☆命が惜しいです
まだまだ残暑が厳しい季節、生徒会長宅で過ごす御一同様。
お彼岸はバーベキューにお出掛け、そういう計画なのに…。
キース 「あんたの力では、こいつに及ばないんだな?」
ブルー 「力の強さは、全く同じな筈なんだけど…」
Aブルー「経験値ってヤツが違うってね!」
ぼくは実戦で鍛えてるから、とソルジャー、得意げな顔。
Aブルー「それで、お彼岸は、ぼくのハーレイにさ…」
キース 「電話させるのは、勘弁してくれ!」
確実に俺の命が無い、とキース君、真っ青。
キース 「俺だって、命が惜しいんだ!」
Aブルー「そう思うんなら、お彼岸、よろしく!」
スッポンタケの法要をね、とズズイと迫るソルジャー。
Aブルー「バーベキューなんて言っていないで、此処で!」
キース 「そ、そんな…!」
俺の人生初の休みが…、とウッと息を飲む副住職ですけど。
Aブルー「嫌だと言うなら、バーベキューでもいいよ?」
キース 「その代わり、あんたも連れて行け、と?」
マツカ 「よろしかったら、皆さんでどうぞ」
キャプテンと、ぶるぅも御一緒に…、と御曹司の助け舟が。
マツカ 「バーベキューにはいい季節ですし、素敵ですよ」
シロエ 「いいと思いますよ、法要よりも」
ジョミー「だよねえ、美味しい肉を食べてさ…」
魚釣りだってするんだよね、とジョミー君たちも。
ジョミー「そっちにしようよ、楽しいから!」
Aブルー「甘いね、君たちも逃げる気なんだ?」
キースだけ置いて行くのはダメだよ、とソルジャーの睨み。
Aブルー「法要は、盛大にやらないとね!」
シロエ 「ぼくたちも巻き添えなんですか!?」
Aブルー「決まってるだろう!」
君たちの場合は、通報する意味が無いけれど…、とジロリ。
Aブルー「キースと違って、仕事じゃないし…」
シロエ 「叱られるかどうかは、別件ですよ!」
ジョミー「祝日なんだけど!」
Aブルー「お彼岸だよ!」
お彼岸と言えば法要だよね、と譲らない人。
ヤバいかも…。
2021/09/16 (Thu)
☆一人だけは困る
まだまだ残暑の季節なだけに、休日は生徒会長の家が一番。
お彼岸はバーベキューな計画なのに、ソルジャーが文句を。
Aブルー「お彼岸はスッポンタケの法要、これは不可欠!」
シロエ 「キース先輩だけでいいじゃないですか!」
サム 「そうだぜ、キースが一人で残ってやればよ…」
充分じゃねえか、とサム君たちの反論。
サム 「俺たちなんかは、何の役にも立たねえしよ…」
ジョミー「棚経だったら、ぼくとサムは仕方ないけれど…」
僧籍なことは確かだしね、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、見習い以下なんだしさ…」
サム 「お彼岸だと、何も出来ねえぜ?」
そもそも出来ることがねえよ、とサム君、キッパリ。
サム 「ただ座ってるだけなんだしよ、いなくてもよ…」
ジョミー「全く問題無いよね、うん」
キースさえいればいいと思う、とジョミー君も。
ジョミー「そりゃ、キースには気の毒だけど…」
シロエ 「先輩だって、其処は分かってくれますよ」
お寺に生まれた宿命ですし、とシロエ君、サラッと。
シロエ 「ですから、先輩が一人でですね…」
スウェナ「法要をすれば解決だわね」
私たちはバーベキューに行って、とスウェナちゃん。
スウェナ「キースは放って、楽しみましょうよ!」
Aブルー「ダメだってば!」
君たちも、ちゃんと法要を、とソルジャーの主張。
Aブルー「手抜きはダメだよ、誰もいないなんて!」
シロエ 「そんな決まりは無い筈です!」
Aブルー「でも、キースしかいないとさ…」
スッポンタケだって漲らないよ、と不満MAX。
Aブルー「漲らないと、ぼくのハーレイがさ…」
ブルー 「その先、禁止!」
言わなくていい、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「十八歳未満お断りの話は、やめたまえ!」
Aブルー「死活問題だよ!」
ブルー 「でも禁止!」
Aブルー「だけど、本当に困るんだってば、漲らないと!」
その説明をきちんとね、と言ってますけど。
何を喋ると…?
2021/09/17 (Fri)
☆通報されるかも
お彼岸はバーベキューにお出掛け、そういう計画ですけど。
文句をつけて来たのがソルジャーでして、全員出席だとか。
Aブルー「いいかい、スッポンタケが漲らないとさ…」
ブルー 「困る、ってだけでいいだろう!」
Aブルー「それだと、説得力が足りないから!」
みんなに逃げられちゃうじゃないか、とソルジャー、真剣。
Aブルー「夫婦の時間の危機だってことを、きちんとね!」
ブルー 「もういいから!」
Aブルー「スッポンタケが漲ってこそ、ハーレイもさ…」
ビンビンのガンガンになるんだよね、とイヤンな台詞が。
Aブルー「だけど、みんながいなくなるとさ…」
ブルー 「その先は禁止!」
Aブルー「いいかい、ハーレイが萎えてしまうと…」
君たちは、もっと困るかもね、と赤い瞳に物騒な光。
Aブルー「スッポンタケのために、特別に法要とかさ…」
一同 「「「えっ…」」」
Aブルー「ハーレイのために、エッチな企画をするとか…」
ブルー 「いい加減にしたまえ!」
君という人は…、と生徒会長、ブチ切れ寸前。
ブルー 「やめないと、叩き出すからね!」
Aブルー「SD体制で苦労している、このぼくをかい?」
後で祟るよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「もちろんアドス和尚に通報、他のみんなも…」
シロエ 「何をする気です!?」
Aブルー「学校に通報しちゃおうかな?」
特別生といえども、校則はある筈、とニヤニヤニヤ。
Aブルー「ドラッグをやってました、とかだと…」
一同 「「「うっ…」」」
流石にそれは、と一同、ガクブル。
シロエ 「か、会長…。ドラッグは、マズイですよね?」
ブルー 「アウトだろうねえ…」
お酒はまだしも…、と生徒会長も悪い顔色。
ブルー 「退学までは無いだろうけど…」
シロエ 「ヤバイんですね?」
ブルー 「多分、無事には済まないかと…」
Aブルー「で、どうするのかな、君たちは?」
ぼくはどっちでもいいんだけど、と微笑む人。
ヤバイかも…。
2021/09/18 (Sat)
☆通報はマズイです
お彼岸はバーベキューにお出掛け、素敵な計画ですけれど。
ソルジャーが文句をつけて来まして、通報する気満々で…。
Aブルー「法要をサボッて出掛けた場合は、通報だけど…」
シロエ 「行かなかったら、何もしないんですね?」
Aブルー「法要に出席してくれればね!」
キースだけだと通報するよ、とソルジャー、ギロリと。
Aブルー「君たちが停学になった所で、ぼくにはさ…」
ブルー 「何の影響も無いだろうねえ、腹立たしいけど」
Aブルー「それはもう! なにしろ、世界が別だから!」
その代わり、SD体制で苦労していて…、と決まり文句が。
Aブルー「唯一の癒しが、夫婦の時間なんだからねえ…」
ブルー 「細かいことだけど、おやつもだろう!」
Aブルー「まあ、そうだけどさ、一番は、やっぱり…」
ブルー 「言わなくていいから!」
その先は、と生徒会長、苦虫を噛み潰したような顔。
ブルー 「分かったよ、要は、法要をしろ、と!」
Aブルー「ピンポーン!」
キースも、他のみんなも出席で、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「そうしてくれれば、円満解決!」
サム 「仕方ねえよな、バーベキューは諦めようぜ…」
シロエ 「停学はマズイですからねえ…」
両親にもガッツリ叱られますし、とシロエ君。
シロエ 「場合によっては、警察なんかも絡むかもです」
ジョミー「ドラッグだもんね…」
マツカ 「ぼくも、謹慎処分にされそうですよ…」
別荘でドラッグなんてことになったら、と御曹司も。
マツカ 「それに当分、別荘行きは止められそうです」
一同 「「「あー…」」」
そりゃそうだ、と誰もが納得。
スウェナ「別荘なんかは、目が届かなくて温床だわよね…」
シロエ 「行けなくなったら、思いっ切り困りますよ!」
Aブルー「どうかな、決心はついたかな?」
一同 「「「はーい…」」」
Aブルー「オッケー、お彼岸は法要よろしく!」
スッポンタケも喜ぶよ、と浮かれてますけど。
法要ですか…。
2021/09/19 (Sun)
☆通報よりはマシ
お彼岸はバーベキューにお出掛け、素敵な計画だったのに。
ソルジャーが出て来て通報の危機で、法要をする運命に。
Aブルー「というわけでね、ぼくのハーレイも安泰だよ!」
ブルー 「ぼくたちは、いい迷惑だけどね…」
Aブルー「バーベキューに行っても、いいんだけどね?」
キースさえいれば、なんとかなるし、と赤い瞳がキラリと。
Aブルー「そして君たちは、停学になってさ…」
シロエ 「別荘禁止令になったら、あなたもですね…!」
ジョミー「とても困ると思うんだけど!」
お花見とかも全部パアだよ、とジョミー君たち。
ジョミー「それでいいなら、通報すれば?」
Aブルー「おやおや、急に強気だけどさ…」
いい案だと思っているだろうけど、とソルジャーの笑み。
Aブルー「そうなった時は、サイオンで、チョチョイと!」
マツカ 「父の記憶を弄る気ですか!?」
Aブルー「違うよ、潔白を証明出来る証拠を作ってさ…」
処分を撤回すればいいだけ、とニヤニヤニヤ。
Aブルー「でも、それまでは、ずっと有罪なんだし…」
シロエ 「停学を食らって、マツカ先輩は謹慎ですね…?」
Aブルー「そう! さて、通報でいいのかな?」
ジョミー「撤回するから、それだけはやめて!」
パパとマムが怖い、とジョミー君、ブルブル。
ジョミー「ちゃんと法要に出るからさ!」
シロエ 「ぼくも出ますよ、他の皆さんも…」
一同 「「「出席で!」」」
この通りです、と一同、土下座。
Aブルー「じゃあ、決まり! ぼくは帰るけど…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お菓子のお持ち帰りだね?」
Aブルー「料理の方もね!」
ぶるぅ 「オッケー!」
はいどうぞ、と手際のいいお子様、手早く詰めまして…。
ぶるぅ 「ぶるぅとハーレイの分もあるからね!」
Aブルー「ありがとう! また、お彼岸にね!」
ぶるぅ 「待ってるねーっ!」
一同 (((待ちたくない…)))
また法要か、と誰もが泣きそうですけど。
通報よりはマシ…。
2021/09/20 (Mon)
☆改宗しても無駄
お彼岸はバーベキューにお出掛け、そのつもりだったのに。
ソルジャーのせいで法要に決定、嫌でも全員出席でして…。
シロエ 「結局、お彼岸は法要ですか…」
ジョミー「逃げたら、停学になりそうだしね…」
サム 「んで、都合よく無罪になるのな、別荘のために」
頭痛がするぜ、とサム君、溜息。
サム 「ったく、誰のせいなんだよ、コレ…」
スウェナ「ホントに疫病仏だわねえ…」
シロエ 「まったくです。子供の頃からお彼岸無休だと…」
こういう人間になるんでしょうか、とキース君に視線が。
シロエ 「根っから、お坊さんになってしまって」
ブルー 「それは違うと思うけれどね?」
ぼくも坊主で…、と生徒会長が指差す自分の顔。
ブルー 「その件で、何か迷惑をかけたかい?」
シロエ 「あー…。すると、キース先輩の体質ですか…」
ブルー 「迂闊なんだよ、思慮が浅いと言うか」
例の戒名が発端だから、と容赦ない台詞。
ブルー 「いくらその場のノリでもさ…」
ジョミー「やっていいことと、悪いことがあるよね」
ブルー 「院殿号の戒名をパクるなんてね…」
シロエ 「ショボい戒名なら、引き摺りませんよね…」
まるで御利益なさそうですし、とシロエ君の相槌。
シロエ 「きっと今頃は、飽きてしまって…」
ジョミー「お彼岸は、キースは放置でさ…」
サム 「バーベキューとか、そんなコースだったぜ」
間違いねえよ、とサム君も。
サム 「とはいえ、今更、どうにもならねえし…」
キース 「す、すまん…」
シロエ 「何処まで行っても、法要ですよね…」
お彼岸が無くならない限り、とシロエ君の嘆き節。
シロエ 「でなきゃ、キース先輩が改宗するとか…」
サム 「キリシタンとかかよ?」
シロエ 「ええ。そしたら、どうにもなりませんしね」
ブルー 「ダメダメ、サムとジョミーもいるから」
ジョミー「その前に、ブルーもいるもんねえ…」
キースが得をするだけだよ、という声が。
それは確かに…。
2021/09/21 (Tue)
☆長生きして欲しい
お彼岸はバーベキューにお出掛けの筈が、またしても法要。
逃げたら通報されるとあって、全員、出るしかないわけで。
サム 「俺とジョミーよりかは、ブルーだぜ、うん」
ブルー 「間違いないよね、ゴネられちゃってさ…」
ぼくが法要をする羽目に…、と銀青様の嘆き節。
ブルー 「キースは楽になるだろうけど…」
シロエ 「ぼくたちの苦労は、据え置きですか…」
スウェナ「そうなりそうねえ、だから、キースは…」
ジョミー「改宗なんかは、許さないからね!」
いくら疫病仏でもさ、とジョミー君の睨み。
ジョミー「迷惑なキノコと心中して貰うよ、逃げないで!」
サム 「だよなあ、俺たちに回って来るよりかはよ…」
ブルー 「一人で抱えて、墓場までだね」
シロエ 「でも、ぼくたちまで巻き添えな件も…」
墓場まで引き摺りそうですよ、とシロエ君が仰ぐ天井。
シロエ 「お彼岸の度に、毎回、毎回、例の人がですね…」
ジョミー「何もかも、キースのせいなんだよねえ…」
それでも、死んでお詫びも困る、とジョミー君。
ジョミー「キースが死んだら、こっちに回って来るからさ」
ブルー 「是非とも、長生きして貰いたいね」
キース 「申し訳ない…」
この通りだ、とキース君が床に擦り付ける額。
キース 「すまんが、お彼岸はよろしく頼む」
シロエ 「高くつきますよ、と言いたいですけど…」
ジョミー「思いっ切り、赤貧なんだよねえ…」
給料も出ない人だから、とジョミー君、ブツブツ。
ジョミー「結局、ぼくたちがババを引くしか…」
シロエ 「バーベキューも、パアになりましたしね…」
マツカ 「例の人には、勝てませんから…」
仕方ないですよ、と御曹司も。
マツカ 「もう諦めて、気分を切り替えていきましょう」
ブルー 「お彼岸は法要、遅刻しないようにね!」
一同 「「「はーい…」」」
キース 「本当にすまん…!」
誠心誠意、務めさせて貰うから、と言ってますけど。
バーベキューは、パア…。
2021/09/22 (Wed)
☆お供えにも色々
やって来ました、秋のお彼岸のお中日。つまり、秋分の日。
バーベキューどころか、朝から生徒会長宅に集合でして…。
シロエ 「おはようございます。いいお天気ですよね…」
ジョミー「青空だよねえ、雲も無くって」
サム 「絶好のお出掛け日和なのによ…」
此処に籠って法要かよ、とサム君が恨めしそうに見る窓。
サム 「ホントだったら、今頃はよ…」
スウェナ「マツカの別荘にお出掛けだったのよね…」
シロエ 「河原でバーベキューだった筈なんですけど…」
何もかもパアになりましたよね、とシロエ君も深い溜息。
シロエ 「抹香臭い法要だなんて、キツすぎますよ」
ブルー 「仕方ないよね、仏教だから…」
お供えする香りはアレな約束、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「古代の神様なんかだったら、肉を焼いてたけど」
シロエ 「そういえば…。生贄な世界もあったんですよね」
マツカ 「ええ。人間をお供えでしたよね…」
それに比べればマシでしょうか、と御曹司の相槌。
マツカ 「いくら迷惑な仏様でも、生贄は要求しませんし」
サム 「でもよ、俺たち、似たようなモンだぜ?」
ジョミー「生贄みたいな感じだよねえ…」
毎回、毎回、召集されて…、とジョミー君も。
ジョミー「命は取られないってだけでさ、お供え物だよ」
シロエ 「言われてみれば、そうかもですね…」
サム 「欠席したら通報だなんて、脅されてよ…」
生贄か人柱って感じな、とサム君の指摘。
サム 「どうせだったら、キースの命でよ…」
シロエ 「支払えれば、解決なんですけどね」
スウェナ「でも、ソレ、他の人にお鉢が回るんでしょ?」
キースがいなくなった時は、とスウェナちゃん。
スウェナ「ブルーとかが、法要をさせられちゃって」
ブルー 「例の仏様がいなくなったら、大丈夫かもね」
一同 「「「え?」」」
ブルー 「解脱しちゃえば、そうなるけれど?」
拝まれる立場になっちゃって、と言ってますけど。
解脱って…?
2021/09/23 (Thu)
☆完成形になったら
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
文句しか出ないわけですけれど、抹香臭いという話から…。
シロエ 「解脱って…。それって、どういう意味ですか?」
ブルー 「簡単に言うと、仏様として完成することかな」
ジョミー「完成って、アレは元から仏様だよ?」
そりゃ、生きてるキノコもあるけれど、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、キースが拝んでるのは…」
サム 「あの世に行ったキノコだよなあ?」
仏様じゃねか、とサム君も。
サム 「ついでに、あの世だから、この世にはいねえぜ」
スウェナ「それでも毎回、法要じゃないの」
どう違うのよ、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「拝まれる立場っていうのも、同じよ?」
ブルー 「違うね、拝む意味が変わって来るんだよね」
完成形の仏様はね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「お釈迦様とか、と言えば分かるかな?」
シロエ 「あー! 元は人間でしたよね、お釈迦様!」
ブルー 「そう! 解脱して、お釈迦様になってさ…」
みんなが拝んでいるだろう、と銀青様の解説が。
ブルー 「例のキノコも、完成形になったなら…」
シロエ 「法要は要らなくなるんですね?」
ブルー 「別の法要に変わるね、うん」
お釈迦様の花祭りみたいに、と銀青様のお言葉。
ブルー 「それに、棚経は無くなるしさ…」
シロエ 「最高じゃないですか!」
ジョミー「キースがいなくなっても、安心だよね」
サム 「供えちまっても、問題ねえよな…」
生贄によ、とサム君が顎に当てる手。
サム 「ただ、仏様には、生贄はよ…」
シロエ 「無いですよね…」
お線香とか、精進なお供え物だけで…、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩をお供えしたくても、ちょっと…」
ブルー 「ウサギの話なら、あるけどねえ…」
一同 「「「ウサギ?」」」
ブルー 「ウサギの生贄ってヤツなんだけど?」
しかも生きたまま丸焼きで、と言ってますけど。
マジですか…?
2021/09/24 (Fri)
☆丸焼きもアリです
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、逃げられなかった面々。
生徒会長宅で文句ですけど、どうしようもないわけでして。
シロエ 「ウサギの丸焼きのお供えですか?」」
マツカ 「しかも生きたままって、残酷すぎますよ」
仏様用じゃないでしょう、と御曹司。
マツカ 「古代の何処かの国ですよね?」
ブルー 「仏教が生まれた国の話で、仏教だけど」
一同 「「「ええっ?」」」
仏教と言えば精進では、と誰もが仰天。
スウェナ「生きたウサギの丸焼きって、何事なのよ?」
ブルー 「お釈迦様の前世の話で、帝釈天にさ…」
ウサギだった自分を差し上げたわけ、と銀青様の解説が。
ブルー 「老人に化けた帝釈天の前で、焚火に飛び込んで」
一同 「「「うわー…」」」
マジで生きたまま丸焼きだった、と一同、ガクブル。
シロエ 「仏様に焼肉、アリだったんですか…」
ブルー 「お釈迦様だって、豚肉にあたって死んでるし…」
ずっと昔はアリだったんだよ、と銀青様。
ブルー 「丸焼きになったウサギは、今は月にいるね」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「帝釈天の力で、月のウサギになったんだよ」
だから月にはウサギなわけ、と銀青様が指差す空の方向。
ブルー 「仏教では有名な話だね、これは」
シロエ 「ということは、キース先輩をですね…」
サム 「生贄にしても、かまわねえのな?」
仏教的にはオッケーだよな、とサム君の問い。
サム 「生きたまま丸焼きが、いけるんならよ…」
ジョミー「活け締めだって、いけるよね…」
スウェナ「お供えしたら、完成形になってくれるかしら?」
マツカ 「凄いお供え物ですからね…」
パワーアップが半端ないかも、と御曹司も。
マツカ 「一気に完成する可能性だって、あるかもです」
シロエ 「そうですよねえ…」
??? 「なになに、半端なくパワーアップって!?」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
出た、とソルジャー(会話表記はAブルー)出現。
どうなる…?
2021/09/25 (Sat)
☆可能性があるなら
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
キース君を生贄な話が出ている所へ、ソルジャーの登場で。
Aブルー「スッポンタケが、パワーアップするんだよね?」
シロエ 「そ、その可能性がというだけで、ですね…」
Aブルー「可能性があるなら、是非、賭けたいね!」
たとえ1パーセントでもさ、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「完成するって、聞こえたけど?」
シロエ 「そうなんですけど、条件が…」
Aブルー「どんな条件?」
難しいのかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「でも、無理難題を乗り越えてこそで!」
シロエ 「あ、あのぅ…。キース先輩をですね…」
Aブルー「どうかするのかい?」
マツカ 「生贄に、という話でしたね」
そうすれば完成するかもなんです、と御曹司、ズバリ。
マツカ 「丸焼きでも、活け締めでもいいんですけど」
Aブルー「生贄ってことは、スッポンタケに?」
マツカ 「ええ。凄いお供え物なわけですから…」
パワーアップして完成形になる可能性が、と御曹司。
マツカ 「ただし、保証は無いですけどね」
Aブルー「うーん…。お供え物でパワーアップかあ…」
完成形になると、どうなるんだい、と質問が。
Aブルー「御利益が半端ないのかな?」
シロエ 「本物の仏様になるそうですから…」
ブルー 「凄いと思うよ、願いを叶える立場だからね」
役目がソレになるんだから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「棚経とかも要らなくなってさ…」
シロエ 「法要にしても、今とは変わるみたいです」
Aブルー「よく分からないけど、凄いパワーなんだね?」
素晴らしいじゃないか、と赤い瞳がキラキラと。
Aブルー「やるしかない気がして来たよ、ソレを!」
シロエ 「ま、待って下さい、それってキース先輩を…」
マツカ 「生贄にする気じゃないでしょうね…?」
Aブルー「その他に、何があるって言うのさ!」
可能性があるなら賭けるまで、と言ってますけど。
生贄…?
2021/09/26 (Sun)
☆やる気満々な人
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、けれど話が物騒な方へ。
生贄を供えれば完成形の仏様に、とソルジャーが乗り気で。
Aブルー「丸焼きと活け締め、どっちが効果的なんだい?」
シロエ 「どっちにしたって、犯罪ですから!」
マツカ 「ぼくも流石に、殺人罪の揉み消しはですね…」
無理だと思うんですけれど、と御曹司、顔面蒼白。
マツカ 「証拠隠滅にしても、恐らく無理です」
サム 「その筋の人なら、いけるんでねえの?」
ジョミー「うん、その道のプロはいるよね」
マツカの家なら顔が広そう、とジョミー君。
ジョミー「実は、出来ないわけじゃないとか…?」
マツカ 「そ、それはそうですけど…」
無茶を言わないで下さいよ、と御曹司、逃げ腰。
マツカ 「片棒を担いだら、一生、祟られそうですし…」
サム 「キースに、そんな根性はねえよ」
スウェナ「アドス和尚にも、勝てないヘタレよ?」
シロエ 「あのですね…。供える方向に行ってませんか?」
皆さん、やる気なんですか、とシロエ君のツッコミが。
シロエ 「キース先輩を、生贄だなんて…」
Aブルー「ぼくなら、やる気満々だけど?」
ついでに、マツカの助けも不要、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「キースが存在したこと自体、無かったことに!」
一同 「「「げっ!」」」
サイオンで記憶と情報操作だ、と一同、ドン引き。
シロエ 「まさか、キース先輩のご両親まで…?」
Aブルー「当たり前だよ、いなかったことになるんだから」
それでどうかな、とニコニコニコ。
Aブルー「お供えしたって、安心、安全!」
一同 (((マジか…)))
ヤバイのでは、と誰もが冷汗な所へ、チャイムの音が。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースが来たよーっ!」
キース 「邪魔するぞ。皆、揃っているな」
Aブルー「丸焼きと活け締め、どっちが好み?」
キース 「は?」
Aブルー「君に相談だよ!」
好みは尊重するべきだよね、とソルジャーの笑顔。
生贄だと…?
2021/09/27 (Mon)
☆お好みでどうぞ
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、副住職の登場ですけど。
其処へソルジャーが質問でして、生贄にするための方法で。
キース 「丸焼きと活け締め、どっちが好きか、だと?」
Aブルー「そう! 君の好みに合わせたいしね」
どうせだったら、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「その方が御利益ありそうだしさ…」
キース 「御利益だって?」
Aブルー「なにしろ、モノがお供えだから!」
よりパワーアップ出来るものを供えたい、と力説する人。
Aブルー「それで、好みを聞きたくてさ」
キース 「いったい何を供える気なんだ、お彼岸だぞ?」
お供えは精進と決まっている、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「調理法以前の問題なんだが!」
Aブルー「でもさ、昔は違ったらしいし…」
生贄もアリだと思うんだよね、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「君を供えれば効果は絶大、きっと、そうだと!」
キース 「俺を!?」
まさか殺して供える気か、とキース君、真っ青。
キース 「どうして、そういうことになるんだ!」
Aブルー「立派な仏様にしたいから!」
スッポンタケを完成形に、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「半端ないパワーになるって聞いたし!」
キース 「それで俺を、か!?」
Aブルー「君なら、うってつけなんだよ!」
戒名をつけてくれた人だし、と満面の笑み。
Aブルー「生贄としては最上級でさ、スッポンタケも…」
キース 「あれは肉食ではないが!」
Aブルー「そりゃまあ、キノコに口は無いけど…」
肥料としては肉もいけそう、と自信満々。
Aブルー「というわけでね、是非、君にさ…」
キース 「死ねと言うのか!」
しかも丸焼きか活け締めなのか、とキース君、ガクブル。
キース 「俺を何だと思ってるんだ!」
Aブルー「もっと丁重に扱え、って?」
キース 「当然だろうが!」
Aブルー「それじゃ、釜茹でとかはどうかな?」
いい湯加減で死ねるらしいし、と言ってますけど。
釜茹で…?
2021/09/28 (Tue)
☆お帰りだそうです
スッポンタケの法要ですけど、生贄を供えたいソルジャー。
パワーアップに効果絶大、そう思い込んでいるわけでして。
キース 「釜茹での何処が、いい湯加減なんだ!」
Aブルー「でもさ、カエルを水から茹でていくとさ…」
逃げないで死ぬって聞いたけどね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「だから君もさ、まずは水風呂で…」
キース 「断固、断る!」
ついでに今すぐ帰らせて貰う、とクルリと方向転換。
キース 「自分を供える法要なんぞは、俺には出来ん!」
Aブルー「そう言わないでさ、ここは気前よく!」
悪いようにはしないから、と食い下がるソルジャー。
Aブルー「誰も罪には問われないしさ、ご両親もさ…」
キース 「金でも積んで黙らせる気か!?」
Aブルー「違うよ、君の存在自体を無かったことに!」
ぼくのサイオンでチョチョイとね、と立てる親指。
Aブルー「丸焼きも活け締めも、釜茹でも嫌、って?」
キース 「どの死に方でも御免蒙る!」
じゃあな、とドアの方へとスタスタ。
キース 「法要は誰かに頼んでくれ!」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
それは困る、とソルジャー、キョロキョロ。
Aブルー「誰か、代わりにやってくれる人…?」
僧籍な人(((無視だ、無視!)))
Aブルー「ブルーとかは…?」
ブルー 「伝説の高僧が、生贄を供える法要はねえ…」
アウトだよね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「それにキースも、自分を供えるトコまでは…」
シロエ 「人間が出来ていませんよねえ…」
お釈迦様とは違うんですから、とシロエ君の相槌。
シロエ 「キース先輩、そうですよね?」
キース 「そういうことだ」
失礼する、とドアをガチャリと。
キース 「俺の評価が地に落ちるよりも、まずは命だ」
Aブルー「待ってよ、お彼岸の法要が…!」
キース 「断ると言っているだろう!」
Aブルー「それじゃ困るってば!」
ぼくの大事なスッポンタケが、と叫んでますけど。
当然では…?
2021/09/29 (Wed)
☆二度目は無いです
お彼岸のスッポンタケの法要、生贄を目論んだソルジャー。
キース君を供えるつもりが、怒らせて帰られる危機でして。
Aブルー「法要をしないと、漲るどころか萎えちゃうよ!」
キース 「自業自得だ、勝手にしやがれ!」
俺は帰る、とキース君、玄関の方へ廊下をズンズン。
Aブルー「待ってってばーっ!」
キース 「殺されると知ってて、待つ馬鹿がいるか!」
坊主は俺の他にもいるしな、と捨て台詞が。
キース 「というわけで、俺は帰るぞ」
Aブルー「ごめん、もう言わない! 供えないから!」
生贄だなんて言わないから、とソルジャー、土下座。
Aブルー「だから頼むよ、お彼岸の法要!」
キース 「…妙な真似をしたら、ブチ壊すぞ?」
法要をな、と副住職の怖い顔付き。
キース 「それと二度目は、無いと思っておけ!」
Aブルー「二度目って…?」
キース 「仏の顔は三度までだが、俺は一度だ!」
人間が出来ていないからな、と戻った法要のための部屋。
キース 「今のを聞いていただろう?」
シロエ 「ええ、しっかりと」
キース 「次にこいつが、生贄などと言い出した時は…」
法要は二度としないことにする、とキース君、キッパリ。
キース 「いいな、みんなが証人だ!」
一同 「「「オッケー!」」」
Aブルー「分かったよ、ホントに分かったから…!」
今日は普通に法要お願い、と詫びまくるソルジャー。
Aブルー「とにかく、漲れば充分だから!」
キース 「よし、着替えて来る」
そして法衣に着替えて登場、一同、正座ですけれど。
Aブルー「…残念だよね…」
キース 「何か言ったか!?」
いつでも俺はキャンセルするぞ、と凄い睨みが。
キース 「それでいいなら、好きに文句を言っていろ!」
Aブルー「静かにするよ、だから法要!」
キース 「口にガムテープもアリなんだからな!」
Aブルー「やめてよ、美形が台無しだよーっ!」
大人しくする、と降参一択な人。
今月、これにて中継終了~。
2021/09/30 (Thu)
☆暦だけは秋です
さて、九月。暦は秋で、新学期もスタートな季節ですけど。
まだまだ残暑が厳しいわけで、休日は涼しい生徒会長宅へ。
シロエ 「暑いですねえ、秋って暦の上だけですよね」
ジョミー「ホント、9月は夏だと思うよ」
マツカ 「正確に言えば、先月から秋だったんですけどね」
立秋は8月7日でしたから、と御曹司。
マツカ 「ですから、とっくに秋なんですけど…」
サム 「これだけ暑いと、秋じゃねえって!」
スウェナ「お盆も、しっかり暑かったわよ」
アレは立秋より後じゃないの、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「お盆が秋だと思っている人、いないでしょ?」
シロエ 「残暑見舞いとは言いますけどねえ…」
ジョミー「立派に夏だよ、今年もガッツリ暑かったしさ!」
自転車で走り続けるのが、とジョミー君の嘆き節。
ジョミー「だけど今年は、後半、得をしたけどね」
シロエ 「そうでした! 誰かさんが運んでましたしね」
瞬間移動で、せっせ、せっせと、とシロエ君、相槌。
シロエ 「一番最後のお宅に着くまで、自転車の出番は…」
ジョミー「ほぼ無かったよね、ちょっと走るだけで」
人目につかない所までね、とジョミー君が立てる親指。
ジョミー「棚経を忘れられてた時はさ、焦ったけどさ…」
キース 「お前は、ただのお供だったからな!」
移動が楽ならいいんだろうが、とキース君、苦い顔付き。
キース 「しかし俺はだ、檀家さんの家に着く度に…」
ジョミー「お詫びだっけね、遅れました、って…」
キース 「あの馬鹿が、ヘマをするからだ!」
棚経の時間を忘れやがって、とブツブツブツ。
キース 「しかも忘れた理由と言うのが…」
ブルー 「ぼくにも何か、ってヤツだしねえ…」
欲張るからだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「坊主なんだし、サービスしろと言われても…」
キース 「厚かましいんだ、あの馬鹿は!」
シロエ 「ですよね…」
結果的に下僕でしたけど、とシロエ君の苦笑。
確かに…。
2021/09/01 (Wed)
☆無縁仏なチャンス
まだまだ残暑が厳しい休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
暦の上では秋と言っても、暑い外よりエアコンがいい季節。
シロエ 「こき使えたのは、嬉しかったでしょう?」
キース 「それについては、否定はせんな」
あれで懲りるとは思えんが…、とキース君、溜息。
キース 「喉元過ぎればで、忘れていやがるだろうしな…」
ジョミー「あの程度のサイオン、楽勝だろうしね…」
ブルー 「文句はブツブツ言ってたけどねえ…」
もう疲れたとか、泣きたいだとか、と生徒会長。
ブルー 「とはいえ、大事な仏様のためだし、努力はさ…」
シロエ 「放棄しませんでしたね、なんだかんだで」
キッチリ勤め上げましたよ、とシロエ君も。
シロエ 「途中で逃げたら、来年の棚経が無いですし…」
キース 「当然の報いというヤツだ!」
坊主を馬鹿にしやがって、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「無縁仏になればいいんだ、あんなキノコは!」
シロエ 「やってしまえば良かったですねえ…」
スウェナ「そうよ、チャンスはあったのよね」
ブルーが棚経をやっていれば、とスウェナちゃん。
スウェナ「そしたら、無縁仏になったんでしょ?」
ブルー 「厳密に言えば、そういうわけでもないけどね」
一同 「「「え?」」」
そう言わなかったか、と僧籍以外の面々、キョトン。
シロエ 「会長がやれば、無縁仏だと聞きましたけど?」
マツカ 「ぼくもです。あの人も、それで諦めましたし…」
ブルー 「まあ、間違ってもいないんだけど…」
施餓鬼扱いでやった場合は…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「あの戒名を読まなかったら、そうなるね」
シロエ 「えっと…?」
キース先輩がつけたアレですか、とシロエ君の問い。
シロエ 「棚経って、戒名、読みましたっけ?」
マツカ 「読んでましたよ」
ブルー 「其処が大事なポイントなんだよ」
スウェナ「お経じゃなくて?」
そっちなの、とスウェナちゃんが傾げる首。
戒名ですって…?
2021/09/02 (Thu)
☆戒名がポイント
まだまだ残暑が厳しいのが九月、休日は生徒会長宅が一番。
エアコンが効いた部屋で過ごす面々、話題は先月の棚経で。
シロエ 「戒名を読むかどうかが、ポイント…ですか?」
スウェナ「すると、お経は関係無いのかしら?」
無縁仏にするかどうかは…、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「ブルーがお経を読んだだけでは、駄目なのね?」
ブルー 「戒名を読むと、その仏様用になるからね」
棚経がかぶる件は別にして…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「あの戒名を読んだ場合は、普通の棚経扱いだよ」
シロエ 「無縁仏には、ならないんですね?」
ブルー 「逆に、喜ぶだけだろうねえ…」
ぼくの有難い棚経でね、と生徒会長、苦笑い。
ブルー 「逆に、読まなかった場合はさ…」
スウェナ「どうなっちゃうのよ?」
ブルー 「ただの施餓鬼で、無縁仏様用になるから…」
無縁仏と同列になってしまうんだよ、という解説。
ブルー 「例の仏様用の棚経じゃなくて、その他大勢!」
シロエ 「そういう扱い、というだけですか?」
スウェナ「無縁仏になるんじゃないのね?」
じゃあ、例の人は騙されたわけ、とスウェナちゃん。
スウェナ「困る、って悲鳴だったけど…」
ブルー 「騙していないよ、最後まで聞く!」
棚経がかぶると言っただろう、と銀青様の指摘。
ブルー 「棚経は、一つのお寺だけしかやらないし…」
シロエ 「キース先輩もいるじゃないですか!」
ブルー 「ぼくが済ませた、と言ったらどうなる?」
それでもキースは来るのかな、と質問が。
ブルー 「どうだい、キース?」
キース 「俺が改めて、来る義理は無いな」
此処は飛ばして次に行くだけだ、とキース君、即答。
キース 「もう済ませたと言うんだったら、余計だし…」
ブルー 「戒名を読んだか、そうでないかは…」
キース 「確認する義務は、俺には無いぞ」
ブルー 「ほらね、こうだよ」
本当に確認の義務は無いから、と銀青様の仰せ。
どうなると…?
2021/09/03 (Fri)
☆棚経は一回だけ
まだまだ残暑が厳しい季節で、涼しい生徒会長の家が一番。
休日を過ごすシャン学メンバー、話題は先月の棚経でして。
シロエ 「キース先輩は、確認しないで次なんですね?」
キース 「既に済んだと言うんだからな」
棚経は一つの寺しかやらないものだ、と副住職。
キース 「さっき、ブルーも言っただろうが」
シロエ 「かぶることは絶対、無いんですね?」
キース 「無いな、別の寺が引き受けることはあるんだが」
菩提寺が近くない時だとか…、と副住職の説明が。
キース 「そういう場合は、別の寺から来てくれるが…」
ブルー 「菩提寺からは誰も来ないね、頼まれてないし」
だから棚経は一回だけ、と生徒会長、いえ、銀青様も。
ブルー 「つまり、ぼくが棚経を済ませた以上は…」
キース 「俺はパスして、次に行くのが正しいわけだ」
二回もやるのは有り得ないぞ、とキース君、キッパリ。
キース 「でもって、俺がパスした上に、だ…」
ブルー 「ぼくが戒名を読んでいないと、自動的にさ…」
キース 「棚経は無かったことになるんだ」
帰る所が無い仏様だな、とキース君、ニヤッと。
キース 「そうなれば、無縁仏と同じで…」
ブルー 「お盆の間、施餓鬼だけが頼りになるってね!」
おもてなしをして欲しければ、と銀青様。
ブルー 「お寺の施餓鬼で、食事が出るから」
シロエ 「ぶるぅのお膳は、どうなるんです?」
ブルー 「戒名を読まないと、施餓鬼だからさ…」
無縁仏様に提供したことに、と銀青様もニンマリと。
ブルー 「例の迷惑な仏様の分でもあるけれど…」
キース 「その他大勢の仏様にも、お出しするわけだ」
どうぞお召し上がり下さいとな、と副住職。
キース 「扱いとしては、無縁仏と全く変わらんぞ」
シロエ 「無縁仏にしたかったですよ、この際!」
キース 「まったくだ。棚経を忘れるような輩は…」
ブルー 「そうしたいけどね…」
絶対、後でうるさいから、と生徒会長の溜息。
確かに…。
2021/09/04 (Sat)
☆お彼岸が近いです
新学期とはいえ残暑が厳しく、休日は生徒会長の家な面々。
エアコンが効いて涼しいわけで、話題は先月の棚経でして。
シロエ 「後でうるさいのは、分かるんですけど…」
スウェナ「あと少しで、無縁仏だったのよねえ…」
残念だわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「あの仏様がいなくなったら、楽になるのに…」
シロエ 「抹香臭いイベントと縁が切れますからね」
サム 「そういや、じきにお彼岸が来るぜ」
今月はソレ、と僧籍なサム君が指差す壁のカレンダー。
サム 「今年は連休にならねえけどよ」
マツカ 「秋分の日ですね、23日ですから…」
シロエ 「いつもより、少し遅めですよね」
でもって、お彼岸と言えば…、とシロエ君、悪い顔色。
シロエ 「例の仏様の法要ですか…」
サム 「さっき言ったろ、今月はソレ、ってよ」
ジョミー「また、法要なわけ…?」
やっと棚経が終わったのに、とジョミー君が仰ぐ天井。
ジョミー「もっと休ませて欲しいんだけど…!」
キース 「お前は、一日限りだろうが!」
贅沢を言うな、とキース君、ジョミー君をギロリと。
キース 「俺の場合は、ぶっ続けだぞ!」
シロエ 「そうなるんですか?」
キース 「卒塔婆書きが終わったら、お盆でだな…」
ブルー 「お盆が終わると、お彼岸ってね」
坊主にはキツイ季節なんだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「ただでも、お盆でヘトヘトなのにさ…」
キース 「ろくに休めもしない間に、お彼岸なんだ!」
しかも暑いし、と副住職の嘆き節。
キース 「なのに、例のキノコの法要までが…!」
シロエ 「無縁仏にするべきでしたね…」
そしたら法要は無かったですよ、とシロエ君。
シロエ 「でも、無縁仏にし損ねましたし…」
ジョミー「いっそ、忘れたらどうかな、お彼岸?」
一同 「「「は?」」」
ジョミー「忘れるんだよ、みんなで綺麗サッパリ!」
祝日なんだし、お出掛けとか、と言ってますけど。
出来ますかねえ…?
2021/09/05 (Sun)
☆お出掛けも良さそう
まだまだ残暑が厳しい新学期、休日は生徒会長の家が一番。
エアコンが効いて快適ですけど、今月は秋のお彼岸な現実。
ジョミー「みんな揃って出掛けちゃったら、法要もさ…」
シロエ 「出来ませんよね、留守なんですから」
スウェナ「素敵じゃないの、ソレでいきましょ!」
そうするべきだわ、とスウェナちゃんも乗り気。
スウェナ「日帰りになるわね、何処がいいかしら?」
ジョミー「絶対、何処も混んでるよねえ…」
シロエ 「そういう時には、マツカ先輩が一番ですよ!」
何処かありませんか、とシロエ君の視線が御曹司に。
シロエ 「遊べて、美味しいモノが食べられる場所で」
マツカ 「松茸狩りには、まだ早いですしね…」
ジョミー「紅葉も、ちょっと早すぎるけど…」
マツカだったら、何処かありそう、とジョミー君の輝く瞳。
ジョミー「バーベキューとかでもいいんだけど!」
マツカ 「別荘の近くに、綺麗な川がありましたっけ…」
サム 「いつも行ってる、山奥のトコかよ?」
マツカ 「ええ。夏はアユ釣りの穴場だそうですよ」
わざわざ行く人は少ないので…、と御曹司。
マツカ 「郊外どころじゃない距離ですしね、あそこは」
ジョミー「バーベキューは出来そう?」
マツカ 「お盆は、帰省した人で賑わうみたいです」
サム 「いいじゃねえかよ!」
バーベキューのために遠出もよ、とサム君が立てる親指。
サム 「天気が悪けりゃ、別荘もあるし…」
シロエ 「ですね、みんなで出掛けましょう!」
マツカ 「分かりました。その方向で手配しますね」
キース 「ちょっと待て!」
俺だけ置いて行くつもりか、とキース君の割り込みが。
キース 「お前たちだけで、バーベキューだと?」
ジョミー「違うよ、みんなって言ったじゃない!」
シロエ 「キース先輩も、数に入っていますよ」
キース 「お彼岸なんだが…!」
ジョミー「だからこそだよ!」
例の仏様は放置しちゃってさ、とジョミー君。
最高ですよねえ…?
2021/09/06 (Mon)
☆抜け出せない人
まだまだ残暑が厳しい休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
秋のお彼岸が近いんですけど、バーベキューに行く計画が。
ジョミー「棚経を忘れかけてた人だし、ぼくたちだって…」
シロエ 「お彼岸を忘れたって、いいと思いますよ」
みんなで留守にしてしまいましょう、とシロエ君、力説。
シロエ 「キース先輩も、あんな仏様は忘れてですね…」
ジョミー「バーベキューだよ、河原でさ!」
サム 「法要が無けりゃよ、キースの罪もよ…」
誰にも問われねえんだぜ、とサム君もプッシュ。
サム 「戒名なんかをつけるからだ、っていうヤツな!」
シロエ 「文句を言う理由が無いですからねえ…」
法要自体が無いんですから、とシロエ君の相槌。
シロエ 「秋のお彼岸は、是非、楽しんで下さいよ!」
キース 「お前たち、何か忘れていないか?」
シロエ 「何をです?」
キース 「俺を何だと思っているんだ!」
ただの高校生ではないぞ、とキース君の渋面。
キース 「副住職と二足の草鞋で、親父にだな…!」
ジョミー「こき使われているんだよねえ、知ってるってば」
キース 「だったら、想像出来るだろうが!」
俺のお彼岸がどんなものか、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「秋分の日は、お中日でだ…」
サム 「あー…。元老寺でも法要、あるよなあ…」
いつもサボっているだけで、と僧籍なサム君。
サム 「ブルーの所で、お彼岸の手伝いだ、ってよ…」
キース 「その理由だから、抜けられるんだ!」
バーベキューでは抜け出せないぞ、とブツブツブツ。
キース 「必然的に、俺は居残り組で…」
ジョミー「アドス和尚に、しごかれるって?」
でも、バレるとは思えないけど、とジョミー君。
ジョミー「法要をしてたか、バーベキューに行ったかは…」
シロエ 「アドス和尚は、確認出来ませんしね…」
サム 「バレねえんでねえの?」
キース 「そう思うか…?」
いけるかもしれん、とキース君、腕組み。
サボりますか?
2021/09/07 (Tue)
☆バレない筈です
まだまだ残暑が厳しい新学期、休日は生徒会長の家が一番。
けれど近付く秋のお彼岸、法要をサボッて逃げるという案。
キース 「確かに親父は、確認しては来ないしな…」
ブルー 「そうだね、ぼくに信用があるから」
なんと言っても伝説の高僧、と生徒会長、得意げな顔。
ブルー 「ぼくの手伝いで通ってるんだし、サボッても…」
ジョミー「バレないと思うよ、裏切り者が出なければさ」
サム 「告げ口するヤツ、俺たちの中にはいねえだろ?」
法要が無くなれば喜ぶヤツしかいねえぜ、とサム君。
サム 「だからよ、お彼岸は抜け出してよ…」
シロエ 「バーベキューでいいと思いますけどね?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなでお出掛けだね!」
楽しそう! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」もピョンピョン。
ぶるぅ 「んとんと、バーベキュー用の食材は、と…」
マツカ 「御用意させて頂きますよ」
もちろん、炭や道具なんかも、と御曹司の頼もしい言葉。
マツカ 「あとは、お天気次第でしょうか」
スウェナ「そうねえ、晴れるといいんだけれど…」
キース 「お彼岸の頃は、だいたい晴れるものだがな」
経験的に、と副住職。
キース 「子供の頃から、いい天気なのが恨めしかった」
一同 「「「あー…」」」
お寺の子供だったっけ、と誰もが納得。
シロエ 「晴れても、お出掛け出来ませんしね…」
キース 「そうなんだ! 連休だったりすると、特にだ…」
悔しかったな、と副住職の嘆き節。
キース 「友達は皆、レジャーなのに…」
サム 「キースだけ、家にいるしかないのな…」
キース 「しかも、本堂に座らされるんだぞ!」
子供用の法衣を着せられて、とブツブツブツ。
キース 「一生、これが続くんだな、と子供心に…」
シロエ 「辛かったんですね…」
ジョミー「じゃあ、その分もさ、今年はさ…」
サム 「楽しめよな!」
キース 「よし!」
どうせ親父にはバレないんだし、と副住職。
サボリ決定…。
2021/09/08 (Wed)
☆釣りも楽しそう
まだまだ残暑が厳しいシーズン、生徒会長宅で過ごす休日。
エアコンが効いて快適な中で、お彼岸のプランも決定で…。
キース 「お彼岸に遊びに行くというのは、初めてだな」
ジョミー「いいお天気になるといいよね、バーベキュー!」
サム 「そりゃ別荘でも楽しめるけどよ、河原がよ…」
シロエ 「バーベキューには、一番ですしね」
楽しみですよ、とシロエ君もワクワク。
シロエ 「せっかくですから、魚も釣れたらいいですね」
マツカ 「釣り竿も用意しましょうか?」
ジョミー「うん、お願い! 釣った魚を焼くのもさ…」
スウェナ「きっと楽しいわよ、それに新鮮だし!」
問題は釣りの腕だけど、とスウェナちゃん。
スウェナ「私なんかでも、釣れるかしら?」
サム 「いけるんでねえの?」
キース 「俺は、釣りの方は遠慮しておく」
ジョミー「えっ、なんで?」
下手だったっけ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「そんな話は聞いてないけど…」
キース 「いいか、お彼岸のお中日だぞ?」
ただでも法要をサボリなのに…、と副住職。
キース 「その上、殺生をするというのは、流石に…」
サム 「あー…。マズイよな、ソレ…」
キース 「残念ではあるが、またにしておく」
釣りは任せた、とキース君の苦笑。
キース 「食うだけだったら、大丈夫だろうし…」
ブルー 「まあねえ…。ぼくは、釣らせて貰うけどね」
キース 「あんた、それでも高僧なのか!?」
ブルー 「何を今更」
お寺を持ってるわけじゃないし、と生徒会長、しれっと。
ブルー 「気にしてたら、やってられないよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 人生、楽しまなくちゃね!」
ぼくも釣るもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「いっぱい釣って、美味しく焼こうね!」
シロエ 「競争するのもいいかもですね」
サム 「キースが釣らねえなら、審判もいるしよ…」
キース 「俺なのか?」
釣らないんだから、いいんだろうか、と悩む人。
さて…?
2021/09/09 (Thu)
☆初のお休みです
まだまだ残暑が厳しい休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
秋のお彼岸のプランも決まって、河原でバーベキューで…。
キース 「釣れた魚をカウントするのは、許されるのか?」
ブルー 「数えるだけだし、いいと思うよ」
活じめにしろとは言っていないし、と生徒会長。
ブルー 「命を奪うわけじゃないしね、審判は」
キース 「そういうことなら…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 審判、キースで決まりだね!」
釣り大会だぁ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大喜び。
ぶるぅ 「秋のお彼岸、すっごく楽しみ!」
サム 「だよなあ、今年はゴージャスだぜ」
ジョミー「キースも、初のお休みだしね」
キース 「一生無理だ、と諦めていたが…」
人生、捨てたものではないな、と副住職が繰る数珠レット。
キース 「御本尊様に感謝しないと…」
シロエ 「なんで、そっちに行くんですかね、先輩は」
スウェナ「職業病っていうヤツでしょ?」
坊主が染みついているのよね、とスウェナちゃん。
スウェナ「でも、釣った魚にお経とかは…」
ジョミー「勘弁してよね、いくらお彼岸でも」
キース 「俺だって、ちゃんと空気は読むぞ!」
??? 「どうなんだか…」
疑問だよね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
一同 「「「わーっ!!!」」」
Aブルー「酷い挨拶だねえ…」
君たちも空気が読めていないよ、とソルジャー、仏頂面。
Aブルー「そんな調子で、誤魔化せるとでも?」
キース 「な、なんの話だ?」
Aブルー「ズバリ、お彼岸の法要だよ!」
逃亡する気なんだってね、と赤い瞳に物騒な光が。
Aブルー「キースは人生初の休暇で…」
キース 「聞いてたのか、あんた」
話が早いと思っておくか、と副住職。
キース 「どうせ、当日にはバレるんだしな!」
Aブルー「逃げる気なのかい?」
キース 「逃げて悪いか?」
シロエ 「キース先輩、ファイトです!」
休暇を勝ち取って下さいね、とシロエ君のエール。
どうなる…?
2021/09/10 (Fri)
☆お彼岸はセルフで
まだまだ残暑が厳しいシーズン、休日は生徒会長宅な面々。
秋のお彼岸は河原でバーベキュー、決まった所へ乱入者が。
Aブルー「本気で、サボって逃げる気なんだ?」
キース 「あんたに止める権利は無いぞ!」
どう過ごそうと俺の勝手だ、とキース君、グッと拳を。
キース 「ガキの頃からの夢が叶うんだしな!」
Aブルー「スッポンタケは、どうなるわけ?」
キース 「あんたが拝めばいいだろうが!」
お彼岸の日は合掌して、お念仏で…、と拝み方の指導が。
キース 「南無阿弥陀仏を、十回唱えておけばいいんだ!」
Aブルー「それって、酷いと思うけど!」
キース 「仏壇が無い家も多いぞ、最近は」
当然、お彼岸も放置だしな、と副住職。
キース 「その点、お念仏を唱えておけば、だ…」
ブルー 「充分、喜ぶと思うけどねえ、スッポンタケも」
問題無いよ、と銀青様も。
ブルー 「そもそも、スッポンタケのためだけにさ…」
キース 「お彼岸の法要というのが、贅沢過ぎだ!」
普通は寺で纏めてやるぞ、と副住職が突き付ける指。
キース 「というわけでだ、俺は休暇を取ることにする!」
Aブルー「そうなんだ…。だったら、ぼくにも…」
考えってヤツがあるからね、と赤い瞳に冷たい光が。
Aブルー「君たちが出掛けたら、電話をするよ」
キース 「電話だと?」
Aブルー「そう、元老寺に!」
アドス和尚がいる筈だよね、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「君のことで、ちょっとお話が、ってさ」
キース 「甘いな、あんた」
坊主の世界も知らないくせに、とキース君、勝ち誇った顔。
キース 「ブルーじゃないのは、秒でバレるぞ」
ブルー 「そうなるだろうねえ…」
まして、お彼岸の当日ではね、と銀青様もクスクスと。
ブルー 「せがれが何か失礼でも、って言い出すよ」
Aブルー「失礼じゃないか!」
キース 「詳しく説明出来るのか、それを?」
逃げました、では通らないぞ、と副住職。
そうですよねえ…?
2021/09/11 (Sat)
☆業界用語な喋り
まだまだ残暑の季節なだけに、休日は生徒会長の家な面々。
秋のお彼岸は河原でバーベキュー、そう決めた所へ乱入者。
Aブルー「法要を放って逃げたんだけど、でいいだろう!」
キース 「出だしは、それで済むとは思うが…」
ブルー 「問題は、其処から後だよねえ…」
逃げた行き先とかなら、ともかく…、と生徒会長も。
ブルー 「ぼくと勘違いしてるからには、絶対にさ…」
キース 「専門用語が飛び出して来るぞ」
坊主の世界で使うヤツな、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「ただでも、お彼岸モードなだけに…」
ブルー 「もう容赦なく、坊主の世界な喋りだろうね」
Aブルー「た、例えば、どんな…?」
ブルー 「さあねえ、自分で考えてみれば?」
教えたら意味が無いじゃないか、と銀青様の仰せ。
ブルー 「どんな質問が来ても、ぼくならバッチリだしさ」
キース 「まったくだ。坊主にしか通じない愚痴でもな」
シロエ 「あー、そういうのもあるわけですか…」
キース 「当然だろうが、坊主も一種の業界だぞ?」
同業者にしか通じない言葉は多いな、と副住職。
キース 「でないと、威厳が保てない面も色々あるし…」
ブルー 「いわゆる隠語も多いよね、うん」
お酒とか、肉とかを指してる言葉、と銀青様も相槌を。
ブルー 「サボリにしたって、高飛びだとかさ…」
キース 「道場を抜け出す時はソレだな、確かに」
だが、今回が該当するかは教えない、と意地の悪い笑み。
キース 「最悪、サボって逃げました、と言うだけでだ…」
ブルー 「ぼくじゃないな、と見抜かれるかもね」
さあ、どうする、と副住職と伝説の高僧の最強タッグ。
ブルー 「それでいいなら、好きに電話をしていいよ」
キース 「親父は何だと思うだろうなあ…」
ブルー 「いたずら電話で決定だろうね、声真似のさ」
キース 「そうか、ジョミーとかが…」
ジョミー「ぼくなわけ!?」
なんでぼくが、とジョミー君、ワタワタ。
いたずら電話って…。
2021/09/12 (Sun)
☆犯人も捜しません
まだまだ残暑が厳しいシーズン、休日は生徒会長宅が一番。
秋のお彼岸のプランも決定、バーベキューという計画で…。
ジョミー「どうして、ぼくがいたずら電話になるのさ!」
キース 「いや、単に、思い付いただけだが」
親父を恨んでいそうだしな、とキース君、クックッと。
キース 「棚経で苦労していただろう?」
ジョミー「ぼくは、キースのお供だったし!」
直接、恨みはぶつけないよ、とジョミー君の反論。
ジョミー「それに、ブルーの声真似も無理!」
Aブルー「なるほど、いたずら電話になるんだ?」
ブルー 「そういうことだね、真面目に取っては貰えずに」
切られるのがオチ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「忙しいので、とガチャンだよ、うん」
キース 「間違いないな、でもって法要で忙しいから…」
ブルー 「忘れて終わりになるだろうねえ…」
犯人捜しもするわけがない、と銀青様のお言葉。
ブルー 「それで良ければ、好きにすれば?」
キース 「まったくだ。俺は、痛くも痒くもないな」
だから、お彼岸はバーベキューだ、とキース君。
キース 「あんたは自分で、お念仏をだ…」
ブルー 「十回唱えておけばオッケー!」
スッポンタケも、それで満足だから、と銀青様の太鼓判。
ブルー 「大丈夫だって、いつも法要してるから!」
Aブルー「そう言われても、困るんだよ!」
大事な仏様なのに、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「今回は出来ませんでした、なんて…」
キース 「たまには許されると思うがな?」
ブルー 「お彼岸は、毎年、2回ずつあるしね」
またの機会でいいじゃないか、と銀青様も。
ブルー 「というわけでさ、今年の秋のお彼岸はパスで!」
シロエ 「バーベキューで決定ですね!」
Aブルー「坊主じゃない人なら、どうかな、電話は?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「だから、坊主じゃない人だってば!」
いたずら電話にならないだろう、と言ってますけど。
えっと…?
2021/09/13 (Mon)
☆忘れ去られた存在
まだまだ残暑が厳しい休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
秋のお彼岸はバーベキューにお出掛け、そういう計画で…。
ブルー 「坊主じゃない人って、どういう意味さ?」
Aブルー「そのまんまだよ、電話したのが一般人なら…」
専門用語は出て来ないだろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「だから、そういう人がかければ…」
ブルー 「君が声真似をするのかい?」
シロエとかの、と生徒会長の問い。
ブルー 「でもねえ、シロエとかの声だと…」
キース 「やはり、いたずら電話な扱いだろうな」
親父も馴染みのある声だから、と副住職。
キース 「逆に怒鳴られて終わると思うが?」
シロエ 「でもって、忘れて終わりですよね」
ブルー 「うん。いい加減、お彼岸の法要は諦めたまえ」
当日は、お念仏を十回唱えて…、と銀青様の仰せ。
ブルー 「それで済むから、心をこめて合掌を!」
Aブルー「…誰か忘れていないかい?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくのハーレイという存在をだよ!」
誰かさんに声がそっくりだよね、とソルジャー、ニヤリと。
Aブルー「ほら、君たちの学校のさ…」
一同 「「「教頭先生!?」」」
ゲッ、と誰もが仰天な名前。
キース 「ま、まさか、あんたは…」
Aブルー「確かハーレイ、柔道部の顧問だったよねえ?」
つまりは君のお目付け役で…、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「そのハーレイが電話したなら、どうなるかな?」
キース 「教頭先生の名前を騙るつもりか!?」
Aブルー「本物に頼んでもいいんだよ?」
ブルーに惚れてる人だからね、と恐ろしい台詞が。
Aブルー「ぼくの頼みも、聞いてくれると思うけど?」
ブルー 「やめたまえ!」
頼み事なんかしないでくれ、と生徒会長、顔面蒼白。
ブルー 「ロクな結果にならないから!」
Aブルー「ぼくのハーレイにしておけ、って?」
ブルー 「当然だよ!」
そっちでお願い、と震え上がってますけど。
どうなる…?
2021/09/14 (Tue)
☆電話をされたら
まだまだ残暑が厳しいシーズン、休日は生徒会長宅が一番。
お彼岸はバーベキューにお出掛け、そういう計画ですけど。
ブルー 「こっちのハーレイに頼むのだけは、勘弁だよ!」
Aブルー「分かったよ。それなら、ぼくのハーレイをさ…」
ちょっとこっちに連れて来るから、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「電話をかける程度だったら、仕事中でも…」
キース 「抜けて来られるとか、言わないだろうな!?」
Aブルー「簡単だってば、そのくらいはね!」
休憩して来る、で出ればいいから、とソルジャー、ニヤリ。
Aブルー「そして、こっちの世界に来てさ…」
キース 「親父に電話をすると言うのか!?」
Aブルー「ピンポーン!」
シャングリラ学園の教頭ですが、と口真似なソルジャー。
Aブルー「御子息の件でお電話しました、と丁寧に!」
キース 「俺がサボって逃亡した、と…?」
Aブルー「そうだよ、こっちのハーレイだったら…」
アドス和尚も納得だよね、とソルジャー、勝ち誇った顔。
Aブルー「そういう噂を聞きましたが、でバッチリだよ!」
キース 「やめてくれ!」
親父にバレたらブチ殺される、とキース君、ガクブル。
キース 「教頭先生の通報だったら、もう絶対に…」
シロエ 「裏を取りますよね、逃げたかどうか…」
キース 「そうなんだ!」
親父のことだし、人を寄越すぞ、と震え上がる人。
キース 「この家に来て、俺がいるかを確認で…」
ジョミー「それって、留守だと即バレだよね?」
キース 「ブルーに頼めば、あるいはなんとか…」
誤魔化しようがあるかもだが…、と視線を生徒会長に。
キース 「其処は、サイオンでなんとか出来そうか?」
ブルー 「出来るんだけど…」
でもね、と生徒会長、ソルジャーをチラリと。
ブルー 「ブルーと、サイオン勝負になるから…」
キース 「どうにもならん、と?」
ブルー 「ブルーなんだよ?」
勝てるとでも、と肩を竦めてますけど。
無理っぽいですよね…?
2021/09/15 (Wed)
☆朝イチで来ない人
お盆はスッポンタケの棚経、朝イチで生徒会長宅に集合。
とはいえ、僧籍な面子は棚経、それ以外の面々だけでして。
シロエ 「何故、ぼくたちだけ、朝早くからですね…」
スウェナ「此処へ来なくちゃいけないのかしら…」
ブルー 「心構えというヤツだよね」
キースたちの朝は、もっと早いよ、と生徒会長。
ブルー 「一軒目のお宅に到着するのが、朝の6時だしさ」
マツカ 「出発前にも、色々、準備がありますよね?」
ぶるぅ 「そだよ、着替えもしなくちゃ駄目だし…」
朝のお勤めもしなくっちゃ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「サムもジョミーも、朝の5時には元老寺だもん」
シロエ 「そうでした! キース先輩は4時起きですよね」
ブルー 「甘いね、3時半だと思うよ」
マツカ 「ぼくたちは、まだまだマシな方ですね」
それに比べれば…、と御曹司。
マツカ 「ですから、仕方ないですけれど…」
シロエ 「例の人は爆睡中でも、ですか?」
マツカ 「起こせると思っているんですか?」
あの人を、と御曹司の問い。
マツカ 「此処で怒鳴っても、届きませんよ?」
シロエ 「目覚ましも、かけていないでしょうしね…」
スウェナ「当たり前でしょ、来るだけマシよ!」
直前でもね、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「流石に、サボる気は無いみたいだし…」
マツカ 「棚経がかかってますからねえ…」
シロエ 「来なかった時は、スルー確定ですしね…」
キース先輩が次のお宅に行ってしまって、とシロエ君。
シロエ 「例の仏様は、放置で終わってしまいますし…」
スウェナ「放置の場合は、どうなるのかしらね?」
一同 「「「は?」」」
どういう意味だ、と皆の視線がスウェナちゃんに。
シロエ 「どうなるのかって、何がですか?」
スウェナ「例の仏様よ、お迎え出来ないわけでしょう?」
シロエ 「あー…」
マツカ 「どうなるんでしょう?」
お迎えしないと…、と首を傾げる面々ですけど。
どうなると?
2021/08/16 (Mon)
☆放置された場合は
お盆と言えばスッポンタケの棚経、生徒会長宅に集う面々。
キース君たちは棚経だけに、僧籍以外の面子ですけれど…。
シロエ 「放置で終われば、お迎えが無いわけですよね?」
スウェナ「そうなのよ。幼稚園バスが来ない状態だわね」
マツカ 「凄い例えですけど、それと似ていますね」
お迎えを待っているんですし、と頷く御曹司。
マツカ 「棚経をする家の数だけ、幼稚園バスですか…」
スウェナ「来たら、乗り込んで出発でしょ?」
シロエ 「この場合は、家に帰る方のバスですけどね」
幼稚園を出て、とシロエ君も。
シロエ 「棚経が放置だと、そのバスが無いってことで…」
スウェナ「帰りたくても、帰れない気がするのよね」
マツカ 「どうでしょう? 幼稚園児もいそうですけど…」
大人の仏様の方が多いのでは、と御曹司が傾げる首。
マツカ 「大人だったら、自分で何とかしませんか?」
スウェナ「でも、路線バスとかは走ってないでしょ?」
シロエ 「列車があるとも聞きませんよね…」
歩きでは、辿り着けないでしょうし、とシロエ君。
シロエ 「休みな地獄で留守番でしょうか?」
スウェナ「気になるでしょ?」
マツカ 「ええ。…ブルー、答えは分かってるんですか?」
銀青様ですし、と御曹司の問い。
マツカ 「棚経が無かった仏様は、どうなるんです?」
ブルー 「一応、救済策はあるけど?」
スウェナ「路線バスなの?」
シロエ 「まさか、列車が走ってますか?」
文字通り、帰省列車というヤツが、とシロエ君は列車説。
シロエ 「お盆限定で運行するとか、そういうのが…」
ブルー 「鉄の仏様が好きそうだね、ソレ」
一同 「「「鉄?」」」
なんのこっちゃ、と一同、キョトン。
シロエ 「えーっと…? 鉄製の仏様ですか?」
ブルー 「違うよ、鉄道オタクだってば」
マツカ 「なるほど、限定運行ですしね…」
ブルー 「垂涎ものだよ!」
乗り鉄、撮り鉄、どっちにもね、と言ってますけど。
お盆限定…?
2021/08/17 (Tue)
☆鉄道オタクなら
お盆はスッポンタケの棚経、今年も生徒会長宅に集う面々。
僧籍な面子は棚経中で、それ以外のメンバーですけれど…。
シロエ 「乗り鉄と、撮り鉄の仏様ですか…」
マツカ 「ホームが溢れそうですね…」
スウェナ「帰りそびれる人が出そうよ、撮り鉄をしてて」
棚経で来るバスに間に合わなくて、とスウェナちゃん。
スウェナ「だって、ご先祖様を乗せていくバスでしょ?」
シロエ 「あー…。置き去りにされるわけですね?」
マツカ 「他の仏様は、早く帰りたいのが普通ですよね…」
限定列車を見ているよりも、と御曹司も。
マツカ 「最終列車は、置き去りにされた人用でしょうか」
シロエ 「乗車率が200パーセントを超えそうですね」
スウェナ「乗れれば、それで本望じゃないの?」
鉄道オタクの仏様よ、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「もう乗れません、とは言わないでしょ?」
マツカ 「臨時列車を出すかもですね」
シロエ 「そうなると、それを撮ろうとしませんか?」
鉄道オタクなんですから、とシロエ君の読み。
シロエ 「レアになるほど、価値が上がりそうですし…」
スウェナ「悪循環というヤツだわねえ…」
マツカ 「本当にそれでいいんですか、ブルー?」
地獄を運営している人は、と御曹司が傾げる首。
マツカ 「限定列車だと、現場が大変そうですよ?」
ブルー 「うん。だから、そういう列車は無いね!」
一同 「「「え?」」」
だったら救済策というのは…、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「じゃあ、どうやって帰るんです?」
マツカ 「帰る方法があるんですよね?」
ブルー 「まあ、一応は…」
交通機関は何も無いけど、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「三途の川の渡し船だけは、あるけどね」
シロエ 「何処が救済策なんですか!」
マツカ 「救われる気がしませんけれど…?」
ブルー 「交通機関は、諦めるしかないけどさ…」
他はなんとかなるんだよね、と言ってますけど。
どの辺が…?
2021/08/18 (Wed)
☆救済策は何処に
お盆はスッポンタケの棚経、僧籍な面子は棚経にお出掛け。
生徒会長宅に集う面々、お盆と棚経について質問中でして。
シロエ 「交通機関が無いなら、キツイじゃないですか!」
マツカ 「キュウリの馬とかも無いわけですね?」
ブルー 「棚経も無い仏様にさ、そんなのがあるとでも?」
スウェナ「お供えしてくれる人が無いわね…」
じゃあ、どうするのよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「何処に救済策があるって言うの?」
ブルー 「他はなんとかなる、と言ったんだけど?」
シロエ 「他って、何です?」
ブルー 「仏様だよ、ズバリ、お経と食事だってば!」
お盆に欲しいものと言えばね、と銀青様の仰せ。
ブルー 「お経を読んで貰えるだけでさ、もう充分に…」
マツカ 「満足なんですか?」
ブルー 「なんと言っても、仏様だからね」
其処へ食事があれば最高、と生徒会長、親指をグッと。
ブルー 「棚経が無かった仏様にも、それはあるから」
シロエ 「そんなサービス、誰がするんです?」
マツカ 「何処の家でも、ご先祖様で手一杯ですよ?」
スウェナ「それに、人間のお客様だってドッサリだわよ」
棚経があるような家には、帰省の人も…、という指摘。
スウェナ「田舎の家だと、民宿状態になるんでしょ?」
シロエ 「そう聞きますねえ、お孫さんとかが大勢で…」
マツカ 「其処へ、ご先祖様の分のお膳ですしね…」
他所の仏様まで手が回らないと思いますけど、と御曹司も。
マツカ 「いくら功徳を積めると言っても、無理ですよ」
シロエ 「現金が貰えるならともかく、功徳ですしね…」
スウェナ「やりたがる人が、何処にいるのよ?」
それとも当番制かしら、とスウェナちゃんの質問。
スウェナ「お寺が当番を決めて来るなら、仕方ないわね」
シロエ 「拒否ったら、棚経を断られそうですね…」
マツカ 「そうなんですか?」
ブルー 「檀家さんに逃げられるよ!」
それは流石に、とのお言葉ですけど。
じゃあ、誰がやると…?
2021/08/19 (Thu)
☆お寺の役目です
お盆はスッポンタケの棚経、生徒会長宅に集っている面々。
僧籍以外の面子なだけに、お盆と棚経について質問でして。
シロエ 「当番制でもないと言うなら、どうなるんです?」
マツカ 「有志の人を募るにしても、お盆ですよ?」
普通は休みたいのでは、と御曹司の疑問。
マツカ 「それとも、ご高齢の方が引き受けるんですか?」
スウェナ「お年寄りなら、そういうこともありそうねえ…」
シロエ 「やれば、極楽に行けそうですしね」
他所の仏様のお世話なだけに、とシロエ君の見解。
シロエ 「食事を作るのが、ちょっと大変そうですけど…」
ブルー 「お盆用に、フリーズドライのセットもあるよ」
でも、そうじゃないから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「棚経が無い仏様のお世話は、専門家の仕事!」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「坊主だってば、お寺のお盆の行事なんだよ」
シロエ 「えっと…? それは、棚経以外に、ですか?」
棚経だけでもハードなのに、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「もしかして、キース先輩も…?」
ブルー 「当然だよね、棚経だけで、バテるとでも?」
サムやジョミーじゃないんだからさ、と銀青様のお言葉。
ブルー 「ハードな修行もやってたんだよ、キースはね」
シロエ 「棚経の他に、何をするんです?」
ブルー 「お経と、食事でおもてなしだよ!」
食事の用意は、イライザさんがいるけれど、との仰せ。
ブルー 「裏方がいないお寺の場合は、食事作りも…」
マツカ 「お坊さんの仕事になるわけですか?」
ブルー 「そうなるねえ!」
一同 「「「うわー…」」」
なんてハードな行事なんだ、と誰もがガクブル。
シロエ 「お盆って、其処までキツイんですか…」
マツカ 「キースが消耗するわけですよね…」
スウェナ「なのに、例の仏様の棚経まであるのね…」
ブルー 「自業自得だよ、ソレに関するあれこれはね!」
自分で蒔いた種なんだし、と生徒会長、ピシャリ。
確かに…。
2021/08/20 (Fri)
☆目が黒い内は
お盆はスッポンタケの棚経、朝から生徒会長宅に集う面々。
僧籍な面子は棚経中で、それ以外のメンバーですけれど…。
シロエ 「そうですよね…。キース先輩が、戒名なんか…」
マツカ 「つけなかったら、棚経も無かったわけですし…」
スウェナ「私たちだって、朝早くから集まらなくても…」
よかったのよね、とスウェナちゃんの深い溜息。
スウェナ「キースは自業自得だけれど、私たちの方は…」
シロエ 「巻き添えというヤツですからねえ…」
マツカ 「しかも一生、ついて回ると思うんですけど」
ブルー 「誰かさんの目が、黒い内はね…」
ぼくだって、毎年、家を提供、と生徒会長も嘆き節。
ブルー 「ぶるぅも、お膳を作るしかないし…」
??? 「目が黒い人って、誰か、いたっけ?」
誰だろう、とソルジャー(会話表記はAブルー)、登場。
Aブルー「そういや、サムがちょっぴり、黒っぽいかな?」
ブルー 「やっと来たわけ?」
思いっ切り、重役出勤だよね、と生徒会長の嫌味。
ブルー 「いいかい、他のみんなは、朝早くから…」
Aブルー「それよりサムだよ、有難いねえ…!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「だって、サムの目が黒い内はさ…」
棚経をやってくれるわけだし、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「サムは、とっても若いからねえ!」
ブルー 「誰かさんというのは、君のことだから!」
Aブルー「…ぼくの目は、黒くないんだけれど?」
ブルー 「決まり文句というヤツだよ!」
知ってて言っているだろう、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「棚経の巻き添えにしておいてさ!」
Aブルー「でもねえ、君は、お坊さんだし…」
もっと仕事をしてくれたって、とソルジャー、反論。
Aブルー「他所の仏様の面倒を見るのが、お盆だろう?」
ブルー 「それは、お寺の話だから!」
Aブルー「何処が違うわけ?」
ブルー 「ぼくはフリーだし!」
お寺なんかは持ってないしね、と生徒会長。
その通りですね…。
2021/08/21 (Sat)
☆赤の他人です
お盆はスッポンタケの棚経、僧籍な面子にはハードな一日。
それ以外の面子も、生徒会長宅に集うしかないわけでして。
ブルー 「フリーだからこそ、お盆を満喫出来るのに…」
シロエ 「誰かさんのせいで、無理になったんですね?」
ブルー 「一生モノな勢いでね…」
君たちだってそうなんだけど、と生徒会長、フウと溜息。
ブルー 「なんだって、家で棚経なんかを!」
Aブルー「お盆をスルーとは、思えないけどねえ?」
昨夜も何かやってただろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「お香を焚いて、何かお経を…」
ブルー 「ぼくにも、ご先祖様はいるから!」
人工子宮から生まれたわけじゃないし、と生徒会長。
ブルー 「基本の供養は、ちゃんとするってば!」
Aブルー「だったら、ケチっていないでさ…」
他所の仏様の面倒だって、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「それに、スッポンタケは他人じゃないし…」
ブルー 「赤の他人だよ!」
Aブルー「もう充分に、知り合いだってば!」
家族同然でもいいくらい、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「うんと付き合い、長いしね!」
ブルー 「付き合ってないから!」
Aブルー「スッポンタケとは、ヤれないからねえ…」
一同 「「「は?」」」
なんのこっちゃ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「やれないって、何をですか?」
マツカ 「意思の疎通のことでしょうか?」
スウェナ「確かに、キノコは喋れないわねえ…」
お付き合いには無理があるかも、とスウェナちゃん。
スウェナ「目と目で分かる、も出来ないでしょ?」
マツカ 「肝心の目が、ありませんしね…」
付き合う以前の問題ですよ、と御曹司も。
マツカ 「お付き合いは、無いも同然かと…」
シロエ 「出来ないことは、やれないですしね…」
Aブルー「十八歳未満は、黙っててくれる?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「君たちだよ!」
ぼくはブルーと話をね、と言ってますけど。
十八歳未満って…?
2021/08/22 (Sun)
☆お付き合いが問題
お盆はスッポンタケの棚経、ソルジャーも来ていますけど。
僧籍な面子は棚経中で、集っているのは、それ以外の面々。
Aブルー「スッポンタケとの、お付き合いの話なんだし…」
シロエ 「ですから、マツカ先輩たちが言う通りで…」
意思の疎通が不可能ですよ、とシロエ君。
シロエ 「いくら会長が、最強のサイオンの持ち主でも…」
マツカ 「キノコが相手では、手も足も出ませんし…」
Aブルー「まさか、この話に混ざりたいわけ?」
一同 「「「えっと…?」」」
何の話だ、と更に深まる謎。
シロエ 「まさかも何も、ぼくたちはですね…」
マツカ 「事実を挙げているだけですけど?」
Aブルー「手も足もだなんて、大胆だねえ…!」
実は猥談が好きなのかな、とソルジャー、ニヤリ。
Aブルー「十八歳未満でも、お年頃ではあるしね、うん」
ブルー 「やめたまえ!」
Aブルー「シロエたちが振って来たんだよ?」
ぼくは黙れと言ったのに、とソルジャーが尖らせる唇。
Aブルー「スッポンタケ相手に、手だの足だの…」
ブルー 「意思の疎通の話だから!」
Aブルー「そうは聞こえなかったけど?」
テクのことを言っているんだろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「どう触ったら、スッポンタケが喜ぶか!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「何処が感じるポイントなのか、そういうヤツ!」
ブルー 「違うから!」
君の思考が歪んでるだけ、と生徒会長、拳をグッと。
ブルー 「いい加減にしないと、叩き出すよ!?」
Aブルー「付き合いは、ソレだけじゃないからねえ…」
ヤれなくても、長い付き合いだろう、と言い張る人。
Aブルー「それとも、ヤれない相手はダメだ、と?」
ブルー 「どうして、そっちの方に行くかな!」
ただでも迷惑してるのに、と生徒会長、怒りMAX。
ブルー 「おとなしく、キースを待ちたまえ!」
Aブルー「そう言わないでさ…」
スッポンタケのために何か、と食い下がる人。
無理では…?
2021/08/23 (Mon)
☆サービスをすると
お盆はスッポンタケの棚経、僧籍な面子は暑い中で格闘中。
生徒会長宅に集っているのは、それ以外の面々ですけれど。
Aブルー「君も坊主なら、何か特別サービスをね!」
ブルー 「なんで、そういうことになるのさ!」
Aブルー「とても偉いんだろう、銀青様は?」
スッポンタケにも、お盆の何か、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「スッポンタケだって、喜ぶんだし!」
ブルー 「無縁仏にしてもいいわけ?」
Aブルー「えっと…? 無縁仏って?」
ブルー 「供養してくれる人がいない仏様だよ!」
家族も、親類縁者も全部、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「それでいいなら、お経と食事をサービスするよ」
Aブルー「普通に御馳走してくれないかな?」
プラスお経、とソルジャーの注文。
Aブルー「ぶるぅに、お膳を追加して貰って…」
ブルー 「ぼくにお経を読んで欲しい、と?」
Aブルー「その通り! 君のお経なら、スッポンタケも…」
大感激に違いないしね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「ぶるぅ、お膳を作ってくれる?」
ぶるぅ 「かまわないけど、ホントにいいの?」
なんだか心配なんだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「んとんと、お膳が増えるってことは…」
ブルー 「ズバリ、施餓鬼になるってね!」
一同 「「「施餓鬼?」」」
ブルー 「無縁仏様向けのサービスだってば!」
棚経の無い仏様だよ、と生徒会長、ニンマリ。
ブルー 「つまり今日から、スッポンタケは…」
シロエ 「無縁仏になるんですか?」
ブルー 「キースが泣いて喜ぶね、これは!」
ようやく縁が切れるんだから、とニヤニヤニヤ。
ブルー 「長年、苦労して来たけれどさ…」
スウェナ「それが終わりになるわけね?」
いいじゃないの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「私たちも楽になるんだし…」
シロエ 「最高ですよ!」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
待ってよ、とソルジャー、泣きそうな顔。
何か問題でも…?
2021/08/24 (Tue)
☆お膳を用意して
スッポンタケの棚経の日で、生徒会長宅に集合ですけれど。
僧籍な面子は棚経中で、それ以外の面々とソルジャーで…。
Aブルー「そういうのは、とても困るから!」
ブルー 「どの辺がだい?」
ぼくがお経を唱えるんだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「キースとは格が違うからねえ、最上級ってね!」
Aブルー「そうかもだけど、それをやられたら…」
スッポンタケが大変なことに、とソルジャー、ガクブル。
Aブルー「キースとの縁が、切れちゃうんだろう?」
ブルー 「完全に切れるわけじゃないけど?」
Aブルー「本当かい?」
ブルー 「でも、棚経に来る義務は無くなるねえ…」
元老寺の本堂で纏めて読経、と銀青様の仰せ。
ブルー 「なにしろ、施餓鬼の対象だから!」
Aブルー「そんなの困るよ、もっと普通にお経をさ…!」
ブルー 「棚経に、ダブルは有り得ないんだよ!」
シロエ 「ダブルって、何です?」
お坊さんが被ることでしょうか、とシロエ君の問い。
シロエ 「キース先輩と会長は、両立しない、と?」
ブルー 「うん。棚経をするお寺は、一つだけ、ってね!」
マツカ 「この場合は、元老寺だけになるわけですか?」
ブルー 「そうだよ、だから、ぼくが元老寺の所属なら…」
キースと一緒に読経もアリ、と銀青様。
ブルー 「だけど違うし、スッポンタケとも無縁だし…」
スウェナ「無縁仏として扱うわけね?」
ブルー 「その通り!」
ぶるぅ、お膳を用意して、と指差すキッチンの方向。
ブルー 「キースが来る前に、片付けちゃおう!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お施餓鬼用だね!」
Aブルー「待って、待ってってば!」
お願いだから、とソルジャー、泣きそう。
Aブルー「無縁仏として扱われたら、元に戻せないよね?」
ブルー 「キースの腕では、無理だろうねえ…」
Aブルー「じゃあ、要らないから!」
ブルー 「そう言わずにさ…」
遠慮しないで、と笑顔の生徒会長ですけど。
怖すぎですよねえ…?
2021/08/25 (Wed)
☆腕を披露したい人
スッポンタケの棚経のために、生徒会長宅に来ている面々。
僧籍以外の面子ですけど、実は高僧なのが生徒会長でして。
ブルー 「せっかくだしねえ、ぼくも久しぶりに…」
シロエ 「棚経をやってみたいんですね?」
マツカ 「毎年、見ているだけですしね…」
スウェナ「ブルーだったら、やっぱり緋の衣かしら?」
銀青様だものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「でも、やることはキースと同じなのよね?」
ブルー 「お経も所作も、変わらないしね」
とはいえ、ぼくがやるわけだから…、とニコニコと。
ブルー 「キースと違って、気品溢れる所作ってね!」
シロエ 「それは是非とも、見てみたいですね」
マツカ 「ええ。話の種にもなりますしね」
Aブルー「やめてよ、怖い冗談は!」
無縁仏は勘弁して、とソルジャーも必死。
Aブルー「ブルーは何もしなくていいから、本当に!」
ブルー 「うーん…。キースも喜ぶと思うんだけどなあ…」
Aブルー「ぼくが泣くから!」
頼むからやめて、とソルジャー、土下座。
Aブルー「スッポンタケとは、末永いお付き合いをさ…」
ブルー 「したいわけだね、はいはい、分かった」
これに懲りたら、ぼくには期待するな、と生徒会長。
ブルー 「フリーだからって、何かさせるのは…」
Aブルー「しないよ、忘れてしまわなければ!」
ブルー 「忘れるのは、如何にもありそうだけどね…」
仕方ないか、と生徒会長、壁の時計に目を遣りまして。
ブルー 「それで、キースの今年のスケジュールは?」
Aブルー「スケジュール…?」
ブルー 「棚経だってば、コースと到着時間だよ」
例年だったら、そろそろでは…、と指差す時計。
ブルー 「まさか、忘れていやしないよね、今の流れで?」
Aブルー「えっと…? え? ええっ!?」
シロエ 「もしかして、忘れてたんですか?」
Aブルー「次なんだってば!」
一同 「「「ええっ?」」」
忘れていたのか、と誰もが愕然。
間に合うんですか…?
2021/08/26 (Thu)
☆忘れられた人たち
スッポンタケの棚経の日ですけど、次だという棚経の順番。
ソルジャーが忘れていたわけでして、僧籍な面子の方は…。
ジョミー「なんだかさあ…。次の檀家さんの家がさ…」
キース 「近付いているような気がするな…」
瞬間移動はどうなったんだ、と炎天下を自転車で走る二人。
キース 「例年だったら、こんなコースは走っていないぞ」
ジョミー「だよねえ、ピックアップされてブルーの家で…」
エアコンだけは効いてた筈で、とジョミー君、汗だく。
ジョミー「忘れられたのかな、暑くて死にそう…」
キース 「泣くな、体力を消耗するぞ!」
俺だって泣きたい気持ちなんだ、とキース君もバテそう。
キース 「仕方ない、次のお宅で棚経をしたら…」
ジョミー「どうするわけ?」
キース 「すみませんが、と水を一杯、お願いしよう」
次を急ぐから、お茶はダメだ、と副住職。
キース 「淹れて頂いたのでは、時間がかかる」
ジョミー「冷蔵庫に麦茶があったらいいな…」
キース 「そうだな、それならキンキンに冷えたのを…」
キューッと一杯、ひっかけられる、と気分はビアガーデン。
キース 「期待はするなよ、今でさえ、この有様だ」
ジョミー「瞬間移動とエアコンがぁ~…」
忘れられるなんて、と悲鳴な所で、青いサイオンが。
ジョミー「あれ?」
キース 「移動したか?」
ブルーの家の玄関前だぞ、と副住職。
キース 「よし、自転車を置いて…」
ジョミー「お邪魔しまぁ~す…」
もう死にそう、とジョミー君が押す玄関チャイム。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
キース 「す、すまんが、水を…」
貰えないか、と言わない内から差し出された麦茶。
ぶるぅ 「はい! 二人とも、暑かったでしょ!」
キース 「た、助かった…! 生き返ったぞ…」
ジョミー「凄く涼しい…!」
ぶるぅ 「でしょ?」
キース 「まさかと思うが、あの馬鹿がだ…」
忘れていたんじゃないだろうな、と副住職。
どうなる…?
2021/08/27 (Fri)
☆とにかく棚経を
スッポンタケの棚経ですけど、忘れ去られた僧籍な人たち。
瞬間移動の発動が遅れて、炎天下を自転車で走ったわけで。
キース 「どう考えても、瞬間移動が遅すぎるんだが…?」
ジョミー「そうだよ、いつもなら、あんなトコはさ…」
自転車で走らないんだよね、とジョミー君も。
ジョミー「次の檀家さんの家が、すぐそこだったよ」
キース 「まったくだ。此処はパスして次かと思った」
ピックアップが来ないからな、とキース君、家の奥へと。
キース 「とにかく、棚経を急いで、だ…」
ジョミー「次の家に行かないと、遅れがさ…」
どんどんズレていっちゃうしね、とリビングへ。
キース 「邪魔するぞ」
シロエ 「キース先輩、ジョミー先輩、お疲れ様です!」
キース 「おい、蝋燭と線香だ!」
シロエ 「は?」
ぼくですか、とシロエ君が言う横で、ジョミー君が準備を。
ジョミー「オッケー、完了!」
キース 「よし、始めるぞ」
一同 (((バレてないとか…?)))
ソルジャーが忘れ去っていた件、と誰もが黙って合掌。
キース 「のうまく さらば たたぎゃた ばろきてい…」
一同 (((いつも通り…)))
キース 「おん さんばら さんばら うん」
ハハーッと平伏、そして陀羅尼でお念仏。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
ジョミー「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
お念仏だけは、口パクじゃないのがジョミー君でして。
キース 「南無阿弥陀仏…。皆さん、よくお勤めでした」
Aブルー「ありがとう!」
今年も、どうも、とソルジャー、お布施を。
Aブルー「じゃあ、次の家まで送るから」
キース 「その件なんだが…」
あんた、忘れていただろう、と副住職の目に鋭い光が。
キース 「迎えが、うんと遅かったからな!」
Aブルー「気のせいだってば、ほら、急がないと…」
キース 「とっくにリーチだ!」
Aブルー「え…?」
リーチって、とソルジャー、キョトン。
どういう意味…?
2021/08/28 (Sat)
☆遅刻が連鎖です
スッポンタケの棚経なのに、迎えを忘れていたソルジャー。
炎天下を自転車で走った上に、時間もギリギリなキース君。
キース 「リーチと言ったら、言葉通りだろうが!」
ジョミー「次の檀家さんの家にさ、着く時間がさ…」
予定だと、もう今なんだよね、とジョミー君が指す腕時計。
ジョミー「今すぐ、送って貰ったってさ…」
キース 「色々な意味で、間に合わんのだ!」
仏間に瞬間移動は許されないしな、とキース君、鬼の形相。
キース 「此処の玄関を出て、自転車に乗って、だな…」
ジョミー「誰も見てない所へ移動で、其処から走って…」
自転車を停めて、衣を整えて行かないと、とジョミー君も。
ジョミー「それだけで5分は、絶対、かかるし…」
キース 「遅刻した上、次の檀家さんの家も必然的に…」
遅刻だろうが、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「この落とし前を、どうつける気だ!」
Aブルー「ぼ、ぼくはウッカリ忘れてなんかは…!」
キース 「あんたに聞いても、誤魔化すだろうが!」
他のヤツらに聞かないとな、と副住職。
キース 「シロエ、どうなんだ、其処の所は?」
シロエ 「ぶっちゃけ、忘れてましたよ、綺麗に」
スウェナ「そうなのよねえ、来てはいたんだけれど…」
マツカ 「キースたちの送迎は、頭に無かったようですよ」
たちまち揃った不利な証言、ソルジャー、真っ青。
Aブルー「そ、それは…! ぼくも色々、事情があって…」
キース 「やかましい! そういう場合は棚経をだな…」
辞退しやがれ、とキース君、グッと拳を。
キース 「お盆の前に、寺にお布施を届けておくんだ!」
ブルー 「来て頂けないので、よろしくお願いしますとね」
それが作法というもので…、と銀青様のお言葉が。
ブルー 「もっとも、君の場合はさ…」
シロエ 「当日、忘れたわけですしね…」
キース 「坊主が一番、キレるヤツだぞ、これは!」
分かってるのか、と怒鳴ってますけど。
どうなるんでしょう…?
2021/08/29 (Sun)
☆断られた場合は
スッポンタケの棚経ですけど、ソルジャーが忘れたお迎え。
瞬間移動でのピックアップが遅れて、棚経の後が大変な今。
キース 「棚経に行ったら、鍵がかかって留守とかはだ…」
ブルー 「もう、有り得ないミスだからねえ…」
病気とかなら仕方ないけど、と銀青様も。
ブルー 「それにしたって、今は携帯電話もあるしさ…」
キース 「余程でなければ、家の誰かが連絡するぞ!」
無断で留守は無礼の極みというヤツで…、と副住職。
キース 「次の年から、棚経を断られてしまっても…」
ブルー 「文句は言えなくなっちゃうんだよ」
やらかしてしまった檀家さんは、と銀青様の深い溜息。
ブルー 「棚経が無いと、お盆が楽だと思うかもだけど…」
シロエ 「そうじゃないんですか?」
ブルー 「お寺に断られたとなったら、アッと言う間に…」
キース 「檀家さんのネットワークで拡散なんだ!」
大恥だぞ、とキース君、左手首に巻いた数珠をジャラッと。
キース 「まあいい、此処も来年からはパスだ」
Aブルー「ええっ!?」
キース 「忘れた上に、誤魔化そうとまでしたからな!」
行くぞ、ジョミー、と次に向かう姿勢。
キース 「大遅刻だから、この先はハードになるが…」
ジョミー「いいよ、来年から此処は無いなら」
そう思ったら頑張れるしね、とジョミー君。
ジョミー「一軒減ったら、楽になるしさ」
キース 「同感だ。さあ、急ぐぞ」
Aブルー「ちょっと待ってよ!」
スッポンタケが無縁仏になっちゃう、とソルジャーの悲鳴。
Aブルー「そんなコースは困るんだよ!」
キース 「だったら、働いて誠意を見せろ!」
この先の遅れを取り戻すんだ、と副住職。
キース 「俺たちの移動を、瞬間移動でサポートで!」
Aブルー「そうすれば、許してくれるって?」
キース 「許すが、かなり遅れているからな…」
Aブルー「夕方まででも、ちゃんと働くってば!」
だから来年も棚経を…、とソルジャー、必死。
そりゃねえ…?
2021/08/30 (Mon)
☆ギュッと絞って
お盆はスッポンタケの棚経、ソルジャーが忘れた瞬間移動。
迎えが遅れてズレ込んだ時間、キース君、ブチ切れ寸前で。
キース 「本当に、キリキリ働くんだろうな!?」
Aブルー「嘘は言わないよ、だから来年も棚経、お願い!」
この通りだから、とソルジャー、土下座。
Aブルー「次の家にも、その次の家にも送るから!」
キース 「いいな、何処の家でも遅れたお詫びが必要で…」
その分、余計に時間を食うから、急ぐんだぞ、と念押しが。
キース 「自転車では、とても遅れは取り戻せんしな…」
ジョミー「だよねえ、ホントだったら今頃はさ…」
キース 「此処よりも三軒も先のお宅で、棚経中だ!」
シロエ 「其処まで遅れてるんですか!?」
だったら急いで行った方が、とシロエ君が指差す玄関の方。
シロエ 「檀家さんだって、お困りでしょうし…」
ブルー 「棚経が済まないと、買い物にも行けないしね」
キース 「そうは思うが、この馬鹿に説教が必要だしな!」
ブルー 「分かるよ、後は引き受けるから…」
急ぎたまえ、と生徒会長も。
ブルー 「しっかり絞っておくからさ」
キース 「ああ。雑巾レベルで、よろしく頼む」
行くぞ、とジョミー君を促して、副住職の退場で…。
ブルー 「ほら、キースたちを次へ送って!」
Aブルー「もう送ったよ!」
次の注文も思念で来てる、とソルジャー、泣きそう。
Aブルー「夕方まで、ちゃんと頑張らないと…」
ブルー 「棚経から外されるコースだからねえ…」
ボロボロになるまで働きたまえ、と生徒会長。
ブルー 「キースたちの下僕モードでね!」
Aブルー「それで済むなら…」
棚経をして貰えるんなら、と瞬間移動に励んでいる模様。
ブルー 「ぼくのお説教も、聞き流さないで!」
Aブルー「もう、身も心もボロ雑巾だよ…」
ブルー 「まだまだ、もっと絞れるから!」
一同 (((やってる、やってる…)))
いい感じかも、と一同、スッキリ。
今月、これにて中継終了~。
2021/08/31 (Tue)
☆その待遇は嫌だ
夏休みはマツカ君の山の別荘、楽しみなシャン学メンバー。
キース君の卒塔婆地獄も、場合によっては別荘で書くとか。
Aブルー「ちょ、ちょっと…! キースの缶詰部屋って…」
キース 「俺が卒塔婆を書くための部屋だが?」
マツカ 「やっぱり和室がいいんですよね?」
キース 「あの別荘にも、和室はあった筈だな?」
暖炉まである洋風だが、と副住職の問い。
キース 「卒塔婆を書くには、畳でないと…」
マツカ 「大丈夫ですよ、ご用意出来ます」
キース 「というわけでだ、万一、缶詰になった場合は…」
テンション爆上げコースで頼む、と副住職。
キース 「別荘だったら、ぶっ倒れるまで書く心配は無い」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 執事さんだって、いるもんね!」
サム 「俺たち全員、出掛けていたって安心だよな」
Aブルー「もしかして、ぼくはキースと留守番?」
食事の時しか出られないとか…、とソルジャー、悪い顔色。
Aブルー「専用の部屋も貰えなくって、缶詰部屋?」
キース 「当然だろうが、あんたはゲストではない!」
シロエ 「食事も無いんじゃないですか?」
ゲストの分しか無い筈ですしね、とシロエ君。
シロエ 「席の用意も無いですよ、きっと」
Aブルー「そうなるわけ?」
マツカ 「臨機応変に対応させては頂きますけど…」
皆さんとは違う料理になるかも、と御曹司も。
マツカ 「仕入れの都合がありますからね」
Aブルー「なんか、思いっ切りババじゃないか!」
キース 「上手く使われると言ってくれ」
タダ働きでいいんだろうが、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「遠慮しないで、大いに俺の手伝いをだな…」
Aブルー「お断りだし!」
それくらいなら、船でグータラ、とソルジャー、断言。
Aブルー「君は一人で地獄に落ちればいいんだよ!」
シロエ 「帰っちゃいましたよ?」
キース 「仕方ない。卒塔婆地獄の方は地道に…」
書くしか無いのか、と嘆き節ですけど。
七月、これにて中継終了~。
2021/08/01 (Sun)
☆後悔している人
さて、八月。暑さの方もいよいよMAX、酷暑、真っ盛り。
生徒会長宅は涼しいとあって、シャン学メンバーが集合で。
ジョミー「楽しかったねえ、山の別荘!」
サム 「余計な野郎も来なかったしよ…」
シロエ 「それはまあ…。最初から、呼んでいませんし…」
スウェナ「キースの脅しも効いたわよねえ…」
来たって、キースの缶詰部屋でしょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「卒塔婆書き専用の和室に缶詰め!」
キース 「俺だって、それは勘弁だしな」
だから必死に頑張ったぞ、とキース君が立てる親指。
キース 「お蔭で、別荘では一本も書かずに済んだし…」
シロエ 「別荘ライフを満喫でしたよね、キース先輩も」
ジョミー「テンション爆上げ、要らなかったね!」
もう完璧に書けたんだよね、とジョミー君の笑顔。
ジョミー「毎年、ヒイヒイ言ってるけどさ…」
サム 「余裕で終わったわけな、今年は」
キース 「いや、それが…」
ノルマは、まだまだ山積みなんだが…、と副住職。
キース 「なにしろ、お盆はまだ先だしな」
シロエ 「まさか、ギリギリまで書くんですか?」
キース 「坊主の夏は、そういうものだが?」
そう簡単に卒塔婆書きが終わるか、と副住職の深い溜息。
キース 「今日だって、現実逃避なんだ!」
ジョミー「抜け出して来たわけ?」
キース 「息抜きに来たと言ってくれ!」
集中力にも限界がある、とブツブツブツ。
キース 「あの馬鹿野郎の提案は、美味しかったんだが…」
シロエ 「頼んでいたら、とっくに終わってたんですか?」
キース 「恐らくはな…」
やはり別荘に招くべきだったか、と後悔しきりな様子。
キース 「缶詰部屋に招いて、テンション爆上げで…」
ジョミー「書き上げてしまいたかったわけ?」
でも、逃げられたよ、とジョミー君。
ジョミー「今からだって、来ないと思うけど…」
キース 「まあ、無理だろうな…」
釣る餌が無いし、とキース君が落とす肩。
頼りたいと?
2021/08/02 (Mon)
☆帰って書くべき
暑さが厳しい季節ですけど、過ごしやすいのが生徒会長宅。
シャン学メンバーが集まる中で、愚痴を零している副住職。
キース 「あの馬鹿を釣るには、それなりの餌が必要で…」
シロエ 「卒塔婆書きは、別じゃなかったですか?」
ジョミー「あー! タダ働きでいいって言ってたよね!」
例のキノコの卒塔婆があるから、とジョミー君の相槌。
ジョミー「だったら、頼めば来るんじゃないかな?」
スウェナ「そうねえ、ぶるぅのお菓子もあるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お客様、大好き!」
お料理だって頑張るもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「でもって、お部屋も用意するも~ん!」
シロエ 「…部屋ですか?」
ぶるぅ 「そだよ、宿坊だとアテにならないんでしょ?」
キースの体調管理を放置、と鋭い指摘が。
ぶるぅ 「この家にいたら、ぼくとブルーがさ…」
ブルー 「不本意ながら、見張りをさせて貰うけど?」
シロエ 「でも、ソレ、高くつきそうですよね?」
サム 「ブルーのバイト代だもんなあ…」
ぶるぅの分まで入ってるしよ、とサム君が折る指。
サム 「高そうな面子が、二人なんだぜ?」
ジョミー「キースには、払えそうもないよね…」
キース 「どう考えても、無理すぎだ!」
やはり、あの馬鹿には頼れないか、とキース君、溜息。
キース 「宿坊だとタダだが、俺が放っておかれるし…」
シロエ 「此処を使ったら、バイト代が払えませんしね」
スウェナ「詰んでるわよねえ…」
早く帰って書きなさいよ、とスウェナちゃんの正論。
スウェナ「逃避してる間も、時間が経つのよ?」
シロエ 「まったくです。マツカ先輩、ちょっと車を…」
元老寺まで手配して下さい、とシロエ君。
シロエ 「強制送還が一番ですよ、キース先輩のためにも」
マツカ 「そうですね。バスより涼しく帰れますし…」
キース 「帰れと言うのか、卒塔婆地獄に!」
他人事だと思いやがって、と叫んでますけど。
帰るべきでは…?
2021/08/03 (Tue)
☆飲み物もあります
お盆前は暑さが厳しいシーズン、生徒会長宅で過ごす面々。
エアコンが効いて非常に快適、けれどキース君は逃避中で。
キース 「いいか、お前たちは此処でエアコンつきで…」
シロエ 「帰りの車も、エアコンは完璧だと思いますよ?」
マツカ 「飲み物も用意させましょうか?」
元老寺に着くまで、さほどかかりませんけれど、と御曹司。
マツカ 「キースの好みは、アイスコーヒーでしたよね?」
シロエ 「そうです、そうです、キース先輩の夏の定番!」
キース 「タピオカミルクティーで、と言ってやろうか?」
マツカ 「いいですよ? 昨今、わらび餅バージョンが…」
出ていますけれど、どうしますか、と御曹司の問い。
マツカ 「わらび餅のは、老舗和菓子店とのコラボです」
スウェナ「あるらしいわよね、キース用に買うのなら…」
私も欲しいわ、とスウェナちゃんの注文が。
スウェナ「運転手さんが、ついでに買いに行くんでしょ?」
マツカ 「分かりました。他の皆さんは?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも欲しいな!」
ブルー 「ぼくもだね。せっかくだから、みんなの分を…」
買って貰うのがいいと思う、と生徒会長の提案。
ブルー 「買ってから、此処へ来るわけなんだし…」
ぶるぅ 「美味しい間に飲めるもんね!」
マツカ 「では、そのように手配しますね」
キース 「ちょっと待て!」
俺の意見はどうなったんだ、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「誰も帰るとは言っていないが!」
ジョミー「でもさあ、タピオカミルクティー、って…」
シロエ 「先輩が自分で言ったんですよ?」
帰りの飲み物の注文を、とシロエ君のツッコミ。
シロエ 「わらび餅バージョンは、マツカ先輩ですけどね」
マツカ 「普通のが、キースの好みでしたか?」
キース 「有り得ない注文をするほど、帰りたくない!」
ジョミー「でも、帰らないと…」
シロエ 「書けませんよ?」
卒塔婆のノルマが、と正論が出ていますけど。
どうなる…?
2021/08/04 (Wed)
☆エアコンもいけます
お盆の前は暑さもひとしお、生徒会長宅で過ごす御一同様。
エアコンが効いて快適ですけど、キース君は現実逃避中で。
サム 「お盆は待ってくれねえぜ?」
ジョミー「容赦なく、やって来るもんねえ…」
シロエ 「お盆までに、書かないとダメなんでしょう?」
卒塔婆ってヤツは、とシロエ君たちの厳しい指摘。
シロエ 「帰って、続きを書くべきですよ」
キース 「今は、エネルギーをチャージ中なんだ!」
でないと書く気も起こらないしな、と副住職、ブツブツと。
キース 「ただでも暑いのに、エアコン不可だぞ?」
スウェナ「じゃあ、誰かさんに頼みなさいよ!」
ジョミー「テンション爆上げコースだよね?」
スウェナ「エアコンだって、いけるでしょ?」
梅雨にバーベキューをしたじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「雨の中でもシールド完璧、エアコン完備で!」
サム 「あー、アレな! 涼しかったよなあ…」
スウェナ「エアコン係なら、危険は無いわよ?」
キースがオンオフするだけだから、という声が。
スウェナ「今から頼む、でスイッチオンでしょ」
シロエ 「書き終わったら、オフなんですね?」
スウェナ「そうなのよ!」
お役目終了で、お帰り頂くだけだわよ、と画期的な案。
スウェナ「温度設定とかも、キースの好みで…」
ジョミー「もっと涼しくとか、言えるよね、ソレ」
キース 「確かにな…」
エアコンは思い付かなかった、と大きく頷くキース君。
キース 「しかし、親父にバレないか?」
シロエ 「プロなんですから、大丈夫ですよ」
ジョミー「アドス和尚の足音がしたら、一瞬でさ…」
マツカ 「灼熱地獄に戻せそうですね」
頼めばいいんじゃないですか、と御曹司も。
マツカ 「ただ、問題は、あの方の知識とこだわりです」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「棚経の時の、ご高齢の方の暑さ対策ですよ」
シロエ 「団扇でしたっけ…」
扇ぐのがおもてなしでしたね、とシロエ君。
それが何か…?
2021/08/05 (Thu)
☆エアコンと団扇
お盆を控えた酷暑のシーズン、生徒会長宅で涼む御一同様。
キース君は卒塔婆地獄ですけど、書かずに逃避中でして…。
マツカ 「ええ、団扇の風が最高のおもてなしなんですよ」
サム 「うんうん、そういうお宅は多いぜ」
扇風機もついてりゃマシな方な、とサム君、回想モード。
サム 「ご高齢になるほど、団扇な率が上がるしよ…」
シロエ 「それって、熱中症が怖くないですか?」
ジョミー「家の人とか、いるんだどさあ…」
サム 「棚経の間は仕方ねえ、って雰囲気だぜ」
汗だくで耐える家族ってトコなんだよな、とサム君の溜息。
サム 「きっと、俺たちが失礼したらよ…」
ジョミー「速攻、エアコン、オンでMAXだよ…」
でも、ぼくたちには風は届かないし、とジョミー君。
ジョミー「キツイんだよねえ、アレ…」
シロエ 「はあ…。それで、マツカ先輩が言いたいのは?」
何なんですか、とシロエ君の問い。
シロエ 「例の人と団扇が、どう関係があるんです?」
マツカ 「キースが書いてる卒塔婆は、お盆用なんですよ」
シロエ 「そうですけど…?」
マツカ 「だからこそ、あの方もタダ働きでいいと…」
仰るわけで…、と御曹司。
マツカ 「つまり、キースの冷房係に呼ばれるとですね…」
シロエ 「ひょっとして、団扇が登場ですか?」
マツカ 「それが最高のおもてなしだ、とご存知ならば」
有り得ますよ、と恐ろしい指摘が。
マツカ 「キースがエアコンを希望していても…」
ジョミー「団扇で扇ぐって?」
マツカ 「ご自分は、暑くても平気ですしね」
自分の周りにシールドを張れば、と御曹司の心配そうな顔。
マツカ 「ですから、知識が問題なんです」
一同 「「「あー…」」」
団扇で来られたら意味が無いな、と誰もが納得。
シロエ 「呼ばない方が、マシなんでしょうか?」
ジョミー「ヤバイかもねえ…」
キース 「悩ましいな…」
エアコン係は魅力的なんだが、と副住職。
欲しいですよね…?
2021/08/06 (Fri)
☆知らない可能性
お盆を控えた時期は酷暑で、生徒会長宅もエアコンが必須。
けれど卒塔婆地獄なキース君には、エアコンは不可な現実。
キース 「親父にバレずに、涼しく書けるというのがな…」
サム 「最高だけどよ、団扇だったら意味ねえしなあ…」
スウェナ「知らない可能性も高いわよ?」
他所の棚経なんか気にしてないし、とスウェナちゃん。
スウェナ「例のキノコの分しか考えていないでしょ?」
ジョミー「うーん…。ぼくは棚経のお供だし…」
サム 「俺もそうだし、分かんねえけどよ…」
シロエ 「他所の棚経に興味が無いのは、確かですね」
先輩たちの移動スケジュールくらいですよ、とシロエ君も。
シロエ 「瞬間移動で送迎ですから、その前後ですね」
キース 「なるほどな…。すると、団扇なんぞは…」
ジョミー「全然、気付いてないかもね」
賭けてみる価値はあるんじゃないの、とジョミー君の提案。
ジョミー「エアコン係をよろしく頼む、って!」
??? 「こんにちはーっ!」
今日も暑いね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「アイスが美味しい季節でさ!」
シロエ 「買い出しですか?」
Aブルー「うん、ぼくのシャングリラで食べるのにね!」
もう青の間に送っちゃった、と手ぶらな人。
Aブルー「此処に来たらさ、ゴージャスなパフェとか…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ フルーツたっぷり、かき氷も!」
まずは冷たい飲み物だよね、とサッとクリームソーダが。
Aブルー「ありがとう! それで、エアコン係って?」
キース 「聞いていたのか!?」
Aブルー「その部分だけね!」
他の話は知らないよ、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「アイスしか見えていなかったしさ…」
シロエ 「何処にいたんです?」
Aブルー「コンビニだってば、どれにしようかと!」
キース 「覗き見どころではなかったんだな?」
Aブルー「そうだけど?」
何か聞かれてマズイことでも、と言ってますけど。
これはチャンスでは…?
2021/08/07 (Sat)
☆エアコンでお願い
お盆の前は暑さもひとしお、生徒会長宅でエアコンを満喫。
けれどキース君は現実逃避で、卒塔婆書きがあるわけで…。
キース 「いや、こう、聞かれてマズイと言うより…」
Aブルー「何なんだい?」
キース 「あんたを上手く使うという話をだな…」
していたわけで、とキース君、巧みに言い訳。
キース 「あんただったら、エアコン係も楽勝だろう、と」
Aブルー「エアコン係って?」
キース 「この時期、俺は卒塔婆地獄で…」
Aブルー「知ってるよ。先月、君が断ったのもね」
テンション爆上げで書けるコースを、と仏頂面な人。
Aブルー「もしかして、改めて頼む気になった?」
キース 「別のコースがいいんだが…」
Aブルー「えっと…?」
キース 「ズバリ、エアコン係で頼む!」
俺は涼風が欲しいんだ、とキース君、ガバッと土下座。
キース 「先月の件は水に流して、タダでだな…」
Aブルー「イマイチ、意味が不明なんだけど?」
キース 「バーベキューの時に、やっていただろう?」
雨の屋上でカラッと除湿、とキース君。
キース 「あの技を、俺の部屋でやってくれれば…」
Aブルー「ああ、サイオンで冷やしてくれ、と?」
キース 「そうなんだ。親父はエアコンを許さないしな…」
暑くてたまらん、とブツブツブツ。
キース 「其処を涼しくして貰えたなら、卒塔婆書きも…」
Aブルー「楽になるって?」
シロエ 「そうなんですよ、団扇じゃ話になりませんけど」
一同 「「「シーッ!」」」
それを言うな、と皆の視線がシロエ君に。
Aブルー「団扇って?」
シロエ 「風鈴とセットで、夏の定番商品ですね」
それに打ち水です、とシロエ君、指をチッチッと。
シロエ 「どれも涼し気なんですけれど、効果の方は…」
ジョミー「全く無いよね、今の暑さは厳しすぎるし…」
キース 「見掛け倒しといった所だな」
Aブルー「なるほどねえ…」
それでエアコンを頼みたいと、とソルジャー、納得。
セーフですかね?
2021/08/08 (Sun)
☆団扇が気になる
お盆の前は暑さが厳しく、生徒会長宅で涼んでいたい面々。
けれどキース君は卒塔婆地獄で、エアコン不可な家の現実。
キース 「エアコン係を頼めるだろうか?」
Aブルー「それはいいけど、団扇がさ…」
気になるんだよね、とソルジャー、シロエ君をチラリ。
Aブルー「夏の定番商品ってことは、お中元とかに…」
シロエ 「は?」
Aブルー「団扇ってこともあるのかな、と」
シロエ 「えーっと…。贈答用のも、あると思いますよ」
高級品がありますからね、とシロエ君。
シロエ 「普通の団扇より、遥かに値段が高いんです」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 舞妓さんも団扇をくれるもん!」
ブルー 「そうだね、あれは高級品ではないけれど…」
価値は高いね、と生徒会長、うんうん、と。
ブルー 「舞妓さんの名前が書いてある団扇でさ…」
シロエ 「あー! 今の時期だと、飾られてますね」
ぶるぅ 「そうなの、お世話になってる人に贈るから…」
ブルー 「貰った方は、店先とかに飾るんだよ」
こんなに頂きましたとね、と生徒会長。
ブルー 「だから団扇は大切なんだよ、効果が無くても」
シロエ 「そうです、だからこそ、団扇なんですよね」
棚経だって、とシロエ君、更なる失言。
Aブルー「棚経って?」
シロエ 「え、いえ、今のは…」
気にしないで下さい、とシロエ君、ワタワタ。
シロエ 「棚経に行った先でも、団扇をですね…」
キース 「飾っている家は、あるかもしれんが…」
俺は暑さで記憶に無いな、と副住職の必死のフォロー。
キース 「玄関先をチェックするより、棚経が大事で」
ジョミー「そうなんだよねえ、時間との勝負!」
舞妓さんの団扇なんか、とジョミー君も。
ジョミー「ノーチェックだってば、あるかどうかは」
Aブルー「それは分かるけど、なんだかねえ…」
キース 「どうかしたのか?」
Aブルー「さっきから、どうも怪しいんだよね」
ズバリ、団扇がさ、とソルジャー、腕組み。
危ないかも…?
2021/08/09 (Mon)
☆団扇がいいかも
お盆の前は暑さが厳しいシーズン、生徒会長宅で涼む面々。
けれどキース君は卒塔婆地獄で、家はエアコン不可でして。
Aブルー「一応、キースに質問だけどさ…」
キース 「何だ?」
Aブルー「もしかして、団扇の方がいいとか?」
エアコンよりも、とソルジャーの問い。
Aブルー「聞いていると、そんな気がするんだけれど?」
キース 「いや、それは無い!」
エアコンがいいに決まっている、とキース君、即答。
キース 「お心遣いはよく分かるんだが、団扇では…」
Aブルー「それ、ぼくのことではないようだねえ?」
お心遣いなんて言葉は、とソルジャー、副住職をジロリ。
Aブルー「いったい誰の心遣いなんだい、団扇は?」
キース 「言い間違えただけだ!」
暑さのせいで、つい丁寧に、とキース君、必死の形相。
キース 「だから、是非とも、エアコンで頼む!」
Aブルー「ちょっと失礼させて貰うよ」
んーと…、とソルジャー、一瞬、目を閉じまして。
Aブルー「なるほど、団扇が最高のおもてなしなんだ?」
キース 「なんだって!?」
Aブルー「君の心を読んだだけだよ」
シロエの心も読んでみようかな、とニコニコニコ。
Aブルー「団扇ネタは、シロエだったしねえ…」
シロエ 「それは勘弁して下さい!」
Aブルー「キースに殺されそうだ、って?」
シロエ 「はいっ!」
とっくに死亡フラグですけど、とシロエ君、顔面蒼白。
シロエ 「キース先輩、どうか、お盆の前ですから…」
キース 「殺生は控えねばならんしな…」
シロエ 「ありがとうございます!」
恩に着ます、とシロエ君、土下座。
シロエ 「というわけですので、キース先輩にですね…」
Aブルー「エアコンをサービスして欲しい、って?」
どうしようかな、と考え込むソルジャー。
Aブルー「団扇の方が、いいみたいだしさ…」
キース 「断じて違う!」
Aブルー「でも、丁寧に…」
扱いたいよね、お坊さんは、と思案している模様。
駄目かも…。
2021/08/10 (Tue)
☆団扇の風をどうぞ
暑さが厳しいお盆前のシーズン、生徒会長宅で過ごす面々。
エアコンが効いて涼しいですけど、キース君は卒塔婆地獄。
キース 「いいか、卒塔婆書きは地獄の暑さで…」
シロエ 「エアコン不可なのが原因なんです、ですから…」
Aブルー「サイオンで、エアコンをサービスしろと?」
団扇の方がいいと思うよ、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「なにしろ、ぼくが扇ぐんだからさ」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ソルジャーだしねえ、ソルジャーといえば…」
雲の上の人に決まってるだろう、と威張り返る人。
Aブルー「そのぼくに、団扇で扇がせるなんて…」
サム 「有難すぎる、って言うのかよ?」
Aブルー「ピンポーン!」
だからキースも有難がるべき、とブッ飛んだ方向へ。
Aブルー「というわけでね、早速、行こうか!」
キース 「何処へだ!?」
Aブルー「もちろん、君の家だってば!」
善は急げと言うからね、とソルジャー、極上の笑み。
Aブルー「卒塔婆書きは、まだまだ、これからだろう?」
キース 「それはそうだが、なんでそうなる!」
Aブルー「どうせ、書かなきゃいけないんだしね!」
ぼくがその気になってる内に、と急かすソルジャー。
Aブルー「ほらほら、座っていないで、立って!」
シロエ 「キース先輩、頑張って下さい!」
ジョミー「団扇の風でも、無いよりマシだよ」
キース 「嫌だ、地獄が更に地獄になるだけだ!」
こいつは、自分だけシールドだぞ、とキース君の悲鳴。
キース 「俺と一緒に、暑さに耐えるわけがない!」
Aブルー「当然だよね、扇がなくっちゃいけないし…」
バテるわけにはいかないからさ、とソルジャー、サラッと。
Aブルー「卒塔婆を書く君に、団扇の風をサービス!」
キース 「断る、俺は一人で書くんだ!」
Aブルー「そう言わないでさ!」
キース 「書き間違えられてもいいのか、あんたは!?」
例の大事な仏様の卒塔婆を、と叫んでますけど。
さて、どうなる…?
2021/08/11 (Wed)
☆連行よりはマシ
お盆の前は暑さもひとしお、生徒会長宅でエアコンな面々。
けれどキース君は卒塔婆地獄で、エアコン不可なお家事情。
Aブルー「書き間違えって、スッポンタケの卒塔婆を?」
キース 「そうだが、間違えたら後が無いぞ!」
卒塔婆は一本だけだからな、と副住職。
キース 「帳簿を弄って、一本、余計に仕入れているが…」
シロエ 「余分のは無いってことですね?」
キース 「ああ。派手に間違えても、どうしようもない」
削りまくって書き直すしか…、と経験者ならではの発言が。
キース 「そうならないよう、必死に集中してるのに…」
ジョミー「団扇で扇がれたら、パアになるって?」
キース 「何もかもがな!」
もう一文字目から間違えそうだ、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「それでいいなら、俺を今すぐ連行しやがれ!」
Aブルー「う、ううん…。そんなの、困るし!」
とにかく棚経をよろしくお願い、と腰を浮かせる人。
Aブルー「ぶるぅ、テイクアウトを頼めるかな?」
ぶるぅ 「オッケー、おやつと料理だよね!」
ちょっと待ってねー! とキッチンへ走って、戻りまして。
ぶるぅ 「はい! ぶるぅと、ハーレイの分もね!」
Aブルー「ありがとう! それじゃ、棚経の日に!」
みんなも、よろしく! とパッと消え失せた姿。
シロエ 「え、えっと…? 逃げられましたか?」
キース 「そのようだ。タダ働きでエアコンどころか…」
面倒を押し付けて逃げやがった、とキース君、歯噛み。
キース 「連行されて団扇よりかは、まだマシなんだが…」
シロエ 「そう思うんなら、早く帰ってですね…」
ブルー 「書いた方がいいと思うけどねえ?」
坊主の宿命なんだから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「書かない限りは、終わらないしさ…」
キース 「あんたは、全く書かないだろうが!」
ブルー 「ぼくに書けと?」
キース 「い、いや…」
あの馬鹿より怖い気がするぞ、と副住職、悪い顔色。
まあねえ…?
2021/08/12 (Thu)
☆一本だけ頼みたい
暑さが厳しいお盆前のシーズン、生徒会長宅で過ごす面々。
けれどキース君は、エアコン無しで卒塔婆書きな家の環境。
ブルー 「手伝ってあげてもいいんだよ?」
キース 「筆跡で、即、バレると思うが!」
ブルー 「そりゃね、銀青の名はダテじゃないからさ…」
君とは書道の腕が違うよ、と生徒会長、ニヤニヤニヤ。
ブルー 「たまには技を披露したいし、卒塔婆書きをさ…」
キース 「タダでも断る、親父が怖い! …ん?」
待てよ、と副住職が顎に当てる手。
キース 「そうだ、一本だけ、手伝いを頼めないか?」
ブルー 「一本だけ?」
キース 「例のキノコの卒塔婆は、親父も見ないし…」
ついでに毎年、出番が来るまで隠蔽だし…、と副住職。
キース 「あんたが書いて、此処で預かってくれると…」
シロエ 「とても助かるわけですね?」
キース 「ああ。たかが一本でも、減れば嬉しいし…」
是非とも頼む、と頭をペコリと。
キース 「あんたも、腕を存分に揮えていいだろう?」
ブルー 「アレは嫌だよ、毎年、ぼくに振られそうだし」
キース 「はあ?」
ブルー 「伝説の高僧が書いたとなったら…」
誰かさんが大喜びで…、と生徒会長、仏頂面。
ブルー 「次からお願い、と来るのは確実!」
一同 「「「あー…」」」
ブルー 「というわけでね、君はサッサと帰りたまえ!」
ノルマが待っているだろう、と生徒会長、手をパンパンと。
ブルー 「ぶるぅ、テイクアウト用に詰めてあげて!」
ぶるぅ 「オッケー!」
キース 「ちょっと待て!」
そこで強制送還するな、と絶叫でしたけど。
シロエ 「有無を言わさず、送還でしたね…」
ジョミー「瞬間移動で、一発だったね…」
気の毒に、と顔を見合わせる御一同様。
サム 「でもよ、俺とジョミーも、じきに出番だぜ」
ブルー 「棚経の日は、みんな、持ち場で頑張って!」
一同 「「「はーい…」」」
もうじきですね、と誰もが深い溜息。
今年は、どうなる…?
2021/08/13 (Fri)
☆台風よりはマシ
残暑とは名ばかりの酷暑な中で、いよいよお盆の十四日が。
スッポンタケの棚経の日で、生徒会長宅に朝イチで集合で。
シロエ 「おはようございます…」
スウェナ「今日も朝から暑いわよねえ…」
マツカ 「日の出から後は、気温が上がる一方ですしね」
いいお天気なのはいいんですけど、と御曹司。
マツカ 「下手に台風でも来たら、大変ですから」
シロエ 「それは確かに、言えてますねえ…」
キース先輩たちが困りそうです、とシロエ君、相槌。
シロエ 「ただでも時間との戦いですしね、今日は」
スウェナ「入って、拝んで、即、出発でしょ?」
マツカ 「それが早朝から夕方まで、と言うんですから…」
台風でも中止は無いでしょうし、と御曹司、同情モード。
マツカ 「月参りだって、雨天決行ですからね」
シロエ 「どうなんでしょう、台風だと…」
スウェナ「中止のような気もするわよねえ?」
どうなのかしら、とスウェナちゃんの疑問。
スウェナ「だって、お坊さんを迎える方も大変よ?」
シロエ 「暴風雨の中で、訪問されても困りますよね」
マツカ 「そうは思いますけど、年に一度の行事ですよ?」
ブルー 「結論から言えば、マツカの意見が正しいね」
台風だろうが、決行だよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「なにしろ、お盆の行事だからさ」
シロエ 「暴風警報とかが、出ててもですか?」
ブルー 「もちろんだよ。だって、暴風雨の中でもさ…」
お盆の送り火をやるんだからね、と銀青様の仰せ。
ブルー 「だから当然、棚経も決行!」
シロエ 「暴風雨で送り火って、火が消えませんか?」
ブルー 「根性あるのみだよ、ほら、アレだってば!」
山で点すヤツ、と銀青様が挙げた実例。
ブルー 「暴風雨で何処からも見えなくても、点火!」
一同 「「「うわー…」」」
ブルー 「それに比べれば、棚経くらいは…」
シロエ 「楽勝ですよね…」
台風が来なくて良かったです、とシロエ君。
暑いですけどね…。
2021/08/14 (Sat)
☆スキルは生かすべき
棚経の日がやって来まして、朝イチで生徒会長宅ですけど。
キース君たちは棚経なわけで、いるのは僧籍以外の面子。
シロエ 「台風が来ても、やっぱり自転車でしょうか?」
ブルー 「そうだと思うよ、歩きじゃ時間が足りないし…」
マツカ 「雨合羽を装備になるわけですか…」
スウェナ「脱ぎ着に時間がかかりそうよね…」
でも、着ないわけにはいかないし…、とスウェナちゃん。
スウェナ「ホントに、いいお天気で良かったわ」
シロエ 「普通に雨でも、雨合羽は必要でしょうしね…」
マツカ 「月参りの時と同じですよね」
蒸し暑さが酷くなってますけど、と御曹司の指摘。
マツカ 「いくら雨で涼しいと言っても、気温の方は…」
シロエ 「思いっ切り、真夏な仕様ですしね…」
スウェナ「雨合羽の下は、きっとサウナね」
汗だくだわよ、とスウェナちゃん、ブルブル。
スウェナ「晴れていたって、汗はかくけれど…」
シロエ 「密閉されることはないですからねえ…」
マツカ 「ダイエット出来るのは確実ですね」
熱中症が怖いですけど…、と御曹司も。
マツカ 「例の人に頼めば、いけるんでしょうか?」
シロエ 「サウナにならないように、ですか?」
マツカ 「ええ。いけそうな気もしますけど…」
ブルー 「棚経だったら、タダで仕事をするかもねえ…」
キースに倒れられたら大変だし、と生徒会長の言。
ブルー 「とはいえ、今年は、ただ暑いだけで…」
シロエ 「いつもと変わりませんからねえ…」
マツカ 「此処の前後に、瞬間移動で送迎だけですか…」
凄いサイオンの持ち主なのに、と御曹司の残念そうな顔。
マツカ 「自転車で走行中にも、エアコンをですね…」
シロエ 「絶対、サービス出来ますよね」
楽勝で、とシロエ君も。
シロエ 「あのスキルは、生かすべきだと思いますけど」
マツカ 「まだ、寝ていると思いますよ」
一同 「「「あー…」」」
そういう人だ、と誰もが納得な朝一番。
来てませんしねえ…。
2021/08/15 (Sun)
☆バレた方がマシ
夏休みが近いシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先計画。
けれどキース君は卒塔婆書きで地獄、来たのがソルジャー。
キース 「もしも親父が、他所の寺でだ…」
シロエ 「同じ筆跡の卒塔婆を見付けたら、最悪ですね…」
ジョミー「プリンターな件がバレるよね、ソレ?」
キース 「バレた方が、いっそマシだと思うぞ」
いいや、絶対その方がいい、とキース君、ブルブル。
キース 「プリンターを使ったとバレればだな…」
シロエ 「タコ殴りだと思いますけど?」
サム 「うんうん、それに罰礼もだぜ」
キース 「だが、そこまでで終わりだろうが!」
酷い目に遭うのは今年だけだ、と副住職。
キース 「しかし、プリンターだとバレなかったら…」
ジョミー「何も問題無さそうだけど?」
スウェナ「そうよね、バレていないんだもの」
キース 「よく考えてみろ、他の寺にもあるんだぞ?」
この俺が書いた卒塔婆がな、とキース君が竦める肩。
キース 「それが、どういう意味か分かるか?」
シロエ 「えーっと…? キース先輩が他所のお寺で…」
ジョミー「バイトしてた、ってことになるのかな?」
卒塔婆書きの、とジョミー君。
ジョミー「でもさ、お小遣い、少ないんだし…」
サム 「バイトしてても、いいんでねえの?」
キース 「それが普通のバイトならな!」
ただでも卒塔婆地獄なんだぞ、と副住職の引き攣った顔。
キース 「何処に、そういう余裕があるんだ!」
シロエ 「登校したついでで片付きますよ」
ジョミー「隙間時間なら、書けそうだよ?」
キース 「卒塔婆地獄な坊主に、余裕など無い!」
休める時には休みたいものだ、と副住職の叫び。
キース 「なのに、バイトで書いていたとなると…」
シロエ 「どうなるんです?」
キース 「来年から、俺のノルマが増やされるんだ!」
一同 「「「うわー…」」」
キース 「確実に死ねるコースだろうが!」
地獄どころの話ではない、と悲鳴ですけど。
そのようですね…。
2021/07/16 (Fri)
☆マシな案があれば
夏休み間近なシャン学メンバー、キース君だけ地獄の住人。
お盆に備えて卒塔婆書きですけど、ソルジャーが登場で…。
シロエ 「ノルマが増えるのは、確かに大変そうですね…」
キース 「最悪、全部、書かされそうだが!」
親父の分まで、来年から…、と副住職の悪い顔色。
キース 「そうなった場合、俺の夏休みは無くなるぞ!」
サム 「山の別荘でも卒塔婆書きかよ?」
キース 「行く余裕さえも無いかもな…」
別荘までの往復の時間が惜しくて、と副住職。
キース 「そんな地獄は、御免蒙る!」
Aブルー「いい案だと思ったんだけどねえ…」
ジョミー「卒塔婆プリンター、キースの夢だしね…」
キース 「親父の許可が出ない限りは、ただの夢だ!」
だから使えん、とブツブツブツ。
キース 「こう、もう少しマシな案があればな…」
Aブルー「卒塔婆プリンターの開発は、断るからね」
技術班だって忙しいんだし、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「ぼくの世界の技術だったら、キースの筆跡を…」
シロエ 「見事に再現出来ちゃうんですか?」
Aブルー「そうなんだけど、卒塔婆プリンターはさ…」
シャングリラでは役に立たないからね、と一刀両断。
Aブルー「何かに応用可能だったら、開発するけど…」
サム 「思い付かねえのな?」
Aブルー「まるで全く!」
というわけで…、とソルジャーの視線がキース君に。
Aブルー「マシな案を出すなら、キース用かな」
キース 「はあ?」
Aブルー「アドス和尚に細工する代わりに、キースだよ」
一同 「「「えっ!?」」」
何をする気だ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「キース先輩に、サイオンを使うんですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
それが一番、早そうだしね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「要はさ、地獄が天国になればいいんだろう?」
キース 「其処は極楽と言って欲しいんだが…」
ついでに嫌な予感しかしない、と副住職。
地獄が天国って…?
2021/07/17 (Sat)
☆サイオンで弄ると
夏休みが近いシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先計画。
けれどキース君は地獄の住人、卒塔婆書きに追われる日々。
Aブルー「極楽ねえ…。おまけに嫌な予感って、何さ?」
キース 「あんたの案だけに、こう、手放しでは…」
歓迎出来ん、とキース君、慎重な姿勢。
キース 「その上、サイオンで俺に細工となると…」
Aブルー「大丈夫だってば、ぼくはプロだから!」
経験値だって半端ないしね、とソルジャー、自信満々。
Aブルー「ちょっと意識を弄るだけだよ、いい方向に!」
シロエ 「いい方向って、何なんです?」
Aブルー「平たく言うなら、天国な気分! おっと…」
極楽だっけね、と訂正が。
Aブルー「とにかく極楽な気分になれれば、御機嫌だしさ」
ジョミー「それって、ドラッグみたいなものかな?」
サム 「酒ってヤツかもしれねえぜ?」
テンション爆上げになるヤツな、とサム君の言。
サム 「こう、卒塔婆書きを一本、書く度によ…」
スウェナ「缶チューハイを一本、飲むようなものかしら?」
ジョミー「ドラッグをキメるのかもしれないよ?」
シロエ 「どうも、そういう感じがしますね…」
脳内麻薬ではないでしょうか、とシロエ君の指摘。
シロエ 「卒塔婆がソレと結び付いたら、極楽でしょうし」
マツカ 「充分、有り得る話ですよね…」
なにしろサイオンで細工ですから、と御曹司も。
マツカ 「要はキースの気分が良ければ、解決ですし…」
キース 「そうなのか、おい?」
本当の所はどうなんだ、とキース君の視線がソルジャーに。
キース 「卒塔婆を書いたら気分がいい、というヤツか?」
Aブルー「ズバリ正解、その通りってね!」
どんな感じでいきたいのかな、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「テンション爆上げで疲れ知らずか、酩酊なのか」
キース 「極端すぎないか、その二択は!」
Aブルー「うーん、そうかなあ…?」
どっちもいいと思うけどねえ、と言ってますけど。
脳内麻薬…。
2021/07/18 (Sun)
☆テンションを上げて
夏休み間近なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますが。
キース君は卒塔婆地獄の住人、其処へソルジャー登場で…。
Aブルー「テンション爆上げで疲れ知らずは、素敵だよ?」
シロエ 「徹夜も問題無さそうですよね、ソレ」
Aブルー「それはもう! 完徹続きでも、シャキッとね!」
卒塔婆書きさえやっていれば、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「もっと書きたい、まだまだ書けるぞ、と!」
サム 「いいじゃねえかよ、ノルマが早く片付いてよ」
ジョミー「だよねえ、ノンストップで書けるんだしさ」
いいと思うよ、とジョミー君たちも。
ジョミー「それにテンション爆上げなんだし、楽しいし…」
Aブルー「卒塔婆が書ければ、ご機嫌な日々!」
ぼくのオススメ、とソルジャーのプッシュ。
Aブルー「酩酊コースも、極楽気分にはなれるけれどさ…」
シロエ 「正気が怪しい感じですか?」
Aブルー「うん。なんと言っても、酔っ払いだから…」
機嫌は良くても、気分が大きくなりすぎて…、と溜息が。
Aブルー「卒塔婆を書きながら踊り出すとか、歌うとか…」
ジョミー「アドス和尚に見付かった時が、ヤバそうだよ?」
キース 「ヤバいどころか、その場で処刑だ!」
殴り倒されて、本堂に連行されてしまう、と副住職。
キース 「忙しいのに罰礼三昧、卒塔婆を書く時間が…」
シロエ 「減りそうですよね…」
Aブルー「だから、あんまりオススメしない、って…」
テンション爆上げコースがいいよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「卒塔婆書きが全く苦にならないしさ…」
ジョミー「地獄が極楽に変わるんだしね…」
サム 「マジで最高な話じゃねえかよ」
頼むべきだぜ、とサム君も。
サム 「今なら、タダでいけるんだしよ…」
スウェナ「そうよね、それは大きいわよねえ…」
キース 「疲れ知らずで、書きまくれるのか…」
Aブルー「そこは、バッチリ!」
何百本でも書けるってば、と言ってますけど。
最高なのでは…?
2021/07/19 (Mon)
☆体力が要るんです
夏休みが近いシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先計画。
けれどキース君は卒塔婆地獄の住人、お盆の前の定番で…。
Aブルー「絶対、テンション爆上げコース! 最高だよ!」
シロエ 「地獄転じて極楽ですしね、良さげですけど」
キース 「そうだな、何百本でも書けるというのは…」
なかなかに魅力的なんだが…、と副住職も心が動いた様子。
キース 「ただ、問題は、俺の体力で…」
一同 「「「体力?」」」
キース 「鍛えてはいるが、卒塔婆地獄の疲れはだな…」
実は毎年、半端ではない、と副住職の告白。
キース 「栄養ドリンクは必需品だぞ、正直言って」
シロエ 「そこまでですか!?」
キース 「飲まずには、やっていられないな」
恐らく、何処の寺でも同じだ、と恐ろしすぎる証言が。
キース 「心身ともに疲れ果てるのが、卒塔婆書きだし…」
ジョミー「気力は分かるけど、体力は何処で使うわけ?」
キース 「なら、逆に聞くが、座禅は全く疲れないのか?」
黙って座っているだけだが、と副住職の問い。
キース 「およそ体力は要りそうにないが、どうなんだ?」
ジョミー「ど、どうなのかな…?」
キース 「座禅三昧の期間は、地獄と言われているが…?」
ジョミー「消耗するわけ…?」
ただ座っているだけなのに、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「何が体力を削るのさ?」
キース 「精神統一と集中力だな、卒塔婆書きにも必要だ」
一同 「「「あー…」」」
書き損じは許されないんだっけ、と誰もが納得。
シロエ 「確かに体力、要りそうですね…」
キース 「何百本も書くとなったら、相当にな」
その辺が怖い気がするんだが…、と副住職。
キース 「テンション爆上げだと、体力の方が限界でも…」
ジョミー「気が付かないまま、書きまくる、って?」
キース 「どうも、そういう気がしてな…」
シロエ 「ありそうですよね、ソレ…」
どうなんでしょう、とシロエ君も傾げる首。
真相は如何に?
2021/07/20 (Tue)
☆体力が切れたら
夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅に集合な今。
行き先相談中ですけれど、キース君は卒塔婆地獄な時期。
サム 「消耗してるのに気が付かねえと、ヤバそうだぜ」
スウェナ「突然、パタリと倒れるとかよね?」
キース 「其処なんだ。体力がゼロになった瞬間にだな…」
その場で昏倒しそうな感じが、と副住職の不安そうな顔。
キース 「それこそ、硯に顔から突っ込む勢いでだ」
ジョミー「言われたら、そんな感じもするよね…」
シロエ 「一種のランナーズハイなんでしょうし…」
危険かもです、とシロエ君の視線がソルジャーに。
シロエ 「あのですね…。その辺の所は、どうなんです?」
Aブルー「体力切れの心配かい?」
キース 「ズバリ、そうだが?」
Aブルー「だったら、心配しなくってもさ…」
いいと思うよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「だってキースは、食べるのに困ってないからね」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「食事だってば、ぼくたちの船と違ってさ…」
食べ物も、食べられる所も充実、と親指をグッと。
Aブルー「きちんと栄養補給出来るし、大丈夫だよ!」
シロエ 「ああ、なるほど…。それは確かですね」
ジョミー「家にいる時は、イライザさんが作るしさ…」
サム 「此処だと、ぶるぅの美味い飯でよ…」
学校にも食堂ってヤツがあるよな、とサム君も。
サム 「食うもの食ってりゃ、倒れねえって!」
シロエ 「ですよね、体力は維持出来ますよ」
安心してドーンといって下さい、とシロエ君。
シロエ 「テンション爆上げで、卒塔婆書きです!」
スウェナ「早速、頼んでしまいなさいよ!」
もう今日からで、とスウェナちゃんのプッシュ。
スウェナ「楽になるわよ、サクサク楽しく書けるんだもの」
キース 「だが、楽しすぎると、寝食を忘れるような…」
ジョミー「ゲーマーなんかで聞くよね、ソレ…」
キース 「どう思う?」
忘れた場合は食えないんだが、という指摘。
その通りかも…。
2021/07/21 (Wed)
☆忘れたらヤバイ
夏休みが近いシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先計画。
けれどキース君は地獄の住人、卒塔婆書きのシーズンで…。
シロエ 「食事をするのを忘れる、ですか…」
サム 「ジョミーが言ってる、ゲーマーってのもよ…」
飯を食うのも忘れるんだっけな、とサム君も。
サム 「不眠不休でゲームに夢中で、倒れるらしいぜ」
ジョミー「たまに死人も出てるよ、アレ…」
スウェナ「キースも危ない、というわけね?」
シロエ 「卒塔婆書きに熱中するわけですしねえ…」
テンション爆上げ状態で、とシロエ君が顎に当てる手。
シロエ 「確かに、かなりヤバイかもです」
マツカ 「目覚まし時計はどうでしょう?」
一同 「「「目覚まし?」」」
マツカ 「食事の時間に、アラームをセットするんですよ」
そうすれば忘れないのでは…、と御曹司のアイデア。
マツカ 「此処で食事だ、と食べれば問題無いでしょう?」
ジョミー「あー…。栄養剤でもいいわけだよね?」
シロエ 「栄養補給は出来ますよね…」
Aブルー「栄養剤なら、オススメだよ!」
手早くエネルギー補給が出来て、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「時間も全くかからないしさ、ぼくの常備品!」
キース 「そういえば、あんた、食事が面倒だとか…」
シロエ 「言ってたような気がしますよね…」
食べまくっているんで忘れてましたが、とシロエ君の相槌。
シロエ 「おやつ以外は、栄養剤で済ませたいとか…」
Aブルー「そうなんだよ! 船の食事は味気なくてねえ…」
キース 「ついでに聞くが、眠らなくても平気だとか?」
Aブルー「それはもう! ぼくのサイオンは最強だから…」
不眠不休でもサイオンがあれば、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「充分、身体を補助できるからさ、寝なくても…」
シロエ 「困らないとか、そういうのですか?」
Aブルー「ベッドが無いのは、困るけれどね!」
キース 「おい…」
あんた基準でオススメなのか、と副住職。
それっぽいような…?
2021/07/22 (Thu)
☆自己責任でお願い
夏休み間近なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますが。
キース君は卒塔婆地獄の住人、ソルジャーが出した解決策。
Aブルー「ぼくの基準って…。テンション爆上げがかい?」
キース 「そうだ、身体が持つかどうかの点なんだが?」
体力維持にサイオン必須じゃないだろうな、と副住職。
キース 「食う方はともかく、睡眠時間をカバーな方で!」
Aブルー「ぼくだと、全く問題無いけど?」
キース 「俺は、どうなると思ってるんだ!」
サイオンは殆ど使えないぞ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「まさか、サイオン抜きだと、ぶっ倒れるとか…」
Aブルー「それはあるかもしれないねえ…」
考えたことも無かったけれど、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「じゃあ、寝る方もさ、目覚ましをセットして…」
キース 「適当な時間に寝ろと言うのか?」
Aブルー「そうだよ、起きる時にも、目覚まし!」
それが本来の目覚まし時計の使い方だし、と弾ける笑顔。
Aブルー「というわけでね、大丈夫だから、任せてよ!」
キース 「ちょっと待て!」
テンション爆上げで冷静になれるのか、と副住職の問い。
キース 「目覚ましが鳴ろうが、止まらない気が…」
シロエ 「あー…。アラームを止めて、書くわけですね?」
ジョミー「やりそうだよねえ…」
Aブルー「うーん…。その辺は自己責任で、としか…」
でなきゃ誰かが面倒見るとか…、とソルジャーの返し。
Aブルー「ほら、ぼくには、そういう経験、無いから…」
キース 「何も想定していないんだな?」
Aブルー「ピンポーン!」
頭を使って解決してよ、と責任をブン投げた人。
Aブルー「目覚ましっていう案も出たしさ、他にも何か!」
キース 「世話係をつけろと言うのか、あんた!」
食事と睡眠の管理用に…、とキース君、ブチ切れ。
キース 「バイト代が高くつくだろうが!」
Aブルー「だったら、ぼくは?」
タダでやってもいいけれど、と言ってますけど。
本当に…?
2021/07/23 (Fri)
☆管理なら任せて
夏休みが近いシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先計画。
けれどキース君は地獄の住人、卒塔婆書きに追われる日々。
キース 「あんたがやるというのか、タダで?」
Aブルー「食事の時間と、睡眠時間の管理だろう?」
そのくらいなら、と頷くソルジャー。
Aブルー「特別なスキルも要らないだろうし…」
シロエ 「多分、そうなんじゃないですか?」
元老寺に住み込むわけじゃないですし、とシロエ君の相槌。
シロエ 「住み込みだったら、色々あると思いますけど」
Aブルー「だろうね、なにしろ、お寺なんだし…」
スウェナ「でも、宿坊なら、何も無いんじゃないかしら?」
お寺がやってる旅館でしょ、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「希望しない限りは、お経も読まなくていい筈よ」
Aブルー「本当かい?」
キース 「寺にもよるが、俺の家では強制してはいないな」
食事の方も、うるさくはない、と副住職。
キース 「精進料理限定ではないし、酒も飲めるし…」
Aブルー「いいねえ、ソレ!」
だったら、其処で暮らそうかな、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「時間になったら、キースの所へ出掛けてさ…」
シロエ 「食事と睡眠を取らせるんですね?」
Aブルー「そう! この時期、ハーレイが忙しくって…」
お蔭で、ぼくは暇なんだよね、と溜息をつく人。
Aブルー「丁度いいから、暇つぶしにさ!」
キース 「宿坊でグータラする気だな?」
Aブルー「君の家だし、タダだろう?」
キース 「馬鹿野郎! 俺が支払わされるんだ!」
親父の招待じゃないんだから、とキース君、ブチ切れ。
キース 「ブルーだったら、話は別だが…!」
Aブルー「ぼくもブルーだけど?」
何処から見たって、ブルーそのもの、とソルジャーの笑み。
Aブルー「銀青様の御滞在なら、タダだと思うけれどね?」
キース 「バレるに決まっているだろうが!」
ブルー 「もっとマズイよ!」
ぼくの品位が…、と生徒会長の割り込みが。
品位…?
2021/07/24 (Sat)
☆品位が問題な人
夏休みはマツカ君の山の別荘、それを希望な面々ですけど。
キース君が追われる卒塔婆書きな日々、文字通り地獄で…。
Aブルー「君の品位って、何の話だい?」
ブルー 「君とぼくでは、月とスッポンなんだからね!」
其処を分かっているのかい、と生徒会長、遠慮の無い台詞。
ブルー 「間違えられたら、ぼくが困るんだよ!」
Aブルー「失礼だねえ…。超絶美形な、ぼくに向かって!」
ブルー 「顔じゃなくって、品位だってば!」
立ち居振る舞いとか、そういうの…、と生徒会長。
ブルー 「アドス和尚と顔を合わせたら、君はどうする?」
Aブルー「えーっと…。元気に明るく挨拶かな?」
ブルー 「どんな具合に?」
Aブルー「いつも通りだよ、こう、軽く手を挙げてさ…」
こんにちはーっ! と、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「でもって、お邪魔してます、だね!」
ブルー 「…どの辺に品があるんだい?」
Aブルー「品って、何さ?」
ブルー 「分かりやすく言うなら、気品ってトコかな」
にじみ出る育ちの良さというヤツ、と生徒会長の解説が。
ブルー 「こう、見るからに高貴な身分で…」
Aブルー「高貴だけど?」
思いっ切りね、と自分の顔を指差すソルジャー。
Aブルー「ぼくのシャングリラで、ソルジャーと言えば…」
ブルー 「ソルジャーと言えば?」
Aブルー「誰もがひれ伏す、雲の上の人で!」
例えて言うなら王様だよね、とソルジャー、得意満面。
Aブルー「だから部屋だって、とても広くて…」
ブルー 「お掃除部隊が突入すると聞いているけど?」
Aブルー「だって、掃除も片付けも面倒だしさ…」
ブルー 「育ちがいいなら、有り得ないしね!」
毎日、片付けさせるものだ、と生徒会長が顰める顔。
ブルー 「係に任せて、いつも綺麗にしておくものだよ!」
Aブルー「そんなの、落ち着かないってば!」
ブルー 「じゃあ、此処は?」
Aブルー「うーん…」
いつも綺麗に片付いてるね、と唸る人。
当然ですよね?
2021/07/25 (Sun)
☆幻覚で通ります
夏休みに行きたい山の別荘、その計画なシャン学メンバー。
けれどキース君は卒塔婆地獄の住人、ノルマが山ほどで…。
ブルー 「いいかい、君が宿坊に泊まる気だったら…」
キース 「ぐうたらするのは、別に構わないが…」
ブルーらしく振る舞って貰わないと…、と副住職も。
キース 「でないと、絶対、親父にバレる!」
ブルー 「そうじゃなくって、バレる代わりにさ…」
ぼくの評価がダダ下がりだよ、と生徒会長の苦い顔付き。
ブルー 「ブルーのことなんか、知らないんだし…」
キース 「そうか、ナチュラルに勘違いだな…」
全部、あんたがやっていると…、とキース君の相槌。
キース 「部屋を散らかすのも、立ち居振る舞いも…」
ブルー 「何もかも、ぼくがやったってことに…」
シロエ 「それはマズイですね…」
お経が読めない以前の問題ですよ、とシロエ君も不安そう。
シロエ 「下手をすると、正気を疑われそうです」
ブルー 「だから困るんだよ、宿坊コースは!」
Aブルー「じゃあさ、お酒を持ち込みで!」
酔っ払いなら正気じゃなくても…、と恐ろしい台詞が。
Aブルー「どうせ、キースもテンション爆上げなんだし!」
キース 「細かいことは気にならない、と?」
Aブルー「その通り!」
ぼくがグータラしていようが…、とソルジャー、ウインク。
Aブルー「アドス和尚に何か聞かれても、こう、適当に…」
キース 「返事して、親父も納得すると言うのか?」
Aブルー「アドス和尚も、卒塔婆地獄だよねえ?」
朦朧として幻覚を見たと思いそうだよ、と怖い発言。
Aブルー「後で冷静になったとしたって、幻覚でさ…」
キース 「押し通せ、と?」
Aブルー「ピンポーン!」
だからテンション爆上げでいこう、とニコニコニコ。
Aブルー「ぼくが宿坊に滞在してさ、君の生活を…」
シロエ 「しっかりと管理するわけですね?」
Aブルー「そう!」
そうしておけば安心だよ、と言ってますけど。
どの辺が…?
2021/07/26 (Mon)
☆幻覚で済んでも
夏休みはマツカ君の山の別荘、計画中なシャン学メンバー。
けれどキース君は卒塔婆地獄で、ソルジャーが助ける案が。
Aブルー「食事の時間と、睡眠時間を確保すればさ…」
シロエ 「キース先輩は倒れずに済む、と…」
いいかもですよ、とシロエ君が乗り気に。
シロエ 「卒塔婆地獄は、とても厳しいそうですし…」
サム 「幻覚が見えても、おかしくねえよな…」
マツカ 「ブルーの言動が変だ、と思い込むくらいは…」
普通にあるかもしれません、と御曹司も。
マツカ 「それにキースも、今は正気な状態ですから…」
スウェナ「うるさくツッコミを入れるだけよね」
テンション爆上げなら気にしないわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「アドス和尚に何か言われても、右から左で」
ジョミー「相槌だけ打って、実は全く聞いてない、ってね」
シロエ 「でもって、アドス和尚も、正気に自信が…」
無いんだったら問題無いです、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「誰かさんが何をやっていようが、幻覚ですよ」
Aブルー「ほらね、みんなも、こう言ってるしさ!」
キース 「あんたの振る舞いの方は、そうかもしれんが…」
俺の体調管理が気になる、と副住職の慎重な発言。
キース 「あんた、ただでもアバウトだからな」
Aブルー「それがどうしたと?」
キース 「本当に、キッチリ出来るのか?」
気付いたら一食抜けているとか…、と鋭い指摘が。
キース 「しかも、気付いた時間がだな…」
Aブルー「えっと…?」
キース 「夜中だったら、あんたはどうする?」
Aブルー「放置に決まっているじゃないか!」
纏めて朝に食べればいいだろ、とアバウトな人。
Aブルー「一食抜けたなら、其処は多めに!」
キース 「あんた、朝には強いのか?」
Aブルー「朝は、ゆっくり寝ていたいねえ…」
キース 「俺の飯を忘れて、爆睡だろうが!」
Aブルー「ほら、昼もあるし…」
其処で纏めて三食分で、と言ってますけど。
一日分では…?
2021/07/27 (Tue)
☆忘れてしまう人
マツカ君の山の別荘を希望で、計画中なシャン学メンバー。
けれどキース君は卒塔婆地獄の住人、ハードな時期でして。
キース 「昼に纏めて、三食分だと?」
Aブルー「そう! 昼なら、ぼくも流石に起きてるし…」
自分のご飯も食べないとね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「だから絶対、君の食事も思い出すってば!」
キース 「前の日の晩飯と、その日の朝の分を、だな?」
Aブルー「そうだよ、帳尻の方はバッチリ!」
お昼に三食分を食べればオッケー、と親指をグッと。
Aブルー「栄養補給は完璧だしさ、睡眠時間も…」
キース 「其処で昼寝、と言わないだろうな?」
Aブルー「昼寝に決まっているだろう!」
ぼくが起こしてあげるからさ、とソルジャー、自信満々。
Aブルー「食事もしないで書き続けた分、爆睡で!」
キース 「一日分の飯を一度に食って、直後に寝ろと?」
Aブルー「そうだけど?」
キース 「思いっ切り、消化に悪いだろうが!」
大量に食って寝るのはマズイ、と副住職の渋面。
キース 「纏め食いだけでも、大概、身体に悪い筈だぞ!」
Aブルー「栄養剤で済ますというのは?」
キース 「あんたのような生活をしろと!?」
飯の時間が惜しいにしても…、とキース君の苦情。
キース 「ついでに、食って昼寝をしたら、だ…」
シロエ 「起こして貰えない気がしますよね…」
Aブルー「何を言うのさ、起こすのも、ぼくの役目だよ?」
キース 「しかし、食事を忘れたからと、纏める野郎が…」
ちゃんと起こすとは思えんのだが、とブツブツと。
キース 「気付けば夕方になっていたとか、夜だとか…」
Aブルー「えーっ!? 出掛けでもしない限りはさ…」
忘れないよ、とソルジャーの反論。
Aブルー「何時に起こせ、と言われたら、きちんと!」
キース 「出掛けた場合は、忘れるんだろう!」
Aブルー「まあ、そうかも…」
キース 「ほら見ろ!」
あんたなんぞには任せられん、とキレてますけど。
さて…?
2021/07/28 (Wed)
☆地道に書くべき
夏休みはマツカ君の山の別荘、期待大なシャン学メンバー。
けれどキース君は卒塔婆地獄で、ノルマに追われている今。
キース 「いいか、飯は忘れる、起こすのも忘れるでは…」
シロエ 「何の役にも立ちませんよね、ソレ…」
サム 「俺が代わりにやってやろうか?」
バイト代は貰うけどよ、とサム君の割り込み。
サム 「俺なら、寺の流儀も多少は分かってるしよ…」
キース 「バイト料を出す余裕など無い!」
Aブルー「ぼくでいいじゃないか、何処がダメなのさ?」
シロエ 「体調管理どころか、逆になりそうな所です!」
キース先輩が倒れたら、仕事が滞ります、とシロエ君。
シロエ 「卒塔婆書きが遅れたら、山の別荘行きだって…」
ジョミー「厳しくなるかもしれないよね…」
マツカ 「専用のお部屋なら、用意出来ますけど…」
代わりに書ける人はいませんからね、と御曹司も。
マツカ 「キースは地道に書くべきですよ、例年通りに」
キース 「そうだな、地獄には違いないんだが…」
スウェナ「住めば都って言うでしょ、地獄も」
シロエ 「地獄については、そんな話は聞きませんけど?」
誰だって住みたくないでしょう、とシロエ君の言。
シロエ 「ですから、お盆に地獄が休みになると…」
サム 「一斉に帰省しちまうんだぜ?」
スウェナ「あら、じゃあ、鬼は何処へ帰るの?」
一同 「「「鬼?」」」
なんのこっちゃ、と一同、キョトン。
シロエ 「鬼って、何です?」
スウェナ「地獄の鬼よ、お盆は鬼も帰省するわけ?」
ジョミー「えーっと…? キース、お盆は鬼も帰省かな?」
キース 「そんな話は聞いたことも無いが…」
ついでに、閻魔大王の帰省も知らん、と副住職。
キース 「恐らく、地獄で休暇だろう」
スウェナ「ほら、地獄だって住めば都じゃないの!」
キース 「卒塔婆地獄に文句を言うな、と?」
Aブルー「だから、テンション爆上げで!」
本当に都になるんだしさ、と言ってますけど。
体調管理は?
2021/07/29 (Thu)
☆爆死は避けたい
夏休みはマツカ君の山の別荘、シャン学メンバーの期待大。
キース君は卒塔婆地獄ですけど、それは例年のことでして。
スウェナ「テンション爆上げでなくていいのよ!」
シロエ 「住めば都だからですね?」
スウェナ「そう! ヤバイ橋を渡って爆死よりかは…」
卒塔婆地獄で行けばいいでしょ、とスウェナちゃんの提案。
スウェナ「山の別荘で書いていたって、気にしないわよ!」
ジョミー「ぼくたちには関係無いもんねえ…」
サム 「キースが缶詰になっていてもよ、俺たちはよ…」
ボート遊びにハイキングな、とサム君も乗り気。
サム 「乗馬なんかも楽しめるしよ…」
シロエ 「キース先輩が倒れて、置いて行くよりかは…」
スウェナ「全然、心が痛まないでしょ?」
それが一番よ、とスウェナちゃん。
スウェナ「体調管理に失敗したら、爆死なんだし…」
シロエ 「地道に頑張って貰うのが良さそうですね」
Aブルー「ぼくがオススメしてるのに?」
キース 「あんたのは、アテにならんのだ!」
一瞬、いいかと思ったがな、と副住職の苦い顔付き。
キース 「爆死してからでは、手遅れだし…」
ブルー 「ぼくの評価も下がりそうだしね、元老寺でのさ」
宿坊でグータラなんだから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「朝御飯にも起きて来ないだなんて…」
ぶるぅ 「お寺ライフなら、ブルー、早起きだもんね!」
朝のお勤めもするし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「昼間はグータラするかもだけど…」
ブルー 「キメる時には、ピシッとキメるよ!」
キース 「つまり、あんたも却下なんだな?」
テンション爆上げで書くヤツは、と副住職の問い。
キース 「地獄だろうが、今年もコツコツ書け、と」
ブルー 「そうするべきだね、なにしろブルーだからさ…」
シロエ 「リスクの方が高そうですよね…」
Aブルー「失礼だねえ!」
ブルー 「じゃあ、違うと?」
絶大な自信があるのかな、と聞いてますけど。
どうですかね?
2021/07/30 (Fri)
☆別荘に来るなら
夏休みはマツカ君の山の別荘、決まりなシャン学メンバー。
キース君が卒塔婆地獄でも、別荘で缶詰で書けという話で。
ブルー 「リスクなんかは無いと言うなら、根拠をね!」
Aブルー「ぼくはソルジャーなんだから!」
ブルー 「それで?」
Aブルー「ぼくの流儀で通してるけど、何も問題は…」
起こってないよ、とソルジャーが張る胸。
Aブルー「仲間たちからも、文句なんかは出てないし!」
ブルー 「お掃除部隊の人の意見を聞いてみたいねえ…」
キース 「そうだな、こいつには怖くて言えないだけで…」
シロエ 「思う所はドッサリありそうですね」
散らかしまくりの人ですから、とシロエ君も。
シロエ 「そんな調子で、船のあちこちで迷惑行為を…」
ブルー 「してると思うよ、本人に自覚が無いだけで」
Aブルー「失礼にも程があるだろう!」
迷惑行為は、ぶるぅなんだよ、とソルジャーが尖らせる唇。
Aブルー「こっちの世界のぶるぅと違って、悪戯小僧で…」
ブルー 「比較対象が酷すぎるよ、ソレ」
キース 「まったくだ。こんな野郎のオススメなんぞは…」
乗ったら爆死は確実だな、と大きく頷く副住職。
キース 「というわけで、キッパリ断る!」
Aブルー「ええっ!? それじゃ、宿坊ライフは…?」
キース 「当然、無いが?」
Aブルー「マツカの山の別荘とかは…」
ゲストで呼んで貰えないかな、とソルジャー、必死。
Aブルー「ハーレイが忙しいから、暇なんだよ!」
マツカ 「えっと…。皆さんのご意見は?」
一同 「「「却下!」」」
別荘ライフの邪魔をするな、と一同、即答。
Aブルー「ちょっとくらいは、お邪魔したって…」
キース 「だったら、俺の缶詰部屋だな」
卒塔婆を書く羽目になったら呼んでやる、と副住職。
キース 「其処で、テンション爆上げでだ…」
シロエ 「一気に片付けるんですね!」
キース 「皆がいるから、安心だしな」
体調管理はバッチリだ、と立てる親指。
それは確かに…。
2021/07/31 (Sat)
☆その待遇は嫌だ
夏休みはマツカ君の山の別荘、楽しみなシャン学メンバー。
キース君の卒塔婆地獄も、場合によっては別荘で書くとか。
Aブルー「ちょ、ちょっと…! キースの缶詰部屋って…」
キース 「俺が卒塔婆を書くための部屋だが?」
マツカ 「やっぱり和室がいいんですよね?」
キース 「あの別荘にも、和室はあった筈だな?」
暖炉まである洋風だが、と副住職の問い。
キース 「卒塔婆を書くには、畳でないと…」
マツカ 「大丈夫ですよ、ご用意出来ます」
キース 「というわけでだ、万一、缶詰になった場合は…」
テンション爆上げコースで頼む、と副住職。
キース 「別荘だったら、ぶっ倒れるまで書く心配は無い」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 執事さんだって、いるもんね!」
サム 「俺たち全員、出掛けていたって安心だよな」
Aブルー「もしかして、ぼくはキースと留守番?」
食事の時しか出られないとか…、とソルジャー、悪い顔色。
Aブルー「専用の部屋も貰えなくって、缶詰部屋?」
キース 「当然だろうが、あんたはゲストではない!」
シロエ 「食事も無いんじゃないですか?」
ゲストの分しか無い筈ですしね、とシロエ君。
シロエ 「席の用意も無いですよ、きっと」
Aブルー「そうなるわけ?」
マツカ 「臨機応変に対応させては頂きますけど…」
皆さんとは違う料理になるかも、と御曹司も。
マツカ 「仕入れの都合がありますからね」
Aブルー「なんか、思いっ切りババじゃないか!」
キース 「上手く使われると言ってくれ」
タダ働きでいいんだろうが、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「遠慮しないで、大いに俺の手伝いをだな…」
Aブルー「お断りだし!」
それくらいなら、船でグータラ、とソルジャー、断言。
Aブルー「君は一人で地獄に落ちればいいんだよ!」
シロエ 「帰っちゃいましたよ?」
キース 「仕方ない。卒塔婆地獄の方は地道に…」
書くしか無いのか、と嘆き節ですけど。
七月、これにて中継終了~。
2021/08/01 (Sun)