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シャングリラ学園つれづれ語り

☆紅葉と駐車料金


マツカ君の別荘にヘリでお出掛け、屋上のヘリポートから。
最高の紅葉日和ですけど、ヘリに乗る前から揉める人たち。

Aブルー「ぼくが毎回、何だって言うのさ!」
ブルー 「いつも色々やらかすだろう!」

今日だって、嫌な予感しか…、とヘリに乗り込む生徒会長。

ブルー 「そもそも、押し掛けて来たトコからして…」
Aブルー「御招待だから!」
A船長 「私も、そのように聞いておりますが…」

マツカさんですよね、とキャプテン、穏やかな笑み。

A船長 「いつもありがとうございます。松茸山の時も」
マツカ 「いえ、お礼を言って頂くほどでは…」

当然のことをしたまでです、とマツカ君、あくまで控えめ。

マツカ 「それじゃ、出発していいですか?」
ブルー 「うん。みんな着席してるしね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁーつ!」

ヘリが離陸で、たちまち屋上から空の旅へと。

ジョミー「凄いや、ホントに遊覧飛行だ!」
マツカ 「別荘までの間、お好きな所を飛べますよ」
サム  「最高だぜ! おっ、道路は渋滞してるのな!」
ブルー 「何処も車で一杯だよねえ、紅葉だからさ」

駐車場に入るのも一苦労だよ、と生徒会長。

ブルー 「それを見越して、駐車料金も上がるしさ…」
Aブルー「そうなのかい?」
ブルー 「もう思いっ切り、足元を見た価格設定になるね」
Aブルー「足元って?」

高値をつけてくるのは分かるけど…、とソルジャーの疑問。

Aブルー「普段の三倍とか、そういう感じ?」
ブルー 「もちろんだけどさ、それ以外にもさ…」
キース 「賑わう時間ほど、高い料金になるのが多いな」
Aブルー「昼間は高くなるのかい?」

賑わいそうだし、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「でもって、夜は安くするとか…?」
ブルー 「そんな具合だね、しかも細かく!」
キース 「普段は一律、安い所でもな」
ブルー 「稼ぎ時だからねえ…」

あの辺は特に有名だね、と指差してますけど。
紅葉名所ですね…?


2020/11/16 (Mon)

 

☆紅葉名所と渋滞


マツカ君の別荘へ紅葉見物に出発、ヘリでの遊覧飛行つき。
あちこち車が渋滞していて、駐車場に停めるのも大変そう。

Aブルー「ああ、あそこ…。七福神巡りの近くだよね?」
ブルー 「そうだね、節分の時期に紅葉は無いけど」

だから、そのシーズンは空いてるよね、と生徒会長。

ブルー 「駐車場だって底値になるよ」
Aブルー「ふうん…。その時期だったら安いんだ?」
キース 「ついでに終日、価格設定は同じだな」

それでも空きが出るくらいだ、とキース君も。

キース 「その分、紅葉で稼がないとな」
Aブルー「高くても、みんな停めるからだね?」
ブルー 「停められないまま、動けない車も多いけどね」

抜け道が無いものだから、と生徒会長の苦笑。

ブルー 「一旦、入り込んでしまうと、ドツボなんだよ」
キース 「抜け道の方も、最終的には行き詰まるからな」
Aブルー「どういう意味さ?」
キース 「抜けて行く先も幹線道路で、渋滞なんだ」

そこまでの間の生活道路で動けなくなる、という答え。

キース 「お蔭で、近辺の人は迷惑しているらしいぞ」
ブルー 「スーパーにも出掛けられないからねえ…」

車を出したら帰れないから、と生徒会長が指差す方角。

ブルー 「休日はヒッキー覚悟だってさ、近所の人は」
Aブルー「へええ…。どんな具合か、気になるよね」
マツカ 「あちらの方を見に行きますか?」
Aブルー「お願いするよ!」

文字通り高みの見物だから、とソルジャー、ウキウキ。

Aブルー「空は渋滞しないしねえ…」
マツカ 「そうですね。ほら、近付いて来ましたよ」
ジョミー「うわぁ…。もう、この辺から大渋滞だよ」

少しも動きそうにないね、とジョミー君が眺める渋滞。

ジョミー「観光バスまで巻き込まれてるよ」
Aブルー「辿り着けなかったら、どうなるんだい?」
ブルー 「途中下車して、歩くしかないね」
一同  「「「うわー…」」」

そこまでなのか、と一同、ガクブル。
観光ツアーなのに…。


2020/11/17 (Tue) 

 

☆降ろされる観光客


ヘリでマツカ君の別荘へお出掛け、遊覧飛行で紅葉名所へ。
渋滞を空から見物ですけど、観光バスも巻き込まれる状態。

シロエ 「途中下車して歩くだなんて、酷いですよね」
サム  「だよなあ、バスもツアー料金の内なのによ」
スウェナ「動けないからって、歩かせるのは無いでしょ」

なんとか駐車場に入れなさいよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「降ろされるお客さんは、いい迷惑じゃないの」
ブルー 「それが、そうとも言えないんだよね」
一同  「「「えっ?」」」
ブルー 「食事の時間とかは、どうするんだい?」

遅れたらパアになっちゃうんだよ、と生徒会長。

ブルー 「予約してても、到着しないと食べられないしさ」
ジョミー「そっか、食べてる時間が足りなくなっちゃうね」
キース 「時間不足で済んだら、マシな方だろう」

店はシビアに営業するしな、とキース君の指摘。

キース 「次の客を入れる時間になったら、おしまいだぞ」
シロエ 「あー…。着いても、席が無いわけですね」
ブルー 「料理の方は、折詰になるかもしれないけどね…」

でも、それを食べる場所は無いね、と生徒会長、キッパリ。

ブルー 「そうなるのが嫌なら、歩くしかないよ」
一同  「「「うーん…」」」

バスの料金より、食事が大事か、と一同、納得。

ジョミー「食事が出来ないのはショックだよねえ…」
サム  「文句も言いたくなるってもんだぜ」
シロエ 「歩きますか、って言われたら、歩きますよね」
Aブルー「そうだろうねえ…。あっ、アレがそうかな?」

バスから降りてる人たちがいるよ、と指差すソルジャー。

Aブルー「駐車場でもないのにさ」
ブルー 「まだまだ遠いし、その口だろうね」

此処から歩くとキロ単位だよ、と生徒会長が眺める先。

ブルー 「気の毒にねえ…」
ジョミー「あれっ、こっちを見上げてるよ?」
シロエ 「手も振ってますね、何でしょう?」

あの人たちは、と誰もがキョトン。
何故、観光の人たちが…?


2020/11/18 (Wed)

 

☆観光地を飛ぶヘリ


マツカ君の別荘までヘリですけれど、途中で遊覧飛行な今。
大渋滞でバスから降ろされた観光客が、何故か、こちらを。

キース 「ヘリに手を振ると、いいことでもあるのか?」
サム  「あれじゃねえかな、ホラ、観光地の列車でよ…」

外に手を振るヤツらがいるだろ、とサム君の意見。

サム  「畑とかにいる一般人によ、こう、楽しそうに」
ジョミー「そういえば…。川下りとかの人もやるよね」
シロエ 「でも…。相手は観光バスツアーですよ?」

しかもバスから降りちゃってます、とシロエ君。

シロエ 「乗車中なら、手を振るパターンもありますけど」
キース 「降りてしまったら、ただの観光客だな…」
スウェナ「団体だっていうだけだわねえ…」

いくら相手がヘリにしても、とスウェナちゃんが傾げる首。

スウェナ「手を振るメリット、無さそうだけれど…」
ジョミー「ピースサインの人もいるよね…って、そうか!」
一同  「「「え?」」」

なんだ、と一同、ジョミー君に注目。

サム  「おいおい、何か分かったのかよ?」
ジョミー「うん。多分、間違いないと思うな」
シロエ 「何なんです?」
ジョミー「報道ヘリだよ、テレビ局のさ」

アレと間違えてるんだと思う、とジョミー君。

ジョミー「生中継か、今日のニュースか、そんな感じで」
一同  「「「あー!」」」

ソレか、と閃いた御一同様。

サム  「ニュースに出るなら、手も振るぜ、うん」
キース 「なるほどな…。残念ながら、違うんだがな」
Aブルー「報道ヘリかあ…。それはいいねえ」
A船長 「勘違いしているわけですね」

お気の毒に、とキャプテン、同情ですけど。

Aブルー「よし! それっぽく旋回しようよ、この辺を」
A船長 「騙す気ですか、ただでも降ろされたお客さんを」
Aブルー「テレビに出るかも、って元気が出そうだしさ!」
A船長 「エールですか?」
Aブルー「そう!」

元気に歩いて行けるように、と言い出した人。
詭弁だとしか…。


2020/11/19 (Thu) 

 

☆嬉しい報道ヘリ


マツカ君の別荘で紅葉見物、ヘリで向かう道中は遊覧飛行。
大渋滞な名所の近くで、観光客たちが手を振って来まして。

Aブルー「テレビで放送されるとなったら、最高だろう?」
A船長 「そうなのですか、こちらの世界は?」
Aブルー「目立ちたがる人が多いからねえ!」

SD体制の世界とは事情が違うね、とソルジャーの弁。

Aブルー「あっちじゃ、一般人っていうのは、全く…」
シロエ 「何か違うと言うんですか?」
Aブルー「目立たず、横並びが理想な世界なんだよ」

目立つのはエリートだけでいいのさ、とキッパリと。

Aブルー「だからこういう、渋滞なんかの中継もさ…」
ジョミー「無いってわけ?」
Aブルー「無いねえ、一般人は注目されないしね」

スポットライトはエリートにしか当たらない、という話。

Aブルー「だけど、こっちは違うわけだし…」
A船長 「そうかもしれませんが、騙すんですよ?」

我々は中継しませんから、と渋るキャプテン。

A船長 「手を振ってらっしゃるだけでも、お気の毒で…」
Aブルー「いいんだってば、生中継なら見られないしね」
シロエ 「スマホで見られると思いますけど?」
Aブルー「ああやって手を振りながら、かい?」

まず不可能だと思うけどね、と言われてみれば、その通り。

キース 「確かに無理だな、あの状態では」
Aブルー「ね? それに録画でも、編集されたら…」
シロエ 「映らないこともあるんでしたね…」
Aブルー「そういうことだよ、運次第ってね!」

映るかもってだけで満足だろう、とソルジャー、ウインク。

Aブルー「マツカ、旋回の指示を出してよ」
マツカ 「分かりました。報道ヘリっぽくですね」

早速パイロットに届いた注文、ヘリが旋回し始めまして。

Aブルー「やってる、やってる! さっき以上に!」
ジョミー「やっぱり間違えていたんだね」
Aブルー「足取りに元気が出て来たよ!」

映るとなったら張り切るんだね、と見下ろす人。
そのようですね…。


2020/11/20 (Fri)

 

☆撮影されるヘリ


ヘリでマツカ君の別荘へ向かう途中で、遊覧飛行ですけど。
大渋滞に巻き込まれた観光バスの乗客に、報道ヘリのふり。

キース 「スマホを向けているヤツまでいるな」
A船長 「中継されているか、見ているのでしょうか?」
ジョミー「違うんじゃないかな、多分、撮影中だよ」
Aブルー「こっちをかい?」

そんなもの、撮ってどうするのさ、とソルジャーの問い。

Aブルー「テレビに映るのは、あっちの方なのに…」
シロエ 「いいえ、ジョミーの言う通りでしょう」
A船長 「どういう意味です?」
シロエ 「SNSに上げるんですよ」

それならテレビに映らなくても…、とシロエ君。

シロエ 「編集でカットされていたって、証拠があります」
ジョミー「そう! 報道ヘリも来てました、ってね」
Aブルー「なるほどねえ…! 中継なう、と」
ジョミー「そう言われたら、テレビをつける人もいるしさ」

生中継なら見て貰えるよ、とジョミー君が立てる親指。

ジョミー「映ってなくても、イイネが沢山!」
キース 「そういう輩は多いだろうな、確かに」
Aブルー「元気に歩いていけるわけだね、納得だよ」

本当にいいことをしてあげてるよ、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ということは、ここだけじゃなくて…」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「他の所でも、報道ヘリは喜ばれるんだね?」

映して貰えるかもとなったら…、とソルジャーの問い。

Aブルー「観光の人が注目してくれて、手を振って…」
シロエ 「そうでしょうねえ、報道ヘリなら」
Aブルー「だったら、あちこち行ってみようよ!」
A船長 「騙しにですか?」

それはあまりにお気の毒な…、とキャプテン、眉間に皺を。

A船長 「勘違いをして、ああして手を振る皆さんが…」
Aブルー「いいんだってば、勘違いでも喜ばれたら!」
A船長 「しかしですね…!」
Aブルー「善行は、積んでなんぼなんだってば!」

そうだったよね、とソルジャーの視線がキース君に。
何故、そこ?


2020/11/21 (Sat)

 

☆善行を積んでも


マツカ君の別荘へ向かう途中のヘリを、勘違いした観光客。
報道ヘリだと思ったわけで、手を振る人やら、撮影やらで。

Aブルー「勘違いでも喜んで貰えるのは、いいことだしさ」
キース 「あんた、どうして俺に同意を求めるんだ」

他のヤツらの意見も聞け、とキース君、苦々しい顔。

キース 「俺には決定権なぞは無いぞ、まるで全く」
Aブルー「そうだろうけど、善行を積むことに関しては…」

君は立派にプロじゃないか、とソルジャー、真剣。

Aブルー「だからさ、君の同意があればいけるかと」
キース 「どういう理屈でそうなるんだ!」
Aブルー「口癖とまでは言わないけどさ、お約束でさ…」

よく言ってるよ、とソルジャー、指を一本立てまして。

Aブルー「善行ってヤツを積めば積むほど、極楽往生!」
一同  「「「げっ!!!」」」

ソレか、と一同、ヘリの中でドン引き。

Aブルー「どうしたんだい、君たちは?」
シロエ 「い、いえ、何でもありません!」
Aブルー「ふうん…? それでキースは、どうなのさ?」

何か異存があるだろうか、と畳み掛ける人。

Aブルー「善行を積んで、スッポンタケの供養をね!」
キース 「…少し違うと思うんだが?」
Aブルー「どの辺がさ?」
キース 「あんたが善行を積むというなら、その功徳は…」

あんたのために使われるんだ、とキース君、副住職モード。

キース 「つまり、お浄土が近くなるのは、あんただな」
Aブルー「スッポンタケじゃなくて?」
キース 「そういうことだ」

で、善行を積みに行くのか、と副住職が指差す窓の外。

キース 「とりあえず、今は名所の上空だがな」
Aブルー「うーん…。手を振ってる人も増えたけど…」

みんな見上げてくれてるけど、と見下ろすソルジャー。

Aブルー「ぼくの功徳にしかならないわけ?」
キース 「そう言ったが?」
Aブルー「こんなに大勢、喜んでくれてるのに…」

もったいないよね、とソルジャー、残念そう。
それはまあ…。


2020/11/22 (Sun)

 

☆宣言した場合は


マツカ君の別荘へ向かう途中に、遊覧飛行で紅葉の名所へ。
報道ヘリと間違えた人が、撮影したり、手を振ったりで…。

Aブルー「これだけの人を喜ばせたら、功徳もたっぷり…」
キース 「あるかもしれんが、例のヤツとは無関係だ!」

宣言をしていない以上はな、と副住職の突き放し。

キース 「マツカ、この馬鹿が調子に乗らない内にだな…」
シロエ 「別荘に行ってしまいましょうよ、切り上げて」
ジョミー「そうだね、報道ヘリのふりも楽しいけどさ…」

一カ所だけで充分だよね、とジョミー君も。

ジョミー「それより別荘! 紅葉と御馳走!」
マツカ 「分かりました。では、そのように…」
Aブルー「ちょっと待ったぁ!」

その前に、キースに質問がね、とソルジャーの割り込み。

Aブルー「サラッと気になることを言ったし!」
一同  「「「え?」」」
Aブルー「善行だってば、さっき、宣言がどうとかって!」

それはどういうものなのかな、と赤い瞳がキラリと。

Aブルー「それをやったら、功徳がスッポンタケ用に…」
A船長 「変化しそうな感じでしたね、そういえば」
一同  「「「うっ…」」」

言われてみれば、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「そんな風にも聞こえましたね…」
スウェナ「聞き流してたけど、そうだわね…」
ジョミー「もしかして、キース、余計な台詞を…」

また吐いたわけ、とジョミー君が吊り上げる眉。

ジョミー「それこそ、キースのお約束だけど」
シロエ 「疫病仏と言われてましたっけね…」
キース 「そ、それは…」
Aブルー「この流れだと、大いに期待できそうだよねえ…」

どうなのかな、とソルジャー、副住職の方へズズイと。

Aブルー「宣言をする方法があって、スッポンタケにさ…」
A船長 「功徳を転送できるのですか?」
キース 「ほ、法要はそのためのもので…」
Aブルー「本当かい!?」
一同  (((うわー…)))

嫌すぎる、と誰もがガクブルですけど。
運命や如何に…?


2020/11/23 (Mon)

 

☆転送する方法


マツカ君の別荘で紅葉見物、行く途中にヘリで遊覧飛行を。
報道ヘリと間違えた人が、手を振ったりして大喜びで…。

Aブルー「法要をすれば、功徳を転送できるんだね?」
キース 「そういう仕組みになっているわけで…」
Aブルー「法要自体が、宣言なのかな?」
キース 「いや、そうではなく…。最初の方で、だ…」

そこまで言って、口を押えた副住職。

Aブルー「ふうん…? 何か都合が悪そうだよねえ…」
キース 「なんでもない!」
Aブルー「失言したように見えるけれどね?」

法要が宣言ではなさそうだよね、とソルジャー、ニンマリ。

Aブルー「何かあるねえ、転送するための呪文なのかも?」
A船長 「その可能性はありますね」
シロエ 「キース先輩、どうなんですか?」

法要か呪文か、どっちなんです、とシロエ君の問い。

シロエ 「正直、どっちも迷惑ですけど、時間的には…」
ジョミー「呪文の方がマシだよね…」
サム  「けどよ、そんなの、あったっけか?」

あったら覚えていそうだけどよ、と僧籍な人。

サム  「法要だったら、散々、付き合わされて来たしよ」
ジョミー「うーん…。でもさ、呪文で済むんだったら…」

この際、それで済ませて欲しい、とジョミー君の注文。

ジョミー「せっかく紅葉でご馳走なのにさ、法要はさ…」
スウェナ「勘弁願いたいわよねえ…」
キース 「本当か?」
サム  「おいおい、渡りに船ってかよ?」

失言したのは認めるのな、とサム君、腕組み。

サム  「やっぱ、呪文があるってか?」
Aブルー「あるんだったら、お願いしたいね!」
キース 「う、うう…」
シロエ 「サッサとやったらどうなんです!」

呪文で一発、済ませて下さい、とシロエ君も。

シロエ 「早く別荘に行きたいですしね」
キース 「分かった、やるから恨むんじゃないぞ?」
ジョミー「早くってば!」
Aブルー「スッポンタケに功徳をね!」

転送よろしく、と期待なソルジャーですけど。
呪文って、どんな…?


2020/11/24 (Tue)

 

☆受取人を指定


マツカ君の別荘へ紅葉見物にお出掛け、ヘリで遊覧飛行中。
報道ヘリと間違えた観光客が、喜んで手を振るわけでして。

キース 「本日、積むところの功徳は、倫王院殿…」
Aブルー「嬉しいねえ、スッポンタケの戒名だよ!」
A船長 「これが宣言なのですか…」
キース 「謹んで、敬って申す~…」

ハハーッ! と頭を深々と下げる副住職。

キース 「おい、終わったぞ」
シロエ 「ええっ? 普通でしたよ、呪文じゃなくて」
サム  「でもよ、そういや法要の時によ…」

もっと長々と唱えてねえか、と僧籍な人の指摘。

サム  「お浄土がどうのとか、菩提がどうとか」
シロエ 「そういえば、あった気もしますね」
キース 「当たりだ、法要の理由を仏様にお伝えするんだ」

何のためにやるかを伝えないと、と副住職の説明が。

キース 「でないと、せっかくの読経がだな…」
ブルー 「法要の主人公じゃなくって、全ての仏様に…」

捧げたことになっちゃうんだよ、と生徒会長も。

ブルー 「お経を唱えて欲しい人なら、山ほどいるから」
Aブルー「なるほどねえ! 受取人を指定なんだね」
キース 「ひらたく言えば、そうなるな」
Aブルー「でもって、観光の人たちを喜ばせた功徳も…」

今ので、スッポンタケの所に、とソルジャー、感激。

Aブルー「ありがたいよねえ、マツカ、次に行こうよ!」
マツカ 「は?」
Aブルー「別荘までの間に、もっと、紅葉の名所!」
一同  「「「げっ…!」」」

まだやる気か、と誰もがゲンナリですけど。

Aブルー「嫌なら、向こうでスッポンタケをね!」
一同  「「「え?」」」
Aブルー「ナマだよ、ナマ!」

探してくれるなら、直行でいい、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「功徳もいいけど、ナマもいいしね!」
一同  「「「うっ…」」」
Aブルー「嫌なんだったら、報道ヘリで功徳だよ!」
一同  「「「うわー…」」」

報道ヘリか、と諦めるしかない御一同様。
探すよりはマシ…。


2020/11/25 (Wed)

 

☆紅葉より功徳


マツカ君の別荘へ向かう途中で、紅葉の名所へと遊覧飛行。
報道ヘリと間違えられて、喜ばれたのを功徳と主張する人。

Aブルー「スッポンタケを探す代わりに、功徳をね!」
A船長 「素晴らしいですね、今夜は漲りそうですよ」
Aブルー「今夜と言わずに、明日も明後日も、その次も!」

うんと功徳を積んでおこう、とソルジャーが突き上げる拳。

Aブルー「マツカ、他の名所も寄り道よろしく!」
マツカ 「はい。他の皆さんも、それでいいんですね?」
シロエ 「背に腹は代えられませんからね…」
サム  「スッポンタケ探しは避けてえもんなあ…」

仕方ねえや、というサム君の声に、頷くしかない御一同様。

ジョミー「此処からだと、直線で行っても一カ所あるよね」
スウェナ「寄り道の範囲だと、もっとあるわよ」
Aブルー「嬉しいねえ! キース、功徳の転送、お願い!」
キース 「分かっている…」

もうヤケだ、と副住職も諦めモード。

キース 「サッサと済ませて、別荘で紅葉見物だ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走、楽しみ!」
Aぶるぅ「ぼくも、ぼくもーっ!」
マツカ 「とにかく、先を急ぎましょうか」

お次はあそこになりますね、と指差す先に渋滞中の道路。

Aブルー「やったね、あそこも期待できそう!」
A船長 「近付いて来ましたよ。あっ、手を振る人が…」
ブルー 「間違えてるねえ、報道ヘリと…」
ジョミー「この状況でヘリが飛んでたら、そうなるよね…」

撮影組はSNSに投稿だってば、とジョミー君。

ジョミー「ぬか喜びとしか言えないんだけど…」
Aブルー「カットされたと思うだけだろう?」

だからオッケー、とソルジャー、満面の笑み。

Aブルー「さあ、キース、功徳をどんどん転送してよ!」
キース 「本日、積むところの…」
Aブルー「此処が済んだら、次に行くからね!」
A船長 「頑張りましょう!」
一同  「「「はーい…」」」

なんてこった、と溜息MAXな遊覧飛行。
紅葉より、功徳…。


2020/11/26 (Thu)

 

☆騙される観光客


マツカ君の別荘へ紅葉見物に向かう道中、ヘリで遊覧飛行。
とはいえ名所で報道ヘリのふり、ソルジャーが大喜びで…。

Aブルー「いいねえ、何処へ行っても手を振られるよ!」
シロエ 「報道ヘリだと思ってますから、当然ですよ」
A船長 「スマホを向ける人も、大勢いますね」
ジョミー「SNSにUPしなくちゃだしね…」

良心が痛んじゃうんだけど、とジョミー君の深い溜息。

ジョミー「こっちは遊覧飛行なのにさ…」
Aブルー「喜んでるから、いいんだってば! 善行だよ!」
A船長 「それをキースが、スッポンタケに転送ですしね」
Aブルー「御利益が大いに期待できるよ、漲りまくりの!」

もう今夜からビンビンのガンガン、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「さあ、次でラストになるんだっけ?」
マツカ 「ええ。山を越えたら、田舎ですしね」

渋滞は次で最後ですよ、と御曹司。

マツカ 「流石に、何もない田舎は渋滞しませんから」
スウェナ「いよいよ別荘に到着ってわけね?」
マツカ 「はい。紅葉を見ながら、お食事をして頂けます」
一同  「「「やったー!」」」

もうすぐだ、と歓喜の声が溢れるヘリの中。

サム  「報道ヘリのふりも、やっと終わりな!」
シロエ 「あと一カ所です、キース先輩、頑張って下さい」
Aブルー「ほら、見えて来たよ、転送よろしく!」
キース 「そうだな、既に注目されているしな」

なんて気付くのが早いんだ、と副住職が唱える文言。

キース 「本日、積むところの…」
ジョミー「みんな目ざといよね、渋滞中だから…」
シロエ 「動けない中、ヘリの音がしたら気付きますよね」

でも、此処が最後のスポットですから、とシロエ君。

シロエ 「騙されてますねえ、皆さん、順調に…」
Aブルー「功徳だと言ってくれたまえ!」
A船長 「有難いですねえ、本当に…」
Aブルー「スッポンタケのために、功徳をうんと沢山!」

それでこそだ、と主張する人と、旋回するヘリ。
パイロットもノリノリ…。


2020/11/27 (Fri)

 

☆報道ヘリと取材


紅葉見物にマツカ君の別荘へ、その道中で報道ヘリのふり。
大渋滞な紅葉の名所で、観光客が手を振り、スマホで撮影。

Aブルー「うん、最高だよ、此処でも注目されてるし!」
シロエ 「パイロットさんも、慣れちゃいましたね」
サム  「技術はともかく、飛び方が完全に報道ヘリだぜ」

旋回してる範囲にしても、近付き方も…、とサム君も感心。

サム  「報道ヘリなら、こう飛ぶぜ、ってヤツな」
ジョミー「そっちの仕事もやってるのかな?」
マツカ 「いえ、うちの専属パイロットですから…」
一同  「「「専属…」」」

流石、と誰もが目を剥く御曹司っぷり。

シロエ 「マツカ先輩、先輩の家って凄すぎですよ…」
ブルー 「何を今更、って感じだよ。別荘に行くんだよ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走も待ってるもんね!」
ジョミー「そうだっけ…。一流の料理人さんと、食材…」

ホントに今更な話だったよ、とジョミー君。

ジョミー「でも、御馳走は楽しみだよね!」
マツカ 「そろそろ、向かっていいですか?」
Aブルー「うん! 功徳はバッチリ積んだからね!」

さあ、行こうか! という声で、ヘリは別荘の方角へと。

Aブルー「まだ手を振ってる人がいるねえ…」
キース 「望遠レンズなら、まだ充分に写せるからな」
Aブルー「なるほどね! でも、バレないかな?」

渋滞が無い方へ飛んじゃって、とソルジャーの疑問。

Aブルー「違ったかも、って思われちゃったら…」
A船長 「功徳が無くなるかもですね…」
キース 「いや、その点なら大丈夫だ」
Aブルー「積んだ功徳は、減らないのかい?」

それとも返せと言われないとか…、とソルジャーの問い。

Aブルー「もう積みました、で通せばいいとか?」
キース 「仏様は心が広いし、それにだな…」
Aブルー「他にも何か?」
キース 「報道ヘリは、飛んだからには各地で取材だ」
Aブルー「それなら安心!」

紅葉以外の取材なんだね、と安心する人。
いざ、別荘へ!


2020/11/28 (Sat)

 

☆大盛りでお願い


報道ヘリのふりを終えて、ようやくマツカ君の別荘に到着。
別荘の庭も近くの山も、見応えたっぷりな素晴らしい紅葉。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 紅葉が、すっごく綺麗!」
マツカ 「皆さん、こちらのお座敷へどうぞ」

よく見える部屋を選びました、とマツカ君の案内。

マツカ 「外で食べるには、少々、風が冷たいですしね」
Aブルー「気が利くねえ! 御馳走も期待出来そうだね」
マツカ 「料理人さんが、朝早くから仕入れたそうです」

旬の食材をご賞味下さい、とマツカ君。

マツカ 「松茸も、土瓶蒸しと御飯の他にも…」
ジョミー「色々、あるんだ?」
マツカ 「そのようですよ。もう運ばれて来ますから」

最初の品が…、と言い終える前に、使用人さんたちが。

ぶるぅ 「わぁーい、美味しそう!」
Aぶるぅ「美味しそうだけど、ちょっぴりだよう…」

これじゃ足りない、と悪戯小僧の大食漢。

ぶるぅ 「まだまだ来るけど、ぶるぅだもんね…」
使用人A「もっとお持ちしますか?」
Aぶるぅ「貰えるんなら、うんと沢山!」
使用人A「かしこまりました。すぐお持ちします」

こちらのぼっちゃまに、大盛りで、と飛ばされる指示。

使用人B「少々、お待ちを!」
Aぶるぅ「次のも、その次も、大盛りがいいな!」
使用人A「承知いたしました、そのように」
使用人B「ぼっちゃま、大盛りでございます」

ドーン! と盛り付けられた大皿、悪戯小僧も大満足。

Aぶるぅ「ありがとー! 次もこれでお願い!」
使用人A「お任せ下さい」

大盛りで運ばせます、という言葉通りに、次から大盛り。

Aぶるぅ「みんな、そんなにちょっとでいいの?」
キース 「普通は、これで足りるものだが」

風情も何もあったものではないな、と副住職。

キース 「凝った盛り付けも、味わいの内だが…」
シロエ 「誰の連れだと思ってるんです?」
キース 「そうだったな」
Aブルー「ええ?」

そんな、とソルジャー、心外そうですけど。
問題でも…?


2020/11/29 (Sun)

 

☆帰りも報道ヘリ


マツカ君の別荘で食事ですけど、大盛りなお子様が約一名。
大食漢の悪戯小僧で、バクバクと食べているわけでして…。

キース 「誰の連れかを考えてみたら、納得なんだが?」
Aブルー「それって、どういう意味なのさ!」
シロエ 「日頃の行いだとしか言えませんよね」
サム  「うんうん、誰でも納得だぜ」

どうせ帰りも報道ヘリのふりなんだぜ、とサム君、溜息。

サム  「逆方向が渋滞するしよ、それに向かって」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
シロエ 「ヤバイですよ、今の発言は!」
Aブルー「へええ…。帰りも渋滞してるんだ?」

確かに、帰り道も混むよね、と大きく頷くソルジャー。

Aブルー「ということは、帰り道でも功徳をバッチリ!」
A船長 「積めそうですねえ、有難いことです」
Aぶるぅ「んとんと、今夜から覗いてもいい?」
Aブルー「覗きは禁止!」

やるなら、ハーレイにバレないように、と釘をドスッと。

Aブルー「萎えてしまうとダメだから!」
Aぶるぅ「はぁーい!」
A船長 「そういう問題ではないのだが…!」
Aブルー「細かいことは気にしない!」

でもって、帰りも報道ヘリだよ、とソルジャー、ウキウキ。

Aブルー「キースは功徳の転送よろしく!」
キース 「なんで、そういうことになるんだ!」
Aブルー「サムがアイデアをくれたからね!」
シロエ 「サム先輩、覚悟は出来てるでしょうね?」

今の失言、とシロエ君が吊り上げる眉。

シロエ 「キース先輩だと、あるあるですけど…」
スウェナ「サムっていうのはレアケースだわね」
マツカ 「けれど、帰り道を飛んだら、気が付きますよ」

道が渋滞していることに…、と御曹司の助け舟。

マツカ 「ですから、時間の問題だったかと…」
一同  「「「あー…」」」
Aブルー「さあ、御馳走を食べて、帰りにも期待!」
Aぶるぅ「覗きも楽しみ!」
A船長 「頼むから、それは…!」

しないでくれ、と大騒ぎですけど。
今月、これにて中継終了~。


2020/11/30 (Mon) 




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☆紅葉を見るなら


さて、十一月。今年も紅葉のシーズン到来、そういう季節。
休日に生徒会長宅に集った面々、お出掛けを計画中ですが。

サム  「やっぱ、紅葉とグルメだよなあ、今月はよ」
ジョミー「うんうん、紅葉見物と美味しい御馳走!」
キース 「弁当もいいが、豪華な料理も良さそうだしな…」
シロエ 「マツカ先輩、何処かオススメはありますか?」

豪華料理と紅葉なスポット、とシロエ君の問い。

シロエ 「この時期、何処も混みますけどね…」
マツカ 「そこが問題なんですよ。紅葉渋滞だけは…」

ぼくでも、どうにも出来ませんし…、と御曹司の溜息。

マツカ 「裏技のヘリも、ヘリポートが無いと…」
一同  「「「あー…」」」

それはキツイ、と顔を見合わせる御一同様。

キース 「ヘリポートか…。ホテルならいけそうだが…」
スウェナ「料理旅館とか、料亭は無理ね」
ジョミー「ヘリなんか、想定してないもんね…」

駐車場も車で一杯だろうし、と容易に想像できる状況。

サム  「そうなると、マツカの別荘かよ?」
キース 「名所ではないが、紅葉は確かにありそうだな」

ついでにヘリも降りられそうだ、と副住職。

キース 「マツカ、そういう別荘は持っていないのか?」
マツカ 「ありますけど…。それでいいんですか?」

ただの別荘の紅葉ですよ、と御曹司ならではの謙虚な発言。

マツカ 「もっと素晴らしい名所は沢山ありますが…」
ジョミー「混んでないのが一番だよ!」
スウェナ「そうよね、松茸山も貸し切りだったし」
シロエ 「…松茸山ですか…」

嫌なことを思い出しました、とシロエ君、遠い目。

シロエ 「誰かさんのために、デコらされましたよね…」
一同  「「「うっ…」」」

そんな事件があったんだった、と一同、悪い顔色。

キース 「例の竹籠だな、ヒノキの葉っぱと」
サム  「忘れていたいぜ、あの件はよ…」
シロエ 「でもですね…」

別荘となれば来そうですよ、とシロエ君の指摘。
それは確かに…。


2020/11/01 (Sun) 

 

☆ほぼ来そうな人


紅葉のシーズン到来とあって、お出掛けしたい面々ですが。
マツカ君の別荘に行くとなったら、来そうな人がいる現実。

シロエ 「あの誰かさんが、スルーするわけないですよ」
キース 「松茸山にも、揃って来やがったしな…」

お蔭で酷い目に遭ったんだ、とキース君、憂鬱そうな顔。

キース 「松茸泥棒認定されるわ、デコらされるわで…」
ジョミー「ホントにね…。オジサンも凄く怖かったけど…」
サム  「あのキノコをデコらされたのがよ…」

マジで心の傷ってヤツで…、とサム君も。

サム  「デコってみたって、進物用じゃねえのによ…」
シロエ 「見た目が立派そうだから、って理由でしたよね」
ジョミー「そう! おまけに、全員参加でさあ…」
シロエ 「ぼくが一人でやらされるより、マシですよ!」

その可能性もあったんですし、とシロエ君、ブツブツ。

シロエ 「最初に1本持っていたのが、ぼくでしたしね…」
キース 「仕方ないだろう、お前が採ったんだから」
シロエ 「発見者の宿命ってヤツですけどね…」

最近、ババが多い気がして…、とシロエ君の深い溜息。

シロエ 「なんだか、やたらと災難に遭ってる気がします」
ジョミー「そういえば…。日頃の行いが悪いのかな?」
シロエ 「ジョミー先輩には、そう見えるんですか?」

喧嘩だったら買わせて頂きますよ、とシロエ君、ジト目。

シロエ 「ついでに災難な運命も、お譲りしましょうか?」
ジョミー「ソレ、要らないし!」

ただでも誰かさんが出そうなのに、とジョミー君。

ジョミー「紅葉見物の話をしようよ、別荘のさ!」
シロエ 「別にいいですけど、ほぼ来ますよね…」

あの迷惑な誰かさんたち…、とシロエ君が仰ぐ天井。

シロエ 「まあ、別荘にアレは無いでしょうけど」
キース 「そうだな、山とは違うわけだし」
サム  「でもよ、条件が揃えばヤバイんでねえの?」
一同  「「「あー…」」」

キノコだけに…、と顔を見合わせる御一同様。
条件次第…?


2020/11/02 (Mon)

 

☆条件が揃えば


マツカ君の別荘で紅葉見物、渋滞を避けてヘリで行く案が。
けれど来そうな誰かさんたち、例のキノコもあるかもで…。

シロエ 「キノコが出て来る条件ですか…」
キース 「季節としては、まだまだ危ない気がするな…」
サム  「だろ? 適度な湿気と日当たりでねえの?」

例のキノコが出る条件な、とサム君、複雑な顔。

サム  「この前、俺たちが追い掛けられた山だってよ…」
シロエ 「手入れはしていませんでしたしね…」
スウェナ「その割に、キノコ天国だったのよねえ…」
キース 「どちらかと言えば、無法地帯に近かったがな」

松茸は見かけなかったわけだし…、と副住職。

キース 「だが、他のキノコが多かったのは間違いない」
サム  「な? だからよ、マツカの別荘でもよ…」
シロエ 「条件が揃えば、アレが出て来るわけですね?」
ブルー 「有り得るだろうね、なにしろキノコは…」

胞子を飛ばして増えるんだから、と生徒会長も溜息を。

ブルー 「マツカ、別荘というのは、お花見と同じかな?」
マツカ 「そうですね。一番近いのは、其処になります」
ブルー 「うーん…。そうなると、山が近いから…」

胞子は充分、飛んで来そうだ、と嫌すぎる読み。

ブルー 「絶対に無いとは、言い切れないねえ…」
シロエ 「不吉な予言をしないで下さい!」
ブルー 「でも、現実を直視すべきだよ」

後はマツカに賭けるしかない、と生徒会長。

ブルー 「別荘だけに、手入れは松茸山以上だろうしね」
マツカ 「確かに、雨でも降らない限りは、庭掃除ですね」

朝一番に庭師さんたちが綺麗に…、と御曹司の答え。

マツカ 「隅々まで掃除している筈です」
ブルー 「やっぱりね。そうなると、キノコは…」

もれなく排除の方向だよね、と生徒会長。

ブルー 「つまり、庭師さんたちがいる限りはさ…」
シロエ 「出ても無駄だというわけですね?」
ブルー 「そうなるね」

顔を出したら処刑だってば、と冷静な意見。
排除ですね?


2020/11/03 (Tue)

 

☆ヘリに乗るなら


何処も混み合う紅葉のシーズン、マツカ君の別荘が狙い目。
ヘリでお出掛け出来そうですけど、誰かさんが来そうで…。

シロエ 「片っ端から処刑してくれれば、安心ですよね」
ブルー 「庭師さんは、それが仕事だからね」
キース 「心配無用というわけだな」

だったらマツカの別荘に行くか、とキース君。

キース 「アレが無いなら、普通に紅葉見物なんだし…」
ジョミー「御馳走も期待出来るしね!」
スウェナ「絶品なのよね、あそこのお料理!」
サム  「例のキノコが出て来ねえのなら、決まりだぜ」

紅葉見物はマツカの別荘、とサム君、親指をグッと。

サム  「しかもヘリだろ、VIP待遇って感じだよな!」
ジョミー「いいよね、空から見る紅葉もさ」

遊覧飛行もつけられないかな、とジョミー君の声。

ジョミー「別荘の近くの山だって、紅葉が綺麗だろうし」
シロエ 「いいですねえ! 空だと渋滞しませんしね」
サム  「道路の渋滞を見るってのもよ、一興じゃねえの」

紅葉渋滞で動けないのを、空から見物、とサム君の提案。

サム  「これがホントの高みの見物、っていうヤツだぜ」
キース 「確かにな。駐車場に入るまでが地獄らしいし…」
スウェナ「今のシーズン、報道ヘリも飛んでるわよ?」

紅葉と渋滞をセットで中継、とスウェナちゃんも。

スウェナ「道路の方は大渋滞です、ってリポーターが…」
シロエ 「そういえば…。是非、やりましょう!」

空から見物するコースで…、とシロエ君も大賛成。

シロエ 「マツカ先輩、それでお願い出来ますか?」
マツカ 「いいですよ。遊覧飛行をつけるんですね」

コースは自由にお選び頂けますよ、と御曹司。

マツカ 「アルテメシアから別荘までの間なら、何処でも」
ブルー 「飛行計画が要るんだっけね、ああいうのは」
マツカ 「ええ。其処は、きちんとしておきますから」
一同  「「「やったー!!!」」」

空の旅までついてくるんだ、と誰もが歓声。
素敵ですよね!


2020/11/04 (Wed)   

 

☆何処か似ている人


紅葉の季節は何処も渋滞、けれどヘリなら安心なお出掛け。
スッポンタケの心配も無用な、マツカ君の別荘に決定で…。

ジョミー「ヘリから見るなら、紅葉の名所も大丈夫だよね」
シロエ 「そうなりますよね、角度が違い過ぎですけど」

地上で見るのと空からとでは…、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「とはいえ、紅葉は紅葉ですから…」
サム  「赤けりゃ、何でもいいんでねえの?」
スウェナ「アバウトだわねえ…。サムらしいけど」
サム  「おう! 俺は絵心とかはねえしよ」

ただのシーズンイベントだよな、とサム君、ニヤッと。

サム  「要は遊べて、美味いものさえ食えればよ…」
ブルー 「いいってわけだね、サムの場合は」
サム  「何か問題あるのかよ?」
ブルー 「それは無いけど、似た人がいたな、って…」

思わないでもないんだよねえ…、と生徒会長。

ブルー 「別の方面が凄すぎるから、目立たないけどさ」
一同  「「「へ?」」」
ブルー 「遊んで美味しいものってだけなら、さほど…」

ぼくたちは迷惑を蒙らないし…、と思慮深げな顔。

ブルー 「だからさ、影が薄いんだよねえ、その面ではさ」
シロエ 「会長、それって、もしかしなくても…」
キース 「あの馬鹿野郎か?」
ブルー 「ピンポーン!」

基本はそういう人間の筈、と言われてみれば、そんな人が。

ジョミー「そっか、サムって、似てるんだ、アレと…」
シロエ 「全く気付きませんでしたよね…」
マツカ 「見た目のタイプが似ていませんから…」

けれど、タフさは共通かも…、と御曹司も。

マツカ 「なるほど、サムに似てたんですね」
スウェナ「ビックリだわねえ…」

月とスッポンほど違うんだけど…、とスウェナちゃん。

キース 「確かにな。見た目だけなら、あっちは美形で…」
シロエ 「サム先輩は、並みと言うよりもですね…」
サム  「お前ら、なんか酷すぎねえか?」

人が黙って聞いていればよ、と膨れてますけど。
似てるかも?


2020/11/05 (Thu)

 

☆味方しに来た人


今年の紅葉はマツカ君の別荘、ヘリでお出掛けですけれど。
紅葉を空から見る話から、浮上したサム君に似た人の話。

サム  「俺がよ、アレに似てるだなんて…」
ジョミー「そりゃさ、見た目は似てないけどさ…」
シロエ 「アバウトな所は、確かに似ているかもですよ」

あっちが凄すぎて目立たないだけで…、と頷く面々。

シロエ 「遊べて、美味しいものさえあれば、でしょう?」
サム  「お前たちだって、そうじゃねえかよ」
キース 「しかし、紅葉を見に行くんだぞ」

多少は景色にこだわるだろう、と副住職の真っ当な意見。

キース 「赤ければ何でもいい、とまでは言わない筈だ」
スウェナ「そうよ、あんまりすぎるわよ、それ」
ジョミー「誰かさんの発想と変わらないよね」
??? 「なになに、何が変わらないって?」

何の話、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「出たーっ!!!」」」
Aブルー「失礼だねえ、君たちは!」

人の噂をしていたくせに…、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「分かるものなんだよ、悪口ってさ!」
キース 「誰も呼んではいないんだが!」
Aブルー「大丈夫、時間の問題だから!」
一同  「「「へ?」」」

どういう意味だ、と誰もがキョトン。

シロエ 「呼ぼうだなんて、誰も言ってませんけど?」
Aブルー「紅葉見物の話だよね?」

そのために集まってるんだろう、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「話が纏まったら、お邪魔しようかと」
キース 「とっくの昔に纏まったんだが!」
Aブルー「それはラッキー! 聞き逃してたんだね」

他の方に意識が行っていたかな、と喜ぶ人。

Aブルー「紅葉の話は後でいいとして、さっきの悪口…」
サム  「あんたじゃねえよ、俺が言われているんだぜ!」
Aブルー「そうみたいだけど、味方してもいいよ?」
サム  「はあ?」
Aブルー「紅葉見物したいしね!」

味方がいると心強いし、とパチンとウインク。
サム君を支持…?


2020/11/06 (Fri) 

 

☆お試しだそうです


紅葉見物はマツカ君の別荘へ、ヘリでお出掛けなんですが。
やって来たのがサム君に似た人、サム君に味方するそうで。

サム  「味方ってえのは、何なんだよ!」
Aブルー「もちろん、君の肩を持つことだってば!」

それ以外に何があると言うのさ、とソルジャーの問い。

Aブルー「ぼくさえサムの味方についたら、強い筈だよ!」
サム  「そうとは思えねえけどなあ…?」
Aブルー「だったら、ちょっと試してみようか?」

そこの君たち、と赤い瞳が見回す面々。

Aブルー「今から、お試しタイムなんだけどね?」
一同  「「「お試しタイム?」」」
Aブルー「そう! 君たちの中から、一人選んで…」

ぼくが味方についてあげるよ、とソルジャーの笑み。

Aブルー「サムのつもりで来たんだけどね、お試しだから」
シロエ 「お試しというのは、どんなのでしょう?」

サッパリ意味が分かりませんが、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「サム先輩だって、多分、そうですよ」
サム  「おっ、流石、分かってくれてたのな!」
シロエ 「それはまあ…。話を聞くのが一番でしょう」
サム  「だよなあ…。それで、お試しって言うのはよ…」

どんな感じになるんだよ、とサム君からも質問が。

サム  「俺も見てから考えてえよな、どうするかをよ」
Aブルー「了解。平たく言えば、試供品ってトコかな」
一同  「「「試供品?」」」
Aブルー「お試しだからね、試供品だろ?」

よくお店とかに置いてあるよね、と言われましても。

キース 「馬鹿野郎! 言葉の意味くらい理解している!」
Aブルー「そうなのかい? それは失礼」

知らないのかと思ってさ、と失礼すぎる台詞。

Aブルー「お試しタイムは、誰でもいいから一人だけ…」
キース 「試供品が貰えるんだな?」
Aブルー「ぼくが味方につくってヤツをね!」
キース 「一人だけか…」
シロエ 「そのようですね…」

それ以外の人は…、と顔を見合わせる御一同様。
一人だけ…。


2020/11/07 (Sat) 

 

☆試供品を貰えば


今年の紅葉はマツカ君の別荘、ヘリで出掛ける計画ですが。
やって来たのがソルジャー、サム君に何処か似ている人で。

キース 「試供品が貰える一人は、こいつが味方に…」
シロエ 「つくんですよね、百パーセント…」

どんな無理でも通るのでは…、とシロエ君の複雑な顔。

シロエ 「他の面子は奴隷にするとか、いけそうですよ」
ジョミー「奴隷って…。それは無理すぎないかな?」
キース 「有り得るぞ。なにしろ、こいつなんだから…」

殆ど最終兵器じゃないか、とキース君、ガクブル。

キース 「いいか、この前の松茸山の、ぶるぅの刑も…」
スウェナ「言い出したのは、この人だったわね…?」
ジョミー「そういえば…。此処にぶるぅはいないけど…」
シロエ 「連れて来るとか言いかねませんよ!」

ぶるぅの刑は恐ろしすぎます、とシロエ君も悪い顔色。

シロエ 「あの時は、全員、泥棒認定を覚悟でですね…」
キース 「隣の山に入ったんだぞ、でもって、追われて…」
ジョミー「危なかったよね、捕まりそうでさ…」
スウェナ「救助したのも、この人なのよね…」

瞬間移動で、とスウェナちゃん。

スウェナ「私たちの命運を左右できるのは、間違いないわ」
シロエ 「それも全員、纏めてですよ」
Aブルー「ピンポーン! どうかな、お試しタイムは?」

誰がお試ししたいのかな、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「キースでもいいし、シロエでもいいけど」
ジョミー「あっ、ずるい! なんでキースとシロエ?」
キース 「俺に決まったわけではないが!」
シロエ 「ぼくもですよ!」

たまたま名前が挙がっただけです、と呼ばれた人たち。

シロエ 「キース先輩、悪いですけど、お試しは、ぼくが」
キース 「なんだって!?」

抜け駆けするか、と非難の声が。

キース 「それくらいなら、俺がだな…!」
ジョミー「ぼくだって!」
シロエ 「早い者勝ちです!」

試供品だってそうでしょう、と言ってますけど。
どうなる…?


2020/11/08 (Sun)

 

☆お試しは無しで


紅葉見物はマツカ君の別荘、ヘリで出掛ける予定ですけど。
其処へ来たソルジャー、サム君に似ているという話から…。

キース 「早い者勝ちは無いだろう! 公平にだな…!」
ジョミー「ジャンケンとかで決めるべきだよ!」
スウェナ「そうよ、最強の味方がつくのよ?」
サム  「あー、悪いけどよ…」

お試しタイムは無しで頼むぜ、とサム君の割り込み。

シロエ 「何ですって? どういうことです、サム先輩!」
サム  「お試ししなくても、もう分かったしよ…」

味方について貰えばどうなるかがよ、とサム君、苦笑。

サム  「試供品無しで、俺で頼むのが一番だよな」
キース 「おい! お前、まさか、俺たちを奴隷に…!」
シロエ 「ぶるぅの刑かもしれません。仕返しですしね」
一同  「「「げっ!」」」

えらいことになった、と誰もが顔面蒼白。

キース 「と、取り消す! そいつに似てると言った件!」
シロエ 「ぼくもです! 謝りますから、許して下さい!」
ジョミー「ぼくだって!」

だから許して、と悲鳴と嘆願。

キース 「頼むから、そいつを味方につけないでくれ!」
サム  「うーん…。それを頼む気だったのによ…」
一同  「「「へ?」」」
サム  「俺の味方についてくれたら、その件をよ…」

無かったことにして貰う気だった、とサム君、困惑。

サム  「けどよ、謝って貰っちまうと…」
シロエ 「えーっと…? どうなるんですか?」
サム  「味方して貰っても、意味ねえなあ、って…」

試供品でも要らねえよ、と弾ける、人が好すぎる笑み。

サム  「今の話は無しってことな!」
Aブルー「ええっ? せっかく、ぼくがさ…!」

味方になるって言ってるのに、とソルジャーも仰天。

Aブルー「もったいないと思わないのかい?」
サム  「そりゃまあ…。でもよ、みんな、友達!」
キース 「お前ってヤツは…」
シロエ 「最高ですよ!」

やっぱり全然似ていませんね、とシロエ君。
いい人ですしね!


2020/11/09 (Mon)

 

☆誘って欲しい人


今年の紅葉はマツカ君の別荘へ、ヘリでお出掛けする予定。
サム君がソルジャーに似ているとかで、脱線でしたけど…。

ジョミー「ありがとう、サム! 断ってくれて!」
サム  「訂正してくれりゃ、それでいいんだよ、俺は」

似ているっていう話をよ、とサム君、素晴らしい人柄。

サム  「そいつに似てなきゃ、問題ねえし」
Aブルー「なんで、そこまで言われるのさ、ぼくが!」
キース 「日頃の行いが悪いからに決まっているだろう」
Aブルー「うーん…。まさか、断られるなんて…」

君たちだって、争奪戦の勢いだったのに…、と溜息な人。

Aブルー「まあいいけどね。それより、紅葉は?」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「保留にしていた紅葉の件だよ、お出掛けだよ!」

何処へ行くわけ、とソルジャーが乗り出す膝。

Aブルー「もちろん、誘ってくれるよねえ?」
シロエ 「マツカ先輩、誘っちゃダメです!」
キース 「馬鹿か、お前は!」

なんだって口を滑らせるんだ、とキース君の怒声。

キース 「今ので半分、バレただろうが!」
ジョミー「そう言うキースも、裏付けたよねえ?」
スウェナ「どうしてスルーしなかったのよ!」
ブルー 「そして君たちが、残りを補強したってね」

脊髄反射で喋るからだよ、と生徒会長、お手上げのポーズ。

サム  「俺とマツカは、喋ってねえぜ」
ブルー 「うん。君たちは、いいんだけどさ…」
Aブルー「ねえねえ、マツカに頼めばいいんだよね?」

何処に行くのか知らないけどさ、とソルジャーの問い。

Aブルー「スポンサーは、マツカみたいだし…」
マツカ 「その通りですね」

否定はしません、と素直に頷く御曹司。

マツカ 「別荘へ行こうと言ってるんです、ヘリで空から」
Aブルー「いいねえ、ソレ! 行ってもいいかい?」
マツカ 「ええ、皆さんでいらして下さい」
一同  「「「げっ!」」」
Aブルー「何か?」

スポンサーが承知したのにさ、と正論が。
間違ってませんね…。


2020/11/10 (Tue)

 

☆会議だそうです


紅葉見物はマツカ君の別荘、ヘリで空からお出掛けですが。
ソルジャーも行きたいと言い出しまして、マツカ君が承諾。

Aブルー「マツカの別荘へ出掛けるんだし、問題無し!」
キース 「し、しかしだな…!」
Aブルー「みんなでどうぞ、と言ってくれたしねえ…」

ハーレイも、ぶるぅもOKだよね、と笑顔のソルジャー。

マツカ 「もちろんですよ。皆さんで、是非」
シロエ 「人が好すぎです、マツカ先輩!」
キース 「そもそも、お前が喋ったせいだぞ!」
シロエ 「キース先輩だって、怒鳴ったでしょう!」

ぼくだけのせいにしないで下さい、と揉めてますけど。

ブルー 「あのねえ…。とっくの昔に手遅れだから」
サム  「それによ、俺とマツカ以外は、連帯責任だぜ」
一同  「「「うっ…」」」

それはそうかも、と口ごもるしかない御一同様。

Aブルー「じゃあさ、お出掛けは、三人追加でね!」
マツカ 「分かりました。あれっ、もう、お帰りですか?」
Aブルー「ちょっとね、会議があるものだから」

サボッたら、おやつが貰えなくてね、とソルジャー、苦笑。

Aブルー「ぶるぅのおやつには、劣るんだけどさ…」
キース 「貰わないと怪しまれる、というわけだな?」
Aブルー「そう! おやつは食事よりも大切だしね!」

食べに帰るよ、とパッと姿が消え失せまして…。

ジョミー「あーあ…。やっぱり来るってさ…」
スウェナ「来るとは思っていたのよねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなでお出掛けだよね!」

とっても楽しみ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「それにヘリにも乗れちゃうし!」
サム  「おう! 前向きに考えようぜ」

文句を言っても仕方ねえしよ、とサム君の意見。

サム  「召喚しちまったものは、どうしようもねえよ」
ジョミー「毎回、召喚しちゃうんだよねえ…」
キース 「誰かがな…」
ブルー 「呪文も無しだし、最強だってば」

呼ばれた方は、と言われましても。
それって、どういう…?


2020/11/11 (Wed)

 

☆呪文が無い場合


紅葉見物はマツカ君の別荘ですけど、ゲストが三名も追加。
断れないわけで、ヘリでソルジャーたちとお出掛けですが。

ジョミー「呼ばれた方は最強って、それ、どういう意味?」
キース 「あの馬鹿は、元々、最強だろうが!」

たまにマツカが勝利するが、とキース君。

キース 「だが、それ以外は、ほぼ無敵でだな…」
シロエ 「呼ばれなくても来ますしね…」

迷惑この上ないですよ、とシロエ君も。

シロエ 「あんなのを呼ぶ呪文なんかは、無くていいです」
スウェナ「あったら真面目に困るわよ!」
サム  「唱えたヤツは、フルボッコでねえの?」
ジョミー「当たり前だよ!」

今日みたいなのは仕方ないけど、とジョミー君の相槌。

ジョミー「明日は我が身だから、許すだけでさ…」
サム  「うんうん、何が切っ掛けになるか謎だしよ…」

責められねえよな、とサム君も同意。

サム  「だからよ、呪文なんかはねえ方がよ…」
ブルー 「どうなんだか…。ぼくが言うのは其処だから」
一同  「「「は?」」」
ブルー 「呪文も無しだし、最強ってヤツ!」

君たちも、よく考えたまえ、と生徒会長。

ブルー 「召喚する時に呪文を唱える理由は、何かな?」
ジョミー「えっと…? それは呼びたいからで…」
スウェナ「そうよね、呼びたい理由はともかく」
ブルー 「呼ぶために唱えるんだろう? つまりさ…」

一種の儀式なわけだよね、と生徒会長の解説が。

ブルー 「手順を踏んで呼び出したんなら、帰す時には?」
シロエ 「お帰り願わないとダメですね」
ブルー 「うん。こっくりさんでも、そうだよね」

お帰り下さい、という儀式が必要、と生徒会長の指摘。

ブルー 「だったら、呪文も無しで出て来た魔物とかは?」
キース 「祈祷で追い払うか、バトルしかないな」
ブルー 「ブルーは、まさにその状態だよ」
シロエ 「お帰り願えないんですね…」
ブルー 「そう!」

分かったかな、と見回されましても。
怖すぎですって…。


2020/11/12 (Thu)

 

☆呪文を唱えても


紅葉見物はマツカ君の別荘、ソルジャーたちも来るそうで。
ヘリでお出掛けなんですけれど、そのソルジャーが問題。

シロエ 「お帰り頂く呪文が無いって、最悪ですよ!」
スウェナ「怖すぎるわよ、その状態!」
ジョミー「祈祷かバトルか、それしか無いんだ…?」

なんとか帰って貰うには…、とジョミー君もブルブル。

ジョミー「今日は、サッサと帰ったけどさ…」
サム  「普段だったら、居座るんだぜ」
キース 「ぶるぅの料理と、菓子目当てでな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お客様、大好き!」

帰っちゃったから残念だよう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「ゆっくりしてって欲しかったのに…」
シロエ 「要りませんから!」
ジョミー「どうせ、紅葉で振り回されるよ」
キース 「くっそぉ…。また、あいつらか…」

嫌な予感しかしないんだが、とキース君の眉間に皺が。

キース 「最強の魔物らしいしな…」
マツカ 「どうでしょう? 紅葉見物に限っては…」
一同  「「「え?」」」
マツカ 「呪文を唱えたことにならないでしょうか?」

ぼくが御招待しましたしね、と御曹司。

マツカ 「皆さんでどうぞ、と言いましたし…」
ジョミー「あー! それが召喚の呪文になるんだ!」
マツカ 「そうじゃないかと思うんですけど…」

如何でしょうか、と御曹司の問い。

マツカ 「今日とは事情が違って来ますよ」
キース 「なるほどな…。確かにそうだ」
ジョミー「じゃあ、最強じゃなくなるのかな?」
ブルー 「うーん…。問題は、お帰り頂く呪文で…」

そっちの呪文があるだろうか、と生徒会長。

ブルー 「どうなんだい、マツカ?」
マツカ 「言われてみれば…」

お客様は追い返せませんね、とマツカ君の困り顔。

マツカ 「おもてなししてこそですから…」
キース 「お帰り願えないんだな?」
マツカ 「そうなりそうです、この場合…」
一同  「「「あー…」」」

ダメか、と一同、肩を落としてガックリ。
残念すぎ…。


2020/11/13 (Fri)

 

☆運任せでいこう


紅葉見物はマツカ君の別荘、ヘリでお出掛けでゲストつき。
ソルジャーたちが来るわけですけど、どうしようもなくて。

キース 「召喚の呪文は唱えていても、帰す呪文か…」
マツカ 「すみません。お客様を御招待した以上は…」
シロエ 「お帰り願うのは、失礼ですしね…」

勝手にお帰りになるならともかく…、とシロエ君。

シロエ 「そういう場合は、引き止める方が失礼ですけど」
ジョミー「あっ、ソレ! ソレを使えないかな?」
一同  「「「は?」」」
ジョミー「引き止める方が失礼ってヤツだよ!」

お帰りになるなら止められないよ、とジョミー君の意見。

ジョミー「止めようって方が失礼なんだし、いけるかも…」
サム  「いいかもなあ…。でもよ、相手がアレだしよ…」
スウェナ「帰りたくなるようなことって、あるかしら?」

なんと言っても最強なのよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「どちらかと言えば、私たちの方が…」
シロエ 「帰りたい気分になりそうですよね…」
キース 「まったくだ。もう諦めるしかないだろう」

紅葉見物は運任せだ、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「運が良ければ、ヘリで空から観光してだな…」
サム  「美味いものを食って、楽しめるってな!」
キース 「そういうことだ。悪かった時は、仕方ない」
シロエ 「考えない方が良さそうですね…」

悪かった時のことなんて…、とシロエ君も深い溜息。

シロエ 「紅葉日和に期待しましょう、それが一番です」
ジョミー「そうだね、天気が悪かったらさ…」
キース 「何も言うな、言霊というのがあるぞ」
ブルー 「うん。いいことだけを考えたまえ」

それでこそ福を呼べるというもの、と生徒会長も。

ブルー 「マツカ、別荘とヘリをよろしく頼むよ」
マツカ 「ええ。手配の方は任せて下さい」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お出掛け、楽しみ!」
一同  「「「おーっ!!!」」」

いいことを考えて福を呼ぶぞ、と突き上げる拳。
福が来ますように…。


2020/11/14 (Sat)

 

☆肩書が同じ人


やって来ました、紅葉見物でマツカ君の別荘に出掛ける日。
生徒会長のマンションに集合ですけど、いつもと違う場所。

シロエ 「会長、おはようございます!」
ブルー 「おはよう、みんな揃っているね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いいお天気で良かったよね!」

お出掛け日和! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が歓声な屋上。

キース 「屋上にヘリポートというのが流石だな…」
ジョミー「駐車場からだと思ってたよねえ…」
マツカ 「ぼくもです。そしたら、ブルーが…」

屋上にあるから、と言ったんですよね、と御曹司。

マツカ 「流石、ソルジャーの家ともなると違いますよ」
サム  「その肩書だと、誰かと変わらねえけどよ…」
ブルー 「仕方ないよね、役職名が同じだからさ」
??? 「悪かったねえ!」

肩書が同じで、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

ぶるぅ 「わぁーい、いらっしゃい!」
Aブルー「多分、君の方がパクリだからさ、ソレ!」
ブルー 「だろうね、なにしろシャングリラ号が…」
A船長 「私たちの船と同じだそうですからねえ…」

設計図が流出したとかで…、とキャプテンも登場。

A船長 「なんとも由々しき問題ですが…」
Aブルー「いいじゃないか、お蔭でこうしてさ…」
Aぶるぅ「地球のある世界に来られるもーん!」

最初に来たのは、ぼくだもんね、と悪戯小僧の「ぶるぅ」。

Aぶるぅ「美味しいものが沢山あるし、楽しいし…」
Aブルー「そういうこと! 流出のことは気にしない!」

原因は多分、ぼくだろうけど、とソルジャーの苦笑。

Aブルー「人類軍に漏れたわけじゃないから、オッケー!」
ブルー 「設計図の件は感謝してるよ」

無意識にしても…、と生徒会長。

ブルー 「でも、その件と、君の迷惑度とは…」
Aブルー「別件だって?」
ブルー 「当然だろう! 毎回、毎回…」
マツカ 「皆さん、ヘリの用意が出来てますから」

続きはヘリの中でどうぞ、と言ってますけど。
この続きを…?


2020/11/15 (Sun) 




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☆ゲストも来ました


松茸山へお出掛けな休日、集合しているシャン学メンバー。
ソルジャーたちは多分ギリギリ、いつものお約束ですけど。

キース 「アレさえ無ければいいんだ、これで安心だな」
シロエ 「でもですね…。キノコは成長が早いですから」
サム  「おいおい、フラグを立てるんじゃねえよ」

縁起でもねえ、とサム君、シロエ君をギロリと。

シロエ 「すみません! そんなつもりじゃあ…」
ジョミー「当たり前だよ、故意なら許されないって!」
スウェナ「そうね、有罪まっしぐらよねえ…」
??? 「なになに、誰が有罪だって?」

何の話、とソルジャーたち(会話表記はAつき)が登場。

Aブルー「おはよう、今日は天気も最高だよね!」
A船長 「皆さん、おはようございます」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ ぶるぅ、久しぶりーっ!」
ぶるぅ 「わぁーい、みんなが来てくれたよーっ!」

楽しい松茸山になりそう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「マイクロバスでお出掛けだよね!」
マツカ 「ええ、そのバスです。お揃いですから…」

バスへどうぞ、と御曹司が指差すマイクロバス。

Aブルー「いいねえ、マイクロバスでも豪華!」
マツカ 「乗り心地も、車内の設備も大切ですしね」
Aブルー「流石、マツカは気が利くよ!」

じゃあ、有難く、とソルジャー、いそいそとバスへ。

Aブルー「ほら、ハーレイも! 一番前の席がいいよね」
A船長 「地球の景色を楽しめますしね」
Aぶるぅ「ぶるぅ、ぼくたちも前の方にしようよ!」
ぶるぅ 「うんっ!」

わぁーい! と、お子様たちも大はしゃぎで車内へ。

ブルー 「よし、ぼくたちもバスに乗ろうか」
シロエ 「そうですね!」

全員、乗車で、松茸山へと走り始めたマイクロバス。

Aブルー「楽しみだよねえ、松茸山! ところでさ…」
マツカ 「はい、何でしょう?」
Aブルー「さっきの、有罪ってヤツなんだけど」

何のことかな、とソルジャーからの質問が。
忘れていなかったと…?


2020/10/16 (Fri) 

 

☆フラグをお願い


マイクロバスで松茸山へ出発、その車内での話ですけれど。
ソルジャーが持ち出した有罪という件、ヤバイかもな流れ。

Aブルー「そもそも、誰が有罪なんだい?」
マツカ 「いえ、該当者はいませんけれど」

ただの話題というヤツですよ、とマツカ君、穏やかな笑み。

マツカ 「故意か過失か、そういう話をしていただけです」
Aブルー「ふうん…? 何か事件があったのかな?」
キース 「違うな、単に話題になっていただけだ」

そして中身はフラグについてだ、と副住職。

キース 「いわゆるフラグを立てた場合は、どうなるかと」
Aブルー「それは有罪になるのかな?」
キース 「さっきマツカが言った通りに、故意か過失か…」
ブルー 「其処で変わって来るんだよねえ、判決が」

故意だと有罪、過失の場合は原則、無罪、と生徒会長も。

ブルー 「それだけの話で、フラグも全く立っていないね」
Aブルー「そうなんだ…。どうせなら立てて欲しかったな」
一同  「「「へ?」」」

なんのこっちゃ、と一同、キョトン。

サム  「立てるって…。フラグをかよ?」
Aブルー「そう! スッポンタケに出会えるように!」
一同  「「「げっ!」」」

何処かで聞いたようなフラグで、誰もがガクブル。

Aブルー「どうしたんだい?」
キース 「普通、出会いたくないだろう!」
Aブルー「ぼくは大いに出会いたいけど!」
A船長 「私もですね」

養子縁組をしていますから、とキャプテンの笑顔。

A船長 「元気な姿を見せてくれると、嬉しいのですが」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ ハーレイ、漲るもんね!」
Aブルー「会えれば、今夜はビンビンのガンガン!」

なのにフラグが立っていないなんて、とソルジャー、溜息。

Aブルー「今からでもいいから、フラグをお願い!」
キース 「立てたヤツは有罪になるんだが!」
Aブルー「大丈夫、ぼくが許すから! 逆転無罪で!」

それなら立ててくれるだろう、と言ってますけど。
誰が立てると…?


2020/10/17 (Sat) 

 

☆お礼をするなら


松茸山へ向かうマイクロバスの中で、話がイヤンな方向へ。
フラグを立てて欲しいソルジャー、立てても無罪だとか。

Aブルー「罪にならないんだし、誰か立ててよ!」
A船長 「私からも、是非、お願いします」

息子と対面したいですし、とキャプテンまでが。

A船長 「せっかく休暇が取れたんですから」
Aブルー「ほら、ハーレイも、こう言ってるし!」

誰かフラグを、と見回す車内。

Aブルー「誰でもいいから、スッポンタケとの対面用に!」
キース 「断固、断る!」
サム  「立てたいヤツなんか、誰もいねえよ」
Aブルー「有罪の件なら、ちゃんと無罪にするからさ!」

此処で一発、とソルジャー、グッと拳を。

Aブルー「それでスッポンタケに会えたら、お礼もね!」
A船長 「いい案ですね、一種の懸賞ですか」
Aブルー「そう! 出会えた場合は、うんと手厚く!」

フラグを立ててくれた人に…、と取り出す財布。

Aブルー「こんな感じで、お礼はどうかな?」
シロエ 「ハッキリ言って、安すぎますね」

それじゃお布施にも届きませんよ、とシロエ君。

シロエ 「束が入っていませんからね」
ジョミー「だよねえ、財布の厚みも込みでアレだし…」
スウェナ「せいぜい20枚くらいじゃないの?」

束の五分の一だわね、とスウェナちゃんも。

スウェナ「私たち、甘く見られてるわよ、本当に」
サム  「アレじゃ魂は売れねえよなあ…」
キース 「まったくだ。俺たちを舐めていやがるな」

誠意の欠片も見られないぞ、と副住職。

キース 「いいか、フラグを立てたヤツは、だ…」
シロエ 「思いっ切り、裏切り者ですよ?」

いくら無罪にして貰っても、とシロエ君の指摘。

シロエ 「仲間内では恨まれますから、格安では…」
ジョミー「誰も裏切らないと思うよ、割に合わないから」
サム  「やっぱ、束だよな?」
キース 「最低でも、束は欲しいところだ」

それ以下で裏切る馬鹿はいない、と頷く人たち。
格安ではねえ…。


2020/10/18 (Sun)

 

☆キャッシュと厚み


松茸山へ向かう車中ですけど、ソルジャーが持ち出した話。
スッポンタケに出会えるフラグを立てたら、お礼だそうで。

Aブルー「誰もフラグを立てたくない、って?」
キース 「その金額で、誰が立てると言うんだ!」

俺たちだって、馬鹿じゃないんだ、と副住職の渋面。

キース 「せめて束なら、誰か裏切るかもしれないが…」
ジョミー「20枚だよ、そりゃ大金には違いないけど…」
サム  「裏切り者って言われるんだぜ、後々まで」

その運命とは釣り合わねえよ、とサム君も。

サム  「だからフラグは諦めろよな、誰も立てねえしよ」
スウェナ「そうよ、あんなキノコは無くていいのよ」
Aブルー「うーん…。君たち、何も分かってないねえ…」

いや、マツカは分かっているかもね、と赤い瞳がキラリ。

Aブルー「どうかな、マツカ? この財布は?」
キース 「おいおい、カード払いというのは無しだぞ」
ジョミー「こういう場合は、キャッシュだよねえ?」
サム  「そうだぜ、重みが違うしよ」

ブラックカードが入っていたって意味ねえよ、とサム君。

サム  「やっぱ、キャッシュでなくっちゃよ…」
Aブルー「こう言ってるけど、マツカの意見は?」
マツカ 「そうですね…。中身を拝見していませんから…」

ある意味、ブラックカード以上かも、と御曹司が傾げる首。

ジョミー「ちょ、ちょっと…! なんでそうなるわけ!?」
キース 「俺にも分からん、何なんだ、マツカ?」

あの中に何があると言うんだ、と車内はたちまち大騒ぎに。

キース 「どう見ても、中身は20枚だが…!」
マツカ 「その20枚が問題なんです、この場合」

お札だけとは限りませんから、と御曹司、思慮深げな顔。

マツカ 「もしも小切手が入っていたら、と…」
一同  「「「小切手?」」」
マツカ 「ええ。好きな金額を書ける仕様だったなら…」
一同  「「「あーっ!!!」」」

上限が無いことになるんだ、と誰もが仰天。
半端ないかも…。


2020/10/19 (Mon) 

 

☆裏切りの価値は


松茸山へ向かう車中で、フラグを立てろと言うソルジャー。
スッポンタケに出会えるのを立てた人には、お礼だそうで。

キース 「小切手と来たか…」
ジョミー「エロドクターのヤツだよねえ?」
サム  「それ以外にねえだろ、あいつの金づる」
シロエ 「そうなってくると、上限は本気で無いですね…」

なんと言ってもエロドクターです、とシロエ君も唖然。

シロエ 「裏切る価値があるような気がして来ましたよ」
スウェナ「待ちなさいよ、あんた、裏切る気なの!?」
キース 「魂を売るつもりなのか?」
シロエ 「考えようによっては、アリじゃないかと…」

思うんですよね、とシロエ君が立てる人差し指。

シロエ 「いいですか? 金額の方は上限無しです」
キース 「それはそうだが、裏切り者には追手がかかるぞ」
ジョミー「高飛びするなら別だけれどさ…」
サム  「学校も辞めて逃げねえ限りは、ブチ殺されるぜ」

なんたって、この面子だしよ、とサム君、指をボキボキと。

サム  「覚悟しとけよな、裏切るんなら」
キース 「ついでに、坊主ネットワークを舐めるなよ?」

国内なら、何処でも坊主がいるぞ、と副住職も。

キース 「指名手配は簡単なんだ、こいつを探せ、と」
ジョミー「あー! もしかして、宗派を超えるわけ?」
キース 「当然だろうが、今の世の中、SNSだ」

若手は細かいことを言わない、と副住職の冷たい笑み。

キース 「拡散希望で一発だろうな、指名手配は」
サム  「だってよ、それでも裏切るのかよ?」
シロエ 「単独でやるとは言ってませんしね」
一同  「「「はあ?」」」

どういう意味だ、と誰もがキョトン。

キース 「おい。どうやって複数で裏切るつもりだ?」
シロエ 「簡単ですって、声を掛ければいいだけです」
ジョミー「それで、どうなるって?」
シロエ 「もちろん、お礼を山分けですよ」
一同  「「「あーっ!」」」

その手があったか、とアッと驚く御一同様。
複数で裏切り…。


2020/10/20 (Tue)

 

☆皆で立てれば


松茸山へ向かう車中ですけど、フラグを立てた人にはお礼。
スッポンタケに出会えるフラグで、ソルジャーからで…。

キース 「なるほどな…。皆で裏切ったら問題ない、と」
シロエ 「そうなんですよ、全員、共犯ということで」
一同  「「「イイネ!」」」

上限無しの小切手ゲット、と盛り上がる車内。

サム  「俺は乗ったぜ、此処で乗らなきゃ損だしよ」
ジョミー「ぼくも、ぼくも!」
スウェナ「入らない手は無いわよね、ソレ」
キース 「当然、俺も混ざれるんだろうな?」

スッポンタケは俺の一番弟子だぞ、と副住職も大乗り気。

キース 「弟子のことなら、俺に任せろ!」
シロエ 「じゃあ、キース先輩が筆頭でいいですか?」
キース 「そうだな、出会えるフラグだからな」

出頭しろと言えばいいのか、とキース君、ニヤリ。

キース 「出て来なければ破門だ、とでも」
シロエ 「いいですね、その線で行きましょう!」
Aブルー「フラグを立てる気になってくれたのかい?」
キース 「やってもいいぞ、小切手を貰えるならな」

金額に上限は無いだろうな、と確認の方も抜かりなく。

Aブルー「大丈夫! ノルディがくれたヤツだしね!」
シロエ 「キース先輩、いけますよ!」
キース 「よし! では、早速…」

不肖の弟子に声を掛けないと、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「我願身浄…」
マツカ 「あのぅ…。お話の途中ですけど…」
キース 「なんだ、読経の邪魔をする気か?」

そういえば、お前は混ざってないな、と副住職の鋭い瞳。

キース 「金に不自由は無いんだろうが、此処はだな…」
シロエ 「放っておいて頂けますか、マツカ先輩」
マツカ 「そうじゃなくって、到着なんです」

松茸山に、と外を指差す御曹司。

マツカ 「今、駐車場に入りましたから」
Aブルー「それじゃ、フラグは?」
マツカ 「残念ですが…」
一同  「「「えーっ!?」」」

そんな、と悲鳴が上がってますけど。
時、既に遅し、と…。


2020/10/21 (Wed) 

 

☆出遅れた責任


松茸山へ向かう車中で、スッポンタケに出会えるフラグを。
立てた場合はソルジャーからお礼、やる気になったのに…。

キース 「くっそぉ、一足、出遅れたか…!」
ジョミー「上限無しの小切手、貰える筈だったのに…!」
シロエ 「本当ですよ、せっかくの案がパアですってば!」

あんまりすぎる、と嘆き節ですけれども、ソルジャーも。

Aブルー「あのねえ、君たちには儲け話なんだろうけど…」
A船長 「私たちには切実ですよね、出会えるかどうかは」
Aブルー「そう、それ! 泣きたいのは、ぼくたちだよ」

君たちに何が分かるというのさ、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「縁起でもないことをしてくれちゃって…」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「フラグだってば、へし折ったようなものだよね」

立てる気満々でコケたんだから、と赤い瞳に物騒な光。

Aブルー「もしも出会えなかった時はさ、君たちにもさ…」
キース 「ま、まさか、責任転嫁する気か!?」
Aブルー「転嫁じゃなくって、そのまんまだろう!」

縁起をかつぐのも大事だよね、と指をビシィ! と。

Aブルー「それを逆さにしたんだからさ、責任重大!」
キース 「言いがかりだ!」
Aブルー「そうは言えないと思うけど?」

残念がったのも君たちだから、と畳み掛ける人。

Aブルー「無関係だとは言えないからね、絶対に!」
A船長 「ええ、因果関係は認められるでしょうね」

スッポンタケに出会えなかった時は…、とキャプテンも。

A船長 「もしもフラグが立っていたなら、という観点で」
シロエ 「キャプテンなのに縁起を担ぐんですか!?」
キース 「そんな姿勢でキャプテンなんぞは…」

務まらんだろう、と副住職のツッコミ。

キース 「もっと冷静客観的であるべきだ!」
A船長 「いいえ、私は冷静ですよ」
キース 「どの辺がだ!」
A船長 「今はブルーの連れの立場が大切ですので」

ブルーの肩を持ちませんと、とキッパリと。
ある意味、冷静…。


2020/10/22 (Thu)

 

☆フラグを折ったら


松茸山に到着ですけど、立て損なってしまったのがフラグ。
スッポンタケに出会えるヤツで、ソルジャー、怒り心頭で。

Aブルー「ほらね、ハーレイもこう言ってるから!」
キース 「俺たちに責任があると言うのか?」
A船長 「そうなりますねえ、必然的に」

責任を取って頂かなければ…、とキャプテンも大真面目。

A船長 「それに縁起は大切ですよ、船乗りにとっては」
Aブルー「そうなんだよねえ、SD体制の時代でもね!」

なにしろ宇宙に出るわけだから…、とソルジャーの解説。

Aブルー「一つ間違えたら、普通の人間は、命が無いしさ」
キース 「だが、あんたたちは、違うだろうが!」
A船長 「人類軍というのがありますからね」
Aブルー「人類には頼もしい存在だけど、ミュウにはさ…」

命取りでしかないからね、と言われてみれば、その通り。

Aブルー「そんなわけでさ、縁起は担いでなんぼなんだよ」
A船長 「ですから、フラグが折れるというのは…」

とてもよろしくないですね、とキャプテンの眉間に皺が。

A船長 「出会えない気がして来ましたよ、義理の息子に」
Aブルー「ホントにねえ…。ぼくも心配で、心配で…」

会えなかったらどうしよう、とソルジャー、溜息。

Aブルー「スッポンタケがいないだなんて、最悪だってば」
キース 「此処は松茸山なんだが!」
Aブルー「キノコにとっては、最高の環境だろう?」
一同  「「「うっ…」」」

其処については確かなだけに、反論出来ない御一同様。

Aブルー「いいね、いなかった時は君たちのせい!」
一同  「「「そ、そんな…」」」

無茶な、と誰もがガクブルですけど。

Aブルー「それが嫌なら、草の根分けても探し出すんだね」
シロエ 「見付からなかった時は、どうなるんですか?」
Aブルー「そうだね、ぶるぅの刑というのも…」
A船長 「良さそうですねえ…」
一同  「「「ぶるぅの刑?」」」

なんだそれは、と皆が見合わせる顔。
ぶるぅの刑って…?


2020/10/23 (Fri)

 

☆サプライズな刑


松茸山に到着したものの、立て損なったフラグが大問題。
スッポンタケに出会えなかったら、責任がどうのという話。

キース 「…おい。ぶるぅの刑というのは、何なんだ?」
Aブルー「そのまんまだけど?」
A船長 「私たちのシャングリラならではの、刑ですね」

なかなか楽しいものですよ、とキャプテン、穏やかな笑み。

A船長 「食らってのお楽しみですからねえ、この刑は」
Aブルー「そう! もう、とびきりのサプライスで!」

処刑を命じた、ぼくにも読めない、とソルジャーも笑顔。

Aブルー「だから、ぶるぅの刑でどうかな?」
キース 「それが分からんと言ってるんだが!」
A船長 「私たちにも分からない、とブルーがですね…」
Aブルー「たった今、説明したばかりだけれど?」

刑を食らってみれば分かるよ、とソルジャー、ウインク。

Aブルー「どんな刑かは、ぶるぅにお任せ!」
一同  「「「えっ?」」」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ 悪戯、大好きだもんね!」
一同  「「「ひぃぃっ!」」」

ソレか、と誰もが震え上がった、ぶるぅの刑の正体。

シロエ 「し、死ねる気しか、しないんですけど…!」
キース 「俺もだ、どんな目に遭わされるんだ?」
Aブルー「さあねえ、ぶるぅの気分次第だし…」
A船長 「どうなるかは、本当に分かりませんね」

嫌なら、刑の回避をどうぞ、とキャプテンが指差す松茸山。

A船長 「スッポンタケに出会えた場合は、刑は無しです」
Aブルー「そうだよ、頑張って探すのが一番!」
一同  「「「うわー…」」」

取りに来たのは松茸なのに、と顔色の悪い御一同様。

キース 「どうして、こういうことになるんだ…」
シロエ 「それよりもですね…」

マツカ先輩の気配りが問題ですよ、とシロエ君が潜める声。

シロエ 「此処は松茸山ですから…」
Aブルー「えっ、なに、なに?」
シロエ 「いいえ、何でもありません!」

とにかく急いで入山です、と揃って松茸山へ。
さて、どうなる…?


2020/10/24 (Sat) 

 

☆無さそうなアレ


松茸山に着いた面々ですけど、立て損ねたフラグが大問題。
スッポンタケに出会えなかった時は、ぶるぅの刑だそうで。

Aブルー「うん、松茸山はいいねえ、自然もたっぷり!」
A船長 「地球ならではの光景ですよね、楽しみましょう」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ 松茸とスッポンタケだね!」
一同  (((………)))

問題はスッポンタケなんだ、とガクブルなのが他の面子で。

シロエ 「さあ、頑張って探しましょうか、松茸を!」
Aブルー「スッポンタケもよろしくね!」
Aぶるぅ「無かった時は、ぼくの出番だも~ん!」
一同  「「「頑張りまーっす!」」」

誠心誠意、と山に分け入るシャン学メンバー。

キース 「シロエ、さっきの話なんだが、マツカのだな…」
シロエ 「気配りっていうヤツですか?」
ジョミー「そう、ソレ、ソレ! 何処が問題?」

あっ、松茸! と、ジョミー君が一本目を発見。

ジョミー「流石、手入れが行き届いてる山は違うね!」
シロエ 「其処なんですよ、問題は」
サム  「どういう意味だよ、分かるように言えよな」
シロエ 「マツカ先輩、松茸山の人にですね…」

アレの排除を頼んだんですよね、とシロエ君の問い。

シロエ 「松茸以外は、出ないように、って…」
マツカ 「は、はい…。実は、昨夜も改めてお願いを…」

念には念を入れたんですけど…、と御曹司、優れない顔色。

マツカ 「どうやら裏面に出たみたいですね、この場合…」
一同  「「「うっ…」」」

そういえば、そういう話もあった、と誰もが顔面蒼白。

スウェナ「つまり、松茸しか無いってわけね?」
マツカ 「プロがパトロール済みですからね…」

朝一番で、と御曹司が肩を落として見回す山。

マツカ 「見落としなんかは、無いと思っていいでしょう」
サム  「やべえじゃねえかよ、そんな山だと」
キース 「どう考えても、確実に…」
ジョミー「ぶるぅの刑だよ…」

ぼくたち全員、とジョミー君、お手上げのポーズ。
処刑…。


2020/10/25 (Sun) 

 

☆見付からないアレ


松茸山に来た御一同様、松茸はあっても無いキノコが問題。
スッポンタケが見付からないと、ぶるぅの刑な身の上で…。

シロエ 「どうするんですか、このままだと処刑ですよ?」
キース 「だが、俺たちには、どうすることも…」
サム  「出来ねえよなあ、相手はアレなんだしよ」

召喚できるブツでもねえぜ、とサム君の嘆き節。

サム  「松茸だったら、いくらでも…。おっと、発見!」
ジョミー「ぼくも! 嬉しいけれどさ、例のアレがさ…」
マツカ 「すみません、なんとお詫びすればいいか…」
Aブルー『もしもーし! そっちはどう?』

スッポンタケに出会えたかな、とソルジャーの思念。

キース 「急かすな、鋭意、捜索中だ!」
Aブルー『了解! こっちは生憎、出会えてなくてね』
A船長 『皆さんに期待しておりますから』

頑張って下さい、とキャプテンからもダメ押しが。

サム  「やべえよ、マジでアレは生えてねえんだ…」
キース 「そのようだな、あいつらでもダメとなると…」
スウェナ「ぶるぅの刑なんか、勘弁だわよ!」
シロエ 「ぼくもですけど、探すだけ無駄で…。あれ?」

あっちの山は何でしょう、とシロエ君が指差す隣の山。

シロエ 「松茸山では無さそうですよね、雰囲気が」
キース 「そうだな、手入れをしていないようだ」
マツカ 「所有者が放置しているんでしょう、面倒で」

松茸山で採算を取るのは大変ですし、と御曹司。

マツカ 「シーズン以外も、何かと手入れが必要ですから」
シロエ 「あの山だったら、ありそうな気がしませんか?」
キース 「確かにな…。キノコ天国になっていそうだ」

あっちに越境すればいけるか、との案ですけれど。

マツカ 「あるかもですけど、許可を得ていませんしね…」
シロエ 「放置な山じゃないですか!」
マツカ 「今のシーズン、無許可で入ると泥棒認定です」
キース 「松茸のか?」
マツカ 「はい」

非常に危険な時期なんですよ、という指摘。
泥棒認定…。


2020/10/26 (Mon)

 

☆泥棒認定なリスク


松茸山に来た面々ですけど、必要なキノコはスッポンタケ。
見付からなければ、ぶるぅの刑。どんな刑かも謎だけに…。

キース 「如何にも採れそうな山なんだがな…」
マツカ 「ですから、余計に危ないんですよ、気まぐれが」
一同  「「「気まぐれ?」」」
マツカ 「放置している山の持ち主です、気が向いたら…」

松茸を探しにやって来ますよ、と御曹司。

マツカ 「運が良ければ、少しは見付かりますからね」
シロエ 「其処に出くわしたら、泥棒認定なんですね?」
マツカ 「ええ。この時期、無許可入山は禁止ですから」

国有林ならセーフですけど、という話。

キース 「国有林か! この近辺にあるといいんだが…」
マツカ 「生憎、何処も観光松茸山か、個人の山ですね」
シロエ 「入山許可は取れないんですか?」
マツカ 「観光松茸山なら、当日でもOKですけど…」

個人の山は難しいです、と御曹司も困り顔。

マツカ 「所有者が分かっても、留守だとアウトですし…」
一同  「「「あー…」」」

ケータイの番号までは分からないか、と誰もが溜息。

ジョミー「じゃあさ、泥棒認定覚悟でさ…」
サム  「越境するしかねえよな、コレ」
スウェナ「そうね、道に迷ったとでも言えばいいかも!」
キース 「松茸は置いて行くしかないな」

ブツを持っている時点でお縄だ、と副住職。

キース 「仕方ない。山歩きの途中で迷ったことに…」
シロエ 「でもですね…。スッポンタケを見付けたら…」
サム  「採るしかねえしよ、キノコ狩り認定だぜ」
ジョミー「だけど、ぶるぅの刑よりはさ…」

泥棒認定の方がマシかも、とジョミー君の意見。

ジョミー「問題は逃げ足の速さだけだし、イチかバチかで」
キース 「万一の時は、あの馬鹿に救助を要請するか…」
シロエ 「瞬間移動で逃がして貰うんですね?」
キース 「ああ。どう思う?」
一同  「「「イイネ!」」」

それで行こう、と決意を固めた御一同様。
越境の方がマシ、と…。


2020/10/27 (Tue)

 

☆犯罪者の世界へ


松茸は沢山あるというのに、スッポンタケなど無い松茸山。
けれど見付からなければ悲劇で、ぶるぅの刑になるわけで。

キース 「よし、採った松茸は此処に置いて行くんだ」
ジョミー「これだけあったら、目印が無くても分かるよね」
サム  「畜生、松茸はドッサリなのによ…」

なんだって松茸泥棒みたいな真似を…、と誰もが溜息。

シロエ 「仕方ないですよ、ぶるぅの刑は嫌ですからね」
マツカ 「すみません、ぼくが余計なことをしなければ…」
スウェナ「いいのよ、松茸山としては正しい姿勢だわ」

松茸だけにしておくのは…、と真っ当な意見。

スウェナ「キノコ天国な、放置の山が異端でしょ?」
マツカ 「昨今、少なくないそうですけど…」
キース 「お蔭で、なんとかなるかもしれん。行くぞ!」

此処から先は犯罪者の世界だ、とキース君が跨いだロープ。

キース 「たかがロープが一本なんだが、境界なのか…」
マツカ 「松茸シーズンだけ、張るらしいですよ」
シロエ 「越境したら松茸泥棒だぞ、という脅しですね…」
ジョミー「これだけ放置な山なのにね…」

持ち主に出会いませんように…、と祈る気持ちの御一同様。

キース 「急いでアレを探して帰るぞ、とにかく」
シロエ 「散りますか?」
キース 「馬鹿か、団体でいてこそ山歩きだ」

道に迷ったと言い訳できる、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「俺たちは、ハイキングに来た高校生でだ…」
サム  「山の掟も知らねえってわけな?」
キース 「ああ。だから知らずにロープを越えた、と」
ジョミー「そうだね、それなら叱られるだけで…」

泥棒認定は免れるかも、とジョミー君。

ジョミー「でも、屈んでたらアウトだろうね…」
シロエ 「アレを採るのに屈んだんだ、は通りませんよね」
サム  「おっ、あの辺りがいいんでねえの?」
キース 「キノコが群生しているな」
シロエ 「ありますように…!」

例のヤツが、と一同、キノコの群れに突撃。
ありますかねえ?


2020/10/28 (Wed) 

 

☆ヤバイ橋を渡って


松茸はあってもスッポンタケが無い、悲惨な場所が松茸山。
ぶるぅの刑は嫌な面々、泥棒認定を覚悟で隣の山へ越境で。

サム  「おーっ! いけるんでねえの、この辺で探せば」
シロエ 「頑張りましょう、山の持ち主が来ない間に」
Aブルー『もしもーし! スッポンタケは見付かった?』
キース 「やかましい! 今、ヤバイ橋を渡っている!」

いざという時は救助を頼む、と副住職。

Aブルー『えっ、ヤバイ橋って?』
キース 「あんたは黙って、逃走するのを助けてくれ!」
シロエ 「あっ、あそこ! アレじゃないですか?」
Aブルー『見付かったのかい?』

嬉しいな、と弾むソルジャーの思念。

Aブルー『こっちは全然、見付からなくてね…』
キース 「いいから、少し黙ってろ! どうだ、シロエ?」
シロエ 「間違いないです、あのキノコです!」
一同  「「「やったー!」」」

ぶるぅの刑は免れたんだ、と一同、歓喜の声ですけれど。

??? 「こらぁーっ、其処で何をしている!」
一同  「「「げっ!」」」

棒を振り上げて走って来るのが、知らないオジサン。

オジサン「お前ら、松茸泥棒か!」
シロエ 「ち、ちが…! 道に迷って…!」
オジサン「だったら、なんでしゃがんでるんだ!」
キース 「シロエ、急いで回収しろ!」

そのブツを、とキース君の必死の叫び。

オジサン「ガキども、採ったキノコを見せろ!」
キース 「急ぐんだ、シロエ!」
シロエ 「採りました!」
オジサン「まだ採ってるのか、クソガキどもが!」

その松茸を今すぐ返せ、と山のプロだけに速い足。

キース 「ずらかるぞ!」
一同  「「「オッケー!」」」

逃げろ、と一目散ですけれども、縮まるオジサンとの距離。

オジサン「許さんぞ、クソガキーっ!」
キース 「あの馬鹿野郎はどうしたんだ!」
Aブルー『ついさっき、君が、黙ってろ、って…』
キース 「非常事態だ!」

臨機応変に考えやがれ、と副住職の絶叫。
運命や如何に…?


2020/10/29 (Thu) 

 

☆初対面ならオッケー


松茸はあれどもスッポンタケが皆無、松茸山はそんな場所。
やむなく隣の山に越境、見付けたものの、追われている今。

オジサン「止まらんか、ガキどもーっ!」
Aブルー『え? えっと…?』
キース 「早く助けろ、あんたの大事なキノコがだな…!」

没収されるぞ、とキース君の血を吐く叫び。

キース 「捕まったら、何もかもパアなんだ…!」
Aブルー『分かった、なんだか知らないけどーっ!』

パアッと青い光が走って、気付けば全員、元の松茸山に。

一同  「「「た、助かった…!」」」
Aブルー「君たち、何をやってたわけ?」
シロエ 「コレです、なんとか採って来ました…!」
A船長 「おお! 良かったですね、ブルー!」

義理の息子に出会えましたよ、とキャプテン、感激。

A船長 「それにしても、何があったんです?」
キース 「ぶるぅの刑は勘弁だからな、隣の山まで…」
シロエ 「探しに出掛けて、山の持ち主に見付かりました」
Aブルー「へええ…。隣の山にはあるんだ?」

ちょっといいかも、と赤い瞳がキラキラと。

Aブルー「ハーレイ、ぼくたちも行って来ようか?」
A船長 「いいですねえ!」
キース 「正気か、松茸泥棒認定だぞ!」
Aブルー「分かるよ、さっきのオジサンだろう?」

だからね、とソルジャー、マツカ君に視線を。

Aブルー「マツカ、あのオジサンの許可が欲しいんだけど」
マツカ 「ああ…。あなたたちだと、初対面ですから…」

確かにいけます、と大きく頷くマツカ君。

マツカ 「金一封に、お菓子でも添えるといいですね」
Aブルー「ありがとう! それじゃ早速…」

用意して、ハーレイと行ってくる! と揃って消滅でして。

サム  「行っちまったぜ、あいつらと悪戯小僧のぶるぅ」
キース 「有難いんだが、釈然とせんな…」
シロエ 「追われ損でしたね、コレ、どうします?」
ジョミー「処刑したいけど…」

バレたら殺されそうだ、と誰もが思うスッポンタケ。
どうすれば…?


2020/10/30 (Fri) 

 

☆デコって進物用


スッポンタケを探して隣の山に越境、泥棒認定された面々。
ソルジャーの瞬間移動で逃走、残ったものはスッポンタケ。

サム  「あいつらも、採りに行っちまったけどよ…」
シロエ 「第一号のコレ、覚えていたら大変ですよね…」

処刑して消えた後だったら…、と1本だけを眺めて溜息。

ジョミー「でもさあ、松茸と一緒に持ちたい人ってさ…」
スウェナ「私たちの中にはいないわよね」
キース 「いっそ、ブルーに押し付けるか?」
ブルー 「冗談じゃないよ!」

さっきから黙って見ていれば…、と生徒会長、登場。

キース 「あんた、何処から湧いたんだ!?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 瞬間移動だも~ん!」

ぼくも来たよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」もパッと出現。

キース 「見ていたんなら、どうして助けなかった!?」
ブルー 「最初から、あっちを頼りにしてたしねえ…」

お邪魔かと思って…、と生徒会長、涼しい顔。

ブルー 「だから、そのキノコも要らないってば」
シロエ 「でも、邪魔なんです!」
ブルー 「だったら、デコッて、ブルー用にね」
一同  「「「へ?」」」

どういう意味だ、と驚く間に、瞬間移動で出て来た竹籠。

ブルー 「松茸の贈答用の籠だよ、コレに入れてさ…」
ぶるぅ 「ヒノキの葉っぱでデコればいいの!」

立派に進物用になるから、と言われて納得。

キース 「よし! シロエ、お前がデコっておけ!」
シロエ 「ぼくですか!?」
キース 「採集したのは、お前だからな」
シロエ 「分かりましたよ、貧乏クジなんですね…」

デコりますってば、とシロエ君が完成させた進物用。

シロエ 「こんな感じでどうでしょう?」
Aブルー『イイネ!』

ぼくたちが採って帰った分もよろしく、と飛んで来た思念。

シロエ 「ぼくがやるんですか!?」
Aブルー『沢山あるから、みんな素敵にデコッてよね!』
一同  「「「えーっ!!!」」」

そんな、と誰もが悲鳴ですけど。
今月、これにて中継終了~。


2020/10/31 (Sat) 





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☆連休の無い十月


さて、十月。行楽と食欲の秋、そういうシーズンの始まり。
休日に生徒会長宅に集った面々、今日も楽しく歓談中で…。

ジョミー「秋はやっぱり、グルメだよねえ!」
シロエ 「レジャーの方も捨て難いですよ」
サム  「その辺は、マツカが頼りになるんでねえの?」

両方セットでセッティングだぜ、とサム君の発言。

サム  「なんたって、あちこちに別荘だしよ」
スウェナ「だけど、学校はどうするのよ?」
キース 「いくら俺たちに出席義務が無いとはいえ…」

サボッて旅行はマズイような、と副住職。

キース 「グレイブ先生の嫌味が、容易に想像できるぞ」
ジョミー「あー…。「いい御身分だな、諸君」ってヤツ…」

確かにね、とジョミー君も頭に浮かんだ様子。

ジョミー「そうなってくると、日帰りだとか?」
シロエ 「いいトコ、一泊二日ですよね」

今月は連休がありませんから、とシロエ君。

シロエ 「マツカ先輩の家、近場の別荘も多いですけど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 松茸山とかは?」
一同  「「「松茸山?」」」
ぶるぅ 「うんっ! 松茸狩りと、御馳走がセット!」

楽しいんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の笑顔。

ぶるぅ 「採れた松茸を、その場でお料理!」
ブルー 「いいねえ、焼き松茸とかね」
マツカ 「松茸山なら、いつでも手配できますよ」
一同  「「「やったー!」」」

それでいこう、と歓声の中で、副住職だけが浮かない顔。

キース 「……松茸山か……」
ジョミー「あれっ、松茸、嫌いだったっけ?」
キース 「そういうわけではないんだが…」

嫌な予感がしないでもない、と副住職。

キース 「なにしろ相手はキノコ狩りだぞ」
一同  「「「あー…」」」

キノコといえば、と誰もが即座に連想したブツ。

シロエ 「やっぱり、アレもいるんでしょうか?」
キース 「お前は、いないと言い切れるか?」
シロエ 「い、いいえ…」

断言できる自信はゼロです、とシロエ君の溜息。
アレって…?


2020/10/01 (Thu) 

 

☆松茸山とアレ


行楽と食欲の秋ですけれども、松茸山という案が登場な今。
賛成の声が多数な中で、キース君だけが浮かない表情で…。

シロエ 「キース先輩の懸念は、アレなんですね?」
キース 「ああ。万が一ということもあるしな」

可能性だけで来そうなヤツが…、と副住職が顰める眉。

キース 「しかも、お出掛けは大好きと来た」
ジョミー「だよねえ、アレにかこつけて…」
キース 「いや、そこは松茸山の方がメインだろうな」

美味い料理が食えるんだから、と副住職。

キース 「ついでにアレに遭遇出来たら、ラッキー、と」
一同  「「「あー…」」」

その方向かも、と誰もが納得。

サム  「そうなってくると、他にも不安はあるぜ」
シロエ 「他にもって…。何なんです?」
サム  「松茸山にいそうってことは、シーズンだろ?」

つまりは生えて来るんだよな、とサム君が顎に当てる手。

サム  「生えて来たなら、そこで誕生日にならねえか?」
シロエ 「まあ、そうですけど…。それが何か?」
サム  「忘れたのかよ、お彼岸の件」

俺も詳しくは知らねえけどさ、とサム君の視線が副住職に。

サム  「誕生日祝いの法要がある、って言ったよな?」
キース 「あ、ああ…。しかしだ、アレは…」
ジョミー「ネタを振ったの、ブルーだったよね?」
ブルー 「そうだったかもねえ…」

思い出したくないんだけど、生徒会長、スルーな姿勢。

ブルー 「元凶はキースだし、そっちに聞いてよ」
キース 「なんでそうなる!」
ブルー 「スッポンタケは君の一番弟子だろう?」
キース 「どうして、アレで済まさないんだ!」

わざわざ名前を出しやがって、とキース君、ブチ切れ。

キース 「その上、俺にネタを振るとは、無茶だろうが!」
ブルー 「ズバリ、戒名をつけたのが君で、師僧だから!」
キース 「だからと言って、俺に押し付けられても!」
ブルー 「その前にさ…」

質問に答えてあげたまえ、と生徒会長、涼しい顔。
それは確かに…。


2020/10/02 (Fri) 

 

☆仏様と誕生日


行楽と食欲の秋が来まして、松茸山へ行く案が出ましたが。
松茸山だけにキノコがいそうで、スッポンタケも可能性大。

シロエ 「キース先輩、会長も、こう言っていますし…」
サム  「説明しろよな、誕生日祝いの法要ってのを」
スウェナ「そうよね、知っているんなら」

説明する義務がある筈でしょ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「ブルーには、借りが山ほどあると思うのよ」
シロエ 「言われてみれば、そうですよね」
マツカ 「アドス和尚に関する件だけでも、かなりですよ」

偉そうなことは言えないのでは…、と御曹司までが。

マツカ 「誕生日祝いの法要というのは、何なんです?」
ジョミー「まさか、ご先祖様の誕生日だとか…?」
サム  「それはねえだろ、って…。いや、そうかも…」

生きてるんならパーティーだよな、とサム君が傾げる首。

サム  「おい、仏様の誕生日かよ?」
キース 「そうなんだが…」
一同  「「「ええっ!?」」」

何故、仏様の誕生日、と誰もが仰天。

シロエ 「あのですね…。お亡くなりなら、誕生日は…」
マツカ 「意味が無い気がするんですけど…」
キース 「そこで法要をやったからこそ、美談なんだ」

法話に使われるようになった、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「ご存命なら百歳だという、めでたい日にな」
ジョミー「百歳の記念に法要なわけ?」
キース 「ああ。バースデーケーキに、赤飯とかで」

そして坊主も呼んで来たんだ、と副住職。

キース 「仏様が喜ぶものは、法要だからな」
シロエ 「それ、誰かさんも言ってましたよね?」
マツカ 「聞いたような気がしますよね…」

門前の小僧というヤツですか、と苦笑する人たちですけど。

キース 「その通りなんだ、あの馬鹿野郎めが!」
サム  「あー…。だったら、誕生日が出来るとよ…」
ジョミー「誕生日祝いの法要ってこと?」
キース 「そう思わないか?」

あいつだからな、と副住職の苦々しい顔。
誕生日祝い…。


2020/10/03 (Sat)

 

☆ネタを振った人


行楽と食欲の秋が到来、松茸山へ行こうという案が浮上中。
ところがキース君が言うには、松茸山にいそうなのがアレ。

キース 「アレに誕生日が出来た場合は、危ないぞ」
ジョミー「やっぱり法要って言い出すのかな?」
キース 「では、言わないと思うのか?」

逆に質問せて貰うが…、と副住職。

キース 「何かと言えば法要なのが、あの馬鹿なんだが」
ジョミー「そ、それは…。言わない方がおかしいかな…」
キース 「まあ、確実に言い出すだろうな」
シロエ 「そうなった時は、誕生日祝いをするんですか?」

バースデーケーキと御赤飯で、とシロエ君も不安そうな顔。

シロエ 「お供え物はおめでたいのに、法要なんですよね」
キース 「俺も正直、やりたくはないが…」
サム  「お施主様の意向が一番、ってえのもよ…」

この前、ブルーが言っちまったよな、とサム君、ボソッと。

サム  「だから法要、頼まれちまった場合はよ…」
キース 「やるしかないのが、坊主の立場というヤツだ!」

でもって、たった今、気付いたんだが…、と吊り上げる眉。

キース 「戦犯は、ブルーだと思うんだがな?」
一同  「「「へ?」」」
キース 「今回の件だ、誕生日祝いの法要だ!」

ネタを振ったのはブルーなんだぞ、と視線を生徒会長へ。

キース 「俺に説明しろと言ったが、元々は、だ…」
シロエ 「そういえば、会長の発言でしたね」
スウェナ「お施主様が一番も、そうじゃなかったかしら?」
キース 「ビンゴだ、スウェナが言うのが正しい」

ヤバイ方向へ行ったらブルーが戦犯、と副住職、キッパリ。

キース 「こいつが余計なことを喋ったせいだ!」
ブルー 「ちょっと待ってよ、そもそもはさ…」

誰が呼び込んだ仏様なのさ、と生徒会長。

ブルー 「君が戒名をつけなかったら、いないんだよ?」
サム  「うんうん、それは言えてるぜ」
キース 「だが、今回は、だ…」

戦犯はブルーだと思う、とリピートですけど。
どうでしょう?


2020/10/04 (Sun)

 

☆別の人がやっても


行楽と食欲の秋は松茸山へ、そういう意見が出てますけど。
松茸山にはいそうなのがアレ、キノコなだけに可能性大で。

キース 「誕生日祝いの法要な上に、お施主様の意向だぞ」
シロエ 「誰かさんが喜びそうな感じですよね…」
キース 「俺には不安しか無いわけなんだが!」

松茸山は楽しそうでも…、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「戦犯は明らかにブルーでも、だ…」
サム  「法要をさせられるのは、キースだよなあ…」
ブルー 「それは当然のことだろう?」

だって、キースの一番弟子だよ、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「ぼくがやるのは筋違いだしさ、遠慮しないと」
キース 「たまには、あんたがやってみやがれ!」

あの馬鹿野郎が有難がるぞ、と副住職の反撃。

キース 「伝説の高僧が導師となったら、最高だからな!」
ジョミー「そうかもねえ…。キースとは格が違うんだしさ」
サム  「キースだと、緋色の衣も当分、着られねえよな」

緋色が最高なんだからよ、と僧籍な人。

サム  「ブルーがやったら、何か問題あるのかよ?」
一同  「「「え?」」」
サム  「いや、法要の導師だけどよ…」

ブルーがやってもいいんでねえの、とサム君の意見。

サム  「実際、やるかどうかは別でよ、俺の疑問な」
キース 「そこの所は、全く問題ないと思うが」
ブルー 「無いねえ、特に今回はね」

いつもの法要と違うわけだし、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「普段のヤツでも、ぼくがやってもいいけどさ…」
キース 「突発的な法要になると、尚更なんだ」

特別に導師を頼むという話はよくあるぞ、と副住職も。

キース 「寺で大きな法要をやる時などは、ほぼ常識だな」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「考えてごらんよ、ゲストが大勢来るんだよ?」
キース 「ご来賓より格下の坊主が、導師はマズイ」
シロエ 「だったら、会長が導師でも…」

いけるんですね、と頷き合うシロエ君たち。
問題なし…。


2020/10/05 (Mon) 

 

☆お布施を貰っても


行楽と食欲の秋は松茸山だ、という声が出ている今ですが。
松茸山と言えばキノコで、アレがいそうな可能性も大で…。

サム  「やっぱ、ブルーでいけるのな…。誕生日祝いは」
シロエ 「キース先輩でなくても、いいわけですね」
ブルー 「でもねえ、ぼくは、やりたくないし!」
キース 「それは俺だって、毎回、同じだ!」

なんだって、アレの法要を…、と副住職の愚痴。

キース 「やったところで、俺に利益は何も無いのに!」
ジョミー「そういえば、タダ働きだっけ…」
シロエ 「お布施は、懐に入らないんでしたね…」

形だけの受け渡しで…、と一同、其処は納得。

シロエ 「じゃあ、会長でも、そうなりますか?」
ブルー 「それは無いねえ、ぼくならキッチリ頂くよ!」
一同  「「「へ?」」」

タダじゃないのか、と誰もがポカーン。

シロエ 「あのぅ…。何故、会長はタダじゃないんです?」
ブルー 「考えてみれば分かるだろう? 銀青なんだよ」
サム  「キースとは格が違うってか?」
ブルー 「それも大きいけど、決定的な違いはさ…」

後ろめたい所がゼロなことだね、と威張り返る人。

ブルー 「キースの場合は、アドス和尚にバレたらさ…」
シロエ 「終わるんでしたね、いろんな意味で」
ブルー 「そう! コッソリ法要もマズイんだけど…」

あの戒名を付けたのが最高に罪が重いね、とニンマリと。

ブルー 「なにしろ、院殿号だから…」
キース 「親父に知れたら、殺されるのは確実だな」

だからアレから逃れられん、と副住職、苦悶の表情。

キース 「しかし、お布施を懐に入れると…」
ブルー 「アドス和尚にバレた時には、地獄だってば」

殺されるだけじゃ済まないよ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「その点、ぼくには縛りが無いから、大丈夫!」
シロエ 「だったら、お布施次第になるんですか?」
ブルー 「でも、アレだしねえ…」

仏様が…、と銀青様でも嫌がるブツ。
そりゃそうですねえ…。


2020/10/06 (Tue)

 

☆立ち寄ったそうです


行楽と食欲の秋は松茸山が楽しそうだ、と思った御一同様。
とはいえ、松茸山だけにキノコがいそうで、当然、アレも。

シロエ 「お布施が貰えても、会長は断るわけですか?」
ブルー 「誰がやりたいと言うんだい? アレの法要」

キースは仕方ないけどね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「もう宿命と言ってもいいから、断れないけど」
キース 「縁起でもないことを言わないでくれ!」
??? 「こんにちはーっ!」

お邪魔するよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「いい季節だねえ、食欲の秋!」
キース 「あんた、何処から聞いていたんだ!」
Aブルー「えっ?」
キース 「俺たちの話だ、どの辺からだ!?」

最初から聞いていたのでは…、とキース君、悪い顔色。

Aブルー「どの辺から、って…。えっと…?」
キース 「しらばっくれるな、法要の件だ!」
Aブルー「法要って…?」

お彼岸なら、もう済んだだろう、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「それともアレかな、思い出話をしてたわけ?」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「あのねえ…。この服を見て分からない?」

何処から見たってお出掛け用だよ、と指差す私服。

Aブルー「朝からノルディと朝食デートで、今、帰り!」
シロエ 「じゃあ、立ち寄っただけですか?」
Aブルー「そうだよ、他に何があると?」

ぶるぅの料理とおやつを食べに…、とソルジャー、上機嫌。

Aブルー「だから話は聞いてないけど、何だって?」
キース 「いや、なんでもない!」

こっちの話だ、とキース君、ワタワタ。

キース 「それより、朝食デートというのは?」
Aブルー「料亭のヤツだよ、朝限定の!」

美味しかったぁ! と嬉しそうな人。

Aブルー「特に名物の朝粥と卵料理がね!」
キース 「そうか、そいつは良かったな」
Aブルー「それはもう! ところで、さっきの話ってさ…」

何だったんだい、とソルジャーが傾げる首。
ヤバくないですか…?


2020/10/07 (Wed)

 

☆口を滑らせた人


松茸山に行く案が出ていた所で、キノコ繋がりで別件へと。
其処へソルジャー登場でして、話は聞いていなかった模様。

Aブルー「何処からも何も、本当に今、来たばかりでさ…」
マツカ 「朝粥と卵料理が名物の料亭だったんですね?」
Aブルー「そうだよ、朝だけなんだってね」

だから早起きしたんだよね、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「普段だったら、あんな時間には起きないけどさ」
マツカ 「ええ、あの料理を出すのは朝だけですよ」

昼と夜は普通の懐石料理ですから、と御曹司。

マツカ 「特に卵が有名なんです、あのお店は」
Aブルー「そうらしいねえ、美味しかったんだけどさ…」

やっぱりキースの話が気になる、と副住職の方に視線が。

Aブルー「法要の件って言っていたけど、お彼岸とは別?」
キース 「いや、お彼岸の方なんだが…!」
Aブルー「だったら、何も焦らなくても良さそうだよね」

賑やかな法要だったけどさ、と赤い瞳がキース君をジロリ。

Aブルー「他にも何かありそうな気が…」
キース 「違う、松茸山の話で…!」
一同  「「「あーっ!!!」」」

そこで言うか、と誰もが悲鳴で、ソルジャー、手をポンと。

Aブルー「なるほど、松茸山に行こう、って?」
キース 「ち、違うんだが…!」
Aブルー「だけど、みんなが悲鳴ってことはさ…」

松茸山に行くわけだよね、と鋭い考察。

Aブルー「ぼくも是非ともお邪魔したいね、松茸山!」
シロエ 「キース先輩、どうするんですか、この始末を!」
キース 「す、すまん…!」
Aブルー「オッケー、やっぱり松茸山ってことらしいよね」

この流れだし…、とソルジャー、パチンとウインク。

Aブルー「もちろん松茸山もいいけど、気になるのがさ…」
キース 「充分だろうが、松茸山だと分かったら!」
Aブルー「なんで松茸山で法要なのか、そこのトコがね…」
キース 「松茸山とは無関係だ!」

法要は別の話なんだ、と話を逸らしてますけど。
大丈夫ですか?


2020/10/08 (Thu) 

 

☆喋らされた法要


松茸山へ行こうという案、そこから誕生日祝いの法要の話。
朝食デート帰りのソルジャー、何一つ知らなかったのに…。

Aブルー「無関係って…。そうとは思えないけどね?」
キース 「いいや、全く関係は無い!」
Aブルー「どうなんだか…。いいけど、奥の手があるから」
キース 「奥の手だと?」

何だソレは、と副住職、不安そうな顔。

Aブルー「大丈夫、拷問なんて真似はしないよ」
キース 「言っておくがな、親父は何も聞いていないぞ」
Aブルー「なるほどねえ…。つまり、内緒の法要なんだ?」

アドス和尚が知らないならね、とソルジャー、顎に手を。

Aブルー「そうなってくると、ますます知る価値があるよ」
キース 「なんだって?」
Aブルー「アドス和尚には、とても言えない法要だろう?」

君の正規の仕事じゃないね、と鋭すぎる読み。

Aブルー「つまりさ、ズバリ、スッポンタケの法要かと!」
キース 「違う!」
Aブルー「ふうん? じゃあ、何なのか、教えてよ」

言わなきゃ心を読むまでだよね、とソルジャー、ニヤニヤ。

Aブルー「ぼくの奥の手、君の深層心理まで!」
キース 「そ、そんな無茶な…!」
Aブルー「心配しなくても、一瞬だってば」

それとも喋ることにするかい、と赤い瞳に物騒な光。

Aブルー「内緒の法要って、どんなものだい?」
キース 「……誕生日祝いというヤツだ」
Aブルー「誕生日って?」
キース 「お亡くなりになった仏様の誕生日だ!」

つまり、アレとは無関係だ、と副住職、必死。

キース 「なにしろ、誕生日が無いんだからな!」
Aブルー「ああ、それで松茸山だったんだね」

色々なキノコが生えているから、と大きく頷くソルジャー。

Aブルー「松茸山にスッポンタケがあったら、誕生日で!」
キース 「既に生えていたら、誕生日は特定できないぞ」
シロエ 「キース先輩、ナイスです!」
キース 「任せておけ!」

法要は回避してみせる、と副住職、決意の表情。
出来ますか…?


2020/10/09 (Fri) 

 

☆追加で手配を


松茸山へ出掛ける案から、出て来た誕生日祝いの法要の件。
ソルジャーにバレてしまったんですけど、副住職が抵抗中。

Aブルー「確かに生えてしまっていたら、ダメかもねえ…」
キース 「キノコは成長が早いと聞く分、難しいかと」

いつ生えたのかは分からんだろう、とキース君の正論が。

キース 「誕生日を知ろうというのは無理だ」
Aブルー「うーん…。で、松茸山はマツカの管轄かな?」
マツカ 「ええ。ぼくが手配をするんですけど」
Aブルー「だったら追加で、ぼくも頼むよ」

誕生日祝いの件とは別で、とソルジャーの注文。

Aブルー「せっかくだしねえ、お邪魔したいよね!」
シロエ 「誰も呼んではいないんですけど!」
サム  「そうだぜ、勝手に来たんじゃねえかよ」
Aブルー「文句だったら、キースに言ってくれるかな?」

松茸山の話をしたのはキース、とソルジャー、しれっと。

Aブルー「ぼくは寄っただけで、何も聞いてはいないしさ」
ジョミー「そうだっけ…。今回の戦犯、キースだよね」
シロエ 「誕生日祝いの法要だけではなかったですね…」

どうするんです、とシロエ君、グッと拳を。

シロエ 「余計な面子が増えそうですけど!」
キース 「す、すまん…!」
Aブルー「そうそう、追加は三人でね!」

ぼくのハーレイと、それから、ぶるぅ、と指を折る人。

Aブルー「まさか嫌とは言わないだろう?」
シロエ 「言いたいです!」
Aブルー「ふうん…。SD体制で苦労しているのにさ…」

君も体験してみるかい、と恐ろしすぎるお誘いが。

Aブルー「ユニバーサルに放り出すから、サバイバルで!」
一同  「「「うわー…」」」

それは確実に死亡なコース、と誰もがガクブル。

シロエ 「つ、謹んで遠慮しておきます!」
Aブルー「だったら、松茸山に追加を三人分でね!」
シロエ 「マツカ先輩、お願いします!」
マツカ 「分かりました、三名様ですね」

かまいませんよ、とマツカ君、温厚な笑み。
追加で三人…。


2020/10/10 (Sat)

 

☆要らない法要


松茸山へ行こうという案から、誕生日祝いの法要の話へと。
其処へ出て来た人がソルジャー、法要は回避可能でも…。

Aブルー「やったね、みんなで松茸山だよ!」
マツカ 「どうぞ、皆さんでお越し下さい」
Aブルー「ありがとう! 流石、マツカは話が分かるね!」

でもって、後は法要だけど…、とソルジャー、顎に手を。

Aブルー「スッポンタケが出て来た時はさ、誕生日かな?」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「スッポンタケだよ、生まれたばかりの!」

ソレがあったら誕生日だろう、という指摘。

Aブルー「法要をして貰えそうだよ、誕生日祝いの!」
一同  「「「げっ!!!」」」
Aブルー「何か文句があるのかい?」
キース 「大いにあるな」

そいつは生きているだろうが、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「いいか、誕生日祝いは、あくまで仏様のだ!」
Aブルー「えっと…?」
キース 「お亡くなりになった人のでないと…」

法要をする意味などは無い、とピシャリと。

キース 「仮に生まれたばかりのがあっても、誕生日は…」
シロエ 「ソレのですよね、明らかに…」
キース 「ああ。何処から見たってご存命だぞ」

祝えるのは普通の誕生日だ、と大真面目な顔の副住職。

キース 「法要ではなくて、ハッピーバースデーだな」
ジョミー「だよね、死んではいないんだしさ」
Aブルー「じゃあ、誕生日祝いの法要は?」
キース 「どう転がっても、やる必要など無いだろう!」

誕生を祝ってやるんだな、とソルジャーにキッツイ視線を。

キース 「それなら、あんたが自分で出来るし」
サム  「うんうん、キースは必要ねえよな」

誕生日祝いに坊主なんかは要らねえぜ、とサム君も。

サム  「ケーキと蝋燭があればいいんでねえの?」
シロエ 「ゼロ歳ですよ、蝋燭、要りますか?」
スウェナ「要らないわよねえ…」
Aブルー「酷いよ、法要じゃないなんて!」

スッポンタケが漲らないよ、と言ってますけど。
正論ですしね?


2020/10/11 (Sun) 

 

☆潰すのはダメ


松茸山へお出掛けな案に、割り込んで来た人がソルジャー。
スッポンタケの誕生日祝いの法要も、やる気満々ですけど。

キース 「仏様の誕生日ならともかく、ご存命ではな…」
Aブルー「法要はダメだと言うのかい?」
キース 「当然だろうが!」

あんた、何年、法要をやっているんだ、と副住職の渋面。

キース 「法要は仏様を供養するものと決まっている!」
Aブルー「普通の誕生日しか祝えない、って?」
キース 「その通りだが、だからと言ってだな…」

ブチ殺すのは論外だぞ、とキース君、釘をキッチリと。

キース 「スッポンタケを、その場で潰すとかだな」
Aブルー「ええっ!?」
キース 「やはり潰す気だったか、あんた」
Aブルー「潰さないけど、サイオンでジュッと…」

蒸発させればいいんじゃないかと、とソルジャー、真っ青。

Aブルー「だけど、それだとダメなわけ…?」
キース 「ブチ殺しておいて、誕生日祝いは無いだろう!」

そういう場合の法要は、たった一つだけだ、と副住職。

キース 「あんたが自分の過ちを悔いて、殺した仏様を…」
ブルー 「弔って貰うしか道は無いねえ、その場合はね」

ついでに髪を下ろすと完璧、と銀青様も口添えを。

Aブルー「髪を下ろす、って何さ?」
ブルー 「出家だってば、それが一番喜ばれるよ」

殺してしまったという時は…、と銀青様のお言葉。

ブルー 「そうするんなら、そのスッポンタケもさ…」
キース 「喜んで、あんたを守ってくれるだろうな」

そうするのもいいと思うんだが…、と副住職。

キース 「どうだ、あんたも出家するか?」
Aブルー「冗談じゃないよ、坊主になるなんて!」

御免蒙る、とソルジャー、ガクブル。

Aブルー「もういいってば、普通に松茸山だけで!」
キース 「では、法要は要らないんだな?」
Aブルー「頼んだら、坊主にされそうだからね!」
一同  「「「やったー!!!」」」

キースの勝利だ、と湧き上がる大歓声。
逆転劇…。


2020/10/12 (Mon)

 

☆潰した場合は


行楽の秋は松茸山へ、その案に割り込んだのがソルジャー。
スッポンタケの誕生日祝いの法要も、と欲張りましたが…。

Aブルー「せっかく素敵な法要が出来そうだったのに…」
ブルー 「もちろん出来るよ、君が出家するなら完璧に!」
キース 「俺も喜んで導師をさせて貰うが」

仏様がアレであろうとも…、とキース君、ニヤニヤ。

キース 「しかし、あんたが出家となると、師僧はだな…」
サム  「キースってわけにはいかねえよなあ…」
キース 「当然だろうが、単なる副住職ではな」

其処はやっぱりブルーだろう、と視線が生徒会長に。

キース 「伝説の高僧、銀青様なら、問題無しだ」
ブルー 「そうだね、そしてサムとジョミーも出世だよね」
一同  「「「えっ?」」」

どういう意味だ、と一同、キョトン。

シロエ 「あのぅ…。どうして先輩たちが出世なんです?」
マツカ 「ぼくにも仕組みが謎なんですが…?」
サム  「俺にもサッパリ…。どうなってんだよ?」
ブルー 「分からないかな、ぼくが師僧になるんだから…」

つまりブルーが弟子になるんだよ、と銀青様。

ブルー 「でもって、サムとジョミーは既に弟子だし…」
キース 「こいつよりも格が上になるんだ」
サム  「あー! 俺とジョミーが先輩なのな!」
ブルー 「そういうこと! 坊主の世界は厳しいからさ…」

古参には絶対服従だよね、と銀青様のお言葉が。

ブルー 「師僧のぼくは絶対だけど、サムとジョミーも…」
サム  「偉そうな口を利いていいのな!」

すげえじゃねえか、とサム君、感激。

サム  「聞いたかよ、ジョミー?」
ジョミー「うん、聞いた!」

スッポンタケを潰して欲しいよね、と喜ぶ僧籍な人たち。

ジョミー「誕生日祝いの法要、やってもいいよ!」
サム  「潰した時点で、出家コースだしよ」
キース 「で、どうするんだ、あんた?」
Aブルー「お断りだってば!」

どう考えてもドツボじゃないか、と絶叫が。
法要は無し、と…。


2020/10/13 (Tue)

 

☆逃げて帰った人


行楽の秋は松茸山へお出掛け、ソルジャーも便乗ですけど。
スッポンタケの誕生祝いの法要の件は、お流れになりそう。

キース 「そうか、法要は要らないのか…」
Aブルー「坊主にされるだけじゃ済まないみたいだし!」

なんだって、ぼくがサムとジョミーより格下、とブツブツ。

Aブルー「そんなの、絶対、御免だってば!」
ブルー 「いい話だと思ったけどねえ、君にとっても」
Aブルー「冗談じゃないよ、君にも絶対服従だなんて!」

あんまりすぎる、とソルジャー、不満MAXな顔。

Aブルー「松茸山だけで充分だから、今回は、ソレで!」
キース 「分かった。マツカ、よろしく頼む」
マツカ 「ええ。三名様を追加ですよね」
Aブルー「それじゃ、お願い! また当日に!」

よろしく、と帰ろうとしている人。

ぶるぅ 「えっ、ご飯は食べて行かないの?」
Aブルー「これ以上いたら、フラグが立ちそうだから!」
サム  「あー…。坊主なフラグな」
Aブルー「そう! だから止めないで欲しいんだけど!」

でも、お持ち帰りが出来るなら…、と、そこはちゃっかり。

ぶるぅ 「オッケー! ちょっと待っててねーっ!」
キース 「あんた、大概、厚かましいな」
Aブルー「貰えるものは、喜んで、ってね!」
ぶるぅ 「はい、お待たせ! 折詰とお菓子、三人分だよ」

どうぞ、と差し出される風呂敷包み。

Aブルー「ありがとう! じゃあ、またねーっ!」
キース 「もう消えやがった…」
シロエ 「よほど坊主が嫌なんですねえ、分かりますけど」

ぼくだって、同じ立場なら逃げます、とシロエ君。

シロエ 「でも、今回は凄かったですよ」
スウェナ「撃退だわよねえ…」

詰んでいたのに、と誰もが感心。

ジョミー「まさかのキースが逆転ってね」
サム  「松茸山も、上手く切り抜けてえよな」
シロエ 「そこは、みんなで頑張りましょう!」
一同  「「「おーっ!」」」

徹底的にピンチを回避、と突き上げる拳。
ファイトですね!


2020/10/14 (Wed)  

 

☆いいお天気です


やって来ました、松茸山へお出掛けな休日。お天気も最高。
朝から生徒会長のマンション前に集合、張り切る御一同様。

ジョミー「おはよう! いい天気になって良かったよね!」
ブルー 「せっかくだしねえ、お天気はいいに限るよね」
キース 「ああ。あの馬鹿どもは、まだのようだが」
シロエ 「どうせ来るのはギリギリですって!」

いつものことです、とシロエ君、スパッと。

シロエ 「キャプテンも来るからには、休暇ですしね」
サム  「休みは有意義に使うってことな…」

早起きしねえでいい分だけ、とサム君の相槌。

サム  「キャプテンは朝が早そうだしよ…」
キース 「修行僧には負けるがな」
ブルー 「座禅のトコだと、朝の3時だったりするからね」
一同  「「「うわー…」」」

それはキツイ、と誰もがドン引き。

シロエ 「朝の3時って、夏でも真っ暗ですよ?」
キース 「早起きも修行の内なんだ」
ブルー 「ブルーを坊主に仕立てるんなら、そっちかな」
スウェナ「嫌がって二度と来そうにないわよ、ソレ」

普通のお坊さんでも逃げたんだもの、とスウェナちゃん。

スウェナ「だけど、あんな手があったのねえ…」
キース 「まったくだ。命拾いというヤツだな」
シロエ 「誕生日祝いの法要なんかは、御免ですしね」
ブルー 「ホントにねえ…」

詰んだと思っていたんだけどな、と生徒会長も。

ブルー 「回避できるとは思わなかったよ」
キース 「俺もだ。ところで、マツカ。松茸山だが…」

例のキノコはいないだろうな、とキース君の問い。

キース 「あいつらのことだし、万一が怖い」
マツカ 「大丈夫だと思いますけど…」

きちんと頼んでおきましたから、と御曹司。

マツカ 「キノコの毒は怖いですしね、そうでなくても」
サム  「排除しといて貰ったわけな、松茸以外は」
マツカ 「ええ。それが一番、安心ですし」
一同  「「「やったー!!!」」」

これで大丈夫だ、と上がる歓声。
松茸だけなら安心…。


2020/10/15 (Thu)  






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☆野暮用だそうです


ソルジャーを巴投げしてシロエ君が生還、今はパーティー。
御馳走が沢山な中、キース君は体力をつけるのだそうで。

シロエ 「体力で勝負な野暮用ですか…。暑いですしね」
ジョミー「残暑と言っても、夏の延長戦だしね」
スウェナ「そりゃ、月参りも辛いわよ。しっかり食べて!」

そしてキリキリ回るといいわ、とスウェナちゃんのエール。

スウェナ「この暑い中で、月参りだって自転車だものね」
サム  「スクーターの許可、下りねえもんなあ…」
マツカ 「暑さ寒さも彼岸まで、とは言うんですけどね…」
シロエ 「最近はソレって、当てはまりませんよね」

いつまで経っても暑いんですよ、とシロエ君もウンザリ顔。

シロエ 「キース先輩、頑張って下さい、月参り!」
キース 「誰が月参りだと言ったんだ?」
シロエ 「野暮用と言ったら、月参りでしょう?」

しかも坊主の宿命ですし、とシロエ君、キョトン。

シロエ 「体力勝負も当然ですしね、月参りで決まりです」
キース 「さっき、マツカが言っただろうが!」
マツカ 「え? あ、ああ…。お彼岸ですね」
Aブルー「そう、ソレ、ソレ!」

ウッカリ忘れる所だったよ、とソルジャー、手をポンと。

Aブルー「大事なイベントがあるんだっけね、今月も!」
キース 「し、しまった…」
サム  「あーあ、今度はキースが墓穴パターンかよ」

ずっとシロエのターンだったのによ、とサム君が仰ぐ天井。

サム  「自分でバラしてどうするんだよ、今の状況でよ」
キース 「くっそぉ…。俺としたことが…」
Aブルー「よろしく頼むね、お中日のヤツ!」

スッポンタケがまた漲るよ、とソルジャー、ウキウキ。

Aブルー「ほらほら、もっと栄養をつけて、いい法要を!」
キース 「なんでそういうことになるんだ、毎回、毎回!」
ブルー 「君が戒名をつけるからだよ、あんなのに」
シロエ 「それに今回は、先輩の失言が原因です」

責任は自分で取って下さい、とシロエ君。
それは確かに…。


2020/09/16 (Wed) 

 

☆責任は取るべき


棚経の打ち上げとシロエ君の生還祝い、楽しくパーティー。
ところがキース君がウッカリ、お彼岸などと言いまして…。

シロエ 「いいですか? 責任は自分で取るものです」
サム  「今のシロエだと、説得力がありまくりだぜ」
ジョミー「ジャンプの危機から、自力で生還したもんね…」

しかもソルジャーを巴投げだよ、とジョミー君。

ジョミー「投げ落とされると思ったのにさ…」
マツカ 「ええ。落ちるしか無いと思いましたよ、ぼくも」
スウェナ「なのにキッチリ逆転だものね、凄すぎだわよ」

扇風機事件の責任を取って、しかも生還、と褒め称える声。

スウェナ「だからキースにも、責任は取って貰わないと」
サム  「まったくだぜ。自分で墓穴を掘ったんだしよ」
シロエ 「出来れば、チャラにする方向ですよね」

お彼岸の法要を無しにするとか…、とシロエ君の意見。

シロエ 「そこのお施主様を、こう、巴投げ一本で!」
一同  「「「イイネ!」」」

お彼岸の法要はもう沢山だ、と誰もが「イイネ」を。

サム  「キース、一発、投げちまえよ!」
キース 「そ、そんな無茶を言われても…!」
Aブルー「ふうん…? キースが、ぼくを窓からねえ…」

チャレンジするなら受けて立つよ、とソルジャーの笑み。

Aブルー「見事に投げたら、法要は無しでもいいけれど」
キース 「本当か!?」
Aブルー「でも、投げられたら、法要だよね!」

例年通りに、いい法要を、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「ぶるぅ、クッションを用意してくれるかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ さっきのお布団だね!」
キース 「ま、待ってくれ!」

それでは俺の分が悪すぎる、とキース君、必死。

キース 「何故、落とされても法要をせねばならんのだ!」
シロエ 「それが責任というものでしょう?」
ジョミー「それに、余興も欲しくなるよね」
サム  「うんうん、参加者側としてはよ」

巻き込まれるのは俺たちだぜ、とサム君も。
余興ですか…。


2020/09/17 (Thu) 

 

☆自発的に飛んで


棚経の打ち上げとシロエ君の生還祝いな、パーティーの席。
キース君がウッカリお彼岸発言、責任を取れという方向に。

サム  「この際、キースもチャレンジするべきだよな?」
シロエ 「そう思いますね、自発的に飛ぶのもアリですが」

飛び降りて下さってもいいんですよ、とシロエ君の笑み。

シロエ 「投げられるのは見苦しい、と思うんでしたら」
サム  「あー…。潔いのはそっちだよなあ、確かによ」
ジョミー「そうだね、投げられるのを待たなくてもさ…」

窓から飛べばいいんじゃないの、とジョミー君も。

ジョミー「こう、お念仏を唱えてからさ、颯爽と!」
シロエ 「いいですねえ! ジャンプコールより凄いです」
スウェナ「責任を取るって感じだわねえ、キマッてるわよ」

そっちの方にしたらどうなの、とスウェナちゃんも賛成。

スウェナ「それなら、投げられ損でもないでしょ?」
ブルー 「キースの勇気を示せるチャンスだね、それは」

鮮やかにキメてみたらどうだい、と生徒会長が指差す窓。

ブルー 「合掌してから、迷いなくダイブ!」
キース 「どう考えても死ぬだろうが、それは!」
Aブルー「クッションがあるから、平気だってば」

死にやしないよ、とソルジャーも笑顔。

Aブルー「そこまでやってくれるんだったら、法要はさ…」
シロエ 「諦めて下さるんですね?」
Aブルー「もちろんだよ。ただし、今回限りだけれど」
ジョミー「でも、お彼岸はどうするわけ?」

そりゃ、ぼくたちは嬉しいけれど、とジョミー君の疑問。

ジョミー「法要無しだと、困るんじゃない?」
Aブルー「大丈夫! 一種の通過儀礼だから!」
一同  「「「へ?」」」

なんのこっちゃ、と誰もがポカーン。

ジョミー「通過儀礼って、何の話さ?」
Aブルー「キースが窓から飛ぶヤツだってば、ダイブだよ」
シロエ 「意味がサッパリなんですが?」
Aブルー「ズバリ、バンジー!」

勇気を示す通過儀礼だろう、と言ってますけど。
バンジー…?


2020/09/18 (Fri)

 

☆勇気のパワーを


キース君がウッカリお彼岸な失言、責任を取れという方向。
窓から自発的に飛んだら、お彼岸の法要は無しになるとか。

シロエ 「バンジーって、バンジージャンプでしょうか?」
Aブルー「そう! 元々は通過儀礼なんだと聞いたよ」
ブルー 「確かにね。発祥の地では、元は儀式だよ」

飛べる勇気を示して初めて一人前で…、と生徒会長。

ブルー 「だからブルーは間違ってないよ」
シロエ 「はあ…。でも、それとキース先輩の関係は?」
Aブルー「分からないかな、勇気を示してくれるんだし…」

そのエネルギーを貰うんだよね、とソルジャー、笑顔全開。

Aブルー「勇気のパワーを、スッポンタケに!」
一同  「「「ええっ!?」」」
Aブルー「きっと大いに漲る筈だよ、間違いなく!」

なにしろキースの弟子なんだから、と赤い瞳がキラキラと。

Aブルー「師匠のパワーを分けて貰って、パワーアップ!」
シロエ 「は、はあ…。でもまあ、それなら法要は…」
Aブルー「1回休みでいいと思うよ、次のお彼岸まで!」

ぼくは全く気にしないよね、とニコニコニッコリ。

Aブルー「そういうわけだし、キース次第かな、お彼岸は」
キース 「あんた、どういう発想なんだ!」
シロエ 「いい話だと思いますけどね?」

法要が1回無くなるのなら…、とシロエ君。

シロエ 「キース先輩が飛び降りさえすれば、休みです!」
サム  「人柱みてえなモンだよな、うん」
ジョミー「でもさあ、死ぬってわけじゃないしさ…」
スウェナ「此処は飛ぶべきだと思うわよ」

飛びなさいよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「円満解決に向けてダイブよ、頑張って!」
キース 「し、しかし…!」

俺の勇気を例のキノコが持って行くのか、と顔面蒼白な人。

キース 「それはあまりに、あんまりな気が…!」
Aブルー「そんなことないと思うけどなあ、立派な師匠で」
キース 「やかましい!」

あんたの都合で進めるな、と叫んでますけど。
どうなりますやら…。


2020/09/19 (Sat) 

 

☆飛んだ場合には


ウッカリお彼岸な失言をしたキース君、窓から飛ぶ方向へ。
飛んだ場合は、お彼岸の法要が1回お休み、そんな話で…。

Aブルー「君の勇気で、スッポンタケが漲るんだしね!」
シロエ 「キース先輩、思いっ切り飛んで下さいよ!」
Aブルー「そうだよ、そしたら、ぼくのハーレイもさ…」

いつも以上にビンビンのガンガン、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「法要だったら、マンネリ感があるかもだけど」
キース 「なんだと!?」
Aブルー「うんと刺激も貰えるからねえ、ジャンプだと!」

だから飛んでよ、と指差す窓。

Aブルー「法要より、断然、そっちだってば!」
キース 「断固、断る!」

なんだって、そんな理由のために、と副住職、怒りMAX。

キース 「供養だったらまだしも分かるが、違うだろう!」
Aブルー「えっ? スッポンタケが漲るんだよ?」
キース 「その後の話が問題だ!」

誰が飛ぶか、とキース君、視線を周りの面子に。

キース 「聞いたか、お彼岸のお中日には法要だ!」
一同  「「「ええっ?」」」
キース 「嫌だというなら飛んでもいいが、同罪だぞ」

お前たちもな、と指をビシィ! と。

キース 「この馬鹿野郎の、最悪な目的のためにだな…」
Aブルー「何処が最悪だって言うのさ!」
キース 「あんたの世界のハーレイの話だ!」

盛り上げてやる気は無いからな、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「それを支持する輩も同罪、見学に行け!」
Aブルー「ああ、なるほど…。覗きだったら大歓迎だよ!」
一同  「「「げっ!」」」
キース 「俺が窓から飛んだ場合は、見学ツアーだ」

こいつの世界で楽しんで来い、と据わっている瞳。

シロエ 「ぜ、全力でお断りします、そのお話は…!」
サム  「是非、法要をやってくれよな、いつも通りに!」
キース 「そうか、それなら喜んで厳修させて貰おう」
Aブルー「えーっ、酷いよ、あんまりだよ!」

法要よりジャンプ、と叫んでますけど。
無駄ですよね?


2020/09/20 (Sun) 

 

☆平和のためには


キース君が窓から飛ぶ話ですが、土壇場に来て情勢が激変。
ソルジャー以外は法要を希望、そんな展開になっている今。

Aブルー「ぼくはジャンプがいいんだってば、本当に!」
シロエ 「いえ、法要の方がいいです!」
ジョミー「ぼくたち、ちゃんと出席するから、法要だよね」

いい法要にしなくっちゃ、とジョミー君まで燃える法要。

ジョミー「ぼくも法衣を着てもいい、っていうくらいに!」
サム  「俺だって着るぜ、いい法要にするためならよ」
キース 「ほほう…。お前たち、いい心がけだな」
サム  「そりゃ、お彼岸は大切だしよ…」

法要は絶対、やるべきだよな、とサム君も。

サム  「1回休みだなんて、有り得ねえって!」
シロエ 「そうですよ! キース先輩、頑張って下さい!」
キース 「もちろんだ。というわけでだ、お中日はだ…」

元老寺のは抜けて来るから、此処で法要、と副住職。

キース 「朝一番に集合だからな、忘れるなよ?」
一同  「「「オッケー!」」」
Aブルー「酷いってば!」
キース 「だったら、あんたは欠席でいいが」

どうせ遅れて来るんだしな、と副住職の鋭い指摘。

キース 「俺たちだけで勝手にやるから、休みにしておけ」
Aブルー「それも嫌だよ、もう、こうなったら…!」

ヤケ食いだーっ! と御馳走に突っ走る人。

Aブルー「ぶるぅ、どんどん持って来て! もっと沢山!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 栄養つけるんだね!」
Aブルー「でなくちゃ、やってられないよ!」

ぼくのハーレイとヤリまくるために、と凄い食べっぷり。

キース 「こいつのためにジャンプは、無いな」
シロエ 「そうですね…」

分かりますよ、とシロエ君も深い溜息を。

シロエ 「お中日は法要の方が、平和のためだと思います」
ブルー 「まあ、そうだろうね、これではねえ…」
キース 「いいな、お彼岸は法要だ!」
一同  「「「はーい!」」」

分かりましたぁ! と元気な返事。
いつも通りに法要ですね!


2020/09/21 (Mon)

 

☆僧籍な人と法衣


暑さ寒さも彼岸まで。そんなお中日が来て、いよいよ法要。
生徒会長宅に朝から集合な、シャン学メンバーですけれど。

シロエ 「ジョミー先輩、法衣は持って来たんですか?」
ジョミー「えっ、なんで?」
シロエ 「法衣を着てもいいって言っていたでしょう?」

今日は法要だと決まった時に…、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「いい法要にするために、と聞きましたけど…」
ジョミー「あー、アレ…。まあ、言ったけどさ…」
サム  「その場のノリっていうヤツだよなあ…」

俺にしたって、と同じく僧籍なサム君、頭をポリポリ。

サム  「あの流れだとよ、言うしかねえだろ?」
ジョミー「そうだよ、でないと誰かさんがさ…」

変な方向に突っ走るしね、とジョミー君。

ジョミー「第一、ぼくは法衣なんかは持ってないしさ」
シロエ 「そうなんですか!?」
サム  「俺だって、持っていねえんだけど?」

僧籍なだけで、坊主じゃねえし…、とサム君も。

サム  「いつか修行を始める時まで、要らねえしよ」
シロエ 「じゃあ、棚経の時の法衣は何なんです?」
ジョミー「元老寺で用意してくれるんだよ」

キースのじゃないと思うけどさ、とジョミー君の答え。

ジョミー「それともアレかな、キースのかな?」
サム  「そうかもなあ…。アレも着物だし…」
マツカ 「体格の差は、さほど響きはしないでしょうね」

キースのに手を入れたのでは…、とマツカ君。

マツカ 「イライザさんなら、得意そうですよ」
ジョミー「それって、キースのお古ってこと?」
マツカ 「いえ、新品を仕立て直しじゃないですか?」

数は持ってると思うんですよ、と、もっともな説が。

マツカ 「なにしろ、キースの仕事着ですから」
サム  「確かに普段に着るヤツだよなあ、あの法衣はよ」
ジョミー「そっかぁ、元はキースのヤツだったんだ…」
シロエ 「じゃあ、先輩が持って来る可能性が…」

あるんですよね、とシロエ君が顎に当てる手。
法衣を持参…。


2020/09/22 (Tue)

 

☆持参コースかも


お彼岸のお中日は法要で、当日を迎えたシャン学メンバー。
けれど、法衣だと言ったジョミー君とサム君、法衣は無し。

ジョミー「持って来る可能性って、何さ?」
シロエ 「法衣ですってば、ジョミー先輩とサム先輩の」

キース先輩、記憶力は半端ないですよ、とシロエ君。

シロエ 「いくら、その場のノリでもですね…」
マツカ 「着せるつもりで、用意しているかもですね…」
ジョミー「そ、そんな…!」
サム  「マジかよ、なんで俺たちまで…!」

あんなブツの法要に駆り出されるんだよ、とサム君、愕然。

サム  「そのコースは、ねえと思いてえけど…!」
ぶるぅ 「あっ、チャイムだぁ!」

キースかな、と玄関へ跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

スウェナ「ねえ、キースにしては早すぎないかしら?」
シロエ 「そういえば…。いつも、もう少し遅いですよね」
マツカ 「嫌な予感がしませんか?」

ぼくじゃなくて、サムとジョミーですけど、と御曹司の声。

マツカ 「こう、早めに来る理由がありそうな気が…」
サム  「言わねえでくれよ、縁起でもねえ!」
ジョミー「そうだよ、それは無いってば…!」

たまたま早いだけだってば、とジョミー君、必死の形相。

ジョミー「どう間違っても、法衣は持って来ないって!」
サム  「うんうん、そこまでマメじゃねえって…」

思いてえよな、とサム君が言った所で、開いたドア。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ やっぱりキースだったよ!」
キース 「待たせたな。遅くなってすまん」

支度に時間がかかったもので…、と副住職の登場。

キース 「昨夜、おふくろに頼んでおくのを忘れてな」
ジョミー「な、何をさ…?」
キース 「見て分からんか?」

お前とサムの法衣なんだが…、と突き出された法衣専用鞄。

キース 「今回は、お前たちも勉強なんだと言っておいた」
僧籍な人「「げっ!」」
キース 「遠慮は要らんぞ」

親父も喜んでいたからな、と言ってますけど。
まさかの法衣…。


2020/09/23 (Wed)

 

☆法衣に着替えを


お彼岸のお中日はスッポンタケの法要、到着したキース君。
ジョミー君とサム君の法衣を持参で、着せる気満々な顔。

キース 「お前たちも法衣を着るそうだからな、今回は」
ジョミー「あ、あれは、その場のノリってヤツで…!」
サム  「本気で言ってたわけじゃねえしよ、俺たちも…」

そこの所を分かってくれよな、とサム君、懸命に愛想笑い。

サム  「あるじゃねえかよ、そういうのもよ」
キース 「なら、聞くが…。今日の仏様の戒名はだな…」

どうしてついてしまったんだ、と副住職の問い。

キース 「アレもその場のノリだったんだぞ、元々は!」
サム  「そ、そういや、そういう流れだったよな…」
ジョミー「だからクジラのパクリだっけね…」
キース 「分かったか? ノリの後始末の恐ろしさが!」

サッサと法衣に着替えやがれ、と差し出す法衣専用鞄。

キース 「俺も着替えるんだが、お前たちはだ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お供の人は別の部屋だよね!」
キース 「ああ。導師と下っ端は格が違うからな」

風呂場の脱衣室でもいいくらいだが…、と副住職。

キース 「とはいえ、法衣に失礼だしな」
ぶるぅ 「オッケー! ジョミーたちはこっち!」
僧籍な人「「はーい…」」

分かりました、と連行されて、着替えにお出掛け。

シロエ 「キース先輩、やっぱり覚えていましたね…」
マツカ 「今回は、法衣が三人ですか…」
??? 「うん、有難い話だよねえ!」

最高だってば、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「お坊さんが三人だなんて、素敵だよ!」
シロエ 「ジョミー先輩たちは、見習いですよ?」
Aブルー「だけど、見た目はお坊さんだし!」

お坊さんの名前も持っているよね、と弾ける笑顔。

Aブルー「スッポンタケも大感激だよ、お坊さんが三人!」
ブルー 「まあねえ…。役僧つきになるし」
一同  「「「役僧つき?」」」

それはどういう意味なんだ、と一同、キョトン。
役僧つきって…?


2020/09/24 (Thu) 

 

☆役僧のお仕事


スッポンタケの法要ですけど、キース君が持って来た法衣。
ジョミー君とサム君も法衣で法要、そういう流れでして…。

シロエ 「あのぅ、会長…。役僧つきって、何なんです?」
Aブルー「ぼくも聞きたい! 麻雀用語じゃないよね?」
ブルー 「役満と一緒にしないでくれたまえ!」

役僧つきと言えば役僧、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「主役のお坊さんが導師で、お供が役僧だよ」
シロエ 「なるほど、お供がつくから、役僧つきですね」
ブルー 「そういうことだね、しかも二人も」

スッポンタケも偉くなったものだよ、と生徒会長の苦笑。

ブルー 「とはいえ、コスプレと大して変わりは…」
キース 「残念ながら、さほど無いようだな」

特にジョミーは、と法衣に着替えたキース君、登場。

キース 「あいつの場合は、もう完全に口パクなんだし」
シロエ 「サム先輩は、多少はお経が読めますよね?」
キース 「ああ。だが、それだけでは役僧は…」

正確に言えば務まらないな、と副住職。

キース 「読経に合わせて鳴り物などが、本来のだな…」
ブルー 「役僧の仕事のメインなんだよ」
Aブルー「鳴り物と言うと、木魚とかだよね」

サムなら叩けそうだけど…、とソルジャーの疑問。

Aブルー「棚経の時は、アドス和尚についてるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ジョミーたちも来たよ!」
ジョミー「あーあ、なんで、ぼくたちまで法衣なのさ!」
サム  「仕方ねえだろ、逆らえるかよ」

やるしかねえよ、と僧籍な二人も法衣な姿。

サム  「逆らったら、後が怖いしよ…」
Aブルー「ありがとう! 今日はよろしくお願いするよ」

ところで質問があるんだけれど…、と赤い瞳がサム君に。

Aブルー「今日の法要、サムなら鳴り物、出来そうだけど」
サム  「鳴り物かよ? やったことねえしなあ…」
Aブルー「えっ、木魚だよ?」
ブルー 「違うんだよね、鳴り物は」

木魚とは別、と銀青様の仰せですけど。
それなら、何だと…?


2020/09/25 (Fri)

 

☆リズムを取るには


お中日はスッポンタケの法要、ジョミー君とサム君も法衣。
役僧になるらしいですけど、本物の役僧には及ばないとか。

Aブルー「木魚じゃないなら、鳴り物って何さ?」
ブルー 「割笏くらいかな、この規模だとね」
一同  「「「カイシャク?」」」

なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。

ブルー 「小さな拍子木みたいなものだよ、知らないかな」
サム  「うーん…。デカい法要は出たことねえしよ…」
ジョミー「璃母恩院でも、修行体験だけだしね…」
ブルー 「こういうヤツでさ、お経のリズムを取るんだよ」

百聞は一見に如かずだよね、と銀青様の手に現れたブツ。

ブルー 「叩き方にも色々あるけど、こんな感じで」
シロエ 「へええ…。けっこうキンキンした音ですね」
キース 「響き渡らないと、リズムの意味が無いからな」
Aブルー「ジョミーたちには無理なわけ、ソレ?」

コスプレなお坊さんだから、とソルジャーの問い。

Aブルー「サムも見たことないみたいだし…」
キース 「ハッキリ言うが、叩き方さえ分かってないな」
Aブルー「そうなんだ…。でもさ、せっかくなんだしさ…」

その鳴り物を取り入れたいな、とソルジャーが眺める割笏。

Aブルー「スッポンタケも喜びそうだよ、賑やかでさ!」
キース 「賑やかだって?」
Aブルー「そう! ソレでリズムを取るんだろう?」

踊れそうな感じでいきたいよね、と赤い瞳がキラキラと。

Aブルー「ぼくにやらせてよ、ソレを叩くの!」
一同  「「「ええっ!?」」」
Aブルー「大いに盛り上げていきたいからさ、法要を!」

キースたちは、それに合わせてお経、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「キースはプロだし、出来るよね?」
キース 「あんた、お経を何だと思ってるんだ!」
Aブルー「スッポンタケが漲る呪文だってば!」
キース 「なんでそうなる!」
Aブルー「法要の度にパワーが漲るからね!」

ぼくも、たまにはお手伝いを、と言ってますけど。
迷惑でしか…。


2020/09/26 (Sat)

 

☆リズム感がある人


スッポンタケの法要ですけど、今回は僧籍な人たちも法衣。
けれど皆無な役僧のスキル、鳴り物も鳴らせないそうで…。

Aブルー「スッポンタケが漲るためなら、お手伝いだよ!」
キース 「どう考えても迷惑だろうが、あんたの場合は!」

割笏の叩き方も知らないくせに、とキース君、キレそう。

キース 「サムでも無理だと言っているんだ、割笏は!」
Aブルー「だからこそだよ、誰がやっても同じだよ!」

ぼくにリズムを取らせて欲しい、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「こう見えたって、リズム感はある方だから!」
シロエ 「そうなんですか?」
Aブルー「音痴じゃ、ソルジャーは務まらないよ!」
一同  「「「へ?」」」

何故、音痴ではダメなんだ、と誰もがキョトン。

シロエ 「あ、あのぅ…。歌なんか、いつ歌うんです?」
サム  「人類軍に追われてるんだろ、そんな中でよ…」

カラオケとかでもねえだろうし、とサム君たちが傾げる首。

サム  「のど自慢だって、無さそうだしよ…」
Aブルー「それじゃ聞くけど、シャングリラ号にはさ…」

劇場がある筈だけどね、とソルジャーの指摘。

Aブルー「シャングリラの構造は同じなんだよ、どっちも」
スウェナ「そういえば、劇場、あったわねえ…」
ジョミー「まさか、あそこで歌ってるわけ?」
Aブルー「もちろん、そのための劇場だってば!」

残念ながら、ぼくの独演会は無いけど、とソルジャー。

Aブルー「誰もやらせてくれなくってねえ…」
シロエ 「何故なんです?」
Aブルー「ソルジャーの品位がどうとか、こうとか…」

だけど、いつかは歌いたいから、とグッと拳を。

Aブルー「その日のためにも、リズム感をね!」
シロエ 「まさか、歌って踊る気ですか?」
Aブルー「決まってるだろう、人気商売なんだから!」
ブルー 「まあねえ、否定はしないけれどね」
Aブルー「だから、割笏も任せてよ!」

見事に叩いてみせるからさ、と自信満々。
何か違う気が…。


2020/09/27 (Sun)

 

☆音痴ではない人


スッポンタケの法要で、割笏を叩きたいらしいソルジャー。
リズム感はあると言ってますけど、本来は役僧の担当で…。

キース 「リズム感だけの問題ではないんだ、割笏は!」
Aブルー「別にいいだろ、スッポンタケが喜ぶんなら!」

法要というのは、そういうものだろ、とソルジャー、反撃。

Aブルー「仏様に喜んで頂くために、こう、色々と…」
キース 「そ、それはそうだが…」
Aブルー「じゃあ、問題は無いよね、何も!」

スッポンタケのための法要だから、と笑顔全開な人。

Aブルー「それとも、君が自信が無いとか…?」
キース 「何の自信だ!」
Aブルー「ぼくの割笏に合わせる自信!」

実はリズム感が皆無だとか…、とソルジャー、ニヤニヤ。

Aブルー「普通のお経はなんとか読めても、アドリブは…」
シロエ 「あー…。出来ない可能性はありますね」
マツカ 「普段のリズムと違った場合は、ダメかもですね」

大いに有り得る、と頷き合っている御一同様。

マツカ 「小さい頃からやっていますし、経験値だけは…」
シロエ 「高いでしょうけど、アドリブとなると…」
ジョミー「全く通用しないよね、ソレ…」
サム  「うんうん、外しまくりになるってこともよ…」

起こりそうだぜ、と僧籍な人たちも。

サム  「下手をしたらよ、お経をすっ飛ばすとかよ…」
ジョミー「まるで無いとは言えないよねえ…」
キース 「おい、貴様ら!」

揃って俺を馬鹿にする気か、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「ダテに修行は積んでいないし、音痴でもない!」
Aブルー「それなら、実地で証明だよね!」

ぼくのリズムで法要だってば、とソルジャーが立てる親指。

Aブルー「出来ると自分で言ったもんねえ、たった今!」
キース 「誰もやるとは言っていないが!」
Aブルー「ダメダメ、確かに聞いたからねえ、この耳が!」
キース 「そ、そんな…!」
Aブルー「はい、決定!」

割笏は、ぼくが叩くからね、と強引に。
大丈夫ですか…?


2020/09/28 (Mon) 

 

☆アドリブでやるしか


スッポンタケの法要ですけど、ソルジャーが割笏の担当に。
お経のリズムに必須なアイテム、それを素人が叩くわけで。

キース 「あんたが割笏を叩くと言っても、お経の方は…」
Aブルー「お経がどうかしたのかい?」
キース 「一つも覚えていないと思うが、どうなんだ!」
Aブルー「だからリズムを取るだけだってば!」

その場のノリで叩くんだよ、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「こう、盛り上げていかなくっちゃね、法要を!」
キース 「どんどん速くなっていくのか?」
Aブルー「その辺は、ぼくの気分次第で!」

サムとジョミーも口パクよろしく、とウインクする人。

Aブルー「でもまあ、ちょっと練習を…」
一同  「「「練習?」」」
Aブルー「こんなの叩いたことがないしね、一回も!」

ソルジャー、割笏を両手に一本ずつ持って、一発、キンと。

Aブルー「うん、音は大丈夫みたいだね」
キース 「そう持って叩くものではないが!」
Aブルー「別にいいだろ、音に変わりはないからさ!」

予行演習、行ってみようか、と割笏をキンキン。

Aブルー「はい、お経!」
キース 「このリズムでか!?」
Aブルー「君は音痴じゃないんだろう?」
キース 「く、くっそぉ…」

やってやる、と副住職、数珠をジャラッと。

キース 「願我、身浄、如、香炉! 願我、心如…!」
Aブルー「オッケー、そんな感じでね!」
サム  「なんか、お経とも思えねえよな…」
シロエ 「リズムには合ってますけどね」

今日の法要は一味違いそうですよ、とシロエ君。

シロエ 「賑やかと言うか、明るいと言うか…」
ブルー 「ノリがいいのは確かだよ、うん」

まあいいだろう、と銀青様のゴーサイン。

ブルー 「仏様がそれで喜ぶんなら、やるしかないね」
キース 「最後までアドリブでやれというのか!」
ブルー 「お施主様の意向も大切だよ」
キース 「そうなんだが…!」

墓穴も俺が掘ったんだが、と嘆き節。
でも、やるしか…。


2020/09/29 (Tue)  

 

☆賑やかに法要


お彼岸のスッポンタケの法要、ソルジャーが割笏を叩く役。
リズムはその場のノリなのだそうで、やるしかない副住職。

Aブルー「ほらね、ブルーのお許しも出たし、景気よく!」
ブルー 「墓穴を掘った自覚があるなら、仕方ないよ」

グダグダ言わずに始めたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「お施主様と仏様には絶対服従、それが坊主だよ」
キース 「いや、お施主様の注文が常識外れな時は…!」
ブルー 「でもねえ、内輪の法要となると…」

無茶な注文でも聞くものだろう、と銀青様の正論が。

ブルー 「バースデーケーキでお祝いだって、あるからね」
一同  「「「えっ?」」」
ブルー 「仏様のお誕生日なんです、っていう法要!」

そういうのだって存在するよ、と視線をキース君に。

ブルー 「まさか知らないとは言わないよね?」
キース 「う、うう…。確かに美談で知られてはいる…」
ブルー 「じゃあ、諦めて、お施主様と仏様、第一で!」
Aブルー「いいねえ、だったら、始めようか!」

このリズムでね、とソルジャー、割笏をキンキン。

Aブルー「でもって、いつかは、お誕生日も祝いたいし!」
キース 「た、誕生日…?」
Aブルー「あるみたいだしね、そういう法要!」
キース 「断固、断る!」

誕生日など存在しないだろうが、と副住職の渋面。

キース 「とにかく、今はお彼岸の方だ!」
Aブルー「うーん…。まあいいけどねえ、今日の所は」
キース 「サムもジョミーも、準備はいいか?」
僧籍な人「「オッケー!」」

口パクなら任せろ、と法衣でスタンバっている人たち。

Aブルー「よーし、スタート!」
坊主一同(((は、速い…!)))

なんてリズムだ、と驚きながらも始まる読経。

キース 「願、我、身、浄! 如、香、炉!」
一同  (((ビートが利いてる…)))
Aブルー『もっと景気よく!』
キース 『掛け声は要らん!』

思念波に重なる割笏の音。
賑やかな中、今月、これにて、中継終了~。


2020/09/30 (Wed) 







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