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シャングリラ学園つれづれ語り

☆波乱の特集記事


お寺を身近なモノにするべき、と主張している生徒会長。
もっともな言い分ではございますけど、キース君の神楽舞とはまた別で。

キース 「俺は絶対やらないからな! 親父もそういう邪道は嫌いだ」
ブルー 「うーん、アドス和尚は確かに壁かも…」
ジョミー「頑固そうだもんね…。ブルーが言ってもダメなのかな?」
サム  「あー、銀青様の意見だったら聞くかもな!」
キース 「お前ら、俺を馬鹿にしてるのか!」
シロエ 「とんでもないです、エア散華だって凄かったですし」
スウェナ「そうそう、尊敬しているのよね」

だからこの際、御本尊様の前で神楽舞、と誰もが面白がっております。
生徒会長も大いに乗り気。

ブルー 「いいねえ、本人が嫌がる話は進めてなんぼ!」
キース 「ま、待て、俺に檀家さんの前で大恥をかけと?」
ブルー 「恥じゃないってば、親しみやすい元老寺への第一歩だよ」
サム  「だよな、お寺って入りにくい雰囲気だもんな」
ブルー 「女装して舞も舞えるんです、ってウケそうだけど」
キース 「くっそぉ、他人事だと思いやがって!」
ブルー 「とりあえずアドス和尚に提案しなくちゃ、銀青としてね」

君と一緒に帰っていいかい、と言われたキース君、顔面蒼白。
元老寺にまで押し掛けられては逃げ道が完全に消えそうですが…。

??? 「なるほど、嫌がる話は進めてなんぼ…ってね」
全員  「「「!!?」」」

バッと振り返った生徒会長とシャン学メンバー。
立っていたのはソルジャーこと別の世界の生徒会長のそっくりさん。
(会話表記はAブルー)

Aブルー「へえ…。これが月刊シャングリラねえ…」

ちょっと拝見、と手に取ったソルジャー、熱心に記事を読んでおります。
お田植え祭も田植えレースも、例によって覗き見していたらしく。

Aブルー「見物するのも楽しかったけど、特集もいいね」
ブルー 「わざわざ読みに来たのかい?」

暇らしいね、と生徒会長は深い溜息。
別世界からのお客様まで読みたがるとは、月刊シャングリラ恐るべし…。

2012/06/01 (Fri)

 

☆異文化なシャングリラ


月刊シャングリラを読みに来たらしい別の世界からのお客様。
紅茶とケーキをお供にじっくり読んだソルジャー、関心だけは高そうで。

Aブルー「この田植えレースっていうのはいいねえ、使えそうだ」
ブルー 「使うって、君のシャングリラで?」
Aブルー「もちろんさ。農作業は単調だからレース形式だと燃えるかも」
ブルー 「君の所、田んぼはあったっけ?」
Aブルー「田んぼは無いけど応用するんだ。今の時期なら芋掘りかな」
全員  「「「芋掘り?」」」
Aブルー「ジャガイモだよ。もうすぐ収穫シーズンだし」
ブルー 「あー、ジャガイモね…。ウチもそろそろシーズンだっけ」

6月といえばジャガイモだよね、とソルジャー同士で農業談義。
生徒会長も珍しくソルジャーらしい話題をしておりますが…。

ブルー 「ジャガイモもいいけど、その前にラッキョウを掘らないと」
Aブルー「…らっきょう?」
ブルー 「うん、収穫して一気に漬け込み! 忙しいってば、農業部」
Aブルー「えっと…。ラッキョウってアレだよね、ピクルスみたいな」
ブルー 「ピクルスって何さ! まあ、似たようなモノではあるけど」
Aブルー「あんなモノまで作っていたんだ、君のシャングリラ…」
ブルー 「だって、カレーには定番だろう? 無いと何かとうるさくて」
Aブルー「ぼくの世界には無い文化だよ、それ」
ブルー 「そうなんだ…。田んぼも無いって言ったっけね」
Aブルー「そりゃ、少しならあるけどさ。基本、お米は野菜だってば」

カレーライスな文化は無い、と言われて衝撃のシャン学メンバー。
ラッキョウはともかく、カレーライスが無いなんて…。

ジョミー「えっと…。お米が野菜扱いだったら、丼とかは?」
Aブルー「それも無いねえ、丼は皆無」
ブルー 「稲作文化じゃないってわけだ。お田植え祭も理解不能ってね」
Aブルー「アレって意味があったのかい?」

お祭りなんだと思ってた、と首を傾げているソルジャー。
異文化を理解出来るんでしょうか?

2012/06/02 (Sat)

 

☆異文化の交流


お田植え祭はお祭りなのだと思い込んでいたらしいソルジャー。
確かにシャングリラ号のお田植え祭はお祭り騒ぎですけど、本来は神事。
どうやら其処から説明が要りそうでございます。

ブルー 「お田植え祭っていうのはさ、豊作を祈るお祭りなんだよ」
Aブルー「稲限定の?」
ブルー 「違うってば。ぼくたちの食文化は稲が主食だからメインが稲」

その他も纏めて五穀豊穣、と聞かされたソルジャー、納得顔で。

Aブルー「なるほどねえ…。じゃあ、ぼくのシャングリラだと小麦かな」
ブルー 「もしかして、やってみたいとか? お田植え祭も」
Aブルー「そりゃもう、イベントは大好きだしね。でもさ…」

ちょっとハードル高すぎるかな、と言うソルジャーの悩みは雅楽会員。
あの手の楽器を演奏可能なクルーは一人もいないのだそうで。

Aブルー「舞だけだったら当たって砕けろで行けるんだけどな…」
ブルー 「へえ…。神楽舞が出来そうな人に心当たりがあるってわけ?」
Aブルー「まさか。でも、イベントとくればぼくの出番だ」
全員  「「「は?」」」
Aブルー「目立つ役どころは大歓迎! ぼくがやらずに誰がやるって?」
ブルー 「そう来たか…。だったらキースに弟子入りする?」
キース 「お、おい、なんで俺まで巻き込まれるんだ!」
ブルー 「えっ、とりあえず君がプロだろ、神楽舞なら」
シロエ 「ですよね、キッチリ叩き込まれてバッチリですしね」
ジョミー「元老寺で舞うよりいいんじゃないの? 指導役の方が」
キース 「俺がこいつに教えるのか? あの舞を!」
Aブルー「…なんだか凄く嫌そうだねえ、そう言われると燃えてくるよ」

嫌がる話は進めてなんぼ、と現れた時の台詞を口にするソルジャー。

Aブルー「ちょっとベクトルがずれちゃったけど、神楽舞もいいかな」
ブルー 「ベクトルって…。それって、どういう意味さ?」

なにやら不穏な雰囲気が漂い始めております。
ソルジャーの目的は月刊シャングリラではなかったとか…?

2012/06/03 (Sun)

 

☆ズレたベクトル


嫌がる話は進めてなんぼ、と言うソルジャー。
ベクトルがズレたらしいですけど、キース君から神楽舞を教わるつもり。

Aブルー「えーっと…。キース、あの衣装って必須なのかな?」
キース 「巫女装束か? そりゃ要るだろうな、その服では無理だ」
Aブルー「でも、君のヤツしか無いんだよね? ブルー、持ってる?」
ブルー 「あるわけないだろ、神楽舞はやったことないし!」
キース 「白拍子のがあるだろうが。似たようなモノだと思ったが…」
ブルー 「全然違うよ、あっちは引き摺る長袴!」
Aブルー「そう言えばブルーも舞ってたっけ。なんか歌いながら」
ブルー 「今様っていう古い歌! 神楽舞は歌は歌わないモノ」
Aブルー「ふうん? ぼくとしてはどっちでもいいんだ、盛り上がれば」
ブルー 「だったら神楽舞にしておけば? BGMは録音でいいだろ」
Aブルー「自分で歌うというのもいいかも…。録音よりも本物志向で」
ブルー 「その前に基礎はあるのかい? 舞の方のさ」
Aブルー「無いね、芸事はやってないんだ」
キース 「基礎が全く無いとキツイぞ、それで良ければ教えてもいい」
Aブルー「そうか、教える気になったか…。ブルー、君は?」
ブルー 「白拍子を教えるかどうかって? うーん、どうしよう…」

生徒会長、考え込んでおりますが。
神楽舞と白拍子、どっちがハードルが高いのか思案中だと思われます。

ブルー 「ビシバシしごくか、高みの見物を楽しむか…。そこが問題」
キース 「あんたが仕込めばいいだろうが。面白いぞ、きっと」
ブルー 「君のシゴキも見たいんだよねえ、エア散華とか」
キース 「あれは教えん! あいつが仏弟子というなら別だが」
Aブルー「もしかしなくても、ぼくが習えば誰かの娯楽になる展開?」
ブルー 「それは勿論。ぼくかキースか、どっちかが喜ぶ」
Aブルー「ベクトルが更にズレたかな…」

軌道修正するべきだろうか、と訊かれましても。
何を目指していたのか分からないのに、どう答えろと?

2012/06/04 (Mon)

 

☆ベクトルのズレと軌道修正


何やらベクトルが更にズレたとかで、ソルジャーは考え込んでおります。
神楽舞だか白拍子だか知りませんけど、元は何しに来たんだか…。

ブルー 「軌道修正って、どの方向に修正するのさ?」
Aブルー「えっ? 君だって同じ意見だったろ、ぼくが来る前」
ブルー 「何の話をしてたっけ?」
Aブルー「そこのキースが自分の家で舞うってヤツだよ」
ブルー 「ああ、アレか。だったら神楽舞でいいじゃないか、君も」

考えなくてもそれで決定、と生徒会長はキッパリと。

ブルー 「神楽舞を習うんだってさ。キース、指導をよろしく頼むよ」
キース 「くっそぉ…。また巫女さんの格好をしろと?」
ブルー 「でないと教えられないしねえ? ブルーの分はレンタルで」
ジョミー「あんなの貸してくれる所があるわけ?」
ブルー 「シャングリラ雅楽会の地球支部! 普段も練習してるから」
サム  「あー、そうか…。蹴鞠同好会の支部もあるんだもんな」
ブルー 「じゃあ、早速借りに行ってこようかな。善は急げってね」
Aブルー「ちょっと待った! 何か忘れていないかい?」
ブルー 「ん? 勿論、神楽鈴も檜扇も借りて来るけど…」
シロエ 「音楽の方はどうするんですか?」
ブルー 「ブルーの存在は明かせないからね、録音したのを拝借するさ」
Aブルー「そうじゃなくて!」

思い切り忘れているだろう、とソルジャーは仁王立ちしそうな勢い。
ケーキのお代わりが出て来なかったらやっていたのは確実です。

ぶるぅ 「はい、これも新作! 食べてみてね♪」
Aブルー「あ、ありがとう。…って、いけない、忘れるとこだった」
ブルー 「だから何をさ?」
Aブルー「嫌がる話は進めてなんぼ! そう言ったのは君だよねえ?」
ブルー 「そういえば…。うん、確かに言った」
Aブルー「軌道をそこまで戻すんだってば!」
全員  「「「はぁ?」」」

人の嫌がる話は進めてなんぼ。
生徒会長のキース君への台詞ですけど、軌道をそこに戻すとどうなる…?

2012/06/05 (Tue)

 

☆只今、軌道修正中


生徒会長曰く、人の嫌がる話は進めてなんぼ。
ズレた軌道を修正したいらしいソルジャー、話を戻すと言っております。

Aブルー「いい台詞だと思ったんだよ。まさに天啓」
ブルー 「アレがかい? それじゃ君も賛成なのかな、キースの舞に」
キース 「お、おい、俺は絶対やらんぞ、第一、親父が…」
シロエ 「そこは会長が上手くやるんじゃないですか? 銀青様ですし」
サム  「うん、うん。ブルーの方が偉いんだもんな」
スウェナ「いいわね、檀家さんじゃなくても見物OKにして欲しいわ」
キース 「ちょっと待て! なんでそうなる!」
Aブルー「だよねえ、ぼくはキースの話はしていないけど?」
ブルー 「えっ? だけど人が嫌がる話がどうとか…」
Aブルー「そこは間違ってないんだけどさ。嫌がる相手が違うんだな」
全員  「「「は?」」」
Aブルー「キースじゃなくてブルーなんだよ、ターゲットは」
ブルー 「ぼく…?」

狐につままれたような顔の生徒会長。
何のことやら分からないのはシャン学メンバーも同様で。

ジョミー「何なの、それ…?」
Aブルー「ん? ぼくからの素敵な提案! ただしブルーは嫌がるかと」
キース 「それで嫌がる話がどうこうと言っていたわけか…」
Aブルー「うん。神楽舞を習うのはまたの機会にお願いするよ」
キース 「………。その頃まで俺が覚えていたらな」
Aブルー「大丈夫だって! 身体で覚えたことというのは忘れないモノ」
キース 「なら、あんたの方で忘れてくれ。俺は神楽舞は二度と御免だ」
シロエ 「えーっ、勿体無いですよ! あれは芸ですって、格調高い」
マツカ 「神様に奉納する舞ですしね」
キース 「だから坊主には関係無いと!」
Aブルー「ついでにブルーが嫌がる話とも無関係ってね」
キース 「あんた、何しに現れたんだ?」
Aブルー「だから提案!」

6月だしね、とソルジャーが指差す先にはカレンダー。
祝日とは無縁な6月ですけど、ソルジャーの世界では違うのでしょうか?

2012/06/06 (Wed)

 

☆6月の提案


6月だから素敵な提案をしに来たのだ、とカレンダーを示すソルジャー。
月刊シャングリラを読みに来たわけではなさそうです。

ブルー 「6月だから何だって? ぼくは6月にトラウマは無いけど」
Aブルー「まあ無いだろうね、こっちのハーレイは奥手だしさ」
全員  「「「は?」」」
Aブルー「ついでにノルディもそこまでしないと思うんだ」
ブルー 「ノルディにハーレイ? 6月と何か関係あったっけ…?」
シロエ 「誕生日とかじゃないですか?」
ブルー 「さあねえ、あの連中の誕生日なんか気にしてないし」
Aブルー「相変わらずだね、ハーレイの方なら知ってる筈だよ」
ブルー 「………。ぼくの嫌がる話はそれかい?」
Aブルー「まさか。誕生日程度じゃ素敵な提案とは言えないだろう」

せいぜいケーキとバースデーソング、とソルジャーは指摘しております。
バースデーパーティーをやったとしても、それだと普通にお祭り騒ぎ。

Aブルー「6月でハーレイかノルディで素敵なイベント開催なんだよ」
キース 「サッパリ話が見えないんだが…」
ブルー 「こっちに来ないで直接行けば? ハーレイとかノルディとか」
Aブルー「嫌がる相手は君だと言ったろ、だからこっちに」
ブルー 「いったい何が言いたいのさ?」
Aブルー「分からないかなぁ…。うん、やっぱりハーレイで決定だね」
ブルー 「だから何が?」
Aブルー「イベント開催のパートナー! ぼくはハーレイを推すけれど」
シロエ 「えっと…。イベントって何ですか?」
キース 「よく分からんが、俺もノルディは避けたいな」
サム  「俺も教頭先生にしとく。エロドクターには会いたくねえし」
マツカ 「ですよね、ドクターが出て来ると物騒です」
スウェナ「教頭先生と違って危ないものねえ…」
Aブルー「君たちもハーレイに賛成かい? じゃ、そういうことで」
ブルー 「ちょ、ちょっと…。ぼくの意見は?」

生徒会長、完全に置き去りでございます。
6月のイベントとやらの正体や如何に?

2012/06/07 (Thu)

 

☆6月のイベント


ソルジャーの提案は生徒会長が嫌がる話。
6月ならではのイベントだそうで、パートナーには教頭先生なのだとか。
そう言われても何の事だか、誰もがサッパリでございます。

ブルー 「なんでハーレイが出て来るのさ! ぼくは却下!」
Aブルー「あれっ、ノルディの方が良かった?」
ブルー 「どっちも嫌だよ、何のパートナーか知らないけれど」
Aブルー「よく考えて選ぶべきだと思うけどねえ…」
ブルー 「だから両方却下だってば!」
Aブルー「でもさ、嫌がる話は進めてなんぼ! どっちかに決めてよ」
ブルー 「決めるも何も、何のイベントかも分からないし!」

迂闊に返事が出来るものか、と生徒会長は警戒中。
ソルジャーの方は実に楽しそうにニコニコと。

Aブルー「分からないかなぁ、6月だよ? でもってイベント」
キース 「あんたの世界と俺たちの世界は違うと思うが」
シロエ 「そうです、6月は祝日が無いんですよ」
サム  「おまけに梅雨で野外活動も流れまくりだもんなぁ…」
スウェナ「一年で一番つまらないのよね、6月って」
マツカ 「6月といえば株主総会ですけどね…。学生は無関係ですし」
ジョミー「へえ、6月ってそんなのあるんだ…」
マツカ 「父も忙しくしてますよ。イベントには違いないですけれど…」
キース 「あいつの世界に株主総会は無いんじゃないのか?」
Aブルー「無いねえ、ちょっと面白そうだとは思うけど」

社会の仕組みが違うから、と答えるソルジャー。
会社はあっても仕切っているのはマザー・システムとかいうヤツで。

Aブルー「こっちで話題の総会屋とかは入り込みようが無いんだよ」
キース 「完全管理の社会ってわけか。つまらんな」
Aブルー「人類は気にしてないけどね。…おっと、話がまたズレた」
ジョミー「6月のイベントだったっけ?」
Aブルー「うん。こっちの世界にもあるイベントだよ」

6月で連想するモノは? とソルジャーは微笑んでおりますが。
イベントって何かありましたっけ…?

2012/06/08 (Fri)

 

☆イベントって、何?


6月で連想するモノは? とソルジャーは楽しそうでございます。
イベントなのは確かですけど、祝日も無い6月だけに全く見当もつかず。

キース 「青葉まつりは俺の宗派じゃないからな…」
シロエ 「なんですか、それ」
キース 「ソレイド八十八ヶ所の方だ。宗祖様の降誕会なんだ」
サム  「へえ…。あっちのお大師様の誕生日かよ」
キース 「総本山じゃ派手にやるらしいぞ。俺の宗派は地味だがな」

ねぶたまで出て来る前夜祭には勿論、夜店。
当日は稚児行列と大師音頭の列がメインストリートでパレードを。
飛び入り参加も大歓迎で、踊りまくって練り歩くとか…。

Aブルー「そんなイベントがあるのかい? 面白そうだね」
キース 「気になるんなら見に行ってこい。6月15日が本番だ」

総本山は此処、とキース君が検索した地図を示しております。
青葉まつりの写真なぞも並んでいまして、ソルジャー、興味津々ですが。

Aブルー「んーと…。これは気に入ったらパクるとして…」
サム  「パクるのかよ?」
Aブルー「それはもう! イベントは多いほど喜ばれるから」

シャングリラの中だけの暮らしは退屈なのだ、と語るソルジャー。
田植えレースも応用しようと検討中ですし、青葉まつりもパクる気満々。

Aブルー「パレードっていうのがいいねえ、盛り上がりそうだ」
ジョミー「大師音頭で踊るわけ? なんか抹香臭そうだけど」
Aブルー「気にしない、気にしない。歌詞はどうでもいいんだよ」
キース 「罰当たりな…。せめて盆踊りと差し替えておけ」
Aブルー「似たようなモノだろ、踊るんだから」

いいイベントを教えて貰った、とソルジャーは心底嬉しそう。
別の世界で青葉まつりが開催されたら、お大師様もグレードアップ?

キース 「まあ、いいか…。俺の宗祖様ではないからな」
Aブルー「情報提供、感謝するよ。ところでさ…」

まだ分からない? と尋ねるソルジャー。
青葉まつりで吹っ飛んでましたが、6月のイベントでしたよね…。

2012/06/09 (Sat)

 

☆イベントの正体


未だに謎な6月のイベント。
生徒会長が嫌がるモノだと言われましても、もうお手上げでございます。

Aブルー「ギブアップ? もしかしてブルー本人も?」
ブルー 「分かるわけないだろ、6月は本当に暇なんだから!」
Aブルー「君の方には青葉まつりは無いわけだ…」
ブルー 「宗派が違えば無関係! 夏越しの祓いも関係無いしね」
Aブルー「夏越しの祓い? それも気になるけど、またズレちゃうし…」
ブルー 「ん? 夏越しの祓いっていうのは神事で」
Aブルー「ストーップ! これ以上ズレたら忘れるじゃないか、目的を」
ブルー 「忘れてほしいから言ってるんだよ、無病息災を祈るんだけど」
Aブルー「同じ祈るなら幸せがいいと思うけどねえ?」
全員  「「「幸せ?」」」
Aブルー「そう、幸せ! 6月だと幸せになれるんだろ?」
ブルー 「…何の話さ?」
Aブルー「だから、イベント! 6月と言えばジューンブライド!」
全員  「「「ジューンブライド!?」」」

想定外の言葉にシャン学メンバー、全員、目が点。
けれどソルジャーは嬉々として。

Aブルー「6月に結婚式を挙げると幸せになれるって言うじゃないか」
キース 「それはそうだが…何処がイベントに繋がるんだ?」
Aブルー「結婚式だよ、そこのブルーの」
ブルー 「ちょ、ちょっと…! なんでぼくが!」
Aブルー「本人が嫌がる話は進めてなんぼ! 君の台詞だ」
ブルー 「なんでそういうことになるのさ!」
Aブルー「幸せのお手伝いをしてあげようと思ったんだよ」
ブルー 「誰の!?」
Aブルー「君に決まっているだろう。で、誰がいいわけ?」

ぼくのイチオシはハーレイだけど、と微笑むソルジャー。

Aブルー「ぼくとハーレイはお蔭様で円満だしねえ、お裾分けしないと」
ブルー 「要らないってば!」
Aブルー「それじゃ面白くないんだよ」

結婚式くらい挙げてみたら、とソルジャーは言っておりますが。
イベント気分で結婚式とは、生徒会長の運命や如何に…?
 
2012/06/10 (Sun)

 

☆不向きなシーズン

 
ソルジャーが言い出した素敵なイベントはジューンブライド。
6月に結婚式を挙げると幸せになれるそうだ、と生徒会長にロックオン。
自分とキャプテンの仲が円満なのをお裾分けしたくなったそうで…。

Aブルー「君は結婚したがらないし、形から入るのがいいと思うんだ」
ブルー 「結婚しないって言ってるだろ! なんで式なんか!」
Aブルー「本物じゃなくてイベントだよ。6月にピッタリ!」

ジューンブライドって人気だよね、とソルジャーはウインクしてますが。

キース 「…そうなのか? 俺たちの国では不人気だぞ」
Aブルー「えっ、なんで?」
シロエ 「時期がイマイチなんですよ。祝日が無いって言ったでしょう」
スウェナ「お休みが無いと人の集まりも悪くなるのよ」
マツカ 「人を招待するんですから、休日は必須って所でしょうか」
ジョミー「友達だけでやるにしてもさ、休みが取れないとキツイもんね」
サム  「おまけに天気も悪いしなぁ…。梅雨ってトコトン雨なんだぜ」
Aブルー「でも、降ってないよ?」
キース 「降りっぱなしってわけじゃないのは知ってるだろうが!」
Aブルー「ああ、そういえば…。この季節って雨の日が多いかな?」

ぼくの世界とは違う気候だ、とソルジャーは納得しております。

Aブルー「ぼくの世界じゃ、晴れて気持ちいいシーズンなんだよ」
キース 「空模様ってヤツは大切なんだ。雨だと招待された方も困る」
スウェナ「玄関までタクシーが入れる家ならいいんだけれど…」
サム  「そうそう、マツカの家みたいなのな」
ジョミー「ぼくの家だと門を出るまでにビショ濡れだよ」
キース 「俺もアウトだ。まあ、普通の家ならアウトじゃないか?」
シロエ 「マンションはセーフなのもありますよ」
Aブルー「ブルーの家って、そのパターンだろ?」

何も問題ないじゃないか、と頷くソルジャー。
生徒会長が住むマンションには車寄せが設けてありますが。
雨で困るのは挙式する本人ではなく、招待客の方なのでは…?
 
2012/06/11 (Mon)

 

☆梅雨でも結婚式


生徒会長に結婚式を挙げさせよう、と言い出したソルジャー。
この国の気候はジューンブライドに合わないと聞いても、全く気にせず。

Aブルー「ブルーが濡れずに家を出られるなら大丈夫だと思うけどな」
キース 「あんた、話を聞いてたか? あくまで招待客が最優先だ」
Aブルー「イベントなんだし平気だろ? お客は君たちくらいだから」
ジョミー「そりゃ大雨でも学校には行くし、嫌って言う気はないけどさ」
ブルー 「ぼくが却下だよ、なんでそういう方向に!」
Aブルー「幸せのお裾分けだってば。ぼくは本当に幸せなんだよ」

キャプテンとの幸せ自慢をソルジャーは滔々と語っております。
絵に描いたようなバカップルぶりを披露されても、誰も共感できません。

ブルー 「その辺でやめてくれないかな? 子供も聞いているんだよ」
Aブルー「ぶるぅかい? 分かりゃしないさ、大人の話は」
ぶるぅ 「うん。分からないけど、楽しそうだね」
Aブルー「あっ、そこは分かってくれるんだ? もう毎日が天国で…」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「そう言われても…。結婚生活には肝心要の」
ブルー 「誰も結婚しないから! そんな話は要らないから!」
Aブルー「ハーレイとかノルディは結婚希望だと思うけどねえ?」
ブルー 「却下だし!」

どちらも絶対お断り、と生徒会長は膨れっ面。
しかし…。

Aブルー「嫌がる話は進めてなんぼ! せめて結婚式はしようよ」
キース 「ジューンブライドには向かんと言ったぞ」
Aブルー「君たちが言ってる結婚式って、会場がホテルとかだろう?」
キース 「ホテルでなくても色々あるが…。何が言いたい?」
Aブルー「ブルーさえ濡れなきゃいいって話さ」
ジョミー「えっと…。なんで?」
Aブルー「新郎の家で結婚式だよ、濡れずに辿り着かないと」
全員  「「「はぁ!?」」」
Aブルー「花嫁は綺麗な姿で現れないとね」

新郎の家で結婚式。
そんな流儀をソルジャーは何処で仕入れてきたんでしょうか…?

2012/06/12 (Tue)

 

☆結婚式の形いろいろ


生徒会長に結婚式をさせたいソルジャー曰く、挙式するのは新郎の家で。
今どき珍しい形ですけど…。

キース 「あんたの世界では結婚式は新郎の家でやるものなのか?」
Aブルー「うーん、普通はステーションとかじゃないのかな?」
ジョミー「ステーション?」
Aブルー「教育のための施設だよ。一般人向けの」

ステーションとやらで家庭生活を学び、結婚するのがSD体制だとか。
結婚すると養子が貰えて、育英都市で育てる仕組み。

Aブルー「アルテメシアは育英惑星だし、夫婦になってから来るんだよ」
シロエ 「じゃあ、結婚式は無いわけですね?」
Aブルー「そうなるねえ…。ぼくのシャングリラでは、たまにあるけど」
キース 「新郎の部屋で挙式するのか?」
Aブルー「まさか。公園とか、食堂とか、その辺は自由」
キース 「だったら何処から出て来たんだ! 新郎の家とかいうヤツは」
Aブルー「狐の嫁入り」
全員  「「「は?」」」
Aブルー「だから狐の嫁入りだってば、にわか雨が降るんだろう?」

前にブルーに教わった、とソルジャーは自慢しております。
天気雨が降った時に生徒会長が『狐の嫁入り』と口にしたそうで…。

Aブルー「狐の嫁入り行列なんだって? 新鮮だったから覚えてるんだ」
キース 「確かに昔は嫁入りと言えば新郎の家へ行くもの…だったな」
シロエ 「もっと昔だと新郎の方が妻の家に通うんでしたっけ?」
Aブルー「ふうん? 色々なパターンがあるんだねえ…」

新郎が通うのも面白そうだ、とソルジャーは興味を持った様子。

Aブルー「するとハーレイがブルーの家に通ってくればいいのかな?」
ブルー 「玄関先で追い返す!」
マツカ 「そんな昔話がありましたよね」
キース 「百日通えば結婚してやる、と言われて最終日に挫折だったか」
Aブルー「ハーレイなら百日くらい軽く頑張れそうだけど…」

それじゃ6月中に結婚できない、とソルジャーは深い溜息。
生徒会長、強引に挙式させられてしまうのか?

2012/06/13 (Wed)

 

☆幸せの押し売り


新郎の家で式を挙げるか、新郎が新婦の家に通うか。
どちらもクラシックな結婚の形ですけど、生徒会長が承諾する筈もなく。

ブルー 「なんで結婚式なのさ! ぼくじゃなくてもいいだろう!」
Aブルー「ぼくの幸せのお裾分けだし、幸せになって欲しいのは君だ」
ブルー 「嫌がる話は進めてなんぼ、と矛盾してるよ!」
Aブルー「嫌よ嫌よも好きの内、って言うじゃないか」

挙式してみれば気が変わるかも、とソルジャーはニコニコしております。

Aブルー「人には添うてみよ、馬には乗ってみよ、って言葉もあるし」
ブルー 「ぼくは君とは違うんだってば!」
Aブルー「分かってないねえ、一度くらいヤッてみればいいのに」
ブルー 「結婚式ならゼルとやったよ、水族館で!」
キース 「確かにやったな、ドルフィン・ウェディングを」
Aブルー「違う、違う。やるっていうのは式じゃなくって」
ジョミー「え? だけどさっきから、やってみろって…」
Aブルー「うん。まずは結婚式なんだけど、それから後にやることさ」

結婚した後にやることは一つ! と拳を握るソルジャー。

Aブルー「ガッツリ大人の時間…ってね。是非とも体験して欲しい」
ブルー 「ちょ、ちょっと…」
Aブルー「生憎とハーレイはヘタレてるから、すぐには無理かな」
ブルー 「無理とか、そういう以前だし!」

誰が結婚するものか、と生徒会長は怒り心頭ですが。
ソルジャーの方は涼しい顔でございます。

Aブルー「そう堅苦しく考えずにさ。イベント気分で楽しくやろうよ」
ブルー 「それって君が楽しいだけだろ、イベントだなんて!」
Aブルー「ハーレイが嫌ならノルディに話を通すけど?」
全員  「「「えぇっ!?」」」
Aブルー「どっちかの家に嫁入りってね。ここは譲れない」

ぼくが来たのはそのためだ、とブチ上げるソルジャー。
ジューンブライドだの、幸せのお裾分けだのと押し売るつもり満々です。
実に迷惑な来客ですけど、追い返すことは出来るんでしょうか…?


注・ドルフィン・ウェディングのお話はこちら→『校外へ行こう

2012/06/14 (Thu)

 

☆新郎の条件


幸せの押し売りとばかりにジューンブライドを勧めるソルジャー。
教頭先生かエロドクターか、どちらかの家に生徒会長を嫁入りさせる気。

Aブルー「嫁入り先の家を考えると、ノルディの方がいいかもねえ?」
ブルー 「なにさ、それ!」
Aブルー「家の構造って言うのかなぁ? 濡れずに玄関先までってヤツ」
ジョミー「そっか、玄関まで車が入れる家だとドクターだよね」
キース 「教頭先生の家は普通の一戸建てだしな…」
スウェナ「門から玄関まで歩く間に濡れちゃうわよね」
シロエ 「じゃあ、ドクターで決まりですか?」
ブルー 「勝手に納得するんじゃないっ! ぼくはOKしてないし!」
Aブルー「早く決めてよ、色々と準備もあるんだからさ」
全員  「「「準備?」」」
Aブルー「うん。新郎を決めたら服とかも用意しなくっちゃ」

ついでに新郎に連絡して…、とソルジャーは楽しそうでございます。

Aブルー「イベントとはいえ、ブルーと結婚できるんだしねえ…」
ジョミー「教頭先生もドクターも大喜びって感じだよね」
サム  「それって、俺だとダメなのかな?」
キース 「そういえば…。ただのイベントならサムでもいけるか」
シロエ 「公認カップルですもんね。サム先輩なら安心です」
マツカ 「ですよね、サムと挙式でどうでしょう?」
ジョミー「えっと…。サムの家で結婚式なわけ?」
サム  「父さんたちが留守にしてれば問題ねえと思うけどなぁ?」
ブルー 「いいのかい、サム? だったらサムで」
Aブルー「ダメダメ、サムは対象外だよ」
全員  「「「なんで?」」」
Aブルー「結婚生活に結び付かないし! 万年十八歳未満お断りだろ」

論外なんだ、とソルジャーはダメ出ししております。

Aブルー「幸せのお裾分けなんだからね、結婚生活に繋がる相手で」
ブルー 「イベントだって言ってるくせに…」

何が何でも生徒会長を結婚させたいらしいソルジャー。
たかがイベント、されどイベント。
生徒会長、誰の家に嫁入りするのやら…。

2012/06/15 (Fri)

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☆雅楽と読経と楽太鼓


いきなり登場したシャングリラ雅楽会と名乗る一団。
服装といい楽器などといい、何処から見てもその道のプロでございます。
こんな集団に取り囲まれてはキース君も舞うしかなさそうですが…。

キース 「ま、待ってくれ! 俺はだな、舞も雅楽もサッパリで…」
ブルー 「そういえば音楽系は取らなかったんだっけ、大学で?」
キース 「ウチの寺では出番が無いし、詠唱師も目指してないからな」
シロエ 「お寺で雅楽ってアリなんですか?」
ブルー 「あるねえ、笙が無ければ始まらないって法要もあるし」

なんと雅楽とお寺は切っても切れない関係だそうで。
生徒会長、キース君に説教を始めました。

ブルー 「履修しておけばよかったのにさ、学べる機会は少ないのに」
キース 「だからウチでは出番が無いと…」
ブルー 「ふうん? 太鼓で阿弥陀経とか、憧れる人も多いけど?」
キース 「それはそうだが…。ウチの寺には伝わってないし…」
サム  「なんだよ、太鼓で阿弥陀経って?」
ブルー 「そのまんまだよ、太鼓を叩きながら阿弥陀経を読むわけ」
マツカ 「太鼓ですか?」
ブルー 「うん。雅楽に使う楽太鼓でね。やってみせようか?」

雅楽会のみんなも来ているし、と生徒会長。
またしても奥に着替えに出掛け、その間に雅楽会が楽太鼓を運び込み…。
いわゆる小型の火焔太鼓でございます。

ブルー 「流石に白拍子の格好で阿弥陀経っていうのはねえ…」

ちょっとマズイし、と今度は緋色の法衣。
楽太鼓の前に座って両手にバチを持ち、皆が固唾を飲んで見守る中で。

ブルー 「にょーぜーがーもん、いーちーじーぶつ…」

ドンドコドンドンと響く太鼓の音。
長ったらしい読経の間、途切れなくドンドコ叩き続けて…。

ブルー 「はい、おしまい。…キース、何か言いたそうな顔だけど?」
キース 「あんた、どこまで奥が深いんだ…」

負けた、と肩を落とすキース君。
太鼓を叩きながら読む阿弥陀経に憧れていたんですかねえ、キース君も?

2012/05/16 (Wed)

 

☆憧れの阿弥陀経


白拍子から一転、緋色の衣で楽太鼓を叩いて阿弥陀経を読んだ生徒会長。
シャン学メンバーはビックリ仰天、キース君はガックリです。

ジョミー「お経って太鼓で読めるんだ…」
ブルー 「最近は出来る人も減ったし、キースも習えば良かったのに」
キース 「先生方の実演を見てから憧れってヤツはあったんだが…」

元老寺に伝わっていない以上は仕方が無い、とキース君。
やっているお寺が羨ましくても、無い袖は振れず。

ブルー 「そんなの、どうでもいいんだよ。修得すれば君のものだし」
キース 「だが、親父にも無い技を若輩者の俺が披露するというのも…」
ブルー 「きちんと習えば問題ないだろ、そういう流儀はあるんだから」
キース 「し、しかし…」
ブルー 「今更大学には戻れないって? じゃあ、我流で」
キース 「我流だと?」
ブルー 「そう。ぼくがやるのを録音しといて練習するとか」
キース 「それは思い切り邪道だろうが!」
ブルー 「太鼓に関しては宗定は無いよ? 邪道も何も」
キース 「そ、そうだったのか?」
ブルー 「あーあ、習ってないとこれだから…。無いんだってば」

宗定というのは、総本山でキッチリと決めた決まりのことでございます。
お経だと鐘や木魚の叩き方が細かく決まっているわけでして。

ブルー 「宗定が無い以上、あるのは基本の約束事だけ! 我流で充分」
キース 「そう言われてもイマイチ自信が無いんだが…」
ブルー 「要は気持ちよくノリノリで読めればいいんだよ、アレは」

途中で本来の叩き方とは違うアドリブをかますのもOKだそうで。

キース 「ア、アドリブ…」
ブルー 「叩いてる方も楽しいんだよね、アレ。だからさ、君も」
キース 「分かった、いずれ挑戦してみる」
ブルー 「その意気、その意気。その勢いで神楽舞の方も頑張って」
キース 「か、神楽舞…」

忘れ去っていたらしいキース君と、ズズイッと進み出る雅楽会メンバー。
今度こそ逃げ場が無さそうですけど、さてどうなる?

2012/05/17 (Thu)

 

☆神楽舞への道


太鼓で読む阿弥陀経の乱入で忘れられていたのが神楽舞。
しかし神楽舞はお田植え祭に必須、雅楽会のメンバーも揃っております。
巫女さん姿の女性クルーがニッコリと。

巫女さん「まずは着替えて頂きましょうね、その服ではちょっと…」
キース 「き、着替え…?」
巫女さん「巫女装束で舞えないと話になりませんから。本番は明日です」
雅楽会員「装束も持ってまいりました」
キース 「う、うう…。そ、そんな衣装は…」
ブルー 「坊主も巫女さんも着付けの基本は同じだけど? ぶるぅ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お手伝いだね!」

パァァッと走る青いサイオン。
キース君、たちまち巫女さん姿に大変身でございます。

ジョミー「へえ…。キースも白拍子、出来るんじゃないの?」
キース 「うるさい、他人事だと思いやがって!」
サム  「でも本当に他人事だしなぁ…」
シロエ 「ぼくたちは関係ありませんしね」

高みの見物を決め込むシャン学メンバー、ワクワク顔でございます。
生徒会長の白拍子舞の後だけに期待も大きく膨らむもので…。

巫女さん「では練習を始めましょうか。扇をどうぞ」
キース 「お、扇…? 巫女さんと言えば神楽鈴では…」
巫女さん「あら、よく御存知でらっしゃいますね。今回は扇も必須です」

神楽鈴とは巫女さんが舞う時に手に持つ鈴。
幾つもの鈴が三段に取り付けられており、柄には五色の長い布が。
けれどキース君に渡されたものは檜扇、お雛様が持っている扇です。

ブルー 「お田植え祭の神楽舞は前半が扇で後半が鈴さ。華やかだろ?」
巫女さん「舞いながら閉じたり開いたりして頂きますので、練習から」
キース 「ぜ、前半に後半だと? 鈴と扇を両方やれと?」
雅楽会員「お祭りですから見せ場は多めで」
ブルー 「やるからには完璧を目指して欲しいね、手抜きは厳禁」
キース 「なんでこういうことになるんだ、俺は坊主だ!」

いくら坊主だと叫んでも無駄というもので。
巫女さん姿で舞の練習、いざスタート!

2012/05/18 (Fri)

 

☆ハードな神楽舞


神楽舞の練習を始めることになったキース君。
よりにもよって前半は扇、後半は神楽鈴を持って舞うというのがお約束。
お雛様でお馴染みの檜扇ですけど、閉じたり開いたりは難しく…。

巫女さん「右手は動かさずに左手だけ! もっと滑らかに!」
キース 「こ、こうですか?」
巫女さん「開く時には水平に! そこは斜めではありません」

ビシバシとしごかれまくって、お次は神楽鈴を扱う練習で。
それが済んだら舞の稽古でございます。

巫女さん「はい、ここで両手をかざして左右に開く!」
キース 「は、はいっ!」
巫女さん「足がお留守になってます。同時に左へと動きませんと」

素人さんには難しそうな動きとはいえ、キース君には散華などの基礎が。
法式で身体に叩き込まれた所作の応用で、どうにか形になるようで…。

巫女さん「では音楽に合わせてみましょうか。私も舞いますから」
キース 「よ、よろしくお願いいたします…」

雅楽会員たちが楽器を奏し、キース君と巫女さんが揃って舞を。
まずは扇で、後半は神楽鈴に持ち替え、シャンシャンと。

ブルー 「うん、良かったんじゃないかな、お見事、お見事」
シロエ 「先輩、負けていませんでしたよ! 凄かったです!」
キース 「そ、そうか? し、しかしだな…」

明日は一人で舞うんですよね、とキース君は不安そうですが。

巫女さん「あら、お一人の方がいいのかと思いましたけど…」
雅楽会員「お一人では不安でらっしゃいますか?」
キース 「そ、それは……。やはり素人ですから心配で…」
ブルー 「なるほどねえ…。それじゃ、例年どおりでいこうか」
キース 「どういう意味だ?」
ブルー 「いつもは神楽舞の巫女さん役は四人なんだよ」
キース 「四人だと!?」
巫女さん「一人舞と四人舞では違いますから、追加で練習しませんと」
キース 「な、なんだって?」

ちょっと待ってくれ、とキース君は顔面蒼白。
追加練習の方はともかく、四人舞だと晒し者度もアップですか?

2012/05/19 (Sat)

 

☆雅楽会なクルーたち


お田植え祭の神楽舞の巫女さん役は四人というのが例年の形。
キース君が一人舞が嫌だと言うなら、例年どおりの四人舞だそうですが。

キース 「よ、四人って…。俺以外は女性になるわけですか?」
巫女さん「そうなりますねえ、これは女性の舞ですし」
雅楽会員「四人舞なら急ぎませんと。誰を呼びます?」
巫女さん「えーっと…。多分、全員暇じゃないかと思いますけど」

とりあえず全員に招集を、と通信機に向かう巫女さんですが。

キース 「ま、待って下さい! 一人でいいです!」
巫女さん「いいんですのよ、みんな楽しんでやっていますし」
キース 「そ、そうじゃなくて…! 女性の中で女装はちょっと…」

悪目立ちだけはしたくないです、と土下座しそうなキース君。
巫女さんと雅楽会員がドッと笑い転げ、なんとか一人舞になりましたが。

キース 「た、助かった…。晒し者になるかと思った…」
ブルー 「それも面白そうなのにねえ…。まあ、いいけどさ」
ジョミー「でもさ、すぐに四人も揃うんだ? 巫女さんの役」
巫女さん「それはもう。雅楽会の会員は多いですから」
シロエ 「そうなんですか?」
雅楽会員「男性の舞い手もおりますし、ここにいるのは一部ですよ」
ブルー 「宇宙じゃ娯楽が少ないしね。趣味の集まりが多いんだよ」
サム  「へえ…。それじゃ他にもあるのかよ?」
雅楽会員「雅楽会の有志で蹴鞠同好会もやっております」
ジョミー「えっ、蹴鞠? あのサッカーの神様のヤツ?」

蹴鞠と聞いて瞳を輝かせているジョミー君はサッカー少年。
サッカーをやる人が祈願に訪れる有名な神社は蹴鞠の神様が祭神です。
ジョミー君、一気に憧れを持ったようですが。

雅楽会員「蹴鞠同好会に入られますか? 地球にも支部がありますよ」
ジョミー「ホント?」
雅楽会員「ただ、サッカー感覚ですと戸惑われるかと」

鞠を地面に落っことさずに蹴り合いをするのが蹴鞠だとか。
サッカーとは別物みたいですけど、入会しますか、ジョミー君?

2012/05/20 (Sun)

 

☆お祭り好きな船


娯楽が少ない宇宙の生活に欠かせないのが趣味というヤツ。
雅楽会の有志で構成された蹴鞠同好会などもあり、地球にはその支部が。
サッカー少年なジョミー君、興味を示したのはいいんですけど。

ジョミー「え、えっと…。鞠を地面に落とさないって、何?」
雅楽会員「蹴鞠はチームで対戦するものではありませんので」
ジョミー「だから落としちゃダメなわけ?」
雅楽会員「お互い楽しく遊べるように、受け易い鞠を送るんですよ」
ジョミー「じゃ、じゃあ、シュートを決めるとかは…」
雅楽会員「もっての外になりますが。如何に落とさずに蹴り合うかです」
ジョミー「な、なんか……ぼくには向いてなさそう…」
ブルー 「まず無理だろうね、色々と約束事も多いから」

思い切り雅な遊びだし、と蹴鞠の決まり事を挙げる生徒会長。
鞠の受け方、蹴り方にまでルールがあるそうで…。

ジョミー「ダメだあ、そんなの覚え切れないし!」
サム  「だよな、お前、お経も覚えられねえしな」
ブルー 「それ以前だよ。美しい所作はジョミーに向かない」
シロエ 「ですよね、向いてるんなら神楽舞はジョミー先輩ですし」
ブルー 「そういうこと。キースに蹴鞠をやれとは言わないけどさ」

七夕祭じゃないからね、と生徒会長は申しておりますが、何故に七夕?
シャン学メンバーも不思議そうです。

雅楽会員「七夕祭は蹴鞠で始めると決まっております」
ブルー 「雅楽と和歌も欠かせないんだよ、芸事の上達を祈るのさ」
キース 「この船は何なんだ、お田植え祭とか七夕祭とか…」
ブルー 「神事のパクリだけじゃないけど? 聖歌隊もあるし」

要はお祭りなら何でもいいのだ、と生徒会長。

ブルー 「ただ、仏教系だけは無くってねえ…」
シロエ 「お坊さんがいないんですか?」
ブルー 「うん。ぼくの夢はシャングリラ念仏青年団の結成なんだよ」
ジョミー「それは絶対お断り!」

蹴鞠の方がマシだ、とジョミー君。
お祭り好きな船らしいですけど、お田植え祭の行方は?

2012/05/21 (Mon)

 

☆お田植え祭の前夜


生徒会長の白拍子舞に太鼓を叩いての阿弥陀経。
果ては雅楽会まで登場したお田植え祭の準備、順調に進行いたしまして。

巫女さん「これでなんとか見られますでしょう。頑張りましたね」
キース 「は、はいっ! ご指導ありがとうございました!」
雅楽会員「いやいや、お疲れ様でした。では明日、会場の方で」
キース 「お世話になりました。ありがとうございました!」
ブルー 「手間を取らせて悪かったねえ。じゃ、明日はよろしく」

引き揚げてゆく雅楽会員たちに手を振る生徒会長、とっくに私服。
それもその筈、キース君の練習に付き合う内に思い切り夜でございます。
宇宙船で夜というのもアレですけども、標準時間はあるわけで。

ブルー 「さてと、練習も終わったし…。食堂に行く?」
ジョミー「えっ、お弁当を届けてもらったよ? 他にも食べていいの?」
ブルー 「夜食も食べられないんじゃストレスたまるよ、宇宙ではね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 食堂は24時間営業だよ!」
キース 「疲れはしたが…。やはり食っておいた方がいいんだろうな」
ブルー 「そりゃね、バテた巫女さんなんて絵にならないし!」

ついでに会場も下見しておこう、と連れてゆかれたシャン学メンバー。
農業専用スペースに行けば、広大な田んぼの横に小さな田んぼが。
更に祭壇やら舞殿まで出来ているようですが…。

キース 「な、なんだコレは!」
ブルー 「舞殿だけど? 田んぼの畦で舞う気だったのかい?」
キース 「そ、それは…。しかしこれでは…」
ブルー 「お祭りなんだし、目立ってなんぼ!」

派手にやらなきゃ、と生徒会長。
まあ逆らっても無駄というもので、食堂へゾロゾロ移動して…。
夜食の定番はやはりラーメン、熱々を皆で啜りながら。

ジョミー「お田植え祭をするのはいいんだけどさ、神様って誰?」
ブルー 「神様?」
ジョミー「誰のお祭りかって聞いてるんだよ」

祭壇が作ってあったよね、とジョミー君。
シャングリラ号の御祭神って…誰?

2012/05/22 (Tue)

 

☆お田植え祭の神様


お田植え祭の会場を下見してきたシャン学メンバー。
祭壇も設けられていたため、ジョミー君が神様は誰かと尋ねております。

ブルー 「うーん…。お祭りと言ってもイベントだしねえ…」
ジョミー「じゃあ、祭壇もお遊びなわけ?」
ブルー 「そういうことだね、とりあえずコレって神様はあるけど」
サム  「あるのかよ?」
ブルー 「クリスマスだとキリストだろう? だから一応、神事にも」

他にも祭りは色々あるらしく、神様はTPOで変わるそうでございます。
その場その場のノリですけども…。

ブルー 「お田植え祭はダブルなんだよ、一番はお稲荷さん」
キース 「そんなモノまで祀っているのか、この船は?」
ブルー 「流石にお社は無いってば。でも田んぼにはお稲荷さんだし」
シロエ 「ダブルっていうのは何ですか?」
ブルー 「シャングリラ号の中の田んぼだからねえ、船霊様が入るわけ」
ジョミー「ちょ、船霊様って…」
スウェナ「もしかして機関部のアレ…」
ブルー 「シッ、それ以上は言わないように!」

正体を知らない人も多いんだから、と生徒会長は大真面目。
シャングリラ号の船霊様は機関部の奥の祠に祀られているのですが。
その正体は機関長のゼル先生の主義主張により、招き猫で。

キース 「じゃあ、何か? 俺はアレのために舞うのか、明日?」
ブルー 「お稲荷さんだと思った方が精神的にマシじゃないかな」
ジョミー「ぼくたちの田植えも女装もアレのためなんだ…」
マツカ 「そういうことになりますね…」
ブルー 「こらこら、お祭りは賑やかに! 船霊様のことは忘れる!」

ぼくだってテラズ様事件が無ければ知らなかったし、と生徒会長。

ジョミー「うえ~。テラズ様のことは忘れようよ~」
ブルー 「テラズ様も船霊様も忘れて寝たまえ、明日はお祭り!」

楽しくやらなきゃ、と宣言されて解散となったシャン学メンバー。
明日は朝から着付けだそうです。
茜襷に菅笠の面々にも注目ですけど、花形はキース君ですよね!


※船霊様が気になる方はこちら→ 『連休は穴場で
 テラズ様が気になる方はこちら→『農場夢草子

 どちらもクリックでアーカイブの該当作品に飛べます。

2012/05/23 (Wed)

 

☆お田植え祭の朝


お祭り好きな船、シャングリラ号。
神様はTPOに合わせて変わるそうですけども、神事とくれば船霊様で。
その正体は機関長のゼル先生の趣味により、招き猫なのでございます。
本日のお田植え祭は船霊様とお稲荷様のダブル祭神。

キース 「くっそぉ、なんで招き猫のために巫女さんなんぞを…」
シロエ 「考えない方がいいですよ。お稲荷さんも祀るそうですし」
ジョミー「どうせ全員女装なんだよ? キースだけじゃなくて」
キース 「お前たちはその他大勢だろうが!」
サム  「四人だけだぜ? お前が抜けるし」
キース 「それだけいれば充分だ! 俺は一人で舞うんだぞ!」
ブルー 「朝も早くからギャーギャーと…。四人舞にしてあげようか?」
キース 「い、要らん! と言うか、あんた、何処から湧いた!?」
ブルー 「まったく、人をゴキブリみたいに…。失礼だよね、ぶるぅ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくもゴキブリだもん!」

瞬間移動で湧くんだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も登場です。

キース 「な、何しに来たんだ、あんたらは!」
ブルー 「着替えの場所まで御案内だよ、急がないと」
ぶるぅ 「係の人たち、とっくに用意して待ってるよ!」
スウェナ「私も見に行っていいのかしら?」
ブルー 「いいんじゃないかな、女性ばかりだし」
男子全員「「「女性!?」」」

げげっ、と仰け反る男子一同。
しかし生徒会長曰く、女装祭りだけに着付けのプロは当然女性で。

ブルー 「巫女さんなんかは男が触れちゃダメだしねえ?」
キース 「その巫女さんが男だろうが!」
ブルー 「お祭りだから無問題ってね。さあ、行こうか」

案内されたのは農業専用スペースに近い会議室。
居並ぶ女性クルーが男の子たちに群がり、サクサクと…。

ジョミー「な~んだ、普通に農民だよね、コレ」
シロエ 「女装って感じはしませんよねえ、良かったです」

絣の着物に茜色の襷、頭に菅笠。
地味な農民に変身できたジョミー君たちですが、キース君は…?

2012/05/24 (Thu)

 

☆巫女さんに大変身


田植え係のジョミー君たちは茜襷に菅の笠。
無事に変身完了ですけど、巫女さんなキース君は現在進行形で変身中で。

キース 「い、いたたた! 抜ける、髪が抜ける!」
着付け係「もう少し我慢して下さい! 巫女さんですから」
キース 「付け毛なんて聞いてなかったぞ!」
ブルー 「そうだっけ? 伝え忘れたかな、雅楽会員」

巫女さんの髪は長いもの、と生徒会長は申しております。
キース君が巫女さん装束で座らされている鏡台の前には立派な付け毛。
それをキース君の髪につけるべく、女性クルーが奮闘中です。

ジョミー「もうちょっと髪が短かったらカツラで済んでいたのかな?」
ブルー 「多分ね。なまじ黒髪で長さがある分、こだわりたくなる」
サム  「なんか大変そうだよなあ…。ホントに全部結べるのかよ?」
ブルー 「そこはプロだし、やると思うよ」
シロエ 「あっ、ベストな位置が見つかったんじゃないですか?」
スウェナ「そうね、あそこなら纏めて束ねられそうね」
キース 「ひ、引っ張るなぁ!」

痛い、と喚くキース君に構わず髪が纏められ、ゴム紐でキュキュッと。
申し訳程度なポニーテールもどきに付け毛をつけて…。

マツカ 「結び目は飾りで隠れるんですね」
ブルー 「そういうこと! なかなか素敵な巫女さんだよ、うん」
着付け係「では、紅を差しますので唇をキュッと」
キース 「べ、紅だと?」
着付け係「巫女は薄化粧が基本ですから、せめて紅くらいは」

御希望とあればお白粉も、と言われたキース君は真っ青です。
紅だけでいい、と叫んだ結果、綺麗に紅が引かれましたが。

着付け係「それでは仕上げに花簪をお付け致しましょうね」
キース 「花簪!?」
着付け係「お田植え祭には必須です。今年は華やかに藤の花です」
キース 「くっそぉ、どこまでこだわるんだ!」

額にサクッと花簪。
藤の花房が揺れている上に、銀細工のビラビラした飾りまで。
巫女さんに変身を遂げたキース君、間もなく晴れの舞台ですよ~!

2012/05/25 (Fri)

 

☆お田植え祭、本番


キース君の身支度も整い、お田植え祭の会場に向けて出発でございます。
しかし、いつの間にやら生徒会長の姿が無くて。

ぶるぅ 「ブルー、先に会場に行ってるんだよ」
キース 「なんだか嫌な予感がするが…」
ジョミー「それ以上、悪くなりようがないよ。巫女さんだよ?」
サム  「違いねえな。月刊シャングリラにも載るんだぜ、きっと」

他人事だと笑い合いながら農業専用スペースに行けば…。

雅楽会員「おはようございます。では、舞殿の方へ」
キース 「ま、待ってくれ、まだ心の準備が…」
雅楽会員「じきに祝詞が始まりますので、舞の支度をお願いします」

揃いの直垂の雅楽会員に拉致られてしまったキース君。
ジョミー君たちは田んぼの畦でスタンバイするよう指示されて。

マツカ 「えっと…。キースが舞い始めたら植えるんですよね?」
シロエ 「紐に沿って真っ直ぐ植えればいいそうですし…」

簡単、簡単、と祭壇と舞殿を眺める田植え係の男子たち。
スウェナはクルーたちに混ざって「そるじゃぁ・ぶるぅ」と一緒に見物。
そこへ奥の方から神主姿の一団が行列をなしてゾロゾロと。

ジョミー「えっ、ブルー!?」
サム  「ホントだ、長老の先生たちもいるぜ」

生徒会長もエラ先生たちも白い狩衣に紫の袴。
祭壇の前に並んで二礼、二拍手、一礼して。

ブルー 「かけまくもかしこき…」

朗々と祝詞を奏上している生徒会長。
お坊さんではなかったのか、とシャン学メンバー、仰天ですが。

ブラウ 『お祭りだよ、お祭り。本職なわけないだろう』
ゼル  『わしらも同じじゃ、要は祭りじゃ!』

ノリノリでなんぼ、と何処かで聞いたような思念を寄越す先生方。
祝詞が終わると雅楽が始まり、ジョミー君たちは田んぼへと。
苗を植えながら顔は上げられず、舞殿は全く見えませんが。

ブルー 「ふふ、人選に間違いなしってね」

巫女さんなキース君、檜扇を手に舞っております。
写真に収めるクルー多数で、お田植え祭は大成功です~!

2012/05/26 (Sat)

 

☆お田植え祭の後は


田植えと神楽舞が無事に終わって、生徒会長たちが祭壇に深々とお辞儀。
それでお開きかと思われましたが…。

ブルー 「さて、ここからが本番ってね」

こっちこっち、と生徒会長がキース君やジョミー君たちを呼び寄せて。
長老の先生方は広大な田んぼの方へと散ってゆきます。

ブルー 「田植えレースをやるんだよ。君たちはぼくのチームだよね?」
キース 「レースだと? 俺に何をしろと!」
ブルー 「君は景気づけに舞ってればいい。戦力はジョミーたちだから」
ジョミー「え?」
ブルー 「決まった範囲に如何に早く植え終わるかが田植えレースだ」
サム  「あー、先生たちが散ったのはソレかよ」
ブルー 「うん。田植え出来るのは田植え機に乗ったクルーだけでさ…」

いつの間にやら田んぼの脇に田植え機が。
クルーが二人ずつ乗っております。

ブルー 「田植え機の構造上、端の方は上手く植えられないから人力だ」
シロエ 「もしかして、そこをぼくたちが?」
ブルー 「察しがいいねえ、お田植え祭で苗を植えた人も田植えOK!」

例年、奪い合いになるそうですけど、今年はコネだ、と生徒会長。

ブルー 「せっかく知り合いが田植え係なんだ、絶好のチャンス!」
ブラウ 「こらぁっ、独占しないで寄越しな!」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ!」

田んぼの畦で先生方が叫んでいますが、生徒会長は何処吹く風で。

ブルー 「優勝チームには賞品が出るよ。分かれたら貰えないかもねえ」
ジョミー「そ、そっか…。負けたチームに所属してたらダメなんだ…」
ブルー 「どうする? ゼルたちにジャンケンで分けられる?」
ジョミー「コネでいい! ブルーのチームで優勝する!」
ブルー 「じゃあ、スタンバイして。植え方はクルーが教えてくれる」

生徒会長、いやソルジャー・チームの田んぼの脇に立つジョミー君たち。
キース君が応援団よろしく神楽舞とあって、雅楽会もやって来ました。
お田植え祭ならぬ田植えレースの栄冠は誰に輝くのか…?

2012/05/27 (Sun)

 

☆仁義なき田植えレース


お田植え祭の後は田植えレースだそうでございます。
ジョミー君たち、優勝を目指して生徒会長チームに所属いたしましたが。

キース 「例年やっているとか言ったな? GWに見た覚えが無いが」
ブルー 「スケジュールによって変わるからねえ、中継の年が多いかな」

生徒会長たちがシャングリラ号にいない時にはレースの模様は中継で。
お田植え祭での田植え要員を分けるジャンケンも、勿論、地球で。

ブルー 「やっぱりナマが最高だよね。コネもOK、応援係もいるし」
キース 「俺は本当に舞うしかないのか?」
ブルー 「そりゃもう。景気づけには舞が一番!」

頑張って畦で舞いたまえ、と生徒会長。
雅楽会員も敷物を敷いて楽器を構え、いざレース開始!

ブラウ 「ちょーっと汚ないんじゃないのかい? 田植え係を独占だよ」
ヒルマン「いやいや、勝負は分かりませんぞ」
エラ  「クルーは全員熟練ですしね。ジョミーたちは素人ですよ」
ゼル  「田植え機の性能の見せどころじゃ! 今年は自信作なんじゃ」
ブラウ 「あんた、またエンジンとかを改造したね…」

ゼル先生チームの田植え機、速いスピードで進んでおります。
猛スピードとまではいきませんけど、他チームをぐんぐん引き離し中。

ブルー 「うーん、苗の植え方が下手くそだったら反則負けなのに…」
スウェナ「田植え機の改造はアリなのね?」
ブルー 「残念ながらアリなんだ。これはマズイかも…」

負けるかもね、と生徒会長は腕組みをして苦い顔。
一方、畦で舞っているキース君は心に余裕が出て来たようで…。

キース 『おい、俺たちの敗色は濃いぞ』
田植男子『『『えっ?』』』
キース 『ゼル先生のチームが優勢だ。移籍しないか?』
ブルー 「ちょ、ちょっと! 移籍って何さ!」

思念波がダダ漏れレベルなだけに、移籍談義は筒抜けで。

ゼル  「おお、移籍とな! 大歓迎じゃ」

神主姿のゼル先生も大喜び。
ジョミー君たち、植える田んぼを引っ越しですよ~。

2012/05/28 (Mon)

 

☆裏切り者の勝利


生徒会長チームの旗色悪し、と見て取ったシャン学メンバー。
BGM担当の雅楽会員を引き連れ、ゼル先生チームに移籍でございます。

ゼル  「若いもんは見る目があるのう。頑張るんじゃぞ!」
田植男子「「「はーい!」」」

キース君も扇に鈴にと華麗に舞って士気を鼓舞。
乗り遅れたスウェナだけが生徒会長の隣に残っておりますが…。

ブルー 「どうせ負けだよ、負けるんだけどさ! 移籍だなんて…」
スウェナ「逆転勝ちは有り得ないの?」
ブルー 「無理だね、田植えレースはサイオン禁止!」

宇宙からの中継レースだとサイオンは届きませんし、純粋に田植え勝負。
しかし田植え機の改造はOK。

ブルー 「圧倒的にゼルが優位さ。ただ、たまにトラブることもあって」
ぶるぅ 「今年はダメっぽいね…」
ブルー 「田植え機で植えられない所はジョミーたちが頑張ってるし…」
ゼル  「わはははは! わしの勝ちじゃ、もうすぐゴールじゃ!」

パァーン! と空砲が響き、ゼル先生チームの田植え終了。
かなり遅れて2位に滑り込んだ生徒会長チームなども含め、係員たちが
苗の植え方をチェックしても結果は覆らなくて…。

ジョミー「やったね、ぼくたち優勝だよ!」
ゼル  「ようやった! 今夜はわしが奢ってやるぞ」
シロエ 「わあ、ありがとうございます!」
キース 「俺にも大いに感謝しろよ? 移籍を提案したんだからな」

ゼル先生や田植え機担当クルーと一緒に表彰されたジョミー君たち。
豪華賞品を受け取り、シャンパンシャワーで盛り上がっておりますが。

ブルー 「あれだけ目を掛けてあげたのに…。雅楽会も紹介したのに!」
スウェナ「喜ばれてなかったみたいだけれど…」
ブルー 「まあね。ぶるぅ、みんなの服だけどさ」
ぶるぅ 「シャンパンでビショ濡れだよ?」
ブルー 「着替えが済んだらクリーニングをしておいて」

裏切りの礼はキッチリ返させて貰う、と生徒会長。
明日は地球に帰還ですけど、ジョミー君たちを待つものは?

2012/05/29 (Tue)

 

☆宇宙からの帰還


シャングリラ号での最後の夜は田植えレースの優勝祝賀会。
ゼル先生の大盤振舞いで大満足のシャン学メンバー、意気揚々と部屋へ。
ぐっすり眠って翌朝は…。

ブルー 「やあ。昨夜はゆっくり眠れたかい?」
キース 「勿論だ。お蔭様で神楽舞も綺麗に忘れたぜ」
ブルー 「それは結構。帰りのシャトルは昼前に出すから」

昼食は早めにね、と生徒会長。
シャン学メンバー、お田植え祭は忘却の彼方で楽しく過ごして。

サム  「食った、食った。また来年まで食えねえしな」
ジョミー「宇宙で食事って気分いいもんね、衛星軌道上でもさ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ シャトル、準備出来たよ!」
ブルー 「ぼくも一緒に帰るんだ。特に用も無いし」

ソルジャーの正装も不要だったしね、と生徒会長はニッコリと。
皆でシャトルに乗り、無事に着陸。

ブルー 「お疲れ様。バスが来る前にお召し替えかな」
全員  「「「は?」」」
ぶるぅ 「かみお~ん♪」

パァァッと走る青いサイオン。
アッと言う間にキース君は巫女さん装束、男子一同は茜襷に菅の笠。

キース 「な、なんだこれは!」
ブルー 「田植えレースの恨みだよ。裏切り者には罰が必要」
ぶるぅ 「えっとね、シンデレラになってるから!」
ブルー 「午前0時まで絶対、脱げない。存分に家族に笑われたまえ」
男子全員「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「帰宅時間は延ばせないよ? 順番に家まで送るから」
シド  「おやおや、みんな大変身か。はい、バスに乗って」

お通夜のような顔の男子を乗せてマイクロバスは発進。
生徒会長、皆の家に出迎えに出るよう電話をしたので更に悲劇で。

ブルー 「スウェナ、写真はバッチリかい?」
スウェナ「撮ったけど…。これ、どうなるの?」
ぶるぅ 「月刊シャングリラに載せるんだって!」
ブルー 「お田植え祭を経て、家族と涙の再会だしねえ…」

愛と感動の物語、と笑い転げる生徒会長。
GWは仮装でフィナーレ、めでたし、めでたしでございます~!

2012/05/30 (Wed)

 

☆6月の最新号


さて、6月。
中間試験の結果発表も済み、なべてこの世は事もなし…でございますが。
放課後、いつもの溜まり場に向かったシャン学メンバーたちは。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
ブルー 「やあ。月刊シャングリラの最新号が届いているよ」
男子全員「「「!!!」」」
ブルー 「お田植え祭と田植えレースは勿論特集、後日談つき」
ジョミー「ご、後日談って…」
ブルー 「君たちと御家族の涙の再会! 泣き笑いかもしれないけどね」

はい、とテーブルに置かれた冊子に手を伸ばす者がいる筈も無く…。

キース 「俺たちの家にも送ったのか?」
ブルー 「それはもう! 記事になった人の家には送るのが基本」
キース 「す、すると今頃、おふくろと親父は…」
ブルー 「読んでるだろうねえ、君の活躍。神楽舞の写真は多いし」
キース 「巫女さん役としか言ってないのに、どうしてくれる!」
ブルー 「御本尊様の前で記念に舞えば? 衣装はあるだろ」
キース 「あんたに着せられたお蔭でな!」

巫女さん姿で元老寺に帰ったキース君、イライザさんに大ウケで。
午前0時にやっと脱げた衣装は大切に保管されているのだそうです。

ブルー 「舞うんだったら神楽鈴と檜扇を届けさせるよ」
キース 「要らん!」
ブルー 「そう言わずに…。雅楽会員も派遣しようか、支部の方から」
キース 「お断りだ!」
ブルー 「うーん、残念…。最近はお寺と神社のコラボもアリなのに」

最先端だよ、と例を挙げてゆく生徒会長。
有名な神社のお祭に法要がセットでつくとか、そういうのもアリで。

ブルー 「いいと思うんだけどなぁ、本堂で神楽舞っていうのも」
キース 「それが本物の巫女さんならな!」
シロエ 「住職の息子が女装で舞うのは変かもですねえ…」
ブルー 「お寺と檀家さんとの垣根が低くなりそうだけど?」

お寺ってヤツをもっと身近に、と生徒会長は申しております。
確かに観光寺院以外のお寺は身近なものとは言い難いですよねえ…。

2012/05/31 (Thu)

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☆シャングリラ発進?


ゴールデンウィークの後半は宇宙へ行こう、とシャングリラ号へ。
乗り込んだものの待てど暮らせど、発進を告げる艦内放送が流れません。

ジョミー「これってやっぱり変じゃない?」
キース 「いつもだったらとっくに発進している頃だな…」
サム  「って言うか、ワープしててもおかしくねえぜ?」
シロエ 「まさかエンジントラブルとか?」
マツカ 「整備は完璧じゃないかと思うんですけど…」
スウェナ「宇宙船でトラブルだなんて、ちょっと怖いわ」
キース 「その辺はきちんと対応出来るだろう。ワープする船だぞ?」
ジョミー「だよね、今の科学じゃ作れないっていう船だもんね!」

大丈夫だろう、とは思ったものの、一向に艦内放送は無く。
流石にこれは変ではないか、とブリッジへ行ってみることに。

シロエ 「えっと…。本当に出掛けて行ってもいいんでしょうか?」
キース 「待機していた方がいいならそういう指示があると思うが」
スウェナ「そうね、少なくとも私たちには何か言ってきそうよね」
ジョミー「ダメで元々、行ってみようよ」
サム  「おう! 追い返されたらその時だよな」

ブリッジへの通路で何人かのクルーとすれ違いましたが、制止も警告も
されなかったため、そのまま真っ直ぐ。
最後のドアをくぐったシャン学メンバー、ブリッジへ突入でございます。

ブルー 「やあ、来たね。ブリッジへようこそ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい! って、違った、間違い!」

ぼくのお部屋じゃなかったっけ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
なにやら平和な面子ですが。

キース 「あんた…じゃなかった、ソルジャーがなんでブリッジに?」
ブルー 「いちゃダメだとは言われてないけど?」
ジョミー「そんなことよりソルジャーの服は?」
ブルー 「ああ、アレ? 今回は面倒だからいいんだよ」

生徒会長、どう見ても私服でございます。
シャングリラ号ではソルジャーの正装の筈なのに、面倒ですって?
それは如何なものなのか…。

2012/05/01 (Tue)

 

☆宇宙への旅?


発進の艦内放送が流れないため、ブリッジに出掛けたシャン学メンバー。
そこには「そるじゃぁ・ぶるぅ」と私服の生徒会長が。

キース 「あんた、一応、ソルジャーだろうが!」
ブルー 「だからってソルジャーの正装をしろとは言われてないし!」
ゼル  「普段じゃったら正装の方がいいんじゃがのう…」
エラ  「今回は特にソルジャーの役目もありませんから」
生徒全員「「「えっ?」」」
シド  「だから言っただろう、今回は特別なんだって」

主任操舵士の制服を着たシド先生が舵の傍らで笑っております。

シド  「ソルジャー…いや、ブルーでいいのかな?」
ブルー 「ブルーで充分。何か用かい?」
シド  「ジョミーが舵を触ってみたいと言っててねえ」
ブルー 「なんだ、そんなことか。いいよね、ハーレイ?」
ハーレイ「ああ、別に問題は無いだろう。オートパイロットだしな」
キース 「オートパイロットって…。いつの間に発進したんですか?」
ハーレイ「お前たちを乗せた直後だが」
ジョミー「聞こえなかったよ、発進の合図! だから来たんだ」
シロエ 「そうなんです。何かトラブルでもあったんじゃあ…って」
ブラウ 「縁起でもないことを言ってくれるねえ…」
ゼル  「まったくじゃ。整備は常に万全じゃて」
キース 「で、ですが…」
ハーレイ「なんだ、発進の号令か? 発進という程のことでもないしな」
ブルー 「そう、スクリーンを見て分からない?」
生徒全員「「「えぇっ!?」」」

巨大スクリーンに映っているのは青い星。どう見ても地球でございます。
宇宙は? お馴染みの二十光年の彼方への旅は?

ブラウ 「ブルーから聞いてないのかい? これ以上遠くは行かないよ」
ゼル  「今回はメンテナンスがメインじゃからな」
ハーレイ「衛星軌道上を周回しながら各機関をチェックするのだが?」
生徒全員「「「嘘…」」」

いきなり派手に肩透かし。
宇宙の旅には違いないのですが、衛星軌道上ではちょっとガッカリ…。

2012/05/02 (Wed)

 

☆ブリッジで遊ぼう


シャングリラ号で宇宙の旅に出かけたつもりが、行き先は衛星軌道上で。
青い地球が見えるとはいえ、ガックリなシャン学メンバーです。

ブルー 「つまならいって言うならシャトルを出すけど?」
ゼル  「そうじゃな、すぐに地球に帰れるわい」
ブラウ 「何処も混んでると思うけどねえ? そっちの方が好みかい?」
ジョミー「え、えっと…」
サム  「帰ったって何も出来ねえぜ? ドリームワールドも行列だし」
シロエ 「ぼくたち、免許も持ってませんしね…」
キース 「車があっても大渋滞なのが常識だろうが、この時期は」
ブルー 「で、どうするわけ? 御滞在かな、それとも帰宅?」
マツカ 「ウチの別荘なら空いてますけど…」
キース 「今から移動も面倒だ。シャングリラ号で良しとしておこう」
ゼル  「良しとは何じゃ、良しというのは! わしらの船じゃぞ」

失礼な、とゼル先生は仰ってますが、怒ったわけでもないようで。

ゼル  「まあ、ゆっくりとしていくんじゃな」
ブルー 「それが一番! ブリッジ見学も大歓迎だよ」
エラ  「サイオンキャノンは許可できませんが…」
ハーレイ「舵を触るくらいはいいだろう。ジョミーがやるのか?」
サム  「あっ、俺も! 俺も触りたい!」
キース 「航行に支障が無いんだったら触りたいです」
シド  「よーし、それじゃ順番に並んで、並んで」
ぶるぅ 「ぼくもやりたい! えとえと、ちょっと高すぎるかな…」
シド  「ぶるぅは抱っこしてあげよう。握るだけだよ?」

というわけで、シャン学メンバー、ブリッジ体験でございます。
舵を握ってポーズを決めたり、計器類を覗かせてもらったり。
「シャングリラ、発進!」と景気良く叫ぶジョミー君とか。

ブルー 「良かったねえ、貴重な体験が出来て」
ブラウ 「メンテ中ならではのサービスなんだよ」
生徒全員「「「ありがとうございました!」」」

楽しかったね、とブリッジを後にするシャン学メンバー。
いい思い出になりそうですよね!

2012/05/03 (Thu)

 

☆暇つぶしはいかが?


衛星軌道上を周回中のシャングリラ号。
二十光年の彼方への旅は出来なくっても、楽しみは色々とありそうです。
ブリッジでクルー体験をさせて貰ったシャン学メンバーは大満足。

ジョミー「やっぱりブリッジはワクワクするよね」
シロエ 「あそこで指示を出すんですしね、心臓部みたいなものですよ」
サム  「ワープドライブの起動も見たかったよな」
キース 「今回はワープしないから通い詰めても無駄だと思うぞ」
マツカ 「メンテナンス中だそうですもんね」
スウェナ「ステルス・デバイスの再起動もするとか言ってたわよね」
キース 「ああ。宇宙クジラが目撃される時期かもしれないな」

ステルス・デバイスで姿を消しているシャングリラ号。
衛星からも捉えられないそうですけれど、目撃情報も少なくはなくて。

ジョミー「ステルス・デバイスを使ってなければ見えるんだよね?」
シロエ 「そうらしいですね、ぼくたちにはいつも見えてますけど…」
スウェナ「それはサイオンがあるからでしょ?」
サム  「だよな、前にブルーが言ってたもんな」

居住区の共有スペースで寛いでいるシャン学メンバー。
専用に貸して貰った部屋だけあって、お菓子や飲み物も揃っています。
宇宙クジラことシャングリラ号について話していると…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪」
ブルー 「やあ、賑やかにやってるね。今は暇かな?」
キース 「見ての通りだ。暇でなければ何だと言うんだ?」
ブルー 「それは良かった。ちょっと一緒に来てくれるかな」
ジョミー「何処へ?」
ブルー 「農業専用スペースだけど」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「とにかく来れば分かるって! 暇なんだろう」
キース 「おいおい、宇宙まで来て農業をやれと?」
ブルー 「どうだろう? 農業と言えば農業みたいなものだけど…」

とにかく来てよ、と生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
何故に農業専用スペース?
草むしり部隊に駆り出されるとか、そういうオチではないでしょうね?

2012/05/04 (Fri)

 

☆宇宙の農作業


シャングリラ号の定位置は地球から二十光年も離れた所。
クルーの交替などで戻った時には物資の補給をしますけれども、基本は
自給自足です。それで農業専用スペースなんかも必要になるわけでして。

ブルー 「さてと、この通路は覚えてる?」
キース 「船内見学をした時に来たな。それっきり二度と来てないが」
ブルー 「まあそうだろうね、お客様には用の無い場所だし」
ぶるぅ 「お料理するなら、とっても楽しい場所なんだけど…」
ブルー 「野菜は新鮮、卵も産みたて。ぶるぅには魅力の空間だよね」

なにしろ本物の農場だから、と生徒会長。
牛や鶏も飼育している広大なスペースでございます。
専用の扉をくぐって入れば、宇宙船の中とは思えない規模の畑があって。

キース 「俺たちに畑仕事を手伝えと?」
シロエ 「もしかしてジャガイモ掘りですか?」
ブルー 「そっちじゃなくって、こっちだよ。まだ準備中」

連れて行かれた先に広がっていたのは掘り返された土。
水路からチョロチョロと水が絶え間なく流れ込んでおりますが…。

ジョミー「えっと、これって…」
キース 「どう見ても田んぼというヤツだな」
シロエ 「準備中だって言いましたよね? 耕すんですか?」
ブルー 「もう耕してあるだろう? 次は田植えだよ」
全員  「「「田植え!?」」」
ブルー 「そう、田植え。シャングリラ号では田植えはお祭り」
サム  「お、お祭りって…。御神輿とかが出るのかよ?」
ブルー 「残念だけど、そういうヤツではないんだな」

どちらかと言えばイベントかも、と生徒会長は笑っております。
お祭りとイベントの違いは何処に?

ブルー 「手っ取り早く言えば見世物なんだよ」
キース 「見世物だと?」
ブルー 「宇宙じゃ季節感にも欠けるし、田植えは派手にやらないと」
キース 「どうやれば田植えが派手になるんだ!」

どうせ機械で植えるんだろうが、とキース君。
これだけ広い田んぼですから、機械を使わなきゃ無理ですよねえ?

2012/05/05 (Sat)

 

☆お祭りな田植え


農業用スペースに連れて来られたシャン学メンバー。
田植えを控えた田んぼを前に、生徒会長はお祭りだとか申しております。
正確に言えば見世物らしく、派手な田植えがどうこうと…。

シロエ 「まさか田植え機に幟を飾るんじゃないでしょうね?」
キース 「大漁旗の真似か?」
ジョミー「幟は幟でも鯉のぼりとか…」
サム  「ああ、それだったら派手そうだよな! 鎧兜で運転するとか」
スウェナ「確かにお祭りで見世物よね。でも…」
マツカ 「ぼくたちは何をするんですか? 手伝うんですよね?」
キース 「田植え機に運転免許は必要ないんじゃなかったか?」
シロエ 「そうです、そうです。公道を走らないなら要らない筈です」
キース 「だったら田植えで決まりだな。幟を飾ってコスプレか…」

鎧兜で晒し者か、とキース君は深い溜息ですが。

ブルー 「いい線だけど、ちょっと違うね」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「田植えとコスプレは正解なんだよ、違うのは幟」
キース 「それじゃ似たようなものだろうが!」
ブルー 「田植え機に乗れとは言っていないよ。お田植え祭さ」
全員  「「「お田植え祭?」」」
ブルー 「知らないかなぁ、あちこちの神社でやるんだけれど」

シャングリラ号は神社じゃないからイベントなんだ、と生徒会長。
なにやら雲行きが怪しくなってきたような…。

キース 「お田植え祭なら知っているが…」
ブルー 「それは嬉しいね。なにしろ君が有望株だし」
キース 「どういう意味だ?」
ブルー 「神楽舞だよ、他のみんなが田植え係で」
キース 「なんだって!?」
ジョミー「た、田植え係って…コスプレで田植え?」
ブルー 「そういうこと。揃いの女装で手で植えるのさ、丁寧にね」

茜襷に菅の笠、と生徒会長は御機嫌でございます。
田植え機どころか田んぼに入って苗を植えるのが仕事、それも女装で。
ジョミー君たちも大概ですけど、キース君は?
神楽舞だとか聞こえましたが、ロクな話ではなさそうな…。

2012/05/06 (Sun)

 

☆お田植えと女装


生徒会長が言い出したイベントというのは『お田植え祭』。
神様にお供えするお米専用の神田がある神社なんかで、よくありますが。

キース 「どうして俺だけ神楽舞なんだ、田植えじゃなくて!」
ブルー 「え、だって。シャングリラ号では派手にやるからだよ」

なんと言ってもお祭りだしね、と生徒会長。
例年はクルーだけで行うらしいのですけど、今年は趣向を変えたとか。

ブルー 「せっかくゲストが乗ってるんだし、たまには違うメンバーで」
キース 「だからだな、なんで田植えで神楽舞になる!?」
ブルー 「そういう神社もあるんだけれど? 田植えの前に神楽舞!」

神楽舞が田植え開始の合図だそうでございます。
シャングリラ号では巫女さん役の女性クルーが舞うそうですが。

キース 「お、おい…。今、巫女さんと聞こえたが?」
ブルー 「巫女さんでなきゃ何だと言うのさ」
キース 「神楽舞は男もやるだろうが!」
ブルー 「残念でした。シャングリラ号のお田植え祭では巫女さんだよ」
キース 「み、巫女さん…」

愕然とするキース君。
どうやら女装をさせられるのは田植え係だけではないようで。

ジョミー「そっか、キースも女装なんだね。ぼくたちだけじゃなくて」
シロエ 「キース先輩の方が悲惨ですってば、巫女さんですよ」
サム  「だよな、俺たちは絣の着物に赤い襷ってだけだもんなあ」
マツカ 「それに一人じゃないですもんね」
スウェナ「私はどっちになるのかしら? 巫女さんの方?」
ブルー 「スウェナは見物してればいいよ。今年は女装祭りにするから」
キース 「女装祭りだと!?」

ブチ切れそうなキース君ですが、生徒会長は涼しい顔。

ブルー 「女装のお祭りも世間にはある。女物の着物で花笠とかさ」
ジョミー「なにそれ…」
ブルー 「男が花笠を被って踊るんだってば、由緒正しい伝統の神事」

それに比べればイベントくらい、と言われましても。
立派な神事だという花笠踊りを例に出されては、逃亡不可能?

2012/05/07 (Mon)

 

☆巫女さんと坊主


お田植え祭をやれと言われたシャン学メンバー。
よりにもよって女装祭りで、茜襷に菅の笠で田植えだそうでございます。
しかし、そんなものは序の口で。

キース 「俺だけ巫女さん役とはなんだ! 誰でもいいだろうが!」
ブルー 「言った筈だよ、君が有望株だって」
キース 「俺は坊主で神職じゃない! 巫女さんといえば神職だ!」
ジョミー「巫女さんってさぁ、バイトがメインだと思うけど?」
キース 「それは初詣の巫女さんだ! ちゃんと本職の人もいる!」
ブルー 「その本職に負けない巫女さんが欲しいんだよ、ぼくは」

神楽舞を舞うんだから、と生徒会長。
確かにバイトの巫女さんに神楽舞は無理がありますが…。

キース 「本職に負けない巫女さんだと? 正気か、あんたは」
ブルー 「至って正気で、真面目に本気。君を見込んでいるんだけどな」
シロエ 「でもキース先輩はお坊さんですよ。まず髪の毛が問題です」
サム  「あー、巫女さんって髪が長いのがデフォだよなあ」
スウェナ「つけ毛の人も多いわよ? バイトの人は」
ジョミー「それでも長く見えるようにしてるよねえ…」
マツカ 「極端に短い人っていうのは見かけませんよね」

お坊さんとは違うんじゃないの、と誰もが首を傾げております。
正真正銘の本職の坊主、キース君に巫女さんの素質は無いのでは…。

キース 「見ろ、ジョミーたちも違うと言ってるぞ」
ジョミー「あ、それと巫女さん役とは別だからね!」
サム  「そうそう、俺たちは引き受ける気は全くねえから」
ブルー 「焦らなくても大丈夫だよ。最初から期待はしていない」
スウェナ「そうなの?」
ブルー 「キースにしか出来ないと思うんだよね、神楽舞は」
キース 「俺は舞など舞ったことはない!」
ブルー 「舞の経験は無いだろうけど、基礎はバッチリある筈だよ」
キース 「どんな基礎だ、どんな!」
ブルー 「散華」
全員  「「「さんげ?」」」

ニッコリ笑う生徒会長。
基礎バッチリの散華って、なに?

2012/05/08 (Tue)

 

☆舞と散華と神楽舞


キース君に振られた役目は神楽舞な上に巫女さんで。
おまけに生徒会長曰く、舞は舞えなくても基礎はバッチリある筈だとか。
その根拠として散華などと申しておりますが…。

キース 「馬鹿野郎、散華の何処が基礎になるんだ!」
ブルー 「立派に基礎だと思うけどねえ?」
ジョミー「散華って、何さ?」
ブルー 「お寺の法要で撒く花びらだよ、紙で作ってあるんだけれど」
サム  「あー…。ひょっとしてアレかな、朝のお勤めで唱えてるヤツ」
ブルー 「そうそう。あのお経に合わせて撒くというのがお約束さ」

綺麗なんだよ、と生徒会長。
花びらの形に切っただけの散華もあるそうですが、模様入りなども。

シロエ 「それが神楽舞と何か関係あるんですか?」
ブルー 「直接は関係ないんだけどね、散華の作法はうるさいんだな」
ジョミー「厳しいわけ?」
ブルー 「まあね。お寺の儀式ってヤツは足の運びまで決まってるけど」

どちらの足から先に出るとか、畳を何歩で横切るだとか。
お寺の儀式は細かい作法に縛られまくっているそうですけど…。

ブルー 「足運びはまだマシなんだよ。ドジを踏んでもそう響かない」
キース 「そうでもないぞ。親父に何回怒鳴られたことか…」
ブルー 「アドス和尚の方針はともかく、見た目にバレなきゃ無問題」
サム  「なるほどなぁ…。右か左かなんて見てねえもんな」
ブルー 「一般人だと余計にね。そもそも作法を知らないからさ」

ところが散華はそうはいかない、と生徒会長はニッコリと。

ブルー 「紙の花びらが舞うんだよ? 素人さんでも注目するさ」
スウェナ「そうね、私も見てみたいもの」
ブルー 「そうだろう? だから優雅な動きをしないとダメってわけ」
シロエ 「ああ、それで舞の基礎だというわけですか」
ブルー 「ご名答。法衣の袖から腕が出すぎただけでもアウト」

とにかく美しい所作が大切、と生徒会長は力説しております。
確かに舞との共通点はありそうですけど、キース君の運命や如何に?

2012/05/09 (Wed)

 

☆お田植え祭に向けて


神楽舞も散華も似たようなものだ、と言われてしまったキース君。
反論しようとしたのですけど、田んぼの脇で言い争いは不毛なもので…。

ブルー 「そろそろ河岸を変えようか。打ち合わせには不向きだし」
シロエ 「どう転んでも田植えでしょう? それと神楽舞」
ブルー 「お田植え祭の準備が始まるんだよ、邪魔したら悪い」
サム  「田んぼなら此処にあるじゃねえかよ」
ブルー 「まさか全部を手で植えるって? 専用のヤツを用意するのさ」

その辺の空きスペースに、と言われてみれば未使用の場所が。
区画を示すためなのでしょう、テープで仕切りがされております。

ブルー 「小さめの田んぼを作って、そこの隣で神楽舞を…ね」
シロエ 「それでお祭りなんですか…」
ブルー 「クルーも見物しに来るんだから賑やかになるよ」

楽しみだよね、と農業専用スペースを出てゆく生徒会長。
お田植え祭をやらされる方のシャン学メンバーも続いてトボトボと。
居住区の共有スペースに戻った所で生徒会長がニッコリ笑って…。

ブルー 「田植えの方は簡単なんだ。こう苗を持って植えるだけさ」
ジョミー「だけど田んぼに入るんだよね?」
ブルー 「まあ、泥がつくのは仕方ないよね。そういうものだし」
シロエ 「約束事は無いんですね? 歌を歌えとか、そういうのは」
ブルー 「田植え歌の代わりに神楽舞だよ。キースの見せ場だ」
キース 「俺には無理だと言ってるだろうが、舞なんて!」
ブルー 「そうかなぁ? みんなの意見も聞いてみようよ」
ジョミー「ぼくはキースに一票でいいよ」
サム  「俺も、俺も!」
ブルー 「そんなのじゃなくて、舞の腕前」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「優雅な動きが出来るかどうか、そこを見るのも一興かと」
キース 「あんた、どうしろと言うんだ、俺に!」
ブルー 「エア散華」
全員  「「「エア散華?」」」

散華ならまだ分かりますけど、エア散華とは何でしょう?
聞き間違いか、はたまた空耳アワー?

2012/05/10 (Thu)

 

☆エア散華って?


お田植え祭でキース君に神楽舞を舞わせようという生徒会長。
舞の腕前を皆で確認するのも一興、と提案してきたのがエア散華とやら。

キース 「すまん、あんた今、なんと言った?」
ブルー 「エア散華だけど」
キース 「何なんだ、それは! 俺はそんなものは知らないぞ!」
ブルー 「そうかなぁ? 若くないねえ、エアと言ったらエアだろうに」
キース 「だから何だと聞いている!」
ブルー 「エアバンドとか、エアギターとか…。知らないわけ?」
キース 「………。ま、まさか…」
ブルー 「やっと分かった? エア散華の意味」
キース 「なんで散華がエアになるんだ!」
ブルー 「散華じゃピントがズレるからだよ、散華の方に目が行くから」

エアと言ったらエアなんだ、と生徒会長は主張しております。
早い話が散華に使う紙の花びらは抜きで散華をやれということで…。

ブルー 「簡単なことだろ、散華を作る手間も省けて楽勝だ」
キース 「あんた、本気で言ってるのか? 仏様に失礼だろうが!」
ブルー 「坊主の言葉とも思えないねえ、お経自体は普段のヤツだよ」
サム  「だよなぁ、俺も朝のお勤めで読むもんな」

読経するだけで散華は無いぜ、とサム君も生徒会長の肩を持ち。

キース 「くっそぉ、なんでこういうことになる…」
ブルー 「君がどれだけ優雅に舞えるか、それを確かめなくっちゃね」

よく見るように、と言われたシャン学メンバー、興味津々。
キース君は左手にお盆を乗せたようなポーズでスタンバイ中。

ブルー 「じゃあ、ぼくが唱えるから頑張って」
サム  「俺は?」
ブルー 「キースを見るのが最優先だよ。ぼくだけでいい」

せーの、と掛け声をかけた生徒会長、朗々と読経を始めました。
それに合わせてキース君が滑るように歩き始めて…。

ブルー 「じーとうちょーう、さんかーらーく…」

キース君の右手が見えないお盆から何かを摘み上げ、ゆったりと上へ。
その所作はまさに舞そのもの。
これが噂のエア散華?

2012/05/11 (Fri)

 

☆エア散華と白拍子


生徒会長の提案、エア散華。
花びらを撒くふりをしながら歩くキース君、なかなか見事でございます。
「さんかーらーく」と生徒会長が唱える度に右手を優雅な仕草で上へと。

ジョミー「へえ…。なんかけっこうサマになってる」
マツカ 「凄いですねえ、ホントに舞ってるみたいですよ」
サム  「おっと、そろそろフィナーレだぜ」
ブルー 「しょーたーいほーさー、じーとうちょーう、さんかーらーく」

ゆっくりと右手を下ろし、エア散華を終えたキース君に全員、拍手喝采。
生徒会長も満足そうです。

シロエ 「凄かったですよ、キース先輩!」
キース 「そうか? どうも俺にはエアというのは…」
スウェナ「ああいう舞ってテレビで見たわよ、大河ドラマで」
サム  「俺も見た、見た! 歴史の勉強になるから見ろって言われて」
ジョミー「白拍子だっけ? 巫女さんみたいな格好のヤツ」
キース 「おい、お前ら…」

不吉な単語を口にするな、と顔を顰めたキース君ですが。

ブルー 「みんな、いい所を見ているね。白拍子のルーツは巫女舞だよ」
マツカ 「そうなんですか?」
ブルー 「白拍子を連想出来たってことはキースの舞の基礎はバッチリ」
キース 「散華と白拍子を一緒にする気か、罰当たりな!」
ブルー 「所詮エアだし、いいじゃないか。神楽舞をよろしく頼むよ」
キース 「く、くっそぉ…」

見事な舞だと評価されただけに、キース君に逃げ場はございません。
今はこれまでか、と思われましたが。

キース 「じゃあ、そう言うあんたはどうなんだ!」
ブルー 「えっ?」
キース 「俺より年季が入ってる分、更に優雅に舞える筈だよな?」
ブルー 「そりゃまあ…。で、ぼくの年季がどうしたって?」
キース 「俺を見世物にしやがって! あんたもやれ!」
ブルー 「エア散華は趣味じゃないんだよねえ…」

どうせならもっと本格的に、と生徒会長は何やら考え込んでおります。
エア散華ならぬ本物の散華が始まりそうな雰囲気ですよ~!

2012/05/12 (Sat)

 

☆エアより本格派


見事な舞ならぬエア散華を披露したばかりに逃げ場を失ったキース君。
死なばもろとも、と生徒会長にもエア散華をやらせようとしております。
しかし…。

ブルー 「やっぱりダメだね、エアは所詮はエアだから」
キース 「あんた、俺にはやらせただろうが!」
ブルー 「そりゃね、みんなの評価を得るにはアレしか無いしさ」
キース 「だったらあんたはどうなんだ! あんたの評価は!」

やらなかったら俺以下という評価になるが、とキース君は勝ち誇った顔。
緋色の衣が自慢の高僧、銀青様がキース君より下というのも…。

サム  「キース、位で勝てないからって決め付けるなよ!」
キース 「そうでもないぞ? 法式ってのはな、けっこう素質も問題で」
シロエ 「下っ端の方が上手いってこともあるんですか?」
キース 「絶対無いとは言い切れないのが坊主の世界だ」
ブルー 「どうしても持って生まれた資質というのがあるからねえ…」
キース 「潔く負けを認めたか。散華に関しては俺の勝ちだな」
ブルー 「ちょっと待った。それを言うならエア散華!」
キース 「は?」
ブルー 「エア散華は披露しないから負けでもいい。でもさ…」

本格的なヤツなら負けない、と生徒会長が向かった先は奥の小部屋。
ということは、間もなく緋色の衣の銀青様が戻ってきて散華を…。

キース 「俺にはエアで自分は本物をやるとは卑怯な…」
サム  「お前が勝負を挑まなかったら何も起こらなかったんだぜ?」
ジョミー「だよねえ、卑怯とか以前の話だもんね」
スウェナ「キースの舞の腕前を確認するのが目的だったものね」
シロエ 「会長の散華ってどんなのでしょうね、本格派でしょう?」
マツカ 「きっと散華も自分で作るんですよね」
サム  「そうだと思うぜ、ぶるぅは残っているんだし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ブルーは準備中!」

もうちょっと待ってね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
伝説の高僧、銀青様が散華となれば、ものすご~く有難い光景かも…?

2012/05/13 (Sun)

 

☆エア散華を超えろ

 
エア散華は負けを認めてもいいが、本格派なら負けないという生徒会長。
準備のために奥へと引っ込み、やがて戻って参りましたが。

ブルー 「はい、お待たせ」
キース 「な、な、な…」

ポカンとしているシャン学メンバーと言葉も出ないキース君。
生徒会長が纏っているのは御自慢の緋色の法衣ではなく、紅色の長袴。
白の小袖に紅の単、白の水干、立烏帽子を被って腰には白鞘巻の刀が…。
何処から見ても白拍子というヤツでございます。

ブルー 「それじゃ遠慮なくやらせてもらうよ」

誰もが呆然とする中、生徒会長は金色の扇を右手に持って。

ブルー 「こーがーねーのー、なかやまにー…」
全員  「「「………」」」

甘い美声で歌い上げつつ生徒会長は舞っております。
キース君のエア散華どころではない本格派。歌詞の方も「黄金の中山に
鶴と亀とは物語り、仙人童の密かに立ち聞けば殿は受領になり給ふ」と
誠に目出度く、舞い終えた途端に拍手、拍手のシャン学メンバー。

サム  「すげえや、ブルー! 綺麗だったぜ!」
ジョミー「ブルー、舞なんか出来たんだ…」
ブルー 「まあね。宴会芸にはもってこいだろ? 衣装も華やか」
キース 「やかましい! 俺は認めんぞ、散華とはモノが違いすぎる!」
ブルー 「おや、そうかい?」
キース 「散華は仏様を讃えるものだ。白拍子とは繋がらん!」
ブルー 「そう来たか…。じゃあ、改めて」

生徒会長、閉じていた扇を広げて徐に。

ブルー 「るーりーのー、じょーどーは…」
全員  「「「???」」」

再び舞いながら生徒会長が歌い上げた歌詞は「瑠璃の浄土は潔し、月の
光はさやかにて、像法転ずる末の世に遍く照らせば底もなし」。
思い切り仏法ド真ん中という見事なヤツで。

ブルー 「どうかな? 仏様を讃えてみたんだけど」
キース 「く、くっそぉ…」

生徒会長が歌ったのは今様、どちらも古い歴史のある歌だとか。
白拍子舞で仏法を説かれてしまったキース君の明日はどっちだ?
 
2012/05/14 (Mon)

 

☆その道のプロたち


生徒会長の散華の腕前を見下そうとしたキース君。
しかしエアでは負けても本格派なら勝つ、と白拍子舞を舞われてしまい。
更に仏様を讃える今様までもが披露されて…。

ブルー 「で、どうなのかな? ぼくの腕前とかいうヤツは?」
キース 「うう…。散華はどうなんだ、散華の方は!」
ブルー 「舞が舞えるのに散華が下手っていうのは有り得るのかい?」
ジョミー「ブルーの方が上じゃないかと思うけどなぁ…」
サム  「上に決まっているじゃねえかよ、舞えるんだぜ?」
シロエ 「キース先輩、舞は習ってない筈ですしね」
ブルー 「みんなの意見はこうだけど? キース、君の意見は?」
キース 「畜生、負けだ、負けは認める! しかしだな…」
ブルー 「神楽舞の件なら決定済みだよ、逃げようなんて認めないしね」

ぼくが舞った以上は舞ってもらう、とニヤリと笑う生徒会長。

ブルー 「白拍子だって女装なんだ。君も巫女さんをやってもらうよ」
キース 「だ、だが、俺は舞などやったことは…!」
ブルー 「もちろん特訓あるのみさ。じゃ、そういうことで」

生徒会長、なにやら通信をしているようでございます。
準備オッケーだとか、もう来ていいとか、誰を呼ぼうというのやら。
シャン学メンバーも首を傾げつつ、お茶など飲みながら待っていると。

??? 「どうも、お待たせいたしました」

ゾロゾロと部屋に入って来たのは着物姿の男性の集団。
いや、頭には烏帽子で揃いの直垂、笙や篳篥なんぞを手にしております。
彼らの後ろには巫女さん姿の女性が一人。

男性一同「「「はじめまして、シャングリラ雅楽会でございます」」」
巫女さん「お田植え祭の神楽舞の指導に参りました」
キース 「しゃ、シャングリラ雅楽会…」
ブルー 「ね、お祭りだと言っただろう? 派手にやらなきゃ」
ぶるぅ 「ブルー、お祭り大好きだもんね!」

ズラリ揃った神楽舞の指導要員たち。
シャングリラ雅楽会だとか名乗ってますけど、キース君の運命は…?

2012/05/15 (Tue)

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☆酒と未成年と特別生


ゼル先生の特製お花見弁当は二段重ね。
他にも巻き寿司が盛られた大きなお皿や、豪華料理の重箱がございます。

ゼル  「遠慮しておらんでどんどん食え! 会費制じゃでな」
ヒルマン「そうだよ、飲めない分は食べたまえ」
ジョミー「ありがとうございます! 美味しいでーす!」
キース 「良かったな、ジョミー。とりあえず酒は禁止のようだぞ」
ブラウ 「ん? あたしたちは飲んでるけどねえ、あんたも飲むかい?」
ヒルマン「…まだ早いんじゃないのかね。君たちは確か…」
キース 「今度、特別生の四年目になりました」
ヒルマン「ふむ。四年目といえば…」
エラ  「大学で言えば二年目ですわ。微妙な年です」
ブラウ 「早けりゃ二十歳で遅けりゃ十九、と…」
エラ  「飲ませないのが一番です!」
ヒルマン「そうだね、教師の目の前で飲酒というのも…。おや?」

どうしたんだね、と教頭先生を見るヒルマン先生。
教頭先生、なにやら後ろ暗そうな顔をしておられます。

ブラウ 「ちょっと、ハーレイ! あんた、雛祭りの宴会とかで…」
エラ  「この子たちに飲ませたのではないでしょうね?」
ハーレイ「い、いや…。わ、私は飲んだが、その子たちは…」
ブルー 「ジョミーがしっかり出来上がってたよ?」
ゼル  「な、なんと! 監督不行き届きじゃぞ、ハーレイ!」
ハーレイ「し、知らなかったのだ、そっちの方は!」
エラ  「知らないでは済ませられません。飲酒ですよ?」
ブルー 「まあまあ、あれは一種の事故だしね」
長老一同「「「事故?」」」
ブルー 「白酒はお酒だというのをジョミーは知らなかったんだ」
エラ  「ならば何故あなたが止めなかったのです?」
ブルー 「面白いから」
長老一同「「「面白い?」」」
ブルー 「うん。ジョミーが酔うと凄いんだよ」
ジョミー「わーーーっ!!! その先、禁止!!!」

顔面蒼白で両手を振り回すジョミー君。
酔っ払うと坊主宣言な事実がバレたら、此処でも飲まされてしまうとか?
 
2012/04/16 (Mon)

 

☆バラされた酒癖


ジョミー君が酔っ払うと凄い件について喋り出しそうな生徒会長。
必死に止めようとするジョミー君ですが、長老の先生方は既に興味津々。

ブラウ 「こうなってくると聞きたくなるねえ。…どうなるんだい?」
ブルー 「百聞は一見に如かずなんだけど、やっぱりダメかな?」
エラ  「いけません! 宴たけなわになったら知りませんけど」
ジョミー「ちょ、ちょっと…。それって…」
ゼル  「盛り上がってきたら飲んでも止めん、という意味じゃな」
ヒルマン「特別生は元々規格外れだからね、飲酒も問題ないのだよ」
エラ  「一応、二十歳になるまで禁止としてはありますが…」
ブラウ 「キースみたいに大学に行かれちゃったら意味が無いしね」
ゼル  「そういうことじゃ。しかしハーレイの監督責任は…」
ブラウ 「その話よりジョミーだよ。酔っ払うとどう凄いって?」
ブルー 「決意表明を始めちゃうのさ」
長老一同「「「決意表明?」」」
ブルー 「えっと、ハーレイは聞いて…。あ、聞いてないのか」
ゼル  「なんじゃ、ハーレイも潰れたのか? 情けないのう」
ハーレイ「あ、いや……そのぅ…」

まさかソルジャーと手に手を取ってお出掛けしたとは言えません。
教頭先生、脂汗を浮かべておいでですけど、矛先はアッサリ逸れまして。

ゼル  「で、ジョミーは何をやらかすんじゃ」
ジョミー「し、知らなくていいです!」
ブラウ 「可愛いねえ…。必死になるというのがまだまだ子供だ」
ブルー 「そうだろう? その可愛い子供が坊主宣言!」
長老一同「「「坊主宣言!?」」」
ジョミー「あ~…」
ブルー 「緋色の衣の高僧目指して頑張るぞー! と連呼するわけ」
ゼル  「そりゃいいのう。機会があったら是非見たいわい」
エラ  「だからと言って飲酒は勧められません!」
ブラウ 「その辺は流れに期待ってね」

とりあえず私たちは飲もうじゃないか、と乾杯している先生方。
先生方がいい感じに酔っ払ったらジョミー君の危機、再びなのか…?

2012/04/17 (Tue)

 

☆酒宴には座興


酔っ払うと坊主宣言をする、とバラされてしまったジョミー君。
長老の先生方も見てみたいようですが、未成年に飲酒は勧められません。

ブラウ 「うーん、もうちょっと座が弾けないとねえ…」
ゼル  「坊主宣言は見たいんじゃがな、エラが正気の間はのう…」
エラ  「なんですか、それは! 私にも遊び心はあります」
ヒルマン「では、ジョミー君に飲んでもらうかね?」
ジョミー「え? ええっ?」
エラ  「飲酒の強要は良くありません。本人の意思を尊重しましょう」
ブラウ 「ふむふむ、本人の意思と来たか。あとひと押しかな?」
ゼル  「そうじゃな、時間の問題じゃろう。それまで何か…」
ブルー 「何か座興が欲しいって?」
ブラウ 「ハーレイ、あんた黙ってばかりだけどさ。芸は無いのかい?」
ハーレイ「わ、私は特にコレというのは…」
ブルー 「オススメなのはセクハラなんだよ」
長老一同「「「セクハラ?」」」
ブルー 「うん。ほら、ぼくをお嫁に欲しいというのが口癖だろう?」
ゼル  「それとセクハラがどう繋がるんじゃ?」
ブルー 「この宴会でぼくにセクハラ出来たら根性だけは認めようかと」
ブラウ 「へえ…。なるほど、そりゃいいや」

やってみなよ、とブラウ先生は楽しそうです。
他の先生方もお酒の勢いで気分が大きくなっているらしく。

ゼル  「ほれほれ、ハーレイ、やってみんかい! それも芸じゃ」
ヒルマン「酒の席での行為だからね。校長先生に報告はせんよ」
エラ  「ブルーが承知しているのですし、ここは大目に見ましょうか」
ブラウ 「ハーレイ、あんたも男だろ! ドンと一発!」
ブルー 「どうぞ、ハーレイ。ぼくはセクハラ大いに歓迎」
ハーレイ「し、しかし…」
ゼル  「煮え切らんヤツじゃな、ブルーがいいと言っとるじゃろう!」

当たって砕けろ、と囃し始める先生方。
教頭先生は逃げ腰ですけど、逃亡出来るわけがございません。
衆人環視の中で生徒会長相手にセクハラ。それが出来たらヘタレ脱却…?

2012/04/18 (Wed)

 

☆座興はセクハラ


ほろ酔い気分で夜桜の下、宴は盛り上がってきております。
まずは座興を、と指名されたのは教頭先生。
生徒会長にセクハラするのが座興だそうですが、注目の的というヤツで。

ブルー 「えっと、ハーレイ…。まだかな、セクハラ?」
ハーレイ「そ、そのぅ…。わ、私にそういう趣味はだな…」
ブラウ 「おや、無いとでも言うのかい? ブルーを嫁に貰うんだろ?」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! セクハラも出来んでどうするんじゃ」

そんなことでは夜が保たんぞ、とゼル先生は説教モード。

ゼル  「いいか、掴みが肝心なんじゃ。男なら攻めていかんかい!」
ブルー 「だよねえ、ぼくもゼルに賛成。結婚生活は熱くないとね」
ゼル  「ほれ、ブルーも同じ意見じゃぞ? セクハラも愛じゃ」
ブラウ 「好きだからこそ触りたい…ってね。頑張ってみなよ」
ハーレイ「だ、だが…。ブルーには嫁に来る気は無いのだし…」
ゼル  「その気になるかもしれんじゃろうが、セクハラで!」
ハーレイ「き、嫌われてしまうのがオチかと…」
ゼル  「嫌よ嫌よも好きの内、という有名な言葉を知らんのか!」
ヒルマン「本人がいいと言っているのだよ? いい機会だと思うがねえ」
ブラウ 「あんたの魅力を分からせてやりな、ブルーの身体に」
エラ  「結婚生活には身体の相性も大切ですよ? ここはお試しで」
ブルー 「うーん、そこまでは無理じゃないかと…。ハーレイだし」
ゼル  「いやいや、気分が乗ったら抜けるのもアリじゃ」
ブラウ 「そうそう、後は二人でしっぽりと! …ん?」

教頭先生、鼻を押さえておられます。
刺激的な話を聞かされる内に鼻血の危機に見舞われたらしく。

ブラウ 「情けないねえ、もう鼻血かい?」
ハーレイ「…い、いや…」
ブルー 「セクハラどころか鼻血ときたよ。…究極のヘタレ」
ゼル  「男のクズじゃのう…」

これでは結婚出来んわい、と溜息をつくゼル先生。
教頭先生は生徒会長に触れられもせずに鼻血の海に沈むのか…?

2012/04/19 (Thu)

 

☆セクハラは何処へ?


生徒会長にセクハラどころか鼻血の危機な教頭先生。
具体的な話は出てもいないのに、結婚生活を夢見ただけでアウトらしく。

ブラウ 「やれやれ、セクハラ以前の問題だね、これは」
ヒルマン「残念ながら結婚するのは難しいかと私も思うよ」
ブルー 「そうだよ、こんな調子じゃ欲求不満になっちゃうよ、ぼくが」
ハーレイ「よ、欲求不満…」

教頭先生、ツツーッと鼻血が垂れております。
もう充分に座興ですけど、笑うだけでは収まらないのが酔っ払い。

ゼル  「いかん、いかん、鼻血も欲求不満もいかん!」
ブラウ 「惚れて見ているだけとはねえ…。ホントに呆れた男だよ」
エラ  「花というのは世話をしないとダメなのですよ?」
ヒルマン「うむ。愛でるだけでなく愛情を注いでやらないと」

この桜だって花が咲くまでには色々と…、とヒルマン先生。
更に篝火で照らすからこそ夜桜が殊に美しいのだ、と説いておられます。

ヒルマン「だからだね、ブルーに惚れた気持ちを形にしないと」
ゼル  「いいか、行動が大切なんじゃ! わしが見本を見せてやる」

こっちへ来い、とゼル先生は生徒会長を隣に招き寄せて。

ゼル  「基本はボディータッチじゃな。セクハラも同じじゃ」
ブルー 「へえ…。ゼルがセクハラしてくれるって?」
ゼル  「もちろんじゃ! ヘタレには手本を見せてやらんと」

生徒会長の頭をポンポンと叩き、銀色の髪を手で梳きながら。

ゼル  「綺麗な髪じゃのう…。シャンプーは何を使っとるんじゃ?」
ブルー 「適当だけど? 特にコレってこだわりは無いかな」
ゼル  「ほほう…。いい匂いじゃが、わしの匂いに染めたいのう…」
ブルー 「えっ、ゼルってシャンプー使ってるわけ?」
ゼル  「当然じゃ! 頭を洗うにはシャンプーじゃろう」

なんとゼル先生、シャンプーで頭を洗っておられるみたいです。
こだわりの頭皮は篝火に映えて輝いてますが、それはまた別のお話で。
髪を撫でる手が次に向かうのは何処なのか?

2012/04/20 (Fri)

 

☆只今セクハラ中

 
セクハラの手本を見せてやる、と名乗りを上げたゼル先生。
生徒会長を隣に座らせ、髪を梳いたり鼻を突っ込んで香りを嗅いだり…。

ゼル  「うむ、本当にいい手触りじゃ。お次は、と…」
ブルー 「先に言っとくけど、スキンケアも適当だよ?」
ゼル  「なんと! それでこの柔らかさとは奇跡じゃな」

キスしたくなってしまうわい、とゼル先生は生徒会長の頬にチュウ。
やんやと囃す先生方は誰一人として止めません。
教頭先生だけが声も出ないほどショックを受けておられますけど…。

ジョミー「えっと…。止めなくってもいいのかな?」
キース 「放っておけ。ブルーを見てみろ、明らかに面白がってるぞ」
サム  「くうっ、いいなぁ、ゼル先生…。ブルーの頬に…」
キース 「お前も惚れていたんだったな。行ってくるか?」
サム  「いや、俺も途中でズッコケそうだし…。セクハラなんてさ」
シロエ 「まだエスカレートしそうですもんね、今度は手ですよ」
マツカ 「握ってますねえ…」
スウェナ「スケベ爺って感じよね」

ゼル先生、生徒会長の手を握った後は思い切り撫で撫でしております。
すべすべのお肌がたまらないようで、手の甲にブチューッ。

ゼル  「若いもんはええのう、吸い付くような肌が最高じゃ」
ブルー 「特に手入れはしていないけど?」
ゼル  「ふむふむ、すると身体もかのう?」
ブルー 「ボディーソープで洗うだけ、ってね」
ゼル  「是非とも脱がしてみたい所じゃが、人目があるでのう…」

お触りだけで我慢するか、とゼル先生の手は生徒会長の腰へ。
そこから更に下へと辿って、お尻をサワサワ。

ゼル  「おお、おお、こっちも素晴らしいわい。極楽、極楽」
ブラウ 「触り甲斐があるってかい?」
ゼル  「直に触れば桃も裸足で逃げ出すかものう…」
ブルー 「それ、褒め言葉になっていないよ」

これでも男なんだけど、と溜息をつく生徒会長。
お尻の触り心地を褒められたって、男は嬉しくないですよねえ?

2012/04/21 (Sat)

 

☆セクハラ続行中


ほろ酔い加減の先生方が煽りたてる中、セクハラはまだ続いております。
お尻から太ももに移動した手はねちっこく…。

ゼル  「いやいや、実にいい感じじゃ。ちと膝枕もしてみたいのう」
ブルー 「どうぞ御自由に。寝心地は保証出来ないけどさ」
ゼル  「寝心地と来たか。いっそ今夜は二人で寝るか?」
ブルー 「シーッ! ハーレイに聞こえたら大変だよ」
ゼル  「おお、そうじゃった、そうじゃった。ヘタレがおったのう」
ブラウ 「とっくに聞こえてないと思うよ、あのとおりだから」
ヒルマン「鼻血に酒は悪いんじゃないかと思うのだがね」
エラ  「止めないでくれと言ってましたし、よろしいのでしょう」
ハーレイ「…ヘタレの何が悪いというのだ、私はだな…」

ブルーのためを思って清く正しく美しく、と一人で飲んでいる教頭先生。
鼻にはティッシュが詰まっております。

ブルー 「清く正しいお付き合いだって? まだ始まってもいないのに」
ゼル  「あんな阿呆は放っておけ。男は不言実行じゃ!」
ブラウ 「ちょーっと触りすぎじゃないのかい、そんなとこまで」
ゼル  「何を言うんじゃ、セクハラと痴漢は紙一重じゃぞ!」
ブルー 「えっと…。流石にそこは…。その気になっても誰もいないし」
ゼル  「わしという素晴らしい男がおるじゃろうが!」
ブルー 「男の趣味は無いんだってば、女性専門」
ゼル  「なんじゃ、正気か。つまらんのう」
ブラウ 「ゼル…。あんた、そっちの気もあったのかい?」
ゼル  「あるわけなかろう、お触りは極めてなんぼなんじゃ」
ヒルマン「その心意気は分かるがね…。ハーレイはもうドン底のようだ」
エラ  「やりたくても出来ないことを目の前で披露されたのですし…」
ブルー 「ふふ、触られてみただけのことはあったかな?」
ハーレイ「…どうせ私は甲斐性なしだ。鼻血しか出せん情けない男だ」

それでもブルーが好きなんだ、と教頭先生はブツブツと。
巻き返しのチャンスはあるんでしょうか…?

2012/04/22 (Sun)

 

☆甲斐性なしの末路


ゼル先生による生徒会長へのセクハラ、一段落したようでございますが。
一連の行為を見せつけられた教頭先生はドン底です。

ハーレイ「何故だ、どうしてゼルに先を越されてしまうのだ…」
ブラウ 「甲斐性なしだからだろ、さっきから自分で言ってるくせに」
ハーレイ「…やはり男は甲斐性なのか…」

もう駄目だ、と杯を呷る教頭先生の横から生徒会長が。

ブルー 「違うね、男は度胸なんだよ。君も聞いてたと思うけど」
ハーレイ「そう言えばそんな話もあったような…」
ブルー 「うん、雛祭りの宴会でね。ジョミーが勘違いしちゃったけど」
ジョミー「ちょ、ちょっと…」
ブラウ 「なんの話だい? ちょいと面白そうだね」
ブルー 「男は度胸だって教えてあげたら、お念仏を始めちゃったんだ」
ゼル  「念仏じゃと?」
ヒルマン「ふうむ…。度胸と読経を間違えたのかね?」
ブルー 「そうなんだよ。なにしろ酔っ払うと坊主宣言だしねえ」
ブラウ 「そりゃいいや。ハーレイもそっちの読経が似合いそうだよ」
ゼル  「まったくじゃ。セクハラも出来ん男はクズじゃでな」

結婚よりも出家が似合いじゃ、とゼル先生が言えばエラ先生も。

エラ  「恋に破れて出家というのは王道ですわね」
ゼル  「この際、ハーレイも坊主宣言というのはどうじゃ?」
ハーレイ「ぼ、坊主……」
ブルー 「いいねえ、ぼくは弟子にしたくはないけれど」
ヒルマン「確かキースも弟子を取れるのではなかったかね?」
キース 「そ、そういう資格は持っていますが…」
ブラウ 「じゃあ、弟子に取りな。初弟子だよ」
ハーレイ「わ、私にキースの弟子になれと?」
ブラウ 「仕方ないだろ、ブルーは弟子を取らないんだし」
エラ  「失恋した相手に弟子入りも悲恋で良さそうですけど…」
ゼル  「叶わぬ恋じゃな。それもなかなか美しいわい」

泣ける話じゃ、とゼル先生は感極まった様子です。
生徒会長に弟子入りするか、キースの弟子か。
教頭先生にまさかの坊主フラグが…?
 
2012/04/23 (Mon)

 

☆出家とその弟子


結婚よりも出家がお似合い、と言われてしまった教頭先生。
叶わぬ想いを抱いて生徒会長に弟子入りするか、キースの弟子になるか。
いきなりピンチでございますけど、御本人は。

ハーレイ「そ、そうか…。ブルーの弟子という道もあるか…」
ブラウ 「ん? 土下座して弟子入りを頼むのかい?」
ブルー 「えーっと…。弟子にはしたくないって言ったけど?」
ゼル  「何を言うのじゃ、悲恋じゃぞ? 師匠には手出し出来んしな」
エラ  「見詰めるだけで何も出来ない…。美しい話ではありませんか」
ヒルマン「坊主の世界は上下関係が厳しいそうだね、いいと思うが」

弟子にしてしまえば生徒会長の危険も無くなる、とヒルマン先生。
今のままだと「一人で教頭先生の家に行ってはいけない」わけですし…。

ブルー 「うーん…。弟子にして身の回りの世話をさせるのもアリか」
サム  「えっ? その役目は俺が狙ってたのに!」
ブラウ 「おやおや、ライバル出現ってね。どうすんだい、ハーレイ」
ハーレイ「…ブルーの世話…」
ブルー 「具体的に言ってあげようか? お風呂で背中を流すとかさ」
ハーレイ「せ、背中…」

教頭先生の鼻血、再び決壊。
妄想が止まらないようですけども、ゼル先生がカカカと笑って。

ゼル  「勘違いはいかんぞ、ハーレイ。背中を流すだけで終わりじゃ」
ブルー 「それ以上のことはお断り…ってね。あくまで弟子だし」
ハーレイ「し、しかし…。お前の傍にはいられるのだろう?」
ブルー 「それはもちろん。呼ばれたらすぐに飛んでこなくちゃ」
エラ  「あら、同居ですか? それは少々問題が…」
ブラウ 「かまわないじゃないか、同棲じゃなし」
ハーレイ「ど、同居…。ブルーの家に…」
ヒルマン「弟子ならブルーに仕えるべきだね。ぶるぅが監督するだろう」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お手伝いさんみたいなものだね!」

頑張って家事を仕込まなきゃ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生はこのまま仏弟子まっしぐらなのか…?

2012/04/24 (Tue)

 

☆出家には得度


教頭先生が生徒会長に弟子入りをすれば、同居出来るそうでございます。
ただし師僧とその弟子ですから、生徒会長に手は出せませんが…。

ブラウ 「ハーレイ、決心はついたかい? ブルーと夢の同居だよ」
ハーレイ「う、うむ…。ブルーがそれでいいのなら…」
ブルー 「夜桜に免じて許可しようかな? 篝火もよく映えそうだし」
全員  「「「篝火?」」」
ブルー 「出家には得度が必須だろ? 得度とくれば剃髪だよね」
ハーレイ「て、剃髪?」
ブルー 「そう、剃髪。有髪のままで同居させるとでも? このぼくが」
ブラウ 「なるほど、それで篝火なのかい。剃りたてはよく光りそうだ」
ゼル  「いやいや、頭皮は日頃の手入れが大切なんじゃぞ」

わしの方がよく光るわい、とゼル先生は頭皮の自慢。
しかし教頭先生はそれどころではなく…。

ハーレイ「そ、その条件は絶対なのか?」
ブルー 「邪な心は髪と一緒に捨てました、って姿勢が大切」
エラ  「それでこそ悲恋が引き立つのです。叶わぬ恋が美しいのです」
ゼル  「ここはスッパリいかんかい! ささ、髪と別れの杯じゃ」

まずは飲め、と特大の杯を差し出すゼル先生。
教頭先生が杯を持つと先生方がお酒をトクトクと。

ブラウ 「一気にググーッと飲んじまいな。気分がグンと大きくなるよ」
ハーレイ「し、しかし…。坊主になるのは…」
ブルー 「大丈夫。その道の先達をつけてあげよう」
全員  「「「先達?」」」
ブルー 「ジョミー、出番だ。ハーレイの兄弟子として頑張りたまえ」
ジョミー「えっ? な、何を?」
ブルー 「高らかに坊主宣言ってね。ここは一発、景気良く!」
ブラウ 「待ってました! それじゃジョミーにも早速一杯」
ジョミー「い、嫌だってば! なんでぼくが!」
ゼル  「わしらの酒が飲めんのか? 美味いんじゃぞ」

これは秘蔵の大吟醸で…、とゼル先生は力説しておられます。
その間に生徒会長がグラス片手にコソコソと。
グラスの中身はオレンジジュース…?

2012/04/25 (Wed)

 

☆未成年はジュース


酔いが回り始めたらしい長老の先生方。
教頭先生を坊主にするべく囃し立てておられ、ジョミー君にもお役目が。

ブラウ 「いいかい、ハーレイの兄弟子だよ? 素晴らしいじゃないか」
ヒルマン「そうだよ、君の方が上の立場になるのだからね」
エラ  「先生よりも偉い生徒はブルーだけですし…」
ゼル  「頑張れ、少年! ハーレイだけでも従えんかいっ!」
ジョミー「で、でも…。ぼくも本物のお坊さんってわけじゃ…」
キース 「安心しろ、住職の資格が無いだけだ。兄弟子にはなれる」
ジョミー「ちょ、ちょっと! 止めてくれてもいいじゃない!」
キース 「悪いな、俺は先生方には逆らわないんだ。礼を失する」
ゼル  「ふむふむ、生徒の鑑じゃな。ジョミーもキースを見習わんと」
ブルー 「不出来な弟子で申し訳ない。なかなか上手く仕込めなくって」
ブラウ 「いいじゃないか、飲ませりゃ一発解決だろ?」
ブルー 「だからさ、そこが難しいんだよ。既に警戒モードだしね」
ジョミー「当たり前じゃないか! 飲んだらマズイし!」
ブルー 「未成年は黙ってジュースってわけ? まあ、落ち着いて」

桜に争いは似合わない、とグラスを差し出す生徒会長。
たっぷりと注がれているのはオレンジジュースでございます。
ジョミー君は一気に飲み干し、「おかわりっ!」と勢いよく追加注文。

ブルー 「またジュース? ジュースだけでは盛り上がらないよ?」
ジョミー「教頭先生の兄弟子なんか御免だし! 坊主宣言もお断り!」
ゼル  「つまらんのう…。ハーレイ、なんとか言わんかい!」
ハーレイ「い、いや…。無理強いは良くないかと…」
ブラウ 「それはあんたの髪のことかい? ジョミーと飲みなよ」
ヒルマン「兄弟の杯を交わすというのもいいものだね」
ブルー 「じきにそういう流れになるかと…。ねえ、ジョミー?」
ジョミー「おかわりっ!」

ジュースの何処が悪いんだ、とジョミー君の目が据わっております。
グラスの中身は本当にジュース?

2012/04/26 (Thu)

 

☆坊主へのお誘い


ジュースのおかわりを繰り返すジョミー君、様子が変でございます。
生徒会長が手渡すペースでは足りず、グラスをお箸でチンチンチン…と。

ジョミー「ジュース、まだぁ? 喉が渇いた!」
ブルー 「喉よりも心が乾いてないかい? 師僧に催促はいけないねえ」
ジョミー「あ、そうか。感謝の心でお念仏だっけ…。南無阿弥陀仏」

頂きます、と合掌してから注がれたオレンジジュースをクイーッ。
これは明らかにおかしいですよ?

ゼル  「なんじゃ、ジョミーはどうなったんじゃ?」
ブルー 「あの手のカクテルって美味しいんだよね、ジュースそのもの」
エラ  「飲ませたのですか?」
ヒルマン「いいではないかね、宴会なのだし。そろそろ坊主宣言かな?」
ジョミー「あ、ヒルマン先生にも分かります? お坊さんの魅力!」
ヒルマン「魅力とは?」
ジョミー「偉くなったら誰もがペコペコしてくれるんです!」
キース 「…それは何かが違うと思うが…」
ジョミー「なにさ、ぼくより少し偉いと思って! ケチつけないでよ!」
サム  「始まったぜ…」
シロエ 「緋色の衣を目指すんですよね、ジョミー先輩…」
ジョミー「決まってるじゃない、早く高僧にならないと!」
ブルー 「その前に古参はどうだろう? ハーレイが君より格下とか」
ジョミー「いいかも…」

少しでも威張れる立場がいい、とジョミー君は思ったらしく。

ジョミー「教頭先生、この際、出家しませんか?」
ハーレイ「い、いや、私はだな…」
ジョミー「簡単ですって、出家くらい! 一緒にお念仏を唱えましょう」
ブルー 「ほら、ハーレイ。御指名だよ?」
ハーレイ「うう…。お前の弟子は魅力なのだが、髪がだな…」
ゼル  「ふん、髪で四の五の言うんじゃったら、ハゲの勝ちじゃな」
全員  「「「は?」」」
ゼル  「わしがブルーの弟子になるんじゃ!」

晴れてお触りし放題、とブチ上げているゼル先生。
生徒会長に触りたいとは、酔っ払った挙句にセクハラ爺の誕生ですか?

2012/04/27 (Fri)

 

☆夜桜に乾杯!


坊主の魅力を語り始めたジョミー君やら、弟子入り志願のゼル先生やら。
宴は乱れて参りましたが、生徒会長はのんびりと。

ブルー 「ゼルが弟子ねえ…。背中を流して貰うのもいいかな?」
ゼル  「スキンケアの方も任せておけ! 毎晩きちんと隅から隅まで」
ブラウ 「お触りがクセになったのかい?」
ゼル  「あの肌は素晴らしかったんじゃぞ? 花は愛でんと」
ヒルマン「確かに花は愛でてこそだね、この夜桜も素晴らしい」
ブルー 「じゃあ、そういうことでゼルが出家、と」
ハーレイ「ま、待ってくれ! 私の立場は…」
ブラウ 「行動もせずによく言うよ。まずは出家だ」
ジョミー「教頭先生、ぼくと一緒に頑張りましょう! お念仏です!」
エラ  「あら、その前にゼルがお念仏でしょ?」
ゼル  「ふむ、そうじゃな。南無阿弥陀仏…。これでいいかのう?」
ブルー 「上出来、上出来。ぶるぅ、剃刀を用意してくれるかな?」

髪は無くても得度には必須、と微笑む生徒会長ですが。

ハーレイ「弟子は私だ! ゼルには譲らん」
ゼル  「ならば剃れい! その頭では坊主にはなれん」
ジョミー「えー、そんなことないですよお~。ぼくも髪の毛ありますし」
ハーレイ「感謝する、ジョミー。ぜひ兄弟子になってくれ」
ジョミー「もちろんです! ゼル先生もなるんですよね、お坊さん」
ゼル  「ハーレイには負けておれんしのう…。坊主万歳じゃ!」

なにやらタッグが組まれたようでございます。
坊主志願と先輩格とで兄弟弟子の杯が交わされておりますが。

ブラウ 「…どうするんだい、あの連中」
ブルー 「坊主宣言が三人前かぁ…。想定外だよ」
エラ  「ジョミーはともかく、大人が酒に飲まれるなんて…」
ヒルマン「余興だよ、余興。我々は夜桜に乾杯だ」
ブルー 「夜桜と坊主宣言にね。…南無阿弥陀仏」
全員  「「「南無阿弥陀仏ー!」」」

とんでもない音頭で乾杯の後はドンチャン騒ぎ。
長老の先生方との夜桜の宴、これにて中継終了です~。

2012/04/28 (Sat)

 

☆ゴールデンウィーク!


やって来ました、ゴールデンウィーク。
シャン学メンバー、この季節はシャングリラ号で宇宙への旅が定番です。
今年も皆で計画を練り、5月3日からの乗船許可を見事にゲット。
連休前半は混雑を避けて生徒会長の家でダラダラと過ごし…。

ジョミー「やったね、いよいよ明日からシャングリラ号!」
キース 「ブルーたちは一足先に行っちまったし…」
シロエ 「ぶるぅの部屋も閉まってますからファミレスにしますか?」
スウェナ「そうね、真っ直ぐ帰るのもつまらないものね」
サム  「後でカラオケ行こうぜ、カラオケ!」
マツカ 「えっと…。明日は早いんじゃなかったですか?」
キース 「俺の家に迎えが来るのは朝の7時半だと聞いたが」
ジョミー「ぼくの家は7時だったっけ…」
シロエ 「ウチは7時15分です。早起きは慣れてますけれど…」
サム  「やべえ、俺んちも7時過ぎなんだ。カラオケはやめとくか」
マツカ 「遅刻したら御迷惑がかかりますしね」
キース 「出航が遅れたりしたら怒鳴られるだけでは済まんしな」
スウェナ「ファミレスだけにしときましょ。それが一番」
ジョミー「早起きかぁ…。でも、宇宙に行けるんだから我慢しようっと」

こういう会話が出来るだけあって、他の生徒は下校済み。
シャン学メンバーは相談を終え、鞄を提げてファミレスへと。
そして翌朝、お迎えのマイクロバスが。最終はキース君でございます。

シド  「おはようございます」
アドス 「おはようございます。今日から倅がお世話になります」
キース 「おはようございます。よろしくお願い致します」
シド  「さあ、乗って、乗って。では、行って参ります」
イライザ「息子をよろしくお願いします」

山門の前で深々とお辞儀するアドス和尚とイライザさん。
シド先生が運転するマイクロバスは元老寺を発車し、空港へ。
もちろん普通の空港などではございません。
シャングリラ学園の私有地でシャトルが発着する専用空港。
宇宙はもうすぐそこですよ~!

2012/04/29 (Sun)

 

☆シャングリラ号へ


シャングリラ号との往復のために、専用の空港を持つシャングリラ学園。
なんとも凄い話ですけど、シャン学メンバーにとっては当たり前。

シド  「さあ、着いたよ。シャトルの準備は出来ているから」
全員  「「「お世話になりまーす!」」」

シャトルに乗り込み、シド先生の操縦で空へ。
雲一つない青空を上昇してゆけば、シャングリラ号が待っております。
格納庫に着くと居住区に向かい、シド先生が部屋割りを。

シド  「今年は此処から此処までだから、好きに使って」
キース 「シド先生は今からブリッジですか?」
シド  「ああ。これでも一応、操舵士だしね」
ジョミー「カッコいいなぁ…。ぼくもあの舵、触ってみたいな」
シド  「ソルジャーに頼んでみるといい。機会があるかもしれないよ」
ジョミー「えっ、ホント?」
シド  「今回は色々と特別だから、もしかしたら…ね」

それじゃ、とブリッジに向かうシド先生。
今回は特別だという話ですが、それはどういう意味なんでしょう?

ジョミー「なんか知らないけど、特別だって! ぼくたちのことかな?」
キース 「分からんぞ。おかしなことにならなきゃいいが」
シロエ 「なんですか、それ」
キース 「いや、なんとなく…だ。特別待遇は有り得ないような…」

嫌な予感がするんだが、とキース君は首を捻っています。
ともあれ、まずは部屋に荷物を、と適当に分かれて居場所をゲット。
それから共有スペースになる大きめの部屋に集まりましたが。

シロエ 「えっと…。出航準備っていつもこんなにかかってました?」
キース 「そういえば…。まだ艦内放送が入らないな」
ジョミー「シャングリラ、発進! ってヤツだよね? 教頭先生の」
サム  「聞き逃したってことはねえよな?」
スウェナ「それは無いでしょ、あれは全部の部屋で聞こえる筈よ」
マツカ 「何か手間取っているんでしょうか?」

教頭先生の号令はまだ入りません。
宇宙の旅に出発するのは予定より遅れてしまうとか…?

2012/04/30 (Mon)

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☆新年度スタート


やって来ました、新年度。
恒例の春休みの旅行なども無事に終わって、今日から4月でございます。
まだ学校は始まらないので、生徒会長の家でのんびりと…。

ジョミー「すっかり春だよね、もうすぐ桜も咲きそうだしさ」
ブルー 「早い所では咲いてるらしいよ。学校の桜はまだ先かな」
キース 「毎年、入学式の頃に咲くしな。あれは見事だ」
シロエ 「旅行中に見かけた桜も花が咲いたら凄いんでしょうね」

ちょっと行くのが早すぎたかな、と誰もが思っておりますが。
入学式よりも遅く見頃になりそうな桜、見に出掛けるのは難しく…。

ブルー 「みんな入学式から後は出席する気満々だしね」
サム  「新年度だぜ? いきなりサボッて旅行はねえよ」
キース 「そのとおりだ。それに旅行と言ったらあいつが来るしな」
ブルー 「気分も新たな新1年生なのに、余計な輩は要らないって?」
ジョミー「当然じゃない! ソルジャー、こないだの旅行でもさ…」

色々と迷惑をかけられたんだ、とジョミー君が言い、頷く面々。
春の旅行は短めですけど、何故か来たがるのがソルジャーです。

ブルー 「そういえば話すのを忘れてたっけ。あまりのことに」
全員  「「「え?」」」
ブルー 「雛祭りの宴会の時のことだよ。飲み直しにって消えただろ?」
キース 「ああ、あいつと教頭先生だな」
ブルー 「明くる日にさ…。ブルーが着物を返しに来たんだけれど」

ソルジャーの振袖も、おかまバーのママから拝借した教頭先生の着物も、
見る影もなく皺だらけだった上、酷く汚れていたそうで。

ブルー 「二人で気持ち良く酔った挙句に過ちを犯したらしいんだよね」
全員  「「「過ち?」」」
ブルー 「そう。…まさかハーレイが童貞を卒業しちゃうなんてさ」

大惨事だよ、と溜息をつく生徒会長にシャン学メンバー、真っ青ですが。
生徒会長が笑って指差す先には4月1日のカレンダー。
教頭先生の脱童貞は大ウソですか、そうですか…。
エイプリルフールに乾杯!

2012/04/01 (Sun)

 

☆隠された真実


エイプリルフールに生徒会長がついた大ウソ。
教頭先生がソルジャーを相手に脱童貞と聞いて、誰もが仰天しましたが。
生徒会長曰く、この日に備えて何も語らずに来たのだそうで…。

ブルー 「ふふ、見事に騙されてくれたよね。事実なわけがないだろう」

もしも本当に脱童貞なら教頭先生は無事では済まない、と生徒会長。
記憶を消去するだけでなく、相応の仕返しは確実だとか。

ジョミー「し、仕返しって…」
ブルー 「さあねえ、恥ずかしい服でも着せようかな」
キース 「コスプレか?」
ブルー 「ううん、裸の王様逆バージョン! 見えてないのは自分だけ」
シロエ 「えっと…。それって服を着てる自覚が無いんですか?」
ブルー 「違うよ。他の人には見えてる筈だ、問題無いって不安で一杯」
キース 「それは惨いな…。会う人の視線が気になるわけだな」
ブルー 「そういうこと! 見えるというのが嘘だったら…と怖いよね」

それに加えて身体に落書き、と生徒会長は笑っております。
背中一杯に「エロ教師」と書き、お尻に「スケベ」。
更に下腹部に「祝・脱童貞」の文字と矢印、矢印の先にはエロい分身。
そんな状態で裸の王様逆バージョンでは、出歩くこともキツイのでは?

ブルー 「決まってるじゃないか。でも、そのくらいはしないとね」

懲りて貰わないと自分の身が危ない、と生徒会長の目は本気。
ソルジャーが返しに来た着物が皺だらけだったのは本当らしく…。

ブルー 「いやもう、ホントに焦ったよ。ぼくもブルーに騙されたんだ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「記憶に無いけどヤっちゃったらしい、って言われたし!」

実際の所は二人揃って酔っ払った末に着物のままで寝ていただけ。
なのにソルジャーが派手に脚色、生徒会長も騙されて。

ブルー 「ハーレイの家に殴り込もうとしたら嘘だと白状したってわけ」

本当に心臓に悪かったんだ、と生徒会長は深い溜息。
そんな体験のお裾分けをされても、貰った方が迷惑ですよね?
 
2012/04/02 (Mon)

 

☆嘘つきの後始末


エイプリルフールだから、と生徒会長にドッキリ体験のお裾分けをされ、
寿命が縮んだシャン学メンバー。
教頭先生が脱童貞だなんて、冗談にも程があるというもので。

キース 「あんたが仰天したのは分かるがな、俺たちにまで言うな!」
ジョミー「そうだよ、わざわざ今日まで取っておかなくてもさあ…」
ブルー 「エイプリルフールにピッタリのネタだと思ったんだけど」
シロエ 「もっとマシなのにして下さい! 分かりやすいヤツに」
ブルー 「せっかく嘘をつける日なんだよ? 心臓に悪いくらいが丁度」

生徒会長曰く、ソルジャーに騙されたのは教頭先生も同じだそうで。
お互い着物を着たままだっただけに「ヤっていない」ことは明白ですが、
「セクハラまがいのことをされた」と嘘をつかれて慰謝料を…。

キース 「悪質だな…。あいつはちゃんと撤回したんだろうな?」
ブルー 「撤回するわけないじゃないか。慰謝料も全部使ったらしいよ」
シロエ 「そ、それじゃ教頭先生は勘違いしたままなんですか?」
ブルー 「まさか。キッチリ教えに行ったさ、真実をね」

教頭先生の家に押し掛けた生徒会長、真実を教えるついでに詰ったとか。
酔っ払ってもセクハラすら出来ないヘタレ男に嫁など来ない、と。
もちろん「嫁」とは生徒会長自身のことでございます。

ブルー 「悔しかったらセクハラしてみせろ、と言っといた」
全員  「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「長老主催の花見の宴会があるんだよ。そこでやれ、って」
キース 「そんな所でセクハラしたら大惨事だろうが!」
ブルー 「そりゃもう。公開処刑しか無いだろうねえ」
ジョミー「ゼル先生の秘蔵の刀で一刀両断とか、ありそうだよねえ…」

なんて悲惨な、と起こり得ないセクハラの末路の話がひとしきり。
長老主催の花見の宴、なかなかに楽しそうですが。

ジョミー「いいなぁ、ぼくたちも宴会したいな」

お花見のさ、とジョミー君。
宴会はいい加減懲りた頃かと思ってましたが、まだやりたいと?

2012/04/03 (Tue)

 

☆お花見がしたい


長老主催の花見の宴会と聞いたジョミー君、自分も宴会したいのだとか。
もちろん花見の宴会ですけど、本当にそれでいいんでしょうか?

キース 「おい、まだ宴会に懲りてないのか?」
ジョミー「懲りるって、何さ?」
シロエ 「坊主宣言に決まっているじゃないですか。前科三犯です」
ブルー 「既に三犯っていうのがねえ…。まだ増やす気かい?」
ジョミー「誰も飲むって言っていないし!」

今度こそ酒には飲まれない、とジョミー君は強気でございます。

ジョミー「ぼくたちだけなら大丈夫だって! アルコール禁止!」
ブルー 「うーん…。確かにお酒が無ければ酔いはしないか…」
ジョミー「でしょ? アルコール持ち込み禁止にすればいいんだよ」
キース 「桜を見て弁当を食うだけの宴会か?」

つまらなくないか、と言うキース君は大学生活体験者。
もちろん花見で宴会なんかも経験済みというわけですが…。

ブルー 「アルコール禁止もいいんじゃないかな、場所が場所だし」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「花見は場所取りが命なんだよ。そうだよね、キース?」
キース 「ああ。大学だと新入生の役目なんだぞ」

前の晩からロープを張ったりシートを敷いたり、まず場所を確保。
更にキープした場所を奪われないよう、その場で番をしなければならず。

キース 「俺の時は良かったが、今年はキツイかもしれないな」
ブルー 「夜中に冷え込むと寝袋に毛布でも凍えちゃうよね」
シロエ 「それって飲まずにやってられない感じですけど?」
ブルー 「まあね。だから場所取りの苦労が無い場所がいいかと」
キース 「なるほど…。アルコール禁止が相応しいとなると……寺か?」

桜の名所がお寺の境内というのはよくあるパターン。
お寺の境内にお酒を持ち込んでドンチャン騒ぎは顰蹙かも…。

ブルー 「違うんだな、これが」

もっと身近で素敵な場所だよ、と微笑んでいる生徒会長。
アルコール禁止が相応しい桜の名所って、お寺の他にもありましたっけ?

2012/04/04 (Wed)

 

☆お花見の穴場


今度こそ酒に飲まれないよう気を付けるから、と宴会希望のジョミー君。
アルコールは持ち込み禁止だなどと言っております。
お花見にお酒は付き物ですけど、アルコール禁止が似合いの桜の名所が
あるそうで…。

ブルー 「場所取りをする苦労が無いお花見なら、学校だってば」
全員  「「「学校!?」」」
ブルー 「そう、シャングリラ学園の校庭の桜。あれは最高」
キース 「し、しかし…。いくら出席義務が無いと言っても、宴会は…」
ブルー 「誰が平日にやるって言った? 入学式の頃が見ごろだよ?」
ジョミー「あ、そうか! 入学式の次の日、土曜日だっけ…」
ブルー 「そういうことさ。土曜の昼間は貸し切り状態!」
シロエ 「生徒会長の権限で貸し切るんですか?」
ブルー 「まあね。駄目ならソルジャー命令でゴリ押し」
サム  「学校の桜だったら確かに酒は似合わねえよな…」
ブルー 「おまけに全員、生徒の身だしね。お茶とジュースで宴会かな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お花見弁当も作らなくっちゃね!」

豪華なお弁当に期待しててね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も燃えてます。
というわけで、4月7日は学校でお花見。
ソルジャーの肩書きを持ち出されたら長老の先生方でも断れません。

ジョミー「アルコール持ち込み禁止だよ? 絶対だからね!」
ブルー 「分かってるってば、ぼくも花見酒は諦めるよ」
キース 「俺も今回は諦める。…桜には酒が似合うんだがな」

この件については貸しにしておく、とキース君が言えば、ジョミー君は。

ジョミー「貸しはいいけど、坊主関係は除外だからね!」
キース 「つまらんな。予防線を張ってきやがったか…」
ブルー 「なにしろ前科三犯だしねえ、流石に慎重になってくる頃だよ」

これで学習してなかったら大馬鹿者だ、と生徒会長。

ブルー 「じゃあ、アルコール抜きのお花見で」

4月7日は押さえておくよ、と生徒会長は自信満々。
校庭の桜を貸し切って花見の宴とは、特別生の特権ですよね!

2012/04/05 (Thu)

 

☆校庭でお花見


特別生にとっては恒例というか年中行事の一つと呼ぶべきか、なんとも
微妙な入学式。
今年も校庭の桜が見事に咲いて、新入生も保護者も大喜びで記念撮影を。
翌日の4月7日は土曜でお休みなのに、登校してきた生徒が何名か。

ジョミー「やったね、今日もいい天気! 最高のお花見日和だよね」
キース 「酒が無いのが残念だがな」
シロエ 「仕方ないですよ、学校ですしね。…誰もいませんけど」
ブルー 「今日はバッチリ貸し切ってあるし! 楽しくやろうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ レジャーシートはこの辺に敷く?」

休日に揃って現れたのはシャン学メンバーたちでございます。
新入生と呼ぶのもおこがましいような1年A組の主(ぬし)の御一行様、
それに三百歳を超える生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ここまでの古狸ともなれば、校庭を貸し切ってお花見くらいは朝飯前で。

ブルー 「シートを敷いたら次はコレだね」
キース 「緋毛氈まで持ってきたのか?」
ブルー 「やっぱり雰囲気を出したいじゃないか。お花見だよ?」

レジャーシートだとイマイチなんだ、と生徒会長は申しております。
更にビーチパラソルならぬ爪折傘まで出て参りました。
一気に高まるお花見気分。
アルコール抜きの宴会とはいえ、御馳走の方はゴージャスですし…。

ぶるぅ 「はい、お花見弁当三段重ね! 沢山食べてね♪」
サム  「すげえや、これが一人前かよ? よーし、食うぞー!」
ジョミー「おせち料理みたいで豪華だよね! いっただっきまーす!」

お花見と言いつつ花は添え物、メインは宴会。
桜の花なぞ誰も気にしておりません。
ノンアルコールなお茶やジュースでドンチャン騒ぎでございますが。

??? 「誰じゃ、こんな荷物を置いておるのは!」
全員  「「「えっ?」」」
ゼル  「そこの荷物じゃ! 脇へよけんか」

邪魔なんじゃから、と桜の下に置かれた荷物を指差すゼル先生。
今日は貸し切りだと聞いていたのに、連絡ミスでもありましたか…?

2012/04/06 (Fri)

 

☆お花見の邪魔者


校庭の桜でお花見中のシャン学メンバーと生徒会長たち。
お弁当やお菓子をドッサリ持ち込み、桜の下に積み上げていたのですが。

ゼル  「邪魔じゃと言っておるじゃろう! 早くどけんか」
シロエ 「は、はいっ!」
ゼル  「そこだと余計に邪魔なんじゃ。此処を空けんかいっ!」
キース 「す、すみません…」

どっこいしょ、とシロエ君と二人がかりで荷物をどけるキース君。
ゼル先生は満足そうに頷いて。

ゼル  「うむ、それでいいんじゃ。危ないから少し離れておれ」
全員  「「「は?」」」
ゼル  「見て分からんか、わしは忙しいんじゃぞ!」

早く避けろ、とシッシッと追っ払うゼル先生は脇に脚立を抱えています。
それを桜の木の下に据え、ヒョイと上ると。

ジョミー「何? あれ」
シロエ 「電線にしか見えませんけど…」

ゼル先生は鼻歌交じりに桜の枝に黒いコードを絡めております。
確かにそれは電線らしく、電球もついているようですが…。

サム  「あんなの何に使うんだよ?」
ブルー 「見てのお楽しみだと思うけど?」
ゼル  「今度はそっちじゃ。荷物をどけて貰おうかのう」
ブルー 「もう少し右が良くないかい? そう、その辺りがベストかな」
ゼル  「ふむ…。言われてみればいい枝ぶりじゃな」

此処にするか、と脚立を置いたゼル先生は手際よく桜の枝に電線を。
次から次へと渡り歩いて桜を電線で繋いでゆきます。
それが終わると今度は大きな袋を持ってきて。

ゼル  「ほれ、ボーッと突っ立っとらんで手伝わんかい!」
全員  「「「えっ?」」」
ゼル  「立っている者は親でも使えと言うからのう…」

若者は手伝って当然なんじゃ、と袋から取り出したのは提灯でした。
艶やかな白とピンクの地色に『桜まつり』の文字。
下には『シャングリラ学園』と書かれた金色の短冊がくっついています。

ゼル  「今夜はわしらが花見をするんじゃ」

長老主催のお花見会の準備でしたか!
お手伝いをすれば御褒美が…?

2012/04/07 (Sat)

 

☆お手伝い志願


校庭の桜を貸し切ってお花見中だったシャン学メンバー。
そこへ現れて電線を設置し始めたのがゼル先生です。
長老主催のお花見会の準備だそうで、手伝えと手渡されたのは花見提灯。

ジョミー「桜まつり…?」
ゼル  「そうじゃ、祭りじゃ。花見は賑やかにやらんといかん」
ブルー 「夜桜となれば余計に…だよね。それで今夜の御馳走は?」
ゼル  「ふっふっふ、準備万端、ぬかり無しじゃぞ」
ブルー 「それは楽しみ。期待してるよ」
ジョミー「えっ? ブルーは夜も宴会なわけ?」
ブルー 「そうだよ、ぶるぅも参加するんだ」
ジョミー「いいなぁ…。昼も夜も宴会で御馳走なんだ…」
ゼル  「なんじゃ、お前たちも参加希望か? …しかしのう…」
ブルー 「長老主催の宴会だしねえ…。生徒の参加は例が無いよね」
ゼル  「そうなんじゃ。じゃが…」
ブルー 「ソルジャー命令ならOKせざるを得ないってね」

命令する気は無いけれど、と生徒会長。
せっかくの花見に命令などは無粋だそうでございます。

ブルー 「判断は君たちに任せるよ。で、今は手伝えばいいのかな?」
ジョミー「えっと…。手伝ったら御褒美で参加できるとか?」
ゼル  「そうじゃな、そういうこともあるかもしれん」

他の面子に訊いてみないと分からんが、とゼル先生は仰いますが。

ジョミー「よーし、ダメ元で手伝おうよ! うまくいったら宴会だしね」
キース 「本気か、お前? 宴会だぞ?」
ジョミー「ゼル先生の料理が出るかもしれないじゃない! それに夜桜」
サム  「そっか、ゼル先生の料理はプロ級って話だもんなあ」
シロエ 「ぶるぅの料理も美味しいですけど、食べたい気はしますね」
ジョミー「でしょ? でもって花見提灯だしさ、出なきゃ損だって!」
ゼル  「まだ出ていいとは言っとらんのじゃが…」
ジョミー「だからダメ元! お手伝いしまぁーす!」

名乗りを上げるジョミー君。
勇んで花見提灯の取り付けを始めましたが、参加の許可は出るのかな…?

2012/04/08 (Sun)

 

☆優秀な助手たち


ゼル先生のお手伝いをすれば長老主催のお花見会に出られるかも?
生徒の参加は前例が無いそうですけども、希望は持ちたくなりますよね。
シャン学メンバー、提灯の次は紅白の幕を張り巡らせております。

ゼル  「うむ、やはり若い者は元気がいいのう」
ブルー 「お蔭で楽が出来たって? だけど毎年一人でやってるだろ?」
ゼル  「わしにも色々こだわりがあるんじゃ。下手な助手は要らん」
ブルー 「そうかなぁ? ハーレイなんか役に立ちそうだけど」
ゼル  「提灯の取り付けにしか使えんわい。センスが無いでな」

電線張りにせよ、紅白幕にせよ、ゼル先生の美学があるようです。
言われたままに動いてくれるシャン学メンバーは最高の助手で。

ゼル  「恩には報いてやりたいんじゃが、他の連中がどう言うやら…」
ブルー 「長老は五人しかいないからねえ、ゲストの方が多いって?」
ゼル  「それはいいんじゃ、祭りじゃからな。ただな…」

予算の方が問題で、とメモを取り出すゼル先生。
ゲストを増やすと料理なども追加が必要です。

ゼル  「一人分をこれだけで作っておるから、こうなってじゃな…」
ブルー 「大人ならともかく、生徒にはキツイ会費になりそうだねえ」
ゼル  「そうじゃろう? まあ、マツカがおるから良しとするか?」
ブルー 「マツカか…。確かに払ってくれるだろうけど…」

もっといい手は無いものか、と考え込んでいる生徒会長。
長老主催のお花見会の費用は積立制で、ゲストの分までは無いのです。
だからといって生徒から会費を徴収するのは大人げないような…。

ブルー 「そうだ、ハーレイだ! ハーレイに貸しがあったんだっけ」
ゼル  「貸し?」
ブルー 「雛祭りの宴会に招待したのさ。その返礼に払って貰おう」
ゼル  「ハーレイを宴会に呼んだじゃと?」

何をしておるんじゃ、とゼル先生は苦い顔。
教頭先生が生徒会長に惚れているのは周知の事実。
わざわざ宴会に招待したと知れたら叱られますかねえ…?

2012/04/09 (Mon)

 

☆バラされた宴会


長老主催のお花見会の参加費用は積立制。
シャン学メンバーが参加するなら会費が必要らしいです。それも高額な。
それを教頭先生に払わせるという生徒会長に、ゼル先生は。

ゼル  「雛祭りの宴会の話は聞いておらんぞ。何処でやったんじゃ」
ブルー 「ぼくの家だけど」
ゼル  「お前の家じゃと!? そんな所にハーレイを呼ぶとは…」

危機感が無いにも程がある、と呆れ果てているゼル先生。
「生徒会長は一人で教頭先生の家に行ってはいけない」
というのが長老の先生方と生徒会長の間のお約束です。
生徒会長にベタ惚れな教頭先生、何をやらかすか分かりませんしね…。

ゼル  「なんでお前の家に呼ぶんじゃ! 危なすぎるじゃろう!」
ブルー 「平気だってば、大勢いたから。今日の面子は全員集合」
ゼル  「それにしてもじゃな…。わざわざ呼んでどうするんじゃ」
ブルー 「え? そりゃまあ、色々と面白いしね」
ゼル  「面白い?」
ブルー 「コンセプトは女子会だったんだよ」
ゼル  「は?」
ブルー 「女子会と言えば女子会だってば、雛祭りだから」

そうだったよね、とシャン学メンバーに確認を取る生徒会長。
ジョミー君たちは紅白幕を張り終えたところでしたが、頷くしかなく。

ゼル  「…女子はスウェナしかおらんようじゃが? ああ、御苦労」

まあ座れ、とゼル先生はジョミー君たちを労いながら。

ゼル  「この面子で何をどうすれば女子会になるんじゃ?」
ブルー 「そりゃもう、大切なのは形だってば。雛祭りらしく華やかに!」
ゼル  「華やか?」
ブルー 「百聞は一見に如かずってね。こんな感じで」
ジョミー「わわっ!」
キース 「ま、待ってくれ! あんな宴会を表沙汰には…」

焦って止める男子ですけど、時既に遅し。
ゼル先生に思念で流されたイメージを全員ガッツリ共有です。
ゴージャス姫スタイルなシャン学メンバー、緋色の衣の生徒会長。
存在が秘密のソルジャー以外は映像が流出したようですねえ…。

2012/04/10 (Tue)

 

☆流出した女子会


生徒会長が思念でゼル先生に流したイメージは雛祭り女子会。
ソルジャーを除いた参加者たちの姿に、ゼル先生は爆笑しておられます。

ゼル  「わっはっは、これは凄いわい。紛うことなき女子会じゃな」
ブルー 「そうだろう? あ、ぼくも尼僧で女装なんだよ」
ジョミー「バラすなんてヒドイ…」
キース 「俺も涙が出そうな気分だ」
ゼル  「何を言っとる、若いもんが! 馬鹿騒ぎは若人の特権じゃぞ」
ブルー 「若くないのも一名混ざっていたんだけどねえ?」
ゼル  「うむ。…年甲斐もなく女装しておった恥知らずじゃな」
ブルー 「女装が参加条件だ、って言っても一歩も引かなくってさ…」

なにやら話が脚色されているようですけど、ゼル先生は大笑い。
おかまバーのママの着物を借用したという段階に至っては大爆笑で。

ゼル  「その恥知らずに花見の参加費を負担させればいいんじゃな?」
ブルー 「そういうこと。きっと喜んで払うと思うよ、口止め料に」
ゼル  「口止め料じゃと?」
ブルー 「うん。今のイメージ、長老限定公開なんだ」
全員  「「「???」」」
ブルー 「ジョミーたちも花見に参加していいかを訊く時にさ…」

長老全員に経過を話す必要が出て来るだろう、と生徒会長。
その席でゼル先生から参加費の件と同時に今のイメージを全員に…。

ジョミー「ちょ、ちょっと! ゼル先生だけで済まないわけ?」
ブルー 「せっかくだしねえ、派手にいこうよ。だけど限定公開で」

生徒会長曰く、ゼル先生には暗示がかけてあるそうでございます。
女子会のイメージを思念で送れる相手は長老だけ。
そして受け取った長老の先生方は「他の人に送りたくても送れない」。
生徒会長ならではの高度な思念の使用方法らしいのですけど…。

ブルー 「ただしハーレイが費用の負担を拒否した時には…」
ゼル  「わしらへの暗示が解けるわけじゃな」

そうなればイメージは流出し放題!
教頭先生が口止め料を払わなかったら、大惨事かも?

2012/04/11 (Wed)

 

☆お花見の対価


長老主催のお花見会への参加費用を教頭先生に払わせる企画。
教頭先生が拒んだ時には、雛祭り女子会のイメージが流出するそうです。
散々笑ったゼル先生はイメージを土産に引き揚げてゆき…。

ジョミー「酷いや、あんなのがバレたら一生モノの大恥だよ!」
キース 「最早手遅れってヤツだろう…。俺たちに止める方法は無い」
ブルー 「大丈夫だってば、長老以外には流れないから」
キース 「絶対なのか? 本当に限定公開なのか!?」
ブルー 「うん、絶対。それでも流出しちゃった時には…」

恨む相手はハーレイだよ、と生徒会長は自信満々。
思念の扱いに長けているだけに、暗示の方もパーフェクトだとか。

ブルー 「ハーレイが君たちの会費を払わなかったら流出するんだ」
ジョミー「それ、ありそうで怖いんだけど…。教頭先生、よく金欠だし」
ブルー 「でもさ、あれが流れたらハーレイも一蓮托生なんだよ?」
サム  「あっ、そうか! 教頭先生も混ざってたっけ…」
ブルー 「おかまバーのママの着物で…ね。あっちの方が大恥だってば」
シロエ 「ぼくたちだけなら若気の至りで済みますけれど…」
マツカ 「教頭先生は大人でしたね…」
ブルー 「おまけにキャプテンでシャングリラ学園の教頭ってわけ」
スウェナ「思念で流出しちゃった時にはシャングリラ号にも…?」
ブルー 「バレるだろうねえ、もう止めようが無いってね」

ネタがネタだけに爆発的に拡がるだろう、と生徒会長は笑っております。
その勢いはパンデミックか山火事か。
一瞬にして伝わる思念波はどうにも厄介な存在で…。

ブルー 「だからハーレイは絶対払うさ、破産してもね」
キース 「新年度早々、金欠か…。お気の毒な気もするな」
ブルー 「そうかな? 君の女装映像、長老の間には流れちゃうんだ」
キース 「全部あんたのせいだろうが!」

誰もそこまで頼んでいない、と泣きの涙のシャン学メンバー。
雛祭り女子会のイメージが宴会の対価。参加出来るといいですねえ…。

2012/04/12 (Thu)

 

☆夜の部の招待状


校庭での夜のお花見は長老の先生方の宴会。
花見提灯や紅白幕の飾り付けを手伝ったシャン学メンバー、そちらにも
参加出来るのでしょうか?

ジョミー「あーあ、今頃ゼル先生がアレをバラしているんだろうな…」
ブルー 「ハーレイが何も言わずに丸抱えってことは無いからね」
キース 「なんでこういうことになるんだ…」
ブルー 「ゼルが言っただろう、お祭りだって。座興だよ、座興」
シロエ 「それにしたってあんまりですよ。参加出来てもネタ扱いです」
ブルー 「そういうノリが宴会だってば! 盛り上げなくちゃ」
キース 「参加出来る保証は無いんだぞ?」
ブルー 「心配ない、ない。それよりお花見!」

今はぼくたちの貸し切りだから、と生徒会長。
紅白幕と花見提灯のお蔭で、桜の下はグッと華やかに。

キース 「そうだな、なるようにしかならないか…」
ジョミー「うん、多分。教頭先生次第だしさ」
ブルー 「やっと悟りが開けたかい? せっかくの花を楽しまなくちゃ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理、沢山あるからね!」

開き直ったシャン学メンバー、再び宴会を始めました。
お酒が無くても盛り上がれるのが若さというヤツでございます。
桜は脇役、料理が主役。楽しく食べて騒いでいると…。

ゼル  「おお、賑やかにやっとるな」
ブルー 「なんだ、もう結論が出たのかい?」
ゼル  「うむ。その連中は全員特別生じゃし、参加OKじゃ」
ジョミー「やったぁ! 夜も宴会だー!」
キース 「待て、参加費用のことを忘れたのか?」
ジョミー「そ、そうだっけ…。参加OKってことは、ぼくたちの分は…」
ゼル  「もちろんハーレイが払うんじゃ。最初は渋っておったがのう」

あのイメージを見せたら一発じゃった、とニヤリと笑うゼル先生。

ゼル  「頼むから他には流さんでくれ、と半泣きじゃったぞ」

面白かった、と高笑いしながらゼル先生は去ってゆきました。
宴会には参加出来るみたいですけど、笑い者フラグが立ってるような…?

2012/04/13 (Fri)

 

☆夜の部を待とう


長老主催の夜のお花見会に参加が決まったシャン学メンバー。
雛祭り女子会での女装姿が会費代わりとか口止め料だとか、色々あって。

ジョミー「…なんか複雑…」
キース 「最初に参加を希望したのはお前だろうが! 今更遅いぞ」
ブルー 「さっきは素直に喜んでただろ? 楽しくやろうよ、夜の部も」
ぶるぅ 「ゼルのお料理、美味しいよ! 毎年作ってくれるんだ♪」
ジョミー「そっか、楽しまなくっちゃ損だよね! 宴会だもんね」
ブルー 「恥はハーレイが引き受けるさ。何と言ってもおかまバーだ」
シロエ 「あれは強烈でしたもんねえ…」
ブルー 「若者の女装はお祭りの内! でもハーレイのは視覚の暴力」

ネタにされるのはハーレイの方だ、と生徒会長は申しております。

ブルー 「下手をするとホステス役かもねえ…。今夜のハーレイ」
ジョミー「また着物で? おかまバーの?」
ブルー 「リクエストがあれば再現するのもソルジャーの務め!」
キース 「あんた、悪ノリしているな?」
ブルー 「もちろんさ。宴会は笑ってなんぼなんだよ」
キース 「…俺たちにまでお鉢が回ってこないことを祈るぜ…」

ゴージャス姫スタイルは二度と御免だ、とキース君。
男子一同も深く頷き、リクエストされても応えない方向で一致団結。
そうこうする内に日が傾いて参りまして…。

ブルー 「一度撤収しないとね。夜の部はぼくの管轄じゃないし」
ぶるぅ 「ゼルが用意をするんだよ。だから綺麗に片づけてね!」

敷物とかも、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
緋毛氈とレジャーシートを畳んで、爪折傘もお片付け。
空になった重箱なども瞬間移動で生徒会長の家へ送ったようです。

ブルー 「さてと、ぶるぅの部屋で待っていようか、用意出来るまで」
キース 「そうだな、少し冷えてきたしな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちゃんと暖房入れておいたよ!」

暖房のスイッチは離れていてもサイオンで!
移ったお部屋は確かにポカポカ、後は日暮れを待つだけです~。

2012/04/14 (Sat)

 

☆夜の部、開宴


「そるじゃぁ・ぶるぅ」の部屋で待つ間に日は暮れ、夜桜の時間。
ゼル先生から内線電話で呼び出しがかり、校庭の方へと出掛けてゆくと。

ジョミー「凄いや、ライトアップされてるよ!」
ブルー 「ライトアップとは風情が無いねえ…。花見提灯に篝火だよ?」
キース 「提灯だけかと思ったんだが、篝火とはな」
ブルー 「夜桜には必需品だって! 最近はライトが主だけどさ」

ちゃんと本物の篝火なんだ、と生徒会長は得意そう。
桜を照らす暖かな焔と爆ぜる火の粉はなかなかに情緒がございます。

ゼル  「おお、姫君たちの御到着じゃな」
全員  「「「姫君?」」」
ブラウ 「見せてもらったよ、雛祭り! みんな揃ってお姫様ってね」
ジョミー「あ、あれは……やりたくてやったわけじゃなくって!」
ブラウ 「知ってる、知ってる。自主的に女装したのは一人だけだろ?」

そうだったよね、とウインクされて激しく咳き込む教頭先生。
エラ先生が背中を擦っていますが、他の長老の面々は…。

ゼル  「おかまは放っておいてもいいじゃろう。まあ、座れ」
ヒルマン「君たちと宴会は初めてだね。楽しんでいってくれたまえ」
ブラウ 「うんうん、お弁当も追加でバッチリ用意したしね」

さあどうぞ、と配られてきたのは二段重ねのお弁当。
教頭先生のゲホゲホも収まり、みんなで蓋を取ってみれば。

ぶるぅ 「わーい、今年も美味しそう!」
ゼル  「そうじゃろう、手抜きは一切しておらんぞ」
ブルー 「追加の方が多かったのに流石だよね。ゼルのコネに感謝だ」
ジョミー「コネって何?」
ゼル  「ふっふっふ。食材を融通してくれる友には事欠かんわい」

追加を作る時間が足りない料理は料亭からの調達品。
プロ級の腕を持つゼル先生、あちこちに板前の知り合いがいるそうで。

ゼル  「長い休みには手伝いに行くこともあるんじゃぞ」

斬新なメニューの勉強も兼ねて料亭の厨房でお手伝い。
ゼル先生の花見弁当だけでも参加した価値がありましたよね!

2012/04/15 (Sun)

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