☆一日早いんです
さて、二月。寒さが一番厳しい季節、節分寒波なる言葉も。
そんな節分の行事について、生徒会室で検討中の御一同様。
ジョミー「今年は節分、早いんだよねえ、いつもより」
キース 「まさかの二月二日だからな…」
スウェナ「二月三日だと思っていたわよ、ずっと固定で」
明日だなんて信じられないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「まだ今日は二月一日なのに…」
シロエ 「124年ぶりでしたっけ、移動するのは」
ブルー 「そうらしいねえ、ぼくも正直、忘れていたよ」
固定じゃないという件を、と四百年以上生きている人の言。
ブルー 「シャングリラ学園が出来てからでも、殆どは…」
キース 「二月三日でやってたんだな?」
ぶるぅ 「そだよ、豆まきとかも全部ね」
それで明日はどうするの、と生徒会室の主と言えるお子様。
ぶるぅ 「サボるの、それとも学校で豆まき?」
サム 「登校するなら、此処で相談していねえだろ?」
ぶるぅ 「そっかぁ、今年もサボリなんだね!」
いつもの所にお参りするの、と質問ですけど。
ジョミー「悩んじゃうよね、あそこでいいのか…」
シロエ 「誰かさんが来るのが確定ですしね…」
キース 「しかしだ、何処に変更しても…」
あの馬鹿野郎が来そうな気がする、とキース君の渋面。
キース 「お参りの方は無事に済んでも、その後にだな…」
サム 「湧いて出るってか?」
キース 「なんと言っても、あいつなんだぞ?」
こっちに来て、黙って帰ると思うか、と苦い顔付き。
キース 「なにしろ節分は、夜までイベント続きだからな」
一同 「「「あー…」」」
何処かで何かをやっているよね、と誰もが納得。
ジョミー「他所に行っても、お参りを済ませて戻ったら…」
キース 「恵方巻を提げた、迷惑なヤツが来ると思うが」
ジョミー「恵方巻に御祈祷よろしく、とか?」
一同 「「「シーッ!」」」
ジョミー「ご、ごめん…」
フラグだったかも、と慌てるジョミー君。
失言ですよね…。
2021/02/01 (Mon)
☆たまたまなんです
今年の節分は二月二日で、124年ぶりに1日早めの節分。
前日に生徒会室に集った面々、行き先を検討中ですけれど。
シロエ 「ジョミー先輩、フラグを立ててどうするんです」
サム 「そうだぜ、せっかく、あの野郎がよ…」
キース 「今の時点で、現れていないというのにな…」
気付いていない可能性も高いんだぞ、とキース君の指摘。
キース 「二月三日だと、まだ思い込んでいるとかな」
ジョミー「ご、ごめん…。つい、ウッカリ…」
??? 「大丈夫、フラグなんかじゃないから!」
こんにちはーっ! とソルジャー(会話表記はAブルー)。
Aブルー「今年は節分、明日だってねえ!」
一同 「「「げっ!!!」」」
来たじゃないか、と皆の視線がジョミー君に集中。
シロエ 「ジョミー先輩、有罪ですよ!」
サム 「違いねえなあ、来ちまったしよ」
キース 「覚悟は出来ているんだろうな?」
ジョミー「う、うん、本堂の柱は勘弁だけど…」
節分寒波で寒いからさ、とジョミー君、泣きそうな顔。
ジョミー「あんな所に縛られちゃったら、凍死だってば!」
キース 「安心しろ、火鉢くらいは置いてやるから」
ジョミー「そ、それだけ…?」
キース 「何も無いよりマシだろうが!」
修行道場だって、その程度だぞ、と副住職。
キース 「分かったら、キリキリお縄になれ!」
ジョミー「そ、そんな…!」
Aブルー「待ってよ、ジョミーは悪くないから」
フラグじゃないと言っただろ、とソルジャー、割り込み。
Aブルー「気が付いたのは、たまたまだってば」
キース 「本当か?」
Aブルー「そうだよ、肉まんを買いに来ただけで!」
一同 「「「肉まん?」」」
なんだソレは、と誰もがキョトン。
キース 「肉まんだと?」
Aブルー「この時期、コンビニの定番だろう?」
キース 「それがどうしたと?」
Aブルー「コンビニの表に、恵方巻の広告があってね!」
日付と恵方が書いてあった、と威張り返る人。
なるほど…。
2021/02/02 (Tue)
☆日が変わるなんて
今年の節分は1日早くて、124年ぶりの二月二日ですが。
気付かないかと思われたソルジャー、知ってしまいまして。
Aブルー「今年の恵方は、南南東になるんだってね!」
キース 「そうか、分かって良かったな」
Aブルー「君たちも本当に人が悪いよ、今年は早いって…」
教えてくれればいいのにさ、とソルジャーが尖らせる唇。
Aブルー「もし肉まんを買いに来なかったら、今年はさ…」
ブルー 「気付かない所だったって?」
Aブルー「決まってるだろう、まさか日が変わるなんて!」
アレは固定だと思っていたよ、とブツブツと。
Aブルー「ずっと二月の三日だったし、そうなんだと…」
キース 「それは俺たちも同じだが?」
Aブルー「そうなのかい?」
シロエ 「124年前を体験した筈の会長もですね…」
忘れ去ってたらしいですよ、とシロエ君。
シロエ 「ですから、ぼくたちが知るわけありません」
Aブルー「なるほどねえ…。それで、今年は?」
何処にお参りするんだい、とソルジャーが乗り出す膝。
Aブルー「最近、他所に行く説が毎年、出るようだけど」
キース 「その通りだが、もう決定したな」
Aブルー「え?」
キース 「あんたが此処に出て来た以上は、変更しても…」
変更する意味が無いからな、とキース君、キッパリ。
キース 「つまり今年も、七福神巡りということだ」
Aブルー「なんだか引っ掛かる言い方だけど、まあ…」
一緒にお参り出来ればそれでオッケー、と頷く人。
Aブルー「じゃあ、明日、来ればいいんだね?」
ブルー 「もう帰るのかい?」
Aブルー「ハーレイの休暇を変更しないとダメだから!」
いきなり休みが前倒しだしね、とソルジャー、溜息。
Aブルー「キャプテンが急な休暇というのは、大変で…」
ブルー 「そりゃそうだろうね、キャプテンなんだし」
Aブルー「それじゃ、急ぐから!」
キース 「本当に帰りやがったぞ?」
どうやら休暇の危機らしいな、と副住職。
取れるんですか…?
2021/02/03 (Wed)
☆突発事故に期待
今年の節分は124年ぶりに、1日早い二月三日ですけど。
前日まで知らなかったソルジャー、慌てて姿を消しまして。
キース 「休暇を遅くするなら分かるが、前倒しとは…」
シロエ 「キツそうですねえ、スケジュール的に」
ジョミー「キャプテンだもんね、デスクワークとはさ…」
ちょっと違う仕事になるもんね、とジョミー君も傾げる首。
ジョミー「早めるだなんて、出来るのかな?」
ブルー 「さあねえ、状況によるだろうねえ…」
サム 「明日に動かせねえ予定があったら、無理だよな」
スウェナ「そうよね、ミュウの子供の救出作戦だとか…」
日を変えるのは無理だわよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「練り上げた計画がパアになるもの」
ブルー 「それだけは入っていないと思うね」
シロエ 「どうしてです?」
ブルー 「入っていたなら、ブルーも動けないからだよ!」
いくら節分でも特別休暇は取れない、と生徒会長、断言。
ブルー 「ソルジャーの仕事が最優先だよ、その場合はね」
キース 「なるほどな…。あいつが急に休める以上は…」
シロエ 「重要な予定は無いと思っていいんですね?」
ブルー 「残念だけど、そういうことだね」
突発事故にでも期待したまえ、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「いきなりトイレが壊れるだとか、そっち系で」
シロエ 「トイレですか?」
ブルー 「生活に欠かせないから、馬鹿に出来ないよ?」
でも命には係わらないから、とクスクスと。
ブルー 「その線で祈るしかないねえ…」
シロエ 「キース先輩、お願いします!」
キース 「俺なのか!?」
シロエ 「たまには役に立って下さい!」
明日の平穏な節分のために、と副住職に課された使命。
サム 「俺も賛成。今日のお勤めでキッチリ祈れよ!」
ジョミー「頑張ってよね、プロのお坊さんなんだしさ」
キース 「分かった、努力してみよう…」
一同 「「「イイネ!」」」
効きますように、と誰もが期待ですけど。
どうなる…?
2021/02/04 (Thu)
☆気が利かない人
124年ぶりに1日早い節分、二月二日の朝が来ましたが。
生徒会長のマンション前に集う面々、期待はあらぬ方向へ。
シロエ 「キース先輩、きちんと祈ってくれたんですか?」
キース 「それはまあ…。しかしだな…」
サム 「何か問題があるのかよ?」
キース 「他人様の不幸を祈願するのは、アウトだからな」
直接的には祈れないのだ、と副住職の苦々しい顔。
キース 「つまり、トイレが壊れるようにと祈るのは…」
ジョミー「出来ないわけ?」
キース 「ああ。俺たちの不幸を避けるのが関の山だ」
スウェナ「それって、効かないってことじゃないの!」
不幸を避けられたことが無いわ、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「まだ雪請いを頼んだ方がマシだったわよ!」
シロエ 「そうですね…。ドカ雪だと交通機関が麻痺で…」
ジョミー「路線バスでは行けないもんね…」
サム 「ウッカリしてたぜ、そこを確認するのをよ…」
でもよ、とサム君が顎に当てる手。
サム 「キースが、もちっと気が利いてればよ…」
シロエ 「祈願の内容、切り替えられた筈ですよね…」
マツカ 「臨機応変という言葉もありますしね」
少し頭が固いのでは…、と御曹司の容赦ない一撃。
マツカ 「副住職なら、それでもいいんですけれど…」
ブルー 「経営者だと致命的だね、気が利かないのは」
キース 「そ、それは…」
マツカ 「まあ、保守的な業界ですから、いいんでしょう」
伝統を守る世界ですしね、と一転、穏やかな笑みの御曹司。
マツカ 「とはいえ、今日の件に関しては…」
キース 「俺に責任があると言うのか?」
マツカ 「無いんですか?」
本当にゼロだと言えるでしょうか、と御曹司が傾げる首。
マツカ 「皆さんは、どうお思いですか?」
シロエ 「過失がゼロとは言えませんよね…」
サム 「だよなあ、いわゆる思慮不足だしよ」
キース 「そ、そう言われても…」
トイレの故障と言っただろうが、と焦る副住職。
ピンチ到来…。
2021/02/05 (Fri)
☆普通ならダメかも
124年ぶりに1日早い節分、二月二日の朝なんですけど。
生徒会長のマンション前に集う面々、副住職に非難の視線。
シロエ 「トイレの故障を祈れないなら、別の方法ですよ」
ジョミー「ホントに頭が固いよね…。ダメだよ、これじゃ」
マツカ 「お寺と伝統を守るためには、向いてますけど…」
スウェナ「どうかしら? キースの場合は、そうだけど…」
普通のお坊さんとしてはダメかも、とスウェナちゃん。
スウェナ「だって、普通は、お寺を継いでいくんでしょ?」
サム 「そいつが、どうかしたのかよ?」
スウェナ「お嫁さんをゲットしないとダメじゃないの!」
次の世代が生まれないわよ、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「でもねえ、気が利かなくて頭が固いと…」
シロエ 「あー! 女性が逃げてくわけですね!」
マツカ 「そう言われれば、ただでもお寺ですから…」
デートとかも制約だらけですよね、と御曹司も同意。
マツカ 「ドタキャンなんかも多いでしょうし…」
スウェナ「でしょ? そういう時のフォローが無いのよ?」
ジョミー「行けなくなった、で終わりそうだよね」
シロエ 「気が利く人なら、何かするんでしょうけど…」
マツカ先輩なら、どうしますか、とシロエ君の問い。
シロエ 「デート直前に、何か予定が入ったら?」
マツカ 「お断りして、食事の予約でも入れていたなら…」
お友達とどうぞ、と言うでしょうね、と御曹司。
マツカ 「誰かお誘いして、楽しんで下さい、と」
ジョミー「流石! でもって、お金はマツカが払うんだ?」
マツカ 「当然ですよ。そして、出来ればメッセージと…」
お菓子か花でも、お店に届けておきます、と神対応な答え。
マツカ 「もちろん、お友達の分もですね」
サム 「すげえな、やっぱ、マツカは違うぜ」
スウェナ「キースにも、それが出来るかしらね?」
ジョミー「無理っぽいよね…」
キース 「うっ…」
グッと詰まっている副住職、どうやら図星。
頭が固い、と…。
2021/02/06 (Sat)
☆固さを直したい
124年ぶりという1日早い節分、二月二日の朝ですけど。
生徒会長のマンション前に集った一同、キース君を糾弾中。
スウェナ「彼女のフォローも出来ないわけよね、早い話が」
シロエ 「お嫁さんを捕まえるのは難しそうですね…」
サム 「確かに、普通の坊主だったらマズイよなあ…」
ジョミー「道はお見合いしか残ってないよね?」
そっちは普通より楽かもだけど、とジョミー君。
ジョミー「お寺同士のネットワークが強そうだしさ」
マツカ 「ありそうですね、婚活に力を入れていそうです」
スウェナ「すると、キースみたいに気が利かなくても…」
なんとか解決するってわけね、とスウェナちゃん、溜息。
スウェナ「どおりで危機感を持ってない筈よ、頭の固さに」
シロエ 「固いままでも、お坊さんならいけるんですか…」
マツカ 「そのようですね…」
諦めましょう、と御曹司、副住職をチラリ。
マツカ 「キース、今回は助かりましたね」
キース 「言われようは非常に酷かったんだが!」
マツカ 「蒸し返してもいいんですか?」
それなら強火で蒸し直しますが、とマツカ君の微笑み。
マツカ 「もうじき、誰かさんも来るでしょうから…」
シロエ 「いいですね! この際、炎上させましょう!」
蒸し過ぎて発火するんですよ、とシロエ君も。
シロエ 「蒸気が出ないと、蒸し器もですね…」
マツカ 「ええ、アッサリと焦げますからね」
では、蒸し直しの方向で…、と御曹司。
マツカ 「今年の七福神巡りの祈願が決まりましたよ」
スウェナ「あら、何なの?」
マツカ 「キースの頭の固さをですね…」
ちょっと直して頂きたいと…、とマツカ君、ニッコリ。
マツカ 「こう、柔らかく、お豆腐のように直すんです」
サム 「いいんでねえの? メンタルも豆腐にすれば」
一同 「「「メンタル?」」」
サム 「なんかよ、豆腐メンタルって言うじゃねえかよ」
そうなったら世の中、平和でねえの、という声が。
豆腐メンタル…?
2021/02/07 (Sun)
☆豆腐にしてやる
124年ぶりに1日早い節分、二月二日が来ましたけれど。
生徒会長のマンション前に集う面々、副住職に不満が炸裂。
サム 「キースの頭の固さってえのも、アレだけどよ…」
シロエ 「メンタルの方も、確かに問題ありそうですね」
ジョミー「うん。しぶといって言うか、なんて言うかさ…」
懲りないし、学習しないよね、とジョミー君の厳しい指摘。
ジョミー「頭が固いってだけじゃないよね、その原因」
サム 「だろ? ちょっとメンタル強すぎってな」
マツカ 「キースのメンタルを豆腐に、ですね」
劇的に変わりそうですよ、と御曹司も同意。
マツカ 「誰かさんのことも、怖くなるんでしょうけど…」
シロエ 「ぼくたちに対しても、恐怖心が芽生えますよね」
スウェナ「そうねえ、一度、フルボッコにしてやれば…」
懲りて、借りて来た猫になるわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「今年の祈願はソレがいいわね、固い頭と…」
シロエ 「図太いメンタルを、豆腐に直して貰うんですね」
頑張りましょう、とシロエ君が突き上げる拳。
シロエ 「上手く行ったら、色々と丸く収まりますよ」
キース 「お、お前ら…!」
マツカ 「蒸し直しを希望でしたよね?」
ですから強火で蒸したんですよ、と御曹司、ニッコリ。
マツカ 「ぼくたちの祈願は、キースの固さ直しです」
??? 「ねえねえ、固さ直しって、何?」
素敵な響き、とソルジャー登場(会話表記はAブルー)。
一同 「「「げっ!」」」
Aブルー「失礼だねえ、君たちは!」
??? 「皆さん、おはようございます」
なんとか休暇が取れまして、とキャプテン(A船長)も。
マツカ 「キース、結果はコレですけど?」
キース 「す、すまん…」
俺の配慮が足りなかった、と詫びる副住職。
キース 「その件は、俺が悪かったが…」
マツカ 「何なんです?」
Aブルー「ねえねえ、固さ直しって…」
何のことさ、と横から割って入る人が。
どうなるんでしょう…?
2021/02/08 (Mon)
☆豆腐にしないで
124年ぶりに1日早い節分、二月二日がやって来まして。
生徒会長のマンション前に集った面々、ソルジャーも登場。
シロエ 「ほらね、キース先輩の頭が固かったせいで…」
マツカ 「今の状況があるんですよね、分かってますか?」
キース 「悪かったと言っているだろう!」
ジョミー「ね、反省の色も無いよね」
やっぱり祈るしかないよ、とジョミー君。
ジョミー「みんなで固さ直しでいこうよ、今年は」
一同 「「「オッケー!」」」
ソレだ、と盛り上がる御一同様、やる気満々ですけれど。
Aブルー「だからさ、固さ直しって、何?」
A船長 「私も気になっているのですが…」
シロエ 「そのまんまですよ、固さを直すんです!」
キース先輩のガチガチぶりを、とシロエ君の解説。
シロエ 「頭は固すぎ、メンタルも図太過ぎですからね」
マツカ 「豆腐のようにして頂こう、という計画ですけど」
Aブルー「ええっ? 固くするんじゃないのかい?」
てっきりそうだと思ったのに、とソルジャー、目が真ん丸。
Aブルー「固さは実に大事だからねえ、本当に!」
A船長 「はい、頑張ってはおりますが…」
なかなか、お気に召すようには…、と項垂れるキャプテン。
A船長 「なにしろ、ぶるぅが出ますので…」
Aブルー「気付いたら萎えてしまうんだよねえ、君は…」
いくらビンビンのガンガンでもさ、とソルジャーの嘆き。
Aブルー「固さ直しって、アレに効きそうなのに…」
A船長 「私も期待したのですが…」
別物だったようですね、と勘違いしていたらしい人たち。
A船長 「逆になっては、たまりませんよ」
Aブルー「ホントだってば、困っちゃうしね」
紛らわしい祈願はしないでよ、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「混同されたら、悲劇どころじゃないからね」
A船長 「まったくです。固くなるなら歓迎ですが…」
Aブルー「豆腐にするのはやめたまえ!」
絶対にダメ、と文句をつけられましても。
言いがかりでは…?
2021/02/09 (Tue)
☆巻き添えは嫌だ
124年ぶりに1日早い節分、二月二日が来ましたけれど。
ソルジャー夫妻まで来て、キース君の頭の固さが問題な今。
Aブルー「ぼくたちの方は、固さが大切なんだしさ!」
ブルー 「真昼間から、その手の文句もどうかと思うね」
退場させるよ、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「別行動なら、巻き込まれることも無いだろう?」
Aブルー「それも酷いよ、いつも一緒に行ってるのにさ!」
ブルー 「こっちは毎回、恥をかかされてるんだよ?」
行きの路線バスの中から既に、と生徒会長の指摘。
ブルー 「君たちの、バカップル丸出しの座り方でね!」
Aブルー「だって、夫婦和合をお願いしに行くんだし…」
A船長 「御利益を頂くためには、あの座り方もですね…」
大事だろうと思うのですが、とキャプテンの言。
A船長 「現に今までは、有難いこともありましたし…」
Aブルー「だよねえ、レアなお守りを貰えたり…」
バスで乗り合わせた人たちから、とソルジャーも。
Aブルー「やめるだなんて、とんでもないよ!」
ブルー 「だったら、こっちも我慢するから…」
祈願の件は我慢したまえ、と生徒会長の切り返し。
ブルー 「ギブアンドテイクの精神だよね、これは」
シロエ 「そうですね。ぼくたちが譲歩するからには…」
サム 「我慢するのが筋ってモンだぜ、そっちもよ」
俺たちはガッツリ祈願するから、とサム君、真剣。
サム 「キースが豆腐になってしまえば、色々とよ…」
ジョミー「お得だよねえ、ぼくたちも」
スウェナ「豆腐メンタルだと、メリット大きいわよ」
態度からして変わってくるもの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「失敗が怖くて口数が減れば、万々歳だわね」
マツカ 「そうですね。口は禍の元ですし…」
シロエ 「キース先輩の場合は、失言でかなり…」
ジョミー「失点だもんね、やっぱり固さ直しだよ」
Aブルー「困るってば!」
豆腐の巻き添えなんか嫌だ、と騒いでますけど。
なら、我慢ですね?
2021/02/10 (Wed)
☆あやかりたい人
124年ぶりに1日早い節分、二月二日の朝が来ましたが。
ソルジャー夫妻も来てしまいまして、祈祷の方は効果ゼロ。
シロエ 「でもですね…。ぼくたちも困っているんです」
サム 「今日だって、キースの頭が固いせいでよ…」
ブルー 「君たちが来てしまったんだけど?」
Aブルー「待ってよ、来るなと祈祷したとか?」
そういう風に聞こえるけれど、とソルジャーの問い。
Aブルー「キースの頭が固かったから、来られたってさ」
A船長 「私にも、そう聞こえましたね」
ブルー 「ぶっちゃけ、それで合ってるんだよ」
毎年、ホントに大恥だから、と生徒会長、ピシャリと。
ブルー 「でもねえ、キースの気が利かなくてさ…」
シロエ 「トイレは壊れなかったんですよ」
Aブルー「えっ?」
ジョミー「シャングリラのトイレだよ、そっちのね」
壊れたら、キャプテンが拘束だしさ、とジョミー君。
ジョミー「そしたら、こっちに来られないよね」
A船長 「そんな祈祷をなさったのですか?」
キース 「いや、他人様の不幸を願うというのは…」
シロエ 「出来ないそうですよ、仏道に反するとかで」
なのに頭が固すぎて…、とシロエ君の嘆き節。
シロエ 「それがダメなら、雪請いで良かったんですが…」
Aブルー「雪請い…?」
シロエ 「路線バスが動けなくなりますからね」
例の座り方を見なくて済みます、とシロエ君、キッパリ。
シロエ 「でも、キース先輩が祈らなかったので…」
Aブルー「ぼくたちは無事に来られたんだね!」
A船長 「有難いことです、お礼を申し上げないと」
Aブルー「そうだね。ありがとう、キース!」
ついでに固さにあやかりたいな、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「豆腐にしたくなるくらい、固いみたいだし…」
A船長 「なるほど、固さをこちらにも、と」
Aブルー「うん。巻き添えは困ると思ったけどさ…」
一同 (((え…?)))
ヤバイのでは、と顔を見合わせる御一同様。
あやかりたいって…?
2021/02/11 (Thu)
☆刷り込まれてます
124年ぶりに1日早い節分、七福神巡りに行く二月二日。
ところがソルジャー夫妻も到着、副住職の祈祷は効果無し。
Aブルー「キースの固さにあやかったら、きっと凄いよね」
A船長 「ええ。豆腐の方だと困るのですが…」
頭の固さは素晴らしいですし、とキャプテンも絶賛の固さ。
A船長 「皆さんが祈願したくなるほど、固いんですよね」
Aブルー「うん、ガチガチだよ、どう考えても!」
便乗するのもいいと思う、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「今年の願い事は、固さ直しだね!」
一同 「「「げっ!」」」
なんでそうなる、と一同、愕然。
シロエ 「ま、待って下さい、逆に豆腐になりますよ?」
Aブルー「それは君たちが、そうお願いした場合だろう?」
シロエ 「えっと…? なんだか話が見えないんですが…」
Aブルー「分かってないねえ、君たちも協力するんだよ!」
ぼくのハーレイの固さ直しに、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「固さ直しでお願いします、と元気よく!」
シロエ 「絶対、逆になりますから!」
A船長 「確かに、そうなりそうですね…」
豆腐を願っておられるだけに…、とキャプテンも不安そう。
A船長 「ブルー、やめた方がよろしいのでは?」
Aブルー「平気だってば、もう刷り込まれた筈だしね!」
一同 「「「えっ?」」」
Aブルー「今のやり取りのせいで、固さ直しと聞けば…」
ビンビンのガンガンを連想だよね、とソルジャー、ニヤリ。
Aブルー「どうかな、シロエも、他のみんなも?」
一同 「「「うっ…」」」
そうなったかも、と誰もがガクブル。
シロエ 「そ、そう言われれば、危ないかもです…」
ジョミー「ぼくも…」
頭の中身がイヤンな方に、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「キース先輩はどうですか?」
キース 「豆腐にされそうな件を、忘れ去っていたぞ…」
Aブルー「ほらね、やっぱり!」
固さ直しでいける筈だよ、と言ってますけど。
そう祈れと…?
2021/02/12 (Fri)
☆トイレが壊れたら
124年ぶりに1日早い節分、七福神巡りな二月二日の朝。
生徒会長のマンション前に集合して、じきに出発ですけど。
Aブルー「いいかい、願い事は元気よく、固さ直しで!」
シロエ 「そ、そんな…。ぼくたちも叫ぶわけですか?」
Aブルー「元々、そのつもりだったんだろう?」
キースを豆腐にする予定でさ、とソルジャー、涼しい顔。
Aブルー「ちょっと中身が変わっただけだよ、問題無し!」
ジョミー「でも、ぼくたちは叫ぶつもりじゃ…」
スウェナ「そうよ、心の中でしっかり拝んで、お賽銭で…」
Aブルー「君たちだけなら、それでいいかもだけど…」
ぼくたちのために努力して欲しいね、とソルジャーの注文。
Aブルー「トイレを壊してまで、来ないでくれ、って…」
A船長 「祈願しようとしたんですよね、この人たちは」
一同 「「「うっ…」」」
A船長 「よろしいですか? もしもトイレが壊れたら…」
船の仲間が困るのですよ、とキャプテン、説教モード。
A船長 「壊れたトイレの場所によっては、大勢に…」
Aブルー「思いっ切り迷惑がかかるんだよねえ、本当に」
ブリッジだったら悲惨だよ、とソルジャーも。
Aブルー「トイレの間の交代要員を確保しないと…」
A船長 「まずい部署もあったりしますしね…」
本当に分かっているのですか、とキャプテンの眉間に皺が。
A船長 「申し訳ないと思いませんか、あなたたちは?」
一同 「「「そ、それは…」」」
Aブルー「思うんだったら、罪滅ぼしだね!」
A船長 「ええ。態度で示して頂きたいです」
固さ直しの祈願を御一緒に、とキャプテン、目がマジ。
A船長 「そのくらいやって頂かないと、気が済みません」
Aブルー「だよね、大きな声で元気に!」
キース 「俺の巻き添えで、豆腐になるかもしれないぞ?」
Aブルー「大丈夫、すっかり刷り込まれたから!」
A船長 「皆さんの顔で分かりますよね」
嫌さMAXになってますから、と鋭い指摘。
顔に出ましたか…。
2021/02/13 (Sat)
☆文句を言うと破壊
124年ぶりに1日早い節分、二月二日は七福神巡りへと。
生徒会長のマンション前に集合、そろそろ路線バスで出発。
A船長 「よろしいですか? きちんと祈願して下さいよ」
Aブルー「声を揃えて、固さ直しでね!」
じゃあ、行こうか、とソルジャーが指差すバス停の方向。
Aブルー「バスの中での座り方にも、文句は言わない!」
シロエ 「そこまでですか!?」
Aブルー「嫌なら、君の家のトイレをさ…」
壊してあげてもいいんだよ、とソルジャーの顔に冷笑が。
Aブルー「修理の間は、仮設トイレになるだろうねえ…」
シロエ 「困るんですけど!」
Aブルー「おや、シャングリラのトイレをさ…」
壊そうとしたのは誰だったっけ、とソルジャー、ニヤニヤ。
Aブルー「君も、自分で味わってみればいいと思うね」
A船長 「どれほど不便か、体験するのがお勧めですよ」
シロエ 「要りませんから!」
Aブルー「他のみんなも、要らないだろうね?」
文句を言いたい人はどうぞ、と赤い瞳が一同をジロリ。
Aブルー「いないんだったら、ぼくは好きにするよ」
一同 「「「うう…」」」
何も言えない、と項垂れてバス停へ向かう御一同様。
キース 「畜生、トイレは高くついたな…」
シロエ 「キース先輩の頭が固いからですよ」
ジョミー「そっちも高くついちゃったよね…」
サム 「シャレにならねえよな…」
最悪なことになっちまったぜ、と、ぼやく間にバス停で。
Aブルー「えっと、バスは、と…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あそこに走って来たよ!」
Aブルー「やったね、待ち時間ゼロってね!」
なんて幸先がいいんだろう、と大喜びな人。
Aブルー「これだと、車内で何も貰えなくってもさ…」
A船長 「今年も、うんと御利益がありそうですよね」
Aブルー「みんなが祈ってくれるんだしね、大きな声で」
A船長 「固さ直しですね」
Aブルー「そう、固さ直し!」
いいことだよね、と盛り上がってますけど。
嫌すぎかも…。
2021/02/14 (Sun)
☆とにかく乗り込め
124年ぶりに1日早い節分、七福神巡りな二月二日の朝。
ソルジャー夫妻も一緒で、路線バスでお出掛けですけれど。
Aブルー「ほら、バスが来たよ、乗って、乗って!」
キース 「分かった、急ぐぞ」
俺に続け、とサッと乗り込んでゆくキース君。
シロエ 「キース先輩?」
キース 「早くしないか!」
他の皆さんに迷惑だろう、と空いていた最後列のシートへ。
キース 「詰めれば、5人座れるからな!」
シロエ 「あー! 行きますよ、ジョミー先輩!」
ジョミー「うん、サムも!」
早く、と駆け込むように乗り込む面々。
Aブルー「あっ、ちょっと…! そこの席はさ…」
サム 「マツカ、急げよ!」
マツカ 「はいっ、座りました!」
ギュウギュウ詰めというヤツですね、とマツカ君、苦笑。
マツカ 「一人は、ぶるぅでも良かったかもです」
キース 「いいんだ、とにかく席さえ埋まれば」
シロエ 「ですね、他のシートは間が詰まってますし…」
Aブルー「君たち、どうしてくれるのさ!」
ぼくとハーレイの大事な席を、とソルジャーの文句。
Aブルー「座れないじゃないか、どいて、どいて!」
A船長 「両端はともかく、真ん中の方をですね…」
Aブルー「空けて貰わないと、ぼくがハーレイの膝に…」
A船長 「座れませんしね、他の席では」
ですから、お一人分だけでも、とキャプテンも。
A船長 「いえ、お一人では、無理があるでしょうか?」
Aブルー「そうだね、二人どいて貰わないと」
運転手 「発車しまぁーす!」
ご注意下さい、と容赦なく発車してしまったバス。
Aブルー「わわっ!」
A船長 「おっと、何処か持たないと揺れますね」
転びますよ、とキャプテンが握るソルジャーの腕。
A船長 「気を付けて下さい、本当に」
Aブルー「ありがとう。でも、そこはさ…」
A船長 「はい、何でしょう?」
Aブルー「こう、腰に腕をさ…」
ギュッと回してくれた方が、という注文が。
支え方ですか…?
2021/02/15 (Mon)
☆昔から本堂です
宴会だった元老寺での元日、シロエ君だけが外された展開。
本堂の柱に縛り付けられ、暖房も切られていたわけでして。
Aブルー「ほら、お正月にさ、シロエがさ…」
ブルー 「アレを覗き見してたわけ?」
Aブルー「ニューイヤーのパーティーが、一段落でさ…」
ちょっと青の間に帰った時に、とソルジャー、しれっと。
Aブルー「何か面白いことは無いかな、って覗いたら…」
キース 「シロエが本堂に縛られていた、と」
Aブルー「そうなんだよ! なんか、しょげちゃってて…」
涙をポロポロ零しちゃって、とクスクス笑い。
Aブルー「ヘマをやらかした末なんだってね、気の毒に」
キース 「あいつのせいで、俺はヤバかったんだぞ!」
Aブルー「そうなのかい?」
キース 「自由時間が、大幅に削減されそうだったんだ!」
登校出来る日を減らされて…、と副住職の苦々しい顔。
キース 「なんとか切り抜けられたんだが…」
サム 「シロエの野郎、こう、なんつーかよ…」
ジョミー「一言多いっていう感じでさ…」
ブルー 「自業自得で、ああなったんだよ」
仕方ないよね、と生徒会長も。
ブルー 「その上、狸寝入りで逃げを打つから…」
キース 「俺が処分を任されたんだ」
Aブルー「へええ…。一種の監獄みたいなものかな?」
キース 「俺もガキの頃に、親父にやられたからな!」
反省してろ、とブチ込まれたんだ、と副住職。
キース 「あまつさえ、シロエ以上にハードだったぞ」
ジョミー「まさか、暖房を切るだけじゃなくて…」
サム 「上着無しとか、そんなのかよ?」
アドス和尚ならやりそうだよな、とサム君が竦める肩。
サム 「下着だけで縛っても、おかしくねえしよ…」
ジョミー「それは死ねるよね、あの寒さだと…」
キース 「いや、俺の場合はお念仏だ」
一同 「「「お念仏?」」」
キース 「ひたすら唱えさせられたんだ、あの状態で!」
辛いなんていうモンじゃなかった、と副住職。
それはハードかも…。
2021/01/16 (Sat)
☆見たなら救助を
ソルジャーがやって来たわけですけど、シロエ君が話題に。
お正月に縛られた本堂の柱、キース君もやられた刑罰で…。
ジョミー「縛られたままで、お念仏を唱えるわけ?」
キース 「ああ。もちろん水も飲めはしないぞ」
冬でも夏でも、一滴もな…、と副住職の怖すぎる証言。
キース 「疲れて声が嗄れて来てもだ、親父がだ…」
サム 「何処かでチェックしてるのかよ?」
キース 「当然だろうが、あの親父だぞ」
容赦ないのは知ってるだろう、と顰める顔。
キース 「もう無理だ、と止めた途端に、こう、ガラッと」
サム 「本堂の戸が開くってわけな?」
キース 「そういうことだ。サボるんじゃない、と!」
血を吐きそうになるまでだ、と副住職、肩をブルッと。
キース 「その点、シロエは狸寝入りで沈黙だしな…」
スウェナ「ずいぶんマシな扱いだったのね?」
キース 「泣く元気まであったようだしな」
Aブルー「うーん…。でもさ、ホントにしょげてたよ?」
見ていて可哀想なくらいに、と覗き見していたソルジャー。
Aブルー「君たちが楽しくやっていた分、気の毒でねえ…」
キース 「だったら、あんたが助けてやればいいだろう!」
シロエ 「そうですよ! わざわざ来なくてもですね…」
サイオンで縄を解けたんじゃあ…、とシロエ君の疑問。
シロエ 「たったそれだけで、ぼくは自由になれました!」
Aブルー「君は助けて欲しかったのかい?」
シロエ 「スルーするなんて、あんまりでしょう!」
Aブルー「うーん…。選択を誤ったかな…」
ぼくとしたことが、とソルジャーが顎に当てる手。
シロエ 「ええ、明らかに間違えましたね!」
Aブルー「なるほどねえ…」
やっぱり助けるべきだったんだ、とソルジャー、溜息。
Aブルー「あそこでシロエを助けていたら、今頃は…」
シロエ 「えっと…? 話が見えないんですけど」
Aブルー「恩返しだってば!」
助けた場合の王道だろう、と言ってますけど。
恩返し…?
2021/01/17 (Sun)
☆助けたら恩返し
元日から元老寺の本堂の柱に縛られ、悲惨だったシロエ君。
ソルジャーが覗き見していたらしくて、救助も出来た筈で。
Aブルー「こっちの世界には色々あるよね、恩返しの話が」
シロエ 「鶴とか、浦島太郎の亀でしょうか?」
Aブルー「そう! だから、助けたら恩返しだろう?」
もちろん君もね、とソルジャーが見詰めるシロエ君の顔。
Aブルー「失敗だったよ、あそこで君を助けておけば…」
キース 「恩返しがあった、と言いたいのか?」
Aブルー「うん。シロエもそうだと言っているしね」
ぼくが選択を間違えたと…、とソルジャー、溜息。
Aブルー「恩返しを逃してしまうなんてさ、情けなくて…」
シロエ 「あのぅ…。どういうのを期待してたんですか?」
ぼくの恩返し、とシロエ君の問い。
シロエ 「お小遣いが少ないですから、御馳走とかは…」
Aブルー「そういうのじゃなくて、もっと、こう…」
ぼくが喜ぶものでお願い、とソルジャーの返し。
Aブルー「だけど、シロエにはスキルが無いし…」
シロエ 「何ですか、その失礼な言い方は!」
これでも飛び級なんですよ、とシロエ君の膨れっ面。
シロエ 「本当だったら、もう1学年、下だったんです!」
ジョミー「ずいぶん昔の話だよ、それ」
サム 「ハッキリ言って、時効でねえの?」
シロエ 「先輩たちも失礼ですねえ、本当に!」
今でも頭脳は冴えてるんです、とシロエ君が吊り上げる眉。
シロエ 「スキルが無いなんて、有り得ませんから!」
Aブルー「でもねえ…。君は薬学部じゃないし…」
シロエ 「はあ?」
Aブルー「薬だってば、手っ取り早い恩返しはね!」
お小遣いが無いなら作ればいいし、とアバウトな台詞が。
Aブルー「ぼくの世界には無い素材を使って、凄いのを!」
シロエ 「薬ですか?」
Aブルー「ぼくのハーレイがビンビンになるヤツだよ!」
シロエ 「ちょ、そんなスキルは…!」
持っていませんから、とシロエ君、ワタワタ。
畑違いですね…。
2021/01/18 (Mon)
☆知識が無くても
元日にシロエ君が縛られた元老寺の本堂の柱、暖房もオフ。
それを覗き見していたソルジャー、救助は可能でしたけど。
シロエ 「ぼくの趣味は機械弄りですから、薬なんかは…」
Aブルー「知ってるよ。薬学部でも、医学部でもないし…」
恩返しは期待出来ないよね、とソルジャー、溜息。
Aブルー「それで放置にしといたのにさ、本人はさ…」
キース 「助けて貰いたかったようだな、あんたに」
シロエ 「恩返しが必須なら、放置でいいです!」
スキルも無いのに要求されても…、と焦るシロエ君。
シロエ 「ですから、あれで良かったんですよ!」
ジョミー「そうだよねえ…。知識が無いのに、薬ってさ…」
サム 「マジでヤベえよな、バレたら警察っぽいぜ」
ブルー 「そうなるね。もっとも、世の中…」
裏の稼業も多いんだけど、と生徒会長、クスクスと。
ブルー 「野菜を売ってる人なんかは、ソレの典型だよね」
一同 「「「野菜?」」」」
ブルー 「うん。ツイッターで賑やかにやってるよ」
シロエ 「野菜だったら、郊外で売っていますけど?」
農家の無人販売所で…、とシロエ君、怪訝そうな顔。
シロエ 「宣伝しなくても、よく売れてますよ」
ブルー 「ツイッターの野菜は別物だってば、手押しだし」
一同 「「「手押し?」」」
ブルー 「手押しの野菜、でツイッター検索してみたまえ」
大量に引っ掛かって来るから、と言われて、一同、検索。
シロエ 「えっと…? いろんな所で売られてますね」
サム 「よく飛べます、とか書いてあるよな」
キース 「どう見ても、ヤバい薬のようだが?」
ブルー 「その通り!」
ドラッグを売るための宣伝だしね、と生徒会長、しれっと。
一同 「「「ドラッグ?」」」
ブルー 「いわゆる麻薬ってヤツになるかな、どの野菜も」
Aブルー「なるほど、ヤバい薬も堂々と売れる、と…」
シロエ 「あのですね…!」
一緒にしないで貰えませんか、とシロエ君の怒り。
麻薬ですしね…。
2021/01/19 (Tue)
☆犯罪は断りたい
元日から元老寺の本堂の柱に縛られ、悲惨だったシロエ君。
それを覗き見したのがソルジャー、けれどスルーな結末で。
シロエ 「ぼくはドラッグは作りませんし、大麻だって…」
ブルー 「まあ、栽培はしないだろうねえ…」
シロエ 「当然です! ですから、何と言われても…」
ご期待には応えられませんから、とシロエ君、キッパリ。
シロエ 「恩返しも絶対、無理ですからね!」
Aブルー「だけど、助けて欲しかったんだろう?」
シロエ 「犯罪に手を染めようとは思いませんよ!」
そのくらいなら放置でいいです、という潔さ。
シロエ 「次があっても、放っておいて頂けますか?」
Aブルー「うーん…。でも、恩返しは急がないから…」
ずっと先でもいいんだよね、とソルジャーが顎に当てる手。
Aブルー「いわゆる出世払いってヤツで、何年先でも」
シロエ 「どうせ、犯罪スレスレでしょう!」
そっちのコースもお断りです、とシロエ君の即答。
シロエ 「捕まったら、シャレになりませんしね!」
サム 「だよなあ、いくらマツカが凄くてもよ…」
スウェナ「犯罪の揉み消しは、しそうにないわね」
マツカ 「そうですね…。出来ないことはないですけど…」
最後の手段というヤツですから、と御曹司。
マツカ 「もっと深刻なケースに備えてですね…」
ブルー 「取っておくよね、普通はね」
シロエ 「ほら、マツカ先輩も、こう言ってますから!」
お縄になるのは御免ですよ、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「出世払いも、謹んでお断りさせて頂きます!」
Aブルー「そうなのかい? ヤバくなくても?」
シロエ 「えっと…? 犯罪じゃないんですか?」
グレーゾーンでもないんでしょうか、とシロエ君の問い。
シロエ 「そういうことなら、考えないでもないですけど」
Aブルー「犯罪どころか、うんと真っ当な代物だよ!」
シロエ 「…本当に真っ当なんですか?」
なんだか信じられませんけど、とシロエ君。
そうでしょうねえ…。
2021/01/20 (Wed)
☆怪しくない資格
元日に元老寺でヘマをやらかし、本堂に縛られたシロエ君。
暖房もオフで悲惨だったのを、覗き見したのがソルジャー。
シロエ 「あなたの真っ当は、アテにならない気がします」
Aブルー「失礼だねえ! 真面目に提案しているのにさ…」
次があったら出世払いでいいと、とソルジャー、真剣。
Aブルー「要は返してくれればいいしね、何年先でも」
シロエ 「恩返しは先延ばしでいいと言うんですか?」
Aブルー「そうなんだよねえ、出世払いだからさ」
この先もドジを踏んでいいよ、と太っ腹な台詞。
Aブルー「ちゃんと助けに来てあげるから、検討お願い!」
シロエ 「お願いって辺りが、怪しいように思いますけど」
Aブルー「全然、怪しくないってば!」
これが怪しいなら、お縄な人が既にいるよ、とキッパリと。
Aブルー「とっくの昔に捕まってる人が、若干名だね」
一同 「「「ええっ!?」」」
若干ということは数名なのか、と顔を見合わせる御一同様。
サム 「聞いたかよ、一人じゃねえみてえだぜ?」
ジョミー「若干ってことは、二人はいるよね…?」
スウェナ「そんなヤバイ橋、誰が渡っているっていうのよ」
Aブルー「だからさ、ヤバくないんだよ!」
ホントに少しも怪しくないし…、と赤い瞳がキラキラと。
Aブルー「どちらかと言えば、尊敬される道じゃないかと」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「一般人の目から見たなら、そうじゃないかな」
専門職というヤツだしね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「なんと言っても、資格が必要らしいから…」
シロエ 「資格ですって?」
Aブルー「そう聞いているよ、ぼくも詳しくないけど」
それを目指してる人もいるねえ、と見回す部屋。
Aブルー「だからさ、シロエも出来る筈だよ、そのコース」
シロエ 「教員免許って、持っている人、いましたっけ?」
サム 「いねえだろ?」
シロエ 「うーん…」
何の資格のことでしょうか、と悩む人。
謎ですよねえ…?
2021/01/21 (Thu)
☆謎だらけな資格
元日から元老寺の本堂に縛られ、悲惨な目を見たシロエ君。
それを覗き見していたソルジャー、助けなかった話から…。
シロエ 「真っ当な資格を取得して、出世払いですか…」
Aブルー「お得なコースだと思うけれどね?」
取得までの間も、もれなく救助、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「今回みたいな目に遭った時は、駆け付けるから」
シロエ 「あなたが、そこまでするんですよね?」
Aブルー「もちろんだよ! 君の将来のためだしね!」
シロエ 「ぼくだけじゃなくて、あなたもでしょう?」
何か得なことがあるんですよね、とシロエ君、慎重な姿勢。
シロエ 「迂闊に首を縦に振ったら、ドツボな気がします」
Aブルー「大丈夫! それでドツボな人もいるけど…」
そうじゃない人もいるからね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「君の心掛け次第じゃないかな、どう転ぶかは」
シロエ 「ますます謎なんですけれど!」
何の資格の話なのか、とシロエ君が傾げる首。
シロエ 「分からない間は、何ともお返事出来ませんね」
Aブルー「そんなに警戒しなくても…。いい資格だよ?」
頑張れば、未来は安泰だしね、とソルジャーが立てる親指。
Aブルー「高級車で送迎して貰えてさ、御馳走だって…」
シロエ 「…マツカ先輩みたいな話ですね?」
Aブルー「そうかもねえ! ある意味、特権階級だしさ」
シロエ 「でも、この中に複数でしょう?」
マツカ先輩は一人だけですよ、とシロエ君の指摘。
シロエ 「他に該当者は、いませんけれど?」
Aブルー「一人、忘れているってば!」
シロエ 「誰なんです?」
Aブルー「ブルーだよ!」
いい御身分で暮らしてるだろう、とソルジャーが指差す人。
Aブルー「ついこの間も、黒塗りのタクシーに乗ってたし」
シロエ 「まあ…。腐ってもソルジャーですからね」
Aブルー「御馳走だって、ドッサリと!」
シロエ 「それはまあ…」
立場が立場ですから、と大きく頷くシロエ君。
トップですしね…。
2021/01/22 (Fri)
☆真似られない資格
元日早々ヘマをやらかし、悲惨な目に遭ったのがシロエ君。
それを覗き見していたソルジャー、スルーしたわけですが。
シロエ 「会長の資格は、ぼくには真似が出来ませんよ」
Aブルー「そう思うのかい?」
シロエ 「サイオンからして、勝負になりませんからね」
何と言ってもタイプ・ブルーですし、とシロエ君。
シロエ 「ぶるぅもタイプ・ブルーですけど、その他は…」
サム 「誰もいねえよな、そんなのはよ」
Aブルー「まあねえ、今の時点だったら、そうだよね」
シロエ 「その話、無理がないですか?」
サイオン・タイプは変わらないでしょう、と投げる質問。
シロエ 「生まれつきのものだと聞いてますけど?」
Aブルー「ああ、その点は間違いないねえ!」
ぼくの世界でも同じだから、と頷くソルジャー。
Aブルー「そのせいで、ぼくはアルタミラでさ…」
シロエ 「酷い目に遭ったそうじゃないですか」
だから、会長の資格にしても…、とシロエ君の真剣な顔。
シロエ 「ぼくがどんなに努力したって、貰えませんね」
Aブルー「それは、ソルジャーの件だろう?」
シロエ 「ソルジャーの話じゃないですか!」
いい御身分な暮らしについて、とシロエ君、キレそう。
シロエ 「マツカ先輩みたいに、高級車に御馳走で!」
Aブルー「誰がそうだと言ったんだい?」
シロエ 「はあ?」
Aブルー「ソルジャーだから、と言い出したのはさ…」
君じゃないか、とソルジャーの反論。
Aブルー「ぼくは一度も、言っていないね!」
シロエ 「でもですね…! いい御身分は会長で…」
Aブルー「うん、其処は間違ってはいないけど…」
肝心の肩書がズレてるんだよ、とソルジャー、ピシャリと。
Aブルー「ソルジャーの他にも、ある筈だよねえ?」
シロエ 「生徒会長の待遇は、普通だと思いますけれど?」
Aブルー「それじゃなくって、もっと他に!」
シロエ 「えーっと…?」
ありましたっけ、とシロエ君が傾げる首。
他に何が…?
2021/01/23 (Sat)
☆資格を目指すなら
元日から元老寺の本堂の柱に縛られた、シロエ君ですけど。
それを覗き見していたソルジャー、次は救助するかが問題。
シロエ 「ソルジャー以外で、いい待遇な肩書ですか…」
Aブルー「考えなくても、すぐ分かるだろう?」
大晦日だってそうだったから、とソルジャーからヒントが。
Aブルー「君たちは路線バスだったけれど、ブルーはさ…」
サム 「あー、黒塗りのタクシーな!」
Aブルー「そう! 除夜の鐘の時は、特別なテントも…」
あったんだよねえ、とソルジャー、ズラズラと羅列。
Aブルー「お正月の豪華おせちにしたって、本来はさ…」
キース 「銀青様をもてなすというのが、メインだな」
Aブルー「ほらね、キースもこう言ってるし!」
此処まで来たら分かるだろう、とソルジャー、満面の笑み。
Aブルー「同じ肩書の面子が複数、ドツボにハマるのは…」
シロエ 「ま、まさか、ドツボって、キース先輩ですか?」
Aブルー「そうなるねえ!」
キースの他に誰がいるのさ、とソルジャー、容赦ない台詞。
Aブルー「つまりさ、君もキースたちと同じ資格をね!」
シロエ 「お、お坊さんになれと!?」
Aブルー「何度も言ったよ、うんと真っ当な資格だと!」
少しもヤバくないヤツだしね、と膝を乗り出す人。
Aブルー「今から取得を目指してくれれば、出世払いで…」
サム 「シロエのピンチは、駆け付けるわけな?」
Aブルー「流石、お坊さんの卵は理解が早いね!」
君のお仲間が増えるかもね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「どうかな、ブルー? 弟子をもう一人!」
ブルー 「そう来るわけ?」
まあ、いいけどね、と頷く生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「二人も三人も、そう変わらない気もするし…」
キース 「俺の手伝いが増えるわけだな、その場合」
ジョミー「お盆の棚経、途中で交代して貰えるかも…」
シロエ 「やるとは言っていませんが!」
ぼくの意見は、とシロエ君、ワタワタ。
お坊さんですか…。
2021/01/24 (Sun)
☆二番手がいれば
元日から元老寺でヘマをやらかした、シロエ君ですけれど。
今後の救助を申し出たソルジャー、出世払いでいいそうで。
シロエ 「お坊さんなんて、冗談じゃありませんから!」
Aブルー「だったら、ヘマをしない自信はあるのかい?」
一年の計は元旦にあり、って言うしね、とソルジャー。
Aブルー「今年は凄い当たり年かもしれないし…」
スウェナ「それは言えるわね、災難続きになるかもよ?」
シロエ 「でも、一年の辛抱です!」
将来を棒に振るよりマシです、とシロエ君の反論。
シロエ 「キース先輩の二の舞なんかは、御免ですから!」
サム 「あー…。例の厄介な戒名ってヤツな」
あれ以来、疫病仏ってヤツだしよ、とサム君も。
サム 「増殖されたら困るってトコはあるよな、うん」
Aブルー「その点だったら、安心ってね!」
シロエはあくまで、二番手だから、とソルジャーの笑み。
Aブルー「ピンチヒッターみたいなものかな」
一同 「「「ピンチヒッター?」」」
Aブルー「そう! キースが使えない時にさ…」
シロエを使えばいいんだよね、と立てる親指。
Aブルー「今までは上手く回って来たけど、この先はさ…」
キース 「確かに、俺が多忙になるかもしれないな」
璃母恩院でお役でもつけば…、と大きく頷く副住職。
キース 「お盆はともかく、お彼岸となれば抜けられん」
Aブルー「聞いたかい? そういうこともあるからさ…」
シロエがいれば、ぼくも安心、とソルジャー、目がマジ。
Aブルー「出世払いだし、急かしはしないよ」
キース 「やります、と言えばいいわけだな?」
Aブルー「うん、とりあえずは口約束で」
その先は、ゆっくり詰めていこうか、とニコニコニコ。
Aブルー「まずはブルーに、名前を考えて貰ってさ…」
キース 「そうだな、法名は必須だからな」
ブルー 「いい漢字を探さないと…」
シロエ 「要りませんから!」
お坊さんの名前なんか、と焦りまくる人。
さて、どうなる…?
2021/01/25 (Mon)
☆口約束でオッケー
元日から元老寺で酷い目に遭ったシロエ君に、救助の話が。
ソルジャーが助けてくれるんですけど、出世払いだそうで。
シロエ 「お坊さんには、絶対、なりませんからね!」
Aブルー「そう言わないでさ、ゆっくりと、こう…」
メリットについて考えてみてよ、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「いいかい、お盆の棚経ってヤツはさ…」
サム 「俺とジョミーで、今の所は間に合ってるしよ…」
キース 「なにしろ、主役を張るのは親父と俺だけだしな」
お供は一人ずついればいいんだ、と副住職。
キース 「シロエも参加するとなったら、最初の年こそ…」
ジョミー「キッチリ、しごかれそうだけれどさ…」
サム 「作法さえバッチリ覚えてしまえば、次回はよ…」
午前中だけとか、そんなんだよな、とサム君も。
サム 「三人で分担制になるから、楽が出来るぜ」
ジョミー「今のぼくたちより、ずっとマシだよ」
Aブルー「やっぱりねえ…。ぼくが思った通りだよ!」
だから、それほど悲観しなくても…、とソルジャーの笑み。
Aブルー「お彼岸だって、キースが出られる間はさ…」
キース 「当然、俺が導師をすることになるな」
あの厄介な仏様は俺の弟子だし、と副住職の渋面。
キース 「こればっかりは、俺にもどうにも出来んのだ!」
Aブルー「ほらね、シロエは、あくまで二番手!」
そうそう出番は回って来ないよ、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「だから安心して、資格を取ってくれればね!」
シロエ 「嫌ですから!」
Aブルー「誰もすぐとは言っていないし、約束だけでも…」
してくれたなら、面倒見るよ、と言うソルジャー。
Aブルー「シロエがピンチに陥った時は、即、救助ってね」
キース 「聞いたか、シロエ? いい話だと俺は思うが」
サム 「うんうん、大船に乗った気分になれるぜ」
Aブルー「口約束でいいんだよ?」
シロエ 「でもですね…!」
口は禍の元なんですよ、とシロエ君、ガクブル。
その通りですね?
2021/01/26 (Tue)
☆フリーでいけます
元日からヘマをやって、元老寺の本堂に縛られたシロエ君。
そういう時の救助を申し出たソルジャー、条件があって…。
シロエ 「口約束でも、約束には違いないですよね?」
Aブルー「まあ、そうだよね」
シロエ 「反故にした場合は、どうなるんですか!」
反故にする気しか無いんですけど、とシロエ君の悪い顔色。
シロエ 「でないと、お坊さんにされちゃいますし…」
Aブルー「出世払いだから、延々、逃げてもいいんだよ?」
要は高飛びしなければ…、とソルジャー、太っ腹な返答。
Aブルー「いつかやります、で逃げ続けるのもアリだよね」
サム 「聞いたかよ、シロエ? 逃げていいってよ」
Aブルー「ダメダメ、逃げてしまうのはダメ!」
お坊さんには、いつか必ず…、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「十年先でも、百年先でも、なってくれれば!」
ジョミー「えーっと…。その時まではフリーなんだよね?」
Aブルー「そうだね、普通に高校生を続けていいよね」
決意を固める時までは…、と頷くソルジャー。
Aブルー「君やサムと違って、棚経の手伝いも要らないよ」
スウェナ「いい話じゃないの、受けなさいよ、シロエ!」
サム 「何もしなくていいんだぜ?」
将来、やります、と約束するだけで、とサム君もプッシュ。
サム 「そうすりゃ、次からヘマをしてもよ…」
キース 「もれなく助けて貰えるようだぞ」
Aブルー「そこは、ドーンと任せちゃってよ!」
気付いた時には、即、救助だよ、と太鼓判が。
Aブルー「だからね、やると約束をね!」
シロエ 「いい話かもしれませんね…」
Aブルー「ね、そうだろう? とてもお得だよ!」
そして、ぼくにもお得な話、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「キースが忙しくなった時にも、安心だしね!」
シロエ 「本当に口約束でいいんですね?」
Aブルー「そうだよ、名前を貰ってね!」
シロエ 「…名前?」
何です、それは、とシロエ君の目が真ん丸に。
名前って…?
2021/01/27 (Wed)
☆名前さえあったら
元日からヘマをやらかし、元老寺で縛られていたシロエ君。
ソルジャーはスルーしたんですけど、救助してもいいとか。
シロエ 「名前を貰うって、何なんですか?」
Aブルー「えーっと…。アレって、何だったっけ?」
さっき話題になっていたヤツ、と周囲を見回すソルジャー。
Aブルー「ぼくは、そういうのに疎くてねえ…!」
シロエ 「自分でも分かっていないんですね、その条件?」
そんなのを出されても困るんですが、とシロエ君の返し。
シロエ 「まずは、きちんと詰めて下さい、その辺を」
Aブルー「分かったよ…。ブルーたちに質問なんだけど…」
ブルー 「何なんだい?」
Aブルー「意地悪だねえ、今の流れで分からないかい?」
察して欲しいな、とソルジャー、不満そうな顔。
Aブルー「アレだよ、ほらほら、キースたちのアレ!」
ブルー 「言葉は、もっと正確にね!」
Aブルー「だからさ、アレのことなんだってば!」
キース 「禅問答なら、それもアリかもしれないが…」
あれはそういうヤツだから、と副住職。
キース 「しかしだ、普通の会話だったら…」
ブルー 「アレで済ませるのは、どうかと思うね」
それで、アレとは何のことかな、と生徒会長の質問、再び。
ブルー 「君が知りたいアレというのは…?」
Aブルー「うーん…。なんかアレだよ、漢字のヤツで…」
ブルー 「うん、それで?」
Aブルー「名前だってば、キースたちのね!」
なんて呼ぶのか、ぼくは知らない、と困り顔のソルジャー。
Aブルー「お坊さんモードで使うヤツだよ!」
ブルー 「ああ、法名だね」
Aブルー「そう、ソレ、ソレ! それをシロエにも…」
つけてあげてよ、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「それさえあったら、口約束で放置になっても…」
ブルー 「将来は必ず、お坊さんに、って?」
Aブルー「そういうことだね!」
シロエ 「ちょっと待って下さい!」
それはフラグと言いませんか、とシロエ君、ワタワタ。
確かに…。
2021/01/28 (Thu)
☆お好みでどうぞ
元日から元老寺でヘマをやらかし、縛られていたシロエ君。
そんな場合は救助する、とソルジャーの申し出ですけれど。
シロエ 「ああいう名前を、会長がつけるわけですね?」
Aブルー「そうだよ、キースでもいいんだけどさ…」
どっちがいいかな、とソルジャーの問い。
Aブルー「キースよりかは、ブルーの方が有難味がさ…」
サム 「うんうん、なんたって銀青様だしよ」
ジョミー「それより、キースに頼んだらさあ…」
シロエの立場が無いんじゃあ、とジョミー君が傾げる首。
ジョミー「ブルーに頼めば、ぼくたちの弟分だけど…」
サム 「あー! キースがつけると、アレの弟分かよ…」
一番弟子がいたんだっけな、とサム君も。
サム 「例の厄介なキノコがよ…」
Aブルー「ぼくは、そっちでもいいんだけどね」
弟分が法要をするのも、また良し、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「それでシロエは、どっちが好み?」
シロエ 「どっちも嫌です!」
ついた時点で、坊主決定じゃないですか、とシロエ君。
シロエ 「アレがついたら、実質、お坊さんでしょう?」
ブルー 「まあねえ…。修行をしていなくても…」
キース 「僧籍ということにはなるな」
その点では、俺の方がお得だ、とキース君が立てる親指。
キース 「なにしろ、俺は副住職の身分だし…」
シロエ 「それが何だと言うんです!」
キース 「親父に内緒で、本山に届けは出せないからな」
たとえ法名をつけたとしても…、と副住職の解説が。
キース 「例のキノコと同じ扱いで、内輪ネタになる」
シロエ 「すると、キース先輩に頼んだ場合は…」
僧籍は免れるんでしょうか、とシロエ君、縋るような目。
シロエ 「本山に届けを出さないんなら、安心ですよね」
キース 「あくまで今の時点の話で、将来的には…」
ブルー 「璃母恩院でお役がついたら、出せるんだよね」
シロエ 「困りますから!」
ただの保留じゃないですか、とシロエ君。
まあ、そうかも…。
2021/01/29 (Fri)
☆根性で耐えます
元日から災難だったシロエ君ですけど、次は救助という話。
ソルジャーが助けてくれる展開、ただし条件がありまして。
シロエ 「キース先輩がつけても、いずれ僧籍でしょう!」
キース 「だが、今すぐではないんだぞ」
ブルー 「璃母恩院で、そういうお役が貰えるまでには…」
最低でも十年かかると思う、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「だから、僧籍になる日を先延ばしするなら…」
キース 「俺が名前をつけてやってもいいんだが?」
当分は遊びたいんだろう、と副住職も。
キース 「それで、どういう漢字がいいんだ」
ブルー 「今なら好きに選べるよ?」
普通は、そんなチャンスは無いよ、と銀青様のプッシュ。
ブルー 「お前にはコレ、と一方的に決められて終わり!」
Aブルー「ふうん…。選択の余地は無いんだ?」
キース 「師僧には絶対服従だしな」
シロエ 「それも困るんですけれど!」
キース先輩に頭が上がらないなんて、とシロエ君、青い顔。
シロエ 「会長だったら、まだ諦めもつきますけどね…」
ブルー 「それなら、ぼくがつけようか?」
シロエ 「即、お坊さんじゃないですか!」
身分だけは、とシロエ君、ガクブル。
シロエ 「もういいんです、救助なんかは要りません!」
Aブルー「えっ、また酷い目に遭ってもかい?」
シロエ 「殺されることは無いですからね!」
命さえあれば、どうとでも、と開き直る人。
シロエ 「本堂に縛られた件にしたって、氷点下なら…」
キース 「暖房は切っていないだろうな、凍死は困る」
シロエ 「ほらね、救いはあるわけですよ!」
誰かさんに頼まなくっても…、とシロエ君に漲る自信。
シロエ 「ですから、後は根性だけで耐え抜きます!」
Aブルー「そう言わないでさ、逃げ道を確保しちゃってよ」
シロエ 「あなたに都合がいいだけですよね、ソレ!」
Aブルー「そうなんだけどさ、シロエにも…」
メリットはあると思うんだよね、と言ってますけど。
本当に…?
2021/01/30 (Sat)
☆ババでいいです
元日から元老寺でヘマをやらかして、悲惨だったシロエ君。
スルーしたソルジャー、次から救助するそうですけど…。
シロエ 「ぼくにメリットって、デメリットだけですよ!」
Aブルー「でもねえ、命さえあればと言っても…」
惨めな目に遭うのは辛いと思うよ、とソルジャー、真剣。
Aブルー「そういう時でも、心で救助を呼びさえすれば…」
キース 「あんたが助けに来るんだな?」
Aブルー「それはもう! スッポンタケのためならね!」
正直、シロエはどうでもいいけど、と飛び出した本音。
Aブルー「将来的に、サポートする人が増えるわけだし…」
キース 「俺も助かるし、外野にはメリット満載だな」
是非とも話を受けてくれ、と副住職も大いに乗り気。
キース 「人間の弟子が出来る所も嬉しいし…」
ブルー 「キースが弟子にするんだね?」
キース 「ああ、そのつもりだ」
だから希望の漢字を言え、とズズイと。
キース 「本来だったら、シロエに適当な漢字を当てて…」
ブルー 「そこから音読の方向だけどさ、選べるんだよ?」
チャンスじゃないか、と生徒会長も。
ブルー 「悩んでいないで、キースに弟子入りすべきだよ」
シロエ 「お坊さんに比べれば、何でもマシです!」
どんな運命でも受けて立ちます、とシロエ君の決意。
シロエ 「ですから、話は無かったことにして下さい!」
Aブルー「そう言わないでさ、前向きに…」
シロエ 「ぼくは、前のめり前転くらいの勢いです!」
お坊さんよりは、ババでいいです、とキッパリと。
シロエ 「お坊さんでも、ババを引くんですしね!」
一同 「「「あー…」」」
確かにそうだ、と副住職に視線が集中。
サム 「絶対安全ってことはねえよな、うん」
ジョミー「キースの人生、終わってるしね…」
シロエ 「どうせ末路はソレですから!」
Aブルー「酷いよ、考え直してよ!」
シロエ 「お断りです!」
帰って下さい、と蹴ってますけど。
今月、これにて中継終了~。
2021/01/31 (Sun)
☆初日の出に柏手
新年あけましておめでとうございます。元旦は元老寺から。
除夜の鐘の後は新年の法要、すっかり疲れて爆睡中な面々。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
起床、起床! と廊下を跳ねてゆく元気なお子様。
シロエ 「…もう朝ですか…」
ジョミー「眠いんだけど…」
キース 「こらあ、起きんか!」
初日の出だぞ、と法衣の副住職が襖をガラリと。
キース 「サッサと着替えて、山門に集合だ!」
一同 「「「はーい…」」」
行かないと、おせちにありつけないし、と渋々、起床。
サム 「くっそぉ、今日も寒いぜ…」
マツカ 「雪が止んだだけでもマシですよ」
スウェナ「そうねえ、大雪だった年もあったし…」
今年はどうかしら、などと言いながら山門へ。
アドス 「皆さん、お揃いになりましたな」
イライザ「いいお参りにしましょうね」
アドス 「二礼、二拍手、一礼ですぞ」
一同 「「「はいっ!」」」
初日に向かって深々とお辞儀、そして柏手。
一同 (((いい年になりますように…)))
アドス 「それでは、庫裏の方へどうぞ」
お雑煮の用意が出来ております、とアドス和尚が先導を。
アドス 「銀青様、どうぞ上座の方へ」
ブルー 「適当でいいよ、それより新年おめでとう」
アドス 「皆様も、新年おめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございまーす!」」
まずはお屠蘇で、と盃が順に、続いて、お雑煮。
ぶるぅ 「いっただっきまーす!」
サム 「外が寒かったから、余計に美味いよな」
イライザ「おせちも、お召し上がり下さいね」
アドス 「和洋中と揃えてありますからな」
おかわりも充分ございますので、とアドス和尚。
アドス 「日頃、せがれがお世話になっておりますし…」
シロエ 「そうですね。キース先輩には、本当に…」
一同 「「「シーッ!」」」
アドス 「何ですかな?」
シロエ 「いえ、まあ…」
お正月ですしね、とシロエ君、ニッコリ。
今日は休戦?
2021/01/01 (Fri)
☆職業病だそうです
元旦は元老寺の庫裏でお雑煮とおせち、和やかなスタート。
アドス和尚も御機嫌なだけに、平穏にいきたい所ですけど。
アドス 「お正月だから、ということはですな…」
シロエ 「はい?」
アドス 「日頃だったら愚痴る所を、我慢ですかな?」
シロエ 「ノーコメントでお願いします」
お正月ですし、とシロエ君、意味ありげな答え。
アドス 「ふうむ…。何やら、ありそうですなあ…」
イライザ「キースが御迷惑をおかけしているのかしら?」
ブルー 「それほどでもないよ、うん」
でも、お坊さんだから…、と生徒会長、視線を副住職に。
ブルー 「何かと抹香臭くなるのは、仕方ないよね」
シロエ 「そうなんですよ、こう、ノートとかでも…」
スウェナ「微かだけれど、お線香の匂いがするのよねえ…」
アドス 「なるほど、なるほど」
職業病というヤツですな、と大きく頷くアドス和尚。
アドス 「それは、せがれが、とんだ御迷惑を…」
イライザ「月参りの帰りに登校だと、もっと御迷惑ねえ…」
アドス 「うむ。キース、今年から月参りの日は…」
学校に行かずに直帰するように、とアドス和尚の命令が。
アドス 「出席義務は無いんじゃから、そうすべきじゃな」
イライザ「ええ。真っ直ぐ帰っていらっしゃいな」
キース 「ちょっと待て!」
なんでそうなる、とキース君、ワタワタ。
キース 「それだと、俺はかなりの日数、欠席でだな…!」
シロエ 「別にいいんじゃないですか?」
サム 「迷惑はグンと軽減するぜ?」
ジョミー「だよねえ、ぼくも直帰をオススメ」
その方が絶対いいと思う、と誰もが口々にプッシュ。
スウェナ「キースも楽でしょ、着替えしなくて済むんだし」
ぶるぅ 「んとんと、でも…」
ぼくのお菓子は、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の困り顔。
ぶるぅ 「食べてくれる人が減っちゃうよ!」
シロエ 「宅配すれば、その問題は解決しますよ」
瞬間移動で出来立てをお届け、という意見。
それは確かに…。
2021/01/02 (Sat)
☆おやつは家族で
元老寺で迎えた元旦ですけど、いきなりキース君に災難が。
今年から月参りの日は登校せずに、直帰しろというお達し。
シロエ 「キース先輩は直帰ですから、家にいますし…」
ジョミー「部屋に届ければいいと思うよ、ケーキとかは」
アドス 「ほう…。せがれに三時のおやつですかな?」
いい御身分で、とアドス和尚も御機嫌な笑顔。
アドス 「わしもお相伴したい所ですなあ、是非に」
イライザ「あなた、厚かましいですわよ」
アドス 「あっ、これは、とんだ失礼を…!」
ブルー 「気にしなくていいよ、ぶるぅも喜ぶからね」
腕の揮い甲斐があるわけだしさ、と生徒会長。
ブルー 「そうだよね、ぶるぅ?」
ぶるぅ 「えとえと…。イライザさんも食べてくれるの?」
イライザ「あらまあ、私もよろしいんですの?」
ぶるぅ 「もっちろ~ん!」
そしたらキースも寂しくないし、と無邪気なお子様の意見。
ぶるぅ 「家族揃って、おやつの時間だもんね!」
シロエ 「いいですねえ! 心温まる風景ですよ」
イライザ「キースはコーヒー、いえ、紅茶かしら?」
ぶるぅ 「んとね、大抵、コーヒーだよ!」
だけど、お菓子で変わる時も、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「紅茶で食べて欲しい時とか、あるもんね!」
アドス 「ほうほう…。ほうじ茶向きのもありますかな?」
ぶるぅ 「あるよ、色々作ってるから」
イライザ「そうなると、お勧めを教えて頂きたいですわね」
お菓子に合うお茶を淹れなくては、とイライザさんの笑み。
イライザ「お茶の時間が楽しみになりますわねえ…」
アドス 「いや、実に有難いお話ですな」
御本尊様にもお供えしなくては、アドス和尚、合掌。
アドス 「お供え出来ないお菓子も、ありそうですがな」
ぶるぅ 「そだね、ミートパイとかだと無理だしね…」
イライザ「まあ、本当にバラエティー豊かですのね」
ぶるぅ 「おもてなし、大好き!」
宅配するから楽しんでね、と言ってますけど。
キース君は…?
2021/01/03 (Sun)
☆お屠蘇と功労者
元日からキース君を襲った災難、月参りの日は直帰の命令。
おやつが宅配されるとあって、アドス和尚たちも大喜びで。
アドス 「今年は春から縁起がいいですな、美味しい話で」
シロエ 「あっ、上手いこと言いますねえ!」
アドス 「いやなに、これもシロエ殿のお蔭というもので」
せがれの欠点を指摘して下さって…、とアドス和尚。
アドス 「お蔭様で、思わぬ幸運が降って来ましたわい」
イライザ「ええ、本当に福の神ですわね」
ささ、お屠蘇をどうぞ、とイライザさんが差し出す盃。
イライザ「ググッと一杯、いって下さいな」
シロエ 「えっと…。お酒、入ってますよね?」
アドス 「もちろんですとも、大吟醸ですぞ」
シロエ 「酔っ払ったら大変ですしね…」
どうしようかな、とシロエ君、周りをキョロキョロ。
シロエ 「これ、頂いたらどうなると思います?」
サム 「知らねえよ。でもよ、キースに比べたらよ…」
ジョミー「リスクは低くなるんじゃないかな、お客様だし」
スウェナ「そうよ、酔って暴れても大丈夫よね」
きっと大目に見て貰えるわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「それに、キースを直帰にした功労者じゃないの」
マツカ 「ええ。キースには災難でしたけれどね」
キース 「災難なんてレベルじゃないぞ」
なんで、親父たちとお茶なんだ、とキース君の眉間に皺が。
キース 「よくもドツボに落としやがって!」
イライザ「あら、お母さんとお茶は嫌だって言うの?」
悲しいわ、とイライザさんが押さえる目元。
イライザ「どうして、こんな子になったのかしら…」
キース 「違う、今のは言葉の綾で…!」
いいから、シロエと楽しんでくれ、と副住職、必死。
キース 「この場は、お屠蘇で和やかにだな…!」
シロエ 「いえ、キース先輩にお譲りします」
キース 「何故、そうなるんだ!?」
シロエ 「親子関係の修復ですよ、お屠蘇で、しっかり」
ヒビが入ってしまいましたし、シロエ君。
お屠蘇で修復…?
2021/01/04 (Mon)
☆酔ったら暴露で
元日なのにキース君を見舞った災難、登校できる日が激減。
月参りに行ったら家に直帰で、おやつは宅配される運命。
キース 「誰がヒビを入れたと思ってるんだ!」
シロエ 「キース先輩だと思いますけどね?」
お母さんとお茶は嫌だと言って、とシロエ君、冷静な指摘。
シロエ 「ですから、急いで修復した方がいいですよ」
キース 「元はと言えば、貴様がだな…!」
イライザ「あらまあ…。キースは、普段からこうですの?」
なんて言葉が悪いんでしょう、とイライザさんの深い溜息。
イライザ「その上、抹香臭いんじゃあ…。嫌われますわね」
アドス 「まったくじゃ。お茶の時間に躾け直さんと…」
皆様に申し訳がたたんわい、とアドス和尚も呆れ顔。
アドス 「キース、今年は修行の年じゃぞ」
キース 「修行だと!?」
アドス 「そうじゃ、立派な言葉遣いが出来るようにな」
キース 「とうの昔に、身についている!」
こいつらのせいで乱れるだけだ、と副住職が指差す面々。
キース 「いつもドツボに落としやがるし、最悪なんだ!」
ジョミー「ドツボだってさ…」
サム 「自分のことは棚に上げやがって、よく言うぜ」
シロエ 「本当ですよね、どっちがドツボなんだか…」
もう修復は要らないですね、とシロエ君。
シロエ 「この際、ぼくがお屠蘇を頂いてですね…」
サム 「おう、パァーッと酔っ払って暴露しろよな」
ジョミー「それがいいよね、何もかもをさ」
シロエ 「ええ。素面じゃ言えないことが多いですから…」
お屠蘇のパワーで言っちゃいますよ、と怖すぎる台詞が。
シロエ 「じゃあ、キース先輩、そういうことで」
キース 「ちょっと待て!」
その杯は俺が貰う、と副住職の必死の割り込み。
キース 「暴露大会をされるくらいなら、俺がだな…!」
アドス 「ほほう、後ろ暗い所があるようじゃな」
キース 「ほぼ、言いがかりに近いんだが!」
個人的な恨みレベルの…、と言ってますけど。
そうですか…?
2021/01/05 (Tue)
☆直帰させるのなら
元日からキース君を襲った災難、月参りの日は直帰の命令。
登校出来ずに帰るしかなく、おやつも宅配な運命でして…。
アドス 「個人的な恨みレベルで、言いがかりじゃと?」
キース 「そうなんだ! シロエを見れば分かるだろう!」
そもそも、こいつが振った話だ、とキース君、キレそう。
キース 「ずっと昔から、ライバル視してやがるしな!」
シロエ 「嫌ですねえ…。尊敬しているだけですよ」
先輩から一本取るのが夢ですしね、と涼しい顔のシロエ君。
シロエ 「柔道で一本取れないからには、他でですね…」
アドス 「勝つぞ、という心意気ですな」
実に御立派な心がけで…、とアドス和尚も感心モード。
アドス 「それに比べて、愚息と来たら…」
イライザ「なんて心が狭いんでしょうね、お坊さんなのに」
アドス 「今年は、ビシビシ仕込んでやらんと」
キース 「余計なお世話だ!」
グダグダ言う間に注いでくれ、と副住職が差し出す盃。
イライザ「あらまあ、キースが頂くの?」
キース 「これが飲まずにやってられるか!」
アドス 「檀家さんの初詣の方は、どうするんじゃ?」
キース 「俺が酔ったら、親父だけでやればいいだろう!」
サムとジョミーも手伝うしな、と既にヤケクソ。
アドス 「それは少々、面倒なんじゃが…」
キース 「どの辺がだ!」
アドス 「こう、お出迎えと、お見送りがじゃな…」
お前がいないと、ワシが炬燵から出ることに、とブツブツ。
アドス 「立って座って、出入り口は風が冷たいしのう…」
キース 「そう思うんなら、俺の処分を撤回しやがれ!」
アドス 「処分じゃと?」
キース 「月参りの件だ!」
直帰と言ったヤツを取り消せ、とキース君、凄い剣幕。
キース 「取り消さないなら、俺は大いに飲んでだな…!」
ブルー 「大トラか、爆睡モードって?」
キース 「この際、歌って踊ってもいい!」
一同 「「「イイネ!」」」
ちょっと見たいかも、と誰もがワクワク。
確かに…。
2021/01/06 (Wed)
☆破壊活動と正義
元日からキース君を見舞った災難、月参りの日は登校不可。
家に直帰の命令でして、おやつは瞬間移動で宅配だそうで。
ジョミー「酔っ払ったキースって、見たことないしね」
シロエ 「ぼくもです。本当に歌って踊るんですか?」
キース 「俺が知るわけないだろう!」
酒量は控えめを旨としている、と副住職。
キース 「やらかしてからでは遅いしな」
ブルー 「なるほどね…。それを今から披露する、と」
キース 「親父が撤回しないならな!」
最悪、暴れるかもしれん、とキース君が指差す座敷の天井。
キース 「サイオン・バーストとまではいかなくてもだ…」
ぶるぅ 「んとんと…。ぼくのお部屋が吹っ飛んだヤツ?」
ブルー 「あったっけねえ、そういう事件も」
キース 「あの頑丈な部屋がパアだったしな…」
酔って暴発程度のヤツでも天井くらい、と恐ろしい台詞。
キース 「軽くブチ抜いて、屋根も吹っ飛ぶかもな」
ジョミー「踊るんじゃなくて、破壊活動なわけ?」
キース 「やっている俺は楽しい筈だぞ」
気分は怪獣かもしれん、とキース君が浮かべる笑み。
キース 「あるいは正義の味方になって、悪の組織を…」
シロエ 「待って下さい、ぼくたちを倒すと…?」
キース 「立派に悪の組織だろうが!」
ついでに親父も、と指をポキポキ。
キース 「サイオンで端から撃破するんだ、爽快だろうな」
ブルー 「ぼくは迎撃出来るけど?」
ぶるぅ 「ぼくも!」
キース 「面白い。二大怪獣と戦うわけか」
座敷は無傷で済まないぞ、とニヤリニヤニヤ。
キース 「障子はズタズタ、襖もボロボロといった所か」
ブルー 「いいねえ、保険はかけてるだろうし…」
存分に暴れてくれたまえ、と生徒会長もノリノリ。
ブルー 「正義が勝つか、悪の組織が栄えるかだよ」
キース 「よーし、飲むぞ!」
アドス 「こ、こら、待たんか!」
キース 「なんだ、親父?」
俺が好きに飲んで何が悪い、と言ってますけど。
破壊活動ですよ…?
2021/01/07 (Thu)
☆保険なら任せて
元日早々、キース君を襲った災難。月参りの日は家に直帰。
登校するなという命令で、おやつも宅配な運命ですけど…。
キース 「シロエが譲ってくれたんだ。俺は飲むぞ!」
アドス 「し、しかしじゃな…! 酔った場合が大変で…」
キース 「庫裏なら保険に入っている筈だぞ」
俺が暴れたと分かるもんか、とキース君、目がマジ。
キース 「サイオンなんぞは、全く知られていないしな!」
ブルー 「うん、保険屋は知らないだろうね」
シロエ 「謎の爆発でも、被害は出ているわけですし…」
マツカ 「保険は下りると思いますけど?」
難しそうなら、いい弁護士を紹介しますよ、と御曹司も。
マツカ 「その辺は、ブルーもツテがありそうですけどね」
ブルー 「それはもう! ソルジャーをやってるんだしね」
万一に備えて、ツテは色々…、と生徒会長が立てる親指。
ブルー 「ぶるぅの部屋が爆発した時も、キッチリと!」
スウェナ「そういえば、騒がれなかったわねえ…」
サム 「マスコミもシャットアウトしたよな」
キース 「聞いたか、親父? 大丈夫らしいぞ」
俺とブルーが壊しまくっても、と飲む気満々な副住職。
キース 「おふくろ、お屠蘇をガンガン頼む!」
イライザ「で、でも…。初詣の檀家さんがパニックに…」
アドス 「そうでなくても、縁起が悪すぎるわい!」
元日から庫裏が壊れるなんぞ…、とアドス和尚の悪い顔色。
アドス 「檀家さんにどう言い訳するんじゃ、不始末を!」
キース 「それは親父が頑張ってくれ」
修理費用のお願いには俺も回るから、と副住職、しれっと。
キース 「頭を下げるのは苦ではないしな」
シロエ 「罰礼で慣れてますもんねえ…」
土下座だって朝飯前でしょう、とシロエ君。
シロエ 「でも、その前に破壊活動ですね?」
キース 「月参りの帰りは直帰らしいしな…」
アドス 「そ、その件じゃが…!」
キース 「何か?」
俺に話があると言うのか、と据わっている瞳。
どうなる…?
2021/01/08 (Fri)
☆素面でいて欲しい
元日からキース君を見舞った災難、月参りの日は登校不可。
家に直帰で、おやつも宅配。そういう運命なんですけれど。
キース 「話があるなら、俺が素面の間に頼むぞ」
アドス 「い、いや…! 今日は素面で頼みたいんじゃが」
キース 「さっきから飲むと言ってるだろうが!」
アドス 「じゃから、お屠蘇はやめてくれ、と」
イライザ、お屠蘇を引っ込めるんじゃ、とアドス和尚。
アドス 「注ぐなら、お客様にじゃな…」
キース 「俺はスルーか!?」
アドス 「暴れられてはたまらんわい!」
キース 「だったら、前言撤回しやがれ!」
直帰なヤツだ、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「どんなに抹香臭い時でも、登校していい、と!」
アドス 「仕方ないわい、皆様には御迷惑なんじゃが…」
庫裏を壊されてはどうにもこうにも、と嘆き節。
アドス 「おやつの宅配も、魅力的じゃったんじゃが…」
キース 「其処なのか!?」
アドス 「ぶるぅ殿は料理がお上手じゃしな」
イライザ「ええ、本当に。お正月に中華の精進料理を…」
作って下さった年がありましたわね、とイライザさんも。
イライザ「素敵なおやつが届きそうでしたけど…」
アドス 「諦めるしかないようじゃのう…」
キース 「登校してもいいんだな?」
アドス 「暴れられるよりマシじゃしな」
例年通りにするが良かろう、と撤回された直帰の命令。
アドス 「皆様、抹香臭いのは、どうぞご勘弁を…」
ブルー 「職業病だし、みんな諦めてると思うよ」
それより、ここは祝い酒で、と生徒会長。
ブルー 「キース意外には、ヤケ酒だろうけど」
シロエ 「まったくですよ」
これが飲まずにいられますか、とシロエ君が手にする盃。
シロエ 「思いっ切り、注いで頂けますか?」
ジョミー「ぼくだって、お客様だしね!」
ブルー 「君とサムは初詣のお手伝いがあるだろう?」
ジョミー「えーっ!?」
酷いんだけど、とジョミー君、不満そうな顔。
僧籍ですしねえ…。
2021/01/09 (Sat)
☆トリップするかも
元日からキース君を見舞った災難ですけど、なんとか解決。
月参りの日も登校していい、とお許しが出て、祝い酒で…。
ジョミー「ヤケ酒なんだし、ちょっとくらいは許してよ!」
アドス 「いやいや、ヤケ酒というものはですな…」
ブルー 「リミッターが外れやすいんだってば」
残念ながら…、と生徒会長も止める側に。
ブルー 「祝い酒なら、ほろ酔い程度で済んでもさ…」
アドス 「ヤケ酒の場合は、泥酔で悪酔いモードですぞ」
ブルー 「そう! バッドトリップしちゃうかもねえ…」
ジョミー「バッドトリップ?」
それって何さ、とジョミー君、キョトン。
ブルー 「知らないかい? ドラッグとかで飛ぶ時にさ…」
ジョミー「飛ぶって?」
キース 「トリップのことだ、バッドトリップになると…」
ブルー 「いい気分どころか、地獄らしいよ」
それで良ければヤケ酒をどうぞ、と生徒会長。
ブルー 「ほら、キースには祝い酒ってね」
イライザ「仕方ないわね、少しだけよ?」
キース 「有難く頂戴いたします」
ハハーッ! とお辞儀で、キース君が受けて飲み干す盃。
キース 「さてと…。親父、そろそろ本堂に行くか」
アドス 「うむ。ジョミー殿は残ってヤケ酒ですかな?」
ジョミー「遠慮しとくよ!」
縁起でもないことを言われちゃったし、とガクブルな人。
ジョミー「ヤケ酒はシロエでいいと思うな」
サム 「おう! バッドトリップするかもなあ…」
ちょっと楽しみになってきたぜ、とサム君、ワクワク。
サム 「でなきゃ、歌って踊るとかよ」
キース 「そうだな、それも面白そうだな」
ジョミー「期待しようよ、どうなっちゃうか」
じゃあね、と本堂へ初詣のお迎えに向かう僧籍な人たち。
キース 「スウェナ、万一の時は録画を任せたぞ」
スウェナ「もちろんよ! マツカも撮るわよね?」
マツカ 「そうですねえ…」
シロエ 「ちょ、ちょっと…!」
悪乗りしないで下さいよ、と慌ててますけど。
どうなる…?
2021/01/10 (Sun)
☆ヤケ酒に差し入れ
元日早々、キース君に出た、月参りの日は直帰という命令。
他の面子には朗報だったのに、取り消しで元の木阿弥で…。
シロエ 「どうして、ぼくがオモチャにされるんです!」
キース 「身に覚えならあると思うぞ。…さて、行くか」
サム 「おう!」
ジョミー「期待してるからねーっ!」
初詣が終わったら報告会だ、と僧籍な人たち、本堂の方へ。
イライザ「私もそろそろ失礼しますわ、裏方ですから」
ブルー 「うん。ぼくたちなら、勝手にやるから」
イライザ「足りないものがあったら、お申し付け下さいね」
あちらの方におりますから、とイライザさんも退場。
ブルー 「さてと…。シロエはどうするのかな?」
スウェナ「ヤケ酒でしょ? お酌なら、してあげるわよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 熱燗なんかも出来ちゃうよ!」
マツカ 「お屠蘇以外もアリなんですか?」
確かにヤケ酒ですもんね、と御曹司。
マツカ 「そういうことなら、ぼくからも何か…」
ブルー 「おや、差し入れがあるのかい?」
マツカ 「ええ。ぶるぅに頼めば、ぼくの家から…」
瞬間移動で取り寄せられますからね、と穏やかな笑み。
マツカ 「お正月用に、いいお酒が揃ってるんですよ」
ブルー 「それはいいねえ! おつまみもかい?」
マツカ 「もちろんです。キャビアなんかもありますし…」
スウェナ「素敵じゃないの!」
お坊さん組は抜きで宴会しましょ、とスウェナちゃん。
スウェナ「肴はシロエのバッドトリップよ!」
シロエ 「違いますから!」
ぶるぅ 「んとんと…。シロエがヤケ酒でないと…」
マツカの差し入れ、来ないと思うの、という声が。
ぶるぅ 「だからシロエは、頑張らないと…」
シロエ 「そうなるんですか!?」
マツカ先輩、そうなんですか、とシロエ君、真っ青。
シロエ 「ぼ、ぼくだけはヤケ酒だとか…?」
マツカ 「そうですねえ…。どうしましょうか」
キースたちも期待してますし、と思案顔の御曹司。
ヤケ酒は必須?
2021/01/11 (Mon)
☆ヤケ酒に期待
元日からキース君が食らった災難ですけど、なんとか解決。
そして今度はシロエ君の番で、期待されるバッドトリップ。
マツカ 「キースたちが戻って来た時、どう言うかですよ」
スウェナ「和やかに宴会中だと、ガッカリだわよねえ…」
シロエ 「何故、ぼくだけがババを引くんです!」
スウェナ「最初に引き金を引いたからでしょ」
諦めなさいよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「ほら、マツカ、お酒とおつまみ、お願い!」
ぶるぅ 「シロエのヤケ酒用だよね! ぼく、お相伴!」
ブルー 「ぼくも美味しく頂きたいから、よろしくね」
マツカ 「分かりました。ぶるぅ、このメモを持って…」
お使いをお願いします、とマツカ君がメモをサラサラと。
ぶるぅ 「えっと、これを厨房の人に渡すと…」
マツカ 「揃えてくれますから、瞬間移動でこちらの方へ」
ぶるぅ 「オッケー!」
パッと姿が消えたお子様、シロエ君が震える間に帰還。
ぶるぅ 「ただいまーっ! 貰って来たよーっ!」
ブルー 「凄いね、最高級のワインにブランデーに…」
スウェナ「大吟醸でしょ、それにキャビアにカラスミに…」
オードブルだって沢山あるわ、とスウェナちゃん、感激。
スウェナ「さあ、シロエ、どんどん飲みなさいよ!」
ブルー 「まずは一杯、ワインをグイッと!」
生徒会長が差し出すグラス、シロエ君、腹を括ったようで。
シロエ 「ヤケ酒、いきまーすっ!」
ブルー 「うん、いい飲みっぷり!」
シロエ 「美味しいです! でも、なんだか…」
眠くなって来ました、と言うなりコロンと転がりまして。
シロエ 「ぐーっ!」
一同 「「「えっ?」」」
ぶるぅ 「んとんと…。寝ちゃったみたい…」
つまんないよう! とシロエ君をつつくお子様。
ブルー 「どれどれ? なるほど、これは…」
マツカ 「爆睡ですか?」
ブルー 「立派な狸寝入りだね!」
一同 「「「狸寝入り?」」」
なんでまた、と誰もがポカーンですけど。
狸寝入りって…?
2021/01/12 (Tue)
☆眠らせておこう
元日からキース君が食らった災難の次は、シロエ君が災難。
バッドトリップを期待されまして、お酒も揃いましたけど。
ぶるぅ 「えとえと…。狸寝入りって、なあに?」
ブルー 「死んだふりとも言うかもねえ…」
スウェナ「早い話が、寝たふりで逃げているわけよ!」
マツカ 「くすぐったら起きると思いますけどね」
痛い目に遭わせても無駄でしょうけど、と御曹司。
マツカ 「どうします?」
スウェナ「サラッと怖いことを言うわね、マツカ」
ブルー 「そりゃ、マツカだから…」
誰かさんも恐れる最終兵器、と生徒会長、断言。
ブルー 「でもねえ、ここは起こさない方が…」
一同 「「「え?」」」
ブルー 「一人分、取り分が増えるんだよ!」
一同 「「「イイネ!」」」
見世物よりも御馳走だ、と誰もが納得。
マツカ 「それじゃ、美味しく頂きましょうか」
スウェナ「シロエは放置でいいのかしら?」
ブルー 「後でキースが始末すると思うよ」
今は飲もう、と生徒会長。そして賑やかに飲み食いで…。
キース 「戻ったぞ。シロエは踊ったのか?」
ジョミー「なんか死んでるみたいだけど…」
マツカ 「その件ですけど、実はですね…」
こういうわけで、と御曹司、手短に解説。
マツカ 「始末はキースに任せるそうです」
キース 「心得た。ちょっとブチ込んでくる」
よいしょ、と肩に軽く担いで出て行った人。
ジョミー「座敷牢でもあるのかな?」
サム 「知らねえけど…」
どうなるのかな、と僧籍な人たちも宴会の席に。
ジョミー「出遅れちゃったけど、なんか凄いね」
マツカ 「追加も遠慮なく言って下さいね」
すぐに手配をしますから、と太っ腹。
サム 「おーし、飲むぞ! おっ、キース!」
マツカ 「お帰りなさい。シロエはどうなったんです?」
キース 「本堂の柱に縛って、暖房をオフにして来た!」
一同 「「「うわー…」」」
外は雪だし酷寒地獄だ、と一同、ガクブル。
本堂ですか…。
2021/01/13 (Wed)
☆楽しくお正月
元日からキース君を見舞った災難、お次はシロエ君が災難。
狸寝入りで切り抜ける筈が、本堂の柱に縛られ暖房もオフ。
ジョミー「それってさあ…。凍死しないかな?」
キース 「もっと寒い所で修行している坊主は多いぞ」
ブルー 「なんと言っても、屋内だしね」
放置でオッケー、と生徒会長が立てる親指。
ブルー 「とはいえ、多分、今頃はさ…」
キース 「後悔MAXといった所か」
踊った方がマシだったろうな、とキース君も宴会の座に。
キース 「まあ、俺たちは楽しくやろう」
ジョミー「だよねえ、マツカの差し入れも凄いし」
ブルー 「その件だけど、君たち、未成年だよね?」
一同 「「「あっ…」」」
飲んでしまった、と顔を見合わせる御一同様。
ジョミー「も、もしかして、バッドトリップ…?」
キース 「今の時点で正気だったら、大丈夫そうだが…」
イライザ「お邪魔します…、って、あらっ、皆さん…」
いつの間にかお酒が沢山、とイライザさん、仰天。
マツカ 「す、すみません、ぼくが差し入れを…」
キース 「ウッカリ飲んでしまったらしい」
ブルー 「悪いけど、薬湯をお願い出来るかな?」
悪酔い防止に、と生徒会長。
イライザ「え、ええ、すぐにお持ちしますわ」
ブルー 「それと、本堂の柱にさ…」
シロエを縛ったから、そっちは放置で、と怖い台詞が。
イライザ「あらあら…。主人にも伝えておきますわね」
キース 「暖房もオフのままだぞ、おふくろ」
でないと罰にならないしな、とキース君が追い打ちで…。
イライザ「お待たせしました、薬湯ですわ」
一同 「「「ありがとうございまーす!」」」
イライザ「ごゆっくり、お楽しみ下さいね」
お正月ですもの、と料理も運んでくれまして。
キース 「いい正月になったな、今年は」
ジョミー「ホントにね!」
ぶるぅ 「シロエ、本堂で泣いてるよ?」
一同 「「「スルー!」」」
自業自得というヤツだ、と盛り上がる宴。
いいお正月ですね!
2021/01/14 (Thu)
☆お正月が済んだら
元老寺でのお正月は楽しく宴会、シロエ君だけ悲惨な結末。
それから日は経ち、シャングリラ学園のお正月行事も終了。
ジョミー「なんだかんだで、まだお正月って気分だよね」
ブルー 「そりゃまあ、昨日が小正月でさ…」
ぶるぅ 「今日は土曜で、お休みだも~ん!」
ゆっくりしてね、というわけで生徒会長宅に集う面々。
ぶるぅ 「んとんと、小豆粥は昨日だったし…」
ブルー 「今日は特別な行事も無いから、食事は普通だね」
キース 「此処の普通は、世間では御馳走だと思うがな」
サム 「だよなあ、ぶるぅの腕もいいしよ」
料理も菓子も美味いんだよな、とサム君、絶賛。
サム 「おーし、今日もドッサリ食うぜ!」
??? 「是非、お相伴に与りたいね!」
新年おめでとう、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。
Aブルー「みんな、今年もどうぞよろしく!」
一同 「「「うーん…」」」
Aブルー「失礼だねえ、ちゃんと挨拶したのに!」
一同 「「「おめでとうございます…」」」
ちっともおめでたくないような、と一同、渋々、挨拶。
Aブルー「ぶるぅ、ぼくにも紅茶とケーキ!」
ぶるぅ 「オッケー!」
お客様だぁ! と喜ぶ無邪気なお子様。
ぶるぅ 「はい、どうぞ! 今年もよろしくねーっ!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
それに比べて…、と赤い瞳がジロジロと。
Aブルー「君たちときたら…。まあ、いいけどね」
キース 「あんたの日頃の行いのせいだ!」
Aブルー「そうかな、今年も無事に煩悩ゲットだよ?」
除夜の鐘で流れたヤツを、ハーレイと、と弾ける笑顔。
Aブルー「お蔭でビンビンのガンガンでさ!」
ブルー 「その先、禁止!」
これだから君は…、と生徒会長、苦い顔付き。
ブルー 「少しくらいは反省したまえ、言動を!」
Aブルー「そうだね、本堂の柱は勘弁願いたいかな」
一同 「「「本堂?」」」
もしかしてアレか、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ君の…?
2021/01/15 (Fri)
☆リスクを覚悟で
クリスマスに来るのが決まってしまった、ソルジャーたち。
生牡蠣を注文してお帰りになり、ガチャという話ですけど。
シロエ 「会長も、ぶるぅも、どれか分からないんですし」
キース 「まったくだ。それでこそ、ガチャだ」
ジョミー「あたったら爆死だし、ガチャの逆だけどね」
ガチャは当たってなんぼだしさ、とジョミー君の苦笑。
ジョミー「当たらなかった時が爆死で、課金がパアだし」
サム 「だよなあ…。けどよ、今度のクリスマスはよ…」
スウェナ「あの人があたれば、バッチリ爆死よ!」
そのためだったらリスクも覚悟の上よ、とスウェナちゃん。
スウェナ「私があたって入院したって、誰も恨まないわ」
キース 「俺もだ、親父は怒りそうだがな」
シロエ 「暮れは人手が要りますからねえ、分かります」
ジョミー「でも、大掃除からは逃れられるよ」
そういう意味では楽な年末、とジョミー君が立てる親指。
ジョミー「別の意味で身体にキツイけどさあ、掃除より…」
キース 「ベッドでスマホの方が楽だな」
シロエ 「でも、せっかくのガチャですしねえ…」
サム 「あいつにあたって欲しいよな、うん」
当たりますように…、とサム君、合掌。
サム 「キース、お前も祈っとけよ」
キース 「御本尊様に叱られそうだが…」
ブルー 「それ以前に、相手はブルーなんだよ?」
よく考えてみるように、と生徒会長。
ブルー 「SD体制で苦労どころか、何処の出身だっけ?」
一同 「「「え?」」」
ブルー 「逃げ出す前だよ、改造前のシャングリラで」
一同 「「「あっ…」」」
そういえば…、と誰もが見合わせる顔。
シロエ 「研究所で人体実験でしたっけ…」
キース 「牡蠣にあたるどころの騒ぎじゃないな…」
ブルー 「文字通り、死ぬ目に遭っている筈だけどね?」
ジョミー「じゃあ、牡蠣なんかは…」
ブルー 「あたるくらいのが、美味しいのかも…」
フグだって通はそうだから、と言ってますけど。
マジですか…?
2020/12/16 (Wed)
☆有り得ない爆死
今年もクリスマスはソルジャーたちと一緒、決定ですけど。
ソルジャーが注文して帰った生牡蠣、それに期待なのに…。
ジョミー「あたるくらいが美味しいって…。フグが?」
ブルー 「うん。通は、しびれるのが好みらしいよ」
シロエ 「しびれって…。死んでしまうじゃないですか!」
ブルー 「だから、軽めに! 死なない程度に」
唇とかがビリビリとね…、と生徒会長、怖い台詞を。
ブルー 「フグでそれだから、ブルーの場合も…」
キース 「生牡蠣は、あたるくらいが美味いのか!?」
ブルー 「どうだろう? 吐き気や下痢だし…」
シロエ 「違うと思いたいですが!」
喜ばせたくはないんですよ、とシロエ君の悲鳴。
シロエ 「そんな、あたって美味しいだなんて!」
サム 「でも、あいつなら、ありそうだぜ…」
スウェナ「それより、耐性があるんじゃないかしら?」
大抵の毒は効かなかったような…、とスウェナちゃん。
スウェナ「人体実験で試されすぎて、薬物だって…」
キース 「そうだった…。そうなると、牡蠣も…」
ブルー 「平気かもねえ、毒としては基本の内だしさ」
一同 「「「うわー…」」」
もしかして墓穴を掘っただろうか、と誰もがガクブル。
シロエ 「ガチャで爆死は、絶対しないわけですね?」
ブルー 「そう思った方がいいだろうねえ…」
キース 「あっちのぶるぅも、あたらんだろうな…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅの胃袋、凄いからね!」
食あたりなんかしないもん! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「でもでも、牡蠣は直接買いに行くから…」
ブルー 「あたる確率は低いと思うよ?」
その辺で売ってるヤツよりはね、と生徒会長の慰め。
ブルー 「とはいえ、ゼロとは言えないのがねえ…」
キース 「キャプテンも恐らく、平気だろうな…」
ブルー 「あの人は普通なんじゃないかな?」
シロエ 「本当ですか? じゃあ…」
代わりにあたって頂きましょう、とニヤリ。
それもいいかも…。
2020/12/17 (Thu)
☆爆死はヤバい人
クリスマスはソルジャーたちとパーティー、お約束の展開。
ソルジャーが注文して帰った生牡蠣、爆死に期待の筈が…。
シロエ 「誰かさんの代わりに、キャプテンが爆死ですよ」
ジョミー「あの人にだって、やっぱり恨みはあるもんね…」
キース 「なんだかんだで、セットものだからな」
普段は姿を見せないんだが…、とキース君も苦い顔付き。
キース 「あの馬鹿が色々やらかす裏には、あの人がだ…」
シロエ 「いるのは間違いないですからねえ…」
サム 「例のキノコも、そのせいだしよ」
スウェナ「そうね、キャプテンがあたればいいのよ」
当分、静かになると思うわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「懲りてくれれば、足も遠のくかもしれないし…」
シロエ 「いいですね、それ!」
キース 「学習能力があれば、だがな」
ブルー 「それはいいけど、時期が問題なんだよねえ…」
分かってるかな、と生徒会長の問い。
ブルー 「あたるのは、キャプテンなんだけど?」
シロエ 「シャングリラなら、休暇モードでしょう?」
サム 「うんうん、SD体制の世界でもよ…」
キース 「クリスマス辺りから、平和な筈だが?」
ニューイヤーもパーティーなんだしな、とキース君。
キース 「俺より、よっぽど暇だと思うぞ」
ブルー 「そこなんだよ。暇だってことは、ブルーとは?」
一同 「「「え?」」」
ブルー 「ブルーと過ごせる時間はどうかな、って」
夫婦水入らずの時期の筈だよ、と生徒会長の指摘。
ブルー 「そんな時期にさ、牡蠣にあたって寝込んだら…」
一同 「「「うわー…」」」
とんでもないことになりそうな気が、と誰もが顔面蒼白。
シロエ 「か、会長…。ヤバくないですか、それ?」
ブルー 「思いっ切りヤバいと思うけれどね?」
ジョミー「誰が言い出したんだっけ、牡蠣…」
キース 「俺の記憶が確かなら、シロエだ」
サム 「シロエだよなあ?」
シロエだ、シロエだ、とシロエ君に視線が集中。
戦犯ですか…?
2020/12/18 (Fri)
☆避けたい生牡蠣
クリスマスはソルジャーたちとパーティー、問題は生牡蠣。
ソルジャーが注文したんですけど、あたった時が大変で…。
ジョミー「どうするのさ、キャプテンがあたったら…」
サム 「シロエが言わなきゃ、生牡蠣なんてよ…」
スウェナ「メニューに入らないわよねえ?」
シロエ 「そ、そうでしょうか…? でも、旬ですし…」
パーティーには似合いの食材ですよ、とシロエ君、必死。
シロエ 「ですから、ぼくが言わなくても…」
ぶるぅ 「んとね、生でなければ、出したかもだけど…」
キース 「生牡蠣ってヤツは出さないんだな?」
ぶるぅ 「そだよ、キースが忙しくなる時期だから…」
あたるリスクは避けたいもんね、と流石な気配り。
ぶるぅ 「あたっちゃったら、除夜の鐘の準備とかが…」
サム 「うんうん、マジで滞るもんな」
キース 「聞いたか、シロエ? お前が戦犯ということだ」
シロエ 「せ、戦犯ですか…?」
まだ、キャプテンはあたってません、とシロエ君、真っ青。
シロエ 「なのに、戦犯は酷いです!」
キース 「だが、責任の所在はだな…」
ジョミー「ハッキリさせておきたいよねえ?」
誰かさんが怒鳴り込んで来た時に備えて、とジョミー君。
ジョミー「シロエを突き出せば、丸く収まるってことで」
キース 「どうされるのかは知らんがな」
サム 「拉致なんでねえの? 看護要員で」
スウェナ「ありそうだわねえ…」
あの人がやる筈がないし、とスウェナちゃんの苦笑。
スウェナ「洗面器を抱えて走るわけよね」
キース 「掃除と洗濯もやらされそうだな」
ブルー 「だろうね、頑張って働いてくれたまえ」
それが嫌なら頭を使え、と生徒会長の突き放し。
ブルー 「生牡蠣を却下して、別メニューとかね」
ぶるぅ 「そだね、前の日までなら、替えられるから」
シロエ 「ぼくがメニューを考えるんですか?」
ブルー 「無理なら、生牡蠣で決定だよ」
午前0時ギリギリまで待とう、という提案。
どうなるやら…。
2020/12/19 (Sat)
☆止めて駄目なら
やって来ました、クリスマスイブ。生徒会長宅に集う面々。
ソルジャーたちの登場待ちで、注目を浴びているシロエ君。
サム 「おい、どうすんだよ、生牡蠣の件」
ぶるぅ 「シロエ、なんにも言って来なかったし…」
ブルー 「仕入れるしかないよね、ぶるぅとしてもさ」
ぶるぅ 「そうなの! 大丈夫だとは思うけど…」
あたるリスクはゼロじゃないもん、と心配そうなお子様。
ぶるぅ 「シロエ、ホントにこれで良かったの?」
シロエ 「ぼくも色々、考えました!」
キース 「でもって、腹を括ったんだな?」
シロエ 「はい! キャプテンを止めるのが一番ですが…」
駄目だった時は、生贄ですよ、とシロエ君が立てる親指。
キース 「いい覚悟だ。頑張って看病して来い」
シロエ 「いえ、行くのは、ぼくじゃありませんから」
一同 「「「は?」」」
シロエ 「喜んで志願しそうな人材を思い付きました!」
任せておけば安心です、とシロエ君、ニッコリ。
ジョミー「そんな人って、誰かいたっけ?」
キース 「いや、知らないが…」
シロエ 「皆さんも、聞けば納得ですよ。あ、そろそろ…」
??? 「こんにちはーっ!」
来たよ、とソルジャー御一行様(会話表記はAつき)登場。
Aブルー「さあ、賑やかにパーティーしよう!」
A船長 「皆さん、よろしくお願いします」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ いっぱい食べるんだもんね!」
ぶるぅ 「いらっしゃい! 御馳走の用意、するからね!」
たちまちズラリと並んだ御馳走、生牡蠣もドッサリ。
Aブルー「ありがとう、生牡蠣も用意してくれたんだ?」
A船長 「地球ならではの海の幸ですね」
美味しそうです、とキャプテン、生唾ですけど。
シロエ 「あの…。召し上がらない方がいいと思います」
A船長 「は? 私が、ですか?」
シロエ 「ええ。生牡蠣は、たまに、あたりますから…」
Aブルー「そうだったねえ!」
新鮮でもあたるらしいよね、と知っていた人。
承知の上…?
2020/12/20 (Sun)
☆食べまくる人たち
ソルジャーたちを迎えてパーティーな、クリスマスイブ。
生牡蠣もドッサリありますけれど、リスクを承知だった人。
Aブルー「ぼくはあたっても平気なんだけど、普通はね…」
A船長 「大変だそうですね、あたったことはないですが」
シロエ 「ご存じなら、召し上がらないで下さい!」
Aブルー「何を言うのさ、ケチケチしない!」
こんなチャンスはそうそう無いよ、とソルジャー、即答。
Aブルー「年に一度の、ハーレイが寝込んでも大丈夫な…」
A船長 「クリスマスとニューイヤーの時期ですからね」
生牡蠣、食べ放題ですよ、とキャプテン、早速、口に。
A船長 「美味しいです! この生牡蠣は最高ですね」
Aブルー「どれどれ? ホントだ、これはいいねえ!」
ぶるぅ 「朝一番に仕入れて来たの! 天然ものだよ!」
A船長 「地球の海から直送ですか、もうこれだけで…」
来た甲斐があったというものです、と御機嫌なキャプテン。
A船長 「これは幾つでも食べられますよ」
Aぶるぅ「ぼくも、ぼくもーっ!」
サム 「すげえ食いっぷり…」
キース 「殻を撒き散らしながら、ペロリだな…」
大食漢の胃袋に消えても、どんどん追加される生牡蠣。
A船長 「他の御馳走も素晴らしいですが…」
Aブルー「生牡蠣の食べ放題っていうのがいいねえ!」
キース 「やはり止められなかったか…」
Aブルー「何か問題があるのかい?」
あたる件なら承知してるよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「あたっちゃっても、御愛嬌ってね!」
シロエ 「で、ですが…」
Aブルー「なにさ、ハッキリ言いたまえ」
シロエ 「そ、そのぅ…。お困りになるのでは…」
せっかくの長期休暇がパアで、とシロエ君、俯き加減。
シロエ 「キャプテンが寝込んでしまわれると…」
Aブルー「シャングリラなら、大丈夫!」
シロエ 「いえ、そうじゃなくてですね…」
Aブルー「誰が困るんだい?」
もっとハッキリ、と言ってますけど。
生牡蠣、食べまくり…。
2020/12/21 (Mon)
☆寝込むと困る理由
クリスマスイブは、ソルジャーたちを迎えてパーティー。
ソルジャーがリクエストした生牡蠣、大好評ですけれど…。
Aブルー「ぼくのハーレイが寝込むと、誰が困るって?」
シロエ 「ズバリ言うなら、あなたですけど」
Aブルー「ぼくだって!?」
なんで、とソルジャー、不思議そうな顔。
Aブルー「ハーレイが牡蠣にあたっても、船の仲間には…」
A船長 「私がきちんと言い訳しますし、ブルーには…」
何の迷惑もかかりませんよ、とキャプテンも。
A船長 「それより、せっかくの牡蠣を楽しみませんと」
Aブルー「そうだよねえ!」
シロエ 「で、でも…。夜にお困りになりませんか?」
Aブルー「夜? そりゃまあ、夜中に何回もさ…」
トイレは大変だろうけど、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「だけど、ハーレイは頑丈だしね!」
A船長 「悪いのは耳だけですからね」
シロエ 「いえ、そのぅ…。夜のお楽しみの件なんです…」
ぼくは詳しくないんですけど、と声が小さくなるシロエ君。
シロエ 「いつも法要をなさってらっしゃる、アレですよ」
Aブルー「あっ…!」
A船長 「ど、どうしましょう、ブルー…」
もう手遅れだと思いますが、とキャプテン、顔面蒼白。
A船長 「すみません、寝込んでしまった場合は…」
Aブルー「分かってるってば、お預けだ、ってね」
仕方ないけど、とソルジャー、超特大の溜息を。
Aブルー「注文したのは、ぼくなんだしさ…」
シロエ 「じゃあ、いいんですか?」
Aブルー「ちっとも良くない!」
生牡蠣を勧めたのは誰だったっけ、と赤い瞳に物騒な光。
Aブルー「美味しいからねえ、夜の生活に関してはさ…」
A船長 「許して頂けるのですね?」
Aブルー「もちろん、君は許すってば。でもねえ…」
A船長 「言い出した人を処分なさるのでしょうか?」
Aブルー「当然だよね!」
一同 (((や、やっぱり…)))
死亡フラグだ、と皆の視線がシロエ君に。
逃げられますか…?
2020/12/22 (Tue)
☆拉致監禁より看病
ソルジャーたちを迎えてのクリスマス、生牡蠣が大好評。
けれど生牡蠣はあたるわけでして、それが問題になった今。
Aブルー「言い出しっぺは、処分するしかないだろう?」
A船長 「ですが、世界が違いますから…」
Aブルー「問題無いよ、今は冬休みの最中だからね」
拉致監禁しても問題無し! とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「そして、生牡蠣の言い出しっぺは…」
キース 「断っておくが、俺ではないぞ」
ジョミー「ぼくも違うよ!」
サム 「俺も誓って潔白だぜ」
違うと主張しまくる面々、視線は揃ってシロエ君の上に。
Aブルー「シロエだったと思ってたけど、シロエかな?」
シロエ 「はい、そうです!」
逃げも隠れもしませんから、と天晴な名乗り。
シロエ 「拉致監禁はかまいませんけど、それよりも…」
Aブルー「拷問の方がお好みなのかな?」
A船長 「人体実験かもしれませんよ」
好奇心旺盛な方ですからね、とキャプテン、怖すぎる台詞。
A船長 「機械弄りに役立てたいとか、有り得ますから」
Aブルー「なるほどねえ…。じゃあ、腕によりをかけて!」
シロエ 「いえ、看病をさせて頂きたいと…」
お世話が大変でしょうから、とシロエ君の提案。
シロエ 「全快なさるまで、つきっきりで頑張りますよ」
Aブルー「聞いたかい? なんとも頼もしいねえ!」
A船長 「ええ、安心して食べられますね」
生牡蠣を、とキャプテン、再び頬張る生牡蠣。
A船長 「万一の時は、よろしくお願いします」
シロエ 「任せて下さい、体格はいいし、頑丈ですし」
Aブルー「君がかい?」
シロエ 「そう見えますか?」
こんなに細い腕なんですが、とシロエ君が差し出す腕。
シロエ 「体格だって、腕に見合っています」
Aブルー「えっと…? サムに代理を頼むだとか…?」
シロエ 「違いますってば、ズバリ、教頭先生です!」
一同 「「「ええっ!?」」」
そう来たか、と誰もがビックリ仰天。
教頭先生ですって…?
2020/12/23 (Wed)
☆派遣向きな人材
クリスマスはソルジャーたちとパーティー、生牡蠣が好評。
けれどリスクが高いわけでして、あたった場合が問題で…。
キース 「おい、教頭先生を派遣する気か!?」
シロエ 「そうですけど?」
喜んで行って下さるでしょう、とシロエ君、ニコニコ。
シロエ 「看病の間は、ずっと青の間で暮らせますしね」
ジョミー「あー…。顔だけはブルーにそっくりだもんね」
サム 「二十四時間一緒なだけで、嬉しいってか?」
たとえキャプテンの看病でもよ、とサム君たちも納得。
サム 「教頭先生、ブルーにぞっこんだしなあ…」
ブルー 「実に迷惑な話だけどね!」
Aブルー「じゃあ、借りてっていいのかな?」
シロエ 「どうぞどうぞ、ご遠慮なく」
ぼくの代わりに、こき使って下さい、と悪魔の微笑み。
シロエ 「本当に頑丈ですからね」
Aブルー「うん、知ってる。オモチャにもいいねえ…」
A船長 「あの方は鼻血体質でらっしゃいますが?」
Aブルー「だからこそだよ、看病の合間に色々とね!」
ぼくの着替えも披露しなくちゃ、と楽しそうな人。
Aブルー「もちろん、お風呂も一緒に入って…」
A船長 「そ、それは私が困るのですが!」
Aブルー「浮気じゃないよ、背中を流して貰うだけ!」
A船長 「なら、いいですが…」
浮気をされては浮かばれません、とキャプテン、悪い顔色。
A船長 「私がお相手出来ないのは仕方ないですが…」
Aブルー「分かってるってば、君は苦しんでるんだし…」
その側で浮気なんかはしないよ、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「だから安心して、生牡蠣を存分にね!」
A船長 「はい、ありがとうございます!」
頂きます、とキャプテンが美味しそうに頬張る生牡蠣。
A船長 「万が一があっても、これで心配要りませんしね」
Aブルー「シロエのアイデアに感謝だよ、うん」
シロエ 「いいチョイスでしょう?」
Aブルー「最高だよ!」
いっそあたって欲しいくらい、と弾ける笑顔。
爆死希望…?
2020/12/24 (Thu)
☆あたらない牡蠣
ソルジャーたちとクリスマスパーティー、大好評な生牡蠣。
あたった場合が大変ですけど、シロエ君が素晴らしい案を。
Aブルー「ハーレイがあたった時には、ハーレイが二人!」
A船長 「そうなりますねえ、寝込んだ私と、こちらの…」
Aブルー「ヘタレなハーレイが揃うわけだよ!」
なんとも素敵な光景だよね、とソルジャー、ウットリ。
Aブルー「君の看病に励むハーレイも、なかなかに…」
シロエ 「いいものでしょう?」
Aブルー「うん、君が来るより、よっぽどいいよ!」
是非とも見てみたいんだけど…、とウキウキと。
Aブルー「でもねえ、あたってくれるかどうかは…」
ブルー 「ハッキリ言うけど、確率は低いよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 凄く綺麗な海の牡蠣だし!」
夏の生牡蠣で有名なトコだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「岩牡蠣って言うの、夏でもあたらないの!」
ブルー 「そうなんだよねえ、岩牡蠣は養殖なんだけど」
Aブルー「ちょっと待ってよ、牡蠣って、夏はさ…」
生で食べないモノなんじゃあ…、とソルジャーの問い。
Aブルー「何処かで聞いたよ、夏はダメだと!」
ブルー 「そうだよ、世間一般にはさ…」
ぶるぅ 「Rのつく月しか、食べちゃダメなの!」
Aブルー「やっぱりねえ…。それなのに、夏も生だって?」
つまり、生でもあたらないんだね、とソルジャー、念押し。
Aブルー「普通はあたる夏でも、あたらないんなら…」
ブルー 「旬の季節だと、尚更だよね」
Aブルー「…あたらないわけ?」
ぶるぅ 「えっとね、運かな?」
運の問題かな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が傾げる首。
ぶるぅ 「確率はゼロじゃないと思うの、牡蠣だから」
ブルー 「貝の性質上、ゼロではないね。それに生だし…」
Aブルー「ぼくとしては、あたって欲しいんだけど!」
A船長 「なんですって!?」
Aブルー「君が二人に増えるんだからね!」
夢のようじゃないか、と赤い瞳がキラキラと。
爆死しろと…?
2020/12/25 (Fri)
☆あたって欲しい人
クリスマスパーティーの御馳走に生牡蠣、大好評ですけど。
あたった場合が悲惨なブツで、キャプテンが心配なのに…。
Aブルー「ハーレイ、もっと食べたまえ! 生牡蠣を!」
A船長 「美味しいから…ではなさそうですね?」
Aブルー「君があたれば、素敵な年末になりそうだしね!」
青の間に君が二人なんだよ、とソルジャー、ウットリ。
Aブルー「見ているだけで、きっと心が潤うってば!」
A船長 「私が苦しんでいても…ですか?」
Aブルー「君の苦痛は、美味しい生牡蠣でチャラ!」
美味しく食べた結果だしね、とニコニコニコ。
Aブルー「どんどん食べて、確率アップ!」
A船長 「はあ…。まあ、美味しいのは確かですしね」
この際、大いに味わいます、とキャプテンが頬張る生牡蠣。
A船長 「おっと、そちらのターキーも頂けますか?」
ぶるぅ 「キャビアもあるし、他のも好きなだけどうぞ!」
A船長 「ありがとうございます!」
Aブルー「ほら、他のみんなも食べて、食べて!」
クリスマスだしね、とソルジャーが突き上げる拳。
Aブルー「今夜は寝落ちするまで騒いで、明日はさ…」
Aぶるぅ「サンタさんだーっ!」
ぶるぅ 「楽しみーっ!」
Aブルー「ぼくも楽しみだよ、牡蠣の結果が!」
いつ頃、結果が出るんだろう、と首を傾げる人。
Aブルー「明日の朝には出てるかな?」
ブルー 「そうだね、多分…」
Aブルー「あたりますように!」
ハーレイがあたってくれますように、とソルジャー、合掌。
Aブルー「キースも祈ってくれるよね?」
キース 「はあ?」
Aブルー「確率アップの祈願だってば!」
キース 「そう来たか…」
まあいいが、と副住職が唱えるお念仏。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
Aブルー「いいねえ、あたりそうな感じで!」
シロエ 「クリスマスにお念仏ですか…」
Aブルー「細かいことは気にしない!」
要はあたればいいんだからさ、と弾ける笑顔。
どうなるんでしょう…?
2020/12/26 (Sat)
☆お念仏もいけます
あたると怖い生牡蠣ですけど、あたるのを期待している人。
ソルジャーがキャプテンに勧めまくって、それは賑やかで。
Aブルー「キース、もっと心をこめて、お念仏をね!」
ジョミー「鐘と木魚もいいんじゃないかな、お念仏だし」
スウェナ「でも、クリスマスよ?」
キース 「いや、いける。ちゃんと前例があるからな」
任せておけ、と副住職の太鼓判。
キース 「ぶるぅ、鐘と木魚を頼む」
ぶるぅ 「オッケー!」
たちまち用意で、副住職が鐘と木魚で朗々と。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏♪」
ぶるぅ 「わぁっ、ジングルベルだあ!」
Aブルー「へええ…。南無阿弥陀仏で歌えるんだね」
キース 「布教師をやっている大先輩に教わったんだ」
クリスマスでもお念仏だ、とジングルベルのメロディーで。
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏~♪」
Aブルー「いいねえ、ハーレイがあたりますように!」
みんなも歌って、とソルジャーの音頭。
Aブルー「ほら、生牡蠣にあたるようにね、お念仏!」
一同 「「「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏~♪」」」
ジングルベルだけに抵抗ゼロで、歌って騒いで、お念仏。
一同 「「「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏~♪」」」
ぶるぅ 「あのね…。サンタさん来るから、寝てもいい?」
ブルー 「うん、ぶるぅも一緒に寝ておいで」
ぶるぅズ「「はーい!」」
おやすみなさぁーい! とお子様が去っても、パーティー。
Aブルー「どんどん食べて、寝落ちするまで!」
キース 「当然だ! 食べて飲まずにやってられるか!」
ジョミー「ジングルベルで南無阿弥陀仏だもんね…」
凄いクリスマス、と笑い合う間に、一人、二人と寝落ちで。
ぶるぅ 「おはよーっ! サンタさん、来てくれたよー!」
Aぶるぅ「見て見て、アヒルちゃんのお風呂グッズ!」
Aブルー「あれっ、寝ちゃってた…。ハーレイは?」
シロエ 「寝てますよ」
凄いイビキで、とシロエ君が指差すキャプテン。
体調は…?
2020/12/27 (Sun)
☆爆死したガチャ
ジングルベルのメロディーでお念仏、凄かったクリスマス。
一夜が明けてクリスマス当日、サンタは無事に来ましたが。
Aブルー「気持ち良さそうだけど、あたったのかな?」
ブルー 「あたっていたら、爆睡なんかは出来ないかと…」
Aブルー「お酒が睡眠薬ってことは?」
ブルー 「うーん…。まるで無いとは言えないかもね」
それなら吐き気は感じないかも、と生徒会長。
ブルー 「でもねえ、お腹を壊す方はさ…」
キース 「腹が鳴るとか、それっぽいのがあると思うぞ」
Aブルー「ええっ? それじゃあ…」
A船長 「うーん…。あっ、皆さん、おはようございます」
いい朝ですね、とキャプテン、爽やかにお目覚め。
A船長 「あの…。何か?」
Aブルー「ハーレイ、身体は?」
A船長 「ああ、牡蠣ですか…。申し訳ないですが…」
この通り、ピンピンしておりますし、と詫びるキャプテン。
A船長 「看病の必要は無さそうですね」
Aブルー「酷いよ、ハーレイが二人になる筈だったのに!」
キース 「気の毒だったな、見事に爆死だ」
シロエ 「ガチャに爆死はつきものですしね」
仕方ないですよ、とシロエ君、クスクスと。
シロエ 「皆さん、元気で、いい新年を迎えて下さい」
A船長 「ありがとうございます。皆さんの方も」
Aブルー「和やかに挨拶なんかいいから!」
もっと生牡蠣、とソルジャー、泣きそうな顔。
Aブルー「ぶるぅ、仕入れて来てくれる?」
ぶるぅ 「いいけど、今日は帰るんでしょ?」
シロエ 「お帰りになった後までは、ですね…」
ブルー 「面倒見られないからね!」
自己責任でやってくれたまえ、と生徒会長の突き放し。
ブルー 「君が看病して、年末年始を潰すんだね」
Aブルー「ちょ、そんなのは困るって!」
ブルー 「じゃあ、諦めるしかないってば」
Aブルー「せっかくのチャンスだったのにーっ!」
シロエ 「それを爆死と言うんですよ」
ガチャはそういうものですから、と宣告が。
爆死エンド…。
2020/12/28 (Mon)
☆大晦日は元老寺
生牡蠣でガチャだったクリスマスも終わり、今日は大晦日。
今年も元老寺で除夜の鐘でして、路線バスで到着した面々。
シロエ 「寒いですねえ、バスの中は暖かかったのに…」
サム 「しょうがねえだろ、予報は雪だぜ」
マツカ 「車を出せば良かったですね」
スウェナ「それよ、どうして思い付かなかったのかしら…」
VIP待遇な人もいるのに、とスウェナちゃんの溜息。
シロエ 「会長ですよね、あっ、あのタクシー!」
サム 「黒塗りだしよ、間違いねえな」
寒風の中、山門を目指して歩く途中に、追い越すタクシー。
ぶるぅ 「かみお~ん♪」
ブルー 「こんにちはーっ!」
ちゃんと来たね、と窓から手を振る、いわゆるVIP。
シロエ 「悔しいです…」
サム 「あっちは銀青様だもんなあ…」
山門前に横付けなタクシー、降り立った生徒会長の笑顔。
ブルー 「ほら、早く! 中に入れば暖かいからね」
シロエ 「言われなくても、分かってます!」
キース 「山門の前で怒鳴るな、シロエ」
みっともないから、早く庫裏へ、と法衣の副住職が登場。
ジョミー「庫裏は暖房、効いてるよね?」
キース 「もちろんだ。銀青様に失礼があってはいかん」
どうぞお入りを、と庫裏に案内されまして。
キース 「俺は準備で忙しいから、何も出来んが…」
ブルー 「いいって、ぶるぅがいるからね」
ぶるぅ 「コーヒーも紅茶も、ココアも淹れるよ!」
お菓子もあるし、と早速、テキパキ働くお子様。
ぶるぅ 「はい、熱いから気を付けてね!」
ジョミー「ありがとう!」
シロエ 「もう大晦日なんですねえ…」
誰かさんのガチャが爆死で良かったですよ、とシロエ君。
シロエ 「もし、キャプテンが牡蠣にあたっていたら…」
サム 「教頭先生、年末年始は拉致されてたよな」
ブルー 「でもって、ブルーが毎日、自慢しに来てたよ」
一同 「「「うわー…」」」
嫌すぎるコースだ、と誰もがガクブル。
そんな年末年始は勘弁…。
2020/12/29 (Tue)
☆ヘマが多かった人
今年も大晦日は元老寺で除夜の鐘、庫裏に集っている面々。
夜になるまで待機ですけど、キース君だけは多忙な時間。
ジョミー「教頭先生の拉致だけで、終わらなかったんだ?」
ブルー 「だって、相手はブルーだよ?」
シロエ 「そこまでは考えていませんでした…」
生牡蠣ガチャが爆死で、本当に良かったです、とシロエ君。
シロエ 「危うく、ぼくも年越しで吊るし上げですよ」
サム 「当然だぜ。来年はヘマをするんじゃねえぞ」
スウェナ「今年は何度か、やらかしたわよね」
シロエ 「言わないで下さい…」
戦犯はキース先輩の専売特許だったのに、と反省モード。
シロエ 「キース先輩の祟りでしょうか?」
マツカ 「まだ生きてると思いますけど…」
ジョミー「生霊かな?」
サム 「そこまで執念深くはねえだろ」
単にシロエが間抜けなだけだぜ、とサム君、キッパリ。
サム 「除夜の鐘で、きちんと祓っとけよな」
シロエ 「そうします!」
来年こそは心機一転、と誓うシロエ君、やがて日も暮れ…。
キース 「晩飯が済んだら、準備を頼むぞ」
ブルー 「分かってるってば、ちゃんと着替えるよ」
ぶるぅ 「ぼくも、お供の小僧さんだもーん!」
除夜の鐘だあ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の弾ける笑顔。
ぶるぅ 「ブルーは偉いから、暖かいテントがあるもんね」
ジョミー「どうせ、ぼくたちはテント無しだよ…」
寒い所で行列なんだ、と愚痴る間に、生徒会長たちは出発。
シロエ 「会長、ホントにVIPですよね…」
ジョミー「緋色の衣はダテじゃないよね」
サム 「俺たちも、早く出世をしてえよな」
ジョミー「お断りだし!」
縁起でもない、と拒否る僧籍な人。
ジョミー「でも、除夜の鐘は撞いちゃうけどね」
シロエ 「ぼくも撞きますけど、お坊さんとは無関係です」
スウェナ「あらまあ、今年も凄い行列だわよ」
マツカ 「出遅れたみたいですね…」
おまけに雪まで、と御曹司が吐く白い息。
降り始めましたね…。
2020/12/30 (Wed)
☆除夜の鐘でお祓い
今年もいよいよ締め括りでして、除夜の鐘の列に並ぶ面々。
雪まで降って来たんですけど、行列している人がズラリと。
シロエ 「この様子だと、撞ける頃には年が明けてますね」
ジョミー「1時とかにならなきゃいいけどね…」
キース 「なんだ、こんなに後ろの方か。ご苦労だな」
サッサと並ばないからだ、とキース君が横目で見て通過。
ジョミー「なにさ、アレ!」
スウェナ「シーッ! おぜんざいにありつけなくなるわよ」
シロエ 「そうですよ。イライザさんに告げ口されたら…」
サム 「この寒いのに、お接待無しはキツすぎるぜ」
逆らうんじゃない、と皆が諭す中、銀青様がテントの外へ。
マツカ 「時間ですね」
シロエ 「雪だと、雰囲気ありますねえ…」
スウェナ「テレビ局の取材が無いのが残念だわね」
有名どころのお寺に行ってるから、とスウェナちゃん。
スウェナ「でも、元老寺だって人気なのよね」
サム 「ブルーが来るのもデカイよな」
シロエ 「超絶美形の高僧ですしね。あっ、撞きますよ」
ゴーン…、と緋色の衣の生徒会長が最初の鐘を。
ジョミー「うん、アレだけは憧れるかな…」
スウェナ「目立つからでしょ?」
ジョミー「そう! でも、お坊さんにはなりたくないし…」
サム 「来年こそは、って、ならねえのかよ?」
修行に行くなら付き合うぜ、とサム君が立てる親指。
サム 「今からでも、充分、間に合うからよ」
ジョミー「行かないってば!」
シロエ 「失言するヤツ、ジョミー先輩にお譲りしますよ」
ジョミー「それも要らない!」
除夜の鐘で祓っておかなくちゃ、とジョミー君。
ジョミー「来年はいい年にしたいんだから!」
サム 「俺もだぜ。お互い、いい年にしような」
シロエ 「来年は失言しませんように…」
スウェナ「巻き添えを食らいませんように…」
マツカ 「除夜の鐘で、しっかり祓っておきましょう」
そうすれば、来年は、いい年に、と誓う御一同様。
皆様も、どうぞ良いお年を~。
2020/12/31 (Thu)
☆年の瀬とゲスト
さて、師走。年の瀬な休日、生徒会長宅に集っている面々。
クリスマスには早いとあって、いつもの調子ですけれど…。
シロエ 「なんだかんだで、クリスマスですよね、じきに」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくと、ぶるぅの誕生日!」
ジョミー「そうなんだよねえ、ぶるぅに罪は無いけどさ…」
サム 「なんか余計なヤツが湧くよな…」
引っ込んでてくれればいいのによ、とサム君、ブツブツ。
サム 「あっちでもパーティー、ある筈なのによ…」
スウェナ「お正月は来ないから、仕方ないわよ」
シロエ 「確かに、そっちは平和ですよね」
キース 「ああ。除夜の鐘も初詣も、邪魔されないしな」
そこはいいんだが、クリスマスが…、とキース君も溜息。
キース 「俺もせっかく、祝えるようになったのに…」
ジョミー「キースの家って、クリスマスが無いんだよね?」
キース 「今どき、何処の寺でも常識なのにな…」
庫裏にツリーがあるというのは、と副住職の嘆き節。
キース 「だが、俺の家には、未だに無いんだ!」
ブルー 「それは仕方ないと思うけれどね?」
キース 「何故、そうなる?」
ブルー 「ズバリ、小さな子供じゃないから!」
とっくに大学も卒業済みだし、と生徒会長。
ブルー 「アドス和尚も、孫でも出来ない限りはねえ…」
シロエ 「方針を変える気は無いでしょうねえ…」
キース 「そんな日は、永遠に来ないんだが!」
ブルー 「なら、諦めるしかないだろう?」
切っ掛けが無ければ寺は変えられないよ、と銀青様の仰せ。
ブルー 「代替わりだとか、跡継ぎ誕生とかね」
サム 「だよなあ、おまけにアドス和尚だしよ…」
スウェナ「頑固さが半端ないものねえ…」
家でクリスマスは諦めなさいよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「どうせ毎年、此処でパーティーでしょ?」
キース 「だが、そのパーティーに余計なヤツらが…」
シロエ 「来るんですよね…」
今年も来ますよ、とシロエ、お手上げのポーズ。
年中行事…。
2020/12/01 (Tue)
☆仲間になったら
師走と言えばクリスマスですけど、余計な面子が来る行事。
ソルジャーたちが乱入でして、どうしようもない有様で…。
キース 「ヤツらを断ることが出来ればいいんだが…」
サム 「それは無理だぜ、必殺技を持ってやがるしよ」
シロエ 「SD体制を持ち出されたら、勝てませんよね」
ジョミー「その件だけは、嘘じゃないしね…」
ホントに怖い世界らしいし、とジョミー君、肩をブルッと。
ジョミー「サイオンを持っているのがバレたら、処分でさ」
キース 「あの馬鹿は、のうのうと生きてやがるんだがな」
スウェナ「だけど、真面目に救出しているのよねえ…」
シロエ 「信じられない話ですけど、そうなんですよね」
自分の仲間には親切なんですよ、とシロエ君の大きな溜息。
シロエ 「命懸けで助けて、船で面倒見るんですから」
ジョミー「じゃあ、ぼくたちも仲間に認定されたらさ…」
一同 「「「え?」」」
ジョミー「親切にして貰えないかな、今と違って!」
命懸けで助けなくていいから、親切に、とジョミー君。
ジョミー「せめて迷惑をかけずにいるとか、少しだけでも」
シロエ 「いいかもですけど、どうやるんです、ソレ?」
サム 「なんか条件が難しそうだぜ、それってよ…」
キース 「条件もだが、認定された所でだな…」
何のメリットがあると言うんだ、とキース君の苦い顔付き。
キース 「全く無いような気がするんだが?」
ジョミー「そうかな、仲間には親切なんだよ?」
キース 「救出する時だけじゃないのか、それは」
アフターサービスは皆無という気が…、と副住職。
一同 「「「アフターサービス?」」」
キース 「ああ。救助して船に乗せた後だな」
恐らく放置プレイなのでは…、とキース君が顎に当てる手。
シロエ 「放置ですって?」
キース 「考えてもみろ、青の間も掃除しないヤツだぞ」
ジョミー「そういえば…」
キース 「どう思う?」
親切にしてくれるだろうか、という疑問。
無理なのかも…?
2020/12/02 (Wed)
☆仲間でもドツボ
クリスマスにやって来る迷惑な面子が、ソルジャーたち。
ソルジャーの仲間に認定されれば、マシな説が出ましたが。
シロエ 「うーん…。放置なのかもしれませんねえ…」
サム 「お掃除部隊が突入するのが、青の間だっけな」
キース 「しかも見かねて突入なんだぞ、お掃除部隊は」
ジョミー「ゴミ屋敷だってことだよね…」
ちょっと汚れたどころじゃなくて、とジョミー君。
ジョミー「あっちのぶるぅも、ゴミの中から発見だっけ…」
キース 「卵の状態だったらしいが、サンタに貰って…」
スウェナ「ニューイヤーのパーティーの後まで、放置よね」
キース 「一週間どころの騒ぎじゃないぞ、放置期間が」
そんな輩に期待出来るか、とキース君の指摘。
キース 「仲間には親切どころか、迷惑をかける方だろう」
シロエ 「言われてみれば、そうかもですね…」
サム 「時間外労働もさせていねえか、自分の都合で」
一同 「「「あー…」」」
やってるんだった、と誰もがピンとくる時間外労働。
サム 「例のキノコの料理に保存に、他にもあるよな」
キース 「記憶を処理して、無かったことにしやがるんだ」
ジョミー「じゃあさ、ぼくたちも仲間に認定されたら…」
キース 「放置プレイで済んだらいいが、悪くするとだ…」
そのコースだぞ、とキース君が竦める肩。
キース 「時間外労働は、御免蒙りたいんだが!」
ジョミー「やっぱりアレかな、法要とかかな?」
キース 「いや、法要は知識が無いから、無理だろう」
どういう時にやればいいのか分からないしな、と副住職。
キース 「だが、それ以外なら、何をやらされても…」
シロエ 「不思議じゃない気がして来ましたね…」
仲間になったら負けっぽいです、とシロエ君、ブルブル。
シロエ 「今まで以上に、ドツボになるかもしれません」
ジョミー「いい考えだと思ったんだけどなあ…」
キース 「読みが甘かったな」
あの馬鹿なんだぞ、とキース君が顰める顔。
それは確かに…。
2020/12/03 (Thu)
☆下僕にされる船
クリスマスに毎年やって来るのが、迷惑なソルジャーたち。
仲間だと認定して貰えれば、マシになるかと思ったのに…。
キース 「あの馬鹿野郎は、可愛いのは自分だけだしな」
シロエ 「そうですね…。キャプテンも下僕扱いですしね」
ジョミー「全然、大事にしていないよねえ…」
キース 「分かったか? つまり、そういうことだ」
仲間になっても損しかしないぞ、とキース君の渋面。
キース 「むしろフリーな今の方がだ、遥かにマシかと」
サム 「迷惑だけどよ、その時だけって言うもんなあ…」
シロエ 「仲間になったら、年中無休になるんですよね」
あっちのシャングリラの皆さんみたいに…、とシロエ君。
シロエ 「時間外労働にも、駆り出されるわけですし」
スウェナ「それは勘弁願いたいわねえ…」
キース 「あいつに命を救われたが最後、そうなるようだ」
船で便利に使われるんだ、とキース君、深い溜息。
キース 「殆ど奴隷船のノリだな、あっちの船は」
ジョミー「そうかもね…。命があるのは有難くても…」
シロエ 「一生、下僕な人生ですしね」
キース 「それが嫌なら、船を降りろと言い出しそうだぞ」
あの馬鹿だけに…、とキース君が震わせる肩。
キース 「だから、あいつの仲間なんぞには…」
シロエ 「なったら負けってわけですね」
キース 「ああ、全力で逃げるしかない」
??? 「なに、なに? 何から逃げるんだって?」
楽しそうだね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
キース 「いや、何でもない!」
Aブルー「ふうん…? 全力で逃げるって言ってたけど?」
キース 「それより、あんた、何しに来たんだ!」
また会議でも抜けて来たのか、とキース君が逸らせる話。
Aブルー「ううん、美味しいおやつが欲しくなってね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 好きなだけどうぞ!」
キース 「馬鹿は放っとけ!」
Aブルー「いきなり、馬鹿って…」
どうも雰囲気が怪しいね、と赤い瞳がキラリ。
ヤバイかも…?
2020/12/04 (Fri)
☆サンタを断る人
クリスマスは必ず押し掛けて来る、別の世界のゲストたち。
ソルジャーの仲間になっても、更に迷惑が増えそうな感じ。
Aブルー「出て来た途端に、馬鹿と言われてもねえ…」
キース 「馬鹿と言って何が悪いんだ?」
Aブルー「ご挨拶だねえ、ただ馬鹿だけならいいけれど…」
放っとけ、というのが気になるよ、とソルジャーの言い分。
Aブルー「思うに、全力で逃げるしかないっていうのは…」
キース 「親父からだが?」
シロエ 「そうなんですよ、アドス和尚は頑固ですから」
Aブルー「えっと…?」
まるで話が見えないんだけど、とソルジャー、キョトン。
Aブルー「どうして、アドス和尚から逃げるんだい?」
キース 「親父はクリスマスに否定的だしな」
シロエ 「キース先輩が子供の頃から、ずっとなんです」
サム 「クリスマスツリーも無かったらしいぜ」
もちろん、サンタも来やしねえしよ、とサム君も。
サム 「断ってたんだよなあ、サンタが来るのを?」
キース 「ああ。山門の所に結界でな」
Aブルー「結界って…。アドス和尚に、そんなスキルが?」
陰陽師も兼ねていたのかい、とソルジャーの目がまん丸に。
Aブルー「式神なんかも使えるだとか?」
キース 「いや、結界が違うんだ。親父のはツールで…」
一種の柵を置くだけなんだ、と副住職。
キース 「しかし、その柵があるとだな…」
ブルー 「邪悪なものは入れないから、サンタもね」
Aブルー「サンタって、魔物だったのかい?」
キース 「親父にとっては、似たようなものというわけだ」
断固、断る、という姿勢が結界、と副住職の説明が。
キース 「今年も、そういう親父からだな…」
シロエ 「全力で逃げるって話なんです」
クリスマスを楽しみたいですしね、とシロエ君。
シロエ 「ですから、どうぞ、お気になさらず」
キース 「来合わせた時が悪かっただけだ」
Aブルー「でもねえ…」
馬鹿呼ばわりで、放っとけだし、とブツブツと。
マズイかも…。
2020/12/05 (Sat)
☆全力で逃げたい
毎年、クリスマスにやって来る、迷惑なソルジャーたち。
仲間になっても改善は無理で、下僕な末路になりそうで…。
Aブルー「本当にアドス和尚なのかな、逃げる相手は?」
キース 「それ以外の誰から逃げると言うんだ?」
Aブルー「例えば、ぼくとか!」
一同 「「「げっ!」」」
ヤバイ、と誰もがワタワタなわけで、思いっ切り馬脚。
Aブルー「なるほどねえ…。今ので正解だったんだ?」
シロエ 「違いますから!」
キース 「今の反応は、条件反射というヤツだ!」
いつも酷い目に遭っているしな、と副住職、必死の言い訳。
キース 「だから、つい…。シロエたちにしても同じだな」
シロエ 「日頃の行いを考えてみて下さいよ」
ジョミー「誰だって、ゲッとなると思うよ、さっきの展開」
Aブルー「うーん…。そこまで言われるわけ?」
だったら、来た時の反応も…、とソルジャーが傾げる首。
Aブルー「条件反射で、馬鹿は放っとけ、だったとか?」
キース 「それに近いな、親父の件で気が立っていたし…」
シロエ 「口が滑ったという感じですよ」
誰だって全力で逃げたいですしね、とシロエ君も口裏を。
シロエ 「アドス和尚からと同じで、逃げたくもなります」
Aブルー「大概な言われようだね、それって」
ブルー 「まあ、気にしないでくれたまえ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おやつも沢山あるから!」
好きなだけ食べてね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の笑顔。
ぶるぅ 「おやつを食べに来たんでしょ?」
Aブルー「そう! ぼくの船だと厳しくてねえ…」
キース 「適当に誤魔化しているだろうが!」
ついでに厨房から盗みもするし、とキース君。
キース 「そんな調子だから、あんたの仲間たちはだな…」
シロエ 「苦労が絶えないわけですよ」
ジョミー「仲間になんかなりたくないよね…」
サム 「全力で逃げるしかねえよな、マジで」
Aブルー「えっ?」
ちょっと、とソルジャー、赤い瞳をパチクリと。
聞かれましたね…?
2020/12/06 (Sun)
☆ボケとツッコミ
クリスマスに必ずやって来るのが、迷惑なソルジャーたち。
仲間に認定して貰っても、待っているのは下僕な末路で…。
Aブルー「全力で逃げるしかない、って言ったよね?」
サム 「あっ…! い、いや、今のは言葉のあやでよ…」
Aブルー「じゃあ、その前のジョミーのヤツは?」
仲間になりたくないってヤツ、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「キースは「あんたの仲間」って言ったし…」
キース 「そ、そうだったか…?」
Aブルー「そこでシロエが、苦労が絶えない、って…」
シロエ 「言いましたっけ?」
最近、物忘れが酷くなって…、とシロエ君が指差す頭。
シロエ 「三歩も歩くと忘れるんですよ、鶏並みです」
キース 「実は俺もだ、お互い、年だな」
ジョミー「外見の年は止まっていてもさ、脳味噌はさ…」
やっぱり年を取るのかもね、とジョミー君も相槌。
ジョミー「物忘れ外来、行ってみた方がいいのかな?」
シロエ 「そうですね…。早めに受診するべきかも…」
キース 「ノルディに相談してみるとするか」
Aブルー「あのねえ! 同じボケるなら…」
もっと気の利いたボケで頼むよ、とソルジャー、ギロリと。
Aブルー「いわゆるボケとツッコミの方で!」
シロエ 「ぼくのキャラとは違いますから!」
Aブルー「オッケー、速攻、突っ込んだよね」
頭の回転は速いじゃないか、と意地の悪い笑み。
Aブルー「君は少しもボケてはいないし、他の連中も…」
キース 「ご、誤解だ!」
Aブルー「ボケてるにしては、速いね、反応」
さあ、キリキリと吐いて貰おうか、と赤い瞳に物騒な光。
Aブルー「ぼくの仲間にはなりたくない、って、何さ?」
ジョミー「そ、そのままの意味で…」
SD体制は嫌だもんね、とジョミー君。
ジョミー「やっぱり気楽に生きたいし…」
Aブルー「それじゃ、苦労が絶えないっていうのは?」
シロエ 「当然、SD体制の世界ですよ」
全力で御免蒙りたいです、とシロエ君も。
まあ、そうかも…。
2020/12/07 (Mon)
☆逃げたい理由は
クリスマスになるとやって来るのが、ソルジャー御一行様。
仲間になれば迷惑もマシかも、と考えたのに逆な感じで…。
Aブルー「なるほどねえ…。全力で逃げたいらしいのは…」
キース 「あんたの住んでる世界なんだが?」
Aブルー「どうだろう? そうは聞こえなかった気が…」
ぼくから逃げたい感じがしたけど、とソルジャー、鋭い瞳。
Aブルー「仲間になりたくない、だしねえ…」
シロエ 「ですから、SD体制の世界のお仲間には…」
サム 「なりたくねえって思うよなあ?」
ジョミー「誰だって嫌だよ、あんな世界は!」
せっかく平和な世界にいるのに、と誰もが口々に。
ジョミー「仲間になったら、成人検査なんかもあるしさ…」
スウェナ「記憶を消されちゃうんでしょ? 最悪だわよ」
キース 「あんたは気楽に生きているがな、それはだな…」
Aブルー「そう、そこ! そこなんだよねえ、問題は!」
ぼくの世界は特別でね、とソルジャーが立てる人差し指。
Aブルー「ぼくのシャングリラに乗りさえすればさ…」
シロエ 「別世界なんですよね、知ってます」
キース 「成人検査から逃れて、生きて行けるらしいな」
Aブルー「その通り! だから、君たちの場合もさ…」
自動的に、そっちの括りに入るよ、とソルジャーの正論。
Aブルー「まあ、こっちよりは、少し不便だけどさ…」
キース 「何が言いたい?」
Aブルー「全力で逃げたいほどなのかな、って所だね」
船の仲間たちも満足してるし…、とソルジャー、ウインク。
Aブルー「なのに、どうして逃げたいのかな?」
シロエ 「その満足が怖いんですよ!」
一同 (((馬鹿…!)))
なんで言うかな、と頭を抱える御一同様。
Aブルー「怖いって…。満足なのに、どの辺がさ?」
シロエ 「え、えっと…。すみません、今の台詞は無しで」
Aブルー「もしかして、失言だったとか?」
シロエ 「そ、それほどでも…」
勘違いというヤツなんです、と言ってますけど。
大丈夫…?
2020/12/08 (Tue)
☆墓穴と開き直り
クリスマスは必ずやって来るのが、迷惑なソルジャーたち。
仲間になったらマシなのかも、と検討しても逆っぽくて…。
Aブルー「勘違いねえ…。どうも変だよ、今日の君たちは」
シロエ 「気のせいですって!」
Aブルー「ボケただとか、勘違いしたとかさ…」
シロエ 「ほら、師走ですから、こう、色々と…」
慌ただしくて、気もせきますし、とシロエ君の言い訳。
シロエ 「師匠も走ると言われているのが、師走ですしね」
Aブルー「ふうん…? でもねえ、ぼくの世界だと…」
キース 「ニューイヤーの方がメインだったな」
Aブルー「うん、クリスマスも盛り上がるけどね!」
ところで、今年のクリスマスは…、と乗り出すソルジャー。
Aブルー「やっぱり、例年通りなのかな、こっちは?」
ブルー 「そのつもりだけど?」
Aブルー「じゃあさ、今年もよろしくね!」
ハーレイと、ぶるぅも連れて来るから、と嫌すぎる台詞が。
一同 「「「うっ…」」」
Aブルー「なにさ、いつものことじゃないか」
ジョミー「そ、そうだけどさ…」
Aブルー「どうも引っ掛かるよね、さっきから、ずっと」
全力で逃げたい発言がさ…、とソルジャー、腕組み。
Aブルー「素直に吐いたら楽になれるよ、何もかも、全部」
シロエ 「そういうわけにもいきませんから!」
一同 (((また言うし…)))
どうして墓穴を掘りまくるんだ、と頭痛を覚える御一同様。
Aブルー「つまり、何かを隠している、と」
シロエ 「い、いいえ…」
Aブルー「どんどん声が小さくなるよね」
もう正直に言いたまえ、と赤い瞳がキラリーン! と。
Aブルー「全力で逃げたいのは、ぼくからだろう?」
シロエ 「はい、と言ったら?」
どうなるんです、と開き直ったシロエ君。
シロエ 「逃がしてくれるんですか、ぼくたち全員?」
キース 「お、おい、シロエ…!」
シロエ 「逃げられたら、儲けものですからね」
この際、交渉すべきです、という意見。
一理あるかも…。
2020/12/09 (Wed)
☆逃げて行く先は
クリスマスに来る迷惑なゲストが、ソルジャーの御一行様。
全力で逃げたいのが全員の本音、交渉すべきだとシロエ君。
シロエ 「駄目で元々ですし、当たって砕けろの精神です」
キース 「確かに、そうかもしれないが…」
シロエ 「で、どうなんです? あなたの方は」
ぼくたちを逃がす気、あるんですか、とソルジャーに質問。
シロエ 「毎回、毎回、ドツボな目に遭わせてくれますが」
Aブルー「うーん…。君たちを逃がせと言われてもさ…」
シロエ 「それは出来ない相談だと?」
Aブルー「だって、クリスマスはパーティーだしね!」
面子は多いほどいいじゃないか、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「御馳走だって、大勢いるから豪華になるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も沢山作るからね!」
Aブルー「ほらね、ぶるぅもこう言ってるし!」
七面鳥もケーキも、取り分けてこそ、と言い募る人。
Aブルー「君たちがいないと、面子が半分になっちゃうよ」
ぶるぅ 「そんなパーティー、つまんないよう!」
Aブルー「第一、君たちは、何処でパーティーなんだい?」
シロエ 「ファミレスとか、色々ありますから!」
その気になれば、なんとでも、とシロエ君の反論。
シロエ 「レストランの予約は、もう無理でしょうが…」
キース 「おい、そういうのなら、プロが一人いるぞ」
シロエ 「あー! そうでした、マツカ先輩!」
マツカ 「予約ですか…。もちろん、出来ますけど…」
それより、ぼくの家なんかどうでしょう、と御曹司。
マツカ 「会場も御馳走も、提供させて頂きますが」
一同 「「「やったー!」」」
豪邸でクリスマスパーティーだ、と一同、突き上げる拳。
サム 「最高だぜ、それ! 今年はマツカの家なのな!」
スウェナ「素敵だわねえ、確か暖炉もあったわよね?」
マツカ 「ええ。ツリーの飾りも本場ものですよ」
ジョミー「なんか凄そう!」
絵に描いたようなクリスマス、と騒いでますけど。
さて…?
2020/12/10 (Thu)
☆分散開催は嫌だ
クリスマスは必ずやって来るのが、迷惑なソルジャーたち。
逃げられるのなら逃げたい面々、今年はマツカ君の家な案。
Aブルー「ふうん…。マツカの家でクリスマスなんだ?」
シロエ 「いいでしょう? 待てば海路の日和あり、です」
そういうわけで、今年は分散開催で…、とシロエ君。
シロエ 「マツカ先輩の家と、会長の家に分かれましょう」
Aブルー「つまらないじゃないか! 面子が減って!」
ぶるぅ 「ぼくも、ガッカリ…。そんなの、やだよう…」
みんなが来てくれないなんて、と涙目なお子様も。
ぶるぅ 「ねえねえ、ブルー、みんなを止めてよう!」
ブルー 「そう言われても、みんな困っているんだし…」
ぶるぅ 「クリスマスは、ぶるぅも悪戯しないよ?」
サンタさんに見捨てられちゃうから、と、必死な引き止め。
ぶるぅ 「だから絶対、大丈夫だもん!」
キース 「いや、問題なのは、ぶるぅじゃなくてだな…」
シロエ 「此処に来ている、その人ですけど」
ぶるぅ 「でもでも、やだーっ! 行っちゃうなんて!」
みんなでパーティーしたいんだもん、と泣きじゃくり。
ぶるぅ 「酷いよ、どうしてマツカの家なのーっ!」
ブルー 「仕方ないよ、ぶるぅはいい子だろう?」
ぶるぅ 「でもでも、でもーっ!」
嫌なんだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がこねる駄々。
ぶるぅ 「ぼくのサンタさん、来なくていいから!」
ブルー 「そこまでなのかい?」
ぶるぅ 「みんなとクリスマスの方が、いいもーんっ!」
ブルー 「そうなんだってさ、みんなの意見は?」
心が痛まないのかな、と生徒会長、みんなをジロリと。
ブルー 「これでも、マツカの家で分散開催したいと?」
シロエ 「そ、それは…。確かに心が痛みますけど…」
キース 「しかし、此処でやったらドツボでだな…」
Aブルー「君たち、ぶるぅに迷惑をかけていないかい?」
一同 「「「うっ…」」」
そうなるのか、と良心にグッサリ刺さった言葉。
正論かも…。
2020/12/11 (Fri)
☆良心にグサグサ
クリスマスに来る迷惑なゲストが、ソルジャーたちですが。
マツカ君の家に逃げようとした面々に、思わぬハードル。
Aブルー「ぶるぅには、いつもお世話になってるのにさ…」
ぶるぅ 「やだやだ、みんな、行かないでようーっ!」
クリスマスは来てよ、と、おんおん泣きじゃくるお子様。
ぶるぅ 「ホントのホントに、サンタさん要らないから!」
ブルー 「ぶるぅ、我儘を言っちゃダメだよ」
ぶるぅ 「分かってるけど…。ぼく、いい子だけど…!」
ブルー 「それなら、みんなを許してあげないとね」
困った挙句の話だから、と生徒会長、こんこんと。
ブルー 「泣くのはやめて、ちゃんと笑顔で」
ぶるぅ 「う、うん…。仕方ないよね…」
行ってらっしゃい、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の涙の笑顔。
ぶるぅ 「マツカの家の、お土産話を聞かせてね!」
一同 (((うっ…)))
ぶるぅ 「御馳走とか、本場ものの素敵なツリーとか!」
一同 (((ううっ…)))
グサグサと心に刺さりまくりで、誰もが俯き加減ですけど。
ぶるぅ 「そうだ、ぼくからも差し入れするね!」
一同 「「「差し入れ?」」」
ぶるぅ 「御馳走もケーキも、沢山作った方がいいから!」
仕込みとかがね、と涙の跡を光らせながらニコニコと。
ぶるぅ 「マツカの家で、みんなで食べてよ!」
一同 (((ううう…)))
Aブルー「なんて健気な話だろうねえ、それに比べて…」
君たちときたら…、とソルジャー、軽蔑の眼差し。
Aブルー「こんな子供を泣かせて、放って、逃亡ってさ…」
ぶるぅ 「いいの、みんなは困ってるから!」
一同 (((あああ…)))
もう無理だ、と一同、顔を見合わせまして。
シロエ 「分かりましたよ、此処でパーティーしましょう」
ぶるぅ 「えっ、ホント?」
キース 「本当だ、男に二言は無い」
スウェナ「女にも無いわね」
ぶるぅ 「やったーっ!」
今年もみんなでパーティー、と飛び跳ねるお子様。
逃亡はパア…。
2020/12/12 (Sat)
☆楽しみは御馳走
クリスマスに必ずやって来るのが、迷惑なソルジャーたち。
マツカ君の家に逃亡した場合、ぶるぅに迷惑なわけでして。
ぶるぅ 「良かったぁ、御馳走、うんと張り切るからね!」
ジョミー「もう、それだけが楽しみだよね…」
Aブルー「ぼくの場合も、事情は似たようなものだけど?」
本物の地球の御馳走だしね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「なのに、どうして避けられるのか、謎だってば」
ぶるぅ 「クリスマスは、ぶるぅも悪戯しないのにね…」
キース 「いいんだ、どうせ、あんたは分かっていない」
Aブルー「君に言われる筋合いはないね!」
クリスマスが無い家で育ったくせに、とソルジャーの反撃。
Aブルー「その点、ぼくは心得てるしね、クリスマスを!」
キース 「どうなんだか…」
ブルー 「お祭りだとしか思ってない気がするけどね?」
Aブルー「キースと大して変わらないじゃないか!」
キースの方が酷いかもね、とフフンと鼻を鳴らす人。
Aブルー「アドス和尚から見たら、クリスマスはさ…」
シロエ 「要らないイベントらしいですしねえ…」
Aブルー「そうだろう? でも、ぼくの場合は違うから!」
船を挙げてのビッグイベント、とソルジャー、得意満面。
Aブルー「というわけでね、今年も、いいクリスマスに!」
ぶるぅ 「みんなで楽しくパーティーしようね!」
一同 「「「はーい…」」」
やるしかないし、と誰もが諦めの境地。
Aブルー「楽しみだねえ、地球の御馳走!」
キース 「いっそ食あたりしやがれ、あんたは!」
シロエ 「そうですねえ…。牡蠣なら、ぶるぅに責任は…」
Aブルー「牡蠣?」
美味しいよねえ、とソルジャーの弾ける笑顔。
Aブルー「おまけに地球の海の幸だし、あれは最高!」
シロエ 「聞きましたか? どうやら賛成ですよ」
キース 「ああ。これはいけるかもしれないな」
シロエ 「ガチャになるわけですけどね…」
ガチャに爆死はつきものですし、とシロエ君。
えっと…?
2020/12/13 (Sun)
☆生牡蠣がいいな
今年もソルジャーたちとクリスマスで、逃げられない面々。
楽しみは御馳走だけなんですけど、牡蠣に注目する人たち。
Aブルー「牡蠣でガチャって、何の話だい?」
シロエ 「当たり外れの問題ですよ、牡蠣ですから」
キース 「特に生だと、かなり差が出るわけなんだが…」
Aブルー「分かるよ、美味しいのと、そうでないのと!」
天然ものだと、特に差がね、とソルジャーも頷く牡蠣。
Aブルー「生育環境によるんだろうね、同じ海でも」
キース 「潮の流れや、食べたもので変わってくるからな」
Aブルー「美味しいんだよねえ、生の牡蠣はね!」
こう、濃厚で、たまらないよね、とヨダレが零れそうな顔。
Aブルー「いいねえ、ぶるぅ、是非、生牡蠣をね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 最高のを用意するからねーっ!」
何処のがいいかな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」もウキウキ。
ぶるぅ 「市場で買うより、直接、行った方がいいかな?」
Aブルー「それ、最高! 地球の海から直送だよね?」
ぶるぅ 「そだよ、獲れたてで、うんと新鮮!」
Aブルー「嬉しいねえ! 氷をたっぷり乗せたお皿に…」
生牡蠣が山盛り、とソルジャーの赤い瞳がキラキラ。
Aブルー「ぼくのぶるぅが、ペロリとやったら困るから…」
ぶるぅ 「大丈夫! その分、多めに買って来るから!」
Aブルー「ありがとう! もう本当に楽しみだよ!」
他にも御馳走がうんと沢山、と話に花が咲きまして…。
Aブルー「そろそろ帰る時間かな? 今日も御馳走様!」
ぶるぅ 「どういたしまして! はい、お土産!」
Aブルー「ぶるぅは、いつも気が利くねえ…。じゃあ!」
またクリスマスに! と、お菓子を抱えて帰って行った人。
キース 「よし、クリスマスに生牡蠣は決定したぞ」
シロエ 「いいですねえ…。ガチャですけどね」
ジョミー「ロシアンルーレットとも言うかもね…」
キース 「とはいえ、一矢報いるには…」
アレしかなかろう、とキース君、ニヤリと。
ガチャって…?
2020/12/14 (Mon)
☆ガチャな生牡蠣
今年もクリスマスはソルジャーたちと、ということに決定。
メニューの一つを生牡蠣に決めて、ソルジャー、お帰りに。
キース 「なにしろ、牡蠣は、あたるからな」
シロエ 「あたるとキツイらしいですしね、調理済みでも」
ブルー 「うん、その辺は容赦ないねえ、牡蠣ってヤツは」
まあ、フグほどじゃないけれど、と生徒会長も頷く牡蠣。
ブルー 「わざわざ牡蠣と言ったからには、君たちも…」
シロエ 「もちろん、覚悟はしてますよ」
ジョミー「ガチャで、ロシアンルーレットだよね…」
誰に当たるか分からないから…、とジョミー君。
ジョミー「ガチャと違って、確率、分からないけどさ」
サム 「でもよ、ガチャの方もよ、怪しいって聞くよな」
シロエ 「らしいですねえ、その通りには出ないとか…」
だから爆死も増えるわけで、とシロエ君、指をチッチッと。
シロエ 「確率アップと聞いて課金で、爆死とかですね」
キース 「生牡蠣の方は、確率アップは出来ないが…」
スウェナ「あたった場合は、爆死以上の悲劇だわよ」
マツカ 「最悪、入院らしいですしね」
そして点滴するそうですよ、とマツカ君が竦める肩。
マツカ 「ですから、ぼくの家でも、生牡蠣は…」
キース 「避けているのか?」
マツカ 「ええ。お客様のご注文がない限りは…」
出しませんね、と御曹司。
マツカ 「どれがあたるか、本当に分からないですし…」
キース 「あの馬鹿が引くのを、皆で祈ろう」
シロエ 「日頃の恨みを、キッチリ返したいですしね」
サム 「あいつが逃れて、他の誰かが引いてもよ…」
そこの所は恨みっこ無しな、と頷き合ってますけれど。
ブルー 「あのねえ…。相手は、ブルーなんだよ?」
キース 「サイオンで当たりが分かるのか?」
ブルー 「それは、ぼくでも分からないけど?」
ぶるぅ 「ぼくも…。あたったら、ごめんね」
シロエ 「問題無いじゃないですか!」
分からないならガチャですよ、とシロエ君。
その通りですね?
2020/12/15 (Tue)