☆秋が暑くても
さて、九月。まだまだ暑さが残ってますけど、夏休みも終わり。
とはいえ休日ともなれば、生徒会長宅に集うシャン学メンバー。
シロエ 「暑いですねえ、今年の秋も…。まだ夏と言うか」
ジョミー「9月は夏に入るよね、絶対」
サム 「秋ってえのは、やっぱ10月からのモンだろ?」
9月は残暑が厳しいからよ…、とサム君も。
サム 「暑さ寒さも彼岸まで、って嘘だぜ、あれは」
キース 「まったくだ。お彼岸の法要で着る衣も、だ…」
本当だったら夏の衣にしたいくらいだ、と副住職。
キース 「しかし暦の上では秋だし、そうもいかなくて…」
スウェナ「でも…。此処はクーラー効いてるわよ?」
毎年、此処で法要じゃないの、とスウェナちゃんのツッコミ。
スウェナ「誰かさんのせいで、私たちまで巻き込んで…」
シロエ 「そうでした! 先輩、元老寺にはいませんよね?」
衣で文句を言わなくても…、とシロエ君からも重ねて指摘。
シロエ 「そりゃ、ぼくたちよりは厚着ですけど…」
マツカ 「着物は半袖じゃないですしね…」
サム 「下にもビッチリ着込むんだぜ?」
あれは暑い、と僧籍な人。
サム 「棚経の時は地獄だけどよ…。お彼岸はよ…」
シロエ 「クーラーがあるのに、なんで文句があるんです!」
キース 「…お彼岸は、お中日だけではないぞ」
その前後だってあるんだからな、と副住職の渋面。
キース 「お盆と同じで墓回向もあるし、色々と…」
一同 「「「あー…」」」
言われてみれば…、と誰もが納得。
シロエ 「法要、此処だけじゃないんですね?」
キース 「檀家さんを呼ぶほどではないが、こう、初日から…」
寺では色々とあるものなんだ、と解説が。
キース 「ウチは親父が厳しいからな、普段の衣は厳禁だ」
シロエ 「夏仕様にするのもダメなんですね?」
キース 「暦にうるさい世界だからな」
一同 「「「うわー…」」」
暑くても秋の衣なのか、と一同、ガクブル。
キツイですよね…。
2018/09/01 (Sat)
☆お彼岸の暑さ
生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、話題は残暑ですけれど。
秋のお彼岸のキース君の衣は、どんなに暑くても秋仕様だとか。
シロエ 「お彼岸でも30℃超えは普通ですしね…」
ジョミー「でも、墓回向の時は普段着だよね?」
普通に黒の衣だよね、とジョミー君。
ジョミー「正式なヤツは着なくてもいいと思うんだけど…」
キース 「お前も少しは勉強したか。確かに正解なんだがな…」
スウェナ「普段の衣なら、まだマシじゃないの」
シロエ 「フル装備ってわけじゃないですしね…」
袈裟も輪袈裟で済む筈ですよね、とシロエ君も門前の小僧状態。
シロエ 「だったら、それほど暑くはない気がします」
マツカ 「どうでしょう? 夏の普段着なら涼しそうですが」
スウェナ「あれはいいわよね、生地が透けてて」
キース 「……見た目だけだぞ?」
他人様から見て涼しげなだけだ、とブツブツブツ。
キース 「サムもジョミーも経験者だしな、棚経で」
ジョミー「ぼくは他のを知らないからさ…」
サム 「俺も棚経で着るだけだしよ…」
比較できねえ、とサム君の答え。
サム 「涼しいってわけじゃねえのかよ?」
キース 「ハッキリ言うが、本当に見た目だけなんだ!」
アレで墓回向はマジで地獄だ、と副住職。
キース 「お彼岸はいくらか涼しくなっても、それと同じで…」
シロエ 「やっぱり地獄なんですか?」
キース 「なにしろ、思い切り屋外だからな!」
燦燦と日が照り付けるのだ、と指差す窓。
キース 「ああいう太陽が容赦なく!」
シロエ 「暑そうですね…」
マツカ 「帽子も被れませんからね…」
熱中症になるかもですね、と御曹司も。
マツカ 「気を付けて頑張って下さい、お彼岸」
キース 「ああ。墓回向でだけは、音を上げられんしな」
シロエ 「どうしてです?」
キース 「暑ければ剃れと言われるからだ! 坊主頭に!」
一同 「「「うわー…」」」
ソレか、と仰け反る御一同様。
正論ですけどね…。
2018/09/02 (Sun)
☆暑ければ剃れ
九月と言ったらお彼岸ですけど、まだまだ暑さが残るシーズン。
なのにキース君の衣は秋ので、残暑は考慮されていなくて…。
シロエ 「暑い原因、髪の毛なんだと言われるんですね?」
キース 「ああ。俺は涼しいと思うんだがな…。坊主頭よりも」
断熱効果はあると思う、と大真面目なのが副住職。
キース 「直射日光が照り付けるよりも、ワンクッションだ!」
シロエ 「それは言えてますね…。自前の帽子というわけで」
スウェナ「剃った方がジリジリ炙られそうよね、太陽で…」
キース 「絶対、そっちになる筈なんだが…」
あの親父には理屈が通らん、と深い溜息。
キース 「スッパリ剃ったら涼しくなるぞ、の一点張りで」
シロエ 「……言われたんですか?」
キース 「何年も前に愚痴った時にな!」
あれ以来、怖くて愚痴も言えない、と竦める肩。
キース 「親父にとっては、俺の髪の毛は目障りらしいし…」
ブルー 「そうだろうねえ、アドス和尚はツルツルだからね」
キース 「俺が一度も剃っていなければ、マシだったろうが…」
生憎と剃ってしまったからな、と嘆き節が。
キース 「住職の資格を取る道場では、坊主頭が必須だったし」
シロエ 「サイオニックドリームで誤魔化してましたよね?」
キース 「親父は、そんな事情は知らないからな…」
覚悟があれば剃れると信じている、とブツブツブツ。
キース 「だから機会があれば言うんだ、綺麗に剃れと!」
一同 「「「うーん…」」」
そればっかりは仕方ないな、と誰もが思う事情というヤツ。
シロエ 「最初に誤魔化すからですよ。ちゃんと剃らずに」
キース 「それはそうだが…」
お前たちに俺の苦悩が分かるか、と指差す頭。
キース 「一度は坊主の道を捨てたほどだぞ、坊主頭が原因で」
シロエ 「剃ったら似合わなかったから…ですよね?」
キース 「出家して、法名を貰う時にな!」
致命的に似合っていなかったんだ、と言ってますけど。
どうなんでしょう…?
2018/09/03 (Mon)
☆目撃者はゼロ
九月と言ったら秋のお彼岸、お坊さんに厳しいのが残暑でして。
キース君が暑いと愚痴る墓回向、けれど文句を言ったら終わり。
シロエ 「坊主頭が似合わなかった件は、聞いてますけど…」
スウェナ「それって、シロエは見ていないの?」
シロエ 「まだ、お付き合いが無かったんです」
柔道の道場で出会ったのは、ぼくが中学の時なので…、と。
シロエ 「キース先輩は出家した後で、お寺を継ぐ気を…」
サム 「失くしていたっていう時期なのかよ?」
シロエ 「はい。俺はやりたいようにする、が口癖でした」
キース 「喋りすぎだぞ、シロエ」
締められたいのか、とキース君が吊り上げる眉。
キース 「お前だけが生き証人なんだからな、その辺の」
シロエ 「す、すみません…!」
キース 「坊主頭の俺と出会っていたなら、危なかったな」
そんな記憶を持っているヤツを放置できるか、という脅しが。
キース 「ブルーに頼んで記憶を消去とか、こう、色々と…」
ブルー 「……高くつくよ?」
記憶の消去にかかる費用は…、と生徒会長。
ブルー 「誰かさんは日常茶飯事だけど、ぼくは滅多に…」
スウェナ「使わないわね、そういえば」
ブルー 「サイオンがもったいないからね!」
自発的に使うなら別だけれども…、と片目をパッチン。
ブルー 「例えばキースの記憶の中から、鏡に映った…」
サム 「坊主頭かよ、似合わなかったとかいう…」
ブルー 「そう! その記憶をスッと抜き出してさ…」
みんなに配るとかなら無料で、とニコニコニッコリ。
ブルー 「希望者が多いなら、相談に乗るよ」
シロエ 「本当ですか!?」
一度見てみたかったんですよ、とシロエ君の輝く瞳。
シロエ 「先輩の家には、アルバムとかもあるでしょうけど」
ブルー 「あー…。それを取り寄せるって手もあるねえ!」
キース 「お、おい、貴様ら…!」
ブルー 「……貴様だって?」
貴様というのは、ぼくのことかな、と低すぎる声が。
ピンチ…?
2018/09/04 (Tue)
☆災いを呼ぶ舌
九月と言えば秋のお彼岸、お坊さんには厳しい残暑というヤツ。
暦通りに秋の衣で、墓回向となれば容赦ない太陽が燦燦と。
ブルー 「君の態度はなっていないね、プロの坊主なのに」
キース 「い、いや、今のは言葉の綾で…!」
ブルー 「璃母恩院の老師の前でも、同じ台詞を言えるのかな」
口に出した言葉を取り消せるかな、と生徒会長、銀青様モード。
ブルー 「坊主の世界は、目上の人には絶対服従!」
サム 「だよなあ、貴様はねえぜ、貴様は」
キース 「俺が貴様と呼んだ相手は、ブルーじゃなくて…!」
ブルー 「だけど、複数形だったよね…?」
貴様ら、と「ら」がついていたよ、と生徒会長の指摘。
ブルー 「つまり、この場の全員が相手! ぼくも含めて!」
キース 「ち、違う…! 御本尊様に誓って、絶対に!」
ブルー 「どうなんだか…」
誰かさんも酷いけど、キースも大概、と生徒会長、腕組み。
ブルー 「諸悪の根源説はダテじゃないよね、本当に」
シロエ 「そうですね…。口は禍の元を地で行っていますね」
マツカ 「戒名の件も、その後も、いわゆる舌禍ですしね…」
今の失礼すぎる言葉も同列でしょう、と御曹司も。
マツカ 「この辺りで一度、懲りておくのがいいかもです」
スウェナ「そうね、キースのためでもあるわね」
ジョミー「酷い目に遭えば、学習するよね…」
少しはマシになるんじゃないの、とジョミー君。
ジョミー「お彼岸も誰かさんが来るから、その前にさ」
サム 「来るのはガチだぜ、もう間違いなく」
シロエ 「今の間にお灸をすえておきましょう! 危険防止に」
マツカ 「キースが学べば、少しは救いがありそうですよ」
誰かさんが法要を頼みに来ても…、と御曹司も防ぎたい舌禍。
マツカ 「トラウマだという坊主頭を、晒されればですね…」
ジョミー「これからは慎重になるよね、きっと」
キース 「待ってくれ…!」
それだけは嫌だ、と叫んでますけど。
言い分が通る状況ですかねえ…?
2018/09/05 (Wed)
☆防ぎたい舌禍
九月とくれば秋のお彼岸、そこから激しくズレてしまった話題。
キース君の坊主頭が見たいシャン学メンバー、そっちに夢中で。
シロエ 「会長、やってしまって下さい! 記憶の抜粋!」
マツカ 「アルバムを持ってくる方でもいいです、元老寺から」
ジョミー「見たいもんねえ、キースが必死に隠してる姿」
サム 「抑止力にはなるぜ、晒せば」
今度こそ懲りる筈だしよ…、と僧籍な人。
サム 「舌禍ってヤツを思い知ったら、これからはよ…」
スウェナ「喋る前に少しは考えるわよね…」
シロエ 「そうです、そうです! そうしてくれれば…」
マツカ 「例の人が来ても、今より平和になりそうですよ」
キースが災いを呼ばなくなれば…、と御曹司の笑み。
マツカ 「ですから、ここは見るべきでしょう。キースの姿を」
サム 「真の姿というヤツな!」
キース 「何故、そうなるんだ…!」
スウェナ「分からないなら、今日までを思い返しなさいよ!」
どのくらい迷惑かけてくれたのよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「棚経が無事に済んだのが奇跡よ、ブルーの機転で!」
ジョミー「らしいね、爆弾を防いだんだっけ?」
シロエ 「爆弾オブジェを阻止したんですよ、危機一髪で」
もしもオブジェが出来ていたなら悲劇でした、という証言。
シロエ 「そっちを回避できたんですから、お彼岸の方も…」
マツカ 「なんとかしたい所ですけど、難しそうですしね…」
そうそう上手くは行かないでしょう、と御曹司の溜息。
マツカ 「ブルーに頼るよりも前に、出来ることをですね…」
スウェナ「するのがいいわね、ブルーの力が頼りだけれど」
キースに釘を刺しておきましょ、と副住職をギロリと。
スウェナ「私たちだって、舐められたままじゃいないわよ!」
シロエ 「会長、よろしくお願いします!」
ブルー 「らしいよ、記憶とアルバム、どっちがいいかな?」
キース 「そ、そんな…!」
どっちも嫌だ、という絶叫。
往生際が悪いですね…?
2018/09/06 (Thu)
☆抉りたい古傷
九月と言ったら秋のお彼岸、それが来るのがシャン学メンバー。
嫌でも法要の巻き添えなわけで、諸悪の根源を責めたいキモチ。
キース 「俺の古傷なんかを抉って、何が楽しいんだ!」
シロエ 「分かってませんね、ぼくたちの傷を防ぐためです」
マツカ 「キースが失言をやらかす度に、傷が増えますから」
ぼくたちの心は傷だらけです、と御曹司。
マツカ 「古傷だったらマシなんですけど、生傷だらけで…」
スウェナ「傷が治る前に、また思いっ切り生傷だものね…」
ジョミー「キースの古傷、もう痕だけになってるだろうけど…」
サム 「俺たちの傷はカサブタが出来る暇もねえんだぜ?」
出来る前に抉られちまうからよ、とサム君も。
サム 「お前の古傷、ちょっとくらいは抉らせろよな!」
シロエ 「まったくです。自分が痛い目を見ないから…」
マツカ 「どんどん失言をしでかすんですよ、少しも懲りずに」
しっかり懲りておいて下さい、と厳しい注文。
マツカ 「でも、選択の余地はあった方がいいんでしょうか?」
サム 「なんだよ、ソレ?」
マツカ 「記憶の抜粋か、アルバムを持ってくる方か、ですよ」
シロエ 「マツカ先輩も人がいいですねえ…」
両方でもいいくらいですよ、とシロエ君、容赦ないですけれど。
マツカ 「いえ…。世を儚んで出家されたら困りますから」
サム 「出家って…。とっくの昔に坊主じゃねえかよ」
マツカ 「山奥の庵に引き籠るとか、そういうのですよ」
一同 「「「あー…」」」
元が坊主なら、その先の道もあるのかも、と誰もが納得。
シロエ 「キース先輩が消えるというのは、困りますね…」
ジョミー「誰かさんも、そっちに行ってくれたらいいけどね…」
こっちに残留するのでは…、とジョミー君。
ジョミー「山奥とかだと、御馳走も無いし…」
サム 「あの野郎だけが残留なのかよ?」
一同 「「「うわー…」」」
それは避けたい、と一同、ガクブル。
キース君不在はヤバいですね?
2018/09/07 (Fri)
☆不在だと困る
九月と言えば秋のお彼岸、避けられそうもないのが法要でして。
そうなったのもキース君のせいなんですけど、責めすぎると…。
マツカ 「本当にキースに出家されたら、大変ですよ?」
サム 「マジでヤバいぜ、あの馬鹿だけが残ったら…」
ジョミー「法要はキースがするにしたって、普段がね…」
それに法要の後も大変、と言うジョミー君もまた、僧籍な人。
ジョミー「法要と御馳走はセットものだし、そこのトコだけ…」
シロエ 「こっちに来るって言うんですか!?」
ジョミー「うん、間違いなく来ると思うけど」
ぶるぅの美味しい料理を食べに…、とブルブルブル。
ジョミー「ただ食べるだけで済めばいいけど、済むと思う?」
シロエ 「……済まないでしょうね……」
マツカ 「そこまでは考えていませんでしたよ、ぼくも」
法要とは縁が切れると思ってました、と御曹司。
マツカ 「スッポンタケの供養は、キースだけしか…」
シロエ 「そうでしたっけ?」
誰でも出来るんじゃなかったですか、とシロエ君の疑問。
シロエ 「あの戒名さえ持って行ったら、何処のお寺でも」
サム 「あー…。院殿号の仏様だし、歓迎だよな…」
法要の格が上がるからよ、とサム君の意見。
サム 「それでお布施も多いとなったら、やって貰えるぜ」
シロエ 「やっぱり…。そうなると、キース先輩がですね…」
マツカ 「出家隠遁してしまっても、法要の方は…」
今後も続くというわけですか、と悪い顔色。
マツカ 「そうなると、キースの不在はマズすぎですよ」
シロエ 「今までのババが、全部、こっちに来そうですよね」
スウェナ「でもって、文句を持って行く先が無くなるのよ!」
だってキースがいないんだもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「それは困るわ、今以上に!」
マツカ 「坊主頭を見せて貰う件は、選んで貰った方が…」
シロエ 「今後のためには、良さそうですね…」
仕方ないです、と譲歩。
アルバムか記憶か、選べそうですね?
2018/09/08 (Sat)
☆拒否権を行使
九月と言ったら秋のお彼岸、どう転がっても逃げられない法要。
キース君が出家隠遁したって、他のお坊さんが引き受けるだけ。
シロエ 「キース先輩、どっちの方法がいいですか?」
マツカ 「坊主頭の記憶を見せるか、アルバムかですよ」
選ぶ自由は差し上げますよ、と御曹司。
マツカ 「好きな方法を選んで下さい、両方とは言いません」
ジョミー「うん、どっちでも文句は言わないからさ」
キース 「……嫌だと言ったら?」
俺にはそう言う権利がある、と副住職、開き直った目付き。
シロエ 「何の権利です?」
キース 「いわゆる拒否権というヤツだ。それを行使する!」
スウェナ「黙秘じゃないのね?」
キース 「拒否権だ!」
見られたくないモノを見せる理由は無い、と副住職、強気。
キース 「どうやら俺の方が有利な感じだからな」
シロエ 「どの辺がですか!」
キース 「決まってるだろう、あの馬鹿野郎との関係だ!」
俺には出家隠遁する権利もあるんだ、と指をビシィ! と。
キース 「お前たちが坊主頭を暴露したなら、世を儚んで…」
マツカ 「山奥の庵に行くんですか!?」
キース 「あまり不便な所も嫌だし、住職不在の寺とかを…」
再興しに行けば喜ばれるな、とニヤリ。
キース 「過疎の田舎で、若い住職が来たとなったら…」
ブルー 「下にも置かないおもてなしだろうね、確実に」
キース 「だが、田舎には違いないしな…」
あの馬鹿が法要を頼みに来たって御馳走は無理、とキッパリと。
キース 「そうなると法要の後は、お前たちの仕事だ」
シロエ 「宴会だけを引き受けろと!?」
キース 「あの馬鹿野郎が田舎料理で納得するか?」
するわけがない、と見回す副住職。
キース 「それで良ければ、俺を追い詰めるがいい!」
シロエ 「坊主頭の記憶とかを見たら、隠遁生活なんですか?」
キース 「俺の心の古傷だからな!」
一同 「「「うっ…」」」
ヤバくないか、と一同、絶句。
形勢逆転しましたか…?
2018/09/09 (Sun)
☆隠遁されたら
九月に来るのが秋のお彼岸、シャン学メンバーを困らせる法要。
キース君の記憶やアルバムを目にした場合は、悲惨な結果に。
キース 「俺は修行で慣れているから、隠遁生活も苦にならん」
サム 「マジかよ、お前、しょっちゅう文句で…」
キース 「それは親父に頭が上がらないからだ!」
いつまで経っても副住職で…、とブツブツブツ。
キース 「だが、草庵とか、田舎の寺の復興となれば…」
ブルー 「小さいとはいえ、一国一城の主ではあるね」
キース 「ああ。あの馬鹿とも縁が切れるとなったら、万歳だ」
俺は喜んで隠遁するぞ、とニヤニヤと。
キース 「それでいいなら、俺の記憶でもアルバムでも、だ…」
シロエ 「見てもいいって言うんですか!?」
キース 「お彼岸までに、俺が消えてもいいならな!」
一同 「「「ひぃぃっ!!!」」」
それは困る、と御一同様、顔面蒼白。
シロエ 「な、なんて言ったらいいんです! 例の人に!」
キース 「ありのままを言えばいいだろう。追い出した、と」
ジョミー「ヤバイから! それ、絶対にヤバすぎるから…!」
マツカ 「ですよね、ぼくたちがキースを追い出したなんて…」
誰かさんが知ったら大惨事です、と御曹司も。
マツカ 「お彼岸の法要は何とかなっても、その他がですね…」
スウェナ「大変なことになるわよ、きっと…」
慰謝料を取られかねないものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「誰かさんの大事なお坊さんには違いないから…」
ジョミー「うん、ぼくたちには迷惑でもね…」
そんなヤバイ橋、渡りたくない、とジョミー君が震わせる肩。
ジョミー「キースの坊主頭のことはさ、忘れた方が…」
シロエ 「良さそうですよね、この状況だと…」
悲劇に見舞われる前に…、とシロエ君。
シロエ 「見たいですけど、見たら終わりで…」
キース 「やっと分かったか、俺の値打ちが」
一同 「「「はいっ!」」」
もう言いません、と一斉に土下座。
キース君の逆転勝ち…。
2018/09/10 (Mon)
☆逆転したのに
九月と言えば秋のお彼岸、シャン学メンバーの頭痛の種が法要。
それを取り仕切るキース君に隠遁されたら、大変なことに。
キース 「分かったんなら、それでいい。余計なことはするな」
シロエ 「は、はい…。反省してます」
もう見たいとは言いません、とシロエ君、ブルブル。
シロエ 「ですから、今後も、あの迷惑な誰かさんを…」
キース 「引き受けろと言うなら、引き受けてやる」
一同 「「「是非!!!」」」
どうかよろしくお願いします、と頭を下げるシャン学メンバー。
シロエ 「キース先輩にしか出来ないことだと、分かりました」
キース 「なら、俺に文句を言うんじゃないぞ」
特別手当を寄越せだとか…、と言ってますけど。
ブルー 「それはどうかな? ぼくも迷惑していてねえ…」
キース 「なんだって!?」
ブルー 「法要の度に会場の提供、その他もろもろ」
困っているのは、ぼくも同じだ、と生徒会長。
ブルー 「だから文句を言う権利はあるし、他のみんなを…」
キース 「どうするつもりだ?」
ブルー 「自由に発言できる立場にすることだって!」
そもそも君には貸しがあるし…、と指差すキース君の頭。
ブルー 「道場用に坊主頭の対策、してあげたよね?」
シロエ 「そうです、サイオニックドリームで!」
サム 「大変だったよな、ぶるぅの部屋が吹っ飛んでよ…」
ジョミー「サイオンバーストだったしね…」
凄い荒療治、とジョミー君も相槌。
ジョミー「アレが無かったら、キースはさ…」
スウェナ「坊主頭にするしかなかったわけよね、道場」
キース 「うっ…」
指摘されたことは全て真実、逆らえないのがキース君で。
ブルー 「どうかな、これでも誰にも文句を言わせないと…?」
キース 「そ、それは…。あんたが言わせたいのなら…」
ブルー 「好きに言わせていいんだね?」
キース 「仕方ない…」
一同 「「「やったー!」」」
自由だ、と上がる大歓声。
キース君、結局、負け戦ですか…。
2018/09/11 (Tue)
☆文句を言う権利
九月と言ったら秋のお彼岸、セットものなのが法要というブツ。
キース君に文句を言いたいわけで、言える権利はこれからも。
シロエ 「良かったですねえ、今後も文句を言いたい放題です」
サム 「うんうん、言えねえとマジでキツいもんなぁ」
ジョミー「ブルーに感謝!」
ブルー 「どういたしまして。ぼくも言いたいことは山ほど!」
キースの件についてはね…、と生徒会長。
ブルー 「そもそも軽率すぎたんだよ。例の戒名」
サム 「いくらその場のノリでもよ…。院殿号はよ…」
ブルー 「やりすぎなんだよ、しかも鯨の戒名のパクリ!」
鯨の霊にも悪いよねえ、とフウと溜息。
ブルー 「人間様の役に立ったから、院殿号の戒名なのに…」
シロエ 「スッポンタケは、何の役にも立ちませんしねえ…」
マツカ 「同じキノコでも、松茸とかならいいんですけど」
ブルー 「アミガサタケだって高級品だよ」
スッポンタケのお仲間っぽいビジュアルなのに、という指摘。
マツカ 「似てますねえ…。でも、違うんですね?」
ブルー 「うん。アミガサタケ科とスッポンタケ科で…」
まるで別物、とキッパリと。
ブルー 「本当に役に立たないキノコに院殿号はさ…」
キース 「反省している…」
ブルー 「そうだろうけど、後悔先に立たずでさ…」
??? 「大丈夫! きちんと役に立っているから!」
問題無し! とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「良かったよ、キースが山奥とかに引っ込まなくて!」
キース 「あ、あんた…!」
Aブルー「助太刀に来ようと思ったんだけど、要らなかったね」
無事に逃げ切れたみたいだし…、とニコニコニコ。
Aブルー「というわけで、秋のお彼岸もよろしく頼むよ!」
キース 「なんでそういうことになるんだ!」
Aブルー「みんなも納得してくれているし、それでいいだろ?」
シロエ 「そんなこと、言っていませんが…!」
誰も納得してませんけど、と必死の反論。
さて、どうなる…?
2018/09/12 (Wed)
☆効くらしい法要
九月に来るのが秋のお彼岸、避けられないのが法要というブツ。
案の定、ソルジャーが来てしまいまして、キース君に依頼で…。
シロエ 「いいですか!? ここにいる人は、誰もですね…」
サム 「納得なんかはしていねえよなあ、法要はよ」
Aブルー「そうだっけ? だけどキースは無罪放免で…」
つまりは認めてくれたんだろう、と都合よく解釈している人。
Aブルー「どうしようかと思ったよ。山奥とかに行かれたら」
ブルー 「それでも法要はするくせに! なんだかんだで!」
Aブルー「もちろんだけど、山奥とか田舎は困るよね」
法要に出てくれる人もいないし、御馳走だって…、とブツブツ。
Aブルー「その点、此処だと、いい法要が出来るから!」
シロエ 「お断りしたいのが本音です!」
サム 「そうしてえよなあ、断れるならよ…」
Aブルー「えーっ!?」
どうして分かってくれないのさ、とソルジャー、不満そうな顔。
Aブルー「とても大事な法要なんだよ、ぼくにとっては!」
キース 「正直、あんただけだと思うが」
ブルー 「百歩譲っても、君と、君のハーレイだけだね」
スッポンタケの法要なんかが大切なのは、と生徒会長。
ブルー 「他の人には迷惑なだけか、意味さえも無いか」
Aブルー「意味が無いって、どういうことさ?」
ブルー 「君のシャングリラの仲間たちだよ、知らないよね?」
法要の存在も、この世界もね…、とキッツイ言葉が。
ブルー 「その状態では意味なんか無いし、迷惑以前!」
Aブルー「で、でも…! 法要のお蔭で、ぼくのパワーも…」
漲るわけで、と必死の反論。
Aブルー「漲るのは、ぼくのハーレイだけれど、ビンビンで…」
ブルー 「それは君たちの思い込みでさ、法要は無意味!」
Aブルー「違うよ、絶対に効くんだから! もう最高に!」
ブルー 「法要がサイオンに効くだって?」
Aブルー「そうだよ、完璧!」
この勢いなら地球まで行けそう、と握り締める拳。
本気なんですね…?
2018/09/13 (Thu)
☆サイオンと精神
秋のお彼岸の法要をよろしく、と来てしまったのがソルジャー。
誰一人望んでいないというのに、自分だけの都合で突っ走る人。
Aブルー「キースが法要をしてくれる度に、パワーアップで!」
ブルー 「絶対、違うと思うけど…」
Aブルー「でもさ、サイオンは精神状態に左右されるよ?」
サイオンバーストがいい例だよね、と持ち出した例。
Aブルー「こっちじゃ、キースがやらかしたけどさ」
キース 「そ、それは…! あれはブルーの策略で…!」
Aブルー「破壊力、凄かったんだろう?」
シャングリラ学園の、ぶるぅの部屋が吹っ飛ぶほどに、と。
Aブルー「みんなもソレを見ていたんなら、底力ってヤツも…」
シロエ 「凄さも怖さも分かりましたけど、でもですね…!」
サム 「法要でサイオンバーストは、ねえぜ?」
Aブルー「当たり前だよ、ぼくがバーストしたら大変だし!」
シャングリラが木っ端微塵になるよ、とソルジャー、苦い顔。
Aブルー「そうならないよう、精神の平穏も保たなくちゃね」
キース 「充分すぎるほど平穏だろうが、好き勝手をして!」
Aブルー「分かってないねえ、ぼく流の自己管理だよ」
でないと悲劇が起こりかねないし…、と深い溜息。
Aブルー「破壊してからでは遅いからねえ、ぼくたちの船を」
一同 「「「うーん…」」」
だからと言って…、と誰もが抱える頭。
シロエ 「その分、こっちで発散してると言うんですか?」
Aブルー「発散と充電、その他もろもろ!」
お蔭で毎日が充実してる、とニコニコニッコリ。
Aブルー「特にスッポンタケのパワーは絶大でさ…」
ブルー 「どう考えても、関係無いから!」
君だけの思い込みだから、と生徒会長。
ブルー 「サイオンが精神のパワーにしたって、法要とは…」
キース 「まるで全く、無関係だと思うんだが…」
Aブルー「ううん、密接に関係してるね、間違いなく!」
地球への道もかかってるんだよ、と言われましても。
本当ですかねえ…?
2018/09/14 (Fri)
☆地球は地球です
秋のお彼岸の法要を頼むつもりで、やって来たのがソルジャー。
地球までの道もかかっている、と激しく勝手な思い込みっぷり。
シロエ 「あのですね…。此処は確かに地球なんですけど…」
キース 「あんたの世界の地球とは、全く違う筈だぞ」
ブルー 「そうだよ、SD体制なんかも無いし」
第一、一度も滅びてないし…、と生徒会長。
ブルー 「あやかりたいなら分かるんだけどね、まだ少しは」
Aブルー「スッポンタケは地球に生えてるんだよ、そこが大切」
違う世界でも、地球は地球だ、という言い分。
Aブルー「地球で育って、おまけに素敵な姿でさ…」
ブルー 「それだって、君の思い込みだよ!」
Aブルー「でも、イワシの頭も信心から、って言うんだろう?」
ぼくはスッポンタケのパワーを信じているよ、と威張り返る人。
Aブルー「きちんと拝んで法要をすれば、更にパワーアップ!」
シロエ 「それで地球まで行けるんですか?」
Aブルー「行けると思えば、道は開けるものなんだよ!」
まずは自分を信じることから…、とソルジャー、真剣。
Aブルー「というわけでさ、法要、よろしく!」
キース 「また、お中日なのか?」
Aブルー「決まってるじゃないか!」
元老寺の方は抜けて来てよね、と注文が。
Aブルー「お中日が一番、有難い日だと聞くからねえ…」
キース 「それはそうだが、また親父が…」
Aブルー「ブルーの所で法要なんだし、喜ぶんだろう?」
君のスキルがアップするから、と満面の笑み。
Aブルー「伝説の高僧、銀青様が導師の法要だしね?」
キース 「実際は、俺が導師なんだが…!」
スキルアップはしないんだが…、と副住職の愚痴。
キース 「しかし親父は、そうだと信じているからな…」
Aブルー「何も問題ないと思うけどね、アドス和尚が納得なら」
キース 「その分、自己研鑽が必要なんだ!」
Aブルー「何であろうと、結果オーライ!」
お互い、得をするわけだし、と弾ける笑顔。
そうなんですか…?
2018/09/15 (Sat)
☆ビジュアルが最高
スッポンタケの棚経の日ですけれども、お供え物に無いスイカ。
高級品のメロンが最高、そういうチョイスになっているのに…。
Aブルー「黒玉スイカだったっけ? それに替えられない?」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「お供え物だよ、メロンもいいけど、黒玉スイカ!」
そのビジュアルが気に入った、とソルジャーが握り締める拳。
Aブルー「マツカの記憶を、ちょっと読ませて貰ったけど…」
マツカ 「なんですって?」
Aブルー「大丈夫、スイカのトコだけだから! 夏祭りの!」
他の記憶は覗いてないよ、と悪びれない人。
Aブルー「いいねえ、爆弾みたいなスイカ! 真っ黒でさ!」
マツカ 「茎の部分が導火線っぽく見えますからね…」
Aブルー「そうなんだよ! 爆弾そのもの!」
是非とも黒玉スイカが欲しい、とソルジャー、スイカに御執心。
Aブルー「普通のスイカに卒塔婆もいいけど、黒玉の方なら!」
シロエ 「……ロクでもないことを考えてますね?」
Aブルー「何を言うかな、とても建設的なことだよ!」
同じオブジェを作るんだったら、黒玉スイカ、と拳をググッと。
Aブルー「漲るパワーが、きっと違うよ! 同じスイカでも!」
シロエ 「爆弾スイカだからですか?」
Aブルー「そう! そこに卒塔婆が奥までズンズン!」
もう最高のセックスだよね、と嫌すぎる言葉。
Aブルー「ぶるぅ、お願い! 黒玉スイカを買って来てよ!」
ブルー 「やめたまえ! 小さな子供を巻き込むのは!」
Aブルー「だったら、君が買って来てくれる?」
ブルー 「うっ…」
なんで、ぼくが…、と生徒会長、ドン引き。
ブルー 「君の憧れなんだろう! 自力で解決してみたら?」
Aブルー「ああ、なるほど…。ぼくが自分で仕入れに行けば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 気に入ったのを選んで買えるよ!」
Aブルー「確かに、そうだね! ぶるぅ、果物屋さんは何処?」
オススメの店を教えて欲しい、と行く気満々。
本気なんですね…?
2018/08/16 (Thu)
☆買いに出掛けました
スッポンタケの棚経を控えて、お供え物にこだわるソルジャー。
再現したいのがスイカに卒塔婆で、おまけに黒玉スイカを希望。
Aブルー「爆弾スイカは絶対、欲しいよ! オブジェ用に!」
ブルー 「またしても、ぼくに恥を晒せと?」
Aブルー「前にもあったオブジェなんだし、問題無し!」
キースが顔を顰めるだけで、とソルジャー、全く気にせず。
Aブルー「とにかく黒玉スイカだよ! ぶるぅ、お店は?」
ぶるぅ 「んとんと…。品揃えがいいのは、あそこかな?」
アルテメシアで一番有名、と店名を挙げる無邪気なお子様。
ぶるぅ 「いろんな果物を揃えているから、安心だよ!」
Aブルー「ありがとう! ちょっと行ってくる!」
じゃあねー! と瞬間移動で消え失せた姿。
シロエ 「…行っちゃいましたよ?」
マツカ 「すみません、ぼくが余計なことを言わなかったら…」
スウェナ「気にしなくてもいいわよ、そこは」
どうせスイカの出番だったし…、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「単なる皮の色の違いよ、それだけのことよ」
シロエ 「それはそうなんですけどね…」
ブルー 「品の無さに拍車がかかったという気はするねえ…」
よりにもよって爆弾ときたよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「棚経を何だと思っているのか、もう呆れるしか…」
シロエ 「きっと、お祭りの一種ですよ」
マツカ 「仏事だという認識だけは皆無でしょうねえ…」
そもそも仏教を理解してないみたいですから、と御曹司も。
マツカ 「自分に都合のいい所だけを取り入れてますよ」
シロエ 「神様も仏様も、ごっちゃですしね…」
神仏混交を地で行ってます、とシロエ君の指摘。
ブルー 「その考え方も、まあ、間違いではないけどさ…」
シロエ 「敬う気が全く無いって所が、問題です!」
マツカ 「本当にいいトコ取りですからね…」
スウェナ「挙句にスイカに卒塔婆なのよ!」
黒玉スイカもいい迷惑だわ、という声。
確かにそうかも…。
2018/08/17 (Fri)
☆音で分かります
スッポンタケの棚経のために、スイカを買いに出たソルジャー。
爆弾のように見える黒玉スイカで、オブジェを作るのが目的。
シロエ 「黒玉スイカに迷惑ですか…。そうかもですね」
マツカ 「普通の人が買ったら、食べるだけですからね…」
卒塔婆を刺すことは無いでしょう、と御曹司。
マツカ 「黒玉スイカは、スイカ割りには使わないでしょうし」
シロエ 「お値段高めのスイカだったら、勿体ないですしね…」
スイカ割りには向いてませんよ、とシロエ君も。
シロエ 「とはいえ、いっそスイカ割りの方がマシだったかも」
ブルー 「それは言えるね、妙なオブジェにされるよりはね」
Aブルー「…呼んだかい?」
何か用かな、と瞬間移動で戻って来たのが迷惑な人。
シロエ 「……。本当に買って来たんですね?」
Aブルー「もちろんだよ! お店で一番大きいのを!」
とても立派な爆弾だろう、と黒玉スイカを抱えてニコニコ。
Aブルー「これに卒塔婆を奥までズンズン!」
ブルー 「いいけどね…。ところで、君が買ったスイカだけど」
Aブルー「凄いだろう? 黒くてツヤツヤ光ってて!」
ブルー 「メスなのかな?」
それともオスのスイカだろうか、と生徒会長の問い。
Aブルー「えっ?」
ブルー 「夫婦和合なら、まあ、どっちでもいいんだけどさ」
Aブルー「ちょ、ちょっと…! スイカに性別があるのかい?」
ブルー 「さあ? ぼくも詳しくないんだけどさ…」
プロだと音で分かるんだよね、と振っている首。
ブルー 「コツンと叩けば分かるらしいよ、スイカの品質」
シロエ 「あー、知ってます!」
熟練の人の技なんですよね、とシロエ君。
シロエ 「スイカの性別も分かるとは、知りませんでしたけど」
ブルー 「ぼくも知らないけど、もしかしたらさ…」
Aブルー「分かるかも、って?」
ブルー 「うん。君がこだわらないなら、どうでもいいけど」
別にオスでもメスでもいいよね、と言ってますけど。
スイカに性別…?
2018/08/18 (Sat)
☆プロにしか無理
スッポンタケの棚経のために、スイカを買って来たソルジャー。
黒玉スイカで御満悦なんですけど、生徒会長からのツッコミが。
ブルー 「君がオブジェを作るとしてさ…。どっちが好み?」
Aブルー「どっち、って?」
ブルー 「オスのスイカか、メスのスイカかっていう所だよ」
夫婦和合なら、王道はメスのスイカだけどね、と生徒会長。
ブルー 「でも、君の場合は歪んでいるから、オスなのかなと」
Aブルー「そ、それは…。もちろん、オスの方がいいけど…」
きっとオスだと思うんだけど、と眺めている大きな黒玉スイカ。
Aブルー「一番大きいヤツを買ったし、これはオスだよ!」
ブルー 「どうなんだか…。大きいってトコが曲者だよね」
Aブルー「オスは大きいものだろう? 強いんだから!」
ブルー 「その認識は間違ってるよ。生き物は多種多様だから」
SD体制の世界じゃ分からないかもだけど…、とフウと溜息。
ブルー 「メスの方が大きい生き物は沢山いるからねえ…」
シロエ 「ああ、アンコウとかは、そうらしいですね!」
マツカ 「オスは小さくて、メスにくっついてるらしいですね」
寄生と言ってもいいくらいに…、と御曹司。
マツカ 「そうなるとスイカも、大きいからと言って…」
シロエ 「オスだとは限らないわけですね」
ブルー 「そう! まあ、どっちでもかまわないけど」
ブルーが満足しているんなら…、と視線をスイカに。
ブルー 「買って来たなら、後は卒塔婆を刺すだけだからね」
Aブルー「待ってよ、ぼくはオスの方がいいんだけれど!」
同じオブジェならオスのスイカ、とソルジャー、困惑。
Aブルー「オスかどうかは、お店で分かる? 持って行けば?」
ブルー 「無理じゃないかな、スイカのプロは主に農家で」
シロエ 「売り物は普通、叩きませんしね…。お店とかでは」
Aブルー「そ、そんな…。それじゃ、オスのが欲しければ…」
農家に行くしか無いんだろうか、と慌てるソルジャー。
そうなりますね…?
2018/08/19 (Sun)
☆オスが欲しければ
スッポンタケの棚経用に、ソルジャーが買って来た黒玉スイカ。
けれど問題はスイカの性別、オスのスイカが欲しいソルジャー。
Aブルー「農家の人なら調べてくれる? これがオスかどうか」
ブルー 「…お金も払っていないのに?」
第一、自分が出荷したスイカかどうか…、と生徒会長、苦い顔。
ブルー 「他所で買ったのを持って来て、尋ねられてもねえ…」
シロエ 「農家の人も困りますよね、そんな質問」
Aブルー「そうなるのかい? だったら、オスのスイカは…」
買い直さないと駄目だろうか、とソルジャー、真剣。
Aブルー「黒玉スイカを作ってる農家に行かないとダメ?」
ブルー 「それが世間の常識だよね」
シロエ 「農家だったら、スイカも山ほどありますからね…」
マツカ 「きっといいのが買えますよ」
畑で一番立派なのを買って来られますよ、と御曹司も。
マツカ 「暑くならない間に行く方が、農家の人も喜びます」
シロエ 「ですよね、今なら暑さも、まだマシですし…」
炎天下のスイカ畑は、農家の人も嫌がるでしょう、とシロエ君。
シロエ 「急いで行って来て下さい! オスが欲しいなら!」
Aブルー「う、うん…。でも、黒玉スイカは何処の農家が?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 有名なのは、この辺りかな?」
このスイカも其処、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が挙げた場所。
ぶるぅ 「スイカの農家は沢山あるから、端から回れば!」
Aブルー「オスのスイカに出会えるわけだね、最高の!」
急いで買いに行かなくちゃ、と瞬間移動で消え失せた姿。
シロエ 「行っちゃいましたね、スイカの買い付けに…」
ブルー 「このまま戻って来ないと、うんと平和だけどねえ…」
棚経も無事に終わるだろうし、と生徒会長。
ブルー 「オスのスイカを探してる内に、タイムオーバーで!」
シロエ 「もしかして、それが狙いでしたか?」
ブルー 「決まってるじゃないか!」
嘘も方便、と得意そうにニヤニヤ。
そう来ましたか…。
2018/08/20 (Mon)
☆オスが欲しくても
スッポンタケの棚経用にと、ソルジャーが入手した黒玉スイカ。
ところがスイカは性別不明で、オスを買うには農家へ行くのみ。
スウェナ「オスのスイカは嘘だったのね? 最初っから」
ブルー 「あるわけないしね、そんな代物」
スイカに性別なんかは無い、と生徒会長、キッパリと。
ブルー 「あ、この話、ブルーには聞こえていないから」
シロエ 「ちゃんとシールドしてるんですね!」
ブルー 「それもあるけど、今のブルーの頭の中はさ…」
オスのスイカで一杯だから、とニヤニヤニヤ。
ブルー 「今、一軒目を訪問中だよ、スイカを買いたい、って」
シロエ 「スイカ農家ですか…。どんな感じです?」
ブルー 「畑へどうぞ、って案内されて行く所!」
直接買いに来たんだからね、と生徒会長、サイオンで覗き見中。
ブルー 「まずは畑でお好みのを、っていうのが親切な農家!」
シロエ 「オスのスイカという件は…?」
ブルー 「聞き間違えか何かだろうと思っているよ」
なにしろ朝から暑いからねえ…、という説明。
ブルー 「好きなスイカを選んでくれれば、品質をさ…」
シロエ 「熟練の技で確かめてくれるわけですね?」
ブルー 「そう! プロの農家がコツンと叩いて!」
甘味や食べ頃なんかをズバリ、と言ってますけど。
マツカ 「あのぅ…。オスかメスかは分かりませんよね?」
ブルー 「それが分かるなら、ぼくもビックリ」
シロエ 「誰かさん、どうするんでしょう? 分からないなら」
ブルー 「別の農家に行くと思うよ、大急ぎで!」
見る目のあるプロを探しにね…、と涼しい顔。
ブルー 「オスのスイカが欲しいわけだし、ブルーも必死!」
一同 「「「うーん…」」」
果たして見付かるのかどうか、と皆が傾げる首。
シロエ 「そんなスイカがあるんでしょうか…?」
ブルー 「さっきも言ったよ、存在しないと」
マツカ 「見付からないんですね?」
つまり帰って来ないんですね、と御曹司。
いい流れですね…?
2018/08/21 (Tue)
☆オスを探す間に
スッポンタケの棚経用に、ソルジャーが欲しいのが黒玉スイカ。
それもオスのを欲しいとあって、只今、農家で買い付け中で…。
マツカ 「いくら農家を回ってみたって、無いんですしね…」
ブルー 「無い袖は振れぬ、と昔から言うほどだしね」
シロエ 「でも、誰かさんはあると信じてますからねえ…」
見付かるまで帰って来ないでしょうし…、とシロエ君も。
シロエ 「その間に棚経の時間が来るわけですね!」
ブルー 「うん。キースの方は、棚経の予定がビッシリだから」
来たらサッサとお経を上げて、次に行くだけ、と生徒会長。
ブルー 「ブルーがいなくても、細かいことは気にしてないよ」
シロエ 「えっと…。その場合、お布施はどうなるんですか?」
高額なお布施を約束していた件は…、とシロエ君の問い。
シロエ 「まさか、お布施は踏み倒すとか…?」
ブルー 「そんな外道なことはしないよ」
シロエ 「払うんですか、あんな金額を!?」
縁もゆかりも無いスッポンタケに…、と驚いてますけれど。
ブルー 「あの金額は出さないよ。相場通りの分だけかな」
マツカ 「ぼくで良ければ、代わりに支払いますけれど…」
喜んで出させて頂きます、と御曹司、流石の太っ腹。
マツカ 「皆さんのためになるわけですから、そのくらいは」
ブルー 「いいって、いいって! お金は大切!」
無駄金を払う必要は無い、と生徒会長、右手をヒラヒラ。
ブルー 「ブルーが留守なら、キースは普通に拝むだけだし」
一同 「「「あー…」」」
ただの棚経になるわけか、と一同、納得。
ブルー 「だから問題は全く無いよ。気にしなくても」
シロエ 「会長、いい手を考えましたね!」
もう本当に裏技ですよ、と大感激のシロエ君。
シロエ 「誰かさんも文句は言えませんしね、そうなっても」
マツカ 「留守にした自分が悪いんですしね…」
ブルー 「そういうこと!」
オスのスイカを探してね…、と生徒会長、ニンマリ。
極悪なのかも…?
2018/08/22 (Wed)
☆買い付け中です
スッポンタケの棚経用に、ソルジャーは黒玉スイカの買い付け。
農家へ出掛けてオスのを買おうと、只今、努力中ですけれど…。
ブルー 「よし、ブルーがスイカ畑に到着したよ」
シロエ 「黒玉スイカを選ぶんですね?」
ブルー 「お好きなのをどうぞ、と言われてるトコ」
スイカ畑は広いんだけど…、とサイオンで覗き見中の生徒会長。
ブルー 「オスかメスかは、サイオンじゃどうにもならないし」
スウェナ「じゃあ、どうやって選ぶのよ?」
ブルー 「とにかく大きいのを、端からチェックすると思うよ」
シロエ 「まずは一番大きいスイカを探すんですか…」
この暑い中、ご苦労様です、とシロエ君、言うのは口先だけ。
シロエ 「どうせサイオンでシールドですよね、日光とかは」
ブルー 「そこはブルーだし、当然だよね」
だけどスイカを選ぶのは手作業、と指をパチンと。
ブルー 「生中継でどうぞ! これが今のブルー!」
一同 「「「おおっ!」」」
サイオン中継の画面が出現、大喜びの御一同様。
シロエ 「うわぁ、本当に暑そうですねえ、思いっ切り」
マツカ 「農家の人は汗だくですね」
スウェナ「でもって、誰かさんは…」
スイカ探しに燃えているわね、とスウェナちゃんの呆れ顔。
スウェナ「迷ってるみたいね、どれが一番大きいか」
シロエ 「どれも立派なスイカですしね」
Aブルー『うーん、悩むなぁ…。やっぱり、コレかな?』
これでお願いしようかな、とソルジャーが選んだ黒玉スイカ。
Aブルー『すみませーん! コレ、どうかな?』
農家の人『はいはい、こちらのスイカですね』
お待ち下さい、と屈んで、スイカを拳で軽くコッツン。
農家の人『いいと思いますよ、身が詰まっていて、甘みの方も』
Aブルー『食べ頃のスイカということかな?』
農家の人『そうですね。直売所向けに取ってある分です』
Aブルー『なるほど。棚経用にも良さそうだね』
今日だもんね、と喜ぶソルジャー。
トントン拍子なのでは…?
2018/08/23 (Thu)
☆オスのをよろしく
スッポンタケの棚経用にと、スイカを買い付け中のソルジャー。
黒玉スイカを栽培している農家に出掛けて、畑でスイカ選び。
農家の人『棚経用にお求めでしたか。だったら、お値段は…』
Aブルー『もしかして、サービス価格にしてくれるのかい?』
農家の人『ええ。ご先祖様を大切になさるのは、いいことです』
半額にさせて頂きますよ、と農家の人の素敵な笑顔。
シロエ 「ちょ、ちょっと…! 割引価格だそうですよ?」
スウェナ「ご先祖様とは違うじゃないの、スッポンタケは!」
マツカ 「伝えたくても、この状況では無理ですしね…」
サイオン中継なんか、普通の人には言えませんよ、と御曹司。
マツカ 「あの様子じゃ、じきに戻って来ますよ、此処に」
シロエ 「そうですよね…。半額で黒玉スイカを買って」
ブルー 「大丈夫! まだ、これからが問題だから!」
慌てるには早い、と生徒会長が指差す中継画面。
Aブルー『このスイカが気に入ったけど…。これはオスかな?』
農家の人『はあ?』
Aブルー『そこが大事な所なんだよ、オスかメスかが!』
ぼくが欲しいのはオスのスイカで…、とソルジャー、真剣。
Aブルー『メスのスイカじゃ、意味が無いしね…。どっち?』
農家の人『つまり、スイカの性別ですか?』
Aブルー『そう、そう!』
スイカのプロなら分かるよね、と期待に輝く瞳。
Aブルー『オスじゃないなら、別のスイカを探さなくっちゃ!』
農家の人『そのために、いらしたんですか?』
Aブルー『プロの農家にしか分からない、って聞いたしね!』
だからよろしく、と深々と下げている頭。
Aブルー『半額サービスも嬉しいけれど、まずオスのスイカ!』
農家の人『オスですか…』
スイカ栽培は長いんですが…、と農家の人。
農家の人『オスかメスかを調べてくれ、と仰るんですね?』
Aブルー『うん、買いたいのはオスのスイカだからね!』
早く調べて、とニコニコニコ。
そもそも、スイカに性別、無いんですけどね…?
2018/08/24 (Fri)
☆プロの商才
スッポンタケの棚経のために、農家に出掛けているソルジャー。
お目当てはオスの黒玉スイカで、炎天下の畑に出てまして…。
Aブルー『お店でスイカを買ったんだけど、オスかどうかが…』
農家の人『分からなかったわけですね? それで、こちらへ』
Aブルー『そうなんだよ! 農家の人なら分かるから、って!』
コツンと叩けば分かるんだよね、と頭から信じ込んでいる人。
Aブルー『これがオスなら買って帰るし、メスだったら…』
農家の人『別のスイカをお求めになる、と…』
Aブルー『うん。出来れば大きいスイカがいいけど』
この際、贅沢は言わないからさ…、と謙虚な姿勢。
Aブルー『小さめのスイカでも、オスならオッケー!』
農家の人『オスですか…。わざわざお越しになったんですし…』
此処は熟練の技の見せ所ですね、とスイカを見詰める農家の人。
農家の人『お待ち下さい、すぐに確認しますので』
Aブルー『ありがとう!』
一同 「「「ええっ!?」」」
スイカに性別は無かったのでは、と一同、ビックリ仰天。
シロエ 「確かめるって言ってますけど、どういうことです?」
マツカ 「雄花とか雌花なら分かりますけど、実の方ですよ?」
ブルー 「うーん…。商才に溢れた人だったかも…」
スイカ販売の腕もプロかも、と生徒会長が眺める画面。
ブルー 「出荷用と、直売用とを分けるほどだしね…」
シロエ 「まさか、オスだとデッチ上げる気なんでしょうか?」
ブルー 「その可能性が高いよ、これは」
スイカは売れてなんぼだから、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「ヤバいかもねえ…」
シロエ 「そ、そんな…」
困惑する御一同様を他所に、スイカ畑では…。
農家の人『此処を叩けば分かるんですよ。オスかどうかが』
Aブルー『本当かい? それで、このスイカは?』
農家の人『もう間違いなく、オスですね』
Aブルー『じゃあ、これを貰うよ!』
半額サービスだったっけね、と喜ぶソルジャー。
オスをゲットですか!?
2018/08/25 (Sat)
☆スイカをゲット
スッポンタケの棚経のために、農家にお出掛けしたソルジャー。
オスの黒玉スイカがお目当てですけど、凄腕なのが農家の人で。
農家の人『どうぞ、半額でお持ち下さい。ご先祖様のために』
Aブルー『ありがとう! 此処まで来て良かったよ!』
農家の人『いえ、こちらこそ。お役に立てて何よりです』
こちらのスイカで良かったですね、とハサミで茎をチョッキン。
農家の人『お持ち帰り用の網に入れますから、家の方へどうぞ』
Aブルー『網もサービス?』
農家の人『もちろんですよ。余計なお金は頂きません』
冷たいお茶も飲んで行って下さい、と至れり尽くせり。
シロエ 「ど、どうなってるんですか、コレ…!」
ブルー 「農家の人のスキルが高すぎたんだよ、ブルーの勝ち」
スウェナ「ちょっと、勝ちって、どういうことよ!」
ブルー 「めでたくオスのスイカをゲットで、意気揚々とさ…」
此処に帰って来るんだよ、と生徒会長、ブツブツブツ。
ブルー 「もう絶対に、間に合わないと思ったのに…」
シロエ 「キース先輩が来る時間までは、余裕ですよ!」
マツカ 「そうですね…。農家でお茶を御馳走になっても…」
スウェナ「お釣りが来るわよ、時間ってヤツに!」
何が半額で、何が冷たいお茶のサービスよ、とキレそうな人。
スウェナ「炎天下で農家を回りまくって、コケればいいのに!」
ブルー 「ぼくもコケると信じていたから、あのアイデアを…」
ぶつけたのに、と生徒会長が嘆いている誤算。
ブルー 「一軒くらいは、もしかして、とも考えたけど…」
シロエ 「その一軒に当たったんですね、初っ端で!」
あの迷惑な誰かさんは…、とシロエ君も頭を抱えてますけど。
農家の人『ご苦労様でした、いい棚経になりますように』
Aブルー『こちらこそ! お茶も美味しかったよ』
農家の人『スイカを育てた自慢の井戸水ですからね』
Aブルー『本当に感謝、このスイカにもね!』
どうも、とソルジャー、深々とお辞儀。
買い付け、終了…。
2018/08/26 (Sun)
☆買って来ました
スッポンタケの棚経用にと、スイカを買いに行ったソルジャー。
オスのスイカなど無いというのに、農家の人の機転でゲットで。
シロエ 「どうするんですか、買えちゃいましたよ!」
マツカ 「意気揚々と戻って来ますよね、じきに…」
スウェナ「私たちが何をしたって言うのよ、またババだわよ!」
ナイスアイデアだと思ったのに、と騒ぐ間に、揺れた空間。
Aブルー「ただいまーっ! 立派なオスのスイカが買えたよ!」
ブルー 「そうなんだ…。帰りも早かったよね」
Aブルー「行った農家が大当たりでさ、美味しいお茶まで!」
しかもスイカは半額なんだよ、と得意そうに抱える黒玉スイカ。
Aブルー「店で買ったのより大きいし…。それにオスだし!」
ブルー 「それで、どうするって?」
Aブルー「もちろん、棚経の準備の仕上げだってば!」
祭壇の用意は出来ているしね、と卒塔婆を手に取りまして…。
Aブルー「ちゃんと網にも入れてくれたし、固定してくれる?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「卒塔婆を刺しても倒れないように、きちんと重石!」
網の端を押さえるモノを置いてよ、と注文が。
Aブルー「なんと言ってもスイカは丸いし、転がるからね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お漬物用の重石でいいよね!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
それに比べて君たちときたら…、と冷たい視線が。
Aブルー「突っ立っていないで、ぶるぅを手伝う!」
シロエ 「なんで、ぼくたちまで巻き込むんです!」
Aブルー「棚経は、とても大切だから!」
農家の人も言っていたしね、とニコニコニッコリ。
ぶるぅ 「はい、重石! シロエはそっちに置いてくれる?」
シロエ 「え、えっと…?」
ぶるぅ 「マツカはこっちで、ぼくが此処! これでいいかな」
Aブルー「うん、いい感じ! 後は卒塔婆を奥までズンズン!」
一同 「「「うわー…」」」
ソルジャーが構えている卒塔婆。
スイカにグッサリ刺すつもりですね…?
2018/08/27 (Mon)
☆割れるかもです
スッポンタケの棚経のために、スイカを買って来たソルジャー。
念願の黒玉スイカのオスで、それに卒塔婆を突き刺すつもり。
Aブルー「重石も置いたし、これでオッケー! 行くよ!」
ブルー 「ちょっと待った!」
大事なスイカが割れてもいいのか、と生徒会長の「待った」。
Aブルー「えっ、割れるって…。大丈夫だよ、前にもやったし」
ブルー 「それは知ってるけど、今度は黒玉スイカだからね…」
卒塔婆を刺したら割れてしまうかも、と真面目な表情。
Aブルー「どうして、そういうことになるのさ?」
ブルー 「普通のスイカとは違うからだよ、実の性質が」
皮の色が違うみたいにね、と指差すスイカの真っ黒な皮。
ブルー 「スイカ割りじゃないけど、割れやすいトコが」
Aブルー「でも…。ぼくはスイカを叩くわけじゃないし」
卒塔婆を刺そうとしてるだけだよ、と言ってますけど。
ブルー 「そこが問題! 石とかの目って、知ってるかい?」
Aブルー「なんだい、それは?」
ブルー 「プロの石工が石を割る時は、目を狙うんだよ」
割れやすい場所があるんだよね、という説明。
ブルー 「一番硬いダイヤモンドでも、金槌で叩けば…」
シロエ 「ああ、知ってます! 割れる場合があるそうですね」
ブルー 「うん。黒玉スイカはダイヤじゃないけど…」
包丁を入れる場所によっては、パッカンと…、と生徒会長。
ブルー 「こんなに簡単に切れていいのか、っていう勢いで!」
Aブルー「じゃ、じゃあ…。下手に卒塔婆を突き刺したら…」
ブルー 「木っ端微塵とはいかなくっても、真っ二つとか」
割れるリスクが高いかもね、と黒玉スイカをまじまじと。
ブルー 「リスクを覚悟でやるんだったら、止めないけどさ」
Aブルー「そ、そんな…。割れてしまったら、元も子も…」
ブルー 「無いだろうねえ、夫婦和合どころか、破局だよね」
シロエ 「そうなりますよね…」
DVで離婚ってトコでしょうか、とシロエ君も。
割れるんですしね?
2018/08/28 (Tue)
☆割れるのが嫌なら
スッポンタケの棚経用に、ソルジャーが買って来た黒玉スイカ。
卒塔婆を刺そうとしてるんですけど、割れる恐れがあるとかで。
Aブルー「割れたら破局って、じゃあ、このスイカは…」
ブルー 「卒塔婆は刺さずに、供えておくのが吉だろうね」
割れてからでは手遅れだから…、と生徒会長、大真面目な顔。
ブルー 「DVで離婚なスイカになったら、御利益どころか…」
シロエ 「逆効果にしかならないでしょうね、どう考えても」
Aブルー「それは困るよ、ハーレイと破局になるなんて!」
あの世まで別れるつもりは無いし、とソルジャー、真っ青。
Aブルー「なんで最初から言ってくれないのさ、その話!」
ブルー 「たまには苦労もいいかと思って…。農家で買い付け」
Aブルー「その前は、ちゃんと店に行ったよ!」
ブルー 「キースたちは今も棚経中だよ、それに比べれば…」
大した苦労じゃない筈だよね、と突き放し。
ブルー 「とにかく卒塔婆は諦めた方がいいと思うよ」
Aブルー「だったら、普通のスイカを買って…!」
ブルー 「間に合わないよ、じきにキースが来る時間だから」
Aブルー「そ、そんな…!」
あんまりすぎる、とソルジャー、パニックですけど。
シロエ 「黒玉スイカが割れやすいとは、知りませんでしたね」
マツカ 「ぼくもです。まあ、割れなくて良かったですよ」
スウェナ「割れてたら今頃、大惨事だわよ」
ブルーが博識で良かったわね、とスウェナちゃんが言った所で。
ブルー 『ホントに割れるわけないだろう?』
一同 「「「ええっ!?」」」
ブルー 『シーッ!』
誰かさんには聞こえていないけどね、と生徒会長の思念が。
ブルー 『嘘八百だよ、ブルーは恐慌状態だけどさ』
シロエ 『大丈夫なんですか、そんな大嘘…?』
ブルー 『棚経さえ無事に終わってくれれば、それでオッケー』
シロエ 『極悪ですね…』
ブルー 『嘘も方便!』
覆水盆に返らずなんだよ、とシャアシャアと。
凄い悪知恵…。
2018/08/29 (Wed)
☆時間切れです
スッポンタケの棚経用にと、ソルジャーが用意した黒玉スイカ。
卒塔婆を突き刺すつもりだったのに、割れる恐れがあると判明。
Aブルー「ぼ、ぼくの大事なオスのスイカが…!」
ブルー 「潔く諦めて、サッサと座る! キースが来るから!」
Aブルー「だけどオブジェが無いんだよ! スイカと卒塔婆の」
ブルー 「卒塔婆は本来、そういうモノとは違うから!」
お盆にお墓に供えるものだ、と銀青様。
ブルー 「スッポンタケにはお墓が無いから、キースがさ…」
シロエ 「後でお焚き上げするんですよね、コソコソと」
他の卒塔婆の中に混ぜて…、とシロエ君が語る舞台裏。
シロエ 「アドス和尚にバレないように、こう、自主的に…」
ブルー 「うん。暑い中では大変だろう、って代わるんだよね」
お焚き上げはアドス和尚の管轄だしね、と銀青様も。
ブルー 「キースも苦労をしているんだよ。棚経以外にも」
Aブルー「で、でも…。せっかくスイカを買って来たのに…!」
無駄骨だなんて、と嘆く所へチャイムの音がピンポーンと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースとジョミーが来たよ!」
キース 「邪魔するぞ。しかし今年は、迎えは無しか」
ジョミー「いつもだったら、瞬間移動でショートカットなのに」
Aブルー「ご、ごめん…!」
忙しかったから忘れてたよ、と慌てるソルジャー。
Aブルー「次のトコへは送るから! ちゃんと!」
キース 「当然だな。あんたのお蔭で余計な距離を走らされた」
ジョミー「外は思いっ切り暑いのにね」
ホントに酷い、とジョミー君からも文句が。
ジョミー「涼しい所で待ってたくせに、忘れないでよ!」
キース 「まったくだ。では、始めるぞ」
おい、とジョミー君に促す蝋燭とお線香の準備。
ジョミー「準備オッケー!」
キース 「よし。みんな、きちんと座っているな」
一同 「「「はーい!」」」
Aブルー「じ、時間切れ…」
何も準備が出来なかった、と呆然ですけど。
お膳も花とかも完璧ですよね?
2018/08/30 (Thu)
☆無事に終わりました
スッポンタケの棚経用にと、黒玉スイカを用意したソルジャー。
けれどオブジェは作れないまま、キース君が来て棚経スタート。
キース 「のうまく さらば たたぎゃた、ばろきてぃ…」
Aブルー「は、始まっちゃった…!」
ブルー 「シーッ!」
静かにしたまえ、と銀青様の睨み。
Aブルー「でも、こんなのじゃ御利益が…!」
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
とても短いのが、棚経仕様のお経というヤツでございまして。
キース 「はい、皆さん、よくお参りでございました」
一同 「「「ご苦労様でーす!」」」
ブルー 「ほら、早くキースにお布施を渡す!」
次に行かなきゃ駄目なんだからね、と急かす人。
Aブルー「え、えっと…。何も無かったし、割引とかは?」
キース 「あんた、阿弥陀様を馬鹿にしてるのか?」
なんて態度だ、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「そういうことなら、今の読経を取り消すが」
Aブルー「それは困るよ、だけど高すぎ…!」
キース 「だそうです、阿弥陀様。のうまく しっちりや…」
ブルー 「うん、始まったね、取り消しの陀羅尼」
唱え終わったら全てがパアに、と銀青様。
キース 「じびきゃなん、たたぎゃたなん、あんびらじ…」
Aブルー「す、ストップ! ちゃんと支払うから!」
勘弁してよ、とソルジャーが差し出す分厚い熨斗袋。
キース 「分かったようだな。ついでに瞬間移動も頼むぞ」
Aブルー「次の家までだよね、ジョミーとセットで」
キース 「俺たちが乗って来た自転車もな!」
失礼するぞ、とお布施を受け取り、次の家へと出発で…。
Aブルー「どうしてこういうことになるのさ、酷すぎるよ!」
ブルー 「これが本来の棚経だからね、何も問題なし!」
シロエ 「今年は平和に終わりましたね、良かったですよ」
Aブルー「良くないってば、ぼくの努力が…!」
オスのスイカも報われないよ、と絶叫していますけど。
今月、これにて中継終了~。
2018/08/31 (Fri)
☆打ち上げを希望
さて、八月。暑さの方もMAXな時期で、容赦なく照るお日様。
シャン学メンバー、生徒会長宅で過ごすのが定番ですけれど…。
シロエ 「楽しかったですねえ、山の別荘は! 涼しくて…」
ジョミー「アルテメシアとは全然違うよね! まさに高原!」
サム 「ボート遊びとかも出来たし、最高だったぜ」
マツカ 「お役に立てて何よりです。また来年もどうぞ」
その前に海の別荘もありますけどね、と御曹司。
マツカ 「余計な面子が増えるんですけど、そっちの方は…」
スウェナ「諦めてるわよ、結婚記念日じゃ仕方ないから」
ブルー 「そればっかりは変えられないからねえ…。日付」
何事も無いことを祈ろう、と生徒会長、合掌。
ブルー 「ところでキースはどうなんだい? 卒塔婆書きは」
キース 「まさにリーチといった所だ、またしても親父が!」
シロエ 「敵前逃亡したんですか?」
キース 「これも毎年のことなんだがな!」
俺に思い切り押し付けやがった、とブツブツブツ。
キース 「副住職の務めだ何だと、屁理屈をつけて!」
シロエ 「でもですね…。そのくらいは辛抱して欲しいですね」
マツカ 「まったくです。ぼくたちも泣きを見るんですから」
キースが棚経を引き受けたお蔭で…、と御曹司の溜息。
マツカ 「地獄の沙汰も金次第ですけど、何もあんなのを…」
ブルー 「お布施に釣られて、ホイホイとね…」
キース 「そ、それは…。しかし、どのみち、避けようが…」
無いと思うし、お布施は高い方がいい、と開き直る人。
キース 「破格のお布施を貰えるんなら、やらねばな」
ジョミー「じゃあ、ぼくたちにもお裾分け!」
特別手当は貰えないんだし、少しだけでも…、という言い分。
ジョミー「棚経の打ち上げパーティーとかでいいからさ!」
シロエ 「いいですね、それ!」
キース 「打ち上げパーティー?」
ジョミー「みんなで焼肉とかで、パアーッと!」
それくらいしてもいいと思う、とジョミー君。
いい案ですね…?
2018/08/01 (Wed)
☆打ち上げをしたら
とうとう来たのが八月でして、お盆の棚経がやって来る時期で。
今年もスッポンタケの棚経、引き受けてしまったのがキース君。
キース 「打ち上げパーティーだって? 棚経のか?」
ジョミー「そう! ぼくも暑さでバテバテになるし!」
サム 「俺も毎年、倒れそうだしよ…。いい案だよな」
自転車でスクーターを追って走るのはキツイ、とサム君。
サム 「でもよ、終わったら打ち上げパーティーだったら…」
シロエ 「サム先輩も気合が入りますよね!」
サム 「もちろんじゃねえか。熱中症にはなってられねえ!」
打ち上げパーティー、大いに賛成、とサム君も乗り気。
サム 「キースがスポンサーになるんだよな?」
スウェナ「そういうことよね、誰かさんから貰うお布施で」
キース 「待ってくれ! お前たち、よく考えろ!」
お布施を誰が持って来るのかを…、と副住職。
ジョミー「誰って…。例の困った人だよ」
シロエ 「スッポンタケに人生を賭けてる人ですよね」
マツカ 「たかがキノコだと思うんですけど、本気ですしね…」
イワシの頭も信心からとは言いますけどね、と御曹司の呆れ顔。
マツカ 「あんなので船が守れたら、誰も苦労はしませんが?」
ブルー 「守れるつもりでいるってトコがね…」
あの発想は、ぼくにも謎だ、と生徒会長、お手上げのポーズ。
ブルー 「破格のお布施を包んで棚経を希望だからね」
キース 「そこが問題だと言っている! お布施はだな…」
あいつが包んで来るんだぞ、と副住職の渋面。
キース 「当然、お布施の使い道もチェックするだろう」
一同 「「「え?」」」
キース 「有意義かどうか!」
スッポンタケの役に立ったかどうかは、要チェック、と。
キース 「なのに、お前たちが飲み食いしたとなったら…」
シロエ 「……マズイですね……」
キース 「間違いなく、末代まで祟るぞ!」
一同 「「「うわー…」」」
それは困る、と誰もが顔面蒼白。
終わりですもんね…?
2018/08/02 (Thu)
☆打ち上げは無理です
今年も八月がやって来たわけで、その内にスッポンタケの棚経。
キース君が貰うお布施で打ち上げ、そういう案が出ましたけど。
サム 「アレが末代まで祟るのかよ? 飲み食いしたら…」
キース 「どう考えても、そうなると思うが?」
お布施を使って打ち上げなんぞは論外だ、と副住職。
キース 「仏様のお役に立っていないなら、ムダ金だからな」
シロエ 「使ったことは即バレですよね?」
キース 「今の時点で、もうバレているかもしれないしな」
あっちの世界から覗いていて…、とキース君が竦める肩。
キース 「お前たちの罰当たりな発言を知って、怒り狂って…」
ジョミー「此処に殴り込みに来るってわけ!?」
キース 「いや、来ないだろう。あいつは執念深いしな」
ブルー 「深く静かに沈黙を守って、後で強烈な復讐だよね」
例年以上にキッツイ棚経をかましてくるとか…、と生徒会長も。
ブルー 「棚経までには、まだ日があるから、工夫を凝らして」
シロエ 「スイカに卒塔婆を超えるヤツですか?」
ブルー 「どんな形かは分からないけど、ブルーだしねえ…」
タダで済むとは思えないよ、とブルブルブル。
ブルー 「酷い目に遭いたくないんだったら、お布施でさ…」
キース 「打ち上げパーティーは、しない方がいいな」
一同 「「「はいっ!!!」」」
反省してます、と土下座の御一同様。
シロエ 「その件は分かりましたけど…。ちょっと質問が」
キース 「俺にか?」
シロエ 「ええ。先輩がいつも貰ってるお布施って…」
いったい何に使ってるんです、とシロエ君の問い。
シロエ 「スッポンタケのためにしか使えないんですよね?」
キース 「残念ながら、そういう縛りだな」
俺だって命が惜しいんだから、と副住職、即答。
シロエ 「だったら、お布施の使い道は…?」
サム 「供養塔とかは建ててねえしな…」
ジョミー「聞いてないよね?」
誰も知らないのが、お布施の使い道。
さて、真相や如何に…?
2018/08/03 (Fri)
☆命が惜しければ
八月と言えばお盆の棚経、今年もスッポンタケのために厳修で。
キース君が貰うのがお布施ですけど、その使い道が全くの謎。
スウェナ「お布施は何に使っているのよ、今までの分は?」
シロエ 「棚経の他にもありますからねえ、お彼岸とか」
サム 「けっこうな額になってる筈だぜ、どうなってんだよ」
スッポンタケにしか使えないなら、いったい何に、という質問。
サム 「供養塔の建立費用に貯めてるのかよ?」
キース 「そういうわけでもないんだが…。貯金はしている」
ウッカリ使ったら終わりだからな、と副住職。
キース 「あいつは税務署よりも怖いぞ、間違いなく」
ブルー 「そうだろうねえ…。会計に興味は無さそうだけどさ」
シロエ 「お布施が流用されたとなったら、調べますよね」
それこそ帳簿の隅から隅まで…、とシロエ君も。
シロエ 「帳簿をつけてないとなったら、先輩をですね…」
ジョミー「拷問してでも吐かせそうだよね、何に使ったか」
キース 「ああ。お盆の時期なら、逆さ吊りかもしれないな」
盂蘭盆会の語源はソレらしいから…、と悪い顔色。
キース 「お釈迦様の国の言葉で、逆さ吊りのことを…」
ブルー 「ウラバンナと呼ぶんだよ、地獄の責め苦で」
お盆は地獄もお休みだから盂蘭盆会らしいよ、と銀青様。
ブルー 「ブルーのことだし、キースを拷問するくらいはさ…」
キース 「多分、朝飯前だと思うぞ」
人体実験の経験者なんだからな、とガクガクブルブル。
キース 「だから、お布施は貯めておくだけだ」
シロエ 「なんだかもったいないですね…」
キース 「命の方が大切だろうが!」
死んだら元も子も無いんだぞ、と正論が。
キース 「俺が貰うお布施に期待はするな。命が惜しければ」
ジョミー「ぼくたちが使ったら、ぼくたちも終わるね…」
ブルー 「逃げ道は何処にも無いだろうねえ…」
一同 「「「うーん…」」」
惜しい、と御一同様、ガッカリですけど。
命あっての物種ですよね?
2018/08/04 (Sat)
☆供養塔どころか
八月と言ったらお盆のシーズン、今年もスッポンタケの棚経が。
キース君が誰かさんから貰うお布施は、貯金するだけだそうで。
シロエ 「いつか供養塔を建てる時まで、貯めるだけですか…」
キース 「供養塔で済んだらいいんだがな…。どうなるやら」
一同 「「「へ?」」」
キース 「あいつのことだし、お堂を建てろと言いかねん」
残念なことに、敷地に余裕はあるものだから…、と副住職。
キース 「おまけに裏山の土地も余っているしな」
シロエ 「スッポンタケを安置するためのお堂ですか?」
ジョミー「キノコは腐ると思うんだけど…」
スウェナ「生はダメでも、彫刻とかなら大丈夫よね?」
キースが心配するのはソレね、とスウェナちゃんの問い。
スウェナ「仏像を作って来たとか言って、お堂を建てろって」
キース 「無いとは言い切れないからな…。せめて位牌で…」
ブルー 「勘弁して欲しいトコだね、そこは」
あんな仏像は誰も要らないし、見たくもない、と銀青様も。
ブルー 「ブルーのことだし、デフォルメしそうで…」
一同 「「「デフォルメ?」」」
ブルー 「スッポンタケだと言いつつ、もっと卑猥な形に!」
一同 「「「あー…」」」
如何にもありそうな話だよな、と誰もが納得。
シロエ 「そんな仏像、持ち込まれても困りますよね…」
キース 「当然だろうが! お厨子に押し込むにしてもだな…」
ブルー 「秘仏は見せないものだけれども、裏道がね…」
あるだけに、とても困ったことに…、と銀青様の深い溜息。
シロエ 「秘仏を見せてもいいんですか?」
サム 「御開帳かよ?」
何十年に一度とかのヤツかよ、とサム君が言ってますけれど。
ブルー 「そうじゃなくって、秘仏とセットのヤツがあってさ」
キース 「本物の秘仏は見せられないから、こう…」
ブルー 「お前立ちというのがあるんだよ」
一同 「「「おまえだち?」」」
ソレは何なのだ、と首を傾げる御一同様。
お前立ちって、何ですか…?
2018/08/05 (Sun)
☆秘仏にしても無駄
八月とセットのお盆のシーズン、不可避なスッポンタケの棚経。
お布施で打ち上げするのは無理で、キース君は貯金してまして。
シロエ 「お前立ちっていうのは、何なんですか?」
ブルー 「そのままの意味だね、お厨子の前にお立ちなんだよ」
キース 「秘仏の仏様のお姿を写した、レプリカだな」
レプリカと言ったら身も蓋も無いが…、と副住職の解説。
キース 「誰だってお姿は見たいものだし、有難いものだ」
ブルー 「こういう仏様なのか、と心から手を合わせるんだよ」
御開帳は何十年とかに一度だからね、と銀青様。
ブルー 「生きている間に出会えるかどうか、分からないしさ」
キース 「御縁だけでも結んでおきたい、と拝むわけだな」
シロエ 「それじゃ、誰かさんが持ち込んだ妙な仏像もですか」
キース 「ああ。お厨子に入れて秘仏にしようものなら…」
間違いなく、その手でやって来るぞ、と副住職が抱える頭。
キース 「余計な仏像が増えるんだ! お前立ちの分だけ!」
シロエ 「それは困りますね…」
キース 「おまけに俺は、それを拝む羽目になるんだぞ!」
毎日、朝晩、お堂に行って…、と副住職が訴えるピンチ。
キース 「お前たちだって、何かの時には拝まされるな」
ブルー 「まずは開眼供養だよねえ、その仏像の」
一同 「「「うわー…」」」
最悪すぎるコースじゃないか、と誰もがブルブル。
シロエ 「嫌でも見ることになるんですね? その仏像を?」
キース 「いくら秘仏にすると言っても、開眼供養までは…」
ブルー 「ただの彫刻という扱いだし、もうバッチリと!」
お前立ちじゃないのが来るであろう、と銀青様、断言。
ブルー 「それが済んだらお厨子に納めて、次はお前立ちの…」
キース 「開眼供養をすることになるな、寺の常識として」
ジョミー「避けられないわけ?」
キース 「あの馬鹿が仏像を持ち込みやがったらな!」
そうならないよう祈っておけ、と副住職も恐れる展開。
怖いですね…?
2018/08/06 (Mon)
☆平常心で乗り切れ
八月とくればお盆の棚経、どう転がっても避けられない状況で。
しかもお布施で打ち上げは無理で、いつかはお布施で仏像かも。
シロエ 「最低最悪な展開ですね、ソレ…」
キース 「だから祈れと言っている! ついでに現状維持も」
今よりも酷い目に遭うよりマシだ、と副住職の指摘。
キース 「棚経の方も我慢してくれ。あの馬鹿が来ても」
一同 「「「はーい…」」」
転ばぬ先の杖と言うし、と誰もが頷くしかない現状。
スウェナ「何も無いといいわね、今年の棚経」
シロエ 「スイカに卒塔婆は許容範囲だと思いましょう!」
妙な仏像が来るよりマシです、とシロエ君の前向きな発言。
シロエ 「打ち上げパーティーも、絵に描いた餅ですしね」
ジョミー「実現させたら、もう思いっ切り後が無いしね…」
諦めよう、とジョミー君。
ジョミー「誰かさん、絶対、聞いてそうだし…。今の話を」
ブルー 「壁に耳ありと言うからねえ…」
都合の悪い話ほど聞かれるものだ、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「とにかく棚経を我慢しとけば、その次はさ…」
サム 「お彼岸まで何もねえからよ」
一同 「「「お彼岸…」」」
インターバルは、たった1ヶ月なのか、と一同、愕然。
シロエ 「なんでそんなに短いんです! そこの間が!」
キース 「坊主の世界でも、そう言われている」
ブルー 「お盆で燃え尽きてるのに、すぐ来るからねえ…」
本職でもそうだから、我慢するんだね、と銀青様のお言葉。
ブルー 「一つずつクリアしていこう。まずは棚経」
キース 「よろしく頼むぞ」
一同 「「「うーん…」」」
よろしくされても、と思っても口に出せない御一同様。
シロエ 「仕方ないですね…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お膳、頑張って作るからね!」
キース 「いいか、冷静さを欠いたら負けだ。何があっても」
ブルー 「平常心でね」
一同 「「「了解…」」」
耐えてみせます、と誓う今年の棚経。
さて、運命や如何に…?
2018/08/07 (Tue)
☆積み重ねが大切
誰もが避けたいと願っていたのに、やって来たのが棚経の日。
朝早くから生徒会長宅に集合、待機しているシャン学メンバー。
シロエ 「なんでこんなに早いんでしょうか、毎年、毎年」
スウェナ「キースが来るのは、まだまだ後になるのにね…」
マツカ 「仕方ないですよ、誰かさんが万全を期待してますし」
きちんと準備を整えないと…、と御曹司。
マツカ 「手抜きしたなら終わりですしね、ぼくたちの命が」
??? 「誰もそこまで言ってないけど?」
今日はよろしく、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「いい棚経になるといいねえ、今年のも!」
シロエ 「厄介なことはしないで下さいよ?」
Aブルー「君たちの方こそ、邪念を抱かないで欲しいね」
お布施で打ち上げをしようだなんて…、とソルジャー、ギロリ。
Aブルー「あれはキースが貯めてるんだよ、将来のために!」
シロエ 「怖くて使えないだけだと言ってましたが?」
Aブルー「そうらしいけど、ビジョンはあるみたいだしね!」
供養塔とか、お堂だとか…、と嬉しそうな人。
Aブルー「お堂を建ててくれるんだったら、もっとお布施を!」
シロエ 「迷惑ですから!」
Aブルー「御利益はあると思うけどねえ、夫婦和合に」
お参りの人も増えると思う、とブッ飛んだ意見。
Aブルー「なんと言っても、お祭りする像がアレだから!」
シロエ 「非公開の秘仏にすると聞きましたけど?」
Aブルー「抜け道はあると言っていたよね、何だったっけ?」
お厨子の前にレプリカだよね、とキッチリ聞かれていた話。
Aブルー「そういうお堂を建てるためにも、積み重ねが大切!」
シロエ 「お布施の、ですか?」
Aブルー「ピンポーン!」
今日の棚経も張り切っていこう、と突き上げる拳。
Aブルー「それじゃ、準備に取り掛かろうか」
一同 「「「はーい…」」」
Aブルー「もっと元気に、景気よく!」
年に一度の棚経だしね、と笑顔全開。
どうなるんでしょう…?
2018/08/08 (Wed)
☆外国人にも人気
誰もが避けたかった棚経、容赦なく来てしまった当日とゲスト。
いえ、主催者と呼ぶべきなんでしょうか、張り切ってまして…。
Aブルー「ぶるぅはお膳をよろしく頼むよ、美味しいのを!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちゃんと朝一番で仕入れて来たよ!」
新鮮な野菜が一杯なの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「今年は最先端の精進料理に挑戦! お膳だけど!」
Aブルー「最先端って?」
ぶるぅ 「外国の人にも喜ばれるヤツ! 宿坊で人気!」
Aブルー「宿坊って…。キースのトコかい?」
聞いてないけど、とソルジャー、怪訝そうな顔。
Aブルー「外国の人も泊まってたっけ? まあ、安いけどさ」
シロエ 「そりゃ、来るでしょうけど…。人気でしたっけ?」
料理のことは聞いていませんが…、とシロエ君も。
シロエ 「ただの観光拠点なだけで、食事は普通なんじゃあ?」
マツカ 「キースは何も言ってませんよね、そういう話」
スウェナ「名物になるくらいだったら、言うわよねえ…?」
それとも謙虚な姿勢かしらね、とスウェナちゃんが傾げる首。
スウェナ「こんなに人気だ、と喋ったら自慢になりそうだし…」
マツカ 「その可能性はありますね…」
Aブルー「なるほどねえ…。それじゃ、密かに人気なんだ?」
此処のみんなが知らないだけで、と頷くソルジャー。
Aブルー「ぶるぅは知っていたんだね? 料理好きだから」
ぶるぅ 「違うよ、世界遺産になってる所の宿坊なの!」
一同 「「「世界遺産?」」」
何処だソレは、と誰もがキョトン。
シロエ 「世界遺産に宿坊なんかが、ありましたっけ?」
マツカ 「どうなんでしょう?」
近頃、世界遺産も多くて…、と御曹司。
マツカ 「雨後のタケノコ状態ですしね、何処のことだか…」
ぶるぅ 「ソレイド八十八ヶ所の御大師様のトコだよ!」
ブルー 「正確に言えば、総本山だね」
一同 「「「あー…」」」
そういえば人気だったっけ、と一同、納得。
外国人客、多数…。
2018/08/09 (Thu)
☆流行りの精進料理
来てしまったのが棚経の日で、ソルジャーも張り切って登場で。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」も抜かりないのが、お膳の準備。
シロエ 「山奥なのに人気らしいですね、総本山は」
ブルー 「密教の根本道場ってことで、非日常だよね」
町自体がさ…、と生徒会長。
ブルー 「住んでいる人は、お坊さんか、お寺の関係者だし」
シロエ 「一般人は皆無なんですか?」
ブルー 「そうでもないけど、少数派だよね。お店の人とか」
土産物だけじゃなくて、生活必需品とかね、という解説。
ブルー 「昔はパチンコ屋さんもあったらしいよ」
スウェナ「パチンコって…。誰を相手にしてたのよ?」
ブルー 「表向きは一般人なんだけどさ、まあ、実態は…」
シロエ 「お坊さんも行ってたわけですね…」
容易に想像できますよ、とシロエ君の溜息。
シロエ 「花街が無いだけマシなんでしょうね、きっと」
ブルー 「流石にソレはマズイと思うよ、宗教都市では」
そんなわけで今は厳選された人が住む町、と銀青様。
ブルー 「外国の人には新鮮だろうね、観光地じゃないし」
マツカ 「仏教に理解があるかはともかく、惹かれそうですね」
神秘的だというだけで…、と御曹司も納得。
マツカ 「それで精進料理も、ご時世に合わせてるんですね」
ぶるぅ 「そうなの! やっぱり美味しくなくっちゃね!」
色々と工夫されてるんだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「お肉や魚は使えないけど、ヘルシーだしね」
シロエ 「ベジタリアンの人には、嬉しいでしょうね」
スウェナ「外国の人は、ヘルシー志向が高いらしいものね」
ベジタリアンじゃなくても飛び付くわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「今年のお膳は、そういう仕様になるってことね?」
ぶるぅ 「うんっ! 喜んで貰いたいもんね!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅ!」
シロエ 「そこまでしなくても良さそうな気が…」
あんな迷惑な仏様に…、とブツブツブツ。
そりゃそうですよねえ…?
2018/08/10 (Fri)
☆出世する可能性
今年もスッポンタケの棚経、ソルジャーも来て、始まった準備。
お膳は「そるじゃぁ・ぶるぅ」の担当、精進料理ですけれど…。
Aブルー「迷惑な仏様って、何さ! きっといずれは!」
シロエ 「出世するとでも言いたいんですか?」
Aブルー「順調にいけば、その可能性が高いじゃないか!」
キースは貯金してるんだから、とソルジャー、グッと拳を。
Aブルー「供養塔だとイマイチだけど、お堂だったら…」
一同 「「「…………」」」
例の話か、と凍り付く御一同様。
Aブルー「君たちも話していただろう? 秘仏にするって!」
シロエ 「そ、そうですけど…?」
Aブルー「でもって、お厨子の前にレプリカ! 何だっけ?」
名前を忘れてしまったんだけど、とソルジャー、笑顔。
Aブルー「そういうのを置いて、拝んで貰うんだよね?」
シロエ 「誰も作るとは言ってませんが!」
Aブルー「ぼくの未来のプロジェクトだよ! お堂の建立!」
元老寺には土地が余っているらしいから、とニコニコニコ。
Aブルー「作れば、夫婦和合に御利益! きっとバッチリ!」
ブルー 「あのねえ…。まずはキースが承知しないと…」
シロエ 「計画倒れだと思いますけど?」
ついでにアドス和尚もですね、とシロエ君。
シロエ 「元老寺の実権、アドス和尚が握ってますから」
マツカ 「キースは副住職ですからね…」
下っ端ですよ、と御曹司も。
マツカ 「いくらキースが提案しても、断られたら…」
シロエ 「頓挫しますよね、お堂の話」
お金だけでは実現しません、と正論が。
シロエ 「その辺も考えて貰わないと…」
Aブルー「うーん…」
アドス和尚が壁になるのか、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「キースが乗り気になってくれても、駄目だって?」
ブルー 「乗り気になるわけが無さそうだけど?」
シロエ 「そうですよ!」
Aブルー「決め付けないでくれたまえ!」
先のことなんか分からないよ、と強気ですけど。
どうなんだか…。
2018/08/11 (Sat)
☆未来は読めません
いよいよスッポンタケの棚経、ソルジャーも到着済みですけど。
お布施でお堂を建てると言い出し、いつか実現させる気、満々。
Aブルー「キースが本気を出してくれれば、アドス和尚も!」
シロエ 「折れると言いたいわけですか?」
Aブルー「そう! なんと言っても、未来の住職!」
元老寺の今後を担う人材、疎かにするわけがない、という読み。
Aブルー「アドス和尚も年を取らないけど、引退ってことも…」
ブルー 「それは無いとは言い切れないかな…。激務だから」
スウェナ「引退すれば、卒塔婆書きから解放されるのよね?」
ブルー 「月参りや法要からも、基本は外れるものだしね…」
顔出しが必要な時だけ出れば充分だから、と銀青様の解説。
ブルー 「重鎮は、そうそう働かないよ。ゆったり構えて」
Aブルー「ほらね、アドス和尚が好きそうじゃないか」
そういう生き方、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「だから住職の座をキースに譲って、円満退職!」
シロエ 「絶対に無いとは言えませんね…」
マツカ 「引退してゴルフ三昧は、夢かもしれませんしね…」
Aブルー「そうだろう? そのためにも、未来の住職をさ…」
大事にしないといけないよね、と言われてみれば、その通り。
シロエ 「じゃ、じゃあ…。キース先輩のお願いだって…」
Aブルー「通る可能性があるってことだよ、頑固親父でも!」
スッポンタケのためのお堂も建てられるかも、と前向きな人。
Aブルー「お堂さえ出来れば、トントン拍子に出世ってね!」
シロエ 「あんな迷惑な仏様がですか?」
Aブルー「出世すれば、もう、迷惑じゃないよ!」
世のため、人のために役立つんだから…、と広がる野望。
Aブルー「その仏様を粗末にしない! まずは棚経!」
シロエ 「結局、そこに行き着くんですね?」
Aブルー「グダグダ言わずに、準備してくれたまえ!」
一同 「「「はーい…」」」
逆らったら後が無いもんね、と誰もが溜息。
迷惑すぎですよねえ…?
2018/08/12 (Sun)
☆家の本性が出ます
スッポンタケの棚経の日ですけど、誰も乗り気にならない現実。
とはいえ、ソルジャーが来ている以上は、やるしかないわけで。
シロエ 「…祭壇は此処でいいんですよね?」
ぶるぅ 「うんっ! お膳をこっちに置くんだから…」
ブルー 「花はこの辺りで、お線香立てがその辺で…」
しっかりと準備するように、と銀青様の指図。
ブルー 「腐っても、ぼくの家だからねえ…。きちんとする!」
シロエ 「あんな迷惑な仏様でも、手抜きは厳禁なんですか?」
ブルー 「キースも言っていただろう? 棚経の日はさ…」
その家の本性が出るんだよね、と生徒会長。
ブルー 「お線香立てにお線香が刺さらないとか、色々と」
一同 「「「あー…」」」
そうだったっけ、と一同、納得。
スウェナ「日頃、お線香を使っていないと、そうなるのよね?」
ブルー 「そう! 灰がガチガチに固まるからね」
お仏壇を放置してるのがバレバレだよね、という話。
ブルー 「スッポンタケは、ウチの仏様じゃないけどさ…」
シロエ 「会長の家で棚経な以上は、完璧にしたいわけですね」
ブルー 「誰かさんが余計なことをしなかったらね!」
Aブルー「誰かって…。ぼくのことかい?」
心外な、とソルジャー、憮然とした顔。
Aブルー「全身全霊で棚経なんだよ、ぼくが何をしたと?」
ブルー 「筆頭はアレだね、スイカに卒塔婆!」
とんでもないオブジェを作っただろう、と厳しい視線。
ブルー 「ああいうドン引きされそうなモノは、勘弁だよね」
Aブルー「そういえば…。だけど、アレはさ…」
夫婦和合を象徴するオブジェだったわけで…、とイヤンな解説。
Aブルー「スッポンタケにはピッタリだったよ、本当に!」
ブルー 「何処から見たって、邪道だから!」
Aブルー「うーん…。最高だったと思うんだけどな…」
ブルー 「とにかく普通に!」
Aブルー「あのオブジェかあ…」
ちょっといいかも、と考え込んでいる人。
まさか、再現する気だとか…?
2018/08/13 (Mon)
☆果物でバレます
スッポンタケの棚経の準備をするなら、完璧にやりたい銀青様。
ところが真逆なのがソルジャー、スイカに卒塔婆がどうこうと。
Aブルー「スイカに卒塔婆は、本当にいいオブジェだしねえ…」
シロエ 「どの辺がですか!」
Aブルー「え? スイカのアソコに卒塔婆がズッコン! と」
立派な夫婦和合の形、とニコニコニコ。
Aブルー「それを供えて棚経をすれば、スッポンタケだって!」
ブルー 「喜ぶとでも言いたいのかい?」
Aブルー「当然じゃないか、棚経と併せて漲りまくり!」
奥の奥までズンズンだよね、と朝っぱらから嫌すぎる話。
Aブルー「よし、決めた! 今年はスイカに卒塔婆だよ!」
一同 「「「ひぃぃっ!!」」」
なんでそうなる、と誰もがワタワタ。
シロエ 「あのですね…! お供え物なら、もう、ぶるぅが…」
スウェナ「そうよ、きちんと買ってるじゃないの!」
花も果物もお菓子なんかも…、とスウェナちゃん。
スウェナ「これ以上、何を望むというのよ!」
Aブルー「ブルーと同じで、完璧な棚経!」
スイカは置いてないようだしね、と冷静な指摘。
Aブルー「ぶるぅ、スイカは買わなかったのかい?」
ぶるぅ 「えとえと…。お供え物のランキングだと…」
一同 「「「???」」」
ぶるぅ 「果物のトップはメロンなの! 高級品だから!」
桐箱入りのとかもあるでしょ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「だからメロンが一番だよね、って!」
ブルー 「お寺で法事をやる時なんかは、果物でバレるよ」
シロエ 「何がですか?」
ブルー 「法事のお布施をはずんだかどうか、一発で!」
メロンが供えてあったら文句は無し、と銀青様のお言葉。
ブルー 「他の果物でも高級品なら、メロンと同等!」
シロエ 「じゃあ、バナナとかだとダメなんですか?」
ブルー 「仏様の好みによるけど、まあ、大抵はね…」
一同 「「「うーん…」」」
そんな所でバレるのか、と誰もが思うお布施の額。
果物ですか…。
2018/08/14 (Tue)
☆スイカも色々
スッポンタケの棚経のお供え物に、入っていない果物がスイカ。
果物を供えるならメロンが最高、そういう世界らしくって…。
シロエ 「果物で法事のランクがバレるって、キツイですね…」
スウェナ「露骨すぎよね、酷い話だわ」
ブルー 「そうは言っても、お寺の方でも予算に合わせるから」
貰ったお布施で赤字になるのは避けないと…、と銀青様の説明。
ブルー 「果物もそうだし、お袈裟でも分かるものなんだよ」
マツカ 「それは前に聞いたことがあります。確か、種類が…」
シロエ 「変わるんでしたね、立派な法要ほど絢爛豪華に」
ブルー 「その通り! 素人さんの目で分かるのは、そっち」
果物までは見ていないよね、と銀青様。
ブルー 「キンキラキンのお袈裟の方が、目を引くしさ」
シロエ 「うーん…。でも、果物でも見分けられるんですね?」
ブルー 「メロンとスイカじゃ、月とスッポンかな…」
値段がまるで違うからね、という話。
ブルー 「冬の法事でスイカだったら、また別だけど」
一同 「「「あー…」」」
冬に無いのがスイカなだけに、あったら値段も高そうな感じ。
シロエ 「すると珍しいスイカだったら、オッケーですか?」
ブルー 「えっと…?」
シロエ 「同じスイカでも、お値段がメロン並みだとか」
ブルー 「それならいいけど、でも、スイカだしね…」
珍しいのがあっただろうか、と考え込んでいますけど。
ぶるぅ 「んとんと…。四角いスイカもあるよね!」
スウェナ「あったわねえ! アレなら一目で違いが分かるわ」
マツカ 「黒いスイカもありますよ」
お値段、割と高めなのでは…、と御曹司。
マツカ 「夏祭りのお供え物で見かけたことがありますから」
シロエ 「爆弾みたいなヤツですね? 真っ黒で、丸くて」
ぶるぅ 「黒玉スイカ? 普通のスイカよりは高いけど…」
Aブルー「ちょっと待ってよ、爆弾みたいなスイカだって?」
それでお値段高めなのかい、と輝くソルジャーの瞳。
何か問題でも?
2018/08/15 (Wed)
☆夏は修行を
夏休みに入ったシャン学メンバー、話題は再び棚経のお供へと。
キース君のお供にはサム君が良くて、ジョミー君の退場を希望。
ジョミー「どうして、ぼくが言われるわけ?」
スウェナ「決まってるじゃないの、サムの方がマシだからよ!」
スルースキルが高いんだもの、とスウェナちゃん。
スウェナ「だから交代して欲しいのよね、少しでも早く!」
シロエ 「それが嫌なら、ジョミー先輩が修行してですね…」
サム 「スルースキルを上げるしかねえよな、俺のレベルに」
どっちにしたって勉強だよな、とサム君、腕組み。
サム 「この夏から真面目に修行しろよな、ブルーに頼んで」
マツカ 「そうですね…。アドス和尚には蹴られてますから」
キース 「ああ。親父も今は気持ちに余裕が無いしな」
卒塔婆書きで既にリーチだから、と副住職の溜息。
キース 「ジョミーの面倒どころじゃないしな、ブルーだな」
シロエ 「会長、是非ともお願いします!」
山の別荘でもしごいて下さい、とシロエ君。
シロエ 「ジョミー先輩が修行を積んだら、明らかにですね…」
マツカ 「誰かさんの被害は減りそうですよね、棚経の時の」
ただし棚経限定ですけど、と御曹司、お手上げのポーズ。
マツカ 「他の法要には、まるで効き目が無いでしょうしね」
ブルー 「無いだろうねえ、導師はキースで確定だから」
ジョミー「じゃ、じゃあさ…! ぼくが修行しても無駄で…」
何の意味も無いし、現状維持で…、とジョミー君、必死。
ジョミー「アドス和尚に気に入られたって、仕方ないから!」
シロエ 「いいえ、棚経のお供が出来れば充分です!」
そして、こちらにはサム先輩を…、とシロエ君、譲らず。
シロエ 「そうでなければ、ジョミー先輩がスキルアップを!」
サム 「スイカに卒塔婆が刺さってても、動じねえように」
スウェナ「頑張りなさいよ!」
ジョミー「そ、そんな…!」
諸悪の根源はキースなのに、とジョミー君、オタオタ。
さて、どうなる…?
2018/07/16 (Mon)
☆指導をお願い
夏休みを過ごすシャン学メンバー、ジョミー君に修行の注文を。
スキルアップしてアドス和尚のお供か、動じないようになるか。
ジョミー「どうして、ぼくにお鉢が回ってくるわけ!?」
サム 「他に希望ってヤツがねえからだろ。災難回避の」
諸悪の根源はキースでもよ…、とサム君の睨み。
サム 「キースがどうにもならねえ以上は、他の手段をよ…」
シロエ 「講じるしかないってことですよ。自衛策として」
スキルアップをして下さい、と詰め寄るシロエ君。
シロエ 「少なくとも隙は無くなりますから! 今よりは!」
マツカ 「ええ。棚経限定でも、ぼくたちの負担は減ります」
ストレスが少しは減少します、と御曹司も。
マツカ 「幸い、ブルーがいますから…。お盆前でも暇な人が」
スウェナ「そうよね、ブルーはお寺を持っていないし…」
サム 「卒塔婆書きなんていうノルマはねえしな」
安心して指導して貰えよな、とサム君、ビシィ! と。
サム 「山の別荘でもしごいて貰えよ、朝晩のお勤めの他に」
ブルー 「任せておいてくれたまえ。お盆までには…」
お経を読めるように仕込むよ、と銀青様の太鼓判。
ブルー 「無事に口パクを卒業出来たら、来年からはさ…」
キース 「親父のお供でも文句は出ないな、間違いなく」
スウェナ「スルースキルは仕込めるかしら?」
ブルー 「うーん…。そっちは日頃の積み重ねでさ…」
一朝一夕には身に着かないよね、と銀青様。
ブルー 「サムと同じで、朝のお勤めに通って貰うしか…」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
ブルー 「朝御飯の御褒美がつくんだけれど?」
ぶるぅが腕を奮ったのが…、とチラつかせる餌。
ブルー 「どうかな、早速、夏休みから!」
シロエ 「いいですねえ! ラジオ体操感覚ですね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 美味しい御飯、沢山作るよ!」
ジョミー「そんなの、どうでもいいんだけど…!」
朝御飯なら間に合ってるから、と必死の逃げ。
運命や如何に…?
2018/07/17 (Tue)
☆御褒美は朝食
夏休み中のシャン学メンバー、ジョミー君にやって欲しい修行。
スキルアップすれば棚経だけでもリスクが減少、そういう流れ。
ジョミー「朝御飯はママので間に合ってるから!」
シロエ 「そうですか? ぶるぅに頼めば、もっと色々と…」
マツカ 「バリエーションがあると思いますよ?」
お母さんの御飯は定番でしょう、と御曹司のツッコミ。
マツカ 「いくら日替わりでも、朝から和洋中とですね…」
サム 「あれこれ揃えてくれるわけがねえよな、普通はよ」
シロエ 「マツカ先輩なら、シェフが作ってくれそうですけど」
前の晩から頼んでおけば、とシロエ君。
シロエ 「明日の朝は中華風のお粥がいいとか、そんな感じで」
マツカ 「ええ、まあ…。滅多に頼みませんけどね」
我儘は言うべきじゃないです、と流石の謙虚さ。
マツカ 「ですけど、ぶるぅが修行の御褒美に作るなら…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ホントに何でも作るよ!」
朝食バイキングだってアリだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「ドッサリ揃えて選び放題、食べ放題で!」
サム 「いいよな、ソレ! 俺も食いに来ていいんだろ?」
ぶるぅ 「もっちろ~ん! サムは元々、修行に来てるし…」
ブルー 「お客様が増えるのは大歓迎だよ」
だからジョミーも頑張りたまえ、と勧める人。
ブルー 「スキルアップ出来て、みんなに喜ばれてさ…」
シロエ 「いいことずくめだと思います! 是非、修行を!」
キース 「やっておいて損はないと思うぞ、将来に向けて」
どうせいずれは坊主だからな、と副住職も。
キース 「ブルーの直弟子になった時点で、フラグがだな…」
シロエ 「立ってますよね、どう考えても」
後は修行を積むだけです、との声。
シロエ 「ぼくたちのためにも、修行して下さい!」
スウェナ「夏休みを有意義に過ごして欲しいわよね」
サム 「頑張れよな!」
ジョミー「嫌だってば!」
ぼくの夏休みはぼくのものだ、という悲鳴。
さて…?
2018/07/18 (Wed)
☆現状を維持して
夏休みを過ごすシャン学メンバー、減少させたい棚経のリスク。
今年の分には間に合わなくても、来年以降に生かしたいわけで。
シロエ 「ジョミー先輩の夏休みはですね、かなりの部分で…」
スウェナ「私たちの夏休みと被ってるわよね、毎年だけど」
山の別荘も海の別荘も…、とスウェナちゃんの指摘。
スウェナ「此処へ遊びに来る日も含めて、楽しいイベントは…」
サム 「100%、俺たちと同じなんでねえの?」
マツカ 「それで間違いないですね。ジョミー単独では…」
シロエ 「家族旅行にも行ってませんよね、ぼくもですけど」
家族旅行より、みんなで旅行の方が楽しいですし、とシロエ君。
シロエ 「ですから、ジョミー先輩だけの夏休みじゃないです」
マツカ 「ぼくたちのことも考えて欲しいですよね」
サム 「まったくだぜ。俺は棚経、別行動だけどよ…」
みんなのためにも努力しろよな、とサム君も。
サム 「俺と同じだけのスキルを身につけねえと」
ブルー 「本当にみんなが困るからねえ、今のままだと」
早速、明日から修行に来たまえ、と銀青様。
ブルー 「山の別荘でも、特別コースを組んであげよう」
ジョミー「特別コース?」
ブルー 「そう! ぼくは、のんびり過ごしたいんだけどね…」
グッと我慢して朝から修行の面倒を…、という申し出。
ブルー 「少しでも早く一人前になって欲しいしね」
ジョミー「そ、そんな…!」
??? 「ぼくも同感!」
現状維持で…、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
シロエ 「ちょ、ちょっと…! 何故、来たんです!」
Aブルー「何故って、棚経の危機みたいだから!」
ぼくの大事なスッポンタケの棚経が…、とソルジャーの言。
Aブルー「きちんと続けてくれないと困るよ、棚経を!」
ブルー 「続けないとは誰も言ってないけど?」
Aブルー「だけど、流れが変わりそうじゃないか!」
いい棚経にしたいんだから、と言われましても。
それが諸悪の根源では?
2018/07/19 (Thu)
☆流れが変われば
夏休み中のシャン学メンバー、棚経のリスクを減らす対策中で。
ジョミー君に修行をさせたいわけで、そこへ乱入して来た人。
Aブルー「流れを変えるなんて、とんでもないよ! 棚経の!」
ブルー 「変わらないけど? キースのお供がスキルアップで」
たったそれだけ、と銀青様の説明。
ブルー 「ジョミーが修行を積んでくれれば、スキルがね…」
シロエ 「アップしますから、いい棚経になるわけですよ」
オタオタせずにお供が出来て…、とシロエ君も。
シロエ 「どんなサプライズもドンとお任せ、そんな感じです」
サム 「今のジョミーだと、マジで話にならねえからよ…」
キース 「お経さえも口パクで、本当に使えないからな」
あんたにもプラスになると思うが…、と副住職。
キース 「ジョミーも俺と一緒に読経で、仏様がお喜びになる」
Aブルー「そうなんだ?」
キース 「どんな法要でも、坊主が多いほど有難いものだ」
棚経でも1人より2人、と指を1本、2本と立てまして…。
キース 「つまり、あんたに損はいかない。むしろ得をする!」
Aブルー「今よりも?」
ブルー 「その点は、ぼくも保証するよ。キースが正しい」
お経の声が増えるコースを選びたまえ、と銀青様。
ブルー 「ジョミーさえ真面目に修行したなら、来年からは…」
キース 「棚経のための坊主が2人だ、飾りじゃないのが」
いい話だと思うんだが…、と副住職のプッシュ。
キース 「それに檀家さんも嬉しいだろうし、一石二鳥だ」
Aブルー「檀家さんは、どうでもいいんだけどさ…」
スッポンタケが喜んでくれるんなら、と考え込むソルジャー。
Aブルー「いい方に流れが変わるんだったら、それもいいかな」
ジョミー「待ってよ、止めに来てくれたんじゃないわけ!?」
Aブルー「ぼくが大事なのは棚経だしねえ、君じゃなくって」
ジョミー「ぼくも大事にして欲しいんだけど…!」
棚経には欠かせないんだから、とジョミー君、必死。
どうなりますやら…。
2018/07/20 (Fri)
☆朝御飯を美味しく
夏休み中のシャン学メンバー、減らしたいものが棚経のリスク。
ジョミー君が修行したなら、スルースキルがアップするわけで。
シロエ 「ほら、困る人はいなくなりましたよ?」
マツカ 「頑張って修行をして欲しいですね、この夏休みは」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 明日から修行に来るよね?」
朝御飯は好きなものを注文してね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「暑いから、エスニック料理も美味しいよ?」
サム 「ナシゴレンとか、美味そうだよなあ…」
Aブルー「ぼくも食べに来てかまわないかな?」
早起きは得意じゃないんだけれど、とソルジャーの割り込み。
Aブルー「出来ればダラダラ寝ていたいけどね、朝御飯が…」
シロエ 「素敵だったら、話は別だと言いたいんですね?」
Aブルー「そう! ノルディに誘われたら朝から遠出も…」
してるんだよね、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「暗い内から車で走って、獲れたてのカニとか!」
ぶるぅ 「んとんと…。カニは季節じゃないんだけど…」
カニのカレーもいいかもね、と笑顔のお子様。
ぶるぅ 「美味しいんだよ、プーパッポンカリー!」
Aブルー「朝からカレーも悪くないねえ、こっちは暑いし」
キース 「カレーはお釈迦様の国が発祥だからな」
プーパッポンカリーの国も仏教だしな、と副住職の笑み。
キース 「仏道修行にピッタリなんだし、頑張るんだな」
ジョミー「誰も来るとは言ってないから!」
Aブルー「そう言わずにさ…。ここは修行をして欲しいよね」
スッポンタケが喜ぶんだから、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「君のスキルがアップするのは大歓迎!」
ブルー 「此処のみんなも喜ぶんだよ」
君一人が努力するだけで…、と銀青様も。
ブルー 「明日から早速、棚経に向けて修行したまえ」
ぶるぅ 「プーパッポンカリー、作っておくね!」
ジョミー「カレーはいいから…!」
そんなモノより見逃して欲しい、と慌てる人。
リーチですけどね…?
2018/07/21 (Sat)
☆まだマシなんです
夏休みを過ごすシャン学メンバー、棚経のリスクの減少を希望。
ジョミー君さえ修行したなら、グンとリスクが減りそうで…。
ジョミー「みんなは良くても、ぼくが困るから!」
シロエ 「それがどうしたと言うんです?」
キース先輩の言い分と何処が違うんですか、とシロエ君の指摘。
シロエ 「特別手当が欲しいくらいに、ぼくたちにですね…」
スウェナ「ババを引かせるけど、本人は困ってないのよね…」
マツカ 「そうですね。しかも、別の世界に引っ越す話を…」
蹴りましたよね、と御曹司も。
マツカ 「キースが別の世界に行ったら、平和になるのに」
シロエ 「そうなんです! そこを困ると逃げましたしね」
ジョミー先輩もソレと同じじゃないですか、とキッツイ言葉が。
シロエ 「自分さえ良ければ、他のみんなはどうでもいい、と」
キース 「俺はそこまで言っていないぞ!」
マツカ 「でも、似たようなものでしょう?」
犠牲になる気はゼロでしたよね、と冷たい視線。
マツカ 「まだ、あのアカウントは残してありますから」
シロエ 「@副住元老ですね!」
サム 「いつでもツイート出来る仕様な!」
アレに比べりゃマシじゃねえかよ、と頷くサム君。
サム 「こっちの世界に残れるんだし、修行だけだぜ?」
キース 「俺の時ほど、理不尽な要求ではないと思うが」
あの時は俺を責めただろうが、と副住職の渋面。
キース 「最高に乗り気な一人だったぞ、そこのジョミーは」
ジョミー「そ、そうだけど…。そうだったけど…!」
それとこれとは話が別で…、と泣きそうな顔。
ジョミー「修行しろなんて言われても…!」
Aブルー「それだけだよね?」
キースよりかは恵まれてるよ、とソルジャーまでが。
Aブルー「ぼくのシャングリラに引っ越す必要は無いし…」
シロエ 「しかも、美味しい朝御飯つきです!」
ジョミー「で、でもさ…!」
ぼくの夏休みが台無しじゃないか、と必死の反論。
無駄っぽいですけどね…?
2018/07/22 (Sun)
☆手抜きはしません
夏休みなシャン学メンバーの頭痛の種が、お盆の棚経なるもの。
少しでもリスクを減らしたいわけで、その矛先がジョミー君へ。
シロエ 「別の世界に行くんじゃないですし、安心ですよ」
キース 「それに夏休みが大変なのは、俺もだからな」
毎年、毎年、卒塔婆書きで…、と副住職の嘆き。
キース 「今年もノルマが山ほどあるんだ、もうドッサリと!」
ブルー 「ジョミーの場合は、そっちの苦労は無いからねえ…」
サム 「うんうん、寺の跡継ぎじゃねえしな」
その点でもキースより恵まれてるぜ、とサム君。
サム 「だから諦めて修行しろよな、この夏休みは!」
ブルー 「修行に付き合う、ぼくだって時間を取られるしね」
山の別荘でも修行の面倒を見る羽目に…、と銀青様、ブツブツ。
ブルー 「だけど、みんなのためになるなら、我慢だよ」
Aブルー「素晴らしいねえ、流石はソルジャー!」
人類軍と戦わなくても、立派じゃないか、とソルジャー、絶賛。
Aブルー「是非とも、ジョミーを仕込んでくれたまえ!」
シロエ 「ぼくたちからも、お願いします!」
キース 「俺からも頼む。使えるヤツが欲しいからな」
同じ棚経に行くのなら…、と副住職も、ちゃっかり便乗。
キース 「遠慮なくビシバシしごいてくれ。俺の親父並みにな」
ブルー 「もちろんだよ。やると決めたら手抜きはしない」
明日から通って来てくれたまえ、と視線がジョミー君に。
ブルー 「明日の朝御飯は、プーパッポンカリーでいいのかな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 美味しいカニを買って来なくちゃ!」
本場の国で、と張り切るお子様。
ぶるぅ 「香辛料とかも本場のがいいよね、行ってくるーっ!」
ジョミー「ちょ、ちょっと…! 行かなくていいから…!」
ぶるぅ 「なんで? 絶対、本場のカニが新鮮でいいってば!」
ジョミー「違うよ、そういう問題じゃなくて、ぼくの問題…!」
カレーの材料はどうでもいいから、と慌ててますけど。
そうなんですか?
2018/07/23 (Mon)
☆朝御飯をどうする
夏休み中のシャン学メンバー、減らしたいものが棚経のリスク。
将来に向けてジョミー君を育成、役に立つようにしたいわけで。
ジョミー「カレーはどうでもいいんだよ! カニとかも!」
ブルー 「もっとボリュームがあるものがいいと?」
夏の修行は体力勝負でもあるし…、と銀青様の問い。
ブルー 「本当だったら、精進料理でいきたいけどねえ…」
キース 「そこを譲ってくれてるんだぞ、贅沢を言うな!」
ジョミー「違うってば…!」
ぶるぅ 「んとんと…。うな重とかの方がいい?」
暑い夏にはウナギだよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「そっちがいいなら、国産のウナギを買ってくるけど」
サム 「おー! リッチだよなあ、国産かよ!」
シロエ 「凄く高いんじゃないですか? 獲れませんから」
ぶるぅ 「えっとね…。今年は余ってるらしいの!」
外国産にシフトしちゃって…、とニコニコ笑顔。
ぶるぅ 「だから仕入れは大丈夫! うな重にする?」
ジョミー「どっちも嫌だよ!」
ブルー 「ふうん…? そこまで言うなら、精進料理かな」
正統派の修行をして貰おうか、と据わっている目。
ブルー 「ぶるぅの気遣いを、まるで分かっていないんだから」
ジョミー「しょ、精進料理…?」
ブルー 「そう! 肉も魚も、一切抜きで!」
Aブルー「えーっ!?」
それは困る、と違う人から上がった苦情。
Aブルー「そんなの、ぼくは求めてないから!」
ブルー 「君の意見は聞いてないけど?」
Aブルー「美味しい朝御飯が食べたいんだよ、どうせなら!」
プーパッポンカリーとか、うな重とか…、とズレている論点。
Aブルー「精進料理はダメ! もっとゴージャスに!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくは、どっちでも作るからね!」
Aブルー「ジョミーも逃げずに注文したまえ、好みのを!」
ジョミー「精進料理も嫌だけど、ゴージャスなのも嫌だよ!」
普通の夏休みが欲しいだけだ、という絶叫。
通るんですかねえ…?
2018/07/24 (Tue)
☆いい棚経になれば
夏休みを過ごすシャン学メンバー、棚経のリスクの減少を希望。
ジョミー君が修行をしてくれたなら、少しはマシになるわけで。
シロエ 「ジョミー先輩、さっきも言ったんですけどね…」
スウェナ「自分の都合を優先するなら、キースと同じよ?」
マツカ 「そうです、まったく変わりませんね」
諸悪の根源な副住職と…、と御曹司までが苦い顔。
マツカ 「キースほどには、酷い注文じゃないと思いますが?」
シロエ 「ですよね、別の世界に行けとは言ってませんし」
スウェナ「それに美味しい食事もつくのよ、頑張りなさいよ!」
キースの場合は別の世界に引越しだけど…、とスウェナちゃん。
スウェナ「あっちの世界じゃ、ロクな食事が無さそうよね」
Aブルー「身も蓋も無い言われようだけど、当たっているかな」
船の食事が美味しかったら、此処にはいない、とソルジャーも。
Aブルー「だから朝御飯はゴージャスに! 精進じゃなくて!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくは、どっちでもいいよ!」
ジョミー「ぼくは、どっちも嫌なんだよ!」
なんで夏休みに修行なんかを…、と必死の逃げ。
ジョミー「悪いのは全部、キースじゃないか! 棚経だって!」
キース 「俺のせいにする気か、貴様!」
ジョミー「でも、そうだから!」
誰のせいで棚経のリスクがあるのさ、と開き直った人。
ジョミー「アレに戒名をつけなかったら、今頃はさ…!」
Aブルー「何を言うかな、キースの有難い行いについて!」
ぼくは心から感謝している、とソルジャー、真顔。
Aブルー「お蔭で毎日、充実してて…」
ブルー 「地球にも行けそう?」
Aブルー「この勢いなら!」
そのためにも、ジョミーには頑張って欲しい、と輝く瞳。
Aブルー「みんなが喜ぶ棚経になれば、もっとパワーが!」
シロエ 「言えていますね、いい棚経なら真面目に拝みますよ」
ジョミー「ちょ、ちょっと…!」
ぼくの立場が無いんだけれど、とジョミー君、ワタワタ。
さて、どうなる…?
2018/07/25 (Wed)
☆自己犠牲の精神で
夏休み中のシャン学メンバー、減らしたいものは棚経のリスク。
ジョミー君が修行を積んだ場合は、今よりマシになりそうで…。
シロエ 「立場が無いと騒ぐ所も、キース先輩と同じですね」
マツカ 「ええ。キースも四の五の言ってましたし」
スウェナ「キースよりは、遥かにいい待遇よ?」
引越しは無しで、豪華な朝御飯つき、とスウェナちゃん。
スウェナ「文句を言わずに頑張りなさいよ、みんなのために!」
サム 「坊主になるなら、自己犠牲の精神は大切だぜ」
ジョミー「ぼくは坊主になる気は無いから!」
ブルーが勝手に弟子にしただけだ、と叫んでますけど。
ブルー 「弟子にした以上は、師僧のぼくにも責任がね…」
シロエ 「会長、もっと言って下さい!」
Aブルー「うん、ぼくからもお願いするよ。修行、賛成!」
スッポンタケの未来のために、とソルジャーもプッシュ。
Aブルー「ぼくのシャングリラが、地球まで行くためにもね!」
キース 「いいか、ジョミー? 別の世界といえどもだな…」
ブルー 「一つの種族の未来がかかっているんだけどね?」
少しくらいは努力したまえ、と銀青様。
ブルー 「キースは日頃からお念仏だし、それを見習って!」
キース 「ああ。頼まれた以上は、俺も朝晩、御本尊様に…」
別の世界のシャングリラの無事を祈っているぞ、と副住職も。
キース 「貴様には、そんな重荷は無いんだからな」
シロエ 「修行するだけで、別の世界を救えるんですね?」
ブルー 「そうなるねえ…。極楽に功徳も積めるわけだね」
ここは頑張って修行するべき、と指をビシイ! と。
ブルー 「早速、明日から! ぼくも手抜きはしないしね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ プーパッポンカリーとか、うな重!」
サム 「おっ、精進の縛りは解いてやるのな?」
ブルー 「でないと来そうにないからねえ…」
ジョミー「豪華版でも、来ないってば!」
家から出ない、と逃げの姿勢のジョミー君。
通るんでしょうか…?
2018/07/26 (Thu)
☆夏休みはパスしろ
夏休みを過ごすシャン学メンバー、イヤンなものがお盆の棚経。
少しでもリスクを減らしたいわけで、希望の星がジョミー君で。
サム 「おいおい、家から出ねえって…。逃げる気かよ?」
ジョミー「当たり前だよ、修行は絶対、しないから!」
ブルー 「ふうん…? ぼくはそれでもいいけどねえ…」
君の夏休みはどうなるんだい、と銀青様のツッコミ。
ブルー 「此処に来ないなら、他の何処にも来ないよね?」
ジョミー「どういう意味?」
ブルー 「もちろん、ぼくたちのいる場所だってば!」
山の別荘も海の別荘もパスなんだね、という念押し。
ブルー 「どっちに来たって、修行つきだから!」
キース 「海の別荘は、修行無しでもいいだろう。時期的に」
サム 「だよなあ、もう棚経は終わってるしよ」
ブルー 「でも、来年に備えて更なる修行ってヤツを…」
積んでおくのがいいと思う、と銀青様の提案。
ブルー 「こういったものは、日頃の姿勢が大切だから!」
シロエ 「そうですね。サム先輩に早く追い付くためには…」
マツカ 「今までの遅れを取り戻すことが大切ですよね」
夏休み中は毎日が修行ですね、と御曹司も。
マツカ 「ただ、本人が嫌だと言うのなら…。仕方ないです」
キース 「この夏は面子が一人減るのか」
サム 「お祭り野郎が欠けるのは、ちょっと寂しいけどよ…」
俺たちだけで楽しもうぜ、と僧籍な人。
サム 「ジョミーの分まで美味いものを食って、遊んで!」
キース 「ああ。俺も卒塔婆書きを頑張って終わらせよう」
少しでも早く解放されたい、と副住職も遊ぶ気満々。
キース 「しかしジョミーは、ヒッキーなんだな?」
シロエ 「そうらしいですね」
それもいいでしょう、とシロエ君。
シロエ 「記録的な猛暑になりそうですから」
Aブルー「家から出ないのが安全かもね」
ジョミー「そこまでは言っていないから…!」
ぼくだって普通に遊びたいよ、と言ってますけど。
甘すぎるんじゃあ…?
2018/07/27 (Fri)
☆エリートなら大学
夏休み中のシャン学メンバー、減らしたいと思う棚経のリスク。
ジョミー君に修行をさせればオッケー、けれど本人が断固拒否。
シロエ 「遊ぶだけ遊んで、修行は全くしない気ですか?」
ジョミー「だって、夏休みって、そういうものだし!」
キース 「受験生は事情が違うと思うが…?」
高校最後の夏の場合は、勉学あるのみ、と副住職。
キース 「塾に通って模試三昧とか、朝から晩まで勉強だな」
シロエ 「いい大学を目指すんだったら、当然ですよね」
キース 「坊主の道だと、いい大学が違うんだがな」
坊主の世界のエリートコースは普通じゃない、という説明。
キース 「偏差値を聞いたら誰もが驚く、そんな大学だ」
シロエ 「そうでした…! 宗門校って言うんでしたっけ?」
キース 「ああ。仏教学部以外の学部は、エリートではない」
しかし仏教学部は違う、と胸を張る人。
キース 「その大学を出たか、そうでないかで全てが変わる!」
ブルー 「本山で出世したい場合は、宗門校だね」
修行で苦労したくないなら…、と銀青様も。
ブルー 「修行を嫌がるジョミーを入れてもいいんだけどね」
サム 「出来るのかよ?」
ブルー 「ほら、高校は卒業してるしさ…。入学資格は充分!」
ぼくが推薦状を書けば一発合格、と立てる親指。
ブルー 「この夏休みは遊びまくって、そっちに行くかい?」
ジョミー「なんで大学!?」
ブルー 「エリートコースに乗れるから!」
高校最後の夏を楽しみたまえ、と爽やかな笑み。
ブルー 「来年の夏には、今より成長しているよ」
シロエ 「いいですね…!」
長期的なビジョンが大事でしょうか、とシロエ君。
シロエ 「今年の夏は遊んで貰って、いい大学に…!」
マツカ 「そうなれば自然と身につきますよね、色々なことが」
Aブルー「ぼくも賛成! エリート、最高!」
ジョミー「受験勉強の方が、まだマシだってば!」
少なくとも坊主にならずに済むし、とパニック。
さて、どうなる…?
2018/07/28 (Sat)
☆外れた期待
夏休みを過ごすシャン学メンバー、避けたい棚経ですけれども。
それは無理なだけに減らしたいリスク、希望の星がジョミー君。
ブルー 「大学もいいと思うけどねえ? 推薦入学で」
キース 「寺の跡継ぎなら楽勝なんだが、それ以外ではだな…」
なかなか入れて貰えないぞ、と副住職が言う仏教学部。
キース 「そこをブルーの顔でパスなら、勉強は要らん」
シロエ 「AO入試とは違うんですか?」
キース 「もっと条件が厳しくなるな。希望者が多いし」
寺の跡継ぎなら、誰だって入りたがるんだから、と副住職。
キース 「だから入れば、エリート中のエリートというわけだ」
サム 「俺もいずれは入る予定だけど、先に行けよな」
ジョミー「嫌だってば! だって入ったら、即、修行で…!」
三年目の冬には道場入りじゃなかったっけ、と慌てる人。
ジョミー「住職になれる資格を貰いに、璃母恩院でさ…!」
キース 「その通りだが?」
ジョミー「ぼくは坊主になりたくないし!」
絶対に嫌だ、と必死の抵抗。
ジョミー「でも夏休みも遊びたいから、他の修行もパス!」
サム 「おいおいおい…。贅沢なヤツだな」
キース 「まったくだ。俺のことを言えた義理ではないな」
みんなのために犠牲になるのは嫌だそうだ、と副住職の溜息。
キース 「一歩も進展しそうにないぞ、今年の夏も」
一同 「「「うーん…」」」
やっぱり期待は出来ないのか、と誰もがガッカリ。
シロエ 「そうなってくると、誰かさんにですね…」
マツカ 「大人しくして貰うしか道は無いわね」
Aブルー「誰かさんって…?」
誰のことさ、と首を傾げるソルジャー。
Aブルー「ぶるぅだったら、棚経なんかは来ないけど?」
シロエ 「悪戯小僧は、この際、どうでもいいんです!」
キース 「自分のことだと分からないのか、あんたって人は!」
Aブルー「ぼくって…。ぼくが何をしたと…?」
棚経を頼んでるだけじゃないか、という言い分。
それが困るんですけれど…?
2018/07/29 (Sun)
☆元凶は誰だ
夏休み中のシャン学メンバー、お盆の棚経が嫌すぎるイベント。
リスクを減らそうと考えたのに、それも出来ない展開でして…。
シロエ 「その棚経が困るんです! 毎年、毎年!」
サム 「そうだぜ、俺は現場にいねえんだけどよ…」
後から山ほど聞かされてるぜ、とサム君も頷く棚経の出来事。
サム 「あんた、ロクなことしねえじゃねえかよ」
Aブルー「何を言うかな、ぼくは努力をしてるんだけど」
大事なスッポンタケのために…、とソルジャー、反論。
Aブルー「お布施はたっぷり包んでいるし、お供えだって!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お膳の材料、最高なんだよ!」
市場でいいのを仕入れてくるの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「ブルー、とっても頑張ってると思うけど…」
Aブルー「だよねえ、ぶるぅもそう思うよね?」
ブルー 「小さな子供を丸め込まない!」
そもそも誰が元凶なのさ、と生徒会長、いえ、銀青様の睨み。
Aブルー「えっ、誰って…。キースだろう?」
キース 「確かに俺にも原因はあるが、その前にだ…」
迷惑な仏様を持ち込んだのは誰だ、と副住職。
キース 「戒名を頼むと、あんたが言わなかったら、だ…」
シロエ 「そうですね…。言い出しっぺは、その人ですね」
悪乗りした先輩も悪いんですけど…、とシロエ君も。
シロエ 「アレに戒名と言われなかったら、棚経もですね…」
ブルー 「無いというわけだよ、どう転がっても」
君が悪い、と生徒会長、ソルジャーをギロリと。
ブルー 「君が棚経を諦めてくれたら、この夏休みは…」
シロエ 「平和ですねえ!」
それでいきましょう、という言葉に頷く御一同様。
一同 「「「イイネ!!!」」」
Aブルー「ちょ、ちょっと…! なんでそんなことに…!」
キース 「誰もが迷惑しているからだ。分かるだろうが!」
Aブルー「でも、地球がかかっているんだよ! 船の未来も!」
やめられないよ、とソルジャー、ワタワタ。
どうなるんでしょう?
2018/07/30 (Mon)
☆無くなると困る
夏休みを過ごすシャン学メンバー、頭痛の種がお盆の棚経。
リスクは減らせないみたいですけど、棚経が無ければ話は別で。
ブルー 「君が勝手に関連付けてるだけだろう! その未来!」
キース 「そうだな、別にスッポンタケなどに頼らなくても…」
スウェナ「努力次第で道は開ける筈なのよね?」
地球に行くのも、ミュウの未来も…、とスウェナちゃんも。
スウェナ「こっちの世界でサボる代わりに、もっと頑張れば?」
サム 「だよなあ、時間を無駄に使ってねえか?」
Aブルー「有意義に過ごしてるつもりだけど!」
ソルジャーとしてのパワーを高めるために、という反論。
Aブルー「ぼくのサイオンが強くなったら、船も安全!」
ブルー 「スッポンタケは関係ないと思うんだけど」
キース 「俺もだ。阿弥陀様なら、まだ分かるがな」
棚経などは要らんだろう、と副住職、ブツブツ。
キース 「みんなに迷惑をかけるだけだし、もうやめておけ」
シロエ 「キース先輩、もっと言って下さい!」
マツカ 「棚経さえ無ければ、いい夏休みになりますよね」
ジョミー「ぼくも少しは楽になるしね…」
棚経のお供は続くんだけど…、とジョミー君のぼやき。
ジョミー「だけど、此処には来なくていいし…」
ブルー 「よし、決まり! 棚経は無しということで!」
キース 「解散っ!」
Aブルー「ええっ!?」
そこで解散しないで欲しい、と慌てる人。
Aブルー「ぼくの船のことも考えてよ! 棚経は要るよ!」
ブルー 「いや、要らない!」
Aブルー「そ、そんな…。それだけは勘弁!」
マシになるよう気を付けるから、と深々と土下座。
Aブルー「だから、お願い! 助けると思って!」
キース 「阿弥陀様は衆生をお救いになるが、キノコではな…」
Aブルー「そこをなんとか! お布施はこれだけ!」
キース 「ふむ…。その額ならば…」
一同 「「「あーっ!!!」」」
馬鹿野郎、と飛び交う怒号。
金次第ということで、これにて中継終了~。
2018/07/31 (Tue)
☆冤罪なケース
さて、七月。期末試験も無事に終了、次に来るのは夏休みでして。
今年の夏はどうしようかと、シャン学メンバーが集う生徒会長宅。
ジョミー「海の別荘は外せないけど、山の別荘も行きたいよね!」
マツカ 「どちらも準備してありますから、オッケーですよ」
シロエ 「マツカ先輩、今年もよろしくお願いします!」
海の方は余計な人が来るんですけど、とシロエ君の深い溜息。
シロエ 「その上、日程も仕切って来ますし、迷惑ですよね…」
サム 「結婚記念日は、海の別荘だと決めてやがるし…」
スウェナ「絶対、その日に重ならないと駄目なのよね…」
ホントに迷惑な話だわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「なんであんなに迷惑なのよ、あの誰かさんは!」
キース 「…言っておくがな、それだけは俺は無関係だからな!」
ヤツの結婚には関わっていない、と副住職。
キース 「人前式でやりやがったし、付き合わされただけだ!」
シロエ 「言われてみれば、そうでしたね…」
ジョミー「迷惑は全部、キースのせいだと思ってたけどね…」
あっちの世界に行って欲しいくらいに、とジョミー君、パチクリ。
ジョミー「キースと関係ないのもあるんだ、ちょっとビックリ」
シロエ 「ええ。もれなくキース先輩が絡むとばかり…」
そういうわけでもなかったんですか、とシロエ君も瞳をパチパチ。
シロエ 「じゃあ、その件に関しては冤罪ですね」
キース 「冤罪だって!?」
シロエ 「はい。先輩のせいだと、ぼくも思ってましたから!」
無罪ということでいいでしょう、と偉そうな姿勢。
シロエ 「でもですね…。ちゃんと自重して下さいよ?」
キース 「自重?」
何を自重だ、とキース君の問い。
キース 「俺にはサッパリ分からないんだが、どういう意味だ?」
シロエ 「ありとあらゆることですよ!」
スウェナ「そうよね、夏はお盆もあるし…」
シロエ 「危険なんです!」
災難を呼び込まないようにお願いします、との注文。
当然ですよね?
2018/07/01 (Sun)
☆自重して欲しい
夏休みの計画を練るシャン学メンバー、ハタと気付いたのが冤罪。
ソルジャー絡みの迷惑は全部、キース君のせいではないわけで…。
シロエ 「誰かさんの結婚については、先輩は確かに無罪です」
サム 「それには俺も異存はねえけど、他のことはよ…」
ジョミー「もれなくキースのせいっぽいよね、どう考えても」
やっぱり自重してくれなくちゃ、とジョミー君も。
ジョミー「結婚の件はシロだからって、大きな顔をされてもさ…」
シロエ 「困りますよね、本当に諸悪の根源ですから」
マツカ 「ええ。例のアカウントは、今も健在ですからね」
何も呟いていないだけです、と御曹司がサッと取り出すスマホ。
マツカ 「ぶるぅが写真を撮って来なくても、呟くくらいは…」
シロエ 「いつでも出来るようになっているんです!」
キース 「まだあったのか!?」
マツカ 「削除する理由がありませんしね?」
残しておけば抑止力にもなりますから、とマツカ君、涼しい顔。
マツカ 「何かあったら、すぐに呟くだけですよ」
ジョミー「副住職だけど、何か訊きたいことある、だよね?」
マツカ 「#坊さんあるある、も忘れずにつけておきますよ」
それが嫌なら自重して下さい、と御曹司、人のいい笑みを。
マツカ 「なんと言っても、夏は危険なシーズンですから」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お盆があるもんね!」
お盆と言ったら棚経だもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「今年も絶対、注文、あるよね!」
シロエ 「あるでしょうねえ…」
誰かさんのせいで、と副住職をギロリ。
シロエ 「そこは諦めがついてますから、他の部分を…」
マツカ 「気を引き締めてお願いします」
隙だけは作らないように、と御曹司。
マツカ 「プラスアルファは御免ですからね」
キース 「そう言われても、俺にはどうにも出来んのだが!」
シロエ 「ぼくたちだって同じですよ!」
避けられないから困るんです、とシロエ君の嘆き。
そりゃそうですよね…?
2018/07/02 (Mon)
☆流れが変わるかも
夏休みの計画を練ろうと集ったシャン学メンバー、話題は災難。
キース君がいる限りやって来るもので、自重して欲しい代物で…。
シロエ 「先輩が避けられないのと同じで、ぼくたちもです!」
マツカ 「しかも巻き込まれる方ですからねえ、ぼくたちは…」
いつもキースの巻き添えですよ、と御曹司がつく深い溜息。
マツカ 「そこをしっかり心得て下さい、災難が減るように」
サム 「まったくだぜ。お盆ってだけで一つは確定だしよ」
俺は直接関係ねえけど、と僧籍な人。
サム 「アドス和尚のお供をしてれば、棚経は他所の家だしよ」
ジョミー「あーっ! そうだっけ、サムは毎年いないんだっけ!」
ズルイ、とジョミー君の声。
ジョミー「ぼくは毎年やらされてるのに、なんでサムだけ…!」
サム 「そりゃよ…。アドス和尚の覚えがめでたいからだぜ」
直々にお声掛かりがあるしよ、という棚経のお供。
サム 「今年もワシの方でいいのか、って」
ジョミー「そうだけど…。そうなんだけど、ぼくだって…!」
お供が出来る資格はある筈、とジョミー君、ブツブツ。
ジョミー「たまには代わって欲しいよ、ソレ!」
サム 「俺はそれでもかまわねえけど…。耐えられるのかよ?」
自転車でスクーターを追い掛けるんだぜ、とサム君、腕組み。
サム 「キースのお供なら、同じ自転車で済むけどよ…」
ジョミー「うーん…。キツイのかなあ、そっちの方が…」
サム 「体力的には、もうギリギリだぜ、熱中症とセットで」
それでいいなら代わってもいい、という申し出。
サム 「キースのお供が俺に変われば、棚経だってよ…」
シロエ 「流れが変わるかもしれませんね!」
サム先輩なら修行が出来てますから、とシロエ君。
シロエ 「誰かさんが無茶を言って来たって、それなりに…」
スウェナ「スルースキルはありそうね?」
キース 「そうかもしれんな…」
下手にオタオタしない分だけマシだ、と副住職も。
選手交代ですか…?
2018/07/03 (Tue)
☆流れを変えたい
夏休みの計画を練っているシャン学メンバー、話題は棚経へと。
確実に災難を呼ぶブツですけど、流れが変わりそうな要素が。
キース 「ジョミーは俺とセットものだが、今年は外すか…」
シロエ 「アドス和尚の許可は取れそうですか?」
ジョミー先輩は無能ですが…、とシロエ君の酷すぎる指摘。
シロエ 「お経は口パク同然ですし、作法もまるで駄目ですが」
キース 「そこは何とかなるだろう。親父に言えば」
ジョミー「えっと…。どんな感じに?」
ぼくの運命、それ次第だけど、とジョミー君の問い。
ジョミー「覚えがめでたくなってくれないと、困るんだけど…」
キース 「安心しろ。親父には自分から志願したと伝えておく」
立候補だな、と副住職が立てる親指。
キース 「心を入れ替えて修行したくなった、で、いいだろう」
ジョミー「ちょ、ちょっと…! 修行って…!」
その言い方はマズくないか、と慌てるジョミー君。
ジョミー「早くから拘束されそうだけど…。棚経の準備で!」
キース 「それはまあ…。読経の練習とかはあるかもしれんな」
ジョミー「や、やっぱり…! ソレ、要らないから!」
修行する気は全然ないから、とタラリ冷汗。
ジョミー「サムと入れ替えて貰えるだけでいいんだけど…!」
サム 「でもよ、お前はシロエも言ってる通りに無能だしよ」
キース 「まったくだ。お前を親父に推薦できる理由がない」
俺も自信を持って親父にオススメ出来ん、とキッツイ一言。
キース 「だが、交換して欲しいという声もあるしな…」
シロエ 「そうなんです! サム先輩なら有能ですから!」
誰かさんの妙な注文があっても乗り切れそうです、とシロエ君。
シロエ 「キース先輩をしっかりサポート、それこそ隙なく!」
スウェナ「駄目なものは駄目だと言ってくれそうよね?」
サム 「通るかどうかは分かんねえけどな」
キース 「あいつだからな…」
素直に聞くとも思えないが、と言ってますけど。
ワンチャンですね?
2018/07/04 (Wed)
☆欲しいのは希望
夏休みの計画中のシャン学メンバー、今の話題は棚経のことで。
お盆になれば来るのが棚経、キース君のお供を取り替える話。
キース 「あの馬鹿野郎は、人の話を聞かないからな…」
シロエ 「でもですね…。言いなりのジョミー先輩よりは…」
マツカ 「サムの方が頼りになる気がしますよ、ワンチャンで」
駄目で元々じゃないですか、と御曹司も。
マツカ 「サムが注意して聞いてくれなくても、その時ですよ」
スウェナ「何も言わないジョミーよりマシね、どう考えても」
取り替えましょうよ、とスウェナちゃんも乗り気。
スウェナ「今年のキースのお供はサムで! それがいいわよ」
ジョミー「ぼくの立場はどうなるわけ!?」
アドス和尚のシゴキがありそう、と怯えるジョミー君ですけど。
シロエ 「そこは我慢をして下さい。みんなのためです」
マツカ 「たまには奉仕の精神を発揮するべきですよ」
腐ってもお坊さんでしょう、と御曹司のツッコミ。
マツカ 「世のため、人のために尽くしてなんぼの職業です」
ジョミー「そうじゃない人が此処にいるけど!」
歩く迷惑、とジョミー君が指差す副住職。
ジョミー「諸悪の根源はキースなんだし、我慢はキースで!」
キース 「だが、あの馬鹿の結婚の件については無罪だぞ」
冤罪だったと認めただろうが、と副住職の反論。
キース 「全部が全部、俺のせいではないんだからな!」
ジョミー「だ、だけど…! だからって、ぼくに回すなんて!」
酷い、とジョミー君も反撃。
ジョミー「キースのお供がサムになっても、何か変わるとは…」
シロエ 「限りませんけど、希望はあります」
誰だって希望が欲しいんですよ、とシロエ君。
シロエ 「ですから交代して下さい! 少なくとも、今年は!」
マツカ 「それで何かが変わるようなら、有難いですしね」
スウェナ「無駄だった時は、元に戻せばいいわよ。また来年に」
今年はサムにすればいいでしょ、とトントン拍子。
どうなるんでしょう…?
2018/07/05 (Thu)
☆相談は折を見て
夏休みの計画を練っているシャン学メンバー、お盆の棚経対策。
キース君のお供をサム君にすれば、災難を避けられる可能性が。
スウェナ「キースも、そういうことでいいでしょ?」
シロエ 「お供としては、サム先輩の方が優秀ですしね」
キース 「確かに、いいことずくめではある」
デキるお供がついてくる上に、災難も回避、と副住職。
キース 「分かった、帰ったら親父に相談しておく」
一同 「「「イイネ!!!」」」
ジョミー「そ、そんな…!」
あんまりだよ、と喚くジョミー君ですけど、誰もがスルー。
シロエ 「それじゃ、夏休みの計画の方に移りましょうか」
スウェナ「最初は合宿が入るから…。私だけが留守番なわけね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくとブルーもお留守番!」
サムとジョミーは修行だよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「今年も璃母恩院で頑張って来てねーっ!」
ジョミー「ソレも断わりたいんだけど…!」
ブルー 「ダメダメ、棚経に備えて修行も頑張る!」
ぼくの顔に泥を塗らないでくれたまえ、と銀青様の睨み。
ブルー 「老師にお願いしてあるんだから、真剣にやる!」
サム 「そうだぜ、有難い話じゃねえかよ」
ジョミー「キツイだけだし…!」
あんなのは嫌だ、と叫ぶだけ無駄というもので…。
シロエ 「えーっと…。合宿と修行が終わったら山の別荘で…」
キース 「ああ。その合間にジョミーは親父のシゴキだ」
親父がその気になってくれれば、と副住職の笑み。
キース 「卒塔婆書きで気が立っているから、半端じゃないぞ」
シロエ 「そういえば、そういうシーズンでしたね」
朝から晩まで卒塔婆書きの季節でしたっけ、とシロエ君。
シロエ 「熟練のアドス和尚でもキレるわけですか?」
キース 「もちろんだ。いつでも瞬間湯沸かし器という状態だ」
スウェナ「ブチ切れるのね?」
キース 「些細なことでな!」
だから慎重に持ち掛けないと…、という棚経の話。
怖そうですねえ…?
2018/07/06 (Fri)
☆晩酌用にお届け
夏休みの計画中のシャン学メンバー、お盆の棚経の方も対策中。
キース君のお供をサム君に変えて、災難を回避する目論見で…。
シロエ 「キレやすいんなら、充分に注意して下さいよ?」
スウェナ「そうよ、話がパアになったら困るもの」
ジョミー「ぼくは、その方がいいんだけど!」
マツカ 「ジョミーの意見は、誰も聞いてはいませんから」
大切なのは棚経対策です、と御曹司、バッサリ。
マツカ 「キース、よろしくお願いします。アドス和尚に」
キース 「承知した。晩酌の時にでも尋ねてみよう」
ぶるぅ 「んとんと…。それなら、何か持ってく?」
枝豆でも茹でてあげようか、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「キースが訊きに行く時間に合わせて、お届けで!」
キース 「有難い。瞬間移動で届くんだな?」
ぶるぅ 「うんっ! 冷奴とかもつけて、晩酌セット!」
それでどうかな、と笑顔全開。
ぶるぅ 「卒塔婆書きで毎日疲れてるんなら、お疲れ様、って」
キース 「なるほどな…。銀青様からの差し入れか…」
きっと効果は抜群だろう、と副住職。
キース 「一気に機嫌が良くなるだろうし、チャンスだな」
ブルー 「ただ、問題はジョミーなんだよね…」
なにしろスキルが低すぎるから…、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「ぼくだってオススメしかねるわけだし、あまり…」
キース 「正直言って期待は出来んが、可能性に賭けよう」
相談は今夜だ、と副住職の決意。
キース 「駄目だった時は諦めてくれ。俺も親父が怖いからな」
シロエ 「分かってます。でも、出来るだけのことは…」
スウェナ「やって欲しいわよね」
晩酌セットもつくんだから、とスウェナちゃん。
スウェナ「いいわね、棚経のお供、今年は交代よ?」
キース 「ああ。俺にはサムがつく方向で」
一同 「「「イイネ!!!」」」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 説得、頑張ってねーっ!」
明日が楽しみ、と飛び跳ねるお子様。
晩酌セットは効くんでしょうか?
2018/07/07 (Sat)
☆結果にワクワク
夏休みの計画中のシャン学メンバー、お盆の棚経も気になる所。
キース君のお供をサム君にすれば、少しはマシになりそうで…。
シロエ 「キース先輩、説得よろしくお願いします!」
キース 「分かった、名誉挽回のチャンスだからな」
ぶるぅの晩酌セットに期待だ、といった所で解散、そして翌日。
シロエ 「おはようございます!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
今日もゆっくりしていってね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
スウェナ「棚経の話は、どうなったのかしら?」
ぶるぅ 「んとんと…。ぼくは覗き見してないし…」
ブルー 「ぼくも覗いていないんだよ。キースの報告待ちだね」
こういったことはサプライズがいい、と生徒会長の笑顔。
ブルー 「いい日曜日になるといいねえ、みんな御機嫌で」
シロエ 「ええ、本当に…」
キース先輩はまだでしょうか、と誰もが目を遣る玄関の方。
サム 「話が上手く運んでた時は、俺も楽が出来るぜ」
シロエ 「スクーターを追い掛けなくても済みますしね」
マツカ 「自転車ですしね、キツいですよ」
その点、キースのお供だったら自転車同士で…、と御曹司も。
マツカ 「サムのためにも、吉報が欲しい所ですが…」
ジョミー「ぼくには吉報なんかじゃないから!」
シロエ 「ジョミー先輩の立場は、どうでもいいんです!」
大勢が幸せになれれば、それで…、とシロエ君、キッパリ。
シロエ 「それで効果があるようだったら、来年もですね」
ジョミー「ええっ!?」
スウェナ「そうよね、ずっとサムでいいわね、棚経のお供は」
安心なのが一番なのよ、と言った所へチャイムの音が。
シロエ 「キース先輩の御到着ですよ!」
ぶるぅ 「いらっしゃーい! 入って、入って!」
サム 「いよいよ昨日の報告が聞けるぜ、楽しみだよな!」
ジョミー「ぼくは、ちっとも楽しみじゃないよ!」
キース 「遅くなってすまん」
待たせたな、と副住職の登場ですけど。
さて、結果は…?
2018/07/08 (Sun)
☆断わられました
夏休みを控えたシャン学メンバー、お盆の棚経用に立てた対策。
キース君のお供をサム君に変更、災難を回避するつもりでして。
シロエ 「キース先輩、首尾はどうでしたか?」
マツカ 「サムに変更出来たんでしょうか、アドス和尚のお供」
キース 「……それがだな……」
申し訳ない、と副住職、いきなりのお詫び。
シロエ 「思いっ切りダメだったんですか!?」
キース 「ああ。親父の機嫌は良かったんだが…」
ぶるぅの晩酌セットのお蔭で…、と効果はあった晩酌セット。
キース 「冷奴に枝豆、他にも洒落たのを届けてくれて…」
ぶるぅ 「ぼく、頑張ったのに…。ダメだったの?」
そんなぁ…、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」、涙目。
ぶるぅ 「もっと頑張った方が良かった? 夜食セットとか?」
キース 「いいや、ぶるぅは悪くない。悪いのはだな…」
そこのジョミーだ、と指をビシイ! と。
ジョミー「ぼく!?」
キース 「そうだ、貴様が無能だからだ!」
未だにお経も口パクだしな、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「今から仕込んでも間に合わん、と言われたんだ!」
一同 「「「あー…」」」
間に合わないよね、と誰もが納得。
シロエ 「それじゃ、今年の棚経もジョミー先輩ですか…」
キース 「残念ながら、そういうことだな」
諦めてくれ、と苦渋の表情。
キース 「その分、それまでの夏休みを、だ…」
シロエ 「楽しむしかないってことですね…」
山の別荘には誰かさんが来ませんからね、とシロエ君。
シロエ 「仕方ありません、お盆までの期間を楽しみましょう」
サム 「その前に、お互い、合宿と修行体験だけどよ…」
ブルー 「ジョミーは特に頑張りたまえ!」
無能だと言われないように、と銀青様の仰せ。
ブルー 「この夏休みを有意義に!」
シロエ 「ぼくたちは柔道を頑張りますから!」
ジョミー「なんで、ぼくまで!」
悪いのはキースだ、と喚いてますけど。
夏休みも波乱になりますかねえ…?
2018/07/09 (Mon)
☆修行して欲しい
棚経の災難を回避するべく、シャン学メンバーが考え出した策。
けれどもアドス和尚に蹴られて、そして夏休みのスタートで…。
ジョミー「あー、疲れたー…。今年も死んだ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おかえりなさぁーい!」
お疲れ様でしたー! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお出迎え。
シロエ 「ぼくたちも無事に合宿終了です。有意義でした!」
キース 「ああ。ジョミーの修行がどうだったかは知らんがな」
ジョミー「いつも通りだよ、死んだだけだよ…」
なんで一週間も修行を、とジョミー君、ブツブツ。
ジョミー「普通のコースは二泊三日で終わるのに…」
サム 「ブルーのお蔭で延長なんだぜ、有難く思えよ」
なのにお経も覚えねえなんて、とサム君の文句。
サム 「そんな調子じゃ、プロの坊主になれねえぜ?」
ジョミー「ならなくていいから!」
シロエ 「いいえ。そこの所は、なって貰わないと困ります!」
サム先輩の代理が務まるようにして下さい、という注文。
シロエ 「でないと、棚経のお供が出来ません。アドス和尚の」
ジョミー「なんで、ぼくが!」
スウェナ「決まってるじゃない、災難除けよ!」
来年は代わって欲しいものね、とスウェナちゃん。
スウェナ「誰かさんを封じられるパワーが必要なのよ!」
サム 「俺に出来るって保証はねえけど、ジョミーよりは…」
オタオタしねえ分だけマシかな、とサム君も。
サム 「毎年、悲惨みてえだけどよ」
キース 「あの馬鹿野郎は、勘違いをしていやがるからな!」
お盆を何だと思ってるんだ、と副住職も苦い顔。
シロエ 「お彼岸とかと同列でしょう?」
マツカ 「それっぽいですよね…」
御利益パワーに期待ですから、と御曹司。
マツカ 「今年も何かやらかさないといいんですけどね…」
シロエ 「妙なオブジェは勘弁ですよ」
サム 「スイカに卒塔婆が刺さってたって聞くよな…」
俺ならビビッてもスルー出来るぜ、とサム君の自信。
頼もしいですね?
2018/07/10 (Tue)
☆サプライズの場
夏休みがスタートしてるんですけど、今年のお盆も受難の予感。
棚経のお供をサム君にする策、見事にコケてジョミー君でして。
シロエ 「サム先輩なら、スルースキルが高そうですしね…」
マツカ 「ジョミーよりも修行が出来ている分、安心ですよ」
ブルー 「それは間違いないだろうねえ、棚経に専念!」
周りなんかは気にしないよね、と銀青様も。
ブルー 「デキる坊主は、そんなものだよ。何があろうと!」
キース 「言えてるな…。棚経は年に一度のサプライズの場だ」
一同 「「「サプライズ?」」」
キース 「普段は行かない家にもお邪魔するからな」
それだけに驚く要素は山ほど、と副住職の言。
キース 「線香立てに線香が刺さらないのは普通だそうだ」
一同 「「「へ?」」」
何故、お線香が刺さらないのかと首を傾げる御一同様。
シロエ 「あのですね…。線香立ては、お線香専用ですよ?」
スウェナ「お線香用に出来ているのよ、刺さらないなんて…」
マツカ 「普通じゃないと思いますけど?」
欠陥商品というヤツでしょうか、と御曹司の問い。
マツカ 「百均とかで買ったヤツだと、刺さらないとか…?」
キース 「いや。高級品の線香立てでも、ダメな時はダメだ」
シロエ 「何故、そうなるんです!」
キース 「全く使っていないからだな、普段の日には」
灰がすっかり固まってしまって刺さらないのだ、という話。
キース 「そうなった時も、冷静に対処してこそで…」
シロエ 「気合で刺すというわけですか?」
キース 「力任せでは折れてしまうし、灰作務からだ」
失礼します、と線香立てのケアをするのが正しいとか。
キース 「そんなのは、まだ序の口で…。他にも沢山」
スウェナ「サプライズがあるということね? 棚経に行くと」
キース 「座布団を猫が占拠していて動かないとか、色々と…」
シロエ 「誰かさんじゃなくても、リスキーですね…」
スルースキルが要りそうですね、とシロエ君。
恐るべし、棚経…。
2018/07/11 (Wed)
☆アウトらしい猫
夏休みに入ったシャン学メンバー、話題はお盆の棚経について。
必須らしいのがスルースキルで、お坊さんなら高くて当たり前。
シロエ 「あのですね…。猫の対処はどうするんですか?」
キース 「座布団を占拠されてた時か?」
シロエ 「そうです、そうです! 気になりますから」
正しい対処の方法が、と好奇心に輝く瞳。
シロエ 「線香立てならケアらしいですし、猫の場合は?」
キース 「おい。…マニュアルがあると思うのか?」
猫なんぞに、とキース君の渋面。
シロエ 「無いんでしょうか?」
キース 「あるわけなかろう、そうでなくても猫はだな…」
ブルー 「坊主の世界では、ちょっとランクが落ちるんだよ」
一同 「「「へ?」」」
なんでまた、と誰もがキョトン。
シロエ 「ランク落ちって、何なんですか?」
キース 「そのまんまだが? ペットとしては人気なんだが…」
ブルー 「経典をしっかり勉強するとね、アウトなのがね…」
一同 「「「アウト?」」」
ますますもって意味が不明だ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「アウトって…。猫のどの辺が駄目なんでしょう?」
マツカ 「ピラミッドよりも古い時代から、飼われてますよね」
人気の上では犬と同格では…、と御曹司。
マツカ 「経典を齧るネズミも退治していた筈ですが?」
キース 「まあ、そういうのはあるんだが…。しかしだな…」
ブルー 「どうしようもない生き物だという認識がね…」
猫にはセットものなんだよね、と銀青様の深い溜息。
ブルー 「涅槃図というのを知ってるかい?」
一同 「「「えーっと…?」」」
ブルー 「涅槃会に必須の絵なんだけどね」
お釈迦様の御命日が涅槃会で…、という説明。
ブルー 「その絵には猫がいないんだよ」
キース 「沢山の動物が、お釈迦様の死を嘆くんだが…」
ブルー 「正統派だと、猫は描かない」
一同 「「「え?」」」
どうしてなのだ、と一同、ビックリ。
何故、猫が不在に…?
2018/07/12 (Thu)
☆罪深い生き物
夏休み中のシャン学メンバー、話題はお盆の棚経なんですけど。
棚経を妨げるモノは色々、猫もあるそうで、その猫が問題。
シロエ 「猫は描かないって…。涅槃図のお約束ですか?」
キース 「描いてあるのも少なくはないが、そういったのは…」
ブルー 「絵師の知識が足りないんだな、と思われるよね」
坊主の視点で眺めたならば、と銀青様のお言葉。
スウェナ「どうして猫は駄目なのよ? 可愛いじゃないの!」
マツカ 「ランクが落ちるから、描かないんですか?」
キース 「いや、本来は描くべきではない生き物なんだ」
ブルー 「なにしろ、罪深い生き物だしねえ…」
お経をしっかり勉強したなら、それが分かる、という話。
ブルー 「やってはいけないことをしたのが、猫だからさ…」
キース 「ああ。お釈迦様がお亡くなりになった元凶だからな」
一同 「「「ええっ!?」」」
どうして猫がお釈迦様を…、とビックリ仰天の御一同様。
シロエ 「猫って、アサシンだったんですか!?」
キース 「いや、差し向けられたわけではないし…」
ブルー 「本能に忠実に行動した結果が、そうなったんだよ」
一同 「「「本能…?」」」
煩悩じゃなくて本能なのか、と誰もがポカーン。
シロエ 「本能で行動した結果って…。殺人鬼でしょうか?」
マツカ 「猫又なら、そうなるでしょうけどね…」
スウェナ「それは普通の猫なわけよね?」
どう転がったら、お釈迦様を殺せるのよ、とスウェナちゃん。
スウェナ「何かウイルスを持っていたわけ?」
シロエ 「それはあるかもしれませんね。狂犬病とか」
お釈迦様を噛んだら感染したとか…、との説も出てますけれど。
キース 「それなら同情の余地がある。猫に罪は無いしな」
シロエ 「だったら、何をやったんです?」
ブルー 「特効薬を奪ったんだよ、お釈迦様の病を治すための」
一同 「「「特効薬…?」」」
ますます分からん、と深まる謎。
いったい、猫が何をやらかしたんでしょう…?
2018/07/13 (Fri)
☆奪われた薬
夏休みに入ったシャン学メンバー、今の話題は棚経ですけれど。
そこからズレて猫の話で、罪深い生き物だということでして…。
シロエ 「特効薬を猫が奪ったって…。本当ですか?」
マツカ 「マタタビだったら分かりますけど、薬ですよね?」
その猫は薬物中毒だったんでしょうか、と御曹司の疑問。
マツカ 「猫の好物は魚とかですし、薬なんかは…」
シロエ 「盗らないと思いますけどね?」
キース 「直接、盗ったわけではないな。それは確かだ」
ブルー 「単に、好物を捕まえて食べただけなんだけどね…」
それが罪深かったのだ、と銀青様、合掌。
ブルー 「お釈迦様は食あたりで亡くなったんだよ」
一同 「「「食あたり?」」」
キース 「ああ。柔らか豚という食べ物にあたってな」
一同 「「「柔らか豚?」」」
肉じゃないか、と誰もが見合わせる顔。
ジョミー「なんで、肉!? ぼくでも精進料理だったのに!」
サム 「修行体験も本物の修行も、肉はダメだぜ?」
キース 「その辺は後付け設定なんだ」
ブルー 「お釈迦様の時代は、肉を食べても良かったんだよ」
そしてお召し上がりになったのが柔らか豚だ、と銀青様。
ブルー 「だけどあたって、命の危機になってしまって…」
キース 「お釈迦様の母上が、お浄土から特効薬をだな…」
ブルー 「地上へと投げて下さったんだよ。でも、その薬が…」
キース 「高い木の枝に引っ掛かってしまって、届かなくて…」
取りに登ろうとしたのがネズミなのだ、と副住職の解説。
キース 「薬が引っ掛かった枝を齧れば、落とせるからな」
シロエ 「ネズミなんですか? だったら、猫は…」
そのネズミを捕まえて食べたんですね、とシロエ君。
シロエ 「それで薬は届かないままで、お釈迦様は…」
キース 「そういうことだ。実に罪深いことをしたものだな」
ブルー 「死んで詫びても足りないほどだよ」
お釈迦様を殺したんだから、とキッツイ言葉が。
涅槃図にいないわけですねえ…?
2018/07/14 (Sat)
☆逸れた矛先
夏休み中のシャン学メンバー、棚経のお供からズレている話題。
お坊さんから見れば罪深いのが、猫という生き物らしくって…。
シロエ 「お釈迦様を殺した犯人扱いなんですか? 猫は」
キース 「その通りだが? ちゃんと薬が届いていれば、だ…」
ブルー 「お釈迦様は治ったわけなんだからね」
なんと言ってもお浄土特製の特効薬だ、と銀青様。
ブルー 「それを阻んだ猫はアウトだよ、どう考えても」
キース 「お釈迦様の死を嘆く資格は全く無いな」
涅槃図に登場しないのは当然、と副住職も。
キース 「そんな生き物に対して、マニュアルは要らん!」
一同 「「「あー…」」」
棚経の話ね、と頷く御一同様。
シロエ 「猫が座布団を占拠してた場合は、適当なんですね?」
キース 「流石に蹴飛ばすわけにはいかんし、待ちの姿勢だな」
飼い主が追い払うか、自主的に退去してくれるのを…、と。
キース 「中には運んだ坊主もいる」
一同 「「「へ?」」」
キース 「動かないから、檀家さんと一緒に、座布団ごと」
仏壇の前が空かないことには棚経が出来ん、と、もっともな話。
キース 「そういうサプライズが山ほどあるのが、棚経だな」
スウェナ「スルースキルは確かに要るわね…」
マツカ 「サムの方が明らかに向いていますね、棚経に…」
誰かさんが何をやらかそうともスルーですから、と御曹司。
マツカ 「でも、ジョミーだと、巻き込まれますし…」
シロエ 「早く代わって欲しいですよね、修行を積んで」
アドス和尚のお眼鏡に叶う器になって…、とシロエ君も。
シロエ 「そうすれば少しは平和になります!」
スウェナ「今よりはマシね」
ジョミーも努力しなさいよ、と逸れた矛先。
スウェナ「この夏から心を入れ替えて! お経も読んで!」
サム 「まずは口パク卒業だよなあ、勉強しろよ?」
一同 「「「イイネ!」」」
ジョミー「ぼくが!?」
なんで、と慌てふためくジョミー君。
これは旗色、悪そうかも…?
2018/07/15 (Sun)