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シャングリラ学園つれづれ語り

☆夏休みにはコレ

 

さて、7月。やって来るのが夏休みでして、もう真っ盛り。
けれど最初に恒例のイベント、それが終わって生徒会長宅へ。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんな、お疲れ様ぁーっ!」
ジョミー「うえ~、今年も完全に死んだ…」

もう無理だって、とリビングの床にへたり込むジョミー君。

サム  「情けねえなあ…。とっくに常連入りなのによ」
シロエ 「まったくです。ぼくなんか、合宿の最古参ですよ」

キース先輩たちもですが…、とシロエ君の呆れ顔。

シロエ 「それと同じ回数、参加してると思いますけどね?」
ジョミー「ううん、絶対、1回は少ない!」

最初の年には行ってないから、とキッパリと。

ジョミー「普通の高校1年生の時には、行っていないよ!」
サム  「そういや、俺にも記憶はねえな」

ブルーが高僧なことも知らなかったし、と頷くサム君。

ジョミー「ほらね! 夏休みはキースの家に行ったんだよ」
マツカ 「懐かしいですねえ…。非日常体験でしたっけ?」
スウェナ「そうそう、ブルーの提案だったわ!」

泊まりに行ったら、お寺でビックリ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「いきなり宿坊で、お寺ライフに突入したのよ」
シロエ 「ぼくは前から知ってましたけどね、お寺だって」
サム  「いやあ、あの時はマジで驚いたぜ」

なのに今では俺まで坊主、とサム君の苦笑。

サム  「でもって夏休みは、毎年、璃母恩院でよ…」
ぶるぅ 「修行体験ツアーだもんね!」
ジョミー「もういい加減、嫌なんだってば!」

卒業したい、とジョミー君、グチグチ。

ジョミー「精進料理しか出て来ないしさ、疲れるしさ…」
サム  「卒業するのは簡単じゃねえかよ」

坊主の道に入ればオッケー、と立てる親指。

サム  「そしたら一気に指導者側だぜ、ボランティアで」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「ああ。大学の夏休みのバイトで指導員がある」

もちろん専門コースの学生にもな、と副住職。
指導者側になれるんですか?


2019/07/01 (Mon)

 

☆修行の道とノルマ


ジョミー君とサム君の夏休みのイベント、璃母恩院ツアー。
毎年恒例なんですけれども、卒業したいとジョミー君の嘆き。

シロエ 「指導者側って、なんだか楽しそうですね?」
キース 「まあな。修行道場のようにはいかんが…」
マツカ 「ビシバシ鍛えていいんでしょうか?」
キース 「そういう風潮ではあるな。体罰もオッケーだ」

なにしろ場所が寺だからな、とニヤニヤと。

キース 「ジョミーも何かやられてそうだな、この夏も」
ジョミー「やられたってば、たるんでる、って!」

ハリセンでパアンと派手に一発、と撫でる自分の頭。

ジョミー「ちょっとアクビしただけなのにさ!」
サム  「お勤めの最中に、大口あけてやるからだぜ」

普通はソレは噛み殺すだろ、とサム君、お手上げのポーズ。

サム  「そんな調子だから、合宿が楽しくねえんだよ」
ジョミー「お経と掃除ばっかりじゃないか!」
キース 「坊主の修行の基本だからな、当然だろう」

嫌なら修行の道に入れ、と副住職もプッシュ。

キース 「指導員側に回れるだけでも、値打ちはあるぞ」
ジョミー「だけど、その先に待ってるコースはさ…!」
サム  「立派な坊主への門出じゃねえか」

俺と一緒に目指せ、高僧! とサム君、発破を。

サム  「緋色の衣を着られる身分に、一日も早く!」
ジョミー「ちょっと聞くけど、そうなる前にさ…」

積み重ねの日々があるんじゃあ…、とジョミー君の問い。

サム  「それはそうだぜ、一足飛びにはいかねえよ」
ジョミー「そうじゃなくって、地獄のノルマ!」
一同  「「「ノルマ?」」」
ジョミー「毎年、キースがやってるヤツだよ!」

今年も時期だと思うんだけど、と視線を副住職に。

ジョミー「卒塔婆書きで文句が出るよね、いつも?」
キース 「アレか…。今年もシーズンに入っているが」
ジョミー「それって、坊主限定だよね?」
キース 「そうなるな」

おふくろには書けん、という返事。
あれって資格が要るんですか?


2019/07/02 (Tue)

 

☆卒塔婆が潰す夏


夏休み恒例の修行体験ツアー、それを終えて来たジョミー君。
ブツブツ文句を言ってますけど、指導員になるのも嫌だとか。

ジョミー「その卒塔婆書き…。それだけでも地獄だよ!」
シロエ 「あれって、イライザさんは除外だったんですか?」
マツカ 「そういえば、聞いたことが無いですよね…」

アドス和尚の話は毎年、出ていますけど、と御曹司も。

マツカ 「ノルマを丸投げされたとか、そういう感じのが」
シロエ 「ええ。イライザさんは完璧なんだとばかり…」

思ってました、とシロエ君。

シロエ 「なのに、そもそもノルマが無かったんですか?」
キース 「ああ。ジョミーが言う通り、坊主限定だからな」
ブルー 「住職の資格を持っていないと、書けないんだよ」

ああいう立派な卒塔婆はね、と銀青様の解説が。

ブルー 「ミニサイズのなら、誰が書いてもいいんだけどさ」
シロエ 「ビッグサイズはダメなんですね?」
キース 「そういうことだ。だから昔は、親父がだな…」

一人で全部書いていたんだ、と副住職。

キース 「その頃の苦労話を持ち出されると、弱くてな…」
サム  「あー…。分かるぜ、それは逆らえねえよ」
ジョミー「でもって、地獄のノルマなんだよね?」

今年もせっせと書いている筈、とジョミー君の指摘。

ジョミー「お坊さんになったら、もれなくソレがさ…」
ブルー 「ついてくるから、修行は嫌だと?」
ジョミー「他にもあるけど、今だとソレだよ!」

せっかくの夏が楽しめないし…、と仏頂面。

ジョミー「海にも山にも行けないじゃないか!」
シロエ 「キース先輩、どっちにもですね…」

普通に来てるじゃないですか、とシロエ君の反論。

シロエ 「卒塔婆を書きつつ、ちゃんとリフレッシュで!」
ジョミー「でもさあ、卒塔婆が残り何本とか…」
スウェナ「確かにカウントしてるわねえ…」
ジョミー「キツイってば、そういう人生は!」

卒塔婆が追って来るなんて、と嫌そうな顔。
まあ、そうかも…?


2019/07/03 (Wed)

 

☆卒塔婆でスタート


夏休み恒例なのが修行体験ツアー、ジョミー君とサム君だけ。
文句を言うのはジョミー君ですけど、指導員側になるのも嫌。

ジョミー「夏休みの度に卒塔婆なんだよ、地獄だってば!」
キース 「正確に言えば、夏休み前からあるんだがな?」
一同  「「「へ?」」」

そうだったっけ、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「夏休み前からって…。聞いてませんよ?」
サム  「だよなあ、卒塔婆書きの文句が出るのは今でよ…」

夏休みの風物詩と化してるもんな、とサム君の声。

サム  「でも、その前からあるのかよ、アレ?」
キース 「巷で知られていないだけだな、一部を除いて」
シロエ 「一部というのは、お寺関係の人でしょうか?」
キース 「いや、寺とは全く無縁な輩もいると思うが」

そもそも相手はツイッター民だ、と副住職。

一同  「「「ツイッター民?」」」
キース 「そうだ、ツイッターばかり見ているヤツらだ」
シロエ 「なんで、そんな人が詳しいんですか!」

ツイ廃のくせに、とシロエ君、ブツブツブツ。

シロエ 「お寺なんかと関係無いでしょう、ツイ廃は!」
キース 「いいや、今の時期だけ湧いてくるんだ」

坊主業界の周辺に…、とフウと溜息。

キース 「去年は盛り上がりがイマイチだったが…」
ジョミー「まさか、お坊さんがバズるわけ?」
キース 「その現象に近いものがある」

例年、まとめサイトも出来るし…、と複雑そうな表情。

キース 「アレだ、坊さんあるある盆というヤツだ!」
シロエ 「えっと…? 夏休み前からやってるんですか?」

そのハッシュタグで、とシロエ君の問い。

シロエ 「確かに、お盆が七月の地域もありますけれど…」
キース 「全国的にだ、六月頃には卒塔婆が寺に届くから…」
スウェナ「まさか、そこから始まってるの? お盆ツイート」
キース 「古参の坊主は、卒塔婆の写真でスタートらしいぞ」

山と積まれた未開封の卒塔婆を大公開だ、という話。
マジネタですか…?


2019/07/04 (Thu)

 

☆半端ない卒塔婆


夏休み恒例の修行体験ツアー、今年も疲れ果てたジョミー君。
けれど指導員側に回るのも嫌で、理由の一つが卒塔婆書き。

ジョミー「山と積まれた卒塔婆の写真って…。マジで?」
キース 「お前も将来のために、見ておいた方がいいかもな」

今の時期なら、既に余裕で検索できる、と副住職。

キース 「坊さんあるある盆で検索、それで出る筈だ」
シロエ 「そうなんですね? 出て来るでしょうか、ソレ…」

やってみましょう、とシロエ君が取り出すスマホ。

シロエ 「へえ? 本当にツイート上がってますねえ…」
サム  「どれどれ? おおっ、もう何人も呟いてるのな!」
キース 「噂だと、この人が最古参だという話でな…」

スマホを覗き込み、副住職が指差すアイコン。

キース 「坊さんあるあるの、生みの親だと言われているが」
シロエ 「じゃあ、この人のを遡っていけばいいんですね?」

卒塔婆、卒塔婆…、とシロエ君、スマホを操作中。

シロエ 「本当だ、6月の末にはもう書いてますね」
キース 「もっと遡れば、未開封の卒塔婆が出ると思うぞ」
シロエ 「待って下さいよ、ここでも書いてて…。あっ!」

コレですね、と止まったシロエ君の指。

シロエ 「うわあ、これ全部、卒塔婆ですか!」
サム  「こんな風に梱包されて届くのかよ…」
キース 「お盆でなくても、そういう形で配送だがな」

卒塔婆の規格は年中同じだ、と副住職の説明が。

キース 「法要の時にも使うから…。年中、コレだが…」
サム  「ドカンと山のように来るのが、お盆前なのな?」
キース 「要る量が半端ないからな!」

どの墓にも卒塔婆が並ぶんだから…、と副住職が抱える頭。

キース 「過去帳にある仏様、全部とまでは言わないが…」
ブルー 「五十回忌までの仏様だと、有り得るんだよね…」
一同  「「「五十回忌!?」」」
キース 「そこまでは法事をやるのがお約束だしな…」

年忌だったら卒塔婆が来るぞ、と副住職。
凄い数なのでは…?


2019/07/05 (Fri) 

 

☆逃げたくなる現実


夏休み恒例なのが修行体験ツアー、ジョミー君が嫌がるヤツ。
けれど指導員側に回るのも嫌で、理由の一つがお盆の卒塔婆。

シロエ 「この卒塔婆の山、何本くらいあるんでしょう?」
キース 「分かっていても、数えたくないのが現実でな…」

その人も呟いていないだろうが、と副住職の指摘。

キース 「自分で発注した数なんだし、把握しているのにな」
シロエ 「現実逃避というヤツですか?」
キース 「ああ。終わりが近づいて来たら、呟き始める」

残り何本といった具合に…、と副住職。

キース 「他に呟くのは、半分超えたとか、そういう時だな」
サム  「つまり、現実を見たくねえのな?」
キース 「当たり前だろうが、俺だってそうだ!」

現に今年も数えていないぞ、とキッパリと。

キース 「しかし卒塔婆は山とあるわけで、きっと今年も…」
サム  「親父さんの分が回って来るっていう勘定かよ…」

強く生きろな、とサム君、キース君の肩をバンッ! と。

サム  「大変だろうけど、坊主の大事な仕事だしよ…」
キース 「もちろんだ。俺は決して手抜きはしない」
シロエ 「だけど文句は言ってますよね?」

今年も卒塔婆書きが終わらないとか…、とシロエ君。

シロエ 「そんな調子だから、ジョミーも嫌がるんですよ」
キース 「そうなのか?」
ジョミー「あのねえ…。普通、そうなると思うけど?」

誰だって学習すると思うよ、とジョミー君の呆れ顔。

ジョミー「副住職になってから、ずっとソレだしさ…」
スウェナ「言われてみれば、そうだわねえ…」
マツカ 「住職の資格を持っていない頃には、違いましたね」

夏休みを楽しんでいた筈ですよ、と御曹司も。

マツカ 「いつの間にか、卒塔婆に追われる夏ですけどね」
ジョミー「ほらね、ぼくだって学んだんだよ! 地獄だと!」
サム  「するってえと、キースが態度を変えれば…」
キース 「はあ?」

何の話だ、と首を傾げる副住職。
態度を変えるって、何でしょうね?


2019/07/06 (Sat)

 

☆態度を変えるべき


夏休み恒例の修行体験ツアー、今年も疲れ果てたジョミー君。
指導員側に回るのも嫌で、理由の一つがお盆の卒塔婆書き。

キース 「俺が態度を変えるというのは、何の話だ?」
サム  「卒塔婆書きが地獄だと言ってるヤツだよ」

それを変えるに決まってるだろ、とサム君、ビシィ! と。

サム  「とても楽しい作業なんだ、と言い換えればよ…」
シロエ 「あー…。見てる側の感覚も変わりますよね!」
スウェナ「そうねえ、羨ましくなるかもしれないわ」

私たちには体験できない世界だものね、とスウェナちゃん。

スウェナ「住職の資格を持っていないと、書けないんでしょ」
キース 「それはそうだが…」
スウェナ「ちょっと資格が欲しくなるわよ、書きたくて!」

卒塔婆書きが楽しいイベントならね、と明るい笑顔。

スウェナ「その方向で努力しなさいよ、キース!」
サム  「俺が言いたいのはソレなんだよなあ、マジで」

ジョミーもやりたくなるようにしろよ、とサム君。

サム  「卒塔婆書きの夏が待ち遠しいとか、そんなので」
ブルー 「いいねえ、せめてキースだけでも…」

卒塔婆書きを楽しみにすれば変わる、と銀青様も。

ブルー 「地獄だと言わずに、とても楽しいイベントだとね」
キース 「しかし、実際、アレは地獄で…!」

だから大勢の坊主がツイート、とキース君の反論。

キース 「俺だけが逆のことを言っても、意味は無いかと」
ブルー 「何処の世界にも、例外はあるものだからねえ…」
シロエ 「起業する人なんかは、その傾向がありますね」
サム  「うんうん、発想が違うのな!」

それで成功しちまうんだよ、とサム君、親指をグッと。

サム  「キースもそいつで、一発逆転! この夏からよ!」
シロエ 「ソレを呟いたら、バズるかもしれませんね!」
キース 「俺はツイッターをやっていないんだが!」
スウェナ「やればいいじゃないの」

バズればジョミーの気も変わるわよ、という声が。
そうですかねえ…?


2019/07/07 (Sun)

 

☆常識を変えろ


夏休みは璃母恩院で修行体験、今年も受難だったジョミー君。
指導員側に回るのも嫌で、理由に挙がったお盆の卒塔婆書き。

キース 「俺にツイッターを始めろと言うのか!?」
スウェナ「やりなさいよ、そしてバズるのよ!」

卒塔婆書きが楽しいツイートで、とスウェナちゃん。

スウェナ「それで常識を変えればいいでしょ、楽しい方へ!」
サム  「確かになあ…。やるなら楽しい方がいいよな」
ブルー 「他のお坊さんたちの励みにもなるよ」

地獄が一気に極楽だしね、と銀青様も。

ブルー 「この際、何か考えたまえ。楽しくなるように!」
キース 「そう言われても、アレは地獄でだな…!」
シロエ 「その先入観、捨てませんか?」

楽しい部分は無いんでしょうか、とシロエ君の問い。

シロエ 「全てが地獄だった場合は、ツイッターもですね…」
マツカ 「やってる余裕は無さそうですよね」
サム  「卒塔婆書きに追われて、時間がねえよな」
ブルー 「うーん…。その辺は、原稿と同じで…」

現実逃避で呟くかもね、と生徒会長、フウと溜息。

ブルー 「現にそういうボットもあるから」
一同  「「「へ?」」」
ブルー 「原稿をしろ、と繰り返すだけのボットだよ」

締め切りに追われる人のためのボット、とニッコリ。

ブルー 「ツイッターを閉じて原稿をしろ、とかね」
シロエ 「あー…。卒塔婆書きもその世界ですか…」
ブルー 「頑張る自分をアピールしたくて、墓穴なんだよ」

呟いた分だけ時間が減るし、とクスクスクス。

ブルー 「だけど、キースは呟くべきかも」
キース 「なんで、そうなる!」
ブルー 「だから発想の転換だってば!」

迷える僧侶を救いたまえ、と合掌を。

ブルー 「卒塔婆書きが楽しいイベントになれば、大勢が…」
サム  「救われるよなあ、宗派を超えてよ」
スウェナ「頑張りなさいよ、バズるのよ!」
キース 「無理だと思うが!」

楽しかったら苦労はしない、と副住職の悲鳴。
まあ、確かに…。


2019/07/08 (Mon)

 

☆革命並みの教え


夏休みは恒例の修行体験ツアーですけど、ジョミー君は受難。
けれど指導員側に回るのも嫌、理由の一つがお盆の卒塔婆。

サム  「そう言わねえでさ、何か考えろよ」
スウェナ「ジョミーの意識も、変わるかもしれないのよ?」
ブルー 「うん。それにバズれば有名人だしさ…」

名が上がるよね、と生徒会長、いえ、銀青様の仰せ。

ブルー 「みんなが地獄と言っているのを、一気に改革!」
シロエ 「画期的ですよね、そうなった時は」
ブルー 「宗祖様の教えと同じくらいに、凄いかもねえ…」
一同  「「「宗祖様?」」」

そこまで凄い話なのか、と誰もがキョトン。

シロエ 「あのぅ…。宗祖様って、一番偉い人ですか?」
ブルー 「南無阿弥陀仏の宗派を開いた人だからね」

もう間違いなくトップだよね、とニッコリと。

ブルー 「お念仏の教えの最初は、革命並みなんだよ」
一同  「「「革命並み?」」」
ブルー 「それまでには無い、凄い発想だったわけ!」

よく聞きたまえ、と始まる解説、いや、法話もどき。

ブルー 「宗祖様が生きた時代は、末世でねえ…」
シロエ 「世界の終わりというヤツでしょうか?」
ブルー 「そういう概念だけと違って、もう実際にさ…」

毎日が死と隣り合わせで…、と説かれる話。

ブルー 「食べる物にも事欠く時代で、行き倒れは常で…」
シロエ 「そこまでですか?」
ブルー 「しかも弔う人も無いから、野ざらしでね…」

宗祖様は日々、救うために勉強なさったのだ、と銀青様。

ブルー 「教えを請うたり、書物を読んだり…」
サム  「でもって、南無阿弥陀仏なのかよ?」
ブルー 「昔のお坊さんがそう書いたのを、見付けたわけ!」

南無阿弥陀仏で救われるという一文を、と立てる親指。

ブルー 「ただそれだけで極楽往生、これは革命!」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「他には、何一つ要らないんだからね!」

お寺への寄進も、参拝も不要、とキッパリと。
確かに画期的ですね?


2019/07/09 (Tue) 

 

☆宗祖様の勢いで


夏休み恒例の修行体験ツアー、今年もしごかれたジョミー君。
指導員側に回るのも嫌で、理由の一つがお盆の卒塔婆書き。

サム  「あー…。お念仏だけでいいんだもんなあ…」
シロエ 「本当に、他には要らないんですか?」
ブルー 「極論を言えば、そういうことになるんだよ」

菩提寺も要らなきゃ、法事も何も不要ってこと、と銀青様。

ブルー 「お寺やお坊さんに頼らなくても、極楽行きでね!」
スウェナ「それだと、お坊さんは要らなくなるわよ?」
ブルー 「うん。今の時代だと、それは罰当たりだけれど…」

宗祖様の時代だと、とても有難い話なんだよ、という説明。

ブルー 「なにしろ庶民は、食べる物にも事欠く時代で…」
マツカ 「お寺に寄進をする余裕は無かったんですね?」
ブルー 「寄進どころか、参拝するのも夢のまた夢!」

時間も無ければ、参拝用の服も無いよね、と銀青様の解説。

ブルー 「極楽へ行けるのは、一部の特権階級だけって時代」
一同  「「「うわー…」」」

いわゆる貴族というヤツか、と誰もがブルブル。

シロエ 「それ以外の人は、もれなく地獄行きなんですね?」
ブルー 「そう! そこを改革なさったんだよ、宗祖様は!」

お念仏だけで極楽往生できるんだから、と極上の笑み。

ブルー 「これで救われた人は多いし、特権階級の人もさ…」
シロエ 「何かいいこと、あったんですか?」
ブルー 「お念仏だけで極楽なんだよ、安心じゃないか!」

全財産を寄進しなくても大丈夫、と親指をグッと。

ブルー 「この画期的な教えで、世界は変わったねえ…!」
シロエ 「なるほど、それでキース先輩にも…」

卒塔婆書きの世界を改革しろと…、とシロエ君。

シロエ 「宗祖様の教えと同じ勢いで、発想の転換ですね!」
ブルー 「やれば宗派の壁を越えるよ、卒塔婆書きだから!」
サム  「確かに、何処の宗派でも書くもんなあ…」

でもって地獄と評判で…、とサム君も頷く卒塔婆書き。
さて、どうなる…?


2019/07/10 (Wed)

 

☆改革すべき意識


夏休みは璃母恩院での修行体験ツアー、ジョミー君には受難。
けれど指導員側に回るのも嫌で、理由の一つがお盆の卒塔婆。

サム  「卒塔婆書きは地獄じゃねえ、って方に行けたら…」
ブルー 「この国のお坊さんたちが、皆、助かるねえ!」

お盆前の地獄ツイートだって無くなるんだよ、と銀青様。

ブルー 「楽しんで書いているんだったら、盛り上がる方で」
シロエ 「なるほど、楽しくツイートですね!」
サム  「終わる頃には名残をり惜しんで、残念なのな!」

一年先まで書けねえんだし、とサム君も。

サム  「よーし、ここは一発、頑張れよ、キース!」
スウェナ「そうよ、楽しくツイートするのよ!」
キース 「アカウントを持っていないと言ったが?」
シロエ 「そのくらい、すぐに作れますってば!」

なんなら代わりに作りましょうか、とシロエ君の笑顔。

シロエ 「先輩のスマホを貸して貰えれば、一瞬ですよ」
サム  「おいおい、ソレはアウトじゃねえの?」
シロエ 「ハッキングとは違いますって!」

それとも二段階認証ですか、という質問。

キース 「いや、そこまではやっていないが…」
シロエ 「だったら問題ありませんよ!」

ちょっと代理で弄るだけです、とメカに強い人。

シロエ 「貸して下さい、先輩の希望のアカウントは?」
キース 「誰が貸すか!」
ブルー 「でもねえ…。ジョミーの将来のためにも…」

意識は改革して欲しいんだよ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「卒塔婆書きが楽しくなるように!」
キース 「あんた、宗祖様並みの革命だと言っただろう!」
ブルー 「言ったけど?」
キース 「俺は凡夫だ!」

ただの坊主に過ぎないんだ、とブツブツブツ。

キース 「改革できるほどの才能は無い!」
シロエ 「それじゃ、馬鹿だということでしょうか?」
キース 「なんだって!?」
シロエ 「才能が無ければ、馬鹿でしょう?」

違いますか、とシロエ君、厳しい指摘。
馬鹿なんですかねえ?


2019/07/11 (Thu)

 

☆馬鹿じゃないなら


璃母恩院での修行体験ツアーで、酷い目に遭ったジョミー君。
お坊さんになる気は全く無いのを、変えたい所ですけれど…。

キース 「どうして、俺が馬鹿だとまで!」
シロエ 「だって、改革する才能が無いと言いましたしね」

すなわち馬鹿ってことなんですよ、とシロエ君、リピート。

シロエ 「凡夫だと言って逃げるくらいは、誰だって…」
サム  「出来ることだよな、間違いねえよ」
キース 「だからと言って、馬鹿はあんまりだろうが!」

俺はこれでもエリートなんだ、と副住職、必死。

キース 「その気になれば、璃母恩院での出世コースに…」
シロエ 「でも、それだけで終わりですよね?」

先輩の教えは残りませんよ、とキッツイ言葉が。

シロエ 「会長の場合は、色々と残ってるみたいですけど」
ブルー 「うん、ぼくは存命中なんだけどね!」

既に伝説の高僧だから、と生徒会長、極上の笑み。

ブルー 「キースも、卒塔婆書きを改革してさ…」
キース 「伝説になれと!?」
ブルー 「教えを残すよりも効果があるかと…」

何処の宗派にも共通のお悩み解決だしね、と立てる親指。

ブルー 「しかもツイッターでバズれば、一夜で名僧!」
サム  「だよなあ、あちこちでリツイートされてよ」
スウェナ「一躍、高僧扱いじゃないの?」
ブルー 「そうなるだろうね、緋色の衣を持ってなくても」

頑張りたまえ、と銀青様の仰せ。

ブルー 「シロエに、馬鹿と言われたままでもいいのかな?」
キース 「そ、それは…。それは非常に腹立たしいが!」
シロエ 「ならば、改革して下さい! 卒塔婆書きを!」

そして名僧になって下さい、と言われましても。

キース 「馬鹿か、そうでないか、そういう次元では…」
ブルー 「語れないとでも言うのかい? 頭が固いねえ…」
シロエ 「頭のいい人は、発想も柔軟なんですけれど?」
キース 「坊主の世界は別物なんだ!」

伝統としきたりを守ってこそだ、と副住職。
そうなのかも…?


2019/07/12 (Fri)

 

☆体罰がある世界


夏休み恒例の修行体験ツアー、今年も疲れ果てたジョミー君。
お坊さんになる気は全く無くて、お盆の卒塔婆も理由の内で。

シロエ 「伝統としきたりと言ってもですね…」
ブルー 「時代に合わせて、変わっていくけどねえ?」
キース 「いや、違う! このご時世でも体罰の世界だ!」
ジョミー「うん、それは間違いないと思うよ」

この夏も派手にやられたもんね、とジョミー君。

ジョミー「たるんでるぞ、って叱られて、廊下で正座とか…」
シロエ 「あー…。ジョミー先輩、常習犯ですよね」
サム  「学習しやがらねえからなあ…。何回行っても」
スウェナ「ジョミーが悪いのよ、覚えないから」

何をやったら叱られるのか、とスウェナちゃん、溜息。

スウェナ「キースも馬鹿だけど、ジョミーも馬鹿ね」
キース 「何故、俺が馬鹿だと!」
スウェナ「頭が固すぎちゃ、馬鹿だわよ」
キース 「やかましい!」

坊主の世界も知らないくせに、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「いいか、扇子で殴られるんだぞ、この年でも!」
一同  「「「へ?」」」
キース 「璃母恩院の行事でヘマをやったら、ビシバシと!」

指導役の坊主に殴られるんだ、とブルブル。

キース 「それも扇子が折れるまでな!」
シロエ 「お、折れるって…。アレ、丈夫ですよね?」
キース 「ああ。坊主仕様の扇子は頑丈に出来てるぞ」

ご婦人用の扇子とは違う、と副住職。

キース 「机を叩いても折れないくらいで…」
サム  「それが折れるのかよ?」
キース 「何十発と殴る間にな!」

そんな世界を舐めるんじゃない、とブツブツと。

キース 「卒塔婆書きを改革すると言っても、簡単には…」
シロエ 「そうでしょうか?」

宗祖様の教えも革命でしょう、とシロエ君の指摘。

シロエ 「努力もしないで投げるのはですね…」
サム  「怠慢か、馬鹿かもしれねえなあ…」
キース 「おい、お前たち…!」

簡単に言うな、と怒ってますけど。
努力してみては…?


2019/07/13 (Sat)

 

☆賛成しに来た人


夏休みは璃母恩院の修行体験で、酷い目に遭ったジョミー君。
けれど指導員側に回るのも嫌、理由の一つがお盆の卒塔婆。

シロエ 「簡単に言うな、って言われてもですね…」
マツカ 「キースの努力を見ていないですよ、ぼくたちは」

努力してみてはどうでしょう、と御曹司も。

マツカ 「ジョミーの意識も変わるでしょうし、一石二鳥で」
サム  「うんうん、それにキースの名も上がるしよ」

卒塔婆書きを改革するんだからよ、とサム君もプッシュ。

サム  「やりもしねえで、先に文句だけ言うってのはよ…」
スウェナ「馬鹿か、怠け者のすることだわよ!」
??? 「そう思うねえ、ぼくだって!」

大いに賛成、とソルジャー(会話表記はAブルー)ご登場。

キース 「な、なんであんたが出て来るんだ!」
Aブルー「話が聞こえて来たからだよ」
キース 「勝手に覗き見してたんだろうが!」
Aブルー「いつものことだし、何を今更…」

気にする方がどうかしてるね、と悪びれない人。

Aブルー「それにしても暑いね、こっちの世界は」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい! 暑いかなぁ?」

クーラー、効いていないかな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「それなら、温度を下げるけど…」
Aブルー「ううん、大丈夫! 来る前に、ちょっと屋上に」

パッと出てみたら暑かっただけ、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「やっぱり地球の太陽は違うね、パワーが凄いよ」
キース 「そうなのか?」
Aブルー「一気に日焼けしちゃいそうだよ、日光浴したら」

夏はいいねえ、と御機嫌ですけど。

シロエ 「あのですね…。話を逸らさないで頂けますか?」
Aブルー「悪い、悪い!」

卒塔婆書きの話だったっけね、とソルジャー、素直に謝罪。

Aブルー「その件だけどさ、キースは努力すべきだよ」
キース 「あんたには関係無いだろうが!」
Aブルー「そう思うのかい?」

大いに関係あるんだけどね、という返事。
そうなんですか…?


2019/07/14 (Sun) 

 

☆来月のイベント


お坊さんを嫌がるジョミー君のためにも、卒塔婆書きを改革。
そういう話の最中ですけど、別の世界からのお客様が登場で。

キース 「どの辺が、どう関係あるんだ! あんたが!」
シロエ 「そうですねえ…。その点は、ぼくも賛成ですよ」

味方して下さるのは嬉しいですが…、とシロエ君も怪訝そう。

シロエ 「モノがお盆の卒塔婆書きですし、無関係かと…」
Aブルー「分かってないねえ、キースも、シロエも!」

来月は何があるのかな? とソルジャーの問い。

シロエ 「来月ですか?」
Aブルー「そう、来月のイベントだけど!」

とても大きなイベントだよね、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「毎年、毎年、キースにお世話になってるんだけど」
一同  「「「えーっと…?」」」

何だったっけ、と首を傾げる御一同様。

シロエ 「海の別荘行きは、マツカ先輩の管轄ですよね?」
ジョミー「だよねえ、別荘はマツカの家ので、電車とかも…」
スウェナ「マツカが手配してくれているわよ、全面的に」

やってるのは執事さんだけど、とスウェナちゃんも。

スウェナ「キースは何もしていないわよね、そういうの…」
マツカ 「宿坊に泊めて貰ったのは、ずっと昔ですしね…」

夏休みには、と御曹司もピンと来ていない様子。

マツカ 「キースにお世話になるようなことって…」
サム  「ぶっちゃけ、何もねえけどなあ?」
Aブルー「サムはそうかもしれないけどさ…」

他は全員、覚えがある筈、とソルジャー、キッパリ。

Aブルー「特にジョミーが大きいかな、うん」
一同  「「「へ?」」」

ますます分からん、と誰もが顔を見合わせるだけ。

シロエ 「ジョミー先輩が、キース先輩のお世話に…?」
ジョミー「全然、覚えが無いんだけど! どう考えたって!」
Aブルー「よく考えてみてよ、しっかり思い出してさ」
ジョミー「絶対、無いから!」
キース 「俺にも無いな」

言いがかりはやめて貰おうか、と副住職。
それっぽいですしね?


2019/07/15 (Mon)







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☆見た目を重視


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困るという副住職。
濡れ鼠防止に欲しいのが車、けれど資金が無いのだそうで…。

シロエ 「高校生ではダメって言っても、先輩はですね…」
マツカ 「見た目だけですし、問題無いと思うんですけど」

住職の資格はあるんですから、と御曹司。

マツカ 「バイトの口なら紹介しますよ、お望みだったら」
サム  「おいおい、葬祭センターまでやってるのかよ?」

なんかイメージ違うんだけど、とサム君、ポカーン。

サム  「財閥なんだし、あっても不思議じゃねえけどさ…」
マツカ 「いえ、流石にそっちは無いですね。ウチの家には」
ジョミー「だったら、コネがあるってわけ?」
マツカ 「ええ。大きな会社は、社葬なんかがありますし…」

そっち系の会社とのお付き合いもあります、という答え。

マツカ 「菩提寺とか、ホテルでお別れ会とかにしても…」
ブルー 「準備が要るから、間に入って貰うんだよ」

その道のプロというヤツに、と銀青様の説明が。

ブルー 「でないと余計な手間がかかって、大変だしね」
スウェナ「そうなのね! それならキースのバイトだって…」
シロエ 「コネでなんとか出来そうですね!」

押し込んであげて下さいよ、とシロエ君。

シロエ 「車を買う資金が貯められるように、いいトコを」
マツカ 「もちろんです。家から近い所がいいですか?」

その方が何かと便利ですしね、との質問ですけど。

キース 「さっきも言ったが、俺は高校生だしな…」
サム  「ウチの学校、バイトは禁止じゃねえと思うぜ」
キース 「俺の外見が問題なんだ!」

葬祭センターは見た目を重視だ、と副住職。

キース 「なんと言っても、一期一会のようなものだし…」
シロエ 「お葬式なら、どれでもそうでしょう?」
キース 「初めて頼む坊主なんだぞ、高校生でいいのか?」
一同  「「「そ、それは…」」」

なんだかマズイような気がする、と誰もが絶句。
若すぎるお坊さん…。


2019/06/16 (Sun)

 

☆厳しいバイト


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困っている副住職。
濡れないように欲しいのが車、なのに資金が全く無くて…。

シロエ 「元老寺の檀家さんだったら、いいかもですけど…」
サム  「まるで知らねえ家の場合は、アレかもなあ…」

葬儀代をケチったみたいじゃねえか、とサム君の声。

サム  「若い坊主が来るってことはよ、バイト料もよ…」
ジョミー「それなりに安いと思われるよね、絶対に」
ブルー 「詳しい人なら、法衣の色で分かるんだけどね…」

キースが、そこそこの坊主なことは…、と銀青様。

ブルー 「だけど素人さんの場合は、顔だけ見るしね…」
シロエ 「ケチったんだな、と判断されるんですね」
キース 「分かったか? だから採用は見た目を重視だ」

たとえ僧階は低かろうとも、偉そうな坊主、という話。

キース 「老僧なんかは高めになるんだ、重鎮っぽいから」
一同  「「「うーん…」」」

バイトな時点で重鎮も何も…、と思っても、厳しいのが現実。

マツカ 「するとキースを紹介したって、ダメですか…」
キース 「マツカのコネだし、雇っては貰えそうなんだが…」

役僧どまりで、補佐役だよな、と副住職の深い溜息。

キース 「疲れるだけで、大した金にはならんだろう」
ジョミー「それじゃ車は買えないよね…」
??? 「なになに、車が欲しいって?」

ぼくにお任せ、とソルジャー登場(会話表記はAブルー)。

Aブルー「車くらいなら買ってあげるよ、ぼくが!」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!?」
Aブルー「もちろん、ぼくの青の間から!」

暇だから覗いてたんだよね、と悪びれない人。

Aブルー「葬祭センターでバイトするより、ぼくのお金で!」
シロエ 「自分で稼いだお金じゃないですよね、ソレ?」
Aブルー「当然じゃないか、ノルディに貰ったお小遣い!」
キース 「エロドクターか…」
Aブルー「そうだけど?」

でもお金には違いないよね、とソルジャーの笑顔。
それは確かに…。


2019/06/17 (Mon) 

 

☆有難さが問題


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困るという副住職。
濡れ鼠防止に切実に欲しいアイテムが車、なのに無いお金。

Aブルー「誰のお金だって、いいと思うけどね? この場合」
シロエ 「でもですね…。エロドクターのお金というのは…」
サム  「なんか罰当たりな感じだよなあ、聞いていてもよ」

浄財という気がしねえんだよな、と僧籍な人も。

サム  「ヒルマン先生とかだったらよ、有難そうだけどよ」
ジョミー「そうだよねえ…。ゼル先生でも、いい感じかも!」
シロエ 「教頭先生だとアウトなんですね、分かります」

有難さランキングというヤツが…、と大きく頷くシロエ君。

シロエ 「ブラウ先生なんかも、いいかもですよ」
マツカ 「気っぷの良さはピカイチですしね、姉御肌で」
スウェナ「エラ先生でも真面目で、素敵だわよ」
Aブルー「あのさあ…。その先生たちは払ってくれるわけ?」

キースのための車の資金、とソルジャーの問い。

Aブルー「それなら有難いだろうけど、どうなのかな?」
シロエ 「えーっと…。前借りとかは出来るんでしょうか?」
スウェナ「利息が凄いかもしれないわねえ…。人によっては」
ジョミー「ゼル先生とかは、そうかもしれないよね…」

トイチの利子とか言うんだっけ、とジョミー君。

ジョミー「闇金以上にキッツイかもねえ、もしかしたら…」
シロエ 「教頭先生は甘そうですけど、有難さの方が…」
マツカ 「ランキング外って感じですしね、残念ながら」

エロドクターほどじゃないですけれど、と御曹司の溜息。

マツカ 「狙い目はブラウ先生かも…」
キース 「だが、先生に借りるというのも…」

何か間違っているような…、と副住職が振っている首。

キース 「バイトしな、と言われそうでな、アッサリと」
シロエ 「それは間違いないですね…。先生ですから」
Aブルー「だから、ぼくが出すって!」
キース 「しかしだな…」

金の出処が有難くない、と話はループ。
さて、どうなる…?


2019/06/18 (Tue)

 

☆クリーンな病院


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困っている副住職。
法衣が濡れないように欲しいのが車、けれど資金が無い現実。

Aブルー「有難くないって、どういう意味でさ?」
キース 「エロドクターの金だという所だが?」

よりにもよって、あんなヤツの…、と副住職が顰める顔。

キース 「エロドクターという渾名な時点で、察してくれ」
Aブルー「うーん…。だけど、真っ当な稼ぎだよ?」

盗んだお金とかではないし…、とソルジャーの反論。

Aブルー「大病院の院長だしねえ、人助けして稼いだお金!」
サム  「そういや、そういうコトになるかもなあ…」
スウェナ「あれでも腕は凄いと聞くわね、外科だったかしら」
ブルー 「専門は外科だけど、オールマイティーだよ」

ダテに長生きしていないから…、と生徒会長。

ブルー 「腕もいいし、それを慕って人材の方も集まるし…」
シロエ 「経営手腕も凄いんですね、儲かってるってことは」
マツカ 「そうなるでしょうね、経営者としても一流かと…」

医者の腕だけでは、あそこまではなかなか…、と御曹司も。

マツカ 「ついでに言うなら、荒稼ぎではないようですよ」
一同  「「「へ?」」」
マツカ 「患者さんから毟ってはいないらしいです」

チップも受け取らないそうなんですよ、とマツカ君の情報。

マツカ 「相手が大金持ちの場合は、寄付という形で…」
シロエ 「お礼を貰ってるんですか?」
マツカ 「どうしても、と言われた時だけですね」

他の医師にも徹底しているみたいですよ、という話。

マツカ 「ですから、クリーンな病院で…」
キース 「あの野郎がか?」
マツカ 「意外ですけどね」

この情報は本物ですよ、と御曹司が押す太鼓判。

マツカ 「真っ当な稼ぎには違いないです、正真正銘」
Aブルー「ほらね、マツカのお墨付き!」
キース 「そうなのか…」
Aブルー「納得したなら、ぼくのお金で!」

車を買ってくれたまえ、とソルジャーの笑顔。
買いますか?


2019/06/19 (Wed)

 

☆二台持ちでどうぞ


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困るという副住職。
濡れ鼠防止に欲しいのが車、けれど資金が無い、悲しい現実。

Aブルー「遠慮しないで買ってよね! いい車を!」
サム  「軽自動車で充分なんだぜ、月参り用は」
Aブルー「そうなのかい? 高級車は歓迎されないと?」

お金はいくらでもあるんだけれど…、と気前のいい話。

Aブルー「だからキースの好みに合わせて、ドッカンと!」
ブルー 「あのねえ…。そういう場合は、二台持ちだよ」
一同  「「「はあ?」」」

二台持ちとは何のことだ、と誰もがキョトン。

シロエ 「会長、それって、どういう意味ですか?」
ブルー 「高級車を持つなら、他に月参り用のを一台!」
スウェナ「どうして、そういうことになるのよ?」
ブルー 「坊主丸儲けと言われないように、予防線だね」

それと月参りは機動力が最優先、と銀青様の解説。

ブルー 「駐車場はあっても道が狭いとか、色々あるから」
シロエ 「なるほど、それなら分かります」
Aブルー「ふうん…。だったら、二台、買ってあげるよ」

月参り用のと、高級車とを…、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「まずはカタログを貰うトコかな、あちこちで!」
サム  「おい、キース…。運が向いて来たじゃねえかよ」

車が二台も貰えそうだぜ、とサム君がグッと立てる親指。

サム  「アレだよな、維持費とかも払ってやるんだろ?」
Aブルー「もちろんだよ! ドンと任せてくれたまえ!」

ガソリン代は基本の「キ」だね、と胸を叩く人。

Aブルー「だからキースは選ぶだけ! 欲しい車を!」
一同  「「「イイネ!!!」」」

実に素晴らしい話なのでは、と一同、感激。

シロエ 「良かったですねえ、キース先輩! 車ですよ!」
ジョミー「しかも二台って、ゴージャスだよねえ!」
スウェナ「タダで貰えるトコがいいわよ」
キース 「しかし、タダほど…」

高いモノは無いと言うからな、と副住職の渋面。
裏があると…?


2019/06/20 (Thu)

 

☆通貨が違います


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困っている副住職。
濡れないように車が欲しくて、なのに資金が無いんですけど。

キース 「俺が思うに、この話には絶対、裏があるな」
シロエ 「まさか…。お小遣いには困っていない人ですよ?」

おまけに使う場所が少ない人です、とシロエ君。

シロエ 「あっちの世界では、通貨が違うでしょうからね」
Aブルー「そうなんだよねえ、残念なことに全く別物!」

古銭としての価値さえ無くってさ、とソルジャー、不満げ。

Aブルー「古銭で通るなら、売ったら儲かりそうだけど…」
ブルー 「君の世界の古銭とは違うわけなんだね?」
Aブルー「期待しながら調べてみたけど、違ったねえ…」

同じ地球なのに、この差はいったい…、と嘆くソルジャー。

Aブルー「きっと、こっちの地球は滅びはしないんだよ」
シロエ 「別の歴史を辿るんですね、そっちとは」
Aブルー「うん、多分…。通貨が違うくらいだからさ」

他の部分は似ているのにね、という話。

Aブルー「大陸の形とか、その辺は瓜二つなんだけどねえ…」
シロエ 「それじゃ昔は、お寺なんかもあったんでしょうか」
Aブルー「さあ、そこまでは…。興味ないから」

それでキースの車の方は…、と副住職の方に視線が。

Aブルー「もう今日にだって、買ってくれてもいいんだよ?」
サム  「ほらよ、こう言ってくれてるしよ…」
スウェナ「買いに行きましょうよ、この際、みんなで!」

素敵な車を選びましょ、とスウェナちゃんの提案。

スウェナ「軽自動車じゃなくて、高級車の方ね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 楽しそう!」

高級車のお店は素敵だもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「サービス、とっても充実してるし!」
ジョミー「なんで、ぶるぅが知ってるわけ? そんなお店を」
ブルー 「それはもちろん、ぼくと一緒に行ってるからだよ」
一同  「「「ええっ!?」」」

どうして高級車の店に、と一同、仰天。
生徒会長が…?


2019/06/21 (Fri) 

 

☆高級車に乗る人


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困るらしい副住職。
車があればいいんですけど、資金が無いのが悲しいわけで…。

ジョミー「高級車の店って…。ブルー、車を持ってたっけ?」
シロエ 「知りませんよね、会長の車なんて…」
ブルー 「うーん…。持ってると言えば、持ってるかな?」
一同  「「「えええっ!?」」」

実は運転できたのか、と誰もがビックリ。

シロエ 「いつの間に免許を取ったんです!?」
ブルー 「取ってないけど?」
サム  「それじゃ無免許運転なのかよ!?」
Aブルー「問題ないと思うけどねえ、バレなかったら」

事故らなければいいんだしね、とソルジャーの割り込み。

Aブルー「現にぼくだって運転してるよ、ノルディの車を!」
シロエ 「マジですか!?」
Aブルー「たまに、峠を攻めたりするねえ!」

きっとブルーも同好の士だよ、と笑顔全開。

Aブルー「で、君のオススメは、何処の峠なのかな?」
ブルー 「ぼくは峠は攻めないから!」
Aブルー「えーっと…? それじゃ難しい一般道とか?」

狭くてカーブが山ほどあって…、とソルジャー、興味津々。

Aブルー「君には負けていられないから、ぼくも挑戦!」
ブルー 「そういう所も走らないってば、運転しないし!」
一同  「「「へ?」」」

運転しないとは、これ如何に…、と一同、キョトン。

シロエ 「車は持っているんですよね? 高級車を…?」
ブルー 「持っていないということもないねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルーはソルジャーだしね!」

だから乗るのも高級車なの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「シャングリラ号よりは、車の方が安いもーん!」
サム  「そ、そうなのかよ? 運転手付きとか…?」
ブルー 「専属というわけでもないけど、運転手はいるね」
スウェナ「それで、高級車のお店に行くのね?」
ぶるぅ 「アフターサービス、一杯だしね!」

キースも車を買いに行こうよ、と言ってますけど。
高級車を…?


2019/06/22 (Sat) 

 

☆車を買うのなら


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困っている副住職。
濡れ鼠防止に車が欲しいのに、資金が無いという悲しい現実。

ぶるぅ 「んとんと…。ブルーの車と同じでもいいし…」
Aブルー「もちろん、ぼくは何処のでもいいよ!」

お金は出すから大丈夫、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「まずは高級車で、それから普段使いの方かな?」
ブルー 「買うなら、それがオススメのコースだね」
シロエ 「どうしてですか?」
ブルー 「店の扱いが違うからだよ!」

軽自動車を買いに行った時に…、と生徒会長。

ブルー 「高級車を買って、次は軽自動車を買うと言うと…」
サム  「呆れられるんでねえの?」
ブルー 「分かってないねえ、二台持ちは基本なんだよ?」

そういうお客様は多いんだよ、と指を一本立てまして。

ブルー 「目立たない車を買いに行く、と言うんだからさ…」
シロエ 「どうなるんです?」
ブルー 「車を出してくれるわけだよ、次の店まで!」

それもアフターサービスの内、と優雅な微笑み。

ブルー 「車で来たお客様じゃないから、送迎ってね!」
サム  「まさか、この人数でもオッケーなのかよ?」
ブルー 「当然だってば、そしてお店の車だから…」

当然、高級車になるね、という説明。

ブルー 「そういう車で、運転手つきで乗り付けたら?」
スウェナ「思い切り、サービス良さそうね…」
ブルー 「下にも置かないおもてなしだね!」

たとえ買うのは軽自動車でも…、とニッコリと。

ブルー 「上客なのは間違いないから、それは丁重に…」
シロエ 「扱ってくれるというわけですか!」

だったら、そのコースで行きましょう、とシロエ君。

シロエ 「キース先輩、まずは高級車です! 凄い車を!」
マツカ 「オススメの車種を知りたいのなら、調べますけど」
Aブルー「なるほど、マツカなら適任だよねえ!」
ぶるぅ 「行こうよ、キース!」

どんな車が買いたいの、という声ですけど。
キース君の好みは?


2019/06/23 (Sun)

 

☆条件付きでお願い


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困るという副住職。
車があればいいんですけど、無いのが資金で、そこへ助け舟。

ぶるぅ 「ねえねえ、キースはどんな車が欲しいの?」
キース 「どうせ買うなら、カッコいいのが好みだが…」
マツカ 「スポーツタイプになるんでしょうか?」
キース 「どちらかと言えば、そっちだが…。おい!」

この話、本当に裏は無いのか、と視線をソルジャーに。

キース 「どうも話がうますぎるんだが、気になるな」
Aブルー「えっ、裏なんかは無いけれど? 純粋な好意!」

いつもお世話になっているから、とパチンとウインク。

Aブルー「このくらいはさせて貰わないとね、たまにはさ!」
キース 「しかしだな…。タダほど高いものは無い、と…」
シロエ 「それは言いますけど、今回は大丈夫そうですよ?」
キース 「だが、不安なんだ、タダだなんて!」

それも高級車と二台持ちだぞ、と副住職、落ち着かない模様。

キース 「絶対に後で何かある、としか思えないんだが!」
Aブルー「なんだかねえ…。タダじゃダメだと?」
キース 「俺には恐ろしいだけだな、それは」

うまい話にも裏があるものだ…、と疑いを拭えない人。

キース 「あんた、本当は何がしたいんだ?」
Aブルー「くどいね、君も…。タダだと言っているのにさ!」
シロエ 「押し問答より、この際、何か条件をですね…」
サム  「つけるのがいいかもしれねえなあ…」

乗る前にお念仏を必ず百回唱えるだとか…、と出された案。

キース 「お念仏か…。まあ、そのくらいなら…」
Aブルー「ぼくのために百回というのは、悪くないねえ!」

極楽の蓮を予約しているんだからさ、と頷くソルジャー。

Aブルー「それでいこうかな、車を買ってあげる条件!」
シロエ 「ええ、ネーミングライツよりはマシですしね!」
キース 「お、おい…!」
Aブルー「ネーミングライツ?」

なんだい、それは、とソルジャー、キョトン。
もしや、失言?


2019/06/24 (Mon)

 

☆嫌がられる方向で


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困っていた副住職。
欲しかった車が買えそうですけど、スポンサーが問題でして。

Aブルー「それは初耳なんだけど…。どういうモノだい?」
シロエ 「い、いいえ! 今のは忘れて下さい!」

条件はお念仏でお願いします、とシロエ君、ワタワタ。

シロエ 「そっちなら極楽に直結ですしね、素敵ですよ!」
Aブルー「はぐらかされると気になるよねえ…」

ちょっとスマホで調べようかな、とイヤンな台詞が。

キース 「スマホって、あんた、持っていたのか!?」
Aブルー「ノルディに預けっぱなしだけどね!」

ぼくの世界じゃ使えないから、と宙に取り出しまして。

Aブルー「うーん…。ブルー、充電器、貸して」
ブルー 「充電できていなかった、と?」
Aブルー「そう! こればっかりは、ぼくにもどうにも」
ブルー 「いいけど、ぼくので良ければ貸すよ?」

調べ物をする程度なら、とポケットに手を。

Aブルー「ありがとう! それじゃ、早速!」
シロエ 「ま、待って下さい!」
Aブルー「どうしてだい?」
シロエ 「キース先輩に殺されちゃいます!」

ぼくが、と語るに落ちる発言。

Aブルー「ふうん…? シロエが困るんだ?」
キース 「俺も大いに困ると思うが!」
サム  「馬鹿かよ、お前…」

墓穴を掘ってどうするんだよ、とサム君、溜息。

サム  「ネーミングライツに決まりじゃねえかよ、コレ」
ジョミー「だよねえ、キースが嫌がる方に行くよね」
Aブルー「調べなくても、君たちに聞くのが早そうだねえ!」

これはいいや、とエロドクター宅にスマホを瞬間移動。

Aブルー「ネーミングライツというのは、どんなモノかな?」
スウェナ「命名権よ、好きな名前を付けられるのよ」
マツカ 「企業の名前が多いですねえ、ナントカドームとか」
Aブルー「なるほど、それじゃ、キースの車に…」
シロエ 「わーっ!」

人生終わった、とシロエ君、ガクブル。
終わりそうですね…?


2019/06/25 (Tue)

 

☆名前が付きそうです


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困っている副住職。
欲しかった車が貰えそうですけど、話はイヤンな方向へと。

Aブルー「キースの車に、好きな名前を付ける権利かあ…」
シロエ 「お、お念仏でいいじゃないですか!」

キース先輩も乗り気ですし、とシロエ君、必死。

シロエ 「極楽のいい蓮が手に入りますよ、間違いなく!」
Aブルー「それもいいけど、御利益パワーも欲しいからねえ」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「極楽に行くまでの間だよ! 生きてる間!」

そこも御利益が欲しいんだよね、とソルジャー、ウインク。

Aブルー「ネーミング…なんだっけ、それがいいかな、と」
キース 「あ、あんた、どうつけるつもりなんだ!」
Aブルー「それはもちろん! スッポンタケ1号と2号!」
一同  「「「ひぃぃっ!!!」」」

それはヒドイ、と一同、ドン引き。

キース 「す、スッポンタケ……」
Aブルー「素敵だろう? 乗る度に意識して貰えるしね!」

そして月参りの御利益も分けて貰えそう、とニコニコニコ。

Aブルー「軽自動車の方が2号になるかな、つけるなら!」
キース 「最初の方の条件にしてくれ、お念仏に!」
Aブルー「嫌がる方をプッシュしたいのは、王道だよね!」

ダテに「ぶるぅ」と暮らしてないよ、とニッコリと。

Aブルー「ぼくのぶるぅなら、嫌がる方を選んでなんぼ!」
キース 「あんたは、ぶるぅと違うだろうが!」
Aブルー「長年一緒に暮らしているとね、似てくるんだよ」

思考も好みも、瓜二つにね…、と笑顔全開。

Aブルー「そういうわけだし、ネーミングの方で!」
キース 「そ、そんな…!」

なんてことだ、とキース君、シロエ君をギロリと。

キース 「どうしてくれる、お前のせいだぞ!」
シロエ 「そ、それはそうかもしれませんけど…!」
キース 「何か言い分があるなら聞くが?」
シロエ 「ありません…」

あったら、ぼくも助かりますが、とブルブル。
殺されるかも?


2019/06/26 (Wed) 

 

☆条件は名前で


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困るらしい副住職。
濡れ鼠防止に欲しかった車、買って貰えそうな展開なのに…。

キース 「よりにもよって、その名前とは…。しかも両方…」
Aブルー「いい名前だと思うけれどね? 乗る度に供養で!」

日々の積み重ねが大切なんだろう、とソルジャーの笑み。

Aブルー「お念仏だって、毎日唱えてこそなんだよねえ?」
キース 「それを言うのか、唱えもしないあんたが!?」
Aブルー「門前の小僧っていうヤツだってば、覚えたんだよ」

君がしつこく言うものだから…、と涼しい顔。

Aブルー「そんなわけだし、車の名前はスッポンタケで!」
キース 「べ、別の名前はダメなのか? シャングリラとか」
Aブルー「その名前は船に使ってるだろう、こっちでも」

スッポンタケでいいと思う、とソルジャー、譲らず。

Aブルー「条件を付けろと言ったのは君だよ、最初にね!」
キース 「確かに言ったが、お念仏で話がついただろうが!」
Aブルー「スポンサーはぼくだよ、忘れちゃ困るね」

条件を付ける権利も当然、ぼくに…、とニッコリと。

Aブルー「シロエ、いいアイデアをありがとう!」
シロエ 「い、いえ、ぼ、ぼくはこの件、無関係です!」
キース 「お前が知恵をつけたんだろうが!」

この馬鹿野郎に余計な知恵を、とキース君、ブチ切れ。

キース 「スッポンタケ号に乗れと言うのか、この俺に!?」
シロエ 「そ、そういうつもりはありませんけど…!」
キース 「だが、結果的にそうなるぞ!」

こいつに車を買って貰ったら、名前が付いて…、と怒り心頭。

キース 「やっと車が手に入りそうだったのに…!」
シロエ 「す、すみません…!」

この通りです、とシロエ君、土下座。

シロエ 「謝りますから、諦めて下さい、キース先輩!」
キース 「俺に乗らせるつもりなんだな!」
シロエ 「そ、そうじゃなくって…!」

乗れとは言っていませんから、と顔面蒼白。
どうなるんでしょう?


2019/06/27 (Thu) 

 

☆ツケるそうです


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困っている副住職。
濡れ鼠防止に車が欲しくて、けれど資金が無かったわけで…。

シロエ 「この通り、謝りますってば! 車の件は!」
キース 「詫びるから乗れと言うんだろうが、酷い車に!」

なんという名前を付けてくれたんだ、と副住職、怒りMAX。

キース 「もう少しマシな名前だったら、まだ俺だって…!」
Aブルー「えーっと? マシっていうのは、どんな感じで?」
キース 「乗ってて惨めにならないヤツだ!」

背中にズシンと来ない感じに…、とブツブツブツ。

キース 「お念仏号とか、そういうのならば、耐えられる!」
Aブルー「でもねえ…。嫌がる条件でなんぼだしねえ…」

ぼくの「ぶるぅ」を見習うならば、とソルジャー、顎に手を。

Aブルー「覗きが生き甲斐なくらいで、ぼくのハーレイに…」
サム  「嫌がられてるよなあ、その趣味はよ…」
Aブルー「そうなんだよ! ぼくは、ぶるぅを見習いたい!」

スッポンタケ号で決まりだよね、と親指をグッと。

Aブルー「それじゃ車を買いに行こうか、何処に行きたい?」
キース 「……いや、もういい……」
Aブルー「遠慮しないで、高級車の店!」
キース 「どう転がっても、嫌な名前が付くからな…」

この件に関しては、無かったことに…、とフウと溜息。

キース 「いい夢を見たと思っておこう。そして忘れる!」
Aブルー「そう言わずにさ!」
キース 「いいんだ、シロエにツケておくから」
一同  「「「へ?」」」

どうして、そこでシロエ君に…、と誰もがキョトン。

ジョミー「シロエにツケるって、どういう意味さ?」
キース 「文字通りだが?」

シロエが金欠になったら発動するのだ、とニンマリと。

キース 「誰かが金を貸すとなったら、例のヤツをだな…」
スウェナ「ネーミングライツを使うのね?」
キース 「ああ、俺の分を無料で譲ってやるぞ」

シロエが嫌がる名前で頼む、とパチンとウインク。
復讐ですね…?


2019/06/28 (Fri)

 

☆戦犯にされる人


雨がシトシトな梅雨のシーズン、車が欲しかったのが副住職。
けれど逃してしまったわけで、その責任はシロエ君の上に。

シロエ 「ぼ、ぼくが嫌がる名前って…。何に付くんです?」
キース 「さあな? 工具かもしれんし、完成品かも…」
サム  「あー、借金で買ったパーツで作ったヤツな!」

そいつに嫌がる名前なのな、とサム君、ニンマリ。

サム  「シロエ、楽しみが出来たじゃねえかよ」
シロエ 「た、楽しみって…。ぼくはお金は借りません!」
ジョミー「どうかな、ソレ…。絶対って言える?」
スウェナ「高いパーツは沢山あるわよ、それに、この先…」

技術の進歩で増える一方じゃないかしら、とスウェナちゃん。

スウェナ「最先端のメカを自作となったら、高そうよ」
シロエ 「マツカ先輩に借りますから! そういう時は!」
キース 「おい、マツカ。貸す時は俺に言うんだぞ?」

ネーミングライツを譲るからな、と副住職の瞳がキラリ。

キース 「俺に黙って貸してやるほど、甘くないだろう?」
マツカ 「そうですね…。今回の件がありますから…」

キースが気の毒すぎますし、と御曹司も心から同情を。

マツカ 「ですから、シロエには悪いんですけど…」
シロエ 「マツカ先輩に借りても、変な名前が…?」
マツカ 「ええ、申し訳ありません」

そちらの方に頼むというのは…、と視線がソルジャーへと。

マツカ 「シロエの場合は、名前は特に付きませんよね?」
Aブルー「付けても意味が無いからねえ…」

お坊さんじゃないし、とソルジャー、溜息。

Aブルー「あーあ、ぼくの夢のスッポンタケ号が…」
キース 「俺だって夢が砕けたんだ!」

雨の中を月参りが続くんだ、とキース君、ブツブツブツ。

キース 「シロエが余計なことを言わなかったら…」
ジョミー「車、買えてたよね…」
キース 「そうなんだ、しかも二台持ちでな!」
サム  「戦犯かよ…」

A級だよな、とサム君のキッツイ指摘。
シロエ君の運命は…?


2019/06/29 (Sat)

 

☆仇を討つのなら


梅雨のシーズンは雨がシトシト、車さえあれば助かる月参り。
副住職の夢のアイテム、けれどもシロエ君の失言でパアに。

キース 「この馬鹿野郎をどうしてくれよう、よくも車を…」
ジョミー「A級戦犯になるってことはさ、死刑だよねえ?」
キース 「ああ、本当に殺してやりたいくらいだが!」

坊主は殺生禁止なんだ、と言いつつ指をボキボキボキ。

キース 「いっそタコ殴りにするというのも、一興だな」
シロエ 「そ、そんな…! 謝りますから、それだけは…!」
サム  「シロエの腕なら、逃げ切れるんでねえの?」

ダテに柔道、やってねえだろ、とサム君、しれっと。

サム  「キースが本気で殴って来たって、自慢の腕でよ…」
シロエ 「無理ですよ! キース先輩の方が腕が上です!」
キース 「分かっているなら、それでいい。…覚悟しろよ」

車の仇を討ってやるから、と必殺の構え。

キース 「二台分だし、命は無いと思っておけ!」
シロエ 「ひぃぃっ!」
Aブルー「キース、スッポンタケ号の仇をよろしく!」
キース 「……なんだって?」

どうしてそういうことになるんだ、とソルジャーをギロリ。

キース 「俺が討ちたいのは、俺の車の仇なんだが!」
Aブルー「だから、スッポンタケ号だろう?」

1号と2号、とソルジャー、真剣。

Aブルー「誕生する前に消えちゃったしねえ、可哀想に…」
キース 「シロエを殴ると、そうなるのか?」
Aブルー「当然だよ! ぼくも残念なんだから!」

シロエに存分にかまして欲しい、と言ってますけど。

キース 「くっそぉ…。目の前に仇がいるのに…」
サム  「討たねえのかよ?」
キース 「俺の拳が穢れるからな!」

怪しげなモノの仇は討てん、と引っ込める拳。

キース 「仕方ない、未来にツケておこう」
シロエ 「ど、どうなるんですか…?」
キース 「俺が忘れることを祈っておくんだな!」

この一件を、と捨て台詞が。
どうなりますやら、今月、これにて中継終了~。


2019/06/30 (Sun)






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☆梅雨の月参り


さて、六月。梅雨の季節で雨がシトシト、そういう毎日。
今日は土曜で学校は休み、生徒会長宅に来ている毎度の面々。

シロエ 「梅雨ですねえ…。雨が続くと、ウンザリしますよ」
サム  「だよなあ、何処かに行くって話が特に無くてもよ」
キース 「月参りも梅雨は大変なんだ。特に俺はな」
一同  「「「へ?」」」

どの辺が、と首を傾げる御一同様。

スウェナ「月参りなんて、いつでも同じコースでしょ?」
シロエ 「夏よりマシだと思いますけど、違うんですか?」
キース 「お前たち、俺の条件が分かっているのか?」
マツカ 「副住職ですよね、元老寺の」

他にも何かありましたっけ、とマツカ君の問い。

マツカ 「ぼくには思い付きませんけど、プロの事情が?」
シロエ 「あー、そういうのはあるかもですね」

アドス和尚とは違いますから、とシロエ君。

シロエ 「梅雨の季節はノルマが増えるとか、そんな感じで」
ジョミー「ありそうだよねえ、アドス和尚がサボリでさ」

雨だと車を出すのも面倒そうだし、とジョミー君の推測。

ジョミー「今日はお前が行ってこいとか、ドタキャン並みに」
サム  「うわー、当日になって丸投げかよ!」

それはキツイぜ、とサム君、ガクブル。

サム  「予定は全部狂っちまうし、マジでキツそう」
シロエ 「悲惨ですよね、心の準備も無いでしょうから」
キース 「もちろん、それもあるんだが…。それ以上にだ…」

俺には悲しい事情があって…、と副住職。

キース 「いいか、坊主の月参りには何が要るんだ?」
シロエ 「お経本でしょうか?」
キース 「もっと切実なアイテムなんだが」

その辺の道路で気付かないか、という質問。

シロエ 「道路って…。そういえば騒ぎがありましたっけ?」
スウェナ「あらっ、お坊さんが事故でも起こしたの?」
シロエ 「そうじゃなくって、ツイッターですよ」
一同  「「「えっ?」」」

ツイッターで何が、と誰もがキョトン。
お坊さんが炎上しましたか?


2019/06/01 (Sat)

 

☆呟いても安全


梅雨の季節で雨がシトシト、月参りで困るらしいのが副住職。
切実に必要なアイテムがどうとか、道路で気付くという話で。

ジョミー「ツイッターで騒ぎって…。お坊さんが炎上とか?」
サム  「俺は知らねえけど、ありそうだよなあ…」
スウェナ「生臭坊主ってよく言うものねえ、失言かしら?」

余計なことを呟いたとか…、とスウェナちゃん。

スウェナ「パルテノンのお茶屋で遊んでますとか、現場から」
キース 「いや、その程度なら、あるあるだ」
一同  「「「あるある?」」」
キース 「普通にあるから、特に炎上することはない」

一般人が気付いていないだけだ、と恐ろしすぎる発言が。

シロエ 「そ、そうなんですか!?」
キース 「ああ。坊主同士なら、誰が坊主か分かるんだが…」
ブルー 「素人さんには、全く判別不可能だしねえ…」

自分で坊主と言わない限りは、まずバレない、と生徒会長も。

ブルー 「だから何処からツイートしたって、安全なんだよ」
一同  「「「うーん…」」」

それはそうかも、と誰もが納得。

サム  「そうかあ、言わなきゃ安全なのな…」
マツカ 「でもですね…。騒ぎになったというのは何です?」
シロエ 「お坊さんが被害者だったんですよ」
一同  「「「被害者?」」」

いったい何が、と一同、キョトン。

ジョミー「追突されたとか、そんな感じで?」
スウェナ「煽り運転ってこともあるわよ」
シロエ 「いえ、反則切符を切られたんですけど…」
サム  「それの、どの辺が被害者なんだよ?」

道交法違反は犯罪なんだぜ、とサム君の指摘。

サム  「加害者までは行ってねえけど…」
シロエ 「その件については、被害者なんです」

後に取り下げられましたから、とシロエ君。

シロエ 「ツイッターで騒ぎになったお蔭で、謝罪つきで」
ジョミー「謝罪って…。まさか警察が謝ったわけ?」
シロエ 「そうなんですよね、全面的に」

誤認逮捕に近いものが…、と言ってますけど。
反則切符で?


2019/06/02 (Sun) 

 

☆多発ゲリラ的に


梅雨はシトシトと雨が降る季節、月参りで困るらしい副住職。
切実に必要なアイテムがあるとか、そこから道路の話へと。

サム  「誤認逮捕って、穏やかじゃねえよな…」
シロエ 「逮捕されたっていうわけじゃないですけれど…」

あくまで反則切符ですしね、とシロエ君。

シロエ 「でも、そのくらい騒がれたんですよ。全国区で」
スウェナ「リツイートの嵐だったのかしら?」
シロエ 「いえ、この場合はハッシュタグです」
一同  「「「ハッシュタグ?」」」

拡散希望というヤツだろうか、と誰の頭にも浮かんだモノ。

ジョミー「えっとさ…。拡散希望だとリツイートだよ?」
マツカ 「そうなりますよね。そのままでも、引用でも」
サム  「でもってバズるって展開だよなあ、リツイート…」

何万回もリツイートされて、とサム君が言うのがバズった人。

サム  「反則切符を切られた話が、バズったのかよ?」
シロエ 「違いますってば、ハッシュタグの方ですよ」
ジョミー「検索ワードのトレンド入りとか?」
シロエ 「それに近いんですけどね…。ちょっと違います」

ただのトレンドではないんですよ、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「もっとアクティブに、多発ゲリラ的に」
一同  「「「はあ?」」」

なんのこっちゃ、と誰もが傾げる首。

サム  「多発ゲリラって、どんなんだよ?」
マツカ 「アクティブというのも分かりませんよね…」
シロエ 「全員参加型が近いかもです、あえて言うなら」
一同  「「「全員参加?」」」

いったいどんな現象なんだ、と謎としか思えない言葉。

ジョミー「ハッシュタグで全員参加って…。つける時の話?」
シロエ 「そうです、そうです! つけてツイートで!」
スウェナ「アクティブってことは、何かしたってことかしら」
シロエ 「ええ。その名も『僧衣でできるもん』でした!」
一同  「「「僧衣でできるもん…?」」」

何をやったというのだろうか、と一同、ポカーン。
僧衣でですか?


2019/06/03 (Mon)

 

☆反則切符の理由


シトシトと雨が降り続くシーズン、月参りで困るのが副住職。
切実に必要なアイテムがあるそうですけど、今は道路の話。

サム  「僧衣でできるもん、っていうことはよ…」
ジョミー「アレを着て何かをやるってこと?」

メチャクチャ動きにくいんだけど、とジョミー君が顰める顔。

ジョミー「棚経で自転車に乗る時だって、苦労するんだよ!」
キース 「普段に練習していないからだ、お前の場合は!」
サム  「だよなあ、お盆の前の特訓だけでも違うぜ、それ」

俺は普通に乗れるもんな、と頷くサム君。

サム  「アドス和尚についていくには、必須のスキルだぜ」
スウェナ「容赦なくスクーターだものねえ、アドス和尚は」
ジョミー「ぼくは絶対、そっちは無理!」

今年もキースのお供でいいや、とブツブツブツ。

ジョミー「それはともかく、僧衣でできるって、何を…?」
シロエ 「半端ない芸ってヤツですよ」
一同  「「「芸?」」」

どういう意味だ、と顔を見合わせる御一同様。

マツカ 「あのですね…。反則切符を切られたんですよね?」
シロエ 「そうですよ?」
マツカ 「どうして芸の方へ行くんですか、反則切符から」
シロエ 「事情が事情だったからです」

その人は運転していただけです、とシロエ君の説明が。

シロエ 「スピード違反も、信号無視もしていないんですよ」
マツカ 「それなのに反則切符ですか?」
シロエ 「ええ。僧衣で運転していたから、と」
一同  「「「へ?」」」

それは普通のことなのでは、と一同、ビックリ仰天。

ジョミー「僧衣で運転って…。それってアルテメシアだと…」
スウェナ「当たり前よね、あちこちで走りまくっているわよ」

お寺が多い町だものね、とスウェナちゃん。

スウェナ「違反じゃないと思うけど…」
サム  「だよなあ、捕まったって話も聞かねえし…」
シロエ 「そこなんですよ、騒ぎの発端になったのは」

反則切符を切られた話が…、と言ってますけど。
どうなったと?


2019/06/04 (Tue)

 

☆僧衣でできるもん


雨がシトシト続くのが梅雨、月参りで困るらしいのが副住職。
切実に必要なアイテムがどうのと、道路で気付くという話で。

サム  「反則切符を切られたトコから、騒ぎなのかよ?」
シロエ 「そうです、有り得ないという話になりまして…」

アルテメシアでなくても普通ですから、とシロエ君。

シロエ 「僧衣で運転するのは違反、と言われてもですね…」
スウェナ「誰も捕まっていないわよ、此処じゃ」
シロエ 「ええ。ですから本人も納得がいかなくて…」

ツイートしたというわけです、と説明が。

シロエ 「そしたら全国で即反応で、ハッシュタグですよ」
マツカ 「僧衣でできるもん、っていうヤツですか?」
シロエ 「はい。それをつけてツイートしたのが芸です」
一同  「「「芸…」」」

半端ない芸というヤツか、と誰もが生唾をゴクリ。

ジョミー「あのさあ…。それって、どんな芸だったわけ?」
キース 「自転車でも文句なお前には絶対無理なヤツだ」
シロエ 「あっ、キース先輩も見てたんですね?」
ブルー 「ぼくも見てたよ、流行ってたからね」

みんな、なかなか芸達者だよ、と銀青様も。

ブルー 「一番凄いと思ったのはさ、バク転かな」
一同  「「「バク転?」」」
シロエ 「そうなんですよ、僧衣でバク転です」
一同  「「「ええっ!?」」」

僧衣でバク転が出来るのか、と一同、仰天。

サム  「マジかよ、アレでバク転なのかよ?」
シロエ 「正真正銘バク転でしたね、それも本堂で」
ブルー 「あれは本当に見事だったね、場所のチョイスも」

御本尊様の前でバク転だから、と銀青様。

ブルー 「リツイート数も一番多かったような…」
シロエ 「あれだけ凄いと、そうなりますよね」

他にも色々ありましたよ、とシロエ君の笑顔。

シロエ 「キース先輩には、あの手の芸は?」
キース 「あっても披露すると思うか?」
一同  「「「あー…」」」

アドス和尚の目があるしね、と頷く面々。
しかし、芸とは…。


2019/06/05 (Wed)

 

☆バク転できそうな人


梅雨の季節は雨がシトシト、月参りで困っているのが副住職。
切実に必要なアイテムがあるとか、道路で気付くそうでして。

シロエ 「じゃあ、キース先輩にも、ああいう芸はあると?」
キース 「さあな、試してみたことはないが…」

俺もバク転できるかもな、と副住職。

シロエ 「マジですか!?」
キース 「俺を誰だと思っているんだ、柔道部のくせに」
シロエ 「あー…。バク転くらいは楽勝ですよね、普通なら」

僧衣はともかく…、とシロエ君、納得。

シロエ 「先輩なら他にも出来るかもですね、僧衣で色々」
サム  「かもなあ…。んで、その話はどうなったんだよ?」

ハッシュタグをつけた騒ぎの後は、とサム君の問い。

サム  「謝罪があって取り下げはマジかよ、反則切符」
シロエ 「ええ。僧衣でも運転できると警察が認めました」
一同  「「「おおー…」」」

ツイートが警察を動かしたのか、と誰もが感動。

スウェナ「凄いわねえ…。バカッターも馬鹿に出来ないわね」
シロエ 「そうなんですよ、普段はバカッターですけどね」
ジョミー「バイトテロとかの温床だしね…」

同じ炎上でもいい話だよ、とジョミー君。

ジョミー「お坊さんを少し見直したかな」
サム  「おっ、修行する気になったのかよ?」
ジョミー「それは別! ところでキースの月参りはさ…」

その話と何か関係あるわけ、と質問が。

ジョミー「道路で気付くって言っていたけど、運転の話?」
キース 「まあな。俺にとっては夢物語というわけで…」
一同  「「「夢物語?」」」

何が、と首を傾げる御一同様。

シロエ 「あのう…。僧衣でバク転、出来るんですよね?」
キース 「恐らくな」
シロエ 「だったら、何が夢物語だと?」

夢というのは何でしょうか、とシロエ君、不思議そうな顔。

シロエ 「他に決めたい技があるとか?」
キース 「そっちではなくて、運転の方だ」

まずはそっちが問題なんだ、と言ってますけど。
運転って…?


2019/06/06 (Thu)

 

☆副住職のマイカー


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困るという副住職。
切実に必要なアイテムがどうとか、道路を見れば気付くとか。

シロエ 「運転が問題って…。さっきの僧衣の話でしょうか」
ジョミー「僧衣で運転、かまわないことになったんだよね?」

反則切符の件は取り下げなんだから、とジョミー君。

ジョミー「だったら、何が夢物語になるってわけ?」
キース 「俺にとっての夢物語だと言った筈だぞ」
シロエ 「えっと…。僧衣でキメたい技とは違うんですね?」
キース 「そのハッシュタグの原因は、そもそも何なんだ?」

そこをよくよく考えてみろ、という指摘。

キース 「それで気付くと思うんだがな」
スウェナ「僧衣で車を運転してたら、反則切符なのよね?」
サム  「普通に運転してるぜ、誰でも」
シロエ 「ええ。そのせいで炎上だったんですしね」

自分も運転している人たちが決起しました、とシロエ君。

シロエ 「いくらなんでも酷すぎる、ということですよ」
ジョミー「キースは運転してても、元から捕まらないよ?」

アルテメシアで走るんだから、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「アドス和尚も、普段、車で走ってるよね」
キース 「まだ気付かんのか、お前たちは!」

切実に必要だとまで言ったのに…、と副住職の眉間に皺が。

キース 「俺の車を誰か見たのか、一度でも!?」
一同  「「「えっ?」」」
キース 「だから車だ、俺のマイカーというヤツだ!」

見たというヤツは手を挙げろ、とグルリ見回す部屋の中。

キース 「軽自動車でも何でもいいから、俺の車を!」
シロエ 「キース先輩、実は車を持ってましたか?」

持ってるんなら乗ればいいのに、とシロエ君。

シロエ 「学校はマイカー禁止でしょうけど、此処とかは…」
ジョミー「来ればいいよね、駐車場も広いし」
サム  「俺たちに合わせる必要はねえぜ」
キース 「わざとか、それは!」

誰が好き好んでバスで来るか、と吊り上げる眉。
なら、車は…?


2019/06/07 (Fri) 

 

☆車なら出します


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困るらしい副住職。
切実に必要なアイテムがあるそうで、道路で気付く話から…。

シロエ 「でもですね…。好き好んでバスで来るんでしょう」
スウェナ「そうよね、私たちは車で来られないから…」
ジョミー「マツカの場合は、その気になったら出来るけどさ」

運転手つきの高級車でさ、とジョミー君。

サム  「それをしねえのが、マツカのいい所だぜ」
マツカ 「あの…。よろしかったら、車、回しましょうか?」

梅雨の間は送迎用に…、と御曹司の申し出。

マツカ 「大型車は目立って嫌だと言うなら、普通車でも」
サム  「あー! 普通車でも五人はいけるよな!」
マツカ 「はい。運転手さん以外に、五人乗れます」

ぼくが助手席に座りますよ、と御曹司の笑顔。

マツカ 「それならキースも、自分の車で来られますしね」
一同  「「「イイネ!」」」

次からマツカ君にお願いしよう、と誰もが乗り気。

スウェナ「車さえあれば、土砂降りになっても安心だわよ」
シロエ 「ちょっとした荷物も乗せて貰えますしね」
ジョミー「うん、玄関先まで送迎だよね!」

そしてキースも元老寺から自分の車…、とジョミー君の笑顔。

ジョミー「これで文句は無いと思うよ、キースもさ!」
サム  「だよなあ、それこそ法衣で走って来られるぜ」

バスに乗るのはアレだけどよ…、とサム君も。

サム  「車だったら、別に普通の風景だしよ…」
シロエ 「ええ、アルテメシアじゃ日常ですよ」

次から自分の車でどうぞ、とシロエ君。

シロエ 「なにしろ学校じゃないですから」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 駐車場に停めていいからね!」

遠慮なくどうぞ、という声が上がってますけど。

キース 「お前たち、本当にわざとだろうが!」
ジョミー「えっ、何が?」
キース 「俺の車の話なんだが!」
シロエ 「ですから、来ればいいでしょう?」

ぼくたちも車にしますから、とシロエ君。
次回から、送迎つき…?


2019/06/08 (Sat) 

 

☆見てのお楽しみ


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困るという副住職。
切実に必要なアイテムがどうとか、そこからズレて車の話に。

シロエ 「マツカ先輩、車、お願い出来るんですよね?」
マツカ 「もちろんです。明日からお迎えに回りますよ」
一同  「「「やったー!!!」」」

明日は日曜、予報は雨なだけに誰もが歓声。

ジョミー「玄関先まで送迎かぁ…。嬉しいよね!」
サム  「マジで助かるよな、昨今の雨は半端ねえしよ」
スウェナ「降る時は、思い切り土砂降りだったりするものね」
シロエ 「そうなんですよね、特に梅雨末期が怖いですよ」

被害が出ないといいんですけど、とシロエ君。

シロエ 「下手をすると、お坊さんの出番になりますから」
一同  「「「あー…」」」

昨今の豪雨は恐ろしいから、と頷く御一同様。

マツカ 「災害回避も、キースに祈って貰いましょう」
サム  「だよなあ、そのための毎日のお勤めだしよ」
シロエ 「車で来られるようになる分、心をこめてですね…」

朝のお勤めをよろしくお願いします、という注文。

シロエ 「バスより、ゆっくり出られるでしょうし」
サム  「うんうん、しっかり祈ってくれよな」
キース 「おい、お前たち…」

本当の本当に、わざとなのか、と副住職の低い声。

ジョミー「えっ、わざとって…。何が?」
キース 「だから、車だ! 俺の車というヤツをだな…」

いったい誰が見たと言うんだ、と聞いたようなセリフ再び。

シロエ 「見てませんってば、ぼくたちは」
サム  「乗って来ねえものは見られねえよな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 明日のお楽しみーっ!」

駐車場まで見に行こうね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「どんな車かな、カッコいいのが来るといいよね!」
サム  「いやいや、そこは軽なんじゃねえの?」
ジョミー「アドス和尚より、いい車ってことはないよね」
キース 「あのな…」

ちゃんと話を聞いているのか、と言ってますけど。
どの辺が…?


2019/06/09 (Sun)

 

☆聞いていない話


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困るらしい副住職。
切実に必要なアイテムがどうのと、そこから今は車の話に。

シロエ 「話だったら、ちゃんと聞いてると思いますけど」
キース 「とてもそうとは思えないが?」

俺の車の話というのが…、と副住職の渋面。

キース 「車があったら、今の話にはなっていないぞ」
一同  「「「へ?」」」
キース 「梅雨の季節は、月参りで困ると言った筈だが」
シロエ 「ええ、その話は聞きました」

それで道路の話ですよね、と応じたシロエ君。

シロエ 「道路でお坊さんと言ったら、例のヤツですよ」
サム  「さっきの「僧衣でできるもん」だよな?」
シロエ 「そうです、そうです! 運転ですから!」
スウェナ「この国って、ホントに広かったのねえ…」

僧衣で運転は普通だと思っていたのにね、という声が。

スウェナ「梅雨でなくても、アルテメシアじゃ日常だわよ」
シロエ 「キース先輩だって、もちろん運転するでしょう?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 明日は衣で来てくれていいよ!」

みんな衣は慣れてるもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「法要の時は衣で来るから、お馴染みだも~ん!」
一同  「「「シーッ!!!」」」

今、その言葉は言わなくていい、と皆が唇に指を。

ぶるぅ 「んとんと…。なんで?」
シロエ 「とても危険だからですよ! 今の台詞は」
サム  「だよなあ、反応されたら怖いぜ」

特に誰とは言わねえけどよ、とサム君、ブルブル。

サム  「だからキースも、衣で来るのはやめとけよな」
キース 「それ以前の話をしているんだが!」

さっきからずっと…、とブチ切れそうな副住職。

キース 「衣で運転して来るも何も、俺にはどうにも…!」
シロエ 「出来ないっていうのは分かりますけどね、アレ…」
ジョミー「手に負えないしね、自己中でさ」
キース 「その話ではないと…!」

何度言ったら分かるんだ、と握り締める拳。
違うんですかねえ…?


2019/06/10 (Mon) 

 

☆必要なアイテム


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困るという副住職。
切実に必要なアイテムがどうとか、そこから車の話ですけど。

キース 「あの馬鹿野郎の話ではなくて、その前にだな!」
一同  「「「シーッ!!!」」」

その名を出すな、と誰もが唇を指で押さえて警告。

キース 「す、すまん…。しかし本当に、俺の話を…」
シロエ 「聞いてますってば、ですから明日は衣でですね…」
サム  「来てもいいって、ぶるぅも言ってるじゃねえか」
スウェナ「食べこぼしたって安心よ? ぶるぅがいるもの」

お菓子も料理も、ドンとお任せ、とスウェナちゃん。

スウェナ「それこそケチャップをぶちまけたって、大丈夫!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しみ抜きも任せてね!」

サイオンがあるから即日仕上げ、と元気一杯な声が。

ぶるぅ 「アドス和尚に叱られる前に、元通りだよ!」
シロエ 「良かったですねえ、明日は衣で来て下さいよ」
キース 「それが出来たら、月参りごときで誰も困らん!」

俺の話をどう聞いたんだ、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「切実に必要なアイテムが無い、と言ったんだが!」
シロエ 「えーっと…。ガソリンが切れましたか?」
サム  「あー…。でもって金欠で、入れられねえ、と…」

それはキツイぜ、と頷くサム君。

サム  「アドス和尚じゃ、前借りとかは無理そうだしよ…」
ジョミー「出来ても、利息が半端ないよね…」
シロエ 「闇金も真っ青な感じでしょうね」

そうなると車は走りませんね、とシロエ君、納得。

シロエ 「確かに話が切実ですよ、ガス欠だなんて」
スウェナ「雨の日こそ、車の出番だわよねえ…」

私たちも明日から車で送迎なんだから、とスウェナちゃん。

スウェナ「そうだわ、マツカに借りなさいよ、ガソリン代!」
シロエ 「いいですね!」
マツカ 「お貸ししますよ、いくらでしょう?」
キース 「だからだな…!」

本当に話を聞いていないな、と怒ってますけど。
ガス欠ですよね?


2019/06/11 (Tue)

 

☆ガス欠もお任せ


梅雨のシーズンは雨がシトシト、月参りで困るらしい副住職。
切実に必要なアイテムがどうとか、どうやらガソリンな模様。

シロエ 「話だったら聞いていますよ、アイテムが無いと」
サム  「だよなあ、でもってガス欠なんだろ?」
スウェナ「ガソリンが無いと、車は走らないものねえ…」
マツカ 「それは確かに切実ですから、ガソリン代なら…」

お貸ししますから入れて下さい、と御曹司の申し出。

マツカ 「返せるアテが無いというなら、差し上げますけど」
ジョミー「流石はマツカ! ガソリン代くらい、楽勝だしね」
マツカ 「いえ、キースにもプライドがあるでしょうから…」
シロエ 「どうするんですか?」

まさか現物支給だとか…、とシロエ君の疑問。

シロエ 「でもって、キース先輩が家で自分で入れるとか?」
サム  「おいおい、それは危ねえんじゃねえの?」

ガソリンなんだぜ、とサム君が震わせる肩。

サム  「いくら梅雨でも、引火しちまったらえらいことに」
一同  「「「うわー…」」」

火事になるか、ドカンと爆発するか…、と誰もがガクブル。

シロエ 「マツカ先輩、現物支給は危険ですよ!」
マツカ 「分かってますよ。ですから、ガソリンスタンドへ」
一同  「「「へ?」」」
マツカ 「父の会社の直営の所がありますからね」

其処へ行って入れて貰えれば…、と御曹司の笑み。

マツカ 「店員さんに言っておきますから、タダになります」
サム  「おー、太っ腹! 洗車もつくとか?」
マツカ 「ご希望だったら、そちらの方もお付けしますよ」

どうぞ、いつでも行って下さい、とマツカ君、ニッコリ。

マツカ 「それならキースも、遠慮しないで済みますし…」
シロエ 「良かったですねえ、キース先輩! もう早速に!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ガソリン入れて、明日は車だね!」
キース 「どうしてそういう話になるんだ、お前たちは…!」

わざとだろうが、と言ってますけど。
ガス欠は解決しそうですよね?


2019/06/12 (Wed)

 

☆車が無いんです


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困るという副住職。
切実に必要なアイテムの方は、ガソリンみたいですけれど…。

シロエ 「わざとも何も、ぼくたちは心配してるんですよ!」
サム  「そうだぜ、マツカはガソリンの手配まで…」
キース 「だから、どうしてそうなるんだ! 車の話に!」

俺の車は存在しない、と副住職、ブチ切れ。

キース 「俺が持っているのは自転車だけだ!」
一同  「「「えっ?」」」

愕然とする御一同様。

サム  「マジかよ、軽自動車も持ってねえのかよ?」
キース 「前から何度も話していると思うんだがな…」

スクーターの許可が出ない話を…、と副住職の苦い顔。

キース 「棚経を自転車でやってる時点で、気付いてくれ!」
シロエ 「でもですね…。切実に必要なアイテムって…?」
キース 「そいつが車というヤツなんだ!」

梅雨の季節の月参りには欠かせないぞ、とブツブツブツ。

キース 「檀家さんの家には停められなくても、近所まで」
ブルー 「あー…。そうだね、そういう人は多いね」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「うん。法衣は濡れると厄介だからさ、色々と」

乾きにくいし、洗濯だって大変だし…、と銀青様。

ブルー 「なるほど、キースも車が欲しい、と」
キース 「親父に言うだけ無駄とは分かっているんだが…」

それでも欲しいと思うんだ、とフウと溜息。

キース 「しかし買おうにも、先立つものが…」
ジョミー「軽自動車なら安いんじゃあ?」
キース 「俺は小遣いしか貰っていないのに、どうしろと?」
一同  「「「あー…」」」

マツカ君とは違うもんね、と誰もが遠い目に。

サム  「アドス和尚だと、小遣いだって少なそうだよな…」
スウェナ「マツカのお小遣いとは、二桁くらい違いそうよね」
キース 「恐らく、そんな所だろうな」
ジョミー「貯金は?」
キース 「あると思うのか?」

あったら使っていると思うが…、という指摘。
それは確かに…。


2019/06/13 (Thu)

 

☆法衣が濡れると


梅雨の季節は雨がシトシト、月参りに行くのも大変だそうで。
キース君が欲しいアイテムは車、けれど資金が全く無い悲劇。

シロエ 「貯金するにも、バイトもしていませんからね…」
キース 「ああ。小遣いだけでは無理がありすぎるんだ」

車を買えるような金は貯まらん、と副住職の嘆き節。

キース 「副住職とは名前ばかりで、給料が無いしな…」
サム  「高校生なのが裏目に出るよな、その辺はよ…」
スウェナ「学費は全くかからないのに、ケチな話よねえ…」
ジョミー「特別生はタダだもんねえ、ウチの学校」

アドス和尚の懐は痛まないのにさ、とジョミー君も。

ジョミー「その分、お小遣いを値上げしてくれたって…」
キース 「俺も言ってはみたんだが…。愚か者めが、と」

一喝されて終わりだった、とキース君、肩をガックリと。

キース 「それに法衣が濡れる話も、親父に言わせると…」
シロエ 「どうなるんですか?」
キース 「洗濯するのはおふくろだろう、とバッサリだった」
一同  「「「あー…」」」

それは確かに、と誰もが納得。洗濯はイライザさんのお仕事。

ジョミー「そう言われたら、どうしようもないよね」
シロエ 「あれっ? でもですね、それならキース先輩…」

悩む必要はないのでは、とシロエ君の問い。

シロエ 「濡れた法衣は、イライザさんが洗うんでしょう?」
キース 「その通りだが?」
シロエ 「だったら先輩は、困りはしないと思いますけど」

イライザさんに丸投げですし、と鋭い指摘が。

シロエ 「ずぶ濡れだろうが、何も問題ないですよ?」
キース 「いや、檀家さんに対して御迷惑なんだ、濡れ鼠は」

そんなので家に上がられてみろ、と副住職。

キース 「玄関から雫がポタポタと落ちて、仏壇の前まで…」
サム  「濡れるってわけかよ、通ったトコが」
キース 「座布団も、中までグッショリだな」
一同  「「「うわー…」」」

それは嫌かも、と一同、ドン引き。
檀家さんだって嫌ですよね?


2019/06/14 (Fri) 

 

☆切実に欲しいもの


雨がシトシトな梅雨のシーズン、月参りで困っている副住職。
濡れ鼠で檀家さんの家に行ったら、御迷惑がかかるのだとか。

シロエ 「座布団がグッショリは最悪ですよね、ソレ…」
スウェナ「今の季節は乾きにくいし、大変だわよ」
サム  「布団乾燥機にかけるにしたって、なんだかなあ…」

思いっ切り余計な手間ってヤツで…、とサム君も唖然。

サム  「車が無いとそうなるのかよ、月参りって?」
キース 「いや、それではあんまりすぎるしな…」
シロエ 「何か対策を講じるんですか?」
キース 「とても大変だが、傘に加えて雨合羽だな」

裾までカバーできるヤツを…、と副住職。

キース 「それなら濡れんし、御迷惑はかからないんだが…」
スウェナ「だったらいいんじゃないかしら? その方向で」
キース 「しかし、脱ぎ着が大変なんだ!」

檀家さんの家に着く度、脱いで、また着て、とブツブツブツ。

キース 「その点、車があった場合は、サッと拭くだけで」
ジョミー「済むってわけだね、タオルとかで?」
キース 「そういうことだ。だから切実に車が欲しい!」

車さえあったら楽になるのに…、と仰ぐ天井。

キース 「なのに先立つものが無いから、どうにもならん!」
シロエ 「宝くじとかはどうでしょう?」
キース 「当たるより前に、余計な金が飛ぶと思うが」
一同  「「「あー…」」」

当たらなかったら、パアになるのが宝くじ。

シロエ 「厄介ですねえ、車は安くはないですし…」
マツカ 「お譲りするのは簡単ですけど、嫌ですよね?」
キース 「俺にもプライドがあるからな…」

正当な稼ぎで手に入れたいんだ、と副住職の溜息。

キース 「せめて割のいいバイトでもあれば、助かるんだが」
ブルー 「坊主の場合は、稼ぎのいいバイトは限られるしね」
シロエ 「いわゆる葬祭センターでしょうか?」
キース 「正直、そのくらいしか思い付かんしな…」

だが、高校生では務まらないぞ、と顰める顔。
そうなんですか?


2019/06/15 (Sat) 







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☆フェアに勝負を


料理人つきでも修行は嫌なジョミー君、お坊さんの道を拒否。
ところがプッシュするのがソルジャーでして、不穏な空気に。

ジョミー「マンションの裏とか、怖すぎるから!」
Aブルー「でもさ、学校だと校舎の裏が定番なんだろう?」

呼び出してケリをつける時には…、とソルジャー、サラリと。

Aブルー「だけど学校でやるというのは、マズそうだしね」
シロエ 「そうですねえ…。会長の名に傷が付きそうです」
キース 「ブルーだと思い込むだろうしな、目撃者が」

そういう時に限って人が来るのだ、とキース君。

キース 「そしてスマホで隠し撮りされて、拡散とかで」
一同  「「「うわー…」」」

それは非常にヤバイのでは、と誰もがガクブル。

サム  「やっぱマンションの裏がいいよな、そうしろよ」
スウェナ「住んでるのは仲間ばかりなんだし、安心よ!」
マツカ 「通報も拡散もされませんよね、此処だったら」
シロエ 「ええ、会長も心配無用ですしね」

やるなら其処で、とマンションの裏手の株が急上昇。

シロエ 「そうと決まれば、存分にどうぞ」
Aブルー「うん、全力で片を付けるよ」

素手でも、けっこういけると思う、と自信溢れるソルジャー。

Aブルー「海賊と勝負した時には、剣を使ったけどね」
ジョミー「け、剣って…?」
Aブルー「決闘だってば、サイオンでズルをしたけれど」

だけど君とはフェアにやるよ、とニコニコニッコリ。

Aブルー「何かと文句があるみたいだしね、ガチンコ勝負で」
ジョミー「ぼ、ぼくは、しつこいって言っただけで…!」

顔を貸せとは言っていない、とジョミー君、激しく逃げ腰。

ジョミー「なのにマンションの裏だなんて! 殺されるよ!」
Aブルー「ああ、その点なら大丈夫! 半殺しで止めるから」
ジョミー「は、半殺しって…。そこまで派手にボコるんだ?」
Aブルー「お坊さんになれるだけの力は残すけれどね!」

お坊さんが減ったら困る、と言ってますけど。
半殺しにはすると…?


2019/05/16 (Thu)

 

☆手加減は無しで


料理人つきの修行でも嫌なジョミー君、お坊さんは断固拒否。
けれどソルジャーはプッシュしてまして、不穏な空気の今。

ジョミー「お坊さんになれる力は残すって、何さ!」
Aブルー「なって貰わないと困るからだよ、お坊さんには!」

だから半殺しで止めておくのだ、とソルジャー、力説。

Aブルー「そうと決まればサッサと勝負! ほら、立って!」
シロエ 「マンションの裏に行くんですね?」
Aブルー「あそこが一番良さそうだからね、いろんな意味で」

ガチンコ勝負だから、二人きりで…、とニンマリと。

Aブルー「ぶるぅは此処から中継を頼むよ、サイオンで」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いつもの生中継だね!」

任せといて、と張り切る「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「二人とも、全力で頑張ってねーっ!」
Aブルー「それはもちろん! 出来ればジョミーを一撃で!」
サム  「倒すのかよ?」
Aブルー「そうしたいねえ、ぼくの実力を試すなら!」

一発で地面に沈めてこそだ、と怖すぎる台詞。

Aブルー「剣は無くても、ぼくの拳があれば充分!」
スウェナ「それ、実戦で使ったことがあるのかしら?」
Aブルー「無いから試してみたいんだってば!」

人類軍じゃ、ちょっと相手が悪すぎてね…、とフウと溜息。

Aブルー「あっちは白兵戦のプロだし、格闘技もさ…」
シロエ 「仕込まれているってわけですね?」
Aブルー「メンバーズには及ばなくても、それなりにはね」

だけどジョミーは素人だから、とニコニコニコ。

Aブルー「丁度いいんだよ、ぼくの実力を発揮するには」
ジョミー「え、えっと…。ホントに初めて殴るわけ?」
Aブルー「そうだけど?」

手加減は無しで行くからね、とソルジャー、キッパリ。

Aブルー「なにしろ、使ったことが無いから…」
シロエ 「手加減の仕方が分からないんですね?」
Aブルー「そうなるねえ!」
一同  「「「うわー…」」」

恐ろしすぎる、と誰もがドン引き。
ジョミー君の運命は…?


2019/05/17 (Fri)

 

☆ガチンコ勝負で


料理人つきでもジョミー君が嫌がる修行生活、お坊さんの道。
ところがプッシュするのがソルジャー、今の流れは決闘へと。

ジョミー「て、手加減が分からないって、無茶だから!」
Aブルー「それじゃ聞くけど、君は手加減できるのかい?」

喧嘩の道のプロだろうか、という質問。

Aブルー「喧嘩じゃなくても、格闘技とかさ」
ジョミー「ど、どっちも素人なんだけど…!」
サム  「うんうん、番を張ろうってタイプじゃねえしよ」
シロエ 「部活だって、サッカー部を希望でしたしね…」

マツカ先輩の方が強い筈です、とシロエ君。

シロエ 「柔道部生活、長いですから…。マツカ先輩も」
マツカ 「いえ、それほどでも…。滅多に負けませんけど」
キース 「明らかにマツカの方が強いぞ、ジョミーよりかは」

技もそうだし、足腰も鍛えているからな、と副住職も。

キース 「多分、喧嘩も強いだろう。性格的には向かないが」
マツカ 「そうですね…。正当防衛くらいでしょうか」
シロエ 「素人さんが相手だったら、過剰防衛でいけますよ」

もちろん手加減できますけどね、とシロエ君の笑顔。

シロエ 「なにしろ、ぼくたち、セミプロですから」
キース 「ああ。手加減が出来なくては話にならんな」
Aブルー「ふうん、そういうものなんだ? でもさ…」

ジョミーは全く出来ないんだね、と頷くソルジャー。

Aブルー「ということは、ぼくも全力で行かないと!」
キース 「その方針は間違ってないな」
シロエ 「ジョミーも手加減無しで来ますし、正しいですよ」

ガチンコ勝負はそういうものです、とシロエ君の指摘。

シロエ 「ですから、どうぞ存分に!」
Aブルー「ありがとう!」

腕が鳴るよ、とソルジャー、満面の笑み。

Aブルー「それじゃ行こうか、マンションの裏へ!」
ジョミー「ちょ、本気で…!?」
Aブルー「もちろんだってば!」
ジョミー「殺されるよーっ!」

ぼくは命が惜しいんだけど、とジョミー君の絶叫。
ピンチですね?


2019/05/18 (Sat)

 

☆サービス付きです


料理人つきでも修行は嫌なジョミー君、お坊さんは全面拒否。
なのにソルジャーがプッシュするわけで、流れは決闘へと。

ジョミー「こんな人に本気でやられたら、死ぬから!」
シロエ 「でもですね…。相手も素人なんですから」
キース 「そうだぞ。実戦は初めてらしいし、勝ち目はある」

頑張って全力で行ってこい、と副住職の激励。

キース 「万が一、負けて死んだ時には、骨は拾ってやろう」
ジョミー「キースが言うと、シャレにならないから!」

骨を拾うのが仕事じゃないか、とジョミー君、ガクブル。

ジョミー「でもって、お経を唱えて、お墓に…」
キース 「言っておくがな、坊主は基本は、骨は拾わん」

アレは身内がやるものだ、と副住職の指摘。

キース 「坊主が拾うのは、野で行き倒れた仏様だとか…」
ブルー 「身寄りが無いとか、そういうのだねえ…」
ジョミー「そうなんだ?」
キース 「ああ。そこを特別に拾ってやろうと言っている」

もちろん読経もセットものだ、と合掌を。

キース 「遠慮しないで、思う存分、戦ってくれ」
Aブルー「はいはーい、質問!」
キース 「なんだ?」
Aブルー「そのサービスは、ぼくの場合もつくのかな?」

骨を拾ってくれるんだろうか、とソルジャーの問い。

Aブルー「ぼくがジョミーに敗北したら、どうなるんだろう」
キース 「あんたは負けない気がするんだが…」

どう考えても、ジョミーの方が負けるような、と正直な意見。

キース 「いくら勝負は水物とはいえ、あんただしなあ…」
ブルー 「だよねえ、負けるとは思えないよ」
Aブルー「でも、万一ってことはあるから!」

そのサービスを付けて欲しいな、とソルジャー、真剣。

Aブルー「骨を拾って貰えるんなら、安心だしね!」
キース 「念のために聞くが、どういう意味で安心なんだ?」
Aブルー「もちろん、天国に行くためだよ!」
キース 「極楽と言え!」

間違えるな、とツッコミが。
そういう問題なんですかねえ…?


2019/05/19 (Sun)

 

☆お経もセットで


料理人つきの修行でも断るジョミー君、お坊さんは絶対に嫌。
けれどソルジャーはプッシュしてまして、決闘をする方向へ。

Aブルー「えっと…。天国みたいなものだよね、ソレ?」
キース 「阿弥陀様がいらっしゃる場所は、お浄土だ!」

西方極楽浄土と言うのだ、と副住職。

キース 「本気で行きたいと思っているなら、正しく言え!」
Aブルー「でもねえ…。ぼくの世界じゃ馴染みが薄くて…」

どうしても天国になっちゃうんだよね、とソルジャー、苦笑。

Aブルー「そこの所は勘弁してよ。ところで、ぼくの骨は?」
キース 「俺に拾えと言っているのか?」
Aブルー「それと、お経もセットでお願い!」

ちゃんと天国に行けるように、という注文。

Aブルー「君が確約してくれるんなら、ホントに安心!」
キース 「とても負けるとは思えんが…。そう言うのなら…」
Aブルー「ありがとう! これで骨を拾う人も決まったし…」

そろそろ行こうか、とソルジャーの視線がジョミー君に。

Aブルー「ほら、立って! ぼくとマンションの裏に行く!」
ジョミー「嫌だよ、真面目に殺されるから!」
Aブルー「さっきも言ったよ、半殺しにしかしないって!」

お坊さんが減ったら困るからねえ、とニッコリと。

Aブルー「でもまあ、戦死は戦死だろうし、君の骨はさ…」
キース 「俺が拾って、きちんと供養をしてやろう」
サム  「お経は俺も読んでやるから、安心しろよな」
ブルー 「ぼくもサービスさせて貰うよ、お経くらいは」

何なら衣で待機しようか、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「その方がいいなら、そうするけれど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お袈裟も用意しなくちゃね!」

上等のお袈裟がいいのかな、と無邪気なお子様の問い。

ぶるぅ 「それとも、ランクは低めでいいの?」
ブルー 「せっかくだから、最上級のヤツにしようかな」
Aブルー「イイネ!!!」

是非ともそれにしてくれたまえ、と喜ぶ人。
死ぬ気ですかねえ…?


2019/05/20 (Mon)

 

☆お坊さんが待機


修行は料理人つきでも嫌なジョミー君、お坊さんの道を拒否。
けれどソルジャーは全面的にプッシュで、決闘する方向へと。

Aブルー「最高の衣装を用意してよね、ぼくたちのために!」
ブルー 「死ななきゃ意味が無いんだけどねえ?」

お経は死ななきゃ必要無いし、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「多分、ジョミーにしか役に立たないかと…」
Aブルー「万一っていうこともあるから、そっちに期待!」
ブルー 「期待するって…。死んでもいいわけ?」
Aブルー「天国行きが確約ならね!」

ミュウの未来より、そっちが大切、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「ぶっちゃけ、充実のセックスライフが最優先で!」
ブルー 「……ミュウの未来は、どうでもいいと?」
Aブルー「ついでだったら、ちゃんと面倒見るけどね!」

最優先にはしたくないなあ…、と指導者とも思えない言葉。

Aブルー「そういうわけだし、上等の袈裟の用意をよろしく」
ブルー 「はいはい、分かった! ジョミー用だろうけど」
サム  「どう考えても、ジョミー用だぜ…」
シロエ 「勝てるとは思えませんからねえ…」

でもまあ、頑張って貰いましょうか、とシロエ君。

シロエ 「万に一つは勝てるんですから、死ぬ気で一発!」
スウェナ「そうよね、ガツンとやって欲しいわよねえ…」

この人には迷惑してるんだから、とスウェナちゃんも。

スウェナ「勝てば英雄よ、頑張りなさいよ!」
ジョミー「そ、そんなことを言われても…!」

戦うのも死ぬのも、ぼくじゃないか、とジョミー君、真っ青。

ジョミー「みんなは中継を見てるだけだし!」
サム  「いいじゃねえかよ」

高みの見物と言うじゃねえか、とサム君、キッパリ。

サム  「潔く、ガチで勝負をしてこいよな!」
Aブルー「というわけだし、マンションの裏へ行こうか」
ぶるぅ 「行ってらっしゃあーい!」
ジョミー「殺されるーっ!」

死にたくない、と叫ぶジョミー君、強制連行。
人生、おしまい…?


2019/05/21 (Tue)

 

☆勝ち目の無い人


お坊さんの道を拒否したジョミー君、ソルジャーと決闘。
そういう流れになってしまって、マンションの裏へ強制連行。

サム  「行っちまったけど、勝ち目はねえよなあ…」
ブルー 「無いだろうねえ、万に一つも」
シロエ 「どうするんですか、衣と袈裟は?」
ブルー 「様子を見てから考えようかな、着替えが面倒!」

なにしろ出したら片付けなくちゃね、と生徒会長。

スウェナ「あら、ぶるぅにお任せなんでしょ、それは?」
ぶるぅ 「うんっ! 風を通して、きちんと畳んで…」
サム  「ブルーの出番はねえじゃねえかよ」
ブルー 「だから、その分、気を遣うんだよ」

余計な手間を増やさないように…、という台詞。

ブルー 「食べこぼしとかはアウトだからねえ、衣や袈裟は」
ぶるぅ 「染み抜きをしたら、綺麗になるよ!」
ブルー 「だけど、ぶるぅの仕事が増えるし…」

生中継には食べ物と飲み物もセットで欲しい、と銀青様。

ブルー 「明らかに飲み食いするというのに、法衣はねえ…」
サム  「あー…。法事の席とは、ちょっと違うよな」
ブルー 「そうなんだよ。ただのイベントで馬鹿騒ぎだしね」

ジョミーが真面目に勝負して死んだら、それから支度…、と。

ブルー 「着替え自体は、サイオンを使えば一瞬だから」
シロエ 「そうでした! ところで、ジョミー先輩は?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ まだ、マンションの中にいるよ!」
一同  「「「へ?」」」

そろそろ裏に着く頃なのでは、と一同、ポカーン。

サム  「まだ中って…。何処で足止め食ってんだよ?」
ぶるぅ 「エレベーターの前!」

こんな感じなの! とサイオン中継の画面が出現。

ジョミー「嫌だ、乗ったら地獄に直行だからーっ!」
Aブルー「ガタガタ言わずにサッサと乗る! 迷惑だから!」
ジョミー「殺されるのに、乗るわけないし!」
Aブルー「他のフロアの人が困るじゃないか!」

この階にキープしないように、と叱ってますけど。
乗りますかねえ?


2019/05/22 (Wed) 

 

☆素人なのにプロ


お坊さんの道を拒否したジョミー君、ソルジャーとの決闘へ。
けれどエレベーターの前で嫌だと踏ん張り、大迷惑なのが今。

Aブルー「ほら、乗って! 早くマンションの裏へ行く!」
ジョミー「地獄行きだって分かってるのに、乗らないよ!」

ギャーギャー騒いでいるわけでして、エレベーターが足止め。

サム  「往生際の悪いヤツ…。どうすんだよ、アレ」
シロエ 「下の階の人に御迷惑ですよね…」
ブルー 「最上階だしね、此処は」

仲間ばかりのマンションとはいえ…、と生徒会長。

ぶるぅ 「んとんと…。ジョミー、押し込んじゃう?」
ブルー 「それでもいいけど、多分、ブルーが…」

痺れを切らして蹴り込むと思う、と言い終えない内に…。

Aブルー「乗れと言ったら、ガタガタ言わずに乗りたまえ!」
ジョミー「ひぃぃっ!」

シュッと突き出されたソルジャーの拳、避けたジョミー君。

ジョミー「えっ? あれっ?」
Aブルー「よし、乗った! さて、一階へ…」

ソルジャーがボタンを押して扉が閉まり、動くエレベーター。

シロエ 「蹴り込むんじゃなくて、追い込みましたね…」
キース 「あいつ、本当に喧嘩は素人なのか?」
マツカ 「そうなんでしょうけど、実戦経験多数ですから…」
サム  「咄嗟の時の判断ってヤツは、プロ級なのな…」

相手の動きが読めるんだぜ、とサム君、ブルブル。

サム  「こりゃ間違いなく、今日はジョミーの命日でよ…」
スウェナ「ブルーがお経を読むことになるのね…」

それにキースも、とスウェナちゃん。

キース 「そのようだ。法衣は持って来ていないんだが…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お取り寄せしてあげるよ!」

瞬間移動で元老寺から、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の笑顔。

ぶるぅ 「だから、お経を読んであげてね!」
キース 「ああ、骨は拾うと約束したしな」
ブルー 「その前に中継を楽しまなくちゃね、決闘の!」

飲み食いしながら見物しよう、と銀青様。
完全に見世物…。


2019/05/23 (Thu)

 

☆立ち合いの人を


ソルジャーと決闘が決まったジョミー君、マンションの裏へ。
只今、強制連行中で、エレベーターで降りてゆきまして…。

Aブルー「ほら、1階! サッサと降りる!」
ジョミー「わ、分かったってば、此処で殴らないでよ!」

まだマンションの裏じゃないし、とジョミー君、逃げ腰。

Aブルー「降りたら、真っ直ぐ外に出る! でもって裏へ!」
ジョミー「え、えっと…。立ち合いの人は?」
Aブルー「なんだい、それは?」
ジョミー「死刑の前には、話を聞いてくれる人がいるって…」

そう聞いたけど、とジョミー君、歩きながらボソボソ。

シロエ 「妙なことを言ってますねえ、ジョミー先輩」
ぶるぅ 「そだね~。はい、お菓子と飲み物、用意したよ!」
キース 「有難い。俺はコーヒーで頼む」
ブルー 「ぼくは紅茶で。ケーキは、とりあえず二種類かな」

楽しくやろう、と中継画面を前に盛り上がる面々ですけど。

Aブルー「死刑の前に話って…。そうなのかい?」
ジョミー「宗教に合わせて、色々選べる仕組みなんだけど…」

その役目の人は何処にいるのさ、とジョミー君の問い。

ジョミー「殺されるのは確実なのに、その人がいないと…」
Aブルー「どうなるんだい?」
ジョミー「多分、法律違反だと思う!」

係の人を呼んで来てよ、とゴネる間にマンションの裏に到着。

ジョミー「ほらね、此処にも誰もいないし!」
Aブルー「誰もいないから選んだんだよ、勝負の場所に」
ジョミー「だけど法律違反だから!」

ぼくを殺すなら立ち合いの人を、とジョミー君。

シロエ 「法律違反だと言ってますけど?」
キース 「間違ってはいないと思うんだがな…」

相手はアレだ、とキース君、お手上げのポーズで、案の定…。

Aブルー「それは、こっちの世界の法律だよね?」
ジョミー「そうだよ、この国で決まってるヤツで…」
Aブルー「だったら、ぼくには関係ないし! まるで全く!」

別の世界の人間だしね、と勝ち誇った笑み。
リーチですかね…?


2019/05/24 (Fri) 

 

☆世界が違います


お坊さんを拒否したジョミー君、ソルジャーと決闘な展開に。
マンションの裏へ強制連行、他の面子はサイオン中継で見物。

Aブルー「君は忘れていないかい? 此処を選んだ理由をさ」
ジョミー「校舎の裏が定番だから、って言ったよね?」
Aブルー「それだけじゃなくて、ぼくの存在が問題なんだよ」

校舎の裏だと、ブルーと間違えられる可能性が…、と説明が。

Aブルー「別の世界の人間だなんて、言えないしねえ…」
ジョミー「そ、そうだけど…。それが、どうかしたわけ?」
Aブルー「つまり、この国の法律がどうであろうとさ…」

ぼくには関係ないんだよ、とソルジャーがグッと立てる親指。

Aブルー「君が言ってる立ち合いの人は、いなくてOK!」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
Aブルー「それに殺すとは言ってないしね、半殺しまでで!」

分かったんなら勝負しようか、と両手の指をボキボキボキ。

Aブルー「第一、ぼくの世界の場合は、死刑の時には…」
ジョミー「立ち合いの人はいないとか…?」
Aブルー「いるわけないだろ、SD体制なんだからね!」

更にミュウとなれば、死刑もなくて…、と冷たい笑み。

Aブルー「死刑の代わりに処分なんだよ、犬猫並みに!」
ジョミー「しょ、処分って…?」
Aブルー「こっちの世界の保健所より酷いね、正直な所」

処分ついでに生体実験とかもあるし…、と淡々と。

Aブルー「そんなわけだから、立ち合いの人がいても…」
ジョミー「まさか研究者で、何もしないとか…?」
Aブルー「うん、実験をするだけだね!」

そういう人でいいんだったら、呼ぶけれど、とニンマリと。

Aブルー「君の心拍数を測る人とか、そんな感じで」
ジョミー「まさかキースたちを呼んで、ぼくのデータを…?」
Aブルー「お望みだったら、その方向で検討するよ」
ジョミー「それ、絶対に要らないから! 見世物だし!」
Aブルー「既に見世物だよ」

見てるかな? と中継画面に手を振るソルジャー。
余裕たっぷり…。


2019/05/25 (Sat)

 

☆阿弥陀様に告げ口


お坊さんを拒否したジョミー君、マンションの裏で孤立無援。
ソルジャーとの決闘は生中継になり、他の面子は高みの見物。

Aブルー「聞こえるかなーっ? データを取ろうって話で!」
ジョミー「ま、待ってよ、そんなのは頼んでないから!」

それより誰か助けに来てーっ! とジョミー君の絶叫。

ジョミー「どう考えても殺されるから! この展開だと!」
Aブルー「遠慮しないで全力で来てよ、ぼくが死ぬかも!」

死んだ方は骨を拾って貰えるしね、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「セットでお経も読んで貰えて、天国が確約!」
ジョミー「そ、そうだ! ぼくが死んだら極楽なわけで…」
Aブルー「その通り! だから安心して勝負しようか!」
ジョミー「してもいいけど、ぼくが極楽行きになったら…」

言いつけるからね、とジョミー君。

ジョミー「とても酷い目に遭ったんです、って阿弥陀様に!」
Aブルー「なんだって?」
ジョミー「一方的に殴り付けられて死にました、って!」

それでいいなら御自由にどうぞ、と開き直り。

ジョミー「さあ、殴れば? 蹴ってもいいけど」
Aブルー「無抵抗の君を殴れって?」
ジョミー「うん、そうでないと言いつけられないし!」

ぼくは手も足も出さないよ、とニッコリと。

ジョミー「遠慮しないで、ドカンとやってよ!」
Aブルー「そ、それは…」

ぼくの評価がヤバイのでは…、と固まるソルジャー。

ぶるぅ 「んとんと…。なんだか変な感じだよ?」
キース 「ジョミーのヤツ、無駄に知恵が回るな」
シロエ 「あれで殴れば、極悪人にしかなりませんしね…」
ブルー 「悪人も極楽へ行けるとはいえ、流石にねえ…」

言いつける人がいるのはマズイかもね、と銀青様も。

ジョミー「煮るなり、焼くなり、好きにしてよね!」
Aブルー「て、天国でのぼくの評価は、どうなるんだい?」
ジョミー「そんなの、ぼくには全く関係ないし!」

先に極楽へ行くだけだしね、とジョミー君。
まさかの逆転…?


2019/05/26 (Sun) 

 

☆告げ口で地獄へ


お坊さんを拒否したジョミー君、ソルジャーと決闘な展開に。
けれどマンションの裏で抵抗、阿弥陀様に告げ口がとうのと。

Aブルー「君を思い切り殴った場合は、阿弥陀様の評価は…」
ジョミー「さあ? 無抵抗なのに殴るんだしさ…」

いいとは思えないけれど、とジョミー君。

ジョミー「でもさ、ぼくには関係ないから、好きにしてよ」
Aブルー「そ、そう言われても…!」

評価が下がったら大変じゃないか、とソルジャー、真っ青。

Aブルー「最悪、天国に行けなくなるってこともあるよね?」
ジョミー「よく知らないけど、あるんじゃないかな」

そういう時は地獄行きなのかもね、とジョミー君、サラッと。

ジョミー「だけど地獄は慣れてると思うし、大丈夫!」
Aブルー「なんで慣れてることになるのさ!」
ジョミー「SD体制の世界だと、ミュウは生き地獄だよね?」

たまたま楽をしているだけで、基本はそっち、という指摘。

ジョミー「普通のミュウは地獄で暮らして、処分されてて…」
Aブルー「それはそうだけど、ぼくは違うから!」
ジョミー「今の暮らしになる前は、地獄だったと思うけど…」

アルタミラとか言っていたよね、と更なる攻撃。

ジョミー「そういう時代に戻るだけだし、問題ないよ」
Aブルー「大ありだってば!」

地獄なんかは御免こうむる、とソルジャー、ブルブル。

Aブルー「君を殴れば、地獄送りに…」
ジョミー「うん、頑張って告げ口するから!」

遠慮なくどうぞ、と広げる両手。

ジョミー「全力で殴れば?」
Aブルー「うっ…」

なんてことに…、とソルジャー、固まっていますけれども。

ぶるぅ 「えとえと…。これってどうなっちゃうの?」
ブルー 「さあねえ、二人とも間違っているんだけどさ」
シロエ 「どういうことです?」
ブルー 「地獄落ちにはならないんだよね、ブルーは」
一同  「「「えっ?」」」
ブルー 「お念仏だよ」

阿弥陀様の教えはそうなっている、と銀青様。
お念仏って…?


2019/05/27 (Mon)

 

☆地獄行きは無い


お坊さんを拒否してソルジャーと決闘、ピンチなジョミー君。
マンションの裏で追い詰められて、阿弥陀様に告げ口だとか。

シロエ 「お念仏って…。それで地獄に落ちないんですか?」
ブルー 「阿弥陀様が立てた誓いの一つが、それなんだよね」
スウェナ「どういうことよ?」
ブルー 「一度でもお念仏を唱えていたなら、必ず救うと…」

仰ったからには、ブルーに地獄行きは無い、と銀青様。

シロエ 「でもですね…! あの人、一度も唱えてませんよ」
ブルー 「だけど代理を立ててるだろう?」
マツカ 「キャプテンに頼んでいるらしいですね」
ブルー 「代理であっても、有効なんだよ」

だからブルーは極楽行きが決定してる、という解説。

ブルー 「でも、面白いから放っておこう」
サム  「ジョミーの場合は、勉強不足が出ていやがるぜ」

あれでも坊主の端くれなのに、とサム君が嘆いてますけれど。

ジョミー「分かったんなら、サッサと殴ってよ!」
Aブルー「殴ると地獄に落ちるんだよね?」
ジョミー「すぐじゃないけど、死んだ後にね」

ぼくが心をこめて告げ口、とジョミー君、ニヤニヤ。

ジョミー「ほら、早く! 実力を試したいんだよね?」
Aブルー「試したいけど、それをやったら後が無いから…!」

この決闘は無かったことに…、と踵を返すソルジャー。

Aブルー「すまなかったね、部屋に戻ろうか」
ジョミー「えっ、本当に?」
Aブルー「うん。戻って仲直りの盃でも…」

ぶるぅの料理で一杯やろう、とマンションの方へスタスタと。

ジョミー「イイネ!」
Aブルー「お坊さんの道は励んで欲しいけれどね…」

その件はまた改めて、と消滅したのが決闘騒ぎ。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理を食べに戻るって!」
サム  「つまらねえ…。なんだよ、コレ!」
シロエ 「まったくです。決闘に期待してたのに…」
スウェナ「高みの見物がパアだわよ!」

食べながら見る予定だったのに、と一同、ガックリ。
パアですね…。


2019/05/28 (Tue)

 

☆決闘よりも沈黙


ジョミー君とソルジャーの決闘、生中継される筈だったのに。
呆気なく中止になった挙句に、仲直りの盃を交わすらしくて。

ブルー 「うーん…。ぼくの衣も出番無しかぁ…」
キース 「どっちの骨も、拾う必要が無くなったしな…」

実につまらん、と副住職も。

シロエ 「地獄行きが無い件は、どうするんです?」
マツカ 「戻って来たら教えてあげるんですか?」
サム  「また決闘にならねえか、ソレ?」
スウェナ「いいじゃないの、楽しめるんだから!」

仲直りよりも決闘だわよ、と過激な意見も出ていますけど。

ブルー 「極楽行きが決定だなんて、ブルーに言うとさ…」
キース 「もう間違いなく調子に乗るから、俺は言わんぞ」
ブルー 「ぼくも沈黙を守っておくよ」
一同  「「「えーっ!?」」」

つまらない、と頬を膨らませる御一同様。

シロエ 「でもですね…。せっかくの決闘なんですから!」
ブルー 「じゃあ、この先も巻き込まれたいと?」
シロエ 「何にです?」
ブルー 「極楽に行くブルーにだよ! 法要だとか!」

お浄土が確定してるとなったら、今以上に…、と潜める声。

ブルー 「功徳を積もうと法要三昧、そんな感じかと」
一同  「「「うわー…」」」

それは嫌だ、と一同、ドン引き。

シロエ 「や、やっぱり黙っていて下さい!」
キース 「ほら見ろ、お前たちも喋るんじゃないぞ」
一同  「「「は、はいっ!」」」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 帰って来たみたい!」

間もなく玄関の方から戻って来たのが、決闘に行った二人。

ブルー 「決闘は中止なんだって?」
Aブルー「地獄に行くのは御免だからねえ、ぼくだって」

極楽の蓮を予約しているのにさ…、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「だから仲直りの盃ってことで、ジョミーと乾杯!」
ぶるぅ 「パーティーだよね、御馳走、一杯あるからね!」
Aブルー「みんなも乾杯してくれたまえ!」

ジョミーの坊主な未来のために、という台詞。
そうなんですか?


2019/05/29 (Wed) 

 

☆前祝いで乾杯を


ジョミー君とソルジャーの決闘は中止、代わりに仲直りの盃。
パーティーになるらしいですけど、乾杯が未来のためでして。

ジョミー「何それ、ぼくの坊主な未来って!?」
Aブルー「そのまんまだよ、未来は立派なお坊さんに!」

なれることを祈って乾杯しよう、とソルジャー、笑顔全開。

Aブルー「ぶるぅ、御馳走をよろしくね! ジュースとかも」
ぶるぅ 「んとんと…。ブルーはお酒だよね?」
Aブルー「もちろんだよ! いいシャンパンはあるのかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いつでも切らさないよ!」

お祝い事に間に合うように、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「他にも沢山揃えてるしね、ワインも日本酒も!」
Aブルー「それはいいねえ、ブルーと楽しく飲めそうだ」
ブルー 「いいねえ、ジョミーの修行の前祝いといこうか」
ジョミー「えっ?」

前祝いって…、とジョミー君が見開く瞳。

ジョミー「修行だったら断ったけど! だから決闘で!」
Aブルー「そうだけれどさ、決闘は中止になったしさ…」

これも阿弥陀様のお導きだよね、と門前の小僧的な台詞が。

Aブルー「あんな所で死んでいないで、坊主になれ、と」
サム  「あー…。それはあるかもしれねえなあ…」
ジョミー「ちょ、なんでサムまで!」
サム  「どうせいつかは修行なんだし、いいじゃねえかよ」

この際、皆で祝っておこうぜ、と僧籍な人。

サム  「寮の食事が不味い件もよ、解決するしよ…」
スウェナ「ぶるぅが厨房に入ってくれたら、大丈夫だものね」
ぶるぅ 「ぼく、頑張る!」
シロエ 「頼もしいですよね、ジョミー先輩も安心ですよ」

お祝いしましょう、とシロエ君の弾ける笑顔。

シロエ 「決闘が見られなかったのは残念ですけど…」
キース 「パーティーというのも悪くないしな、前祝いで」
Aブルー「乾杯の音頭は、ぼくでいいよね?」
一同  「「「オッケー!!!」」」

用意が出来たら乾杯しよう、と盛り上がる席。
ジョミー君の未来は…?


2019/05/30 (Thu) 

 

☆未来に乾杯


決闘は中止で、仲直りの盃になったソルジャーとジョミー君。
ところが乾杯の音頭が問題、坊主な未来の前祝いだとか。

ぶるぅ 「えとえと、お料理をズラッと並べて…」
シロエ 「凄いですねえ、そんなに作ってあったんですか?」
ぶるぅ 「みんなが来る日は沢山作るの! それからね…」

お客様に備えて用意があるの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「仕上げるだけのを冷凍だとか、そんな感じで!」
スウェナ「流石ね、ホントにジョミーも安心だわね」
マツカ 「ええ。ぶるぅが作れば、精進料理も素敵ですよ」
サム  「厨房に来てくれるんだもんなあ、楽しみだぜ」

修行コースに行くのがよ、とサム君も嬉しそう。

Aブルー「料理はこれで揃ったのかな? あとは飲み物?」
ぶるぅ 「そだよ、グラスもいいのを出したし…」
キース 「良かったな、ジョミー。皆で祝ってやるからな」
ジョミー「い、要らないってば、そんなのは!」

お坊さんになんかならないからね、と言ってますけど。

Aブルー「まあまあ、その時は、またマンションの裏へ!」
ジョミー「えっ?」
Aブルー「君さえ顔を貸してくれれば、その性根をね!」

一撃でキッチリ叩き直すよ、とソルジャー、指をボキボキ。

ジョミー「あ、阿弥陀様に言い付けるから! 地獄行き!」
Aブルー「その頃までには、口封じの技を考えておくよ」

ねえ? と視線が生徒会長に。

ブルー 「そうだね、ぼくもジョミーには期待してるし…」
キース 「及ばずながら、俺も力添えすることにしよう」
ジョミー「えーっ!?」
Aブルー「ほらね、こうなれば、地獄行きは無し!」

だから前祝いで乾杯だよね、とソルジャー、満面の笑顔。

Aブルー「みんな、飲み物は行き渡ったかな?」
一同  「「「はーい!」」」
Aブルー「それじゃ、ジョミーの坊主な未来に!」
一同  「「「かんぱーい!!!」」」
ジョミー「わーっ!」

それは違う、という悲鳴は綺麗にスルー。
今月、これにて中継終了~。


2019/05/31 (Fri) 






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☆楽しかった宇宙


さて、五月。風薫る季節で、ゴールデンウイークなシーズン。
もっともシャン学メンバーの場合、登校義務も無いわけで…。

シロエ 「楽しかったですねえ、ゴールデンウイーク!」
サム  「うんうん、あそこしか行けねえもんなぁ、宇宙は」
ジョミー「シャングリラ号に乗れるの、其処だけだもんね…」

普段は乗せて貰えないから、とジョミー君。

ジョミー「地球に戻って来てる時でも、絶対、ダメって…」
ブルー 「仕方ないだろう、そういう決まりなんだから」

乗れるだけ有難いと思いたまえ、と生徒会長の溜息が。

ブルー 「特権なんだよ、君たちだけのね」
ぶるぅ 「そだよ、ブルーのお友達だも~ん!」

今日だって遊びに来てるもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「お休みの日は、いつも来てくれるもん!」
シロエ 「美味しい御馳走とお菓子が待ってますしね」
スウェナ「それに家だって、騒ぎ放題なのが最高よ!」

仲間しかいないマンションの最上階だし、と視線を窓へ。

スウェナ「おまけにフロアが丸ごと家でしょ、素敵だわよ」
ジョミー「そのせいで、余計な人まで来るんだけどね…」
一同  「「「シーッ!!!」」」

先月の苦労をもう忘れたのか、と皆が唇に人差し指を。

ジョミー「あっ、ごめん…! つい、気が緩んで…」
サム  「宇宙暮らしの後は、気分がデカくなるよな」

地球とは全く違うからよ、とサム君。

サム  「何処まで行っても、星また星でよ…」
シロエ 「ワープしたって、また星ですしね」
マツカ 「本当に素敵な眺めでしたよ、宇宙空間」
キース 「あればかりは、ブルーに感謝だな」

宇宙船でゴールデンウイークなんて…、とキース君も。

キース 「その上、飯が美味いんだ。下手な店よりも」
ブルー 「それはもちろん! クルーの士気は大切だからね」
ぶるぅ 「頑張ってる人には、美味しいお料理!」
キース 「確かにな…」

坊主の世界とは真逆でいいな、と副住職。
そうなんですか?


2019/05/01 (Wed)

 

☆士気が下がる料理


ゴールデンウイークは宇宙で過ごした、シャン学メンバー。
宇宙船の中でも美味しい料理で、クルーの士気は大切だとか。

シロエ 「えーっと…? お坊さんの世界は逆なんですか?」
スウェナ「頑張ってる人には、不味い料理になるのかしら?」
キース 「どちらかと言えば、そういう傾向が…」

サムとジョミーなら分かるかもな、と副住職。

キース 「璃母恩院の修行体験ツアーに、その片鱗が…」
ジョミー「あーっ! 最初の晩しか、肉が出ないんだよ!」
サム  「次の日から麦飯で、精進料理になるんだよなあ…」

だけど、そんなに不味くはねえぜ、とサム君の意見。

サム  「ジョミーにはキツイかもしれねえけどよ」
ジョミー「麦飯だけで、充分、不味いってば!」
シロエ 「なるほど、入門編でもそうなるんですね」
マツカ 「するとキースが入ったような道場だと…」

更に厳しくなるんでしょうね、と御曹司。

マツカ 「精進料理に限定だったら、お味はかなり…」
シロエ 「落ちるんでしょうね、食材に限りがありますから」
ぶるぅ 「んとんと…。精進料理でも、美味しく出来るよ?」

お肉もどきとか、お魚もどきとか、という元気な声が。

ぶるぅ 「前に御馳走したことあるでしょ、そういうの!」
ジョミー「肉まんまで作ってたっけね、確かに…」
キース 「ぶるぅみたいに腕が良ければ、まだいいが…」

優秀な人材は、そうそういない、と副住職の苦い表情。

キース 「だから、どうしても不味い方へと」
シロエ 「真面目に修行に励んでいたって、ダメなんですね」
キース 「ああ。士気が高まる料理は出ない」

真面目じゃない方が、美味いものが食える、とフウと溜息。

キース 「修行中の身では、チャンスは限られてくるんだが」
ジョミー「そういえば…。キースも高飛びしてたっけ」
ブルー 「ぼくの顔で脱出させたね、一度」
一同  「「「焼肉パーティー…」」」

確かに行った、と蘇る記憶。
キース君も逃げたんでしたっけ…。


2019/05/02 (Thu)

 

☆不味いのが基本


シャングリラ号でゴールデンウイークだった、いつもの面々。
宇宙でも美味しい料理が出たのに、お坊さんの世界はアウト。

シロエ 「会長の顔で脱出でしたね、キース先輩…」
キース 「ああ。老師に呼ばれて、何かと思えば…」

焼肉パーティーへの招待だった、と副住職。

キース 「銀青様が待っておられるから、と何故か堂々と…」
ブルー 「ちゃんと外出許可が出ただろ、ぼくのお蔭で」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ タクシーでお出掛けだもんね!」
キース 「修行僧には、普通、有り得ないことなんだがな…」

そんな有難い脱出などは…、と合掌を。

キース 「せいぜい、古参のお供で外出できる程度で…」
シロエ 「お供も修行の内なんでしょう?」
キース 「古参に気に入られていた場合は、そうでもないぞ」

カラオケにも行けるし、食事にだって…、という発言。

キース 「しかし、そうそう運は向いて来ない」
ジョミー「普通にシゴキで終わっちゃうんだ?」
キース 「そういうことだな、美味い料理は滅多に食えない」

フライドチキンのお裾分けくらいだ、と言われましても。

スウェナ「フライドチキンって…。許されるのかしら?」
サム  「ダメだと思うぜ、鶏肉だしよ」
キース 「もちろんアウトだが、古参は部屋でコッソリと…」

レンジでチンして食っているんだ、と潜める声。

キース 「もっと偉いと、寿司の出前も取れるんだがな」
シロエ 「御馳走になりましたね、ソレ、璃母恩院で…」
マツカ 「ブルーと行ったら、老師が取って下さいましたよ」
キース 「あんな具合で、上層部は美味いものも食えるが…」

修行僧だと、とことん不味い料理ばかりだ、と嘆く副住職。

キース 「それも修行の内だと言っても、士気は下がるな」
シロエ 「改革するのは無理なんでしょうか、そのシステム」
キース 「昔から、それで通っているしな…」
ブルー 「難しいだろうねえ…」

食事も大切なんだけれどね、と生徒会長。
お寺ですしねえ…?


2019/05/03 (Fri) 

 

☆不味くては駄目


ゴールデンウィークを宇宙で過ごした、シャン学メンバー。
クルーの士気は大切だからと、美味しい料理が食べられた船。

ブルー 「ぼくの個人的な意見だと、食事は美味しい方が…」
キース 「いいということになるんだな? 修行僧でも」
ブルー 「それで士気が高まって頑張れるんなら」

食事を改善すべきだと思う、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「どうせ食事が不味いんだ、と思っていてはねえ…」
シロエ 「やっぱり修行になりませんか?」
ブルー 「修行はともかく、気力が湧いて来ないよね」

決められたことしかこなせないよ、という意見。

ブルー 「無いに等しい空き時間でも、自主勉強とかは無理」
キース 「確かにな…。美味い料理が食えるなら、まだ…」

頑張る気にもなれるんだがな、と副住職も。

キース 「しかし改革するのは無理だぞ、俺なんかでは」
ブルー 「そうだろうねえ、ぼくも面倒なのは嫌いで…」

だから放置、と銀青様が広げる両手。

ブルー 「シャングリラ号のことなら、気も配るけどさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 宇宙でも、美味しいお肉!」
サム  「あれは美味いよな、マジで最高!」
ジョミー「同じ方法で地球で育てたら、凄い肉だもんね…」

マザー農場の幻の肉、とジョミー君、ウットリ。

ジョミー「また食べたいなあ、アレのステーキ!」
シロエ 「美味しいですしね、とろける感じで」
マツカ 「ぼくも、あれ以上の肉は知りませんしね…」

そもそも売っていないそうなんですよ、と御曹司。

マツカ 「うちのシェフも、色々と探したらしいんですが…」
ブルー 「そりゃそうだろうね、あれは特別なルートだけ!」

一般に出回ることはないよ、と生徒会長が立てる親指。

ブルー 「育て方なんかも極秘にしてるし、まず無理かと」
キース 「坊主の世界とは、真面目に逆だな」
ジョミー「美味しい料理が出るんだったら、ぼくだって…」

頑張ろうって気にもなるけど、とジョミー君。
本当ですか?


2019/05/04 (Sat)

 

☆制限が甘い場所


ゴールデンウイークは宇宙で過ごして、美味しい料理に舌鼓。
シャングリラ号のお蔭ですけど、それとは真逆な坊主の世界。

サム  「おいおいマジかよ、飯が上手けりゃいいのかよ?」
ジョミー「少なくとも、今よりはずっとマシだしね…」

今のままだと、修行体験ツアーも嫌だ、とジョミー君の嘆き。

ジョミー「体験であれだけ不味いんだったら、本物はさ…」
キース 「まず間違いなく、不味いと思うが」
シロエ 「お肉も魚も無いんですよね、精進料理ですから」
キース 「乳製品も卵もアウトだからな!」

多分、世界で一番キツイ、と副住職。

スウェナ「世界って…。それって宗教全部のことなの?」
キース 「ああ。有名どころと比較してみた結果だが」
シロエ 「他の宗教だと、仏教よりも制限が緩いんですか?」
キース 「そういうことだ。特にキリスト教は甘いな」

仏教とは比較にならん甘さだ、とブツブツブツ。

キース 「乳製品と卵が許される時点で、もう極楽だ!」
ブルー 「突っ込んでいいなら、そこは天国だと思うけどね」

あっちは極楽浄土じゃないから…、と生徒会長のツッコミ。

ブルー 「でもまあ、乳製品と卵が通るのは大きいよ」
シロエ 「あっちだと、ソレ、オッケーですか…」
キース 「復活祭の前の期間は、断食とやらで禁止になるが」

それ以外の時は食べられるんだ、と副住職の深い溜息。

キース 「しかも坊主より厳しい世界の、修道士とかが」
一同  「「「修道士…」」」

確かにお坊さんよりキツイ、と誰もが納得する世界。

シロエ 「修道士って、結婚できませんよね?」
ブルー 「うん、シスターもね」

ついでに外出禁止の所もあるね、と生徒会長。

ブルー 「一生、修道院の中で過ごして、外には出ない」
シロエ 「マジですか!?」
キース 「一番厳しい宗派になったら、私語も一切禁止だな」
一同  「「「ちょ、ちょっと…!」」」

本当にそんな所があるのか、と一同、ガクブル。
私語まで禁止…?


2019/05/05 (Sun)

 

☆プリンも出ます


宇宙でも士気が高まる食事を提供するのが、シャングリラ号。
けれど真逆な修行僧の世界、不味い料理はお約束ですけど…。

サム  「一生外には出られねえ上に、私語も禁止かよ!?」
キース 「そうらしいぞ。代わりに独特の手話があるとか」
一同  「「「うわー…」」」

なんという恐ろしい場所があるのだ、と震え上がる面々。

シロエ 「で、でも…。其処でも卵は食べられるんですね?」
キース 「もちろんだ。乳製品も許される」
スウェナ「その差は、大きい気がするわね…。精進料理とは」

卵と牛乳が通るんだったら、とスウェナちゃん。

スウェナ「なんだかお菓子が作れそうじゃない、それだけで」
キース 「当然、そういうことになるな」
ブルー 「プリンなんかは定番らしいよ、修道院の食事」
一同  「「「プリン…」」」

そんなお菓子も出て来るのか、と一同、ビックリ仰天。

シロエ 「まさか優雅に、お茶の時間があるんですか!?」
ブルー 「聞く所によると、そうみたいだねえ…」

曜日ごとに決まったお菓子があったり…、と生徒会長。

ブルー 「このお菓子を作るなら何曜日、という感じでね」
ジョミー「なんで、そこまで甘いわけ!? 食事の制限!」
キース 「言っただろうが、仏教が一番厳しいだろう、と」

他の国へ行くと更に厳しく…、と副住職が繰る数珠レット。

キース 「俺たちの国より制限が厳しい場所も多くて」
ブルー 「生き仏がいる宗派なんかは、半端ないよね」

この国はまだマシな方だよ、と銀青様も。

ブルー 「だからジョミーも、感謝しながら修行すべきで…」
ジョミー「嫌だってば!」

坊主には絶対、ならないからね、とジョミー君の悲鳴。

ジョミー「食事制限が甘くなるなら、体験ツアーくらいは…」
サム  「いい加減に覚悟を決めろよな、逃げていねえでよ」
キース 「そうだぞ、ブルーの直弟子なんだし」
ジョミー「一方的にね!」

全部勝手に決められちゃって、と仏頂面。
まあ、確かに…。


2019/05/06 (Mon) 

 

☆猫に小判な人


シャングリラ号は宇宙でも美味しい食事で、高まるのが士気。
ところが真逆なお坊さんの世界、修道院よりも酷い精進料理。

ジョミー「ぼくは坊主は嫌なのにさ…。ブルーが勝手に」
ブルー 「テラズ様が結んだ御縁なんだし、いいじゃないか」
シロエ 「ああ、テラズ様! いましたっけねえ、農場に」
マツカ 「マザー農場の屋根裏ですよね、懐かしいですね」

キースのお祖母様にゆかりの名前でしたっけ、と御曹司。

マツカ 「確か伝説のダンスユニットで、お祖母様が…」
スウェナ「ナンバー・ファイブだったのよねえ、テラズの」
サム  「うんうん、キースのお祖母さんもやるよな」

お寺の娘さんばかりで踊っていたんだろ、とサム君も。

サム  「寺を継ぐしか道がねえから、ストレス発散で」
シロエ 「キース先輩よりも前向きですよね、継ぐ気持ちは」
マツカ 「キースの場合は、継がずに逃げる気でしたしね…」

もしもブルーに出会わなかったら…、と御曹司の回想。

マツカ 「今では立派な副住職ですし、ジョミーもですね…」
サム  「変わるべきだよな、キースを見習ってよ」
ジョミー「なんで、ぼくが! ぼくはお寺の息子じゃないし」

継がされるような立場じゃないから、とジョミー君の怒り。

ジョミー「なのに坊主だ、修行だなんて言われても…!」
サム  「分かってねえなあ、エリートコースに乗れるのに」
キース 「そうだぞ、ブルーの直弟子なだけで格が違うし」

俺とは月とスッポンなんだ、と副住職。

キース 「俺はせいぜい、ブルーのコネしか無いんだが…」
シロエ 「ジョミー先輩だと、変わるんですね?」
キース 「エリートの卵みたいなモンだ」

それだけで箔がつくからな、とジョミー君をチラリ。

キース 「サムもそうだが、羨ましい限りで…」
サム  「なんか悪ぃな、楽して出世するみたいでよ」
キース 「分かってくれているならいいんだ、そこを」

しかしジョミーには猫に小判、とブツブツ。
そのようですね…。


2019/05/07 (Tue)

 

☆最短なコース


宇宙でも美味しい食事を提供、クルーが喜ぶシャングリラ号。
けれど真逆なのがお坊さんの世界で、不味い精進料理が基本。

キース 「たとえ食事が不味かろうとも、いずれはだな…」
ブルー 「出世していけば、美味しい料理が食べられるしさ」

お寿司も取れるし、食べにも行ける、と生徒会長。

ブルー 「現にパルテノンだと、お坊さんは人気なんだよ」
シロエ 「そうらしいですね、舞妓さんや芸妓さんに」
キース 「お座敷だけじゃなくて、料亭でもだ」

金に糸目を付けないからな、と副住職も。

キース 「ジョミーの前には、そういう立派な道がだな…」
サム  「最短コースで開けるんだぜ、修行すればよ」

早いトコ、俺と一緒に行こうぜ、とサム君の誘い。

サム  「少しでも早い方がいいだろ、修行の道はよ」
シロエ 「えーっと…。キース先輩の大学でしたっけ?」
ブルー 「其処の専門コースになるねえ、早く済ませるなら」

寮に入って修行三昧、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「寮がお寺の付属施設で、毎日が修行になるんだよ」
スウェナ「あら、そうだったの?」
シロエ 「普通の寮とは違うんですね?」
キース 「寺に住み込むのに近いものがあるな、あそこは」

寮は一応、別棟になってはいるんだが…、とキース君の説明。

キース 「しかし寺とは、ほぼ一体だし、毎日、朝晩…」
ブルー 「お勤めから叩き込まれるわけだよ、実地でね」

大学では出来ない貴重な体験、と銀青様の笑み。

ブルー 「そっち出身だと、格が落ちるって話もあるけど…」
キース 「期間が短い分、僧階が低くなるんだが…」

その辺は後でどうとでもなる、と副住職が立てる親指。

キース 「普通コースに編入したなら、スタートは同じだ」
サム  「残りの年数、大学に行けばいいわけだしよ…」
ブルー 「専門コースが、ぼくのオススメ」
ジョミー「ぼくは絶対、嫌だってば!」

行かないからね、とジョミー君の膨れっ面。
エリートの卵らしいのに…。


2019/05/08 (Wed)

 

☆改革しなくても


宇宙でも食事がとても美味しい、最高の船がシャングリラ号。
なのに真逆なお坊さんの世界、精進料理は不味いのが普通。

ジョミー「お坊さんだけでも嫌なのに…。食事も不味いし!」
ブルー 「じゃあ、その辺が改善されたら考えるのかい?」
ジョミー「えっ? でも、改革は無理だって…」

言ったじゃない、とジョミー君の問い。

ジョミー「何処へ行っても精進料理で、美味しくなくて…」
ブルー 「君が本気で修行するなら、手を打つよ」
サム  「銀青様の顔で改革に着手するのかよ?」
ブルー 「ううん、そんな面倒なことをしなくても…」

ジョミーだけなら簡単なんだよ、と生徒会長の笑顔。

ブルー 「要は美味しい料理が出ればいいんだからさ」
シロエ 「そんな方法、あるんですか?」
ブルー 「この顔が目に入らないかな、ずっといるのに」

プロも顔負けの料理人が、と指差す「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

一同  「「「ぶるぅ!?」」」
ブルー 「そう! 寮の食堂に雇って貰えば、全て解決」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくがお料理するんだね!」

それ、楽しそう! とピョンピョンピョン。

ぶるぅ 「えとえと、住み込みだと、ブルーが困るし…」
ブルー 「食事の時だけ、ちょっと通ってくれるかな?」
ぶるぅ 「うんっ! 瞬間移動で出勤だね!」

お料理、一杯作れそう! と喜ぶお子様。

ぶるぅ 「寮に入ってる人の数だけ、作れるんでしょ?」
ブルー 「そうなるね。ぶるぅも、やり甲斐あるだろう?」
ぶるぅ 「すっごく楽しみ! それ、来年から?」
ブルー 「善は急げと言うからねえ…」

行ってくれるなら、来年に向けて交渉を…、とニッコリ。

ブルー 「ジョミーはどうかな、ぶるぅが料理人なんだけど」
サム  「最高じゃねえかよ、美味い料理が食えそうだぜ!」
シロエ 「これで決まりですね、ジョミー先輩!」
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ…!」

なんでそんな、とジョミー君、顔面蒼白。
でも、美味しいんですよ?


2019/05/09 (Thu) 

 

☆送り込む料理人


宇宙でも美味しい食事を出すのが、シャングリラ号ですけど。
それとは真逆なお坊さんの世界、精進料理は不味いのが基本。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 頑張ってお料理するからね!」
シロエ 「良かったですねえ、ジョミー先輩」
マツカ 「ぶるぅの料理なら、間違いなく最高ですからね」

精進料理の腕も凄いですし、と御曹司も。

マツカ 「前に元老寺で作ってくれたのは、美味しくて…」
スウェナ「本物のお肉とかカニにそっくりだったわ」
サム  「ああいうのが毎日、食えるんだよな!」

他の寮生だって喜ぶぜ、とサム君も大喜びでして。

サム  「俺と一緒に、来年から修行! 文句ねえだろ」
ブルー 「食事の件は解決したから、これでいいよね」
キース 「願書は俺が貰って来てやろう、ついでがあるから」

二人分だな、と頷く副住職。

キース 「それとも、ブルーが貰った方がいいんだろうか?」
ブルー 「君でかまわないよ、ぼくが推薦状を書くから」
サム  「銀青様の推薦かぁ…。楽しみだよな、ジョミー」

きっと特別待遇だぜ、とサム君、とても嬉しそう。

サム  「修行にも身が入るってモンでよ、頑張らねえとな」
ジョミー「と、特別待遇って…。それって評価が甘いとか?」
キース 「どちらかと言えば、逆だと思うが」
ブルー 「うん、ぼくからも「厳しく」とお願いするからね」

何処へ出しても恥ずかしくない人材に…、と銀青様のお言葉。

ブルー 「じゃあ、来年から行くってことで」
キース 「決まりだな」
ぶるぅ 「わぁーい、ぼくも就職できるんだぁーっ!」

お勤めするのは初めてだよう、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「お給料は別にどうでもいいけど、お仕事できる!」
シロエ 「寮でも、きっと喜ばれますよ。いい人が来たと」
ブルー 「さあ、来年から修行僧が二人と、料理人と…」
キース 「旅立ちの春だな」
ジョミー「嫌だってば!」

まだ決めてない、と騒いでますけど。
どうなるんでしょう…?


2019/05/10 (Fri)

 

☆料理人の心意気


宇宙でも美味しい食事を提供、クルーも喜ぶシャングリラ号。
ところが真逆なお坊さんの世界、精進料理は不味いわけで…。

ジョミー「誰も行くとは言ってないしね、そんな寮には!」
サム  「でもよ、食事は美味いのが食えるんだしよ…」
シロエ 「同じ麦飯でも、ぶるぅが炊いたら別物ですよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ やっぱり羽釜で炊かないとね!」

それが無理なら、土鍋で炊くよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「土鍋だったら、炊飯器よりもずっと美味しいし!」
ブルー 「それに、ぶるぅは慣れているしね、土鍋の扱い」
ぶるぅ 「うんっ! ぼくの大好きな寝床だも~ん!」

土鍋はお友達みたいなものかも、と無邪気な笑顔。

ぶるぅ 「麦飯だって、美味しく炊けるのが土鍋なんだよ!」
サム  「頼もしいよな、でもって美味いおかずだろ?」
ぶるぅ 「ジョミーに喜んで貰えるように、頑張るねーっ!」

来年に向けて精進料理を研究しなきゃ、と張り切るお子様。

ぶるぅ 「もどき料理の本場は、中華料理の国だから…」
シロエ 「まさか留学するんですか?」
ぶるぅ 「ブルーのご飯も作らなきゃだし、留学は無理!」

作り方だけ習いに行くよ、と通うつもりの料理教室。

ぶるぅ 「やっぱりお寺の方がいいかな、お料理教室?」
ブルー 「そうだね、本物を教えて貰えるからね」
ぶるぅ 「じゃあ、そうする! えーっと…」

何処で資料を貰えるのかな、とウキウキウキ。

キース 「本場で聞くのが早いんじゃないか?」
シロエ 「サイオンがあれば、言葉の壁は無いですしね」
ぶるぅ 「ジョミーは、何処のお料理がいいの?」

中華料理にも色々あるよ、という質問。

ぶるぅ 「辛いトコもあるし、繊細なお味が売りの所も…」
ジョミー「どれも嫌だよ、ぼくは寮には入らないから!」
ブルー 「いけないねえ…。問題は解決してるのに」
ジョミー「ぼくの気持ちは!?」

それが肝心だと思う、とジョミー君の反撃。
さて、どうなる?


2019/05/11 (Sat) 

 

☆料理人がいるから


宇宙でも美味しい食事を出せるシャングリラ号、大切な士気。
けれど真逆なお坊さんの世界、精進料理は不味いから、と…。

ブルー 「君の気持ちは、充分、酌んだと思うけれどね?」
サム  「そうだぜ、ぶるぅが飯を作ってくれるんだしよ」
シロエ 「食事が不味いっていうのは、もう無しですよ?」
スウェナ「毎日、ぶるぅが作る御飯よ、贅沢じゃないの!」

それは破格の待遇だわよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「グダグダ言わずに、来年は寮に入りなさいよね!」
ジョミー「ただの寮とは違うから! 修行だから!」
キース 「いずれは行かねばならん道だし、早めに行っとけ」

同じ苦労をするんならな、と副住職もプッシュ。

キース 「その方が、後で僧階を上げて行くにも有利だ」
ブルー 「キースが言ってる通りだよ。年数がかかるし…」
サム  「緋色の衣までは長いぜ、早く行かねえと」

来年の春には入学しようぜ、とサム君、乗り気。

サム  「ぶるぅの美味い飯もつくしよ、最高じゃねえか」
ジョミー「でも、待ってるのは坊主の世界だから!」
ブルー 「ぼくの直弟子だよ、羨ましがられる立場なのに…」
キース 「まったくだ。銀青様の値打ちが分かっていないな」

寮に入れば分かることだが…、と副住職。

キース 「坊主の世界で師僧が誰かは、実に大事な問題だ」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「何かといえば師僧の格と、寺の格だな」

ジョミーの場合は、寺の息子じゃないから師僧、と。

キース 「銀青様の直弟子だったら、下手な寺の息子より…」
ブルー 「思いっ切り格が上になるねえ、間違いなく」
サム  「ほらな、俺たち、頑張らねえと!」

坊主を目指して…、と燃えるサム君。

サム  「でもって、二人で緋の衣な!」
キース 「その頃には、俺の衣も緋色だ」
ブルー 「いいねえ、法要の席で映えるよ」
ジョミー「ぼくは絶対、お断りだよ!」

緋色も何も、と絶叫していますけど。
無駄っぽいですね…?


2019/05/12 (Sun) 

 

☆増えると嬉しい


シャングリラ号でも食事が美味しいのに、料理が不味い世界。
お坊さんの世界は精進料理で、必死に抵抗したジョミー君。

ジョミー「食事の問題が解決したって、坊主は嫌だってば!」
サム  「諦めの悪いヤツだよなぁ…。僧籍なのによ」
シロエ 「出家してから長いですよねえ、ジョミー先輩」

テラズ様の事件から何年経ちましたっけ、とシロエ君。

スウェナ「えーっと…? あの頃は、キースが大学生よね?」
マツカ 「ええ、そうだったと思います。まだ修行中で」
キース 「三年生には、なっていなかったような…」

修行道場に行く前だからな、とキース君が折っている指。

キース 「そうなってくると、かなりの年数になるぞ」
ブルー 「本当に罰当たりな話だよ。逃げてばかりでさ」
??? 「ぼくもそう思うよ、心の底から!」

もったいないねえ、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。

キース 「あ、あんた、何処から湧いて出たんだ!?」
Aブルー「失礼だねえ、いつものコースじゃないか」

ぼくの青の間から来たんだよ、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「ぶるぅ、ぼくの分のおやつもあるかな?」
ぶるぅ 「いらっしゃい! もちろん、おやつも、御飯も!」

ゆっくりして行ってね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「わぁーい、お客様だぁーっ! おもてなしーっ!」
サム  「ほらな、頼もしい料理人じゃねえかよ」
シロエ 「寮でも腕を奮ってくれると思いますけど…」
Aブルー「そう、それ、それ! お坊さんになるんだって?」

それはとってもいいことだよね、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ぼくとしても、期待しちゃってさ!」
サム  「ジョミーにかよ?」

あんまりアテになりそうにねえぜ、とサム君、バッサリ。

サム  「坊主は嫌だの一点張りだし、話にならねえ」
シロエ 「サム先輩の方がいいですよ?」
Aブルー「多いほどいいな!」

お坊さんが増える方が嬉しい、という返事。
何故、ソルジャーが…?


2019/05/13 (Mon)

 

☆プッシュする人


宇宙でも美味しい食事を提供、シャングリラ号の素晴らしさ。
ところが真逆なお坊さんの世界、不味い精進料理がデフォ。

Aブルー「食事の問題が解決したんなら、ジョミーも是非!」
ジョミー「なんで、ぼくが!」
Aブルー「多い方がいいって、さっきも言ったよ」

お坊さんは多いほど嬉しいからね、と繰り返すソルジャー。

シロエ 「あのですね…。量より質だと思いますけど」
スウェナ「同感だわね、ジョミーよりサムの方がいいわよ」
マツカ 「サムは霊感もありますからね、頼もしいですよ」
ジョミー「ほらね、みんなもこう言ってるし!」

ぼくは勘定に入れないで欲しい、とジョミー君の膨れっ面。

ジョミー「ぶるぅが料理人になっても、ぼくは行かないよ!」
Aブルー「そう言わないで、お坊さんになって欲しいな」
サム  「坊主が増えると、何かいいことあるのかよ?」
Aブルー「もちろんだよ! そうでなければ頼まないって!」

こっちの世界にお邪魔してまで…、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「だからね、ジョミーには専門コースに…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 寮のお食事、頑張るよ!」
ジョミー「勝手に話を進めないでよ、ぼく抜きでさ!」

嫌だと言ったら絶対に嫌だ、と揺らがない姿勢。

ジョミー「どんなに料理が美味しくたって、修行なんだし!」
サム  「でもよ、こうして期待してくれる人もいるしよ…」
ブルー 「理由はどうあれ、それを裏切っちゃいけないね」

君も腐っても僧籍だろう、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「こういう時には謙虚な姿勢で、はい、と返事を!」
Aブルー「うんうん、元気に「はい」と答えてよ!」
ジョミー「嫌だってば!」

第一、理由も分からないのに…、とブツブツブツ。

ジョミー「なんで一方的に決めるのさ、みんな揃って!」
Aブルー「え、だって…。お坊さんは有難いものだしね」
ジョミー「有難くないから!」

ぼくの場合はそうだから、と言ってますけど。
どうなんでしょう?


2019/05/14 (Tue) 

 

☆顔なら貸します


宇宙でも美味しい食事が出るのに、お寺の食事は不味いもの。
修行は嫌だと叫ぶジョミー君、料理人つきでも嫌なんだとか。

ジョミー「ぼくなんかがお坊さんになっても、絶対、無駄!」
Aブルー「なんだって、そう決め付けるかなぁ…」
ジョミー「無駄だからだよ、修行したって!」

どんなに食事が美味しくたって、意味が無いから、と仏頂面。

ジョミー「ぼくにやる気が無いんだからね、これっぽっちも」
サム  「マジかよ、ブルーの直弟子の名が泣くぜ」
キース 「まったくだ。銀青様を何だと思っているんだ」
ジョミー「ただの迷惑な坊主だってば!」

何が伝説の高僧なのさ、と罰当たり発言、炸裂中。

ジョミー「緋の衣か何か知らないけれどさ、自分勝手で!」
ブルー 「うん、それで?」
ジョミー「人の迷惑は顧みないし、自己中だしさ!」
ブルー 「ぼくがソレなら、こっちの方はどうなるのかな?」

見た目はそっくりなんだけど、と指差すソルジャー。

ジョミー「え、えっと…?」
ブルー 「ぼくに輪をかけて自己中な上に、はた迷惑かと」
シロエ 「言えてますねえ、会長よりも遥かに強烈ですよ」
Aブルー「失礼だねえ、君たちは!」

それこそ決め付けないで欲しい、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「ぼくはジョミーに、お願いしているだけだしさ」
ジョミー「坊主になれって、しつこいんだよ!」
Aブルー「それで顔を貸せと?」

マンションの裏手でいいんだろうか、とソルジャーの笑み。

Aブルー「もっと人が少ない所がいいなら、指定してよ」
サム  「おー…。ジョミーとガチで勝負なのな!」
Aブルー「楽しそうだからね!」

いっぺん、やってみたかったんだ、と両手の指をボキボキ。

Aブルー「サイオン抜きで何処までやれるか、気になってて」
シロエ 「凄いですねえ、中継は?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくに任せて!」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」

どうしてガチで勝負なんだ、と青ざめる人。
勝てますかねえ?


2019/05/15 (Wed) 








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