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シャングリラ学園つれづれ語り

☆謹賀新年


元老寺で除夜の鐘を撞き、宿坊に泊まったシャン学メンバー。
徹夜で遊ぶつもりでしたが、生徒会長に寺で騒ぐなと言われて寝ることに。
不満タラタラでもいつの間にやら寝てしまいまして…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう! 起床、起床ーっ!」
キース 「いつまで寝ている! 夜が明けるぞ!」

さっさと顔を洗ってこい、とキース君。既に墨染めの衣を着ております。
その後ろには「そるじゃぁ・ぶるぅ」と生徒会長、こちらは私服。

ブルー 「きちんと口を漱ぐんだよ? でないと歳神様に失礼になる」
全員  「「「はーい…」」」

寝グセも直して、と生徒会長は厳しく指導。
身支度が整う頃には東の空が赤くなっており、みんな早足で山門へ。

アドス 「よしよし、皆さん揃いましたな」
イライザ「二礼、二拍手、一礼ですよ。間違えたらお雑煮無しですからね」
ジョミー「えぇっ! ちょ、ぼく、自信ない…」
キース 「お前が毎年間違えるからだ! 二礼、二拍手、一礼だぞ」
ジョミー「さ、最初がお辞儀で…それから、えっと…?」
キース 「もういい。一人で茶だけ啜ってろ!」
ジョミー「ま、待ってよ、もう一度説明を…」
アドス 「黙らっしゃい!」

一喝するなりアドス和尚は深々と一礼。さあ、初日の出でございます。
生徒会長以下、揃ってお辞儀をしておりますが…。
二度目のお辞儀から全員が頭を上げない内に柏手の音がパンパンと。
フライング柏手は皆に無視され、残りの人々は一斉に柏手、そして一礼。

キース 「やっちまったな…」
ジョミー「ぼ、ぼく、ちゃんと二回目お辞儀してたし! 早すぎただけで!」
サム  「一回だろ? 見苦しいぜ、ジョミー」
スウェナ「私も見たわよ。一回しかお辞儀していなかったわ」
ブルー 「初日の出もマトモに拝めないなんて…。お雑煮は無しだ」
キース 「決定だな」
ジョミー「…嘘…」

お雑煮は無しと言われたジョミー君。
とんだ事態になっちゃいましたが、まずは新年おめでとう!

2012/01/01 (Sun)

 

☆新年を祝え


今年の元老寺の元旦は、初日の出へのお参りを失敗した人にはお雑煮無し。
ジョミー君、最初に二回お辞儀する所を一度で済ませて柏手を打ち…。
どうなるのかと戦々恐々、とりあえず庫裏の座敷へ移動です。

アドス 「では、皆さん。改めまして、あけましておめでとうございます」
全員  「「「おめでとうございます!」」」
アドス 「まずはお屠蘇からですな。銀青様、どうぞ」
ブルー 「ブルーでいいって言ってるのに…」

アドス和尚、生徒会長の杯にお屠蘇を注いでおります。
その後は皆に順番に。お雑煮無しと言われたジョミー君にも…。

アドス 「お屠蘇は縁起物ですからな」
ジョミー「え?」
イライザ「お雑煮は無しと言いましたでしょ?」
ジョミー「や、やっぱり本気でお雑煮無し!?」
アドス 「そうだと言いたい所ですがのう…。お雑煮も縁起物ですし」
ジョミー「よ、良かったぁ…」

お雑煮無しは脅しだったようでございます。
イライザさんが大きな鍋から漆塗りのお椀に取り分け、配られましたが。

ジョミー「…あのぅ…。これって何?」
イライザ「御覧のとおりサトイモですわ。カシライモと言いますでしょ?」
ブルー 「人の上に立つ頭になれるよう、頭芋だよね」
ジョミー「なんか芋しか入ってないけど…。お椀一杯にデカイのが1個!」
ぶるぅ 「頭芋は切ったらいけないの! 丸ごとなの!」
ブルー 「切ったら頭になれないと言うよ。丸ごとが常識」
イライザ「お餅は頭芋を食べ終えたら入れて差し上げますわ」
ジョミー「ぼくの芋だけ大きいんだけど! みんなお餅も入ってるのに!」
アドス 「お雑煮無しとはいきませんからな、特大のをどうぞ」
イライザ「きっと将来、立派な人になれましてよ。銀青様みたいに」
ブルー 「ビッグサイズの頭芋かぁ…。うん、高僧になれそうだよね」
ジョミー「やだよ、そんなの!」

お坊さんにはなりたくない、と除夜の鐘にお願いしたのにこの始末。
ビッグサイズの頭芋を食べれば高僧フラグが立つのかな?

2012/01/02 (Mon)

 

☆お雑煮とおせち


人の上に立つ頭になれるようにと、お雑煮に入れる頭芋。
皮を剥いたサトイモを蒸し、切らずに丸ごと供するというのが決まりです。
食べる時には祝い箸で割ってもいいのですけど、とにかく丸ごと。
この頭芋がジョミー君のお雑煮のお椀を埋めております。

ジョミー「うえ~…。頭になれなくってもいいから、小さいのにしてよ」
イライザ「お雑煮無しよりマシでしょう? 冷めない内に召し上がれ」
サム  「さっさと食った方がいいんでないの? 餅が貰えないぜ」
アドス 「冷めると不味くなりますぞ。他の皆さんはおせちをどうぞ」
ジョミー「え? ひょっとして、ぼく、おせちもダメとか?」
キース 「元老寺では雑煮の餅を食べ終えるまでは、おせち禁止だ」
ジョミー「なんなのさ、それ!」
アドス 「歳神様は鏡餅に宿られますのでな、お雑煮の餅も縁起物でして」
イライザ「ですから丸餅になってますでしょ? お餅も食べて下さいね」
ブルー 「ジョミーのお椀にお餅が入る余地は無いからねえ…」
キース 「頑張って頭芋を食うんだな。それから餅を入れて貰え」
ジョミー「酷いよ、こんな大きいの! 正月早々、苛めだよ~!」

頭芋は蒸しただけの里芋、味付けはしてありません。
いくら食べ盛りのジョミー君といえども、お椀を埋めるサイズはヘビーで。

ジョミー「や、やっと食べ終わった~!」
イライザ「良かったですわね、立派なお坊さんになって下さいね」
アドス 「次は餅ですぞ。おせちはその後ですからな」
ジョミー「よーし、急いで食べて次はおせちだ!」
サム  「あ、悪い。…ジョミーの分を忘れていたぜ」
シロエ 「大丈夫ですよ、まだまだ沢山ありますから!」
ジョミー「嘘つき! お約束のヤツしか残ってないし!」
ブルー 「人気のヤツから減っていくのは当然だろう」

黒豆や数の子などの定番品は豊富に残っております。
が、美味しそうだった中華や洋風おせちは食べ尽くされた後でした。
人の頭になる人間ならグッと堪えて我慢するべき…?

2012/01/03 (Tue)

 

☆おせちの落とし穴


正月早々、おせちを食べ損なってしまったジョミー君。
正確に言えば、いわゆる「おせち」は食べられましたが、中華風と洋風の
おせちは出遅れた間に完食されておりました。

ジョミー「なんでお代わりの分が無いのさ!」
キース 「中華と洋風はお前たちのために注文したヤツだ。他のは違う」
イライザ「お手伝いの皆さんと手分けして作りましたの。遠慮なくどうぞ」
アドス 「おせちは手作りが一番ですぞ。元老寺の伝統の味でしてな」
ジョミー「うう…。お煮しめなんかよりフォアグラコロッケ!」
キース 「貴様、おふくろを馬鹿にするのか!」
ジョミー「そ、そんなつもりじゃ…」
ブルー 「いけないねえ、人様の好意を無にするなんて。それも元日から」
アドス 「あまり感心しませんなぁ…。おっと、私はそろそろ失礼を」

檀家さんが初詣にいらっしゃるので、とアドス和尚が腰を上げました。
本堂に座ってお客様をお迎えするのが住職の大切な仕事だそうで…。

ブルー 「ジョミー。君もお手伝いしてきたまえ」
ジョミー「えっ、何の?」
ブルー 「初詣! イライザさんに失礼なことを言っただろう」
キース 「そうだな、謝罪は態度で示してもらおうか」
ジョミー「た、態度って…。ぼく、お寺の初詣なんか分からないし!」
アドス 「一年の計は元旦にありと申しますぞ。ぜひ御本尊様にご挨拶を」
ジョミー「は、初詣って…もしかしなくても、お参りから?」
ブルー 「当然だろう。朝のお勤めをしてから檀家さんをお迎えするんだ」
キース 「俺の法衣を貸してやるから着替えるんだな。まず形からだ」
ブルー 「そうそう、高僧への道は一日にしてならずってね」
ジョミー「ちょ、ちょっと! なんでお坊さんの格好まで…!」

そんなの嫌だ、と泣き喚いても無駄というものでございます。
キース君の部屋へ連行されたジョミー君、墨染めの衣と輪袈裟で変身完了。
これって高僧フラグというヤツですよね?
ビッグサイズの頭芋の御利益、凄い速さで現れましたよ~!

2012/01/04 (Wed)

 

☆お手伝いの少年


元老寺の伝統おせちに文句をつけたジョミー君。
おせちを作ったイライザさんに失礼な、と謝罪を要求されたから大変です。
詫びの気持ちは態度で示せ、と初詣のお手伝いをする羽目に…。
しかも墨染めの衣と輪袈裟で。

ブルー 「いいねえ、なかなか似合っているよ」
サム  「うん、けっこうサマになってるぜ。ホントに寺の息子みたいだ」
スウェナ「馬子にも衣装って言うものね。で、何をするの?」
ジョミー「知らないよ! でも最初は本堂でお勤めだって…」
キース 「ぐずぐずするな! 親父が痺れを切らすと怖いぞ」
ジョミー「わ、分かってるよ! でも…」

嫌なものは嫌なんだ、とジョミー君が言った所へドスドスと重い足音が。
座敷の襖がガラリと開き、アドス和尚が現れて…。

アドス 「遅い! 檀家さんがお見えになる前にお勤めと言った筈ですぞ」
ジョミー「お勤めも初詣も嫌だってば!」
アドス 「ほほう…。では、別の方法で謝罪をなさいますかな?」
ジョミー「えっ?」
アドス 「イライザ、剃刀とバリカンじゃ! 頭を剃って差し上げい!」
ジョミー「な、なんでいきなり…!」
アドス 「頭を丸めるのは詫びの王道というヤツでしてな」
キース 「馬鹿、早く親父に謝るんだ! でないと俺でも止められんぞ」
ジョミー「ご、ごめんなさい! ごめんなさい~っ!」

坊主頭よりはお勤めの方がマシというもの。
本堂に出掛けて行ったジョミー君、お勤めの後は初詣のお手伝いです。
とはいえ、ただの下っ端だけに…。

ジョミー「さ、寒い…。なんか雪まで降って来てるし…」
檀家さん「あけましておめでとうございます」
ジョミー「あ、あけましておめでとうございます! 中へどうぞ」

ジョミー君、寒さでガチガチ歯を鳴らしながら本堂の外で下足番。
本堂の中ではアドス和尚とキース君が檀家さんとコタツで談笑する声が。
貼るカイロも無いジョミー君の心境はマッチ売りの少女でございます。
あと何足の履物を揃えたら暖かい所に行けるのかな…?

2012/01/05 (Thu)

 

☆雪の中の少年


雪が降る中、本堂の前で凍えながら下足番をしているジョミー君。
檀家さんが脱いだ履物を揃え、お帰りになる時にサッと差し出す役目です。
ついでに靴が汚れていたら綺麗にするのもお仕事で…。

ジョミー「うう…。パパの靴だって磨いたことなんか無いのにさ…」

冷たい両手に息を吹きかけ、檀家さんの靴をキュキュッと磨くジョミー君。
雪模様のため履物の汚れは増える一方でございます。
しかし仕事をサボろうものなら、アドス和尚が怒るのは必至。
今度こそ坊主頭にしろと怒鳴られるのは確実で。

ジョミー「あーあ、温かいものが食べたいなぁ…。お昼、まだかな?」
檀家さん「あけましておめでとうございます。お寒い中をご苦労様です」
ジョミー「あ、ど、どうも…。あけましておめでとうございます」

本堂に入ってゆく檀家さんの手には菓子折が。
あれが肉まんだったなら…、なんてジョミー君は思っております。
下っ端のジョミー君に分けてくれる筈も無いんですけど。

ジョミー「肉まん食べたい…。あんまんでもいいな、ピザまんとかさ…」

靴を磨いた後、震えながら呪文のように唱えていると、いい匂い。
ふと見てみれば本堂の前の廊下にホカホカの肉まんが置いてあります。
それも蒸したてのヤツが5つも!

ジョミー「うわぁ…。もしかしてキースが持ってきてくれた?」

頑張るぼくへの御褒美だよね、と手に取ってみると熱々で。
マッチ売りの少女と違って幻覚などではなさそうです。

ジョミー「いっただっきまーす!」
檀家さん「では、失礼させて頂きます。…ああ、どうぞお構いなく」

お食事中でらっしゃいますし、と檀家さんは靴を履いて去ってゆきました。
ジョミー君は肉まんで口が一杯ですから、ペコリと頭を下げただけ。
そこへ…。

キース 「誰が食事をしていいと言った!」
アドス 「…イライザの差し入れかと思いましたが、違うようですな」

御本尊様の前で肉まんとは…、とアドス和尚は怒りの形相。
ジョミー君、坊主頭の危機ですか?

2012/01/06 (Fri)

 

☆少年と肉まん


お寺といえば精進料理。
しかし、家族でお寺を守っていれば精進料理オンリーは無理でございます。
育ち盛りの子供でなくとも、お肉も魚も食べたいですし…。
もちろん食べていいのですけど、仏様の前で食べるのだけは絶対ダメ。
ジョミー君みたいに本堂前で肉まんなどは言語道断!

アドス 「お元日から御本尊様に失礼な…。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
キース 「よりにもよって肉まんとはな。寺を何だと思っている!」
ジョミー「で、でも…。熱々のを置いてくれてたし…」
キース 「言い訳はいい! 檀家さんが鼻風邪でなかったら最悪だぞ!」
アドス 「匂いが分からんと仰っておられたからいいようなものの…」

肉まんを食べていたとバレたら大変なことに、とアドス和尚は怒り心頭。
他所様の子でも遠慮はしないと頭から湯気が立つ勢いです。

アドス 「銀青様からも厳しく叱って頂かないといけませんな」
ジョミー「い、いたたたた!」
キース 「自業自得というヤツだ。親父が噴火した以上、もう止められん」
ジョミー「痛い、痛いよ、痛いってば~!」

耳を引っ張って引き摺られてゆくジョミー君。
檀家さんの初詣の午前の部が終わった所というタイミングも最悪でした。
キース君は証拠物件として肉まんの残りを抱えています。
そしてアドス和尚はジョミー君の耳をグイグイと…。

ジョミー「ひぃぃっ、ごめんなさい、ごめんなさい~!」
アドス 「詫びの言葉は御本尊様に! 銀青様もそう申されるでしょう」
キース 「終わったな…。お前、ブルーの意見次第では坊主頭だ」
ジョミー「そ、そんなぁ…! い、いたたたたた!」
アドス 「高僧を目指される以上、しごきにも耐えて頂きませんと」
ジョミー「誰もなりたいって言っていないし!」
アドス 「黙らっしゃい!」

とにかく銀青様にご報告せねば、とアドス和尚は激怒中。
ジョミー君、思い切り坊主フラグが立っております。
肉まん1個で人生を棒に振りそうですけど、あの肉まんはいったい誰が…?

2012/01/07 (Sat)

 

☆お寺と肉まん


初詣のお手伝い中に肉まんを食べてしまったジョミー君。
御本尊様の前で肉を食べるとは何事か、とアドス和尚の雷が…。
サンタクロースの訪問も断ったという人物だけに、決まり事には厳格です。

アドス 「元老寺ではバターも卵も禁止でしてな」
ジョミー「な、何なの、それ…」
アドス 「御本尊様にはクッキーなどもお供え禁止ということでして」
キース 「材料に卵やバターが入っているからな。マドレーヌもダメだ」
アドス 「檀家さんがお供えして下さった場合は例外ですが…」

お供え物を買う時には原材料の確認が必須、とアドス和尚。
イライザさんも気をつけているのだとか。
動物性の食材はバターもダメな元老寺。そこで肉まんを食べたとなると…。

アドス 「銀青様もお怒りになると思いますぞ。覚悟の方はよろしいな」
ジョミー「か、覚悟って…」
アドス 「先ほどキースが申しましたとおり、場合によっては剃髪かと」
ジョミー「なんで剃らなきゃいけないのさ!」
キース 「ブルー次第だと言っただろうが。お前、あいつに逆らえるのか?」
ジョミー「う…。む、無理…っぽい気が…」
キース 「だったら覚悟を決めておけ!」
ジョミー「い、嫌だってば! い、いたたたた…」

耳を引っ張られているジョミー君には逃亡の術はございません。
とうとう坊主頭の危機と銀青様こと生徒会長が待ち受ける庫裏へ。

イライザ「お帰りなさい、お疲れ様でした。…あら、どうなさったの?」
アドス 「どうしたも何も…。銀青様はどちらにおいでだ?」
イライザ「お座敷ですわ」
アドス 「そうか。では、参りますぞ」
ジョミー「だ、誰か助けて~! い、いたたたたた…」

ジョミー君の悲鳴に耳も貸さずにアドス和尚は廊下をドスドス。
座敷の襖をカラリと開けて…。

アドス 「銀青様、失礼いたします」
ブルー 「おや。騒がしいなと思ったら…」

ジョミーじゃないか、と生徒会長。
伝説の高僧、銀青様の前に引っ立てられた気の毒な少年の運命や如何に…?

2012/01/08 (Sun)

 

☆肉まんの出どころ


本堂の前で肉まんを食べ、アドス和尚の怒りを買ってしまったジョミー君。
耳を引っ張られて生徒会長の所へ連行されて来たわけですが…。

ブルー 「ジョミーが何かやらかしたのかい?」
アドス 「御本尊様の前で肉まんを食べておったのです!」
キース 「しかも檀家さんがお帰りになろうかという時に、だ」
ブルー 「なるほどねえ…。お手伝いをサボッて肉まんを食べた、と」
キース 「ああ。これが証拠の肉まんだ」

肉まんが4個乗ったお皿をキース君が机に置いた所で元気な声が。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ お昼、出来たよ!」
サム  「持ってきたぜい、ぶるぅ特製のスペシャル昼飯!」
イライザ「凄いのを作って下さいましたの。お昼御飯に頂きましょう」

ぞろぞろ連なって座敷に入ってくるシャン学メンバー。
大きなお盆に山盛りの中華料理を乗せております。ん? 中華料理?

ジョミー「あっ…。に、肉まんだぁ!」
キース 「やかましい! お前は叱られている最中だろうが!」
アドス 「ほう、こちらでも肉まんですか。奇遇ですなあ」
ブルー 「偶然じゃないよ? そこの肉まんと同じだからね」

証拠物件の肉まんを指差す生徒会長。
こちらは既に冷めていますが、確かに見た目はそっくりです。

ジョミー「じゃ、じゃあ……あの肉まんを置いたのは…」
ブルー 「誰にも見られず、出来たての味を素早くお届け! 特別にね」
ジョミー「な、なんでそんなことを…」
ブルー 「マッチ売りの少女な気分だったようだし、ご期待に応えて」
ぶるぅ 「肉まん食べたいって言っていたでしょ?」
ブルー 「マッチを擦る代わりに靴を磨いては肉まん、あんまん…」
ジョミー「だからって届けてくれなくっても!」
ブルー 「おや、そうかい? お約束だと思ったけどなあ」

最後は天国に行くんだよね、と生徒会長。
そりゃあ、マッチ売りの少女のラストは天国に昇ってゆくわけですが。
マッチ売りの少女もどきなジョミー君を待っているのも天国だとか…?

2012/01/09 (Mon)

 

☆肉まん食べて天国へ


雪が降る中、マッチ売りの少女の心境だったジョミー君に届いた肉まん。
熱々の差し入れは嬉しいですけど、問題は食材でございます。
御本尊様へのお供え物には動物性の食材厳禁、卵入りクッキーもアウトな
元老寺。そんな所の本堂の前で肉まんなんぞは論外で…。

アドス 「銀青様の御厚意であっても肉まんだけは許せませんな」
ブルー 「あ、やっぱり? そうじゃないかと思ったけれど」
ジョミー「分かってたんなら届けないでよ!」
ブルー 「最後は天国へ行けるんだからいいじゃないか。…お浄土だけど」
ジョミー「お浄土って何さ!?」
ブルー 「そのまんまだよ、極楽浄土」
アドス 「ほほう…。もしや、私が怒るのも計算済みでらっしゃいますか?」
ブルー 「もちろんさ。ここは徹底的に詫びを入れろと言うんだろう?」
アドス 「当然です! 御本尊様に土下座程度では生ぬるいかと」
ブルー 「頭を丸めてお詫びするのが一番だろうね、こういう時には」
ジョミー「ちょ、ちょっと…! まさかそのための肉まんだったの?」
ブルー 「うん。坊主になってお念仏をすれば極楽往生間違いなしだよ」

天国行きの直行便だ、と生徒会長は申しております。
極楽浄土は天国みたいなものでしょうけど、切符の代わりに坊主頭って…。

ジョミー「そ、そんな天国要らないし! 地獄でいいし!」
アドス 「なんと、地獄がいいとは罰当たりな…。仏罰が下りますぞ!」
ブルー 「そうか、地獄が好みなのか…。じゃあ、剃るしかないかな」
ジョミー「地獄行きなら坊主頭は要らないじゃない!」
ブルー 「気分的に地獄ということで…。せっかく天国行きだったのに」
ジョミー「な、なんでそういうことになるのさ~!」
キース 「肉まんを食ったお前が悪い。自業自得というヤツだ」

地獄行きでも天国行きでも剃髪らしいジョミー君。
お雑煮の頭芋で立った坊主フラグはへし折れそうもありません。
肉まん1個で坊主頭の大ピンチ。潔く諦めてお浄土行きを選ぶべきかな…?

2012/01/10 (Tue)

 

☆肉まんと畜生道


天国行きでも地獄行きでも坊主頭らしいジョミー君。
お元日からピンチですけど、助けは来そうにありません。
頭を丸めて極楽浄土に往生するか、謝罪で頭を丸めさせられて地獄気分か。
泣きの涙のジョミー君ですが…。

イライザ「許せないのは肉まんですの?」
アドス 「決まっておろうが! 本堂の前で肉まんじゃぞ!」

本堂といえば御本尊様がおいでの所。その前ならば御本尊様の前も同じで
ございます。バターも卵もお供え禁止の御本尊様の前で肉まんなんて…。
バターや卵を直接ではなく、原材料でもダメなんですよ?

アドス 「百歩譲ってバタークッキーなら許しもするがな…」
キース 「肉まんは絶対アウトでしかない。モロに肉だからな」
イライザ「銀青様の差し入れでも?」
アドス 「当然じゃ! 現に銀青様も極楽へ行けと説いておられる」
ブルー 「高僧としては一人でも多くお浄土に行って欲しいからねえ…」
ジョミー「要らないし! 天国も地獄もどっちも嫌だし!」
キース 「最悪だな。六道輪廻から抜け出すどころか、そっちを希望か」
ジョミー「えっ? 何それ…」
アドス 「お浄土も地獄も嫌だとなると、そうなりますなあ…」
ブルー 「畜生道とか餓鬼道だとか、ロクでもない所に行くってさ」
ジョミー「なんか、ますますワケ分かんないし!」

どうでもいいよ、とジョミー君はヤケになっておりますけれど。

イライザ「この肉まんで畜生道は無いんじゃないかと思いますわ」
アドス 「畜生が共食いになるからか? そういう場所じゃぞ、畜生道は」
ブルー 「いや、別にそういうわけじゃなくって」
ぶるぅ 「えっと…。共食いって……出来るのかな?」
キース 「共食いをする動物は沢山いるぞ。虫も魚も共食いするな」
ぶるぅ 「そっかぁ…。じゃあ、ワラビでも共食いする?」
キース 「わ、ワラビーだと!?」

どうなんだ、と意見を求めて周囲を見回すキース君。
ワラビーは可愛い小型のカンガルー。あれって共食いするんでしょうか…?

2012/01/11 (Wed)

 

☆肉まんとワラビー


極楽も地獄も、どっちも嫌だ、と叫んだジョミー君に示されたのは畜生道。
他に餓鬼道などもあるそうですけど、今の話題は畜生道です。
そこへ落ちれば獣とあって共食いなどは当たり前ですが、問題はワラビー。
肉まんを作った「そるじゃぁ・ぶるぅ」がワラビーはどうかと訊いてます。

キース 「ワラビーか…。あれは肉食ではなかったような…」
ぶるぅ 「でしょ? お肉は食べないと思うんだけど」
キース 「しかしだな、追い詰められると共食いするのが動物で…」
ぶるぅ 「ワラビでも?」
キース 「ワラビーでも、だ。それにワラビじゃなくてワラビーだ、ぶるぅ」

言葉は正しく、とキース君は諭しております。
語尾をきちんと伸ばしておかないと別物になる、と説明中。

キース 「いいか、ワラビーはカンガルーだが、ワラビは違うぞ」
ぶるぅ 「うん、違うよね。このお肉ってワラビだもん」
ジョミー「えっ、この肉まんってワラビーだったの!?」
キース 「そんな食材、よく売ってたな…」
ぶるぅ 「スーパーに行けば売ってるよ?」
キース 「お前の行きつけの店は品揃えが豊富なんだろう」
ぶるぅ 「そうなの? でもワラビって山に行けばあるでしょ」
キース 「主な生息地は山だったか? すまん、俺はワラビーは専門外だ」
ぶるぅ 「元老寺の裏山は木が茂ってるから無いのかな?」
キース 「なんだと? この国の山にワラビーがいるわけないだろう!」
ぶるぅ 「そうかなぁ…。じゃあ、春になったらワラビ狩りに行く?」
キース 「か、狩るのか? ワラビーを…?」

そんな無茶な、と唖然としているキース君。
いくら小型のカンガルーでも、シャン学メンバーで狩りですか?

ぶるぅ 「お弁当持ってみんなで行こうよ、ワラビ狩り!」
ブルー 「いいねえ、たまにはそういうのも」
キース 「ちょ、ちょっと待て、なんで坊主が!」

坊主が狩りなどもっての外、とキース君は大慌て。
ワラビー狩りに行くとなったら、アドス和尚がまたキレるかな?

2012/01/12 (Thu)

 

☆ワラビーとワラビ


ジョミー君に坊主頭の危機をもたらした肉まん。
それを作った「そるじゃぁ・ぶるぅ」によれば材料はワラビーの肉だとか。
春になったらみんなでワラビー狩りにお出掛けしよう、と言っております。

アドス 「待ちなされ! 狩りはいけませんな、坊主は殺生禁止ですぞ」
キース 「生け捕りにするなら話は別だが、肉まんの素にする気だろう?」
ぶるぅ 「えとえと…。肉まんもいいけど、御飯に混ぜると美味しいよ」
キース 「御飯だと?」
ぶるぅ 「アク抜きしないとダメだけどね。一晩ほど漬けておかないと」
ブルー 「油揚げと一緒に甘辛く煮たのを炊きたて御飯に混ぜると絶品!」
ぶるぅ 「うん、筍も刻んで入れるといいよね」
キース 「ワラビー丼か? 俺はそういうのは初耳だが…」
ブルー 「まだ気付かないって所がねえ…。丼じゃなくてワラビ御飯だよ」
キース 「ワラビー御飯? ますますもって分からんぞ」
ブルー 「だから、ワラビーじゃなくてワラビだってば! 山菜の!」
キース 「蕨!?」
アドス 「わ、蕨ですと? 肉まんの何処が!」
ブルー 「御本尊様の前じゃないから食べてみたら? その証拠品」

生徒会長が指差したのは、キース君が持ち帰ってきた肉まんの残り。

ぶるぅ 「冷めちゃってるから美味しくないと思うけどなぁ…」
サム  「こっちのヤツなら蒸したてだぜ?」
ブルー 「そうだね、同じ食べるなら熱いのがいいか。ほら、早く」
キース 「おい、本当に同じなのか?」
ブルー 「ぶるぅ、その証拠品を蒸し直してきてよ。味比べにさ」
ぶるぅ 「オッケー!」

証拠品のお皿を抱えて台所へ駆けてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
一方、アドス和尚とキース君は…。

アドス 「この肉まんが蕨ですと?」
キース 「とにかく割ってみようぜ、親父」
アドス 「むむぅ…。肉に筍、どう見ても中身は肉まんですな」

間違いなし、と肉まんを割って検分しているアドス和尚。
豚肉にしか見えないんですけど、本当に蕨…?

2012/01/13 (Fri)

 

☆肉まんと蕨


ジョミー君が本堂の前で食べて、アドス和尚の怒りを買った問題の肉まん。
どうやら「そるじゃぁ・ぶるぅ」が昼食用に作った肉まんらしいです。
しかも原材料は山菜の蕨だと言うのですが…。

ブルー 「見た目が肉まんでも蕨だってば、本当に」
アドス 「そうですかなあ? まあ、論より証拠と申します。ここは一口」
キース 「ああ、試食するのが一番だよな」

蒸したての肉まんを齧るアドス和尚とキース君。
二人の顔がみるみる険しくなって…。

アドス 「銀青様。お言葉を返すようですが、これは本物の肉まんですぞ」
キース 「食感といい、風味といい…。間違いなく肉だ」
アドス 「ジョミー殿には御本尊様に詫びて頂くしかありませんな」
ジョミー「そ、そんなぁ…! だって肉まんはブルーがぼくに…」
キース 「お前が煮え切らないからだ! ブルーが弟子に欲しがってるのに」
アドス 「切っ掛けはどうあれ、頭を丸めれば仏弟子の覚悟も出来ますぞ」
ブルー 「うん、いい展開になってきたよね。どうだい、ジョミー」
ジョミー「い、嫌だってば! 肉まん1個で人生ドブに捨てたくないし!」
アドス 「なんと、ドブとは失礼な…。ますますもって御本尊様に」
キース 「頭を丸めて五体投地で詫びるしかないな」

作法は俺が教えてやる、とキース君は燃えております。
ジョミー君に逃げ道は無さそうですけど、そこへトコトコと足音が。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 蒸し直してきたよ、さっきの肉まん!」
ブルー 「よし、証拠品の到着だ。食べてみて」
アドス 「何度食べても肉に変わりはございませんぞ」
ブルー 「そう言わずに。ほら、キースも」
キース 「………。やはり肉まんにしか見えないのだが」

温め直した肉まんを食べても二人の意見は変わることなく。

キース 「何処が蕨だ、これの何処が!」
アドス 「銀青様、蕨は豚肉のことですかな?」

初耳ですが、とアドス和尚。
お坊さんの世界ではお酒を般若湯と申します。豚肉は蕨と呼ぶんですか…?

2012/01/14 (Sat)

 

☆お坊さんと肉


お坊さんの世界にお酒は厳禁。
『不許可葷酒入山門』(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)が有名です。
お寺の門前に建てられている石碑の言葉で、書かれた品物は持ち込み禁止。
ネギ、ニラ、ニンニクなどの臭い野菜とお酒でございます。
修行の妨げになるからですが、それでも寒さの厳しい冬などは…。

アドス 「酒は般若湯と呼ばれておりますし、許す宗派もありますな」
キース 「ソレイド八十八ヶ所を開かれたお大師様の所だな」
アドス 「あそこのお山の冬は厳しく、飲まねば凍えると聞いております」
ブルー 「うん。氷点下なんかは当たり前だしね、雪も積もるし」
アドス 「ですから般若湯は分かるのですが、蕨は本当に初耳でして」
キース 「俺も初めて聞いた言葉だ。三種の浄肉なら講義で出たが」
アドス 「わしもそれなら分かるんじゃがのう…」
サム  「肉? なんか肉って聞こえたぜ。食っていいのかよ?」
ブルー 「うーん…。まあ、そういう教えが無いこともない」
キース 「初期仏教の教えに三種の浄肉ってヤツがあるんだ」

生徒会長とアドス和尚とキース君、三人のプロのお坊さんによりますと…。
三種の浄肉とは、初期仏教の僧侶が托鉢中に貰った御布施の話。
鶏肉カレーを貰ってしまい、さて、このお布施をどうするか。

ジョミー「アウトだろ! 肉まんだってアウトなんだし!」
ブルー 「食べていい条件が三つあるんだ。だから三種の浄肉なんだよ」
アドス 「まず、殺される所を見ていない」
キース 「自分に供するために殺したと聞いていない」
ブルー 「自分に供するために殺したと知らない」
シロエ 「なんですか、それ?」
ブルー 「最初の条件は分かるだろう? あとの二つは頂く時の条件でさ」
アドス 「お坊さんのために殺しました、と言われなければ無問題でして」
キース 「残り物のカレーだったら更に問題無いわけだ」
ジョミー「じゃあ、これだって!」

肉まんも三種の浄肉だ、とジョミー君。はてさて主張は通るのかな…?

2012/01/15 (Sun)

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☆募金活動の拠点


クリスマス実行委員会ことシャン学メンバーの寄付金集め。
活動場所は中庭だそうでございます。募金箱は目立ってなんぼの精神から!

ブルー 「活動時間は昼休みと放課後ってことでいいよね?」
キース 「そうだな。朝は何かと慌ただしいし、それが妥当な線だと思う」
ブルー 「まずは準備をしなくっちゃ! 職員さんに頼んで小屋とか」
全員  「「「小屋?」」」
ブルー 「うん。クリスマスと言えば馬小屋だろう?」
キース 「それはキリストが生まれた場所じゃなかったか?」
ブルー 「まあ、その程度は常識だね。その馬小屋が要るんだってば」
ジョミー「馬小屋なんか何に使うわけ?」
ブルー 「募金活動の拠点だよ。これがなくっちゃ始まらないさ」
マツカ 「あのぅ…。それって教会の前とかにある馬小屋セットですか?」
シロエ 「馬小屋セット? 何ですか、それ?」
ブルー 「キリストの誕生を再現してある飾りだけど? 人形つきで」

クリスマスが近づくと教会の前に飾られるという馬小屋セット。
赤ん坊のイエスを囲んで聖母マリアとヨセフ、羊飼いなどが居並ぶそうで。

ブルー 「どうせなら華やかにやりたいよねえ、募金活動」
キース 「ちょっと待て! 馬小屋セットを飾ってお賽銭を集める気か?」
ブルー 「お賽銭? せめて献金と言ってほしいな」
キース 「細かいことはどうでもいい! あんた、募金と言っただろうが!」
ブルー 「募金だよ? 馬小屋セットを拠点にするって説明したけど?」
キース 「…寺や神社の賽銭箱と何処が違うと言うんだ、何処が!」
ブルー 「ん? あえて言うなら人形を置かないって所かな?」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「人形を飾って献金箱を置くなんてことは出来ないだろう」

此処は教会じゃないんだから、と生徒会長。

ブルー 「やっぱり頭を使わないとね。寄付を募るなら、それなりに!」

募金活動に馬小屋セットは必須だとか。
けれど人形を置かないだなんて、それでも馬小屋セットですか…?

2011/12/16 (Fri)

 

☆馬小屋で募金


募金活動に馬小屋セットが必要だと言う生徒会長。
馬小屋は職員さんに作って貰うようですけれど、人形無しでどうすると…?

ブルー 「人形を置くと本物っぽくて宗教色がね…。ちょっと重すぎ」
シロエ 「でも、馬小屋だけが飾ってあっても通じませんよ?」
ジョミー「だよね、ブルーに馬小屋って言われても何か分からなかったし」
ブルー 「馬小屋だけだとそうなるけどさ。マリアとかが居れば大丈夫!」
全員  「「「え?」」」
ブルー 「一番最初に訊いただろう? マリアはジョミーでいいのかって」
ジョミー「ちょ、ちょっと待って! それってまさか…」
キース 「人形の代わりに人間だってか? ジョミーがマリア役なのか?」
ブルー 「ご名答。ぼくたちが馬小屋セットになりきるんだよ」
全員  「「「!!!」」」

ポカンと口を開けて固まっているシャン学メンバー。
けれど生徒会長は嬉々として…。

ブルー 「衣装はいつもの店で用意できるし、本格的なヤツにしようね」
キース 「なんでそういうことになるんだ!」
ブルー 「募金箱とか献金箱より、見世物の方が集金しやすい」
ジョミー「み、見世物って…」
ブルー 「だって見世物みたいなものだし! 投げ銭の代わりに募金箱に」
シロエ 「そ、それは……確かにウケるかもしれませんけど…」
ブルー 「絶対ウケる! 馬小屋のシーンは信者さんでなくても有名!」
ジョミー「だからって、どうしてぼくがマリアになるのさ!」
ブルー 「男女混合は駄目だと言ったじゃないか」

降誕劇をやる高校は男子校か女子校だ、と生徒会長は申しております。
男子校だとマリア役が女装、女子校の場合はヨセフ役が男装。

ブルー 「実行委員会は圧倒的に男子が多数。必然的にマリア役は女装!」
ジョミー「じゃ、じゃあ、スウェナは…」
ブルー 「募金係に決まっているだろう」

馬小屋セットの前で募金箱を持つのがスウェナだそうです。
ということは、他の面々は…? シャン学メンバーの運命や如何に!

2011/12/17 (Sat)

 

☆馬小屋の配役


馬小屋セットの人形の代わりにクリスマス実行委員会を使う、と生徒会長。
シャン学メンバー、目が点ですが。

ブルー 「降誕劇より簡単だよ。動かなくていいし」
ジョミー「で、でも…。なんで、ぼくがマリア…」
ブルー 「理由を言えばいいのかい? 君はタイプ・ブルーだろう?」
ジョミー「自覚ゼロだし! 思念波くらいしか使えないし!」
ブルー 「マリアも自覚ゼロだったんだよ、受胎告知の天使が来るまで」
ジョミー「それとどういう関係が!?」
ブルー 「とりあえず、ぼくとぶるぅを除けば唯一のタイプ・ブルーだし」

マリア役は特別な人間がやるべきだ、と生徒会長は主張しております。

ジョミー「だったらブルーがマリアじゃないか、ソルジャーだもの!」
ブルー 「ぼくは天使をやるんだよ。マリアより目立つ花形だしね」

美形には相応のポジションを、だそうでございます。
生徒会長が目立っていれば女子生徒たちが狂喜するのは間違いなしで…。

キース 「一応、理屈は通っているな。見世物な以上、より目立たないと」
ブルー 「分かってくれて嬉しいよ。注目を浴びれば募金が増える」
ジョミー「ぼくはマリアなんかイヤだってば!」
ブルー 「心配しなくてもヨセフはキースだ」
ジョミー「だから、そういう問題じゃなくて! …って、キース…?」
キース 「どうして俺がヨセフなんだ! ジョミーと組んだ覚えは無い!」
ブルー 「ヨセフは忍耐の人なんだよ。身重のマリアを押し付けられてさ」
シロエ 「ああ、世界一有名な寝取られ男とか言いますよねえ…」
ブルー 「うん。聖家族と言えば聞こえはいいけど、実態は悲惨」
キース 「それと俺とが、どう結び付くと!?」
ブルー 「悲惨じゃなくて忍耐の方さ。お坊さんになるべく忍耐の日々だ」
サム  「なるほどなぁ…。坊主頭にしろと言われたり、色々あるよな」
ブルー 「だろう? キースにピッタリのキャラなわけ」

生徒会長、独断と偏見で暴走中。
シャン学メンバーの明日はどっちだ!?

2011/12/18 (Sun)

 

☆配役決定!


生徒会長曰く、ジョミーがマリアでキースがヨセフ。
自分は天使ガブリエルをやると言ってますから、残る面々が演じるのは…。

ブルー 「後は羊飼いと三人の博士だね」
キース 「おい、俺とジョミーは決定なのか!?」
ブルー 「どうしても嫌なら君がマリアをやってもいいよ」
キース 「なんでそうなる!」
ブルー 「マリアは特別な人にしたいし、君は唯一の大学生だし…」
キース 「そういう特別扱いは要らん!」
ブルー 「じゃあ、ヨセフで」
ジョミー「ま、待ってよ、ぼくは? ぼくの立場は?」
ブルー 「キースがマリアを断った以上、君の代わりはいないんだけど」
ジョミー「酷いよ、なんで勝手に決めるのさ!」
ブルー 「…クジ引きとかジャンケンがいいのかい?」
シロエ 「ジョミー先輩、諦めた方がいいですよ。会長には勝てません」
サム  「そうそう、クジ引きもジャンケンも無駄だよな」
マツカ 「サイオンで細工されたらおしまいですしね」
キース 「畜生、他人事だと思いやがって!」
ジョミー「だけど、逆らっても無駄って所は当たっているよ…」

生徒会長、こうと決めたら一直線。
止められるような人も無ければ、止めるような命知らずもおらず。

ブルー 「博士はサムとマツカとシロエでどうかな? ぶるぅは羊飼いで」
ジョミー「そうだ、シロエが特別だよ! ホントは一学年下なんだし!」
ブルー 「早速衣装を誂えなくちゃね。馬小屋の手配と」
ジョミー「だからシロエが特別だってば! マリアはシロエで!」
ブルー 「馬小屋は多分明日には出来るし、衣装も急ぎでお願いしよう」
ジョミー「シロエはキースの後輩だし! キースのヨセフに似合うと思う!」
ブルー 「明日の放課後から練習だ。衣装が出来たら即、募金開始」

馬小屋が出来上がったら立ち位置とポーズを決めるそうです。
ジョミー君の叫びも空しく、配役は全て決定しました。
キース君はチャリティーだからと忍の一字で耐え抜く覚悟。
頑張れ、クリスマス実行委員会!

2011/12/19 (Mon)

 

☆馬小屋への道


生徒会長に一方的に配役を決められてしまったシャン学メンバー。
翌日、登校してみれば中庭でトンテンカンと職員さんたちが工事中。

ジョミー「ど、どうしよう…。本気で馬小屋作ってるよ」
キース 「ブルーがやると言い切った以上、諦めるしかないだろう」
シロエ 「いいんですか、キース先輩? 家はクリスマス禁止でしょう?」
キース 「それなんだがな…。おふくろに昨日、愚痴ってみたら…」
ジョミー「えっ、喋ったわけ? ヨセフをやるって?」
キース 「そうハッキリは言ってない。坊主にクリスマスは有りなのか、と」
サム  「有りだって返事だったんじゃねえか? ブルーも言ってたし」
キース 「……親父がサンタだったんだ……」
全員  「「「はぁ?」」」
キース 「青年会に入っていた頃、養護施設に慰問に行ってサンタの役を」

若かりし頃のアドス和尚、同じ宗派のお坊さんが集う青年会の一員でした。
歳末助け合いの一環として慰問に行った先が養護施設。
サンタに扮して子供たちにプレゼントを、と頼まれてしまって断れず…。

キース 「おふくろには宗教の壁を越えて働いてきた、と言ってたそうだ」
ジョミー「なにそれ! キースにはクリスマス禁止だったのに?」
キース 「上の決定には逆らえないのが坊主の世界だ。だから俺も、だ」
マツカ 「お坊さんとしては会長の方が偉いんでしたね…」
キース 「親父も通ってきた道だと聞けばやるしかない。ヨセフでもな」

開き直ったキース君。
一番強固に反対しそうな人物がやる気になってしまった以上、馬小屋でも
なんでもやるより他に道は無く…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ 馬小屋、もうすぐ出来るって!」
ブルー 「キースの覚悟も決まって良かった。さあ、練習を始めようか」
ジョミー「馬小屋も出来上がってないのに、何の練習?」
ブルー 「大まかなポーズは決めとかないと。これがイエスで」

よいしょ、と床に置かれたミカン箱。
イエスが寝かされている飼い葉桶に見立てて練習開始~!

2011/12/20 (Tue)

 

☆いざ、馬小屋へ


シャン学メンバー、飼い葉桶に見立てたミカン箱を囲んでおります。
生徒会長がそれぞれの役に合わせてポーズを指導。

ブルー 「ジョミー、手はもう少し自然に合わせる! 柔らかくね」

仏像じゃなくて聖母だから、と注文がうるさい生徒会長。
ヨセフ役のキース君や三人の博士たちも表情に至るまでビシバシと…。

ジョミー「動いちゃダメって言われても! これってキツイ…」
ブルー 「顔に出すなと言った筈だよ、マリアは優しく微笑むだけ!」

そう言う生徒会長は天使ですから、後ろに控えて両手で星を掲げるそうで。

ブルー 「この辺に立てばいいのかな? スウェナ、1枚撮ってみてよ」
スウェナ「はーい! じゃあ、撮るわよ?」

パシャリと撮られた写真を元に生徒会長は皆のポーズを再検討。
そこへ職員さんから電話が入って馬小屋の建物が完成です。
生徒たちが下校した後で中庭に向かい、寒空の下で配置について…。

ブルー 「よし、今の表情とポーズを忘れずにね。動かないよう、厳かに!」
ぶるぅ 「えとえと、ぼくは動いちゃってもいいんだよね?」
ブルー 「子供は我慢できなくて普通! ぬいぐるみを持ってればOKだよ」

羊飼いだし、とニッコリ笑う生徒会長。羊のぬいぐるみも手配済みとか。
練習で疲れたシャン学メンバー、ヘロヘロになって下校しました。
しかし翌日、登校すると、校門で「そるじゃぁ・ぶるぅ」がお出迎え。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなのお洋服、出来てきたよ!」
キース 「もう出来たのか!?」
ぶるぅ 「だって急ぎの注文だもん! ブルーが今から練習だよ、って」
ジョミー「えっ、授業は?」
ぶるぅ 「お昼休みには募金活動! 頑張らないと間に合わないの!」

引っ張って行かれ、急いで着替えてポーズを取って…。

ブルー 「衣装も映えるし、いい感じだよね。誰でも募金したくなる」

写真を撮ってのチェックも終えて、いざ馬小屋へ。
寒風吹きすさぶ中庭だけに、衣装の下には貼るカイロですよ~!

2011/12/21 (Wed)

 

☆馬小屋、オープン!


シャングリラ学園、まだ4時間目の授業中でございます。
静まり返った中庭付近は人影も無く、スタンバイするには絶好のチャンス。

ブルー 「ほらほら、さっさと配置につく!」
ジョミー「さ、寒いんだけど…。なんだか雪も降りそうだし!」
ブルー 「雪が降るのは大いに歓迎。寒さは気合で吹き飛ばす!」

飼い葉桶にはイエスならぬキューピー人形が入っております。
それっぽく布で包んでますが…。

ブルー 「宗教色は排除しないとね? だからキューピー」
キース 「感謝する。他の宗教を否定はしないが、イエスだと気分が複雑だ」
ブルー 「どういたしまして。じゃあ、ヨセフっぽく包容力たっぷりに!」

他のメンバーにも注文をつけまくっている生徒会長。
募金活動中は原則として動くのは禁止。修行と思って耐えろだなんて…。

ブルー 「BGMに讃美歌を流すから、動くなら曲の切れ目にね」
シロエ 「でも飼い葉桶にひれ伏して戻るだけだなんて…。キツイですよ」
ブルー 「降誕劇と馬小屋セットのコラボなんだよ? 演出は大事だ」
ジョミー「博士役は歩けるだけマシなんだよ!」
キース 「俺とジョミーは飼い葉桶を覗き込むポーズが変わるだけだしな」
ブルー 「頑張りたまえ。ぼくなんかサイオンで宙乗りだよ?」
サム  「絶対ウケるぜ、天使が空を飛ぶんだもんな」

生徒会長、ぶるぅの不思議パワーと称して馬小屋の上を舞う予定。
純白の衣装も真っ白な翼も目立ちたがりにはピッタリです。

ブルー 「スウェナ、募金箱をよろしくね。4時間目が終わる」

キンコンカーン…とチャイムの音が。
馬小屋の奥から『きよしこの夜』が流れ、シャン学メンバー、ピタリと静止。
学食に向かう生徒たちが校舎から出てきて…。

生徒A 「え? ええっ?」
生徒B 「な、中庭でクリスマス!?」
スウェナ「クリスマス・チャリティーにご協力よろしくお願いしまーす!」

恵まれない子供たちに愛の手を、と活動開始。
果たして募金は集まるのかな…?

2011/12/22 (Thu)

 

☆募金活動、開始!


中庭に出現したクリスマス実行委員会による馬小屋セット。
讃美歌をBGMに厳かに座り、あるいは立っている面々は一気に注目の的。

生徒A 「へえ…。誰かと思ったらジョミーがマリアだ」
生徒B 「一応メイクもしてるのな。ちゃんと女に見えるのが凄い」
生徒C 「ジョミー君は可愛いの! だから似合うの!」
生徒D 「それより生徒会長よ! すっごく綺麗…」

メイクもしていないくせに輝いて見える生徒会長。超絶美形はお得です。
おまけに大天使ガブリエルときては目立たないわけがありません。
あまつさえ、『きよしこの夜』の曲が終わると…。

生徒全員「「「と、飛んだ!?」」」
スウェナ「そるじゃぁ・ぶるぅの不思議パワーです! 募金にご協力を!」

天使が空を舞う姿まで披露されては、財布の紐も緩むというもの。
募金箱にはチャリンチャリンと小銭が入れられ、お札を入れる女子生徒も。
言わずと知れた生徒会長ファンでございます。

ゼル  「ほほぉ…。中庭で何をやる気かと思うたら…」
グレイブ「なんとも派手にやっていますな。これは募金をしませんと」
ハーレイ「うむ。生徒たちが頑張っているのに知らんふりは出来ん」
ブラウ 「ちゃっかり目標額まで言ってたけどねえ、ブルーときたら」
エラ  「期待されてるのよ、大人の財力。募金してきましょ」

長老の先生方やグレイブ先生、ミシェル先生、シド先生に職員さんたち。
とりあえず今日の分はこれだけ、と言いつつ気前よく…。
ええ、クリスマス会の前日まで募金活動は続くのですから!
シャン学メンバー、昼休みに続いて放課後も中庭で頑張りました。

ブルー 「初日の目標額は達成だ。明日以降も今日のポーズを忘れずに!」
ジョミー「うえ~…。動けないのもメイクも、雪が降るのも勘弁だよ~…」

放課後は雪に降られてしまった馬小屋ですが、見物客も募金も増加。
やはりクリスマスには雪ですよね!
とはいえ、貼るカイロだけでは寒いですから、雪が降るのもほどほどに…。

2011/12/23 (Fri)

 

☆クリスマスな募金


サンタブーツの資金ゲットを目指して活動中のシャン学メンバー。
表向きはチャリティーですから、喜んで募金して貰えるよう努力あるのみ!
中庭の馬小屋は既に名物となっております。

ブルー 「いい感じに盛り上がってきてるよね。見物人も増える一方」
ジョミー「良くないよ! 写真も沢山撮られちゃったし」
キース 「そうか? 売り上げの一部を募金箱に入れてくれてるぞ」
シロエ 「写真部の人たち、あれで儲けてますもんねえ…」
スウェナ「便乗商法が出てくるなんてビックリよね」

本格的な衣装と馬小屋、イケメン揃いのクリスマス実行委員たち。
気付けば写真部が商売を始めておりました。
馬小屋セットを背景にしてプロ仕様のカメラで記念の一枚!
女子だけでなく男子生徒も大行列。

ブルー 「クリスマスカードに使いたいとも言ってきたよ」
ジョミー「えぇっ!? なんて返事したの?」
ブルー 「利益の半分を募金するっていう条件で許可したけど?」
ジョミー「じゃ、じゃあ……ぼくの写真が…クリスマスカードに…」

愕然としているジョミー君ですが、生徒会長はニコニコと。

ブルー 「ジョミー単独のカードも出回ると思うよ、マリア役だからね」
キース 「キューピー人形は上手いことカットされてるかもな」
ジョミー「それを言うならキースだって!」
ブルー 「残念でした。ヨセフは一人じゃ絵にならないし!」
マツカ 「マリアとセットで聖家族ですしね」
サム  「俺たちなんか博士役だし、全員集合でしか出番ないよな」
シロエ 「会長は単独の写真が飛ぶように売れるんじゃないですか?」
ブルー 「決まってるだろう。天使ガブリエルは花形なんだ」

おまけに美形、と生徒会長は自信満々です。
写真部製作のクリスマスカードは発売と同時に完売御礼、直ちに増刷。
もちろん売り上げからの募金もドカドカと…。
馬小屋セットで募金活動、正解だったようでございます。
写真部特製クリスマスカード、買いたい方は早めに並んで下さいね~!

2011/12/24 (Sat)

 

☆募金活動の成果


便乗商法まで登場してきた馬小屋セット。
校内にはクリスマスツリーやリースが飾り付けられ、華やいだ空気が漂う
中で明日は待望のクリスマス会!
もっとも生徒たちはクリスマス会の存在自体、全く知らないわけですが…。

ブルー 「今日でラストなんだし、張り切っていこう!」
キース 「募金も目標額を軽く超えたな。これで真っ当な寄付が出来る」
ブルー 「うん。サンタブーツは明日の朝には届くってさ」
シロエ 「サンタブーツの代金を超えた分は歳末助け合いに寄付ですよね」
ブルー 「そう。マザー農場で清算して匿名で、って頼んでたけど…」
サム  「何か問題があるのかよ?」
ブルー 「額が多いから学校の名前にしてくれるって。新聞にも載るよ」
スウェナ「いいわね、それ! サンタブーツだけじゃないのね」
マツカ 「募金してくれた人も喜びますよ、目標以上に集まったなんて」
ブルー 「だろう? だから最後まで気を抜かないで頑張ること!」
ジョミー「分かってるよ。ちゃんとマリアに徹するってば」

鏡に向かってメイクを始めるジョミー君。
最初の頃は生徒会長に無理やり塗りたくられていたのに、今では自前。
他の面々も写真部を意識し、お肌の手入れを念入りに…。
寒風で荒れた肌では写りがイマイチ、記念撮影組がガッカリですし!

生徒A 「今日で見納めかぁ…。なんか残念」
生徒B 「クリスマスって感じだものね。中庭だけ空気が違うのよ」
生徒C 「どんなに寒くても身動きしないし、凄いよな」
生徒D 「動く時だって綺麗すぎ! 天使なんか本物みたいでしょ」

寒さには貼るカイロ、身体は湿布だらけだという舞台裏。
それでも頑張るシャン学メンバー!
ようやく放課後、生徒たちが名残惜しげに募金を入れて下校してゆき…。

ジョミー「やった、終わった!」
ブルー 「ご苦労様。後はサンタブーツを待つだけ…ってね」

馬小屋から引き揚げ、冷えた身体を温めながら話題は明日のクリスマス会。
誰がサンタクロースをやるのかな?

2011/12/25 (Sun)

 

☆サンタの事情


今日は待ちに待ったクリスマス会、シャン学メンバーは朝からワクワク。
この日のために馬小屋セットで募金を集めていたのですから!

ジョミー「サンタは昼休みに来るんだっけ?」
ブルー 「ううん、放課後。後の授業に支障が出たら困るしね」
キース 「いりこスナックは給食の時間に配られていたが」
ブルー 「給食は自分のクラスで食べるものだろ? ここは高校」
サム  「そうか、学食ってヤツも多いしなぁ…」
ブルー 「だろう? 全員が揃う時間が短すぎるんだよ」

だから放課後、と言われて納得したジョミー君たちは教室へ。
生徒会長は例によって「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお部屋でサボリです。
クリスマス会の存在を知らない生徒たちは今日も真面目に授業中。
その頃、長老の先生方は…。

ブラウ 「このサンタブーツを配るわけだね。凄い量じゃないか」
エラ  「もっと小さいかと思ってたけど…。ビッグサイズね」
ヒルマン「募金は目標額を超えたそうだし、大きなものが買えたのだろう」
ゼル  「わしの読みは正しかったわい! けっこうな力仕事じゃぞ」
ハーレイ「それはそうなのだが…。サンタを増やせばいいのではないか?」
ブラウ 「ダメダメ、人海戦術のサンタじゃ夢がない! サンタは一人!」
エラ  「そうよ、サンタは一人で充分!」
ハーレイ「……しかしだな……」
ゼル  「ええい、うるさい! ゴチャゴチャ言わずに働かんかいっ!」

どうやらサンタは教頭先生のようでございます。
小柄な方がサンタらしいかもしれませんけど、力仕事とくれば体力で勝負。
大量のサンタブーツを運びまくってもバテない身体が必要で…。

ブラウ 「衣装は届いているからね。ほれ、橇も作ってもらったよ」
エラ  「流石に全部は乗せられないし、2クラス分ずつくらいかしら」
ハーレイ「ふむ。タイヤは上手く隠してあるな」

試し引きをした教頭先生、満足そうでございます。
シャングリラ学園初のクリスマス会、間もなくサンタの登場ですよ~!

2011/12/26 (Mon)

 

☆サンタ登場!


早く放課後にならないものか、と首を長くして待つシャン学メンバー。
やっと6時間目の授業が終わり、後は終礼となった所で…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ メリー・クリスマース!」
ブルー 「やあ。今日は楽しい行事があるから来てみたよ」

いつの間にやら教室の後ろに机が増えておりました。
生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が席につくとグレイブ先生の登場です。

グレイブ「メリー・クリスマス、諸君!」
生徒たち「「「???」」」
グレイブ「募金活動、よく頑張ったな。マザー農場から御礼が来たぞ」

これからサンタクロースが各教室に回ってくる、とグレイブ先生。
募金の御礼にプレゼントと聞いてクラスメイトは大歓声!
学校中から喜びの声が上がっています。そしてシャンシャンと鈴の音が…。

ゼル  「メリー・クリスマス! マザー農場からのプレゼントじゃぞ!」

教室に入って来た真っ赤な衣装のサンタクロースはゼル先生。
それじゃ教頭先生は? 力仕事の橇とやらは…?

ゼル  「プレゼントは橇に載せてきたのじゃ。出でよ、トナカイ!」
生徒たち「「「教頭先生!?」」」
ゼル  「違う、赤鼻のトナカイじゃ! 間違えてはいかんぞ」

言葉遣いは正確に、と訂正しつつゼル先生は橇の方へと。
教頭先生の衣装はトナカイの着くるみでございます。大きな角と首には鈴。
鼻の頭は赤い絵の具でピカピカ光っていたりして…。

ジョミー「ゼル先生がサンタなんだ…」
ブルー 「ヒルマンかとも思ったけどねえ? 妥当な線かな」
ゼル  「ほっほーい! 良い子にはサンタブーツじゃぞ。ほれ、ぶるぅ」
ぶるぅ 「わーい♪ プレゼントだ、プレゼントだぁ!」
ゼル  「それと人生初のクリスマス会の子がいるそうじゃのう?」
生徒たち「「「えっ?」」」
ゼル  「誰じゃ、その子は? 元気一杯に手を上げんかいっ!」
ブルー 「ほら、キース。君のために企画したんだからね」

生徒会長、バッチリ根回し。キース君に挙手する勇気はあるのかな?

2011/12/27 (Tue)

 

☆サンタと交流


ゼル先生扮するサンタクロース、1年A組に登場です。
トナカイ役の教頭先生が引っ張る橇からサンタブーツを配布中ですが。

ゼル  「誰じゃ、クリスマス会を知らんのは? 人生の損失じゃぞ!」
ブルー 「キース、手を上げないとサンタブーツが貰えないよ?」
キース 「し、しかし…。俺は別に…」
ゼル  「クリスマス会も知らず、家にサンタも来なかったとは…」

寂しすぎじゃ、とゼル先生。

ブルー 「みんなに誤解されちゃうよ? サンタも来ない悪ガキかって」
キース 「だから違うと言っただろうが! 親父がサンタを断ったんだ!」
生徒たち「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「やっちゃった…。自分で暴露しちゃったよ」
キース 「坊主がクリスマス無しで何が悪い! 寺とは関係ない行事だ!」
ゼル  「ほっほーい、メリー・クリスマース! プレゼントじゃ!」
キース 「あ…。ど、どうもありがとうございます」

サンタブーツを手渡されてしまったキース君。礼儀正しく深く一礼!
ゼル先生は満面の笑顔でキース君と握手し、他の生徒にもサンタブーツを。

ジョミー「良かったね、キース。サンタと握手ってスペシャルなんだよ」
キース 「そうなのか?」
ブルー 「子供に人気のイベントさ。一緒に記念撮影とかね」
キース 「知らなかったな…。だが、募金活動の成果が出たのはいいことだ」

クラスメイトたちはサンタブーツに大喜び。
中身は高校生向けのお菓子というのが嬉しいですよね。

ゼル  「さて、次のクラスに行かねばな。じゃが、良い子にはもう一つ!」

配り終わったゼル先生はキース君をビシッと指差して。

ゼル  「今までのクリスマスの分を取り戻したいとは思わんか?」
キース 「えっ? そ、その…。プレゼントだけで充分ですが…」
ゼル  「くぅぅっ、わしまで泣けてきたわい。なんと健気な…」

良い子に素晴らしい思い出を! とゼル先生はブチ上げました。
もしや自分のポケットマネーで何か余分にプレゼント?

2011/12/28 (Wed)

 

☆クリスマス万歳!


サンタクロースが家に来てくれず、クリスマス会の思い出も無いキース君。
よくぞグレずに成長した、とゼル先生は感動中。

ゼル  「クリスマス無しで育ったことを全く恨みもしないとはのう…」
キース 「家が寺なら当然です。坊主には普通のことですし」
ゼル  「いや、違う! ブルーに聞いたぞ、クリスマスをやる寺もある」
キース 「それは御住職の方針で…」
ゼル  「お前の家は違うのじゃろう? せめて学校で楽しまんかい!」
キース 「充分楽しかったです。募金活動の成果も出ましたし」
ゼル  「自分のことより募金とは…。まさに良い子の鑑じゃな」

ますますもって放っておけん、とキース君の手を握るゼル先生。
サンタクロースと二度目の握手がプレゼントですか?
すかさずジョミー君たちが携帯で撮影しておりますが…。

ゼル  「わしと一緒に来るがいい。サンタの橇でパレードじゃ!」
キース 「ええっ? そ、そこまでして頂くほどのことでは…」
ゼル  「遠慮はいかんぞ、思い出作りと聞いておる」
ブルー 「ほら、早く! サンタと一緒にクリスマスだよ」
ゼル  「橇には二人乗れる仕様じゃ、さあ行くぞ!」

先生の厚意を無にすることはキース君には出来ません。
言われるままにゼル先生の隣に座れば、ジョミー君たちが記念撮影を。

ゼル  「出発じゃあ! 引けい、トナカイ!」
キース 「きょ、教頭先生に余計な御負担は…」
ゼル  「心配無用じゃ! ぶるぅ、しっかり頼んだぞ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪」

フワリと宙に浮く橇と着ぐるみトナカイ。
シャンシャンシャン…と鈴が鳴り響き、次のクラスからサンタは窓辺に。

ゼル  「ほっほーい、メリー・クリスマース!」

窓から窓へ、校舎から校舎へと飛んでゆく橇は大人気!
教頭先生トナカイも赤い鼻を光らせ、スーパーマンの如く颯爽と…。
キース君の人生初のクリスマス会はサンタの橇で空中散歩。
貰ったサンタブーツと合わせて、最高の思い出が出来ましたよね~!

2011/12/29 (Thu)

 

☆いよいよ年末


キース君に素晴らしい思い出を残したクリスマス会。
翌日が終業式で、その後は祝日を挟んでお決まりのコースでございました。
そして迎えた大晦日。

ジョミー「久しぶり~! やっと大掃除から解放されたー!」
シロエ 「何処もこの時期、大変ですよね」
スウェナ「パーティー三昧との落差がね…」

シャン学メンバー、イブは生徒会長の家に泊まってパーティー。
クリスマス当日は「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお誕生日でまたパーティー!
しかし、宴が終わればガッツリ現実。

マツカ 「皆さん、やっぱり大掃除ですか…」
ジョミー「マツカは関係ないもんね。家族で旅行だったっけ?」
サム  「羨ましいよな、御曹司! おっと、バスが来たぜ」

向かった先は元老寺。下車して山門へと歩く途中でタクシーが。
生徒会長と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が乗っております。

ジョミー「いいなぁ、あっちはお迎えつきだよ」
スウェナ「ジョミーも立派な高僧になればタクシーが迎えに来ると思うわ」
ジョミー「やだよ、それ! バスで充分!」
サム  「だけどブルーは諦めてないぜ? あ、キースだ」

山門前に墨染めの衣のキース君が迎えに出ていました。
生徒会長に丁寧にお辞儀し、シャン学メンバーにはチラリと視線を。

キース 「同時に来たか。…クリスマスには世話になったな」
ジョミー「え? 何さ、今頃」
キース 「クリスマスカードなんか寄越しやがって! しかも連名で!」
ブルー 「ああ、アレ? お父さんたちにウケただろう?」
キース 「あんたの仕業だったのか…」

なら仕方ない、とキース君。
二日連続のパーティーを終えて帰ると写真部特製クリスマスカードが。
馬小屋セットの写真にアドス和尚は怒るどころか大感激。
宗教の壁を越えてよく働いた、と褒められて…。

キース 「大掃除の方も頑張れ、と来た。悲惨だったぞ」

お手伝いの人がやる筈の分までキース君が掃除。
筋肉痛になったらしいですけど、元老寺はスッキリ迎春準備完了ですよ~!

2011/12/30 (Fri)

 

☆みんなで大晦日


元老寺に勢揃いしたシャン学メンバー、目的は除夜の鐘撞きでございます。
宿坊に泊めて貰って初日の出も拝もうという魂胆。

キース 「大広間は残しておいてやったぞ」
全員  「「「は?」」」
キース 「大掃除だ! 宿坊の大広間と廊下がノルマだからな」
ジョミー「ちょ、なんで…!」
キース 「クリスマスカードの礼のつもりだったが、ブルーだったとは…」

しかし、とバケツに雑巾、箒を指差すキース君。

キース 「泊めてやるんだからキリキリ働け! 親父も賛成していたし」
ブルー 「そうそう、一年間の心の汚れを落とすつもりで綺麗にね」
全員  「「「そ、そんなぁ…」」」
キース 「ブルーとぶるぅは当然、免除。頑張れよ」

後で仕上がりをチェックする、とキース君は生徒会長と共に庫裏の方へと。
お掃除の達人の「そるじゃぁ・ぶるぅ」も行ってしまって…。

マツカ 「皆さん、また大掃除になっちゃいましたね」
サム  「マツカは大掃除は初体験だろ? 俺たちの分もやらないか?」
シロエ 「あ、丸投げはダメですよ! キース先輩にバレたら地獄です」
スウェナ「そうね、みんなで真面目にやりましょ」

というわけで、元老寺まで来ても大掃除。
頑張った後の夕食と年越し蕎麦の味は格別で…。

ブルー 「さてと、着替えてこようかな」

生徒会長、今年も除夜の鐘を一番最初に撞く役目です。
御自慢の緋の衣を纏い、キース君をお供に鐘楼へ。

ジョミー「今年もいい年だったよね」
サム  「おう! あ、ぶるぅもお供してるのか」
シロエ 「小僧さんの格好が可愛いですね」
スウェナ「ジョミーも誘われたのに断っちゃって…」
マツカ 「法衣を着るのが条件でしたし、無理ないですよ」
ジョミー「坊主は絶対嫌だからね! 除夜の鐘にもお願いする!」

そこで生徒会長が厳かにゴーンと最初の鐘を。
除夜の鐘は煩悩を払うものであって、祈願の場ではないのですけど…。
ともあれ、皆で並んで鐘撞き。
来年もいい年になりますように~!

2011/12/31 (Sat)

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☆思い出のクリスマス


小学校時代、サンタクロースに『いりこスナック』を貰っていたキース君。
クリスマス会とはそういうものだ、と思い込んでいるようでございます。

キース 「俺の思い出の何処が変だと言うんだ! ちゃんとサンタだ」
ジョミー「そりゃそうだけど、いりこスナックは絶対違うよ」
サム  「だよな、ポップコーンなら分かるけどさ」
スウェナ「給食って縛りがあるでしょう? でもゼリーとかプリンとか…」
キース 「いりこスナックは駄目なのか?」
シロエ 「それはハレの日のおやつじゃないです。非日常が必要です!」
ジョミー「クリスマスだもんね、貰って嬉しいヤツじゃないと」
マツカ 「定番はサンタブーツですよね。クリスマスには付き物ですし」

クリスマスのパーティーなんかでも貰いましたよ、とマツカ君。
御曹司のマツカ君でもサンタブーツは嬉しかったらしいです。

マツカ 「あの思い出が無いなんて…。ちょっと寂しい気がします」
サム  「分かる、分かる。ホントに楽しみだったもんなあ」
ジョミー「朝からワクワクしてたよね。早くサンタが来ないかなぁ、って」
シロエ 「雪が降らないと橇が走れないんじゃあ、って心配しました」
スウェナ「私もよ。先生は大丈夫って言ってくれるんだけど、心配で」

ワイワイ盛り上がるシャン学メンバー。キース君はすっかり置いてけぼり。
話についていけないんですから仕方がないんですけれど…。

ジョミー「あ、そうだ。いくらなんでも家には来たよね、サンタクロース」
キース 「家?」
ジョミー「うん。幼稚園には来なかったかもしれないけどさ…」

家には来たでしょ、とジョミー君。子供はサンタを待つものですし!
「いい子にしないとサンタさんが来ないわよ」は定番の脅し文句です。
しかし…。

キース 「いや、俺の家には来なかった」
全員  「「「えぇっ!?」」

キース君の家にはサンタクロースが来なかった…?
サンタクロースにも断られるほど悪ガキだったというオチですか?

2011/12/01 (Thu)

 

☆サンタが来ない?


クリスマスと言えばサンタクロース!
イブの夜には小さな子供はドキドキです。
靴下を吊るしたり、枕元を何度も確認したりと楽しい夜の筈なんですが…。

ジョミー「本当にキースの家にはサンタクロースが来なかったの?」
キース 「くどいぞ。来なかったと言っているだろうが!」
シロエ 「先輩、悪ガキだったんですか? サンタクロースも来ないほど?」
キース 「人聞きの悪い…。なんでそういうことになる」
サム  「良い子にしてればサンタクロースが来るからじゃねえか」
キース 「それは誰にでも当てはまるという話ではないぞ」
全員  「「「は?」」」
キース 「良い子の所にはサンタクロース! それくらいは俺も知っている」
ジョミー「だったらいい子にすればいいじゃん」
キース 「分かってないな。俺は良い子だから来なかったんだ」
スウェナ「なによ、それ…」
キース 「俺は親父の言いつけを守った。サンタクロースが来るわけがない」

自信に溢れたキース君。
お父さんの言いつけを守る良い子の所にサンタクロースが来なかった…?
そんなケースってアリですか?

ジョミー「ちょっと、全然分からないよ! なんで来ないのさ!」
キース 「幼稚園にも来なかったんだぞ? 家に来てどうする」
サム  「決まってるじゃねえかよ、良い子のためにプレゼントをだな…」
キース 「話を聞いていなかったな? 異教徒の祭りだと言った筈だぞ」

俺の家は寺だ、とキース君は大真面目。

キース 「幼稚園の時に親父が言った。ウチはクリスマスはやらん、とな」
全員  「「「え?」」」
キース 「こっそりクリスマスツリーを飾る寺もあるが、それは邪道だ」

お寺は仏様をお祭りする所。クリスマスツリーは論外だそうでございます。

キース 「親父に厳しく叩き込まれた。ツリーもケーキも無しだとな」

将来はお坊さんになって元老寺を継ぐ、と決めていた子供時代のキース君。
アドス和尚に言われるままにクリスマス無しって、なんたる悲劇…。

2011/12/02 (Fri)

 

☆お寺とクリスマス


キース君の家のクリスマスはクリスマスツリーもケーキも無し。
確かにお寺にツリーというのは如何なものか、って気はしますけど…。

ジョミー「えっと…。ツリーは人に見られたらマズイかもだけど…」
サム  「お寺だしなあ…。でもさ、サンタはバレないぜ?」
シロエ 「そうですよ! 子供の枕元にプレゼントを置くだけですからね」
ぶるぅ 「うん! サンタさんは人に見られないように来るんだよ!」

ぼくだって一度も見たことないもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
いくらお寺でも、こっそりプレゼントを貰うくらいは許されるんじゃあ…?

キース 「檀家さんに見つからなければサンタが来てもOKだと?」
ジョミー「決まってるじゃん! サンタクロースは子供の特権!」
マツカ 「檀家さんだって許してくれますよ。子供なんですから」
ブルー 「そうそう、それこそ子供の特権! だけどアドス和尚は違った」

今でも頑固親父だろう、と生徒会長。
アドス和尚といえばキース君の長髪が気に食わなくて何度も騒ぎが…。

ブルー 「アドス和尚はサンタクロースが来るのが許せなかったのさ」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「頑張って元老寺を守っているのにコッソリ入って来るんだよ?」

仏様とは無関係な神様の所のお使いが…、と言われてみればそうなのかも。
キリスト教の神様の直属の部下ではありませんけど。

ブルー 「だからね、アドス和尚はしっかりガードを固めたわけ」
キース 「よく知ってるな。俺の心を読んだのか?」
ブルー 「そりゃ、面白いネタだもの。クリスマスは結界が二重だよね?」
全員  「「「結界?」」」
ブルー 「木で作った格子みたいな柵さ。山門に置いてあるだろう」
シロエ 「あれって結界だったんですか? 車止めかと…」
ブルー 「石段の上が山門だよ? 車が入ってくるとでも?」

結界は俗世間とお寺を仕切るアイテムらしいです。
元老寺のクリスマスには結界が二重。サンタクロースの立ち入りを禁ず…?

2011/12/03 (Sat)

 

☆サンタクロースお断り


子供の頃にサンタクロースが家に来なかったキース君。
お寺はクリスマスとは無縁のもの、というアドス和尚のせいでございます。

ブルー 「流石に結界を二重にされればサンタクロースも来ないだろう?」
シロエ 「あの程度の柵、ちょっとズラせば通れますよ」
サム  「だよな! それに夜は山門を閉めるじゃねえか」
ぶるぅ 「うん! サンタさんは橇で飛んでくるんだから関係ないもん」
キース 「ブルーの説明をちゃんと聞いたか? 結界なんだぞ」
ブルー 「そう。この中は外の世界とは違いますよ、という印なんだ」
ジョミー「サンタクロースは要りません、って意味なわけ?」
キース 「そんなところだ。ウチは関係ありません、とな」
スウェナ「だけどサンタに通じるの? それ…」
ブルー 「二重になってりゃ流石にねえ? 如何にも入るなって感じだし」
キース 「橇も止められると親父は言ったぞ。シロエが言ってた車止めだ」

元老寺のサンタクロース対策は万全だった、とキース君は得意げですが…。
サンタクロース立ち入り禁止って子供には酷くないですか?

マツカ 「キースは納得してたんですか? サンタクロースお断りなんて」
キース 「もちろんだ。良い子は父親の言いつけを守るものだぞ」
ジョミー「でもさあ、良い子にしている意味が無いじゃん」
サム  「サンタクロースが来ねえんじゃなあ…。最悪じゃねえか」
シロエ 「ツリーもケーキもサンタも無しって、悲しいですよねえ…」
キース 「そういうものか? 別に困りはしなかったが」
ブルー 「どうだろう? そういうことが積もり積もって反抗的に…とかね」
ジョミー「お坊さんにはならないって言ってたもんねえ、最初の頃は」
キース 「あれは坊主頭が似合わなかったからだ!」
ブルー 「それだけじゃないかもしれないよ? 自分に自覚が無いだけで」

良い子にし続けてストレスが溜まった結果かも、と生徒会長。
サンタクロースが来てくれないのに良い子にするのは確かにストレス…?

2011/12/04 (Sun)

 

☆クリスマス不要


良い子にしていてもキース君にはサンタクロースのプレゼントは無し。
それがストレスになったかも…、というのが生徒会長の見解でございます。

ブルー 「無意識の内にストレスが溜まることって、ありがちだしね」
キース 「いや、俺は…」
ジョミー「だけどサンタが来なかったんでしょ? キースの家だけ」
サム  「友達がプレゼントを貰った話は聞いた筈だぜ。羨ましくねえ?」
キース 「そういうものだと思っていたしな…」
ジョミー「じゃあさ、アドス和尚は代わりに何かくれたわけ?」
シロエ 「サンタクロースを断るんですしね、せめてお菓子とか…」
キース 「プレゼントの類は無かったな。ツリーもケーキも無いんだし」

元老寺はクリスマスとは無関係だ、と強調しているキース君。
今でこそ「そるじゃぁ・ぶるぅ」のお誕生日に合わせてパーティーですが、
それが無ければクリスマス無しで過ごすとか…?

キース 「もちろんだ。坊主の世界にクリスマスは要らん」
ジョミー「それって寂しい…。お寺が全部そうじゃないでしょ?」
ブルー 「うん。小さな子供がいるお寺では祝っているよ」

キースも言っていただろう、と生徒会長。
檀家さんからクリスマスケーキの差し入れがあったり、色々前向き。

ブルー 「キースの幼稚園時代には既に多かった筈だけどねえ?」
ジョミー「じゃあ、アドス和尚が前向きだったらサンタクロースは…」
ブルー 「来ていただろうね。キースは良い子だったんだから」
スウェナ「なんだか凄く可哀想…」
マツカ 「クリスマスの思い出が皆無ですもんね」

クリスマス会も無ければサンタも来ないクリスマス。
あまりに悲しすぎるのでは、とキース君以外の誰もが思っているようです。

ジョミー「そうだ、今からでも遅くないよ!」
サム  「何がだ?」
ジョミー「キースのための思い出作り!」

子供時代のクリスマスの分を取り戻すのだ、とジョミー君。
思い出作りって、まさか元老寺にサンタクロースを召喚するとか…?

2011/12/05 (Mon)

 

☆クリスマスを目指せ


キース君のためにクリスマスの思い出作りをするのだ、と言うジョミー君。
いったい何をやらかす気だか…。

キース 「俺はクリスマスは要らんと言った筈だぞ」
ジョミー「それって絶対普通じゃないし! 何かが変だし!」
シロエ 「ですよね…。キース先輩が平気だと言っても、ちょっと」
サム  「うんうん、真っ当なクリスマスを知って欲しいよな」
キース 「だからどうしてクリスマスなんだ!」
ジョミー「楽しいからだよ、子供にはサンタ! 大人はパーティー!」
スウェナ「クリスマスが近づくとワクワクするでしょ?」
キース 「そういうものか? 俺には今一つ分からんが…」
ジョミー「クリスマスを知らないからそうなるんだよ、絶対良くない!」
マツカ 「ですよね、楽しい気分が分からないんじゃあ…」
サム  「良くねえな。人生、損をしてるんじゃねえか?」

クリスマスを理解出来ないのはよろしくない、と意見が一致いたしました。
やはり素晴らしい思い出を作ってあげなくては!

ブルー 「いいねえ、キースのために思い出作り。元老寺でやるのかい?」
キース 「俺の家にはクリスマスは無い!」
ジョミー「元老寺でやろうだなんて言わないよ。やっぱり学校…?」
シロエ 「学校でクリスマス…って、クリスマス会ですか?」
ジョミー「それが一番早そうだしね。…高校生だとおかしいかな?」
ブルー 「大丈夫だと思うけど? やってる学校も沢山あるよ」
ジョミー「え、ホント? だったら先生の許可をもらってくれば…」
ブルー 「うん、問題なく開催できる」
シロエ 「いいですね! やりましょう、キース先輩のために」
サム  「良かったな、キース! 人生初のクリスマス会だぜ!」
キース 「いや、俺は別に…」
サム  「遠慮しねえで受け取れって! なあ、ジョミー?」
ジョミー「そうだよ、クリスマスパーティーとは別物だしね」

楽しいクリスマス会にしなくっちゃ、とシャン学メンバーは意気盛ん。
どんな企画が出てくるのやら…?

2011/12/06 (Tue)

 

☆クリスマス会、企画中


クリスマス会をやることに決めたシャン学メンバー。
まだ内容は未定ですけど、先生方の許可を貰わないと話は前に進みません。

ブルー 「授業の邪魔にならなかったら多分OKは出ると思うよ」
ジョミー「ハロウィンだって出来たんだもんね」
ブルー 「クリスマス当日は冬休みに入ってしまってるから、その前だね」
シロエ 「22日が終業式ですし、21日くらいでしょうか」
ブルー 「終業式の日はお歳暮争奪戦がメインだし…。21日が妥当かな」

シャングリラ学園の終業式では先生方からお歳暮が出ます。
これの争奪戦は大人気ですし、クリスマス会は別の日にすべきでしょう。

ブルー 「それじゃ21日ってことで許可を貰いに行ってくるよ」
ジョミー「えっと…。今度は生徒会主催? それとも実行委員会?」
ブルー 「実行委員会に決まっているだろう? 生徒会はノータッチ!」
サム  「じゃあ、実行委員長は誰になるんだ?」
ブルー 「言い出しっぺはジョミーだけれど、ぼくがやるのが無難だよね」

先生方の心象が違う、と生徒会長は早速お出掛けして行きました。
シャン学メンバーの名前を連ねたクリスマス実行委員会の名簿を持って。
お祭り好きな先生方は快く承諾してくれたらしく…。

ブルー 「決まったよ、12月21日はクリスマス会!」
ジョミー「やったあ! これでキースもいい思い出が出来るよね!」
キース 「俺はクリスマスはどうでもいいんだが…」
ジョミー「ダメダメ、この際、楽しまないと」
スウェナ「そうよ、せっかく実行委員会まで作ったんだし!」
ブルー 「好意は有難く受けるものだよ。…ところで、ジョミー」
ジョミー「なに?」
ブルー 「マリア役は君でいいのかな?」
全員  「「「は?」」」
ジョミー「なにさ、それ…」
ブルー 「クリスマス会でマリアと言えば聖母に決まっているだろう」

そんなことも知らないだなんて情けない…、と生徒会長。
確かにクリスマスには聖母マリアですけど、クリスマス会とどう関係が…?
 

以下、ちょこっと蛇足。
明日、12月8日はアニテラ・ブルー様の御命日かもしれない日です。
気になる方はカテゴリーの「ソルジャー・ブルー」をクリック!→こちら

2011/12/07 (Wed)

 

☆クリスマスいろいろ


クリスマス実行委員会を立ち上げてしまったシャン学メンバー。
12月21日にクリスマス会の開催が決まり、先生の許可も貰ったのですが…。

ジョミー「どうしてぼくがマリア役なのさ! 意味不明だよ!」
ブルー 「単に、ぼくがやりたくないってだけだけど?」
シロエ 「クリスマス会にマリアは関係ないですよ」
サム  「うん、サンタクロースなら分かるけどな」
ブルー 「そうかい? マツカは理解していそうだよ」
マツカ 「え、えっと…。多分…」
スウェナ「どんな意味なの?」
マツカ 「幼稚園のクリスマス会で降誕祭の劇があったんですよ」
全員  「「「劇!?」」」
マツカ 「ええ。イエスが馬小屋で生まれるまでの短いヤツで」
キース 「それでマリアが出てくるのか…」
ブルー 「天使もね。ぼくはマリアより天使がいい」

受胎告知の大天使ガブリエルが降誕劇の花形だそうでございます。
目立ちたがりの生徒会長にはピッタリですけど、クリスマス会で劇ですか?

ブルー 「クリスマス会をやる高校では降誕劇がメインなんだよ」
ジョミー「…嘘…」
ブルー 「本当だってば、検索すれば一目瞭然」

アルテメシアだとこの学校とか…、とホームページを示す生徒会長。
確かに降誕劇の案内などが載っております。

キース 「あんた、坊主のくせに、どうしてこんなのに詳しいんだ!」
ブルー 「だってさ、見応えがあるんだよ。クリスマスっぽいし」
シロエ 「ということは、見に行ったことがあるんですね?」
ブルー 「決まってるだろう。フィシスと一緒に何度も行ってる」
キース 「な、な…。あんたに坊主のプライドは無いのか!」
ブルー 「他の宗教に敬意を払うのも大切だよ? 宗教サミットもあるし」
キース 「それはそうかもしれないが…。あんたのは違う気がするぞ」
ブルー 「…バレたか。クリスマスのデートにはピッタリでねえ」

教会よりも敷居が低いし、と生徒会長はウインクしています。
高僧のプライドはいったい何処へ…?


…本日も蛇足。12月8日だなぁ…、と。
アニテラ・ブルーの御命日ってクリスマス・シーズン真っ只中っすか?
(カテゴリー内の「ソルジャー・ブルー」参照)→こちら

2011/12/08 (Thu)

 

☆高僧のクリスマス


他所の学校のクリスマス会に行っていたらしい生徒会長。
お目当てはイエス・キリストの降誕劇でございます。お坊さんのくせに…。

キース 「デートか何だか知らないがな、よりにもよって降誕劇か!?」
ブルー 「別にいいじゃないか。教会のミサに出たわけじゃなし」
キース 「どうだか…。そっちにも行ったとか言い出すなよ?」
ブルー 「フィシスにせがまれて何回かね」
ジョミー「お坊さんなのに? お寺のクリスマスはコッソリやるって…」
ブルー 「子供のいるお寺だけだってば。基本はやらない」
シロエ 「だったらクリスマス・ミサは論外なんじゃあ…」
ブルー 「クリスマスのミサは信者さんでなくても参加できるよ」

坊主が見に行って何が悪い、と生徒会長は澄まし顔です。
そんな人だけに、キリスト教系の学校の降誕劇に出掛けるくらいは朝飯前。

ブルー 「降誕劇そのものもいいけど、聖歌隊が素敵でね」
全員  「「「聖歌隊…?」」」
ブルー 「讃美歌を歌いながら蝋燭の光で入場してくるのは荘厳だよ」
キース 「坊主に讃美歌は関係ないっ!」
ブルー 「そうかなぁ…。グレゴリオ聖歌と声明の共演もあるじゃないか」
サム  「へえ…。そんなのもアリなのか…」
ブルー 「うん、CDも発売されてる。だから全く無問題!」
キース 「無問題って…。あんた、讃美歌を歌ってきたのか?」
ブルー 「全員参加のパートは歌うよ? きよしこの夜とか」

一般客も歌える降誕劇。
帰り際には聖歌隊が合唱しながら見送ってくれることもよくあるそうで…。

ブルー 「夜だと蝋燭の灯りが映えて綺麗なんだよ」
スウェナ「蝋燭と讃美歌でお見送りなんて、ロマンチック…」
ブルー 「だろう? そこで雪が降ってくれればパーフェクト!」

ホワイト・クリスマスを先取り出来て最高だとか。
そりゃ、デートにはピッタリでしょうが…。
この人は本当に高僧なのか、と頭を抱えるシャン学メンバー。
積極的にクリスマスだなんて、有難味も何もあったものでは…。

2011/12/09 (Fri)

 

☆クリスマス会の行方


降誕劇どころかクリスマスのミサも経験していた生徒会長。
しかも「デートにピッタリだから」出掛けるというのが不謹慎の極み。

キース 「あんたは何を考えてるんだ! 親父が聞いたら号泣するぞ」
ブルー 「別にいいじゃないか。法衣で参加したわけじゃなし」
キース 「坊主だとバレなければいいと言うのか、あんたってヤツは!」
ブルー 「バレてもいいけど、雰囲気を壊しちゃ申し訳ない」

クリスマスを祝う集いに坊主は似合わないそうでございます。
それでもクリスマス気分を満喫したい生徒会長、正体を隠して堂々と参加。

ブルー 「やっぱり空気を読まなきゃね。郷に入りては郷に従え!」
キース 「…もういい…。その調子でクリスマス会をやる気なんだな?」
ブルー 「もちろんさ。君もマリア役はジョミーがいいと思うかい?」
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ、なんでぼくが!」
シロエ 「そうですよ。降誕劇をやるんだったらジョミーでなくても…」
ブルー 「おやおや、君がやりたいのかい? 立候補は大いに歓迎だけど」
シロエ 「違いますってば! スウェナ先輩がいるじゃないですか!」
サム  「スウェナがマリアかぁ…。適役かもな」
ジョミー「だよね! やっぱりマリアは女の子の方が…」
ブルー 「分かってないねえ…。それじゃヨセフは誰なんだい?」
全員  「「「え?」」」
ブルー 「マリアとヨセフはセットもの! 男女のペアだと生々しくて…」

神聖さ半減どころではない、と言われてみれば確かにそうかも?

ブルー 「幼稚園なら男女混合も微笑ましいけど、高校生では無理がある」
ジョミー「だったら、やらなきゃいいじゃない!」
シロエ 「ですよね。クリスマス会はやりたいですけど、降誕劇は別に…」
ブルー 「ふうん? じゃあ、どんなクリスマス会を希望なわけ?」
ジョミー「サンタが来れば充分だよ!」

キースの思い出作りなんだし、とジョミー君。
生徒会長のせいでズレかけた趣旨がようやく原点に戻りましたか…?

2011/12/10 (Sat)

 

☆間違った贈り物


クリスマス会にはサンタクロースがいればいい、とジョミー君。
生徒会長お勧めの降誕劇は要らないそうでございます。

ジョミー「クリスマス会にはサンタクロース! それで完璧!」
ブルー 「なるほどね…。でもって、またまたキースが間違えるわけか」
ジョミー「間違えるって…何を?」
ブルー 「サンタクロースの訪問の意味! いりこスナックを貰うんだし」
ジョミー「違うよ、もっといいものだってば!」
ブルー 「お菓子とかサンタブーツとか?」
ジョミー「高校生でもサンタブーツでいいじゃない。懐かしのアイテム!」
サム  「いいかもな、それ! この年じゃ貰えないもんなぁ」
シロエ 「詰めるお菓子を工夫すれば充分楽しめますよ」
スウェナ「そうね、キャンデーの代わりにスナック菓子とか」

サンタブーツが良さそうだ、と意見が一致したシャン学メンバー。
中身を高校生向けのお菓子にすれば大いに喜んで貰えそうです。しかし…。

ブルー 「残念だけどサンタブーツは絶対無理! いりこスナック!」
ジョミー「どうしてそれにこだわるわけ? いりこスナックは大却下!」
ブルー 「もっと現実を直視したまえ。サンタブーツとどっちが安い?」
ジョミー「え? え、えっと……。いりこスナックかな?」
ブルー 「いりこスナックの方が格段に安い。それなら全員に配れるんだ」

費用の問題を考えたかい、と生徒会長。
生徒全員に配るプレゼントとなると数も半端ではありません。

ブルー 「第一、サンタは誰がやるんだい?」
ジョミー「先生にお願いしようかなぁ、って…」
ブルー 「その点はぼくも賛成だけど、プレゼント代までは頼めないよ」
シロエ 「じゃあ、いりこスナックなら生徒会の予算で買えるんですか?」
ブルー 「いや、その程度だったら先生もカンパしてくれるかな、って」

クリスマス会には先生扮するサンタが登場!
でも配るのは『いりこスナック』。
キース君にとってのクリスマスって、何処まで行っても『いりこスナック』?

2011/12/11 (Sun)

 

☆資金が足りない


シャングリラ学園のクリスマス会でも配られるものは『いりこスナック』。
先生にカンパをお願いする以上、安価でないといけないのです。

ジョミー「えっと…。それってどうにかならないわけ?」
ブルー 「先生にカンパを頼むんでなければ、サンタブーツも買えるけどさ」
シロエ 「そうなってくると資金源が問題ですよね…」
ブルー 「だろう? 生徒全員から集金しようと言うのかい?」
マツカ 「会費制ならパーティーの方が喜ばれそうですよ」
ブルー 「ぼくもそう思う。でもパーティーは準備が大変だしねえ…」
サム  「あーあ、サンタが一番お手軽なのになあ」
ジョミー「ツリーとかを飾ってサンタクロースが来るのが理想なのに…」
キース 「いりこスナックの何処がいけない? それでいいじゃないか」
ジョミー「分かってないキースに言われたくないよ!」

いりこスナックは駄目なのだ、とジョミー君は力説しております。
キース君の間違った認識を正し、真っ当なクリスマスの思い出を作らねば!

ジョミー「格安でサンタブーツが買えるお店って無いのかな?」
ブルー 「いりこスナック並みの値段では無理! それなりにかかる」
キース 「いりこスナックをサンタブーツに詰めて配ればいいと思うが」
ぶるぅ 「ブーツだけなら作ってもいいよ? 面白そうだし」
キース 「ぶるぅも協力してくれるそうだ。出来る範囲でやるべきだぞ」
ジョミー「喜ばれないモノを配っても意味が無いんだよ!」
サム  「そうだぜ、クリスマスのプレゼントってヤツは大切なんだ」
スウェナ「キースはホントに分かってないわね…」
シロエ 「でも、このままだと、いりこスナックになっちゃいますよ」
ブルー 「回避する方法が無いこともない。君たち次第なんだけど」
全員  「「「え?」」」
ブルー 「マザー農場がね、クリスマスのチャリティーをやっているんだ」

おおっ、チャリティーに便乗ですか!
今年はシャングリラ学園にも寄付をよろしく、とお願いに行けばOKとか?

2011/12/12 (Mon)

 

☆寄付金でいこう


資金不足で『いりこスナック』しか配れそうにないクリスマス実行委員会。
そこへ生徒会長が持ち出してきたのがマザー農場のチャリティーです。

ジョミー「そっか、クリスマスのチャリティーなら出資してくれるかも!」
ブルー 「うん、クリスマスのチャリティーなら…ね。でも…」

シャングリラ学園のクリスマス会に出資するのは何かが違う、と生徒会長。
学校の運営資金が足りないから寄付を、というならチャリティーですが…。

ブルー 「マザー農場は恵まれない子供たちのために寄付してるんだよ」
シロエ 「クリスマス会のために寄付してくれなんて言えませんね…」
キース 「当然だろう! 俺たちも寄付に協力します、というのが筋だ」
ブルー 「そう、それなんだよ。ぼくたちも寄付を集めようかと」
キース 「ちょっと待て! 寄付を集めてクリスマス会をやるってか?」
ブルー 「そのまんまでは流石にマズイし、マザー農場に頼もうか…とね」
スウェナ「何を頼むの?」
ブルー 「マネー・ロンダリング」
全員  「「「はぁ?」」」
ブルー 「つまりさ、学校で寄付を募るわけ。それをマザー農場に届ける」
キース 「すると、どうなる?」
ブルー 「マザー農場のチャリティー金額と寄付する先は決まってるんだ」

貰う方にも都合があるから、と生徒会長は説明しております。
アテにしていた寄付金が来ないと困る施設もあるそうで…。

ブルー 「だから、ぼくたちが寄付を届けると、その分、お金が余るわけ」
キース 「そりゃそうだろうな…」
ブルー 「マザー農場が出すべきお金が浮くだろう? それで御礼を」

チャリティーに協力してくれた生徒にサンタブーツをプレゼント!
なんとも素敵な話です。
マネー・ロンダリングというアヤシイ単語を聞いたことさえ忘れれば…。

ブルー 「もしも沢山集まるようなら、余った分は真面目に寄付しよう」

マザー農場の名前は出さずに歳末助け合い運動とかに、というアイデア。
でも、寄付なんて集まるのかな?

2011/12/13 (Tue)

 

☆チャリティーと下心


全校生徒から寄付を集めてマザー農場のチャリティーをお手伝い。
その御礼としてサンタブーツを貰えばいい、と生徒会長は申しております。

ブルー 「寄付の見返りにプレゼントが貰えることは内緒にしてさ」
キース 「純粋に善意の寄付でいこうってか?」
ブルー 「うん。だから目標額に届かない可能性も出てくるけれど…」
キース 「そっちの方がありそうだぞ。多く集まる筈が無い」
シロエ 「みんな学生ですもんねえ…。小銭の率が高そうです」
ブルー 「まあね。でも先生はどうだろう? 生徒が寄付を集めてるんだ」

見ないふりは絶対できない、と言われてみればその通り。
ただのクリスマス会にカンパするのと、チャリティーとでは金額も自然に
変わって来そうなものですし!

ブルー 「目標額はこのくらいです、と届け出ておけば完璧だね」
キース 「なるほどな。生徒だけでは無理だと思えば助けてくれるか…」
ブルー 「そういうこと! ついでにサンタ役も頼みやすくなるよ」
サム  「えっ? サンタと寄付は関係ないぜ」
ブルー 「チャリティーを頑張った御礼にプレゼントが貰えるわけだから」
シロエ 「ああ、自分たちで買うより重みがありますね」
ブルー 「だろう? それを配って欲しいんです、と頼めばいいんだ」
キース 「確かに断りにくい雰囲気があるな…」
ブルー 「黙ってても引き受けてくれそうだけど、こっちの方が好印象!」
スウェナ「ただの遊びじゃないものね」
ブルー 「じゃあ、寄付金を集めるってことでいいのかな?」
ジョミー「サンタブーツが貰えるんなら断然それだよ!」
キース 「チャリティーの精神だけは評価できるか…」

多少アヤシイ部分もあるが、と言いつつキース君も納得した様子。
生徒会長は早速、先生方の所へお出掛け。

ブルー 「OKだってさ、寄付金集め!」

サンタブーツのプレゼント目指してチャリティー始動でございます。
下心がちょっと気になりますけど、高校生のやることですから所詮はお祭り!

2011/12/14 (Wed)

 

☆チャリティーでGO!


寄付金集めの許可を貰った生徒会長、早速マザー農場に電話を入れました。
事後承諾で大丈夫なのかって? そこは腐ってもソルジャーですから…。

ブルー 「よし! サンタブーツはプレゼントしてくれるってさ」
ジョミー「やったあ! これでキースもサンタブーツが貰えるよ」
キース 「だから、俺はクリスマスはどうでもいいと…」
ブルー 「どうでもいい段階は過ぎちゃったんだよ。チャリティーだよ?」
スウェナ「そうよ、子供たちのために頑張らないと」
キース 「サンタブーツの代金はともかく、余った分は寄付と言ったか…」
ブルー 「うん。目標額を越えた場合は純粋に寄付! だからね…」

人助けとして努力すべきだ、と生徒会長。

ブルー 「そりゃクリスマスではあるけどさ。宗派を越えて協力しないと」
キース 「人助けだと言われてしまうと知らん顔は出来ないな」
ブルー 「そうだろう? 人助けが出来て人生初のクリスマス会も出来る」
シロエ 「一石二鳥ってヤツですね。サンタクロースですよ、キース先輩!」
サム  「そうそう、サンタクロースはいりこスナックじゃねえんだよ」
ぶるぅ 「でも本物のサンタじゃないでしょ? 先生だもんね」
スウェナ「本物は子供の家にしか来てくれないのよ」
マツカ 「ぼくたちの年だと無理ですよね。ぶるぅは大丈夫ですけれど…」
ブルー 「そのサンタ役もついでにお願いしてきたよ」
ジョミー「誰に?」
ブルー 「職員会議をやってる所に押し掛けたから、誰ってわけでも…」

先生方は寄付金集めの話に感動。サンタクロースは任せておけ、と満場一致。
誰がサンタ役を引き受けるのかは分からないそうで…。

ブルー 「誰になるのか楽しみだよね。中庭の使用許可も貰ってきたし」
全員  「「「中庭?」」」
ブルー 「寄付金集めの活動場所! あそこが一番目立つんだよ」

気付いてもらえないと話にならない寄付金集め。
シャン学メンバー、募金箱を持って中庭に立つことになりそうですよ~!

2011/12/15 (Thu)

 

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☆悪戯タイム終了!

 
全校生徒が集まって来ていたグラウンドで繰り広げられた熱いキス。
教頭先生もゼル先生も、ショックのあまり唇が重なったままで硬直中です。

ブラウ 「うんうん、これで王子様はハーレイに決まりだね」
エラ  「ゼルにもメイクをしておきたかったわ…」

そしたらもっと見栄えが良かった、とエラ先生。
いやいや、亀仙人に目力メイクは似合いませんから!
そも、サングラスで肝心の目元が隠れてますから!

ブルー 「で、ガラスの靴はどうなるのかな?」
キース 「そうか、まだゼル先生が持ったままか…」
ブルー 「ぼくとパレードする条件はガラスの靴を履かせることだよ」

便所スリッパにキスをするのは前段階に過ぎないのだ、と生徒会長。
教頭先生、固まっている場合ではないようです。
早くしないと悪戯タイムが……って、キンコンカーンとチャイムの音が。

ブルー 「はい、おしまい。制限時間終了ってね」
ブラウ 「ハーレイ、ボケッとしている場合じゃないよ!」
エラ  「そうよ、パレードするんでしょ?」

教頭先生たちを両側から引き剥がすエラ先生とブラウ先生。
ようやく我に返った教頭先生、ゼル先生からガラスの靴を引ったくるなり
生徒会長の足元に跪いて。

ハーレイ「持って来たぞ、ブルー! ガラスの靴だ!」
ブルー 「それで?」
ハーレイ「足を出しなさい、履かせてやるから」
ブルー 「その台詞、もう少し早く聞きたかったな。時間切れだよ」
ハーレイ「…時間切れ…?」
ブルー 「うん。悪戯タイム終了までに、って言っといたよねえ?」

手遅れなんだ、と生徒会長は腕組みをして仁王立ち。
せっかく王子様の座を奪回したのに、教頭先生、パレードは無し。
ゼル先生とキスまで交わした結果がコレですか…。

ブラウ 「ありゃりゃ、パレードできないのかい?」
エラ  「あらあらあら…」

これじゃメイクも台無しだわ、とエラ先生たちも残念そうです。
ハロウィンの最後はパレードならぬガッカリ祭りで終わるのでしょうか?

2011/11/16 (Wed)

 

☆パレードの行方


生徒会長とのパレードの夢が砕け散ってしまった教頭先生。
グラウンドにへたり込んだまま呆然としておられます。
一方、亀仙人なゼル先生は…。

ゼル  「ペーッペッペッ、なんでハーレイとキスなんぞ…」

おえぇっ、と喚きつつ唇をゴシゴシ。
その唇には、教頭先生の唇を彩っていた口紅がしっかりくっついていたり。

生徒A 「フィナーレはカボチャの馬車でパレードだって聞いたのにさ」
生徒B 「だよなあ? みんな楽しみにしてたのに…」

カボチャの馬車が出現した時から期待されていたみたいです。
生徒たちの視線が集まる先には言い出しっぺの生徒会長。

キース 「おい、どうするんだ? みんなの期待を裏切る気か?」
ブルー 「ううん、パレードは決行するよ。ちょっと予定が狂ったけれど」
ジョミー「ああ…。教頭先生、失格だもんね」
シロエ 「じゃあ、ぼくたちの中の誰かが王子様ですか?」
ブルー 「それじゃ面白みに欠けるだろう? 王子様なら適役がいる」

教頭先生が持ってきたガラスの靴を履いた生徒会長はスタスタと。
片足が便所スリッパだった時とは違って実に優雅な足取りです。

ブルー 「折り入ってお願いがあるんだけどさ」
ブラウ 「おや、なんだい?」
ブルー 「メイクを頼みたいんだよ。思い切り見栄えするようなヤツ」
ブラウ 「あんたにかい?」
ブルー 「まさか。パレードの主役はシンデレラ姫と王子様だ」
エラ  「あら、パレードが見られるのね? 良かったわ」
ブルー 「だからね、せっかくキスも交わしたことだし、あの二人で」

げげっ、と仰け反る全校生徒。ブラウ先生たちも目が点です。

ブラウ 「じゃ、じゃあ……王子様をやるっていうのは…」
ブルー 「もちろん最初に権利を持ってたゼルの方!」
ゼル  「ま、待て! わしは確かに王子を希望じゃが、姫がじゃな…」
エラ  「あらまあ、私たちの腕の見せ所かもね」

頑張らなくちゃ、とエラ先生。
メイクの達人、再び登場! パレードに向けて期待大?

2011/11/17 (Thu)

 

☆シンデレラは誰だ?


なんとパレードの主役は教頭先生とゼル先生!?
しかもシンデレラ姫がカボチャ王子様な教頭先生だなんて、正気ですか?

ゼル  「わしゃ御免じゃ! ハーレイとパレードなんぞ御免蒙る!」
ブラウ 「見苦しいねえ…。あんたが王子を希望したんだろ?」
ブルー 「そうそう、便所スリッパにキスしてまでね」
ゼル  「そ、それはじゃな……シンデレラ姫がお前だったからで…」
ブルー 「ふうん、見かけで選ぶんだ? 王子様ってそんなのだっけ?」
ブラウ 「あたしは違うと思うんだけどね? ほれ、行くよ」
ゼル  「や、やめんかいっ!」

襟首を引っ掴まれたゼル先生、バタバタもがいておられます。
そこへ生徒会長が割って入って…。

ブルー 「ストーップ! ちょっと待った!」
ブラウ 「なんだい? メイクするなら急がなくっちゃ」
ブルー 「だから間違いなんだってば! メイクするのはゼルじゃない」
エラ  「あら、そうだったの? でも…」
ブルー 「ゼルは素材を生かしておきたいんだよ。亀仙人はハマリ役だし」
ブラウ 「じゃあ、ハーレイのメイクを直せってかい?」
ブルー 「うん。このままじゃシンデレラ姫には見えないじゃないか」

どこから見ても王子様だ、と生徒会長。
確かにカボチャの衣装にカボチャの王冠、ハロウィンカラーの王子様です。

ブラウ 「その格好が既に無理があるって感じだけどねえ?」
ブルー 「大丈夫。シンデレラ姫にはガラスの靴さえあれば…。ぶるぅ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪」

魔法使いの杖が一閃、カボチャ王子のオレンジ色の靴がボワンと変化!
透き通ったガラスのハイヒールですが、黒いタイツに似合わないような?
おまけに履いているのはゴッツイ足の教頭先生。

生徒A 「なんて言うか……オカマ?」
生徒B 「メイクがアレでハイヒールだしな…」

おええっ、と笑い転げる生徒たち。
シンデレラ姫は教頭先生に決定ですけど、オカマのままで突っ走るのか?
それともメイクで絶世の美女に?

2011/11/18 (Fri)

 

☆カボチャなシンデレラ


ガラスの靴さえあればカボチャ王子でもシンデレラ姫だ、と生徒会長。
しかし足元だけがガラスの靴な上、目力メイクではオカマっぽいとしか…。

ブラウ 「これをどうしろって言うんだい?」
ブルー 「ブラウの腕に期待してるよ。シンデレラ姫に見えるようにして」
エラ  「服はどうにもならないのね?」
ブルー 「ハロウィンの主役はカボチャだからね、これは残したい」
ブラウ 「なるほどねえ…。それじゃ一発、頑張ってみるか」
エラ  「そうね、生徒たちも期待しているようだし」
ハーレイ「ま、待て! こ、これ以上、私にどうしろと…」
ブルー 「馬車でパレードしたかったんだろ? 夢が叶えばそれでOK!」

行ってらっしゃい、と手を振られては教頭先生もどうにもならず…。

ブラウ 「さあ、行くよ! シンデレラ姫に変身だ!」
ハーレイ「私はこのままで充分なのだが…。く、靴は履いたし…」
エラ  「グズグズ言わずにさっさとする! 男は諦めが肝心よ!」

教頭先生、引き摺られるようにして校舎の方へ。
グラウンドでは生徒たちがワクワクしながらパレード待ちです。

キース 「なんだか異様に盛り上がっているな」
ブルー 「うん。カボチャの馬車も大活躍になりそうだよね」
ジョミー「でも、教頭先生、どうなっちゃうの? オカマのまま?」
ブルー 「さあね。ブラウとエラの腕次第かな」

オカマでも別に問題ないし、と生徒会長は笑っています。
やがてブラウ先生たちに連れられて戻ってきたカボチャの王子様は…。

全校生徒「「「………」」」
ジョミー「あ、あれってコワイ…」
ブルー 「やっぱり美白の王子様で来たか。男装の麗人風ってトコだよね」
キース 「どこが麗人だ、どこが!」
ブルー 「知らないかい? 娘役のメイクはあんなものさ」

教頭先生、ドーランが白く輝くピンク系に。
更につけ睫毛が上にも下にもドカンと増やされ、目力の方もパワーアップ!
出ました、美白の王子様。いや、男装のシンデレラ姫…?

2011/11/19 (Sat)

 

☆王子様のチョイス


生徒会長曰く、美白の王子様は男装の麗人風だそうでございます。
カボチャの王冠にカボチャのパンツ、ハロウィンカラーでガラスの靴で…。

ブラウ 「ハーレイ、仕上げにコレを咥えておきな」

ほれ、と差し出したのは深紅の薔薇。
教頭先生、言われるままに咥えましたが、何処から見てもお笑いです。
全校生徒が爆笑する中、生徒会長がカボチャの馬車の扉を開けて。

ブルー 「さあ、パレードを始めようか。ゼル、姫を馬車へ」
ゼル  「心得た! 参るぞ、姫!」

亀仙人なゼル先生が威勢よく飛び出し、素早く姫の手を取って…って…
えぇぇぇっ!?

ブルー 「ちょ、ちょっと! シンデレラ姫はあっちだってば!」
ゼル  「いやいや、それでは世間が通らん。オカマな姫はお断りじゃ」
ブルー 「ぼ、ぼくだって男なんだけど!」
ゼル  「四の五の言わずに座らんかいっ! 馬車を出せいっ!」

カボチャの馬車に押し込まれてしまった生徒会長。亀仙人は得意げですが、
この展開に教頭先生が大人しくしているわけがなく…。

ハーレイ「ブルー! すぐに助けてやるからな!」

馬車の扉に取り付いた所へ駆け寄ったのはブラウ先生とエラ先生。

ブラウ 「おっと、薔薇を落としちゃいけないねえ」
エラ  「プロポーズに薔薇っていうのもアリよ。ブルーに渡せば?」
ハーレイ「う、うむ…。その手があったか! ブルー、私を選ぶんだ!」
ブルー 「え? ええっ?」
ハーレイ「私と一緒にパレードしよう。それともゼルの方がいいのか?」
ブラウ 「ええい、面倒だ。纏めてパレードしちまいな!」
エラ  「そうね、華やかでいいと思うわ。ゼルも両手に花なんだし」

ブラウ先生とエラ先生は教頭先生を強引に馬車に押し込みました。
亀仙人なゼル先生は生徒会長と教頭先生に挟まれて…。

ゼル  「な、なんでこういうことになるんじゃ!」
ブルー 「それはこっちが聞きたいよ!」

カボチャの馬車の中は大混乱。パレードの行方はどうなるのやら…。

2011/11/20 (Sun)

 

☆出発進行!


カボチャの馬車には主役が三人。
亀仙人な王子が一人とシンデレラ姫と、カボチャ王子な男装の姫とやら。
おまけにカボチャ王子はシンデレラ姫に薔薇を渡してプロポーズ中。
それを蹴飛ばす亀仙人やら、プロポーズを蹴るシンデレラやら…。

キース 「どうしろと言うんだ、こんなカオスを…」
ジョミー「でもパレードは期待されてるみたいだよ?」

全校生徒が「パレード!」「パレード!」と連呼しています。
とはいえ、どうやってカボチャの馬車を動かすのでしょう?
指図する筈だった生徒会長は馬車に連れ込まれてそれっきりですし…。

シロエ 「えっと…。動力源は無さそうですよね」
キース 「馬でも連れてくる気だったのか?」
ぶるぅ 「んと、んと…。引っ張るんだって言ってたよ?」
スウェナ「だから馬でしょ?」
ぶるぅ 「ううん、引っ張れば動くって! 何だったかなぁ…えっと…」
サム  「よし、落ち着いて思い出せよ」
ぶるぅ 「ん~と、ん~と……。カツオ?」
ジョミー「なにそれ…」
ぶるぅ 「違った、昆布だったかも! それとも煮干し…?」
シロエ 「そういう道具でどう引っ張れと言うんですか!」
キース 「まったくだ。せいぜい出汁が引ける程度で…って、山車か?」
ぶるぅ 「そう、それ! ブルーが出汁だよって!」
キース 「……ダシ違いだ。だが、それで言いたいことは分かった」

昆布でもカツオでも煮干しでもないが…、と馬車を調べるキース君。
シロエ君を呼び、何やらゴソゴソしていましたが。

キース 「これだ! この引き綱をくっつけるんだ」
シロエ 「あ、此処に金具がありますよ」

よいしょ、とシロエ君が馬車の前に太い引き綱を2本セットし準備完了!

ブラウ 「へえ…。その綱で引っ張るのかい?」
キース 「そうらしいです。祭りの山車の要領で」
ブラウ 「よっしゃあ! それじゃ、野郎ども、引っ張りな!」

パレードだ! と女海賊なブラウ先生。
ワッと生徒たちが綱に取り付き、カボチャの馬車の出発です~!

2011/11/21 (Mon)

 

☆馬車の内側


ごたついている王子様とシンデレラ姫を乗せ、カボチャの馬車は出発進行!
馬車を引くのは仮装した生徒と先生たちです。
まずはグラウンドを一周してから校内をパレードするようで…。

キース 「けっこう滑らかに動くもんだな」
シロエ 「造りがしっかりしてるんでしょう。乗り心地も良さそうですよ」
ジョミー「でもさ、乗り心地どころじゃないみたいだけど…」

馬車の中では亀仙人とカボチャ王子が罵り合いをしています。
ゼル先生ったら、両手に花ではないんですか?

ゼル  「ええい、横から割り込みおって! このオカマが!」
ハーレイ「オカマだと? 失礼な、これはシンデレラ姫のメイクだ!」
ゼル  「だったら姫らしくしとかんかいっ! 何がプロポーズじゃ!」

姫同士でプロポーズなぞは百合と言うのじゃ、という叫びが馬車の外まで。
うーん、普通だったら百合なんでしょうが…。

生徒A 「なんか百合とか言ってるぜ?」
生徒B 「生徒会長はともかく、教頭先生には無理がないか?」
生徒C 「教頭先生じゃラフレシアだよな…」
生徒D 「分かる、分かる。あれってデカくてキモイよな!」

教頭先生、ラフレシアだそうでございます。
デカくてキモくて肉が腐ったような匂いがすると名高い世界最大の花。
馬車の中にも聞こえたらしく、ゼル先生は勝ち誇り。

ゼル  「ほほう、ハーレイはラフレシアじゃと? 確かにキモイわ」

そのメイクといい、格好といい…、と笑い転げるゼル先生。
これで王子を自称するとは片腹痛い、とビシッと指を突き付けて。

ゼル  「いいか、王子はワシなんじゃ! 見ておれよ!」
ブルー 「いたたっ、何するのさ! 痛いってば!」
ゼル  「場所を譲れと言っておるのじゃ! 窓際はワシじゃ!」

生徒会長の足を踏みつけ、窓側に移ったゼル先生。
馬車の窓にガラスはありませんから、上半身を思いっ切りグイと乗り出し、
窓枠に腰を……って、まさかの箱乗り。
馬車の箱乗りとは驚きですけど、パフォーマンス?

2011/11/22 (Tue)

 

☆箱乗りの王子様


カボチャの馬車に箱乗りなさったゼル先生。生徒たちはビックリ仰天です。
転げ落ちたら大変だ、と馬車をストップさせたのですが…。

ゼル  「何をしておる、どんどん引っ張っていかんかいっ!」
キース 「で、ですが…。パレードは安全第一かと…」
ゼル  「なんじゃ、ハロウィン実行委員か。わしを誰だと思っておる!」

まだまだ若い者には負けん、とゼル先生は拳を振り上げています。

ブラウ 「まあ大丈夫じゃないかと思うよ、それに保険も入ってあるし」
キース 「保険ですか?」
ブラウ 「そうさ。ハーレイが言い出したんだよ、入るべきだって」
エラ  「備品が壊された時のためにと言っていたのだけれど…」
ヒルマン「生徒が怪我をすることもあるかと思って、色々検討したのだよ」
ブラウ 「そういうこと! ゼルが落ちても問題ない、ない」

パレード続行! と号令をかけるブラウ先生。
馬車が再び動き始めた途端、ゼル先生が大きな声を張り上げて。

ゼル  「ハロウィンの主役の王子はわしじゃ! このゼルが王子じゃ!」

このわしに清き一票を、と選挙運動の如くアピール開始でございます。
王子様コンテストなぞは誰も企画していませんが…。

ジョミー「なんなの、あれ…」
キース 「自己主張というヤツだろう。…ん?」
シロエ 「わわっ、教頭先生まで!?」

反対側の馬車の窓から教頭先生が顔を覗かせ、窓枠にグイと手をかけると。

ハーレイ「私が王子だ! ハロウィンといえばカボチャだからな」

この服を見ろ、とカボチャパンツで窓枠に腰掛け、こちらも箱乗り。
カボチャの馬車は亀仙人と美白の王子様の対決の場所となったようです。

ゼル  「黙れ、黙れ! なにが王子じゃ、オカマめが!」
ハーレイ「最初から私が王子なのだ! カボチャの衣装がその証拠だ!」
ゼル  「やかましいわ! シンデレラ姫にも捨てられたくせに!」

怒鳴り合う自称王子様たち。
なんとも賑やかなカボチャの馬車がゴトゴト進んでいきますよ~!

2011/11/23 (Wed)

 

☆うるさい王子様


箱乗りの亀仙人とカボチャな美白の王子様を乗せ、カボチャの馬車は前へ、
前へと進んでおります。
どちらも自分こそが王子だと主張して譲らず、どうにもこうにも…。

ジョミー「パレードってこういうものだっけ?」
キース 「俺が知るか! 言い出しっぺはブルーだからな」
シロエ 「いくら会長でも、こんなプランは絶対考えつきませんよ…」
キース 「だろうな、なんと言っても自分自身が巻き添えだ」

シンデレラ姫な生徒会長、馬車の中で完全に忘れられています。
教頭先生もゼル先生も自分をアピールするのに夢中。
これじゃ、どちらが王子様の座を獲得しても、姫に肘鉄を食らうのでは…。

マツカ 「いいんでしょうか、このままで…。ブルー、絶対怒ってますよ」
キース 「しかし、どうにも出来ないぞ。救出しようにも扉がアレだ」
サム  「どっちも塞がっちゃってるもんなぁ、教頭先生とゼル先生で」
ジョミー「扉が開かなきゃ逃げられないよね…」

さあ困った、と頭を抱えるシャン学メンバー。
生徒会長がブチ切れた場合、その矛先が何処へ向かうかは予測不可能。
フィナーレのパレードが台無しになれば、実行委員会のメンツ丸潰れです。

キース 「馬車と言うより選挙カーだな。ブルーも我慢の限界だろうさ」
シロエ 「王子をよろしくって連呼するより、会長を解放した方が…」
キース 「その方が株が上がると思うが、ヒートアップしているからな…」

そこまで頭が回らんだろう、とキース君は深い溜息。
亀仙人とカボチャ王子は大声を張り上げ、もはや騒音公害の域に。
とうとう生徒会長に耳栓を差し入れるという案が出ました。

ぶるぅ 「えっ、耳栓を用意するの? なんで?」
キース 「少しは音がマシになる。お前の力で届けてくれ」
ぶるぅ 「ブルーだったら大丈夫! 今からショーをするんだって」
実行委員「「「は?」」」

この状況でショータイムとは、いったい何事?
カボチャの馬車に閉じ込められた生徒会長、そんな余裕があるんですか?

2011/11/24 (Thu)

 

☆突然、ショータイム


選挙カー状態のカボチャの馬車に押し込められたままの生徒会長。
救出しようにも手も足も出ないシャン学メンバー、困惑中でございますが。

キース 「今からショーをやるとか言ったな? なんのことだ?」
ぶるぅ 「えっとね、ブルーが司会をしてくれって」
ジョミー「司会って何さ?」
ぶるぅ 「こんな感じで…って、キースがいいって言ってるよ」
キース 「俺!!?」

青天の霹靂というヤツですけど、流石はキース君、打ち合わせが済むなり
王子様たちの叫びにも負けない声を張り上げて。

キース 「パレードの最中ですが、ショータイムです!」
全校生徒「「「ショータイム?」」」
キース 「グレイブ先生のマントからお菓子を見習い、マジックショー!」
グレイブ「マジックショーだと? 誰がだ?」
ブラウ 「さてねえ? ハロウィン実行委員会かな?」

なんだ、なんだ…と騒ぎながらもカボチャの馬車は止まりません。
亀仙人と目力美白カボチャ王子も王子の主張を連呼したまま。

キース 「皆さん、ぶるぅパワーの素晴らしいマジックに御注目下さい!」
ブラウ 「おや、ぶるぅかい? こいつは期待できそうだ」
エラ  「だけど、どういうマジックかしら?」
キース 「只今より世紀の脱出大マジック!」
全校生徒「「「脱出マジック?」」」
キース 「シンデレラ姫、見事に馬車から抜け出せましたら盛大な拍手を!」

おおっ、とどよめく全校生徒。
箱乗り王子様たちが扉を塞いでしまった馬車からシンデレラ姫が大脱出?

キース 「では、皆さんでカウントダウン! スリー、ツー…」
全校生徒「「「ワン……ゼロ!」」」
ぶるぅ 「かみお~ん♪」

星の杖がサッと振られてカボチャの馬車に光の粉がキラキラと。

ブルー 「脱出成功!」

馬車の屋根の上にパッと出現したシンデレラ姫な生徒会長、優雅にお辞儀。
たちまち湧き起こる大きな拍手に生徒会長は御満悦です。
姫は脱出したようですけど、箱乗りの自称王子様たちはこれからどうする?

2011/11/25 (Fri)

 

☆箱乗りの王道


生徒会長、カボチャの馬車から大脱出。
立っているのは屋根の上なので教頭先生たちは気付いていません。

ゼル  「王子はわしじゃ! このゼルの方が男前じゃ!」
ハーレイ「ハロウィンにはカボチャ! 王子に相応しいのは私だ!」

相変わらずの怒鳴り合いに生徒会長は呆れ顔ですが、トンと屋根を蹴って
地面にストンと降り立つと。

ブルー 「やれやれ、姫はとっくに逃げたんだけどねえ?」
キース 「全く気付いていないようだぞ」
ブルー 「馬車の中なんか見ちゃいないしね。ホントに呆れた王子様だよ」

これはお仕置きが必要かな、とニヤリと笑う生徒会長。

ブルー 「せっかく箱乗りしたんだからさ、それっぽくしてもらおうか」
ジョミー「それっぽく?」
ブルー 「うん。箱乗りとくれば暴走しなくちゃ。そうだよね、ブラウ?」
ブラウ 「ああ、まあ……箱乗りと暴走はセットかもねえ」
ブルー 「祭りの山車にはスピードを競うヤツもある。張り切っていこう!」
キース 「な、なんだって?」
ブルー 「だから暴走! 校内一周、スピードの旅!」

箱乗りの王子様たちにはバランス感覚を競ってもらう、と言い切りました。
転げ落ちるなど言語道断、王子以前の問題で…。

ブルー 「保険には入ってあるんだろう? どっちが落ちるか楽しみだな」
ブラウ 「案外、同時だったりしてね。野郎ども、走れ!」
全校生徒「「「アイアイサー!!」」」

カボチャの馬車はガクンと揺れた後、一気に加速。
作りがしっかりしているとはいえ、暴走されると左右にガタガタ。

ゼル  「むっ、なんじゃ?」
ブルー 「見捨てられちゃった姫の仕返し!」
ハーレイ「い、いつの間に外へ…。仕返しだと?」
ブルー 「姫より箱乗りが好きなんだろ? 落ちないように頑張るんだね」

パレードのフィナーレは暴走馬車だ、と生徒会長は煽っております。
亀仙人もカボチャ王子もガタゴト揺られて暴走中。
とんだフィナーレになりそうですけど、これぞ箱乗りの王道ですよね!

2011/11/26 (Sat)

 

☆ハロウィン、閉幕!


カボチャの馬車は右に左にガタガタ揺れて爆走中。
亀仙人も美肌のカボチャ王子も、王子の主張どころではございません。

ゼル  「や、やめい! やめんかいっ!」
ハーレイ「と、止めてくれ! 頼む!」
ブルー 「知らないね。年甲斐もなく箱乗りなんかをするからだよ」

箱乗りと言えば暴走だ、と生徒会長は楽しげです。
馬車はますます加速して…。

ハーレイ「うわあっ!」

カボチャパンツは窓枠と相性が悪かったらしく、放り出された教頭先生。
はずみで馬車が大きく揺れて、ゼル先生も転げ落ち…。

ゼル  「ええい、馬鹿者、何をしておる! いててててて…」
ハーレイ「わ、私だって痛いのだが…」

ゼル先生が怒鳴り、教頭先生は腰を擦っておられます。
カボチャの馬車は一旦停止。

ブルー 「同時に転げ落ちたってトコに縁の深さを感じるねえ…」

運命の赤い糸で結ばれてるよ、と生徒会長。

ブルー 「本来、パレードはこの二人! 御成婚をお祝いしよう!」
ブラウ 「よっしゃあ! 野郎ども、姫と王子を馬車にお乗せしな!」
全校生徒「「「アイアイサー!」」」

亀仙人と男装のシンデレラ姫とやら、カボチャの馬車に押し込まれました。
馬車の屋根には「そるじゃぁ・ぶるぅ」とドレス姿の生徒会長。

ブルー 「さあ、フィナーレだ! ぶるぅが手作りキャンデーを撒くよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 福は~内~!」

魔法の杖が振られてキャンデーの雨が降り注ぎます。
カボチャの馬車は亀仙人とオカマな姫のカップルを乗せて粛々と…。

ゼル  「ええい、どうしてこうなるんじゃ!」
ハーレイ「ブルー、私が悪かった! 戻って来てくれ~!」

馬耳東風の生徒会長、馬車の屋根の上で豆まきならぬキャンデー撒き。

ぶるぅ 「福は~内! 鬼は~外~!」

ハロウィンといえば百鬼夜行。大事な主役の鬼を祓っていいんですかねえ?
キャンデーの雨は華やかですけど…。
シャングリラ学園初のハロウィン、御成婚パレードで閉幕です~!

2011/11/27 (Sun)

 

☆子供の特権


賑やかだったハロウィンも終わり、なべてこの世は事も無し。
シャン学メンバー、平和に暮らしているのですけど。

ジョミー「なんていうかさあ…。退屈?」
サム  「だよなあ、今月は特に行事も無かったし…」
ブルー 「そう? この間、ぶるぅの七五三に行ったじゃないか」
ジョミー「行ったけど…。ぶるぅだけしか得しなかったし!」
キース 「七五三で得してどうする。千歳飴でも欲しかったのか?」
ジョミー「そうじゃないけど、ぶるぅって何度目の七五三なのさ!」

絶対ズルイ、とジョミー君。
なにしろ「そるじゃぁ・ぶるぅ」ときたら、三百年以上も生きています。
いくら外見が子供だからって、毎年七五三にお出掛けするのは反則かも…。

ブルー 「ぶるぅは中身も子供だからね、七五三には連れてってやりたい」
ジョミー「でもさあ…」
キース 「子供相手に膨れるな。お前は露店で食いまくったくせに」
ジョミー「ぶるぅも食べてた!」
ブルー 「やれやれ…。来年からはジョミーの分も千歳飴を買おうかな」
ぶるぅ 「えっ、ジョミーも一緒に七五三するの? わーい!」

一緒に御祈祷して貰おうね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は乗り気です。

ブルー 「だったら羽織袴も要るね。楽しい七五三になりそうだ」
ジョミー「ちょ、ちょっと…。そういうんじゃなくて、もっと、こう…」
スウェナ「あら、いいじゃない、七五三。小さな子供って得なのよ」
シロエ 「ですよね、ネバーランドにも行けますし!」
マツカ 「サンタクロースも来てくれますよ」
サム  「うんうん、いいこと満載だよな! お前、来年は七五三しろよ」
キース 「電車とかバスも子供料金で乗れるようになるぞ」
ジョミー「そっちは見た目で多分アウト…。って言うか、その場で補導?」
キース 「普通はな。…分かってるんなら七五三をするのは諦めろ」
ジョミー「誰もしたいって言ってないよ!」

だけど子供はお得かも…、と考え込んでいるジョミー君。
まさか来年、七五三デビュー?

2011/11/28 (Mon)

 

☆子供はお得?


「そるじゃぁ・ぶるぅ」の七五三が羨ましかったらしいジョミー君。
正確に言えば「子供はお得」と思っただけなんですけれど…。

ブルー 「いいねえ、ジョミーも七五三! 遠慮しないで来年やろうよ」
ジョミー「要らないってば! だけど子供って得だとは思う…」
キース 「まだ諦めがつかないのか。子供料金でバスに乗るべきだな」
シロエ 「運転手さんに叱られちゃえば一気に諦めがつきますよね」
ジョミー「だから、そういう話じゃなくて! 子供は得だって話なんだよ」
スウェナ「千歳飴でしょ? 分かってるわよ」
ジョミー「七五三じゃなくてクリスマス!」
全員  「「「クリスマス?」」」

七五三とクリスマスには共通点なぞございません。
そもそも七五三は神道でクリスマスとくればキリスト教。どう繋がると…?

ジョミー「小さい子供にはサンタクロースが来るんだよ。マツカも言った」
マツカ 「そ、それは確かに言いましたけど…」
サム  「ぶるぅの所にもサンタは来てるな」
ジョミー「でしょ? やっぱり子供ってお得じゃないか」

ぼくたちの年だとパーティーだけだ、とジョミー君はぼやいています。

ジョミー「幼稚園はクリスマス会をしてくれたけど、学校には無いし!」
キース 「そうか? 俺の幼稚園には無かったぞ」
シロエ 「えっ、そんなことはないでしょう! 忘れたんですよ、きっと」
キース 「いや、無かった。なにしろ異教徒の祭りだからな」
スウェナ「なんなの、それ…」
キース 「阿弥陀様がいらっしゃるのにクリスマスも何もないだろう」
シロエ 「そういえば、先輩が行ってた幼稚園ってお寺のでしたね…」
ブルー 「なるほどねえ…。厳格な園長先生だったわけか」

運が悪かったね、と生徒会長。
お寺の付属幼稚園でもクリスマス会をやる所は多いみたいです。

キース 「運が悪いって? 別にそうとは思わんが…」

元々寺とは無関係だし、とキース君。
でもクリスマス会の無い幼稚園なんて、子供には酷じゃないですか…?

2011/11/29 (Tue)

 

☆クリスマスそれぞれ


幼稚園時代にクリスマス会が無かったらしいキース君。
しかも本人がそれを不運だと思っていない所がなんとも哀れを誘います。

サム  「そうか、キースはクリスマス会を知らないのか…」
キース 「いや、まるで知らないわけではない」
ジョミー「そうなの? ああ、友達の家でっていうのもあるよね」
スウェナ「それはクリスマスパーティーでしょ? 別モノじゃないの」
シロエ 「ですよね、クリスマス会とは違いますよ」

クリスマス会と言えばサンタクロースがやって来て…、とシロエ君。
そうだそうだ、と思い出話に突っ走りそうになった所で。

キース 「やはりサンタクロースが来るものだよな」
マツカ 「なんだ、キースもちゃんと経験してるんですね」
シロエ 「あれ? でもキース先輩、小学校は地元なんじゃあ…」
キース 「そうだが、それがどうかしたか?」
シロエ 「幼稚園にはクリスマス会が無かったんでしょう? だったら…」
ジョミー「小学校でサンタクロース? 地元のヤツで?」
スウェナ「それってちょっと凄くない? 珍しいわよ」
ブルー 「だよね、公立の小学校でサンタクロースはレアだと思う」
サム  「俺の小学校には来なかったな。やっぱ、お菓子をくれるわけ?」
キース 「もちろんだ」

ええっ、と驚くシャン学メンバー。
公立なのにサンタクロース、しかもお菓子のプレゼントつき。
キース君の幼稚園時代は不遇でしたが、小学校では恵まれたクリスマスを?

キース 「今でもハッキリ覚えているぞ。給食の時間になるとだな…」
ジョミー「サンタクロースが来るんだね?」
キース 「ああ。校長先生がサンタクロースの格好をして来て下さるんだ」

特別給食と言うんだぞ、と説明を始めるキース君。
サンタクロースが配りにくるのは『いりこスナック』。
カルシウムを摂って健康に! よく噛み締めて歯を丈夫に!

ジョミー「それ、クリスマス会じゃないと思う…」

何かが違う、と誰もがツッコミ。ユニークすぎるぜ、キース君!

2011/11/30 (Wed)

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☆意外な人気者


カボチャの馬車が置かれたグラウンドは仮装した生徒で大賑わい。
先生方も様子を見に来て…。

ブラウ 「こりゃ凄いや。学食がガラガラなのも納得だね」
ゼル  「今日は麺類が人気らしいのう、食うのに時間がかからんし」
エラ  「人気と言えば、亀仙人って何かしら?」
ヒルマン「亀仙人? なんだね、それは」
ブラウ 「あー、あちこちで言ってたねえ。ゼルにだろ?」
エラ  「そうなのよ。孫悟空もいいけど、亀仙人も見たかったって」
ブラウ 「分かる、分かる。ゼルならそのものズバリってね」
ゼル  「むむう、選択を誤ったか…。おお、そうじゃ!」

ぶるぅ! と手招きをするゼル先生。
トコトコ駆けて来た「そるじゃぁ・ぶるぅ」に耳打ちをして…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ ゼルも変身だね!」

星の杖が振られ、ボワン! とゼル先生は甲羅を背負った亀仙人に。
ハマりすぎな姿はたちまち生徒に大人気!
衣装はサイオニック・ドリームですが。

ブルー 「う~ん、注目度ではゼルも負けていないか…」
キース 「王子を出せば一発逆転できると思うが」
ブルー 「タイミングってものがあるからね。今は譲るさ」

にこやかに女子生徒との記念撮影に応じる生徒会長。
一方、ゼル先生を除く長老の先生方は…。

ブラウ 「ハーレイ。あんた、元気が無いねえ。その格好も人気だろ?」
ハーレイ「それはそうなのだが…」
ヒルマン「ゼルが一気に人気者だし、ショックを受けているのかね?」
ハーレイ「いや、そういうわけでは…」
ブラウ 「なんだい、なんだい、しっかりしな!」

もうすぐ午後の授業なんだよ、と教頭先生の背中を叩くブラウ先生。

ハーレイ「そ、そうか…。もうすぐ予鈴か…」

フランケンシュタインな教頭先生、ガックリ肩を落としています。
シンデレラな生徒会長の王子様役を大喜びで引き受けたのに、音沙汰なし。
騙されたのか、とションボリするのも無理はなく…。
亀仙人に人気を奪われたまま、昼休みは終わってしまうのか?

2011/11/01 (Tue)

 

☆カボチャの王子様


生徒会長の王子様になれる筈だったのにアテが外れた教頭先生。
ジョミー君たちの宮廷衣装を羨ましそうに眺めています。

ハーレイ「王子があんなに大勢いてはな…」
ブラウ 「ん? 何か言ったかい?」
ハーレイ「い、いや。賑やかでいいな、と」
ヒルマン「ああ。ハロウィンもなかなかいいものだねえ」

と、キンコンカーン…と昼休み終了5分前の予鈴。
授業の準備がある先生方はグラウンドを後にしようとしたのですが。

ブルー 「ハーレイ! ちょっと待ったぁ!」
先生方 「「「?」」」

先生方の目に映ったのはドレスの裾をバッとめくった生徒会長。
履いていたガラスの靴を片方、引っ掴むなり…。

ブルー 「てぇぇぇーいっ!」
ハーレイ「うわぁっ!?」

パッコーン! と小気味よい音が響いて、ガラスの靴は教頭先生にヒット!
額のド真ん中に決まった瞬間、「そるじゃぁ・ぶるぅ」が魔法の杖を。
教頭先生、ボワンと変身!

生徒A 「な、なんだ、あれ…」
生徒B 「カボチャ大王?」
ブルー 「みんな、お待たせ! 王子様の登場だよ!」
全校生徒「「「えぇぇっ!?」」」
ブルー 「ハロウィンだからね、王子様もハロウィン仕様!」

教頭先生の衣装はオレンジ色のカボチャの袖にカボチャのパンツ。
パンツにはジャック・オー・ランタンの顔が描かれています。
胴着とタイツは真っ黒ですし、オレンジ色のマントでハロウィンカラー!
頭上には立派なカボチャの王冠。
生徒も先生方も大爆笑の中、生徒会長が進み出て。

ブルー 「王子様はシンデレラ姫を探さなくっちゃね」
ハーレイ「…は…?」
ブルー 「放課後の悪戯タイム終了までにガラスの靴を履かせられたら…」

ぼくと一緒にカボチャの馬車で結婚パレード、とニッコリ笑う生徒会長。
そこでキンコンカーン…と本鈴が。

ブルー 「魔法の時間は、とりあえず終わり!」

授業だ、授業だ…と教室に駆けてゆく全校生徒。
ガラスの靴を手にして呆然と立つ教頭先生の運命や如何に?

2011/11/02 (Wed)

 

☆顔傷の王子様


カボチャの王子様に変身を遂げた教頭先生。
衣装は見事に変わったものの、フランケンシュタインのメイクはそのまま。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」の担当は衣装だけだったのです。
本鈴が鳴った後ではメイクを落とす暇は無く…。

生徒A 「シュールだったよなぁ、教頭先生」
生徒B 「カボチャの衣装もアレだけどさあ、やっぱり顔の縫い目がな…」
生徒C 「シンデレラの王子様の顔には名誉の負傷は無いものねえ…」

といった感じで授業に行った教室で笑われ、廊下で会った生徒に笑われ…。

ハーレイ「…ブルーは私の仮装が何か知っていたのか? まったく…」
ブラウ 「おや、顔傷の王子様じゃないか」

ププッと噴き出すブラウ先生。教頭先生はムスッとして。

ハーレイ「変だというのは分かっている。メイクを落としに行く所だ」
ブラウ 「ああ、あんたも6時間目は無かったねえ。手伝おうか?」
ハーレイ「は?」
ブラウ 「あたしの授業も終わったのさ。その衣装じゃ顔も洗えないだろ」

下手にやったら汚しちまうよ、と言われて教頭先生も納得です。

ハーレイ「ふむ…。クレンジングクリームを借りるつもりだったのだが」
ブラウ 「演劇部のかい? 無理無理、あんたにゃ扱えないよ」

使ったことが無いだろう? とケラケラ笑うブラウ先生。

ブラウ 「縫い目メイクを考えた時は石鹸で洗う気だったと見たね」
ハーレイ「何故分かるのだ?」
ブラウ 「やっぱり図星か…。メイクのことは本職に任せな」
ハーレイ「…本職?」
ブラウ 「あたしゃ、これでも女性だよ? あ、エラ!」

ブラウ先生、通りかかったエラ先生を呼び止めました。

ブラウ 「あんたも6時間目は暇だろ? ちょうどいいや」
エラ  「あら、何か用事?」
ブラウ 「いや、ちょっとハーレイのメイクをね」
エラ  「ああ…。その縫い目はダメよ、チンピラみたい」

メイク落としはプロにお任せ、とウインクしているブラウ先生とエラ先生。
心強い助っ人登場で教頭先生も一安心かな?

2011/11/03 (Thu)

 

☆美肌の王子様


不評だった縫い目メイクを落とすことになった教頭先生。
ブラウ先生とエラ先生は教頭室に押し掛けて行って…。

ブラウ 「あんたは座ってるだけでいいからね」
ハーレイ「う、うむ…」

カボチャの王冠はとりあえず外され、衣装が汚れないよう肩に化粧ケープ。
演劇部の部室から拝借したメイクボックスも置かれています。
メイク落としにメイクボックスが要るのかって? さあ…?

ブラウ 「ちゃんと目を瞑っているんだよ。目に入ったら大変だから」
エラ  「そうそう。痛いなんてレベルじゃないもの」

女海賊なブラウ先生と女騎士のエラ先生、縫い目メイクを綺麗に落として。

ブラウ 「あー…。やっぱり肌に負担がかかっちまったか」
エラ  「放っておくと荒れると思うの。ちゃんとお手入れした方が…」
ハーレイ「い、いや。私は別に気にしないが」
ブラウ 「ダメダメ、お肌の荒れた王子様なんて全くサマにならないよ」
エラ  「王子様でなければお肌はどうでもいいんだろうけど…」

お手入れしないと絶対ダメ、とエラ先生。
まずはマッサージから始めるようです。うーん、結構本格的!
教頭先生、顔傷の王子様から美肌の王子様に華麗に変身できちゃうかも?
そうこうする内に6時間目終了のチャイムがキンコンカーン…と。

ブラウ 「おっと、終礼に行かなくちゃ」
エラ  「終礼の後は悪戯タイムね? お菓子を確認しておかないと」

アタフタと出てゆく女性陣二人に教頭先生は大感謝。

ハーレイ「悪いな、手間を取らせてしまって」
ブラウ 「気にしなさんな。しっかりシンデレラ姫を探すんだよ?」
エラ  「ロマンチックよねえ、ガラスの靴。頑張ってね!」

綺麗なお肌に自信を持って、と激励された教頭先生、冠を頭に載せながら。

ハーレイ「よし。なんだかやる気が漲ってきたぞ」

念入りなマッサージを受けたお蔭でお肌に自信が持てたようです。
イカツイ顔立ちで美肌もクソも…、という気はしますが、本人はその気。
頑張れ、美肌の王子様!

2011/11/04 (Fri)

 

☆もうすぐ悪戯


先生も生徒も仮装だというカオスなハロウィン、終礼の時間でございます。
1年A組にはドラキュラなグレイブ先生が再び登場。

グレイブ「諸君、終礼の後がお楽しみの悪戯タイムだ」

ちゃんと注意は読んだだろうな、とグレイブ先生。
終礼直後から悪戯OKでは先生方は逃亡する暇もありません。
そこで10分間の休憩タイムが設けられていて、その間に先生方はお菓子の
用意を確認したり、場合によっては逃亡も可能。

グレイブ「私は逃げも隠れもしない。存分にハロウィンを楽しみたまえ」

終礼を終えたグレイブ先生、マントを翻して颯爽と去ってゆきました。
休憩タイム終了はチャイムでお知らせ。
生徒たちはワクワクしながらチャイムが鳴るのを待っています。
もちろんシャン学メンバーも…。

ジョミー「狙うならやっぱりゼル先生かな?」
サム  「だろうな、お菓子が期待できそうだぜ」
スウェナ「みんな狙っているみたいよ? ゼル特製が貰えるかも、って」

ゼル特製とは特別生しか注文できない学食の隠しメニューです。
パティシエ並みの腕を持つゼル先生のお手製スイーツは学校中の噂の的。
悪戯しに行けばそれをゲットできるかも、というので狙う生徒も数多く…。

キース 「悪戯か…。俺は乗り気じゃないんだがな」
ブルー 「付き合いが悪いと嫌われるよ? カボチャ王子も来るんだし」
キース 「ああ、シンデレラ姫を探しにか」
ブルー 「うん。ぼくは靴さえ返してくれれば王子は必要ないんだけれど」

どうにも歩きにくくって、とドレスの裾をたくし上げて見せる生徒会長。
左足にはガラスの靴ですが、右足はなんと便所スリッパ。

キース 「どういうセンスをしてるんだ…。体育館シューズがあるだろう」
ブルー 「え、王子様が恭しく脱がせてくれるんだよ?」

でないとガラスの靴を履かせられない、と生徒会長は得意げです。
教頭先生、便所スリッパを押し頂く羽目になるのでしょうか?
マジックで『教職員用トイレ』と書かれた文字は冗談ですよね…?

2011/11/05 (Sat)

 

☆悪戯タイム開始!


悪戯タイム開始のチャイムを今か今かと待ち焦がれている全校生徒。
その頃、魔法使いの衣装を纏った「そるじゃぁ・ぶるぅ」はウキウキと。

ぶるぅ 「ブルー、歩きにくいって言ってたもんね」

靴を取り返してあげようっと、と中庭をスキップしてゆきます。
生徒会長が存分に悪戯タイムを楽しめるようにとの心遣い。
なんとも良い子じゃありませんか!
本館に入り、教頭室へと…。

ぶるぅ 「かみお~ん♪」
ハーレイ「なんだ? お菓子の時間にはまだ早いぞ」

もう少しだけ待ちなさい、と寸暇を惜しんで書類と戦う王子様。
ずり落ちそうなカボチャの王冠を左手で押さえているのが律儀です。

ぶるぅ 「えとえと、ガラスの靴を貰いに来たんだけれど…」

あそこかな? とクローゼットに向かう「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生、ガラスの靴を持ってゆかれては生徒会長とパレードできません。
それはマズイ、とガバッと書類から顔を上げ…。

ハーレイ「待ちなさい、ぶるぅ!」

キャーッ!!! という悲鳴を残して「そるじゃぁ・ぶるぅ」は廊下へと。
教頭先生はホッと一息、クローゼットからガラスの靴を取り出して…。

ハーレイ「これをブルーに履かせられれば結婚パレードが出来るのだな」

頑張るぞ、と気合を入れた所でキンコンカーンとチャイムの音。
悪戯タイム、ついに開始でございます。
学校中で歓声が上がり、1年A組の生徒も一斉に外へ。

ブルー 「始まったね。誰に悪戯しに行こうかな」
キース 「あんたの狙いは教頭先生じゃなかったか?」
ブルー 「向こうが探しに来てくれるんだよ? それまで暇だし…。ん?」

開け放たれたままの扉から駆け込んできたのは「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ゼイゼイと息を切らしています。

ぶるぅ 「うわぁぁぁん、怖いよ、怖かったよう!」
ブルー 「ぶるぅ? い、いったい何が…」

おんおん泣いている「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
悪戯どころではないようですけど、何があったというんでしょうか…?

2011/11/06 (Sun)

 

☆怖いの、なあに?


怖いよ、怖いよ、と泣き叫んでいる「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
生徒会長やキース君たちが事情を尋ねてもサッパリ話が通じません。

ぶるぅ 「オバケ怖いよ、怖かったよう~!」
ブルー 「ハロウィンなんだし、お化けがいるのは仕方がないよ」
ぶるぅ 「でもでも、ホントに怖いんだよう~!」
キース 「こりゃダメだな。とても一人で放っておけない」
ジョミー「そうだね…。悪戯は諦めようかな」
ブルー 「みんなは行ってくれてもいいよ? ぼくはいいから」
サム  「ぶるぅが落ち着いたらみんなで行こうぜ。時間はあるさ」
スウェナ「そうよ、みんなで楽しまなきゃね」
ブルー 「ごめん…。でも場所は移った方がいいかも」
キース 「ああ、王子様か。確かに此処だと即バレだな」
シロエ 「何処でも同じじゃないですか? ぶるぅの泣き声でバレますよ」
サム  「そりゃマズイな。俺、ちょっとお菓子を調達してくる!」
マツカ 「ぼくも行きます! ゼル先生のなら泣きやむかも…」
ジョミー「じゃあ、ぼくも行く!」

なんだかんだで残ったのは生徒会長とキース君と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生が来たらヤバイんじゃあ…?

ブルー 「いざとなったらコレがあるしね」
キース 「便所スリッパが役に立つのか?」
ブルー 「多分。…いくらハーレイでも押し頂くのが限界かと」
キース 「あんた、またロクでもないことを考えてるな」
ぶるぅ 「わぁぁぁん、怖いよ~!」
キース 「ブルーの方が怖いと思うんだが…」

さて、お菓子の調達に行ったジョミー君たち。
集中攻撃を受けていたゼル先生を首尾よく発見、ゼル特製を見事にゲット!
これで「そるじゃぁ・ぶるぅ」も泣きやむだろう、と戻る途中で。

生徒A 「マジかよ、それ?」
生徒B 「うん。この学校、まだまだ奥が深いわ…」

あの恐ろしさは半端ない、と噂している生徒が多数。
彼らは何を見てしまったというのでしょう?
大泣きしている「そるじゃぁ・ぶるぅ」と無関係とは思えませんが…?

2011/11/07 (Mon)

 

☆悪戯進行中


ゼル先生特製のお菓子を持って1年A組に戻ったジョミー君たち。
美味しいクッキーを食べ、「そるじゃぁ・ぶるぅ」も落ち着いた様子。

キース 「良かったな、ぶるぅ。美味いだろう?」
ぶるぅ 「うん! えとえと、ゼルもオバケだったの?」
ジョミー「ううん、亀仙人で頑張ってたよ。悪戯している人もいたから」

剣道と居合の達人のゼル先生、亀仙人の杖で懸命に応戦していたのだとか。
え、杖もサイオニック・ドリームじゃないのかって?
本体は孫悟空の如意棒ですから大丈夫!

サム  「グレイブ先生も見かけたぜ。意外と人気」
シロエ 「マントからお菓子を出すんですよね、マジックで」
マツカ 「悪戯も炸裂してましたけどね…」

グレイブ先生、頭からホイップクリームをぶっかけられたりしたようです。
それでも頑張る孤高のマジシャン!

ジョミー「そうそう、なんだか怖いのが一人いるらしいんだよ」
キース 「なんだ、それは?」
ジョミー「学校中で噂になってた。見たら呪われそうだって」
ブルー 「ふうん? ぶるぅが出会ったオバケかな?」
スウェナ「多分…。でも、呪われそうな仮装って何かしら?」

うーん、と悩む一同を他所に「そるじゃぁ・ぶるぅ」はクッキーに夢中。
そこへ「ハッピー・ハロウィン!」と野太い声が響いて…。

ハーレイ「ブルー、シンデレラ姫を迎えに来たぞ。ほら、ガラスの靴だ」
全員  「「「!!!」」」

ガラスの靴を大事そうに捧げ持った教頭先生が入って来ました。
カボチャ王子な衣装のマントを靡かせ、自信に満ちておられますが。

ブルー 「えっと…。それって王子様かな?」
キース 「そうなんだろうな…」
ぶるぅ 「うわぁぁぁん、怖いよ、オバケ怖いよ~!」

おんおん泣き出す「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
教頭先生の顔にはドーランが塗られ、どぎついメイクが施されています。
黒々と縁取られた目の大きさは半端ではなく、目力アップ!
これって女性だけで構成された某歌劇団の男役メイクと言うのでは…?

2011/11/08 (Tue)

 

☆目力の王子様


素敵メイクで目力アップの教頭先生、自信満々でございます。
生徒会長に拒絶されるとは思ってもいないらしくって…。

ハーレイ「ブルー、足を出しなさい。ガラスの靴を履くのだろう?」
全員  「「「………」」」
ハーレイ「ん? どうした、私の顔に何かついているか?」

縫い目メイクは落とした筈だが、と首を傾げる教頭先生。

ブルー 「念のために聞くけどさ。やっぱり王子様なわけ?」
ハーレイ「もちろんだ。縫い目メイクとは一味も二味も違う筈だぞ」
ブルー 「あ、ああ…。それはそうだろうね」
ハーレイ「肌が荒れては台無しだとかで、マッサージをして貰ってきた」
ブルー 「マッサージ?」
ハーレイ「うむ。エラとブラウが念入りにな。どうだ、美肌の王子様は?」
全員  「「「び、美肌の王子様…」」」

呆然とするシャン学メンバー。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」は顔も上げずにガクガクブルブル震えています。
生徒会長もポカンと口を開けていましたが、ようやく正気に返ったようで。

ブルー 「そ、そうなんだ…。なるほど、エラとブラウがねえ…」
ハーレイ「自信を持つよう励ましてくれた。…姫、靴をどうぞ」
ブルー 「…美白の王子様でなかったことを二人に感謝すべきかな?」
ハーレイ「どういう意味だ?」
ブルー 「トイレで鏡を見てきたら? 美白よりかはマシだと思う」
ハーレイ「いったい何が言いたいんだ…」

教頭先生、ガラスの靴をしっかり抱えてトイレの方へ。
間もなく「うわぁぁっ!?」という悲鳴が聞こえてきたとか来ないとか…。

ブルー 「悪戯タイムのフライングか。エラとブラウもやってくれるね」
キース 「オバケが教頭先生だったとはな…」
ブルー 「ぶるぅだって泣いちゃうわけだよ。でもさ…」

今まで全く気付かなかったのが凄いよね、とクスクス笑う生徒会長。
見ただけで呪われそうだと学校中で噂の教頭先生、美白だったら白塗りに
されていたのでしょうか?
目力メイクも大概ですけど、王子様は再起できるのか…?

2011/11/09 (Wed)

 

☆メイクで開運?


トイレの鏡で自分の顔がどうなっているかを知ってしまった教頭先生。
そのまま悶絶しているらしく、戻ってこないみたいです。

ブルー 「よし、今の間に逃げちゃおう」
キース 「便所スリッパで殴るんじゃないのか?」
ブルー 「それは悪戯とは言わないしね。暴力反対! 行くよ、ぶるぅ」
ぶるぅ 「オバケは? オバケは何処に行ったの?」
ブルー 「アレはどう見たってハーレイだろ? 大丈夫だよ」
ぶるぅ 「えっ…。あれってハーレイだったの!?」

本物のオバケが出たと思った、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
姿形はカボチャの王子様なのに…。よほどビックリしたのでしょう。
オバケの正体が判明した途端、元気になるのは子供の常で。

ぶるぅ 「逃げるって、何処へ? ブルーの靴は?」
ブルー 「便所スリッパにも存在意義があるってね。グラウンドへ行こう」
シロエ 「木の葉を隠すなら森の中、ですね」
ブルー 「そういうわけでもないんだけれど…」

カボチャの馬車もグラウンドだし、とスタスタ出て行く生徒会長。
右足に便所スリッパを履いてますから、ちょっとバランス悪そうですが…。

ブルー 「うーん、やっぱり足元がイマイチ」
ジョミー「左足もスリッパに替えちゃえば? その方がいいよ」
ブルー 「ダメダメ、王子様を召喚するにはガラスの靴が必須アイテム」
キース 「その割に逃げようとしてないか? 支離滅裂だぞ」
ブルー 「ぼくたちだけしかいない所で召喚したって楽しさ半減!」
全員  「「「は?」」」
ブルー 「分からないかな、王子様には傅いてもらってなんぼなんだよ」

みんなの前で跪かせる、と生徒会長は意気盛ん。

ブルー 「せっかく素敵なメイクをしていることだしねえ?」
キース 「おい、ガラスの靴を履くつもりなのか? まさかパレードも?」
ブルー 「あそこまで突き抜けられたらパレードしたい気分にもなるさ」

逃げる気だった生徒会長、パレードに乗り気でございます。
教頭先生、目力メイクで運気上昇?

2011/11/10 (Thu)

 

☆走れ! 王子様


生徒会長御一行様が逃亡した後、トイレで我に返った教頭先生。
マントを翻して校内を必死に駆け抜け、向かった先は…。

ハーレイ「ブラウ! なんだこれは!」

自分の顔を指差す教頭先生。
ブラウ先生とエラ先生は群がる生徒にお菓子を配布中でございます。
噂の教頭先生の目力メイクを目の当たりにして、悲鳴を上げる生徒も多数。

ブラウ 「知らないのかい? 王子様と言えばそのメイクだよ」
エラ  「そうそう、舞台映えするのよね。主役は輝いていなくっちゃ!」
ハーレイ「し、しかしだな…。似合っていない気がするのだが」
ブラウ 「そりゃそうだろうさ。イカツイ顔には合わないってね」
ハーレイ「ブラウ! た、頼むからコレを落としてくれ…!」
ブラウ 「いいけどね。でも、悪戯タイムが終わっちまうよ?」
エラ  「ガラスの靴を届けられなくてもいいのかしら?」
ハーレイ「むむぅ…。くそっ、なんでこういうことになるのだ!」

止むを得ん、と腹をくくった教頭先生、再び走り出しました。
目力メイクで「ブルーは何処だ!?」と迫られた生徒たちは顔面蒼白。
呪われてはたまらない、とばかりに「あ、あっちです」と指さしたので…。

ハーレイ「見付けたぞ、ブルー!」
ブルー 「マッハの速さで来ちゃったよ…。時間切れかと思ったのに」

グラウンドには仮装した生徒が群れていますが、教頭先生登場で阿鼻叫喚。
けれど目力メイクのカボチャ王子様は開き直ってズカズカと。

ハーレイ「さあ、姫。ガラスの靴をお持ちしました」
ブルー 「履かせてくれるって言ってたよね? どうぞ」

ドレスの裾をたくし上げる生徒会長に今度は女子の黄色い悲鳴が。

ブルー 「まず靴を脱がせてくれないと。…ついでにキスもお願いするよ」
ハーレイ「き、キスしても…いい…のか…?」
ブルー 「うん、この靴に。ガラスの靴の代わりに頑張ってくれたし」

労ってあげて、と生徒会長。
いきなり靴にキスをしろとは、教頭先生、下僕フラグが立ちましたか?

2011/11/11 (Fri)

 

☆ヘタレな王子様


生徒会長にガラスの靴を履かせる前に、まずはキスだと言われてしまった
教頭先生。それも靴に、でございます。
おまけに靴というのは生徒会長が右足に履いている便所スリッパ。

ハーレイ「…く、靴にキスだと? 私には靴に見えないのだが」
ブルー 「ガラスの靴の代用品だよ? 本当にお役立ちだったんだ」

バランスを取りにくいのが難だけど、と生徒会長は澄まし顔です。

ブルー 「ぼくはこの靴に感謝している。挨拶も無しに別れるのはねえ…」
ハーレイ「し、しかしだな…」
ブルー 「ぼくの気持ちはどうでもいいんだ? 愛着のある靴なのに」

思いやりのない王子様なんてお断りだ、と冷たい視線の生徒会長。
便所スリッパにキスをしないと王子様失格、もちろん結婚パレードも無し。
教頭先生、大ピンチ!

ハーレイ「う、うう…。あ、足の甲ならいいのだが…」
ブルー 「足の甲にキスだって? 厚かましいにも程があるよ」

そういう台詞は王子様の座を獲得してから言ってくれ、と生徒会長は鼻で
笑っています。
教頭先生が固まっている中、グラウンドに走り込んで来た人影が…。

ゼル  「ほほう、これが噂の呪われそうなメイクじゃな? 実に見事じゃ」

特製お菓子が品切れになったので逃げてきたらしいゼル先生。
追って来た生徒たちを杖で蹴散らし、悠然と。

ゼル  「で、ハーレイは何をしておる? ガラスの靴の出番じゃろう」
ブルー 「それがねえ…。王子様がヘタレなものだから」
ゼル  「ヘタレ?」
ブルー 「うん。履き替えさせる前に靴にキスを、って言ったんだけど…」

どうも決心がつかないらしい、と生徒会長は大袈裟な溜息。

ゼル  「靴にキスとな? 求婚するならそれくらい…。ん?」

生徒会長の足元を眺めたゼル先生の目は便所スリッパに釘付けです。

ゼル  「ブルー。…このスリッパは本物かのう?」

もちろんさ、と微笑んでいる生徒会長。
本物の便所スリッパにキスをしろとは、あまりにも気の毒すぎるのでは…。

2011/11/12 (Sat)

 

☆王子様の条件


生徒会長の右足を飾る便所スリッパ。
これにキスをするのがガラスの靴を履かせるための必須条件。
教頭先生、目力メイクなカボチャ王子でキメてはいてもどうにもならず…。

ゼル  「ええい、何をグズグズしておるのじゃ! 見苦しいわい!」
ブルー 「そうなんだよね。せっかく一緒にパレードしようと思ったのに」

悪戯タイムが終わってしまうよ、と生徒会長は唇を尖らせています。

キース 「その条件を撤廃すればいいだろう? そもそも無茶だ」
シロエ 「そうですよ! 便所スリッパはあんまりです」
スウェナ「衛生面から見てもどうなのか…って気がするわよね」
ブルー 「ふうん? でも、君たちは教職員用トイレを知らないだろう?」
ジョミー「知ってるよ! 生徒は立ち入り禁止だけどさ」
ブルー 「だから知らないって言ってるんだよ。このスリッパって…」

最後に使ったのはいつだっけ? とゼル先生に視線を向ける生徒会長。

ゼル  「ふむ? ウオシュレットに替える前じゃし、かなり経つのう」
ブルー 「だよねえ? 今も一応置いてはあるけど…」
ゼル  「インテリアといった所じゃな。便所スリッパは様式美じゃ!」

なんと! 教職員用トイレの便所スリッパは飾りでしたか!
扉を開けると専用の棚があり、そこに置かれているのだとか。
もちろん履き替える人はいなくて、ゼル先生が言うとおりインテリア。
しかも掃除係の職員さんが毎朝消毒し、シーズンごとに新品に替えて…。

ジョミー「なぁんだ、本物って言っても名前だけじゃん」
キース 「まさか飾りだとは思わなかったぜ」
ブルー 「飾りだから平気で履けるんだよ。共用は絶対お断り!」

ハーレイが履いたかもしれないスリッパなんて、と言われてみれば…。
あの生徒会長がそういうヤツを嬉々として履くわけないですよね。

ブルー 「見た目の問題だけなんだけどなあ…。それともプライド?」

ぼくよりも自分が大切なんだ、と生徒会長は氷の眼差し。
教頭先生、ますますピンチ?

2011/11/13 (Sun)

 

☆波乱の王子様


そろそろ生徒会長に見捨てられそうな気配が漂う教頭先生。
便所スリッパを履いた生徒会長は舌打ちをして。

ブルー 「君の気持ちはよく分かったよ。王子様には代役を立てる」
ハーレイ「い、いや、それは…。わ、私にも心の準備というものが…」
ブルー 「そう言ってる間に悪戯タイムが終了ってね。あと何分?」
キース 「5分くらいだ。で、代役は?」
ブルー 「君たちの中から…と思っていたけど、亀仙人も魅力的かな」
ゼル  「ほほう、わしがカボチャの馬車でパレードとな?」

ゼル先生、亀仙人の杖で教頭先生をシッシッと追い払いながら。

ゼル  「わしは便所スリッパなんぞは気にせんわい。どれ、キスを…」

愛さえあれば一発なんじゃ、とゼル先生はノリノリです。
生徒会長の足元に跪き、便所スリッパな足を押し頂いて熱いキスを…って、
王子様は亀仙人で決定ですか!?

ハーレイ「ま、待ってくれ、ブルー!」
ブルー 「もう遅いね。キスしてくれたのはゼルなんだしさ」
ゼル  「そうじゃ、そうじゃ! ガラスの靴を寄越さんかいっ!」
ハーレイ「そ、そんな……そんな馬鹿な……」

カボチャ王子な教頭先生、お払い箱でございます。
亀仙人にガラスの靴を奪われ、もう終わりかとガックリ肩を落とした所へ。

ブラウ 「おーっと、王子様をないがしろにするとは頂けないねえ」
エラ  「そうよ、私たちの力作なのよ!」
ハーレイ「ブラウ…。エラ…。た、助けに来てくれたのか…?」

目力メイクの恨みも忘れて感涙にむせぶ教頭先生。
その間にブラウ先生とエラ先生は素早く情報収集を終えて…。

ブラウ 「ハーレイ。あんた、ゼルにキスしな」
ハーレイ「は?」
ゼル  「な、なんじゃと!?」
エラ  「ゼルとキスすれば間接キスになると思うの」
ブラウ 「そうそう、便所スリッパにキスしたことになる筈だよね」

これでハーレイが王子様! とブチ上げているエラ先生とブラウ先生。
起死回生の奇策ですけど、王子様の座は果たしてどうなる?

2011/11/14 (Mon)

 

☆悪戯の名手


教頭先生がグズグズしている間に、王子様の代役は亀仙人なゼル先生に。
窮地に陥った教頭先生に救いの神が出現したのはいいのですけど…。

ゼル  「お断りじゃ! なんでハーレイとキスせにゃならん!」
ブラウ 「だってさ、主役は王子様だよ? あんたが横から奪ったんだ」
エラ  「ハーレイ、意地を見せなきゃダメよ!」
ハーレイ「し、しかしだな…」

ゼル先生とキスしてしまえば便所スリッパに間接キス。
王子様の座とガラスの靴を奪回するには、これ以上の策は無さそうですが。

ブルー 「エラとブラウも面白いことを考えるねえ」
キース 「あのメイクといい、もしかして悪戯の天才なのか?」
シロエ 「ホントに凄い才能ですよね。今日の悪戯のナンバーワンかも…」

悪戯タイム終了が近付き、グラウンドには生徒が集まり始めています。
お目当ては無論、カボチャの馬車でのパレードとあって王子様の座を巡る
争いの行方は注目の的。

生徒A 「やっぱりハロウィンの主役はカボチャだよなあ」
生徒B 「亀仙人よりカボチャ王子が断然いいって!」
ゼル  「ええい、やかましい! わしが王子じゃ!」
生徒C 「頑張れ、カボチャの王子様!」
ブルー 「どうする、ハーレイ? 学校中の期待が君に集まってるよ」
エラ  「あと少しで悪戯タイム終了だけど、本当にいいの?」
ブラウ 「うーん、煮え切らないったら…。やるっきゃないね」

行くよ! と叫んだブラウ先生、ゼル先生の首根っこを引っ掴みました。
同時に飛び出したエラ先生は身長の差をモノともせずに教頭先生の首を。

ゼル  「な、何をするんじゃ!」
ブラウ 「せーのっ」

エラ先生とブラウ先生が声を合わせて「トリック・オア・トリート?」。
そして二人に選択の暇も与えず背中をドンッ!

全校生徒「「「!!!」」」
ブルー 「やっちゃったよ…」

カボチャ王子と亀仙人は押されたはずみにブチューッとキッス。
視覚の暴力としか言えない光景、これもハロウィンならではですか?

2011/11/15 (Tue)

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