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シャングリラ学園つれづれ語り
☆タダ働きでいい


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、終業式を残すのみ。
生徒会長宅で夏休みの計画、山の別荘へ行く相談中で…。

Aブルー「憧れだったんだよ、山の別荘ライフ!」
シロエ 「条件は、卒塔婆書きですからね?」
Aブルー「えっ?」

卒塔婆書きって…、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「なんだい、それは?」
シロエ 「キース先輩のお手伝いですよ、タダ働きで」
Aブルー「タダ働き!?」
シロエ 「ボランティアとも言いますけどね」

字が上手いのが大前提で…、とシロエ君。

シロエ 「そういう話をしてた所へ、あなたがですね…」
キース 「乱入して来たわけなんだが?」

それで採用試験はどうする、とキース君、目がマジ。

キース 「受けるんだったら、筆で字をだな…」
Aブルー「書くよ、もちろん!」

タダ働きでも気にしない、と前向きな人。

Aブルー「上手く書けたら、山の別荘なんだし!」
キース 「よし。ブルー、硯とかを貸してくれるか?」
ブルー 「いいとも、ぶるぅ、用意してくれる?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちょっと待っててねーっ!」

用意、用意、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が文机まで設置。

ぶるぅ 「んとんと、後は墨を磨るだけ!」
キース 「それは俺がやる」

ついでに手本も書くとするか、と文机に向かうキース君。

キース 「何にするかな、手本の方は…」
ブルー 「例のキノコ用の卒塔婆でどう?」
キース 「そうだな、自分で書いて貰うのも一興だ」

まずは梵字で…、と用意された紙にサラサラと。

Aブルー「その記号も、真似をして書くわけ?」
キース 「当然だろうが、これが卒塔婆の命だぞ?」

書けないようでは話にならん、と副住職モード。

キース 「梵字を書いたら、戒名を添えて完成だ」
Aブルー「スッポンタケの戒名だよね、有難いヤツ!」
キース 「手本は出来たし、お手並み拝見といこう」
Aブルー「頑張るよ!」

目指せ、合格! と張り切ってますけど。
どうなりますやら…。


2022/07/16 (Sat)



☆失敗した時には


じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画、其処へソルジャー乱入で…。

Aブルー「えーっと、筆を持って、と…」
キース 「墨をつけないと書けないからな?」

筆と筆ペンは違うんだ、とキース君が指差す硯。

キース 「適量をつけて、その墨を使う」
Aブルー「さっき見てたから、分かってるって!」

墨をつける、と筆を硯に突っ込みまして。

Aブルー「これでよし、っと! あれ?」
キース 「つけすぎだ!」

紙にボタッと落としてどうする、とキース君の怒声。

キース 「それが卒塔婆なら、おしまいだぞ!」
シロエ 「削って、書き直しでしたっけ?」
キース 「そういうことだが、この馬鹿にだな…」

卒塔婆削り器は扱えないぞ、と苦々しい顔。

キース 「削りすぎるのが目に見えている!」
シロエ 「扱いが難しいんですか?」
キース 「大工仕事に近い部分があるな」

慣れない間は削りすぎる、とキース君。

キース 「お前だったら、上手く削るかもしれないが」
Aブルー「はい、はーい! それじゃ、シロエに!」
キース 「はあ?」
Aブルー「ぼくがボタッとやった時だよ!」

フォローはシロエで、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「字さえ上手ければ、いいんだよね?」
キース 「まあ、そうだが…」
Aブルー「だったら、シロエがフォロー担当!」

ぼくが採用された時は、とニコニコニコ。

Aブルー「というわけで、シロエ、よろしく!」
シロエ 「どうして、ぼくに投げるんですか!」
Aブルー「適材適所って言うじゃないか!」

得意な部分は助け合おうよ、とソルジャーの輝く瞳。

Aブルー「ぼくが卒塔婆を書きまくるからさ!」
シロエ 「ボタッとやったら、ぼくが後始末ですか?」
Aブルー「キース的には、それで問題無いと思うね!」
キース 「そうかもしれんが、その前にだな…」
シロエ 「採用試験が問題です」

合格してから言って下さい、とシロエ君。
当然ですよね?


2022/07/17 (Sun)



☆採用されたい人


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、残るは終業式だけ。
生徒会長宅で山の別荘行きの計画、其処へソルジャーが。

キース 「無駄口を叩いていないで、サッサと書け!」
Aブルー「分かってるってば、ぼくも合格したいしね」

まずは記号を真似して書く、と筆を握るソルジャー。

Aブルー「キースが書いた通りに、と…。あれ?」
キース 「線が歪んでいるようだが?」
Aブルー「ほ、ほら、筆は慣れてないから!」

慣れればいける、とソルジャー、言い訳。

Aブルー「ちゃんと特訓してくるからさ!」
キース 「だったら、筆ペンで書いてみろ!」

同じ太さで書けるヤツで…、とキース君。

キース 「ブルー、この筆のサイズのはあるか?」
ブルー 「うん、これだよね」

はい、と生徒会長が瞬間移動で取り出す筆ペン。

ブルー 「これで書ければ、採用するって?」
キース 「馬鹿とハサミは使いようだ!」

猫の手も借りたい時期だしな、と副住職の言。

キース 「タダで使えるバイトに文句は言わん」
Aブルー「なんだか引っ掛かる言い方だけど…」

山の別荘に行けるんだし…、とソルジャーも文句は無し。

Aブルー「この際、馬鹿でもハサミでもいいよ!」
キース 「それなら、これで書くんだな」

ご注文の筆ペンだ、とキース君が差し出す筆ペン。

キース 「これでダメなら、不合格だぞ?」
Aブルー「頑張るよ、これなら書ける筈だし!」

節分の絵馬には筆ペンだしね、と紙に向かう人。

Aブルー「謎の記号を真似して書く、と…」
キース 「今度は斜めになっていないか?」
Aブルー「ちょ、ちょっと姿勢が悪かったかな?」

背筋を伸ばして改めて…、とソルジャー、リベンジ。

Aブルー「今度こそ上手に真似出来る、ってね!」
キース 「…俺には、同じに見えないんだが?」
シロエ 「ぼくもですね」
ジョミー「うん、ぼくだって…」
Aブルー「酷いってば!」

ぼくは真面目に書いたのに、と悲鳴ですけど。
でもねえ…?


2022/07/18 (Mon)



☆スキルが無い人


じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
マツカ君の山の別荘行きの計画、日程が問題ですけれど。

キース 「ダメだな、似ても似つかない仕上がりだけに」
Aブルー「そ、それは記号が意味不明だからで…」

字なら上手に書ける筈だ、と踏ん張るソルジャー。

Aブルー「字が上手かったら、後は頑張り次第だろう?」
キース 「そうかもしれんが、書けるのか?」
Aブルー「ぼくは、こう見えてもソルジャーだよ?」

凄いスキルがあるんだからね、と威張り返り。

Aブルー「この字を真似して書くのは、楽勝!」
キース 「なら、証明して貰わないとな」

書け! とキース君が指差す、お手本と紙。

キース 「これで下手なら、もう容赦なく放り出す!」
Aブルー「大丈夫だって、今度こそはね」

まあ見ててよ、と筆ペンで戒名を書くべくチャレンジ。

Aブルー「え、えっと…。あれ…?」
キース 「手癖があるとか、そういう以前の問題だな」
シロエ 「ですよね、これじゃ小学生です」
サム  「いや、そこは幼稚園児ってトコだろ?」

小学生に失礼だぜ、とサム君の意見。

サム  「低学年でも、上手いヤツの字は半端ねえし…」
マツカ 「早い子は、幼稚園から習い始めますしね」
スウェナ「不合格よね、この字だと…」
キース 「ああ、決定だな」

あんたを雇うわけにはいかん、とキース君、ピシャリ。

キース 「バイトは、マツカで間に合わせる」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」

だったら山の別荘行きは…、とソルジャー、ワタワタ。

Aブルー「美味しい料理や、ボート遊びは?」
キース 「当然、今年も俺たちだけだ」
Aブルー「あんまりだよ!」

置き去りにしたら呪うからね、と凄い台詞が。

Aブルー「卒塔婆地獄にしてやるから!」
キース 「その呪いは、俺には効かないんだが?」
Aブルー「効くよ、絶対!」
キース 「元から地獄の住人だからな」

俺は痛くも痒くもない、とキース君、涼しい顔。
確かに…。


2022/07/19 (Tue)



☆追い払われた人


終業式を残すだけなシャン学メンバー、夏休みの相談中。
マツカ君の山の別荘行きに、ソルジャーも乗ったのに…。

Aブルー「ぼくの呪いは効かないわけ!?」
キース 「第一、あんたは素人だしな」

呪いをかけても効くわけがない、とキース君、ニヤニヤ。

キース 「諦めて、大人しく青の間で過ごせ」
シロエ 「不合格な以上は、諦めるしか無いですしね」
Aブルー「君たち全員、呪ってやる!」
ジョミー「無理、無理、ぼくたちに卒塔婆は無理だし」

手伝えるのはマツカだけだよ、とジョミー君。

ジョミー「だけど、マツカを呪うとさ…」
サム  「別荘から叩き出されちまうぜ、間違いなく」
マツカ 「いえ、叩き出しはしませんけれど…」

おもてなしが行き届かない気が、とマツカ君の憂い顔。

マツカ 「ぼくが寝込んで、執事がお世話係だと…」
スウェナ「なんだか悪い気がしちゃうわよねえ…」
ジョミー「マツカに申し訳ないもんね…」
キース 「あんた、それでも呪うつもりか?」

俺には効かないのに、マツカをか、とキース君の問い。

キース 「どうかと思うが、まだ呪う気か?」
Aブルー「分かったよ! 諦めて帰ればいいんだろう!」
ブルー 「そういうことだね、部外者なんだし」

お客様のお帰りだよ、と生徒会長、手をヒラヒラと。

ブルー 「ぶるぅ、お土産を持たせてあげて」
ぶるぅ 「オッケー! はい、お菓子、詰めたよ!」
Aブルー「うう…。山の別荘、行きたかったのにーっ!」

残念すぎる、という言葉を残して、ソルジャー、消滅。

シロエ 「さて、改めて日程はどうしますか?」
キース 「マツカが手伝ってくれるそうだし…」

親父のメモが置かれていてもいけるか、とキース君。

キース 「合宿が終わって、すぐでもかまわん」
ジョミー「次の日ってことで、決まりだね!」
マツカ 「では、御用意させて頂きますね」
一同  「「「やったーっ!」」」

涼しい山の別荘ライフだ、と大歓声。
お楽しみがドッサリ…。


2022/07/20 (Wed)



☆グリーン車で出発


やって来ました、夏休み。まずは合宿に修行体験ツアー。
それが済んだ翌日、マツカ君の山の別荘へ出発でして…。

シロエ 「おはようございます! いよいよですね!」
ジョミー「今年もグリーン車、貸し切りだよね」
サム  「豪華だよなあ、マツカに感謝だぜ」

乗るぞ、とホームに集合していた面々、グリーン車へと。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
スウェナ「暑いアルテメシアに、お別れだわね」

涼しい高原が待ってるのよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「ボート遊びに、乗馬もしなくちゃ」
シロエ 「楽しみですよね、それに食事も」
マツカ 「お任せ下さい、快適な毎日をお約束します」
一同  「「「イイネ!」」」

行きの列車も最高だ、とグリーン車の中でワイワイと。

ジョミー「いいよね、車内でドリンクバーって」
シロエ 「駅弁も、いいのを買いましたし…」
ぶるぅ 「冷蔵庫に、アイスが一杯だよ!」

他のお菓子も入ってるし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「着くまでに、お腹一杯になりそう!」
ブルー 「そうだね、晩御飯の前に散歩は必須かな」
シロエ 「涼しいですから、ジョギングもいいかもです」

軽く走るのも楽しいですよ、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「高原の風は、気持ちいいですし…」
マツカ 「キースも一緒に走りませんか?」

合宿気分の続きもいいですよね、とマツカ君も。

マツカ 「合宿じゃない分、自分のペースで走れますし」
キース 「いいかもな。ところで、皆に質問なんだが…」
ジョミー「ぼくなら、走らないからね!」
サム  「俺も遠慮するぜ、柔道部だけで走ってくれよ」

散歩で充分、間に合うからよ、とサム君の文句。

サム  「修行体験ツアーに、走り込みはねえぜ」
キース 「いや、そうじゃなくて、夜中にだな…」
ジョミー「夜中って、昨夜?」
キース 「そうだが、妙な声を聞かなかったか?」

寝ている時に、という質問ですけど。
聞こえましたか…?


2022/07/21 (Thu)



☆聞こえたそうです


マツカ君の山の別荘へ出発、グリーン車での快適な道中。
楽しい日々がスタートですけど、キース君からの質問が。

ジョミー「夜中に変な声がした、って?」
キース 「お前は聞いていないのか?」
ジョミー「うん、何も…。他のみんなは?」
サム  「俺は爆睡してたしよ…。シロエとかは?」

聞いてねえか、とサム君の視線が他の面子に。

サム  「合宿疲れで、爆睡っぽい気もするけどよ」
シロエ 「まさにソレです、でもですね…」

夜中に声を聞いたとなると…、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「ジョミー先輩の好きなヤツでしょう?」
スウェナ「そうねえ、心霊現象だものね」
ジョミー「あー、そうか! すっごく残念!」

なんてこった、とジョミー君、ガックリ。

ジョミー「他にも聞いた人って、いる? 羨ましいよ!」
マツカ 「いえ、ぼくも熟睡してましたけど…」
スウェナ「私もなのよね、キースしか聞いていないのよ」

やっぱり環境のせいかしらね、とスウェナちゃん。

スウェナ「家はお寺だし、裏山は墓地だし…」
キース 「違う、そういうヤツではない!」
ジョミー「でもさあ、みんなに聞くってことはさ…」
シロエ 「自分だけでは、と思ったわけでしょう?」

誰も話題にしていませんし、とシロエ君の鋭い指摘。

シロエ 「集合してから、時間はたっぷりでしたしね」
ジョミー「盛り上がるには、充分だよねえ…」

モノが心霊現象だしさ、とジョミー君も。

ジョミー「いいなあ、家がお寺だなんて…」
キース 「断じて心霊現象ではない!」

なにしろ御存命だからな、と謎な台詞が。

シロエ 「御存命ですって?」
ジョミー「生霊ってヤツ?」

それも凄いよね、とジョミー君の輝く瞳。

ジョミー「もしかして、出たわけ?」
キース 「俺の家にだけな!」
シロエ 「なんて聞こえたんです?」
キース 「呪ってやる、と…」
一同  「「「げっ!!!」」」

それはダメなヤツ、と誰もがガクブル。
呪うですって?


2022/07/22 (Fri)



☆生霊だそうです


マツカ君の山の別荘へ、グリーン車で出発な面々ですが。
車内でキース君が言うには、夜中に声が聞こえたそうで。

ジョミー「ちょ、ちょっと…! 呪ってやる、って…」
シロエ 「それって、ヤバいじゃないですか!」

しかも生霊なんですよね、とシロエ君、顔面蒼白。

シロエ 「下手な死霊より、危険な気がしますけど…」
ブルー 「うん。執念が半端ないからねえ…」

除霊だったら、このくらいで、と生徒会長、指を一本。

ブルー 「本当だったら、指一本で百なんだけどさ…」
サム  「友達枠で、割引かよ?」
ブルー 「そう! 大負けに負けて、十にしとくよ」

もちろん、一番の高額紙幣で…、と念押しが。

ブルー 「分割払いもオッケーだけど?」
キース 「そんな金は無い!」
シロエ 「でも、呪われたら大変ですし…」
キース 「そうは思うが、元から呪われているからな…」

特に問題は無いかもしれん、とキース君が顎に当てる手。

キース 「なんと言っても、声の主が、だ…」
ジョミー「誰だったわけ?」
キース 「あの馬鹿に決まっているだろう!」

今回の旅から外されたヤツだ、とキース君。

キース 「呪いで卒塔婆地獄と言ってやがったし…」
一同  「「「あー…」」」

あの迷惑な人か、と誰もが納得。

シロエ 「すると呪いは、キース先輩限定ですね?」
ジョミー「でもって、卒塔婆地獄だよねえ…」

確かに除霊は要らないかも、と一同、苦笑。

ジョミー「そもそも、除霊も効かないかもだし…」
ブルー 「サイオン勝負だと、無理っぽいねえ…」

潔く呪われてくれたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「卒塔婆を書きまくるわけだろう?」
キース 「そうなんだが…」

これが予想より増えていてな、とキース君の渋面。

キース 「親父のメモは、ともかくとして…」
ジョミー「追加が来たとか?」
キース 「余裕たっぷりだな、と…」

合宿の翌日から旅行はマズかった、と溜息が。
その通りかも…。


2022/07/23 (Sat)



☆呪われそうです


マツカ君の山の別荘への旅、グリーン車での快適な道中。
けれど車内でキース君が言うには、呪われそうだとかで。

ジョミー「アドス和尚なら追加だよね、ソレ…」
シロエ 「合宿中に溜まった卒塔婆、書かずにですね…」

そのまま旅行に出発ですし、とシロエ君、やや同情気味。

シロエ 「気の毒だとは思いますけど、自業自得とも…」
スウェナ「言えるわよねえ、この場合…」
キース 「その通りではあるんだが…」

だから甘んじて引き受けたが…、とキース君の苦い顔。

キース 「とはいえ、これが半端ない数で…」
マツカ 「そうみたいですね、あれ、全部でしょう?」

あそこの荷物が卒塔婆ですよね、とマツカ君が指す方向。

マツカ 「とんでもない数に見えますが…」
キース 「言わないでくれ、気が滅入る」
マツカ 「大丈夫ですよ、お手伝いさせて頂きますから」

二人がかりなら時間も半分かもです、とマツカ君。

マツカ 「ただ、ぼくは初めての経験ですから…」
シロエ 「キース先輩みたいにはいきませんよね…」
キース 「分かっている。俺が一本、書く間に、だ…」

半分も書けたら上等だな、とキース君が繰る数珠レット。

キース 「だが、有難い助っ人だし…」
ジョミー「文句なんかは言えないよねえ?」
キース 「ああ。根性で書いて、書きまくるしか…」
ブルー 「文字通り、地獄になったようだねえ…」

流石はブルーだ、と生徒会長、ニヤニヤニヤ。

ブルー 「キッチリ、呪って来るっていうのが凄いよ」
シロエ 「偶然だという気がしますけど?」
ブルー 「うん、此処までは、そうなんだけど…」

この先に実に興味があって…、と楽しそうな人。

ブルー 「呪ってやる、と言って来たわけだしさ…」
ジョミー「嫌がらせってヤツじゃないのかな?」
シロエ 「追い払ったのは、キース先輩ですしね…」
キース 「俺もそうだと思うんだが…」
ブルー 「さあ…?」

どうだろうね、と瓜二つの顔で言ってますけど。
さて…?


2022/07/24 (Sun)



☆まずはお茶から


マツカ君の山の別荘までは、毎年恒例のグリーン車の旅。
呪いが話題になりましたけど、最寄り駅に無事に到着で。

マツカ 「迎えの車が来ていますから、どうぞ」
シロエ 「もう、駅からして涼しいですよね!」
サム  「アルテメシアとは別世界だぜ」

まさに天国、とマイクロバスに乗り込み、別荘へ。

執事  「いらっしゃいませ、どうぞ中の方へ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年もよろしくねーっ!」

山の別荘だあ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大歓声。

ぶるぅ 「ボート遊びをして、ポニーに乗って…」
ジョミー「ぶるぅには、馬は大きすぎるもんね」
ぶるぅ 「そうなの、でもでも、ポニーも楽しいから!」

乗るんだも~ん! と飛び跳ねている元気なお子様。

ぶるぅ 「だけどキースは、卒塔婆だよねえ?」
キース 「縁起でもないことを言わないでくれ!」

テキパキと書いて片付けるぞ、とキース君、決意の表情。

キース 「あの馬鹿なんぞに呪われてたまるか!」
マツカ 「ええ。一休みしたら、早速、始めましょう」

お茶の用意が出来ていますよ、とマツカ君の笑み。

マツカ 「夕食の前に運動な話もありましたけど…」
スウェナ「どっちかと言えば、お腹が減ったわ」
シロエ 「車内で盛り上がりましたしね」

カラオケなんかもしてましたし…、とシロエ君。

シロエ 「わあ、本格的にアフタヌーンティーですよ!」
ぶるぅ 「お菓子も、サンドイッチもあるよ!」
執事  「お飲み物は、何でもお申し付け下さい」

ホットでもアイスでも、コーヒーでも…、ということで。

キース 「では、コーヒーをホットで」
執事  「かしこまりました。他の皆様は…?」

執事さんが注文を聞いて、賑やかにティータイム。

サム  「別荘ライフって気がするぜ」
シロエ 「ホントですよね、呪われた人もいますけど」
ジョミー「楽しんでるな?」
シロエ 「当然ですよ!」

いったい何が起こるでしょうか、と他人事な台詞。
楽しみかも…?


2022/07/25 (Mon)



☆夕食前にお出掛け


山の別荘に無事に到着、まずは優雅なティータイムから。
お茶やお菓子を満喫した後、夕食まで時間があるわけで。

ジョミー「シロエは軽く走るんだよね?」
シロエ 「いえ、ぼくだけになりそうですから…」

キース先輩たちは卒塔婆書きですしね、とシロエ君。

シロエ 「それに夕食は、走らなくても食べられますよ」
サム  「んじゃ、俺たちと出掛けるのな?」
シロエ 「そうなりますねえ、散歩ですか?」
ジョミー「そんなトコかな、ボート遊びや乗馬はさ…」

もっと時間のある時だよね、とジョミー君の提案は散歩。

ジョミー「心霊スポットがあればいいのになあ…」
マツカ 「そういうのは聞いていませんね」
サム  「そもそも、前からねえしな、ソレ」

新しく出来てたら怖すぎるぜ、とサム君が軽く竦める肩。

サム  「絶対、とんもでねえヤツだしよ…」
スウェナ「事故とか事件の現場だものねえ…」
ブルー 「出来立てのトコは、オススメしないよ」

せめて三年は待った方が…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「どっちにしても地縛霊だけど、三年あれば…」
サム  「ちっとはマシになるのかよ?」
ブルー 「お地蔵様が出来ているとか、それなりにさ…」

対策が取られているからね、とプロならではの発言が。

ブルー 「少なくとも、野放し状態よりはいいかな」
ジョミー「ふうん…? だけど、三年待つ以前にさ…」

出来てないよね、とジョミー君の残念そうな顔。

ジョミー「仕方ないから、何処かその辺を歩くしか…」
ぶるぅ 「お花、いっぱい咲いてるしね!」
シロエ 「平和な散歩を楽しみましょう」

キース先輩たちは留守番で…、とシロエ君。

シロエ 「早く片付くといいですね、卒塔婆」
マツカ 「ええ、頑張ります。…あれ?」
キース 「どうかしたか?」
マツカ 「今、変な声がしませんでしたか?」
シロエ 「聞いてませんけど、そのパターン…」

昨夜のキース先輩と同じでは、という指摘。
似てますね…?


2022/07/26 (Tue)



☆謎すぎるメッセージ


山の別荘でティータイムの後、夕食まで散歩という面々。
卒塔婆書きをする二人を残して、出掛けるつもりですが。

シロエ 「変な声って、誰も聞いてませんよね?」
ジョミー「うん。マツカだけじゃないの?」
キース 「今回は、俺も聞いてはいないんだが…」

もしかして、あの馬鹿野郎か、とキース君の問い。

キース 「どうなんだ、マツカ?」
マツカ 「例の人で合っているんですけど…」
シロエ 「やっぱり…。で、何と言って来たんです?」

マツカ先輩まで呪う気では、とシロエ君、肩をブルッと。

シロエ 「別荘行きを断られたのを、逆恨みして…」
マツカ 「それがですね…。邪魔しないで、と…」
一同  「「「は?」」」

邪魔って何の、と誰もがキョトン。

サム  「何だよ、ソレ? マツカは何もしてねえぜ?」
シロエ 「ですよね、散歩に行くのも留守番で…」
マツカ 「そうなんですけど、何なんでしょう?」

ぼくにも正直、謎なんですよ、とマツカ君。

マツカ 「でも、ぼくしか聞いてはいませんから…」
ジョミー「マツカ限定のメッセージだよね?」
マツカ 「多分、そうでしょう。皆さんは無関係ですよ」

どうぞ気にしないでお出掛け下さい、と柔和な笑み。

マツカ 「ぼくはキースと頑張りますから」
キース 「悪いな、済まんが世話になる」
マツカ 「どういたしまして」

和室を御用意しましたから、と二人で去ってゆきまして。

ジョミー「行っちゃったね…」
シロエ 「マツカ先輩も、人がいいですねえ…」
スウェナ「ホントよ、放っておけばいいのに」

呪われてるような人なんて、とスウェナちゃん。

スウェナ「卒塔婆地獄は、キースの自業自得でしょ?」
ブルー 「まあねえ…。でも、あの数だと大変だよね」
シロエ 「マツカ先輩が気の毒ですよ」
サム  「いいんでねえの? 手伝う気だしよ」
ジョミー「そうだよ、放って出掛けちゃおうよ!」

マツカもそう言っていたんだし、と正論が。
お出掛けですね?


2022/07/27 (Wed)



☆追い掛けて来た人


卒塔婆書きをする二人を残して、夕食まで散歩という話。
マツカ君が聞いたソルジャーの声も、スルー決定でして。

シロエ 「まあ、マツカ先輩だって、いざとなったら…」
サム  「逃げると思うぜ、卒塔婆地獄だしよ」
ジョミー「嫌になったら逃げるって!」

だから気にしないで出掛けちゃおう、とジョミー君。

ジョミー「えっと…。飲み物は自販機とかもあるよね」
スウェナ「ボート乗り場にはあったと思うわ」
シロエ 「じゃあ、その辺を目指して出発しましょうか」
執事  「お待ち下さい、お出掛けでしたら…」

ペットボトルを御用意します、と執事さんの申し出。

執事  「お好きな銘柄はおありでしょうか?」
シロエ 「スポーツドリンクなら、何でもいいです」
サム  「ソルティライチがあると嬉しいけどよ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくは、お茶なら何でも!」

ここぞとばかりに飛び出す注文、どれも用意はバッチリ。

執事  「皆様、こちらでよろしいですか?」
一同  「「「ありがとう!」」」

行ってきまぁーす! と正面の扉から別荘の表の庭へ。

シロエ 「飲み物の心配は無くなりましたね」
ジョミー「そうだね、何処でも行けそうだけど…」
ブルー 「足の向くままっていうのもいいねえ…」

景色はいいし、涼しいし…、と生徒会長。

ブルー 「夕食までに帰れる程度に、その辺をね」
ぶるぅ 「そだね、お馬さんを見るのもいいかも!」
シロエ 「この時間なら、まだ外にいますしね」

乗馬クラブも覗いてみましょうか、と門から出た所へ。

マツカ 「待って下さい、ぼくも行きまーす!」
一同  「「「えっ!?」」」

なんで、と振り返った先に、走って来るマツカ君の姿。

マツカ 「ぼくも飲み物、持って来ました!」
シロエ 「そ、それはいいですけど、マツカ先輩…」
サム  「卒塔婆書き、もう終わったのかよ?」
マツカ 「いいえ、全く…」

まるっと残っていますけど、との答えですけど。
もう逃亡…?


2022/07/28 (Thu)



☆邪魔をしないで


夕食まで散歩して来よう、と別荘の門を出た面々ですが。
なんとマツカ君が追って来たわけで、散歩に行くそうで。

シロエ 「マツカ先輩、逃げて来たんですか?」
マツカ 「平たく言えば、そうなりますね…」

キースには申し訳ないですけど、とマツカ君が竦める肩。

マツカ 「でも、どうしようもないですし…」
サム  「まさか、字がお眼鏡に適わなかったのかよ?」
ジョミー「あー…。書道も流派があるらしいもんね」
ブルー 「マツカの字に、癖は無いんだけどねえ…」

見事なものだよ、と生徒会長。

ブルー 「気に食わないだなんて、キースも贅沢だよね」
シロエ 「キース先輩の字は、上手いんですか?」
ブルー 「坊主としては、パーフェクトかな」

だから文句を言うんだろうけど…、と生徒会長、溜息。

ブルー 「でもねえ、学生バイトよりは、よっぽど…」
シロエ 「上手でしょうし、第一、卒塔婆の数だって…」
サム  「半端ねえのに、妥協しねえでどうするんだよ」
マツカ 「いえ、それが…」

キースは悪くないんですよ、とマツカ君。

マツカ 「詳しいことは、散歩しながら話しましょうか」
ジョミー「込み入ってるわけ?」
マツカ 「そうなんです」

実は、書こうとしたらですね…、と話し始めた高原の道。

マツカ 「邪魔しないで、と聞こえたわけで…」
サム  「例のヤツな?」
マツカ 「ええ。それで見回したら、呪ってやる、と…」
一同  「「「ええっ!?」」」

マツカ君を呪ってどうするんだ、と一同、仰天。

シロエ 「なんで、マツカ先輩を呪うんです!」
サム  「逆恨みってヤツじゃねえかよ、完全に!」
マツカ 「違うんですよ、注文なんです」

キースを呪う邪魔をするな、と…、とマツカ君。

マツカ 「散歩に行け、と言われました」
シロエ 「それで追い掛けて来たんですか?」
マツカ 「あの人ですよ?」
一同  「「「あー…」」」

逆らったら厄介な人だった、と納得ですけど。
この後は…?


2022/07/29 (Fri)



☆数えるそうです


山の別荘ライフがスタート、夕食まで散歩なわけですが。
マツカ君も一緒に散歩で、それがソルジャーの注文で…。

シロエ 「じゃあ、キース先輩が一人で卒塔婆を…?」
マツカ 「そうなんです。でも、どうすることも…」

出来ませんしね、とマツカ君が振り返る別荘の方。

マツカ 「呪うってことは、卒塔婆地獄でしょうから…」
ジョミー「今だけじゃなくて、この先もかな?」
マツカ 「多分、そうではないでしょうか」

分かりませんけど、と心配そうな顔。

マツカ 「手伝い無しで、あれだけ書くのは大変ですよ」
ブルー 「うん。自由時間は、ほぼ無いかもねえ…」
サム  「そこまでなのかよ?」
ブルー 「さっきのお茶に、かかった時間は?」

どのくらいかな、と生徒会長が指す腕時計。

ブルー 「夕食だって、フルコースなんだよ?」
一同  「「「あー…」」」

カップ麺とは違うんだった、と誰もが納得。

シロエ 「食事時間で、かなりのロスが出るわけですね」
ブルー 「そういうことだね、一緒に食べるなら」
マツカ 「キースの分だけ、運ばせましょうか?」
ブルー 「それこそ、ブルーの思う壺だよ」

文字通り卒塔婆地獄じゃないか、と生徒会長。

ブルー 「キースが自分で言い出したとしても…」
ジョミー「卒塔婆に埋もれる生活だよねえ…」
ブルー 「書き上がるまでね!」

どうなるのやら、と散歩の話題で、夕方に戻った別荘。

マツカ 「キースの様子を見て来ます」
サム  「あまり進んでねえだろうなあ…」
スウェナ「地獄だものねえ…」

ダメな気しかしない、と言い合う間に、マツカ君、帰還。

シロエ 「キース先輩、どうしてました?」
マツカ 「詰んでました…」

呪いの声が聞こえるそうです、とマツカ君。

マツカ 「あと何本、と卒塔婆を数えるらしいんです」
ジョミー「皿屋敷みたいに?」
マツカ 「ええ、恨めしげで、耳について…」

集中出来ないらしいんですよ、と言ってますけど。
ヤバすぎ…。


2022/07/30 (Sat)



☆地獄へとダイブ


マツカ君の山の別荘、一日目がスタートしましたけれど。
夕食の席に現れたキース君、既に疲れが見えていまして。

シロエ 「キース先輩、卒塔婆書きは進みましたか?」
キース 「それがだな…。書き損じてばかりで…」
サム  「まさか、削って書き直しかよ?」
キース 「1本につき、何回もな…」

だからサッパリ進まないんだ、とキース君、深い溜息。

キース 「マツカから聞いていると思うが…」
ジョミー「誰かさんが卒塔婆を数えるんだって?」
キース 「それは恨めしげに、あと何本、と…」

書き上げるなんて無理な気しかしない、とキース君。

キース 「このペースでは、食う時以外は缶詰だな…」
マツカ 「フルコースはマズかったでしょうか?」
キース 「いや、栄養と気分転換は大切だ」

俺は食うぞ、と長丁場の夕食、終わると和室へ。

ジョミー「大丈夫かな、アレ…」
ブルー 「ほぼ詰んでるけど、キレるかもねえ…」
一同  「「「は?」」」
ブルー 「自ら地獄にダイブするヤツ!」

ブルーの思う壺だけどさ、と生徒会長、ニヤニヤと。

ブルー 「卒塔婆書きを放棄で、遊びまくって…」
シロエ 「自分の首を絞めるんですか?」
ブルー 「別荘ライフを楽しんだ後が、悲惨だよねえ…」

明日には結果が出ると思うよ、と他人事な人。

ブルー 「乗馬クラブへ追って来る方に、アイス1本!」
シロエ 「ぼくも賭けます、3本で!」
サム  「俺は2本で!」
ジョミー「ぼくは4本…って、逆な人は?」

来ない方に賭ける人は、とジョミー君が見回す面子。

ジョミー「誰か、いるわけ?」
マツカ 「いえ、ぼくは…。他の皆さんは?」
スウェナ「大穴だけど、負ける気しか…」
ぶるぅ 「しないもん!」

賭けは不成立、そして翌日、乗馬クラブで…。

マツカ 「皆さん、お好きな馬にどうぞ」
キース 「待て、俺も乗るぞ!」
一同  「「「来た…」」」

逃げて来たか、と呆れる面々ですけど。
今月、これにて中継終了~。


2022/07/31 (Sun)





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☆楽しみな夏休み


さて、7月。シャン学メンバーの世界は、じきに夏休み。
生徒会長宅に集った面々、只今、夏休みの計画中でして。

ジョミー「山の別荘は外せないよね、絶対に!」
シロエ 「エアコン無しでも涼しいですしねえ…」
マツカ 「いつでも用意は出来ていますよ」

今年も皆さんでお越し下さい、とマツカ君の笑み。

マツカ 「ボート遊びも、乗馬もどうぞ」
一同  「「「やったーっ!」」」

楽しみだよね、と誰もが大歓声。

サム  「山の別荘には、厄介なヤツも来ねえしよ…」
シロエ 「ですよね、海の別荘行きがありますから」
スウェナ「此処で来ちゃうと、特別休暇がパアなのよね」

だから来ないってトコが最高よ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「もう存分に羽を伸ばして、楽しみましょ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 乗馬にボートにハイキング!」
ブルー 「三食、一流シェフの料理だしねえ…」
ジョミー「おやつも、お弁当もだよ!」

まさに天国、とジョミー君もワクワク。

ジョミー「早く夏休みにならないかなあ…」
シロエ 「じきですってば、アッという間です」
サム  「うんうん、期末も終わったしよ…」
マツカ 「ええ、後は終業式だけですよ」

それが済んだら夏休みです、とマツカ君。

マツカ 「ぼくたち柔道部員は、まずは合宿ですけれど」
シロエ 「終わったら、山の別荘ですよ!」

戻った次の日に出発で…、とシロエ君、行く気満々。

シロエ 「一晩眠れば、合宿疲れも吹っ飛びますしね」
マツカ 「じゃあ、そういう予定でいいですか?」
一同  「「「オッケー!」」」

次の日からだ、と揃った声ですけれど。

シロエ 「…あれ? キース先輩、どうしたんです?」
キース 「いや、それが…」

次の日は少しヤバい気が…、とキース君。

キース 「戻ってみないと、分からないんだが…」
一同  「「「は?」」」
キース 「予定は未定というヤツで…」

今はなんとも…、と煮え切らない返事。
合宿と何か関係が…?


2022/07/01 (Fri)



☆未定らしい予定


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、残るは終業式だけ。
生徒会長宅で夏休みの計画中、マツカ君の山の別荘行き。

シロエ 「予定は未定って、何なんです?」
サム  「お前、そういうのは得意じゃねえかよ」

つか、無計画では動かねえだろ、とサム君の指摘。

サム  「何をやるにも、先の先まで読む筈だぜ?」
ジョミー「だよねえ、宿題とかにしたって…」
スウェナ「順番を決めて、着々とやるタイプでしょ?」
シロエ 「その通りですよ、もう昔から、ソレですね」

長い付き合いですから、よく知ってます、とシロエ君。

シロエ 「ぶっつけ本番とかは、有り得ないんですよ」
キース 「いや、そんなことはないが…」
ジョミー「咄嗟に対応出来るってだけで、本音はさあ…」

想定外は避けたいってヤツ、とジョミー君も。

ジョミー「アドリブは出来ても、やりたくない、って」
サム  「うん、まさにソレな!」
キース 「まあ、そうだが…」
シロエ 「ほらね、細かく計画を立てる人ですってば」

なのに予定が未定だなんて…、とシロエ君のツッコミ。

シロエ 「冗談だとしか思えませんけど?」
キース 「本当なんだ!」
サム  「んじゃ、予定表は、どうなってんだよ?」

未定って書いてあるのかよ、とサム君の問い。

サム  「月参りとかを書いてる手帳に、未定ってか?」
キース 「そうは書かんが、今の時点では…」

白紙なんだ、とキース君。

キース 「俺だって、出来れば、其処はだな…」
シロエ 「山の別荘、と書きたいんですか?」
キース 「それが理想というヤツなんだが…」

生憎と今は、合宿までしか…、とブツブツブツ。

キース 「合宿から戻った時に、どうなっているか…」
シロエ 「分からない何かがあるわけですか?」
キース 「この目で見ないと、本当にどうにも…」
ジョミー「もしかして、生き物?」
キース 「生きているのは間違いないな」

それだけに、とても厄介で…、と言ってますけど。
生き物ですか…?


2022/07/02 (Sat)



☆うるさい生き物


じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画中で、山の別荘という話な今。

ジョミー「厄介って、どんな生き物なわけ?」
シロエ 「とても我儘なんですか?」
キース 「我儘な上に、頑固なんだが…」

ついでにうるさい、とキース君が顰める顔。

キース 「朝早くから、もう、ギャーギャーと…」
サム  「俺、何か分かった気がするぜ」
シロエ 「ぼくもです。確かに厄介かもですね…」

キース先輩の場合、住環境はいいですけど、とシロエ君。

シロエ 「住宅街だと、近所から文句が出るんですよね」
サム  「うるせえからなあ…」
スウェナ「何なのよ、ソレ?」
ジョミー「アレかな、ウシガエルってヤツかな…」

凄くうるさいらしいよね、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「ぼくは、聞いたことないんだけどさ」
マツカ 「今は規制が厳しいらしいですからね…」
ジョミー「規制って?」
マツカ 「アレです、特定外来種ですよ」

移動が禁止されてるんです、とマツカ君の解説。

マツカ 「ですから、発見してもですね…」
スウェナ「持って帰ったりは出来ないのよね」
ジョミー「あー…。それで、その辺にいないんだ?」

だけどキースは飼ってるわけ、とジョミー君の問い。

ジョミー「元老寺の池にもいたっけ、アレ?」
マツカ 「いえ、鳴き声を聞いた覚えは無いですね」
スウェナ「まさか、何処かから持って帰って…」

飼っているんじゃないでしょうね、とスウェナちゃん。

スウェナ「御禁制のヤツよ、御法度なのよ?」
キース 「何故、ウシガエルを飼わねばならん!」
シロエ 「そうですよ。仮定からして間違ってます」

勝手に決め付けないで下さい、とシロエ君、苦い顔付き。

シロエ 「思い込みで話を進めるのはですね…」
サム  「良くねえんだぜ?」
ジョミー「ウシガエルだと思ったんだけど…」
キース 「誤解だ!」

御禁制のブツなど飼わん、と反論ですけど。
じゃあ、何だと…?


2022/07/03 (Sun)



☆決め付けはダメ


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、残るは終業式だけ。
生徒会長宅で夏休みの計画、山の別荘へ行く日が問題で。

ジョミー「よく考えたら、キースは真面目だったっけ…」
サム  「そうだぜ、御禁制のブツを飼うわけねえだろ」
シロエ 「まったくです。物事は、きちんと考えないと」

ドツボにはまりますからね、とシロエ君の注意が。

シロエ 「何か仮説を立てるにしても、筋道をですね…」
スウェナ「考えるのが鉄則だったわねえ…」

ジャーナリスト失格だったわ、とスウェナちゃん、猛省。

スウェナ「シロエもサムも分かってるのに、って…」
シロエ 「焦り過ぎちゃったわけですか…」
スウェナ「そうなの、ホントに大失敗よ」

ジョミーの口車に乗っちゃうなんて…、と嘆き節。

スウェナ「自分で考えるべきだったわね」
ジョミー「ぼくの口車って、酷すぎない!?」
サム  「でもよ、ウシガエルって言ったじゃねえかよ」
シロエ 「そうです、ほぼほぼ、決め付けでしたね」

アレはダメです、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「テストだったら、点は無いですよ?」
サム  「うんうん、まるで間違いだしよ…」

そりゃあ確かにうるせえけどよ、とサム君も。

サム  「けどよ、キースは朝早くから、って…」
シロエ 「言ってましたよ、其処も大事なポイントです」

ウシガエルの朝は早いんですか、とシロエ君。

シロエ 「ぼくも詳しくは知りませんけど…」
マツカ 「暗い時の方が、よく鳴くカエルらしいですよ」

噂に聞いただけですけどね、とマツカ君の説明。

マツカ 「昼間も、鳴くそうですけれど…」
サム  「朝ってイメージ、ねえヤツだしな?」

よく考えて発言しろよ、とサム君も。

サム  「朝早くからうるせえトコが、問題なんだよ」
シロエ 「近所迷惑ってヤツなんですよね…」
ジョミー「あー、元老寺だと、広いから…」
シロエ 「外まで届かないんです」

でも住人にはうるさいわけで、と納得な話。
まあねえ…。


2022/07/04 (Mon)



☆最初からいました


じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式を残すだけで。
生徒会長宅で夏休みの計画、マツカ君の山の別荘を希望。

ジョミー「朝早くから騒がしいのは、キツイよね…」
シロエ 「嫌でも起こされちゃいますから…」
サム  「近所から苦情が出ちまうんだよ、住宅街だと」

御近所の人は、たまらねえしな、とサム君が顰める顔。

サム  「日が出た途端に、やかましいんだぜ?」
シロエ 「しかも、朝で終わりじゃないですからねえ…」
サム  「何かってえと、騒ぐらしいよなあ…」

俺は飼ったことねえんだけどよ、とサム君の言。

サム  「シロエは、経験あるのかよ?」
シロエ 「無いですね。飼うような理由も無いですし…」

そもそも何処で売ってるんです、とシロエ君の問い。

シロエ 「キース先輩、誰かに貰ったんですか?」
キース 「最初から、家にいやがったんだが?」

物心つく前からな、とキース君の仏頂面。

キース 「あっちの方が、俺より偉くて当然だろうが!」
シロエ 「…いましたっけ?」
サム  「知らねえ、マジで気付かなかったぜ」

元老寺って広いしなあ、とサム君、お手上げのポーズ。

サム  「よく考えたら、裏山も全部、そうだしよ…」
シロエ 「あー…。あそこで放し飼いですか…」

それだと確かに気付かないかも、とシロエ君。

シロエ 「そうなると、卵が美味しそうですね」
ジョミー「卵って…。そうか、ニワトリだったんだ?」
サム  「今頃、気付いたのかよ、お前…」

まあ、ウシガエルなヤツだしな、とサム君、苦笑。

サム  「朝からうるせえわけだろ、マジで」
ジョミー「うん…。でもって、キースが…」
スウェナ「世話をしているわけね」

合宿から戻ったら忙しいのね、とスウェナちゃん。

スウェナ「留守の間に、どうなってるかが問題で…」
シロエ 「恐らく、放置でしょうからね…」
ジョミー「野良ニワトリになってるかもね…」

一日で世話が終わらないかも、という声が。
そうかも…。


2022/07/05 (Tue)



☆古株だそうです


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、残るは終業式だけ。
生徒会長宅で夏休みの計画、マツカ君の別荘行きの話で。

サム  「生き物だけに、見るまで分からねえもんな…」
ジョミー「卵を拾い集めるトコからなのかな?」
シロエ 「いえ、宿坊があるんですから、卵はですね…」

毎朝、拾われていそうですよ、とシロエ君の指摘。

シロエ 「縛りの緩い宿坊ですしね、朝御飯用に」
スウェナ「そうねえ、卵焼きとか、卵かけ御飯とか…」
マツカ 「集める係が、決まっていそうな感じですね」

朝一番に拾いに行く当番が…、とマツカ君も。

マツカ 「放置じゃ、もったいないですから」
ジョミー「あー…。するとキースの仕事って、何?」
サム  「放し飼いなら、餌は要らねえかな?」
シロエ 「そうですね。すると鳥小屋の掃除でしょうか」

それは放ってありそうですよ、とシロエ君。

シロエ 「でも、鳥小屋は要りますからねえ…」
サム  「あの山、イノシシが出るらしいしなあ…」
ジョミー「イノシシって、ニワトリ、食べるのかな?」
スウェナ「どうかしら? だけど、イタチは食べるわよ」

イノシシがいるならイタチだって、という声が。

スウェナ「鳥小屋が無いと、危険だものねえ…」
シロエ 「その鳥小屋の掃除ってヤツが、問題ですか…」

汚れの程度は、見てみないと…、とシロエ君の溜息。

シロエ 「一時間あれば片が付くのか、無理なのか…」
サム  「それ次第ってことな、キースの予定は」

まあ、頑張れよ、とサム君、キース君の肩をポン、と。

サム  「酷く汚れてねえことを祈るぜ」
キース 「俺はニワトリとは言っていないが?」
シロエ 「じゃあ、何なんです?」

いったい何を飼ってるんです、とシロエ君の問い。

シロエ 「キース先輩より、古いんですよね?」
キース 「もう、とんでもない古株だが!」
ジョミー「でもって、朝からうるさいんだよね?」

サッパリ謎だ、と誰もが首を捻ってますけど。
何だと…?


2022/07/06 (Wed)



☆増えまくる仕事


じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画中で、山の別荘の日程が問題。

シロエ 「キース先輩よりも古株って、何でしょう?」
サム  「朝からうるせえけど、ニワトリじゃねえし…」
ジョミー「ウシガエルも違うって言われたしね…」
キース 「お前たち、本当に分からないのか?」

正解は一つしか無いだろうが、とキース君の仏頂面。

キース 「親父の他に、何がいると言うんだ!」
一同  「「「えっ!?」

ソレか、と一同、瞬時に納得。

シロエ 「確かに、思いっ切りの古株ですね…」
サム  「うるせえっていう点も、間違いねえよな」
スウェナ「お寺の朝は、早いものねえ…」

朝からうるさくて当然だわよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「しかも一日、うるさそうだし…」
ジョミー「ニワトリとウシガエルを足した感じだよね」
キース 「不吉なことを言わないでくれ!」

パワーアップしたらどうしてくれる、とキース君。

キース 「そんなパワフルな生き物は要らん!」
シロエ 「もう充分に間に合ってますか?」
キース 「とうの昔に、パワーMAXだ!」

お蔭で俺の仕事が増えて…、と副住職の深い溜息。

キース 「親父が遊びに出掛ける度に、ノルマがだな…」
一同  「「「ノルマ?」」」
キース 「親父は夜まで遊びまくって、次の日の朝に…」

俺の部屋の前にメモがあるんだ、とブツブツブツ。

キース 「卒塔婆の追加を書き殴ったヤツが!」
一同  「「「あー…」」」

お盆に向けて書くヤツだった、と誰もが理解した風物詩。

シロエ 「遊んで、書けなかった分なんですね?」
キース 「そういうことだ」

俺が家にいてもソレなんだぞ、とキース君が顰める顔。

キース 「合宿に出掛けて、いないとなったら…」
ジョミー「遊びまくりだよね…」
シロエ 「メモが増えていくわけですか…」
キース 「そうなるな」

親父が遊んだ分だけ増える、と嘆き節が。
嫌すぎるかも…。


2022/07/07 (Thu)



☆アナログが問題


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、終業式を残すだけ。
生徒会長宅で夏休みの計画、山の別荘行きが問題でして。

シロエ 「帰ってみないと、メモは分かりませんしね…」
ジョミー「LINEにしてくれればいいのにね…」

それなら合宿中でもオッケーなのに、とジョミー君。

ジョミー「柔道部の合宿、スマホは禁止じゃないんだし」
キース 「一応、禁止になってはいるが?」
サム  「マジかよ、修行道場並みかよ!?」
シロエ 「いえ、そこまでは…。練習の間だけですよ」

練習が終われば使えますし、とシロエ君の説明が。

シロエ 「ただし、食事中はダメですけどね」
ジョミー「厳しいね、ソレ…」
マツカ 「柔道は心身の鍛錬が大切ですから…」
キース 「ついでに礼儀も重視するしな」

教頭先生も一緒の食事ではダメだ、とキース君、補足。

キース 「目上の人の前でスマホは、社会的にだ…」
シロエ 「あまり良くないらしいですしね」
マツカ 「そうですね。必要な時は許されますけど…」

それ以外では控えますね、と御曹司も。

マツカ 「とはいえ、ぼくたちは高校生ですし…」
シロエ 「お坊さんでもありませんから、そこそこの…」

自由はあるのが合宿中のスマホライフです、とシロエ君。

シロエ 「LINEも出来ると思いますけど…」
キース 「あの親父の首に、鈴をつけられるのか?」

お前だったら出来るのか、とキース君の問い。

キース 「親父とLINEは、そういうことだぞ」
ジョミー「えーっと…。読んでは貰えないのかな?」
キース 「当然だろうが、既読スルー以前の問題だ!」

ヤバそうなブツは未読で放置だ、とキース君。

キース 「今の時期なら、もう永遠に未読だな」
シロエ 「文句に決まっているからですね…」

シーズン的に、とシロエ君、相槌。

シロエ 「自分で書け、と言われそうですし…」
キース 「面と向かっては言えないが…」

怖くて無理だがLINEなら、という話。
それは確かに…。


2022/07/08 (Fri)



☆アナログが一番


じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画、山の別荘へ行く相談でして。

ジョミー「だけど、LINEって言い出せないんだ?」
キース 「あの親父だぞ? 親父に鈴はつけられるが…」

逆に、俺にも鈴がつきそうでな、とキース君の眉間に皺。

キース 「今の時期だと卒塔婆の件で、俺が有利だが…」
シロエ 「季節が変わると、不利なんですか?」
キース 「なにしろ、書き逃げ出来るからな…」

任せた、と送って来やがりそうだ、と肩を竦める人。

キース 「月参りに雑用、ついでに買い出しとかまでな」
一同  「「「あー…」」」

繋がっていると、そうなるな、と誰もが納得。

ジョミー「ヤバイね、ソレ…」
サム  「キースの場合は、未読で放置出来ねえし…」
シロエ 「既読スルーとかは論外ですよね…」
キース 「当然だろうが、今以上にこき使われるのが…」

見えているぞ、とキース君、フウと溜息。

キース 「そういう事情で、親父とはアナログが一番だ」
スウェナ「そうねえ、メモの置き逃げは困るけど…」
シロエ 「今だけのことなら、我慢するのが吉ですよね」

下手にLINEで繋がるよりも…、とシロエ君も。

シロエ 「じゃあ、マツカ先輩の山の別荘行きは…」
キース 「悪いが、合宿が終わった翌日というのは…」

避けたいんだ、とキース君、申し訳なさそうな顔。

キース 「数によっては、別荘でも書くことになるが…」
サム  「少しは片付けて行きてえのな?」
キース 「俺も心に余裕が欲しいし…」
ジョミー「そうだね、卒塔婆書きは誰も手伝えないし…」

無資格だしさ、とジョミー君。

ジョミー「ブルーだったら、手伝えるけど…」
ブルー 「お断りだね、バイト料が出るならともかく」
シロエ 「そうですよねえ…」
サム  「資格のあるヤツ、他には誰もいねえしよ…」
キース 「いや、その前提はだな…」

正確には間違っているんだが、と言ってますけど。
何処が…?


2022/07/09 (Sat)



☆裕福なお寺だと


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、残りは終業式だけ。
生徒会長宅で夏休みの計画、マツカ君の山の別荘行きで。

シロエ 「間違ってるって、何処がです?」
キース 「資格がどうこうという部分だが?」
サム  「でもよ、卒塔婆って、坊主の資格がねえと…」

書けねえんだろ、とサム君の問い。

サム  「だからお盆の前になるとよ、あちこちでよ…」
スウェナ「地獄になるって聞いてるわよねえ…」
シロエ 「そうですよ、坊さんあるあるとかで」

今年もこんなに書くんです、って嘆き節が、とシロエ君。

シロエ 「卒塔婆の山とか、ツイッターの名物ですけど」
キース 「確かに、何処も地獄なんだが…」

裕福な寺は事情が違うぞ、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「何と言っても、世の中、金だ」
サム  「あー…。卒塔婆プリンターっていうヤツな…」
ジョミー「でもさ、元老寺ではダメなんだよね?」

プリンターを買うお金があっても…、とジョミー君。

ジョミー「アドス和尚は、手書きにこだわるらしいし…」
シロエ 「ですよね、卒塔婆プリンターが高くても…」

夜遊びを控えれば買えそうですよ、とシロエ君も。

シロエ 「それにローンも組めるでしょうし…」
キース 「違う、問題は其処じゃない」

今は資格の話だろうが、と副住職の軌道修正。

キース 「いいか、裕福な寺の場合は、事前にだな…」
ジョミー「何か打つ手があるってわけ?」
キース 「御用聞きがやって来るんだが?」
一同  「「「御用聞き?」」」

何だソレは、と誰もがキョトン。

シロエ 「えっと…? それはお店になるんでしょうか」
キース 「御用聞きだけに、そうなるな」

卒塔婆専門の店なんだが…、と副住職。

キース 「今年は何本ほどでしょうか、と来るわけだ」
サム  「納める卒塔婆の数だよな、ソレ?」
キース 「もちろんそうだが、その他に…」
シロエ 「まだ何か?」

あるんですか、とシロエ君が傾げる首。
御用聞きですよね?


2022/07/10 (Sun)



☆外注だそうです


じき夏休みなシャン学メンバー、終業式が終われば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画、山の別荘行きの日程でして。

シロエ 「御用聞きですから、仕事の話ですよね?」
キース 「当然、そうだが?」
サム  「納める卒塔婆の素材とかかよ?」

国産か、そうじゃねえヤツか…、とサム君の問い。

サム  「今は輸入品だって、前に聞いたけどよ…」
シロエ 「こだわる人だと、国産品の特注とかも…」
ジョミー「あるかもだよねえ、材木はあるしさ」
スウェナ「そうねえ、豪華に国産のヒノキでいくとか」

高そうだけど、とスウェナちゃんも。

スウェナ「そういう細かい相談かしら?」
キース 「いや、それもあるかもしれないが…」

もっと基本のオプションが…、と副住職。

キース 「専門店ならではのヤツでだな…」
シロエ 「サービスじゃなくて、オプションですね?」
キース 「ああ。つまり、有料になるんだが…」

だから裕福な寺が顧客で…、と副住職の説明が。

キース 「貧乏寺では、手も足も出ないヤツだしな」
シロエ 「そんなに高いヤツなんですか?」
キース 「らしいぞ、プロに外注だけに」
一同  「「「プロ!?」」」

プロか、と生徒会長に視線が集中。

シロエ 「会長みたいな人ですか?」
サム  「資格を持ってて、高僧ってヤツな?」
マツカ 「確かに、高僧だったら暇ですよね」

自分のお寺を持っていても…、とマツカ君。

マツカ 「大勢の人がいるわけですから、お盆前でも…」
サム  「下っ端の坊主が書くよな、卒塔婆…」
ジョミー「そういう人に外注かあ…」
スウェナ「高くなっても仕方ないわね」

プロ中のプロというヤツか、と誰もが納得。

シロエ 「裕福なお寺だと、それを注文するわけですね」
サム  「代わりに書いて貰うのな…」
キース 「それはそうだが、今は資格の話だぞ?」
シロエ 「えっと…?」
キース 「だから、資格だ」

卒塔婆書きの…、と言ってますけど。
プロ中のプロですよね?


2022/07/11 (Mon)



☆資格が無くても


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、終業式を残すだけ。
生徒会長宅で夏休みの計画、マツカ君の山の別荘が目的。

シロエ 「高僧だったら、当然、資格はありますよね」
サム  「住職の資格がねえと、高僧は無理だぜ」
ジョミー「卒塔婆も書けるわけだよねえ…」
キース 「俺が言うのは、其処の所だ」

外注先は高僧じゃない、と副住職。

キース 「プロはプロでも、書家なんだが?」
一同  「「「は?」」」
キース 「書家と言ったら、書道家だろうが!」

書道のプロというヤツだ、とキース君の説明が。

キース 「そのプロに、卒塔婆を外注するんだ」
シロエ 「…書道家ですか?」
サム  「もちろん、資格持ちだよなあ?」
キース 「書道の方では、そうなるだろうな」

プロなんだから、とキース君。

キース 「だが、住職の資格は、無いと思うぞ」
一同  「「「ええっ!?」」」

無資格なのか、と一同、仰天。

ジョミー「ちょ、そんな人が書いていいわけ!?」
サム  「素人同然じゃねえかよ、ソレ!」
キース 「本当の意味で、素人が書く場合もだな…」

存在すると知っていたか、とキース君、ニヤリ。

キース 「いわゆる、学生バイトなんだが」
一同  「「「学生?」」」
キース 「仏教系の大学に行くと、普通にあるぞ」

季節になると募集される、と卒業生の見て来た世界。

キース 「坊主向けの学科に限らなくても…」
サム  「そのバイト、やっていいのかよ?」
キース 「字さえ上手ければ、即、採用だ」

そして卒塔婆を書くわけでな、とニヤニヤニヤ。

キース 「つまり資格は、一切、要らない」
ジョミー「お金次第かあ…」

バイトを雇うのもアリなんだ、とジョミー君。

ジョミー「じゃあさ、手書きにこだわるアドス和尚も…」
キース 「許すだろうな、金は出さんが」
シロエ 「タダじゃ、バイトは来ませんよ?」
キース 「そうなんだが…」

資格は無くていいわけで…、と言ってますけど。
えっと…?


2022/07/12 (Tue)



☆書道が出来れば


夏休みが近いシャン学メンバー、終業式が終われば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画、マツカ君の山の別荘行きで。

キース 「いいか、坊主の資格が無くても書けるんだ」
シロエ 「そうでしょうけど、学生バイトは…」
ジョミー「タダじゃ、絶対、来てくれないよ?」

ボランティアじゃないんだからさ、とジョミー君も。

ジョミー「アドス和尚が、お金を出さない以上はさ…」
サム  「夢で終わりだぜ、その話はよ」
キース 「終わらせる前に、一つ聞きたいんだが…」

お前たちにな、とキース君がグルリと見回す部屋。

キース 「質問してもいいだろうか?」
シロエ 「かまいませんけど、改まって何なんです?」
キース 「書道を習ったヤツは、名乗って欲しいんだが」
一同  「「「げっ!」」」

ソレはヤバいヤツ、と誰もが引き攣った顔。

シロエ 「…書道ですか?」
キース 「習字でもいいぞ、小学生の時でもいい」

習ったヤツは…、とキース君、目がマジ。

キース 「最低でも、一人はいる筈なんだが…」
サム  「あー、マツカな…」

御曹司には必須のスキルだよな、と頷くサム君。

サム  「マツカ、どうなんだよ?」
マツカ 「否定はしません…」
キース 「よし、一人ゲット!」
一同  「「「うっ…」」」

やっぱりソレか、と一同、ガクブル。

シロエ 「ま、まさか、マツカ先輩にですね…」
サム  「書かせようっていうのかよ!?」
キース 「マツカは断らないと思うぞ」
マツカ 「そうですね…。ぼくでお役に立てるなら…」

手伝いますけど、と素直すぎる人。

マツカ 「他の皆さんは、如何ですか?」
サム  「無理、無理、無理!」

俺の字、めっちゃ下手クソだしよ、とサム君の逃げ。

サム  「マジでセンスがねえってヤツで!」
ジョミー「ぼくも、全然ダメだから!」
シロエ 「ぼくにも無理です!」
キース 「素直に申告した方がいいぞ?」

嘘は許さん、と冷ややかな眼差しですけど。
本当なのでは…?


2022/07/13 (Wed)



☆才能だそうです


もうすぐ夏休みなシャン学メンバー、終業式を残すだけ。
生徒会長宅で夏休みの計画、山の別荘行きの相談でして。

キース 「…本当か? 本当に字が汚い、と?」
シロエ 「そ、そうです、自慢じゃないですけど!」
ジョミー「手本通りになんか、書けっこないし!」
キース 「今、お手本と言わなかったか?」

「お」の字はついていなかったが、と副住職の鋭い視線。

キース 「お前、習っていただろう!」
ジョミー「違うよ、それは学校のヤツで!」
サム  「あるじゃねえかよ、書道の授業が」
スウェナ「そうよ、お習字セットを買わされるでしょ?」

私もやったわ、とスウェナちゃんの助け舟。

スウェナ「でもダメなのよ、ジョミーと同じ結末よね」
シロエ 「なんて言うか、こう、筆がですね…」

上手く動かせないんですよ、とシロエ君も。

シロエ 「機械弄りとは違うようです、アレは」
サム  「やっぱ、センスっていうヤツだよなあ…」
マツカ 「最初から上手い人はいますね、確かに」

能力の問題らしいですけど、とマツカ君が傾げる首。

マツカ 「何と呼ぶのか忘れましたが、生まれつきで…」
ジョミー「赤ん坊でも上手いわけ?」
マツカ 「いえ、そこまではいきませんけど…」

目で見た通りに書けるそうです、とマツカ君。

マツカ 「そのように、腕を動かせるらしいですよ?」
シロエ 「器用さとは別の次元で、ですか?」
マツカ 「ええ。ですから、絵を描くのも上手いとか」

アニメのキャラとかを、そっくりに…、という話。

マツカ 「一種の才能というヤツでしょうね」
??? 「なるほどねえ!」

興味深いよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「なになに、字を書く才能がどうしたって?」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「青の間からだよ、暇だったから覗いてさ…」
キース 「来てみた、と?」
Aブルー「そう!」

字が上手だと何かあるわけ、と聞いてますけど。
えっと…?


2022/07/14 (Thu)



☆字が上手いなら


じきに夏休みなシャン学メンバー、終業式が済めば自由。
生徒会長宅で夏休みの計画、マツカ君の山の別荘行きで。

Aブルー「是非、知りたいねえ、詳しい話を!」
キース 「あんたには関係無いと思うが?」

何の役にも立たんだろうが、とキース君、バッサリ。

キース 「字が上手いとも思えんからな」
Aブルー「失礼だねえ!」
キース 「では、上手いのか?」

筆でサラサラと書けるのか、とキース君の問い。

キース 「筆ペンで書くのは、節分の絵馬で見ているが」
Aブルー「えっと…。筆は経験無いよね、うん」

やってみないと分からないけど、とソルジャーの返事。

Aブルー「だけど、下手とは限らないよ?」
シロエ 「キース先輩、チャンスです!」

例の才能があるかもですよ、とシロエ君が指差す乱入者。

シロエ 「もしもあったら、使えますってば!」
キース 「そうだな…。あんた、絵は上手なのか?」

真似は上手いか、とキース君、ソルジャーに質問。

キース 「見た通りの絵が描けるだろうか?」
Aブルー「うーん、どうかな…」
シロエ 「キース先輩、ここは試しに筆でですね…」

何か字を書いて貰いませんか、とシロエ君。

シロエ 「上手く書けたら、御招待ですよ!」
Aブルー「御招待?」

何処に、とソルジャーが乗り出す膝。

Aブルー「食事の予定でもあるのかい?」
マツカ 「いえ、お食事の方も、もちろんですけど…」
シロエ 「マツカ先輩の、山の別荘ですよ!」

キャプテン抜きなら来られますよね、とシロエ君の言。

シロエ 「お一人だけで如何ですか?」
マツカ 「喜んで、お招きさせて頂きますよ」
Aブルー「本当かい?」

上手く書けたら行っていいわけ、と赤い瞳がキラキラと。

Aブルー「美味しい食事に、ボート遊びに…」
シロエ 「乗馬なんかも楽しめますよ、ハイキングも」
ジョミー「涼しいしさ…」
Aブルー「いいねえ、ソレ!」

お邪魔したいよね、と来る気満々ですけど。
字の腕前は…?


2022/07/15 (Fri)






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☆文化なんです


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節は月参り用に車が欲しい、というキース君で…。

Aブルー「有名なのかい、その痛車っていうのは?」
シロエ 「こっちの世界だと、知られていますよ」
ジョミー「でもさ、限定モノだと思うよ?」

この国にしか無いんじゃないだろうか、とジョミー君。

ジョミー「仕組みは単純なんだろうけど、文化的にさ…」
サム  「あー…。それはあるかもしれねえな」
スウェナ「最先端だものねえ、この国は…」
シロエ 「今じゃ、中華の国も頑張ってますけどね…」

とはいえ、やはりウチの国が…、とシロエ君も頷く話題。

シロエ 「なんと言っても発祥の地で、クールですから」
Aブルー「えっと…?」

話が全く見えないんだけど、とソルジャー、困惑。

Aブルー「何が文化で、最先端で、クールなんだい?」
シロエ 「ズバリ、アニメと漫画ですよ!」

我が国が誇る文化ですね、とシロエ君。

シロエ 「正確に言えば、アニメは他の国がですね…」
ジョミー「先に作っているんだけどさ…」
スウェナ「人気が出たのは、この国で作ったヤツなのよ」

爆発的にヒットしたわけ、とスウェナちゃんの解説。

スウェナ「もう世界中、何処の国でもテレビ放映!」
シロエ 「らしいですよね、カレーの国なんかでも…」

バックパッカーからの報告が…、とシロエ君も。

シロエ 「でもって、今はネットがありますから…」
ジョミー「配信だよねえ、リアルタイムで」
サム  「それに関しては、中華の国もよ…」
スウェナ「負けてないけど、本場は此処よ!」

だからこそ痛車も生まれるのよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「アニメ愛が高じた結果だものね」
ジョミー「萌えだよね…」
Aブルー「萌え?」

ますます謎だ、とソルジャーの目が真ん丸に。

Aブルー「だから何なのさ、痛車って?」
シロエ 「萌えの結晶です!」
Aブルー「ええ…?」

車だよね、と念を押してますけど。
合ってますね…?


2022/06/16 (Thu)



☆痛車な理由は


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
雨の日の月参り用に車が欲しい、というキース君でして。

Aブルー「車が萌えの結晶って、どういう意味?」
シロエ 「そのままですけど?」
ジョミー「萌えを車にぶつけた結果が、痛車なんだよ」

でもって見た目が痛くなるから…、とジョミー君の解説。

ジョミー「痛い車ってことで、痛車って言うんだけど」
Aブルー「見た目が痛いって、絵じゃないのかい?」
シロエ 「ズバリ、その絵が痛いんですよ!」

萌えですからね、とシロエ君。

シロエ 「アニメキャラとかを、こう派手にですね…」
ジョミー「描いてあるんだよ、車体にデカデカとさ」
Aブルー「それが痛い、と言うのかい?」

自分に正直なだけじゃないか、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「萌えの主張だろ、何処がダメだと?」
シロエ 「どう考えても痛いですけど?」
サム  「普通の人間は、やらねえからよ…」

萌えはストラップとか缶バッジな、とサム君の指摘。

サム  「他人が見ても、引かねえ程度にするモンだぜ」
スウェナ「でないと、白い目で見られるものねえ…」
Aブルー「うーん、酷いね、こっちの世界も」

異分子は排除するわけなんだ、とソルジャーが顰める眉。

Aブルー「SD体制と変わりないような気が…」
シロエ 「そうでしょうか?」
キース 「常識の範囲内だと思うが?」

世間様に顔向け出来ないのはマズイ、とキース君。

キース 「痛車に乗るなら、趣味の車にしておかないと」
Aブルー「えっと…?」
キース 「通勤用とかに、普通の車も持つべきだな」
Aブルー「痛車で通勤しちゃダメなのかい?」

何か罰則でもあるのかな、とソルジャーの問い。

Aブルー「罰されるんなら、ホントにSD体制だってば」
シロエ 「どの辺がです?」
Aブルー「趣味まで規制するならね!」
キース 「いや、そこまでは…」
Aブルー「違うって?」

じゃあ通勤していいのかな、と言ってますけど。
さあ…?


2022/06/17 (Fri)



☆通勤はマズイ


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節の月参り用に、車が欲しいキース君の話から…。

Aブルー「特に罰則が無いって言うなら、通勤だって…」
キース 「出来る筈だ、と言いたいのか?」
Aブルー「そうなるだろう? 罰は無いんだよ?」

だったら通勤してもいいよね、とソルジャーの言。

Aブルー「絵が描いてある、ってだけの車なんだしさ」
キース 「いや、その辺は常識というヤツと…」
シロエ 「照らし合わせて判断すべきですよね」
Aブルー「それじゃ、ダメだと?」

こっちじゃ車は高いんだよね、とソルジャーの問い。

Aブルー「通勤用に別のを買える人しか、痛車は…」
ジョミー「持てないと思うよ、でなきゃ通勤は電車とか」
サム  「うんうん、それなら問題ねえよな」

車に乗るのは休日だけな、とサム君、親指をグッと。

サム  「どうせ痛車は、そういう時しか出番がよ…」
シロエ 「ありませんしね、基本的に」
Aブルー「そうなのかい?」
ジョミー「見せびらかすために乗るのが、痛車なんだよ」

萌えをアピールしに乗って走るわけ、とジョミー君。

ジョミー「だから、ガレージに入れてる時はさ…」
シロエ 「撮影OK、と看板を出す人もいるそうですよ」

SNSとかに上げて貰えますしね、とシロエ君も。

シロエ 「なにしろ、目立ってなんぼですから」
Aブルー「それなら会社の駐車場でも、いいじゃないか」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「宣伝になると思うけどねえ?」

会社のさ、と斜め上な発想。

Aブルー「普通の会社じゃ、アレかもだけど…」
キース 「店ならいいとか言わないだろうな?」
Aブルー「そう、ソレ、ソレ!」

お店の看板代わりにいいよ、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「見に来た人で売り上げアップ、店に貢献!」
キース 「確かに、ラーメン屋とかだったら…」
シロエ 「いける気もしますね…」

駐車場の痛車で客引き、と頷き合う人たち。
そうかも…?


2022/06/18 (Sat)



☆宣伝になりそう


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
雨の日の月参り用に車が欲しいキース君。その話から…。

Aブルー「痛車が人目を引くんだったら、いけそうだよ」
ジョミー「お店の駐車場にあるなら、撮りやすいよね」
シロエ 「個人の家だと、ハードル上がりますからね…」
サム  「撮影OKって書かれててもなあ…」

なんかこう、遠慮が出て来るよな、とサム君の意見。

サム  「ホントに撮ってもいいのか、ってよ…」
ジョミー「それより、家の人の視線が気になるってば」
スウェナ「同好の士だと思われそうよね」
ジョミー「そっちなら、まだいいんだけどさ…」

痛車なんだよ、とジョミー君。

ジョミー「痛い人を見に来たんです、って思われそうで」
一同  「「「あー…」」」

それはあるかも、と誰もが納得。

シロエ 「SNSに上げるにしても、顔バレですしね…」
ジョミー「その家に住んでる人にはね…」
スウェナ「場合によっては炎上かもねえ…」

痛車の愛好家に叩かれまくりで、とスウェナちゃん。

スウェナ「結束力は強そうだものね、ああいう人たち」
ジョミー「だから個人のガレージよりはさ…」

お店の駐車場で撮るのが安心、とジョミー君の指摘。

ジョミー「もう完璧に客寄せ用だし、撮っててもさ…」
シロエ 「文句どころか、サービスつくかもですね」
サム  「うんうん、チャーシュー多めとかな!」

ラーメン屋なら、とサム君も。

サム  「中華の店なら、餃子が一個増えるとか…」
ジョミー「あるかもだよねえ、宣伝用だし」
Aブルー「店の名前を広めて貰えば、お客も増えるよ?」
キース 「そうだな、人気が出そうではある」

痛車が見られて撮れる店なら、とキース君も同意。

キース 「痛車で通勤するな、と言われるよりは、だ…」
Aブルー「乗って来い、って方じゃないのかな?」
シロエ 「宣伝になりますしね…」
Aブルー「だろう?」

使いようだと思うんだよ、と言ってますけど。
宣伝用…。


2022/06/19 (Sun)



☆正しい経営戦略


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節の月参り用に、キース君が欲しいのが車でして。

Aブルー「宣伝になる場合だったら、痛車もオッケー!」
シロエ 「許可する店は、ありそうですね」
ジョミー「口コミってヤツは最強だしね…」

遠くからでも来てくれそうだよ、とジョミー君。

ジョミー「ぼくが店長なら、オッケー出すかな」
サム  「俺も出すよな、苦労しねえで宣伝出来るし」
マツカ 「ぼくもです。店の種類によりますけれど」

経営戦略としては間違ってません、と御曹司の太鼓判。

マツカ 「話題を集めることが出来たら、勝ちなんです」
シロエ 「そうなんですか?」
マツカ 「ええ。良きにつけ、悪しきにつけですね…」

話題になるのは大事ですね、とマツカ君。

マツカ 「炎上商法というのもあるでしょう?」
一同  「「「あー…」」」

そうだったっけ、と頷く御一同様。

シロエ 「要は、売れればいいんでしたね…」
マツカ 「そういうことです、まずは評判は二の次です」

そして中身が伴っていれば、結果オーライ、という説明。

マツカ 「炎上しても、いい商品を提供していれば…」
シロエ 「お客はついて来ますよね…」
マツカ 「そうなんです。その内、評価も変わりますよ」

いい方向に…、と大財閥の御曹司ならではの発言。

マツカ 「人の心を掴むというのは、大切なんです」
キース 「確かにな…」
シロエ 「マツカ先輩が言うと、説得力が凄いですよね」
ジョミー「そういう勉強、しているもんね…」

一種のプロと言えるかも、とジョミー君も。

ジョミー「だったら、痛車で宣伝はさ…」
マツカ 「充分、アリです」

いけますよ、とマツカ君の笑み。

マツカ 「ですから、誰か乗ると言うなら…」
Aブルー「通勤に使うのがオススメだ、って?」
マツカ 「勤めている場所にもよりますけどね」
Aブルー「なるほどねえ…」

お墨付きってことなんだ、と頷く人。
そうなりますね?


2022/06/20 (Mon)



☆利益が出るなら


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
月参り用に車が欲しい、というキース君の話が発端で…。

Aブルー「場所によっては、痛車で通勤がいいんだね?」
マツカ 「そういう車で人が呼べる、という時です」
Aブルー「やっぱり、店でないとダメかな?」
マツカ 「いえ、人を呼ぶのが目的ならば…」

鉄道会社もアリでしょうね、と御曹司。

シロエ 「鉄道ですか?」
ジョミー「アレって、車はライバルじゃないの?」
マツカ 「そうですけれど、乗客となったら別ですよ」

車で来たって、乗ってくれればいいんです、という指摘。

マツカ 「記念切符を買いに来ました、でも歓迎ですよ」
一同  「「「あー…」」」

利益が出ればいいわけか、と一同、納得。

ジョミー「じゃあさ、赤字のローカル鉄道とかかな?」
マツカ 「ええ。痛車が目当てで来てくれてですね…」

一駅だけでも乗ってくれれば…、とマツカ君の説明。

マツカ 「誰も乗らずに走っているより、いいですから」
Aブルー「店でなくても、役に立ったらいいんだね?」
マツカ 「そうです、売り上げに貢献出来るなら」
Aブルー「キースの場合は、どうなんだろう?」

売り上げアップに繋がるかな、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「繋がりそうなら、ぼくは痛車を推すけどね?」
シロエ 「キース先輩に痛車ですか!?」
Aブルー「うん、意外性もあるからさ…」

乗ったら話題にならないかな、と大真面目な人。

Aブルー「元老寺って、宿坊もやっているんだろう?」
キース 「あんた、ウチの寺に痛車を置けと!?」

親父に殺されるだろうが、とキース君、ガクブル。

キース 「あの車は何だ、と一喝されてフルボッコだ!」
シロエ 「そもそも、車が禁止なんですよ?」
Aブルー「貰った車なら、いけるんだろう?」
キース 「だからと言って、痛車はマズイぞ!」
Aブルー「安いんだけどねえ、車…」

ぼくの世界だと本当に…、と言ってますけど。
さて…?


2022/06/21 (Tue)



☆絵柄によるのでは


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節の月参り用に、車が欲しいキース君ですけれど。

キース 「いくら安いと言われてもだな…!」
シロエ 「アドス和尚の方が問題ですよ」

叱られたのでは、元も子も…、とシロエ君も援護射撃。

シロエ 「痛車だなんて、即死に決まっていますから!」
Aブルー「でもさ、痛車によるんじゃないかな…」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「要は、絵が描いてあるんだろう?」

アニメとかのさ、とソルジャーが立てる人差し指。

Aブルー「絵柄によっては痛いだろうけど…」
シロエ 「もれなく痛いんですけれど?」
Aブルー「それはチョイスのせいじゃないかな?」

どうせ女性の絵なんだろう、とソルジャーの指摘。

Aブルー「でなきゃ、有名なアニメキャラとか…」
ジョミー「アニメに出て来るメカとかもあるよ?」
Aブルー「そうなのかい?」
ジョミー「うん、公式モデルっていうヤツでさ…」

メカのイメージを車に投影、とジョミー君。

ジョミー「高いらしいけど、人気はあるよね」
Aブルー「メカなら、かっこいいのかな?」
シロエ 「まあ、萌えキャラの痛車よりかは…」

痛いながらもクールですね、とシロエ君の相槌。

シロエ 「デザインの方も凝ってますから…」
Aブルー「つまり、なんでもアリなんだ?」

萌えを描いたら痛車でさ、と頷くソルジャー。

Aブルー「だったら、キースもいけそうだけど…?」
キース 「どの辺がだ!」
Aブルー「こう、お坊さんの萌えをぶつけて!」
一同  「「「ええっ!?」」」

いったいどんな痛車なんだ、と一同、目が点。

シロエ 「お坊さんの萌えって、何なんですか!」
Aブルー「先月、疫病仏を描いたじゃないか!」
ジョミー「アレはダメだよ、人が引くから!」
キース 「あんただって、逃げていたろうが!」
Aブルー「そうなんだけど、あの失敗を踏まえてさ…」

人を呼べる痛車を作ったら、という意見。
本気ですか…?


2022/06/22 (Wed)



☆月参り用なんです


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
雨の日の月参り用に車が欲しい、というキース君でして。

Aブルー「宿坊が繁盛するんだったら、いけると思うよ」
キース 「そこまでしなくても、充分にだな…」
シロエ 「お客さんは来ている筈ですけど?」

人気の宿坊ですからね、とシロエ君も。

シロエ 「宿坊にしては、縛りも緩めですから」
スウェナ「お勤めの参加、強制イベじゃないものねえ…」
マツカ 「座禅のお寺とも違いますしね」
キース 「ついでに、酒も禁止ではないぞ」

適度な緩さが人気なんだ、と副住職。

キース 「それでいて、しっかり寺の雰囲気だしな」
Aブルー「客寄せ用の痛車は要らない、って?」
キース 「新たな客層を開拓出来る可能性はあるが…」
サム  「問題は、親父さんだよなあ…」

なんたってモノが痛車だしよ、とサム君、うんうん、と。

サム  「でもって、そこをクリアしてもよ…」
Aブルー「他に問題があるのかい?」
サム  「月参り用の車なんだぜ?」
一同  「「「あー…」」」

檀家さんの家に行くんだった、と気付いた御一同様。

シロエ 「檀家さんがドン引きするかもですね…」
ジョミー「それにさ、月参りをしてる間は、ずっと…」

その家のガレージに痛車なんだよ、とジョミー君の指摘。

ジョミー「嫌がる人が多そうだけど…?」
キース 「まったくだ。俺が欲しいのは、普通の車だ」
Aブルー「じゃあ、有難い痛車だったら?」
一同  「「「有難い?」」」

なんだソレは、と誰もが見合わせる顔。

シロエ 「あのですね…。痛車ですよ?」
キース 「どう転がったら、有難いんだ!」

そんな痛車は有り得んぞ、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「痛いからこそ、痛車なんだが?」
Aブルー「そうかな、絵柄で変わりそうだけど?」
シロエ 「疫病仏の失敗、忘れたんですか?」
Aブルー「だから、反省!」

アレとは真逆の絵柄でさ、と言ってますけど。
どんなの…?


2022/06/23 (Thu)



☆断りたいお迎え


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節の月参り用に、キース君が欲しいのが車でして。

シロエ 「真逆の絵柄って、何なんですか!」
Aブルー「そのまんまだよ、有難い仏様の絵だよ!」

そういうのを描けばいいじゃないか、とソルジャーの言。

Aブルー「阿弥陀様をドーンと描いてさ、蓮とかもさ…」
サム  「何か違っていねえか、ソレ?」
ジョミー「だよねえ、お迎えが来そうな感じで」
Aブルー「お迎えって?」

何のお迎え、とソルジャー、怪訝そうな顔。

Aブルー「お迎えと言えば、タクシーとかだけど…」
シロエ 「幼稚園バスとかもありますけどね…」

今の場合は、ご高齢の方向けですね、とシロエ君。

シロエ 「若くても、来る時は来ちゃいますけど」
サム  「正直、若い間はよ…」
ジョミー「来て欲しくないよね、お迎えはさ…」
スウェナ「ご高齢でも、追い返したい人はいるわよね…」

待ってらっしゃる人もいるけれど、とスウェナちゃんも。

スウェナ「でも、断りたい人の比率は高そうよ?」
キース 「そんな気がするな、坊主の俺から見ても」

月参りに行くと実感するんだ、と副住職。

キース 「口では何と仰っていても、お仏壇が、だ…」
サム  「雄弁に物語っているのかよ?」
キース 「行く度に、色々な地方の銘菓が…」

お供えされているんだよな、と坊主ならではの視点。

キース 「でもって、お参りした後、お話しすると…」
シロエ 「旅行の話になるんですね?」
キース 「ああ。次に行きたい場所とか、予定とか…」

年単位で先の計画が…、とキース君、苦笑。

キース 「お迎えなんぞは、全く予定に入っていないな」
サム  「あー…。当分、来るな、っていうヤツな」
ジョミー「お仏壇で分かるって所がね…」
シロエ 「お仏壇は語る、ってドラマみたいですね」
Aブルー「ぼくには、サッパリ分からないけど!」

お迎えって何さ、と頭を抱えるソルジャー。
異文化ですしねえ…?


2022/06/24 (Fri)



☆その絵ではマズイ


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
今の季節の月参り用に車があれば、というキース君で…。

Aブルー「お迎えって、お仏壇が来るわけないよね?」
キース 「当然だろうが、足なぞは生えていないしな」
Aブルー「でも、お仏壇で分かる、って…」
キース 「それは、来てくれるな、という本音のことだ」

お仏壇の向こうには何があると思う、と副住職の問い。

キース 「壁とかは抜きで、概念的に」
Aブルー「そんなの、知るわけないだろう!」

別の世界の人間だしね、とソルジャー、キッパリ。

Aブルー「分かれっていう方が無理だってば!」
キース 「そうか、だったら、今後の法要は、だ…」

全て断らせて貰う、と副住職。

キース 「まるで分かっていないそうだし、不要だろう」
シロエ 「ですよね、意味が無いですから」
Aブルー「ま、待ってよ、もしかして、向こうって…」

極楽かな、とソルジャー、必死の形相。

Aブルー「阿弥陀様がいて、蓮が咲いてて…」
キース 「まさに、それだが?」
Aブルー「じゃあ、極楽から迎えが来るのかい?」
キース 「真面目に、お念仏を唱えていればな」

死んだ途端に来て下さるのだ、とキース君、合掌。

キース 「阿弥陀様が、二十五菩薩を引き連れて…」
サム  「綺麗な音楽が聞こえて、いい香りもよ…」
キース 「漂うそうだぞ、ついでに徳が高い人の時は…」

紫の雲がたなびくんだ、と副住職の解説。

キース 「それが、お迎えというヤツなんだが…」
サム  「来たら、人生、終了だしよ…」
シロエ 「断りたい人が殆どでしょうね」

ですから、仏様の絵の車はちょっと…、とシロエ君。

シロエ 「家の前に停められたら、いい気はしませんよ」
Aブルー「お迎えが来そうなイメージだから?」
キース 「それ以外には見えんだろうが!」
サム  「しかも坊主の車なんだぜ?」
Aブルー「うーん…」

いいアイデアだと思ったのに、と文句ですけど。
絵が悪すぎ…。


2022/06/25 (Sat)



☆目立たない方が


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節の月参り用に、車が欲しいキース君ですけれど。

Aブルー「仏様の絵の車はマズイってことになると…」
キース 「他の絵柄も断りたいが!」

俺は普通の車がいいんだ、とキース君。

キース 「痛車ではなくて、ごくごく平凡なヤツが!」
Aブルー「それじゃ、お客さんが呼べないよ?」
キース 「宿坊の客なら、間に合っている!」

新しい客層の開拓も要らん、とキース君、キッパリ。

キース 「坊主の場合は、むしろ目立たない車の方が…」
シロエ 「いいんですか?」
キース 「檀家さんは歓迎して下さるが…」

月参りだしな、と繰る左手首の数珠レット。

キース 「しかし、一般人と出会った場合は…」
Aブルー「どうなるんだい?」
キース 「坊主なんだぞ、行先が何処か謎の場合は…」

お迎えの方を連想される、と深い溜息。

キース 「月参りを知らない場合は、特に!」
一同  「「「あー…」」」

それはあるか、と誰もが納得。

ジョミー「ぼくの家にも、月参りは無いしね…」
シロエ 「ぼくもです」
スウェナ「ウチも無いわね、サムもでしょ?」
サム  「ねえなあ、仏様がいねえし」

マツカくらいなモンでねえの、とサム君の意見。

サム  「マツカの家だと、本家だしよ…」
マツカ 「ええ、確かにあるんですけれど…」

もう長いこと見ていませんよ、と御曹司。

マツカ 「月参りは平日限定ですし…」
ジョミー「学校に来てる間に終わっちゃうんだ?」
マツカ 「そうなんです。ですから、記憶になくて…」

幼稚園の頃に見たかもですけど、と傾げる首。

マツカ 「多分、何処の家でも事情は同じですよ」
サム  「若い世代は知らねえってか?」
キース 「お盆の棚経でさえ、ヤバい勢いでな」
シロエ 「するとやっぱり、お坊さんの車に出会うと…」
ジョミー「お迎えだよねえ…」

嬉しい気持ちはしないよね、とジョミー君。
お迎えですしね…。


2022/06/26 (Sun)



☆判別は不可能


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
今の季節の月参り用に車が欲しい、というキース君で…。

Aブルー「待ってよ、お迎えっていうのはさ…」
キース 「もちろん、お浄土からのヤツだが?」
Aブルー「ソレ、キースでも出来るのかい?」

阿弥陀様の役目なんじゃあ…、とソルジャーの問い。

Aブルー「それとも、キースもお供するとか?」
キース 「馬鹿か、あんたは!」

お供したら死んでしまうだろうが、と副住職。

キース 「坊主の仕事は、お迎えが来た人をだな…」
ブルー 「送り出す儀式をすることなんだよ」

君も経験した筈だけど、と生徒会長が横から解説を。

ブルー 「もっとも、あの仏様の場合は、後付けだし…」
キース 「かなり省略されていたがな」
Aブルー「えっと…? スッポンタケのお葬式かな?」
ブルー 「ピンポーン!」

お坊さんの車に出会うと、普通はそっち、と生徒会長。

ブルー 「月参りにしても、お葬式にしても…」
キース 「車の中では、服装は全く同じだからな」

月参りの知識があっても見分けがつかん、という説明。

キース 「どっちか分からないとなったら…」
ジョミー「万が一を考えちゃうもんね…」
サム  「月参りを知らねえと、葬式で決定だぜ?」
シロエ 「正直、嬉しくないですよね…」

これからお出掛けという時に…、とシロエ君。

シロエ 「帰り道でも、やっぱり嬉しくないですし…」
Aブルー「だから目立たない方がいい、って?」
キース 「目立たなければ、誰が運転しているのかは…」
ジョミー「気にしないもんねえ、誰だって」

いちいち運転席なんか見てないし、とジョミー君も。

ジョミー「助手席に乗っていたって、見ないよ」
Aブルー「うーん…。痛車をプレゼントしたいのに…」
キース 「あんたが買ってくれるのか?」
シロエ 「太っ腹ですね?」
Aブルー「正確に言うと、サイオンで…」

店から失敬するんだけれど、と言ってますけど。
タダだ、と…?


2022/06/27 (Mon)



☆痛車ならタダ


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節の月参り用に、車が欲しいキース君ですけれど。

キース 「早い話が、サイオンで盗み出すんだな?」
Aブルー「救出班には任せられないからねえ…」

ぼくの私的な用事だからさ、とソルジャー、しれっと。

Aブルー「任せた場合は、手続き上は問題無いけど」
シロエ 「そっちだと、お金を払うんですか?」
Aブルー「払わないけど、サイオンで情報操作して…」

買ったように細工してくるんだよ、という説明。

Aブルー「もっとも、車なんかは買わないけどね!」
ジョミー「生活必需品を買って来るわけ?」
Aブルー「まあ、そうなるかな、船では作れない物を…」

人類の世界で調達だよね、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「だけど昔は、ぼくが一人でドッカンと!」
キース 「纏めて盗んでいたというのか?」
Aブルー「そうだよ、だからスキルはバッチリ!」

車くらいは楽勝だってば、と威張り返る人。

Aブルー「遠慮しないで是非、受け取ってくれたまえ!」
キース 「痛車を寄越す気だろうが!」
Aブルー「欲しくない、って?」
キース 「タダというのは、非常に魅力的なんだが…」

タダほど高いものは無いしな、と副住職の渋面。

キース 「それに、痛車だと分かっているし…」
Aブルー「運転免許は要らないんだよ?」
シロエ 「自動運転で走るんですよね?」
Aブルー「この国の道交法にも、対応だってば!」

その設定もタダでやるのに…、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「それだけやっても、費用はゼロ!」
キース 「後付けで、何か来るんだろうが!」
Aブルー「無いねえ、痛車さえオッケーすれば!」

ぼくは痛車を作りたいだけ、とソルジャーの言。

Aブルー「ぼくの世界には、無い文化だし!」
キース 「だが、痛車だぞ!」
シロエ 「条件的には、悪くない気がしますけど?」
ジョミー「破格だよねえ?」

タダで車が貰えるんだよ、という声が。
どうなる…?


2022/06/28 (Tue)


☆痛車ならオッケー


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
雨の日の月参り用に車が欲しい、というのがキース君で。

Aブルー「絶対、お得で破格だってば!」
シロエ 「タダな上に、条件は何も付かないんですよ?」
ジョミー「それにさ、何もかもやってくれてさ…」

キースは乗るだけでいいんだしね、とジョミー君。

ジョミー「行先だって、自動設定出来るんだしさ…」
サム  「地図さえ読めれば、いけるんだよな?」
Aブルー「そうだよ、だけど普通に町の中なら…」

カーナビと全く同じだよね、とソルジャーの説明。

Aブルー「行きたい所を入力すれば、勝手に走るし!」
シロエ 「もしかして、こっちのよりも高性能ですか?」
Aブルー「うん、こっちの世界のをベースにしてさ…」

きちんと設定しておけば、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「元老寺、って入れれば、帰れちゃうよ!」
ジョミー「何処からでも?」
Aブルー「車が通れる道さえあればね!」

勝手に調べて走るから、と凄すぎる性能。

Aブルー「キースが途中で眠くなっても、大丈夫!」
サム  「眠りこけてたらヤバくねえか?」
スウェナ「通報されてしまいそうよね…」
Aブルー「じゃあ、起こす装置もつけようか?」

もちろんタダで、と気前のいい人。

Aブルー「身体の状態を感知する装置もあるからね」
シロエ 「居眠りそうになったら、起こすんですね?」
Aブルー「音声で起こしてくれるよね!」

ぼくの世界には普通にあるし、とニコニコニコ。

Aブルー「他にも注文があれば、バッチリ対応!」
スウェナ「いい話よねえ…」
シロエ 「貰わない手は無いですよね?」

タダですよ、タダ、とシロエ君が立てる人差し指。

シロエ 「キース先輩、貰いましょう!」
キース 「痛車なんだが!」
サム  「いいじゃねえかよ、痛車にもよ…」
ジョミー「条件は何も無いんだよねえ?」
Aブルー「当然だよ!」

キース好みの痛車でいい、と言ってますけど。
さて…?


2022/06/29 (Wed)



☆タダで貰えても


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節の月参り用に、車が欲しいのがキース君でして。

シロエ 「キース先輩、朗報ですよ!」
スウェナ「そうよ、豪華プレゼントが貰えるのよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 車がタダだよね!」

貰ったら乗せてね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大喜び。

ぶるぅ 「車なんか、誰も持ってないもん!」
ジョミー「そういえば、ブルーも乗らないよねえ…」
ブルー 「瞬間移動の方が早いじゃないか!」

誰がわざわざ免許なんか、と生徒会長。

ブルー 「車の手入れも面倒だしさ」
サム  「あー、洗車とかな…」
シロエ 「給油もしないといけませんしね…。あっ!」

貰える車の動力源は…、とシロエ君の問い。

シロエ 「こっちの世界でも手に入りますか?」
Aブルー「もう、究極のエコカーだよ!」

太陽光発電で充電システムつき、と頼もしい返事。

Aブルー「雨続きでも、電池切れの心配はゼロ!」
シロエ 「最高の車じゃないですか!」
ジョミー「貰わなきゃ損だよ、もう絶対に!」
キース 「だが、痛車なんだ!」

俺は親父の怒りが怖い、とキース君、拳をグッと。

キース 「あの親父に怒鳴られるよりは…」
サム  「現状維持でいいのかよ?」
キース 「仕方ないだろう、俺も残念だが!」

せっかく美味しい話なのに…、と悔しそうな人。

キース 「理想の車が貰えそうなのに…!」
Aブルー「家に置かなきゃダメなんだ?」
キース 「でなければ、意味が無いからな!」

瞬間移動のスキルは無いし…、と噛み締める唇。

キース 「それがあったら、そもそも車は…」
シロエ 「要りませんしねえ…」

いい話なのに、とシロエ君も深い溜息。

シロエ 「もう少し、なんとかなりませんか?」
キース 「痛車だけでも外してくれれば…」
Aブルー「譲れないねえ、其処だけは!」
キース 「絵に描いた餅か…」

痛車だけに、と嘆きまくってますけど。
今月、これにて中継終了~。


2022/06/30 (Thu)





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☆雨続きな季節


さて6月。いわゆる梅雨の季節に入って、雨がシトシト。
土曜日に生徒会長宅に集う面々、窓の外には雨でして…。

シロエ 「やっぱり止みそうもないですね、雨…」
サム  「今日は無理だろ、明日も絶望的だと思うぜ」
ジョミー「梅雨前線、思いっ切り停滞中だしね…」

週明けだって雨じゃないの、とジョミー君。

ジョミー「憂鬱だよねえ、雨の日に学校に行くのって…」
シロエ 「ええ、サボりたくなりますよねえ…」
スウェナ「グレイブ先生が担任な限りは、仕方ないわよ」
サム  「特別生なのに、嫌味をかましてくるもんな…」

休む度によ、とサム君、溜息。

サム  「もう聞き飽きたぜ、結構な御身分ってヤツ」
マツカ 「先生は休めませんからね…」
シロエ 「確かに、それは言えてますよね…」
キース 「俺だって、休めないんだが?」

ただの雨どころか大雨だろうが、とキース君。

キース 「その上、年中無休が基本の職業で、だ…」
シロエ 「そうでした! 土日もたまに吹っ飛びますね」
マツカ 「大きな法要の時は、出張もしていますしね」

ご苦労様です、とマツカ君、頭をペコリ。

マツカ 「梅雨の季節も、月参りがあるんでしたっけ…」
キース 「しかも、未だに免許を取らせてくれんのだ!」

あの親父がな、とキース君がグッと握り締める拳。

キース 「自動車どころか、スクーターも無理で…」
ジョミー「でもさあ、梅雨だと、スクーターもさ…」

あんまり意味が無いんじゃないの、とジョミー君の指摘。

ジョミー「アレは、雨の日には向きそうにないよ?」
キース 「だから車に乗りたいんだ、俺は!」

軽自動車は月参りに出掛ける坊主の友だぞ、と副住職。

キース 「車さえあれば、雨の日の月参りもだな…」
シロエ 「かなり楽にはなりそうですねえ…」
サム  「でもよ、親父さんがうるせえんだろ?」
キース 「高校生には贅沢だ、とぬかしやがるんだ!」

高校生は身分だけなのに、と嘆いてますけど。
確かに…。


2022/06/01 (Wed)



☆免許を取るには


雨がシトシトな梅雨の土曜日、生徒会長宅に集った面々。
梅雨前線停滞中で、週明けも雨が続きそうな気配でして。

シロエ 「キース先輩の場合は、大卒ですしね…」
マツカ 「ぼくたちと違って、高校生は現状でしか…」

ないんですよね、と頷くマツカ君たち。

マツカ 「たまたま今も在学中だ、というだけで…」
スウェナ「正確に言えば、大卒で社会人なのよねえ…」
サム  「坊主の世界じゃ、そうなんだろ?」

違うのかよ、とサム君、キース君に視線を。

サム  「高校生か、社会人なのか、どっちなんだよ?」
キース 「当然、社会人で副住職だ!」

元老寺のな、とキース君の苦い顔付き。

キース 「檀家さんも、その気でいらっしゃるんだが…」
サム  「親父さんだけが、違うのな?」
キース 「おふくろも、親父と同じなんだ!」

高校生という認識で…、とキース君の深い溜息。

キース 「だから、おふくろの援護も期待出来ない」
ジョミー「あー…。イライザさんなら、強そうなのに…」
シロエ 「アドス和尚は婿養子ですしね…」
キース 「そうなんだ。おふくろが、ガツンと…」

言ってくれればいけるのに、と嘆き節が。

キース 「俺にも免許が必要だ、とな!」
シロエ 「それ、イライザさんにメリットありますか?」
キース 「はあ?」
シロエ 「先輩が免許を取った場合ですよ」

イライザさんが得をするなら…、とシロエ君。

シロエ 「そっちの線から攻めていけばですね…」
サム  「取れるってこともあるかもだぜ!」

何かねえのかよ、とサム君の問い。

サム  「外出が便利になるとかよ…」
シロエ 「送迎係は基本ですしね」

車の免許を持っていれば…、とシロエ君も。

シロエ 「買い物の時のお手伝いとか、どうですか?」
キース 「ダメだ、そいつは時間が合わん」
ジョミー「高校生だから?」
キース 「そうなるな」
一同  「「「あー…」」」

それじゃダメだ、と誰もが納得ですけれど。
他には…?


2022/06/02 (Thu)



☆不自由しない人


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
土曜日ですけど外は雨な上、日曜も週明けも雨の予報で。

シロエ 「キース先輩に免許があったら、他に何か…」
ジョミー「イライザさんが得をするヤツかあ…」
マツカ 「買い物以外に、運転手は必要ないんですか?」

アドス和尚が留守の時とか…、とマツカ君の問い。

マツカ 「ちょっとそこまで、っていう送迎とかで」
キース 「生憎と、全く不自由していないんだ」

おふくろはな、とキース君の苦々しい表情。

キース 「なにしろ、宿坊をやっているから…」
シロエ 「あー…。常に人手があるわけですね?」
キース 「そうなんだ。皆が忙しくしてい時には…」
サム  「おふくろさんもセットで忙しいわけな?」

外出どころじゃねえってことな、とサム君の確認。

サム  「でもって、思い立って出掛ける時はよ…」
シロエ 「乗せてくれる人があるわけですか…」
キース 「更に言うなら、宿坊の人の他にもだ…」

墓地の管理人さんもいたりするぞ、と副住職の溜息。

キース 「とにかく車を出せる人が、だ…」
ジョミー「誰でもいいなら、いるってことかあ…」

運転手の線は無理っぽいね、とジョミー君。

ジョミー「つまり、キースが免許を取っても…」
サム  「得をするのはキースだけ、ってか?」

それはキツイぜ、とサム君、お手上げのポーズ。

サム  「しかも新しく車も要るしよ…」
キース 「分かったか? 贅沢と言われても仕方ない」

中古車を買っても維持費が要るし、と副住職。

キース 「スクーターも無理な現状ではな…」
シロエ 「どうしようもないわけですね…」

車検なんかもありますしね、とシロエ君の相槌。

シロエ 「誰かさんの世界の車じゃ、バレますし…」
一同  「「「は?」」」
シロエ 「あの迷惑な人の世界だったら…」
サム  「車が安いってか?」
シロエ 「あり得ますよ?」

なにしろ別の世界ですし、と言ってますけど。
そうかも…?


2022/06/03 (Fri)



☆車が安そうな世界


雨がシトシトな梅雨の土曜日、生徒会長宅に集った面々。
日曜も週明けも雨な感じで、仕方ない季節ですけれど…。

スウェナ「確かに、車が安い世界かもしれないわね」
ジョミー「宇宙船が普通な世界だもんねえ…」
マツカ 「技術のレベルが、比較になりませんからね」
シロエ 「そうでしょう? あそこじゃ車なんかは…」

こっちの耕運機レベルかもです、とシロエ君の言。

シロエ 「しかもアレです、広めの家庭菜園用の…」
サム  「小型のヤツかよ?」
シロエ 「ええ、乗るどころか手押しタイプの」

あれは値段も安いですよ、と機械弄りが趣味な人。

シロエ 「もしかしたら、車もそういう感じでですね…」
マツカ 「殆ど材料費だけかもしれませんね」
シロエ 「エンジンとかが格安だったら、そうなります」

宇宙船のエンジンに比べたら…、とシロエ君の推論。

シロエ 「耕運機並みの値段だったら、車もですね…」
マツカ 「必然的に安くなりますね…」
スウェナ「キースでも買えるくらいかしら?」
シロエ 「いけるかもです、ただし、あちらの…」

お金を持っていませんけどね、とキース君に視線を。

シロエ 「もし、誰かさんが換金してくれてですね…」
キース 「俺の手持ちで買えそうなら、という話か?」
シロエ 「そういう場合はどうします?」
キース 「真面目に欲しいが…」

何処に置くんだ、とキース君の疑問。

キース 「家に置かないと、意味が無いんだが?」
シロエ 「あー…。その点からしてダメですか…」

安く買えても置けないのでは…、とシロエ君、溜息。

シロエ 「アドス和尚に即バレですしね…」
キース 「バレるだけでは済まないぞ?」

殴られるのは確実だ、と副住職。

キース 「贅沢品を買いやがって、と容赦なく!」
ジョミー「じゃあさ、貰ったとかなら、どう?」
シロエ 「友達が買い換えたとかですか?」
ジョミー「そうだけど?」

たまに聞くよね、とジョミー君が言う車の譲渡。
あるある…。


2022/06/04 (Sat)



☆車を持つためには


梅雨のシーズンは雨がシトシト、生徒会長宅に集う面々。
土曜日ですけど雨で外は無理、週明けも雨な予報でして。

ジョミー「友達に貰った車だったら、アドス和尚もさ…」
シロエ 「文句は言わないかもですね」
サム  「だよなあ、原価はタダなんだしよ」
キース 「いや、しかし…」

維持費も要るし、他にも色々…、とキース君、ブツブツ。

キース 「それにだ、俺は免許をだな…」
スウェナ「持ってないわね、すると車は無理かしら?」
ブルー 「その点については、問題無いと思うね」

真面目にさ、と生徒会長。

ブルー 「車の所有者は、免許必須じゃないんだしさ」
シロエ 「そうでした! 免許を持っていない人でも…」
マツカ 「買って、所有は出来るんですよ」

でないと困りますからね、と御曹司も。

マツカ 「免許を持っていない御老人でも、家に車が…」
シロエ 「ありさえすれば、便利ですからね…」

お金さえあれば人を雇って…、とシロエ君。

シロエ 「送迎に買い出し、使い道は何かと多いです」
ブルー 「そういうことだよ、だからキースも…」

車を持つことは出来るんだよね、と生徒会長の言。

ブルー 「ただし、維持費は必要になるし…」
キース 「乗るには免許が必須だしな…」

自動車学校はタダではないぞ、とキース君の渋面。

キース 「ついでに費用がバカにならない」
一同  「「「あー…」」」
??? 「そんなの、必要無いと思うね!」

運転にはさ、とソルジャー(会話表記はAブルー)出現。

Aブルー「乗って走れればいいんだよ!」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「ぼくの青の間から!」

車だってね、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「無免許でいいと思うけれどね、実はさ…」
キース 「実は?」
Aブルー「ぼくのハーレイ、無免許なんだよ」
キース 「車か?」
Aブルー「なんで車が必要なのさ?」

シャングリラで、と言ってますけど。
じゃあ、何が無免許…?


2022/06/05 (Sun)



☆無免許だった人


雨がシトシトな梅雨の土曜日、生徒会長宅に集った面々。
今の季節は車が欲しい、とキース君が言ってますけれど。

シロエ 「シャングリラだと、車は要りませんね…」
キース 「あの中で車で走るにしても…」

道交法は関係無いだろうな、とキース君が傾げる首。

キース 「無免許で問題無いと思うが、その車はだ…」
ジョミー「こっちの世界で乗ってるとか?」

泊りがけで来てる時とかに…、とジョミー君の問い。

ジョミー「エロドクターのを、借りて乗るとか…」
Aブルー「それについては否定しないよ」
一同  「「「うっ…」」」

なんてこった、と誰もが仰ぐ天井。

サム  「無免許で走ってやがるのかよ?」
Aブルー「要はバレなきゃいいわけでね!」
シロエ 「キース先輩にも、ソレがオススメだと?」
Aブルー「いいと思うけどねえ、無免許でもさ」

ぼくのハーレイは、もっと凄いよ、と威張るソルジャー。

Aブルー「車どころか、無免許で宇宙船だしね!」
一同  「「「ええっ!!?」」」

無免許なのか、と一同、ガクブル。

シロエ 「む、無免許で、宇宙船ですか…?」
マツカ 「シャングリラって、巨大な船ですよね…?」
Aブルー「現時点では、人類の世界も含めて最大!」

アレより大きな船は無いね、とソルジャー、偉そう。

Aブルー「しかも人類の船より優れた機能が満載!」
キース 「それを無免許で動かしていると…?」
Aブルー「そうだけど? だって、ミュウだよ?」

教習所に行けると思うのかい、と正論が。

Aブルー「免許なんか、取れやしないしね!」
キース 「言われれば、そうか…」
Aブルー「だから、君もさ…」

無免許で乗ればいいじゃないか、と凄い台詞が。

Aブルー「要は、走れればいいんだからさ!」
キース 「無免許運転は、犯罪になるんだが!」
Aブルー「でも、無免許で乗ってる人も…」
シロエ 「いますね、確かに…」

事故って初めて捕まる人が、とシロエ君。
いますけど…。


2022/06/06 (Mon)



☆親の代も無免許


梅雨のシーズンは雨がシトシト、生徒会長宅に集う面々。
せっかくの土曜日なのに雨でして、週明けまで雨な予報。

Aブルー「警察に捕まらない限り、バレないってね!」
シロエ 「そうみたいですね、たまに凄い猛者が…」

捕まってますし、とシロエ君、相槌。

シロエ 「無事故無違反で何十年、という御老人とか…」
サム  「あー…。いるよな、そういう凄いのがよ」
Aブルー「何十年も無事故だったのが、事故るって?」

やっぱり年は取りたくないね、と三百歳超えな人の台詞。

Aブルー「どうせ逆走しちゃったとかで、逮捕だろ?」
シロエ 「そんなケースもありますけれど…」
サム  「不運にしてバレた、っていうのもあるぜ」

検問とかでよ、とサム君の指摘。

サム  「アレばっかりは、どうしようもねえし…」
Aブルー「検問ねえ…。ぼくのハーレイは平気だけど…」

サイオンで誤魔化せばオッケーだし、と頷くソルジャー。

Aブルー「とはいえ、普通の御老人では…」
ブルー 「無免許がバレて終わりなんだよ」

そしてニュースになるってわけ、と生徒会長の言。

ブルー 「ド田舎だったら、無免許な御老人は多いね」
ジョミー「車は必需品だもんねえ、不便なトコだと」
マツカ 「バスとかも少ないですからね…」
ブルー 「違うね、最初から取る気が無かったんだよ」

教習所に行かなくてもいいし、と生徒会長。

ブルー 「ちゃんと乗れるのに、なんで今更、と!」
シロエ 「どういう意味です?」
ブルー 「親の代から無免許ってね!」
一同  「「「ええっ!?」」」

何故、そうなる、と誰もが仰天。

シロエ 「親ですか…?」
ブルー 「そのまた親も無免許かもねえ…」

当時、車があったなら、と生徒会長、大真面目な顔。

ブルー 「牛を売って、車を買ったとかね!」
一同  「「「牛?」」」
ブルー 「昔の農村だと、必需品だけど?」
Aブルー「牛が…?」

何に使うんだい、とソルジャー、目が点。
当然かも…。


2022/06/07 (Tue)



☆牛を売った後は


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
今の季節は車が欲しい、というキース君の話が発端で…。

Aブルー「牛と言ったら、牛乳だろう? それと肉とさ」
ブルー 「まあ、そうだけど?」
Aブルー「必需品と言えば、必需品なんだろうけどさ…」

車とどういう関係が、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「牛乳とかの運搬用かい、店とか得意先とかに」
ブルー 「違うね、昔の農村で牛と言ったら…」
シロエ 「ぶっちゃけ、農耕用ですよ」
Aブルー「農耕用?」

意味がサッパリ不明だけど、とソルジャーの問い。

Aブルー「農耕って、牛で何をするのさ?」
ブルー 「色々出来るね、耕したりとか」
Aブルー「あー…! 昔の絵とかにあるヤツかあ…」

想像したことも無かったよ、と科学が発達した時代の人。

Aブルー「それで、その牛がなんだって?」
ブルー 「牛は、色々と手間がかかるんだけどさ…」

生き物だから、と生徒会長の解説が。

ブルー 「餌も食べるし、世話もしないとダメだけど…」
シロエ 「農耕用の機械の方は、違いますしね」
Aブルー「だから売り払って、車を買う、と?」
ブルー 「そんなトコかな、軽トラックとか」

懐具合に合わせて選んで…、と生徒会長。

ブルー 「車を買ったら、次は運転を覚える、と!」
シロエ 「そこで自己流になるんですね」
ブルー 「うん、教習所には行かずにね!」

エンジンをかけて動かすトコから、と凄い台詞が。

ブルー 「エンジンさえかかれば、後はどうとでも!」
Aブルー「なるかもねえ…」
ブルー 「事故っても、田んぼに落ちるだけだし…」

引っ張り上げて、また乗ればいい、と凄すぎる話。

ブルー 「乗りこなせるようになったら、オッケー!」
ジョミー「免許は取らずに、それっきりなわけ?」
ブルー 「そうだよ、もちろん次の代もね!」
シロエ 「確かに、親の代から無免許ですね、ソレ…」

教習所の出番が無いですよ、とシロエ君。
乗れますしね…。


2022/06/08 (Wed)



☆幼稚園から運転


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
月参り用に車が欲しいキース君の話で、ソルジャーまで。

ジョミー「自己流でも、運転出来るんだしね…」
サム  「教習所の出番以前に、費用が無駄だぜ」
ブルー 「そういうことだね、だから行かない!」

乗れるんだしさ、と生徒会長、キッパリ。

ブルー 「でもって子供も、まずは実地で運転からで…」
シロエ 「農家でなくても小学生の運転、ありますね…」
スウェナ「たまにニュースになってるわよ」
ジョミー「運転手がいない車が、って驚いてたら…」

背が低すぎて見えてないヤツだよね、とジョミー君。

ジョミー「だったら、代々、無免許の家だと…」
ブルー 「幼稚園からハンドルを握るね」
一同  「「「幼稚園!?」」」

流石にそれは無理がないか、と一同、仰天ですけれど。

ブルー 「親とか、おじいちゃんが膝に乗せてさ…」
キース 「幼児にハンドルを握らせるのか?」
ブルー 「ピンポーン!」

ハンドル操作は基本だからね、と生徒会長、ニッコリ。

ブルー 「小さい頃からセンスを磨けば、バッチリ!」
Aブルー「なるほどねえ…。英才教育は大切だしね」

その辺は、ぼくの世界も同じ、とソルジャーも。

Aブルー「育英都市とか、まさにソレだよ」
サム  「運転のエキスパートを育てるのかよ?」
Aブルー「それは無いけど、技術系とか、色々と」

でも、無免許でも大丈夫! と親指をグッと。

Aブルー「ぼくのハーレイという実例がね!」
キース 「俺に無免許運転をしろと?」
Aブルー「だって、車が欲しいんだろう?」

車が安いのは事実なんだよ、とソルジャー、目がマジ。

Aブルー「車種にもよるけど、普通のヤツなら…」
シロエ 「原価で販売してるんですか?」
Aブルー「そうだよ、でないと困るじゃないか」
キース 「誰が困るんだ?」
Aブルー「子育てが仕事なカップルだよ!」

一家に一台、必須だよね、と言ってますけど。
まあ、そうかも…。


2022/06/09 (Thu)



☆基本は安いです


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
月参り用に車が欲しい、とキース君が思うのが梅雨で…。

Aブルー「いいかい、職業が養父母だとさ…」
シロエ 「子供を育てるわけですよね?」
サム  「やっぱ、車は要りそうだよなあ…」
ジョミー「レジャーとかにも行くんだろうしね…」

ハイキングくらいありそうだしさ、とジョミー君。

ジョミー「河原でバーベキューは無理かもだけど」
スウェナ「私たちの世界とは違うものねえ…」
Aブルー「星によっては、ビーチもあるけど?」
一同  「「「ええっ!?」」」

あるのか、と一同、ビックリ仰天。

シロエ 「ビーチってことは、海ですよね?」
Aブルー「そうだよ、アルテメシアにも海はあるよね」
サム  「んじゃ、海水浴とか出来るのかよ?」
Aブルー「それはもちろん!」

そのためのビーチなんだからさ、とソルジャーの言。

Aブルー「でもって、海水浴に行くには車が一番!」
シロエ 「あー、色々と積んで行けますしね」
Aブルー「浮き輪とかの他に、お弁当もね!」

お母さんの腕の見せ所だよ、とソルジャーの説明。

Aブルー「子育てには料理の腕も大事で…」
ジョミー「子供が喜ぶお弁当ですね?」
Aブルー「そう! そしてお父さんは車を運転!」

家から海まで楽しいドライブ、という世界だとか。

Aブルー「だから車は必需品だよ、安くないとね」
シロエ 「車の支給は無いんですか?」
Aブルー「それじゃ、養父母が楽しくないだろ?」

車を選ぶのも人生の楽しみ、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「よく稼いだから、いい車を、とか!」
キース 「養父母でもか?」
Aブルー「だって、人間だよ?」

いいのが欲しいと思うよね、という解説。

Aブルー「安いのもあるけど、高級車もあるし…」
シロエ 「ステイタスですか…」
Aブルー「そこの事情は、こっちと同じ!」
キース 「なるほどな…」

しかし基本は安いんだな、と考え込む人。
欲しい、と…?


2022/06/10 (Fri)



☆自動運転も可能


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
キース君が月参り用に車が欲しいのが梅雨で、今の話題。

シロエ 「キース先輩、やっぱり欲しいんですか?」
キース 「安いと聞いてしまうとな…」

まさか原価で買えるとか、とキース君の問い。

キース 「高級車はともかく、基本の車というヤツは?」
Aブルー「それに近いね、ほぼ材料費って所かな」

加工は機械にお任せだしね、とソルジャーの答え。

Aブルー「高級車になると、手作業の部分も増えるけど」
シロエ 「安いのは工場でオートですか…」
Aブルー「そうだよ、人間は監視だけだね」

だから本当に安いんだよ、と説明が。

Aブルー「養父母になったばかりの人でも、買えるしさ」
キース 「俺の小遣いでも、いけるだろうか?」
Aブルー「あっ、買いたい?」
キース 「動かせるかどうかも、気になるんだが…」

こっちの世界の免許も無いしな、とキース君。

キース 「ハンドルを握ったことさえも無いし…」
Aブルー「いけると思うよ、簡単だから」

その気になったら自動運転、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「運転が苦手な人もいるしね、養父母でもさ」
シロエ 「全部、自動で出来るんですか?」
Aブルー「こっちの世界にも、そういう車はあるよね」

アレよりも、もっと凄いんだから、とソルジャーの言。

Aブルー「設定すれば、寝てる間に目的地まで!」
シロエ 「凄いですねえ…」
ジョミー「流石、未来の車だよね…」
キース 「だったら、交通ルールの方も、だ…」

自動でいけてしまうのか、とキース君の質問。

キース 「制限速度とか、こっちならではのヤツ」
Aブルー「もちろんだよ!」

走る地域に合わせて出来る、と威張り返る人。

Aブルー「ぼくの世界でも、星は幾つもあるからね」
シロエ 「道交法が違うんですか?」
Aブルー「細かい部分が変わるんだよ」
キース 「そうなのか…」

使えるかもな、と頷くキース君ですけど。
乗る気…?


2022/06/11 (Sat)



☆お坊さんと地図


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
梅雨の月参り用に車が欲しい、というキース君ですけど。

シロエ 「キース先輩、買うつもりですか?」
キース 「俺の小遣いでいけると言うなら…」

もう切実に欲しいからな、と別の世界の車に注目な人。

キース 「無免許な俺でも、どうやら使えそうだし…」
Aブルー「それはもう! 行先の設定くらいはさ…」

君なら楽勝だと思うんだよね、とソルジャーもプッシュ。

Aブルー「もちろん、地図は読めるんだろう?」
キース 「当たり前だ! でないと坊主は務まらないぞ」
ジョミー「えっ、なんで地図?」
キース 「寺があるのは、便利な所だけだと思うか?」

何処でも近くに駅やバス停なのか、と副住職の問い。

キース 「其処から歩いて5分で到着するとでも?」
サム  「あー…。そっちの方がレアケースかもなあ…」
シロエ 「バス停どころか、山奥とかも普通ですよね…」
ジョミー「そっか、そういうお寺だったら…」

車でしか行けないわけだよね、とジョミー君。

ジョミー「ついでにカーナビ、アテにならないかも…」
キース 「車でも行けない寺もあるんだが?」

しかも深山幽谷でな、とキース君が顰める顔。

キース 「そんな寺だと、案内板も期待出来んぞ」
ジョミー「じゃあ、地図だけが頼りなわけ?」
キース 「最悪、御住職とかの手書きのな!」

縮尺も何もあったもんじゃない、というアバウトな地図。

キース 「だが、読めないと詰むしかないぞ」
シロエ 「山奥で道に迷うんですね?」
キース 「しかも、携帯は圏外だ!」

救助要請も出来ないんだぞ、と恐ろしすぎる山寺の事情。

キース 「詰まないためにも、地図のスキルは必須だな」
ジョミー「でも、アバウトな地図なんだよね?」
キース 「それも使うが、本物の地図とセットで使用だ」
シロエ 「等高線とかですか?」
キース 「航空写真もだな」

詰まないためには、と必要らしい地図のスキル。
納得…。


2022/06/12 (Sun)



☆地図が読めれば


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
雨の中での月参り用に、キース君が欲しいのが車でして。

Aブルー「オッケー、地図を読むスキルは完璧、と!」
キース 「そういうことだな、遍路の時にも使ったし…」

あの時も大概ハードだった、とキース君、遠い目。

キース 「俺が使ったのは遍路道だから、地図の方も…」
サム  「アバウトだったのかよ?」
キース 「そういうわけではないんだが…」

縮尺とかは正しかったが…、とキース君、超特大の溜息。

キース 「なにしろ、有志が作った地図だからな…」
シロエ 「何か問題でもあったんですか?」
キース 「こう、地図帳になっていたんだが…」
ジョミー「なんだ、ソレって便利じゃない!」

ページをめくれば道が繋がる仕様だよね、とジョミー君。

ジョミー「とてもいい地図だと思うけど?」
キース 「めくれば繋がる、その点が落とし穴だった…」
一同  「「「は?」」」
キース 「繋がりの方を重視した結果、東西南北が…」

綺麗にスルーされていたんだ、とキース君が仰ぐ天井。

キース 「全く統一されていなくて、地図ごとにだな…」
シロエ 「上が北とか南とか、ですか?」
キース 「東だったり、西だったりもしやがった!」

あのせいで何度、迷ったことか、とブツブツブツ。

キース 「アレを乗り越えた俺に、怖い地図など…」
サム  「ねえってか?」
キース 「無いとは言わんが、そうそう無いな」
Aブルー「うんうん、行先設定は充分、出来るね」

操作方法は教えるから、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「自動運転なら、免許が無くてもさ…」
キース 「安心して乗っていられるな」

道交法も大丈夫なんだな、とキース君の確認。

キース 「スピード違反で捕まるとかは…」
Aブルー「ないない、それも設定してあげるよ」
キース 「この国のヤツに合わせて、だな?」
Aブルー「そう!」

ぼくにお任せ、と頼もしい台詞ですけど。
さて、どうなる…?


2022/06/13 (Mon)



☆見た目が気になる


雨がシトシトな梅雨のシーズン、生徒会長宅に集う面々。
月参り用に車が欲しい、というキース君の話が発端で…。

Aブルー「スピードはもちろん、道路標識とかもさ…」
キース 「あんたが設定してくれるんだな?」
Aブルー「それはもう! 大船に乗った気持ちでいてよ」

ちゃんと入力してあげるから、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「こう見えても、そのくらいのスキルは充分!」
キース 「自動運転が出来て、免許も必要無い、と…」
サム  「まさに理想の車じゃねえかよ」
キース 「しかし、見た目は大丈夫だろうか?」

外見ではなくて、中身の方だ、とキース君の疑問。

キース 「見た目だけなら、車は色々あるからな…」
シロエ 「ですね、スーパーカーから痛車の類まで」
Aブルー「イタシャ?」

なんだい、それは、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「板で出来てる車とかかな?」
シロエ 「いえ、そうじゃなくて、痛いんですよ」
Aブルー「えっと…?」

事故ったら痛いと思うけどね、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「轢かれたら痛いし、衝突されても痛い筈で…」
ジョミー「違うよ、痛いのは車の方なんだよね」
サム  「うんうん、文字通り見た目が痛い車ってな」
Aブルー「棘が沢山くっついてるとか?」

ハリネズミみたいに、とソルジャーの問い。

Aブルー「でなきゃ、バンパーに歯があるとかさ…」
シロエ 「そりゃ、そういう改造もアリでしょうけど…」
ジョミー「痛車の場合は、絵を描くんだよね」
Aブルー「絵?」

え、え、えええ、とソルジャー、「エ」の音を連発。

Aブルー「それはどういう車なわけ?」
シロエ 「えっとですね…」
キース 「誰がそういう話をしている!」

俺が聞きたいのは内装とかだ、とキース君。

キース 「ハンドルとかは普通なんだろうな?」
Aブルー「こっちの車と変わらないけど?」
キース 「なら、いけるか…」

魔改造だとヤバいからな、と頷いてますけど。
買う、と…?


2022/06/14 (Tue)



☆運転席は普通


梅雨の季節は雨がシトシト、生徒会長宅に来ている面々。
雨の日の月参り用に、キース君が欲しいのが車なわけで。

Aブルー「あー…。違法に改造するヤツだよね?」
キース 「そうだ、流石に運転席はマズイ」

ハンドル以外の部分もだな、と真剣な顔のキース君。

キース 「こう、駐車中に警官に覗き込まれたりして…」
シロエ 「有り得ない車だと、大変ですよね」
ジョミー「ハンドルはあっても、ブレーキが無いとか?」
キース 「まさに、そういう心配をしている」

自動運転の車といえども、普通だからな、という指摘。

キース 「万一の時は、手動に切り替えられる筈で…」
スウェナ「聞くわね、事故りそうになった時でしょ?」
サム  「ブレーキをかけたりするってヤツな」
Aブルー「なるほど、ハンドルしか無いとマズイよね」

でも大丈夫、とソルジャー、自信たっぷり。

Aブルー「その辺の仕様も同じだから!」
キース 「そうなのか?」
Aブルー「うん、だからこそ、ぼくのハーレイも…」

初見で運転出来たわけで、とソルジャーが立てる親指。

Aブルー「大きく違うと、初見では、ちょっと…」
ジョミー「キャプテン、自動車の免許はあるわけ?」
Aブルー「もちろん無いけど、潜入用にさ…」

シミュレーターが船にあるんだよね、という返事。

Aブルー「救出班のメンバーが練習するヤツが」
シロエ 「車も運転しちゃうんですか、潜入した時は?」
Aブルー「でないと困る場面も多いよ、色々とね」

ぼくのハーレイも、それで練習、とニコニコニコ。

Aブルー「キャプテンは潜入しないけどさ…」
キース 「メンツの問題というヤツか?」
Aブルー「そんなトコだね」

でもって、運転席は同じ、と太鼓判が。

Aブルー「それより、痛車が気になるんだけど…」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「さっき言ってた、絵が描いてある…」
シロエ 「知らないんですか?」

けっこう有名なんですけどね、とシロエ君。
まあ、そうかも…。


2022/06/15 (Wed)





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☆法事用の他にも


マツカ君の別荘でバーベキューな日の朝、集合した面々。
厄介なゲストはキース君に任せて、放置な予定ですけど。

ブルー 「君たちが言ってるのは、法事用だろう?」
ジョミー「そうだけど?」
サム  「棚経の時もアレだよな、うん」

間違いねえぜ、と僧籍な人たち。

サム  「アレ以外に何があるんだよ?」
シロエ 「お正月だって、アレですからねえ…」
マツカ 「正確に言えば、除夜の鐘の日からアレですよ」

元老寺に着いたら、あの格好です、とマツカ君も。

マツカ 「法事の時とは、衣の色が違いますけど…」
シロエ 「ついでに、袈裟も略式ですよね」

除夜の鐘をつく時間までは、とシロエ君。

シロエ 「なんて名前か知りませんけど…」
マツカ 「輪袈裟とは違うヤツなんですよね」
ブルー 「そうか、君たちが見てるキースは…」

そこそこ整ったヤツだったっけ、と生徒会長が傾げる首。

ブルー 「修行中だって、覗き見は出来なかったし…」
一同  「「「は?」」」
ブルー 「掃除三昧をやってた時だよ、璃母恩院で」

他の時間は読経三昧、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「いいかい、掃除三昧なんだよ?」
シロエ 「掃除がどうかしたんですか?」
ブルー 「掃除する場所が問題でねえ…」

お風呂もトイレも対象だよ、と指をチッチッと。

ブルー 「あの格好で出来ると思うわけ?」
ジョミー「境内の掃除は、タスキ掛けだよ?」
サム  「裾をからげりゃ、いけるんでねえの?」

慣れてるんだし、という声が。

サム  「普段着みたいなモンだろ、アレ」
ブルー 「そうなんだけどさ、その上にはさ…」
シロエ 「何なんです?」

いったい何があるんですか、とシロエ君の問い。

シロエ 「掃除用の服なんて、無いでしょう?」
サム  「どう転がっても、アレしかねえぜ?」
ブルー 「それがあるんだな、作業服が!」
一同  「「「作業服?」」」

作業服とは、と顔を見合わせる御一同様。
ツナギですか…?


2022/05/16 (Mon)



☆作業用だそうです


マツカ君の別荘でバーベキューな日、朝から集った面々。
ソルジャー御一行様はキース君に丸投げ、そういう予定。

シロエ 「キース先輩の作業服…ですか?」
サム  「そんなの、俺は見たことねえぜ?」
ジョミー「ぼくも全く記憶に無いけど…」

干してあるのも見てないし、とジョミー君。

ジョミー「棚経の時はさ、暑い時期だし、洗濯物も…」
サム  「外干しだけどよ、作業服なんて代物はよ…」

ただの一度も目にしてねえし、とサム君も証言。

サム  「法衣の下に着る、白い襦袢がドッサリだよな」
ジョミー「墓回向で汗をかくらしいしね…」
サム  「日に何回も着替えてるんだろ、ビッショリで」

汗だくだと檀家さんに失礼だしよ、とサム君の見解。

サム  「朝一番の部と、昼までの部と、午後とでよ…」
ジョミー「三枚は要るよね、あの白襦袢」
シロエ 「まさにお坊さんの作業服ですねえ…」

ぼくたちはアレしか知りませんけど、とシロエ君。

シロエ 「他にもあるって、ツナギですか?」
ブルー 「ツナギじゃないけど、作業によっては…」
サム  「ツナギ級とか、そんなのかよ?」

ハードな肉体労働で…、とサム君の問い。

サム  「坊主の服では無理だってか?」
ブルー 「チェーンソーとかも使うからねえ…」
一同  「「「チェーンソー!?」」」

伐採とかに使うアレか、と誰もがポカーン。

ジョミー「ソレって、まさか裏山とかで…?」
ブルー 「キースの家だと、外注してるだろうけど…」

お寺によっては修行の一つ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「伐採したり、薪を作って割ったりとかね」
シロエ 「本当ですか?」
ブルー 「うん、山作務という修行でさ…」

作業服でなきゃ出来ないよね、と説明が。

ブルー 「元は座禅の宗派で生まれたヤツで…」
サム  「他のトコにもあるのかよ?」
ブルー 「あるねえ、キースの宗派にだって!」

一般人にも愛されてるよ、との仰せですけど。
作業服が…?


2022/05/17 (Tue)



☆一般人も愛用


マツカ君の別荘でバーベキューな日、朝から集合な面々。
厄介なゲストはキース君に丸投げ、そういう計画でして。

シロエ 「一般人にも愛されてる、作業服ですか?」
サム  「坊主用がかよ、有り得ねえだろ?」
ジョミー「だよねえ、お坊さんの服なんかをさ…」

誰が喜んで着るっていうのさ、とジョミー君が顰める顔。

ジョミー「ぼくだって、嫌々、着てるんだよ、アレ?」
サム  「棚経はアレでねえとダメだしなあ…」
ジョミー「だから仕方がないんだけどさ、普段まで…」

着たくないよね、と僧籍な人からつけられた文句。

ジョミー「おまけに、山仕事用の作業服だなんて…」
シロエ 「ぼくなら絶対、お断りですね!」

たとえプレゼントされたって…、とシロエ君、断言。

シロエ 「彼女がくれた、って人でも断りそうですよ」
マツカ 「ですよね、似合いそうだから、って…」

誕生日とかに貰っても…、とマツカ君も同意。

マツカ 「手縫いしたのを頂いたって、悩みますよね」
シロエ 「手作りですか、それは厳しいですけど…」

嫌と言いにくいシチュエーションで…、とシロエ君。

シロエ 「それでも、お断りしたい気がしますよねえ…」
マツカ 「失礼のないよう、言葉を選んで断りたいです」

お坊さんの作業服なんかは…、とマツカ君も断る方向。

マツカ 「頂いてしまうと、着るしかなくなりますし…」
ジョミー「ソレを着て、デートとかだよね?」
マツカ 「常識としては、そうなりますね」

そしてエスコートがお約束ですよ、と御曹司な発言。

マツカ 「それでこそ、スマートなお付き合いです」
一同  「「「うーん…」」」

それは断ったらダメなヤツだ、と唸るしかない御一同様。

ジョミー「お坊さんの作業服を着て、デートなんてさ…」
シロエ 「思いっ切り、晒し者ですよ」
ブルー 「そうかな、オシャレと評判だけど?」
一同  「「「オシャレ?」」」

作業服だと言わなかったか、と一同、キョトン。
オシャレ…?


2022/05/18 (Wed)



☆オシャレな作業服


マツカ君の別荘でバーベキューな日の朝、集合した面々。
厄介なゲストはキース君に丸投げ、添乗員扱いする計画。

シロエ 「オシャレって…。作業服なんですよね?」
サム  「ソレ着て、チェーンソーとかを使うんだろ?
ジョミー「薪も割ったりする、って、さっき…」

聞いたんだけど、とジョミー君、怪訝そうな顔。

ジョミー「どの辺がオシャレだって言うわけ?」
ブルー 「テレビ出演したりもするけど?」
スウェナ「お坊さんが、でしょ?」
ブルー 「違うね、愛用している一般人だよ!」

でも、一般人とは言えないかも…、と生徒会長、苦笑。

ブルー 「アーティストとかだったりするしね」
一同  「「「アーティスト?」」」
ブルー 「そう、画家だとか、陶芸家とか!」

作業服兼オシャレ着だよね、と生徒会長が立てる親指。

ブルー 「動きやすくて、外出も、そのスタイルで!」
シロエ 「外出って、散歩とかでしょう?」
ジョミー「だよねえ、近所を歩く程度の」
ブルー 「テレビ出演もするって言ったよ?」

パーティーだって、ソレで行くよね、と生徒会長。

ブルー 「その人のスタイルとして定着だから!」
マツカ 「あの…。もしかして、その服というのは…」

作務衣とかいうヤツでしょうか、とマツカ君の問い。

一同  「「「作務衣?」」」
マツカ 「ええ、たまに広告を見ませんか?」

パーティーで見ることもあるんですよ、と御曹司。

マツカ 「ブルーが言う通り、アーティストの方で…」
ブルー 「そうだよ、正解は作務衣ってね!」

キースも持っている筈で…、と生徒会長の指摘。

ブルー 「元老寺でも、着ていることがあるかも…」
シロエ 「でも、山仕事は外注っぽいですよ?」
ブルー 「本堂の飾りの掃除とかはどうかな?」
ジョミー「天井から下がってる、キンキラキンのヤツ?」
ブルー 「ピンポーン! アレは失礼のないように…」

キースがやっていそうな気が、と言ってますけど。
それは確かに…。


2022/05/19 (Thu)



☆持っていそうな服


マツカ君の別荘でバーベキューな日、朝から集った面々。
厄介なゲストはキース君に丸投げ、添乗員をやらせる気。

サム  「あー…。アドス和尚にやらされてそうだぜ」
シロエ 「脚立は必須でしょうね、アレ…」
ブルー 「そうだね、床に立ったままハタキでは…」

もう絶対に届かないから、と生徒会長。

ブルー 「脚立に上って、降りて、の連続で掃除だよ」
ジョミー「作務衣でないと無理かもね…」
マツカ 「裾をからげても、キツイでしょうし…」
シロエ 「足がもつれたら終わりですよ?」

脚立ごと転んでしまうのでは、とシロエ君の言。

シロエ 「それで飾りとかを破壊した時は、処刑ですよ」
サム  「間違いねえなあ、相手はアドス和尚だしよ…」
ブルー 「リスク回避のためにも、作務衣をチョイス!」

きっと持ってる、と生徒会長が言った所へ、本人、到着。

キース 「遅くなってすまん。朝のお勤めが長引いて…」
シロエ 「何かやらかしたんですか?」
キース 「親父が灰をぶちまけたんだ!」

線香立てを袖で引っ掛けてな、と副住職の顰めっ面。

キース 「当然、俺が掃除なわけで…」
ジョミー「それって、作務衣で?」
キース 「いや、そこまでの作業ではないし…」
シロエ 「ということは、持ってるんですね?」
キース 「は?」

何をだ、とキース君、怪訝そうな顔。

キース 「俺が何を持っていると?」
シロエ 「作務衣ですけど」
キース 「それがどうした?」
シロエ 「皆さん、持ってるそうですよ!」

朗報です、とシロエ君、皆をグルリと。

シロエ 「作務衣なら、腕章、出来ますしね…」
サム  「添乗員スタイル、完成ってことな!」

作務衣を着ろよ、とサム君がキース君に注文を。

サム  「ぶるぅに頼んで、お取り寄せでよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 瞬間移動だね!」
シロエ 「腕章も欲しいですよ」
キース 「ちょっと待て!」

話が全く見えないんだが、と叫んでますけど。
どうなる…?


2022/05/20 (Fri)




☆形から入るべき


マツカ君の別荘でバーベキューな日、遅刻したキース君。
厄介なゲストを任せる予定で、添乗員をやらせたい面々。

キース 「何処から、作務衣で腕章になるんだ?」
シロエ 「添乗員ですよ、形から入るのが一番ですしね」
キース 「添乗員…?」

もしかしなくても、あいつらの世話か、とキース君。

キース 「確かに俺の役目らしいが、作務衣まで…」
ジョミー「心構えって、大切なことだと思うんだよね」
サム  「それによ、誰が係なのかも一発だぜ?」

別荘の使用人さんとかでも…、とサム君も。

サム  「あいつらが無茶をやらかした時もよ…」
スウェナ「苦情はキースに言えばいい、って分かるわよ」
シロエ 「でないと、マツカ先輩にですね…」

ご迷惑をかけてしまいそうです、とシロエ君の見解。

シロエ 「誰に言えばいいのか謎だと、当然、先輩に…」
ブルー 「お伺いを立てることになるだろうねえ…」
??? 「ぼくも、その線でお願いしたいね!」

係らしく、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「作務衣で腕章、いいと思うよ!」
??? 「お坊さんの作業服だそうですね」

賛成ですよ、とキャプテン(会話表記はA船長)も。

A船長 「服装を整えれば、気も引き締まりますし…」
??? 「かみお~ん♪ なんだか面白そう!」

ぼくも賛成、と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)も出現。

Aぶるぅ「ねえねえ、その服、めくってもいい?」
キース 「なんだって!?」
ぶるぅ 「んとんと、めくるのは無理だと思うの!」

こんなのだしね、と瞬間移動でお取り寄せしたお子様。

ぶるぅ 「キースを着替えに連れてってくる!」
一同  「「「オッケー!」」」

任せた、というわけで二人、消滅。

Aブルー「腕章には、なんて書こうかな?」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「添乗員じゃ、つまらないからねえ…」
一同  「「「え…?」」」

何をする気だ、と顔を見合わせる御一同様。
どう書きたいと…?


2022/05/21 (Sat)



☆腕章に書くのは


マツカ君の別荘でバーベキューな日、ようやく全員集合。
ゲストも到着、キース君は添乗員で作務衣を着ることに。

シロエ 「いったい何を書きたいんですか、腕章に」
Aブルー「そりゃもう、一発で分かるヤツだよ!」

添乗員で下僕なことが…、と恐ろしすぎる台詞。

Aブルー「そうだ、下僕でいいんじゃないかな?」
一同  「「「下僕!?」」」
Aブルー「誰が見たって一目瞭然、そう思わないかい?」

下僕だしね、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「それに、君たちにもメリットありそう!」
シロエ 「どういう意味です?」
Aブルー「ただ下僕とだけ書いておけばさ、誰でもさ…」

キースを下僕扱い出来るよ、という提案が。

Aブルー「なにしろ、身分が下僕だからねえ…」
サム  「俺たちも、キースを下僕にしていいのかよ?」
Aブルー「ぼくが許すからね!」

ぼくたちの用事と重ならなければ、どうぞ、と太っ腹。

Aブルー「お酌だろうと、使い走りだろうと、大いに!」
A船長 「使って下さって構いませんよね」

私たちは…、とキャプテンも。

A船長 「ですから、下僕でよろしいかと」
ブルー 「ナイスなアイデアではあるねえ…」

疫病仏をこき使うチャンスでもあるし、と生徒会長。

ブルー 「もっとも、大抵の用事は使用人さんが…」
マツカ 「するんですけど、そうなると…」

どんな用事があるんでしょう、とマツカ君が傾げる首。

マツカ 「全く思い付きませんけど…」
Aブルー「いいんだってば、その場のノリで!」

とにかく下僕、とソルジャー、その気。

Aブルー「だから、ぶるぅに腕章を…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースの着替え完了!」

作務衣だも~ん、と戻って来た二人。

ぶるぅ 「添乗員スタイル、出来上がり~!」
Aブルー「腕章もお願いしたいんだけど…」
ぶるぅ 「そだね、添乗員のヤツ!」
Aブルー「それよりもさ…」

書いて欲しい字があるんだけれど、とズイと。
やる気満々…。


2022/05/22 (Sun)



☆バスの中で刺繍


マツカ君の別荘でバーベキューな日、着替えたキース君。
添乗員スタイルな作務衣ですけど、腕章も要るそうで…。

ぶるぅ 「んとんと、書くって…。腕章に、だよね?」
Aブルー「そう! パパッとお願い出来るかな?」
ぶるぅ 「刺繍だったら、ちょっと時間がかかるけど…」
Aブルー「どのくらい?」

行きのバスの中でも出来るかな、とソルジャーの問い。

Aブルー「着くまでに出来るなら、充分だけど?」
ぶるぅ 「それなら簡単!」

マイクロバスの中でミシンで刺繍、と家事万能なお子様。

ぶるぅ 「腕章は基本のを買えばいいしね!」
Aブルー「お願いしていい?」
ぶるぅ 「行ってくるーっ!」

仲間のお店は年中無休、と瞬間移動で飛んで行きまして。

ぶるぅ 「ただいまーっ、腕章、買って来たよ!」
シロエ 「時間外でも買えるんですねえ、まだ朝なのに」
ぶるぅ 「そだよ、仲間同士の注文だしね!」

それにブルーはソルジャーだし、と得意げな顔。

ぶるぅ 「それで、刺繍で書きたいのは、なあに?」
Aブルー「ズバリ、下僕で!」
キース 「何なんだ、それは!」

何故、下僕だ、とキース君、愕然。

キース 「世話係というなら、まだしもだな…!」
Aブルー「似たようなものだよ、それに、全員にさ…」

こき使っていい、って許可を出したし、と笑顔な人。

Aブルー「だから下僕で、腕章にもね!」
ぶるぅ 「オッケー、急いで刺繍するね!」
マツカ 「それでは皆さん、マイクロバスへどうぞ」

ミシン用の電源はこちらに…、とマツカ君の先導。

マツカ 「作業用の台も要りますか?」
ぶるぅ 「ちゃんとあるも~ん!」

コンパクトなのが、と瞬間移動でミシンと作業台が。

ぶるぅ 「この作業台、バスが揺れても平気だし!」
マツカ 「では、出発してよろしいですね?」
一同  「「「オッケー!」」」
Aブルー「刺繍、よろしく!」
キース 「おい…!」

俺は下僕で決定なのか、と悲鳴ですけど。
決定ですよね?


2022/05/23 (Mon)



☆図案さえあれば


マイクロバスでマツカ君の別荘へ出発、お目当ては河原。
バーベキューをするわけですけど、車内にミシンの音が。

シロエ 「なるほど、図案があればいいわけですね?」
ぶるぅ 「そうなの、ミシンが刺繍してくれるから…」

やり方とかを設定するの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「それから刺繍に使う糸をセットで…」
サム  「好みの刺繍が出来るってわけな?」
ジョミー「じゃあさ、下僕って書く他にもさ…」

色々と刺繍出来ちゃうんだね、とジョミー君の輝く瞳。

ジョミー「腕章でなくても、いけるってこと?」
ぶるぅ 「そだよ、分厚すぎる生地はダメだけど…」
シロエ 「ジョミー先輩、何を考えているんです?」
ジョミー「ズバリ、改造作務衣ってヤツ!」
一同  「「「はあ?」」」

なんだそれは、と誰もがポカーン。

シロエ 「えっと…。改造作務衣ですか?」
サム  「何なんだよ、ソレ?」
ジョミー「ほら、制服とかで、よくあるじゃない!」

派手な刺繍がついてるヤツ、とジョミー君。

ジョミー「あんな風にさ、作務衣の背中とかにさ…」
Aブルー「下僕、と刺繍するのかな?」
ジョミー「ピンポーン! いいと思わない?」

疫病仏を刺繍するのもいいかも、と恐ろしいアイデアが。

ジョミー「文字もそうだし、仏様の絵も!」
Aブルー「いいねえ、それで腕には腕章、と!」

最高の下僕スタイルだよ、とソルジャーも乗り気。

Aブルー「ぶるぅ、時間は大丈夫かな?」
ぶるぅ 「図案があったら簡単だよ!」
Aブルー「じゃあ、絵心のある人は、と…」
キース 「ちょっと待て!」

俺の作務衣はどうなるんだ、とキース君の悲鳴。

キース 「改造されたら、親父に殴られるだろうが!」
Aブルー「だったら、改造用に買えばいいと思うね!」
ブルー 「普通に売られているからねえ…」
シロエ 「予算も組んで貰えますよ?」
Aブルー「その通り!」

買って改造、とソルジャー、ウキウキ。
着せたいんですね?


2022/05/24 (Tue)



☆絵を描きたい人


マイクロバスでマツカ君の別荘へ、バーベキュー目当て。
けれど車内でミシンの音で、家事万能なお子様が刺繍中。

Aブルー「改造作務衣で決まりだよ、うん!」
ぶるぅ 「んとんと、腕章は出来たんだけど…」

こんな感じ、と掲げられた腕章に下僕の文字が。

ぶるぅ 「作務衣も買って、刺繍なの?」
Aブルー「お願いしたいね、作務衣を買いにお使いも!」
ぶるぅ 「キースの作務衣と同じのでいい?」
一同  「「「オッケー!」」」

面白いから、とキース君以外は全員、賛成。

ぶるぅ 「じゃあ、お使いに行ってくるから…」
シロエ 「その間に図案を用意ですね?」
ぶるぅ 「うん、よろしくーっ!」

行ってくるね、と瞬間移動で買い物に。

Aブルー「さてと、図案は誰が描くのかな?」
ジョミー「絵心のある人って、いたっけ?」
サム  「知らねえぜ?」
シロエ 「下手でもいいんじゃないでしょうか?」

どうせ着るのはキース先輩ですし、とシロエ君の暴言。

シロエ 「ド下手でも、それも一興ですよ」
Aブルー「疫病仏って、どんなビジュアルなんだい?」
ブルー 「君が描くのかい?」
Aブルー「たまには芸術もいいかなあ、って…」

絵なんかを描く機会は無いから、とソルジャーが名乗り。

Aブルー「下僕の文字は、ブルーが書けばさ…」
サム  「銀青様の墨蹟ってことで、キースもよ…」
ブルー 「謙虚な気持ちになるかもね、うん」
キース 「なんでそうなる!」

しかし…、とキース君の額に汗。

キース 「銀青様の墨蹟を無下には出来んし…」
Aブルー「着るってことだね、よし、決まった!」

ぼくは疫病仏のイラスト担当、とソルジャー、紙を用意。

Aブルー「仏様を描くのに、お約束とかはあるのかい?」
ブルー 「持ち物とかポーズとか、色々あるけど…」
サム  「疫病仏はオリジナルだしよ…」
ブルー 「特に決まりは…」
Aブルー「無いんだね?」

絵心を発揮してみるよ、と言ってますけど。
どう描くと…?


2022/05/25 (Wed)



☆疫病仏を描くなら


マツカ君の別荘へバーベキューにお出掛け、会場は河原。
別荘へ向かう車内にミシンの音で、改造作務衣だそうで。

Aブルー「好きに描けばいいなら、カッコ良くしないと」
シロエ 「仏様ですよ?」
Aブルー「忘れてないかい、ぼくも疫病仏なんだけど?」

キースとセットだと言われてるよね、とソルジャーの言。

Aブルー「だから当然、超絶美形でカッコ良くてさ…」
サム  「じゃあよ、キースもそうなのかよ?」
Aブルー「えっ、キース?」

ぼくに比べたら全然ダメ、とソルジャー、手をヒラヒラ。

Aブルー「底辺とまでは言わないけどさ、格は落ちるね」
サム  「その作務衣、着るのはキースなんだぜ?」
ジョミー「カッコいい絵でかまわないわけ?」

それに下僕の刺繍入りだよ、とジョミー君も。

ジョミー「持ち上げる必要、無いんじゃないかな…」
シロエ 「そうですね、むしろカッコ悪い方が…」
サム  「キース向けだと思わねえか?」

肥溜めに頭から落ちるくらいの勢いでよ、とサム君。

サム  「疫病仏は、落とす方なんだけどよ…」
シロエ 「なるほど、厄をビジュアル化ですね?」
ジョミー「犬の糞なんかもいいかもね」

踏んだら思いっ切りツイてないしさ、という声も。

ジョミー「やっぱり厄を描いた方がさ…」
シロエ 「それっぽい感じが出ますよねえ…」
Aブルー「よし、採用!」

肥溜めと犬の糞でいこう、とソルジャーが立てる親指。

Aブルー「仏様のバックに肥溜め、前に犬の糞で!」
一同  「「「うわー…」」」
Aブルー「どうかな、仏様の顔とかはさ…」

ぼかしてシルエットということで、と描かれたイラスト。

Aブルー「後はブルーが疫病仏の文字を添えれば…」
ブルー 「完成ってことで、ぶるぅが刺繍だね」
キース 「こ、こんな絵を俺に背負えと…?」
Aブルー「ぼくの腕に文句があるのかな?」
キース 「そういうわけではないんだが…!」

しかし…、とキース君、タラリ冷汗。
肥溜めと犬の糞…。


2022/05/26 (Thu)



☆持ち物もセットで


マツカ君の別荘へバーベキューに出発、河原でやる計画。
行きのバスで改造作務衣を制作中で、疫病仏を刺繍な話。

キース 「仏様の絵に、肥溜めと犬の糞というのは…」
Aブルー「シルエットしか描いてないしね、仏様はさ」
シロエ 「罰当たり度は、限りなく低いと思いますけど」
ブルー 「ポーズも全く分からないしね」

仏様の区別は手とかでつくけど、と生徒会長も。

ブルー 「この組み方なら阿弥陀様とか、そんな風にさ」
サム  「あー、持ち物っていうのもあるよな」

薬師如来の薬壺しか知らねえけどよ、と僧籍な人。

サム  「でも、このイラストの仏様はよ…」
Aブルー「それも不明だし、ただの疫病仏ってことで!」

キース専用と言うか専属、とソルジャー、ウインク。

Aブルー「君はこういう姿らしいよ、疫病仏の時にはさ」
キース 「そうなるのか!?」
Aブルー「うん、肥溜めと犬の糞つきで!」

持ち物はソレだね、とキッパリと。

Aブルー「せっかくだから、持ち物も刺繍するとかさ…」
A船長 「そうですね、背中がこのイラストと文字で…」
Aブルー「胸の側には、持ち物を!」
一同  「「「イイネ!」」」

キース君以外は全員賛成、其処へ帰還したお子様。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 作務衣、買って来たよ!」
Aぶるぅ「ありがとう! 刺繍の図案はコレでお願い!」
ぶるぅ 「えっと…?」

なんか凄いね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の目が真ん丸。

ぶるぅ 「コレを背中に刺繍でいいの?」
Aブルー「そう! でもって、胸の側にはさ…」

肥溜めと犬の糞を刺繍して欲しい、と注文が。

Aブルー「肥溜めはバックになっちゃってるから…」
A船長 「仏様で見えない部分は加筆ですか?」
Aブルー「そうだよ、別の紙に描こうか?」

その方が使いやすいよね、とソルジャーが取り出した紙。

Aブルー「こう、サラサラッと…!」
A船長 「流石ですね!」

絵心が、とキャプテン、絶賛ですけど。
肥溜めも刺繍…?


2022/05/27 (Fri)



☆出来たら着替えを


マツカ君の別荘の近くの河原で、バーベキューですけど。
行きの車内で改造作務衣を制作中で、着るのはキース君。

Aブルー「ぶるぅ、この絵で刺繍をお願い!」
ぶるぅ 「出来るけど…。ホントにコレでいいの?」
Aブルー「もちろんだよ! キース以外は全員、賛成!」
ぶるぅ 「そっか、だったら刺繍しちゃうね!」

刺繍糸は家に揃ってるから、と瞬間移動で糸の箱が出現。

ぶるぅ 「図案と糸をセットして、と…」
ブルー 「ぼくの墨蹟も必要だよね」

パパッと書くよ、と生徒会長、硯や紙を取り出しまして。

ブルー 「心をこめて、キースに下僕の文字を、とね!」
サム  「なんか有難い感じがするぜ、下僕なのによ」
シロエ 「伝説の高僧効果でしょうか?」
ジョミー「そうだと思うよ、キースも断れないんだし」

改造作務衣の決め手だよね、とジョミー君。

ジョミー「肥溜めつきでも着るしかない、って!」
キース 「俺は大いに不本意だがな!」

しかし、墨蹟がつくと断れん、とキース君の苦悩の表情。

キース 「坊主の身では、有難く頂戴するしか…」
ブルー 「元の字の方も、掛軸にしてあげようか?」
Aブルー「いいねえ、部屋に飾っておけば?」
キース 「断固、断る!」

万年下僕は御免こうむる、とキース君、却下。

キース 「添乗員で下僕は、今日限定だ!」
Aブルー「いいけどね…。あっ、刺繍、出来た?」
ぶるぅ 「うんっ、後は下僕の字を刺繍で完成!」

肥溜めと犬の糞も刺繍したし、と胸を張るお子様。

ブルー 「オッケー、それじゃ、この字をね!」
ぶるぅ 「そだね、もう墨も乾いてるから…」

ミシンにセット、と手際よく作業開始で、ミシンの音が。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 改造作務衣、出来上がり!」
Aブルー「よーし、キースは早速、着替えて!」
マツカ 「着替えは、こちらのスペースでどうぞ」
キース 「分かった、覚悟は出来ている…」

行ってくる、と仕切りの向こうへ着替えに。
着るんですね?


2022/05/28 (Sat)



☆改造作務衣な下僕


マツカ君の別荘の近くの河原で、バーベキューという日。
厄介なゲストはキース君に丸投げ、改造作務衣で下僕に。

Aブルー「これでキースも、文字通りに下僕!」
A船長 「分かりやすくていいですよね」

腕章だけより、とキャプテンも絶賛。

A船長 「あっ、出て来ましたよ!」
キース 「着替えたぞ、ちゃんと腕章もつけて」
一同  「「「わははははは!!!」」」

これはヒドイ、と誰もが大爆笑な改造作務衣。

ジョミー「肥溜めと犬の糞が効いてるよねえ…」
シロエ 「背中を向けなくても、見えますからね」
Aブルー「キース、背中を見せてくれるかな?」
キース 「承知した」

どうだ、と向けられた背中で、一同、悶絶。

一同  「「「どわーっはっはっはっ!!!」」」
キース 「くっそぉ、他人事だと思いやがって!」

だが仕方ない、とクルリと向き直って敬礼を。

キース 「今日は一日、俺は下僕だ!」
一同  「「「イイネ!」」」

こき使うぞ、と盛り上がる間に別荘に到着。

マツカ 「河原の方に準備が出来ていますから」
使用人 「食材もすぐに運びますので」
Aブルー「ありがとう! でもって、コレがさ…」

こっちの雑用係だから、とソルジャーが指差すキース君。

使用人A「はあ…」
使用人B「では、何かあったら、こちらの方に…」

言えばいいわけですね、と使用人さんたちが堪える笑い。

使用人C「分かりやすくて助かります」
Aブルー「そうだろう? じゃあ、よろしくね!」

さあ、バーベキューだ、と河原へ向かった御一同様。

サム  「おっ、ちゃんと炭火も熾してあるのな!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 楽しく焼けそうだよね!」

食材も来たし、と大歓声。

Aブルー「よーし、早速、焼いていこうか!」
ぶるぅ 「お肉とか、全部、とっても美味しそう!」
マツカ 「沢山召し上がって下さいね」
一同  「「「やったーっ!」」」

食べるぞ、とバーベキュー開始ですけど。
キース君だけ下僕…。


2022/05/29 (Sun)



☆笑いに乾杯から


マツカ君の別荘から近い河原で、いよいよバーベキュー。
最高級の食材がドッサリ、美味しく食べられそうでして。

Aブルー「そうだ、最初は乾杯からかな?」
A船長 「いいですねえ!」
マツカ 「シャンパンも御用意してますし…」
Aブルー「オッケー、それじゃ乾杯で!」

使用人さんたちの出番ですけど、ソルジャーの注文。

Aブルー「おっと、キースも手伝うんだよ?」
キース 「分かっている…」

注ぐのは下手だから裏方で、とグラスを用意なキース君。

キース 「シャンパンは難しいと聞くからな…」
使用人A「まあ、そうですね」

よくご存じで、と言いつつ、笑いを堪えている顔。

ジョミー「改造作務衣、効いてるよねえ…」
シロエ 「必死に笑いを堪えてますね」
Aブルー「今日は一日、キツイだろうねえ…」

立場上、爆笑出来ないしさ、とソルジャー、クスクス。

Aブルー「でも、ぼくたちは遠慮なく!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ 笑いに乾杯だよね!」
一同  「「「かんぱーい!」」」

笑いまくるぞ、と景気よく。

Aブルー「さあ、バーベキュー!」
ぶるぅ 「お肉、焼かなきゃ!」
ジョミー「キースにやらせてもいいけどさ…」
サム  「自分で焼くのが醍醐味だぜ、うん」

バーベキューはよ、とサム君が立てる親指。

サム  「下僕は雑用係でいいだろ?」
Aブルー「そんなトコだね、あっ、キース!」

下手でいいからシャンパンをね、とグラスを差し出す人。

Aブルー「せっかくだから、ガンガン飲みたいし!」
キース 「注ぎ方はどうでもいいんだな?」
Aブルー「うん、なみなみと注いでくれたまえ!」

溢れてもかまわないからさ、とソルジャー、偉そう。

Aブルー「ほら、下僕らしく!」
キース 「いくぞ、溢れるかもしれないがな」
Aブルー「いいって、いいって! うっ…!?」
シロエ 「どうかしましたか?」
Aブルー「う、うん、ちょっと…」

嫌なものが目に入ってさ、と言ってますけど。
埃ですか?


2022/05/30 (Mon)



☆食欲が失せる人


マツカ君の別荘に近い河原で、バーベキューな御一同様。
改造作務衣のキース君を下僕扱い、こき使う気満々で…。

キース 「目に埃でも入ったのか?」
A船長 「睫毛ということもありますよね」
マツカ 「目薬を御用意しましょうか?」

洗い流すのが一番ですし、と御曹司。

マツカ 「すみません、誰かドライアイ用のを…」
使用人A「はい、只今!」
Aブルー「ううん、そういうのじゃなくて…」

食欲が失せるモノを見たんだ、とソルジャー、遠い目。

Aブルー「肥溜めは失敗だったかも…」
一同  「「「あっ!」」」

ソレか、と一同、唖然茫然。

シロエ 「き、キース先輩が近付いてくると…」
ジョミー「肥溜めを見る羽目になるんだ…」
サム  「犬糞もだぜ?」
ぶるぅ 「だから、いいの、って聞いたのに…」

いいって言うから、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「刺繍、簡単にはほどけないよ?」
Aブルー「ほどいても、ぼくの記憶力がさ…」
キース 「ガッツリ結び付けたんだな?」

俺と肥溜めと犬糞を、とキース君、ニヤリ。

キース 「喜んで下僕になってやるから、命令してくれ」
Aブルー「ぼ、ぼくはいいから、みんなの世話をね!」
キース 「らしいぞ、大いにこき使うといい」

肉でもお焼きしましょうか、と他の面子の方へズズイと。

キース 「ジョミー、新鮮なエビなんかどうだ?」
ジョミー「じ、自分で焼くから!」
キース 「遠慮は要らんぞ。シロエ、アワビを焼くか?」
シロエ 「いえ、あの、自分で…!」

やれますから、とシロエ君も逃げ腰。

シロエ 「先輩は、どうぞお好きにですね…!」
Aブルー「好みのを焼いて、存分に食べてくれたまえ!」

ただし、こっちに来ないように、とソルジャーの悲鳴。

Aブルー「一人鍋じゃなくて、一人バーベキューで!」
一同  「「「イイネ!」」」
キース 「そうか、それなら俺は勝手に…」

やらせて貰う、と下僕が消滅ですけど。
今月、これにて中継終了~。


2022/05/31 (Tue)







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