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シャングリラ学園つれづれ語り

☆春といえばお花見


さて、四月。今年も入学式を済ませた、シャン学メンバー。
今日は休みで生徒会長宅に集合、お花見について相談中で…。

ジョミー「やっぱりさあ…。穴場はマツカの別荘だよね」
シロエ 「なんと言っても、見頃が遅いですからね」
サム  「次の日曜日頃に満開ってトコが、美味しいよな!」
マツカ 「その代わり、山奥なんですけどね」

周りには何もありませんよ、と御曹司、流石の控えめな姿勢。

マツカ 「普通のお花見感覚で行くと、ガッカリですしね」
ジョミー「そりゃまあ、露店は無いけどさ…。でも…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理、最高だもんね!」

頬っぺたが落ちそう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお墨付き。

ぶるぅ 「食材はいいし、料理人さんも腕がいいから!」
スウェナ「そうなのよねえ…。頼めば露店も出来るでしょ?」
マツカ 「食べ物系なら、出せますよ」
サム  「板前さんが、タコ焼きとかかよ?」

そういうのだったら楽しいぜ、とサム君の意見。

サム  「ちょっと他では食えねえもんな、そんなタコ焼き」
シロエ 「いいですね! お好み焼きとか、他にも色々」
マツカ 「ご希望だったら、手配しますけど…」
一同  「「「やったー!」」」

マツカの別荘でお花見に決定、と一同、突き上げる拳。

シロエ 「けど、誰かさんも来るんでしょうねえ、今回は…」
ジョミー「あー…。インフル、終息しちゃったもんね」
サム  「うつらねえなら、絶対、来るよな」

お彼岸は無観客だったけどよ、とサム君、溜息。

サム  「あの手のラッキー、二度とねえよなあ…」
キース 「いや、いけるかもしれないぞ」

冬場は流行りがちだからな、と副住職。

キース 「もっとも、ヤツには災難だったわけなんだが…」
マツカ 「気付いて良かったですよ、ギリギリとはいえ」
シロエ 「一瞬、マツカ先輩の策かと思いましたよ」
マツカ 「どういう意味です?」

ぼくが何を…、と首を傾げるマツカ君。
策って、いったい…?


2020/04/01 (Wed)

 

☆天然だったそうです


次の日曜はマツカ君の別荘でお花見、そういう計画ですけど。
やって来そうなのが誰かさんなわけで、話は先月のお彼岸へ。

マツカ 「ぼくの策だ、って言われても…。心当たりが…」
シロエ 「ですから、例の無観客ですよ」
マツカ 「確かに、そういう例があるとは話しましたが…」

それが策だと言うんでしょうか、と御曹司、怪訝そうな顔。

マツカ 「ぼくが話したのは、あくまで例というヤツです」
シロエ 「そっちじゃなくって、インフルエンザですね」
マツカ 「インフルエンザ…?」
シロエ 「流行っているから危ない、と指摘したでしょう?」

ぼくたちが健康保菌者かもと…、とシロエ君。

シロエ 「そう言っておけば、誰かさんを断れますしね」
サム  「あー! 嘘も方便っていうヤツな!」
ジョミー「でもさ、実際、流行ってたんだし…」
シロエ 「誰も覚えていませんでしたよ、そんなこと」

気付いたのはマツカ先輩だけで…、とシロエ君、力説。

シロエ 「それで策かと思ったんです、締め出すための」
マツカ 「そ、そんな…。ぼくは本当に心配を…」
ブルー 「うん、そこの所は間違いないね」

実は、ぼくもチラッと思ったからさ、と生徒会長。

ブルー 「だからマツカの心を探ってみたんだけど…」
シロエ 「裏は無かったわけですね?」
ブルー 「そう! マツカは心から心配してたよ」
シロエ 「なるほど、あれは天然でしたか」

ある意味、策より凄いかもです、とシロエ君、感動の面持ち。

シロエ 「気配りだけで、誰かさんを撃退ですよ?」
サム  「そうなるよなあ…。すげえぜ、マツカ!」
ジョミー「キースとは似ても似つかないよね」

あっちは疫病仏だけどさ、とジョミー君も。

ジョミー「マツカは地獄で仏なキャラだよ、正真正銘」
スウェナ「でも、怖いキャラも出来るのよ?」
サム  「そっちでも撃退できるしよ…」
シロエ 「万能ですね…」

素晴らしすぎです、とシロエ君、絶賛。
マツカ君、無敵かも…?


2020/04/02 (Thu) 

 

☆人が好すぎる人


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見な、シャン学メンバー。
誰かさんが来そうなわけで、話題は先月のお彼岸でして…。

シロエ 「マツカ先輩、その腕でもって、今回もですね…」
サム  「あいつらを撃退できねえのかよ?」
ジョミー「お花見だと、キャプテンとぶるぅも来るもんね…」

なんとか防ぐ方法は…、と縋るような視線の御一同様。

スウェナ「何でもいいわよ、こう、効きそうなのは無いの?」
マツカ 「そう言われても…。せっかくのお花見ですしね…」

楽しんで頂きたいですよ、と人が好すぎるのが御曹司な所。

マツカ 「あちらの世界で、普段は苦労をしておいでですし」
キース 「どうなんだかな…。それについては賛同しかねる」
シロエ 「ぼくもです。確かに、昔はそうかもですけど…」

今は大いに楽しんでる気が、とシロエ君も。

シロエ 「何かと言ったら、特別休暇を取っていますよ?」
キース 「まったくだ。ついでに、あの馬鹿野郎単体だと…」

休暇でなくても抜けて来るぞ、と副住職の渋面。

キース 「会議をサボッてこっちに来るとか、常習犯だしな」
ジョミー「そうだよねえ…。エロドクターのトコにもさ…」
サム  「しょっちゅう行ってるみたいだぜ、あいつ」

ランチにディナーに、ドライブとかな、とサム君、ブツブツ。

サム  「どの辺が苦労してやがるんだか、謎だぜ、全く」
キース 「制約があるのは確かだろうが、抜け道もだな…」
シロエ 「ドッサリ確保してますからねえ、本当に」

同情の必要はありませんよ、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「マツカ先輩、今回も、何か…!」
マツカ 「ええっ?」

困ります、とマツカ君、オロオロと。

マツカ 「より楽しんで頂くためなら、努力しますけど…」
サム  「そこを何とか出来ねえのかよ?」
マツカ 「無茶だと思いますが…」
ジョミー「キースと違って才能あるから、頑張ってよ!」

疫病仏とは真逆だからさ、と言ってますけど。
無理があるのでは…?


2020/04/03 (Fri) 

 

☆何とかして欲しい


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、そういう計画ですが。
やって来そうな誰かさんとオマケ、出来れば回避したい展開。

シロエ 「ジョミー先輩が言う通り、疫病仏とは真逆ですね」
サム  「地獄に仏がマツカなんだし、助けてくれよな」
マツカ 「無理がありすぎですってば…!」

そう簡単にはいきませんよ、とマツカ君の困り顔。

マツカ 「お彼岸だって、企んだわけじゃないですからね」
ジョミー「じゃあ、怖いキャラで!」

そっちでいってよ、とジョミー君の注文が。

ジョミー「怖いキャラなら、計算ずくで作れるんだよね?」
シロエ 「そうでした! マツカ先輩のスキルですしね」
スウェナ「スキルだったら、無理でも何とか出来るでしょ?」
マツカ 「…そういうものでもないんですけど…」

せっかくのお花見を壊すだなんて…、と御曹司、溜息。

マツカ 「楽しみにしてらっしゃるのを、ブチ壊すのは…」
キース 「飲み食いだけだと思うがな?」
ブルー 「まあ、花は二の次、三の次だろうね」

桜が好きなのは確かだけどさ、と生徒会長も。

ブルー 「だけど、お花見の目的の方は…」
キース 「飲食が九割以上だろうな、あいつらは」
ジョミー「ぶるぅだったら、百パーセントじゃないのかな」
一同  「「「あー…」」」

悪戯小僧は花なんか見てない、と誰もが納得。

サム  「そんなヤツらだし、何とかしろよ」
シロエ 「きっと花なんか、桜でなくてもいいんですよ」
一同  「「「へ?」」」
シロエ 「咲いてさえいれば、チューリップでもいいかと」

要は理由が欲しいだけです、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「ですから遠慮なく、その辺を突っ込んでですね…」
ジョミー「怖いキャラの方で断ればいい、と思うけどなあ…」
キース 「確かに、マツカなら出来そうではある」
マツカ 「そう言うキースは、どうなんです?」
キース 「才能が無い!」

認めたくないが、無いものは無い、と白旗を掲げる副住職。
潔すぎ…。


2020/04/04 (Sat)

 

☆出せないキャラ


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、そう決まりましたが。
やって来そうな迷惑なゲスト、なんとか断りたいわけでして。

シロエ 「キース先輩の場合、断るどころか逆ですからね」
ジョミー「疫病仏だもんね、呼び込む方だよ」
サム  「マツカもキースに振っていねえで、何とかしろよ」

こいつに振ったら最悪だぜ、とサム君の指摘。

サム  「より厄介なことになるしよ、そいつは勘弁!」
スウェナ「そうよね、本人も才能が無いって認めているもの」
キース 「俺が潔く認めた分まで、頑張ってくれ!」
ジョミー「うん、怖いキャラでいけばいいんだよ」

突っ込むポイントはシロエが言ったし…、とジョミー君。

ジョミー「どうせ花なんか何でもいいんだ、って所でさ…」
シロエ 「チューリップでもいい筈ですよ、あんな人たち」

飲み食いが目的なんですから、とシロエ君、指をチッチッと。

シロエ 「芝桜だって、充分なんだと思いますよ」
ブルー 「そうだろうねえ、要は宴会の理由だけかと」
シロエ 「ほら、会長も、こう言ってますし!」

怖いキャラを捻り出して下さい、という注文ですけど。

マツカ 「あのキャラは、ビジネス用のキャラですからね…」
キース 「何か不都合でもあると言うのか?」
マツカ 「お花見は、ビジネスの場合、大事な接待ですよ?」
一同  「「「あっ…」」」

それは確かに、と顔を見合わせる御一同様。

ジョミー「じゃあさ、ブチ壊すなんていうのは…」
マツカ 「残念ですけど、真逆で、やってはダメなんです」

全てを乗り越えて開催する方に意義があります、と正論が。

マツカ 「屋外が荒天で無理な場合も、パッと切り替えて」
一同  「「「あー…」」」

花見の席を用意してこそか、と誰もがガックリ。

シロエ 「つまり、怖いキャラの出番は無いわけですね?」
マツカ 「出すなら、裏方さん向けですよ」
一同  「「「うーん…」」」

無理を通してなんぼなのか、と納得な世界。
料亭とかに…。


2020/04/05 (Sun)

 

☆表面上は笑顔で


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、来そうなのがゲスト。
なんとか断りたいというのに、マツカ君にも不可能だそうで。

シロエ 「お花見の場合、裏方さんに怖いキャラですか…」
マツカ 「それなら他所にお願いします、というヤツですね」

急な宴会を受けてくれない時は…、と御曹司。

マツカ 「一旦、他所にお願いされたら、次が無いですから」
シロエ 「そうなるんですか?」
マツカ 「もちろんですよ、そちらのお店を立てますからね」

便宜を図ってくれたお店への礼儀ですよ、と温厚な笑み。

マツカ 「接待の他に、個人的にも贔屓すべきです」
キース 「それはまあ…。そうなるだろうな、間違いなく」
シロエ 「断った方のお店は、得意客を失うわけですか?」
マツカ 「ええ。そうなりたいか、と暗に脅すわけです」

表面上は、あくまで笑顔ですけど…、と怖すぎる台詞。

マツカ 「ご無理を言ってすみませんでした、と謝るんです」
サム  「その足で他所に頼むのな?」
マツカ 「当然ですよ、でないと宴会がパアですから」
一同  「「「うわー…」」」

お詫びの言葉を真に受けたら負けか、と誰もがガクブル。

ジョミー「怖すぎだってば、その脅しはさ!」
スウェナ「ホントよ、怖いキャラだわねえ…」
サム  「使えねえのが残念だよなあ…」
キース 「ちょっと待て、笑顔で謝るんだな?」

ということは、謝ったなら…、と副住職が顎に当てる手。

キース 「あの馬鹿野郎を断れないのか、穏便に?」
一同  「「「へ?」」」
キース 「要は謝ればいいんだろうが、すみません、と」
ジョミー「どういう意味さ?」

言ってることが謎なんだけど、とジョミー君の疑問。

ジョミー「謝るって、誰に何をさ、すみません、って」
キース 「決まってるだろう、あの馬鹿どもだ!」
シロエ 「もしかして、誰かさんたちですか?」
キース 「他に誰がいると?」

謝って済むなら済ませたいぞ、と言ってますけど。
どうやって…?


2020/04/06 (Mon)

 

☆御礼を言いたい人


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、けれど大きな問題が。
やって来そうな嫌すぎるゲスト、出来れば断りたいわけで…。

シロエ 「謝って済ませるって、お花見の件をですか?」
キース 「そう出来るんなら、その手を使いたいんだが…」
ジョミー「うーん…。笑顔で、来ないで下さい、って?」
キース 「いや、そこは、誠に申し訳ありませんが、だ」

今回は御縁がありませんで、といった感じで…、と副住職。

キース 「すみませんでした、とでも言えないだろうか」
シロエ 「そうするには理由が必要ですよ?」
サム  「インフルエンザは、そうそう使えねえからなあ…」
スウェナ「間違えちゃダメよ、あれは本当だったんだから」

マツカは天然だったのよね、とスウェナちゃんの指摘。

スウェナ「真面目に心から心配したのよ、そこが大切!」
??? 「うん、あの時はありがとう!」

感謝してるよ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「ひぃぃっ!!!」」」
Aブルー「なにさ、御礼を言ってるのにさ…。失礼だよね」

まあ、手土産は持ってないけど、とソファに、ちゃっかり。

Aブルー「ぶるぅ、ぼくにも紅茶とケーキ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ゆっくりしていってね!」

お客様だぁ! と飛び跳ねてゆく、元気なお子様。

キース 「……来やがったのか……」
Aブルー「ご挨拶だねえ、来ちゃダメなのかい?」
キース 「あんた、いったい、何しに来たんだ!」
Aブルー「決まってるだろう、お花見だよ!」

桜の名所を見て来た帰り、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「一人でのんびり桜もいいしね」
キース 「だったら、一人で行ってくれ!」

花見は是非とも一人で頼む、と副住職。

キース 「そうしてくれれば、俺たちの方も助かるからな」
Aブルー「えっ、一人って…。何の話さ?」
キース 「だから日曜日の花見の件だ!」
Aブルー「日曜日?」

それが何か、と首を傾げてますけど。
もしや、藪蛇…?


2020/04/07 (Tue)

 

☆言い間違えたんです


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、断りたいのがゲスト。
迷惑なソルジャー御一行様、其処へソルジャー登場でして…。

Aブルー「日曜日に何かあるのかい?」
キース 「い、いや、それは…。すまん、俺の勘違いだ」
Aブルー「お花見の件って、聞こえたような気がするけど…」
キース 「ち、違う、花祭りと言いたかったんだ!」

お釈迦様のお誕生日でな…、と副住職、必死の言い訳。

キース 「お釈迦様の像に甘茶を供えて、お祭りするんだ」
マツカ 「そうです、真っ白な象も定番ですよね」
Aブルー「象っていうと…。あの、鼻が長い動物かな?」
マツカ 「ええ、ハリボテの象を子供が引いたりしますよ」

幼稚園を併設しているお寺に多いですね、と御曹司の助け舟。

マツカ 「四月と言ったら花祭りなんですよ、お寺では」
キース 「その花祭りを、ウッカリ言い間違えたんだ」

お釈迦様、申し訳ございません、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「俺としたことが、酷いミスだった…」
マツカ 「やっぱり、帰ったら罰礼ですか?」
キース 「ああ、自主的にやることにする」

御本尊様の前で百回ほど五体投地だな、と副住職。

キース 「花祭りと花見を間違えるなどは、失礼すぎるし…」
マツカ 「そうですね。次から気を付けて下さいよ」
キース 「まったくだ」

罰礼はキツイが、仕方ないな、とキース君、深い溜息。

キース 「というわけで、日曜日の件は花祭りだ」
Aブルー「えっと…。白い象が定番なんだよね?」
マツカ 「それと小さなお釈迦様の像ですよ」

その像に甘茶をかけるんです、と御曹司の説明。

マツカ 「お釈迦様の誕生を祝うんですよ」
Aブルー「なるほどねえ…」

誕生日だったら固定なんじゃあ、とソルジャーの疑問。

Aブルー「そのお祭りなら、見たんだけどね?」
一同  「「「えっ?」」」
Aブルー「白い象を子供が引っ張ってたよ?」

確かに見たよ、と言ってますけど。
これはヤバイのでは…?


2020/04/08 (Wed) 

 

☆前倒しが基本


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、ゲストは断りたい所。
けれどソルジャーがやって来まして、話を聞いていたようで。

Aブルー「賑やかに象を引っ張った後は、お茶を飲んでたね」
シロエ 「お抹茶ですか?」
Aブルー「甘い、って喜んでたけれど?」

あれを甘茶と言うんじゃないかな、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「仏像にだってかけていたしね、そのお茶を」
一同  (((ヤバイ…)))

それは本物の花祭りだ、と誰もがガクブル。

Aブルー「お寺というのは、そういう日付にうるさいよね?」
キース 「そうでもないぞ。基本、前倒しで振り替えるんだ」
Aブルー「前倒し?」
キース 「ああ。仏事は前に振り替えるのが大原則だ」

後ろには延ばさないものだ、と副住職の解説が。

キース 「法事も月参りも、振り替えるんなら早めだな」
Aブルー「ふうん…? だったら、花祭りもさ…」

前倒しでないとダメなんだよね、とソルジャーの指摘。

Aブルー「次の日曜だと、延長したことになるけれど?」
一同  (((うわー…)))

大失言だ、とキース君に集中する視線。

Aブルー「おかしいねえ…。アドス和尚は厳しい筈なのに」
キース 「そ、それは…」
Aブルー「ズバリ、お花見の計画だろう?」

ぼくにも一人で行けと言ったし、と赤い瞳に鋭い光が。

Aブルー「隠していないで吐きたまえ!」
キース 「違う、誓って花見などでは…!」
Aブルー「だったら、参列させて貰うよ、花祭りにね」

甘茶を飲んでみたいからさ、と言い出した人。

Aブルー「ぼくは、甘いものなら、何でもオッケー!」
キース 「なら、ティーバッグをプレゼントする!」

親父が貰って来ていたからな、と副住職、必死。

キース 「璃母恩院の花祭りで配った残りを、ドッサリ」
Aブルー「残りってことは、済んでるじゃないか、花祭り」
キース 「うっ…」
一同  (((詰んだ…)))

なんてこった、と一同、ガックリ。
まさに失言としか…。


2020/04/09 (Thu)

 

☆失言の結果は


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、断りたいのがゲスト。
けれどソルジャーがやって来まして、話を聞いていたわけで。

Aブルー「花祭りが済んでいるってことはさ、お花見だよね」
キース 「い、いや、それは…!」
Aブルー「だったら、心を読んでもいいかな?」

今まで控えていたんだけどさ、と赤い瞳がキラリーン! と。

Aブルー「何もやましい所が無いなら、平気だろう?」
キース 「読んで何をすると?」
Aブルー「もちろん、みんなに生中継だよ!」

君が考えていることを…、とソルジャー、ニンマリ。

Aブルー「隠し事から、今月の月参りのスケジュールまで!」
キース 「ま、待ってくれ…!」
Aブルー「じゃあ、本当のことを話したまえ」

日曜日はお花見に行くんだろう、とソルジャー、ズズイと。

Aブルー「何処へ行くのか、何をするのか、予定を全部!」
キース 「わ、分かった、実はマツカの別荘で…」

プロの料理で露店も出るんだ、と全てを吐いた副住職。

Aブルー「ふうん…。ぼくたちを締め出すつもりだった、と」
キース 「す、すまん…!」
Aブルー「きっと、マツカなら、そうは言わないよねえ?」

ぼくたちを気遣ってくれる筈だよ、と御曹司に視線を。

Aブルー「マツカ、その辺はどうなのかな?」
マツカ 「ええ…。SD体制で苦労してらっしゃいますし…」
Aブルー「ということは、呼んでくれるわけ?」
マツカ 「もちろん、手配させて頂きますよ」

キャプテンとぶるぅの分も、と御曹司の笑顔。

マツカ 「皆さんでお越し下さいね」
Aブルー「ありがとう! それじゃ、日曜日に!」

またねー! と手を振ってパッと消えた人。

シロエ 「キース先輩、どうするんですか、この落とし前を」
サム  「まったくだぜ。次から次へと失言かましやがって」
ジョミー「終わってるよね、もう本当に疫病仏だよ」
キース 「すまない、俺が悪かった…」

この通りだ、と土下座していますけど。
謝って済む問題だと…?


2020/04/10 (Fri) 

 

☆世話係は如何


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、ソルジャーまで参加。
かてて加えてキャプテンにぶるぅ、フルに面子が揃うわけで。

シロエ 「すまなかった、で済めば警察は要らないんですよ」
サム  「うんうん、世の中、乱れるってな」
スウェナ「どうすればいいのかしら、この疫病仏…」

お祓いってわけにもいかないわよねえ、とスウェナちゃん。

スウェナ「きっとお祓いしても無駄だし、災難だわよ」
ジョミー「誰かさんも大概だけどさ、キースもさ…」
シロエ 「ダテにセットじゃないですよねえ、疫病仏の」

疫病如来と疫病菩薩、とシロエ君も特大の溜息。

シロエ 「詫びて貰っても、もう取り返しがつきませんよ」
ジョミー「罰に不参加っていうのはどうかな、キースだけ」
サム  「いいよな、ソレ! ぼっちで留守番!」
マツカ 「でも…。諸刃の剣じゃないでしょうか、それは」

災いだけ残ってしまうのでは…、とマツカ君、心配そうな顔。

マツカ 「セットものをバラすと、良くない気がします」
シロエ 「あー…。祟りがあるとか、そういうのですね」
マツカ 「そうなんですよ、仮にも疫病仏ですからね…」

もう片方が暴れないでしょうか、と不吉すぎる台詞が。

マツカ 「なにしろ、他にも二人いらっしゃいますから…」
サム  「キャプテンと悪戯小僧の二人な…」

火に油かもしれねえなあ、とサム君が仰ぐ天井。

サム  「どうすりゃいいんだよ、詰んだぜ、マジで」
ジョミー「じゃあさ、お世話係はどうかな?」
一同  「「「お世話係?」」」

なんだそれは、と誰もがキョトン。

シロエ 「お世話係って、誰が何をするんです?」
ジョミー「ズバリ、キースが添乗員だよ!」

ゲスト専属の、とジョミー君。

ジョミー「誰かさんたちの引率係で、思いっ切り下僕!」
シロエ 「なるほど、丸投げするわけですね?」
ジョミー「そう! トラブルも全部!」
一同  「「「イイネ!」」」

いいんじゃないか、と歓声ですけど。
添乗員…?


2020/04/11 (Sat)

 

☆任せてしまえば


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、嫌すぎるゲストまで。
キース君の失言が原因だけに、責任が問われるわけでして…。

サム  「添乗員かよ、でもって、お世話係なのな?」
スウェナ「安心だわねえ、専属の係がつくっていうのは」
ジョミー「全部キースに任せちゃえばさ、少しはマシだよ」

いくら相手が誰かさんでも…、とジョミー君が立てる親指。

ジョミー「何か言われたら、キースに振ってしまえばいいし」
シロエ 「えーっと…? ぶるぅがお世話好きですけど?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おもてなし、大好きだよ!」
ジョミー「その辺は誤差の範囲だよ」

やりたいんなら、それはいいと思う、とジョミー君。

ジョミー「でもさ、他にも絶対、色々、言い出すからさ…」
サム  「間違いねえなあ、それをキースに投げるのな?」
ジョミー「キースがバラしちゃったんだしねえ、お花見を」
キース 「す、すまん…」

申し訳ない、と詫びてますけど、集まる視線は氷点下。

シロエ 「詫びて済む問題じゃない、って言いましたよね?」
キース 「それは重々、承知しているが…」
ジョミー「だったら、添乗員を頑張ってよね!」
キース 「引率と世話をするんだな?」

努力してみる、と副住職。

キース 「とことん下僕で、言いなりになれ、と…」
ジョミー「そう! 責任は取って貰わないとね」
キース 「分かった、なんとかやってみよう」

ただし相手は斜め上だが…、と副住職が抱える頭。

キース 「常識の範囲で収まらない気がするんだが…」
シロエ 「だからこその添乗員ですよ」

ツアーとかだって、そうですよね、とシロエ君。

シロエ 「想定外の人は、何処にだっています!」
サム  「うんうん、マツカに頼っていねえで頑張れよな」
マツカ 「出来るだけフォローはしますけど…」
ジョミー「そこは放置でいいんだってば!」
キース 「マツカの別荘に行くんだが!」

フォロー無しでは…、とキース君、顔面蒼白。
放置されると?


2020/04/12 (Sun)

 

☆フォローは無しで


次の日曜日はマツカ君の別荘でお花見、避けられないゲスト。
キース君に振ってしまえ、と添乗員をさせることに決定で。

ジョミー「添乗員ってヤツにさ、フォローは無いよね」
シロエ 「ありませんねえ、何から何まで、よろず屋ですよ」

お客様の下僕ですよね、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「国内だったら、夜間はお休みで済みますけど…」
サム  「海外じゃ、そうはいかねえよなあ」
マツカ 「大変らしいですよ、夜中でも叩き起こされて」

運が悪いと大使館まで行かされたりと…、と御曹司。

シロエ 「大使館ですか?」
マツカ 「夜中に外出したお客様が、パスポートをですね…」
スウェナ「盗まれるわけね?」
マツカ 「失くすケースも多いようですよ、酔っ払って」

そうなると大使館ですよね、と御曹司、深い溜息。

マツカ 「でもって、最終日まで振り回されます」
サム  「再発行だけじゃ済まねえのかよ?」
マツカ 「日程によっては間に合いませんし、そうなると…」
シロエ 「お客様だけ出国できない展開ですね?」

でも、他の人は帰れるんですし…、とシロエ君も溜息を。

シロエ 「迷惑すぎる話ですけど、ありそうですよね…」
マツカ 「ええ。でも、添乗員は普通、一人ですから…」
スウェナ「どうするのよ?」
マツカ 「そこで手腕を問われるんですよ、添乗員の」

プロなら解決してこそです、と御曹司、キッパリ。

マツカ 「そしてキースに求められているのも、それですね」
キース 「なんだって?」
マツカ 「フォローは無しで、という声が出ていますから…」

この際、頑張ってみて下さい、と穏やかな笑み。

マツカ 「お花見のお世話をするだけですから、楽勝ですよ」
キース 「…怖いキャラの方になっていないか、お前」
マツカ 「そうですか? 皆さんの声を聞いただけですけど」
キース 「しかしだな…!」
マツカ 「大丈夫ですよ、キースなら」

次の日曜日が楽しみですね、とニッコリ。
さて、どうなる?


2020/04/13 (Mon) 

 

☆いよいよ添乗員


やって来ました、マツカ君の別荘へお花見に出掛ける日曜日。
生徒会長のマンション前に集った面々、浮かれていまして…。

ジョミー「いい天気だよねえ、最高のお花見日和だよ!」
サム  「暑くなるって予報でもねえし、ちょうどいいよな」
マツカ 「別荘の桜も満開だそうです、ピッタリでしたね」
一同  「「「やったー!」」」

お花見だ、と万歳の声が響く中、キース君だけが浮かない顔。

キース 「…ツイていないな…」
ブルー 「自業自得と言うんだろう? ほら、ぶるぅ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ はい、コレ、キースの腕章ね!」
キース 「腕章だって?」

ポカンとするキース君の腕に、サクサク取り付けられた腕章。

シロエ 「あっ、いいですね、添乗員って書いてありますね」
ぶるぅ 「こうしておいたら、誰が見たって分かるでしょ?」
ブルー 「ぶるぅが手作りしたんだよ。はい、名札もつけて」
ぶるぅ 「オッケー! 動かないでね、キース!」

安全ピンの針が刺さっちゃうから、と胸に付けられた名札。

スウェナ「素敵ね、添乗員だと一目で分かるわ!」
マツカ 「別荘の人にも、ちゃんと連絡してありますから」

添乗員がつく話を…、と抜かりないのが御曹司。

サム  「おっ、マジでキースに丸投げなのな?」
マツカ 「ええ。何かあったら、そちらに、と伝えました」
キース 「お、おい…。まさか、別荘でもフォロー無しか?」
マツカ 「皆さん、そういう意向だったでしょう?」

頑張って解決して下さいね、とマツカ君、ニッコリ。

??? 「こんにちはーっ!」
??? 「本日は、お世話になります」

ソルジャー、キャプテン、ぶるぅ(会話表記はAつき)登場。

マツカ 「ようこそ。お世話は、キースがしますから」
Aブルー「へえ? あっ、添乗員をしてくれるんだ?」
マツカ 「何でも、遠慮なくお申し付け下さいね」
キース 「そ、そんな…!」

そんな無茶な、と慌ててますけど。
添乗員なら、乗り切るしか…。


2020/04/14 (Tue) 

 

☆添乗員のお仕事


いよいよマツカ君の別荘へお花見に出発、お天気の方も最高。
迷惑なゲストはキース君に丸投げ、添乗員という腕章なども。

Aブルー「ちょっと聞くけど、添乗員って何をするのかな?」
マツカ 「えっと…? ご質問の意味が、掴めませんが」

添乗員は添乗員ですよ、と御曹司、目をパチクリと。

マツカ 「平たく言えばお世話係で、色々なことを…」
シロエ 「お客様のためにするのが、添乗員ですね」

快適な旅を楽しんで頂くために…、とシロエ君も横から参加。

シロエ 「ご注文から困りごとまで、なんでも引き受けます」
Aブルー「そうなんだ? 添乗員とは縁が無くてねえ…」
A船長 「なにしろ、ミュウはツアーに参加できませんから」
ジョミー「そっか、旅行どころじゃないもんね」

毎日が命の危機なんだっけ、とジョミー君。

ジョミー「こっちでもツアーに行ってないわけ?」
Aブルー「当たり前だよ、時間を拘束されちゃうからね」

ぼくはともかく、ハーレイが無理、とソルジャーの溜息。

Aブルー「豪華寝台列車の旅とか、良さそうだけどさ…」
A船長 「日程に合わせて休暇を取るのは、無理なんですよ」
Aブルー「クルーズにも憧れちゃうんだけどねえ…」
A船長 「我々とは縁が無さそうですね」

添乗員とも御縁が無いんですよ、とキャプテンも。

A船長 「ですから、今回が初になります」
シロエ 「いいですね! 是非、こき使ってやって下さい!」
キース 「お、おい…!」
シロエ 「文句を言う権利は無い筈ですよ」

頑張って添乗して下さい、とキース君の背中をバンッ! と。

シロエ 「さあ、マイクロバスに乗りましょうか」
マツカ 「そうですね。皆さん、どうぞ」

あちらに用意してあります、と御曹司が指差す立派なバス。

Aブルー「ありがとう! 桜が楽しみだよね!」
マツカ 「ちょうど満開らしいですよ」
Aブルー「キース、添乗員をよろしく!」

そっちも楽しみ、とソルジャー、バスへ。
キース君、大丈夫…?


2020/04/15 (Wed) 







 

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☆法要が大切です


春休みはキース君だけ残して旅行と、決まった所へ闖入者が。
法要を希望なソルジャーだけに、またまた怪しい雲行きで…。

Aブルー「ただの節目の行事だったら、サボれる筈だよ!」
キース 「いや、そこの所は、けじめでだな…!」
Aブルー「だったら、なんで毎回、言い訳が要るのさ?」

ブルーの手伝いって言ってるよねえ、とソルジャー、譲らず。

Aブルー「しかも法要の手伝いなんだろ、ブルー主催の」
キース 「そ、それは…。親父が何かとうるさいから…」
Aブルー「うるさいだけなら、手伝いでなくてもいいってば」

坊主の方のブルーって所がポイントだろう、と鋭い指摘が。

Aブルー「つまり大事な行事ってことで、そこが大切!」
キース 「なんだって?」
Aブルー「スッポンタケにも、大事な節目の行事なんだよ!」

やらないなんてとんでもないよ、と赤い瞳が据わってまして。

Aブルー「ブルーがつけた戒名の方だと、法要は無しだね?」
ブルー 「やりたい場合は、キースに頼んでくれないかな」
Aブルー「それも何かと面倒だしねえ、一つ選ぶんなら…」

法要がセットの戒名がいい、と大きく頷くソルジャー。

Aブルー「というわけでさ、キース、これからもよろしく!」
キース 「俺なのか!?」
Aブルー「ブルーの戒名も捨て難いけど、フォローがさ…」

心許ないものだから…、と視線が副住職に。

Aブルー「とりあえず春のお彼岸、お願い!」
キース 「そ、そんな…! 旅行の話はどうなるんだ!」
Aブルー「もちろん、全員、居残りだってば!」
一同  「「「ええっ!?」」」

なんでそうなる、とシャン学メンバー、揃って愕然。

シロエ 「あのですね! キース先輩だけ残るんですけど!」
Aブルー「それは困るよ、いつも通りにやらなきゃダメだし」
シロエ 「法要が出来れば、何の問題も無いでしょう!」
Aブルー「やる気を無くされたら困るからねえ!」

スッポンタケのやる気が大事、と嫌すぎる台詞。
旅行の話は…?


2020/03/16 (Mon) 

 

☆逃げるだけ無駄


春休みはキース君だけ残して旅行の筈が、ご破算っぽい展開。
お彼岸の法要をやりたいソルジャー、全員参加を主張でして。

Aブルー「大事な節目の行事なんだし、燃料をね!」
シロエ 「法要はガソリンじゃないんですけど!」
Aブルー「でもねえ、お香もガンガン焚くしさ…」

パワーを注入するイベントだろう、とソルジャー、ウインク。

Aブルー「法要の度に、うんとパワーをチャージなんだよ!」
キース 「いや、お彼岸は、そういう趣旨ではなくてだな…」
Aブルー「だけど、実際、よく効くからね!」

法要をすると、ぼくのハーレイが漲るんだよ、と笑顔全開。

Aブルー「あれが御利益でなければ、何だと?」
キース 「単なる思い込みだと思うが!」
Aブルー「それならそれで、効果はあるってことだよね!」

是非とも盛大にやらなくっちゃ、と話を全く聞かない人。

Aブルー「みんなも出席してくれないとね、旅行に行かずに」
サム  「俺たちの立場がねえじゃねえかよ!」
Aブルー「文句は、其処のキースにお願い!」

存分にどうぞ、と副住職を指差しまして…。

Aブルー「それじゃ、お彼岸のお中日にねーっ!」
サム  「おい、待ちやがれ!」
シロエ 「もう逃げましたよ、別の世界へ…」

でもって監視をしてるんですよ、とシロエ君の深い溜息。

シロエ 「地球の裏側に旅行に行っても、無駄でしょうね…」
ジョミー「絶対、連れ戻されるよね…」
スウェナ「法要に合わせて、確実に強制連行だわよ」
マツカ 「時差があるだけに、夜中に起こされそうですね…」

キツイですよ、と御曹司も。

マツカ 「それで良ければ、旅の手配をしますけど…」
サム  「行っても、結局、巻き込まれるのな…」

何処へ逃げても同じなんだぜ、とサム君、お手上げのポーズ。

サム  「疫病仏からは逃げられねえよ」
シロエ 「そうみたいですね…」
キース 「申し訳ない…!」

今回の旅は諦めてくれ、と土下座で詫びる副住職。
まさに疫病仏…。


2020/03/17 (Tue)

 

☆なんとか逃げたい


結局パアになってしまった、春休みに行く筈だった旅行の話。
代わりに春のお彼岸なわけで、本日、いよいよお中日でして。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
一同  「「「おはようございます…」」」

来たくはなかった、と誰もがションボリな生徒会長宅。

シロエ 「今頃は旅行の筈だったんですよね、この春は…」
サム  「それは言わねえ約束だぜ…」
ジョミー「でもさあ、キースだけ放って行けばさ…」
スウェナ「やるだけ無駄って結論だったわよ、ソレ」

地球の裏側からでも連れ戻されるのよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「そうなるよりは、って諦めたんじゃない!」
シロエ 「本当に疫病仏なんですよねえ、キース先輩…」

アレに戒名をつけた時点で詰んでました、とシロエ君の溜息。

シロエ 「最低最悪な戒名をつけても、ダメみたいですし」
ブルー 「茸畜生でもいいらしいしねえ、ブルーときたら」
一同  「「「うーん…」」」

生徒会長が捻った最悪な戒名も、大喜びしたのが誰かさん。

ブルー 「普通は嫌がる筈なんだけどね、アレは」
シロエ 「そうですよね…。でも、喜んでましたから…」
サム  「戒名をつけた時点で、詰んでたわけな…」

クジラのパクリでなくってもよ、とサム君が仰ぐ天井。

サム  「キースの野郎、どこまで疫病仏なんだよ…」
スウェナ「ダテに坊主じゃないわね、まったく」

迷惑極まりない存在だわ、とスウェナちゃんが顰める眉。

スウェナ「マツカとは月とスッポンだわよ!」
サム  「うんうん、マツカはマジですげえよな」
ジョミー「節分も切り抜けちゃったしねえ…」

その場の機転と閃きだけで、と尊敬の視線がマツカ君に。

ジョミー「あのさあ、今日も、なんとか出来ない?」
マツカ 「なんとかって…。どういう具合にですか?」
ジョミー「ズバリ、法要、ドタキャンだとか!」
マツカ 「それは流石に無理ですよ…」

参列者がゼロでもやらないと、と言ってますけど。
本当に…?


2020/03/18 (Wed)

 

☆参列者はゼロでも


逃げられなかった春のお彼岸、生徒会長宅に集った御一同様。
嫌でも法要なんですけれど、ドタキャンは無理かという声が。

ジョミー「えっ、ドタキャンは出来ないわけ?」
シロエ 「参列者がゼロでもやる、って本当ですか?」

マツカ先輩、詳しいんですか、とシロエ君の問い。

シロエ 「実は、お寺の事情ってヤツに通じてますか?」
マツカ 「そういうわけではないんですけど…」

社会通念というヤツでしょうか、と御曹司。

マツカ 「お坊さんにお願いした以上は、断われませんね」
スウェナ「でも、来る人がいないのよ?」
マツカ 「法要を頼んだ本人がいなくても、やるものですよ」

場所は変わるかもしれませんけど…、とマツカ君の説明。

マツカ 「参列者ゼロで、お坊さんだけでも、法要はします」
サム  「場所が変わるってえと、会場かよ?」
マツカ 「そうなりますね、自宅で、というのがお寺にとか」

お坊さんだけで法要を営むんですよ、と穏やかな笑み。

マツカ 「法要は大切なものですからね、そうなりますよ」
シロエ 「えーっと…? つまり費用を払うんですよね?」
ブルー 「シロエ、そこは、お布施と言ってくれたまえ」
シロエ 「すみません! そう、その、お布施はする、と…」

お坊さんだけでやった場合も、とシロエ君の念押し。

マツカ 「ええ。お坊さんは何も言いませんけど…」
ブルー 「普通にやったのと同じだけだね、お布施の額は」
一同  「「「うわー…」」」

それこそ坊主丸儲けでは、と一同、ドン引き。

シロエ 「やったかどうかは、分かりませんよね?」
マツカ 「そうなりますねえ…」

けれど、そういう下種な考え方は…、と眉を寄せるマツカ君。

マツカ 「やって頂いた、と感謝の気持ちが大切ですよ」
シロエ 「なるほど…。それって、使えませんか?」
マツカ 「えっ?」
シロエ 「参列者ゼロっていうヤツですよ!」

お布施をすればいいんでしょう、と手をポンと。
何をすると…?


2020/03/19 (Thu)

 

☆欠席理由が問題


春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅で厳修ですが。
やはり逃げたい御一同様、なんとかしたいのが本音でして…。

シロエ 「お布施さえすれば、法要はするわけですよね?」
マツカ 「そうですけれど?」
シロエ 「参列者ゼロでもいいんですよね、その場合?」
マツカ 「仕方ないことですしね、そうなったのは…」

それでも法要はするものですし…、と御曹司。

マツカ 「お坊さんだけでして頂くのが、正しいあり方です」
シロエ 「それです、それです! ぼくたちもですね…」

欠席してはどうでしょうか、とシロエ君が立てる人差し指。

シロエ 「そしたら、キース先輩だけで法要が出来ますよ!」
サム  「あー…。でもよ、お布施を出すのはよ…」

俺たちじゃねえしな、とサム君、難しい顔。

サム  「それに施主だって、俺たちじゃねえぜ」
シロエ 「でも、誰もいないんじゃ仕方ないでしょう?」
マツカ 「そうですけど…。欠席理由はどうするんです?」

逃げただけだと、強引に連れ戻されますよ、と冷静な指摘。

マツカ 「地球の裏側まで逃げていたって、無駄ですしね」
スウェナ「そうなのよねえ…。旅行もそれで諦めたのよ?」
ジョミー「欠席する理由ってヤツが無いよね…」

誰かさんが納得するようなのが、とジョミー君も。

ジョミー「仕方ないな、と思って貰えるようなヤツ…」
シロエ 「そうでした…。名案だと思ったんですが…」
マツカ 「待って下さいよ、病欠というのはアリですね」
一同  「「「病欠?」」」

みんな健康そのものだけど、と誰もがキョトン。

ジョミー「病気って…。誰がさ?」
マツカ 「ぼくたちですよ」
一同  「「「へ?」」」

誰が病気だ、と顔を見合わせる御一同様。

サム  「ジョミー、お前って、風邪気味かよ?」
ジョミー「ううん、マツカは?」
マツカ 「普通ですけど?」
サム  「んじゃ、どうやって病欠なんだよ!」

風邪でもねえのに、とサム君の疑問。
誰が病気だと?


2020/03/20 (Fri) 

 

☆流行っている病気


春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集合ですが。
土壇場になってもやりたい逃亡、マツカ君が妙な台詞を口に。

サム  「やっぱ仮病はマズイと思うぜ、それも当日によ…」
ジョミー「後で思いっ切り祟りそうだよ、誰かさんがさ…」
マツカ 「でもですね…。あちらの世界の命運というのが…」

かかっているんじゃないでしょうか、と御曹司が曇らせる顔。

シロエ 「マツカ先輩、いきなり話が飛んでませんか?」
ジョミー「だよねえ、今は法要が問題なんだよ、ぼくたちは」
マツカ 「確かに、ぼくたちに限って言えばそうですけど…」

インフルエンザが流行ってますよね、と唐突な台詞が。

一同  「「「へ?」」」
マツカ 「最近は、年中、何処かで流行ってますけれど…」

隠れ患者が問題になっているわけですよ、と御曹司。

マツカ 「いわゆる健康保菌者ですね、無症状な人です」
シロエ 「あー…。いるらしいですね、熱も出ないとか」
スウェナ「予防接種とは関係なしに、いるらしいわねえ…」

本人は自覚ゼロらしいわね、とスウェナちゃんも。

スウェナ「だから知らずに周りにうつす、ってヤツでしょ?」
マツカ 「ええ。それが心配になって来たんですよ」

学校にもインフルの人はいましたから、と言われてみれば…。

ジョミー「いたよね、なんか春休みの直前まで…」
シロエ 「休んだままで終業式のも、いましたね…」
マツカ 「そうでしょう? ぼくたちのクラスにだって…」

何度か患者が出ていましたよ、とマツカ君、周りをグルリと。

マツカ 「皆さん、予防接種を受けてましたっけ?」
一同  「「「うっ…」」」

誰一人として受けていないのが、インフルエンザの予防接種。

ジョミー「だ、だってさ、特別生は出席、関係無いし…」
サム  「わざわざ受けに行かなくてもよ…」
マツカ 「ぼくもですけど、それで罹っていない自信は…?」

あるんですか、と改めて聞かれて、誰もが絶句。
実はインフルエンザかも…?


2020/03/21 (Sat) 

 

☆無さそうな病気


春のお彼岸はスッポンタケの法要、会場は生徒会長宅ですが。
集まった面々の中で浮かない顔なのが、マツカ君という今。

マツカ 「どうでしょう? 皆さん、罹っていませんか?」
シロエ 「え、えーっと…。ぼくの場合は、言い切れません」
ジョミー「ぼくも自信って言われたら…。全く無いかも…」
サム  「予防接種を受けてねえしなあ、なんともなあ…」

それに受けてても外すんだろ、と首を傾げるサム君。

サム  「なんかウイルスの型が違うとか、そういうのでよ」
スウェナ「そうらしいわねえ、予防接種のと違っていたら…」
シロエ 「罹るんですよね、思いっ切り…」
マツカ 「その辺なんですよ、ぼくが心配なのは」

予防接種でも百パーセントが無いんですよ、と御曹司。

マツカ 「しかもインフルエンザは、この世界ではですね…」
ブルー 「無駄に歴史が長いヤツだね、流行り始めてから」
シロエ 「なのに、克服できていないんですね…」
マツカ 「ええ。まして、誰かさんの世界となると…」

インフルのウイルスは無い気がします、と心配そう。

マツカ 「あったとしたって、研究施設ではないでしょうか」
ブルー 「有り得るねえ…。こっちの世界の天然痘だね」
シロエ 「根絶してから長いんですよね、アレ」
ブルー 「うん。だからワクチンの接種も無いよ」

ずっと昔は必須の予防接種だったのに…、と長生きな人。

ブルー 「それが今では、受けようとしてもワクチンがね…」
シロエ 「無いんですか?」
ブルー 「一応、保存はしてるんだけどさ…」
マツカ 「頼んでも受けられないんですよ」

扱っている医療施設が無いですからね、と御曹司の説明。

マツカ 「あっちの世界のインフルエンザも、同じでは、と」
シロエ 「なるほど…。そうなると確かに危険ですね」
サム  「シャングリラには、ワクチン、ねえよな…」
マツカ 「しかも急には作れませんよ」

それに効果はすぐに出ません、という指摘。
ワクチンですしね…?


2020/03/22 (Sun)

 

☆生物兵器な病気


春のお彼岸はスッポンタケの法要、今回も生徒会長宅で厳修。
仕方なく集合した面々ですけど、マツカ君が心配する病気。

マツカ 「インフルエンザそのものには、薬がありますが…」
ブルー 「ワクチンの方は、薬と違って効果はすぐには…」

出ないものだし…、と生徒会長も顔を曇らせてまして。

ブルー 「作ったところで、予防接種も大変だしねえ…」
マツカ 「そこなんです。モノが根絶したウイルスの場合…」

シャングリラ中がパニックに陥りませんか、と御曹司。

マツカ 「誰かさんが持ち込んだなんて、言えませんしね…」
一同  「「「あー…」」」

ソルジャーが別の世界に行っていることは、船では秘密。

マツカ 「そうなってくると、生物兵器説が出そうですよ」
一同  「「「うわー…」」」

ミュウを殲滅するためだったら、やりそうなのがSD体制。

シロエ 「マザー・システムの仕業になるんですね?」
マツカ 「ええ。船の誰かが発症したら、そうなりますね」
サム  「その展開はマズイんでねえの?」
マツカ 「恐らくは…。それにインフルエンザの薬も…」

根絶した世界には無いでしょうね、と御曹司、深い溜息。

マツカ 「こっちの世界なら、普通にあるんですけれど…」
サム  「エロドクターも持ってる筈だけどもよ…」
シロエ 「出処が不明の薬となったら、使えませんよね」
スウェナ「そうよね、いくら特効薬だと説明したって…」

まずは臨床試験からよね、とスウェナちゃんも。

スウェナ「調べている間に蔓延しそうよ、船中に」
マツカ 「そうでしょう? それだけに心配なんですよ」
ジョミー「うつしちゃったら大惨事だよね…」

法要をやってもいいのかな、とジョミー君が震わせる肩。

ジョミー「誰かさんだって、健康保菌者になるかもだしさ」
シロエ 「しかも濃厚接触で、キャプテンにですね…」
マツカ 「感染しそうで、怖いんですよ」

最悪のシナリオは幾つもあります、と悪い顔色。
それは確かに…。


2020/03/23 (Mon)

 

☆避けたい大惨事


春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅が会場ですが。
集合している御一同様、インフルエンザの健康保菌者かも。

マツカ 「生物兵器だ、とパニックになったら終わりですよ」
ブルー 「ミュウだからねえ、パニックだって伝染するよ」

思念波で、アッと言う間にね、と生徒会長も心配な様子。

ブルー 「そこへキャプテンが発症したら、打つ手は無いね」
ジョミー「誰かさんでは無理なのかな?」
ブルー 「考えてもみたまえ、あのブルーだよ?」

力技でゴリ押しなタイプだしね、と生徒会長、ブツブツと。

ブルー 「ワクチンを作れと命令した上で、薬を持ち込む!」
シロエ 「こっちの世界のヤツですか?」
ブルー 「そう! 研究施設から盗んだとでも言い訳してね」

だけど、あっちの船にもドクターはいるし…、と生徒会長。

ブルー 「生物兵器説が流れている中で、薬が来たって…」
シロエ 「本物かどうかが怪しいですよね、研究施設のでは」
ブルー 「薬どころか、毒ってこともあるからねえ…」

臨床試験の前段階がありそうだよね、と顎に当てる手。

ブルー 「まずは動物実験からだ、って慎重にね」
スウェナ「そうしている間に、船に蔓延するわけね?」
マツカ 「ええ。最悪のシナリオの一つですよね」

誰かさんは想像もしていませんよ、と御曹司。

マツカ 「ですから、今回の法要はですね…」
サム  「やったらヤバイかもしれねえなあ…」
マツカ 「うつしてからでは遅いですしね、インフルエンザ」
一同  「「「うーん…」」」

誰かさんだけでは済まない話だ、と誰もがガクブル。

シロエ 「大惨事だけは避けたいですね…」
マツカ 「そうでしょう?」

なんとか回避する方法は…、と御曹司、必死に考え中らしく。

マツカ 「やはり、ぼくたちが消えるしか無いかもですね」
一同  「「「消える!?」」」
マツカ 「姿が無ければ、うつしませんよ」

接触しないわけですからね、と言ってますけど。
消えるって…?


2020/03/24 (Tue)

 

☆怖すぎるウイルス


春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集合ですが。
インフルエンザをうつす危険がある、というマツカ君の指摘。

シロエ 「姿が無ければ…って、もう来ちゃってますよ?」
サム  「そうだぜ、消えるには遅いんでねえの?」
マツカ 「いえ、誰かさんが本当に船を心配するのなら…」

ぼくたちを排除する筈ですよ、と御曹司。

マツカ 「少なくとも、この部屋からは放り出してですね…」
ジョミー「消毒するとか、そんなのかな?」
マツカ 「ええ。参列者無しの法要ですよ、別室に隔離で」

無観客試合のようなものでしょうか、と見回す部屋。

マツカ 「キース先輩は仕方ないですけどね、導師ですから」
ブルー 「そっちもマスクをさせるべきだよ」
マツカ 「やっぱり、ブルーもそう思いますか?」
ブルー 「当たり前だよ、キースは地味にリスクが高いよ」

月参りでウロウロしているからね、と生徒会長の冷静な分析。

ブルー 「行った先に感染者がいないと、言い切れるかい?」
マツカ 「そうでした! するとキースはマスクですね」
ブルー 「どうせ内輪の法要なんだし、そうすべきだね」

あのブルーの思慮が深かったなら、と生徒会長。

ブルー 「インフルエンザに罹ってからでは、遅いんだよ」
??? 『もしもーし!』

そっちは危ないって本当かな、と飛んで来た思念波。

ブルー 「ああ、今の話を聞いてたわけ?」
??? 『そうなんだよ!』

それで連絡、とソルジャー(会話表記はAブルー)の思念。

Aブルー『インフルエンザって、そんなに怖いのかな?』
ブルー 「怖いね、今も伝説の感染症だよ」

こっちの地球をパニックに陥れたほど、と生徒会長の解説。

ブルー 「全世界規模で広まって、人がバタバタ死んでさ」
Aブルー『ちょ、ちょっと…! それがうつる、と?』
ブルー 「そうなるかも、とマツカが心配していてね」
Aブルー『困るよ!』

そんなウイルス、困るんだけど、という悲鳴。
当然ですね?


2020/03/25 (Wed) 

 

☆無観客でやりたい


春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅に集った面々。
けれどマツカ君は心配そうで、インフルエンザがどうこうと。

Aブルー『本当に、うつる危険があるって言うのかい?』
ブルー 「真面目に話を聞いてたんなら、分かるだろう?」

君のシャングリラが存亡の危機、と生徒会長、キッパリと。

ブルー 「ぼくたちと一緒に法要をしたら、危ないね」
Aブルー『そ、そんな…! でも、法要は…』
ブルー 「やめるわけにはいかないと?」
Aブルー『ぼくのパワーの源だしねえ、セックスは!』

とんでもない思念が飛んで来ましたが、焦っている様子。

Aブルー『ぼくのサイオンが衰えた場合も、船は危ないし…』
ブルー 「法要はしたい、と?」
Aブルー『スッポンタケの御利益は半端ないからね!』

ぼくのハーレイが漲りまくりで、と思念がほんのりピンク色。

Aブルー『だから絶対、やりたいんだけど…』
ブルー 「インフルエンザには罹りたくない、って?」
Aブルー『そうなんだよ! 悪いけど、ちょっとキースに…』

連絡を取ってくれないかな、とソルジャーの注文。

Aブルー『法要に出るのは、ぼく一人でもオッケーか、って』
ブルー 「了解。でもって、キースはマスク装備だね?」
Aブルー『話が早くて助かるよ! それでね…』

君たちは別室に移ってくれないだろうか、と思念波が。

Aブルー『無観客に備えて、部屋を消毒したいから!』
ブルー 「君のサイオンで出来るのかい?」
Aブルー『やろうと思えば、出来ないこともないけれど…』

部屋の備品を傷めそうだし、普通に消毒、という返事。

Aブルー『ぼくのシャングリラから、道具を送って!』
ブルー 「はいはい、分かった」

じゃあ、ぼくたちは移動しようか、と生徒会長。

ブルー 「あ、キースから返事が来たよ。オッケーだ、って」
Aブルー『助かったぁ! みんな移動して!』
一同  (((……)))

マジか、と顔を見合わせる御一同様。
参列者ゼロで法要…。


2020/03/26 (Thu)

 

☆まずは消毒から


春のお彼岸はスッポンタケの法要、生徒会長宅で厳修ですが。
インフルエンザを恐れるソルジャー、参列者無しで開催希望。

Aブルー『ほら、聞こえてるんなら、サッサと移動!』
ブルー 「ぼくと、ぶるぅも?」
Aブルー『君たちも、学校に行っていたからね!』
ぶるぅ 「オッケー! みんな、あっちのお部屋にね!」

此処はキッチリ戸が閉まるしね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「消毒って、お薬、撒くのかなあ?」
Aブルー『それは覗いてくれてていいから! サイオンで!』
ぶるぅ 「分かったぁ! じゃあ、法要は頑張ってねーっ!」

みんはなこっち、と撤収しまして、別の部屋へと。

ぶるぅ 「お茶とお菓子も持って来なくちゃ、っと…!」
シロエ 「まさかの無観客らしいですよ…」
サム  「そりゃまあ、船がヤバイとなればよ…」
ジョミー「腐ってもソルジャー、ってことみたいだね…」

やってることは法要だけどさ、とジョミー君。

ジョミー「もう来て消毒してるのかな?」
ぶるぅ 「えっとね、さっき来たみたいだよ」
ブルー 「今は煙がモクモク出てるね」
一同  「「「煙?」」」

どうして煙、と誰もがビックリ、其処へサイオン中継画面が。

ブルー 「こんな感じで消毒中だよ、煙でね」
サム  「うわー、バルサンかよ…」
スウェナ「私たちって、ゴキブリ並みなの?」
Aブルー『そうじゃなくって、似てるだけだよ!』

このタイプが効率いいんだよね、とソルジャーの思念。

Aブルー『すぐに広がって、隅から隅まで!』
サム  「へー…。世界は違ってもバルサンなのな」
Aブルー『ゴキブリ用じゃないってば!』

対ウイルスの強力なヤツ、とソルジャー、煙をモクモクと。

Aブルー『あとはキースがマスクをしてくれれば…』
ぶるぅ 「チャイムが鳴ったから、お迎えしてくる!」
Aブルー『お迎えもマスクで!』
ぶるぅ 「はぁーい!」

うつしちゃダメだし、とマスク着用で跳ねてゆくお子様。
厳戒態勢ですね?


2020/03/27 (Fri) 

 

☆無観客でやります


春のお彼岸はスッポンタケの法要、参列者無しでやることに。
インフルエンザを恐れるソルジャー、部屋も消毒してまして。

ぶるぅ 「いらっしゃい、キース! マスク、してるね!」
キース 「それはまあ…。お施主様のご意向ではな…」

仕方あるまい、と法衣に着替えに出掛けた様子。

サム  「法要もマスクでするのかよ…」
ブルー 「でないと、うつすかもだしねえ…」
Aブルー『シャングリラを消毒だけでは、済まないからね!』

そんなウイルスを持ち帰ったら、とソルジャーの思念。

Aブルー『船はパニック、二度とこっちには来られないよ!』
シロエ 「あー…。人類軍に殲滅されたら、そうなりますね」
Aブルー『そうならなくても、来られないってば!』

ぼくのハーレイが激怒するから、と思念に混じっている恐怖。

Aブルー『誰のせいか、っていうことだしねえ、責任問題!』
ジョミー「つまり、ソルジャー失格ってこと?」
Aブルー『もうボコボコに叱られまくって、監禁だよ!』
シロエ 「それでも脱走できるでしょう?」

抜け出すくらいは朝飯前で、とシロエ君。

シロエ 「今まで通りに、来そうな気しかしませんけどね?」
Aブルー『ぼくは来られても、ハーレイは来てくれないよ!』

怒らせちゃったら、絶対そうなる、と思念がガクブル。

Aブルー『こっちで旅行が出来なくなって、お泊まりも!』
サム  「お一人様になるってわけな?」
Aブルー『そうなんだよ!』

だから困る、と縮み上がっている様子。

ぶるぅ 「お待たせーっ、キースの用意が出来たよ!」
キース 「ふむ。本当に、あんた一人だけだな」

まあ、いいが、という声が聞こえて、サイオン中継の画面が。

キース 「マスクで法要をしたことは無いし、発声がだな…」
Aブルー「一切、文句は言わないからさ! それでお願い!」
キース 「承知した。では、始めるぞ」
一同  (((無観客…)))

でもって飲食しながら見物、と眺める御一同様。
楽ですね!


2020/03/28 (Sat)

 

☆持ち帰り仕様で


いよいよスッポンタケの法要、参列者はソルジャーただ一人。
キース君はマスク着用、他の面子は別室でサイオン中継見物。

キース 「願我~身浄~、如~香炉~…」
シロエ 「始まりましたね、本気でマスクで、無観客で」
ブルー 「そこはさ、参列者ゼロと言ってあげてよ」

観客だったら此処に大勢、と生徒会長の苦笑。

シロエ 「そうでした! 今回、ホントに観客ですしね」
ジョミー「お茶もお菓子もついてるしね!」
ぶるぅ 「好きなだけ食べてね、沢山あるから!」
マツカ 「ありがとうございます。そっちのケーキを…」

一切れ、お願い出来ますか、と御曹司の控えめな注文。

ぶるぅ 「オッケー! ケーキもパイも食べ放題だよ!」
サム  「俺、コーヒーのおかわりな!」
スウェナ「私は紅茶で!」
ぶるぅ 「おせんべいも、緑茶もあるからねーっ!」

法要はまだまだ続くから、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「でもでも…。後のお食事、どうなるのかな?」
サム  「あー…。法要の後は宴会だよなあ…」
マツカ 「会食の席は危険ですよ」
シロエ 「誰もマスクをしていませんしね…」

法要よりも危ないですよ、とシロエ君も心配そう。

シロエ 「誰かさんの分は、持ち帰り仕様にした方が…」
ブルー 「そうだね、折詰なら安心だしね」
ぶるぅ 「分かったぁ! マスクをして詰めるね!」
マツカ 「ええ、その方がいいでしょうね」

せっかくですから、キャプテンの分も…、と御曹司。

マツカ 「いつも留守番ばかりですしね、法要の時は」
ブルー 「うん、それはブルーも喜ぶだろうね」
ぶるぅ 「だったら、ぶるぅの分もお土産!」
一同  「「「げっ!」」」

悪戯小僧にも折詰なのか、と誰もがゲンナリですけれど。

ぶるぅ 「だって、ぶるぅは親友だもーん!」
ブルー 「こんな時くらいは、大目に見てあげてよ」
シロエ 「見物で済んでいるんですしね…」

分かりましたよ、というシロエ君の声に頷く一同。
折詰ですね?


2020/03/29 (Sun)

 

☆最後まで無観客


スッポンタケの法要ですけど、参列者は一人だけで進行中。
ソルジャー以外は別室でサイオン中継で見物、そういう状態。

キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
シロエ 「えーっと、そろそろ終わりでしたっけ?」
ブルー 「そうなるね、最後はお念仏三昧だから」
キース 「……南無阿弥陀仏……」

副住職、鐘をチーンと鳴らして、深々と平伏。

キース 「南無阿弥陀仏、と…。よくお参りでございました」
Aブルー「ありがとう! スッポンタケも大喜びだよ!」
キース 「だろうな、あんたにしては立派に徳を積んだし」

一人きりでも法要をという心は素晴らしい、と副住職、絶賛。

キース 「事情が事情だけに、中止でも良かったんだがな」
Aブルー「えっ、そんなことは出来ないよ! 道があるなら!」

この危機を教えてくれたマツカにも感謝、と大真面目な人。

Aブルー「というわけでね、今日は本当にありがとう!」
キース 「ん? 宴会には出ないのか?」
Aブルー「危ないじゃないか!」

一緒に食事はリスク高すぎ、とソルジャー、ブルブル。

Aブルー「お布施はするけど、宴会はパスで失礼するよ」
キース 「そうなのか…。花見の頃には落ち着くといいな」
Aブルー「ホントにね…。あれっ、ぶるぅ?」
ぶるぅ 「んとんと…。宴会のお料理、詰めて来たから!」

キャプテンと、ぶるぅの分もあるの、とドカンと折詰。

ぶるぅ 「持って帰って、みんなで食べてね!」
Aブルー「いいのかい? 今日の法要は最高だよ!」
キース 「だったら、今の感謝の心を忘れずにな」
Aブルー「そうするよ! それじゃ、みんなによろしく!」

またね、と折詰と一緒にパッと姿が消え失せまして。

シロエ 「帰っちゃいましたよ、アッサリと…」
ブルー 「でもまあ、確かに危ないからねえ…」
サム  「けどよ、俺たちは宴会だよな」
一同  「「「やったー!」」」

法要の後は宴会の時間、しかもゲスト無し。
最高ですよね!


2020/03/30 (Mon) 

 

☆見物だけでした


まさかの無観客で終わった、スッポンタケのお彼岸の法要。
ソルジャーもサッサと帰ってしまって、後は宴会タイムだけ。

シロエ 「逃げ足の速さは普段からですけど、最速でしたね」
マツカ 「シャングリラの命運がかかってますしね…」
キース 「まさかマスクで法要をするとは思わなかったぞ」

人生初の体験だった、と副住職が外しているマスク。

キース 「お前たちなら、うつした所で問題無いしな」
サム  「やっぱ、檀家さんにヤバい人がいるのかよ?」
キース 「考えてもみろ、お邪魔する先は高齢者メインだぞ」

月参りは平日なんだからな、と副住職。

キース 「働き盛りも学生も、ほぼ出払っている」
シロエ 「あー…。お留守番といえば、そうなりますね」
キース 「咳をしてらっしゃる方も、珍しくないしな」

まあ、お年寄りは咳き込みやすいんだが…、と苦笑い。

キース 「とはいえ、インフルエンザと区別はつかんし…」
ブルー 「まあねえ、ご高齢だと月参りにも熱心だから」

多少、具合が悪くてもキャンセルしないよね、と生徒会長も。

ブルー 「リスクがある以上、マスクはしておくべきだよ」
キース 「だが、キツかった…。特に念仏三昧が…」

なんて息継ぎしにくいんだ、と副住職の嘆き節。

キース 「酸欠になるかと思ったぞ、終わりの方は」
シロエ 「倒れなくて良かったじゃないですか」
ぶるぅ 「そだよ、法要、お疲れ様ぁーっ!」

早く着替えて宴会だよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「宴会で、しっかりリフレッシュしてね!」
ブルー 「酸素も充分、補給したまえ」
キース 「感謝する!」

では、とキース君も最速で着替えて戻りまして…。

ブルー 「では、改めて…。みんな、法要お疲れ様!」
一同  「「「お疲れ様でしたぁーっ!」」」
サム  「俺たちは、見物しかしてねえけどな」
シロエ 「それは言わない約束ですよ」

さあ宴会だ、と盛り上がってますけど。
今月、これにて中継終了~。


2020/03/31 (Tue)




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☆旅行に行くのなら


さて、三月。いよいよ楽しい春休みというシャン学メンバー。
生徒会長宅で計画を、という目的で集った日曜日でして…。

ジョミー「やっぱりさあ…。旅行なんかもいいよね、春は」
サム  「だよなあ、美味いもの食って、温泉とかよ」
スウェナ「あらっ、マツカの別荘に行くのもアリじゃない?」

色々な所にあるんだものね、とスウェナちゃんの提案。

スウェナ「スキーも出来るし、その気になったら海水浴も!」
シロエ 「そうでした! 海外にも別荘、ありますもんね」
マツカ 「お好みに合わせて、手配をさせて頂きますよ」
一同  「「「やったー!」」」

海がいいかな、それともスキー、と盛り上がってますけど。

キース 「すまんが、春休みの最初は避けてくれるか?」
シロエ 「何か予定があるんですか?」
キース 「春分の日は、春のお彼岸のお中日でな…」

その日の俺は絶対、動けん、と副住職のしかめっ面。

キース 「旅行だなんて言おうものなら、親父に殺される!」
サム  「あー…。そりゃそうだよなあ、副住職だしよ」
キース 「その上、もう長いことスルーだったし…」
一同  「「「へ?」」」

スルーって何だ、と誰もがキョトン。

シロエ 「スルーって、何をスルーしたんですか?」
キース 「お中日だ」
ジョミー「殺されるって言わなかったっけ?」
キース 「皆、都合よく忘れたようだな」

全員参加のイベントだろうが、と副住職。

キース 「嫌というほど法要だったぞ、毎年、毎年!」
一同  「「「ひぃっ!」」」

忘れていた、と一同、ガクブル。

シロエ 「そ、そうでした…。春だけじゃなくて…」
マツカ 「秋のお彼岸も法要でしたね…」

誰かさんのせいで、と御曹司も。

マツカ 「そうなると、今年も危険でしょうか?」
キース 「分からんが…」
ジョミー「じゃあさ、キースだけ置いて行くのは?」
シロエ 「いいですね、それ!」

担当者がいればいいんですしね、という声が。
置き去りですか…。


2020/03/01 (Sun)

 

☆一人でも出来ます


日曜日に生徒会長宅で、春休みの計画中なシャン学メンバー。
旅行に行こうという話ですけど、春分の日が問題でして…。

キース 「俺だけ残して旅行に行くのか、お前たちは!?」
シロエ 「その案の、何処がダメなんです?」

凄い名案じゃありませんか、とシロエ君、ジョミー君に賛同。

シロエ 「法要なんて、キース先輩がいればいいんでしょう」
サム  「そうだと思うぜ、どうなんだよ、ブルー?」

プロの意見ってヤツを聞かせてくれよ、とサム君も。

サム  「ブルーの手伝いって理由で、毎回、抜けてるしよ」
ジョミー「うんうん、アドス和尚用の言い訳、ソレだよね」
キース 「た、確かにそうだが…!」
ブルー 「ぶっちゃけ、キースだけいれば出来るだろうね」

たかが内輪の法要くらい、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「いくらお中日の法要と言っても、そう特別では…」
スウェナ「ないってわけね、お坊さん的には?」
ブルー 「うん。これがお寺の本堂だったら、大変だけどさ」

他のお坊さんも大勢いるし…、と解説が。

ブルー 「お坊さんたちのお世話だけでも、忙しいよね」
シロエ 「え、えっと…? お手伝いの人のお世話ですか?」

バイトの人を世話するようなものでは、という質問。

シロエ 「自分でやれって感じですけど、違うんですか?」
ブルー 「食事はお弁当でもいいけど、法要の進行とかがね」
マツカ 「ああ…。上司としての仕切りになるんですね」
ブルー 「そう! 座る場所から、退場する時の順番までね」

お坊さんが多いほど多忙になるよ、と銀青様。

ブルー 「だけどキースは、そういう心配、無いんだし…」
シロエ 「一人で出来るもん、ですか?」

前にツイッターで流行りましたね、とシロエ君の笑顔。

シロエ 「お坊さんたちが一斉に、ハッシュタグをつけて」
サム  「あったよなあ!」
キース 「まるで違うんだが!」

あれと一緒にしないでくれ、と叫んでますけど。
ハッシュタグ…?


2020/03/02 (Mon) 

 

☆一人でも出来る筈


生徒会長宅で春休みの計画なシャン学メンバー、問題は法要。
春のお彼岸があるわけでして、キース君だけを残す方向へと。

キース 「一人で出来るもん、というのは車の運転だぞ!」
シロエ 「ああ、そうだったかもしれませんねえ…」
キース 「ついでに言うと、法衣で出来るもん、だった!」

ハッシュタグは正確に言わんとダメだ、と副住職の渋面。

キース 「でないと検索に引っ掛からんぞ、それではいかん」
シロエ 「細かいことはどうでもいいんですよ」
サム  「うんうん、一人でも法衣でも変わらねえよな」

要は坊主に出来るかどうか、とサム君の指摘。

サム  「法衣で運転出来るのか、ってのが問題だったしよ」
ジョミー「だよねえ、だから法衣でバク転とかをさ…」
スウェナ「してたわけよね、お坊さんたちが」

それで解決したじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「反則切符を切った警察、謝ったものね」
キース 「それはそうだが、法要はだな…!」
シロエ 「さっき会長が、一人で出来ると言いました!」

一人でやればいいでしょう、とシロエ君が突き付ける指。

シロエ 「そもそも、法要は誰のせいなんです!」
サム  「キースが余計な戒名をつけたせいだよなあ…」
ジョミー「しかも半端なく立派らしいよね、アレ」
ブルー 「クジラの戒名のパクリだからねえ…」

その場のノリでつけるからだ、と生徒会長、冷たい視線。

ブルー 「頭を捻れば、最悪なのをつけられたのに」
一同  「「「へ?」」」
ブルー 「今の時代じゃ、もう絶対に無理なヤツ!」

昔のも変更しなきゃダメだし、と言ってますけど。

シロエ 「えっと…? それは戒名なんですか?」
ブルー 「うん。ずっと昔は、それでオッケーだったのに…」
ジョミー「今だと、何か問題あるわけ?」
ブルー 「つけようものなら、もう確実にフルボッコだよ」
一同  「「「フルボッコ?」」」

いったいどんな戒名なんだ、と誰もが傾げる首。
フルボッコって…?


2020/03/03 (Tue)

 

☆戒名と最高裁


春休みの計画中なシャン学メンバー、旅行に行くという話が。
けれどお彼岸の法要が問題、キース君だけ残留な方向でして。

シロエ 「つけたらフルボッコな戒名…ですか?」
ブルー 「それはもう! 家族だけじゃなくて、他所からも」
サム  「親戚かよ?」
ブルー 「そういうレベルじゃ済まないだろうねえ…」

多分、内輪じゃ終わらないね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「運が悪けりゃ、最高裁まで行っちゃうかもね」
一同  「「「最高裁?」」」
ブルー 「和解できなきゃ、そうなるかと…」
シロエ 「ということは、最高裁は最高裁判所ですね?」

ぼくの聞き間違いではなくて…、とシロエ君の問い。

シロエ 「何故、フルボッコで最高裁になるんです?」
スウェナ「お寺を相手に裁判なくらい、酷いのかしら?」

その戒名は、とスウェナちゃんも。

スウェナ「戒名って、文字が多いほどいいんでしょう?」
ブルー 「基本はそうだね」
スウェナ「だったら、一文字だけとかなの?」

フルボッコなら、という質問ですけど。

ブルー 「文字数で言えば、少なくはないね」
サム  「へえ…? それなのに裁判沙汰なのかよ?」
ブルー 「なにしろ、犬畜生だから…」
一同  「「「へ?」」」

犬用なのか、と誰もがポカーン。

シロエ 「あのですね…。ペットの葬儀は人気ですけど…」
ジョミー「戒名をつけて貰っておいてさ、裁判ってさ…」
マツカ 「酷い気がしますね、やりすぎですよ」

有難く頂いておけばいいのに、と御曹司も。

マツカ 「断られたんなら、まだ分かりますけどね」
サム  「だよなあ、貰って文句ってのはよ…」

お寺を馬鹿にしてるじゃねえかよ、と僧籍な人。

サム  「第一、犬は戒名、読めねえんだし…」
ブルー 「その辺もあってさ、昔はバレなかったんだろうね」
シロエ 「バレなかったって、何がですか?」
ブルー 「犬畜生だよ」

バレなきゃ問題ないんだし、と言われましても。
犬にですか…?


2020/03/04 (Wed)

 

☆忠犬でも無理です


春休みの計画を練るシャン学メンバー、旅行に行くという話。
ところが逃れられないお彼岸、キース君だけ残留を検討中で。

シロエ 「バレなきゃいいって、どうせ相手は犬ですよ?」
ジョミー「バレるも何も、犬は文句を言わないよ?」

吠えないと思う、とジョミー君も怪訝そうな顔。

ジョミー「それにさ、今の時代につけても、飼い主だって…」
スウェナ「犬用なんだし、文句を言うのは筋違いだわよ」
サム  「うんうん、犬は犬なんだしよ…」

そこの所は変えられねえぜ、と僧籍な人。

サム  「それともアレかよ、クジラ並みにしろってか?」
シロエ 「並みの忠犬では無理ですよ、それ」
ジョミー「人命救助くらいはしないと、無理だと思う…」

だから犬には犬並みだよね、とジョミー君の指摘。

ジョミー「なのに飼い主が文句をつけるの、なんて言うか…」
シロエ 「いわゆるモンペと変わりませんよね、今、問題の」

モンスターペアレントってヤツですよ、とシロエ君の溜息。

シロエ 「どう転がっても、犬は犬でしかありませんから」
ブルー 「まあねえ…。犬用だったら、そうなるだろうね」
一同  「「「へ?」」」

犬用の戒名の話だろうが、と誰もが一斉に傾げる首。

シロエ 「犬の戒名の話でしょう?」
ブルー 「それが違うんだな、犬畜生は」
一同  「「「え…?」」」

だったら誰の戒名なんだ、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「まさか、最高裁っていうのは、ソレですか?」
ブルー 「そうだけど?」
シロエ 「人間用の戒名だったりしますか、ソレは?」
ブルー 「ピンポーン!」

つけた時代があったんだよね、と言われましても。

サム  「マジかよ、人間様の戒名が犬と同じなのかよ?」
スウェナ「あんまりだわよ、人権問題というヤツじゃない!」
ブルー 「だから言ったよ、今の時代なら最高裁だ、って」
シロエ 「確かに最悪な戒名ですね…」

どうしてそんな戒名を、とシロエ君の疑問。
酷すぎますよね?


2020/03/05 (Thu)

 

☆最悪でもオッケー


春休みの計画中なシャン学メンバー、旅行を希望ですけれど。
逃れられない春のお彼岸、キース君だけ残留しろという話で。

シロエ 「その戒名はあんまりですよ、何故、つけたんです」
ブルー 「戒名をくれと言われたからだよ、ただそれだけ」
スウェナ「だけど、相手は人間なのよ!?」
ブルー 「貰った当時は、喜ばれた戒名なんだけどねえ…」

でなきゃ墓石に彫らないからね、と銀青様の正論が。

ブルー 「これは嫌だ、と思った場合はスルーするだろ?」
シロエ 「それは確かに…。でもですね…」

そんなの貰って嬉しいですか、とシロエ君の反論。

シロエ 「普通は嫌だと思うんですけど、犬用だなんて」
ブルー 「なんて書いてあるか、分からなかったら?」
一同  「「「あー…」」」

そこか、と誰もが納得な理由。

スウェナ「どうせ読めないから、つけちゃったわけね?」
ジョミー「読めなきゃ、有難いかもね…」
ブルー 「そうなんだよねえ、立派な戒名を貰った、と」

だから御自慢で、墓石にも彫ってたんだけど…、と銀青様。

ブルー 「読み書きを覚えた子孫がビックリ、そこが問題」
一同  「「「うわー…」」」

お寺に文句を言うわけだ、と一同、ガクブル。

シロエ 「それでつけ直しで、今やれば、裁判なんですね?」
ブルー 「そういうこと! でも、例のアレは…」

法廷に持ち込めないからねえ、と銀青様、いえ、生徒会長。

ブルー 「最悪なのをつけてもオッケーだったわけでさ…」
サム  「だよなあ、どうせ値打ちは分かってねえし…」
シロエ 「犬畜生でも、通った可能性はありますね…」
ブルー 「可能性と言うより、通った筈だね」

なにしろ戒名の知識がゼロ、と生徒会長、冷たい笑み。

ブルー 「犬の所を茸に変えれば、きっと問題無かったかと」
ジョミー「でも、畜生はさ、悪態で普通に使う気が…」
ブルー 「どうかな、キノコなんだしね」

属性を示すお約束だと説明したら…、とニヤリ。
通るかもですね?


2020/03/06 (Fri) 

 

☆属性だそうです


春休みは旅行に行きたいシャン学メンバー、けれど入る邪魔。
いわゆるお彼岸の法要でして、キース君だけ残留する案が。

シロエ 「なるほど、畜生は属性なんだ、と説明ですか」
ブルー 「うん。人間じゃないのは確かだからさ…」
サム  「分かりやすいように入れるんだ、と言うわけな?」
ブルー 「そういう決まりになっている、とキッパリとね」

嫌なら戒名の話は無しで…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「無しになるよりは、茸畜生の方がいいだろう?」
スウェナ「そうねえ、戒名が無いと法要は無理だし…」
ブルー 「法要どころか、毎日の供養も出来ないよ」

無縁仏な扱いでしか、とプロならではの生徒会長の知識。

ブルー 「そう言われたら、いくら茸畜生でもさ…」
シロエ 「つけて貰うしかないですね、ソレ…」
サム  「後でバレても、どうしようもねえよな、ヤツには」
ブルー 「裁判所には行けないしねえ…」

キースがうんと言わない限りは、茸畜生だよ、と断言が。

ブルー 「でもってキースは、取り上げるぞ、の一点張り!」
シロエ 「いいですねえ! 既に手遅れですけれど…」
サム  「つけちまったしなあ、立派なのをよ…」

やっぱりキースは疫病仏だぜ、とサム君、深い溜息。

サム  「おい、キース。なんでクジラのをパクったんだよ」
キース 「あれは、その場のノリでだな…!」
シロエ 「同じノリなら、犬用をパクれば良かったんです!」

茸畜生なら、今頃はもっと平和でした、とシロエ君の怒り。

シロエ 「あの人だって、法要にこだわりません!」
サム  「だよなあ、モノが茸畜生だしよ…」

威張れるポイント、何もねえしな、と僧籍な人。

サム  「どんな感じになってたのかは、知らねえけどよ」
ブルー 「そうだねえ…。畜生院亀茸居士ってトコかな」
シロエ 「キジョウコジ…ですか?」
ブルー 「茸の字はジョウと読むんだよ」

院と居士とは大サービス、と言ってますけど。
サービスって?


2020/03/07 (Sat)

 

☆変えるのは無理


春休みの計画中なシャン学メンバー、旅行を希望ですけれど。
お彼岸が邪魔をしてくるわけで、キース君だけ残留という話。

シロエ 「院と居士は大サービスって、どういう意味です?」
ブルー 「どっちも上等な戒名向けだよ、院も居士もね」

院殿号と大居士には及ばないんだけどさ、と銀青様の解説。

ブルー 「だけど茸畜生とつけるからには、サービスだよ」
サム  「そのせいで格が上がらねえのかよ?」
ブルー 「上がるも何も、茸畜生だから…」

ド底辺なのは間違いないね、と生徒会長、ニンマリと。

ブルー 「誰かさんが威張ったところで、どうにもこうにも」
ジョミー「つけ直せ、って言われそうだけど?」
ブルー 「残念なことに、そう簡単にはいかないんだな」

戒名を変えるというヤツは…、と生徒会長が立てる親指。

ブルー 「つけたお寺に頼んでダメなら、他所でもダメだよ」
スウェナ「じゃあ、裁判しか無いのかしら?」
ブルー 「宗派を変えれば、場合によってはオッケーだね」

宗派によって流儀もあるし、という説明。

ブルー 「それに相応しく変えて下さい、と頼めばいけるよ」
シロエ 「なるほど…。キース先輩との縁を切るんですね」
ブルー 「そういうことだね、茸畜生を変えたかったら」

とはいえ、何処のお寺でも無理、と生徒会長、クスクスと。

ブルー 「ペットならともかく、キノコではねえ…」
サム  「門前払いになりそうだぜ」
シロエ 「寄付をしたって難しいでしょうか?」
ブルー 「お寺にも誇りがあるからねえ…」

買収できるような所は格が落ちるよ、と銀青様。

ブルー 「当然、全てがお金次第で」
シロエ 「有難くない感じですねえ…」

誰かさんでも嫌がりそうです、とシロエ君、苦笑。

シロエ 「すると、キース先輩が茸畜生をかましていたら…」
ブルー 「それで固定になっていたねえ、間違いなく」
サム  「やっぱ、戦犯はキースかよ…」

疫病仏だぜ、と天井を仰ぐサム君。
その通りですね?


2020/03/08 (Sun) 

 

☆習わない可能性


春休みは旅行を希望なシャン学メンバー、けれど問題が一つ。
お彼岸の法要があるわけでして、キース君だけ残留な話が。

サム  「キースが疫病仏ってことはよ、春の旅行はよ…」
シロエ 「残留でいいと思いますねえ、キース先輩だけ」

法要は一人でも出来るそうですし、とシロエ君。

シロエ 「この際、やって頂きましょう! 戦犯ですから」
ジョミー「だよねえ、最悪な戒名をつけなかったんだし…」
スウェナ「立派過ぎるのをパクったんだものね」

犬畜生をパクれば良かったのに、とスウェナちゃんも。

スウェナ「知識が無かったとは言わせないわよ!」
シロエ 「なんと言ってもプロですからねえ、お坊さんの」
マツカ 「待って下さい、習わないという可能性は?」
ブルー 「それを言うなら、クジラの戒名も習わないよ」

せいぜい講義中の雑談程度、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「必須じゃないねえ、その辺りはね」
マツカ 「それなら、キースは知らなかったかもしれません」
サム  「疫病仏を庇うのかよ?」
マツカ 「そうじゃないですけど、知らなかったのなら…」

罪が軽くなると思いますから、と御曹司の弁。

マツカ 「旅行は残留するにしたって、お土産くらいは」
サム  「あー…。土産は買ってもいいかもなあ…」
シロエ 「ですねえ、安いので充分ですけど」

で、どうなんです、とシロエ君、副住職をギロリと。

シロエ 「犬畜生な戒名、知っていたんですか?」
キース 「そ、それはまあ…」
シロエ 「知っていたんですね?」

もう重罪で確定ですね、とシロエ君が吊り上げる眉。

シロエ 「どうして茸畜生にしなかったんです!」
キース 「だから、その場のノリでだな…!」

引き摺るとは思わなかったんだ、と必死の言い訳。

キース 「こうなることが分かっていたら、俺だって…!」
サム  「犬畜生をパクったのかよ?」
キース 「当然だ!」

たとえブルーに聞いてでも、と言ってますけど。
何を尋ねると?


2020/03/09 (Mon)

 

☆分からない読み方


春休みは旅行をしたいシャン学メンバー、なのに難問が一つ。
お彼岸の法要が来るわけでして、キース君だけ残留という案。

シロエ 「えっと…。犬畜生をパクったかも、なんですね?」
キース 「そうだ、こうなることが分かっていたならな!」
サム  「一応、知識はあったんだよなあ?」

だったら、普通にパクれるじゃねえか、とサム君が傾げる首。

サム  「なんでブルーに聞くんだよ?」
シロエ 「確かに…。勝手につければいいでしょう?」
キース 「いや、思い付いた場合、戒名の文字が問題で…」
一同  「「「へ?」」」」

何か難しかったっけ、と誰もがキョトン。

ジョミー「あのさあ…。犬畜生をパクるだけだよ?」
シロエ 「ですよね、犬を茸に変えるだけなんですし…」
キース 「その茸の字を、なんと読むのか知らなかったしな」
シロエ 「茸と言ったら、タケでしょう?」

松茸の茸でシイタケのタケ、とシロエ君。

シロエ 「さっきから何度も、茸畜生と言ってますけど?」
キース 「だったら聞くが、ブルーが捻った戒名は何だ?」
シロエ 「畜生院亀茸大居士です」
キース 「それだ、読みはキジョウで、カメタケではない!」

戒名はあくまで音読みなんだ、と副住職が顰める顔。

キース 「茸の字をジョウと読むなど、俺は知らなかったぞ」
シロエ 「あー…。まさか、そのせいでスルーしましたか?」

犬畜生をパクる件を、とシロエ君の質問ですけれど。

キース 「そうだと言えたら、どんなに楽か…」
サム  「思い付きさえしなかったのな…」

やっぱり戦犯なんじゃねえかよ、とサム君が仰ぐ天井。

サム  「お前、一人で留守番しろよな、春のお彼岸」
ジョミー「それしかないよね」

同情の余地が全く無いし、とジョミー君も。

ジョミー「お土産だって要らないよ」
スウェナ「そうねえ、買うなら、いやげものだわね」
一同  「「「さんせーい!」」」

それで決まりだ、と歓声と共に突き上げる拳。
残留決定…。


2020/03/10 (Tue)

 

☆旅行に行く場合は


春休みは旅行に行きたいシャン学メンバー、やっと解決策が。
お彼岸の法要はキース君だけが残留、一人で法要をする方向。

キース 「真面目に俺だけ残留なのか!?」
シロエ 「会長だって、一人で出来ると言いましたしね」

法要は一人でやって下さい、とシロエ君の突き放し。

シロエ 「いやげものくらいは買って来ますよ」
サム  「うんうん、何もねえよりマシだろ?」

いやげものでも貰えるだけマシ、とサム君、キッパリ。

サム  「そうと決まれば、何処に行くかが問題だぜ」
ジョミー「美味しいものがあって、あとはスキーとか?」
シロエ 「海水浴もいいですよねえ、南の島で」
スウェナ「バカンスよね!」

疫病仏は放置で楽しみましょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「マツカ、オススメの場所は何処かしら?」
マツカ 「そうですねえ…。何処でも御用意出来ますけど…」

本当にキースは残留ですか、と御曹司の問い。

マツカ 「法要が終わった頃に迎えを出しますけれど?」
シロエ 「甘すぎです!」

この際、猛省して貰わないと…、とシロエ君の反論。

シロエ 「救済策なんか要らないんですよ、まるで全く!」
ジョミー「いやげものだけ、あればいいよね」
サム  「そうだぜ、戦犯なんだしよ」

それより旅行を決めちまおうぜ、とサム君が立てる親指。

サム  「やっとお彼岸から逃げられるしよ」
??? 「待ってよ、勝手に決めないでよ!」

ぼくの意見は、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「げっ!!!」」」
Aブルー「えっと…? 春のお彼岸の話だよねえ?」

今年も素敵な法要をよろしく、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「春と言ったら恋の季節で、パワーもドッサリ!」
シロエ 「誰も呼んではいないんですけど!」
Aブルー「そうだったかなあ、キノコの話をしていたよ?」
一同  「「「キノコ…」」」

ヤバイ、と誰もが顔面蒼白。
茸畜生の話、いいように解釈されたかも…?


2020/03/11 (Wed) 

 

☆もう一つ貰える件


春休みはキース君だけ残留させて、他は旅行に決定ですけど。
其処へ登場したのがソルジャー、法要に期待しているようで。

Aブルー「ほらね、していただろう、キノコの話を!」
シロエ 「え、えっとですね…、あれは…」
ブルー 「ぶっちゃけ、茸畜生なんだけれどね?」

ちゃんと話を聞いてたのかな、と生徒会長、冷静な指摘。

Aブルー「もちろんだよ! スペシャルな企画なんだろう?」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「もう一つ戒名をくれるんだよねえ、素敵なのを!」

しかも大サービスなヤツを、とソルジャー、笑顔全開。

Aブルー「院と大居士が貰えるんだって?」
ブルー 「そう言ったけど…?」
Aブルー「素晴らしいよね、今度は銀青様からなんだよ!」

伝説の高僧がつけてくれるなんて、と赤い瞳がキラキラキラ。

Aブルー「なにしろキースとは格が違うし、最高だってば!」
ブルー 「茸畜生だと言ってるだろう!」
Aブルー「それ、それ! 有難いヤツを、もう一度お願い!」

改めて聞いておきたいからね、とソルジャー、ズズイと。

Aブルー「そうだ、どうせなら書いてくれるかな?」
ブルー 「書くって…?」
Aブルー「メモ用紙でいいから、その戒名を!」

有難さを噛み締められるからね、とソルジャーの注文。

Aブルー「ぶるぅ、何か書くもの、貰えるかな?」
ぶるぅ 「オッケー!」

はい、どうぞ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が差し出すメモ帳。

ぶるぅ 「これでいいかな、それとも、もっと上等な紙?」
Aブルー「あるんだったら、上等なのが欲しいかな」
ブルー 「チラシの裏で充分だから!」

メモ帳でも上等すぎるくらいだ、と生徒会長が吊り上げる眉。

ブルー 「茸畜生には、チラシの裏だってもったいないよ!」
Aブルー「分かるよ、有難いことをそう言うよね!」
一同  「「「え?」」」
Aブルー「もったいない、って!」

もったいないお言葉とかって言い回し、と一人で頷く人。
そうなるんですか?


2020/03/12 (Thu) 

 

☆もったいない話


春休みはキース君だけ法要で残留、他は旅行と決定ですけど。
其処へソルジャーがやって来まして、話はとんでもない方へ。

Aブルー「実にもったいない話だもんねえ、その戒名は!」
シロエ 「どの辺が、どう有難いんです?」
サム  「おい、馬鹿野郎は放置しとけよ」
シロエ 「そうはいきませんよ、話をキッチリさせないと!」

有難いだなんて言ってますから、とシロエ君。

シロエ 「このままだとリスクが高まりそうですからね」
Aブルー「リスクって…? ああ、お彼岸の法要だね!」

君たちは嫌っているからねえ、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「だけどブルーは乗り気じゃないか、戒名も来たし」
シロエ 「ですから、会長がつけたヤツはですね…」
Aブルー「伝説の高僧から貰えた上に、タダなんだよ?」

まさか今から請求ってこともないだろう、と立てる親指。

Aブルー「これがもったいない話でなければ、何なんだい?」
一同  「「「うっ…」」」

本格的に勘違いだ、と誰もが真っ青。

Aブルー「というわけでね、メモに書いてよ!」
ブルー 「本気なのかい?」
Aブルー「うん、ぼくのハーレイにも見せたいからね!」

スッポンタケとは養子縁組してるんだし、と嫌すぎる話が。

Aブルー「息子に素晴らしい戒名がつけば、喜ぶよ!」
ブルー 「何度も言うけど、茸畜生でさ!」
Aブルー「分かってるってば、属性がハッキリするんだよね」

畜生とつけば、と嬉しそうなソルジャー。

Aブルー「今まで以上に、うんと御利益ありそうだよ!」
ブルー 「そうなるわけ?」
Aブルー「属性は大事だと思うんだよね!」

五行だったか何だったか…、とソルジャー、首を捻りまして。

Aブルー「木火土金水とか言うよね、風水とかでさ!」
ブルー 「それはそうだけど、それでパワーが上がるって?」
Aブルー「特化した御利益が貰えそうだし!」
一同  「「「うーん…」」」

そうなるのか、と頭を抱える御一同様。
アレが有難いと…?


2020/03/13 (Fri)

 

☆解脱するそうです


春休みはキース君だけ法要で残留、他の面子は旅行ですけど。
そう決めた所へ来たのがソルジャー、話はとんでもない方へ。

Aブルー「キノコなんです、と主張できるしね!」
ブルー 「それに相応しい扱いになると思うけれどね?」
Aブルー「どういう意味だい?」
ブルー 「急いで解脱させないと、という方向かな」

なにしろ畜生なんだから…、と生徒会長、いえ、銀青様。

Aブルー「解脱って?」
ブルー 「輪廻転生と言うんだけれどね、こう、六道をさ…」
Aブルー「六道?」
ブルー 「六つの世界をウロウロするのが、輪廻ってヤツで」

生まれ変わって、いろんなコース、と説法ならぬ解説が。

ブルー 「解脱というのは六道を抜けて、極楽に行くこと!」
Aブルー「ふうん? 畜生の場合は急ぎになるわけ?」
ブルー 「人間以上に苦労をしているだろうしね」

早めに救ってあげなくちゃ、と銀青様が説く仏様の務め。

ブルー 「というわけでさ、パワーよりも極楽往生かと」
Aブルー「でもさあ、極楽に行くんだろう?」
ブルー 「そうだけど?」
Aブルー「じゃあ、行った先で凄いパワーをゲットだよ!」

しかも早めに貰えそうだ、と赤い瞳がキラキラと。

Aブルー「もう最高だよ、その戒名! ありがとう!」
ブルー 「……そこまで言うなら、選びたまえ」
Aブルー「選ぶって?」
ブルー 「戒名はダブルで持てないからね」

キースのか、ぼくのか、どっちか一つ、とキッパリと。

ブルー 「そこの所をハッキリさせてよ、どっちにすると?」
Aブルー「えーっと…? 君のを選んだ場合は?」
ブルー 「院殿号が外れちゃうから…」

立派な戒名とは言えなくなるね、と銀青様の厳しい指摘。

ブルー 「ついでに、ぼくはキースほど甘くはないよ」
Aブルー「まさか、法要はしてくれないとか?」
ブルー 「当たり前だよ、お盆の棚経もお断りだね」
Aブルー「えーーーっ!?」

それは酷い、と叫んでますけど。
まあ、当然な話ですよね…?


2020/03/14 (Sat) 

 

☆二つに一つです


春休みはキース君を残して旅行にお出掛け、そう決めたのに。
其処へ乱入して来たソルジャー、法要をやる気満々でして…。

Aブルー「せっかく戒名をつけてくれたのに、選べって?」
ブルー 「二つは持てない決まりだからねえ…」

院殿号を捨てるか、ぼくのを捨てるか、と銀青様が迫る二択。

ブルー 「どっちにするかは、君次第だよ」
Aブルー「君が法要をしないってことは、お彼岸は?」
ブルー 「キースに頼むか、法要は無しになるかだね」

キースに義務は無いんだけどさ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「自分でつけた戒名だったら、やるしかないけど」
シロエ 「あー…。キース先輩、フリーになるんですね?」
ブルー 「そういうことだよ、みんなと旅行に行けるわけ」
一同  「「「イイネ!!!」」」

でもって、お盆の棚経も無くなる、と誰もが歓声。

サム  「やったぜ、お盆はアドス和尚のお供だけだぜ!」
ジョミー「ぼくも、キースの手伝いだけだね」
スウェナ「私とシロエは自由なのね!」

いいじゃないの、とスウェナちゃんも大喜び。

スウェナ「それにキースも、疫病仏を返上だわよ」
シロエ 「そうなりますねえ、諸悪の根源はアレでしたから」
キース 「助かった…! 一生モノだと諦めていたぞ」

是非ともブルーのヤツを選んでくれ、と副住職、プッシュ。

キース 「いいか、有難さが段違いだからな、あっちの方は」
Aブルー「そうらしいけど…。でも…」
キース 「何の問題があるというんだ、いい話じゃないか」
Aブルー「法要が無いっていうのはねえ…」

やる気を無くされそうで困る、とソルジャー、フウと溜息。

Aブルー「いくら有難くてパワーがあっても、やっぱりさ…」
キース 「法要は節目にやっているだけで、燃料ではないぞ」
Aブルー「そうかな、だったらサボれると思うけど?」
キース 「は?」
Aブルー「お中日の法要だよ!」

アドス和尚がうるさいんだろう、とツッコミが。
そうでしたっけね…。


2020/03/15 (Sun)






 

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☆まず捜してから


今年の節分は別のお寺へ、と決めた所へソルジャーのお願い。
七福神巡りにして欲しいそうで、友達枠での紹介を希望で…。

キース 「俺たちとの友情があると言うなら、捜すことだ」
シロエ 「片付けが下手でも、捜すくらいは出来るでしょう」
Aブルー「で、でも…! ぶるぅの卵も紛れてたくらいで…」

クリスマスからニューイヤーの後まで、と言い訳。

Aブルー「お掃除部隊が突入する前に、散らかった中から…」
キース 「それは重々承知しているが、まず捜してくれ」

行方不明の友情とやらを…、と腕組みをする副住職。

キース 「あるんだったら、何処かに紛れているだろう」
サム  「だよなあ、ゴミ箱の中なんじゃねえの?」
ジョミー「あってもアッサリ捨ててそうだしね、この人はさ」
スウェナ「捨てる以前に、元から無いでしょ」

見付かるわけがないじゃないの、とスウェナちゃんの高笑い。

スウェナ「無駄な足掻きよ、節分は露店で決まりだわよ」
シロエ 「そうですね! えっと、其処へ行くには…」
マツカ 「路線バスも電車もありますよ」
ジョミー「一番空いてるヤツがいいよね」

節分は何処も混むからさ、とジョミー君。

ジョミー「露店が出るなら、人出も多くなるんだろうし…」
ブルー 「七福神巡りと変わらないけど、露店は混むね」
サム  「楽しみだぜ! 何を食おうかな」
Aブルー「其処じゃなくって、七福神だよ!」

ぼくを助けると思ってさ、とソルジャー、アタフタ。

Aブルー「お願いだってば、この通りだよ!」
キース 「だが、友達でもないのに紹介は出来ん」
シロエ 「神様に嘘はいけませんよね」

友情は見付かったんですか、と冷たい視線が。

シロエ 「見付かってから言って下さい、そういうのは」
キース 「まったくだ。俺たちは今年は別行動だ」
Aブルー「そ、そんな…! あっ、ちょっと待って!」
キース 「友情とやらが見付かったのか?」

嘘八百は許されないぞ、とキース君の睨み。
当然ですよね?


2020/02/16 (Sun)

 

☆友情とコンビ


今年の節分は七福神巡りではなく、露店が並ぶ別のお寺へと。
そう決めたのに、ソルジャーが七福神に紹介を希望で…。

Aブルー「友情があればいいんだよねえ、君たちとの?」
キース 「そういうことだが?」
Aブルー「質問なんだけど、コンビってどうかな?」
一同  「「「コンビ?」」」

なんのこっちゃ、と誰もが見合わせる顔。

シロエ 「何ですか、そのコンビって?」
Aブルー「コンビだってば、こっちには色々あるだろう?」

漫才なんかが有名なのかな、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「二人組でさ、芸をするとか、こう、色々と…」
サム  「あー…。漫才のボケとツッコミとかな?」
Aブルー「そう、ソレ! あれって友情だと思う?」
シロエ 「それはまあ…。友情が無いと出来ませんよね」

ああいうのは阿吽の呼吸ですから、とシロエ君。

シロエ 「仲が悪いと、まるで話になりませんってば」
ブルー 「そうだね、口数が少ない仲でも、友情はあるね」

出番が済んだら、別れて家へ直行でもさ、と生徒会長も。

ブルー 「次に会ったら、息がピッタリ! これぞ友情!」
Aブルー「やったあ! それなら、ちゃんと友情はあるよ」
一同  「「「へ?」」」

何処に、と一同、部屋をキョロキョロ。

シロエ 「何処にあるって言うんです?」
ジョミー「落ちてないよね、その辺にはさ」
Aブルー「ううん、しっかりコンビだってば!」

しかも君たち公認だよね、とソルジャー、親指をグッと。

サム  「コンビなんかに覚えはねえぜ」
スウェナ「公認だってしてないわよね」
キース 「嘘はダメだと言っただろうが!」

よくも口から出まかせを、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「何がコンビで公認なんだ、嘘八百を並べやがって」
シロエ 「苦しい言い訳の方が、まだマシですよね」
Aブルー「嘘じゃないってば、疫病仏を忘れたのかい?」
一同  「「「疫病仏…」」」

そういうのがあった、と一同、顔面蒼白。
コンビかも…。


2020/02/17 (Mon)

 

☆セットなら友情


今年の節分は七福神巡りの代わりに、露店が並ぶ別のお寺へ。
けれどソルジャーが七福神を希望、お友達枠がどうこうと。

Aブルー「疫病仏って、ぼくとキースがセットだよねえ?」
シロエ 「そ、それはまあ…。そうなんですけど…」
Aブルー「なんだったっけ、仏様の名前がついてた筈だよ」
一同  「「「うっ…」」」

確かに名前をつけたんだった、と青ざめている御一同様。

Aブルー「ぼくの方がキースよりも、偉い仏様でさ」
サム  「そ、そうだったかもしれねえなあ…」
Aブルー「えっと…。どういうセットだったかなあ?」

仏様には詳しくなくて、とソルジャーの視線が生徒会長に。

Aブルー「もう一度、教えてくれないかな、アレ」
ブルー 「なんで、ぼくに振るわけ!?」
Aブルー「仏様のことなら、君が一番詳しいからだよ!」

とても偉いお坊さんなんだろう、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「ぼくとキースと、どういうセットだったっけ?」
ブルー 「……疫病如来と、疫病菩薩……」
Aブルー「そう、それ! 同じ名前がついてて、セット!」

これはまさしくコンビだよね、と勝ち誇った顔。

Aブルー「コンビだったら友情もある、って言ってたし!」
シロエ 「言いましたけれど、疫病仏はですね…!」
サム  「迷惑なだけで、俺たちは歓迎してねえぜ」
Aブルー「だけど、立派に公認だし!」

ぼくとキースの疫病コンビ、と威張り返る人。

Aブルー「そういうわけでさ、友情は存在するんだよ!」
ジョミー「無茶だよ、そんなの!」
Aブルー「でも、友情が無いとコンビは無理、って!」

ぼくとキースの間には友情があるよ、とソルジャーの主張。

Aブルー「だからね、お友達枠での紹介、よろしく!」
シロエ 「それならキース先輩だけで…」
Aブルー「ダメダメ、君たちも公認だからね、疫病仏は!」
一同  「「「そ、そんな…」」」
Aブルー「お友達枠!」

七福神様に紹介お願い、と入った注文。
ピンチなのでは…?


2020/02/18 (Tue)

 

☆みんなで友達枠


今年の節分は七福神巡りではなく、露店が並ぶ別のお寺へと。
そう決めたのに来たのがソルジャー、七福神巡り希望でして。

Aブルー「友情の根拠は捜し出したよ、友達枠でよろしく!」
シロエ 「ですから、キース先輩だけで…」
Aブルー「君たちも公認してるからには、友達だってば!」

みんな友達、とソルジャーが振りまく笑顔。

Aブルー「そういうわけだし、七福神巡りでお願いするね!」
キース 「ちょっと待て、俺たちは別の寺にだな…!」
Aブルー「そっちはキャンセル! 明日は七福神巡り!」

他所へ行っても、サイオンで連行するからね、と強烈な脅し。

Aブルー「瞬間移動で、みんな纏めて七福神だよ!」
一同  「「「うわー…」」」
Aブルー「それが嫌なら、七福神! バス停で会おうね!」

それじゃ、明日! とパッと姿を消しまして…。

サム  「逃げやがった…」
シロエ 「ということは、逃げられませんね、ぼくたちも…」
ジョミー「だよねえ、別のお寺に行っても、強制連行で…」
スウェナ「全部キースが悪いのよ!」

何が疫病仏でコンビよ、とスウェナちゃんの怒り。

スウェナ「友達枠にされたじゃないの、私たちまで!」
キース 「す、すまん…!」
シロエ 「根拠を出せ、と言ったの、キース先輩ですよね」

ソレを言わなければ良かったんじゃあ…、とシロエ君の指摘。

シロエ 「友達じゃない、で押し通せば良かったんですよ!」
サム  「確かになあ…。あの勢いなら行けたよな」
マツカ 「かなりショックだったみたいですしね」

友達じゃないと言われた時は…、と御曹司も。

マツカ 「ドサクサ紛れに、断れたかもです」
ブルー 「その可能性は大きいねえ…」

明らかにペースが乱れていたし、と生徒会長。

ブルー 「あそこで強引に追い返してれば、明日はさ…」
スウェナ「別行動が出来たのよ!」
サム  「やっぱり、マジで疫病仏かよ…」

またまたキースのせいじゃねえかよ、という声が。
正論ですね?


2020/02/19 (Wed)

 

☆やっぱり疫病仏


節分は七福神巡りをやめて、露店が並ぶ別のお寺に行く計画。
けれどソルジャーが乱入しまして、七福神巡りに決定で…。

サム  「キース、お前、何処まで迷惑かけやがるんだよ」
キース 「そ、そんなつもりでやったわけでは…!」
シロエ 「意識してやったことだったら、許しませんってば」

殺されても文句は言えませんね、とシロエ君の睨み。

シロエ 「でも無意識に呼ぶんですよね、災いってヤツを」
スウェナ「まさしく疫病仏だわよねえ、本当に…」
マツカ 「今回ばかりは、同情の余地も無いですね」

ぼくでも庇うのは無理ですよ、と御曹司もお手上げ。

マツカ 「次からは気を付けて下さい、これに懲りたら」
キース 「ど、努力する…」
ジョミー「今年も幸先、悪いよね…」
サム  「おうよ、節分からこの有様ではよ…」

キースには要注意だぜ、とサム君、フウと溜息。

サム  「けどよ、とにかく今は目の前の災いをよ…」
シロエ 「何とかするのが大切ですよね、出来れば回避で」
マツカ 「七福神巡りは、行くしかないんですけどね…」

現地での災いを避けられれば、と御曹司。

マツカ 「リスクは出来るだけ、減らしたいですね」
ジョミー「じゃあさ、キースは抜きっていうのは?」
一同  「「「は?」」」
ジョミー「疫病仏は抜きで行くんだよ!」

キースは自宅謹慎ってことで、とジョミー君の案。

ジョミー「キースがいなけりゃ、かなりリスクが減るよね」
シロエ 「凄い名案に聞こえますけど、友達枠ですよ?」

キース先輩がいないと、ぼくたちがお友達に、という声が。

シロエ 「その状態に耐えられますか?」
ジョミー「それは勘弁!」

やっぱりみんなで行くしかないか、と一同、溜息。

サム  「仕方ねえなあ、明日は朝イチでバス停かよ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も七福神だね!」
シロエ 「不本意ですけど…」
ブルー 「行くしかないねえ…」

幸運を祈ろう、と生徒会長、合掌を。
どうなりますやら…。


2020/02/20 (Thu)

 

☆乗る前にお話が


やって来ました、節分の朝。バス停に集うシャン学メンバー。
七福神巡りに行くしかなくて、ソルジャー夫妻も来るわけで。

シロエ 「あーあ…。行きのバスから地獄かもですね…」
ジョミー「全部キースが悪いんだってば、疫病仏でさ」
キース 「す、すまん…」
ぶるぅ 「あっ、来た、来た! かみお~ん♪」

ソルジャーとキャプテン(会話表記はAブルーとA船長)が。

Aブルー「おはよう! 今日は、お友達枠でよろしくね!」
A船長 「お世話になります。今年もよろしくお願いします」
一同  「「「はあ…」」」

仕方ない、と頷くしかない御一同様。

Aブルー「えーっと…。あそこへ行くバスは…」
マツカ 「あと5分ほどで来ますけど…。その前に、お話が」
一同  (((???)))

そんな話があったっけ、と誰もがキョトンとしてますけれど。

Aブルー「話って? あっ、料亭でも予約してくれた?」
マツカ 「いえ、注意事項を申し上げようと思いまして」
Aブルー「注意事項? それって、何さ?」
マツカ 「今、問題になっている観光公害ですよ」

インバウンドをご存じででしょうか、と御曹司の問い。

Aブルー「なんだい、それは?」
A船長 「私も初めて耳にしますが…」
Aブルー「外国からの観光客です、マナーがですね…」

悪い方が多いものですから…、とマツカ君、憂いの表情。

マツカ 「同一視されると困るんですよ、バスの中では」
Aブルー「どういう意味さ?」
マツカ 「知り合いと分かると、注意するよう促されるか…」

最悪、一緒に降りろと言われそうです、と零す溜息。

マツカ 「そうならないよう、普通に乗車して下さい」
Aブルー「普通って?」

いつも普通に乗っているけど、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「ねえ、ハーレイ?」
A船長 「そうですが…」
マツカ 「いえ、座り方が問題なんです」
一同  (((あー!!!)))

アレか、と一発で分かった面々。
マツカ君の意図は…?


2020/02/21 (Fri) 

 

☆事情が違うんです


今年も節分は七福神巡りで、ソルジャー夫妻も一緒にバス停。
其処でマツカ君がバスに乗る前の注意、問題はインバウンド。

Aブルー「座り方って…。もしかして、いつものアレ?」
A船長 「私がブルーを膝に乗せていることでしょうか?」
一同  (((ソレ、ソレ!)))

最後尾の座席で密着座り、と声には出さない御一同様。

マツカ 「ええ、それです。やめて頂いた方がいいかと…」
Aブルー「えーっ!?」

あの座り方で御利益を頂いたこともあるのに、という反論。

Aブルー「知らない人から、御利益アイテムを貰ったり…」
A船長 「いいことが沢山あったのですが?」
マツカ 「あの頃とは事情が違うんですよ」

インバウンドで迷惑している人が増えて…、と御曹司。

マツカ 「皆さん、心が狭くなりつつありますからね」
シロエ 「言えていますね、苦情も増えてるんですよ」

多く集まる観光地などの周辺で…、とシロエ君も。

シロエ 「ぼくたちだって、トラブルは避けたいです」
Aブルー「トラブルって…。一緒に降りろ、ってこと?」
マツカ 「そうです、それに、そちらもお困りかと」

降ろされたら、次のバスを待つしか…、と正論が。

マツカ 「この寒空に、何も無い場所で下車だとですね…」
サム  「マジでキツイよな、待ち時間がよ」
ジョミー「コンビニも無いトコ、あるもんね…」

だから巻き添えは勘弁してよ、と沸き起こる声。

ジョミー「頼むから今年は、普通に座って!」
ブルー 「確かに、マツカの言う通りだねえ…」
Aブルー「本当なのかい、あの座り方はダメだ、って?」
ブルー 「マナーの悪いインバウンドっぽいのは、確かだよ」

君子危うきに近寄らず、と言うだろう、と生徒会長。

ブルー 「降ろされる前に、あの座り方はやめておくんだね」
Aブルー「そ、そんな…」
マツカ 「御利益どころか、ズッコケますよ?」
キース 「確かにな」

行きのバスからケチがつくな、と副住職も。
縁起が悪いですね?


2020/02/22 (Sat) 

 

☆ケチがつくとダメ


今年も節分は七福神巡り、ソルジャー夫妻とバス停ですけど。
マツカ君が密着座りを注意で、降ろされそうだという指摘。

Aブルー「降ろされちゃったら、御利益もパア?」
マツカ 「それは謎ですけど、ケチがつくのは確かですね」
キース 「神仏には、本来、潔斎して参拝するものだしな…」

昔は、途中でケチがついたら出直したほどだ、と副住職。

キース 「日を改めてお参りしたんだ、昔の人は」
ブルー 「そうなんだよねえ、だから君もさ…」

マツカの言うことを聞いた方がいいよ、と生徒会長も。

ブルー 「なにしろ節分は年に一度で、出直そうにも…」
シロエ 「日が無いですしね、来年まで」
Aブルー「うっ…」

それは困る、とソルジャー、悪い顔色。

Aブルー「ハーレイ、あの座り方は、やめようか?」
A船長 「ええ、その方がいいでしょうね」

残念ですが…、とキャプテンも。

A船長 「もしも降ろされたら、出直せませんし…」
Aブルー「ケチがついたら大変だしねえ、お参りに…」

仕方ないから普通に座ろう、と意見が纏まったバカップル。

Aブルー「きっと並んで座るだけでも、御利益があるよ」
A船長 「無くても、ケチがつくよりはマシですからね」
一同  (((助かった…)))

マツカに感謝、と一同、心で合掌。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ バスが来たよーっ!」
シロエ 「じゃあ、乗りましょうか」
マツカ 「くれぐれも、普通にお願いしますよ」
Aブルー「分かってるってば!」

せめて場所だけは恒例の…、と最後尾の席へ。

Aブルー「此処が空いてて良かったね!」
A船長 「気分だけは、ということですね」

仲良く並んで座りましょう、とバカップル、着席。

ぶるぅ 「ぼくは一番前の席ーっ!」
キース 「俺たちも適当に座るとするか」
ジョミー「他人のふりをしなくて済むのが嬉しいよね」
サム  「うんうん、毎年、散々だったけどよ」

今年は安心、と誰もが笑顔の路線バス。
いいことですね!


2020/02/23 (Sun) 

 

☆福笹は頂くもの


今年も節分は七福神巡りでして、路線バスで出発ですけれど。
マツカ君の機転で普通に座ったソルジャー夫妻、車内は安心。

Aブルー「バスで御利益は貰えないけど、後に期待だよね」
A船長 「ええ。七福神巡りは、御利益絶大ですからね」

今年もしっかりお参りしましょう、と頷き合っている人たち。

シロエ 「ぼくたちの方も、いいお参りにしたいですねえ」
ジョミー「露店を諦めたんだしね」
サム  「仕方ねえよな、貰える福は貰おうぜ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 次のバス停だよ!」

早かったね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の歓声が。

スウェナ「ホントね、いつもは長いのにねえ…」
ブルー 「バスは普通に走ってるんだと思うけれどね」

気持ちの問題、と生徒会長。

ブルー 「ビクビクしてると、時間も長く感じるものだよ」
シロエ 「そうかもです。あっ、着きましたよ!」

降りましょう、と一同、ゾロゾロと下車。

ジョミー「わあっ、今年も人が多いね!」
ブルー 「それはまあ…。大抵の人は、同じ所にお参りだし」
一同  「「「うっ…」」」

浮気しようとしたんだった、と御一同様、ちょっぴり反省。

ぶるぅ 「んとんと、福笹、一つちょうだい!」
巫女さん「はい、どうぞ。いいお参りをして下さいね」
ぶるぅ 「ありがとーっ! みんなも早く、早く!」

お参りしようよ! と飛び跳ねるお子様。

シロエ 「福笹、一つお願いします」
サム  「俺も一つな!」
Aブルー「ハーレイ、ぼくたちも買わないと!」
ブルー 「頂く、と言ってくれたまえ!」

罰当たりな、と生徒会長が顰める顔。

ブルー 「御利益は買うものじゃないから!」
Aブルー「細かいことは気にしない!」

ほら、ハーレイも、と促す人。

Aブルー「福笹、一つ!」
A船長 「私にも、一つ」
巫女さん「いいお参りをなさって下さいね」
Aブルー「ありがとう! さあ、ゲットしたし!」

お次はコレの出番だよね、と取り出す筆ペン。
なんでしたっけ…?


2020/02/24 (Mon)

 

☆お参りは例年通り


七福神巡りのお寺に到着、まずは福笹を頂くところから。
ソルジャー夫妻もゲットですけど、登場したのが筆ペンで…。

Aブルー「願い事はキッチリ書かないとね!」
A船長 「そうですとも! 今年もしっかり書きましょう!」

そのために絵馬があるのですから、と船長が指差す福笹。

ブルー 「あのねえ、それは単なる干支のヤツでさ…」
キース 「今年の笹だ、と分かるようになっているだけだが」
Aブルー「だけど絵馬には、願い事を書くものだろう?」

君たちだって、初詣で書いているじゃないか、という指摘。

Aブルー「さてと…。夫婦和合でお願いします、っと!」
A船長 「では、私も…。ご覧下さい、立派に書けました!」

練習した甲斐がありましたよ、と笑顔のキャプテン。

A船長 「やはり羽根ペンとは勝手が違いますからね」
Aブルー「うん、いい感じ! 七福神様にアピールしないと」

でないと聞いて貰えないしね、とソルジャー、やる気満々。

Aブルー「こうやって絵馬に書いておいたら、安心だよ!」
キース 「それは分かったから、お参りの方は静かに頼むぞ」
Aブルー「えっ、なんで?」
キース 「他の皆さんの御迷惑になる」

バスの時にマツカが言ったろうが、と副住職。

キース 「最近はマナーを守らないヤツが多いからな」
Aブルー「でもさあ…。路線バスなら仕方ないけど…」
A船長 「此処には、そのぅ、なんでしたっけ?」
Aブルー「インバウンドだよ、いそうにないけど?」

どう見ても、この国の人ばかりじゃないか、と見回す周囲。

Aブルー「マナーも何も、関係無いと思うけど?」
A船長 「私たちは毎年、来ていますしね」

七福神様も覚えておいでなのでは…、とキャプテンの意見。

A船長 「ですから、お参りは例年通りでよろしいかと」
Aブルー「耳が遠い神様もおいでだしね」
A船長 「大声でお願いしませんと…」
一同  「「「うっ…」」」

マズイ、と青ざめる御一同様。
大声で願い事…。


2020/02/25 (Tue)

 

☆アピールをお願い


いよいよ七福神巡りですけど、ソルジャー夫妻の祈願が問題。
大声でお願いしたいのだそうで、しかも恒例の夫婦和合で…。

Aブルー「いつも大声で頼んでいるから、今年もね!」
キース 「待ってくれ! 耳が遠いのは、お一人だけだ!」

恵比寿様だ、と副住職、必死の形相。

キース 「他の神様は、ごくごく普通でいらっしゃる!」
Aブルー「そうだろうけど、どうかしたのかい?」
キース 「御迷惑だろうが、その方々に!」

マナー違反で、しかもうるさい、と副住職。

キース 「本来、お参りは静かに合掌するものだ!」
Aブルー「でもさあ…。鈴とか、手をパンパンとか…」
A船長 「音で注意を引いていますよ、明らかに」

ですから、大声もよろしいのでは、とキャプテンまでが。

A船長 「なにしろ願いが届きませんと、どうにもこうにも」
Aブルー「そこなんだよねえ、スルーされたら困るから…」

キッチリお願いしたいんだよ、とソルジャー、譲らず。

Aブルー「そうだ、君たちにも頼もうかな」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「せっかく友達枠なんだしさあ、友情アピール!」
一同  「「「友情アピール?」」」

なんのこっちゃ、と一同、キョトン。

シロエ 「あのぅ…。アピールって、何をするんです?」
Aブルー「もちろん、七福神様にアピールだよ!」

友達なんだし、応援してよ、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ぼくとハーレイが、願い事を叫ぶ時にさ!」
一同  「「「げっ!!!」」」

嫌な予感しかしないじゃないか、と誰もがガクブル。

シロエ 「そ、その状況でアピールですか…?」
Aブルー「そうだよ、熱い友情でね!」

パンパン柏手で合掌よろしく、とソルジャー、力説。

Aブルー「ちゃんと手を合わせて、お願いしてよ!」
キース 「なんでそういうことになるんだ!」
Aブルー「友達だからだよ!」
一同  「「「と、友達…」」」

えらいことになった、と顔面蒼白の御一同様。
一緒に頼めと…?


2020/02/26 (Wed)

 

☆アピールをよろしく


七福神様に祈願したいソルジャー、友情アピールを頼むとか。
一緒に柏手を打って合掌、夫婦和合の願い事を応援だそうで。

シロエ 「で、ですから、友達はキース先輩だけで…!」
Aブルー「その理屈、破綻してたよねえ?」
一同  「「「うっ…」」」

そのせいで七福神巡りだった、と詰まるしかない御一同様。

Aブルー「そうと決まれば、早速、行こうか!」
A船長 「心強いですね、皆さんが応援して下さるとは」

実に有難いお話ですよ、とキャプテンも歓喜の表情。

A船長 「せっかくですから、唱和もして頂けると…」
一同  「「「唱和?」」」
A船長 「ええ。お願い事を、こう、声を揃えて御一緒に」
Aブルー「いいねえ、それでお願いするよ!」

ぼくたちの後に、大きな声で、と恐ろしすぎる注文が。

シロエ 「そ、それは…。流石に、ちょっと御迷惑では…」
キース 「さっきも言ったが、お参りは静かにするものだ」
Aブルー「友情アピールは別物だよ!」

お参りと違って応援だしね、とソルジャーの屁理屈。

Aブルー「応援は賑やかなものなんだしさ、一つよろしく!」
A船長 「私からも、よろしくお願いします」
マツカ 「待って下さい、お国柄というものがですね…」

この世界には存在するんですよ、と割って入った御曹司。

Aブルー「お国柄?」
マツカ 「はい。それぞれの国とか場所の特徴ですね」

行動などにも出るものなんです、とマツカ君の説明。

マツカ 「でもって、この国の場合は、控えめでしょうか」
Aブルー「えっと…?」
マツカ 「控えめが美徳とされていますね、一般的に」

押しが強いのは好まれません、とマツカ君、キッパリ。

マツカ 「ですから、あまり強気に押していくとですね…」
Aブルー「何かマズイわけ、友情アピール?」
マツカ 「俗っぽい言い方をすれば、ウザがられるかもです」
Aブルー「それは困るよ!」

ウザがられたら大変じゃないか、とソルジャー、ワタワタ。
大変ですよね?


2020/02/27 (Thu)

 

☆スルーは困るんです


七福神様に声を揃えて祈願を頼む、と言い出したソルジャー。
夫婦和合と叫べだなんて、あんまりすぎる注文ですけど…。

Aブルー「あのさ…。本当にウザがられる恐れがあるわけ?」
マツカ 「やってみないと分かりませんけど、可能性は…」

大きいですね、とマツカ君、心配そうな顔。

マツカ 「ウザがられたら、多分、お願いはスルーですよ」
Aブルー「スルーって…」
マツカ 「聞いて貰えないということですね」

それでも良ければ、唱和をさせて頂きますが、と御曹司。

マツカ 「皆さんも、もちろん唱和しますよね?」
キース 「あ、ああ…! 当然だとも!」
ジョミー「うんと大きい声で叫ぶよ、応援だから!」
サム  「友情はアピールしねえとな!」

そうと決まれば早く行こうぜ、とサム君が突き上げる拳。

サム  「みんな、大声MAXでな!」
一同  「「「おーっ!!!」」」

頑張るぞ、と俄然、張り切る御一同様。

シロエ 「どうしたんです、最初のお寺は其処ですよ?」
スウェナ「ほら、行きましょうよ、応援するから!」
Aブルー「い、いや、ちょっと…」

応援はしてくれなくていいかも、とソルジャー、真っ青。

Aブルー「スルーされたら困るんだよ!」
A船長 「御利益を頂けませんからね…」

お参りは、私どもだけで…、とキャプテンも腰が引け気味。

A船長 「ですから皆様は、ご自分のお願い事だけを…」
Aブルー「それがいいよね、友達枠で並ぶだけでさ」

一緒にお参りだけでお願い、と一変した態度。

Aブルー「ぼくたちは勝手に叫ぶから!」
A船長 「どうぞよろしくお願いします」

他人のふりでも結構ですから、と低姿勢なキャプテン。

A船長 「友達だというのは、神様には分かるでしょうし」
Aブルー「う、うん…。態度は控えめでいいよ」
マツカ 「そうですか。では、参りましょう」
一同  (((やったー!!!)))

叫ばなくていい、と一同、心で歓声。
危機を回避ですか…?


2020/02/28 (Fri) 

 

☆柏手くらいなら


七福神様に声を揃えて祈願、と言ったソルジャーですけれど。
神様にウザがられる恐れと聞いて、自分たちだけで叫ぶ方向。

マツカ 「えっと…。此処のお寺から回るんでしたね」
ブルー 「うん、順番になるからね」
ジョミー「じゃあ、お賽銭、っと…!」

福が来ますように、とお賽銭を入れるシャン学メンバー。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなで柏手だよね!」
サム  「おう、いくぜ!」
Aブルー「あっ、そこはぼくたちも一緒にお願い!」

友達枠で紹介よろしく、とソルジャー夫妻も柏手を。

Aブルー「さてと、元気にやろうか、ハーレイ!」
A船長 「そうですね!」

スウッと息を吸い込んでますけど、踵を返す御一同様。

シロエ 「すみません、お札をお願いします」
お坊さん「はいはい、どうぞ御利益がありますように」
ぶるぅ 「ぼくにも、おねがぁーい!」
お坊さん「はい、御利益を頂いて下さいね」

福笹に次々に結ばれるお札、BGMの如く流れる叫び声。

Aブルー「夫婦和合でお願いしまぁーす!」
A船長 「なにとぞ、よろしくお願いします!」
一同  (((他人だ、他人だ)))

次に行こう、と一同、ガン無視、門の外へと。

シロエ 「マツカ先輩、やりましたね!」
サム  「追い付いて来やがっても、心配ねえよな」
ブルー 「柏手くらいは、偶然、かぶることもあるしね」

赤の他人でも…、と生徒会長も笑顔。

ブルー 「一緒にパンパンやられたところで、問題ないよ」
キース 「ウザがられるとは、素晴らしい手を考えたな」
シロエ 「流石はマツカ先輩ですよ、キース先輩と違って」

これからも大いに頼りにしてます、とシロエ君、絶賛。

シロエ 「まさに地獄に仏ですしね、どうぞよろしく!」
スウェナ「ホントよ、キースより遥かにいいわ!」
マツカ 「いえ、そんな…。ちょっと閃いただけですから」
一同  「「「よろしくーっ!」」」

お願いします、と誰もが感謝感激。
今月、これにて中継終了~。


2020/02/29 (Sat)





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☆避けられない行事


さて2月。今年は2日が日曜でして、生徒会長宅に集う面々。
それはいつものことなんですけど、何故か頭が痛そうでして。

シロエ 「…とうとう明日になったんですけど…」
ジョミー「だよねえ、グズグズしてた間に…」
サム  「昨日から此処に来てる割には、進んでねえよな」

まるで全く、とサム君のぼやき。

サム  「ぶるぅの飯も、おやつも美味いんだけどよ…」
ぶるぅ 「ありがとーっ! 今日も沢山あるからね!」
マツカ 「すみません、お邪魔してしまって…」
ぶるぅ 「ううん、お客様、大好きだも~ん!」

大勢いるほど楽しいもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「もっと増えても、全然平気!」
シロエ 「ちょ、縁起でもないことを言わないで下さいよ!」
サム  「そうだぜ、口は禍の元って言うじゃねえかよ」
スウェナ「時期が時期だけに、至言だわねえ…」

そもそも昨日から、その話題でしょ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「どうするのよ、明日は節分なのよ?」
一同  「「「あー…」」」

ソレだ、と天井を仰ぐ御一同様。

サム  「避けて通れねえ行事だよなあ、節分はよ…」
キース 「いや、考えようによっては、なんとか」
シロエ 「去年は上手くいきましたけど、そう毎年は…」

無理じゃないでしょうか、とシロエ君、深い溜息。

シロエ 「現に昨日から考えていても、答えがですね…」
マツカ 「出てませんしね、どうするべきか」
キース 「しかしだ、節分にも色々あるからな…」

俺たちがこだわりすぎかもしれん、と副住職。

キース 「一年分の福は欲しいが、そのためにだな…」
ジョミー「割を食うのが酷すぎる、って?」

もう風物詩になっちゃってるし、とジョミー君の嘆き節。

ジョミー「誰かさんが来るから、恥をかかされてさ…」
キース 「問題はそこだ、あの連中さえ来なければだな…」
シロエ 「無理ですよ、それ」

来るのがお約束ですからね、と速攻、鋭い指摘が。
お約束ですね…?


2020/02/01 (Sat) 

 

☆こだわらなければ


2月と言えば節分ですけど、その前日に悩んでいる御一同様。
誰かさんに恥をかかされるイベント、それが節分のお約束で。

シロエ 「来るなと言っても、もう絶対に来ますから!」
サム  「とっくに休暇の予定の筈だぜ、今頃はよ…」
ジョミー「でもさ、向こうの世界に節分は無いよね?」

SD体制の世界なんだし、とジョミー君。

ジョミー「節分が無いなら、人類軍も通常勤務だよ?」
スウェナ「そうね、ユニバーサルとかいう役所も同じだわね」
シロエ 「あー…。すると、突然の攻撃があるかもですね」
マツカ 「子供の救出作戦とかも、無いとは言えませんよ」

今まで運が良かっただけで…、と御曹司も。

マツカ 「キースが言うのは、そこなんでしょうか?」
キース 「いや、俺も腐っても坊主だからな…」

他所の世界でも人の不幸を願うわけには…、と合掌を。

キース 「だから、そういうコースは望まん。間違ってもな」
シロエ 「でもですね…。誰かさんが来ないとなると…」
ジョミー「他には考えられないけど?」
キース 「いや、俺たちさえこだわらなければ…」

場合によっては道は開ける、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「七福神巡りに行こうとするから、災いを呼ぶんだ」
シロエ 「それは確かにそうですけど…」
スウェナ「福を貰うには、あそこに行くのが一番でしょ?」

人気の開運スポットじゃないの、とスウェナちゃんの反論。

スウェナ「年に一回、お参りしないでどうするのよ!」
キース 「だから、こだわるなと言ってるんだが」
一同  「「「えっ?」」」
キース 「そもそも節分は、七福神巡りとは限っていないぞ」

他にも神社や寺は沢山、と副住職の冷静な言葉。

キース 「そういう所に変えてはどうだ、と言っている」
ジョミー「誰かさんが来ても、メリットの無い所?」
キース 「鬼を追うだけとか、そういうのだな」
一同  「「「うーん…」」」

考えてもみなかった、行き先変更。
一理ありますね?


2020/02/02 (Sun)

 

☆イベントなら色々


節分はお寺で七福神巡り、それがお約束なシャン学メンバー。
けれど必ずやって来るソルジャー、その災いは避けたい所で。

ジョミー「鬼を追うだけの節分、確かに多いよね…」
シロエ 「バリエーションは豊かなんですけどね」
サム  「うんうん、鬼の着ぐるみが出るとか、色々とよ…」

あるのがアルテメシアだよな、とサム君も頷く節分イベント。

サム  「寺も神社も山ほどあるしよ、ついでに歴史も」
スウェナ「そうなのよねえ…。でも、七福神巡りのお寺は…」
マツカ 「あそこしか無い筈ですよ?」

他に聞いたことがありませんから、と御曹司。

マツカ 「七福神自体は、あちこちにおいでですけれど…」
ブルー 「節分と関連づけているのは、あそこだけだね」
キース 「そうだろう? だから、あそこを避ければだな…」

あの馬鹿野郎は来ない筈だ、と副住職が説く節分の事情。

キース 「開運と厄除けだけとなったら、来ると思うか?」
シロエ 「来ないでしょうねえ、御利益が別になりますから」
サム  「厄除けじゃ話にならねえよなあ…」

あっちのぶるぅにしか使えねえぜ、とサム君も。

サム  「開運にしたって、地球に行けるかは微妙だしよ…」
キース 「ああ。この世界では、地球はデフォ装備だからな」

元から地球の上なんだし、と副住職。

キース 「祈願されても、神仏もお困りになるだろう」
ジョミー「そうかもねえ…。他に開運って言ってもさあ…」
スウェナ「シャングリラには厄除け、要らないんでしょ?」

あの人さえいれば、とスウェナちゃんが傾げる首。

スウェナ「そうなってくると、開運の方も不要だわよ」
シロエ 「せいぜい、おやつの祈願でしょうか」

厨房から多めに貰えるように、とシロエ君。

シロエ 「今の量だと、間に合っていないようですし…」
サム  「健康のためには、食わねえ方がいいのによ…」
キース 「開運はソレだろうな」

祈願するまでもないような…、とキッパリと。
そうですよねえ?


2020/02/03 (Mon)

 

☆最終兵器を持つ人


節分はお寺で七福神巡り、シャン学メンバーのお約束ですが。
すると乱入するのがソルジャー、なんとか回避したい迷惑。

シロエ 「やっぱり祈願は要らないでしょうか、お菓子だと」
キース 「くすねて来るのは得意な筈だぞ、厨房から」
サム  「無理でも、脅して奪いそうだぜ」
ジョミー「とっくに脅しているんじゃないの?」

最終兵器を持ってるもんね、とジョミー君の発言。

一同  「「「最終兵器?」」」
ジョミー「そう! 絶対、誰でもドン引きだってば!」
シロエ 「……メギドですか?」
ジョミー「それは人類軍のヤツだと思う…」

ミュウには貸してくれないよね、と人差し指をチッチッと。

ジョミー「第一、メギドじゃ、やりすぎだってば」
キース 「冗談にしても、笑えない世代がいるようだしな…」

命からがら逃げ出したという長老どもが、と副住職も。

キース 「お菓子をくれなきゃメギドを出すぞ、ではな…」
ジョミー「貰えるおやつも貰えないよね、当分はさ」
シロエ 「だったら、最終兵器というのは何なんです?」
ジョミー「んーと…。考えれば分かると思うけど…」

あっちの世界の事情なんかを…、と指差す窓の方角。

ジョミー「ヒントを出すなら、一種の生物兵器かな」
一同  「「「生物兵器?」」」
ジョミー「うん。しっかり生きて、息もしてるし」
シロエ 「……えらく逞しいウイルスですね?」

顕微鏡も無しで呼吸が分かるんですか、とシロエ君。

シロエ 「そんなの、向こうにありましたっけ?」
ジョミー「たまに、こっちにも来てるけど?」
一同  「「「ええっ!?」」」

それは大変、と一同、ワタワタ。

サム  「死ぬじゃねえかよ、ウイルスを持ち込まれたら!」
ジョミー「だから必死で避けているよね、ぼくたちだって」
シロエ 「マスクをした覚えはありませんけど!」
ジョミー「ぶるぅだしねえ…」
一同  「「「ぶるぅ?」」」

悪戯小僧か、と全員が愕然、そして納得。
確かに最終兵器かも…。


2020/02/04 (Tue)

 

☆行き先を変えれば


節分はお寺で七福神巡りが、シャン学メンバーなんですけど。
そこへ乱入するのがソルジャー、なんとかして回避したい今。

ジョミー「お菓子をくれなきゃ、ぶるぅを出すぞ、だよね」
シロエ 「そ、それは…。厨房の人も真っ青ですよね」
サム  「ありったけの菓子を出すんじゃねえの?」
ジョミー「うん、多分…。だから開運は要らないと思う」

七福神巡りしか興味は無さそう、とジョミー君。

キース 「そうだろう? 俺たちが行き先を変えればだな…」
マツカ 「来ない可能性が高いんですね?」
キース 「別行動になると思うぞ、こっちに来ても」

俺たちは他所へ行くんだからな、と副住職、ニヤリ。

キース 「俺たちの方に、七福神にこだわる理由は無いし…」
スウェナ「でも、一年間の福が貰えないわよ?」
シロエ 「そこですよね…。他に七福神のお寺とかは…」
マツカ 「ブルーが無いと言ったからには、無いですよ」

生きている年数が半端ないですし…、と御曹司。

マツカ 「ですから、他所へ行くとなったら、福の方は…」
サム  「諦めるしかねえってことかよ、俺たちはよ…」

それもあんまりな話だよな、とサム君、大きな溜息。

サム  「ただでもツイてねえのによ…。誰かのせいでよ」
ジョミー「あー、疫病仏!」
一同  「「「シーッ!」」」

それは禁句だ、と誰もが唇に人差し指を。

シロエ 「そっちの名前はセットものです、不吉です!」
サム  「キースだけなら疫病菩薩な、忘れちゃダメだぜ」
ジョミー「そうだっけ…。あっちが如来で」
一同  「「「シーッ!」」」

いいから名前を出すんじゃない、とキッツイ視線が。

シロエ 「今、来させない相談をしてるんですから!」
ジョミー「ご、ごめん…。だけど、悪いのはキースだよ?」
キース 「一万歩譲って許してもいいが、それよりもだな…」
サム  「俺たちの福が問題だぜ」
一同  「「「うーん…」」」

福は欲しいだけに、難しいチョイス。
どうすると…?


2020/02/05 (Wed)

 

☆福が貰えなくても


節分はお寺で七福神巡り、シャン学メンバーのお約束の行事。
けれど乱入して来るソルジャー、なんとしてでも避けたい所。

キース 「あの馬鹿を避けるか、福を選ぶかになるんだが…」
ジョミー「福が貰えないと不安だよねえ、この一年が」
サム  「貰っていたって、毎年、大惨事だしよ…」

誰のせいとは言わねえけどよ、とサム君の視線がチラチラと。

サム  「それを全く貰わねえとよ、どうなるんだか…」
キース 「逆に考えればいいだろう? 貰っていてもソレだ」
シロエ 「貰わなくても、問題ないってことですか?」
キース 「試してみる価値はあると思うぞ」

一年がかりでの検証になるが、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「それで例年と変わらなければ、節分はだな…」
スウェナ「七福神巡りに行く必要は無いってわけね?」
キース 「ああ。そうなってくると、節分だけでも…」
シロエ 「災難が減るという勘定ですね!」

誰かさんと行動しない分だけ…、と大きく頷くシロエ君。

シロエ 「いい考えかもしれません。やってみましょう!」
マツカ 「そうですね…。ダメで元々ですしね」
スウェナ「いざとなったら、マツカがいるわよ!」
マツカ 「……ぼくですか?」

何故、ぼくなんです、と御曹司が指差す自分の顔。

マツカ 「何処かのお寺か神社に寄進するんでしょうか?」
サム  「いいよな、ソレ! 特別に祈祷を頼むのな!」
ジョミー「福が来ますように、って護摩焚きとかだね!」

その方が効くかも、と喜びの声が。

ジョミー「大勢がお参りする節分より、効果抜群!」
スウェナ「そうじゃなくって、最終兵器よ」

マツカと言ったらメギド級でしょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「誰かさんが災難を持ち込んだ時は、マツカよ!」
マツカ 「頑張りますけど、その前にですね…」
キース 「節分の行き先を決めてしまおう」
一同  「「「オッケー!」」」

何処がいいかな、と一気に盛り上がる御一同様。
行き先変更…。


2020/02/06 (Thu)

 

☆厄払いでいこう


節分はお寺で七福神巡りが、シャン学メンバーの毎年の行事。
そこへ乱入してくるソルジャー、避けるためには行き先変更。

シロエ 「何処が人気なんでしょうね、節分イベントは?」
キース 「神社も多いが、やはり寺じゃないか?」
ブルー 「アルテメシアだと、有名どころはお寺だよね」

節分は厄除けの行事だからさ、と生徒会長。

ジョミー「あれって厄除けだったんだ?」
ブルー 「考えてみたまえ、鬼を追い払うんだから…」
シロエ 「厄には違いないですね、鬼…」
サム  「待てよ、だったら、あの野郎もよ…」

厄除けで払えるんじゃねえの、とサム君がポンと打った手。

サム  「疫病仏もよ、厄には違いねえんじゃねえかな」
ジョミー「あー! だけど、キースも払っちゃうんじゃあ?」
ブルー 「その場合は、キースの厄が落ちるかもね」

やたら災難を呼び込む体質ってヤツが、と生徒会長も。

シロエ 「いいじゃないですか、厄払い!」
スウェナ「そうよね、誰かさんを払って、キースの厄も…」
マツカ 「落ちるんだったら、お願いする価値はありますね」
ジョミー「それでいこうよ、ダメだった時はマツカがいるし」

怖いキャラになって貰えば安心、とジョミー君もプッシュ。

ジョミー「あのマツカには歯が立たないしさ、誰かさんも」
シロエ 「じゃあ、厄払いで決定ですね?」
サム  「賭けてみようぜ、今年はよ」
スウェナ「何処に行くのがいいのかしら?」

お寺と言っても沢山あるわよ、とスウェナちゃんが傾げる首。

スウェナ「厄払いに一番いいのは何処なの?」
ブルー 「炮烙を奉納するお寺かな」
一同  「「「ホウラク?」」」

なんじゃそりゃ、と誰もがキョトン。

シロエ 「あのぅ…。ホウラクというのは何でしょう?」
ブルー 「調理器具だけど?」
一同  「「「???」」」
ブルー 「ぶるぅ、持って来てくれるかな?」
ぶるぅ 「オッケー!」

待っててねーっ! とキッチンへ駆けてゆくお子様。
調理器具…?


2020/02/07 (Fri)

 

☆調理器具なんです


節分はお寺で七福神巡り、それがシャン学メンバーのお約束。
けれど今年はソルジャーを避けて行き先変更、そういう計画。

ジョミー「調理器具って、何だろう?」
シロエ 「さあ…? 聞いたこともない名前ですね」
ブルー 「百聞は一見に如かずってね」
ぶるぅ 「お待たせーっ! 炮烙、持って来たよーっ!」

こんなヤツなの! と運んで来たのは、素朴な素焼きのお皿。

スウェナ「あら、ホウラクって、お皿なの?」
ぶるぅ 「違うよ、これを火にかけるの!」
シロエ 「火って…。直火ですか!?」
ぶるぅ 「そだよ、火にかけて、乗っけてある物を炙るの!」

お豆とかゴマとか、他にも色々、と炙る仕草を披露ですけど。

ジョミー「割れそうだよ、ソレ!」
サム  「だよなあ、ヒビが入るんじゃねえか?」
ぶるぅ 「大丈夫、そういう道具だから!」
ブルー 「あのねえ…。昔から、土器は直火で使うよ」

壺とか出土しているだろう、と言われてみれば、その通り。

シロエ 「そうでした! なるほど、耐久性はあるんですね」
ブルー 「うん。これを買って奉納するのが節分だね」
一同  「「「へ?」」」

何の話だ、と一同、ポカーン。

ジョミー「えっと…。さっき言ってたお寺だよね?」
サム  「調理器具を奉納するのかよ?」
ブルー 「そうだけど?」
シロエ 「あのぅ…。本当に厄払いなんですか?」

とてもそうとは思えませんが、とシロエ君。

シロエ 「調理器具で厄除けだなんて、嘘っぽいですけど…」
ジョミー「だよねえ、なんだか御利益なさそう…」
ブルー 「一種の身代わりみたいなものかな」
一同  「「「身代わり?」」」

なんでコレが、と炮烙に集中する視線。

スウェナ「流し雛なら、まだ分かるけれど、調理器具よ?」
シロエ 「人の形もしていませんよね…」
ブルー 「厄を移すって感じかな。後で粉々に割るからね」
一同  「「「割る!?」」」

いったいどんな節分なんだ、と誰もが仰天。
激しそうですね?


2020/02/08 (Sat) 

 

☆纏めてガシャンと


節分はお寺で七福神巡りが、シャン学メンバーの恒例の行事。
けれど乱入するのがソルジャー、行き先変更で避ける計画が。

シロエ 「割るって、奉納した炮烙を割るんですか?」
ブルー 「そうだけど? 山ほど積んで、纏めてガシャンと」
サム  「厄を払うにしても、激しすぎねえか、ソレ?」
ジョミー「奉納しよう、って買ってる隣で割ってるわけ?」

なんか強烈なんだけど、とジョミー君。

ジョミー「効きそうだけどさ、でも、買ってすぐに…」
スウェナ「粉々になるって、あまり買う気になれないわよ」
サム  「だよなあ、調理器具より割高だろうしよ…」

祈祷料と割るための手間賃、入ってるよな、とサム君も。

サム  「いつも行ってる人ならともかく、俺たちにはよ…」
シロエ 「向いてない気がしますよね…」

高校生の懐事情は厳しいですから、とシロエ君も反対の意見。

シロエ 「もっと、こう…。お守りとかの方がいいですね」
ジョミー「割られちゃうのは、キツイよね…」
ブルー 「その場で割るとは言ってないけど?」
一同  「「「えっ?」」」

そうじゃないのか、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「他所へ持って行って割るとかですか?」
ブルー 「完全に日を改めるんだよ、月単位でね」
一同  「「「月単位?」」」
ブルー 「割るのは何ヶ月も先になるのさ」

それまではお寺で預かるんだよ、と生徒会長の解説が。

ブルー 「キースも知っているだろう? 炮烙割りは」
キース 「話には聞いたことがある。狂言だったか?」
ブルー 「うん。その名もズバリ、炮烙割りって演目でさ…」
キース 「狂言の舞台から落として割るんだったな」

炮烙の山をガシャンガシャンと、と副住職も。

シロエ 「は、はあ…。そういう仕組みになってましたか」
ブルー 「預かってる間は毎日ご祈祷、有難いよね」
キース 「仕上げに割って、厄を落とすというわけだ」

人気なんだぞ、と言っていますけれども。
其処にしますか…?


2020/02/09 (Sun)

 

☆露店もあります


節分はお寺で七福神巡り、それを変えたいシャン学メンバー。
行き先を変えれば来ないソルジャー、何処にするかが問題で。

ブルー 「炮烙を奉納するお寺だったら、間違いないよ」
キース 「行く人が多いから、露店も出ると聞いてるな」
一同  「「「露店!?」」」

それは美味しい、と誰もがゴクリと唾を。

シロエ 「本当ですか、七福神巡りのお寺には出てませんが」
スウェナ「甘酒のお接待のテントがあるだけよねえ…」
ブルー 「立地条件の差かな、その辺はさ」

露店は確かに並ぶからね、と生徒会長の太鼓判。

ブルー 「節分に露店が並ぶ所は、他には無いかな」
サム  「マジかよ、一番人気じゃねえかよ、其処が!」
ブルー 「うーん…。露店で比べるものじゃないしね」
ジョミー「そうかもだけど、絶対、楽しいよ、ソレ!」

お参りの後は露店だよね、とジョミー君、大いに乗り気。

ジョミー「甘酒もいいけど、露店で色々食べるのもさ…」
シロエ 「悪くないですよね、寒いですけど」
スウェナ「そこは初詣と変わらないわよ」

節分寒波でも、誤差の範囲よ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「行き先を変えるなら、もってこいじゃないの!」
サム  「だよなあ、厄が落とせて、露店とくればよ」
ブルー 「其処にするかい?」
一同  「「「さんせーい!!!」」」

今年は露店で食べ歩きだ、と突き上げる拳。

ブルー 「忘れちゃダメだよ、まずは炮烙」
シロエ 「分かってますって、真っ先に買って奉納しますよ」
ジョミー「キースの厄も落ちそうだしね!」
??? 「ダメーっ!!!」

それは勘弁、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「節分は七福神にお参りなんだよ、他所だとダメ!」
シロエ 「お参りする義理は無いんですけど、ぼくたちは」
サム  「行きたかったら、別行動で行ってくれよな」
Aブルー「それは困るよ、コネが無くなるから!」

他所に行かないで、と叫んでますけど。
コネって、どういう…?


2020/02/10 (Mon)

 

☆コネが無いそうです


節分は毎年お寺で七福神巡り、それを変えようと出した結論。
露店も出るというお寺に行こうと、決めた所へ飛び込んだ人。

Aブルー「頼むよ、お願い、この通りだから!」
シロエ 「もう決めたんです、今年は炮烙を買いに行きます」
ジョミー「奉納した後は、露店で色々食べるんだからね」

七福神巡りよりも楽しそうだし、とジョミー君の突き放し。

ジョミー「そっちはキャプテンと二人で行ってよ」
マツカ 「路線バスが分からないなら、うちの車でどうぞ」
サム  「運転手つきの高級車な! いいじゃねえかよ!」

それで行けよな、とサム君、手をヒラヒラと。

サム  「ついでに昼飯もつけてやれよ、マツカ」
マツカ 「いいですよ。何処の料亭がお好みですか?」
Aブルー「そんな問題じゃないんだってば!」

とても切実なお願いなんだよ、とソルジャー、真剣な顔。

Aブルー「君たちと行かないとコネが無いから…」
キース 「さっきも聞いたが、コネというのは何なんだ?」
Aブルー「コネはコネだよ、御縁ってヤツだよ!」

七福神様にお参りするためのコネ、と言われましても。

シロエ 「えーっと…? あそこは誰でも行けましたよね?」
ブルー 「そうだね、福笹を頂いて持っていればね」
キース 「入口で福笹を授与して貰えば、お参り出来るが」

何処でも福笹にお札を結んでくれるし…、と副住職。

キース 「心配しないで行ってこい。大丈夫だ」
Aブルー「それだと形だけなんだけど!」
一同  「「「はあ?」」」
Aブルー「お参りしたって、コネが皆無で門前払いで!」

願い事を聞いて貰えないよ、と必死の形相。

キース 「サッパリ意味が分からんのだが…。気は確かか?」
Aブルー「確かだってば、ぼくは君たちとは違うんだよ!」
キース 「ずいぶん失礼な言いようだな、おい」
ブルー 「ぼくたちの方が狂っていると?」
Aブルー「そうじゃなくって!」

別の世界の人間だから、と叫んでますけど。
それが何だと…?


2020/02/11 (Tue)

 

☆見えないかもな人


今年の節分は露店が出る別のお寺へ。そう結論が出ましたが。
そこへ乱入して来たソルジャー、困ると騒いでいるわけで…。

キース 「あんたが別の世界の人間なのは、知っているが…」
シロエ 「何かと言ったら脅しますよね、SD体制とかで」
サム  「うんうん、自由がねえとか何とか…」

その割に自由にしてるじゃねえかよ、とサム君、呆れ顔。

サム  「今更何だよ、七福神巡りも恒例なんだしよ…」
スウェナ「慣れてる筈よね、それにコネなんか関係ないわよ」
ブルー 「ぼくは一応、あそこでも顔が利くけどさ…」
マツカ 「お忍びって感じで、コネは使っていませんよね?」

一度も見たことがありませんから、とマツカ君の冷静な指摘。

ブルー 「そう! 普通の高校生の方が気楽でいいしね」
キース 「見ろ、ブルーだってこう言っている!」
シロエ 「だからコネなんか要りませんってば、あそこでは」
ジョミー「別行動にしてよね、今年は! ぼくたちは露店!」

タコ焼きとお好み焼きはガチ、とジョミー君が立てる親指。

ジョミー「きっとフライドポテトもあるよね、他にも色々」
ブルー 「期待していいよ、露店は沢山出るからね」
一同  「「「やったー!!!」」」
Aブルー「待って、見捨てないで!」

本当にコネが必要なんだよ、とソルジャー、ワタワタ。

Aブルー「ぼくとハーレイで行っても、ダメだよ!」
キース 「さっきも言ったが、福笹さえ持っていればだな…」
ブルー 「お参りの作法は二の次だから、安心していいよ」

間違えてたって問題無し! と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「神様は心が広いからね」
Aブルー「その前に、見えていないかもだよ!」

もう思いっ切りスルーされて、とソルジャーの叫び。

Aブルー「こっちの世界に籍が無いから、サラッと無視で!」
シロエ 「籍って、いわゆる国籍ですか?」
Aブルー「戸籍さえも無いよ!」

きっと見えない存在なんだ、と言ってますけど。
無戸籍ですか…。


2020/02/12 (Tue)

 

☆戸籍は作れます


今年の節分は露店が並ぶ別のお寺へ、そんな結論ですけれど。
そこへ乱入して来たソルジャー、困ると叫んでおりまして…。

Aブルー「ぼくもハーレイも、こっちで生まれてないからね」
シロエ 「それはまあ…。そうなりますねえ…」
ジョミー「生まれてないなら戸籍も無いよね、絶対に」
キース 「いや、その辺はどうとでもなるんじゃないか?」

俺には出来ないことなんだがな、と副住職。

キース 「特にこの国にこだわらなければ、戸籍くらいは」
サム  「あー! ゆるい国に行って取って来るのな!」
キース 「そういうことだ。…この国でも可能かもしれん」
ブルー 「まあねえ…。まるで出来ないことではないね」

ぼくのサイオンさえあれば、と生徒会長、ニンマリと。

ブルー 「記憶操作を完璧にやれば、後は捏造するだけで…」
シロエ 「なるほど、マツカ先輩に頼めば簡単ですよね!」
マツカ 「ダークなことは勘弁ですけど、人助けなら…」

やらないことはないですよ、と御曹司も。

キース 「聞いたか、やっぱり出来るらしいぞ」
スウェナ「凄いわねえ…。要はサイオンと捏造なのね?」
ブルー 「そう! ブルーには、ちょっと無理だけれどね」

こっちの世界の知識が足りない、とニヤリニヤニヤ。

ブルー 「サイオンの扱いがぼくより上でも、決定的な差!」
シロエ 「はあ…。それで、戸籍はどうするんです?」
キース 「欲しいなら、作ればいいんじゃないか?」
Aブルー「そういう問題じゃないんだってば!」

神様の目を誤魔化せるとは思えないよ、とソルジャーの嘆き。

Aブルー「だって、書類は出さないもんね」
シロエ 「まあ、そうですね」

七五三とかだって、要りませんよね、とシロエ君。

シロエ 「今年で何歳になりますから、は自己申告で」
ジョミー「聞いたことないよね、身分証明書を出すとかは」
Aブルー「ほらね、やっぱり、そうなんじゃないか!」

戸籍を作っても無駄になるだけ、と騒ぐ人。
どうしたいと…?


2020/02/13 (Thu) 

 

☆お友達枠でお願い


今年の節分は七福神巡りをやめて、露店が並ぶ別のお寺へと。
そう決めた所へソルジャー登場、困ると騒いでおりまして…。

Aブルー「戸籍があっても、神様が認めてくれないと…」
シロエ 「どうなるんです?」
Aブルー「さっきも言ったよ、スルーされるんだよ!」

見えない存在にされちゃうんだ、とソルジャー、必死の形相。

Aブルー「いくら福笹を持っていたって、スルーだってば!」
キース 「福笹があれば、お札は結んで貰える筈だぞ」
ブルー 「うん。七福神様がいらっしゃるお寺の役目だし…」

ちゃんと七ヶ所でお札を頂けるよ、と生徒会長も。

ブルー 「だから安心して行って来たまえ、君のハーレイと」
Aブルー「お札は貰えても、御利益の方が問題なんだよ!」

神様にスルーされるんだから、とソルジャー、泣きそうな顔。

Aブルー「お願い、ぼくたちを助けると思って! コネを!」
キース 「そう言われても…。コネというのは何なんだ?」
Aブルー「紹介状だよ、お友達枠!」
一同  「「「お友達枠?」」」

なんじゃそりゃ、と一同、ポカーン。

ジョミー「えっと…? お友達枠って、何なわけ?」
Aブルー「そのまんまだよ、君たちの友達っていうヤツで!」

紹介状の代わりになるよ、とソルジャーの主張。

Aブルー「それならこっちに戸籍が無くても、大丈夫!」
シロエ 「はあ…。神様に紹介するわけですか、ぼくたちが」
Aブルー「そう! 流石、シロエは理解が早いね!」

頭が切れるよ、とヨイショなソルジャー。

Aブルー「機械弄りはダテじゃないねえ、素晴らしいよ!」
シロエ 「いえ、それほどでも…」
Aブルー「謙遜しないで! でもって、みんなも見習う!」

ぼくの窮状を理解してよ、とゴリ押し論法。

Aブルー「脳味噌が錆びてないなら、お願い、助けて!」
キース 「七福神様に、あんたを紹介しに行け、と?」
Aブルー「ピンポーン!」

お友達枠でお願いするよ、と言ってますけど。
紹介しろと…?


2020/02/14 (Fri) 

 

☆友達なら根拠を


今年の節分は七福神巡りの代わりに、露店が並ぶ別のお寺へ。
そう決めた所へソルジャー登場、困ると騒いでおりまして…。

Aブルー「頼むよ、ぼくとハーレイを、お友達枠でお願い!」
キース 「…友達になった覚えは無いが?」
シロエ 「ぼくも無いですね、いつも迷惑かけられるだけで」
サム  「いねえんでねえの、友達ってヤツは」

この中にはよ、とサム君、周りを見回し、キッツイ言葉を。

サム  「少なくとも俺は思ってねえしよ、他のヤツらも…」
マツカ 「そうですね…。大切なお知り合いですけれど…」
ジョミー「友達じゃないよね、うん、ソレは言える」
スウェナ「私もだわねえ、腐れ縁だとは思うんだけど…」

友達だと思ったことはないわね、とスウェナちゃんも。

スウェナ「友達っていうのは、もっと違うと思うのよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 友情っていうヤツだよね!」
ジョミー「そう、そう! ぶるぅは友達なんだよね」

あっちのぶるぅと、とジョミー君の弾ける笑顔。

ぶるぅ 「そうなの! ぶるぅは大事なお友達だよ!」
ジョミー「ほらね、こういうのを言うんだよ。友達ってさ」
Aブルー「ぼくたちは違うと言うのかい?」
サム  「んじゃ、聞くけどよ…。友情、あるかよ?」

俺たちと、あんたたちの間にはよ、とサム君の問い。

サム  「俺は、ねえ気がするんだけどなあ、微塵もよ」
シロエ 「100パーセント、無いですね」
Aブルー「ちょ、ちょっと…! それってゼロだよ!?」
シロエ 「ゼロですけれど?」

それとも、あると言うんですか、とシロエ君のツッコミ。

シロエ 「あるんだったら、いったい何処にあるんです?」
Aブルー「そ、それは…」

何処なんだろう、とソルジャー、目を白黒。

Aブルー「あっ、ほら! ぼくは片付けが下手だからさ…」
シロエ 「すぐには見付けられないと?」
Aブルー「そう!」
キース 「なら、捜すんだな」

友達枠なら、まずは根拠だ、と副住職。
正しいですね?


2020/02/15 (Sat)






 

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