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シャングリラ学園つれづれ語り

☆二人でチャレンジ


月刊シャングリラの記者やら、中継用のカメラやら。
ハーレイの日な8月10日、振り替えとも思えぬ盛り上がりっぷりですが。
肝心の教頭先生、初っ端から鼻血でございます。

ゼル  「まったく情けない男じゃわい。もう鼻血かい!」
ブラウ 「心の準備が無いだって? 年中妄想全開なのにさ」
エラ  「仕方ないわよ、サプライズだもの。…で、どうするの?」
ハーレイ「………」
ブラウ 「ちょっと、ハーレイ! ボケてんじゃないよ、返事は!?」
ハーレイ「…は? す、すまない、何を訊いていたのだ?」
ブラウ 「あーあ、ホントにしょうがないねえ…」
エラ  「どうするの、って訊いたのよ。ここまで来たらやるのよね?」
ハーレイ「何をだ?」
ゼル  「分かっておらんのう、本日のメインイベントじゃ!」
ヒルマン「断ったりはしないだろうね? 皆、楽しみにしているのだし」
ゼル  「うむ、うむ。特にブルーがのう」
ハーレイ「ブ、ブルーが……」

またまた鼻血な教頭先生、耳の先まで真っ赤です。
生徒会長が楽しみにしているとあれば、お断りになる筈もなく。

ハーレイ「せっかく祝ってくれるのだ。有難く受けるつもりでいるが」
ゼル  「それでこそじゃ! 頑張るんじゃぞ」
ブラウ 「精一杯応援させてもらうよ、声までは届かないけどさ」
エラ  「ブルーが一緒だもの、大丈夫よ、きっと」
ヒルマン「大船に乗った気でいたまえ。ブルーはその道の達人だ」
ハーレイ「…た、達人……」

教頭先生、鼻血MAX。
その光景もテレビカメラが絶賛中継中で。

ブルー 「あのさ…。なんだか誤解されそうだよ、ぼくが」
ゼル  「そうかのう? わしらは嘘は言っておらんが」
ブルー 「達人って言われると話が間違う」
ハーレイ「い、いや、そのぅ…。私よりかは経験豊富で…」
ブルー 「まあね。とにかく二人でチャレンジしようか」
ハーレイ「ちゃ、チャレンジ…」

鼻血が止まらない教頭先生。
こんな調子じゃ、使い物にはならないのでは…?

2012/08/16 (Thu)

 

☆結婚式を控えて


ハーレイの日のメインイベントを前に鼻血ダラダラな教頭先生。
生徒会長と二人でチャレンジとなれば、無理もないことでございますが。

ハーレイ「す、すまない、ブルー。私は本当に初心者で…」
ブルー 「分かってるってば、そんなことくらい。さあ、行こうか」

教頭先生の腕を取って生徒会長は建物の中へと。

キース 「おい…。あれって何かが間違ってないか?」
スウェナ「花嫁が新郎を引っ張る…ものではないわよねえ?」
シロエ 「会長のお父さんはいないにしても、ヒルマン先生とか…」
マツカ 「そうです、父親か父親役が連れて行くものですよ、花嫁は」
ジョミー「まあ、ブルーだしね…。あれでいいのかも」
サム  「俺は何でも気にしねえぜ。ドレス姿が見られれば」
キース 「他人に嫁入りでも気にしないってか…。出来た男だな」
ジョミー「だから公認カップルになれたんじゃないの?」
シロエ 「その仲とも今日でサヨナラですけどね…」
スウェナ「とうとう結婚しちゃうんじゃねえ…」
サム  「ブルーが幸せならいいじゃねえかよ、相手は誰でも」

ワイワイ騒ぎながらシャン学メンバーも建物の中へ。
見物に集まった仲間たちも期待に満ちた顔でゾロゾロと…。

ジョミー「うーん、こっちも思い切りド派手…」
キース 「ハーレイの日で溢れているな。あっちもこっちも」
スウェナ「御成婚って書けばいいのに…。これじゃ何かのお祭りみたい」
シロエ 「ですよね、会長の名前もセットで書くべきです」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今日の主役はハーレイ! だからハーレイ!」
キース 「ぶるぅ、それは間違いではないんだが…。こういうのはだな」
シロエ 「バランスが大切なんですよ。せっかく結婚するんですから」
ぶるぅ 「結婚? それって、誰が?」
キース 「おい、ボケたのか? これから結婚式だろうが!」

大丈夫か、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の額に手を当てるキース君。
今日は朝から暑かったですし、小さな子供にはキツすぎましたか…?

2012/08/17 (Fri)

 

☆正気と暑気あたり


振り替えハーレイの日な8月10日は朝から快晴。
気温もグングン上がっているだけに、暑気あたりするのも無理はなく…。

キース 「熱は無いが…。ぶるぅ、向こうで休んでいろ」
ぶるぅ 「えっ、なんで? ぼく、元気だよ?」
ジョミー「ダメだってば! 結婚式にぶるぅがいないとブルーが困るよ」
スウェナ「そうよ、暫く休んでいましょ」
ぶるぅ 「んーと…。だから結婚式って誰の?」
サム  「こりゃダメだぜ。もう完全にイッちまってる…」
シロエ 「ヒルマン先生に言いに行った方が良さそうですね」
ぶるぅ 「何のお話? ホントに全然分かんないよう」
マツカ 「今日はブルーと教頭先生の結婚式ですよ。もうすぐです」
ぶるぅ 「えぇっ!? なんでブルーとハーレイが!?」
キース 「落ち着け、ぶるぅ。そのためにみんな集まってるんだ」
ぶるぅ 「違う、違うよ、違うってば! それって間違い!」
全員  「「「間違い!?」」」

なんのこっちゃ、と顔を見合わせるシャン学メンバー。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」がボケているのか、ボケているのは自分たちか。
しかし…。

サム  「あれっ、ブルーが消えちまった…」
スウェナ「着替えでしょ? ウェディングドレスに」
キース 「そうだろうな。教頭先生はあそこで待っておいでだし」
ジョミー「やっぱり結婚式だよねえ?」
シロエ 「間違っていないと思うんですけど…」
マツカ 「ぶるぅは子供ですからね。きっと分かっていないんですよ」
ぶるぅ 「分かってるもん! 今日はハーレイの日なんだもん!」
キース 「仕方ないな…。よく聞けよ、ぶるぅ。今日のテーマは…」

サプライズだ、と説明を始めるキース君。

キース 「だからだな、お前にとってもビックリな日になるんだろう」
ぶるぅ 「絶対違うと思うんだけど…」

ブルーは結婚しないもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は困り顔です。
とはいえ、教頭先生はタキシード姿で待機中。
生徒会長のお召し替えが済んだら挙式なのでは…?

2012/08/18 (Sat)

 

☆花嫁のお召し物


ハーレイの日のメインイベントは教頭先生と生徒会長の結婚式。
緊張の面持ちで待っておられる教頭先生、視線をチラチラと奥の方へと。
生徒会長がお召し替え中なのはそちらのようでございます。

サム  「ブルー、綺麗だろうなあ…。楽しみだぜ」
キース 「お前は本当に心が広いな。他人の嫁になるっていうのに」
サム  「ブルーの幸せが一番じゃねえかよ。あっ、そろそろかな?」

中継クルーのカメラが奥に向かって構えられ、扉が開いて…。
ワッと歓声が上がったまではいいですけれど。

ジョミー「えっ? ドレスじゃ…ない…?」
シロエ 「なんでソルジャーの格好なんです!?」
マツカ 「あれが正装かもしれません。ドレスよりも格が上だとか」
スウェナ「でも教頭先生はタキシードよ? 釣り合わないじゃない」
サム  「ドレスの方が絶対いいと思うけどなぁ…。俺も」

心底残念そうなサム君。
しかし紫のマントの生徒会長は盛大な拍手を浴びております。

ブルー 「みんな、今日はハーレイの日に集まってくれてありがとう」
一同  「「「ハーレイの日、おめでとうございまーす!」」」
ブルー 「ほら、ハーレイ。みんなに御礼を言わないと」
ハーレイ「う、うむ…。暑い中、此処まで来てくれて感謝する」
ブルー 「もっとにこやかに笑えないかな? まあ、地顔だしねえ…」
ゼル  「眉間の皺は直らんからのう。じゃが、微笑まんかい!」
ハーレイ「…こ、こうだろうか?」
ブルー 「やめた方がいいよ、子供が泣き出す」
ハーレイ「…そ、そうか…」

項垂れている教頭先生の肩をポンポンと叩く生徒会長。

ブルー 「ほらほら、今日の主役はシャキッと! ぼくのためにも」
ハーレイ「…ああ、お前に恥はかかせられんな」
ブルー 「満足させてくれるんだろう? 期待してるよ」
ハーレイ「うっ…! すまん、ちょっと…」

教頭先生、またまた派手に鼻血を噴いておられます。
挙式を前に失血死なんていう情けない結末にならないでしょうね…?

2012/08/19 (Sun)

 

☆花嫁の記者会見


生徒会長のお召し替えも済み、いよいよ婚礼が始まるようでございます。
とはいえ、教頭先生の鼻血が止まらないことには格好がつかず。

ブルー 「まだかい、ハーレイ? 気合で止めてよ」
ハーレイ「わ、分かってはいるのだが…」
ブラウ 「仕方ないねえ、先に会見を始めちまったらどうなんだい?」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! 皆が待ちくたびれておるからな」
ブルー 「うーん…。こういうのは二人揃った方が…ね」
ゼル  「並んでおるだけで充分じゃろうが! ハーレイの日じゃぞ」
ブルー 「だから肝心の主役がいないと…」
ブラウ 「そこにいるじゃないか。会見の間に鼻血も止まるさ」
ブルー 「そうかなあ? まあ、どうせテーマはサプライズだし…」

始めちゃおうか、と微笑む生徒会長にカメラが向けられております。
もちろんマイクも。

ブルー 「みんな、今日はハーレイの日に集まってくれてありがとう」
キース 「おいおい、花嫁が会見するのか?」
シロエ 「そうみたいですね。何かが間違っているような…」
スウェナ「だけど婚約指輪を披露するとか、よくあるじゃない」
サム  「そ、そっか、婚約指輪かあ…。俺には無理だもんな」
ジョミー「なんだかんだ言っても教頭先生、大人だもんね…」
マツカ 「でも…。何かおかしくないですか?」

雰囲気が、と言うマツカ君。
会場は大いに沸いていますが、祝賀というよりお祭りムード。

ブルー 「今日の主役はハーレイだ。あくまでハーレイ」
見物客 「「「分かってまーす!」」」
ブルー 「でもってテーマはサプライズ! 気になる中身は…」

ゴクリと唾を飲み込む見物客たち。
たかが婚礼、されど婚礼。
三百年越しの片想い叶って御成婚となれば無理もなく…。

ブルー 「ハーレイの一世一代の見せ場、スカイダイビング!」
見物客 「「「待ってましたあー!」」」
サムたち「「「スカイダイビング!?」」」

シャン学メンバー、見事に目が点。
婚礼じゃなかったんですか…?

2012/08/20 (Mon)

 

☆消えた結婚式


発表されたハーレイの日のメインイベントは、なんとスカイダイビング。
生徒会長との結婚式は何処へ行ったというのでしょう?

キース 「な、なんだ? 何処からスカイダイビングなんだ?」
スウェナ「スカイダイビングで結婚式っていうのはあるわよ?」
ジョミー「それなのかなあ? 結婚する気満々だったもんね」

などとシャン学メンバーは騒いでおりますが、肝心の教頭先生は。

ハーレイ「す……スカイダイビングだと?」
ブルー 「そうだよ、ぼくを満足させてくれるんだろう?」
ゼル  「ここは一発、頑張らんかい! 男じゃろうが!」
ブラウ 「出来ないだなんて言わないだろうね? 今日のメインだ」
ハーレイ「…そ、それはブルーとの結婚式では……」
ブラウ 「何を寝言を言ってるんだい、思い上がりも大概にしな」
ゼル  「まったく呆れたヤツじゃわい…。結婚じゃと?」
ヒルマン「どうやら勘違いをしていたようだね、気の毒だが」
エラ  「日頃の妄想が悪いのです。普段から暴走しがちですから」
ハーレイ「し、しかし…。タキシードだし、ブルーと二人なのだし…」
ブルー 「誰が結婚するって言った? 思い込むようにはしたけれど」

でないと連れ出せないからねえ…、と生徒会長は悪魔の微笑み。

ブルー 「最初からスカイダイビングだとバラしていたら来ないだろ?」
ハーレイ「…ほ、本当にスカイダイビング…なのか?」
ブルー 「大丈夫、ぼくも一緒に飛ぶからさ」
ゼル  「ブルーはその道の達人じゃしのう、任せておけい!」
ブラウ 「そうそう、成層圏からでも飛べるんだしね」
ハーレイ「で、では…。ブルーを満足させるというのは…」
ブルー 「君が期待した方面じゃなくて、スピードかな?」
ハーレイ「スピード?」
ブルー 「降下速度が見どころなんだよ、ハーレイの日だし!」
ハーレイ「な、なんだそれは?」
ブルー 「だから、ハーレイ!」

盛大に勘違いをしていた教頭先生はスピードが苦手。
はてさて、今後の展開は…?

2012/08/21 (Tue)

 

☆自由落下と速度


ハーレイの日だけに、生徒会長との結婚式だと思い込んでいた教頭先生。
しかし実態は結婚どころか別物で…。

ジョミー「結婚式じゃなかったんだ…」
ぶるぅ 「ぼく、最初から言ってたもん! 違うんだって!」
キース 「悪かった、ぶるぅ。…でもってスカイダイビングなんだな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ だからソルジャーの格好なんだよ!」

飛ぶならアレが一番だもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」はニコニコ顔。
けれど教頭先生の方は。

ハーレイ「ほ、本当にスカイダイビングなのか…?」
ブルー 「今更嘘を言うとでも? 見物客も集まってるのに」
ゼル  「騙されたお前が悪いんじゃ! ブルーは楽しみにしておるぞ」
ハーレイ「そう…なのか…?」
ブルー 「もちろんさ。ハーレイの日にピッタリなんだよ」
ブラウ 「どの辺がだい? そりゃハーレイはパニックだろうけど…」
エラ  「スピードは半端じゃないものね。でも、それだけなの?」
ヒルマン「これだけの客を集めたんだ。何かあるんじゃないのかね?」
ブルー 「よくぞ聞いてくれました…ってね」

生徒会長、意気揚々とマイクに向かって。

ブルー 「今日のスカイダイビングは降下速度に注目だ!」
ジョミー「降下速度?」
ブルー 「オリンピックの開会式でスカイダイビングがあっただろう?」
ブラウ 「ああ、女王陛下も御出演のサプライズだっけね」
ブルー 「ハーレイの日にはアレを超えたい、と思っていたら…」
キース 「ニュースを見たとか言っていたな?」
ブルー 「そう、それは素晴らしいネタが降って来たわけ」
ゼル  「ニュースとな? どんなニュースじゃ?」
ブルー 「超音速の自由落下を目指す男!」
全員  「「「超音速!?」」」
ブルー 「生身で音速を超える初の人類を目指すんだってさ」

ぼくはとっくに超えているけど、と生徒会長は笑顔でございます。
第一宇宙速度を突破して飛べるのは本当の話。
ですが、超音速での自由落下を目指す男がどうしたと…?

2012/08/22 (Wed)

 

☆自由落下と音速


生徒会長が見たというニュースは超音速での自由落下を目指す男。
ハーレイの日に向けてネタ探し中だけに、思い切り閃いたそうでして…。

ブルー 「これしかない! と思ったんだよ」
ジョミー「もしかして先にやっちゃおうって? 音速超え」
キース 「まさかギネスを目指すつもりじゃないだろうな?」
ゼル  「いかん、いかんぞ! ギネスなんぞはもっての外じゃ」
ヒルマン「ブルー…。我々はあまり目立ってはならないのだよ」
エラ  「ええ、そうです。ギネスに登録などとなったら…」
ブラウ 「色々と調べが入るだろうしね。その計画はやめときな」

長老の先生方、口々に止めておられます。
そりゃそうでしょう、サイオンの存在が極秘なだけに無理もないですが。

ブルー 「誰がギネスに載せるって言った?」
ブラウ 「違うのかい?」
ブルー 「ぼくも一応ソルジャーだよ? その辺はちゃんと心得てるさ」
ゼル  「だったら何をすると言うんじゃ?」
ブルー 「そもそも音速を超えようだなんて思ってないし!」
全員  「「「えっ!?」」」

この流れで音速超えを目指さないだなんて、何かが変でございます。
せっかくハーレイの日だというのに…。

ジョミー「音速超えをするんじゃないの?」
ブラウ 「ギネス登録はともかくとして、音速超えは楽しいじゃないか」
ゼル  「この際じゃ、やってしまわんかい!」
ブルー 「うーん…。どうする、ハーレイ? 期待されてるみたいだよ」
ハーレイ「…わ、私は……そういうのは……」

教頭先生、顔面蒼白。
スカイダイビングとスピードだけでも大概な企画なわけですし。

ハーレイ「頼む、スピードは苦手なんだ! …音速超えはちょっと…」
ブルー 「やっぱりそう? じゃあ、最初からのプランどおりで」
ハーレイ「スカイダイビングは外せないのか…?」
ブルー 「外せないねえ、二人でチャレンジするんだろ?」

逃がさないよ、と生徒会長、教頭先生をガッツリ確保。
教頭先生、万事休すか…?

2012/08/23 (Thu)

 

☆ハーレイな速度


ハーレイの日のイベントは教頭先生と生徒会長のスカイダイビング。
生徒会長、最初から音速超えなぞを目指してはいないそうですけども…。

ハーレイ「…ど、どうしてスカイダイビングなんだ!」
ブルー 「閃いたって言ったじゃないか。聞いてなかった?」
ゼル  「その件はワシも聞きたいのう。何故なんじゃ?」
ブラウ 「ギネスは目指してないんだろう? 意図が全く不明だよ」
ブルー 「大切なのはスピードなわけ。ハーレイの日だし」
ヒルマン「記念に音速を突破するんじゃないのかね?」
ブルー 「そこまで行ったらやりすぎだよ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「超音速だとハーレイの日じゃなくなっちゃうんだ」
ブラウ 「どういう意味だい?」
ブルー 「ハーレイの日の由来は何だっけ?」

ニッコリ微笑む生徒会長。
それに応じてあちこちから声が上がっております。

ジョミー「確かハチレイイチ…だよね?」
キース 「ああ、0801でハーレイだ。本来は8月1日の筈だ」
ブラウ 「今日に振り替えになっちまったけど801だねえ…」
ブルー 「ご名答。その801が大切なんだ」
ゼル  「スカイダイビングとどう繋がるんじゃ?」
ブルー 「んーと…。ぼくが見ていたニュースではねえ…」

ちょっと解説、と生徒会長は指を一本立てて。

ブルー 「音速超えを目指すための最終実験で、高度2万9455メートル」
ゼル  「ふむふむ、そこから飛んだんじゃな?」
ブルー 「そうさ、気球に吊るしたカプセルで上昇してね」
エラ  「で、どうなったの?」
ブルー 「落下時間は3分48秒、最高時速は862キロだってさ」
ゼル  「ほほぉ…。するとアレじゃな、801キロを目指すんじゃな」
ブルー 「そのとおり! 目標は時速801キロ!」
ハーレイ「……は、801キロ……」
ブルー 「うん。ぼくと一緒にチャレンジしようよ」

身の安全は保障するから、と言われましても。
スピードが苦手な教頭先生、そんな速度に耐えられるのか?

2012/08/24 (Fri)

 

☆教頭先生の決意


ハーレイの日のメインイベント、スカイダイビング。
目標は時速801キロ、ハーレイな速度の自由落下だそうでございます。

ブルー 「ハーレイには腕時計式の速度計を装着して貰うんだ」
ゼル  「なるほど…。ワシが作ったヤツじゃな」
ブルー 「高度は2万9455メートルでいいよね、801キロは確実だし」
ブラウ 「801キロに達した所で止めるのかい? ゴージャスだねえ」
ブルー 「そりゃもう! みんなも期待しているんだろ?」
ゼル  「もちろんじゃ! そこまで派手とは思わんかったが」
ブルー 「じゃ、そういうことで。行こうか、ハーレイ」
ハーレイ「ま、待ってくれ! 今日は私の日じゃなかったのか!?」
ブルー 「ハーレイの日だよ? だからお祝いにぼくと二人で」
ハーレイ「む、無理だ! 801キロなどは考えただけで…」
ブルー 「足がすくんで動けないって? そうなんだ…」

仕方ないね、と溜息をつく生徒会長。

ブルー 「ぼくと一緒に飛ぶのも嫌だし、ぼくも信用していないのか…」
ハーレイ「し、信用…?」
ブルー 「そう、信用。身の安全は保障するって言ったのにさ」
ハーレイ「そ、それはそうだが…」
ブルー 「だけど信じてないんだろ? 信じていたら飛べる筈だよ」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! この腰抜けめが!」
ブラウ 「永久に結婚出来そうにないねえ、その調子だとさ」
ハーレイ「…そうなる…のか…?」
ブルー 「うん。ぼくを信じてくれない男はお断りだね」

今日はここまで、と生徒会長は教頭先生に背中を向けて。

ブルー 「みんな、残念だけどハーレイの日のイベントは中止だ」
一同  「「「えーっ!?」」」
ブルー 「ぼくはハーレイに心の底から失望したよ。最低だよね」
ハーレイ「……さ、最低……」

涙目になった教頭先生、グッと拳を握り締めると。

ハーレイ「わ、分かった! 私も男だ! 一緒に飛ぼう、ブルー!」

たちまち起こる拍手喝采。
教頭先生、本当にそれでいいんですか?

2012/08/25 (Sat)

 

☆いよいよ空へ


生徒会長とのスカイダイビングを決行しよう、と決意を固めた教頭先生。
そりゃ振られるよりマシなんでしょうが…。

ブルー 「やっと決心がついたって? それじゃ早速」
ハーレイ「き、気球に乗るのか…?」
ブルー 「ううん、そこの所は特別サービス! ハーレイの日だし」
ハーレイ「特別サービス?」
ブルー 「そうさ、ぼくが君を抱えて飛び上がるわけ。最高だろう?」
ハーレイ「お、お前と…なのか…?」
ブルー 「うん、こんな感じでグッと密着」

ギュウッと教頭先生に抱き付く生徒会長。
フラッシュが光りテレビカメラも追っている中、教頭先生、鼻血再び。

ブルー 「あーあ…。ホントに大丈夫かなぁ?」
ハーレイ「す、すまん…」
ゼル  「ブルー、上では気を付けるんじゃぞ? 相手は痴漢じゃ」
ブラウ 「なんだい、それは?」
ゼル  「先月のサマースクールで色々と…のう。覗きにお触り」
エラ  「如何にもありそうな話です。ブルー、用心するのですよ」
ハーレイ「ち、違う! 私は決して痴漢などは…!」
ヒルマン「痴漢は誰でもそう言うものだよ。恥を知るのだね」
ブルー 「良かったねえ、ハーレイ。注意で済んで」
ハーレイ「……ほ、本当に違うのだが……」

濡れ衣なのだ、といくら訴えても誰も聞く耳を持つ筈がなく。
教頭先生、痴漢の容疑が晴れないままで生徒会長と建物の外へ。

ブルー 「じゃあ、行って来るよ。カメラの準備はOKなんだね?」
中継男性「はい! 上昇中から着陸までの全てを追える仕様です!」
ブルー 「それは楽しみ。はい、ハーレイはこれを背負って」
ハーレイ「何だ、これは?」
ブルー 「パラシュートさ。君を地上まで送り届ける気は無いから」
ハーレイ「は?」
ブルー 「801キロまではサポートするけど、その後は自力!」
ハーレイ「む、無理だ、私には絶対に無理だ!」

パラシュートを開くよりも先に気絶する、と教頭先生は真っ青です。
そうなる確率は高そうですけど、無事に生還出来るのか…?


※シャングリラ学園生徒会室、本日でオープン1周年を迎えました。
 毎日更新で年中無休ですけど、『毎日シャン学』 になってからでは
 まだ1周年になっておりません。そちらは9月9日で1周年ですね。
 此処までお越し下さる皆様に感謝、感謝でございます。

 さてと、何処まで行けるかなぁ?

2012/08/26 (Sun)

 

☆大空を目指せ


801キロまではサポートするが、その先は自力でやれという生徒会長。
教頭先生、無理だと絶叫しておられます。

ハーレイ「そ、そんな速さまで私は保たん!」
ブルー 「ふうん? ぼくを放って気絶するんだ?」
ゼル  「最低じゃのう…。自分だけ先に昇天なんぞは男の恥じゃ!」
ヒルマン「私もゼルに賛成だね。パートナーを満足させるべきだよ」
ハーレイ「…し、しかし…」
ブラウ 「ま、いいんじゃないかい? ハーレイには似合いさ」
エラ  「そうねえ、いつも勝手に鼻血で昇天だものね」
ブルー 「なのに結婚する気でいたというのが厚かましいよ」

無理、無茶、無駄、と生徒会長に嘲笑われても、教頭先生、反論不可能。

ブルー 「こんな調子じゃ結婚しても結果は同じさ。一人で昇天」
ゼル  「肝心の夫婦生活も営めないくせに痴漢とはのう…」
ブラウ 「だから痴漢に走るんだよ。覗きとお触りが限界なのさ」
ヒルマン「いやはや、本当に情けない。甲斐性なしとはこのことだよ」
ハーレイ「違う、痴漢は濡れ衣だ! 私は何も…」
ブルー 「濡れ衣か何か知らないけどね、勝手に昇天は頂けないな」
ハーレイ「…わ、私にいったいどうしろと…」
ブルー 「801キロまで耐え抜けた時は、少し評価が上がるかも」
ハーレイ「ほ、本当か?」
ブルー 「うん。ちょっとは見直す気になる…かもしれない」

結婚生活はともかくとして、と生徒会長は笑っておりますが。
もはや全く聞いていないのが教頭先生クオリティ。

ハーレイ「そ、そうか…。801キロに耐えたら男が上がるのだな」

頑張るぞ、とパラシュートを背負い、蝶ネクタイを直す教頭先生。

ハーレイ「行こうか、ブルー。お前のために根性を出そう」
ブルー 「やる気になった? パラシュートを開く仕掛けはね…」
ハーレイ「ふむふむ、意外に単純なのだな」

これならいける、と教頭先生は自信満々でらっしゃいますけど。
時速801キロとやらに耐えられなければ、おしまいなんじゃあ…?

2012/08/27 (Mon)

 

☆飛び立つ教頭先生


ハーレイの日な落下速度は801キロ。
その速さまで耐えることが出来たら、教頭先生の評価が上がるそうです。

ブルー 「ホントに覚悟はいいんだね?」
ハーレイ「もちろんだ。お前との結婚生活に向けて頑張る所存だ」
ブルー 「またまた勝手に盛り上がってるよ…。それでこそだけどさ」
ハーレイ「何か言ったか?」
ブルー 「ううん、なんにも。おっと、忘れるとこだった」

出掛ける前に、とゼル先生から小型カメラを受け取る生徒会長。

ブルー 「えっと、電源を入れるだけだよね?」
ゼル  「うむ。基本はデジカメと全く同じじゃ。これがズームで…」
ブルー 「ありがとう。これでバッチリ中継出来る」
ハーレイ「は?」
ブルー 「中継用のカメラも飛んでいるけど、物足りないだろ?」

迫真の映像ってヤツも欲しいんだ、と生徒会長は笑っております。
どの映像を放送するかは中継係の腕の見せ所で。

ブルー 「じゃあ、出発!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いってらっしゃ~い!」
ハーレイ「う、うわぁっ!?」

生徒会長、教頭先生の腰をグッと抱えて華麗に離陸いたしました。
目指すは高度2万9455メートル。アッという間に点となり…。

ブラウ 「流石だねえ…。おっと、痴漢はしてないだろうね?」
ヒルマン「それどころではないようだよ」

建物の前に据えられた巨大スクリーンに映る中継映像。
教頭先生、生徒会長にしがみつくのが精一杯でございます。

ゼル  「ハーレイが着けた腕時計には高度計もついておるんじゃ」
キース 「画面の数字はそれですか?」
ゼル  「そのとおりじゃ! もう2万メートルに達したようじゃぞ」
ジョミー「そっか、もうすぐ落ち始めるんだ…」
ブラウ 「おーっと、言ってる間に御到着だよ」

画面下の数字が2万9455になり、映像がパッと切り替わって。

ジョミー「凄いや、笑顔でVサインだ!」
キース 「ブルーだけがな…」

いよいよ始まる自由落下。
引き攣った顔の教頭先生の明日はどっちだ!?

2012/08/28 (Tue)

 

☆801キロを目指せ


快晴の中、高度2万9455メートルまで上昇した生徒会長と教頭先生。
生徒会長は満面の笑顔ですけど、教頭先生は全く余裕をお持ちではなく。

シロエ 「教頭先生、真っ青ですね…」
キース 「あの高さまで上がるだけでも半端な速さじゃなかったしな」
サム  「ひょっとして801キロよりも速かったんじゃねえの?」
ゼル  「そのとおりじゃ! なにしろロケット並みじゃからな」
ジョミー「えっと…。それってどのくらい?」
ゼル  「秒速8キロは超えとるじゃろう」
ブラウ 「時速3万キロは軽いよ、なんと言ってもブルーだからねえ」
ジョミー「なんだ、それなら801キロで落っこちるくらい…」
スウェナ「大したことではないわよねえ?」
ヒルマン「さあ、どうだろうね。無事に生還出来ればいいが」
キース 「ま、待って下さい、冗談ですよね?」
ゼル  「そりゃまあ、葬式は面倒じゃしのう…。暑い最中に」
ブラウ 「あたしだって御免だよ。なんで真夏に喪服なんだい」

猛暑の葬儀は身体に堪える、と長老の先生方は笑っておられます。
まさか本気でお葬式にはならないでしょうが…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 始まるみたいだよ!」

中継画面の向こうで生徒会長が秒読み開始。
教頭先生はグッと唇を引き結び、足元は見ない姿勢のようで。

ブルー 「5、4、3…」
ハーレイ「………」
ブルー 「1、落下スタート!」

二人が揃って落ち始めるのをカメラがしっかり追っております。
マントを靡かせた生徒会長は慣れた様子でございますが。

ジョミー「…あれってシールドしてるのかな?」
キース 「ブルーの方は張ってるようだな」
シロエ 「でなきゃ髪とか思い切り逆立ちますもんねえ」
サム  「でもさ、教頭先生はシールドしてないみたいだぜ?」
ゼル  「それはな、ハーレイが阿呆だからじゃ!」
ブラウ 「思い付いてもいないってね。こりゃいいや」

真っ逆さまに落っこちてゆく教頭先生。
シールド無しで耐えられるのか…?

2012/08/29 (Wed)

 

☆只今、落下中


始まりました、自由落下。
時速801キロを目指す教頭先生、真っ逆さまに落下中でございますが。

シロエ 「えっと…。スカイダイビングって、あんなのでした?」
ジョミー「そういえば…。何か違うような気がするよね」
キース 「姿勢じゃないか? もっとこう、手足を広げてだな…」
ゼル  「基本の中の基本じゃな。わしは体験したことはないが」
ブラウ 「ブルーが教えてないんだろうねえ、あの様子じゃさ」
ヒルマン「いやいや、教えても無駄だったかもしれないよ」

下を見る余裕など無いだろうし、とヒルマン先生。

ヒルマン「シールドも張っていないのだからね、とてもとても」
ゼル  「あれでパラシュートを開くのは無理そうじゃのう…」
エラ  「それじゃやっぱり…」
ブラウ 「葬式だねえ、この暑いのに」

困ったものだ、と言われましても…。

ジョミー「ど、どうなっちゃうの、教頭先生…」
キース 「俺たちにどうこう出来ると思うか? くそっ、1分か…」
中継男性「1分が経過いたしました! まだまだですね」

画面下の速度は801キロには程遠く。
たまに切り替わる生徒会長のカメラからは教頭先生の必死の形相。

ブラウ 「うーん、案外頑張るもんだね」
ゼル  「死んだら元も子も無いからのう…」
ヒルマン「男を上げるのに必死なのだよ。夢はブルーとの結婚だ」
エラ  「でも…。ブルーとギャップがありすぎるわよ」

中継画面の生徒会長はシールドを張って優雅に降下中。
対する教頭先生はと言えば、タキシードも髪も風圧で乱れて滅茶苦茶で。

ゼル  「百年どころか千年の恋も冷めそうじゃわい」
ブラウ 「ブルーは最初から恋してないだろ?」
ヒルマン「そこに全く気付かないのがハーレイだよ」
エラ  「お蔭で私たちも楽しめるけど…」

お葬式となると大変よねえ、とエラ先生。
それだけは絶対無いのでしょうけど、801キロは目前です。
教頭先生、自力でパラシュートを開いて地上に帰ってこられますかねえ?

2012/08/30 (Thu)

 

☆ハーレイの日の結末


ハーレイの日な教頭先生のスカイダイビング。
落下時間は間もなく3分、時速801キロが近付いてまいりましたが…。

キース 「ど、どうなるんだ…」
ジョミー「本気でお葬式っていうのは無いよね?」
シロエ 「いくらなんでもやらないでしょう」
サム  「やったら殺人犯じゃねえかよ! ブルーが逮捕されちまう」
マツカ 「サムはそっちの心配ですか…」
スウェナ「いいんじゃない? あ、そろそろかしら?」
中継男性「間もなくです! 皆様、画面の数字にご注目を!」

落下速度を示す数字がグングン上がって、801に。

見物客 「「「ハーレイの日、バンザーイ!!!」」」

そこで数字はピタリと停止。
教頭先生、パラシュートを開くことが出来たのでしょうか?

ゼル  「…情けないのう、討ち死にしおった」
ヒルマン「いやいや、立ち往生と言うべきだよ。頑張った方だ」
ブラウ 「パラシュートだけは開いたようだねえ、そこまでだけどさ」
エラ  「結局、一人で昇天なのよね…」

中継画面に映っているのは見事に開いたパラシュート。
白地に赤で『祝・ハーレイの日』と大きく書かれております。
お祝いだから紅白なのか、紅白縞の下着を意識したのかは謎ですが…。

ジョミー「思いっ切り気絶してるよねえ…」
サム  「白目だもんなあ…。で、どうなるんだよ?」
ゼル  「決まっておろう。ハーレイを肴に宴会じゃ!」
キース 「そうなんですか?」
ブラウ 「そりゃそうさ。ハーレイの日だよ?」
キース 「嫌がらせにしか見えませんでしたが…」
ゼル  「キャプテンたるもの、娯楽を提供してなんぼじゃろうが!」
ヒルマン「この中継はウケたと思うよ、ブルーの案は素晴らしかった」

気絶したままの教頭先生、着地するなり担架で搬送。

ブルー 「801キロまで耐えてもアレじゃあね…」

パートナーを放って昇天する男に未来など無い、と毒づく生徒会長。
宴会の準備が始まりましたが、ハーレイの日の中継はここで終了です~。

2012/08/31 (Fri)

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☆8月1日!


教頭先生が散々な目に遭わされたサマースクール。
謹慎処分なレッドカードはなんとか出ずに済み、数日を経て今日は8月。
シャン学メンバー、生徒会長のマンションに遊びに来ております。

ジョミー「あ~、暑かった~! なんでこんなに暑いのさ!」
サム  「そうかぁ? 朝はそこそこ涼しかったぜ」
ジョミー「始発のバスで来るようなサムと一緒にしないでよ!」
キース 「いや、それに関してはお前が悪い。朝のお勤めなんだからな」
スウェナ「そうよ、夏休みくらい真面目にやってみたらどう?」
ブルー 「君たちもそう思うよねえ? なのに全然来ないんだから」
ジョミー「夏休みは夜ふかしと寝坊が王道じゃない!」
シロエ 「そうでしょうか…。ぼくなんか早起きになりますけれど?」
マツカ 「柔道部の朝練がある日は特に…ですよね」
キース 「坊主の夏も朝は早いんだぞ。暁天講座なんかもあるしな」
全員  「「「暁天講座?」」」

それは何だ、と首を傾げるシャン学メンバーに微笑んだのは生徒会長。

ブルー 「お寺の特別講座だよ。偉いお坊さんの法話を聞くんだ」
キース 「いろんな寺でやってるぞ。宗派によっては朝粥も食える」
ジョミー「朝粥って、ぶるぅが作ってくれるアレ? 美味しいヤツ?」
キース 「あれは料亭の味だろうが! 暁天講座のは普通に粥だ」
ジョミー「なんだぁ…。まあ、どっちにしても行かないけどね」

坊主の世界はお断り、とジョミー君はキッパリと。

ブルー 「ふうん? だけど暑いのが嫌なら早めに家を出なくっちゃ」
スウェナ「でも…。暑くっても頑張ってる人がいるわよ、今日は」
キース 「今日に限らず毎日だろう? 社会人には夏休みは無い」
スウェナ「そうじゃなくって、ほら、八朔! パルテノンの」
キース 「ああ、アレか。あれは確かに暑そうだな」
ブルー 「しまった! 今日は8月1日だっけ…」

生徒会長、ガックリと肩を落としておりますが。
八朔だとか8月1日だとか、それがいったいどうしたと…?

2012/08/01 (Wed)

 

☆忘れられた日


8月1日を忘れていた、と嘆きまくっている生徒会長。
出掛ける予定があったというなら、カレンダーに書いておくべきですが。

キース 「どうした、暁天講座の出張予定でもあったのか?」
ブルー 「ううん、その手の話は断ってるよ。ぼくは安売りしない主義」
キース 「なるほどな…。それでこそ伝説の高僧ってヤツか」
ブルー 「そういうこと。顔が売れまくったら何かと困るし」
キース 「そっちの方か…。確かに迂闊な場所には出入り出来んし」
ブルー 「普通の坊主でも人目を避けなきゃヤバイ場所もあるしね」

パルテノンとか色々と…、と生徒会長は申しております。

シロエ 「花街は流石にマズイですよねえ、お坊さんには」
ジョミー「さっき言ってた八朔って何さ? パルテノンだよね?」
スウェナ「あら、知らない? 舞妓さんと芸妓さんの挨拶回りよ」
マツカ 「お茶屋さんとかを回るんです。黒紋付の正装で」
サム  「正装って…。それ、思いっ切り暑いんじゃねえか?」
キース 「暑いなんてレベルじゃないだろうな。この暑さだしな…」
スウェナ「朝の9時半からだもの。30℃を軽く超えてるわよ」
ジョミー「そ、その暑いのに正装なわけ?」
キース 「ああ。化粧もバッチリ白塗りだぞ」
ジョミー「うわぁ…。汗で流れてしまうんじゃないの?」
ブルー 「流れないね。着付けのコツがあるんだよ」
全員  「「「コツ?」」」
ブルー 「うん。胸のすぐ下でギュウギュウに締めると大丈夫らしい」

その代わり着物の下は汗だくだそうで。
黒紋付は挨拶回りが終わったらすぐに洗いに出すのがお約束。

キース 「そうだったのか…。何処の世界もプロは大変だな」
ブルー 「君だって暑い盛りにお盆の棚経と墓回向だしね」
キース 「全力で親父に押し付ける! で、あんたは何を忘れたんだ?」
ブルー 「だから8月1日だよ!」
全員  「「「はぁ?」」」

8月1日をド忘れすると困ることでもあるのでしょうか?
何かの記念日なんですかねえ…?

2012/08/02 (Thu)

 

☆謎のナンバー


生徒会長が忘れていたのは8月1日だそうでございます。
何の日なんだかサッパリですけど、ガックリっぷりは半端ではなくて…。

ブルー 「年に一度のチャンスだったのに、忘れるなんて…」
キース 「チャンスだと? 何かの限定販売か?」
スウェナ「八朔限定のお菓子とかならありそうよねえ」
サム  「うんうん、この日に食べなきゃっていうヤツな」
ジョミー「土用のウナギみたいなもの?」
キース 「どうだかな…。だが、限定菓子はありがちだろう?」
シロエ 「雛祭りとか端午の節句とか、確かにバッチリ限定ですね」
マツカ 「七夕限定もありますよ。要予約で配達無しっていうのが」
ジョミー「配達無し?」
マツカ 「そうなんです。七夕当日に取りに行ける人しか買えません」
サム  「うっわー、それはハードル高いよなぁ…」
キース 「ブルーが忘れたのもそういうのかもな。八朔限定」
スウェナ「パルテノンの辺りでしか売ってない上に要予約とか?」
ブルー 「違うよ、お菓子なんかじゃなくて…。単に8月1日だってば」

本当に思い切り忘れてたんだ、と溜息をつく生徒会長。

ブルー 「8月1日で何か連想しないかい?」
キース 「八朔だろう?」
ブルー 「ううん、8月1日だよ? 文字で書いたら分かるかなぁ」

メモ用紙を出した生徒会長、ボールペンでサラサラと。

ブルー 「いい? 8月1日はこうも書けるんだ。0801」
ジョミー「それって何処かの電話番号?」
ブルー 「最初のゼロは無視していい。残りの801が大切」
キース 「お、おい、それは…」
スウェナ「まりぃ先生が大好きなヤツじゃなかったかしら?」
シロエ 「ですよね、確か『やおい』とかいう…」
キース 「ひょっとしてボーイズラブの日か!?」
ブルー 「そっか、そうとも読めるんだっけ。…違うんだけどな」
サム  「煩悩の数は108だよなぁ、801って知らねえぜ」

それは何だ、と首を捻っているシャン学メンバー。
8月1日で801って、何の暗号?

2012/08/03 (Fri)

 

☆801を読み解け


8月1日、書き方によっては0801。
先頭のゼロを除いた801が大切なのだ、と生徒会長は申しております。

ブルー 「やおいじゃなくて、他に何かを思い付かない?」
キース 「801でか? やおい以外に何があると言うんだ」
シロエ 「ほら、北の方にある商店街のマスコットキャラもそれですよ」
サム  「あー、ある、ある、801商店街のヤツな」
スウェナ「確かバカ受けしたのよね。ネーミングの凄さで」
ジョミー「うん、知ってる。凄いセンスだよねえ、商店街の名前自体が」
キース 「やおいという言葉を知らずに名付けたんだろう」
ブルー 「そうだよ、商店街の長さか何かに関連する数字さ」
キース 「ほら見ろ、やっぱり801と言えばやおいだ」
シロエ 「なんで会長がソレにこだわるのかが謎ですけどね」
ジョミー「教頭先生とエロドクターで懲りてるのにね…」
ブルー 「だから違うと言ってるだろう!」

やおいとは全く関係無い、と数字を指差す生徒会長。

ブルー 「8はハチなんだよ、ゼロはレイでさ…」
全員  「「「ハチレイイチ?」」」
ブルー 「それじゃ電話番号だってば、これはハーレイ!」
全員  「「「ハーレイ!?」」」
ブルー 「そう、ハーレイと読めるわけ。8月1日はハーレイの日!」
キース 「な、何なんだ、それは?」
ジョミー「教頭先生の誕生日とか?」
ブルー 「関係ないねえ、単なるこじつけ」

だけど素敵な日付だろう、と生徒会長は得意そうです。

ブルー 「ハーレイの日だよね、と言ってあげるだけで舞い上がるって」
キース 「それで忘れたと呻いていたのか…」
ジョミー「だったら今から行ってくれば? まだ間に合うよ」
マツカ 「お昼前ですしね、お祝いごとで訪問するなら急いだ方が」
キース 「それともアレか、一人じゃ行けないっていうわけか?」
シロエ 「そんな決まりもありましたっけね…」

教頭先生の家に一人で行くのを禁止されている生徒会長。
果たしてお出掛けするのでしょうか?

2012/08/04 (Sat)

 

☆生徒会長のこだわり


8月1日はハーレイの日だ、と主張し始めた生徒会長。
教頭先生にそう言ってあげるだけで舞い上がる、と考えていたようで…。

キース 「一人で行けないと言うんだったら、不本意ながら付き合うぞ」
シロエ 「…ですよね、サマースクールの恩がありますし…」
ジョミー「ぼくたちだけじゃあ無理だったしね、アレは」
サム  「暑そうだけど、ブルーが行きたいんだったら俺は行くぜ」
マツカ 「ぼくも行きます。暑いのが嫌ならタクシーを呼びますか?」
サム  「おおっ、流石はマツカ! 気が利くよなぁ」
スウェナ「えっと…タクシー代は…」
マツカ 「勿論、ぼくが出しますよ。すぐに出掛けますか?」

スマートフォンを取り出したマツカ君ですが。

ブルー 「ちょっと待った! みんなの気持ちは嬉しいけどさ…」
キース 「何か問題でもあるっていうのか?」
ジョミー「プレゼントを用意するつもりだったとか?」
ブルー 「…そうなんだよね…。プレゼントでなくても、こう、何か…」
シロエ 「サプライズですか?」
ブルー 「女王陛下でもスカイダイビングって時代だからねえ」
サム  「あー、アレって本人なんだってな。飛ぶの以外は」
ブルー 「うん。映像作品には初出演で、リテイク無しの一発撮り!」

それに負けてはいられない、と言われましても。
全世界規模のオリンピックの開会式と張り合う方が無茶なのでは…。

キース 「まさかジェームズ・ボンドを連れて来る気じゃないだろうな」
ブルー 「ギャラをハーレイに払わせるってのも楽しいけれど…」
シロエ 「それ、いろんな意味でサプライズですよ…。お財布にまで」
ブルー 「あーあ、去年までだったらプレゼントくらいでいけたのに…」
ジョミー「どうしても捻りが欲しいわけ?」
ブルー 「捻りと言うか、芸と言うか…。仕方ない、日を改めよう」
全員  「「「は?」」」

ハーレイの日はあくまで8月1日。
日を改めるって、そんなことしちゃったらハーレイの日の存在意義は…?

2012/08/05 (Sun)

 

☆振り替えでいこう


ハーレイの日には捻りが欲しい、という生徒会長。
8月1日では間に合わないとかで、日を改めると言い出したから大変で。

キース 「お、おい…。8月1日は今日だぞ、今日!」
シロエ 「日を改めてどうするんですか、来年ですか?」
ジョミー「だよねえ、来年まで無いよ、8月1日」
サム  「もう挨拶だけでいいじゃねえかよ、今から行こうぜ」
マツカ 「どうしても何かって言うんでしたら、花束とか…」
スウェナ「そうね、花束なら間に合いそうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ケーキも今日のおやつの分があるよ!」
ジョミー「あっ、それはダメ! ケーキを持ってくならお店で買おうよ」
サム  「俺も賛成。どうせ教頭先生、甘い食べ物はダメだもんな」

よし行こう、と腰を上げかけたシャン学メンバー。
マツカ君は既に馴染みの花屋さんの電話番号を検索中ですが。

ブルー 「いいんだってば、もう今日は!」
キース 「なんでそうなる? 日を改めたら意味が無いぞ」
ブルー 「ハーレイの日くらい、振り替えにすればいいんだよ」
全員  「「「振り替え?」」」
ブルー 「そう、振り替え。どうせ本人はハーレイの日を知らないし」
キース 「言われてみればそうか…。あんたが勝手にこじつけたんだな」
ブルー 「ハーレイで遊ぶためだけに…ね。毎年忘れまくってたけど」

だけど今年はやってやる、と生徒会長は拳を握っております。

ブルー 「当日に思い出した上に、君たちがいたのも何かの縁だ」
キース 「正直、そんな御縁は思い切り遠慮したいんだが…」
ブルー 「ダメダメ、思い立ったが吉日ってね」
ジョミー「分かってるよ…。で、振り替えだと明日になるわけ?」
ブルー 「ううん、8月10日にしようかと。810だろ?」
シロエ 「似て非なるモノって気もしますけどねえ…」
ブルー 「気は心だよ、要はハーレイの日をやればいいんだ」

8月1日はハーレイの日。
それを振り替えて8月10日って、そこまでして何をやらかしたいと…?

2012/08/06 (Mon)

 

☆ナイスな振り替え


ハーレイの日は8月10日に振り替える、と独断で決めた生徒会長。
何をやるのかも分からないまま解散となり、翌日はプールへ行くことに。
しかし…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ プールはお昼からだって!」
ジョミー「えぇっ!? それって一番混みそうじゃない!」
シロエ 「そうですよ、だから朝イチで集まったのに…」
ブルー 「大丈夫。ドリームワールドのプールじゃないしね」
全員  「「「えっ?」」」
ブルー 「ほら、仲間がやってるフィットネスクラブのヤツさ」
キース 「まさかソルジャー権限で貸し切ったのか!?」
ブルー 「うん。今日のぼくは最高に気分がいいものだから」
キース 「……思いっ切り裏がありそうだな……」
ブルー 「無い、無い。心配しなくてもそれは無いって」

だから時間まで家でゆっくり、と生徒会長のマンションでクーラー三昧。

ブルー 「屋外プールもいいんだけどねえ、ここまで暑いと屋内の方が」
スウェナ「それでフィットネスクラブなわけね」
ジョミー「な~んだ、心配しちゃって損したかも…」
シロエ 「ですね、安心しましたよ」
キース 「いや、待て。…最高に気分がいいとか言っていたぞ」
サム  「そういえば…。ブルー、あれって何の事だよ?」
ブルー 「ん? 待てば海路の日和あり…とでも」
マツカ 「何の譬えですか?」
ブルー 「ハーレイの日だよ、慌てずに振り替えて良かったなぁ…って」
ぶるぅ 「あのね、いいアイデアが出来たんだって!」
キース 「アイデアだと?」
ブルー 「そう。昨日、あれからニュースを見てたら素晴らしいネタが」
全員  「「「ネタ?」」」
ブルー 「いやもう、これ以上の案は無いだろうってくらいに凄くって」
キース 「凄いだと? あんた、いったい何をする気だ?」
ブルー 「そこは当日のお楽しみ! とりあえず、プール」

サプライズでなんぼ、と生徒会長は喋るつもりは無いようです。
プールを貸し切りしたくなるほど気分が良くなるネタって、どんなの…?

2012/08/07 (Tue)

 

☆ハーレイの日、迫る


8月10日に振り替えられた8月1日、0801な『ハーレイの日』。
生徒会長は企画について何も語らないまま、いよいよ明日でございます。
シャン学メンバー、本日も生徒会長の家でダラダラしておりますが。

ブルー 「いいかい、明日は忘れないでよ?」
キース 「分かっている。朝一番に集合だったな、何処へ行くんだ?」
ブルー 「そりゃあ勿論、ハーレイの家さ。ハーレイの日だしね」
キース 「教頭先生は御存知なのか?」
ブルー 「ハーレイの日とは言ってないけど、声はかけてあるよ」
シロエ 「えっと…。逆に御馳走になりに行くんじゃないでしょうね?」
ブルー 「ううん、どちらかと言えばお出迎え!」
全員  「「「お出迎え?」」」
ブルー 「そう、素敵な場所へお出掛けするんだ」
ジョミー「お祝いに御飯を食べに行くとか?」
ブルー 「それに近いね。やっぱり盛大に祝ってあげないと」
キース 「………。ネタがどうこうと聞いたような気がするんだが…」
サム  「なんか変わった料理なのかもしれないぜ?」
スウェナ「美味しいけれど素材がゲテモノ系ってあるものね…」
マツカ 「ええ。サソリの素揚げなんかは美味しいですよ」
サム  「…サソリかよ…。マツカ、意外と変な料理も食ってたんだな」

誰もが驚いていますけれども、マツカ君が言うにはサソリは付け合わせ。
北京ダックを本場で食べたら一緒についてきたのだそうで。

マツカ 「味は桜エビに似てますね。パリッとしてて」
キース 「なるほどな…。そういう系の祝い料理というのはありそうだ」
ブルー 「さあ、どうだろうね? とにかく楽しみに待っててよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 準備の方もバッチリだしね!」
ブルー 「幸い、天気も良さそうだ。きっと喜んで貰えると思う」
全員  「「「天気?」」」
ブルー 「同じなら気持ち良く晴れた方が…ね」

みんなで楽しくお祝いしよう、と生徒会長は上機嫌。
振り替えハーレイの日な8月10日、果たしてどんなイベントが…?

2012/08/08 (Wed)

 

☆ハーレイの日の朝


0801な『ハーレイの日』、8月1日。
ハーレイの日をやりたかった生徒会長がド忘れしたため、振り替えに…。
振り替えられた8月10日は朝から見事に晴れております。

ブルー 「ちょっと暑いけど、綺麗に晴れて良かったよね」
キース 「まあ、祝い事には雨より晴れだな」
ジョミー「で、何処へ行くわけ?」
ブルー 「もうすぐ迎えが来るんだよ。涼しい所で待っていよう」

生徒会長のマンションに朝イチで集まったシャン学メンバー。
クーラーが効いた玄関脇のスペースでのんびり待っておりますと…。

ジョミー「あれっ、シド先生?」
シド  「ああ、おはよう。出掛けようか」
ブルー 「悪いね、夏休みなのに呼び出しちゃって」
シド  「いやいや、かなり集まりそうだぞ」
キース 「集まる…って、何のことですか?」
シド  「君たちと同じさ、ハーレイの日が目的だ」
ブルー 「そういうこと。仲間には通知が行っているんだ」
シロエ 「教頭先生の所にも?」
ブルー 「まさか。それじゃサプライズにならないじゃないか」

行くよ、と出てゆく生徒会長。
シド先生が運転するマイクロバスで向かった先は…。

ブルー 「さて…と。うん、ハーレイはちゃんと起きてるね」

生徒会長、門扉の脇のチャイムをピンポーン♪ と。

ハーレイ「どなたですか?」
ブルー 「ぼくだけど?」
ハーレイ「ブ、ブルー!?」

飛び出して来た教頭先生、門扉を開けて。

ハーレイ「暑かっただろう、入りなさい。すぐに冷たいものを…」
ブルー 「ううん、それより今日はおめでとう」
ハーレイ「は?」
ブルー 「お祝いを言いに来たんだよ。8月1日の代わりにね」
ハーレイ「8月1日?」
ブルー 「0801でハーレイだろう? だからハーレイの日!」
ハーレイ「ハーレイの…日…?」
ブルー 「そう、君の日だ。今日に振り替えになっちゃったけど」

お祝いの気持ちを受け取って、と生徒会長は申しております。
それ、受け取っても大丈夫ですか…?

2012/08/09 (Thu)

 

☆ハーレイの日!


振り替えで『ハーレイの日』となった8月10日。
教頭先生の家を電撃訪問した生徒会長、お祝いの言葉を述べております。

ブルー 「ハーレイの日、本当におめでとう。振り替えでもいいよね?」
ハーレイ「そ、それは…別にかまわないが、何なんだ、それは」
ブルー 「だからハーレイの日だってば! 本物は8月1日だけどさ」
ハーレイ「語呂合わせとかいうヤツか?」
ブルー 「うん、まさにソレ。でも当日にド忘れしちゃって…」
キース 「忘れる程度の日だそうです。お気になさらず」
ハーレイ「いや、こうして祝いを言って貰うと悪い気はせんぞ」
ブルー 「ホントかい? じゃあ、改めてみんなで言おうか。せーの!」
全員  「「「ハーレイの日、おめでとうございます!」」」
ぶるぅ 「おめでとうございまぁーす!」

パァーン! とクラッカーを鳴らす「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
一気にお祭りムードですけど、シド先生が車の窓から顔を出して。

シド  「ブルー、まだ出掛けなくても大丈夫なのか?」
ブルー 「あっ、いけない! ハーレイの準備も要るんだっけ…」
ハーレイ「準備?」
ブルー 「そうだよ、お祝いに行くんだからさ。着替えてきて」
ハーレイ「この格好ではダメなのか?」
ブルー 「それ、思いっ切り普段着じゃないか。タキシードとかは?」
全員  「「「タキシード!?」」」
ブルー 「うん、そのくらいの気合が入った格好がイチオシ」
ハーレイ「ま、まさか…」
ブルー 「ん?」
ハーレイ「タキシードを着て、お前と……とかか?」
ブルー 「ふふ、婚礼の定番だもんね、タキシード。そこはどうかな?」
シド  「教頭先生、テーマはサプライズだそうですよ!」
ハーレイ「そ、そうか…。サプライズなのか…」
ブルー 「でもって、お祝い! せめて背広を着て欲しいんだけど」
ハーレイ「分かった、急いで着替えてこよう」

待っていてくれ、と家に飛び込んでゆく教頭先生。
ドレスコードはタキシードって、まさかホントに婚礼を…?

2012/08/10 (Fri)

 

☆いざ、出発!


ハーレイの日にはタキシードがイチオシ、せめて背広を…と生徒会長。
何やら期待したらしい教頭先生、大急ぎで家に駆け込んでサクサクと…。

ハーレイ「待たせてしまって申し訳ない。滅多に着ないものだから…」
ブルー 「そりゃそうだろうね。持ってるだけでも素晴らしいよ」

教頭先生、この暑いのにタキシードをカッチリお召しです。

ハーレイ「しかしアレだな、早めに言ってくれていたなら…」
ブルー 「なんだい?」
ハーレイ「もっとこう…。お前と釣り合うものを誂えたのに…」
ブルー 「気にしない、気にしない。気は心って言うものね」
ハーレイ「そうだろうか?」
ブルー 「ぼくがOKって言ってるんだよ? さあ、出掛けよう」

先に立ってマイクロバスに乗り込む生徒会長でございますが。

ブルー 「あ、ハーレイ。君の席は一番後ろだから」
ハーレイ「お前の隣になるんじゃないのか?」
ブルー 「あのさ…。新郎と花嫁って一緒の車で式場入りかい?」
ハーレイ「す、すまん…。ウッカリしていた」
ブルー 「それに狭いんだよ、君と並んで座るとね」

ついでに痴漢の危険もあるし…、と生徒会長は小声で言っております。

キース 「おい。あんた、本気で婚礼なのか?」
ジョミー「結婚するなら少しくらい痴漢されてもいいんじゃないの?」
ブルー 「ジョミー…。君は命が惜しくないわけ?」
ジョミー「お、惜しいです! 前言撤回!」
ブルー 「よし。それじゃ出発!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」

走り始めたマイクロバスはマザー農場の方角へ。
広大な農場の脇を通り過ぎ、アルテメシアの郊外へと…。

ジョミー「あれっ、この道って…」
キース 「シャングリラ学園の専用空港に行く道だな」
シロエ 「もしかしてシャングリラ号の出番でしょうか?」
スウェナ「宇宙で結婚式っていう企画だったりするのかしら?」

なんだ、なんだ…と騒ぎ始めるシャン学メンバー。
ハーレイの日はシャングリラ号も巻き込む一大イベント…?

2012/08/11 (Sat)

 

☆盛り上がる道中


振り替えハーレイの日な8月10日、一同を乗せたマイクロバスは郊外へ。
シャングリラ学園専用空港に向かうルートでございます。

警備員 「おはようございます。許可証の提示をお願いします」
シド  「御苦労様。これでいいかな?」
警備員 「すみません、一応、決まりですので…。それで、これから?」
シド  「ああ、主役をお連れしないとね」
警備員 「中継もあると聞いていますし、楽しみですよ」
シド  「なにしろ一大イベントだから…。じゃあ、行ってくる」

ゲートを通過したマイクロバスの中は大騒ぎ。

ジョミー「中継だってさ、なんか凄そう…」
キース 「こりゃ間違いなく婚礼だな。それもド派手な」
シロエ 「婚礼は別にかまいませんけど、怖いのはオチですよ」
スウェナ「オチって何?」
シロエ 「会長が本気で結婚するわけないでしょう? 何かあります」
サム  「だよな、いつものパターンを考えるとなあ…」
ブルー 「そうでもないよ? ハーレイの日だしね」
キース 「オチは無いのか!?」
ブルー 「多分、無い……と思う」
サム  「無いのかよ!?」
ブルー 「祝賀ムードは盛り上げてなんぼ! 白けるのはNG!」
ハーレイ「で、では…。今日という今日は本当に…」
ブルー 「期待しててよ、ぼくからの心をこめたお祝いだ」

ついでに身体も張る予定、と生徒会長はニッコリと。

ハーレイ「か、身体……」
ジョミー「わわっ、誰か、ティッシュ、ティッシュ!」
キース 「大丈夫ですか、教頭先生!?」
ブルー 「あーあ、到着前から鼻血ってね…。なんか心配」
キース 「あんたの言い方が悪いんだろうが!」
ブルー 「本当のことを言ったまでだよ。実際、身体を張るんだからさ」
キース 「………。何をする気だ?」
ブルー 「ハーレイの日のお祝いだってば、一世一代の」
全員  「「「一世一代…」」」

生徒会長、身体を張ると言い出しましたが。
まさか本気で婚礼の上に、シャングリラ号で新婚旅行に御出発とか…?

2012/08/12 (Sun)

 

☆荒れ模様の道中


ハーレイの日を祝うためなら身体を張る、と生徒会長は申しております。
教頭先生はタキシードですし、これはいよいよ婚礼っぽく…。

サム  「おい、マジかよ? ブルー、本気で?」
ブルー 「うーん、サムには悪いんだけど、今日の主役はハーレイだし」
キース 「あんた、サムの気持ちを踏み躙るのか? 交替させろ!」
ブルー 「主役交代は有り得ないんだよ。それにサムには無理だと思う」
ジョミー「そっか、ぼくたち、永遠の高校1年生だっけ…」
ブルー 「実際の歳はともかく、中身の方がね」
キース 「くっそぉ、それを言われると反論できんか…」

シャン学メンバー、全員が万年十八歳未満お断り。
結婚式を挙げたとしても、その後がどうにもなりません。
その点、教頭先生の方は童貞なだけで立派な大人でございます。

ブルー 「だからさ、君たちは今日は見ているだけってことさ」
サム  「そうなのか…。まぁ、ブルーが幸せならそれでいいけど」
ジョミー「ちょ、それでいいわけ!?」
サム  「俺は心が狭くはねえぜ? あ、いけねえ、教頭先生は?」
シロエ 「そ、そういえばサムの話は内緒でしたね」
マツカ 「もしかして聞こえちゃったでしょうか?」
スウェナ「大丈夫みたいよ、心ここに在らずって感じ」
ブルー 「平気、平気。ハーレイはとっくに妄想の彼方」

何も聞こえちゃいやしない、とクスクス笑う生徒会長。
確かに鼻にティッシュを詰めた教頭先生、ボーッと座っておられます。

ブルー 「頭の中ではウェディングベルが高らかに鳴っていると思うよ」
キース 「サムが納得している以上は止めん。…もう好きにしろ」
ブルー 「もちろんだってば、仲間も楽しみにしてるんだから」
キース 「何処まで中継する気か知らんが、悪趣味なのは断るぞ」
ブルー 「アダルトチャンネルはぼくも却下だ、心配無用さ」

そこまで趣味は悪くない、と生徒会長は断言しておりますが。
教頭先生と身体を張っての挙式で、本当にそれを排除出来ますかねえ…?

2012/08/13 (Mon)

 

☆会場は目の前


専用空港へ向かうマイクロバスの車内は大荒れ。
生徒会長は涼しい顔をしておりますが、教頭先生は鼻の穴にティッシュ。
その状態で走り続けて、空港の建物が見えてくる頃。

ジョミー「わぁ、幟だ!」
キース 「祝・ハーレイの日だと? なんだ、これは」
ブルー 「賑やかしだよ、派手に演出しなくちゃね。あ、ハーレイ」
ハーレイ「…なんだ?」
ブルー 「そろそろ鼻血も止まっただろう? ティッシュは取らなきゃ」
シド  「教頭先生は注目の的ですからね、カメラも待っている筈です」
ハーレイ「そ、そうなのか…。緊張するな」
キース 「大丈夫ですか、鼻血の方は?」
ハーレイ「うむ。慣れている…というのも情けないが、止まったようだ」

血染めのティッシュを備え付けのゴミ袋に捨てる教頭先生。
確かに鼻血は止まっております。

ブルー 「髪の毛とかもちゃんとしといてよ? 蝶ネクタイも」
ハーレイ「ああ、お前に恥はかかせられないしな」

教頭先生、いそいそと服装チェックをしておられますが。

シロエ 「えーっと…。何処で婚礼するんでしょう?」
サム  「何処だろうなぁ、シャングリラ号かな?」
ジョミー「じゃあ、ぼくたちも乗れるよね! 久しぶりだなぁ」
キース 「夏休みに乗ったことは一度も無いしな」
スウェナ「豪華料理が出るといいわね、結婚式だし!」

ワイワイと盛り上がるシャン学メンバー。
前方に現れた空港の建物には大きな垂れ幕と横断幕が。

ジョミー「凄いや、祝・ハーレイの日って、あそこにも!」
キース 「それより人が凄くないか? 集まってるぞ」
シロエ 「みんな小旗を振っていますよ?」
マツカ 「シャングリラ学園のマークみたいですね」
ブルー 「国旗みたいな感じかな? シャングリラ学園の紋章だから」
ハーレイ「…晴れがましすぎる感じなのだが…」
ブルー 「気にしない、気にしない。今日の主役は堂々と!」

暑い中、小旗を振っている仲間たち。
ハーレイの日は華やかになりそうですよ~!

2012/08/14 (Tue)

 

☆祝賀ムード一色


振り替えハーレイの日な8月10日。
シャングリラ学園専用空港の建物、思いっ切り祝賀ムードでございます。
大勢の仲間が小旗を振る中、教頭先生がマイクロバスから降り立つと…。

一同  「「「ハーレイの日、おめでとうございます!」」」
ハーレイ「…あ、ありがとう…。照れるな、どうも」
女性  「月刊シャングリラです! 今のお気持ちを一言!」
ハーレイ「い、いや、そのぅ…。とにかく驚いているのだが…」
男性  「テーマはサプライズだそうですが、お知りになったのは?」
ハーレイ「さっき迎えが来て知ったばかりだ」
男性  「だそうです。画面を御覧の皆様、これからですよ!」

クルーの制服を着た男性の後ろにはテレビカメラ。
中継スタッフは全員、クルーの格好で来ているみたいです。

キース 「本当に中継が入るのか…」
ブルー 「そりゃもう、一大イベントだもの。上でも見てるよ」
ジョミー「上?」
ブルー 「シャングリラ号さ。家で見ている人たちもいるし」
シロエ 「い、家って、自宅のことですか!?」
ブルー 「うん。役職がつくレベルの人だと専用テレビが」
サム  「そんなものまであったのかよ…」
ブルー 「マザー農場の管理棟でも見られるしね」

だけど大半は現場に来ちゃったかな、と生徒会長。
そこへ建物の中から現れたのは…。

ゼル  「やっと主役の到着か。待ちくたびれたぞ」
ブラウ 「ハーレイの日だってねえ? あんた、自信はあるのかい?」
ハーレイ「じ、自信…?」
ゼル  「決まっておろうが、ブルーを満足させる自信じゃ!」
ハーレイ「…う、うむ…。精一杯、頑張りたいと…」

そう言いつつも教頭先生、鼻を押さえておられます。
エラ先生がティッシュを差し出し、ヒルマン先生は首を振って。

ヒルマン「大丈夫なのかね、そんなことで?」
ハーレイ「きゅ、急なことなので心の準備が…」

長老の先生方も結婚を認めておいでの様子です。
後は主役の頑張り次第。教頭先生、無事に結婚出来るのか?

2012/08/15 (Wed)

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☆教頭先生と肉体労働


サマースクールで何処に泊まるのか、気になるというシャン学メンバー。
生徒会長は冷房がどうこう言っておりますが、人気はテント。
しかしテント生活だと教頭先生が頑張ることになるとは、これ如何に?

キース 「おい、どうして教頭先生なんだ?」
ブルー 「決まってるじゃないか、肉体労働はハーレイだろ?」
ジョミー「テントくらいは、ぼくたちで張るよ! それが醍醐味だし!」
シロエ 「楽しみの内ですよね、それも」
ブルー 「ぼくは嫌だな、ただでも暑いのに労働なんかさ」
キース 「それで教頭先生なのか? あんたの分を張らせると?」
ブルー 「ぼくの分と、スウェナとぶるぅが泊まる分だよ。それと…」
マツカ 「ぼくだってテントは張れますよ」
サム  「俺も自分のテントは張るぜ」
ブルー 「違うってば、張らせるのは二張りでいいんだ。その後が問題」
全員  「「「その後?」」」
ブルー 「うん。団扇の風じゃ耐えられないしね、扇風機もちょっと」
ジョミー「なに、それ?」
ブルー 「ぼくのテントの冷房だよ。ハーレイの根性にかかってるのさ」
キース 「肉体労働がどうとか言ったな? サッパリ意味が謎なんだが」
ブルー 「自転車を漕いでもらうわけ。自家発電の王道だろ?」
全員  「「「えぇっ!?」」」

それってまさか一晩中では、と大騒ぎになっておりますが。
生徒会長は涼しい顔で…。

ブルー 「決まってるじゃないか、冷房が止まると寝苦しい」
キース 「タイマーで止まる冷房だってあるだろうが!」
ブルー 「ぼくは心地良く寝ていたいんだよ。それに用心もいいからね」
ジョミー「用心って?」
ブルー 「自転車を漕がせておけば夜這いに来られる心配が無い」
シロエ 「そういう問題なんですか? 過労で倒れますってば」
ブルー 「そうかなあ? 得意技だと思ったけれど」
キース 「何がだ?」
ブルー 「自家発電!」

絶対得意に決まっている、と主張している生徒会長。
そんな得意技ってアリなんですか?

2012/07/16 (Mon)

 

☆教頭先生の得意技


テント生活でもクーラーは必須、と主張している生徒会長。
そのための電力を賄うために、教頭先生に自家発電をさせるのだとか…。

キース 「教頭先生がタフでらっしゃると言うなら分かる。だがな…」
シロエ 「自家発電が得意技って、何なんです?」
ジョミー「家にママチャリがあるのは知っているけど、自転車のこと?」
ブルー 「違うよ、自家発電と言ったら自家発電!」
全員  「「「???」」」
ブルー 「分からないかな、最近は使わない言い回しかもね」
サム  「別の意味でもあるのかよ?」
ブルー 「そう、大有り。大きな声では言いたくないけど」
キース 「だったら思念波で囁いておけ。…いや、ちょっと待った!」
ブルー 「何さ?」
キース 「やっぱり聞かなくていいような気がする。どうせロクでも…」
ブルー 「それで正解。なにしろ妄想が激しくて」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「ぼくの写真を見ながらせっせと自家発電だよ、夜の習慣」
キース 「………。お、おい、それは……」
ブルー 「いやもうホントによくやるよ、ってね。童貞のくせに」
全員  「「「………」」」

聞くんじゃなかった、と討ち死にしているシャン学メンバー。
自家発電が何の意味かは嫌でも分かったみたいです。

キース 「もういい、今ので死ぬほど疲れた。テント生活はやめておく」
ブルー 「えっ、なんで?」
キース 「あんたのテントを見たくないんだ、クーラーつきの」
ジョミー「だよねえ、教頭先生が自転車を漕いでる姿なんか見たら…」
シロエ 「それこそドッと疲れますってば、ぼくたちが」
ブルー 「じゃあ、冷房完備の部屋に泊まるのでいいんだね?」
キース 「不本意ながら…な。で、何処なんだ、それは」
ブルー 「礼法室だよ。あそこなら広いし、何かと便利」
キース 「そういえば校内合宿用にも使っていたな…」

いいかもしれん、と頷いているキース君。
テント生活が却下な以上、合宿に使われる部屋というのは魅力的かも?

2012/07/17 (Tue)

 

☆宿泊は礼法室


サマースクールとやらで泊まる場所。
希望者の多いテントでしたが、生徒会長の怪しげな発想のせいで却下に。
校内合宿でも使われるという礼法室になるようです。

ブルー 「冷房完備で設備も充実。別室もあるからスウェナはそっちに」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもそっちだよね!」
ジョミー「教頭先生はぼくたちと一緒になるのかな?」
キース 「引率役だしな、そうなるだろう」
ブルー 「ダメダメ、そんな危険なのは! 得意技は自家発電だよ?」
シロエ 「じゃあ、どうするんです?」
ブルー 「廊下で寝させればいいじゃないか。段ボールを敷いて」
キース 「段ボールだと?」
ブルー 「そりゃ寝袋でもいいけどさ。段ボールの方が涼しいと思う」
シロエ 「それって少し酷すぎませんか? せめて何処かの教室とか…」
ブルー 「そうかなぁ? まあ、考えておくよ」

当日までに、と生徒会長。
教頭先生の扱いはロクなものではなさそうです。

ブルー 「というわけで、宿泊場所も明かしたし! 合宿を頑張って」
キース 「もちろんだ。ジョミーも明日から璃慕恩院だな」
ジョミー「うえ~…。言わないでよ、ぼくは行きたくないんだからさ!」
サム  「俺と一緒に頑張ろうぜ。毎日念仏三昧だぞ」
ブルー 「修行の成果に期待してるよ。それが終わればサマースクール」
ジョミー「約束はちゃんと守ってよね! 巨大そうめん流しだよ?」
ブルー 「分かってるってば。ねえ、マツカ?」
マツカ 「ええ、竹藪は何処を切ってもいいと両親も言っていますから」
シロエ 「楽しみですよね、そうめん流し!」
キース 「お前の腕の見せ所だしな。もう設計図も描いたのか?」
シロエ 「いいえ、ぶっつけ本番です。その方がきっと面白いですよ」
ブルー 「だよねえ、みんなで試行錯誤もいいと思うな」

とにかく素敵なサマースクールを目指すべし、と生徒会長は上機嫌。
問題は教頭先生に迷惑をかけまくりたいという点ですが。
廊下で寝るだけで済みますかねえ…?

2012/07/18 (Wed)

 

☆楽しみな明日


柔道部の合宿と、ジョミー君とサム君の璃慕恩院での修行体験ツアーと。
恒例行事が無事に終わって、明日からサマースクールです。

ブルー 「良かったねえ、今年も元気に修行が出来て」
サム  「おう! やっぱアレだよな、総本山は気が引き締まるよな」
ジョミー「ぼくは緊張しまくりだったよ! もうヤだよ、アレ…」
キース 「今からそんなことでどうする? 修行生活はもっとキツイぞ」
ジョミー「修行する気は無いもんね。お坊さんなんかならないし!」
ブルー 「何を寝言を言ってるんだい、君はとっくにお坊さんだろ」
シロエ 「僧籍って言うんでしたっけ? 確か登録済みでしたよね」
ブルー 「そういうこと。後は修行を積むだけ…ってね」
スウェナ「頑張ってよね、期待してるわよ」
キース 「俺も親父も力になるぞ」
ジョミー「要らないってば! それよりサマースクールだよ!」
ブルー 「うーん…。未だに遊びが優先なのかい?」
ジョミー「決まってるじゃない、永遠の高校1年生!」
キース 「ブルーは高校3年生だが、既に伝説の高僧だぞ?」
ジョミー「あれは例外! 三百歳超えと同列にしないでよ」

遊ばにゃ損々、とジョミー君は浮かれております。
その辺は他の面子も似たり寄ったり。

シロエ 「明日ですもんねえ、サマースクール。楽しみです」
マツカ 「竹藪の方はいつでもどうぞ、と父が言ってました」
ブルー 「伐採用の道具は学校で用意してくれるそうだよ」
全員  「「「学校!?」」」
ブルー 「マザー農場から借りるんだってさ。ハーレイが責任者」
キース 「そうめん流しの装置の工具も学校が貸してくれるのか?」
ブルー 「当然だろ? なんたってサマースクールなんだし」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 調理場も好きに使っていいって!」
ブルー 「というわけで、集合時間に遅れないようにね」

忘れ物にも気を付けて、と持ち物を書いた栞なんかが配られました。
シャングリラ学園を私物化してのサマースクール、明日からですよ~!

2012/07/19 (Thu)

 

☆生徒会長の用心


やってきました、7月28日の土曜日。
今日から一泊二日のサマースクール、シャン学メンバーもワクワクです。
暑さもなんのその、早起きをしてシャングリラ学園へと。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんな早いね!」
ジョミー「そりゃもう、遅刻している暇なんかないよ、遊ばなきゃ!」
ブルー 「その勢いで修行も頑張って欲しいんだけど…」
キース 「言うだけ無駄だと思うがな。あ、おはようございます」

現れたのは教頭先生。
普段着ですけど、引率役なのは確かでございます。

ハーレイ「ああ、おはよう。二日間、迷惑をかけないようにな」
ブルー 「迷惑をかけるのは君の方だろ?」
ハーレイ「どうしてそういうことになるんだ?」
ブルー 「え、だって。顔にしっかり書いてあるじゃないか、役得って」
ハーレイ「役得?」
ブルー 「そう、役得。二日間、ぼくの世話係だしね」
ハーレイ「あ、いや、それは……そのぅ…」
ブルー 「ほーら、やっぱり妄想してた。危ないったらありゃしない」

油断も隙もないんだから、と生徒会長は荷物をゴソゴソ。

ブルー 「用意してきて正解だったよ。転ばぬ先の杖って言うし」
キース 「なんだ、それは?」
ブルー 「流行りのキッズ携帯ってヤツさ。これを引っ張ると…」

たちまち鳴り響く防犯ブザー。
けたたましいなんてレベルではなく、誰もが耳を塞いでいますが。

ゼル  「なんじゃ、なんじゃ、朝っぱらから痴漢が出たか!?」
ブルー 「うわぁ、早いね。これなら安心」
ゼル  「テストならテストと言わんかい! 無駄足じゃったぞ」
ブルー 「ううん、犯罪抑止力。こうなるぞ、って警告だってば」
ゼル  「なるほどのぅ…。聞いたか、ハーレイ?」
ハーレイ「…そんなに信用が無いのか、私は…」
ブルー 「あるわけがない。これ、GPSもついているから」
ゼル  「何処で襲われても、すぐ呼ぶんじゃぞ!」

カカカと笑ってゼル先生は本館の方へ。
教頭先生の監視体制、万全になってるみたいですねえ…。

2012/07/20 (Fri)

 

☆キッズ携帯の効果


教頭先生に襲われないよう、キッズ携帯まで用意してきたのが生徒会長。
本館で待機中のゼル先生をいつでも呼べるそうですが…。

ブルー 「さてと、どのタイミングで使おうかな?」
ジョミー「それよりサマースクールだよ! 何をするわけ?」
ブルー 「午前中はプールで遊ぼうと思うんだけど」
シロエ 「いいですね! この人数で貸し切りでしょう?」
ブルー 「もちろんさ。その辺のプールより楽しめるってば」
キース 「この季節は何処も混んでるしな…」
サム  「下手するとイモ洗いってヤツだもんなあ」
スウェナ「今日は土曜日だし、確実にそれね」
ブルー 「だから値打ちがあるんだよ。さて、行こうか」
ぶるぅ 「わぁーい、プールだ、水遊びだぁー!」

いそいそと体育館へと向かう面々。
更衣室に入って間もなく、響き渡ったのが防犯ブザー。

ゼル  「こらぁっ、ハーレイ! 盗撮とはなんじゃ、盗撮とは!」
ハーレイ「ち、ちが…! わ、私は何も…」
ゼル  「やかましい! ここにカメラが入っておるわい!」
ブルー 「何かがキラッと光ったんだよね、そしたらレンズが…」
ゼル  「ふむふむ…。明らかにブルー狙いじゃのう…」

ここに着替える映像が、とカメラの動画を再生しているゼル先生。
教頭先生は顔面蒼白、違うと叫んでおられますけど。

ゼル  「論より証拠じゃ、この痴漢めが! 学校の恥じゃ」
ブルー 「警察までは呼ばなくていいよ、騒ぎになるから」
ゼル  「ふむ…。エラたちにはどうするんじゃ?」
ブルー 「続くようなら報告書を出して処分ってトコかな」
ゼル  「よし。では、とりあえずイエローカードじゃ」
ハーレイ「そ、そんな…。バッグにカメラを入れた覚えは…」
ゼル  「白々しいわい、レッドカードも近いようじゃのう」
ブルー 「だよねえ、初っ端からコレではねえ…」

何かあったらまた呼ぶから、とゼル先生に手を振っておりますが。
ヘタレな教頭先生がバッグにカメラを仕込んで盗撮…ですか?


※ブルー三部作の2話目、『赤い瞳 蒼い星』の放映から今日で5周年。
 ブルフィシ的には美味しい回でございましたが、ラスト10秒の衝撃で
 美味しい気分は頭からスコーンと抜けましたです…。

2012/07/21 (Sat)

 

☆使える愛弟子

 
盗撮容疑でゼル先生にイエローカードを出された教頭先生。
プールサイドでシャン学メンバーを見守りつつも、明らかに意気消沈で。

ブルー 「ねえ、ハーレイは泳がないわけ? 楽しいのにさ」
ハーレイ「い、いや…。その、なんだ…」
ブルー 「ああ、またムラムラとしそうだって? じゃ、仕方ないね」

ぼくたちだけで楽しもう、と生徒会長は申しておりますが。

キース 「おい。さっきのカメラはあんたじゃないのか?」
ブルー 「違うよ、あれはハーレイのだけど」
ジョミー「えっ? それじゃホントに教頭先生が…?」
ブルー 「まさか。ヘタレが盗撮出来るとでも? 仕込んだのは、ぼく」
キース 「やっぱりあんたの仕業じゃないか!」
ブルー 「でも持ち主はハーレイだってば、カメラのね」
シロエ 「思い切り濡れ衣じゃないですか…」
ブルー 「そうでもないさ。ごらんよ、あの顔! ぼくばかり見てる」
サム  「あー…。言われてみればそうかもなぁ…」
ブルー 「懲りてないよね、イエローカード。変な所でタフなんだ」
キース 「プールに入っておいでになったら、また何かする気だな?」
ブルー 「決まってるだろう? だけど来ないねえ…」
スウェナ「用心深くなると思うわよ、いきなりアレじゃね」
マツカ 「そうですよねえ…」
ブルー 「ちぇっ、面白くないったら…」

濡れ衣だった盗撮容疑。
教頭先生、水着に着替えてらっしゃるものの、水にお入りになりません。

ブルー 「いっそ溺れてみようかな?」
キース 「人工呼吸の途中で防犯ブザーが鳴るんだろうが!」
ブルー 「あ、分かっちゃった?」
キース 「当然だ! あんたが溺れたら俺が救助する」
ブルー 「え!? 君とキスするのは……ちょっと勘弁…」
キース 「俺の方でも願い下げだ! 溺れるなよ?」
ブルー 「わ、分かったってば、君の覚悟は!」

持つべきものは真面目な弟子。
柔道部の美しき師弟関係のお蔭で、教頭先生は無事にプールの監督終了。
さて、お次は…?

2012/07/22 (Sun)

 

☆廊下が定位置


貸し切りのプールで遊び放題だったシャン学メンバー。
そろそろお昼も近いとあって、着替えて宿泊場所の礼法室へと移動です。

キース 「ん? なんだ、ここに置いてあるのは誰の荷物だ?」
ブルー 「ハーレイのヤツだよ。そうだよね?」
ハーレイ「う、うむ…」
シロエ 「でも廊下ですよ? まさか本気で教頭先生を廊下に…」
ブルー 「当然じゃないか。盗撮するような危険な男と同室は嫌だ」
ジョミー「盗撮はブルーの悪戯じゃないか!」
ブルー 「ゼルはバッチリ信じたしねえ…。日頃の行いが物を言うのさ」

寝かせておくのは廊下で充分、と教頭先生の荷物を蹴飛ばす生徒会長。
何を言っても無駄というもので、礼法室へと入ってゆくと。

ゼル  「おお、来たか。ブルー、肉と野菜は切っておいたぞ」
ブルー 「流石はゼル。後は楽しく焼くだけって?」
ゼル  「もちろんじゃ。ホットプレートも温まっておる」
ジョミー「ホットプレート?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お昼は焼きそば食べ放題だよ!」
ブルー 「スタンダードからエスニック風まで、色々と…ね」
サム  「すげえや、好きなの食っていいんだ?」
ブルー 「そうだよ、作るのは基本ぶるぅにお任せだけど…」
ゼル  「わしも参加じゃ! 手伝いたいヤツは大いに手伝え!」
全員  「「「はーい!」」」

ワッと机に並んだホットプレートを囲むシャン学メンバー。
しかし…。

ゼル  「ハーレイ、お前の席は廊下じゃ」
ハーレイ「は?」
ゼル  「ブルーと同じ釜…いや、ホットプレートからは食わせん」
ブルー 「間接キスは御免蒙りたいからね。盗撮もされたし」
ぶるぅ 「えとえと、焼きそばは届けてあげるから!」
ゼル  「痴漢には紙皿で充分じゃがな。さっさと行けい!」
ハーレイ「そ、そんな…。わ、私は決して…」
ブルー 「見苦しいねえ、はい、外へ出る!」

お気の毒な教頭先生、ゼル先生に腰を蹴られて廊下へと。
昼食からしてこの調子では、そうめん流しはどうなるやら…。

2012/07/23 (Mon)

 

☆暑くても廊下


食べ放題だった昼食の焼きそば、教頭先生は孤独に廊下で食べる羽目に。
礼法室の中の面子は陶器のお皿なのに、教頭先生は紙皿で。

サム  「あー、食った、食った! 美味かったなぁ」
ジョミー「えっと…。後片付けはどうするのかな?」
ブルー 「ハーレイに決まっているだろう? そのための引率役だ」
ゼル  「ハーレイ! 早く来んかい、皿洗いじゃ!」
ハーレイ「は、入ってもいい…のか?」
ブルー 「いいけどさ。ぼくの荷物に触ったりしたらコレだからね」

キッズ携帯をちらつかせている生徒会長。
教頭先生、しおしおと後片付けをしておられますが…。

ブルー 「暑い盛りだし、しばらく涼もう。ハーレイ抜きでゲームでも」
ゼル  「いいのう、わしは花札が得意なんじゃ」
シロエ 「賭けるんですか?」
ブルー 「やめた方がいいよ、ゼルはホントに強いから」
キース 「そうなのか…。挑みたい気もするが、やめておくか」

クーラーが効いた部屋で始まった花札勝負はゼル先生の一人勝ち。
生徒会長もサイオン抜きでは勝てないそうでございます。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ おやつはやっぱりカキ氷だよね!」
ゼル  「シロップもトッピングもたっぷりあるぞ」
ブルー 「うーん、何味にしようかなぁ…。あ、ハーレイを忘れてた」
キース 「あんたが廊下に出したんだろうが、ずいぶん前に!」
ブルー 「だって、後片付けが済んだら用は無いしさ。生きてるかな?」
ゼル  「死ぬようなタマじゃなかろうて。どれ、見てくるか」

どっこいしょ、と廊下を見に行ったゼル先生は…。

ゼル  「ふん、汗まみれで座っておったわい。どうするんじゃ?」
ブルー 「カキ氷は差し入れしておこうかな。肉体労働が待ってるし」
全員  「「「肉体労働?」」」
ブルー 「忘れたのかい、そうめん流し! ハーレイの出番だ」

竹を切るのは重労働、と生徒会長は手ずからカキ氷の差し入れに。
感激のあまり舞い上がってしまった教頭先生、これからどうなる…?

2012/07/24 (Tue)

 

☆竹藪を切りに


カキ氷を堪能した後は、そうめん流し用の竹をゲットするために竹藪へ。
マツカ君の家の竹藪まで瞬間移動でお出掛けですが。

ジョミー「教頭先生、なんか顔色が悪くない?」
ブルー 「平気だよねえ、ハーレイ? たかがカキ氷くらいでさ」
ハーレイ「う、うむ…。大丈夫だ」
キース 「胃腸薬なら持って来てるぞ、よく効くヤツを」
ブルー 「違うよ、カキ氷の甘さでダウン! 気分は最悪」
シロエ 「そういえば甘い食べ物はダメでしたっけ…」
キース 「あんた、思い切り苺シロップをかけてなかったか?」
ジョミー「アイスと生クリームも乗っけてたよね?」
マツカ 「フルーツも缶詰のシロップ漬けでしたよ」
サム  「食った気持ちは分かるけどな。俺もブルーに貰ったら…」
キース 「苦手なモノでも食うってか? しかし…」

本当に大丈夫ですか、と教頭先生を気遣うキース君。

ハーレイ「ブルーの心遣いを無下には出来ん。さあ、行こうか」
ブルー 「本人もこう言ってるし! 出掛けるよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」

シャン学メンバー、一瞬で竹藪へ移動でございます。
竹を切る鋸などはマザー農場からの借り物で。

ブルー 「巨大そうめん流しだからねえ、竹は沢山あった方がいいね」
シロエ 「それと太さですよ。どれにします?」
マツカ 「好きなのを切って下さいね。何本でもいいです」
ブルー 「じゃあ、ハーレイ。まずはこの竹。その次がアレで…」
ジョミー「ぼくたちも切るよ、面白そうだし!」

カーン、カーン、と響き渡るナタと鋸の音。
シャン学メンバーは切り倒すだけで、汗だくで枝を払うのは教頭先生。

ハーレイ「ま、まだ足りないのか?」
ブルー 「文句を言わない! ゼルにバイクで駆け付けられたい?」

竹藪に痴漢が出るのは王道だよ、とキッズ携帯で脅す生徒会長。
それは女性の一人歩きの場合じゃないか、と誰もが思っていますけど…。
とりあえず竹は無事にゲット出来、瞬間移動で学校に御帰還ですよ~!

2012/07/25 (Wed)

 

☆そうめん流しの準備


大量の竹を持ち帰って来たシャン学メンバー。
いよいよハイライト、巨大そうめん流し用の組み立て作業でございます。

ブルー 「グラウンドいっぱいと行きたいけれど…流石に無理かな?」
シロエ 「高低差が命ですからねえ…。どうなんでしょう?」
キース 「竹は三本並べるんだったか?」
ブルー 「うん。一本じゃ奪い合いになっちゃうしさ。まずは揃えて…」
サム  「だよな、長さは合わせておきたいもんなぁ、三本セットの」
ブルー 「そこはハーレイに頑張らせよう。出来た分から運ぼうか」

カーン、カーンとグラウンドに響くのは教頭先生が竹を割る音。
そうめん流し用に真っ二つに割り、更に長さを揃えてます。

シロエ 「出発点はこの辺で…と。でもって、あっちに流して」
マツカ 「終点にビニールプールですよね、受け止め用の」
ブルー 「流れ落ちちゃったら勿体ないしね」
ゼル  「ほうほう、なかなか大規模じゃのう。こう組むとどうじゃ?」
シロエ 「あっ、それは考えていませんでした! いいですね」
ゼル  「支柱もこう組んだ方が強度が出るんじゃ」
ジョミー「凄いや、ホントに巨大そうめん流しだ!」
ブルー 「食べるスペースはこの辺でいいかな。えっと…ハーレイ?」
ハーレイ「なんだ? 竹の長さでも調整するのか?」
ブルー 「ううん、水は循環式にするから、運搬係を」
ハーレイ「運搬係?」
ブルー 「流しっぱなしだと水道代が…ね。そこで肉体労働の出番」
シロエ 「サイフォンの原理でいけますよ? でなきゃポンプか」
ブルー 「分かってないねえ、下僕を使ってなんぼなんだよ」

王様気分で食べなくちゃ、と生徒会長。
教頭先生の仕事はビニールプールの水を出発点まで運ぶこと。

ブルー 「水が止まったら味わいが無いし、出発点には桶を置くんだ」
ゼル  「ふむふむ。それなら溜めておけるのう」

桶から流れ落ちる水にそうめんを入れる係も教頭先生らしいです。
思いっ切り奴隷扱いですけど、大丈夫ですか…?

2012/07/26 (Thu)

 

☆そうめん流しの奴隷

組み上がった巨大そうめん流し。
たっぷりと茹で上がったそうめんを流すわけですが、設備の方は循環式。

ブルー 「ハーレイ、途切れないようキリキリ頼むよ」
ゼル  「そうめんの方も水もじゃぞ! 盗撮の詫びに丁度いいわい」
ハーレイ「盗撮はしていないのだが…」
ブルー 「見苦しいねえ、証拠があったろ? じゃあ、頑張って」
シロエ 「スタートですね? うわぁ、いい感じに流れてますよ」
ブルー 「ぼくたちは此処で食べ放題! よ~し、来た、来た」
全員  「「「いっただっきま~す!」」」

流れて来るそうめんは取り放題。
教頭先生はといえば、流れ落ちてプールに溜まった水を出発点へと運び、
桶に流し込んで水量を確保。更にそうめんを流す係も兼務。

ブルー 「ハーレイ、そうめんが途切れがちだよ? 努力してよね」
ハーレイ「た、頼む、私にも休憩時間を…」
ゼル  「ふん、その図体は飾り物かい! 気張ってなんぼじゃ」
ブルー 「そうめん流しで力尽きたら夜這いの心配も無いからねえ…」
ゼル  「いやいや、ブルー、油断はならんぞ」

なにしろ相手はハーレイじゃから、とゼル先生は説いておられます。

ゼル  「ファイト一発とばかりにドリンク剤で復活もアリじゃ」
ブルー 「それは困るなぁ…。いざとなったらよろしく頼むよ」
ゼル  「任せておけい! 痴漢なんぞは切り捨て御免じゃ」
ジョミー「き、切り捨てって…。まさか刀で一刀両断?」
ゼル  「竹刀で一発ぐらいかのう…。竹刀が腐ってしまいそうじゃが」
ブルー 「だよねえ、レッドカードで充分だよ」
キース 「おい…。教頭先生が処分されたら部活の方が困るんだが」
シロエ 「そうですよ! 謹慎処分とかはやめて下さい」
ブルー 「ふうん? まあ、体力の方も限界っぽいし…」
ゼル  「ハーレイ、そうめんが流れて来んぞ! 働かんかい!」

教頭先生、そうめん流しで討ち死に寸前。
みんなが満腹するまで働き続けて、ぶっ倒れるのも近そうですねえ…。

2012/07/27 (Fri)

 

☆お風呂でゆっくり


巨大そうめん流しを楽しんだシャン学メンバー。
たっぷり食べた後は礼法室で休憩してから、お風呂タイムにお出掛けで。

サム  「へえ…。体育館のシャワーに行くんじゃねえんだ…」
ジョミー「教職員専用のお風呂っていうのがあるんだねえ」
ブルー 「そりゃそうさ。設備も充実、専用棟ならではの福利厚生!」

向かった先は教職員の専用棟。
泊まり込みで仕事をする人が対象らしいのですけど、立派なお風呂が。

ブルー 「ぶるぅは女湯に行くのかい?」
ぶるぅ 「うん! スウェナ、一人じゃ慣れてないでしょ?」
スウェナ「初めての場所だし、ぶるぅが一緒だと落ち着けそうね」
ジョミー「じゃ、ぼくたちは隣だから! また後でね」

その頃、教頭先生はグラウンドでそうめん流しの片付け中。
汗だくになって装置をバラし、隅っこの方に積み上げるのが仕事です。
明日の朝にはマザー農場のトラックが来て処分場へと運ぶわけで。

キース 「大浴場並みだな、ここの風呂は」
シロエ 「打たせ湯とかまでありますしね。それにジャグジーも」
ブルー 「ゆっくり楽しまないと損だよ? 生徒は普通は入れないんだ」
ジョミー「露天風呂もあるといいんだけどなぁ…」
ブルー 「学校の中でそこまでは、ちょっと…。ん?」
キース 「どうした?」
ブルー 「シッ、脱衣場に人影が…。ぼくたちしか来ない筈なのに」
シロエ 「なんですって?」

そこでガラリと扉が開き、入って来たのは教頭先生。
そうめん流しの後片付けでかいた汗を流しに来られたようですが…。

ブルー 「ち、痴漢~!!!」
ハーレイ「ま、待て、私は…!」

けたたましく響き渡るキッズ携帯の防犯ブザー。
こんな所まで持ち込んだのか、と誰もが唖然呆然ですけど。

ゼル  「痴漢じゃと!? なんと、風呂場に出おったか!」
ブルー 「覗きどころか真っ裸なんだよ、これって公然猥褻だよね?」

ギャーギャーと騒ぐ生徒会長。
タオル一枚しか持たずに入った教頭先生の運命や如何に…?


※ついに7月28日。
 あの17話が放映された日から5周年、奇しくも同じ土曜日です。
 「ブルーに生き延びて欲しかった」という思いだけで昨年書いたのが
 ハレブルな『奇跡の碧に…』でした。
 今年はそれの続編、『奇跡の青から』を本日付で発表しております。
 生き延びたブルーがどうなったのか…。
 「読んでやろう」という方はバナーから『ハレブル別館』へどうぞ。
ハレブル別館


 

※ブルー三部作のラスト、『永遠と陽炎と』の放映から今日で5周年。
 言いたいことは当時も今もてんこ盛りで大盛り、特盛りですけれど。
 ブルーの瞳への銃撃が「許せないもの」、憎くてたまらないのがトマト。

 ゼル爺、なぜに「こんなに美味かったんじゃな…。ハロルド」なの?
 トマトを取りに行く暇はあってもブルーを悼む涙は無いのかい、と。
 そういう意図ではないのでしょうが、放映の瞬間にはそう思いました。
 憎む対象がトマトになったのは、野菜の無人販売所が多いド田舎だから?

2012/07/28 (Sat)

 

☆お風呂と露出狂


生徒会長が入浴中のお風呂場に入り、痴漢扱いされた教頭先生。
パニック状態で真っ裸ですが、シャン学メンバーはサクサク服を着て…。
スウェナと「そるじゃぁ・ぶるぅ」も脱衣場に駆け付けてまいりました。

スウェナ「さっきのブザーは何だったの!?」
ぶるぅ 「あれっ、ハーレイ、お洋服は?」
ゼル  「痴漢が出たんじゃ! よりにもよって真っ裸でのう」
ハーレイ「ち、違う、私は風呂に入ろうと…」
ブルー 「教頭室にシャワーがあるだろう? なんで来るのさ」
ゼル  「うむ。風呂場の使用許可は出しておらんぞ」
ハーレイ「…教職員はいつでも入れる筈だが…」
ブルー 「普段はそうかもしれないけどね、ぼくが入っているんだよ?」
ゼル  「ブルーが入っているのを見に来たんじゃろう、痴漢めが!」
ハーレイ「い、いや、単に後片付けが終わっただけで…」
ゼル  「言い訳無用じゃ、この馬鹿者め!」

素っ裸とは最低じゃ、と糾弾しまくるゼル先生。
人前で下半身を露出するより罪は重いそうで。

ゼル  「さっさとソレを仕舞わんかい! いつまで露出しとるんじゃ」
ブルー 「見せたい気持ちが見え見えなんだよ、みっともない」
ハーレイ「………」

教頭先生、今の今まで丸裸だったのでございます。
持ち込んだタオルは痴漢騒ぎで驚いたあまり、床に落としてそれっきり。
慌てて紅白縞のトランクスを取り出し、足を突っ込んでおられますが。

ブルー 「どうしよう…。こんなのが廊下に寝るんじゃねえ…」
ゼル  「不用心じゃな。わしと引率役を代わるか?」
ブルー 「今から届け出るのかい? 理由を言って?」
ハーレイ「た、頼む! それは勘弁してくれ、謹慎になる!」
キース 「そうです、俺たち柔道部も困ります」
ゼル  「わしも面倒は避けたいが…。しかしのう…」
ブルー 「あっ、そうだ! 夜這いが出来なきゃ問題ないよね」

名案を思い付いたんだ、とニッコリ微笑む生徒会長。
どう考えてもロクなものではなさそうですが…?

2012/07/29 (Sun)

 

☆夜這いの封じ方


公然猥褻だの露出狂だのと、さんざんな扱いをされてしまった教頭先生。
寝場所が廊下でも安心できない、と生徒会長は申しておりまして…。

ブルー 「ぼくたちが寝てる所に入って来られなきゃいいわけだしね」
ゼル  「どうするんじゃ? 鍵をかけても扉を壊して入るかもしれん」
ハーレイ「い、いや…。学校の設備を壊すようなことは…」
ブルー 「ほら、言った。何か方法を思案中なんだよ、侵入のための」
ハーレイ「違う、私は…!」
ゼル  「ふん、露出狂のくせに何を言うか! 盗撮の上に痴漢じゃぞ」

何をやらかすか想像もつかん、とゼル先生は激怒しておられます。
そこで生徒会長がニヤリと笑って。

ブルー 「手も足も出なけりゃ何も出来ないと思わないかい?」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「簀巻きにしとけば大丈夫! でもって廊下に転がしとくんだ」
ハーレイ「す、簀巻きだと?」
ブルー 「そう、簀巻き。ゴザじゃ甘いしマットとかだろ」
ゼル  「名案じゃ! それなら何も出来んしのう。よし、やるか」
ハーレイ「待ってくれ! せめてパジャマを…」
ブルー 「紅白縞で充分だってば、マットで包めばどうせ見えないし」
ハーレイ「し、しかし礼法室まで歩く途中が…」
ゼル  「安心せい、誰もおらんわい! 今日の当直はワシだけじゃ」
ブルー 「警備の人が巡回に来たらシールドで誤魔化してあげるからさ」

哀れ、紅白縞一丁で引っ立てられた教頭先生。
柔道部三人組が体育館から運んだマットで簀巻きにされて廊下の住人。

ブルー 「じゃあ、おやすみ。蚊とかが寄ってこないといいねえ」
ハーレイ「そ、その前に暑いのだが…」
ブルー 「謹慎処分になるよりマシだろ? あ、キース」
キース 「なんだ?」
ブルー 「廊下の窓は全開にしといてくれるかな? 暑いらしいし」

この下は蚊が多いんだけどね、と窓から見下ろす生徒会長。
ゼル先生は本館に引き揚げ、シャン学メンバーは礼法室で爆睡です。
果たして教頭先生は…?

2012/07/30 (Mon)

 

☆最後まで受難


サマースクールの夜は明けて、礼法室で充実の朝食タイムでございます。
ゼル先生と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が腕をふるいましたが。

キース 「おい、教頭先生はまた廊下なのか?」
ブルー 「当然じゃないか。おにぎりが3個もあれば充分だろう?」
キース 「いや、そうじゃなくて…。あそこにはまだ蚊が」
ブルー 「シールドを張れば大丈夫だって知っていた?」
全員  「「「えっ?」」」
ブルー 「ちゃんと張ったら蚊も通さない。だから自業自得」

思い付かなかったハーレイが悪い、と生徒会長は嘲っています。

ブルー 「防御力では最強のタイプ・グリーンだよ? 馬鹿だよねえ」
ゼル  「まったくじゃ。顔はパンパン、足は痒くて堪らんそうじゃし」

マットから出ていた頭と足を刺されまくった教頭先生。
簀巻きを解かれて服は着たものの、気が狂いそうに痒いのだとか。

ジョミー「もう、あの顔が凄すぎだよね。なんて言うか、こう…」
サム  「お化け屋敷の世界だよなあ、あれは女の幽霊だけど」
シロエ 「足もキツイと思いますよ。痒いんですよね、指の間とか」
ブルー 「馬鹿は放ってプールに行こうよ、夏は水遊び!」
ゼル  「いやいや、ちゃんと監督させんとな。ハーレイの役目じゃ」

というわけで教頭先生、プールサイドで監視役。
水着姿に腫れ上がった顔は似合わず、笑うしかない状態です。

ブルー 「ふふ、一晩中、刺されまくって寝不足ってね」
サム  「眠そうだよなぁ…」
ブルー 「ぶっ倒れるのも時間の問題! よし、そろそろかな」
ジョミー「何が?」
ブルー 「チャンス到来!」

パタリと倒れた教頭先生の身体の下には生徒会長。
プールから瞬間移動したらしく、その手にキッズ携帯が…。

ブルー 「ち、痴漢~!!」
ハーレイ「む? い、いや、私は何も…!」
ゼル  「また痴漢か! しかもその顔で!」

怪談もかくやな御面相の教頭先生、まだまだ受難が続きそうですが。
サマースクール、これにて中継終了です~。

2012/07/31 (Tue)

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☆夏休みに向けて


ジューンブライドな6月も終わり、暦は7月でございます。
7月といえば夏休み。シャン学メンバーは早くも浮かれておりますが…。

ジョミー「夏はやっぱり海だよね! 山もいいなあ」
サム  「海の別荘は外せねえよな、毎年マツカが呼んでくれるし」
マツカ 「いつでも用意できますよ。任せて下さい」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すっごく楽しみ!」
ブルー 「柔道部の合宿が済まないことには動けないよね」
シロエ 「あれはぼくたちも行きたいですし…。グンと力がつくんです」
サム  「その割にキースに勝てねえんだろ?」
シロエ 「そ、それは…。いつかは一本取って見せます!」
キース 「お前も諦めの悪いヤツだな、無理だと言っているだろう」
シロエ 「勝負は時の運ですよ!」

じゃれ合う時間もまた良きかな。
海だの山だの合宿だのと話題はあちこちに飛びまくりで。

ブルー 「とりあえず、ジョミーとサムは今年の夏も璃慕恩院だよ」
ジョミー「えぇっ!?」
サム  「もう毎年のことじゃねえかよ、柔道部の合宿とセットでさ」
ブルー 「流石にサムは話が早いね。じゃ、そういうことで」
ジョミー「うえ~…。夏休み気分が吹っ飛びそうだよ…」
キース 「夏休み気分ってヤツがいいのか?」
ジョミー「決まってるじゃない! 何をしようかってワクワクするし!」
シロエ 「埋蔵金探しはもう御免ですよ?」
サム  「あー…。レンコン掘りは俺も勘弁…」

埋蔵金を求めてレンコン掘り。
記念すべき特別生1年目の夏の思い出でございますが。

ブルー 「楽をしようと思わなかったら埋蔵金ゲットだったのに…」
ジョミー「分かってるってば!」
スウェナ「慌てる乞食は貰いが少ないってヤツだったものね…」
ブルー 「いい教訓になっただろう?」
ジョミー「夏休みにまで教訓なんか持ち込まないでよ!」
キース 「そう来たか…。お勧めのプランがあったんだが」

教訓が嫌なら却下だろうか、とキース君。
お勧めプランって、何なのでしょう?


注・埋蔵金掘りのお話はこちら→『金色の夏

2012/07/01 (Sun)

 

☆夏休みの思い出


夏休みの過ごし方で盛り上がっていたシャン学メンバー。
キース君にお勧めプランがあるそうですけど、教訓が嫌なら却下だとは?

ジョミー「どういうプランなわけ? 教訓がどうこうって」
シロエ 「強化合宿じゃないですか? 予備校とかの」
サム  「おい、予備校って…アレか、大学受験用の?」
シロエ 「いわゆる塾ってヤツですね。合宿する所も多いですよ」
マツカ 「大学受験用だと思いっ切り勉強ばかりでしょうねえ…」
スウェナ「そうじゃない塾もあるってこと?」
マツカ 「中学受験用の塾の合宿ならお遊びタイムもありますよ」
ジョミー「マツカ、そういうのに行ってたわけ?」
マツカ 「友達作りになるだろうって言われて行ったんですけどね…」
サム  「へえ…。で、どうだったんだよ?」
マツカ 「普段から塾に通ってる仲間同士でグループ結成済みでした」

友達は出来ずじまいだった、とマツカ君。
なんとも気の毒な話です。

キース 「そうだったのか…。それは残念だっただろう」
マツカ 「あ、でも、遊びに行く時には仲間に入れて貰えましたから」
シロエ 「遊びに行くんですか、受験合宿中に?」
マツカ 「リフレッシュの時間も必要だってことで、山登りとか」
ジョミー「面白そうだね、サマースクールを思い出すなぁ」
サム  「あー、行ったよな、サマースクール!」
スウェナ「そうそう、みんなでバスに乗って行って」
キース 「お前たちの学校にはサマースクールがあったのか?」
ジョミー「ううん、ぼくたちが幼稚園の時」
ブルー 「幼稚園? それはまたゴージャスな話だねえ」
サム  「年長組しか行けねえけどな。泊まりだから」
スウェナ「卒園旅行みたいなものよね、今から思えば」
マツカ 「ぼくの幼稚園にもありましたよ。キースとシロエは?」
キース 「残念ながら無かったな…」
シロエ 「ぼくの所も無かったです」

行きたかったかも、とシロエ君。
幼稚園からサマースクールって、聞いただけでも楽しそうですもんね。

2012/07/02 (Mon)

 

☆夏休みと幼稚園


ジョミー君とサム君、スウェナちゃんは幼稚園のサマースクール経験者。
しかしキース君とシロエ君の幼稚園には無かったそうで。

シロエ 「小学校ならあったんですけどね、サマーキャンプが」
キース 「俺は林間学校だ。学校と名がつくとアウトだよな」
ジョミー「アウトって、何が?」
キース 「お前がさっき言ってた教訓ってヤツだ。引率は教師だぞ」
マツカ 「ああ、それは…。幼稚園のようにはいきませんよね」
キース 「そういうことだ。何かと言えば注意が飛ぶ」
サム  「幼稚園でも多分注意はされたんだろうと思うけどなあ」
スウェナ「学校の先生みたいなことは無かった筈よね」
ジョミー「正真正銘、子供だもんね。ぶるぅと同じでさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、だから6歳にならないんだもん!」
ブルー 「その前に卵に戻っちゃうもんねえ、ぶるぅの場合は」
ジョミー「いいよね、永遠の幼稚園児ってさ…」
ぶるぅ 「幼稚園には行かないよ?」

つまんないもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
けれどサマースクールには興味津々。

ぶるぅ 「ねえねえ、幼稚園のサマースクールってどんなものなの?」
ジョミー「ぼくたちが行ったヤツは海水浴だったよ」
サム  「旅館のすぐ前が海だったよな!」
スウェナ「子供だから着替えとかも全部先生にお任せなのよ」
ジョミー「水着もビーチサンダルも先生が洗ってくれるんだよね」
シロエ 「そうなんですか。それって幼稚園児の特権でしょうね」
キース 「俺が行った林間学校はうるさかったな、靴の脱ぎ方まで」
シロエ 「ぼくのサマーキャンプも色々と細かかったですよ」
マツカ 「幼稚園と学校じゃあ、同じ先生でも別物ですよね…」
ブルー 「だろうね、ゼルに幼稚園の先生が務まるとは思えないし」
ジョミー「それって怖いよ、園長先生ならいけるかもだけど」
サム  「バスの先生っていうのもあるぞ?」

なにやら話がズレ始めているようですが。
キース君のお勧めプランとやらはお蔵入りに…?

2012/07/03 (Tue)

 

☆幼稚園に向く先生


只今の話題、サマースクールから幼稚園の先生談義へと逸れております。
怒ると怖いゼル先生に幼稚園の先生が務まるかどうか、と。

シロエ 「バスの先生よりかは園長でしょう、ゼル先生の場合」
サム  「そうかなぁ? 運転してればいいだけだぜ」
マツカ 「でも…。ゼル先生には凄い渾名があるじゃないですか」
ジョミー「あー、過激なる爆撃手…だっけ?」
ブルー 「それで合ってる。暴走してるのはバイクだけどさ」
キース 「だが、人はハンドルを握ると人格が変わると聞くからな…」
ブルー 「まあね。幼稚園バスでも暴走しないって保証は無いかな」
スウェナ「お母さんたちから苦情が出そう…」
シロエ 「子供は喜ぶかもしれませんけど」
ぶるぅ 「そだね、小さいとジェットコースターにも乗れないもん…」

幼稚園バスで爆走出来たら楽しそうだ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
確かに最前列あたりの席が取り合いになってしまうかも…。

ブルー 「猛スピードの幼稚園バス…ね。ハーレイには無理かも、それ」
ジョミー「教頭先生、速い乗り物はダメだもんねえ」
ブルー 「全部がダメってわけじゃないさ。電車とか飛行機には乗るし」
キース 「速さってだけの話ならシャングリラ号が一番じゃないか?」
ブルー 「そうなんだよね。ハーレイ、キャプテンやっているのに」
シロエ 「宇宙船と幼稚園バスじゃ、速さが比べ物になりませんよ」
サム  「なんでダメなんだろうなぁ、速い乗り物」
ブルー 「ヘタレだからに決まってるだろう」
キース 「この間もあんたを嫁に貰い損なっていたな、ヘタレのせいで」
ジョミー「そうそう、鼻血で倒れたんだよね」
シロエ 「きっと温厚すぎるんですよ、教頭先生の場合」
ブルー 「うーん…。ヘタレと温厚は違うような気が…」
スウェナ「でも、幼稚園の先生には向いていそうよ」
ブルー 「そうかも…」

悪戯しても叱られないし、と納得している生徒会長。
ますます話がズレておりますが、キース君のお勧めプランは?

2012/07/04 (Wed)

 

☆お勧めなプラン


教頭先生は幼稚園の先生に向いていそうだ、と唱えるシャン学メンバー。
温厚な性格は確かに幼稚園児向きかも…。

ジョミー「身体も大きいから人気者になれそうだよね」
サム  「うんうん、一度に何人も抱き上げるとか出来そうだしなあ」
ブルー 「シャングリラ学園に幼稚園が出来たら栄転かな?」
シロエ 「教頭から幼稚園の先生ですか…。それって左遷じゃあ?」
ブルー 「そうとも言う。でもって、ぼくの担任も出来なくなるし」
キース 「立派な左遷人事だな。…おい、幼稚園は作るなよ?」
ブルー 「流石にソルジャー命令でそれは…ちょっと無理かな」
ぶるぅ 「ぼくも要らない! 幼稚園が出来たら入れられちゃうもん!」

行かないもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は膨れっ面。
幼稚園の制服なんかも似合いそうではありますが。

キース 「で、話を戻していいだろうか? 幼稚園の話題も出たし」
ジョミー「えっ? さっきのお勧めプランがナントカってヤツ?」
マツカ 「幼稚園と関係があるんですか?」
キース 「まるで無い……ことはないかもしれない」
ブルー 「ふうん? いいから話してみたまえ」
キース 「夏休み中のプランなんだが、そうめん流しに興味はあるか?」
全員  「「「そうめん流し?」」」
キース 「ああ。ギネスに挑戦とまではいかんが、大規模らしいぞ」
サム  「大規模って…。かなりの距離を流すのかよ?」
キース 「とりあえず設備は自作するんで、頑張ればいくらでも」
シロエ 「なんだか面白そうですね、それ」
キース 「だろう? 二日目の夕食がそうめん流しだ」
スウェナ「分かった、何処かの合宿なのね?」
キース 「いや、サマースクールと銘打ってある。二泊三日だ」
ブルー 「サマースクールでそうめん流しねえ…」
ジョミー「設備は自作するって言うからアウトドアかな?」
サム  「そうかもな! 竹とかを切って」

そうめん流しなサマースクール。
楽しそうですけど、教訓とやらは何処で出てくると…?

2012/07/05 (Thu)

 

☆怪しげなプラン


キース君のお勧めプランはサマースクールだそうでございます。
そうめん流しを大規模にやる、という点がハイライトっぽい感じですが。
設備を自作するからには、アウトドアでしょうか?

キース 「竹は藪から切り出すらしい。だが、寝泊まりは屋根の下だ」
ジョミー「だったら何処かのキャンプ場とか?」
シロエ 「ああ、一日目はバーベキューっていうのもありそうですよね」
キース 「それは難しいような気がするが…。どうだろう?」
サム  「おいおい、お前もイマイチ分かってねえとか?」
キース 「あまり詳しく話を聞くと、断れないような気がしてな…」
ブルー 「何か義理でもあるのかい? で、そうめん流しの他には?」
キース 「パワースポットだ」
全員  「「「パワースポット!?」」」
キース 「スタンプラリーをやるらしいぞ。二日目のメインだ」
スウェナ「それっていいかも! 何処を回るの?」
キース 「近辺の神社とかだろう。参加してみるか?」
ジョミー「んーと…。参加しないと詳しいことは分からないとか?」
キース 「多分な。行ってくれるなら有難い」
シロエ 「待って下さい! 有難いって何の話です?」
マツカ 「教訓がどうとかって言ってましたよね…」

なんだかアヤシイ、と突っ込み始めたシャン学メンバー。
普通のサマースクールじゃないのでは…。

ブルー 「幼稚園と関係がまるで無いこともないらしいねえ?」
キース 「………。引率役を募集中なんだ」
ジョミー「えっ、ぼくたちが引率するわけ!?」
キース 「正確に言うなら頼れるお兄さん、お姉さんが欲しいらしい」
サム  「ボーイスカウトか何かかよ?」
キース 「小学生以上の子供が対象なんだが…」

キース君曰く、グループを率いられる年齢の参加者が少ないそうで。

キース 「どうだ、行ってみないか?」
ブルー 「ぼくたちが引率役ねえ…」

引き受けるかい、と見回す生徒会長。
そうめん流しとパワースポットスタンプラリー。引率するのは大変かも?

2012/07/06 (Fri)

 

☆アウトなプラン


キース君のお勧めプランで募集中なのは引率役だそうでございます。
そうめん流しにパワースポットスタンプラリーと、盛りだくさんですが。

ジョミー「んーと…。あのさ、幼稚園ってのと教訓は?」
キース 「やはり言わないとマズイだろうか?」
シロエ 「そりゃそうですよ、行ってから話が違うのは勘弁です」
ブルー 「だよね、引率役だけに帰ると言っても帰れないってことも…」
キース 「放り出して帰るというのは……恐らく無理かと」
サム  「おい、思いっ切り怪しいじゃねえかよ!」
マツカ 「普通は体調不良とかなら帰れますよ?」
キース 「一人二人なら大丈夫だろうが、全員となると仮病っぽいしな」
スウェナ「言いなさいよ、行き先は何処なのよ?」
キース 「……親父の知り合いがやってる寺だ」
全員  「「「寺!?」」」
キース 「境内で幼稚園を経営しててな、サマースクールはその一環で」
ジョミー「小学生以上って言わなかった!?」
キース 「卒園生を対象にした同窓会みたいなイベントなんだ」
シロエ 「じゃ、じゃあ、教訓とかって言ってたヤツは…」
キース 「朝晩のお勤めと園長先生の法話がつく」
ジョミー「要らないし、それ!!!」
ブルー 「引率役が出来る参加者が少ないっていうのも納得だよ…」

お寺が幼稚園をやっているのはよくあるパターン。
幼稚園児なら特に疑問も持たずに、お勤めなどもするのでしょうけど。

シロエ 「学校に行って自由を覚えてしまったらキツイですよね」
キース 「やっぱりそうか…。で、お前たちも断る、と…」
ブルー 「幼稚園の同窓会だろ? 流石のぼくも気乗りしないな」
キース 「地域の子供にも門戸は開いているらしいんだが…」
ジョミー「絶対パス! 璃慕恩院だけで沢山だし!」
キース 「分かった、親父には諦めてもらう」
ブルー 「そうしたまえ。悪いけど、却下」

キース君のお勧めプランはサクッと却下に。
高僧の生徒会長にまで断られては、お寺絡みでもダメダメですよねえ…。


※アニテラ14話でブルーが目覚めてから今日で5周年~。

2012/07/07 (Sat)

 

☆プランの大変身


お寺絡みのサマースクールに勧誘されてしまったシャン学メンバー。
間一髪で逃れましたが、中身の方には少々未練が残っていそうでして…。

ジョミー「あーあ、お寺でなかったら行ったんだけどな…」
ブルー 「子供の引率役でもかい?」
ジョミー「だって面白そうじゃない! 巨大そうめん流しだよ?」
サム  「竹を切る所からやるんだもんなあ、本格的だぜ」
スウェナ「パワースポットスタンプラリーは?」
シロエ 「それはスタンプにこだわらなければ個人的にも行けますよ」
マツカ 「ですよね、夏休みの間に回ってみますか?」
キース 「行くんだったら、回る予定の場所は聞き出せるぞ」
ジョミー「それは聞いても大丈夫なわけ?」
キース 「話のタネに、と訊いてみる分には問題ないさ」
スウェナ「じゃあ、お願い。せっかくの夏休みなんだもの」
キース 「任せておけ。…お前たちに逃げられたのは残念だがな」
ブルー 「参加させる気満々だったみたいだねえ」
キース 「釣れそうな気はしたんだが…」
ジョミー「中身の方はいいんだよ! お寺って場所が最悪だってば」

やりたかったな、そうめん流し…とジョミー君はブツブツと。
他の男子も似たような気持ちらしいです。

シロエ 「どう組み立てれば上手く流れるかとか、やりたかった気も…」
マツカ 「ウチの竹藪なら切っていいですよ」
サム  「えっ、マジで?」
ジョミー「じゃあ、マツカの家でそうめん流し?」
マツカ 「夏休みですしね、みんなで泊まりに来ませんか?」
スウェナ「それってゴージャス…」
キース 「いいのか、大勢で押し掛けても?」
マツカ 「勿論です。ぼくの両親も喜びますよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ マツカの家に泊まるの、初めて!」
ジョミー「うわあ…。楽しみだなあ、美味しいものも食べられそうだし」
マツカ 「そうめん流しならアユの塩焼きが合いそうですよね」

天然ものを手配しますよ、とマツカ君。
お寺なプランは内容そのままでゴージャスに変身中ですよ~!
 
2012/07/08 (Sun)

 

☆プランと迷惑行為


そうめん流しはマツカ君の家で、という素晴らしいプラン。
大邸宅にお泊まりな上に、御馳走なんかも思いっ切り期待出来そうです。

ジョミー「やったね、災い転じてナントカってヤツ?」
キース 「………。俺のプランは災いなのか?」
シロエ 「決まってるじゃないですか。なんでぼくたちまでお勤めを!」
スウェナ「お坊さん絡みはジョミーとサムだけで充分なのよ」
サム  「ひでえ言われようだけど、否定できねえかな…」
マツカ 「じゃ、決まりですね。いつにしますか?」
ジョミー「ぼくはいつでもOKだよ。あ、璃慕恩院の間はダメだけどさ」
シロエ 「それは柔道部の合宿と重なりますから、そこ以外ですね」

いつにしようか、と相談を始めるシャン学メンバー。
柔道部の合宿明け直後という方向で話が纏まりつつありますが。

ブルー 「ちょっと待った! どうせならもっと派手にやらないかい?」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「マツカの家っていうのもいいけど、誰にも迷惑がかからない」
キース 「そりゃそうだろう。…ん? あんた、迷惑をかけたいのか?」
ジョミー「やめてよ、マツカの家に出入り禁止になっちゃうよ!」
シロエ 「会長はソルジャーですから大丈夫でしょうけど…」
キース 「俺たちは完全にアウトだな。そいつは困る」
マツカ 「内容によると思いますけど…。どんな迷惑行為ですか?」
キース 「近所迷惑な花火大会とか、そういうのだろう」
ブルー 「違う、違う。…マツカの家とは言っていないよ」
スウェナ「じゃあ、何処に迷惑がかかっちゃうの?」
ジョミー「…考えたくないけど、ぼくたち…とか…?」
キース 「お、おい! 不吉な言葉を口にするな!」
シロエ 「そうですよ、言霊以前の問題ですよ、それ!」
ブルー 「やれやれ…。ぼくってそんなに信用無いかな?」
ジョミー「決まってるじゃない!」

そうだ、そうだ、と全員一致で決め付けと過去の悪行の糾弾開始。
日頃の行いが行いだけに、生徒会長の旗色悪し…?

2012/07/09 (Mon)

 

☆迷惑のターゲット

 
マツカ君の家に泊まってそうめん流し。決まりかけていた計画ですけど、
誰にも迷惑がかからないのが不満らしいのが生徒会長。

キース 「あんたは日頃から迷惑かけまくりの人生だろうが!」
ジョミー「そうだよ! ぼくたち、巻き添えを食ってばかりだし!」
ブルー 「それを言うならブルーの方だろ。同じブルーでもさ」

ジューンブライドで酷い目に遭った、とソルジャーの名を挙げられても
納得するような面子ではなく。

シロエ 「ソルジャーはとっくに規格外です! 別格です!」
キース 「超大型のハリケーンだよな、ブルーが台風だとしたら」
ジョミー「爆弾低気圧ってヤツも無かった?」
キース 「そっちの方が相応しいかもな…。迷惑度で言えば」
マツカ 「備えようがありませんからねえ…」
シロエ 「でも、会長だって備え以上の被害を出してくれますよ」

紅白縞のお届けだとか、恒例のイベントでも迷惑は常にかかるもの。
備えを万全に身構えていても、上を行くのが生徒会長という人で。

キース 「いいな、頼むから今回は大人しくしててくれ」
シロエ 「マツカ先輩の家に迷惑がかからなくっても、困るんです」
ブルー 「だからさ、誰が君たちに迷惑をかけたいと言った?」
キース 「その顔にいつも書いてある!」
ジョミー「だよね、ブルーが何か考えつく度にババを引くんだよ」
ブルー 「君たちだけじゃないだろう、それ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「もっと確実にババを引く誰かがいる筈だけど」
キース 「お、おい、それは…。もしかしなくても…」
シロエ 「…教頭先生のことですか…?」
ブルー 「ご名答。ハーレイの他に誰がいると?」
ジョミー「ちょ、教頭先生に迷惑って…。マツカの家で!?」
マツカ 「お泊めするのは構いませんけど…。お断りになりそうな気が」
キース 「文字通り飛んで火に入る夏の虫だしな」

教頭先生は来ないであろう、と意見の一致を見ております。
迷惑をかけたい生徒会長、どう動くのか…?

2012/07/10 (Tue)

 

☆迷惑行為とTPO


生徒会長が迷惑をかけたい相手は教頭先生でございました。
対象から外れたシャン学メンバー、ホッと一息ついておりますけれど…。

ジョミー「絶対来ないよ、教頭先生。都合が悪いとかなんとか言って」
キース 「ブルーの家なら危険を承知で飛び込まれるかもしれないが…」
シロエ 「マツカ先輩の家ですもんね。何も旨みがありませんよ」
マツカ 「えっと…。ご夫妻用のゲストルームなら用意できますが」
キース 「でもってブルーに断られるんだな、相部屋を」
サム  「当たり前じゃねえかよ、ブルーにそういう趣味はねえし!」
シロエ 「最初から結果が見えてますから、おいでになる筈ないですよ」
スウェナ「そうよね、遊ばれまくって恥だけ晒すに決まってるもの」
ブルー 「それでも来そうなのがハーレイだけどさ…」

もっと素敵に大迷惑をかけたいんだ、と生徒会長。

ブルー 「マツカの家だとゲストになるだろ? いわゆるお客様」
マツカ 「勿論です! いつもお世話になっていますし」
ブルー 「そこがイマイチなんだよね。おもてなしなんて勿体無い」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「粗略に扱われてなんぼなんだよ、ハーレイはさ」
キース 「…マツカの家ではダメだと言うのか?」
ブルー 「流石に理解が早いね、君は。ハーレイにゲストは百年早い」
ジョミー「マツカの別荘でゲストしてるよ?」
ブルー 「その代わり、それなりの恥もかいてる」

ストリーキングとか色々と…、と言われてみれば確かにそうかも。

ブルー 「だけどリゾートならではだしねえ、あの弾け方は」
キース 「あんたが弾けさせてるんだろうが!」
シロエ 「教頭先生の御意思じゃないと思いますけど…」
ブルー 「そうなんだけどさ、ぼくだってTPOは心得てるよ」
キース 「あんたは何が言いたいんだ?」
ブルー 「同じ行くなら、相応しい場所!」

マツカ君の家よりも迷惑行為に相応しくって、教頭先生を呼べる場所。
それっていったい、何処なんでしょう?


※教頭先生のストリーキングはこちら→『夏休み』(シャン学・本編)

2012/07/11 (Wed)

 

☆生徒会長のプラン


教頭先生に迷惑をかけたいという生徒会長。
マツカ君の家ではイマイチだから、と別の場所に行きたいらしいですが。

キース 「もしかして俺が持ち込んだプランが復活するのか?」
ジョミー「えぇっ!? それって困るよ、お寺じゃない!」
シロエ 「でも…。教頭先生は幼稚園の先生向きって話なんかも…」
サム  「幼稚園じゃねえだろ! 同窓会だろ、幼稚園の!」
マツカ 「引率役を募集中ですよ? ピッタリなんじゃないですか?」
スウェナ「そ、そうかも…。嫌よ、そんなの!」
ジョミー「ぼくも嫌だよ、マツカの家に行くんだってば!」

お寺のサマースクールは絶対嫌だ、と反対多数。
浴びせられる文句を生徒会長は右から左に流しております。

ジョミー「聞いてるわけ!? 行くんだったら一人で行ってよ!」
シロエ 「キース先輩は行くでしょうけど、ぼくたちはお断りですよ!」
キース 「お、おい…。お前たち、俺を見捨てるつもりか?」
ジョミー「キースに義理は無いもんね。頑張ってきてよ」
シロエ 「ええ、教頭先生のお役に立ってあげて下さい、キース先輩」
サム  「良かったな、キース。親父さんにも喜ばれるぜ」
キース 「ま、待て! 俺はだな…」
ブルー 「そう、そう。話は最後まで聞かなくっちゃね」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「誰がお寺に行くと言った? 確かにネタはかぶってるけど」
ジョミー「…どういう意味?」
ブルー 「サマースクールはかぶるかもね、と言ってるんだよ」
全員  「「「サマースクール?」」」
ブルー 「うん。でもって引率役がハーレイ」

素敵だろう、と生徒会長は満面の笑顔。
教頭先生が引率役でサマースクールと言われましても…。

キース 「寺でなければ何処へ行くんだ、サマースクールに」
ブルー 「スクールと言えば学校だろう? ウチの学校だよ」
全員  「「「えぇぇっ!?」」」

シャングリラ学園でサマースクール。
そんな無茶なプラン、果たして実現可能なんでしょうか…?

2012/07/12 (Thu)

 

☆サマースクールの企画

 
シャングリラ学園でサマースクールを、と生徒会長は笑顔でございます。
確かに学校はスクールですけど、よりにもよってサマースクール。

キース 「あんた、本気か? そんなプランが通るのか!?」
ブルー 「ぼくを誰だと思ってるのさ? ソルジャーだよ?」
ジョミー「で、でも…。学校では普通に生徒なんじゃあ…」
ブルー 「忘れたのかい、春のお花見。校庭の桜を貸し切れただろ?」
シロエ 「学校を貸し切るつもりなんですか? 夏休みに?」
ブルー 「平日は難しいかもしれないけどね、土日だったら大丈夫かと」
キース 「土曜も部活なんかがあるだろうが!」
ブルー 「その辺は適当に理由をつけて貰うまでだよ、学校の都合で」

閉め切ってしまえば生徒は来ない、と生徒会長は自信満々。

ブルー 「ぼくから話を通しておくさ。今月の最後の土日でどうかな?」
マツカ 「28日と29日ですか?」
ブルー 「うん。君の家の竹藪は是非借りたいから、よろしくね」
ジョミー「竹藪って…何さ?」
ブルー 「そうめん流しをするんだろう? 学校に竹藪は無いんだよ」
キース 「あんた、そうめん流しもする気なのか!?」
ブルー 「それはもう。何処でやろうかな、グラウンドかな?」
シロエ 「大規模にやるならグラウンドですね、他の生徒がいないなら」
スウェナ「教頭先生は何処で出て来るの?」
ブルー 「引率役だって言っただろ? 責任者って所かな」
サム  「他の先生はどうするんだよ?」
ブルー 「さあねえ、野次馬根性で来ると言うなら止めないさ」
ジョミー「ゼル先生とか好きそうだもんね、そうめん流し!」
キース 「設備作りに燃えそうではある…か…」
ブルー 「それに責任感にも燃えていそうだ、ハーレイの監視」
全員  「「「監視?」」」
ブルー 「そう、監視。ぼくに手出しをしないように…ってね」

夜の校内で二人きりだと危険じゃないか、と生徒会長。
もしかしなくても教頭先生に迷惑をかけるというのは、それだったり…?

2012/07/13 (Fri)

 

☆サマースクールに向けて

 
サマースクールのプランをブチ上げていた生徒会長。
思い立ったが吉日とばかり、その日の内に先生方に話をつけて準備完了。
夏休みに入ったシャン学メンバー、楽しみなような怖いような…。

ブルー 「サマースクールの方は任せといてよ、バッチリだからさ」
キース 「あんた、日程は押さえたとしか言わないからな…」
ジョミー「そうだよ、そろそろ中身を話してくれてもいいじゃない!」
ブルー 「うーん…。璃慕恩院へ旅立つ君へのお餞別にかい?」
ジョミー「お餞別って…。ぼく、行きたくて行くんじゃないし!」
サム  「だよな、今年もジョミーは仕方なく…だもんな」
ブルー 「いい加減、自発的に行きますと言って欲しいんだけどねえ…」
ジョミー「お断りだよ、坊主反対!」
シロエ 「ジョミー先輩も懲りませんねえ、夢は緋色の衣でしょう?」
キース 「酔うと宣言し始めるんだし、案外、そっちが本心かもな」
ジョミー「やめてよ、それだけは無いってば!」
ブルー 「お正月と節分と、お花見と…。三回もやれば本物だろう?」
ジョミー「覚えてないから無効だよ!」

ギャーギャーと喚くジョミー君ですが、からかう分には楽しいもの。
坊主万歳とか遊ばれまくって、もうヘトヘトでございます。

ジョミー「ちょ、ちょっと…。ぼくで遊んでどうするのさ…」
キース 「ん? そりゃ面白いからだろうが」
ジョミー「サマースクールの話を聞きたいって言ったんだよ、ぼくは!」
サム  「そうだっけ?」
マツカ 「そうでしたっけ…?」
スウェナ「ジョミーの話じゃなかったかしら?」
シロエ 「璃慕恩院へ行くって話でしたもんね」
ジョミー「だから! ブルーがお餞別に話してくれるって…」
ブルー 「まだ話すとは言っていないよ、楽しみに取っておけばいい」
キース 「待て、何処に泊まるのかくらいは教えろ」

こっちにも都合というものがある、というのがキース君の主張。
テントを張るのか宿泊用に部屋があるのか、そこは確かに気になるかも?


※ブルー三部作の1話目、『変動の予兆』の放映から今日で5周年。
 15話といえば「年寄りと女子供は丁重に扱え」がツボでしたねえ…。

2012/07/14 (Sat)

 

☆サマースクールの宿泊先


7月の28日と29日の土日はシャングリラ学園でサマースクール。
日程は決まっているのですけれど、中身の方は思い切り謎でございます。

キース 「そうめん流しをやろうと言うのは確かに聞いた。だがな…」
ジョミー「何処に泊まるのか分からないんじゃ不安だよ!」
ブルー 「そういうものかな?」
シロエ 「気になりますってば、その辺は」
サム  「どんな準備をすればいいのか、謎だもんなあ…」
ブルー 「無人島サバイバルじゃあるまいし…。普通で充分!」
スウェナ「でも…。テントかどうかは聞いておきたいわ」
シロエ 「ですよね、女子はスウェナ先輩だけですし」
マツカ 「テントだったら、ぶるぅも一緒になるんでしょうけど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ テント、大好き!」
キース 「なんだと、やっぱりテントなのか!?」
ブルー 「いや。冷房完備じゃないのはちょっと」
キース 「れ、冷房って…。あんた、どういう感覚なんだ!」
ブルー 「普通だろ? 涼しいに越したことはない」
ジョミー「そりゃそうだけどさ…」

なんだか違う気がするような、と首を傾げるシャン学メンバー。
夏真っ盛りのサマースクールで冷房完備と言われましても。

キース 「こう、せめてだな…、夜は外気で涼を取るとか」
シロエ 「そうですよ。クーラーより自然の風ですよ!」
ブルー 「柔道部の合宿レベルで語られてもねえ…」
ジョミー「虚弱体質がどうこうって言う気?」
ブルー 「ううん、ぼくは野生児じゃないものだから」

文明的な生活がしたい、と生徒会長は申しております。
暑い夏には当然、クーラー。

ブルー 「そりゃ、テントでもいいけどさ…。希望者がいれば」
ジョミー「ぼく、テント!」
キース 「俺もそっちがいいような気が…」
ブルー 「ふうん? じゃあ、ハーレイに頑張らせよう」
全員  「「「は?」」」

テント生活を希望となると、何故に教頭先生が頑張ることに?
生徒会長の考えることは、ますますもって謎だらけですよ~!

2012/07/15 (Sun)

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☆新郎は誰に?


結婚イベントを進めるソルジャー、結婚生活にまで話を広げております。
万年十八歳未満お断りのサム君は新郎の資格無しだそうで…。

Aブルー「結婚生活の充実ってヤツを考慮するなら、ドクターかもね」
ブルー 「お断りだよ、あんな変態!」
Aブルー「でもハーレイはヘタレだし…。欲求不満にならないかい?」
ブルー 「ぼくはそっちの趣味は無いから!」
Aブルー「するとハーレイがオススメかな? 形から入ればいいんだよ」

まずは新婚生活ごっこ、と微笑むソルジャー。

Aブルー「ハーレイの家で暮らしてみれば気分の方も盛り上がるかと」
ブルー 「嫁入りだけで済まないわけ!?」
Aブルー「その辺はその場の勢いだよね。挙式した後の流れってヤツ」
ブルー 「………挙式しないって選択肢は?」
Aブルー「無いねえ、ぜひ幸せになって欲しいし」

挙式しないなら事実婚で、と物騒な単語が出て参りました。

ブルー 「じ、事実婚って…」
Aブルー「そのまんまだよ、ハーレイかノルディのベッドにお届け」
全員  「「「えぇっ!?」」」
Aブルー「花嫁衣装でラッピングして瞬間移動でポイッとね」
ブルー 「嫌だってば!」

それくらいなら挙式する、と生徒会長、泣きの涙でございます。
サイオンではソルジャーに敵わないだけに、事実婚となれば非常に危険。
式だけ挙げて逃げ出す方がまだしもマシというもので…。

Aブルー「新郎は誰にするんだい?」
ブルー 「ノルディよりかはハーレイがマシ…」
Aブルー「了解。そこは君の意見を尊重しとくよ」

早速ハーレイに知らせなきゃ、とソルジャーは至極御機嫌です。

Aブルー「君が嫁入りしてくるとなれば、ハーレイもきっと感激するさ」
ブルー 「ホントにイベントなんだろうね?」
Aブルー「お遊びです、とは言っとくよ? だけど激励もしないとね」

嘘から出た誠、瓢箪から駒……と並べ立てられ、生徒会長、顔面蒼白。
教頭先生が本気を出した場合、イベント転じて本物の結婚式ですか?


※「そるじゃぁ・ぶるぅ」、生後2000日目へのカウントダウン、終了!
 本日6月16日で、記念すべき生後2000日目でございます。
 「そるじゃぁ・ぶるぅ」、生後2000日目の記念日、おめでとう!
祝・ぶるぅ生後2000日

 

 

 

 

 

 






 お祝い創作は『二千日目の悪戯小僧』です。
 下のバナーからシャン学アーカイブへどうぞv
祝・ぶるぅ生後2000日

 


2012/06/16 (Sat)

 

☆日取りも決定


とうとう結婚相手まで決められてしまった生徒会長。
もはや挙式するしかなさそうですけど、話を持ち込んだソルジャーは…。

Aブルー「君の嫁入りの日だけどさ。23日の土曜日でいい?」
ブルー 「土曜日だったら30日もあるだろう!」
Aブルー「23日だと友引なんだよ、30日は先負だしねえ…」
ブルー 「イベントで暦まで気にしなくても!」
Aブルー「ダメダメ、縁起は担がなくっちゃ。瓢箪から駒を目指すなら」
ブルー 「目指してないっ!」
Aブルー「それに30日だと初夜が7月にズレ込みそうだ」

ジューンブライドにならないじゃないか、とソルジャーは至極不満そう。
生徒会長は完全に凍りついております。

ブルー 「しょ、初夜って、まさか…」
Aブルー「ハーレイが頑張った場合、有り得るだろう?」

どうせなら幸せになれる6月の内に結婚生活! と言われましても。

ブルー 「なんでそこまで…」
Aブルー「幸せのお裾分けだって言ったじゃないか。幸せになってよ」
ブルー 「逆に不幸になるってば!」
Aブルー「結婚すれば気が変わるってこともあるしね」

とにかく結婚してみることだ、とソルジャーは全く譲りません。
23日に挙式というのも最初から決めていたらしく…。

Aブルー「じゃあ、ハーレイにはぼくが連絡しとくから」
ブルー 「な、なんて言いに行くつもりなのさ?」
Aブルー「ん? 式の日取りと激励だよ。花嫁をモノにするようにって」
キース 「ちゃんとイベントだと言うんだろうな?」
Aブルー「それは勿論。でなきゃハーレイ、挙式前から鼻血でダウンだ」
ブルー 「妄想しまくって倒れてくれた方が嬉しいんだけど…」
Aブルー「駄目で元々、運が良ければ花嫁ゲット! いい話だよね」

ハーレイも燃えるに違いない、とブチ上げてお客様はお帰りに。
生徒会長を置き去りにして結婚話が暴走中です。
式の日取りも決められてしまい、後は輿入れするばかり。
とんだイベントもあったものですが、今更どうにもなりませんよね?

2012/06/17 (Sun)

 

☆準備は着々と


生徒会長と教頭先生の挙式イベントは6月23日の土曜日。
勝手に段取りを決めたソルジャー、教頭先生に知らせてしまったようで。
あれよあれよと言う間に話が進んで、生徒会長、沈没中です。

ブルー 「どうしよう…。ハーレイ、乗り気なんだよ」
キース 「そりゃそうだろうな、夢にまで見た結婚式だ」
ジョミー「ブルーが嫁入りするんだもんねえ、イベントでもさ」
ブルー 「家に電話がかかってきてさ。ぜひ白無垢で来てくれって」
シロエ 「ウェディングドレスじゃないんですか?」
ブルー 「ドレスの方は遊びで散々披露したから、有難味が無いとか」
マツカ 「じゃあ、教頭先生は紋付き袴になるんですね」
ブルー 「そうだろうねえ…。考えただけで頭が痛い」

ハーレイなんかと三三九度、と生徒会長は頭を抱えております。
教頭先生、結納飾りを届けようかとも申し出たらしく。

ブルー 「絶対要らないって断ったけど、凄く残念そうだったよ」
キース 「貰っておけば良かったんじゃないか?」
ブルー 「嫌だってば! もれなく指輪もついてくるだろうし!」
サム  「あー、そっか…。指輪まで貰ったら面倒だよなあ」
ブルー 「思い切り本気にされそうだしね。イベントなのに」
ジョミー「教頭先生、普段から妄想MAXだもんね…」
キース 「で、どういう段取りになってるんだ?」
ブルー 「ブルーが勝手にあれこれ決めてる」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「ハーレイと組んで準備中なんだ。当日の車の手配までね」

教頭先生の幸せの方もお手伝いしたいソルジャー、燃えているそうで。
あれこれ下準備しまくった挙句、今日もこれから来る予定。

キース 「く、来るんだと!? 何をしに!」
Aブルー「ご挨拶だねえ、忙しい中を抜けて来たのに」
ブルー 「ほーら、出た」
Aブルー「失礼な…。ゴキブリみたいに言わないで欲しいな」

それじゃ行こうか、とソルジャーは微笑んでおりますが。
何処へ何しに行くのやら。もしかして教頭先生の所ですか?

2012/06/18 (Mon)

 

☆選びにお出掛け


結婚式の準備に余念のないソルジャー、放課後に押し掛けて参りまして。
生徒会長と一緒に何処かへ出掛けるみたいです。

Aブルー「だいたい決めといてくれたかな?」
ブルー 「何もしてない」
Aブルー「あーあ、せっかくの晴れ姿なのに…。ハーレイが泣くよ」
ブルー 「適当でいいだろ、どれも似たようなモノなんだから」
Aブルー「ダメダメ、真剣に向き合わないと」

チッチッと指を左右に振るソルジャー。
なんの話やら、シャン学メンバーにはサッパリですが。

Aブルー「肝心のブルーがコレだし、君たちにも見て貰おうかなぁ…」
キース 「何をだ?」
Aブルー「ブルーの花嫁衣装だよ。どうせ暇だろ?」
ジョミー「そりゃ暇だけどさ。…えぇっ!?」
シロエ 「選択の余地も無かったですねえ…」

流石は経験豊富なソルジャー、大人数での瞬間移動もお手の物。
気付けば全員、ホテル・アルテメシアの衣装室前に立っております。

Aブルー「予約はちゃんと取ってあるんだ。ほら、ブルー」
ブルー 「分かったよ、入ればいいんだろう!」
スタッフ「いらっしゃいませ、どうぞこちらへ」

ゾロゾロ連なって奥へ入ると、広い和室に白無垢がズラリ。
お値段も色々あるようですけど、それは関係ないそうで。

Aブルー「ハーレイはいくらでも出すらしいしねえ、遠慮なく決めて」
ブルー 「だったら一番高いヤツ!」
スタッフ「こちら、正絹の緞子でございます。刺繍の方も手刺繍で…」
ブルー 「それでいいよ、それで」
スタッフ「すぐに御試着なさいますか?」
ブルー 「試着? そんなの要らないけど」
スタッフ「ヘアスタイルをお決めになるには試着なさいませんと」
ブルー 「ヘアスタイル?」
Aブルー「だから考えとけって言ったのに…。綿帽子とか角隠しとか」
ブルー 「そこまでしなくちゃダメなわけ!?」

ただ着るだけではいけないのか、と生徒会長。
白無垢といえば綿帽子だの、角隠しだのはお約束。
生徒会長、果たしてどちらを選ぶのか…?

2012/06/19 (Tue)

 

☆嫁入り支度完了


白無垢を選びに連れて来られた生徒会長。
一番高い衣装をチョイスし、それで終了と思えば試着が必要らしいです。

スタッフ「重厚な衣装ですので、ヘアスタイルも合わせませんと」
Aブルー「そうらしいんだよ。大丈夫、カツラも用意したから」

綿帽子にしたってコレは要るよね、と指差す先には銀髪のカツラ。
花嫁御用達の高島田が見事に結われております。

Aブルー「サイズの方もピッタリってね。まあ、着けてみてよ」
ブルー 「絶対嫌だ!」
Aブルー「似たようなカツラを着けてなかった? 学園祭で」
ブルー 「あれは仮装で花魁だってば!」
スタッフ「とにかく試着なさっては? それからお考えになった方が」
Aブルー「そうそう、バランスってヤツが大切なんだし」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも着付けを覚えとかなきゃ!」
ブルー 「それがあったか…。仕方ないや」

挙式当日、生徒会長は家で着替えてお輿入れ。
着付けの人を呼びたくなければ「そるじゃぁ・ぶるぅ」に頼まないと…。
というわけで、生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は奥の部屋へ。

Aブルー「楽しみだねえ、ハーレイは綿帽子を希望なんだよ」
キース 「だったら角隠しで決まりだな。ブルーが従うわけがない」
Aブルー「でもさ、似合うかどうかって問題が…。あ、出て来た」
ブルー 「…誰が綿帽子を希望だって? 角隠しだって要らないよ」
スタッフ「そうですねえ…。衣装に負けておられませんし…」

生花なんかを飾るくらいでどうでしょう、と試しに造花で。
銀の髪に白い胡蝶蘭を数輪あしらってみれば、これが意外にお似合いで。

Aブルー「うーん、カツラの線は消えたか…」
ブルー 「ぼくが白無垢ごときに負けるとでも?」
キース 「考えてみれば法衣と袈裟の方が遙かに迫力だったよな…」

花嫁衣装とヘアスタイルはこれで決定。
挙式の準備はソルジャーと教頭先生がぬかりなく整え、花嫁を迎えれば
いいだけだそうでございます。
生徒会長、数日後には嫁入りですよ~!


注・生徒会長が学園祭で花魁になるのはこちら→『お祭り大好き

2012/06/20 (Wed)

 

☆お日和も良く

 
やって来ました、運命の6月23日。
シャン学メンバーも制服姿で生徒会長の家にスタンバイ。
花嫁は奥で着替えの真っ最中で、ソルジャーが鼻歌混じりで待機中です。

Aブルー「ブルーの支度が出来たら、お供の方をよろしくね」
キース 「分かっている。しかしだな、嫁入りするのに例の決まりは…」
Aブルー「本物の嫁入りなら要らないけどさ。…イベントだよ?」
ジョミー「その割に色々言ってなかった?」
Aブルー「万年十八歳未満お断りの君たちに言われたくないね」

とにかく決まりは守らなきゃ、と大真面目なソルジャー。
「生徒会長は教頭先生の家に一人で行ってはいけない」というヤツで。
嫁入りとはいえ、シャン学メンバーがお供につくのでございます。

Aブルー「あ、仕上がったかな?」
ブルー 「不本意ながらね…」
サム  「ブルー、すっごく綺麗だぜ! 俺が結婚したかったなあ」
ブルー 「ぼくもサムの方がいいんだけどさ。なんでハーレイ…」
Aブルー「幸せになれそうな方を選ばなきゃね。結婚生活が大切だから」
ブルー 「それは絶対お断りだし!」
Aブルー「その辺は新郎と相談してよ。しっかり激励しておかないと…」

ああ忙しい、とソルジャーは瞬間移動で教頭先生の家へ。
花婿が一人で出迎えというのも変だから、と付き添うつもりらしいです。

ブルー 「諦めて行こうか、ハーレイの家へ。遅刻したら怖そうだ」
シロエ 「ペナルティーは無いでしょうけど、熱烈歓迎かもですね」
スウェナ「お姫様抱っこで家の中へ…とかね。お天気もいいし」
キース 「幸か不幸か、梅雨晴れだな」
マツカ 「ジューンブライドにピッタリですよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、てるてる坊主を吊るしてたもん!」
全員  「「「えぇっ!?」」」
ぶるぅ 「だって、ブルーのお嫁入りでしょ?」

お天気がいいのが一番だよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
可愛い祈りが天に通じて青空ですが。
白無垢を纏った生徒会長、いよいよジューンブライドですか?

2012/06/21 (Thu)

 

☆ついにお輿入れ


梅雨晴れのジューンブライド日和。
花嫁姿の生徒会長、シャン学メンバーをお供に黒塗りのタクシーへと…。

キース 「なんだ、花嫁タクシーじゃないのか」
ジョミー「何それ?」
スウェナ「花嫁専用タクシーよ。屋根の一部が開く仕組みなの」
マツカ 「綿帽子とかが引っ掛からないようになってるんですよ」
サム  「へえ…。ブルー、綿帽子じゃないもんな」
ブルー 「あんなタクシーまで乗りたくないし!」

綿帽子になっていても普通のタクシーで充分だ、と生徒会長は膨れっ面。
運転手さんがドアを開け、生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が一番に。
続く2台にシャン学メンバーが分乗です。

シロエ 『あーあ、とうとう出発ですよ…』
キース 『運転手の記憶とかはどうするんだ?』
ブルー 『操作してるよ、嫁入りの記録なんか残すとでも?』

運転手さんには生徒会長は私服に見えているらしく。
当然、出迎える教頭先生の情報なども操作されているわけでして…。

ジョミー「うわぁ、ホントに紋付き袴だ…」

教頭先生、花嫁の到着を今か今かと待っていたようで。
タクシーから降りる生徒会長の手を取らんばかりの勢いですが。

ブルー 「触らないでくれるかな? ぼくは嫁入り前なんだよ」
ハーレイ「す、すまん…」
Aブルー「都合のいい時だけ花嫁ってね。あ、御苦労さま」

ソルジャー、運転手さんたちにチップなんかを渡しております。
手渡すついでに記憶処理の最後の仕上げをしたそうで。

Aブルー「はい、これでバッチリ証拠隠滅。イベント開始!」
ジョミー「ご近所さんから丸見えじゃないの?」
Aブルー「とっくにシールドを発動済みだよ、心配無用さ」
ハーレイ「ブルー、嫁に来てくれて嬉しいぞ。早く入りなさい」
ブルー 「あくまでイベントなんだからね! ただのお遊び!」
ハーレイ「私の頑張り次第だと聞いたが…」

とにかく中へ、と促す教頭先生は満面の笑顔。
新郎の家に着いてしまった生徒会長、三三九度な挙式に向けて一直線…?

2012/06/22 (Fri)

 

☆いよいよ三三九度


教頭先生とソルジャーに出迎えられた生徒会長、家の中へと入りました。
ソルジャーの方は生徒会長の制服をちゃっかり借りて着ております。

ハーレイ「ブルーが嫁に来てくれるとは…。嬉しいものだな」
ブルー 「イベントだし! ホントに結婚するわけじゃないし!」
ハーレイ「気が変わるように努力しよう。こんなチャンスはまたとない」
ブルー 「お断りだよ!」

生徒会長がいくら怒っても外見は白無垢の花嫁です。
紋付き袴の教頭先生との言い争いは、傍目には何と申しますか…。

キース 「アレだな、見た目は立派な痴話喧嘩だな」
シロエ 「どっちかと言えばマリッジブルーじゃないですか?」
スウェナ「そうねえ、結婚を控えた花嫁さんにありがちなのよね」
ブルー 「…なんだって?」
ジョミー「ううん、なんにも! そんなことより結婚式は?」
ハーレイ「うむ。座敷をそのようにしつらえてあるが…」
Aブルー「残念なことに仏壇が無くて」
全員  「「「仏壇!?」」」
Aブルー「そう、仏壇。まずは御先祖様に御挨拶…ってね」
ブルー 「仏様に失礼だよ、それ!」
Aブルー「御先祖様にもたまには笑いが必要かと。それにさ…」

本物の花嫁に化ける可能性だってあるんだから、とソルジャーは強気。
教頭先生も負けてはおらず。

ハーレイ「お前が結婚する気になるかと、私も色々考えてある」
ブルー 「御馳走くらいで釣れると思ったら大間違いだよ!」
ハーレイ「だが、お客様にも振舞わなければならんしな」
Aブルー「そうそう、仕出しの用意はバッチリってね。その前に…」

まずは夫婦の固めの杯、とソルジャーはノリノリでございます。
座敷にはドカンと金屏風。
古式ゆかしい高砂席に教頭先生と生徒会長を座らせまして…。

Aブルー「じゃあ、新郎から。杯を持って」
ハーレイ「う、うむ…。緊張するな」

そう言いつつも、積年の妄想はダテではなかった教頭先生。
背筋を伸ばして作法通りに朱塗りの杯を空け、三三九度が進行中です~。

2012/06/23 (Sat)

 

☆微妙な三三九度


始まりました、三三九度。
杯に酒を注ぐソルジャー、いつの間にやら巫女さん装束を着ております。

ジョミー「あれっ、あんなの持ってたんだ」
キース 「アレは俺のだ。貸せと押し掛けてこられてな」
サム  「神楽舞のヤツかよ?」
キース 「そうだ。くれてやると言ったが、欲しいわけではないらしい」
シロエ 「まあ、キース先輩よりかは似合ってますよね」
キース 「………。殺されたいのか?」
シロエ 「とんでもない。本当のことを言っただけです」

しれっとしているシロエ君。
その間にも三三九度は順調に進んでおりまして…。

ジョミー「ねえ、アレって間接キスだよね?」
キース 「お前な…。しかし、そういう見方も出来るか」
ぶるぅ 「えっと、えっと…。それって、なあに?」
キース 「ん? 同じ杯から飲んでるだろう、そのことだ」
ぶるぅ 「そっかぁ、ハーレイの後にブルーとかだもんね!」

一つ目の杯で新郎が飲んで、同じ杯から新婦が飲んで。
二つ目の杯は新婦が先に飲み、新郎の方が後回し。
最後の三つ目は新郎からで、新婦が飲み干すわけですが。
飲む時は三回に分けてチョンチョンチョン、と。それが三度で三三九度。

Aブルー「はい、クライマックスの三杯目だよ」
ハーレイ「うむ」

教頭先生、神妙な面持ちで三杯目の杯を空け、そこにソルジャーが酒を
三回に分けてチョンチョンチョンと注ぎまして…。

Aブルー「ブルー、君の番になるんだけど? これで夫婦の固めってね」
ブルー 「ほ、ホントにイベントなんだろうね?」
Aブルー「今の所は。間接キスくらいじゃ結婚生活と呼べないし!」
ハーレイ「か、間接キス…」
Aブルー「なんだ、気付いてなかったわけ? 緊張しすぎて」
ブルー 「余計なことは言わなくていい!」

そう聞いたら腹が立ってきた、と生徒会長、白無垢に欠かせない筥迫を
開けて中から懐紙を取り出し、杯の縁をキュッキュッと。
新郎が口をつけた部分を綺麗に拭いた杯での三三九度って、有効ですか?

2012/06/24 (Sun)

 

☆墓穴な三三九度


三三九度の最後の杯は新郎が先に飲み、新婦が後から。
間接キスと言われた生徒会長、懐紙で杯の縁を綺麗に拭いて飲みまして。

ブルー 「はい、おしまい…ってね」
Aブルー「ちょ、ちょっと…。今のヤツって無効じゃないかな」
ブルー 「なんで?」
Aブルー「夫婦の固めの杯だよ? 拭いてしまってどうするのさ!」
ブルー 「イベントだって言ったじゃないか。無効も何も」

ハーレイなんかと間接キスをする気はない、と生徒会長は知らん顔。
教頭先生はガックリと肩を落としております。

Aブルー「うーん、途中まではいい感じだったのに…」
ブルー 「ハーレイに自覚が無ければ間接キスでもいいんだけどねえ」
キース 「おい。そういう問題だったのか?」
ブルー 「うん。間接キスくらい、どうってこともないじゃないか」
Aブルー「もっとキワドイ悪戯とかもやってたっけね、そういえば」
ブルー 「どうでもいいだろ、これで挙式は終わりだし!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御馳走の時間?」
ハーレイ「う、うむ…。沢山食べていきなさい」
Aブルー「ちえっ、もう宴会タイムに突入なんだ?」

つまらないや、と巫女さん装束から制服に戻ったソルジャー。配膳係を
引き受けていたらしく、豪華なお膳が瞬間移動で座敷に出現!

ジョミー「うわぁ、凄いや! 披露宴って感じだよね」
キース 「だが、おめでとうございますとは言えないな」
ブルー 「言ったら即座に放り出す!」

でも食べる、と高砂席の生徒会長、早速お箸を。
率先して食べる花嫁というのもアレですが…。

ハーレイ「…ブルー。そのぅ……」
ブルー 「何さ?」
ハーレイ「こう、食べさせてくれるとかは…」
ブルー 「そんな作法ってあったっけ? 三三九度で終わりだろ」

白無垢は実に好都合だった、と生徒会長は御満悦。

ブルー 「誓いのキスも要らないもんねえ、三三九度は」
ハーレイ「そ、そういえば…」

失敗した、と項垂れている教頭先生。
まさか白無垢が落とし穴とは…。

2012/06/25 (Mon)

 

☆努力する新郎


生徒会長のウェディングドレスは何度も見てきた教頭先生。
挙式イベントには白無垢で来てほしい、と希望したまではいいのですが。

ハーレイ「ウェディングドレスの方が良かったのか…」
ブルー 「誓いのキスがお望みならね」
Aブルー「うーん…。ぼくもそこには全然気付いてなかったなぁ…」
ブルー 「瓢箪から駒どころか最初の段階で大失敗だよ、この結婚」

あとは楽しく食べるだけ、と生徒会長は至極ご機嫌。
教頭先生が用意した豪華なお膳、お味もなかなかでございます。

ぶるぅ 「美味しいね、これ! ブルーが結婚して良かったぁ♪」
ブルー 「ぶるぅ、本物の結婚じゃないよ? 分かってるよね?」
ぶるぅ 「うん! ハーレイ、ぼくのパパにはなれないんだよね」
ハーレイ「いや、私にはその用意があるが…」
ブルー 「気持ちだけだろ? 誓いのキスも逃すようじゃねえ」
ハーレイ「そ、それは…。しかしパパになる用意はあるんだ」
全員  「「「は?」」」
ハーレイ「本物の結婚になるよう努力する、と言った筈だぞ」

このとおり、と教頭先生が懐から取り出したものは。

ブルー 「こ、婚姻届と養子縁組届…?」
ハーレイ「うむ。私の欄は記入済みだから、後はお前とぶるぅだな」
ブルー 「ちょ、ちょっと…! そこまで準備してたわけ?」
ハーレイ「もちろんだ。まあ、届け出は急がなくてもいいんだが…」
ブルー 「当たり前だよ、誰が書くと言った!?」
ハーレイ「そう怒るな。ブルーもお試し期間を勧めてくれたし」
ブルー 「お試し期間?」
Aブルー「そうさ、とりあえず一緒に過ごしてみたらどうかなぁ…って」
ブルー 「もう過ごしてるよ!」
Aブルー「そうじゃなくって、もっと親密に! 結婚生活のお試し期間」
ハーレイ「寝室の方はお前の好みに合わせて整えてみたんだが…」
ブルー 「なにさ、それ!?」

いきなり生徒会長好みの寝室だなどと言われましても。
普段から妄想MAXの教頭先生、花嫁を迎えて暴走中でございますよ~!

2012/06/26 (Tue)

 

☆準備はバッチリ


挙式イベントを本物の結婚式にしようと努力している教頭先生。
婚姻届などを用意したのはまだいいとして、生徒会長好みの寝室とは…。

Aブルー「ハーレイはホントに頑張ったんだよ、君のためにね」
ハーレイ「照明を替えて青の間の雰囲気に似せたんだが…」
ブルー 「そこまでしたわけ!?」
ハーレイ「お前がリラックス出来ないと話にならん、とブルーがな」
Aブルー「色々アドバイスさせて貰ったよ、ぼくも青の間の住人だから」
ハーレイ「どうだ、一晩泊まってみないか? 着替えも用意してあるぞ」
ブルー 「フリルひらひらのガウンとかだろ! お断りだし!」
Aブルー「そう決め付けずに…。ねえ、ハーレイ?」
ハーレイ「うむ。普通に寛げる服がいいかと、一通り揃えてみたのだが」
ブルー 「一通りって…」
Aブルー「ん? 君が普段から愛用しているメーカーの服なら調査済み」
ハーレイ「ブルーが手伝ってくれて助かった。私には分からないからな」
ブルー 「個人情報の流出だよ、それ!!」
Aブルー「そうかなぁ? とにかく宴会が済んだら着替えてみれば?」
ブルー 「食べ終わったら即、帰る!」

こんな所に長居は無用、と生徒会長はパクパク食べております。
紋付き袴の教頭先生、しかし諦め切れないようで。

ハーレイ「風呂だけでも入っていかないか? その格好は疲れるだろう」
ブルー 「バスルームなんか借りたくないね。何か仕掛けがありそうだ」
ハーレイ「いや、単に私が背中を流すというだけだぞ」
ブルー 「………。ぼくが承諾するとでも?」
ハーレイ「エステの延長だと思えばいい。後はその場のノリでだな…」
Aブルー「そう、そう。君がいい気分になればオプションつき」
ブルー 「お、オプションって…」
Aブルー「背中だけじゃなくて腕とか足とか。太ももなんか最高だよね」
ハーレイ「ふ、太もも…」

教頭先生、懐からティッシュを取り出し、鼻を押さえておられます。
相変わらずのヘタレっぷりは治っていないようですねえ…。

2012/06/27 (Wed)

 

☆お試しは如何?


ダメで元々、あわよくば。
生徒会長との仲を本物にしたい教頭先生、お風呂も計画したようですが。

Aブルー「鼻血を出してる場合じゃないよ? 努力しないと」
ハーレイ「う、うむ…。ブルー、ぜひ泊まっていきなさい」
ブルー 「そこまでして食われる馬鹿はいないよ!」
Aブルー「食わず嫌いは良くないってば。前から言っているだろう?」
ブルー 「君と一緒にしないで欲しいね。なんでハーレイと!」
ハーレイ「式も挙げたし、頑張るつもりでいるのだが…」
ブルー 「………。いっそゼルにでも通報しようか?」
Aブルー「どうぞ。ぼくは逃げないけど」
ブルー 「えっ?」
Aブルー「ゼルが駆け付けたら君が二人だ。どう説明する?」
キース 「汚いぞ! あんたのことはまだ秘密で…」
Aブルー「だよねえ、物騒なSD体制とかも。喋っちゃおうかな」
ブルー 「困るよ、ゼルたちがパニックになるし!」
Aブルー「じゃあ、通報は諦めるんだね」

大人しく花嫁をやるように、とソルジャーは勝ち誇っております。
とはいえ、それで泣き寝入りする生徒会長でもないわけで。

ブルー 「だったらサッサと逃げるだけさ。誰がお風呂なんか!」
ハーレイ「泊まっていってくれないのか?」
ブルー 「お風呂も泊まりもお断り!」
ハーレイ「だ、だが…。せめてお試しだけでも…」
ブルー 「ホントにお試し出来るわけ? 鼻血持ちのくせに」
Aブルー「そこの頑張りも是非、見てほしい。ただし結婚生活の方は…」
ハーレイ「こればっかりは初心者だからな、あまり自信が無いのだが」
ブルー 「自信が無いのにお試しだって!? 嫌だよ、そんなの!」

お試しというのは自信を持って勧めるものだ、と生徒会長。

ブルー 「無料サンプルとかでもそうだろ、自信があるから無料なんだ」
シロエ 「返金保証とか色々なのがありますよね」
Aブルー「そうか、返金保証つきもいいかも」
全員  「「「は?」」」

結婚生活のお試し期間で返金保証。
それって、いったい…?

2012/06/28 (Thu)

 

☆お試しにトライ!

 
結婚生活のお試しを是非、と懇願し始めた教頭先生。
ソルジャー曰く、返金保証つきのお試しなんかもいいんじゃないかと…。

ブルー 「返金保証つきのお試しだって?」
Aブルー「うん。正確に言えば返金保証よりは慰謝料だけど」
キース 「慰謝料だと?」
Aブルー「そうさ、御満足頂けなかった場合にお支払いしますって」
ハーレイ「それはいいかもしれないな。私も安心して挑めそうだし」
ブルー 「安心って、何が!?」
ハーレイ「もちろん失敗した時だ。私が恥をかくのはかまわないが…」
Aブルー「ああ、ブルーにも迷惑かけそうだしねえ、場合によっては」

こう、流血の大惨事とか…、とソルジャーはニヤニヤしております。

Aブルー「男同士は準備が大切! そこをすっ飛ばすと後が大変で」
ハーレイ「う、うむ…」
Aブルー「あれっ、またまた鼻血なのかい? 大丈夫かなぁ、本当に…」
ブルー 「大丈夫も何も、ぼくが嫌だよ! 慰謝料でOKするとでも?」
キース 「小遣い稼ぎになるんじゃないかと思わないでもないんだが…」
ジョミー「そういえば普段から毟ってるよねえ、慰謝料とかを」
シロエ 「この際、貰ったらどうですか? ドカンと慰謝料」
サム  「ブルーの気持ちはどうなるんだよ!」
マツカ 「そうです、危険すぎますよ! 万一ってことも…」
スウェナ「瓢箪から駒とか言ってたものねえ…」
Aブルー「だから試して欲しいんだよ。ハーレイにも是非、幸せを!」
ブルー 「ぼくの幸せはどうでもいいって!?」
Aブルー「分かってないねえ、ゴールインすればハッピーエンド!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルーとハーレイ、結婚するの?」

ハーレイがパパだぁ! と飛び跳ねる「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ブルー 「違う、ぼくは結婚するんじゃなくて!」
ハーレイ「まずはお試しから…だったな?」

努力しよう、と教頭先生、生徒会長をヒョイと抱き上げてスタスタと。
紋付き袴の新郎と白無垢の新婦、いきなりお床入りですか…?

2012/06/29 (Fri)

 

☆ヘタレな結末


教頭先生に抱き上げられて運ばれてゆく生徒会長。
まさにお床入りの危機でございますけど、どうやら開き直ったらしく…。

ブルー 「分かったよ、試せばいいんだろう! その前に、ちょっと」
ハーレイ「なんだ?」
ブルー 「君じゃなくってブルーの方! 心得を聞いておきたくて」
Aブルー「ああ、君が協力的ならリスクはグンと減るもんね」

任せといて、と生徒会長の手を取ったソルジャー、サイオンでなにやら
伝えております。
顔を引き攣らせつつも生徒会長はマスターしたようで。

ブルー 「お待たせ、ハーレイ。ぼくも覚悟が出来たかな」
ハーレイ「そうか。満足して貰えるよう、努力しよう」
Aブルー「ハーレイ、あくまでブルーが優先だよ!」

自分だけ気持ちよくならないように、とソルジャーが釘を刺し、新婚の
カップルもどきは二階の寝室へ。

キース 「おい、思いっ切りヤバイんじゃないか?」
Aブルー「幸せになれればいいんだよ。素敵な初夜になるといいねえ」
シロエ 「まだ昼間ですよ!」
Aブルー「だからこそ時間をかけて念入りに!」
サム  「どうすんだよ、俺のブルーに何かあったら!」
Aブルー「まさに何かの真っ最中! 戻って来ないのが証拠だってば」
全員  「「「…そ、そういえば…」」」

これはアウトか、と誰もが顔面蒼白ですが、そこへ白無垢の花嫁出現!

ブルー 「ふん、呆気なく轟沈ってね。ブルーの情報が役に立った」
Aブルー「何をしたのさ!?」
ブルー 「君が言う御奉仕とやらをサイオニック・ドリームで贈呈だよ」

ハーレイは鼻血の海で昏倒してる、と取り出したものはお財布で。

ブルー 「昏睡強盗じゃないよね、これは。お試し失敗の慰謝料を…と」
Aブルー「ま、待ってよ、君とハーレイの幸せは?」
ブルー 「ハーレイは夢で幸せ、ぼくはお金で大満足だし!」

みんなにも幸せをお裾分け、と生徒会長、財布の中身を気前よく…。
教頭先生が大散財のジューンブライド、これでもハッピーエンドですか?

2012/06/30 (Sat)

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