☆拒否するなら命令
週末はマツカ君の別荘でお花見、マイクロバスでお出掛け。
紅枝垂が見頃らしいですけど、行きの車内でイヤンな話に。
A船長 「ブルーの腕は確かですけどね、座薬の件なら」
Aブルー「そう言ったのに、キースは嫌がったんだよ!」
A船長 「私には理解しかねますねえ、本当に…」
いったい何処に問題が、と根本的に分かっていない人。
A船長 「それにブルーが少々、腕が悪くてもですね…」
Aブルー「座薬を使うべきだったよねえ?」
A船長 「そうですとも。もしシャングリラの中ならば…」
キャプテン権限で命令ですよ、とキャプテン、キッパリ。
A船長 「今すぐ座薬を入れるように、と言いますね!」
Aブルー「その場でも、だよね?」
A船長 「拒否するようなら、そうなるでしょうね」
ブリッジでも座薬は入れられますから、と怖すぎる台詞。
A船長 「即、押さえ付けて、下着を下ろさせますとも!」
Aブルー「でもって、お尻に座薬を突っ込む、と…」
A船長 「そうです、そして仕事に戻らせます!」
なにしろ、すぐに効きますからね、とキャプテンの真骨頂。
A船長 「ブリッジクルーは、そうあるべきです!」
Aブルー「素晴らしいよ! あの時、君がいてくれたら…」
キースも断われなかったよね、とソルジャー、残念そう。
Aブルー「大事な仕事の前だったんだし、事情は同じで…」
A船長 「そうでしたか…。流石に命令は無理ですが…」
キースの上司ではないですからね、とキャプテンの言。
A船長 「とはいえ、入れるまで睨むくらいは…」
Aブルー「出来るだろうし、キースのパンツだってさ…」
君なら下ろせたんじゃないかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「ぼくと違って、嫌がる理由も無いだろうしね」
A船長 「嫌がる理由が分かりませんが、多分、そうかと」
キース 「ブルーの連れな時点で、断固、断る!」
A船長 「なら、下ろします!」
あなたを押さえ付けてパンツを、と凄い台詞が。
どうなる…?
2021/04/16 (Fri)
☆命令は無理でも
マツカ君の別荘でお花見な週末、豪華マイクロバスで出発。
紅枝垂が見頃という話ですが、バスの中は不穏な雰囲気で。
A船長 「命令は無理でも、実力行使は出来ますからね!」
キース 「何故、俺が、そんな目に遭わんといかんのだ!」
A船長 「長引くよりもマシだと思いますが?」
普通の桜が見られた筈ですよ、とキャプテン、腕組み。
A船長 「痛みは直ぐに消えるんですし、治りも早くて…」
Aブルー「そうだよねえ? 絶対、後を引かないのにさ」
A船長 「私がいれば、そうしてましたね、間違いなく」
次から私をお呼び下さい、と大真面目なキャプテン。
A船長 「実力行使か、言って聞かせるか、どちらかです」
Aブルー「素晴らしいよ! そして座薬を入れさせる、と」
A船長 「もちろんです! 私が入れてもいいのですし」
分かりましたね、とキャプテン、キース君をギロリと。
A船長 「早く治すのが一番なんです、尻餅事故は!」
キース 「迷惑極まりないんだが!」
A船長 「そうでしょうか、皆さんはどう思われます?」
早く治っていれば、普通にお花見でしたよ、と質問が。
A船長 「キースは、座薬を入れるべきだったかと…」
シロエ 「そうですね…。そうかもしれません」
キース 「貴様、裏切る気か!」
シロエ 「薬だけなら、ぼくでも入れられたんですし…」
実力行使な人が来ていたら、名乗り出たかもです、と。
シロエ 「ぼくだったら、まだマシでしょう?」
キース 「それはそうだが…!」
A船長 「ほら、お友達も、こう仰ってますよ」
キース 「あんたと、其処の馬鹿でなければ…!」
俺だって薬を使ったんだ、とキース君。
キース 「あんた達に尻を任せることは、出来んしな!」
A船長 「おや、どうしてです?」
キース 「怖すぎるからだ!」
A船長 「心外ですねえ、ほぐすとかなら…」
Aブルー「ハーレイは上手いよ?」
任せて安心なんだけれどね、とソルジャーの笑顔。
嫌すぎでは…。
2021/04/17 (Sat)
☆逃げた素人たち
週末はマツカ君の別荘でお花見、マイクロバスでお出掛け。
紅枝垂が見頃だそうで楽しみ、けれど車内が不穏すぎで…。
Aブルー「ハーレイはさ、ぼくのお尻を何百年もさ…」
A船長 「傷付けないよう、ほぐし続けているのですが?」
ですから腕にも指にも自信が、とキャプテンの太鼓判。
A船長 「お友達より、よほど腕がいいと思いますがね」
Aブルー「そうだよ、シロエなんか素人じゃないか!」
しかも「ド」がつく、とソルジャーも。
Aブルー「誰かのお尻を、ほぐしたことは無いだろう?」
シロエ 「ぼくまで巻き込まないで下さい!」
Aブルー「経験の有無を聞いてるんだよ!」
シロエ 「冗談じゃないです、ぼくは座薬なんか…!」
まるっきり縁が無いですからね、とシロエ君、キッパリ。
シロエ 「キース先輩、後はよろしくお願いします!」
一同 「「「お願いしまーす!」」」
もう丸投げだ、と声を揃える御一同様。
キース 「お、おい、お前たち、見捨てる気か!?」
一同 (((他人だ、他人…)))
関わったら負けだ、と誰もが視線を窓の外へ。
シロエ 「見て下さい、若葉が綺麗ですよ」
サム 「桜が早かった分、芽吹きも早いよな、うん」
スウェナ「お茶の葉っぱも出たらしいわよね」
そういう宣言があったわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「だけど、芽吹きが早すぎるから…」
マツカ 「寒さの戻りが心配ですよね、お茶の場合は」
スウェナ「そうなのよ! 農家の人も大変よねえ…」
キース 「俺の方が、遥かに大変なんだが!」
この馬鹿どもを何とかしてくれ、とキース君の悲鳴。
キース 「真面目に、付き合い切れんのだ!」
A船長 「そう仰らずに、次からですね…」
座薬の係はお任せ下さい、とキャプテン、目がマジ。
A船長 「お呼びがあれば、即、駆け付けますから」
キース 「そう何回も事故らないからな!」
Aブルー「でもさ…」
腰にくるヤツが無かったっけ、という質問。
えっと…?
2021/04/18 (Sun)
☆腰にくるヤツ
マツカ君の別荘でお花見な週末、豪華マイクロバスで出発。
紅枝垂が見頃という話ですが、車内が不穏すぎる雰囲気。
Aブルー「確か、辛くて腰にくるとか…」
A船長 「それは尻餅以外に、ですか?」
Aブルー「うん。割と、よく聞く話だったような…」
何かといえばキースがブツブツ、とソルジャーの言。
Aブルー「とてもキツくて辛いらしいよ、本当に」
A船長 「なるほど、腰を痛めると辛いですしねえ…」
腰は男の命ですから、頷くキャプテン。
A船長 「そういう時こそ、あの座薬ですよ!」
Aブルー「君だって、そう思うだろう?」
A船長 「思いますねえ、ブリッジクルーに腰痛は…」
大敵というヤツでして、とキャプテン、真剣。
A船長 「あそこの仕事は、立つか座るか、そういう職で」
Aブルー「そう、そう! そのポジションで長時間だし…」
腰痛だと、とても務まらないよ、とソルジャーも。
Aブルー「というわけでね、あの座薬は腰にも効くんだよ」
A船長 「痛めた時には、お呼び頂ければ…」
いつでも、お入れ致しますから、と胸を叩くキャプテン。
A船長 「遠慮なさらず、お気軽にどうぞ」
キース 「だから、尻餅は、そうそう無いと!」
Aブルー「違うよ、腰にくるヤツだってば!」
何だったかな、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「アドス和尚にやられているよね、いつだって!」
キース 「うっ…」
グッと詰まったキース君。
Aブルー「ほらね、やっぱり! 何て言うんだっけ?」
キース 「そ、それは…」
A船長 「何か恥ずかしいヤツなのですか?」
お尻をパンパン叩かれるとか、とキャプテンの問い。
A船長 「アドス和尚は、非常に怖いと聞いていますが…」
キース 「違う、そうじゃない!」
A船長 「では、何なのです?」
キース 「い、いや…」
A船長 「なるほど、言うのも恥ずかしい、と…」
キース 「ある意味ではな!」
特に同業者の前では言えん、と叫んでますけど。
何だと…?
2021/04/19 (Mon)
☆腰にくるなら
週末はマツカ君の別荘でお花見、マイクロバスでお出掛け。
見頃だという紅枝垂が楽しみ、けれど車内は不穏な雰囲気。
A船長 「同業者の前では、と仰いましたか?」
Aブルー「そう聞こえたねえ、言うのも恥になるのかな?」
キース 「食らったという時点でな!」
普通、そうそう食らわんものだ、とキース君。
キース 「駆け出しの修行僧ならともかく、副住職は!」
A船長 「いったい、どんな代物なのです?」
Aブルー「腰にくるのは確からしいよ、とてもキツくて」
A船長 「全く想像がつきませんが…」
お坊さんとセットものなのですね、とキャプテンが捻る首。
A船長 「その方面の知識は、ありませんので…」
Aブルー「ぼくもなんだよ、アレって、何さ?」
キース 「罰礼だ!」
失敗した時に食らう刑だ、とキース君の渋面。
キース 「修行中だと、百回単位で日に何回も…!」
A船長 「はあ…。それが腰にくると?」
ブルー 「スクワットに匹敵すると言われてるねえ…」
プロの坊主でも恐れるヤツで、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「法要によっては、それを三千回とかさ…」
一同 「「「三千回!?」」」
ブルー 「そう! 仏様への、最大限の敬意だからね」
罰とは違って、敬意を表して三千回、と怖すぎる台詞が。
ブルー 「いずれはキースも、お呼びがかかりそうだけど」
キース 「そうだな、年に一回だけというのが救いだな…」
A船長 「間違いなく、腰にくるからですね?」
ブルー 「自分のペースで出来ないからね」
大勢で一斉にやるものだしさ、と銀青様。
ブルー 「罰礼だったら、そこは何とかなるけれど…」
Aブルー「でも、ソレ、腰にくるんだし…」
座薬係はいた方がいいよ、とソルジャー、真剣。
Aブルー「ぼくのハーレイだったら、任せて安心!」
キース 「要らんと言っているだろう!」
Aブルー「転ばぬ先の杖ってヤツだよ!」
いるだけで心強いからね、と言ってますけど。
座薬係ですよ…?
2021/04/20 (Tue)
☆頼むならセットで
マツカ君の別荘でお花見な週末、マイクロバスで目的地へ。
紅枝垂が見頃らしいですけど、車内が非常に不穏な雰囲気。
Aブルー「座薬係は絶対、いた方がいいって!」
A船長 「腰痛の辛さは、懲りてらっしゃる筈でしょう?」
キース 「誰も懲りたとは言っていないが!」
シロエ 「そうですけれど、かなり迷惑ではありましたよ」
現にお花見もズレ込みましたし…、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩さえ治っていれば、普通の桜で…」
サム 「花見が出来た筈なんだよなあ、もっと早くによ」
ジョミー「やっぱさ、頼んだ方がいいんじゃないかな?」
いつか三千回のヤツも来るんだよね、とジョミー君も。
ジョミー「その時に、また迷惑するのは御免だし…」
スウェナ「そうねえ、頼んでおくべきだわよ」
キース 「貴様ら、他人事だと思いやがって!」
よくも、と歯噛みなキース君。
キース 「何故、俺ばかりが貧乏クジを…。ん?」
Aブルー「どうかしたのかい?」
キース 「座薬係だが、誰でも入れて貰えるのか?」
A船長 「それはどういう意味でしょう?」
誰でもとは…、とキャプテンの問い。
A船長 「あなた以外ということですか?」
キース 「ああ。若干、心当たりがあってな」
俺の同業者ということになるが、と副住職。
キース 「そいつらとセットで頼めるんなら、と…」
Aブルー「なんだ、もちろんオッケーだよね?」
A船長 「ええ。そのくらい、お安い御用ですよ」
承ります、とキャプテンの笑顔。
A船長 「どうぞ、いつでもお申し付け下さい」
キース 「有難い。サムとジョミーも、これで安心だな」
一同 「「「えっ?」」」
何故、その面子、と顔見合わせる御一同様。
サム 「俺って、何だよ!?」
ジョミー「ぼくは関係無いんだけど!」
キース 「将来の罰礼と、三千回に備えてだが?」
サム 「俺、要らねえし!」
ジョミー「ぼくだって!」
そんな係は、とドン引きですけど。
さて、どうなる…?
2021/04/21 (Wed)
☆セットは断りたい
週末はマツカ君の別荘でお花見、マイクロバスでお出掛け。
見頃な紅枝垂の花が楽しみ、けれど車内は不穏すぎでして。
サム 「俺たちを巻き添えにするんじゃねえよ!」
ジョミー「ぼくたちは腰なんか、痛めないから!」
ブルー 「うーん…。それに関しては、保証出来ないかな」
新参のお坊さんにはキツイからねえ、と生徒会長。
ブルー 「慣れない間は、百回でも辛いのが罰礼だよ」
キース 「膝が笑っている間はいいが、それを過ぎると…」
シロエ 「腰にくるんですか?」
キース 「真面目に、寝込むヤツだっているぞ」
修行中にな、と副住職、キッパリ断言。
キース 「ギックリ腰になるのも、珍しくないし…」
ブルー 「そうなんだよねえ、若いからって侮れないよ」
サム 「放置で頼むぜ、その時はよ!」
ジョミー「ぼくも放置で!」
我慢するから、と必死に逃げを打つ僧籍な人たち。
ジョミー「寝ていれば、いつか治るしさ!」
キース 「こう言っているが、どうするんだ?」
Aブルー「安心してよ、瞬間移動で、パッとお邪魔して…」
A船長 「座薬を入れて差し上げますよ、夜の間に」
布団とパンツを剥がすだけです、とキャプテンの笑み。
A船長 「ですから、どうぞお任せ下さい」
ジョミー「嫌すぎるから!」
キース 「俺の気持ちが分かったか?」
サム 「わ、分かったから、断ってくれよ!」
セットにするのは、と僧籍な人たち、ガクブル。
サム 「とにかく、俺たちは要らねえから!」
Aブルー「いい話だと思うけどねえ…」
キース 「どの辺がだ!」
マツカ 「あのぅ…。お話し中、すみませんが…」
着きましたよ、とマツカ君が指差す窓の外。
ぶるぅ 「わぁーい、ホントに枝垂桜が満開!」
スウェナ「色は濃いけど、綺麗だわねえ、紅枝垂も」
マツカ 「皆さん、別荘の方へどうぞ」
Aブルー「やったね、話の続きは後で!」
キース 「忘れてくれ!」
誰も続きは求めていない、と叫んでますけど。
さて…?
2021/04/22 (Thu)
☆お酒もあります
ようやくマツカ君の別荘に到着、まさに紅枝垂が見頃な今。
車内の不穏な話題も中断、マイクロバスを降りた御一同様。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ホントに凄いね、桜!」
シロエ 「ソメイヨシノも綺麗ですけど、いいですねえ…」
Aブルー「紅枝垂っていうのも味わいがあるよ、うん」
A船長 「ええ、本当に。お花見をする価値は充分ですね」
来て良かったです、とキャプテンも嬉しそう。
A船長 「流石は地球の桜ですねえ、見事ですよ」
Aブルー「ホント、マツカに感謝だよね!」
マツカ 「桜を長く楽しめるように、植えたそうですよ」
ソメイヨシノが終わった後も、と御曹司。
マツカ 「お座敷も用意してありますけど、桟敷ですか?」
ぶるぅ 「もっちろーん! お天気、最高だもん!」
シロエ 「お花見は外に限りますよね!」
マツカ 「それでは、あちらの桟敷へどうぞ」
すぐにお料理を運ばせますね、と案内された庭の奥。
Aブルー「いいねえ、桜も、それに景色も!」
A船長 「ソメイヨシノも、まだ何本か残っていますね」
マツカ 「散り初めですけど、花吹雪をお楽しみ頂けます」
Aブルー「それもいいよね、こう、花びらをお酒にさ…」
浮かべて飲むのもオツなものだし、とソルジャー、御機嫌。
Aブルー「お酒も頼んでいいんだよね?」
マツカ 「どうぞ、色々と用意してありますから」
大吟醸もワインもあります、と頼もしい答え。
マツカ 「遠慮なくお申し付け下さいね」
ぶるぅ 「ぼく、チューハイ!」
Aぶるぅ「ぼくも、ぼくもーっ!」
たちまち始まるお酒の注文、飲める面子は次々と。
Aブルー「最初は大吟醸かな、うん」
A船長 「そうですね」
お花見ですし、と頷くキャプテン。
A船長 「ですが、キースは飲まない方が…」
キース 「言われなくても、俺は未成年だ!」
Aブルー「坊主仲間とは、飲んでるだろう?」
キース 「別件だ!」
この面子だと飲まない主義だ、と言ってますけど。
何故、注意が…?
2021/04/23 (Fri)
☆冷やさない方が
紅枝垂が見頃なマツカ君の別荘に到着、早速、桟敷の方へ。
お酒も色々あるのだそうで、飲める面子は注文ですけれど。
A船長 「そういえば、普段も飲んでらっしゃいませんね」
Aブルー「クリスマスとか、飲んでないねえ、キースは…」
なんだか、ちょっぴりつまらないかも、とソルジャーの言。
Aブルー「たまには、キースと酌み交わしたいなぁ…」
キース 「俺としては、全く気乗りしないが」
Aブルー「そう言わないでさ、せっかく桜が綺麗なんだし」
盃を持って来て貰おうよ、と促すソルジャー。
Aブルー「それともアレかな、酒癖が悪いとか?」
キース 「残念ながら、酔ったことはない!」
酒量は心得ているからな、とキース君の渋面。
キース 「第一、あんたはザルだろうが!」
Aブルー「失礼だねえ…。ハーレイもそう思わないかい?」
A船長 「さっきも言いましたが、キースにお酒は…」
飲ませるべきではありませんね、とキャプテン、キッパリ。
A船長 「次の機会にした方がいいと思います」
Aブルー「何故だい?」
A船長 「お酒が入ると、身体が温まりますから…」
お尻が冷えても気付かないかも、とイヤンな台詞が。
A船長 「桟敷なだけに、冷えやすいですよ」
Aブルー「あー! でもさ、君という座薬係が…」
A船長 「任命されていないんですよ」
頼まれないのに押し掛けるのは…、とキャプテン、溜息。
A船長 「下手をすると、通報されかねませんし…」
Aブルー「それはパンツを下ろすからかな?」
A船長 「ええ。こちらの世界は、うるさいそうですから」
キース 「当然だろうが!」
痴漢行為で訴えてやる、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「来ると言うなら、防犯カメラを仕掛けるぞ!」
Aブルー「君という人は、親切心を理解出来ないのかい?」
キース 「余計なお世話だと言っている!」
Aブルー「そういうことなら、君も飲みたまえ!」
楽しくやろうよ、とソルジャーが差し出す盃。
飲めと…?
2021/04/24 (Sat)
☆捕まっても安心
紅枝垂が見事なマツカ君の別荘、桟敷に座った面々ですが。
お酒も各種揃っている中、ソルジャーがキース君に盃を。
Aブルー「ほら、とりあえず、ぼくの盃でね」
キース 「なんでそうなる!」
Aブルー「専用の盃が欲しいって? じゃあ、盃を…」
もう一つお願い、と給仕係に声を掛けるソルジャー。
Aブルー「彼も飲むらしいから、持って来てくれる?」
給仕係 「かしこまりました!」
キース 「いや、俺は…!」
頼まないが、と言うよりも早く、給仕係は盃を取りに。
給仕係 「お待たせしました、お使い下さい」
キース 「い、いや…!」
Aブルー「ありがとう、早速、使わせて貰うよ!」
まあ一杯、とソルジャーがトクトクと注ぐ大吟醸。
Aブルー「食事の前にね、まずは乾杯!」
A船長 「ブルー、おやめになって下さい!」
Aブルー「いいじゃないか、多少、お尻が冷えても」
君が座薬を入れれば済むし、とソルジャー、涼しい顔。
Aブルー「なにしろ、効き目は神がかりだしね!」
A船長 「私が訴えられますよ!」
Aブルー「その点も、心配無用だってば!」
防犯カメラを仕掛けるそうだし、とニコニコと。
Aブルー「それで捕まるのは、誰だと思う?」
A船長 「私と、あなたしかないでしょう!」
Aブルー「其処だよ、ぼくたちは、この世界にさ…」
いないことになっているんだよね、と立てる親指。
Aブルー「戸籍も無ければ、国籍だって無いからね!」
A船長 「そ、そうでした…。すると、捕まるのは…」
Aブルー「そっくりさんしかいないってね!」
この国の警察は優秀だから、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「シャングリラ学園の教頭とさ…」
A船長 「もう一人は、其処にいらっしゃる…」
あの方ですか、とキャプテンの視線が生徒会長に。
Aブルー「ピンポーン!」
A船長 「そういうことでしたら…」
Aブルー「君も安心しただろう?」
逮捕されるのは他人だからさ、と怖い台詞が。
酷すぎでは…。
2021/04/25 (Sun)
☆捕まるのは他人
マツカ君の別荘の紅枝垂でお花見、桟敷にピッタリな好天。
飲める面子はお酒を注文、食事の前に乾杯らしいですけど。
Aブルー「といういわけでね、キースに飲ませてもさ…」
A船長 「私たちには、何の被害も無いわけですね?」
Aブルー「そう! そしてキースも、座薬があるから…」
冷えても安心なんだよね、とソルジャー、満面の笑顔。
Aブルー「心配しないで、さあ、飲んで、飲んで!」
A船長 「次は私がお酌しますよ」
キース 「そ、そんな…!」
誤認逮捕なんてことになったら…、とキース君、ガクブル。
キース 「教頭先生の方はともかく、ブルーはだな…!」
シロエ 「とても怖いと思いますねえ、こう、復讐が…」
サム 「末代まで祟るって感じだよなあ、間違いねえよ」
ジョミー「って言うかさ、キース、即死じゃないの?」
ブルーが警察から戻った時点で、とジョミー君。
ジョミー「末代まで祟る以前だってば、打ち首だよ!」
サム 「どっちかってえと、磔でねえの?」
シロエ 「市中引き回しの上でしょうねえ、磔獄門」
命が無いのは確実ですよ、とシロエ君も。
シロエ 「キース先輩、訴えたら負けです!」
スウェナ「そうねえ、訴えなければ逮捕も無いわね」
サム 「泣き寝入りするのが一番だぜ!」
ジョミー「だよねえ、座薬は入れて貰えるわけだし…」
治っただけでも御の字だと思ってさ、とジョミー君の言。
ジョミー「治れば文句は無いと思うよ」
キース 「俺のプライドはどうなるんだ!」
ブルー 「ドブに捨てるか、貫くかだね」
貫いた場合は分かっているね、と生徒会長、瞳がマジ。
ブルー 「ぼくが警察に呼ばれるんだよ?」
キース 「そ、それは…!」
やっぱり誤認逮捕なのか、とキース君の悪い顔色。
キース 「防犯カメラはヤバそうだが…!」
Aブルー「指紋とかまで、実はそっくりだったりしてね!」
一同 「「「うわー…」」」
鑑識が来てもダメじゃないか、と一同、愕然。
誤認逮捕…。
2021/04/26 (Mon)
☆危険すぎる乾杯
紅枝垂が見事なマツカ君の別荘でお花見、桟敷で賑やかに。
お酒も各種揃っているわけで、飲める面子は注文でして…。
キース 「し、指紋まで、そっくりだったのか…!」
Aブルー「虹彩認証だって、バッチリいけるよ!」
A船長 「文字通り、瓜二つというヤツでして…」
どう調べられてもバレませんね、とキャプテンも自信満々。
A船長 「思考を調べれば一発ですが、その技術は…」
Aブルー「この世界には無いから、安心、安全!」
ブルー 「誤認逮捕される、ぼくの立場は?」
Aブルー「文句だったら、キースに言ってくれたまえ!」
ぼくとハーレイには関係無いね、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「だからさ、キース、まずは一杯!」
A船長 「乾杯しないと始まりませんよ、お花見が」
キース 「う、うう…」
マツカ 「お料理が来ましたから、どうぞ皆さんも」
お好きな飲み物で乾杯を、とマツカ君の笑み。
マツカ 「お茶もジュースも、色々ありますからね」
ジョミー「ぼくはオレンジスカッシュで!」
サム 「俺はコーラな!」
シロエ 「ぼくはウーロン茶でお願いします」
頼んだ飲み物も直ぐに出て来て、後は乾杯を待つばかり。
Aブルー「ほら、キース、みんなを待たせちゃダメだよ」
A船長 「グイッと一杯、いきましょうか」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 乾杯って言ってもいい?」
ぶるぅと一緒に、と無邪気なお子様。
ブルー 「そうだね、ぶるぅ、よろしく頼むよ」
ぶるぅズ「「かんぱぁーい!」」
一同 「「「かんぱーい!」」」
乾杯の声が飛び交い、食事も始まっている中で…。
Aブルー「ぼくのお酒が飲めないのかい?」
キース 「元々、あんたのハーレイが…」
飲むなと注意してただろうが、とキース君、必死の逃げ。
キース 「桟敷は、尻が冷えそうだから、と…!」
Aブルー「平気だってば、座薬係がいるから!」
キース 「要らんのだが!」
そんな係は、と乾杯を保留してますけど。
逃げ切れますか…?
2021/04/27 (Tue)
☆飲まないなら代理
マツカ君の別荘で紅枝垂のお花見、桟敷にお似合いの快晴。
お酒も料理も揃った中で、乾杯を迫られるキース君ですが。
Aブルー「好意を無にするのは、どうかと思うよ」
キース 「どう考えても、悪意だろうが!」
A船長 「心外ですねえ、私はお役に立ちたいのですよ」
腰は男の命ですしね、とキャプテン、穏やかな笑み。
A船長 「ご用命頂ければ、いつでもお入れ致しますので」
キース 「それより、酒を勧めないでくれ!」
最初はそういう話だったぞ、とキース君。
キース 「飲まなかったら、冷える心配も無いからな!」
A船長 「まあ、そうですが…。ブルーの盃は貴重ですよ」
キース 「はあ?」
A船長 「なにしろ、ソルジャーですからねえ…」
私どもの船では、もう最高の栄誉ですよ、と説明が。
A船長 「余程でないと、ブルーは酒など注ぎませんしね」
Aブルー「そうなんだよねえ、名誉なことだよ?」
是非、受けたまえ、と威張り返る人。
Aブルー「坊主の世界じゃ、名誉も大事なんだろう?」
キース 「それはそうだが、次元が別だ!」
あんたは高僧じゃないだろうが、と副住職の反論。
キース 「俺にとっては、有難くも何ともない!」
Aブルー「だってさ、失礼な話だよねえ?」
A船長 「まったくです。猫に小判というヤツですよ」
Aぶるぅ「んとんと…。キース、飲まないわけ?」
だったら、ぼくが代理になっちゃう! と悪戯小僧。
Aぶるぅ「キースの代わりに飲んであげるよ!」
キース 「本当か!?」
Aぶるぅ「そだよ、お礼は要らないから!」
お酒、大好き! と盃を奪って、グイッと。
Aぶるぅ「おいしーい!」
キース 「そうか、それなら後は任せた!」
俺は飯だ、とキース君がパクつく料理。
キース 「美味いな、少々、出遅れたが」
シロエ 「いいんですか?」
キース 「何がだ?」
シロエ 「代理ですってば、ぶるぅですよ?」
悪戯小僧なんですけど、とシロエ君。
大丈夫ですかね…?
2021/04/28 (Wed)
☆代理なら任せて
マツカ君の別荘の紅枝垂でお花見、桟敷で料理とお酒な今。
悪戯小僧に代理を任せて、キース君がパクつく料理ですが。
キース 「悪戯小僧か何か知らんが、俺が飲むよりは…」
シロエ 「リスクが低いと判断したわけですか?」
キース 「当然だろうが、妙な係がつくよりマシだ!」
Aブルー「酷い言われようだよねえ…。好意なのにさ」
まったく分かっていないなんて、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「座薬係はいた方がいいよ、絶対に!」
キース 「要らんと言っているだろう!」
Aぶるぅ「ねえねえ、座薬係って、なあに?」
A船長 「キースに座薬を入れる係だが…」
まあ飲め、と悪戯小僧に大吟醸を勧めまくりなキャプテン。
A船長 「今のままだと、入れに行ったら誤認逮捕らしい」
Aぶるぅ「違う人が捕まっちゃうんだよね?」
A船長 「そうなるな」
Aぶるぅ「だったら、ぼくが代理になっちゃう!」
ついでだしね、と弾ける笑顔。
Aぶるぅ「お尻に突っ込めばいいんだし!」
キース 「ちょっと待て!」
Aブルー「それはいいねえ、ぶるぅだったら安全だよ!」
ブルー 「不思議パワーで通っているしね、何もかも」
警察沙汰でも問題ないね、と大きく頷く生徒会長。
ブルー 「逮捕以前の問題だってば、ぶるぅの場合は」
キース 「なんで、こいつらの肩を持つんだ!」
ブルー 「ぼくは事実を述べただけだよ」
それに代理を任命したのは君だろう、と生徒会長の指摘。
ブルー 「代理ついでに、そっちの代理も任せるんだね」
キース 「なんでそうなる!」
Aぶるぅ「お酒、いっぱい貰えるから、お礼!」
キースの分まで飲めるもーん! と悪戯小僧。
Aぶるぅ「座薬、いつでも入れてあげるよ、安心してね!」
ぶるぅ 「えとえと…。ぶるぅ、座薬を入れたことある?」
Aぶるぅ「無いけど、お尻に入れるだけでしょ、大丈夫!」
一同 「「「うわー…」」」
ド素人か、と一同、ガクガクブルブル。
色々な意味で怖すぎでは…。
2021/04/29 (Thu)
☆酔ったらチャラ
紅枝垂が見事なマツカ君の別荘でお花見、桟敷がお似合い。
美味しい料理にお酒も色々、けれどキース君に迫る危機。
キース 「ド素人の代理なんぞは要らん!」
Aぶるぅ「でもでも、お尻は大事だもんね!」
痛いのは治さなくちゃダメ、と使命感に燃える悪戯小僧。
Aぶるぅ「入れに行くから、安心してねーっ!」
キース 「だから、要らんと!」
Aぶるぅ「寝てる間に、パンツを下ろして入れるだけ!」
座薬係だぁ! と跳ねているわけで、引き受けた気が満々。
Aぶるぅ「座薬、座薬♪ お尻に座薬~♪」
シロエ 「酔っ払ってるみたいですね…」
ジョミー「この勢いだと、キースが腰を痛めなくても…」
サム 「今夜にでも来るぜ、座薬を入れによ」
悪戯の方で、とサム君の意見。
サム 「どうすんだよ、キース、マジでヤベえぜ」
キース 「俺もそう思うが、どうしろと!」
Aブルー「うーん…。方法は無いこともないけれど…」
キース 「本当か!?」
こいつから逃げる方法なのか、とキース君、縋る目。
キース 「その方法を教えてくれ!」
Aブルー「ぶるぅがMAXに酔っ払ったら、3分でさ…」
A船長 「リミッターが発動しまして、寝落ちするんです」
その後はリセット状態に…、とキャプテンの解説。
A船長 「ですから、MAXに酔わせてですね…」
Aブルー「3分、お尻を守って逃げれば、チャラなんだよ」
酔ってる間は、座薬に夢中だけどさ、とソルジャーも。
キース 「そ、そうか! つまり、3分…」
Aぶるぅ「よーし、頑張っちゃうもんねーっ!」
座薬ターイム! と突然、悪戯小僧が突き上げた徳利。
Aぶるぅ「キースに入れちゃう!」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
座薬どころか徳利なのか、と誰もがドン引き。
シロエ 「キース先輩、逃げて下さい、3分間です!」
Aブルー「それでチャラだよ、頑張って!」
キース 「言われなくても…」
俺は逃げる、とダッシュですけど。
今月、これにて中継終了~。
2021/04/30 (Fri)
☆お花見は無理かも
さて、四月。毎年恒例の入学式も済んで、1年A組な面々。
じきに新学期スタートですけど、休日は生徒会長宅でして。
シロエ 「今年の桜は早かったですねえ、本当に…」
ジョミー「うん。入学式には、散ってるかもって思ったよ」
スウェナ「ギリギリ、なんとか持ちこたえたわね」
雨の日があったらアウトだったかも、とスウェナちゃん。
スウェナ「それに晴れても、風が冷たい日もあったもの」
サム 「だよなあ、お蔭で咲いてる期間は長かったよな」
キース 「流石に、週末までは持ちそうにないが…」
ジョミー「其処なんだよ! お花見がさ…」
今年は出来なくなりそうな気が、とジョミー君の心配顔。
ジョミー「もっと早くに行くべきだったよ、今年はさ…」
シロエ 「ええ。でも、それは不可能だったでしょう?」
よく考えてみて下さいね、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「なにしろ、普通に座れない人がいましたからね」
一同 「「「あー…」」」
キース 「す、すまん…」
俺のせいだ、とキース君、平謝り。
キース 「まさか、あそこまで長引くとは…」
ブルー 「尻餅ってヤツは怖いんだってば、ホントにね」
シロエ 「骨は大丈夫だったんですよね?」
キース 「そうなんだが…」
レントゲンも撮ったんだが、と副住職の深い溜息。
キース 「骨に異常は出ていなくても、痛みがな…」
ブルー 「あの時、無理をしちゃったからねえ…」
法要がトドメだったよね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「素直に治療を受けていればさ、今頃はさ…」
シロエ 「長引いていても、三日でしたよね…」
サム 「そう聞いたよなあ、効き目は神がかりってよ」
なんで使わなかったんだよ、とサム君、ブツブツ。
サム 「そうすりゃ、花見も行けてたんだぜ」
キース 「お前は、あの馬鹿に尻を任せられるのか?」
サム 「勘弁だぜ!」
キース 「ほら見ろ!」
俺だって勘弁願いたかったんだ、と副住職。
例の座薬ですね?
2021/04/01 (Thu)
☆大事を取りました
じきに新学期スタートな休日、生徒会長宅に来ている面々。
話題は週末のお花見でして、今年は桜が早かったわけで…。
サム 「でもよ、キースの尻さえ治っていればよ…」
ジョミー「今日だって良かったんだよねえ、お花見はさ…」
シロエ 「そうですよ。昨日が入学式でしたからね」
今日は休みで、明日から登校、とシロエ君も。
シロエ 「ですけど、キース先輩がですね…」
スウェナ「入学式で座りまくった後、どうなるかがねえ…」
マツカ 「誰にも分からなかったですしね」
キース本人でさえもです、とマツカ君は同情モード。
マツカ 「式の途中で立つというのは、難しいですし…」
スウェナ「其処なのよ。痛み始めても耐えるしかないし…」
サム 「再発したって仕方ねえ、って状況だしよ…」
シロエ 「今日は無理だ、ってことになったんですよね」
再発しなかったみたいですけど、とシロエ君。
シロエ 「とはいえ、モノがモノですからねえ…」
サム 「昨日は大丈夫でも、今日はダメってこともよ…」
マツカ 「ありそうですから、様子見ってことで…」
今日はブルーの家で過ごすことに…、とマツカ君の指摘。
マツカ 「ですから、仕方ないですよ、今日は」
ジョミー「分かってるけど、お天気もいいしさ…」
スウェナ「絶好のお花見日和だわねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今から、何処かに行く?」
瞬間移動でパッとお出掛け、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「お弁当なら、何か作るから!」
スウェナ「そうねえ、楽しそうだわね」
ジョミー「ダメだよ、そんなの!」
もっとゴージャスなのがいい、とジョミー君の反論。
ジョミー「いつもだったら、マツカがさ…」
サム 「うん、最高のプランをよ…」
提供してくれる筈なんだよな、とサム君も。
サム 「此処で普通に花見に行くとよ…」
ジョミー「負けっぽいってば!」
シロエ 「そうですね…」
ただのお花見で終わりですよね、という声が。
どうなる…?
2021/04/02 (Fri)
☆桜が無いなら
新学期スタートを控えた休日、生徒会長宅に集う御一同様。
今年は桜の開花が早くて、週末にお花見は難しそうでして。
ジョミー「いつもみたいな、豪華なお花見がいいんだよ!」
ブルー 「高級料亭のお花見弁当なら、ゲット出来るよ?」
マツカじゃなくても、ぼくの顔で、と生徒会長の申し出。
ブルー 「流石に、お座敷は埋まっちゃってるけどさ」
マツカ 「ええ。ぼくも、手も足も出ませんよ」
予約済みのお客様が優先ですから、と御曹司。
マツカ 「板前さんの出張の方も、今からでは、とても…」
ジョミー「ほらね、ずいぶん格が落ちるし!」
そんなの嫌だ、とジョミー君の仏頂面。
ジョミー「この際、花は桜でなくてもいいからさ!」
一同 「「「えっ?」」」
ジョミー「藤でもいいし、なんでもアリでいいってば!」
お花見が出来ればいいんだよ、とトンデモな理論。
ジョミー「今から咲く花、色々あるしね!」
ブルー 「まあ、北の果てだと、そうだと聞くけど」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「ヒグマがいるトコだよ、あそこのお花見はさ…」
桜とは限らないらしいよね、と生徒会長。
ブルー 「なにしろ、北国は春が一気に来るからさ…」
シロエ 「いろんな花が一度に咲くらしいですね?」
ブルー 「そう! だから、お花見は何でもオッケー!」
ライラックだろうが、アカシアだろうが、という北国流。
ブルー 「それでいくなら、ジョミーの理屈も通るよね」
サム 「北の方で花見って手もあるぜ?」
ジョミー「特別すぎると、来年からがつまらないよ!」
例年通りっていうのも大事、とジョミー君。
ジョミー「近場でお花見、そこが大切!」
ブルー 「チューリップでも?」
要は花なら何でもいいと、と生徒会長の問い。
ブルー 「ケシとか薔薇とか、そんなのでも…?」
ジョミー「桜が無いなら、他の花を見ればいいんだよ!」
キース 「お前なあ…」
何処かの国の王妃様か、と副住職のツッコミが。
確かに…。
2021/04/03 (Sat)
☆いつものがいい
入学式を済ませた休日、生徒会長宅に集っている御一同様。
今年は開花が早かった桜、週末にお花見は難しそうでして。
キース 「桜が無いなら他の花でいい、と来ればだな…」
シロエ 「パンが無いならお菓子を食べれば、ですよね」
ジョミー「王妃様でもかまわないってば、お花見が大事!」
それも近場でゴージャスに、とジョミー君のこだわり。
ジョミー「ホントに花は何でもいいって、薔薇でもね!」
サム 「薔薇は香りが強すぎねえか?」
スウェナ「それに、お弁当も和風は似合わないわよね」
シロエ 「そうですね…。ピクニックバスケットとか…」
そういう世界になりそうですよ、とシロエ君の見解。
シロエ 「仕出しと言うより、シェフが来てですね…」
ブルー 「ガーデンパーティーになりそうだけどね?」
サム 「うんうん、ビュッフェスタイルのヤツな!」
ジョミー「あー…。薔薇だと、そっちになりそうだよね」
それもなんだか、とジョミー君が顎に当てる手。
ジョミー「ちょっといつもと違い過ぎるし、ダメかな」
シロエ 「和風で行くなら、藤なんでしょうか」
キース 「藤は流石に、まだ咲かないぞ」
あれは青葉の季節だからな、と副住職。
キース 「チューリップや薔薇なら、今でもいけるが…」
ジョミー「だから、そういうのはダメだって!」
スウェナ「いいじゃないの、ビュッフェスタイルでも!」
サム 「そうだぜ、花は何でもいいんじゃねえのか?」
お前が自分で言ったくせによ、とサム君の指摘。
サム 「花さえ見られりゃ、桜でなくてもいいってよ」
ジョミー「言ったけどさあ、お花見っぽくないもんね…」
なんとか近場で普通にお花見、とブツブツブツ。
ジョミー「何かないかな、いつもみたいに出来るヤツ…」
マツカ 「あのぅ…。枝垂桜とかはどうでしょう?」
サム 「とっくに散った後じゃねえかよ!」
マツカ 「まあ、そうですけど…」
ぼくに案が、と割って入った御曹司。
でも、散ってますよ…?
2021/04/04 (Sun)
☆品種が違うんです
新学期スタートを控えた休日、生徒会長宅でお花見の相談。
今年は桜の開花が早くて、週末に行くのは難しそうでして。
ジョミー「あのさ、枝垂桜があるからってさ…」
サム 「遠出は却下、ってジョミーが言ってやがるぜ?」
マツカ 「いえ、その点なら、大丈夫です」
いつもと同じ別荘ですよ、と御曹司の笑み。
マツカ 「桜は散っていそうですけど、枝垂桜なら…」
シロエ 「えっと…? 枝垂桜は真っ先に散りましたよ?」
サム 「だよなあ、一番に咲き始めたしよ…」
今じゃ残っていねえじぇねえか、とサム君も。
サム 「それともアレかよ、育て方が違うのかよ?」
マツカ 「いえ、違うのは桜の品種です」
一同 「「「は?」」」
マツカ 「紅枝垂ですよ、あれだと咲くのが遅いんです」
花の色は濃いめですけどね、と御曹司。
マツカ 「桜色と言うには、ちょっと濃すぎる色ですよ」
キース 「あるな、そういう枝垂桜が」
スウェナ「そういえば…。それで有名なトコもあるわね」
他所の桜が終わった後で賑わうトコ、とスウェナちゃん。
スウェナ「あの別荘でも咲くって言うの?」
マツカ 「ええ。それに、此処より気温が低いですから…」
運が良ければ、普通の桜も少しくらいは、と頼もしい言葉。
マツカ 「紅枝垂で良ければ、手配をさせて頂きますよ」
ジョミー「やったね、今年も普通にお花見!」
??? 「その話、乗ったあ!」
ぼくも、と湧いて出たソルジャー(会話表記はAブルー)。
Aブルー「お花見に行くなら、ぼくたちもね!」
マツカ 「いいですよ。キャプテンと、ぶるぅもですね」
Aブルー「そう! 流石、マツカは話が早いね!」
御馳走も期待出来そうだしさ、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「多少、桜が違っていてもさ、気にしないから!」
キース 「誰のせいだと思ってやがる!」
Aブルー「何の話さ?」
キース 「桜が違う件だ!」
大きな顔をしやがって、と副住職が顰める顔。
そういえば…。
2021/04/05 (Mon)
☆満開を逃した理由
新学期のスタートも間近な休日、生徒会長宅で過ごす面々。
週末はお花見に行けそうですけど、ソルジャーも登場で…。
Aブルー「えっと…? 桜が違うのは、お天気のせいで…」
キース 「なんだって?」
Aブルー「今年は暖かくて、いつもより早く咲いたから…」
早く満開になったんだよね、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「だから、お花見シーズンの方もズレちゃって…」
キース 「まあ、その点は否定しないが…」
Aブルー「だったら、お天気のせいじゃないか!」
ぼくには全く関係無いね、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「大きな顔をしたって当然、問題無し!」
キース 「馬鹿野郎! 天気だけなら、俺たちもだ…」
早めに行けば良かっただけだ、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「例年よりも早めに行ったら、満開だったぞ!」
Aブルー「そうだろうけど、でも、行くのはさ…」
週末ってことになったじゃないか、とソルジャーの反論。
Aブルー「その日がいい、って思っただけのことだろう?」
キース 「そうなったのは、誰のせいなんだ!」
Aブルー「誰って…。強いて言うなら、君じゃないかと」
お尻を痛めていたからね、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「その筈だけれど、他に誰がいると?」
キース 「しらばっくれるな!」
あんたのせいで悪化したんだ、とキース君の怒声。
キース 「痛めた日に、法要で無理をしたからな!」
Aブルー「うーん…。でもさ、ぼくは薬を持って来たよ?」
それも神がかりな効き目のヤツを、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「あの時、あれを使ってればさ…」
シロエ 「治ったでしょうね、劇的に…」
キース 「肯定するな!」
こんな野郎の言い分を、とキース君、ブチ切れ。
キース 「あんな薬が使えるか、馬鹿!」
Aブルー「よく効くのに?」
キース 「使い方に問題ありすぎだろうが!」
シロエ 「ですよね…」
そっちが問題でしたっけね、とシロエ君も。
効く薬なのに…。
2021/04/06 (Tue)
☆スキルが無くても
新学期スタートを控えた休日、生徒会長宅に集う御一同様。
週末はお花見に行けそうですけど、ソルジャー登場でして。
Aブルー「使い方って言われても…。普通だったよ?」
キース 「あんたがやると言い出すからだ!」
Aブルー「だって、デリケートな薬だったし…」
キース 「俺も痒いのは勘弁だったが、それでもだ!」
あんたにしか扱えないような薬はダメだ、と副住職。
キース 「ぶるぅに頼むのも無理だったしな!」
シロエ 「座薬のスキルが無かったですしね…」
Aブルー「其処なんだよねえ、確かにぼくが一番だけど…」
他にも人はいたんだよね、とソルジャー、順に視線を皆に。
Aブルー「例えばシロエに頼むとかさ」
シロエ 「ぼくですか!?」
Aブルー「やっぱり、スキルはゼロなのかな?」
シロエ 「確かに、ゼロではありますけど…」
ぶるぅよりかはマシかもですね、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「もっとも、キース先輩が、どう思うかは…」
キース 「其処の馬鹿よりかは、遥かにマシだ!」
Aブルー「ほらね、シロエでも良かったんだよ」
キース 「うっ…」
気付かなかった、と言葉に詰まる副住職。
キース 「そうか、その手があったのか…」
シロエ 「でもですね…。法衣を着付けるスキルの方が…」
Aブルー「何を言ってるのさ、即効性のある薬だよ?」
シロエ 「あー! 治れば、キース先輩が自分で…」
着ればいいだけの話ですよね、とシロエ君、手をポンと。
シロエ 「ぼくも気付いていませんでした…」
サム 「あの状況だと、誰も気が付かねえと思うぜ」
Aブルー「ぼくも、あれだけ否定されちゃうとさ…」
提案する気にもなれなかったし、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「というわけでね、ぼくは少しも悪くないから!」
キース 「くっそぉ…。俺としたことが…」
Aブルー「お花見、堂々と行っていいよね?」
キース 「仕方ない…」
俺が馬鹿だった、と後悔しきりな人。
文句は言えませんね…。
2021/04/07 (Wed)
☆仕入れ先の問題
新学期スタートが間近な休日、生徒会長宅に来ている面々。
週末はマツカ君の別荘でお花見、ソルジャーも行くことに。
キース 「そうか、あの時、誰かに頼んでいれば…」
Aブルー「法要の前に、痛みは消えていた筈なんだよ」
プラス塗り薬で完治は確実、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「それを断ったのは君だし、自業自得だよね」
キース 「もう少し早く知りたかったぞ、その話を!」
シロエ 「ずいぶん長引きましたもんねえ…」
ジョミー「入学式も危ないかも、ってくらいにね…」
ホントに気の毒、とジョミー君たちも。
ジョミー「ついでに、ぼくたちも可哀想だけどね」
スウェナ「そうよ、早くに治っていたら、お花見だって…」
Aブルー「でもさ、桜が違うだけでさ、中身の方は…」
マツカ 「大丈夫ですよ、いつもと変わりませんから」
きちんと手配しておきますね、と御曹司。
マツカ 「お食事の方も、食材は多分、問題無いです」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 仕入れ先だけの話だもんね!」
マツカ 「ええ。その食材が旬の所を選ぶだけですし…」
例年より北の方かもですね、とマツカ君、穏やかな笑み。
マツカ 「今年はタケノコとかも早いですから」
Aブルー「そうなんだ? だけど、産地が違っても…」
ちゃんと美味しく出来上がるよね、とソルジャーの問い。
Aブルー「料理のプロだし、もう最高に!」
マツカ 「その筈ですよ」
ぶるぅ 「えっとね、方法は色々あるの!」
下ごしらえとか、調理法を変えるとか…、と元気なお子様。
ぶるぅ 「食材に合わせてお料理するのが、プロだもん!」
Aブルー「なるほどね! じゃあ、そういうことで…」
週末は楽しみにしてるから、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「マツカ、よろしく!」
マツカ 「お任せ下さい、三人様ですよね」
Aブルー「そう! おっと、そこのお菓子を…」
ぶるぅ 「持ち帰り用だね!」
直ぐに詰めるね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
いつも通りですね…。
2021/04/08 (Thu)
☆御馳走があれば
入学式を終えた後の週末はお花見、今年もマツカ君の別荘。
今年は桜が早かったですけど、紅枝垂なら見頃だそうで。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ はい、お持ち帰り用のお菓子!」
Aブルー「ありがとう! それじゃ、週末にね!」
お花見、楽しみにしてるから、とソルジャー、お帰りに。
ジョミー「あーあ、今年も来るんだ、あの人…」
シロエ 「そのようですね…」
キース 「俺は貧乏クジを引かされた気がするぞ!」
あの馬鹿が、もっと早く来ていれば、とキース君の恨み節。
キース 「そうすれば俺は早く治って、花見の方もだ…」
サム 「いい時期に出掛けられたよなあ…」
スウェナ「そうねえ、やっぱりソメイヨシノが素敵だし…」
ブルー 「でもさ、ジョミーの台詞じゃないけど…」
花ならなんでもいいような気が、と生徒会長。
ブルー 「結局の所、楽しみなのは御馳走なんだし」
シロエ 「それは言えてますね…」
ジョミー「ゴージャスなのが素敵なんだよ!」
紅枝垂でも桜は桜、とジョミー君の笑顔。
ジョミー「マツカ、御馳走、期待してるからね!」
マツカ 「任せて下さい。いいお天気になりそうですし…」
サム 「今年も桟敷で花見だよな!」
マツカ 「ええ。桜を見ながら、お食事をして頂けます」
桜が違うのを除けば、例年通りですよ、と御曹司。
マツカ 「食事の方も、充分な量を用意しますから」
キース 「あっちのぶるぅは、胃袋に底が無いからな…」
ジョミー「異次元に繋がっていそうだよねえ、アレ…」
でも、食べさせておけば安心、とジョミー君が立てる親指。
ジョミー「食べてる間は、悪戯しないし!」
シロエ 「誰かさんだって、同じですよ」
さっき帰って行った人です、とシロエ君の指摘。
シロエ 「存分に食べて、大人しくして頂きましょう!」
キース 「それが一番平和だからな」
サム 「頼んだぜ、マツカ!」
マツカ 「了解です!」
皆さんもお楽しみに、とマツカ君が保証する料理。
期待ですね!
2021/04/09 (Fri)
☆揃うまで来ない人
やって来ました、お花見な土曜日。いいお天気で春の青空。
朝から生徒会長のマンション前に集合、次々到着する面々。
ジョミー「おはよう、みんな早いね!」
シロエ 「そりゃそうですよ、遅れたら文句が出ますしね」
キース 「どうだかな…。気にしていない輩もいるぞ」
一同 「「「あー…」」」
そういえば、と誰もが溜息。
スウェナ「誰かさんは、何も考えてないわよねえ…」
サム 「うんうん、一番に来た試しがねえよな」
ブルー 「それは仕方ないよ、ブルーの場合は」
こっちの状況はお見通しだから、と生徒会長。
ブルー 「無駄に早くは来ないと思うよ、揃ってからだね」
シロエ 「こっちの面子が全員…ですね?」
ジョミー「つまり、そろそろ来るのかな?」
Aブルー「ピンポーン!」
みんな、おはよう! とソルジャー登場。
Aブルー「予報通りにいいお天気だね、お花見日和!」
??? 「皆さん、よろしくお願いします」
お世話になります、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
??? 「ぼくも、ぼくもーっ!」
ぶるぅ 「わぁーい、ぶるぅだあーっ!」
一同 (((やっぱり来た…)))
悪戯小僧が、と恐れられるお子様(会話表記はAぶるぅ)。
Aぶるぅ「ねえねえ、御馳走、沢山ある?」
マツカ 「ええ、いくらでもありますよ」
Aぶるぅ「やったぁ、沢山食べるもんねーっ!」
地球の食事は美味しいもん! とピョンピョンと。
Aぶるぅ「お花見、大好きーっ!」
A船長 「私も桜が楽しみでして…」
今年は桜が違うそうで、とキャプテンも期待している様子。
A船長 「紅枝垂だと聞いて、どんな桜かと…」
Aブルー「ぼくも楽しみにしてるんだよね」
怪我の功名というヤツに、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「文字通り、怪我の功名だしねえ…」
A船長 「そうなのですか?」
Aブルー「うん、キースがさ…」
キース 「わーっ!」
言わなくていい、とキース君、真っ青。
そりゃまあ、ねえ…?
2021/04/10 (Sat)
☆見頃を過ぎたら
マツカ君の別荘でお花見な土曜日、ソルジャーたちも到着。
今年の桜は紅枝垂とあって、キャプテンも楽しみらしくて。
A船長 「怪我の功名というからには、お怪我を?」
Aブルー「そうなんだよねえ、気の毒にさ…」
キース 「だから、その話はしなくていいと!」
それより花見だ、とキース君、必死。
キース 「どうせなら桜の話題にしてくれ、頼むから!」
マツカ 「そうですよ。バスを御用意していますから…」
皆さん、バスの方へどうぞ、とマツカ君が助け舟を。
マツカ 「例年通り、バスの中でもお菓子や飲み物を…」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ 桜餅とかもある?」
マツカ 「もちろんですよ」
Aぶるぅ「わぁーい、乗る、乗る!」
ぶるぅも早くぅーっ! と駆け出す、大食漢の悪戯小僧。
ぶるぅ 「凄いね、今年のマイクロバスもゴージャス!」
ブルー 「そりゃ、マツカだから…。ぼくたちも乗ろうか」
シロエ 「別荘まで優雅にドライブですよね」
サム 「うんうん、並みの観光バスとは違うからよ」
流石だぜ、とサム君も絶賛、一同、バスへと。
Aブルー「よしっ、今年もいい眺めの席!」
A船長 「窓も大きくて素敵ですね」
Aブルー「うん。窓からの桜も楽しみだよ」
ぶるぅズ「「かみお~ん♪ しゅっぱぁーつ!」」
走り出したバスですけれど、車窓の桜は桜吹雪か散った後。
Aブルー「えっと…。ホントに桜はおしまいなんだね」
A船長 「そのようですねえ…」
Aブルー「ということはさ、去年みたいな…」
お花見渋滞も無いのかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「中継ヘリが来ていたけれど…」
マツカ 「そのシーズンは過ぎましたね」
観光地は混んでいるでしょうけど、と御曹司。
マツカ 「ただの混雑では、取材のヘリは来ませんよ」
Aブルー「そうなのかい?」
マツカ 「ええ。ニュースになりませんからね」
Aブルー「話題性が無いってことだね」
それは残念、とソルジャー、ガッカリ。
中継ヘリが好きだと?
2021/04/11 (Sun)
☆怪我が気になる人
マツカ君の別荘でお花見な週末、走り出したマイクロバス。
車窓の桜は見頃を過ぎた後、中継のヘリも飛んでいなくて。
シロエ 「中継ヘリって…。手を振りたかったんですか?」
Aブルー「去年の紅葉が楽しかったしさ…」
サム 「あー! 俺たちがヘリで出掛けたヤツな!」
ジョミー「中継ヘリと間違えられたんだっけね!」
手を振る人が多かったっけ、と誰もがピンと来た紅葉見物。
ジョミー「面白いから、中継ヘリのふりをしたっけ…」
Aブルー「思い出してくれた? だから、今日はさ…」
ヘリが来てたら手を振りたかったよ、と残念そうな人。
Aブルー「でも、飛んでないんじゃ仕方ないよね…」
A船長 「シーズンを過ぎているのは、確かですしね…」
桜吹雪か、散っているかですし、とキャプテンが眺める窓。
A船長 「とはいえ、違う桜が見られるそうですから…」
マツカ 「大丈夫ですよ、見頃だそうです」
Aブルー「やったね、ホントに怪我の功名!」
A船長 「その件ですが…。どうにも、気になってまして」
お怪我をなさったのですか、と心配そうなキャプテン。
A船長 「見たところ、お元気そうですが」
キース 「御覧の通り、俺は元気だが?」
A船長 「良かったです。せっかくのお花見ですからね」
Aブルー「其処なんだよねえ、ホントだったら…」
桜に合わせて、もっと早くに、とソルジャーが割り込み。
Aブルー「なのに、キースがダメだったからさ…」
A船長 「やはり、お怪我を?」
Aブルー「思いっ切り、派手にやっちゃってねえ…」
実は座れもしなかったんだよ、とソルジャー、暴露発言。
Aブルー「もう本当に大変でさ…」
キース 「だから、言うなと!」
その件は喋らなくていい、と焦りまくりなキース君。
キース 「俺なら、この通り、元気なんだしな!」
A船長 「ご無理なさっておられるのでは?」
キース 「そんなことはない!」
バスの振動でも大丈夫だ、と言ってますけど。
失言では…?
2021/04/12 (Mon)
☆蒸し返された話題
週末はマツカ君の別荘でお花見、マイクロバスでお出掛け。
車窓の桜は既に散り際、けれど別荘では紅枝垂が見頃とか。
A船長 「バスの振動、と仰いましたか?」
キース 「いや、その…。別に気にして貰わなくても…!」
過ぎたことだし、とキース君、失言に気付いた様子。
キース 「それよりも、マツカ…。いいバスだな、いつも」
マツカ 「道中でも楽しんで頂きたいですしね、皆さんに」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ バスの中でも桜餅!」
ぶるぅ 「そだよ、抹茶も点てられるもん!」
ホントに最高、と悪戯小僧と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
ぶるぅ 「路線バスだと、こんなの無理だし!」
シロエ 「ですよね、普通の観光バスでも無理ですよ」
ジョミー「いいよね、このバス!」
サム 「運転手さんの腕もいいよな、揺れねえしよ」
急カーブでも快適なんだぜ、とサム君も惚れるテクニック。
サム 「下手なバスだと、今のカーブとかよ…」
スウェナ「揺れるわよねえ、絶対に」
A船長 「そうでしょうねえ…。ああ、揺れると言えば…」
話が途中になってましたね、とキャプテンが蒸し返す話題。
A船長 「このバスだったら安心、という意味ですか?」
一同 (((忘れてなかった…)))
A船長 「路線バスだと、まだダメだとか…?」
座れなかったそうですし、と心配そうな視線がキース君に。
A船長 「ご無理はなさらない方が…」
キース 「だから、俺なら大丈夫だと!」
Aブルー「うん、治ったのは確からしいよ」
長引いちゃったみたいだけどね、とソルジャー、クスッと。
Aブルー「薬を使わなかったしさ…」
A船長 「なんですって!?」
薬は使うべきですよ、とキャプテン、真剣な顔。
A船長 「でないと治りが遅くなったり、こじらせたり…」
Aブルー「君だって、そう思うよねえ?」
A船長 「もちろんです!」
Aブルー「でもさ、キースは強情でさ…」
薬を断ったんだよね、とソルジャーの溜息。
だってねえ…?
2021/04/13 (Tue)
☆薬は使わないと
週末はマツカ君の別荘でお花見、マイクロバスで目的地へ。
紅枝垂が見頃らしいですけど、車内の話題は不穏な方へと。
A船長 「とんでもないです、薬を使わないなんて!」
キース 「いや、使ったが!」
Aブルー「嘘だよ、断ったじゃないか!」
キース 「あんたが言うのを断っただけだ!」
俺だって湿布くらいはする、とキース君、憤然。
キース 「おふくろに言って、ちゃんと出して貰った!」
シロエ 「そうだったんですか?」
キース 「尻餅の話は知っていたしな、おふくろも」
ジョミー「あー…。だけど、やっぱり長引いたよね」
無理をしたのが悪かったかな、とジョミー君。
ジョミー「もっと早くに手当てしてれば、少しはさ…」
マツカ 「そうですね、最初が肝心ですから」
A船長 「なるほど、尻餅事故ですか…」
その状態で無理をしたわけですね、とキャプテンの苦い顔。
A船長 「よくないですよ、尻餅は怖いんですからね」
Aブルー「痛いのに、立ったり座ったりしてたんだってば」
A船長 「なんと…! 私がいたら、止めていますよ」
どうして止めなかったんです、とキャプテン、非難の表情。
A船長 「あなたにしたって、よくご存じの筈ですが?」
Aブルー「だから薬を用意したのに、キースがさ…」
A船長 「使わずに断ったんですね?」
その結果、長引いてしまったと…、とキャプテンの溜息。
A船長 「皆さんも、何をなさってたんですか!」
シロエ 「あ、あのぅ…。その薬がですね…」
サム 「もう思いっ切り、厄介なヤツでよ…」
勧めたら俺たちが危なかったしよ、とサム君たち。
サム 「キースに恨まれるのは、間違いねえし…」
ジョミー「恨むどころか祟るよ、アレは!」
末代までね、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「でなきゃ、その場で殺されるとか…!」
A船長 「話が全く見えないのですが…?」
キース 「見なくていい!」
知らないままで済ませてくれ、と悲鳴ですけど。
通りますか?
2021/04/14 (Wed)
☆通じていない人
週末はマツカ君の別荘へお出掛け、豪華なマイクロバスで。
紅枝垂が見頃らしいんですけど、車内が不穏な情勢な今。
A船長 「見なくていい、と言われてもですね…」
Aブルー「ソレなんだよねえ、薬を断られたのも…」
A船長 「どういう意味です?」
見なくていいとは、とキャプテン、怪訝そうな顔。
A船長 「診察の筈がないですし…。ますます謎ですよ」
Aブルー「お尻だってば、キースのね!」
ぼくには見せたくないんだってさ、とソルジャーの暴露。
Aブルー「せっかく、薬を入れてあげると言ったのに!」
A船長 「はあ…。もしかして、その薬というのは…」
Aブルー「君も知ってる座薬だよ! 最高に効くヤツ!」
A船長 「アレですか! まさに神がかりな効能ですが…」
キースは断ったんですか、とキャプテン、呆れた様子。
A船長 「即効性で、ブリッジクルーの必需品なのに…」
Aブルー「そうだろう? ゼルはもちろん、他の人もさ…」
バンバン使っているのにね、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「どうかと思うよ、断るだなんて!」
A船長 「お尻を見せたくなかった、と…」
背中ならまだ分かるのですが、と斜め上なキャプテン。
A船長 「敵に背中を見せるというのは、恥らしいですし」
Aブルー「うん、背中なら仕方ないけどねえ…」
お尻くらい、とソルジャーも乗っかる斜め上な発言。
Aブルー「減るモンじゃないし、見せてもさ…」
A船長 「そうですよ。私もお世話になってますしね」
何度、座薬を入れて貰ったことか、と頷くキャプテン。
A船長 「あなたは座薬のベテランですよ!」
Aブルー「その言い方は、ちょっと…」
ぼくが入れて貰う方みたいだし、とソルジャーの苦笑。
Aブルー「入れて貰うのは、君のアレなんだしさ」
A船長 「失礼しました…」
キース 「そんなヤツだから、嫌だったんだ!」
A船長 「と、申しますと…?」
何か問題でも、と首を傾げるキャプテン。
通じてませんね…?
2021/04/15 (Thu)
☆来年でいいかも
春休みを間近に控えた休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
其処へソルジャー乱入でして、私物のお寺を作りたいとか。
ジョミー「来年なんて、急すぎるから!」
Aブルー「でもねえ、善は急げと言うしさ…」
キース 「今年の受け付けは、もう終わったしな…」
来年以降になってしまうな、と副住職。
キース 「一年で終わる修行道場なら、いけると思うが」
Aブルー「えっ、そんなのがあるのかい?」
キース 「事情があって、最短で修行したい人が行くんだ」
ただし、修行は半端じゃないぞ、と副住職の厳しい顔付き。
キース 「メンタルを病んで脱落するのも、多いと聞くな」
ジョミー「其処は絶対、お断りだから!」
Aブルー「行って欲しいけど、脱落されたら元も子もね…」
ジョミー「そう思うんなら、来年って話も取り消してよ!」
脱落どころか脱走するよ、とジョミー君、必死の形相。
ジョミー「修行の途中で逃げる人って、いるんだろうし!」
キース 「逃げた場合は、破門と相場が決まっているが」
ジョミー「そうなんだ? だったら、逃げてもいいかもね」
来年から始めて、即、逃亡で、と閃いた模様。
ジョミー「破門されたら、お坊さんにはなれないし…」
シロエ 「自由の身だ、と言いたいんですね?」
ジョミー「ピンポーン!」
来年から行くことにするよ、と笑顔全開なジョミー君。
ジョミー「それでいいよね、ちゃんと行くんだし!」
キース 「まあ、お前が破門されたところで…」
サム 「俺たちには、どうでもいい話だしよ…」
どうせ不出来な坊主になるんだからよ、とサム君も。
サム 「いいんでねえの、来年で」
Aブルー「ぼくが困るから!」
お寺をゲット出来なくなるし、とソルジャーの苦情。
Aブルー「その気になるまで、待つしかないかな…」
キース 「何年かかるか、分からないぞ?」
Aブルー「夢は大きく、果てしなくだよ、この場合!」
いつかお寺が手に入るんなら我慢、とキッパリ。
長期戦だと…?
2021/03/16 (Tue)
☆我慢するしか
もうすぐ春休みな休日、生徒会長に集うシャン学メンバー。
其処へ乱入したのがソルジャー、お彼岸の法要の話から…。
キース 「いいのか、本当に、待ちの姿勢で?」
サム 「ジョミーなんだぜ、行くとは思えねえけど」
修行なんか、と副住職とサム君の一致した意見。
サム 「俺が行く時、誘うつもりではいるけどよ…」
キース 「友情よりも自由を取ったら、修行はパスだぞ?」
Aブルー「ジョミーは行かずに、残留ってこと?」
キース 「そうなる気しかしないんだが?」
ジョミーだからな、と副住職、断言。
キース 「友情が木っ端微塵になろうが、パスだとしか…」
Aブルー「そこまでなのかい?」
ジョミー「その時まで、分からないけどさ…」
今の時点なら自由を取るよ、とジョミー君もハッキリと。
ジョミー「行く可能性は、限りなくゼロに近いかな」
Aブルー「うーん…。だけど、無理強いした場合はさ…」
ジョミー「もちろん、逃げて破門なコース!」
お寺のトップより、自由がいいな、と明快な返事。
ジョミー「それが嫌なら、待っててくれれば…」
Aブルー「少しは可能性がある、と…。よし!」
それでいいや、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「じゃあ、とりあえずは春のお彼岸ってことで」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「今年のヤツだよ、すぐそこだろう?」
いつも通りにお願いするよ、と弾ける笑顔。
Aブルー「キースが仕切って、みんな揃って法要をね!」
一同 「「「うわー…」」」
やっぱりやるのか、と誰もがゲンナリ。
サム 「ジョミーに期待するしかねえな…」
キース 「ああ、いつかはな…」
専門のお寺が出来れば、少しはマシに、と僧籍な人たち。
キース 「それまでの我慢で、やるしかないな」
シロエ 「ぼくたちも、耐えるしかないですね…」
Aブルー「文句を言わずに、ちゃんと法要!」
一同 「「「うう…」」」
結局、こういうことになるのか、と一同、涙目。
法要ですか…。
2021/03/17 (Wed)
☆お寺が出来たら
春休みを間近に控えた休日、生徒会長宅に集った御一同様。
其処へ来たソルジャー、いつかは私物なお寺を希望ですが。
Aブルー「ジョミーを待っても、先は長そうだしさ…」
キース 「まあ、そうだろうが…」
シロエ 「いつまで続くんでしょうね、コレって…」
Aブルー「もちろん、お寺をゲットするまでだよ!」
このぼくが、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「そしてジョミーをトップに立てたら、少しはね」
一同 「「「少し?」」」
Aブルー「決まってるだろう、お彼岸とお盆は不動だよ!」
大事な法要らしいからね、と門前の小僧なソルジャーの言。
Aブルー「其処はキースにやって貰って、盛大に!」
シロエ 「じゃ、じゃあ、ぼくたちも今と同じですか?」
Aブルー「当然だよね、ただ、法要をする場所は…」
此処じゃないかもしれないけど、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「スッポンタケ専用のお寺が出来るんだしさ…」
ブルー 「そっちでやればいいと思うね!」
此処でやるなら、会場費を出してくれたまえ、と生徒会長。
ブルー 「今みたいにタダっていうのは、ちょっとね」
Aブルー「やっぱりねえ…。でもって、高い、と?」
ブルー 「当たり前だよ、ぼくを誰だと思ってるのさ!」
伝説の高僧の家を使うからには、それなりに、と厳しい声。
ブルー 「璃母恩院の本堂並みでもいいかもねえ…」
キース 「そうだな、ぼったくりプライスでな」
その費用で派手に打ち上げだ、と副住職も。
キース 「それが嫌なら、ジョミーの寺でやってくれ」
Aブルー「分かったよ…。細かいことは、またその時にね」
ともあれ、今は春のお彼岸の法要をよろしく、と笑顔な人。
Aブルー「今日は帰るけど、お彼岸は頼めたし、将来も…」
キース 「ジョミーに大いに期待なんだな?」
Aブルー「そういうこと! ぶるぅ、持ち帰り用に何か…」
ぶるぅ 「オッケー!」
お菓子にお料理、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がサッと。
手早いですね!
2021/03/18 (Thu)
☆お寺が出来ても
もうじき春休みな休日、生徒会長宅に来ている面々ですが。
其処へ乱入して来たソルジャー、お彼岸の法要を注文で…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お持ち帰り用、出来上がり!」
Aブルー「ありがとう! じゃあ、またお彼岸の日にね!」
楽しみにしてるから、とソルジャー、姿を消しましたけど。
シロエ 「結局、お彼岸は法要ですか…」
サム 「仕方ねえよな、ジョミーが寺を持つまではよ」
スウェナ「ダメでしょ、お彼岸とお盆は今まで通り、って」
言ってたじゃないの、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「会場が変わっても、やらされるのよ!」
キース 「ああ、そう言ってやがったな…」
ジョミー「全部、キースが悪いんだからね!」
あんなモノに戒名をつけるからだよ、とジョミー君の怒り。
ジョミー「お蔭で、ぼくの将来まで怪しい感じだけど!」
キース 「ほう…? 元老寺で真面目に勤めたいのか?」
寺のトップになるよりも、と副住職の質問が。
キース 「元老寺だと、親父と俺のツートップだが?」
サム 「うんうん、そこは間違いねえよな」
ジョミー「ツートップ…?」
キース 「住職と副住職は強いぞ、寺の中ではボスだしな」
まあ、ラスボスは璃母恩院だが…、と副住職の苦笑。
キース 「しかしボスには違いないから、文句を言うなよ」
ジョミー「酷いってば!」
キース 「そう思うんなら、あの馬鹿に寺を貰うんだな」
そうすれば、お前がトップなんだ、と副住職。
キース 「まあ、ゆっくりと考えておけ」
サム 「だよなあ、時間はたっぷりあるしよ」
シロエ 「でも、その前に、お彼岸ですよね…」
この春も逃げられませんでしたよ、とシロエ君の嘆き節。
シロエ 「その上、この先もずっとですしね…」
サム 「諦めようぜ、キースにも、どうにも出来ねえよ」
キース 「すまない、俺が悪かった…」
ブルー 「気を付けるんだよ、失言にはね」
もう遅いけど、と銀青様も溜息な例の戒名。
またお彼岸ですか…。
2021/03/19 (Fri)
☆逃げられない弟子
やって来ました、春分の日な3月20日。お彼岸のお中日。
朝から生徒会長宅に集った面々、既に溜息MAXでして…。
シロエ 「あーあ、結局、こうなるんですよね、ぼくたち」
マツカ 「仕方ないですよ、お彼岸が存在する限り…」
スウェナ「エンドレスよね、毎回、毎回…」
本当に、誰のせいなんだか、とスウェナちゃん、遠い目。
スウェナ「いつかジョミーがお寺を持っても、法要よ?」
ジョミー「お坊さんには、ならないってば!」
サム 「逃げられる気がしねえけど?」
ブルーの弟子になった以上はよ、とサム君の指摘。
サム 「だってよ、相手はブルーなんだぜ?」
シロエ 「そうですね、誰かさんの影で霞んでますけど…」
マツカ 「誰かさんと同じくらいに、いい性格ですよね」
ブルー 「お褒めの言葉、ありがとう!」
流石、みんなは分かっているね、と生徒会長、ニコニコと。
ブルー 「分かってないのは、ジョミーだけだよ」
ジョミー「え、えっと…?」
ブルー 「今は泳がせてあげてるだけでさ、いつかはさ…」
修行に行って貰うからね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「ビシバシしごいて貰って来たまえ、璃母恩院で」
ジョミー「じょ、冗談だよね…?」
ブルー 「そう思うのは、君くらいだよ。…ねえ?」
一同 「「「もっちろーん!」」」
だって銀青様なんだから、と反対の声は一つも無し。
シロエ 「諦めて精進して下さいね、ジョミー先輩」
マツカ 「まあ、まだ先の話ですから…。今日の所は…」
とりあえずキースの出番ですよ、と御曹司。
マツカ 「とはいえ、忙しそうですからねえ…」
サム 「お中日だしよ…」
本当だったら、元老寺で拘束だよな、とサム君の言。
サム 「抜けて来るんだし、そりゃ、朝からよ…」
ブルー 「こき使われていたよ、アドス和尚に」
ぶるぅ 「可哀想だよね…」
シロエ 「自業自得と言うんです!」
ぼくたちの方が可哀想です、とシロエ君、力説。
確かに…。
2021/03/20 (Sat)
☆可哀想らしい人
春分の日な春のお彼岸、スッポンタケの法要の日ですけど。
生徒会長宅に朝から集合、文句だらけなシャン学メンバー。
シロエ 「いいですか? キース先輩が例の戒名を…」
マツカ 「付けなかったら、今の状態は無かったですよね」
スウェナ「そうよ、昔は普通に祝日だったのよ!」
春休みも近くて、もう最高の…、とスウェナちゃんも。
スウェナ「それが今では、毎年、お彼岸の法要だなんて!」
シロエ 「解放される日は来ないんですよね、永遠に…」
マツカ 「会場は変わるかもですけどね」
ジョミーのお寺に、とマツカ君も諦めモード。
マツカ 「でも、お彼岸には変わりないですし…」
シロエ 「抹香臭い日にしかならないんですよ!」
世間は春で賑やかなのに、とシロエ君が指差す窓の方向。
シロエ 「今日だって、いいお天気ですから、きっと…」
マツカ 「何処も、人出が多いでしょうね」
スウェナ「桜が咲いてる所なんかもあるらしいわよ?」
サム 「だよなあ、でもよ、逃げられねえしよ…」
仕方ねえよな、とサム君、溜息。
サム 「何もかも、キースのせいなんだぜ、うん」
ぶるぅ 「でもでも、とっても可哀想なの!」
ホントに朝から走り回って…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「本堂の掃除だけじゃなくって、セッティング!」
一同 「「「セッティング?」」」
ぶるぅ 「椅子を並べてたよ、重そうなのを蔵から出して」
ブルー 「パイプ椅子ではないからねえ…」
元老寺の椅子席のはさ、と生徒会長、相槌を。
ブルー 「けっこう重量級の筈だよ、あの椅子は」
シロエ 「ご年配の方用の椅子席ですね、分かります」
ぼくたちは座らせて貰えませんが、とシロエ君の仏頂面。
シロエ 「椅子運びくらい、ぼくたちの苦労に比べたら…」
サム 「なんでもねえよな、数も知れてるしよ」
ぶるぅ 「だけど、痛めたみたいだよ?」
一同 「「「え?」」」
あの椅子を、と一同、目が真ん丸に。
ヤバイのでは…?
2021/03/21 (Sun)
☆高い椅子なんです
春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
朝早くから集合ですけど、キース君は元老寺が忙しくて…。
シロエ 「痛めたみたい、って、ヤバいじゃないですか!」
ジョミー「だよねえ、あの椅子、高そうだよ?」
マツカ 「そうですね…。お寺用ですから、通常よりも…」
ただでも高い価格設定でしょうね、と御曹司の読み。
マツカ 「それに座面に、いい布を使っていますから…」
シロエ 「えっと? 地味な感じに見えますけど?」
マツカ 「あの手の織物は高いんですよ、ああ見えても」
見た目は関係ありませんね、と流石な目利き。
マツカ 「ついでに、椅子の本体の木も、安くはないです」
一同 「「「うわー…」」」
そんな椅子に傷をつけたのか、と誰もがガクブル。
シロエ 「そ、それって、ヤバすぎですってば…!」
サム 「あいつ、給料、貰ってねえよな…」
スウェナ「お小遣いだけらしいわよね…」
ジョミー「修理代、ちゃんと出せるのかな…?」
叱られるだけじゃ済まない気が、とジョミー君も顔面蒼白。
ジョミー「お小遣いゼロで、他所のお寺でバイトとか…」
マツカ 「修理するなら、そのコースかもです」
普通の椅子でも、修理代は高いですから、と御曹司。
マツカ 「買った方が安いとまでは言いませんけど…」
サム 「とてつもなく高い、っていうわけな?」
マツカ 「一番高いお札で、何枚分かは確実ですね」
一同 「「「あー…」」」
それはキツイ、と素人でも分かる修理代の高さ。
シロエ 「キース先輩、終わったかもですね…」
ジョミー「買い直すレベルなら、もう駄目だよね…」
可哀想になって来たかも、と一同、同情モード。
シロエ 「なんだって、そんなヘマをしたんでしょう…?」
ぶるぅ 「んとね、本堂の床で滑って…」
シロエ 「破壊したんですか!?」
ぶるぅ 「もう、思いっ切り、ぶつけちゃったの!」
凄い音だったよ、という証言ですけど。
破壊していそうですね…?
2021/03/22 (Mon)
☆保険があります
春のお彼岸はスッポンタケの法要で、会場は生徒会長の家。
朝から集った面々ですけど、キース君がまだ来ていなくて。
シロエ 「凄い音がしたんだったら、壊れてますよね…」
マツカ 「脚が折れたとかも、ありそうですよ」
ジョミー「それって、修理代が高いよね…?」
マツカ 「修理出来るか、微妙ですよ…」
脚が折れていたら、と御曹司の溜息。
マツカ 「構造によっては、枠ごと交換ですからね」
シロエ 「買った方が早いというわけですか?」
マツカ 「ええ。費用の面でも、高くつきますから」
一同 「「「うわー…」」」
恐ろしすぎる、と一同、ガクブル。
サム 「ぶるぅ、現場を見てたんだよな?」
スウェナ「どうだったのよ、脚は折れたの?」
ぶるぅ 「んとんと…。足は折れてないけど…」
シロエ 「他の場所に傷がついたんですか?」
修理代が高くつきそうなのが、とシロエ君の問い。
シロエ 「布が裂けたとかでも、充分、高そうですけど」
ぶるぅ 「えっとね、布は裂けてなかったよ?」
ジョミー「じゃあ、音だけが凄かったのかな?」
サム 「でもよ、痛めたみたい、って言ってたぜ?」
何処かが壊れちまったんだよ、とサム君の指摘。
サム 「修理代、高くつきそうかよ?」
ぶるぅ 「分かんないけど、保険があるでしょ?」
シロエ 「あー! きちんと加入してたんですね!」
マツカ 「そういうことなら、安心ですね」
いずれ返って来ますからね、と御曹司。
マツカ 「保険が下りるまでの我慢ですから」
サム 「うんうん、それまで厳しいけどよ…」
赤貧になっちまうけどよ、とサム君もホッとした様子。
サム 「金さえ戻れば、それだって笑い話だもんな」
ジョミー「だよねえ、金欠で苦労したって」
ぶるぅ 「でもでも、お金で済みそうにないよ?」
シロエ 「保険があるって言いませんでしたか?」
ぶるぅ 「お金は足りると思うけど…」
治るまでがね、と心配そうなお子様。
アドス和尚が怖いとか…?
2021/03/23 (Tue)
☆保険があっても
春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
けれどキース君が未到着でして、元老寺でヘマをした模様。
シロエ 「そりゃ、修理が済まないと、保険は無理ですよ」
マツカ 「かかった費用が確定しないと、下りませんしね」
保険会社はシビアですから、と御曹司も相槌。
マツカ 「ですから、それまで赤貧は仕方ありませんよ」
サム 「アドス和尚も、グチグチ言うよな、絶対によ…」
ジョミー「椅子が足りないとか、ネチネチネチとね…」
ホントは足りていたってさ、とジョミー君が肩をブルッと。
ジョミー「修理が済んでも、しつこく言われそうだよね」
スウェナ「ありそうだわねえ…」
確かに、お金では済まないわよね、とスウェナちゃんも。
スウェナ「キースのメンタル、ボロボロだわよ」
シロエ 「ええ…。相手はアドス和尚ですしね…」
マツカ 「今も叱られているんでしょうね、遅いですから」
一同 「「「あー…」」」
まだ元老寺で搾られているかも、と誰もが納得。
ジョミー「今日は遅刻かな、誰かさんの方が早くてさ」
ぶるぅ 「んとね、バスには乗ってるよ?」
でもでも、ホントに痛そうだよね、と同情するお子様。
ぶるぅ 「可哀想だよ、椅子は大丈夫だったのに!」
一同 「「「はあ?」」」
椅子は壊れた筈なのでは、と一同、ポカーン。
シロエ 「えっと…? 椅子は壊れなかったんですか?」
ぶるぅ 「そだよ、キースが頑張ったから!」
サム 「なんだよ、それってどういう意味だよ?」
ぶるぅ 「だから、キースが盾になったの!」
椅子を庇って、尻餅なの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「椅子を壊したら大変だから、頑張ったけど…!」
シロエ 「じゃあ、痛めたのは、キース先輩の方ですか?」
ぶるぅ 「そうなの、お尻が割れちゃったかも…!」
サム 「尻は元から割れてるけどよ…」
マツカ 「骨が問題ですよね…」
尾てい骨とか、と御曹司も悪い顔色。
折れちゃったとか…?
2021/03/24 (Wed)
☆大事にしないと
春のお彼岸はスッポンタケの法要、既に集合した御一同様。
けれどキース君が来ていないわけで、椅子を庇ったいう話。
マツカ 「尻餅は、ダメージが大きいそうですからね…」
シロエ 「ええ。キース先輩、柔道部で鍛えているのに…」
受け身が取れなかっただなんて、とシロエ君も同情モード。
シロエ 「椅子を庇ったんなら、仕方ないですけど…」
??? 「なになに、何かあったわけ?」
椅子が何さ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「今日の法要、椅子席が出来るとか?」
シロエ 「そんな話はしていませんが!」
Aブルー「違うのかい? 椅子があるなら、そっちがさ…」
良かったのに、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「正座は苦手なんだよねえ…。で、キースは?」
シロエ 「見ての通りです、まだ来ていません!」
Aブルー「遅刻とは、いい度胸だねえ…」
ぼくが頼んだ法要なのに、とソルジャーの視線が扉の方へ。
Aブルー「その分、割引して貰おうかな、遅刻なんだし」
シロエ 「本当に聞いていなかったんですね、何も…」
Aブルー「椅子の話は聞いたよ、ちゃんと!」
シロエ 「そこだけ聞いて、都合よく解釈しましたね?」
キース先輩は、今、大変なんです、とシロエ君、目がマジ。
シロエ 「椅子を庇って、名誉の負傷というヤツですよ」
Aブルー「えっと…?」
シロエ 「お高い椅子が壊れないよう、盾になったんです」
それで尻餅をついたらしくて…、とシロエ君の解説。
シロエ 「バスには乗ったそうですけれど…」
ぶるぅ 「お尻がズキズキ痛いらしいの!」
Aブルー「大変じゃないか!」
お尻だなんて、とソルジャー、顔面蒼白。
Aブルー「分かった、急いで薬を取って来るから!」
一同 「「「えっ?」」」
Aブルー「お尻は大事にしないとダメだし、行って来る!」
シロエ 「消えちゃいましたよ?」
ブルー 「そりゃねえ…」
お尻だしね、と生徒会長、頷いてますけど。
何か理由でも…?
2021/03/25 (Thu)
☆お手伝いは任せて
春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集う面々。
けれど肝心のキース君が遅刻、椅子を庇って尻餅だそうで。
ブルー 「お尻が痛むだなんて聞いたら、当然だよね」
シロエ 「それって、どういう意味ですか?」
ブルー 「君たちは、十八歳未満お断りだしねえ…」
難しいよね、と生徒会長が溜息な所へ、ソルジャー帰還。
Aブルー「ただいまーっ! 取って来たけど、キースは?」
ぶるぅ 「んとんと…。あっ、着いたみたい!」
チャイムの音で、玄関へ跳ねてゆくお子様。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースが来たよーっ!」
キース 「遅くなってすまん…」
ぶるぅ 「着替え、お手伝いした方がいい?」
キース 「そうして貰えると助かるな」
よろしく頼む、と副住職が差し出す法衣専用鞄。
キース 「鞄は持てるんだが、これの中身を広げるのは…」
ぶるぅ 「そだね、畳んで入れた時には無事だったもんね」
キース 「ああ。まさか、あんな目に遭うとはな…」
立ったり座ったりが辛くて、と顔を顰める副住職。
キース 「バスの座席に座っていても、振動が響いて…」
シロエ 「事情は、ぶるぅに聞いてます。大変でしたね」
キース 「仕方ない。椅子が壊れるよりマシだ」
椅子だと修理代が馬鹿にならん、と副住職の溜息。
キース 「着替えて来るから、待っててくれ」
ぶるぅ 「行ってくるねーっ!」
Aブルー「あっ、ちょっと待って、ぼくも行くから!」
キース 「はあ?」
なんで、あんたが、と副住職、ポカーン。
キース 「何の役にも立たんだろうが!」
Aブルー「ううん、大いに役に立つって!」
キース 「俺の着替えにか?」
Aブルー「着替えの時が一番だからね!」
だって、脱ぐだろ、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「なにしろ、パンツを履いてちゃ駄目だし…」
キース 「なんだって?」
Aブルー「お尻を出して貰わないとさ…」
キース 「尻!?」
何をする気だ、とキース君、顔面蒼白。
そうなりますよね?
2021/03/26 (Fri)
☆治療をするには
スッポンタケの法要の日ですけど、遅刻して来たキース君。
椅子を庇って尻餅事故で、法衣に着替えるのも辛いそうで。
Aブルー「お尻だってば、今もズキズキ痛むんだろう?」
キース 「それはそうだが、何故、そうなる!」
Aブルー「治療するには、お尻を出して貰わないとさ…」
出来ないんだよね、とソルジャー、もっともな意見。
Aブルー「だからさ、ぼくも一緒に行って、と」
キース 「断固、断る!」
Aブルー「ただの薬じゃないんだよ? ぼくの世界の…」
医学の結晶なんだからね、とソルジャーの説明。
Aブルー「お尻はとても大事だしねえ、色々学んで…」
キース 「なら、薬だけ、ぶるぅに渡せ!」
あんたにだけは触られたくない、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「腕や足なら任せてもいいが、尻だけは!」
Aブルー「そう言わないでさ、ぼくはハーレイ一筋だしね」
ちょっと撫でてはみたいけどさ、とソルジャー、クスッと。
Aブルー「柔道で鍛えているだけあって、いい形だし…」
キース 「やめてくれ!」
鳥肌が立って蕁麻疹が出る、とキース君、ガクブル。
キース 「薬は有難く貰っておくから、ぶるぅにだな…!」
Aブルー「でも、ぶるぅには無理だよ、コレ」
キース 「はあ?」
Aブルー「だってさ、尾てい骨のトコにさ…」
一発、注射なんだよね、とソルジャーが取り出す注射器。
Aブルー「そりゃ、ぼくだって無免許だけど、腕は充分!」
キース 「色々な意味で怖すぎるぞ!」
Aブルー「大丈夫だってば、ノルディのお墨付きだから!」
ぼくの世界のね、と威張り返る人。
Aブルー「これを打ったら痛みは消えるし、早く治るし…」
キース 「そう言われても、あんたに尻を任せるのは…!」
Aブルー「なんで、そんなに嫌がるのさ!」
キース 「他には無いのか、湿布薬とか、そういうのは!」
Aブルー「貼っても、いいって?」
キース 「うっ…」
それもなんだか、とキース君、冷汗がタラリ。
どうする…?
2021/03/27 (Sat)
☆お尻に効きます
スッポンタケの法要の日なのに、キース君が遅れて来た今。
尻餅事故に遭ったらしくて、お尻がズキズキ痛むわけで…。
Aブルー「湿布よりはさ、絶対、注射がいいと思うよ」
ブルー 「それ、本当に効くのかい?」
Aブルー「もちろんだよ! なにしろ現場で使うヤツでさ」
機関部とかでは、ありがちな事故、とソルジャーの証言。
Aブルー「尻餅でなくても、腰を痛めることが多くて…」
シロエ 「そういう時に効き目を発揮するんですか?」
Aブルー「即効性があって、痛みが直ぐに消えるってね!」
痛めた場所にも、良く効くんだよ、と自信たっぷり。
Aブルー「三日もあれば治るんだけど、それとセットで…」
サム 「湿布かよ?」
Aブルー「早く治すんなら、塗り薬だね!」
そっちも持って来たんだから、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「座薬も使えば、効き目は更に神がかり!」
キース 「座薬だと!?」
Aブルー「そうだよ、お尻にダイレクトに!」
とても効くから、是非、使いたまえ、とプッシュする人。
Aブルー「まずは注射で、それから座薬!」
キース 「だったら、座薬だけ寄越せ!」
俺が自分で使うから、と副住職も必死。
キース 「座薬くらいは、俺でもなんとか…」
Aブルー「そう言わないでさ、入れてあげるから!」
ぼくは上手いよ、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「お尻とは長い付き合いだしね!」
ブルー 「ま、まさか、君は、君のハーレイに…?」
Aブルー「おっと、勘違いしないで欲しいね」
アレを入れてるわけじゃないし、と顔を顰めるソルジャー。
Aブルー「ハーレイが腰を痛めた時だよ、座薬で治療!」
ブルー 「なんだ、ビックリした…」
実は立場が逆かと思った、と生徒会長、ホッと。
ブルー 「寿命が軽く縮んだよ」
Aブルー「失礼だねえ…。で、キースは?」
キース 「俺の尻は、俺が面倒を見る!」
Aブルー「でもねえ…」
デリケートな薬だしさ、と言ってますけど。
難しいと…?
2021/03/28 (Sun)
☆縁が無い人たち
スッポンタケの法要の日ですけど、遅刻して来たキース君。
尻餅事故に遭ったんだそうで、法衣に着替えるのも大変で。
キース 「デリケートだろうが、あんたに任せるよりは…」
ぶるぅ 「んとんと、ぼくでも入れられる?」
注射じゃなくて座薬だもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「注射器は、ぼくには使えないけど…」
シロエ 「ああ、座薬くらいなら、大丈夫ですよね」
ぶるぅ 「うんっ! 多分、出来ると思うの!」
一同 「「「多分…?」」」
なんだそれは、と一同、ちょっぴり不安に。
スウェナ「ひょっとして、入れたことがないのかしら?」
シロエ 「それは無いでしょう、うんと長生きですからね」
サム 「でもよ、ぶるぅは健康そうだぜ?」
座薬の世話になりそうにねえし、とサム君の意見。
サム 「それによ、一緒に暮らしているのがブルーで…」
シロエ 「座薬とは縁が無さそうですね…?」
ブルー 「無いねえ、そんな薬とはね!」
せいぜい、注射と飲み薬だよ、と生徒会長の仏頂面。
ブルー 「当然、ぶるぅも、座薬とは無縁!」
一同 「「「うわー…」」」
ド素人か、と誰もがドン引き。
シロエ 「つ、つまり、ぶるぅは、経験ゼロなんですね?」
ぶるぅ 「そうだけど…。でも、注射とは違うから…」
座薬に免許は要らないでしょ、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「ちゃんと説明を聞いてやったら、大丈夫そう!」
キース 「いや、そのくらいなら、俺が自分で…!」
ぶるぅ 「でもでも、お尻、見えにくいでしょ?」
キース 「それはそうだが、コツが要るんだ!」
入れ方によっては、アレは痛い、と経験者っぽい発言。
キース 「だから、自分で何とかする!」
Aブルー「経験者なのかな、今の台詞だと?」
キース 「少なくとも、ぶるぅよりかはマシだ!」
Aブルー「でもさ、デリケートな薬だからさ…」
キース 「しつこいぞ、あんた!」
そんな野郎に触らせるか、とキレてますけど。
大丈夫…?
2021/03/29 (Mon)
☆痒くなるそうです
スッポンタケの法要の日が来ましたけど、キース君が遅刻。
尻餅事故に遭ったんだそうで、お尻がズキズキ痛む状態で。
キース 「いいから、とにかく座薬を寄越せ!」
ぶるぅ 「そだよ、ぼくでもなんとかなるかも…!」
Aブルー「でもねえ…。ホントにデリケートなヤツだし…」
オススメしないよ、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「なにしろ、効き目が神がかりだから…」
キース 「副作用でもあると言うのか?」
Aブルー「入れる時にさ、失敗して、皮膚にくっつくと…」
痒くなるって噂なんだよ、と目がマジな人。
Aブルー「半端ない痒さで、場所がお尻だから…」
キース 「…どうなるんだ?」
Aブルー「座っているのもキツイらしいね、痒くって!」
お尻をモゾモゾじゃ済まないってさ、と怖すぎる発言。
Aブルー「手を突っ込んで、掻き毟りたい勢いらしいよ?」
キース 「そ、それは…」
Aブルー「怖いだろう? 法要どころじゃなくなるしさ…」
熟練のぼくに任せたまえ、とソルジャー、親指をグッと。
Aブルー「ぶるぅもいるから、変な真似はしないよ」
ぶるぅ 「えとえと…。変な真似って、なあに?」
Aブルー「ズバリ、変態ちっくなことかな!」
キース 「やかましい!」
誰が怪しい薬に頼るか、と副住職の怒声。
キース 「行くぞ、ぶるぅ! 薬は要らん!」
ぶるぅ 「でも、お尻…」
キース 「気合いで座って、気合いで立つ!」
バスにも乗って来たんだからな、と扉の方へ。
キース 「着替えて来る!」
Aブルー「待ってよ、せめて塗り薬を…!」
キース 「どうせデリケートな薬だろうが!」
あんたにしか塗れない代物なんだ、と突き放し。
キース 「あんたは黙って、俺が戻るのを待っていろ!」
Aブルー「そりゃ、ぼくにしか塗れないけどさ…!」
キース 「ほら見ろ、俺の尻には触るな!」
ぶるぅ 「痛くない…?」
キース 「痛いからこそだ!」
付け入られてたまるか、と着替えに出発ですけど。
痛そう…。
2021/03/30 (Tue)
☆少なそうな御利益
スッポンタケの法要ですけど、尻餅事故に遭ったキース君。
着替えにも手伝いが必要な有様、なんとも心配な状況で…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースの着替え、済んだよ!」
キース 「始めるぞ、サッサと座ってくれ」
シロエ 「あ、あのぅ…。キース先輩、痛みませんか?」
キース 「気合いだ、根性あるのみだ!」
さあ座れ、の声で座った御一同様、副住職も座布団に。
一同 (((今の、痛そう…)))
Aブルー「キース、そんなに我慢しなくても…!」
キース 「願我~身浄~、如~香~炉~……」
朗々と読経が響き始めて、一見、普通の法要な流れ。
シロエ 『…大丈夫なんでしょうか、キース先輩?』
サム 『ダメだろ、額に脂汗だぜ』
マツカ 『気の毒ですよね、誰か代わりに…』
やってあげては、と飛び交う思念波。
ジョミー『だよねえ、ブルーなら、お布施次第で…』
Aブルー「本当かい!?」
一同 『『『シーッ!』』』
声に出すな、と眉を吊り上げる御一同様。
Aブルー『ご、ごめん…。ブルー、どうかな?』
ブルー 『うーん…。途中で導師交代っていうのは…』
サム 『無理なのかよ?』
ブルー 『そうだね、意識を失ったら別だけれどさ』
それ以外はダメ、と生徒会長、いえ、銀青様の仰せ。
ブルー 『始めた以上は、最後まで責任を持って!』
Aブルー『先に言ってよ、君の方が有難かったのに…!』
伝説の高僧なんだから、とソルジャー、歯噛み。
Aブルー『薬の前に、代理を考えるべきだったよ!』
ブルー 『世の中、甘くないってね!』
Aブルー『しかも御利益、少なそうだし…!』
キースが不調なんだから、と嘆いてますけど。
ブルー 『自業自得と言うんだよ、ソレ!』
シロエ 『お尻にこだわりすぎましたよね…』
サム 『まったくだぜ。キースの努力に感謝しろよな』
Aブルー『代理の方が良かったってば、絶対に!』
ブルーの方が、と叫んでも後の祭りでして。
今月、これにて中継終了~。
2021/03/31 (Wed)
☆忘れられた節回し
さて、三月。日差しも暖かくなって、春休みも、もうすぐ。
休日に生徒会長宅に集った面々、先月の節分を振り返り中。
ジョミー「今年の節分、早かったよねえ…」
シロエ 「ええ、早くなることもあるんですねえ…」
ビックリでした、と一日早かった件を口々に。
サム 「でもよ、結局、やってたことはよ…」
スウェナ「いつもと変わらなかったわねえ…」
キース 「俺の努力を忘れたのか!」
朗々と叫んでやっただろうが、とキース君の文句が。
キース 「アレのお蔭で、二つ目の寺から助かった筈だぞ」
シロエ 「それはまあ…。確かに、キース先輩の声で…」
マツカ 「ぼくたちの声は消されてましたね」
声を揃えて叫んでも、と大きく頷く御曹司。
マツカ 「なんと言っても、キースのは節がありましたし」
ジョミー「そうなんだよね、歌みたいにさ」
ブルー 「あれはお経のパクリなんだよ」
一同 「「「お経?」」」
どの辺が、と誰もがポカーン。
シロエ 「祝詞じゃなかったんですか!?」
キース 「俺は神職ではないんだが!」
マツカ 「で、でも…。祝詞みたいな感じでしたよ?」
ブルー 「都合よく忘れているね、君たち」
年に二回は聞く筈なのに、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「あの節回しでキースが唱えるのをさ」
一同 「「「えっと…?」」」
ブルー 「法要の時には必須なんだよ、アレ」
キース 「誰のための法要なのかを、唱える時だが?」
綺麗に忘れやがったな、と副住職の仏頂面。
キース 「まあ、いいが…。じきに聞くかもだしな」
ブルー 「そうだね、春のお彼岸が来るし」
一同 「「「げっ!!!」」」
もしかしてフラグを立てただろうか、と一同、ガクブル。
シロエ 「そ、その件は忘れましょう! この件も!」
ジョミー「うん、美味しいよ、今日のケーキも!」
キース 「現実逃避か?」
シロエ 「決まってるでしょう!」
お彼岸なんかは無いんですよ、とシロエ君。
無茶な…。
2021/03/01 (Mon)
☆お彼岸よりも祝日
春休みが近い休日、生徒会長宅に集ったシャン学メンバー。
そこで出て来た節分の話題、キース君が叫んだ節回しの件。
シロエ 「いいですか、お彼岸なんていうのはですね…」
キース 「俺に喧嘩を売る気か、貴様!」
シロエ 「とんでもない。これから説明させて頂きますよ」
お彼岸が無い件について、とシロエ君が立てる人差し指。
シロエ 「お寺では、ちゃんとあるでしょうしね」
キース 「当然だろうが!」
シロエ 「でもですね…。一般的には、それほどでは…」
メジャーじゃないと思いますよ、と指をチッチッと。
シロエ 「せいぜい、お墓参りくらいじゃないでしょうか」
ジョミー「だよね、お墓があればだけどさ」
マツカ 「そうですねえ…。ぼくの家も、ありますけど…」
ついつい、失礼しちゃいますね、と御曹司の苦笑。
マツカ 「皆さんといる方が、楽しいですから」
シロエ 「ほら、マツカ先輩でさえも、スルーですよ!」
世間の人は、もっと無関心ですよね、とシロエ君。
シロエ 「どちらかと言えば、祝日だろうと思いますけど」
サム 「うんうん、春分と秋分な」
スウェナ「そこで連休になるかどうかが、大問題よね」
今月は残念な日程だわよ、とスウェナちゃんの相槌。
スウェナ「よりにもよって、土曜日よ、土曜!」
ジョミー「全然、得した気にならないよね…」
どうせ元から休みなんだし、とジョミー君。
ジョミー「日曜だったら、振り替え休日が来てさ…」
サム 「三連休になるんだけどよ…」
マツカ 「ぼくたちの場合は、いつでも休めますけれど…」
シロエ 「そうじゃない人には、残念すぎなヤツですよ」
今年の春分、とシロエ君が指差す壁のカレンダー。
シロエ 「そんな具合に、霞んでいるのがお彼岸です!」
キース 「だから無いんだと言いたいのか?」
シロエ 「ええ。あるのは、春分と秋分の祝日ですよ」
キース 「くっそぉ…」
よくも正論を吐きやがって、と唸る副住職。
一般論ですしね…。
2021/03/02 (Tue)
☆お彼岸と世論
もうすぐ春休みな休日、生徒会長宅に集った面々ですけど。
節分の時の話題が出まして、キース君の節回しが問題で…。
シロエ 「如何ですか? お彼岸が無い件については」
キース 「確かに、スルーしている輩は多いが…」
シロエ 「そうでしょう? ですから、お彼岸なんかは…」
無いんですよ、と得意げに繰り返すシロエ君。
シロエ 「キース先輩が何と言おうと、世論が最強です」
キース 「世論調査などは、していないと思うが!」
シロエ 「まあ、やっても意味が無いですからね」
政権が交代するわけじゃないですし、と切り返し。
シロエ 「政教分離が大原則です、お寺なんかは…」
キース 「おい、票集めを馬鹿にするんじゃないぞ」
敵に回すと怖いんだからな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「国政レベルだと、そう影響は無いだろうが…」
ブルー 「地方選だと、お寺も馬鹿にならないよ?」
特に町村レベルの場合、と生徒会長、いえ、銀青様も。
ブルー 「住職が一言、アレは駄目だと言ったらさ…」
キース 「票が入らなくなったりするんだ、本気でな」
一同 「「「うわー…」」」
マジか、と御一同様、ガクブル。
ジョミー「お寺って、そんなに強かったんだ?」
ブルー 「知らないのかい? アルテメシアでもさ…」
キース 「仏教会を敵に回すと、現職が落ちるぞ」
市長でもな、と副住職。
キース 「お彼岸が忘れられていようと、それが現実だ!」
??? 「そうなんだ?」
忘れないけど、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「もちろん、きちんと覚えているよ!」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
嫌なのが来た、と誰もがドン引き。
シロエ 「き、来ちゃいましたよ…」
キース 「ほら見ろ、フラグだっただろうが」
Aブルー「ご挨拶だねえ、お彼岸の話なんだろう?」
キース 「いや、節分だが!」
Aブルー「ああ、節分ね!」
その節はどうも、とソルジャー、御機嫌。
ヤバくないですか…?
2021/03/03 (Wed)
☆報告しに来た人
春休みが近い休日、生徒会長宅に集ったシャン学メンバー。
節分の話題から出て来たお彼岸、其処へソルジャー登場で。
Aブルー「節分、みんなが頑張ってくれたお蔭でさ…」
ブルー 「報告会は、しなくていいから!」
Aブルー「そう言わないで! 毎日が充実してるんだよ!」
ハーレイが漲りまくっていてね、とソルジャー、笑顔全開。
Aブルー「もうビンビンのガンガンで、パワーも凄くて…」
ブルー 「はいはい、分かった!」
Aブルー「テクも磨きがかかったみたいで、イイんだよ!」
奥の奥までズンズン来るし、と頬を紅潮させている人。
Aブルー「それに、この前、ぶるぅが覗いてたんだけど…」
ブルー 「ヘタレなかったって?」
Aブルー「ううん、気付かなかったんだよ!」
ブルー 「そりゃ良かったねえ、鈍くなってさ」
分かったから、早く帰りたまえ、と生徒会長が指差す扉。
ブルー 「サッサと帰って、楽しんで来ればいいだろう!」
Aブルー「そうしたいけど、ハーレイが仕事中なんだよ!」
なにしろキャプテンは忙しくて、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「だから、こっちの世界をね…」
ブルー 「覗き見したんだろうけど、帰って、帰って!」
君の話は求めていない、と生徒会長の突き放し。
ブルー 「十八歳未満お断りなんだよ、こっちはね!」
Aブルー「でもねえ、ちゃんと頼んでくれたしさ…」
結果は報告しなくっちゃ、とソルジャーも譲らず。
Aブルー「キースが唱えてくれたのが、特に効いたかと!」
キース 「そ、そうか…」
Aブルー「効果抜群だと思ったけどさ…」
元がお経なら当然だよね、と勝手に納得した模様。
Aブルー「ハーレイのヘタレも直るわけだよ、お経なら!」
ブルー 「鈍くなっただけ、って気もするけどねえ…」
Aブルー「いいんだってば、結果オーライ! それでね…」
ブルー 「まだ何か?」
Aブルー「お彼岸だよ!」
その話だよね、とソルジャーの瞳がキラキラと。
ヤバイのでは…?
2021/03/04 (Thu)
☆祝日が変わると
もうすぐ春休みな休日、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
其処へソルジャー登場でして、節分の話題からお彼岸へと。
Aブルー「さっきまで、お彼岸の話をしてただろう?」
シロエ 「違いますから!」
そんな話はしていませんね、とシロエ君が即座に否定。
シロエ 「祝日の話をしてたんですよ、春と秋との」
ジョミー「そう、そう! 春分の日と秋分の日でさ…」
サム 「固定じゃねえから、って話だったぜ」
年によって変わっちまうしよ、とサム君のフォロー。
サム 「節分みてえに、長いスパンじゃなくってよ…」
シロエ 「去年と今年で違うかも、ってくらいですしね」
Aブルー「ふうん…? 変わると問題があるのかい?」
シロエ 「もちろん、大いにありますとも!」
祝日が変わって来ますから、とシロエ君、大真面目に説明。
シロエ 「上手い具合に、土日とリンクしてくれないと…」
ジョミー「休みが一日、減っちゃうんだよ」
Aブルー「えっと…?」
シロエ 「いいですか? 日曜日は元々、休みですよね」
そっちの世界もそうだと思いますが、とシロエ君の問い。
シロエ 「確か、そのように聞いていた気がします」
Aブルー「そうだね、日曜日は休みだけれど?」
シロエ 「こちらもそうですが、その日曜にですね…」
祝日が重なると、特例が…、とシロエ君。
シロエ 「振り替え休日で、月曜日が休みになるんですよ」
Aブルー「ああ、そういえば…。あまり気にしてないけど」
シロエ 「じゃあ、土曜が休みなのも知ってますね?」
Aブルー「もちろんだよ!」
学校だって休みだよね、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「君たちがよく集まってるから、知ってるってば」
シロエ 「でも、土曜日の場合はですね…」
祝日が重なってもダメなんですよ、とシロエ君、溜息。
シロエ 「その分は、消えてしまうだけです」
Aブルー「重なってるのに、消えるわけ?」
なんだか不公平な気が、と言ってますけど。
決まりですしね…。
2021/03/05 (Fri)
☆祝日が変わっても
春休みを間近に控えた休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
其処へ来たのがソルジャーでして、節分の話からお彼岸へ。
Aブルー「土曜も日曜も、休みには違いないと思うけど?」
シロエ 「まあ、そうですけど…。昔はですね…」
ブルー 「土曜の方は、休みじゃなかったんだよね」
Aブルー「えっ?」
そうだったのかい、とソルジャー、ポカーン。
Aブルー「いつ来ても、土曜は休みなんだけど…」
シロエ 「それはまあ…。ぼくも知らない時代ですしね」
ジョミー「だよねえ、ぼくたちの世代はさ…」
キース 「土曜は休みのものだったしな」
しかし、昔は違ったようだぞ、と副住職も。
キース 「学校もあったし、会社もやっていたらしい」
Aブルー「それじゃ、休みは日曜日だけ?」
ブルー 「違うね、土曜は半分だけ休みだったんだよ」
Aブルー「半分って?」
どういう意味さ、とソルジャーの目が真ん丸に。
Aブルー「そう言われても、分からないんだけど…?」
ブルー 「午前中だけ、学校も会社もあったってこと」
シロエ 「ええ。午後は休みだったようですね」
Aブルー「うーん…」
そのせいで格が低いのかな、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「元は休みの日じゃなかったから、って…」
シロエ 「多分、そうだと思いますよ」
とにかく、土曜に祝日は困るんです、とシロエ君。
シロエ 「ですから、移動する祝日はですね…」
ブルー 「年によっては、誰も嬉しくないんだよ」
休みが一日減るんだからさ、と生徒会長が示すカレンダー。
ブルー 「今年の春分は、まさにソレだね」
シロエ 「去年だと、三連休だったんですけどねえ…」
Aブルー「なるほどねえ…。それで困る、と」
でもまあ、ぼくは困らないから、とソルジャーの笑み。
Aブルー「お彼岸さえあれば、問題ないし!」
一同 「「「え?」」」
Aブルー「決まってるだろう、いつものヤツだよ!」
スッポンタケにパワーをね、と立てる親指。
忘れていないと…?
2021/03/06 (Sat)
☆休みになる意味
もうすぐ春休みだという休日、生徒会長宅に来ている面々。
ところがソルジャーがやって来まして、話題はお彼岸へと。
Aブルー「お彼岸と言えば法要だよね、スッポンタケの!」
シロエ 「どうして、そうなるんですか!」
お彼岸イコール春分の日です、とシロエ君が果敢に反論。
シロエ 「残念ながら土曜日ですけど、祝日ですから!」
Aブルー「いいことだよねえ、毎回、休みで」
君たちも学校を休まずに済むし…、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「それにお盆は夏休みだしさ、素晴らしいってば」
シロエ 「どういう意味です?」
Aブルー「きちんと休みな所がだよ! 凄いよね!」
まさにスッポンタケの御利益、とソルジャー、ウットリ。
Aブルー「しっかり法要、それに棚経! 有難いよねえ!」
キース 「細かいことだが、お盆は普通に休みだぞ」
Aブルー「えっと…?」
そこも祝日だったっけ、とソルジャー、怪訝そうな顔。
Aブルー「なにしろ、君たちが夏休みだから…」
ブルー 「気にしてなかった、と?」
Aブルー「そうなんだよ! でもって、お盆も祝日だと?」
キース 「違うが、ある意味、祝日以上に…」
ビッグな休みと言えるだろうな、と副住職。
キース 「カレンダーには書かれていないが、全国規模だ」
Aブルー「全国規模って?」
キース 「正月と同じで、殆どの人が休みになるんだ」
だからこそ、帰省ラッシュが起こる、と副住職の解説。
キース 「全国的に休みとなったら、帰省に旅行だ」
Aブルー「なるほどねえ…。大人も夏休みになるんだね?」
キース 「そういうことだな」
Aブルー「ふうん…。お彼岸もお盆も、休みってことは…」
つまり…、とソルジャーの瞳がキラリ、と。
Aブルー「推奨されているってわけだね、法要が!」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「だって、そのために休みになるんだろう?」
シロエ 「違いますから!」
そんなことは誰も言っていません、とシロエ君。
違いますしねえ…?
2021/03/07 (Sun)
☆いずれは行く道
春休みを間近に控えた休日、生徒会長宅に集った御一同様。
其処へ乱入して来たソルジャー、話題をお彼岸の方向へと。
シロエ 「いいですか? 春分も秋分も、お盆もですね…」
ジョミー「普通の人には、休みっていうだけだよね」
キース 「お前にとっては、微妙だがな」
僧籍だしな、と副住職のツッコミが。
キース 「今の時点では、お盆以外はフリーだが…」
ブルー 「いずれは、お彼岸も忙しくなるよ」
ジョミー「えっ!?」
なんで、とジョミー君、目が真ん丸に。
ジョミー「お彼岸って…。ぼくは全く関係無いし!」
キース 「修行に入れば、嫌でも忙しくなると思うぞ」
ブルー 「そうだよ、特に最初の間は」
全部の役職が来る筈だから、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「住職になっても、一人で行事が出来るようにね」
ジョミー「ひ、一人って…?」
ブルー 「手伝いを雇う余裕が無ければ、一人だってば」
キース 「読経も、お彼岸に伴う行事も、全部、一人だ!」
それに、檀家さんの対応もな、と副住職も。
キース 「お盆ほどではないが、卒塔婆書きもあるぞ」
ジョミー「そ、卒塔婆書きって、キースが毎年…」
キース 「お盆の前に、追い回されているヤツなんだが?」
お彼岸にも、ちゃんとあるからな、とキース君、ニヤニヤ。
キース 「それもこなして、読経も普段より増えるから…」
ブルー 「手伝いがいないと、ハードなんだよ」
Aブルー「それをジョミーもやるってわけ?」
ブルー 「いずれはね」
修行を終えたら、何処かのお寺に行くことに…、と銀青様。
ブルー 「元老寺で雇って貰えればいいけど…」
キース 「さて、どうするかな?」
役に立つなら雇ってやるが、とキース君、上から目線。
キース 「能無しは要らんな」
ジョミー「じゃ、じゃあ…」
ブルー 「一人で全部、やらなきゃいけないかもねえ…」
ジョミー「それ、酷いってば!」
あんまりだよ、と叫んでますけど。
役に立つ人材を雇いますよね?
2021/03/08 (Mon)
☆不良坊主の行き先
春休みが近い休日、生徒会長宅に集ったシャン学メンバー。
けれどソルジャーが乱入して来て、話題はお彼岸の方向へ。
ジョミー「お坊さんにされた上にさ、一人で全部って…」
ブルー 「おや、嫌なのかい?」
ジョミー「責任取って欲しいと思うよ、やらせるんなら!」
ブルー 「責任って?」
たとえばどういう…、と生徒会長、いえ、銀青様の問い。
ブルー 「就職先を斡旋しろとか、そんな感じかな?」
ジョミー「当たり前だよ、ハードじゃないトコで!」
ブルー 「そう言われても…。君が有能なら、幾らでも…」
紹介するけど、無能ではね、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「キースも断わるような人材、流石にちょっと…」
サム 「そうだぜ、ブルーの顔に泥を塗る気かよ?」
キース 「まったくだ。サムの方なら、俺も親父も…」
喜んで迎え入れるんだがな、と副住職もキッパリと。
キース 「しかし、お前は、まず性根から…」
ブルー 「叩き直す必要がありそうだしねえ、修行の後も」
ダメな坊主になりそうだしさ、と銀青様の決め付けが。
ブルー 「修行中でも、抜け出して遊びに行きそうだし…」
キース 「立派な不良坊主になるのが、見えているしな」
ジョミー「うっ…」
ブルー 「ほらね、反論出来ないだろう?」
その点、一人でやるならマシ、と銀青様。
ブルー 「過疎地のお寺なら、お坊さんが来るだけで…」
キース 「大歓迎だし、不良坊主でも喜ばれるぞ」
ジョミー「で、でも、其処だと、全部一人で…」
ブルー 「そうなるけどさ、上司がいるよりマシだろう?」
ただし、手抜きは一切出来ないけどね、と銀青様のお言葉。
ブルー 「檀家さんの目が厳しいんだよ、そういうお寺は」
キース 「姑のようなものだな、うん」
お経も、法要の進行もバッチリ覚えているし、と副住職も。
キース 「寺に馴染むまで、しごかれるぞ」
ジョミー「そ、そんな…!」
元老寺より酷いじゃない、とジョミー君の悲鳴。
姑ですか…。
2021/03/09 (Tue)
☆馴染めば極楽
春休みを間近に控えた休日、生徒会長宅に集った御一同様。
其処へ乱入して来たソルジャー、話題はお彼岸の方向へと。
ジョミー「上司の代わりに姑なんて、あんまりだから!」
ブルー 「でも、馴染んだら、大事にされるよ?」
キース 「そうだぞ、差し入れも貰えるしな」
菓子はもちろん、米や野菜も…、と副住職の太鼓判。
キース 「食費はタダに近いかもなあ、そういう寺だと」
ブルー 「そうだね、御馳走も貰えると思うよ」
シロエ 「御馳走ですか?」
ブルー 「うん。お祝いで立派なお膳を出すような時は…」
お寺にも届けるものだからさ、と銀青様。
ブルー 「仕出しにしても、家で作るにしてもね」
サム 「いいじゃねえかよ、頑張れよな!」
スウェナ「そうねえ、元老寺で苦労するよりいいでしょ」
ジョミー「けど、それまでがキツそうだし!」
姑なんて、とジョミー君、ブルブル。
ジョミー「しかも一人じゃなさそうだしさ、その姑って」
キース 「まあ、年配の檀家さんは、ほぼほぼ、ソレだな」
ブルー 「若手でも、そっちの方じゃないかなあ…」
過疎地は、お寺が共同体の中心だから、と銀青様の説明。
ブルー 「お役所とかとは別に、日々の生活にさ…」
キース 「密着している部分はあるな、確かに」
何かあったら、寺に集まるといった具合に、と副住職も。
キース 「天災の時に避難するとか、こう、色々と…」
ブルー 「収容人数が大きいからねえ、お寺はね」
ジョミー「じゃ、じゃあ、掃除は…?」
キース 「安心しろ。檀家さんが奉仕してくれる」
境内も本堂も任せられるぞ、と副住職の笑み。
キース 「人出が足りないのは、明らかだしな」
ブルー 「いい話だと思うけどねえ…」
住めば都と言うんだしさ、と銀青様のプッシュ。
ブルー 「一国一城の主なんだよ?」
ジョミー「だけど、姑…!」
Aブルー「なんか揉めてるけど、そういうことなら…」
ぼくに提案が、とソルジャーの割り込み。
お寺の話なのに…?
2021/03/10 (Wed)
☆提案したい人
春休みが近い休日、生徒会長宅に集ったシャン学メンバー。
其処へ来たのがソルジャーでして、話はお彼岸の方向へと。
キース 「おい。あんた、寺には詳しいのか?」
Aブルー「ううん、全然」
ブルー 「だったら今は黙っていたまえ、門外漢は」
纏まる話も纏まらないだろ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「ただでもジョミーが拒否してるのにさ」
ジョミー「纏めて貰っても、困るんだけど!」
キース 「不出来な貴様を引き取らされても、困るんだ!」
元老寺では扱いかねる、と副住職の苦い顔付き。
キース 「いいから黙って、過疎地の寺に就職しやがれ!」
ジョミー「酷いってば!」
ブルー 「嫌なら、きちんと修行をしてさ…」
サム 「歓迎される坊主になれよな、文句言わねえでよ」
アドス和尚が喜ぶような…、とサム君も。
サム 「そしたら俺とセットで行けるぜ、元老寺に」
キース 「そうだな、優秀な坊主だったら欲しい所だ」
ジョミー「で、でも…!」
ブルー 「姑つきの過疎地がいいと思うけどねえ…」
お勧めするよ、と銀青様の仰せ。
ブルー 「馴染みさえすれば、極楽だしさ」
キース 「気に入られる坊主になれば、有難がられるぞ」
是非、行って来い、と副住職も推してますけど。
ジョミー「向いてないって、絶対に!」
キース 「元老寺は、もっと厳しいぞ」
ジョミー「そう言われてもさ…!」
Aブルー「ちょっと聞いてよ、ぼくの話も!」
提案があるって言ったじゃないか、とソルジャーが。
Aブルー「それから決めても、遅くないかと…」
ブルー 「君は関係無いだろう!」
お寺は分からないくせに、と生徒会長、ピシャリ。
ブルー 「ジョミーの将来の話なんだから!」
Aブルー「ソレだよ、その件で提案したいんだってば!」
キース 「あんたがか?」
Aブルー「そう! 就職先なら、ぼくに任せてよ!」
一同 「「「えっ!?」」」
お寺の話の筈なんだけど、と誰もがポカーン。
就職先って…?
2021/03/11 (Thu)
☆お寺あげます
もうすぐ春休みな休日、生徒会長宅に集った面々ですけど。
其処へソルジャー登場でして、お彼岸の話からお寺の話へ。
ブルー 「就職先って、ジョミーのかい?」
Aブルー「そうだよ、他に誰がいるのさ?」
今の流れで、とソルジャー、逆に質問。
Aブルー「ジョミーが何処のお寺に行くか、って…」
ブルー 「その件で、君が就職先を世話するとでも?」
Aブルー「任せて貰えるんなら、是非!」
ぼくに任せてくれたまえ、と自信満々な人。
Aブルー「ジョミーも、大船に乗った気持ちでさ!」
ジョミー「え、えっと…?」
キース 「あんた、寺など分からんだろうが!」
そのくせに何をどうすると、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「坊主の世界を舐めるんじゃないぞ、馬鹿野郎!」
Aブルー「でもねえ…。お布施次第って話も聞くよね」
キース 「そ、それは…。そういう面も確かにあるが…」
Aブルー「だったら、安心! お金は、たっぷり!」
ノルディが出してくれるからね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「まずは、お寺をゲットしなくちゃ!」
一同 「「「えっ?」」」
Aブルー「適当なヤツを買い付けるんだよ、まるっとね!」
そしたら、お寺は、ぼくの自由に…、と満面の笑顔。
Aブルー「でもって、ジョミーをトップに据えてさ…」
キース 「トップだと!?」
Aブルー「そう! アドス和尚のような立場に!」
もちろん、スタッフも雇うからね、と親指をグッと。
Aブルー「ジョミーは、何もしなくていいわけ!」
ジョミー「なんかソレって、怖いんだけど…」
Aブルー「おや、何故だい?」
ジョミー「タダで、お寺をくれるなんてさ…」
しかもスタッフつきなんて、とジョミー君、不安そうな顔。
ジョミー「絶対、裏がありそうな気が…」
Aブルー「大丈夫! 実質、ぼくがトップだからさ!」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「ズバリ、私物ってね!」
ぼくのためにあるお寺なんだよ、と言ってますけど。
私物って…?
2021/03/12 (Fri)
☆お寺が私物なら
春休みを間近に控えた休日、生徒会長宅に集った御一同様。
其処へ乱入して来たソルジャー、お寺の話に割り込みで…。
キース 「あんたが実質上の寺のトップで、私物だと!?」
Aブルー「そうだけど? ぼくがスポンサーなんだしさ」
ぼくの意向でどうとでも、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「スタッフは全員、イエスマンで固めてね!」
ジョミー「待ってよ、イエスマンってことはさ…」
Aブルー「何か問題があるのかい?」
ジョミー「普通じゃ出来ないことをやるとか…?」
ぼくも含めて、と顔色の悪いジョミー君。
ジョミー「反対されないように、イエスマンだよね?」
Aブルー「ああ、その点なら、心配要らないから!」
ジョミー「どうしてさ?」
Aブルー「スタッフはともかく、君は問題無いからね!」
いつもやってることをやるだけ、とソルジャー、ウインク。
Aブルー「主導権が君に移るだけだし、大丈夫!」
ジョミー「しゅ、主導権って…?」
Aブルー「決まってるだろう、法要のだよ!」
今はキースがやっている役、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「アレをさ、君がやってくれればオッケー!」
一同 「「「ええっ!?」」」
なんてこった、と一同、ポカーン。
ジョミー「ぼ、ぼくが、あの役…?」
シロエ 「じゃあ、キース先輩はお役御免ですか?」
Aブルー「違うね、移籍するわけじゃないし」
スッポンタケはキースの弟子だし、とソルジャーの念押し。
Aブルー「ただねえ、今だと、法要の数が少なくて…」
キース 「充分、やっていると思うが!」
Aブルー「お彼岸とお盆じゃ、足りないんだよ!」
もっと法要、とソルジャー、ジョミー君に視線を。
Aブルー「というわけでね、ぼくがトップのお寺ではさ…」
キース 「まさか年中、ジョミーにアレの法要を…?」
Aブルー「誰も文句は言わない筈だよ、トップだから!」
ジョミー「ぼくが言うから!」
年中、アレの法要なんて、とジョミー君の悲鳴。
まあねえ…。
2021/03/13 (Sat)
☆希望するサービス
もうすぐ春休みに入る休日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
けれどソルジャー乱入でして、お彼岸の話からお寺の話へ。
ジョミー「来る日も来る日も、アレの法要ばかりなんて!」
Aブルー「何か問題あるのかい?」
ジョミー「それって、全然、嬉しくないし! それにさ…」
そんなの出来るわけないと思う、とジョミー君の反論が。
ジョミー「お彼岸とお盆しか、ああいうのはさ…」
シロエ 「やりませんよね、現にやってませんし」
マツカ 「ええ、多分…」
ぼくも詳しくないですけれど、と他の面子も不審そうな顔。
マツカ 「出来るんだったら、キースはもっと多忙ですよ」
シロエ 「ですよね、あの迷惑な仏様はともかくとして…」
スウェナ「真っ当な仏様ので、走り回っている筈だわよ」
でも、月参りしか無いじゃないの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「だから無理でしょ、いくら私物のお寺でも」
ジョミー「ほらね、みんなもこう言ってるし!」
Aブルー「うーん…。本当にそうなのかな?」
希望する人は多そうだけど、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「もっとご先祖様にサービスしたい、って人がさ」
シロエ 「希望と現実は違いますから!」
サム 「でもよ、永代供養なんかがあるじゃねえかよ」
Aブルー「永代供養?」
それは何だい、とソルジャーの問い。
Aブルー「初めて聞くけど、どういうものかな?」
サム 「仏様の供養をずっとやります、って感じかな」
シロエ 「ありますね。でも、頼んだら、後は放置で…」
お参りしないとか、そんなのでは、とシロエ君。
シロエ 「お寺が遠いから、行けないような時にです」
サム 「そうなんだけどよ…」
違うお寺もあるんだよな、とサム君の指摘。
サム 「毎日、きちんと戒名を読んで、供養でよ…」
キース 「あるな、確かに、璃母恩院系の本山でも」
Aブルー「だったら、それでお願いしたいな!」
そういうのを希望なんだよね、と乗り気な人。
本気ですか?
2021/03/14 (Sun)
☆独立すれば楽です
じきに春休みだという休日、生徒会長宅に集った御一同様。
其処へ乱入して来たソルジャー、私物のお寺がどうこうと。
Aブルー「ジョミーをトップに据えて、その、何だっけ…」
キース 「永代供養か?」
Aブルー「そう! それでお願いしたいんだけど!」
毎日、スッポンタケの戒名を読んで、と赤い瞳がキラキラ。
Aブルー「そうすれば、毎日、パワーアップで!」
キース 「…まあ、そうなるかもしれないが…」
Aブルー「可能性があるなら、それに賭けるよ!」
だから、ジョミーに期待だよね、と拳を握り締める人。
Aブルー「就職先は保証するから、安心して修行をね!」
キース 「ふむ…。俺に反対する理由は無いな」
ジョミー「ちょ、ちょっと!」
キース 「不出来な貴様を、元老寺で引き受けるよりは…」
独立して貰った方が遥かに楽だ、と副住職の突き放し。
キース 「サムにしたって、そうだろう?」
サム 「だよなあ、ジョミーの尻拭いは御免だしよ…」
シロエ 「じゃあ、決まりですね!」
ジョミー先輩の将来は、とシロエ君もニッコリ。
シロエ 「良かったですねえ、一国一城の主ですよ!」
スウェナ「凄いじゃないの、キースよりも上よ?」
マツカ 「そうなりますよね、住職ですから」
もちろん、下には副住職が…、と御曹司も相槌。
マツカ 「それに雑務は、他のお坊さんがするようですし」
Aブルー「もちろんだよ! ジョミーの仕事は法要だけ!」
シロエ 「もしかして、卒塔婆書きも免除なんですか?」
Aブルー「決まってるじゃないか、雑務なんだから!」
帳簿とかだって全部、スタッフにお任せ、と太鼓判が。
Aブルー「いい話だと思うけどねえ、偉くて、楽でさ」
ジョミー「それはそうかも…」
Aブルー「じゃあさ、早速、来年からでも!」
ジョミー「えっ?」
Aブルー「修行だってば、早く済んだら、後も早いよ!」
ジョミー「そ、そんな…!」
無茶を言われても、とジョミー君、顔面蒼白。
来年ですって?
2021/03/15 (Mon)
☆支えるならグッと
124年ぶりに1日早い節分、二月二日は七福神巡りへと。
路線バスでお出掛けですけれど、ソルジャー夫妻が問題で。
Aブルー「腕を掴むより、腰だよ、腰!」
A船長 「ああ、あなたは細くてらっしゃいますしね」
Aブルー「君の腕だと、しっかり支えられるだろう?」
A船長 「なるほど、次に揺れたら腰を、と」
グッと抱えればいいわけですね、と頷くキャプテン。
A船長 「任せて下さい、力には自信がありますから」
Aブルー「うん、どうせだから、同じ支えるなら…」
こう、背後から腕を回して…、とソルジャー、更なる注文。
Aブルー「そうすれば、君のアソコが自然に、ね…」
A船長 「あなたに密着することになりますね…」
Aブルー「そう! 次のチャンスは、こう、グッとね!」
うんと硬いのを押し付けてよ、と嫌すぎる台詞。
Aブルー「いつもの座り方もいいんだけどさ…」
A船長 「バスが揺れる度に、密着ですか…」
Aブルー「ちょっとドキドキするだろう?」
A船長 「ええ、いけないことをしている感じで…」
非常にエッチな気がしますよね、とキャプテンの相槌。
A船長 「確かそういうのを、こっちの世界では…」
Aブルー「痴漢と呼ぶよね、満員電車に多いらしいよ」
だけど空いてるバスでもオッケー、と弾ける笑顔。
Aブルー「今年のバスはさ、思いっ切り痴漢テイストで!」
A船長 「承知いたしました! おっと、危ない!」
バスがカーブを曲がった拍子に、ちょっとした揺れが。
Aブルー「ナイス、ハーレイ! その調子でね!」
A船長 「はい、揺れた時にはグッといきますよ!」
Aブルー「ぼくは通報なんかしないし、存分にね!」
アレを押し付けてくれたまえ、と大喜びな人。
Aブルー「早く揺れないかな、バス」
A船長 「楽しみですねえ、こう、スリリングで…」
シロエ 「キース先輩、どうするんです!」
キース 「知るか!」
他人のふりしかないだろうが、と言ってますけど。
通りますか…?
2021/02/16 (Tue)
☆ついでに頼みたい
今年は1日早くて二月二日な節分、七福神巡りにお出掛け。
ソルジャー夫妻対策に、と路線バスの座席を封じたのに…。
Aブルー「あっ、次の角を曲がるみたいだよ?」
A船長 「揺れそうですね、おっと、やっぱり…!」
危ないですよ、とキャプテンが抱えるソルジャーの腰。
Aブルー「そう、そこ、そこ! もっとグッとね!」
A船長 「ええ、グッと!」
グイグイと腰を押し付けるわけで、怪しくなる台詞。
Aブルー「イイよ、ソレ! 次は、もっとね!」
A船長 「もっと強くですね!」
Aブルー「うん、本当は、もっと奥まで、って…」
言いたい所なんだけど…、とソルジャーが赤らめる頬。
Aブルー「流石に路線バスの中だと、ヤるわけにはさ…」
A船長 「マズイでしょうしね、それに私も…」
いくら空いていても人目があると…、とキャプテンも。
A船長 「流石に萎えると思うんですよ、これが限度です」
Aブルー「君は大概、ヘタレだからねえ…」
ぶるぅの覗きもダメだしさ、とソルジャー、溜息。
Aブルー「そうだ、この際、固さ直しとセットでさ…」
A船長 「はい?」
Aブルー「ヘタレ直しを頼んでみるのはどうだろう?」
ついでだからさ、とソルジャーがポンと叩く手。
Aブルー「なにしろ、面子がこれだけいるし…」
A船長 「ですが、少々、恥ずかしい気が…」
Aブルー「そんなことないって、ねえ、みんな!」
そうだよね、とソルジャーの視線が容赦なく御一同様に。
Aブルー「どうかな、後部座席の五人とか!」
一同 (((げっ…!!!)))
Aブルー「もしもーし!」
聞こえてるかな、とソルジャーが張り上げる声。
Aブルー「ヘタレ直しも、一緒に頼んで欲しいんだけど!」
一同 (((た、他人のふり、他人のふり…)))
Aブルー「無視しないでよ! おっと…!」
A船長 「ほら、揺れますから」
Aブルー「いいねえ、グッと!」
もっとグイグイ、と痴漢もどきを続ける人たち。
どうなる…?
2021/02/17 (Wed)
☆ブチ切れた運転手
今年は二月二日な節分、七福神巡りにお出掛けですけれど。
行きの路線バスでのソルジャー夫妻、痴漢もどきな言動を。
Aブルー「うん、そこ、そこ! もっと固いのを!」
A船長 「次に揺れたら、グッといきますね!」
一同 (((他人だ、他人だ…)))
絶対、他人だ、と思いたいのに、またしても飛んで来る声。
Aブルー「そこの人たち、聞こえないのかなーっ!?」
一同 (((知らんぷり、知らんぷり…)))
必死でガン無視、そして路線バスが、また曲がる角。
Aブルー「わわっ、ハーレイ!」
A船長 「気を付けて下さい、揺れますからね」
Aブルー「でも、揺れるとさ…」
君のがグイッと来るものだから、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「また揺れないかな、もっと大きく!」
運転手 「空いている席にお座り下さい!」
Aブルー「ええっ?」
運転手 「運転の邪魔は困るんですよ、お客さん!」
他の皆さんにも御迷惑です、と、ついにブチ切れた運転手。
運転手 「何処でもいいです、空いている席に!」
Aブルー「ちょっと、酷いよ!」
運転手 「一番後ろにお座りの皆さんにお願いしまーす!」
一同 (((げっ!)))
ご協力を、と運転手がマイクで呼び掛け。
運転手 「お知り合いの方を、座席へ誘導して下さい!」
一同 「「「は、はいっ!」」」
思わず反射的に返事で、掘ってしまった墓穴というヤツ。
運転手 「では、よろしく!」
一同 (((うわー…)))
やるしかないのか、と泣きそうな気持ちの後部座席の男子。
キース 「くっそぉ…。おい、そこの二人!」
Aブルー「席に座れって言うのかい?」
キース 「バスのルールだ!」
座りやがれ、とキース君が指差す空いているシート。
キース 「何処でもいいから、サッサとしろ!」
Aブルー「ヘタレ直しも頼んでくれるんならね!」
A船長 「なるほど、交換条件ですね!」
素晴らしい案です、とキャプテンも賛同。
えらいことに…。
2021/02/18 (Thu)
☆運転手がゴリ押し
今年は二月二日が節分、七福神巡りのお寺まで路線バスで。
その車内でソルジャー夫妻が痴漢もどきで、キレた運転手。
運転手 「お客さん、早く座って下さい!」
Aブルー「待ってよ、交渉中だから!」
運転手 「困るんですよ! お連れ様、そこのお客様を!」
一同 「「「は、はい…」」」
後部座席の男子一同、板挟みになって顔面蒼白。
Aブルー「ねえねえ、ヘタレ直しもさ…」
A船長 「頼んで下さると仰るのならば…。おっと!」
揺れましたね、とキャプテン、ソルジャーの腰をグッと。
A船長 「やはり私どもは、立っている方が…」
Aブルー「いいよね、絶対!」
運転手 「空いているんですから、お座り願えませんか!」
Aブルー「だから、交渉中なんだってば!」
ヘタレ直しも頼んでくれるなら座るんだよ、とソルジャー。
Aブルー「固さ直しとセットで頼みたいからさ…」
運転手 「こう仰ってます、お連れ様!」
ヘタレ直しとやらをお願いします、と運転手がマイクで。
運転手 「他の皆様の御迷惑ですから、どうぞよろしく!」
一同 「「「ええっ!?」」」
運転手 「安全運転に、ご協力頂きます!」
お座りを、と上がるマイクの音量。
運転手 「空いている席に、お座り下さい!」
Aブルー「どうする、ハーレイ?」
A船長 「運転手さんも、頼んで下さいましたしねえ…」
Aブルー「だよね、乗客のみんなが証人ってことで!」
ヘタレ直しは頼んで貰えるよ、とソルジャー、空いた席へ。
Aブルー「ほら、ハーレイも隣にね!」
A船長 「ええ。仲良く並んで座りましょう」
Aブルー「ちょっと物足りないけどね…」
ヘタレ直しを頼めるからいいや、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「みんな、元気よく叫んでくれるよ、七福神様に」
A船長 「そうですね。私は少々、恥ずかしいですが…」
Aブルー「君のことだからねえ…」
一同 (((終わった…)))
なんてこった、と一同、ガクブルですけど。
叫ぶしか…。
2021/02/19 (Fri)
☆御利益のあるバス
今年は二月二日な節分、七福神巡りにお出掛けですけれど。
ソルジャー夫妻が路線バスで痴漢もどきで、キレた運転手。
Aブルー「今年もバスで、いい御利益を貰えたねえ!」
A船長 「そうですね。運転手さんのお蔭ですよ」
Aブルー「君のヘタレが直ってくれれば、最高だよね!」
固さ直しもお願いするんだし、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「ビンビンのガンガンで、萎えることもなくて…」
A船長 「ぶるぅの覗きも、心配しなくていいですね」
Aブルー「大いに期待しているからね、ヘタレ直しに!」
君たち、よろしく、と最後尾の座席を振り返る人。
Aブルー「いいかい、声を揃えて、元気に!」
一同 「「「はーい…」」」
此処で逆らったら、運転手さんに迷惑が、と誰もが溜息。
シロエ 「とんでもないことになりましたね…」
キース 「まったくだ。例年以上に災難かもな…」
ジョミー「キースが席を封じたからだよ、これってさ…」
サム 「うんうん、あいつらが座ってればよ…」
こんなことにはならなかったぜ、とサム君も。
サム 「つくづく疫病仏ってヤツだぜ、キースはよ…」
シロエ 「本当に…。もう諦めてますけれど…」
ジョミー「そうだね、下手に突っついたらさ…」
マツカ 「更に災いを呼びそうですしね」
キースですから、と御曹司までが。
マツカ 「仕方ありません、今年はヘタレ直しで…」
シロエ 「固さ直しとセットですよね…」
キース先輩を豆腐にする筈だったのに、とシロエ君の嘆き。
シロエ 「もっとも、其処から地獄でしたけどね」
マツカ 「固さ直しは、それが切っ掛けでしたよね…」
キース 「確かにそうだが、お前たちがだな…!」
余計なことを考えたせいだ、とキース君の反論が。
キース 「自業自得だとは思わないのか?」
シロエ 「思いませんね」
サム 「疫病仏だと自覚しろよな」
Aブルー「うん、最高だよ!」
ホントに御利益抜群でさ、とソルジャー、絶賛。
迷惑すぎ…。
2021/02/20 (Sat)
☆援護射撃に感謝
今年の節分は二月二日で、七福神巡りにお出掛けですけど。
ソルジャー夫妻が路線バスで痴漢もどきで、えらい迷惑が。
Aブルー「キースのお蔭で、いいお参りが出来そうだし…」
A船長 「本当に有難いことですよ」
素晴らしいです、とキャプテンも大喜びな疫病仏の御利益。
A船長 「私たちも、しっかりお参りしましょう」
Aブルー「もちろんだよ!」
一同 (((ううう…))))
とんでもないことを言わされる、と一同、心の中で号泣。
キース 「す、すまん…。本当に、俺が悪かった」
シロエ 「いいんです、もう怒る気力も失せましたよ…」
サム 「何もするなよ、と言いてえけどよ…」
こればっかりは運ってヤツだ、と嘆く間もバスは走って…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 次のバス停だよ!」
Aブルー「オッケー!」
ソルジャーが降車ボタンを押して、次のバス停で停車。
運転手 「ご乗車ありがとうございました!」
Aブルー「こっちこそ、援護射撃に感謝だよ!」
A船長 「どうも、お世話になりました」
一同 「「「御迷惑をおかけしました…」」」
すみませんでした、と詫びる面々と、お礼を言う人と。
Aブルー「うん、実に気の利く運転手さんだったね!」
A船長 「神対応と言うのでしたか、こっちでは」
Aブルー「そう、それ、それ!」
ぶるぅ 「運転手さん、バイバーイ!」
元気一杯に手を振るお子様、運転手も笑顔で手を振って…。
ぶるぅ 「ねえねえ、優しい運転手さんだったね!」
ブルー 「そうだね、ぼくとぶるぅにはね」
スウェナ「私もバレていなかったわよ」
Aブルー「なにさ、他人のふりしちゃってさ…」
まあいいけどね、とソルジャー、お寺の方へ、いそいそ。
Aブルー「まず、福笹を買わなくっちゃね!」
ブルー 「そこは頂くと言いたまえ!」
Aブルー「細かいことは気にしない! ゲットが大切!」
A船長 「そうですとも!」
それとお参りすることです、とキャプテンも。
まあ、確かに…。
2021/02/21 (Sun)
☆お参りする前に
二月二日な今年の節分、七福神巡りのお寺に到着ですけど。
ソルジャー夫妻に祈願を頼まれ、えらいことになりそうで。
Aブルー「えっと、福笹1つ、お願い!」
A船長 「私にも1つ、お願いします」
巫女さん「はい。どうぞ、良いお参りをなさって下さいね」
Aブルー「ありがとう!」
福笹ゲットだ、とソルジャーがサッと取り出す筆ペン。
Aブルー「絵馬に願い事を書かないとね!」
ブルー 「それも毎年、言ってるけどさ…。その絵馬は…」
キース 「今年の干支が描いてあるだけで、飾りだぞ」
Aブルー「そう言われてもねえ…。毎年、書くし…」
やっぱり今年も書かないと、とデカデカと夫婦和合の文字。
Aブルー「固さ直しとヘタレ直しは、言えばいいよね」
A船長 「ええ、スペースに限りがありますから」
今年の干支は牛なのですね、とキャプテンが眺める絵馬。
A船長 「去年はネズミだったのですが…」
Aブルー「ネズミだったねえ…」
そう考えると幸先がいいよ、と絵馬を指差すソルジャー。
Aブルー「ネズミよりかは、牛の方がさ…」
A船長 「どうかしましたか?」
Aブルー「うんと大きいし、アレだって、きっと!」
遥かに大きくてビンビンだよね、とイヤンな台詞が。
Aブルー「ネズミのアレだと、あんまりさ…」
A船長 「期待出来ないかもですね…」
Aブルー「だろう? それに牛って、ドッシリとさ…」
構えていそうで、ヘタレないかも、と続ける人。
Aブルー「ここは是非とも、あやからないとね!」
A船長 「そうですね。今年はいい年になりそうです」
では、私も…、とキャプテンも絵馬に「夫婦和合」と。
A船長 「では、お参りに出発いたしましょうか」
Aブルー「おっと、その前に、発声練習しておかないとね」
一同 「「「発生練習?」」」
Aブルー「そうだよ、元気に声を揃えて、お願い事をね!」
一同 「「「ええっ!?」」」
なんで練習、と誰もが絶句な状態ですけど。
どうなるんでしょう…?
2021/02/22 (Mon)
☆揃わないと困る
今年は二月二日な節分、七福神巡りのお寺に来ましたけど。
福笹をゲットしたソルジャー、発声練習をしろという注文。
Aブルー「お参りの前に、きちんと練習しておかないと!」
シロエ 「大丈夫です、練習しなくても!」
Aブルー「ダメダメ、お願い事が二つもあるから…」
揃っていないと困るじゃないか、とソルジャー、真剣。
Aブルー「固さ直しとヘタレ直しだよ、揃わないとさ…」
A船長 「上手くハモらないかもですね」
Aブルー「それだけで済んだら、マシな方だよ!」
耳の悪い神様もいるんだろう、とソルジャーの指摘。
Aブルー「お願い事を間違えられたら、大変じゃないか!」
A船長 「それは確かに…」
Aブルー「だからね、此処で練習だってば!」
キース 「ちょっと待て! そこは間違えられても…」
問題無い気がするんだが、と副住職。
キース 「いいか、固さとヘタレなんだぞ?」
Aブルー「大事なことだよ!」
キース 「重なった場合、下手さ直しにならないか?」
シロエ 「あー! そうなりますねえ、聞き間違えると!」
上手になるなら、いい気がします、とシロエ君も。
シロエ 「下手になるなら、大いに問題ありますけどね」
Aブルー「いいねえ、上手くなるわけだね!」
A船長 「つまり、私は下手なんですか…?」
Aブルー「そうじゃないけど、今が下手なら…」
超絶テクの持ち主にね…、とソルジャー、ウットリ。
Aブルー「こっちのノルディみたいな、テクニシャンに!」
A船長 「ま、まさか、こちらのノルディとも…?」
Aブルー「ヤッてないけど、自慢話は山ほど聞いたし…」
憧れるよね、と夢見心地なソルジャー。
Aブルー「よし、願い事は、固さ直しとヘタレ直しと…」
A船長 「あわよくば、テクの向上ですね!」
Aブルー「そういうこと! それじゃ、出発!」
シロエ 「キース先輩、お見事です!」
キース 「たまにはな」
役に立たんと消されそうだ、と副住職が竦める肩。
自覚はある、と…。
2021/02/23 (Tue)
☆ヘタレそうな人
今年は二月二日な節分ですけど、七福神巡りは恒例の行事。
福笹を持ってお参りに出発、足取りも軽いのがソルジャー。
Aブルー「固さ直しとヘタレ直しと、下手さ直しってね!」
A船長 「パワーアップ出来そうですねえ、今年は」
Aブルー「ホントにね! もうビンビンのガンガンでさ…」
それに加えて超絶テクだよ、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「神様が聞いて下さるように、お賽銭もね!」
A船長 「ええ、はずまないといけませんね」
お札を奮発するべきでしょう、とキャプテンも賛成。
A船長 「とはいえ、あなたと私が使うお金は…」
Aブルー「ノルディのだけど、気にしない!」
ノルディの生き甲斐なんだから、とウインクする人。
Aブルー「ぼくに貢ぐのが、男の甲斐性らしいしねえ…」
A船長 「あのぅ…。こちらのノルディとは、本当に…?」
何もなさっていないのですか、とキャプテンの眉間に皺が。
A船長 「それにしては、気前が良すぎるような…」
Aブルー「大丈夫! たまにエッチな写真とかをさ…」
プレゼントしてるだけだから、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「ぶるぅに撮らせて、うんとエロいのを!」
A船長 「…それだけですか?」
Aブルー「そうだけど? 不安だったら、君だってさ…」
しっかり祈って超絶テクを、とソルジャーが指差すお寺。
Aブルー「いいかい、君も大きな声で!」
A船長 「下手さ直しと叫ぶのですか!?」
それは恥ずかしすぎる気が…、とキャプテン、ワタワタ。
A船長 「下手だと告白するのは、ちょっと…!}
Aブルー「そんな所でヘタレないでよ!」
A船長 「でもですね…!」
私には無理です、と尻込みするキャプテン。
A船長 「大きな声どころか、言うのも無理かと…」
Aブルー「仕方ないねえ、じゃあ、キース!」
キース 「なんだ?」
Aブルー「君が代わりに叫びたまえ!」
キース 「俺が!?」
なんでそうなる、とキース君、ドン引き。
叫べと…?
2021/02/24 (Wed)
☆言い出した責任
今年は二月二日な節分、いよいよ七福神にお参りですけど。
ソルジャー夫妻と一緒に祈願で、それだけで迷惑なのに…。
キース 「どう転がったら、俺が叫ぶことになるんだ!」
Aブルー「ぼくのハーレイには無理だからだよ!」
ヘタレ直しを頼むくらいにヘタレだから、とソルジャー。
Aブルー「とても言えないって、今、言ってたし!」
キース 「其処で、どうして俺に振るんだ!」
Aブルー「下手さ直しって言い出したのは、君だろう?」
固さ直しとヘタレ直しのコラボでさ、とソルジャーの指摘。
Aブルー「代理を頼むなら、言い出しっぺが一番ってね!」
シロエ 「そうですね…。キース先輩なら、適役でしょう」
毎回、ババな人ですから、とシロエ君も賛同。
シロエ 「日頃の行いがアレですからねえ、そのくらい…」
サム 「だよなあ、償いの気持ちでよ…」
ジョミー「引き受けるのが筋だよね、ソレ」
ぼくたちが巻き込まれる前に、とジョミー君たちも。
ジョミー「というわけで、キースはソレで」
スウェナ「そうね、一人くらい違うことを叫んでいても…」
マツカ 「お寺の人は、気にしないでしょうね」
賑やかだな、と思う程度で、と御曹司の視線がキース君に。
マツカ 「キース、よろしくお願いします」
一同 「「「任せた!」」」
キース 「そ、そんな…」
Aブルー「いいから、元気に叫びたまえ!」
分かったね、とソルジャー、先に立って一つ目のお寺へ。
Aブルー「さて、と…。お賽銭をたっぷり!」
A船長 「景気よく、ですね!」
一同 (((凄い…)))
ソレなんだ、と誰もが目を剥く高額紙幣。
Aブルー「じゃあ、声を揃えてお参りをね!」
一同 「「「固さ直しとヘタレ直しで…」」」
お願いしまぁーす! とヤケクソで叫んだ御一同様。
Aブルー「よし、と言いたい所だけれど…」
一同 「「「え?」」」
Aブルー「下手さ直しがさ…」
どうも聞こえなかったんだよね、と苦情が。
やり直しとか…?
2021/02/25 (Thu)
☆無言で祈った人
二月二日な今年の節分、七福神巡りの最初のお寺にお参り。
嫌すぎる願い事を叫ばされたのに、ソルジャーの物言いが。
Aブルー「キース、真面目に叫んだのかい、下手さ直しと」
キース 「それはまあ…」
Aブルー「歯切れが悪いね、もしかして小声だったとか?」
キース 「俺は、きちんと合掌したぞ!」
そして拝んだ、と言ってますけど、ソルジャー、疑いの瞳。
Aブルー「拝んだ、って、願い事は声に出しただろうね?」
キース 「ちゃんと祈れば問題無いんだ!」
Aブルー「つまり、叫んでないってことだね?」
キース 「祈ることに意義があると思うが!」
俺は本職なんだから、と副住職の必死の反論。
キース 「素人が百回叫ぶよりかは、俺が無言で…」
Aブルー「そうかもだけど、生憎と、ぼくも素人でさ…」
聞こえないと不安になるんだよね、とソルジャーの反撃。
Aブルー「だから、声にしてくれないと…」
A船長 「私もです。聞こえてこそ、励みになりますので」
Aブルー「だよねえ、言葉は大切だよね!」
ハーレイのためにも叫んで欲しい、と言い出した人。
Aブルー「こう、燃料になりそうだしさ、これからのね!」
A船長 「ですから、叫んで頂けると…」
有難いのですが、とキャプテンも。
A船長 「よろしくお願いいたします」
Aブルー「ほら、ハーレイも、こう言ってるし!」
声に出してよ、とソルジャー、副住職の背中をバン! と。
Aブルー「はい、もう一度、大きな声で!」
キース 「俺一人でか!?」
Aブルー「他のみんなは叫んだからねえ…」
キース 「だ、誰か…!」
俺を助けると思って一緒に、と縋るような目の副住職。
キース 「頼む、本当に誰か一人でいいんだ!」
シロエ 「また巻き込みに来たんですか?」
ジョミー「あるあるだけどさ、もう、ぼくたちは…」
サム 「叫んじまった後だしよ…」
キース 「そこを、なんとか…!」
ピンチなんだ、とオロオロですけど。
自業自得ですしね…?
2021/02/26 (Fri)
☆一人で叫んだら
二月二日が今年の節分、七福神巡りがスタートですけれど。
最初のお寺で願い事を叫ばなかった、キース君が問題な今。
Aブルー「早く叫んでよ、次のお寺に行くんだから!」
キース 「仲間を募っているんだが!」
でないと、とても…、と副住職の必死の逃げ。
キース 「俺一人では、晒し者だし…!」
A船長 「そうでしょうか? お一人で叫ぶ方がですね…」
Aブルー「何かいいことがあるのかい?」
A船長 「ええ。目立ちますしね、神様の耳にも…」
よく届きそうな気がします、とキャプテンの意見。
A船長 「こう、一斉に叫ばれるよりは、聞きやすいかと」
Aブルー「なるほどねえ…。聞き間違えを期待するより…」
A船長 「単体がいいかと思うのですよ、下手さ直しは」
元々、固さ直しとヘタレ直しのオマケですし、と正論が。
A船長 「聞き間違えて下さったらいいな、というヤツで」
Aブルー「そうだっけ…。それじゃ、この際…」
A船長 「しっかり頼んで頂くのがいいと思うのですが」
Aブルー「うん、その方が良さそうだねえ!」
ほら、早く、とソルジャー、キース君の肩をバンバンと。
Aブルー「下手さ直しをお願いします、と大きな声でね!」
A船長 「お賽銭も追加しましょうか?」
Aブルー「いいねえ、念を押すってわけだね!」
それじゃ、と再びお賽銭箱に放り込まれた高額紙幣。
Aブルー「用意出来たよ、早くってば!」
キース 「う、うう…」
シロエ 「キース先輩、ファイトです!」
キース 「有難い、手伝ってくれるのか!」
いい奴だな、と副住職、感激ですけど。
シロエ 「いいえ、今のはエールですから」
キース 「エール?」
シロエ 「はい、先輩を応援です!」
みんなも応援してますから、とシロエ君、クルリと背中を。
シロエ 「ぼくたちは、次のお寺で待ちましょう」
サム 「おう、頑張れよな!」
一同 「「「ファイト!」」」
頑張れ、とエールを送って、全員、逃走。
見捨てましたね…。
2021/02/27 (Sat)
☆お坊さんの流儀
二月二日な今年の節分、七福神巡りの最初のお寺で問題が。
キース君だけが願い事を叫ばず、やり直しを命じられて…。
キース 「おい、見捨てるのか、お前たち!」
Aブルー「凄い逃げ足だね、もういないけど?」
次のお寺でお賽銭を入れてるよ、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「ぼくたちも、早く行かないと!」
A船長 「このまま逃げて帰られたら、困りますからね」
Aブルー「そうだね、釘は刺しておこうか」
逃げないように、とソルジャーが飛ばす思念波。
Aブルー『そこの君たち! 追い付くまで、待機で!』
一同 (((え?)))
Aブルー『固さ直しとヘタレ直しを頼まないとね!』
でないと命は保証しないよ、と怖すぎる台詞が。
Aブルー『キースに叫ばせたら、直ぐに行くから!』
一同 (((ううう…)))
逃げられないのか、と泣きの涙な思念が漂ってますけれど。
Aブルー「さあ、頑張っていこうか、キース」
キース 「くっそぉ…。願う~とこ~ろ~の願望はぁ~…」
Aブルー「は?」
キース 「下手さぁ~あああ~、なお~しぃ~いいい~」
朗々と唱えたキース君、ハハーッとお辞儀で、そして合掌。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
Aブルー「え、えっと…?」
キース 「ちゃんと叫んだぞ、坊主の流儀で」
文句は言わせん、と踵を返して、歩き始める副住職。
キース 「さあ、次だ、次!」
Aブルー「わ、分かったよ! おっと、お札を…」
お坊さん「よくお参りでございました」
どうぞ、と福笹に結ばれたお札。
Aブルー「待ってよ、キース!」
キース 「どうせ、足止めするんだろうが!」
他のヤツらも止めてるんだし、とキース君、スタスタ。
キース 「俺はアレで行くぞ、この先もな」
Aブルー「いいけど、声が大きすぎてさ…」
A船長 「他の皆さんのが…」
キース 「知らん!」
声が大きいのは坊主の職業病だ、とキッパリと。
今月、これにて中継終了~。
2021/02/28 (Sun)