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シャングリラ学園つれづれ語り

☆上手く使いたい


さて、七月。夏休みを控えた休日、生徒会長宅に集う面々。
話題はもちろん夏休みでして、何処へ行こうかと賑やかで。

シロエ 「マツカ先輩の山の別荘は、外せませんよね」
サム  「おう! 高原は涼しくて天国だしよ…」
ジョミー「あっちの別荘、誰かさんは絶対、来ないしね」
キース 「特別休暇が無理らしいしな」

流石に二カ月連続では…、とキース君、意地の悪い笑み。

キース 「あの馬鹿が来ないのは、いいことだ」
シロエ 「ですよね、それだけで気分が上がりますから」
ジョミー「そういえば…。先月は、あの人で上げたっけね」
スウェナ「そうだったわねえ…」

下僕にしたわね、とスウェナちゃんの相槌。

スウェナ「とはいえ、懲りてはいないと思うけど…」
キース 「シールドとエアコン係くらいは、楽勝だしな」
ジョミー「でもさ、文句ブツブツだったしさ…」
シロエ 「かなり気分が良かったですよね、あれは」

機会があったら、またやりたいです、とシロエ君。

シロエ 「誰かさんのサイオンを、上手く使えれば…」
ジョミー「ぼくたちも楽しくやれるもんねえ…」
キース 「まったくだ。馬鹿とハサミは使いようだしな」

是非とも上手く使いたいものだ、とキース君も。

キース 「俺としては、今月は、切実にだ…」
サム  「使いてえ何かがあるのかよ?」
キース 「気が付かないのか、来月はお盆だぞ?」
一同  「「「へ?」」」

お盆だったら何だと言うんだ、と誰もがキョトン。

サム  「お盆って…。棚経は来月だぜ?」
ジョミー「其処で使うんなら、分かるけどさあ…」

暑いもんね、とジョミー君。

ジョミー「エアコン完備で走りたいよね」
サム  「自転車だしなあ…」

サイオンで涼しくして欲しいよな、とサム君の視線が窓へ。

サム  「今から、これだけ暑いとよ…」
ジョミー「地獄だよねえ、絶対に…」
キース 「俺はとっくに地獄なんだが!」

まだ分からんか、とキース君の渋面。
どういう意味だと…?


2021/07/01 (Thu)

 

☆誰でも灼熱地獄


夏休みを控えて、何処に行こうかと生徒会長の家で相談中。
そういう面々なんですけれど、キース君は今が地獄だとか。

サム  「とっくに地獄って言われてもよ…」
ジョミー「暑いのは、誰でも同じだよ?」
シロエ 「此処はエアコン完備ですけど、外はですね…」
スウェナ「灼熱地獄っていうヤツじゃないの!」

夏だから仕方ないんだけれど、とスウェナちゃんの溜息。

スウェナ「これから当分、誰もが地獄を味わう季節よ」
シロエ 「キース先輩に限った話じゃないですよね?」
マツカ 「本当に。年々、暑さが酷くなりますしね」

こればっかりはどうしようも…、と御曹司も。

マツカ 「キースの場合は、仕事着が暑いかもですけど」
サム  「あー…。法衣な、アレは暑いぜ、マジで」
ジョミー「見た目は涼しそうなんだけどね…」

夏のヤツだと生地が透けてるし、とジョミー君。

ジョミー「でもさ、下に着てるヤツが暑くって…」
シロエ 「そうなんですか?」
サム  「考えてみろよ、昔ながらのヤツなんだぜ?」

涼しくなる工夫なんかはねえよ、とサム君、ブツブツ。

サム  「仕立ても、それに生地だってよ…」
ジョミー「汗だくになったら、貼り付くしさ…」

それでも上の衣は涼しげ、とジョミー君の嘆き節。

ジョミー「あっちはダテに透けてないよね」
サム  「貼り付かねえように、ってことかもなあ…」
シロエ 「暑さを感じさせないように、じゃないですか?」

檀家さんとかに、とシロエ君の言。

シロエ 「暑苦しい人が来るよりはですね…」
スウェナ「涼しげな人の方がいいわね、確かに」
マツカ 「着ているキースは地獄でしょうけど…」
キース 「それは確かにあるかもだが…」

俺の地獄はソレじゃない、とキース君の仏頂面。

キース 「お盆の前には、俺は毎年、地獄なんだが?」
シロエ 「ですから、誰だって地獄ですよ」
キース 「暑さじゃない!」

忘れたのか、と眉を吊り上げてますけど。
何が地獄だと…?


2021/07/02 (Fri)

 

☆地獄が分かりません


夏休み間近で、生徒会長宅で何処に行こうか相談中な面々。
外は灼熱地獄ですけど、キース君は違う地獄にいるそうで。

キース 「毎年、今の季節になったら、言ってる筈だが!」
シロエ 「えーっと…? 何でしたっけ?」
マツカ 「お盆が来月というのが、ヒントなんですよね?」
キース 「ヒントも何も、お盆が地獄の原因なんだ!」

もう来月に迫っているしな、とキース君、キレそう。

キース 「しかも日に日に近付いてくるし、更に地獄で!」
スウェナ「お盆は、地獄がお休みなのよね?」
シロエ 「そうらしいですね、だからご先祖様とかが…」
マツカ 「お帰りになるので、棚経ですよね」

それが問題なんでしょうか、と御曹司が傾げる首。

マツカ 「休みに入る前には、仕事が増えるものですし…」
サム  「あー…。駆け込み需要みたいなヤツな?」
マツカ 「そうです、そうです。ですから、お坊さんも…」
シロエ 「忙しいのかもしれませんね…」

だったら地獄も分かりますよ、とシロエ君の相槌。

シロエ 「月参りのお経が長めになるとか、厳しそうです」
ジョミー「ただでも灼熱地獄だもんね…」
サム  「暑い中を回って、拘束時間も長めかよ…」

でもってエアコン、ついてねえのな、とサム君も。

サム  「棚経の時も、ご高齢者にはありがちだしよ」
ジョミー「団扇で扇ぐのが一番だと思ってるんだよね…」

おもてなし精神と敬意は有難いけど、とジョミー君。

ジョミー「こう、恭しく扇ぐよりはさ…」
サム  「やっぱ、一発、エアコンだよなあ…」
ジョミー「扇風機でもいいから、点けて欲しいよね…」
シロエ 「キース先輩、そういう苦労を先取りですか…」

棚経だけでもキツイのに、とシロエ君、同情の眼差し。

シロエ 「大変でしょうけど、月参り、頑張って下さいね」
キース 「月参りじゃない!」
シロエ 「違うんですか?」
キース 「大違いだ!」

よくも綺麗に忘れやがって、と叫んでますけど。
どんな地獄だと?


2021/07/03 (Sat)

 

☆出番が無いアレ


夏休み間近な御一同様、生徒会長宅でお出掛け先の相談中。
ただでも外は暑いというのに、キース君は更に地獄だとか。

シロエ 「忘れやがって、って言われてもですね…」
スウェナ「いったい何があるって言うのよ、月参りの他に」
キース 「お前たちとマツカは、まあ、仕方ないが…」

素人だしな、とキース君、ブツブツ。

キース 「しかしだ、サムとジョミーは許せん!」
サム  「なんだよ、言いがかりってヤツじゃねえかよ」
ジョミー「ホントだよねえ、当たり散らしちゃってさ…」
キース 「僧籍のくせに、忘れるんじゃない!」

来月はお盆だ、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「お前たちも、棚経に回るだろうが!」
ジョミー「そうだけど?」
キース 「思い出さないのか、棚経と言えばだな…!」

其処まで叫んで、アッと口を押さえる人。

キース 「そ、そうか…。棚経で行った先の家には…」
ジョミー「どうかしたわけ?」
キース 「アレは、置かれていないんだった…」

アレの出番は施餓鬼会だった、と副住職が抱える頭。

キース 「つまり、本堂に置きっぱなしで…」
サム  「何の話だよ?」
キース 「俺を地獄に突き落とすヤツだ!」

今も絶賛、地獄なんだが…、と副住職。

キース 「棚経に行っても、アレは見ないか…」
シロエ 「アレって言われてもですね…」
ジョミー「分かんないよね、アレだけではさ」

ちゃんと名前を言わないと、とジョミー君のツッコミ。

ジョミー「おまけに、見たことないヤツなんだし」
シロエ 「まったくです。素人には見当もつきませんよ」
キース 「そうだった…! いや、待てよ?」

ジョミーと素人集団は別だ、と副住職がポンと叩く手。

キース 「お前たちの場合は、アレを毎年、見ているぞ!」
ジョミー「だからさ、アレだと分かんないってば!」
シロエ 「名称でお願い出来ますか?」
キース 「棚経の時なんだが!」

それで思い出せ、とヒントを出されましても。
どうしろと?


2021/07/04 (Sun)

 

☆地獄になるのは


生徒会長宅で夏休みの相談中な、シャン学メンバーですが。
キース君は今が地獄だそうで、地獄の原因が問題でして…。

シロエ 「思い出せって、棚経って何がありましたっけ?」
スウェナ「お仏壇でしょ、此処のは仮設のヤツだけど」
マツカ 「祭壇ですね、それから、花とお供え物と…」

例の仏様の位牌ですよ、とマツカ君が挙げるアイテム。

マツカ 「後は木魚と鐘でしょうか?」
シロエ 「それくらいですよね、あっ、蝋燭とお線香!」
スウェナ「他には、えーっと…。座布団かしら?」
マツカ 「お坊さん用のが要りますよね」

それで全部だと思いますよ、と御曹司。

マツカ 「この中で、キースが地獄になりそうなのは…」
シロエ 「ズバリ、座布団じゃないですか?」
一同  「「「座布団?」」」
シロエ 「先月、話題になってましたよ?」

雨の日の月参りで困る件で…、とシロエ君、流石な記憶力。

シロエ 「濡らしてしまうと申し訳ない、というヤツです」
ジョミー「あー、アレ! そっか、座布団なんだ?」
マツカ 「どう地獄かが、謎ですけどね…」
ジョミー「うーん…。棚経は汗だくになっちゃうし…」

汗で濡れるって話なのかも、とジョミー君、経験者の談。

ジョミー「この暑さだと、月参りでも気になるかもね…」
マツカ 「濡らさないように、気を遣うわけですね?」
シロエ 「家に入る前に、タオルで拭くのが必須ですか…」

それは確かに大変ですよ、と大きく頷くシロエ君。

シロエ 「玄関先のスペースが狭いと、無理ですし…」
ジョミー「だよねえ、玄関の前は道路とかさあ…」
スウェナ「ありがちだわよね、町の中だと」

郊外だったら別だけれど、とスウェナちゃんも。

スウェナ「座布団の苦労ね、キースも大変だわねえ…」
キース 「お前ら、わざとやっていないか!?」
ジョミー「真面目に考えてるってば!」
キース 「座布団は、何処の家にもある!」

限定アイテムではないぞ、と言ってますけど。
じゃあ、何だと?


2021/07/05 (Mon)

 

☆他所では見ないブツ


夏休み直前のシャン学メンバー、生徒会長宅で相談タイム。
何処へ行くかが問題ですけど、キース君は今が地獄だとか。

シロエ 「座布団じゃなくて、此処だけのヤツですか?」
キース 「他の家では見ないヤツだぞ」

さっきから言っているんだが、と副住職の渋面。

キース 「サムは仕方ないとしても、ジョミーはだな…」
シロエ 「何なのか、気付く筈なんですか?」
キース 「目が節穴でなければな、と言いたいんだが…」

節穴かもしれん、と深い溜息。

キース 「元々、やる気がゼロな所へ、厳しい暑さで…」
ジョミー「意識朦朧だよ、節穴とか言う以前にさ!」

流れ作業でこなしてるだけ、とジョミー君の膨れっ面。

ジョミー「家に入ったら、蝋燭とお線香、それだけだよ!」
シロエ 「そういえば、お経も口パクでしたね…」
キース 「未だに覚えないからな…」

そんな輩に期待するだけ無駄だった、と副住職。

キース 「素人集団にも、分からんと来たか…」
シロエ 「すみませんけど、素人ですから…」
マツカ 「棚経のことなんか、分かりませんよね…」

他所のお宅とどう違うのか、と御曹司も。

マツカ 「此処は、キースが指摘する方が早いですよ」
シロエ 「そうです、無駄なストレスも溜まりませんしね」
キース 「そのようだ。…俺が言うのは、卒塔婆なんだが」
一同  「「「卒塔婆?」」」

アレか、と誰もが見合わせる顔。

シロエ 「えっと…。アレって、此処だけですか?」
キース 「本来、施餓鬼会で供養するものだしな」

本堂に置いておくものだ、と副住職。

キース 「しかし、あの仏様のは置けないし…」
サム  「あー…。アドス和尚にバレるもんなあ…」

院殿号を出しちまったのが、とサム君、納得した様子。

サム  「そういや、棚経に行った先では見ねえな」
キース 「此処まで言えば分かるだろう?」
シロエ 「キース先輩の地獄ですか?」

何でしたっけ、とシロエ君が傾げる首。
分かりますかねえ?


2021/07/06 (Tue)

 

☆ストレスなのかも


夏休み間近なシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先相談。
けれどキース君は今が地獄で、毎年の話らしいですけど…。

シロエ 「卒塔婆で地獄って、皆さん、分かりますか?」
マツカ 「アドス和尚にバレると怖い件でしょうか?」
スウェナ「それなら、バレなきゃ大丈夫でしょ?」

どうせ本堂には置かないんだし、とスウェナちゃん。

スウェナ「バレたら、大惨事だとは思うけど…」
シロエ 「そうでなければ、特に問題は無さそうですよ」
ジョミー「地獄ってほどじゃないよね、うん」
マツカ 「いえ、ストレスかもしれません」

バレるのでは、という恐怖がストレスに、と御曹司の指摘。

マツカ 「ストレスは馬鹿に出来ませんしね…」
サム  「あー…。胃がキリキリと痛むとかかよ」
シロエ 「頭痛や吐き気もあるみたいですよ」
ジョミー「うわー…。それは確かに地獄かもね…」

ただでも暑くて辛いのにさ、とジョミー君が竦める肩。

ジョミー「だけど卒塔婆は、書かないわけには…」
シロエ 「いかないですよね、お盆ですから」
マツカ 「本当に。キース、身体を大事にして下さいね」
ぶるぅ 「んとんと…。何か差し入れ、した方がいい?」

栄養がついて胃に優しいモノ、と気が利くお子様。

ぶるぅ 「何がいいかな、ウナギは味が濃いかもだし…」
マツカ 「ニンニクとかもキツイですしね…」
シロエ 「栄養ドリンクが一番じゃないですか?」

美味しいわけじゃないですけどね、とシロエ君の提案。

シロエ 「とはいえ、効き目は抜群ですから」
ぶるぅ 「でもでも、それって、ストレスに効く?」

頑張る時に飲むんじゃないの、と素朴な疑問が。

ぶるぅ 「キースにあげても、意味がないかも…」
キース 「俺としてはだ、欲しいくらいの勢いだが?」
シロエ 「ストレスで胃が痛いのに、ですか?」
キース 「誰もストレスとは言っていないが!」
一同  「「「えっ?」」」

じゃあ何なんだ、と誰もが見合わせる顔。
地獄って…?


2021/07/07 (Wed)

 

☆地獄と言えばコレ


夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅に集う休日。
お出掛け先の相談ですけど、今は地獄なのがキース君で…。

シロエ 「ストレスじゃない、って…。地獄ですよね?」
キース 「その通りだが?」
ジョミー「じゃあ、何なのさ、その地獄って?」
キース 「お前たち、絶対、わざとだとしか思えんぞ!」

これだけ言っても分からんのか、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「特にジョミーだ、卒塔婆の話をしただろうが!」
ジョミー「うん、書かないとヤバイよね?」

例の仏様のは激ヤバだけど、とジョミー君、肩をブルッと。

ジョミー「アドス和尚にバレたら怖いし、でも、アレを…」
シロエ 「スルーした場合、誰かさんがですね…」
スウェナ「もう、思いっ切り、怖いわよねえ…」

祟りどころの話じゃないわ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「何が起こるか、想像する気も起こらないわよ」
シロエ 「まったくです。アレ、忘れないで下さいよ?」

きちんと書いて下さいね、とシロエ君の注文が。

シロエ 「卒塔婆だらけで大変でしょうが、アレは必ず!」
サム  「うんうん、最優先でもいいくらいだぜ」
マツカ 「ぼくからも、よろしくお願いしますね」
キース 「やっぱり、お前ら、わざとだろうが!」

ちゃんと分かっているくせに、とキース君、ブチ切れ。

キース 「俺の地獄は、まさにソレだぞ!」
シロエ 「…あの仏様の卒塔婆ですか?」
キース 「まだ言うか!」

地獄は卒塔婆書きそのものなんだ、と拳を握る副住職。

キース 「毎年、毎年、ノルマに追われて、生き地獄で…」
一同  「「「あー…」」」

そうだったっけ、と一同、納得。

シロエ 「まだ慣れないんですか、キース先輩?」
マツカ 「もっと早くから、計画的に書けばどうです?」
キース 「そうはいかないのが、坊主の世界のお約束だ!」
ブルー 「そうなんだよねえ、こればっかりは…」

坊さんあるあるの世界なんだよ、と生徒会長も。
卒塔婆書き地獄…。


2021/07/08 (Thu)

 

☆早めに書けない理由


夏休み間近なシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先相談。
けれどキース君は地獄の住人、地獄の正体は卒塔婆書きで。

シロエ 「どうして早くから書けないんですか?」
ジョミー「だよねえ、いくら坊さんあるあるでもさ…」
スウェナ「マツカが言う通り、早めにやれば間に合うわよ」

どうして直前に書いてるわけ、とスウェナちゃんの問い。

スウェナ「ノルマがあるなら、数は分かるでしょ?」
マツカ 「ぼくも、そう思って言ったんですけど…」
サム  「早めに書いても、値打ちは下がらねえだろ?」

早期割引とかはねえよな、とサム君も。

サム  「業者に出してるわけじゃねえしよ…」
ジョミー「そういうのがあるなら、マズそうだけどね」
マツカ 「お中元とかだと、早くに頼むと割引ですけど…」

卒塔婆には当てはまらないでしょう、と御曹司。

マツカ 「なのに、どうしてダメなんです?」
キース 「業者と言うか、供給と言うか…」
一同  「「「は?」」」
キース 「卒塔婆の流通が問題なんだ!」

卒塔婆が無いと書けないだろうが、と副住職の渋面。

キース 「手元に届く時期というのが…」
ブルー 「あるんだよねえ、お盆は全国共通だから」

業者も、それに合わせて納入、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「注文は早めに取り纏めるけど、お届けの方は…」
キース 「毎年、決まったシーズンになるな」

数日くらいは前後するが、と副住職の深い溜息。

キース 「纏め買いしないと、値段が馬鹿にならないし…」
マツカ 「それなら、仕方ないですね」
キース 「なにしろ、輸入品だしな…」
一同  「「「輸入品?」」」

何が、と一同、ポカーンとした顔。

ジョミー「輸入品って、まさか卒塔婆じゃないよね?」
キース 「今は卒塔婆の話だろうが!」
シロエ 「あれって、輸入品ですか!?」
キース 「完成品で入って来るぞ」
一同  「「「ええ…」」」

国産品じゃなかったのか、と誰もが仰天。
輸入ですって…?


2021/07/09 (Fri)

 

☆リッチなお寺なら


夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅で相談な今。
行き先検討中ですけれど、キース君は卒塔婆地獄だそうで。

シロエ 「あのですね…。完成品って、どの辺がですか?」
キース 「卒塔婆の形ということだが?」
ジョミー「えっと…。いつも見ている、あの形なわけ?」
キース 「そういうことだな、卒塔婆だから」

届いた後は、書くだけでいい、と副住職。

キース 「そこまで仕上げて来るわけなんだし…」
ブルー 「大量に必要なお盆前には、作る方もね…」

多忙なんだよ、と生徒会長、いえ、銀青様も。

ブルー 「いわゆる、繁忙期というヤツでさ」
キース 「それに合わせて輸出するから、どうにも出来ん」

早めに買うなら割高なんだ、とキース君、ブツブツ。

キース 「だから何処でも、お盆の前に地獄なわけだ」
シロエ 「早めに買えるのは、リッチなお寺だけですか…」
ブルー 「違うね、リッチでも事情は同じだよ」
キース 「違うのは、人手が潤沢にあってだな…」

卒塔婆書きを丸投げ出来るところだ、と副住職の嘆き節。

キース 「人件費までは出せん、という寺でも…」
ブルー 「卒塔婆プリンターを買うっていう手がね…」
サム  「世の中、やっぱり金なのかよ?」
シロエ 「地獄の沙汰だけじゃないみたいですね…」

まあ、この場合も地獄ですけど、とシロエ君。

シロエ 「卒塔婆地獄を回避するには、お金ですか…」
キース 「俺の場合は、親父が大いに問題だがな」

卒塔婆プリンターくらいは買えるんだぞ、と副住職の言。

キース 「親父がパルテノンで遊ぶ金の一部があれば」
シロエ 「ケチなんですね?」
キース 「それに頑固なんだ!」

俺を使えばいいと思ってやがる、と叫んで、ハッと。

キース 「待てよ、使うと言えばだな…」
シロエ 「どうかしましたか?」
キース 「さっきの話だ、先月、便利に使った件だ」
シロエ 「何でしたっけ?」

便利に使ったって…、とシロエ君が傾げる首。
何の話…?


2021/07/10 (Sat)

 

☆借りればオッケー


夏休み間近なシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先相談。
けれどキース君は地獄の住人、お盆を控えて卒塔婆書きで。

シロエ 「キース先輩、何の話です?」
キース 「あの馬鹿のことだ、バーベキューの時にだな…」
ジョミー「そうそう、エアコン係だっけね!」

大雨の屋上でカラッと除湿、とジョミー君。

ジョミー「シールドで雨を遮断しちゃって、クーラーも!」
シロエ 「ナントカとハサミは使いよう、でしたね!」
キース 「ソレだ、あの馬鹿を上手く使えれば…」
サム  「卒塔婆書きが楽になるのかよ?」

サイオンで卒塔婆プリンターとか、とサム君の問い。

サム  「何処かから、コッソリ拝借とかよ…」
シロエ 「夜の間とかなら、大丈夫な気がしますよね」
スウェナ「でも、消耗品はどうするのよ?」

プリンターにはインクが必須、とスウェナちゃんの指摘。

スウェナ「電力の方は、上手く誤魔化せたって…」
シロエ 「インク代が馬鹿になりませんよね…」

キース先輩の懐を直撃しそうです、とシロエ君も。

シロエ 「盗むってわけにもいきませんし…」
ジョミー「プリンターの音は、どうなのかな?」
サム  「あー…。アドス和尚にバレそうだよなあ…」

夜中は外も静かだしよ、とサム君、心配そうな顔。

サム  「キースの部屋は、防音じゃねえし…」
キース 「恐らく、音でバレるだろうな」
ジョミー「ダメそうだよね、プリンター…」
マツカ 「待って下さい、消耗品と音ですよね?」

それに電気代、と御曹司。

マツカ 「ぼくの家なら、いけますけど」
一同  「「「は?」」」
マツカ 「空いている部屋なら、ありますし…」

電気代とインク代も任せて下さい、と頼もしい申し出。

マツカ 「もう何本でも、刷って頂けますけれど?」
シロエ 「最高じゃないですか、キース先輩!」
ジョミー「これで卒塔婆は解決だよ!」
キース 「有難いんだが…」

その手は使えそうにない、と副住職の深い溜息。
何か問題が…?


2021/07/11 (Sun)

 

☆筆跡でバレます


夏休みを控えたシャン学メンバー、生徒会長宅に集う休日。
行き先相談だったんですけど、キース君の地獄の話から…。

シロエ 「使えないって…。何処がダメなんです?」
サム  「場所も費用も、マツカで解決するじゃねえかよ」
キース 「それはいいんだが、プリンターは機械だぞ?」
シロエ 「機械ですけど、それがどうかしましたか?」

使い方が分からないとか…、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「マニュアルなら、今どき、ネットでですね…」
ジョミー「見ればいいだけの話じゃないの?」
サム  「うんうん、仕様書とか、今はそうだしよ…」

型番を入れりゃ一発だろ、とサム君も。

サム  「それを見て、やればいいじゃねえかよ」
キース 「使い方じゃなくて、筆跡だ!」
一同  「「「筆跡?」」」
キース 「機械なんだぞ、フォントはあっても…」

筆跡が全く同じじゃないか、と副住職。

キース 「ついでに、俺の字にもならんし…」
マツカ 「アドス和尚にバレるんですね、印刷なのが…」
キース 「どう考えても、バレるだろうが!」

バレたら確実に殺されるぞ、とキース君、ガクブル。

キース 「あの馬鹿が、プリンターを拝借出来ても…」
ジョミー「バレたら、キースの命が無いよね…」
??? 「そうでもないと思うけど?」

お邪魔するよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「ぼくを上手に使いたい、って?」
キース 「い、いや、それは言葉の綾で…!」

そうしようとは思っていない、と顔面蒼白なキース君。

キース 「ぶるぅ、お茶でもお持ちしてくれ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お菓子もだね!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」

それに比べてキースと来たら…、とソルジャーが竦める肩。

Aブルー「舐めて貰っちゃ困るね、ぼくを!」
キース 「はあ…?」
Aブルー「要は、バレなきゃいいってコトだろ?」

アドス和尚に…、と言ってますけど。
何か方法があるとでも?


2021/07/12 (Mon)

 

☆照れてるんです


夏休み間近なシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先相談。
けれどキース君は卒塔婆書きで地獄、其処へソルジャーが。

キース 「親父にバレないって…。あんた、出来るのか?」
Aブルー「ぼくを誰だと思っているのさ、君は」

まさか、本気で馬鹿だとでも…、とソルジャー、ジロリと。

Aブルー「いつも言ってるしね、あの馬鹿、ってさ」
キース 「そ、それは…!」
Aブルー「本気なのかな?」

ちょっと詳しく聞かせて欲しいね、と赤い瞳に不穏な光が。

Aブルー「前から気になっていたんだよねえ、君の本音は」
キース 「い、いや、あれは、言葉の…!」
Aブルー「綾って言うには、多すぎないかい?」

お約束と化している気が、とソルジャーのツッコミ。

Aブルー「いつ聞いたって、あの馬鹿、だしね!」
キース 「だ、だから…。枕詞というヤツだ!」
Aブルー「えっ?」

何だい、それは、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「枕投げなら知っているけど、言葉って…?」
シロエ 「分かりやすく言えば、一種の定型文ですね」
Aブルー「定型文?」
シロエ 「冠詞と言うか、決まった言葉につけるんです」

今どき、流行らないんですけど、とシロエ君の助け舟。

シロエ 「それが出て来たら、続きの単語は決定ですね」
Aブルー「ふうん…? じゃあ、あの馬鹿と言えば…」
シロエ 「あなたのことだ、と分かる仕組みです!」

悪意は全く無いんですよ、とシロエ君。

シロエ 「直接、名前を口にするのは、恐れ多いですし…」
キース 「そういうことだ、実は、あんたを…」
Aブルー「敬ってる、って?」
キース 「敬いたいが、照れているんだと思ってくれ!」

そういうケースは多いだろうが、とキース君も必死。

キース 「こう、偉大なる、とか、つけたくても、だ…」
Aブルー「恥ずかしくて、あの馬鹿になる、と?」
キース 「そうなんだ!」
Aブルー「なるほどねえ…」

悪くないかな、とソルジャー、納得した様子。
セーフ…。


2021/07/13 (Tue)

 

☆バレない方法は


夏休みが近いシャン学メンバー、生徒会長宅で行き先計画。
けれどキース君は卒塔婆書きで地獄、ソルジャーも来て…。

Aブルー「あの馬鹿って、一種の誉め言葉なんだ?」
キース 「そんな感じだ、脳内で適当に置き換えてくれ!」

偉大なるとか、比類なきとか…、とキース君。

キース 「俺が自分で言うのは無理だし、そっちで頼む」
Aブルー「だったら、超絶美形がいいかなあ…」

なんと言ってもホントのことだし、とソルジャーの笑み。

Aブルー「こんな美形は、そうそういないよ」
キース 「なら、そうしてくれ。ときに、さっきの…」

親父にバレない話なんだが、とキース君、副住職モード。

キース 「あんたには、それが出来るんだな?」
Aブルー「もちろんだよ! 実に簡単なことだしね!」
キース 「どうやるんだ?」
Aブルー「サイオンを使って、アドス和尚にさ…」

ちょっと干渉すればいいだけ、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「この卒塔婆はキースが書いたんだ、ってね!」
キース 「よく分からんのだが…?」
Aブルー「同じ筆跡になってバレる、って話だろう?」
キース 「その通りだが…」

なにしろプリンターだから…、と副住職の深い溜息。

キース 「あんたの世界はどうか知らんが、こっちでは…」
シロエ 「機械任せじゃ、筆跡は変えられないんですよ」
Aブルー「それでバレるというわけだよね?」

だったら、ぼくには楽勝だってば、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「キースが印刷させた文字をさ…」
キース 「どうするつもりだ?」
Aブルー「ズバリ、コレがキースの筆跡だ、とね!」

アドス和尚に刷り込むだけ、と立てる親指。

Aブルー「そうしておいたら、もう絶対にバレないよ!」
シロエ 「あー…。キース先輩の字ですもんねえ…」
サム  「綺麗に揃った、いい字になるよな」
Aブルー「楽勝だろう?」
キース 「いや、それはマズイ」

大いにマズイ、とキース君、苦い顔付き。
何処がダメだと…?


2021/07/14 (Wed)

 

☆プリンターはマズイ


夏休み間近なシャン学メンバー、生徒会長宅に来てますが。
キース君は卒塔婆地獄の住人、ソルジャーまでが登場で…。

Aブルー「マズイって、何処がマズイのさ?」
シロエ 「完璧だと思いますけどね?」
サム  「アレかよ、謝礼の問題なのかよ?」

サイオンで細工して貰う分の…、とサム君の問い。

サム  「確かに、高くつきそうだけどよ…」
Aブルー「その点だったら、今回に限り、タダだけど?」
ジョミー「上手く使う、って話だったからかな?」
Aブルー「違うよ、人質がいるからだよ!」

流石のぼくも、人質がいては…、とソルジャー、溜息。

Aブルー「タダ働きでも、何も文句は言えないってば!」
シロエ 「…人質って、誰かいましたっけ?」
サム  「知らねえけど?」
スウェナ「第一、二人しかいないわよ?」

ぶるぅとキャプテン、とスウェナちゃんの言。

スウェナ「どっちも、此処には来てないじゃないの」
キース 「俺も、人質を取った覚えは無いが?」
Aブルー「そりゃ無いだろうね、これからだしね!」
キース 「これから?」

俺はそんなに凶悪じゃない、とキース君、心外な様子。

キース 「言いがかりは、やめて貰いたい!」
Aブルー「でもねえ…。卒塔婆を書いて貰えないとさ…」

真面目に困る、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「棚経のために、心をこめて!」
一同  「「「あー…」」」

スッポンタケの卒塔婆のことか、と誰もが納得。

シロエ 「例の仏様には、手書きですか?」
Aブルー「当然だよ、プリンターはダメ!」
キース 「いや、プリンターは…」

さっきも言ったがマズイんだ、と副住職の渋面。

キース 「いいか、プリンターは市販品でだ…」
シロエ 「そうでしょうねえ…」

特注品ではないでしょうね、と頷くシロエ君。

シロエ 「でも、それが何か…?」
キース 「他の寺にも、同じ筆跡のがあるってことだ!」

俺が書いた筈の卒塔婆がな、と言ってますけど。
それは確かに…。


2021/07/15 (Thu)




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☆芋煮が分かりません


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分も下がりがちなもの。
けれどイベントがあればオッケー、そんな人種もいる現実。

Aブルー「お祭り野郎なら、ぼくにも理解出来るけど…」
キース 「芋煮並みというのは、理解不能だ、と?」
Aブルー「そもそも、例えからして謎だよ!」

芋煮だなんて言われても、とソルジャー、困った様子。

Aブルー「芋煮って言ったら、芋煮だよねえ?」
キース 「その通りだが?」
Aブルー「つまりアレかな、ぼくが芋だと言いたいのかな」

垢ぬけなくて、とてもダサいと…、とソルジャーのジト目。

Aブルー「そうだと言うなら、君の目は立派な節穴だよ!」
キース 「はあ?」
Aブルー「いいかい、ぼくは超絶美形と評判で!」

ぼくのシャングリラでもモテるんだよね、と胸を張る人。

Aブルー「それを捕まえて芋だなんてさ、どう考えても…」
シロエ 「失礼すぎる、と言いたいんですね?」
Aブルー「君だって、そう思わないかい?」

キースの目は役に立っていないと、とソルジャーの文句。

Aブルー「まずは鏡を見るべきだよね!」
キース 「鏡だって?」
Aブルー「君の顔だよ、ぼくを芋だと言えるとでも?」

ぼくが芋なら、君は何さ、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「芋よりダサい野菜だってば、もう絶対に!」
キース 「なんでそうなる!」
Aブルー「芋煮呼ばわりしたからね!」

超絶美形に向かってさ、とキレるソルジャー。

Aブルー「しかも、否定もしなかったし!」
キース 「あんたは、芋煮を間違えている!」

ついでに俺の言葉の意味も、とキース君の反撃が。

キース 「芋煮は、そもそもイベントでだな…!」
Aブルー「えっと…?」

料理の名前じゃないのかな、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「てっきり、料理だと思ったんだけど…?」
キース 「いや、その部分は合っている」
Aブルー「じゃあ、イベントって…?」

何のことさ、と怪訝そうですけれど。
まあ、そうですよね…?


2021/06/16 (Wed)

 

☆イベントな料理


梅雨の季節は雨がシトシト、どうしても気分が下がりがち。
けれどイベントさえあればオッケー、そんな人たちも存在。

Aブルー「料理なのにイベントって、謎なんだけど?」
キース 「そう思うのか?」
Aブルー「だって、料理は料理なんだし…」

イベントとは違うと思うんだけど、とソルジャーの疑問。

Aブルー「料理付きのイベントなら、分かるんだけどね」
シロエ 「お花見とか、紅葉見物とかでしょうか?」
Aブルー「そう、ソレ、ソレ! マツカの別荘のヤツ!」

あれは立派なイベントだよね、と頷くソルジャー。

Aブルー「だけど、イベントな料理というのは…」
キース 「あんたも経験済みの筈だが?」
Aブルー「芋煮なんかは知らないってば!」
キース 「いや、芋煮ではなくてだな…」

別の料理だ、とキース君。

キース 「バーベキューに行ったと記憶しているが?」
Aブルー「あー! そういえば、みんなでお出掛けして…」

肉や野菜を焼いていたっけ、とソルジャー、手をポンと。

Aブルー「なるほど、あれも楽しかったし…」
キース 「イベントだったと思うんだがな?」
Aブルー「確かにね。…だったら、芋煮は何なわけ?」

言葉からして、芋の料理みたいだけれど、と質問が。

Aブルー「なんだか地味だよ、芋煮と言えばさ…」
ジョミー「イメージ、芋の煮っ転がしとか?」
Aブルー「そうなるんだけど…」

でなきゃ肉じゃが、とソルジャーが挙げる芋料理。

Aブルー「ときめかないよね、そんな芋料理はさ」
サム  「んじゃ、どんなのなら、ときめくんだよ?」
Aブルー「じゃがバタとか、フライドポテトとか!」

ポテトチップスというのもいいね、と羅列する人。

Aブルー「和風は駄目だよ、揚げるとかがさ…」
ジョミー「そうかな、芋煮は和風だけど?」
Aブルー「和風で、イベント?」
キース 「盛り上がる人も多いらしいぞ」
Aブルー「ええ…?」

芋の煮っ転がしでかい、と不思議そうですけど。
それは確かに…。


2021/06/17 (Thu)

 

☆煮っ転がしに非ず


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分が下がりますけれど。
其処でイベントがあればオッケー、そういう人もいる現実。

Aブルー「芋の煮っ転がしなんて、料理としてもさ…」
ジョミー「そりゃ地味だけどさ、芋煮はさ…」
キース 「そもそも、芋の煮っ転がしではないからな」
Aブルー「違うって?」

だけど、芋煮は芋煮だろう、とソルジャーの反論。

Aブルー「どう頑張っても、肉じゃがみたいな…」
キース 「いや、芋を煮るのは確かだが…」
サム  「芋煮には、鍋がお約束だぜ?」

なんたって、鍋料理なんだからよ、とサム君、キッパリ。

サム  「鍋と薪が芋煮の命で、これがねえとよ…」
キース 「始まらないという話なんだが?」

ついでに川も必要らしい、とキース君。

キース 「芋煮をするには、川がないと、という話だ」
Aブルー「川って、水が流れてるアレ?」

なんで川さ、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「鍋って言うから、水を汲むとか?」
サム  「そうじゃなくって、河原ってトコがよ…」
キース 「芋煮に必須の場所なんだそうだ」

だから雨でも川に行くんだ、とキース君の解説。

キース 「俺もサムに聞くまで、知らなかったんだがな」
Aブルー「雨って、まさか、濡れながらとか?」
キース 「濡れないように、場所取りしてだな…」
サム  「デカイ橋の下を狙うらしいぜ」

そこまでやるのが芋煮ってヤツな、とサム君、知識を披露。

サム  「つまりよ、キースが言ってた、芋煮並みはよ…」
キース 「その勢いでイベント好きだ、という意味だ!」

あんたのことだ、とキース君、指をビシイ! と。

キース 「限定イベントと聞いて、来るほどだしな!」
Aブルー「なるほどねえ…」

雨でもやるんだ、とソルジャーが顎に当てる手。

Aブルー「雨なら、今も降ってるけど?」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「芋煮でなくてもいいけどさ…」

何かイベント料理がいいな、と言い出した人。
雨ですけど…?


2021/06/18 (Fri)

 

☆橋の下は嫌だ


梅雨の季節は雨がシトシト、気分が下がりがちですけれど。
イベントがあれば雨でもオッケー、そんな人もいる世の中。

Aブルー「芋煮だったら、雨でもやっちゃうわけだろう?」
キース 「そうだが、あんた、まさか、芋煮を…」
シロエ 「外でやるとか、そんな話じゃないでしょうね?」
Aブルー「ピンポーン! せっかく降ってるんだしさ!」

何かやらずにどうするのさ、とソルジャー、親指をグッと。

Aブルー「芋煮も面白そうだよねえ…。鍋と薪だって?」
サム  「その二つは、必須アイテムだけどよ…」
Aブルー「でもって、河原なんだよね?」
キース 「雨なら、橋の下なんだぞ!」

橋の下の何処が楽しいんだ、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「ついでに言うなら、急な増水の危険があるしな」
サム  「うんうん、芋煮のヤツらは気にしてねえけど…」
シロエ 「上流で大雨が降ったりすると、怖いんですよ」

いきなり河原が浸かりますしね、とシロエ君も。

シロエ 「河原のお祭り会場が沈むこともありますし…」
ジョミー「あれって、夕立あるあるだよねえ…」
Aブルー「夕立は、夏には普通だろう?」
キース 「そういう雨でも、河原はヤバイということだ」

橋の下なんぞ、御免蒙る、とキース君、肩をブルッと。

キース 「やりたいなら、一人でやってくれ!」
Aブルー「一人じゃ、つまらないってば!」
ジョミー「だけど真面目に、梅雨の河原は危ないしさ…」
スウェナ「私たちは遠慮したいわよねえ…」

川流れなんて嫌だわよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「しかもニュースで、全国区でしょ?」
シロエ 「馬鹿な高校生たちが、ってヤツですよね…」

定番はバーベキューですけれど、とシロエ君。

シロエ 「流された上に、ネットで叩かれるんですよ」
Aブルー「うーん…。じゃあ、鍋と薪っていうのは?」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「芋煮のヤツだよ!」

どんな感じの料理かな、と質問ですけど。
芋煮がいい、と?


2021/06/19 (Sat)

 

☆火力の問題です


雨がシトシトな梅雨のシーズン、誰しも気分が下がるもの。
けれどイベントがあればオッケー、そんな人種もいる事実。

Aブルー「河原はともかく、鍋と薪が必須なんだろう?」
サム  「まあ、それが無くっちゃ始まらねえよな」
Aブルー「薪ってことは、かなり本格的だよね?」

バーベキューだと、カセットコンロも、と言うソルジャー。

Aブルー「でなきゃ炭火で、薪は使わないような気が…」
ぶるぅ 「んとんと、火力の問題だと思うの!」
Aブルー「火力って?」
ぶるぅ 「薪でやったら、思い切り直火になっちゃって…」

炭火みたいにはいかないよね、と家事万能なお子様の意見。

ぶるぅ 「アッと言う間に真っ黒焦げだよ、素人さんだと」
ジョミー「あー! ホントだ、火加減、大変そうだよ!」
シロエ 「そうですね…。炭火と違って難しそうです」
キース 「炭は、一気に燃え上がることはないからな…」

着火剤を撒いた場合は別だが、とキース君も。

キース 「アレは怖いらしいな、爆発的に燃えたりして」
シロエ 「よく事故ってる気がしますよね」
Aブルー「なるほどねえ…。だったら、芋煮は安全だと?」

薪でやっても、とソルジャーの質問。

Aブルー「それとも、プロでなければダメとか?」
サム  「芋煮は、普通、素人さんだぜ?」
キース 「長年やっている間にだ、キャリアは積めても…」
シロエ 「プロ認定とかは、無いと思いますよ」

そもそも聞きませんからね、とシロエ君。

シロエ 「芋煮名人とか、そんな称号は知りませんし…」
ジョミー「適当にやってるだけだと思うよ」
Aブルー「でも、薪だろう?」

火加減が難しいと言ったよね、とソルジャーが捻る首。

Aブルー「バーベキューと同じで、素人なのにさ…」
ぶるぅ 「えっとね、芋煮は、お鍋だから…」
シロエ 「ワンクッション入るわけですよ」
Aブルー「それで鍋なんだね、芋をグツグツ煮るのかな?」

地味そうだねえ、と言ってますけど。
まあ、正しいかと…。


2021/06/20 (Sun)

 

☆地味なのが敗因


梅雨の季節は雨がシトシト、気分の方も下がりがちなもの。
けれどイベントで上がる人種も、世の中、存在するわけで。

Aブルー「芋を煮込んで、何処が楽しいわけ?」
サム  「そりゃまあ、みんなで鍋を囲んでよ…」
シロエ 「グツグツやるのは、楽しいと思いますけどね?」

芋だろうが、とシロエ君。

シロエ 「とはいえ、地味には違いないですし…」
キース 「全国区にはならないわけだな、芋煮の場合は」

バーベキューのようにはいかん、とキース君の相槌。

キース 「ジンギスカンでも全国区だが、芋煮は無理だ」
ジョミー「地方限定イベントだよねえ…」
スウェナ「あの辺りだけで、盛り上がるのよね…」

バラエティーは豊からしいけど、とスウェナちゃん。

スウェナ「これが芋煮、っていうレシピ、無いんでしょ?」
Aブルー「そうなのかい?」
マツカ 「ええ。里芋は定番らしいですけど…」
シロエ 「味付けも具材も、決まっていないそうですよ」

醤油味から味噌味まで、とシロエ君たち。

シロエ 「とにかく里芋、ただそれだけです」
ジョミー「その辺が敗因なのかもねえ…」
キース 「全国制覇には、セールスポイントが必要だしな」

誰でも作れて、しかも美味いという、とキース君も同意。

キース 「基本のレシピも無いようではなあ…」
Aブルー「ホントに地味だね、その芋煮って」

地方ローカル止まりだなんて、とソルジャーも呆れ顔。

Aブルー「だけど、現地じゃ、盛り上がるんだし…」
キース 「芋煮をしたい、と言うのか、あんた?」
Aブルー「せっかく、雨も降ってるからねえ…」

とはいえ、地味な芋鍋はちょっと、と考え込む人。

Aブルー「それに河原も却下されたし、他に何かさ…」
ブルー 「雨の中でやるんじゃないだろうね?」
Aブルー「何を言うのさ、当然、雨の中だろう!」
一同  「「「ええっ!?」」」
Aブルー「それでこそだよ!」

雨を楽しまなくっちゃね、とソルジャー、キッパリ。
外で…?


2021/06/21 (Mon)

 

☆シールドがあれば


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分も下がりますけれど。
上げたい人種にはイベントらしくて、ソルジャーが乗り気。

シロエ 「雨の中って、無理がありすぎるんですけど!」
Aブルー「だって、気分を上げたいんだろう、君たちも?」
キース 「俺は月参りの心構えを、改めねばならんが…」

雨の中でもイベントだしな、とキース君、副住職モード。

キース 「心待ちにしておられる、檀家さんのためにも…」
サム  「文句を言ったらダメだけれどよ…」
キース 「それと芋煮は、全く別の話だし…」
シロエ 「ぶるぅの御馳走があれば、充分ですよね」

雨の中で何かしなくても、とシロエ君も。

シロエ 「やりやかったら、お一人でどうぞ」
サム  「うんうん、材料は、ぶるぅが揃えてくれるぜ」
Aブルー「そんなの、楽しくないからね!」

君たちも一緒に楽しもうよ、とソルジャー、譲らず。

Aブルー「シールドさえあれば、何処でもオッケー!」
キース 「他人様の目があるだろうが!」
Aブルー「だったら、此処の屋上はどう?」

住んでるのは仲間ばっかりだしね、と指差す天井。

Aブルー「誰も気にしないよ、シールドしてても!」
シロエ 「あのですね…。思い切り本降りですけれど?」
Aブルー「其処がいいんだよ、土砂降りとかね!」

河原だったら流される人もいるんだろう、と弾ける笑顔。

Aブルー「その点、屋上なら安心だから!」
キース 「バーベキューをやるつもりなのか?」
Aブルー「それが全国区らしいしね!」

地味な芋煮よりバーベキューだよ、とソルジャーの言。

Aブルー「ついでに、鉄板焼き風で!」
一同  「「「は?」」」

鉄板焼きとは、と一同、キョトン。

ジョミー「鉄板焼きって、ホテルとかのアレ?」
Aブルー「そう! いい肉とかを揃えてね!」
シロエ 「バーベキューの豪華版ですか?」
Aブルー「うんとリッチにやるのはどうかな?」

盛り上がりそうだと思うけどね、と提案が。
豪華版ですか…。


2021/06/22 (Tue)

 

☆薪でやりたい人


梅雨の季節は雨がシトシト、気分の方も下がりがちな面々。
其処へ来たソルジャー、イベントで盛り上げたい人でして。

Aブルー「豪華版なら、気分も上がると思うけれどね!」
シロエ 「雨の中、シールドを張っても、ですか…?」
Aブルー「橋の下でやる方がいいなら、それでもいいよ?」
シロエ 「要りませんから!」

橋の下は絶対、お断りです、とシロエ君、ガクブル。

シロエ 「それくらいなら、屋上の方がマシですよ!」
Aブルー「じゃあ、屋上で!」

鉄板焼きで楽しもうよ、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「鉄板があれば、他にも色々出来そうだしね!」
ジョミー「あー…。焼きそばとか、お好み焼きとか…」
サム  「なんかいいよな、そういうのもよ」
スウェナ「サイドメニューは、B級グルメってわけね?」

ちょっと面白そうじゃないの、とスウェナちゃんも。

スウェナ「やってみる価値ありそうだわよ、雨の中でも」
Aブルー「ほらね、気分が上がるよ、これは!」

ついでに薪でやってみようか、とソルジャーの提案。

Aブルー「芋煮は薪が必須らしいし、ぼくたちも!」
キース 「いや、しかし…。バーベキューに薪はだな…」
シロエ 「向いてませんよ、さっきも、そういう話で…」
ジョミー「火力に問題があるんだからさ…」

豪華な食材も焦げたら終わり、とジョミー君。

ジョミー「炭でやろうよ、その方がいいって!」
Aブルー「えーっ? ぶるぅは、どう?」
ぶるぅ 「んとんと…。薪でやる人もいるんだけど…」
ブルー 「素人向けではないってね!」

薪でバーベキューは難しいんだよ、と生徒会長も。

ブルー 「責任を持って火の番をするなら、別だけれどさ」
Aブルー「誰がだい?」
ブルー 「もちろん、君だね!」

言い出しっぺが面倒を見るべき、と指をビシィ! と。

ブルー 「それでいいなら、薪でオッケー!」
一同  「「「イイネ!」」」

薪でやるのも楽しそうだ、と盛り上がってますけど。
火の番は…?


2021/06/23 (Wed)

 

☆下働きは嫌な人


雨がシトシトな梅雨のシーズン、下がってしまうのが気分。
それをイベントで上げたいソルジャー、鉄板焼きを提案で。

Aブルー「えっと…。火の番って、ぼくが?」
ブルー 「そうだけど?」

君以外の誰がやるというのさ、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「言い出しっぺがやってこそだよ、薪なんだし!」
Aブルー「そう言われても…。どうやるのさ、ソレ?」
ぶるぅ 「んとんと、鉄板にね、均等に熱が来るように…」
ブルー 「薪の燃え方を加減するんだよ、頑張りたまえ!」

まずは組み方が大事らしいね、と生徒会長の言。

ブルー 「ただ積んだだけじゃ、偏るからねえ…」
Aブルー「ちょっと待ってよ、ぼくが薪を積むのかい?」
ブルー 「決まってるだろう、後から足すのも君だよ!」

燃え方を見ながら薪を足して…、と大真面目。

ブルー 「食材は他のみんなで焼くから、君は火の番!」
Aブルー「火の番だけ!?」
ブルー 「大丈夫、食べる時間はある筈だしね」

焼き上がったら渡してあげるよ、とパチンとウインク。

ブルー 「食べたいものを言ってくれれば、きちんとね!」
ぶるぅ 「そだよ、お好み焼きとかも任せてね!」
Aブルー「つまらないから!」

それじゃ下働きじゃないか、とソルジャー、膨れっ面。

Aブルー「楽しんでるのは、君たちだけでさ!」
ブルー 「君だって、火の番を満喫だよ?」
キース 「あんたが言い出した薪なんだし、充分だろう?」

滅多に出来ない体験だぞ、とキース君も。

キース 「あんたの船では、焚火も無理だと思うしな」
Aブルー「そりゃそうだけど、なんだって、ぼくが!」
ブルー 「嫌なら、薪は諦めるんだね」

炭火でやるなら、専属の係は要らないからさ、と生徒会長。

ブルー 「その辺は、君の好みでいいよ」
Aブルー「炭火だってば、絶対にね!」
ブルー 「だってさ、ぶるぅ、食材の仕入れをね」
ぶるぅ 「オッケー!」

行って来るね、と買い出し係が出発。
雨の中で鉄板焼き…。


2021/06/24 (Thu)

 

☆シールドの範囲は


梅雨の季節は雨がシトシト、下がった気分を上げたいもの。
雨の屋上で鉄板焼きだ、とソルジャーが提案したわけで。

ブルー 「さてと、買い出し係は出発したし、準備かな?」
シロエ 「準備って、何をするんです?」
ブルー 「それはもちろん、バーベキューのだよ!」

土砂降りになって来たけどね、と生徒会長が指差す窓の外。

ブルー 「でも、この方が盛り上がる筈だよ、誰かさんは」
Aブルー「君たちだって、賛成してたじゃないか!」
ブルー 「まあねえ…。楽しそうではあるからさ」

けど、シールドは君の係だよ、と生徒会長、ピシャリ。

ブルー 「言い出しっぺが張るのは当然、ぼくは無関係!」
Aブルー「うーん…。薪係じゃないし、まあいいかな」
ブルー 「ぼくよりスキルも上なんだからさ、任せるよ」

楽勝だろう、と言われたソルジャー、仏頂面から得意顔に。

Aブルー「それはもう! 君とは経験値が違うからねえ!」
ブルー 「マンションごとでも、シールド出来る勢い?」
Aブルー「当たり前だよ、シャングリラよりも小さいし!」

だけど、張るのは一部分だけ、とニッコリと。

Aブルー「土砂降りの中、って気分を出さないとね!」
ジョミー「ぼくたちの周りだけってこと?」
Aブルー「ピンポーン!」

それも出来るだけ狭い範囲で、とニコニコニコ。

Aブルー「ぼくの労力は最低限だし、気分も出るし…」
キース 「雨音とかはどうなるんだ?」
Aブルー「ノーカット!」

叩き付けるような音を楽しまなくちゃ、と笑顔の人。

Aブルー「足元を流れる水はどうしようかなあ…」
ブルー 「絶対、カット!」

湿気は炭の大敵だしね、と生徒会長の指摘。

ブルー 「いくら燃えてても、湿気はマズイよ」
シロエ 「第一、蒸し暑くなりませんか、ソレ?」
サム  「だよなあ、蒸し風呂みたいになるぜ」
Aブルー「ダメかなあ?」
一同  「「「却下!」」」

サウナなんかは求めていない、と却下な面々。
蒸し暑いのはねえ…。


2021/06/25 (Fri)

 

☆蒸し暑いのは勘弁


雨がシトシトな梅雨のシーズン、下がった気分を上げる策。
盛り上がるのはイベントだからと、雨の中でバーベキュー。

シロエ 「いいですか? ただでも梅雨は湿度が高くて…」
サム  「蒸し暑いんだぜ、気温の割によ」
ブルー 「そうだよ、バーベキューは火を使うのにさ…」

そんな所で湿気は勘弁、と生徒会長の苦い顔付き。

ブルー 「シールドの中に、雨水は絶対、入れないこと!」
Aブルー「でもさ、サウナも人気が高いよ?」
キース 「それとこれとは別件だろうが!」
シロエ 「第一、サウナは、暑さを満喫した後にですね…」

冷たい物を一気に飲むとか、水浴びだとか、とシロエ君。

シロエ 「蒸し暑さだけでは楽しめませんよ!」
Aブルー「そういうものかな?」
ブルー 「シロエが言ってる通りだけどね?」

サウナ好きな国でもそうだから、と生徒会長も。

ブルー 「サウナの後には、湖にドボンと飛び込んだりさ」
Aブルー「うーん…。だけど、炭火でバーベキューだし…」

大して暑くもないじゃないか、とソルジャーの反論。

Aブルー「200度とかにはならないしね」
一同  「「「200度?」」」
Aブルー「ぼくが入れられてた、実験用の檻!」

200度の蒸気の中だったけど、と恐ろしい台詞が。

Aブルー「それに比べたら、涼しいものだよ!」
ブルー 「だったら、君だけ味わいたまえ!」

そのくらい調整出来るだろ、と生徒会長が突き付ける指。

ブルー 「一人サウナで、いい汗をかけば?」
キース 「冷たいビールが美味いと思うぞ」
シロエ 「アイスも、いいんじゃないでしょうか?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 何のお話?」

買い出し、済んだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の帰還。

ぶるぅ 「ビールとかアイスって、何をするの?」
キース 「一人サウナをやるんだそうだ」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
ぶるぅ 「じゃあ、水風呂とかも?」

用意した方がいいのかな、と言ってますけど。
一人サウナ…?


2021/06/26 (Sat)

 

☆一人サウナは嫌だ


梅雨の季節は雨がシトシト、下がった気分を上げたいもの。
ソルジャーの案で、雨の屋上でバーベキューに決定でして。

シロエ 「水風呂ですか、それは喜ばれると思いますよ」
キース 「サウナの本場では、湖に飛び込むらしいしな」
ぶるぅ 「オッケー! うんと冷たい方がいいかな?」
ブルー 「そうだね、氷を浮かべるくらいでいいかと」

なにしろ、二百度のサウナな人だし、と生徒会長。

ブルー 「冷凍庫の氷だけでは、足りないだろうね」
ぶるぅ 「そっかぁ…。氷も買って来た方がいい?」
キース 「氷が多めが良さそうだしな」
Aブルー「ぼくは、其処まで言ってないから!」

一人サウナとも言ってないしね、とソルジャーの膨れっ面。

Aブルー「なんで一人だけ、そんな目に遭うわけ!?」
ブルー 「君が言い出したことだけどねえ?」
ジョミー「二百度に比べたら、涼しいとかさあ…」
サム  「俺たちは却下したのによ…」

湿気なんかは要らねえって、とサム君たちの反撃。

サム  「だから一人でやってくれよな、サウナはよ」
キース 「まったくだ。氷風呂も用意して貰えるしな」
ぶるぅ 「んとんと、氷、ブロックがいいの?」

それとも割ってある氷かな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「好みのタイプを用意するから、言ってね!」
Aブルー「その話は、無かったことでお願い!」

一人サウナなんかやらないからね、とソルジャー、必死。

Aブルー「ぼくは普通にバーベキューをさ…」
ブルー 「楽しみたいって?」
Aブルー「当然だよ!」

雨だけで充分、盛り上がるしね、とソルジャーの主張。

Aブルー「食材も揃ったし、始めようよ!」
ぶるぅ 「そだね、炭とか運ばなくっちゃあ!」

でも、シールドの加減がね、と、首を傾げるお子様。

ぶるぅ 「張るタイミングに合わせて運ばないと…」
シロエ 「濡れちゃいますよね?」
ぶるぅ 「そうなの!」

どうやって運べばいいのかな、と言ってますけど。
さて…?


2021/06/27 (Sun)

 

☆ちゃんと運んで


雨の屋上でバーベキューな案、いよいよ決行なんですけど。
炭などを運ぶタイミングが問題、濡らさないのが肝心で…。

ぶるぅ 「屋上まで、瞬間移動しちゃうと…」
サム  「息が合わなかった時が、問題なのな?」
ぶるぅ 「土砂降りだから、一瞬で濡れてしまうもん…」

シールドの中に入ってないと、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「食材は後で運べばいいし、濡れちゃっても…」
シロエ 「特に問題無いですけどねえ…」

炭はちょっと、とシロエ君も。

シロエ 「そうなると、言い出した人がですね…」
キース 「運ぶのがいいと思うわけだが、どうだろう?」
一同  「「「イイネ!」」」

それなら絶対、間違いない、と一同、親指をグッと。

サム  「シールドも炭の運搬も、一人でやればよ…」
ジョミー「タイミングの方は、バッチリだしね!」
Aブルー「ぼくに一人で準備しろと!?」
ぶるぅ 「だって、濡れちゃったら火が点かないし…」

バーベキューが出来ないよ、と真剣なお子様。

ぶるぅ 「その代わり、焼くのはサボッていいから!」
Aブルー「えーっ!?」

焼くのもお楽しみの内じゃないか、とソルジャー、反論。

Aブルー「バーベキューって、そういうものだろ?」
ブルー 「オッケー、自分で言ったよね?」

そういうことで、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「お楽しみのために、ちゃんと運んで貰おうか」
Aブルー「なんで、そういう方向に!」
ブルー 「嫌なら、別にいいんだよ?」

此処で鉄板焼きをするだけ、と生徒会長、ニヤニヤニヤ。

ブルー 「ぶるぅがキッチンで、美味しく焼いてさ…」
シロエ 「それもいいですよね!」

美味しいのは変わりないですし、とシロエ君。

シロエ 「お好み焼きとかも、ぶるぅにお任せで!」
Aブルー「つまらないから!」
ブルー 「そう思うんなら、真面目に運びたまえ!」
Aブルー「分かったよ…」

炭に鉄板、とソルジャー、運ぶ準備を。
いよいよですね!


2021/06/28 (Mon)

 

☆カラッと除湿で


雨の屋上でシールドを張って、バーベキューな案ですけど。
言い出しっぺのソルジャーが準備、炭も鉄板も瞬間移動で。

ぶるぅ 「えとえと…。炭は絶対、濡らしちゃダメ!」
Aブルー「先にシールドするってば! あれ? 屋上…」

既に水たまりが出来てるけどね、と視線を天井に向ける人。

Aブルー「でもって、一面、びしょ濡れだけど?」
ブルー 「そりゃそうだろうね、ずっと雨だし」
サム  「しかも、さっきから土砂降りだしよ…」
キース 「濡れていない方が変だと思うが?」

蒸し暑いのは勘弁だぞ、とキース君が顰める眉。

キース 「そんな所で、シールドで密閉されたらだな…」
シロエ 「嫌でもガッツリ、蒸し風呂ですよね」
ジョミー「そうなっちゃうよね…」

濡れちゃってる分が、全部、湿気に、とジョミー君も。

ジョミー「運ぶ前にさ、乾かすべきだと思うけど?」
Aブルー「ええっ?」
ブルー 「一人サウナは止めないけどねえ、全員はねえ…」

しかも強制イベントじゃないか、と生徒会長の仏頂面。

ブルー 「シールドの中は、カラッと除湿でお願いするよ」
一同  「「「イイネ!」」」

除湿だ、除湿、と一致する意見。

シロエ 「ついでですから、エアコン完備で!」
Aブルー「エアコン?」
シロエ 「冷房ですよ、こう、爽やかな高原の気分で…」
サム  「雨を見ながら、バーベキューな!」

しかも豪華な鉄板焼きで、とサム君の歓声。

サム  「それで頼むぜ、楽勝だろ?」
Aブルー「そうだけど…」

なんだか下僕モードな気がする、とソルジャーの文句。

Aブルー「いいように使われているような…」
ブルー 「帰ってくれてもいいんだよ?」

そしたら、此処でやるだけだから、と生徒会長。

ブルー 「ぶるぅが美味しく焼いてくれるし、問題なし!」
シロエ 「自分で焼くのも楽しいですしね」
キース 「誰も、全く困らんな」
Aブルー「ええ…?」

誰か、困って、と言ってますけど。
困りませんよね?


2021/06/29 (Tue)

 

☆下僕にされた人


雨で下がった気分を上げるには、雨の屋上でバーベキュー。
シールドを張ってカラッと除湿と、ソルジャーへの注文が。

Aブルー「お願いだから、誰か、困ってよ!」
シロエ 「残念ですけど、蒸し風呂状態よりかはですね…」
ジョミー「此処でやるのが一番だよねえ、快適だしさ」

雨は窓から見れば充分、とジョミー君たち。

ジョミー「気分は、バーベキューでグンと上がるし…」
キース 「豪華な鉄板焼き風だからな、B級グルメつきで」
サム  「困るヤツなんか、いねえと思うぜ」
ブルー 「嫌なら帰るか、屋上で一人サウナにしたまえ」

炭も鉄板も分けてあげるよ、と生徒会長、ニヤニヤと。

ブルー 「どうするかは、君が決めることだね」
Aブルー「帰るのも、一人も、つまらないってば!」
ブルー 「だったら、サッサと運んで、除湿!」
シロエ 「エアコン完備でお願いしますね!」

期待してます、とシロエ君もニッコリ。

シロエ 「経験値が凄いそうですからねえ…」
キース 「温度設定も完璧だろうしな」
Aブルー「そりゃそうだけどさ…」

絶対、上手く使われてる、と文句を言いつつ準備する人。

Aブルー「はい、カラッと除湿で、設営完了!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなで屋上、行こうよ!」
一同  「「「はぁーい!」」」

バーベキューだ、と駆け出した一同、屋上に到着。

シロエ 「へえ…。ドーム風のシールドなんですね」
サム  「雨って気分が出るよな、コレ」
キース 「なのに湿気は無いのがいいな」
ジョミー「バーベキュー中もさ、冷たい風が来るんだよね」

ホントにエアコン完備な世界、と誰もが感激。

ジョミー「じゃあ、早速!」
ぶるぅ 「豪華にやろうね!」

バーベキューだあ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「お肉も野菜も、どんどん食べてね!」
キース 「ナントカは使いようだと言うが…」
Aブルー「使われてるよ!」

なんで下僕、と嘆くソルジャーですけど。
今月、これにて中継終了~。


2021/06/30 (Wed)




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☆気分が下がる雨


さて、六月。梅雨のシーズンで雨がシトシト、毎年の光景。
週末は生徒会長宅でのんびり、そういう面々ですけれど…。

キース 「来週の予報も雨だったな?」
シロエ 「そうですね。梅雨前線が停滞しますから…」

梅雨の晴れ間も無さそうですよ、とシロエ君。

シロエ 「雨の日が続くと、気分も下がって来ますよね」
サム  「言えてるよなあ、なんつーか、こう…」
ジョミー「テンションが上がらないんだよねえ…」

何をするにも、イマイチ気分が、とジョミー君も。

ジョミー「ぶるぅの料理は、美味しいんだけどさ…」
スウェナ「晴れた日のようにはいかないわよねえ…」
シロエ 「ちょっとお出掛け、っていうのが無理ですし…」
マツカ 「いいお天気なら、屋上でもいいんですけどね」

椅子を並べてピクニック気分で、と御曹司も相槌。

マツカ 「最近、そういうのが流行りらしいですよ」
ジョミー「らしいね、椅子がポイントだって?」
シロエ 「あー、知ってます! チェアリングですよね」

椅子を持って外に行くんですよね、とシロエ君。

シロエ 「定番と言えば、レジャーシートでしたけど…」
ジョミー「地面に座るより、椅子なんだってね」
マツカ 「ええ、河川敷とかが人気という話ですね」

梅雨の季節は無理ですけど、とマツカ君が眺める窓の外。

マツカ 「こんな雨だと、外で椅子なんて、濡れますし…」
ぶるぅ 「シールドを張ったら、大丈夫だけど…」
ジョミー「でもさ、シールドの外は雨だし…」
サム  「やっぱ、気分は上がらねえよな」

晴れてねえとよ、とサム君も溜息。

サム  「まあ、根性の据わったヤツらは、別だけどよ」
シロエ 「お坊さんですか?」

キース先輩みたいな、とシロエ君の問い。

シロエ 「月参りは雨でも休めませんしね」
キース 「言わないでくれ、気が滅入る」
サム  「だよな、芋煮には負けるよな…」
一同  「「「は?」」」

何の話だ、と顔を見合わせる御一同様。
芋煮ですって…?


2021/06/01 (Tue)

 

☆芋煮に負ける理由


梅雨の季節は雨がシトシト、どうしても気分が下がるもの。
生徒会長宅に集った面々、それを嘆いているんですけど…。

ジョミー「芋煮には負けるって、何の話さ?」
サム  「根性の据わったヤツらってことだぜ」
シロエ 「どうして、其処で芋煮なんです!」

芋煮と言ったら食べ物なのでは、とシロエ君のツッコミ。

シロエ 「芋の根性が据わっているとは、聞きませんよ?」
スウェナ「そうよね、芋は芋だわねえ…」
キース 「芋煮と言ったら、北の地方の名物料理だが…」

根性については聞かないな、と副住職も。

キース 「季節になったら、薪が売られているとは聞くが」
シロエ 「薪ですか?」
キース 「ああ。コンビニにも積まれているらしいぞ」
一同  「「「コンビニ?」」」

其処までなのか、と誰もがポカーン。

ジョミー「コンビニで薪って、つまり定番商品だよね?」
キース 「そういうことだな、地元では普通なんだろう」

俺たちには想像もつかないんだが、と副住職。

キース 「だが、俺が知っているのは、其処までで…」
シロエ 「根性の件は、謎なんですね?」
キース 「薪を買うのに、根性なんぞは要らん筈だぞ」

コンビニで売られているほどだしな、という指摘。

キース 「場所取りにしても、恐らく、花見と…」
シロエ 「変わらないでしょうね、まあ、根性は…」
ジョミー「要ると思うけど、それは何処でも同じだし…」

芋煮限定ってわけじゃないよね、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「ついでに、雨とも繋がらないよ?」
シロエ 「雨なら、場所取りしませんしね…」

雨の日に花見はしませんから、とシロエ君も同意。

シロエ 「ますます芋煮が謎なんですけど? サム先輩」
サム  「近い線まで行ってるぜ、ソレ」
ジョミー「えっと…。まさか、雨の日に場所取りとか?」
サム  「今の流れだと、ソレしかねえだろ」
一同  「「「えっ!?」」」

芋煮は雨の日に場所取りなのか、と驚く面々。
本当に…?


2021/06/02 (Wed)

 

☆雨でも場所取り


梅雨の季節は雨がシトシト、それだけで気分が下がりがち。
生徒会長宅で過ごす週末、嘆き節な面々なんですけれど…。

ジョミー「芋煮って、雨の日でも場所取りするわけ!?」
シロエ 「雨の中では、芋煮は無理だと思いますけど…」

やってやれないことはなくても、とシロエ君。

シロエ 「芋煮って、鍋を囲むんでしょう?」
スウェナ「雨の日にやって、どうするのよ、ソレ?」
マツカ 「まさか全員、雨合羽を装備で芋煮ですか?」

それは確かに根性ですけど、と御曹司も半ば呆れ顔。

マツカ 「そのくらいなら、普通は諦めますしね」
シロエ 「場所取りってことは、ライバルがいますよね…」
ジョミー「一部の人だけのことじゃないよね、その根性…」

芋煮、恐るべし、と誰もが驚く雨の日の場所取り。

ジョミー「やってる地方じゃ、人気が高いらしいけど…」
キース 「雨でも場所取りという所がな…」
サム  「らしいぜ、いいスポットを取るためにはよ」
シロエ 「確認しますけど、雨の中でもやるんですね?」

場所取りだけではないんですよね、とシロエ君の質問。

シロエ 「場所だけ取って、晴れた日にやるとか…」
キース 「そっちだったら、分からないでもないな」
ジョミー「ライバル、激減してそうだしね」
サム  「そうじゃなくって、雨天決行だぜ?」

だからこそ熾烈な争いでよ、とサム君、キッパリ。

サム  「雨でも出来る場所、押さえねえとよ…」
シロエ 「なんだか矛盾していませんか?」
キース 「雨でもやるなら、場所は何処でも同じだろうが」
サム  「ところが、そうじゃねえらしいんだよ」

芋煮は場所が肝心だってよ、とサム君が立てる人差し指。

サム  「まずは河原な、これは絶対、譲れねえ、って」
ジョミー「河原って…。すぐ側を川が流れているアレ?」
シロエ 「雨の日に河原って、マジなんですか?」
サム  「河原でやらねえとよ…」

芋煮じゃねえ、って話だぜ、と言ってますけど。
雨の日に?


2021/06/03 (Thu)

 

☆雨でも出来る場所


雨がシトシトな梅雨の季節は、気分が下がってしまうもの。
生徒会長宅で嘆く面々、其処へ出て来た根性な芋煮の話題。

シロエ 「そういえば、芋煮は河原でしたっけ?」
キース 「確信は無いが、河原だったという気がするな」
サム  「河原なんだってよ、芋煮は河原のものだってよ」

それだけで場所が限られるよな、とサム君の説明。

サム  「公園とかだと、芋煮にならねえんだし」
ジョミー「でもさあ、雨の日なんだよね?」
スウェナ「河原なんかで、どうやって雨を防ぐのよ?」
サム  「そのために場所取りするんじゃねえかよ」

いいスポットを取らねえと、とサム君、指をチッチッと。

サム  「河原で、雨が防げる所って、そうそうねえぜ?」
シロエ 「それ以前に、防げる気がしませんけど?」
キース 「思いっ切りの野外だろうが!」
サム  「分かんねえかな、川には橋があるんだぜ?」

橋と言ってもピンキリだけどよ、とサム君、ニヤリ。

サム  「デカイ橋だと、幅だって半端ねえじゃねえかよ」
ジョミー「まさか、橋の下で芋煮なわけ!?」
サム  「おうよ、雨でも濡れねえしよ…」

ちゃんと河原で川もあるしよ、と解説が。

サム  「そういうデカイ橋を狙って、場所取りってな!」
シロエ 「あー…。地面、それほど湿らないかもですね」
キース 「立派な橋の下なら、排水設備も…」

整っているだろうしな、とキース君。

キース 「それで雨でも芋煮をする、というわけか…」
サム  「らしいぜ、薪をガンガン燃やして」
ジョミー「確かに根性、据わってるよね…」

ぼくたちには、ちょっと無理な世界、とジョミー君の溜息。

ジョミー「そこまでやってさ、雨の中でさ…」
スウェナ「やりたいイベントって、無いわよねえ…」

芋煮に負けたわ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「キースの月参りは、いい勝負だけど…」
キース 「あれは遊びじゃないんだが!」

あくまで仕事だ、と副住職の苦い顔付き。
仕事ですね?


2021/06/04 (Fri)

 

☆人によるそうです


梅雨の季節は雨がシトシト、どうしても気分が下がりがち。
生徒会長宅に集う面子も、その辺の事情は同じなわけで…。

キース 「いいか、月参りは坊主の宿命というヤツで…」
シロエ 「仕事だから、イベントとは違うんですね?」
キース 「当然だろう!」
ブルー 「うーん、どうかな、それに関しては…」

ぼくとしては賛同しかねるかも、と生徒会長が横から口を。

ブルー 「人によっては、アレは立派なイベントだしね」
一同  「「「はあ?」」」

どの辺がだ、と誰もがキョトン。

シロエ 「えっと…? 今は月参りの話ですよね?」
キース 「その筈だが?」
シロエ 「法事だったら、イベントで分かりますけれど…」

誰かさんが毎月やろうとした程ですし、とシロエ君。

シロエ 「宴会もセットでついて来ますし、そっちなら…」
スウェナ「確かに、一種のイベントだわねえ…」

親戚とかが集まるんだし、とスウェナちゃんも。

スウェナ「でも、月参りは違うでしょ?」
シロエ 「キース先輩、どうなんです?」
キース 「家にもよるが、普通は家族も揃っていないぞ」

ご高齢の方だけが基本だろうか、と副住職。

キース 「お嫁さんが専業主婦なら、プラスされる程度で」
シロエ 「後は、幼稚園に入る前の子供ですか?」
キース 「そうなるな。月参りに行くのは平日だから」

熱心な檀家さんだと、たまに大学生がいる、という話。

キース 「講義が無い日もあるからな」
シロエ 「なるほど…。でも、そこまでというわけですね」
スウェナ「イベントとは、ほど遠いわねえ…」

人数だけでも寂しいじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「とてもイベントとは呼べないわよ?」
シロエ 「同感です」

会長の意図が分かりませんよ、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「人によると言われてもですね…」
キース 「そもそも、参加者少なめだぞ」
ブルー 「まだまだ甘いね!」

坊主のくせに、と生徒会長、いえ、銀青様。
えっと…?


2021/06/05 (Sat)

 

☆檀家さんの心境


雨がシトシトな梅雨の季節は、気分が下がってしまうもの。
生徒会長宅に集うシャン学メンバーも、嘆き節ですけれど。

キース 「甘いだと? 俺が、坊主としてか?」
ブルー 「そう思うけどね、さっきの話を聞いているとさ」
キース 「しかし、月参りはイベントではなくて…」
ブルー 「それだよ、まるでなっていないね、君は!」

月参りは大事なイベントだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「月に一回、檀家さんのお宅に伺うんだよ?」
キース 「それはまあ…。伺う方の俺から見たなら…」

確かに大事なイベントではある、と副住職、同意。

キース 「忘れたりしたら大惨事だしな、いろんな意味で」
シロエ 「アドス和尚のお仕置きですね?」
スウェナ「罰礼、千回くらいかしら?」
キース 「それだけで済むかどうかも怪しいぞ」

殺す勢いで殴られかねん、とキース君、肩をブルッと。

キース 「檀家さんにも、なんと詫びればいいやら…」
ブルー 「其処だよ、其処で気が付かないかな?」

自分の甘さというヤツに、と銀青様。

ブルー 「檀家さんへのお詫びが第一、それは何故だい?」
キース 「忘れてしまって、伺わなかったわけで…」
ブルー 「そうなると、檀家さんはどうなるのかな?」

待てど暮らせど、お坊さんが来ないんだよ、という質問。

ブルー 「約束の時間は、とっくに過ぎているのにね?」
キース 「…無駄にお待たせすることになるかと…」
シロエ 「あー…。出掛けるわけにもいきませんしね」
サム  「買い物にだって、出られねえよな?」

迷惑すぎる話じゃねえかよ、とサム君も。

サム  「詫びるしかねえよな、もう、全力でよ」
スウェナ「そうねえ、だけどイベントと、どう繋がるの?」
ジョミー「公演だったら、チケットの払い戻しとかさ…」
シロエ 「ありますけれども、それでしょうか?」
ブルー 「それに近いね、檀家さんの心境は」

キースは気付いてないけどさ、と言ってますけど。
払い戻し…?


2021/06/06 (Sun)

 

☆準備する檀家さん


梅雨の季節は雨がシトシト、気分も下がりがちですけれど。
生徒会長宅に集った面々も同じ、生徒会長宅で嘆き節な今。

シロエ 「えーっと…? 月参りで払い戻しですか?」
マツカ 「お布施は、先払いだったでしょうか?」
サム  「違うと思うぜ、お経が済んでから払うモンだろ」
ブルー 「言い方はアレだけど、後払いだね」

其処は差し上げると言ってくれたまえ、と銀青様の訂正が。

ブルー 「読経のお礼に、気持ちを包むものなんだから」
シロエ 「はあ…。それはいいですけど、後払いですね?」
ブルー 「まだ言ってるし…。でも、それで合ってる」
サム  「んじゃ、払い戻しはねえじゃねえかよ」

忘れられてても実害はねえぜ、とサム君の指摘。

サム  「出掛けられねえのは、困るけれどよ…」
ブルー 「うん、それだけな檀家さんだって、多いけど…」

そうじゃない人には切実なんだよ、と銀青様。

ブルー 「月参りに来て下さるから、と準備する人だね」
シロエ 「あー! お茶菓子とかを用意してるんですね?」
ブルー 「ピンポーン! 喜んで頂こうと、心を配って!」

特に最近は、お取り寄せだってあるからね、と妙な台詞が。

一同  「「「お取り寄せ?」」」
ブルー 「通販だってば、全国の銘菓が揃うだろう?」

それこそ洋菓子や和菓子も色々、と銀青様も詳しい通販。

ブルー 「檀家さんは、ご高齢でネットに疎くってもさ…」
ジョミー「お嫁さんに頼むとか、そんなのかな?」
ブルー 「その通り! 月参りの日は此処だから、とね」

人気のお菓子をお取り寄せだよ、と語られる月参り事情。

ブルー 「キースも、心当たりがある筈!」
キース 「それは確かに…」

バラエティー豊かな菓子が出るな、と頷く副住職。

キース 「取り寄せました、と笑顔で仰るわけで…」
ブルー 「其処だよ、イベントというのはね!」
シロエ 「…お取り寄せがですか?」

普通なのでは、とシロエ君が傾げる首。
よくありますよね…?


2021/06/07 (Mon)

 

☆月参りもイベント


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分が下がりがちな面々。
生徒会長宅で嘆き節でして、其処から話題はイベントへと。

シロエ 「お取り寄せって、イベントなんでしょうか?」
スウェナ「昔はともかく、今は普通の話よねえ?」
ジョミー「通販はしません、ってお店の方が貴重だってば」

お土産とかで喜ばれるよね、とジョミー君の指摘。

ジョミー「わざわざ行かないと、買えないんだしさ」
マツカ 「そうですね…。そっちの方が希少価値ですし…」

ぼくの家でも、よく使いますよ、と御曹司。

マツカ 「お取り寄せじゃなくて、買いに行くんですけど」
サム  「やっぱ、専門の係がいるのかよ?」
マツカ 「いえ、其処までは…。買い出し係はいませんね」

百貨店とかじゃありませんから、と御曹司の苦笑。

マツカ 「でも、喜んで頂けますよ、そういう贈り物は」
シロエ 「イベントと呼ぶなら、買い出しですよね…」

ただの通販では、違う気がします、とシロエ君の疑問。

シロエ 「お取り寄せの何処がイベントなんです?」
ブルー 「分かってないねえ、ご高齢の檀家さんだよ?」

キースは月に一度のお客様でさ、と生徒会長。

ブルー 「お茶とお菓子でおもてなしするのが、月参り!」
シロエ 「それも普通じゃないんですか?」
ブルー 「お坊さんだよ、ただのお客様とは違うんだよね」

仏様の供養をして下さるし、と銀青様モード。

ブルー 「喜んで頂けるお菓子を出すのも、大切なんだよ」
サム  「あー! 其処で功徳を積むわけな!」
ブルー 「その通り! お坊さんへのおもてなしは大事!」

それも仏様への供養になるから、と銀青様のお言葉が。

ブルー 「だから色々と心を配って、準備するんだよ」
シロエ 「お取り寄せで始まるイベントですか…」

まあ確かに、とシロエ君、納得。

シロエ 「月参りもイベントだったんですね…」
ブルー 「分かったかい?」

それを仕事と言うなんて、とキース君に非難の視線。
坊主失格?


2021/06/08 (Tue)

 

☆喜んで行くべき


雨がシトシトな梅雨の季節は、気分も下がりがちですけど。
そういう時でもイベントだったら、張り切る人がいる現実。

ブルー 「檀家さんにとっては、立派ないベントだしね」
シロエ 「キース先輩も、そう心得るべきなんですね?」
ブルー 「そういうことだね、芋煮で根性な人を思って!」

張り合うくらいの勢いで、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「雨でも場所取り、その根性を見習うべきだよ!」
サム  「喜んで行け、っていうことな?」
ブルー 「その通り! 檀家さんとの出会いも大切!」

月に一度は会うお相手でも、一期一会の心掛けで、と。

ブルー 「なにしろ、あちらは、お取り寄せもしてさ…」
シロエ 「キース先輩を、お待ちなんですしね…」
マツカ 「一大イベントというわけですね」
ジョミー「特に雨だと、檀家さんも出掛けられないしね…」

ご高齢の方だと出にくいよね、とジョミー君も。

ジョミー「その分、キースが来るのが楽しみだろうし…」
サム  「芋煮な勢いで、朝から待機ってトコだよな…」
キース 「そ、そうか…。言われてみれば…」

俺は間違っていたかもしれん、と副住職、神妙な面持ち。

キース 「雨天決行な、仕事だとばかり思っていたが…」
ブルー 「自分の立場と、役割を心得なくっちゃね」

坊主たるもの、そうであるべき、と銀青様のお言葉が。

ブルー 「文句を言わずに、心をこめて月参りだよ!」
キース 「だが、出にくいのは変わらないしな…」
シロエ 「法衣が濡れるからですか?」

普通の服とは違いますしね、とシロエ君。

シロエ 「傘では、雨は防げないような…」
キース 「一応、合羽はあるんだが…」

心許ないな、と副住職の溜息。

キース 「それにウッカリ濡れてしまうと、行き先で…」
サム  「御迷惑をかけちまうよなあ、ずぶ濡れだとよ…」
キース 「畳も座布団も、すっかり濡れてしまうしな…」

其処も頭が痛い所だ、という梅雨の月参り。
そうですよね…。


2021/06/09 (Wed)

 

☆座布団も濡れます


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分も下がりがちですが。
そんな季節もイベントは別物、盛り上がる人がいるわけで。

シロエ 「確かに、法衣が濡れるのは問題ですね…」
スウェナ「檀家さんの方も、後でゲンナリしそうよねえ…」
サム  「だよなあ、座布団は乾きにくいしよ…」

おまけに梅雨だと干せねえしな、とサム君が指差す外の雨。

サム  「布団乾燥機って手もあるけどよ…」
ジョミー「なんか、イマイチな感じだよえね…」
ぶるぅ 「んとんと、ちゃんと中まで乾かせるけど…」

お日様で干すのが一番だよね、と家事万能のお子様も。

ぶるぅ 「そっちの方が、フカフカするもん!」
シロエ 「ご高齢だと、一層、こだわりそうですしね…」
キース 「坊主用の座布団は、特別だからな」
一同  「「「えっ?」」」

特別とは、と一同、キョトン。

スウェナ「何よ、それ? 素材が違うって言うの?」
キース 「素材については、特に指定は無いんだが…」
ブルー 「色と模様だよ、覚えが無いかな?」

法要の度に見てる筈なんだけど、と生徒会長。

ブルー 「キースが座る座布団だよね」
シロエ 「えっと…? 何か特別でしたっけ?」
スウェナ「ぶ厚かったかしら?」
マツカ 「色と模様ですよ、ほら、紫でですね…」

有難そうな模様がついていますよ、と御曹司の指摘。

マツカ 「模様の方は、多分、色々あるんでしょうけど」
ブルー 「ピンポーン! こう、極楽のイメージとかで…」
キース 「模様が入ってくるわけなんだが、色は紫だな」

来客用とは違うんだ、と副住職の説明が。

キース 「坊主専用になってるわけだな」
シロエ 「お坊さんにしか使えないんですか?」

その座布団は…、とシロエ君の問い。

シロエ 「殆ど出番が無さそうですけど?」
キース 「月参りに棚経、後は家での法要だけだ」
スウェナ「でも、専用のが要るわけね?」
キース 「そうなるな」

それだけに気を遣うんだ、と副住職。
濡らすと大変…。


2021/06/10 (Thu)

 

☆乾燥機では無理


梅雨の季節は雨がシトシト、どうしても気分が下がりがち。
けれどイベントとなれば別物、盛り上がる人もいるわけで。

シロエ 「お坊さん専用の座布団だと、気を遣いますよね」
キース 「ああ。俺が濡らしてしまうとだな…」
サム  「檀家さんに、余計な手間をかけちまうのな…」

梅雨の晴れ間に座布団干しかよ、とサム君、溜息。

サム  「ただでも洗濯物が多そうなのによ…」
スウェナ「でも、洗濯物には乾燥機があるでしょ?」
ぶるぅ 「えとえと、使えないヤツもあるんだけど…」

乾燥機をかけると縮むとか、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「それに大きなシーツとかだと、普通の家のは…」
シロエ 「無理っぽいですね、容量からして」
ぶるぅ 「そうなの! コインランドリーに行かないと…」

乾燥機でやるのは無理だよね、と家事万能なお子様の声。

ぶるぅ 「お年寄りだと、持って行くのも大変だから…」
シロエ 「自然と、家で干す方向になりますか…」
キース 「そうなんだ。ある時、見掛けてしまってな…」
ジョミー「何をさ?」

何を見ちゃったのさ、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「コインランドリーに行く、檀家さんとか?」
サム  「手押し車に、洗濯物を山積みとかかよ?」
キース 「いや、そうじゃなくて…」

俺の寺とは離れた所で見たんだが、と副住職。

キース 「晴れた日に、通りかかった家の庭に、だ…」
ジョミー「ドッサリ干された洗濯物?」
キース 「それもあったが、こう、端の方に…」
シロエ 「座布団が干してありましたか?」

お坊さん用の、とシロエ君の問い。

シロエ 「紫だったら、目立ちますしね」
キース 「まあ、座布団には違いなかったが…」

ついでに紫だったんだが、と副住職の顔に陰りが。

キース 「元は紫だったんだろうな、という色で…」
一同  「「「は?」」」
キース 「色褪せた、年代物だったんだ!」

使い込まれた座布団だった、という説明。
要は古い、と…。


2021/06/11 (Fri)

 

☆大切そうな座布団


雨がシトシトな梅雨のシーズン、気分も下がりがちなもの。
けれどイベントとなれば別物、月参りがそれにあたる人も。

シロエ 「色褪せるくらいに古い、紫の座布団ですか…」
キース 「大切そうに干してあってな、他のとは別に」

シーツとかは適当だったんだが、と語る副住職。

キース 「座布団だけは、とても気合いが入っていたんだ」
サム  「気合いの入った干し方かよ?」
ジョミー「どんなのさ、ソレ?」
キース 「他のは、とにかく乾けばいい、という感じで…」

ただ、ぶら下げてあっただけだが、と副住職。

キース 「座布団は、平らになるようにだな…」
シロエ 「台にでも乗っけてありましたか?」
キース 「専用ではないんだろうが、台だったな」

何かを転用してたんだろう、というのが座布団干し用の台。

キース 「その上に乗せて、端でも日当たりのいい所に…」
スウェナ「きちんと干してあったのね?」
キース 「ああ。熱心に手入れをしてるんだな、と…」

思うと同時に気が咎めた、と副住職の深い溜息。

キース 「新しい座布団を買うには、ご高齢すぎて…」
ジョミー「予算不足かも、って?」
キース 「いや、買っても、そうそう出番がだな…」

来ない間に、お迎えが来そうな方なんだろう、という解釈。

キース 「其処に費用をかけるよりかは、別の方に、と…」
サム  「お布施とか、お茶菓子とかに、ってことな?」
キース 「そう思わないか?」
ジョミー「確かにね…」

座布団よりかは、そっちだよね、とジョミー君も。

ジョミー「だけど、座布団は必要だから…」
キース 「頑張って、干してらっしゃったわけだ」

うちの檀家さんにも、そういう方がおいでかも、と副住職。

キース 「そうでなくても、座布団一つにも心をこめて…」
シロエ 「迎えて下さるわけですね?」
キース 「だから、濡らしてしまうのは…」
サム  「申し訳ねえよなあ…」

でも、梅雨なんだしよ、とサム君が言う通り。
雨ですよね…。


2021/06/12 (Sat)

 

☆土下座したくても


雨がシトシトな梅雨の季節は、気分が下がりがちですけど。
たとえ雨でもイベントがあれば、楽しめる人もいるわけで。

キース 「まして、イベントということになるとだ…」
ジョミー「水を差すのは避けたいよねえ…」

キースが帰った後には濡れた座布団なんて、とジョミー君。

ジョミー「せっかく、お菓子も取り寄せたのにさ…」
サム  「なんかこう、ガックリ来そうだよなあ…」
キース 「一層、気が滅入りそうなんだが…」

法衣が濡れる件に関して、と副住職の深い溜息。

キース 「前から充分、気になっていたが…」
シロエ 「鬱になりそうな勢いですか?」
キース 「いや、土下座して詫びたいような気持ちだな」

濡らしてしまってすみません、と、と副住職。

キース 「しかし、それだと、恐縮なさってしまうし…」
サム  「だよなあ、謝らせてしまったなんてよ…」
ジョミー「相手は、お客様だしね…」
マツカ 「それに加えて、お坊さんですよ?」

わざわざ足を運んで下さったわけで…、と御曹司の指摘。

マツカ 「仏様の供養に来て下さった、有難いお客様です」
シロエ 「キース先輩の年は関係ないですよね…」
キース 「若造だろうと、目上で賓客扱いだな」

だから土下座は出来そうにない、と副住職の困り顔。

キース 「申し訳ないのに、どうにもならんし…」
ぶるぅ 「代わりに干します、って言えないよね…」

晴れた日に干しに行ってあげるとか、と家事万能なお子様。

ぶるぅ 「お坊さんにさせることじゃないしね…」
シロエ 「そうですね…。体力は余っていそうですけど…」
キース 「干しに行くのは、簡単なんだが…」

自転車で走れば楽勝だしな、と副住職も。

キース 「月参りとは別に、晴れた日に端から回ったら…」
ジョミー「干して、取り入れて、完璧だけどね…」
キース 「坊主の仕事じゃないからな…」
サム  「違い過ぎるよなあ…」

座布団干しはよ、とサム君たちも頷く違い。
お坊さんですしね…。


2021/06/13 (Sun)

 

☆代わりに干したら


雨がシトシトな梅雨のシーズン、何かと気分が下がりがち。
けれどイベントがあればオッケー、月参りを待つ人だって。

キース 「ただの高校生なら、ボランティアで済むが…」
シロエ 「明らかに、お坊さんですからねえ…」

それも月参りに来て下さったばっかりの、とシロエ君。

シロエ 「座布団を干しに行っても、お布施が来そうです」
サム  「あー…。それは言えるよな、坊主だしよ…」
ジョミー「手伝って貰って嬉しい気持ちで、お布施だよね」
キース 「そうなるだろうな…」

ボランティアどころか、バイトになるぞ、と副住職の溜息。

キース 「臨時収入欲しさで来た、と思われても…」
ジョミー「仕方ないよねえ…」
サム  「坊主の仕事に、座布団干しが入ってればよ…」

お布施でもいいかもしれねえけどよ、とサム君の見解。

サム  「座布団を干しながら、ちょいと法話でよ…」
シロエ 「いいですね! イベントが一つ増えますよ」
ジョミー「だよねえ、梅雨のシーズン限定でさ…」

晴れたらキースが来るんだよね、とジョミー君も相槌。

ジョミー「喜ばれそうだよ、座布団も干して貰えるしさ」
サム  「でもよ、座布団干しは坊主の仕事じゃねえし…」
ブルー 「そうと決まったわけでもないよ?」

修行中なら、仕事の内だね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「晴れた日に、廊下にズラリと並べて干すんだよ」
キース 「確かに、そういうのもあるが…」
??? 「なになに、座布団がどうしたって?」

教えてよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「季節限定イベントだってね!」
キース 「なんで、出て来る!」

あんたは関係無いだろうが、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「座布団を干す話なんぞには!」
Aブルー「限定って聞いたら、気になるってば!」
シロエ 「ついでに、イベントだからですか?」
Aブルー「ピンポーン!」

限定イベントなんだしね、と言ってますけど。
月参りですよ?


2021/06/14 (Mon)

 

☆イベント好きな人


梅雨の季節は雨がシトシト、気分も下がりがちですけれど。
イベントさえあれば気分は上昇、そういう人もいるわけで。

Aブルー「座布団で季節限定イベントって、何なのさ?」
キース 「逆だ、逆! 今の季節は、座布団だがだな…」
シロエ 「問題だという話なんですけど?」

分かってますか、とシロエ君、ソルジャーをジロリ。

シロエ 「それにイベントは、例えというヤツで…」
キース 「いわゆるイベントとは、全く別だぞ」

ただの月参りの話だしな、と副住職の渋面。

キース 「月参りがイベントな人もいる、というだけで…」
ジョミー「梅雨に行ったら、座布団が濡れる話だよね…」
Aブルー「ええっ? たったそれだけなのかい?」

盛り上がっていそうだったのに、とソルジャー、ガックリ。

Aブルー「もっと楽しい話なのかと思ったけどなあ…」
キース 「悪かったな! そんなにガッカリしたんなら…」
シロエ 「帰って下さってもいいんですよ?」

誰も困りませんからね、とシロエ君、ニッコリ。

シロエ 「お帰りになるなら、お止めしませんけど」
ぶるぅ 「ダメダメ、お客様なのにーっ!」

お茶とお菓子を用意したのに、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「んとんと、もちろん食べて行くでしょ?」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
ぶるぅ 「ぼく、おもてなし、大好きだも~ん!」
一同  (((そうだった…)))

また居座られる、と一同、ゲンナリ。

Aブルー「なんだか、露骨に嫌そうな顔だねえ?」
キース 「不景気な顔と言ってくれ…」

ただでも梅雨で気が滅入るのに、と副住職。

キース 「お祭り野郎は、気楽でいいがな」
Aブルー「ぼくのことかい?」

酷い言いようだねえ、とソルジャーが尖らせる唇。

Aブルー「もうちょっと、他に言い方は…」
キース 「芋煮並みだと言われたいのか?」
Aブルー「なんだい、それは?」

悪口なのは分かるけどさ、と首を傾げる人。
通じませんよね?


2021/06/15 (Tue)






 

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☆プロ級の腕な人


GWを宇宙で過ごして、朝夕の勤行を怠けていたキース君。
読経がすっかりなまったとかで、アドス和尚に食らう罰礼。

Aブルー「ろくでもないことって、どういう意味さ?」
キース 「どうせ、あんたに理解は出来ん!」

デリカシーの欠片も無いんだからな、と副住職。

キース 「分かって欲しいとも思っていない!」
Aブルー「酷い言いようだねえ、腰は大事にすべきだよ?」

腰は男の命だからね、とソルジャー、真顔。

Aブルー「もちろん、お尻も大事だけどさ!」
キース 「そう思うんなら、俺の件は放っておいてくれ!」
Aブルー「座薬だったら、ぼくのハーレイも上手いかと…」

ハーレイに頼んでくれてもいいよ、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ほら、こっちのハーレイは柔道部の顧問だし…」
キース 「それがどうした!」
Aブルー「部員が怪我をした時なんかは、出番だろう?」

湿布を貼ったり、色々とさ…、という質問。

Aブルー「応急手当は大切だよねえ、その場ですぐに!」
シロエ 「まあ、そうですね」
マツカ 「教頭先生は、経験豊富でらっしゃいますから…」

柔道部員も安心なんです、と部員な人たち。

マツカ 「その気になったら、開業出来ると思いますよ」
シロエ 「柔道整復師ってヤツですよね!」
Aブルー「なるほど、プロ級の腕なんだ?」

その点は、ぼくのハーレイも、とソルジャーが立てる親指。

Aブルー「ぼくのお尻をほぐし続けて、三百年のプロ!」
キース 「黙ってくれ!」
Aブルー「ダメダメ、同じハーレイなんだし…」

目を瞑ってればいいと思うよ、とソルジャー、ウインク。

Aブルー「こっちのハーレイのつもりでさ!」
シロエ 「確かに、一理ありますね…」

見た目は全く同じですから、とシロエ君。

シロエ 「キース先輩、どうでしょう?」
キース 「貴様、裏切る気か!」
シロエ 「ぼくは意見を述べただけです」

あくまで第三者の観点から、と言ってますけど。
どうですかねえ…?


2021/05/16 (Sun)

 

☆なまるのは論外


GWを宇宙で満喫、朝夕の勤行をスルーしていたキース君。
読経の調子が狂ってしまって、アドス和尚が食らわす罰礼。

シロエ 「いい薬なのは確かですしね、考えようですよ」
キース 「だったら貴様は、あんな野郎に任せられるか?」

俺の立場になったとして…、とキース君、キレそう。

キース 「目を瞑っていれば大丈夫だとか、言えるのか!」
シロエ 「ぼくは副住職じゃないですし、お坊さんでも…」

ありませんしね、とシロエ君、涼しい顔付き。

シロエ 「ついでに、ぼくが副住職だった場合はですね…」
キース 「なんだと言うんだ!」
シロエ 「朝晩の勤行、サボりませんから」

何処かで時間を作りますよ、とニッコリと。

シロエ 「なにしろ、職業ですからねえ…」
サム  「あー! 真面目にやろう、っていうことな?」
シロエ 「そうなんです。日々の研鑽は大切ですよ」

自主トレと同じことでしょう、と立てる人差し指。

シロエ 「なまってしまうだなんて、論外ですしね」
ジョミー「だよねえ、きちんとやってればさ…」
スウェナ「罰礼レベルまで落ちないわよね」
キース 「うっ…」

しかし…、と副住職、タラリ冷汗。

キース 「あれだけ遊びまくっていたんだ、時間などは…」
シロエ 「睡眠時間を少し削れば、いけましたよ?」
マツカ 「徹夜はしていませんでしたしね…」

自主トレの時間を充てても良かったかも、と御曹司も。

マツカ 「自業自得な面は、確かにあるかもです」
Aブルー「えーっと、つまり…。問題はお経なのかな?」
シロエ 「そうなりますねえ、なまったのはソレです」
Aブルー「上手く詠めなくなったとか?」

それで罰礼で、腰の危機かな、とソルジャーの問い。

Aブルー「そんな具合に聞こえるんだけど、どうだろう?」
キース 「あんたに言われたくはない!」
Aブルー「そういうことなら…」
シロエ 「喉の薬でもありますか?」

それこそ効き目は神がかりの…、とシロエ君。
声が治るとか?


2021/05/17 (Mon)

 

☆喉のもあります


GWを宇宙で過ごして、朝夕の勤行をスルーしたキース君。
読経の調子がなまったそうで、アドス和尚から食らう罰礼。

シロエ 「凄い座薬があるんだったら、喉の薬もですね…」
サム  「なんか、すげえのがありそうだよな?」

舐めれば一発、喉の痛いのが吹っ飛ぶとかよ、とサム君も。

サム  「ブリッジクルーとか、声も大事な感じだしよ…」
ジョミー「掛け声、必須な部署だもんねえ…」
スウェナ「キャプテンが声が出ないとかだと、悲惨だわよ」

ヨーソロー! だって言えないわ、とスウェナちゃん。

スウェナ「まさか身振りで出来ないでしょ、アレは?」
Aブルー「まあ、思念波で代用は出来るけどねえ…」

士気が下がるのは間違いないね、とソルジャー、肯定。

Aブルー「機関部とかでも、声はやっぱり大事だよ」
シロエ 「機関部ですか?」
Aブルー「船の心臓部だからねえ…。意思の疎通は…」

それこそ命と言えるだろうね、とソルジャーの説明。

Aブルー「点検とかがさ、声を使わずに出来るとでも?」
シロエ 「確かに、ぼくの機械弄りでも、指差し確認で…」

気付いたら声が出ていますね、と大きく頷くシロエ君。

シロエ 「ということは、喉の薬もあるんでしょう?」
Aブルー「あるねえ、効き目は神がかりなのが!」

スプレー式のも、舐めるヤツもね、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「声が嗄れていても、もう劇的に!」
ジョミー「すっかり回復しちゃうんだ?」
Aブルー「もちろんだよ!」
シロエ 「キース先輩、聞きましたか?」

そっちの薬ならいいでしょう、とシロエ君の問い。

シロエ 「座薬なんかじゃないですしね!」
キース 「それはそうだが、何か違う気が…」

俺は風邪など引いていないぞ、と副住職の難しい顔。

キース 「声質の問題ではないからな…」
シロエ 「あー…。それじゃ駄目ですよね…」
Aブルー「薬とは言っていないけど?」

決め付けないでくれたまえ、と言ってますけど。
じゃあ、何だと…?


2021/05/18 (Tue)

 

☆話が見えません


GWを宇宙で満喫、読経の調子がなまってしまった副住職。
アドス和尚から罰礼を食らう日々、腰が心配なほどでして。

シロエ 「薬じゃない、って…。じゃあ、何なんです?」
キース 「まさかサイオンを使うのか?」
ジョミー「さっき言ってた、手かざし系かな?」

不思議パワーより凄い筈だもんね、とジョミー君。

ジョミー「最強のタイプ・ブルーなんだし、いけるかも…」
シロエ 「暗示をかけるとか、そんなのでしょうか?」
キース 「なるほど、催眠療法か…」

それなら調子も戻るかもな、と副住職も納得な治療法。

キース 「それで治るというんだったら、有難いが」
サム  「だよなあ、治れば罰礼も来ねえしよ」
シロエ 「待って下さい、いい話だとは思いますけど…」

この人に借りが出来るんですよ、とシロエ君の鋭い指摘。

シロエ 「悪戯小僧に借りを作るより、酷い気がします」
ジョミー「あー! なんか絶対、後が怖いよね…」
キース 「まったくだ。実に危ない所だったぞ」

感謝する、とキース君、シロエ君に頭をペコリと。

キース 「というわけでな、今の話は無かったことに…」
Aブルー「そう言わないでさ、話は最後まで聞いてよね」

借りなんか出来やしないから、とソルジャーが立てる親指。

Aブルー「なにしろ、ウインウインな方法だしねえ…」
一同  「「「ウインウイン?」」」

何だそれは、と誰もがキョトン。

キース 「…ウインウインとは、どういう意味だ?」
Aブルー「そのまんまだけど?」

言葉通りでいいんだよ、とソルジャー、即答。

Aブルー「キースは、借りを作らなくってさ…」
キース 「あんたの方は、どうだと言うんだ?」

どうも話が見えないんだが、と副住職の問い。

キース 「タダで治すとは思えないしな、あんたの場合」
Aブルー「だからさ、そこがウインウインなんだよ!」
キース 「はあ?」
Aブルー「ぼくにもメリット!」

ちゃんとあるから、と言ってますけど。
謎ですよね…?


2021/05/19 (Wed)

 

☆治りそうな方法


GWを宇宙で過ごして、読経の調子がなまっている副住職。
アドス和尚が食らわす罰礼、腰がヤバいかもな状況でして。

キース 「…ウインウインで、あんたにもメリットだと?」
Aブルー「そうなんだよ! だから借りなんか出来ないよ」

其処は安心してくれたまえ、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「読経の調子もちゃんと戻るし、いい案かと…」
キース 「どういう治療で、あんたのメリットは何だ?」

どうも話がうますぎるしな、と副住職のもっともな疑問。

キース 「美味しい話には裏がある、と昔から言うし…」
シロエ 「そうです、油断大敵ですよ」
サム  「録音しといた方がいいんでねえの?」

この会話をよ、とサム君も。

サム  「後からグダグダ言われた時に、証拠になるぜ」
シロエ 「そうしましょうか」

シロエ君がサッと取り出すスマホ。

シロエ 「こういう時のために、ちょっと改造したんです」
サム  「最高の音質で録れるのかよ?」
シロエ 「ノイズも綺麗に除去出来ますよ」

電力も殆ど消費しません、と自慢のアイテム。

シロエ 「というわけで、続きをどうぞ!」
Aブルー「その必要は無いと思うけどねえ?」
キース 「いいや、大いにあると思うが」
Aブルー「ウインウインだよ、君も賛成する筈だしね」

なにしろ法要をするだけだから、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「今から、ぶっつけ本番でさ!」
キース 「法要だと?」
Aブルー「うん、法要! いつもみたいにフルコースで!」

一時間ほど、ありとあらゆるお経だよね、とニコニコニコ。

Aブルー「嫌でも調子が戻ると思うよ、完璧に!」
サム  「あー…。言えてるよなあ…」

鳴り物も必須なんだしよ、と大きく頷く僧籍な人。

サム  「トチッた所で、誰も文句は言わねえし…」
シロエ 「治りそうですね…」
Aブルー「ぼくは法要をして貰えるしね!」
キース 「ちょっと待て!」

いったい何の法要なんだ、と言ってますけど。
愚問なのでは?


2021/05/20 (Thu)

 

☆心当たりがゼロ


GWを宇宙で満喫、読経の調子がなまったらしいキース君。
アドス和尚に罰礼を食らう毎日、腰がヤバそうな状況の今。

キース 「今の時期に法要と言われても、心当たりが…」
Aブルー「全く無い、って?」
キース 「お彼岸は済んだし、お盆は当分、先なんだぞ」

何の法要があると言うんだ、と副住職、怪訝そうな顔。

キース 「それにあんたは、こっちの世界に親族などは…」
Aブルー「いるわけがないね!」

ぼくの世界にもいやしないって、とソルジャー、キッパリ。

Aブルー「SD体制に血縁関係なんかは、無いからさ!」
キース 「そうなると、誰の法要なんだ?」

真面目に分からん、と副住職が傾げる首。

キース 「親族がいるなら、忘れた頃に年忌法要も…」
ブルー 「まあ、珍しくはないよね、うん」

三百回忌とかだと、もはや誰だか、と生徒会長の相槌。

ブルー 「とはいえ、ブルーが言っているのが…」
シロエ 「誰の法要かは、ぼくでも分かりますけれど?」
キース 「お前、こいつの親戚だったのか?」
シロエ 「親族はいないと言ってましたが?」

天然なんだか、わざとなんだか…、とシロエ君、溜息。

シロエ 「頼まれる法要、一つだけだと思いますけどね?」
サム  「他にねえよな」
ジョミー「もう思いっ切り、迷惑だけどね…」

出来れば忘れていたかったよ、とジョミー君も。

ジョミー「キースが忘れているのにさ…」
シロエ 「まったくです。…本当に心当たりはゼロだと?」
キース 「そう言われてもだな…」
Aブルー「どうかと思うよ、一番弟子を忘れるなんてね!」

こんな師僧じゃ、弟子もグレそう、とソルジャーの嘆き。

Aブルー「やってられなくて、家出しそうだよ」
シロエ 「その方が、ぼくたちは嬉しいんですけど…」
スウェナ「法要の度に、巻き添えだものね、毎回、毎回」
キース 「もしかして、それは…」
シロエ 「思い出しました?」

ダメなら力技ですね、とシロエ君、指をボキボキ。
殴ると…?


2021/05/21 (Fri)

 

☆絞めてしまえば


GWを宇宙で過ごして、読経の調子が出ないらしい副住職。
アドス和尚が食らわす罰礼、腰がヤバいかもな状況でして。

シロエ 「思い出せないなら、思い出させてあげますよ」
ジョミー「もうさ、そのまま絞めちゃったら?」
サム  「いいと思うぜ、首をキュッとよ」
シロエ 「そうですね…。でもって、鍋にするわけですね」

逆さに吊るして血抜きをして、とシロエ君の指がボキボキ。

シロエ 「少しばかり、肉が硬いかもですけど…」
スウェナ「地鶏だったら、そんなものじゃないかしらね?」
マツカ 「放し飼いの鶏だと、肉は硬めになりますね」

やっぱり筋肉がつきますから、と御曹司。

マツカ 「それを美味しく調理するのが、プロなんですよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お酒を使うとか、方法、色々!」
シロエ 「分かりました。じゃあ、絞めときましょうか」

思い出せないみたいですから、とシロエ君の冷たい笑み。

シロエ 「絞めてしまえば、世の中、平和になりますよ」
キース 「ま、待ってくれ、思い出したから!」
Aブルー「それにキースを絞めちゃ困るよ、ぼくだって!」

せっかくウインウインな話なのに、とソルジャーの助け舟。

Aブルー「元気にお経を唱えて貰ってこそだしさ!」
シロエ 「なまってしまって、下手だそうですけど?」
Aブルー「いいんだってば、気は心だし!」

それに誰だって最初は下手だし、とソルジャーも必死。

Aブルー「だから絞めずに、法要、よろしく!」
キース 「スッポンタケの法要だな?」
Aブルー「ピンポーン!」

スッポンタケが喜ぶよ、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「いつも通りにお願いしたいね!」
シロエ 「法要の理由が無いんですけど?」

お彼岸でも、お盆でもありませんから、とシロエ君。

シロエ 「この際、絞めておきたいんですよ、その人を!」
スウェナ「やっちゃいなさいよ!」
Aブルー「ちょっと…!」

絞めないでよ、と悲鳴ですけど。
確かに理由は無いですね?


2021/05/22 (Sat)

 

☆絞めていいです


GWを宇宙で満喫、読経の調子がなまってしまった副住職。
アドス和尚に食らう罰礼、腰がヤバいのを何とかしたい今。

Aブルー「キースを絞めて貰っちゃ困るよ、本当に!」
シロエ 「でもですね…。何もかも、この人のせいですし」
スウェナ「いなくなったら、ホントに平和になるものね」

法要をする理由も無いのに法要なんて、とスウェナちゃん。

スウェナ「巻き添えを食らう私たちの方も、限界なのよ!」
サム  「分かるぜ、僧籍な俺でも、こう、なんつーか…」
ジョミー「ゲンナリするよね、法要の度にさ…」

お盆は、ぼくはキースのお供なんだけど、とジョミー君も。

ジョミー「でも、春と秋のお彼岸はさ…」
サム  「俺たちも、此処で巻き添えだもんな…」
シロエ 「というわけです、理由も無いのに法要なんか…」

論外ですね、とシロエ君、バッサリ切り捨て。

シロエ 「諸悪の根源は、絞めときましょう!」
ぶるぅ 「んとんと…。キースを、お鍋にするの?」
シロエ 「調理をお願い出来ますか?」
ぶるぅ 「いいけど、警察、来ちゃいそうだよ?」

殺人になると思うんだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「でもでも、アレかな、食べてしまえば…」
ブルー 「バレないと思うね、単に失踪したってことで」

原因はアドス和尚の罰礼だよね、と生徒会長、ニンマリ。

ブルー 「嫌気がさして出奔するのは、よくあるからさ」
サム  「坊さんあるある、っていうヤツかよ?」
ブルー 「うん。家から逃げるのも、お寺からのも…」

両方あるから、問題無し! とブチ上げる、恐ろしい理論。

ブルー 「やっちゃって良し!」
シロエ 「了解です!」

言い残すことはありませんか、とシロエ君、目がマジ。

シロエ 「あるなら、聞いておきますけど」
Aブルー「ダメだってば、絞めちゃ!」
キース 「俺だって、まだ死にたくはない!」
シロエ 「聞こえませんね」

助命嘆願の方は無しです、とビシッと。
キース君、ピンチ…。


2021/05/23 (Sun)

 

☆絞めるのは困る


GWで読経の調子がなまってしまった、キース君ですけど。
治すために法要とソルジャーが提案、けれど周りは迷惑で。

シロエ 「言い残すことが無いなら、もういいですね?」
サム  「早く絞めろよ、うるせえからよ」
キース 「お、お前たち…!」

マジで犯罪に手を染める気か、とキース君、ガクブル。

キース 「いくらバレないからと言っても…!」
Aブルー「そっちはいいけど、ぼくが困るんだよ!」

スッポンタケはどうなるのさ、とソルジャーも泣きそう。

Aブルー「キースがいなくなってしまったら、大変だよ!」
ブルー 「無縁仏でいいと思うね!」

世の中、そういうケースは沢山、と銀青様の仰せ。

ブルー 「お盆とお彼岸に、纏めて法要して貰えるよ」
Aブルー「それって、略式ってことだろう!」
ブルー 「施餓鬼法要だから、正式な法要ではあるねえ…」

うんと短いヤツだけどね、と生徒会長、しれっと。

ブルー 「だから問題無いと思うよ、その件も!」
キース 「あんた、高僧のくせに、殺生する気か!」
ブルー 「手を下すのは、ぼくじゃないから!」
シロエ 「お念仏くらいは唱えてくれると思いますよ」

だから安心して下さい、とシロエ君の冷ややかな笑み。

シロエ 「さて、絞めますか!」
Aブルー「待ってよ、法要の理由があれば…!」

キースの命は助かるんだよね、とソルジャー、必死。

Aブルー「ただ練習ってだけじゃなくって、何か理由が!」
シロエ 「それはまあ…。でも、無いですから!」

時季外れですし、年忌法要も…、とシロエ君の反撃。

シロエ 「ですから、絞めていいんです!」
Aブルー「じゃあ、誕生日で!」

それでお願い、とソルジャーの叫び。

Aブルー「今の季節なら、スッポンタケが生えるよね?」
シロエ 「えっと…。山とか林とかですか?」
Aブルー「そう! だから、誕生日ということで!」
一同  「「「誕生日!?」」」

なんだそれは、と一同、目が点ですけど。
誕生日…?


2021/05/24 (Mon)

 

☆誕生日でもアリ


GWで読経の調子がなまったキース君、治すには法要とか。
ソルジャーが提案したわけですけど、周りは大迷惑でして。

シロエ 「誕生日って…。法要と言えば、命日でしょう!」
サム  「そうだぜ、宗祖様とかでも、命日に法要で…」
スウェナ「誕生日なんて、聞かないわよねえ?」
マツカ 「強いて言うなら、花祭りでしょうか?」

お釈迦様の誕生日が花祭りですよね、と御曹司。

マツカ 「他にも何かあったでしょうか?」
ブルー 「ソレイド八十八ヶ所を開いた、御大師様なら…」

青葉祭りがあるけどね、と生徒会長、いえ、銀青様の仰せ。

ブルー 「だけど他には、有名どころは無いような気が…」
Aブルー「でも、皆無ってわけじゃないんだろう?」

それにさ、前に聞いたんだよね、と食い下がるソルジャー。

Aブルー「亡くなった仏様の、お誕生日の法要ってヤツを」
一同  「「「はあ?」」」
Aブルー「確かに聞いたよ、ご存命なら百歳だから、って」

誕生日祝いの法要をしたって…、とソルジャー、目がマジ。

Aブルー「言っていたのは、キースだったかなあ?」
シロエ 「そ、そういえば、そんな話がありましたっけ…」
ジョミー「お赤飯とバースデーケーキで、法要だっけ?」
マツカ 「お坊さんも招いて、誕生日パーティーでしたね」

法要の後で賑やかに…、とマツカ君たちも思い出した話。

マツカ 「その法要をするんですか?」
Aブルー「そう! それなら、理由になるだろう?」

それにパーティーもついてくるよ、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「法要の後は、みんなでパーティー!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ パーティー、大好き!」

御馳走、作っちゃうもんね! と飛び跳ねるお子様。

ぶるぅ 「パーティーしようよ、せっかくだから!」
シロエ 「美味しい話な気がしますね…」
Aブルー「君たちだって、ウインウインだよ?」
一同  「「「イイネ!」」」

パーティー歓迎、と歓声を上げる御一同様。
法要ですよ?


2021/05/25 (Tue)

 

☆借りが出来た人


GWでなまってしまった、キース君の読経を治すには法要。
反対の声が多数でしたけど、ソルジャーの案で一転でして。

シロエ 「法要はともかく、パーティーは大歓迎ですよ!」
ジョミー「御馳走がドッサリ出そうだもんね!」
ぶるぅ 「ぼく、頑張っちゃう!」

その間に法要の支度をしてよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「今から、買い出しに行って来るから!」
スウェナ「でも…。市場って、朝が早いんじゃないの?」
サム  「終わっちまってるよな、卸売市場?」
ぶるぅ 「直接、仕入れに行くんだもーん!」

それに外国なら、これから朝だよ、と頼もしい答え。

ぶるぅ 「エスニックとかも出来ちゃうもんね!」
ブルー 「ぶるぅはプロだし、仕入れの心配は無用だよ」
Aブルー「それじゃ、お願い出来るかな?」
ぶるぅ 「うん、行って来るねーっ!」

お買い物、とパッと姿を消したお子様。

シロエ 「楽しみですねえ、色々作って貰えそうですよ」
スウェナ「食材も最高のが揃うわけよね!」
Aブルー「というわけだし、こっちはキースに…」

法要をして貰おうか、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「トチっちゃっても、ご愛敬でさ!」
ブルー 「そうだね、どうせ間違えても、誰も文句は…」
シロエ 「言わないですよ、お経は分かりませんからね」

すっ飛ばしても無問題です、とシロエ君。

シロエ 「キース先輩、法要で調子を戻しましょう!」
キース 「そうだな、絞められるかと思ったが…」
マツカ 「命拾いをしましたね、キース」
サム  「思いっ切り、借りが出来たんでねえの?」

命拾いをしたんだからよ、とサム君の指摘。

サム  「誕生日とパーティーの話が無けりゃよ…」
ジョミー「絞められてたよね、確実に…」
キース 「…この馬鹿に借りが出来たのか、俺は?」
Aブルー「えっと…。どうしようかな?」
キース 「頼むから、ツケにしないでくれ!」

全力の法要で恩を返すから、と言ってますけど。
さて…?


2021/05/26 (Wed)

 

☆借りを返すには


GWでなまったキース君の読経、治すためには法要が一番。
スッポンタケの誕生日祝い、法要の後はパーティーだとか。

キース 「あんたに借りを作ったとなると、色々と…」
シロエ 「困りそうですけど、難しいんじゃあ?」
サム  「功労者ってことになりそうだしよ…」
キース 「分かってはいるが、其処をなんとか!」

この通りだ、とキース君、ソルジャーに土下座。

キース 「確かに読経の調子は悪いが、誠心誠意!」
Aブルー「うーん…。でもねえ、ツケにしないとなると…」

君が作った借りをチャラにする方法が…、と首を傾げる人。

Aブルー「貸しにしとけば、使い道もあると思うんだけど」
キース 「そ、そんな…!」
ジョミー「じゃあさ、タダ働きでどうかな?」
一同  「「「タダ働き?」」」

なんだそれは、と一同、キョトン。

シロエ 「それって、どういう意味なんです?」
ジョミー「そのまんまだよ、お布施は無しって!」
Aブルー「お布施が必要だったのかい!?」

ただの練習なんだけど、とソルジャーの目が真ん丸に。

Aブルー「お布施なんかは要らないだろう?」
ジョミー「でもさ、パーティーまでつくんだよ?」
サム  「うんうん、本格的だしよ…」

やっぱ、お布施は要るんでねえの、とサム君も。

サム  「功徳を積むには、お布施だからよ」
ブルー 「サムの意見が正しいね、うん」

気付いた以上は、お布施が必要、と銀青様も。

ブルー 「気付いてなければ、タダだったけどね!」
Aブルー「払わなかったら、どうなるんだい?」
ブルー 「踏み倒したってことで、功徳はゼロ!」

それでいいなら踏み倒したまえ、と伝説の高僧のお言葉。

ブルー 「嫌なら、お布施をするしかないよ」
キース 「其処を無料でやらせて貰うが!」

タダ働きで、と副住職、すかさず提案。

キース 「ツケにする代わりに!」
Aブルー「功徳がゼロだと困るしねえ…」

それでいいかな、と頷くソルジャー。
貸し借り無し、と…。


2021/05/27 (Thu)

 

☆衣装もよろしく


GWでなまったキース君の読経を、法要をやって治す方法。
スッポンタケの誕生日祝いだそうで、パーティーもセット。

Aブルー「それじゃ、キースはタダ働きということで!」
キース 「有難い。お蔭で借りを作らずに済む」
Aブルー「その代わり、キッチリやって貰うよ!」

衣装も込みで、とソルジャーの要求。

キース 「衣装?」
Aブルー「お坊さんのヤツだよ、着て貰わないと!」
キース 「クリーニングはどうなるんだ!」
Aブルー「自分で洗えないのかい?」

坊主のくせに、と言ってますけど。

キース 「襦袢とかはいいが、衣の方は俺には無理だ!」
Aブルー「クリーニング代なら、払うけれどね?」
キース 「本当か?」
Aブルー「ぼくのシャングリラでも、洗えないから…」

専門の店に任せるよ、とソルジャー、丸投げコースを選択。

Aブルー「それでいいだろ、直ぐ取り寄せてくれたまえ!」
キース 「ぶるぅが留守にしているんだが!」
Aブルー「あっ、そうか…。食材の仕入れに行ったから…」

だったら、ぼくが、とソルジャーの笑み。

Aブルー「瞬間移動なら、ドンとお任せ!」
キース 「そういえば、あんたもプロだったな」
Aブルー「で、何処にあるって?」
キース 「俺の心を読んでくれ」

思い浮かべるから、と副住職。

キース 「法衣が此処で、お袈裟がこっちの箪笥だな」
Aブルー「オッケー!」

どうぞ、と瞬時に出て来た法衣と袈裟の包みですけど。

キース 「…おい。お袈裟が違うぞ」
Aブルー「だってさ、君が選んだヤツはさ…」

地味だったし、とソルジャーの答え。

Aブルー「せっかくだから、派手なのがいいよね!」
キース 「お袈裟には決まりがあるんだが!」

これは親父の最上級のだ、とキース君、ガクブル。

キース 「俺が使ったことがバレたら…」
Aブルー「罰礼なのかい?」
キース 「罰礼どころか、一生、タダ働きだ!」

地味な方と早く取り替えてくれ、と顔面蒼白。
ピンチ到来…。


2021/05/28 (Fri)

 

☆まだ無理な袈裟


GWでなまったキース君の読経、治すためには法要が一番。
スッポンタケの誕生日祝いだそうで、パーティーもセット。

キース 「早く戻してくれ、でないとヤバイ!」
Aブルー「箪笥なんか、そうそう覗かないだろ?」
キース 「明日は檀家さんの法事があるんだ、午前中に!」

だから親父が箪笥を開けるぞ、とキース君、ブルブル。

キース 「他のヤツなら気付かんだろうが、これだけは!」
Aブルー「バレるって?」
キース 「大事なヤツだし、開けた時は必ず点検なんだ!」

虫が食ったら大変だからな、と慌てまくりな副住職。

キース 「親父が来る前に戻せ、頼むから!」
Aブルー「分かったよ…」

パッと入れ替わった、袈裟入りの包み。

Aブルー「なんだかねえ…。あっちの方がいいのになあ…」
キース 「俺が親父に絞められるだろうが!」
シロエ 「でもって一生、タダ働きになるんですね?」
キース 「お袈裟に相応しい坊主になるまでな!」

今の俺には、アレは無理だ、と副住職。

キース 「坊主の世界では、まだまだヒヨコの内だしな」
Aブルー「決まりって、そういうヤツなのかい?」
キース 「そうだ、坊主の位で決まるんだ」
Aブルー「じゃあ、派手なのを着けるためには…」

偉くなるしかないんだね、とソルジャー、納得。

Aブルー「そういうことなら、協力するから!」
キース 「はあ?」
Aブルー「これからも、色々と法要をこなすんだよ!」

そうすればスキルもアップするよね、とニコニコニコ。

Aブルー「月に一度は法要なんか、どうだろう?」
シロエ 「それ、パーティーもつきますか?」
Aブルー「もちろんだよ!」

法事って、そういうものだよね、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ぶるぅさえ良ければ、毎回、パーティー!」
ぶるぅ 「ただいまーっ! えっと、何のお話?」
Aブルー「毎月、パーティーはどうだろう、ってね」
ぶるぅ 「ホント!?」

おもてなし大好き! と跳ねてますけど。
毎月、法要…?


2021/05/29 (Sat)

 

☆上手くてもダメ


GWでなまったキース君の読経を、法要で治すという方法。
スッポンタケの誕生日祝いで、法要の後はパーティーつき。

ぶるぅ 「ねえねえ、毎月、パーティーって、なあに?」
Aブルー「毎月、法要をするんだよ! スッポンタケの!」

誕生日があるなら何でもいける、とソルジャー、強気。

Aブルー「入学式とか、卒業式は流石に無理だけれどね」
シロエ 「でも、文化祭とかはいけそうですよね」
サム  「運動会は、動けねえから無理だよなあ…」
ジョミー「見学ってことなら、いけるんじゃないの?」

保護者とかは見に行くものなんだしさ、とジョミー君。

ジョミー「修学旅行はキツそうだけどね」
Aブルー「どうだろう? 合宿とかも、いい感じだよ」
スウェナ「それを言うなら、夏休みとかもいけそうだわよ」
Aブルー「そうだ、祝日があったっけねえ!」

それを祝えばいいんじゃないかな、とソルジャーの意見。

Aブルー「だいたい、毎月、ありそうな気が…」
マツカ 「来月は無いんですけどね?」
Aブルー「うーん…。でもまあ、何か考えれば…」

とにかく毎月、法要ってことで、と強力なプッシュ。

Aブルー「キースはスキルアップ出来るし、みんなはさ…」
シロエ 「パーティーで御馳走なんですね?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ それって、楽しそう!」

ぼくも、お料理、頑張るもん! と大喜びのお子様。

ぶるぅ 「だから、キースも頑張ってね!」
キース 「…俺だけの問題じゃないんだが?」
一同  「「「は?」」」
キース 「スキルだけの問題ではない、と言っている!」

坊主の位は、そう簡単な仕組みではない、と副住職の渋面。

キース 「いくら読経が上手くなっても、それだけではな」
Aブルー「ダメなのかい?」

他には何が必要だと、とソルジャーの問い。

Aブルー「お金かな?」
キース 「金で坊主の位は買えんぞ、年季だ!」
Aブルー「…年季?」

それって何さ、とソルジャー、キョトン。
年季ですか…?


2021/05/30 (Sun)

 

☆マンネリは困る


GWでなまったキース君の読経、法要で治すんですけれど。
毎月やってスキルアップは、やるだけ無駄になるという話。

Aブルー「年季というのは、何のことだい?」
キース 「そのままの意味だ、要は年数が大切なんだ!」

坊主として何年やって来たかということだ、と副住職。

キース 「坊主の世界に、基本、飛び級は無いからな」
Aブルー「じゃあ、二階級特進とかは…」
キース 「宗祖様クラスでないと、まず不可能だが」
Aブルー「コツコツやっていくしかない、って?」

あの派手なヤツを着るためには…、とソルジャー、呆然。

Aブルー「それじゃ、毎月、法要をしても…」
キース 「読経のスキルがアップするだけだ」
Aブルー「うーん…。スッポンタケは喜びそうだけど…」
シロエ 「どうでしょう? マンネリ化とも言いますし…」

ぼくたちは気にしませんけどね、とシロエ君。

シロエ 「毎月、パーティーというのは大歓迎です!」
ジョミー「だよねえ、それでいこうよ、キース!」
キース 「まあ、俺としても、やぶさかでは…」
Aブルー「ダメダメ、マンネリは絶対、ダメ!」

そんなの困る、とソルジャーの叫び。

Aブルー「大人の時間にマンネリは大敵、禁物なんだよ!」
一同  「「「???」」」
Aブルー「ダメなんだってば、毎月はダメ!」

誕生日祝いのヤツだけでいい、とソルジャー、必死。

Aブルー「今日だけ法要、でもって、パーティー!」
キース 「よく分からんが、今日だけなんだな?」
Aブルー「そう、今回だけ!」

マンネリになったら大変だから、と百八十度の方向転換。

Aブルー「というわけでね、早速、法要!」
ぶるぅ 「御馳走も期待していてね!」

仕入れはバッチリ! ということでして…。

キース 「ならば、着替えて始めるとするか」
Aブルー「よろしく頼むよ、みんなもいつも通りにね!」
一同  「「「オッケー!!!」」」

終わったらパーティー、と上がる歓声。
今月、これにて中継終了~。


2021/05/31 (Mon)





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☆だるい連休明け


さて、五月。今年のGWはズラリ続いた祝日、まさに連休。
シャン学メンバーも満喫でして、GWが明けた後の土曜日。

ジョミー「うーん…。木曜と金曜、だるかったよねえ…」
シロエ 「仕方ないですよ、そこは普通に学校でしたし」
サム  「だよなあ、休んじまうのは、ちょっと…」

マズかったしよ、とサム君がぼやく、生徒会長の家。

サム  「シャングリラ号で過ごした後で、サボりはよ…」
スウェナ「絶対、何か言われるわよえねえ、ネチネチと…」
キース 「グレイブ先生は来ていなかったが、情報は…」

キッチリ流れているだろうしな、とキース君も。

キース 「他の生徒の手前、行き先は伏せる筈なんだが…」
ジョミー「嫌味は言うよね、遊んだ続きにサボリじゃさ…」
シロエ 「月曜日の朝のホームルームで、ソレでしょうね」

いい御身分だな、とか言うんですよ、とシロエ君。

シロエ 「自主連休は楽しかったかね、ってヤツですね」
サム  「言うよな、ソレ…」
キース 「回避するには、登校するしか無かったわけだ」

だるかったが、とキース君も溜息。

キース 「俺の場合は、すっかりなまっていたからなあ…」
シロエ 「あれっ、自主トレ、していたでしょう?」
マツカ 「教頭先生も、稽古をつけてくれてましたよ?」
キース 「いや、柔道の方じゃなくて、だ…」

稼業の方だ、とキース君が指差す左手首の数珠レット。

キース 「シャングリラ号にいた間、朝晩のお勤めを…」
ブルー 「全く、やっていなかったんだね?」
キース 「ついつい、忘れてしまってな…」
シロエ 「あー…。アドス和尚に叱られましたか?」

声が出ていないとか、そんな感じで、とシロエ君。

シロエ 「まさかお経を忘れる程では、ないでしょうしね」
キース 「たるんでるぞ、と思いっ切り…」
ジョミー「どやされたって?」
キース 「罰礼を食らった」
一同  「「「うわー…」」」

GW明け早々、食らったのか、と誰もが同情。
気の毒に…。


2021/05/01 (Sat)

 

☆たるんでいたツケ


GWを満喫した後、二日間は登校だったシャン学メンバー。
生徒会長宅に集った土曜日、誰もがだるかったと溜息で…。

サム  「連休の後で罰礼かよ…。そりゃキツイよなあ…」
シロエ 「しかもアレですよね、食らった後に登校で…」
キース 「そうなるな。朝のお勤めで怒鳴られたわけで…」

その場でキッチリ食らったんだ、とキース君の渋面。

キース 「おまけに、続きは帰ってからだと来たもんだ」
ジョミー「続きって?」
キース 「親父の罰礼は、百回単位で来るんだぞ?」

学校に間に合わんだろうが、と副住職。

キース 「途中で終わって、続きは帰ってからだったんだ」
シロエ 「そ、それは大変でしたね、先輩…」
サム  「んで、百回で済んだのかよ?」
キース 「百回くらいで、許されるわけがないだろう!」

三百回で来やがった、とブツブツブツ。

キース 「それが木曜日で、昨日もだな…」
シロエ 「食らったんですか?」
キース 「まだまだ声が出ていない、とな!」

クソ親父め、と副住職が握り締める拳。

キース 「その上、今朝も遠慮は無かった」
ジョミー「朝から百回、やって来たとか…?」
キース 「ああ。今日は休みだから、キッチリやれ、と!」

三百回だぞ、と肩を竦める副住職。

キース 「流石に朝からアレは堪える…」
シロエ 「GWのツケ、高くつきましたね…」
キース 「学校のだるさが身に染みたな…」

お前らの比ではないだるさだ、と超特大の溜息が。

キース 「授業くらいで文句は言えん」
ジョミー「そうだよねえ…」
ぶるぅ 「ねえねえ、キース、大丈夫なの?」

心配だよう! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」

ぶるぅ 「罰礼、腰にくるんでしょ?」
キース 「まだ大丈夫だが、これが続くと危ないな…」
ぶるぅ 「そっか、やっぱり…。ぶるぅを呼ぶ?」
キース 「はあ?」
ぶるぅ 「えっとね、ぶるぅに連絡しておいた方が…」

いいと思うの! と言ってますけど。
ぶるぅって、何故に…?


2021/05/02 (Sun)

 

☆寝込んだ時は復讐


GWをシャングリラ号で過ごした面々、満喫でしたけれど。
連休明けの二日間がだるかった、と生徒会長宅で文句な今。

キース 「どうして其処で、ぶるぅの名前が出るんだ」
ぶるぅ 「んとんと…。罰礼、腰に来ちゃったら…」

大変だしね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の心配そうな顔。

ぶるぅ 「だから早めに、ぶるぅにお願いしておけば…」
キース 「悪戯小僧に何を頼めと?」
シロエ 「復讐の代理じゃないですか?」

アドス和尚に復讐ですよ、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「キース先輩が腰をやられたら、こう、悪戯を…」
サム  「いいよな、ソレ! あいつだったらよ…」
ジョミー「アドス和尚も真っ青なヤツを、やらかすよね!」
スウェナ「そうねえ、おまけに逃げ足も速いし…」

頼んでおいたらいいんじゃないの、とスウェナちゃんも。

スウェナ「万一の時はよろしく頼む、って今の間に!」
キース 「なるほどな…。俺は寝込んでいるんだし…」
ジョミー「アリバイの方はバッチリだってば!」

俺は知らん、で通っちゃうよね、とジョミー君。

ジョミー「それにキースは寝込んでるから、後始末もさ…」
サム  「しなくていいよな、何が起きてもよ」
シロエ 「本堂が灰まみれだとか、そういうのですね?」
キース 「そうか、親父が一人で後始末か…」

やって貰うか、と副住職が浮かべる極悪な笑み。

キース 「大いに使えそうだな、ぶるぅは」
ぶるぅ 「でしょ、でしょ!?」
キース 「すぐに連絡はつくのか、あいつに?」
ぶるぅ 「もっちろーん!」

ぼくたち、仲良しだもーん! と胸を張るお子様。

ぶるぅ 「呼んだら、パッと来てくれちゃうよ!」
シロエ 「いいですねえ! 頼むべきですよ、キース先輩」
キース 「前提として、俺が寝込むのがあるんだが…」
ジョミー「それはさ、とても気の毒だけど…」
サム  「復讐出来るんだぜ、親父さんによ」

検討する価値は大いにあるぜ、とサム君も。
そうですよね?


2021/05/03 (Mon)

 

☆夕方もあります


GWはシャングリラ号に出掛けた面々、楽しんだのですが。
連休明けがだるかったわけで、生徒会長宅で文句な土曜日。

キース 「俺が罰礼で寝込んだ時は、ぶるぅの出番か…」
ぶるぅ 「そだよ、ホントにお願いしとけば?」

罰礼、まだまだ続くんでしょ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

キース 「不吉なことを言わないでくれ!」
ジョミー「でもさ、キースの勘とか調子が戻らないとさ…」
サム  「親父さん、毎朝、罰礼をかますぜ」
キース 「正確に言えば、お勤めは夕方もあるからな…」

罰礼は夕方の分もあるんだ、と副住職の溜息。

キース 「そっちの方も百回単位で、しかも親父が…」
シロエ 「見張っているというわけですか?」
キース 「ああ。数をカウントしながらな!」
一同  「「「うわー…」」」

それは厳しい、と誰もがガクブル。

スウェナ「休憩できそうにないわね、ソレ…」
キース 「トイレにも行けない勢いだが?」
サム  「マジかよ、トイレも不可なのかよ!?」
キース 「行けば、そのまま逃げる可能性があるからな」

脂汗を流していれば別だが、と副住職。

キース 「本堂で粗相をやってしまうと、御本尊様に…」
シロエ 「失礼だから許す、という勘定ですね?」
キース 「そうなるんだが、もちろん親父が…」

トイレの前までついて来るぞ、とブツブツブツ。

キース 「でもって、まだか、と急かすんだ!」
ジョミー「酷すぎるってば、その扱いはさ…」
サム  「頼んじまえよ、あっちのぶるぅに」

万一の時しか出番はねえけど、とサム君、プッシュ。

サム  「仇は討ってくれるぜ、立派に」
シロエ 「そうですよ!」

此処はお願いすべきですね、とシロエ君も。

シロエ 「すぐに連絡が付くんですから、頼みましょう!」
サム  「マジで、お勧めコースだぜ?」
ぶるぅ 「んとんと…。ぶるぅ、呼んだ方がいい?」
キース 「どうするかな…」

あいつに借りを作るのは…、と考え込む人。
借りですか…。


2021/05/04 (Tue)

 

☆腰まで治ります


GWをシャングリラ号で過ごした面々、今日は生徒会長宅。
連休明けがだるかった、と文句ですけど、キース君は別格。

キース 「親父に復讐出来るというのは、嬉しいんだが…」
ジョミー「しかもさ、キースはアリバイつきだよ?」
シロエ 「後始末だって、寝込んでいれば不要ですしね」

アドス和尚がやるわけですし…、とプッシュな御一同様。

シロエ 「借りにしたって、ぶるぅですから…」
サム  「気にしなくてもいいんでねえの?」
スウェナ「そうよ、存分に悪戯出来れば、満足だわよ」

おまけに普段は出来ない場所よ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「元老寺の本堂だなんて、最高じゃないの!」
シロエ 「あっちの世界には、お寺なんかは無いですしね」
ジョミー「もう張り切って来ると思うよ、大喜びで!」
キース 「…そう思うか?」

後からツケは来ないと思うか、と副住職の問い。

キース 「あいつに借りを作ってしまうと、色々とな…」
ジョミー「ヤバそうだけどさ、この場合はさ…」
シロエ 「悪戯やり放題ってことで、いけると思いますよ」
サム  「うんうん、思いっ切り発散出来るしよ」

頼んじまえよ、とサム君も勧める復讐コース。

サム  「万一の時は仇を討ってくれ、ってよ」
キース 「そうだな、報酬が要らんのならな」
ぶるぅ 「えっと、えっとね、ぶるぅなら、きっと…」

おやつがあれば大丈夫! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「終わった後に、お疲れ様、って!」
キース 「菓子は作ってくれるんだな?」
ぶるぅ 「うんっ、おもてなし、大好きだもーん!」

だから安心して頼んじゃってね、と頼もしい言葉。

ぶるぅ 「それに腰だって、アッと言う間に治るんだし!」
キース 「…悪戯でか?」

原因はストレスではないんだが…、と副住職。

キース 「気分は晴れても、治らんと思うぞ」
ぶるぅ 「でもでも、ぶるぅに頼めば、オッケー!」

そう言ってたよ、と自信満々ですけど。
悪戯で治りますか…?


2021/05/05 (Wed)

 

☆不思議パワーで


GWはシャングリラ号に出掛けた面々、週末は生徒会長宅。
連休明けの学校がだるかったそうで、キース君は更に不幸。

ぶるぅ 「罰礼で腰を痛めちゃっても、すぐ治るもんね!」
キース 「何故、そうなるんだ? あいつの悪戯でだ…」

気分は晴れても、腰の原因は別物だぞ、と副住職。

キース 「とても治るとは思えんのだが…」
ぶるぅ 「でもでも、効き目は神がかり、って!」
シロエ 「えーっと…? ぶるぅは祈祷師でしたっけ?」
ジョミー「聞いてないけど、サイオンは半端ないからさ…」

何か方法があるのかもね、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「ほら、こっちでもさ、手かざしとかって…」
サム  「あー! あるよな、手から癒しのパワーっての」
シロエ 「なるほど、ぶるぅの不思議パワーですか…」

それなら納得出来ますよ、と大きく頷くシロエ君。

シロエ 「でもですね…。それなら、同じぶるぅですし…」
マツカ 「悪戯小僧に頼まなくても、出来そうですよね」
キース 「同感だ。ぶるぅ、お前に頼みたいんだが」

礼ならするぞ、と副住職の目が「そるじゃぁ・ぶるぅ」に。

キース 「とはいえ、料理の下ごしらえくらいしか…」
シロエ 「掃除でいいんじゃないんですか?」

キース先輩、得意でしょう、とシロエ君の提案。

シロエ 「本堂から境内まで、いつも掃除をしてますしね」
ジョミー「いいよね、お礼に拭き掃除とかさ」
キース 「分かった、腰が治っているなら、楽勝だしな」

礼は掃除にしておこう、と副住職も。

キース 「というわけでだ、万一の時は、よろしく頼む」
ぶるぅ 「んとんと、お掃除は嬉しいんだけど…」

ぼくには無理っぽいんだよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「だって、やったことないんだもん…」
キース 「その辺は、どうとでもなるんじゃないのか?」
ぶるぅ 「失敗したら大変っぽいよ?」
キース 「難しいのか?」

その方法は、とキース君の質問ですけど。
高度な技だと…?


2021/05/06 (Thu)

 

☆失敗したら大変


GWをシャングリラ号で過ごした面々、生徒会長宅な週末。
連休明けがだるかったそうで、キース君には更なる不幸が。

キース 「あっちのぶるぅにしか、こなせないとでも?」
ぶるぅ 「うーん…。ぼくにも分かんないけど…」

やってやれないことはないけど、と困った様子のお子様。

ぶるぅ 「失敗しちゃったら、ホントに大変そうだし…」
キース 「パワーの加減が難しいとか、そういうのか?」
ぶるぅ 「そうなのかも…。ウッカリ零しちゃったら…」

キースが酷い目に遭いそうだしね、と複雑な表情。

ぶるぅ 「上手くいったら、とても効くとは思うけど…」
キース 「零す、というのは、余計な部分にだな…」

パワーが及んでしまった場合か、と副住職の問い。

キース 「患部を狙うのが難しい、と?」
ぶるぅ 「そうなの! 零すと痒くなっちゃう、って!」
一同  「「「はあ?」」」

痒いって、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「痒くなるって、蕁麻疹でも出るんでしょうか?」
ジョミー「どうかな、ほら、怪我の治りかけとかって…」
サム  「あー! 痒くなっちまう時があるよな!」
マツカ 「それなんでしょうか?」

治りかけの微妙な感じが出るとか、とマツカ君も。

マツカ 「神経を弄るみたいですしね、サイオンで」
キース 「それなら分かる気もするな…」

人体は複雑に出来ているし…、とキース君も納得の副作用。

キース 「鍼灸のツボでも、一つ間違えると厄介らしいぞ」
シロエ 「そうらしいですね、効果が全く逆になるとか」
ジョミー「えっ、本当に?」
シロエ 「だからこそ、プロがいるわけですよ」

専門の学校もあるじゃないですか、とシロエ君。

シロエ 「素人がやると怖いそうですよ、あの世界は」
ジョミー「そっかあ…。だったら、腰の治療も…」
サム  「未経験者だと、ヤバイかもなあ…」
キース 「真面目に、悩ましい所だな…」

ぶるぅに頼みたいんだが、とキース君の溜息。
微妙ですよね…。


2021/05/07 (Fri)

 

☆習えばオッケー


GWを宇宙で過ごした後、連休明けがだるかった御一同様。
キース君の場合は更に不幸で、たるんでいると罰礼までが。

キース 「俺の調子がサッサと戻れば、親父もだな…」
シロエ 「文句は言わなくなるでしょうけど…」
サム  「まだまだ、かかりそうなのかよ?」
キース 「そのようだ。サボッていた俺が悪いんだが…」

このままだと本当に腰がヤバい気が、と副住職、ブルブル。

キース 「ぶるぅに治して貰えるんなら、安心なんだが…」
ジョミー「あっちのぶるぅは、やっぱりねえ…」
スウェナ「お礼はお菓子で済むと言っても、心配よね」
ぶるぅ 「でもでも…。ぼくが失敗しちゃったら…」

痒くなっちゃって困るんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「だから、ぶるぅに頼んだ方が…」
キース 「そう言われても…。いや、待てよ?」

この手があるぞ、と副住職がポンと打った手。

キース 「ぶるぅ、あっちで習って来てくれないか?」
ぶるぅ 「えっと…。習うって、何を?」
キース 「その治療法だ、きちんと習えば大丈夫だろう」
シロエ 「あー! その道のプロに教われば…」

完璧ですよ、とシロエ君も。

シロエ 「ぶるぅ、キース先輩を助けると思って…」
キース 「ちょっと行って来てくれないか?」

留守の間は、俺が、おもてなし役を…、と副住職。

キース 「出来る範囲で、飯の支度に皿洗いに、と…」
サム  「俺も手伝うぜ、そういうことなら」
シロエ 「ぼくもです。味に文句も言いませんよ」
ジョミー「もちろん、ぼくも協力するって!」

それにマツカがいるもんね、とジョミー君が立てる親指。

ジョミー「いざとなったら、凄い出前を頼めるし!」
マツカ 「最初からでも構いませんよ?」

家からプロを呼びましょうか、と御曹司。

マツカ 「料理も掃除も、任せられます」
キース 「有難い! ぶるぅ、その間に…」
ぶるぅ 「お稽古に?」

行けばいいの、と言ってますけど。
確かに、習えば安心ですね!


2021/05/08 (Sat)

 

☆留守番はお任せ


GWを宇宙で満喫、連休明けがだるかったほどの御一同様。
キース君の場合、アドス和尚に罰礼を食らう有様でして…。

マツカ 「大丈夫ですよ、ぶるぅ。プロに任せて下されば」
ぶるぅ 「そだね、マツカに頼めば、お料理だって…」
ジョミー「専属の料理人とかが、来てくれるしね!」
スウェナ「ついでに、食材も頼めないかしら?」

家から呼んで来るんだったら、とスウェナちゃん。

スウェナ「冷蔵庫の中身で作って貰うのも、いいけれど…」
サム  「うんうん、どうせだったら仕入れて来てよ…」
ジョミー「凄いのを作って欲しいよね!」

コース料理だって出来そうだし、とジョミー君の輝く瞳。

ジョミー「マツカ、そういうヤツでもオッケー?」
マツカ 「いいですよ。ご注文があれば、言って下さいね」
シロエ 「ホントですか? 和洋中、悩むトコですよね…」
サム  「そこはお任せがいいんでねえの?」

プロなんだからよ、とサム君の意見。

サム  「縛りは無しで、いい食材があったヤツでよ」
ジョミー「それ、最高! それでいこうよ!」
スウェナ「そうね、何が出来るかはお楽しみってことね!」

それにしましょうよ、とスウェナちゃんも乗り気。

スウェナ「マツカ、頼んで貰えるでしょ?」
マツカ 「もちろんです。キース先輩も、いいですよね?」
キース 「当然だ。俺は意見を言える立場ではないし…」

ぶるぅの代わりを頼めるだけで充分だしな、と副住職。

キース 「ぶるぅ、すまんが、そういうわけで…」
ぶるぅ 「あっちまで、習いに行けばいいんだよね?」
キース 「悪いな、どうにも、あっちのぶるぅは…」

色々と避けたいものがあって…、と副住職の深い溜息。

キース 「その点、ぶるぅだったら、俺も安心出来るしな」
ぶるぅ 「いいけど、時間がかかっちゃうかも…」
マツカ 「仕方ないですよ、その辺りは」
ぶるぅ 「じゃあ、お願いしといて…」

行って来ようかな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
お稽古ですね?


2021/05/09 (Sun)

 

☆練習に行っても


GWを宇宙で満喫して、連休明けがだるかったほどの面々。
キース君もすっかりたるんで、罰礼を食らう有様でして…。

ぶるぅ 「んとんと、帰りが、うんと遅くなっても…」
シロエ 「ぼくたちなら、気にしませんよ」
ジョミー「そうだよ、適当に解散するから」
ぶるぅ 「ダメダメ、ちゃんと泊まって行ってね!」

土曜日だもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「ねえねえ、ブルーも、それでいいよね?」
ブルー 「ぼくだったら、最初からそのつもりだよ」
ぶるぅ 「わぁーい! マツカ、お泊まりになった時は…」
マツカ 「そちらの方のお世話係を、ということですね?」

ベッドメイクとか、とマツカ君も阿吽の呼吸で。

マツカ 「念のために手配しておきますよ」
ぶるぅ 「ありがとう! えっとね、お布団とかは…」
ブルー 「ぶるぅ、場所なら、ぼくで分かるから」
ぶるぅ 「そだね、ブルーも知ってるもんね!」

それじゃお願い、とペコリと頭を下げるお子様。

ぶるぅ 「キースのために、お稽古、行ってきまぁーす!」
ブルー 「うん、頑張っておいで」
ぶるぅ 「でもでも…。お稽古するのはいいんだけど…」

練習のお相手、見付かるかなぁ、と心配そうな顔。

ぶるぅ 「失敗しちゃうと、痒くなるって聞いてるし…」
ブルー 「多分、いくらでもいるんじゃないかな?」
ぶるぅ 「そう思う?」
ブルー 「ブリッジクルーに限った話じゃないからね」

腰を痛めそうな部署は沢山あるよ、と生徒会長。

ブルー 「機関部もそうだし、食堂とかでも…」
ぶるぅ 「そだね、ギックリ腰とかあるよね?」
ブルー 「いると思うね、腰が痛い人は何人も」

だから安心して行っておいで、と生徒会長の太鼓判。

ブルー 「お稽古に来ました、と言えばいいから」
ぶるぅ 「えっと…。あっちのぶるぅと間違われたら?」
シロエ 「マズイかもですね…」
サム  「逃げられるぜ?」

練習以前の問題じゃねえか、とサム君も。
それは確かに…。


2021/05/10 (Mon)

 

☆練習は無理かも


宇宙でGWを満喫、連休明けがだるいくらいに弛んだ面々。
キース君の場合は更に悲惨で、アドス和尚から食らう罰礼。

サム  「あっちのぶるぅは、悪戯で有名すぎるしよ…」
シロエ 「練習と称して、わざと失敗しそうですよね…」
一同  「「「あー…」」」

ありそうな話だ、と誰もが納得。

サム  「そんな船で練習出来るのかよ?」
シロエ 「困りましたね、無駄足になるかも、と…」
ぶるぅ 「そうなの、ぼくも心配なの!」

お稽古させて貰えないかも、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。

ぶるぅ 「一応、行ってくるけれど…」
シロエ 「期待は出来ないわけですね?」
ぶるぅ 「うん…。ダメだった時は、あっちのぶるぅに…」

お願いするしかないんだよね、と困り顔。

ぶるぅ 「キース、それでも許してくれる?」
キース 「もちろんだ。ぶるぅは頑張ってくれたんだしな」

ついでに、あっちのぶるぅの件は…、と副住職の苦い顔。

キース 「頼まなくていいから、直帰してくれ」
ぶるぅ 「えっ、なんで?」

すぐ治るのに、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が傾げる首。

ぶるぅ 「それに、ぶるぅは失敗しないと思うけど…」
キース 「いや、あいつの場合は、わざとが怖い」
シロエ 「言えてますねえ、ぶるぅですから」
ジョミー「失敗したら、痒くなるんだもんね…」

それを笑って見ていそうだよ、とジョミー君が竦める肩。

ジョミー「頼まない方がいいと思うな、ぼくも」
ぶるぅ 「そう? だけど、お稽古…」

出来るのかな、と心配そうなお子様。

ぶるぅ 「ぼくって、どう見ても、ぶるぅだもんね…」
シロエ 「ぶるぅですねえ…」

ついでに、知られていませんよね、とシロエ君の溜息。

シロエ 「ぶるぅが二人いるというのは、あっちでは…」
サム  「だよなあ、絶対、極秘事項だぜ」
キース 「別世界とはいえ、地球だしな、此処は…」
ジョミー「言えないよね…」

実は遊びに行ってるなんて、と正論が。
言えませんよね…。


2021/05/11 (Tue)

 

☆耐える方が吉かも


GWを宇宙で過ごして、朝夕のお勤めをサボッたキース君。
すっかり調子を狂わせてしまい、アドス和尚に食らう罰礼。

ジョミー「あっちの世界じゃ、地球って憧れなんだしね…」
シロエ 「いつか行きたい、夢の星だという話ですし…」
キース 「別の世界で行っている、とは言えんしな…」

当然、ぶるぅの存在は秘されているだろう、と副住職。

キース 「其処へ、こっちのぶるぅが行ったら…」
サム  「誰が見たって、悪戯小僧にしか見えねえぜ?」
スウェナ「それじゃ、練習は無理だわねえ…」

悪戯されるのがオチなんだもの、とスウェナちゃんも。

スウェナ「キース、腰の治療は諦めた方が良さそうよ?」
キース 「そうだな、あっちのぶるぅが来ても困るし…」
ジョミー「痛めなければ、セーフなんだしさ…」

根性で罰礼を耐え抜くべきだよ、とジョミー君の意見。

ジョミー「ほら、筋トレだと思ってさ!」
キース 「まあ、スクワットには違いないが…」
シロエ 「耐えましょう、耐えるんです、キース先輩!」
キース 「どうも、その方が吉っぽいな…」

治療は魅力的なんだがな、とキース君、未練がありそう。

キース 「効き目は神がかりだと聞いてしまうとな…」
ぶるぅ 「でしょ、でしょ? だから、ぶるぅに…」
キース 「あいつに頼むのだけは御免だ!」

ぶるぅが練習出来さえすれば…、と溜息が。

キース 「しかし、練習出来そうもないし…」
??? 「なになに、何がどうしたって?」

練習って何さ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「誰が何を練習するんだって?」
ぶるぅ 「えとえと、ぼくがね、そっちの世界で…」

腰の治し方を練習したいの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「ほら、言ってたでしょ、効き目は神がかりって」
Aブルー「言ってたっけね、そういえば…。アレを?」
ぶるぅ 「うんっ!」
キース 「ちょっと待て!」

嫌な話を思い出したぞ、と言ってますけど。
どうしたと…?


2021/05/12 (Wed)

 

☆練習なら任せて


GWを宇宙で過ごして、朝夕の読経がサッパリなキース君。
アドス和尚が食らわす罰礼、腰に来そうな勢いですけど…。

Aブルー「どうしたのさ、急に?」
キース 「あんたの顔を見たら、一瞬で思い出したんだ!」

効き目は神がかりだというヤツをな、と副住職の悪い顔色。

キース 「此処は改めて遠慮しておく、練習の件も!」
ぶるぅ 「えとえと…。ブルーも来てくれたんだし…」

練習のお話、上手くいくかも、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「だって、ブルーはソルジャーだもんね!」
Aブルー「練習のことで困っていたのかい?」
ぶるぅ 「そうなの、ぼくがそっちの世界に行くと…」

ぶるぅと間違えられちゃうから、と持ち掛けられる相談事。

ぶるぅ 「練習させて貰いたくても、嫌がられるでしょ?」
Aブルー「まあねえ…。ぶるぅがやるとなるとねえ…」
シロエ 「失敗すると痒い件ですよね?」
Aブルー「そうでなくても、ぶるぅだからねえ…」

承知する人は無い気がするね、とソルジャーも。

Aブルー「そのくらいなら痛いままで、とキースみたいに」
ぶるぅ 「逃げちゃうよね…?」
Aブルー「そうなるだろうね、普通にいけば」

でもね、とソルジャーが立てる親指。

Aブルー「安心したまえ、ぼくのサイオンがあれば!」
ぶるぅ 「どうするの?」
Aブルー「記憶処理なら得意技だし、大丈夫!」

医療スタッフだと勘違いコースで、と恐ろしい話が。

Aブルー「失敗したって、ちゃんと薬があるからさ」
ぶるぅ 「痒いの、治る?」
Aブルー「もちろんだよ!」

だから練習に来てもオッケー、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「キースも、それでいいだろう?」
キース 「断固、断る!」

治療方法を思い出したからな、と副住職。

キース 「いくら効き目が神がかりでも、アレは御免だ!」
シロエ 「いい話だと思いますけど?」
キース 「どの辺がだ!」

お前も忘れてやがるんだな、と叫んでますけど。
何を…?


2021/05/13 (Thu)

 

☆寝込んだ方がマシ


GWを宇宙で過ごした間、朝夕の勤行をサボッたキース君。
なまってしまって、アドス和尚に罰礼を食らう有様でして。

シロエ 「忘れるって…。何をですか?」
キース 「どいつもこいつも、他人事だと思いやがって!」

先月の花見を忘れたのか、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「俺は3分間、必死に逃げていたんだが!」
ジョミー「あー! あっちのぶるぅが徳利を持って…」
サム  「追い掛けてたよな、キースをよ…」
シロエ 「ありましたねえ、そういう騒ぎが…」

解決したんで忘れてましたよ、とシロエ君、しれっと。

シロエ 「酔っ払って、徳利が座薬のつもりでしたっけね」
ジョミー「でもって、キースに入れる気でさあ…」
サム  「3分経ったら、パッタリ倒れて終わりだったぜ」
スウェナ「ぐおーっ、って大イビキだったわよねえ…」

あれでリセットだったのよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「目が覚めた時には、すっかり忘れていたもの」
Aブルー「ぶるぅは、そういう体質だしね」
キース 「だからと言って、お前たちまで忘れるな!」
シロエ 「キース先輩だって、同じじゃないですか!」

ついさっきまで乗り気でしたよ、とシロエ君の鋭い指摘。

シロエ 「ぶるぅに練習させる気だったでしょう?」
キース 「そ、それは…」
ジョミー「なんか都合よく間違えてたよねえ…」

不思議パワーで治るとか、とジョミー君もツッコミを。

ジョミー「この際、座薬でいいんじゃないの?」
サム  「うんうん、効き目は神がかりだしよ…」
シロエ 「こっちには無い、貴重な薬なんですよ?」
スウェナ「ぶるぅがやるなら、無問題よね」

悪戯の心配も無いわけだし…、とプッシュする人たち。

スウェナ「練習させて貰えるんでしょ、いい話じゃない!」
ジョミー「そうだよ、罰礼、ヤバそうだしさ…」
サム  「頼むべきだぜ、ここは一発!」
キース 「何故、そうなる!」

寝込んだ方がマシだ、と悲鳴ですけど。
そうですかねえ?


2021/05/14 (Fri)

 

☆筋力も落ちます


GWを宇宙で満喫、朝夕の勤行をサボりまくったキース君。
読経の調子がすっかりなまって、アドス和尚に食らう罰礼。

キース 「そんな薬で治すよりかは、寝込んで治す!」
シロエ 「いい薬なのに、使わない手は無いと思いますが」
マツカ 「そうですよ。寝込んだら、柔道部にだって…」

出られなくなってしまいますし、と御曹司。

マツカ 「早めに治して、部活に打ち込むべきですよ」
シロエ 「ぼくたちの場合、大会には出られませんけどね」
サム  「在籍し続けて長いもんなあ、仕方ねえよ」

でも、寝込んだら、そっちもなまるぜ、とサム君の意見。

サム  「シャングリラ号でも、自主トレしてたのによ…」
ジョミー「だよねえ、それに寝込むと筋力も落ちるし…」
ブルー 「一日休むと、自分で分かると言うからね」

二日休むとパートナーに分かるんだったかな、と生徒会長。

ブルー 「でもって、三日休んでしまうと、お客様にさ…」
スウェナ「分かっちゃうんでしょ、バレリーナよね?」
シロエ 「バレリーナですか…。あれも体力勝負ですしね」
ブルー 「うん。だからキースも、そうなっちゃうかと」

早めに治しておくべきだよね、と生徒会長、真剣な顔。

ブルー 「ぶるぅに練習に行って貰って、座薬スキルを…」
Aブルー「身につけて貰うのがいいと思うね」

ぼくも協力するからさ、とソルジャーも。

Aブルー「効き目はホントに神がかりだから!」
キース 「座薬というのが嫌なんだ!」
シロエ 「あれっ、経験アリでしょう?」
キース 「否定はしないが、その馬鹿の世界の薬なのが…」

全力で断りたい理由なんだ、と副住職の苦い顔付き。

Aブルー「どうしてだい? ぼくはお尻を大事にしてるよ」
キース 「その言い種だ!」

尻の件で世話になったら終わりだ、とキース君、ブルブル。

キース 「絶対、ろくでもないことに…!」
シロエ 「あー、確かに…」

なっちゃいそうです、とシロエ君も頷く理由。
お尻ですしね…?


2021/05/15 (Sat)





 

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