別室でどうぞ」

匂いがついてもマズイもんね、とジョミー君。

ジョミー「精進料理は、和室に運んでくれるって!」
キース 「くっそぉ…! しかしだな…」

お前とサムも道連れだぞ、とキース君、ニヤリ。

キース 「お前たちは、明日は棚経のお供だからな」
ジョミー「げっ!」
サム  「やべえ、そうだった…!」

マジかよ、と青ざめるサム君、そしてジョミー君。

キース 「残念だったな、一緒に退治されてくれ」
ぶるぅ 「オッケー、精進料理を追加だね!」
ジョミー「酷いって!」
キース 「これが坊主の宿命だ!」

明日はキリキリ働くんだぞ、と連行な二名。
墓穴でしたか…。


2022/08/13 (Sat)



☆前日は精進料理


やって来ました、棚経の日な14日。会場は生徒会長宅。
朝イチで集合な面々ですけど、足りない顔が三人分で…。

シロエ 「おはようございます。今日も暑いですよね」
マツカ 「今からこれだと、予報通りに猛暑日でしょう」
スウェナ「受難だわねえ、お坊さん組は…」

とっくに出発してるんでしょう、とスウェナちゃん。

スウェナ「一番早い檀家さんの家、朝の6時らしいし…」
シロエ 「その時間でも、もう充分に暑かったですよ」
マツカ 「朝から快晴ですからね…」

その中を自転車で移動ですか、とマツカ君、同情モード。

マツカ 「熱中症が心配ですよね、本当に…」
スウェナ「おまけに、昨日が精進料理よ、あの人たちは」
シロエ 「そうでした! 吸血鬼退治イベントで…」

巻き込まれた人もいましたっけ、とシロエ君の苦笑。

シロエ 「キース先輩が、ターゲットだったんですが…」
スウェナ「ジョミーとサムの件は、忘れていたわよ」
ブルー 「自分たちでも忘れてたんだし、仕方ないよね」

ぼくは気付いていたんだけどさ、と生徒会長。

ブルー 「でも面白いから、放置しておいたら…」
シロエ 「見事に罠に落ちたんですね?」
ブルー 「そういうことだね、自業自得だよ」

しかも精進料理MAX、とクスクス笑い。

ブルー 「もどき料理も無かったからねえ…」
ぶるぅ 「だって、そんなの要らない、って…」
シロエ 「ええ、ジョミー先輩が特に乗り気でしたね」

それについては、とシロエ君が顎に当てる手。

シロエ 「力が抜けそうな正統派を、と言いましたよ」
ぶるぅ 「そうなの、味付けとかまで、全部…」

あっさり系で纏めてくれって…、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「それが無かったら、お肉もどき料理も…」
ブルー 「あっただろうねえ、ナスの蒲焼きだって」
シロエ 「自分の首を絞めましたよね…」
マツカ 「あんな料理で、今日を乗り切れますか?」

あれじゃ力が出ませんよ、と心配する声。
暑いですしね…。


2022/08/14 (Sun)



☆うな重だった人


お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に来ている面々。
けれど僧籍な人は棚経、ついでに昨日は精進料理でして。

シロエ 「ぼくたちは、焼肉パーティーでしたけど…」
スウェナ「キースたちには、精進料理だけだったわね…」
マツカ 「そうなんです。今朝も精進料理でしょう?」

アドス和尚の方針で、とマツカ君、気の毒そうな顔。

マツカ 「朝早くから、元老寺に集合で…」
シロエ 「揃って朝御飯でしたよね…」
スウェナ「精進料理レベルMAXよ、きっと」

なにしろアドス和尚だものね、とスウェナちゃん。

スウェナ「自分は裏で、いいもの食べていそうだけれど」
ぶるぅ 「んとんと、昨夜はウナギだったよ?」
一同  「「「ウナギ!?」」」
ぶるぅ 「そだよ、うな重、お取り寄せなの!」

だってキースがいなかったし…、と覗き見した人の証言。

ぶるぅ 「キースも御馳走だろうから、って!」
一同  「「「あー…」」」

そうなるよね、と誰もが納得。

シロエ 「ぶるぅの料理の腕前、知ってますからねえ…」
スウェナ「自分も食べて何が悪い、っていうわけね…」
マツカ 「そうでしょうけど、うな重だなんて…」

お坊さん的にはどうなんでしょう、とマツカ君の疑問。

マツカ 「今朝も精進料理ですよ? しかもですね…」
シロエ 「お取り寄せだと、仕出し屋さんですし…」
スウェナ「バレちゃうわよねえ、誰が頼んだのか…」
ブルー 「いろんな意味でセーフだよ、ソレ」

まず、バレる件、と生徒会長が立てる人差し指。

ブルー 「元老寺には宿坊があるよね?」
シロエ 「あっ、お客様の…」
ブルー 「ご注文ってことで通るけど?」

ついでに精進料理の方も…、と指をチッチッと。

ブルー 「棚経は体力勝負だからねえ、何処のお寺も…」
シロエ 「まさか、うな重なんですか?」
ブルー 「ステーキの人もいると思うね」
マツカ 「じゃあ、キースたちは…」

貧乏クジを引いたんですか、とマツカ君。
そうなりますね?


2022/08/15 (Mon)






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