忍者ブログ
シャングリラ学園つれづれ語り

☆話題にしたくない


さて、2月。ちょうど2日は土曜日とあって、早速、お休み。
生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、お昼ご飯ですけれど。

シロエ 「どうするんですか、明日の予定は?」
サム  「おい、このタイミングで聞くのかよ?」

せっかくの飯が不味くなるぜ、とサム君、顔を顰めまして。

サム  「明日には美味い恵方巻だぜ、それでいいだろ?」
シロエ 「その恵方巻が問題なんですけどね…」
マツカ 「正確に言うなら、恵方巻を呼ぶイベントですね…」

残念なことに節分ですよ、と御曹司がついた深い溜息。

マツカ 「今の今まで話題にならなかった所が、厄介です」
シロエ 「誰だって、したくないですよ! そんな話は!」
サム  「なら、持ち出すなよ、言い出しっぺじゃねえかよ」
シロエ 「問題を先送りにしたくないんです、ぼくは!」

機械弄りが趣味だと、どうしても…、とシロエ君。

シロエ 「後でいいだろう、と放っておいたら、大惨事で…」
サム  「機械はそうかもしれねえけどよ…。節分はよ…」
ブルー 「来る時は来ると思うけどねえ、ぼくだって」

問題になる件はともかく、避けられないよ、と生徒会長も。

ブルー 「壁のカレンダーを見てみたまえ。今日は何日?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 2月の2日だよね!」
ジョミー「でもって、土曜日で、学校が休み…」
シロエ 「ジョミー先輩まで避けるんですか!」

明日という日を、とシロエ君が吊り上げる眉。

シロエ 「節分が来ないということは無いです、絶対に!」
ブルー 「無いだろうねえ、もう全国区のイベントだしね」
マツカ 「そういう問題なんですか?」

もっと色々な伝統とかが…、と御曹司の問い。

マツカ 「あると思うんですけど、節分には」
ブルー 「その通り! だから全国区で、避けようがない」
シロエ 「有難味の無い言いようですけど?」
ブルー 「有難がれるわけがないだろう!」

最近の流れからしたら…、と生徒会長が竦める肩。
節分ですしね?


2019/02/01 (Fri)

 

☆忘れた方がいい


明日は節分だという2日の土曜日、生徒会長宅に集った面々。
避けたいものが節分の話題、生徒会長でさえも気持ちは同じ。

ブルー 「毎年、毎年、誰かさんがやって来るんだから…!」
サム  「あればっかりは、キースのせいにも出来ねえし…」
シロエ 「そうですよねえ…。少しは責任ありそうですけど」

崇める対象を増やしましたから…、とシロエ君。

シロエ 「でも、本来は七福神様にお参りするイベントで…」
キース 「元老寺では、お祭りしていないからな!」

七福神は…、と副住職の渋面。

キース 「だから節分に関しては、俺は責任を負わんのだ!」
シロエ 「そういうことにしておきましょうか…」

それよりも明日が問題ですよ、と眺める壁のカレンダー。

シロエ 「絶対に来ますよ、あの人たちは…」
ジョミー「雪乞いっていう手は、どうなのかな?」
マツカ 「前にも検討されてますけど、ダメだったような…」
スウェナ「あんまり期待は出来ないわよ、特に今年は」

全国的に暖冬だもの、とスウェナちゃん。

スウェナ「大雪になるとは思えないわね、雪乞いしても」
サム  「だよなあ、ブルーなら出来そうだけどよ…」
ブルー 「やってもいいけど、それで来ないと思うかい?」

あの迷惑な連中が…、と生徒会長、いえ、銀青様の仰せ。

ブルー 「雪かきしてでも来ると思うよ、根性で!」
一同  「「「うわー…」」」

確かにやりそうな話ではある、と誰もがガクブル。

シロエ 「そうなると、やっぱり避けられませんよ…」
サム  「だからって話題にしなくてもよ…!」

明日には災難てんこ盛りなんだからよ、とサム君の悲鳴。

サム  「今は楽しもうぜ、ぶるぅの飯を…!」
ジョミー「そうだよね、今が大切だよねえ、明日よりも…」
スウェナ「恵方巻より、目の前の御馳走なのよ!」
シロエ 「分かりました、忘れましょう」
一同  「「「おーっ!!!」」」

明日には明日の風が吹く、と突き上げる拳。
問題、先送り…。


2019/02/02 (Sat) 

 

☆現地集合なら


本日、節分。今年は日曜日で、学校は最初からお休みな曜日。
シャン学メンバー、生徒会長のマンション前に朝から集合で。

シロエ 「とうとう来ちゃいましたよ、この日が…」
サム  「なんで俺たち、律義に此処に揃ってるんだよ?」

弱冠一名、足りねえけどな、とサム君が眺めるバス停の方。

サム  「キース、お勤めでヘマやったんだぜ、きっと」
マツカ 「そうなんでしょうね、いつもは早めに来ますから」
シロエ 「身体を張って遅刻ってことは、無いでしょうしね」

遅刻したって、来るものはやって来ますから、とシロエ君。

シロエ 「でも、サム先輩の言うことも一理ありますよ」
ジョミー「えーっと…? 揃ってると何か問題あるわけ?」
サム  「雁首揃えて、処刑されるのをを待たなくてもよ…」

現地集合で良かったんじゃねえの、という発言。

サム  「毎年行ってるお寺なんだし、誰も迷わねえよ」
スウェナ「そう言われれば、そうだわねえ…」
ジョミー「此処に来るより、直行の方が早いってことも…」
サム  「家の場所によっては、有り得るんだぜ?」

路線バスにはコースが色々、とサム君の指摘。

サム  「運行の時間も、乗り継ぎなんかもあるしよ…」
シロエ 「現地集合なら、例の人とは出会いませんね?」

此処にいるから来ちゃうんですよね、とシロエ君が仰ぐ空。

シロエ 「大雪が降っても来そうな誰かさんが、強引に…」
サム  「だろ? 現地集合だと、あいつらもよ…」
ジョミー「二人でお参りに行く筈だよねえ…?」

バカップルで、とジョミー君。

ジョミー「誰にも邪魔をされないでさ…」
シロエ 「邪魔なんか、誰もしてませんけどね…」

被害に遭うのは、ぼくたちの方で…、とシロエ君の溜息。

シロエ 「でも、あの二人だけで行ってくれれば…」
サム  「うんとマシだと思うぜ、俺は」
ジョミー「だけど今更、手遅れだよね…?」

いくらキースが遅刻してもさ、と冷静な意見。
まあ、そうでしょうね?


2019/02/03 (Sun)

 

☆いわゆる習性で


節分の日の朝、生徒会長のマンション前に集った御一同様。
七福神巡りに行くんですけど、現地集合で良かったという声。

シロエ 「やっぱり手遅れなんでしょうか? 今となっては」
ジョミー「キースが来てないだけだしさ…。いずれ来るしさ」

アドス和尚に叱られている最中でもさ、とジョミー君。

ジョミー「朝から罰礼食らっていたって、終わればさ…」
サム  「キースのことだし、急いで家を出るよな、きっと」
マツカ 「法衣を脱いだら、もうまっしぐらでしょうね」

忘れ物の一つや二つがあったって…、と御曹司も。

マツカ 「今どき、スマホを忘れなければ、安泰ですから」
スウェナ「そうねえ、何はともあれ、スマホだわよね」

連絡は取れるし、お財布にもなるし…、とスウェナちゃん。

スウェナ「スマホさえあれば、後は服さえ着替えれば…」
マツカ 「家を飛び出して来られるんですよ、今の世の中」

来るのは時間の問題でしょう、と御曹司が見る腕時計。

マツカ 「それに一応、集合時間はまだ先ですしね」
サム  「そこなんだよなあ…。みんな早めに来るけどよ…」

待ち遠しいってわけじゃないよな、とサム君、ブツブツ。

サム  「此処で待ってりゃ、キースだけじゃなくてよ…」
シロエ 「誰かさんたちまで来ちゃいますしね…」

どうして集まっちゃったんでしょう、とシロエ君の嘆き。

シロエ 「現地集合にしてれば、きっと安泰でしたよね…」
サム  「あのバカップルと遭遇したって、スルーでよ…」

お参り出来た筈なんだよな、とサム君も悔いが尽きない模様。

サム  「なんだって現地集合したんだよ、俺たちは…?」
ジョミー「それって、習性だと思う…」

節分はいつもコレだから…、とジョミー君。

ジョミー「いつも通りに、つい…」
シロエ 「集合場所と時間を、決めてしまったわけですか…」
ジョミー「うん、多分…」
一同  「「「うーん…」」」

唸るしかない御一同様。
やっちまった感、半端ないかも…?


2019/02/04 (Mon)

 

☆先に来て欲しい


節分は七福神巡りにお出掛け、シャン学メンバーの年中行事。
今年も集合したんですけど、現地で集まれば良かったのかも。

シロエ 「習性になるくらいに、お約束なんですね?」
ジョミー「そうだと思うよ、酷い目に遭い続けたからさ…」
サム  「今から解散したって、無駄っていうモンだしよ…」

此処で待つしかねえんだよな、とサム君、諦めの境地。

サム  「キースが先か、あいつらが先かは謎だけれどよ」
ジョミー「ソレだよ、ソレ! キースの方が先だったらさ…」
シロエ 「どうするんです?」
ジョミー「見切り発車だよ、馬鹿正直に待っていないで!」

サッサとバス停に行けばいいと思う、とジョミー君。

ジョミー「運が良ければ、1台早いバスに乗れるかも…!」
スウェナ「そうね、その手があったわね!」
シロエ 「キース先輩次第というわけですね?」
ジョミー「あんまり期待は出来ないけどね…」

なんと言ってもキースだからさ、とジョミー君がついた溜息。

ジョミー「いつも諸悪の根源仕様で、きっと今日だって…」
サム  「あの馬鹿野郎が、先に来るって言いたいのかよ?」
ジョミー「そんなトコかな、ハッキリ言えば」
シロエ 「シーッ!!」

言霊と言うじゃないですか、とシロエ君が唇に人差し指を。

シロエ 「遅い理由は知りませんけど、余計なことは…」
マツカ 「言わないのが吉というものでしょうね、この場合」

キースは来ると信じましょう、と御曹司が眺めるバス停の方。

マツカ 「朝から罰礼を食らっていたって、根性でですね…」
シロエ 「駆け付けてくれると信じたいです!」

誰かさんたちが来るよりも先に…、とシロエ君も。

シロエ 「集合時間はまだ先ですから、きっと何とか…!」
マツカ 「間に合わせてくれるといいんですけどね…」
サム  「それと、あの馬鹿野郎たちが遅く来ることな!」
ジョミー「朝寝坊だとか、そういうのだよね…」

頼むから先にキース君の方で、と願う御一同様。
切実ですよね?


2019/02/05 (Tue)

 

☆間に合って欲しい


節分は七福神巡りにお出掛けするのが、毎年恒例の御一同様。
今年も生徒会長宅のマンション前に集合、けれどそれが問題。

シロエ 「キース先輩、お願いですから早く来て下さい…!」
サム  「あの馬鹿たちより先に来ねえと、計画がパアで…」
ジョミー「マジで困るし、遅刻コースは勘弁してよ…!」

何をやらかしたか知らないけどさ、と誰もがお祈りモード。

スウェナ「罰礼だったら数によるのよね、かかる時間は?」
ブルー 「それよりも先に、罰礼の原因が問題だからね」
 一同  「「「へ?」」」
ブルー 「お経を間違えたとかなら、いいんだけどさ…」

さほど時間はかからないから…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「だけど後始末が大変なことをやってたら…」
サム  「必然的に時間を食うわけかよ!?」
ブルー 「そういうことだね、ぼくは事情は知らないけれど」

誰かさんと違って覗き見の趣味は無いものだから…、と。

ブルー 「香炉を倒して灰をぶちまけたとか、そんなのは…」
シロエ 「思いっ切りヤバイじゃないですか!」
ブルー 「うん。雑巾がけのバケツの水でも大変だよね」
一同  「「「うわー…」」」

香炉とバケツはマジで勘弁、と顔面蒼白のシャン学メンバー。

サム  「お経の間違いだけで頼むぜ、キース…!」
マツカ 「今、どの辺か知りませんけど、迎えの車を…」

出しましょうか、と御曹司の問い。

マツカ 「場合によっては、路線バスより早いですしね」
ジョミー「だよね、バス停には停まらないんだし…」
シロエ 「それでお願い出来ますか!?」
マツカ 「ええ。まずはキースに連絡して…」

現在位置を確かめましょう、と取り出すスマホ。

サム  「それより思念波の方が早くねえか?」
シロエ 「そうです、そうです! 非常事態ですから!」
マツカ 「分かりました、思念で呼び掛けてみます」
一同  (((即レスで…!)))

そして急いで車の手配、と祈ってますけど。
間に合いますか?


2019/02/06 (Wed)

 

☆まだ来ない内に


節分は七福神巡りにお出掛けですけど、キース君が到着せず。
早く来ないと誰かさんたちが先に来るわけで、避けたい悲劇。

シロエ 「マツカ先輩、どうですか…!?」
マツカ 「えーっと…。なかなか集中できなくて…」

思念波は使い慣れないもので、と御曹司。

マツカ 「キース、キース、と…。何処なんでしょう?」
ブルー 「届かないようなら、ぼくが代わろうか?」
マツカ 「そうですね、お願いできますか?」
??? 「面白そうなことをやっているねえ…」

ぼくがやろうか、とソルジャー(会話表記はAブルー)の声。

一同  「「「げええっ!!!」」」
Aブルー「何なんだい、その挨拶は?」

いらっしゃいとか、せめて「おはよう」だとか…、と苦情。

Aブルー「流石のぼくも、そんな挨拶は初めて聞くよ」
??? 「私もです。げええっ、と聞こえたのですが…」

聞き間違えでは、とキャプテン(会話表記はA船長)までが。

A船長 「こちらの世界には、我々の知らない挨拶とかが…」
Aブルー「あるかもだけどさ、今のは違うよ!」

みんなの顔に書いてあるし、とソルジャーが顰める顔。

Aブルー「とても迷惑しています、ってね!」
A船長 「はあ、確かに…。悪いことでもしたでしょうか?」
シロエ 「い、いえ…。ちょっとビックリしただけです!」

本当に、ただそれだけなんです、とシロエ君、必死の言い訳。

シロエ 「迷惑だなんて言っていませんから…!」
Aブルー「ふうん…? キースを呼ぼうとしてたんだよね?」
マツカ 「そうですけど…。別に急ぎませんから」

遅いのが気になっただけなんです、とマツカ君も。

マツカ 「今、どの辺にいるのかな、と思っただけですし」
Aブルー「だけど、思念波が上手く使えなかったって?」
マツカ 「ええ。慣れていないものですから…」
Aブルー「だったら、任せてくれたまえ!」
一同  「「「ひぃぃっ!」」」

それは違う、と誰もがワタワタ。
いわゆる本末転倒ですよね?


2019/02/07 (Thu)

 

☆遅れて来ました


節分は七福神巡りにお出掛け、けれど遅れているキース君。
ソルジャー夫妻を放置で出発したかったのに、逆になった今。

Aブルー「ぼくがキースに連絡するのは、ダメなのかい?」
シロエ 「いいえ、そうとは言ってませんけど…!」
Aブルー「だったら、代わりに…。って、あれ?」

あのバスがキースのバスじゃないかな、と指差すバス。

Aブルー「確か、ああいう番号だったと思うんだけど」
シロエ 「そうですね…。キース先輩は、あの系統です」
Aブルー「じゃあ、降りて来るか、待ってからでいいよね」

無駄なサイオンは使いたくないし、とソルジャー、サラッと。

Aブルー「なにしろ、これからお参りだしねえ、七福神様に」
一同  「「「………」」」

なんだってキースより先に来るんだ、と皆が沈黙する所へ…。

Aブルー「あっ、キースだよ! ほら、降りて来た!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんな集まってるよーっ!」
キース 「すまん、遅くなった…!」

遅刻したわけじゃないんだがな、とキース君が見る腕時計。

キース 「約束の時間までには、間に合ったぞ…!」
サム  「でもよ、いつもより遅いじゃねえかよ」
シロエ 「そうですよ。普段は一番に来てるじゃないですか」

どうして今日という日に限って…、とシロエ君、深い溜息。

シロエ 「先輩が早く着いていたなら、流れがですね…」
サム  「大きく変わる筈だったんだぜ、もう遅いけどよ」

いったいなんで遅れたんだよ、とサム君、ブツブツ。

サム  「お前らしくもねえじゃねえかよ、遅いだなんて」
キース 「いや、それが…。朝のお勤めの時に…」
シロエ 「やらかしたんですか?」

香炉を倒すとか、バケツをひっくり返すとか…、とシロエ君。

シロエ 「それの後始末と、罰礼で遅くなったんですね?」
キース 「違う、今回は俺がやったんじゃない…!」
一同  「「「へ?」」」

だったら誰がやるというんだ、と一同、キョトン。
アドス和尚ですか…?


2019/02/08 (Fri)

 

☆やらかした人は


節分は七福神巡りが恒例ですけど、遅くなったのがキース君。
ソルジャー夫妻が先に到着、置き去りにする計画はパア。

サム  「俺じゃねえ、って…。他に誰がミスするんだよ?」
シロエ 「アドス和尚がやらかしたヤツの、後始末ですか?」

そういうことなら、分からないでもないですが…、と。

シロエ 「責任転嫁はありそうですしね、アドス和尚なら」
ジョミー「お盆の卒塔婆のノルマなんかも、丸投げだしね」

自分がサボッて書けなかった分を、とジョミー君も。

ジョミー「もしかして今日も、そういうパターン?」
スウェナ「香炉の灰か、バケツの水か、どっちだったのよ?」
キース 「どっちでもないが…」
一同  「「「え?」」」

他にどういうミスがあるのか、と首を傾げる御一同様。

サム  「お前、罰礼、食らってねえよな、自分じゃねえし」
キース 「当然だろうが!」

罰礼を食らうわけがなかろう、と副住職、即答。

キース 「やらかしたのは、俺と違って、おふくろだしな」
一同  「「「ええっ!?」」」

おふくろと言えば、イライザさんで、意外すぎる名前。

シロエ 「あ、あのう…。お母さん、お勤めに出てますか?」
マツカ 「お邪魔した時は見かけませんよね、いつも」
サム  「裏方に徹している筈だぜ」

住職の奥さんっていうヤツは…、と僧籍な人。

サム  「ミスするも何も、やりようがねえと思うけどよ」
シロエ 「ですよね、それも先輩が遅れるようなミスなんか」

ちょっと考えられませんよ、とシロエ君も言ってますけど。

キース 「それがあるんだ、レアケースだが」
シロエ 「何だったんです?」

レアなイベントが起きたんですか、という質問。

シロエ 「ぼくには想像もつきませんけど…」
キース 「いいや、原因は何処の家にもあるヤツだしな」
ジョミー「えーっと…?」
キース 「炊飯器だ!」
一同  「「「炊飯器?」」」

何故、炊飯器で遅くなるのだ、と誰もがビックリ。
謎ですよね…?


2019/02/09 (Sat) 

 

☆テロだそうです


節分は七福神巡りにお出掛け、けれど到着が遅れたキース君。
ソルジャー夫妻が先に来てしまい、泣くに泣けない御一同様。

シロエ 「何をどうやったら、炊飯器で遅くなるんです?」
スウェナ「キースが着いたら、直ぐに出掛ける筈だったのよ」

ここで律義に待っていないで…、とスウェナちゃん。

スウェナ「いつも通りなら、今頃はバスの中だったわよ!」
Aブルー「ちょっと待ってよ、それじゃ、ぼくたちは?」
シロエ 「別行動でいいじゃないですか!」

行き先は分かっているんですから、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「ぼくたちだって、現地集合したかったですよ!」
Aブルー「なんだか引っ掛かる言い方だけど…」
シロエ 「気のせいです! それよりも炊飯器が問題です!」

炊飯器が何をしたんですか、と見詰める先に副住職。

シロエ 「まさかテロではないでしょう? 爆発したとか」
サム  「あー…。なんか爆弾に転用できるんだっけか」
シロエ 「ええ。ぼくは作りませんけどね」

でもって、元老寺の炊飯器は何を…、とシロエ君の問い。

シロエ 「まさかのテロだったんですか?」
キース 「それに近いな」
一同  「「「ええっ!?」」」

爆発したのか、と一同、ガクブル。

ジョミー「そ、それって、犯人はイライザさんだよね…?」
キース 「そうなるな」
マツカ 「シロエ並みのスキルがあったんですか?」

炊飯器爆弾を作るだなんて…、と顔面蒼白の御曹司。

マツカ 「優しそうな人に見えたんですけど…」
サム  「見た目とスキルは関係ねえぜ」
スウェナ「まさかの理系女子だったのね…」

そして鬱憤が溜まってたのね、とスウェナちゃん、ブルブル。

スウェナ「アドス和尚は婿養子だって聞くし、その辺とかで」
ジョミー「そっか、それなら爆弾を作るってことも…」
シロエ 「有り得ますねえ、日頃の恨みで」
サム  「朝からドカンと一発かよ…」

それじゃ遅れても仕方ねえな、とサム君も。
テロでしたか…。


2019/02/10 (Sun)

 

☆不幸な事故でした


節分は七福神巡りにお出掛けですけど、遅れたのがキース君。
なんでも原因は炊飯器だとか、イライザさんがテロという話。

シロエ 「炊飯器爆弾、何処で爆発したんです?」
キース 「誰も爆弾だとは言っていないぞ、現場は台所だが」
ジョミー「そりゃ、炊飯器は台所だろうけど…って、あれ?」
スウェナ「爆発したわけじゃなかったの?」

イライザさんがテロって言ったじゃない、とスウェナちゃん。

スウェナ「爆弾じゃないなら、何だったのよ?」
キース 「炊飯器の機能と、おふくろのミスが重なったんだ」
一同  「「「へ?」」」
キース 「いわゆる、タイマーのセットってヤツだ!」

セットしたつもりが出来ていなくて…、と副住職、ブツブツ。

キース 「御本尊様のお膳を供えようとしたら、飯がだな…」
シロエ 「炊けていなかったというわけですか?」
キース 「そうなんだ。それでは、お勤めも始められない」

朝夕のお勤めは、まずはお膳を供えてからだ、という説明。

キース 「それで思いっ切り出遅れたんだ! 今日は!」
一同  「「「あー…」」」

どおりで到着が遅かったわけだ、と一同、納得。

ジョミー「ご飯を炊くトコから始まったんだね…」
キース 「まあ、最短で済ませたんだがな、おふくろは」
一同  「「「最短?」」」
キース 「炊飯器じゃなくて鍋で炊くんだ、その方が早い」

時間短縮は鍋に限るんだぞ、と披露された豆知識。

キース 「素人さんには、あまりお勧め出来ないが…」
シロエ 「失敗するから、という意味ですか?」
キース 「ああ。芯が残るとか、焦げるとかだな」

俺も自信は無いに等しい、とフウと溜息。

キース 「知識としては分かってはいても、実践は別で…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 土鍋でご飯は美味しいんだよ!」
ジョミー「ぶるぅの腕なら、楽勝だろうけど…」
シロエ 「一般人だと、炊飯器一択あるのみですよ」

その炊飯器が原因でしたか…、とシロエ君。
不幸な事故ですね?


2019/02/11 (Mon)

 

☆到着が遅いと


節分は七福神巡りにお出掛け、ところが遅れたのがキース君。
ソルジャー夫妻を置き去りに出来ず、くじかれた出鼻。

シロエ 「そういうことなら仕方ないですね、遅れても…」
マツカ 「ええ…。今日に限って、という気はしますけど」
サム  「まったくだぜ。なんでこうなっちまうんだよ」
キース 「俺は、遅刻はしていないんだが?」

集合時間には間に合った筈だ、と指差す自分の腕時計。

キース 「なのにどうして遅いと言われるのか、謎なんだが」
スウェナ「もっと早くに出掛けるつもりだったのよ!」
ジョミー「そうだよ、いつものキースだったらさあ…」

とっくに来てるし、今頃はバスの中だった、とジョミー君。

ジョミー「そしたら今年は、とってもいい節分に…」
シロエ 「なっていましたよね、七福神様にお参りして」
Aブルー「それはどういう意味なんだい?」

ぼくもなんだか引っ掛かるような…、とソルジャーの問い。

Aブルー「ぼくがキースより早く来たのが、問題だって?」
A船長 「私にもそう聞こえるのですが…」

あなたも同じご意見ですか、とキャプテンまでが。

A船長 「私たちの到着時間が早すぎましたか?」
キース 「でもって、俺は遅すぎたのか?」

サッパリわけが分らんのだが…、と副住職。

キース 「こいつらが早くて俺が遅いと、どうなると…?」
シロエ 「ジョミー先輩が、さっき言いました!」
サム  「分からねえかな、1本早いバスに乗れねえんだよ」
キース 「それがどうしたと?」

大した違いは無いと思うが、と副住職が傾げる首。

キース 「着くのが多少早いか遅いか、その程度だと…」
シロエ 「到着時間は、確かにそうなんですけどね…」

問題は現地なんですよ、とシロエ君。

シロエ 「ぼくたちだけでお参りできるか、その逆かです」
Aブルー「待ってよ、ぼくたちは仲間外れかい?」
シロエ 「そうですけど?」

お二人で行けばいいでしょう、とスッパリと。
やり損ねましたけどね…。


2019/02/12 (Tue)

 

☆無理だった別行動


節分は七福神巡りにお出掛け、別行動をしたかった御一同様。
もちろんソルジャー夫妻とですけど、キース君の遅れで失敗。

シロエ 「ハッキリ言わせて頂きますけど、迷惑なんです!」
Aブルー「迷惑って…。何が迷惑なんだい?」
シロエ 「あなたたちと行くのがですよ!」

この際、ハッキリしておきましょう、とシロエ君、強気。

シロエ 「それが分かったら、大人しくするか、別行動です」
Aブルー「大人しく、って…。何のことだろう?」

君は分かるかい、とソルジャーの視線がキャプテンに。

A船長 「いえ、私にもサッパリでして…。それより時間が」
Aブルー「ああ、そうそう! ほら、君たちの集合時間!」

この時間だよね、とソルジャーが指差す皆の腕時計。

Aブルー「急いでバス停に行かなくちゃ!」
A船長 「そうですね、今年も張り切って参りましょう」
一同  (((違う、違う、違う…)))

そうじゃないんだ、と叫びたくても、もう無駄な感じ。

シロエ 「通じないのは、よく分かりました…」
Aブルー「えっ、なんて?」
シロエ 「なんでもないです、忘れて下さい」

フーッと深い溜息をついて、肩までガックリ。

シロエ 「じゃあ、行きましょうか…」
Aブルー「うん、張り切って行こう!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も沢山、福を貰おうね!」

七福神様にお参りして、と跳ねる「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「みんなで元気にバス停、バス停~♪」
シロエ 「むしろギロチンな気分ですけど…」
サム  「言わねえでくれよ、気が滅入るからよ…」

バスが地獄の一丁目だしよ、とサム君、お手上げのポーズ。

サム  「何も起こらねえことを祈るぜ、マジで」
スウェナ「イベントは何も起こらなくても、災難だわよ…」
ジョミー「生き恥を晒す感じだしねえ、視線が痛くて」
Aブルー「何か言ったかい?」
一同  「「「いえ、何も!!」」」

本当に何も言っていません、と声を揃える面々。
もう諦めるしか…。


2019/02/13 (Wed)

 

☆みんなで出発


節分は七福神巡りにお出掛け、ソルジャー夫妻が余計な存在。
放置で先に出発する計画は、キース君の遅れで企画倒れに。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなでお出掛け、お出掛け~!」
Aブルー「いつものバスだよね、じきに来そうだね」
シロエ 「そうですね…」

バス停に表示された現在位置を見ながら、誰もが戦々恐々。

ジョミー「うんと混んでるといいんだけどさ…」
サム  「おいおい、座れねえじゃねえかよ」
ジョミー「その方がマシだと思わない? 座られるよりは」

特に誰とは言わないけどさ、とジョミー君。

ジョミー「満席だったら立つしかないしね、この若さだと」
スウェナ「それは言えるわね、席は譲っても、譲られないし」
マツカ 「確かに、その手がありますね…。バスの中だけは」
ジョミー「でもさあ…。あのバス、いつも空いてるから…」

期待するだけ無駄だろうか、と言っている間に変わった表示。

Aブルー「あっ、もう来るって! あのバスかな?」
ぶるぅ 「そだよ、今年も空いてるといいね!」
一同  (((そうじゃなくて!)))

是非とも混んでいて欲しい、と願いも空しく到着したバス。

ぶるぅ 「やったぁー! 空いてるよ!」
Aブルー「良かったねえ、ハーレイ! 後ろもガラ空き!」
一同  (((うわー…)))

もうこの先は他人のふりだ、と決意の御一同様。

Aブルー「ほら、ハーレイ! 座って、座って!」
A船長 「ええ。はい、どうぞ膝の上にお座り下さい」
Aブルー「もちろんだよ!」

今年も密着座りで行こう! と最後尾に腰を下ろした二人。

シロエ 「じゃあ、前の方に行きましょうか」
ぶるぅ 「ぼくはブルーと並んで、窓際!」

お外が見える方がいいもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

運転手 「発車いたしまぁーす」
ぶるぅ 「しゅっぱぁーつ!」
Aブルー「張り切って行こう!」
一同  (((他人だ、他人…)))

後ろの二人は赤の他人だ、と一同、決意の表情。
通りますかねえ…?


2019/02/14 (Thu)

 

☆いきなり暴発


節分はお寺で七福神巡り、シャン学メンバーの恒例ですけど。
今年も来たのがソルジャー夫妻で、振り払えずに出発で。

Aブルー「いいねえ、密着座りというのは」
A船長 「座り心地は如何ですか?」
Aブルー「もう最高! 今年も福を沢山貰って来なくちゃね」

七福神様にお願いしよう、とソルジャーがはしゃぐバスの中。

Aブルー「シャングリラのブリッジじゃ、これは無理だし…」
A船長 「そうですねえ…。クルーの士気に関わりますから」
Aブルー「ぼくたちの仲はバレバレなんだし、いいのにねえ」

何を今更、とソルジャー、頬を膨らませまして。

Aブルー「七福神様にお願いしようかな、そっちの許可を」
A船長 「はあ?」
Aブルー「うるさい長老たちが黙りますように、って!」

そしてブリッジでも密着座り、と弾ける笑顔。

Aブルー「キャプテンの席は眺めもいいしね、座りたいなぁ」
A船長 「わ、私の膝の上にですか!?」
Aブルー「当然じゃないか、密着座りをするんだから!」

君が不在じゃ話にならない、と腕組みをして、ふんぞり返り。

Aブルー「船が揺れても落っこちないよう、腕も回して!」
A船長 「そ、そこまでですか…!?」
Aブルー「痴漢行為もくっついていると、もっといいねえ…」

座ってる間は、お触りタイム、とニヤニヤニヤ。

Aブルー「キャプテンの士気が上がっていいだろ、その方が」
A船長 「み、皆の士気が下がると思うのですが…!」

それに私も挫けそうです、とキャプテン、冷汗ダラダラ。

A船長 「ま、前から申し上げておりますように…」
Aブルー「見られていると意気消沈、って?」

セックスだけじゃなかったのかい、とソルジャーの問い。

Aブルー「お触りタイムもダメだって?」
A船長 「は、はい…。考えただけで気絶しそうです」
Aブルー「そこまでヘタレだったのかい!?」
一同  (((他人だ、他人…!)))

こっちが死にそう、とシャン学メンバー。
無事に着けますかねえ?


2019/02/15 (Fri)






拍手[0回]

PR

☆日が悪い理由は


三連休で成人の日も、生徒会長宅でダラダラ過ごす御一同様。
けれどシロエ君が言うには日が悪いそうで、その理由が謎。

キース 「どうして特に問題になるんだ、俺が?」
シロエ 「言いましたけど、腐れ縁になっているからですよ」

もうずっと長い付き合いですよね、とシロエ君、深い溜息。

シロエ 「お蔭で、ぼくたちは毎年、毎年、ババばかりで…」
サム  「あー、あの野郎な! 正月早々、シロエがよ…」
ジョミー「酔っ払って暴露しかけてたよねえ、元老寺で!」

誰かさんの存在と迷惑な理由、とジョミー君。

ジョミー「喋ってしまえば良かったのにさ、寝てないで!」
マツカ 「そうですね…。その方が良かったかもですね」
シロエ 「ぼくも切実に、そう思ってます」

どうして大人しく寝たんでしょうか、と後悔しきり。

シロエ 「微かに覚えてるんですよ。あと少しだったと!」
スウェナ「ホントにそうよね、根性で粘ってくれてたら…」
サム  「キースは罰礼で済んでねえよな、間違いなく」
キース 「おい、冗談はやめてくれ!」

この俺を殺すつもりなのか、とキース君、ガクブル。

キース 「あの野郎のことが親父にバレたら、俺の命は…!」
ブルー 「まず無いだろうね、アドス和尚の性分からして」
サム  「ブチ殺されるか、よくて勘当だよなあ…」

で、あの馬鹿が何なんだよ、とサム君が向いたシロエ君の方。

サム  「成人の日でも、向こうは休みじゃねえんだし…」
シロエ 「忘れたんですか、成人検査とかいうヤツを!」
一同  「「「あー…」」」

そういうイベントがあるらしいよね、と頷く面々。

ジョミー「なんだったっけ、記憶を消される日だったっけ?」
シロエ 「そうです、ただし順調に運んだ場合ですけど」
マツカ 「引っ掛かったら、異分子に認定されるんですよね」
シロエ 「その異分子が誰かさんですよ」
一同  「「「うーん…」」」

確かに今日は日が悪いかも、と誰もが納得。
名前が悪すぎ…。


2019/01/16 (Wed)

 

☆説明に来ました


成人の日を生徒会長宅で過ごす面々、気付いたのが日の悪さ。
こっちの世界は祝日ですけど、違う世界もあるわけでして…。

サム  「でもよ、成人検査の日は、決まってねえだろ?」
スウェナ「そうねえ、確か14歳の誕生日だって…」
ジョミー「全員が今日ってわけがないよね、誕生日…」

いくら人工子宮から生まれる世界でも…、とジョミー君。

ジョミー「誕生日はずらしておいた方がさ、何かと便利で」
ブルー 「どうなんだろうね、究極の管理社会だし…」
??? 「それでは、質問にお答えして!!」

説明するね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「あけましておめでとう! 今年もよろしく!」
一同  「「「ひぃぃっ!!!」」」

出た、と仰け反る御一同様。

シロエ 「ぼ、ぼくは呼んではいませんから!」
サム  「質問したのはジョミーで、俺じゃねえから!」
ジョミー「ちょ、ちょっと…! どうして、ぼくに!」

腐れ縁なのはキースじゃないか、とジョミー君、ワタワタ。

ジョミー「日が悪いのもキースのせいで、何もかも全部…!」
キース 「俺に押し付けやがるか、貴様!」

いい度胸だな、と掴み掛からんばかりの副住職。

キース 「貴様もシロエも、なんで俺ばかり!」
シロエ 「先輩が諸悪の根源だからです! いつだって!」
キース 「今回は違う、断じて違う!」

俺が質問したわけじゃない、とギャーギャーと。

キース 「ジョミーだ、ジョミーが言わなかったら…!」
Aブルー「それについては、時間の問題だと思うけれどね?」

ぼくが出て来るタイミングはさ…、とソルジャー、飄々。

Aブルー「ぶるぅ、今年も色々よろしく! おやつに食事!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今日も沢山食べて行ってね!」
Aブルー「ありがとう! それじゃ、食べながら説明を…」
シロエ 「い、要りませんから!」
Aブルー「そう言わずにさ!」

SD体制を知ってくれたまえ、と笑顔。
来ちゃいましたね…?


2019/01/17 (Thu)

 

☆SD体制と誕生日


成人の日を生徒会長宅で過ごす面々、其処へイヤンなお客様。
ソルジャーが来てしまったわけで、SD体制を説明するとか。

Aブルー「まずはジョミーの質問から! 誕生日について!」
ジョミー「呼んでないから! ぼくは、ちっとも!」
Aブルー「まあ、そう言わずに、せっかくだから、聞く!」

ぼくの話をしっかりと、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「誕生日が全員同じだとマズイ、ってことだよね?」
ジョミー「そ、そうじゃないかと思っただけでさ…!」
Aブルー「正解はどうでもいい、というのは頂けないねえ…」

もっと向上心を持ちたまえ、とソルジャー、聞く耳を持たず。

Aブルー「いいかい、SD体制の要は生命管理の社会でさ…」
ジョミー「人工子宮から生まれるんだよね、知ってるよ!」
Aブルー「出産の過程は一律でもいける。人工子宮次第でね」

量産すればいいだけのことで…、と指を一本立てまして。

Aブルー「生まれた後の養育の方も、足並み揃えるのは可能」
シロエ 「は、はあ…。そうなんですか?」
Aブルー「養父母の数に合わせて子供を作れば、なんとでも」

そして一斉に入園、入学、そういう社会、と。

Aブルー「そこまでは充分、いけるんだけどねえ…」
サム  「何か問題でもあるのかよ?」
Aブルー「その通り! さっきから話題の成人の日が!」

これが大いに問題アリで…、とグッと拳を。

Aブルー「誕生日が同じってことは、成人検査の日も同じ!」
ブルー 「まあ、そうだろうねえ…。それで?」
Aブルー「システムがパンクするんだよ! 数が多すぎて!」

テラズ・ナンバーのキャパをオーバー、とお手上げのポーズ。

Aブルー「ミュウの子供が1人出ただけでも大変なのに…」
シロエ 「一斉検査だと、それじゃ済みそうにないですね?」
ジョミー「もしかして、オーバーヒートだとか…?」
Aブルー「下手をすればシステム崩壊だよ!」

そんなリスクは冒せないね、と大真面目な顔。
確かに、そうかも…。


2019/01/18 (Fri)

 

☆SD体制と親子


成人の日は生徒会長宅なシャン学メンバー、嫌すぎる来客が。
呼びもしないのに来たソルジャーが、SD体制を語りまして。

Aブルー「SD体制のシステムが崩れたら、大変だからね…」
シロエ 「生まれてくる子の誕生日は、バラバラなんですね」
Aブルー「まずはシステムありきだからねえ、どうしても…」

システムが必須の社会なわけで…、と深い溜息。

Aブルー「いっそ崩壊してくれた方が、いいんだけどさ」
ブルー 「君の目標は、それだったよね?」
Aブルー「それもあるけど、一番はミュウを認めて貰うこと」

ミュウの存在が許されるんなら、システムは二の次、と。

Aブルー「ついでに地球へ行かせてくれれば、文句なし!」
シロエ 「SD体制のままでも……ですか?」
Aブルー「特に問題ないだろう?」

どうせ、ぼくには親もいないし…、とニコニコニコ。

Aブルー「育ての親でも実の親でも、関係ないから!」
キース 「あんたは、そうかもしれんがな…。他の人間は…」
スウェナ「実の親の方がいいと思うわよ、絶対に!」
Aブルー「どうなんだかねえ、その辺は…」

こっちの世界も色々あるだろ、とソルジャーの問い。

Aブルー「何処の子供も幸せなのかい、実の親がいれば?」
キース 「そ、それは…。場合によるかと…」
シロエ 「虐待なんかもありますからねえ、言われてみれば」
Aブルー「ほら、そういうのが問題なんだよ!」

ぼくの世界だと有り得ないね、と威張り返る人。

Aブルー「ミュウだと判断された子供は、アウトだけどさ…」
サム  「それ以外の子は、もれなく幸せな人生なのかよ?」
Aブルー「成人検査で養父母と離れていくまではね」

可愛がって貰えるものなんだよ、とソルジャー、力説。

Aブルー「だから実子がいいとは限らないんだけど!」
シロエ 「でもですね…。成人検査が問題なんでしょう?」
Aブルー「親の記憶は消されるからねえ…」

その辺はちょっと問題かもね、と。
ちょっとなんですか…?


2019/01/19 (Sat)

 

☆記憶を消しても


生徒会長宅で過ごすシャン学メンバーですけど、来たお客様。
成人の日とSD体制を語りたいソルジャー、話が極端すぎで。

シロエ 「親の記憶を消されるだなんて、大変ですよ!」
Aブルー「そうなのかなあ…? ぼくはそれほどでも…」

無い記憶にはこだわらないから、とソルジャー、スッパリ。

Aブルー「最初から親はいなかった、と思えばオッケー!」
ジョミー「ホントにそれで困らないわけ? 悲しいだとか…」
Aブルー「いないんだからさ、別にどうでもいいけどねえ…」

引き離された時の記憶も無いし、と全く気にしていない人。

Aブルー「その辺のことを覚えていたなら、違うだろうけど」
シロエ 「普通の場合はどうなんですか、その辺は?」
Aブルー「親がいた記憶は残るらしいよ、成人検査の後も」

顔はぼやけるらしいけどねえ、という返事。

Aブルー「でもまあ、ハッキリしないだけでさ、面影は…」
サム  「覚えているっていうのかよ?」
Aブルー「でないとシステムに差し障るんだよ、教育課程で」
一同  「「「へ?」」」

教育とどう絡むのだ、と誰もがキョトン。

スウェナ「えっと…。教育するために記憶を消すのよね?」
Aブルー「そうだけど?」
スウェナ「だったら、どうして親の面影が必要なのよ?」

恋しくなったら困るじゃない、とスウェナちゃんの指摘。

スウェナ「ホームシックで済めばいいけど、ノイローゼとか」
Aブルー「そこが大事なポイントなんだよ、機械にとっては」
マツカ 「都合が悪くはないんですか?」
Aブルー「むしろ、その逆! つけ入るチャンス!」

親の代わりになればいいんだよ、と立てる親指。

Aブルー「育ての親に化けて見せれば、すぐに懐くから!」
ジョミー「化けるって…。それって、コンピューターが?」
Aブルー「ピンポーン♪ 教育ステーションのが!」
シロエ 「そ、それは…」
ジョミー「懐いちゃうかもね…」

育ての親がいないのならば、と見合わせる顔。
刷り込みですか…?


2019/01/20 (Sun) 

 

☆SD体制の場合は


成人の日に押し掛けて来たソルジャー、SD体制を説明中で。
記憶を消すのが売りのシステム、親の面影は残すらしくて…。

シロエ 「動物とかだと、刷り込みというのがありますよね」
ブルー 「あるねえ、鴨なんかのが有名だよね」
シロエ 「孵化して最初に見たモノを、親に認定でしたっけ」
ブルー 「うん。同じ鴨だろうが、人間だろうが」

本当の親だと思うらしいねえ、と生徒会長。

ブルー 「ステーションとやらのコンピューターも、それ?」
Aブルー「厳密に言うと、刷り込みそのものとは違うけど…」
シロエ 「育ての親の記憶があるからですね?」
Aブルー「そう! だけど、面影はぼやけてるから…」

親に似てれば親に思えるよね、とソルジャー、苦い顔つき。

Aブルー「その感情を利用するのが機械なんだよ」
シロエ 「懐かせて、言うことを聞かせるんですね?」
Aブルー「それはもちろん! 適度な励まし、それに慰め!」

どんどん心に入り込むのだ、と吐き捨てるように。

Aブルー「そうなっちゃうと、もはや機械の言いなりだよね」
ジョミー「育ての親と仲が悪かった子は?」
スウェナ「それだと全く懐かないわよね、逆効果で…」
キース 「むしろ反抗する方だろうな」

俺が親父に逆らいまくって過ごしたように…、と副住職。

キース 「絶対に坊主になってたまるか、と思っていたし…」
サム  「らしいよなあ…。機械相手でも、それはあるよな」
Aブルー「ところが、有り得ないんだな。SD体制では」

親は愛されるものなんだよ、とソルジャー、断言。

Aブルー「でないと親子関係は終わり!」
一同  「「「えっ?」」」

いったいどうなってしまうのだ、と誰もがガクブル。

シロエ 「まさか、子供は処分ですか…?」
Aブルー「第一段階として、記憶処理でさ…」
ジョミー「それでダメなら…?」
Aブルー「即、抹殺!」
一同  「「「ひぃぃっ!!」」」

殺されるのか、と一同、ドン引き。
親子関係は命がけだと…?


2019/01/21 (Mon) 

 

☆逆らう子は抹殺


成人の日に生徒会長宅に来たソルジャー、SD体制を説明中。
実の親子関係が無い世界ですけど、親に逆らった子供は抹殺。

シロエ 「そ、そんな…! 親に逆らったら殺すんですか?」
Aブルー「システムに合わないわけだからねえ…」

生きていたって未来は無いし、と身も蓋も無い言いようで…。

Aブルー「殺された方がマシってものだよ、実験体よりは」
一同  「「「実験体?」」」
Aブルー「そう! ぼくもやられた人体実験三昧のこと!」

人を人とも思ってないヤツ、とソルジャー、苦々しげに。

Aブルー「不思議なことに、抹殺対象は、もれなくミュウで」
ジョミー「えっと…。いわゆる普通の子供はいないわけ?」
Aブルー「人類の子供はいないようだね、まるで全く!」

きっと脳味噌の問題なんだよ、と立てる右手の人差し指。

Aブルー「ミュウの特徴は、サイオンを持っていることで…」
スウェナ「そうらしいわね、私たちも一応、ミュウらしいし」
キース 「こっちの世界じゃ、何も問題無いんだが…」
Aブルー「ぼくの世界じゃ、問題大あり!」

ミュウは殺すか実験体にされるかの二択、とキッパリと。

Aブルー「そのサイオンのせいなのかどうか、洗脳がさ…」
シロエ 「上手くいかないわけですか?」
Aブルー「らしいんだよねえ、反抗する子はそのままで…」

親に逆らい続けた挙句に、ついに処分、と深い溜息。

Aブルー「何度も記憶を処理する間に、正体がバレて」
一同  「「「うーん…」」」

成人検査まで持たないのか、と誰もがガクブル。

キース 「俺のようなガキは、抹殺されるんだな?」
Aブルー「お父さんに逆らいまくってたらね!」

だけど反抗期は過ぎたじゃないか、とニコニコ。

Aブルー「今じゃ立派な副住職で!」
キース 「それはまあ…。親父には頭が上がらんが…」
シロエ 「アドス和尚は怖いですしね」
Aブルー「危なかったね、お正月!」

もう少しでバレるトコだったよね、という台詞。
見ていたと…?


2019/01/22 (Tue) 

 

☆バレた時の扱い


成人の日に来たソルジャーですけど、SD体制を語りまして。
親に逆らう子は抹殺という怖い話から、矛先が向いた副住職。

Aブルー「お呼びがかかるかと思ったよ! このぼくに!」
キース 「あんた、覗き見してたのか!?」

こっちの世界を元日から、とキース君、仰天。

キース 「ニューイヤーのパーティーは、どうなったんだ!」
Aブルー「やっていたけど、その合間に、ちょっと好奇心で」

他の世界のニューイヤーも気になるものだから、と笑顔。

Aブルー「お屠蘇にお雑煮、おせちというのも見たいしね」
シロエ 「それで、キース先輩のピンチを見てたんですか?」
Aブルー「うん。ホントに危ういトコだったよねえ…」

ぼくのことを深く突っ込まれたら…、とニヤニヤニヤ。

Aブルー「何から何までバレちゃうんだろ、アドス和尚に」
シロエ 「あの流れだったら、そうなったでしょうね」
サム  「キースが戒名をつけた話も、バレバレだよな」

よりにもよって院殿号だぜ、と僧籍な人。

サム  「しかもスッポンタケにつけたんだしよ…」
Aブルー「バレた場合は、どうなったのかな?」
サム  「SD体制の世界だったら、処分でねえの?」

流石に、こっちじゃ殺さねえけど…、とサム君、サラリと。

サム  「破門で勘当、そんな所じゃねえのかなあ…」
ブルー 「そうだろうねえ、破門は確実」
シロエ 「勘当の方は、どうでしょう?」
キース 「あの親父なら、ガチでやらかす!」

俺は寒空に放り出されるんだ、とキース君、ブルブル。

キース 「身の回りの品も持たせて貰えずに、身一つで!」
一同  「「「うわー…」」」

そこまでやるか、と誰もがドン引き。

シロエ 「それは虐待とか言いませんか…?」
キース 「坊主の世界に、世間の常識が通用するとでも?」
Aブルー「えーっと…。ミュウと同じで人権は無し?」
キース 「激しく制限されている!」

人権はあって無いようなもの、と言ってますけど。
そうなんですか…?


2019/01/23 (Wed)

 

☆お坊さんと人権


成人の日に出て来たソルジャー、SD体制を語ったのですが。
親に逆らう子は処分らしくて、坊主の世界もそれに近いとか。

Aブルー「人権を激しく制限だなんて、本当なのかい?」
キース 「流石に人体実験は無いが、それ以外ではな…」

実にとんでもない世界なんだぞ、と副住職。

キース 「給料は無しで働くなんぞは、基本の中の基本だな」
シロエ 「キース先輩の場合は、高校生だからでしょう?」
サム  「それはあるよな、けっこう気楽に暮らしてるしよ」
キース 「俺と違って、立派な大人の話なんだが!」

修行僧は給料が出ないんだからな、と大真面目な顔。

キース 「衣食住があるだけマシだと思え、という世界で!」
ブルー 「うん。確かに出ないね、給料なんかは」
キース 「そうだろう? しかし、働きは普通以上だ!」

掃除洗濯、炊事などなど…、と挙げてゆくメニュー。

キース 「そこに修行が加わるんだから、やってられんぞ!」
Aブルー「なるほどねえ…。でも、修行なら仕方ないだろう」

いずれ坊主になれるんだから、とソルジャーの指摘。

Aブルー「アドス和尚を見ているだけでも、楽しそうだし…」
キース 「そうは言っても、親父にだって地獄はあるぞ」
シロエ 「あれっ、お坊さんはもれなく極楽でしょう?」
キース 「お浄土じゃなくて、この世の地獄だ!」

たとえばお盆の卒塔婆書きだ、と一例が。

キース 「普通の人なら、間違いなく労基法違反だぞ!」
一同  「「「あー…」」」

確かに半端ない拘束っぷり、と誰もが納得。

ジョミー「残業とかの世界じゃないよね、アレは…」
キース 「まさに生き地獄だ!」

しかも真夏の暑い時期に…、とブツブツブツ。

キース 「人権がどうのと言い始めたら、務まらないぞ!」
サム  「墓回向だって、そうだよなあ…」
シロエ 「炎天下ですよね…」
キース 「しかも法衣で、忙しい時は休憩無しだ!」

お参りの都合に合わせるからな、という叫び。
厳しいですね?


2019/01/24 (Thu)

 

☆ハードになる時期


成人の日に来たのがソルジャー、SD体制の酷い現実を披露。
親に逆らう子は処分ですが、お坊さんの世界も大概、悲惨。

キース 「ついでに言ったら、墓回向はまだマシなんだ!」
ジョミー「自分の都合で出来ないトコが、キツそうだけど?」

棚経だったら、一応、時間が決まってるよね、とジョミー君。

ジョミー「アレも炎天下で地獄だけどさ…。定刻だから…」
サム  「体力の配分、出来ねえこともねえからなあ…」

どの辺が山かは分かっているし…、とサム君も。

サム  「墓回向の方だと、マジで昼飯抜きとかよ…」
キース 「それはもちろんだが、上には上がある世界なんだ」
シロエ 「えっと…? 墓回向とか卒塔婆書きよりも?」

キツイ何かがあるんでしょうか、とシロエ君の問い。

シロエ 「お彼岸は、そこまで酷くはないと思うんですけど」
キース 「坊主泣かせのハードなヤツは、季節を問わん!」
一同  「「「へ?」」」
キース 「あえて言うなら、季節の変わり目辺りだな」

その辺に多いと言われているな、と副住職。

スウェナ「どうして季節の変わり目なのよ?」
シロエ 「お寺の行事は、季節は関係無さそうですよ?」
マツカ 「四季の移り変わりは、愛でませんしね…」

せいぜい花祭りくらいなのでは、と御曹司も怪訝そうな顔。

マツカ 「なのに、季節が関係しているんですか?」
キース 「気温の変化が激しいからな…」

けっこう身体にこたえる時期だ、とフウと溜息。

キース 「ご老人にはハードすぎてな」
シロエ 「あー…。体調を崩しがちですよね」
キース 「崩した結果が問題なんだ!」

回復なさればいいんだがな、と憂鬱そうな顔。

キース 「そのまま旅に出られた場合が、坊主泣かせで…」
ジョミー「お葬式だよね、そうなると…?」
キース 「ソレが立て込むんだ、もう思いっ切り!」
シロエ 「連日ですか?」
キース 「それ以上だ!」

ダブルどころかトリプルとかな、という答え。
まさか一日に…?


2019/01/25 (Fri) 

 

☆トリプルで来る時


成人検査の日に来たソルジャーが語った、SD体制の残酷さ。
親に逆らう子は処分で抹殺、それに負けないお坊さんの世界。

シロエ 「トリプルって、まさか…。お葬式がですか?」
キース 「それ以外に何があると言うんだ、今の流れで?」
スウェナ「一日に集中するって言うの?」

ダブルにトリプル…、とスウェナちゃんの問い。

スウェナ「他所のお寺のお手伝いとかも、入ってるのよね?」
キース 「いや、違う! その寺でだけだ!」

他所も入るなら、もっと増える、と副住職。

キース 「朝一番に枕経に行って、最悪、そこで携帯が…」
ジョミー「鳴るってわけ?」
キース 「檀家さんの家に入る前には、電源を切るしな…」

失礼します、と出て電源をオンにした途端…、と竦める肩。

キース 「嫌な予感がして画面を見ると、着信履歴が」
シロエ 「自分のお寺からなんですね?」
キース 「それなら覚悟というものもあるが、知らん番号だ」

間違い電話かと放っておくと、また着信が、とブルブルブル。

キース 「それで出てみると、檀家さんからの電話でな…」
サム  「枕経をお願いします、ってヤツなのかよ?」
キース 「そうだ、寺へ休憩に帰る暇もなく次へだな…」

枕経を上げに行かんと駄目だ、という話。

キース 「なんとか枕経が終わって、先の仏様のとだな…」
シロエ 「何かしなくちゃいけないんですか?」
キース 「通夜や葬儀の時間の調整だ!」

既に一件入っているし、檀家さんの希望もあるし…、と。

キース 「やっと終わって玄関を出ると、また着信で」
マツカ 「その電話も枕経の依頼なんですね?」

さっきトリプルと言ってましたし…、と御曹司。

キース 「嫌すぎる話だが、実際、そういうこともある」
スウェナ「それじゃ、またまた時間の調整なのね?」
キース 「断るわけにはいかないからな…。こればっかりは」
一同  「「「うーん…」」」

本当に一日に三件なのか、と誰もが呆然。
ハードそうですね…?


2019/01/26 (Sat)

 

☆ハードだとヤバイ


ソルジャーが語った成人検査の惨い話から、お坊さんの話へ。
SD体制では親に逆らう子供は処分、それは酷いですけど…。

シロエ 「お葬式がトリプルだと、SD体制以上ですか?」
マツカ 「殺されるわけじゃありませんから、マシですよ」
サム  「だよなあ、ハードなのは間違いねえけどよ…」

問答無用で射殺ってことはねえんだしよ、とサム君。

サム  「やっぱ、SD体制の方が酷いんでねえの?」
Aブルー「ぼくもそうだと思うけど…」

人体実験だって無いしね、とソルジャーも。

Aブルー「お葬式が一日に何件来ようが、お坊さんはさ…」
スウェナ「自分が仏様になるってわけじゃないわよね…」
ジョミー「お棺に入りはしないよね…」

素人さんならヤバイかもだけど、とジョミー君の声。

ジョミー「お葬式を幾つもハシゴしたら、呼ばれそうだけど」
サム  「あー…。あの世に引きずり込まれるパターンな」

それはありそうな話だよな、と頷く霊感体質な人。

サム  「でもよ、坊主はプロなんだしよ…。その心配は…」
スウェナ「無い筈だわよね、ちゃんと修行をしてれば」
キース 「それは甘いな、坊主も生身の人間なんだ!」
一同  「「「はあ?」」」

しかし修行を積んだプロでは…、と誰もがキョトン。

ジョミー「あのさあ…。プロが呼ばれてどうするのさ?」
Aブルー「キースでさえも、法力は半端ないからねえ…」

スッポンタケに限定だけど…、とソルジャーも。

Aブルー「その辺の仏様なんかには負けないだろう?」
キース 「もちろん、仏様には負けんが…」

負けるのは自分の肉体というヤツに対してなんだ、と副住職。

シロエ 「負けるって…。どうして自分の身体になんです?」
キース 「よく問題になってるだろうが、過労死が!」
ジョミー「ひょっとして、過労死しちゃうってわけ…?」
キース 「トリプルとかが、連続で襲って来た時にはな!」

坊主の肉体にも限界はある、と握り締める拳。
それはそうかも…。


2019/01/27 (Sun)

 

☆凡人だと困る


ソルジャーが語った成人検査の話ですけど、お坊さんも大概。
キース君が言うには過労死な世界、過酷な条件が続いたら…。

Aブルー「えーっと…。限界はあるって、修行してても?」
キース 「それとこれとは別物だからな!」

修行の間に走り込みをしたわけでもないし…、と副住職。

キース 「普通の人間と変わらないんだ、肉体的には!」
シロエ 「そうでしたっけ? 確か超人もいるような…」
ジョミー「超人って…。そんなの聞いたっけ?」
シロエ 「キース先輩や会長とは、違う宗派ですけど…」

飲まず食わずの修行をするのがある筈ですよ、という話。

シロエ 「断食した上、不眠不休で護摩を焚くとか…」
サム  「あー、恵須出井寺のヤツな、生き葬式!」
スウェナ「そういえば…。確か死臭が漂うのよね?」
シロエ 「そうです、そうです! それに比べれば…」

お葬式のトリプルくらいは、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「こなせる筈だと思いますけど、違いますか?」
キース 「あんな超人と一緒にするな! 凡人を!」
Aブルー「……凡人なのかい?」

それはとっても困るんだけど…、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「スッポンタケの今後のためにも、是非、超人で!」
キース 「俺に修行をしろと言うのか、恵須出井寺で!?」

御免蒙る、とキース君、ブルブル。

キース 「俺は命が惜しいんだ! 凡人でいいから!」
Aブルー「スッポンタケに関してだけでいいんだよ」

超人なのは…、とソルジャーの笑み。

Aブルー「だから今年も、どうぞよろしく!」
キース 「なんでそうなる!」

親父にバレそうだったんだぞ、と怯えてますけど。

Aブルー「そこの所は大丈夫! いざとなったら記憶処理!」
シロエ 「アドス和尚の記憶を…ですか?」
Aブルー「必要だったら、こっちの人間、全部纏めて!」
キース 「そこまでなのか!?」
Aブルー「当然だよ!」

スッポンタケのためならば…、と燃えている人。
迷惑ですね…?


2019/01/28 (Mon)

 

☆超人でいて欲しい


とてもハードなのがお坊さんの世界で、過労死しそうなほど。
けれど超人もいるわけでして、ソルジャーの希望は超人で…。

Aブルー「キースが超人でいてくれるんなら、お安い御用!」
キース 「まだ超人ではないと思うが!」
Aブルー「ぼくにとっては、充分、超人の域だけどねえ?」

スッポンタケの御利益は半端ないから、とニコニコニコ。

Aブルー「現に今年の姫初めだって、もう凄くって…!」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「そう言わずにさ…。ぼくのハーレイがビンビンで」

その後だって漲りまくり、と紅潮する頬。

Aブルー「拾い集めた煩悩の上に、スッポンタケのパワーが」
シロエ 「加わったんだと言いたいんですか?」
Aブルー「その通り! まさにキースの法力のお蔭!」

いつも法要をしてくれるから…、と瞳がキラキラ。

Aブルー「そんなキースを守るためなら、記憶処理くらい!」
サム  「キースが破門されねえようにかよ?」
Aブルー「もちろんだよ! お坊さんでないと困るから!」

そして超人でいて欲しいんだよ、とグッと拳を。

Aブルー「新年早々、罰礼は気の毒だったけれどさ…」
キース 「最悪な年明けだったんだが! 俺にとっては!」
Aブルー「だけど、みんなには福が来たよね?」

サムとジョミーも初詣の手伝い免除だったし、と指摘。

Aブルー「全体としては、素晴らしかったと思うんだよ!」
スウェナ「それはそうかもしれないわねえ…」
Aブルー「絶対、幸先いいってば!」

ぼくも今日まで来なかったほどにセックス三昧、と笑顔。

Aブルー「スッポンタケのパワーは、高まる一方なんだよ!」
シロエ 「困るんですけど!」

高まられたら…、とシロエ君、顔面蒼白。

シロエ 「今でも迷惑すぎるんですが!」
Aブルー「その辺の文句は、キースに言ってくれたまえ!」
キース 「俺になるのか!?」
Aブルー「師僧なんだよね?」

弟子の面倒は見るものだろう、とピシャリ。
正しいですねえ…?


2019/01/29 (Tue)

 

☆お世話になったら


今年もキース君の法力に期待なソルジャー、とても御機嫌で。
スッポンタケのパワーは高まる一方、新年早々、大満足な今。

Aブルー「スッポンタケはキースの一番弟子だし、面倒をね」
キース 「見ろというのか、あんな厄介なのを!」
Aブルー「厄介どころか優秀だけどねえ、スッポンタケは」

ぼくのハーレイの漲り具合が半端ないし、とイヤンな言い種。

Aブルー「これもキースが戒名をくれたお蔭でさ…」
キース 「俺は後悔しているんだが!」
Aブルー「縁を切ろうと努力しているみたいだけどねえ…」

君は坊主が似合っているよ、とソルジャー、ビシィ! と。

Aブルー「スッポンタケの師僧な立場がピッタリだってば」
キース 「なんでそうなる!」
Aブルー「ミュウの未来のためにも、それが一番!」

ハーレイが漲れば、ぼくのパワーも上がるから、とニッコリ。

Aブルー「ぼくのシャングリラを、無事に地球まで!」
キース 「その責任を俺に背負えと…!?」
Aブルー「背負えとまでは言っていないよ、協力で充分」

スッポンタケのパワーを高めてサポートを…、と立てる親指。

Aブルー「なんなら、地球に着いた時にはお礼に、銅像!」
一同  「「「銅像?」」」
Aブルー「そう! これがお世話になった人だ、と!」
シロエ 「まさか公園とかに、ですか…?」

シャングリラの構造は同じですよね、とシロエ君の問い。

シロエ 「ブリッジが見えるあそこに、キース先輩の像を?」
Aブルー「キースが希望するんだったら、ドッカンと!」

法衣を纏った姿がいいよね、とソルジャー、やる気満々で。

Aブルー「輪袈裟じゃなくって、ちゃんとした袈裟で!」
キース 「やめてくれ!」

勘弁してくれ、と慌てる副住職。

キース 「晒し者にしないで欲しいんだが! そんな所で!」
Aブルー「そうなのかい? 名誉溢れる扱いだよ?」
キース 「俺にとっては、その逆だ!」

生き恥としか言えんだろうが、と焦りまくり。
そうですよね?


2019/01/30 (Wed)

 

☆英雄になれるコース


キース君の法力に期待するソルジャー、銅像を建てるつもり。
無事に地球まで辿り着いた時には、シャングリラの公園に。

キース 「頼むから、それだけはやめてくれ!」
Aブルー「いい計画だと思うんだけどねえ、君の銅像」

世界を救った有名人になれるんだけど、という発言。

Aブルー「地球に着けるのは、SD体制を倒した時でさ…」
サム  「ミュウの人権が認められるのな?」
Aブルー「それだけじゃないよ、機械の支配が終わるから!」

世界が丸ごと変わるんだよね、とニコニコニッコリ。

Aブルー「その立役者がキースってことで、もう大英雄!」
キース 「俺の知らない所でか!?」
Aブルー「異世界の勇者は王道だろう? この世界でも」

本とかゲームの世界とかで…、と満面の笑み。

Aブルー「法衣だって、エキゾチックな衣装ってことで!」
シロエ 「じゃあ、ポジションは僧侶そのものですか?」
Aブルー「RPGだと、あるらしいよね、そういう職業!」

だからそのままでいいんじゃないかな、と軽くウインク。

Aブルー「銅像のためにも、是非、頑張ってくれたまえ!」
キース 「要らんと言っているだろう!」
Aブルー「遠慮しないで、英雄になればいいと思うよ」

隣にはスッポンタケの像も建てよう、と両手をポン! と。

Aブルー「この神様を呼んで下さったんだ、と!」
一同  「「「うわー…」」」

それはとっても惨いのでは…、と誰もがガクブル。

キース 「建てるなら、そっちだけにしてくれ!」
Aブルー「そう言わずにさ!」

世界を救った英雄と神様で並んで欲しい、と注文が。

Aブルー「だからね、今年もスッポンタケをよろしく!」
キース 「全力で断りたいんだが! 銅像が建つコースは!」
Aブルー「期待してるよ、君とスッポンタケのパワーに!」
キース 「人生、終わった……」
Aブルー「まだまだ、今年もこれからだよ!」

張り切って行こう! と突き上げる拳。
今月、これにて中継終了~。


2019/01/31 (Thu)






拍手[0回]

☆新年が来ました


あけましておめでとうございます。今年も新年は元老寺から。
元旦の朝もまだ暗い内から、響き渡る元気なお子様の声。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同  (((も、もう朝…?)))
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!!!」

早く起きてね、と廊下を跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

シロエ 「ね、眠いです…。昨夜は思い切り凍えたのに…」
サム  「続きに修正会だったもんなあ、毎度のパターンで」
ジョミー「椅子席が貰えないのも、お約束だよね…」

あれで疲労がドッと来てさ、とブツブツブツ。

ジョミー「除夜の鐘を撞けたの、本当に1時前だったしさ…」
マツカ 「雪も普通に降ってましたし、寒かったですよ」
キース 「おい、貴様たち!」

元日からサボるつもりなのか、と副住職が襖をガラリと。

キース 「初日の出を皆で拝まん限りは、おせちも無いぞ!」
一同  「「「はーい…」」」

これも毎度のお約束だ、と仕方なく向かう山門の所。

アドス 「おお、皆さん、お揃いでお越しになりましたな」
イライザ「さあさあ、並んで下さいね」
アドス 「よろしいですな? 二礼二拍手一礼ですぞ」

では、と皆で昇ってくる初日に向かってパンパン柏手。

アドス 「本年もよろしくお願い申し上げます…!」
一同  「「「どうぞよろしく…!」」」

ハハーッとお辞儀で、迎えた朝日。

アドス 「では、庫裏の方へどうぞ」
イライザ「お雑煮も、おせちもありますからね」
ぶるぅ 「わぁーい!!!」

御馳走、御馳走、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も駆け込む庫裏。

アドス 「それでは、此処で改めまして新年のご挨拶を…」
キース 「親父、法話はお断りだぞ」

親父の話は長いからな、と副住職、ピシャリ。

アドス 「これは失礼…。あけましておめでとうございます」
一同  「「「おめでとうございます!」」」
イライザ「さあ、皆さん…」

お雑煮からどうぞ、と配られるお椀。
新年おめでとうございます!


2019/01/01 (Tue)

 

☆元日からピンチ


今年も元老寺で元旦を迎えた、シャン学メンバー。
初日の出を拝んだ後は庫裏でお雑煮、おせち料理もたっぷり。

イライザ「お雑煮は、おかわりもありますからね」
アドス 「どうぞ遠慮なく召し上がって下さい」
一同  「「「ありがとうございまーす!」」」

いっただっきまーす、と一同、お雑煮をパクパク。

ぶるぅ 「んとんと、おせちも貰っていい?」
イライザ「ええ、お好きなだけどうぞ。追加しますから」
ぶるぅ 「わぁーい! これと、これと…。これもーっ!」

和洋中と揃ったおせちに、「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大喜び。

ぶるぅ 「美味しいーっ! えっと、次はこれと、これと…」
サム  「マジで美味いよな、此処のおせちって」
アドス 「銀青様には、最高のを用意しませんと…」
ブルー 「悪いね、毎年、押し掛けちゃって」

大人数で…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「今年は都合で減っていたかもしれないのにねえ」
アドス 「はあ?」
ブルー 「他所のお寺に行こうとしていたみたいでさ…」
一同  「「「わーっ!!!」」」

ヤバイ、と慌てる御一同様。

シロエ 「い、いえ…。たまには他所のお寺もですね…」
マツカ 「いいかな、という話が出ていただけです」
サム  「うんうん、大晦日がワンパターンだしよ…」

ちょっと話題になっただけで…、と誰もがワタワタ。

ジョミー「逃げようだなんて思ってないから!」
スウェナ「ええ、ちょっとした好奇心よね」
キース 「ほほう…? 俺には違って聞こえたがな」

脱出計画を練っていたような…、と副住職の鋭い視線。

アドス 「なんと、脱出計画ですと…?」
シロエ 「冗談です!」

本当にほんのジョークなんです、とシロエ君、必死。

シロエ 「本気で言うわけないでしょう! 脱出なんて!」
ジョミー「そうだよ、おせちも待ってるし…」
キース 「逃げて、戻って来る予定だったのか?」

タダ飯を食いに…、と副住職が吊り上げる眉。
ヤバイのでは?


2019/01/02 (Wed) 

 

☆ヤバすぎる流れ


元老寺で元旦を迎えたシャン学メンバー、いきなりピンチに。
大晦日の夜に立てた脱出計画、それを責められそうでして…。

シロエ 「タダ飯だなんて、とんでもありません!」
ジョミー「そうだよ、ちゃんと修正会までには戻って…」
キース 「つまり、逃げる気だったんだろうが!」

他所の寺で除夜の鐘を撞こうと…、と睨む副住職。

シロエ 「ですから、毎年、ワンパターンですよね、と…」
スウェナ「いつも此処でしょ、だからたまには他所のお寺で」
サム  「撞いてみるのも悪くねえな、っていう話でよ…」
キース 「要するに、逃げる気満々だった、と…」

あそこで俺が部屋に入らなかったなら、と副住職、腕組み。

キース 「どうやって逃げる気だったか知らんが…」
マツカ 「す、すみません…。ウチの車を呼ぶつもりで…」
サム  「あっ、馬鹿野郎! 言ってどうするよ!」
マツカ 「いえ、ウチの車ですから、修正会までには…」

ちゃんと戻って来られるんです、と御曹司。

マツカ 「タクシーと違って、渋滞以外は時間厳守で」
ジョミー「そうそう! だからホントに、他所のお寺でも…」
シロエ 「タダ飯にはならなかったんですよ」
キース 「ほほう…。なら、訊くが…」

どうして実行しなかったんだ、と副住職の問い。

キース 「そういうことなら、俺に一言、断ってだな…」
アドス 「お出掛け下されば、誰も文句は申しませんぞ」

なにやら妙な話ですな…、とアドス和尚も。

アドス 「せがれに発見されたからと言って、何も遠慮は…」
イライザ「要りませんわよね、他所にお出掛けなさっても」

お出掛けになれば良かったのに…、とイライザさんまでが。

イライザ「それとも、ウチのキースが何か…?」
アドス 「理不尽なことを申しましたかな? 修行不足で」
シロエ 「い、いえ、決して、そんな理由じゃ…!」
キース 「そうだとしか聞こえないだろうが!」

ウチの除夜の鐘に文句があるか、と副住職。
マズイですね…?


2019/01/03 (Thu) 

 

☆お屠蘇をどうぞ


今年も元老寺で迎えた新年、シャン学メンバーを襲った災難。
除夜の鐘を他所で撞こうとしたのがバレて、只今、ピンチ。

キース 「何もやましい所が無いなら、他所で撞ける筈だ!」
シロエ 「そ、それは何も無いんですけど…。でも…」
ジョミー「今後のことを考えるとさ…。此処で撞いた方が」
アドス 「ほうほう、せがれの顔を立てて下さいましたか」

実に有難いお話ですな、とアドス和尚は上機嫌。

アドス 「せがれのためにと、ウチの寺で撞いて下さったと」
シロエ 「ええ、まあ…。そういうことになりますね」
アドス 「恐れ入ります。さあさあ、お屠蘇を」

ググーッとどうぞ、とシロエ君に差し出す盃。

シロエ 「あ、あの、ぼくは未成年ですから…!」
アドス 「そう仰らずに、景気よくどうぞ」
シロエ 「じゃ、じゃあ…。一杯だけ頂戴いたします」
アドス 「いい酒ですしな、ご遠慮なく」

トクトクトク…とお屠蘇が盃を満たし、シロエ君、グイッと。

シロエ 「うーん、なんだかカッとしますね、身体の中から」
アドス 「お屠蘇は薬酒でございますからな、温まりますぞ」
シロエ 「そうみたいです。…ときに、先輩」
一同  「「「はい?」」」

誰のことでしょう、と頷く御一同様。誰もがシロエ君の先輩。

シロエ 「あっ、先輩と言えば、キース先輩ですから」
キース 「俺なのか…。今度は俺に酒を注げと?」
シロエ 「それもいいですね、日頃の行いが行いですし…」

お正月くらいは仕えて貰いましょうか、と妙な台詞が。

サム  「お、おい、シロエ…。お前、なんか変だぜ?」
シロエ 「そうでしょうか?」

ぼくは至って正気ですけど、と何やら据わっている瞳。

シロエ 「お屠蘇で頭が冴えました。いつも以上です!」
キース 「まさか酔ってはいないだろうな?」
スウェナ「シロエが飲んだの、見たことないわよ?」
シロエ 「ぼくだって、飲めば飲めるんです!」

ですから注いで貰えませんか、と盃を。
大丈夫ですか…?


2019/01/04 (Fri) 

 

☆お屠蘇を飲んだら


元老寺でおせちなシャン学メンバー、シロエ君にはお屠蘇が。
アドス和尚が注いだ薬酒で、グイと飲み干して、据わった瞳。

シロエ 「キース先輩、こう、なみなみとお願いします」
キース 「これは本物の酒なんだが…。大丈夫なのか?」
シロエ 「もちろんです! 先輩だって飲むじゃないですか」

忘年会とかだと飲むんですよね、とシロエ君。

シロエ 「去年の暮れにも、参加していた筈ですよ」
キース 「わ、分かった…。そういうことなら、まあ、一杯」
シロエ 「ありがとうございます。頂戴します」

ググーッと一気に盃を空けて、「おかわり!」の声。

シロエ 「どんどん注いで頂きましょうか。お正月ですから」
キース 「返盃は無いのか、俺だけが注いで?」
シロエ 「そんなの、あるわけないでしょう!」

自分の立場が分かってますか、と吊り上げる眉。

シロエ 「ぼくたちが此処で除夜の鐘だった理由とか!」
アドス 「せがれの顔を立てて下さったのでは…?」
シロエ 「とんでもないです、そもそもはキース先輩が!」
アドス 「せがれが何か…?」

御迷惑でも…、とアドス和尚の困惑顔。

シロエ 「話せば長くなるんですけど、何年前だったか…」
キース 「おい、シロエ…?」
シロエ 「先輩は黙っていて下さい!」

その口が災いを呼ぶんですよ、と机をダンッ! と。

シロエ 「キース先輩が余計なことをやったお蔭で…!」
アドス 「皆さんを巻き込みましたかな…?」
シロエ 「はいっ!」

今も絶賛巻き込まれ中です、とシロエ君の返事。

シロエ 「キース先輩が坊主なばかりに、色々と…!」
アドス 「なんですと!?」

おい、本当か、とキース君を睨むアドス和尚。

アドス 「いったい何をやらかしたのだ、未熟者めが!」
キース 「ち、違う! シロエは酔ってて、言いがかりで!」
シロエ 「ぼくは酔ってはいませんから! まるで全く!」

逃げを打たないで下さいませんか、と言ってますけど。
酔ってますよね?


2019/01/05 (Sat)

 

☆大トラの気配


元老寺で迎えた新年ですけど、お屠蘇が入ったのがシロエ君。
いい感じに瞳が据わっていまして、既に漂う大トラの気配。

シロエ 「ぼくは至って正気です! 今も、普段も!」
キース 「い、いや、明らかに酔ってるぞ、お前…!」

俺の部屋に布団を敷くから…、と副住職。

キース 「酒が抜けるまで、ゆっくり休め。その方がいいぞ」
シロエ 「それも余計なお世話なんです、いつもと同じで!」
アドス 「いつもというのは、何ですかな…?」

せがれが坊主だと問題でも…、とアドス和尚の問い。

アドス 「皆さんには日頃から、お世話になっておりますが」
シロエ 「そうですねえ…。お世話させられてばかりですね」
アドス 「世話と申しますと…?」
シロエ 「巻き込まれた挙句に、法要三昧と言いますか…」

お盆も、お彼岸も酷いモンです、とシロエ君の激白。

シロエ 「何かと言ったら法要なんです、先輩のせいで!」
キース 「わーっ!!!」

なんてことを…、とキース君、顔面蒼白。

キース 「いいから、向こうで寝て来てくれ!」
シロエ 「どうして寝ないといけないんです!」
キース 「どう見ても、酔っ払っているからだ!」

お前の酒は絡み酒だ、とシロエ君を抱えるようにしまして…。

キース 「ちょっと、こいつを寝かせてくる!」
シロエ 「ぼくは、まだまだ飲み足りませんが…!」
キース 「それなら、心ゆくまで飲め!」

それから寝ろ、とシロエ君の盃にお屠蘇をトクトクと。

キース 「もう一杯いけ、景気よく、グッと!」
シロエ 「話が分かるじゃないですか」
キース 「一応、お前の先輩だからな!」

今日は大いに飲んでくれ、とキース君の顔に張り付いた笑み。

キース 「ほら、もう一杯! 酒は百薬の長と言うしな」
シロエ 「御馳走様です、もう一杯お願いしたいです」
キース 「そうだな、遠慮しないで行け!」
シロエ 「そのつもりですよ!」

無礼講で行こうじゃありませんか、とニコニコ。
まだ飲むと…?


2019/01/06 (Sun)

 

☆お屠蘇で絡み酒


今年も元老寺で迎えた新年、お屠蘇でシロエ君が大トラに。
いわゆる絡み酒というヤツでして、ピンチに陥ったキース君。

シロエ 「どんどん注いで頂きましょう! 無礼講で!」
キース 「あ、ああ…。まあ、なんだ、もう一杯…」
シロエ 「もちろんですとも!」

飲まなきゃやってられませんよ、とシロエ君、グイッと。

シロエ 「どうせ今年も法要三昧、そんな感じの一年です!」
キース 「それを言うなと言っている!」
シロエ 「いいじゃありませんか、嘘じゃないですから!」

ですから、お正月くらい…、と盃を空けまくりまして…。

シロエ 「キース先輩、分かってますか? そもそもは…」
一同  (((つ、ついに言うのか…!)))

アドス和尚の前でスッポンタケの戒名の件、と御一同様。

キース 「な、何だ、シロエ?」
シロエ 「もう何年になるんでしょうねえ、えーっと…」

ひいふうみい…、と折ってゆく指。

シロエ 「思えば、長い歳月が…。考えただけで眩暈ですよ」
キース 「そ、それはいかん! 寝た方がいい!」
シロエ 「いえいえ、まだまだ…。って、あれ?」

いつの間に分身したんですか、とキース君を指差すシロエ君。

シロエ 「分身したって無駄ですからね、これについては!」
キース 「俺は分身してはいないが?」
シロエ 「逃げないで下さい、嘘八百で! それに分身も!」

二人になっても責任は軽くなりませんよ、とギャーギャーと。

シロエ 「どっちの先輩も同罪なんです、三人だろうと!」
キース 「また増えたのか?」
シロエ 「しらばっくれないで頂きましょう!」

なんで四人に増えるんですか、とブツブツブツ。

シロエ 「言ってる端から五人目だなんて、反則ですから!」
キース 「いや、俺は何も…! 俺は一人で…!」
サム  「うんうん、そこは間違いねえぜ」
キース 「サム先輩は黙っていて下さい! ここは一発!」

殴った方が、と繰り出した拳がスカッと空振り。
外れましたね…?


2019/01/07 (Mon)

 

☆酷すぎる絡み酒


今年も元老寺で新年ですけど、シロエ君がお屠蘇で大トラに。
キース君が分身したとか言った挙句に、空振りなパンチも。

シロエ 「どうして其処で躱すんです! ぼくのパンチを!」
キース 「俺は躱してはいないんだが!」

それに殴られる筋合いも無い、と副住職、焦りの表情。

キース 「お前、さっきから言うことが支離滅裂で…!」
シロエ 「8人に増えないで頂きましょうか、その前に!」
一同  (((は、8人…)))

どれだけ増殖してるんだ、と誰もが驚くシロエ君の酔い。

サム  「な、なあ、シロエ…。マジで寝た方が…」
マツカ 「そうです、飲み過ぎは怖いんですから」
スウェナ「急性アルコール中毒もあるのよ、冗談は抜きで」
シロエ 「その心配は要りませんったら!」

いざとなったら特効薬がある筈です、と溢れる自信。

シロエ 「キース先輩を崇める誰かさんなら、持ってます!」
ブルー 「もう、そのくらいにした方が…」

誰かさんが来たら困るじゃないか、と生徒会長。

ブルー 「すまないけれど、布団を用意して貰えるかな?」
アドス 「はあ、お安い御用でございますが…」

ほれ、イライザ、とアドス和尚が促しまして。

イライザ「ええ、直ぐに御用意させて頂きますわね」
キース 「すまん、おふくろ」
イライザ「いいのよ、これもおもてなしですもの」

イライザさんが出て行った途端、シロエ君が睨む副住職。

シロエ 「分身の術を使った挙句に、ぼくを隔離ですか?」
キース 「そうじゃなくてだ、ゆっくり休んで貰おうと…」
シロエ 「殴らないことには、収まりませんが!」

今度は避けないで頂きましょう、と殴った拳が再び空振り。

シロエ 「往生際の悪い人ですねえ…。なら、もう一杯!」
キース 「本当にマズイと思うんだが…。これ以上飲んだら」
シロエ 「特効薬がある筈なんだ、と言いました!」
キース 「アテになるか!」

あいつも今頃は新年会だ、と怒鳴ってますけど。
別の世界の人ですよ?


2019/01/08 (Tue) 

 

☆誰かさんは誰だ


今年も元老寺で迎えた新年、シロエ君が大トラになりまして。
キース君が分身したとか文句をつけて、まだ飲む気の今。

シロエ 「大丈夫ですって、来る時はちゃんと来ますから!」
キース 「だが、元日に来たことは一度も無いぞ!」
シロエ 「そりゃそうでしょうね、パーティーらしいですし」
キース 「なら、それくらいでやめておけ!」

特効薬は届けて貰えないぞ、と副住職。

キース 「おふくろが布団を敷いているから、とにかく寝ろ」
シロエ 「まだ、先輩を殴ってないです!」
イライザ「お待たせしました、お部屋の用意が出来ましたわ」
キース 「らしいぞ、シロエ」

さあ、寝るんだ、と言ってますけど。

シロエ 「いえ、先輩を殴ってからです! その前に一杯!」
キース 「エロドクターの世話になりたいのか!?」

あの馬鹿野郎が来ない以上はそうなるが…、という指摘。

キース 「あそこなら新年もやっているしな、大病院で」
アドス 「…今、妙な単語が聞こえたぞ」

新年早々、坊主とも思えないような…、とアドス和尚の睨み。

アドス 「何処のお医者様かは知らんが、失礼だろうが!」
キース 「す、すまん、つい…!」
アドス 「それから、誰かさんというのは誰だ?」

その方もお医者様なのか、と質問が。

アドス 「特効薬を持っていらっしゃるなら、名医らしいな」
キース 「そ、それは…! な、なんと言えばいいのか…」

アレは医者ではないと思う、とキース君、ワタワタ。

キース 「スキルはともかく、資格なんぞは持っていなくて」
アドス 「ほほう…。現代のブラックジャックか」

なんと立派な方ではないか、と思い切り、斜めな解釈。

アドス 「お前も、なかなか隅に置けんな」
シロエ 「隅と言うより、放り出したい気分ですけど!」
アドス 「せがれが何か、御迷惑をおかけしましたかな?」
シロエ 「さっきから、そうだと言ってます!」

本当に迷惑ばかりなんです、とシロエ君。
どうなりますやら…。


2019/01/09 (Wed) 

 

☆酔っ払った末に


今年も元老寺で新年ですけど、シロエ君がお屠蘇で大トラに。
キース君に絡みまくって、挙句にソルジャーの話題までが。

アドス 「皆さんに御迷惑と申しますと…。どのような?」
シロエ 「そうですねえ…。何かと言えば法要とかで…」
キース 「ち、違う! 法要はブルーとセットもので!」

銀青様の所でお世話になると必然的に…、と必死の言い訳。

キース 「親父も知っているだろう! お彼岸のお中日は!」
アドス 「うむ。銀青様が御指導下さっている、と…」

いつもお世話になっております、と生徒会長にお辞儀。

アドス 「お蔭様で愚息も、なんとかやっておりまして…」
シロエ 「それが悪いと言うんです、ぼくは!」
アドス 「法要はお嫌いでしたかな?」
シロエ 「普通、素人さんは好きじゃないです!」

抹香臭いだけじゃないですか、とズケズケと。

シロエ 「なのに、キース先輩が次から次へと…!」
キース 「いいから、お前は布団で寝てこい!」
シロエ 「でもですね…って、また分身ですか!」

10人になっても無駄ですからね、と振り上げる拳。

シロエ 「全部端から殴っていったら、一発くらいは!」
サム  「おい、やめろって!」
シロエ 「覚悟ぉーっ!!!」
ぶるぅ 「いたぁーっ!!!」

ゴツンと音で、吹っ飛ばされた「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

スウェナ「ちょ、ちょっと! 何するのよ!」
ぶるぅ 「うわぁぁぁん、痛いよ、痛かったようーっ!」
シロエ 「え、えっと…? キース先輩は…?」
サム  「てめえが間違えて殴ったんだろうが!」

キースの野郎は無傷じゃねえか、とサム君の怒声。

サム  「酔っぱらいは引っ込んで、寝て来やがれ!」
イライザ「そうですよ。お友達が待ってらっしゃいますわ」
キース 「ああ。あっちの部屋で大勢、お待ちだからな」
シロエ 「ぼくは酔ってはいませんから!」
イライザ「ほら、いらっしゃい」

お友達と遊びましょうね、とイライザさんの笑顔。
強制隔離…?


2019/01/10 (Thu)

 

☆酔っ払いは退場


今年も元老寺で迎えた新年、シロエ君が大トラになりまして。
キース君と間違えて「そるじゃぁ・ぶるぅ」を殴る有様。

イライザ「さあさあ、向こうにもお友達がおいでですよ」
キース 「ゆっくりしてこい、酔いが醒めるまで」
シロエ 「いいえ、まだまだ言い足りないことが…!」
キース 「後で聞くから、とにかく寝るんだ!」

特効薬が期待できない以上はそれしかない、と副住職。

キース 「どうせ、あいつは来ないんだからな!」
サム  「そうだぜ、二日酔いで困るのはお前だしよ…」
イライザ「お布団は敷いてありますから、どうぞ」
キース 「さあ、行くぞ。誰か手伝ってくれ」

腕に覚えのあるヤツがいい、とマツカ君を指名。

キース 「柔道部で鍛えた腕の見せ所だしな」
マツカ 「はい! ちょっと失礼しますね」

グイと捩じ上げるシロエ君の腕。

マツカ 「お部屋に案内して貰えますか?」
イライザ「ええ、こちらですわ」
シロエ 「何するんですかーっ!」
キース 「いいから、お前は退場してくれ…!」

暴れるシロエ君を引き摺り、キース君とマツカ君が廊下へ。

シロエ 「離して下さい、話はこれからなんです!」
キース 「分かった、分かった」
マツカ 「後から、じっくり伺いますよ」

離せ、戻せという声が遠ざかって行きまして…。

アドス 「えらい騒ぎになりましたな…。お元日から」
ブルー 「すまないねえ…。まさかシロエが絡み酒とは」
サム  「気持ちは分からねえでもねえけど…」
アドス 「その件ですがな…」

せがれに何か問題でも…、とアドス和尚の深刻な顔。

アドス 「どうも只事ではなさそうですが…」
ブルー 「うーん…」

ちょっと事情が込み入っていて…、と生徒会長。

ブルー 「キース抜きだと、話が厄介かなぁ…」
アドス 「それでは、せがれが戻りましたら、改めて…」
ブルー 「うん、その方がいいと思うよ」

こじれないのが一番だしね、と爽やかな笑顔。
どうなるんでしょう?


2019/01/11 (Fri)

 

☆導火線になる人


元老寺で大トラになったシロエ君、強制的に退場ですけれど。
アドス和尚が聞いてしまった、誰かさんのことが問題でして。

キース 「戻ったぞ。…なんとか寝かしつけて来た」
マツカ 「大イビキですけど、まあ心配は要らないでしょう」

あの程度なら…、と座敷に戻った御曹司と副住職。

ブルー 「お疲れ様。ぶるぅも、殴られたトコは大丈夫だね」
ぶるぅ 「うんっ! 痛かったけど、もう平気!」
サム  「はた迷惑な酔い方しやがって…」
ジョミー「恒例にならなきゃ、いいと思うよ」

一回くらいは御愛嬌、とジョミー君、なかなか寛大。

ジョミー「年がら年中、災難を呼ぶ人もいるしさ」
一同  「「「あー…」」」

多分、今年もそうだろうな、と溜息な所へアドス和尚が。

アドス 「もしかして、せがれがソレですかな?」
マツカ 「い、いえ…。別にキースは、そこまででは…」
ジョミー「もっと上級クラスがいるから、導火線くらい?」
サム  「いいじゃねえかよ、その言い方!」

まさしく導火線って感じだからよ、と大きく頷くサム君。

サム  「こう、ジリジリと燃えてった先で大爆発な!」
スウェナ「そうねえ、爆弾の本体は他にあるわよね」

キースは起爆剤だわよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「でなきゃアレよね、花火職人」
一同  「「「花火職人?」」」
スウェナ「打ち上げるのはプログラムでも、並べるのは…」
マツカ 「人力ですねえ、今の時代でも」

キースは花火を設置していくわけですか…、と御曹司。

マツカ 「それがバンバン上がるんですね、毎回、毎回」
スウェナ「そうなのよ!」

今年も上がりまくりだわよ、とグッと拳を。

スウェナ「回避できるとは思えないわよね、どう考えても」
ブルー 「無理だろうねえ、既に年中行事だから」
アドス 「せがれが関わる法要が、皆さんに御迷惑を…?」
ブルー 「ぶっちゃけ、そういうことになるかな」

平たく言えば…、と生徒会長、いえ、銀青様。
さて…?


2019/01/12 (Sat)

 

☆花火みたいな人


お元日からシロエ君が大トラ、そういう年明けな今年の新年。
アドス和尚が聞き咎める中、問われているキース君の責任。

アドス 「せがれが法要に関わると、何か不始末でも…?」
ブルー 「立派に務めは果たしているけど、なんだかねえ…」
スウェナ「とにかく抹香臭くなるのよ、キースのせいで!」

法要に強制参加になるから…、とスウェナちゃん。

スウェナ「サムとジョミーは、お坊さんだから、いいけれど」
ジョミー「よくないよ! ぼくたちだって、迷惑だってば!」
サム  「だよなあ、棚経は仕方ねえけどよ…」

お彼岸は確実にババってヤツな、とサム君も。

サム  「なんで毎回、ああなるんだか…」
アドス 「サム殿でもキツイ状態ですかな?」
サム  「あ、う、うん…。正直、アレは疲れるぜ」

やってられねえ、と広げる両手。

サム  「マジでキースが導火線だしよ、シャレにならねえ」
アドス 「さっき花火と仰いましたが、そこまで酷いと…」
スウェナ「超弩級だわよ、尺玉なのは確実だわね」
ブルー 「それより、スターマインじゃないかな…」

尺玉も入っていそうなヤツで…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「もう景気よくバンバン上がって、時間も長くて」
マツカ 「あらゆる花火が上がりますしね、スターマインは」
ブルー 「そう! 仕込んだ花火の種類次第で、どうとでも」

キースの場合はソレだと思う、とキッツイ言葉が。

ブルー 「下手するとアレだね、下では仕掛け花火まで」
サム  「ナイアガラとかをやってるのな…」
ブルー 「花を添えるといった感じで、華やかにね」
キース 「おい、お前たち…!」

そこまで俺をコケにするのか、と言ってますけど。

アドス 「銀青様に向かって、その言いよう…。お詫びしろ」
キース 「し、しかし…! 言いたい放題なのは、こいつで」
アドス 「そういう調子で、毎度、御迷惑を…」

口の利きようが問題なのだな、と情けなさげに。
勝手に納得しましたね…?


2019/01/13 (Sun)

 

☆迷惑のお詫びに


シロエ君の大トラに始まり、大荒れな今年の元旦ですけれど。
アドス和尚の頭の中では、キース君の口の利き方が問題に。

アドス 「銀青様にも、その言いようだと、他の皆様には…」
サム  「ぶっちゃけ、半端じゃねえよな、毎回」
スウェナ「いいようにされてるわよね、実際…」
キース 「お前ら、俺を窮地に追い込みたいのか…!」

正月早々何をしやがる、と焦りまくりの副住職。

キース 「親父がキレたら、本気でどうにもならんのだが!」
アドス 「なるほど、なるほど…。いつも、この調子で…」
マツカ 「ええ、まあ…。そんな所でしょうか」

ご理解頂けましたでしょうか、と御曹司までが。

マツカ 「法要の度にこういう具合で、ぼくたちとしては…」
ジョミー「ホントにキツイものがあるよね、耐えるだけでも」
アドス 「左様でございますか…。ウチの愚息が御迷惑を…」

まことに申し訳ございません、とアドス和尚、頭を深々と。

アドス 「キース、一年の計は元旦にあり、でな」
キース 「お、親父…?」
アドス 「初詣の後で罰礼三千回じゃ!」
キース 「さ、三千回…!?」

それはあまりに酷いのでは、とキース君、真っ青。

キース 「せめて千回にオマケしてくれ…!」
アドス 「やかましい! シロエ殿も眠っておられるし…」

時間はたっぷりあるじゃろうが、と容赦ない言葉。

アドス 「じゃが、その前に初詣じゃ。檀家さんがじゃな…」
イライザ「そろそろ、お越しになりますからね」
キース 「は、はいっ! こら、サム、ジョミー!」

お前たちも早く支度をしろ、と睨みましたが。

アドス 「今年は、お前だけでいいんじゃ!」
キース 「なんだって!?」
アドス 「御迷惑をおかけしたなら、お詫びに休んで頂く!」
サム  「マジかよ、此処でダラダラしてていいって?」
アドス 「どうぞ、ごゆっくりお休み下され」
ジョミー「バンザーイ!」

やったね、と歓声を上げるお坊さん組。
今年は幸先、良さそうですね!


2019/01/14 (Mon) 

 

☆日が悪いそうです


お元日は元老寺の庫裏でダラダラ、そんなシャン学メンバー。
幸先のいい年明けだった、と喜ぶ内に早くも成人の日が。

サム  「今年はマジで調子がいいよな、今のトコはよ」
スウェナ「そうねえ、誰かさんも未だに来てないし」
シロエ 「最長記録じゃないでしょうか、来なかった日数」
ブルー 「その分、来たら荒れそうだけどね…」

この連休が無事に済むとは思えない、と生徒会長。

ブルー 「ぼくたちの世界は連休だけどさ、向こうはさ…」
ジョミー「こっちと暦が違うもんねえ…」
シロエ 「ついでに、日が悪い気がします」
一同  「「「へ?」」」

日が悪いとはどういう意味だ、と誰もがキョトン。

キース 「おいおい、今日は友引だぞ?」
マツカ 「ですよね、どちらかと言えば吉日ですよ」
サム  「葬式がアウトなだけの日なんでねえの?」

友引の何処が悪いんだよ、と僧籍な人。

サム  「葬式もねえし、縁起がいい日の間違いじゃねえの」
シロエ 「いえ、友引は悪くないんです。祝日の方が…」
一同  「「「祝日?」」」

祝日といえば目出度い筈だが、と首を傾げる御一同様。

ジョミー「祝日って確か、旗日って言うんじゃなかったっけ」
マツカ 「ええ。昔は国旗を飾ってお祝いしたそうですよ」
サム  「ちっとも縁起は悪くねえよな?」
ブルー 「そう思うけど…」

ぼくの知識でも引っ掛からない、と生徒会長にも謎な模様。

ブルー 「いったい、今日の何処が悪いと言うんだい?」
シロエ 「分からないんですか、成人の日ですよ?」
サム  「俺たちとは縁がねえ日だよなあ…」
スウェナ「その意味なの?」

永遠の高校1年生だし…、とスウェナちゃん。

スウェナ「祝日らしくないってことで」
シロエ 「そうじゃなくって、成人というのが問題なんです」
キース 「すまんが、全く理解不能だ」
シロエ 「キース先輩の場合は、特にそうかもですね…」

思いっ切り腐れ縁ですから、という台詞が。
どういう意味だと…?


2019/01/15 (Tue)







 

拍手[0回]

☆お帰り願いたい


スッポンタケのせいで窮地に陥った、キース君ですけれど。
賠償金を肩代わりするべく来たのがソルジャー、目的は不純。

Aブルー「新年に煩悩を回収するには、まず、除夜の鐘!」
シロエ 「そ、それはそうかもしれませんけど…」
Aブルー「何か問題があるのかい?」
シロエ 「元老寺の除夜の鐘には、来ないじゃないですか!」

だったらキース先輩は無関係です、という指摘。

シロエ 「健康だろうが、寝込んでいようが、まるで全く!」
サム  「言われてみれば、そうだよなあ…」
ジョミー「何処のお寺も除夜の鐘だもんね、大晦日には」

キース抜きでも、どうとでもなるよ、とジョミー君も。

ジョミー「庇わなくてもいいと思うな、キースなんかを」
スウェナ「同感だわね…。賠償金は要らないけれど」

後々まで祟りそうだから、とスウェナちゃん、牽制。

スウェナ「それより早く帰ってちょうだい、その方がいいわ」
シロエ 「ええ、ぼくたちも嬉しいです」

余計な話は聞きたくないので…、とシロエ君も丁重に。

シロエ 「ぶるぅに折詰を貰って、お引き取り下さい」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理のと、今日のおやつだね!」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」

そこで追い出さないで欲しい、とソルジャー、ワタワタ。

Aブルー「これからが盛り上がる所なんだよ、除夜の鐘で!」
シロエ 「盛り上げなくていいですから!」
サム  「うんうん、俺たちは好きにやるしよ」

そこのキースの野郎を肴に…、と指差すサム君。

サム  「なにしろ恨みは山ほどあるしよ、ネタは尽きねえ」
キース 「そうなるのか…!?」

今日はそういう集まりなのか、とキース君、ガクブル。

キース 「賠償金は支払えないと言った筈だが…!」
シロエ 「忘年会を捨てれば、解決します!」
ジョミー「払えなくても別にいいけど、いたぶるくらいは…」
サム  「やりてえよなあ…?」

暮れなんだしよ、とサム君、ニヤリ。
一年の締めくくりですもんね…?


2018/12/16 (Sun)

 

☆一年分の恨みを


キース君を庇いに来たソルジャーですけど、邪魔すぎる存在。
お帰り願って、キース君を苛めたいのがシャン学メンバー。

キース 「年の暮れだから、どうだと言うんだ!」
サム  「ずっと昔は、借金取りの季節だったと思うぜ」
シロエ 「そうです、そうです! 一年分のを取り立てに!」

掛け売りがメインだった頃の話ですよね、とシロエ君。

シロエ 「その精神でもって、一年分の恨みを清算ですか!」
サム  「清算するのは無理だけどもよ、気分だけでも…」
スウェナ「いいわね、キースをフルボッコなのね!」

言いたいことを言わせて貰って…、とスウェナちゃんも賛成。

スウェナ「地獄の底まで落としたいわね、キースの心を」
サム  「再起不能にしてやりてえよな、今日くらいはよ」
キース 「お、お前たち…!」

俺を苛めて面白いのか、と引き攣るキース君の顔。

キース 「それよりは、例のスッポンタケをだ…!」
サム  「いびれってか? でもよ、キノコをいびっても…」
ジョミー「落ち込むことは全く無いしね、キノコだから…」

馬の耳に念仏よりも酷いレベルで…、とジョミー君。

ジョミー「右から左に聞き流されて終わりだってば!」
マツカ 「そもそも、耳はあるんでしょうか?」
サム  「分からねえけど、逃げてはいたよな…」

洗礼されたくなくってよ、とサム君、ブツブツ。

サム  「その元凶がキースの野郎で、戦犯なんだぜ」
シロエ 「どうやって料理しましょうか?」
ぶるぅ 「んとんと…。お料理したら、死ぬと思うの!」

活け造りだって食べたら死ぬよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「可哀想だから、お料理はダメーッ!」
Aブルー「ぼくもそう思う。だけど料理にこだわるなら…」
シロエ 「まだいたんですか、何か意見でも…?」
Aブルー「折詰にしてくれれば、ぼくが貰って帰っても…」
一同  「「「イイネ!!!」」」

それなら生でも詰められるし、と上がる歓声。
活けの海老みたいに…?


2018/12/17 (Mon)

 

☆折詰でよろしく


キース君をとことん苛めたいのが、シャン学メンバーの暮れ。
けれどソルジャーが庇いに来まして、言い出したことが…。

シロエ 「本当にお持ち帰りしてくれるんですか!?」
Aブルー「元から帰れと言われていたしね、そのついでだよ」

ぼくに帰って欲しかったんだろう、という質問。

Aブルー「料理もおやつもテイクアウトで、持って帰れって」
シロエ 「言いましたけど…。キース先輩まで?」
Aブルー「折詰にしてくれるんならね!」

ぼくが有難く貰って帰るよ、とニコニコニコ。

Aブルー「なにしろ法力は折紙つきだし、使えそうだから」
キース 「お、俺に、何をさせる気だ…!?」
Aブルー「ぼくのハーレイが漲るように、お経をよろしく!」
キース 「なんだって!?」

そんなお経が存在するか、と副住職、額に青筋が。

キース 「無い袖は振れんと昔から言うし、サッサと帰れ!」
Aブルー「違うよ、スッポンタケのためのお経でいいんだよ」

アレはハーレイの養子だからね、とソルジャーが立てる親指。

Aブルー「君がお経を唱えてくれれば、養子を通じて…」
サム  「パワーが届くって仕組みかよ?」
Aブルー「そう! だから是非とも、キースの折詰!」

活きのいいのを詰めて欲しい、と注文が。

ぶるぅ 「んとんと…。段ボール箱でもいい?」
Aブルー「もちろんだよ! 大きい箱があるのかな?」
ぶるぅ 「それなら、何処かで貰って来るーっ!」

家具売り場ならあると思うの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「ちょっと待っててね、行ってくるから!」
キース 「ま、待ってくれ!」

俺にも都合というものが…、と副住職、顔面蒼白でして。

キース 「ただでも暮れは忙しいんだ! 寺というのは!」
シロエ 「でも、忘年会に出掛ける時間はあるんですよね?」
サム  「それを前倒しで使えばいいじゃねえかよ」
スウェナ「アドス和尚も許すわよ!」

帳尻が合えばいいんでしょ、という声が。
その通りかも…。


2018/12/18 (Tue) 

 

☆揺れるかもです


キース君を苛めたいシャン学メンバーに、渡りに船な提案が。
なんとソルジャーが折詰を希望、お持ち帰りをという話で…。

スウェナ「忘年会で留守にするのは、どうせ夜でしょ?」
シロエ 「夕方からって所でしょうね、定番コースだと」
スウェナ「だったら、それを今夜と交換すればいいのよ!」

そして忘年会を一つ欠席すればいいわ、とスウェナちゃん。

スウェナ「欠席した忘年会の会費は、賠償金ってことで…」
ジョミー「ぼくたちが貰えばオッケーだよね!」
シロエ 「微々たる額の会費にしたって、使えますしね…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 食材とかが買えるよ!」

それで御馳走を作ればいいの! という声も。

ぶるぅ 「そうすれば楽しくパーティー出来るし…」
Aブルー「じゃあ、決まり! 折詰をよろしく!」

其処のキースを詰めて欲しいな、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ぶるぅが箱を調達する間に、キースは家にさ…」
シロエ 「今夜は外で泊まってくる、と連絡ですね!」
ブルー 「アリバイ作りは、ぼくが協力するから」

ぼくの家に泊まるってことでいいよ、と生徒会長。

ブルー 「そうすれば、アドス和尚から連絡が来ても…」
Aブルー「ぼくのシャングリラに、すぐに転送できるしね」
キース 「そ、そんな…!」
Aブルー「心配しなくても、君の命は保証するから!」

明日には家に帰してあげるよ、とソルジャー、御機嫌。

Aブルー「ただねえ、この時期、ちょっと揺れるかも…」
キース 「揺れるだと…?」
Aブルー「うん。人類軍が来る可能性が割と高めでさ…」
一同  「「「人類軍!?」」」

もしかして危険なのだろうか、と顔を見合わせる御一同様。

シロエ 「…やめておいた方がいいんでしょうか?」
サム  「キースが死んだら、シャレにならねえしよ…」
Aブルー「ああ、その点なら大丈夫! ぼくがいるから!」
キース 「俺は命が惜しいんだが!」

危険な橋は渡りたくない、と副住職、ガクブル。
さて…?


2018/12/19 (Wed) 

 

☆ボーナス狙いで


キース君を折詰にして持ち帰りたい、と言うのがソルジャー。
美味しい提案なんですけれど、ヤバい感じが漂ってまして…。

シロエ 「どうして、人類軍が来る可能性が高いんです?」
Aブルー「ああ、それはニューイヤーが近いからでさ…」
一同  「「「へ?」」」

何故、新年が近いとそうなるのだ、と飛び交う『?』マーク。

シロエ 「ニューイヤーって…。何か特別なんですか?」
Aブルー「それはもちろん! ぼくの船でもパーティーだし」
シロエ 「おめでたいのは分かりますけど、何故、暮れに…」
Aブルー「襲来する可能性が増えるのか、って?」

簡単なことだよ、とソルジャー、ウインク。

Aブルー「ニューイヤーは人類軍も休みで、攻撃はゼロ!」
ジョミー「あー…。だからパーティー出来るんだ?」
Aブルー「そういうこと! その代わり、暮れは全力で…」
シロエ 「攻撃が来ると言いたいんですね?」

休暇に入る前に頑張るんですね、とシロエ君。

シロエ 「今年の間に片をつけようと、人類軍が」
Aブルー「うーん…。どっちかと言うと、ボーナス狙い?」
一同  「「「ボーナス?」」」
Aブルー「ミュウの母船を沈められたら、ドッカンと!」

凄い賞金が出るものだから…、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「馬鹿だよねえ…。命あっての物種なのに」
シロエ 「軍人さんでも、ボーナスは欲しいものですか…」
Aブルー「当たり前だろう、休暇は命の洗濯だしね!」

いくらあっても困らないよ、というお金。

Aブルー「じゃあ、説明も済んだ所で…。折詰、よろしく!」
キース 「待て、本当に危ないじゃないか!」

半端なく危険が高そうだぞ、と顔面蒼白の副住職。

キース 「俺が死んだら、どうしてくれる!」
Aブルー「えーっと…。その場合は、ぼくの専属ってことで」
キース 「なんだって!?」
Aブルー「君が立派なお坊さんなら、今よりも、もっと!」

法力に期待できそうだから、とニコニコニコ。
ソルジャー専属…?


2018/12/20 (Thu)

 

☆名が上がります


キース君を折詰にしてお持ち帰りしたい、今日のソルジャー。
明日には帰してくれると言っても、リスクが高そうでして…。

Aブルー「立派なお坊さんを、ぼくの船にお迎え出来るしね」
キース 「お、俺が死んだら、そうなると…!?」
Aブルー「ぼくの世界に極楽は無いし、そうなるかな、って」

行き場が無いなら、船に残ってくれるよね、と満面の笑み。

Aブルー「そして毎日、スッポンタケのためにお経を!」
キース 「死んだ後までこき使う気か!?」
Aブルー「人聞きの悪い…。お坊さんとしては本望だろう?」

君の法力が役に立つんだからさ、とソルジャーの主張。

Aブルー「スッポンタケが漲れば、ぼくのハーレイだって!」
キース 「ただ、それだけのことだろうが!」
Aブルー「違うよ、ハーレイが漲れば、ぼくのパワーが!」

もうガンガンと上がるからね、とニコニコニッコリ。

Aブルー「そうすれば、きっと地球まで行けるし!」
シロエ 「ああ、なるほど…。キース先輩の法力で、ですね」
Aブルー「分かってくれた? 何もかもキースのお蔭だし…」

ミュウという種族の大恩人で…、とソルジャー、力説。

Aブルー「後々まで讃えられると思うよ、君の名前は!」
キース 「俺は嬉しくないんだが!」

他所の世界で有名になっても意味が無い、と副住職の反論。

キース 「それよりは、名も無い坊主として慎ましく…」
シロエ 「ぼくたちに迷惑をかけまくって…ですか?」
サム  「ちっとも慎ましくねえよな、ソレ」
ジョミー「折詰でいいって気がしてきたよ」

運が良ければ生きて帰って来られるしさ、とジョミー君。

ジョミー「ぶるぅ、段ボール箱を貰って来てよ」
ぶるぅ 「オッケー! キースが丸ごと入るヤツだね!」
キース 「ま、待ってくれ! 本当に俺の命がヤバイんだ!」
シロエ 「でも、名僧になれるチャンスですよ?」
キース 「そんなのは、要らん!」

俺は命が大切なんだ、とガクガクブルブル。
お坊さんでも…?


2018/12/21 (Fri)

 

☆キャンセルは必須


キース君を折詰にして持って帰る、と言い出したソルジャー。
シャン学メンバーも乗り気だというのに、本人が逃げ腰で…。

キース 「さっき、そいつも言ってただろうが!」
シロエ 「何をです?」
キース 「命あっての物種だ、と!」

俺だって命が惜しいんだ、とキース君、必死。

キース 「誰に迷惑をかけまくろうが、俺はかまわん!」
シロエ 「そう来ましたか…」
サム  「坊主の風上にも置けねえヤツだな」
キース 「何とでも言え、俺は意地でも逃げて生き残る!」

折詰なんぞにされてたまるか、と悟りの境地とは真逆な発言。

キース 「まだまだやりたいことも多いし、まだ死ねん!」
ジョミー「要は、行く気は無いんだね?」
キース 「絶対に、行かん!」
ジョミー「じゃあ、賠償金くらい払ってくれるよね?」

忘年会は全部キャンセルで…、とジョミー君。

キース 「なんで、そうなる!?」
ジョミー「迷惑をかけて生きるんだったら、常識だから」
シロエ 「そうですね…。誠意は見せて欲しいです」
Aブルー「賠償金なら、ぼくが肩代わりしてあげるけどね?」

どう転んでも、キースは迷惑な存在らしいし…、という声が。

Aブルー「お持ち帰りは諦めるけど、今後の拘束料でさ」
シロエ 「それは困ります! 迷惑が更に増えますから!」
マツカ 「基本の迷惑だけで充分なんです、ぼくたちは」
Aブルー「うーん、残念…」

いい話だと思ったのに…、とソルジャー、ガッカリ。

Aブルー「だったら話は、そっちでつけてよ」
シロエ 「帰るんですか?」
Aブルー「御馳走とかだけ貰ってね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すぐに詰めるね!」

手際よく出来たテイクアウト用、手を振るソルジャー。

Aブルー「それじゃ、またねー!」
シロエ 「行っちゃいましたか…」
キース 「た、助かった…!」
ジョミー「忘年会は全部、キャンセルだよ?」
サム  「分かってるよな?」

見苦しいのは勘弁だぜ、と厳しい注文。
当然ですね…?


2018/12/22 (Sat)

 

☆キャンセルの結末


キース君の折詰の持ち帰りを諦め、帰って行ったソルジャー。
シャン学メンバーの言い分はといえば、忘年会のキャンセル。

サム  「俺たちに迷惑かける以上は、賠償金くらいはよ…」
ブルー 「全力で支払って然るべきだろうね、どう考えても」
キース 「し、しかし…! あれは大切な交流の場で…!」
ブルー 「そうじゃないのは、もうバレたよね?」

要はクリスマスの代わりじゃないか、と銀青様の鋭い指摘。

ブルー 「潔く、全部断りたまえ! この場で、直ぐに!」
キース 「出席の返事をしているのにか…!?」
ブルー 「ぼくの名前を出せばいいだろ、難しいのなら」

緋色の衣の高僧のお供が入った、と言えばオッケー、と。

ブルー 「それでも文句を言うような坊主は…」
サム  「何処を探してもいねえよな、うん」
ジョミー「ほら、早く! キャンセル、キャンセル!」
シロエ 「余った費用で、ぼくたちに賠償金ですよ!」

早くして下さい、とシロエ君も。

シロエ 「そのお金で、ぶるぅに食材を買って貰って…」
サム  「忘年会をしようぜ、俺たちで!」
一同  「「「イイネ!!!」」」

クリスマスの後で是非やろう、と誰もが賛成。

シロエ 「クリスマスは、例の人たちも来ちゃいますから…」
マツカ 「ぼくたちだけのお楽しみですね、忘年会は」
スウェナ「ほら、キース! サッサと断りなさいよ!」
キース 「う、うう…。仕方ない…」

せっかくの忘年会だったのに…、とスマホを取り出す副住職。

キース 「…申し訳ない、と…。ん? んん!?」
サム  「どうしたんだよ?」
キース 「羨ましいぜ、この野郎、と…」

即レスが来た、と副住職が続ける作業。

キース 「此処もか、そして、こいつもなのか…!」
ブルー 「ほらね、ぼくの名前の効果は抜群!」
キース 「あんたの奢りだと思っていやがるんだが…!」
ブルー 「知らないねえ…」

ぼくに奢ってくれるんだろう、と満面の笑顔。
気の毒すぎ…。


2018/12/23 (Sun)

 

☆忘年会が済んだら


キース君の忘年会キャンセルから日は流れまして、12月末。
今年も終わりの大晦日の日で、元老寺に向かう御一同様。

シロエ 「楽しかったですねえ、忘年会!」
サム  「キースの野郎も、なんだかんだで楽しんだけどよ」
ジョミー「食材費だけで、あれだけ豪華な御馳走だしね…」
マツカ 「ぶるぅの腕がいいからですよ」

それに仕入れも手慣れたものです、と御曹司。

マツカ 「プロ級ですしね、その辺りは」
スウェナ「そうねえ、ダテに三百年以上も生きてないわね」
サム  「だよなあ、俺たちとは経験値ってヤツがよ…」
シロエ 「まるで全く違いますよね、ブルーも、ぶるぅも」

一生、勝てやしませんよ、とシロエ君の溜息。

シロエ 「今日だって、ぼくたちはバスで来ましたけど…」
サム  「あっ、あのタクシーがそうなんじゃねえか?」

黒塗りだしよ、と目を遣るタクシーが山門前に横付け。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 同じ時間に着いたねーっ!」
ブルー 「早めに来るのは、いい心がけだよ」
シロエ 「いえ、それほどでも…」
キース 「なんだ、お前たちまで来やがったのか…」

俺はブルーの出迎えに来たのに…、と法衣のキース君。

キース 「だが、見なかったふりも出来んしな…」
シロエ 「そうですよ。庫裏には通して貰えるんでしょう?」
キース 「一般客と一緒に並んだらどうだ?」

一番に鐘を撞きたい人なら、遥か前に来たぞ、という台詞。

キース 「列なら、既に出来始めているが」
シロエ 「別にいいですけど、忘年会は楽しかったですねえ」
サム  「うんうん、来年も、是非、やりてえよな」

キースの金でよ…、とサム君が揉み手。

サム  「坊主仲間の忘年会は出ないで、俺たちの方に」
シロエ 「資金を回して頂けると、とても嬉しいんですが…」
キース 「うっ…。よ、良かったら、庫裏で温かいものでも…」
一同  「「「イイネ!!!」」」

お邪魔します、と山門をくぐる面々。
寒いですもんね…。


2018/12/24 (Mon)

 

☆効果が無いような


今年も大晦日がやって来たわけで、元老寺に集った御一同様。
キース君の案内で庫裏に入って、後は除夜の鐘を待つばかり。

シロエ 「いいですねえ…。お寺住まいの知り合いって」
キース 「普段は文句ばかりだろうが!」

俺はお構い出来ないからな、と副住職がドンと置く、お茶。

キース 「ブルーにだけ淹れれば、俺の役目は終わりなんだ」
ブルー 「どうぞ、お構いなく。色々と忙しいだろうしね」
キース 「有難い。では、失礼させて頂いて、準備の方に…」

行って参ります、と襖を閉めて、そそくさと。

シロエ 「逃げられましたね、早々に」
ブルー 「仕方ない気もするけどねえ…。忘年会の恨みで」
サム  「あいつも楽しんでいたじゃねえかよ」
ブルー 「坊主仲間の忘年会が、今年は全部パアだったし…」

暮れのお楽しみが全部オシャカに…、と生徒会長の苦笑。

ブルー 「だから大目に見てあげたまえ。今日の所は」
シロエ 「でもですね…」
ブルー 「暖かい部屋で待てるだけでも、有難いだろう?」

この寒さだと雪が降るよ、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「寒風の中で除夜の鐘を待つのと、庫裏だとさ…」
ジョミー「断然、庫裏の方だよね…」
ブルー 「そういうことだよ、我慢、我慢」

そして良い年を迎えたまえ、とパチンとウインク。

ブルー 「煩悩を全て洗い流して、清い心で」
シロエ 「正直、毎年やってますけど、効果ゼロです!」
ブルー 「分かっていたって、きちんとやる!」

功徳を積んでいけばいつかは…、と銀青様のお説法。

ブルー 「塵も積もれば山となる、って言うだろう?」
一同  「「「うーん…」」」

いい年になった試しが無いのに…、と誰もが納得いかず。

スウェナ「来年もダメって気がするわよねえ…」
マツカ 「ぼくもです」
ブルー 「そんな調子じゃ、貰える福も逃すものだよ」
シロエ 「そう言われてもですね…」

毎年、災難続きですから、とシロエ君。
間違いないですね…?


2018/12/25 (Tue)

 

☆効果が無い理由は


大晦日には元老寺で除夜の鐘を撞くのが、シャン学メンバー。
只今、庫裏で待機中ですけど、不満たらたらな雰囲気でして。

シロエ 「一度くらいは、ちゃんと御利益が欲しいですよ」
サム  「まったくだよなあ、毎年、ハズレばっかりだしよ」
スウェナ「此処の除夜の鐘って効くのかしらねえ…」

そもそも、それが問題だわよ、とスウェナちゃんの疑問。

スウェナ「なにしろ、キースが副住職をやってるんだし…」
ジョミー「確かに、ソレが悪いのかも…。キースだっけね…」
マツカ 「諸悪の根源だと言われてますしね、ずっと前から」

例のスッポンタケのせいで…、と御曹司も。

マツカ 「煩悩を清めたつもりでいたって、無効なのかも…」
スウェナ「ほらね、マツカもそう思うでしょ?」

怪しいのよね、と視線を鐘楼がある方角へ。

スウェナ「だから毎年鐘を撞いても、何の効果も無いわけよ」
シロエ 「一理ありますね、此処では駄目なわけなんですね」

キース先輩がいないお寺に行かないと…、とシロエ君。

シロエ 「今から行ったら間に合いますよね、他所のお寺も」
サム  「いけると思うぜ、アルテメシアは寺が多いし」
スウェナ「そうと決まれば、タクシーだわよ!」

バスなんか待っていられないわ、と取り出すスマホ。

スウェナ「何処でもいいわね、タクシー会社は?」
シロエ 「もちろんです!」
サム  「早いトコ頼むぜ、何処でもいいから」
スウェナ「分かったわ。えーっと…。もしもし?」

タクシーをお願いできるかしら、と始まった通話。

スウェナ「ええ、5人だから中型で…。えっ?」
シロエ 「どうかしましたか?」
スウェナ「無いんですって…。じゃあ、小型を2台…。え?」

それもダメなの、と電話を終了で…。

スウェナ「予約は受けていないんですって、一杯で」
シロエ 「他所に頼みましょう!」
スウェナ「当然よ! もしもし…。え? えええっ?」

此処も予約で一杯だわよ、と悪い顔色。
もしかして、他も…?


2018/12/26 (Wed)

 

☆何処も一杯です


除夜の鐘を撞こうと元老寺に来た、シャン学メンバーですが。
煩悩を清めても続わらない災難、原因は鐘だ、と脱出を決意。

シロエ 「そこの会社もダメなんですか…。次は?」
スウェナ「今から電話よ。もしもし、えっと、タクシーを…」

お願いします、と言うなり「ええっ?」という声、再び。

スウェナ「はい…。はい、分かりました、他を当たります」
サム  「今の会社もダメだったのかよ!?」
スウェナ「そうなのよね…。後は此処と、此処と…」

全部ダメってこともないでしょ、と電話したのに結果は全滅。

スウェナ「個人タクシーまで出払ってるわよ、何なのよ!」
ブルー 「大晦日で、しかも夜だからねえ…」

最初から予約で一杯だと思う、と生徒会長。

ブルー 「お出掛けしようって人も多いし、無理もないよ」
シロエ 「じゃあ、脱出は不可能なんですか!?」
ブルー 「路線バスなら、ご自由にどうぞ」

今日は終バスも遅いからね、と言ってますけど。

サム  「今からバスで出掛けるんなら、何処の寺だよ?」
シロエ 「さ、さあ…? 何処が有名なんでしょう?」
マツカ 「有名どころだと、そうですね…。この辺とか…」

でも、今からだと間に合うかどうか、と御曹司が傾げる首。

マツカ 「バスも満員かもしれません。初詣の人で一杯で」
サム  「あー、二年参りのヤツらがいるよな…」
シロエ 「満員だと通過されちゃいますよね、バス停…」

たとえ、ぼくたちが待っていても…、とシロエ君。

シロエ 「次のバスにお乗り下さい、って」
ジョミー「だよねえ…。って、そうだ、マツカだ!」
一同  「「「え?」」」
ジョミー「マツカの家の車だったら…!」

運転手さん付きで来るのでは、と妙案が。

マツカ 「そうでした! 直ぐに電話を…」
キース 「邪魔するぞ。ブルー、そろそろ準備を頼む」
一同  「「「へ?」」」
キース 「お前たちも列に並べよ」

いい時間だしな、と副住職が指差す腕時計。
リーチ…?


2018/12/27 (Thu) 

 

☆脱出した場合は


除夜の鐘を撞きに元老寺に来た、シャン学メンバーですけど。
元老寺の鐘は効きそうにない、と脱出を計画している所へ…。

キース 「早く並ばないと、順番がどんどん後になるぞ」
ブルー 「だろうね、ぼくは衣に着替えに行くから」
ぶるぅ 「みんなは脱出、頑張ってねーっ!」
キース 「脱出だと?」

何処へ行くんだ、と副住職の問い。

シロエ 「え、えっと…。たまには他所のお寺もいいかと…」
マツカ 「そうなんです。ずっと元老寺ばかりでしたし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 他所の除夜の鐘、効くといいね!」
キース 「なんだと、ウチのは効かんと言うのか!?」

なんて罰当たりな連中なんだ、と副住職が吊り上げる眉。

キース 「お蔭様でウチのは評判なんだぞ、あちこちで!」
サム  「ブルーが撞きに出てるからだろ?」
キース 「緋色の衣の高僧な上に、超絶美形だからな…」

老若男女を問わずに人気だ、と腕組みを。

キース 「貴様たちが脱出すると言うなら、ブルーをだ…」
一同  「「「へ?」」」」
キース 「コケにするんだが、覚悟はいいか?」

それでいいなら出て行きやがれ、と指差す山門の方角。

サム  「そうなるのかよ!?」
キース 「誰が聞いても、そうだと思うが…。ではな」

俺は急ぐ、とソソクサと。

シロエ 「ど、どうしましょう…。会長に訊こうにも…」
マツカ 「着替えに行ってしまいましたし…」
ブルー 『ぼくなら、全く気にしないけどね?』

だけど来年がヤバイかも…、と届いた思念。

ブルー 『何かあったら、脱出したせいにされると思うよ』
一同  「「「うわー…」」」

効かない鐘より酷いじゃないか、と誰もがガクブル。

シロエ 「自己責任にされちゃうみたいですね…?」
サム  「そうなるよりかは、此処で撞いた方がよ…」
ジョミー「まだマシだよねえ…?」
スウェナ「自己責任だなんて、勘弁だわよ!」

悪いのはキースなんだから、とスウェナちゃんも。
脱出したら負け…?


2018/12/28 (Fri) 

 

☆脱出したら終わり


除夜の鐘を撞きに元老寺に来ている、シャン学メンバー。
脱出を計画したんですけど、逃げた場合は来年が大変そうで。

スウェナ「キースが来年、何をやらかしても文句は禁止よ?」
シロエ 「有難い除夜の鐘を逃したからだ、と言いますよね」
サム  「それ以外にねえと思うぜ、絶対」
ジョミー「他所のお寺のが効かなかった、って言うんだよ」

どんな災難が降って来たって…、とジョミー君の嘆き。

ジョミー「いくらキースが悪くったって、そうなるってば」
マツカ 「ぼくの家の車、呼ばない方が良さそうですね…」
スウェナ「呼んだら終わりよ、他所のお寺に行くんだから」
サム  「キースに見付かる前に逃げてりゃ、まだしもよ…」

現場を押さえられちまったし、とサム君も。

サム  「勝手に逃げたら、出来心で許されそうでもよ…」
シロエ 「元老寺に文句をつける形になりましたしね…」

ダメなフラグが立ってますよ、とシロエ君。

シロエ 「他所の方が効きそうでも、ここで脱出したら…」
ジョミー「一切文句を言えない年になるよね、来年…」
マツカ 「ええ、多分…。お寺絡みのことについては」
スウェナ「つまりは、キースに関することよ!」

此処の副住職なんだから…、とスウェナちゃんが仰ぐ天井。

スウェナ「諦めて此処で撞くしかないわね、除夜の鐘」
シロエ 「ですよね、逃げたらおしまいですし…」
ジョミー「早く行こうよ、列が長くなるから」
サム  「だよな、ぜんざいを早く食いてえし…」

寒い中を並ぶんだったら、それだけが楽しみ、という声が。

サム  「此処のぜんざいは美味いしよ…」
ジョミー「それは間違いないよね、うん」

急ごう、と庫裏を飛び出す御一同様。

シロエ 「うわー、すっかり出遅れましたよ」
サム  「例年だったら、もっと前の方だぜ、俺たちは…」
スウェナ「これもキースのせいにしたいわね」
マツカ 「そうですね…」

そのためにも此処で撞きましょう、と諦めの境地。
脱出、失敗…。


2018/12/29 (Sat) 

 

☆出遅れた結果は


除夜の鐘を撞こうと列に並んだ、シャン学メンバーですけど。
例年よりも出遅れただけに、早く到着していた分がパア。

シロエ 「キツイですよね、この順番は…」
サム  「撞ける頃には、1時過ぎかもしれねえなあ…」
一同  「「「うーん…」」」

ホントにそうかも、と思わざるを得ない前に並んだ人の数。

ジョミー「鐘を撞かないと、おぜんざいは貰えないしね…」
スウェナ「暖かいテントに入れないわけね、寒いのに…」
マツカ 「あっ、雪が降って来ましたよ。風花ですけど」
シロエ 「一番寒くなるパターンですよ、それ…」

雲ってないから放射冷却で…、とシロエ君が見上げる星空。

シロエ 「この中を1時過ぎまでですか…」
キース 「ほほう…。今年は、こんなに後ろか」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 寒いけど、頑張ってねーっ!」
ブルー 「君たちがトリってわけでもないけど、遅そうだね」

冷える中を行列ご苦労様、と鐘楼に向かう面々が通過。

シロエ 「いいですよねえ、関係者用のテント…」
サム  「あそこはストーブあるんだよな…」
ジョミー「熱いお茶もあるし、食べ物もあるよね…」
マツカ 「おぜんざいだけじゃないんですよね…」

偉いお坊さん用ですから、とマツカ君が零す溜息。

マツカ 「ブルーは最後の鐘も撞きますし、待ち時間が…」
シロエ 「長い分だけ、うんと優遇されるんですよね」

なのに、ぼくたちはこの有様です、とシロエ君の嘆き。

シロエ 「いつになったら鐘を撞けるか、それさえ謎です」
サム  「整理券を出してくれたら助かるのによ…」
スウェナ「全部キースのせいなのよ!」

順番が遅いのも、整理券が無いのも…、とスウェナちゃん。

スウェナ「そういう文句をつけるためにも、撞かなくちゃ」
シロエ 「そうでした! 来年のために耐えないと…」
サム  「纏めて文句を言おうぜ、全部」
ジョミー「そのために残ったんだしね…」

脱出計画を放棄して、と拳を握る御一同様。
忍の一字ですね?


2018/12/30 (Sun) 

 

☆除夜の鐘にお願い


除夜の鐘を撞く列に並んだシャン学メンバー、遅そうな順番。
撞ける頃には1時過ぎかもしれない中で、風花と厳しい寒さ。

シロエ 「とんでもない暮れになりましたよね…」
サム  「これもキースのせいなんだぜ」
スウェナ「間違いないわね、キースが来たから脱出失敗」
ジョミー「他所のお寺の鐘の御利益、欲しかったけどね…」

逃したものは仕方ないよね、とジョミー君、ブツブツ。

ジョミー「その分、来年もキースに文句! 列の分まで!」
ブルー 『まだ煩悩にまみれてるのかい、君たちは…』

その調子だから鐘が効かない、と届いた銀青様の思念波。

ブルー 『無我の境地で鐘を撞きたまえ、謙虚な姿勢で!』
一同  「「「無理!!!」」」
行列の人「「「???」」」
シロエ 「い、いえ、なんでもありません…!」

失礼しました、と頭を下げる御一同様。

ブルー 『来年も荒れそうな感じだよねえ、本当に…』
一同  『『『すみません……』』』

反省してます、と返す間に、テントから出て来た銀青様。

シロエ 「時間らしいですね?」
ぶるぅ 『かみお~ん♪ 今年もこれでおしまい!』

来年もいい年になりますように、と無邪気な思念波が。

ぶるぅ 『遅い時間に撞いても、御利益あるからねーっ!』
一同  (((無い、無い、無い…)))

元老寺の鐘では絶対に無理、と諦めの境地。

シロエ 「どうせ来年も永遠ループなんですよ…」
ジョミー「災難エンドレスだよね…」
サム  「キースの野郎が、せっせと呼び込みやがるしな」

本当に他所に行きたかったぜ、とサム君の愚痴。

ブルー 『じゃあ、撞くからね?』
一同  『『『はーい…』』』

ゴーン…、と厳かに銀青様が撞いた除夜の鐘。

シロエ 「言うだけ無駄なんでしょうけど、来年こそは…」
一同  「「「いい年に…!」」」

どうか災難が来ませんように、と切なる祈り。
煩悩を祓うどころか煩悩まみれで、暮れてゆく年。
皆様は、どうぞ良いお年を~!


2018/12/31 (Mon) 


拍手[0回]

☆行きたかった教会


さて、師走。いよいよ今年も今月限りでございますが。
休日に生徒会長宅に集った面々、ダラダラしつつ文句三昧で…。

シロエ 「じきにクリスマスなんですけどねえ…」
サム  「教会のパワーを借りたかったぜ、マジで」
スウェナ「借りられていたら、最高の年になっていたわねえ…」

スッポンタケと縁が切れて…、とスウェナちゃん。

スウェナ「なんでハッピーエンドになるのよ、あんな所で!」
マツカ 「やはり、シンデレラではないんでしょうか…」
サム  「あの野郎が王子様なのかよ!?」
マツカ 「そうじゃないですけど、立場というヤツですね」

戒名を手放したくなかったに違いありません、と御曹司の嘆き。

マツカ 「現に目的がバレた後には、続々発見されましたから」
一同  「「「うーん…」」」

そういえば、そういう展開だった、と誰もが思い出す事件。

ジョミー「ヌシは誰かさんが見付けてたけどさ…」
サム  「俺たちも沢山出会ったっけな、嫌というほど」
シロエ 「教会に行きたかったですよね、深夜にコッソリ」
マツカ 「洗礼に効果はあったかもですね、あの嫌がりよう…」

あれだけ全力で避けられたからには、もしかして…、という説。

マツカ 「聖水盤に浸ければ、戒名が消えていたかもです」
サム  「畜生、せっかくのチャンスだったのによ…!」
ブルー 「その点は、どうだか分からないけどね」

スッポンタケは素人だから…、と生徒会長。

ブルー 「単に怯えて隠れてただけで、効果はゼロかも」
マツカ 「その可能性もありますね…」
シロエ 「我が身が可愛いだけだった、ってことですか…」

戒名に未練たらたらで…、とシロエ君が顎に当てる手。

シロエ 「とはいえ、あそこで隠れたパワーはですね…」
ジョミー「戒名のお蔭で貰ったんだろうし…」
サム  「シンデレラにしちまった、戦犯はキースな!」
キース 「俺になるのか!?」

そこで責任を俺に振るのか、と慌ててますけど。
当然なのでは…?


2018/12/01 (Sat) 

 

☆戦犯がいるなら


暮れも押し詰まって参りましたが、溜息しか出ない御一同様。
スッポンタケの戒名を消し損なって、教会に注ぐ羨望の眼差し。

サム  「どう考えても、責任はキースにあるじゃねえかよ」
ジョミー「戒名が無ければ、ただのキノコっていうだけだしね」
シロエ 「そうです、そうです! しかも半端ない戒名で…」
マツカ 「クジラの戒名のパクリですしね、立派すぎですよ」

パワーがあるのも無理はありません、と御曹司も。

マツカ 「あの件で戦犯が誰かと言ったら、キースでしょう」
スウェナ「そうでなくても、元から諸悪の根源なのよね」
キース 「だからと言って、スッポンタケが隠れるほどには…」

御利益は無いと思うんだが…、と副住職の悪い顔色。

キース 「あの馬鹿野郎が隠していたとか、そっちの方が…」
サム  「有り得るとでも言うのかよ?」
キース 「その方が、絶対、自然だろうが!」
シロエ 「でもですね…。洗礼の件は知らなかったんですよ?」

そんな目的で探しているとは針の先ほども、とシロエ君。

シロエ 「ですから、例の人は全く関係無いですね」
マツカ 「ぼくも同感です。戦犯がいるなら、キースしか…」
ジョミー「いないよね、スッポンタケを匿った人は」
キース 「違う、違う、違う!」

俺は匿ったりはしないぞ、と副住職、両手をワタワタと。

キース 「匿うくらいなら、サッサと突き出す!」
シロエ 「じゃあ、見付からなかった理由は何なんです?」
サム  「お前が法力で庇ったんじゃねえかよ、無意識に」
キース 「そ、そんな…!」

そこまでの法力は持っていない、と青ざめる人。

キース 「それが出来たら、俺もとっくに緋色の衣で…!」
ブルー 「どうだろうねえ…。無意識ほど強いモノは無いから」
シロエ 「やっぱり、キース先輩が怪しいんですね?」
ブルー 「限りなく黒に近いと思うよ」
キース 「無実だと言っているだろう!」

分かってくれ、と喚いてますけれど。
どうなんでしょうね…?


2018/12/02 (Sun)

 

☆お坊さんの資質


スッポンタケの戒名を消し損なった挙句に、今年も年の瀬。
戦犯らしきキース君に強い風当たり、誰もが文句たらたらで…。

シロエ 「どの辺がどう無実なんです、真っ黒じゃないですか」
ブルー 「誰が聞いても最高に怪しいだろうねえ、キースが」
サム  「ブルーの視点でそうなるんなら、間違いねえな」

やっぱり、お前が戦犯だぜ、とサム君の指がビシィ! と。

サム  「あんな戒名をつけたばかりか、匿いやがって!」
キース 「だから、俺は何もしていないと…!」
シロエ 「いえ、会長が無意識は強いと言いました!」
ブルー 「なにしろ、キースの一番弟子って立場だからね…」

それに法要も何回やったか…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「それで効果が全く無ければ、逆に坊主の資質がね…」
スウェナ「問われるってわけね、有難味っていうポイントで?」
ブルー 「うん。出した戒名の重さとかもね」

戒名も色々あるものだから…、と生徒会長が立てる人差し指。

ブルー 「戒名作成ソフトもあるから、そんなのではね…」
シロエ 「そうでした…。アレは酷いのが出来ますよね…」
サム  「あー…! お前、試してみたんだっけな!」
シロエ 「ネットの無料のヤツでしたけどね…」

自分でも泣きたくなるようなのが…、とシロエ君が抱える頭。

ジョミー「思い出したよ、確か珍爆だったっけ!」
サム  「それ、それ! シロエらしいんだけどよ」
マツカ 「機械弄りの途中で爆発しそうですしね」
シロエ 「言わないで下さい、ぼくは本当にアレがショックで」

戒名はプロに任せたいと思ったんですよ、という激白。

シロエ 「ですから、キース先輩には、効き目があるのを…」
サム  「つけて欲しいわけな、シロエが先に逝った時には?」
シロエ 「そうなんですよ。お坊さんとしてのクオリティは…」
ブルー 「高くないと話にならないよねえ、頼みたいなら…」

今回の件で、一応、折紙つきに…、という話。
そうなるんですか?


2018/12/03 (Mon)

 

☆弟子は守るべき


スッポンタケの戒名を消し損なって、迎えた年の瀬ですけれど。
消し損なった原因は、キース君にあるのでは、という話でして。

シロエ 「キース先輩の資質は、会長が保証するんですね?」
ブルー 「まあねえ、あれだけ見事に見せ付けられると…」

保証せざるを得なくなるよね、と銀青様の笑顔。

ブルー 「あの山の中でスッポンタケを匿ったんだから」
キース 「だから、俺は匿ったつもりは無いと!」
ブルー 「それでも隠していたわけだよ。衣の袖でね」

御大師様の伝説並みじゃないか、とニコニコ。

ブルー 「隠して下さい、と頼む憐れなスッポンタケをさ」
サム  「あー…。それも俺たち全員の目から、な?」
ブルー 「そういうことだね、ブルーは見付けていたんだから」

人数の差を考えたって、これは大きい、と頷きまして。

ブルー 「あっちは気合が入っていたって、一人だしねえ…」
スウェナ「私たちの方は、総がかりで1本だけだったわね…」

それもショボいのが、とスウェナちゃんも。

スウェナ「洗礼の話がバレた後には、山ほど見付かったし…」
マツカ 「キースが隠していたことで、間違いなさそうですね」
ブルー 「うん。他に原因は考えられないかと」

ブルーがノータッチだった以上は…、とキッパリと。

ブルー 「キースは誇りを持っていいと思うよ、自分の法力に」
キース 「そう言われても、有難い気がしないんだが…!」

ついでに戦犯扱いだしな、と泣きそうな顔の副住職。

キース 「この先も俺は、あの迷惑なスッポンタケに…」
ブルー 「縛られて生きることになるねえ、どう考えても」

弟子の面倒は見てやらないと…、と銀青様のお説教。

ブルー 「他のみんなが何を言っても、師僧は弟子を守るべき」
キース 「そ、そんな…! 俺の立場はどうなるんだ…!」
ブルー 「もちろんスッポンタケの師僧で…」
シロエ 「A級戦犯ですよ!」

逃げられるわけがないでしょう、とキッツイ言葉が。
まあ、そうですね?


2018/12/04 (Tue)

 

☆お詫びと賠償金


年の瀬までスッポンタケを引き摺り、責められている副住職。
法力の方は折紙つきでも、一番弟子のせいでA級戦犯扱いで…。

シロエ 「ぼくたち全員の面子にかけて、逃がしませんよ」
サム  「マジで諸悪の根源だしよ、詫びて貰わねえと」
キース 「俺にどうしろと言うんだ、俺に!」
サム  「償いながら生きるしかねえだろ、弟子の罪をよ」

あの弟子は行く先々でやらかしてくれるからよ、と冷たい視線。

サム  「師僧の監督不行き届きで、俺たちに詫びる人生な!」
シロエ 「いいですねえ…。お詫びは誠意をこめて欲しいです」
ジョミー「マツカに頼むのは反則だからね!」
キース 「…マツカだと?」

それはいったいどういう意味だ、と副住職、キョトン。

キース 「マツカは寺とは無関係だし、修行も無縁で…」
ジョミー「財布だってば、お詫びの財源!」
キース 「財源?」
ジョミー「そう! 心の底から詫びるんだったら、自力だよ!」

マツカにお金を借りるとかはダメ、とジョミー君。

ジョミー「お詫びの印は、キースが稼いでくれないと…」
キース 「金を要求してるのか!?」
ジョミー「だって昔から、お詫びと言ったら常識だしさ」
シロエ 「悪事をもみ消して欲しい時にも、お金ですよね」

山吹色の菓子と言うじゃないですか、とシロエ君も。

シロエ 「特別手当の話もあったでしょう? ぼくたち用の」
スウェナ「そうねえ、キースが支払うってヤツね」
キース 「俺は思い切り無給なんだが!」

高校生だから小遣いだけだ、と副住職の悲鳴。

キース 「副住職は名前ばかりで、給料はゼロで…」
ジョミー「そのくらい、誰でも知ってるってば」

だけど誠意は示して欲しい、と厳しい瞳。

ジョミー「スッポンタケを匿った件で、賠償金とかさ」
キース 「ば、賠償金…?」
ジョミー「法力で隠していたんだったら、支払うべきだよ」
キース 「そう言われても…!」

俺に自覚はゼロだったんだ、と慌てる人。
さて、どうなる…?


2018/12/05 (Wed)

 

☆忘年会と称して


スッポンタケを匿ったのなら賠償金を、と責められる副住職。
けれど無いのが自分の給料、おまけに年の瀬でございまして。

キース 「賠償金などと言われても…! ただでも金が…!」
ジョミー「なんで無いのさ、お小遣いは貰っている筈だよ」
キース 「し、しかし…。暮れは何かと物入りで…!」
シロエ 「先輩と関係ありましたっけ? 暮れの御挨拶」

お歳暮とかは、アドス和尚の管轄では…、とシロエ君の指摘。

シロエ 「キース先輩が払う必要は無いと思いますが」
スウェナ「そうねえ、お小遣いで賄えるものでもないし…」
キース 「何かと付き合いが忙しいんだ!」

同期のヤツらの忘年会とか…、と言ってますけど。

サム  「そうだっけか? 今日び、忘年会は流行らねえぜ」
マツカ 「若い人には人気が無いと聞きますけどね?」
キース 「それは会社の忘年会で、交友関係とは別だ!」

クリスマスの代わりだと思ってくれ、と副住職。

キース 「坊主の世界では、表立っては祝えないからな…」
シロエ 「でもですね…。クリスマスツリーもあるのでは?」
ジョミー「前にキースがそう言ってたよね、庫裏に飾るって」

元老寺では厳禁だろうけどさ、とジョミー君も。

ジョミー「檀家さんから、フライドチキンの差し入れとかも」
キース 「しかし、堂々とは出来ないんだ!」

クリスマスパーティーは絶対に無理だ、と必死の形相。

キース 「だから代わりに忘年会で、こう、賑やかに…」
シロエ 「参加費用は、先輩が払っているんですか?」
キース 「親父は出してくれないからな!」

クリスマスの隠れ蓑だとバレているから、という説明。

キース 「邪教のパーティーに払う金など無いそうだ」
一同  「「「うーん…」」」

それは確かに、と頷く御一同様。

シロエ 「つまり、本当に金欠なんですね?」
キース 「ハッキリ言って、困窮している」
ジョミー「賠償金は?」

絶望なわけ、という質問。
払えそうにないですよねえ…?


2018/12/06 (Thu)

 

☆金欠になる理由は


スッポンタケを匿ったと言われ、賠償金を求められる副住職。
けれど年の瀬は金欠らしくて、まるで無いのがお小遣いで…。

ジョミー「賠償金は無理だって言いたいわけ?」
キース 「困窮していると言っただろうが!」
シロエ 「でもですね…。困窮するのは、自分のせいですよ」
キース 「はあ?」

どうして俺のせいになるのだ、と副住職が傾げる首。

キース 「俺を無給にしたのは親父で、小遣いも少なくて…」
シロエ 「そのお小遣いから、忘年会の費用を払っています」
キース 「他に方法が無いからな!」
シロエ 「方法はどうでもいいんです。要は忘年会ですよ」

誰が楽しんでいるんですか、とシロエ君の鋭いツッコミ。

シロエ 「今日び流行らないヤツとは違う、と言いました!」
サム  「言ってたなぁ…。坊主の世界のクリスマスだよな」
シロエ 「そうでしょう? 楽しいパーティーなんですよ!」

飲み食べ放題でドンチャン騒ぎで…、という指摘。

シロエ 「七面鳥は無いかもしれませんけど、御馳走で…」
マツカ 「鍋でも、高いものは高いですからね…」
シロエ 「それをエンジョイしている結果が、金欠です!」

やむをえない困窮と言えるでしょうか、とシロエ君、腕組み。

シロエ 「食べるにも困る状態だったら、考慮しますが…」
ジョミー「キースが楽しんだ結果なんだよね、金欠は」
スウェナ「同情の余地は全く無いわね、どう考えても」

確かにシロエの言う通りだわ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「つべこべ言わずに、払いなさいよ! 賠償金を!」
キース 「さっきから、金が無いから無理だと…」
ジョミー「じゃあ、禁足」

忘年会に行かなかったらいいんだよね、とジョミー君。

ジョミー「そしたら参加費用が浮くしさ、その分だけでも」
シロエ 「ぼくたちに支払うべきですね」
サム  「要は気持ちの問題だしよ…」
キース 「おい、お前たち…!」

俺にも付き合いというものが…、と焦ってますけど。
賠償金は…?


2018/12/07 (Fri) 

 

☆欠かせない親睦


スッポンタケを匿ったということで、要求されている賠償金。
けれど年の瀬は金欠な副住職、金欠になる理由が大いに問題。

ジョミー「キースの付き合いなんかは、どうでもいいしね」
シロエ 「まったくです。ぼくたちに責任は無いですよ」

どうなろうとも、とシロエ君、冷たい視線。

シロエ 「どうせ、クリスマスパーティーですから」
スウェナ「真面目に忘年会をやるなら、まだマシだけど…」
サム  「若手の坊主で遊ぶだけだろ、慎めよな」

俺たちに賠償金を支払うために…、とサム君も。

サム  「今年くらいは欠席したって、バチは当たらねえよ」
マツカ 「仏罰でさえないですからねえ、クリスマスだけに」
シロエ 「ええ。キース先輩がキリスト教なら、別ですが」

クリスマスは大事な行事でしょうが…、とシロエ君。

シロエ 「だけど、違うんですからね。遊ぶ口実なだけで」
キース 「しかし、親睦は大切なんだ…!」

坊主同士の横の繋がりは大事なもので…、と副住職も必死。

キース 「有ると無いでは大違いだしな、繋がりが」
シロエ 「そうなんでしょうか?」
キース 「色々な時に役に立つんだ、仲間が多いと…!」

いざという時の代打にもなる、と副住職。

シロエ 「代打というのは、何なんです?」
キース 「どうしても法事に出られない時に、代理とか…!」
サム  「全く要らねえモンじゃねえかよ、キースの場合」

親父さんがドンと構えてるしな、とサム君がギロリ。

サム  「お前のコネより、親父さんの方のコネがドッサリ」
シロエ 「そうでした! アドス和尚は強いですよね」
ブルー 「他にも、最強のなら此処にいるけど?」

アドス和尚もひれ伏す存在、と生徒会長が指差す自分の顔。

ブルー 「なけなしのコネを使わなくても、このぼくが!」
サム  「あー…。ブルーの前だと、誰でも霞むぜ」
ジョミー「忘年会なんか、要らないよね?」

最強の代打が控えてるんだし、とジョミー君。
追い詰めてますね…?


2018/12/08 (Sat)

 

☆遊びがメインなら


スッポンタケを匿ったからと、キース君が要求される賠償金。
支払おうにも金欠だそうで、理由はお坊さんたちの忘年会。

ブルー 「ぼくが代打をやってあげるから、欠席したまえ」
キース 「そ、そんな…!」
ブルー 「困る理由は無いだろう? ぼくなんだからね」

何処の坊主よりも有難いんだし、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「それともアレかな、坊主仲間の繋がりよりも…」
シロエ 「遊びがメインじゃないでしょうねえ、忘年会」
キース 「…そ、それは…」

グッと詰まっている副住職、非常に悪い顔色。

ブルー 「サンタの役でも当たっているなら、まだしもね…」
シロエ 「単なる遊びでしかないんだったら、欠席ですよ」

そして賠償金を払って下さい、と激しく詰め寄る人。

シロエ 「いい加減、ぼくたちもキレそうですから!」
サム  「間違いねえよな、年中、追われているんだしよ…」

あの厄介なスッポンタケに…、とサム君も。

サム  「一度、とことん懲りるべきだぜ、キースはよ」
ジョミー「ぼくもそう思う。ホントに懲りたら、改心するし」
キース 「改心したって、状況は何も変わらんぞ」

洗礼も失敗したじゃないか、と副住職の反撃。

キース 「アレが成功していた場合は、今頃は…」
シロエ 「みんな自由になってましたけど、コケました!」

そしてコケたのは、誰かさんが見張っているからです、と。

シロエ 「あの人は執念深いですしね、何処までも…」
サム  「一生、逃げられそうにねえしよ、俺たちも…」

だから、その分、穴埋めをしろ、とサム君の睨み。

サム  「今年くらいは、忘年会を欠席しろよな」
シロエ 「休むべきです!」

連絡くらいはしてあげますよ、とシロエ君。

シロエ 「キース先輩には出来ないのなら!」
キース 「なんだって?」
シロエ 「欠席理由を捏造するだけですしね」
サム  「悪くねえな、ソレ」

うんと恥ずかしいヤツにしろよ、という声が。
さあ、どうなる…?


2018/12/09 (Sun) 

 

☆欠席させる算段


スッポンタケを匿ったせいで、賠償金を要求されるキース君。
金欠にならないよう忘年会は欠席しろと、責められてまして。

シロエ 「うんと恥ずかしい欠席理由ですか…」
ジョミー「痔とかじゃないかな、座れないから、って」
スウェナ「いいわね、ソレ! 座布団でも椅子でも厳しいし」
マツカ 「円座が欠かせませんからねえ…」

ついでに、飲食店に円座はありませんね、と御曹司。

マツカ 「円座を持参で行くというのも恥ずかしいですよ」
シロエ 「だったら、痔の線で行きましょうか?」
サム  「下痢っていうのも悪くねえけど、やっぱり痔だぜ」
ジョミー「インパクトは強いと思うんだよ」

末代まで言われそうだしね、とジョミー君、ニンマリ。

ジョミー「シロエが捏造するっていうのは、診断書なわけ?」
シロエ 「いえいえ、今どき、LINEとかでですね…」

キース先輩になりすますんです、と涼しい顔。

シロエ 「その手の技術は任せて下さい、楽勝です!」
一同  「「「おおっ!!!」」」

なんて頼もしい、と御一同様、称賛の眼差し。

スウェナ「だったら、端から断るのよね?」
シロエ 「はい。まず、キース先輩のスマホをですね…」

ちょっと奪って頂けませんか、という注文。

シロエ 「ぶるぅでも、会長でもいいですから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 瞬間移動でだね!」
シロエ 「はい、隠しようがないですからね」
キース 「ま、待ってくれ!」

頼む、と悲鳴が上がりましたが、奪われたスマホ。

ぶるぅ 「これでオッケー! あとはシロエのお仕事!」
シロエ 「ええ。キース先輩、お借りしますね」
??? 「ちょっと待ったぁ!」

なんてことを…、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「絶対、ダメ、ダメ! キースが委縮するから!」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「年の暮れなんだよ、大事な時で!」
シロエ 「何がですか?」

いったい何が大事なんです、という質問。
お歳暮とか…?


2018/12/10 (Mon) 

 

☆庇いに来た人


スッポンタケを匿ったからと、賠償金を支払わされる副住職。
金欠だと騒いでいるというのに、誰もが取り立てる気満々で。

シロエ 「あのですね…。大事なのは、賠償金なんですよ」
サム  「そうだぜ、早いトコやっちまえよ、ソレ」
シロエ 「ええ。えーっと、キース先輩のLINEは…」

これでログイン出来ますね、とサクサク作業。

シロエ 「でもって、先輩になりすますには…」
スウェナ「音声でなければ、簡単でしょ?」
シロエ 「一応、書き方の癖とかがありますからね…」

欠席理由は痔でいいですね、とLINEを見ながら確認を。

シロエ 「他のが既読になっちゃいましたし、急がないと」
キース 「やめてくれ! 頼む、スマホを返してくれ!」
ジョミー「でもさあ、忘年会とかを欠席するなら…」
マツカ 「早めに連絡するのが常識ですけどね?」

幹事さんの都合がありますからね、と御曹司。

マツカ 「とにかく欠席ということで…。幹事の人に」
シロエ 「この人みたいですね、一件は」
キース 「そ、そいつは一番、顔が広くて…!」

そいつに知れたらアッと言う間に拡散で…、と副住職、愕然。

キース 「頼むから、何もしないで、俺にスマホを…!」
Aブルー「うん、ぼくからもお願いするよ」

一緒に土下座したっていいよ、とソルジャーが。

Aブルー「だからスマホを返してあげてよ、キースにさ」
キース 「有難い…! 何故かは知らんが、恩に着る!」
Aブルー「暮れだからねえ…」

お坊さんは大事にしておかないと、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「この年の瀬に倒れられたら、もう大変で」
サム  「そりゃまあ…。何処も多忙な季節だけどよ…」

なんでキースを庇うんだよ、とサム君の疑問。

サム  「暮れだと、何かあるのかよ?」
Aブルー「そう! 年に一度の一大イベント!」
スウェナ「クリスマスかしら?」
ジョミー「そうだよねえ…?」

キリスト教の行事なのに、と誰もが傾げる首。
謎ですよねえ…?


2018/12/11 (Tue)

 

☆奪われたスマホ


スッポンタケを匿った罪で、賠償金を求められている副住職。
忘年会の費用で賄わせるつもりが、何故か庇いに来た人が。

シロエ 「クリスマスか何か知りませんけど、賠償金です!」
サム  「あー、騒いでる間にサッサと片付けちまえよ」

痔だと言い訳するだけだしよ、と言ってますけど。

シロエ 「あっ、スマホが!」
キース 「よしよし、俺の所に帰って来たか」

とにかく返事をしておくか…、とスマホを操作している人。

キース 「大した用事も来ていなかったし、安心だな」
シロエ 「ちょ、ちょっと! 今のは誰が邪魔したんです!」
Aブルー「決まってるだろ、ぼくだけど?」

キースに返すのが早いかと思って、とソルジャー、しれっと。

Aブルー「土下座するより簡単だしねえ、瞬間移動の方が」
サム  「畜生、なんてことをしやがるんだよ!」
ジョミー「そうだよ、あと少しだったのに…!」

賠償金が貰えなくなっちゃったよ、とジョミー君の嘆き。

ジョミー「それともクリスマスプレゼントで貰えるとか?」
シロエ 「キース先輩は、クリスマスとは無関係ですよ?」
スウェナ「邪魔した人が払ってくれるんじゃないの?」

一緒に土下座とか言ってたわよね、とスウェナちゃん。

スウェナ「お小遣いは、たっぷり持ってるんだし…」
Aブルー「それでもいいけど、その前に暮れの大事な行事を」
サム  「やっぱり、クリスマスのことなのかよ?」

別に何でもかまわねえけど、とサム君の問い。

サム  「キースが倒れると困るってえのが、気になるよな」
シロエ 「もしかして、サンタ役を頼みましたか?」

そっちの世界のシャングリラの…、とシロエ君。

シロエ 「そういうバイトを頼んだんなら、納得ですよ」
ジョミー「細すぎるような気もするけど…」
Aブルー「違うよ、サンタクロースの役は毎年、ハーレイ!」
サム  「だったら、キースは何をするんだよ?」

役目なんかは何もねえだろ、という質問。
無さそうですよね…?


2018/12/12 (Wed)

 

☆嫌すぎる賠償金


スッポンタケを匿ったからと、キース君が要求される賠償金。
ところがソルジャーが割って入って、副住職を庇うことに。

サム  「サンタの役も頼んでねえのに、何の用だよ?」
シロエ 「暮れの大きな行事と言ったら、クリスマスですよ」

キース先輩とは全く関係ありませんが、とシロエ君の指摘。

シロエ 「そもそも元老寺には、クリスマスがありません」
サム  「うんうん、ガキの頃からサンタは無しでよ…」
スウェナ「クリスマスツリーも無かったのよね、キースには」

そんな人には用は無いでしょ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「賠償金を肩代わりしてまで、庇う価値は無いわ」
ジョミー「本音を言ったら、賠償金は魅力だけどさ…」
Aブルー「だったら、払ってあげようか?」

ぼくにとっては、お安い御用、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ノルディに頼めば、もう、いくらでも!」
一同  「「「うーん…」」」

そういえば財源は其処だったな、と頭を抱える御一同様。

シロエ 「エロドクターのお金だと、マズイでしょうか?」
サム  「同じ金には違いねえけど、なんだかなあ…」
Aブルー「大丈夫、ノルディも喜ぶよ!」

スッポンタケのために支払うんだし、とニコニコニコ。

Aブルー「だから、これからもスッポンタケをよろしく!」
一同  「「「ひぃぃっ!!」」」

それは最悪のパターンじゃないか、と誰もがガクブル。

シロエ 「い、要りませんから! そんなお金は!」
マツカ 「間違いなく末代まで祟りますしね…」
サム  「却下だぜ、却下!」

ビタ一文だって貰ってたまるか、と激しくお断りモード。

Aブルー「えーっ!? 払ってあげるのに…」
一同  「「「却下!!!」」」

見事なまでにハモッた声。

サム  「持って来るなよ、絶対に!」
ジョミー「突き返すからね!」
シロエ 「それはともかく、暮れの行事は何なんですか?」

そっちの方が気になりますよ、と逸らされる話題。
暮れの行事って…?


2018/12/13 (Thu)

 

☆暮れと言ったら


スッポンタケを匿った罪で、キース君が要求された賠償金。
それをソルジャーが払うと言い出し、そっちも困る御一同様。

Aブルー「えーっ? 賠償金くらい、いくらでも払うのに…」
シロエ 「エロドクターのお金はともかく、後がですね…」
サム  「もう思いっ切り、リーチじゃねえかよ」

それを盾にとってスッポンタケで無茶な要求、とサム君。

サム  「そいつは困るし、賠償金の話は無しな!」
Aブルー「酷い話だねえ…。ぼくの好意を蹴るなんて」
シロエ 「誰でも蹴りたくなりますから! それとですね…」

暮れの行事は何なんですか、と繰り返される質問。

シロエ 「クリスマスの他にも、何かあるんですか?」
Aブルー「クリスマスには、キースは関係ないだろう?」
シロエ 「ですから聞いているんです。他に何が、と」
Aブルー「……また忘れたんだ……」

毎年こういうパターンな気がする、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「常識なんだと思うけどねえ、こっちの世界じゃ」
スウェナ「大掃除かしら?」
マツカ 「お歳暮という線もありますけど…」
シロエ 「確かに、どっちも大切ですね」

お正月の前には欠かせませんね、と大きく頷くシロエ君。

シロエ 「ただ、その人の世界には無さそうですよ?」
サム  「大掃除は分からねえけど、お歳暮はねえな…」
マツカ 「すると、大掃除でしょうか?」

何処の家でもやりますからね…、と御曹司が捻る首。

マツカ 「住んでいる世界は別でも、お互いにですね…」
シロエ 「大掃除を頑張ろう、とエールの交換ですか?」
ジョミー「だけど、キースの話だよね?」

キースを庇いに来たわけだしさ、とジョミー君。

ジョミー「元老寺の大掃除のことかな、ハードそうだし」
サム  「あー…。忘年会でストレスを発散しろってか?」
スウェナ「アドス和尚は厳しそうよね…」
シロエ 「確かに、やっていられませんね…」

忘年会も無い年の暮れでは…、という声が。
それはそうかも…?


2018/12/14 (Fri)

 

☆お楽しみは来年


スッポンタケを匿ったからと、賠償金を要求されるキース君。
けれど庇いに来たのがソルジャー、暮れの行事がどうこうと。

シロエ 「キース先輩に楽しんで欲しくて、庇うんですか?」
Aブルー「別に、そういうわけじゃないけど」

楽しみたいのは、ぼくの方で…、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「もっとも、お楽しみは来年なんだけれどね」
一同  「「「はあ?」」」

年が明けてからが問題なのか、と顔を見合わせる御一同様。

サム  「でもよ…。元日は、こっちに来てねえぜ?」
ジョミー「だよねえ、ぼくたちは毎年、元老寺だし…」

あそこで年越し、とジョミー君も納得できない様子。

ジョミー「その後はブルーの家でおせちとか、初詣とか…」
シロエ 「第一、あっちの世界もパーティーですよ?」

ニューイヤーは賑やからしいですよね、とシロエ君。

シロエ 「それで青の間が散らかりまくって、大変で…」
マツカ 「お掃除部隊が突入すると聞いてますよね」

キースとは何の関りも無いと思いますが、と御曹司も。

マツカ 「お互い、全くの別行動です。年が明けたら」
Aブルー「それはそうだけど、その直前が大事なんだよ!」
シロエ 「カウントダウンですか?」
Aブルー「多分、一種のソレじゃないかな」

やらないと新年が来ないそうだから、と大真面目な顔。

Aブルー「みんな総出でやってるじゃないか、大晦日に!」
シロエ 「ま、まさか…。それは元老寺の…」
サム  「除夜の鐘かよ、大晦日だと」
Aブルー「ピンポーン!」

そこでキースに頑張って欲しい、と立てる親指。

Aブルー「心身ともに健康で迎える、最高の大晦日!」
一同  「「「うっ…」」」

嫌なことを思い出したような、と誰もが顔面蒼白。

Aブルー「除夜の鐘でさ、大勢の人が煩悩を洗い流すから…」
一同  (((聞きたくない、聞きたくない…)))
Aブルー「それを新年に!」

回収するのが楽しみだよね、と満面の笑み。
そうでしたっけ…。


2018/12/15 (Sat) 





 

拍手[0回]

カレンダー
07 2025/08 09
S M T W T F S
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新CM
[06/12 みゆ]
[06/12 Qちゃん]
[06/09 みゆ]
[06/09 Qちゃん]
[05/15 みゆ]
最新TB
プロフィール
HN:
みゆ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
カウンター
アクセス解析