シャングリラ学園つれづれ語り
☆プロに負けても
節分は七福神巡りでお寺へ、恒例の行事なんですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝な案。
Aブルー「節分は、今年もお参りに来るんだけどさ…」
シロエ 「来てくれなくていいですから!」
Aブルー「ダメダメ、夫婦和合をお願いしないと!」
ハーレイと一緒に七福神様に…、と嫌すぎる台詞が。
Aブルー「それに、君たちは別行動だろ?」
キース 「なんでそうなる?」
Aブルー「だって、雪山に行くんだからさ…」
君たちはバスで終点までで…、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「ぼくとハーレイは例年通りに、お寺の前まで」
シロエ 「勝手に追い詰めないで下さい!」
行くしかなくなるじゃないですか、とシロエ君の反論。
シロエ 「嫌ですからね、山で遭難なんて!」
Aブルー「山って、そういうものだろう?」
こっちの世界で言う山は、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「悪趣味だとしか思えないけど、登るんだしさ」
シロエ 「だから素人は登りませんよ、冬山なんか!」
Aブルー「ご高齢の人に負けてもいい、って?」
シロエ 「ええ、誰も全く気にしませんね!」
プロに負けても恥じゃないです、とシロエ君、断言。
シロエ 「縄や草鞋で登る人ですよ、プロですってば!」
Aブルー「じゃあ、お参りをする話は?」
もう一ヶ所って話だったよね、と聞いていたらしい人。
Aブルー「効きそうな神社を諦める、って?」
シロエ 「そ、それは…」
Aブルー「今年は厄が多いらしいねえ…?」
なにしろジョミーに回るほどだし、とソルジャーの視線。
Aブルー「次の厄は誰に回るんだろうね、キースの分が」
一同 「「「うっ…」」」
それがあったか、と詰まる面々。
Aブルー「まだまだ冬は続くしさ…」
キース 「何が言いたい?」
Aブルー「カニが美味しい季節だよね、って!」
シロエ 「ま、まさか…」
Aブルー「カニのエサでさ…」
海に沈むのは誰なのかな、と言ってますけど。
沈めたいと…?
2022/02/16 (Wed)
☆冬の海か雪山か
節分はお寺で七福神巡り、それに加えてもう一ヶ所な案。
キース君の厄が回らないよう、お参りしたい面々ですが。
シロエ 「カニのエサって、本気ですか!?」
Aブルー「チャンスがあったら試したいねえ、是非!」
人肉を食べたカニは美味しいんだろう、と笑顔の人。
Aブルー「中華料理の国のカニがそうなら、この国も!」
ジョミー「それ、犯罪になるんだからね!」
Aブルー「君を沈める話の時に、どう言ったっけ?」
ぼくのサイオンと腕前について、と赤い瞳に物騒な光。
Aブルー「一人消しても、もみ消すくらいは楽勝だよ!」
シロエ 「カニのエサは勘弁なんですけど!」
Aブルー「でもねえ、真剣さと覚悟が足りてないから…」
沈められても仕方ないかも、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「冬の海とさ、雪山登山と、どっちがいい?」
一同 「「「うーん…」」」
沈むか遭難するかなのか、と考え込む面々ですけれど。
ジョミー「山はさ、遭難する確率、百パーセントとは…」
シロエ 「限りませんね、よほど無謀でない限り」
サム 「だったらアレかよ、登るのかよ?」
縄と草鞋で、とサム君、ブルブル。
サム 「かなり死ねそうな気がするぜ、ソレ」
スウェナ「あんな山でも、滑落したら死ぬかしら?」
ブルー 「死ねるだろうねえ、打ちどころが悪いと」
一同 「「「うわー…」」」
ついでに凍死の危機もありそう、と誰もがガクブル。
シロエ 「冬の海は確実に死ぬんですけど…」
サム 「あの山も相当ヤバイんでねえの?」
Aブルー「だったら、厄を待つってことだね?」
キースのが回ってカニのエサに…、とソルジャーの問い。
Aブルー「それでいいなら、七福神巡りで充分だけど…」
シロエ 「嫌です、カニのエサになるのは!」
Aブルー「お参りする気は無いんだろう?」
シロエ 「でもですね…!」
Aブルー「行かないのなら、座して待つだけ!」
カニのエサで海に沈むのを、と言われましても。
雪山ですよ?
2022/02/17 (Thu)
☆踏みたい二の足
節分は七福神巡りでお寺へ、今年は加えてもう一つな案。
キース君の厄が回って来るのを、防ぐためには必要かも。
Aブルー「いいかい、もう一ヶ所、お参りしてくれば…」
シロエ 「厄は避けられるんでしょうけど…」
それで死んだら元も子も…、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「カニのエサは回避出来ても、雪山でですね…」
サム 「滑落するとか、凍死とかだと結果はよ…」
同じじゃねえか、とサム君も。
サム 「そりゃまあ、お参りしてえけどよ…」
ジョミー「死んじゃうリスクを考えるとね…」
マツカ 「二の足を踏むのが普通ですよね、誰だって」
シロエ 「登らなければ、遭難しないわけですし…」
自分の運を信じるしか、とシロエ君が握り締める拳。
シロエ 「全員がカニのエサってことは、ないですし…」
スウェナ「逃れられる、って思っておくのが一番だわよ」
貧乏クジを引いた時には死ぬけれど、とスウェナちゃん。
スウェナ「どうせキースが引くわよ、きっと!」
ジョミー「あるあるだしね…」
シロエ 「キース先輩が死んだ場合は、厄だって…」
そこでストップしそうですよ、とシロエ君も同意。
シロエ 「厄と一緒に、あの世へ行って貰いましょう!」
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「おい、お前たち…!」
どんな理屈だ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「お参りどころか、俺に丸投げで逃げる気か!」
シロエ 「命あっての物種ですから!」
キース 「しかしだな…!」
ブルー 「うん、そのアイデアは使えるかもね」
ぼくも今、気付いたんだけど、と生徒会長。
ブルー 「キースに任せればいいんだよ、全部」
シロエ 「そうですよね!」
厄さえ止まればいいんですから、とシロエ君の輝く瞳。
シロエ 「キース先輩に死んで貰って…」
ブルー 「別に、死なななくてもいいんだけどね?」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「運ゲーだよ」
死ぬかどうかは…、という台詞ですけど。
運ゲー…?
2022/02/18 (Fri)
☆運ゲーだそうです
節分はお寺で七福神巡り、厄が多い今年はもう一ヶ所へ。
そういう案が出たんですけど、候補の場所は雪山でして。
キース 「運ゲーというのは何なんだ?」
ブルー 「そのまんまだけど?」
死ぬも生きるも運次第だよ、と生徒会長、大真面目な顔。
ブルー 「君が見事にやり遂げた場合、命は残って…」
キース 「どうなると?」
ブルー 「みんなの分のお参りも、無事に完了だよ」
山頂の火伏せの神様にね、と生徒会長が指差す方角。
ブルー 「要は君がさ、代表で登ればいいわけで…」
キース 「代表?」
ブルー 「代参だってば、君も坊主なら知っている筈!」
行けない人の代わりに参拝、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「誰も登りたくないわけなんだし、君が代表!」
キース 「ちょっと待て!」
なんで俺が、とキース君、顔面蒼白。
キース 「ジャンケンとかクジじゃないのか、そこは!」
ブルー 「分かってないねえ、発端は君の分の厄でさ…」
死んで貰う案まで出たじゃないか、と生徒会長の指摘。
ブルー 「それに比べれば、生き残る道があるんだし…」
Aブルー「うん、ずっといいと思うよ、ぼくも」
頑張りたまえ、とソルジャー、キース君の肩をポン、と。
Aブルー「ここは一発、チャレンジ精神!」
キース 「草鞋でか!?」
ブルー 「坊主の世界では、修行の一環で現役だよ?」
縄や草鞋の雪山装備は…、と銀青様の仰せ。
ブルー 「君の根性を発揮するチャンス!」
キース 「俺たちの宗派に、荒行は無いが!」
ブルー 「四の五の言わずに、はい、と即答!」
坊主たる者、代参すべし、と銀青様、ピシャリと。
ブルー 「他のみんなも、それでいいよね?」
一同 「「「さんせーい!」」」
喜んで、と誰もが歓声。
シロエ 「キース先輩、ファイトです!」
サム 「坊主の鑑だぜ、頑張ってこいよ!」
キース 「そう言われても…!」
無理ゲーというヤツなんだが、と呻いてますけど。
詰みましたか…?
2022/02/19 (Sat)
☆素人でも大丈夫
節分は七福神巡りでお寺へ、厄が多い今年はもう一ヶ所。
雪が積もった山の山頂、キース君が代表で参拝だそうで。
キース 「どう考えても、無理ゲーだろうが!」
ブルー 「ご高齢の皆さんも登る山だよ?」
キース 「プロと一緒にしないでくれ!」
俺は雪山は素人なんだ、とキース君、必死。
キース 「柔道だったら棄権しないが、あの山は…」
ブルー 「大丈夫だって、そうそう遭難しないから」
シロエ 「でも、たまにヘリが飛んでませんか?」
サム 「あー…。何年か前の秋にもよ…」
親子連れが戻らなかったっけな、とサム君の相槌。
サム 「確か、山の中で一晩だったぜ」
スウェナ「寒いから、落ち葉を被ってたのよね…」
キース 「秋でも、そういう有様なんだぞ!」
今は冬で、今年は雪が多くて…、とキース君、泣きそう。
キース 「普通に遭難出来るんだが!」
Aブルー「そう言わないでさ、みんなのためにもさ…」
ブルー 「チャレンジすべきだと思うけれどね?」
関所もあるから安全、安心、と生徒会長の言。
一同 「「「関所?」」」
ブルー 「うん。無謀な登山者もいるものだから…」
山の麓のお助け茶屋のお爺さんが…、と立てる親指。
ブルー 「ボランティアで関所をやってるんだよ」
シロエ 「何なんです、ソレ?」
ブルー 「山の麓で生まれ育った人だからねえ…」
雪の状況を見て登山者をチェック、と説明が。
ブルー 「これは登らせられないな、と思った場合は…」
キース 「足止めなのか?」
ブルー 「そういうことだね、鬼の形相で!」
一本道だし、抜けられないよ、と生徒会長。
ブルー 「だから、関所を通過出来たら…」
Aブルー「いけるわけだね!」
今のキースの実力で、とソルジャーの赤い瞳がキラキラ。
Aブルー「だったら、是非とも運試しで!」
ブルー 「挑むべきだね、代表として!」
キース 「そ、そんな無茶な…!」
関所を通過したら地獄だ、と顔面蒼白ですけど。
まあねえ…?
2022/02/20 (Sun)
☆走馬灯でよろしく
節分はお寺で七福神巡り、厄が多い今年はもう一ヶ所へ。
火伏せの神社にキース君が代表で参拝、雪山登山な展開。
キース 「その爺さんが、いけると判断してもだな…!」
シロエ 「冬山だけに、万一はあると思いますけど…」
会長も、ぶるぅもいますから、とシロエ君の笑み。
シロエ 「きっと、見殺しにはしませんよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちゃんと助けるからね!」
キース 「本当か!?」
ぶるぅ 「SOSで、サイオン発動!」
瞬間移動だってするもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「だから安心して登ってね!」
キース 「SOSを出す余裕なんぞが…」
あるだろうか、とキース君、不安そうな顔。
キース 「滑落だったら、一瞬なんだが…」
ぶるぅ 「SOSって、走馬灯だよ?」
一同 「「「走馬灯?」」」
なんだソレは、と誰もがキョトン。
シロエ 「走馬灯って、非常灯とは違いますよね?」
キース 「道具なんかは、絶対、無理だぞ!」
ぶるぅ 「違うよ、キースの頭に出るでしょ?」
死ぬと思ったら走馬灯が、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「それを受信で、救助は完璧!」
Aブルー「なるほど、凄く効率的だよ!」
無駄なサイオンは要らないし、とソルジャー、感心。
Aブルー「キースの方もさ、何もしなくても…」
ジョミー「ちゃんと助けが来るよね、うん」
キース 「走馬灯だぞ!」
どれだけヤバイ状況なんだ、とキース君の悲鳴。
キース 「もう、死ねる気しかしないんだが…!」
ブルー 「だったら、関所に賭けるんだね」
悪天候の極みだったらクローズ、と生徒会長。
ブルー 「常連さんしか通しません、っていう状況!」
キース 「そうか、荒れ模様か…」
節分寒波を祈ればいいのか、とキース君の瞳に希望の光。
キース 「俺は祈るぞ!」
シロエ 「ぼくたちの厄はどうなるんです?」
Aブルー「それも運ゲーだね!」
節分に期待、と帰って行きましたけど。
さて、どうなる…?
2022/02/21 (Mon)
☆お約束な路線バス
いよいよ節分の日、生徒会長のマンション前に集う面々。
ソルジャー夫妻もやって来まして、バス停から路線バス。
シロエ 「いいお天気になりましたね!」
ジョミー「火伏せの神社もバッチリだよ!」
キースだけ終点まで行くんだよね、とジョミー君。
ジョミー「でもって、山頂の神社まで!」
キース 「予報では雪だと言っていたのに…」
外れやがって、と嘆くキース君だけ、コートが重装備。
キース 「走馬灯をやらかさないよう、頑張るしか…」
Aブルー「みんなの厄除けがあるからねえ…」
??? 「雪山チャレンジと聞きましたが…」
大丈夫ですか、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「初の挑戦だそうですね?」
キース 「言わないでくれ、気が滅入る」
Aブルー「キースなんかは放っておいて、もっと密着!」
このバスならでは、とキャプテンの膝に座るソルジャー。
Aブルー「夫婦和合の御利益を貰いに行くんだし…」
A船長 「そうですね。おや、アレは何です?」
妙なものが、とキャプテンが眺める運転席の後ろのブツ。
Aブルー「…箒だねえ…」
A船長 「ええ、竹箒に見えますが…」
何故、箒が、と怪訝そうな顔のキャプテン。
A船長 「車内清掃には、モップの方が効率的かと」
ブルー 「アレは追い出し用のアイテム!」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「逆さに立ててあるだろう?」
嫌な客を追い出すためのヤツだね、と生徒会長の解説が。
ブルー 「節分は、君たちが乗って来るから…」
Aブルー「降りてくれ、って!?」
酷い、とソルジャー、逆さ箒に愕然。
Aブルー「嫌だよ、お寺まで降りないからね!」
A船長 「ええ、根性で居座りましょう!」
降ろされてたまるものですか、とキャプテンも真剣。
A船長 「箒なんかには負けませんとも!」
ブルー 「冗談だってば、でもキースには吉兆かな?」
一同 「「「吉兆?」」」
逆さ箒が何故に吉兆、と首を傾げる御一同様。
箒ですよ…?
2022/02/22 (Tue)
☆逆さ箒の出番は
節分が来まして、路線バスに乗って七福神巡りのお寺へ。
ソルジャー夫妻に嫌がらせっぽく、バスの中に逆さ箒が。
ブルー 「密着座りなカップル除けもいいんだけど…」
Aブルー「本当は、そうじゃないんだね?」
ブルー 「残念ながら、キースが喜びそうなアイテム!」
シロエ 「どの辺がです?」
吉兆というのが謎なんですが…、とシロエ君の問い。
シロエ 「キース先輩だって、ポカンとしてますよ?」
キース 「正直、俺にもサッパリなんだが…?」
逆さ帚の何処が吉兆なんだ、とキース君にも謎な様子で。
キース 「嫌な客を追い出すためのまじないとしか…」
ジョミー「知らないよねえ?」
古いけどさ、とジョミー君も。
ジョミー「今どき、真剣にやる人なんて…」
スウェナ「いそうにないわよ、でも、確かに…」
箒を逆さに立ててるのよね、とスウェナちゃん。
スウェナ「アレでキースが、どう喜ぶのよ?」
ブルー 「ズバリ、箒の出番が来た時!」
一同 「「「出番?」」」
ブルー 「この路線バスは、雪道に強いと評判でさ…」
秘密兵器がアレなんだよね、と生徒会長が指差す箒。
ブルー 「運転手さんの他にも、乗務員がいるだろう?」
シロエ 「ええ、前の方に一人いますね」
ブルー 「あの人は、雪かき要員なんだよ」
一同 「「「雪かき?」」」
まさか箒で…、と一同、ザワッと。
キース 「あの箒でか?」
ブルー 「ピンポーン!」
バスから降りて、箒で道を掃いて除雪、と生徒会長。
ブルー 「ほら、終点が例の山の麓だからさ…」
シロエ 「雪が積もると凄いんですね?」
ブルー 「うん。箒と雪かき要員ってことは…」
ドカ雪の可能性があるってわけ、と生徒会長の言。
ブルー 「今は全く、降ってないけど…」
キース 「降るかもしれん、ということなんだな?」
ブルー 「そうだね、関所がクローズする勢いで」
キース 「有難い…!」
降ってくれ、とキース君が握り締める拳。
どうなりますやら…。
2022/02/23 (Wed)
☆関所が閉まると
七福神巡りのお寺へは路線バス、今年も皆で乗車ですが。
運転席の後ろに逆さ箒で、迷惑カップル除けではなくて。
キース 「ドカ雪で関所がクローズされたら、俺は…」
ブルー 「門前払いで終了だね、うん」
お助け茶屋のお爺さんに…、と生徒会長。
ブルー 「縄や草鞋を持っていたって、新顔だしさ」
Aブルー「山には入れて貰えない、って?」
ブルー 「遭難されたら大変だからね」
お爺さんも忙しくなるし、と生徒会長の解説が。
ブルー 「救助隊の拠点が、お助け茶屋になるんだよ」
シロエ 「それは忙しそうですね…」
ブルー 「ヘリが飛ぶのは最終手段で、基本はさ…」
警察と消防団が徒歩で救助、という話。
ブルー 「ドカ雪の中で救助なんだよ、その拠点だと…」
ジョミー「暖房強めで、炊き出しだよね…」
ブルー 「うん。だから、そういう面倒なのは…」
勘弁願いたいだろう、と、お爺さんの気持ちを代弁。
ブルー 「常連さん以外は、追い払わないと!」
キース 「是非、そのコースで頼みたい…!」
シロエ 「ぼくたちの厄除けはどうなるんです?」
先輩が入山出来なかった場合…、とシロエ君の問い。
シロエ 「もしかして、思い切り無効ですか?」
ブルー 「当然だよね」
誰もお参りしてないんだし、と生徒会長、キッパリ。
ブルー 「残念だけど、七福神様に縋るしか…」
ジョミー「困るんだけど!」
キースの厄が回って来たら…、とジョミー君の悲鳴。
ジョミー「なんとか止めて貰わないとさ…!」
ブルー 「運ゲーだよねえ、こればっかりは」
一同 「「「ドカ雪、反対!」」」
降ってくれるな、と叫ぶ面々ですけど。
ぶるぅ 「ねえねえ、雪が降ってきたよ!」
ブルー 「うん、あの山の方が…」
曇ってきたね、と生徒会長が眺める車窓。
ブルー 「これは来るかな、まさかのドカ雪」
キース 「全力で来い!」
一同 「「「ダメーっ!」」」
箒の出番は来なくていい、と誰もが切実。
どうなる…?
2022/02/24 (Thu)
☆プロたちの登山
七福神様の他にも厄除けを頼みたい、今年の節分ですが。
キース君が代表でお参り、その神社のある山が雪模様で。
ジョミー「乗務員さんが箒を持ったら、終わりだよね…」
シロエ 「もう間違いなく、詰みですよ」
キース先輩は喜びますけどね、とシロエ君も不安そう。
シロエ 「まさか今頃、降り出すなんて…」
マツカ 「どんどん酷くなって来ますよ」
サム 「やべえよ、雨雲レーダー、雪雲だらけだぜ」
北の方から来てやがる、とサム君が睨むスマホの画面。
サム 「北の方は大雪警報だってよ」
キース 「いいぞ、もっと来い!」
一同 「「「来なくていいっ!」」」
関所が閉まる雪は勘弁、と誰もが泣きそうですけれど。
運転手 「終点付近、雪はどうですか、どうぞ」
無線の声「積もって来ました、箒の準備をお願いします」
運転手 「了解、安全運転で向かいます」
そういう無線のやり取りを経て、運転手が乗務員に指示。
運転手 「箒、いけるな?」
乗務員 「手前の峠辺りからですかねえ?」
運転手 「この降り方だと、そうなりそうだ」
終点どころか、かなり手前から箒走行、と運転手。
運転手 「こんな大雪は久しぶりだな、真昼間から」
乗務員 「本当ですねえ、お助け茶屋に感謝ですよ」
着いたら熱い甘酒が…、と乗務員向けの接待がある模様。
乗務員 「雪を掃くのはいいんですけど、凍えますしね」
運転手 「帰りのバスは、爺さんたちで混むだろうなあ」
早めに下山してくるから、とプロの登山者たちの話題も。
運転手 「今日は朝イチで登ってそうだぞ」
乗務員 「雪の予報が出てましたしね」
山頂を踏まずに帰るのは嫌な人たちですし、と乗務員。
乗務員 「あんな装備で凄すぎますよ」
運転手 「プロだからなあ…」
シロエ 「聞きましたか?」
ジョミー「聞いたよ、どうしてキースも朝イチでさ…」
シロエ 「登ってくれなかったんです!」
職務怠慢というヤツですよ、と非難の声が。
言えてるかも…。
2022/02/25 (Fri)
☆予報を見るべき
七福神巡りの他にも厄除け希望な、今年の節分ですけど。
キース君が代参予定の火伏せの神社は、雪で無理な感じ。
シロエ 「いいですか、さっきまで晴れてたんです!」
ジョミー「朝から雲一つ無かったよねえ…」
サム 「あの山のプロの人に限らず、登山家ってよ…」
早めに出発するものなんだろ、とサム君の意見。
サム 「暗い内から登り始めて、午後は早めによ…」
ブルー 「テントを張ったり、山小屋に入るものだよね」
それが山屋のお約束だよ、と生徒会長も。
ブルー 「山頂でご来光を見るのが人気ってことは…」
スウェナ「真っ暗な内から登るのよねえ?」
ブルー 「ヘッドライトを装備でね!」
懐中電灯だと手が塞がって危ないから、という説明。
ブルー 「あの山に登る御老人だって、今日はそうだね」
シロエ 「キース先輩、出遅れましたね…」
ジョミー「ぼくたちの厄除け、どうなるのさ!」
キースは楽でいいだろうけど、とジョミー君の苦情。
ジョミー「お参りしないと、御利益はゼロで…」
Aブルー「キースの厄が、また回る、って?」
シロエ 「あなたが持ち込んでくるんですけど!」
カニのエサなコースを、とシロエ君が吊り上げる眉。
シロエ 「そこを控えて頂ければ、ですね…」
マツカ 「少しはマシになるんですけど…」
如何でしょうか、とマツカ君のお伺い。
マツカ 「キースの代参は、もう無理ですし…」
Aブルー「それは君たちの問題だしねえ…」
ぼくは自分ので手一杯だよ、とソルジャーの返し。
Aブルー「夫婦和合を、全力でお願いしないとね!」
A船長 「そうですとも。キースの雪山チャレンジは…」
知ったことではありません、とキャプテンも。
A船長 「天気予報を見るべきでしたね」
Aブルー「航路設定と同じでさ…」
A船長 「事前のチェックを怠るのは、職務怠慢ですよ」
シロエ 「こう仰ってます」
キース 「しかし…!」
今朝は快晴で、と叫んでますけど。
予報、見ましたか…?
2022/02/26 (Sat)
☆朝イチで登れば
七福神巡りに加えて火伏せの神様、節分の参拝先ですが。
キース君の代参は雪で不可能、職務怠慢だと責める面々。
シロエ 「キース先輩、天気予報は見たんですか?」
キース 「昨夜、一応…」
ジョミー「なんて言ってた?」
キース 「北部は大雪の恐れで、南の平野部も…」
積雪の可能性があると…、とキース君、ボソボソ。
キース 「そうは聞いたが、晴れマークで…!」
サム 「でもよ、雪が積もる可能性はあったんだぜ?」
シロエ 「それを聞いて、どう思ったんです?」
キース 「全力で来い、と…」
北部と言わずに南部にも大雪警報で…、と口ごもる人。
キース 「そしたら、関所が閉まってだな…」
シロエ 「登らずに済むかもしれませんけど…」
ジョミー「ぼくたちの厄除け、パアなんだよ?」
責任があるのは分かってたよね、とジョミー君の詰問。
ジョミー「だったら、晴れてた朝の間に登るべきでさ…」
スウェナ「現に、あの山のプロの人たち…」
とっくに下山中なのよ、とスウェナちゃんも厳しい口調。
スウェナ「いくらキースが慣れてなくても…」
シロエ 「登れた可能性は充分ですよ」
マツカ 「ぶるぅのサポートもありますしね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 行くなら、ぼくも早起き!」
暗い内に起きてスタンバイだよ、と元気なお子様。
ぶるぅ 「走馬灯が来たら、助けなくっちゃ!」
ブルー 「そうだよ、行くって言ってくれれば…」
こっちの準備は万全だよね、と生徒会長も。
ブルー 「行こうと思う、って思念でさ…」
ぶるぅ 「連絡くれたら良かったのに…」
ダメダメだよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「職務怠慢ってヤツだと思うの!」
シロエ 「まったくです」
この落とし前はどうなるんです、とシロエ君、激怒。
シロエ 「厄除け、失敗なんですよ?」
Aブルー「そうみたいだねえ…」
キース 「あんたが慎んでくれればだな…!」
マシになるんだ、と言ってますけど。
無理っぽいですよね?
2022/02/27 (Sun)
☆全力で祈った人
今年の節分は七福神巡りの他に、火伏せの神社にも参拝。
キース君が代参する筈だったのに、大雪でパアな結末で。
Aブルー「あのねえ…。ぼくに文句を言われてもさ…」
A船長 「お門違いだと思うのですが」
職務怠慢はあなたですよ、とキャプテンの睨み。
A船長 「私は今日のお参りに向けて、色々と…」
Aブルー「スケジュールを調整してたよねえ?」
A船長 「キャプテンは多忙ですからね」
休暇を取るのも大変なんです、と重い発言。
A船長 「キースの場合は、一日限りのイベントで…」
シロエ 「サポートも万全だったんですよ?」
どうする気です、とシロエ君の容赦ない口調。
シロエ 「この人たちに、控えろと言ってもですね…」
ジョミー「絶対、無駄だと思うけど?」
Aブルー「よく分かってるね、全面的に同意だよ、うん」
ぼくたちは普通にやっていくだけ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「というわけでさ、仲良くやろうよ、キース」
キース 「はあ?」
Aブルー「忘れたのかい、疫病仏だよ!」
君とぼくとでセットもの、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「厄除け祈願も、見事にパアにしたわけで…」
A船長 「なるほど、キースのパワーでしたか、大雪は」
Aブルー「そうじゃないかと思うけれどね?」
全力で来いと祈ったんだし、とキッパリと。
Aブルー「疫病仏は今年も絶好調でさ、幸先バッチリ!」
A船長 「あなたの楽しみも増えますね」
Aブルー「うん、いい年になりそうだよ!」
疫病仏で楽しくやろう、と赤い瞳がキラキラと。
Aブルー「キース、よろしく!」
キース 「そ、そんな…!」
シロエ 「分かりましたよ、計画的犯行だったんですね」
この大雪も何もかも、とシロエ君、怒りMAX。
シロエ 「もういいですよ、こんな人は!」
ジョミー「詰んでも放置で許されるよね」
サム 「それでいこうぜ」
一同 「「「イイネ!」」」
もう助けない、と一致した意見。
今月、これにて中継終了~。
2022/02/28 (Mon)
節分は七福神巡りでお寺へ、恒例の行事なんですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝な案。
Aブルー「節分は、今年もお参りに来るんだけどさ…」
シロエ 「来てくれなくていいですから!」
Aブルー「ダメダメ、夫婦和合をお願いしないと!」
ハーレイと一緒に七福神様に…、と嫌すぎる台詞が。
Aブルー「それに、君たちは別行動だろ?」
キース 「なんでそうなる?」
Aブルー「だって、雪山に行くんだからさ…」
君たちはバスで終点までで…、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「ぼくとハーレイは例年通りに、お寺の前まで」
シロエ 「勝手に追い詰めないで下さい!」
行くしかなくなるじゃないですか、とシロエ君の反論。
シロエ 「嫌ですからね、山で遭難なんて!」
Aブルー「山って、そういうものだろう?」
こっちの世界で言う山は、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「悪趣味だとしか思えないけど、登るんだしさ」
シロエ 「だから素人は登りませんよ、冬山なんか!」
Aブルー「ご高齢の人に負けてもいい、って?」
シロエ 「ええ、誰も全く気にしませんね!」
プロに負けても恥じゃないです、とシロエ君、断言。
シロエ 「縄や草鞋で登る人ですよ、プロですってば!」
Aブルー「じゃあ、お参りをする話は?」
もう一ヶ所って話だったよね、と聞いていたらしい人。
Aブルー「効きそうな神社を諦める、って?」
シロエ 「そ、それは…」
Aブルー「今年は厄が多いらしいねえ…?」
なにしろジョミーに回るほどだし、とソルジャーの視線。
Aブルー「次の厄は誰に回るんだろうね、キースの分が」
一同 「「「うっ…」」」
それがあったか、と詰まる面々。
Aブルー「まだまだ冬は続くしさ…」
キース 「何が言いたい?」
Aブルー「カニが美味しい季節だよね、って!」
シロエ 「ま、まさか…」
Aブルー「カニのエサでさ…」
海に沈むのは誰なのかな、と言ってますけど。
沈めたいと…?
2022/02/16 (Wed)
☆冬の海か雪山か
節分はお寺で七福神巡り、それに加えてもう一ヶ所な案。
キース君の厄が回らないよう、お参りしたい面々ですが。
シロエ 「カニのエサって、本気ですか!?」
Aブルー「チャンスがあったら試したいねえ、是非!」
人肉を食べたカニは美味しいんだろう、と笑顔の人。
Aブルー「中華料理の国のカニがそうなら、この国も!」
ジョミー「それ、犯罪になるんだからね!」
Aブルー「君を沈める話の時に、どう言ったっけ?」
ぼくのサイオンと腕前について、と赤い瞳に物騒な光。
Aブルー「一人消しても、もみ消すくらいは楽勝だよ!」
シロエ 「カニのエサは勘弁なんですけど!」
Aブルー「でもねえ、真剣さと覚悟が足りてないから…」
沈められても仕方ないかも、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「冬の海とさ、雪山登山と、どっちがいい?」
一同 「「「うーん…」」」
沈むか遭難するかなのか、と考え込む面々ですけれど。
ジョミー「山はさ、遭難する確率、百パーセントとは…」
シロエ 「限りませんね、よほど無謀でない限り」
サム 「だったらアレかよ、登るのかよ?」
縄と草鞋で、とサム君、ブルブル。
サム 「かなり死ねそうな気がするぜ、ソレ」
スウェナ「あんな山でも、滑落したら死ぬかしら?」
ブルー 「死ねるだろうねえ、打ちどころが悪いと」
一同 「「「うわー…」」」
ついでに凍死の危機もありそう、と誰もがガクブル。
シロエ 「冬の海は確実に死ぬんですけど…」
サム 「あの山も相当ヤバイんでねえの?」
Aブルー「だったら、厄を待つってことだね?」
キースのが回ってカニのエサに…、とソルジャーの問い。
Aブルー「それでいいなら、七福神巡りで充分だけど…」
シロエ 「嫌です、カニのエサになるのは!」
Aブルー「お参りする気は無いんだろう?」
シロエ 「でもですね…!」
Aブルー「行かないのなら、座して待つだけ!」
カニのエサで海に沈むのを、と言われましても。
雪山ですよ?
2022/02/17 (Thu)
☆踏みたい二の足
節分は七福神巡りでお寺へ、今年は加えてもう一つな案。
キース君の厄が回って来るのを、防ぐためには必要かも。
Aブルー「いいかい、もう一ヶ所、お参りしてくれば…」
シロエ 「厄は避けられるんでしょうけど…」
それで死んだら元も子も…、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「カニのエサは回避出来ても、雪山でですね…」
サム 「滑落するとか、凍死とかだと結果はよ…」
同じじゃねえか、とサム君も。
サム 「そりゃまあ、お参りしてえけどよ…」
ジョミー「死んじゃうリスクを考えるとね…」
マツカ 「二の足を踏むのが普通ですよね、誰だって」
シロエ 「登らなければ、遭難しないわけですし…」
自分の運を信じるしか、とシロエ君が握り締める拳。
シロエ 「全員がカニのエサってことは、ないですし…」
スウェナ「逃れられる、って思っておくのが一番だわよ」
貧乏クジを引いた時には死ぬけれど、とスウェナちゃん。
スウェナ「どうせキースが引くわよ、きっと!」
ジョミー「あるあるだしね…」
シロエ 「キース先輩が死んだ場合は、厄だって…」
そこでストップしそうですよ、とシロエ君も同意。
シロエ 「厄と一緒に、あの世へ行って貰いましょう!」
一同 「「「イイネ!」」」
キース 「おい、お前たち…!」
どんな理屈だ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「お参りどころか、俺に丸投げで逃げる気か!」
シロエ 「命あっての物種ですから!」
キース 「しかしだな…!」
ブルー 「うん、そのアイデアは使えるかもね」
ぼくも今、気付いたんだけど、と生徒会長。
ブルー 「キースに任せればいいんだよ、全部」
シロエ 「そうですよね!」
厄さえ止まればいいんですから、とシロエ君の輝く瞳。
シロエ 「キース先輩に死んで貰って…」
ブルー 「別に、死なななくてもいいんだけどね?」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「運ゲーだよ」
死ぬかどうかは…、という台詞ですけど。
運ゲー…?
2022/02/18 (Fri)
☆運ゲーだそうです
節分はお寺で七福神巡り、厄が多い今年はもう一ヶ所へ。
そういう案が出たんですけど、候補の場所は雪山でして。
キース 「運ゲーというのは何なんだ?」
ブルー 「そのまんまだけど?」
死ぬも生きるも運次第だよ、と生徒会長、大真面目な顔。
ブルー 「君が見事にやり遂げた場合、命は残って…」
キース 「どうなると?」
ブルー 「みんなの分のお参りも、無事に完了だよ」
山頂の火伏せの神様にね、と生徒会長が指差す方角。
ブルー 「要は君がさ、代表で登ればいいわけで…」
キース 「代表?」
ブルー 「代参だってば、君も坊主なら知っている筈!」
行けない人の代わりに参拝、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「誰も登りたくないわけなんだし、君が代表!」
キース 「ちょっと待て!」
なんで俺が、とキース君、顔面蒼白。
キース 「ジャンケンとかクジじゃないのか、そこは!」
ブルー 「分かってないねえ、発端は君の分の厄でさ…」
死んで貰う案まで出たじゃないか、と生徒会長の指摘。
ブルー 「それに比べれば、生き残る道があるんだし…」
Aブルー「うん、ずっといいと思うよ、ぼくも」
頑張りたまえ、とソルジャー、キース君の肩をポン、と。
Aブルー「ここは一発、チャレンジ精神!」
キース 「草鞋でか!?」
ブルー 「坊主の世界では、修行の一環で現役だよ?」
縄や草鞋の雪山装備は…、と銀青様の仰せ。
ブルー 「君の根性を発揮するチャンス!」
キース 「俺たちの宗派に、荒行は無いが!」
ブルー 「四の五の言わずに、はい、と即答!」
坊主たる者、代参すべし、と銀青様、ピシャリと。
ブルー 「他のみんなも、それでいいよね?」
一同 「「「さんせーい!」」」
喜んで、と誰もが歓声。
シロエ 「キース先輩、ファイトです!」
サム 「坊主の鑑だぜ、頑張ってこいよ!」
キース 「そう言われても…!」
無理ゲーというヤツなんだが、と呻いてますけど。
詰みましたか…?
2022/02/19 (Sat)
☆素人でも大丈夫
節分は七福神巡りでお寺へ、厄が多い今年はもう一ヶ所。
雪が積もった山の山頂、キース君が代表で参拝だそうで。
キース 「どう考えても、無理ゲーだろうが!」
ブルー 「ご高齢の皆さんも登る山だよ?」
キース 「プロと一緒にしないでくれ!」
俺は雪山は素人なんだ、とキース君、必死。
キース 「柔道だったら棄権しないが、あの山は…」
ブルー 「大丈夫だって、そうそう遭難しないから」
シロエ 「でも、たまにヘリが飛んでませんか?」
サム 「あー…。何年か前の秋にもよ…」
親子連れが戻らなかったっけな、とサム君の相槌。
サム 「確か、山の中で一晩だったぜ」
スウェナ「寒いから、落ち葉を被ってたのよね…」
キース 「秋でも、そういう有様なんだぞ!」
今は冬で、今年は雪が多くて…、とキース君、泣きそう。
キース 「普通に遭難出来るんだが!」
Aブルー「そう言わないでさ、みんなのためにもさ…」
ブルー 「チャレンジすべきだと思うけれどね?」
関所もあるから安全、安心、と生徒会長の言。
一同 「「「関所?」」」
ブルー 「うん。無謀な登山者もいるものだから…」
山の麓のお助け茶屋のお爺さんが…、と立てる親指。
ブルー 「ボランティアで関所をやってるんだよ」
シロエ 「何なんです、ソレ?」
ブルー 「山の麓で生まれ育った人だからねえ…」
雪の状況を見て登山者をチェック、と説明が。
ブルー 「これは登らせられないな、と思った場合は…」
キース 「足止めなのか?」
ブルー 「そういうことだね、鬼の形相で!」
一本道だし、抜けられないよ、と生徒会長。
ブルー 「だから、関所を通過出来たら…」
Aブルー「いけるわけだね!」
今のキースの実力で、とソルジャーの赤い瞳がキラキラ。
Aブルー「だったら、是非とも運試しで!」
ブルー 「挑むべきだね、代表として!」
キース 「そ、そんな無茶な…!」
関所を通過したら地獄だ、と顔面蒼白ですけど。
まあねえ…?
2022/02/20 (Sun)
☆走馬灯でよろしく
節分はお寺で七福神巡り、厄が多い今年はもう一ヶ所へ。
火伏せの神社にキース君が代表で参拝、雪山登山な展開。
キース 「その爺さんが、いけると判断してもだな…!」
シロエ 「冬山だけに、万一はあると思いますけど…」
会長も、ぶるぅもいますから、とシロエ君の笑み。
シロエ 「きっと、見殺しにはしませんよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちゃんと助けるからね!」
キース 「本当か!?」
ぶるぅ 「SOSで、サイオン発動!」
瞬間移動だってするもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「だから安心して登ってね!」
キース 「SOSを出す余裕なんぞが…」
あるだろうか、とキース君、不安そうな顔。
キース 「滑落だったら、一瞬なんだが…」
ぶるぅ 「SOSって、走馬灯だよ?」
一同 「「「走馬灯?」」」
なんだソレは、と誰もがキョトン。
シロエ 「走馬灯って、非常灯とは違いますよね?」
キース 「道具なんかは、絶対、無理だぞ!」
ぶるぅ 「違うよ、キースの頭に出るでしょ?」
死ぬと思ったら走馬灯が、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「それを受信で、救助は完璧!」
Aブルー「なるほど、凄く効率的だよ!」
無駄なサイオンは要らないし、とソルジャー、感心。
Aブルー「キースの方もさ、何もしなくても…」
ジョミー「ちゃんと助けが来るよね、うん」
キース 「走馬灯だぞ!」
どれだけヤバイ状況なんだ、とキース君の悲鳴。
キース 「もう、死ねる気しかしないんだが…!」
ブルー 「だったら、関所に賭けるんだね」
悪天候の極みだったらクローズ、と生徒会長。
ブルー 「常連さんしか通しません、っていう状況!」
キース 「そうか、荒れ模様か…」
節分寒波を祈ればいいのか、とキース君の瞳に希望の光。
キース 「俺は祈るぞ!」
シロエ 「ぼくたちの厄はどうなるんです?」
Aブルー「それも運ゲーだね!」
節分に期待、と帰って行きましたけど。
さて、どうなる…?
2022/02/21 (Mon)
☆お約束な路線バス
いよいよ節分の日、生徒会長のマンション前に集う面々。
ソルジャー夫妻もやって来まして、バス停から路線バス。
シロエ 「いいお天気になりましたね!」
ジョミー「火伏せの神社もバッチリだよ!」
キースだけ終点まで行くんだよね、とジョミー君。
ジョミー「でもって、山頂の神社まで!」
キース 「予報では雪だと言っていたのに…」
外れやがって、と嘆くキース君だけ、コートが重装備。
キース 「走馬灯をやらかさないよう、頑張るしか…」
Aブルー「みんなの厄除けがあるからねえ…」
??? 「雪山チャレンジと聞きましたが…」
大丈夫ですか、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「初の挑戦だそうですね?」
キース 「言わないでくれ、気が滅入る」
Aブルー「キースなんかは放っておいて、もっと密着!」
このバスならでは、とキャプテンの膝に座るソルジャー。
Aブルー「夫婦和合の御利益を貰いに行くんだし…」
A船長 「そうですね。おや、アレは何です?」
妙なものが、とキャプテンが眺める運転席の後ろのブツ。
Aブルー「…箒だねえ…」
A船長 「ええ、竹箒に見えますが…」
何故、箒が、と怪訝そうな顔のキャプテン。
A船長 「車内清掃には、モップの方が効率的かと」
ブルー 「アレは追い出し用のアイテム!」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「逆さに立ててあるだろう?」
嫌な客を追い出すためのヤツだね、と生徒会長の解説が。
ブルー 「節分は、君たちが乗って来るから…」
Aブルー「降りてくれ、って!?」
酷い、とソルジャー、逆さ箒に愕然。
Aブルー「嫌だよ、お寺まで降りないからね!」
A船長 「ええ、根性で居座りましょう!」
降ろされてたまるものですか、とキャプテンも真剣。
A船長 「箒なんかには負けませんとも!」
ブルー 「冗談だってば、でもキースには吉兆かな?」
一同 「「「吉兆?」」」
逆さ箒が何故に吉兆、と首を傾げる御一同様。
箒ですよ…?
2022/02/22 (Tue)
☆逆さ箒の出番は
節分が来まして、路線バスに乗って七福神巡りのお寺へ。
ソルジャー夫妻に嫌がらせっぽく、バスの中に逆さ箒が。
ブルー 「密着座りなカップル除けもいいんだけど…」
Aブルー「本当は、そうじゃないんだね?」
ブルー 「残念ながら、キースが喜びそうなアイテム!」
シロエ 「どの辺がです?」
吉兆というのが謎なんですが…、とシロエ君の問い。
シロエ 「キース先輩だって、ポカンとしてますよ?」
キース 「正直、俺にもサッパリなんだが…?」
逆さ帚の何処が吉兆なんだ、とキース君にも謎な様子で。
キース 「嫌な客を追い出すためのまじないとしか…」
ジョミー「知らないよねえ?」
古いけどさ、とジョミー君も。
ジョミー「今どき、真剣にやる人なんて…」
スウェナ「いそうにないわよ、でも、確かに…」
箒を逆さに立ててるのよね、とスウェナちゃん。
スウェナ「アレでキースが、どう喜ぶのよ?」
ブルー 「ズバリ、箒の出番が来た時!」
一同 「「「出番?」」」
ブルー 「この路線バスは、雪道に強いと評判でさ…」
秘密兵器がアレなんだよね、と生徒会長が指差す箒。
ブルー 「運転手さんの他にも、乗務員がいるだろう?」
シロエ 「ええ、前の方に一人いますね」
ブルー 「あの人は、雪かき要員なんだよ」
一同 「「「雪かき?」」」
まさか箒で…、と一同、ザワッと。
キース 「あの箒でか?」
ブルー 「ピンポーン!」
バスから降りて、箒で道を掃いて除雪、と生徒会長。
ブルー 「ほら、終点が例の山の麓だからさ…」
シロエ 「雪が積もると凄いんですね?」
ブルー 「うん。箒と雪かき要員ってことは…」
ドカ雪の可能性があるってわけ、と生徒会長の言。
ブルー 「今は全く、降ってないけど…」
キース 「降るかもしれん、ということなんだな?」
ブルー 「そうだね、関所がクローズする勢いで」
キース 「有難い…!」
降ってくれ、とキース君が握り締める拳。
どうなりますやら…。
2022/02/23 (Wed)
☆関所が閉まると
七福神巡りのお寺へは路線バス、今年も皆で乗車ですが。
運転席の後ろに逆さ箒で、迷惑カップル除けではなくて。
キース 「ドカ雪で関所がクローズされたら、俺は…」
ブルー 「門前払いで終了だね、うん」
お助け茶屋のお爺さんに…、と生徒会長。
ブルー 「縄や草鞋を持っていたって、新顔だしさ」
Aブルー「山には入れて貰えない、って?」
ブルー 「遭難されたら大変だからね」
お爺さんも忙しくなるし、と生徒会長の解説が。
ブルー 「救助隊の拠点が、お助け茶屋になるんだよ」
シロエ 「それは忙しそうですね…」
ブルー 「ヘリが飛ぶのは最終手段で、基本はさ…」
警察と消防団が徒歩で救助、という話。
ブルー 「ドカ雪の中で救助なんだよ、その拠点だと…」
ジョミー「暖房強めで、炊き出しだよね…」
ブルー 「うん。だから、そういう面倒なのは…」
勘弁願いたいだろう、と、お爺さんの気持ちを代弁。
ブルー 「常連さん以外は、追い払わないと!」
キース 「是非、そのコースで頼みたい…!」
シロエ 「ぼくたちの厄除けはどうなるんです?」
先輩が入山出来なかった場合…、とシロエ君の問い。
シロエ 「もしかして、思い切り無効ですか?」
ブルー 「当然だよね」
誰もお参りしてないんだし、と生徒会長、キッパリ。
ブルー 「残念だけど、七福神様に縋るしか…」
ジョミー「困るんだけど!」
キースの厄が回って来たら…、とジョミー君の悲鳴。
ジョミー「なんとか止めて貰わないとさ…!」
ブルー 「運ゲーだよねえ、こればっかりは」
一同 「「「ドカ雪、反対!」」」
降ってくれるな、と叫ぶ面々ですけど。
ぶるぅ 「ねえねえ、雪が降ってきたよ!」
ブルー 「うん、あの山の方が…」
曇ってきたね、と生徒会長が眺める車窓。
ブルー 「これは来るかな、まさかのドカ雪」
キース 「全力で来い!」
一同 「「「ダメーっ!」」」
箒の出番は来なくていい、と誰もが切実。
どうなる…?
2022/02/24 (Thu)
☆プロたちの登山
七福神様の他にも厄除けを頼みたい、今年の節分ですが。
キース君が代表でお参り、その神社のある山が雪模様で。
ジョミー「乗務員さんが箒を持ったら、終わりだよね…」
シロエ 「もう間違いなく、詰みですよ」
キース先輩は喜びますけどね、とシロエ君も不安そう。
シロエ 「まさか今頃、降り出すなんて…」
マツカ 「どんどん酷くなって来ますよ」
サム 「やべえよ、雨雲レーダー、雪雲だらけだぜ」
北の方から来てやがる、とサム君が睨むスマホの画面。
サム 「北の方は大雪警報だってよ」
キース 「いいぞ、もっと来い!」
一同 「「「来なくていいっ!」」」
関所が閉まる雪は勘弁、と誰もが泣きそうですけれど。
運転手 「終点付近、雪はどうですか、どうぞ」
無線の声「積もって来ました、箒の準備をお願いします」
運転手 「了解、安全運転で向かいます」
そういう無線のやり取りを経て、運転手が乗務員に指示。
運転手 「箒、いけるな?」
乗務員 「手前の峠辺りからですかねえ?」
運転手 「この降り方だと、そうなりそうだ」
終点どころか、かなり手前から箒走行、と運転手。
運転手 「こんな大雪は久しぶりだな、真昼間から」
乗務員 「本当ですねえ、お助け茶屋に感謝ですよ」
着いたら熱い甘酒が…、と乗務員向けの接待がある模様。
乗務員 「雪を掃くのはいいんですけど、凍えますしね」
運転手 「帰りのバスは、爺さんたちで混むだろうなあ」
早めに下山してくるから、とプロの登山者たちの話題も。
運転手 「今日は朝イチで登ってそうだぞ」
乗務員 「雪の予報が出てましたしね」
山頂を踏まずに帰るのは嫌な人たちですし、と乗務員。
乗務員 「あんな装備で凄すぎますよ」
運転手 「プロだからなあ…」
シロエ 「聞きましたか?」
ジョミー「聞いたよ、どうしてキースも朝イチでさ…」
シロエ 「登ってくれなかったんです!」
職務怠慢というヤツですよ、と非難の声が。
言えてるかも…。
2022/02/25 (Fri)
☆予報を見るべき
七福神巡りの他にも厄除け希望な、今年の節分ですけど。
キース君が代参予定の火伏せの神社は、雪で無理な感じ。
シロエ 「いいですか、さっきまで晴れてたんです!」
ジョミー「朝から雲一つ無かったよねえ…」
サム 「あの山のプロの人に限らず、登山家ってよ…」
早めに出発するものなんだろ、とサム君の意見。
サム 「暗い内から登り始めて、午後は早めによ…」
ブルー 「テントを張ったり、山小屋に入るものだよね」
それが山屋のお約束だよ、と生徒会長も。
ブルー 「山頂でご来光を見るのが人気ってことは…」
スウェナ「真っ暗な内から登るのよねえ?」
ブルー 「ヘッドライトを装備でね!」
懐中電灯だと手が塞がって危ないから、という説明。
ブルー 「あの山に登る御老人だって、今日はそうだね」
シロエ 「キース先輩、出遅れましたね…」
ジョミー「ぼくたちの厄除け、どうなるのさ!」
キースは楽でいいだろうけど、とジョミー君の苦情。
ジョミー「お参りしないと、御利益はゼロで…」
Aブルー「キースの厄が、また回る、って?」
シロエ 「あなたが持ち込んでくるんですけど!」
カニのエサなコースを、とシロエ君が吊り上げる眉。
シロエ 「そこを控えて頂ければ、ですね…」
マツカ 「少しはマシになるんですけど…」
如何でしょうか、とマツカ君のお伺い。
マツカ 「キースの代参は、もう無理ですし…」
Aブルー「それは君たちの問題だしねえ…」
ぼくは自分ので手一杯だよ、とソルジャーの返し。
Aブルー「夫婦和合を、全力でお願いしないとね!」
A船長 「そうですとも。キースの雪山チャレンジは…」
知ったことではありません、とキャプテンも。
A船長 「天気予報を見るべきでしたね」
Aブルー「航路設定と同じでさ…」
A船長 「事前のチェックを怠るのは、職務怠慢ですよ」
シロエ 「こう仰ってます」
キース 「しかし…!」
今朝は快晴で、と叫んでますけど。
予報、見ましたか…?
2022/02/26 (Sat)
☆朝イチで登れば
七福神巡りに加えて火伏せの神様、節分の参拝先ですが。
キース君の代参は雪で不可能、職務怠慢だと責める面々。
シロエ 「キース先輩、天気予報は見たんですか?」
キース 「昨夜、一応…」
ジョミー「なんて言ってた?」
キース 「北部は大雪の恐れで、南の平野部も…」
積雪の可能性があると…、とキース君、ボソボソ。
キース 「そうは聞いたが、晴れマークで…!」
サム 「でもよ、雪が積もる可能性はあったんだぜ?」
シロエ 「それを聞いて、どう思ったんです?」
キース 「全力で来い、と…」
北部と言わずに南部にも大雪警報で…、と口ごもる人。
キース 「そしたら、関所が閉まってだな…」
シロエ 「登らずに済むかもしれませんけど…」
ジョミー「ぼくたちの厄除け、パアなんだよ?」
責任があるのは分かってたよね、とジョミー君の詰問。
ジョミー「だったら、晴れてた朝の間に登るべきでさ…」
スウェナ「現に、あの山のプロの人たち…」
とっくに下山中なのよ、とスウェナちゃんも厳しい口調。
スウェナ「いくらキースが慣れてなくても…」
シロエ 「登れた可能性は充分ですよ」
マツカ 「ぶるぅのサポートもありますしね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 行くなら、ぼくも早起き!」
暗い内に起きてスタンバイだよ、と元気なお子様。
ぶるぅ 「走馬灯が来たら、助けなくっちゃ!」
ブルー 「そうだよ、行くって言ってくれれば…」
こっちの準備は万全だよね、と生徒会長も。
ブルー 「行こうと思う、って思念でさ…」
ぶるぅ 「連絡くれたら良かったのに…」
ダメダメだよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「職務怠慢ってヤツだと思うの!」
シロエ 「まったくです」
この落とし前はどうなるんです、とシロエ君、激怒。
シロエ 「厄除け、失敗なんですよ?」
Aブルー「そうみたいだねえ…」
キース 「あんたが慎んでくれればだな…!」
マシになるんだ、と言ってますけど。
無理っぽいですよね?
2022/02/27 (Sun)
☆全力で祈った人
今年の節分は七福神巡りの他に、火伏せの神社にも参拝。
キース君が代参する筈だったのに、大雪でパアな結末で。
Aブルー「あのねえ…。ぼくに文句を言われてもさ…」
A船長 「お門違いだと思うのですが」
職務怠慢はあなたですよ、とキャプテンの睨み。
A船長 「私は今日のお参りに向けて、色々と…」
Aブルー「スケジュールを調整してたよねえ?」
A船長 「キャプテンは多忙ですからね」
休暇を取るのも大変なんです、と重い発言。
A船長 「キースの場合は、一日限りのイベントで…」
シロエ 「サポートも万全だったんですよ?」
どうする気です、とシロエ君の容赦ない口調。
シロエ 「この人たちに、控えろと言ってもですね…」
ジョミー「絶対、無駄だと思うけど?」
Aブルー「よく分かってるね、全面的に同意だよ、うん」
ぼくたちは普通にやっていくだけ、とソルジャーの笑み。
Aブルー「というわけでさ、仲良くやろうよ、キース」
キース 「はあ?」
Aブルー「忘れたのかい、疫病仏だよ!」
君とぼくとでセットもの、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「厄除け祈願も、見事にパアにしたわけで…」
A船長 「なるほど、キースのパワーでしたか、大雪は」
Aブルー「そうじゃないかと思うけれどね?」
全力で来いと祈ったんだし、とキッパリと。
Aブルー「疫病仏は今年も絶好調でさ、幸先バッチリ!」
A船長 「あなたの楽しみも増えますね」
Aブルー「うん、いい年になりそうだよ!」
疫病仏で楽しくやろう、と赤い瞳がキラキラと。
Aブルー「キース、よろしく!」
キース 「そ、そんな…!」
シロエ 「分かりましたよ、計画的犯行だったんですね」
この大雪も何もかも、とシロエ君、怒りMAX。
シロエ 「もういいですよ、こんな人は!」
ジョミー「詰んでも放置で許されるよね」
サム 「それでいこうぜ」
一同 「「「イイネ!」」」
もう助けない、と一致した意見。
今月、これにて中継終了~。
2022/02/28 (Mon)
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☆真剣に選ぶべき
さて、2月。寒さ本番なシーズンですけど、暦の春は近い件。
立春の前日の節分を控えて、生徒会室に集った御一同様。
シロエ 「どうするんです、今年の節分は?」
サム 「どうって、普通にサボリだろ?」
ジョミー「そうだよ、今年は平日だしさ…」
朝から行くならサボリ一択、とジョミー君が指すカレンダー。
ジョミー「特別生は出席義務も無いしね、節分が優先!」
シロエ 「いえ、それは当然のことですから…」
問題はそこじゃなくってですね、とシロエ君。
シロエ 「今年は何処に行くんですか、って話ですよ」
スウェナ「いつも通りに、七福神巡りで決定でしょ?」
キース 「俺も、そのつもりでいたんだが…」
いいスポットでも見付かったのか、とキース君の問い。
キース 「そういうことなら、検討する価値はあると思うが」
シロエ 「見付かったわけじゃないんですけど…」
節分も厄除けイベントですしね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「真剣に選んだ方がいいんじゃあ、と思うんです」
サム 「なんでだよ?」
シロエ 「忘れたんですか、先月の件を」
一同 「「「は?」」」
先月の件というのは何だ、と首を傾げる面々。
マツカ 「先月って、何かありましたか?」
キース 「俺には、特にこれというのは…」
シロエ 「そりゃそうでしょうね、キース先輩の場合は」
平常運転、どちらかと言えばラッキーでした、と決め付けが。
シロエ 「ジョミー先輩に厄を丸投げ、そういう流れで」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と鮮明に蘇る記憶。
サム 「そういや、ジョミーに回してたよなあ…」
ジョミー「回って来てたよ、思いっ切り!」
元はキースの厄だったのに…、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「逆立ちで始まったキースの厄がさ…」
スウェナ「ジョミーに回って、カニのエサだったわねえ…」
シロエ 「ギリギリで命拾いですけど…」
ヤバすぎでしたよ、とシロエ君も悪い顔色。
そういえば…。
2022/02/01 (Tue)
☆止まらなかった厄
節分は七福神巡りにお出掛け、それが定番な面々ですが。
行き先を真剣に選ぶべきだ、とシロエ君が提案したわけで。
シロエ 「あんな展開、誰も予想もしませんよ」
サム 「厄はキースの専売特許だと思ってたしよ…」
スウェナ「疫病仏って言われるほどだものねえ…」
厄はキースが引くのが定番、とスウェナちゃん、キッパリ。
スウェナ「まさか、ジョミーに回るだなんて…」
シロエ 「そこなんです。確かに、元々の発端はですね…」
ジョミー先輩が落としたカイロでしたが、とシロエ君の指摘。
シロエ 「でも、今までなら、キース先輩の逆立ちまでで…」
マツカ 「止まってましたね、他の人には影響ゼロで」
サム 「うんうん、それで間違いねえよ」
厄も呼ぶけど、ババも引くしよ…、とサム君も。
サム 「けど、先月は、ちょっと違ってたよなあ…」
ジョミー「マジで死ぬかと思ったよ、ぼくは!」
ジャンケンで助かったんだけどさ、とジョミー君。
ジョミー「あそこでジャンケンが来ていなかったら…」
シロエ 「カニのエサで決まりだったでしょう?」
ジョミー「漁船で沖に運び出されてね!」
網で巻かれて海にドボンだってば、とジョミー君、ブルブル。
ジョミー「他のみんなは、ブランド蟹を食べてるのにさ…」
サム 「ジョミーはカニのエサになるのな、海の底でよ」
ジョミー「しかも食べられて骨になった頃に、また漁船がさ…」
ぼくを食べたカニを獲りに来るんだ、とジョミー君の仏頂面。
ジョミー「そのカニを、ぶるぅが美味しく料理してさあ…」
サム 「俺たちが食うって話だったぜ」
スウェナ「本当に危なかったわねえ…」
今頃は死んでいたかもだわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「小豆粥の御利益で命拾いって所かしら?」
シロエ 「そうなりますけど、問題はですね…」
サム 「何なんだよ?」
シロエ 「厄が回ったという事実ですよ」
キース先輩の所で止まる代わりに、と言ってますけど。
確かに…。
2022/02/02 (Wed)
☆御利益不足かも
節分と言えば七福神巡り、毎年恒例の行事なんですけど。
行き先を真剣に選ぶべきだ、と提言したのがシロエ君で…。
シロエ 「いいですか? 今年の厄は半端ないのかも…」
サム 「マジかよ、それで止まらなかったのかよ?」
シロエ 「断言は出来ませんけどね…」
可能性としてはゼロじゃないです、とシロエ君の暗い表情。
シロエ 「そうだとしたら、いつもと同じにしたのでは…」
ジョミー「厄除けの効果がアヤシイってこと?」
御利益が不足するのかな、とジョミー君の問い。
ジョミー「七福神様に頼んでたんでは、効かないわけ?」
シロエ 「効くでしょうけど、例年ほどには…」
マツカ 「効き目が無いかも、ということですね?」
多少の厄は回ってくると…、とマツカ君も不安そうな顔。
マツカ 「もっと効きそうな所があるなら、そちらですか…」
シロエ 「七福神様にも、お参りは必要ですけれど…」
ブルー 「うん。今年は行かない、というのはダメだね」
ずいぶんと長いお付き合いだし、と生徒会長。
ブルー 「他所にもお願いしたんですが、は許されるけど」
キース 「そうだな、それが最低限の礼儀だ」
だったら、今年は二ヶ所なのか、とキース君、腕組み。
キース 「厄除けは俺も頼みたいしな、いいと思うが」
ジョミー「だからと言ってさ、ぼくに厄を回してくるのは…」
やめて欲しいな、とジョミー君。
ジョミー「自分の所で完結させるか、厄を引かないか…」
シロエ 「どっちかにして欲しいですねえ、本当に」
ところで、何処に行きましょうか、とシロエ君が戻した話。
シロエ 「七福神様の他に、もう一ヶ所です」
サム 「アテはあるのかよ?」
言い出しっぺのお前にはよ、とサム君が傾げている首。
サム 「俺には思い付かねえんだけど、厄除けのトコで」
シロエ 「いえ、それが…。恵方くらいしか…」
一同 「「「恵方?」」」
シロエ 「はい」
恵方巻の恵方ですね、との答えですけど。
お寿司…?
2022/02/03 (Thu)
☆恵方巻の効果は
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君が言うには、例年通りでは御利益が少なめかも。
ジョミー「えっと…? 恵方巻に何かお願いするわけ?」
サム 「まあ、アレも厄除けだよなあ、確かによ」
マツカ 「そういう話になってますよね」
御祈祷済みのも売られてますし、とマツカ君。
マツカ 「とはいえ、食べるだけで効果がありますか?」
ジョミー「どうなんだろうね、値段によるとか?」
キース 「御祈祷済みのヤツでなくても、高いんだが…」
高級料亭の恵方巻とかは、とキース君が捻っている首。
キース 「御祈祷済みとは比較にならんぞ」
スウェナ「そうよね、それに中身でも変わるわよ?」
高いお肉とか海鮮が入ると…、スウェナちゃんも。
スウェナ「だから値段では、無理な気がするわ」
サム 「御祈祷をした、神社とか寺の格かもなあ…」
キース 「それはあるかもしれないな」
ジョミー「じゃあさ、マツカに頼んでさ…」
凄い所で御祈祷を…、とジョミー君の視線がマツカ君に。
ジョミー「七福神巡りのお寺に頼めば、バッチリだよ!」
キース 「なるほどな。そして、お参りにも行けば…」
サム 「行き先も一ヶ所で済むんでねえの?」
他の所を探さなくても、とサム君も乗り気。
サム 「御祈祷済みの恵方巻を食って、厄除けだぜ!」
ジョミー「そうだよね、シロエ?」
恵方って言ってたんだから、とジョミー君、確認。
ジョミー「マツカに頼んで、御祈祷でオッケー?」
シロエ 「いえ、ぼくが言うのはそうじゃなくって…」
一同 「「「は?」」」
恵方巻の恵方なんだろう、と誰もがキョトン。
ジョミー「恵方巻って言わなかったっけ?」
シロエ 「その恵方だとは言いましたけど…」
サム 「何処が違うんだよ、恵方と言えば恵方巻だぜ」
ジョミー「そうだよ、他に何があるわけ?」
シロエ 「ですから、恵方ですってば!」
よく考えてみて下さいよ、と言われましても。
恵方ですよね?
2022/02/04 (Fri)
☆恵方巻とチラシ
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、行き先を増やすとか。
スウェナ「恵方と言ったら、恵方巻でしょ?」
ジョミー「他に無いよね、そういうヤツって?」
シロエ 「あのですね…。恵方巻のチラシ見ましたか?」
早くから入ってましたけど、とシロエ君、皆をグルリと。
シロエ 「新聞の折り込みチラシとかです、他にも色々」
サム 「コンビニとかでも貼ってるよな?」
キース 「ああ、大抵の所にはあるんじゃないか?」
恵方巻を扱う店だったら…、とキース君も。
キース 「寿司屋でも貼っていたと思うが、何なんだ?」
シロエ 「そのチラシ、なんて書いてあります?」
ジョミー「えーっと…。種類と値段と、予約方法かな?」
サム 「そんなトコだよな、何処でもよ」
高いヤツが大きく載ってるんだぜ、とサム君、溜息。
サム 「美味そうだな、って思ったヤツは高くてよ…」
スウェナ「高校生のお小遣いでは、厳しいのよねえ…」
ジョミー「マツカなら、平気なんだろうけど…」
一介の高校生にはちょっと…、とジョミー君も落とす肩。
ジョミー「海鮮巻とか、焼肉入りのヤツとかさあ…」
キース 「大卒の俺にもキツイんだが?」
扱いが高校生だからな、とキース君も赤貧だという現実。
キース 「副住職までやっているのに、小遣い制だし…」
シロエ 「それは気の毒だと思いますけど、問題は…」
恵方ですよ、とシロエ君が繰り返す「恵方」なる言葉。
シロエ 「チラシに載っている筈ですしね、別格で」
ジョミー「だからさ、高い恵方巻だよね?」
シロエ 「違うと言っているんですけど!」
恵方巻じゃなくて恵方ですよ、とシロエ君、キレそう。
シロエ 「ズバリ、今年は北北西です!」
一同 「「「えっ?」」」
シロエ 「北北西で分からないなら、やや北ですね!」
キース 「そうか、恵方というヤツか!」
恵方巻を食べる方角だな、と大きく頷くキース君。
それで…?
2022/02/05 (Sat)
☆恵方巻のルール
節分はお寺へ出掛けて七福神巡り、毎年恒例ですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、一ヶ所では心許なくて。
キース 「今年の恵方は北北西だが、それがどうした?」
シロエ 「キース先輩、たった今、なんて言いました?」
キース 「北北西だと言ったんだが?」
シロエ 「それの前です、恵方のことです」
恵方巻を食べる方角だと言いましたよね、とシロエ君。
シロエ 「一応、確認しておきますけど、キース先輩…」
キース 「今度は何だ?」
シロエ 「恵方巻を食べる作法は、ご存じですよね?」
キース 「当然だ。その年の恵方を向いてだな…」
黙々と無言で食べるものだ、とキース君、即答。
キース 「ついでに言うと、丸齧りするのがお約束だな」
サム 「うんうん、どんなにデカくってもよ…」
ジョミー「切って食べたらダメなんだよねえ、恵方巻は」
シロエ 「そうです、皆さん、よく出来ました」
それで正解、とシロエ君、皆を見回しまして。
シロエ 「さて、此処で改めて質問です。いいですか?」
キース 「まだあるのか?」
シロエ 「これからが大事なトコなんですよ」
皆さんもしっかり聞いて下さい、と大真面目な顔。
シロエ 「食べるルールがあるのが恵方巻ですね?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「では、それを破ると、どうなるんです?」
ジョミー「福が逃げるんじゃなかったっけ?」
お約束を守れば福が来るけど…、とジョミー君が横から。
ジョミー「違ったかなあ、他にもあった?」
キース 「基本はそうだが、御祈祷済みの恵方巻だと…」
サム 「厄除け効果もあった気がするぜ」
シロエ 「そう、ソレですよ!」
ぼくが言おうとしていたのは、とシロエ君、手をポンと。
シロエ 「恵方に向かって食べれば、厄除けでしょう?」
キース 「福が来るんだし、厄は来ないということか?」
シロエ 「そうなりませんか?」
キース 「確かにな…」
言われてみれば、と誰もが納得な説。
恵方効果…。
2022/02/06 (Sun)
☆恵方にあるなら
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君が言うには厄の多い年、二ヶ所参拝という説が。
キース 「恵方からは、厄が来ないとするとだ…」
シロエ 「七福神巡りの他に一ヶ所、行くならですね…」
キース 「恵方にある場所が吉なんだな?」
シロエ 「そう思いませんか、キース先輩?」
皆さんだって…、と同意を求めるシロエ君。
シロエ 「同じ行くなら恵方ですってば、絶対に!」
サム 「でもよ、そういう売り込みはねえぜ?」
一同 「「「売り込み?」」」
サム 「恵方にあるトコが吉になるなら、毎年よ…」
該当するトコが売り込む筈だぜ、とサム君の指摘。
サム 「なんたって、アルテメシアは寺も神社も…」
ジョミー「多いもんねえ、当たりの所も多そうだよ」
サム 「だろ? なのに売り込まねえってことはよ…」
効果がねえってことでねえの、とサム君、疑いの眼差し。
サム 「恵方巻なら、恵方で吉かもしれねえけどさ…」
スウェナ「お寺や神社はダメってことね?」
サム 「そうじゃねえかなあ、売り込まねえなら」
ブルー 「ぼくの立場で言わせて貰えば、難しいんだよ」
その問題は、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「恵方は最高の吉方位だから、吉だけど…」
シロエ 「何か問題があるんですか?」
ブルー 「いいかい、アルテメシアに住んでても…」
アルテメシアは広いわけでね、と銀青様が指差す窓。
ブルー 「東の端に住んでいる人には、西は西だよね?」
シロエ 「そうですけど…?」
ブルー 「でもねえ、西に住んでる人からすれば…」
地元の神社が東になったりする場合もね、と銀青様。
ブルー 「神社の西側に住んでいたなら、神社はさ…」
ジョミー「東ってことになっちゃうね…」
ブルー 「そうだろう? その年の恵方が西だったら?」
シロエ 「隣の神社は東ですから…」
ブルー 「困らないかい?」
恵方じゃないしさ、と銀青様の仰せですけど。
真逆ですね…。
2022/02/07 (Mon)
☆恵方はどっちだ
節分はお寺へ七福神巡りにお出掛け、毎年恒例ですけど。
シロエ君の説では厄が多い今年、二ヶ所に参拝する話が。
ジョミー「そうか、恵方ですから、って売り込むのは…」
シロエ 「確かに無理がありますね…」
基準の地点を決めても駄目で…、と頷くシロエ君。
シロエ 「アルテメシアのド真ん中を基準にすると…」
ブルー 「当てはまらない人が増えると思うよ」
サム 「だよなあ、自分の家から見た恵方とよ…」
ジョミー「売り込んでる場所が、重ならないよね…」
恵方の真逆を売り込まれても…、とジョミー君も。
ジョミー「お参りしたって、御利益なさそうな感じでさ」
キース 「何の指定も無かった場合は、無問題だがな」
俺たちだって、毎年、同じ寺だぞ、とキース君も相槌を。
キース 「恵方がどっちの方角だろうが、七福神巡りだ」
シロエ 「真逆だった年も、きっとありましたよね?」
ブルー 「あったと思うね、通い続けて長いから」
スウェナ「それでも御利益は頂けたのよね…」
お参りの人も多いものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「だったら、今年はどうするのよ?」
キース 「例年通りに一ヶ所でいくか?」
シロエ 「キース先輩は、それでいいかもですけど…」
厄を他人に回す側ですからね、とシロエ君、ブツブツ。
シロエ 「ぼくは御免ですよ、カニのエサなんて!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、また冬の海に沈む危機はさ!」
サム 「キースの厄が回って来たら、ヤバイしよ…」
マツカ 「御利益は多めに欲しいですよね…」
もう一ヶ所、お参りした方が…、とマツカ君たちも。
マツカ 「シロエの言う恵方が良さそうですけど…」
ジョミー「問題は、基準点だよね…」
みんなの家の場所がバラバラ、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「ぼくの家から北北西でも、シロエだと…」
シロエ 「ズレちゃいますね、明らかに」
サム 「ド真ん中は、誰だよ?」
誰の家が真ん中にあるんだよ、と聞いてますけど。
さあ…?
2022/02/08 (Tue)
☆基準点は何処だ
節分はお寺で七福神巡り、毎年お出掛けな面々ですけど。
シロエ君が言うには厄が多い今年、もう一ヶ所という話。
キース 「俺の家は真ん中ではないぞ」
ジョミー「当たり前だよ、裏山がある勢いなんだし」
サム 「キースは除外で、他の面子になるのかよ?」
スウェナ「ダメよ、キースもカウントしなくちゃ」
キースも込みでのド真ん中でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「マツカかしらねえ、立派なお屋敷」
シロエ 「でも、市街地のド真ん中ではないですよ?」
マツカ 「ええ、少し外れた場所になりますね」
サム 「市街地かどうかは、関係ねえだろ?」
要は、この面子の中で真ん中な家、とサム君の意見。
サム 「……もしかしなくても、此処なのかよ?」
ブルー 「そうなるかもねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなも集まりやすい場所!」
一同 「「「うーん…」」」
生徒会長の家になるのか、と誰もが複雑な顔。
ジョミー「ブルーの家から恵方ってさ…」
シロエ 「みんなにとっても、恵方でしょうけど…」
キース 「ブルーは元々、厄に強いぞ?」
ぶるぅもだな、とキース君の鋭い指摘が。
キース 「何処かの馬鹿が湧いて出ても、だ…」
ジョミー「特に被害は無いよね、うん」
シロエ 「そういう人を、更に強化してもですね…」
なんだか意味が無いような気が、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「皆さんは、どう思います?」
スウェナ「明らかに無駄よね、更に無敵になるだけよ」
ジョミー「最強って言ってもいいくらいにね…」
サム 「あの馬鹿には敵わねえだろうけど…」
パワーアップは間違いねえよ、とサム君も。
サム 「ド真ん中ってのはやめようぜ、うん」
シロエ 「他の場所にした方がいいですよね…」
ジョミー「でもさあ、みんなと縁があってさ…」
キース 「基準に出来そうな場所だろう?」
マツカ 「そんなの、何処かありましたっけ…?」
学校くらいしか無いですよ、とマツカ君。
そうかも…。
2022/02/09 (Wed)
☆有難味が欲しい
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝希望。
ジョミー「そうだね、強いて言うなら学校だよね…」
サム 「他にねえよな、コレっていうヤツ…」
でもよ…、とサム君、フウと溜息。
サム 「学校から見て恵方ってのも、なんだかなあ…」
シロエ 「あんまり楽しくないですよね…」
マツカ 「有難味にも欠けている気がしますよ」
スウェナ「そこよ、学校は家ほど大事に思ってないし…」
そんな場所が基準点でいいの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「もっと他にも無いのかしら?」
キース 「俺たち全員と縁がある場所で、有難味か…」
マツカ 「元老寺なんかは、それっぽいですけど…」
ジョミー「ダメダメ、キースが優先されちゃうから!」
あそこはキースの家なんだしね、とジョミー君が苦情を。
ジョミー「もっと公共のノリっぽいので、有難くて…」
シロエ 「そうだ、七福神様なんかどうでしょう?」
一同 「「「はあ?」」」
七福神様というのはアレか、と誰もがポカーン。
サム 「おいおいマジかよ、七福神ってよ…」
スウェナ「元から行き先に決まってるでしょ、節分の」
キース 「他にもう一ヶ所と提案したのは、お前だぞ?」
考えすぎて煮詰まったのか、と口々に文句ですけれど。
シロエ 「違いますって、ですから、基準点ですよ!」
ジョミー「基準点って…。もしかして、あのお寺を…」
基準に恵方を選ぶってこと、とジョミー君の問い。
ジョミー「あそこから見て北北西、って?」
シロエ 「ええ、いい案だと思いませんか?」
毎年、お世話になっている場所ですし…、とシロエ君。
シロエ 「御利益があって、御縁もですね…」
キース 「確かに深い場所ではあるな、節分限定だが」
シロエ 「それを言うなら、恵方自体が限定イベです!」
キース 「恵方は一年中、恵方なんだぞ」
節分に脚光を浴びるだけで、との指摘ですけど。
七福神ですか…。
2022/02/10 (Thu)
☆マイナーな気が
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多めで、もう一ヶ所な案が。
キース 「いいか、恵方は歳徳神がおいでの方向で…」
ブルー 「一年間は固定なんだよ、節分だけじゃなくて」
シロエ 「あー…。まあ、その話は置いといてですね…」
恵方の基準点は七福神のお寺で如何ですか、とシロエ君。
シロエ 「御利益も御縁もバッチリですし、有難味も…」
マツカ 「あそこだったら、もう充分にありますよね」
ジョミー「いいんじゃないかな、其処に一票!」
サム 「俺も入れるぜ、七福神様からの恵方だしよ…」
御利益も最高なんでねえの、とサム君も乗り気。
サム 「基準点には、もってこいだぜ!」
スウェナ「そうねえ、ツイてる感じだわよ」
キース 「俺も反対する理由は無いな」
シロエ 「じゃあ、七福神のお寺で決まりですね?」
あそこから北北西の所で、とシロエ君が纏めた結論。
シロエ 「お寺でも神社でもいいんですけど…」
サム 「あったっけかなあ、あの辺によ…」
マツカ 「きっとマイナーな所ですよ」
七福神様のお寺自体が郊外ですし…、とマツカ君。
マツカ 「有名どころは恐らく無いかと思いますけど」
シロエ 「そうですよねえ、其処が問題で…」
ブルー 「君たち、本当にアルテメシアの住人かい?」
一同 「「「え?」」」
何か、と一同、キョトンとした顔。
ジョミー「生まれも育ちも、アルテメシアだけど?」
シロエ 「ぼくもそうです、他の皆さんも…」
スウェナ「全員、そうよね?」
そうだ、そうだ、と誰もが口々に。
シロエ 「会長、何が言いたいんですか?」
ブルー 「何か忘れていないかい、とね」
有名どころがあるのにさ、と生徒会長。
シロエ 「それって、北北西ですか?」
ブルー 「完璧にね!」
シロエ 「あの近くに、何かありましたっけ…?」
一同 「「「うーん…」」」
どうだったっけ、と顔を見合わせる面々ですけど。
北北西…?
2022/02/11 (Fri)
☆心当たりがゼロ
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事なんですが。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝希望。
ジョミー「七福神のお寺の北北西だよね?」
マツカ 「その方角は竹藪でしたね、境内から見ると」
キース 「竹藪の向こうは、一応、住宅街だが…」
そんな所に寺があったか、と副住職が傾げる首。
キース 「地元密着型ならともかく、有名どころなら…」
スウェナ「聞いたことくらいは、ある筈よねえ?」
シロエ 「行こうとは思わなくてもですね…」
知識はあると思うんですよ、とシロエ君も。
シロエ 「今は御朱印も流行ってますから」
サム 「うんうん、寺とか神社とかでよ…」
貰って来るのが流行りだもんな、とサム君の相槌。
サム 「有名どころだと、行列だとか、転売もよ…」
ジョミー「あるって言うよね、ぼくは集めてないけど」
シロエ 「ジョミー先輩の場合、避けてるでしょう?」
ジョミー「そうだよ、危うきに近寄らずだよ!」
自分から出掛けてどうするのさ、とジョミー君、即答。
ジョミー「ただでも坊主にされそうなのに!」
シロエ 「お寺との御縁は欲しくないですよね」
ジョミー「当たり前だよ! あ、節分のお参りはさ…」
別だからね、と慌てて付け加える人。
ジョミー「お寺でも福をくれるんだったら、喜んで!」
シロエ 「厄除けもかかってますからねえ…」
特に今年は、とシロエ君も大真面目。
シロエ 「ですけど、心当たりのお寺が…」
マツカ 「皆無ですよね、本当に」
キース 「神社は俺の守備範囲外だが、それでもだな…」
有名どころなら噂くらいは、とキース君、ブツブツと。
キース 「縁結びだろうが、縁切りだろうが…」
ジョミー「耳に入ると思うけど…」
ホントに謎だよ、とジョミー君。
ジョミー「第一、住宅街の向こうは…」
シロエ 「ド田舎ですよ?」
キース 「そこを過ぎると、山なんだがな…」
寺も神社も無さそうだぞ、とキース君の疑問。
山ではねえ…?
2022/02/12 (Sat)
☆ジョークなのかも
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、もう一ヶ所という話。
サム 「だよな、思いっ切り、山だよなあ…」
ジョミー「バーベキュー向けの川はあるけど…」
シロエ 「お寺なんかは無さそうですよね?」
あんな所に、とシロエ君。
シロエ 「おまけに有名どころだなんて、嘘っぽいです」
マツカ 「ブルーが嘘をつくとは思えませんけれど…」
キース 「該当するブツが無いからな…」
ジョークじゃないか、とキース君の新たな視点。
キース 「俺たちが行き先で詰んでいるから、こう…」
サム 「あー、気分転換に一発な!」
ジョミー「そうだね、詰んだままだとさ…」
斬新な発想も出来なくなるし、とジョミー君も納得。
ジョミー「だったら、此処で気分を切り替え!」
シロエ 「北北西にこだわらないとか、そっち系ですね」
キース 「ああ、そういうのでいいんじゃないか?」
厄除けに御利益のある所を探そう、とキース君の案。
キース 「この際、恵方は考慮しないで…」
シロエ 「ですね、こだわると詰みますから」
ブルー 「あのねえ…」
この状況で誰がジョークをかますんだい、と生徒会長。
ブルー 「ぼくは大真面目に言ったんだけどね?」
シロエ 「でもですね…!」
キース 「北北西に有名どころは無いぞ?」
それは確かだ、とキース君、反論。
キース 「ド田舎か山か、住宅街で…!」
ブルー 「その中に、ちゃんと入ってるけど?」
一同 「「「え?」」」
何処に、と誰もがキョロキョロと。
シロエ 「有名どころですよね…?」
ジョミー「知らないよね…?」
ブルー 「まあねえ、有名なんだけど…」
ちょっとアクセスが悪いからね、と生徒会長の返し。
キース 「何なんだ、それは?」
ブルー 「車で行くなら、四駆が必須なんだよねえ…」
シロエ 「山なんですか?」
ブルー 「ピンポーン!」
もう思いっ切り山の上で、と言ってますけど。
四駆…?
2022/02/13 (Sun)
☆スキー場だった山
節分は七福神巡りでお寺へ、毎年恒例の行事なんですが。
シロエ君の説では厄が多い今年、他にも参拝したい所で。
サム 「山の上って、何かあったっけか?」
シロエ 「四駆が必須と言いましたよね…?」
ブルー 「そもそも、舗装道路自体が無いからねえ…」
山の麓で終わりなんだよ、と生徒会長。
ブルー 「七福神巡りで乗るバスの終点なんだけど?」
キース 「アレか、火伏せの神様か…!」
山の上にポツンとある神社だな、とキース君が打った手。
キース 「火伏せなら、火事を防いでくれるんだし…」
シロエ 「厄も防いでくれそうですけど、問題は…」
立地ですね、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「千メートル近い山ですよ、アレ」
ジョミー「アルテメシアの最高峰だよ…」
キース 「ついでに今年は、雪が多くてだな…」
上の方は常に白いんだが、とキース君も良くない顔色。
キース 「ただでも冬場は、山頂付近は根雪で、だ…」
ジョミー「アイゼンが要るって話もあるよね…」
ブルー 「そりゃまあ、昔はスキー場があったほどだし」
一同 「「「スキー場!?」」」
あんな所に誰が行くんだ、と一同、仰天。
シロエ 「あのですね…。舗装道路も無いようなトコ…」
サム 「誰がスキーを担いで行くかよ、最高峰だぜ?」
ブルー 「昔と言ったよ、自動車が普及する前で…」
荷車は牛が引いたら上等、と生徒会長が立てる人差し指。
ブルー 「そんな頃だし、スキー板くらい、誰だって…」
キース 「担いで登って当然だった、と?」
ブルー 「スキーをするような人間はね!」
当然、リフトもあるわけがない、とトドメの台詞。
ブルー 「そういう山でも、好きな人は好きで登るから」
キース 「スキー場が無い今でも、この冬場にか?」
ブルー 「日課で登る、ご高齢の人が多いんだけど?」
一同 「「「ご高齢…」」」
ブルー 「その皆さんに、君たちはさ…」
負けたいのかい、と真顔で言われましても。
冬山ですよ?
2022/02/14 (Mon)
☆プロたちの装備
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、他にも参拝な流れで。
キース 「負けたいのか、と簡単に言ってくれるがな…」
シロエ 「その人たちって、プロでしょう?」
あの山に登る件に関しては…、とシロエ君。
シロエ 「装備は完璧、アイゼンだってつけてますよ!」
ブルー 「服に関しては、今どきな人もいるけどさ…」
ヒートテックとか色々あるし、と生徒会長の言。
ブルー 「でも、アイゼンの方はどうかなあ…」
ジョミー「カンジキだとか言わないでよ?」
ブルー 「どっちかと言えば、草鞋か縄かな」
昔の滑り止めの王道、と恐ろしすぎる台詞が。
ブルー 「そういうのを靴に縛り付ければオッケー!」
シロエ 「靴って、普通の靴にですか?」
ブルー 「長靴でもいいし、スニーカーでも使えるよ?」
キース 「嘘だ、と言いたい所なんだが…」
その技は坊主も使うんだよな、とキース君も。
キース 「修行によっては、雪山登山もアリだから…」
シロエ 「草鞋や縄で滑り止めですか?」
キース 「そう聞いているな、あの業界では」
ブルー 「うん、現役の雪山装備だよね」
坊主の世界でも、あの山でも…、と生徒会長の笑み。
ブルー 「だから君たちも、負けずにチャレンジ!」
一同 「「「げっ!!!」」」
??? 「いいね、いいねえ、チャレンジ精神!」
これぞ人生、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「節分は雪山に登るんだって?」
キース 「いや、決まったわけではないんだが…!」
あくまで案の一つにすぎん、とキース君が張る予防線。
キース 「そもそも、其処に行くかどうかも…」
シロエ 「決まってませんし、先走らないで下さいよ」
Aブルー「そうかなあ? いいと思うんだけど…」
シロエ 「どの辺がいいと言うんです!」
Aブルー「もちろん、チャレンジ精神だってば!」
凄い装備で挑むんだろう、と決め付けですけど。
草鞋…?
2022/02/15 (Tue)
さて、2月。寒さ本番なシーズンですけど、暦の春は近い件。
立春の前日の節分を控えて、生徒会室に集った御一同様。
シロエ 「どうするんです、今年の節分は?」
サム 「どうって、普通にサボリだろ?」
ジョミー「そうだよ、今年は平日だしさ…」
朝から行くならサボリ一択、とジョミー君が指すカレンダー。
ジョミー「特別生は出席義務も無いしね、節分が優先!」
シロエ 「いえ、それは当然のことですから…」
問題はそこじゃなくってですね、とシロエ君。
シロエ 「今年は何処に行くんですか、って話ですよ」
スウェナ「いつも通りに、七福神巡りで決定でしょ?」
キース 「俺も、そのつもりでいたんだが…」
いいスポットでも見付かったのか、とキース君の問い。
キース 「そういうことなら、検討する価値はあると思うが」
シロエ 「見付かったわけじゃないんですけど…」
節分も厄除けイベントですしね、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「真剣に選んだ方がいいんじゃあ、と思うんです」
サム 「なんでだよ?」
シロエ 「忘れたんですか、先月の件を」
一同 「「「は?」」」
先月の件というのは何だ、と首を傾げる面々。
マツカ 「先月って、何かありましたか?」
キース 「俺には、特にこれというのは…」
シロエ 「そりゃそうでしょうね、キース先輩の場合は」
平常運転、どちらかと言えばラッキーでした、と決め付けが。
シロエ 「ジョミー先輩に厄を丸投げ、そういう流れで」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と鮮明に蘇る記憶。
サム 「そういや、ジョミーに回してたよなあ…」
ジョミー「回って来てたよ、思いっ切り!」
元はキースの厄だったのに…、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「逆立ちで始まったキースの厄がさ…」
スウェナ「ジョミーに回って、カニのエサだったわねえ…」
シロエ 「ギリギリで命拾いですけど…」
ヤバすぎでしたよ、とシロエ君も悪い顔色。
そういえば…。
2022/02/01 (Tue)
☆止まらなかった厄
節分は七福神巡りにお出掛け、それが定番な面々ですが。
行き先を真剣に選ぶべきだ、とシロエ君が提案したわけで。
シロエ 「あんな展開、誰も予想もしませんよ」
サム 「厄はキースの専売特許だと思ってたしよ…」
スウェナ「疫病仏って言われるほどだものねえ…」
厄はキースが引くのが定番、とスウェナちゃん、キッパリ。
スウェナ「まさか、ジョミーに回るだなんて…」
シロエ 「そこなんです。確かに、元々の発端はですね…」
ジョミー先輩が落としたカイロでしたが、とシロエ君の指摘。
シロエ 「でも、今までなら、キース先輩の逆立ちまでで…」
マツカ 「止まってましたね、他の人には影響ゼロで」
サム 「うんうん、それで間違いねえよ」
厄も呼ぶけど、ババも引くしよ…、とサム君も。
サム 「けど、先月は、ちょっと違ってたよなあ…」
ジョミー「マジで死ぬかと思ったよ、ぼくは!」
ジャンケンで助かったんだけどさ、とジョミー君。
ジョミー「あそこでジャンケンが来ていなかったら…」
シロエ 「カニのエサで決まりだったでしょう?」
ジョミー「漁船で沖に運び出されてね!」
網で巻かれて海にドボンだってば、とジョミー君、ブルブル。
ジョミー「他のみんなは、ブランド蟹を食べてるのにさ…」
サム 「ジョミーはカニのエサになるのな、海の底でよ」
ジョミー「しかも食べられて骨になった頃に、また漁船がさ…」
ぼくを食べたカニを獲りに来るんだ、とジョミー君の仏頂面。
ジョミー「そのカニを、ぶるぅが美味しく料理してさあ…」
サム 「俺たちが食うって話だったぜ」
スウェナ「本当に危なかったわねえ…」
今頃は死んでいたかもだわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「小豆粥の御利益で命拾いって所かしら?」
シロエ 「そうなりますけど、問題はですね…」
サム 「何なんだよ?」
シロエ 「厄が回ったという事実ですよ」
キース先輩の所で止まる代わりに、と言ってますけど。
確かに…。
2022/02/02 (Wed)
☆御利益不足かも
節分と言えば七福神巡り、毎年恒例の行事なんですけど。
行き先を真剣に選ぶべきだ、と提言したのがシロエ君で…。
シロエ 「いいですか? 今年の厄は半端ないのかも…」
サム 「マジかよ、それで止まらなかったのかよ?」
シロエ 「断言は出来ませんけどね…」
可能性としてはゼロじゃないです、とシロエ君の暗い表情。
シロエ 「そうだとしたら、いつもと同じにしたのでは…」
ジョミー「厄除けの効果がアヤシイってこと?」
御利益が不足するのかな、とジョミー君の問い。
ジョミー「七福神様に頼んでたんでは、効かないわけ?」
シロエ 「効くでしょうけど、例年ほどには…」
マツカ 「効き目が無いかも、ということですね?」
多少の厄は回ってくると…、とマツカ君も不安そうな顔。
マツカ 「もっと効きそうな所があるなら、そちらですか…」
シロエ 「七福神様にも、お参りは必要ですけれど…」
ブルー 「うん。今年は行かない、というのはダメだね」
ずいぶんと長いお付き合いだし、と生徒会長。
ブルー 「他所にもお願いしたんですが、は許されるけど」
キース 「そうだな、それが最低限の礼儀だ」
だったら、今年は二ヶ所なのか、とキース君、腕組み。
キース 「厄除けは俺も頼みたいしな、いいと思うが」
ジョミー「だからと言ってさ、ぼくに厄を回してくるのは…」
やめて欲しいな、とジョミー君。
ジョミー「自分の所で完結させるか、厄を引かないか…」
シロエ 「どっちかにして欲しいですねえ、本当に」
ところで、何処に行きましょうか、とシロエ君が戻した話。
シロエ 「七福神様の他に、もう一ヶ所です」
サム 「アテはあるのかよ?」
言い出しっぺのお前にはよ、とサム君が傾げている首。
サム 「俺には思い付かねえんだけど、厄除けのトコで」
シロエ 「いえ、それが…。恵方くらいしか…」
一同 「「「恵方?」」」
シロエ 「はい」
恵方巻の恵方ですね、との答えですけど。
お寿司…?
2022/02/03 (Thu)
☆恵方巻の効果は
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君が言うには、例年通りでは御利益が少なめかも。
ジョミー「えっと…? 恵方巻に何かお願いするわけ?」
サム 「まあ、アレも厄除けだよなあ、確かによ」
マツカ 「そういう話になってますよね」
御祈祷済みのも売られてますし、とマツカ君。
マツカ 「とはいえ、食べるだけで効果がありますか?」
ジョミー「どうなんだろうね、値段によるとか?」
キース 「御祈祷済みのヤツでなくても、高いんだが…」
高級料亭の恵方巻とかは、とキース君が捻っている首。
キース 「御祈祷済みとは比較にならんぞ」
スウェナ「そうよね、それに中身でも変わるわよ?」
高いお肉とか海鮮が入ると…、スウェナちゃんも。
スウェナ「だから値段では、無理な気がするわ」
サム 「御祈祷をした、神社とか寺の格かもなあ…」
キース 「それはあるかもしれないな」
ジョミー「じゃあさ、マツカに頼んでさ…」
凄い所で御祈祷を…、とジョミー君の視線がマツカ君に。
ジョミー「七福神巡りのお寺に頼めば、バッチリだよ!」
キース 「なるほどな。そして、お参りにも行けば…」
サム 「行き先も一ヶ所で済むんでねえの?」
他の所を探さなくても、とサム君も乗り気。
サム 「御祈祷済みの恵方巻を食って、厄除けだぜ!」
ジョミー「そうだよね、シロエ?」
恵方って言ってたんだから、とジョミー君、確認。
ジョミー「マツカに頼んで、御祈祷でオッケー?」
シロエ 「いえ、ぼくが言うのはそうじゃなくって…」
一同 「「「は?」」」
恵方巻の恵方なんだろう、と誰もがキョトン。
ジョミー「恵方巻って言わなかったっけ?」
シロエ 「その恵方だとは言いましたけど…」
サム 「何処が違うんだよ、恵方と言えば恵方巻だぜ」
ジョミー「そうだよ、他に何があるわけ?」
シロエ 「ですから、恵方ですってば!」
よく考えてみて下さいよ、と言われましても。
恵方ですよね?
2022/02/04 (Fri)
☆恵方巻とチラシ
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、行き先を増やすとか。
スウェナ「恵方と言ったら、恵方巻でしょ?」
ジョミー「他に無いよね、そういうヤツって?」
シロエ 「あのですね…。恵方巻のチラシ見ましたか?」
早くから入ってましたけど、とシロエ君、皆をグルリと。
シロエ 「新聞の折り込みチラシとかです、他にも色々」
サム 「コンビニとかでも貼ってるよな?」
キース 「ああ、大抵の所にはあるんじゃないか?」
恵方巻を扱う店だったら…、とキース君も。
キース 「寿司屋でも貼っていたと思うが、何なんだ?」
シロエ 「そのチラシ、なんて書いてあります?」
ジョミー「えーっと…。種類と値段と、予約方法かな?」
サム 「そんなトコだよな、何処でもよ」
高いヤツが大きく載ってるんだぜ、とサム君、溜息。
サム 「美味そうだな、って思ったヤツは高くてよ…」
スウェナ「高校生のお小遣いでは、厳しいのよねえ…」
ジョミー「マツカなら、平気なんだろうけど…」
一介の高校生にはちょっと…、とジョミー君も落とす肩。
ジョミー「海鮮巻とか、焼肉入りのヤツとかさあ…」
キース 「大卒の俺にもキツイんだが?」
扱いが高校生だからな、とキース君も赤貧だという現実。
キース 「副住職までやっているのに、小遣い制だし…」
シロエ 「それは気の毒だと思いますけど、問題は…」
恵方ですよ、とシロエ君が繰り返す「恵方」なる言葉。
シロエ 「チラシに載っている筈ですしね、別格で」
ジョミー「だからさ、高い恵方巻だよね?」
シロエ 「違うと言っているんですけど!」
恵方巻じゃなくて恵方ですよ、とシロエ君、キレそう。
シロエ 「ズバリ、今年は北北西です!」
一同 「「「えっ?」」」
シロエ 「北北西で分からないなら、やや北ですね!」
キース 「そうか、恵方というヤツか!」
恵方巻を食べる方角だな、と大きく頷くキース君。
それで…?
2022/02/05 (Sat)
☆恵方巻のルール
節分はお寺へ出掛けて七福神巡り、毎年恒例ですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、一ヶ所では心許なくて。
キース 「今年の恵方は北北西だが、それがどうした?」
シロエ 「キース先輩、たった今、なんて言いました?」
キース 「北北西だと言ったんだが?」
シロエ 「それの前です、恵方のことです」
恵方巻を食べる方角だと言いましたよね、とシロエ君。
シロエ 「一応、確認しておきますけど、キース先輩…」
キース 「今度は何だ?」
シロエ 「恵方巻を食べる作法は、ご存じですよね?」
キース 「当然だ。その年の恵方を向いてだな…」
黙々と無言で食べるものだ、とキース君、即答。
キース 「ついでに言うと、丸齧りするのがお約束だな」
サム 「うんうん、どんなにデカくってもよ…」
ジョミー「切って食べたらダメなんだよねえ、恵方巻は」
シロエ 「そうです、皆さん、よく出来ました」
それで正解、とシロエ君、皆を見回しまして。
シロエ 「さて、此処で改めて質問です。いいですか?」
キース 「まだあるのか?」
シロエ 「これからが大事なトコなんですよ」
皆さんもしっかり聞いて下さい、と大真面目な顔。
シロエ 「食べるルールがあるのが恵方巻ですね?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「では、それを破ると、どうなるんです?」
ジョミー「福が逃げるんじゃなかったっけ?」
お約束を守れば福が来るけど…、とジョミー君が横から。
ジョミー「違ったかなあ、他にもあった?」
キース 「基本はそうだが、御祈祷済みの恵方巻だと…」
サム 「厄除け効果もあった気がするぜ」
シロエ 「そう、ソレですよ!」
ぼくが言おうとしていたのは、とシロエ君、手をポンと。
シロエ 「恵方に向かって食べれば、厄除けでしょう?」
キース 「福が来るんだし、厄は来ないということか?」
シロエ 「そうなりませんか?」
キース 「確かにな…」
言われてみれば、と誰もが納得な説。
恵方効果…。
2022/02/06 (Sun)
☆恵方にあるなら
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君が言うには厄の多い年、二ヶ所参拝という説が。
キース 「恵方からは、厄が来ないとするとだ…」
シロエ 「七福神巡りの他に一ヶ所、行くならですね…」
キース 「恵方にある場所が吉なんだな?」
シロエ 「そう思いませんか、キース先輩?」
皆さんだって…、と同意を求めるシロエ君。
シロエ 「同じ行くなら恵方ですってば、絶対に!」
サム 「でもよ、そういう売り込みはねえぜ?」
一同 「「「売り込み?」」」
サム 「恵方にあるトコが吉になるなら、毎年よ…」
該当するトコが売り込む筈だぜ、とサム君の指摘。
サム 「なんたって、アルテメシアは寺も神社も…」
ジョミー「多いもんねえ、当たりの所も多そうだよ」
サム 「だろ? なのに売り込まねえってことはよ…」
効果がねえってことでねえの、とサム君、疑いの眼差し。
サム 「恵方巻なら、恵方で吉かもしれねえけどさ…」
スウェナ「お寺や神社はダメってことね?」
サム 「そうじゃねえかなあ、売り込まねえなら」
ブルー 「ぼくの立場で言わせて貰えば、難しいんだよ」
その問題は、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「恵方は最高の吉方位だから、吉だけど…」
シロエ 「何か問題があるんですか?」
ブルー 「いいかい、アルテメシアに住んでても…」
アルテメシアは広いわけでね、と銀青様が指差す窓。
ブルー 「東の端に住んでいる人には、西は西だよね?」
シロエ 「そうですけど…?」
ブルー 「でもねえ、西に住んでる人からすれば…」
地元の神社が東になったりする場合もね、と銀青様。
ブルー 「神社の西側に住んでいたなら、神社はさ…」
ジョミー「東ってことになっちゃうね…」
ブルー 「そうだろう? その年の恵方が西だったら?」
シロエ 「隣の神社は東ですから…」
ブルー 「困らないかい?」
恵方じゃないしさ、と銀青様の仰せですけど。
真逆ですね…。
2022/02/07 (Mon)
☆恵方はどっちだ
節分はお寺へ七福神巡りにお出掛け、毎年恒例ですけど。
シロエ君の説では厄が多い今年、二ヶ所に参拝する話が。
ジョミー「そうか、恵方ですから、って売り込むのは…」
シロエ 「確かに無理がありますね…」
基準の地点を決めても駄目で…、と頷くシロエ君。
シロエ 「アルテメシアのド真ん中を基準にすると…」
ブルー 「当てはまらない人が増えると思うよ」
サム 「だよなあ、自分の家から見た恵方とよ…」
ジョミー「売り込んでる場所が、重ならないよね…」
恵方の真逆を売り込まれても…、とジョミー君も。
ジョミー「お参りしたって、御利益なさそうな感じでさ」
キース 「何の指定も無かった場合は、無問題だがな」
俺たちだって、毎年、同じ寺だぞ、とキース君も相槌を。
キース 「恵方がどっちの方角だろうが、七福神巡りだ」
シロエ 「真逆だった年も、きっとありましたよね?」
ブルー 「あったと思うね、通い続けて長いから」
スウェナ「それでも御利益は頂けたのよね…」
お参りの人も多いものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「だったら、今年はどうするのよ?」
キース 「例年通りに一ヶ所でいくか?」
シロエ 「キース先輩は、それでいいかもですけど…」
厄を他人に回す側ですからね、とシロエ君、ブツブツ。
シロエ 「ぼくは御免ですよ、カニのエサなんて!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、また冬の海に沈む危機はさ!」
サム 「キースの厄が回って来たら、ヤバイしよ…」
マツカ 「御利益は多めに欲しいですよね…」
もう一ヶ所、お参りした方が…、とマツカ君たちも。
マツカ 「シロエの言う恵方が良さそうですけど…」
ジョミー「問題は、基準点だよね…」
みんなの家の場所がバラバラ、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「ぼくの家から北北西でも、シロエだと…」
シロエ 「ズレちゃいますね、明らかに」
サム 「ド真ん中は、誰だよ?」
誰の家が真ん中にあるんだよ、と聞いてますけど。
さあ…?
2022/02/08 (Tue)
☆基準点は何処だ
節分はお寺で七福神巡り、毎年お出掛けな面々ですけど。
シロエ君が言うには厄が多い今年、もう一ヶ所という話。
キース 「俺の家は真ん中ではないぞ」
ジョミー「当たり前だよ、裏山がある勢いなんだし」
サム 「キースは除外で、他の面子になるのかよ?」
スウェナ「ダメよ、キースもカウントしなくちゃ」
キースも込みでのド真ん中でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「マツカかしらねえ、立派なお屋敷」
シロエ 「でも、市街地のド真ん中ではないですよ?」
マツカ 「ええ、少し外れた場所になりますね」
サム 「市街地かどうかは、関係ねえだろ?」
要は、この面子の中で真ん中な家、とサム君の意見。
サム 「……もしかしなくても、此処なのかよ?」
ブルー 「そうなるかもねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなも集まりやすい場所!」
一同 「「「うーん…」」」
生徒会長の家になるのか、と誰もが複雑な顔。
ジョミー「ブルーの家から恵方ってさ…」
シロエ 「みんなにとっても、恵方でしょうけど…」
キース 「ブルーは元々、厄に強いぞ?」
ぶるぅもだな、とキース君の鋭い指摘が。
キース 「何処かの馬鹿が湧いて出ても、だ…」
ジョミー「特に被害は無いよね、うん」
シロエ 「そういう人を、更に強化してもですね…」
なんだか意味が無いような気が、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「皆さんは、どう思います?」
スウェナ「明らかに無駄よね、更に無敵になるだけよ」
ジョミー「最強って言ってもいいくらいにね…」
サム 「あの馬鹿には敵わねえだろうけど…」
パワーアップは間違いねえよ、とサム君も。
サム 「ド真ん中ってのはやめようぜ、うん」
シロエ 「他の場所にした方がいいですよね…」
ジョミー「でもさあ、みんなと縁があってさ…」
キース 「基準に出来そうな場所だろう?」
マツカ 「そんなの、何処かありましたっけ…?」
学校くらいしか無いですよ、とマツカ君。
そうかも…。
2022/02/09 (Wed)
☆有難味が欲しい
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事ですけれど。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝希望。
ジョミー「そうだね、強いて言うなら学校だよね…」
サム 「他にねえよな、コレっていうヤツ…」
でもよ…、とサム君、フウと溜息。
サム 「学校から見て恵方ってのも、なんだかなあ…」
シロエ 「あんまり楽しくないですよね…」
マツカ 「有難味にも欠けている気がしますよ」
スウェナ「そこよ、学校は家ほど大事に思ってないし…」
そんな場所が基準点でいいの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「もっと他にも無いのかしら?」
キース 「俺たち全員と縁がある場所で、有難味か…」
マツカ 「元老寺なんかは、それっぽいですけど…」
ジョミー「ダメダメ、キースが優先されちゃうから!」
あそこはキースの家なんだしね、とジョミー君が苦情を。
ジョミー「もっと公共のノリっぽいので、有難くて…」
シロエ 「そうだ、七福神様なんかどうでしょう?」
一同 「「「はあ?」」」
七福神様というのはアレか、と誰もがポカーン。
サム 「おいおいマジかよ、七福神ってよ…」
スウェナ「元から行き先に決まってるでしょ、節分の」
キース 「他にもう一ヶ所と提案したのは、お前だぞ?」
考えすぎて煮詰まったのか、と口々に文句ですけれど。
シロエ 「違いますって、ですから、基準点ですよ!」
ジョミー「基準点って…。もしかして、あのお寺を…」
基準に恵方を選ぶってこと、とジョミー君の問い。
ジョミー「あそこから見て北北西、って?」
シロエ 「ええ、いい案だと思いませんか?」
毎年、お世話になっている場所ですし…、とシロエ君。
シロエ 「御利益があって、御縁もですね…」
キース 「確かに深い場所ではあるな、節分限定だが」
シロエ 「それを言うなら、恵方自体が限定イベです!」
キース 「恵方は一年中、恵方なんだぞ」
節分に脚光を浴びるだけで、との指摘ですけど。
七福神ですか…。
2022/02/10 (Thu)
☆マイナーな気が
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多めで、もう一ヶ所な案が。
キース 「いいか、恵方は歳徳神がおいでの方向で…」
ブルー 「一年間は固定なんだよ、節分だけじゃなくて」
シロエ 「あー…。まあ、その話は置いといてですね…」
恵方の基準点は七福神のお寺で如何ですか、とシロエ君。
シロエ 「御利益も御縁もバッチリですし、有難味も…」
マツカ 「あそこだったら、もう充分にありますよね」
ジョミー「いいんじゃないかな、其処に一票!」
サム 「俺も入れるぜ、七福神様からの恵方だしよ…」
御利益も最高なんでねえの、とサム君も乗り気。
サム 「基準点には、もってこいだぜ!」
スウェナ「そうねえ、ツイてる感じだわよ」
キース 「俺も反対する理由は無いな」
シロエ 「じゃあ、七福神のお寺で決まりですね?」
あそこから北北西の所で、とシロエ君が纏めた結論。
シロエ 「お寺でも神社でもいいんですけど…」
サム 「あったっけかなあ、あの辺によ…」
マツカ 「きっとマイナーな所ですよ」
七福神様のお寺自体が郊外ですし…、とマツカ君。
マツカ 「有名どころは恐らく無いかと思いますけど」
シロエ 「そうですよねえ、其処が問題で…」
ブルー 「君たち、本当にアルテメシアの住人かい?」
一同 「「「え?」」」
何か、と一同、キョトンとした顔。
ジョミー「生まれも育ちも、アルテメシアだけど?」
シロエ 「ぼくもそうです、他の皆さんも…」
スウェナ「全員、そうよね?」
そうだ、そうだ、と誰もが口々に。
シロエ 「会長、何が言いたいんですか?」
ブルー 「何か忘れていないかい、とね」
有名どころがあるのにさ、と生徒会長。
シロエ 「それって、北北西ですか?」
ブルー 「完璧にね!」
シロエ 「あの近くに、何かありましたっけ…?」
一同 「「「うーん…」」」
どうだったっけ、と顔を見合わせる面々ですけど。
北北西…?
2022/02/11 (Fri)
☆心当たりがゼロ
節分は七福神巡りにお寺へ、毎年恒例の行事なんですが。
シロエ君の説では厄が多い今年、もう一ヶ所に参拝希望。
ジョミー「七福神のお寺の北北西だよね?」
マツカ 「その方角は竹藪でしたね、境内から見ると」
キース 「竹藪の向こうは、一応、住宅街だが…」
そんな所に寺があったか、と副住職が傾げる首。
キース 「地元密着型ならともかく、有名どころなら…」
スウェナ「聞いたことくらいは、ある筈よねえ?」
シロエ 「行こうとは思わなくてもですね…」
知識はあると思うんですよ、とシロエ君も。
シロエ 「今は御朱印も流行ってますから」
サム 「うんうん、寺とか神社とかでよ…」
貰って来るのが流行りだもんな、とサム君の相槌。
サム 「有名どころだと、行列だとか、転売もよ…」
ジョミー「あるって言うよね、ぼくは集めてないけど」
シロエ 「ジョミー先輩の場合、避けてるでしょう?」
ジョミー「そうだよ、危うきに近寄らずだよ!」
自分から出掛けてどうするのさ、とジョミー君、即答。
ジョミー「ただでも坊主にされそうなのに!」
シロエ 「お寺との御縁は欲しくないですよね」
ジョミー「当たり前だよ! あ、節分のお参りはさ…」
別だからね、と慌てて付け加える人。
ジョミー「お寺でも福をくれるんだったら、喜んで!」
シロエ 「厄除けもかかってますからねえ…」
特に今年は、とシロエ君も大真面目。
シロエ 「ですけど、心当たりのお寺が…」
マツカ 「皆無ですよね、本当に」
キース 「神社は俺の守備範囲外だが、それでもだな…」
有名どころなら噂くらいは、とキース君、ブツブツと。
キース 「縁結びだろうが、縁切りだろうが…」
ジョミー「耳に入ると思うけど…」
ホントに謎だよ、とジョミー君。
ジョミー「第一、住宅街の向こうは…」
シロエ 「ド田舎ですよ?」
キース 「そこを過ぎると、山なんだがな…」
寺も神社も無さそうだぞ、とキース君の疑問。
山ではねえ…?
2022/02/12 (Sat)
☆ジョークなのかも
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、もう一ヶ所という話。
サム 「だよな、思いっ切り、山だよなあ…」
ジョミー「バーベキュー向けの川はあるけど…」
シロエ 「お寺なんかは無さそうですよね?」
あんな所に、とシロエ君。
シロエ 「おまけに有名どころだなんて、嘘っぽいです」
マツカ 「ブルーが嘘をつくとは思えませんけれど…」
キース 「該当するブツが無いからな…」
ジョークじゃないか、とキース君の新たな視点。
キース 「俺たちが行き先で詰んでいるから、こう…」
サム 「あー、気分転換に一発な!」
ジョミー「そうだね、詰んだままだとさ…」
斬新な発想も出来なくなるし、とジョミー君も納得。
ジョミー「だったら、此処で気分を切り替え!」
シロエ 「北北西にこだわらないとか、そっち系ですね」
キース 「ああ、そういうのでいいんじゃないか?」
厄除けに御利益のある所を探そう、とキース君の案。
キース 「この際、恵方は考慮しないで…」
シロエ 「ですね、こだわると詰みますから」
ブルー 「あのねえ…」
この状況で誰がジョークをかますんだい、と生徒会長。
ブルー 「ぼくは大真面目に言ったんだけどね?」
シロエ 「でもですね…!」
キース 「北北西に有名どころは無いぞ?」
それは確かだ、とキース君、反論。
キース 「ド田舎か山か、住宅街で…!」
ブルー 「その中に、ちゃんと入ってるけど?」
一同 「「「え?」」」
何処に、と誰もがキョロキョロと。
シロエ 「有名どころですよね…?」
ジョミー「知らないよね…?」
ブルー 「まあねえ、有名なんだけど…」
ちょっとアクセスが悪いからね、と生徒会長の返し。
キース 「何なんだ、それは?」
ブルー 「車で行くなら、四駆が必須なんだよねえ…」
シロエ 「山なんですか?」
ブルー 「ピンポーン!」
もう思いっ切り山の上で、と言ってますけど。
四駆…?
2022/02/13 (Sun)
☆スキー場だった山
節分は七福神巡りでお寺へ、毎年恒例の行事なんですが。
シロエ君の説では厄が多い今年、他にも参拝したい所で。
サム 「山の上って、何かあったっけか?」
シロエ 「四駆が必須と言いましたよね…?」
ブルー 「そもそも、舗装道路自体が無いからねえ…」
山の麓で終わりなんだよ、と生徒会長。
ブルー 「七福神巡りで乗るバスの終点なんだけど?」
キース 「アレか、火伏せの神様か…!」
山の上にポツンとある神社だな、とキース君が打った手。
キース 「火伏せなら、火事を防いでくれるんだし…」
シロエ 「厄も防いでくれそうですけど、問題は…」
立地ですね、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「千メートル近い山ですよ、アレ」
ジョミー「アルテメシアの最高峰だよ…」
キース 「ついでに今年は、雪が多くてだな…」
上の方は常に白いんだが、とキース君も良くない顔色。
キース 「ただでも冬場は、山頂付近は根雪で、だ…」
ジョミー「アイゼンが要るって話もあるよね…」
ブルー 「そりゃまあ、昔はスキー場があったほどだし」
一同 「「「スキー場!?」」」
あんな所に誰が行くんだ、と一同、仰天。
シロエ 「あのですね…。舗装道路も無いようなトコ…」
サム 「誰がスキーを担いで行くかよ、最高峰だぜ?」
ブルー 「昔と言ったよ、自動車が普及する前で…」
荷車は牛が引いたら上等、と生徒会長が立てる人差し指。
ブルー 「そんな頃だし、スキー板くらい、誰だって…」
キース 「担いで登って当然だった、と?」
ブルー 「スキーをするような人間はね!」
当然、リフトもあるわけがない、とトドメの台詞。
ブルー 「そういう山でも、好きな人は好きで登るから」
キース 「スキー場が無い今でも、この冬場にか?」
ブルー 「日課で登る、ご高齢の人が多いんだけど?」
一同 「「「ご高齢…」」」
ブルー 「その皆さんに、君たちはさ…」
負けたいのかい、と真顔で言われましても。
冬山ですよ?
2022/02/14 (Mon)
☆プロたちの装備
節分はお寺で七福神巡り、毎年恒例のイベントですけど。
シロエ君の説では今年は厄が多め、他にも参拝な流れで。
キース 「負けたいのか、と簡単に言ってくれるがな…」
シロエ 「その人たちって、プロでしょう?」
あの山に登る件に関しては…、とシロエ君。
シロエ 「装備は完璧、アイゼンだってつけてますよ!」
ブルー 「服に関しては、今どきな人もいるけどさ…」
ヒートテックとか色々あるし、と生徒会長の言。
ブルー 「でも、アイゼンの方はどうかなあ…」
ジョミー「カンジキだとか言わないでよ?」
ブルー 「どっちかと言えば、草鞋か縄かな」
昔の滑り止めの王道、と恐ろしすぎる台詞が。
ブルー 「そういうのを靴に縛り付ければオッケー!」
シロエ 「靴って、普通の靴にですか?」
ブルー 「長靴でもいいし、スニーカーでも使えるよ?」
キース 「嘘だ、と言いたい所なんだが…」
その技は坊主も使うんだよな、とキース君も。
キース 「修行によっては、雪山登山もアリだから…」
シロエ 「草鞋や縄で滑り止めですか?」
キース 「そう聞いているな、あの業界では」
ブルー 「うん、現役の雪山装備だよね」
坊主の世界でも、あの山でも…、と生徒会長の笑み。
ブルー 「だから君たちも、負けずにチャレンジ!」
一同 「「「げっ!!!」」」
??? 「いいね、いいねえ、チャレンジ精神!」
これぞ人生、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「節分は雪山に登るんだって?」
キース 「いや、決まったわけではないんだが…!」
あくまで案の一つにすぎん、とキース君が張る予防線。
キース 「そもそも、其処に行くかどうかも…」
シロエ 「決まってませんし、先走らないで下さいよ」
Aブルー「そうかなあ? いいと思うんだけど…」
シロエ 「どの辺がいいと言うんです!」
Aブルー「もちろん、チャレンジ精神だってば!」
凄い装備で挑むんだろう、と決め付けですけど。
草鞋…?
2022/02/15 (Tue)
☆一番に食べたい
小正月な15日の土曜日、生徒会長宅に来ている御一同様。
無病息災で厄除けな小豆粥の日、キース君にお勧めだとか。
Aブルー「ニューイヤーには、しっかり挨拶をね!」
ブルー 「ギリギリの日に来て、それを言うかな?」
Aブルー「もっと早くに来たかったけどさ…」
ハーレイの休暇の関係で…、とソルジャーの言い訳。
Aブルー「こっちの三連休の時にさ、ちょうど休みで!」
ブルー 「珍しいねえ、新年早々」
Aブルー「そうだろう? こんな嬉しいイベントをさ…」
パアにする手は無いからね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「今年も御利益をゲットしてたし、ガンガンと!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「除夜の鐘だよ、アレで流れた煩悩をさ…」
今年も集めに来たんだよね、とパチンとウインク。
Aブルー「お蔭で、ハーレイもビンビンで!」
ブルー 「その先、禁止!」
挨拶が済んだら帰りたまえ、と生徒会長、ピシャリと。
ブルー 「君のシャングリラも、とっくに日常だろう?」
Aブルー「だからこそだよ、こっちでのんびり!」
久しぶりにね、と悪びれない人。
Aブルー「もちろん、小豆粥も食べないと!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ゆっくりしていってね!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
今年もよろしく、とソルジャー、頭をペコリ。
Aブルー「お菓子と御馳走、期待してるよ!」
ぶるぅ 「うん、頑張る!」
でも、その前に小豆粥だよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「みんなも、文句を言わずに食べてね!」
一同 「「「はーい!」」」
ソルジャーという厄が来ただけに、一同、真剣。
シロエ 「ぼくに、一番に頂けますか?」
サム 「なんだよ、俺だって一番がいいぜ!」
ジョミー「ぼくもだってば!」
マツカ 「あのぅ、ぼくも一番がいいんですけど…」
Aブルー「どうしたんだい、君たち、急に…?」
一番はキースだったんじゃあ、首を傾げてますけど。
今は状況が…。
2022/01/16 (Sun)
☆厄除けが欲しい
小正月は小豆粥の日、生徒会長宅に来ている面々ですけど。
其処へソルジャー登場でして、厄除けアイテムに人気集中。
シロエ 「キース先輩を優先している場合じゃないです!」
サム 「なんたって、厄除けなんだしよ…」
ジョミー「欲しくなるよね、一番にさ!」
キースは放置でいいんだってば、とジョミー君。
ジョミー「どうせ元から疫病仏だし、今更、どうにも…」
シロエ 「なりませんよね、どう考えても」
キース 「おい、お前たち…!」
新年早々、見捨てる気か、とキース君の怒号。
キース 「俺が黙っていると思って、好き勝手に…!」
シロエ 「仕方ないでしょう、厄が来たんですから!」
Aブルー「えっと…?」
厄って何さ、とソルジャー、キョロキョロ。
Aブルー「どの辺に厄が転がってるわけ?」
一同 「「「………」」」
自覚が無いのか、とソルジャーに集中する視線。
Aブルー「何さ、その目は?」
シロエ 「ぐるっと見てみて、分かりませんか?」
Aブルー「分からないけど…」
気になるよね、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「教えて欲しいな、厄って、何だい?」
シロエ 「いいですか? キース先輩が疫病仏で…」
Aブルー「うん、それは知ってる」
シロエ 「あなたとセットなんですけど?」
如来と菩薩で、とシロエ君、指をビシィ! と。
シロエ 「どっちがどっちか、忘れましたけど…」
サム 「キースが菩薩じゃなかったっけか?」
ブルー 「確かそうだね、格下だから」
Aブルー「格下って?」
何が格下、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「サイオンの格のことなのかな?」
ブルー 「ズバリ、厄を持ち込むクオリティだね!」
その君が来たから小豆粥が人気、と生徒会長。
ブルー 「みんな、厄から逃げたいんだよ」
Aブルー「なるほど、キースを押しのけて、と…」
ブルー 「その通り!」
Aブルー「あのねえ…!」
それは失礼すぎるだろう、とソルジャーの文句。
でもねえ…?
2022/01/17 (Mon)
☆厄除けに縋りたい
小正月は小豆粥を食べる日、無病息災で厄除けなアイテム。
生徒会長宅に集った面々、一番に食べようと騒いでまして。
Aブルー「キースを押しのけるのは、いいんだけどね…」
キース 「あんたまで言うか!」
Aブルー「君はどうでもいいんだよ。今は、ぼくの問題!」
厄除けしたいとは失礼な、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「なんでそういうことになるのさ、お客様に!」
シロエ 「ですから、キース先輩とセットでですね…」
サム 「疫病仏だって言ったじゃねえかよ」
ジョミー「しかも、キースより格上だよ?」
そんなのが来たら、誰だって避けるし、とジョミー君。
ジョミー「縁起物でも何でもいいから、縋りたいよ!」
サム 「うんうん、食ったら厄除けだしよ…」
シロエ 「ぶるぅ、ぼくに一番にくれますよね?」
ジョミー「ドサクサに何を言い出すのさ!」
ぼくが一番に食べるんだ、とジョミー君、前へ。
ジョミー「お椀を持って来ればいいんだよね?」
ぶるぅ 「そうだけど…。でも、シロエだって…」
サム 「俺も一番って言ってるじゃねえかよ!」
マツカ 「ぼくもお願いしてるんですけど…」
どうなるんでしょう、とマツカ君までが。
マツカ 「とにかく、キースより先にですね…」
サム 「食って厄除け、それに限るぜ!」
キース 「ちょっと待て!」
俺へのオススメだった筈だぞ、とキース君のツッコミが。
キース 「お前たちが文句を言っていた時に…」
ブルー 「確かにキースに勧めたね、うん」
キース 「ほら見ろ、ブルーもこう言っている!」
一番は俺の筈なんだ、とキース君、強気。
キース 「しかも、とびきりの厄が来たしな!」
Aブルー「君も大概、失礼だねえ!」
ぼくとはセットものだろう、とソルジャーの言。
Aブルー「どの辺が厄か、理解しかねるけど…」
キース 「俺の目で見ても、立派に厄だが?」
Aブルー「君が言うわけ?」
光栄だと思うべきだろう、と言ってますけど。
えっと…?
2022/01/18 (Tue)
☆斜めから来る人
小正月は小豆粥を食べて厄除け、無病息災だそうですけど。
生徒会長宅に集った面々、一番に食べようと大騒ぎでして。
Aブルー「いいかい、ぼくとセットなんだよ?」
キース 「それからして、既に迷惑なんだが!」
Aブルー「何故、迷惑とか言い出すのさ!」
おまけに立派な厄だなんて…、とソルジャー、不機嫌な顔。
Aブルー「其処は光栄だと思うべきだよ、ホントにね!」
キース 「どう転がったら、光栄なんだ!」
Aブルー「分からないかな、このぼくとセット!」
光栄だとしか言えないだろう、と威張り返る人。
Aブルー「サイオンは最強、しかも超絶美形なんだよ!」
シロエ 「それを自分で言いますか?」
Aブルー「外野は黙ってくれたまえ! でも、君もさ…」
最強で美形だと思うんだよね、とソルジャーの問い。
Aブルー「だからこそ、自分でどうこうと文句が…」
シロエ 「ええまあ、否定はしませんけど…」
Aブルー「ほらね、シロエも認めてるから!」
ぼくの価値を、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「そういうぼくとセットだしねえ…」
キース 「だからと言って、俺にはだな…!」
何のメリットも無いわけだが、とキース君、拳をグッと。
キース 「あんたが来る度、盛大に被害を蒙るだけで!」
Aブルー「君が自分でやっている気がするけどね?」
キース 「うっ…!」
痛い所を突かれてしまって、口ごもるしかないキース君。
キース 「しかしだな…! ネタは、あんたが…!」
Aブルー「持ち込んでる、って?」
キース 「毎回、毎回、懲りもせずにな!」
しかも斜めから来やがって、とキース君の苦情が炸裂。
キース 「正面から来れば、まだ避けようもあるのに…!」
Aブルー「斜めに来るせいで、避けられないって?」
キース 「あんた、自分で、そう思わないか!?」
Aブルー「ぼくって、そんなに斜めかなあ…?」
キース 「斜めだろうが!」
厄除けでしか避けられないぞ、と叫んでますけど。
そうかも…?
2022/01/19 (Wed)
☆お客様が一番
小正月は小豆粥を食べる日、厄除けで無病息災なアイテム。
ソルジャーという厄が来ただけに、一番に食べたいわけで。
Aブルー「厄除けでしか避けられない、って?」
キース 「斜めすぎて、予測がつかないからな!」
此処に出て来る時もそうだ、とキース君の指摘。
キース 「いつ現れるか、誰にも全く読めないんだが!」
Aブルー「そうかなあ? ニューイヤーには、毎年必ず…」
来てる筈だよ、とソルジャーの反論。
Aブルー「なにしろ、年に一度のラッキーチャンス!」
ブルー 「その話だったら、もういいから!」
Aブルー「ダメダメ、きちんと聞いて確認!」
除夜の鐘で流れた煩悩ゲット! と突き上げる拳。
Aブルー「その報告をしに、絶対、来るって!」
キース 「だが、タイミングが謎だろうが!」
三連休がヤバイと思っていたぞ、とキース君。
キース 「なのに来なくて、今日になるとか…」
Aブルー「うーん…。だからって、厄と言われても…」
今回は何もやっていないし、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「小豆粥の邪魔をする気分でもないしねえ…」
シロエ 「そうなんですか?」
Aブルー「うん、御馳走にはなりたいけどさ」
せっかく来たから、食事もおやつも、と厚かましい人。
Aブルー「まずは厄除けのアイテムから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ じゃあ、お客様が一番だね!」
一同 「「「えっ!?」」」
そんな、と誰もがビックリ仰天。
シロエ 「なんで、その人が一番なんです!」
ぶるぅ 「んとんと…。お客様だから…」
キース 「その馬鹿野郎が厄だろうが!」
厄に厄除けを与えてどうする、とキース君のツッコミが。
キース 「猫に小判で、豚に真珠というヤツだぞ!」
シロエ 「そうですよ、もっと価値のある人に一番を…!」
Aブルー「誰が厄で、猫で豚だって?」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「まさか、ぼくだとでも…?」
厄で猫で豚というのは…、と質問ですけど。
どうしろと…?
2022/01/20 (Thu)
☆正解はどっちだ
小正月は小豆粥を食べて無病息災、厄除けアイテムですが。
ソルジャーという厄が登場、一番に食べたい人が多発で…。
Aブルー「今の言い方だと、ぼくがそうだと聞こえるよ?」
シロエ 「き、気のせいです、誰も言ってません!」
Aブルー「そうかな、さっき、キースがハッキリ…」
ぼくが厄だと言ったけれど、とソルジャーの指摘。
Aブルー「厄に厄除けを与えてどうする、とも言ってさ…」
キース 「そ、それは確かに言ったんだが…」
Aブルー「でもって、与えると猫に小判で、豚に真珠で…」
意味がないって感じの言い方だったよ、と鋭い視線。
Aブルー「どう聞いたってさ、厄で猫で豚というのはさ…」
キース 「断じて、あんたのことではない!」
言葉の綾というヤツで…、とキース君、ワタワタ。
キース 「ついつい、口が滑ってしまって…」
Aブルー「そうなんだ?」
キース 「ああ、ウッカリと…」
心にもないことを言った、と焦ってますけど。
Aブルー「口が滑ったなら、それは本音と言わないかい?」
キース 「ち、違う!」
Aブルー「そうかな、そうだと思うけどなあ…?」
君たちは、これをどう思う、とソルジャーの問い。
Aブルー「キースが言ったのは、どっちだと思う?」
シロエ 「どっちとは、何のことですか?」
Aブルー「心にもないことか、本音かだよ!」
此処は正直に答えて欲しいね、と注文が。
Aブルー「こっちなんだ、と思う方に挙手!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「簡単だろう、言葉は不要!」
手を挙げるだけでいいんだから、とズズイと前へ。
Aブルー「心にもないことの方だ、と思う人!」
一同 「「「………」」」
どうするんだ、と顔を見合わせる御一同様。
Aブルー「いないってことかな、じゃあ、本音の方!」
一同 (((…こっちだけど…)))
Aブルー「あれっ、いないわけ?」
一同 「「「………」」」
正直に言ったらえらいことに、と沈黙ですけど。
さて…?
2022/01/21 (Fri)
☆正解を選んだら
小正月は小豆粥を食べて厄除け、無病息災の縁起物ですが。
ソルジャーという厄が登場、一番に食べたい人が多くて…。
Aブルー「どうしたんだい、誰も手を挙げないなんて…」
一同 (((ヤバすぎるし…!)))
Aブルー「どっちでもないっていうのは、ない筈でさ…」
絶対、どちらか片方だよね、とソルジャー、皆をジロリと。
Aブルー「それともアレかな、まさかキースを…」
シロエ 「処刑したいとは思ってません!」
Aブルー「誰が処刑って言ったんだい?」
おかしいねえ…、と首を傾げるソルジャー。
Aブルー「ぼくが言おうとしていたのはさ…」
シロエ 「はい、何でしょう?」
Aブルー「キースを庇っているんじゃあ、ってヤツで…」
どうやら当たっていそうだよね、とシロエ君を見詰める瞳。
Aブルー「本音の方が正解だけど、それを選んだら…」
シロエ 「…え、えっと……」
Aブルー「キースが処刑されかねないしねえ…」
それで誰一人、手を挙げなかったと…、と推測する人。
Aブルー「今のシロエの発言からして、それっぽいね?」
シロエ 「ち、違います!」
Aブルー「じゃあ、心にもないことだったと?」
シロエ 「そ、それは…」
詰まってしまったシロエ君でして、ソルジャー、ニヤリと。
Aブルー「語るに落ちるというパターンだねえ…」
シロエ 「えっ?」
Aブルー「今の質問で詰まるってことは、正解はさ…」
もう間違いなく本音だよね、とキッパリと。
Aブルー「つまりキースは、このぼくをさ…」
一同 (((ま、まずい…)))
Aブルー「厄で猫で豚だと断定した、と!」
言い訳なんかはさせないからね、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「新年早々、失礼すぎる発言なんだし…!」
シロエ 「ま、待って下さい、逆立ちは、もう充分で!」
Aブルー「えっ、逆立ち?」
一同 (((馬鹿…)))
Aブルー「なんで逆立ちが充分だと?」
話が全く見えないんだけど、と言ってますけど。
どうなる…?
2022/01/22 (Sat)
☆他の人に聞こう
小正月は小豆粥を食べて無病息災、厄除けだそうですけど。
ソルジャーという厄が登場、一番に食べたい人が多くて…。
Aブルー「逆立ちなんか、今日のキースはしてないよ?」
シロエ 「そ、そうですね…」
そうかもですね、とシロエ君、ワタワタと。
シロエ 「今の発言は忘れて下さい、先輩のとセットで!」
Aブルー「セットって、厄で猫で豚なヤツとかい?」
シロエ 「それです、それです!」
どうぞよろしく、と頭をペコリ。
シロエ 「小豆粥の順番は、ぼくより先でいいですから!」
Aブルー「そこまで低い姿勢で来られちゃうとさ…」
シロエ 「許して下さるわけですね?」
Aブルー「違うね、疑心暗鬼になっちゃうわけでさ…」
これは絶対、何かあるね、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「キースと逆立ちで、ぼくの知らない何かがさ」
シロエ 「いえ、気のせいです!」
Aブルー「どうなんだか…」
他の面子が気になるわけでね、と周囲をグルリと。
Aブルー「妙に静かだし、緊迫感が溢れてるしさ…」
シロエ 「そんな風に見えるだけですよ!」
Aブルー「じゃあ、そこの君!」
君だよ君、とソルジャーが指差すジョミー君。
ジョミー「は、はいっ!?」
Aブルー「ちょっと質問してもいいかな?」
ジョミー「ど、どうぞ何でも聞きやがって下さい!」
一同 (((おいおいおい…)))
敬語が変だぞ、と誰もが心でツッコミ。
Aブルー「ふうん…。聞きやがって下さい、ねえ…」
ジョミー「ま、間違えましたあ!」
Aブルー「それはいいけど、質問の答えは正直にね?」
ジョミー「合点です!」
一同 (((また変だし…)))
テンパってるよ、と心で溜息な御一同様。
Aブルー「時代劇かな、まあいいけどさ。でね…」
ジョミー「はい?」
Aブルー「キースは、逆立ちしていたのかな?」
ジョミー「暮れのパーティーで…!」
Aブルー「それだけかい?」
充分ってレベルだったかな、と言ってますけど。
えっと…?
2022/01/23 (Sun)
☆新年でリセット
小正月は小豆粥を食べて厄除け、来てしまったソルジャー。
もろに厄だけに避けたい人が多発した結果、ややこしい今。
Aブルー「暮れのパーティーって、クリスマスだろう?」
ジョミー「そうですけど…?」
Aブルー「確かに処刑で、逆立ちさせていたけどねえ…」
本当にあれで充分かな、と首を捻っているソルジャー。
Aブルー「除夜の鐘を鳴らして、年が明けてさ…」
ジョミー「はい…?」
Aブルー「色々とリセットされてると思うんだけど?」
この国の人の気風でさ、と別の世界の人ならではの発言。
Aブルー「なのに、今頃、充分だなんて…」
ジョミー「充分なんです!」
シロエ 「そうですよ、正月早々にですね…!」
Aブルー「今、なんて言った?」
もう一度、とソルジャー、シロエ君に注文を。
Aブルー「さあ、もう一回、繰り返して!」
シロエ 「な、何をですか…?」
Aブルー「正月を含む発言だよ、うん」
はい、元気よく! と見据える人。
Aブルー「そうですよ、って所からね!」
一同 (((…やばい…)))
シロエ 「そ、そうですよ…。え、えっと…」
Aブルー「余計な言葉は要らないから!」
正月の後は何だったかな、と赤い瞳に物騒な光が。
Aブルー「君が言わないなら、ぼくが言うけど?」
シロエ 「い、いえ…! 正月早々にですね…!」
Aブルー「オッケー、君たちは実に正直だよ、うん」
その様子だと、確実に何かあったね、とニヤリ。
Aブルー「厄で猫で豚発言なキースが、このお正月に…」
シロエ 「逆立ちなんか、していませんから!」
Aブルー「まだ逆立ちとは言ってないけど?」
シロエ 「あっ…!」
マズイ、とシロエ君が両手で押さえる自分の口。
Aブルー「なるほど、今のは失言だった、と…」
シロエ 「い、いえ、何でもありません…!」
Aブルー「口を押さえた辺りがねえ…」
シロエ 「いえ、あの、クシャミが…!」
出そうになったものですから、と苦しい言い訳。
通りますか…?
2022/01/24 (Mon)
☆風邪っぽいです
小正月は小豆粥で無病息災、厄除けなアイテムですけれど。
厄なソルジャーが登場しまして、誰が一番に食べるかで…。
Aブルー「クシャミって、もしかして風邪の引き始め?」
シロエ 「そうとも言うかもしれません…」
Aブルー「オッケー、それじゃシロエは下がって良し!」
改めてジョミーに質問するから、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「さあ、正直に答えたまえ! お正月に何が?」
ジョミー「お雑煮とおせちと、初詣です!」
Aブルー「このぼくを、厄で猫で豚だと言ったキースも?」
ジョミー「もちろんです!」
坊主は元日から忙しいんです、とジョミー君。
ジョミー「ぼくも頑張って手伝いました!」
Aブルー「逆立ちを?」
ジョミー「いえ、あの件は不幸な事故で!」
一同 (((やった…)))
喋っちゃったよ、と誰もが心の中でガクブル。
Aブルー「ふうん…。お正月に不幸な事故があった、と」
ジョミー「あっ…!」
ヤバすぎる、とジョミー君も両手で押さえた自分の口。
ジョミー「は、は、は……っくしょん!」
Aブルー「君も風邪かい? お大事に」
ジョミー「かたじけない!」
Aブルー「そこで時代劇になってる上に、不幸な事故ね…」
もう逆立ちで確定だよね、と大きく頷くソルジャー。
Aブルー「これは本人に聞くのが一番! キース?」
キース 「な、なんだ…?」
Aブルー「お正月に逆立ちしてたのかい?」
キース 「その馬鹿のせいでな!」
もうヤケだ、とキース君、ジョミー君に指をビシイ! と。
キース 「俺が渡した貼るカイロをだな…!」
ジョミー「ご、ごめんなさいーっ!」
殺さないで、とジョミー君の悲鳴。
ジョミー「あれは悪かったと思ってるから、お慈悲を…!」
キース 「やかましい! 貴様のお蔭で、こいつにまで!」
Aブルー「逆立ちがバレてしまった、と?」
キース 「そうだ、この馬鹿をブッ殺してだな…!」
冬の海に沈めてやりたいほどだ、と怒鳴ってますけど。
どうなる…?
2022/01/25 (Tue)
☆意気投合な二人
小正月は小豆粥を食べて厄除け、無病息災の縁起物ですが。
ソルジャーという厄が登場しまして、キース君がピンチで。
Aブルー「なんだか、ジョミーが昇格したねえ…」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「キースが馬鹿とつける相手は、ずっとぼくでさ」
あの馬鹿と呼ばれて来たんだけれど、とソルジャーの言。
Aブルー「でもさ、今のを聞いたかい?ジョミーがさ…」
シロエ 「この馬鹿でしたね」
キース 「今の俺には、こいつも立派に厄だからな!」
よくも逆立ちをバラしやがって、とキース君、怒り心頭。
キース 「マツカ、車を手配してくれ!」
マツカ 「あ、あのですね…。まさか、ジョミーを…?」
キース 「海へ運んで、沈めるんだが!」
ドラム缶とコンクリートの手配も頼む、と怖い台詞が。
キース 「二度と浮かんで来られないよう、ガッチリと!」
サム 「コンクリート詰めにするのかよ?」
キース 「こいつに頼めば、バレないしな!」
サイオンで細工して貰おう、とソルジャーに視線を。
キース 「疫病仏同士、仲良くやっていこうじゃないか!」
Aブルー「いいけどさ…。厄で猫で豚な件の方は?」
キース 「俺が猫で、あんたが豚とかはどうだ?」
Aブルー「逆にしようよ、君が豚でさ」
それなら手伝ってあげてもいい、とソルジャーの案。
Aブルー「で、何処に沈めに行くんだい?」
キース 「そうだな、此処から近い海だと…」
ジョミー「ちょっと待ってよ!」
どうして、ぼくが処刑なわけ、とジョミー君、ガクブル。
ジョミー「キースが逆立ちするんじゃないの!?」
キース 「貴様、自分の立場が分かっているのか?」
ジョミー「正直に言っただけだってば!」
そりゃ失言かもしれないけれど、と震え上がる人。
ジョミー「だけど、シロエも同罪でさ…!」
キース 「そうだったか?」
Aブルー「シロエは未遂だと思うけれどね?」
キース 「だろう?」
どうしようか、と視線を交わす疫病仏ですけど。
さて…?
2022/01/26 (Wed)
☆沈めに行くなら
小正月は小豆粥を食べて無病息災、厄除けアイテムですが。
ソルジャーという厄が来まして、キース君と手を組んだ今。
Aブルー「沈めに行くのは、ジョミーだけにしようよ」
キース 「二人も沈めるは面倒だから、というわけだな?」
Aブルー「ピンポーン!」
サイオンで細工も手間がかかるし、とソルジャー、即答。
Aブルー「未遂のシロエは、次の機会があればってことで」
キース 「そうだな、次もありそうだしな」
シロエ 「き、気を付けますから、今回は保留で…!」
キース 「ああ、恩赦ということにしておく」
その代わり、小豆粥の順番を俺に譲れ、とキース君。
キース 「お前より先に食っていい、という権利をだ…」
シロエ 「あげます、あげます、差し上げますって!」
ですから、命だけはどうか…、とシロエ君、必死の命乞い。
シロエ 「まだ死にたくはないんですよ!」
キース 「よし。では、ジョミーを沈めるということで…」
Aブルー「何処がいいかな、お勧めの海は?」
ブルー 「距離から言うとさ、南の方の大きな港が…」
近いんだけど、と生徒会長が顎に当てる手。
ブルー 「沈める場所の定番だけど、どっちかと言えば…」
Aブルー「他にいい場所があるのかい?」
ブルー 「今の時期だと、北の海はカニの季節なんだよ」
ブランド蟹が獲れる場所もあってね、と生徒会長。
ブルー 「車を出すなら、帰りは朝の漁港に寄ってさ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 獲れたてのカニを買うんだね!」
ブルー 「そう! そして、ぶるぅに頼めば、美味しく…」
Aブルー「カニ尽くしだ、と!」
それでいこう、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「ジョミーはトランクに詰めて行って、と…」
キース 「俺とマツカと、ぶるぅと、あんたと…」
ブルー 「ぼくも行こうかな、楽しそうだし」
Aブルー「ドライブがてら、沈めに行こう!」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
ぼくの命はカニ以下なわけ、と悲鳴ですけど。
漁港ですか…。
2022/01/27 (Thu)
☆カニが喜びます
小正月は小豆粥を食べて厄除け、無病息災アイテムですが。
食べる順番から話がズレて、ソルジャーとキース君が結託。
ジョミー「ぼくを海に沈めて、他のみんなはブランド蟹!?」
Aブルー「何か問題でもあるのかな?」
ジョミー「酷すぎるってば、カニ以下だなんて!」
キース 「お前の場合は、自分で招いた災難だろうが!」
正月早々、俺に厄まで寄越したしな、とキース君の睨み。
キース 「黙って海に沈んでいやがれ、カニも喜ぶ!」
シロエ 「どうしてカニが喜ぶんです?」
キース 「とびきり上等なエサが来るしな!」
カニは人肉がお好みらしいぞ、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「聞いた話だが、中華料理の本場では、だ…」
サム 「人肉をエサにするのかよ?」
キース 「結果論だが、そういう効果があるらしい」
ずっと昔の話だがな…、とキース君の解説が。
キース 「戦争があった年のカニは、美味だったそうだ」
シロエ 「戦争ですか?」
キース 「ああ。川まで血に染まる勢いだしな…」
もちろん人肉もダイレクトに…、と大真面目。
キース 「それを食ったカニが太って、肉の方もだ…」
ブルー 「美味しかったという話だねえ…」
本当かどうかは知らないけどね、と生徒会長も。
ブルー 「というわけだし、ジョミーを海に沈めるとさ…」
Aブルー「美味しいカニが出来上がるんだね!」
その頃に、また買いに行こうよ、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「朝の漁港で、ジョミーの肉で太ったカニを!」
ブルー 「まあ、共食いにはならないよね、うん」
シロエ 「カニが間に入ってますしね」
マネーロンダリングみたいな感じで、とシロエ君。
シロエ 「ジョミー先輩を食べていたって、カニの肉ですし…」
サム 「うん、人肉にはならねえしよ…」
Aブルー「そうなると、コンクリートに詰めるよりはさ…」
キース 「簀巻きの方が良さそうだな」
カニが食いやすい方にしないと、と言ってますけど。
簀巻きだと…?
2022/01/28 (Fri)
☆漁業権も欲しい
厄除けの小豆粥を食べる日ですけど、話は恐ろしい方向へ。
ソルジャーとキース君が結託、ジョミー君を海に沈めるとか。
Aブルー「コンクリート詰めだと、カニには歯が立たないしね」
キース 「ああ。簀巻きにするのが一番だ」
シロエ 「網で巻くのもいいかもですよ」
でもって、海の中に吊るしておけば…、とシロエ君が横から。
シロエ 「こう、カニが食べやすい深さと地形をですね…」
サム 「調べておいて、ピンポイントで投げ込むのな?」
シロエ 「そうです、そうです、ついでに目印の浮きとかも…」
つけておいたら便利ですよ、とシロエ君、やる気満々。
シロエ 「そしたら確実に、ジョミー先輩を食べたカニが…」
スウェナ「獲れるってわけね、網をおろせば」
シロエ 「ええ。いいアイデアだと思いませんか?」
キース 「最高だ。そうなってくると、漁船の手配も要るな」
漁業権とかも欲しいところだ、とキース君、マツカ君に視線を。
キース 「その辺の手配も出来るか、マツカ?」
マツカ 「もちろんです。漁協にも顔が利きますしね」
Aブルー「じゃあ、決まり! 今すぐ出発でもいいくらいだよ!」
ぶるぅ 「んとんと、その前に、小豆粥は?」
縁起物だし、食べなくっちゃ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「一番に食べるの、誰にすればいい?」
ジョミー「それ、ぼくで!」
でないと本気で殺されるから、とジョミー君の悲鳴が。
ジョミー「縁起物でも何でもいいから、誰か助けて!」
キース 「助けが来ると思うのか、お前?」
Aブルー「甘いね、実に甘いよ、君は!」
命乞いより、小豆粥に頼るようでは…、とソルジャーの冷笑。
Aブルー「何でもするから、命だけはとか、定番だろう?」
ジョミー「それで助かりそうにないから、小豆粥だよ!」
キース 「なるほど、自分の状況はよく分かっている、と」
ジョミー「このままじゃ死ぬ、ってことくらいはね!」
小豆粥でも縋りたいよ、と叫んでますけど。
効きますか…?
2022/01/29 (Sat)
☆分けるのが嫌なら
小豆粥を食べて厄除けな小正月、恐ろしい計画が進行中で。
キース君とソルジャーが結託、ジョミー君をカニ用のエサに。
ジョミー「命乞いしても無駄なんだったら、厄除けだってば!」
キース 「確かに、死ぬのも厄の一種ではあるな」
Aブルー「なかなか斬新な発想だよねえ、小豆粥かあ…」
それで死なない方に行くかな、と首を傾げるソルジャー。
Aブルー「そんなに有難いアイテムだったら、一番はさ…」
ブルー 「君が欲しいって?」
Aブルー「当たり前だよ、ぼくの命は特に大切なんだから!」
ジョミーとは比較にならないよね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「ジョミーが死んでも、困る人は家族くらいだし…」
シロエ 「一応、ぼくたちもカウントして貰えますか?」
腐っても友達なんですよ、とシロエ君の言。
シロエ 「ですから、多少は悲しいですし、困りもします」
Aブルー「カニのエサにするんじゃなかったっけ?」
シロエ 「ちゃんと、一応、と言いました!」
それとこれとは別件です、とキッパリと。
シロエ 「ジョミー先輩の命も、その程度には大事ですから!」
Aブルー「でもねえ、ぼくの命の場合は、仲間全員のさ…」
命がかかっているわけで…、とソルジャーも真剣。
Aブルー「そういう命を守るためにも、小豆粥を一番に!」
ジョミー「ぼくの命はどうでもいいわけ!?」
Aブルー「カニのエサは、黙って食われたまえ!」
小豆粥を食べたら沈めに出発、と突き上げる拳。
Aブルー「ぶるぅ、一番のお粥を、ぼくにね!」
ぶるぅ 「えっとね…。ジョミーも可哀想だから…」
二人で仲良く分けてくれる、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「嫌なら、拳で勝負でいいけど」
Aブルー「拳?」
ぼくにジョミーと殴り合えと…、とソルジャー、ポカーン。
Aブルー「勝つに決まっているだろう!」
ぶるぅ 「サイオン抜きでも?」
Aブルー「えっ、抜きで?」
それはちょっと…、と詰まってますけど。
どうなる…?
2022/01/30 (Sun)
☆拳で一発勝負
小正月は小豆粥を食べて厄除け、けれど恐ろしい展開な今。
ソルジャーとキース君が結託、ジョミー君の命が風前の灯。
Aブルー「サイオン抜きだと、厳しすぎる気が…」
キース 「あんた、ジョミーに敵わないのか?」
Aブルー「これでも虚弱なミュウだよ、ぼくは!」
ジョミーとは体質が違うんだよね、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「本気のジョミーに殴られた場合、死ぬ恐れもさ…」
ジョミー「そこまで酷くする気はないけど、ぼくも命が…」
かかっているから手加減は無しで、とジョミー君の返し。
ジョミー「ぶるぅ、一発勝負か、時間制限か、どっち?」
ぶるぅ 「んとんと…。一発だけど、殴り合いじゃなくって…」
シロエ 「違うんですか?」
ぶるぅ 「そうなの、二人でジャンケンなの!」
勝った方が一番に小豆粥だよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「でもでも、サイオン抜きでやってね!」
Aブルー「困るから!」
キース 「何故だ、普通にジャンケンなんだぞ?」
Aブルー「それで負けたら、ぼくの立場が無いじゃないか!」
これでも不敗なんだからね、とソルジャー、真剣。
Aブルー「たかがジャンケンで敗北なんて、とんでもない!」
サム 「勝てばいいだけの話じゃねえかよ」
Aブルー「サイオン抜きだと、負ける可能性もあるんだし!」
そんな勝負は困るんだよ、と既に逃げ腰。
Aブルー「八百長で勝たせてくれないかな?」
ジョミー「いいけど、カニのエサはチャラにしてくれる?」
Aブルー「するよ、するから、ここは勝たせて!」
君さえグーを出してくれたら…、とソルジャーの注文。
Aブルー「ぼくがパーを出して、一番ゲット!」
ジョミー「オッケー、それじゃ…」
ジャンケーン、と掛け声、一瞬でついた八百長勝負。
Aブルー「やったね、一番に小豆粥!」
シロエ 「いいんですけどね、カニが残念ですよ…」
キース 「まったくだ…」
シーズンなのに、と嘆く面々ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2022/01/31 (Mon)
小正月な15日の土曜日、生徒会長宅に来ている御一同様。
無病息災で厄除けな小豆粥の日、キース君にお勧めだとか。
Aブルー「ニューイヤーには、しっかり挨拶をね!」
ブルー 「ギリギリの日に来て、それを言うかな?」
Aブルー「もっと早くに来たかったけどさ…」
ハーレイの休暇の関係で…、とソルジャーの言い訳。
Aブルー「こっちの三連休の時にさ、ちょうど休みで!」
ブルー 「珍しいねえ、新年早々」
Aブルー「そうだろう? こんな嬉しいイベントをさ…」
パアにする手は無いからね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「今年も御利益をゲットしてたし、ガンガンと!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「除夜の鐘だよ、アレで流れた煩悩をさ…」
今年も集めに来たんだよね、とパチンとウインク。
Aブルー「お蔭で、ハーレイもビンビンで!」
ブルー 「その先、禁止!」
挨拶が済んだら帰りたまえ、と生徒会長、ピシャリと。
ブルー 「君のシャングリラも、とっくに日常だろう?」
Aブルー「だからこそだよ、こっちでのんびり!」
久しぶりにね、と悪びれない人。
Aブルー「もちろん、小豆粥も食べないと!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ゆっくりしていってね!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
今年もよろしく、とソルジャー、頭をペコリ。
Aブルー「お菓子と御馳走、期待してるよ!」
ぶるぅ 「うん、頑張る!」
でも、その前に小豆粥だよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「みんなも、文句を言わずに食べてね!」
一同 「「「はーい!」」」
ソルジャーという厄が来ただけに、一同、真剣。
シロエ 「ぼくに、一番に頂けますか?」
サム 「なんだよ、俺だって一番がいいぜ!」
ジョミー「ぼくもだってば!」
マツカ 「あのぅ、ぼくも一番がいいんですけど…」
Aブルー「どうしたんだい、君たち、急に…?」
一番はキースだったんじゃあ、首を傾げてますけど。
今は状況が…。
2022/01/16 (Sun)
☆厄除けが欲しい
小正月は小豆粥の日、生徒会長宅に来ている面々ですけど。
其処へソルジャー登場でして、厄除けアイテムに人気集中。
シロエ 「キース先輩を優先している場合じゃないです!」
サム 「なんたって、厄除けなんだしよ…」
ジョミー「欲しくなるよね、一番にさ!」
キースは放置でいいんだってば、とジョミー君。
ジョミー「どうせ元から疫病仏だし、今更、どうにも…」
シロエ 「なりませんよね、どう考えても」
キース 「おい、お前たち…!」
新年早々、見捨てる気か、とキース君の怒号。
キース 「俺が黙っていると思って、好き勝手に…!」
シロエ 「仕方ないでしょう、厄が来たんですから!」
Aブルー「えっと…?」
厄って何さ、とソルジャー、キョロキョロ。
Aブルー「どの辺に厄が転がってるわけ?」
一同 「「「………」」」
自覚が無いのか、とソルジャーに集中する視線。
Aブルー「何さ、その目は?」
シロエ 「ぐるっと見てみて、分かりませんか?」
Aブルー「分からないけど…」
気になるよね、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「教えて欲しいな、厄って、何だい?」
シロエ 「いいですか? キース先輩が疫病仏で…」
Aブルー「うん、それは知ってる」
シロエ 「あなたとセットなんですけど?」
如来と菩薩で、とシロエ君、指をビシィ! と。
シロエ 「どっちがどっちか、忘れましたけど…」
サム 「キースが菩薩じゃなかったっけか?」
ブルー 「確かそうだね、格下だから」
Aブルー「格下って?」
何が格下、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「サイオンの格のことなのかな?」
ブルー 「ズバリ、厄を持ち込むクオリティだね!」
その君が来たから小豆粥が人気、と生徒会長。
ブルー 「みんな、厄から逃げたいんだよ」
Aブルー「なるほど、キースを押しのけて、と…」
ブルー 「その通り!」
Aブルー「あのねえ…!」
それは失礼すぎるだろう、とソルジャーの文句。
でもねえ…?
2022/01/17 (Mon)
☆厄除けに縋りたい
小正月は小豆粥を食べる日、無病息災で厄除けなアイテム。
生徒会長宅に集った面々、一番に食べようと騒いでまして。
Aブルー「キースを押しのけるのは、いいんだけどね…」
キース 「あんたまで言うか!」
Aブルー「君はどうでもいいんだよ。今は、ぼくの問題!」
厄除けしたいとは失礼な、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「なんでそういうことになるのさ、お客様に!」
シロエ 「ですから、キース先輩とセットでですね…」
サム 「疫病仏だって言ったじゃねえかよ」
ジョミー「しかも、キースより格上だよ?」
そんなのが来たら、誰だって避けるし、とジョミー君。
ジョミー「縁起物でも何でもいいから、縋りたいよ!」
サム 「うんうん、食ったら厄除けだしよ…」
シロエ 「ぶるぅ、ぼくに一番にくれますよね?」
ジョミー「ドサクサに何を言い出すのさ!」
ぼくが一番に食べるんだ、とジョミー君、前へ。
ジョミー「お椀を持って来ればいいんだよね?」
ぶるぅ 「そうだけど…。でも、シロエだって…」
サム 「俺も一番って言ってるじゃねえかよ!」
マツカ 「ぼくもお願いしてるんですけど…」
どうなるんでしょう、とマツカ君までが。
マツカ 「とにかく、キースより先にですね…」
サム 「食って厄除け、それに限るぜ!」
キース 「ちょっと待て!」
俺へのオススメだった筈だぞ、とキース君のツッコミが。
キース 「お前たちが文句を言っていた時に…」
ブルー 「確かにキースに勧めたね、うん」
キース 「ほら見ろ、ブルーもこう言っている!」
一番は俺の筈なんだ、とキース君、強気。
キース 「しかも、とびきりの厄が来たしな!」
Aブルー「君も大概、失礼だねえ!」
ぼくとはセットものだろう、とソルジャーの言。
Aブルー「どの辺が厄か、理解しかねるけど…」
キース 「俺の目で見ても、立派に厄だが?」
Aブルー「君が言うわけ?」
光栄だと思うべきだろう、と言ってますけど。
えっと…?
2022/01/18 (Tue)
☆斜めから来る人
小正月は小豆粥を食べて厄除け、無病息災だそうですけど。
生徒会長宅に集った面々、一番に食べようと大騒ぎでして。
Aブルー「いいかい、ぼくとセットなんだよ?」
キース 「それからして、既に迷惑なんだが!」
Aブルー「何故、迷惑とか言い出すのさ!」
おまけに立派な厄だなんて…、とソルジャー、不機嫌な顔。
Aブルー「其処は光栄だと思うべきだよ、ホントにね!」
キース 「どう転がったら、光栄なんだ!」
Aブルー「分からないかな、このぼくとセット!」
光栄だとしか言えないだろう、と威張り返る人。
Aブルー「サイオンは最強、しかも超絶美形なんだよ!」
シロエ 「それを自分で言いますか?」
Aブルー「外野は黙ってくれたまえ! でも、君もさ…」
最強で美形だと思うんだよね、とソルジャーの問い。
Aブルー「だからこそ、自分でどうこうと文句が…」
シロエ 「ええまあ、否定はしませんけど…」
Aブルー「ほらね、シロエも認めてるから!」
ぼくの価値を、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「そういうぼくとセットだしねえ…」
キース 「だからと言って、俺にはだな…!」
何のメリットも無いわけだが、とキース君、拳をグッと。
キース 「あんたが来る度、盛大に被害を蒙るだけで!」
Aブルー「君が自分でやっている気がするけどね?」
キース 「うっ…!」
痛い所を突かれてしまって、口ごもるしかないキース君。
キース 「しかしだな…! ネタは、あんたが…!」
Aブルー「持ち込んでる、って?」
キース 「毎回、毎回、懲りもせずにな!」
しかも斜めから来やがって、とキース君の苦情が炸裂。
キース 「正面から来れば、まだ避けようもあるのに…!」
Aブルー「斜めに来るせいで、避けられないって?」
キース 「あんた、自分で、そう思わないか!?」
Aブルー「ぼくって、そんなに斜めかなあ…?」
キース 「斜めだろうが!」
厄除けでしか避けられないぞ、と叫んでますけど。
そうかも…?
2022/01/19 (Wed)
☆お客様が一番
小正月は小豆粥を食べる日、厄除けで無病息災なアイテム。
ソルジャーという厄が来ただけに、一番に食べたいわけで。
Aブルー「厄除けでしか避けられない、って?」
キース 「斜めすぎて、予測がつかないからな!」
此処に出て来る時もそうだ、とキース君の指摘。
キース 「いつ現れるか、誰にも全く読めないんだが!」
Aブルー「そうかなあ? ニューイヤーには、毎年必ず…」
来てる筈だよ、とソルジャーの反論。
Aブルー「なにしろ、年に一度のラッキーチャンス!」
ブルー 「その話だったら、もういいから!」
Aブルー「ダメダメ、きちんと聞いて確認!」
除夜の鐘で流れた煩悩ゲット! と突き上げる拳。
Aブルー「その報告をしに、絶対、来るって!」
キース 「だが、タイミングが謎だろうが!」
三連休がヤバイと思っていたぞ、とキース君。
キース 「なのに来なくて、今日になるとか…」
Aブルー「うーん…。だからって、厄と言われても…」
今回は何もやっていないし、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「小豆粥の邪魔をする気分でもないしねえ…」
シロエ 「そうなんですか?」
Aブルー「うん、御馳走にはなりたいけどさ」
せっかく来たから、食事もおやつも、と厚かましい人。
Aブルー「まずは厄除けのアイテムから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ じゃあ、お客様が一番だね!」
一同 「「「えっ!?」」」
そんな、と誰もがビックリ仰天。
シロエ 「なんで、その人が一番なんです!」
ぶるぅ 「んとんと…。お客様だから…」
キース 「その馬鹿野郎が厄だろうが!」
厄に厄除けを与えてどうする、とキース君のツッコミが。
キース 「猫に小判で、豚に真珠というヤツだぞ!」
シロエ 「そうですよ、もっと価値のある人に一番を…!」
Aブルー「誰が厄で、猫で豚だって?」
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「まさか、ぼくだとでも…?」
厄で猫で豚というのは…、と質問ですけど。
どうしろと…?
2022/01/20 (Thu)
☆正解はどっちだ
小正月は小豆粥を食べて無病息災、厄除けアイテムですが。
ソルジャーという厄が登場、一番に食べたい人が多発で…。
Aブルー「今の言い方だと、ぼくがそうだと聞こえるよ?」
シロエ 「き、気のせいです、誰も言ってません!」
Aブルー「そうかな、さっき、キースがハッキリ…」
ぼくが厄だと言ったけれど、とソルジャーの指摘。
Aブルー「厄に厄除けを与えてどうする、とも言ってさ…」
キース 「そ、それは確かに言ったんだが…」
Aブルー「でもって、与えると猫に小判で、豚に真珠で…」
意味がないって感じの言い方だったよ、と鋭い視線。
Aブルー「どう聞いたってさ、厄で猫で豚というのはさ…」
キース 「断じて、あんたのことではない!」
言葉の綾というヤツで…、とキース君、ワタワタ。
キース 「ついつい、口が滑ってしまって…」
Aブルー「そうなんだ?」
キース 「ああ、ウッカリと…」
心にもないことを言った、と焦ってますけど。
Aブルー「口が滑ったなら、それは本音と言わないかい?」
キース 「ち、違う!」
Aブルー「そうかな、そうだと思うけどなあ…?」
君たちは、これをどう思う、とソルジャーの問い。
Aブルー「キースが言ったのは、どっちだと思う?」
シロエ 「どっちとは、何のことですか?」
Aブルー「心にもないことか、本音かだよ!」
此処は正直に答えて欲しいね、と注文が。
Aブルー「こっちなんだ、と思う方に挙手!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「簡単だろう、言葉は不要!」
手を挙げるだけでいいんだから、とズズイと前へ。
Aブルー「心にもないことの方だ、と思う人!」
一同 「「「………」」」
どうするんだ、と顔を見合わせる御一同様。
Aブルー「いないってことかな、じゃあ、本音の方!」
一同 (((…こっちだけど…)))
Aブルー「あれっ、いないわけ?」
一同 「「「………」」」
正直に言ったらえらいことに、と沈黙ですけど。
さて…?
2022/01/21 (Fri)
☆正解を選んだら
小正月は小豆粥を食べて厄除け、無病息災の縁起物ですが。
ソルジャーという厄が登場、一番に食べたい人が多くて…。
Aブルー「どうしたんだい、誰も手を挙げないなんて…」
一同 (((ヤバすぎるし…!)))
Aブルー「どっちでもないっていうのは、ない筈でさ…」
絶対、どちらか片方だよね、とソルジャー、皆をジロリと。
Aブルー「それともアレかな、まさかキースを…」
シロエ 「処刑したいとは思ってません!」
Aブルー「誰が処刑って言ったんだい?」
おかしいねえ…、と首を傾げるソルジャー。
Aブルー「ぼくが言おうとしていたのはさ…」
シロエ 「はい、何でしょう?」
Aブルー「キースを庇っているんじゃあ、ってヤツで…」
どうやら当たっていそうだよね、とシロエ君を見詰める瞳。
Aブルー「本音の方が正解だけど、それを選んだら…」
シロエ 「…え、えっと……」
Aブルー「キースが処刑されかねないしねえ…」
それで誰一人、手を挙げなかったと…、と推測する人。
Aブルー「今のシロエの発言からして、それっぽいね?」
シロエ 「ち、違います!」
Aブルー「じゃあ、心にもないことだったと?」
シロエ 「そ、それは…」
詰まってしまったシロエ君でして、ソルジャー、ニヤリと。
Aブルー「語るに落ちるというパターンだねえ…」
シロエ 「えっ?」
Aブルー「今の質問で詰まるってことは、正解はさ…」
もう間違いなく本音だよね、とキッパリと。
Aブルー「つまりキースは、このぼくをさ…」
一同 (((ま、まずい…)))
Aブルー「厄で猫で豚だと断定した、と!」
言い訳なんかはさせないからね、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「新年早々、失礼すぎる発言なんだし…!」
シロエ 「ま、待って下さい、逆立ちは、もう充分で!」
Aブルー「えっ、逆立ち?」
一同 (((馬鹿…)))
Aブルー「なんで逆立ちが充分だと?」
話が全く見えないんだけど、と言ってますけど。
どうなる…?
2022/01/22 (Sat)
☆他の人に聞こう
小正月は小豆粥を食べて無病息災、厄除けだそうですけど。
ソルジャーという厄が登場、一番に食べたい人が多くて…。
Aブルー「逆立ちなんか、今日のキースはしてないよ?」
シロエ 「そ、そうですね…」
そうかもですね、とシロエ君、ワタワタと。
シロエ 「今の発言は忘れて下さい、先輩のとセットで!」
Aブルー「セットって、厄で猫で豚なヤツとかい?」
シロエ 「それです、それです!」
どうぞよろしく、と頭をペコリ。
シロエ 「小豆粥の順番は、ぼくより先でいいですから!」
Aブルー「そこまで低い姿勢で来られちゃうとさ…」
シロエ 「許して下さるわけですね?」
Aブルー「違うね、疑心暗鬼になっちゃうわけでさ…」
これは絶対、何かあるね、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「キースと逆立ちで、ぼくの知らない何かがさ」
シロエ 「いえ、気のせいです!」
Aブルー「どうなんだか…」
他の面子が気になるわけでね、と周囲をグルリと。
Aブルー「妙に静かだし、緊迫感が溢れてるしさ…」
シロエ 「そんな風に見えるだけですよ!」
Aブルー「じゃあ、そこの君!」
君だよ君、とソルジャーが指差すジョミー君。
ジョミー「は、はいっ!?」
Aブルー「ちょっと質問してもいいかな?」
ジョミー「ど、どうぞ何でも聞きやがって下さい!」
一同 (((おいおいおい…)))
敬語が変だぞ、と誰もが心でツッコミ。
Aブルー「ふうん…。聞きやがって下さい、ねえ…」
ジョミー「ま、間違えましたあ!」
Aブルー「それはいいけど、質問の答えは正直にね?」
ジョミー「合点です!」
一同 (((また変だし…)))
テンパってるよ、と心で溜息な御一同様。
Aブルー「時代劇かな、まあいいけどさ。でね…」
ジョミー「はい?」
Aブルー「キースは、逆立ちしていたのかな?」
ジョミー「暮れのパーティーで…!」
Aブルー「それだけかい?」
充分ってレベルだったかな、と言ってますけど。
えっと…?
2022/01/23 (Sun)
☆新年でリセット
小正月は小豆粥を食べて厄除け、来てしまったソルジャー。
もろに厄だけに避けたい人が多発した結果、ややこしい今。
Aブルー「暮れのパーティーって、クリスマスだろう?」
ジョミー「そうですけど…?」
Aブルー「確かに処刑で、逆立ちさせていたけどねえ…」
本当にあれで充分かな、と首を捻っているソルジャー。
Aブルー「除夜の鐘を鳴らして、年が明けてさ…」
ジョミー「はい…?」
Aブルー「色々とリセットされてると思うんだけど?」
この国の人の気風でさ、と別の世界の人ならではの発言。
Aブルー「なのに、今頃、充分だなんて…」
ジョミー「充分なんです!」
シロエ 「そうですよ、正月早々にですね…!」
Aブルー「今、なんて言った?」
もう一度、とソルジャー、シロエ君に注文を。
Aブルー「さあ、もう一回、繰り返して!」
シロエ 「な、何をですか…?」
Aブルー「正月を含む発言だよ、うん」
はい、元気よく! と見据える人。
Aブルー「そうですよ、って所からね!」
一同 (((…やばい…)))
シロエ 「そ、そうですよ…。え、えっと…」
Aブルー「余計な言葉は要らないから!」
正月の後は何だったかな、と赤い瞳に物騒な光が。
Aブルー「君が言わないなら、ぼくが言うけど?」
シロエ 「い、いえ…! 正月早々にですね…!」
Aブルー「オッケー、君たちは実に正直だよ、うん」
その様子だと、確実に何かあったね、とニヤリ。
Aブルー「厄で猫で豚発言なキースが、このお正月に…」
シロエ 「逆立ちなんか、していませんから!」
Aブルー「まだ逆立ちとは言ってないけど?」
シロエ 「あっ…!」
マズイ、とシロエ君が両手で押さえる自分の口。
Aブルー「なるほど、今のは失言だった、と…」
シロエ 「い、いえ、何でもありません…!」
Aブルー「口を押さえた辺りがねえ…」
シロエ 「いえ、あの、クシャミが…!」
出そうになったものですから、と苦しい言い訳。
通りますか…?
2022/01/24 (Mon)
☆風邪っぽいです
小正月は小豆粥で無病息災、厄除けなアイテムですけれど。
厄なソルジャーが登場しまして、誰が一番に食べるかで…。
Aブルー「クシャミって、もしかして風邪の引き始め?」
シロエ 「そうとも言うかもしれません…」
Aブルー「オッケー、それじゃシロエは下がって良し!」
改めてジョミーに質問するから、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「さあ、正直に答えたまえ! お正月に何が?」
ジョミー「お雑煮とおせちと、初詣です!」
Aブルー「このぼくを、厄で猫で豚だと言ったキースも?」
ジョミー「もちろんです!」
坊主は元日から忙しいんです、とジョミー君。
ジョミー「ぼくも頑張って手伝いました!」
Aブルー「逆立ちを?」
ジョミー「いえ、あの件は不幸な事故で!」
一同 (((やった…)))
喋っちゃったよ、と誰もが心の中でガクブル。
Aブルー「ふうん…。お正月に不幸な事故があった、と」
ジョミー「あっ…!」
ヤバすぎる、とジョミー君も両手で押さえた自分の口。
ジョミー「は、は、は……っくしょん!」
Aブルー「君も風邪かい? お大事に」
ジョミー「かたじけない!」
Aブルー「そこで時代劇になってる上に、不幸な事故ね…」
もう逆立ちで確定だよね、と大きく頷くソルジャー。
Aブルー「これは本人に聞くのが一番! キース?」
キース 「な、なんだ…?」
Aブルー「お正月に逆立ちしてたのかい?」
キース 「その馬鹿のせいでな!」
もうヤケだ、とキース君、ジョミー君に指をビシイ! と。
キース 「俺が渡した貼るカイロをだな…!」
ジョミー「ご、ごめんなさいーっ!」
殺さないで、とジョミー君の悲鳴。
ジョミー「あれは悪かったと思ってるから、お慈悲を…!」
キース 「やかましい! 貴様のお蔭で、こいつにまで!」
Aブルー「逆立ちがバレてしまった、と?」
キース 「そうだ、この馬鹿をブッ殺してだな…!」
冬の海に沈めてやりたいほどだ、と怒鳴ってますけど。
どうなる…?
2022/01/25 (Tue)
☆意気投合な二人
小正月は小豆粥を食べて厄除け、無病息災の縁起物ですが。
ソルジャーという厄が登場しまして、キース君がピンチで。
Aブルー「なんだか、ジョミーが昇格したねえ…」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「キースが馬鹿とつける相手は、ずっとぼくでさ」
あの馬鹿と呼ばれて来たんだけれど、とソルジャーの言。
Aブルー「でもさ、今のを聞いたかい?ジョミーがさ…」
シロエ 「この馬鹿でしたね」
キース 「今の俺には、こいつも立派に厄だからな!」
よくも逆立ちをバラしやがって、とキース君、怒り心頭。
キース 「マツカ、車を手配してくれ!」
マツカ 「あ、あのですね…。まさか、ジョミーを…?」
キース 「海へ運んで、沈めるんだが!」
ドラム缶とコンクリートの手配も頼む、と怖い台詞が。
キース 「二度と浮かんで来られないよう、ガッチリと!」
サム 「コンクリート詰めにするのかよ?」
キース 「こいつに頼めば、バレないしな!」
サイオンで細工して貰おう、とソルジャーに視線を。
キース 「疫病仏同士、仲良くやっていこうじゃないか!」
Aブルー「いいけどさ…。厄で猫で豚な件の方は?」
キース 「俺が猫で、あんたが豚とかはどうだ?」
Aブルー「逆にしようよ、君が豚でさ」
それなら手伝ってあげてもいい、とソルジャーの案。
Aブルー「で、何処に沈めに行くんだい?」
キース 「そうだな、此処から近い海だと…」
ジョミー「ちょっと待ってよ!」
どうして、ぼくが処刑なわけ、とジョミー君、ガクブル。
ジョミー「キースが逆立ちするんじゃないの!?」
キース 「貴様、自分の立場が分かっているのか?」
ジョミー「正直に言っただけだってば!」
そりゃ失言かもしれないけれど、と震え上がる人。
ジョミー「だけど、シロエも同罪でさ…!」
キース 「そうだったか?」
Aブルー「シロエは未遂だと思うけれどね?」
キース 「だろう?」
どうしようか、と視線を交わす疫病仏ですけど。
さて…?
2022/01/26 (Wed)
☆沈めに行くなら
小正月は小豆粥を食べて無病息災、厄除けアイテムですが。
ソルジャーという厄が来まして、キース君と手を組んだ今。
Aブルー「沈めに行くのは、ジョミーだけにしようよ」
キース 「二人も沈めるは面倒だから、というわけだな?」
Aブルー「ピンポーン!」
サイオンで細工も手間がかかるし、とソルジャー、即答。
Aブルー「未遂のシロエは、次の機会があればってことで」
キース 「そうだな、次もありそうだしな」
シロエ 「き、気を付けますから、今回は保留で…!」
キース 「ああ、恩赦ということにしておく」
その代わり、小豆粥の順番を俺に譲れ、とキース君。
キース 「お前より先に食っていい、という権利をだ…」
シロエ 「あげます、あげます、差し上げますって!」
ですから、命だけはどうか…、とシロエ君、必死の命乞い。
シロエ 「まだ死にたくはないんですよ!」
キース 「よし。では、ジョミーを沈めるということで…」
Aブルー「何処がいいかな、お勧めの海は?」
ブルー 「距離から言うとさ、南の方の大きな港が…」
近いんだけど、と生徒会長が顎に当てる手。
ブルー 「沈める場所の定番だけど、どっちかと言えば…」
Aブルー「他にいい場所があるのかい?」
ブルー 「今の時期だと、北の海はカニの季節なんだよ」
ブランド蟹が獲れる場所もあってね、と生徒会長。
ブルー 「車を出すなら、帰りは朝の漁港に寄ってさ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 獲れたてのカニを買うんだね!」
ブルー 「そう! そして、ぶるぅに頼めば、美味しく…」
Aブルー「カニ尽くしだ、と!」
それでいこう、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「ジョミーはトランクに詰めて行って、と…」
キース 「俺とマツカと、ぶるぅと、あんたと…」
ブルー 「ぼくも行こうかな、楽しそうだし」
Aブルー「ドライブがてら、沈めに行こう!」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
ぼくの命はカニ以下なわけ、と悲鳴ですけど。
漁港ですか…。
2022/01/27 (Thu)
☆カニが喜びます
小正月は小豆粥を食べて厄除け、無病息災アイテムですが。
食べる順番から話がズレて、ソルジャーとキース君が結託。
ジョミー「ぼくを海に沈めて、他のみんなはブランド蟹!?」
Aブルー「何か問題でもあるのかな?」
ジョミー「酷すぎるってば、カニ以下だなんて!」
キース 「お前の場合は、自分で招いた災難だろうが!」
正月早々、俺に厄まで寄越したしな、とキース君の睨み。
キース 「黙って海に沈んでいやがれ、カニも喜ぶ!」
シロエ 「どうしてカニが喜ぶんです?」
キース 「とびきり上等なエサが来るしな!」
カニは人肉がお好みらしいぞ、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「聞いた話だが、中華料理の本場では、だ…」
サム 「人肉をエサにするのかよ?」
キース 「結果論だが、そういう効果があるらしい」
ずっと昔の話だがな…、とキース君の解説が。
キース 「戦争があった年のカニは、美味だったそうだ」
シロエ 「戦争ですか?」
キース 「ああ。川まで血に染まる勢いだしな…」
もちろん人肉もダイレクトに…、と大真面目。
キース 「それを食ったカニが太って、肉の方もだ…」
ブルー 「美味しかったという話だねえ…」
本当かどうかは知らないけどね、と生徒会長も。
ブルー 「というわけだし、ジョミーを海に沈めるとさ…」
Aブルー「美味しいカニが出来上がるんだね!」
その頃に、また買いに行こうよ、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「朝の漁港で、ジョミーの肉で太ったカニを!」
ブルー 「まあ、共食いにはならないよね、うん」
シロエ 「カニが間に入ってますしね」
マネーロンダリングみたいな感じで、とシロエ君。
シロエ 「ジョミー先輩を食べていたって、カニの肉ですし…」
サム 「うん、人肉にはならねえしよ…」
Aブルー「そうなると、コンクリートに詰めるよりはさ…」
キース 「簀巻きの方が良さそうだな」
カニが食いやすい方にしないと、と言ってますけど。
簀巻きだと…?
2022/01/28 (Fri)
☆漁業権も欲しい
厄除けの小豆粥を食べる日ですけど、話は恐ろしい方向へ。
ソルジャーとキース君が結託、ジョミー君を海に沈めるとか。
Aブルー「コンクリート詰めだと、カニには歯が立たないしね」
キース 「ああ。簀巻きにするのが一番だ」
シロエ 「網で巻くのもいいかもですよ」
でもって、海の中に吊るしておけば…、とシロエ君が横から。
シロエ 「こう、カニが食べやすい深さと地形をですね…」
サム 「調べておいて、ピンポイントで投げ込むのな?」
シロエ 「そうです、そうです、ついでに目印の浮きとかも…」
つけておいたら便利ですよ、とシロエ君、やる気満々。
シロエ 「そしたら確実に、ジョミー先輩を食べたカニが…」
スウェナ「獲れるってわけね、網をおろせば」
シロエ 「ええ。いいアイデアだと思いませんか?」
キース 「最高だ。そうなってくると、漁船の手配も要るな」
漁業権とかも欲しいところだ、とキース君、マツカ君に視線を。
キース 「その辺の手配も出来るか、マツカ?」
マツカ 「もちろんです。漁協にも顔が利きますしね」
Aブルー「じゃあ、決まり! 今すぐ出発でもいいくらいだよ!」
ぶるぅ 「んとんと、その前に、小豆粥は?」
縁起物だし、食べなくっちゃ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「一番に食べるの、誰にすればいい?」
ジョミー「それ、ぼくで!」
でないと本気で殺されるから、とジョミー君の悲鳴が。
ジョミー「縁起物でも何でもいいから、誰か助けて!」
キース 「助けが来ると思うのか、お前?」
Aブルー「甘いね、実に甘いよ、君は!」
命乞いより、小豆粥に頼るようでは…、とソルジャーの冷笑。
Aブルー「何でもするから、命だけはとか、定番だろう?」
ジョミー「それで助かりそうにないから、小豆粥だよ!」
キース 「なるほど、自分の状況はよく分かっている、と」
ジョミー「このままじゃ死ぬ、ってことくらいはね!」
小豆粥でも縋りたいよ、と叫んでますけど。
効きますか…?
2022/01/29 (Sat)
☆分けるのが嫌なら
小豆粥を食べて厄除けな小正月、恐ろしい計画が進行中で。
キース君とソルジャーが結託、ジョミー君をカニ用のエサに。
ジョミー「命乞いしても無駄なんだったら、厄除けだってば!」
キース 「確かに、死ぬのも厄の一種ではあるな」
Aブルー「なかなか斬新な発想だよねえ、小豆粥かあ…」
それで死なない方に行くかな、と首を傾げるソルジャー。
Aブルー「そんなに有難いアイテムだったら、一番はさ…」
ブルー 「君が欲しいって?」
Aブルー「当たり前だよ、ぼくの命は特に大切なんだから!」
ジョミーとは比較にならないよね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「ジョミーが死んでも、困る人は家族くらいだし…」
シロエ 「一応、ぼくたちもカウントして貰えますか?」
腐っても友達なんですよ、とシロエ君の言。
シロエ 「ですから、多少は悲しいですし、困りもします」
Aブルー「カニのエサにするんじゃなかったっけ?」
シロエ 「ちゃんと、一応、と言いました!」
それとこれとは別件です、とキッパリと。
シロエ 「ジョミー先輩の命も、その程度には大事ですから!」
Aブルー「でもねえ、ぼくの命の場合は、仲間全員のさ…」
命がかかっているわけで…、とソルジャーも真剣。
Aブルー「そういう命を守るためにも、小豆粥を一番に!」
ジョミー「ぼくの命はどうでもいいわけ!?」
Aブルー「カニのエサは、黙って食われたまえ!」
小豆粥を食べたら沈めに出発、と突き上げる拳。
Aブルー「ぶるぅ、一番のお粥を、ぼくにね!」
ぶるぅ 「えっとね…。ジョミーも可哀想だから…」
二人で仲良く分けてくれる、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「嫌なら、拳で勝負でいいけど」
Aブルー「拳?」
ぼくにジョミーと殴り合えと…、とソルジャー、ポカーン。
Aブルー「勝つに決まっているだろう!」
ぶるぅ 「サイオン抜きでも?」
Aブルー「えっ、抜きで?」
それはちょっと…、と詰まってますけど。
どうなる…?
2022/01/30 (Sun)
☆拳で一発勝負
小正月は小豆粥を食べて厄除け、けれど恐ろしい展開な今。
ソルジャーとキース君が結託、ジョミー君の命が風前の灯。
Aブルー「サイオン抜きだと、厳しすぎる気が…」
キース 「あんた、ジョミーに敵わないのか?」
Aブルー「これでも虚弱なミュウだよ、ぼくは!」
ジョミーとは体質が違うんだよね、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「本気のジョミーに殴られた場合、死ぬ恐れもさ…」
ジョミー「そこまで酷くする気はないけど、ぼくも命が…」
かかっているから手加減は無しで、とジョミー君の返し。
ジョミー「ぶるぅ、一発勝負か、時間制限か、どっち?」
ぶるぅ 「んとんと…。一発だけど、殴り合いじゃなくって…」
シロエ 「違うんですか?」
ぶるぅ 「そうなの、二人でジャンケンなの!」
勝った方が一番に小豆粥だよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「でもでも、サイオン抜きでやってね!」
Aブルー「困るから!」
キース 「何故だ、普通にジャンケンなんだぞ?」
Aブルー「それで負けたら、ぼくの立場が無いじゃないか!」
これでも不敗なんだからね、とソルジャー、真剣。
Aブルー「たかがジャンケンで敗北なんて、とんでもない!」
サム 「勝てばいいだけの話じゃねえかよ」
Aブルー「サイオン抜きだと、負ける可能性もあるんだし!」
そんな勝負は困るんだよ、と既に逃げ腰。
Aブルー「八百長で勝たせてくれないかな?」
ジョミー「いいけど、カニのエサはチャラにしてくれる?」
Aブルー「するよ、するから、ここは勝たせて!」
君さえグーを出してくれたら…、とソルジャーの注文。
Aブルー「ぼくがパーを出して、一番ゲット!」
ジョミー「オッケー、それじゃ…」
ジャンケーン、と掛け声、一瞬でついた八百長勝負。
Aブルー「やったね、一番に小豆粥!」
シロエ 「いいんですけどね、カニが残念ですよ…」
キース 「まったくだ…」
シーズンなのに、と嘆く面々ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2022/01/31 (Mon)
☆元日から仕事
あけましておめでとうございます。今年も元老寺なお正月。
修正会に出席したシャン学メンバー、爆睡中ですけれど…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((…もう朝?)))
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!」
元気に廊下を跳ねてゆくお子様、起きるしかない展開で。
シロエ 「おはようございます…」
サム 「マジで眠いぜ…」
スウェナ「雪の中で除夜の鐘でしょ、それから本堂で…」
ジョミー「正座で法要だったもんねえ…」
もっと寝ていたい、と誰もが眠そうな顔。
マツカ 「でも、起きないとキースが来ますよ」
キース 「もう来ているが?」
来い、山門で初日の出だ、と法衣の副住職が登場。
キース 「遅れたら、親父にどやされるぞ」
一同 「「「はーい…」」」
仕方ない、と雪が積もった境内を歩いて、山門へ。
アドス 「お揃いですな。じきに初日が昇りますぞ」
イライザ「二礼二拍手一礼ですよ」
一同 「「「はいっ!」」」
昇る朝日にパンパン柏手、深々とお辞儀。
アドス 「それでは皆さん、庫裏の方へどうぞ」
ぶるぅ 「わぁーい、お雑煮!」
イライザ「おせちも沢山ありますからね」
一同 「「「やったーっ!」」」
暖房の効いた座敷に通され、揃って新年の挨拶から。
アドス 「皆さん、あけましておめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございまーす!」」」
アドス 「では、お屠蘇を。まずは銀青様から」
ブルー 「ありがとう。今年もよろしく」
生徒会長、お屠蘇をクイッと、続いて他の面々も。
イライザ「さあ、お雑煮と、おせちですよ」
アドス 「今年も和洋中と取り揃えました」
お雑煮が配られ、豪華おせちもドッサリと。
ジョミー「やったね、どれから食べようかな?」
キース 「仕事に差し支えない程度にな」
ジョミー「えっ?」
キース 「檀家さんの初詣だ!」
ジョミー「あー…」
食い過ぎたら働けないからな、と副住職の釘。
元日から仕事…。
2022/01/01 (Sat)
☆初詣の心構え
今年も元老寺で新年を迎えたシャン学メンバー、おせち中。
けれどジョミー君には、この後、仕事があるのだそうで…。
キース 「いいか、キリキリ働くんだぞ」
アドス 「一年の計は元旦にあり、と申しますからな」
サム 「俺も精一杯、頑張ります!」
アドス 「流石はサム殿、いい心がけでいらっしゃる」
銀青様の弟子はダテではないですな、とアドス和尚、絶賛。
アドス 「ジョミー殿の働きにも期待しておりますぞ」
ジョミー「期待してくれなくていいです、其処は」
アドス 「いやいやいや…。そう謙遜をなさらずに」
存分に働いて頂ければ、と言って、立ち上がるアドス和尚。
アドス 「では、初詣の支度がありますので、失礼して…」
ブルー 「じゃあ、ぼくたちは勝手にやらせて貰うよ」
キース 「俺は、ジョミーたちを連れて後で行くから」
こいつらは着替えも必要だし、とキース君、副住職モード。
キース 「初詣の心構えもして貰わないと…」
アドス 「そうじゃな、わしは本堂で待つとしようか」
炬燵の電源も入れないと…、とアドス和尚は本堂の方へ。
シロエ 「行っちゃいましたね、お正月から忙しそうです」
イライザ「私も、裏方のお仕事がありますから…」
皆さんはどうぞごゆっくり、とイライザさんも退場。
スウェナ「ジョミーたちも、そろそろ行くんでしょ?」
ジョミー「行きたくないって!」
キース 「貴様、元日からサボる気か!」
たるんでるぞ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「初詣の心構えはどうした!」
ジョミー「ぼくが行きたいのは、普通のヤツだよ!」
キース 「普通?」
ジョミー「アルテメシア大神宮とか!」
お参りをして、露店で食べて…、とジョミー君。
ジョミー「おみくじを引いたり、色々とさ…」
キース 「坊主の初詣は、寺と相場が決まっている!」
ジョミー「檀家さんは、一般人だけど?」
キース 「やかましい!」
信心深い皆さんだぞ、と怒鳴ってますけど。
一般人ですよね?
2022/01/02 (Sun)
☆普通は神社です
元老寺で元日なシャン学メンバー、おせちに舌鼓ですけど。
ジョミー君とサム君は、檀家さんの初詣のお手伝いとかで。
キース 「まずはお寺へ、と来て下さるのが檀家さんで!」
ジョミー「でもさ、それって、普通じゃないし…」
キース 「どの辺がだ!」
ジョミー「お寺へ一番に行くってトコだよ、変だってば」
此処は露店も何も無いよ、とジョミー君が眺める境内の方。
ジョミー「お寺によっては、露店が出るよね?」
シロエ 「そう言われれば、そうかもですね」
ブルー 「あるねえ、初詣で賑わう所なんかだと」
駐車場なんかも満杯でさ、と生徒会長の相槌。
ブルー 「アルテメシアには、有名どころは無いけどね」
ジョミー「うん。だから普通は、神社に出掛けて…」
初詣をして露店でB級グルメ、とジョミー君。
ジョミー「檀家さんだって、そっちが好きだと思うよ」
キース 「何が言いたい!?」
ジョミー「強制イベントになっているんじゃないの?」
元老寺の初詣は…、とジョミー君が傾げてみせる首。
ジョミー「来ないと、ヤバイことになるとか…」
キース 「そんなことはない!」
ジョミー「……本当に?」
絶対に無いと言い切れるわけ、とジョミー君も譲らず。
ジョミー「来なかった人は、不利になるとか…」
キース 「どうして、そういう発想になる!」
馬鹿か貴様は、とキース君の怒声。
キース 「頭が沸いているとしか思えんぞ!」
サム 「沸いてるんでねえの?」
お屠蘇で酔っ払っているとかよ…、とサム君の指摘。
サム 「放り出して、酔いを醒ましてやれよ」
キース 「そうだな、庭に叩き出すか」
ジョミー「ちょっと待った!」
そんなことをしていいのかな、とジョミー君、ニヤリ。
ジョミー「キースだってさ、言えた立場じゃないと思うよ」
キース 「何の話だ!」
ジョミー「去年のイベント、詰みまくってたよね?」
キース 「うっ…」
それを言うか、とグッと詰まった副住職。
詰んでましたねえ…?
2022/01/03 (Mon)
☆アイデアを出すな
元老寺で元日なシャン学メンバー、豪華なおせちに大満足。
けれどジョミー君とサム君は、檀家さんの初詣に動員で…。
ジョミー「ぼくにどうこう文句な前にさ、キースもさ…」
シロエ 「口が災いを呼びまくるのは確かですよね」
確かに間違ってはいません、とシロエ君、ピシャリ。
シロエ 「ジョミー先輩を叩き出すのは、ちょっと…」
キース 「しかし、親父がうるさいんだ!」
こいつを引っ張って行かないと…、と副住職。
キース 「元日は本堂で手伝いをする、と決まってるしな」
サム 「そうだぜ、期待されてるんだしよ…」
雪の庭に放り出されるよりは、本堂だろ、とサム君も。
サム 「しっかり勤めりゃ、後はゆっくり出来るしよ」
ジョミー「そうかな、逆立ちよりはマシかな…」
ブルー 「逆立ちで手伝えとは、誰も言ってないしね」
キース 「おい、お前たち…!」
親父の前でソレを言うなよ、とキース君の眉間に皺が。
キース 「罰のメニューに追加されたら、悲劇なんだ!」
サム 「あー…。罰礼の代わりに逆立ちな?」
ブルー 「いいかもねえ…。逆立ちで写経をするとかさ」
キース 「言わないでくれ…!」
頼むから親父にアイデアを出すな、とキース君、必死。
キース 「ジョミーはともかく、ブルーが言ったら…」
ジョミー「即、採用は間違いないよね」
嫌なら、ぼくに貼るカイロを…、とジョミー君。
キース 「はあ?」
ジョミー「カイロだってば、ほら、ぼくの役目は…」
檀家さんの下足番だしさ、とジョミー君が指差す外。
ジョミー「この雪の中で、本堂の外で待機だよ?」
シロエ 「冷えますもんねえ…」
ジョミー「うん。せめて貼るカイロくらいはさ…」
コッソリくれてもいいと思う、とジョミー君の言。
ジョミー「そしたら、逆立ちの件は黙るよ」
サム 「でもよ、キースがヤバイんでねえの?」
キース 「俺もカイロは禁止だからな…」
持ち出すのは危険すぎるんだが、と副住職。
どうなる…?
2022/01/04 (Tue)
☆貼るカイロは駄目
元老寺で元日な面々ですけど、僧籍な人には初詣のお仕事。
ジョミー君とサム君も対象でして、雪の中でもお仕事で…。
サム 「やっぱ、カイロは禁止だよなあ…?」
キース 「考えてもみろ、あの親父だぞ?」
貼るカイロが許されると思うのか、とキース君の渋面。
キース 「第一、本山での修行の時にも、暖房なんぞは…」
シロエ 「火鉢しか無かったんですよね?」
キース 「あまつさえ、外気が吹きっ晒しの場所でな…!」
あれは暖房とは言えなかった、とキース君が竦める肩。
キース 「お蔭で、みんな霜焼けでだな…!」
シロエ 「そうでしたっけ…」
キース 「ジョミーも、いずれは行く道なんだぞ」
一日くらい我慢しろ、とジョミー君をギロリと。
キース 「いや、半日ほどの間に過ぎん」
ジョミー「逆立ちだって、多分、半日は無いよ?」
キース 「はあ?」
ジョミー「アドス和尚が出す罰だってば」
逆立ちで写経するってヤツ、とジョミー君。
ジョミー「せいぜい半時間くらいじゃないかと…」
サム 「あー…。倒れちまっても困るだろうしよ…」
スウェナ「半日なんかは、やらせないわよね?」
ブルー 「虐待は逮捕されるからねえ…」
それとも傷害の方だろうか、と生徒会長が傾げる首。
ブルー 「実の息子に逆立ちをさせて、救急車だと…」
シロエ 「確実に事情を聞かれますよね?」
ブルー 「警察官にね!」
だから早めにやめると思う、と生徒会長も半時間説を支持。
ブルー 「半時間ほどなら、大丈夫だろう?」
キース 「そういう問題になるのか、コレは!?」
ジョミー「ぼくが黙っていないとさ…」
逆立ちだけど、半時間ならいいのかな、と言い募る人。
ジョミー「それとも、ぼくに貼るカイロをさ…」
キース 「プレゼントするために、持ち出せと?」
ジョミー「まあ、どっちでもいいけどね」
キース 「くっそぉ、足元を見やがって…!」
しかし、カイロを持ち出すのも…、と唸ってますけど。
どうすると…?
2022/01/05 (Wed)
☆カイロさえあれば
元老寺で迎えた元日ですけど、僧籍な人に課されたノルマ。
檀家さんの初詣のお手伝い、ジョミー君たちが対象でして。
ジョミー「貼るカイロ、家に無いとか言わないよね?」
キース 「親父が愛用しているから、ある」
シロエ 「アドス和尚は、いいんですか?」
キース 「ここだけの話、さっきも貼っていたと思うぞ」
初日の出を拝みに出ていた時だ、とキース君。
キース 「あの寒さだしな、親父なら、絶対…」
シロエ 「キース先輩は、どうだったんです?」
キース 「貼っていたわけがないだろう!」
親父にバレたら瞬殺だぞ、と肩をブルッと。
キース 「しかし親父は好きな時に貼るし、おふくろも…」
ジョミー「使ってるんだね?」
キース 「俺には、うるさく言うくせにな!」
ジョミー「それなら、1個くらい余計に減っていてもさ…」
分からないよね、とジョミー君が指差す襖の方。
ジョミー「初詣は手伝うから、カイロ、持って来てよ」
キース 「持って来ないと、逆立ちの件を喋るんだな?」
ジョミー「そうだよ、キースは凄い、ってね!」
逆立ちで写経が出来るかも、って、とニッコリと。
ジョミー「アドス和尚が、それを聞いてさ…」
サム 「罰に活用するかどうかは、お任せってことな?」
ジョミー「うん。ぼくはキースを褒めるだけ!」
罰に使えとは言わないから、と笑顔で脅しを。
ジョミー「で、どうするわけ?」
キース 「仕方ない…」
行って来る、と姿を消して、直ぐ戻って来た副住職。
キース 「ほら、好きに使え!」
ジョミー「ありがとう、見えない所に貼るよ!」
キース 「頼むから、落としてくれるなよ?」
落ちたら親父に見咎められる、と視線がマジ。
キース 「いいな、そうなれば俺が怒鳴られるんだ!」
ジョミー「分かってるって!」
キース 「では、行くぞ。サムもだ」
サム 「おう!」
ジョミー「行って来るねーっ!」
カイロさえあれば頑張れるよ、と本堂へ出発。
御苦労様です…。
2022/01/06 (Thu)
☆カイロがあっても
元老寺で元日な面々ですけど、僧籍な人には本堂で仕事が。
檀家さんの初詣のお手伝い、ジョミー君とサム君が出発で。
シロエ 「ジョミー先輩、大丈夫でしょうか?」
マツカ 「貼るカイロがあっても、この雪ですしね…」
スウェナ「昼間なのに、積もって来てるわよ」
これは寒いわ、とスウェナちゃんが眺める窓の外。
スウェナ「法衣で、本堂の外で下足番でしょ?」
ブルー 「サムとは交代出来ないからねえ…」
所作が全くなってないから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「檀家さんに失礼があったら、大変だしさ…」
シロエ 「ある意味、自業自得ですよね」
マツカ 「サムと違って、やる気がありませんからね」
ブルー 「そういうこと! 寒くても、外で頑張るしか…」
ないんだよね、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「貼るカイロも、1個だけしか無いしさ…」
スウェナ「風邪を引かないといいわね、ホントに」
ぶるぅ 「そだね、差し入れしたいけど…」
叱られちゃうし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「あったかい甘酒とか、あげたいよね…」
シロエ 「でも、バレたら大惨事は確実ですし…」
ぶるぅ 「仕方ないよね…」
お仕事が終わるまでは、と良い子も気の毒がる状況。
ぶるぅ 「アドス和尚は、怖いもん…」
マツカ 「敵に回したくはないキャラですね」
シロエ 「マツカ先輩が、それを言いますか?」
先輩の本気モードも怖いですよ、とシロエ君。
シロエ 「どっちが強いか、気になるトコです」
マツカ 「アドス和尚には敵いませんよ」
専門用語で来られると…、と正論が。
マツカ 「とても太刀打ち出来ませんしね」
一同 「「「あー…」」」
そうだっけ、と一同、ガックリ。
シロエ 「夢の対決は無理ですか…」
ブルー 「そうなるね。初詣もそろそろ終わる頃かな?」
アドス 「この、たわけがーっ!!」
一同 「「「え?」」」
なんだ、と顔を見合わせる御一同様。
アドス和尚ですよね…?
2022/01/07 (Fri)
☆カイロがバレた人
元老寺で迎えた元日ですけど、僧籍な人には初詣のお仕事。
昼間でも雪が積もる寒さの中で、本堂の外で下足番もアリ。
シロエ 「今の声、アドス和尚ですよね?」
マツカ 「たわけ、と聞こえた気がしますけど…」
ブルー 「誰か、やらかしちゃったかな?」
ヘマを、と一同、本堂の方へ視線を向けて聞き耳。
スウェナ「もしかして、カイロがバレたかしらね?」
シロエ 「そうなると、ジョミー先輩でしょうか?」
マツカ 「恐らく、そうだと思いますけど…」
どうなんでしょう、とマツカ君も心配そうな顔。
マツカ 「見に行った方がいいんでしょうか?」
ブルー 「そうだね、ちょっと廊下に出てみて様子を…」
ヤバそうだったら止めに入ろう、と生徒会長、廊下へと。
ブルー 「えっと、此処からだと、本堂は…。あっ?」
アドス 「詫びはどうしたぁーっ!!」
ジョミー「ひぃぃっ!」
本堂の縁側から、雪の積もった庭へ転がり落ちた人影。
ジョミー「ご、ごめんなさい、ごめんなさいーっ!」
アドス 「カイロを落とすなど、言語道断!」
おまけに檀家さんの前で、とアドス和尚、縁側に仁王立ち。
アドス 「親切に拾って下さっていたが、愚か者めが!」
ジョミー「す、すみません、反省してます…!」
見えない所に貼ったんですが、とジョミー君、土下座。
ジョミー「気を付けるように、言われてたのに…!」
アドス 「なんじゃと?」
ジョミー「落としたりしたら、終わりだから、って…!」
アドス 「当たり前じゃろうが!」
たわけ者めが、と怒鳴って、ハッと何かに気付いたようで。
アドス 「ちょっと待て、誰が言ったんじゃ?」
ジョミー「そ、それは…」
ジョミー君、本堂の方を見上げまして。
ジョミー「喋ったら、逆立ちになるかもで…」
アドス 「そんな罰は、ワシは出しておらんが?」
ジョミー「で、ですよね、やっぱり…」
一同 (((馬鹿…)))
それは詰むヤツ、と顔を見合わせる御一同様。
どうなる…?
2022/01/08 (Sat)
☆カイロがバレたら
元老寺での元日、僧籍な人は檀家さんの初詣のお手伝いが。
本堂の外で下足番なジョミー君、貼るカイロで出掛けて…。
アドス 「カイロを落としたら終わりで、逆立ちじゃと?」
ジョミー「そ、そうなるかも、っていう話で…!」
アドス 「ほう…。ワシが逆立ちをさせるんじゃな?」
ジョミー殿に、とアドス和尚の確認が。
アドス 「まあ、罰礼の作法も出来ておらんし…」
ジョミー「ち、違うんです、ぼくじゃなくって…!」
アドス 「ジョミー殿ではない、と…?」
一同 (((うわわ…)))
えらいことに、と一同、ガクブル。
シロエ 「これ、キース先輩が詰む流れですよね?」
マツカ 「そうなりますね…」
せっかくカイロを渡したのに、とマツカ君、溜息。
マツカ 「結局、ジョミーが喋るんですよ」
スウェナ「天網恢恢、ってヤツかしらねえ…?」
シロエ 「いえ、脅されたのはキース先輩ですし…」
どうなんでしょう、と眺める間に、アドス和尚も熟考で。
アドス 「ジョミー殿に、ちょっと質問なんじゃが…」
ジョミー「は、はいっ?」
アドス 「カイロを落とすのは、ジョミー殿でじゃな…」
終わるのもジョミー殿じゃろう、と縁側から見下ろす人。
アドス 「なのに、逆立ちは別の誰かが、と…?」
ジョミー「あっ…!」
マズイ、とジョミー君が押さえる自分の口。
ジョミー「い、いえ、今のは忘れて下さい!」
アドス 「そうはいかんな、こう、正直に…」
キリキリと答えて頂きたい、とアドス和尚の鬼の睨みが。
アドス 「ジョミー殿が落としたカイロは、じゃ…」
ジョミー「はい…?」
アドス 「私物か、うちの備品か、どっちじゃ?」
正直に、と縁側から乗り出すようにズズイと。
アドス 「隠すと、ためにならんのじゃが…?」
ジョミー「そ、それは…」
アドス 「どっちじゃと?」
ジョミー「此処のです!」
一同 (((終わった…)))
キースの人生、と誰もが真っ青ですけど。
詰みましたかねえ…。
2022/01/09 (Sun)
☆手に入れた場所は
元老寺での元日、檀家さんの初詣も終わったわけですけど。
ジョミー君がカイロを落として、それが悲劇の始まりで…。
アドス 「うちの寺の備品、ということじゃな?」
ジョミー「そ、そうなんです…」
アドス 「なるほど…。では、もう一つ、質問じゃが…」
何処でカイロを手に入れたんじゃ、とアドス和尚。
アドス 「目につく場所には、置いていないわけでな…」
ジョミー「は、はい…?」
アドス 「盗み出したのか、それとも誰かが…」
手引きをしたと、とアドス和尚の鋭いツッコミ。
アドス 「盗んだのなら、普通に犯罪になるんじゃが…」
ジョミー「ひぃぃっ!」
アドス 「どうやら、手引きをした者が…」
いるような気が…、とアドス和尚が顎に当てる手。
アドス 「そしてカイロを落とした場合は、そいつが…」
一同 (((ヤバイ…)))
アドス 「ワシに逆立ちさせられる、と?」
ジョミー「い、いえ…! え、えっと、いえ、えっと…」
ジョミー君、雪が積もってゆく庭でワタワタ。
ジョミー「そ、そうじゃなくって、えっと、えっと…!」
アドス 「語るに落ちる、というヤツじゃな」
犯人は其処じゃ! と、アドス和尚、クルリと方向転換。
アドス 「キース、カイロは、お前じゃろう!」
キース 「えっ…!」
アドス 「他に考えられんのじゃが…?」
イライザが渡すとは思えんしな、と詰め寄る人。
アドス 「その上、ジョミー殿に口止めした、と…!」
キース 「ち、違う…!」
アドス 「何処が違うんじゃ、ジョミー殿は、じゃ…」
喋ったら終わりと言っていたぞ、と揚げ足をサッと。
アドス 「つまり、お前が脅したんじゃ!」
キース 「なんでそうなる!」
俺は脅された方なんだぞ、とキース君も必死。
キース 「ジョミーが喋ってしまったら…!」
アドス 「なに、他に何かあると…?」
キース 「うっ…!」
一同 (((やった…)))
また失言か、と誰もが肩をガックリと。
首を締めましたね?
2022/01/10 (Mon)
☆罰礼の代わりに
元老寺での元日、檀家さんの初詣は無事に終了ですけれど。
ジョミー君が張るカイロを落として、キース君がピンチで。
アドス 「ジョミー殿が喋ったら、何が起きると?」
キース 「いや、何でもない…!」
アドス 「違うじゃろう、お前が逆立ちじゃろうが!」
どんな取り引きかは知らんがな、とアドス和尚の睨みが。
アドス 「そしてカイロを渡したのは、ズバリお前じゃ!」
キース 「そ、それは…!」
アドス 「否定は出来ん筈じゃがな?」
今の流れでは…、とキース君をギロリと。
アドス 「まあいい、お前のやるべきことは、じゃ…」
キース 「罰礼百回、やってくる!」
アドス 「いや、毎回それでは芸が無いしのう…」
お正月から御本尊様を煩わせるのも…、と指差す庫裏。
アドス 「庫裏の廊下で逆立ちじゃ!」
一同 (((げっ!)))
キース君もグッと詰まって、泣きそうな顔。
キース 「ま、まさか、逆立ちで写経をしろと…?」
アドス 「ほほう…。ジョミー殿、そうだったと?」
ジョミー「い、いえ、えっと、えっとですね…!」
アドス 「どうやら間違いないようじゃな」
そうするがいい、とピシャリ。
アドス 「左手で逆立ち、右手で写経じゃ!」
キース 「そんな…!」
アドス 「ワシも鬼ではないからのう…」
休憩は適宜、取っていいぞ、とアドス和尚。
アドス 「では、座敷の前の廊下で頑張るように」
キース 「お、親父…!」
アドス 「写し終わったら、皆さんと過ごしてかまわん」
さあ来い、と視線を向けた先には、皆がいるわけで。
アドス 「おお、これは皆様、お揃いで…」
ブルー 「まあねえ、騒ぎが聞こえたからさ」
写経だってね、と生徒会長、ジョミー君も庭から帰還で。
ブルー 「ジョミーの罪は問わないのかな?」
アドス 「犯人は、せがれですからな!」
キース 「違うんだが!」
アドス 「お前しかおらんわ!」
カイロを盗み出したじゃろうが、と怒りの形相。
其処ですか…。
2022/01/11 (Tue)
☆監視をよろしく
元老寺での元日、檀家さんの初詣は無事に終わりましたが。
ジョミー君が貼るカイロを落として、キース君がピンチに。
アドス 「そもそも、寒いからと貼るカイロをじゃな…」
キース 「俺が使ったわけではない!」
アレはジョミーが…、とキース君の反論。
キース 「雪の中で下足番は辛い、と俺を脅して…!」
アドス 「そうかもしれんが、脅されるのは、じゃ…」
後ろ暗い所があるからじゃろうが、とアドス和尚の指摘。
アドス 「つまり、元から、何かをやらかしていて…」
キース 「誓って、何もやっていないが!」
アドス 「一事が万事、と言うじゃろうが!」
現にカイロを盗み出したし…、と仁王立ち。
アドス 「つべこべ言わずに、サッサと写経をせんか!」
キース 「そ、そんな…!」
アドス 「しかし、法衣では裾が乱れて見苦しくなるし…」
ジャージに着替えてやるように、と指をビシイ! と。
アドス 「というわけで、銀青様にお願いが…」
ブルー 「なんだい?」
アドス 「せがれがサボッて手を抜かないように…」
監視して頂ければ嬉しいのですが、と恐ろしい申し出。
アドス 「ワシは、明日も檀家さんの初詣がですな…」
ブルー 「続くから、色々忙しいんだね?」
アドス 「はい。ですので、時々、せがれの様子を…」
スマホに送って頂けますかな、と鬼の注文。
アドス 「動画でも、写真でも、其処はお任せしますので」
ブルー 「オッケー、逆立ちの様子を、だね?」
アドス 「普通に座って写経では、こう、当たり前で…」
ブルー 「罰としては軽すぎる、って思うよねえ…」
分かった、と生徒会長、コクリと。
ブルー 「ちゃんと見張って、5分おきに送信するよ」
アドス 「有難うございます。では、皆さんは宴の方を…」
キース 「俺だけ逆立ちしていろと?」
アドス 「終わったら、フリーじゃ。ではな」
キース 「あんまりだ…!」
せめて罰礼か普通に写経、と叫んでますけど。
無理っぽい気が…。
2022/01/12 (Wed)
☆逆立ちを肴に
元老寺でのお正月、元日からキース君に下った恐ろしい罰。
庫裏の廊下で逆立ちで写経、しかも生徒会長の監視つきで。
キース 「親父、頼むから減刑してくれ、この通りだ!」
シロエ 「あのぅ…。もう姿が見えませんけどね?」
ブルー 「早く始めれば早く済むしさ、ほら、着替えて!」
ジャージでやれと言われただろう、と生徒会長の催促が。
ブルー 「5分おきに送信する約束だしさ…」
ジョミー「早くしないと、サボリ認定されるよ?」
キース 「誰のせいだと思ってやがる!」
シロエ 「でも、先輩が自分で言ったんですよ?」
逆立ちで写経する件は、とシロエ君の冷たい言葉。
シロエ 「ジョミー先輩は、無罪放免になりましたし…」
サム 「蒸し返したら、不利になるんでねえの?」
スウェナ「そうよね、写経が倍になるとか…」
キース 「やめてくれ…!」
そんなのは嫌だ、とジャージに着替えて来たキース君。
キース 「…墨を磨るのも、逆立ちだろうか?」
ブルー 「そうなるだろうねえ…」
キース 「くっそぉ…!」
やってやる、とジャージで逆立ち、磨り始めた墨。
シロエ 「流石ですねえ、凄いスキルですよ」
ブルー 「よし、この光景を送信、っと…」
後は5分おきに撮影だよね、と生徒会長。
ブルー 「面白いから、此処の襖は開けておいてさ…」
サム 「キースを肴に宴会なのな?」
キース 「他人事だと思いやがって!」
ぶるぅ 「んとんと、差し入れくらいするけど…」
逆立ちしたまま食べられるの、と良い子の質問。
ぶるぅ 「それなら御馳走、持って来るよ?」
キース 「いや、そのコースは拷問だ…!」
確実に死ぬ、とキース君の悲鳴。
キース 「俺に構わず、そっちは好きにやってくれ!」
ジョミー「他人事でいいんだ?」
キース 「死ぬよりはマシだ!」
ブルー 「オッケー、それじゃ宴会続行!」
一同 「「「わぁーい!」」」
食べるぞ、と賑やかに宴会な面々ですけど。
キース君は逆立ち…。
2022/01/13 (Thu)
☆今年は気を付けて
元老寺でお正月ですけど、元日からキース君に下された罰。
庫裏の廊下で逆立ちで写経、生徒会長が監視するわけで。
ジョミー「今年のおせちも、ホントに美味しいよね!」
サム 「和洋中、どれもハズレがねえよな」
シロエ 「ええ。会長がVIPだからこそですよねえ…」
キース先輩のお客なだけでは無理でしょう、とシロエ君。
シロエ 「下手をしたら、今頃は放り出されてますよ」
マツカ 「そうかもですね、キースがあの有様では…」
スウェナ「惨めよねえ…」
元日から逆立ちで写経だなんて、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「まだ半分も写せてないわよ?」
ブルー 「1時間では済まないだろうね」
さて…、とスマホで撮影、アドス和尚に手早く送信。
ブルー 「まあ、ぼくたちは楽しくやろうよ」
シロエ 「会長、そのデータはどうするんです?」
まさか残すとか…、とシロエ君の問い。
シロエ 「でもって、後々、脅しの種に…」
ブルー 「大丈夫、ぼくは其処まで鬼じゃないから」
ちゃんと消すよ、と生徒会長、廊下の方にも声掛けを。
ブルー 「だから安心して写経したまえ」
キース 「そ、そうか…」
恩に着る、と写経を続ける人。
ジョミー「アドス和尚も厳しいよねえ…」
サム 「お前がカイロを落としたせいだぜ?」
ジョミー「細かいことはいいんだってば!」
ブルー 「うん、元老寺ではアドス和尚が法律だしね」
無罪だったら、問題無し! と銀青様もジョミー君を支持。
ブルー 「というわけで、楽しくやろうよ!」
ぶるぅ 「お正月だもんね!」
シロエ 「会長、5分経ちました」
ブルー 「おっと…!」
送信、送信…、とスマホで撮影されるキース君。
キース 「くっそぉ、なんで俺だけが…!」
ブルー 「一年の計は元旦にありだよ、今年こそはさ…」
シロエ 「言動に気を付けて下さいね?」
キース 「もう身に染みて分かっている!」
今年こそは、と呻きながらの写経ですけど。
さて、今年は…?
2022/01/14 (Fri)
☆厄除けに小豆粥
お正月が終わった後は、成人の日で三連休になるのが今年。
平穏無事に遊びまくって、迎えた小正月な15日ですけど。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今日は小豆粥だよ!」
ジョミー「えっ、せっかく遊びに来たのに、お粥って…」
サム 「土曜日なんだぜ、もっと、こう…」
ゴージャスによ、とサム君も相槌な生徒会長宅での休日。
サム 「お粥でも色々あるじゃねえかよ、中華とか…」
シロエ 「アワビ粥なんかも美味しいですよね」
ジョミー「うん、そういうのを期待なんだけど…」
ぶるぅ 「えとえと、でもね…」
小正月は小豆粥の日だし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「縁起物なの、厄除けで無病息災なの!」
ブルー 「そうだよ、特にお勧めしたい人もいるしね」
若干一名、と生徒会長の視線がキース君に。
ブルー 「君は、しっかり食べておいた方が…」
スウェナ「どうかしら? キースがババを引いた場合は…」
シロエ 「ぼくたちが助かりますからねえ…」
マツカ 「確かに、去年はそうでしたね」
その傾向が顕著でした、と御曹司も。
マツカ 「今年も、元日にジョミーが助かっていますし…」
サム 「キースには、食わせねえ方がいいんでねえの?」
キース 「おい、お前たち…!」
何もかも俺に押し付ける気か、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「ぶるぅ、俺に一番に小豆粥をくれ!」
ぶるぅ 「順番なんかは、関係無いと思うけど…」
??? 「だよねえ、それに厄除けなんかをしたってさ…」
無駄だろうね、とソルジャー(Aブルー)登場。
Aブルー「あけましておめでとう! 今日までだよね」
ブルー 「ギリギリセーフって所かな」
お正月飾りは今日でおしまい、と生徒会長。
ブルー 「小豆粥を食べに来たのかい?」
Aブルー「それとニューイヤーの挨拶にね!」
ブルー 「ご丁寧に、どうも」
Aブルー「今年も、いい年にしたいからねえ…」
挨拶は大事だと思う、と言ってますけど。
迷惑なのでは…?
2022/01/15 (Sat)
あけましておめでとうございます。今年も元老寺なお正月。
修正会に出席したシャン学メンバー、爆睡中ですけれど…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((…もう朝?)))
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!」
元気に廊下を跳ねてゆくお子様、起きるしかない展開で。
シロエ 「おはようございます…」
サム 「マジで眠いぜ…」
スウェナ「雪の中で除夜の鐘でしょ、それから本堂で…」
ジョミー「正座で法要だったもんねえ…」
もっと寝ていたい、と誰もが眠そうな顔。
マツカ 「でも、起きないとキースが来ますよ」
キース 「もう来ているが?」
来い、山門で初日の出だ、と法衣の副住職が登場。
キース 「遅れたら、親父にどやされるぞ」
一同 「「「はーい…」」」
仕方ない、と雪が積もった境内を歩いて、山門へ。
アドス 「お揃いですな。じきに初日が昇りますぞ」
イライザ「二礼二拍手一礼ですよ」
一同 「「「はいっ!」」」
昇る朝日にパンパン柏手、深々とお辞儀。
アドス 「それでは皆さん、庫裏の方へどうぞ」
ぶるぅ 「わぁーい、お雑煮!」
イライザ「おせちも沢山ありますからね」
一同 「「「やったーっ!」」」
暖房の効いた座敷に通され、揃って新年の挨拶から。
アドス 「皆さん、あけましておめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございまーす!」」」
アドス 「では、お屠蘇を。まずは銀青様から」
ブルー 「ありがとう。今年もよろしく」
生徒会長、お屠蘇をクイッと、続いて他の面々も。
イライザ「さあ、お雑煮と、おせちですよ」
アドス 「今年も和洋中と取り揃えました」
お雑煮が配られ、豪華おせちもドッサリと。
ジョミー「やったね、どれから食べようかな?」
キース 「仕事に差し支えない程度にな」
ジョミー「えっ?」
キース 「檀家さんの初詣だ!」
ジョミー「あー…」
食い過ぎたら働けないからな、と副住職の釘。
元日から仕事…。
2022/01/01 (Sat)
☆初詣の心構え
今年も元老寺で新年を迎えたシャン学メンバー、おせち中。
けれどジョミー君には、この後、仕事があるのだそうで…。
キース 「いいか、キリキリ働くんだぞ」
アドス 「一年の計は元旦にあり、と申しますからな」
サム 「俺も精一杯、頑張ります!」
アドス 「流石はサム殿、いい心がけでいらっしゃる」
銀青様の弟子はダテではないですな、とアドス和尚、絶賛。
アドス 「ジョミー殿の働きにも期待しておりますぞ」
ジョミー「期待してくれなくていいです、其処は」
アドス 「いやいやいや…。そう謙遜をなさらずに」
存分に働いて頂ければ、と言って、立ち上がるアドス和尚。
アドス 「では、初詣の支度がありますので、失礼して…」
ブルー 「じゃあ、ぼくたちは勝手にやらせて貰うよ」
キース 「俺は、ジョミーたちを連れて後で行くから」
こいつらは着替えも必要だし、とキース君、副住職モード。
キース 「初詣の心構えもして貰わないと…」
アドス 「そうじゃな、わしは本堂で待つとしようか」
炬燵の電源も入れないと…、とアドス和尚は本堂の方へ。
シロエ 「行っちゃいましたね、お正月から忙しそうです」
イライザ「私も、裏方のお仕事がありますから…」
皆さんはどうぞごゆっくり、とイライザさんも退場。
スウェナ「ジョミーたちも、そろそろ行くんでしょ?」
ジョミー「行きたくないって!」
キース 「貴様、元日からサボる気か!」
たるんでるぞ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「初詣の心構えはどうした!」
ジョミー「ぼくが行きたいのは、普通のヤツだよ!」
キース 「普通?」
ジョミー「アルテメシア大神宮とか!」
お参りをして、露店で食べて…、とジョミー君。
ジョミー「おみくじを引いたり、色々とさ…」
キース 「坊主の初詣は、寺と相場が決まっている!」
ジョミー「檀家さんは、一般人だけど?」
キース 「やかましい!」
信心深い皆さんだぞ、と怒鳴ってますけど。
一般人ですよね?
2022/01/02 (Sun)
☆普通は神社です
元老寺で元日なシャン学メンバー、おせちに舌鼓ですけど。
ジョミー君とサム君は、檀家さんの初詣のお手伝いとかで。
キース 「まずはお寺へ、と来て下さるのが檀家さんで!」
ジョミー「でもさ、それって、普通じゃないし…」
キース 「どの辺がだ!」
ジョミー「お寺へ一番に行くってトコだよ、変だってば」
此処は露店も何も無いよ、とジョミー君が眺める境内の方。
ジョミー「お寺によっては、露店が出るよね?」
シロエ 「そう言われれば、そうかもですね」
ブルー 「あるねえ、初詣で賑わう所なんかだと」
駐車場なんかも満杯でさ、と生徒会長の相槌。
ブルー 「アルテメシアには、有名どころは無いけどね」
ジョミー「うん。だから普通は、神社に出掛けて…」
初詣をして露店でB級グルメ、とジョミー君。
ジョミー「檀家さんだって、そっちが好きだと思うよ」
キース 「何が言いたい!?」
ジョミー「強制イベントになっているんじゃないの?」
元老寺の初詣は…、とジョミー君が傾げてみせる首。
ジョミー「来ないと、ヤバイことになるとか…」
キース 「そんなことはない!」
ジョミー「……本当に?」
絶対に無いと言い切れるわけ、とジョミー君も譲らず。
ジョミー「来なかった人は、不利になるとか…」
キース 「どうして、そういう発想になる!」
馬鹿か貴様は、とキース君の怒声。
キース 「頭が沸いているとしか思えんぞ!」
サム 「沸いてるんでねえの?」
お屠蘇で酔っ払っているとかよ…、とサム君の指摘。
サム 「放り出して、酔いを醒ましてやれよ」
キース 「そうだな、庭に叩き出すか」
ジョミー「ちょっと待った!」
そんなことをしていいのかな、とジョミー君、ニヤリ。
ジョミー「キースだってさ、言えた立場じゃないと思うよ」
キース 「何の話だ!」
ジョミー「去年のイベント、詰みまくってたよね?」
キース 「うっ…」
それを言うか、とグッと詰まった副住職。
詰んでましたねえ…?
2022/01/03 (Mon)
☆アイデアを出すな
元老寺で元日なシャン学メンバー、豪華なおせちに大満足。
けれどジョミー君とサム君は、檀家さんの初詣に動員で…。
ジョミー「ぼくにどうこう文句な前にさ、キースもさ…」
シロエ 「口が災いを呼びまくるのは確かですよね」
確かに間違ってはいません、とシロエ君、ピシャリ。
シロエ 「ジョミー先輩を叩き出すのは、ちょっと…」
キース 「しかし、親父がうるさいんだ!」
こいつを引っ張って行かないと…、と副住職。
キース 「元日は本堂で手伝いをする、と決まってるしな」
サム 「そうだぜ、期待されてるんだしよ…」
雪の庭に放り出されるよりは、本堂だろ、とサム君も。
サム 「しっかり勤めりゃ、後はゆっくり出来るしよ」
ジョミー「そうかな、逆立ちよりはマシかな…」
ブルー 「逆立ちで手伝えとは、誰も言ってないしね」
キース 「おい、お前たち…!」
親父の前でソレを言うなよ、とキース君の眉間に皺が。
キース 「罰のメニューに追加されたら、悲劇なんだ!」
サム 「あー…。罰礼の代わりに逆立ちな?」
ブルー 「いいかもねえ…。逆立ちで写経をするとかさ」
キース 「言わないでくれ…!」
頼むから親父にアイデアを出すな、とキース君、必死。
キース 「ジョミーはともかく、ブルーが言ったら…」
ジョミー「即、採用は間違いないよね」
嫌なら、ぼくに貼るカイロを…、とジョミー君。
キース 「はあ?」
ジョミー「カイロだってば、ほら、ぼくの役目は…」
檀家さんの下足番だしさ、とジョミー君が指差す外。
ジョミー「この雪の中で、本堂の外で待機だよ?」
シロエ 「冷えますもんねえ…」
ジョミー「うん。せめて貼るカイロくらいはさ…」
コッソリくれてもいいと思う、とジョミー君の言。
ジョミー「そしたら、逆立ちの件は黙るよ」
サム 「でもよ、キースがヤバイんでねえの?」
キース 「俺もカイロは禁止だからな…」
持ち出すのは危険すぎるんだが、と副住職。
どうなる…?
2022/01/04 (Tue)
☆貼るカイロは駄目
元老寺で元日な面々ですけど、僧籍な人には初詣のお仕事。
ジョミー君とサム君も対象でして、雪の中でもお仕事で…。
サム 「やっぱ、カイロは禁止だよなあ…?」
キース 「考えてもみろ、あの親父だぞ?」
貼るカイロが許されると思うのか、とキース君の渋面。
キース 「第一、本山での修行の時にも、暖房なんぞは…」
シロエ 「火鉢しか無かったんですよね?」
キース 「あまつさえ、外気が吹きっ晒しの場所でな…!」
あれは暖房とは言えなかった、とキース君が竦める肩。
キース 「お蔭で、みんな霜焼けでだな…!」
シロエ 「そうでしたっけ…」
キース 「ジョミーも、いずれは行く道なんだぞ」
一日くらい我慢しろ、とジョミー君をギロリと。
キース 「いや、半日ほどの間に過ぎん」
ジョミー「逆立ちだって、多分、半日は無いよ?」
キース 「はあ?」
ジョミー「アドス和尚が出す罰だってば」
逆立ちで写経するってヤツ、とジョミー君。
ジョミー「せいぜい半時間くらいじゃないかと…」
サム 「あー…。倒れちまっても困るだろうしよ…」
スウェナ「半日なんかは、やらせないわよね?」
ブルー 「虐待は逮捕されるからねえ…」
それとも傷害の方だろうか、と生徒会長が傾げる首。
ブルー 「実の息子に逆立ちをさせて、救急車だと…」
シロエ 「確実に事情を聞かれますよね?」
ブルー 「警察官にね!」
だから早めにやめると思う、と生徒会長も半時間説を支持。
ブルー 「半時間ほどなら、大丈夫だろう?」
キース 「そういう問題になるのか、コレは!?」
ジョミー「ぼくが黙っていないとさ…」
逆立ちだけど、半時間ならいいのかな、と言い募る人。
ジョミー「それとも、ぼくに貼るカイロをさ…」
キース 「プレゼントするために、持ち出せと?」
ジョミー「まあ、どっちでもいいけどね」
キース 「くっそぉ、足元を見やがって…!」
しかし、カイロを持ち出すのも…、と唸ってますけど。
どうすると…?
2022/01/05 (Wed)
☆カイロさえあれば
元老寺で迎えた元日ですけど、僧籍な人に課されたノルマ。
檀家さんの初詣のお手伝い、ジョミー君たちが対象でして。
ジョミー「貼るカイロ、家に無いとか言わないよね?」
キース 「親父が愛用しているから、ある」
シロエ 「アドス和尚は、いいんですか?」
キース 「ここだけの話、さっきも貼っていたと思うぞ」
初日の出を拝みに出ていた時だ、とキース君。
キース 「あの寒さだしな、親父なら、絶対…」
シロエ 「キース先輩は、どうだったんです?」
キース 「貼っていたわけがないだろう!」
親父にバレたら瞬殺だぞ、と肩をブルッと。
キース 「しかし親父は好きな時に貼るし、おふくろも…」
ジョミー「使ってるんだね?」
キース 「俺には、うるさく言うくせにな!」
ジョミー「それなら、1個くらい余計に減っていてもさ…」
分からないよね、とジョミー君が指差す襖の方。
ジョミー「初詣は手伝うから、カイロ、持って来てよ」
キース 「持って来ないと、逆立ちの件を喋るんだな?」
ジョミー「そうだよ、キースは凄い、ってね!」
逆立ちで写経が出来るかも、って、とニッコリと。
ジョミー「アドス和尚が、それを聞いてさ…」
サム 「罰に活用するかどうかは、お任せってことな?」
ジョミー「うん。ぼくはキースを褒めるだけ!」
罰に使えとは言わないから、と笑顔で脅しを。
ジョミー「で、どうするわけ?」
キース 「仕方ない…」
行って来る、と姿を消して、直ぐ戻って来た副住職。
キース 「ほら、好きに使え!」
ジョミー「ありがとう、見えない所に貼るよ!」
キース 「頼むから、落としてくれるなよ?」
落ちたら親父に見咎められる、と視線がマジ。
キース 「いいな、そうなれば俺が怒鳴られるんだ!」
ジョミー「分かってるって!」
キース 「では、行くぞ。サムもだ」
サム 「おう!」
ジョミー「行って来るねーっ!」
カイロさえあれば頑張れるよ、と本堂へ出発。
御苦労様です…。
2022/01/06 (Thu)
☆カイロがあっても
元老寺で元日な面々ですけど、僧籍な人には本堂で仕事が。
檀家さんの初詣のお手伝い、ジョミー君とサム君が出発で。
シロエ 「ジョミー先輩、大丈夫でしょうか?」
マツカ 「貼るカイロがあっても、この雪ですしね…」
スウェナ「昼間なのに、積もって来てるわよ」
これは寒いわ、とスウェナちゃんが眺める窓の外。
スウェナ「法衣で、本堂の外で下足番でしょ?」
ブルー 「サムとは交代出来ないからねえ…」
所作が全くなってないから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「檀家さんに失礼があったら、大変だしさ…」
シロエ 「ある意味、自業自得ですよね」
マツカ 「サムと違って、やる気がありませんからね」
ブルー 「そういうこと! 寒くても、外で頑張るしか…」
ないんだよね、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「貼るカイロも、1個だけしか無いしさ…」
スウェナ「風邪を引かないといいわね、ホントに」
ぶるぅ 「そだね、差し入れしたいけど…」
叱られちゃうし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「あったかい甘酒とか、あげたいよね…」
シロエ 「でも、バレたら大惨事は確実ですし…」
ぶるぅ 「仕方ないよね…」
お仕事が終わるまでは、と良い子も気の毒がる状況。
ぶるぅ 「アドス和尚は、怖いもん…」
マツカ 「敵に回したくはないキャラですね」
シロエ 「マツカ先輩が、それを言いますか?」
先輩の本気モードも怖いですよ、とシロエ君。
シロエ 「どっちが強いか、気になるトコです」
マツカ 「アドス和尚には敵いませんよ」
専門用語で来られると…、と正論が。
マツカ 「とても太刀打ち出来ませんしね」
一同 「「「あー…」」」
そうだっけ、と一同、ガックリ。
シロエ 「夢の対決は無理ですか…」
ブルー 「そうなるね。初詣もそろそろ終わる頃かな?」
アドス 「この、たわけがーっ!!」
一同 「「「え?」」」
なんだ、と顔を見合わせる御一同様。
アドス和尚ですよね…?
2022/01/07 (Fri)
☆カイロがバレた人
元老寺で迎えた元日ですけど、僧籍な人には初詣のお仕事。
昼間でも雪が積もる寒さの中で、本堂の外で下足番もアリ。
シロエ 「今の声、アドス和尚ですよね?」
マツカ 「たわけ、と聞こえた気がしますけど…」
ブルー 「誰か、やらかしちゃったかな?」
ヘマを、と一同、本堂の方へ視線を向けて聞き耳。
スウェナ「もしかして、カイロがバレたかしらね?」
シロエ 「そうなると、ジョミー先輩でしょうか?」
マツカ 「恐らく、そうだと思いますけど…」
どうなんでしょう、とマツカ君も心配そうな顔。
マツカ 「見に行った方がいいんでしょうか?」
ブルー 「そうだね、ちょっと廊下に出てみて様子を…」
ヤバそうだったら止めに入ろう、と生徒会長、廊下へと。
ブルー 「えっと、此処からだと、本堂は…。あっ?」
アドス 「詫びはどうしたぁーっ!!」
ジョミー「ひぃぃっ!」
本堂の縁側から、雪の積もった庭へ転がり落ちた人影。
ジョミー「ご、ごめんなさい、ごめんなさいーっ!」
アドス 「カイロを落とすなど、言語道断!」
おまけに檀家さんの前で、とアドス和尚、縁側に仁王立ち。
アドス 「親切に拾って下さっていたが、愚か者めが!」
ジョミー「す、すみません、反省してます…!」
見えない所に貼ったんですが、とジョミー君、土下座。
ジョミー「気を付けるように、言われてたのに…!」
アドス 「なんじゃと?」
ジョミー「落としたりしたら、終わりだから、って…!」
アドス 「当たり前じゃろうが!」
たわけ者めが、と怒鳴って、ハッと何かに気付いたようで。
アドス 「ちょっと待て、誰が言ったんじゃ?」
ジョミー「そ、それは…」
ジョミー君、本堂の方を見上げまして。
ジョミー「喋ったら、逆立ちになるかもで…」
アドス 「そんな罰は、ワシは出しておらんが?」
ジョミー「で、ですよね、やっぱり…」
一同 (((馬鹿…)))
それは詰むヤツ、と顔を見合わせる御一同様。
どうなる…?
2022/01/08 (Sat)
☆カイロがバレたら
元老寺での元日、僧籍な人は檀家さんの初詣のお手伝いが。
本堂の外で下足番なジョミー君、貼るカイロで出掛けて…。
アドス 「カイロを落としたら終わりで、逆立ちじゃと?」
ジョミー「そ、そうなるかも、っていう話で…!」
アドス 「ほう…。ワシが逆立ちをさせるんじゃな?」
ジョミー殿に、とアドス和尚の確認が。
アドス 「まあ、罰礼の作法も出来ておらんし…」
ジョミー「ち、違うんです、ぼくじゃなくって…!」
アドス 「ジョミー殿ではない、と…?」
一同 (((うわわ…)))
えらいことに、と一同、ガクブル。
シロエ 「これ、キース先輩が詰む流れですよね?」
マツカ 「そうなりますね…」
せっかくカイロを渡したのに、とマツカ君、溜息。
マツカ 「結局、ジョミーが喋るんですよ」
スウェナ「天網恢恢、ってヤツかしらねえ…?」
シロエ 「いえ、脅されたのはキース先輩ですし…」
どうなんでしょう、と眺める間に、アドス和尚も熟考で。
アドス 「ジョミー殿に、ちょっと質問なんじゃが…」
ジョミー「は、はいっ?」
アドス 「カイロを落とすのは、ジョミー殿でじゃな…」
終わるのもジョミー殿じゃろう、と縁側から見下ろす人。
アドス 「なのに、逆立ちは別の誰かが、と…?」
ジョミー「あっ…!」
マズイ、とジョミー君が押さえる自分の口。
ジョミー「い、いえ、今のは忘れて下さい!」
アドス 「そうはいかんな、こう、正直に…」
キリキリと答えて頂きたい、とアドス和尚の鬼の睨みが。
アドス 「ジョミー殿が落としたカイロは、じゃ…」
ジョミー「はい…?」
アドス 「私物か、うちの備品か、どっちじゃ?」
正直に、と縁側から乗り出すようにズズイと。
アドス 「隠すと、ためにならんのじゃが…?」
ジョミー「そ、それは…」
アドス 「どっちじゃと?」
ジョミー「此処のです!」
一同 (((終わった…)))
キースの人生、と誰もが真っ青ですけど。
詰みましたかねえ…。
2022/01/09 (Sun)
☆手に入れた場所は
元老寺での元日、檀家さんの初詣も終わったわけですけど。
ジョミー君がカイロを落として、それが悲劇の始まりで…。
アドス 「うちの寺の備品、ということじゃな?」
ジョミー「そ、そうなんです…」
アドス 「なるほど…。では、もう一つ、質問じゃが…」
何処でカイロを手に入れたんじゃ、とアドス和尚。
アドス 「目につく場所には、置いていないわけでな…」
ジョミー「は、はい…?」
アドス 「盗み出したのか、それとも誰かが…」
手引きをしたと、とアドス和尚の鋭いツッコミ。
アドス 「盗んだのなら、普通に犯罪になるんじゃが…」
ジョミー「ひぃぃっ!」
アドス 「どうやら、手引きをした者が…」
いるような気が…、とアドス和尚が顎に当てる手。
アドス 「そしてカイロを落とした場合は、そいつが…」
一同 (((ヤバイ…)))
アドス 「ワシに逆立ちさせられる、と?」
ジョミー「い、いえ…! え、えっと、いえ、えっと…」
ジョミー君、雪が積もってゆく庭でワタワタ。
ジョミー「そ、そうじゃなくって、えっと、えっと…!」
アドス 「語るに落ちる、というヤツじゃな」
犯人は其処じゃ! と、アドス和尚、クルリと方向転換。
アドス 「キース、カイロは、お前じゃろう!」
キース 「えっ…!」
アドス 「他に考えられんのじゃが…?」
イライザが渡すとは思えんしな、と詰め寄る人。
アドス 「その上、ジョミー殿に口止めした、と…!」
キース 「ち、違う…!」
アドス 「何処が違うんじゃ、ジョミー殿は、じゃ…」
喋ったら終わりと言っていたぞ、と揚げ足をサッと。
アドス 「つまり、お前が脅したんじゃ!」
キース 「なんでそうなる!」
俺は脅された方なんだぞ、とキース君も必死。
キース 「ジョミーが喋ってしまったら…!」
アドス 「なに、他に何かあると…?」
キース 「うっ…!」
一同 (((やった…)))
また失言か、と誰もが肩をガックリと。
首を締めましたね?
2022/01/10 (Mon)
☆罰礼の代わりに
元老寺での元日、檀家さんの初詣は無事に終了ですけれど。
ジョミー君が張るカイロを落として、キース君がピンチで。
アドス 「ジョミー殿が喋ったら、何が起きると?」
キース 「いや、何でもない…!」
アドス 「違うじゃろう、お前が逆立ちじゃろうが!」
どんな取り引きかは知らんがな、とアドス和尚の睨みが。
アドス 「そしてカイロを渡したのは、ズバリお前じゃ!」
キース 「そ、それは…!」
アドス 「否定は出来ん筈じゃがな?」
今の流れでは…、とキース君をギロリと。
アドス 「まあいい、お前のやるべきことは、じゃ…」
キース 「罰礼百回、やってくる!」
アドス 「いや、毎回それでは芸が無いしのう…」
お正月から御本尊様を煩わせるのも…、と指差す庫裏。
アドス 「庫裏の廊下で逆立ちじゃ!」
一同 (((げっ!)))
キース君もグッと詰まって、泣きそうな顔。
キース 「ま、まさか、逆立ちで写経をしろと…?」
アドス 「ほほう…。ジョミー殿、そうだったと?」
ジョミー「い、いえ、えっと、えっとですね…!」
アドス 「どうやら間違いないようじゃな」
そうするがいい、とピシャリ。
アドス 「左手で逆立ち、右手で写経じゃ!」
キース 「そんな…!」
アドス 「ワシも鬼ではないからのう…」
休憩は適宜、取っていいぞ、とアドス和尚。
アドス 「では、座敷の前の廊下で頑張るように」
キース 「お、親父…!」
アドス 「写し終わったら、皆さんと過ごしてかまわん」
さあ来い、と視線を向けた先には、皆がいるわけで。
アドス 「おお、これは皆様、お揃いで…」
ブルー 「まあねえ、騒ぎが聞こえたからさ」
写経だってね、と生徒会長、ジョミー君も庭から帰還で。
ブルー 「ジョミーの罪は問わないのかな?」
アドス 「犯人は、せがれですからな!」
キース 「違うんだが!」
アドス 「お前しかおらんわ!」
カイロを盗み出したじゃろうが、と怒りの形相。
其処ですか…。
2022/01/11 (Tue)
☆監視をよろしく
元老寺での元日、檀家さんの初詣は無事に終わりましたが。
ジョミー君が貼るカイロを落として、キース君がピンチに。
アドス 「そもそも、寒いからと貼るカイロをじゃな…」
キース 「俺が使ったわけではない!」
アレはジョミーが…、とキース君の反論。
キース 「雪の中で下足番は辛い、と俺を脅して…!」
アドス 「そうかもしれんが、脅されるのは、じゃ…」
後ろ暗い所があるからじゃろうが、とアドス和尚の指摘。
アドス 「つまり、元から、何かをやらかしていて…」
キース 「誓って、何もやっていないが!」
アドス 「一事が万事、と言うじゃろうが!」
現にカイロを盗み出したし…、と仁王立ち。
アドス 「つべこべ言わずに、サッサと写経をせんか!」
キース 「そ、そんな…!」
アドス 「しかし、法衣では裾が乱れて見苦しくなるし…」
ジャージに着替えてやるように、と指をビシイ! と。
アドス 「というわけで、銀青様にお願いが…」
ブルー 「なんだい?」
アドス 「せがれがサボッて手を抜かないように…」
監視して頂ければ嬉しいのですが、と恐ろしい申し出。
アドス 「ワシは、明日も檀家さんの初詣がですな…」
ブルー 「続くから、色々忙しいんだね?」
アドス 「はい。ですので、時々、せがれの様子を…」
スマホに送って頂けますかな、と鬼の注文。
アドス 「動画でも、写真でも、其処はお任せしますので」
ブルー 「オッケー、逆立ちの様子を、だね?」
アドス 「普通に座って写経では、こう、当たり前で…」
ブルー 「罰としては軽すぎる、って思うよねえ…」
分かった、と生徒会長、コクリと。
ブルー 「ちゃんと見張って、5分おきに送信するよ」
アドス 「有難うございます。では、皆さんは宴の方を…」
キース 「俺だけ逆立ちしていろと?」
アドス 「終わったら、フリーじゃ。ではな」
キース 「あんまりだ…!」
せめて罰礼か普通に写経、と叫んでますけど。
無理っぽい気が…。
2022/01/12 (Wed)
☆逆立ちを肴に
元老寺でのお正月、元日からキース君に下った恐ろしい罰。
庫裏の廊下で逆立ちで写経、しかも生徒会長の監視つきで。
キース 「親父、頼むから減刑してくれ、この通りだ!」
シロエ 「あのぅ…。もう姿が見えませんけどね?」
ブルー 「早く始めれば早く済むしさ、ほら、着替えて!」
ジャージでやれと言われただろう、と生徒会長の催促が。
ブルー 「5分おきに送信する約束だしさ…」
ジョミー「早くしないと、サボリ認定されるよ?」
キース 「誰のせいだと思ってやがる!」
シロエ 「でも、先輩が自分で言ったんですよ?」
逆立ちで写経する件は、とシロエ君の冷たい言葉。
シロエ 「ジョミー先輩は、無罪放免になりましたし…」
サム 「蒸し返したら、不利になるんでねえの?」
スウェナ「そうよね、写経が倍になるとか…」
キース 「やめてくれ…!」
そんなのは嫌だ、とジャージに着替えて来たキース君。
キース 「…墨を磨るのも、逆立ちだろうか?」
ブルー 「そうなるだろうねえ…」
キース 「くっそぉ…!」
やってやる、とジャージで逆立ち、磨り始めた墨。
シロエ 「流石ですねえ、凄いスキルですよ」
ブルー 「よし、この光景を送信、っと…」
後は5分おきに撮影だよね、と生徒会長。
ブルー 「面白いから、此処の襖は開けておいてさ…」
サム 「キースを肴に宴会なのな?」
キース 「他人事だと思いやがって!」
ぶるぅ 「んとんと、差し入れくらいするけど…」
逆立ちしたまま食べられるの、と良い子の質問。
ぶるぅ 「それなら御馳走、持って来るよ?」
キース 「いや、そのコースは拷問だ…!」
確実に死ぬ、とキース君の悲鳴。
キース 「俺に構わず、そっちは好きにやってくれ!」
ジョミー「他人事でいいんだ?」
キース 「死ぬよりはマシだ!」
ブルー 「オッケー、それじゃ宴会続行!」
一同 「「「わぁーい!」」」
食べるぞ、と賑やかに宴会な面々ですけど。
キース君は逆立ち…。
2022/01/13 (Thu)
☆今年は気を付けて
元老寺でお正月ですけど、元日からキース君に下された罰。
庫裏の廊下で逆立ちで写経、生徒会長が監視するわけで。
ジョミー「今年のおせちも、ホントに美味しいよね!」
サム 「和洋中、どれもハズレがねえよな」
シロエ 「ええ。会長がVIPだからこそですよねえ…」
キース先輩のお客なだけでは無理でしょう、とシロエ君。
シロエ 「下手をしたら、今頃は放り出されてますよ」
マツカ 「そうかもですね、キースがあの有様では…」
スウェナ「惨めよねえ…」
元日から逆立ちで写経だなんて、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「まだ半分も写せてないわよ?」
ブルー 「1時間では済まないだろうね」
さて…、とスマホで撮影、アドス和尚に手早く送信。
ブルー 「まあ、ぼくたちは楽しくやろうよ」
シロエ 「会長、そのデータはどうするんです?」
まさか残すとか…、とシロエ君の問い。
シロエ 「でもって、後々、脅しの種に…」
ブルー 「大丈夫、ぼくは其処まで鬼じゃないから」
ちゃんと消すよ、と生徒会長、廊下の方にも声掛けを。
ブルー 「だから安心して写経したまえ」
キース 「そ、そうか…」
恩に着る、と写経を続ける人。
ジョミー「アドス和尚も厳しいよねえ…」
サム 「お前がカイロを落としたせいだぜ?」
ジョミー「細かいことはいいんだってば!」
ブルー 「うん、元老寺ではアドス和尚が法律だしね」
無罪だったら、問題無し! と銀青様もジョミー君を支持。
ブルー 「というわけで、楽しくやろうよ!」
ぶるぅ 「お正月だもんね!」
シロエ 「会長、5分経ちました」
ブルー 「おっと…!」
送信、送信…、とスマホで撮影されるキース君。
キース 「くっそぉ、なんで俺だけが…!」
ブルー 「一年の計は元旦にありだよ、今年こそはさ…」
シロエ 「言動に気を付けて下さいね?」
キース 「もう身に染みて分かっている!」
今年こそは、と呻きながらの写経ですけど。
さて、今年は…?
2022/01/14 (Fri)
☆厄除けに小豆粥
お正月が終わった後は、成人の日で三連休になるのが今年。
平穏無事に遊びまくって、迎えた小正月な15日ですけど。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今日は小豆粥だよ!」
ジョミー「えっ、せっかく遊びに来たのに、お粥って…」
サム 「土曜日なんだぜ、もっと、こう…」
ゴージャスによ、とサム君も相槌な生徒会長宅での休日。
サム 「お粥でも色々あるじゃねえかよ、中華とか…」
シロエ 「アワビ粥なんかも美味しいですよね」
ジョミー「うん、そういうのを期待なんだけど…」
ぶるぅ 「えとえと、でもね…」
小正月は小豆粥の日だし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「縁起物なの、厄除けで無病息災なの!」
ブルー 「そうだよ、特にお勧めしたい人もいるしね」
若干一名、と生徒会長の視線がキース君に。
ブルー 「君は、しっかり食べておいた方が…」
スウェナ「どうかしら? キースがババを引いた場合は…」
シロエ 「ぼくたちが助かりますからねえ…」
マツカ 「確かに、去年はそうでしたね」
その傾向が顕著でした、と御曹司も。
マツカ 「今年も、元日にジョミーが助かっていますし…」
サム 「キースには、食わせねえ方がいいんでねえの?」
キース 「おい、お前たち…!」
何もかも俺に押し付ける気か、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「ぶるぅ、俺に一番に小豆粥をくれ!」
ぶるぅ 「順番なんかは、関係無いと思うけど…」
??? 「だよねえ、それに厄除けなんかをしたってさ…」
無駄だろうね、とソルジャー(Aブルー)登場。
Aブルー「あけましておめでとう! 今日までだよね」
ブルー 「ギリギリセーフって所かな」
お正月飾りは今日でおしまい、と生徒会長。
ブルー 「小豆粥を食べに来たのかい?」
Aブルー「それとニューイヤーの挨拶にね!」
ブルー 「ご丁寧に、どうも」
Aブルー「今年も、いい年にしたいからねえ…」
挨拶は大事だと思う、と言ってますけど。
迷惑なのでは…?
2022/01/15 (Sat)
☆服が買えません
クリスマスを控えた休日、生徒会長宅に来ている御一同様。
其処へソルジャーが乱入しまして、注文をつけて去った今。
キース 「体重が増えたら、服のサイズが変わるんだぞ!」
シロエ 「そうでしょうねえ、それが何か?」
キース 「今の服が着られなくなるんだが!」
制服も私服も、何もかもが…、とキース君。
キース 「衣の方なら、ある程度まではいけるだろうが…」
ジョミー「服が無いなら、買って貰えば?」
キース 「あの親父が、金を出してくれると思うのか!」
ついでに、俺は赤貧だしな、とキース君が握り締める拳。
キース 「自分の金ではとても買えんし、親父はダメで…」
シロエ 「体調管理がなっていない、で終わるんですね?」
キース 「分かっているなら、無茶を言うな!」
ジョミー「いいけどさ…。太らなかったら、処刑だよ?」
ぼくたちは見てるだけなんだけど、とジョミー君の指摘。
ジョミー「そっちの方がいいんだったら、好きにしたら?」
スウェナ「そうねえ、私たちはサンタの体型には、別に…」
シロエ 「こだわりませんよね、馴れてますから」
いろんなサンタがいる風景に…、とシロエ君の相槌。
シロエ 「女性のサンタは、太ってなんかいませんし…」
マツカ 「おじいさんのサンタも、色々ですよね」
痩せている人も普通ですよ、とマツカ君も。
マツカ 「ですから、キースが痩せていたって…」
サム 「何も問題ねえんだよなあ、この国ではよ」
ブルー 「要するに、キース次第ってことかな」
太るか、処刑か…、と生徒会長。
ブルー 「とはいえ、服の費用が無いだけだったら…」
シロエ 「少し気の毒ではありますね」
マツカ 「あの、よかったら…」
そのお金、ぼくが出しましょうか、と御曹司の提案。
マツカ 「それなら、キースも安心ですよね?」
シロエ 「先輩、渡りに船ですよ!」
キース 「三途の川としか思えんのだが…!」
渡るのが…、とキース君、絶叫ですけど。
そうですか…?
2021/12/16 (Thu)
☆太るしかない人
クリスマスを控えた休日、生徒会長宅にソルジャーが乱入。
注文をつけて去りましたけど、キース君に太れというヤツ。
シロエ 「なんで、渡るのが三途の川になるんです?」
サム 「マツカが服を買う金をくれるんだぜ?」
スウェナ「これで太っても安心じゃないの、太りなさいよ」
誰かさんの注文なんだから…、とスウェナちゃん。
スウェナ「今の体型だと、もう間違いなく処刑だわね」
ジョミー「そっちの方がさ、地獄行きでさ…」
ブルー 「三途の川だと思うけどねえ…」
努力はした方がいいと思うよ、と生徒会長も。
ブルー 「高カロリーの食事を心掛けてさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 特別に食事、作るよ!」
太れるように、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大張り切り。
ぶるぅ 「おやつも作るから、どんどん食べてね!」
ブルー 「いいねえ、おやつと寝る前に高カロリーで!」
キース 「不健康に太るヤツだぞ、ソレは!」
ブルー 「今から健康的に太れるとでも?」
贅肉をつける以外に無いよ、と生徒会長、ピシャリと。
ブルー 「今日から早速、努力したまえ!」
キース 「だから、不健康だと!」
ブルー 「そう思うんなら、処刑まっしぐらだね」
どんなコースが待っているやら…、と傾げる首。
ブルー 「最悪、フォアグラコースもあるかもね」
シロエ 「強制的に太らせる、アレですか?」
ブルー 「うん。その場で太れ、と強引にさ…」
詰め込むかもね、と怖い台詞が。
ブルー 「なにしろ、前科一犯だし…」
一同 「「「あー…」」」
紅葉狩りの時のヤツだ、と誰もが納得。
シロエ 「樽で蜂蜜レモンでしたね…」
サム 「アレを、料理でやられるわけな…」
頑張れよな、とサム君、キース君の肩をポンと。
サム 「どっちに転んでも、太るしかねえよ」
ジョミー「事前に太るか、当日かだよね」
ぶるぅ 「頑張ってね!」
キース 「そ、そんな…!」
そう言われても、と呻いてますけど。
太るしかないのでは?
2021/12/17 (Fri)
☆当日だとキツそう
クリスマスを控えた休日、ソルジャーが出して去った注文。
サンタクロースの役をするため、キース君を太らせるとか。
シロエ 「キース先輩、努力はした方がいいですよ」
サム 「当日に太るのはキツそうだぜ」
プラス百キロも食えるのかよ、とサム君の見解。
サム 「なんたって、あいつは前科一犯だしよ…」
ジョミー「百キロ食べろ、って言いそうだよね…」
一同 「「「あー…」」」
それはありそう、と顔を見合わせる御一同様。
マツカ 「樽で蜂蜜レモンを飲むより、大変ですよね…」
スウェナ「百キロ分の御馳走でしょ?」
ぶるぅ 「んとんと、お肉を百キロだと、生でも…」
このくらいかな、と料理上手なお子様が示したサイズ。
ぶるぅ 「加熱したって、ローストビーフが1キロで…」
シロエ 「そのくらいってことは、恐ろしいですよね」
ブルー 「肉がみっしりなら、まだしもマシだよ」
詰め物入りのチキンで百キロとか…、と生徒会長。
ブルー 「いったい何羽食べたらいいのか、もう本当に…」
ジョミー「想像したくもないよね、ソレ…」
でも食べるしか…、とジョミー君の視線がキース君に。
ジョミー「当日だったら、そのコースだよ」
シロエ 「マツカ先輩、百キロ分の珍味は揃いますか?」
マツカ 「えっと、トリュフとか、キャビアでしょうか?」
それはもちろん…、と御曹司。
マツカ 「用意出来ますけど、キースに食べろと?」
シロエ 「珍味なら、いくらかマシかもですよ」
サム 「蜂蜜レモンの二の舞じゃねえか」
あれも材料は高級だったし…、とサム君、フウと溜息。
サム 「でもよ、キースに太る気がねえんじゃ…」
シロエ 「当日コースしか無いですよね…」
頑張って下さい、とシロエ君、キース君にエール。
シロエ 「ぼくは、どっちでもいいですから」
ジョミー「原因、キースの失言だしね…」
キース 「そうなんだが…!」
頼むから誰か助けてくれ、と懇願ですけど。
無理なのでは…?
2021/12/18 (Sat)
☆助けても無駄な人
クリスマスを控えた休日、キース君を襲った恐ろしい注文。
サンタクロースになるため、プラス百キロというヤツで…。
キース 「助けてくれたヤツは恩に着るから、誰か…!」
ジョミー「正直、キースを助けたってさ…」
シロエ 「次の災難に繋がるだけですからねえ…」
一難去ったらまた一難、とシロエ君のキッツイ台詞が。
シロエ 「真面目に学習能力ゼロです、猫以下ですよ」
サム 「自分で蒔いた種だぜ、今度も」
ブルー 「ついでに、君限定のイベントだしさ…」
まあ、頑張ってくれたまえ、と生徒会長も突き放し。
ブルー 「クリスマスまでに太るか、当日かだよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 食事は任せてね!」
高カロリー食も、ダイエット食も、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「太ったら、次は痩せなくっちゃね!」
サム 「迎春行事で嫌でも痩せるし、心配ねえよ」
マツカ 「人間ドックも、ご希望なら手配しておきますよ」
お正月でも大丈夫です、と御曹司ならではの太鼓判。
マツカ 「ですから、安心して太って下さいね」
キース 「なんで、みんなで見捨てるんだ!」
ジョミー「助けても、どうせ次があるしさ…」
シロエ 「下手に助けたら、助けた人もババですしね」
誰かさんの復讐は怖いですから、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「とにかく、今回は自己責任でお願いします」
ブルー 「太るのも良し、処刑も良しだよ」
というわけで、放置でいこう、と生徒会長、纏めへと。
ブルー 「事前に太るコースだったら、マツカはさ…」
マツカ 「服を買う費用を用意ですね?」
ブルー 「そう! 当日コースだった場合は…」
サム 「百キロ分の珍味ってことな?」
処刑方法によってはよ…、とサム君、うんうん、と。
サム 「どうなるのかは、キース次第な!」
シロエ 「ええ、ぼくたちは傍観者ですし」
ジョミー「楽しみだよね!」
キース 「くっそぉ…」
なんでこうなる、と呻いてますけど。
自業自得ですよね…。
2021/12/19 (Sun)
☆太れなかった人
ソルジャーがキース君に出した注文、サンタクロースの役。
クリスマスイブが来まして、生徒会長宅でパーティーで…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
一同 「「「お邪魔しまぁーす!」」」
飾り付けられたリビングにダイニング、とても華やか。
シロエ 「綺麗ですねえ、クリスマスって感じですよ!」
ジョミー「大きいツリーもあるもんねえ…」
ぶるぅ 「そうなの、サンタさんが来る日だも~ん!」
とっても楽しみ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「だけど、キースのサンタクロースは…」
サム 「ちっとも太ってねえんだよなあ…」
ジョミー「太る気、ホントにゼロだったしね…」
高カロリーなメニューはスルーで、とジョミー君の溜息。
ジョミー「ぶるぅが頑張って作っても、スルー!」
キース 「この時期、怖くて太れるか!」
一同 「「「は?」」」
キース 「親父だ、自分は忘年会で食いまくっていても…」
俺が太るのは許さないぞ、と副住職、肩をブルッと。
キース 「たるんでいる、と罰礼コースで確定なんだ!」
サム 「あー…。痩せるまで、やらされるのな?」
キース 「そうだ、一日、何千回とかで!」
だから太っても無駄になるだけで…、とキース君。
キース 「それくらいなら、普通に過ごした方が…!」
ジョミー「災難は今日だけで済むから、ってこと?」
キース 「親父に、毎日、罰礼と説教をかまされるなど…」
地獄でしかないぞ、と顰める顔。
キース 「ついでに嫌味も、山ほど言われて…」
??? 「オッケー、それで処刑を選んだ、と!」
いいけどね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「残念だよねえ、サンタを楽しみにしてたのに…」
キース 「あんただけだろうが!」
Aブルー「違うね、今回は、ぼくだけじゃなくて…」
A船長 「キースがサンタと聞いたのですが…」
Aぶるぅ「太ってなーい!」
話が違う、とキャプテンと悪戯小僧も出現。
どうなるやら…。
2021/12/20 (Mon)
☆詰めるなら珍味
やって来ました、クリスマスイブ。ソルジャーたちも登場。
ところがキース君は太っていなくて、たちまち不満が爆発。
Aブルー「今年のクリスマスは、サンタ体型のさ…」
A船長 「キースが登場という話でしたが…」
Aぶるぅ「こんなの、サンタさんじゃないーっ!」
もっと太っていないとダメ、と悪戯小僧の膨れっ面。
Aぶるぅ「今から太らせて、間に合わせるもん!」
一同 「「「げっ!」」」
フォアグラコースだ、と誰もが愕然。
シロエ 「あ、あのですね、無理に食べさせても…」
キース 「すぐに肉にはならんと思うぞ」
Aぶるぅ「ダメ元って言うし、それにお腹は…」
Aブルー「膨らむだろうね、確実に」
今よりはウエストが太くなる筈、と頷くソルジャー。
Aブルー「太らなかったら、処刑だと言ってあったしさ…」
A船長 「強引に詰め込むわけですね?」
胃袋の限界をまるっと無視で、とキャプテンの相槌。
A船長 「蜂蜜レモンの時と同じで、こう、グイグイと」
Aブルー「そう! フォアグラのガチョウ状態だよね」
キース 「し、しかし…!」
マツカ 「キャビアとか、トリュフでいきますか?」
最高の品を用意しますが…、と御曹司。
マツカ 「もちろん、皆さんには、普通に御馳走する方で」
一同 「「「やったーっ!」」」
珍味が来るぞ、と大歓声。
ジョミー「マツカ、他にも取り寄せ出来る?」
マツカ 「ええ。ですが、ぶるぅの料理もありますし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 珍しいもの、大歓迎!」
食材も、お料理なんかでも…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「中華でフカヒレとかもいいかも!」
ブルー 「いいね、ツバメの巣とかもさ…」
ぶるぅは用意してないからね、と生徒会長も乗り気。
ブルー 「この際、中華グルメを追加で!」
Aブルー「それもキースに詰めようか?」
Aぶるぅ「そだね、詰め物!」
キース 「おい…!」
丸焼きにする気か、と悲鳴ですけど。
誰か言いましたっけ?
2021/12/21 (Tue)
☆料理もいいかも
クリスマスイブは生徒会長宅でパーティー、そういう面々。
ソルジャーたちも来ましたけれど、キース君が問題でして。
Aブルー「丸焼きねえ…。そんなつもりは無かったけど…」
A船長 「詰め物をして、キースを焼くんですか?」
Aブルー「たった今、本人がそう言ったしね!」
丸焼きって台詞を…、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「だけど、焼いたら犯罪らしいし…」
キース 「当然だろうが、殺人罪だぞ!」
Aブルー「ぶっちゃけ、こっちの世界の法律なんかは…」
ぼくには無関係なんだけど…、とソルジャーが見回す周囲。
Aブルー「とはいえ、此処で焼いた場合は、みんなにさ…」
シロエ 「思いっ切り、迷惑かかりますから!」
サム 「そうだぜ、確か、止めずに見てたってヤツは…」
ブルー 「罪に問われることもあるねえ、ハッキリ言って」
だから丸焼きは絶対禁止、と生徒会長、グッサリと釘を。
ブルー 「詰め物をする程度だったら、かまわないけど」
キース 「あんたまで、俺を殺す気か!」
ブルー 「マツカが病院を手配するから、無問題!」
パーティーで悪ノリは若者の特権、と涼しい顔の生徒会長。
ブルー 「現に、この間の蜂蜜レモンの時だって…」
ジョミー「キースは死んでないもんね…」
シロエ 「救急搬送もされてませんよね、タフですから」
詰め物くらいは大丈夫でしょう、とシロエ君も。
シロエ 「この際、美味しく料理されて下さい!」
キース 「何故、そうなる!」
Aブルー「なるほど、料理もいいかもね」
中華グルメも来ることだし…、と頷くソルジャー。
Aブルー「詰め物よりもさ、料理しようか?」
キース 「だから、犯罪だと!」
そういう話になっただろうが、とキース君の怒声。
キース 「丸焼きがダメなら、料理も同じだ!」
Aブルー「そうじゃなくって…」
キース 「はあ?」
Aブルー「サンタにも色々あったよね、って…」
思ったわけで、とソルジャーの返し。
どういう意味だと…?
2021/12/22 (Wed)
☆痩せているなら
クリスマスイブのパーティーですけど、キース君に問題が。
ソルジャーに太れと注文されたのに、太らなかったわけで。
キース 「あんたは何が言いたいんだ?」
Aブルー「君を今から太らせたって、限度があるしね…」
ウエストのサイズが変わる程度、とソルジャー、溜息。
Aブルー「それじゃ、サンタに見えないしさ…」
Aぶるぅ「そだよ、サンタさんは太ってなくちゃ!」
Aブルー「だからね、此処はキースに似合いのサンタに!」
一同 「「「は?」」」
なんのこっちゃ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「キース先輩に似合いと言ってもですね…」
サム 「太ってねえ時点でアウトでねえの?」
ジョミー「似合うサンタなんか、何処にも無いよね?」
Aブルー「甘いね、君たち!」
甘すぎるよ、とソルジャー、指をチッチッと。
Aブルー「街にはサンタが溢れてるだろう!」
シロエ 「ええ、まあ…。そういう時期ではありますね」
Aブルー「スタイルのいい、女子大生とかのサンタもね!」
スカートのサンタがいるじゃないか、という指摘。
Aブルー「あれでいこうよ、キースは痩せてるんだから!」
一同 「「「げっ!」」」
女装なのか、と誰もがドン引き。
シロエ 「あ、あのぅ…。視覚の暴力じゃないですか?」
スウェナ「そうよ、キースの女装だなんて!」
Aブルー「鑑賞用じゃないから、全然オッケー!」
其処は眺めて笑う所、とソルジャーの笑み。
Aブルー「うんと可愛いヤツを着せてさ…」
Aぶるぅ「んとんと、スカート、めくってもいい?」
Aブルー「もちろんだよ!」
すると可愛いパンツも要るね、とソルジャー、顎に手を。
Aブルー「ぶるぅ、今から衣装を一式、買えるかな?」
ぶるぅ 「えっとね、専門のお店があるから大丈夫!」
Aブルー「それじゃ買い出し、お願い出来る?」
ぶるぅ 「うん、行って来るねーっ!」
キース 「おい…!」
ちょっと待て、と叫ぶより前に消えたお子様。
買い出しですね…?
2021/12/23 (Thu)
☆みんなにサービス
クリスマスイブのパーティー、キース君がサンタクロース。
ソルジャーが注文をつけていたのに、太らなかったわけで。
キース 「なんで、こういうことになるんだ!」
Aブルー「君を美味しく料理なんだよ、処刑を兼ねて」
A船長 「女装させるだけで、よろしいのですか?」
Aブルー「それで済むわけがないだろう!」
処刑なんだよ、とソルジャー、エヘンと。
Aブルー「サンタの衣装で、みんなにサービス!」
Aぶるぅ「わぁーい、スカートめくっちゃうも~ん!」
A船長 「私も、スカートをめくるのでしょうか?」
Aブルー「やりたいのかい?」
ちょっとビックリ、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「キースのパンツなんか、見て楽しいと?」
A船長 「いえ、全然…。ですが、サービスとなると…」
めくるのが礼儀になるのでは、とキャプテンの問い。
A船長 「スカートをめくったり、触りまくったりと…」
Aブルー「なるほど、そういうサービスもアリかな」
接客の一つではあるね、と頷くソルジャー。
Aブルー「じゃあ、やりたい人は、そういうヤツでね!」
A船長 「では、基本は違うと仰るのですか?」
Aブルー「だって、パーティーだよ?」
給仕係に決まってるだろう、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「料理を取り分けたり、お酒を注いだり…」
A船長 「ごく普通ですね…」
Aブルー「でも、女装だよ?」
キースには充分、屈辱な筈、と意地の悪い笑み。
Aブルー「ぶるぅのスカートめくりもあるしさ」
キース 「キツすぎるんだが!」
ぶるぅ 「ただいまーっ、お洋服、買って来たの!」
パンツもあるよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の帰還。
ぶるぅ 「見て見て、可愛いサンタさん!」
Aブルー「うん、ひらひらのパンツもいいねえ!」
キース 「これを着ろと…?」
Aブルー「そうだよ、早く着替えたまえ!」
キース 「こんな格好で給仕係…」
あんまりすぎる、と呻いてますけど。
中華グルメも届きますしね?
2021/12/24 (Fri)
☆サンタとスカート
クリスマスイブのパーティー、サンタクロースなキース君。
よりにもよって女装のサンタで、給仕係をするのだそうで。
ぶるぅ 「キース、着替えはこっち、こっち!」
Aブルー「ほら、サッサと行く!」
キース 「くっそぉ…」
なんでこうなる、とキース君、肩を落として出て行って…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ とっても可愛く出来たの!」
一同 「「「うっ…」」」
マジで女装だ、と誰もが絶句する中、ソルジャーの拍手が。
Aブルー「うん、なかなかに似合ってるよ!」
A船長 「そうでしょうか…?」
Aぶるぅ「わぁーい、めくるの楽しそう!」
スカート最高、と飛び跳ねた悪戯小僧、早速、突進。
Aぶるぅ「えーいっ! えっと…?」
シロエ 「こう、思ったほどブワッとなりませんね?」
Aぶるぅ「なんか一杯、布が詰まっているんだもん!」
ぶるぅ 「えとえと、スカートを可愛く広げるヤツで…」
チュールが沢山重なってるから、と良い子の「ぶるぅ」。
ぶるぅ 「スカートめくりは、難しいかも…」
Aぶるぅ「えーっ!? それじゃ、パンツは?」
ぶるぅ 「覗いた方が早いと思うの!」
Aぶるぅ「うわぁーん、ひらひらパンツなのにーっ!」
めくって遊ぶ楽しみがゼロ、と悪戯小僧の膨れっ面。
Aぶるぅ「スカートの下で見てるしかないの?」
ぶるぅ 「そうかも、ぼくたち、背が低いから…」
キースの足の側にいれば見放題だよね、と良い子のお返事。
ぶるぅ 「めくらなくてもいいから、楽かも!」
Aぶるぅ「じゃあ、そうする…」
下からパンツを覗くもん、と、めげない悪戯小僧。
Aぶるぅ「めくれないなら、もぐっちゃう!」
Aブルー「ほどほどにね?」
給仕係が転ぶと厄介、とソルジャーの釘。
Aブルー「足がもつれて、料理をぶちまけたらさ…」
A船長 「中華グルメがパアですよね」
Aブルー「即、処刑だよ!」
キース 「そう言われても…!」
足の間にぶるぅなんだぞ、と叫んでますけど。
どうなるやら…。
2021/12/25 (Sat)
☆転ばずに済んだら
クリスマスイブのパーティー、今年はキース君がサンタ役。
けれど女装でスカートなわけで、悪戯小僧のターゲットで。
キース 「一応、聞いておきたいんだが…!」
Aブルー「何をだい?」
キース 「転んだ場合の、処刑というのは何なんだ?」
心の準備というものがある、とキース君の悲壮な顔付き。
キース 「やっぱり料理を詰められるのか?」
Aブルー「さあねえ、処刑されなければ済む話だけどね?」
A船長 「その通りですよ、転ばなければ無問題です」
足元に注意して下さいね、とキャプテンの笑顔。
A船長 「一瞬のミスが命取りですし、お気を付けて」
キース 「そ、それはそうだが…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 中華料理が届いたよーっ!」
マツカが注文してくれたヤツ、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ぼくのお料理もあるし、パーティーしようよ!」
ブルー 「そうだね、キースは給仕係を頑張って!」
Aブルー「まずは、シャンパンで乾杯だよ!」
配って、配って! と、ソルジャーの急かし。
Aブルー「ほらほら、キース、ボーッとしてないで!」
キース 「あ、ああ…」
ぶるぅ 「ぼくも、お手伝いーっ!」
シャンパンは無事に配られまして、ソルジャーが音頭を。
Aブルー「メリー・クリスマス!」
一同 「「「メリー・クリスマス!」」」
かんぱーい! とグラスがカチン、カチンと賑やかに。
ぶるぅ 「はい、御馳走も山ほどあるから!」
マツカ 「中華グルメも、存分にお楽しみ下さいね」
ジョミー「うわあ、フカヒレ餃子に、それから…」
サム 「すげえな、ぶるぅの料理もあるしよ」
最高だぜ、とサム君、取り皿に早速ドッサリですけど。
Aブルー「あのさ、そこはキースにやらせないとさ…」
サム 「でもよ、転んじまったら…」
Aブルー「庇わなくっていいんだよ!」
キース 「し、しかし…!」
Aブルー「みんなにサービス!」
それでこそサンタ、とソルジャー、ピシャリと。
転ぶリスクは?
2021/12/26 (Sun)
☆足元のリスク
クリスマスイブのパーティー開幕、キース君がサンタの役。
女装でスカート、転ばないように給仕しないと処刑だとか。
Aブルー「サンタはサービスするものだしね!」
キース 「プレゼントを配る役だと思うが!」
ぶるぅ 「んとんと、それは本物のサンタさんで…」
スカートのサンタは違うと思うの、と良い子の指摘。
ぶるぅ 「街に行ったら、チラシを配ったりしているし…」
Aブルー「そうだよねえ? 文句を言わずに仕事をする!」
そこのチキンを取ってくれたまえ、とソルジャーの命令。
Aブルー「詰め物もつけて、ソースもたっぷり!」
キース 「分かった、チキンと…」
Aブルー「済んだら中華グルメも一式、頼むよ」
A船長 「私の分もお願いしますね」
どの料理も、とても美味しそうです、とキャプテンも。
A船長 「皆さんも、キースに注文を!」
シロエ 「え、ええ…。キース先輩、餃子をよろしく」
ジョミー「ぼくは、そっちのテリーヌに、パテに…」
キース 「一度に頼むな、足が縺れる!」
俺の足元には、ぶるぅがだな…、とキース君の悲鳴。
キース 「足に絡んで、上をガン見で…!」
Aぶるぅ「でないと、パンツが見えないんだもーん!」
パンツ、パンツ、とチョロチョロしている悪戯小僧。
Aぶるぅ「足に登って近くで見たいなーっ!」
キース 「やめてくれ!」
Aぶるぅ「でもでも、せっかくのひらひらパンツ…!」
キース 「くっそぉ、手さえ塞がってなければ…!」
蹴り飛ばして逆立ちで振り切るのに、とキース君の呻き。
キース 「俺のスキルをなめやがって…!」
Aブルー「逆立ちしたら、パンツが丸見えだけどね?」
キース 「うっ…」
そうだった、と詰まるキース君。
キース 「スカートでは、無理か…」
Aブルー「いいねえ、処刑のメニューが閃いたよ!」
キース 「は?」
Aブルー「転んだら、逆立ちで給仕をね!」
キース 「おい…!」
無理ゲーだろうが、とキース君、真っ青ですけど。
逆立ち…?
2021/12/27 (Mon)
☆逆立ちで拭いて
クリスマスイブのパーティー、キース君がサンタで給仕係。
しかもスカート、足元では悪戯小僧がチョロチョロな状態。
キース 「逆立ちなんぞで、給仕出来るか!」
Aブルー「分かってないねえ、だからこそ処刑!」
逆立ちして、足でトレイを持つとか、とソルジャーの注文。
Aブルー「それが無理なら、給仕する度に逆立ちだよね」
キース 「は?」
Aブルー「一発芸だよ、お辞儀の代わりに逆立ちでさ…」
パンツを披露するといいよね、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「まあ、転ばないように頑張りたまえ!」
キース 「そ、そうする…」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ 逆立ちして、パンツ!」
それもいいかも、と悪戯小僧、キース君の足にベッタリ。
Aぶるぅ「わぁーい、キースのパンツ、ひらひら!」
キース 「邪魔だと言っているだろう! うわぁっ!?」
ガシャーン! とお皿が飛び散りまして、キース君、床に。
キース 「し、しまった…」
Aブルー「あのねえ…。転ばないように言ったよね?」
Aぶるぅ「逆立ち! 逆立ち!」
Aブルー「うん、まずは逆立ちして掃除からだよ!」
出来るだろう、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「ぶるぅ、雑巾をキースに渡して!」
キース 「さ、逆立ちで拭けと?」
Aブルー「腕の力には自信があるんだろう?」
片手に雑巾、片手で身体を支えたまえ、と睨む人。
Aブルー「はい、処刑メニュー、第一弾!」
ぶるぅ 「えとえと、キース、雑巾、持てる?」
キース 「もうヤケだ!」
やってやる! とキース君、バッと逆立ち。
シロエ 「わあ、逆立ちでも拭けるんですね、床…」
ジョミー「なんか凄いね…」
でも、足の方は見ない方が…、と一同、苦笑。
Aぶるぅ「パンツ、パンツーっ!」
ブルー 「あれなら、給仕も出来るかもねえ…」
Aブルー「無理なら一発芸でいいしね!」
キース 「なんで、こういうことになるんだ…!」
俺は泣きたい、と逆立ちで頑張る人。
パーティー、最高…?
2021/12/28 (Tue)
☆大晦日には必須
とんでもなかったクリスマスが終わって、いよいよ大晦日。
除夜の鐘を撞くのに、元老寺へと向かうシャン学メンバー。
ジョミー「今年も寒いね、雪が降りそうな感じだよ」
シロエ 「それでこそ、年の暮れですよね」
サム 「うんうん、お接待のおぜんざいが美味いのな!」
楽しみだぜ、とサム君、唾をゴクリと。
サム 「クリスマスの御馳走も、最高だったけどよ…」
マツカ 「元老寺のおぜんざいは、別格ですしね」
スウェナ「それに、余計なものも見なくて済むわよ」
一同 「「「あー…」」」
あれか、と誰もが遠い目に。
ジョミー「キースの足ってヤツだよね…」
シロエ 「結局、逆立ち三昧でしたからねえ、処刑で」
サム 「あいつの腕の力の凄さは分かったけどよ…」
スウェナ「笑いもしたけど、破壊力だって桁外れだわよ」
視覚の暴力というヤツだわね、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「あれだって、キースが蒔いた種でしょ?」
ジョミー「ホントに疫病仏だよねえ…」
シロエ 「でも、大晦日の必須アイテムですよ?」
除夜の鐘には欠かせませんし、とシロエ君。
シロエ 「鐘をつくまで、庫裏にいられる特権とかは…」
サム 「キースがいねえと、無理だよなあ…」
スウェナ「大晦日だけは、有難いわよねえ…。あっ!」
ブルーたちよ、とスウェナちゃんが指差す黒塗りタクシー。
ジョミー「今年もVIP待遇だね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 外は寒いね!」
ブルー 「ホントにね。やあ、キース」
キース 「不本意ながら、迎えに来たぞ」
他のヤツらも一緒に来い、と法衣の副住職が山門に。
キース 「座敷を温めておいたから」
一同 「「「やったーっ!」」」
お菓子も沢山、と庫裏の座敷に上がり込んだ面々。
ブルー 「キースは夜まで忙しそうだねえ…」
キース 「当然だろうが、大晦日だぞ」
ジョミー「拭き掃除は逆立ち?」
キース 「貴様!」
死にたいのか、と副住職が吊り上げる眉。
トラウマですかね?
2021/12/29 (Wed)
☆つつくのは駄目
やって来ました、大晦日。除夜の鐘は今年も元老寺な面々。
暖かい庫裏に通されまして、お菓子も沢山なんですけれど。
キース 「いいか、此処では親父が法律でだな…!」
ジョミー「逆立ちしてたら叱られる、って?」
キース 「親父が法律なら、俺は取り締まる現場職員だ!」
キリキリ逮捕するからな、と副住職、ジョミー君をギロリ。
キース 「心を清めて除夜の鐘を待つ、それが大晦日だ!」
ジョミー「そうだっけ? 確か、除夜の鐘を撞いてさ…」
煩悩を流して、心を清める気がするけど、とジョミー君。
ジョミー「最初から心を清めていたんじゃ、意味無いよ?」
キース 「くっそぉ、屁理屈をこねやがって!」
シロエ 「間違ってないと思いますけどねえ…」
それより仕事が待ってますよ、とシロエ君が指差す襖の方。
シロエ 「ジョミー先輩を締めてる間に、詰みますけど」
キース 「まずい…!」
親父に絞め殺されてしまう、と副住職、ダッシュで消滅。
シロエ 「かなり忙しそうですね」
ジョミー「うん。お蔭で命拾いだよ」
ブルー 「今日は気が立ってるから、つつかないようにね」
逆さ吊りにされてからでは遅いよ、生徒会長の言。
ブルー 「吊るされたまま放置で、除夜の鐘とかさ…」
一同 「「「うわー…」」」
マジでありそう、と誰もがガクブル。
サム 「逆恨みで、逆立ちの復讐なのな…」
シロエ 「御免蒙りたいですよ」
ブルー 「じゃあ、大人しくするしかないね」
逆立ちの話は忘れたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「出来れば、除夜の鐘で綺麗サッパリ!」
ジョミー「もったいない気もするけどね…」
ブルー 「除夜の鐘の後は、修正会だけど?」
キースは忙しいままで年越し、という指摘。
ブルー 「正月早々、つついて吊るされたらさ…」
シロエ 「最悪ですね…」
ブルー 「だから、忘れる!」
一同 「「「はいっ!」」」
逆立ちの件は忘れ去ります、と一同、敬礼。
怖いですしね?
2021/12/30 (Thu)
☆無我の境地で
除夜の鐘を撞こうと、元老寺に来ているシャン学メンバー。
キース君の恨みは買いたくない、と大人しく過ごしまして。
シロエ 「うわあ、今年も大勢並んでますねえ…」
ジョミー「ついでに雪だよ、降り始めたよね」
サム 「おぜんざいが美味いってモンだぜ、この寒さ!」
鐘を撞いたら温まろうぜ、とサム君が眺めるテントの方。
サム 「テントの中には、ストーブもあるしよ」
シロエ 「会長とぶるぅは、最初からテントですけどね…」
マツカ 「VIP待遇ですからね…」
緋色の衣の高僧ですし、とマツカ君。
マツカ 「あっ、鐘を撞きに出て来ましたよ」
シロエ 「ぶるぅも小僧さんスタイルですね」
スウェナ「キースは、今年も先導役ね」
法衣の面々が鐘楼に向かい、銀青様が最初の鐘をゴーンと。
ジョミー「今年も、これで終わるんだよね…」
シロエ 「色々とありましたよねえ、今年も…」
サム 「でもよ、けっこうキースが一人でババをよ…」
引いてくれた気がするんだよな、とサム君、感慨深げ。
サム 「そういう意味では、いい年だったぜ?」
ジョミー「確かにね! 来年も、その方向でさ…」
シロエ 「是非とも、お願いしたいですねえ…」
でも、除夜の鐘の時に祈ったらダメです、とシロエ君。
シロエ 「お祈りが流れてしまいますしね」
サム 「だよな、そいつは勘弁だしよ…」
スウェナ「無心で撞くのが一番だわね」
何も考えずに、ゴーンと一発、とスウェナちゃんの言。
スウェナ「そしたら、きっと来年も運が向いて来るわよ」
シロエ 「無我の境地でいきましょう!」
そして来年もいい年に、とシロエ君の決意の表情。
シロエ 「災難は全部、キース先輩に任せるんです!」
ジョミー「本人に聞こえたら、大変だけどね…」
サム 「だからよ、みんな、無我の境地な!」
マツカ 「おぜんざいだけを考えましょう」
一同 「「「おーっ!」」」
頑張るぞ、と鐘楼を見詰める面々。
皆様も、どうぞ良いお年を~。
2021/12/31 (Fri)
クリスマスを控えた休日、生徒会長宅に来ている御一同様。
其処へソルジャーが乱入しまして、注文をつけて去った今。
キース 「体重が増えたら、服のサイズが変わるんだぞ!」
シロエ 「そうでしょうねえ、それが何か?」
キース 「今の服が着られなくなるんだが!」
制服も私服も、何もかもが…、とキース君。
キース 「衣の方なら、ある程度まではいけるだろうが…」
ジョミー「服が無いなら、買って貰えば?」
キース 「あの親父が、金を出してくれると思うのか!」
ついでに、俺は赤貧だしな、とキース君が握り締める拳。
キース 「自分の金ではとても買えんし、親父はダメで…」
シロエ 「体調管理がなっていない、で終わるんですね?」
キース 「分かっているなら、無茶を言うな!」
ジョミー「いいけどさ…。太らなかったら、処刑だよ?」
ぼくたちは見てるだけなんだけど、とジョミー君の指摘。
ジョミー「そっちの方がいいんだったら、好きにしたら?」
スウェナ「そうねえ、私たちはサンタの体型には、別に…」
シロエ 「こだわりませんよね、馴れてますから」
いろんなサンタがいる風景に…、とシロエ君の相槌。
シロエ 「女性のサンタは、太ってなんかいませんし…」
マツカ 「おじいさんのサンタも、色々ですよね」
痩せている人も普通ですよ、とマツカ君も。
マツカ 「ですから、キースが痩せていたって…」
サム 「何も問題ねえんだよなあ、この国ではよ」
ブルー 「要するに、キース次第ってことかな」
太るか、処刑か…、と生徒会長。
ブルー 「とはいえ、服の費用が無いだけだったら…」
シロエ 「少し気の毒ではありますね」
マツカ 「あの、よかったら…」
そのお金、ぼくが出しましょうか、と御曹司の提案。
マツカ 「それなら、キースも安心ですよね?」
シロエ 「先輩、渡りに船ですよ!」
キース 「三途の川としか思えんのだが…!」
渡るのが…、とキース君、絶叫ですけど。
そうですか…?
2021/12/16 (Thu)
☆太るしかない人
クリスマスを控えた休日、生徒会長宅にソルジャーが乱入。
注文をつけて去りましたけど、キース君に太れというヤツ。
シロエ 「なんで、渡るのが三途の川になるんです?」
サム 「マツカが服を買う金をくれるんだぜ?」
スウェナ「これで太っても安心じゃないの、太りなさいよ」
誰かさんの注文なんだから…、とスウェナちゃん。
スウェナ「今の体型だと、もう間違いなく処刑だわね」
ジョミー「そっちの方がさ、地獄行きでさ…」
ブルー 「三途の川だと思うけどねえ…」
努力はした方がいいと思うよ、と生徒会長も。
ブルー 「高カロリーの食事を心掛けてさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 特別に食事、作るよ!」
太れるように、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大張り切り。
ぶるぅ 「おやつも作るから、どんどん食べてね!」
ブルー 「いいねえ、おやつと寝る前に高カロリーで!」
キース 「不健康に太るヤツだぞ、ソレは!」
ブルー 「今から健康的に太れるとでも?」
贅肉をつける以外に無いよ、と生徒会長、ピシャリと。
ブルー 「今日から早速、努力したまえ!」
キース 「だから、不健康だと!」
ブルー 「そう思うんなら、処刑まっしぐらだね」
どんなコースが待っているやら…、と傾げる首。
ブルー 「最悪、フォアグラコースもあるかもね」
シロエ 「強制的に太らせる、アレですか?」
ブルー 「うん。その場で太れ、と強引にさ…」
詰め込むかもね、と怖い台詞が。
ブルー 「なにしろ、前科一犯だし…」
一同 「「「あー…」」」
紅葉狩りの時のヤツだ、と誰もが納得。
シロエ 「樽で蜂蜜レモンでしたね…」
サム 「アレを、料理でやられるわけな…」
頑張れよな、とサム君、キース君の肩をポンと。
サム 「どっちに転んでも、太るしかねえよ」
ジョミー「事前に太るか、当日かだよね」
ぶるぅ 「頑張ってね!」
キース 「そ、そんな…!」
そう言われても、と呻いてますけど。
太るしかないのでは?
2021/12/17 (Fri)
☆当日だとキツそう
クリスマスを控えた休日、ソルジャーが出して去った注文。
サンタクロースの役をするため、キース君を太らせるとか。
シロエ 「キース先輩、努力はした方がいいですよ」
サム 「当日に太るのはキツそうだぜ」
プラス百キロも食えるのかよ、とサム君の見解。
サム 「なんたって、あいつは前科一犯だしよ…」
ジョミー「百キロ食べろ、って言いそうだよね…」
一同 「「「あー…」」」
それはありそう、と顔を見合わせる御一同様。
マツカ 「樽で蜂蜜レモンを飲むより、大変ですよね…」
スウェナ「百キロ分の御馳走でしょ?」
ぶるぅ 「んとんと、お肉を百キロだと、生でも…」
このくらいかな、と料理上手なお子様が示したサイズ。
ぶるぅ 「加熱したって、ローストビーフが1キロで…」
シロエ 「そのくらいってことは、恐ろしいですよね」
ブルー 「肉がみっしりなら、まだしもマシだよ」
詰め物入りのチキンで百キロとか…、と生徒会長。
ブルー 「いったい何羽食べたらいいのか、もう本当に…」
ジョミー「想像したくもないよね、ソレ…」
でも食べるしか…、とジョミー君の視線がキース君に。
ジョミー「当日だったら、そのコースだよ」
シロエ 「マツカ先輩、百キロ分の珍味は揃いますか?」
マツカ 「えっと、トリュフとか、キャビアでしょうか?」
それはもちろん…、と御曹司。
マツカ 「用意出来ますけど、キースに食べろと?」
シロエ 「珍味なら、いくらかマシかもですよ」
サム 「蜂蜜レモンの二の舞じゃねえか」
あれも材料は高級だったし…、とサム君、フウと溜息。
サム 「でもよ、キースに太る気がねえんじゃ…」
シロエ 「当日コースしか無いですよね…」
頑張って下さい、とシロエ君、キース君にエール。
シロエ 「ぼくは、どっちでもいいですから」
ジョミー「原因、キースの失言だしね…」
キース 「そうなんだが…!」
頼むから誰か助けてくれ、と懇願ですけど。
無理なのでは…?
2021/12/18 (Sat)
☆助けても無駄な人
クリスマスを控えた休日、キース君を襲った恐ろしい注文。
サンタクロースになるため、プラス百キロというヤツで…。
キース 「助けてくれたヤツは恩に着るから、誰か…!」
ジョミー「正直、キースを助けたってさ…」
シロエ 「次の災難に繋がるだけですからねえ…」
一難去ったらまた一難、とシロエ君のキッツイ台詞が。
シロエ 「真面目に学習能力ゼロです、猫以下ですよ」
サム 「自分で蒔いた種だぜ、今度も」
ブルー 「ついでに、君限定のイベントだしさ…」
まあ、頑張ってくれたまえ、と生徒会長も突き放し。
ブルー 「クリスマスまでに太るか、当日かだよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 食事は任せてね!」
高カロリー食も、ダイエット食も、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「太ったら、次は痩せなくっちゃね!」
サム 「迎春行事で嫌でも痩せるし、心配ねえよ」
マツカ 「人間ドックも、ご希望なら手配しておきますよ」
お正月でも大丈夫です、と御曹司ならではの太鼓判。
マツカ 「ですから、安心して太って下さいね」
キース 「なんで、みんなで見捨てるんだ!」
ジョミー「助けても、どうせ次があるしさ…」
シロエ 「下手に助けたら、助けた人もババですしね」
誰かさんの復讐は怖いですから、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「とにかく、今回は自己責任でお願いします」
ブルー 「太るのも良し、処刑も良しだよ」
というわけで、放置でいこう、と生徒会長、纏めへと。
ブルー 「事前に太るコースだったら、マツカはさ…」
マツカ 「服を買う費用を用意ですね?」
ブルー 「そう! 当日コースだった場合は…」
サム 「百キロ分の珍味ってことな?」
処刑方法によってはよ…、とサム君、うんうん、と。
サム 「どうなるのかは、キース次第な!」
シロエ 「ええ、ぼくたちは傍観者ですし」
ジョミー「楽しみだよね!」
キース 「くっそぉ…」
なんでこうなる、と呻いてますけど。
自業自得ですよね…。
2021/12/19 (Sun)
☆太れなかった人
ソルジャーがキース君に出した注文、サンタクロースの役。
クリスマスイブが来まして、生徒会長宅でパーティーで…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
一同 「「「お邪魔しまぁーす!」」」
飾り付けられたリビングにダイニング、とても華やか。
シロエ 「綺麗ですねえ、クリスマスって感じですよ!」
ジョミー「大きいツリーもあるもんねえ…」
ぶるぅ 「そうなの、サンタさんが来る日だも~ん!」
とっても楽しみ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「だけど、キースのサンタクロースは…」
サム 「ちっとも太ってねえんだよなあ…」
ジョミー「太る気、ホントにゼロだったしね…」
高カロリーなメニューはスルーで、とジョミー君の溜息。
ジョミー「ぶるぅが頑張って作っても、スルー!」
キース 「この時期、怖くて太れるか!」
一同 「「「は?」」」
キース 「親父だ、自分は忘年会で食いまくっていても…」
俺が太るのは許さないぞ、と副住職、肩をブルッと。
キース 「たるんでいる、と罰礼コースで確定なんだ!」
サム 「あー…。痩せるまで、やらされるのな?」
キース 「そうだ、一日、何千回とかで!」
だから太っても無駄になるだけで…、とキース君。
キース 「それくらいなら、普通に過ごした方が…!」
ジョミー「災難は今日だけで済むから、ってこと?」
キース 「親父に、毎日、罰礼と説教をかまされるなど…」
地獄でしかないぞ、と顰める顔。
キース 「ついでに嫌味も、山ほど言われて…」
??? 「オッケー、それで処刑を選んだ、と!」
いいけどね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「残念だよねえ、サンタを楽しみにしてたのに…」
キース 「あんただけだろうが!」
Aブルー「違うね、今回は、ぼくだけじゃなくて…」
A船長 「キースがサンタと聞いたのですが…」
Aぶるぅ「太ってなーい!」
話が違う、とキャプテンと悪戯小僧も出現。
どうなるやら…。
2021/12/20 (Mon)
☆詰めるなら珍味
やって来ました、クリスマスイブ。ソルジャーたちも登場。
ところがキース君は太っていなくて、たちまち不満が爆発。
Aブルー「今年のクリスマスは、サンタ体型のさ…」
A船長 「キースが登場という話でしたが…」
Aぶるぅ「こんなの、サンタさんじゃないーっ!」
もっと太っていないとダメ、と悪戯小僧の膨れっ面。
Aぶるぅ「今から太らせて、間に合わせるもん!」
一同 「「「げっ!」」」
フォアグラコースだ、と誰もが愕然。
シロエ 「あ、あのですね、無理に食べさせても…」
キース 「すぐに肉にはならんと思うぞ」
Aぶるぅ「ダメ元って言うし、それにお腹は…」
Aブルー「膨らむだろうね、確実に」
今よりはウエストが太くなる筈、と頷くソルジャー。
Aブルー「太らなかったら、処刑だと言ってあったしさ…」
A船長 「強引に詰め込むわけですね?」
胃袋の限界をまるっと無視で、とキャプテンの相槌。
A船長 「蜂蜜レモンの時と同じで、こう、グイグイと」
Aブルー「そう! フォアグラのガチョウ状態だよね」
キース 「し、しかし…!」
マツカ 「キャビアとか、トリュフでいきますか?」
最高の品を用意しますが…、と御曹司。
マツカ 「もちろん、皆さんには、普通に御馳走する方で」
一同 「「「やったーっ!」」」
珍味が来るぞ、と大歓声。
ジョミー「マツカ、他にも取り寄せ出来る?」
マツカ 「ええ。ですが、ぶるぅの料理もありますし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 珍しいもの、大歓迎!」
食材も、お料理なんかでも…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「中華でフカヒレとかもいいかも!」
ブルー 「いいね、ツバメの巣とかもさ…」
ぶるぅは用意してないからね、と生徒会長も乗り気。
ブルー 「この際、中華グルメを追加で!」
Aブルー「それもキースに詰めようか?」
Aぶるぅ「そだね、詰め物!」
キース 「おい…!」
丸焼きにする気か、と悲鳴ですけど。
誰か言いましたっけ?
2021/12/21 (Tue)
☆料理もいいかも
クリスマスイブは生徒会長宅でパーティー、そういう面々。
ソルジャーたちも来ましたけれど、キース君が問題でして。
Aブルー「丸焼きねえ…。そんなつもりは無かったけど…」
A船長 「詰め物をして、キースを焼くんですか?」
Aブルー「たった今、本人がそう言ったしね!」
丸焼きって台詞を…、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「だけど、焼いたら犯罪らしいし…」
キース 「当然だろうが、殺人罪だぞ!」
Aブルー「ぶっちゃけ、こっちの世界の法律なんかは…」
ぼくには無関係なんだけど…、とソルジャーが見回す周囲。
Aブルー「とはいえ、此処で焼いた場合は、みんなにさ…」
シロエ 「思いっ切り、迷惑かかりますから!」
サム 「そうだぜ、確か、止めずに見てたってヤツは…」
ブルー 「罪に問われることもあるねえ、ハッキリ言って」
だから丸焼きは絶対禁止、と生徒会長、グッサリと釘を。
ブルー 「詰め物をする程度だったら、かまわないけど」
キース 「あんたまで、俺を殺す気か!」
ブルー 「マツカが病院を手配するから、無問題!」
パーティーで悪ノリは若者の特権、と涼しい顔の生徒会長。
ブルー 「現に、この間の蜂蜜レモンの時だって…」
ジョミー「キースは死んでないもんね…」
シロエ 「救急搬送もされてませんよね、タフですから」
詰め物くらいは大丈夫でしょう、とシロエ君も。
シロエ 「この際、美味しく料理されて下さい!」
キース 「何故、そうなる!」
Aブルー「なるほど、料理もいいかもね」
中華グルメも来ることだし…、と頷くソルジャー。
Aブルー「詰め物よりもさ、料理しようか?」
キース 「だから、犯罪だと!」
そういう話になっただろうが、とキース君の怒声。
キース 「丸焼きがダメなら、料理も同じだ!」
Aブルー「そうじゃなくって…」
キース 「はあ?」
Aブルー「サンタにも色々あったよね、って…」
思ったわけで、とソルジャーの返し。
どういう意味だと…?
2021/12/22 (Wed)
☆痩せているなら
クリスマスイブのパーティーですけど、キース君に問題が。
ソルジャーに太れと注文されたのに、太らなかったわけで。
キース 「あんたは何が言いたいんだ?」
Aブルー「君を今から太らせたって、限度があるしね…」
ウエストのサイズが変わる程度、とソルジャー、溜息。
Aブルー「それじゃ、サンタに見えないしさ…」
Aぶるぅ「そだよ、サンタさんは太ってなくちゃ!」
Aブルー「だからね、此処はキースに似合いのサンタに!」
一同 「「「は?」」」
なんのこっちゃ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「キース先輩に似合いと言ってもですね…」
サム 「太ってねえ時点でアウトでねえの?」
ジョミー「似合うサンタなんか、何処にも無いよね?」
Aブルー「甘いね、君たち!」
甘すぎるよ、とソルジャー、指をチッチッと。
Aブルー「街にはサンタが溢れてるだろう!」
シロエ 「ええ、まあ…。そういう時期ではありますね」
Aブルー「スタイルのいい、女子大生とかのサンタもね!」
スカートのサンタがいるじゃないか、という指摘。
Aブルー「あれでいこうよ、キースは痩せてるんだから!」
一同 「「「げっ!」」」
女装なのか、と誰もがドン引き。
シロエ 「あ、あのぅ…。視覚の暴力じゃないですか?」
スウェナ「そうよ、キースの女装だなんて!」
Aブルー「鑑賞用じゃないから、全然オッケー!」
其処は眺めて笑う所、とソルジャーの笑み。
Aブルー「うんと可愛いヤツを着せてさ…」
Aぶるぅ「んとんと、スカート、めくってもいい?」
Aブルー「もちろんだよ!」
すると可愛いパンツも要るね、とソルジャー、顎に手を。
Aブルー「ぶるぅ、今から衣装を一式、買えるかな?」
ぶるぅ 「えっとね、専門のお店があるから大丈夫!」
Aブルー「それじゃ買い出し、お願い出来る?」
ぶるぅ 「うん、行って来るねーっ!」
キース 「おい…!」
ちょっと待て、と叫ぶより前に消えたお子様。
買い出しですね…?
2021/12/23 (Thu)
☆みんなにサービス
クリスマスイブのパーティー、キース君がサンタクロース。
ソルジャーが注文をつけていたのに、太らなかったわけで。
キース 「なんで、こういうことになるんだ!」
Aブルー「君を美味しく料理なんだよ、処刑を兼ねて」
A船長 「女装させるだけで、よろしいのですか?」
Aブルー「それで済むわけがないだろう!」
処刑なんだよ、とソルジャー、エヘンと。
Aブルー「サンタの衣装で、みんなにサービス!」
Aぶるぅ「わぁーい、スカートめくっちゃうも~ん!」
A船長 「私も、スカートをめくるのでしょうか?」
Aブルー「やりたいのかい?」
ちょっとビックリ、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「キースのパンツなんか、見て楽しいと?」
A船長 「いえ、全然…。ですが、サービスとなると…」
めくるのが礼儀になるのでは、とキャプテンの問い。
A船長 「スカートをめくったり、触りまくったりと…」
Aブルー「なるほど、そういうサービスもアリかな」
接客の一つではあるね、と頷くソルジャー。
Aブルー「じゃあ、やりたい人は、そういうヤツでね!」
A船長 「では、基本は違うと仰るのですか?」
Aブルー「だって、パーティーだよ?」
給仕係に決まってるだろう、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「料理を取り分けたり、お酒を注いだり…」
A船長 「ごく普通ですね…」
Aブルー「でも、女装だよ?」
キースには充分、屈辱な筈、と意地の悪い笑み。
Aブルー「ぶるぅのスカートめくりもあるしさ」
キース 「キツすぎるんだが!」
ぶるぅ 「ただいまーっ、お洋服、買って来たの!」
パンツもあるよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の帰還。
ぶるぅ 「見て見て、可愛いサンタさん!」
Aブルー「うん、ひらひらのパンツもいいねえ!」
キース 「これを着ろと…?」
Aブルー「そうだよ、早く着替えたまえ!」
キース 「こんな格好で給仕係…」
あんまりすぎる、と呻いてますけど。
中華グルメも届きますしね?
2021/12/24 (Fri)
☆サンタとスカート
クリスマスイブのパーティー、サンタクロースなキース君。
よりにもよって女装のサンタで、給仕係をするのだそうで。
ぶるぅ 「キース、着替えはこっち、こっち!」
Aブルー「ほら、サッサと行く!」
キース 「くっそぉ…」
なんでこうなる、とキース君、肩を落として出て行って…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ とっても可愛く出来たの!」
一同 「「「うっ…」」」
マジで女装だ、と誰もが絶句する中、ソルジャーの拍手が。
Aブルー「うん、なかなかに似合ってるよ!」
A船長 「そうでしょうか…?」
Aぶるぅ「わぁーい、めくるの楽しそう!」
スカート最高、と飛び跳ねた悪戯小僧、早速、突進。
Aぶるぅ「えーいっ! えっと…?」
シロエ 「こう、思ったほどブワッとなりませんね?」
Aぶるぅ「なんか一杯、布が詰まっているんだもん!」
ぶるぅ 「えとえと、スカートを可愛く広げるヤツで…」
チュールが沢山重なってるから、と良い子の「ぶるぅ」。
ぶるぅ 「スカートめくりは、難しいかも…」
Aぶるぅ「えーっ!? それじゃ、パンツは?」
ぶるぅ 「覗いた方が早いと思うの!」
Aぶるぅ「うわぁーん、ひらひらパンツなのにーっ!」
めくって遊ぶ楽しみがゼロ、と悪戯小僧の膨れっ面。
Aぶるぅ「スカートの下で見てるしかないの?」
ぶるぅ 「そうかも、ぼくたち、背が低いから…」
キースの足の側にいれば見放題だよね、と良い子のお返事。
ぶるぅ 「めくらなくてもいいから、楽かも!」
Aぶるぅ「じゃあ、そうする…」
下からパンツを覗くもん、と、めげない悪戯小僧。
Aぶるぅ「めくれないなら、もぐっちゃう!」
Aブルー「ほどほどにね?」
給仕係が転ぶと厄介、とソルジャーの釘。
Aブルー「足がもつれて、料理をぶちまけたらさ…」
A船長 「中華グルメがパアですよね」
Aブルー「即、処刑だよ!」
キース 「そう言われても…!」
足の間にぶるぅなんだぞ、と叫んでますけど。
どうなるやら…。
2021/12/25 (Sat)
☆転ばずに済んだら
クリスマスイブのパーティー、今年はキース君がサンタ役。
けれど女装でスカートなわけで、悪戯小僧のターゲットで。
キース 「一応、聞いておきたいんだが…!」
Aブルー「何をだい?」
キース 「転んだ場合の、処刑というのは何なんだ?」
心の準備というものがある、とキース君の悲壮な顔付き。
キース 「やっぱり料理を詰められるのか?」
Aブルー「さあねえ、処刑されなければ済む話だけどね?」
A船長 「その通りですよ、転ばなければ無問題です」
足元に注意して下さいね、とキャプテンの笑顔。
A船長 「一瞬のミスが命取りですし、お気を付けて」
キース 「そ、それはそうだが…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 中華料理が届いたよーっ!」
マツカが注文してくれたヤツ、と料理上手なお子様。
ぶるぅ 「ぼくのお料理もあるし、パーティーしようよ!」
ブルー 「そうだね、キースは給仕係を頑張って!」
Aブルー「まずは、シャンパンで乾杯だよ!」
配って、配って! と、ソルジャーの急かし。
Aブルー「ほらほら、キース、ボーッとしてないで!」
キース 「あ、ああ…」
ぶるぅ 「ぼくも、お手伝いーっ!」
シャンパンは無事に配られまして、ソルジャーが音頭を。
Aブルー「メリー・クリスマス!」
一同 「「「メリー・クリスマス!」」」
かんぱーい! とグラスがカチン、カチンと賑やかに。
ぶるぅ 「はい、御馳走も山ほどあるから!」
マツカ 「中華グルメも、存分にお楽しみ下さいね」
ジョミー「うわあ、フカヒレ餃子に、それから…」
サム 「すげえな、ぶるぅの料理もあるしよ」
最高だぜ、とサム君、取り皿に早速ドッサリですけど。
Aブルー「あのさ、そこはキースにやらせないとさ…」
サム 「でもよ、転んじまったら…」
Aブルー「庇わなくっていいんだよ!」
キース 「し、しかし…!」
Aブルー「みんなにサービス!」
それでこそサンタ、とソルジャー、ピシャリと。
転ぶリスクは?
2021/12/26 (Sun)
☆足元のリスク
クリスマスイブのパーティー開幕、キース君がサンタの役。
女装でスカート、転ばないように給仕しないと処刑だとか。
Aブルー「サンタはサービスするものだしね!」
キース 「プレゼントを配る役だと思うが!」
ぶるぅ 「んとんと、それは本物のサンタさんで…」
スカートのサンタは違うと思うの、と良い子の指摘。
ぶるぅ 「街に行ったら、チラシを配ったりしているし…」
Aブルー「そうだよねえ? 文句を言わずに仕事をする!」
そこのチキンを取ってくれたまえ、とソルジャーの命令。
Aブルー「詰め物もつけて、ソースもたっぷり!」
キース 「分かった、チキンと…」
Aブルー「済んだら中華グルメも一式、頼むよ」
A船長 「私の分もお願いしますね」
どの料理も、とても美味しそうです、とキャプテンも。
A船長 「皆さんも、キースに注文を!」
シロエ 「え、ええ…。キース先輩、餃子をよろしく」
ジョミー「ぼくは、そっちのテリーヌに、パテに…」
キース 「一度に頼むな、足が縺れる!」
俺の足元には、ぶるぅがだな…、とキース君の悲鳴。
キース 「足に絡んで、上をガン見で…!」
Aぶるぅ「でないと、パンツが見えないんだもーん!」
パンツ、パンツ、とチョロチョロしている悪戯小僧。
Aぶるぅ「足に登って近くで見たいなーっ!」
キース 「やめてくれ!」
Aぶるぅ「でもでも、せっかくのひらひらパンツ…!」
キース 「くっそぉ、手さえ塞がってなければ…!」
蹴り飛ばして逆立ちで振り切るのに、とキース君の呻き。
キース 「俺のスキルをなめやがって…!」
Aブルー「逆立ちしたら、パンツが丸見えだけどね?」
キース 「うっ…」
そうだった、と詰まるキース君。
キース 「スカートでは、無理か…」
Aブルー「いいねえ、処刑のメニューが閃いたよ!」
キース 「は?」
Aブルー「転んだら、逆立ちで給仕をね!」
キース 「おい…!」
無理ゲーだろうが、とキース君、真っ青ですけど。
逆立ち…?
2021/12/27 (Mon)
☆逆立ちで拭いて
クリスマスイブのパーティー、キース君がサンタで給仕係。
しかもスカート、足元では悪戯小僧がチョロチョロな状態。
キース 「逆立ちなんぞで、給仕出来るか!」
Aブルー「分かってないねえ、だからこそ処刑!」
逆立ちして、足でトレイを持つとか、とソルジャーの注文。
Aブルー「それが無理なら、給仕する度に逆立ちだよね」
キース 「は?」
Aブルー「一発芸だよ、お辞儀の代わりに逆立ちでさ…」
パンツを披露するといいよね、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「まあ、転ばないように頑張りたまえ!」
キース 「そ、そうする…」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ 逆立ちして、パンツ!」
それもいいかも、と悪戯小僧、キース君の足にベッタリ。
Aぶるぅ「わぁーい、キースのパンツ、ひらひら!」
キース 「邪魔だと言っているだろう! うわぁっ!?」
ガシャーン! とお皿が飛び散りまして、キース君、床に。
キース 「し、しまった…」
Aブルー「あのねえ…。転ばないように言ったよね?」
Aぶるぅ「逆立ち! 逆立ち!」
Aブルー「うん、まずは逆立ちして掃除からだよ!」
出来るだろう、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「ぶるぅ、雑巾をキースに渡して!」
キース 「さ、逆立ちで拭けと?」
Aブルー「腕の力には自信があるんだろう?」
片手に雑巾、片手で身体を支えたまえ、と睨む人。
Aブルー「はい、処刑メニュー、第一弾!」
ぶるぅ 「えとえと、キース、雑巾、持てる?」
キース 「もうヤケだ!」
やってやる! とキース君、バッと逆立ち。
シロエ 「わあ、逆立ちでも拭けるんですね、床…」
ジョミー「なんか凄いね…」
でも、足の方は見ない方が…、と一同、苦笑。
Aぶるぅ「パンツ、パンツーっ!」
ブルー 「あれなら、給仕も出来るかもねえ…」
Aブルー「無理なら一発芸でいいしね!」
キース 「なんで、こういうことになるんだ…!」
俺は泣きたい、と逆立ちで頑張る人。
パーティー、最高…?
2021/12/28 (Tue)
☆大晦日には必須
とんでもなかったクリスマスが終わって、いよいよ大晦日。
除夜の鐘を撞くのに、元老寺へと向かうシャン学メンバー。
ジョミー「今年も寒いね、雪が降りそうな感じだよ」
シロエ 「それでこそ、年の暮れですよね」
サム 「うんうん、お接待のおぜんざいが美味いのな!」
楽しみだぜ、とサム君、唾をゴクリと。
サム 「クリスマスの御馳走も、最高だったけどよ…」
マツカ 「元老寺のおぜんざいは、別格ですしね」
スウェナ「それに、余計なものも見なくて済むわよ」
一同 「「「あー…」」」
あれか、と誰もが遠い目に。
ジョミー「キースの足ってヤツだよね…」
シロエ 「結局、逆立ち三昧でしたからねえ、処刑で」
サム 「あいつの腕の力の凄さは分かったけどよ…」
スウェナ「笑いもしたけど、破壊力だって桁外れだわよ」
視覚の暴力というヤツだわね、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「あれだって、キースが蒔いた種でしょ?」
ジョミー「ホントに疫病仏だよねえ…」
シロエ 「でも、大晦日の必須アイテムですよ?」
除夜の鐘には欠かせませんし、とシロエ君。
シロエ 「鐘をつくまで、庫裏にいられる特権とかは…」
サム 「キースがいねえと、無理だよなあ…」
スウェナ「大晦日だけは、有難いわよねえ…。あっ!」
ブルーたちよ、とスウェナちゃんが指差す黒塗りタクシー。
ジョミー「今年もVIP待遇だね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 外は寒いね!」
ブルー 「ホントにね。やあ、キース」
キース 「不本意ながら、迎えに来たぞ」
他のヤツらも一緒に来い、と法衣の副住職が山門に。
キース 「座敷を温めておいたから」
一同 「「「やったーっ!」」」
お菓子も沢山、と庫裏の座敷に上がり込んだ面々。
ブルー 「キースは夜まで忙しそうだねえ…」
キース 「当然だろうが、大晦日だぞ」
ジョミー「拭き掃除は逆立ち?」
キース 「貴様!」
死にたいのか、と副住職が吊り上げる眉。
トラウマですかね?
2021/12/29 (Wed)
☆つつくのは駄目
やって来ました、大晦日。除夜の鐘は今年も元老寺な面々。
暖かい庫裏に通されまして、お菓子も沢山なんですけれど。
キース 「いいか、此処では親父が法律でだな…!」
ジョミー「逆立ちしてたら叱られる、って?」
キース 「親父が法律なら、俺は取り締まる現場職員だ!」
キリキリ逮捕するからな、と副住職、ジョミー君をギロリ。
キース 「心を清めて除夜の鐘を待つ、それが大晦日だ!」
ジョミー「そうだっけ? 確か、除夜の鐘を撞いてさ…」
煩悩を流して、心を清める気がするけど、とジョミー君。
ジョミー「最初から心を清めていたんじゃ、意味無いよ?」
キース 「くっそぉ、屁理屈をこねやがって!」
シロエ 「間違ってないと思いますけどねえ…」
それより仕事が待ってますよ、とシロエ君が指差す襖の方。
シロエ 「ジョミー先輩を締めてる間に、詰みますけど」
キース 「まずい…!」
親父に絞め殺されてしまう、と副住職、ダッシュで消滅。
シロエ 「かなり忙しそうですね」
ジョミー「うん。お蔭で命拾いだよ」
ブルー 「今日は気が立ってるから、つつかないようにね」
逆さ吊りにされてからでは遅いよ、生徒会長の言。
ブルー 「吊るされたまま放置で、除夜の鐘とかさ…」
一同 「「「うわー…」」」
マジでありそう、と誰もがガクブル。
サム 「逆恨みで、逆立ちの復讐なのな…」
シロエ 「御免蒙りたいですよ」
ブルー 「じゃあ、大人しくするしかないね」
逆立ちの話は忘れたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「出来れば、除夜の鐘で綺麗サッパリ!」
ジョミー「もったいない気もするけどね…」
ブルー 「除夜の鐘の後は、修正会だけど?」
キースは忙しいままで年越し、という指摘。
ブルー 「正月早々、つついて吊るされたらさ…」
シロエ 「最悪ですね…」
ブルー 「だから、忘れる!」
一同 「「「はいっ!」」」
逆立ちの件は忘れ去ります、と一同、敬礼。
怖いですしね?
2021/12/30 (Thu)
☆無我の境地で
除夜の鐘を撞こうと、元老寺に来ているシャン学メンバー。
キース君の恨みは買いたくない、と大人しく過ごしまして。
シロエ 「うわあ、今年も大勢並んでますねえ…」
ジョミー「ついでに雪だよ、降り始めたよね」
サム 「おぜんざいが美味いってモンだぜ、この寒さ!」
鐘を撞いたら温まろうぜ、とサム君が眺めるテントの方。
サム 「テントの中には、ストーブもあるしよ」
シロエ 「会長とぶるぅは、最初からテントですけどね…」
マツカ 「VIP待遇ですからね…」
緋色の衣の高僧ですし、とマツカ君。
マツカ 「あっ、鐘を撞きに出て来ましたよ」
シロエ 「ぶるぅも小僧さんスタイルですね」
スウェナ「キースは、今年も先導役ね」
法衣の面々が鐘楼に向かい、銀青様が最初の鐘をゴーンと。
ジョミー「今年も、これで終わるんだよね…」
シロエ 「色々とありましたよねえ、今年も…」
サム 「でもよ、けっこうキースが一人でババをよ…」
引いてくれた気がするんだよな、とサム君、感慨深げ。
サム 「そういう意味では、いい年だったぜ?」
ジョミー「確かにね! 来年も、その方向でさ…」
シロエ 「是非とも、お願いしたいですねえ…」
でも、除夜の鐘の時に祈ったらダメです、とシロエ君。
シロエ 「お祈りが流れてしまいますしね」
サム 「だよな、そいつは勘弁だしよ…」
スウェナ「無心で撞くのが一番だわね」
何も考えずに、ゴーンと一発、とスウェナちゃんの言。
スウェナ「そしたら、きっと来年も運が向いて来るわよ」
シロエ 「無我の境地でいきましょう!」
そして来年もいい年に、とシロエ君の決意の表情。
シロエ 「災難は全部、キース先輩に任せるんです!」
ジョミー「本人に聞こえたら、大変だけどね…」
サム 「だからよ、みんな、無我の境地な!」
マツカ 「おぜんざいだけを考えましょう」
一同 「「「おーっ!」」」
頑張るぞ、と鐘楼を見詰める面々。
皆様も、どうぞ良いお年を~。
2021/12/31 (Fri)
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