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シャングリラ学園つれづれ語り

☆名前を知るには


先月のソルジャーからの提案、キース君を別の世界にお持ち帰り。
家族ごと連れて帰るんだそうで、シャン学メンバーには嬉しい話。

キース 「奥の手なんぞが通用すると思うのか? 俺の家で!」
ブルー 「そう思う根拠は何なんだい?」
キース 「元老寺の法律は親父だからな、他人がどうこう…」

出来るもんか、と言ってますけど。

ブルー 「それはどうかな? ぼくは滅多に使わない手だけど…」
シロエ 「どんなのですか?」
ブルー 「誰かさんが得意なヤツだよ、うん」

別の世界から覗き見しているよね、と生徒会長。

ブルー 「あの要領でさ、こう…。ぶるぅの力で」
サム  「あー! 中継するのな、最近、御無沙汰だったけどよ」
ジョミー「前は色々やっていたよね、生中継!」

アレで外から見られるんだ、とジョミー君の歓声。

ジョミー「キースが技を食らう所も、リングネームも!」
ブルー 「そういうことだね、アドス和尚の全てが分かるよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、頑張る!」

久しぶりのサイオン中継だもん、と張り切るお子様。

ぶるぅ 「みんなも、うんと楽しんでね!」
一同  「「「やったー!!!」」」

アドス和尚のリングネームが分かる、と御一同様、大喜び。

シロエ 「というわけです、キース先輩」
マツカ 「安心して技を食らって下さい、存分に」
スウェナ「それじゃアカウントを作りましょうよ、@副住元老で」

でもって早速、呟きましょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「副住職だけど、何か聞きたいことある? よね?」
ジョミー「そうそう、それが第一声で!」

ハッシュタグも何かつけるといいかも、とジョミー君、ウキウキ。

ジョミー「何がいいかな、やっぱり「#坊さんあるある」?」
サム  「盆じゃねえけど、ニーズはありそうだぜ」
キース 「お前たち、本気でやる気なのか!?」
シロエ 「何か問題ありますか?」

ありませんよね、とシロエ君のキッツイ一言。
キース君、ピンチ…。


2018/06/16 (Sat) 

 

☆多数決でいこう


ソルジャーが先月提案したのが、キース君をお持ち帰りすること。
家族ごと連れて行くそうですけど、誰もが乗り気になったソレ。

キース 「も、問題なら大いにあると思うが! 俺の人権とか!」
シロエ 「人権ですか…。それを言うなら、ぼくたちもですね?」
ジョミー「うん、ぼくたちにも人権、あるから!」

でもって踏みにじられてばっかりだから、とジョミー君。

ジョミー「キースのせいでさ、何度酷い目に遭ってるか…」
サム  「数え切れねえよな、正直言って」
マツカ 「本当に、その通りですよ。堪忍袋の緒が切れます」

ぼくは温厚な方ですけどね、と御曹司までが。

マツカ 「多数決がいいとは言いませんけど、この場合は…」
シロエ 「不幸になった人数の方が、遥かに多いですからね…」
スウェナ「尊重されるべきなのは、私たちの方の人権よ!」

キースよりもね、と元ジャーナリスト志望の人。

スウェナ「私たちは全部で五人なの! ブルーたちを抜いても!」
ブルー 「ぼくとぶるぅも数に入れるなら、七人になるね」
シロエ 「それに対して、キース先輩はご両親を入れても…」
マツカ 「たった三人にしかならないんですよ」

誰が聞いても、ぼくたちの方に分があります、と御曹司の意見。

マツカ 「何か文句がありますか、キース?」
キース 「そ、それは…。確かに数では負けてるんだが…」

しかし…、と副住職、冷汗ダラダラ。

キース 「だからと言って、俺を犠牲にするというのは!」
マツカ 「じゃあ、ぼくたちならいいんでしょうか?」

迷惑をかけてもいいんですか、と御曹司の方も瞳がマジ。

マツカ 「会社だったら、よくあることです。誰かがですね…」
ブルー 「責任を取って辞職とかだね」

キースもそれを見習いたまえ、と生徒会長。

ブルー 「一部始終は、ぶるぅに中継させるから!」
キース 「そ、そんな…!」
マツカ 「自業自得です!」

さあ、アカウントを作りましょうか、と笑顔。
呟くんですね…?


2018/06/17 (Sun) 

 

☆ツイートするには


先月のソルジャーからの提案、キース君を家族ごとお持ち帰り。
誰にとっても魅力的な話で、シャン学メンバーやる気満々でして。

マツカ 「@副住元老でいいですね? アカウントは」
シロエ 「充分です! 第一声は、何か聞きたいことある、で!」
サム  「副住職だけど、ってのを忘れちゃ駄目だぜ?」
ジョミー「ハッシュタグの「#坊さんあるある」もね!」

それでお願い、と皆が見守るマツカ君の手許とスマホ。

スウェナ「要はキースが身バレすればいい話なのよね」
シロエ 「そうです、そうです! まずは炎上騒ぎからで!」
マツカ 「キースのことだ、と分かる中身も要りますね…」

アカウントだけでは甘いですから、と御曹司。

マツカ 「元老寺だと特定可能なネタも、ちりばめましょう」
ジョミー「そこはやっぱりクリームちゃんかな?」
ブルー 「どうだろう…。アドス和尚の知り合い、見るかな?」

炎上した後なら見そうだけれど、と銀青様が傾げる首。

ブルー 「それまでは普通にスルーじゃないかな、そんなのは」
一同  「「「うーん…」」」

何を呟くべきだろうか、と考える間にマツカ君がサクサクと。

マツカ 「今、アカウントを作りました。画像、どうします?」
シロエ 「元老寺の山門なんかはどうでしょう?」
一同  「「「イイネ!!!」」」

見る人が見たら即バレだよね、と大歓声が。

ブルー 「それなら、ぶるぅに撮って来てもらおうかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ どんな角度がいいかな?」

境内も入った方がいいよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「んとんと…。宿坊も撮って来ようかなぁ?」
シロエ 「それも使いましょう、直球勝負で!」

お願いします、とシロエ君の注文。

シロエ 「元老寺の名前が入ったものなら、何でもいいです!」
ぶるぅ 「オッケー!」
キース 「頼む、ツイッターは勘弁してくれ!」

本気で俺が殺されるから、と慌ててますけど。
同情の余地は無さそうですよね…?


2018/06/18 (Mon)

 

☆お迎えも来ました


ソルジャーが先月提案したのが、キース君と家族を持ち帰ること。
今も乗り気な御一同様、実現させるべくツイッターで呟くつもり。

ぶるぅ 「んとんと…。アイコン用のと、他に幾つかでいい?」
マツカ 「ええ。アイコンも何種類か作ってみたいですね」
シロエ 「そうですね! こう、一目で分かりそうなのを…」

元老寺の文字は小さすぎて見づらいですし、とシロエ君。

シロエ 「これぞ元老寺、という個性的なのをお願いします!」
ぶるぅ 「オッケー! 山門と境内の何かだよね?」
ジョミー「宿坊がちょっと入るといいかな、見えてる筈だし」
サム  「檀家さんでなくても、泊まった人ならピンとくるよな」

それでいこうぜ、とサム君もプッシュな宿坊と山門。

サム  「早いトコ、撮って来てくれよな!」
ぶるぅ 「うんっ! 炎上した後は、サイオン中継だよね!」

キースがプロレスの技を食らうの、と無邪気なお子様。

ぶるぅ 「アドス和尚のリングネームって、何なのかなぁ?」
キース 「それがあるとは限らんのだが!」

学生プロレスをやっていたかは謎だ、と副住職、必死。

キース 「無駄骨になるということもあるしな、こう、穏便に…」
シロエ 「ツイートするなと言うんですか?」
キース 「そうなんだが!」

そのアカウントを削除してくれ、と土下座。

キース 「真面目に俺の未来が無いから、それだけは!」
??? 「未来なら、あると思うけどねえ…?」

素敵なのが、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「話は聞かせて貰ってたんだよ、来てくれるって?」
シロエ 「はい、是非、持って帰って下さい!」

じきに炎上しますから、とシロエ君の笑顔。

シロエ 「元老寺から追い出された時は、どうぞよろしく!」
Aブルー「任せといてよ、三食昼寝つきの生活!」
一同  「「「イイネ!」」」
キース 「俺は良くない!」

イイネも何も、とワタワタしていますけど。
どうやら後が無さそうですね?


2018/06/19 (Tue)

 

☆記念に撮りたい


先月のソルジャーからの提案、キース君と家族のお持ち帰り。
乗り気なシャン学メンバーの所へ、そのソルジャーが現れまして。

Aブルー「早くツイッターを始めようよ! そのアカウントで!」
シロエ 「アイコンとかが、まだですからね…。それが先です」
マツカ 「印象深いのを作りたいですから、まずは写真で」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 元老寺まで行ってくるねーっ!」

カメラ、カメラ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が一眼レフを。

ぶるぅ 「やっぱりカメラもいいのでないと…。頑張るもん!」
シロエ 「素敵な写真をお願いしますね、宿坊入りの」
ぶるぅ 「うん、任せといて!」

その前に…、とカメラを構えるお子様。

ぶるぅ 「炎上前と後との記念写真も欲しいでしょ?」
シロエ 「いいですね! キース先輩の使用前と使用後ですね?」
ぶるぅ 「そうなの! 並べてツイッターに上げたら良さそう!」

人気の画像があったんだよね、とニコニコニコ。

ぶるぅ 「何年か前のお盆の時にね、「#坊さんあるある」で…」
ブルー 「凄い人気で、リツイートの嵐だったんだよ」
ジョミー「へえ…? どんなのだろ?」
ぶるぅ 「お盆の行事が始まる前と、後との拙僧だったけど?」

並べて写真が上げてあったの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「始まる前の凛とした拙僧、っていうのが柴犬!」
一同  「柴犬?」
ブルー 「雪の中にキリッと立ってる姿で、凛としていたんだよ」

でも…、と銀青様がニヤニヤ。

ブルー 「お盆が終わった後の拙僧というのが、それは酷くて…」
サム  「何だったんだよ、夏バテの犬かよ?」

それなら分かる、と言ってますけど。

ぶるぅ 「違うよ、エイの干物だったんだよ!」
一同  「「「干物!?」」」
ブルー 「すっかり干からびて、口をポカンと開けててさ…」
ぶるぅ 「ホントにギャップが凄かったの! だからキースも!」

炎上の前と後とで記念に一枚、と笑顔。
並べてアップするんですね…?


2018/06/20 (Wed)

 

☆ポーズはこれで


ソルジャーからの素敵な提案、キース君を家族ごと持ち帰ること。
ついにお迎え登場とあって、張り切るのがシャン学メンバーで…。

シロエ 「いいですねえ! 炎上前の拙僧と、炎上後ですか!」
マツカ 「今のキースと、その後のキースを並べるんですね」

どうせ身バレはしてるんですから、無問題です、と御曹司。

マツカ 「ぶるぅ、いいのをお願いしますよ。キリっとしたのを」
ぶるぅ 「うんっ! だけど、キースの協力が無いと…」

キリッとしてよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の注文。

ぶるぅ 「それと衣も、出来ればお願い!」
キース 「衣だと!?」
ぶるぅ 「そう! 副住職らしく、着て欲しいんだけど…」

元老寺から取り寄せるから、とニコニコニコ。

ぶるぅ 「着替えてポーズを取って欲しいの、決めポーズを!」
キース 「決めポーズ…?」
シロエ 「今、それで思い付きました! 炎上後の方を!」

こういうポーズはどうでしょうか、とシロエ君。

シロエ 「アドス和尚にプロレスの技を食らった瞬間です!」
ジョミー「あー! 決めポーズはアドス和尚だけどさ…」
スウェナ「誰が見たって、楽しい写真になるわね、それは」

だけど、ぶるぅは大丈夫かしら、とスウェナちゃんの問い。

スウェナ「サイオン中継してくれるんでしょ、写真も撮れるの?」
ぶるぅ 「大丈夫! 写真を撮るなら、現場に行くから!」

カメラを構えながら中継するの、と頼もしい言葉。

ぶるぅ 「キースも、それでかまわないでしょ?」
キース 「なんで、そうなる!」
シロエ 「炎上にプラスアルファですから、有名人ですよ?」

一気に人気者になれます、とシロエ君もプッシュ。

シロエ 「早く法衣に着替えて下さい、まずは炎上前からです!」
Aブルー「いいねえ、それが済んだらツイートなんだね?」
マツカ 「呟かないと、何も始まりませんしね」
キース 「呟かなくていいっ!」

俺の人生がパアになるから、と副住職の叫び。
それが目的ですが…?


2018/06/21 (Thu) 

 

☆消えて欲しい人


ソルジャーからのナイスな申し出、キース君と家族のお持ち帰り。
実現させたいシャン学メンバー、ツイッターで呟くつもりでして。

シロエ 「人生がパアでいいんです! 居づらくなれば!」
ジョミー「そうだよ、キースがいなくなったら万歳だから!」

ぼくも自由になれるもんね、とジョミー君。

ジョミー「ブルーがぼくを弟子にしたのは、キースのせいだし」
キース 「そこの所は違うと思うが!」
ジョミー「ううん、キースが一般人だったらさ…」
サム  「俺もジョミーも、僧籍じゃねえかもしれねえなあ…」

寺との接点が何もねえから、とサム君も。

サム  「ちっとは責任あると思うぜ、ジョミーの件も」
キース 「しかしだな…! 俺が此処から消えたからと言って…」
ジョミー「破門して貰えるとは思わないけどさ…」

ブルーだしね、とジョミー君の溜息。

ジョミー「だけど、実害は無くなるから! 棚経のお供とか!」
スウェナ「そうねえ、それは無くなるわよねえ…」
マツカ 「元老寺からアドス和尚が消えますからね」

新しい住職が入るんですから、と御曹司。

マツカ 「お手伝いの人も、新しい人を頼むでしょうし…」
ジョミー「ぼくに声なんか掛からないよね、バイトにしたって」
サム  「俺もだよなあ、お盆は普通に暮らせそうだぜ」
キース 「お前までもか!?」

俺で迷惑しているのか、と副住職の悲鳴。

キース 「サムは熱心に修行していると思っていたが…!」
サム  「それとこれとは別件だぜ。棚経、半端ねえし…」

アドス和尚のお供はキツイ、とサム君、ブツブツ。

サム  「自転車でスクーターを追い掛けるんだぜ、炎天下に」
シロエ 「ハードですよね、毎年、毎年」

マイナスですよ、とシロエ君。

シロエ 「ですから、キース先輩にはですね…」
スウェナ「消えて貰うのが一番なのよね、この世界から」
キース 「そ、そんな…!」

俺は消えたくないんだが、と泣きの涙の副住職ですけど。
リーチですねえ…?


2018/06/22 (Fri)

 

☆記念に撮るなら


ソルジャーが持ち出した素敵な話が、キース君一家のお持ち帰り。
やる気満々のシャン学メンバー、着々と話を進めてまして…。

シロエ 「とにかく写真からですね。何はともあれ」
マツカ 「ええ。炎上前のキリッとしたキースの記念写真です」

衣でポーズを取って下さい、と御曹司の注文。

マツカ 「炎上後の方も、ぶるぅがきちんと撮りますから」
ジョミー「楽しみだよねえ、サイオン中継!」
スウェナ「アドス和尚のリングネームが分かるんだものね」

どんなのかしら、とスウェナちゃんの瞳がキラキラ。

スウェナ「ついでに技にも期待だわ! 学生プロレス!」
キース 「だから、やっていたとは限らないと…!」
サム  「その辺は見てのお楽しみだぜ、無くて元々!」

あったら儲けモンだからよ、とサム君もニヤリ。

サム  「ツイートする時は、技の名前も添えるしよ…」
マツカ 「もちろんリングネームもですね」

アドス和尚の知り合いも見てくれるでしょう、と御曹司。

マツカ 「とっくに炎上した後ですけど、リツイートがですね…」
シロエ 「凄いでしょうね、トレンド入りを果たすかもです!」

元から炎上してたんですから、とシロエ君も。

シロエ 「早く写真を撮りましょう! 今の姿の!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 衣を取り寄せればいい?」

色付きの衣の方がいいかな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「ただの黒いのじゃ、つまんないかな?」
ブルー 「墨染めでいいと思うけどねえ? お坊さんらしくて」

素人さんは坊主の世界に疎い、と銀青様のお言葉。

ブルー 「いろんな色の衣のことは、知られていないよ」
ぶるぅ 「そっかぁ…。じゃあ、黒いので!」

法衣、法衣…、とサイオンで調べている模様。

ぶるぅ 「キース、お袈裟は輪袈裟でいい?」
キース 「衣も、輪袈裟も、要らんのだが!」
Aブルー「そう言わないでさ…。記念に一枚!」

ぼくの世界に来る前にね、とソルジャーの笑顔。
本気ですね…?


2018/06/23 (Sat) 

 

☆法衣はパリッと


ソルジャーからのナイスな提案、キース君を家族ごとお持ち帰り。
すっかり乗り気なシャン学メンバー、ツイートの準備中でして…。

ぶるぅ 「んーと…。キースの衣は、今朝のでいい?」
キース 「はあ?」
ぶるぅ 「朝のお勤めで着てたヤツ! それと輪袈裟と!」

お部屋に吊ってあるヤツだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「それとも新しいのがいい? 箪笥に入っている衣!」
シロエ 「箪笥のがいいと思いますけどねえ? 使用済みより」
マツカ 「そうですねえ…。パリッとしたのが良さそうです」

写真じゃ匂いは伝わりませんし…、と御曹司の意見。

マツカ 「匂いも伝えてくれるんだったら、今朝のがですね…」
サム  「あー! 抹香臭くていい感じなのな、坊主らしくて!」
マツカ 「ええ。でも、残念なことに無理ですからね…」

キリッとした写真にはパリッとしたのを…、と御曹司。

マツカ 「ぶるぅ、箪笥のでお願いします」
ぶるぅ 「オッケー! 一式あるから、全部揃えて!」
キース 「やめてくれ!」

本当に真面目に勘弁してくれ、と副住職、土下座。

キース 「炎上前も後もどうでもいいから、アカウントを…!」
マツカ 「削除してくれと言うんですか?」
キース 「頼む、この通りだ!」

詫びろと言うなら何千回でも…、と床に擦り付ける額。

キース 「別の世界に行くのも嫌だが、親父が怖い!」
ブルー 「分かってないねえ、そこは孝行する所だよ」
シロエ 「ですよね、ブラック企業以上なお寺からですね…」
サム  「親父さんも自由になれるんだぜ?」

結果オーライってヤツだよなあ、とサム君が立てる親指。

サム  「怒ってるのは最初だけだぜ、じきに褒められるって!」
ブルー 「そうだよ、パルテノンにはブルーが送迎してくれるし」
Aブルー「任せといてよ、最高に楽な暮らしを提供するから!」
キース 「そんなのは要らん…!」

俺は普通に生きたいんだ、と叫んでますけど。
それが迷惑です…。


2018/06/24 (Sun) 

 

☆早めに引っ越せ


ソルジャーからの素敵な申し出、キース君一家を連れて帰ること。
誰もが乗り気で、ツイッターでの炎上を企画している最中でして。

キース 「俺は一介の副住職として、平和に生きたいんだが!」
シロエ 「キース先輩にとっての平和は、ぼくたちの災難です!」
ジョミー「そうだよ、いるだけで迷惑するんだからさ」

この際、引っ越して欲しいんだけど、とジョミー君の突き放し。

ジョミー「たまには帰って来てもいいから、基本はさ…」
スウェナ「あっちの世界にいて欲しいわよね、誰かさんの専属で」

そうなれば平和になるんだから、とスウェナちゃんも。

スウェナ「特別手当も払ってくれずに、いつも迷惑三昧だものね」
サム  「マジでどうしようもねえもんなあ…。歩く災難で」

迷惑を通り越して災難、とサム君、決め付け。

サム  「お迎えもやって来たんだからよ、引っ越せよな!」
Aブルー「ぼくの方なら、いつでもオッケー! 今日にでも!」

御本尊様は少し遅れるけれど…、と微笑むソルジャー。

Aブルー「元老寺のとそっくりなのをプロに注文するから!」
キース 「気遣いは要らん!」
Aブルー「そう言わずに! 最高級の素材で彫って貰うよ!」

それまではブルーのを借りようかな、と傾げる首。

Aブルー「此処の阿弥陀様、借りてもいいかな?」
ブルー 「かまわないけど? みんなで見付けた阿弥陀様だし」

埋蔵金を探していた時に…、と銀青様。

ブルー 「ぼくたちが掘り出すまでは、蓮池の底に…」
シロエ 「埋まっていた阿弥陀様ですしね…」

黄金の阿弥陀様ですけれど、とシロエ君の相槌。

シロエ 「御利益はあると思いますから、暫く代理ということで」
Aブルー「じゃあ、それを借りて…。後は部屋とかの準備だけ!」
サム  「早めに持って帰ってくれよな、迷惑野郎を」
マツカ 「そろそろ呟いてもいいですか?」
キース 「待ってくれ…!」

心の準備が出来ていない、とキース君、パニック。
運命や如何に…?


2018/06/25 (Mon)

 

☆地球まで一緒に


ソルジャーからのナイスな提案、キース君を家族ごとお持ち帰り。
平和な世界になるのは確かで、シャン学メンバーも乗り気でして。

マツカ 「心の準備と言いますけどね、いつ出来るんです?」
シロエ 「そうですよ! どのくらい待てばいいんでしょう?」

延々と引き延ばすのは無しでお願いします、とシロエ君の睨み。

シロエ 「先輩もプロのお坊さんなら、覚悟をですね…」
マツカ 「決めて貰わないと困りますよね、ぼくたちだって」
サム  「うんうん、今のままだとよ…。いつまで経っても…」

俺たちの災難は終わらねえよな、とサム君、キッパリ。

サム  「早いトコ、カタを付けてくれよな。自分の心に」
ジョミー「誰も酷いことは言っていないよ、生き葬式とかさ」

そういう修行もあるらしいしね、とジョミー君。

ジョミー「ハードな修行をしろと言ってるわけじゃないしさ…」
シロエ 「人道的だと思いますけどね? 色々な意味で」

生活は保証されるんですから、とシロエ君も。

シロエ 「命にしたって、きっと守って貰えますよ」
Aブルー「それはもう! ぼくのプライドにかけて全力で!」

人類軍だろうが、マザー・システムだろうが、と頼もしい言葉。

Aブルー「キースたちを船に乗せられるんなら、根性だよ!」
ブルー 「もしかして、地球にも行ける勢い?」
Aブルー「座標さえ分かれば、行っちゃえるよね!」

雲海の星にサヨナラだよ、とソルジャーが握り締める拳。

Aブルー「充実のセックスライフがあるなら、パワー全開!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅも頑張るんだね!」
Aブルー「もちろんだよ! 覗きの楽しみがアップするから!」

三分間しか持たない力でも期待できるよ、と嬉しそうな人。

Aブルー「キースも一緒に地球に行けたら、最高だよね!」
キース 「最初から地球の住人なんだが、俺は!」
Aブルー「ぼくの世界の地球にも、是非!」

コンプリートしてくれたまえ、と笑顔ですけど。
地球が二つですか…。


2018/06/26 (Tue)

 

☆名僧になれます


ソルジャーの素敵すぎる提案、キース君を家族ごと持ち帰ること。
乗り気になったシャン学メンバー、着々と話を進めてまして…。

シロエ 「キース先輩、地球を二つも見られるんですよ?」
ブルー 「素晴らしいよね、普通は出来ない経験だからね」

ぼくだって一つしか知らないんだから、と生徒会長。

ブルー 「ぼくたちのシャングリラで行けるのは、此処だけ!」
ジョミー「出掛けて帰って来るだけだもんね、出発点で」
サム  「だよなあ、見たこともねえ星じゃねえよな」

その点、あっちは違うんだしよ、とサム君も相槌。

サム  「座標も謎でよ、エリートしか行けねえ星なんだっけ?」
Aブルー「そうなんだよねえ、限られた人しか降りられないね」

なにしろ人類の聖地だけに…、と頷くソルジャー。

Aブルー「だからラスボスつきなんだけどさ…。地球は」
一同  「「「ラスボス?」」」
Aブルー「グランド・マザーだよ、SD体制の頂点で要!」

そういう巨大コンピューターだ、とソルジャーの解説。

Aブルー「だけど、キースを乗せた船なら、大丈夫!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ラスボスも吹っ飛ばすんだね!」
Aブルー「そう! ぼくのパワーを最大限に発揮して!」

パワーの源を乗せてるんだし、とソルジャー、満面の笑顔。

Aブルー「毎日キースが拝んでくれてさ、フルパワーで!」
ブルー 「いいねえ、君の船の仲間たちのためにもなるよね」
スウェナ「地球に行くのが悲願なんでしょ、それとSD体制打倒」

どっちも叶って大喜びよね、とスウェナちゃん。

スウェナ「行きなさいよ、キース! これは人助けよ!」
シロエ 「大勢の人が助かりますよね」

ぼくたちとは比較にならないくらい、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「ミュウの皆さんが全員、救われますから!」
サム  「坊主としても、そこは外せねえよな」
ブルー 「人を救ってなんぼだからね」

名僧になれるチャンス到来、と銀青様もプッシュ。
出世ですね?


2018/06/27 (Wed)

 

☆宇宙規模で名僧


ソルジャーからのナイスな提案、キース君を家族ごとお持ち帰り。
そうなれば災難がグンと減るだけに、誰もが乗り気になるわけで。

シロエ 「先輩、名僧になれるそうですよ! もう間違いなく!」
ブルー 「宗祖様を超えるのは確実だろうね、そうなった時は」
マツカ 「一つの種族を救うんですしね、宇宙規模で」

御大師様もビックリでしょう、と御曹司が挙げるビッグな例。

マツカ 「ソレイド八十八ヶ所を開いた御大師様以上ですね」
ブルー 「うん、海外からもお遍路さんが来てるけどさ…」
サム  「所詮は地球の中だけで終わりで、宇宙じゃねえよな」

まだ他の星に人はいねえから、とサム君も。

サム  「その点、あっちの世界の方だと、銀河全部だよな?」
Aブルー「そうだね、銀河系は丸ごとカバーしてるよ!」

そして育英惑星ではミュウが生まれてるんだ、とソルジャーの言。

Aブルー「まだ数少ない新人種だけど、SD体制を倒せたら…」
シロエ 「抹殺されなくなるんですから、増えていきますよね」

その切っ掛けを作るのがキース先輩です、とシロエ君、力説。

シロエ 「人類軍と戦うのは別の人でも、パワーの源ですからね」
Aブルー「無事に地球まで行けた時には、お披露目するよ!」

ミュウだけじゃなくて人類にもね、とソルジャーの笑み。

Aブルー「全部キースのお蔭なんだ、と大々的に!」
ブルー 「いいねえ、此処に残っていたんじゃ出来ないことだよ」

一介の坊主で終わりそうだし…、と銀青様。

ブルー 「どう頑張っても緋の衣ゲットが精一杯かな」
ジョミー「名僧ってヤツにはなれないよね…」

だから引っ越すべきだと思う、とジョミー君も大きく頷きまして。

ジョミー「アドス和尚にボコられたってさ、将来は名僧だよ?」
スウェナ「いい話じゃないの、行きなさいよ!」
キース 「し、しかし…!」
Aブルー「是非、名僧になってくれたまえ!」

SD体制始まって以来、初の坊主だ、と笑顔。
そうなんですね…?


2018/06/28 (Thu) 

 

☆救世主を目指せ


ソルジャーの素敵すぎる提案、キース君を家族ごと持ち帰ること。
シャン学メンバーにとっても美味しい話で、誰もがプッシュ。

シロエ 「SD体制始まって以来って…。そうなんですか?」
Aブルー「坊主という職業自体が無いんだよ。キースみたいな」

キリスト教しか無いものだから…、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「キリスト教で言う坊主はいるけど、仏教のはさ…」
サム  「いねえんだな?」
Aブルー「そもそも養成してないからねえ、教育ステーションで」

キリスト教の坊主一択、というのがSD体制の世界らしくて。

シロエ 「キース先輩、聞きましたか? オンリーワンです!」
ジョミー「アドス和尚がいるから、正確に言えば二人だけどさ…」
マツカ 「役に立つのはキースだけですしね、この場合は」

アドス和尚はパワーの源になりませんしね、と御曹司。

マツカ 「無事に地球まで辿り着けたら、立派な救世主です」
シロエ 「名僧を超えていますよね!」
ブルー 「本家の救世主も超えられるってば、キリスト教の!」

そっちは役に立ってないしね、と生徒会長も。

ブルー 「いわゆる人類のための神様で、ミュウにとっては…」
スウェナ「全く存在意義が無いわね、祈るだけ無駄で」

そんな神様よりもキースだわよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「もう文字通りに生き仏になれると思うわ、きっと!」
シロエ 「こっちの世界だと、生き仏になるのは大変ですけどね」
ブルー 「生き葬式な修行が必須だからねえ、生き仏は…」

それをしなくても生き仏だよ、と銀青様の笑顔。

ブルー 「ただシャングリラに乗っているだけで名声ゲット!」
Aブルー「うん、面倒はぼくに任せて!」

そして名を上げてくれたまえ、とソルジャー、やる気満々。

Aブルー「マツカ、ツイートをよろしく頼むよ!」
マツカ 「はいっ!」
キース 「頼むから、それは勘弁してくれ!」

俺は普通に生きてゆきたい、とキース君、土下座。
さて、どうなる…?


2018/06/29 (Fri) 

 

☆待ちの姿勢で


ソルジャーからのグッドアイデア、キース君を家族ごと持ち帰り。
誰もが乗り気になっていまして、ツイッターで炎上を計画中。

キース 「本当に、俺が悪かった! 許してくれ!」
シロエ 「あのですね…。それで許されると思ってますか?」
サム  「そうだぜ、迷惑ばかりかけてよ」

反省の色がねえじゃねえかよ、とサム君のツッコミ。

サム  「あっちの世界に行ってくれたら、平和になるしよ…」
マツカ 「キースも名声が手に入りますし、いいじゃないですか」

名僧どころか救世主ですよ、と御曹司が操作するスマホ。

マツカ 「ぶるぅ、元老寺の写真をよろしくお願いしますよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースの写真もね!」

炎上する前の凛々しい拙僧、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「法衣とお袈裟を用意するから、ポーズ、ポーズ!」
キース 「なんでそうなる!」
ブルー 「インパクトのある画像を並べてこそだよ!」

炎上後の拙僧が楽しみだよね、と生徒会長、ニコニコ。

ブルー 「アドス和尚の学生プロレス時代の技が炸裂!」
キース 「あるとは決まっていないんだが!」
ジョミー「それは見てからのお楽しみだよね!」

早く炎上しないかな、とワクワクしているジョミー君。

ジョミー「凛々しい方の写真を、早く撮ろうよ!」
キース 「断固、断る!」
マツカ 「仕方ないですねえ…。チャンスを待ちますか」

急がば回れと言いますからね、と御曹司の笑み。

マツカ 「アカウントは作ってあるんですから」
シロエ 「そうですね…。それだけで心強いですよね」

いつでも炎上させられますよ、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「今は、待ちの姿勢で!」
Aブルー「それがいいねえ、ぼくも歓迎の準備をしておくよ」
ブルー 「うん、持ち帰れる時が来たらよろしく!」
一同  「「「イイネ!!!」」」
キース 「俺にとっては、良くないんだが!」

少しも良くない、と慌てふためく副住職。
今月、これにて中継終了~。


2018/06/30 (Sat)






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☆惜しかった先月


さて、六月。雨がシトシト、梅雨の季節でございます。
今日は土曜日、生徒会長宅に集ったシャン学メンバーですけれど。

シロエ 「先月は惜しいことをしましたねえ…」
スウェナ「そうねえ、キースと縁が切れるチャンスだったのに…」
ジョミー「持ち帰るって言ってくれてたのにねえ、誰かさんが」

なのに安穏と此処にいるよね、と副住職をジロリ。

ジョミー「あっちの世界もいいと思うけどな、賓客待遇!」
サム  「だよなあ、下にも置かねえおもてなしでよ」

御本尊様も作って貰って、元老寺ごとお引っ越しな、とサム君。

サム  「そうなってたらよ、俺たちの毎日も安泰でよ…」
ジョミー「お盆の棚経も無くなるんだよね、あのキツイのが…」
シロエ 「アドス和尚ごといないんですから、そうなりますよね」
ジョミー「ホントに惜しいよ、断るなんてさ」

どうして断っちゃったのさ、とジョミー君の嘆き。

ジョミー「誰かさんが連れて来たお客さんなら、VIPだよ?」
シロエ 「それは間違いないですねえ…」
サム  「みんなが敬意を払ってくれるぜ、最敬礼でよ」

船の役には立たなくてもよ、と僧籍な人。

サム  「でもって考え方によっては、船の安全祈願もよ…」
シロエ 「ああ…! お坊さんなら出来ますね、ソレ」
ブルー 「もちろんだよ。そのためのお経もあるからね」

朝晩のお勤めで航行の安全を祈ればいいのだ、と銀青様も。

ブルー 「断らなくても、行ってしまえば良かったのにさ」
キース 「あんたまで、俺を追い出したいのか!?」
ブルー 「別に追い出したくはないけど、いてもいなくても…」

大して変わりはしないからね、とキッツイ一言。

ブルー 「面子が一人減るだけのことで、困るようなことは…」
シロエ 「ホントに、全く無いですね! むしろ、ぶるぅが…」
ジョミー「楽になるよね、料理もお菓子も一人前、減るし」
キース 「お前たち…」

そこまで言うか、と言葉に詰まってますけど。
無理もないような…?


2018/06/01 (Fri) 

 

☆誰も困りません


先月、キース君に持ち掛けられた、別の世界への引き抜き話。
御本尊様なども整えるから、元老寺ごと来てくれという申し出で。

シロエ 「またとない、いいお話でしたよ。誰にとっても」
キース 「なんだって!?」
シロエ 「キース先輩はVIP扱いで、ぼくたちには平和で…」

誰も損なんかしませんからね、とシロエ君のダメ押し。

シロエ 「特別手当を貰えるアテも無いですし、あの話なら…」
マツカ 「全てが丸く収まりましたよ、どう考えても」

元老寺の住職が変わった所で、檀家さんも困らないでしょう、と。

マツカ 「新しい住職が入るわけですし、お寺は大繁盛で…」
シロエ 「檀家さんの負担はグンと減りますよね、儲かるのなら」

負担金が安くなりそうですよ、とシロエ君。

シロエ 「今だと修理とかになったら、寄付を募るんでしょう?」
キース 「それはそうだが…」
スウェナ「儲かってるなら、一口分が安くなるわよ、きっと」

檀家さんにも儲けを還元、とスウェナちゃんも頷く負担金の額。

スウェナ「檀家さんだって、きっと喜ぶわ!」
キース 「いや、しかし…! 地域との御縁というのはだな…」
サム  「大事なのかもしれねえけどよ、金の負担は…」

少ない方が嬉しいよな、とサム君までが。

サム  「次に話があった時には、断るなよな!」
キース 「待ってくれ! 俺の命はどうなるんだ!」

SD体制の世界なんだぞ、とオタオタしている副住職。

キース 「人類軍の船が追ってくるとか、戦闘だとか…」
シロエ 「その辺はプロにお任せですよ! 誰かさんに!」

サボっていたって、船は安全みたいですしね、とニコニコニコ。

シロエ 「キース先輩たちを迎えたら、もっと気合が!」
ブルー 「入るだろうねえ、御本尊様を守れば御利益絶大だから」
ジョミー「全力で頑張ってくれる筈だよ、安心だってば」
キース 「あいつに命を預けるのか?」

不本意すぎる話なんだが、と言ってますけど。
別にいいのでは…?


2018/06/02 (Sat)

 

☆元気で留守がいい


キース君に先月持ち掛けられたのが、別の世界への引き抜きの話。
元老寺ごとソルジャーの世界に引越し、宇宙船で暮らすのだとか。

シロエ 「先輩の命を預けるんなら、頼りになると思いますけど」
マツカ 「ええ。最強のミュウだという話ですし、安心ですよ」
サム  「人類軍とやらが攻めて来てもよ、あいつだったら…」

サックリ撃退するんでねえの、とサム君の笑顔。

サム  「そうでなくても、邪魔をしたヤツは容赦しねえって…」
シロエ 「よく言ってますよね、夜に来る敵は特に憎いと」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ なんだっけ、大人の時間だったっけ?」

それを邪魔されるからなんだよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「だから嫌いで、大人の時間が大好きで…」
サム  「うんうん、それをサポートするのがキースの役目で…」
シロエ 「御本尊様ごと、船で頑張るわけですからね…」
ブルー 「本当に気合が入りまくりだよ、船を守るために!」

こっちの世界にも来なくなるよ、と生徒会長も。

ブルー 「たまにはグルメで、ちょっと来るかもしれないけれど」
シロエ 「その程度に激減しますよね…。今よりもずっと!」
ジョミー「こっちで法要にこだわらなくても、船で出来るもんね」

お盆の棚経も、春と秋のお彼岸の法要も無くなる、とジョミー君。

ジョミー「凄く平和になりそうだしさ…。アリだよね、それ」
シロエ 「キース先輩の命が無事なら、誰の心も痛みませんよ」
キース 「なんだって!?」
シロエ 「死なれたら寝覚めが悪いですけど…」

別の世界で元気だったら充分です、とニコニコニコ。

シロエ 「えっと…。亭主元気で留守がいい、でしたっけ?」
スウェナ「そうね、キースにも大いに当てはまりそうよ」
サム  「キース元気で留守がいい、ってことで最高だぜ、うん」
一同  「「「イイネ!!!」」」
キース 「お、お前たち…」

そこまで言うか、とキース君、言葉に詰まってますけど。
無理もないですよね…?


2018/06/03 (Sun) 

 

☆出て行って欲しい


ソルジャーからキース君への提案、そっちの世界に移住すること。
誰もが魅力を感じていまして、今も惜しいと思っているわけで…。

シロエ 「いいですか? キース先輩が此処にいてですね…」
サム  「俺たちが得をするようなことが、何かあったのかよ?」

一つも思い付かねえんだけど、とサム君、バッサリ。

サム  「特別手当が欲しいくらいに、ババばっかりでよ…」
シロエ 「おまけに払えないんですよね、特別手当」

払ってくれるなら、まだ同情の余地もありますが…、とシロエ君。

シロエ 「先輩のお給料はお小遣いだけで、財源ゼロですしね」
ジョミー「出世払いの方も希望が無いよね、この先も、ずっと」

アドス和尚が現役の間は絶対に無理、とジョミー君の嘆き。

ジョミー「高校生だからって、お小遣いだけに決まってるしさ」
スウェナ「そうなのよね…。でもって、ババだけ無限ループよ?」

お盆の棚経に、春と秋のお彼岸の法要に…、と折ってゆく指。

スウェナ「他にもババを引かされまくりの毎日じゃない!」
キース 「今月は、まだ何も起こっていないと思うが!」
シロエ 「現時点では、っていうだけでしょう?」

一寸先は闇なんですよ、とシロエ君の冷たすぎる視線。

シロエ 「誰だって人生そうなんですから、先輩の場合は…」
サム  「俺たち以上にババを呼ぶよな、半端ねえのを」

自覚があるなら引越ししろよ、とサム君、キッツイ一言。

サム  「親父さんたちは、置いて行ってもいいからよ」
シロエ 「それでは詰めが甘いです! アドス和尚ごとです!」

もちろんイライザさんもですね、とシロエ君の据わっている瞳。

シロエ 「そのためだったら、元老寺を潰してもいいと思います」
マツカ 「穏便にやるなら炎上ですよね、ツイッターで…」
スウェナ「@副住元老で、お寺の悪口を呟くのよね?」
キース 「頼むから、それだけは勘弁してくれ!」

元老寺が本当に潰れてしまう、と顔面蒼白の副住職。
ピンチですね?


2018/06/04 (Mon)

 

☆御本尊様も嬉しい


先月のソルジャーからの提案、キース君を家族ごと引き取ること。
元老寺は別の世界のシャングリラに引越し、とても魅力的な案で。

シロエ 「元老寺そのものは潰れませんよね、このやり方だと」
マツカ 「御本尊様ごと、買い取られるというだけですからね」
サム  「何処かのお寺の末寺になって、栄えるんだろ?」

御利益を謳って売り出されて…、と僧籍な人。

サム  「御本尊様もお喜びになると思うぜ、お参りが増えて」
スウェナ「宿坊も大入り満員よ? 従業員さんも安定の雇用継続」
ブルー 「お給料もグンと増えるんじゃないかな、ボーナスもね」

大繁盛なら、それに見合うだけの給料が出る、と銀青様も。

ブルー 「御本尊様だって、下にも置かないおもてなしでさ…」
サム  「うんうん、お身拭いとかも派手にやりそうだよな」
ブルー 「それはもう! 御利益を配らなきゃいけないからね!」

御本尊様を拭った布は、それは有難いお守りに…、とニコニコ。

ブルー 「今の元老寺じゃ、それなりの扱いはしていても…」
シロエ 「お守りとしては売ってませんよね、聞いてませんから」
キース 「そ、それは…。その通りなんだが…」

失礼のないよう、お焚き上げで処分しているだけで…、と副住職。

キース 「しかし、布まで売り出さなくても!」
ブルー 「常識だったと思うけどねえ、坊主の世界じゃ」

有名なお寺の仏様となれば、お身拭いの布は貴重品、との指摘。

ブルー 「お金を積んでも買えないくらいに、人気なんだよ?」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「コネが無いと、まず手に入らないしね!」

コネにプラスして、相応の額の寄進が必要、と銀青様の解説。

ブルー 「元老寺の御本尊様だって、そうなることは可能だよ!」
サム  「凄腕の住職が売り出した時だよな?」
ブルー 「うん。御本尊様も、お困りにはならないよね」
キース 「うう…」

なんてことだ、と副住職、絶句。
御本尊様にも見捨てられそうですね…?


2018/06/05 (Tue)

 

☆お盆も楽です


ソルジャーが先月言い出したのが、キース君を欲しいという提案。
家族ごと別の世界に引き取るそうで、そうなればかからない迷惑。

サム  「御本尊様も大満足だしよ、是非、そうしろよな!」
シロエ 「ぼくたちも嬉しいですからね。先輩が引っ越せば」
スウェナ「平和になるのは間違いないもの、引越しなさいよ!」

たまの里帰りは許してあげるわ、と上から目線。

スウェナ「こっちの世界が恋しくなったら、お正月くらいは」
シロエ 「そうですね! お盆は絶対、駄目ですけどね」

いくら帰省の定番でも…、とシロエ君。

シロエ 「お盆は向こうで大事な仕事がありますから!」
マツカ 「棚経ですよね、気合を入れて」
ジョミー「それしかすること無いもんね…。一ヶ所だけだし」

檀家さんを端から回らなくても大丈夫、とジョミー君の相槌。

ジョミー「今だとアドス和尚と二人がかりで、必死だけどさ」
サム  「うんうん、檀家さんは一軒だけってことになるしよ…」

あっちのシャングリラだけだよな、とサム君も笑顔。

サム  「キースも親父さんも、グンと楽になるぜ?」
キース 「どの辺がだ!」
サム  「まず、卒塔婆書きがねえじゃねえかよ」

お盆の前の卒塔婆地獄な、と僧籍な人。

サム  「今だと、とんでもねえ数を書かなきゃいけねえけどよ」
ジョミー「あー! 檀家さんが一軒だけなら、一本だよね!」
ブルー 「そういうわけでもないけどね…。厳密に言うと」

檀家さんの数と卒塔婆の数は一致しない、と銀青様のお言葉。

ブルー 「仏様の数によって変わるんだよ、そこは」
ジョミー「そっか…。でも、誰かさんの世界だと…」

一本だよね、とジョミー君の問い。

ジョミー「仏様は、一人だけだしさ…」
ブルー 「アレを一人と言うかはともかく、まあ、一本だね」
サム  「楽じゃねえかよ、引っ越せよな、マジで」
キース 「そ、そんな…!」

俺の一存で決められるか、と言ってますけど。
お寺が潰れたら即決ですよね…?


2018/06/06 (Wed)

 

☆ツイートしたい


先月のソルジャーからの提案、キース君を家族ごと持ち帰ること。
今も誰もが乗り気なわけで、是非ともお願いしたい引越し。

シロエ 「先輩の意見は聞いていません、ぼくたちの問題です!」
スウェナ「そうよね、ババを引かされまくりの日々にサヨナラ!」

キースさえいなくなってくれたら万々歳よ、とスウェナちゃん。

スウェナ「元老寺が例のお寺の逆鱗に触れたら、それで解決!」
シロエ 「買い取られてしまって、新しい住職が入りますしね」
ジョミー「たちまち路頭に迷うらしいしね、お寺の場合は」

法律も助けてくれなくてさ、とジョミー君も覚えている話。

ジョミー「だけど、キースの所は安心! 誰かさんがいるから!」
サム  「親父さんも、おふくろさんも、纏めて引き取るって…」

言っていたよな、とサム君、人のいい笑み。

サム  「御本尊様もお喜びになる結末なんだし、もう最高だぜ」
シロエ 「お参りの人が引きも切らなくて、栄えますしね」
マツカ 「じゃあ、やりますか? 先月、やりそびれたのを」

ツイッターのアカウントを作りましょうか、と御曹司。

マツカ 「@副住元老で呟いていれば、誰か来ますよ」
シロエ 「しかも最悪な裏話ですしね、大人気のお寺の」
スウェナ「先月に此処で聞いた話を、端から呟けばいいのよね?」

大ヒットするまでの舞台裏を…、とスウェナちゃん、ニヤリ。

スウェナ「ツイッターでその手の話は人気よ、リツイートの嵐!」
シロエ 「反対する人も出て来ますしね…。じきに炎上です」
マツカ 「ハッシュタグをつければ、もっと早いですね?」

例のお寺の名前でいけば…、と御曹司もニコニコ。

マツカ 「トレンド入りを果たすかもです、検索ワードの」
シロエ 「そのように持って行きましょう! 全力でツイート!」
サム  「それでキースが消えてくれるなら、やる価値あるよな」
キース 「勘弁してくれ…!」

別の世界に行くのも嫌だし、親父も怖い、と副住職。
どうなりますやら…。


2018/06/07 (Thu) 

 

☆月参りも楽です


ソルジャーが先月言い出したのが、キース君と家族のお持ち帰り。
シャン学メンバーにとっては美味しい話で、今も乗り気がMAX。

シロエ 「アドス和尚も、きっと許してくれますよ!」
サム  「うんうん、寺から追い出されても、安心だしよ…」

別の世界で楽に暮らせるんだぜ、と僧籍な人。

サム  「山のような卒塔婆も書かなくていいし、月参りもよ…」
ジョミー「それも無いよね、檀家さんなんかいないんだから」
ブルー 「いなくなるねえ、代わりに一つ来るかもだけど」

今は月参りの無い仏様が、と銀青様が傾げる首。

ブルー 「とはいえ、アレには命日が無いし…」
サム  「ねえんだったら、月参りはねえよ」
ブルー 「そうなんだけどさ…。こう、オプションで…」

せっかく丸ごと貰ったんなら、頼むかもね、とニコニコニコ。

ブルー 「毎日が命日だとか、無茶を言い出しかねないよ」
一同  「「「あー…」」」

相手はキノコだったっけ、と頷く御一同様。

シロエ 「シーズン中なら、毎日、何処かで枯れてますよね」
マツカ 「枯れると言うか、萎むと言うか…。キノコですから」

でも確実に仏様にはなっていますね、と御曹司も。

マツカ 「それを弔うわけですか…。毎日、毎日」
ブルー 「月参りだからね、それこそ年中無休でお参りかな」

祥月命日以外の月でも、その日に参るものだから、と。

ブルー 「でもまあ、行くのは一軒だけだし、楽なものだよね」
ジョミー「自転車もスクーターも要らないもんね…」
シロエ 「そうです、そうです! コミューターで出勤ですよ」

シャングリラの中の移動はコミューターです、とシロエ君。

シロエ 「あれに乗っかって楽々移動で、お参りも一ヶ所です」
サム  「いいじゃねえかよ、親父さんにも孝行できるぜ」
ブルー 「結果的には孝行息子で、褒めて貰えるかと思うけどね」
キース 「そんなわけがあるか!」

相手は親父だ、とガクガクブルブル。
キース君、どうなるんでしょう?


2018/06/08 (Fri)

 

☆ツイートするなら


ソルジャーの先月の美味しい提案、キース君を家族ごと持ち帰り。
今も乗り気なシャン学メンバー、そうなって欲しい気持ち満々。

シロエ 「さっきも言ったと思いますけど、先輩の意見は…」
サム  「聞いてねえよな、聞きたくもねえし」

俺たちが何度ババを引いたと思ってるんだ、とサム君、ギロリ。

サム  「おまけにババは無限ループで、終わらねえしよ…」
ジョミー「特別手当も貰えないんだし、ホントにババだよ」
スウェナ「自分で何とか出来ないんなら、引越しなさいよ!」

安全は保証されてるんだし、と詰め寄るスウェナちゃん。

スウェナ「誰かさんが迎えに来るように、してあげるから!」
マツカ 「それじゃ、アカウントを作りましょうか」
シロエ 「@副住元老ですね、もう早速に炎上ですよ!」

初ツイートは何がいいでしょうか、とシロエ君、ウキウキ。

シロエ 「キース先輩っぽくなくても、印象的なのでしょうか?」
サム  「あー…。掴みってヤツが大事だよなあ、ツイッターは」

まずフォロワーを増やさねえと…、と頷くサム君。

サム  「でないとリツイートして貰えねえし、何かいいヤツ…」
シロエ 「えーっと…。何でしたっけ、お盆に盛り上がるのは?」
一同  「「「お盆?」」」
シロエ 「お盆の前から盛り上がるっていうハッシュタグですよ」

確かそういうのがあった筈で…、とシロエ君が探っている記憶。

シロエ 「まとめサイトも出来るくらいに、大人気のです」
サム  「ひょっとして、#坊さんあるある盆ってヤツかよ?」
シロエ 「それです、それです! でも、お盆ですか…」

そのハッシュタグは使えませんね、と深い溜息。

シロエ 「まだお盆には早すぎますし、人が来ません」
ジョミー「これはどうかな、何か聞きたいことある? は」
一同  「「「へ?」」」
ジョミー「俺、副住職なんだけど、って!」
一同  「「「イイネ!」」」

一気に人が集まりそうだ、と上がる歓声。
お坊さんに質問…?


2018/06/09 (Sat)

 

☆お坊さんに質問


ソルジャーが先月思い付いたのが、キース君と家族のお持ち帰り。
シャン学メンバーにも魅力的な話で、実現させたい気持ちで一杯。

シロエ 「お坊さんに質問、してみたい人、多いでしょうしね」
ブルー 「そうだね、興味本位の若者じゃなくても、多いかな」
一同  「「「は?」」」

なんで若者以外が飛び付くのだ、と一同、キョトン。

ジョミー「あのさあ…。若くない人が、何を訊くわけ?」
ブルー 「菩提寺とかには、質問できない話かな」
シロエ 「それって、お寺のサポートが無いってことですか?」

訊いても教えて貰えないなんて…、とシロエ君の問い。

シロエ 「檀家さんのサポートも、大切だろうと思いますけど…」
ブルー 「そうなんだけどね…。面と向かっては言えないとかね」
スウェナ「いったい何を伏せるのよ?」
ブルー 「檀家さんが一番悩むのは、お布施の額かな」

いわゆる「お志」のこと、と銀青様。

ブルー 「いくらですか、と訊きに行っても、ハッキリ言わない」
サム  「あー…。お志で、って答えるらしいよな?」

金額は絶対言わねえのな、と僧籍な人も頷く習慣。

サム  「ブルーの場合は指が一本とか、ズバッと言うけどよ…」
ブルー 「アレも相手によるんだよ。檀家さんなら言わないね」

ぼくはお寺を持ってないから、好きに言える、と銀青様の解説。

ブルー 「だけど普通の坊主は言わないものでさ…」
サム  「謎だって言うよな、いろんな料金」
ブルー 「うん。菩提寺が無くて、業者任せならいいけどね」

そっちのコースなら明朗会計、と明かされる事情。

ブルー 「でもねえ、何処のお寺も料金表は無いのが基本で…」
シロエ 「分かりにくいんですね?」

それで一般の人も飛び付くんですね、とシロエ君。

シロエ 「じゃあ、そのツイートで始めましょう!」
マツカ 「何か聞きたいことある、ですね?」
キース 「待ってくれ!」

マジでヤバい、とキース君、顔面蒼白ですけど。
さて、どうなる…?


2018/06/10 (Sun)

 

☆楽に暮らせます


先月のソルジャーからの提案、キース君を家族ごと持ち帰ること。
とても乗り気なシャン学メンバー、その方向へと動いてまして…。

シロエ 「マツカ先輩、アカウントよろしくお願いします!」
マツカ 「@副住元老ですね、すぐ作りますよ」
キース 「頼むから、それだけはやめてくれ!」

本当に俺の未来がパアだ、と副住職、土下座。

キース 「いくら命は保証されていても、あの親父ごと…」
シロエ 「誰かさんの世界のシャングリラですよ、住めば都です」
ジョミー「月参りが毎日あるにしたって、一ヶ所だしさ…」

移動するのはコミューターだし、楽勝だよね、とジョミー君も。

ジョミー「それにお盆の卒塔婆書きも無くて、楽だと思う!」
サム  「年中無休な坊主の生活、ガラリと変わるぜ」

ブラック企業を上回るヤツな、と僧籍な人。

サム  「ハードな労働は全くねえしよ、この世のお浄土!」
ブルー 「それは言えるね、坊主は天国じゃなくて極楽だから」

これからは楽をして暮らしたまえ、と銀青様もプッシュ。

ブルー 「アドス和尚も分かってくれるよ、船に慣れたら」
シロエ 「楽な生き方ですもんねえ…。三食昼寝つきっぽいです」
サム  「ついてるんでねえの?」

あの馬鹿野郎が、そういう生き方をしてるんだしよ、とサム君。

サム  「食事は好きじゃねえみたいだけど、おやつだっけか?」
ジョミー「そう、そう! 三食おやつだったらいいのに、って!」

でもってサボリ放題だよね、とジョミー君も頷く誰かさんの毎日。

ジョミー「キースもサボリ放題になれるよ、引っ越せば!」
スウェナ「アドス和尚も、もちろんサボリ放題なのよね」

きっと喜んでくれる筈よ、とスウェナちゃんも笑顔。

スウェナ「長い目で見ればいい生活だし、許してくれるわ!」
シロエ 「ええ。最初は激怒でしょうけどね」
サム  「孝行息子だと思ってくれるぜ」

親父さんに孝行しろよな、とサム君が叩く副住職の肩。
キース君、ピンチ…?


2018/06/11 (Mon)  

 

☆その前が悲劇


ソルジャーが先月言い出したことが、キース君一家のお持ち帰り。
未だに乗り気なシャン学メンバー、せっせとプッシュしてまして。

サム  「いい息子だよな、親父さん思いの…。本当によ」
シロエ 「そうです、そうです! 重労働から解放されますし」
スウェナ「問題は花街遊びとかだけど、なんとかなるわよね?」
マツカ 「なると思いますよ?」

誰かさんに頼めば解決でしょう、と御曹司の笑顔。

マツカ 「アドス和尚を、こっちの世界に連れてくるだけですし」
ジョミー「漢方薬を仕入れるついでに、サービスだよね?」
マツカ 「ええ。日頃お世話になっている分、心をこめて」

花代とかも出してくれますよ、とニコニコニコ。

マツカ 「ですから引越しても安心ですよね、いろんな意味で」
シロエ 「早く作りましょう、アカウントを!」
キース 「勘弁してくれと言ってるだろう!」

本当に俺が殺される、と副住職、半ばパニックでして。

キース 「引越した後は何とかなっても、その前にだな…!」
ジョミー「罰礼三千回だとか?」
サム  「いやいや、そこは一万でねえの?」

一日中やっても終わらねえくらい、と僧籍な人。

サム  「元老寺を潰したような息子じゃ、一万でもよ…」
ブルー 「甘いかもねえ、相手はアドス和尚だし…」

殴る蹴るだって、あるのかもね、と銀青様も。

ブルー 「キース、その辺はどうなんだい? お父さんの腕は」
キース 「はあ?」
ブルー 「君は柔道をやっているけど、アドス和尚は?」

何か格闘技の達人だろうか、という質問。

ブルー 「得意の武芸があるんだったら、それがキマるかも…」
一同  「「「あー…」」」

それはあるな、と頷く御一同様。

ブルー 「空手とか、合気道だとか…。何かあるかな?」
キース 「武道の心得はあるかもしれん。聞いていないが」
シロエ 「知らないんですか?」
キース 「親父だからな!」

坊主一筋だと言いたいタイプ、との答え。
さて、真相は…?


2018/06/12 (Tue)

 

☆殺されそうです


先月のソルジャーの提案に乗って、サヨナラしたいのがキース君。
家族ごと別の世界に引越し、そうなれば安心なシャン学メンバー。

サム  「格闘技かあ…。アドス和尚なら、やってそうだぜ」
シロエ 「同感です。でも、キース先輩にも秘密だなんて…」
ブルー 「大きな声では、言えないのかもしれないよ?」

学生プロレスとかだったらね、と銀青様、いえ、生徒会長。

一同  「「「学生プロレス?」」」
ブルー 「大学では、けっこう人気なんだよ。学生プロレス」

覆面レスラーなんかもいてさ…、と始まる解説。

ブルー 「リングネームが、また凝ってるんだよね」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「学生だけに、ノリも大切だから…」

凝っている反面、馬鹿っぽいのも山ほどあるね、とニッコリと。

ブルー 「アドス和尚がやってた場合は、覆面レスラーかな?」
ジョミー「でもって名前が凝ってるんだね、物凄く?」
ブルー 「馬鹿っぽい方かもしれないよ? ほら、渾名がさ…」

確かクリームちゃんだったのでは、と生徒会長の指摘。

ブルー 「法名をもじった直球勝負で、クリームちゃん」
スウェナ「そういえば聞いた気がするわよね…」
シロエ 「じゃあ、リングネームも、そっちからですか?」

クリームちゃんを捻っていたんでしょうか、とシロエ君。

シロエ 「シュークリームとか、クリームソーダとか…」
ブルー 「有り得ない話じゃないけれど?」

とてもキースには話せないね、とニヤリ。

ブルー 「過去の話はサックリと伏せて、坊主一筋!」
サム  「アドス和尚なら、やりかねねえなあ…」

でもってプロレスの技をかますのな、と僧籍な人。

サム  「よくも元老寺を潰しやがって、と思いっ切りよ…」
ジョミー「それ、死ねるよね…」
スウェナ「あの巨体からプロの技を出されたら、キースでも…」
キース 「真面目に死ねると思うんだが!」

頼むから俺を殺させないでくれ、と副住職、必死。
どうなるんでしょう…?


2018/06/13 (Wed)  

 

☆名前が知りたい


ソルジャーからの素敵な提案、キース君を家族ごと持ち帰ること。
先月に出た話ですけど、乗り気なのがシャン学メンバーだけに…。

キース 「お前たち、本気で俺を殺したいのか!?」
シロエ 「先輩とサヨナラ出来るんだったら、それも一興です」

プロレスの技も食らって下さい、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「元老寺を潰したバカ息子として、思いっ切り!」
キース 「親父に技を食らった挙句に、別の世界に行けと!?」
サム  「いいんでねえの? 引越した後は楽が出来るぜ」

年中無休の坊主な暮らしが一転するしよ、とサム君も。

サム  「親父さんも分かってくれると思うぜ、その内によ…」
シロエ 「ですよね、学生プロレスをやってたほどなら…」

きっと切り替えも早いですよ、とシロエ君の笑顔。

シロエ 「何だったんでしょうねえ、リングネームは?」
ブルー 「クリームちゃんと同じで、誰かがつけてくれたかもね」

うんとセンスのある人が…、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「法名が埃須(アイス)だから、アイスクリームで…」
ジョミー「そうだっけ! アイスクリームのクリームちゃんだ!」
マツカ 「いいセンスですよね、その渾名…」

それをつけた人がプロデュースしたかも、と御曹司の説。

マツカ 「俺に任せろとか、張り切りそうな感じですよ」
スウェナ「気になるわよねえ、リングネーム…」
ジョミー「キースが食らってくれれば分かるよ、きっと!」

決めポーズとかもあると思う、とジョミー君が乗り出す膝。

ジョミー「リングネームを名乗りたくなる瞬間だよね!」
サム  「確かに、名乗らなきゃ損だよな」

覆面レスラーだったとしても、とサム君も同意。

サム  「やっぱりキースは食らうべきだぜ、親父さんの技!」
シロエ 「ぼくたちの好奇心を満たして、引越しですね?」
一同  「「「賛成!!」」」
キース 「お、お前たち…」

そこまで俺を追い詰めるのか、と呻いてますけど。
自業自得…。


2018/06/14 (Thu)

 

☆知りたくなる名前


ソルジャーが先月提案したのが、キース君を家族ごとお持ち帰り。
そうなれば嬉しいシャン学メンバー、追い出す相談をしてまして。

シロエ 「アドス和尚のリングネームは、知りたいですよね!」
サム  「うんうん、キースが消える前には聞いときたいよな」
キース 「お前たちに教える義理などは無い!」

技を食らって殺されるのは俺だからな、と副住職の渋面。

キース 「たとえ親父が名乗ったとしても、絶対に言わん!」
シロエ 「そうなんですか? ケチですねえ…」
スウェナ「お坊さんらしくないわね、ソレ」

広い心を持ちなさいよ、とスウェナちゃん。

スウェナ「キースの法名の休須(キュース)も、そうでしょ?」
サム  「あー…。須弥山で休めるくらいの境地だっけな」
ジョミー「音だけ聞いたら急須だけどね…。お茶を淹れるヤツ」
キース 「言わないでくれ!」

あの法名は俺も嫌なんだ、と叫んでますけど。

シロエ 「先輩の意見は聞いていません。それよりもですね…」
マツカ 「アドス和尚のリングネームが問題です」
スウェナ「私たちには内緒だなんて、有り得ないわよ!」

ちゃんと喋って行きなさいな、と詰め寄る人。

スウェナ「それならリングネームに免じて、餞別くらいは…」
シロエ 「贈ってあげてもいいですねえ…。サヨナラの時に」
キース 「なんでそうなる!」

どうして俺が引っ越さなければならんのだ、と言われましても。

ジョミー「ぼくたちに迷惑かけまくりだから、仕方ないよね」
サム  「最後にサービスして行けよな。親父さんの名前!」
シロエ 「そうです、リングネームで許せます!」

餞別を贈る程度にならば、とシロエ君。

シロエ 「ですから、技を食らって下さい!」
キース 「誰が喋るか、親父にリングネームがあっても!」
ブルー 「ふうん…? まあ、奥の手はあるけどね」
キース 「は?」
シロエ 「奥の手ですか?」

どんな方法なんでしょうか、とシロエ君の輝く瞳。
奥の手って…?


2018/06/15 (Fri) 





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☆ブラックでも当然


ブラック企業も裸足で逃げ出す、お坊さんの世界の厳しすぎる掟。
働けなくなったら家族ごと追放な上に、修行で死んでも補償ゼロ。

シロエ 「死んでも何の補償も無いって…。そこまでですか?」
スウェナ「ブラック企業で過労死したら、労災よねえ…?」
ブルー 「裁判で争うことになるけど、普通は勝つね」

勝訴するのがお約束かな、と生徒会長の言。

ブルー 「会社では何も決めてなくても、法律があるから」
キース 「法に抵触するとなったら、まずアウトだな」

そして損害賠償金を支払うことになるのだ、と副住職も。

キース 「慰謝料と言うか、逸失利益と言うか…。まあ出るな」
シロエ 「それが出ないのが、修行の途中で死んだ時ですね?」
ブルー 「本人の意志が「死んでもいい」だし、仕方ないよね」
シロエ 「えーっと…? やる前に一筆入れるんでしょうか?」

死んでもいいです、という書類か何か…、とシロエ君の問い。

シロエ 「書面の形で残っているなら、勝てませんよね…。裁判」
ブルー 「何百年も続いている修行だから、裁判なんかは…」
キース 「想定してはいない筈だが、訴訟をしても無駄だろう」

そういう修行が今でも認められている以上はな…、と正論が。

キース 「法律で保護してくれると言うなら、修行自体が…」
ブルー 「とっくに禁止になっているよね、今の世の中」

過労死だ何だと、うるさいんだし…、と銀青様。

ブルー 「だけど修行は今も続いていて、チャレンジする人も…」
キース 「十年に一人くらいは出るしな、途切れなく」

魅力的なのかどうかは知らんが…、と副住職がフウと溜息。

キース 「俺はやりたいとも思わないんだが、志願者はいるし…」
ブルー 「労災も何も、ない世界だよね」
シロエ 「お坊さんの世界って、何処までブラックなんです…!」
キース 「ブラックだという認識が無いが?」
一同  「「「うわー…」」」

ブラックだとも思わないのか、と誰もが呆然。
強烈すぎ…。


2018/05/16 (Wed)

 

☆改革しなくていい


ブラック企業よりもブラックなのが、お坊さんの世界というヤツ。
しかもブラックで当然らしくて、誰にも無いのがブラックな認識。

シロエ 「先輩は、それでいいんですか…! ブラックなままで」
スウェナ「改革しようとは思わないわけ? 自分たちの世代で!」

元は法律家を志望してたんでしょう、とスウェナちゃん。

スウェナ「弁護士か判事か、検事か、どれかは知らないけれど」
キース 「どれとも決めてはいなかったが…。後でいいかと」

司法試験に受かった後で…、と副住職の返事。

キース 「しかし今では無縁な世界で、どうでもいいな」
スウェナ「司法試験を受けろとは言っていないわよ! 改革よ!」

お坊さんの世界に革命を、と元ジャーナリスト志望の人。

スウェナ「世界が変われば、若手のお坊さんだって増えるわよ!」
シロエ 「そうです、そうです! 人手不足のお寺も多いと…」
マツカ 「よく聞きますよね、地方なんかだと」

そういう場所でも、お坊さんが増えていくのでは…、と御曹司も。

マツカ 「今のブラックな世界のままでは、未来が無さそうです」
スウェナ「先細りになってしまって終わりよ、改革しなさいよ!」

革命を起こすべき時よ、と言ってますけど。

キース 「いや、改革の必要は無い。今のままでいいんだ」
一同  「「「へ?」」」
キース 「変えるべき所は変えて来ているし、そのままでいい」

それでこそ寺も続いてゆくというもので…、と副住職。

キース 「ブラックなどと言っていたらだ、色々なものが…」
ブルー 「すっかり壊れてしまうんだよ。伝統とかが」

前にソレイド八十八ヶ所の話をしただろう、と銀青様も。

ブルー 「労働条件が厳しすぎると、一ヶ所、抜けたと」
シロエ 「そういえば…。あれは訴訟で勝ったんですよね?」
ブルー 「勝ったけれどさ、その結果がさ…」
キース 「霊場会からの離脱なんだぞ?」

知れ渡ったら、有難味が減る、という話。
まあ、減るでしょうね…?


2018/05/17 (Thu)

 

☆常識は無いです


ブラック企業よりもブラックらしいのが、お坊さんの世界の現実。
家族ごと追放とか、命がけの修行とか、とんでもないのに…。

シロエ 「霊場会を離脱と聞いたら、有難味が無いですけど…」
キース 「そうだろう? 八十八ヶ所は八十八で一つだ」

一ヶ所が欠けてしまった今では、由緒も何も…、と副住職。

キース 「遥かな昔に、御大師様がお決めになったものをだ…」
ブルー 「住職の都合で変えてしまうのは、どうかと思うよ」

霊場会という仕組みは後付けでもね…、と銀青様も。

ブルー 「足並みが揃っていないとなったら、なんだかねえ…」
シロエ 「それは納得できるんですけど、でもですね…」

本当にブラックすぎませんか、とシロエ君の問い。

シロエ 「ブラックだという認識が無いから、そんな結果に…」
マツカ 「言われてみれば…。霊場会が譲れば良かったんですね」

労働条件がキツイと嘆くお寺があるなら、と御曹司。

マツカ 「そこだけ特例を認めてあげても、良さそうな気が…」
キース 「社会通念だと、そうなるのかもしれんがな…」
ブルー 「お寺の世界じゃ、世間の常識は通用しないんだよ」

抜けようとしたお寺の方が悪い、とキッパリと。

ブルー 「たとえ過労で倒れようとも、他のお寺に合わせてこそ」
キース 「ああ。住職の代わりは、他にいくらでもいるからな」

そいつが倒れて働けないなら、代わりを立てる、と副住職も。

キース 「家族ごと寺から去ってくれれば、新しい坊主が…」
ブルー 「お寺に入って、きちんと続けていくからね」

お寺はそうして続いて来たのだ、と銀青様の厳しいお言葉。

ブルー 「なのに訴訟を起こして、勝つっていうのもねえ…」
キース 「坊主の世界では、顰蹙ものだぞ。実際の所」
シロエ 「訴訟する前に、退去するべきだったんですか…?」
ブルー 「そうだけど?」
一同  「「「うわー…」」」

本当にブラックすぎじゃないか、と誰もがガクブル。
世間とは違いすぎますね…?


2018/05/18 (Fri)

 

☆非常識だそうです


ブラック企業よりもブラックっぽいのが、お坊さんの世界の実情。
けれど無いのがブラックな認識、お坊さんにとっては当然だとか。

シロエ 「訴訟を起こして勝ったのは、非常識なんですね?」
キース 「平たく言うなら、そういうことだが」
ブルー 「表立っては何も言わなくても、裏側ではねえ…」

いったい何を言われているやら…、と伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「霊場会から離脱どころか、下手をすればさ…」
キース 「本山からも、こう、ネチネチと…」

嫌味を言われかねないよな、と副住職も。

スウェナ「そうなると、退去になっちゃうのかしら?」
シロエ 「有り得ないことじゃないですね…。働かないなら」

おまけに言うことを聞かないような住職ならば、とシロエ君。

シロエ 「病気で倒れてしまった時でも、追放でしょう?」
キース 「そうなんだが…。霊場会を離脱した寺の場合は…」
ブルー 「それをやってもうるさそうだしね、また訴訟でさ」

敗訴するんだと分かっていても、やらかすだろう、と。

ブルー 「そんな面倒、本山だって避けたいからねえ…」
キース 「放置するしかないわけだ。嫌味程度で」

だが、代替わりの時はヤバいな、と副住職が振っている首。

キース 「本山から許可が下りるかどうか…。住職交代の」
シロエ 「どういうことです?」
ブルー 「お寺だけでは決められないんだよ、次の住職は」

本山から認めて貰わないと駄目だ、と銀青様。

ブルー 「次の住職だと認めて貰って初めて、晋山式でさ…」
一同  「「「晋山式?」」」
キース 「住職に就任する時の儀式だ」

寺によっては稚児行列も出るぞ、という話。

キース 「だが、本山の許可が出ないと、晋山式をやっても…」
ブルー 「正式な住職とは言えないわけでさ、無認可って感じ」
一同  「「「無認可…」」」
ブルー 「何の権利も無いってことだね、お寺に関して」

それでは住職の意味が無い、と言ってますけど。
ヤバくないですか?


2018/05/19 (Sat) 

 

☆ヤバいらしいです


ブラック企業も真っ青な感じの、お坊さんの世界の過酷すぎる話。
働けなくなったら追放だとか、世間の常識は通用しない世界。

ジョミー「えーっと…? お寺に関する権利が無いって…」
シロエ 「それはマズイんじゃないですか?」

権利が無いなら追放されてしまいませんか、とシロエ君の問い。

シロエ 「お寺は住職の持ち物じゃないって言いましたよね?」
ブルー 「うん。だからキースの指摘通りにヤバい」

いい機会だから、と寺から放り出されるかもね、と銀青様。

ブルー 「次の住職はこの人だ、と別の誰かを送り込まれて」
シロエ 「や、やっぱり…。訴訟しても敗訴ですよね、それも?」
キース 「負けるだろうな、もう確実に」

過去の例からしても勝てない、とキッパリと。

キース 「住職じゃないなら出て行ってくれ、と言われるだけだ」
一同  「「「うわー…」」」

家族ごと寺から追放なのか、と誰もが真っ青。

シロエ 「じゃ、じゃあ…。今は良くても、長い目で見れば…」
ブルー 「後が無いかもしれないわけだね、現実として」
キース 「まあ、寺に居座る方法が無いわけでもないが…」

それはそれで厳しい選択だよな、と副住職。

キース 「本山を離脱するしか無いから、自分たちだけで…」
ブルー 「やっていくしか道が無いってね!」

今以上に不利になるであろう、と銀青様も。

ブルー 「どんなに困ってしまった時にも、本山からは…」
キース 「何の助けも来ないからなあ、どうしようもない」

大きな寺なら、それでも困らないんだが…、とフウと溜息。

キース 「観光でとても儲かっているとか、御利益だとか…」
ブルー 「単独でやっていける場合は、問題ないけど…」

そうじゃないから霊場会を離脱だよね、と銀青様も暗い顔。

ブルー 「上手く交代出来ればいいよね、次の住職」
キース 「まったくだ」
一同  「「「うーん…」」」

何処までブラックな世界なのだ、と呻く御一同様。
キツすぎですね…?


2018/05/20 (Sun)

 

☆左遷もアリです


ブラック企業も裸足で逃げ出しそうな、お坊さんの世界の厳しさ。
法律でも守って貰えないわけで、家族ごとお寺から追放もアリ。

シロエ 「住職の世代交代に失敗したら、終わりなんですね…?」
スウェナ「新しい住職が、一方的に送り込まれてくるのね…」

自分の所の跡継ぎじゃなくて…、とスウェナちゃん。

スウェナ「本山が認めてくれなかったら、おしまいなのね?」
キース 「坊主の世界の掟だからな…。逆らっても無駄だ」
ブルー 「運が良ければ、他のお寺へ左遷だけどね」

家族ごと別のお寺に引越し、と銀青様の解説。

ブルー 「今のお寺は任せられないけど、そっちなら、って」
シロエ 「でも、左遷って言いましたよね?」
ジョミー「思いっ切り条件が悪くなりそうだけど、気のせいかな」
キース 「いや、気のせいだということはない」

住職不在の寺というのは、大概、ヤバい、と副住職。

キース 「檀家さんの数が少ないだとか、荒れ寺だとか…」
ブルー 「最悪の場合は、再興しろって言われるからねえ…」

檀家さんもいなくなって荒れたお寺をイチからね、との話。

ブルー 「まずは自分でお金を集めて、修復からで…」
キース 「本堂はもちろん、庫裏も荒れ果てているからな…」

雨漏りなんぞはデフォ装備だぞ、とキース君が震わせる肩。

キース 「それでも住めるだけ有難いと思え、と飛ばされるんだ」
ブルー 「いきなり路頭に迷うよりかは、まだマシだからね」

これでも温情判決だよ、と銀青様の深い溜息。

ブルー 「お前はクビだ、と家族ごと放り出されるよりはさ…」
キース 「新しい住処を用意して貰える分だけ、救いはあるな」

その寺で頑張って住職をやれば、道が開けることだって…、と。

キース 「檀家さんゼロでも、御利益を謳って成功する例はある」
ブルー 「あくまで住職の腕次第だけどね、それと才能」
一同  「「「うーん…」」」

そうそう成功しないだろうな、と容易に想像できる結末。
左遷ですか…。


2018/05/21 (Mon)

 

☆サクラでいけば


ブラック企業も真っ青なのが、お坊さんの世界の厳しすぎる現実。
家族ごと追放を免れた時も、荒れ寺に左遷になるかもなオチで…。

シロエ 「左遷よりかは、本山を離脱した方がマシそうですね?」
スウェナ「そうよね…。住み慣れたお寺に残れるものね」
マツカ 「生活は苦しくなるそうですけど、それは左遷でも…」

同じ結果になるみたいですしね、と御曹司。

マツカ 「そうなるよりは元のお寺で、一発逆転を狙う方が…」
シロエ 「勝ち目があるように思えますよね、地元な分だけ」

助けてくれる人もいそうですから、とシロエ君も。

シロエ 「檀家さんとか、お坊さん仲間は頼れなくても、誰かが」
スウェナ「友達とかはいるものね…。檀家さん以外に」
マツカ 「いいアイデアを出してくれる人も、いるかもですよ」

御利益を謳っていくんだったら、サクラですね、と御曹司の笑み。

マツカ 「お参りしたら御利益絶大、とSNSとかでですね…」
サム  「あー、宣伝して貰うのな!」
マツカ 「そうです、それなら広告料も要りませんしね」
スウェナ「ネットの威力は絶大だものね、強いわよ、それ」

大々的に売り出せたら勝ち、と元ジャーナリスト志望の人。

スウェナ「最初はサクラの人だったとしても、お参りの人が…」
シロエ 「グンと増えれば、御利益を貰う人も出て来ますよね」

そして評判が評判を呼んで…、とシロエ君も頷く生き残り策。

シロエ 「今の時代なら、いけそうです。マツカ先輩の案で」
ジョミー「サクラだろうが、ヤラセだろうが、結果が出ればさ…」
マツカ 「食べて行くには充分ですしね」

左遷よりかは残留の方をオススメします、と御曹司。

マツカ 「一度軌道に乗ってくれれば、安泰ですしね」
シロエ 「マツカ先輩、流石です! ナイスですよ!」
キース 「確かに、上手くいきそうではあるが…」
ブルー 「最初のアイデアが、まず出ないよね…」

斬新じゃないと駄目なんだよ、と銀青様の指摘。
どういう意味…?


2018/05/22 (Tue)

 

☆斬新に売り出せ


ブラック企業も裸足で逃げ出す、お坊さんの世界の厳しすぎる掟。
家族ごと追放を免れても左遷、本山を離脱して居座ってみても…。

シロエ 「斬新じゃないと、って、どういう意味です?」
ブルー 「そのまんまだけど?」
キース 「二番煎じだと難しいだろうな。…縁結びとかは」

ついでに運気上昇とかもだ…、と副住職。

キース 「既に先発で成功例が多いのは駄目だ。そっちに流れる」
ブルー 「同じ行くなら、有名な方がいいからねえ…」
マツカ 「すると、アイデアで勝負というわけですか?」

企画力を問われるということでしょうか、と御曹司の質問。

マツカ 「他所のお寺ではやっていないことを、手掛けるとか?」
ブルー 「特に新しいものを始めなくてもいいんだけどさ…」
キース 「如何に人心を掴むかが大事で、其処が肝だな」

お参りしたい、と思って貰えるような仕掛けが…、という話。

キース 「プラスアルファと言うか、目新しい何かが必要になる」
シロエ 「例えば、どういうモノなんです?」
ブルー 「他のお寺では、まだ出ていない方法とかかな…」

これは初耳、と思って貰えたら、成功することも…、と銀青様。

ブルー 「最強は秘仏公開だけどさ、普通は持っていないから…」
キース 「復刻版を公開しました、と謳う手はある」
一同  「「「復刻版?」」」
ブルー 「それが本当かどうかはともかく、新しく作るんだよ」

その仏様の御利益がポイント、と銀青様の笑み。

ブルー 「こういう御利益があった仏様です、と売り出すとさ…」
キース 「引っ掛かるヤツが出てくるわけだ。捏造でもな」

寺の過去など、そうそう誰も調べないから、と副住職も。

キース 「だから目的に合わせて、新しい仏様を作れば…」
ブルー 「ドカンと当たることもあるってね、全国ネットで!」
一同  「「「全国ネット?」」」
キース 「無名の寺が一躍トップに輝くんだ」

大きな声では言えないがな…、と潜める声。
実例、あるんですね?


2018/05/23 (Wed) 

 

☆出張だそうです


ブラック企業よりも過酷すぎるのが、お坊さんの世界というヤツ。
家族ごと追放だとか、左遷とか、とんでもないことが普通に常識。

シロエ 「無名のお寺が一躍トップって…。本当ですか?」
キース 「大きな声ではとても言えんが、実話だぞ」
ブルー 「例のヤツだね、アルテメシアの」
キース 「ああ。他にも沢山あるんだろうが、身近なのは…」

あそこの寺だ、と副住職。

キース 「縁結びだとか、商売繁盛だとか、オールマイティで…」
一同  「「「オールマイティ?」」」
ブルー 「どんなお願いでも、出張して来て下さるんだよ」

仏様が、と銀青様もピンと来ている模様。

シロエ 「仏様が出張って、どういう意味です?」
ブルー 「そのまんまだよ、ちゃんと歩いて来て下さる、ってね」
キース 「そこがセールスポイントなんだ。その寺のな」

出張用のアイテムをお持ちの仏様だぞ、と副住職が立てる指。

キース 「出張するには、何が必要だと思う?」
ジョミー「…鞄かな?」
スウェナ「荷物は欠かせないわよね…」
マツカ 「鞄をお持ちの仏様ですか?」

薬壺とかなら、よく聞きますが…、と御曹司の問い。

マツカ 「千手観音様の像で、よく見ると鞄をお持ちだとか…?」
キース 「残念だが、観音様ではないな」
ブルー 「もっと身近な仏様だよ、道端とかにおいでのね」

誰でも馴染みの深いお方で…、と銀青様、合掌。

ブルー 「だから、あちこちで絶賛増殖中なんだけど…」
キース 「あの寺のは一味違うんだ。出張が売りだから」
一同  「「「えーっと…?」」」

鞄じゃないなら財布だろうか、などという声も出ていますけど。

キース 「違うな、必須アイテムは履物なんだ」
一同  「「「履物?」」」
ブルー 「その仏様は、草履を履いていらっしゃるんだよ」
キース 「草履があるから、全国、何処でも出張なさるらしいぞ」
ブルー 「お願いすれば、夜の間に」

それで御利益絶大らしい、と銀青様。
人気なんですね…?


2018/05/24 (Thu)

 

☆凄腕なら当たる


ブラック企業も真っ青なのが、お坊さんの世界の過酷すぎる現実。
家族ごと追放を免れても左遷で、それが嫌なら本山離脱という道。

シロエ 「草履を履いた仏様ですか…。全国出張なさるんですね」
キース 「それを謳って売り出したんだ。頭の切れる住職が」
マツカ 「すると、本山離脱の危機だったんですか?」
ブルー 「そうじゃないけど、懐具合が厳しかったみたいで…」

先代から色々と工夫していたようだ、と銀青様。

ブルー 「年に一度は新聞の取材に来て貰えるようにね」
スウェナ「取材ってことは、ネタがあったのね?」
ブルー 「当時じゃ画期的なことだね、今の時代は簡単だけど」

これ以上はやめておこうかな、と銀青様が指を唇に。

ブルー 「お寺が特定されそうだからさ…。先代のネタで」
キース 「寺の通り名になっているしな、そのままで…」

喋るとマズイ、と副住職も。

キース 「その先代を継いだ住職が、凄腕だったんだ」
ブルー 「大手の広告会社に勤めてたからね、長いこと」

お寺だけじゃ食べていけないからさ、と銀青様の溜息。

ブルー 「幼稚園とかを経営するにも、元手が要るし…」
シロエ 「サラリーマンの方が安定していますよね?」
キース 「そういうことだ。そしてノウハウを学んでだな…」

考え出したのが草履を履いた仏様だ、と副住職が広げる両手。

キース 「石工に頼んで彫って貰って、境内に据えて…」
ブルー 「後は口コミで売り出したんだよ、出張する、って」

当時はインターネットも無くて…、と銀青様の苦笑。

ブルー 「昔からの仏様かどうかは、そう簡単には…」
キース 「バレなかったというわけだ」

それが当たって一躍トップに…、と副住職。

キース 「参拝者が引きも切らないらしいぞ、海外からも」
一同  「「「海外!?」」」
ブルー 「ネットの御利益というヤツだよ」
キース 「グローバルなんだ」

海外にまで出張なさるようだな、と言ってますけど。
当たったんですね…?


2018/05/25 (Fri)

 

☆無敵だそうです


ブラック企業よりも過酷な掟が待っているのが、お坊さんの世界。
家族ごと追放は朝飯前で、生き残るには腕が必要だそうでして…。

シロエ 「海外出張までなさるんですか、その仏様は!?」
キース 「そのようだ。海外からも参拝客が来るんだからな」
ジョミー「参拝って…。まさか旅行の目的がソレ?」
ブルー 「そこまでは行っていないけど…。まあ、ついでだよね」

アルテメシアで観光するなら、其処にも寄ろう、という程度、と。

ブルー 「だけど御利益があるみたいでさ…。また口コミで…」
キース 「広がるわけだな、世界中から来る観光客に」

それこそネットでアッと言う間に…、と副住職。

キース 「そして評判が評判を呼んで、今や行列だぞ」
一同  「「「行列…」」」

もしかしたら、と誰もがピンと来ているようですけれど。

シロエ 「あのぅ…。そのお寺、有名なアレですか?」
スウェナ「法話を聞かないとお参り出来ない、あそこかしら?」
ブルー 「シーッ!」

言っちゃ駄目だ、と銀青様が見回す周囲。

ブルー 「営業妨害になっちゃうからね、何処か喋ったら」
キース 「まったくだ。…参拝客が気付いたんならいいんだが…」
ブルー 「同業者の口からバレたとなったら、色々とね…」

マズイんだよ、と銀青様の深い溜息。

ブルー 「お寺を持っていない、ぼくはいいけど…」
キース 「俺の場合は追い詰められるな、下手をやったら」
一同  「「「うーん…」」」

そこまでの力を持ってしまったのか、と驚く御一同様。

シロエ 「そのお寺、本山よりも強くないですか?」
キース 「世俗に関しては、本山以上だ」

喧嘩を売ったら潰されかねん、と副住職が竦める肩。

キース 「事実を事実だと喋っただけでも、大いにヤバい」
ブルー 「世の中、お金が全てだからねえ…。権力を持つなら」
キース 「向かう所に敵なしだな」
一同  「「「無敵…」」」

売り出して当たれば、無敵だとか。
本当にアイデア次第ですね?


2018/05/26 (Sat) 

 

☆出張して欲しい


ブラック企業も裸足で逃げ出す、お坊さんの世界のハードな現実。
けれど腕次第で乗り切れるそうで、一山当てれば権力もゲット。

シロエ 「斬新なアイデアで売り出して、一躍トップですか…」
サム  「本山よりも力があるってトコがよ、半端ねえよな」
ブルー 「あくまで世俗のことだけ…だけどね」
キース 「だが、その世俗が最強だからな」

寺を潰すくらいは簡単なのだ、と副住職がブツブツと。

キース 「なにしろ寺が建っているのは地面だからな…」
一同  「「「へ?」」」
キース 「敷地だ、敷地! それを買収されてしまえば…」
ブルー 「いきなり重機が入って来たって、止められないよね」

法的には問題ないわけだから…、と銀青様。

ブルー 「必要な書類が揃ってさえいれば、一発で更地」
一同  「「「うわー…」」」

それは怖い、と誰もがガクブル。

スウェナ「訴え出るだけ無駄ってわけね?」
キース 「そうなるな。何処へ行っても敗訴だ、敗訴」

だから詳しいことは喋れん、とお寺の名前は内緒ですけど。

??? 「ちょっと待ってよ、御利益の話は本当かい?」
一同  「「「!!?」」」

誰だ、と振り返った先にソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「出張してくれる仏様っていうのは、効くのかな?」
キース 「あんた、どの辺から聞いていたんだ!?」
Aブルー「お寺の世界はブラックなんだ、ってトコ辺りかな…?」

生き葬式とかもあるんだってね、と最初から聞いていた模様。

Aブルー「大変なんだな、と思っていたけど、出張の話で…」
キース 「あんた、出張希望なのか?」
Aブルー「そう!」

海外にまで出張するなら、別の宇宙にも、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ぼくのシャングリラにも、来てくれそうだよ!」
キース 「それはまあ…。理屈から言えば可能だろうが…」
Aブルー「本当に?」
キース 「一応は…」

宇宙はお釈迦様の手のひらの上だ、と副住職。
そう言いますね…?


2018/05/27 (Sun)  

 

☆理屈の上では


ブラック企業よりも強烈なのが、お坊さんの世界の過酷すぎる掟。
けれど一発当てれば最強、本山以上の権力を持てるそうでして…。

Aブルー「来てくれるんだね、その最強の仏様が、出張に!」
キース 「理屈の上では、と言った筈だぞ」
Aブルー「でも、来られるのは来られるんだろう?」
キース 「その仏様の御利益が、本物ならな!」

ちゃんと話を聞いていたのか、とソルジャーを睨む副住職。

Aブルー「聞いていたから、こうして此処に来たんだけど!」
シロエ 「自分に都合のいい所だけを、聞いてませんか?」
サム  「だよなあ、真面目に聞いてたんなら、この話はよ…」

眉唾物だと気付く筈だぜ、とサム君も。

サム  「一躍トップに躍り出たのは、そこの住職が凄腕でよ…」
ジョミー「上手く売り出して当たったからで、御利益はさ…」
スウェナ「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、ってヤツなんでしょ?」

そうじゃないの、と元ジャーナリスト志望の人。

スウェナ「お参りに来る人の数が増えたら、分母が増えるし…」
シロエ 「仏様の御利益は抜きで、救われる人も増えそうですね」
キース 「ああ。あの寺は、まさにソレなんだが…」

今じゃ不動の人気だしな、と副住職が広げる両手。

キース 「元老寺ごときが喧嘩を売ったら、もう確実に…」
シロエ 「敷地が丸ごと更地ですか?」
キース 「いや、買い取られる方だろう。末寺としてな」

そして、こっちでも新手の商売を…、と副住職の苦い顔。

キース 「こちらはこういう御利益が、とブチ上げてな!」
一同  「「「あー…」」」

ありそうだよね、と誰もが納得。

シロエ 「潰すよりかは、利用した方がお得ですよね」
キース 「寺がそっくり手に入るからな」

時代のついた御本尊様や建物ごとな…、とブツブツブツ。

キース 「だから、これ以上は勘弁してくれ!」
Aブルー「それじゃ、仏様の出張は…」

理屈の上でだけ可能なんだろうか、という質問。
それっぽいですよね…?


2018/05/28 (Mon) 

 

☆貰って下さい


ブラック企業も敵わないのが、お坊さんの世界の厳しすぎる現実。
左遷や追放は当たり前の中、逞しく生き抜くお寺もあるそうで…。

Aブルー「その仏様が出張するというのは、本当じゃないと?」
キース 「これ以上、俺に言わせるな! 元老寺がヤバいんだ!」

買い取られたらどうしてくれる、と副住職が震わせる肩。

キース 「俺は親父にボコボコにされて、行く場所も無くて…」
Aブルー「そういう時には、遠慮なく来てくれていいんだよ?」
キース 「何処へだ!?」
Aブルー「決まってるじゃないか、ぼくのシャングリラだよ!」

ぼく専属のお坊さんとして働いてくれ、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「部屋とかも、きちんと用意するから!」
シロエ 「待って下さい、キース先輩が出張ですか!?」
Aブルー「そうだけど? いいアイデアだと思うけれどね?」

理屈の上だけの仏様より効きそうだ、とニコニコニッコリ。

Aブルー「ぼくが期待した仏様の方は、駄目みたいだし…」
キース 「俺は絶対、行かないからな! 何があろうと!」
Aブルー「でも…。元老寺が無くなった時は、困るだろう?」

だから是非とも、という申し出。

Aブルー「こっちの世界が恋しくなったら、里帰りしてさ」
ジョミー「それ、いいかもね…」
キース 「なんだって!?」
ジョミー「キースがそっちに行ってくれたら、ぼくたちもさ…」

うんと平和に暮らせそうだ、とジョミー君。

ジョミー「毎回、毎回、キースのせいでババを引かされてさ…」
シロエ 「特別手当も貰えないのが、ぼくたちでしたね…」
スウェナ「とてもナイスな話じゃない! 最高だわよ!」

諸悪の根源がいなくなったら万々歳よ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「お持ち帰りでかまわないわよ、その副住職」
Aブルー「いいのかい? ぼくが貰って帰っても?」
シロエ 「ええ。誰も困りはしませんから」
キース 「おい…!」

人の人生を勝手に決めるな、と慌ててますけど。
いい案ですよね…?


2018/05/29 (Tue)

 

☆お寺を潰すなら


ブラック企業も真っ青なのが、お坊さんの世界の過酷すぎる実情。
けれど逞しく生き抜くお寺もあって、そこから話題はキース君へ。

Aブルー「キースをお持ち帰り出来たら、嬉しいねえ…」
シロエ 「そうでしょう? 元老寺が潰された時には、是非!」
マツカ 「潰されるように、持っていく手もありますよね…」

お寺の世界もお金次第と聞きましたから、と御曹司。

マツカ 「強力なお寺の末寺になって貰いましょうか?」
シロエ 「マツカ先輩、コネ、あるんですか?」
マツカ 「コネなんか使わなくても大丈夫ですよ、今の話だと」

さっきから話題のお寺の出番ですね、と人のいい笑み。

マツカ 「キースだと分かる形で、ツイッターのアカウントを…」
ジョミー「あー! 捏造して、舞台裏を思い切り喋りまくれば…」
マツカ 「営業妨害になりますからねえ、すぐに来ますよ」

元老寺と副住職を潰しに、とニコニコニコ。

キース 「待ってくれ! それは本当に潰される!」
マツカ 「そうなんですね? だったら目的達成ですよ」

別の世界に行って下さい、とサラリ。

マツカ 「部屋も用意して下さるそうですし、安心ですよね」
Aブルー「キースのお父さんたちも、纏めて面倒見るから!」

アドス和尚にも、ぼく専属になって貰おう、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「お坊さんが二人と、仏様のお膳を作れる人と…」
シロエ 「完璧ですよ、そっちでお寺を始められます!」
サム  「だよなあ、御本尊様とかを揃えて貰えばよ…」

立派なお寺が完成するぜ、と僧籍な人。

サム  「今の世の中、ビルの中に寺も普通だしよ…」
シロエ 「宇宙船の中でも、かまいませんよね!」

そうして下さい、とシロエ君もプッシュ。

シロエ 「早速アカウントを作りましょう!」
マツカ 「そうですね。@副住元老とかはどうでしょう?」
一同  「「「イイネ!」」」
キース 「やめてくれ!」

元老寺が本当に潰されてしまう、と慌てる副住職。
さて…?


2018/05/30 (Wed)

 

☆移住して下さい


ブラック企業も裸足で逃げ出すお寺の世界で、逞しく生きるお寺。
お金の力でゲットした権力、元老寺くらいは軽く潰せるそうで…。

マツカ 「いいと思うんですけどね? @副住元老で作るのは」
シロエ 「最高ですよ、早く始めましょう!」
キース 「頼むから、それだけは勘弁してくれ!」

本当にシャレにならんのだ、とキース君、土下座。

キース 「炎上したら、早速に裏から手を回されて…」
マツカ 「元老寺が買われてしまって、追い出されるんですね?」
キース 「そうなんだ! 余計な住職は要らないからな!」

俺も親父も放り出されて、都合のいいヤツが据えられる、と蒼白。

キース 「身の回りの物しか持ち出せないし、どうにもならん!」
Aブルー「だから、さっきから言ってるじゃないか!」

ぼくの世界に来てくれればいい、とソルジャー、満面の笑み。

Aブルー「マツカがアカウントを作る間に、準備するから!」
キース 「な、何をだ!?」
Aブルー「もちろん、お寺に必要な物を揃えるんだよ!」

御本尊様は特注すべきだろうか、と乗り気な人。

Aブルー「買ってくるより、注文して彫って貰った方がいい?」
ブルー 「それはいいねえ、元老寺の御本尊様に似たのをね」
Aブルー「採寸とかは、任せておけばいいのかな?」
ブルー 「仏師さんに頼めば、全部きちんとしてくれるよ」

いい仏師さんを紹介しよう、と銀青様が電話機に手を。

ブルー 「素材にする木も、相談に乗って貰えるからね」
Aブルー「ありがとう! 最高級品でお願いしたいね」
ブルー 「了解。それじゃ、マツカはアカウントを」

その間に電話をかけるから、とボタンをプッシュ。

キース 「やめてくれ! 本気で俺の人生が終わる!」
シロエ 「誰も困りませんけれど?」
スウェナ「万々歳よね、キースが別の世界に行ってくれたら」
一同  「「「イイネ!」」」
Aブルー「大歓迎!」

ぼくの世界へどうぞ、とソルジャー、拍手。
大混乱の中、中継終了~。


2018/05/31 (Thu)  








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☆連休と先生たち


さて、五月。月初めからゴールデンウィークでございます。
シャン学メンバー、今年はシャングリラ号に行って来たようで…。

ジョミー「楽しかったね、宇宙の旅! あれは最高!」
ブルー 「どういたしまして。明日から学校が始まるけどさ」
シロエ 「そうですね…。学校に行ってた生徒もいるんですよね」

平日も挟まっていましたから、とシロエ君。

シロエ 「ぼくたちは登校しなくても、何も言われませんけど…」
スウェナ「特別生の特権だものね、出席義務が無いっていうの」
サム  「成績も全く関係ねえしよ、気楽だよなあ…」

でもよ…、とサム君が傾げる首。

サム  「シャングリラ号に、教頭先生、来てたよな?」
シロエ 「おいででしたね、キャプテンですから」
ジョミー「シド先生も乗ってたよ? 主任操舵士だもんね」
サム  「来てたってことは、学校の方は休んだんだよな…?」

その間のことはどうなるんだろう、と素朴な疑問。

サム  「他の先生で埋めるにしたって、なんだかなあ…」
ブルー 「いい加減な学校だと言いたいのかい?」
サム  「え、えっと…。流石にそこまでは…」

でもいいのかな、と言われてみれば、けっこう休んでいた先生方。

ジョミー「ゼル先生とブラウ先生もいたよね…」
シロエ 「機関長と航海長ですからね…」
サム  「けど、いなくても船は動くよなあ…?」

普段は他のクルーだけで航行している筈で…、とサム君の指摘。

サム  「ニ十光年離れた宇宙だったか、その辺をよ…」
ブルー 「うん、其処が定位置になってるね」

熟練のクルーが揃っているから、安心だよ、と生徒会長。

ブルー 「キャプテン不在でも、何の問題も無いんだけどさ」
シロエ 「だったら、ゴールデンウィークは何だったんです?」
ブルー 「君たちと同じで、一種の娯楽って所かな」
一同  「「「娯楽?」」」
ブルー 「連休だしね!」

エンジョイして何が悪いのだ、とサラリ。
そんな理由で学校も休んだんですか?


2018/05/01 (Tue) 

 

☆ブラックな職業


ゴールデンウィークはシャングリラ号にいた、シャン学メンバー。
大型連休でも挟まる平日、なのに先生方まで乗っていたわけで…。

シロエ 「連休で娯楽で、先生方まで宇宙だったんですか!?」
ブルー 「ウチの学校らしいだろう? そういう所が」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ シャングリラ学園だもんね!」

先生だって楽しまなくちゃ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「夏休みとかだって、みんなホントにお休み!」
一同  「「「あー…」」」

そういえば丸ごと休んでいるな、と一同、納得。

キース 「他の高校の先生方とは違うようだな、勤務そのものが」
シロエ 「けっこうブラックらしいですしね、教師という職」
サム  「毎日部活で、土日も部活って、よく聞くぜ…」
スウェナ「残業時間も半端ないって話よね…」

夏休みとかも休めないんでしょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「ウチの学校の先生たちが休んでるのが、変なのよね?」
ブルー 「世間一般の高校とは全く違うだろうねえ…」

元々、遊び半分で出来た学校だから…、と生徒会長の笑顔。

ブルー 「サイオンを持った仲間を集めて、その隠れ蓑で…」
ぶるぅ 「どうせだったら学校がいいね、って!」

普通の人とも仲良くするには学校だもん、と飛び跳ねるお子様。

ぶるぅ 「サイオン、ぼくしか持ってないことにしておけば…」
ブルー 「何もかも丸く収まるんだよ、御利益パワーで!」

そして今日までやって来たわけ、と解説が。

ブルー 「三百年以上も続けてくるには、楽しくないとね!」
ぶるぅ 「つまらなかったら、辞めちゃうでしょ?」

だから先生も楽しく遊ぶの、という話。

キース 「なるほどな…。休める時には休んで遊ぶ、と…」
シロエ 「お坊さんより楽な仕事かもしれませんねえ…」
ブルー 「坊主は年中無休な上に、飛び込みの仕事も多いから…」
ジョミー「もしかして、ブラック…?」

学校の先生よりもブラックだろうか、との疑問ですけど。
さて…?


2018/05/02 (Wed)

 

☆ハードなんです


ゴールデンウィークは宇宙で楽しく過ごした、シャン学メンバー。
シャングリラ号には先生たちも乗っていたわけで、そこが問題。

ジョミー「ウチの学校の先生じゃなくて、他の学校の先生だと…」
シロエ 「ブラックですけど、お坊さんの方もキツそうですよね」
スウェナ「確かに、学校の先生よりもブラックな職業かしら…?」

年中無休は間違いないし…、とスウェナちゃんも頷く勤務の実態。

スウェナ「それに法事は、最初から予定が入っているけど…」
サム  「枕経は待ったなしだぜ、お通夜と葬式もセットもので」

いきなりやって来るもんなあ…、と僧籍な人。

サム  「お願いします、って電話が来たら、もうガッツリと…」
ジョミー「仕事だよねえ、他に色々用事があっても」

月参りと被っても、両方こなすしかないんだよね、とフウと溜息。

ジョミー「もうフルタイムで働きまくって、休みも無いかも…」
ブルー 「無いね、そういう時の休みは!」

それに今どきはケータイがある、と生徒会長。

ブルー 「昔だったら、お寺に帰るまで枕経の依頼は無くて…」
キース 「寺に戻ってから出掛けたらしいが、今ではな…」

出先から直行になってしまう、と副住職も。

キース 「月参りの最中に着信があれば、それで終わりだ」
一同  「「「うわー…」」」

一息入れる暇も無いのか、と一同、仰天。

ジョミー「…帰れないわけ? お茶とかを飲みに」
キース 「そんな時間を取ってられると思うのか?」

枕経は急ぎの依頼なんだぞ、と副住職。

キース 「月参り先で出るお茶も断って、そのままダッシュだ」
サム  「マジでそういう流れかよ?」
キース 「俺に依頼は来ないがな」

枕経は親父の管轄だから、という返事。

キース 「つまり親父は、お茶も飲まずに檀家さんの家へ…」
ブルー 「急いで出掛けて、枕経が済んだら…」
キース 「後の段取りを決めて、準備だ」

月参りの時間の調整だとか…、と副住職の説明。
ハードそうですね?


2018/05/03 (Thu)

 

☆休めないんです


ゴールデンウィークの間の平日、先生方も休んでいたという事実。
一部の先生だけだとはいえ、気楽な話。けれど、お坊さんは…。

スウェナ「いきなり予定がギッシリ詰まってしまうのね?」
キース 「そういうことだな、詰まるどころか全てがパアだ」

ゴルフの予定があっても吹っ飛ぶ、と副住職。

キース 「親父は俺に投げたいらしいが、俺ではな…」
ブルー 「何処から見たって高校生だし、檀家さんはともかく…」

他の参列者に印象悪すぎ、と銀青様も。

ブルー 「もっと名前が知られてくれれば、いいんだけどね」
サム  「だよなあ、バイトの坊主にしたって若すぎだしよ…」
キース 「檀家さんを馬鹿にしているようにしか見えんしな…」

そうでなければ費用をケチって、バイトの小坊主、と深い溜息。

キース 「だから俺には投げられなくて、親父の機嫌が…」
シロエ 「悪くなるんですか?」
キース 「使えんヤツだ、と露骨に言われる」

流石に罰礼は食らわないが…、との元老寺の内情。

キース 「熟練の親父でも文句を言うんだ、それほどキツイ」
シロエ 「つまりブラックなんですね?」
ブルー 「まだ学校の先生の方が、マシだろうねえ…」

いざとなったら休職できる、と生徒会長の言。

ブルー 「休職したって復職できるし、その辺は…」
サム  「坊主よりかは恵まれてるよな」
シロエ 「えーっと…? お坊さんは休職できないんですか?」

認められてはいないんでしょうか、とシロエ君の問い。

シロエ 「過労で暫く休みますとか、そういうのは…?」
ブルー 「大きなお寺に勤めてるんなら、アリなんだけどね…」
キース 「自坊の場合は、絶対に無理だ!」

自坊は自分のお寺のことだ、という解説。

キース 「住職が休めば、どうなるんだ?」
シロエ 「何も出来なくなりますね…」
キース 「法事も葬儀も、出来るヤツがいなくなるんだからな!」

その状態で寺と言えるか、と副住職。
お寺とは呼べない感じですね…?


2018/05/04 (Fri)

 

☆アウトなんです


ゴールデンウィークの間の平日、休んだシャングリラ学園の先生。
普通の高校の先生よりも楽なんですけど、お坊さんとなれば…。

シロエ 「法事も何も出来ないんだったら、意味が無いですね…」
スウェナ「そういう時しか、縁が無いのがお寺だものね」
キース 「ああ。月参りも断る家が少なくないしな、昨今は」

なにしろ平日は仕事で家にいないから…、と副住職。

キース 「共働きで親が同居でなければ、自然とそうなる」
一同  「「「あー…」」」

留守だと月参りは頼めないな、と一同、納得。

キース 「これが激しく田舎だったら、また違うんだが…」
一同  「「「へ?」」」
キース 「外出の時も鍵をかけない場所だと、坊主が勝手に…」

家に入って拝んでゆく、というのが田舎の月参り。

シロエ 「その場合、お布施はどうなるんですか?」
キース 「仏壇の近くに置いてあるらしい。茶菓子とセットで」

お経を上げたら、お布施を貰って一休みだとか。

ジョミー「なんか凄いね、だけど都会じゃ無理だよね…」
キース 「坊主よりも前に、空巣が入って終わりだからな」

だから月参りはパスな家も多い、と副住職の言。

キース 「寺の方で拝んでおいてくれ、とお布施は届くが…」
シロエ 「それなら楽じゃないですか! 行かなくていいですし」
キース 「まあな。檀家さんと話す機会は減るんだが…」

楽だと言えば楽ではある、とは言うものの…。

キース 「そんな寺でも、遠慮なく来るのが枕経とかで…」
シロエ 「お坊さんが休んでいたんじゃ、駄目なんですね?」
キース 「急病で入院していたとしても、非常にマズイ」

住職不在はアウトなのだ、と深い溜息。

キース 「本山の方から指導が入って、場合によっては…」
シロエ 「どうなるんですか?」
キース 「本人どころか家族も含めて、寺から永久追放になる!」
一同  「「「ええっ!?」」」

お寺から永久追放なんて…、と誰もが絶句。
そんなことって、あるんですか…?


2018/05/05 (Sat)

 

☆追放だそうです


ゴールデンウィークの間の平日もシャングリラ号にいた、先生方。
なんとも楽な学校ですけど、普通の先生よりも更にキツイのが…。

シロエ 「永久追放って何なんですか、家族ごとって…!」
マツカ 「本山からの指導ってことは、正しいんですよね…?」

その方針は…、と御曹司の質問。

マツカ 「本山は法律とかにも詳しいでしょうし、間違いは…」
シロエ 「無いでしょうねえ、国がうるさいでしょうから」

それにしても…、とシロエ君が振っている首。

シロエ 「病気で働けない住職はともかく、家族も追放って…」
スウェナ「そんなことをしても、本当にいいの?」

ブラックどころじゃないじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「いくらブラック企業にしたって、家族までは…」
シロエ 「巻き込んだりはしないものですけどね?」
マツカ 「そうですよ。訴訟になったら負けますからね」

人権を無視じゃないですか、と言ってますけど。

キース 「坊主の世界は、また別なんだ。本山は正しい」
シロエ 「それじゃ、家族ごと永久追放してもいいんですか?」
キース 「そうなるな。住職が務めを果たせないなら」

寺の存続が一番大事な問題だから…、と副住職。

キース 「短期間なら、法類の助けで乗り切れるんだが…」
ジョミー「法類って、お寺の親戚みたいなヤツだっけ?」
キース 「ああ。色々と助け合う仲だ」

そっちに助けて貰うにしても、長期間は無理、と。

キース 「復帰するのは難しい、と判断されたら終わりだな」
シロエ 「家族ごと永久追放ですか?」
キース 「もちろんだ。家族は寺には、何の権利も無い!」

住職のお蔭で住ませて貰っているだけだ、という解説。

キース 「その住職が働けないなら、仕方なかろう」
シロエ 「ただでも病気で働けないのに、追放なんですか?」
キース 「寺の存続が大事だからな!」
一同  「「「うわー…」」」

ブラック企業より酷くないか、と一同、絶句。
家族ごと追放…。


2018/05/06 (Sun)

 

☆家財道具も駄目


ゴールデンウィークの間の平日、シャングリラ号にいた先生たち。
普通の学校の先生よりもずっとお気楽、けれど先生などよりも…。

シロエ 「お坊さんの世界は、教師よりもブラックなんですね?」
キース 「ブラックという認識自体が無いんだが?」

それで当然な世界だからな、と副住職。

キース 「家族が暮らしていけるというのも、寺のお蔭で…」
スウェナ「お寺の役に立てなくなったら、追い出されるのね?」
ブルー 「追い出すだとか、追放と言うと過激だけどね…」
キース 「退去して頂くという言い方をするな、穏便に」

ちゃんと事前に通告もある、と解説が。

キース 「それよりも前に会議もあるしな、本山の人が来て」
シロエ 「えーっと…? それはどういう会議なんです?」
キース 「乗り切る方法があるかどうかを、検討するんだ」

本山だって、惨いことはしたくないからな…、と。

キース 「法類で乗り切っていけるようなら、それもアリだが…」
ブルー 「まず無理だからね、大抵の場合…」

法類の人にも、自分のお寺のことがあるし、と銀青様。

ブルー 「住職不在のお寺もあるけど、それとは別でさ…」
キース 「それなりの数の檀家さんがいるなら、住職が要る」

そして住職が役目を果たせないなら終わり、とフウと溜息。

キース 「どんな切実な事情があろうと、問答無用で追放なんだ」
シロエ 「家ごと無くなっちゃうんですか?」
マツカ 「お寺に住んでたわけですしね…。そうなりますよね?」
キース 「もちろんだ。家財道具も、一部はアウトだ」

寺の物だと認定されたら持って行けない、という厳しい事情。

キース 「衣類は良くても、箪笥は駄目だといった具合で」
一同  「「「うわー…」」」

とんでもない話だ、と一同、愕然。

シロエ 「ブラック企業でも、そこまでしないと思いますが…!」
キース 「まあ、そうだろうな」

しかし、坊主の世界では昔からコレが常識なんだ、という答え。
酷すぎませんか…?


2018/05/07 (Mon)

 

☆訴訟しても無駄


ゴールデンウィークの間は、シャングリラ号で過ごした先生たち。
平日も休んだわけですけれど、そうはいかない普通の教師。

シロエ 「教師の仕事も、ブラックだと思ってましたけど…」
スウェナ「家を追い出されることはないわね、どう考えても」

休職だってあるじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「労災じゃなくても、長期間、休んでいいんでしょ?」
ブルー 「そうらしいねえ、一年間とか、多いらしいね」
シロエ 「もちろん、家は失くしませんよね?」
ブルー 「ローンがあったら、ヤバいかもだけど…」

休職中は無給だからね、と生徒会長が振っている首。

ブルー 「有給休暇と違うわけだし、給料は貰えないわけで…」
シロエ 「だったら、ローンが返せませんね…」
ブルー 「うん。ボーナスだって出ないから…」

行き詰まる人はあるかもしれない、という答え。

ブルー 「だけどお寺と違う所は、即、退去じゃない所かな」
キース 「ローンの方なら、打つ手が無くもないからな」

救済方法はゼロではない、と副住職。

キース 「しかし寺だと、そんな仕組みは無いものだから…」
ジョミー「住職が倒れたら、おしまいなわけ?」

家族ごとお寺を追放になってしまうわけ…、と確認が。

ジョミー「ただでも病気で大変なのに、住む家までパア?」
キース 「寺は住職の持ち物ではないし、そうなるな」

家族の持ち分だってゼロなんだから、とキッパリと。

キース 「さっき言った通り、家財道具も例外ではない」
シロエ 「箪笥も無理だというヤツですね?」
キース 「寺に昔からあるモノならな!」

自分で買ったわけではないなら、没収だ、という話。

キース 「問答無用で取り上げられて、寺からもだな…」
シロエ 「出て行けと言われるわけですか…」
キース 「住職がいてこそ、寺なんだからな。訴えても敗訴だ」
一同  「「「うわー…」」」

法律でも助けて貰えないのか、と誰もが絶句。
ブラック企業よりも酷いですね…?


2018/05/08 (Tue) 

 

☆ブラックな世界


ブラック企業よりも酷いらしいのが、お坊さんの世界というヤツ。
住職が働けなくなったら最後、家族ごとお寺を追放される運命。

シロエ 「訴訟しても敗訴って、そこまでですか…!」
キース 「本山を離脱するというなら、なんとか出来るが…」

そうなった場合は、檀家さんもついて来ないよな、と。

キース 「本山から離れてしまった寺だと、デメリットしか…」
ブルー 「無いんだよねえ、観光寺院なら別なんだけどさ」

拝観料で食べていけるから、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「でも、檀家さんからのお布施で暮らしているお寺は…」
キース 「本山離脱となってしまったら、檀家さんだって困る」

本山絡みの全ての行事が出来ないからな、と副住職の溜息。

キース 「援助も来ないし、第一、住職が働けないなら…」
シロエ 「お寺の行事は出来ないですね?」
ブルー 「そういうこと。だから退去になるんだよ」

たとえ本山の助けがあっても、行事が出来ないお寺はアウト、と。

ブルー 「新しい住職が入るとなったら、前の住人はさ…」
キース 「出て行くしかないということだ。家族も含めて」

見舞い金くらいは出るんだろうが…、という話。

キース 「だが、そこまでだ。後の面倒は見て貰えない」
スウェナ「家族ごと路頭に迷うわけなの?」
キース 「酷なようだが、それが坊主の世界の決まりだ」

そして国からの救済も無い、とトドメの一言。

キース 「国民としてなら、こう、色々と…」
ブルー 「助けて貰えはするんだけどね…」

それ以上のことは何も無いね、と銀青様も。

ブルー 「最低限度の生活の保障、たったそれだけ!」
一同  「「「うわー…」」」

なんという酷い世界なのだ、と一同、愕然。

シロエ 「坊主丸儲けじゃなかったんですか?」
キース 「順風満帆の場合だけだな」
ブルー 「脆いものだよ、世間一般の坊主の立場というヤツは」

ついでに定年退職も無い、と言ってますけど。
無さそうですね…?


2018/05/09 (Wed)

 

☆退職金も出ません


下手なブラック企業より酷い、お坊さんの世界の厳しすぎる現実。
住職が働けなくなってしまったら、家族ごとお寺を追放処分で…。

シロエ 「あのですね…。定年退職が無いなら、退職金は…?」
スウェナ「出して貰えるのかしら、退職していなくても…?」
ブルー 「そこは常識で考えたまえ。退職金は、何故出るのか」

どういう時に貰えるんだい、という質問。

スウェナ「会社を退職した時よね? 定年退職なら、定年で」
シロエ 「そうでない時でも貰えますよね、退職金?」

リストラでも貰えるんですから、とシロエ君。

シロエ 「早期退職に応じた場合は、多めに出ると聞きますが…」
サム  「そうらしいよな、それがリストラの飴と鞭でよ…」
ジョミー「解雇された時は駄目なんだっけ?」
ブルー 「そっちは事情によりけりだね。解雇の理由次第かな」

貰える時もあれば、一銭も出ない時だって…、と。

ブルー 「犯罪者だとか、会社に凄い迷惑をかけた時とか…」
キース 「貰えないケースも山とあるんだが、坊主の場合は…」

定年退職が無いからな…、と副住職。

キース 「死ぬまで住職だった場合は、出るわけがない」
シロエ 「思いっ切り年を取ってても…ですか?」
キース 「退職自体していないのに、貰えるわけがないだろう!」

それで貰おうと思う方がおかしい、とキッパリと。

キース 「ビタ一文も貰えはしないな、死んで退職では」
一同  「「「うーん…」」」

死んだら確かに退職ですけど、本人が死んでいるという事態。

シロエ 「だったら、お坊さんの世界に退職金は無いんですか?」
ブルー 「それも場合によるかな、うん」

お寺から給料が出るわけだから…、と銀青様。

ブルー 「住職の座を退いた時には、貰えることも…」
キース 「金銭に余裕がある寺でないと、まず出ないがな」
シロエ 「退職金さえ、出ない場合があるんですね…?」

必死にお寺の仕事をしても…、とシロエ君、絶句。
ブラックすぎですよね?


2018/05/10 (Thu)

 

☆見舞金だけです


ブラック企業より酷い感じな、お坊さんの世界の現実というヤツ。
住職が働けなくなってしまったら家族ごと追放、かてて加えて…。

シロエ 「退職金も危ういんだったら、追放される時もですか?」
スウェナ「それが気になるわね、働けなくなって退職だものね…」

だからこそお寺を追放されてしまうんでしょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「そういう時には、いくらなんでも出るんでしょう?」
ブルー 「…ケースによるけど、基本は見舞金かな…」
シロエ 「出ないんですか、退職金!?」
キース 「しっかり働いていた住職で、収入も安定していたら…」

事情は違ってくるんだが…、と副住職の苦い顔。

キース 「ギリギリで回していたような寺は、まずアウトだな」
ジョミー「…ギリギリって?」
キース 「暮らしていくのが精一杯、といった感じで…」

住職が副業をしないと駄目な寺だと完全にアウト、と。

シロエ 「副業って…。幼稚園とか宿坊じゃないですよね?」
マツカ 「そっちの方だと、収入は安定する筈ですよ」
キース 「ああ。寺とは全く関係のない仕事だな」

会社員とか、そんな感じで…、と副住職の説明。

キース 「寺の赤字を自分の給料で埋めるってヤツだ」
シロエ 「そこまでやって頑張っていても、追放ですか…?」
スウェナ「見舞金だけで追い出されるの…?」

住む家も他に無いんでしょ、とスウェナちゃん、オロオロ。

スウェナ「他に家があるくらいだったら、お金に余裕も…」
シロエ 「充分にあるってことですよね…」
ジョミー「そんな人でも、退職金ゼロ? でもって、追放…?」
キース 「厳しいようだが、坊主の世界では常識だ」

住職は倒れられないのだ、と副住職。

キース 「代わりの坊主は、掃いて捨てるほどいるからな!」
シロエ 「訴訟しても負けるって言いましたよね?」
キース 「本人も承知の上だしな」
一同  「「「うわー…」」」

承知してても、あんまりな…、と誰もが呆然。
ブラックすぎでは…?


2018/05/11 (Fri) 

 

☆例外は無いです


ブラック企業も真っ青かもしれない、お坊さんの厳しすぎる世界。
住職が働けなくなった場合は家族ごと追放、退職金も出ないとか。

シロエ 「本人は承知の上って言っても…。でもですね…」
スウェナ「まさか自分がそうなるだなんて、思わないでしょ?」
マツカ 「自分に限って大丈夫だと考えるのが、人間ですしね…」

それでもルールは絶対ですか、と御曹司の問い。

マツカ 「裁判をしたら負けると言っても、温情判決とか…」
キース 「それだけは無い! それをやったら制度が崩れる」

本山の運営が根幹から揺らぐことになるしな…、と副住職。

キース 「例外は認められんのだ。覚悟して坊主になるわけで…」
ブルー 「宗派によっては、修行でコケたら死ねっていうのも…」
一同  「「「ええっ!?」」」

なんだそれは、と一同、仰天。

ジョミー「ちょ、ちょっと…! なんで死ななきゃダメなわけ?」
ブルー 「最初に誓いを立てるからだよ、死ぬ気でやります、と」
サム  「まさか、俺たちの宗派じゃねえよな…?」

だったら俺も考えないと…、と僧籍な人。

サム  「そんな決まりがあるんだったら、冗談じゃねえよ」
ジョミー「いくらサムでも、お坊さんの修行を捨てるよね?」
サム  「当然じゃねえか、命あっての物種だしよ…」

破門でいいぜ、と言ってますけど。

ブルー 「安心したまえ、恵須出井寺のヤツだから」
シロエ 「あれっ? 会長、そこでも修行をしてたんですよね?」
ジョミー「生きてるってことは、修行を無事に終えたんだよね?」

途中でコケたら死ななきゃ駄目なら…、とジョミー君。

ジョミー「どうせサイオンで誤魔化したんだろうけど…」
ブルー 「違うよ、その修行、ぼくは志願してない」
キース 「何年もかかる厳しい修行でな…。志願者だけだ」
ブルー 「志願したら最後、やり遂げるか死ぬかの二択なんだよ」
一同  「「「二択…」」」

どんな二択だ、と唖然呆然の御一同様。
強烈すぎませんか…?


2018/05/12 (Sat)

 

☆強烈すぎる二択


ブラック企業も裸足で逃げだしそうな、お坊さんの世界なるもの。
修行の途中でコケた場合は、死ぬしかないという宗派もあるとか。

シロエ 「やり遂げるか、死ぬかの二択…なんですか?」
スウェナ「つまり死ぬまでやれってことよね、過労死しても?」
キース 「いや、それ以上に厳しいんだが…。あそこのヤツは」
ブルー 「修行を投げ出すことは許されないからね…」

志願したら最後、やり遂げるか、死ぬかの二択なのだ、と銀青様。

ブルー 「もちろん過労死や病死もあるけど、それよりキツイよ」
キース 「逃げることは出来んし、逃げ道は死ぬことだけなんだ」
一同  「「「へ???」」」
ブルー 「逃げたかったら死ねってことだよ、自分でね」

それ以外に逃げる道は無いのだ、と語られる恐ろしい話。

ブルー 「修行に入ると決めた人は、短剣を貰うんだよ」
一同  「「「短剣?」」」
ブルー 「そう。それを使うのは、自殺する時!」

それで死ぬように渡されるのが短剣だとか。

ブルー 「首を吊ってもいいんだろうけど、とにかく、死ねと!」
シロエ 「そ、そんな…。脱走は許されないんですか?」
キース 「一応、命がかかっているしな、出来ないことは…」
ブルー 「無いと思うけど、お寺には二度と戻れないよね」

他の宗派にも移れないよ、とキッパリと。

ブルー 「指名手配犯みたいなものかな、ブラックリストで」
一同  「「「うーん…」」」

流石に厳しすぎないか、と誰もが思う究極の二択。

シロエ 「そこまでやって、やり遂げたら御褒美あるんですか?」
キース 「生き仏だと崇められるし、メリットはある」

修行自体も厳しいからな、と副住職。

キース 「毎日とんでもない距離を歩くのが修行で、だ…」
ブルー 「それを何年間も続けて、トドメが断食」
一同  「「「断食?」」」
ブルー 「不眠不休で九日間ほど」
一同  「「「九日間…」」」

それは普通に死ぬのでは、と一同、仰天。
死にそうですよね…?


2018/05/13 (Sun)  

 

☆過酷すぎる修行


ブラック企業も及ばないくらい、過酷すぎるのがお坊さんの世界。
やり遂げるか死ぬかの二択しかない、厳しい修行もあるそうで…。

シロエ 「あ、あのぅ…。断食な上に不眠不休で九日間ですか?」
スウェナ「不眠不休だけでも過労死しそうよ、なのに断食…?」
キース 「そういう決まりになっているからな、昔から」
ブルー 「不眠不休の間は、護摩を焚くんだよ。お堂の中で」

不動明王様の御真言を唱えながらね…、と銀青様。

ブルー 「お堂の中から出てもいいのは、水を汲む時だけ!」
ジョミー「それって、飲み水?」
ブルー 「違うね、不動明王様にお供えする水だってば」

それ以外の時間はずっと座って、延々と護摩を焚くのだとか。

シロエ 「なんだか普通に死にそうですけど! 三日くらいで!」
マツカ 「ですよね、護摩を焚くとなったら暑いですし…」
スウェナ「おまけに真言を唱えるんでしょ、消耗するわよ」

なのに不眠不休で断食だなんて…、とスウェナちゃん、ガクブル。

スウェナ「それで九日間も持つものなの…?」
ブルー 「途中から死臭が漂うらしいよ、生きているけど」
一同  「「「へ?」」」
ブルー 「水を汲みに行く時、外に出るから分かるんだよね…」

修行を見届けている人が感じる匂い、というのが死臭。

シロエ 「まだ生きてるのに死臭がするって、怖いんですけど!」
ブルー 「でも実際に、証言が幾つもあるからねえ…」
キース 「生き葬式と呼ばれているんだ、その堂入りは」

生きながら死んでいくわけだから…、と副住職。

キース 「修行の中でも一番キツイが、それを終えたら…」
ブルー 「生き仏だと崇められる段階!」

触れるだけでも御利益がある、と信者さんがつくらしく…。

ブルー 「命がけでやる価値はあるかな、うん」
シロエ 「でもですね…。途中で死んだら…」
キース 「元からそういう修行だろうが!」

やり遂げられなかったら死ねというヤツ、と言ってますけど。
生き葬式ですか…。


2018/05/14 (Mon)

 

☆労災じゃないです


ブラック企業も真っ青なほどに、激しすぎるのがお坊さんの世界。
家族ごとお寺を追放どころか、生き葬式な修行もあるという怖さ。

シロエ 「元からそういう修行でも、ですね…。酷すぎですよ」
スウェナ「生き葬式だなんて、即身成仏と何処が違うのよ!」

あっちは死ぬのが目的だけど…、とスウェナちゃんの指摘。

スウェナ「途中で死んだら変わらないじゃないの、その修行!」
シロエ 「そうですね…。即身成仏も、途中で失敗した人は…」
マツカ 「いた筈ですよ、全員が達成したわけじゃなくて」

修行の途中で死んだケースがあった筈で…、と御曹司。

マツカ 「あっちの修行も、半端なかったそうですから」
ブルー 「まあね…。五穀断ちとかをしながら、漆を飲んでさ…」
キース 「日々の修行も欠かさないから、死んでしまうことも…」

珍しくなかったと聞くが…、と副住職も。

キース 「生き葬式の方は、そこまでは酷くないんだが…」
ブルー 「漆を飲めとは言われないしね、それにゴールも…」

死ぬことじゃないし、と生徒会長、いえ、伝説の高僧、銀青様。

ブルー 「無事に修行を達成してこそ、生き仏だしね」
スウェナ「だけど死臭がするんでしょ? 死にそうじゃない!」
キース 「確かにギリギリの所らしいが…」

修行をしている本人は全て承知だから…、と言われましても。

シロエ 「昨今、過労死が問題ですけど、ブラック企業でも…」
サム  「死ぬ気でやれと言われはしてもよ、マジで死ねとは…」

言わねえよなあ…、とサム君が振っている首。

サム  「仕事で死んだら労災だけどよ、修行は労災扱いかよ?」
キース 「違うと思うが?」

あくまで本人の意向だからな、とキッパリと。

キース 「自分で志願して始めた以上は、労災も何も…」
ブルー 「第一、修行に保険は無いから!」
キース 「死んでも何の補償も無いな」
一同  「「「うわー…」」」

保険金さえ出ない世界か、と一同、ドン引き。
ブラックすぎ…。


2018/05/15 (Tue)









 

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☆持って来ました


キース君から特別手当を貰うべきだ、と考えるシャン学メンバー。
けれどキース君は無給らしくて、それならば証拠が欲しいもの。

シロエ 「遅刻の方は理由が理由だけに、許しますけど…」
サム  「帳簿のコピーを忘れて来たなら、取りに帰れよ?」

そっちは大目に見てやらねえから、とサム君、副住職をギロリと。

サム  「親父さんがいたせいでコピーは無理とか、ねえよな?」
シロエ 「帳簿は先輩の管轄ですよね、コピー、取れますよね?」
スウェナ「持ち出し禁止で、コピー機が壊れていたにしたって…」

方法はいくらでもあるものねえ…、とスウェナちゃんも。

スウェナ「帳簿を広げてスマホで撮影、それで済むでしょ?」
シロエ 「ですよね、拡大すれば見られますから」

で、どうなんです…、と迫るシロエ君の気迫。

シロエ 「帳簿のコピーは持って来たんですか、キース先輩?」
キース 「持って来た。俺が無給な証拠をな…!」

アレを見たら、特別手当が無理だと分かるだろう、と副住職。

キース 「ブルーの家に着いたら見せる。約束通りに」
ジョミー「ふうん…? じゃあ、急ごうか」
シロエ 「御馳走も待ってるらしいですしね!」

ぶるぅが腕を奮ってくれて…、というシロエ君の声で急ぐ面々。

シロエ 「会長、着きました! 開けて下さい!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」

チャイムの音で「そるじゃぁ・ぶるぅ」がお出迎え。

ぶるぅ 「今日も御馳走、沢山作ってあるからね!」
一同  「「「ありがとうございまーす!!!」」」

お邪魔します、と早速、上がり込んだリビング。

シロエ 「さあ、先輩…。証拠をよろしく」
サム  「うんうん、お茶とお菓子も出て来たしよ」

次は本日のメインディッシュな、と促すサム君。

サム  「もったいぶっていないで、サッサと出せよ」
キース 「分かっている。だが…」
ブルー 「笑うなよ、って?」

無給らしいしね、と生徒会長の笑み。
さて、どうなる…?


2018/04/16 (Mon) 

 

☆素人には無理です


キース君のせいで被る迷惑、特別手当が欲しいシャン学メンバー。
ところが副住職は無給だという話、ならば証拠を見たいもの。

キース 「まあ、見てくれ。これが先月の分なんだが…」
一同  「「「えーっと…???」」」

よく分からない、とコピーを前に首を傾げる御一同様。

シロエ 「供花だの、お膳だの、その辺はまだ分かるんですが…」
マツカ 「回向料とかも分かりますけど、その他は…」

なんだかサッパリ…、と御曹司もお手上げな、元老寺の帳簿。

キース 「まあ、そうだろうな。税務署も専門家が来るほどで…」
一同  「「「へ?」」」
キース 「用語からして分からないから、誤魔化していても…」

まるで全く見抜けないからな、と副住職の説明。

キース 「それで詳しい人が来るんだ、この手の帳簿の専門家が」
シロエ 「ああ、なるほど…。で、先輩のお給料は何処です?」

無いそうですけど、これじゃあっても分かりません、とシロエ君。

シロエ 「漢字と専門用語だらけで、お父さんのも、ですね…」
サム  「分からねえよな、アドス和尚の給料ってヤツ」
キース 「ああ、それなら…」

コレだ、と副住職が指した項目。

キース 「この通り、親父は沢山貰ってるんだが…」
ジョミー「わあっ、多いね…。パルテノンで遊びまくれる筈だよ」

重役並みかも、とジョミー君が目を剥く金額。

ジョミー「アドス和尚がコレなんだったら、キースだってさ…」
シロエ 「そこそこ貰えると思いますけど?」
サム  「うんうん、下手なサラリーマンより多めによ…」

キースの給料はどれなんだよ、とサム君の問い。

サム  「誤魔化さねえで、正直な所を話してくれよな」
シロエ 「ええ。いくら帳簿が謎だらけでも、其処はきちんと!」
キース 「だから無いと言っているだろう!」
ジョミー「その証拠だよ!」
キース 「無いから、項目自体が無いんだ!」

無いものは帳簿に書きようがない、と言ってますけど。
本当なんですか…?


2018/04/17 (Tue)

 

☆意味不明な帳簿


キース君のお蔭で引き続けるババ、シャン学メンバーの頭痛の種。
特別手当が欲しいものだ、と思っているのに、無給なキース君。

シロエ 「無いものは無いと言われてもですね…。ぼくたちは…」
マツカ 「帳簿の意味が分かりませんから、お手上げですよ」

会計のことなら、少しは分かるつもりでしたが…、と御曹司。

マツカ 「いずれは父の会社を継ぐってことで、勉強しましたし」
サム  「すげえじゃねえかよ、ゆくゆくは財閥、継ぐわけな!」
マツカ 「いえ、それが…。ぼくたちは年を取りませんから…」

ついでに寿命も長いですから、と苦笑。

マツカ 「ぼくが継ぐには三百年ほど早いそうです、父の会社は」
ジョミー「そうなんだ…。じゃあ、会社を継ぐための勉強は?」
マツカ 「法律もコロコロ変わりますしね、やっても無駄だと…」

父に言われまして…、と今は高校生活に専念しているのだとか。

マツカ 「とはいえ、ぼくが勉強したことも、今の時点では…」
サム  「まだまだ役立つ知識ってことな?」
マツカ 「ええ。でも、この帳簿は本当にサッパリで…」

アドス和尚のお給料さえ謎でした、とフウと溜息。

マツカ 「ですから、キースのお給料の件は…」
シロエ 「マツカ先輩にも見抜けないんですね、無給かどうか」
マツカ 「すみません…。お役に立てなくて」
シロエ 「先輩が謝ることじゃないです! えっと、専門家は…」

誰かいないでしょうか、とシロエ君、キョロキョロ。

シロエ 「サム先輩は見習いですし、ジョミー先輩はサボリ…」
ジョミー「プロなら、ブルーでいいんじゃないかな?」

ぼくを無理やり弟子にした人、とジョミー君の渋面。

ジョミー「伝説の高僧、銀青様だよ、帳簿くらいは楽勝の筈!」
シロエ 「そうでした! 会長、これって分かりますか?」
ブルー 「それはまあ…。ぼくも坊主だし」
一同  「「「お願いします!」」」

代わりにチェックして下さい、と頼む御一同様。
プロの出番ですね…?


2018/04/18 (Wed)

 

☆載っていません


キース君のお蔭でババを引きまくり、頭が痛いシャン学メンバー。
特別手当が欲しいんですけど、キース君は無給だそうでして…。

シロエ 「会長だけが頼りです! どうですか、コレは?」
ブルー 「えーっと…? キースの給料はどれか、ってこと?」
シロエ 「はい! 無給だというのが本当かどうか、見て下さい」
ブルー 「了解。んーと、これがアドス和尚で…」

こっちが法類の人の分で、と生徒会長がチェックするコピー。

ブルー 「でもって、臨時のお手伝いの人のがコレだから…」
一同  (((スゴイ…)))

よく、こんなモノが分かるものだ、と誰もが感動。

シロエ 「餅は餅屋って言いますけれど、その通りですね」
マツカ 「ええ。ぼくには区別も出来ませんよ」
ブルー 「素人さんには無理だろうねえ、いくらマツカでも」

会社の会計とお寺は別物、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「用語からして違うわけだし、分からないのが普通だよ」
シロエ 「それで、どうでしょう? 結論の方は?」
サム  「キースの給料、いくらなんだよ?」
ブルー 「…結論から言えば、載っていないね」
一同  「「「へ!???」」」

載っていないとは何事なのだ、と誰もがビックリ。

サム  「載ってねえって…。マジで無給なのかよ!?」
ブルー 「そうなるねえ…。副住職の項目自体が無いから」

住職しかいないことになっている、と生徒会長、キッパリ。

シロエ 「い、いないって…。でも、キース先輩は副住職で…」
マツカ 「それはマズイんじゃないですか? 所得隠しで」
ブルー 「普通のお寺なら、そうなるんだけど…」

元老寺の場合は違うだろうね、と生徒会長が指差す箇所。

ブルー 「この中にキースのお給料がある、と言うべきかな」
一同  「「「はあ?」」」
ブルー 「住職の家族の生活費でさ、イライザさんとキースの分」
一同  「「「生活費…」」」

本当にそういう扱いなのか、と一同、仰天。
無給なんですか…?


2018/04/19 (Thu)

 

☆お小遣いな人


キース君のお蔭でババを引くのがシャン学メンバー、もはや定番。
特別手当が欲しいものだと思っているのに、無給らしいキース君。

シロエ 「生活費って…。イライザさんとセットなんですか?」
ブルー 「そういうことだね、住職の家族の分だから」

副住職でも、高校生だし、家族扱い、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「これが高校生と違って、専業ならねえ…」
サム  「そっちだったら、ちゃんと給料、出るのかよ?」
ブルー 「たとえ僅かな額にしたって、項目としては載せないと」

住職が薄給なお寺もあるし…、という説明。

ブルー 「檀家さんの数がとても少なくて、やっていけないほど」
シロエ 「地方のお寺とかですね?」
ブルー 「そうじゃなくても、幾つも掛け持ちしてるとか…」

更に会社員までやってるとか、との懐具合が厳しいお寺の事情。

ブルー 「そういうお寺の場合にしても、お給料があれば…」
シロエ 「きちんと帳簿に書くわけですね?」
ブルー 「うん。だけどキースは、扶養家族なわけだから…」

この扱いでいいんだよね、と指差す帳簿のコピー。

ブルー 「副住職の給料なんかは無くって、お小遣いだけ!」
サム  「マジかよ、それじゃ、俺たちに特別手当どころか…」
ジョミー「ちょっと御馳走するっていうのも、無理なんだ…?」

ハンバーガーくらいなら大丈夫でも、とジョミー君。

ジョミー「ぶるぅやブルーのオススメの店だと、破産なんだね?」
ブルー 「まず間違いなく、そのコースだろうね」

お小遣いがいくらかは知らないけれど…、と生徒会長、溜息。

ブルー 「ぼくたちは舌が肥えているから、どうしてもね…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 美味しいお店がいいよね!」

お値段、ちょっぴり高くなっても、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。

ぶるぅ 「でもでも、キースのお小遣いだと、無理かも…」
キース 「恥ずかしながら、その通りだ」

とても払えん、と情けなさそうな副住職。
無理っぽいですね…?


2018/04/20 (Fri) 

 

☆お小遣いだけです


キース君のお蔭でババが恒例、損をするだけのシャン学メンバー。
特別手当が欲しいと言い出したものの、どうやら無給な副住職。

シロエ 「キース先輩、お小遣いはいくらなんですか!」
サム  「あー、其処な…。俺たちよりかは多めかもなあ…」

腐っても副住職なんだしよ、とサム君、睨んでますけれど。

キース 「多分、サムたちと大差は無いかと…」
サム  「どのくらいなんだよ、ハッキリ言えよ!」
シロエ 「聞かないと話になりませんしね、ここは正しく!」

嘘をつかずに、正直に申告して下さい、という注文。

シロエ 「その額によって考えましょう。特別手当をどうするか」
スウェナ「そうよね、実は沢山貰っているっていうことも…」

全く無いとは言えないものね、とスウェナちゃんも。

スウェナ「で、いくらなのよ、キースのお小遣いは?」
キース 「それがだな…」

情けなくて言いたくもないんだが…、と口ごもる人。

キース 「しかし言わねばならんのだったら、仕方がないが…」
ジョミー「もったいつけずに、早く言ってよ!」
キース 「分かった。実は、俺の毎月の小遣いは…」

ゴニョゴニョゴニョ…、と明かされたキース君のお小遣いの額。

シロエ 「マジですか!?」
サム  「あれだけハードに月参りもして、それだけかよ?」
キース 「あの親父だからな!」

高校生には充分な額だと言いやがるんだ、と副住職の嘆き。

キース 「大学の同期と飲みに行くなら、その時だけは…」
シロエ 「別途、実費で払ってくれるというわけですか?」
キース 「そういう仕組みになっている!」

おふくろに後で申告したら返って来るのだ、とブツブツブツ。

キース 「もちろん領収書を出して、その分だけで…」
シロエ 「そこまで管理されてるんですか、お小遣いの額…」
キース 「俺の家では、ずっと昔から、それが普通だ!」
一同  「「「うわー…」」」

本当にお小遣いしか無いのか、と誰もが呆然。
酷い話ですね…?


2018/04/21 (Sat) 

 

☆無い袖は振れぬ


キース君のお蔭でババを引かされ、辛い人生なシャン学メンバー。
特別手当が欲しいと思っても、キース君は無給だという惨い現実。

シロエ 「お小遣いの額は、本当にそれだけなんですね…?」
サム  「臨時で出るってことはねえのかよ、忙しい時は」

お盆とか、春と秋のお彼岸とか…、と僧籍な人。

サム  「お盆の卒塔婆書きは地獄らしいしよ、少しくらいは…」
シロエ 「そうですね! 書いた卒塔婆の数に応じて、いくらか」
スウェナ「毎年、山ほど書くんだものねえ…。ノルマだけでも」

その上、押し付けられる分もあるんでしょ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「アドス和尚がサボった分を書いた時には、貰えそうよ」
ジョミー「だよねえ、安くても塵も積もれば山だし…」
シロエ 「お盆だけでも、ぼくたちに還元して欲しいです!」

特別手当を出して下さい、と食い下がるシロエ君ですけれど…。

キース 「くどいようだが、相手は親父だ。出るわけがない」
ジョミー「アドス和尚の分を書いても?」
キース 「当然だろうが! それが副住職の役目だ」

住職を全力でサポートすること、と副住職。

キース 「親父にとっても当然のことで、臨時手当は出ない」
シロエ 「じゃあ、先輩は、年がら年中、無給なんですね…?」
キース 「だから何度も言った筈だぞ、無給だと!」

帳簿のコピーも持って来たしな、とキース君が指差す紙。

キース 「ブルーのお墨付きで無給だ、小遣いだけだ!」
ジョミー「だったら、特別手当を出せるお金は…」
シロエ 「全く無いっていうことですね…」

ぼくたちのお小遣い程度の額では…、とシロエ君、ガックリ。

シロエ 「あれだけババを引かされていても、特別手当は…」
サム  「出ねえってことになっちまうよなあ、出せねえんだし」
マツカ 「無い袖は振れませんからね…」
キース 「申し訳ないが、そんな余裕は俺には無い」

現に今でもカツカツなんだ、という副住職の懐事情。
お小遣い制ですしね…。


2018/04/22 (Sun)

 

☆無給では無理


キース君のお蔭でババを引くのがシャン学メンバー、悲しい人生。
特別手当が欲しいというのに、それが出せない副住職の懐事情。

シロエ 「グレイブ先生が本気で羨ましいです、特別手当…」
サム  「俺たちよりかは、遥かにマシなババだよなあ…」

グレイブ先生が引いてるババ、とサム君、溜息。

サム  「年中無休で追って来ねえし、夏休みとかは完全休業」
ジョミー「そうだよねえ…。クルーズとかにも行ってるよ」
スウェナ「ミシェル先生と楽しんでるのに、私たちは棚経よ?」

キースのせいで、毎年、毎年…、とスウェナちゃんも。

スウェナ「特別手当は、私たちこそ貰う資格がありそうなのに…」
ブルー 「学校の方じゃ、そんな事情は知らないしねえ…」

第一、学校は学生に給与をくれない、と生徒会長の正論。

ブルー 「特別生は授業料がタダ、ってだけでも破格の待遇で…」
一同  「「「うーん…」」」

学校はアテに出来ないのか…、と誰もが抱える頭。

ジョミー「キースがお金を持ってないなら、無理なのかな…」
シロエ 「そうなるでしょうね、資金が無いわけですから」

借金しようにも、担保に入れるモノが無いです、とバッサリ。

シロエ 「袈裟は高いと聞いてますけど、質入れしたら…」
サム  「アドス和尚に即バレじゃねえかよ、質流れも確定」

借金を返せなかった時には流れて終わりな、とサム君の指摘。

サム  「大事なお袈裟がそうなった時は、キースの方もよ…」
シロエ 「お小遣いさえ無くなるでしょうね、何十年分も」

お袈裟の金額を弁償し終わるまでは…、とシロエ君。

シロエ 「やっぱり夢の夢でしたか…。特別手当を貰うのは」
ジョミー「いくら欲しくても、キースがお小遣い人生だもんね…」
スウェナ「これがマツカの方だったなら、ドンと出るのに…」
マツカ 「ぼくが出すのも変ですしね…」
サム  「それは責任転嫁じゃねえか」

貰えればいいってモンじゃねえ、とサム君、キッパリ。
その通りですね?


2018/04/23 (Mon)

 

☆助けに来た人


キース君のお蔭で引きまくるババ、シャン学メンバー受難の日々。
特別手当が欲しいというのに、キース君は無給で、無いのが財源。

シロエ 「マツカ先輩が代わりに出すのは、確かに変ですね」
サム  「赤の他人が支払うだなんて、誰が聞いても呆れるぜ」

しかもキースに返せるアテがあるわけじゃなし、とサム君の指摘。

サム  「無担保無利子で借りるにしたって、返せねえしよ…」
シロエ 「もう間違いなく、マツカ先輩、貸し倒れですよね…」
ブルー 「そうなるだろうね、キースが無給な以上は」

そして借金は膨らむ一方、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「特別手当は一回きりじゃないからねえ…」
シロエ 「もちろんです! 一回じゃ意味が無いですよ!」

一時金なんかを貰っても…、とシロエ君、ブツブツ。

シロエ 「ババは永遠ループですしね、特別手当は継続的に…」
スウェナ「貰ってこそよね、グレイブ先生のお給料みたいに」

毎月、払ってくれないと…、とスウェナちゃんも。

スウェナ「でも、諦めるしかないみたいね…。払えそうにないし」
サム  「小遣いしか貰ってねえんじゃなあ…」

まるで話にならねえじゃねえか、とサム君、呻いてますけれど。

??? 「特別手当が、あればいいのかい?」
一同  「「「へ?」」」

誰だ、と振り返った先にソルジャー(会話表記はAブルー)の姿。

シロエ 「今日は何しに来たんですか!」
Aブルー「覗き見してたら、キースが困っているみたいだから…」

ちょっと助けに来たんだけれど、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「要は特別手当なんだね、欲しいのは?」
シロエ 「そうですけれど?」

キース先輩に払って欲しいんですが…、とシロエ君。

シロエ 「でも先輩は無給ですから、絶望的です」
サム  「借金も出来る立場じゃねえしよ、もうお手上げだぜ」
Aブルー「そうでもないと思うけれどね?」

諦めるのは早いと思う、と言ってますけど。
どんな救済方法が…?


2018/04/24 (Tue) 

 

☆連帯責任な人


キース君のお蔭でババを引かされ、泣きの涙のシャン学メンバー。
特別手当が欲しかったのに、キース君は無給で、とても無理な話。

シロエ 「そうでもないって…。どういう意味です?」
Aブルー「キースに支払い能力が無くても、いいってことかな」
一同  「「「へ?」」」

その状態で、どうすれば特別手当が出せるのか、謎。

シロエ 「あのですね…。特別手当は、キース先輩が…」
サム  「支払わねえと話にならねえんだぜ、他のヤツだと」

マツカが代わりに出すのはアウト、とサム君、キッパリ。

サム  「マツカは全く無関係だしよ、いくら金持ちでも」
ジョミー「うん。後でキースに請求したって、返って来ないしね」
マツカ 「ぼくはそれでもいいんですけど、この件については…」

貸すお金の質が問題で…、と御曹司。

マツカ 「キースのせいでババなんですしね、ぼくが払うと…」
サム  「思いっ切り意味がねえじゃねえかよ、特別手当の」

キースに払って貰ってこそだぜ、とサム君も。

サム  「ババを引かせるキースが悪いし、そこのトコはよ…」
スウェナ「譲れないわよねえ、どう転がっても」

肩代わりなんて絶対にダメ、とスウェナちゃんも強調してますが。

Aブルー「そうだろうけど…。それが連帯責任だったら?」
一同  「「「連帯責任?」」」

なんのこっちゃ、と一同、キョトン。

シロエ 「連帯責任って…。誰と誰がですか?」
Aブルー「考えるまでもないと思うけどねえ、この場合」

キースが引くババは、誰が持ち込んでるんだっけ、という質問。

シロエ 「ま、まさか…」
サム  「あんたが連帯責任者かよ?」
Aブルー「ピンポーン!」

ついでにお金に困っていない、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「ノルディにたっぷり貰っているしね、お小遣い!」
シロエ 「じゃ、じゃあ…。キース先輩の代わりに…」
Aブルー「このぼくが!」

特別手当を出してもいいよ、と満面の笑み。
さて、どうなる…?


2018/04/25 (Wed)

 

☆束でもオッケー


キース君のお蔭で引きまくるババ、シャン学メンバーの頭痛の種。
特別手当が欲しいというのに、キース君は無給で出せない始末。

Aブルー「無関係なマツカが払うのと違って、ぼくの方なら!」
シロエ 「関係が無いとは言えませんねえ、どう考えても」
サム  「よく考えたら、諸悪の根源、あんたもだよなあ…」

キースだけではなかったっけな、と頷くサム君。

サム  「あんたがキースを追い掛けるせいで、俺たちもよ…」
ジョミー「災難続きで、法要ばっかりやらされてるしね…」

連帯責任で合っているかも、とジョミー君も。

ジョミー「特別手当を出してくれるんなら、それもアリかも…?」
スウェナ「少なくとも、マツカが払うよりかは意味があるわね」
Aブルー「ね、そうだろう? ぼくなら、任せて安心だってば!」

一回限りになることもない、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「ノルディがスポンサーだしね…。もう、いくらでも!」
シロエ 「うーん…。それじゃ、どのくらい出せますか?」

一ヶ月あたりの予算の方は…、とシロエ君の問い。

シロエ 「グレイブ先生が貰ってる額は、知りませんけど…」
サム  「けっこう貰っているんでねえの? 給料の倍とか」
ブルー 「二倍とまでは言わないけどねえ、かなりの額だよ」

他の先生が羨むほどの…、と生徒会長。

ブルー 「ブラウが代わると言ったくらいに、高くはあるね」
シロエ 「そうなんですか…。だったら、ぼくたちだって!」
ジョミー「相応の額が欲しいよね…。特別手当」

本当にババを引いてばかりだし、とジョミー君も溜息。

ジョミー「うんと沢山、貰えるといいな」
Aブルー「それはもちろん!」

ケチりはしない、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「みんなが満足するだけの額を、ちゃんと毎月!」
シロエ 「えーっと…。それは束でもいいんでしょうか?」
Aブルー「一人分が束でもいいけれど?」

一番ゼロの多いお札の束で…、と太っ腹な人。
凄い額ですね…?


2018/04/26 (Thu) 

 

☆肩代わりの代償


キース君のお蔭でババを引かされ、災難続きのシャン学メンバー。
特別手当が欲しいんですけど、キース君は無給で無いのが財源。

ジョミー「束でくれるって…。ホントに、それが一人分なわけ?」
Aブルー「そうだよ、キースの分は要らないから…」

毎月、束が五つってトコでいいのかな、と見回すソルジャー。

Aブルー「それでいいなら、ぼくが特別手当を出すよ」
シロエ 「マジですか!?」
Aブルー「こんな所で嘘はつかないってば!」

もう今月から支払うからね、とソルジャー、実に太っ腹。

Aブルー「今日、支払おうか? …今月の分」
サム  「いいのかよ?」
Aブルー「うん、ノルディにお小遣いを貰ったトコだし」

ぼくの世界から取り寄せるだけ、と溢れる自信。

Aブルー「特別手当を払いさえすれば、何も問題ないだろう?」
シロエ 「そうですね…。今よりは我慢も出来る筈です」
スウェナ「毎月、それだけ貰えるんなら、話は別よね!」

ずっと待遇が良くなるんだし…、とスウェナちゃんも嬉しそう。

スウェナ「この際、貰うことにしましょうよ! 特別手当を!」
一同  「「「イイネ!!!」」」

毎月、束でお小遣いだ、と狂喜する面々ですけれど…。

ブルー 「ちょっと待った! 特別手当はいいんだけどね…」
Aブルー「何か質問があるのかい?」
ブルー 「そう! 君は黙って肩代わりしようと言うのかい?」

何の見返りも求めないで…、と生徒会長、ソルジャーをジロリ。

ブルー 「連帯責任なのは確かだけれどさ、キースはさ…」
Aブルー「返せるアテが全く無いのは、分かっているよ!」

返して貰おうとは思っていない、とソルジャー、即答。

Aブルー「要はキースは今まで通りに、ううん、それ以上に!」
一同  「「「へ?」」」
Aブルー「ぼくのために努力を重ねて欲しいね、坊主として!」
一同  「「「うわー…」」」

その条件はあまりに酷すぎないか、と誰もがドン引き。
今まで以上に強烈なババが…?


2018/04/27 (Fri)

 

☆貰ったら終わり


キース君のお蔭で引きまくるババ、辛い人生なシャン学メンバー。
特別手当を貰おうとしたらキース君は無給で、連帯責任者は…。

Aブルー「キースが頑張ってくれるんだったら、安いものだよ!」
シロエ 「そういう理由で肩代わりですか!?」
Aブルー「他に何があると?」

ぼくだって連帯責任だしね、とニコニコニッコリ。

Aブルー「特別手当を支払っておけば、君たちは満足!」
シロエ 「それとこれとは別件です!」
Aブルー「どうしてだい?」

束で貰えたら嬉しいだろう、とソルジャーの手がヒラリ。

Aブルー「ほら、こんな感じで、お金はたっぷり!」
一同  (((…束だ…)))

本当に札束が五つも出て来た、と生唾を飲み込む御一同様。

シロエ (あ、あんなに沢山貰えるんですか…?)
ジョミー(欲しいけど、…とても欲しいんだけど…!)
サム  (アレを貰ったら、俺たちの人生、マジで終わるぜ…)
Aブルー「あれっ、嬉しくないのかい? ほら、シロエの分」

はいどうぞ、と差し出される束。

シロエ 「え、えーっと…。領収書とかは要りますか?」
Aブルー「要らないよ? ぼくの気持ちだから、受け取って!」
サム  「おい、貰うのかよ? 貰っちまったら…」

後が無いぜ、とサム君が掴むシロエ君の肩。

サム  「貰えば、これから先の災難、全部纏めて…」
スウェナ「引き受けたことになっちゃうのよね、このお金…」

不平不満も言えないんでしょう、とスウェナちゃんも。

スウェナ「一度受け取ったら、もうおしまいよ?」
シロエ 「分かってますよ。…聞いてみただけです」

いったいどういうつもりなのか…、とシロエ君。

シロエ 「貰ったが最後、文句を言うなと言うんでしょう?」
Aブルー「それはまあ…。そしてキースのサポートだよね!」
一同  「「「サポート?」」」
Aブルー「立派な法要が出来るようにね、盛り上げてよ!」

参列してくれる人がいないと、イマイチだから、と。
案の定ですね…?


2018/04/28 (Sat) 

 

☆いくら大金でも


キース君のお蔭で引かされるババ、シャン学メンバーの辛い人生。
特別手当が欲しかったのに、キース君は無給で、くれる人も問題。

Aブルー「法要はとても大切だからね、このくらいのお金は…」
シロエ 「安いものだと言いたいんですね、凄い額ですけど!」
Aブルー「凄いどころか、はした金だね!」

もっと増額したっていいよ、と太っ腹な人。

Aブルー「札束が一つで足りないんなら、二つとかでも!」
一同  (((ふ、二つ…)))

ゼロが一番多い札束が二つ、破格の申し出ですけれど…。

サム  (貰っちまったら、マジで人生、終わるよな…)
ジョミー(タダほど高いものは無いって言うけど…)

有料でも、代償が高すぎる、とジョミー君以下、皆の考え。

Aブルー「二つじゃダメかな、三つくらい?」
シロエ 「三つが四つでも、お断りします!」

特別手当は頂けません、とシロエ君、キッパリ。

Aブルー「えっ、欲しいんじゃなかったのかい?」
シロエ 「魂を売るわけにはいきませんから!」

悪魔なんかに…、と握り締める拳。

シロエ 「貰ったら最後、今以上のババが来るんですしね!」
Aブルー「何を言うかな、これはぼくの気持ちで…」
サム  「でもよ、思い切り期待してるじゃねえかよ」

俺たちに法要の盛り上げ役を…、と僧籍な人。

サム  「そこの所はキースの役目で、俺たちはよ…」
シロエ 「巻き込まれるだけの人でいいんです!」

それなら文句も言えますから、と副住職をギロリ。

シロエ 「特別手当も出せない上に、災難ばかり呼びますからね」
キース 「す、すまん…」

本当にすまん、と土下座で謝る副住職。

キース 「俺に悪意は無いんだが…。しかし、仕様で…」
シロエ 「星回りのことなら諦めてます! でも、それ以上は…」
スウェナ「御免だわよね、いくらお金を積み上げられても」
ジョミー「キースのお金じゃないもんね…」

もっと厄介な人のだから、とジョミー君が竦める首。
大金ですけどね…。


2018/04/29 (Sun)

 

☆出世払いでいい


キース君のお蔭で引きまくるババ、未来が暗いシャン学メンバー。
特別手当も無給なキース君には無理で、連帯責任な人は更に厄介。

Aブルー「お金で良ければ、いくらでも出すけど…」
シロエ 「ぼくも、何度でもお断りします!」

国家予算並みの額が来たって御免ですよ、とシロエ君。

シロエ 「お金で買えないものはあります、売れないモノも!」
サム  「うんうん、人生ってヤツは売れねえぜ」

山ほど金を積まれてもよ…、とサム君も。

サム  「キースが払ってくれるんだったら、貰うけどよ…」
スウェナ「連帯責任な人のお金は、嫌すぎるわよね…」

言論の自由が無くなるものね、と元ジャーナリスト希望の人。

スウェナ「文句くらいは言わせて欲しいわ、好きなだけ!」
ジョミー「だよねえ、お金を貰っても自由が無いと…」
シロエ 「この迷惑な人の下僕になるのと同じですよ?」

キース先輩が持ち込む災厄以上に酷いです、とキッパリと。

シロエ 「ですから、お金は要りません! ビタ一文も!」
Aブルー「そう言わないで、受け取ってよ!」
シロエ 「頂けません!」

今まで通りにタダでいいです、と撥ね付ける申し出。

シロエ 「その代わり、文句は言いますからね!」
サム  「キースにも苦情を言わせて貰うぜ」

それでこそ人生ってヤツじゃねえか、とサム君の笑顔。

サム  「金より自由の方がいいしよ、特別手当の話はよ…」
スウェナ「無かったことにしておきましょうよ、今後のためにも」
Aブルー「そ、そんな…」

遠慮しないで欲しいのに、と言ってますけど、一同、スルー。

シロエ 「無い袖は振れませんからねえ…。仕方ないですよ」
マツカ 「キースがお給料を貰える時まで、気長に待ちましょう」
スウェナ「それがいいわね、何百年でも待たせて貰うわ」
サム  「出世払いで許してやるしよ、いつか頼むぜ」
キース 「…しゅ、出世払い…」

人生終わった、と嘆く副住職。
お先真っ暗みたいですけど、中継終了~。


2018/04/30 (Mon) 



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