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シャングリラ学園つれづれ語り

☆気が抜けない師走


さて、十二月。いわゆる師走で、お師匠様も走るという季節。
それでも休日は生徒会長宅でのんびりな、シャン学メンバー。

ジョミー「早いよねえ…。もうすぐ、今年も終わるだなんて」
シロエ 「本当に早かったと思うんですか、ジョミー先輩?」

心の底から思いますか、とシロエ君の問い。

ジョミー「え、えっと…? うーん、どうかな…」
サム  「考えてみろよ、今年はどういう年だったんだよ?」
ジョミー「そこそこ平和じゃなかったっけ?」

マツカのお蔭で…、とジョミー君。

ジョミー「お盆の棚経も、秋のお彼岸も、無事に済んだしさ」
シロエ 「それは間違いないんですけど、その後がですね…」
サム  「キースの野郎が役に立たねえって、確定でよ…」
スウェナ「最終兵器は、マツカだけしかいないのよ?」

誰かさんを倒せる人は…、とスウェナちゃんの嘆き節。

スウェナ「キースときたら、どう頑張ってもダメなんだもの」
ブルー 「修行するだけ無駄だったしねえ、本当に」

念仏三昧が精一杯で、と生徒会長も複雑な顔。

ブルー 「五体投地を三千回でも、筋肉痛になっただけでさ」
ジョミー「そうだったっけ…」

誰かさんが喜んだだけだったよね、とジョミー君も溜息を。

ジョミー「お念仏の数が凄かったから、って狂喜乱舞で」
シロエ 「でもって、効いたらしいですしね…」

お礼に来たじゃありませんか、とシロエ君。

シロエ 「これからも念仏三昧でよろしく、とお菓子持参で」
一同  「「「あー…」」」

来たんだった、と誰もが忘れたい先月の悲劇。

ジョミー「やっぱり今年も長かったんだね、例年通り」
サム  「しかも終わっていねえんだぜ?」

まだ大晦日が来ていねえ、とサム君、遠い目。

サム  「無事に乗り切れるって保証はねえよ」
スウェナ「そうねえ、キースがいるんだものね」
キース 「俺は疫病神なのか!」
シロエ 「そうですけど?」

疫病仏かもしれませんけど、と妙な言葉が。
ヤクビョウブツ?


2019/12/01 (Sun) 

 

☆音読みと訓読み


師走でも休日は生徒会長宅でのんびりな、シャン学メンバー。
けれど話題は冴えないばかりか、溜息交じりな嘆き節でして。

シロエ 「皆さんも、そう思いませんか? 疫病仏だと」
ぶるぅ 「ねえねえ、ヤクビョウブツって、なぁに?」
シロエ 「キース先輩のことですよ。お坊さんですからね」

神様よりも仏様でしょう、とシロエ君の説明。

シロエ 「疫病神よりは、疫病仏だと思いますねえ」
ぶるぅ 「そっかぁ! 疫病神の親戚なんだね!」
キース 「おい、シロエ! おかしなことを教えるな!」
シロエ 「そう言われても…。ああ、そういえば…」

ぼくが間違えていましたね、とシロエ君、素直に謝罪。

キース 「分かればいいんだ、分かりさえすれば」
シロエ 「すみません、ウッカリしてました。…訂正します」

ぶるぅ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」に声を。

シロエ 「さっきの疫病仏ですけどね、ブツじゃないです」
ぶるぅ 「んとんと…。それって、どういう意味?」
シロエ 「正しくは、ヤクビョウボトケになるんですよ」

疫病神は神が訓読みになってますから…、とシロエ君。

シロエ 「ですから、キースの場合も、同じ訓読みで」
ぶるぅ 「あー、仏様のホトケだね!」
シロエ 「そうなんですよ、そっちの方でよろしく」
ぶるぅ 「分かったぁ!」

ありがとう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」、ペコリとお辞儀。

ぶるぅ 「とってもお勉強になったの、覚えておくね!」
シロエ 「どういたしまして。そう呼んであげて下さい」
ぶるぅ 「うんっ! キースの新しいお名前だね!」
キース 「違うんだが!」

そうじゃないんだが、とキース君、怒りの形相。

キース 「シロエ、この件をどうしてくれる! よくも…」
シロエ 「どの辺が違うと言うんです? 疫病仏でしょう?」
サム  「全面的に支持するぜ、ソレ」
ジョミー「ぼくだって!」
キース 「そ、そんな…!」

疫病仏だと言われても…、と絶句している副住職。
違うんですか?


2019/12/02 (Mon)

 

☆ブツもホトケも


師走も生徒会長宅で休日、そういうシャン学メンバーですが。
キース君に疫病神説が浮上、お坊さんだけに疫病仏だそうで。

キース 「俺はこれでも頑張ってるんだ、それなのに…!」
シロエ 「疫病仏は酷い、と言いたいんですか?」
キース 「当然だろうが、俺の努力はどうなるんだ!」

誰か、なんとか言ってくれ、と縋るような目。

キース 「マツカに弟子入りとか、罰礼三千回だとか…」
ブルー 「うーん…。一言、言わせて貰うなら…」
キース 「有難い! 銀青様のお言葉なら、皆も聞くしな」
ブルー 「そう言われると嬉しいね。じゃあ…」

気になった点を言わせて貰うよ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「さっきのヤクビョウボトケだけどさ…」
シロエ 「やっぱり、問題ありますか?」
ブルー 「ヤクビョウブツでもいいと思うね、ぼくとしては」
キース 「なんだって!?」

なんで、あんたまで、その話を…、とキース君、愕然。

キース 「一言というのは、ソレだったのか!?」
ブルー 「ちょっと気になったものだから…。音の面でね」

座りがいいのはヤクビョウブツの方かもね、とニコニコと。

ブルー 「だから、どっちもアリだと思うよ、好みの方で」
ぶるぅ 「そうなんだ! ブルーが言うなら、ホントだね」
ブルー 「ダテに長生きしてないからねえ、学問もね」

そこのキースとは格が違うよ、と、さりげなく自慢。

ブルー 「ぼくが白いと言いさえすればね、カラスもさ…」
サム  「白くなるよな、銀青様だしよ」
ブルー 「そのぼくが、両方、認めるよ。ブツもホトケも」
シロエ 「ありがとうございます!」

活用させて頂きますよ、とシロエ君、感激。

シロエ 「キース先輩、聞きましたか? お墨付きです!」
キース 「いや、俺が言いたかったのは、そうではなくて…」
ブルー 「何か擁護をして欲しかった、と?」
キース 「そうなんだが…!」

これでは俺の立つ瀬が無い、とキース君、必死。
助け舟を希望…?


2019/12/03 (Tue) 

 

☆援護射撃のプロ


師走も休日は生徒会長宅、それがシャン学メンバーですけど。
キース君に疫病仏説が浮上、読みの方はブツもホトケも可能。

ブルー 「要するに君は、疫病仏じゃないと言いたいわけ?」
キース 「当然だろうが、このままでは皆に避けられる!」

有難くない名前が定着したら、と副住職、ガクガクブルブル。

キース 「そうでなくても、お盆とお彼岸は嫌われるのに!」
ブルー 「でもねえ…。本当に自業自得だからさ…」

ぼくにも擁護のしようがないよ、と生徒会長、バッサリと。

ブルー 「何か言い訳の余地でもあればね、援護射撃も…」
サム  「出来るだろうけどよ、何もねえとよ…」
スウェナ「下手に戦線に出て行った場合、犬死にだわねえ…」

キースとセットで攻撃されて…、とスウェナちゃん。

スウェナ「誰だって放置したくなるわよ、こんなケースは」
シロエ 「ですよね、傭兵だったらともかく」
一同  「「「傭兵?」」」
シロエ 「そうです、戦闘のプロフェッショナルです」

お金次第で動くんですよ、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「危険な任務を片付けてるのは、彼らですよね」
ブルー 「まあねえ…。正規軍が動けない所だとかね」

キースの場合もソレになるかも、と生徒会長。

ブルー 「まるで庇える要素が無くても、お金次第で…」
シロエ 「傭兵だったら、援護射撃をしてくれますよ」

それも最高の腕前で…、とシロエ君、ニッコリ。

シロエ 「援護射撃どころか、狙撃もするのが傭兵です」
サム  「暗殺とかかよ?」
シロエ 「そうらしいですよ、敵地に潜入して」

キース先輩も如何でしょうか、と視線を副住職へと。

シロエ 「誰も庇ってくれませんけど、傭兵さえ雇えば…」
サム  「ちっとは立場が、マシになるかもしれねえなあ…」
スウェナ「雇いなさいよ、ブツブツ文句を言っていないで」
キース 「傭兵か…」
シロエ 「オススメです!」

キース先輩にピッタリですよ、と言ってますけど。
傭兵ですか…?


2019/12/04 (Wed)

 

☆傭兵を雇うには


疫病神ならぬ疫病仏というのが、キース君の評価ですけれど。
誰も擁護をしない状況、そんな時でも有能なのは傭兵だとか。

シロエ 「どんな困難な状況だろうが、傭兵はお金次第です」
サム  「へええ…。成功報酬も出るってわけな?」
シロエ 「そうでなければ、命を懸けてはくれませんよ」

それだけに雇う価値があります、とシロエ君、力説。

シロエ 「もっとも、オススメだとは言いましたけど…」
サム  「何か問題あるのかよ?」
シロエ 「キース先輩の場合、財布の中身が大問題です」

おまけに特殊例ですからね、と人差し指をチッチッと。

シロエ 「狙撃手じゃなくて、言葉で攻撃が必須ですから」
一同  「「「あー…」」」

それは条件が難しそうだ、と皆の視線が生徒会長に。

ブルー 「えっと…? みんな、どうしちゃったわけ?」
シロエ 「……会長が最高なんですけどねえ」
サム  「高僧な上に、ダテに四百年、生きてねえよな」
ブルー 「ああ、キースのための傭兵かい?」

引き受けないでもないけどさ、と生徒会長、軽く腕組み。

ブルー 「でもねえ…。ぼくの場合は、時間給がさ…」
シロエ 「やっぱり半端ないですよね?」
ブルー 「法要だったら、一席いくらで受けるけれどさ…」

傭兵は拘束時間だよね、と顎に手を。

ブルー 「そうなってくると、一時間あたり…」
シロエ 「どのくらいですか?」
ブルー 「法要でも、単純に計算したら、このくらいかな」

スッと出された指が一本。

シロエ 「そ、それは…。10じゃないですよね?」
ブルー 「もちろん。100は頂かないと」

特殊任務な傭兵の場合は、割増だよね、と恐ろしい台詞が。

シロエ 「更に割増料金ですか…。キース先輩には、少々…」
ブルー 「厳しいんじゃないかと思うけれどね?」
シロエ 「キース先輩、どうなんですか?」
キース 「払えるわけがないだろう!」

俺は給料も貰っていないんだ、と副住職の絶叫。
お小遣いでしたっけね…。


2019/12/05 (Thu)

 

☆給料を貰うには


疫病神ならぬ疫病仏だ、と評されてしまったキース君ですが。
擁護する人は誰もいなくて、そういう時には傭兵なのに…。

シロエ 「やっぱり、お金が問題ですか…」
キース 「当たり前だろうが、小遣い程度で払えるか!」

そんな大金、とキース君、天井を仰いで嘆き節。

キース 「俺が大金を手に出来るのは、例の法要の時だけで」
シロエ 「しかも手元を通過なんですよね、あのお金…」
キース 「パフォーマンスに過ぎないからな!」

いくら偉そうに受け取ったって、とブツブツブツ。

キース 「お前たちも勘違いしてたらしいが、俺の金だと」
シロエ 「すみません…。長いこと、誤解してました」
サム  「それについては謝るけどよ…。お前さあ…」

マジで小遣いだけなのかよ、とサム君の問い。

サム  「坊主仲間の集まりの時だけ、臨時手当って…」
キース 「考えてもみろよ、あの親父だぞ?」

高校生に給料を出すと思うのか、と眉間に皺が。

キース 「大学を出て、それっきりなら良かったんだが…」
シロエ 「ああ、なるほど…。だったらですね…」

卒業してはどうでしょうか、とシロエ君。

一同  「「「卒業?」」」
シロエ 「そうです、シャングリラ学園を!」

文字通り卒業するんですよ、とニッコリと。

シロエ 「幸い、毎年、卒業式には出ていますから…」
サム  「あー…。入学式さえ出なけりゃよ…」
シロエ 「卒業できると思うんですよ」

そしたら立派に大卒ですね、と立てる親指。

シロエ 「給料を貰える身になれそうです、キース先輩も」
サム  「いいじゃねえかよ、ソレ!」
キース 「そう思うのか?」

本当にベストだと思っているか、と副住職の顰めっ面。

キース 「卒業したら、間違いなく寺に常勤になるが?」
シロエ 「えーっと…? それはどういう意味でしょう?」
キース 「フルタイムで坊主だ、年中無休になるんだが!」

土日も祝日も無くなるんだが、という叫び。
フルタイム勤務…。


2019/12/06 (Fri)

 

☆値切りはお断り


疫病神ならぬ疫病仏なのでは、というキース君の評価ですが。
誰も擁護してくれない状態、傭兵を雇おうにも無いのがお金。

シロエ 「大卒になると、フルタイムでお坊さんですか?」
キース 「そうじゃないヤツも世には多いが、俺の場合は…」

なんと言っても親父がアレだ、とキース君、ワタワタ。

キース 「もう文字通りに副住職にされて、休暇なんぞは…」
ブルー 「無しだろうねえ、どう考えても」

せっかくの給料も使えないね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「アドス和尚にこき使われて、ブラック企業状態で」
キース 「分かってるんなら、もう少し安くならないか?」

あんたを傭兵に雇う金額、と縋るような目。

キース 「此処に来ている日だけでいいから、時間給で…」
ブルー 「100は頂くと言ったけど? 法要でもね」
キース 「そこをなんとか!」
ブルー 「あのねえ…。モノがブツだかホトケだかだよ?」

仏道と無縁じゃないものでね、と生徒会長、冷たい声音。

ブルー 「なのに格安で受けたとなったら、ぼくの面子が…」
サム  「立たねえわけな、高僧としてよ…」
ブルー 「そうなんだよねえ、キースには悪いけどさ」

黙って攻撃されていたまえ、と突き放し。

ブルー 「傭兵の件はお断りだね、嫌なら先に金策をね」
キース 「そ、そんな…!」

好きに言われていろと言うのか、と唸るしかない副住職。

キース 「しかし、本当に金が無いしな…」
スウェナ「ボランティアの傭兵なんかは、無いわよねえ…」
シロエ 「難民キャンプなら、退役組がいるかもですよ」

引退後は平和のために働いてるとか、と言われましても。

ジョミー「それって戦闘のプロの方だし、キースにはさ…」
サム  「役立たねえよな、仮に無償で来てくれてもよ」
キース 「話術が巧みな人間でないと、どうにもならん!」
シロエ 「あれっ、それって…」
キース 「話術か!」

若干一名、心当たりが…、とシロエ君とキース君。
誰…?


2019/12/07 (Sat) 

 

☆格安でいけそう


疫病神ならぬ疫病仏だ、と評されてしまったキース君ですが。
擁護してくれそうな傭兵、生徒会長だと金額が高すぎる現実。

シロエ 「話術が巧みな人と言ったら、あの人ですよね?」
キース 「間違いないな、しかもブルーのお墨付きだ」

あの馬鹿野郎も撃退できる腕前の…、と大きく頷くキース君。

キース 「その上、金には困っていないし、給金の方も…」
シロエ 「きっと格安か、それこそ無償でボランティアです」

難民キャンプの退役組の傭兵並みに、とシロエ君も。

シロエ 「キース先輩、いけますよ、コレ!」
キース 「ああ。俺もいける気がして来たぞ」

無償だと非常に有難いんだが…、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「なにしろ俺には、月々の小遣いしかないし…」
シロエ 「ここは頑張って交渉しましょう、安くなるように」
キース 「よし、まずは仕事を頼んでみよう」

援護射撃をしてくれないか、と頭を下げる先に、御曹司。

キース 「この通りだ! 俺を助けて欲しいんだが…!」
マツカ 「え、えっと…? それって、ぼくに言ってます?」
キース 「他に誰がいると思ってるんだ?」
シロエ 「キース先輩、その言い方ではダメですってば!」

喧嘩を売るんじゃありませんから、と飛ぶシロエ君の注意。

シロエ 「そんな調子じゃ、通る話も通りませんよ?」
キース 「そ、そうだった…。つい、いつもの調子で…」
シロエ 「学習能力が皆無ですから、仕方ないですけど…」
キース 「なんだって!?」

お前こそ喧嘩を売っているのか、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「俺の立場が弱いと思って、好きに言いやがって!」
シロエ 「ですから、それがいけないんですよ」

マツカ先輩、どう思います、とシロエ君の問い。

シロエ 「口は禍の元っていうのを、地で行ってますよね?」
マツカ 「そうですね…。好んでドツボに…」
シロエ 「はまってますよ!」

擁護するだけ無駄な感じが、とキッツイ分析。
それは確かに…。


2019/12/08 (Sun)

 

☆地雷原に行く人


疫病神ならぬ疫病仏というのが、キース君への評価ですけど。
擁護する人は誰もいなくて、傭兵を雇おうにも厳しい懐事情。

シロエ 「キース先輩の場合、傭兵を雇ってもですね…」
サム  「意味がねえかもしれねえなあ…。端からドツボで」
スウェナ「そうよね、いくらマツカが凄腕でも…」

ドツボを埋める作業は不毛だわよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「しかも格安かボランティアでしょ、無駄骨だわよ」
ジョミー「だよねえ、マツカが骨折り損だよ」
キース 「いや、そこまでではないと思うが…!」
シロエ 「どうでしょうか…。決めるのはマツカ先輩ですし」

如何ですか、とインタビューよろしく、マツカ君の方へ。

シロエ 「マツカ先輩も感じた通りに、好んでドツボに…」
マツカ 「はまっていますね、キースは、確かに」
シロエ 「傭兵なんかを引き受けちゃったら、大変ですよ?」
マツカ 「いえ、ぼくの手間の方はいいんですけど…」

肝心の効果が得られそうになくて…、と御曹司の困り顔。

マツカ 「擁護したって、ドツボに飛び込むタイプですしね」
キース 「俺はそんなに酷いだろうか…?」
マツカ 「自覚症状が皆無な所が、致命的ですよ」

自分を把握出来ていないということですし、と鋭い分析。

マツカ 「それでは凄腕の傭兵でも、どうにもなりませんよ」
キース 「凄腕というのは、ブルーのことか?」
マツカ 「いいえ、本物の傭兵ですね」

危険な任務を引き受ける方の、と御曹司。

マツカ 「あちらにしたって、まるで自衛をしない人だと…」
シロエ 「庇いようが無いってことですか?」
マツカ 「そうなりますね」

地雷原に突っ込んで行くような人ですよ、と説明が。

マツカ 「自分で地雷を踏むような人を、助けられますか?」
シロエ 「どう考えても、無理ゲーですよね」
マツカ 「キースも、そういうタイプですから…」
キース 「そうなのか?」

俺の擁護は無理ゲーなのか、と愕然とする副住職。
自覚ゼロ…。


2019/12/09 (Mon)

 

☆正式じゃないなら


疫病神ならぬ疫病仏だ、とキース君に下った評価ですけれど。
誰も擁護をしてくれなくて、マツカ君にまで見放された感じ。

キース 「マツカの話術でも、俺の擁護は無理ゲーだと…?」
マツカ 「そうだとしか思えないですからね…」

なにしろ事情が事情ですし、と御曹司、申し訳なさそうに。

マツカ 「ぼくが疫病仏ではないと言っても、恐らくは…」
シロエ 「マッハの速さでキース先輩が覆しますよ!」

本当に無駄骨というヤツですよ、とシロエ君。

シロエ 「こんなのは放っておけばいいです、マツカ先輩!」
キース 「なんでお前が仕切るんだ!」
シロエ 「ほら、またそういう態度ですから…」

ドツボにはまるのも無理はないです、とシロエ君、溜息。

シロエ 「もう諦めて、潔く疫病仏をですね…」
サム  「受け入れた方がいいと思うぜ、名前だけだしよ」
ジョミー「うんうん、確かに名前だけだよね!」

名前が全てを表してるけど…、とジョミー君。

ジョミー「だけど名前の問題だけだし、それでオッケー!」
キース 「どの辺が、それでオッケーなんだ!」
シロエ 「渾名が増えるというだけですしね」
ブルー 「そうだね、正式な名前じゃないから…」

いいんじゃないかな、と生徒会長も。

ブルー 「法名みたいに加算されたら、大変だけどさ」
シロエ 「えっと…? それはどういう意味なんですか?」
ブルー 「お坊さんの名前に文字が増えるシステムだね」
一同  「「「へ?」」」

増えるものか、と誰もがキョトン。

シロエ 「あのぅ…。増えるんですか、アレ?」
ブルー 「増えるね、修行を積んで行ったら」

まあ、限界はあるんだけれど…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「普通は打ち止めになるんだけれどね、例外もさ…」
サム  「あるってことかよ、偉くなったら?」
ブルー 「うん。戒名が立派になるのと理屈は同じ」
一同  「「「へえ…」」」

それじゃないならいいんでないの、と漂う空気。
疫病仏…。


2019/12/10 (Tue) 

 

☆加算するのなら


疫病神ならぬ疫病仏だ、とキース君に下されてしまった評価。
擁護する人は誰もいないまま、それでいいやという雰囲気で。

サム  「正式に決まるわけじゃねえしよ、いいじゃねえか」
シロエ 「ですよね、キース先輩の名前に加算されなければ」

加算されたら大変ですけど…、とシロエ君が捻る首。

シロエ 「どういう感じになるんでしょうか、加算だと」
ブルー 「法名の方に増やすんだったら、急須にプラスで」
ジョミー「あー! キュースだっけね、キースの法名!」
スウェナ「そうだったわねえ、ヤカンみたいな名前なのよ」

そこに疫病仏を足すのね、とスウェナちゃん、クスクス。

スウェナ「急須疫病仏ってことになるのかしら、加算すると」
ブルー 「最後に仏の文字が来るから、そうなるね」
サム  「すっげえ偉そうな響きじゃねえかよ、急須疫病仏」
ジョミー「でもさあ、なんの御利益も無いよ?」

どっちかと言えばマイナスだよね、とジョミー君、キッパリ。

ジョミー「貧乏神の方が、まだマシだっていう気がするよ」
キース 「なんで、そこまで言われねばならん!」
シロエ 「急須疫病仏だからです」

正式に加算した場合…、とシロエ君、ピシャリと。

シロエ 「渾名で済ませてあげるんですから、諦めて下さい」
ぶるぅ 「んとんと…。急須疫病仏で決まりなの?」

これからお名前、それで書くの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

キース 「な、名前って…。何に書く気だ!?」
ぶるぅ 「んーとね、パーティーの時の席札だとか…」

キースって書くより、そっちがいいかな、と無邪気な質問。

キース 「何故、そうなるんだ!」
ぶるぅ 「えとえと、みんなで決めてたし…」

そっちの方がいいかと思って、と素直なお子様。

ぶるぅ 「パーティーだと、ウケも狙うでしょ?」
キース 「狙わなくていい!」
ぶるぅ 「でも、盛り上がりは…」
シロエ 「大切ですよね!」

ぶるぅの言う通りですよ、とシロエ君、プッシュ。
ウケ狙い…。


2019/12/11 (Wed)

 

☆イイネの逆は


疫病神ならぬ疫病仏だ、と下されたキース君の評価ですけど。
渾名にするなら急須疫病仏、席札にも使えそうだという話で。

ぶるぅ 「キースの席札、急須疫病仏でいいと思うでしょ?」
シロエ 「思いますとも、先輩方も賛成ですよね?」
一同  「「「イイネ!!!」」」
キース 「俺は賛成していない!」

ついでに「イイネ」をする気も無いぞ、と副住職の仏頂面。

キース 「そんな渾名を俺が喜ぶと思うのか?」
シロエ 「喜ばなくても、そのくらい受け入れるべきですよ」
サム  「うんうん、迷惑かけまくりだしよ…」

渾名くらいは貰っとけよな、とサム君の意見。

サム  「席札がそれになったとしてもよ、法名にはよ…」
ブルー 「疫病仏とはつかないんだから、我慢したまえ」
キース 「しかしだな…!」
??? 「ぼくもイイネの逆の方かな」

どう言うのかな、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「ひぃぃっ!!!」」」
Aブルー「なるほど、イイネの逆はヒィィ、と…」

だったらソレで、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「キースの渾名の件については、ぼくはヒィィで!」
シロエ 「あ、あのですね…。何処から湧いて出たんです!」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間からだよ!」

覗いてみたらキースが困っていたものだから…、と涼しい顔。

Aブルー「疫病仏だなんて可哀想だよ、有能なのに!」
シロエ 「ぼくはヒィィと言いたいですが!」

イイネの逆がソレになるなら、とシロエ君、逆襲。

シロエ 「キース先輩の何処が有能だと言うんです!」
Aブルー「いい戒名をつけてくれたし、法要も最高だよ!」

お蔭で、ぼくのハーレイが漲りまくり、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「疫病仏だなんてとんでもないよね、ヒィィだよ!」
シロエ 「イイネの逆は無いですから!」
Aブルー「それじゃ、ヒィィは?」
シロエ 「あなたへの評価です!」

疫病仏と似たようなモノです、怒鳴ってますけど。
大丈夫…?


2019/12/12 (Thu) 

 

☆名乗りを上げた人


疫病神ならぬ疫病仏だ、と評されてしまったキース君ですが。
それは逆だとソルジャー登場、イイネの逆でヒィィだそうで。

Aブルー「えっと…? イイネの逆はヒィィじゃないと?」
シロエ 「現時点では、そういう機能が無いですからね!」

イイネの逆はまだありません、とシロエ君、力説。

シロエ 「ですからヒィィは、強いて言うなら…」
Aブルー「疫病仏みたいなもので、ぼくへの評価だ、と?」
シロエ 「分かっているじゃないですか!」

だったら退場して下さい、と指差す扉の方角。

シロエ 「瞬間移動で消えてもいいです、即、退場で!」
Aブルー「なんでそういうことになるわけ?」

ぼくはキースを庇っただけだよ、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「傭兵がどうのと言っていたのも、聞こえてたし…」
一同  「「「傭兵!?」」」
Aブルー「そう、傭兵! ぼくの世界には無いヤツだけど」

なにしろSD体制だから、とソルジャー、解説モード。

Aブルー「軍人と言えば正規軍だし、他は海賊くらいでさ…」
シロエ 「傭兵が割り込む余地は無いんですね?」
Aブルー「うん、軍だって二通りあるほどだしね」

人類統合軍と国家騎士団、という説明。

Aブルー「システム自体がまるで違うから、傭兵はさ…」
シロエ 「出番が無いのは分かりましたが、まさかですね…」

キース先輩の傭兵になるつもりですか、とシロエ君の問い。

シロエ 「疫病仏だと言われているのを、覆すとか…?」
Aブルー「そうなんだよ! ぼくだからこそ出来る役目で!」

キースの凄さを熟知しているからね、と威張り返る人。

Aブルー「疫病仏だなんて、とんでもないよ!」
シロエ 「詭弁ですから!」

結託しても何も出ませんよ、とシロエ君、冷たい視線。

シロエ 「キース先輩は赤貧ですから、逆さに振っても…」
サム  「傭兵を雇う金はねえよな」
Aブルー「ボランティアだよ!」

マツカの代わりに雇われるから、と笑顔全開。
傭兵ですって…?


2019/12/13 (Fri) 

 

☆お得な感謝期間


疫病神ならぬ疫病仏だ、とキース君に下った評価ですけれど。
擁護したいとソルジャー登場、ボランティアで傭兵だそうで。

Aブルー「ボランティアなら、キースは一銭も要らないしね」
シロエ 「そ、それで、あなたがマツカ先輩の代わりに…?」
Aブルー「うん! 普段から暇にしてるしね!」

キースが危うくなった時には援護射撃を、と立てる親指。

Aブルー「まずは疫病仏だというのを、なんとかしなくちゃ」
キース 「お、おい…! それは本当にタダなのか?」
Aブルー「もちろんだよ! 日頃から感謝しているからね」

ついでに暮れだし、感謝期間でもっとお得に、と満面の笑み。

Aブルー「もう全力で擁護するから、安心してくれたまえ!」
キース 「感謝期間というのは何だ?」
Aブルー「歳末セールみたいなものかな、よくやってるよね」

あちこちの店でお得なセール、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「いつも以上に頑張らせて貰うよ、君の擁護を!」
シロエ 「あ、あのぅ…。感謝期間というのは…」

キース先輩に限定でしょうか、とシロエ君の質問。

シロエ 「それとも、全員が対象ですか?」
Aブルー「キースだけに決まっているだろう!」

お世話になってるのはキースなんだから、と返った答え。

Aブルー「それともアレかい、君たちが何かしてくれたと?」
シロエ 「法要に参加してるんですけど!」
Aブルー「その法要は、誰がやってるのかな?」

君たちに開催資格はあるかな、とソルジャー、鋭い視線。

Aブルー「そういうことなら、感謝したっていいけどさ」
シロエ 「…無いですね…」
Aブルー「ほらね、キースに限定なんだよ」

だからキースの傭兵になる、とキッパリと。

Aブルー「疫病仏だと言われてるけど、実はその逆でさ…」
シロエ 「福の神ではないと思いますが!」
Aブルー「もっと凄いよ、世界を救うんだから!」
一同  「「「へ?」」」

それはどういう意味なんだ、と誰もがポカーン。
救世主だと…?


2019/12/14 (Sat)

 

☆サンタが来ない家


疫病神ならぬ疫病仏だ、と評価されているキース君ですけど。
ソルジャーが傭兵を引き受けるとかで、援護射撃が始まって。

シロエ 「え、えっと…? キース先輩が世界を救うと?」
Aブルー「その通りだけど?」

本当に凄い話だよね、とソルジャー、パチンとウインク。

Aブルー「そうはいないと思うんだよねえ、そんな大物!」
シロエ 「具体的には、どういった意味になるんでしょうか」

漠然としすぎて分かりません、とシロエ君の問い。

シロエ 「いわゆる救世主とは違いますよね?」
Aブルー「救世主と言うと…。クリスマスの人かな?」

馬小屋で生まれた人のことかな、とソルジャー、顎に手を。

シロエ 「そうです、そうです! キリストですね」
スウェナ「流石にそれは無いわよねえ…。いくらなんでも」

第一、宗教が違うじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「それにキースの家には、クリスマスが無いでしょ」
シロエ 「そうでした! サンタクロースも来なかったとか」
Aブルー「へええ…。キースの家には来ないのかい?」

シャングリラにも来てくれるのにね、とソルジャー、ポカン。

Aブルー「つまり、サンタに見放されている、と…」
キース 「あんた、喧嘩を売っているのか!?」

来ないのは俺の家の仕様だ、とキース君、ブチ切れ。

キース 「なんと言ってもウチは寺だし、親父がだな…」
シロエ 「サンタクロースを断ったそうです、キッパリと」
Aブルー「断れるのかい、アレは?」

強引にやって来るのでは…、とソルジャー、不思議そうな顔。

シロエ 「強引に、って…。なんですか、それは?」
サム  「まさか、押し入ってくるのかよ?」

強盗みたいに…、とサム君、目が真ん丸に。

サム  「頼んでねえのに入って来るとか、そんな感じで」
Aブルー「うん、それに近いものがあるねえ、サンタはね」
一同  「「「ええっ!?」」」

確かに頼むものではないが…、と誰もがビックリ。
強引なサンタ…?


2019/12/15 (Sun)




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☆態度も大切です


紅葉シーズンを迎えた休日、生徒会長宅に集った御一同様。
キース君が修行の最中とあって、温厚なキャラが必要でして。

キース 「俺は普通に文句を言ってもいけないのか?」
ブルー 「細かいことを言うようだけどさ、普通が大事で…」

そこを基準に持って来ないと…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「修行というのは、そうしたものだと思うけど?」
キース 「それはそうだが…」
ブルー 「マツカなら、そうは言わないね」

素直に同意すると思うよ、と生徒会長の鋭い指摘。

キース 「し、しかし…! それは温厚なキャラと違って…」
ブルー 「違うね、温厚なキャラだからこそ!」

言い訳も口答えもしないんだよね、とツッコミが。

ブルー 「分かったんなら、改める! さっきの態度も!」
キース 「どう言えと言うんだ!」
シロエ 「あのですね…。早速、口答えしていませんか?」
キース 「うっ…」

なんて難しい修行なんだ、とキース君、困惑。

キース 「観光客にも困ったものだな、でいいんだろうか?」
ブルー 「そんなトコかな」
マツカ 「まあ、そうですね」
??? 「なになに、観光客が何だって?」

何処も一杯だね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「ひぃぃっ!」」」
Aブルー「失礼だねえ…。今日はノルディと紅葉見物!」

朝一番にノルディのコネで…、とニコニコニコ。

Aブルー「観光客が来るよりも前に観光、それから朝粥!」
マツカ 「あの有名なお店ですか?」
Aブルー「そう! 流石、マツカは分かっているねえ!」

特に卵が美味しかったよ、と笑顔のソルジャー。

Aブルー「あそこの名物なんだって? とろけそうでさ…」
マツカ 「門外不出ですからね。ぼくも好物なんですよ」
Aブルー「そうなんだ? ところで観光客って、何さ?」
キース 「困ったヤツらが多いという話だ」
Aブルー「ふうん…?」

それとキースが、どう関係が…、と質問が。
どう答えれば…?


2019/11/16 (Sat)

 

☆マナーと観光客


生徒会長宅では修行するべし、ということになったキース君。
温厚なキャラを目指している所へ、ソルジャー登場でして…。

Aブルー「キースの家って、観光の人は来ないよねえ?」
キース 「皆さん、ウチでは宿泊だけだな、宿坊だから」

とはいえ、宿坊も人気なんだぞ、と副住職。

キース 「希望者は朝晩のお勤めも出来るし、非日常体験で」
Aブルー「観光客も来るってこと?」
キース 「いや、昼間は観光で、ウチは食事と部屋を提供だ」
Aブルー「それじゃ、マナーが悪いのかな?」

観光に来て泊まる人の…、とソルジャーの問い。

Aブルー「なんか問題になってるらしいね、そういうのが」
キース 「外国人のが酷すぎるからな」
Aブルー「なるほど…。それで困った人が多い、と」

キースの家にも直結なのか、とソルジャー、勝手に納得。

Aブルー「まあ、ぼくも人のことは言えないかもだしねえ…」
キース 「どういう意味だ?」
Aブルー「ぼくの青の間は、散らかり放題!」

お掃除部隊が来ない限りは…、と威張り返る人。

Aブルー「おやつもその辺で好きに食べるし、空き袋は放置」
キース 「あんた、最低な感じだな…」
Aブルー「うん、ぼくのハーレイにも、よく言われるよ!」

でも、習性だから仕方ないしね、と悪びれもせず。

Aブルー「だからキースも、観光客を大目に見てあげてよね」
キース 「なんでそうなる!」
ブルー 「ほら、またやった!」

修行中だよ、と生徒会長の声がビシッと。

キース 「す、すまん…。つい…」
ブルー 「気を付けないとね、それじゃブルーと同じだよ」

もう習性になっているよね、と深い溜息。

ブルー 「きちんと直していかないと…」
Aブルー「えっと…?」

ヘタレ直しではなさそうだよね、とソルジャー、興味津々。

Aブルー「キースは、何を直すのかな?」
シロエ 「さっきみたいな態度ですよ」
Aブルー「態度?」

面白いことをやっているね、と輝く瞳。
ヤバくないですか…?


2019/11/17 (Sun)

 

☆マツカ君を目指せ


生徒会長宅では修行をすべし、と決まったキース君ですけど。
温厚なキャラを目指している所へ、来たのがソルジャー。

Aブルー「さっきみたいな態度というと、ぼくへのアレ?」
シロエ 「そうなりますね、キース先輩の悪い癖です」

マツカ先輩とは真逆でしょう、とシロエ君が解説を。

シロエ 「マツカ先輩だと、ああいう台詞は出ませんから」
Aブルー「なるほどねえ…。いつも穏やかな笑顔だよね」
シロエ 「そういうキャラを目指して、修行中なんですよ」
Aブルー「いいと思うよ、その修行!」

最高じゃないか、とソルジャー、感激。

Aブルー「キースがマツカみたいになったら、何かとお得で」
キース 「なんだって?」
Aブルー「無理を言っても通りそうだしね、文句は無しでさ」

スッポンタケの供養も頼み放題、と輝く瞳。

Aブルー「是非とも道を極めて欲しいね、マツカっぽく!」
キース 「あんた、楽しんでいるだろう!」
Aブルー「それがダメなんじゃなかったっけ?」

道を踏み外していないかい、とソルジャーの指摘。

Aブルー「マツカだったら、そんな風には言わないと思う!」
マツカ 「まあ、そうですね」
Aブルー「ほらね、マツカもこう言ってるし!」

態度をきちんと改めなくちゃ、とソルジャー、ズズイと。

Aブルー「はい、言い直し! 今の台詞は?」
キース 「く、くっそぉ…」
Aブルー「それもマツカは言わないよね?」
キース 「ど、努力する…!」

修行の道を極められるように、とキース君、苦悶の表情。

キース 「マツカには遠く及ばないまでも、出来るだけ…」
Aブルー「うんうん、いいねえ、努力したまえ」

スッポンタケだって喜ぶよ、とイヤンな単語がポンポンと。

Aブルー「キースが道を極めてくれたら、もうビンビンで…」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「細かいことは気にしない!」
キース 「俺は、大いに気になるんだが!」

怒鳴ってから、ハッと口を押える副住職。
また墓穴ですか…?


2019/11/18 (Mon)

 

☆お坊さんとヤクザ


生徒会長宅に来た時は修行、と決められたキース君ですけど。
温厚なキャラを目指しているのに、来たのがソルジャーで…。

Aブルー「またやった! マツカなら、そこは怒鳴らないよ」
ブルー 「そうなんだけどね、今のは君にも非があるってば」
Aブルー「何か悪いこと、言ったっけ?」
キース 「自覚が無い分、余計にタチが悪いんだ!」

それを直せ、と叫んでしまって、またも慌てる副住職。

キース 「す、すまん…。直して貰えると有難い、と…」
Aブルー「直すって、ぼくの、どの部分をさ?」

なにしろ自覚症状ゼロで…、とソルジャー、しゃあしゃあと。

Aブルー「教えてくれると嬉しいんだけどね、直す部分を」
キース 「そ、そう言われても…」
Aブルー「言えないって言うなら、言いがかりだと思うけど」

指摘できる悪い所が無いなら、そうなるよね、と屁理屈が。

Aブルー「それはどうかと思うんだよ。因縁をつけるなんて」
キース 「因縁だと!?」
Aブルー「うん。こっちの世界のヤクザっていう人種」

その人たちの得意技だってね、とソルジャー、知識を披露。

Aブルー「目が合っただけで、睨んだことになるとかさ」
キース 「俺をヤクザと一緒にするな!」
シロエ 「あれっ、お坊さんは、間違えられるんでしょう?」

ヤクザの人に…、とシロエ君。

シロエ 「スーツを着てたら、見た目はヤクザと同じですし」
Aブルー「そうなのかい?」
シロエ 「ええ。お坊さんの団体旅行は、ヤバイそうですよ」

空港なんかで一般人がドン引きで…、とシロエ君、得々と。

シロエ 「キース先輩も経験していますからね、実話です」
キース 「集合の時も、ナントカ組と呼ばれるからな…」

宗派の中では組別だから、と副住職。

キース 「スキンヘッドにスーツで組では、確かにダメだ」
Aブルー「だからと言って、因縁はやめて欲しいよね」
キース 「因縁ではない!」

言いがかりだってつけていない、と荒らげる語気。
また墓穴…。


2019/11/19 (Tue)

 

☆怒鳴ってしまう人


生徒会長宅では修行すべし、と決まったキース君なんですが。
マツカ君なキャラを目指す所へ、登場したのがソルジャーで。

Aブルー「ほら、また怒鳴った! 修行中だよね?」
キース 「因縁をつけたのは、あんただろうが!」
シロエ 「あのですね…。キース先輩、それじゃダメです」

完全にこの人のペースですよ、とシロエ君の呆れた顔。

シロエ 「さっきから見てれば、踏み外しっぱなしで…」
サム  「うんうん、ドツボにはまっちまってるぜ」
キース 「ど、ドツボ……」

今はそういう状態なのか、と愕然とするキース君。

キース 「俺としてはだ、努力しているつもりなんだが…」
スウェナ「少しも成果が出ていないわよね、本当に」
ジョミー「だよねえ、温厚なキャラはどうなったのさ?」

いつものキースになっちゃってるよ、とジョミー君も。

ジョミー「脊髄反射で返事するから、そうなるんだってば」
キース 「そう言われても…」
ブルー 「ワンクッション置く、と心得たまえ」

そうすれば少しはマシになるさ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「何か言われたら、すぐに返さないでさ…」
マツカ 「一呼吸おくのはどうでしょう?」

そして考えを整理ですよ、とマツカ君からもアドバイス。

マツカ 「違うキャラを演じる場合の、コツですね」
キース 「そうなのか?」
マツカ 「ええ。怖いキャラの時の、ぼくがそうです」

そっちのキャラなら、どうするのかを考えますよ、と助言が。

マツカ 「慣れて来れば、一瞬で答えが出るようになります」
キース 「慣れなのか…」
マツカ 「そういうことになりますね」

王道ってヤツは無いんですよ、とキッパリと。

マツカ 「ブルーが言う通り、日々の積み重ねが大切です」
キース 「分かった、コツコツ頑張ってみる」
Aブルー「是非、頑張ってくれたまえ! 温厚なキャラで!」
キース 「あんたは黙ってろ!」

誰のせいだと思ってるんだ、と怒鳴る人。
温厚なキャラは?


2019/11/20 (Wed)

 

☆スルーできない人


生徒会長宅に来た時は修行、と決まっているキース君ですが。
其処へ登場したのがソルジャー、修行どころか真逆なのが今。

Aブルー「温厚なキャラが聞いて呆れるねえ…」
キース 「やかましい! 全部、あんたのせいだろうが!」
Aブルー「えっ、ぼくなのかい?」

何か悪いことをしただろうか、とソルジャー、キョトン。

Aブルー「温厚なキャラになってくれれば、嬉しいのにさ」
キース 「それを端から邪魔しやがって!」
Aブルー「何も言ってはいないけどねえ?」

応援しているだけじゃないか、と怪訝そうな顔のソルジャー。

Aブルー「それとも、ぼくが応援するのはいけない、とか?」
キース 「あんたの場合は、存在からして邪魔なんだ!」

そのせいで俺が修行なんだ、とブチ切れる人。

キース 「俺にマツカのスキルがあったら、無敵だからな!」
Aブルー「ふうん? どんな具合に無敵になると?」
キース 「ズバリ、あんたの調子が狂う!」
Aブルー「なるほどねえ…」

そういうことか、とソルジャー、納得した様子。

Aブルー「確かに最近、ぼくは大人しかったかもねえ…」
キース 「分かったんなら、俺の修行を邪魔するな!」
Aブルー「無駄な感じしかしないんだけど…?」

今だって既にキレまくりだし…、とソルジャーが傾げる首。

Aブルー「マツカは全くキレなかったよ、何を言っても」
キース 「そ、そうなのか…?」
Aブルー「うん。スルースキルの問題かな?」

君はスルーが出来ないタイプ、とソルジャーの鋭い指摘。

Aブルー「ジョミーが言ってた脊髄反射で、片っ端から…」
シロエ 「反応しては墓穴を掘っていますね、間違いなく」

残念ですけど、その通りですよ、とシロエ君、深い溜息。

シロエ 「学習能力が皆無なんです、キース先輩は」
キース 「なんだって!?」
シロエ 「全く学んでいませんからねえ、さっきから」
キース 「うっ…」

そうなるのか、と言葉に詰まってますけれど。
学んでませんねえ?


2019/11/21 (Thu) 

 

☆会話にならない人


生徒会長宅では修行なキース君、目標は温厚なキャラですが。
ソルジャーの登場で真逆な方へと、脊髄反射で切れまくる今。

シロエ 「いいですか? よくよく振り返ってみて下さい」
サム  「そうだぜ、自分の言動ってヤツをよ」

そしたら分かる筈だしよ、とサム君からもキッツイ言葉が。

サム  「学習能力ってヤツがあるなら、今頃はよ…」
シロエ 「和やかに会話を交わしてますよね、お客様と」
Aブルー「ぼくとは会話になっていないよ、怒鳴ってばかり」

こんな調子じゃダメだと思う、とソルジャーも。

Aブルー「ぼくの調子が狂うどころか、いつも通りだよね」
キース 「う、うう……」
Aブルー「というわけでさ、あまり期待は出来そうにないね」

今後のキース、とソルジャー、お手上げのポーズ。

Aブルー「スッポンタケの供養のグレードアップは…」
シロエ 「それはしなくていいですから!」
Aブルー「そうなのかい? キースが温厚になったらさ…」

もっと素晴らしい法要になるのに、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「色々と注文つけ放題で、無料サービスも!」
キース 「なんで無料になると言うんだ!」
Aブルー「マツカだったら、無料だからだよ」

別荘も御馳走も、いつも無料、とニコニコニコ。

Aブルー「参加費用は、一度も払ったことがないしね!」
キース 「俺は大金持ちじゃない!」
Aブルー「でもさ、法要は君さえいればいいんだし…」

君の身体さえあればオッケー、とソルジャー、笑顔全開。

Aブルー「法衣は元からセット物だし、オプションをさ…」
キース 「タダで提供しろと言うのか!?」
Aブルー「ピンポーン!」

特別なお経とかがいいねえ、とウットリするソルジャー。

Aブルー「スッポンタケが漲るように、凄いパワーのを!」
キース 「他人事だと思って、調子に乗りやがって!」
Aブルー「温厚なキャラは、どうなったのさ?」

修行中だよね、とツッコミが。
キース君、旗色、悪そうですね…。


2019/11/22 (Fri)

 

☆温厚になれない人


生徒会長宅に来た時は修行、そう決まったキース君ですけど。
温厚なキャラを目指すどころか、キレまくっている状態で…。

Aブルー「修行中なら、それらしく! もっと温厚に!」
キース 「誰のせいだと思っていやがる!」

あんたが来なけりゃキレていない、とキース君、逆ギレ。

キース 「少しは温厚になって来た、と言われていたのに!」
Aブルー「そうだったのかい?」
キース 「努力の成果が表れて来た、とブルーもだな…!」
ブルー 「うん、言ったけど…。でもさ…」

振り出しに戻った感があるよね、と生徒会長、深い溜息。

ブルー 「そもそも何のための修行で、今はどうなのか…」
シロエ 「分かっていない点で、終わっていると思いますね」

その人を相手にキレてどうします、とシロエ君も呆れ顔。

シロエ 「いつもと全く同じパターンで、下手すると…」
サム  「普段以上に酷いんでねえの、キレっぷりがよ…」

でもってドツボにはまりまくり、とサム君が仰ぐ天井。

サム  「そいつのペースを乱すどころか、真逆でよ…」
ジョミー「せっせと墓穴を掘っているよね、さっきから」

誰かさんにまで指摘されるほど…、とジョミー君。

ジョミー「学習能力が無いっていうのは、本当だってば」
キース 「だから、違うと…!」
シロエ 「じゃあ、何なんです?」

学習してれば、この状態にはなりませんよね、と厳しい言葉。

シロエ 「温厚なキャラはパアで、アドス和尚並みに…」
スウェナ「瞬間湯沸かし器に近いわよねえ、今日のキースは」
キース 「こいつが来たのが悪いんだが!」
Aブルー「それって、本末転倒だろう?」

ぼくのために修行してるんだよね、とソルジャー、ピシリと。

Aブルー「そこへこうして来てあげたんだし、誠心誠意…」
ブルー 「修行しないとダメだと思うよ、ぼくだって」
キース 「そう言われても…!」
Aブルー「ぼくが悪いと?」

マツカなら、そう言うだろうか、と質問が。
さて、どうする…?


2019/11/23 (Sat)

 

☆振る舞いが違う人


温厚なキャラを目指して修行している、キース君ですけれど。
ソルジャー相手にキレまくりな今、修行の成果はゼロでして。

Aブルー「胸に手を当てて考えてみてよ、マツカだったら?」
シロエ 「キース先輩、どうなんです?」

ごく簡単な質問ですよね、とシロエ君も乗っている尻馬。

シロエ 「マツカ先輩なら、こういう時にはどうしてます?」
キース 「…仕方ないですね、と苦笑だろうか…」
サム  「マツカは苦笑なんかはしねえよ」

心のこもった笑顔だよな、とサム君、ピシャリと。

サム  「仕方ないですね、と微笑んで流すぜ、確実に」
スウェナ「そうねえ、文句は言わないわよねえ…」

怖いキャラなら別だけれど、とスウェナちゃんも。

スウェナ「そうでしょ、マツカ?」
マツカ 「ええ、まあ…。キースみたいにはなりませんね」
Aブルー「ほらね、マツカもこう言ってるし!」

君が学習していないだけ、とソルジャー、ビシィ! と指を。

Aブルー「こんな調子じゃ、全く期待できないねえ…」
キース 「何の話だ?」
Aブルー「スッポンタケに決まっているだろう!」

法要でパワーアップな件だ、とイヤンな話が。

Aブルー「キースが修行をしてくれないとさ、そっちもさ…」
シロエ 「あのですね…。その点は変わらないのでは?」

法要はきちんとやってますし、とシロエ君。

シロエ 「ぼくたちには、いい迷惑ですけど…」
Aブルー「違うね、さっきも言ってたオプション!」

それから費用、とソルジャー、大真面目な顔。

Aブルー「なにしろ、キースの身体ひとつで済むからねえ…」
シロエ 「温厚になれば、確かにタダかもですね」

ボランティアな姿勢だったら、とシロエ君、納得。

シロエ 「キース先輩の心がけで違ってくるわけですね」
Aブルー「そうなんだよ! これは大きい!」
キース 「勝手に話を進めるな!」
Aブルー「その口調がダメ!」

マツカのじゃないよね、とソルジャー、溜息。
違ってますねえ…?


2019/11/24 (Sun)

 

☆空しくなった人


温厚なキャラを身につけるべく、修行中のキース君ですけど。
ソルジャー相手にキレまくっていて、修行の成果はゼロな今。

Aブルー「マツカみたいになるためにはさ、修行を積んで…」
ブルー 「キレなくなるのが一番だよねえ、どう考えても」

今の君だと全くダメだ、と生徒会長、お手上げのポーズ。

ブルー 「いったい何のための修行か、振り返ってみたまえ」
キース 「そ、それは…。そこの馬鹿野郎を、だ…」
Aブルー「馬鹿野郎っていうのは何さ!」

失礼すぎだよ、とソルジャーが吊り上げる眉。

Aブルー「ぼくの調子を狂わせたいのは、分かるけれどさ…」
サム  「名指しで馬鹿はねえと思うぜ、本人の前で」

マツカだったら絶対やらねえ、とサム君も。

サム  「たとえ心で思っていてもよ、口ではよ…」
ジョミー「きちんと名前を言うか、オブラートで包むよね」
スウェナ「そうよね、マツカなんだもの」
マツカ 「人間関係の、基礎の基礎ですね」

どんなに失礼なお客様でも、丁重に…、と御曹司。

マツカ 「なにしろ、お客様ですからね」
キース 「この馬鹿は、俺の客ではないが!」
Aブルー「また言ってるし!」

これで二度目だ、とソルジャー、カウント。

Aブルー「やっぱり学習能力ゼロだよ、キースはさ」
シロエ 「ここまで来ると確定ですよね、その件は」

残念ですが…、とシロエ君、フウと大きな溜息を。

シロエ 「こんな人をライバル認定していた、ぼくだって…」
ジョミー「自動的に馬鹿ってことになるよね、気の毒だけど」
シロエ 「そうなんですよ。ぼくの人生、何だったのか…」

空しくなってしまいました、と遠い目をするシロエ君。

シロエ 「世を捨てて出家したくなります、何処かの田舎で」
Aブルー「本当かい!? この際、君でもいいんだけど!」
シロエ 「えっと…? 話が見えないんですが…?」
Aブルー「スッポンタケの供養だよ!」

出家するんなら頼めるよね、と赤い瞳がキラキラ。
シロエ君に…?


2019/11/25 (Mon)

 

☆ライバルはお断り


温厚なキャラを目指して修行中なのに、全くダメなキース君。
学習能力が無いと言われて、シロエ君もライバル認定後悔中。

Aブルー「シロエが出家するんだったら、お願いしたいね」
シロエ 「あ、あのぅ…?」
Aブルー「スッポンタケの供養というのは、光栄なんだろ?」

お坊さんにとってはさ…、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「あの戒名が凄すぎるとかで、法要を頼まれたら…」
ブルー 「まあ、坊主なら喜ぶだろうね、間違いなく」

自分に徳があることになるから、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「院殿号の仏様となれば、格の高さが半端ないしね」
Aブルー「どうだい、ブルーのお墨付き! シロエもさ…」

お坊さんになるなら、あやかりたいだろ、と弾ける笑顔。

Aブルー「一気に名のある坊主になれるよ、法要をすれば!」
シロエ 「普通なら、そうなんでしょうけれどね…」
Aブルー「何か問題があるのかい?」
シロエ 「キース先輩、名のあるお坊さんですか?」

超マイナーだと思いますが、とシロエ君、キッツイ言葉を。

シロエ 「アルテメシアでさえ、知られてませんよ」
サム  「うんうん、認識されてねえよな」
Aブルー「そうかもだけど、そこはシロエが頑張ればさ…」
シロエ 「お断りします!」

ついでに出家の件も無しです、とキッパリと。

シロエ 「世を儚んで出家したって、同じ坊主だと…」
サム  「キースがライバルになるわけな?」
シロエ 「そうなんですよ、自動的に」

迷惑極まりないですから…、とブツブツブツ。

シロエ 「スッポンタケの件が無くても、出家はしません」
Aブルー「えーっ!?」

せっかく有望だったのにさ、とソルジャー、ガックリ。

Aブルー「キースと違って、うんと有能そうだしさ…」
キース 「あんた、どれだけ俺を愚弄するんだ!」
Aブルー「それだよ、学習能力ゼロじゃないか」
キース 「くっそお…」

いちいち腹の立つヤツだ、と怒ってますけど。
温厚さは何処へ?


2019/11/26 (Tue)

 

☆器が出来ている人


温厚なキャラを目指して修行中のキース君、成果はゼロな今。
ソルジャー相手にブチ切れまくりで、シロエ君も呆れる始末。

Aブルー「何回目なのさ、そうやって君がキレるのは」
キース 「誰のせいだと思ってるんだ!」
Aブルー「責任転嫁は良くないよ。どう思う、シロエ?」
シロエ 「そうですねえ…。マツカ先輩なら、やりませんね」

他人の責任まで引っかぶるような人ですから、とシロエ君。

シロエ 「人の上に立つ人は違いますよね、器というのが」
Aブルー「だよねえ、マツカは素晴らしいよ」
キース 「そう言うあんたも、ソルジャーだろうが!」

種族の命運を背負ってないか、とキース君のツッコミ。

キース 「それこそ器が出来ていないと、ダメだと思うが!」
Aブルー「何か問題でも?」
キース 「あんたこそ、マツカを見習ったらどうだ!」
Aブルー「見習わなくても、ぼくは実地でやってるからね」

君が生きて来た以上の年月、ソルジャー稼業、と立てる親指。

Aブルー「ちゃんとシャングリラも改造したしさ」
シロエ 「ですよね、仲間の救出とかも」
ブルー 「生活態度は酷いモンだけど、ソルジャー業はさ…」

立派にこなしていると思うよ、と大きく頷く生徒会長。

ブルー 「不言実行を地で行ってるよね、ブルーの場合」
キース 「なんだって?」
ブルー 「普段の言動や態度なんかはともかく、実際はさ…」
シロエ 「有能な指導者には違いないですね」

ある意味、人間が出来てるかもです、とシロエ君も。

シロエ 「つまり器が出来ているわけで、キース先輩より…」
Aブルー「あっ、褒めてる?」
シロエ 「もちろんです!」

キース先輩より凄いですよね、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「温厚なキャラさえ保てない人とは、違いますよ」
Aブルー「ありがとう! 流石はシロエ!」
シロエ 「冷静に分析しただけですよ」
ブルー 「それに比べて…」

キースときたら…、と生徒会長、冷たい視線。
氷点下かも…。


2019/11/27 (Wed)

 

☆期待するよりは


温厚なキャラを目指して修行中なのに、サッパリなキース君。
ソルジャーの方が器が出来ているそうで、生徒会長も呆れ顔。

ブルー 「キースの場合は、もはや才能無いかもね…」
シロエ 「学習能力以前に、ですか?」
ブルー 「うん。アドス和尚の血を引いてるからねえ…」

瞬間湯沸かし器な部分はどうしようもない、と生徒会長。

ブルー 「直そうとして修行をしたって、この始末では…」
Aブルー「ぼくは、どっちでもかまわないかな」

キレる方でも、温厚な方でも…、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「法要がお得になるって点では、温厚な方がさ…」
シロエ 「いいのかもですけど、それに関しては…」
サム  「俺たちの迷惑、増えちまうんだぜ」

法要のサービスが増えた場合な、とサム君の指摘。

サム  「法要の時間も長くなるしよ、中身が増えたら」
ジョミー「だよねえ、だったらキレまくりの方が…」
シロエ 「結果としては、きっとマシです」

最後に来るのは法要ですしね、とシロエ君。

シロエ 「法要をせずに撃退できれば、理想ですけど…」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
シロエ 「そのスキルは多分、マツカ先輩しか…」

持ってませんね、と深い溜息。

シロエ 「ですから、ここは無駄に期待をかけるより…」
サム  「諦めた方がいいかもなあ…」
シロエ 「学習能力も、才能も皆無ですからね」
キース 「おい、シロエ!」

言いたい放題、言いやがって、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「お前、それでも後輩なのか!?」
シロエ 「ええ、残念なことに後輩なんです」

先輩だったら、もっと厳しく言えたんですが、と氷点下の瞳。

シロエ 「言動をよく顧みて下さい、学習能力とかについて」
Aブルー「大丈夫! 悲観しなくても、ぼくという例が!」
シロエ 「だそうです、心強い仲間が出来ましたよね」
キース 「この馬鹿と一緒にされたくはない!」

いくら結果が全てだろうが、と、またブチ切れ。
学習能力は…?


2019/11/28 (Thu)

 

☆念仏三昧でいこう


温厚なキャラを目指して修行の筈が、キレまくりなキース君。
才能も学習能力も無いとか、そういう認定がされている今。

キース 「いいか、この馬鹿野郎と俺とでは、だ…!」
シロエ 「どの辺が違うと言うんです?」

むしろ先輩の方が酷いかもです、とシロエ君の冷たい瞳。

シロエ 「酷いようでも、誰かさんは結果を出してますから」
サム  「だよなあ、腐ってもソルジャーだしよ」
スウェナ「ブルーの言う通り、不言実行で三百年よねえ…」

それだけの間、無事故無違反なのよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「それに比べて、キースは事故ってばかりだし…」
キース 「俺は免許を持っていないが!」
シロエ 「あのですね…。免許の話はしていませんよ」

ただの例えというヤツですから、とシロエ君が広げる両手。

シロエ 「脊髄反射が悪化してます、諦めて成仏して下さい」
キース 「なんだって!?」
シロエ 「誰も期待はしていませんから、修行はやめて…」

お念仏に専念して下さいよ、とキッツイ注文。

シロエ 「その方が、いくらかマシですからね」
Aブルー「いいねえ、いいねえ! 早速、法要!」
シロエ 「いえ、そうじゃなくって…」
サム  「略式のヤツな」

三界万霊にお念仏な、と僧籍な人。

サム  「坊主の基本で、ただひたすらにお念仏をよ…」
ブルー 「唱えるというのが、ぼくたちの宗派の心なんだよ」

そして修行の奥義でもある、と生徒会長、銀青様モードに。

ブルー 「この際、キースは念仏三昧がいいと思うね」
キース 「ま、まさかと思うが、五体投地か?」
シロエ 「いいですねえ…!」

反省の心もこめて下さい、とシロエ君。

シロエ 「罰礼ですよね、五体投地って」
ブルー 「本来は三唱礼と言ってね、最上級のお念仏だよ」
Aブルー「じゃあ、それで! スッポンタケも喜ぶよ!」
キース 「そ、そんな…」
ブルー 「何か?」

文句を言えた義理なのかな、と生徒会長の睨み。
言えませんよね…。


2019/11/29 (Fri) 

 

☆やるならMAXで


温厚なキャラを目指して修行中なのに、サッパリなキース君。
同じ修行でも念仏三昧、五体投地をするべきだ、という声が。

ブルー 「言い出したのはシロエだけどさ、理に適ってるよ」
サム  「五体投地で修行しろよな、百回くらいで」
ブルー 「甘いね、ここは三千回で!」
キース 「三千回だと!?」

それはMAXの回数じゃないか、とキース君、愕然。

キース 「念仏三昧の法要の時しか、やらない筈だぞ!」
ブルー 「だからこそだよ、反省の念をこめて修行するべき」

今から直ぐに始めたまえ、と生徒会長、ピッシャリと。

ブルー 「言っておくけど、休憩は無しで!」
キース 「死にそうなんだが!」
ブルー 「大丈夫、死んだって例は一つも無いから!」

みんなは場所を空けてあげて、と見回す周囲。

ジョミー「一畳分でいいんだっけ?」
ブルー 「そんなものだね、スペース的には」
Aブルー「だってさ、みんな下がって、下がって!」

リビングの真ん中でいいと思う、と仕切るソルジャー。

キース 「なんで、あんたが仕切るんだ!」
Aブルー「もちろん、スッポンタケのためだよ!」

三千回もあれば、御利益充分、と喜色満面。

Aブルー「一つくらいは効果があるって、間違いなく!」
サム  「そりゃまあ、1回あたり、お念仏が3回だしよ…」
Aブルー「九千回のお念仏だね、凄く効きそう!」

早く始めて、と急かす人。

キース 「なんでそういうことになるんだ!」
ブルー 「自業自得だよ、君が学習しないから…」
シロエ 「初心に帰って修行するのが一番ですよ」

さあ始めましょう、とシロエ君も。

シロエ 「皆さんもカウントお願いします」
ぶるぅ 「オッケー! キースはスタンバってねーっ!」
キース 「く、くっそぉ…」
ブルー 「位置についてーっ、はい、スタート!」
キース 「な、南無阿弥陀仏…」
一同  「「「いっかーいっ!」」」

三千回へと、カウント開始ですけれど。
今月、これにて中継終了~。


2019/11/30 (Sat)





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☆お茶会の思い出


さて、11月。そろそろ寒くなってくる季節ですけれど。
休日に生徒会長宅に集うシャン学メンバー、お茶でのんびり。

シロエ 「飲み物も、ホットばかりになりましたねえ…」
サム  「流石にこの時期、アイスってヤツはいねえだろ」
ジョミー「どうかな、誰かさんだと、そうかも…」

アイス手作り派じゃなかったっけ、とジョミー君。

スウェナ「あら、そうだった?」
ジョミー「そんな話を聞いた気が…。手作りした、って」
ブルー 「ああ、アレだね。好きなだけ食べてみたくって…」
シロエ 「こっそり作ったんでしたっけ?」

でもってキャプテンに食べさせたとか…、とシロエ君も。

ジョミー「そう、それそれ! 甘い物が苦手な人にさ…」
シロエ 「手作りアイスを振る舞ったんですよね」
サム  「つくづく迷惑な野郎だぜ」
ジョミー「でもさ、先月は平和だったよ?」

楽しくお茶会だったもんね、とジョミー君の笑顔。

ジョミー「誰かさんも自分でお茶を淹れてさ、御機嫌で」
スウェナ「フルーツティーね、あれは素敵だったわ」
シロエ 「本当にいい香りでしたね、最後まで」

紅茶を足しても、香りが薄れなくて…、とシロエ君。

シロエ 「マツカ先輩のアイデア、凄かったですよ」
マツカ 「いえ、ぼくは…。やり方を知っていただけです」
サム  「咄嗟に出て来るトコがすげえよ、あの流れでよ」

立派なお茶会になったじゃねえか、とサム君も感動の面持ち。

サム  「あの野郎と、マトモなお茶会なんてよ…」
シロエ 「出来るとは誰も思いませんよね」
キース 「俺は裏方で苦労したんだが…!」

何から何まで運ばされて…、とキース君、ブツブツ。

キース 「スコーンは熱い間にだとか、次はケーキだとか…」
シロエ 「弟子なら仕方ないでしょう? マツカ先輩の」
キース 「それはそうだが、それにしてもだ…!」
ブルー 「マツカのスキルは学べたのかな?」

ここで文句を言うってことは、と生徒会長の問い。
学べたんですか?


2019/11/01 (Fri) 

 

☆何か得たものは


生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、話題は先月のお茶会。
ソルジャーもいたのに平穏無事で、見事だったマツカ君の腕。

ブルー 「あの件について文句を言うなら、まず、そこだよ」
サム  「うんうん、ちゃんと学べたのかよ?」

一日弟子入りした師匠のスキルを…、とサム君も。

ジョミー「だよね、スキルはアップしたわけ?」
シロエ 「気になりますねえ、キース先輩の成長ぶりが」

どうなんでしょう、とシロエ君も興味津々な様子。

シロエ 「マツカ先輩は、誰かさんを制御してましたけど…」
スウェナ「あれって、キースに出来るのかしらね?」
ブルー 「そこなんだよねえ、文句を言える立場かどうか」

何か得たものはあったのかな、と生徒会長の鋭い視線。

ブルー 「誰かさんが次にやって来た時、マツカみたいに…」
サム  「振る舞えるかどうかが問題だぜ」

無理そうな気しかしねえけどよ…、とサム君、諦めモード。

サム  「なんたって、諸悪の根源だしなあ、キースはよ…」
キース 「なんだと!?」
サム  「そのまんまじゃねえかよ、ずっと前から」

妙な戒名をつけた時から…、とサム君の指摘。

サム  「俺たちは法要に追われまくって、普段もよ…」
ジョミー「地雷を踏むのは、キースばかりだよ」
シロエ 「そうです、そうです! 年がら年中」
キース 「俺はそこまで酷くはないが!」

年中ではない、とキース君、必死の言い訳。

キース 「お盆とお彼岸がアウトなことは認めるが…」
サム  「そのお盆をよ、マツカは切り抜けたんだぜ?」
スウェナ「お彼岸もだわよ」

それに比べてキースはどうなの、とスウェナちゃん。

スウェナ「いつも誰かさんの言いなりでしょ?」
シロエ 「マツカ先輩の方が上ですよね」
マツカ 「いえ、そんな…。ぼくは若輩者ですし…」
ブルー 「どうだい、マツカの謙虚な姿勢! これさえも…」
サム  「学んでねえなあ…」

まるで全く、とサム君、キッパリ。
そうみたいですね?


2019/11/02 (Sat)

 

☆向いていない人


ソルジャーも来ていた先月のお茶会、平穏に終えたマツカ君。
キース君が弟子入り中でしたけど、成果の方が問題でして…。

ブルー 「本当に学んでいそうにないねえ、サムが言う通り」
シロエ 「今後も期待は出来ませんよね、キース先輩には」

誰かさんの言いなりを継続ですよ、とシロエ君の厳しい台詞。

シロエ 「マツカ先輩ならメギド級でも、キース先輩だと…」
ジョミー「その辺のミサイルくらいかな?」
サム  「ゴキブリホイホイ程度でねえの?」

アレもゴキブリには脅威だしよ、とサム君もキッツイ言葉を。

サム  「それによ、ネズミも獲れるらしいしよ…」
シロエ 「あー、小さいのは貼り付くらしいですね?」
スウェナ「充分、最終兵器だわねえ…」

ただし、ゴキブリに限るけれど、とスウェナちゃん。

スウェナ「だけど、キースは、そんな感じね」
キース 「俺がゴキブリホイホイだと?」
ブルー 「なるほど、確かに…。誰かさんを引き寄せるしね」

その辺はゴキブリホイホイだよね、と生徒会長も。

ブルー 「面白いくらいに寄って来るしさ、誰かさんが」
ジョミー「でもさ、全然、獲れないんだけど!」
サム  「ゴキブリホイホイとしても、欠陥品かよ…」

話にならねえ、とサム君、お手上げのポーズ。

サム  「メギドなんかは夢だぜ、夢!」
シロエ 「マツカ先輩に期待するしかないですよね…」
マツカ 「あのぅ…。あのキャラ、キツイんですけれど…」

素のぼくと違いすぎますから…、とマツカ君。

マツカ 「相当に無理があるんですよ、アレ」
ジョミー「もしかして、ストレス、かかるとか?」
マツカ 「そうですね…」

一日師匠はこたえました、とマツカ君、深い溜息。

マツカ 「きつく振る舞いすぎたかも、と反省ばかりで」
サム  「強く生きろよ、そう言わずによ!」
マツカ 「向いてないのは確かなんです」
一同  「「「えーーーっ!?」」」

それは困る、と悲鳴の御一同様。
期待の最終兵器ですしね…。


2019/11/03 (Sun) 

 

☆胃をやられる人


対ソルジャーの最終兵器だと期待が高い、マツカ君ですけど。
なんと本人には向いてないそうで、ストレスがかかるとか。

サム  「マジかよ、あのキャラ、向いてねえのかよ?」
マツカ 「ええ…。最初は遊びのつもりでしたし…」

自分でも楽しかったんですけどね、と御曹司の告白。

マツカ 「キースの一日師匠をやったら、よく分かりました」
シロエ 「向いていないってことがですか?」
マツカ 「ぼくの性格には合わないんですよ」

あの日の夜は寝付けなくて…、と零れる溜息。

マツカ 「たった一日だけでアレだと、本格的なのは…」
スウェナ「無理だってわけね、キースの弟子入り」
マツカ 「もちろん、耐えられますけれど…」

そういうスキルもあるんですけど…、と浮かない顔の御曹司。

マツカ 「多分、胃薬のお世話になると思います」
サム  「そこまでなのかよ?」
マツカ 「人の上に立つための勉強はしていますけど…」

ああいうやり方は好きじゃないです、と俯き加減。

マツカ 「どちらかと言えば、褒めて伸ばす方がいいですね」
ジョミー「それって、キースには向かないと思う!」
サム  「うんうん、甘やかしちまうだけだぜ」

ビシバシ叱ってなんぼだよな、とサム君、腕組み。

サム  「キースはともかく、あの馬鹿野郎が問題でよ…」
シロエ 「マツカ先輩が使えないとなると、大変ですよ」
ジョミー「絶対、調子に乗り始めるよね…」

お盆とお彼岸でコケた分まで、とジョミー君。

ジョミー「あのまま行ったら、天敵になれそうだったのに…」
サム  「けどよ、マツカが胃をやられたらよ…」
スウェナ「本末転倒ってヤツだわねえ…」

鬼の居ぬ間に、誰かさんが暴れるわよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「それは困るし、どうすればいいのよ?」
ブルー 「ゴキブリホイホイを改良するとか…」
一同  「「「はあ?」」」
ブルー 「キースだってば」

メギドは無理でもパワーアップ、と言ってますけど。
えっと…?


2019/11/04 (Mon)

 

☆誘引剤はバッチリ


対ソルジャーの最終兵器だと皆が期待した、マツカ君ですが。
当の本人には向いていないキャラで、胃をやられるそうで…。

シロエ 「キース先輩をパワーアップで、改良ですか?」
ブルー 「元がゴキブリホイホイだしねえ、それなりに…」

効果を発揮するかもだしさ、と生徒会長の視線が副住職に。

ブルー 「誘引剤だけは、バッチリ装備してるから」
シロエ 「でも、それだけじゃないですか!」
サム  「肝心の粘着シートが全くねえじゃねえかよ」
ジョミー「そうだよ、引き寄せるってだけなんだから!」

欠陥品のゴキブリホイホイだ、と誰もがブーイング。

ジョミー「誰かさんを呼ぶだけだったら、誰でも出来るよ!」
スウェナ「そうよ、キースでなくても来るわよ!」
ブルー 「本当に、そう思うかい?」

誰がやっても呼べるのかな、と生徒会長からの質問。

シロエ 「そりゃあ、もう…。出来ますよねえ?」
ブルー 「じゃあ、今すぐに呼んでみたまえ」
シロエ 「えっ?」
ブルー 「いいから、呼んで!」

迷惑は顧みなくていいから、とシロエ君にビシィ! と指を。

シロエ 「え、えっと…?」
ブルー 「サッサと呼び出す!」
シロエ 「あのぅ…。どうすればいいんでしょう?」
ブルー 「ほらね、それだよ、ぼくが言うのは」

呼べないだろう、と鋭い指摘が。

ブルー 「その点、キースはブレが無いよね」
サム  「そういえば、苦もなく呼びやがるよな…」
ブルー 「あれも一種の才能なんだと見るべきだろうね」

そこを活かして、パワーアップすれば…、と顎に手を。

ブルー 「誘引剤は凄いんだから…」
シロエ 「後は、粘着シートですか…」

誰かさんが来たら貼り付くように…、とシロエ君。

ブルー 「その通り! 猫も貼り付いたら懲りるからねえ」
スウェナ「あー! 昔の漫画にあったわね、それ!」
ブルー 「毛を刈る以外に、剥がす方法が無いのがね」

その方向でどうだろうか、と言ってますけど。
猫ですか…?


2019/11/05 (Tue) 

 

☆貼り付けてしまえ


対ソルジャーの最終兵器と期待されていた、マツカ君ですが。
本人には向いていないのだそうで、矛先はキース君の方へと。

シロエ 「なるほど…。命はあっても、懲りる感じですか」
ブルー 「うん、ゴキブリホイホイで猫は死なないからね」

しぶとい誰かさんみたいにさ、と生徒会長。

ブルー 「だから最終兵器とまでは、言えないんだけど…」
ジョミー「でもさ、ゴキブリホイホイに貼り付いた猫って…」

確か小麦粉で取れるんだよね、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「前にネットで見たんだよ。毛は刈らない、って」
ブルー 「そういうツイートは回っていたねえ、確かにさ」

だけど猫には嬉しくないよ、と生徒会長、ニヤニヤニヤ。

ブルー 「猫はお風呂が嫌いなのにさ、貼り付いた後は…」
スウェナ「毛刈りでも、小麦粉でも、お風呂だわねえ…」
ブルー 「洗わないままでは、いられないしね」

どんなにお風呂が嫌いでも…、とニンマリと。

ブルー 「そんなわけだし、キースも、誰かさんにさ…」
シロエ 「その程度にかましてやれ、っていうことですね?」
ブルー 「マツカには及ばなくてもね!」

誰かさんを是非、粘着シートに…、と立てる親指。

ブルー 「今の状態だと、誘引剤しか効いてないから…」
サム  「餌だけ奪って逃げる状態な、罠だったらよ」
ブルー 「そう! そこをベッタリ貼り付ける!」

ゴキブリホイホイの本領発揮、と赤い瞳がキラリーン! と。

ブルー 「マツカに学んだスキルを活かして、精一杯!」
キース 「ちょっと待て!」

弟子入り体験しかしていないんだが…、と副住職。

キース 「たった一日では、学ぶも何も…!」
ブルー 「君はそこまで無能なのかい?」

一を聞いても十を学べないとか、と生徒会長、冷たい瞳。

ブルー 「そうだと言うなら、仕方ないけど」
シロエ 「見損ないましたよ、キース先輩」
キース 「うっ…」

うんと言ったら無能認定か、と呻いてますけど。
そうですよね?


2019/11/06 (Wed)

 

☆学ばなかった人


対ソルジャーの最終兵器っぽいマツカ君、常時は無理そうで。
キース君に賭けるしかないのが現状、学んで欲しいスキル。

ブルー 「さて、どうなのかな、キース? 答えは?」
キース 「俺が無能だとは、認めたくないが…」
シロエ 「何も学んでいなかったんですね?」

この間のマツカ先輩からは…、とシロエ君、冷たい声音。

シロエ 「正直、ぼくはガッカリしてます。こんな人を…」
サム  「先輩と仰いで来たことをかよ?」
シロエ 「いえ、ライバルだと思っていたことです」

永遠のライバル認定だなんてバカでした、と軽蔑の眼差し。

シロエ 「もっと利口かと思ってましたよ、ずっと長いこと」
サム  「うんうん、見る目が無かったってことな」
シロエ 「ぼくの目は節穴だったようです、残念ですけど」

ぼくのプライドまで地に落ちましたよ、と深い溜息。

シロエ 「まさか先輩に、学ぶ能力が無かったなんて…」
ジョミー「ソレをライバルと認めた時点で、アウトだよねえ」
シロエ 「そうなんですよ。もう、ドン底な気分です」

赤点って、こんな感じでしょうか、と天井を仰いで嘆き節が。

シロエ 「でなきゃ試験で最下位だとか、追試になるとか」
サム  「やっと分かったかよ、いわゆる庶民の感覚っての」
シロエ 「ええ。なんとも辛いものですね」

自分を否定されるというのは…、と切々と。

シロエ 「世を捨てて隠遁したい気分です、ハッキリ言って」
スウェナ「あら、それじゃキースと変わらないわよ?」

出家してるものね、とスウェナちゃん。

スウェナ「まさか、キースが出家したのって、ソレかしら?」
サム  「あー! ブルーに触発されたんじゃなくて…」

自分の限界に気が付いたのな、とサム君、手をポンと。

サム  「法律家になるなんて、夢物語に過ぎねえ、と…」
ジョミー「きっとそうだよ、能力不足!」
キース 「おい、お前たち…!」

勝手に話を進めやがって、と怒鳴ってますけど。
そうなのでは…?


2019/11/07 (Thu) 

 

☆無能らしいです


対ソルジャーの最終兵器と期待されていた、マツカ君ですが。
常時継続はキツイんだそうで、キース君に賭けるしかなくて。

キース 「俺が無能だとか、能力不足とか、勝手に言うな!」
スウェナ「だけどそうでしょ、お坊さんになった理由は?」
ジョミー「建前じゃなくて、本音の方ね!」

法律家になるのは諦めた方、と狭まってゆく包囲網。

ジョミー「きっと渡りに船だったんだよ、ブルーの登場!」
ブルー 「そうだったのかもしれないねえ…」
ぶるぅ 「んとんと、あの時、御馳走になっちゃったけど…」

アドス和尚とイライザさんに、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「キースが決心してくれたから、って、仕出し!」
サム  「あー…。なんかスウェナも言ってたよなあ?」
スウェナ「ええ、電話してるのを聞いたのよ」

イライザさんがね、とスウェナちゃんの証言。

スウェナ「あそこの仕出しは、凄いらしいわよねえ…」
シロエ 「お値段、半端ないそうですしね」
マツカ 「その代わり、とても美味しいですよ」

ぼくの家でも頼みますしね、と御曹司の穏やかな笑み。

マツカ 「腕もいいですし、食材もいいのを揃えてるんです」
ぶるぅ 「そうなの、ぼくとブルーも、たまに頼むけど…」

御馳走になっても良かったのかな、と悩むお子様。

ぶるぅ 「キースがお坊さんになったの、ブルーは無関係…」
ブルー 「それは気にしなくてもいいと思うよ、ぶるぅ」

ぼくたちはダシにされたんだから、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「キースに上手く使われただけだし、問題なし!」
ぶるぅ 「そっかあ! 良かったぁー!」
キース 「そうじゃなくてだな!」

少しは俺の話を聞かんか、とキース君、ブチ切れ。

キース 「そんな話までデッチ上げるな、一方的に!」
ブルー 「それじゃ聞くけど、有能なのかい?」
シロエ 「マツカ先輩に学ぶ件ですね」
キース 「そ、それは…」

得手不得手というものがあってだな、とワタワタ。
それで…?


2019/11/08 (Fri)

 

☆磨いておくべき


対ソルジャーの最終兵器と期待が高かった、マツカ君ですが。
メギドなキャラはキツイのだそうで、キース君に賭けるのみ。

ブルー 「得手不得手って…。マツカのスキルはさ…」
シロエ 「こう、社会生活に繋がりませんか?」

お坊さんの世界も同じなのでは…、とシロエ君のツッコミ。

シロエ 「確かにキツいキャラなんですけど、あれだって…」
ブルー 「お坊さんの中には少なくないねえ、あんなのも」

ぼくが温厚な方なだけで…、と生徒会長、いえ、銀青様も。

ブルー 「高僧と言っても色々なタイプがいるからさ…」
ジョミー「キースはタイプじゃないにしてもさ…」
サム  「スキルとしては磨いておけよな、損はねえから」
キース 「そう言われても…!」

俺の場合は使う場が無い、とキース君、必死の言い訳。

キース 「永遠の副住職で決定なんだし、あのキャラは…」
シロエ 「身につけるだけ、ムダだと言いたいんですか?」
キース 「そんな所だ、活かす場面が無いからな」

どうにもならん、と言ってますけど。

シロエ 「それ、本当にそうでしょうか?」
キース 「はあ?」
シロエ 「使う場所です、あのキツいキャラを」

本当に全く無いんですか、とシロエ君、副住職をジロリと。

シロエ 「マツカ先輩は、誰に使ってましたっけねえ?」
サム  「あー! あの馬鹿野郎に使うのな!」
シロエ 「そうなんです。誰かさん限定でいいんですよ」

キース先輩が引き寄せてしまうアレですね、と立てる親指。

シロエ 「ゴキブリホイホイのパワーアップに、是非!」
ブルー 「うん、あのキャラなら間違いないね」
キース 「し、しかし…!」

どうやってアレを学べばいいのか…、とキース君、オロオロ。

キース 「一日弟子入りでは難しかったし、マツカもだな…」
マツカ 「師匠は当分、勘弁させて頂きたいです」
キース 「ほら見ろ、マツカもこう言っている!」

だから無理だ、と懸命に否定している副住職。
でも、通りますか…?


2019/11/09 (Sat)

 

☆日常でこそ修行を


対ソルジャーの最終兵器だと、誰もが期待していたマツカ君。
ところが本人にとってはストレス、そうそう使えないらしく。

キース 「マツカが嫌だと言っているんだ、俺の師匠は!」
マツカ 「すみませんけど、当分の間、お休みを…」

頂きたいと思うんですよ、と申し訳なさそうな御曹司。

マツカ 「皆さんの期待は分かるんですけど、でもですね…」
サム  「胃がキリキリと痛みそうなのな?」
マツカ 「はい。ずっとキースの師匠となると…」

無理すぎるんです、と俯き加減。

マツカ 「あのキャラが地だったら、いいんですけどね」
サム  「もったいねえなあ、マジですげえのに」
シロエ 「とはいえ、無理は言えませんよね、ぼくたちも」

マツカ先輩の胃に穴が開いたら大変ですから、とシロエ君。

シロエ 「それこそ誰かさんの思う壺ですよ、絶対に!」
スウェナ「鬼の居ぬ間に洗濯、ってことになりそうだわねえ」
ブルー 「調子に乗るのは間違いないね」

だからキースが頑張りたまえ、と生徒会長、腕組みを。

ブルー 「マツカに学んだことを活かして、自分を磨く!」
キース 「いったい、何処で磨けと言うんだ!」

修行する場所が無いだろうが、と副住職の反撃。

キース 「なにしろ親父はあの通りだし、どうにもならん!」
ブルー 「その気になったら、何処でも出来るよ」
キース 「はあ?」
ブルー 「それが修行というものだろう?」

日常においてこそ、心構えが問われるもの、と銀青様モード。

ブルー 「日々の暮らしこそ修行の場所だ、と習った筈だよ」
キース 「そ、それはそうだが…」
ブルー 「だったら、修行の精神で!」

マツカを見習って生きてみようか、と赤い瞳に鋭い光が。

ブルー 「あの温厚さが、キツいキャラを支えているんだよ」
シロエ 「言えますね、それは」
ブルー 「キースも、まずはそこからだね」
キース 「なんだって!?」

今度は何をしろと言うんだ、と慌てる副住職。
温厚なキャラ…?


2019/11/10 (Sun) 

 

☆温厚なのを目指せ


対ソルジャーの最終兵器になり得るのが、マツカ君のスキル。
けれど本人にはストレスだそうで、キース君が習得すべき今。

キース 「俺にマツカを見習えというのか、あの温厚さを?」
ブルー 「そうだけど…。マツカの場合は地なんだけどさ」
シロエ 「キース先輩だと、努力が必要そうですね」

とても温厚とは言えませんから、とシロエ君の指摘。

シロエ 「キレやすいわけじゃないんですけど、色々な面で」
キース 「俺は難アリだと言いたいのか!?」
サム  「ソレだってばよ、脊髄反射ってえの?」

なんか即座に反応するよな、とサム君が捕える言葉尻。

サム  「マズイ立場に立った時とか、一発じゃねえか」
ジョミー「アドス和尚の血なんじゃないかな」
キース 「なんだって!?」
ジョミー「だって、瞬間湯沸かし器だ、って…」

そう聞いてるよ、とジョミー君。

ジョミー「キースも、その血を引いてるんだよ、確実にさ」
シロエ 「そうかもですねえ、血は争えませんね」
キース 「おい、貴様ら!」
ブルー 「やっぱり、そこから変えていかないとね」

言ってる端から、マツカとは逆になってるから、と生徒会長。

ブルー 「マツカだったら、今頃、反省モードだよ」
キース 「う、うう…」
ブルー 「温厚なキャラを目指していこうか、キースもね」

そうすれば怖いキャラも生きるよ、とニッコリと。

ブルー 「誰かさんだって、きっとドン引きするから」
キース 「怖いキャラでか?」
ブルー 「そうなる前の、温厚な方!」

激しく不気味だろうからね、と生徒会長、ニンマリ。

ブルー 「どんなに無茶なことを言おうが、笑顔なんだよ?」
シロエ 「あー…。それは本当に怖そうです」

裏があるんだと思いますよね、と大きく頷くシロエ君。

シロエ 「誰かさんも、動きづらいと言うか…」
ブルー 「抑止力になると思うんだよね」
キース 「そういうことか…」

別の意味での最終兵器か、とキース君、納得。
核兵器ですね?


2019/11/11 (Mon)

 

☆温厚なキャラで


対ソルジャーの最終兵器で、メギド級だと言われたマツカ君。
けれど続かない怖すぎるキャラ、キース君の努力あるのみ。

キース 「あの馬鹿野郎を、動きづらくしてやるんだな?」
ブルー 「うん。何を言っても笑顔だったら、怖いからねえ」
シロエ 「マツカ先輩なら普通ですけど、キース先輩では…」

誰かさんじゃなくても怖がりますよ、とシロエ君。

シロエ 「ぼくだって、背筋が寒くなりそうですしね」
キース 「お前なあ…。俺を何だと思ってるんだ!」
シロエ 「ほら、それがキース先輩のデフォなんですから…」

早速、直していきませんか、とシロエ君の提案。

シロエ 「善は急げと言うでしょう? 今から、早速!」
ブルー 「いいねえ、修行は日頃から積んでゆくものだから」
キース 「し、しかし…」
ブルー 「マツカに一日弟子入りするより、マシだろう?」

下僕モードは不要だしね、と生徒会長、ニコニコと。

ブルー 「温厚に振る舞えばいいだけなんだし、簡単だよ」
サム  「うんうん、道場とかでも同じだろうしよ」

古参を相手にキレられねえし、とサム君も。

サム  「此処は道場だと思えば、全く問題ねえじゃねえか」
ブルー 「サムの言う通りだね、頑張りたまえ」

温厚なキャラを身につけたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「それが無理なら、諸悪の根源を続けるんだね」
シロエ 「とても迷惑なんですけどね、アレ」
キース 「うう…」

やってみるか、とキース君、スウッと大きく深呼吸。

キース 「温厚なキャラだな、努力してみよう」
シロエ 「キース先輩、ファイトです!」

無能じゃないなら出来る筈です、とシロエ君のエール。

シロエ 「ぼくをガッカリさせないで下さい、お願いします」
キース 「お前が勝手に、俺を無能にしたんじゃないか!」
ブルー 「ほら、やらかした! そこは温厚に!」
キース 「す、すまん…!」

俺が悪かった、とキース君、頭をペコペコ。
こんな調子で大丈夫?


2019/11/12 (Tue)

 

☆修行は此処から


対ソルジャーの最終兵器っぽいマツカ君、常時は無理だとか。
仕方ないのでキース君を育成しよう、という計画が発動で…。

ブルー 「いいかい、温厚なキャラは、まず、怒らない!」
キース 「…そのようだな」
ブルー 「それから控えめ、これも大切!」

マツカは決して威張らないよね、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「その精神も大切なんだよ、極めるにはね」
キース 「極めるのか?」
ブルー 「最終的には極めて欲しいね、出来るものなら」

あんまり期待はしてないけどさ、とフウと溜息。

ブルー 「形だけでもマスターしたなら、少しはマシかと」
シロエ 「誰かさんも調子が狂いますよね、そうなれば」
スウェナ「きっとそうだわ、頑張りなさいよ!」

平和のために、とスウェナちゃんも。

スウェナ「大迷惑はもう勘弁して欲しいわね」
キース 「努力する…」

やってみよう、と決意の副住職。

キース 「とはいえ、何から変えればいいのか…」
ブルー 「気付いたトコから直せばいいよ」
キース 「学校でもか?」
ブルー 「あそこは特区ってことでいいかな」

先生方の調子が狂うし、と生徒会長、苦笑い。

ブルー 「素直で温厚なキースは怖いよ、先生だって」
シロエ 「グレイブ先生でもビビリそうですね…」
サム  「どっちかってえと、ドン引きだぜ」

だから学校ではやめておけよな、とサム君も同意。

サム  「修行は此処でやるってことでよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 精進料理も用意する?」

キースの分だけ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

キース 「いや、それは…!」
ブルー 「お気遣いなく、と言うんだよ」

脊髄反射で返事はダメだ、と生徒会長、ビシバシと指導。

キース 「わ、分かった…。気持ちだけ頂いておく」
ぶるぅ 「じゃあ、欲しくなったら注文してね!」
キース 「有難い。その時は、美味い料理を頼む」
ぶるぅ 「オッケー!」

此処で修行だね、と飛び跳ねるお子様。
どうなりますやら…。


2019/11/13 (Wed)

 

☆演技でいいから


対ソルジャーな最終兵器と噂のマツカ君、素晴らしいスキル。
それをキース君も身につけるべき、と修行を積むことに。

ブルー 「いいかい、此処にいる間は修行の時間だからね」
キース 「心得た。温厚なキャラを演じるんだな」
ブルー 「うん、演じるしかないだろうねえ…」

地じゃないからね、と生徒会長、お手上げのポーズ。

ブルー 「よっぽどでないと、性格なんて変わらないしさ」
シロエ 「変わることって、あるんですか?」
ブルー 「死ぬほどの目に遭ったら、場合によっては」

変わるらしいよ、と生徒会長。

ブルー 「大病をするとか、瀕死の事故から生還するとか」
サム  「へええ…。だったらキースも、事故ればよ…」
ジョミー「マツカみたいになるってことかな?」
ブルー 「それはどうだか…。それより努力の方が早いね」

事故った場合は、リハビリとかね、とマジレスが。

ブルー 「その分、時間のロスになるから…。大病でもさ」
シロエ 「あー…。ついでに、誰かさんのリスクも…」
ブルー 「多分、増大すると思うよ、復帰するまで」

キースの代わりにアレを崇めろとか、色々と…、と溜息。

ブルー 「そうなった時は、ぼくがババでさ…」
サム  「俺たちの迷惑は変わらねえのな?」
ブルー 「なにしろ、相手がアレだからねえ…」

キースが努力した方がマシ、とブツブツブツ。

ブルー 「というわけでね、演技でいいから頑張りたまえ」
キース 「出来るだけのことはしてみよう」
ブルー 「もっと謙虚に!」

温厚なキャラでね、と飛ぶ注意。

キース 「すまん、出来るだけ、誠心誠意…」
ブルー 「その調子!」

此処へ来た日は温厚なキャラ、と生徒会長の指導。

ブルー 「ぼくが言わなくても、心得ておく!」
キース 「俺の地になればいいんだが…。難しそうだ」
ブルー 「慣れれば、いけるよ」
キース 「そうなることを祈るしかないな」

此処で修行だ、と決意を固める副住職。
さて、どうなる…?


2019/11/14 (Thu)

 

☆何処も混みます


対ソルジャーな最終兵器っぽい、マツカ君の凄すぎるスキル。
キース君も身につけるべく、生徒会長宅で修行と決まって…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
シロエ 「おはようございます、今日もお邪魔しまーす!」
ブルー 「ゆっくりしてよね、何処も観光客で一杯だから」

紅葉シーズンは仕方ないけど、と生徒会長が出迎える週末。

ブルー 「休日でなくても混むからねえ…。名所ってヤツは」
スウェナ「此処へ来るバスも一杯だったわ、早い時間なのに」
ブルー 「みんな早めに行きたいんだよ、空いてる内にね」

特に写真撮影が目当ての人は…、と生徒会長。

ブルー 「観光客が写っていたんじゃ、絵にならないから」
サム  「観光案内の写真は、ヤラセだよなあ…」

人っ子一人いやしねえから、とサム君が広げる両手。

サム  「お寺にしても、神社にしてもよ、あんなのはよ…」
ブルー 「拝観時間よりも前しか撮れないね、うん」
ジョミー「だけど撮れると思って行くのが、観光客かな?」
ブルー 「それと、開門前から待つアマチュアだね」

暗い内から三脚持参で立ってるし、と生徒会長、クスクスと。

ブルー 「でもって、門が開いたらダッシュでさ…」
キース 「目当ての場所に一直線なんだ」

正直、やめて欲しいんだがな、と副住職。

キース 「ウチの寺では、紅葉の客はいないんだが…」
サム  「璃母恩院かよ?」
キース 「ああ。その内に誰かが事故りそうでな」

そうなった時が厄介だろうが、と顰める顔。

キース 「寺は全く悪くないのに、文句を言われる」
シロエ 「今日びはうるさいですからねえ…」

殺伐とした世の中ですよ、とシロエ君、同意ですけれど。

シロエ 「ところで先輩、そういうキャラでいいんですか?」
サム  「あー…。マツカだったら、そうは言わねえよな」
ブルー 「言わないねえ…」
キース 「そんな所までか!?」

温厚なキャラで行けというのか、と副住職。
修行ですしねえ…?


2019/11/15 (Fri)




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☆マスカットな紅茶


対ソルジャーの最終兵器になりそうだ、と噂の人がマツカ君。
キース君もスキルを学ぶべきだ、と一日弟子入り中ですけど。

Aブルー「ぼくだけ、マスカット入りの紅茶だって?」
マツカ 「そうですよ? 美味しそうだと仰いましたし」
キース 「マスカットを搾って入れる案なら、俺だがな」

あんたの好きな香りになるぞ、とキース君、ニヤニヤ。

キース 「シャインマスカットは高いらしいが、贅沢に!」
Aブルー「そ、そんな…! 何か間違っていそうだけど…!」
マツカ 「どの辺がですか?」
Aブルー「ぼくにだけ、っていう所だよ! みんなは違って」

正しいのなら、みんな同じになる筈だよね、と流石な分析。

Aブルー「マスカット入りじゃないんだろう? 本物は!」
マツカ 「もちろんです。マスカットは香りの例えですから」
Aブルー「や、やっぱり…! ぼくも普通に淹れた紅茶を…」

貰うことにするよ、とソルジャー、慌てて宗旨替え。

Aブルー「マスカットなんか入ってなくても、美味しいよね」
キース 「そう遠慮するな、搾る手間なら大してかからん」
マツカ 「ええ。せっかくですから、キースにも…」

ちょっと頑張って貰いましょうか、とマツカ君、ニッコリ。

キース 「任せろ、シャインマスカットを買ってくる!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 冷蔵庫に入ってるよ!」
キース 「ありがたい。だったら、そいつを搾って…」

紅茶に混ぜればいいんだな、と立てる親指。

キース 「ダージリンを淹れるよりかは、簡単そうだ」
マツカ 「いえ、そこは本格派でお願いします」
キース 「本格派だと?」

なんだそれは、とキース君、キョトンとした顔。

キース 「マスカットを入れるような邪道に、本格派なぞ…」
マツカ 「フルーツティーをご存じないですか?」
キース 「フルーツティーだと?」
マツカ 「ええ。ドライフルーツで香りをつけるんですけど」

そこの所を本格的にやって頂きましょう、と御曹司。
レーズンを用意…?


2019/10/16 (Wed)

 

☆マスカットの香りを


対ソルジャーの最終兵器として、皆の期待大な人がマツカ君。
キース君もスキルを学ぶべきだと、只今、一日弟子入り中で。

キース 「ドライフルーツで香りをつけた紅茶か…」
マツカ 「有名なところだと、アップルティーですね」
スウェナ「ああ、リンゴの香りがするお茶ね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 他にも色々あるよ!」

安物だと人工香料だけど…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「量り売りをしてるお店だったら、間違いないよ」
シロエ 「なるほど、お茶の葉っぱを確認できるからですね」
ぶるぅ 「そうなの! 香りもイメージできちゃうし!」

サンプルが出ているもんね、と弾ける笑顔。

ぶるぅ 「気の利いたお店だと、試飲も出来るよ!」
キース 「分かった、買いに行けばいいんだな?」

マスカットが入ったフレーバーティーを、と頷くキース君。

キース 「ドライフルーツなら、レーズンなんだろうが…」
ジョミー「見分けは簡単そうだよね。マスカットだしさ」
サム  「普通のレーズンとは色が違ってくる筈だぜ、うん」
キース 「よし、行ってくる! そいつを買いに!」

お勧めの店は何処なんだ、とマツカ君に視線を。

キース 「それとも、ぶるぅの方がいいのか?」
マツカ 「いえ、そうじゃなくて…。買う必要はありません」
キース 「なんだって!?」
マツカ 「シャインマスカットは、あるそうですしね」

冷蔵庫に、と御曹司の笑み。

マツカ 「ぶるぅ、セイロンティーも置いてますよね?」
ぶるぅ 「うんっ、基本の紅茶は揃えてるもん!」
マツカ 「でしょうね、それなら安心ですよ」

後はキースの頑張りだけです、とマツカ君、ニッコリ。

マツカ 「最高のフルーツティーを、淹れてあげて下さいね」
キース 「話がサッパリ見えないんだが!」
ぶるぅ 「シャインマスカットの香りにするんだよね?」
マツカ 「ええ、簡単なことですよ」

流石、ぶるぅは分かってますね、と言ってますけど。
どうしろと…?


2019/10/17 (Thu)

 

☆新鮮なフルーツで


対ソルジャーの最終兵器になり得る、期待の人がマツカ君。
キース君にも体得して欲しいスキルで、一日弟子入り中な今。

Aブルー「え、えっと…。マスカットの香りの紅茶ってさ…」
マツカ 「はい、なんでしょう?」
Aブルー「真っ当なモノに聞こえるんだけど、そうなわけ?」
マツカ 「そうですけれど?」

ご期待に応えられると思いますよ、と御曹司の微笑み。

マツカ 「キースが頑張ってくれれば、の話ですけどね」
Aブルー「そうなんだ? ゲテモノじゃなくて?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ マツカが言うのは、上級スキル!」

お茶会をするような人向けの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

シロエ 「お茶会…ですか?」
スウェナ「お茶室でやるアレじゃないわよね?」
ぶるぅ 「もちろん、アフタヌーンティーとかの方!」
サム  「へええ…。西洋茶道かよ」

そっちの道のフルーツティーな、とサム君、納得の表情。

サム  「そうなってくると、凝ってそうだぜ」
マツカ 「ええ。新鮮なフルーツの香りが一番ですしね」
ぶるぅ 「イチゴとかリンゴも使うんだけど…」

マスカットだって素敵だよね、と飛び跳ねるお子様。

ぶるぅ 「キース、頑張ってねーっ!」
キース 「ど、どうしろと言うんだ、俺に…!」
マツカ 「ガラスのポットで淹れるんですよ」
キース 「ガラスだと!?」

割れないのか、とキース君、ガクブル。

ぶるぅ 「えとえと…。耐熱ガラス、知らないの?」
マツカ 「ガラスのポットもありますよね?」
ぶるぅ 「うんっ! キャンドルを使うウォーマーも!」
キース 「おい、蝋燭まで使うのか?」

まさか蝋燭で湯を沸かすのか、と半ばパニックなキース君。

キース 「とんでもなく時間がかかりそうだが…!」
マツカ 「大丈夫ですよ、中身は淹れた紅茶ですから」
ぶるぅ 「それから、シャインマスカットだよね!」
キース 「俺にどうしろと…?」

話が全く見えんのだが、とキース君、オロオロ。
淹れ方は…?


2019/10/18 (Fri)

 

☆フルーツの香りを


対ソルジャーの最終兵器になれそうな人が、マツカ君でして。
キース君にも、そのスキルをと、只今、一日弟子入り中で…。

キース 「マスカットだとか、蝋燭だとか、どんな紅茶だ!」
マツカ 「さっきから言っているでしょう? 本格的にと」
ぶるぅ 「シャインマスカットの香りを、移すだけだよ!」

簡単だも~ん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「んとんと、ガラスのポットを用意して…」
マツカ 「まず、シャインマスカットを入れるんですよ」
キース 「……丸ごとなのか?」
マツカ 「房からは外して頂きますが…。そして洗って」

適量をガラスのポットの中に…、とマツカ君の説明。

マツカ 「用意が出来たら、セイロンティーを淹れます」
キース 「そのポットに茶っ葉を入れるんだな?」
マツカ 「いえ、そうじゃなくて…」
ぶるぅ 「別のポットで、きちんと淹れるの!」

でなきゃダメだよう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が顰める顔。

ぶるぅ 「そこのトコがポイントなんだから!」
マツカ 「そうなんです。セイロンティーは必ず、別に」
キース 「わ、分かった…。一人前でいいんだな?」
マツカ 「三人前は欲しいですねえ、おかわり用に」

すぐに淹れられるよう、多めが基本ですよ、と御曹司。

マツカ 「セイロンティーが出来上がったら、ポットの方に」
キース 「なるほど…。勢いよく注いでかまわないのか?」
マツカ 「ええ。注いだら、キャンドルに点火です」
キース 「はあ?」

紅茶は出来ているじゃないか、とキース君が傾げる首。

キース 「完成品だと思うんだが…?」
マツカ 「ここからが大切なんですよ」

フルーツティーの出来が左右されます、とキッパリと。

マツカ 「ガラスポットを、ゆっくり温めてやるとですね…」
ぶるぅ 「フルーツの香りがしてくるから…」
マツカ 「香りが移ったら、注ぐんですよ」
キース 「そう言われても…」

見極めが難しそうなんだが、と唸る副住職。
それは確かに…。


2019/10/19 (Sat)

 

☆初心者でも大丈夫


対ソルジャーの最終兵器になれそう、と期待されるマツカ君。
そのスキルをキース君も学ぶべき、と只今、一日弟子入り中。

キース 「香りが移ったら注ぐ、と言われても、だ…」
マツカ 「そのタイミングが分かりませんか?」
キース 「当然だろうが、初心者だぞ、俺は!」

フルーツティーなぞ淹れた経験は無い、と副住職。

キース 「玉露とかなら、どうとでもなるが…」
マツカ 「誰にでも初めてはありますよ。頑張って下さい」
キース 「しかし、失敗したらだな…!」
マツカ 「ああ、その点なら大丈夫ですよ」

何も心配は要りませんから、と御曹司の笑顔。

マツカ 「飲む人だって分かってませんし、充分です」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
マツカ 「何か問題、あったでしょうか?」

初めてお飲みになるんでしょう、と視線がソルジャーに。

マツカ 「ダージリンを勘違いしておいでだったほどで…」
Aブルー「うっ…。そ、それは確かにそうだけど…」
マツカ 「だったら、香りは二の次ですよ」

最高だろうが、不出来だろうが…、とニッコリと。

マツカ 「シャインマスカットの香りがすれば、いいんです」
キース 「なるほどな…! そういうことか」
マツカ 「そうなんですよ、安心して淹れて下さいね」

この方には猫に小判ですから、とキッツイ言葉が。

Aブルー「ね、猫に小判って…!」
マツカ 「豚に真珠の方がお好みでしたか?」
Aブルー「そこじゃなくって…!」

あんまりすぎると思わないかい、とソルジャー、必死の形相。

Aブルー「ぼくの紅茶はどうでもいいとか、その辺が…!」
マツカ 「そこまでは言っていませんけどね?」

キースにエールを送っただけです、と穏やかな笑み。

マツカ 「緊張しすぎると、ろくな結果になりませんから」
Aブルー「そうは聞こえなかったけど…?」
マツカ 「事実を述べただけですよ」
一同  (((凄い…)))

やっぱり全く負けていない、と一同、感動。
最終兵器…。


2019/10/20 (Sun) 

 

☆豚に真珠な人


対ソルジャーの最終兵器になれるのでは、と話題のマツカ君。
キース君もスキルを学ぶべきだと、一日弟子入り中ですけど。

Aブルー「事実を述べただけだって? 今のが、ホントに?」
マツカ 「そうですけれど? ご不審な点でもありますか?」

あると仰るなら、お答えさせて頂きますが、と御曹司。

マツカ 「もちろん、ぼくの分かる範囲になりますけれど」
Aブルー「猫に小判とか、豚に真珠っていうのがさ…!」
マツカ 「ああ…。そういう言い方、無いんでしょうか」

SD体制の世界でしたね、とマツカ君、大きく頷きまして。

マツカ 「小判は当然、無い筈ですし…。真珠の方も…」
Aブルー「もう思いっ切り貴重品だよ、本物ならね!」
マツカ 「それなら、今のも通じるでしょう?」
Aブルー「あのねえ…!」

豚に真珠ってトコが問題、とソルジャー、グッと拳を。

Aブルー「それはどうかと思うんだけど…!」
マツカ 「すみません。もしかして、豚も貴重でしたか?」

黒毛和牛並みに高級ですか、と御曹司の問い。

マツカ 「そうなってくると、豚に真珠は無いですね」
Aブルー「この際、それでもいいからさ…!」

もうちょっと、マシな認識を…、とソルジャーの注文。

Aブルー「同じ飲むなら、美味しい紅茶がいいんだよ!」
マツカ 「ですから、じきにキースがですね…」
Aブルー「適当でいいと言ったよ、さっき!」

どうせぼくには分からないよ、とブツブツブツ。

Aブルー「フルーツティーなんかの香りはさ…!」
マツカ 「だったら、問題ないですよ」
キース 「俺も全く同意見だ」

要は香りの問題だしな、と副住職もマツカ君サイドに。

キース 「それっぽい香りがしてれば、充分だろうが!」
マツカ 「お望み通りのマスカットの香りですからね」
Aブルー「だからさ、それを最高のクオリティで…!」
マツカ 「でも、お分かりにはなりませんしね…」

最高も何もありませんが、とマツカ君、深い溜息。
キツすぎる台詞…。


2019/10/21 (Mon)

 

☆文句があるなら


対ソルジャーの最終兵器と期待されている、マツカ君ですが。
一日弟子入り中のキース君の前で、強烈な台詞を展開中。

マツカ 「値打ちというのは、分かってなんぼですからね」
Aブルー「え、えっと…?」
マツカ 「お分かりになるなら、尽力する価値もありますが」

まるでお分かりにならないのでは…、と両手を広げる御曹司。

マツカ 「キースも骨折り損になりますし、気の毒ですよ」
Aブルー「ぼくは気の毒じゃないって言うわけ!?」
マツカ 「いえ、そんなことは全く言ってませんが」

不味い紅茶なら、そうなりますけど、とマツカ君、ニッコリ。

マツカ 「香りだけなら、さほど問題ありませんってば」
Aブルー「でもねえ…!」
マツカ 「マスカットの香りの高さを、お楽しみ下さい」

本物の果物の香りは最高ですから、と温厚な笑み。

マツカ 「ドライフルーツを使うだけでも、変わるんですよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ホントにいい香りだもんね!」
キース 「そこを新鮮なので淹れてやるんだ、文句があるか」

このキース様が心をこめて…、と副住職も。

キース 「それじゃダメだと言うんだったら、断るが!」
マツカ 「キース、その言い方はちょっと…」
キース 「ああ、すまん。つい、イラッとして…」
マツカ 「いけませんねえ、お客様に喧嘩を売っては」

そういう時は、お願いすればいいんですよ、とマツカ君。

キース 「お願いだって?」
マツカ 「ええ。ご自分でどうぞ、とお勧めするんです」
Aブルー「待ってよ、自分でやるって、何を?」
マツカ 「もちろん、フルーツティーですよ」

どうぞ、お好みの量のフルーツで…、とニコニコニコ。

マツカ 「シャインマスカットを、お好きなだけポットに」
キース 「なるほどな…。そしてセイロンティーを注ぐ、と」
マツカ 「そうなんです。それなら間違いないですからね」
Aブルー「ぼくが淹れるわけ!?」

なんでそういうことになるのさ、と言ってますけど。
何か…?


2019/10/22 (Tue) 

 

☆ご自分でどうぞ


対ソルジャーの最終兵器になれそう、と期待されるマツカ君。
一日弟子入り中のキース君の前で、ソルジャーに笑顔で応対。

マツカ 「こだわりの点がおありでしたら、ご自由にどうぞ」
Aブルー「だからって、なんで自分で淹れなきゃダメだと?」
マツカ 「ご存じないですか? 最高のおもてなしですよ」

キッチンを好きにお使い頂くのは、と御曹司。

マツカ 「正確に言えば、使用人ごと貸すわけですけど…」
Aブルー「それなら、キースに淹れさせてよ!」
マツカ 「大事なポイントは、紅茶な所になりますが」
Aブルー「だったら、尚更、キースの仕事で…!」

お客様は淹れなくていい筈だ、とソルジャー、仏頂面。

Aブルー「ぼくは納得いかないね! その理屈はさ!」
マツカ 「あのですね…。紅茶は、とても繊細なんです」
Aブルー「それがどうだと言うんだい?」
マツカ 「使用人任せじゃ、好みの味にならないことも…」

ですから、モーニングティーは執事が淹れます、とマツカ君。

マツカ 「あ、ぼくの家の話じゃないですよ? 本場です」
Aブルー「本場って?」
マツカ 「アフタヌーンティーの国ですね」

執事が枕元で淹れるものです、という朝一番の紅茶。

マツカ 「メイドには任せられない仕事で…」
Aブルー「ふうん? それで…?」
マツカ 「そんな飲み物だけに、気軽に飲みたい時は…」

ティーセットを運ばせるんですよ、とニッコリと。

マツカ 「そして自分で茶葉をポットに、お湯も好みで」
Aブルー「えっ…?」
マツカ 「頃合いを見てカップに注げば、完璧なんです」

確実に自分好みになりますからね、と柔和な笑顔。

マツカ 「ですから、フルーツティーの場合も…」
キース 「俺は用意をするだけなんだな、茶葉とかの?」
マツカ 「そうなりますね、他はお任せするのがいいです」
Aブルー「手抜きじゃないか!」
マツカ 「いえ、おもてなしです」

ご自分でどうぞ、と言ってますけど。
どうなるんでしょう…?


2019/10/23 (Wed) 

 

☆飲み頃を贅沢に


対ソルジャーの最終兵器になれる、と誰もが期待なマツカ君。
一日弟子入り中のキース君にお手本よろしく、只今、絶好調。

Aブルー「ぼくは食べるの専門なんだよ、何処に行っても!」
マツカ 「存じてますよ、そちらのシャングリラ号ですね?」
Aブルー「そう! 自分で用意はしないから!」
マツカ 「お菓子を盗んでらっしゃるのでは…?」

確か、厨房にお出掛けになって…、とマツカ君の切り返し。

マツカ 「頼んだのでは、栄養豊富な食事しか出ない、と」
Aブルー「ぼくのハーレイがうるさいんだよ!」

それにノルディも文句を言うし…、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「栄養剤でいいって言っているのに、食べろって!」
マツカ 「それが嫌で、お菓子を盗むんですよね?」
Aブルー「でないと満足に手に入らないしね!」
マツカ 「紅茶も、それほど変わりませんよ」

お好みの味で召し上がれますよ、と御曹司のプッシュ。

マツカ 「香り高いのを、飲み頃に頂く贅沢です」
スウェナ「憧れるわよねえ、そういうティータイム!」
ブルー 「アフタヌーンティーの始まりは、それだからねえ」
Aブルー「そうなわけ?」

もしかして自分で淹れてたわけ、とソルジャーの問い。

Aブルー「執事が恭しく淹れるんじゃなくて…?」
ブルー 「貴婦人が一人で飲んでたんだよ、自分の部屋で」
Aブルー「ええっ?」
マツカ 「夕食までにお腹が空くから、と始めたんです」

ですから寛ぎの時間ですね、と御曹司も。

マツカ 「好きなように紅茶を注いで、お菓子を食べて…」
ブルー 「マナーも何も無かったんだよ、最初はね」

高価な紅茶を味わうだけで、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「だからね、君も最高の贅沢を楽しみたまえ」
Aブルー「自分で紅茶を淹れろ、って?」
マツカ 「ええ、他の皆さんとは違う紅茶を存分にどうぞ」
Aブルー「何か違う気がするんだけど…!」

絶対違う、と文句なソルジャーですけど。
どうなりますやら…。


2019/10/24 (Thu)

 

☆紅茶を淹れる人


対ソルジャーの最終兵器に、と誰もの期待が集まるマツカ君。
キース君もスキルを学ぶべきだ、と一日弟子入り中ですけど。

Aブルー「ぼくが自分で紅茶って…。厄介払いっぽいし!」
マツカ 「そう聞こえたなら、すみません。ぼくの言葉が…」

足りていなかったようですね、とマツカ君、頭をペコリ。

マツカ 「そうなさるのが一番では、と思っただけです」
Aブルー「思っただけにしといてよ! やらせずに!」
マツカ 「でも、キースが美味しく淹れられる保証は…」
キース 「まるで全く、無いと思うが?」

セイロンティーを淹れるだけでもヤバイ、と副住職。

キース 「もちろん、ダージリンもだが!」
シロエ 「あのですね…。そんな所で威張らないで下さいよ」
キース 「俺は事実を述べたまでだぞ」

美味い紅茶を飲みたかったら、自分で淹れろ、という台詞。

キース 「それが最高のおもてなしなら、お前たちもだな…」
ジョミー「ちょ、それって責任、ブン投げてない?」
サム  「そうだぜ、マツカに紅茶を頼まれたんだろ?」

話の発端はそこじゃねえかよ、とサム君の指摘。

サム  「それともアレかよ、マツカ主催の茶会かよ?」
マツカ 「ああ、そういうのも出来ますね」
一同  「「「へ?」」」
マツカ 「アフタヌーンティーの主催は、女性ですけど…」

ぼくがやってもかまいませんよ、と温厚な笑顔。

スウェナ「素敵、アフタヌーンティーを本格的に、なのね?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ やるなら、お菓子とかは任せて!」
マツカ 「そうしましょうか、そこのお方もお招きして」

フルーツティーの指南も出来ますから、とソルジャーに視線。

Aブルー「指南って何さ、嫌な予感しかしないんだけど…!」
マツカ 「美味しい淹れ方をお教えするだけですよ」
Aブルー「なら、いいかな…」
マツカ 「キースも頑張って下さいね」
キース 「なんだって!?」

紅茶はマツカが淹れるんだろう、と慌てる副住職。
その筈ですね?


2019/10/25 (Fri)

 

☆補佐役をよろしく


対ソルジャーの最終兵器になれそう、と期待されるマツカ君。
一日弟子入り中のキース君の前で、紅茶の話を展開中で…。

キース 「マツカ主催の茶会を開く、と聞こえたんだが!」
マツカ 「そうですよ? 普通は女性が開くんですけど」
キース 「念のために聞くが、紅茶は誰が淹れるんだ?」
マツカ 「それはもちろん、主催のぼくです」

アフタヌーンティーは、そういうものですからね、と御曹司。

マツカ 「ティーパーティーを開いた女性が、淹れるんです」
Aブルー「召使いの出番じゃないのかい?」
マツカ 「女主人が淹れる所に、紅茶の価値がありますね」

昔は高価な品でしたから、と説明が。

マツカ 「茶葉の箱には鍵をかけたほど、貴重だったとか」
Aブルー「なるほどね…。使用人任せには出来ない、と」
マツカ 「ええ。その頃の名残りで、主催が淹れます」
キース 「そうなってくると、俺の出番は無いと思うが…」

見学だけで終わりそうだが、と副住職の問い。

キース 「それともアレか、セイロンティーの方なのか?」
マツカ 「いいえ、そちらも、ぼくがアドバイスを」
キース 「だったら、俺は見学なんだな?」

紅茶の淹れ方を学ぶんだな、と頷くキース君ですけれど…。

マツカ 「違いますってば、キースには、ぼくの補佐役を」
キース 「補佐役だと?」
マツカ 「色々と運んで貰わなくてはいけませんしね」
キース 「なんだって!?」

いったい何を運ぶんだ、とキース君、ポカーン。

マツカ 「必要な物を、いいタイミングでお願いします」
キース 「そう言われても、俺には何も分からんのだが!」

何をどう運べばいいのやら…、と目を白黒とさせる副住職。

キース 「紅茶の淹れ方も知らんのだぞ、俺は!」
マツカ 「何を運ぶかは、その都度、お教えしますから」
キース 「無理すぎるんだが…!」
マツカ 「一日弟子入り中でしたよね?」

弟子は絶対服従じゃなかったですか、とツッコミが。
マツカ君、強し…。


2019/10/26 (Sat)

 

☆補佐役をしっかり


対ソルジャーの最終兵器になれそう、と期待の人がマツカ君。
キース君にもそのスキルを、と一日弟子入り中ですけれど…。

マツカ 「お試しで、ということですけど、弟子ですよね?」
キース 「そ、そうなるが…」
マツカ 「だったら、服従して下さい」

弟子はそういうものなんでしょう、とマツカ君、ビシッと。

マツカ 「それともアドス和尚だったら、逆らうんですか?」
キース 「い、いや、無理だ…! 逆らったが最後…」
サム  「思いっ切り、罰礼、食らうんだよなあ?」

マツカも一発、締めてやれよ、と僧籍な人。

サム  「ちょっと軽めに、罰礼三十回とかよ」
マツカ 「そうですねえ…。一度、試してみましょうか」
キース 「や、やめてくれ! アレはマトモに膝に来るんだ」

手伝いどころじゃなくなるぞ、とキース君、ワタワタ。

キース 「手伝いの途中で何か割るとか、有り得るからな」
マツカ 「それなら、やめておきますが…」

補佐役はしっかりお願いしますよ、と御曹司。

マツカ 「まずは茶器から揃えて下さい、テーブルに」
キース 「はあ?」
マツカ 「その辺はメイドの仕事ですからね、間違いなく」
キース 「カップを持って来ればいいんだな?」

人数分の…、とキース君、確認。

マツカ 「ティーポットにお砂糖、ミルクも要ります」
キース 「承知した」
マツカ 「フルーツティー用のカップや、ポットは別に」
キース 「ガラスのポット、と…」

だいたい分かった、とキッチンの方へ。

Aブルー「楽しみだねえ、本格的なアフタヌーンティー!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもお手伝い!」

スコーンにサンドイッチ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

マツカ 「作って下さるだけでいいですよ」
ぶるぅ 「えとえと…。盛り付けるトコまででいいの?」
マツカ 「ええ、後はキースがやりますからね」
ぶるぅ 「でもでも…。キース、大丈夫…?」

素人だよう、と心配しながらキッチンへ。
キース君の運命は?


2019/10/27 (Sun) 

 

☆弟子には厳しく


対ソルジャーの最終兵器になれるのでは、と噂のマツカ君。
キース君にもそのスキルを、と一日弟子入り中なんですけど。

Aブルー「本格的なティーパーティーって、素敵だろうね!」
マツカ 「ええ、きっと御満足頂けますよ」
スウェナ「だけど、キースが心配だわよ」

本当に、ちゃんと出来るのかしら、とスウェナちゃんの疑問。

スウェナ「マツカは完璧なんでしょうけど、補佐役がアレよ」
ブルー 「まあ、その辺は御愛嬌だよ、この場合」
サム  「つまり、期待はできねえのな?」
マツカ 「さあ、どうでしょうか…。キース次第ですね」

指示に従ってくれれば、ある線までは…、と御曹司。

マツカ 「ぼくの手腕も、問われることになりそうですけど」
ジョミー「キースの操縦法ってこと?」
マツカ 「そうなりますね、慣れていないので…」

どういう風にやればいいのか…、とフウと溜息。

マツカ 「プライドを傷付けては、いけませんしね…」
ブルー 「ダメダメ、そこは強気でいかなくちゃ!」

遠慮していちゃ話にならない、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「弟子のためを思えば、厳しい言葉も必要なんだよ」
サム  「そうだぜ、師僧が甘くちゃダメだしよ」
ジョミー「えーっ!? 甘いお坊さんもいる筈だよ!」
ブルー 「そういう人には、できるお弟子がつくんだよ」

代わりにビシッと叱れる兄弟子、と銀青様の解説が。

ブルー 「だからこそ、師僧の甘さが生きてくるわけさ」
マツカ 「飴と鞭を役割分担ですか?」
ブルー 「平たく言えば、そんなトコかな」

だからマツカもキースに厳しく…、と人差し指をチッチッと。

マツカ 「分かりました、努力してみます」
キース 「茶器を持って来たが…」

これでいいか、とカップを運んで来たキース君。

マツカ 「お湯の支度は出来ていますか?」
キース 「お湯だって?」
マツカ 「そうですけど?」

充分な量を沸かしてあるんですか、と質問が。
お湯の準備も必要だと…?


2019/10/28 (Mon)

 

☆こき使われる弟子


対ソルジャーの最終兵器になれそう、と期待の人がマツカ君。
キース君もスキルを学ぶべきだ、と一日弟子入り中ですが…。

マツカ 「もしかして、お湯は沸かしていないんですか?」
キース 「あ、ああ…。ぶるぅがキッチンを使っているし…」
マツカ 「それにしたって、沸かす場所はある筈ですけどね」

きちんと沸かして下さらないと…、と鋭い視線が副住職に。

マツカ 「紅茶を淹れるには、熱湯が欠かせないんです」
キース 「わ、分かった、急いで沸かしてくる!」
マツカ 「他の準備も、おろそかにしないで下さいよ」

ティーポットや茶葉も揃えて下さい、と注文が。

キース 「承知した…!」
マツカ 「サンドイッチの用意が出来たら、始めますよ」
キース 「そ、そうなのか?」
マツカ 「当然です。もう出来る頃じゃないですか?」

ぶるぅの腕は確かですから、と御曹司。

キース 「さっき、盛り付けを始めていたが…」
マツカ 「急いで下さい、乾燥したら風味が台無しです」

出来たてをお出しするのが礼儀ですよ、とキッツイ言葉が。

マツカ 「紅茶を淹れたら、すかさずサンドイッチなんです」
キース 「すまん、湯を沸かして紅茶からだな…!」

申し訳ない、と走り去る背中へ、マツカ君の声。

マツカ 「走らず、優雅にお願いします」
キース 「は、はいっ!」

キリッと敬礼、そそくさと消えて、戻って来まして…。

キース 「ティーポットと、こっちがガラスのポットで…」
マツカ 「お湯は?」
キース 「只今、すぐに!」

お持ちします、と下僕モードでキッチンへ。

マツカ 「始めましょうか、まずはダージリンで」
Aブルー「ぼくの分は?」

ポットにシャインマスカットだよね、とソルジャーの問い。

Aブルー「届いてるから、適当に入れていいのかな?」
マツカ 「ええ、マスカットの量はお好みで」
Aブルー「じゃあ、たっぷりと!」

甘いブドウだしね、とガラスのポットに。
そこへセイロンティー…?


2019/10/29 (Tue) 

 

☆弟子には容赦なく


対ソルジャーの最終兵器になれる、と噂される人がマツカ君。
一日弟子入り中のキース君ですけど、下僕モードでお手伝い。

Aブルー「シャインマスカットは、このくらいでいいかな?」
マツカ 「そうですね。では、セイロンティーの用意を」
Aブルー「どうすればいいんだい?」
マツカ 「別のポットで作るんですが…、って、キース!」

忘れてますよ、とキッチンから戻ったキース君をジロリ。

キース 「な、何をだ? 湯を持って来たが…」
マツカ 「セイロンティー用のポットですよ!」
キース 「それも要るのか?」
マツカ 「もちろんです。ガラスのポットはその後なんです」

大至急ですよ、と指差すキッチンの方角。

キース 「さ、サンドイッチが出来てるんだが…!」
マツカ 「紅茶が無いと始まりません!」

とにかくポット、と言われたキース君、慌ててポットを持参。

キース 「すまん、これでいいか?」
マツカ 「今ので、お湯が冷めました。沸かし直しで」
キース 「申し訳ない…!」

やり直してくる、と急ぐ背中へ、御曹司の追い打ち。

マツカ 「サンドイッチも出来てるんなら、お湯の続きに」
キース 「続きと言うと…?」
マツカ 「お茶会の流れが途切れないよう、速やかにです」
キース 「了解した…!」

お湯の続きにサンドイッチ…、とキッチンの方へ。

Aブルー「ポットは来たけど、どうするんだい?」
マツカ 「この茶葉がセイロンティーですから…」

スプーンで掬ってポットの中へ、とマツカ君の指南。

マツカ 「こうです、ぼくのはダージリンですが」
Aブルー「えーっと、こうして…」
マツカ 「そのくらいですね」

そこへ戻ったキース君。

キース 「湯を持って来たぞ」
マツカ 「どうも。サンドイッチもお願いしますよ」
キース 「分かっている…!」
マツカ 「では、ポットにお湯を注ぎましょうか」
Aブルー「ぼくもだね!」

沸かしたてのお湯、と優雅に始まるお茶会。
キース君だけ、下僕…。


2019/10/30 (Wed) 

 

☆お茶会と使用人


対ソルジャーの最終兵器になれそう、と期待の人がマツカ君。
キース君にもそのスキルを、と一日弟子入り中で、下僕な今。

マツカ 「セイロンティーは、そろそろガラスのポットに」
Aブルー「シャインマスカットの上に注ぐんだね?」
マツカ 「ええ。注いだら、ウォーマーのキャンドルに…」

火を点けて温めて下さいね、と説明が。

Aブルー「えーっと、こう…。うわっ、いい香り!」
マツカ 「マスカットの香りになったでしょう?」
Aブルー「ビックリしたよ。後は適当?」
マツカ 「お好みの所でカップにどうぞ。ぼくたちは…」

ダージリンです、と優雅な手つきでカップにトポトポ。

マツカ 「順に回して下さいね」
サム  「おう! ここはキースの出番じゃねえのな?」
マツカ 「本格的にやるなら、ゲスト同士で配るんですよ」
キース 「サンドイッチを持って来たが…」

ドンとテーブルに置こうとするのを、マツカ君が制止。

マツカ 「お皿に取り分けて配って下さい」
キース 「なんだって!?」
ぶるぅ 「キース、取り皿、忘れてるようーっ!」

持って来たの、と届いた人数分の取り皿。

マツカ 「良かったですね、手間が省けて」
キース 「す、すまん…。助かった、ぶるぅ」
ぶるぅ 「どういたしまして! 続きも頑張ってねーっ!」

スコーンにケーキ、と跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

キース 「ま、まさか…」
マツカ 「スコーンもケーキも、お願いしますよ」

三段スタンドは邪道ですから、とマツカ君、ニッコリ。

マツカ 「使用人の手が足りているなら、取り分けです」
スウェナ「素敵、マツカはお茶を注ぐだけね!」
マツカ 「そうなんです。キース、配ったら下がって下さい」

使用人は姿を見せないものです、と厳しい指図。

マツカ 「頃合いを見計らって、スコーンですね」
Aブルー「ケーキもよろしく!」
キース 「く、くっそぉ…」

泣けど叫べど、弟子は師匠に絶対服従。
今月、これにて中継終了~。


2019/10/31 (Thu)



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☆足りないスキル


さて、十月。流石に残暑も去ってゆく時期で、秋の気配が。
休日は生徒会長宅でのんびりするのが、シャン学メンバーで。

ジョミー「今月は何も無い筈だよねえ、変なイベント」
シロエ 「そうですねえ…。連続で食らいましたから…」

八月がお盆で、先月が秋のお彼岸で…、とシロエ君の溜息。

シロエ 「誰のせいとは言いませんけど、災難でしたよ」
スウェナ「あら、でも…。マツカのお蔭で、マシだったわよ」

お彼岸は難アリだったけれど、とスウェナちゃん。

スウェナ「だけど、例の人は暴れていないし、例年よりは…」
サム  「平和だったのは確かだぜ」

キースの法話は滑ったけどな、とサム君の苦笑。

サム  「ご先祖様がいねえヤツがいたのは、マズかったぜ」
キース 「思い切り、想定外だった…」

ご先祖様の方向に持って行きたかったのに…、と副住職。

キース 「そっちに行けたら、あの厄介なブツをだな…」
シロエ 「処分できたと言うんですか?」
キース 「それは無理だが、法要の趣旨を捻じ曲げられた」

ご先祖様を供養する方へ、と悔しそうな顔。

キース 「今後はそういう方向で、と言えたんだがな…」
スウェナ「あのねえ…。マツカとはスキルが違いすぎでしょ」

そう簡単に流れは変えられないわよ、と厳しい言葉が。

スウェナ「マツカだったら、ああいう時でもアドリブで…」
シロエ 「別のネタに持っていけそうですよね!」
ジョミー「どうかな、マツカ?」
マツカ 「そうですね…。ぼくは法話は出来ませんけど…」

話の流れの切り替えは何とか、と御曹司。

マツカ 「話をしていて、地雷を踏むことはありますからね」
一同  「「「地雷?」」」
マツカ 「それこそ、人の数だけ地雷が…」

存在すると思うんですよ、と御曹司の指摘。

マツカ 「触れたくないこととか、色々と」
一同  「「「あー…」」」
マツカ 「そういう時には…」

慌てず、話題の切り替えですよ、と穏やかな笑み。
確かにそうかも…。


2019/10/01 (Tue)

 

☆教えを請うには


秋の休日は生徒会長宅でのんびり、シャン学メンバーの定番。
只今の話題は秋のお彼岸、キース君の法話が滑ったことで…。

シロエ 「マツカ先輩なら、地雷を踏んでも安心なんですね」
マツカ 「気まずくなるとは思いますけど、切り替えですよ」

そうすれば一瞬で場が和みますから、と御曹司。

マツカ 「地雷の件は、水に流すのがコツですね」
ジョミー「触れないってことかな?」
マツカ 「ええ。場合によっては、お詫びしますけど」

お詫びが似合う場面があったら、そこですかさず、と微笑。

マツカ 「さっきはすみませんでした、と、さりげなくです」
サム  「地雷の中身には触れねえのな?」
マツカ 「そうなりますね、蒸し返してはいけませんから」

相手がピンと来ればいいんですよ、とニッコリと。

マツカ 「相手の方でも、「お気になさらず」で終わりです」
スウェナ「上級編って感じだわねえ、流石はマツカ!」
ブルー 「キースよりも法話向きだと思うよ、その話術は」

キースも勉強したらどうかな、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「この際、マツカを師匠と仰いで、教えを請うとか」
シロエ 「いいですね! マツカ先輩のスキルを習えば…」
サム  「キースもメギド級になるよな、破壊力が」
ジョミー「平和利用もオッケーなんだし、最高だよね!」

キースもメギドになればいいんだ、とジョミー君も。

ジョミー「そしたら、誰かさんがやって来たってさ…」
シロエ 「キース先輩が、自力で撃退できますしね!」

その上、マツカ先輩もいます、とシロエ君も大いに乗り気。

シロエ 「キース先輩、頑張って下さい!」
キース 「俺がマツカに教わるのか?」

どうやって…、と副住職、アイスブルーの瞳をパチクリ。

キース 「話術を習うと言ってもだ…。どうすれば…」
ブルー 「坊主の修行と同じコースで!」
キース 「はあ?」
ブルー 「師と仰ぐんだよ」

坊主は師僧に絶対服従、と銀青様の仰せ。
服従しろと…?


2019/10/02 (Wed)

 

☆一挙手一投足に学べ


休日は生徒会長宅でのんびり、シャン学メンバーの過ごし方。
マツカ君の巧みな話術が話題で、キース君にも必要だとかで。

キース 「絶対服従するのか、マツカに? 師と仰いで…?」
ブルー 「それが早いと思うけどねえ、学びたいなら」

マツカの一挙手一投足から学ぶんだよ、と生徒会長。

ブルー 「坊主の修行はそういうものだろ、本来は」
サム  「そうなのかよ?」
ブルー 「お寺の子供に生まれた場合は、別だけれどね」

お父さんやお祖父さんだと上手くいかない、と銀青様、苦笑。

ブルー 「向こうも甘くなってしまうしね、いろんな所で」
キース 「俺の親父は、甘くはないが!」
ブルー 「そうだっけ? 君を野放しにしていたけどね?」

寺を継がないと言っていたのに…、と昔の話を蒸し返し。

ブルー 「そんな息子でも高校に入れて、柔道もやらせて…」
ジョミー「お小遣いまで渡してたんだよね、多分」
シロエ 「貰っていたでしょうね、バイトしていませんから」

まあ、中学生では雇って貰えませんが、とシロエ君の証言。

シロエ 「でも、お小遣いに困った様子は無かったです」
スウェナ「野放しな上に、甘かったみたいだわねえ…」
ブルー 「これでも甘くないのかな? アドス和尚は」
キース 「うう……」

言い返せない、と言葉に詰まるキース君。

ブルー 「お寺で育つと、こういう風になるんだけどさ…」
サム  「違った場合は、また別なのな?」
ブルー 「師僧に絶対服従しながら、学ぶことになるね」

まずはお寺での生活から…、と銀青様の解説が。

ブルー 「その辺りは古参が代理だけどさ」
一同  「「「古参…」」」

怖そうな響きだ、と顔を見合わせる御一同様。

ブルー 「古参がビシバシやってる間は、お師僧様もさ…」
ジョミー「甘くなるわけ?」
ブルー 「人によるけど、基本になるのは飴と鞭かな」
一同  「「「飴と鞭…」」」

やっぱり怖そう、と一同、ガクブル。
それをマツカ君が…?


2019/10/03 (Thu)

 

☆飴と鞭な世界


生徒会長宅で休日を過ごすシャン学メンバー、副住職が話題。
マツカ君に話術を習うべきだ、という流れから師僧な方向へ。

シロエ 「飴と鞭ってことは、厳しくも甘くもあるんですね」
ブルー 「うん。叱る時にはビシッと叱って、褒める時は…」

ご褒美にお菓子をあげたりするね、と生徒会長。

スウェナ「あら、文字通りに飴なのね?」
ブルー 「お寺の修行は厳しいからねえ、お菓子なんかは…」
サム  「普通は食えねえモンなんだよなあ、下っ端はよ」
シロエ 「そこまでですか?」

精進料理だけではなくて…、とシロエ君、真っ青。

シロエ 「お菓子もダメって、キツすぎですけど」
ブルー 「休憩時間が無いくらいだから、当然だよね」
ジョミー「えっ、無いの!?」
ブルー 「あると思っていたのかい? まだまだ甘いね」

修行体験とは違うんだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「死なない程度に休ませはしても、休憩はさ…」
キース 「修行の合間に茶が飲める程度で、菓子は出ないぞ」

その茶を淹れる時間も無いんだ、と副住職の証言。

キース 「デカいヤカンに入れてあるのを、注ぐだけだな」
シロエ 「その状況だと、お菓子は貴重品ですね?」
キース 「コッソリ持ち込むことも出来んし、貴重すぎだ」
ジョミー「それじゃ、お菓子をくれる人がいたら…」

ついて行きたくなっちゃうよね、とジョミー君。

ジョミー「そのための飴と鞭なのかな?」
ブルー 「そう考えてる人も多いし、そうじゃない人も…」

考え方は人それぞれ、と銀青様の仰せ。

ブルー 「マツカの場合は、どっちになるかは…」
シロエ 「謎なんですね、やってみないと」

どうなんでしょう、とシロエ君の視線がマツカ君に。

シロエ 「マツカ先輩、お菓子を与えるタイプですか?」
マツカ 「えっと、相手はキースですよね?」
シロエ 「そうなりますけど」
マツカ 「えーっと…?」

お菓子というのも失礼な気が、と考え込む人。
さて、タイプは…?


2019/10/04 (Fri) 

 

☆お菓子の扱い方


生徒会長宅で過ごすシャン学メンバー、只今の話題は副住職。
マツカ君に話術を教わるために、弟子入りが浮上しましたが。

シロエ 「キース先輩にお菓子は、失礼なんですか?」
マツカ 「お菓子を渡すと、上から目線になりませんか?」

進物用じゃないですからね、と御曹司の難しそうな顔。

マツカ 「きちんと包んで差し上げるんなら、別ですけれど」
サム  「あー…。お中元とか、お歳暮とかな」
マツカ 「お越し下さった方に、お出ししたお菓子もですね」

召し上がらずにお帰りの時は、お包みします、とマツカ君。

マツカ 「お邪魔にならないようでしたら、と大急ぎで」
シロエ 「確かに、そういうのはありますね…」
マツカ 「そっちだったら、懐紙などの包みもアリですが…」

失礼にはならないんですけれど、と御曹司の説明。

マツカ 「それ以外だと、ちょっと包んで渡すというのは…」
ブルー 「お子様向けか、出入りの職人さん向けだよね」

大工さんとか、植木屋さんだとか…、と生徒会長も。

ブルー 「仕事が終わって帰る時にさ、ご苦労様です、と」
マツカ 「そうなんです。ですから、キースに渡すのは…」

どう転がっても、上から目線になるんですよ、と御曹司。

マツカ 「渡さない方が、いっそマシかと思うんですけど」
サム  「そうかもなあ…。キース、プライド高いしよ」
スウェナ「じゃあ、飴は無しね?」

鞭だけでビシバシいくってことね、とスウェナちゃんが確認。

スウェナ「お菓子は渡さないんだったら、そうなるんでしょ」
シロエ 「待って下さい、そもそも上から目線なのでは?」

お菓子なんかを渡さなくても…、とシロエ君。

シロエ 「マツカ先輩に弟子入りですから、立場は下です」
ジョミー「そっか、最初から下なら、お菓子でいいんだよね」
マツカ 「ぼくがキースに、お菓子を…ですか?」
サム  「鞭だけでも、かまわねえんだぜ?」

俺たちは傍観者だからよ、とサム君、キッパリ。
傍観者ですね…。


2019/10/05 (Sat)

 

☆罰礼なら任せろ


生徒会長宅で過ごす休日、マツカ君の話術の巧みさが話題に。
キース君も弟子入りするべきだ、と誰もが考えているのが今。

シロエ 「キース先輩の場合、鞭だけでもいいと思いますよ」
スウェナ「そうよね、プライドが傷付くよりかは鞭だわよ」
サム  「アドス和尚で慣れてると思うぜ、その辺はよ…」

何かと言ったら罰礼だしよ、と僧籍な人も。

サム  「マツカは罰礼、やらねえし…。遥かにマシだぜ」
マツカ 「それはまあ…。ぼくは、お坊さんじゃないですし」

罰礼のやり方だって分かりませんよ、とマツカ君、苦笑。

マツカ 「だからキースが手抜きしたって、バレませんしね」
シロエ 「あー…。そうだ、マツカ先輩、覚えませんか?」
マツカ 「何をです?」
シロエ 「罰礼ですよ、サム先輩も会長も知ってますから」

お手本を見せて頂いては…、とシロエ君の提案。

シロエ 「そうすれば手抜きを見抜けますしね、一発で!」
ジョミー「それ、いいかも…。鞭は罰礼っていうのが最高!」
キース 「ちょっと待て! 貴様ら、他人事だと思って!」
サム  「やっぱ罰礼、苦手なのな?」

ここで割り込んでくるってことは、とサム君、ニンマリ。

サム  「罰礼コースでいくのが良さそうだぜ、マツカ」
マツカ 「でも…。お坊さんの資格は持ってませんから…」
ブルー 「いくらでも貸すよ、それくらいなら!」

なにしろ免許を二枚持ちでね、と生徒会長、いえ、銀青様。

一同  「「「二枚持ち?」」」
ブルー 「そう! 二つの宗派で修行を終えているからさ…」

免許皆伝が二人前だよ、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「璃母恩院と恵須出井寺と、どっちもオッケー!」
シロエ 「だったら、貸してあげて下さい!」

そしてキース先輩を鍛えて貰いましょう、とシロエ君。

シロエ 「マツカ先輩、キース先輩を弟子にして下さい!」
マツカ 「ぼくが、キースを…?」

心の準備がありませんが、とマツカ君、ワタワタ。
さて…?


2019/10/06 (Sun) 

 

☆罰礼とお手本


生徒会長宅で過ごすシャン学メンバー、マツカ君に期待な今。
キース君に話術を仕込んで貰おうと、弟子入りコース提案中。

シロエ 「大丈夫です、心の準備なんか要りませんってば!」
スウェナ「そうよ、ビシバシしごいてやればいいだけよ!」
サム  「トチッた場合は、罰礼でいけばオッケーだしよ…」

一回につき百発くらいで、と僧籍な人のオススメが。

キース 「百回だと!? それじゃ親父と同じじゃないか!」
サム  「アドス和尚も百回なのな? んじゃ、それで!」
キース 「何故、そうなるんだ!」
サム  「厳しさってヤツは必要だぜ、うん」

まして鞭だけでいくんならよ、とサム君、親指をグッと。

サム  「とりあえず、マツカに罰礼の手本を見せねえと」
シロエ 「サム先輩、よろしくお願いします!」
サム  「おう、任せとけって!」

こうやるもんだ、とサム君、リビングの床に正座。

サム  「南無阿弥陀仏を三回唱える間に、五体投地な」
マツカ 「スクワットだというヤツですね?」
サム  「いくぜ、南無阿弥陀仏…」

正座から合掌したままピシッと立って、更にお念仏。

サム  「南無阿弥陀仏…」
マツカ 「二回目で座って、その姿勢から五体投地ですか…」
サム  「南無阿弥陀仏…と、よし、ここまで!」
マツカ 「三回目で身体を起こして、正座に戻るんですね」

他に作法はあるんでしょうか、と御曹司の問い。

マツカ 「どっちの足から立つとか、座るとか…」
サム  「右足から立つのが普通な筈だぜ」
ブルー 「そうなってるね。でも、そこは逆でもいいんだよ」

右足に故障がある時とかは、逆でオッケー、と銀青様。

ブルー 「要は、お念仏を三回の間に、五体投地を一回だね」
マツカ 「分かりました。それをキースに?」
ブルー 「やればいいと思うよ、資格は貸すから」
マツカ 「でもですね…」
ブルー 「じゃあ、お試しで!」

師匠をやってみないかい、と赤い瞳がキラリーン! と。
お試しって?


2019/10/07 (Mon)

 

☆サポートは万全


生徒会長宅で休日なシャン学メンバー、マツカ君に期待中。
キース君に話術を仕込んで貰えば、誰かさんに対抗できそう。

マツカ 「あのぅ…。お試しというのは何ですか?」
ブルー 「そのままの意味だよ、お試しコース!」

一日師匠でどうだろうか、と生徒会長が乗り出す膝。

マツカ 「一日師匠…って、どういうものです?」
ブルー 「よくあるじゃないか、一日駅長とか、色々と!」

素人さんでも務まるヤツが…、と立てる親指。

ブルー 「だから師匠が出来るかどうか、此処でお試し!」
マツカ 「えっと…。此処ってことは、今ですか?」
ブルー 「それが早いと思うけどねえ、試してみるなら」

丸一日には少し足りないけれど、と周りを見回しまして。

ブルー 「他のみんなは、どう思う? 一日師匠って」
サム  「いいんでねえの? どんな感じかやってみればよ」
スウェナ「そうよね、アドバイスだって出来そうだし…」
シロエ 「もちろん、やってみるべきですよ!」

罰礼の指導もサポート出来ます、とシロエ君も大いに乗り気。

シロエ 「マツカ先輩、お試しでどうぞ!」
キース 「ま、待ってくれ、俺の意見はどうなるんだ!」
ブルー 「意見を言える立場なのかい?」

君って人は…、と生徒会長、呆れ顔。

ブルー 「君のせいで困っているのが、此処のみんなで…」
ジョミー「キースにマツカのスキルがあれば、助かるんだよ」
サム  「うんうん、メギドが倍になるしよ」

二人もいれば、あの野郎も…、とサム君、拳をグッと。

サム  「大人しくなるんじゃねえのか、と!」
キース 「し、しかし…!」
ブルー 「つべこべ言わない!」

決定権はマツカにあるね、と生徒会長、ビシィ! と宣言。

ブルー 「どうするんだい、お試しコース? 一日師匠!」
マツカ 「皆さんのサポートを受けられるんですね?」
ブルー 「充実のをね!」
マツカ 「じゃあ…」

試しにやってみてもいいです、と御曹司。
一日師匠体験ですね?


2019/10/08 (Tue)

 

☆師匠のお世話を


キース君にマツカ君のスキルがあったら、と誰もが期待な今。
巧みな話術を仕込んで貰うべく、弟子入りしろという話で…。

ブルー 「それじゃ、一日師匠体験! たった今から!」
マツカ 「えっ、もう早速に始めるんですか?」
ブルー 「でないと時間が経ってしまうよ、アッと言う間に」
サム  「そうだぜ、ビシバシやってくれよな!」

キースに泣き言は言わせねえぜ、と張り切る僧籍な人。

サム  「罰礼の手本も見せたんだしよ、ここは厳しく!」
マツカ 「そう言われても…。何をすればいいんですか?」
ブルー 「坊主の世界じゃ、弟子の仕事の基本はさ…」
サム  「身の回りのお世話ってヤツらしいぜ」

そこから始めればいいんでねえの、とサム君の提案。

サム  「そのくらいなら、特に問題ねえだろうし」
シロエ 「話術の稽古になるでしょうか、ソレ?」
ブルー 「言葉遣いと立ち居振る舞いは学べると思うよ」

マツカのお世話をするだけでもね、と生徒会長も。

ブルー 「さあ、やってみよう!」
マツカ 「え、えーっと…? そう言われてもですね…」
スウェナ「お茶を頼めばどうかしら?」
マツカ 「…お茶ですか?」

もう頂いているんですけど、とマツカ君が眺めるカップ。

マツカ 「ぶるぅが淹れてくれましたしね」
ブルー 「だから入れ替えて貰うんだよ。新しいのに」
ジョミー「そうだね、マツカの好みのヤツにさ」

今は紅茶が入ってるけど…、とジョミー君もプッシュ。

ジョミー「うんと注文のうるさいヤツとか、難しいので!」
マツカ 「ぼくは普通でいいんですけど…」
ブルー 「ダメダメ、キースの師匠なんだから!」

弟子に厳しく躾をするのも師匠の役目、と生徒会長。

ブルー 「ここは一発、美味しい紅茶を淹れるように、とね」
マツカ 「それをキースに言うんですか?」
ブルー 「師匠らしく、上から目線でね」
マツカ 「上から目線で…?」

ぼくのキャラとは違うんですが、と御曹司、困惑。
どうなる…?


2019/10/09 (Wed) 

 

☆紅茶を頼むには


キース君がマツカ君のスキルを持ったら、と期待がかかる今。
一日師匠体験だとかで、マツカ君がキース君を指導ですけど。

ブルー 「師匠は上から目線のものだよ、頑張りたまえ」
マツカ 「でも…。どんな風にやればいいのか分かりません」
ブルー 「普通にやったらいいんだよ。紅茶を頼めば」
マツカ 「えーっと…? いつも通りにですか?」

上から目線にならないような、とマツカ君、オロオロ。

マツカ 「ぼくの普通だと、違うように思うんですけれど…」
ブルー 「いいから、いいから! ぼくがサポート!」

アドバイスしてあげるから、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「さあ、頼みたまえ! お茶の入れ替え!」
マツカ 「え、ええ…。あの、キース…。すみませんけど…」
キース 「なんだ?」
ブルー 「ダメダメ、師匠にその言い方は!」

なんでしょうか、と返したまえ、と生徒会長のツッコミが。

ブルー 「君はアドス和尚にも、そう言うのかい?」
キース 「もちろんだ。親父に敬語は使っていないぞ」
ブルー 「ほらね、ここにもう甘えが出ているんだよ!」

お父さんが師僧であるがゆえのね、と厳しい指摘。

ブルー 「いいかい、マツカは師匠なんだよ、まず敬語!」
キース 「そ、そうか…。…なんでしょうか、師匠」
マツカ 「あ、その呼び方がいいですね! 師匠というのが」

少し気持ちが軽くなりました、と御曹司の笑み。

マツカ 「お芝居だと思って、やってみますよ」
ブルー 「だいぶ違うんだけど、まあいいか…。はい、続き」
マツカ 「お茶を入れ替えて下さいますか?」

美味しい紅茶が飲みたいんですが、とキース君に注文が。

ブルー 「ちょっと丁寧すぎるけど…。そのまま続けて!」
マツカ 「香り高い紅茶がいいですね。銘柄は特に…」
ブルー 「詰めが甘いよ、もっと我儘に!」
マツカ 「こだわるんですか?」
ブルー 「そうなるね」

無ければ買いに行けという勢いで、と生徒会長。
そこまでですか?


2019/10/10 (Thu) 

 

☆紅茶を淹れるには


キース君にマツカ君のスキルを学ばせるべく、一日師匠体験。
生徒会長がサポートについて、お茶の入れ替えからですけど。

ブルー 「いいかい、弟子は師匠に絶対服従なんだから…」
マツカ 「らしいですね、ですから紅茶を頼みましたが…」

銘柄を指定して我儘にですか、とマツカ君、オロオロ。

マツカ 「そこまで偉そうにするというのも、なんだか…」
ブルー 「お芝居だと思っておくと言っただろう?」
マツカ 「え、ええ…」
ブルー 「なら、偉そうに、こだわって!」

できる弟子というのは、そうなんだから…、と生徒会長。

ブルー 「師僧の好みを心得ていて、言われなくても…」
スウェナ「こだわりの銘柄のお茶を淹れるのね?」
ブルー 「そういうことだね、お茶の葉も、常に切らさずに」

特に山奥のお寺の場合は大事なスキル、と銀青様モード。

ブルー 「言われて直ぐには買いに行けないんだから!」
サム  「あー、気配りが大切なのな、切らさないっていう」
ブルー 「そう! この気配りは、マツカのスキルにも…」

共通している要素だよね、とキース君に視線をチラリ。

ブルー 「君は、とにかく学びたまえ! マツカから!」
キース 「わ、分かった…。それで、紅茶は…」
マツカ 「ダージリンでお願いします」
キース 「はい!」

淹れて参ります、とキッチンに向かおうと立った所へ…。

ブルー 「ちょっと待った! 君はコーヒー党だろう?」
キース 「その通りだが?」
ブルー 「紅茶の淹れ方、知ってるのかい?」

細かいルールがあるんだけどね、と生徒会長の問い。

キース 「ルールだと?」
ブルー 「お約束だよ、美味しく淹れるための!」

知っているかな、と赤い瞳がジロリ。

キース 「い、いや…。湯を沸かすのは分かるんだが…」
ブルー 「どうかな、マツカ? それで淹れられるかい?」
マツカ 「危ないと思います」
キース 「うっ…」

そう言われても…、と固まる副住職。
紅茶の行方は?


2019/10/11 (Fri)

 

☆紅茶のシャンパン


マツカ君のスキルを学ぶべく、一日弟子入り体験のキース君。
まずは紅茶を淹れる所から、けれどキース君はコーヒー党で。

ブルー 「ほらね、いきなりつまづいてるし!」
キース 「お、親父は緑茶かコーヒーだから…」
ブルー 「ついでに君が淹れてないだろ、アドス和尚のは」

イライザさんがいるんだからね、と生徒会長の鋭い指摘。

ブルー 「そういう意味でも、君はまだまだ甘いんだよ!」
キース 「うう…。それはそうかもしれないが…」
ブルー 「とにかく、紅茶を美味しく淹れる! 頑張って!」
スウェナ「でも…。思いっ切りの素人だわよ?」

マツカも不安があると言ったわ、とスウェナちゃん。

スウェナ「危ないです、ってそういう意味でしょ?」
マツカ 「ええ…。コーヒーとは違いますからね…」

それにダージリンは繊細ですし…、とマツカ君が曇らせる顔。

マツカ 「なにしろ、紅茶のシャンパンですから」
一同  「「「へ?」」」
マツカ 「そう呼ばれるんですよ、香りの高さで」

マスカットフレーバーと言うんですけど…、と説明が。

マツカ 「上手く淹れないと、香りが飛んでしまうんですよ」
スウェナ「あらまあ、フレーバーティーより厄介なのね?」
マツカ 「お湯の温度も、抽出時間も大切ですね」

正直、ぼくも自信はあまり…、と御曹司の苦笑。

マツカ 「自分では、滅多に淹れませんから」
サム  「あー…。メイドさんが淹れてくれるのな?」
マツカ 「場合によって、色々ですね」

うちの執事も美味しく淹れるんですよ、とニッコリと。

マツカ 「とにかく、頼む方が多くて…」
ブルー 「舌は立派に肥えてる、と…」

キースも頑張り甲斐があるね、と生徒会長。

ブルー 「美味しいのを淹れてくれたまえ。全員分で」
キース 「全員分だと!?」
ブルー 「せっかくだからね」
マツカ 「そうですね。皆さんにも味わって頂きたいです」

極上の紅茶のシャンパンを…、と御曹司の注文。
大丈夫ですか?


2019/10/12 (Sat) 

 

☆紅茶が欲しい人


マツカ君のスキルを学ぼうと、一日弟子入りをしたキース君。
紅茶の入れ替えを頼まれたんですけど、早速高いハードルが。

キース 「ぜ、全員の分の紅茶を俺が…?」
マツカ 「ぼくだけ、熱いお茶を淹れて頂くというのは…」

皆さんにも申し訳ないですからね、とマツカ君の微笑み。

マツカ 「紅茶党じゃない方も、おいででしょうけど」
シロエ 「細かいことなんか、この際、どうでもいいですよ」

キース先輩のスキルアップが大切です、とシロエ君。

シロエ 「たとえ抹茶が出る仕様でも、誰も気にしません!」
サム  「抹茶なあ…。もっとハードル高そうだよな、ソレ」
キース 「いや、まだマシだ!」
一同  「「「へ?」」」

何故に抹茶がマシなんだろう、と誰もがポカーン。

ジョミー「キース、茶道をやってたっけ?」
キース 「やっていないが、坊主の場合は…」
ブルー 「知りませんでは済まないんだよ、そっちの道はね」

なにしろ献茶があるものだから、と生徒会長、いえ、銀青様。

一同  「「「献茶?」」」
ブルー 「仏様にお茶をお供えする行事でさ…」
キース 「参加なさった人にも、お茶をお出しするのが…」
ブルー 「基本なんだよね、何処のお寺でも」

だから抹茶を点てられないようでは、坊主失格、と説明が。

ブルー 「作法はともかく、点てるくらいは出来るんだよ」
シロエ 「なるほど…。そうなると、ますます紅茶ですね」
マツカ 「そうみたいですね、お願いします」
??? 「あっ、ぼくの分も!」

紅茶をお願い、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

一同  「「「ひぃぃっ!」」」
Aブルー「どうかしたのかい?」

紅茶を頼んだだけなんだけど、とキョトンとする人。

Aブルー「極上の紅茶が飲めるんだってね!」
シロエ 「あの…。淹れるのはキース先輩で…」
サム  「ぶるぅじゃねえから…」
Aブルー「気にしないって!」

美味しく淹れてくれるなら、と言ってますけど。
招かれざる客…。


2019/10/13 (Sun)

 

☆紅茶の香り高さ


マツカ君のスキルを学ぶべく、キース君が一日弟子入り中。
紅茶の入れ替えを頼まれた所へ、招かれざる客が登場でして。

Aブルー「紅茶のシャンパンなんだって? 味わいたいよね」
マツカ 「あのぅ…。意味は分かっておいででしょうか?」
Aブルー「意味って、何さ?」
マツカ 「紅茶のシャンパンのことなんですけど」

本当に分かってらっしゃいますか、と御曹司の問い。

Aブルー「シャンパンと言ったら、シャンパンだろう?」
マツカ 「ですから、それの意味ですよ」
Aブルー「もちろんだよ! 最高級のワインの一種だよね!」

スパークリングワインの最高峰だろ、と威張るソルジャー。

Aブルー「条件がとっても厳しいんだってね、シャンパンは」
シロエ 「そうなんですか?」
Aブルー「ぼくも詳しくは知らないけれど、ノルディがね」

そう言ってたよ、と受け売りらしいシャンパンの話。

Aブルー「それが入った紅茶となったら、飲まなくちゃ!」
サム  「おいおい、何か違ってねえか?」
スウェナ「シャンパンは入ってないわよね…?」
Aブルー「えっ、そんなことはないだろう?」

ブランデーとかを入れるじゃないか、とソルジャー、反論。

Aブルー「ブランデーの代わりにシャンパンだよね?」
マツカ 「いえ、そうじゃなくて、この場合はですね…」

香りの高さの話なんです、と御曹司。

マツカ 「ダージリンは香りの高い紅茶で、その香りが…」
Aブルー「シャンパンと同じになるのかい?」
マツカ 「違いますってば、シャンパンに例えているんです」

最高級という点を、とマツカ君、ソルジャーに説明を。

マツカ 「香りそのものは、また別の表現ですね」
Aブルー「そうなんだ?」

どんな香りかな、と興味津々のソルジャー。

マツカ 「マスカットフレーバーですが…」
Aブルー「それはいいねえ!」
マツカ 「は?」
Aブルー「マスカットだろう?」

美味しいマスカットがあるんだよね、と言ってますけど。
えっと…?


2019/10/14 (Mon) 

 

☆紅茶とマスカット


対ソルジャーな最終兵器かも、と噂されているのがマツカ君。
そのスキルをキース君にも、と一日師匠中な所へ乱入した人。

Aブルー「なんだったっけ、皮ごと食べられるマスカット!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ シャインマスカットだよね!」
Aブルー「そう、それ、それ! 美味しくってさ!」

そのままでも良し、お菓子でも良し、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「皮を剥かなくてもいいって所が、もう最高で!」
ブルー 「君の性格には向いてそうだね、確かにね」
Aブルー「あっ、分かる? ブドウの皮は面倒でねえ…」

ブドウは甘くて美味しいけどさ、とブツブツブツ。

Aブルー「あれさえなければ、って思ってたから…」
ぶるぅ 「シャインマスカット、ケーキ屋さんも歓迎なの!」

沢山飾っても食べられるから、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「その代わり、お値段、高くなるけど…」
シロエ 「そうなんですか?」
ぶるぅ 「んとね、元々が高いから…」

ケーキにしちゃうと、もっと高いよ、と解説が。

ぶるぅ 「新しい品種は、そうなっちゃうけど…」
スウェナ「その内に安くなるかしら?」
ブルー 「10年くらいはかかるんじゃないかな?」
Aブルー「それを使うんだよね、美味しい紅茶!」

マスカットフレーバーなんだしさ、と赤い瞳がキラキラ。

Aブルー「皮を剥かなくても美味しいのを搾って…」
マツカ 「あのですね…。ダージリンは、もっと古いです」

最近の紅茶じゃないんですよ、と御曹司の指摘。

マツカ 「ですから、シャインマスカットは入りません」
Aブルー「それじゃ、普通のマスカットなわけ?」

どっちにしたって美味しそうだよ、と食い下がる人。

Aブルー「ぼくにも淹れてくれるだろう、キース?」
キース 「あんただけ、搾って入れてやろうか、マスカット」
マツカ 「そうですねえ…。こだわってらっしゃいますから」
Aブルー「ええっ?」

ちょっと待ってよ、とソルジャー、ワタワタ。
特製紅茶…?


2019/10/15 (Tue)





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