☆ドボンは何処だ
一度つけたら消えてくれない、スッポンタケの戒名というブツ。
ところが宗教を変えてしまえば、戒名も消滅するわけでして…。
キース 「浸けるって…。洗礼は、そういうモノだったか?」
マツカ 「いえ…。少なくとも、ぼくが知ってる範囲では…」
聖水をつけるだけだったような…、と御曹司。
マツカ 「額に十字を描くんだったか、そんな感じです」
ジョミー「だよねえ、ぼくも映画で見たかな」
スウェナ「洗礼盤にドボンだなんて、初耳だわよ」
相当大きいのが要るじゃないの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「赤ちゃんにしたって、ベビー用のバスタブ程度の」
キース 「赤ん坊はいいが、大人だったらどうするんだ!」
今は宗教を変える話をしているんだぞ、と副住職。
キース 「大人が改宗することもあるのが、よくある話で…」
シロエ 「そうですよねえ? 教会で式を挙げたかったら」
マツカ 「正式な挙式の場合ですけどね」
教会で認めて貰うためには必要なことも…、と御曹司も同意。
マツカ 「国によっては、かなり厳しいそうですよ」
サム 「へえ…。改宗してなかったら、ダメなのかよ?」
マツカ 「ええ。役所に届け出るだけの略式婚になります」
披露宴とかは出来るんですが…、と厳しい例が。
マツカ 「同じ結婚でもランク落ちという感覚ですね」
サム 「ひでえな、ソレ…」
マツカ 「でも、そこの宗派だと、聖水をつけるだけですよ」
全身ドボンじゃありませんね、という証言。
マツカ 「いったい何処の宗派なんですか、ドボンなのは?」
ブルー 「けっこう有名なんだけど? 本家本元で」
一同 「「「本家?」」」
何の本家だ、と一同、キョトン。
シロエ 「本家って…。いわゆる本家というヤツですか?」
ブルー 「そう。こっちが本家、って譲らない系の」
マツカ 「もしかして…。正教会のことでしょうか?」
ブルー 「ピンポーン!」
本家を名乗るから正教会で…、と生徒会長。
そこがドボンだと…?
2018/11/16 (Fri)
☆浸けるだけなら
一度つけたら消せないものが、スッポンタケの戒名ですけれど。
宗教を変えれば消せるんだそうで、只今、キリスト教の話に。
シロエ 「あのですね…。正教会の洗礼がドボンなんですか?」
ブルー 「そうだけど?」
サム 「マジで頭のてっぺんまでかよ?」
ブルー 「全身を浸けないとダメだからね」
赤ん坊でも容赦はしない、と生徒会長、キッパリと。
スウェナ「赤ん坊って…。赤ちゃんを頭までドボンなの?」
ブルー 「でないと意味が無いからねえ…」
シロエ 「窒息するじゃないですか!」
水中で息は出来ませんよ、と慌てるシロエ君。
シロエ 「胎児だったら可能ですけど、生まれてしまうと…」
ジョミー「水に浸けたら溺れるよねえ…?」
ブルー 「だから一瞬だけだってば。大泣きするけど」
それはそれで縁起のいいことなのだ、と立てる親指。
ブルー 「大泣きしたら、身体から悪魔が出て行くそうだよ」
シロエ 「そうですか…。大概、無茶な話ですけど」
マツカ 「それを大人でもやるわけですか?」
改宗するならドボンでしょうか、と御曹司の問い。
ブルー 「もちろんだよ!」
シロエ 「大人って…。それはバスタブが要りませんか?」
全身を浸けると言うのなら…、とシロエ君。
ブルー 「洗礼盤だけど、サイズはバスタブかもねえ…」
一同 「「「うわー…」」」
そこまでやるか、と誰もが仰天。
シロエ 「ということは、教会にデカイのがあるんですね?」
ブルー 「無いと話にならないからね」
ジョミー「じゃあ、スッポンタケの洗礼のメインって…」
サム 「洗礼盤に浸けることかよ?」
教会にコッソリ忍び込んで…、とサム君の質問。
ブルー 「うん。そこだけだったら、出来ちゃうよね」
キース 「聖職者は抜きでも、浸けるだけなら可能なのか…」
ブルー 「洗礼と呼んでいいかはともかく、イベント自体は」
一同 「「「うーん…」」」
可能なのか、と考え込んでいる御一同様。
浸けるだけなら…ねえ?
2018/11/17 (Sat)
☆戒名が消えるかも
一度つけたら消えてくれない、スッポンタケの戒名というブツ。
ところが宗教を変えてしまえば、戒名は要らないわけでして…。
ジョミー「スッポンタケを洗礼盤に浸けたら、戒名ってさ…」
シロエ 「吹っ飛ぶんでしょうか、正式な洗礼とは違っても?」
ドボンする水は聖水ですよね、とシロエ君の発言。
シロエ 「赤ん坊を浸けて大泣きしたら、悪魔も退散で…」
サム 「水だけでも効果がありそうだぜ、ソレ」
スウェナ「実際、あるんじゃないかしら? だって、映画で…」
聖水を撒いて悪魔祓いをするじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「プロじゃなくても、教会から貰って来たヤツで」
シロエ 「確かに海外の映画とかでは、定番ですね」
マツカ 「清めの意味はある筈ですよ。この国でも同じです」
ジョミー「そうなんだ? なんか詳しいけど…」
マツカはキリスト教だったっけ、とジョミー君の問い。
ジョミー「実は教会に通ってるとか?」
マツカ 「いえ、入ることがあるだけですよ。お付き合いで」
サム 「へえ…。んで、聖水も見てるってわけな?」
マツカ 「ええ。信者さんは、教会に入る時にですね…」
入口の聖水を指につけて十字を切ってますよ、という話。
マツカ 「お寺や神社で手を洗うのと似た感じですね」
キース 「なるほどな…。清めの作法か」
スウェナ「だったら、聖水に浸けても効果がありそうよね?」
戒名が消えてくれるかも…、とスウェナちゃんの輝く瞳。
スウェナ「一度、試してみましょうよ、ソレ!」
キース 「そうだな、やってみる価値はありそうだ」
ジョミー「ダメで元々、オッケーだったら最高だよね!」
教会に忍び込むのが一番、とジョミー君が握り締める拳。
ジョミー「そのためだったら、山でスッポンタケを…」
シロエ 「探すのも、苦にはなりませんよね」
サム 「思い立ったが吉日だしよ…」
シロエ 「行きますか?」
今から山に…、とシロエ君。
お天気の方は良さそうですしね…?
2018/11/18 (Sun)
☆試す価値はある
一度つけたら消えないブツが、スッポンタケの戒名ですけれど。
宗教を変えたら消えるんだそうで、思いがけない凄いアイデア。
キース 「今の季節なら、まだ生き残っているだろうしな…」
サム 「寒い日も混ざってたけど、暖冬っぽいしよ…」
シロエ 「行ってみれば、きっと見付かりますよ」
根性で探せば1本くらい…、とシロエ君。
シロエ 「それを今晩、教会にですね…」
スウェナ「コッソリ持ち込むというわけね!」
ジョミー「でもって、洗礼盤にドボンで、上手くいったら…」
キース 「戒名が消えて、俺ともスッパリ縁が切れるんだな」
やろうじゃないか、と副住職も。
キース 「マツカの話だと、聖水は教会なら何処にでも…」
シロエ 「あるみたいですね、清めの水で」
マツカ 「えっと…。置いていない宗派もありますよ?」
それに置いてる宗派にしたって、お清め用で…、と御曹司。
マツカ 「洗礼用とは、用途が違いますからねえ…」
サム 「役に立たねえって言うのかよ?」
マツカ 「ええ、多分…」
作り方が違うと思うんです、と御曹司の意見。
マツカ 「お清め用と洗礼用では、祈祷が違っていそうですよ」
キース 「それはあるかもしれないな…」
仏教にしても同じだからな、と副住職も腕組みを。
キース 「何処でどういうお経を読むかは、決まっているし…」
ブルー 「それで正解」
一同 「「「えっ?」」」
ブルー 「マツカが言うので合ってるんだよ」
入口の聖水と、洗礼盤の聖水は違う、と生徒会長。
ブルー 「聖別の仕方が変わってくるから、別物だよね」
シロエ 「だったら、狙うのは正教会になるわけですか?」
洗礼盤にドボンな教会ですか、とシロエ君の質問。
シロエ 「何処にあるのか知りませんけど…」
ブルー 「一応、アルテメシアにもあるよ?」
ジョミー「だったら、其処で!」
シロエ 「チャレンジしましょう!」
まずはスッポンタケからですよ、とシロエ君。
山へ行くんですね?
2018/11/19 (Mon)
☆山で探すべし
一度つけたら消せないものが、スッポンタケの戒名というブツ。
けれど宗教を変えた場合は、自動的に消滅するそうでして…。
シロエ 「とにかく、山でスッポンタケをゲットです!」
サム 「松茸山の時と違って、今度は除去していねえしよ…」
ジョミー「探せばあるよね、間違いなく!」
ブルー 「このシーズンなら、充分、いけると思うよ」
キノコは、けっこうしぶといからね、と生徒会長。
ブルー 「一度くらいなら霜が降りても、暖かい日に復活!」
スウェナ「あら、そうなの?」
ブルー 「11月の末に松茸が採れることもあるしね」
シロエ 「頼もしいですね…。スッポンタケにも、是非!」
強く生きていて欲しいものです、とシロエ君が立てる親指。
シロエ 「うんと立派なのを見付けましょう!」
一同 「「「おーっ!!!」」」
頑張るぞ、と拳を突き上げるシャン学メンバー。
シロエ 「そうと決まれば、ぶるぅの出番ですよね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 何処の山に行きたいの?」
マツカ 「この前の山でいいですよ。ぼくの家の松茸山です」
スッポンタケもある筈ですから、と御曹司のオススメ。
マツカ 「あの後、一応、訊いてみたんですよ。管理の人に」
サム 「スッポンタケを除去したか、って話かよ?」
マツカ 「ええ。どうだったのかな、と好奇心で…」
サム 「でもって、結果は、あったってわけな!」
だったら確実にあるじゃねえかよ、とサム君、破顔。
サム 「あそこにしようぜ、スッポンタケ探しに行くのはよ」
ぶるぅ 「オッケー! お弁当とかは?」
ジョミー「長丁場になったら困るし、それもお願い!」
ぶるぅ 「分かったー!」
すぐに詰めるね、と笑顔のお子様。
ぶるぅ 「歩きながらでも、食べられるのを!」
シロエ 「おにぎりとか、サンドイッチとかですね」
サム 「腕が鳴るぜ…!」
キース 「俺も根性で探すとしよう」
ついに絶縁できるんだしな、と副住職も。
張り切ってますね…?
2018/11/20 (Tue)
☆お弁当を追加で
一度つけたら消えてくれない、スッポンタケの戒名ですけれど。
宗教を変えたら消えるのだそうで、それに賭けたい御一同様。
ぶるぅ 「お弁当、お弁当♪ みんなでお出掛け~!」
キース 「瞬間移動をよろしく頼むぞ」
ぶるぅ 「もっちろーん! 任せといてね!」
急いでお弁当を作らなくっちゃ、とキッチンの方へスキップで。
ぶるぅ 「おにぎり、それからサンドイッチ~!」
ブルー 「ぶるぅ、サンドイッチはリッチな具で頼むよ」
ぶるぅ 「うんっ! ローストビーフに、スモークサーモン!」
カツサンドなんかも美味しいよね、と跳ねてゆくお子様。
ぶるぅ 「おにぎりの具も、うんとリッチにしようっと!」
一同 「「「待ってました!」」」
??? 「お弁当、追加で!」
一人前ね、とソルジャー(会話表記はAブルー)が出現。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい! 1個追加だね!」
Aブルー「ありがとう!」
キース 「ちょっと待て!」
なんで、あんたが…、と指差す指が震える副住職。
キース 「何処から湧いて出やがった!」
Aブルー「えっ、何処からって…。ぼくの世界の青の間から!」
スッポンタケ狩りに行くんだってね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「是非とも混ぜて貰いたくって! 雪辱戦に!」
一同 「「「雪辱戦?」」」
Aブルー「そう、この前はダメだったから! 1本も無くて!」
せっかくハーレイも行ったのに…、とブツブツブツ。
Aブルー「あれから休暇が取れないままでさ、ハーレイの…」
キース 「今日も来るんじゃないだろうな!?」
Aブルー「残念だけれど、会議中だよ」
昼間の休暇が全然取れない、と不満そうな顔。
Aブルー「下手をすると夜まで潰れそうだし、そこは確保で!」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「愛の特別休暇なんだよ、夜は必ず!」
キース 「なら、一人なんだな?」
Aブルー「そう!」
だからお弁当の追加は1個、と言ってますけど。
厄介な人が…。
2018/11/21 (Wed)
☆無視するのが吉
一度つけたら消せないブツが、スッポンタケの戒名というヤツ。
宗教を変えたら消せると聞いて、チャレンジする気なのに…。
Aブルー「嬉しいねえ…。スッポンタケ狩りに行けるなんて!」
キース 「あんたは、お呼びじゃないんだが?」
Aブルー「でも、じっとしてなんかいられないよ!」
ぼくもスッポンタケが欲しい、とソルジャー、瞳がキラキラ。
Aブルー「君たちが行くと分かっているのに、留守番なんて!」
キース 「別の世界にいるのは、留守番とは言わん!」
シロエ 「そうですよ。常に留守番じゃないですか」
Aブルー「だから、たまには来ないとね! こっちの世界に!」
なんと言っても此処は地球だし…、と嫌すぎる台詞が。
Aブルー「それともダメだと言うのかな? 地球に来るのは?」
一同 「「「うっ…」」」
SD体制を持ち出されたら、誰も文句を言えない現状。
Aブルー「というわけで、ぼくも行くから! 山でお弁当!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お弁当の用意、出来たよ!」
サンドイッチも、おにぎりも…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「すぐに出発する?」
キース 「そうしたいのは山々なんだが…」
Aブルー「ぼくのことなら、気にしないでくれたまえ!」
今回は記念撮影もしないし…、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「スッポンタケさえ採れればいいから!」
シロエ 「はあ…。持って帰って食べるんですね?」
Aブルー「食べるのは、ぼくのハーレイだよ! 漲るように!」
美味しく食べて、あやかって…、と握り締める拳。
Aブルー「スッポンタケと同じで、ビンビンのガンガン!」
キース 「養子を食うのか?」
それでいいのか、と副住職のツッコミ。
キース 「実に鬼畜な所業だが…。我が子を食うとは」
Aブルー「いいんだってば、血となり、肉となるからね!」
サム 「おい、放っとこうぜ」
キース 「そうだな、時間の無駄だ」
勝手にすればいいだろう、と突き放し。
無視するんですね…?
2018/11/22 (Thu)
☆譲れないんです
一度つけたら決して消せない、スッポンタケの戒名ですけれど。
宗教を変えると消えるんだそうで、それに賭けたい御一同様。
ぶるぅ 「んとんと…。山に出発していい?」
キース 「ああ。この馬鹿は放って、よろしく頼む」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!!!」
Aブルー「ぼくも行くから!」
パアァッと光った青いサイオン、一瞬で観光松茸山へと移動。
ぶるぅ 「はい、到着~っ!!!」
シロエ 「ふうん…。もう松茸山はクローズですか…」
サム 「旗とかも立っていねえよなあ…」
マツカ 「シーズンが終わると、誰でも入山できますからね」
そういう決まりになってるんです、と御曹司。
マツカ 「何処の山で松茸狩りをしたって、かまわないんです」
ジョミー「そうなんだ? 無料なわけ?」
マツカ 「ええ。ですから、腕に覚えのある人が入山しますね」
素人さんも多いですけれど…、とマツカ君の解説。
マツカ 「沢山採れれば、いい小遣い稼ぎになるそうですよ」
サム 「へええ…。でもよ、スッポンタケなんかはよ…」
スウェナ「そんな人たちは、採らないわよね?」
マツカ 「用が無いと思いますけどねえ…」
普通の食用キノコはともかく…、と御曹司、苦笑。
マツカ 「ですから採れる筈ですよ。きちんと探せば」
Aブルー「もちろん探すよ! 気合を入れて!」
ブルー 「好きにしたまえ」
勝手に探すのは君の自由だ、と生徒会長。
ブルー 「ぼくたちも好きに探すから!」
Aブルー「待ってよ、譲ってくれないのかい?」
シロエ 「時と場合によりますよね?」
キース 「1本だけしか無かった時には、譲れんな」
せっかく来たのに無駄足になる、と副住職、キッパリ。
キース 「いいか、俺たちの目標もスッポンタケなんだ!」
Aブルー「らしいね、心を入れ替えたのかい?」
キース 「そんな所だ。あんたも頑張れ」
Aブルー「当然だよ!」
ぼくの分も譲らないからね、と言い返す人。
そうでしょうねえ…。
2018/11/23 (Fri)
☆ヌシを確保しろ
一度つけると消えてくれない、スッポンタケの戒名というブツ。
宗教を変えると消えるという話で、それに賭けるべく松茸山へ。
Aブルー「ぼくは1本も譲らないけど、そっちの分はさ…」
キース 「場合によっては譲ってもいい。採れすぎたらな」
Aブルー「ありがとう! 大漁を祈っているからね!」
それじゃ、とソルジャー、お弁当を持って山の中へと。
Aブルー「みんなも、スッポンタケ狩り、頑張って!」
一同 「「「おーっ!!!」」」
当たり前だ、と拳を握り締める御一同様。
サム 「あいつより立派なのを、見付けてえよなあ…」
シロエ 「その方が御利益ありそうですしね、色々と…」
スウェナ「そうよね、サイズも見た目も勝たないとダメよ」
ジョミー「ヌシみたいなのをゲットしないとね!」
あっちにヌシを持って行かれたら負けだと思う、という声が。
ジョミー「そうじゃないかと思うんだけど…。どう考えても」
キース 「依り代というのは、より強力なモノを選ぶんだし…」
マツカ 「ジョミーの説が正しそうですね」
ヌシを確保した方の勝ちでしょう、と御曹司も。
マツカ 「余計な人が来ていなかったら、つまらないのでも…」
ジョミー「大丈夫だったと思うんだけどね…」
シロエ 「まったくです。ショボいのが1本でいけたのに…」
争奪戦になるだなんて、とシロエ君、ゲンナリ。
シロエ 「スッポンタケのボス争いですよ、これって」
サム 「しかも俺たちは、その手駒だぜ?」
ブルー 「スッポンタケが直接、戦うわけじゃないからね…」
マツカ 「なんだか下僕になった気分ですね」
一同 「「「下僕…」」」
あんまりすぎる、と誰もが泣きそう。
ジョミー「これって、スッポンタケの代理戦争なわけ?」
シロエ 「ヌシの座を争うんなら、そうなるでしょうね…」
サム 「うへえ…。あんなのの代わりに戦うのかよ?」
キース 「だが、仕方ない」
ヌシを掴まないと負けだからな、と副住職。
代理戦争ですか…。
2018/11/24 (Sat)
☆ヌシさえ掴めば
一度つけたら消えないブツが、スッポンタケについている戒名。
宗教を変えたら消えるとあって、それに望みを託したのに…。
キース 「とにかく、ヌシを見付けるんだ。この山のをな」
シロエ 「大きくて立派なヤツですね…」
ジョミー「誰かさんが見付けてしまうより前にね!」
頑張って探さないと無駄足だよ、とジョミー君。
ジョミー「スッポンタケ狩りに招待したっていう結末で…」
一同 「「「うわー…」」」
それだけは勘弁願いたい、と誰もがガクブル。
サム 「ところでよ…。要はこういうことだよな?」
一同 「「「ん?」」」
サム 「まあ、見てくれって」
取り出したスマホに、サム君、何やら入力中で…。
サム 「ほれ!」
ジョミー「あー…。確かに!」
シロエ 「不幸中の幸いというヤツですよね…」
書かれた文字は、「俺たちの目的は、バレてねえ」。
キース 「よし、根性でヌシを探してチャレンジだ!」
スウェナ「ヌシさえ掴めば、こっちのものだわね…」
誰かさんが気付いていないのならば、と頷く御一同様。
シロエ 「頑張りましょう、ヌシをゲットです!」
一同 「「「おーっ!!!」」」
思念波さえも使わない伝達、ソルジャー、気付かず。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 大きいのを探そうね!」
Aブルー「見付けたら、ぼくに譲ってくれるーっ!?」
山の中から声がしますが、一同、揃って鼻でフフンと。
キース 「生憎と、譲るつもりはないな」
Aブルー「えーっ!?」
ヒドイ、と悲鳴が聞こえてますけど、我関せず。
シロエ 「その辺は、運次第ですから!」
ブルー 「来られただけでも、良しとしたまえ」
リアルラックを信じるんだね、と生徒会長。
ブルー 「勝利の女神が誰に微笑むか、勝負だよ!」
シロエ 「思いっ切り不毛ですけどね…。代理戦争」
キース 「それでもヌシを掴むしかないぞ」
ジョミー「掴まないとね!」
掴めなかったら負けだから、とジョミー君。
頑張るしか…。
2018/11/25 (Sun)
☆ヌシを掴みたい
スッポンタケの戒名を消そうと、洗礼に賭けている御一同様。
ヌシを掴まないと効果が無さそうで、とにかく根性で探すのみ。
ジョミー「スッポンタケが沢山ある場所って、何処なわけ?」
サム 「俺が知るかよ、他のみんなも同じじゃねえか?」
スウェナ「そうねえ…。今まで避けて通って来たから」
シロエ 「すると、誰かさんが有利なわけですか…」
スッポンタケが最優先な人ですからね、とシロエ君が竦める肩。
シロエ 「生えていそうな場所へ、一直線かもしれません」
キース 「だが、現時点で歓声は全く聞こえてこないぞ」
マツカ 「この山に関しては、あの人は素人ですからね…」
前回は松茸しか無い山でした、と御曹司。
マツカ 「何処に生えているかは、あの人にも謎な筈ですよ」
ジョミー「じゃあ、条件は同じなんだね?」
マツカ 「そうじゃないかと思います。本当に運次第かと…」
キース 「根性でヌシを探すしかないな…」
あの馬鹿に先を越される前に…、と副住職の決意。
キース 「御本尊様の御加護があればいいんだが…」
シロエ 「あのぅ…。阿弥陀様って、キノコに効きますか?」
キース 「頼まないよりはマシだろう。俺は縋るぞ」
念仏三昧でヌシを探す、と繰る左手首の数珠レット。
キース 「では始めるか…。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀…」
ジョミー「なんか、目的とズレてない?」
一同 (((シーッ!!!)))
声には出さずに、皆が取り出すスマホに輝く文字。
シロエ (洗礼のことは秘密ですってば!)
サム (目的なんて言ったらバレるぜ、思いっ切り!)
ジョミー(ごめん…)
お念仏は正しかったね、とジョミー君、訂正。
ジョミー「それじゃ、みんなでスッポンタケを探そう!」
シロエ 「誰かさんよりも前に、全力でヌシをゲットですよ!」
Aブルー「君たちなんかには、負けないよーっ!」
キース 「俺たちだって、負けてられるか!」
いざ、尋常に勝負! と分け入る山の中。
勝負の行方は…?
2018/11/26 (Mon)
☆ヌシを探さねば
一度つけたら消えてくれない、スッポンタケの戒名ですけれど。
洗礼で消える可能性に賭ける御一同様、懸命にヌシを探し中。
ジョミー「うーん…。なかなか見付からないよ…」
キース 「俺もだ。お念仏は唱えているんだが…」
シロエ 「どういう所に生えるんでしょうね、スッポンタケ…」
サム 「日当たりがいい方がいいのか、それも謎だしよ…」
闇雲に探すしかねえんだよな、とサム君の溜息。
サム 「1本でもあれば御の字だけどよ、ヌシとなるとよ…」
Aブルー「もしもーし! 1本、見付けたんだけど!」
一同 「「「ええっ!?」」」
先を越されたか、と一同、愕然。
シロエ 「あ、あのぅ…。とても立派なヤツですか、ソレ?」
Aブルー「普通かなぁ…。ヌシではないと思うんだよね」
ヌシと言ったらデカイんだろう、とソルジャーの声。
Aブルー「だから、まだまだ探しまくるよ! ヌシのために!」
キース 「くっそぉ…。もしかして、ツキはヤツにあるのか?」
ブルー 「どうだろう? こればっかりは、ぼくにも謎で…」
だけど諦めたら、そこで終わりだ、と生徒会長。
ブルー 「ゲームオーバーになってしまって、どうにもね…」
シロエ 「そうですね…。人生、努力が大切ですよね」
ジョミー「だよね、未来がかかっているし…」
Aブルー「うん、ぼくとハーレイの大事な夫婦和合がね!」
君たちも協力してくれるんだろう、と激しい勘違い。
Aブルー「ついでにヌシを譲ってくれると、もっと嬉しい!」
キース 「誰が譲るか!」
Aブルー「ケチだよねえ…。でも、企画だけで有難いから…」
文句は言わない、と喜んでいるのがソルジャーという人。
Aブルー「こうして山でスッポンタケ狩り! もう最高だよ!」
キース 「それは良かったな、もっとも、ヌシは譲らんが…」
Aブルー「かまわないよ、自分で頑張るからね!」
キース 「ヌシは俺たちが貰うんだ!」
でないと山に来た意味が無い、と決意の表情。
根性あるのみ…。
2018/11/27 (Tue)
☆見放されたかも
一度つけたら消えないブツが、スッポンタケの戒名なんですが。
洗礼で消したいシャン学メンバー、山の中で探す特大のヤツ。
キース 「御本尊様、お願いします。南無阿弥陀仏…」
ジョミー「あっ、アレかも! あそこにあるヤツ!」
シロエ 「わぁ、ありましたよ、ジョミー先輩!」
確かにスッポンタケですよ、とシロエ君が駆け寄るキノコ。
シロエ 「でも…。大きさの方はどうなんでしょう?」
スウェナ「ヌシにしては、ショボくないかしら?」
Aブルー「今、見に行くよーっ!」
ちょっと待ってね、とソルジャーが山の中からガサガサと。
Aブルー「やっと見付けたんだね、おめでとう!」
サム 「んで、コレの方がデカイのかよ?」
Aブルー「残念でした! ぼくはこれだけ採ってるからね!」
ジャジャーン! とソルジャーが袋に手を突っ込んで…。
Aブルー「一番ショボいので、このサイズ! どうかな?」
一同 「「「うっ…」」」
負けた、と漂う落胆の空気。
シロエ 「それで、何本ほど採ってるんです?」
Aブルー「数えてないけど、10本以上は採ったよね!」
一同 「「「じゅ、10本…」」」
ツキは明らかにそっちにあるな、と誰もが呆然。
キース 「俺たちは、今のが初なんだが…」
Aブルー「そうなのかい? だったら、ヌシもいただきだね!」
シロエ 「ヌシだけは絶対、譲りませんから!」
Aブルー「でもさぁ、ツキは無さそうだよね?」
この分なら、ヌシはぼくのもの、とソルジャー、再び山の中へ。
キース 「畜生、なんでこうなるんだ!」
シロエ 「スッポンタケに見放されたかもしれません」
一同 「「「へ?」」」
なんで、と目を剥く御一同様。
サム 「見放されるって…。なんでだよ?」
シロエ 「多分、嬉しくないんでしょう。このままでいくと…」
ジョミー「そうか、オシャカになっちゃうんだっけ…」
シロエ 「でしょう…?」
それは非常にマズイですよね、という意見。
戒名がパア…。
2018/11/28 (Wed)
☆シンデレラな説
一度つけたら消えてくれない、スッポンタケの戒名というブツ。
洗礼で消したい御一同様、懸命に頑張っているんですけど…。
キース 「俺たちは、見放されたのか…?」
シロエ 「多分…。キース先輩の場合は、特に」
スウェナ「スッポンタケだって、パアにされたくないわよね…」
マツカ 「ただのキノコに逆戻りですしね…」
魔法が解けたシンデレラみたいに…、と御曹司も。
マツカ 「カボチャの馬車も、ドレスも全部消えちゃいますし」
一同 「「「うーん…」」」
それはスッポンタケも嫌かも、と納得させられるシンデレラ説。
ジョミー「魔法が解けたら、おしまいだしね…」
サム 「マジで立場がねえからなあ…」
Aブルー「誰の立場が無いんだって?」
一同 「「「うわぁっ!?」」」
いつの間にやら、背後に来ていたソルジャー。
Aブルー「シンデレラがどうとか、聞こえたんだけど?」
シロエ 「き、気のせいですっ!」
キース 「いや、単なる学園祭の劇の話で…」
Aブルー「とっくに終わってなかったっけ?」
シャングリラ学園のヤツだったら…、と鋭い指摘。
Aブルー「ついでにキノコがどうのこうのと…」
シロエ 「それは今夜の話です! 晩御飯のことで!」
Aブルー「だけど、スッポンタケを採りに来たんだろう?」
君たち、アレが好きだったっけ、と傾げる首。
Aブルー「美味しくないとか言ってたような…」
キース 「大物だったら美味いかも、という話でな…」
ジョミー「そうそう、それでヌシを探しているんだよ!」
Aブルー「ふうん…? なんだか怪しいんだけど…」
黙っていたってバレるからね、と赤い瞳が一同をギロリ。
Aブルー「誰の心を読もうかなぁ? ガードが甘いのは…」
一同 「「「ひぃぃっ!!!」」」
Aブルー「語るに落ちるって、このことだよ。隠してるね?」
キース 「いや、何も…!」
Aブルー「バレバレだけど?」
みんな揃ってパニックだしね、と立てる親指。
バレましたか…?
2018/11/29 (Thu)
☆ハッピーな結末
一度つけたら消せないものが、スッポンタケの戒名ですけれど。
洗礼をすればいけるのかも、と考えたのがシャン学メンバー。
Aブルー「喧嘩になったら申し訳ないし、名は伏せるけど…」
一同 「「「名前…?」」」
Aブルー「うん。一番に心が筒抜けになった誰かのことだね」
今は全員、もうすっかりと丸見えだけど、とニヤリニヤニヤ。
Aブルー「スッポンタケを見付けて、洗礼する気だったって?」
キース 「いや、それは…!」
Aブルー「夜中に教会に忍び込んでさ、聖水の中にドプンと」
一同 「「「うっ…」」」
ものの見事に見抜かれたのが、心に秘めた秘密というヤツ。
Aブルー「いけないねえ…。有難い戒名を消そうだなんて」
シロエ 「ぼくたちには迷惑なだけなんですが!」
Aブルー「でも、スッポンタケは喜んでいるんだよ。今の扱い」
だから姿を現さないよね、とソルジャーが指差す自分の袋。
Aブルー「有難がるぼくは沢山採れても、君たちはダメで…」
ジョミー「ヌシさえ採れれば、ぼくたちの勝利なんだから!」
Aブルー「その戦法で勝てるとでも?」
バレたからには、もう無駄だよね、と余裕の微笑み。
Aブルー「教会なんかには行かせないからね、絶対に!」
一同 「「「そ、そんな…」」」
Aブルー「洗礼したって、やり返すから!」
もう一度、戒名をつけて貰う、とドスの利いた声。
Aブルー「分かったんなら、サッサと探す! 立派なヌシを!」
キース 「もう探す意味が無いんだが…!」
Aブルー「ぼくのためだよ、凄いのを見付けてくれたまえ!」
性根を入れ替えれば見付かるかもね、とニコニコニコ。
Aブルー「さあ、張り切って探そうか! スッポンタケ狩り!」
キース 「畜生、なんだってこうなるんだ…!」
Aブルー「スッポンタケが偉大だからだよ、戒名のお蔭で!」
シロエ 「シンデレラですか…」
サム 「ハッピーエンドかよ…」
あんまりすぎる、と嘆く御一同様。
今月、これにて中継終了~。
2018/11/30 (Fri)
☆冷える季節です
さて、十一月。早くも霜月、今年も残り2ヶ月を切りまして。
休日に生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、今日ものんびり。
シロエ 「そろそろ、お鍋のシーズンですよね」
サム 「だよなあ、今年は初雪が早いって話もあるしよ」
スウェナ「でも、予報では暖冬なんでしょ?」
長期予報でも暖かそうよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「寒い方がいいわね、冬は冬らしく」
キース 「こればっかりは分からんぞ。現に初雪がだな…」
マツカ 「例年よりも早い所が多いみたいですね」
キース 「ああ。だから、この辺りも、そうなるかもな」
そうでなくても朝晩は冷える、と副住職が眺める窓の向こう側。
キース 「お前たちには、実感できないかもしれないが…」
シロエ 「朝のお勤めが冷えるんですか?」
キース 「水仕事だからな、思いっ切り!」
俺の仕事は床の拭き掃除で始まるからな、とブツブツブツ。
キース 「今どき、ルンバで済ませる寺も多いのに…」
ブルー 「まあ無理だろうね、君の家だと」
ジョミー「百年経っても、キースが掃除をしてそうだよね」
キース 「不吉なことを言うな!」
親父だって年を取らないのに、と副住職が竦める肩。
キース 「俺は百年後も、副住職のままだろうしな…」
ブルー 「跡継ぎが生まれない限りは、そうなるよねえ…」
スウェナ「息子か、娘にお婿さんを取るか、どっちかよね」
キース 「理想的なのは息子なんだがな…」
生憎と嫁の予定すら無い、とフウと溜息。
キース 「実年齢はともかく、高校1年生ではなあ…」
シロエ 「お嫁さんどころじゃないですよね…」
ジョミー「息子は絶対、無理だよね…」
そういえば…、とジョミー君が瞬きを。
ジョミー「養子も迎えられないよね、と思ったんだけどさ…」
キース 「それがどうかしたか?」
ジョミー「誰かさんの養子はどうなったかな、と」
一同 「「「へ?」」」
誰の養子だ、と一同、キョトン。
そんなの、何処かにいてましたっけ…?
2018/11/01 (Thu)
☆養子を迎えた人
生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、楽しくお喋り中ですが。
キース君の後継者がいない話から、突然、養子がどうこうと。
シロエ 「誰かさんの養子って…。養子なんかがいましたか?」
サム 「知らねえなあ…。グレイブ先生は養子じゃねえし」
スウェナ「ミシェル先生、お嫁入りだった筈だわよ」
グレイブ先生が婿に入ったとは聞いていないわ、という声。
スウェナ「他に養子って、誰がいるのよ?」
マツカ 「ゼル先生たちは独身ですけど、養子なんかは…」
シロエ 「誰も迎えていませんよね?」
サム 「もしかして、ゼル先生の犬が増えたのかよ?」
庭で猛犬、飼ってるもんな、とサム君の問い。
サム 「新しく子犬を飼い始めたとか、そんなのかよ?」
ジョミー「そうじゃなくって…。養子縁組してるヤツ」
一同 「「「養子縁組?」」」
それこそ知らん、と誰もが見合わせる顔。
キース 「少なくとも俺は知らないが…。休んでた日か?」
サム 「キースが法事とかで休みにしてもよ、俺たちは…」
シロエ 「基本は授業に出ていますからね…」
マツカ 「一人くらいは聞いてる筈だと思いますよ?」
他が居眠りしていたとしても…、と御曹司も。
マツカ 「それともジョミーは、教室の外で聞いたんですか?」
サム 「あー…。購買部だとか、廊下とかな!」
キース 「そっちの方なら、分からんでもない」
一部の生徒の噂だったら耳には入らん、と副住職。
キース 「体育会系での噂だったら、俺の耳にも入るんだがな」
シロエ 「そうですね…。ぼくの耳にも入りますけど…」
文化系のクラブとは接点が…、とシロエ君が振っている首。
シロエ 「ところで、誰が養子縁組なんかをしたんです?」
サム 「ヒルマン先生辺りかよ? 温厚な人柄で評判だしよ」
ジョミー「そうじゃなくって、思いっ切り馴染みの人だけど」
一同 「「「はあ?」」」
先生方も馴染みの筈なんだが…、と一同、キョトン。
誰なんでしょう…?
2018/11/02 (Fri)
☆心当たりがゼロ
生徒会長宅で過ごすシャン学メンバーに、いきなり謎の話題が。
ジョミー君は知っている誰かの養子。けれど知らない他の面々。
キース 「馴染みと言うなら、先生方は馴染み深いんだが…」
シロエ 「他に馴染みの深い人と言ったら、アドス和尚ですよ」
サム 「それくらいしか浮かばねえけど、そっちはよ…」
マツカ 「養子なんかは、全く迎えていませんよね…」
誰も聞いてはいませんよ、と御曹司の指摘。
マツカ 「第一、アドス和尚が養子縁組すれば、キースに…」
スウェナ「弟か妹が出来るんだものね、跡継ぎ候補の」
シロエ 「そうなりますよね? 今は小さな子供だとしても」
キース 「当然だ。俺がコケたら、そっちを据えるという形で」
早速、親父が仕込みを始める、と副住職。
キース 「そうなったんなら、俺の未来も明るいんだがな…」
シロエ 「副住職を降りるんですか?」
キース 「それは分からんが、日頃の苦労が少しは減るかと」
朝の本堂の拭き掃除だって仲間が出来る、と頷きまして。
キース 「俺の場合は、物心ついた頃からやっていたからな」
シロエ 「そこまでですか!?」
キース 「よく考えろよ、あの親父だぞ?」
一同 「「「うわー…」」」
確かに、と誰もが納得せざるを得ないのがアドス和尚という人。
サム 「幼稚園児でも容赦しねえのな、親父さん…」
シロエ 「クリスマスも無かったそうですからね…」
キース 「ああ。アレは異教徒の祭りだと一蹴されてな」
マツカ 「そうでしたよね…。それで、養子はいないんですね」
キースの修行仲間がいないのならば…、と御曹司の分析。
マツカ 「だとしたら、誰が養子縁組をしたと言うんです…?」
ジョミー「みんなも知ってる筈だけど? もう思いっ切り」
サム 「知らねえから聞いているんじゃねえかよ、誰なのか」
ジョミー「忘れたくなるのも、無理はないんだけどさあ…」
なんでぼくだけ貧乏クジを…、とジョミー君の嘆き。
どういう意味ですか?
2018/11/03 (Sat)
☆勘違いだと思う
ジョミー君だけが知っているらしい、誰かの養子という存在。
他の面々も知っているとの話ですけど、心当たりが無いわけで。
サム 「お前の勘違いってヤツなんでねえの? その話はよ」
シロエ 「ああ、有り得ますね! 話の端だけ聞きかじって…」
キース 「頭の中で勝手に思い込むのは、よくあるケースだ」
言葉などでも、ありがちだしな、と副住職。
キース 「自分でこうだと信じ込んだら、間違ったのを…」
スウェナ「使い続けるっていうのは、確かにあるわね」
シロエ 「雰囲気を「ふいんき」だと思い込んでた人なら…」
もう卒業した同級生にいましたっけ、とシロエ君がクスクス。
一同 「「「ふいんき?」」」
シロエ 「そうなんですよ。いい「ふいんき」だと言うんです」
クラスの空気が…、と可笑しそうな顔。
シロエ 「それでも流れで通じますしね、「雰囲気」だって」
サム 「いたっけなあ! 初めて入学した時のクラスな」
俺たちだけ1年C組だった時だよな、とサム君、懐かしそう。
サム 「あいつ、どうしているんだろう?」
シロエ 「フェイスブックを見付けましたよ、元気そうでした」
サム 「そりゃ良かった。ジョミーの養子の話はよ…」
シロエ 「彼と同じで、絶対、何かの間違いですよ」
現に、誰一人知りませんから…、と冷たい視線。
シロエ 「学校の廊下か何処かで聞いたんでしょう?」
サム 「でもって、お前に都合のいい方向で解釈な!」
キース 「俺もそうだと思うんだが…」
ジョミー「違うってば! ぼくの勘違いじゃないんだから!」
忘れているのは、みんなの方だ、とジョミー君、譲らず。
ジョミー「松茸山までは、きちんと覚えていた筈なんだよ」
一同 「「「松茸山?」」」
いつの話だ、と一同、ポカーン。
キース 「おい、先月だぞ、松茸山は」
ジョミー「そうだけど?」
シロエ 「まだ、ボケるには早いです!」
最近のことは忘れませんよ、とシロエ君。
若いですもんね…?
2018/11/04 (Sun)
☆いなかった養子
ジョミー君しか知らない存在、誰かが迎えているらしい養子。
勘違い説も出たんですけど、忘れただけだと主張されている今。
シロエ 「いいですか? 最近のことは忘れないのが若人です」
サム 「うんうん、昔話ばかりするのが、年寄りってヤツな」
キース 「俺たちの場合は、まだまだ若い。ボケるわけがない」
マツカ 「先月の松茸山まで忘れるだなんて、有り得ませんよ」
あの時は楽しかったですよね、と御曹司の笑み。
マツカ 「皆さんに喜んで頂けて、本当に嬉しかったです」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 松茸、沢山、ありがとう!」
ブルー 「山で食べたすき焼きも美味しかったよ、いいお肉で」
マツカ 「ありがとうございます。用意した甲斐がありました」
また来年もいらして下さい、と嬉しいお誘い。
スウェナ「いいわね、来年も観光松茸山ね!」
マツカ 「毎年、やっていますから…。いくらでもどうぞ」
一同 「「「やったー!!!」」」
来年も松茸、採り放題だ、と上がる歓声。
サム 「松茸、マジで美味かったしよ…。土産にもドッサリ」
シロエ 「ぶるぅの料理で、松茸尽くしを堪能しましたよね」
キース 「焼き松茸に土瓶蒸しにと、贅沢だったな」
スウェナ「また来年も楽しめるのねえ、松茸山を」
最高だわね、とスウェナちゃんも喜んでいるんですけれど。
ジョミー「あのさぁ…。そこまで言っても思い出さない?」
サム 「思い出すって、何をだよ?」
ジョミー「だから、養子の話だってば!」
松茸山だと言った筈だよ、とジョミー君の膨れっ面。
ジョミー「ぼくの勘違いだと決め付けてるけど…」
キース 「その通りだろう?」
何処に養子がいると言うんだ、と副住職。
キース 「松茸山に行った面子を考えてみろ!」
シロエ 「養子なんかは、誰も連れてはいませんでしたよ」
ジョミー「いなかったのが問題なんだってば!」
一同 「「「へ?」」」
いないモノはいない筈なんだが、と深まる謎。
養子って…?
2018/11/05 (Mon)
☆病院に行くべき
ジョミー君だけが知っているのが、誰かの養子なんですけれど。
他の面子は忘れているだけ、松茸山までは覚えていたという話。
キース 「いなかったことが問題なんだ、と言われてもな…」
シロエ 「そんな養子はいないんですから、いなくて当然です」
スウェナ「そうよね、ボケているのはジョミーの方よ!」
私たちはボケてなんかいないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「第一、ジョミーしか知らないのよ? その養子は」
サム 「病院に行った方がいいんでねえの?」
シロエ 「ええ、その方が良さそうですね」
エロドクターでは話になりませんけど、とシロエ君の溜息。
シロエ 「マツカ先輩、いい病院を知りませんか?」
マツカ 「いつでも紹介できますが…。肝心のジョミーが…」
ジョミー「行くわけないよ、病院なんて!」
ぼくは100%正気なんだから、とジョミー君が尖らせる唇。
ジョミー「診て貰った方がいいのは、みんなの方だよ!」
キース 「しかしだな…。いるわけがない養子というのが…」
シロエ 「いないのが問題だっただなんて、普通じゃないです」
とにかく病院に行って下さい、とシロエ君が指差す扉。
シロエ 「一人で行くのは嫌だと言うなら、お供しますから」
キース 「この場合、付き添いは必須だろう。逃げると困る」
サム 「だよなあ、本人は正気のつもりだしよ…」
この手の病気のお約束な、とサム君も頭を振りまして。
サム 「幼馴染だし、俺が一緒に行くことにするぜ」
シロエ 「サム先輩、よろしくお願いします!」
ジョミー「あのさあ…。思いっ切り、バカにしてない?」
ぼくのことを…、とジョミー君、不満MAX。
ジョミー「養子と言ったら養子なんだよ、縁組もしてて!」
キース 「だから、そういう人物はいない、と…」
ジョミー「松茸山にはいなかっただけだよ、養子の方が!」
シロエ 「ジョミー先輩、かなり重症ですね…」
治るといいんですけれど…、と心配する声が。
大丈夫でしょうか?
2018/11/06 (Tue)
☆病院に行ったら
ジョミー君だけが知っているという、誰かが養子縁組した養子。
松茸山にいなかっただけだと言われましても、知らないわけで。
サム 「とにかく病院に行かねえと…。あ、でも今日は…」
シロエ 「お休みですから、診察もしていないでしょうね」
マツカ 「いえ、その点は大丈夫です。ぼくから頼めば」
病院自体は休日もやっていますからね、と御曹司。
マツカ 「病棟に患者さんがいるんですから、先生の方も」
キース 「だが、当直の医者じゃないのか?」
スウェナ「プロ中のプロってわけでもなさそうよ?」
マツカ 「お願いすれば、いいお医者さんが来て下さいますよ」
休日出勤になりますけれど、と穏やかな笑み。
マツカ 「学会で出張だとか、遠くへ旅行でなかったら」
サム 「すげえな、流石、御曹司!」
マツカ 「えっとですね…。病院の場所は此処なんですけど…」
何時に診察をお願いすればいいんでしょう、と取り出すスマホ。
マツカ 「待ち時間が長いと、ジョミーには良くないですし…」
サム 「行ったらすぐに診て貰えるのが一番だしなぁ…」
先に先生の都合を聞いてくれよ、とサム君の返事。
サム 「いつでもいいなら、今すぐでも行くぜ」
マツカ 「分かりました。それなら電話してみますね」
ジョミー「ちょっと待ってよ!」
勝手に話を進めないで欲しい、とジョミー君の叫び。
ジョミー「忘れているのは、ホントにみんなの方なんだから!」
キース 「まあ、落ち着け。プロが話を聞いてくれるからな」
ジョミー「みんなの頭が疑われるよ?」
健忘症で済めばいいけれど…、と周囲をジロジロ。
ジョミー「最近のことは忘れないのが、若者なんだし」
シロエ 「忘れていないと言ってるでしょう! ぼくたち全員」
ジョミー「口だけなんだよ、シロエも、それにマツカだって」
マツカ 「あのぅ…。電話してもいいですか?」
ジョミー「後悔するよ?」
後悔先に立たずなんだよ、と言ってますけど。
正しいのは、どっち?
2018/11/07 (Wed)
☆検査されるのは
ジョミー君だけが知っているらしい、誰かと養子縁組した養子。
けれど知らない他の面々、ジョミー君を病院へという話ですが。
シロエ 「あのですね…。病気は早期治療が肝心ですよ?」
マツカ 「ええ。とにかく電話してみましょう」
ジョミー「ホントに後悔することになると思うけど…」
まずはサムかな、とジョミー君の視線がサム君に。
ジョミー「サムが付き添いで来るってことはさ、必然的に」
サム 「脅すんじゃねえよ、お前、正気じゃねえくせに」
ジョミー「正気だから言っているんだってば!」
お医者さんが事情を聞いたら、矛先はサムに向くんだよ、と。
ジョミー「絶対、サムが検査されるよ、認知症のさ」
一同 「「「認知症?」」」
それはお前のことだろうが、と一同、非難の目付き。
キース 「落ち着け、ジョミー。現時点では不治の病だが…」
スウェナ「進行を遅くする方法なら、皆無じゃない筈よ」
ジョミー「そんなに検査されたいわけ? みんな揃って」
アレの検査はチェックシートだったっけか、とジョミー君。
ジョミー「それともお医者さんがするなら、問診かな?」
サム 「いいから行こうぜ、マツカに予約をして貰って」
ジョミー「犠牲者第一号になりたいんだ…」
まあいいけどね、と深い溜息。
ジョミー「スッポンタケも忘れるようでは、末期だってば」
一同 「「「スッポンタケ?」」」
アッと息を飲む御一同様。
シロエ 「ま、まさか…。ジョミー先輩が言う養子って…」
ジョミー「松茸山には、一人もいなかったんだけど?」
マツカが全部除去させたから…、とジョミー君。
ジョミー「だから誰かさんがガッカリしちゃって…」
一同 「「「そ、そういえば…」」」
そんな話もあったんだった、と誰もが真っ青。
ジョミー「アレはキャプテンと養子縁組してた筈だよ」
サム 「綺麗サッパリ、忘れてたぜ…」
ジョミー「そうだよねえ?」
これでもボケているのかな、と辛辣な問い。
形勢逆転…。
2018/11/08 (Thu)
☆チャラでお願い
ジョミー君しか知らなかったのが、誰かが迎えた養子ですけど。
実はみんなが忘れていただけ、養子の正体はスッポンタケで…。
ジョミー「認知症だなんて、よく言うよ。忘れてたくせに」
キース 「す、すまん…。お前が正しかった」
シロエ 「許して下さい、ジョミー先輩!」
この通りです、とシロエ君が土下座で、他の面子もお詫び一色。
サム 「俺が悪かったぜ、思い切り決め付けちまってよ…」
スウェナ「ごめんなさいね、あんなの、普通は忘れたいでしょ」
マツカ 「すみません。ぼくが頼んで除去して貰ったのに…」
ジョミー「いいけどね…。忘れたい気持ちは分かるからさ」
ぼくだって出来れば忘れたかったよ、とジョミー君。
ジョミー「ぼくしか覚えていなかったなんて、損した気分」
キース 「そうだろうな…。俺たちが忘れていたんでは」
ぶるぅ 「んとんと…。ぼくも忘れてて、ごめんなさい…」
ブルー 「ぼくもお詫びを言わせて貰うよ、この件については」
忘れたいことは忘れる主義で…、と生徒会長までが。
ブルー 「悟りの境地に至るためには、それも修行の一つでね」
キース 「おい、本当にそうなのか?」
ブルー 「うーん…。正確に言うなら、覚えておくべきかな」
精神的苦痛を乗り越えるのも修行だからね、と銀青様モード。
ブルー 「苦行をするなら、きちんと覚えていないとアウト」
キース 「なのに、あんたは忘れてたのか!?」
ブルー 「既に伝説の高僧なんだよ、サボリもオッケー!」
この世で極楽を楽しむべし、と太々しく開き直った台詞。
キース 「そう来たか…」
ジョミー「酷いよ、ぼくまで巻き込むなんて!」
誰かさんと顔がそっくりなくせに…、とジョミー君の苦情。
ブルー 「それは謝るよ。だけど、スッポンタケの除去はさ…」
シロエ 「会長が出したアイデアでしたね」
ジョミー「そういえば…」
ブルー 「チャラでお願い!」
差し引きゼロにしてくれないかな、と注文が。
チャラですか…。
2018/11/09 (Fri)
☆その条件で許す
ジョミー君以外は忘れていたのが、スッポンタケという存在。
忘れたいのが人情とはいえ、ジョミー君をコケにしたわけで…。
ブルー 「ぼくが言わなきゃ、スッポンタケは山にあったし…」
マツカ 「そうですね。松茸だけということはないでしょう」
ブルー 「だからさ、ぼくのお蔭ってことで勘弁してよ」
ジョミーも災難を免れただろう、と生徒会長。
ブルー 「もしもスッポンタケがあったら、記念撮影はさ…」
サム 「ジョミーだったかもしれねえよなあ、第一号で」
ジョミー「そ、それは…」
確かにそうかも、とジョミー君、ブルブル。
ジョミー「見付けちゃったら、記念撮影って言ってたしね…」
ブルー 「そうだろう? それに第一号でなくても…」
シロエ 「もれなく記念撮影するんでしたね…」
被害者はゼロで済みましたけど、とシロエ君も悪い顔色。
ブルー 「ね? 功労者はぼくだし、許して欲しいな」
ジョミー「うーん…。病院とまで言われちゃったけど…」
シロエ 「謝りますから、ぼくたちも許して下さいよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ジョミーのおやつ、増やすよ!」
それでもダメ? と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「オレンジスカッシュも、飲み放題で!」
ジョミー「それにプラスで、テイクアウトも出来るかな?」
ぶるぅ 「いいけど、今日の晩御飯?」
ジョミー「そうじゃなくって、夜食バージョン!」
ぼくだけスペシャル、というオーダー。
ジョミー「何がいいかは、晩御飯までに考えるから」
ぶるぅ 「オッケー!」
ジョミー「じゃあ、許す!」
他のみんなはテイクアウトは無しだからね、と輝く笑顔。
ジョミー「それくらいは言ってもいいと思うんだよ」
サム 「仕方ねえよな、悪いのはマジで俺たちだしよ…」
シロエ 「記念撮影の刑に比べたら、ずっとマシですよ」
スウェナ「間違いないわね…」
ジョミー「それなんだけどさあ…」
どうなったかな、と首を傾げるジョミー君。
例の養子の件ですね…?
2018/11/10 (Sat)
☆松茸だけでした
ジョミー君以外は忘れ果てていた、スッポンタケという存在。
忘れたくなるのも無理はないブツで、松茸山には無かった代物。
ジョミー「みんなは忘れちゃっていたけど、誰かさんはさ…」
シロエ 「きっと忘れはしなかったでしょうね、あれからも」
サム 「最後まで喚いていたもんなあ…。1本もねえって」
マツカ 「あるわけがなかったんですけどね…」
プロに除去して貰ったんですし…、と御曹司。
マツカ 「素人ばかりが入山するから、松茸だけで、と」
ブルー 「実に見事な徹底ぶりだったよ。流石はプロだね」
スウェナ「木の幹に生えるタイプのキノコもゼロだったわよ」
シロエ 「普通の山なら、あの時期、あるんですけどねえ…」
素人は採りませんけれど、とシロエ君も頷く木に生えるキノコ。
シロエ 「地面に生えるキノコ以上に、難しそうですし…」
サム 「だよなあ、シイタケもホダ木に生えててこそだぜ」
ブルー 「まさか、あそこまで取り除くとはねえ…」
スウェナ「ホントに松茸だけだったわよね、それもドッサリ」
観光松茸山って凄いのねえ…、とスウェナちゃん、感激の瞳。
スウェナ「山ですき焼きで、夜も松茸尽くしだったし」
ジョミー「誰かさんも、美味しく食べてはいたんだけどね…」
それでも、にじみ出るガッカリ感が…、とジョミー君。
ジョミー「1本くらいあってもいいのに、ってブツブツと…」
ブルー 「マツカに頼んだ時点で敗北してたんだけどね」
サム 「あいつが自前で手配してたら、ああはならねえよな」
シロエ 「それでも、懲りてませんけどね…。多分」
都合の悪いことは忘れますから、とシロエ君の指摘。
シロエ 「1年も経てば綺麗に忘れて、また言いそうです」
ジョミー「ぼくもそう思う。でも、今は後悔MAXかな、って」
サム 「記念撮影する気、満々だったしよ…」
ブルー 「巻き込まれなくて良かったよねえ、本当に」
あんな写真は御免蒙る、と生徒会長も。
最悪すぎる企画でしたしねえ…。
2018/11/11 (Sun)
☆戒名を消せる策
先月の観光松茸山には全く無かった、スッポンタケという代物。
プロが除去してしまったわけで、ガッカリした人もいましたが。
ブルー 「記念撮影はせずに済んだし、いい日だったよ」
シロエ 「会長のアイデアに感謝です。松茸オンリーだなんて」
ジョミー「都合よく忘れて、ぼくをコケにしていたけどね…」
その忘れっぷりは誰かさん並み、とジョミー君の膨れっ面。
ジョミー「挙句の果てに、病院に行けって言いだすしさ…」
キース 「悪かった。しかし、俺たちだって忘れたいんだ」
シロエ 「キース先輩には、その権利、無さそうですけどね…」
諸悪の根源じゃないですか、とシロエ君、ギロリと。
シロエ 「先輩が戒名をつけなかったら、平和だったんです」
キース 「それは詫びても詫びきれないが、もう手遅れで…」
ブルー 「つけた戒名は、もはやどうにもならなからねえ…」
スッポンタケが改宗すればともかく、と生徒会長。
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「だから、いわゆる宗旨替えだよ。スッポンタケが」
サム 「何処に行っても同じじゃないかよ、戒名は」
ブルー 「仏教だとは言っていないけど?」
キリスト教とか、神道だとか…、と挙げられた例。
ブルー 「そっちに行ったら、戒名はお役御免だからね」
キース 「なるほどな…。そもそも戒名の出番が無いか…」
スウェナ「キリスト教だと、洗礼名がつくんだったかしら?」
マツカ 「ええ。生まれてすぐの赤ん坊でも、貰えますね」
教会で洗礼を受けさえすれば…、と御曹司。
マツカ 「改宗するなら、洗礼を受けて名前を貰う筈ですよ」
サム 「なるほどなぁ…。戒名とは縁が切れるってか」
盲点だったぜ、とサム君、感心。
サム 「破門したって無理だと思っていたけどよ…」
シロエ 「改宗という手があったんですか…」
ジョミー「いいかもね、ソレ」
キース 「俺ともキッパリ絶縁だしな…」
キリスト教なんぞ範疇外だぞ、と副住職。
そりゃそうですよね?
2018/11/12 (Mon)
☆うるさい宗教
観光松茸山から消されていたのが、迷惑な存在のスッポンタケ。
誰かさんが有難がる戒名の方は、キース君にも消せませんが…。
シロエ 「元老寺だと、クリスマスも無いと言ってましたね?」
キース 「ああ。ガキの頃には、サンタクロースも来なかった」
それくらいの勢いでキリスト教とは無縁なんだ、と副住職。
キース 「スッポンタケがそっちに行ったら、俺は知らんぞ」
サム 「だよなあ、キースは坊主だしよ…」
マツカ 「神父さんでも、牧師さんでもないですからね」
関わりようがないですよ、と御曹司も。
マツカ 「キリスト教に改宗するにも、キースじゃ無理です」
ジョミー「あー…。キリスト教の専門家が必要だよね」
ブルー 「そうなるねえ…。素人さんでは、洗礼は無理だし」
あの宗教はうるさくて…、と生徒会長が振っている首。
ブルー 「なにしろ女性の聖職者でも、出来ない場合が…」
一同 「「「へ?」」」
何が、とキョトンとする御一同様。
シロエ 「何が出来ないって言うんです?」
ブルー 「洗礼だってば。他にも色々、出来ないことが沢山」
スウェナ「えーっと…。シスターなんかは、どうなるのよ?」
ブルー 「もちろん、何の役にも立たないってね」
正式な祝福だって無理だ、とキッパリと。
サム 「何だよ、正式な祝福ってのは?」
ブルー 「ロザリオとかを使い始める前には、祝福が必要!」
スウェナ「でも、シスターだって祝福するでしょ?」
ブルー 「お気持ち程度の祝福なんだよ、教義的には」
素人さんよりランクが上というだけ、とフウと溜息。
ブルー 「シスターがいない方の宗派なら、女性もオッケー」
シロエ 「そういえば宗派が分かれてますね」
ぼくは詳しくありませんが…、とシロエ君。
シロエ 「スッポンタケなんかは、どうなるんでしょう?」
ブルー 「女性の聖職者は認めていてもねえ…」
マツカ 「無理そうですか…」
キノコなだけに…、と御曹司の嘆き。
まあ、そうでしょうね?
2018/11/13 (Tue)
☆祝福くらいなら
一度つけたら消せないブツが、スッポンタケの戒名ですけれど。
宗教を変えたら消せるのだそうで、キリスト教には無い戒名。
マツカ 「キリスト教に行ってくれれば、平和なんですけど…」
シロエ 「でも、洗礼が要るんですよね?」
ブルー 「そこだけは外せないポイントだよねえ…」
洗礼は大前提だから…、と生徒会長。
ブルー 「スッポンタケに洗礼をしてくれるような人はさ…」
マツカ 「何処にもいそうにありませんね?」
ブルー 「祝福だけなら、なんとかなるとは思うけど…」
一同 「「「えっ?」」」
なんでスッポンタケに祝福、と一同、ビックリ仰天。
シロエ 「あのぅ…。祝福っていうのは、特別なのでは?」
マツカ 「シスターがやるとランク落ちだと言いましたよね」
ブルー 「そっちの宗派だと、神父がやるのが正式だから…」
ロザリオとかを使い始める前には、お願いするもの、と。
ジョミー「それじゃ、スッポンタケは無理そうだよ?」
サム 「宗教とは何の関係もねえし、断られそうだぜ」
ブルー 「それがそうでもないんだよ。モノによっては」
一同 「「「えーっと…?」」」
サッパリ分からん、と誰もが首を傾げていますけど。
ブルー 「お菓子とかでも祝福するしね、必要ならば」
一同 「「「お菓子!?」」」
ブルー 「復活祭のが有名だけれど、それ以外でも」
目的さえハッキリしていれば…、と立てる親指。
ブルー 「探し物用のケーキなんかが有名だよね」
一同 「「「探し物?」」」
ブルー 「見付けたい時に、作るケーキがあるんだよ」
それを祝福して貰ってから食べて探す、という話。
ブルー 「そうすると失せ物が見付かるらしいよ」
シロエ 「本当ですか!?」
ブルー 「専用のケーキで、ちゃんと名前もあるからね」
ジョミー「だったら、スッポンタケなんかでも…」
ブルー 「場合によっては、オッケーかもねえ…」
祝福を頼むくらいなら…、と言ってますけど。
アリなんですか?
2018/11/14 (Wed)
☆メインだけなら
一度つけたら消せないと噂の、スッポンタケの戒名なんですが。
宗教を変えれば不要な戒名、そっちの線で何とかしたい面々。
シロエ 「探し物用のケーキがあるなら、いけそうですね」
スウェナ「ロザリオと違って、お祈りとは無関係なんでしょ?」
ブルー 「祝福をして貰わないと、効き目が無いらしいけどね」
そのケーキだけを作っても無駄、と生徒会長。
ブルー 「ただの美味しいケーキなだけで、探し物は無理」
サム 「でもよ、ケーキを祝福するなら、キノコでもよ…」
シロエ 「して貰えそうですよ、きちんと頼めば」
ブルー 「まあねえ…。ただ、問題は洗礼でさ…」
ソレをしないと改宗できない、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「祝福くらいはして貰えても、洗礼の方は…」
サム 「難しいって言うのかよ?」
ブルー 「女性の聖職者がランク落ちになる宗派だしねえ…」
キノコに洗礼を認めるだろうか、と顎に手を。
ブルー 「やっぱりプロが洗礼しないと、ダメなんだろうし」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「洗礼のメインイベントだけなら、コッソリと…」
可能な感じの宗派だけれど…、と言ってますけど。
シロエ 「メインイベントって、何なんです?」
ブルー 「いわゆる洗礼というヤツだけど?」
マツカ 「コッソリ出来るようなモノですか、アレ?」
手順が厄介そうですけれど…、と御曹司。
マツカ 「ぼくも詳しくないんですけど、こう、色々と…」
ブルー 「それがそうでもないんだな。その宗派だと」
サム 「マジかよ、重要なイベントじゃねえかよ」
ブルー 「だけど、メインは単純なんだよ」
その気になったら誰でも出来る、と見回す周囲。
ブルー 「なにしろ、ドボンと浸けるだけだから!」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「洗礼盤の中に、頭のてっぺんまでドップリと!」
キース 「浸けるのか!?」
ブルー 「そうだけど?」
文字通りドボンと…、と大真面目な顔。
何か間違ってるような…?
2018/11/15 (Thu)
☆逃げられました
次の土曜日は観光松茸山へ、と決めたソルジャーなんですけど。
手配はマツカ君に丸投げ、もちろん費用も払うわけがなくて…。
キース 「逃げやがったぞ、あの馬鹿野郎!」
シロエ 「今なら、キッチンで捕獲できると思いますけど…」
キース 「捕まえたいのか、お前は、アレを?」
何を聞かされるか分からないぞ、と副住職が竦める肩。
キース 「あっちのハーレイの予定が空いたということは…」
サム 「引き止めたら最後、俺たちの負けだぜ」
ジョミー「間違いないよね…」
意味不明な言葉で罵られるよ、とジョミー君も。
ジョミー「黙って放置しといた方が…」
スウェナ「賢明よね、きっと」
スルーが大切、とスウェナちゃんも良くない顔色。
スウェナ「それより松茸山なんだけど…。マツカだなんて…」
マツカ 「ぼくなら問題ないですよ」
キース 「金銭面ではそうなんだろうが、腹が立つ!」
なんで馬鹿のためにマツカが出費を…、とブツブツブツ。
キース 「後で請求書を回してやれ!」
マツカ 「その方が高くつくんじゃないですか?」
シロエ 「言えてますよね、あの人ですから」
黙って払うとは思えませんよ、とシロエ君の溜息。
シロエ 「諦めた方がいいでしょう。仕方ないです」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルー、帰ったよ!」
沢山テイクアウトして行ったの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「えとえと、青の間でヌカロクって、なあに?」
一同 (((や、やっぱり…)))
ヌカロクは謎の単語ながらも、誰もがガクブル。
キース 「見ろ、止めなくて正解だ!」
シロエ 「そうらしいですね…」
松茸山は大丈夫でしょうか、という質問。
シロエ 「狙いは松茸よりも、スッポンタケだと思いますが」
サム 「俺たちは、無視でいいじゃねえかよ」
キース 「だが、巻き込まれるのは確実だぞ」
ジョミー「生えてるだろうしね…」
生えてなければ安全だけど、とお手上げのポーズ。
キノコですもんね…。
2018/10/16 (Tue)
☆探さないと怖い
次の土曜日は観光松茸山へお出掛け、そう決めたソルジャー。
本人はサッサと帰ってしまって、溜息を零すシャン学メンバー。
シロエ 「松茸狩りと言いつつ、絶対、目標は別なんですよ」
キース 「俺たちにも探せと言いやがるだろうな」
サム 「やっぱ、スルーは無理そうかよ?」
ジョミー「スルーしてても、個別に攻撃されると思うよ」
どうして探してくれないんだ、ってグチグチと…、という意見。
ジョミー「声が届かない場所にいたって、思念波でさ」
一同 「「「うわー…」」」
それは困る、と誰もがガクブル。
スウェナ「探してない人は、片っ端から狙い撃ちなのね?」
ジョミー「うん、多分…。真面目に探し始めるまでは」
シロエ 「松茸探しに専念してます、は通らないでしょうし…」
キース 「ついでに探せ、と頭の中で怒鳴られるぞ」
思念波のボリューム最大でな、とキース君も。
キース 「スッポンタケなぞ、美味くもないのに」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 美味しいレシピ、考えようか?」
シロエ 「いえ、けっこうです!」
出会わない方が嬉しいので…、とシロエ君、即答。
シロエ 「一本も採れずに終われば、万々歳なんですけど…」
サム 「相手は山だし、そうはいかねえよな」
ブルー 「ダメと決まったわけでもないよ?」
一同 「「「へ?」」」
何か策でもあるのだろうか、と生徒会長に視線が集中。
シロエ 「まさか、農薬が効くとかですか?」
ブルー 「特定のキノコ用のはあるけど、山じゃ無理だね」
キース 「だが、その言い方だと何か方法があるんだろう?」
ブルー 「手段としては、地味だけれどね」
ついでに手間もかかるんだけど…、と生徒会長。
ブルー 「マツカに丸投げしてった所が、希望の星なんだよ」
シロエ 「どういう意味です?」
ブルー 「観光松茸山なら出来る、っていう地味な対策!」
一同 「「「えーっと…?」」」
普通の山とどう違うのだ、と一同、キョトン。
山は山ですしね…?
2018/10/17 (Wed)
☆松茸山と手入れ
次の土曜日は観光松茸山と決まったものの、問題は山のキノコ。
松茸だけで済むわけがなくて、ソルジャーの狙いもソレですが。
シロエ 「観光松茸山だと、何処に希望があるんです?」
ジョミー「松茸がよく採れるってだけで、山は山だよ?」
ブルー 「その松茸を優先するには、こまめな手入れが必要!」
だから費用が高いんだよね、と生徒会長が立てる親指。
ブルー 「オフシーズンでも下草刈りとか、仕事がドッサリ」
シロエ 「誰かさんも、そう言ってましたね…」
ブルー 「そして松茸のシーズンになると、毎日、見回り!」
松茸泥棒の監視の他にも色々と…、という解説。
ブルー 「お客さんが松茸を見付けやすいように、掃除とか」
スウェナ「掃除って…。山の中でも掃除なの?」
ブルー 「木の葉が落ちて積もるからねえ、そういったのを」
マツカ 「毎朝、やってるらしいですよ」
松茸を見付けて頂かないとダメですから…、と御曹司も。
マツカ 「それに見落としがあった時にも、回収できるように」
サム 「お持ち帰り用にするのかよ?」
マツカ 「ええ。これだけ山に残ってました、と出すんですよ」
お客様にも喜ばれます、と御曹司の笑顔。
マツカ 「今度、行って頂く山でも、サービスしますよ」
ブルー 「そのサービスに、オプションをお願い出来るかな?」
マツカ 「…オプションですか?」
ブルー 「うん。松茸山のプロなら、楽勝だろうと思うから」
ついでに今はブルーも聞いていないし…、と生徒会長、ニヤリ。
ブルー 「青の間にこもると言っていたしね、安全なんだよ」
一同 「「「あー…」」」
いつもの覗き見というヤツね、と一同、納得。
マツカ 「何を頼めばいいんでしょう?」
ブルー 「キノコ狩りの素人が入山する、と伝えてくれたまえ」
マツカ 「素人ですか?」
ブルー 「そう。子供も含めて、ド素人ばかりの集団なんだよ」
そこが大切なポイントで…、と言ってますけど。
素人集団だと、どうなると…?
2018/10/18 (Thu)
☆プロの人にお願い
次の土曜日は観光松茸山へお出掛け、そう決めたソルジャー。
ドツボな気分のシャン学メンバー、けれど希望があるそうで…。
マツカ 「観光松茸山に来る人は、基本、素人さんですけど」
ブルー 「そうだろうけど、キノコ狩りが好きな人だよね?」
マツカ 「ええ。お好きな方ばかりだと思います」
でなければおいでになりません、と御曹司。
マツカ 「山に入れば虫もいますし、苦手な方には無理ですよ」
ブルー 「其処なんだよ。好きだってことは、キノコも大好き」
マツカ 「そうなるでしょうね…」
ブルー 「山の中には、松茸以外にもいろんなキノコが」
それを採るのも楽しみの内じゃないのかい、という質問。
ブルー 「食べられるキノコを見付けられたら、嬉しいよね」
サム 「でもよ…。それって見分けがつくのかよ?」
ブルー 「観光松茸山の場合は、プロのアドバイスつき!」
そうだよね、と生徒会長、更なる問いをマツカ君に。
ブルー 「マツカの家の山では、どうなのかな?」
マツカ 「もちろんプロがお返事します。食べられるかどうか」
ブルー 「ほらね。それでお願いしたんだよ。素人だ、って」
マツカ 「きめ細かいアドバイスが要るんですか?」
プロの増員を希望でしょうか、と首を傾げてますけれど。
ブルー 「違うよ、とても小さい子供もいるからさ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくはキノコに詳しいよ!」
ブルー 「ごめん、ぶるぅ。今回はド素人になって欲しいな」
ぶるぅ 「んとんと…。ブルーが言うなら、そうする!」
キノコのことは分かんない! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「これでいいの?」
ブルー 「ありがとう。子供はキノコを食べたがるしね…」
毒キノコだって見た目は美味しそうだよ、と生徒会長の指摘。
ブルー 「だから、ぶるぅが泣かないように!」
マツカ 「何をするんです?」
ブルー 「毒キノコの除去!」
あらかじめ山から綺麗サッパリ、と生徒会長。
取り除いておけと…?
2018/10/19 (Fri)
☆プロの人に注文
次の土曜日は観光松茸山へお出掛け、ソルジャーの独断で決定。
誰もがドツボな気分ですけど、生徒会長が言うには有望な策が。
マツカ 「毒キノコを全部、取り除いておけばいいんですか?」
ブルー 「その通り! 1本たりとも残さずに!」
そうすれば子供も安心だから、と生徒会長。
ブルー 「欲しがるキノコは、どれも食べられるわけだしね」
マツカ 「分かりました。ちゃんと伝えておきますが…」
でも…、と御曹司が傾げる首。
マツカ 「スッポンタケは一応、食べられるのでは?」
ブルー 「臭いけれども、毒じゃないねえ」
スウェナ「それなら、残っているじゃないの!」
プロの人に頼んでおいたって…、とスウェナちゃんも。
スウェナ「手間暇かけて貰うだけ無駄よ、毒キノコの除去!」
ブルー 「話は最後まで聞きたまえ」
マツカ 「まだ注文があるんですか?」
ブルー 「うん。お子様も込みで、ド素人集団なんだから…」
松茸以外に用は無いよね、と生徒会長、周囲を見回しまして。
ブルー 「ぶるぅがキノコ狩りのプロなら、話は別なんだけど」
サム 「あー…。調理方法が分からねえのな?」
とても有名な松茸くらいしか…、とサム君。
サム 「他のキノコはサッパリ謎で、猫に小判かよ?」
ブルー 「そうなんだよ。だから、そういうキノコを見ても…」
ジョミー「食べられないな、と思うんだね?」
ブルー 「ぶるぅも、それに、ぼくたちもね」
そういうキノコに価値があるかい、という質問。
ブルー 「まるで全く食べられないんじゃ、採る意味が無いし」
シロエ 「毒キノコと何処も変わりませんね…」
ブルー 「其処なんだよ!」
同じ松茸山に行くなら、楽しまないと…、と軽くウインク。
ブルー 「見付けたキノコは全部ゲットが最高だよね」
マツカ 「あのぅ…。もしかして、松茸以外のキノコは全部…」
ブルー 「取り除いておいて欲しいんだよ!」
それでこそ観光松茸山だ、と立てる親指。
松茸オンリー…。
2018/10/20 (Sat)
☆素人には意味無し
次の土曜日は観光松茸山ですけれど、決めたのはソルジャー。
嬉しくないのがシャン学メンバー、そこへ生徒会長が出した策。
ブルー 「観光松茸山に行くなら、採れたキノコは食べないと」
シロエ 「松茸だけなら安心ですよね、食べる時には」
ブルー 「そう! 焼き松茸も良し、土瓶蒸しも良し…」
松茸御飯だって美味しいからね、と生徒会長。
ブルー 「松茸なら誰でも、食べ方が分かるものだけど…」
スウェナ「他のキノコは難しいわね…。ピンと来ないわ」
ブルー 「シメジとかも山にはあるけどさ…。イメージが…」
食料品売り場のとは違うものだよ、という指摘。
ブルー 「これがシメジだ、と素人さんに言うだけ無駄!」
サム 「そうなのかよ?」
ブルー 「人工栽培されたヤツとは、見た目が別物」
まず分からないね、とキッパリと。
ブルー 「そんな具合だから、食べられるキノコを残しても…」
ジョミー「通な人しか喜ばないとか?」
ブルー 「その通り! 素人集団には、全く意味無し!」
松茸だけがあればいいのだ、とマツカ君へと向き直りまして。
ブルー 「だからお願いしたいんだよね。他のキノコの除去を」
マツカ 「分かりました。松茸以外は要らないんですね?」
ブルー 「要らないと言うより、あると困るんだよ!」
小さな子供に欲しがられても…、と生徒会長、溜息。
ブルー 「これも欲しい、と言われても、調理方法が謎で…」
サム 「ぶるぅは料理の達人だけどよ、秘密なのな?」
ブルー 「ついでに、ぼくもド素人!」
食べられるキノコは分からないよ、と振っている首。
ブルー 「松茸しか無い山が嬉しいねえ…。せっかく行くなら」
マツカ 「ということは、スッポンタケも無いわけですね…」
ブルー 「もちろんだよ! アレは松茸とは違うんだから!」
シロエ 「それじゃ、誰かさんが欲しいキノコは…」
ブルー 「あるわけがないね!」
探すだけ無駄というものだ、とニヤリ。
スッポンタケを除去…。
2018/10/21 (Sun)
☆アレさえ無ければ
次の土曜日は観光松茸山にお出掛け、ソルジャーが勝手に決定。
逃げようがないシャン学メンバー、けれど生徒会長が名案を。
シロエ 「スッポンタケが無い山ですか…!」
ジョミー「それなら絶対、安心だよねえ…」
ブルー 「誰かさんが探せと言っても、無いものは無いね!」
プロの人の腕を舐めちゃダメだよ、と生徒会長、ニコニコと。
ブルー 「枯葉の下に埋まっていたって、掘り出して処分!」
サム 「そこまでなのかよ?」
ブルー 「そうでなきゃプロと呼べないからねえ…」
お客さんが見逃した松茸を発見できないし…、と解説が。
ブルー 「その腕でもって、余計なキノコは全部、除去だよ!」
マツカ 「スッポンタケを名指ししたら、なんだか変ですしね」
ブルー 「うん。マツカの立場も考えた上で、この注文!」
松茸しか要らない素人集団、と満面の笑み。
ブルー 「これでお願い出来るかな? 松茸山とセットで」
マツカ 「もちろんです。最高の山を用意させて頂きますよ」
スウェナ「松茸がドッサリで、他のキノコは無い山ね?」
マツカ 「ええ。1本も残さず、処分するようお願いします」
きっとプロだって怪しみません、と頷くマツカ君。
マツカ 「皆さん、安心して遊びにいらして下さい」
一同 「「「やったーっ!!!」」」
松茸しか無い山なんだ、と誰もが感激。
キース 「流石だな…。三百歳越えはダテじゃないようだ」
ブルー 「まあ、このくらいはね」
シロエ 「誰かさんが知ったら、大騒ぎでしょうけど…」
サム 「青の間におこもり中じゃ、全く気が付かねえよ」
自業自得っていうヤツだよな、とサム君もニヤニヤ。
サム 「次の土曜日が楽しみだぜ。美味い松茸尽くしでよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 山ですき焼きするのも楽しみ!」
マツカ 「瞬間移動でお出掛けコースでいいですか?」
一同 「「「もっちろ~ん!」」」
後はいい天気になりますように、と溢れる期待。
災い転じて福みたいですね?
2018/10/22 (Mon)
☆夢で終わりそう
次の土曜日は観光松茸山、ソルジャーが決めて帰りましたが。
生徒会長が講じた策で、スッポンタケはプロが取り除くことに。
シロエ 「最高ですねえ、松茸しか無い山なんて!」
マツカ 「係の人には、きちんと伝えておきますから」
サム 「ガッカリするヤツがいても、スルーな!」
いなかったヤツが悪いんだしよ、とワイワイ賑やか。
ジョミー「山に行く度、スッポンタケに祟られてたしね…」
スウェナ「キノコ狩りが楽しみだなんて、何年ぶりかしら?」
キース 「おい、喜ぶのはいいんだが…。マズくないか?」
まだ1週間もあるんだが、と部屋を見回す副住職。
キース 「今日は確実に安全としても、明日からが危険だぞ」
シロエ 「どういう意味です?」
キース 「今の調子で浮かれていたら、バレるかもしれん」
あの馬鹿野郎の趣味は覗き見だから…、と顰める眉。
キース 「スッポンタケを除去することを知られたら…」
サム 「あー…。思いっ切り妨害されるのな…」
シロエ 「絶対、阻止しに来ますよね…」
プロの人が全員、食あたりして寝込むとか…、とシロエ君。
シロエ 「ご飯に一服盛りかねませんしね、あの人は」
キース 「薬は全く要らんと思うぞ、暗示だけだな」
サイオンでチョイと…、とキース君が振っている首。
キース 「スッポンタケは残しておけ、と命じられたら…」
シロエ 「山の中には、スッポンタケも残るんですね?」
キース 「ああ。それが猛烈に心配なんだが…」
緘口令で乗り切れるかどうか…、と元気のない声。
キース 「これだけ嬉しい話となると、誰かがだな…」
サム 「ポロッと口にしかねねえよな、土曜日までに」
ヤバすぎるぜ、とサム君もブルブル。
サム 「この話、夢で終わるのかよ…?」
ブルー 「そうと決まったわけでもないよ?」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「ぼくだって、タイプ・ブルーなんだよ!」
サイオンなら任せてくれたまえ、と言ってますけど。
何か方法が…?
2018/10/23 (Tue)
☆対策ならお任せ
次の土曜日は観光松茸山、ソルジャーが一人で決めてお帰りに。
ドツボなシャン学メンバーですけど、生徒会長が考案した対策。
シロエ 「サイオンなら…って、相手はあの人ですよ?」
ジョミー「パワーは同じでも、経験値が違いすぎるって…」
ブルー 「うん、それは間違いないんだけれど…」
キース 「だったら、敵うわけがないだろう!」
任せてくれと言われても…、と副住職。
キース 「あんたが何をやっても無駄だぞ、あの馬鹿には!」
ブルー 「ガチでやったら、勝てっこないのは認めるけどさ…」
サイオンと頭は使いようだ、と生徒会長が指差す自分の頭。
ブルー 「いいかい、今のブルーは別の世界でおこもり中で…」
シロエ 「そうみたいですね、何も言っては来ませんから」
ブルー 「鬼の居ぬ間に洗濯なんだよ、サイオンで!」
一同 「「「へ?」」」
何を洗濯するというのだ、と誰もがキョトン。
サム 「もしかしなくても、俺たちの頭を洗う気なのかよ?」
ジョミー「あー! 今の話を忘れればいいんだ!」
ブルー 「ご名答! 軽く暗示をかけておいたら、それで充分」
山に着くまで全く思い出さないように…、とニコニコニコ。
ブルー 「今日の所は安全圏だし、夜になったら忘れる感じで」
スウェナ「一晩寝たら忘れるわけね?」
ブルー 「綺麗サッパリ、記憶がロックされてね」
残るのはドツボな気分だけ、と親指をグッと。
ブルー 「これでブルーにバレはしないよ、絶対に!」
シロエ 「凄いです! マツカ先輩も忘れるんですね?」
ブルー 「もう少し高度な暗示でね」
係の人から報告があったら、反応しないとダメだから…、と。
ブルー 「その場限りで思い出すよう、ちょっぴり捻って」
キース 「流石だな、あんた」
ブルー 「それじゃ、暗示をかけておくから。はい、完了」
ぶるぅ 「もう安心だからね!」
一同 「「「やったー!」」」
次の土曜日は松茸山だ、と喜ぶ御一同様。
待ち遠しいですね?
2018/10/24 (Wed)
☆いよいよ松茸山
生徒会長が講じた観光松茸山対策、綺麗に忘れたのが御一同様。
運命の土曜日、生徒会長のマンションの前に集ったものの…。
シロエ 「おはようございます。いい天気ですね…」
サム 「土砂降りだったら良かったのによ、今日だけは」
ジョミー「上手くいかないよね、こういう時って…」
??? 「おはよう、晴れて良かったねえ!」
今日はよろしく、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
??? 「皆さん、おはようございます」
Aブルー「やっぱり、ハーレイも連れて来ないと!」
あやかりたいしね、と指差すキャプテン(会話表記はA船長)。
Aブルー「なんと言ってもスッポンタケとは、義理の親子で!」
一同 「「「うっ…」」」
そういう話もあったような…、と一同、ガクブル。
A船長 「縁組したのは、私の息子なのですが…」
ブルー 「もういいから!」
Aブルー「なにしろ姿がそっくりだしねえ、似たもの同士!」
ブルー 「やめたまえ!」
入山禁止を食らいたいのか、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「マツカの家の山なんだからね、これから行くのは!」
Aブルー「それは知ってるけど、入山禁止は有り得ないよね?」
ぼくたちはお客様なんだから…、と厚かましい人。
Aブルー「というわけで、案内よろしく!」
マツカ 「え、えっと…?」
Aブルー「瞬間移動で行くんだからさ…。行き先を、こう」
頭に描いて欲しいんだけど、という注文。
マツカ 「分かりました。これでいいですか?」
Aブルー「うん、上等!」
ブルー 「じゃあ、ぶるぅと、ぼくも」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁーつ!」
パアッと光った青いサイオン、アッという間に山の登り口。
ジョミー「凄いね、幟が立ってるよ。松茸山って!」
管理人 「いらっしゃいませ。どうぞごゆっくり」
Aブルー「ありがとう! 楽しませて貰うよ」
一同 (((ひぃっ…!)))
楽しくない、楽しくない…、と誰もが顔面蒼白。
忘れてますしね?
2018/10/25 (Thu)
☆親子の御対面
ソルジャー夫妻も一緒にお出掛け、マツカ君の家の松茸山へ。
生徒会長の策でスッポンタケは除去済みですけど、忘れた真実。
Aブルー「この山の何処でも、松茸を採っていいのかな?」
管理人 「はい、ご自由にどうぞ。隣の山との境はコレです」
ロープで仕切ってありますから、と見せられたロープ。
管理人 「この内側なら、何処でも好きなだけお取り下さい」
Aブルー「なるほどね。それじゃ、行こうか!」
一同 「「「はーい…」」」
気が進まない、と足取りが重い御一同様。
シロエ 「来ちゃいましたよ、松茸山に…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すき焼き、楽しみだよね!」
ジョミー「松茸は楽しみなんだけどね…」
サム 「それだけじゃ済まねえ場所だからよ…」
山にはキノコがドッサリだしよ、とサム君の溜息。
サム 「考えたくねえけど、他のキノコも…」
Aブルー「もちろん、ぼくの目標はスッポンタケだよ!」
A船長 「私も久しぶりの対面ですから、嬉しいですね」
Aブルー「ちゃんと挨拶するんだよ? 先っぽ同士で!」
くっつけ合ってこんにちは、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「貸し切りなんだし、息子を出しても問題無し!」
一同 「「「ひぃぃっ!!!」」」
なんてことを、と誰もがガクブル。
シロエ 「逃げましょう、早く!」
スウェナ「お弁当とかは、この辺に置いておけばいいわね」
ジョミー「じゃあ、そういうことで!」
松茸狩りに行ってきまぁす、と散ろうとしましたけれど。
Aブルー「ちょっと待った! スッポンタケは?」
サム 「知らねえよ!」
Aブルー「ダメダメ、見付けたら、ぼくに報告!」
すぐにハーレイと駆け付けるからね、とニコニコニコ。
Aブルー「そして感動の親子の対面! ハーレイの息子と!」
一同 「「「うわー…」」」
A船長 「恥ずかしいのですが、せっかくですから」
Aブルー「記念写真もね!」
見付けた人も一緒にどうぞ、と弾ける笑顔。
迷惑すぎ…。
2018/10/26 (Fri)
☆記念撮影は嫌だ
マツカ君の家の観光松茸山に来た、シャン学メンバーですけど。
ソルジャー夫妻がセットものでして、狙いはスッポンタケで…。
一同 「「「き、記念写真…」」」
Aブルー「ぼくが写すから、遠慮しないで、笑顔でね!」
キース 「俺は全力で御免こうむる!」
シロエ 「ぼくだって、遠慮しておきます!」
写真は魂を抜かれるそうですからね、とシロエ君、ブルブル。
シロエ 「まだ死にたくはありませんから、お断りします」
ジョミー「ぼ、ぼくも…!」
スウェナ「私も嫌だわ、写真を撮られて死ぬなんて…!」
Aブルー「大丈夫だと思うけどねえ?」
真ん中でなければいいんだろう、とソルジャーの言。
一同 「「「真ん中?」」」
Aブルー「あれっ、そういう話だろう? 三人で撮ると…」
キース 「真ん中のヤツの寿命が縮むというヤツか?」
Aブルー「そう、それ、それ!」
その点だったら大丈夫、とソルジャー、自信満々でして。
Aブルー「なにしろ三人じゃないからねえ…」
シロエ 「二人だから、と言いたいんでしょう!」
Aブルー「違うよ、四人もいるからね!」
一同 「「「四人?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
サム 「四人って…。誰だよ、残りの二人はよ?」
シロエ 「知りませんってば、サム先輩にも見えないのなら」
霊感といえばサム先輩です、とシロエ君が震わせる肩。
シロエ 「でも、あと二人ほどいるらしいですね…」
マツカ 「この山に出るとは聞いてませんけど」
Aブルー「まったく、もう…。誰が幽霊だと言った?」
キース 「いないからには霊だろうが!」
キャプテンと二人で写真を撮っても四人なら、と副住職。
キース 「他にどうやって四人になるんだ、霊以外で!」
Aブルー「決まってるだろう、息子たちもカウント!」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「スッポンタケと、ハーレイの息子だよ!」
それで四人になるじゃないか、とニコニコニッコリ。
嫌すぎですよね…?
2018/10/27 (Sat)
☆写真をよろしく
マツカ君の家の観光松茸山に出掛けた、シャン学メンバー。
ところがメインはソルジャー夫妻で、スッポンタケがお目当て。
シロエ 「スッポンタケって言いましたか…?」
Aブルー「それとハーレイの息子で四人! 問題なし!」
写真を撮っても早死にしないよ、とソルジャーの笑顔。
Aブルー「三人じゃないから、安心して!」
キース 「写真自体が、魂を抜かれるという話なんだが!」
Aブルー「何を言うのさ、今じゃ写真は日常だろう?」
何処でも此処でもスマホで撮影、と取り出すスマホ。
Aブルー「インスタグラムはやってないけど、インスタ映え!」
キース 「なんでスマホを持っているんだ!」
Aブルー「あると何かと便利だからだよ」
ノルディに買って貰ったんだ、と得意そうな人。
Aブルー「スマホと言ったら、やっぱり自撮りが花だよね!」
ジョミー「たまに死ぬ人、いるけどね…」
Aブルー「魂を抜かれて死んでるわけじゃないだろう?」
自撮りに夢中で事故死だよね、とスマホを操作。
Aブルー「ぼくならサイオンで、こう浮かべてさ…」
サム 「あー…。何処で撮っても安心だよな、ソレ…」
Aブルー「その上、ぼくは事故死とも無縁!」
ついでだから、此処でみんなで一枚、と撮られた写真。
Aブルー「もう撮ったからさ、魂の件は心配無用!」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「写真で魂が抜けるんだったら、もう抜けてるよ」
みんな平等に抜けちゃった後、とニコニコと。
Aブルー「だから安心して、ハーレイと一枚!」
A船長 「スッポンタケを見付けたら、よろしくお願いします」
思念波で連絡を頂ければ…、とキャプテンまでが。
A船長 「恥ずかしいですが、愚息と駆け付けますので」
Aブルー「ハーレイも、こう言ってるから! 頑張って探す!」
一同 「「「うわー…」」」
Aブルー「分かったんなら、散って、散って!」
張り切って行こう! と送り出された御一同様。
大変なことになったような…。
2018/10/28 (Sun)
☆見付けたら終わり
マツカ君の家の観光松茸山に来た、シャン学メンバーですけど。
ソルジャー夫妻はスッポンタケがお目当て、記念撮影まで希望。
Aブルー「見付けたら連絡するんだよ! 思念波で!」
キース 「誰がするかーっ!」
シロエ 「黙って通り過ぎますからーっ!」
Aブルー「ダメダメ、心は正直だからね!」
見付けたら即、思念をキャッチ、と追ってくる声。
Aブルー「ガッカリだろうが、ビックリだろうが、拾うから!」
一同 「「「ひぃっ!!!」」」
なんてこった、と誰もがガクブル。
シロエ 「人生、終わったと思いませんか…?」
サム 「出会わねえことを祈るしかねえな、この場合…」
スウェナ「見付けちゃったら、貧乏クジというわけね…」
ジョミー「相手がスウェナでも、きっと遠慮はしないよね…」
駆け付けて来て記念撮影だよ、とジョミー君の呻き。
ジョミー「もう、誰が見付けても、恨みっこなしで…」
マツカ 「見付けた人の方が、恨みたい気分だと思いますが」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ それより、松茸、探さなくっちゃ!」
ブルー 「そっちの方が大事だよ。山ですき焼きしないとね」
持ち帰りの分で松茸尽くしの御馳走も…、と生徒会長。
ブルー 「さあ、張り切って松茸を探す!」
シロエ 「スッポンタケもですか…?」
ブルー 「事故を気にしてたら、車は運転できないってね!」
キース 「車には保険があるんだが…!」
俺たちには何の救いも無いが…、と副住職がつく深い溜息。
ブルー 「でも、探さないと松茸も無いよ?」
キース 「あんた、悟りが開けているな…」
ブルー 「緋色の衣はダテじゃないんだよ」
君も修行を頑張って、と激励が。
ブルー 「他のみんなも、まずは松茸! 食べたいのなら!」
ジョミー「事故るの、ぼくじゃありませんように…」
シロエ 「アレが視界に入らないよう、頑張りましょう」
サム 「それしかねえな…」
出会っちまったら終わりだしよ、とサム君も。
どうなるんでしょう…?
2018/10/29 (Mon)
☆松茸ばかりの山
マツカ君の家の観光松茸山にやって来た、シャン学メンバー。
ソルジャー夫妻が一緒なわけで、スッポンタケも探せとの指令。
シロエ 「松茸しか無ければ、いいんですけどね…」
ジョミー「山だから、そうもいかないよ…」
いつかスッポンタケにも出会っちゃうよ、と悲嘆の声。
ジョミー「それが誰かは分かんないけど、記念撮影だよね…」
サム 「一人で済むとは聞いていねえぜ、その写真」
Aブルー「もちろんだよーっ! 一人残らず記念撮影!」
一同 「「「うわー…」」」
人生終わった、と誰もが重い足取りで探す山の中。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 松茸、あったよーっ!」
ブルー 「ぼくも発見!」
スウェナ「いいわね、どうせ私はきっと…。あら、松茸!」
マツカ 「ぼくも見付けましたよ、一度に2本も」
大漁ですね、というマツカ君の報告に続いて、次々と。
ジョミー「ラッキー、ぼくも松茸だった!」
キース 「俺もだ、今日はツイてるな」
サム 「なんか松茸しかねえって感じで凄いよな!」
最高だぜ、と喜びの声が溢れてますけど、その一方で…。
Aブルー「なんで松茸しか見付からないのさ!」
A船長 「松茸は、とても美味しいのですが…。しかし…」
Aブルー「君の養子が一人もいないよ、どうなってるわけ?」
他のキノコにも出会えやしない、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「ちょっとーっ! マツカに聞きたいんだけど!」
マツカ 「はい、何でしょう?」
Aブルー「観光松茸山は初めてだけどさ、もしかして…」
松茸しか無いんじゃないだろうね、という質問。
Aブルー「他のキノコは無い場所だとか?」
一同 「「「あーっ!!!」」」
そういえば、と戻った全員の記憶。
マツカ 「す、すみません…。頼んで除去して貰いました…」
Aブルー「なんだって!?」
マツカ 「ですから、朝に管理の人が入って…」
Aブルー「そ、そんな…!」
松茸しか無い山だなんて、とソルジャー、愕然。
さもありなん…。
2018/10/30 (Tue)
☆松茸山ですから
ソルジャーが頼んだ、マツカ君の家の観光松茸山ですけれど。
生徒会長の策でスッポンタケは全て除去済み、そういう仕様で。
Aブルー「どうして松茸だけにしたのさ! スッポンタケは?」
ブルー 「あると色々厄介だしねえ、他のキノコと纏めて退治」
A船長 「で、ですが…。ブルーは全く、そんな話は…」
Aブルー「聞いていないよ、何度も覗いていたけれど!」
みんな怯えていたじゃないか、とソルジャーの証言。
Aブルー「敵前逃亡されないように、ちゃんと覗き見…」
ブルー 「するだろうから、こっちも策を練ったんだよ!」
Aブルー「策だって?」
マツカ 「はい…。正直、ぼくも今まで忘れていました」
スッポンタケの除去を頼んだことを…、と御曹司。
マツカ 「ブルーがサイオンで、ぼくたちの記憶を…」
ブルー 「綺麗サッパリ封印ってね!」
シロエ 「お蔭で、ついさっきまで気分はドン底でしたよ」
サム 「今はすっかり天国だけどよ」
今日は最高の松茸山だぜ、とサム君、深々と深呼吸。
サム 「何処に行っても松茸ばかりで、他のはねえし!」
ジョミー「安心して松茸狩りが出来るよ、頑張ろう!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今夜は松茸尽くし!」
一同 「「「バンザーイ!!!」」」
すき焼きも美味しく食べて帰ろう、と上がる大歓声。
キース 「そうと決まれば、採りまくらないと…」
シロエ 「損ですからねえ、籠にドッサリ!」
スウェナ「隅から隅まで探すわよーっ!」
それ行け、と山の中へとガサガサ。
Aブルー「ちょ、ちょっと…。ぼくの立場は?」
サム 「そんなのはねえよ!」
ブルー 「注文したのは君だしねえ…」
マツカの家の松茸山を、と生徒会長、ニンマリと。
ブルー 「さあ、満喫してくれたまえ!」
Aブルー「こんなの、望んでないってば!」
A船長 「私の養子は…」
Aブルー「スッポンタケはーっ!?」
松茸よりも、それが大切なのに、と叫んでますけど。
今月、これにて中継終了~。
2018/10/31 (Wed)
☆機転が利く人
さて、10月。厳しかった残暑も終わって、爽やかな秋。
生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、食欲の秋の真っ最中で。
ジョミー「うん、美味しい! ぶるぅの料理はホントに最高!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ これからが御飯の美味しい季節!」
みんな夏バテにサヨナラだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「どんどん食べてね、おかわりも沢山作ったから!」
スウェナ「デザートも期待していいのよね?」
ぶるぅ 「もっちろ~ん! おやつも、それに晩御飯も!」
一同 「「「やったー!!!」」」
晩御飯も期待、と上がる歓声。
シロエ 「いいですよねえ、食欲の秋!」
サム 「もう今月は法要もねえし、食い放題だよな!」
マツカ 「法要でも、美味しく食べましたけどね」
秋のお彼岸、と御曹司の笑み。
マツカ 「誰かさんだけ、ションボリ沈んでましたけど…」
シロエ 「すぐ立ち直ったじゃないですか、逞しく」
キース 「俺が機転を利かせたからだぞ、最後の最後で」
一応、戒名を読み上げてやった、と副住職。
キース 「ギャーギャーうるさかったからなあ、あの馬鹿が」
ブルー 「まあねえ…。法要がパアになる危機だったからね」
シロエ 「先輩も人が好さすぎですよ」
放置プレイで良かったのに、とシロエ君の溜息。
シロエ 「スッポンタケの戒名なんかを、読まなくっても…」
キース 「それはそうだが、絶対、後で恨まれるんだぞ」
サム 「次のお彼岸まで引き摺りそうだぜ」
キース 「だろう? そうならないよう、恩着せがましく…」
勿体を付けて読んでおいた、と立てる親指。
キース 「あの馬鹿が条件を満たしてないのに、タダ働きで」
シロエ 「流石です! そこまで考えていたわけですね?」
キース 「正直、事情はサッパリだったが、空気を読んだ」
ブルー 「なにしろ、号泣していたからねえ…」
キース 「もうダメだ、とな」
あいつが泣くなど前代未聞だ、と副住職。
腐ってもソルジャーですもんねえ?
2018/10/01 (Mon)
☆プロの心意気
生徒会長宅で食欲の秋なシャン学メンバー、話題は秋のお彼岸。
とっくに終わった後ですけれど、ソルジャーの泣きが傑作で…。
キース 「あの馬鹿野郎が大泣きとはな…。たかがキノコで」
ブルー 「ブルーにとっては、ただのキノコじゃないからねえ」
キース 「まあ、そうなんだが…。あそこまでとはな」
この世の終わりのような感じで…、と今も呆れている模様。
キース 「しかも後から理由を聞いたら、もう半端なくて…」
シロエ 「先輩、食事中なんですけど!」
スウェナ「かまわないじゃないの、笑えるんだから」
ジョミー「そうだよ、ぼくも気にしないってば」
ここにキツネはいないもんね、とジョミー君。
ジョミー「それに化かされても、もう肥溜めは絶滅してるし」
サム 「お前なあ…。サラッと言うなよ、その単語を」
マツカ 「タブーな言葉が出ちゃいましたし、解禁ですよね」
遠慮なく語り合いましょう、と御曹司も。
マツカ 「キツネがいたなら、お風呂が怖いんですけれど…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 化かされて肥溜めだよね!」
ジョミー「そう、そう! ソレが無いから、絶対、安心!」
気にしないで誰かさんをネタにしよう、と突き上げる拳。
ジョミー「探しに行くかと思ったんだけどな、最初の内は」
シロエ 「ぼくも正直、そうでした」
ブルー 「覚悟はしたよね、仕方ないな、と」
なのに空振り、と生徒会長。
ブルー 「妙な所でヘタレだったよ、あっちのブルーは」
キース 「あんただったら、そこでやるのか?」
肥溜めの肥をゲットなのか、とキース君の問い。
キース 「なりふりかまわず探し出して来て、供えるとか?」
ブルー 「当たり前だよ、ぼくはプロなんだから!」
お供え物のためなら自分を捨てる、と銀青様。
ブルー 「それも出来ないようではねえ…」
キース 「銀青の名が泣くわけだな?」
ブルー 「もう間違いなく、号泣だよね」
お彼岸の時のブルー並みに、とキッパリと。
流石ですよねえ…?
2018/10/02 (Tue)
☆お供えの真髄
生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、話のネタはソルジャー。
お彼岸に肥を供えられずに、号泣していたヘタレなわけで…。
ブルー 「お供えのためには命も捨てるのが、仏道なんだよ」
キース 「まったくだ。実践するかどうかはともかく」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「うん。有名な話があるからねえ…。お供えは自分」
一同 「「「へ?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「自分を供えるって、どういう意味です?」
ブルー 「そのまんまだよ、自分の丸焼き」
一同 「「「丸焼き!?」」」
ブルー 「ウサギだったからね。お釈迦様の前世の話なんだよ」
ずっと昔のことなんだけど…、と生徒会長、神妙な顔。
ブルー 「ウサギのお釈迦様が、飢えた聖者に出会ってさ…」
キース 「焚火の中にダイブするんだ、食べて貰おうと」
一同 「「「うわー…」」」
なんという、と誰もが仰天。
スウェナ「それでウサギはどうなったのよ?」
ブルー 「こんがり綺麗に丸焼きになって、食べられたわけ」
キース 「すると空から花びらが降り注いでだな…」
ブルー 「聖者は更なる悟りを開いたと、お経にあるんだ」
そのくらいの自己犠牲の精神が大事、と生徒会長。
ブルー 「丸焼きに比べれば、肥を持ってくるくらいはねえ…」
キース 「お安い御用と言いたいわけだな、あんたの場合」
ブルー 「みんなが許してくれるんだったら、何杯でも!」
肥汲み用の桶で貰って来るよ、と溢れる自信。
ブルー 「ぼくなら、そこまで出来るんだけど…」
キース 「あの馬鹿野郎はコケたんだな」
おんおん泣き喚いてやがっただけで…、と副住職の深い溜息。
キース 「ソルジャーの名が泣くと思うんだがな」
シロエ 「男がすたるというものですよ」
ブルー 「プライドが無いと言うべきか…」
ジョミー「恥なら無いと思うんだけど」
ブルー 「うーん…」
言われてみれば…、と唸る生徒会長。
正しい指摘ですよね?
2018/10/03 (Wed)
☆評価が変わります
生徒会長宅で昼食中のシャン学メンバー、話題はソルジャー。
お彼岸の法要で泣き喚いたわけで、情けない話なんですけれど。
ジョミー「プライドはともかく、恥は無いと思うよ、絶対に」
ブルー 「確かにねえ…。ブルーの場合は、全く無いね」
キース 「あの馬鹿野郎に恥じらいがあったら、もっと平和だ」
一同 「「「うーん…」」」
ごもっとも、と誰もが頷かざるを得ない現状。
シロエ 「スッポンタケの法要なんかも、無いでしょうしね…」
スウェナ「節分に変な祈願をされることも無いわよ」
ジョミー「ね? だからさ、恥は気にしないんだよ」
マツカ 「かき捨てというヤツなんですね…」
プライドは高い気もするんですけど、と御曹司も。
マツカ 「プライドが邪魔をしたんでしょうか? 肥は」
ブルー 「どうなんだか…。プライドの方も微妙だしねえ…」
キース 「ブン投げてやがる時もあるしな、プライドを」
ブルー 「だからこそ、許せないんだけどね」
あそこで肥を持って来なかったのが…、と生徒会長、ブツブツ。
ブルー 「持って来てれば、少しは見直したのに」
シロエ 「見直すんですか!?」
ブルー 「後で笑いのネタにはするけど、根性だけはね」
そこまで命を懸けているなら仕方ない、という話。
ブルー 「何かといえば法要にしても、付き合う程度に」
キース 「それは言えるな、迷惑ではあるが」
毎回、お供えが肥というのも酷いんだが…、と副住職。
キース 「だが、法要にかける根性は認めてやってもいい」
サム 「だよなあ、肥の持ち込みだしよ…」
ゲットするのも大変そうだぜ、とサム君も肥の評価は高め。
サム 「この国にはねえし、他所の国でもよ…」
シロエ 「大都会だと絶滅してそうですよね」
ブルー 「ド田舎にしか無いだろうねえ、あんな代物」
ジョミー「それを探して来てこそだよね?」
ブルー 「そういうこと!」
法要の施主に相応しく…、と言ってますけど。
コケたんですよね…?
2018/10/04 (Thu)
☆お供え物の常識
生徒会長宅に集うシャン学メンバー、迷惑なソルジャーが話題。
お彼岸の法要でゲットし損ねた肥、それが酷いという展開で…。
ブルー 「法要のお施主様というのは、こう、色々と…」
キース 「気配りをして然るべきなんだ」
シロエ 「事前に、ですね…?」
キース 「ああ。寺へはもちろん、来て下さる方にもだな」
あらかじめ挨拶に行っておくのが常識、と副住職の渋面。
キース 「だが、あの野郎は挨拶なんかはスルーだし…」
スウェナ「一方的に頼まれるだけで、私たちの都合は無視よね」
サム 「キースの都合も無視してねえか?」
ジョミー「うん。毎回、強引に決めちゃってるよね…」
気配りも何も…、とジョミー君も。
ジョミー「ああいう態度じゃダメなんだ?」
ブルー 「決まってるじゃないか。基本からメチャクチャ」
キース 「あいつが檀家さんだったら、親父と大喧嘩だな」
でもって破門だ、と吐き捨てるように。
キース 「なのに俺の場合は、それも出来んし…」
ブルー 「君が戒名をつけたからだよ、そこの所は」
キース 「分かっている。だから文句は言えないんだが…」
ブルー 「気配りの件は、注意したくもなるポイントで…」
今回、意地悪してやった、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「仏様が喜ぶお供え物を用意するのは、大切だしね」
マツカ 「それは法要でなくても言えることですよね」
シロエ 「毎日のお供えというヤツですか?」
ぼくの家にはお仏壇が無いんですけれど…、とシロエ君の問い。
マツカ 「ええ。好物を頂いた時は、真っ先にお仏壇ですよ」
シロエ 「そうなんですか…」
マツカ 「仏様が先です、それから人間が頂きますね」
お仏壇があれば…、と御曹司。
マツカ 「普段でも、そんな具合ですから…」
ブルー 「法要の時には、心をこめてお供えを用意しないとね」
ジョミー「仏様の好物を?」
キース 「季節が合えばな」
旬でなければ仕方ないが…、と副住職の答え。
明快ですね…?
2018/10/05 (Fri)
☆喜ばれるお供え
先月のお彼岸の法要の件で、ダメダメなのがソルジャーの態度。
スッポンタケが喜ぶ肥を用意しなかったことが、問題で…。
キース 「真冬にタケノコを用意しろとは言わないんだが…」
ブルー 「春なら用意するべきなんだよ、仏様の好物の時は」
お施主様に誠意があるんだったら…、と銀青様のお言葉。
ブルー 「お寺でやるから、お膳はお任せという形だとさ…」
キース 「法要の後の宴会の席で、タケノコを出すのが常識だ」
シロエ 「そこまでですか?」
ブルー 「心のこもった、いい法要にしたいのならね」
そして故人を偲ぶわけだよ、という話。
ブルー 「だから応用も利くわけで…。精進でなくても宴会で」
キース 「故人の好物でしたから、と魚なんかを出すんだ」
スウェナ「それが法要の基本なわけね?」
ブルー 「形だけでいいなら、この逆で全くかまわないけど…」
キース 「仏様に喜んで貰いたいなら、このコースだな」
もちろん宴会では仏様用のお膳も用意するものだ、と副住職。
キース 「それなのに、あの馬鹿野郎と来たら…」
ブルー 「用意しようとさえしなかったしねえ、肝心の肥を」
ジョミー「つまり、話になってないわけ?」
ブルー 「最低最悪としか言いようがないね」
仏様への敬意も何も…、と生徒会長、ブツブツブツ。
ブルー 「誰が聞いても、そう言うと思うよ、プロの坊主なら」
キース 「まったくだ。お供えが何かは、別の話で」
肥を供えるなど、普通には有り得ないからな、と苦い顔。
キース 「しかし相手はスッポンタケだし、肥が供養だ」
ブルー 「そう教えたのに、ギャーギャー泣き喚くだけで…」
あれじゃ話になりやしない、とお手上げのポーズ。
ブルー 「まあ、これから先も肥の用意はしそうにないし…」
キース 「その点については安心なんだが、釈然とせんな」
シロエ 「やっぱり肥は必須でしたか…」
ブルー 「あの流れならね」
喜んで用意するべきだった、と言ってますけど。
肥ですしね…?
2018/10/06 (Sat)
☆ダブルは勘弁
先月のスッポンタケの法要、ソルジャーが用意すべきだった肥。
お供えとしてはアレなモノでも、供養のためには必須アイテム。
シロエ 「肥を用意しなかったのが、とても問題なわけですね」
キース 「ああいう態度でいいというなら、俺の方でも…」
ブルー 「マニュアル通りに扱っておけば充分なんだよ」
お施主様にその気が無いんだからさ、と生徒会長。
ブルー 「今までの熱意は何処へやらだし、喚かれてもねえ…」
ジョミー「悪いのは、あの迷惑な人ってこと?」
ブルー 「もう間違いなくそうなんだけど…」
サム 「あの日のキースは、神対応というヤツだったぜ」
戒名だけでも最後に追加したんだからよ、とサム君の言。
サム 「スルーで終わっても、かまわねえのに…」
スウェナ「そうよね、キースもお人好しだわよ」
マツカ 「放置しないで、ちゃんと拝んだわけですしね…」
素晴らしすぎです、と御曹司も。
マツカ 「お坊さんなら、そうあるべきだということですか?」
キース 「それもあるがだ、今後のための保険だな」
一同 「「「保険?」」」
キース 「恩を売るだけ無駄な相手だが、それでも一応…」
売らないよりは売る方がマシだ、と副住職。
キース 「自分のことは棚上げするのが、あの馬鹿だしな」
シロエ 「逆恨み回避対策ですか?」
キース 「身も蓋も無い言い方をすれば、それで正解だ」
次の法要で二回分を、とゴネられそうで…、とフウと溜息。
キース 「法要のダブルは、流石に御免だな」
ブルー 「許されるのは、繰り上げ初七日とかまでだよね」
一同 「「「繰り上げ初七日?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
キース 「知らんのか? 葬式の続きに初七日をするんだ」
シロエ 「えっと…? 七日経った、と数えるんですか?」
ブルー 「うん。仕方ない時は、四十九日までならオッケー」
一同 「「「四十九日!?」」」
いくらなんでも凄すぎないか、と誰もが仰天。
許されると…?
2018/10/07 (Sun)
☆繰り上げの限界
秋のお彼岸にやったスッポンタケの法要、ソルジャーが大泣き。
危うく法要が出来ない所を、神対応をしたのがキース君で…。
シロエ 「あのですね…。四十九日って、四十九日ですよね?」
キース 「満中陰だな、忌明けと呼ぶ方が一般的か」
シロエ 「やっぱり…。忌明けだったら、仏様は、そこで…」
キース 「お浄土に到着ということになるが」
目安としては…、と副住職。
キース 「最後の裁判が開かれる日で、終わればお浄土だな」
ブルー 「ぼくたちの宗派だと、その考え方は無いんだけどね」
シロエ 「どういうことです?」
ブルー 「お念仏さえ唱えていれば、必ず極楽往生だから」
裁判を受ける意味が無いんだ、と銀青様の解説。
ブルー 「だから代わりに待期期間ということで…」
一同 「「「待期期間?」」」
ブルー 「お浄土で必要な知識を教わる、修行期間だよ」
キース 「この世で修行を終えていたなら、修行は要らん」
二十五菩薩や阿弥陀様のご来迎で、そのまま往生、という話。
キース 「だが、そこまでの人は滅多にいないし…」
ブルー 「四十九日の間、修行を積んでお浄土行きだね」
スウェナ「それじゃ、お葬式の日に四十九日って、何なのよ?」
ブルー 「もう思いっ切り、ショートカット!」
本来、有り得ないスピードだよね、と生徒会長。
ブルー 「だけど世の中、どんどん忙しい人が増えるし…」
キース 「法要の度に集まれないから、四十九日までは…」
ブルー 「繰り上げを認める形になってるんだよ」
一同 「「「うーん…」」」
なんだかスゴイ、と誰もがポカーン。
シロエ 「それが通るんなら、法要のダブルも出来そうですね」
ブルー 「素人さんはそう思うだろうけど、そこまでは無理!」
キース 「別途、日を設けないと、ダブルでは出来ん」
シロエ 「決行したら、どうなるんです?」
キース 「阿弥陀様に対して、失礼にあたる」
俺は絶対に御免だからな、と副住職、ブルブル。
そりゃそうですね?
2018/10/08 (Mon)
☆ダブルはダメです
スッポンタケの法要がコケる所を、神対応をしたのがキース君。
法要をダブルで頼まれるよりは、済ませた方がマシなんだとか。
キース 「あの馬鹿野郎は言いかねないしな、法要のダブルを」
サム 「だよなあ、自分のことしか考えていねえしよ…」
キース 「そうだろう? あのままで終わるわけがないんだ」
次のお彼岸で取り戻そうとするな、と副住職が振っている首。
キース 「お中日は年に2回しか無いし、ダブルで来るぞ」
シロエ 「他の日だと意味が無いからですね?」
キース 「ああ。あの馬鹿も、それは承知の筈だ」
仏教の知識はサッパリだがな、とブツブツブツ。
キース 「それでも、有難い日だけは把握していやがるし…」
ジョミー「別の日に法要をやり直すよりは、ダブルなんだね?」
キース 「間違いなく、春のお彼岸の時にリベンジだな」
それだけは勘弁願いたい、とキース君、合掌。
キース 「そうなるよりかは、あそこで戒名を読む方がマシだ」
ブルー 「お中日の法要をダブルだなんて、阿弥陀様もねえ…」
シロエ 「お困りになるってことですか?」
ブルー 「うん。お優しいから、仏罰は無いだろうけど…」
失礼すぎる話だしね、と銀青様も。
ブルー 「しかも一介の仏様の都合で、ダブルは最悪」
サム 「院殿号を持ってやがっても、キノコじゃなあ…」
キース 「俺の失敗まで、阿弥陀様にお詫びしないとならん」
院殿号を出したのは俺なんだし…、と副住職の嘆き節。
キース 「お前たちに責められているのに、阿弥陀様にまで…」
シロエ 「仏罰でもいい気がしてきましたよ」
たまに叱られてみたらどうです、とシロエ君。
シロエ 「そうなれば先輩も、もっと反省するでしょうから」
キース 「だが、法要をダブルが大前提だぞ、かまわんのか?」
シロエ 「そ、それは…」
マツカ 「キツイですよね…」
キース 「分かったか!」
俺の機転に感謝しろよ、と威張ってますけど。
そこで威張れる立場ですかねえ?
2018/10/09 (Tue)
☆威張れない立場
お彼岸のスッポンタケの法要、神対応でこなしたのがキース君。
ソレをしないと次の法要がダブルだそうで、誰もが嫌がる展開。
キース 「少しは俺の有難味というのを、噛み締めてくれ」
スウェナ「確かに、法要のダブルは嫌すぎるわよね…」
シロエ 「でもですね…。諸悪の根源は、キース先輩ですよ?」
どう転がっても変わりませんが…、と冷静な指摘。
シロエ 「本当に有難い人材だったら、そうはなりません」
サム 「言えてるよなあ…。院殿号なんか、出さねえしよ」
ジョミー「威張れる立場じゃないと思うよ、キースの場合」
キース 「うっ…」
痛い所を突かれてしまって、グウの音も出ない副住職。
キース 「すまん、調子に乗りすぎた」
シロエ 「分かってるんなら、いいですけどね」
ブルー 「何も間違っていないからねえ、シロエの言い分」
坊主の視点で見てもダメだね、とキッツイ言葉が。
ブルー 「君は軽率すぎたんだよ。手遅れだけどさ」
サム 「どうにもならねえみたいだしなぁ…」
ブルー 「出しちゃったモノは、撤回不可能」
??? 「うん、お蔭様で助かってるよ!」
いつもどうも…、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「食欲の秋だね、今日の料理も美味しそう!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
沢山食べてね、と飛び跳ねる「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
キース 「…あんた、今頃、何しに来たんだ?」
Aブルー「もちろん、お彼岸のお礼だよ!」
法要の御利益に心から感謝、と笑顔全開。
Aブルー「ぼくのハーレイも漲りまくりで、性欲の秋!」
ブルー 「やめたまえ!」
下品な物言いは最低だから、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「まだ言いたいなら、サッサと帰る!」
Aブルー「来たトコだから!」
一同 (((嬉しくない、嬉しくない…)))
おまけに誰も呼んでいない、と御一同様の心の声。
無駄ですけどね…。
2018/10/10 (Wed)
☆止まらない喋り
誰も呼んではいないというのに、来てしまったのがソルジャー。
お彼岸のお礼だと言ってますけど、お礼イコール下品な台詞。
Aブルー「キースのお蔭で助かったよ! 心から感謝!」
キース 「もう、そこまででいいからな」
Aブルー「そう言わずに! 本当に、この秋も夫婦円満で…」
ハーレイが毎晩、張り切ってるよ、と止まらない喋り。
Aブルー「だからね、もっと漲るべきだと思うんだよね」
キース 「あんたが思うのは勝手なんだが、喋らなくていい!」
Aブルー「ダメダメ、それじゃSD体制と全く同じだよ」
キース 「どの辺がだ!」
理不尽なことは言っていないぞ、と副住職。
キース 「非人道的な社会システムと一緒にするな!」
Aブルー「でも、同じだし…。言論の自由が無いってトコが」
キース 「その点だったら、俺たちの世界も変わりはない!」
常識に欠ける言葉は除外だ、とキース君の反撃。
キース 「SNSでも炎上するんだ、容赦なく!」
Aブルー「そうらしいけど、その前の発言は自由だろう?」
キース 「やかましい! 自由にも限界はある!」
ツイッターだって、そうなんだからな、と握り締める拳。
キース 「呟いたらアウトな言葉もあるんだ、あの世界は!」
Aブルー「そうなのかい?」
キース 「呟いた途端にアカウント凍結、それが普通だが?」
そのせいで事故も起こるんだがな…、とフウと溜息。
キース 「ブチ殺す、とツイートしたら凍結だから…」
シロエ 「あー、知ってます! 夏にあった事故!」
サム 「蚊に刺されたヤツのツイートだよな?」
スウェナ「有名よね、アレ…」
ブチ殺すのは蚊だったのに…、とスウェナちゃん。
スウェナ「宣言したら凍結されちゃったのよね」
Aブルー「そんな事件があったのかい?」
キース 「監視しているのは機械だからな、融通が利かん」
Aブルー「この世界でも?」
キース 「それが現実だ!」
だから自由に喋りまくるな、と釘ですけれど。
効きますかねえ?
2018/10/11 (Thu)
☆喋りは問題なし
呼んでいないのに出て来たソルジャー、いつもの調子で発言を。
それを止めたいシャン学メンバー、キース君が攻撃の先頭に。
キース 「いいな、自由にも限界はある! 何処の世界でも!」
Aブルー「でもさ…。此処で喋るのは自由だよね?」
キース 「はあ?」
Aブルー「だから、ツイッターとかじゃなくって!」
みんなの前で喋るだけならいいんだろう、と太々しい顔。
Aブルー「アカウントも何も関係ないしね、此処だったら」
キース 「なんだって…?」
Aブルー「炎上だってするわけがないし、問題なし!」
SNSをやってる人がいても平気、とニコニコニッコリ。
Aブルー「ぼくの言葉をウェブに上げたら、アウトだろうけど」
キース 「常に炎上しかねんからな、あんたの台詞は!」
Aブルー「ほらね、ぼくの代わりにアップした人がアウト!」
シロエだろうが、ジョミーだろうが…、と見回すソルジャー。
Aブルー「いくらでもアップしていいからね!」
シロエ 「やりませんから!」
Aブルー「だったら更に問題ないよね、まるで全く!」
困る人なんかいないじゃないか、と料理をパクパク。
Aブルー「それでね、スッポンタケの話なんだけど…」
キース 「誰も聞きたいとは言っていないが!」
Aブルー「社会的にはオッケーだよねえ、この話題」
キノコまでダメとは言わないだろう、と立てる親指。
Aブルー「秋はやっぱり食欲の秋で…」
キース 「やめないか!」
Aブルー「人の喋りを先取りしないでくれたまえ!」
性欲の秋と言う気はないし…、と反撃が。
Aブルー「秋はキノコが美味しいんだよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 炊き込み御飯とか!」
キノコ、いいよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「キノコ料理のリクエストなの?」
Aブルー「まずは材料の調達から!」
一同 「「「ま、まさか…」」」
Aブルー「キノコ狩りに行こうよ、みんなで!」
行楽の秋も最高だよね、と満面の笑顔。
キノコ狩りですか…。
2018/10/12 (Fri)
☆キノコ狩りも色々
行楽の秋はキノコ狩りを、と笑顔で言い出したのがソルジャー。
美味しいキノコ料理のためには、材料からだそうですけど…。
シロエ 「なんで、ぼくたちまで巻き込むんですか!」
Aブルー「巻き込むって…。キノコ狩りの趣味は無いのかい?」
シロエ 「ありませんってば!」
Aブルー「本当に…?」
松茸狩りは嫌いなのかな、という質問。
Aブルー「高いらしいね、確実に採れる松茸狩りは」
キース 「あんたが言うのは、有料の観光松茸山か?」
Aブルー「そう、ソレ、ソレ!」
採った松茸を料理してくれるヤツ、と頷くソルジャー。
Aブルー「山で食べるなら、すき焼きが定番なんだって?」
キース 「そのようだな」
Aブルー「お持ち帰りの分も入れたら、凄く高いんだろう?」
ブルー 「山の手入れが高くつくからだよ、あの手の山は」
人の手が入らない山は荒れてしまうから…、と生徒会長の解説。
ブルー 「木や下草が茂ってしまうと、松茸が出なくなるし…」
シロエ 「そう聞きますね」
ブルー 「観光用の松茸山は、オフシーズンの手入れが大変!」
まるで全く儲からないのに、地味な作業がドッサリと…、と。
ブルー 「下草刈りだの、木の枝打ちだのと、重労働で…」
スウェナ「その分が、松茸のシーズンに上乗せされるのね?」
ブルー 「うん。それに、せっせと手入れしてもさ…」
松茸の出来は気象条件に左右されるよ、と溜息が。
ブルー 「今年は沢山採れそうだ、と思っていても…」
キース 「シーズンの最後まで好調かどうかは、謎だしな」
ブルー 「そうなった時のリスクも含めて、高めになるよね」
ついでにバーゲンになることもない、とキッパリ。
ブルー 「本日で松茸狩りはおしまい、って時でも定価!」
シロエ 「厳しいですねえ…」
Aブルー「そういうキノコ狩りでも、嫌いなのかな?」
シロエ 「そ、それは…」
Aブルー「楽しそうだよね?」
値段が高い松茸狩りは…、とソルジャーの問い。
否定出来ませんね?
2018/10/13 (Sat)
☆太っ腹な招待
行楽の秋はキノコ狩りだ、と言ったソルジャーなんですけれど。
喜ぶ人は皆無な所へ、有料松茸山の話が出て参りまして…。
Aブルー「どうなのかな、高い松茸狩りでも楽しくないと…?」
シロエ 「い、いえ…。ぼくは経験がありませんけど…」
Aブルー「楽しそうだと思うわけだね?」
シロエ 「は、はい…」
お値段の分は楽しめそうです、と頷くしかないシロエ君。
シロエ 「松茸は確実にあるわけですし、すき焼きもついて…」
Aブルー「最高に贅沢なキノコ狩りだよ、有料の観光松茸山は」
今なら開催中なんだよね、とニコニコニッコリ。
Aブルー「食欲の秋で、行楽の秋! みんなでキノコ狩り!」
シロエ 「……ご招待ですか?」
サム 「タダで行けるんなら、キノコ狩りでも話は別だぜ」
ジョミー「だよねえ、観光松茸山!」
それで貸し切りだと、もっといいな、とジョミー君。
ジョミー「その日に採れた松茸は全部、ぼくたちのだとか!」
スウェナ「いいわね、リッチに松茸尽くし!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 焼き松茸とか、土瓶蒸しとか!」
もちろん松茸御飯も炊くよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
Aブルー「じゃあ、決まり! 次の土曜日なんか、どうかな?」
シロエ 「今の所、天気は良さそうですね」
Aブルー「それじゃ、土曜日で…。よろしく、マツカ」
一同 「「「はあ?」」」
なんでそうなる、と一同、目が点。
シロエ 「あ、あのう…。何て言いました?」
Aブルー「マツカによろしく、って! そうだよね、マツカ?」
マツカ 「え、ええ…。松茸山の貸し切りプランですね?」
一番いい山を用意しますよ、と御曹司の笑顔。
マツカ 「予約が入っているお客様は、他に振り分けますから」
Aブルー「ありがとう! 君の家なら確実だと思って…」
マツカ 「任せて下さい、山は幾つもありますので」
シロエ 「奢りじゃなかったんですか!?」
どうしてマツカ先輩なんです、とシロエ君、アタフタ。
そりゃそうですよね…?
2018/10/14 (Sun)
☆ご招待が別物
次の土曜日は観光松茸山へお出掛け、しかも豪華に貸し切りで。
ソルジャーの提案に飛び付いた面々ですけど、妙な展開に。
シロエ 「マツカ先輩にお任せだったら、費用はですね…!」
マツカ 「もちろんタダで来て頂けますよ、ぼくの友達なら」
シロエ 「いえ、そうじゃなくて…!」
その人が払うものだとばかり…、と指差す先にソルジャー。
Aブルー「えっ、だって…。ぼくはイマイチ分かってないしね」
シロエ 「何がですか?」
Aブルー「こっちの世界の仕組みとかが…。観光松茸山も」
申込み先も知らないんだよ、と酷すぎる発言。
シロエ 「なのに言い出したんですか? 行こうって!」
Aブルー「楽しそうだし、きっとスッポンタケも採れるし…」
マツカ 「ぼくは気にしていませんから。皆さんでどうぞ」
両親だって喜びますよ、と人が好すぎるのが御曹司。
マツカ 「帰ったらすぐに手配しますね、最高の山を」
Aブルー「ありがとう! 送迎とかも頼めるのかな?」
マツカ 「瞬間移動でも大丈夫ですし、そこはお好みで」
Aブルー「流石、普通の観光松茸山とは違うね!」
瞬間移動もお咎めなし、とソルジャー、大喜びでして。
Aブルー「じゃあ、来週の土曜日に! またねー!」
キース 「待て、打ち合わせはどうするんだ!」
Aブルー「またブルーにでも連絡するよ!」
ハーレイの時間が空いたみたいで…、と帰るらしい人。
Aブルー「ぶるぅ、料理のテイクアウトをお願い!」
ぶるぅ 「うんっ! 出来てる分は、全部詰めるね!」
Aブルー「多めに頼むよ、ハーレイと青の間に籠るから!」
ぶるぅ 「オッケー!」
キッチンで好きなだけ注文してね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
Aブルー「ぼくはキッチンから直接帰るよ、時間が惜しいし」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちょっと行ってくるねー!」
Aブルー「次は観光松茸山でね! それじゃ!」
キース 「マジか…」
どえらいことになったような、と副住職の呟き。
想定外ですね…?
2018/10/15 (Mon)
☆定番のは嫌だ
秋のお彼岸の法要をよろしく、と当然のように言うソルジャー。
今回もお中日を希望で、キース君の都合なんかはサラッと無視。
Aブルー「一番有難い日に法要をすれば、御利益も絶大!」
キース 「お彼岸の法要は、そういうものではないんだが!」
Aブルー「だけど毎回、効果は抜群!」
法要の度に漲るパワー、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「ぼくのハーレイが、もうビンビンのガンガンで…!」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「何を言うかな、ぼくはスッポンタケの有難さを…!」
ブルー 「あくまで君に限定なんだよ、その有難さは!」
此処にいる誰も得をしない、と生徒会長、ピシャリ。
ブルー 「せめて口くらいは慎みたまえ!」
Aブルー「もっと語りたいくらいだけどねえ、ぼくとしては!」
ブルー 「法要の導師が、ぼくに変わってもいいと?」
Aブルー「えっ?」
それは一体どういうことかな、と丸くなるソルジャーの瞳。
Aブルー「君に変わるって、より有難い法要になるのかな?」
ブルー 「馬鹿々々しい…。厳粛に営んではあげるけどねえ…」
何の効果も無いだろうね、と生徒会長、涼しい顔。
ブルー 「ぼくの法要は三界万霊のための法要だからさ」
Aブルー「え…。えっと…?」
ブルー 「お中日の法要の定番だってば! あちこちのお寺の」
特定の仏様のためではないのだ、とキッパリと。
ブルー 「スッポンタケの供養はスルーで突っ走るだけ!」
Aブルー「そ、そんな…!」
ブルー 「それが嫌なら、余計なことは喋らない!」
法要だけを頼んで帰りたまえ、と指差す玄関。
ブルー 「ほら、サッサと!」
Aブルー「わ、分かったよ…! 法要よろしく…!」
キース君に深々と頭を下げて、消え失せた姿。
シロエ 「帰りましたね、迷惑な人が」
キース 「だが、法要は押し付けられたぞ…」
ブルー 「その件は、もう仕方ないよね…」
撃退できただけでも良しとしよう、と溜息が。
まあ、そうでしょうねえ…?
2018/09/16 (Sun)
☆お彼岸さえ終われば
九月と言えば秋のお彼岸、ソルジャーが頼んで帰ったのが法要。
もう避けようがなくなったわけで、シャン学メンバーも溜息で。
シロエ 「またですか…。お彼岸の度に法要ですよ」
スウェナ「先月がお盆で、棚経をやったばかりなのにね…」
キース 「だが、これが終われば、当分、暇だぞ」
来年の春のお彼岸までは…、と副住職の言。
キース 「坊主にとっても山なんだ、此処が」
ブルー 「地獄のお盆が終わった途端に、次が来るしね」
間が1ヶ月ほどしかないし…、と生徒会長も。
ブルー 「おまけに残暑で、もう本当に大変だけどさ…」
キース 「無事に乗り切ったら、後は惰性でなんとかなる!」
座禅の宗派はそうもいかんが…、と立てる親指。
キース 「しかし、俺たちは宗派が違うし、楽なもんだな」
ブルー 「うん。座禅の方だと、まだまだ地獄」
そっちじゃなくて良かったよね、とニッコリと。
ブルー 「他のみんなも、最後の踏ん張り所だから!」
シロエ 「…そうなんでしょうか?」
マツカ 「安心できない気がしますけど…」
年がら年中災難ですし…、と御曹司。
マツカ 「気を抜いていたら、またドッカンと…」
ブルー 「それはそうかもしれないけどねえ…」
法要としては、これでフィニッシュ、と銀青様の太鼓判。
ブルー 「どうせ逃げても追い掛けてくるし、前向きに!」
シロエ 「迎撃するのは無理でしょうね?」
サム 「あの馬鹿野郎に敵うのかよ?」
下手にやったら倍返しだぜ、とサム君、ブルブル。
サム 「仕方ねえ…。お中日は真面目にやってやろうぜ」
キース 「すまんが、みんな、よろしく頼む」
この通りだ、とキース君、深々と土下座。
キース 「俺は読経に徹するからな、お前たちも…」
シロエ 「分かりました。刺激しないようにしますよ」
ブルー 「触らぬ神に祟りなし、だしね」
一同 「「「はーい…」」」
何事も起こりませんように、と神妙な顔で頷く御一同様。
さて、どうなる…?
2018/09/17 (Mon)
☆御馳走も大事
九月と言ったら秋のお彼岸、アッと言う間に法要の日のお中日。
此処が最後の踏ん張り所、と生徒会長宅に集った御一同様。
シロエ 「おはようございます。法要、今日で終わりですよね」
サム 「今年の分は、っていうだけだぜ」
スウェナ「そこが悲しい所なのよね、来年以降も続くのが…」
なんでこういうことになるのよ、とスウェナちゃんの嘆き。
スウェナ「キースが余計なことをするから、年がら年中…」
ブルー 「そうなんだけどね…。どうしようもないから」
諦めたまえ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「どんなに対策を立ててみたって、最終的にはさ…」
サム 「俺たちがババを引く仕組みなんだぜ」
シロエ 「キース先輩が逃げてしまったら、悲惨ですしね…」
他のお坊さんが法要ですよね、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「どう転がっても、ぼくたちは法要に出席で…」
ブルー 「そこは間違いないだろうねえ、相手はアレだし」
とても太々しい人間だから、と生徒会長、苦々しい顔。
ブルー 「法要が盛り上がればいいと思ってるわけで…」
シロエ 「セットものの御馳走も大切みたいですね?」
ジョミー「思いっ切り、食い意地、張ってるしね…」
マツカ 「あっちの世界の、ぶるぅ並みですね」
アレよりかは多少マシかもですが…、と御曹司も。
マツカ 「なにしろ、ぶるぅは悪戯も酷いものですし…」
サム 「食い散らかすだけでは済まねえしな…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅ、いいお友達だよ!」
一同 「「「うーん…」」」
そう言われても…、と思いはしても、逆らえないのが今の局面。
シロエ 「ま、まあ…。いい子ではあるんでしょうね、アレ…」
マツカ 「ぶるぅが言うなら、そうなんでしょう」
ぶるぅ 「なんでも美味しそうに食べてくれるし、嬉しいの!」
サム 「うんうん、ぶるぅの飯は美味いからよ…」
ジョミー「今日もよろしく!」
御馳走になります、と頭を下げる面々。
食料は大事ですもんね?
2018/09/18 (Tue)
☆御馳走が楽しみ
やって来ました、秋のお彼岸のお中日。嫌でも法要に強制参加。
諦めるしかないシャン学メンバー、期待するのは御馳走だけで。
シロエ 「法要の後の御馳走が楽しみって、悲しいですよね…」
マツカ 「本当に…。他に楽しみが無いからですけど」
スウェナ「法要を楽しめるようになったら、おしまいだわね」
ジョミー「ぼくも、そう思う…」
そんな境地になれそうもないよ、と一応は僧籍な人。
ジョミー「もしかして、キースは楽しいのかな?」
一同 「「「え?」」」
ジョミー「プロのお坊さんだと、楽しみ方もあるのかな、って」
一同 「「「うーん…」」」
どうなんだろう、と誰もが首を捻ってますけれど。
ブルー 「楽しみだという人もいるねえ、坊主の世界じゃ」
ジョミー「やっぱり?」
ブルー 「大きな法要は、親睦会みたいなものだから…」
呼ばれるのを待っている人たちだって…、と銀青様。
ブルー 「法要の後の宴会の方がお目当てだけどさ」
シロエ 「お坊さんでも、御馳走に惹かれるわけですね?」
ブルー 「そのくらいは許してあげて欲しいな」
坊主といえども人間だから、と広げる両手。
ブルー 「厳しい修行中でなければ、御馳走も心の潤いで…」
ジョミー「プロでそれなら、ぼくたちがそのコースでも…」
マツカ 「無理もないという感じですね…」
今日の御馳走に期待しましょう、と御曹司も。
マツカ 「ぶるぅが腕を奮ってくれる筈ですから」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お膳も任せといてね!」
一同 「「「お膳…」」」
そういうモノもあるんだった、と一同、溜息。
シロエ 「なんで御馳走しなきゃダメなんですか! アレに!」
サム 「腐っても主役に違いねえしよ…」
お膳は要るよな、とサム君の答え。
サム 「でねえと、今日の法要がよ…」
シロエ 「思いっ切り、無駄飯食らいです!」
ブルー 「そうかもね…」
シロエ 「無駄ですよ!」
もったいないです、という意見ですけど。
正しいですか?
2018/09/19 (Wed)
☆お膳の存在意義
秋のお彼岸のお中日にあるのが、スッポンタケの法要ですけど。
御馳走以外に無いのが楽しみ、そこで出て来たお膳への文句。
シロエ 「いいですか? 本来、お膳というものはですね…」
サム 「お前、僧籍だったっけ?」
シロエ 「このくらいのことは、素人でも充分、分かります!」
小学生でも分かることです、とシロエ君、グッと拳を。
シロエ 「仏様にお供えするのが、法要の時のお膳ですよね?」
サム 「まあ、それは…。間違いねえよな」
ブルー 「個人だろうと、三界万霊だろうと、仏様用だね」
シロエ 「そうでしょう? もちろん、食べられますよね?」
一同 「「「へ?」」」
何をだ、と一同、キョトンとした顔。
サム 「お膳かよ? それとも、仏様かよ?」
シロエ 「お膳に決まっているでしょう! それを仏様が!」
ブルー 「どういう意味だい?」
シロエ 「仏様はお膳を召し上がりますよね、という意味です」
見た目に減るかどうかはともかく…、という話。
シロエ 「五臓六腑がある仏像もあると聞きますし…」
ブルー 「ああ、食べられるかということだね?」
シロエ 「そうです、そうです! 食べるんですよね、お膳?」
ブルー 「うん。精進料理なのは、そのためだよね」
仏様に美味しく食べて頂くためだ、と銀青様。
ブルー 「で、そのお膳が、どうしたって?」
シロエ 「スッポンタケには、食べられないと思うんですけど」
なにしろ口がありませんから…、と鋭い指摘。
シロエ 「手足が無いというだけだったら、その辺はですね…」
サム 「仏様パワーで補えるよなあ…。けど、口は…」
ついでに消化器官もねえよな、とサム君、顎に手を。
サム 「どう転がっても、食えねえか…」
シロエ 「無理なんです! そんな代物に、お膳だなんて…」
ジョミー「供える意味が無いかもね…」
シロエ 「無駄飯食らいの極めつけです、本当に!」
肥料でいいんじゃないですか、と凄い台詞が。
キノコですしね?
2018/09/20 (Thu)
☆ゲテモノな説
秋のお彼岸はスッポンタケの法要、お中日に厳修なんですけど。
当日に出たのがお膳への文句、スッポンタケには勿体ないとか。
サム 「肥料って…。お膳の代わりに肥料なのかよ?」
シロエ 「いけませんか?」
相手はキノコなんですからね、とシロエ君が睨む祭壇。
シロエ 「いくらお膳を供えてみたって、食べないんですよ?」
マツカ 「そうですね…。お膳のままでは無理ですよね」
スウェナ「百歩譲っても、堆肥にしないと吸収できないわね」
成長し切ったキノコに養分が要るかは謎だけど、という声も。
スウェナ「成長前の段階だとしても、やっぱり堆肥ね」
シロエ 「そうでしょう? ですから無駄だと言うんです」
お膳を作るよりも肥料の方が…、と、もっともな意見。
シロエ 「スッポンタケだって、その方がいいと思いますよ?」
サム 「案外、そうかもしれねえなあ…」
シロエ 「お膳は、絶対、ゲテモノに見えてますってば!」
どう転がっても食べられません、と言われてみれば、その通り。
サム 「うーん…。俺たちだって、食えねえモノをよ…」
シロエ 「どうぞ、と出されたら困るでしょう?」
ジョミー「ゲテモノだって、好きな人には美味しいんだしね…」
マツカ 「芋虫だとか、色々なものがありますよね」
普通に食用になってる物が、と御曹司も。
マツカ 「ぼくたちから見ればゲテモノですけど、御馳走で」
シロエ 「そこなんです。スッポンタケだって同じですよ」
スッポンタケを食べるという意味ではなくて…、とシロエ君。
シロエ 「立派なお膳を出された所で、食べられませんし」
ジョミー「そうだよね…」
キノコの視点じゃゲテモノだよね、とジョミー君、しみじみ。
ジョミー「肥料の方が喜ぶのかもね、お膳より…」
マツカ 「間違ってたかもしれませんねえ、お供え物が…」
シロエ 「だからお膳は無駄なんです」
一同 「「「うーん…」」」
確かに無駄飯食らいかも、と思う御一同様。
一理ありますね?
2018/09/21 (Fri)
☆肥料と御馳走
秋のお彼岸のお中日にはスッポンタケの法要、もはや年中行事。
けれど此処に来て出て来た意見が、お膳よりも肥料という説で。
シロエ 「今までずっと、ぶるぅが作ったお膳をですね…」
サム 「律義に供えて来たんだけどよ…。無駄だったってか」
シロエ 「どう考えても、そうじゃないかと思いますけど」
スッポンタケには無理すぎる御馳走なんですから、とシロエ君。
シロエ 「精進料理のお膳よりかは、肥料の方を喜びます!」
マツカ 「化学肥料よりも、堆肥でしょうね…」
スウェナ「自然素材がいいのよ、きっと」
ジョミー「じゃあ、もしかして…。有機肥料とか?」
自然の中で育つんだしね、とジョミー君がブツブツと。
ジョミー「堆肥もいいけど、肥がいいとか」
一同 「「「肥?」」」
ジョミー「うん。ぼくも本物は見たことないけど、肥溜めの肥」
一同 「「「うーん…」」」
絶対に無いとは言い切れないな、と誰もが思う有機肥料。
シロエ 「ずっと昔は、肥料と言ったら肥ですしね…」
マツカ 「そうですね…。今では有り得ませんけれど」
ジョミー「その分、幻の御馳走かもね」
サム 「珍味なのかもしれねえなあ…」
何処に行ってもねえんだもんな、と頷くサム君。
サム 「でもよ、いくら御馳走で珍味でもよ…」
ジョミー「肥を供える線は無いよね、スッポンタケに」
スウェナ「当たり前じゃないの、迷惑すぎるわ!」
お膳の方が遥かにマシよ、とスウェナちゃんが叫んでますけど。
??? 「幻の珍味がどうしたって?」
一同 「「「ひぃぃっ!」」」
出たぁ! という悲鳴でソルジャー(会話表記はAブルー)が。
Aブルー「出たって、人を幽霊みたいに…。失礼だよね」
ブルー 「予告も無しに、いきなり来るから言われるんだよ!」
シロエ 「心臓が止まりそうになるじゃないですか!」
Aブルー「まあ、いいけどさ…。それより、幻の珍味の話は?」
是非とも聞かせて貰いたいね、と乗り出す膝。
ヤバイのでは…?
2018/09/22 (Sat)
☆珍味だと聞いて
スッポンタケの法要の日ですけれども、お膳が無駄だという話。
相手はキノコで、人間用の御馳走よりも肥料を好みそうなブツ。
Aブルー「幻の珍味があるんだって? スッポンタケ向けの」
シロエ 「え、ええ…。まあ…」
サム 「馬鹿野郎、バラしてどうするよ!」
真面目に後がねえじゃねえか、と焦るサム君。
サム 「しらばっくれるって線もあるのに、何してんだよ!」
シロエ 「正論ですけど、誤魔化し切れる相手ですか?」
一同 「「「うーん…」」」
確かに無理かも、と一理あるのがシロエ君の言い分。
シロエ 「だったらサッサとバラした方が、まだマシですよ」
ジョミー「でもさ…。正体がアレだしさ…」
Aブルー「それって、入手が難しいのかい?」
幻の珍味なんだよね、とソルジャー、興味津々。
Aブルー「量が少ないから、産地で消費されちゃうとか?」
シロエ 「少なくとも、市場に出回ることは無いです」
Aブルー「やっぱりねえ…! だけど価値ある珍味なんだね」
スッポンタケが大喜びで…、と輝く瞳。
Aブルー「それは是非とも手に入れたいよね、今日のために!」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「キースが来るのは、もう少し後になるからさ…」
幻の珍味をお供えしたい、とソルジャー、真剣。
Aブルー「何処に行ったら手に入るんだい?」
シロエ 「さ、さあ…? 昔は何処でもあったんでしょうが…」
マツカ 「今の時代は、法律で禁止じゃないんでしょうか」
衛生上の問題とかで…、と御曹司。
マツカ 「色々と難しそうですからねえ、使うにしても」
スウェナ「作る段階からして、問題だわよ!」
ご近所に迷惑がかかるじゃないの、とスウェナちゃんも。
スウェナ「山奥の限界集落とかで作っても、苦情が出るわよ」
ジョミー「だよねえ、それに危ないしさ…」
シロエ 「貯蔵施設に落ちたら悲劇ですしね」
Aブルー「ふうん…?」
それは危険な代物なのかな、と訊かれましても。
どう答えれば…?
2018/09/23 (Sun)
☆危険すぎる珍味
スッポンタケの法要の日なんですけど、喜びそうなお膳が問題。
御馳走よりも肥料では、と話していた所へソルジャーが来て…。
Aブルー「貯蔵施設に落ちると悲劇って、命が無いわけ?」
ジョミー「う、うん…。多分、場合によっては…」
サム 「助かっても、心の傷になるのは間違いねえぜ」
Aブルー「トラウマねえ…。やっぱり危険なモノなんだね」
だけど欲しい、と握り締める拳。
Aブルー「虎穴に入らずんば虎児を得ず、って言うからねえ…」
シロエ 「は、はあ…。本当にアレが欲しいんですか?」
Aブルー「スッポンタケが喜ぶ、幻の珍味なんだろう?」
手に入れなければ男がすたる、と燃えている人。
Aブルー「スッポンタケが喜んでくれれば、パワーアップで!」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「みんな慣れてると思うけど?」
ブルー 「言わなくていいから!」
聞きたい人は一人もいない、と生徒会長、キッパリと。
ブルー 「それより法要に向けて心を鎮めたまえ!」
Aブルー「その法要だよ、お供えをゲットしなくっちゃ!」
ぶるぅ 「んとんと…。お膳は作ってあるんだけれど…」
Aブルー「喜ばれるのは、幻の珍味なんだろう?」
追加で是非とも欲しいものだ、とソルジャー、真剣。
Aブルー「最高のおもてなしをしたいからねえ、法要では!」
シロエ 「あのですね…。ぼくたちが迷惑するんです」
Aブルー「どうしてだい?」
シロエ 「とても相性が悪いからです、幻の珍味と!」
あんな代物をお供えされてはたまりません、とブルブルブル。
シロエ 「同じ部屋にはいられませんよ!」
Aブルー「そこまでなのかい?」
危険が半端じゃなさそうだよね、と丸くなる瞳。
Aブルー「そうと聞いたら、手に入れるだけの価値があるよね」
シロエ 「いえ、価値なんかはありませんから!」
サム 「まったくだぜ…」
Aブルー「真価が分かりにくいんだね?」
ますますもって価値がありそう、と大真面目。
そうなんですか?
2018/09/24 (Mon)
☆ヤバすぎる肥料
スッポンタケの法要を前に、ソルジャーが欲しいのが幻の珍味。
いわゆる有機肥料というヤツ、昔は肥溜めで作っていた肥で…。
Aブルー「知る人ぞ知る珍味となったら、有難味も抜群!」
シロエ 「有難くなんかないですから! 真面目な話!」
Aブルー「それは君たちにとっての話というだけだろう?」
スッポンタケの身になってみたまえ、とソルジャーも真面目。
Aブルー「飾りに等しいお膳なんかより、断然、珍味!」
ジョミー「ホントかなぁ? 正体を知ったら、要らないかも…」
スウェナ「それは言えてるわね、アレなんだものね」
Aブルー「ぼくが要らないと言うわけがないよ、絶対に!」
大事なスッポンタケのためならば…、と言ってますけど。
ブルー 「うーん、どうだか…。味見する人もいたらしいけど」
一同 「「「ええっ!?」」」
ブルー 「プロ中のプロは、熟成具合を調べたらしいね」
指で掬ってペロリと舐めて…、と恐ろしい話が。
サム 「マジかよ、ソレ!?」
ブルー 「昔の人を舐めちゃダメだよ、肥料は大切!」
作物の出来で暮らしぶりが左右されるんだから、と生徒会長。
ブルー 「今の時代の肥料と違って、出来不出来がね…」
Aブルー「ほらね、真価が分かる人には分かるんだよ!」
ぼくにも理解できる筈だ、と絶大な自信。
Aブルー「ところで、何処へ行ったら手に入るのかな?」
シロエ 「この国では無理だと思います!」
マツカ 「ご禁制かどうかは知りませんけど…」
その肥料で作った作物は売れません、と御曹司の断言。
マツカ 「衛生面で不安がありすぎますよ」
Aブルー「えーっと…?」
それはどういう意味かな、とソルジャーの問い。
Aブルー「食中毒の危険があるとか?」
ブルー 「大いにあるねえ、ついでに病気の感染とかも」
サム 「あー…。そっち方面もヤバイよなあ…」
Aブルー「いったい、どんな肥料なのさ?」
諸刃の剣というヤツかな、と捻っている首。
無理もないですね?
2018/09/25 (Tue)
☆由緒ある肥料
スッポンタケの法要のために、ソルジャーが欲しがる幻の珍味。
その正体は肥溜めの肥で、供えられたら誰もが困るのは確実。
Aブルー「食中毒だの、感染だのと、穏やかじゃないね?」
ブルー 「ダイレクトに入っているだろうしね、危険なモノが」
Aブルー「それで製造禁止なわけ? この国では…?」
ブルー 「個人でコッソリ作る分には、いいかもだけど…」
出荷するのは不可能だろうね、と生徒会長の言。
ブルー 「何かあったら、賠償金だけでも大変だから」
Aブルー「うーん…。他所の国なら、手に入るのかい?」
ブルー 「使ってる国は多いだろうけど、欲しいわけ?」
Aブルー「それはもう! キースが来る前に、瞬間移動で…!」
出掛けて行って買い付けてくる、と燃えてますけど。
ブルー 「好きにしてくれればいいけどね…。そこまでなら」
シロエ 「会長、許可してどうするんです!」
サム 「えらいことだぜ、あんなのを持ち込まれたら…!」
Aブルー「大丈夫! 病原菌とかなら、シールドを張って…」
防ぐからね、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「ところで、肝心の肥料の名前は、なんて言うわけ?」
ブルー 「肥だけど?」
Aブルー「それじゃ分からないよ、もっと詳しく!」
ブルー 「肥は肥だとしか…」
そもそも製造場所も肥溜め、とフウと溜息。
ブルー 「それを他所の国で何と呼ぶかは、ぼくも知らない」
Aブルー「えーっと…?」
まるで手掛かりになってないよ、と慌てる人。
Aブルー「もっとヒントを!」
シロエ 「…あえて言うならトイレでしょうか」
Aブルー「トイレ?」
どういう意味さ、とソルジャー、キョトン。
シロエ 「ですから、トイレで手に入るんです! 材料が!」
Aブルー「手に入るって…?」
ブルー 「そのまんまだけど?」
Aブルー「もしかしなくても、材料は人間の排泄物…?」
ブルー 「ピンポーン!」
とても由緒ある肥料だけどね、と生徒会長の笑顔。
まあ、そうですね…?
2018/09/26 (Wed)
☆無理すぎる費用
スッポンタケのお供え用に、ソルジャーが欲しい珍味ですけど。
有機肥料の最たるもので、肥溜めで作る肥というのが問題で…。
Aブルー「ゆ、由緒ある肥料って…。排泄物が…?」
ブルー 「歴史的に見ても、基本だろうと思うけれどね?」
誰の排泄物かはともかく…、と生徒会長、涼しい顔。
ブルー 「人間様のヤツでなくても、動物のとか」
Aブルー「それはそうだけど、手に入れようと思ったら…」
トイレを狙わないといけないのかな、とソルジャー、愕然。
Aブルー「ぼくのシャングリラだと、即、浄化施設送りで…」
ブルー 「この国でも大抵、そうだから! 下水完備で!」
今どき、汲み取り式のトイレは珍しいよ、と生徒会長、腕組み。
ブルー 「そういうトイレを見付けたとしても、熟成がね…」
シロエ 「出来ていないというわけですね?」
ブルー 「うん。トイレ直送だと、使っても枯れるよ」
どんな作物にもキツすぎてね…、という話。
ブルー 「過ぎたるは及ばざるが如し、ってトコかな」
Aブルー「どっちにしたって、臭いが半端なさそうだけど!」
ブルー 「当然じゃないか」
シールドで解決すればいいだろう、と突き放し。
ブルー 「欲しいと言い出したのは君だし、頑張ってみれば?」
Aブルー「で、でも…。ハードル高すぎ…」
ブルー 「お釈迦様の国なら、あると思うよ?」
肥溜めも肥も、と親切な言葉。
ブルー 「中華料理の国の田舎でも、多分、現役」
Aブルー「貰って来いと…?」
ブルー 「君がこだわりたいならね!」
スッポンタケを喜ばせたいのなら…、とニコニコニッコリ。
ブルー 「ぼくたちにばかり頼っていないで、君も頑張る!」
Aブルー「綺麗好きのぼくには、無理すぎだから!」
シロエ 「あのですね…。掃除は嫌いじゃなかったですか?」
サム 「うんうん、青の間、散らかり放題らしいよな」
Aブルー「それとこれとは別問題!」
ぼくは清潔なのが好き、と慌ててますけど。
ピンチなのでは…?
2018/09/27 (Thu)
☆供養になるブツ
スッポンタケのお供え用に、ソルジャーが欲しがった幻の珍味。
けれど正体を知ってビックリ、どうやら要らないらしくって…。
ブルー 「君が清潔好きだなんて話は、聞いてないけど?」
ジョミー「お掃除部隊が突入するほど、酷いんだよね?」
スウェナ「そう言ってるわよね、ずっと前から」
自分でバラしていたじゃないの、とスウェナちゃん。
スウェナ「だから気にすることはないわよ、肥くらい!」
シロエ 「ですよね、自分で貰いに行ってくれるなら」
マツカ 「臭いをシールドしてくれるんなら、問題なしです」
サム 「俺たちは見なけりゃいいんだしよ…」
お膳の中身が何であろうと気にしねえ、とサム君も。
サム 「早く行かねえと、法要に間に合わねえぜ?」
ブルー 「じきにキースが来るだろうしね」
Aブルー「で、でも…。そんな肥料は…」
ブルー 「君の大事な、スッポンタケのためだろう?」
ぼくたちにばかり無理をさせるんじゃない、と説教節。
ブルー 「たまには君も我慢する! それでこそ供養!」
Aブルー「そ、そんな…!」
ブルー 「この上なく功徳を積めると思うよ、その肥で!」
分かったらサッサと行って来い、と生徒会長が指差す方角。
ブルー 「中華の国の田舎も、お釈迦様の国も、あっちの方!」
Aブルー「う、うう…」
ぶるぅ 「あれっ、お客様かな?」
チャイムだよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が玄関へと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 早かったね!」
キース 「急いで来ないと、うるさい野郎がいるからな」
邪魔をするぞ、と副住職が到着。
キース 「ほほう…。準備万端整っているな」
ぶるぅ 「んとんと…。あとはお膳なんだけど…」
足りていないの、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「これからお取り寄せでも間に合う?」
キース 「何か特別なモノなのか?」
ぶるぅ 「とても供養になるモノだって!」
キース 「なら、待とう」
お施主様の意向は酌まないと、と大真面目な人。
リーチですか…?
2018/09/28 (Fri)
☆欲しくないブツ
スッポンタケのお供えにいい、とソルジャーが思った幻の珍味。
ところが正体は肥だったわけで、流石に要らないようですが…。
キース 「今日の法要は此処だけだしな…。俺は急がん」
シロエ 「いいですねえ…! お取り寄せ便を待てるんですね」
キース 「お施主様が是非にと仰るのならば、待たんとな」
それが坊主の道というもの…、と副住職。
キース 「そのお供えはいつ届くんだ? 即日配達のようだが」
ぶるぅ 「んーとね、今から探しに行くの!」
キース 「探すだと?」
ぶるぅ 「そだよ、この国では手に入らないから!」
中華の国か、お釈迦様の国まで行くの、とニコニコニコ。
キース 「そうなのか…。すると、あんたが行くんだな?」
Aブルー「ぼ、ぼくは行くとは言ってないから!」
キース 「だが、あんたしかいないだろうが」
ブルー 「そういうことだね、ぼくはキッパリお断りだし」
こういうのは自力で調達だろう、と生徒会長、冷たい声音。
ブルー 「自分の力で手に入れてこそ、功徳になるんだよ」
キース 「ああ。待っているから、サッサと行って来てくれ」
Aブルー「行きたくないし…!」
それに欲しくもないんだけれど、とソルジャー、ドン引き。
Aブルー「ぶるぅのお膳で充分だから!」
キース 「解せんな、供養になるモノだろう?」
万難を排しても欲しい筈だが…、と副住職の疑問。
キース 「あんたのやり方は常にそうだし、金も潤沢で…」
シロエ 「そうですよねえ?」
ジョミー「誰に迷惑かけたとしたって、欲しがるよね?」
サム 「間違いねえな」
今までに一度の例外もねえ、とサム君、断言。
サム 「なのに自分に不利になったら、逃げるってえのは…」
キース 「そういう流れになっているのか?」
シロエ 「ええ。ぼくたちは我慢すると言ったんですけど…」
キース 「いかんな、法要を断られたいか?」
Aブルー「えっ…」
断わるだなんて、と慌てるソルジャー。
どうなるんでしょう…?
2018/09/29 (Sat)
☆供養はスルーで
スッポンタケの法要のお供えにいいのが、幻の珍味ですけれど。
正体はいわゆる肥というヤツ、ソルジャーでさえも引く代物で。
Aブルー「なんで法要を断るのさ!」
キース 「お施主様にやる気がないとなったら、そうなるな」
お彼岸だろうが、年忌だろうが…、と副住職。
キース 「まあ、準備だけは出来てるようだし、今日は普通に」
シロエ 「どうするんですか?」
キース 「お中日の法要をさせて頂くだけだ」
スッポンタケの供養は抜きで、とキース君、合掌。
キース 「では、早速…」
一同 「「「はーい!」」」
善は急げ、とシャン学メンバー、サッと正座を。
シロエ 「どうぞ、いつでも始めて下さい」
Aブルー「ちょ、ちょっと…!」
キース 「文句があるなら、お供えを急いで調達して来い!」
供養の追加はいつでも出来る、と着替えに出掛けた副住職。
Aブルー「ど、どうしよう…。このままでいくと…」
シロエ 「いい法要になりそうですねえ、お彼岸の」
ブルー 「それが嫌なら、頑張りたまえ」
何を持ち込んでも歓迎するよ、と生徒会長、満面の笑み。
ブルー 「スッポンタケも喜ぶだろうし、最高だよね」
Aブルー「で、でも…」
キース 「急げよ、法要を始めるからな」
着替えも済んだし…、と副住職も座布団に正座。
キース 「1時間ほどは余裕でかかる。その間に行け」
Aブルー「今のお膳じゃダメなわけ…?」
キース 「あんたの望みの法要はな!」
早くしろよ、と蝋燭に点火。
キース 「お供えを持って来なかった時は、スルーで終わる」
シロエ 「それでいきましょう!」
Aブルー「だ、誰か…!」
誰か助けて、と言ってますけど、全員、無視して合掌。
キース 「願我身浄、如香炉~…、願我心浄、智慧火~…」
Aブルー「待って! 頼むから、法要、待って…!」
キース 「お経が終わるまでに戻れよ」
Aブルー「あああああ…!」
スッポンタケが、と絶叫ですけど。
今月、これにて中継終了~。
2018/09/30 (Sun)