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シャングリラ学園つれづれ語り

☆お花見に行きたい


さて、4月。新年度スタートでございます。
とはいえ入学式はまだ先、春休み真っ最中なのがシャン学メンバーで…。

ジョミー「お花見、何処も一杯だよねえ…」
キース 「今年は咲くのが早かったしな…。学校の桜はもう無理だし」

4月に入ったら部活の方も本格化。
去年のような貸し切りは不可能、3月末の土日は許可を取り損なって。

ブルー 「仕方ないだろう、出遅れたんだからさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなでアルテメシア公園に行く?」
サム  「混み混みじゃねえかよ!」

行くまでもない、とぼやくサム君。
皆で集まっている生徒会長の家から公園が見えていますけど…。

マツカ 「桜だけじゃなくて屋台も一杯ありますからね」
シロエ 「お花見スペースも満杯なんじゃないですか?」
スウェナ「平日でも人がゾロゾロ来るものね…」
キース 「花見をするだけでいいんだったら穴場があるぞ」
ジョミー「どこ、どこ?」
キース 「璃慕恩院の境内に見事な桜が」
ジョミー「要らないし!」

抹香臭いのと御仏縁は御免だそうでございます。

ジョミー「お彼岸のお手伝いで疲れ果てたし、もういいよ…」
ブルー 「慰安旅行をしてあげたじゃないか」
ジョミー「うーん…。だけど、今年も乗っ取られたし…」

バカップルに、とジョミー君は大きな溜息。
お彼岸のお手伝いの慰安旅行を乗っ取られてしまうのも毎年恒例。

ジョミー「だから普通にお花見したいな、普通の場所でさ」
キース 「だが、あいつらが湧くんじゃないか?」
ブルー 「その可能性はかなり高いね、お寺だったら来ないだろうけど」

妊娠騒動で懲りた筈だ、と生徒会長。

ブルー 「おかしな御利益が降って湧いたら困るからねえ」
シロエ 「祈願しなければセーフだと主張しそうですけど?」
ジョミー「その前にぼくが嫌なんだってば、お寺なんて!」

御仏縁は当分不要、と仏頂面のジョミー君。
ソルジャー夫妻が湧かない所でお花見となると、お寺が安全圏なのでは?

2013/04/01 (Mon)

 

☆お花見とリスク


シャングリラ学園の桜の貸し切りを逃したばかりに、お花見難民。
璃慕恩院の桜が穴場らしいですけど、お寺はジョミー君が大却下でして。

ジョミー「バカップルが来ないと言っても、お寺じゃ何も出来ないよ」
サム  「だよなあ、桜を見るだけだよな」
ブルー 「そうでもないよ?」

知らないかな、とニッコリ笑う生徒会長。

ブルー 「遅咲きの桜で有名なお寺があるだろう」
キース 「ああ、あそこなら充分、花見も出来るか…」
スウェナ「そうだったの?」
ブルー 「行ったことがないと観光スポットとしか思わないかもね」
シロエ 「もしかしてお弁当OKですか?」
ブルー 「お寺の方で桟敷席とかを用意してるけど?」
サム  「マジかよ、それじゃ弁当も…」
ブルー 「うん。ただし、お寺で売っているのを買うのが条件」
キース 「前はすき焼きもできたらしいぜ」
ブルー 「お寺の境内じゃ流石にマズイ、と最近、禁止されちゃって」
ジョミー「やっぱり基本はお寺じゃない!」

そういう所は嫌なんだけど、とジョミー君は脹れっ面。

ジョミー「お線香の匂いがしそうな雰囲気は却下だってば」
ブルー 「みんな宴会しているけどねえ?」
ジョミー「でも、お寺だし! お寺抜きで!」
キース 「しかし、それだとあいつらが湧くぞ」
シロエ 「ですよね、お寺でも湧きそうなのに」

もうバカップルは沢山です、と言うシロエ君に頷くシャン学メンバー。

シロエ 「ジョミー先輩も要らないんでしょう? バカップルは」
ジョミー「お寺よりかはマシな気がする…」
ブルー 「また大恥をかきたいのかい? 節分みたいに」
キース 「そ、そうだった…。花見だけでは済まないんだったな」
シロエ 「桜よりも注目されちゃいそうですよ、ぼくたちが」
サム  「やっぱり寺にしとこうぜ」
ブルー 「リスクは減らしておくに限るよ」

恥をかきたくなかったら、と生徒会長は申しております。
出遅れたお花見、こんな調子で今から開催出来るんでしょうか?

2013/04/02 (Tue)

 

☆避けたいバカップル


バカップルを避けてお花見するなら、お寺がイチオシだと言う生徒会長。
それでも来るかもしれませんけど、リスクは減らしておくのが吉。

ブルー 「だからね、お寺が売ってるお弁当でもいいんじゃないかと…」
シロエ 「持ち込みは禁止なんですね?」
ブルー 「そういうこと。拝観料とお弁当代が要るわけ」
キース 「確か抹茶の席もあったな」
ジョミー「つまんないし、それ!」

もっと自由に楽しみたい、とジョミー君は不満たらたら。

ジョミー「ぶるぅだってさ、豪華弁当とかの方がいいよね?」
ぶるぅ 「えとえと…。ホントは作りたいけど…」
ジョミー「ほらね、ぶるぅも反対じゃないか!」
ブルー 「でもねえ…。豪華弁当とバカップルだと、どっちがいい?」
ジョミー「リスクが同じなら豪華弁当!」
サム  「こりゃダメだぜ…。弁当に目が眩んでやがる」
ジョミー「違うよ、お寺が嫌なだけ! お花見気分になれないし!」
ブルー 「うーん…。だったら、もっと穴場のお寺とか?」
キース 「弁当OKの寺はそうそう無いだろう?」
ブルー 「無いねえ、桜だけならいいスポットもあるんだけどな」

アルテメシアの北の方に、と生徒会長は地図を広げまして。

ブルー 「峠を二つほど越えて行くけど、ここの桜は素敵だよ」
キース 「枝垂桜だな、聞いた事はある」
ブルー 「でもって、七福神巡りのお寺と宗派が同じで」
シロエ 「ポイント高いじゃないですか!」
スウェナ「バカップルは絶対来ないわよ、そこ」
ジョミー「お寺は却下!」
マツカ 「待って下さい。その近くなら、確か…」

地図を覗き込むマツカ君。
生徒会長が指差すお寺の周辺をチェックしていましたが。

マツカ 「祖父の別荘があるんですよ。庭に桜もあった筈です」
ジョミー「それ、乗ったあ! 別荘だったら、お寺じゃないし!」

お寺でなければ山奥だろうが大賛成、とジョミー君は狂喜しております。
おまけに何やら穴場の予感。シャン学メンバーも興味津々ですよ~。

2013/04/03 (Wed)

 

☆お花見は別荘で


アルテメシアの北の方にあるという、枝垂桜で名高いお寺。
そこの名前が出てきた所で耳寄り情報、マツカ君が別荘がどうとかと…。

マツカ 「田舎ですけど、いいんですか?」
ジョミー「桜があって、お寺じゃなければ最高だってば!」
キース 「あっちの方なら花の盛りも遅い筈だな」
マツカ 「ええ。四月半ばを過ぎることだってありますからね」
スウェナ「それじゃ、今から余裕で間に合うわけね?」
マツカ 「その筈です。…一応、確認してみましょうか?」

執事さんに電話をかけたマツカ君。
暫くしてから折り返し電話がかかって参りまして。

マツカ 「管理人さんの話だと、13日辺りが見頃じゃないかと」
サム  「いいじゃねえかよ、それ、行こうぜ!」
シロエ 「桜はどのくらいあるんですか?」
マツカ 「花を見ながら野点が出来るくらいには」
ジョミー「ノダテ…って、なに?」
ブルー 「屋外でお茶を点てることだよ、いわゆる御茶席」

どうせなら点ててあげようか、と生徒会長はニッコリと。

ブルー 「お坊さんにはお茶の心得も必須だからねえ」
ジョミー「要らないし! それよりお花見弁当だってば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 頑張って作らなくっちゃ!」
ブルー 「まあ、とりあえず決まりってね」
キース 「13日なら土曜日だしな」
マツカ 「じゃあ、車の手配をしておきますね」
ジョミー「よろしく! やったあ、お寺と縁が切れたあ!」
??? 「うん、それはとってもいいことだよね」
一同  「「「!!?」」」

バッと振り返った先で優雅に翻る紫のマント。
ソルジャー(会話表記はAブルー)登場でございます。

Aブルー「お寺に行くなら遠慮しようかと思ってたけど…」
ジョミー「……で、で、で……」
Aブルー「ん?」
一同  「「「出たぁーーーっ!!!」」」

オバケでも出たかのような、この悲鳴。
バカップルが出たわけではなく、まだ片割れの段階ですが…。
シャン学メンバー、思い切り受難フラグですかねえ?

2013/04/04 (Thu)

 

☆関係者以外お断り


お花見難民から一転しまして、マツカ君の別荘で優雅にお花見。
見頃の方もまだ先とあって、万々歳な所へソルジャーが出て参りまして。

Aブルー「御挨拶だねえ…。出たって何さ、失礼な!」
ジョミー「で、で、でも…」
キース 「出たのには違いないだろうが!」
ブルー 「そうだよ、誰も呼んでいないし!」

これからお花見の相談なのだ、と生徒会長はツンケンと。

ブルー 「マツカが手配をしてくれるんだし、関係者以外はお断り!」
Aブルー「関係者だと思うけど?」
ブルー 「どの辺がさ!」
Aブルー「マツカの家の別荘なんだろ? いつも行ってる」

海のヤツに、とソルジャーは強気。

Aブルー「ぼくもハーレイもお馴染みさんだし、ぶるぅもね」
一同  「「「………」」」
Aブルー「ほら、反論の余地も無い! じゃあ、決まりで」
ブルー 「勝手に話を先に進めないで欲しいんだけど?」
Aブルー「そう来たか…。だったら、ぶるぅも追加だね」
ブルー 「は?」
Aブルー「ぼくとハーレイとで来ようと思っていたんだけどさ…」

それじゃ関係者じゃないんだろ、とソルジャーは皆を見回して。

Aブルー「ぶるぅが入れば立派に別荘お馴染みメンバー! 関係者だよ」
ブルー 「ちょ、ちょっと…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぶるぅも来るの? わーい、楽しみ―!」

お弁当、うんと沢山いるよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大喜び。
「ぶるぅ」と言えば悪戯っ子の大食漢で。

ブルー 「ぶ、ぶるぅは……お花見向けのキャラじゃないかと…」
Aブルー「どこが? 関係者以外お断りだろ、必須の面子だ」

揃って休暇を取らなくちゃ、とソルジャーは算段しております。

Aブルー「こないだ、旅行で揃って出掛けたばかりだし…」
ブルー 「日程調整が難しいだろ、お勧めしないよ」
Aブルー「まだ先だしね? なんとかなるって!」

救出作戦を前倒しして…、などとソルジャー、検討中。
関係者以外お断りだと言ったばかりに、えらい事態に…?

2013/04/05 (Fri)

 

☆お子様も追加で


バカップルだけでも災難なのに、よりにもよって「ぶるぅ」とは…。
おませな上に悪戯小僧の大食漢を招かれたのでは、お花見転じて惨劇で。

ブルー 「救出作戦の前倒しなんて、やめといた方が…」
キース 「俺もそう思う。綿密な計画を立てたんだろうし…」
Aブルー「ハーレイ的にはそうかもね。毎回、眉間に皺を寄せてる」
ブルー 「だったら無茶はやめたまえ!」
Aブルー「救助班を出すからややこしいんだよ、出さなければいい」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「ぼくが一人で行けばいいんだ、それで一発解決だってば」

面倒事は一切なし、とソルジャーは不敵に笑っております。

Aブルー「潜入活動とかが要らないしねえ? 行って帰れば終わりだし」
ブルー 「それって、まさか…」
Aブルー「もちろん瞬間移動だよ。青の間発で戻って来るのは格納庫!」

そこでハーレイたちが出迎えるだけ、と言うソルジャー。
どうやら過去にも経験多数な裏技のようでございます。

Aブルー「というわけだから、心配無用さ。お花見は13日だっけ?」
ブルー 「ほ、本当に来るつもりなわけ?」
Aブルー「当然だろう? ぶるぅもきっと大喜びさ」
一同  「「「……ぶ、ぶるぅ……」」」
ぶるぅ 「わぁーい、ぶるぅだぁー!!!」

いっぱい遊んで食べるんだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は喜色満面。
お友達が来るのは嬉しいでしょうが…。

サム  「ぶるぅかよ…」
シロエ 「花より団子の典型ですよね、あのキャラは…」
スウェナ「食べ物しか頭に無いものねえ…」
Aブルー「違うよ、悪戯と食べ物だよ」
ブルー 「そんなのを連れてこないで欲しいんだけど!」
Aブルー「関係者以外お断りだと主張したのは君だろう?」
ブルー 「そ、そうだけど…」
Aブルー「じゃあ、決定! マツカ、三人追加でよろしくね」

大人二名と子供が一名、とソルジャー、完全に仕切っております。
普通の子供だったら無問題ですが、「ぶるぅ」じゃ色々難有りですよ…。

2013/04/06 (Sat)

 

☆お子様と実年齢


子供も一名追加でよろしく、とソルジャーは気軽に言ってくれますが…。
問題なのは子供の質でございます。

ブルー 「子供って簡単に言うけどねえ…。ぶるぅはちょっと」
Aブルー「ぶるぅは立派な子供だよ? 年齢的にも」

「そるじゃぁ・ぶるぅ」より遙かに若い、と威張るソルジャー。

Aブルー「こっちのぶるぅは6歳以上にならないだけでさ、実際は」
ぶるぅ 「子供だもん! ぼく、学校も行かないもん!」
Aブルー「だけどブルーと同じくらいに長い年月、生きてるよねえ?」
ぶるぅ 「そうだけど…。大人の話は分からないもん!」

ぶるぅの方が大人だもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大真面目。

ぶるぅ 「いろんなことを知ってるし…。ぼくより絶対、賢いもん!」
Aブルー「ぶるぅも習えば覚えられるよ、頑張ってみれば?」

実践するのが一番だ、とソルジャーはニヤニヤしております。

Aブルー「ぼくで良ければ先生になってあげるけど?」
ぶるぅ 「先生って?」
Aブルー「大人の時間の先生だってば、今日から見学に来ればいい」
ブルー 「やめたまえ!」
Aブルー「そういう姿勢がいけないんだよ。性教育っていうのも大切!」
ブルー 「君のは逸脱してるだろう!」

性教育と銘打つのなら子供を作れ、と生徒会長。

ブルー 「でもって出産までを責任を持って教えるんだね」
Aブルー「そ、それはちょっと…」
ぶるぅ 「ねえねえ、セイキョーイクって、なあに?」
ブルー 「ブルーが赤ちゃんを産むそうだ」
ぶるぅ 「えっ、ホント?」

今度はちゃんと生まれるの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の瞳がキラキラ。

ぶるぅ 「それなら今日から見学に行く!」
ブルー 「だってさ、子作りに励んでくれたまえ。ぶるぅのためにね」
Aブルー「子作りだけは御免だってば、ぼくが損するだけなんだから!」

産んでたまるか、と逃げ腰のソルジャー、いささかピンチでございます。
性教育と主張するんだったら、ちゃんと産まなきゃダメですよねえ?

2013/04/07 (Sun)

 

☆とにかくお花見


「そるじゃぁ・ぶるぅ」に大人の時間を見学しろと言ったソルジャー。
見学させるなら子供を産め、と生徒会長にガッツリ釘を刺されまして…。

Aブルー「ぶるぅ、ぼくは子供は産めない身体で…。だから無理!」
ぶるぅ 「そうなの? でも…。この前、産むってお話だったよ?」
ブルー 「うんうん、御利益パワーでね。さあ、頑張って」
Aブルー「頑張ってどうこうって話じゃないし!」

夫婦和合だけで充分なのだ、とソルジャーは腰が引けております。

Aブルー「子供が出来ると夫婦和合の時間が削られちゃうからねえ…」
ブルー 「そこの所をクリアしてこそだと思うけど?」
キース 「出来もしないのに、ぶるぅに余計な知識を教えるな!」
Aブルー「わ、分かったよ! もう言わないから、とにかくお花見!」

大人二名と子供一名、と言うなり姿がパッと消え失せ、ソルジャー逃亡。

ブルー 「…逃げられたか…」
ぶるぅ 「えーっと…。帰っちゃったけど、見学のお話は?」
キース 「忘れろ、ぶるぅ。今は花見が肝心だ」
シロエ 「そうです、お弁当を作るんでしょう?」
サム  「おせちみたいに豪華にいこうぜ、ドッカンと!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、頑張る!」

お料理大好き、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の意識は逸れたみたいです。
ケロリと忘れてしまう辺りも小さな子供の特権で。

ぶるぅ 「13日だよね。ぶるぅも来るし、ホントに楽しみ~♪」
ブルー 「…予備の食料が沢山要るかな…」
キース 「コンビニ弁当でいいと思うぞ、ぶるぅの胃袋対策は」
ジョミー「絶対、質より量だもんねえ。ぶるぅだしさ」
スウェナ「数と種類があればいいんじゃないかしら?」
マツカ 「じゃあ、車とセットで手配しますね」
ブルー 「コンビニ弁当でいいんだよ、マツカ。それで充分!」
キース 「思いっ切り猫に小判だからな」

いいお弁当を用意しておく必要は無い、と意見が一致。
底抜けなのが「ぶるぅ」の胃袋、妙な話を封じるためにも満腹あるのみ?

2013/04/08 (Mon)

 

☆お花見にはコレ


悪戯大好き、おませな「ぶるぅ」。
せっかくのお花見、大人の時間の話題なんかでブチ壊されたら大変です。

ブルー 「えーっと…。車とコンビニ弁当の手配は済んだし…」
キース 「ぶるぅはひたすら食わせておこう」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お腹一杯になったら遊ぶんだもん!」

追いかけっことか楽しそうだよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
お花見は明日に迫っておりまして、お天気の方もいい感じ。

ジョミー「ぼくたちは豪華弁当だよね?」
ぶるぅ 「うん! 御馳走、沢山作るから!」

早く明日にならないかな、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はワクワクで。
シャン学メンバーもお花見の話題で盛り上がり中。

シロエ 「マツカ先輩、桜は満開なんですよね?」
マツカ 「ええ。今朝で八分咲きだと聞いてますから、見頃ですよ」
スウェナ「素敵ね、別荘の桜を貸し切り!」
サム  「この辺の桜、葉桜だしなあ…。ホント、マツカに感謝だぜ」
ブルー 「だよね。有難く見せて貰わなくっちゃ」

バカップルと「ぶるぅ」は忘れるべし、と生徒会長。

ブルー 「バカップルは二人の世界の筈だし、ぶるぅは食べ物で封印だ」
キース 「そうだな、この際、無視するに限る」

乱入してきた方が悪い、とキース君が親指を立てた所で。

Aブルー「こんにちは」
一同  「「「で、で、で…」」」

出たぁーーー!!! と響き渡った全員の悲鳴。
しかしソルジャー、意に介さずに。

Aブルー「炭は上等のがいいんだよ」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「でもって、お肉も最高級だと嬉しいんだけど」
ぶるぅ 「えとえと…。炭火焼肉のお弁当がいいの?」

お花見弁当らしくないけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は不思議そう。

ぶるぅ 「それって、ぶるぅのお弁当なの?」
Aブルー「そうじゃなくって…。お花見には必須らしいじゃないか」

炭と肉が無いとダメなんだろう、と言われましても。
お花見するのに豪華弁当なら分かりますけど、何故に炭とかお肉とか…?

2013/04/09 (Tue)

 

☆お花見いろいろ


明日はお花見という日に突然やって来たソルジャー。
炭とお肉が必須だなどと言い出しまして、シャン学メンバーは軽く混乱。

ジョミー「お花見に炭って要ったっけ?」
キース 「篝火だったら分かるんだがな…」
サム  「それだと肉は要らねえぜ?」
Aブルー「あれっ、君たちも言ってなかった? すき焼きがどうとか」
ブルー 「ああ、アレね。あれはお寺の境内のヤツで今は禁止さ」
Aブルー「そこは禁止かも知れないけれど…。ぼくも一応、調べたから」

こっちの世界のお花見について、と威張るソルジャー。

Aブルー「ノルディのパソコンを貸して貰って、やっぱり炭だと」
ブルー 「何処から炭が出てくるのさ!」
Aブルー「コンロの貸し出しって書いてあったよ、使える場所とかも」
一同  「「「コンロ?」」」
Aブルー「うん。お花見にはジンギスカンをやるんだって?」

なかなか派手な煙らしいね、とソルジャーは笑顔でございます。

Aブルー「ジンギスカンとかバーベキューとか、とにかくモクモク」
ブルー 「それって地域限定なんじゃあ…」
キース 「北の方ではやると聞いたな」
Aブルー「そうでもないよ? 煙モクモクは北かもだけど、他の所でも」

お花見とバーベキューで検索すると色々ヒットするのだとか。

Aブルー「アルテメシアでも出来る所はありますか、って質問もあった」
ブルー 「…多分、皆無だと思うけど?」
Aブルー「無かったねえ…。で、ぼくとしては煙に憧れるわけ」
ブルー 「なんで?」
Aブルー「ぼくのシャングリラじゃ無理だからだよ、煙はマズイ」

船内の公園の桜なんだし、とソルジャーは上を指差して。

Aブルー「煙は上に流れるだろう? ブリッジを燻すわけにはねえ…」
ブルー 「確かに。…ついでにブリッジクルーの士気も下がりそうだね」
Aブルー「そうなんだ。匂いだけだと絶対、下がる」

かと言って勤務中に差し入れは禁止だし…、とソルジャーは溜息。
煙モクモクなお花見を希望のようですねえ…。

2013/04/10 (Wed)

 

☆お花見には煙


煙モクモクなお花見に憧れるのだと言うソルジャー。
シャングリラの公園の桜では出来ないだけに、煙を上げたいそうでして。

Aブルー「こっちなら気兼ねしないで派手にモクモク出来るしさ」
ブルー 「うーん…。でもさ、本来お花見って言うのは」
Aブルー「お弁当だって? だけど、前はすき焼きもあったんだろう?」

すき焼きもジンギスカンも似たようなものだ、とソルジャーは指摘。

Aブルー「だからジンギスカンとかバーベキューとか!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ それも楽しそう!」
サム  「だよなあ、なんか面白そうだぜ」
ジョミー「でもさあ…。ぶるぅが来るんだよね?」
シロエ 「肉の争奪戦がキツそうですね…」
キース 「それ以前に俺たちが食う分の肉が残ると思うのか?」
一同  「「「あー………」」」

肉どころか何も残らないかも、と誰もが遠い目。
大食漢の「ぶるぅ」が混ざったジンギスカンなぞ、負けは必至で。

ブルー 「却下だね。ぼくたちは桜も見たいけど御馳走も食べたい」
キース 「ぶるぅにはコンビニ弁当を用意することになっているしな」
Aブルー「ああ、その点なら大丈夫! ぶるぅは一人鍋にするから」
一同  「「「一人鍋?」」」
Aブルー「そう。ぼくもゆっくり肉を焼きながら食べたいしね」

ぶるぅには専用コンロを与える、とまで言われたのでは反対も出来ず。

ブルー 「仕方ないか…。じゃあ、ジンギスカンとバーベキューで」
ぶるぅ 「お花見弁当もちゃんと作るよ、好みで食べてね♪」
マツカ 「コンロの手配もしておきます。ぶるぅ用のも」
Aブルー「あ、ぶるぅのコンロは持ってくるから」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「マイ・コンロだよ、一人前になった気分がするだろう?」
ブルー 「マイ・コンロねえ…」
Aブルー「というわけで、明日はよろしく。炭と肉もね!」

じゃあね、とソルジャーは帰ってゆきましたけども。
煙モクモクにマイ・コンロとは、カオスなお花見になりそうですねえ…。

2013/04/11 (Thu)

 

☆お花見の前に


やって来ました、13日の土曜日。
絶好のお花見日和ですけど、生徒会長宅へ向かうシャン学メンバーは…。

ジョミー「ドタキャンしてくれればいいのになぁ…」
キース 「バカップルか? それとも、ぶるぅか?」
ジョミー「両方だったら嬉しいけれど、どっちかだけなら…」
シロエ 「バカップルですね」
サム  「そうかぁ? ぶるぅだけ来てもいいのかよ?」
一同  「「「………」」」

それはコワイ、と震え上がる一同。
悪戯大好き、おまけにおませな大食漢が単独参加となりますと…。

キース 「花見以前の問題だな、それは」
サム  「だろ? 歩く迷惑行為だぜ」
シロエ 「それはバカップルでも変わらないんじゃあ…」
スウェナ「あっちはドカ食いしないわよ?」
ジョミー「うーん…。三人揃ってドタキャンってことは…」
マツカ 「有り得ないでしょうね、どう考えても」

あれだけ仕切り倒していたんですし、とマツカ君。
車とコンビニ弁当の手配に加えて炭だの肉だのと忙しかったらしく。

マツカ 「ジンギスカンとバーベキューも手配しましたけれど…」
キース 「センスを疑われなかったか?」
マツカ 「ぼっちゃまのお友達の御趣味ですか、と訊かれました」
ジョミー「そ、それ…。なんて返事したわけ?」
マツカ 「そうです、としか答えられないでしょう?」
一同  「「「うわー………」」」

お花見にジンギスカンとバーベキューなキャラ認定。
マツカ君の執事さんの頭の中ではエライことになっていそうです。

シロエ 「会長の趣味です、で良かったんですよ、マツカ先輩!」
キース 「そうだな…。あいつだったら何でもアリだ」
ブルー 『誰が何でもアリだって!?』
ジョミー「ひぃぃっ、ごめんなさい、ごめんなさいーっ!!!」
ブルー 『分かればいいんだ、分かればね』

早く集合するように、と生徒会長の怒りの思念波。
待ち合わせ場所はマンションの玄関前でございます。
はた迷惑な三人、間違いなく揃っているんでしょうねえ…。

2013/04/12 (Fri)

 

☆カオスな幕開け


シャン学メンバー、執事さんにお花見のセンスを疑われている可能性大。
足取りも重く生徒会長が住むマンションに辿り着きますと…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ お弁当、いっぱい作ったよ~!」
ブルー 「いい天気になって良かったよね」
Aブルー「やあ。もう、楽しみで昨夜はロクに眠れなくってさ」
A船長 「眠れないからもう1回、と何度も何度もせがまれまして…」

お身体の方は大丈夫ですか、とキャプテンが問えば隣に小さな影が。
出ました、「ぶるぅ」でございます(会話表記は「Aぶるぅ」)。

Aぶるぅ「あのね、ハーレイ、凄かったんだよ!」
Aブルー「だよね、お前もビックリだよね」
Aぶるぅ「えーっと、何回目のヌカロク超えだっけ?」

節分からこっち凄いよね、と「ぶるぅ」はニコニコ顔でして。

Aぶるぅ「だからね、ブルーも最後はグッスリ爆睡だったの!」
Aブルー「お蔭で気分スッキリなんだよ、お花見、楽しまなくっちゃね」
A船長 「そうですか。頑張った甲斐がありましたよ」
Aブルー「今日もしっかり栄養つけてよ? でもって今夜も…」
Aぶるぅ「ヌカロク超えに挑戦だよね!」

わぁーい! と「ぶるぅ」は飛び跳ねておりますが。
朝っぱらから大人の時間な会話が爆発、シャン学メンバー、脱力MAX。

キース 「俺は彼岸が見えそうだぜ…」
Aブルー「彼岸って確か極楽だよねえ? ぼくの分の蓮もよろしくね」

阿弥陀様から一番遠い蓮でハーレイの肌の色が映えるヤツ、との御注文。
祈らされているキース君には頭痛の種というヤツで。

キース 「やかましい! 欲しけりゃ自分でお念仏だ!」
Aブルー「それはパス! ヌカロクともどもハーレイにお任せ!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ ハーレイ、頑張ってるもん!」
A船長 「ブルーのためなら努力あるのみです」
Aブルー「夫婦和合で末永く、だよね!」

お花見気分も消し飛びそうなヌカロク連呼。
ジンギスカンとかマイ・コンロ以前に、激しくカオスな幕開けですよ…。

2013/04/13 (Sat)

 

☆そろそろ出発


集合した途端に大人の時間な会話が炸裂、シャン学メンバー早くも受難。
こんな面子でお花見なのか、と遠い目になってしまいそうですが…。

Aブルー「それで、今日は何処まで行くんだって?」
マツカ 「アルテメシアの北の方ですよ、ちょっと時間がかかります」
ブルー 「ドライブだと思えば丁度いいかな、途中で桜も見られるしね」

標高が高くなってゆくので桜があるそうでございます。
アルテメシアではとっくの昔に葉桜だけに、車窓の景色にも期待大。

Aブルー「行き先だけじゃなくって途中も桜かぁ…」
A船長 「それは素晴らしそうですね。あなたは桜がお好きですし」
Aブルー「桜も好きだけど、お前も好きだよ」
A船長 「私もです、ブルー…」

人目も憚らない熱いキス。
バカップルは今日も絶好調で。

ジョミー「…出掛ける前からコレなんだ…?」
キース 「先が思いやられるなんてレベルじゃないな」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ パパとママが仲良しなのはいいことだもん!」
Aブルー「ふふ、お前も幸せ一杯だよねえ?」
Aぶるぅ「うん! お花見も連れて来て貰えたし!」
Aブルー「ということで、今日はよろしく。…えーっと、車は…」
マツカ 「あそこです。肉とか野菜は積んであります」

載せる荷物はどれですか、とマツカ君が尋ね、運転手さんがこちらへと。

運転手 「お弁当は保冷庫がいいですね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ よろしくお願いしまぁーす!」
運転手 「他に載せる物はありますか?」
Aブルー「ぶるぅ、コンロは?」
Aぶるぅ「えとえと…。ブルーに買ってもらったコンロだし…」

どうしようかなぁ、と「ぶるぅ」は悩んでおります。

ブルー 「そんなに大事なコンロなのかい?」
Aぶるぅ「なんか特別製なんだって!」
運転手 「大丈夫ですよ、しっかり固定しますから」
Aぶるぅ「じゃあ、お願い!」

持って乗るには大きすぎるもんね、と包みを預けていますけど。
特別製のコンロだなんて、七輪とかの類でしょうか…?

2013/04/14 (Sun)

 

☆バカップルと桜


「ぶるぅ」が預けたマイ・コンロ。
梱包された中身が気になりつつも、シャン学メンバーたちも車に乗って。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
Aぶるぅ「しゅっぱぁ~つ!!」

並んで座った「そるじゃぁ・ぶるぅ」と「ぶるぅ」は御機嫌。
子供二人は実に微笑ましい光景です。しかし…。

Aブルー「楽しみだねえ、二度目のお花見!」
A船長 「シャングリラでは二人きりとはいきませんしねえ…」
Aブルー「毎年、二人で夜桜だもんね」

あれはあれで素敵なんだけど、と並んで座るバカップル。

Aブルー「あの時間もぼくは気に入ってるよ、うん」
A船長 「…私はちょっと…。やはりブリッジが気になりますし…」
Aブルー「シールドしてるって言ってるじゃないか、大丈夫だよ」
A船長 「それは分かっておりますが…」
Aブルー「一回だけっていうのがねえ…。欲求不満になりそうだってば」

桜の下でもヌカロク超え! と、とんでもない台詞を吐くソルジャー。
一同、ゲゲッと息を飲む中、生徒会長が果敢に注意。

ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「えっ、なんで? こっちでやるとは言っていないよ」

その辺の所は心得ている、とソルジャーはやたら偉そうに。

Aブルー「これだけ面子が揃っているとね、ハーレイだってヘタレるし」
ブルー 「そういう問題じゃないってば!」
Aブルー「それにお花見優先だしさ。二人っきりでお花見なんだよ?」
ブルー 「ぼくたちだっているだろう!」
Aブルー「君たちは大した障害じゃない。要は二人の世界が大切!」

ねえ、ハーレイ? と訊かれたキャプテン、笑顔で頷きまして。

A船長 「ええ、私には桜よりもあなたですよ」
Aブルー「ぼくはお前も桜も…かな? 欲張りなのは知っているよね」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ いつもハーレイを食べてるもんね!」
一同  「「「…………」」」

行きの車中から、この試練。
峠を越えてゆく車窓から桜が見えてますけど、既に泣きたい気持ちかも?

2013/04/15 (Mon)



 

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☆波乱な糠味噌


抜かず六発、略してヌカロク。
キャプテンの解説が途切れたばかりに、シャン学メンバーは糠だと誤解。

ジョミー「前から気になっていたんだよねえ、ヌカロクってさ」
シロエ 「分かってみれば単純でしたね、古女房ですか」
キース 「まあ、あれだ。古女房の機嫌を取るのも大切だろう」
サム  「だよなぁ、喧嘩になったら悲惨だぜ」
マツカ 「ドラマなんかだと包丁が出てくることもありますからね」
スウェナ「あら、包丁よりもサイオンの方が怖いわよ?」
ジョミー「だよね、一撃必殺だしね!」

ワイワイ盛り上がるシャン学メンバー、謎が解けて狂喜しておりますが。

Aブルー「だから糠味噌じゃないんだって!」
A船長 「そうです、ブルーは古女房ではないですし…」
ブルー 「古女房だろ、思い切り付き合い長い筈だよ」
A船長 「しかし、私たちはまだ新婚でして…」
ジョミー「…あれ? だったらやっぱり糠じゃないわけ?」
Aブルー「言ったらブルーに殺されそうだし、言わないけどさ…」
A船長 「糠でないのは本当です」
サム  「えーーーっ? 違うのかよ?」
シロエ 「やっと分かったと思ったんですが…」
キース 「仕方ない、これも今後の課題だ」
ブルー 「その前に忘れる努力をしたまえ!」

バカップルに付き合う必要は無い、と生徒会長、不機嫌MAX。
この辺で話題を切り替えないと場が荒れそうでございます。

キース 「分かった、今は忘れておこう。しかし…」

言葉に詰まったキース君。
どういう話を振ればいいのか、救いを求めてキョロキョロと。

キース 「………」
ハーレイ「なんだ、話のネタが無いのか?」

任せておけ、と豪快に笑った教頭先生、ソルジャーに視線を向けまして。

ハーレイ「ザッハトルテは如何でしたか?」
Aブルー「ああ、アレね! 十個も貰うと嬉しいよね」
ハーレイ「ホワイトデーの基本は倍返しですし、頑張りました」

話は見事にザッハトルテへ。
しかしソルジャー、教頭先生にチョコを五個…?

2013/03/16 (Sat)

 

☆ホールで食べた人


ホワイトデーの基本は倍返し。
ソルジャーにチョコを貰った教頭先生、ザッハトルテを十個もお返しに。

ブルー 「ハーレイにチョコを五個だって!?」
Aブルー「うん。でもさ、甘いものはダメだって言うし、小さいのをね」
ハーレイ「お気遣いありがとうございました。美味しかったですよ」
ブルー 「食べたわけ?」
ハーレイ「せっかく選んでくれたんだしな」
A船長 「私も同じのを貰いましたが、あれはなかなか」

ソルジャーのチョコ、ビターでウイスキー入りのボンボン。
甘いものが苦手でもそれなりにいけたようでして。

A船長 「しかしブルーがホールで食べていたザッハトルテは…」
ハーレイ「お召し上がりになったのですか?」
A船長 「凄いですね、と呆れていたらフォークで差し出されまして」
Aブルー「食べたいのかな、と思ってさ。沢山あったし」
A船長 「私の口には合いませんよ。クリームだけでも甘すぎです」
ブルー 「本気でホールだったんだ…」
Aブルー「当然じゃないか! 日持ちはするって言われたけれど…」

貰ったら思い切り食べなくちゃ、と笑顔のソルジャー。

Aブルー「食事代わりにホールで食べてさ、おやつに午前と午後に半分」
キース 「あんた、栄養が偏るぞ…」
Aブルー「平気だってば! ノルディに貰ったお菓子も食べてる」

それでバランスが取れる筈、と言うのは焼き菓子。
高級ブランドのを箱で山ほど貰ったそうでございます。

Aブルー「ぼくはお菓子で栄養補給で、ハーレイはしじみ汁ってね」
ハーレイ「そ、そうですか…。どうぞお幸せに」
A船長 「もちろんです。目標はヌカロク超えですよ!」
Aブルー「というわけで、今日も栄養つけなくちゃ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 新鮮なお魚、買っといたからね!」
Aブルー「ありがとう。お菓子もいいけど、お寿司もいいよね」

ハーレイと夫婦仲良く手巻き寿司、と言われましても。
またバカップルが食べさせ合いで「あ~ん♪」とやられるわけですか…?

2013/03/17 (Sun)

 

☆違いが分かる人


ザッハトルテをホールで四個も食べたソルジャー。
しかもエロドクターからせしめた焼き菓子を間に、という天晴れぶりで。

ブルー 「昨日の今日で手巻き寿司ねえ…」
Aブルー「いいじゃないか、ぼくが食べたいんだから」
キース 「ザッハトルテと寿司か…。食い合わせだと笑えるんだが」
サム  「一晩過ぎたら意味ねえんじゃねえの?」
シロエ 「でしょうね、今朝もホールで食べたというなら別ですけれど」
Aブルー「それはない! 手巻き寿司に備えて今朝はお茶だけ!」

うんと沢山食べなくちゃ、とソルジャーは胸を張っております。
キャプテンの朝食もお茶だけだったそうでして。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ だったら急いで用意するね!」
Aブルー「頼むよ、地球ならではの海の幸!」
ブルー 「今日はいい魚が揃ったらしいよ、残念ながら」
Aブルー「残念って何さ、いいことだろ!」
ブルー 「バカップルには勿体ないな、と思うんだよねえ…」

味なんか分からないだろう、と生徒会長、大きな溜息。
バカップルの食事スタイルは「あ~ん♪」な食べさせ合いですし…。

Aブルー「失礼な! 食べ物の味くらい分かってるってば」
A船長 「こちらの食事は美味しいですしね」
ブルー 「ふうん…? まあ、いいけどさ」
ぶるぅ 「お待たせー! 好きなのを巻いて食べてよね!」

机の上に新鮮な魚や貝を盛り合わせた大皿がドカンと幾つも。
青紫蘇にカイワレ、海苔のお皿もドカドカと。

ぶるぅ 「御飯もいっぱい炊いたから! まだまだあるから!」
全員  「「「いっただっきまーす!!!」」」

最上級のお酢とお米で寿司飯もいい味。

Aブルー「はい、ハーレイ。あ~ん♪ うんと栄養つけといてよ?」
A船長 「どうぞ、ブルー。あ~ん♪」
Aブルー「ん…。次から御飯を多めにしてよね、美味しいからさ」

この御飯だけで何杯でもいけそうな感じ、とソルジャーはベタ褒め。
寿司飯の味が分かるとは意外ですけど、御馳走する甲斐がありますよね!

2013/03/18 (Mon)

 

☆寿司飯が好きな人


「そるじゃぁ・ぶるぅ」が朝一番に魚市場で仕入れた新鮮な魚介類。
それだけで食が進みそうですけど、ソルジャーは寿司飯もお気に入りで。

Aブルー「ハーレイ、御飯はもっと厚めで」
A船長 「またですか? これでは手巻きと言うよりも…」
キース 「もはや巻き寿司の世界だな。普通は具の方が多いと思うが」
ジョミー「だよねえ、いろんなヤツをいっぱい入れてさ」
Aブルー「食べ方は個人の自由だろう!」
ブルー 「そんなに寿司飯が気に入ったのかい?」
Aブルー「うん! 甘いものを昨日、山ほど食べたせいかもね」

この酸っぱさがいいんだよ、とソルジャーはニコニコ顔ですが。

ブルー 「酸っぱさって…。そういえば、寿司飯が食べたくなるって…」
キース 「なんだ?」
ブルー 「無性に寿司飯を食べたくなるって聞いたことが…」
Aブルー「何の話さ?」
ブルー 「君を見てると気になってきた。散々祈願しまくっていたし」
Aブルー「だから、何を?」
ブルー 「こないだの節分! 夫婦和合と子孫繁栄」
Aブルー「ああ、あれね。お蔭で御利益たっぷりだよ?」
A船長 「そうです、更にしじみのパワーが」
ブルー 「しじみはともかく、お願いの方! 聖天様の特別祈祷も…」
キース 「あったな、どこの寺かは知らないが」

七福神巡りで会ったお坊さんが引き受けてくれた特別祈祷。
効くと評判の聖天様を祭る実家のお寺に、ドンとお任せコースです。

ブルー 「聖天様は御利益絶大と聞くからねえ…。もしかしたら…」
Aブルー「七代分の福を一代で、だっけ? よく効いてるよ」
ブルー 「それが迷信なことを切に祈るよ」
Aブルー「なんで?」
ブルー 「子孫にも福は必要だから!」
A船長 「私たちに子孫は有り得ませんが…?」
ブルー 「でも…。寿司飯が食べたくなるらしいんだよ、つわりの時は」
一同  「「「つわり!?」」」

とんでもない単語に一同、目が点。
まさかソルジャー、御利益の果てに子宝を授かってしまいましたか?

2013/03/19 (Tue)

 

☆一種の初期症状


生徒会長の口から出てきた斜め上な単語。
寿司飯が美味しいと言っているソルジャー、つわり疑惑だそうでして…。

ハーレイ「つ、つわり…? ブルーがか…?」
ブルー 「そう。身に覚えだけは嫌と言うほどある筈なんだよ」
Aブルー「身に覚えって?」
ブルー 「毎晩派手にやってるんだろ、節分以来!」
キース 「聖天様なら不可能も可能になるかもな…」
Aブルー「なんだか話が見えないんだけど、つわりって何さ?」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「つわりの意味だよ、聞いたことがない言葉だしね」
ブルー 「…な、なるほどね…」

ソルジャーの世界に自然出産はございません。
つわりなんぞはとっくの昔に死語になってしまっているわけで。

ブルー 「なんて言ったらいいんだろう…。初期症状…?」
Aブルー「えっ、何の? 感染症はマズイんだけど」
A船長 「感染症だと隔離ですねえ、場合によっては帰れませんよ」

こちらでお世話にならないと、とキャプテンの眉間にググッと皺が。
病原菌など持ち帰られたら大惨事なのがソルジャーの世界。

Aブルー「ホワイトデーに来た時にうつったかな?」
ブルー 「それは無い! そもそも原因はウイルスじゃないし」
Aブルー「虫さされとか?」
ブルー 「うーん…。つわりだったら原因は君の身体の中だね」
A船長 「寄生虫ですか?」
ブルー 「まるで似てないこともない。虫じゃないけど」
Aブルー「勿体つけてないで早く言ってよ、原因と、それの対策と!」
ブルー 「特に対策って無いんじゃないかな、対症療法?」
A船長 「そんな厄介なものですか? 感染の危険は高いのでしょうか」
ブルー 「ううん、そっちの心配は皆無。ただし安静にした方がいい」
Aブルー「安静?」
ブルー 「不安定なんだよ、妊娠初期は!」
Aブルー「妊娠だって!?」

なんでぼくが、とソルジャーは口をパクパクさせております。
キャプテンも絶賛硬直中。
感染症も困りますけど、妊娠となればソルジャーは…?

2013/03/20 (Wed)

 

☆御懐妊おめでとう


つわりという言葉すら知らなかったソルジャーですが。
いきなり妊娠初期と言われて軽くパニック、声もまともに出せない状態。

Aブルー「…に、妊娠……。ど、どうしてそんな……」
ブルー 「七福神と聖天様の御利益だろ? まずはおめでとう」
Aブルー「お、おめでとうって…」

いったい何処が目出度いのだ、とソルジャーは理解できない様子。
妊娠自体が無い世界だけに、無理もない話でございます。

ブルー 「子供が出来るのはお目出度いんだよ、普通はね」
キース 「無事に生まれたら色々と派手に祝うんだぞ」
スウェナ「私たちもお祝いするべきかしら?」
ブルー 「そりゃそうさ。やっぱり定番はベビー服かな」
Aブルー「ちょ、ちょっと…。ぼくはどうなってしまうわけ?」
ブルー 「さあ? ぼくも出産経験は無いし」
A船長 「安静だとか仰いましたね、それは必要なのですか?」

なんとか立ち直ったらしいキャプテン、船長の顔で質問を。

A船長 「ブルーはこれでもソルジャーですから、そう簡単には…」
ブルー 「戦闘なんかもっての外だよ、流産したらどうするのさ!」
Aブルー「流産って?」
ブルー 「せっかくの子供が死んじゃう結末!」
Aブルー「うーん…。シャングリラ中のミュウの命には代えられないか」
A船長 「そ、それは…! で、出来れば避けて頂きたいと…」
Aブルー「何を? 戦闘、それとも流産の方?」
A船長 「流産です! この際、戦闘班を新たに結成してでも…」
Aブルー「ぼくは流産でもいいけどねえ?」

子供なんて面倒だし、と言い放ったソルジャーですけれど。

ブルー 「何を言うかな、流産は母体も危険なんだよ」
A船長 「なんですって!?」
ブルー 「死んじゃうこともあるんだってば、流産で!」
Aブルー「じゃ、じゃあ、ぼくは……」
ブルー 「当分、安静にするしかないねえ」

つわりが治って安定するまで、と生徒会長は大真面目。
出産は人生の一大事ですが、多忙なソルジャーの運命や如何に…?

2013/03/21 (Thu)

 

☆安定期までは安静に


妊娠初期はデリケートなもの。
いくら多忙なソルジャーといえども、安静にしないと危険でございます。

Aブルー「そ、そんな…。安静だなんて言われても…」
A船長 「あなたのお身体には変えられません。当分、青の間で静養を」
Aブルー「でもさ、人類軍が攻撃して来たら…」
A船長 「事前に回避あるのみです。油断しなければ大丈夫です」
Aブルー「それじゃ救出作戦は?」
A船長 「戦闘班を増員します。場合によっては、ぶるぅも出します」

食べ物で釣れば動くでしょう、と言うキャプテン。
確かに「ぶるぅ」はタイプ・ブルーですし、戦闘能力は充分で。

A船長 「ですから、あなたは安静でお願いします」
Aブルー「分かったよ。細かいことは君に任せる」
ブルー 「そうそう、安静第一ってね。あ、それから…」
Aブルー「まだ何か?」
ブルー 「あっちの方も控えるんだよ、落ち着くまでは」
Aブルー「何の事さ?」
ブルー 「しじみと御利益パワーのヤツ!」
Aブルー「な、なんで? それをお願いしたんだよ?」
ブルー 「夫婦和合と子孫繁栄だったよね? 授かった子供は大切に!」

でないと流産しちゃうからね、と生徒会長は厳しい顔で。

ブルー 「妊娠初期にはヤらないもの! 流産のリスクが高くなるから」
A船長 「そうでしたか…。では、当分は禁欲ですね」
Aブルー「それって、期間はどのくらい? 三日ほど?」
ブルー 「まさか! 安定期に入るのは5ヵ月からだよ」
Aブルー「ご、5ヶ月って…。今から5ヵ月?」
ブルー 「妊娠してから5ヵ月目ってこと! 16週目!」

いつ出来たのか知らないけれど、と生徒会長は首を捻りながら。

ブルー 「つわりの症状が出ているからには、1ヶ月にはなるのかな?」
Aブルー「で、でも…。あと3ヵ月も禁欲なわけ?」

殺生な、とソルジャーは愕然としております。
ヌカロク超えどころか、禁欲生活3ヵ月。
しじみパワーで燃えまくっていたバカップルには、天罰に等しい話かも?

2013/03/22 (Fri)

 

☆ママはソルジャー


安静どころか、禁欲生活3ヵ月。
バカップルには災難としか言いようのない、有難くも迷惑な授かりもの。

Aブルー「ど、どうしよう…。しじみ、山ほど買ったのに…」
A船長 「今日も買う予定でしたしねえ…。ですが、我慢をしませんと」
ブルー 「そうだよ、無事に子供を産まなくちゃ」
Aブルー「子供は充分間に合ってるよ! ぶるぅがいるし!」
ブルー 「ぶるぅはサンタクロースに貰ったプレゼントだろ?」

今度は正真正銘の実子だから、と生徒会長。

ブルー 「君とハーレイとの愛の結晶だし、大事にしないと」
ハーレイ「いや、実に羨ましい限りです。本当におめでとうございます」
Aブルー「…おめでたい気がしないんだけど…」
A船長 「私は嬉しく思っていますよ、あなたが産んで下さるなんて」
ジョミー「あーーーっ! そうか、本物のママになるってことだよね!」
キース 「ぶるぅの件では揉めまくっていたが、今回は…な」
Aブルー「ぼ、ぼくがママ…?」
ブルー 「当然じゃないか。君が産む以上、ママは君だよ」
スウェナ「素敵ね、ぶるぅの弟か妹が生まれるわけね!」
シロエ 「ぶるぅのママの座もついてくるんじゃないですか?」
キース 「だろうな、出産を機会にママ認定だな」
Aブルー「そ、そんな…。ぶるぅのママはハーレイだってことに…」
ブルー 「苦しい言い訳はもう無駄ってね。おめでとう、ママ」

元気な良い子を産みたまえ、と生徒会長はニコニコと。

ブルー 「えーっと…。授かったのは節分以降だし、出産予定日は…」
Aブルー「えっ、そんなのも分かるわけ?」
ブルー 「君の世界じゃ教えないかな、自然出産が無いそうだから」
スウェナ「確か基本は十月十日よ、十ヶ月と十日と計算するの」
A船長 「そうなのですか。では、ブルーの場合は…」
ブルー 「2月だとすれば、12月だね。ぶるぅと一緒だったりして?」

ソルジャーの世界の「ぶるぅ」も、お誕生日はクリスマス。
出産の日と見事に重なるかもですね!

2013/03/23 (Sat)

 

☆育児には必須


禁欲生活に加えてママの座と言うか、称号と言うか。
とんでもない肩書きが加わりそうなソルジャーですけど、それが真実で。

A船長 「クリスマスの頃に生まれるのですね、ブルーの子供は」
ブルー 「君の子供でもあるわけだよ? パパ」

そこの所の心構えをしっかりと、と生徒会長。

ブルー 「最近はイクメンが流行りだからねえ、君も大いに協力を!」
A船長 「イクメン……ですか?」
Aブルー「ハーレイはイケメンじゃないと思うんだけど」
ブルー 「イケメンじゃなくてイクメンだってば!」
ハーレイ「育児をする男性がイクメンです。ここ数年で定着しましたね」
A船長 「それを言うならブルーも男だと思うのですが」
Aブルー「そうだよ、ママになるつもりはないし!」
ブルー 「ふうん? だったら一人で育児をするんだ?」

イクメンだしね、と生徒会長はニヤニヤと。

ブルー 「大変らしいよ、育児ってヤツは。特に乳児の間はね」
キース 「ボランティアで保育園にも行ったが、あれはキツイぞ」
Aブルー「えっ、ぶるぅは最初から普通だったよ?」
ブルー 「ぶるぅは例外! こっちのぶるぅも例外だよね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、最初っから御飯だもん!」
シロエ 「あー…。離乳食とかあるんですよね、作れるんですか?」
スウェナ「その前にミルクよ、まさか母乳は出ないでしょ?」
Aブルー「……ぼ、母乳って……」
ブルー 「君の世界には無いだろうねえ、母乳が一番なんだけど」
ジョミー「なんか色々入っている…んだったっけ?」
マツカ 「赤ん坊には母乳がいいって聞きますよね」

でも…、とソルジャーの胸に注目しているシャン学メンバー。

サム  「あれで母乳が出るのかよ?」
ブルー 「さあ…。子供も出来たし、あるいは出るかも…」
Aブルー「ちょ、ちょっと…。母乳って、まさか…」
ブルー 「君のお乳だよ、当然だろう?」
Aブルー「えぇっ!?」

子供に加えて母乳まで。
ソルジャー、ショックの連続ですよ…。

2013/03/24 (Sun)

 

☆育児以前なバカップル


ママじゃなくってイクメンなのだ、と主張しかけたソルジャーですが…。
イクメンな場合、育児をせねばなりません。おまけに母乳がどうとかと。

ブルー 「君にはショックかもしれないけどね、母乳が楽かと」
キース 「そうだな、手間が省けるし」
Aブルー「手間って何さ?」
ブルー 「君の世界にも人工のミルクはあるだろうけど…」
キース 「赤ん坊ってヤツはデリケートなんだ。温度とかな」
ブルー 「熱すぎてもダメ、ぬるすぎてもダメ。そして容器も清潔に!」
Aブルー「赤ん坊の世話なら、保育セクションでいいんじゃないかな?」
ブルー 「いきなり育児放棄かい?」

どうかと思う、と生徒会長。

ブルー 「乳児の間は出来るだけ母親が世話した方がいいんだよ」
Aブルー「えーーーっ! そんな面倒な…」
A船長 「私もお手伝いいたします。確かイクメンでしたよね?」
ブルー 「そう! その心意気でブルーのフォローを」
Aブルー「で、でも…。い、育児はともかく、それ以前にさ…」

ぼくの身体はどうなるわけ、とソルジャーは当惑しております。

Aブルー「いきなり産めって言われても! 男だし!」
サム  「その内、なんとかなるんじゃねえの?」
シロエ 「ですよね、母乳とセットで御利益パワーで解決ですよ」
スウェナ「それじゃ、女になっちゃうのかしら?」
Aブルー「……お、女……」
ブルー 「それが手っ取り早いだろうねえ、いつ変わるのかな?」
キース 「一目で妊婦だと分かる頃かもな」
ジョミー「それって、服とかどうするわけ?」

ソルジャー服は着られないよね、とジョミー君の素朴な疑問。

ジョミー「なんだっけ…。専用の服がある筈だけど…」
ブルー 「マタニティーウェアねえ、ソルジャー服を改造とか?」
A船長 「今の服ではダメなのですか?」
ブルー 「あーあ、なんにも分かってないよ…」

妊婦さん用の服すら知らないバカップル。
子宝を授かる資格ナッシングですが、それでも何とかなるんでしょうか?

2013/03/25 (Mon)

 

☆妊婦さんの必需品


マタニティーウェアの必要性すら分かっていないバカップル。
ぴったりフィットのソルジャー服なぞ、妊婦さんには無理というもので。

ブルー 「いいかい、妊娠初期は今の服でもいけるかもだけど…」
ハーレイ「その内にキツくなりますよ」
Aブルー「太るわけ?」
ブルー 「君の世界に妊婦さんがいないのは分かるけどねえ…」

動物のメスを見た事がないのか、と呆れ果てている生徒会長。

ブルー 「お腹が大きくなってくるわけ! その服じゃ無理!」
A船長 「そ、そうなのですか?」
ブルー 「ウエストがキツイなんてモンじゃなくてね、もう別物だよ」

あんな感じで、と指差したのは窓の方。
遙か下の歩道を妊婦さんが通りかかったようでございます。

ブルー 「あれで何ヵ月くらいかなぁ…。もっと大きくなるんだけど」
Aブルー「ぼ、ぼくの身体があんな風に…?」
スウェナ「でも個人差があるらしいわよ?」
ブルー 「ああ、目立たないタイプもいるとは聞くね」
Aブルー「ぼくはそっちでいいってば!」
ブルー 「そこのチョイスは神様次第じゃないのかなぁ?」
キース 「御利益がどう出るかだな」
Aブルー「た、体型はキープしたいんだけれど…」

あんな姿じゃシャングリラの中を歩けない、と嘆くソルジャー。

Aブルー「カリスマ性も大切なんだよ、ソルジャーってヤツは!」
ブルー 「神秘の自然出産じゃないか、それだけで崇められるってば!」

この際、安産祈願もしておけ、と生徒会長は大真面目。

ブルー 「ソルジャー服をマタニティー仕様に改造したら、腹帯だよね」
キース 「あれは戌の日に巻くんだったか?」
ブルー 「そう、5ヶ月目に入って最初の戌の日」
Aブルー「な、何なのさ、それ…」
ブルー 「ん? 腹帯はお腹のガード用だけど、安産祈願のは別物さ」
Aブルー「それも絶対必要なのかい?」

何が何だか、とソルジャーは困惑しておりますが。
マタニティーウェアなソルジャー服に加えて腹帯、どうなりますかねえ?

2013/03/26 (Tue)

 

☆聖天様にお願い


安産祈願もしろと言われてしまったソルジャー。
妊娠5ヵ月目の戌の日を選び、御祈祷をして貰って腹帯を頂くのですが。

Aブルー「安産祈願に腹帯だなんて、ぼくの世界には無さそうだけど…」
A船長 「あったとしても無理ですよ。人類の施設は使えません」
ブルー 「こっちで頼めばいいと思うよ、祈祷はね」
キース 「神社や寺でやってるからな」
シロエ 「七福神巡りのお寺にもあるんじゃないですか?」
サム  「それより聖天さんなんじゃねえの?」
マツカ 「不可能を可能になさったとしたら、聖天様の御利益ですね」
スウェナ「あの時のお坊さんにお願いすれば?」
ブルー 「うーん…。この時期、無理じゃないかな」

修行僧だから、と生徒会長。

ブルー 「修行中の面会は不可っていうのが基本なんだよ」
ジョミー「そうなんだ? なんか普通に喋ってたけど」
ブルー 「あの日は接客が仕事だったし、修行なわけ」
キース 「面会不可なら托鉢を狙うという手があるぞ」
ブルー 「なるほど…。托鉢中なら私語も全く不可ではないか」
Aブルー「托鉢って何さ?」
ブルー 「修行の一つで、祈りながら街を歩くんだよ」
キース 「そうやって寄付を集めているんだ、その最中なら…」
Aブルー「殴り込んでもOKなんだね?」
一同  「「「殴り込み!?」」」
Aブルー「だって! 思い切り迷惑かけられちゃったし!」

子供の件の落とし前をつけなくては、とソルジャーは真顔でございます。

Aブルー「殴って締め上げて慰謝料だよ、うん」
ブルー 「ちょ、ちょっと…。そんなことをしたら聖天様が…」
Aブルー「ぼくの方が祟りたい気分だってば、こんな御利益!」

ヌカロク超えを目指すどころか禁欲なんて、とソルジャー、ブチ切れ。

Aブルー「とにかく一発殴らなきゃ」
A船長 「まずは托鉢とやらを探さなければなりませんね」

この際、私からも是非一言、とキャプテンまでが。
御利益を頂いておいて殴り込みとは、これがホントの御礼参り…?

2013/03/27 (Wed)

 

☆夫婦和合の結果


ソルジャー御懐妊で、ヌカロク超えどころか禁欲生活になるバカップル。
聖天様への特別祈祷を引き受けてくれたお坊さんを探すそうでして。

Aブルー「夫婦和合をお願いしたのに、これじゃ本末転倒だし!」
ブルー 「だけど相手は善意だよ? なのに殴るのはどうかと思う」
A船長 「ああ、その点は大丈夫ですよ。私がフォローしますから」
Aブルー「フォローって何さ?」
A船長 「ちゃんと謝って、それから御礼を」
Aブルー「なんで御礼?」
A船長 「あなたとの子供が出来るのですよ。もう最高の気分です」
Aブルー「ぼくは最高じゃないってば!」

禁欲に加えてマタニティーウェア、つまり体型変化の危機。
女性化した上に出産、母乳で育児とくれば災難以外の何物でもなく…。

Aブルー「お前はいいよね、禁欲だけで済むんだからさ」
A船長 「いえ、あなたのお身体を全力で守り、いずれは育児を」
Aブルー「だけどお前が産むんじゃないし!」

ギャーギャーと文句をつけるソルジャー。

Aブルー「身勝手なんだよ、勝手に子作りしておいて!」
A船長 「し、しかし…。あなたも喜んでおられた筈です」
Aブルー「こうなるなんて思わないだろ!」

夫婦喧嘩が始まりそうなイヤンな気配。
もはや、お坊さんを探すどころではなさそうですが。

ジョミー「大変だよねえ、子供が出来ると」
キース 「既にマタニティーブルーのようだな」
シロエ 「でも、本当に妊娠ですか?」

気のせいってこともありますよ、とシロエ君。

シロエ 「ちゃんと病院で調べた方が…」
スウェナ「だけど…。自然出産が無い世界なんでしょ?」
A船長 「そうなのです。こちらの世界で産むべきでしょうか」
Aブルー「産むのはぼくで、お前じゃないっ!」
ブルー 「まあ、まあ…。とにかく一度、調べるべきだね」
A船長 「あのドクターは好かないのですが…」

ソルジャーを診察できるのはエロドクターだけでございます。
そうでなくても男の妊婦って、診察可能なんですか?

2013/03/28 (Thu)

 

☆お手軽に検査


聖天様の御利益でソルジャー御懐妊を大前提に、繰り広げられたバカ話。
しかし根拠は何処にも無いわけでして。

A船長 「やはり診察して貰わないとダメなのでしょうか…」
ブルー 「最終的にはそうなるね。色々とケアも必要だしさ」
Aブルー「なんかノルディが怒りそうだよ、ぼくの大事な金づるなのに」
A船長 「あなたの心配はそこですか?」
Aブルー「だってそうだろ、お前の子供とセットものでは…」

デートに誘ってくれそうにない、と嘆くソルジャー。

Aブルー「お前と二人だと分かっていても別荘を貸してくれるけど…」
ブルー 「日頃のデートの御礼だろうねえ、ノルディの場合」
キース 「子持ちとなったら冷たくなるかもしれないな」
Aブルー「だから困るんだよ、ノルディにバレたら!」
A船長 「しかし、お身体のことがあります。諦めましょう」

私も一緒に行きますから、とキャプテンは腹を括った様子。

A船長 「いくらなんでも私の前で破廉恥な真似はしないでしょうし」
Aブルー「うーん、やっぱり脱ぐんだろうか…」
ブルー 「さあねえ…。でも、その前に調べてみれば?」
Aブルー「何を?」
ブルー 「ホントに妊娠してるかどうか!」
A船長 「診察しないと分からないのでは?」
ブルー 「最近は便利なモノがあってね、まずは自分でチェックってね」

妊娠らしいと思えば受診、と生徒会長。

ブルー 「薬局で検査薬を売ってるよ」
A船長 「そうなのですか?」
ブルー 「妊娠検査薬を下さい、と言ったら出してくれるから」
A船長 「は?」
ブルー 「棚にもあるかも知れないけどねえ、まずは調達」

薬局はそこのスーパーの横、と生徒会長はニコニコと。

ブルー 「二人で仲良く買いに行くも良し、ブルーが一人で行くも良し」
Aブルー「ぼくは絶対行かないからね! 恥ずかしいから!」

お前が行け、と指差されたのは、もちろんキャプテンでございます。
妊娠検査薬を買いに行けとは、これまたハードル高そうな…。

2013/03/29 (Fri)

 

☆検査薬の答えは


御懐妊かどうか、お手軽チェック。
エロドクターの診察の前に可能というのは朗報ですけど、まずは薬局へ。

A船長 「わ、私が買いに行くのですか…?」
Aブルー「お前が子作りしたんだろ!」

サッサと行け、と蹴り出されたキャプテン、トボトボと。
ソルジャーはサイオンで監視しておりまして。

Aブルー「まったく、もう…。店員さんに訊けばいいのに」
ブルー 「君ならそこで訊けるのかい?」
Aブルー「まさか。思念で細工が限界かな」

それも出来ないヘタレがハーレイ、とブツブツ文句を言うソルジャー。
代わりに細工をする様子もなく、キャプテンの帰還は1時間後で。

A船長 「や、やっと買えました!」

使い方も聞いて来ました、と叫べばソルジャーの蹴りがゲシッと。

Aブルー「うるさいんだよ、ヘタレのくせに!」
A船長 「お、お身体に障ります! 今は激しい運動は…!」
Aブルー「禁止かどうかは分からないだろ、それ、貸して」
A船長 「では、使い方の御説明を…」
Aブルー「読めば分かるし!」

それ以前にサイオンで覗き見してた、とソルジャー、不機嫌MAX。
検査薬の箱を手に出てゆきまして…。

ジョミー「どこ行くんだろ?」
A船長 「トイレですよ」
Aブルー『死にたいわけ!?』

それ以上しゃべったらブチ殺す、と凄い思念が。
首を竦めたシャン学メンバー、戦々恐々としておりますと。

Aブルー「…お待たせ。誰が妊娠だって?」
A船長 「ち、違った……のですか?」
Aブルー「ぼくは完璧にシロだったけど?」
ブルー 「で、でも、寿司飯が美味しいって…」
Aブルー「ああ、言い出したのは君だったっけねえ…」

よくも根も葉もないことを、とソルジャーの瞳が据わっております。

Aブルー「散々オモチャにしてくれちゃって…。うぐっ!」
A船長 「どうなさいました!?」
Aブルー「………!!!」

ソルジャー、ダッシュで洗面所へと。
つわりと吐き気はセットですから、結果を見間違えたんじゃあ?

2013/03/30 (Sat)

 

☆懲りないバカップル


妊娠検査薬の結果はシロらしいのに、洗面所に走って行ったソルジャー。
これはやっぱり…。

ブルー 「うーん…。検査薬もパーフェクトではないのかな?」
A船長 「どういうことです?」
ハーレイ「つわりは吐き気がするそうですよ」
A船長 「で、では、やはり…」
Aブルー「誰が妊娠してるんだって?」

部屋の空気が凍り付く中、ソルジャー登場。
口許をタオルでグイと拭って。

Aブルー「…ぼくとしたことが、食べ過ぎた」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「だけど吐いたらスッキリしたし! 取り戻す!」

コレとソレと…、と手巻き寿司の具を指差すソルジャー。
キャプテンが寿司飯を厚めに盛ろうと致しますと。

Aブルー「御飯は少なめ! サッパリ味はもういいよ」
ブルー 「も、もしかして…。君が寿司飯にこだわったのは…」
Aブルー「うん、いつもの調子が出なかったんだ。もう大丈夫」
A船長 「食べ過ぎだった……と仰いますか?」
Aブルー「そうらしい。ザッハトルテ、美味しかったのに…」
キース 「つわりじゃなかったみたいだな…」
シロエ 「ですね、面白かったですけど」
A船長 「…私は正直、残念ですが…」
Aブルー「なんだって!?」

お前は子供が欲しかったのか、とソルジャー、怒りの形相で。

Aブルー「禁欲生活3ヵ月な上に、面倒は全部ぼく任せでさ!」
A船長 「育児は手伝うと申し上げました!」
Aブルー「お前が産めばいいだろう!」
A船長 「そ、それは…。では、あなたが子作りなさるので?」
Aブルー「うっ…」

それはちょっと、とソルジャー、言葉に詰まっております。

ブルー 「その辺は好きに決めてよね。夫婦和合で子孫繁栄だろ?」
Aブルー「子孫繁栄はもう沢山だよ!」
A船長 「そうですねえ…。では、改めて夫婦和合ということで」
Aブルー「しじみ、帰りに買わなくっちゃね!」

振り出しに戻ったバカップル。
「あ~ん♪」と食べさせ合いな手巻き寿司パーティー、中継ここまで~。

2013/03/31 (Sun)




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☆雛祭りもよろしく


バカップルなソルジャー夫妻に振り回されてしまった悪夢の節分。
あれから一ヶ月が経って桃の節句な三月三日、雛祭りの日でございます。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
ジョミー「お邪魔しまぁーす! え、えっと、今年は…」
ブルー 「心配しなくても普通だよ。どうぞ、入って」
キース 「そ、そうなのか?」

大丈夫なのか、と生徒会長宅の玄関で顔を見合わせるシャン学メンバー。
雛祭りの日は日曜だから、と招かれたのはいいのですけど。

シロエ 「去年が凄かったですからねえ…」
サム  「女子会だったもんなぁ、みんな女装で」
ブルー 「雛人形を買った君たちが悪い!」
マツカ 「それはそうなんですけれど…」
ジョミー「あの雛人形、もう無いんだよね?」
キース 「あいつが持って帰ったからな、あっちで飾ってあるだろうさ」

あいつと言うのはソルジャーのこと。
生徒会長宅に飾られていた雛人形を貰って帰ったわけでして。

ジョミー「そっか、あっちね。でも、青の間に雛人形ってさ…」
シロエ 「似合わない気がしますよね」
ブルー 「そこが問題だったらしいよ、ブルーにしてもさ」
一同  「「「は?」」」
??? 「こんにちは。お邪魔してるよ」
一同  (((で、出たぁ!!!)))

声にならない一同の悲鳴。
ソルジャー(会話表記はAブルー)が笑顔で立っております。

Aブルー「ぼくの世界には雛祭り自体が無いものだから」
??? 「それに青の間だとイマイチ映えないそうでして…」

こちらで飾って頂くことに、と現れました、もう一人。
キャプテン(会話表記はA船長)登場で気分は跳満、ダブル役満。

Aブルー「雛祭りパーティーをするって聞いたし、インテリアにね」
A船長 「本日はよろしくお願いします」
ブルー 「というわけだよ、不本意ながら」

断ったら後が恐ろしいし、と生徒会長。
節分の夜に廊下で難民になった記憶は未だ鮮明、あれからほんの一ヶ月。
はてさて無事に済むのでしょうか…?

2013/03/01 (Fri)

 

☆雛人形の意味


生徒会長宅での雛祭りパーティーに招かれたシャン学メンバー。
去年は女子会で遊ばれただけに、警戒しながら訪ねてみれば余計な客が。

キース 「なんでこういう面子になるんだ…」
ブルー 「それはこっちが聞きたいよ!」
Aブルー「え、だって。パーティーだったら御馳走じゃないか」
A船長 「パーティーは夫婦同伴が基本なのだ、と聞いておりますし」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ゆっくりしていってね!」

御馳走たっぷり作ったもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大はしゃぎ。
パーティー会場のリビングに行けばドカンと立派な雛人形が。

Aブルー「やっぱり青の間より映えるよねえ?」
A船長 「より鮮やかに見えますよ」
Aブルー「お前の部屋でも色は普通に見えるんだけど…」
A船長 「部屋に似合いませんでしたしねえ…」

残念です、とキャプテンは肩を落としております。

ブルー 「合わないだろうね、あの部屋ではね」
A船長 「ブルーの嫁入り道具ですから、飾りたい気はするのですが…」
一同  「「「嫁入り道具?」」」
Aブルー「君たちも言っていただろう! 嫁入り道具だって!」
ブルー 「それは昔の話だよ。今は出産祝いに近い」
Aブルー「出産祝い?」
ブルー 「女の子が生まれたら、お嫁さんの実家が贈るんだよ」
Aブルー「だってさ、ハーレイ」
A船長 「そうですか…。それはブルーとは無縁ですねえ」

なにしろ子供を産めませんから、とキャプテンが言えば、ソルジャーは。

Aブルー「子供が要らない分、他に回して貰ったろう?」
A船長 「そうでした! 素晴らしい御利益を頂きましたね、節分に」

夫婦和合でヌカロクですよ、とバカップルは抱き合い、熱いキス。
生徒会長、頭を抱えて呻いております。

ブルー 「ぼくの家まで乗っ取っちゃってさ、迷惑な!」
Aブルー「君の家ではしてないってば!」

他人様の家より、馴染んだベッドだそうでして。
あの夜は締め出しを食らっただけで、現場じゃなかったようですねえ…。

2013/03/02 (Sat)

 

☆未だに御利益


節分の夜に生徒会長の家を乗っ取ったバカップル。
家主を廊下に締め出してしまい、朝までひたすら夫婦和合かと思いきや。

Aブルー「他人様のベッドはイマイチなんだよ、それに狭いし!」
ブルー 「失礼な! 充分大きいサイズだってば、フィシスも来るし!」
Aブルー「でも、青の間のよりは狭いよねえ?」
ブルー 「あっちは部屋のサイズに合わせて大きめなだけ!」
Aブルー「ふうん? ハーレイとならアレでジャストなサイズだけどね」
ブルー 「ぼくはそっちは想定してない!」

あんなデカブツ、と生徒会長は眉を吊り上げておりますが。

Aブルー「それはともかく…。なんで気付かなかったわけ?」
ブルー 「は?」
Aブルー「君のベッドを使ってないこと!」
A船長 「確かに最初はお借りするつもりで押し倒しましたが…」
Aブルー「コトに及ぶ前に移動しちゃったよねえ、狭かったから」
ブルー 「もうそれだけで沢山だし! 皺だらけだったし!」
Aブルー「甘いね、ハーレイの本気はあんなのじゃない」
A船長 「色々と御利益を頂きましたし、あの夜はもうフルパワーで…」

69にヌカロクでした、と御利益パワーを語るキャプテン。
その後も仲良く夫婦和合の日々なのだそうでございます。

ブルー 「そ、それは本当に良かったねえ…」

生徒会長、頬をピクピク引き攣らせながら。

ブルー 「いっそ子宝も授かってみれば? 雛人形もあるんだしさ」
Aブルー「それは無い、無い! その分も含めて夫婦和合だよ」
A船長 「授かりそうな勢いで日々励んではおりますが…」

男同士だけに有り得ません、とキャプテン、そこはキッパリと。

ブルー 「せっかく子孫繁栄の神様にお願いしたのに勿体ない…」
キース 「まったくだ。御利益を無駄遣いしやがって…」

聖天さんの特別祈祷もあったんだよな、と溜息をつくキース君。
修行中のお坊さんが引き受けてくれた御祈祷です。
子宝が授かるようにというのが祈祷の目的、本当に無駄遣いですねえ…。

2013/03/03 (Sun)

 

☆両刃の御利益


節分ツアーで頂いた御利益を無駄遣いしているらしいバカップル。
夫婦和合だの子孫繁栄だのと、ひたすらに祈願しまくったわけですが…。

ブルー 「他の神様はともかくねえ…。聖天様はどうなんだろうね」
キース 「無駄遣いがバレると恐ろしいかもしれないな…」
Aブルー「えっ、何が?」
ブルー 「聖天様だよ、怖いと言われてるんだよね」
キース 「罰が怖いとか、色々とな。七代までの福を一代に取るとか」
Aブルー「なんだい、それは」
ブルー 「子孫の七代までの分の福を自分の代で取っちゃうって意味!」
Aブルー「そんなの、ぼくたちには関係ないし!」
A船長 「そもそも子孫がおりませんしね」

大丈夫です、と太鼓判を押すキャプテン。
七代どころか七百代でも問題は無いそうでして。

A船長 「聞きましたか、ブルー、七代分だそうです」
Aブルー「七代分かぁ…。それは大いに期待できるね、フルパワー!」
ブルー 「…そういう理論になっちゃうわけ?」
Aブルー「だってそうだろ、向こう七代分の御利益なんだし」
A船長 「子供が要らない分を夫婦和合にと思いましたが…」
Aブルー「期待以上に凄かったってね。うん、間違いない!」
ブルー 「…言うだけ無駄か…」
キース 「……そのようだな……」

いっそ罰でも当たってしまえ、と思いましても。

ブルー 「聖天様の罰っていうのはお助けに伴うお叱りだしねえ…」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「御利益が大きい分、言うことを聞かないとお叱りが来るわけ」
キース 「こいつらの場合は夫婦和合の御祈祷だしな…」
ブルー 「子孫繁栄に繋がらないから、と罰が当たればいいんだけれど」
Aブルー「夫婦和合に励んでるんだし、当たりっこないよ」
A船長 「決してサボッてはおりませんしね」
キース 「夫婦和合の祈祷の目的は子孫繁栄だと思うのだが…」

そういうつもりで特別祈祷をした筈だ、とキース君。
祈祷を引き受けてくれたお坊さんのお父さん、絶対勘違いしてますよね?

2013/03/04 (Mon)

 

☆アヤシイ雛祭り


七代分の福を一代に取るとか、罰が怖いとか、恐ろしいのが聖天様。
しかしバカップルには馬耳東風と言うか、いいように解釈しまくりで…。

Aブルー「子孫繁栄の御祈祷だったら、子種がガンガン増えそうだよね」
A船長 「ヌカロクを軽く超えられるかもしれませんね!」
ジョミー「えっと…。ヌカロクって何なわけ?」
A船長 「それはですね…」
ブルー 「その先、禁止!!!」

それ以上を喋ったら帰ってもらう、と生徒会長は怒っております。
シャン学メンバー、未だにヌカロクの正体を知らず。

ジョミー「…何なんだろうね、ヌカロクってさ」
シロエ 「ヤバイ言葉なのは分かるんですけど…」
サム  「追究しねえ方がいいんじゃねえか?」
スウェナ「私たちまで追い出されるわよ?」
ブルー 「スウェナは実に察しがいいね。というわけで、終了ってね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ パーティー、始めようよ!」
マツカ 「そうですね、頭を切り替えましょう」
ぶるぅ 「用意するから、待っててねー!」

温めてくる、と駆け出して行った「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
間も無くワゴンを押して来まして…。

ぶるぅ 「今年は蒸し寿司にしてみたよ! 温かくって美味しいし!」
Aブルー「やったね、これってお代わりもある?」
ぶるぅ 「蒸すだけだから大丈夫!」

何杯でもどうぞ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は得意そう。
ちらし寿司を蓋つきの小さな丼で蒸したようなのが蒸し寿司です。
雛祭りとあってハマグリのお吸い物など、貝の料理も沢山で。

一同  「「「いっただっきまーす!」」」
Aブルー「ハーレイ、しっかり食べなきゃダメだよ?」
A船長 「あなたもですよ。スタミナをつけて頂きませんと」
Aブルー「もちろんさ! 夫婦和合は二人揃って体力勝負!!」
一同  (((……好きにしてくれ……)))

意味が不明なヌカロク超えに夫婦和合と、バカップルは今日も絶好調。
お雛様も恥じらいそうな状況ですけど、今更どうにもなりませんねえ…。

2013/03/05 (Tue)

 

☆雛祭りと貝料理


夫婦和合は二人揃って体力勝負、と主張しているバカップル。
蒸し寿司や雛祭りらしい貝の料理などをパクつきながらも、仲睦まじく。

Aブルー「はい、ハーレイ。しっかり食べてよ、あ~ん♪」
A船長 「どうぞ、ブルー。あ~ん♪」
一同  (((…見たら負け、見たら負け…)))
Aブルー「うん、美味しい! で、精のつく貝はあるのかな?」
ブルー 「そんな変なのは用意してないっ!」
Aブルー「変って何さ! 前にノルディが言ってたんだよ、間違いない」
ブルー 「………。何を?」
Aブルー「貝の味噌汁で精がつくって! でも味噌汁は無いみたいだね」
ぶるぅ 「雛祭りはハマグリのお吸い物だよ?」

ハマグリは澄まし汁にするものだ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
寄せ鍋ならともかく、お吸い物で味噌仕立ては有り得ないそうで。

ぶるぅ 「んーと…。お味噌汁にする貝っていうと…」
ブルー 「ぶるぅ、考えなくていい。その貝は今日は食卓に無い」
Aブルー「分かったわけ? 分かったんなら追加で頼むよ」
ブルー 「嫌だね、御利益の無駄遣いに手は貸さないさ」
Aブルー「そう来たか…。貝はぼくの世界じゃ食べられないのに!」
A船長 「食べられなくても大丈夫ですよ、頑張りますから」
Aブルー「だけどさ、夢のヌカロク超えがさ…」
ブルー 「超えなくていいっ!」

バカップルめ、と眉を吊り上げる生徒会長。
しかし全くひるまないのがソルジャーでして。

Aブルー「だったら自分で買って帰るよ、その貝とやらを」
A船長 「し、しかし…。味噌汁は誰が作るんです?」
Aブルー「お前が作ればいいだろう? レシピを聞いて帰ってさ」
A船長 「わ、私がですか!?」
Aブルー「自分で作って自分で飲む! そして目出度くヌカロク超え!」
A船長 「…そうですね、自分で飲むなら味は関係ないですね…」

やってみましょう、とキャプテンは決意したようでございます。
お味噌汁の自作はいいのですけど、精がつく貝って何なのでしょうねえ?

2013/03/06 (Wed)

 

☆夜に効く味噌汁


エロドクターことドクター・ノルディが言っていたという貝の味噌汁。
それを食べれば精がつくとかで、キャプテンは作ろうとしておりますが。

Aブルー「ハーレイが作ると決まったからには、後は貝だね」
A船長 「それだけで作れるのですか?」
ぶるぅ 「えとえと…。お味噌汁だと昆布とかも要るよ?」
A船長 「昆布ですか…。材料とレシピを教えて頂けますか?」
ぶるぅ 「うん! あ、でも…。ブルー、貝って何だったの?」

分からないと買いに行けないよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
純真無垢なお子様だけに、買い出しメモを書くつもりのようで。

ぶるぅ 「昆布とお味噌と…。ブルー、貝は?」
Aブルー「ほらほら、ぶるぅも真剣だし! ひとつよろしく」
A船長 「私からも是非お願いします」
ブルー 「…うう……。………しじみ……」
一同  「「「しじみ?!」」」

しじみと言えば小さな貝。
あんな貝の何処にパワーがあるのだ、と誰もが疑わしげですが。

ブルー 「ホントだってば、しじみなんだよ! 土用しじみとか!」
Aブルー「なんだい、それは」
ブルー 「土用のウナギと同じ理屈で、夏バテ防止に食べるわけ!」
Aブルー「なるほど、ウナギに負けていない、と…」

それは非常に期待できる、とソルジャーはニッコリ笑いまして。

Aブルー「こっちの世界じゃウナギは夜のお菓子なんだよ」
A船長 「は?」
Aブルー「うなぎパイというのがあってね、夜のお菓子と呼ばれてるさ」
A船長 「夜のお菓子ですか…」

効きそうですね、と頷くキャプテン。

A船長 「それに負けないパワーを持つのがしじみでしたら…」
Aブルー「食べないわけにはいかないってね!」

目指せ、しじみでヌカロク超え! とソルジャーはやる気満々で。

Aブルー「しじみと、昆布と…」
ぶるぅ 「しじみは砂を吐かせなくちゃね! 作り方は…、と」

お鍋に水と昆布を入れて、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はレシピを作成中。
夫婦和合のしじみ汁ですか…?

2013/03/07 (Thu)

 

☆お菓子好きな人


土用しじみとやらいう代物。
精がつく点ではウナギに負けないと聞き、しじみ汁に燃えるバカップル。

A船長 「沸騰したら昆布を引き上げ…。そう難しくはなさそうですね」
ぶるぅ 「お味噌を溶いたら沸騰させちゃダメなんだよ?」

お味噌の風味が飛んじゃうからね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は真剣で。

ぶるぅ 「こんな感じで多分出来ると思うけど…」
A船長 「ありがとうございます。今夜、早速作ってみますよ」
Aブルー「帰りに買い出しに行かなくっちゃね! しじみと昆布と…」
ぶるぅ 「そこのスーパーで全部買えるよ!」
ブルー 「君の資金源は…。聞かない方が良さそうだよね」
Aブルー「あ、分かる? 実はこないだ、ノルディとデートで」
ブルー 「は?」

夫婦和合じゃなかったのか、と生徒会長以下、誰もがポカーン。
しかしソルジャー、悪びれもせずに。

Aブルー「バレンタインデーに来たんだよ! もうお返しが楽しみで」
A船長 「ホワイトデーに備えて投資だそうです」
キース 「あんた、どういう発想なんだ…」
Aブルー「え、だって。ノルディのお返しは期待できるし!」
A船長 「私たちのシャングリラにもホワイトデーはあるのですが…」
Aブルー「なにしろ閉じた世界だからねえ、数はあっても質の方がさ」

おまけに貰えるアテが無い、とソルジャーは主張しております。

Aブルー「こっちのハーレイにもチョコをあげたよ、お返し目当てで」
ブルー 「ああ、ハーレイお得意のザッハトルテね…」
Aブルー「あげた数だけくれるかな、って思ってさ。ちょっと多めに」
キース 「いくつ食おうというんだ、あんたは!」
Aブルー「お菓子だったら何個でも! ザッハトルテもホールでOK!」
一同  「「「……ほ、ホール……」」」

ぐえぇ、という声を発する人も。
ザッハトルテは非常にヘビーなチョコレートケーキ。

Aブルー「何か?」

問題でも、とソルジャーは笑顔でございます。
どんな胃袋をしているんだか…。

2013/03/08 (Fri)

 

☆口直しに食事


ザッハトルテもホールでいけると言うソルジャー。
ホワイトデーのお返し目当てに、チョコレートを配ったということで…。

Aブルー「山ほどお菓子を食べた後はさ、口直しに食事もしたいよね」
ブルー 「好きにすれば?」
Aブルー「分かってないし! ぼくのシャングリラじゃ制限多すぎ」
一同  「「「???」」」
Aブルー「こっちでパーティーやりたいなぁ、って言ってるんだよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ パーティー、大好き!」

やっちゃおうよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大歓声。
お料理大好き、おもてなし好きだけに、ウキウキと。

ぶるぅ 「ねぇねぇ、ブルー! 16日の土曜日はどう?」
Aブルー「あっ、ぼくもその日がいいかなぁ、って!」

ホワイトデーから一日空くし、週末だし…とソルジャーも乗り気。

Aブルー「でね、ハーレイも一緒に来られそうだし!」
A船長 「ブルーに言われて休暇申請は出してあります」
一同  「「「………」」」

確信犯かい、と今更気付いても既に手遅れ。
キャプテンの休暇が取れるとくれば、逆らうだけ無駄というものでして。

ブルー 「分かったよ…。16日の土曜日だね」
キース 「ああ、すまん。俺はその日は法事があって」
ブルー 「大嘘つき! お彼岸の直前に法事の予定は組まないだろう!」
サム  「キース、一人で逃げるんじゃねえぜ? 友達じゃねえか」
ジョミー「そうそう、みんなで仲良くやろうよ」
シロエ 「先輩も楽しくやりましょう! お彼岸の前に息抜きです!」

逃がさないぞ、とスクラムを組むシャン学メンバー。
死なばもろとも、敵前逃亡許すまじ。

キース 「く、くっそぉ…。なんでこうなる…」
Aブルー「楽しみだねえ、二週間後はまたパーティー!」
ぶるぅ 「頑張って御馳走作るからね!」
A船長 「私も頑張ろうと思います。しじみ汁、是非とも作りませんと」
Aブルー「飲んでヌカロク超えってね!」

こんなバカップルとまたパーティー。
受難の日々が続きそうです…。

2013/03/09 (Sat)

 

☆パーティーの予約


ソルジャーの案で3月16日にはまたパーティー。
バカップルなソルジャー夫妻が来るというだけで、充分災難なのですが。

Aブルー「こっちのハーレイも呼びたいな。賑やかな方が楽しいし!」
ブルー 「なんでハーレイ!?」
Aブルー「え、だって。ホワイトデーには会いに行くしね」
ブルー 「…ああ、ザッハトルテを貰いにね…」
Aブルー「そう! ホントはノルディも呼びたいんだけど…」
ブルー 「却下!!」

エロドクターなぞ呼んでたまるか、と生徒会長、もう真っ青で。

ブルー 「分かったよ、ハーレイを呼べばいいんだろう!」
Aブルー「うん。ザッハトルテ、いくつ貰えるかなぁ…」

ホイップクリームを山ほど添えて、とソルジャーはウットリ。

Aブルー「朝に1個で、お昼に1個。夜に1個は欲しいよね」
一同  (((……すげえ……)))
Aブルー「後はおやつに午前と午後とで半分ずつかな」
ブルー 「食べすぎだし!」
Aブルー「このくらい別に普通だよ? それに沢山食べとかないと」
A船長 「夜に消耗しますからねえ、栄養補給が大切です」
Aブルー「ほら、毎晩がヌカロクだから! 記録更新も目指すわけだし」
A船長 「しじみ汁ですね、帰ったら早速作りましょう」
一同  (((……好きにしてくれ……)))

もう知らん、と泣きの涙のシャン学メンバー。
生徒会長も脱力MAXでして。

ブルー 「…もういいよ…。それでパーティー料理の希望は?」
Aブルー「手巻き寿司!!」

蒸し寿司でグンと食べたくなった、とソルジャーは即答でございます。

Aブルー「地球に来たら、やっぱり海の幸!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 朝一番で市場に行くね!」
Aブルー「ありがとう。じゃあ、またハーレイとお世話になるよ」
A船長 「よろしくお願いいたします」
一同  (((…人生、終わった…)))

半ばヤケクソのシャン学メンバー、雛祭り宴会でドンチャン騒ぎ。
女子会にされた去年の方がマシだったかもしれませんねえ…。

2013/03/10 (Sun)

 

☆ようやくお開き


ホワイトデーの口直しパーティーとやらを予約したソルジャー。
胸やけしそうな量のお菓子を食べるつもりで、一日空けてパーティーで。

Aブルー「16日が楽しみだなぁ…。雛祭りパーティーも素敵だけれど」
A船長 「雛人形が映える所でパーティーが出来て良かったですね」
ブルー 「…一応、ぼくの家なんだけどね…」
Aブルー「細かいことは言いっこなし! そもそも元は君のだったし」
ブルー 「勝手に買われてしまっただけだし! 無関係だし!」

ギャーギャーと文句をつける生徒会長ですが、バカップルの方は。

Aブルー「まあ、君が要らないと言ったお蔭で貰えたんだから感謝だよ」
A船長 「これのお蔭でブルーを嫁に貰えたのかもしれません」
ブルー 「君たちは嫁入り道具だと信じ込んでたようだしねえ…」
Aブルー「嫁入り道具でいいんだってば、女の子を産む予定は無いから」
キース 「ほう…。男の子の予定はあるということか」
Aブルー「無い、無い! 子供の予定は一切なし!」

雛人形はただのインテリア、とソルジャーは涼しい顔でございます。

Aブルー「夫婦和合で充分なんだよ、それが御利益!」
A船長 「本日も素晴らしいアイデアを頂きましたし、頑張ります」
ブルー 「……しじみ汁ね……」

生徒会長、深い溜息。

ブルー 「で、もうお開きでいいのかな? 日も暮れてきたし」
Aブルー「うん、買い物にも行かなきゃいけないし…」
A船長 「しじみと昆布と味噌ですね」
Aブルー「そう! そして今夜もフルパワー!」
一同  (((…バカップルめ…)))

しじみにあたって寝込んでしまえ、と思った人がいるとかいないとか。
ソルジャー、雛人形を空間移動で自分のシャングリラに返しまして。

Aブルー「今日はお招きありがとう! またね、今度は16日に!」
A船長 「では、私たちは買い出しがありますので…」

皆さんはどうぞごゆっくり、と玄関を出てゆくバカップル。
ようやく平和が訪れましたが、時すでに遅し…?

2013/03/11 (Mon)

 

☆バカップル抜きで


しじみ汁の材料を買いに行かねば、と帰っていったバカップル。
雛人形もソルジャーの世界に戻され、雛祭りパーティーはどうにか終了。

キース 「くっそぉ…。とんだ災難だったぜ」
ブルー 「仕方ないだろ、来ちゃったものはさ」

女子会の方がマシだったのか、と訊かれましても。

キース 「いや、アレは…。あっちの方も二度と御免だ」
シロエ 「ぼくもです。でも、今回のも強烈でした」
ジョミー「それにさ、まだ16日のがあるんだよ? 終わりじゃないよ」
サム  「あー…。逃亡しようがねえもんなぁ…」
マツカ 「無事を祈るしかありませんね」
スウェナ「多分、無駄だと思うわよ…」
ブルー 「もう潔く諦めたまえ。なにしろ相手はバカップルだし」

家から出なければ被害は少ない、と生徒会長。

ブルー 「衆人環視で妙な台詞や態度を乱発されるよりかはね」
キース 「それはそうだが…。被害ゼロとはとても思えん」
シロエ 「しじみ汁の効果を聞かされるのは確実ですよね」
ジョミー「…ザッハトルテのホール食いもね」
サム  「朝昼晩とおやつだっけか? 普通じゃねえよな」
スウェナ「おやつに一切れで充分だわ」

それにカロリーも高そうだし、とスウェナちゃん。

スウェナ「ホールを4個も食べる気でしょ? 太らないのかしら」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ カロリーの消費量が多いと太らないよ!」
一同  「「「………」」」
ぶるぅ 「スタミナつけなきゃって言ってたもん! だから大丈夫!」

太る心配なさそうだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は大真面目です。

ブルー 「ああ、スタミナね…。補給が追い付かないかもねえ…」
ぶるぅ 「しじみ汁、美味しく作れるといいね♪」
キース 「味は二の次、三の次だろうさ。あいつらの場合」
ブルー 「……だよね……。とりあえず何か食べてから帰るかい?」

今日の締めに、と尋ねられて大歓声のシャン学メンバー。
バカップル抜きでの夕食タイム。リフレッシュするには一番ですよね~!

2013/03/12 (Tue)

 

☆しじみと共に去りぬ


バカップルが去った後には、夕食タイムでリフレッシュ。
宴会料理も良かったですけど、のんびり鍋をつつく時間もまた良きかな。

サム  「あー、食った、食った! 美味かったぜ~」
ジョミー「ホッとするよね、余計なのがいなくなっちゃうとさ」
キース 「16日までは安全圏だ。それまでに羽を伸ばしておこうぜ」
ブルー 「ホワイトデーの打ち上げのつもりでいるようだしねえ…」

恐らくロクなことにはならない、と生徒会長は呻いております。

ブルー 「ブルーだけならマシなんだけれど、またセットだし…」
シロエ 「あれってどうにかならないんですか?」
ブルー 「まあ無理だろうね、子供でも出来れば落ち着くのにさ」
キース 「つまり、あの状態が何処までも続くというわけか…」
ブルー 「間違っても子供は生まれないしね」
ジョミー「一生、バカップルなんだ…」

あーあ、とシャン学メンバー、揃って溜息。
世間一般の夫婦でしたら、子供が出来ればそこそこ落ち着く筈ですが。

ブルー 「仕方ない、これも運命だ。諦めるしかないってことさ」
キース 「それは分かっているんだが…。次の厄日は16日か…」
スウェナ「手巻き寿司でしょ? 無視して食べて食べまくるのよ!」
マツカ 「そうですね。見なければ多分、問題ないでしょう」
ブルー 「どうなんだか…。せっせと話を振られる気がする」

しじみ汁とか、と生徒会長が言った所で。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ スーパーのしじみ、売り切れてたよ!」
一同  「「「えぇっ!?」」」
ぶるぅ 「お鍋の材料を買いに行ったら、棚が空っぽになってたの!」
ブルー 「そ、それは…。もしかしなくても…」
ぶるぅ 「ブルーたちが買い占めたんだと思うよ、何処にもないもん」
ブルー 「他も回ってみたのかい?」
ぶるぅ 「うん! 近所は全部完売してたよ、凄いよね!」
一同  (((……凄すぎる……)))

しじみを山ほど買って帰ったバカップル。
夫婦和合でヌカロク超えですか…。

2013/03/13 (Wed)

 

☆パーティーな16日


生徒会長宅の近所でしじみを買い占めたバカップル。
次に来るのは16日とあって、戦々恐々の内に日々は無情に流れまして…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
一同  「「「お邪魔しまーす…」」」

不本意ながら、と生徒会長宅を訪ねたシャン学メンバー。
周囲をキョロキョロ見回しましたが。

ブルー 「やあ。バカップルならまだ来てないよ」
キース 「そ、そうか…」
ブルー 「入って、入って。もうすぐハーレイも来る筈だから」
ジョミー「やっぱり真面目に呼んだわけ?」
ブルー 「呼べと言われた以上はねえ…。ブルーに逆らったら大惨事だ」
一同  「「「あー…」」」

それは確かに、と頷き合いながらリビングへ。
手巻き寿司パーティーに備えて座敷机などがセッティング済みで。

ブルー 「バカップルの席を何処にするかが問題でさ」
キース 「ド真ん中に座りたがるのは間違いないぞ」
ブルー 「だよねえ、じゃあ、ハーレイを隣に配置して…と」

そこでピンポーン♪ とチャイムの音が。
教頭先生のご登場でございます。

ハーレイ「すまん、遅くなった。みんな揃っているようだな」
ブルー 「ううん、若干二名足りない。どうぞ座って」
ハーレイ「うむ。…ああ、ブルーたちが来ていないのか」
ブルー 「早い時には早いんだけどさ、基本はゆっくり来るタイプだし」
ぶるぅ 「毎晩頑張ってるんでしょ? 二人とも寝坊しちゃったかも…」
ハーレイ「…頑張る? 何をだ?」
ぶるぅ 「えとえと、なんて言ったっけ…。糠漬けだっけ?」
??? 「違うってば!」

そんなのと一緒にしないでくれ、と現れました、バカップル。
当然のようにド真ん中の席、教頭先生の横に陣取りまして。

Aブルー「こんにちは。ちょっと昨夜は頑張り過ぎて」
A船長 「しじみ汁は素晴らしいですねえ…」

目標達成の日も近そうです、とキャプテンは自信に溢れております。
またしても大暴走が始まりそうな気配ですけど、糠漬け転じてしじみ汁?

2013/03/14 (Thu)

 

☆しじみと糠漬け


宴会の面子が揃ったところで早速出ました、しじみ汁。
しじみを大量に買って帰ったキャプテン、目標達成の日も近そうだとか。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 糠漬け、頑張ってるの?」
Aブルー「だから糠漬けじゃないってば!」
ぶるぅ 「えっ? あ、そっか、しじみの糠漬けって変だよね…」
ハーレイ「…なんの話だ?」
Aブルー「ああ、君はあの日はいなかったよねえ? しじみの話さ」
ハーレイ「しじみ?」
A船長 「ええ。しじみの味噌汁が良く効くそうだ、と伺いまして」
Aブルー「あるだけ買って帰ったんだよ!」

でもって料理したのはハーレイ、とソルジャーは得意げでございます。

Aブルー「初心者でもなんとか作れるものだね、レシピがあれば」
A船長 「最初はウッカリしておりまして、吹きこぼれが…」
ぶるぅ 「あ~…。お味噌を溶いたら沸騰させたらダメだよ、って!」
Aブルー「味はどうでもいいんだよ。パワーが一番!」
ぶるぅ 「美味しい方がいいと思うけど…」
A船長 「どうせ食べるのは私ですから、気にしませんよ」

それでも上達いたしました、と笑顔のキャプテン。
しじみは最先端の技術で保存され、日々、取り出しては味噌汁に。

A船長 「いや、本当に精がつきます。それと御利益パワーですね」
Aブルー「もうヌカロクは基本だよね!」
ぶるぅ 「ヌカ…? 糠漬けじゃなくて?」
A船長 「ヌカロクですよ、早い話が抜か」
ブルー 「ストーップ!!!」

抜かず六発、と言い掛けたキャプテン、目を白黒。
一方、シャン学メンバーの方は。

ジョミー「糠だってさ」
キース 「そうか、糠なのか」
シロエ 「糠味噌女房とか言いますよねえ? そっち系かもしれません」
サム  「うんうん、古馴染みっていうニュアンスな!」
Aブルー「ちょ、ちょっと…」

違うんだけどな、と訂正しようにも生徒会長の目が光っております。
生活感が漂い始めたヌカロクですが。
誤解されてもバカップルなら暮らしのスパイスかもですね!

2013/03/15 (Fri)



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☆お坊さんの好意


夫婦和合の文字が躍った絵馬に加えて、夫婦茶碗なバカップル。
露骨すぎる願い事を口にされまくるよりは、まだ微笑ましい光景でして。

Aブルー「これは「あ~ん♪」とはいかないねえ…」
A船長 「よろしかったら口移しで」
Aブルー「いいね、それ! じゃあ、早速」
ブルー 「やめたまえ!」

公衆の面前なんだから、とストップをかける生徒会長。
こんな所で熱烈なキスなぞされたら、また晒し者でございます。

Aブルー「ダメなのかい? お願い事の最中なのに?」
ブルー 「そういう時こそ慎むものだよ、精進潔斎と言うだろう!」
Aブルー「うーん…。ちょっと方向性が違う気が…」

熱々で祈願に回った方が、とソルジャーは不満そうですが。

お坊さん「すみません、少しよろしいですか?」
一同  「「「!!!」」」

叱られるぞ、と首を竦めるシャン学メンバー。
生徒会長も緊張の面持ちですけど、テントから声を掛けたお坊さんは。

お坊さん「夫婦和合を御祈願だそうで…。実はこちらの」
坊主B 「どうも、こちらで修行中の者です!」
坊主C 「こいつの実家、聖天さんをお祭りしてるんですよ」
一同  「「「…ショウテンさん…?」」」

聞き返すジョミー君たちの隣でウッと息を飲むキース君と生徒会長。
それもその筈、聖天さんという神様は…。

お坊さん「商売繁盛で有名ですけど、その実態はですね…」
坊主B 「夫婦和合と子孫繁栄なら聖天さんです!」
坊主C 「お姿からして夫婦和合ですよ、もう本当に効きますって!」
Aブルー「本当かい?」
坊主B 「象の頭の二人の神様が抱き合っておられるお姿です」
坊主C 「二股大根が絡み合った絵が御紋だったりするんですよ~」
Aブルー「二股大根?」
坊主C 「こう、大根が二股にですね…」

人の足みたいな形に分かれてるんです、と解説してくれるお坊さん。
それを絡めたのが聖天様の御紋だそうで。
神様が抱き合っておられるお姿といい、この流れ、ヤバくないですか…?

2013/02/16 (Sat)

 

☆聖天さんにお願い


夫婦和合なお願い事と夫婦茶碗と。
バカップルのアピールを目にしたお坊さんたち、聖天さんがどうこうと。

お坊さん「夫婦和合のお願いでしたら、聖天さんがイチオシですよ」
Aブルー「うん、本当に効きそうだよね。ねえ、ハーレイ?」
A船長 「ええ、私たちにはピッタリですね」

やはり精力もつくのでしょうか、とキャプテンは頬を染めております。
お坊さんたち、厳しい修行の息抜きとばかりに大盛り上がりで。

坊主B 「夫婦和合に子孫繁栄ですよ? もうバッチリです!」
坊主C 「こいつの実家、お参りの人が多いんですよ~」
お坊さん「とても御利益があるそうでしてね、よろしかったら」
坊主B 「無料で御祈祷いたします! お名前を書いて頂ければ…」

人助けも修行の内ですし、とメモを取り出すお坊さん。
修行中でもお師僧さんへの電話はOK、後で実家に連絡するとか。

坊主B 「父が心をこめて御祈祷させて頂きますので」
お坊さん「個人情報は漏らしませんから、御安心下さい」
Aブルー「別に漏れても気にしないけど…。ここに書いたらいいんだね」

サラサラと名前を書くソルジャー。
キャプテンも照れ笑いをしつつ、隣に名前を。

坊主B 「確かに承りました。どうぞ御利益がありますように」
お坊さん「他の皆さんも良いお参りを」
坊主C 「良いお参りをー!」
Aブルー「ありがとう! 御利益、思いっ切り期待しているからねー!」

精力がついて夫婦和合だ、と大喜びで手を振るソルジャー。
お坊さんたちとの会話のせいで周囲の視線がグサグサなのは至極当然。

一同  (((な、なんでこうなる…)))
Aブルー「良かったねえ、ハーレイ。また御利益を貰えたよ」
A船長 「他所でも御祈祷して頂けるとは、もう励むしかありませんね」
Aブルー「うん、ヌカロクで夫婦和合だってば!」

残りのお参りも張り切って行こう! とバカップルは誓いの熱いキス。
また晒し者のシャン学メンバー、もう御愁傷様としか言えませんです~!

2013/02/17 (Sun)

 

☆普通にお参り


甘酒のお接待でもエライ目に遭ったシャン学メンバー。
残る七福神巡りは四ヶ所ですけど、これ以上の災難は勘弁でございます。

ブルー 「いいかい、次は不動明王だから! 何もないから!」
Aブルー「無いってことはないだろう? 七福神に入ってるんだし」
キース 「あんたが期待する類ではない。お不動様は現世利益だ」
Aブルー「なんだ、それなら…」
ブルー 「間違えないように! お不動様は本来、煩悩消滅」

煩悩を消して下さるからね、と生徒会長。
バカップルのお願い事など吹っ飛びそうな感じですけど…。

Aブルー「煩悩じゃないよ、お願い事だし!」

ちゃんと書いた、と指差す先には例の絵馬。
『夫婦和合』とデカデカと。

Aブルー「だから御利益あるんだよ。間違いないって!」
A船長 「現世利益だけに効きそうですね」

お願い事と煩悩は別物、これは効くかもしれません。
バカップルは神妙にお参りしまして、次のお寺は恵比寿様。

Aブルー「恵比寿様は何に効くのかな?」
ブルー 「商売繁盛! 今度こそ君には関係ないよ」

ざまあみろ、と舌を出す生徒会長。
境内に入れば商売繁盛だけに大いに賑わっておりますが。

参拝者A「儲かりますようにー!」
参拝者B「商売繁盛、どうぞよろしく!」

ガランガランと鈴を鳴らすやら、叫ぶやら。
お堂の板壁をバンバン叩いている人も。

Aブルー「なんだい、あれは?」
ブルー 「恵比寿様は耳が遠いと言われていてね」
キース 「是非とも聞いて頂きたい、という人は大声を出すわけだ」
ブルー 「壁を叩くのも同じ理屈さ、注意を引くわけ」
Aブルー「そういえば、お願い事は神様に届かないとダメなんだっけね」
A船長 「しかし、商売繁盛では…。此処は関係ないですね」
Aブルー「次の所に期待しようよ、二ヶ所も残っているんだからさ」
一同  (((期待するな!!!)))

七福神巡り、二ヶ所続けて普通にお参り出来ました。
残る二つも今の調子でクリア出来たらゴールですよ~!

2013/02/18 (Mon)

 

☆七福神の御利益


不動明王に恵比寿様と無事に巡ったシャン学メンバー。
七福神巡りは残り二ヶ所とクライマックス、何事もなく終えたいところ。

Aブルー「えっと、次は…と」
ブルー 「お稲荷さん! 五穀豊穣、商売繁盛。無関係だね」

君のシャングリラが豊作になるよう祈りたまえ、と生徒会長。
ソルジャーは不満そうでしたけども、キャプテンは真剣にお参りで。

Aブルー「やけに真面目にお祈りしてたねえ?」
A船長 「豊作はしっかり祈りませんと。なにしろ私はこの身体ですし」
Aブルー「そうか、君が沢山食べられなければエネルギー切れ…」

それは大変、と取って返したソルジャー、お賽銭を入れて二度目の祈願。
五穀豊穣も夫婦和合に結びつくのか、とシャン学メンバーは軽く頭痛で。

キース 「これで最後が大黒天とは…」
ブルー 「諦めるんだね、もう終わりだしさ」
Aブルー「なになに、最後がどうかした?」
ブルー 「一番最後は大黒天! 五穀豊穣と不本意ながら子孫繁栄」
Aブルー「やったね、子孫繁栄には夫婦和合が大前提!」

気合を入れてお参りするぞ、とソルジャーは思い切り燃えております。
キャプテンとの密着度も一気にアップで、門をくぐって柏手を。
でもって声を張り上げまして…。

Aブルー「夫婦和合も、どうぞよろしく!」
A船長 「ヌカロクでお願いいたしますー!」
一同  (((うわぁぁぁぁぁ!!!)))

なんてことをしてくれるのだ、と叫ぼうにも周囲の視線がグサグサ。
泣きの涙で福笹に最後のお札を結んで貰って、逃亡するのが精一杯で。

ブルー 「び、びっくりした…」
Aブルー「なんで走って逃げるのさ? あそこが最後だったんだよ?」

お願い事は神様に届かないと、とソルジャーは真顔。

Aブルー「恵比寿様の所で叫んでた人がいたからねえ」
A船長 「見習って叫ばせて頂きましたが、いけませんでしたか?」
ブルー 「それは恵比寿様限定だよ!」

最後の最後で赤っ恥。
七福神巡り、御利益は全部バカップルに…?

2013/02/19 (Tue)

 

☆食べたい湯豆腐


七福神巡りの締めで大恥をかかされたシャン学メンバー。
よほどパニックになっていたらしく、逃走した先は門外ならぬ境内の奥。

ブルー 「うーん…。このまま裏手に回って瞬間移動で帰ろうか」
キース 「そうだな、去年もそのルートだし」
Aブルー「待ってよ、お昼御飯がまだだってば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 帰ったらすぐに作るよ!」
Aブルー「そうじゃなくって…。七福神のお寺がやってる湯豆腐!」

去年は食べていただろう、と指摘するソルジャー。

Aブルー「せっかく来たんだ、御利益のある所で食べなくちゃ」
ブルー 「お稲荷さんのお寺だけど? 五穀豊饒に商売繁盛」
Aブルー「だったら余計に大切じゃないか! 五穀豊穣!」

ハーレイの身体を養わなくちゃ、とソルジャーは強気でございます。
キャプテンもまんざらではなさそうでして。

A船長 「ブルーを満足させるためには栄養が必要ですからねえ…」
ブルー 「わ、分かったよ! …とりあえず人は入れ替わったかな…」

もうほとぼりは冷めただろう、と来た道を戻るわけですが。
バカップルは密着中で『夫婦和合』の絵馬も健在、好奇の視線も継続中。

一同  (((……拷問だ……)))

急いで通り過ぎるに限る、と足を速めてやって来ました、湯豆腐のお寺。
お座敷に通されホッと一息、机の上には湯豆腐の土鍋。

Aブルー「嬉しいねえ。この湯豆腐がハーレイの逞しい身体を作る、と」
ブルー 「ここは精進料理だから! 精をつけないのが目的だから!」
Aブルー「なんだい、それは?」
ブルー 「修行僧向けの料理なんだよ、精がつく料理は修行の妨げ!」
Aブルー「えーーーっ? でもさ、お願いに来たんだからさ…」

御利益が欲しい所だけれど、とソルジャーがゴネておりますと。

仲居さん「八寸と天麩羅でございます。ごゆっくりどうぞ」
Aブルー「…ん?」

仲居さんが置いていった八寸のお皿にソルジャーの視線が釘付けに。
この人に料理が分かるんですかねえ…?

2013/02/20 (Wed)

 

☆最後まで御利益


ソルジャーが注目している八寸のお皿。
胡麻豆腐やガンモドキのお皿も並んでいる中、オードブル的な存在です。

ブルー 「ああ、珍しいかもね、若竹の木の芽和え」

季節じゃないし、と生徒会長。
一月の末辺りから早掘りと称して小さいタケノコが出回るとか。

ブルー 「この辺りは竹藪が多いし、季節を先取りって感じかな」
Aブルー「そうなんだ? …それよりも、横の」
一同  「「「???」」」

ソルジャーが指差したものは小茄子の田楽。
小さいだけにヘタをつけたまま、真っ二つに切ってありますが。

Aブルー「いい形をしてると思わないかい? ほら、ぷっくりと」
A船長 「そういえば…」

似ていますね、と頬を赤らめるキャプテン。

Aブルー「かなりサイズは小さめだけどさ、あの飴だって小さいし!」

これだって効くに違いない、と言われて頭に蘇る子授け飴。
小茄子の田楽、アレを二つに割った形に似ております。

Aブルー「五穀豊穣のお寺で出てくるんだから、これを食べれば…」
A船長 「栄養が一点集中ですね!」

ビンビンのガンガンでヌカロクですね、と頷くキャプテン。
ソルジャーはニッコリ微笑みまして。

Aブルー「というわけでさ、よかったら譲ってくれないかな?」

君たちの分もハーレイに、と声を掛けられたシャン学メンバー。
頼まれなくても今の流れで茄子など御免でございます。
ポイポイポイ、とキャプテンのお皿に小茄子が集合、ソルジャーは…。

Aブルー「有難いねえ、御利益たっぷり! はい、あ~ん♪」
一同  (((見たくない、見たくない…)))

バカップルめ、と泣きたい気持ちで湯豆腐定食。
もちろんメインの湯豆腐も「あ~ん♪」と仲良く食べさせ合いで。

Aブルー「美味しかったね、来て良かったよ」
ブルー 「…そうだろうねえ…」

とんだ七福神巡りだった、と誰もが溜息。
バカップル以外は福を逃したっぽく…。
これ以上の恥は勘弁ですから、お寺の裏から生徒会長の家へ瞬間移動~!

2013/02/21 (Thu)

 

☆恵方巻のお届け


エライ目に遭ったシャン学メンバー、生徒会長の家でグッタリですが…。
バカップルの方は至極ご機嫌、御利益を数えて大喜びで。

Aブルー「子授け飴と聖天さんと…。小茄子の田楽も効きそうだよね」
A船長 「七福神の他にそれだけあれば凄そうですよ」
Aブルー「うん、ビンビンのガンガンでヌカロクってね!」

子供が要らない分、夫婦和合がバージョンアップで凄くなるとか。
皆が頭痛を覚えていればチャイムの音がピンポーン♪ と。
管理人さんが恵方巻を受け取り、部屋までお届けでございます。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 恵方巻、持ってきてくれたよ!」
ブルー 「それは良かった。はい、君たちの分」

生徒会長が二本取り出し、バカップルの方へ差し出して。

ブルー 「いいかい、今年の恵方は南南東! 忘れないようにね」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「恵方を向いて黙って食べる! それが恵方巻のお約束だよ」

夜になったら実行したまえ、と手渡そうとしたのですけれど。

Aブルー「うーん、今から貰ってもねえ…。その時でいいよ」
ブルー 「は?」
Aブルー「だから、その時! 最高のお願いスポットがあるんだろう?」

絶対に其処で食べなくちゃ、とソルジャーが言うのは去年の恵方社。
毎年、恵方に向きを変える小さな祠で、パワースポットに建っていて。

Aブルー「仕上げにあそこでお願いしなくちゃ意味無いし!」
一同  (((い、居座るのか…)))
Aブルー「夫婦和合ならハーレイと並んで食べるべきかな?」
ブルー 「知らないよ!」
Aブルー「だって、抱き合っていたら揃って恵方を向けないし…」
ブルー 「その発想は何処から来たわけ!?」
Aブルー「お坊さんが言ってた聖天さんだよ」
A船長 「二人の神様が抱き合っておられる御姿だと伺いましたね」
Aブルー「せっかくだから、あやからなくちゃ!」

夫婦和合を祈願するなら全力で、というバカップル。
恵方社の前で二人並んで恵方巻とは、また晒し者になりそうな…。

2013/02/22 (Fri)

 

☆恵方巻の食べ方


恵方巻を渡して追い出すつもりが、居座ってしまったバカップル。
夫婦和合の祈願の仕上げに、恵方社の前で二人仲良く食べるのだそうで。

Aブルー「やっぱりアレかな、腕を組むのがいいのかな?」
A船長 「そうですね。…いえ、それよりも」
Aブルー「何かいい手を思い付いたわけ?」
A船長 「私があなたを抱え込むのはどうでしょう? こう、後ろから」

ちょっと立ってみて下さいますか、と促すキャプテン。
ソルジャーがソファから立てば、背後からギュッと抱き締めまして。

A船長 「恵方巻がこのサイズですから…。出来ないことはないですね」
Aブルー「いいねえ、お前と密着しながら恵方巻だね!」
A船長 「両腕で抱き締めるのは無理ですが…。片手に恵方巻ですし」
Aブルー「ううん、全然オッケーだってば!」

ぼくの頭に食べこぼされても気にしない、と微笑むソルジャー。
バカップルが恵方巻を食べるスタイル、決まったようでございます。

Aブルー「夜になるのが楽しみだねえ」
A船長 「しっかりお願いしましょうね」
一同  (((……なんのイジメだ……)))

もう嫌だ、と泣けど叫べどバカップルが帰る筈もなく。
やがて日は暮れ、瞬間移動で恵方社の近所に飛んで残りは徒歩で。

ジョミー「うわぁ、今年も大勢いるね…」
キース 「日曜だからな…。よりにもよって」
サム  「こんな所で晒し者かよ…」
ブルー 「バカップル退散でも祈願するかい? あっ、ハーレイ!」
ハーレイ「おお、来たか。ちゃんと順番を取っておいたぞ」

コートを着込んだ教頭先生、今年も場所取りをしていた模様。
バカップルにも丁寧に頭を下げまして。

ハーレイ「こんばんは。節分体験ツアーだそうで」
Aブルー「そうなんだ。もう色々と最高でさ!」
A船長 「こちらでも是非、祈願したいと」
ハーレイ「そうですか。並んだ甲斐がありましたよ」

お役に立てて何よりです、と教頭先生。
バカップルのお参りスタイル、炸裂するまで秒読みですよ…。

2013/02/23 (Sat)

 

☆恵方巻でお参り

 
教頭先生が場所取りをしていた恵方社前。
居並ぶ人々をゴボウ抜きして、一番前での祈願が可能となっております。

ハーレイ「で、誰が最初にお参りするんだ? お客様か?」
客人以外「「「………」」」
ハーレイ「どうした、妙に元気が無いが…。そういう時こそ恵方巻だぞ」

しっかり食べてお参りしろ、と教頭先生。
バカップルが何をするのか御存知ないだけに無理もありません。

Aブルー「遠慮しないでお参りしてよ、ぼくたちは最後でいいからさ」
A船長 「ええ、皆さんのお参りを参考に致しますから」

参考も何もあったものではないのですけど。
バカップルに先にやられるよりかは、後の方がまだマシというもの。

ブルー 「だったら先に行かせてもらうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、一番!」

恵方社の前で柏手を打った「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
老舗料亭の恵方巻を頬張り、無言でモグモグ食べ終えまして。

ぶるぅ 「美味しかったぁー! お酢もお米も最高だもんね!」
ブルー 「お願い事は?」
ぶるぅ 「あーーーっ!!!」

忘れちゃってた、と叫ぶ「そるじゃぁ・ぶるぅ」に大爆笑。
シャン学メンバーたち、自分は絶対忘れないぞと心に固く誓ったのに。

ジョミー「…どうだった?」
キース 「お前と同じだ」
シロエ 「結局、全員おんなじですか…」
ハーレイ「なんだ、どうしたんだ?」

私は恋愛成就を祈願したが、と教頭先生だけがお気楽。
他の面子はウッカリしっかりバカップル退散を祈ってしまい。

ブルー 「……別にいいんだ、無駄骨だろうし……」
ハーレイ「は?」
ブルー 「すぐに分かるさ、君にもね」
ハーレイ「???」
Aブルー「ハーレイ、ぼくたちの番みたいだよ」
A船長 「そうですね。二人でお願いいたしましょう」

キャプテン、ソルジャーを背後から左腕でギュッと。
お願い事を口に出せない分、姿勢でアピールしていくようでございます。
聖天さんにあやかったお参りスタイル、夫婦和合の恵方巻です~!

2013/02/24 (Sun)

 

☆トドメの恵方巻


キャプテンがソルジャーを背後からギュッと抱き締め、恵方巻タイム。
二人とも無言でモグモグ頬張ってますけど、お願い事が何かは一目瞭然。

ハーレイ「な、何なんだ、あれは?」
ブルー 「二人揃って恵方を向けるスタイルらしいよ」
ハーレイ「し、しかしだな…」

思い切り注目されているのだが、と教頭先生。
順番待ちの人々の視線、バカップルを避けて同行者たちにビシビシと。

ブルー 「君は遙かにマシなんだってば、ぼくたちは朝から晒し者でさ」
ハーレイ「朝から…?」
キース 「七福神巡りで派手にやられました」

こんなのはまだ序の口です、とキース君が嘆く間も密着中のバカップル。
ようやっと恵方巻を食べ終えまして…。

Aブルー「…どうだった? ハーレイ」
A船長 「勿論しっかりお願いしました、夫婦和合でヌカロクですよ!」
一同  (((ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!)))

またやられた、とダッシュで逃げ出すシャン学メンバー。
教頭先生も一緒に駆け出しましたが、その後ろからはバカップルが。

Aブルー「なんで逃げるのさ、薄情者ーっ!」
A船長 「私たちが何かやりましたかーっ!?」

恵方巻のマナーは守りましたが、と大声で絶叫されましても。

ブルー 「追っかけてくるなら黙っててーっ!」
A船長 「だそうです、ブルー」
Aブルー「じゃ、黙ろうか」

ちょうどそういう気分だしね、と追い付いたバカップル、ピタリと沈黙。
生徒会長宅に瞬間移動で逃げ帰った後も無言でして。

ブルー 「あーあ、酷い目に遭っちゃった。で、豆まきの方だけど」
ハーレイ「今年も私が鬼をやるのか?」
ブルー 「そのつもりで用意はしてあるよ。…ん?」

朝から何かと言えば密着していたバカップルが距離を取っております。
生徒会長の目線を追ったシャン学メンバーたちもそれを確認。

一同  (((…???)))

追突防止の車間距離ならぬ人間(じんかん)距離。
夫婦和合を願った筈のバカップルに何があったんでしょう…?

2013/02/25 (Mon)

 

☆距離を取る二人


何かと言えばイチャイチャ、ベタベタ、密着していたバカップル。
恵方巻まで凄いスタイルで食べたというのに、何故か二人の間に距離が。

ブルー 「そこの二人! 夫婦喧嘩なら帰ってくれる?」
Aブルー「えっ?」
ブルー 「こんな所で冷戦状態は困るんだってば、豆まきするしね」
Aブルー「冷戦状態? ぼくたちが?」

なんでまた、と返したソルジャー、皆の視線に気が付いたようで。

Aブルー「ああ、ハーレイと距離を取ってることか…。勘違いだし!」
一同  「「「勘違い?」」」
Aブルー「喧嘩じゃなくって、むしろその逆!」
A船長 「今、近付くとマズイんです」
一同  「「「はぁ?」」」
Aブルー「くっついて恵方巻を食べちゃったからね、ちょっと気分が」
A船長 「お互い、抑えが利かなくなりそうでして…」

なにしろ無言で恵方巻を丸かぶりです、と続けるキャプテン。

A船長 「ブルーよりかは大きめだな、と思い始めてしまいまして…」
Aブルー「ぼくもなんだよ、ハーレイに海苔を巻いちゃった気分」
ブルー 「ちょ、ちょっと…」

もうそれ以上は言わなくていい、と生徒会長は顔面蒼白。
しかし…。

Aブルー「だからね、二人でくっついちゃうとヤリたくなるんだ」
キース 「何をだ?」

万年十八歳未満お断りゆえの素朴な疑問。
ソルジャーは我が意を得たりとばかりに得意げに。

Aブルー「いわゆるシックスナインというヤツ!」
ブルー 「やめたまえ!!!」
ジョミー「…しっくす…?」
A船長 「69です、私がブルーを、ブルーが私をというものでして」
シロエ 「はあ…」

サッパリ分からないんですけど、とシャン学メンバー。
生徒会長は口をパクパク、教頭先生は派手に鼻血で。

ぶるぅ 「大変、鬼さん、鼻血が出ちゃった!」
Aブルー「いいじゃないか、どうせ脱衣豆まきするんだろ?」

今なら鬼に金棒状態、とソルジャーはいけしゃあしゃあと。
教頭先生の大事な金棒、ビンビンのガンガンになりましたかねえ?

2013/02/26 (Tue)

 

☆鬼と金棒


密着して恵方巻を食べたばかりに、けしからぬ気分になったバカップル。
お互いに距離を取っていないと69をやりたくなるそうで…。

ブルー 「さっさと帰って実践したまえ、豆まきはもういいだろう!」
Aブルー「ぼくたちは節分ツアーに来たんだよ?」
A船長 「節分は豆まきで締めるものだとブルーが言っていましたが」
Aブルー「こっちのハーレイも金棒を装備出来た筈だし…」

脱衣豆まきをやらなきゃ損だ、とソルジャーは主張しております。

ブルー 「鬼の衣装は用意したけど、絶対嫌だ!」
Aブルー「なんで? ビンビンでガンガンの金棒つきだよ」
A船長 「ええ、窮屈そうでいらっしゃいますしね」

是非とも解放してあげて下さい、とキャプテンまでが。
69ネタで煽られた教頭先生、確かにズボンがキツイようです。

Aブルー「だからね、パァーッと豆まきしなくっちゃ!」
ブルー 「豆が当たると服は透けるけどね、それは視覚の問題だから!」

消えてなくなるわけではない、と生徒会長。

ブルー 「スッポンポンになったとしても見た目だけだよ」
Aブルー「窮屈なのは変わらないのか…。でもさ、金棒は拝めるよね?」
ブルー 「ぼくは拝みたくないってば!」
Aブルー「そう言わずにさ。君もいつかは御世話になるかもしれないよ」

その金棒に、とソルジャーはノリノリでございます。
教頭先生は鼻血が止まらず、もうビンビンのガンガンですけど。

ブルー 「………。豆まきの意味を知ってるのかい?」
Aブルー「鬼を追い出して福を呼ぶのが目的だろう?」
ブルー 「本来、厄除けの行事なんだよ! 追い出すべきは厄という鬼」
Aブルー「それで?」
ブルー 「ぼくたちにすれば、君たちこそが厄そのものだと思うけど?」
Aブルー「じゃあ、ぼくとハーレイが脱げばいいわけ?」

いつでもどうぞ、と笑顔のソルジャー。
豆が当たると服が透けるのが脱衣豆まきというヤツですが。
バカップルなぞに脱衣させたら、その場で69を始めてしまうのでは…?

2013/02/27 (Wed)

 

☆仕上げは豆まき


君たちこそが厄そのものだ、と言われてしまったバカップル。
ところがソルジャー、自分たちが厄なら脱ぐと開き直ってしまいまして。

Aブルー「節分のフィナーレは豆まきだしさ、いくらでも脱ぐよ」
A船長 「正直、恥ずかしいのですが…。それがブルーの望みでしたら」
ブルー 「脱がなくていい! 脱衣豆まきは本来、邪道!」

鬼に豆をぶつけて追い出すだけだ、と生徒会長。

ブルー 「だから今から普通に豆まき! 鬼の衣装は諦めた!」
Aブルー「ちょっと待ってよ、鬼はぼくたちなんだろう?」
ブルー 「それは単なる喩えというヤツ!」
Aブルー「せっかくだから鬼をやりたいんだけど」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「ただし、ぼくたちが追いかける方! 鬼ごっこってね」

豆をぶつけながら逃げたまえ、と微笑むソルジャー。

Aブルー「捕まった人には厄をたっぷり! 69の見学会だ」
ブルー 「な、な、な……」
Aブルー「ぶるぅ、豆まきのアイテムは何処?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すぐに持ってくるね!」

はいどうぞ、と豆入りの桝が鬼を除いた全員に。

Aブルー「一番奥の部屋からだよね、それじゃ行こうか」
一同  (((…あ、悪夢だ…)))

バカップルに捕獲されたら69の見学会。
豆をまきつつ必死に逃げるシャン学メンバーたちですが。

ブルー 「捕まりたいわけ? ハーレイのスケベ!」
ハーレイ「いや、私は…!」
Aブルー「ほらほら、もうすぐ追い付いちゃうよ?」
一同  「「「鬼は~外~!!!」」」

バァン! と玄関の扉を開けた一同、我先に外へ。
背後で扉がバタンと閉まって、鍵をかける音がガッチャンと。

キース 「おい、家の鍵は?」
ブルー 「も、持ってない…」
Aブルー「あっても無駄だよ、それじゃ朝まで御世話になるね~♪」

節分の締めは夫婦和合で69、とソルジャーの声。
鬼に追われて廊下で難民、教頭先生の金棒も69を見損ねてションボリ。
今年の節分、福は逃したようですねえ…。

2013/02/28 (Thu)



 

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☆恵方巻をよろしく


ジョミー君とシロエ君が散々なスタートを切った今年の元日。
あれから順調に日は流れまして、梅もほころぶ二月の到来でございます。

ブルー 「さてと、明後日が節分だけど…。今年はどうする?」
キース 「日曜だしな…。各自、自宅で豆まきという手もあるが」
ジョミー「それってあんまり楽しくないし!」
??? 「そうだよね、ぼくもそう思う」
全員  「「「!!?」」」

バッと振り返った先に立っていたのは紫のマントの例の人。
いわゆるソルジャー(会話表記はAブルー)ご登場で。

Aブルー「恵方巻の予約をしただろう? 追加をお願いしたいんだけど」
ブルー 「そりゃ出来るけどさ…。ぶるぅ、追加だ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すぐにお電話するね!」

もしもし、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が電話した先は高級料亭。
パルテノンでも指折りの店で、上得意様にだけ恵方巻お届けサービスが。

ぶるぅ 「えっと、えっとね、恵方巻の追加、一本お願い!」
Aブルー「違う、二本で」
ぶるぅ 「間違えちゃった、二本だったぁ! お願いしまぁ~す♪」

それじゃよろしく、と追加注文は簡単に終わりましたが。

ブルー 「二本って…。恵方巻は一人一本だよ?」
Aブルー「忘れないで欲しいね、ぼくは結婚してるんだけど」
ブルー 「だったら三本要るだろう! ぶるぅの分はどうするのさ!」
Aブルー「お留守番には御褒美たっぷり! 市販のヤツをドカンとね」
全員  「「「お留守番?」」」
Aブルー「うん。ぼくとハーレイは節分をこっちで過ごそうかと」

楽しそうなイベントが盛りだくさん、と言われましても。
たかが節分、世間はバレンタインデーの前哨戦で盛り上がり中で。

ブルー 「バレンタインデーの方が楽しいだろうと思うけど?」
Aブルー「そっちはぼくのシャングリラにもあるからねえ…」

異文化体験、節分ツアー! とソルジャーはブチ上げているものの。
ソルジャー夫妻が来るとなったら、恵方巻を食べるだけではなさそうな?

2013/02/01 (Fri)

 

☆バカップルと節分


異文化を体験してみたい、と節分に押し掛けてきたのがソルジャー夫妻。
シャン学メンバーも朝早くから生徒会長の家に集合で。

ブルー 「まったく、なんでこうなるんだか…」
Aブルー「ぼくもハーレイも素人なんだよ、節分ってヤツは」

そうだよね? と同意を求められたキャプテン(会話表記はA船長)、
穏やかな笑みを浮かべつつ。

A船長 「ええ、ブルーの話を聞いただけでは右も左もサッパリで」
Aブルー「去年、覗き見してたんだよね。色々と楽しそうだったしさ」

みんなで笹とか持っていたし、とソルジャーは既にお祭り気分。
今年の節分も七福神巡りでスタートすることになりそうです。

ジョミー「またお寺だぁ…。あそこ、ぼくには鬼門なのにさ…」
サム  「坊主宣言しちまったもんなぁ…」
キース 「これも御仏縁というものだ。精進しますと誓うんだな」
ジョミー「やだよ、そんなの!」
シロエ 「落ち着いて下さい、ジョミー先輩。今年は矛先が逸れるかも」

あそこに熱々のバカップルが、とシロエ君は声をひそめて。

シロエ 「会長はバカップルで手一杯だと思います。大丈夫ですよ」
マツカ 「ジョミーどころじゃなさそうですよね」
ジョミー「そ、そっか…。そうかもね!」
Aブルー「ん? ぼくたちがどうかしたのかい?」
シロエ 「いえ、節分を楽しんで頂きたいな、と」
Aブルー「それはもう! 御利益もたっぷり頂かなくっちゃ」

お賽銭とかの用意もバッチリ、とソルジャーは得意げでございます。
キャプテンに財布を持たせておりまして…。

Aブルー「何かと物入りだろうしね。ちゃんとお小遣いを貰ってきたよ」
ブルー 「そ、それって、まさか…」
Aブルー「決まってるだろう、ノルディだってば!」
ブルー 「君のハーレイはそれでいいわけ!?」
A船長 「私はブルーが幸せでしたら、それで幸せなのですよ」

なんと言っても夫婦ですし、とバカップルは朝からイチャイチャと。
節分はデートの口実だったりするのかも…?

2013/02/02 (Sat)

 

☆バカップルと出発


節分といえば節分寒波。
今年も厳しい冷え込みになり、雪が降りしきる中を七福神巡りに出発で。

Aブルー「いいねえ、雪を見るとノルディの別荘を思い出すよ」
A船長 「雪景色が素晴らしかったですからね。…あなたもですが」
Aブルー「讃美歌でウットリしちゃってさ…。それが良かったかな?」

流されるまま、されるまま…、とキャプテンの腕に縋り付くソルジャー。
いつぞやの別荘ライフの夜の主導権、キャプテンにあったようでして。

Aブルー「お前って情熱的なんだなぁ、と実感したよ」
A船長 「そ、そうですか? 改めて言われると照れますね…」
ブルー 「そこの二人! もう目の前がバス停だから!」

恥ずかしい会話はやめたまえ、と眉を吊り上げる生徒会長。
七福神巡りのお寺に行くにはバスに乗らねばなりません。

ブルー 「バス停に先客はいないけれどね、バスに乗ったら人の目が!」
Aブルー「いいじゃないか、別に減るものじゃなし」
A船長 「…私は気になってきたのですが…」
Aブルー「出発前からヘタレないでよ、声がダメなら態度と思念波!」

こうやって、とグイとキャプテンに抱き付き、熱いキス。
思念は流れてきませんでしたが、キャプテンもノリノリでございます。

ブルー 「…余計に酷くなった気がする…」
キース 「他人のふりをして通すしかないな」
ブルー 「バスの中はそれでいいけどさ…。そこから後が」
一同  「「「あー…」」」

バカップルを連れて行動するのか、と誰もが遠い目。
路線バスが到着しまして、乗り込めば。

Aブルー「んーと…。席はあるけど、詰めた方がいい?」
ブルー 「は?」
Aブルー「お年寄りも多いようだし、二人で一つにしておくよ」

それがいいよね、とソルジャーが座らせたのはキャプテンで。

Aブルー「よろしく、ハーレイ」
A船長 「ええ、ブルー…」

しっかり抱えていますから、とキャプテンはソルジャーを背後から。
キャプテンの膝に座って二人で一つの席ですか~!

2013/02/03 (Sun)

 

☆抱っこで二人掛け


路線バスに乗り、七福神巡りのお寺を目指すシャン学メンバー。
それに同行しているソルジャー、キャプテンの膝の上にストンと腰を…。

一同  「「「………」」」

体格のいいキャプテンにソルジャーが後ろから抱えられての二人掛け。
そんな座り方が可能なシートは最後尾にしか無いわけでして。

ブルー (た、他人のふり…。他人のふり…)
Aブルー「隣の席が空いてるよ? 座らないわけ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも抱っこがいいな!」

ねぇねぇブルー、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の瞳がキラキラ。
乗客の視線が生徒会長に集中しております。

ブルー 「ぶるぅ、他人様のお邪魔をしちゃいけないよ」
ぶるぅ 「えっ? ブルーとブルーはお友達でしょ?」

他人じゃないよ、と更なる一撃。
車内の人々、それこそ他人なのに生徒会長とバカップルに好奇の視線を。

ぶるぅ 「抱っこがいいよぅ、ハーレイのお隣、空いてるもん!」
A船長 「どうぞ、どうぞ。もう少し横に詰めましょうか?」

キャプテンが幅を取っているため、五人掛けシートの余りは三人分ほど。
抱っこで二人掛けが可能なスペースも一人分しか無さそうで。

Aブルー「右でも左でも早く座れば? 突っ立ってないで」
A船長 「他の皆さんも御遠慮なく。私たちは別に気にしませんから」
ぶるぅ 「ブルーってばぁ! 早く座ろうよぅ~!」

お膝に抱っこ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は生徒会長の服をグイグイ。
もはや他人のふりをしたって無理、無茶、無駄でございます。

ブルー 「うう…。分かったよ、ぶるぅ。座ろうか」
ぶるぅ 「わぁーい!!!」
Aブルー「ほらほら、ハーレイ、横に寄ってあげて」
ブルー 「ちょっと待った! その前に、配置」
Aブルー「配置?」
ブルー 「そう、座席には詰めて座るもの! 優先座席が空席でもね」

後から乗ってくる人のためにも最大限の空間を残すべき、と生徒会長。
それは確かにマナーですけど、配置というのはどういう意味…?

2013/02/04 (Mon)

 

☆バカップルとお隣


キャプテンの膝に座って最後尾のシートに陣取るソルジャー。
その隣に座る羽目に陥った生徒会長、配置がどうのとか言い出しまして。

ブルー 「ぶるぅは身体が小さいからねえ、右は余裕だと思うんだよ」
Aブルー「…右?」
A船長 「では、私とブルーは少し左に」
ブルー 「逆、逆! ごめん、言い方がマズかった」

ぼくから見て右の意味だったんだ、と生徒会長が指差したのは乗車口。
整理券を発行する機械がございます。

ブルー 「こっち側は前にシートが無いだろう?」
A船長 「ああ、なるほど…。あちらより余裕があるわけですね」

反対側は前に二人掛けのシートがあるため、抱っこ座りには向きません。
乗車口側なら機械があっても、子供は膝でゆったり出来ます。

ブルー 「だからさ、ぼくとぶるぅはこっちに」
A船長 「分かりました。入りやすいよう空けますので」
ブルー 「あ、まだ配置が決まってないから! そこの男子たち!」
男子一同「「「は?」」」
ブルー 「返事したね? これで一蓮托生だ」

もはや他人のふりは出来ない、と言われて顔面蒼白の男子たち。
他の乗客の目は今度は男子に注がれております。

ブルー 「まだ二人分余ってるんだよ、後ろのシートは。誰が座る?」
キース 「お、俺はバスの中では座らん主義だ!」
シロエ 「ぼくもです。公共の交通機関では座らないことにしています」

柔道部の指導方針ですから、と逃げを打ったシロエ君ですが。

ブルー 「ふうん? その割にいつも座ってるよねえ、路線バス」
ジョミー「去年の節分もみんなで座って行ったじゃない!」
サム  「そうだぜ、俺たちの仲で遠慮するなんて水臭えじゃねえか」
スウェナ「逃げるなんてカッコ悪いわよ? そこで座るのが男でしょ!」
マツカ 「あのぅ…。スウェナ、今のは失言ですよ」

せっかく蚊帳の外だったのに、とマツカ君。
乗客の皆さん、スウェナちゃんをもチラチラと…。
げに恐るべし一蓮托生、バカップルとの珍道中です~!

2013/02/05 (Tue)

 

☆バカップルと一緒


返事したばかりに身バレな男子と、声を掛けて身バレしたスウェナ。
他の乗客の視線が注がれる中、誰か二人がバカップルの隣でございます。

スウェナ「私はイヤよ、男同士で座ればいいじゃない!」
ブルー 「スウェナの意見は一理あるね。男だけの席に女性はちょっと」
キース 「紅一点という言葉もあるぞ? 別にかまわないと思うのだが」
シロエ 「ですよね、身体も細いですからシートに余裕が出来ますし」

ぼくたちは立って行きますから、とスウェナちゃんを促すシロエ君。
キース君もレディー・ファーストとばかりに通路を空けておりますが。

ブルー 「…決まったね。残り二つはキースとシロエだ」
キース 「なんでそうなる!」
シロエ 「スウェナ先輩に譲りましたよ、ぼくたちは!」
ブルー 「そういう態度が許せないんだよ、逃げたり女性を陥れたり!」

それでも男か、と一喝されて、柔道部な二人に白羽の矢がバスッと。
もはや逃げ場は何処にも無くて。

キース 「おい、シロエ。最初はグー!!!」
シロエ 「えっ?」

一方的にジャンケン宣言をしたキース君、グーを素早くチョキに変え…。

キース 「よし、俺の勝ちだな。シロエ、あいつらの隣はお前だ」
シロエ 「ひ、酷いですよ、キース先輩!」
Aブルー「決まったんだ? どうぞ、ぼくたちは気にしないから」
A船長 「どうぞどうぞ、幅を取らないよう努力しますので」
Aブルー「一番邪魔なのは腕とかだしねえ、こう、ギュッと!」

思いっ切り強く抱き締めて、と微笑むソルジャーに応じるキャプテン。
密着度アップなバカップルの両隣、もう座るしかありません。

ぶるぅ 「わぁーい、抱っこだぁ! 抱っこ、大好き!」
Aブルー「ぶるぅも好きかい? 膝ってホントに座り心地が最高だよね」
隣の面子(((……見たくない、見たくない……)))

目的地に着くまでバカップルの隣で市中引き回しの刑な面子と、外野と。
どちらにしてもバスの中では晒し者ですし、早めの到着を祈るしか…。

2013/02/06 (Wed)

 

☆どこまでも身バレ


お膝で抱っこなバカップルの知り合いとバレて、市中引き回しの処刑中。
もっと車内が混んでくれれば、と誰もが祈っておりますと…。

運転手 「順番に前の方へとお詰め下さーい」

とあるバス停からドヤドヤと乗り込んで来た男女の一団。
何かのグループらしいですけど、どう見ても御老人でございます。

キース 「あっ、どうぞこちらへお座り下さい」
シロエ 「ぼくも立ちます! バスが揺れると危ないですよ」

席を譲るという善意の裏にはバカップルとの決別を願う切なる思いが。
そんな下心がマズかったのか…。

老人A 「失礼な! ワシらはそこまで落ちておらんわ!」
キース 「えっ?」
老人B 「お気持ちは有難いんですが…。ワシら、こういう者でして」

指差す先には揃いのバッジ。
山とピッケルを組み合わせた粋なデザインの品で。

老人A 「山岳同好会のOBなんじゃぞ、今日は例会じゃ」
老人B 「月に一回、終点まで行って神社にお参りしております」
キース 「し、失礼しました…」

良いお参りを、と頭を下げるキース君。
終点の神社とは千メートル近い山の山頂、若者でもキツイ登山道です。

Aブルー「珍しいねえ、キースがドジって」
A船長 「本当ですね。内輪でドジならまだ分かりますが…」
老人B 「おや、お知り合いですか?」
Aブルー「うん、この辺はみんな友達なんだよ」
一同  (((や、やられた…)))

御老人の団体様にも一気に身バレ。
いたたまれない気持ちの面子を他所に、バカップルは密着しております。

老人A 「若いもんはええのう、お盛んで」
Aブルー「あっ、分かる?」
老人B 「それはもう…。今日はどちらまで?」
Aブルー「何処だったっけ…。七福神巡りなんだけど」
老人A 「あそこに子授けはあったかいのう?」
老人B 「どうでしたかねえ…。しかし何事もまずは信心からで」

火伏せの神社へは月参り、と頷き合っている老人たち。
何やらおかしな雲行きですけど、どうなりますやら…。

2013/02/07 (Thu)

 

☆御利益をあなたに


バスの終点に聳える山の山頂には火伏せの御利益で名高い神社。
そこへのお参りを兼ねた登山が例会だという御老人たち、お達者印で…。

老人A 「あそこが子授け神社じゃったら良かったのう…」
老人B 「袖触れ合うも多生の縁と言いますしねえ…」
一同  「「「???」」」

謎の会話に『?』マークが乱舞中。
と、御老人たちと同じバッジの女性が近付いて参りまして。

老人C 「子授けに夫婦和合かい? 七福神じゃあ範疇外だねえ」
老人A 「そうじゃろう? ワシらが代参してやろうにも別物じゃしな」
老人B 「火伏せではどうにもなりませんしね」
老人C 「だから私が来たんじゃないか。こないだお参りしたんだよ」

娘夫婦になかなか子供が授からなくて、と女性は溜息。
ウエストポーチに手を突っ込むと…。

老人C 「ほれ、手を出して」
A船長 「は?」
老人C 「アンタだよ、アンタ! これは御利益のある飴なんだ」

バラバラバラッとキャプテンの手に飴玉が。
個別包装の袋から透ける飴玉は開く前の松茸にも似た妙な形で。

老人C 「コレ食べてしっかり頑張るんだよ、夫婦円満!」
老人A 「ほうほう、子授け飴とは効きそうな…」
Aブルー「え、えっと…。ぼくは子供は要らないんだけど…」

間に合ってるし、とソルジャーが言うのは「ぶるぅ」の事でございます。
しかし御老人たち、ワハハと笑い出しまして。

老人C 「なに言ってんのさ、旦那がしっかりしなくちゃね」
老人A 「目指せ生涯現役じゃ! 人生、大いに潤わんとのう」
老人B 「バスの中でもくっつくほどの熱さと御縁を末永く、ですよ」
A船長 「そ、そうですね…。頑張ります」
Aブルー「そっか、そっちに効く飴なんだ?」
老人C 「そういう形をしてるだろ? もうビンビンのガンガンってね」

御神体もソレの形なんだよ、との台詞に登山仲間から口笛などが。
車内の空気は猥談もどきで更に痛々しいものに…。
シャン学メンバー、針の莚でございますよ~!

2013/02/08 (Fri)

 

☆ようやく到着


子授けと夫婦和合に御利益があるという有難い飴玉。
口にするのもはばかられる形ですけど、ソルジャーは感激しております。

Aブルー「これでビンビンのガンガンかぁ…。良かったね、ハーレイ」
A船長 「まだお参りもしない内から御利益を頂いてしまいましたね」
老人C 「なぁに、これも御縁というヤツさ」
老人B 「おや、次のバス停が七福神では?」
老人A 「そうじゃな、乗り過ごしては大変じゃ」

ピンポーン♪ と降車ボタンを押してくれる御老人。
間もなくバスは停車しまして、逃げるように降りるシャン学メンバー。

老人たち「「「良いお参りを―!!!」」」
Aブルー「ありがとう、飴は大事に食べさせるねー!」

プシューッとバスの扉が閉まってブロロロ…と走り去りましたが。
一緒に下車した人々の視線はバカップルを遠慮なくジロジロと。

一同  (((む、無駄だけど他人、他人のふり…)))
Aブルー「いい人たちに会えたよね。その飴、しまっておかなくちゃ」
A船長 「何処にです?」
Aブルー「ん? もちろん青の間の例の所に」

貸して、と飴を受け取ったソルジャー、空間移動をさせたようです。
一般人にそれと気付かれないよう、ポケットに入れるふりをして。

ぶるぅ 「あれっ、キャンディー、片付けちゃったの?」

ゆっくり見たいと思ってたのに、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は純真無垢。
変わった形の飴玉だけに興味があったみたいです。

ブルー 「シッ、ぶるぅ! あれはね、大人の飴なんだよ」
Aブルー「子供にはちょっと早過ぎるってね。そこのみんなも」

万年十八歳未満お断り、と指を差されたシャン学メンバー、ガックリと。

キース 「早過ぎるだなんてレベルじゃないぞ…」
シロエ 「お願いですから、巻き込まないで下さいよ!」
ブルー 「此処から先では慎んで欲しいね、やっと人目がなくなったし」

バスの乗客たちは先にお参りに出掛けた模様。
気を取り直して七福神巡りといきたいですけど、大丈夫かな…?

2013/02/09 (Sat)

 

☆福笹に願いを


バカップルに振り回されたバスからやっと逃れたシャン学メンバー。
乗客の姿も無くなり、平常心を取り戻した所で七福神巡りでございます。

ブルー 「さて、まずは福笹を頂かなくちゃ」
Aブルー「色々とつけて貰うんだよね? お参りをしてさ」

去年バッチリ覗き見したよ、とソルジャーは心得ている様子。
これなら安心、とジョミー君たちは列に並んで巫女さんの手から福笹を。

巫女さん「どうぞ良いお参りを」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ありがとう!」
キース 「あいつらは…、と。なんだ、最後に並んだのか」
ジョミー「そりゃそうじゃない? 初めてなんだし」
シロエ 「ジョミー先輩、坊主祈願はしないんですか?」
ジョミー「やらないよ! どっちかと言えば断る方だし!」

去年ウッカリやっちゃったから、と嘆いているのは坊主宣言。
お接待の甘酒で酔った末の苦い思い出です。

ジョミー「だからしっかり撤回しなくちゃ」
Aブルー「みんな、お待たせ! ジョミーのお願いはそれなんだね」
ジョミー「決まってるじゃない! 今年はガッツリ断るんだよ」
Aブルー「………。その割に書いてないようだけど?」
ジョミー「えっ、何を?」
Aブルー「お願い事だよ、コレに書き込むものだろう?」

ソルジャーが指差したのは福笹に結ばれた干支の絵馬。
今年の干支の蛇が可愛く描かれております。

Aブルー「初詣とかいうヤツに行ったら書いてるよね?」
ブルー 「あっちはお願い専用の絵馬で、これは単なる飾りだよ」

この干支の年にお参りしましたという印、と生徒会長は言いましたが。

Aブルー「えーーーっ? 飾りでも書けば効きそうだけどなぁ…」
ブルー 「それはまぁ…。まるで効かないってこともないかも」
Aブルー「だったら書いてもいいんだよね?」
ブルー 「好きにすれば?」
Aブルー「書く!」

筆ペンってヤツがあったよね、と瞬間移動で取り出すソルジャー。
生徒会長の家から拝借してきたみたいです。
はてさて、何を書くのやら…。

2013/02/10 (Sun)

 

☆願い事を絵馬に


福笹に最初からくっついている干支の絵馬。
祈願用ではないのですけど、ソルジャーは願い事を書きたいそうでして。

Aブルー「んーと…。あれってどういう字を書くのかな?」
ブルー 「は?」
Aブルー「飴をくれた人が言ってたヤツだよ、夫婦ナントカ…って」
ブルー 「夫婦円満なら丸いの円と満月の満!」

なんというモノを書いてくれるのだ、と誰もが頭を抱えましたが。

Aブルー「その漢字なら知ってるってば! それじゃなくって」
一同  (((ま、まさか…)))
Aブルー「ビンビンのガンガンな御利益のヤツを知りたいんだけど」

ズーン…と地面にめり込みそうな生徒会長とシャン学メンバー。
しかし知らないふりを通せば被害の拡大は確実で。

ブルー 「ふ、夫婦和合ね…。それなら、こう」

説明するのも嫌だったらしい生徒会長、取り出したメモにサラサラと。
覗き込んだソルジャー、大きく頷いてニッコリと。

Aブルー「いいねえ、夫婦仲良く合体なんだ? ズバリそのもの!」
ブルー 「ち、違うんじゃないかな、和気あいあいの意味かと…」
Aブルー「苦しい嘘はやめたまえ。君の頭の中には違う字がある」

難しすぎる漢字だけれど、とバッサリ切って捨てるソルジャー。
確かに和気あいあいを漢字で書くなら『和気藹々』ございます。

Aブルー「ふふ、仲良く合体って御利益ありそう! これは書かなきゃ」
一同  (((書かなくていい!!!)))

やめてくれ、という心の叫びも虚しくソルジャーの絵馬に躍る四文字。
おまけに相手はバカップルなだけに。

Aブルー「ハーレイ、お前も書くんだよ。はい、筆ペン」
A船長 「夫婦和合ですね。ブルー、末永くよろしくお願いします」
Aブルー「もちろんさ。これからも仲良く合体しようね」

もうビンビンのガンガンで、とバカップルの絵馬にはお揃いの文字。
可愛い蛇の絵柄も吹っ飛ぶ勢いで『夫婦和合』と黒々と…。
そんな絵馬つきの福笹を持っての七福神巡り、他の面子には前途多難…?

2013/02/11 (Mon)

 

☆意外な毘沙門天


夫婦和合と書き込んだ絵馬が自慢のバカップル。
しっかり腕を組みピタリと密着、空いた方の手に福笹でイチャイチャと。

Aブルー「ガッツリお願いして回らなくちゃね、七福神に」
A船長 「叶えて頂けると嬉しいですね」
ブルー 「言っておくけど、お願いするだけ無駄だから!」

七福神はそういう神様ではない、とビシッと指摘する生徒会長。

ブルー 「バスの人たちもそう言ってただろ、違うって!」
Aブルー「そりゃそうだけど…。でも、願い事はちゃんと書いたよ」
ブルー 「見せびらかさなくていいってば!」

恥ずかしいから隠しておけ、と言うだけ無駄というもので。
バカップルと絵馬の文字に行き交う人々が注目中。

一同  (((む、無駄だけど他人のふり…。他人のふり…)))
Aブルー「えっと、順番に回るんだよね?」
ブルー 「そうだよ、最初は毘沙門天。福を授けて下さる神様で…」

きちんとお参りするように、と生徒会長は先頭を切って柏手を。
シャン学メンバーとソルジャー夫妻もお賽銭を入れ、お参りしまして。

お坊さん「ようこそお参りでした」

こちらでお札を、と福笹に毘沙門天のお札を結んで頂けます。
ソルジャーも笹を差し出しましたが。

お坊さん「夫婦和合でらっしゃいますか。毘沙門天様は効きますよ」
Aブルー「えっ?」
お坊さん「夫婦和合も司っておられますから」
Aブルー「ハーレイ、ここは効くんだってさ。良かったね」
お坊さん「御主人も御一緒ですし、どうぞ御利益がありますように」

キャプテンの福笹にお札を結んだお坊さん。
左手首に巻いていた数珠を両手に持ち直し、ジャラジャラと繰って。

お坊さん「オン ベイシラ マンダヤ ソワカ!」
一同  「「「???」」」
お坊さん「お願いが叶いますよう、お祈りさせて頂きました」
Aブルー「嬉しいな、絵馬も書いておくものだね」
お坊さん「お願い事は神様に届きませんとね」

でないと叶えて頂けませんよ、と、お坊さん。
絵馬は効力アリですか!

2013/02/12 (Tue)

 

☆弁天様の御利益


毘沙門天の御利益に夫婦和合があるそうで。
お坊さんに祈願して貰ったソルジャー、御機嫌で絵馬を撫でております。

Aブルー「ほらね、書いてて正解だったし!」
A船長 「本当ですね。伝えることが大切なのですね」

他の神様にもお願いしましょう、とキャプテンもやる気満々ですが。

ブルー 「…無駄だと思うよ、次は弁天様だから」
Aブルー「え、今の所だって君は違うと言ったじゃないか」
ブルー 「ぼくだって知らなかったんだよ!」

毘沙門天は勝運に武芸だとばかり…、とブツブツ呟く生徒会長。
キース君も隣で頷いています。

Aブルー「だったら次の所も御利益あるかもしれないよ?」
ブルー 「それは無い! 今度こそ財運と技芸上達!」
Aブルー「技芸上達…? ハーレイ、今のを聞いたかい?」

これは頑張ってお祈りしないと、とキャプテンに思念でヒソヒソと。
キャプテンは急に頬を赤らめ、何故か密着度がグッと上昇。

一同  (((…???)))
Aブルー「行こうよ、まずはお賽銭から!」

此処はドカンと入れなくちゃ、とキャプテンに用意させたのは紙幣。
目をむくシャン学メンバーを他所に、ソルジャー夫妻は柏手を。
お坊さんは笹にお札を結んだだけでしたが…。

Aブルー「ふふ、効くといいねえ、弁天様」
ブルー 「お賽銭は無駄だったようだけど? 御祈祷無しだし」
Aブルー「別にいいんだ。夫婦和合は、今回、関係無いからね」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「お願いしたのは技芸上達! 夜のテクニックも大切だよ」
A船長 「ブルーをもっと満足させられますよう、お祈りしました」
一同  (((そっちかい!)))
Aブルー「四十八手はモノにしたいよねえ、やっぱりさ」
A船長 「私はヌカロクが基本になるよう、お願いを」
Aブルー「嬉しいな。毎晩、ビンビンのガンガンなんだね!」

テクニックもいいけど硬さと長持ち、とソルジャーは大喜びですが。
行き交う人々の視線がグサグサ、またしても晒し者ですよ~!

2013/02/13 (Wed)

 

☆福禄寿の御利益


弁天様は技芸上達と聞き、テクニック上達を祈願したというバカップル。
公衆の面前でヌカロクだのビンビンのガンガンだのと…。

Aブルー「で、次の所は何に効くわけ?」
ブルー 「福禄寿だから富貴に子孫繁栄、延命長寿」

夫婦和合は関係ないね、と流そうとした生徒会長ですが。

Aブルー「ちょっと待った! 子孫繁栄ってことは子授けだよね?」
ブルー 「…それも無いとは言わないけれど…」
Aブルー「だったらまずは夫婦円満、でもって合体しなくっちゃ!」
A船長 「でないと子供は授かりませんね」

SD体制の世界では有り得ませんが、と言うキャプテンにソルジャーは。

Aブルー「でも理屈ではそうだしね? それに子供はどうせ産めない」
A船長 「あなたも私も男ですしね。子孫繁栄は無理ですねえ…」
Aブルー「子供が要らない分、こっちに回して貰おうよ」
A船長 「ええ、ブルー…」

こっちと言うのは絵馬に書かれた夫婦和合でございます。
シャン学メンバー、頭痛をこらえて福禄寿にバカップルとお参りを。
福笹にお札を結ぶお坊さん、ソルジャー夫妻に満面の笑顔で。

お坊さん「ようこそお参りでした。子宝が授かりますように」
Aブルー「ありがとう! 二人で思い切り頑張るね」
A船長 「ありがとうございます。精一杯、励ませて頂きます」
一同  (((言わなくていい!!!)))

お参りの人々の視線がグサグサ、逃げるように出たシャン学メンバー。
これ以上は勘弁願いたい、と目をやった先に。

お坊さん「どうぞ、甘酒のお接待です!」

去年ジョミー君が酔っ払ってしまった甘酒お接待のテント再び。
この際、ここで仕切り直しだと生徒会長も思ったらしく。

ブルー 「一休みしようよ、寒いから」
ジョミー「え、えっと…。これ、酔っ払うヤツだよね?」
ブルー 「飲みすぎなければ大丈夫! 甘酒なんだし」
キース 「休んで行こうぜ、俺も疲れた」

小休止、と甘酒に並ぶシャン学メンバー。
立ち昇る湯気が嬉しいですね!

2013/02/14 (Thu)

 

☆甘酒と湯呑み


バカップルに振り回されての七福神巡り、甘酒のお接待テントで小休止。
順に並べばお坊さんたちが湯呑みに甘酒を注いでくれます。

お坊さん「はい、どうぞ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ありがとう!」
ブルー 「ありがとう、これは温まるよね」
お坊さん「それはもう! よろしかったらお代わりもどうぞ」
ジョミー「ぼ、ぼくはお代わりは要らない…かな…」
キース 「遠慮せずに貰っておいたらどうだ? ん?」

列の最後はバカップルですが、ソルジャーが何やらゴソゴソと。
キャプテンに持たせたバッグを探っておりまして…。

キース 「あいつらは何をやっているんだ?」
サム  「財布を探しているんじゃねえか? おい、無料だぜ、ここは」
Aブルー「うん、そのくらいは知ってるよ。えーっと…」
A船長 「ありましたか? いつもの場所にある筈ですが」
一同  「「「???」」」
Aブルー「あ、あった、あった! 甘酒、これにお願い出来るかな?」

マイ湯呑み、とソルジャーが出してきたのは夫婦茶碗でございます。
ソルジャーの分とキャプテンの分がお接待の机に仲良く鎮座。

お坊さん「か、かまいませんが…。それを御持参でお参りに?」
Aブルー「お願い事がお願い事だし、こういう姿勢も大切かなぁ、って」

ほらね、と福笹に結んだ絵馬を指差すソルジャー。
干支の蛇の隣に『夫婦和合』の文字が躍っております。

お坊さん「ああ、なるほど…。良い心がけでらっしゃいますね」
Aブルー「だからね、夫婦茶碗でお願いしたいな」
お坊さん「はいはい、どうぞ!」

夫婦茶碗にたっぷり甘酒。
御機嫌なソルジャー夫妻ですけど、夫婦茶碗を持参とは…。

ブルー 「それって、いつも持ってるわけ?」
Aブルー「まさか。お取り寄せだよ、空間移動で青の間からね」
一同  「「「………」」」

マジックショーかい、と呆れる面々。
夫婦茶碗で仲良く甘酒なバカップルの姿に、お坊さんたちも注目中。
囁き合いが気になりますけど、気のせいですよね?

2013/02/15 (Fri)




 

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