忍者ブログ
シャングリラ学園つれづれ語り
☆いいスタートかも


新年あけましておめでとうございます。元日の元老寺です。
シャン学メンバー、昨夜の疲れで爆睡している朝ですけど。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同  (((ん…?)))
ぶるぅ 「初日の出、もうじきだから!」

起床、起床ーっ! と廊下を跳ねてゆく元気なお子様の声。

シロエ 「えええ…。もう朝ですか…」
サム  「真面目にやってられねえぜ…」
ジョミー「若さとは別のベクトルだよねえ、毎年さあ…」

二年詣りとは違うから疲労困憊で、とジョミー君の嘆き節。

ジョミー「除夜の鐘の後に初詣だったら、今頃は…」
シロエ 「徹夜で騒いでハイな勢い、年明けうどんで…」

元気一杯な筈なんですけど、とシロエ君も。

シロエ 「夜中に正座で法要だとか、クレイジーですよ…」
キース 「正月早々、ブツブツ言うな! もう山門で…」

親父が待機しているぞ、とキース君が法衣で登場。

キース 「無事におせちを食べたかったら、急いで来い!」
一同  「「「はいっ!」」」

元日から詰むのは嫌な面々、雪が積もった境内をダッシュ。

一同  「「「おはようございます!」」」
アドス 「おお、揃いましたな。じきに初日が昇りますぞ」
イライザ「二礼、二拍手、一礼ですよ」

さあ、お辞儀から、で昇る朝日にパンパン柏手、深く一礼。

アドス 「今年は綺麗に揃ってなにより。では庫裏の方へ」
イライザ「暖房が効いてますからね」
一同  「「「やったーっ!」」」

一晩でずいぶん積もったよね、と庫裏の座敷へ移動でして。

アドス 「改めまして、新年おめでとうございます」
一同  「「「おめでとうございまーす!」」」
イライザ「では、お屠蘇から始めましょうね」

銀青様から、と注がれるお屠蘇。

ブルー 「ありがとう。本年もよろしく」
イライザ「じゃあ、皆さんにも」
アドス 「お屠蘇の後は、お雑煮と参りましょう」

おせちも遠慮なくどうぞ、と今年も太っ腹。
いいスタートかも!


2024/01/01 (Mon)



☆おせちの食べ方


元日の元老寺の朝、境内はしっかり積もった雪がドッサリ。
けれど庫裏の座敷は暖房が効いて、これからおせちタイム。

イライザ「今年も、和洋中とありますからね」
アドス 「おかわりも用意してありますので、ご遠慮なく」
一同  「「「やったーっ!」」」

まずは一同、お屠蘇でお祝い、お次はお雑煮。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ お雑煮、おかわりしていい?」
イライザ「もちろんですよ。お餅はいくつ?」
ぶるぅ 「んとんと、二個で!」
イライザ「はい、どうぞ」

温めてある大きな鍋から、おたまで掬って熱々のおかわり。

ぶるぅ 「ありがとう! えっと、おせちは、と…」
キース 「どれにするんだ?」
ぶるぅ 「迷っちゃうけど、定番から!」
キース 「やはり、料理上手のチョイスは違うな」

普通だったら、子供舌で洋風なんだろうが…、とキース君。

キース 「子供舌のは、別にいるようだな」
ジョミー「それ、ぼくのこと!?」
シロエ 「ぼくもですか!?」

酷い、と洋風や中華でスタートした人たちの抗議の声が。

シロエ 「スウェナ先輩だって、ヤバいですから!」
サム  「俺もだよなあ、マリネで始めちまったし…」

スモークサーモンが美味そうでよ…、とサム君も。

サム  「ん? もしかして、セーフなヤツが一名…」
ジョミー「いるよね、なんでマツカだけ!」
キース 「俺もなんだが?」
シロエ 「キース先輩は数に入りませんよ!」

儀礼にうるさい職業ですし、とシロエ君が叩き付ける正論。

シロエ 「あれ? でも、そうなるとですね…」
ジョミー「マツカは儀礼を守ってる、って…」
サム  「ことになるよな、コレってよ…」

もしかして俺たち、詰んでねえか、とサム君、モゴモゴと。

サム  「マツカは礼儀正しくってよ、俺たちはよ…」
シロエ 「儀礼はスルーで、無作法になるわけですか…?」
キース 「教養が無いとも言うかもな」

なにしろ子供ではないし…、とキッツイ言葉が。
無作法で無教養…。


2024/01/02 (Tue)



☆縁起を担がないと


元老寺で迎えた雪の元日、庫裏でおせちな面々ですけれど。
食べ方の件でキース君が嫌味で、教養がどうのという話に。

シロエ 「礼儀はともかく、教養って、何の話ですか!」
ジョミー「そうだよ、まるで馬鹿みたいに聞こえるし!」
キース 「いや、いいが…。単に縁起の問題だしな」

この一年の縁起担ぎというだけだ、とキース君の言。

キース 「なにしろ、おせちには色々と…」
ブルー 「縁起物が詰まっているからねえ…」

地域で多少の差はあってもね、と生徒会長も。

ブルー 「それをすっ飛ばしていった以上は…」
シロエ 「福を逃したとか、そうなるんでしょうか…?」
キース 「平たく言えば、そうかもな」
ブルー 「金運とかのもあるわけだから…」

縁起担ぎをしない以上は、自力でいこう、と怖い台詞が。

ブルー 「まあ、金運に関しては…」
キース 「困った時の誰かがいるわけなんだが…」
シロエ 「その誰かさんは、縁起を担いだわけですね?」
ブルー 「そうだね、心得事だから…」

しつけがきちんとしていたんだよ、と生徒会長。

ブルー 「なんと言っても、大財閥の御曹司だし…」
キース 「金運に招福、健康あたりは常識だろうな」
一同  「「「うっ…」」」

その辺を全部逃したのか、と一同、愕然。

シロエ 「し、仕切り直しは出来ますか!?」
ブルー 「時間は後戻りしないしねえ…」
キース 「来年、仕切り直すことしか出来んと思うぞ」

覚えていればの話だが、とキース君の不敵な笑み。

キース 「いいか、キッチリ縁起担ぎをしていても、だ…」
ブルー 「詰みまくる見本が此処にいる、って?」
キース 「ああ、しっかりと言っておく!」

一年の計は元旦にあり、と言うからな、とキース君。

キース 「縁起を担がなかった面子は、どうなろうとも…」
シロエ 「自己責任ってことですか!?」
ブルー 「そうなるねえ…。多分、助けは…」

何処からも来ないと思うけどね、と嫌すぎる纏め。
自己責任…。


2024/01/03 (Wed)



☆バレた火だるま


今年も元老寺で元日ですけど、境内は一面、雪がドッサリ。
暖かい庫裏でおせちな面々、食べ方で詰んだようでして…。

シロエ 「金運はともかく、招福ですか…」
サム  「健康も地味にヤバいんでねえの…?」

火だるまショーとかあったんだぜ、とサム君の悪い顔色。

サム  「あの時、全治三日とはいえ、火傷でよ…」
アドス 「ああ、何やらあったようですなあ…」
イライザ「身体中、あちこち火傷な時ねえ…」

ショーだったとは知らなかったわ、とイライザさん。

イライザ「だってキースは、焚火の中に落ちた、って…」
アドス 「ワシらには言っていたんですがな…」

なんと火だるまショーですか、とアドス和尚も興味津々。

アドス 「で、そのショーというのは、どんな感じで…」
ぶるぅ 「えっとね、バク転でダイブだったの!」
イライザ「スタントみたいなものかしら?」
ブルー 「まあ、練習は積んでいたよね、バク転の方は」

ダイブは、その場のノリだけどさ、と生徒会長の解説が。

ブルー 「でも、なかなかに見ごたえがあって…」
ぶるぅ 「大迫力で、凄かったよ!」
アドス 「なるほど、せがれがお役に立てて何より」
キース 「どの辺がだ!」

俺は全身火傷したんだぞ、とキース君、拳をグッと。

キース 「真面目に死ぬかと思ったしな!」
イライザ「大袈裟すぎでしょ、ただの火傷でみっともない」
アドス 「まったく、まったく。さて、そろそろ…」

初詣の支度がございますので、と立ち上がるアドス和尚。

アドス 「サム殿とジョミー殿も、例年通りに…」
イライザ「よろしくお願い致しますわね」
サム  「はいっ!」
ジョミー「はーい…」

なんか不吉な流れかも、とサム君とジョミー君が竦める肩。

アドス 「キース、きちんと連れて来るんじゃぞ」
キース 「分かっている。ガッツリ確保で本堂まで、と」
アドス 「貴重な労働力じゃし、しっかりな」

逃がすでないぞ、と去ってゆきましたけれど。
大丈夫…?


2024/01/04 (Thu)



☆スキルと下足番


雪がドッサリ積もった元老寺の元日、庫裏でおせちな面々。
けれどサム君とジョミー君には、お役目があるわけでして。

キース 「さあ、二人とも、支度して貰おうか」
ジョミー「今年は何をやらされるわけ?」
サム  「普通に例年通りだろ?」

初詣に来る檀家さんの対応で…、とサム君、ゲンナリと。

サム  「いいんだけどよ、お子様にお菓子を渡すとか…」
ジョミー「下足番とか、そんなのだけどさ…」
キース 「本堂の外で待機が辛い、と言いたいんだな?」

下足番だと外だからな、とキース君。

キース 「なにしろ外には、暖房も無いし…」
ジョミー「そう、ソレ! キースとアドス和尚はさ…」
サム  「炬燵に入って、挨拶だけで済むけどよ…」
キース 「やかましい! 俺と親父が炬燵にいないと…」

檀家さんが遠慮なさるだろうが、とキース君の厳しい顔。

キース 「寒い中をいらして下さったのに、炬燵無しは…」
シロエ 「有り得ませんよね、お寺じゃなくっても」
ブルー 「冬場にいらしたお客様には、まず暖房で…」

おもてなしをするものだからね、と生徒会長も。

ブルー 「客間が充分、温まるまでは、狭い部屋でも…」
ぶるぅ 「入って貰って、あったかい飲み物とかで…」

温まって貰わないとダメだもん、と家事万能なお子様の言。

ぶるぅ 「冬のおもてなしの基本で、常識!」
キース 「分かったか! 俺と親父は炬燵でいいんだ!」
ジョミー「そうかもだけど、どうせ今回も…」
キース 「下足番はお前に決まっている!」

サムは子供にウケがいいしな、とキース君、腕組み。

キース 「ついでに、坊主見習いとしても…」
ブルー 「なかなか立派なものだしねえ…」

それに比べてジョミーときたら、と生徒会長、深い溜息。

ブルー 「下足番でも当然だよね」
キース 「中の仕事は、全く務まらないからな!」
ジョミー「酷いって!」
キース 「行くぞ!」

待たせたら親父が怖いからな、と出てゆく人。
それはガチ…。


2024/01/05 (Fri)



☆キレたら怖い人


元老寺で元日なシャン学メンバー、おせちは庫裏の座敷で。
けれど、サム君とジョミー君にはお役目、初詣のお手伝い。

サム  「行くしかねえよな、お役目だしよ…」
ジョミー「なんで大雪なのさ、今年は!」
ぶるぅ 「あっ、降って来たぁ!」
シロエ 「えーっと…。雪雲が来るみたいですよ」

警報級の、とシロエ君が覗き込むスマホ。

シロエ 「この辺りだと、ドッサリ積もりそうです」
サム  「昼間からかよ!?」
ジョミー「それって、マジで?」
シロエ 「お気の毒ですけど、どう見てみても…」

あちこちで車が立ち往生なヤツですよ、とシロエ君の読み。

シロエ 「これが雨だったら、大雨はガチな雪雲ですし」
一同  「「「うわー…」」」

それは積もる、と見ている間に、本格的な雪に。

キース 「遅いぞ、そこのサボリ組!」
ジョミー「うわ、キース!?」
キース 「早く作務衣に着替えに来い!」

おふくろがキレる寸前だしな、と鬼の形相で戻って来た人。

キース 「親父も怖いが、おふくろがキレたら…」
シロエ 「半端ないんですか?」
キース 「いいか、親父は婿養子だぞ!」
一同  「「「げっ!」」」

忘れてた、と誰もが愕然、サム君とジョミー君も顔面蒼白。

サム  「やべえ、行く!」
ジョミー「置いてかないでよ、ぼくも行くから!」

ダッシュで消えてしまった両名、キース君の姿も無し。

シロエ 「凄い勢いで行っちゃいましたね…」
スウェナ「そりゃ、必死だわよ」
マツカ 「アドス和尚を超えるとなったら、怖すぎですし」

ちょっと想像出来ませんね、とマツカ君が傾げる首。

マツカ 「いつも優しい人なんですけど…」
シロエ 「あのぅ、ソレ…」

お前が言うなというヤツですよ、とシロエ君の深い溜息。

マツカ 「えっ? それはどういう意味でしょう?」
シロエ 「分からないなら、いいですけどね…」
スウェナ「自覚ゼロなのよね…」

まあ、それでこそマツカだけど、と頷く面々。
実は最強…。


2024/01/06 (Sat)



☆立ち往生は困る


今年も元老寺で元日ですけど、大雪になりそうな今の状況。
庫裏の座敷でおせちな面々はともかく、大変そうな本堂組。

マツカ 「よく分かりませんけど、それより雪がですね…」
シロエ 「さっきよりも酷くなってますよね…」
スウェナ「そうねえ、車がアウトになるヤツよ、コレ…」

スノータイヤの車が基本じゃないし、とスウェナちゃん。

スウェナ「この辺りだと、雪が多めだから普通かもだけど」
マツカ 「でしょうね、特に元老寺は宿坊がありますし」
シロエ 「あー…。お客様の送迎に必須ですよね」
マツカ 「だと思いますよ、でも、市街地の方は…」

ほんの1センチでアウトですしね、とマツカ君の言。

マツカ 「それで凍られたら、立ち往生なコースですよ」
シロエ 「待って下さい、すると帰りのバスがですね…」
スウェナ「もしかしなくても、運休じゃないの!」
マツカ 「恐らくは…。宿坊の車で送って頂くしか…」

でなければ、ぼくが迎えを頼むかです、と御曹司。

マツカ 「スノータイヤの車で、抜け道経由でいけますが」
スウェナ「早めに頼まないと難しそうよ?」
シロエ 「抜け道も、立ち往生の車で詰みますしね…」
マツカ 「ええ。ですから、早めに言ってるんです」

お先に失礼した方が…、とマツカ君が眺める外の大雪。

マツカ 「サムとジョミーには悪いですけど…」
ブルー 「いいかもね…」
シロエ 「えっ、会長は残ればVIP待遇ですよ?」
ブルー 「でもねえ、此処はお寺なんだよ」

お正月の間は何かと面倒で、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「出来れば帰って、のんびりゆっくり…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あったかいお鍋で雪見酒とか!」
ブルー 「ピンポーン!」

雪のお正月はソレに限るよ、と立てる親指。

ブルー 「イライザさんに引き留められる前にさ…」
シロエ 「トンズラですね?」
ブルー 「その方がいいと思うけどねえ?」

君たちだって、と逃げる案が出ていますけど。
どうする?


2024/01/07 (Sun)



☆すぐ帰らないと


元老寺で元日な面々ですけど、大雪になって来ている現在。
早々に帰る案が出まして、生徒会長は帰る気満々でして…。

シロエ 「マツカ先輩、全員、迎えの車に乗れますか?」
マツカ 「いけますよ? 今ならギリギリで」
ブルー 「遅くなるほど、状況は悪化すると思うね」
マツカ 「ええ。小回りの利く車しか通れなくなって…」

分乗せざるを得なくなります、とマツカ君。

マツカ 「でも、2台に分かれて乗るだけで…」
シロエ 「逃走は可能なんですね?」
ブルー 「どうかな、2台同時に来ればいいけど…」
スウェナ「来なかった時は、どうなるのよ?」

2台目の面子は捕まるだとか…、とスウェナちゃんの問い。

スウェナ「イライザさんに引き留められて、残留なの?」
ブルー 「だろうね、ぼくは当然、振り切れるしさ…」
シロエ 「ぼくたちが残るわけですね…」

マツカ先輩も行ってしまって、とシロエ君、ガクブル。

シロエ 「スウェナ先輩と、ぼくが置き去りですか!?」
ブルー 「他にどういう道があると?」
シロエ 「マツカ先輩、ぼくは今すぐ帰ります!」
スウェナ「私もだわよ!」

車種に贅沢は言わないわ、とスウェナちゃんも悲鳴。

スウェナ「とにかく迎えよ、今すぐに!」
マツカ 「分かりました。お待ち下さいね」

すぐに執事さんに電話で、手配出来た模様。

マツカ 「10分ほどで着くそうです」
シロエ 「出ましょう、外へ!」
ブルー 「まだ10分もあるんだよ?」
シロエ 「でもですね…!」

グズグズしてたら捕獲ですし、とシロエ君が取って来た鞄。

シロエ 「帰る用意は出来ました!」
スウェナ「そうだわ、お泊まりグッズを回収で!」
ブルー 「必死だねえ…」

分かるけどさ、と生徒会長が笑う間に、脱出準備完了。

マツカ 「あと5分で山門前に来ますよ」
シロエ 「もういいですよね、会長!」
イライザ「あら。皆さん、どちらへ?」

大雪になっていますわよ、とイライザさん登場。
ヤバいかも…?


2024/01/08 (Mon)



☆帰る人と残る人


元老寺で迎えた元日、警報級の大雪になって来ている現実。
本堂で初詣な面子を残して、逃げる決断が下りましたけど。

イライザ「まさか、この雪の中をお帰りですの?」
シロエ 「そうなんです! 引き留めないで下さい!」
イライザ「でも、バス停までの道も雪が積もって…」

埋まり始めていますわよ、とイライザさんが指差す外。

イライザ「車はなんとか、ギリギリ走れるようですけれど」
ブルー 「うん。だから今の間に失礼しようと思ってね」

マツカが車を頼んでくれたし、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「もう着くようだし、この辺りで…」
イライザ「あらまあ…。今夜はお泊まり頂くつもりで…」

メニューを伺いに参りましたのに、と驚くイライザさん。

イライザ「買い置きの食材で作れそうなものを、色々と…」
ブルー 「そのお気持ちだけ、貰っておくよ。じゃあ…」
マツカ 「今、山門前に着いたそうです」
ブルー 「行こうか、みんな」

サムとジョミーをよろしくね、と生徒会長、片目をパチン。

ブルー 「せっかくだから、三が日の間は、ガッツリと…」
一同  「「「えっ?」」」
ブルー 「いいかい、キースはお寺の息子で、副住職で…」

本当だったら、初詣に遊びに行けないよね、と正論が。

ブルー 「というわけでさ、サムとジョミーにも…」
イライザ「お寺のお正月を体験して頂くわけですのね?」
ブルー 「その通り! 初詣のお手伝いだけじゃなくて…」
イライザ「お正月ならではの行事ですわね、承知しました」

キッチリ、みっちり仕込みますわね、とイライザさん。

イライザ「銀青様の仰せですもの、頑張りますわ」
ブルー 「任せたよ。それじゃ、これでね」

車も来たし、と生徒会長も他の面子も、山門へ。

イライザ「皆様、どうぞお気を付けて」
ブルー 「サムとジョミーに、よろしくね!」
一同  「「「ありがとうございました!」」」

色々、御馳走様でした、と無事に車で脱出ですけど。
他の面子は…?


2024/01/09 (Tue)



☆大雪でも届ける店


今年も元日は元老寺な面々、大雪が降り始めて分かれた道。
僧籍なサム君とジョミー君以外は、車で脱出したわけで…。

マツカ 「サムとジョミーは、どうなるんでしょう?」
シロエ 「キツイ運命が待っていそうですよね、三が日…」
スウェナ「普通の初詣はアウトっぽいわよ…」
ブルー 「うん。だから今年は、この面子でね!」

お寺の連中は放っておいて、と生徒会長が立てる親指。

ブルー 「今夜はウチに泊まって貰って、明日にでも!」
シロエ 「えっ、いいんですか!?」
ブルー 「もちろんだよ。お泊まりグッズも持ってるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お客様、大好き!」

大歓迎! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。

ぶるぅ 「暖房、さっき入れておいたし…」
ブルー 「帰る頃には、ちゃんと暖かくなっているしね」
シロエ 「食事の方はどうするんです?」
ブルー 「そうだね、ぶるぅが作ってもいいけれど…」

せっかくだから…、と生徒会長の視線がマツカ君に。

ブルー 「マツカ、何処かの店からケータリングとかは…」
マツカ 「出来ますよ? 元日もやっているお店なら…」

雪でも根性で届けますから、とマツカ君の笑み。

マツカ 「なにしろ、食材を仕入れているのに、大雪で…」
シロエ 「あっ、お客様が来ないんですね!?」
マツカ 「誰だって、出たくないですからねえ…」

この雪だと帰り道が危ういですから、とマツカ君。

マツカ 「帰りを気にしながら食べても、美味しくは…」
シロエ 「ないでしょうねえ、お酒も楽しめなくて…」
マツカ 「ええ。ですから、ドタキャンの嵐でしょうね」

何処のお店も…、とマツカ君が浮かべる苦笑。

マツカ 「当然、食材も余りますから、注文さえあれば…」
スウェナ「意地でも届けに来るってことね?」
マツカ 「配送料は、多分、とんでもないですけどね」
シロエ 「あー…。歩いて往復する人の、人件費ですね…」

それは確かに高いかも、と誰もが爆笑ですけど。
頼むんですね?


2024/01/10 (Wed)



☆大雪が分かれ目


今年も元老寺で元日を迎えた面々、大雪で道が分かれた件。
生徒会長たちは車で脱出、僧籍な面子だけが残ったわけで。

シロエ 「配送料は高そうですけど、ケータリングは…」
スウェナ「思いっ切り、期待出来そうだわねえ…」
マツカ 「何にしますか、和食以外がいいですか?」

おせちは和洋中でしたけど、とマツカ君の問い。

マツカ 「御希望に合わせて、店を探しますから」
ブルー 「そうだね、お店への支援も兼ねて和洋中かな」
シロエ 「雪で余りそうな、食材の山を救うわけですね?」
ブルー 「ピンポーン!」

ここはボランティア精神で…、と生徒会長、ニッコリと。

ブルー 「マツカ、いけるんだったら、ソレで」
マツカ 「分かりました。早速、手配しますね」

車内から執事さんに電話で、テキパキと指示。

マツカ 「オッケーです。後は待っていれば、届きますよ」
シロエ 「時間指定は、流石に無理でしたか…」
マツカ 「いえ? 指定するなら、ヘリを出しますけれど」
シロエ 「そ、そこまではいいですってば!」

ヘリで配送しなくても、とシロエ君、ワタワタ。

シロエ 「時間は、たっぷりありますから!」
スウェナ「泊まるんだものね、急がないわよ。でも…」

サムたちの方はどうかしら、とスウェナちゃんの疑問。

スウェナ「ケータリングで豪華な食事どころか…」
シロエ 「精進料理もありそうですよね」
ブルー 「そりゃあ、お寺のお正月だよ?」

お客様がいるならともかく、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「身内だけだと、多分、相当厳しいね」
シロエ 「マジですか!」
ブルー 「だってさ、アドス和尚だよ?」

ついでにイライザさんもセットで…、と怖すぎる読み。

ブルー 「サムとジョミーに、お寺の正しいお正月をさ…」
スウェナ「叩き込むチャンスってことかしら?」
ブルー 「ビシビシやると思うけど?」
一同  「「「うわー…」」」

詰んでるのでは、と誰もがガクブルですけど。
そうかも…。


2024/01/11 (Thu)



☆お寺で三が日


今年も元老寺で迎えた元日、けれどとんでもない大雪な今。
生徒会長たちは車で脱出、僧籍な面子だけが残ったわけで。

ジョミー「えっ、マツカたちは帰ったって!?」
サム  「マジかよ、道は大雪で埋まってるんじゃあ…」
キース 「そうなる前に逃げたらしいぞ、マツカの手配で」

立派な車が来たそうだ、とキース君の仏頂面。

キース 「おふくろが山門まで、見送りに出たら…」
ジョミー「スノータイヤの高級車が、って?」
キース 「マツカの家の車っぽい、という話だった」
サム  「自家用車かよ…」

まあ、スノータイヤでも不思議じゃねえな、とサム君の言。

サム  「アルテメシアも、降る時はドカンと降るしよ…」
ジョミー「スノータイヤなら、安心だしね…」
キース 「それはそうだが、逃げられたんだ!」

そこが大事なポイントだぞ、とキース君の深い溜息。

キース 「サムもお前も、三が日はガチで寺での正月で…」
サム  「だよなあ、残されちまったし…」
ジョミー「まさか、ガッチリ、精進料理だけだとか…?」

豪華おせちも出て来なくって、とジョミー君の悪い顔色。

ジョミー「肉も魚も、欠片も食べられないコース…?」
キース 「正解だ!」
僧籍な人「「げっ!」」

嘘だ、とサム君とジョミー君、愕然と。

サム  「もしかして、おせちもねえのかよ…?」
キース 「ある分、余計に恐ろしいんだが…」
ジョミー「それ、どういう意味…?」
キース 「寺の仕様で来るんだぞ…?」

俺も昔は食っていたんだ、とキース君までが嘆き節。

キース 「色は地味だし、味は薄くて、精進で…」
ジョミー「嫌すぎるってば!」
キース 「俺も嫌だが、仕方ない…」

初詣もパアのようだしな、とブツブツブツ。

キース 「屋台の焼きそばも、タコ焼きとかもだ…」
サム  「俺たちは無理なヤツってか?」
キース 「三が日、ここに拘束なんだぞ?」
僧籍な人「「うっ…」」

なんてこった、と言葉を失くしてますけど。
詰み…。


2024/01/12 (Fri)



☆置き去りな人たち


今年も元老寺で元日な面々、大雪で分かれてしまった運命。
車で脱出した方はケータリングで、残った面子は精進料理。

ジョミー「三が日、此処に捕まってる間に、みんなは…」
サム  「美味い飯を食って、神社で初詣かよ?」
キース 「そうなるより他に無いだろう!」

置き去りにされてしまったしな、とキース君の渋面。

キース 「いいか、誘われもしなかったんだぞ?」
僧籍な人「「は?」」
キース 「逃亡の誘いだ、逃げませんか、というヤツだ!」
僧籍な人「「あー…」」

何も聞いてはいなかったっけ、と納得するしかない台詞。

ジョミー「思いっ切り、見捨てられたって…?」
サム  「切り捨てられたって言わねえか?」
キース 「どっちでもいいが、今頃、あいつらの方は…」

ブルーの家で美味い飯だな、とキース君の深い溜息。

キース 「ぶるぅが作るか、仕出しを頼んだか…」
ジョミー「どっちにしたって、美味しいよね…」
サム  「ついでに豪華なヤツだと思うぜ…」

正月だしよ、とサム君も。

サム  「ゴージャスな食材を使いまくってよ…」
ジョミー「きっと、朝から食べたおせちよりもさ…」
キース 「いい飯なのは間違いないぞ…」

それに比べて俺たちは…、と呻く副住職。

キース 「初詣でガッチリこき使われて、精進料理で…」
ジョミー「あのさ、それって、アドス和尚も…」
サム  「同じ飯だろ、へばらねえのか?」

炬燵で座ってるだけじゃねえしよ、とサム君の問い。

サム  「さっきみたいに、お勤めだってよ…」
ジョミー「普段より、うんとハードだよ?」
キース 「いいか、そこが恐ろしいトコなんだ!」

なんと言っても親父だしな、とキース君、ブツブツと。

キース 「夜食はガッツリ、肉も食うんだが…」
ジョミー「他の人には、くれないコース?」
キース 「いや、おふくろは作る側なだけに…」
サム  「除外になって、俺たちは…」

ガチで精進料理かよ、と言ってますけど。
そうなのでは?


2024/01/13 (Sat)



☆違いすぎる食事


大雪になってしまった元旦、元老寺からの脱出組と残留組。
真っ二つに分かれた運命なわけで、文字通りに天国と地獄。

シロエ 「うわあ、此処の料理も美味しいですよ!」
スウェナ「こっちも素敵よ、流石、マツカのオススメね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 和洋中、どれも最高だよね!」
ブルー 「ケータリングも、仕出しも、ハズレ無しだよ」

大雪のせいで得したかもね、と生徒会長の笑み。

ブルー 「こうならなければ、普通にバスで帰ってさ…」
シロエ 「その辺のケンタかマックですよね」
スウェナ「いい店は、何処も予約で一杯だものね」
マツカ 「でも、あれはあれで楽しいですよ?」

それに美味しさが違いますよね、と御曹司。

マツカ 「あの味わいは、ちょっと、他の店では…」
ブルー 「出せないだろうね、材料からして違うから」
ぶるぅ 「ハンバーガーに、ナイフとフォークが…」

ついてくるような世界だしね、と料理上手なお子様も。

ぶるぅ 「屋台グルメと、フレンチくらいに違うもん!」
マツカ 「其処の違いは大きいですよ」
シロエ 「でも、大雪でケータリングも最高です!」
スウェナ「ホント、今年はツイてるわよね!」

元日から、と盛り上がっている脱出組ですけれど。

ジョミー「キース、もしかして、今日の食事は…」
サム  「さっきの晩飯で終わりかよ?」
キース 「そうなるが?」
ジョミー「じゃあ、夜食とかは…?」

アレじゃ足りない、とジョミー君の切実な声。

ジョミー「肉も魚も入っていなくて、地味なおせちで…」
サム  「後は精進な煮物と味噌汁だけだったぜ?」
キース 「あれで全部がウチの流儀だ!」

宿坊のお客様だと別だがな、と副住職。

キース 「腹が減ったらミカンを食え、とガキの頃から…」
ジョミー「ちょ、マジで!?」
サム  「親父さんとイライザさんだけ、別ってか?」
キース 「宅配ピザの箱があったが…」

俺たちの分は無いそうだぞ、とキッツイ宣告。
三が日、コレ…。


2024/01/14 (Sun)



☆連休に出来る年


今年は元日にドカンと大雪、そこで分かれてしまった運命。
元老寺で地獄を見た組、脱出組ですけど、日は流れて6日。

シロエ 「おはようございます! えーっと…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ マツカとスウェナ、来てるよ!」
マツカ 「おはようございます。いいお天気ですよね」
スウェナ「ホントにね!」

でもって今日から三連休よ、とスウェナちゃん。

スウェナ「今年は素敵な曜日の流れで最高だわよ!」
マツカ 「13連休にした人も、多いそうです」
シロエ 「でしょうね、4日と5日だけを休めば…」
ブルー 「仕事納めの次の日からで、ガッツリ休めるしね」

元々、4日の仕事なんかは殆ど無いし、と生徒会長も。

ブルー 「その続きで、金曜日だけ行ってもねえ…」
マツカ 「そうなんですよね、却って仕事の効率が…」
シロエ 「落ちるかもですね、職種によっては」

工場なんかはアウトでしょう、と機械弄りが趣味の人。

シロエ 「機械の起動は、時間がかかりますからねえ…」
マツカ 「ええ。多分、メンテナンスくらいしか…」

この日の並びでは出来ないでしょう、と御曹司も同意。

マツカ 「年末年始は、機械は止めるものですから」
シロエ 「下手に動かしても、修理の人も来ませんしね…」
マツカ 「止めておくのが吉ですよ」
シロエ 「分かります。でも、その年末年始に…」

フル稼働した人たちの消息は…、とシロエ君の問い。

シロエ 「キース先輩たちから、何か連絡ありました?」
ぶるぅ 「ううん、なんにも!」
マツカ 「ぼくの所にも、連絡は来ていませんね」
スウェナ「私にも連絡無しだわねえ…」

死んだのかしら、とスウェナちゃんが傾げる首。

スウェナ「ハイリスクな職場じゃない筈だけど…」
シロエ 「でも、立ち直りが遅すぎませんか?」
マツカ 「不幸な事故でもあったんでしょうか?」
スウェナ「有り得ないでしょ、元老寺なのよ?」

どう転がったら事故に遭うのよ、という声が。
それは確かに…。


2024/01/15 (Mon)





拍手[0回]

PR
☆進化する入れ物


師走に入って初の日曜、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
キース君は32回転の練習、技を磨くかどうかが問題で…。

ジョミー「進化って、例えばどういうヤツ?」
ぶるぅ 「んとんと、くす玉は基本かなあ、って…」
シロエ 「それは考えてましたね、ぼくも」

せっかくのプレゼントなんですから、とシロエ君。

シロエ 「やっぱり開けたら、クラッカーですよ!」
サム  「パアンと弾けて、紙吹雪な?」
ぶるぅ 「どうせだったら、アヒルちゃんに出来ない?」

紙吹雪の形なんだけど、と無邪気な提案が。

ぶるぅ 「ぶるぅも、その方が喜びそう!」
スウェナ「いいわね、切り抜くだけなんだし…」
シロエ 「型さえあったら、楽に切り抜けますからね…」
ジョミー「シロエ、作れる?」

その型も、とジョミー君の問い。

ジョミー「普段と畑が違いそうだけど…」
シロエ 「いえ、そんなのは誤差の範囲内です!」

型抜き器の方も作りますよ、とシロエ君の頼もしい笑顔。

シロエ 「穴あけ器の応用で、紙をセットで押すだけです」
スウェナ「いいじゃない! 大量に作れそうだわよ!」
サム  「うんうん、でもってクラッカーな!」
ぶるぅ 「わぁーい、一気に進化しちゃったあ!」

くす玉がアヒルちゃん仕様! と飛び跳ねるお子様。

ぶるぅ 「もっともっと、進化していくかもだし…」
ブルー 「キースは放置で、こっちだよねえ?」
キース 「俺に一人で練習しろと!?」
シロエ 「今の流れだと、そうなるでしょう?」

一人で頑張って下さいね、とシロエ君の突き放し。

シロエ 「カメラはセットしてあげますから」
キース 「カメラ?」
シロエ 「動画の撮影用ですよ」

あらゆる角度で設置します、とシロエ君。

シロエ 「それを自分でチェックしながら、欠点を…」
サム  「自分で直していけってことな?」
シロエ 「そうなりますね」
キース 「ちょっと待て!」

欠点も分からないんだが、と叫んでますけど。
ド素人…。


2023/12/16 (Sat)



☆参考映像で学べ


12月に入って最初の日曜、生徒会長宅で過ごす御一同様。
今日からキース君が32回転の練習、そういう日ですけど。

ブルー 「欠点は自分で考えていくべきだよね」
キース 「何だって!?」
ブルー 「ヒントだったら、とっくに出ているんだよ」

まずは32回転を回り切ること、と生徒会長の言。

ブルー 「途中で足を下ろすのはアウト、でもって膝も…」
シロエ 「角度が大切らしいですよね」
ブルー 「そう! 後は、参考映像があれば充分かと!」

そのくらいは用意してあげるから、と生徒会長の笑み。

ブルー 「32回転の名手と言われる人のをね!」
シロエ 「あー…。凄く参考になりそうです!」
ジョミー「だよねえ、上手い人のを真似るのがいいかも…」
サム  「技は盗めって言うもんなあ…」

昔からよ、とサム君も。

サム  「俺たちが下手に口を出すより、いいんでねえの」
スウェナ「そうねえ、私たちだってド素人だし…」
ブルー 「名手になると、32回転じゃないからね!」
一同  「「「は?」」」

どういう意味だ、と誰もがキョトン。

ジョミー「32回転じゃない、って何さ?」
ブルー 「そのまんまだよ、もっと回るんだよ!」
シロエ 「えっと…? でも、音楽は同じですよね?」
ブルー 「だからこそだよ、1回転するタイミングでさ…」

倍の2回を回るんだよね、と生徒会長が立てる人差し指。

ブルー 「ドゥーブルって技で、難易度が高くて…」
シロエ 「プロしか出来ないわけですね?」
ブルー 「コンクールに出るような人だと、いけるけど…」

名手になると回数がね、と出て来た指が4本分。

ブルー 「32回転の内の、4回はソレっていうレベル!」
ジョミー「もしかしなくても、入れる回数で勝負?」
ブルー 「ピンポーン! そういう動画も用意するから…」
シロエ 「キース先輩も、マスターすべきだと…」
キース 「無理すぎるんだが!」

技術指導も無しで出来るか、と叫んでますけど。
やれと…?


2023/12/17 (Sun)



☆ファイトでいこう


師走に入って初の日曜、生徒会長に来ている面々ですけど。
クリスマスに向けて多忙なわけで、キース君を放置な話が。

シロエ 「何とかするしかないでしょう?」
ジョミー「ぼくたちは、アヒルボート2号を作るんだしさ」
サム  「ぶっちゃけ、かまってられねえってな!」

まあ、頑張れ、とサム君のエール。

サム  「シロエ、カメラの設置は頼むぜ」
シロエ 「了解です。会長は動画を用意ですよね?」
ブルー 「参考になるヤツなら、この辺かな」

指をパチンと鳴らしただけで、山と出て来たDVD。

ブルー 「そこのテレビを使っていいから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースの練習の録画再生もね!」
シロエ 「会長、仕事が早すぎませんか?」
ブルー 「ぼくを誰だと思ってるんだい?」

バレエスクールから借りればオッケー、とニッコリと。

ブルー 「仲間には、バレエスクールの人もいるしさ」
一同  「「「あー…」」」

無断借用ではなかったんだ、と誰もが納得。

ジョミー「ドゥーブルも、そこで聞いたわけ?」
ブルー 「どうだったかなあ? 覚えてないけど…」

とにかく資料は用意したし、と生徒会長が立てる親指。

ブルー 「此処から先は、それぞれ、自分の仕事をね!」
シロエ 「ぼくたちは、アヒルボート2号の制作ですよね」
サム  「キースは32回転を極めるわけな?」
ブルー 「そう! どっちも、クリスマスに向けて!」

ファイトでいこう、と生徒会長が突き上げる拳。

ブルー 「ぼくと、ぶるぅは、アヒルボート2号の方で!」
ぶるぅ 「よろしくねーっ!」
一同  「「「オッケー!」」」
キース 「俺は、真面目に放置なのか!?」

孤独に練習しろと言うのか、とキース君、顔面蒼白。

キース 「しかも、何だったか、1回転の所を2回転な…」
ブルー 「ドゥーブルくらい覚えたまえ!」
シロエ 「ですね、技も名前も当日までに!」

お互い今日から頑張りましょう、と纏めですけど。
どうなる…?


2023/12/18 (Mon)



☆見ていない人たち


アッという間に来てしまいました、クリスマスイブの日が。
パーティー当日なわけで、朝から生徒会長宅に集った面々。

シロエ 「おはようございます! いよいよですね!」
ジョミー「楽しみだよねえ、今日のパーティー!」
サム  「アヒルボート2号も、無事に完成したしよ…」
スウェナ「私たちは高みの見物だわね」

自分の仕事は終わったんだし、とスウェナちゃん。

スウェナ「キースは、どうだか知らないけれど…」
シロエ 「其処なんですよね、誰か練習、見てました?」
マツカ 「いえ…。アヒルボート2号にかこつけて…」

正直、ぼくも見てないんです、とマツカ君の告白が。

マツカ 「作業は別室でしたしね…」
サム  「仕方ねえじゃねえか、キースが倒れて来たら…」
ジョミー「アヒルボート2号がパアになるしね…」
シロエ 「精密機械とは違いますけど、その分、弱めで…」

耐久性に欠けていますから、とシロエ君の苦しい言い訳。

シロエ 「なんと言っても、基礎の部分が紙とかですし…」
ジョミー「チタンのようには、いかないもんねえ…」
スウェナ「倒れなくても、蹴りが入ったらおしまいよ?」
サム  「足を上げて回る技だもんなあ…」

その気が無くても蹴りが入るぜ、とサム君も。

サム  「部屋を分けるのは、当然ってヤツで…」
シロエ 「ついでに作業に没頭ですから、他の部屋まで…」
ジョミー「見に行く余裕は無いって、全然!」
マツカ 「お茶の時間は、ありましたけどね」

毎日キッチリ、お菓子もついて…、とマツカ君の苦笑。

マツカ 「あの間に、誰か行くべきだったでしょうか?」
サム  「当番制でかよ? けどよ、所詮はド素人だぜ?」

猫の手ほどにも間に合わねえよ、とサム君の言。

サム  「キースが一人で、動画を見直してる方が…」
シロエ 「良さそうですよね…」
ジョミー「だよね、完璧主義だしさ…」
キース 「お前たち…!」

聞こえてたぞ、とキース君が遅れて到着ですけど。
技の方は?


2023/12/19 (Tue)



☆まずは試着から


クリスマスイブの日が来たわけで、生徒会長宅に集う面々。
キース君も遅れて到着、32回転の仕上がりが気になる所。

シロエ 「あっ、キース先輩、おはようございます!」
ジョミー「おはよう、今朝も罰礼だった?」
キース 「いや、いつものバスが遅れただけだ」

しかし…、とキース君が顰める顔。

キース 「お前たち、わざと放置してたな、俺を!」
シロエ 「ええ、まあ、そうとも言いますけれど…」
マツカ 「技を磨くには、雑念が入らないのが一番ですよ」

その辺も考慮したんですけど…、とマツカ君の控えめな声。

マツカ 「もしかして、出過ぎた真似でしたか…?」
キース 「当然だろう! 全くのノーチェックでは…」
ジョミー「いいけど、誰に怒鳴ってるか、自覚あるわけ?」

マツカなんだけど、とジョミー君が指すマツカ君の方。

ジョミー「アヒルボートの1号、誰が買ったっけ…?」
キース 「うっ…!」
マツカ 「いいんですよ、過ぎたことですから」

それより今日の衣装ですけど…、とマツカ君の温和な笑み。

マツカ 「まずは試着をして貰えますか?」
キース 「そ、そうだな…」

よろしく頼む、とキース君、たちまち低姿勢。

キース 「キツすぎた時は、調整なのか?」
マツカ 「そうなりますね、緩すぎは無いと思いますが…」

こちらになります、とマツカ君が運んで来た箱。

マツカ 「どうぞ、アヒルの着ぐるみです」
キース 「分かった…」

試着だな、とキース君、箱を抱えて着替えにお出掛け。

サム  「すげえ、一発で黙ったぜ…」
ジョミー「そりゃ、マツカだもん」
シロエ 「ですねえ、最強キャラですから」

誰かさんでも勝てないレベルの…、とシロエ君も同意。

シロエ 「キース先輩、着ぐるみで回れるんでしょうか?」
マツカ 「さあ…? 丈夫な素材でお願いしましたけど…」
ジョミー「問題なのは、キースの技だしねえ…」

衣装の強度じゃないんだよね、という指摘。
その通りですね?


2023/12/20 (Wed)



☆回れてしまうかも


クリスマスイブは生徒会長宅でパーティー、来ている面々。
とはいえ、キース君の32回転とか、まだ色々と準備な今。

スウェナ「ドゥーブル、マスター出来たかしらねえ…」
ジョミー「分からないけど、キースだし…」
シロエ 「ひょっとするかもしれないですね…」

しかも4回入れられるとか…、とシロエ君。

シロエ 「プロと違って、トウシューズは無いですし…」
サム  「あー、足元の安定はいいわけな?」
シロエ 「そうなんです。可能性なら高そうですよ」
ジョミー「あっ、戻って来た!」

アヒルなキース、とジョミー君が指差すドアの方向。

ぶるぅ 「わぁーい、キースのアヒルちゃんだあ!」
シロエ 「キース先輩、お似合いです!」
キース 「なんで、こんな目に…」
ブルー 「まだまだ、そこからアヒルのミイラに変身で…」

でも、その前に練習を、と生徒会長。

ブルー 「ぶっつけ本番で32回転はキツイしね」
マツカ 「衣装の調整も、要るかもですし…」
キース 「分かっている!」

見てろ、と着ぐるみで爪先立ちで、回転開始。

サム  「おっ、けっこう、様になってんでねえの!」
ジョミー「ホントだ、着ぐるみで補正出来るから?」
シロエ 「まあ、欠点は分かりにくいですよね」

膝の角度とか、ほぼ無関係と言えますし、とシロエ君。

シロエ 「衣装で隠れて、見えませんから」
スウェナ「そうねえ、曲げ伸ばしすれば充分で…」
サム  「ん? 今の、ドゥーブルって言わねえか?」
ジョミー「サムも思った? なんか回転、速かったよね?」

1回転のトコを2回なんじゃあ…、とジョミー君も。

ジョミー「もしかして、マスターしてるとか…?」
シロエ 「わっ、入れましたよ、本物ですよ、コレ!」
マツカ 「今で2回だと、4回入れられそうですね…」
スウェナ「嘘みたいだけど、ただの爪先立ちなわけだし…」
サム  「でもよ、4回いけたら快挙だぜ?」

期待じゃねえか、と沸き返る面々ですけど。
いけますか?


2023/12/21 (Thu)



☆こだわりの寝心地


クリスマスイブは生徒会長宅でパーティー、いよいよ本日。
準備中でして、キース君がアヒルの着ぐるみで32回転中。

ジョミー「あと2回、入れて来る気かな?」
シロエ 「さあ…って、今、3回目です!」
サム  「んじゃ、あと1回で4回なのな?」
スウェナ「これはいけるわよ、奇跡のドゥーブル4回で!」

期待だわね、と誰もがワクワクする中、入ったドゥーブル。

サム  「すげえ、やったぜ!」
シロエ 「凄すぎですよ、あっ、終わりました!」

キース君が回り終わって一礼、一同、拍手喝采。

ジョミー「キース、凄いよ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 奇跡のドゥーブル4回!」
キース 「どうだ、これで文句は無いだろう!」
ブルー 「無いねえ、後はミイラでよろしくね!」

包帯ぐるぐる巻きで頼むよ、と生徒会長の笑み。

ブルー 「アヒルボート2号も、完成してるし…」
シロエ 「そうなんです! 開けるとクラッカーですよ!」
ジョミー「アヒルちゃんの形の紙がドッサリ!」

花吹雪じゃなくてアヒル吹雪、とジョミー君。

ジョミー「入り心地も、きっといい筈!」
キース 「は?」
シロエ 「中のクッションにこだわりました!」
マツカ 「寝心地がいいよう、特注したんですよ」

きちんと数値を計算で…、とマツカ君の解説が。

マツカ 「シロエが頑張ってくれました」
サム  「あちこち幅とか、測りまくってよ…」
ジョミー「最適な硬さに厚みに、あと、なんだっけ?」
シロエ 「生地の種類も、出来る範囲で絞り込んで…」

お願いする形になりました、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「どうぞ、安眠して下さい!」
ぶるぅ 「はい、こんなのーっ!」

アヒルボート2号! と瞬間移動で出て来たブツ。

ぶるぅ 「見た目は1号そっくりでしょ?」
シロエ 「でも、安心の素材ですから!」
キース 「安心…?」
シロエ 「ただの入れ物ですからね!」

無茶な使われ方はしません、と笑顔ですけど。
強度ですね?


2023/12/22 (Fri)



☆お気に入りのベッド


クリスマスイブのパーティー、今年も生徒会長宅で開催で。
いよいよ当日、準備も大詰めでアヒルボート2号がドンと。

シロエ 「なにしろ、素材が紙とかですし…」
サム  「急流下りとかには使えねえから、安心だろ?」
キース 「だが、それだけでは…!」
シロエ 「ですから、寝心地にこだわったんですよ!」

是非、恩に着て欲しいですね、とシロエ君が立てる指。

シロエ 「いいですか、コレはアヒルちゃんの形なんです」
キース 「当然だろう!」
シロエ 「分かってませんね、ぶるぅが貰って帰ったら…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ アヒルちゃんベッドになるの!」

土鍋とは素材が違うんだけど、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。

ぶるぅ 「でもでも、絶対、気に入るから!」
ジョミー「二度と返して来ないと思うよ、惜しくてさ」
??? 「そう来たか…!」

想定外、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。

Aブルー「おはよう、流石はシロエと言うか…」
??? 「ええ、本当に」

聞いてましたよ、とキャプテン(会話表記はA船長)も。

A船長 「ぶるぅへのサプライズという話ですが…」
??? 「もう聞いちゃったあ! それ、貰うから!」

箱なんでしょ、と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)まで。

Aぶるぅ「でもでも、先にキースは詰めてね!」
キース 「ま、まさか俺ごと…」
シロエ 「貰って行くとは言いませんよね…?」
Aぶるぅ「それはないけど、サプライズーっ!」

ソレも欲しいし、と跳ねる悪戯小僧。

Aぶるぅ「ぶるぅとキッチンで待っているから…」
シロエ 「その間に用意をするわけですか?」
Aぶるぅ「そだよ、じゃあねーっ!」

出来たら呼んで! と料理上手なお子様とキッチンへ。

Aブルー「らしいよ、キース、命を拾ったねえ…」
キース 「恩に着るぞ、シロエ!」
シロエ 「そう思うんなら、素直にですね…」
キース 「ミイラだな!」

よし、包帯を巻いてくれ、と狂喜ですけど。
波乱は無し…?


2023/12/23 (Sat)



☆アヒル三昧な箱


いよいよクリスマスイブのパーティー、お客様たちも登場。
アヒルボート2号は、「ぶるぅ」が貰って帰るという話に。

ジョミー「キース、ホントに良かったね!」
キース 「まさかシロエが、俺の味方をしてくれるとは…」
シロエ 「クリスマスですし、特別ですよ!」

毎回、こうはいきませんから、とシロエ君、ニッコリ。

シロエ 「命拾いした分、32回転、頑張って下さいね!」
Aブルー「高度な技をマスターしたんだって?」
シロエ 「そうなんです。ドゥーブルを、なんと4回も…」

入れて回れてしまうんですよ、とシロエ君が立てる親指。

シロエ 「ぶるぅも、きっと喜びますって!」
A船長 「見ごたえがあるというわけですね?」
シロエ 「どうなんでしょうね、着ぐるみですから…」

ついでにミイラになりましたし、と巻き上がった包帯。

シロエ 「立派にアヒルのミイラですよ」
Aブルー「さてさて、ぶるぅは気に入るかな?」
サム  「いけるんでねえの、アヒルちゃんだしよ」

ミイラでもよ、とサム君も、親指をグッと。

サム  「アヒルボートを開けたら、クラッカーでよ…」
ジョミー「そっちもアヒルちゃんだしね!」
スウェナ「きっとウケるわよ、さあ、入って!」

入って、入って! と皆でキース君をアヒルボート2号へ。

シロエ 「それじゃ、蓋していいですか?」
キース 「よし、頼む。本当に寝心地バッチリだな…」
シロエ 「でしょう? ぶるぅも大満足のアヒルベッド!」
Aブルー「蓋は出来たね、じゃあ、ぶるぅ!」

プレゼントの箱が完成したよ、とソルジャーが飛ばす思念。

Aぶるぅ「わぁーい、アヒルちゃんの箱!」
ぶるぅ 「開けて、開けて!」

凄いんだよ、と跳ねるお子様。

ぶるぅ 「開けるトコから最高だから!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ メリークリスマース!」
A船長 「景気よくクラッカーですね!」
Aぶるぅ「アヒルちゃんーっ!」

紙吹雪までアヒルちゃん、とピョンピョンと。
まずは成功!


2023/12/24 (Sun)



☆真っ直ぐに立てて


クリスマスイブのパーティー、まずはアヒルボートの開封。
ギフトボックス仕様で、開ければパアンとクラッカーで…。

Aぶるぅ「中身はアヒルちゃんのミイラだね!」
Aブルー「ミイラになっても、アヒルだよねえ…」
シロエ 「元が着ぐるみですからね」
Aぶるぅ「包帯、ほどいていいんだよね?」

貰ったんだし、とキース君を指差す悪戯小僧。

シロエ 「どうぞ、遠慮なく!」
Aぶるぅ「じゃあ、出してくれる?」
サム  「あー…。自力じゃ出られねえもんなあ…」
ジョミー「だよねえ、入れたのも、ぼくたちだったっけ…」

担がないと入れなかったし、と運び出すことに。

シロエ 「そっちを持って頂けますか?」
ジョミー「オッケー、これでいけるかな?」
サム  「よし、いくぜ!」

よいしょ! と掛け声、ミイラを担ぎ出しましたけど。

Aぶるぅ「えっと、そのまま、真っ直ぐ立てて!」
一同  「「「は?」」」
Aぶるぅ「いいから、真っ直ぐ、立てて欲しいの!」
シロエ 「自力で立てると思いますけど、こうですね?」

部屋の真ん中でいいでしょうか、と立たせた中央。

Aぶるぅ「うん、そこで! コマにするから!」
一同  「「「コマ?」」」
Aぶるぅ「そうなの、包帯をクルクルほどいて…」
ジョミー「そっか、お正月に遊ぶアレ!」

キースは回転出来るもんね、とジョミー君。

ジョミー「足のトコがほどけたら、32回転なんだ?」
Aぶるぅ「ピンポーン!」

技も見られるみたいだしね、と飛び跳ねている悪戯小僧。

Aぶるぅ「かみお~ん♪ クルクルクルーッ!」
一同  「「「おおーっ!」」」

凄い、と拍手喝采の中で、キース君、華麗に32回転開始。

Aぶるぅ「クルクルクルっと、そこでドゥーブル!」
シロエ 「キース先輩、ナイスです! バッチリですよ!」
Aぶるぅ「クルクルクルっと、ドゥーブル2回目!」
一同  「「「凄い、凄い!」」」

タイミングまで合ってるし、と大盛り上がり。
大成功かも!


2023/12/25 (Mon)



☆クリスマスの御馳走


クリスマスイブのパーティー、キース君が只今32回転中。
アヒルの着ぐるみでコマな状態、クルクル回って技も登場。

Aぶるぅ「クルクルクルっと、ドゥーブル3回目!」
一同  「「「おーっ!」」」
Aぶるぅ「クルクルクルっと、4回目!」
一同  「「「決まったぁーっ!」」」

高難度なドゥーブル4回つき、と拍手ですけど。

Aぶるぅ「クルクルクルっと、締めは5回目ーっ!」
一同  「「「えーっ!?」」」

無茶な、と誰もが悲鳴な中で、決まった5回目の奇跡。

Aぶるぅ「大成功ーっ! お疲れ様ぁーっ!」
一同  「「「マジか…」」」
キース 「死ぬかと思った…」

だが回ったぞ、と32回転を終えて、へたり込む人。

キース 「もう着ぐるみを脱いでもいいか?」
Aぶるぅ「ダメダメ、今日は一日、アヒルちゃん!」
キース 「なんだって!?」
Aぶるぅ「んとんと、アヒルでいいと思うの!」

だってイブだよ、と悪戯小僧が指差すクリスマスツリー。

Aぶるぅ「クリスマスの御馳走、定番は…」
シロエ 「あー、そういえば鳥の丸焼きですよね!」
Aぶるぅ「そうなの、きっとアヒルなトコもあるって!」

だからアヒルのままでいてね、とニコニコニコ。

Aぶるぅ「メインディッシュでいけそうだから!」
キース 「げっ!」
A船長 「これは、まさかの丸焼きですかね?」
Aブルー「火だるまショーは無いと思うよ、部屋の中だし」

それに屋上は寒すぎるしさ、とソルジャーの言。

Aブルー「ほら、雪だって降って来てるし…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ホワイトクリスマスだぁ!」
ジョミー「いいクリスマスになりそうだよね!」
キース 「お前たちはな!」

だが、この俺はどうなるんだ、とキース君の仏頂面。

キース 「このままアヒルで遊ばれろと!?」
Aぶるぅ「カエル袋の方がいい?」
キース 「うっ…」
Aぶるぅ「アヒルちゃんなら、踏まないよ?」

だって踏んだら可哀相! と言ってますけど。
どうする…?


2023/12/26 (Tue)



☆アヒルでおもてなし


クリスマスイブのパーティー、賑やかにスタートですけど。
トップを32回転で飾ったキース君、着ぐるみの危機で…。

ぶるぅ 「そだね、アヒルちゃんを踏むなんて…」
Aぶるぅ「可哀相すぎて、絶対、出来なーい!」
シロエ 「中身がキース先輩でも…ですか?」
Aぶるぅ「そだよ、踏むなんて有り得ないから!」

絶対、無理! と叫ぶ悪戯小僧。

Aぶるぅ「オモチャは良くても、踏むのはダメーッ!」
スウェナ「踏み絵みたいなものかしら?」
Aブルー「だろうね、命までは懸けないだろうけど…」

ぶるぅにとっては大事なんだよ、とソルジャーの言。

Aブルー「だから、屋内でなくても火だるまショーは…」
A船長 「言われてみれば、やるわけなかったですね」
Aぶるぅ「ピンポーン!」

でも、脱いじゃったら仕返しだから、と恐ろしい台詞が。

Aぶるぅ「アヒルちゃんをやめるだなんて、苛めだし!」
ジョミー「一理あるね、ソレ…」
Aぶるぅ「でしょ、でしょ、だからアヒルで!」

いて欲しいの! と悪戯小僧の注文。

Aぶるぅ「でもって、お給仕!」
一同  「「「は?」」」
Aぶるぅ「アヒルちゃんが、おもてなししてくれたら…」

もう最高のクリスマスだもん、とピョンピョンと。

Aぶるぅ「お料理の取り分けに、シャンパンとかも…」
キース 「グラスに注げ、というわけか?」
Aぶるぅ「そうなの、アヒルのボーイさん!」

お給仕の他にも色々と…、と悪戯小僧の嬉しそうな顔。

Aぶるぅ「嫌なら、脱いでくれてもいいけど…」
キース 「いや、やる! やらせて頂きます!」
Aぶるぅ「やったぁー、ぶるぅもキースを使っていいよ!」
ぶるぅ 「ホント? アヒルちゃんがケーキとかを…」

お皿に入れてくれるんだ、と家事万能のお子様も感激。

ぶるぅ 「凄い、最高のクリスマスかも!」
Aぶるぅ「ぶるぅも、うんと助かるでしょ?」
ぶるぅ 「うん、ありがとう!」

キースもよろしく! と跳ねてますけど。
おもてなし…。


2023/12/27 (Wed)



☆ツリーで回って


クリスマスイブのパーティー、大盛り上がりな今ですけど。
アヒルの着ぐるみ姿のキース君、その姿でおもてなし担当。

Aぶるぅ「キース、そっちのチキンも取ってね!」
ぶるぅ 「ぼくにも、ソースは二種類とも!」
キース 「ははーっ!」

只今、とチキンにソースをかけたり、取り分けたり。

キース 「どうぞ、チキンでございます!」
Aぶるぅ「ありがとーっ! んでね、一段落したら…」
キース 「ケーキだ、と?」
Aぶるぅ「違うよ、さっきの回転だよ!」

32回転をもう一度、と悪戯小僧の注文が。

Aぶるぅ「また包帯を巻いて貰って、コマになってね!」
キース 「げっ!」

マジか、とキース君、ドン引きですけど、笑顔の悪戯小僧。

Aぶるぅ「あとね、クリスマスだから、華やかに!」
キース 「は?」
Aぶるぅ「包帯の他にも、飾りをつけて…」
ジョミー「人間クリスマスツリーとか?」

アヒルだけどさ、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「包帯を緑のヤツに変えたら、いけるよね?」
Aぶるぅ「それ、ナイス!」
Aブルー「いいねえ、ツリーの飾りをドッサリで…」

回転したら鈴が鳴るのはどうだろう、とソルジャーまでが。

Aブルー「でもって、ドゥーブルも増やすとか!」
Aぶるぅ「面白そう! 目指せ32回だね!」

パーティーは明日までやるんだもん、と怖すぎる台詞。

Aぶるぅ「ぼくとぶるぅは、夜の間は寝るけれど…」
ぶるぅ 「起きてたら、サンタさん、来ないしね!」
Aぶるぅ「でしょ? でもでも、キースは大丈夫だし…」
キース 「徹夜で練習しろってか!?」

32回転を全部ドゥーブルなのか、と青ざめる人。

キース 「無理すぎだ!」
Aぶるぅ「努力しないなら、アヒルちゃんでも…」
Aブルー「許さないってことでいいかな、お仕置きで!」
Aぶるぅ「もっちろ~ん! 明日には32回転、全部!」
一同  「「「目指せ、ドゥーブル!」」」

クリスマスツリーで回れ、と大歓声。
皆、酔ってるかも…。


2023/12/28 (Thu)



☆無理すぎる優先枠


盛り上がりまくったクリスマスが終わって、早くも大晦日。
毎年恒例、除夜の鐘で元老寺へと向かうシャン学メンバー。

シロエ 「今年も寒くなりましたよねえ、大晦日…」
ジョミー「やっぱり夜は雪かな、コレ…」
スウェナ「予報通りだと、来そうだわねえ…」
サム  「あーあ、今年も冷えるコースってことな…」

庫裏にいる間はマシだけどよ、とサム君の愚痴。

サム  「除夜の鐘撞きの順番待ちがキツイよなあ…」
スウェナ「お友達枠で先頭に行けるとか、欲しいわよ!」
ジョミー「それよりアレだよ、遊園地とかの…」
シロエ 「優先権ゲットなチケットですね!」

お金次第で順番待ちが無くなるヤツ、とシロエ君。

シロエ 「マツカ先輩がいますしねえ…」
マツカ 「多分、無理だと思いますけど…」
サム  「なに言ってんだよ、札束だっていけるくせによ」
マツカ 「アドス和尚に効きますか、ソレ?」

お供えは喜ぶでしょうけれど、とマツカ君が傾げる首。

マツカ 「その後、有難い法話を聞かせて頂いてですね…」
シロエ 「それでは最後尾へどうぞ、になりますよね…」

確かに相手が悪すぎですよ、とシロエ君の深い溜息。

シロエ 「キース先輩のお友達枠も、絶望的です」
サム  「親父さんに頭が上がらねえもんなあ…」
キース 「悪かったな!」

聞こえていたぞ、と法衣のキース君がズカズカと。

キース 「そろそろだろうと、出て来てみれば…」
ジョミー「えっ、出迎えに来てくれたわけ?」
キース 「違う、あっちだ!」
一同  「「「あー…」」」

走って来たのが黒塗りのタクシー、山門前でピタリと停止。

キース 「すまん、今年も世話になる」
ブルー 「どういたしまして」

お安い御用、と降りて来た生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「いいタイミングで着いたようだね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなはバスだよね!」
シロエ 「庶民ですから!」

ついでに一般人ですから、とシロエ君の仏頂面。
まあねえ…。


2023/12/29 (Fri)



☆待遇が良すぎる人


毎年恒例、大晦日は元老寺で除夜の鐘なシャン学メンバー。
山門前で生徒会長に出会ったわけで、待遇が違いすぎる件。

キース 「偉そうに言えるのか、一般人が?」
ブルー 「ホントにねえ…。サムとジョミーは少しはさ…」
キース 「僧籍な分だけ、シロエよりかは上なんだがな」

来年は仲間入りするか、とキース君の問い。

キース 「棚経のお供の枠は、交代制でもいいんだぞ?」
ブルー 「いいねえ、午前と午後とかね!」
シロエ 「要りませんから!」

あんな無給でハードなバイト、とシロエ君、バッサリ。

シロエ 「ぼくは今日だけで充分です!」
マツカ 「ぼくもですね」
サム  「除夜の鐘だけで済まねえもんなあ、俺たちは…」
ジョミー「その後、夜中に修正会だしねえ、本堂で…」

除夜の鐘だけで帰れる人が羨ましいよ、とジョミー君。

ジョミー「なんで毎年、こうなるかなあ…」
キース 「やかましい! 熱心な檀家さんも修正会だぞ!」
シロエ 「そうなんですけど、せめて椅子席でですね…」
キース 「却下だ、却下!」

除夜の鐘までの居場所があるだけマシだ、と庫裏へ案内。

キース 「この座敷だって、ブルーがいなければ、だ…」
ブルー 「通してなんかは貰えないねえ…」
一同  「「「うっ…」」」

そうだった、と暖房が効いた座敷に入った御一同様。

キース 「分かったんなら、此処で時間まで待て!」
一同  「「「はーい…」」」
キース 「ではな」

ああ忙しい、と去って行きまして。

ジョミー「真面目に忙しそうだよね…」
ブルー 「君とサムも、明日は忙しいんだけど?」
サム  「言わねえでくれよ、縁起でもねえ」
ぶるぅ 「そだね、今は今年だし!」

来年のことは来年だよね、と元気なお子様。

ぶるぅ 「はい、熱いお茶、入ったよ!」
シロエ 「お菓子も遠慮なく頂きますか」
ブルー 「サンドイッチも、お寿司もどうぞってね!」

しっかり腹ごしらえタイム、と生徒会長の笑み。
VIP待遇…。


2023/12/30 (Sat)



☆映える除夜の鐘


大晦日は元老寺で除夜の鐘、毎年恒例なシャン学メンバー。
庫裏の座敷で寛ぐ間に、夜も順調に更けてゆくわけでして。

キース 「銀青様、そろそろお願いいたします」
ブルー 「オッケー、みんなも列の方にね」
一同  「「「はいっ!」」」

それぞれ持ち場に移動完了、生徒会長はテントですけど。

シロエ 「冷えますねえ…」
サム  「仕方ねえだろ、優先権とかねえんだからよ」
ジョミー「雪まで降って来ちゃったよ…」
マツカ 「お接待のおぜんざいに期待ですよね」

鐘を撞かないと貰えませんが、とマツカ君が眺めるテント。

スウェナ「あそこも暖かそうだわねえ…」
シロエ 「会長とぶるぅのテントは、もっと暖かそうです」
サム  「吹きっ晒しじゃねえからなあ…」
ジョミー「寺院関係者用、ってヤツだもんねえ…」

それにしたって長蛇の列、とジョミー君の深い溜息。

ジョミー「もっと早くに並べば良かった…」
シロエ 「毎年、それの繰り返しですよね、ぼくたち…」
サム  「学習能力、ねえってことな…。おっ?」

そろそろかよ、とサム君の視線の先に生徒会長。

サム  「やっぱ映えるぜ、緋の衣ってのは」
シロエ 「もしかしなくても、アレのせいでですね…」

年々、人が増えるのでは、とシロエ君の鋭い指摘。

シロエ 「超絶美形が最初の鐘を撞くんですよ?」
一同  「「「あー…」」」

言えてるかも、と一同、愕然。

ジョミー「じゃあさ、来年も列に並ぶ頃には…」
シロエ 「先客、てんこ盛りですよ…」
マツカ 「減ることはないわけですね…」

仕方ないです、とマツカ君が嘆く中、生徒会長が鐘楼へ。

サム  「お供のぶるぅの小僧さんスタイルもよ…」
スウェナ「映えるものねえ…」

先導のキースも美形だし…、とスウェナちゃん。

シロエ 「まあ、そうですね…」
ジョミー「みんな、スマホを出してるしさ…」
サム  「映えだよな…」

最初の鐘が鳴り響く中、誰もが納得。
皆様、どうぞ良いお年を~。


2023/12/31 (Sun)




拍手[0回]

☆パーティーの季節


さて、師走。今年もいよいよ終わりの月で、早々に土曜日。
生徒会長宅に来ている面々、早くも話題はクリスマスで…。

ジョミー「今年も賑やかにやりたいよね!」
シロエ 「クリスマスはパーティーですからねえ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくとぶるぅは、お誕生日!」

セットでお祝いしなくっちゃ、と飛び跳ねるお子様。

ぶるぅ 「御馳走、沢山作るんだも~ん!」
サム  「期待してるぜ、今年もよ」
スウェナ「パーティー料理も、プロ級だものね!」

楽しみだわよ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「後は楽しい企画が欲しい所だけれど…」
キース 「俺に喧嘩を売っているのか!」
一同  「「「は?」」」
キース 「い、いや、何でもない!」

ちょっと勘違いしただけだ、とキース君、手をヒラヒラと。

キース 「今の台詞は忘れてくれ」
ジョミー「あーーーーっ!」
シロエ 「ジョミー先輩、どうしたんです?」
ジョミー「キースの、今の台詞だってば!」

楽しい企画って、アレのことだよ、とジョミー君。

ジョミー「ほら、この前の紅葉狩りのさ…」
サム  「火だるまショーな!」

思い出したぜ、とサム君、ニヤニヤ。

サム  「法衣でバク転、お焚き上げの火にダイブでよ…」
シロエ 「パンイチで踊ってましたよねえ…」
ジョミー「誰かさんが、タオルを投げ入れるまでね!」

でもって全治三日の火傷、とジョミー君が立てる親指。

ジョミー「赤くなってた程度だけどさ」
シロエ 「なるほど、キース先輩が叫んだ台詞は…」
サム  「俺で遊ぶな、という意味なのな!」
キース 「うっ…!」

たちまちキース君、言葉に詰まってタラリ冷汗。

キース 「ま、まあ…。そういうことになるわけで…」
ブルー 「そうなってくると、遊ばない手はないよね!」
キース 「なんで、そうなる!」
ブルー 「知らないのかい、雉も鳴かずば…」
シロエ 「撃たれまい、ですね!」

今、思いっ切り鳴きましたよ、という声が。
まさに…。


2023/12/01 (Fri)



☆惜しまれるブツ


師走に入って初の土曜日、生徒会長宅に来ている御一同様。
クリスマスの話題が出たんですけど、やはりパーティーで。

ブルー 「鳴いたからには、撃たれるしか…」
シロエ 「無いでしょうねえ、どう考えても…」
ジョミー「つまり、キースで遊ぶんだね?」
ブルー 「そういうことだね、今年のクリスマスは!」

お楽しみ担当はキースで決定! と生徒会長。

ブルー 「大いにやってくれたまえ!」
シロエ 「キース先輩、期待してますからね!」
サム  「けどよ、アヒルボートは、もうねえんだぜ?」
ジョミー「火だるまショーで燃やしたもんねえ…」

影も形も残ってないよ、とジョミー君の残念そうな顔。

ジョミー「あれば、クリスマスでも使えたけどさ…」
シロエ 「あんなモノ、何に使うんです?」
スウェナ「クリスマスにアヒルは似合わないわよ?」

トナカイとサンタクロースじゃないの、とスウェナちゃん。

スウェナ「アヒルは、ぶるぅへのプレゼントくらいで…」
ジョミー「だから、あったらソレだって!」
一同  「「「は?」」」
ジョミー「キースを入れて、綺麗にラッピングして…」

リボンもかければいけたんだよ、とジョミー君の説明が。

ジョミー「でもって、あっちのぶるぅにさ…」
サム  「あー! 一日早い誕生日プレゼントな!」
ジョミー「ピンポーン!」

きっと素敵に料理されたよ、とジョミー君。

ジョミー「ぶるぅが、ワクワクしながら開けて…」
シロエ 「中のキースで遊ぶんですね?」
ジョミー「そう! 何をするかは、ぶるぅ次第で…」
サム  「開けてからのお楽しみなのな!」

確かに使い道はあったぜ、とサム君も納得。

サム  「そうなると、ねえのが惜しいよなあ…」
シロエ 「また作ったらどうでしょう?」
スウェナ「いいわね、アヒルボートの2号誕生ね!」
ジョミー「マツカ、作れる?」
マツカ 「もちろんですけど、その前に…」

キースの同意が要りませんか、という質問。
それは確かに…。


2023/12/02 (Sat)



☆自作ならいけそう


12月に入って最初の土曜、生徒会長宅で過ごす御一同様。
クリスマスはパーティーで決定ですけど、趣向が問題で…。

シロエ 「キース先輩の同意が要るんですか?」
キース 「当然だろう!」

あんなリスキーな代物は、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「あったら俺は命がヤバくて、既に二回も…」
マツカ 「やられてますから、ぼくたちだけでは…」

決められませんよ、とマツカ君の言。

マツカ 「それでキースは、どうなんです?」
キース 「反対に決まっているだろうが!」

二度と作るな、とキース君、グッと拳を。

キース 「プロの技でも、あんなブツは要らん!」
ジョミー「えーっ!? ただのギフトボックス用なのに?」
キース 「今回はそうでも、次回以降が怖すぎるからな!」

凍った湖とかスキー場とか…、とキース君が挙げてゆく例。

キース 「冬場がソレで、春になったら急流下りで…」
シロエ 「急流下りなんか、誰が言ったんです?」
ジョミー「言ってないけど?」
サム  「俺も言わねえなあ、忘れてるかもしれねえけど」

キースのオリジナルって線もあるぜ、とサム君の意見。

サム  「なんせ、自爆は得意だしよ…」
ジョミー「だよね、今だって真っ最中だし…」
シロエ 「アヒルボート2号、欲しいんですけどねえ…」
キース 「断固、断る!」

箱なら、いくらでもあるだろうが、と怒鳴る人。

キース 「段ボールがあれば充分だ!」
シロエ 「なるほど、自作するわけですね?」
キース 「は?」
シロエ 「自作ですってば、段ボールとかで!」

発泡スチロールもいいかもですよ、とシロエ君が立てる指。

シロエ 「アヒルボートのギフトボックス、自作です!」
サム  「いいじゃねえかよ、中にキースを入れるのな?」
シロエ 「ええ。それなら同意も要りませんって!」
ジョミー「だよねえ、ただの工作だしさ…」
一同  「「「イイネ!」」」

ナイスアイデア、と誰もが拍手喝采ですけど。
作る、と…?


2023/12/03 (Sun)



☆入るだけで充分


12月の最初の土曜ですけど、生徒会長宅に来ている面々。
クリスマスは今年もパーティーで決定、お楽しみも必要で。

キース 「あんなブツに、俺を入れる気なのか!?」
シロエ 「そうです、アレなら、例のぶるぅもですね…」
ジョミー「喜びそうだよ、お誕生日前のサプライズで!」
??? 「いいねえ、是非とも、その方向で!」

お願いしたいな、とソルジャー(会話表記はAブルー)が。

一同  「「「げっ!?」」」
Aブルー「失礼だねえ、人をオバケみたいに…」

慣れてるけどさ、とソルジャーの方も慣れたもの。

Aブルー「アヒルボートの2号だってね?」
シロエ 「自作ですから、初代には敵わないんですけど…」
Aブルー「かまわないってば、形から入るのは鉄板だよ!」

どんな道でも…、とソルジャー、親指をグッと。

Aブルー「ぶるぅはアヒルちゃんが好きだし、充分!」
キース 「俺の意見はどうなるんだ!」
シロエ 「えっ、お約束の自爆コースですから…」
ブルー 「聞く人は誰もいないと思うね!」

大人しく箱に入れられたまえ、と生徒会長。

ブルー 「ギフトボックスに入るのが、君の役目だよ!」
サム  「うんうん、火だるまショーはねえしよ…」
ジョミー「法衣でバク転ってこともないから…」
スウェナ「楽なものでしょ、今回は!」

ぶっつけ本番でいけるじゃないの、とスウェナちゃんも。

スウェナ「練習の必要は全く無いし…」
シロエ 「寝て過ごしてても、いけますよね!」

クリスマスまで冬眠したって大丈夫です、とシロエ君。

シロエ 「いっそ、そっちでいきますか?」
Aブルー「たっぷりと食べて、寝てるだけって?」

それはダメだよ、とソルジャーの不満そうな顔。

Aブルー「丸々と太ったキースじゃ、カエル袋が…」
ジョミー「難しいかもね、お腹が出ちゃっていたら…」
サム  「ぶるぅがバランス崩しそうだぜ」
キース 「俺の腹なんだが!」

踏まれるのはな、と怒鳴ってますけど。
まあねえ…。


2023/12/04 (Mon)



☆お宝が無ければ


12月に入って初の土曜日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
クリスマスパーティーの話題な所へ、ソルジャーも登場で。

ジョミー「踏まれてキツイなら、鍛えたらどう?」
キース 「は?」
ジョミー「腹筋だってば、ぶるぅを弾き返せるくらいに!」
Aブルー「いいね、ぶるぅも大喜びだよ!」

カエル袋どころか、トランポリンで、とソルジャーの笑み。

Aブルー「ここは一発、クリスマスまでに鍛えてさ…」
シロエ 「アヒルボート2号に入るんですね?」
Aブルー「そう! それに腹筋、柔道にだって…」

活かせる筈だと思うんだけど、と正論が。

Aブルー「損はしないし、鍛えていこう!」
キース 「何故、踏まれるのが前提なんだ!」
Aブルー「カエル袋は定番だから!」

ギフトボックスに入れるべきだよね、とソルジャーの言。

Aブルー「ただの箱なら、中身を充実させないと!」
シロエ 「まったくです。宝箱なら別ですけどね」
ジョミー「キース、お宝なんかは持ってないしね…」
サム  「だよなあ、ハズレの古墳だぜ」

開けた努力が水の泡な、とサム君、お手上げのポーズ。

サム  「せっかく発掘したのによ…」
シロエ 「凄い例えですね…」
スウェナ「でもまあ、まさにその通りよね…」
サム  「アヒルボートは、元が棺桶だったしよ…」

ちょっと閃いたんだよな、とサム君が立てる人差し指。

サム  「お宝がねえなら、ハズレ古墳だろ?」
ジョミー「キースだと、ソレになっちゃうもんね…」
シロエ 「当たりだったら、歴史に残りますけどね…」

呪いがセットかもしれませんけど、とシロエ君。

シロエ 「キース先輩の場合は、ハズレですから…」
サム  「鍛えるコースしかねえヤツだぜ」

頑張れよな、とサム君のエール。

サム  「それしかねえって!」
Aブルー「ううん、ハズレ古墳は使えそうだよ!」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「要は中身が…」

当たりだったらオッケーで、と笑顔ですけど。
ハズレ古墳…?


2023/12/05 (Tue)



☆三択だそうです


師走に入って初の土曜は、生徒会長宅なシャン学メンバー。
クリスマスの話題だった所へ、ソルジャーが来たわけで…。

サム  「中身が当たりって、副葬品かよ?」
シロエ 「ハズレ古墳じゃないんですしね…」
ジョミー「まさか、埴輪を入れるとか?」
スウェナ「埴輪は外だと思うわよ?」

古墳に並べておくヤツだもの、とスウェナちゃん。

スウェナ「中には入れない筈だわね」
シロエ 「ですね、でもって棺桶ですから、鏡とか…」
マツカ 「勾玉とかになりますけれど…」
ジョミー「だったら、数珠でいくのかな?」

あれなら玉を繋いでるしね、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「それにキースは、デフォ装備だし…
サム  「だよなあ、いつも手首に数珠レットな!」
Aブルー「それは当たりとは言わないから!」

もっとゴージャスにいかないと、とソルジャーの言。

Aブルー「棺桶の中で、当たりと言えばミイラだよ!」
一同  「「「あー…」」」

ソレか、と誰もが納得なブツ。

シロエ 「キース先輩を、ミイラ男にするわけですね?」
Aブルー「そうなんだけど、ここは三択で!」
一同  「「「三択?」」」
Aブルー「うん、棺桶の中身の定番は三つ!」

まあ、筆頭はミイラだけどさ、とソルジャーの笑み。

Aブルー「だけど、他にも二つだよ!」
シロエ 「定番が…ですか?」
Aブルー「ピンポーン!」

どれもミイラと並んでメジャー、とニコニコと。

Aブルー「怖いヤツなら、吸血鬼でさ…」
シロエ 「言われてみれば、棺桶の中が定位置ですよね…」
サム  「棺桶がねえと、死ぬんでねえの?」
Aブルー「どうだったかなあ、そこまでは、ちょっと…」

知らないんだけど、と苦笑する人。

Aブルー「でも、棺桶には入ってるだろう?」
シロエ 「確かに…。じゃあ、三つ目は何なんです?」
Aブルー「ズバリ、白雪姫だってば!」
一同  「「「あっ!」」」

棺桶とセットだったっけ、というブツですけど。
白雪姫…。


2023/12/06 (Wed)



☆却下されるブツ


12月に入って最初の土曜日、生徒会長宅に来ている面々。
ソルジャーも来まして、クリスマスパーティーの企画な今。

Aブルー「どうだい、ちゃんと三択だろう?」
シロエ 「キース先輩が白雪姫ですか?」
ジョミー「もう思いっ切り、女装だよねえ…」
サム  「けど、吸血鬼だと、カッコ良すぎねえか?」

衣装からしてキマってるしよ、とサム君の意見。

サム  「なんか、キースが一人でキメてよ…」
スウェナ「パーティーの主役になりそうだわねえ…」
Aブルー「それは考えなかったよ! 確かにそうかも…」

キースが目立つヤツは却下、とソルジャーの苦い顔付き。

Aブルー「カッコいいのは、ぼく一人だけでいいってね!」
ブルー 「厚かましすぎる発言だから!」

顔なら、ぼくも同じなんだよ、と生徒会長の鋭い指摘。

ブルー 「でもまあ、キースが目立つのはねえ…」
Aブルー「君も嬉しくないだろう?」
ブルー 「当然だってば、アヒルボートの中身のくせに…」
シロエ 「カッコいいとか、ないですよね…」

ミイラか白雪姫ですよ、とシロエ君。

シロエ 「二択で充分ですってば!」
ブルー 「顔の話をするんだったら、ミイラも却下!」
一同  「「「は?」」」

何故に却下、と一同、キョトン。

ジョミー「ミイラの何処がダメなのさ?」
サム  「ただの包帯巻きじゃねえかよ」
ブルー 「そこだよ、顔が見えないんだよ!」

目元で勝負されるわけ、と生徒会長。

ブルー 「ちょっとズルイと思うんだけどね?」
サム  「あー…。目だけじゃ、イケメンかもなあ…」
シロエ 「脳内で補正が入りますしね…」

でも…、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「その包帯に、模様があったら変わりませんか?」
Aブルー「縞模様とか、そういうヤツかい?」
シロエ 「いえ、芸術を爆発させてですね…」
ジョミー「絵を描くわけ?」
シロエ 「そうです、元が包帯ですし…」

白紙みたいなモノですよ、と言ってますけど。
絵を描くと…?


2023/12/07 (Thu)



☆包帯を巻くなら


12月の最初の土曜日ですけど、生徒会長宅で過ごす面々。
ソルジャーも来まして、クリスマスパーティーの企画中で。

Aブルー「なるほど、ミイラなキースに落書き、と…」
シロエ 「まあ、その言い方が正しいでしょうね」

芸術家は一人もいませんから、とシロエ君、キッパリ。

シロエ 「白雪姫より、楽しいと思うんですけど」
Aブルー「でもさ、それだと、絵を描く係は…」

ぶるぅの方がいいような気が、とソルジャーの言。

Aブルー「ぼくたちが先に描いてしまうと、イマイチ…」
サム  「あー…。それはあるかもしれねえなあ…」
ジョミー「ぶるぅも描きたいだろうしねえ…」
シロエ 「芸術じゃなくて、悪戯を爆発させるんですね!」

それもいいんじゃないでしょうか、とシロエ君。

シロエ 「それでこそ、サプライズと言えるかもです」
スウェナ「いいわね、私たちがやるのは包帯までで…」
ジョミー「仕上げは、ぶるぅのセンスなんだね!」

最高かも、とジョミー君、親指をグッと。

ジョミー「包帯ぐるぐる巻きのキースを、どうするかは…」
シロエ 「ぶるぅ次第ということですか…」
Aブルー「いいねえ、ぶるぅも喜ぶよ!」

キースで遊べるんだから、とソルジャーも乗り気。

Aブルー「オッケー、それじゃアヒルボートの2号に…」
シロエ 「キース先輩を詰めて、パーティーですよ!」
一同  「「「イイネ!」」」

ぼくたちの方も楽しめそうだ、と大盛り上がり。

シロエ 「落書きで済めば御の字ですよね!」
Aブルー「裸踊りも来るかもだしねえ…」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「裸踊りだよ、ストリップだよ!」

音楽に乗って包帯を…、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「クルクル回って、ほどいていけば…」
ジョミー「最後は裸になるよね、確かに」
キース 「何故、そうなる!」
Aブルー「経験者だよねえ、パンイチでダンス!」
キース 「うっ…!」

アレか、とキース君、愕然ですけど。
火だるまショー…。


2023/12/08 (Fri)



☆衣装が欲しい人


12月に入って初の土曜日、生徒会長宅で過ごす御一同様。
ソルジャーも来まして、クリスマスの企画が進行中でして。

キース 「アレは不可抗力だっただろうが!」
Aブルー「そうだったっけ?」
キース 「法衣が燃えてしまったからな!」
シロエ 「最後はパンツも燃えましたよね…」

でもってタオルを投入で…、とシロエ君のクスクス笑い。

シロエ 「今度もタオルにしましょうか?」
ジョミー「アウトじゃないかな、丸見えになるし…」
Aブルー「あー、火柱が無いからねえ…」

じゃあ、スモークでどうだろう、とソルジャーのアイデア。

Aブルー「そこそこの煙だったら、踊りは見えて…」
シロエ 「ヤバい部分は見えませんしね…」
キース 「断固、断る!」

誰がやるか、とキース君、グッと拳を。

キース 「せめて衣装は欲しいんだ!」
Aブルー「衣装さえあれば、踊るんだね?」
キース 「い、いや、今のは言葉の綾というヤツで…!」

踊るつもりは…、とワタワタな人。

キース 「ただでもミイラ男なのに…!」
シロエ 「包帯をほどいていったら、回りますよ?」
キース 「だから、どうだと!」
シロエ 「回る踊りがあるでしょう?」

とても高尚な踊りですけど、とシロエ君が立てる人差し指。

シロエ 「クラシックバレエは、ご存知ですよね?」
スウェナ「もしかして、グランフェッテかしら?」

32回の大回転、とスウェナちゃん。

スウェナ「白鳥の湖の、黒鳥とかで有名な…」
シロエ 「それです、とても見栄えがしますし…」
ジョミー「キースだったら、出来そうだよねえ…」

練習すれば、とジョミー君も、うんうん、と。

ジョミー「アレなら、ちゃんと衣装もあるしさ!」
Aブルー「ナイスだよ、ソレ! 今から猛特訓すれば…」
シロエ 「クリスマスに、充分、間に合いますって!」
一同  「「「イイネ!」」」
キース 「俺を無視して決める気か!」

やらされるのは俺なんだぞ、と怒鳴ってますけど。
大回転…。


2023/12/09 (Sat)



☆下手でもオッケー


12月の最初の土曜日ですけど、生徒会長宅で過ごす面々。
ソルジャーも来て、クリスマスパーティーの相談でして…。

Aブルー「嫌なら、別にいいんだよ?」
シロエ 「ただのストリップになるだけですよね」
ジョミー「スモークつきでね!」

それでいいなら拒否すれば、とジョミー君、ピシャリと。

ジョミー「衣装は無いけど、回転の練習は要らないし…」
サム  「ぶるぅに遊ばれるだけだよな、うん」
キース 「しかしだな…!」

とても回れる気がしないんだが、と叫ぶ人。

キース 「アレは相当、練習しないと…」
スウェナ「下手でも、御愛嬌だわよ!」
Aブルー「うん、元ネタが元ネタだしね!」
一同  「「「は?」」」

どういう意味だ、と一同、キョトン。

シロエ 「あのぅ…。元ネタ、白鳥の湖ですよ?」
Aブルー「知っているとも!」
シロエ 「大回転も、知ってるんですね?」
Aブルー「当然だってば、でなきゃ賛成しないって!」

ノルディと舞台を見たこともあるし、と威張るソルジャー。

Aブルー「ダイナミックで、凄い技だよ!」
ジョミー「だったら、下手だとダメなんじゃあ…?」
シロエ 「コンクールとかでも、使う筈ですけど…」

どの辺が下手でもいいんですか、とシロエ君の問い。

シロエ 「バレエ教室の発表会だって、技は大切ですよ?」
Aブルー「だから、元ネタだと言ったけど?」

元ネタ、白鳥の湖だよね、とソルジャー、念押し。

Aブルー「大回転は黒鳥だけど…」
シロエ 「ええ、さっきも、ちゃんと言いました!」

白鳥の湖が元ネタだと…、とシロエ君。

シロエ 「下手じゃ、話になりませんって!」
Aブルー「元ネタはね!」

ただし、元ネタ、とソルジャーが立てる人差し指。

Aブルー「キースが下手なら、アヒルなんだよ!」
一同  「「「アヒル!?」」」
Aブルー「そう、白鳥にはなれないわけで!」
一同  「「「あー…」」」

アレか、と誰もが納得ですけど。
みにくいアヒルの子…。


2023/12/10 (Sun)



☆着ぐるみでいこう


師走に入って初の土曜日、生徒会長宅に来ている御一同様。
ソルジャーも来まして、クリスマスパーティーの相談で…。

シロエ 「キース先輩が下手だと、アヒルなんですね?」
サム  「頭に醜いって、つくアレな…」
Aブルー「ピンポーン!」

当然、衣装もそっちになるね、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「キース的には、そっちの方がマシかもだけど…」
キース 「いったい、何を着せる気なんだ!」
Aブルー「決まってるだろう、アヒルちゃんだよ!」

可愛い黄色の着ぐるみだよね、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「マツカ、お願い出来るかな?」
マツカ 「もちろんです。着ぐるみの上から、包帯で…」

アヒルのミイラになるんですね、とマツカ君。

マツカ 「着ぐるみですから、チュチュのようには…」
シロエ 「いきませんよね、ギュッと畳めませんし…」
Aブルー「ますます、ぶるぅが喜ぶよ!」

ミイラまでアヒルちゃんだしさ、とソルジャー、笑顔全開。

Aブルー「それでいいよね、アヒルボート2号の中身!」
一同  「「「イイネ!」」」

アヒルの着ぐるみミイラでオッケー、と上がる歓声。

Aブルー「はい、決まり! キースは明日から練習で!」
キース 「下手でもいいと言わなかったか!?」
Aブルー「ダメダメ、プロには及ばなくても…」

32回転はしてくれないと、とソルジャー、ピシャリと。

Aブルー「華麗に回るか、バタバタ回るか、その差だけ!」
キース 「マジか…」

片足を上げて回り続けるのか、とキース君の悪い顔色。

キース 「念のために聞くが、足元は…」
Aブルー「ああ、そこは、みにくいアヒルだし…」

それに衣装も着ぐるみだしさ、とソルジャーの笑み。

Aブルー「トウシューズまでは、要求しないって!」
キース 「そ、そうか…。助かった…」
Aブルー「でも、ノンストップで32回転は必須だよ!」
キース 「げっ…!」

足を下ろせばアウトなのか、と呻いてますけど。
技ですしね?


2023/12/11 (Mon)



☆ハイライトで充分


12月の最初の土曜ですけど、生徒会長宅に来ている面々。
ソルジャーも来て、クリスマスパーティーの企画が決定で。

Aブルー「確かアレはさ、足をついたらダメなんだよね?」
ブルー 「そうだね、もっとも、途中で失敗したら…」
Aブルー「何か違ってくるのかい?」
ブルー 「みっともないポーズで、続けるよりかは…」

中断するのがいいと聞くけど、と生徒会長。

ブルー 「とはいえ、そこで切り替えて踊るわけだから…」
シロエ 「続きを踊らないなら、回り続ける方ですね?」

キース先輩の場合なんかは…、とシロエ君の問い。

シロエ 「下手でも何でも、とにかく回る方向で、と…」
ブルー 「まあねえ…。それが嫌なら、黒鳥の踊りを…」
スウェナ「あの幕の分は、マスターしろってことね?」
ブルー 「ピンポーン!」

それで、どっちにするんだい、と生徒会長の笑み。

ブルー 「32回転を練習するか、あの幕の分の黒鳥か…」
キース 「回る方に決まっているだろう!」

誰が前後まで練習するか、とキース君の仏頂面。

キース 「踊りを全部覚える方には、当然、32回転も…」
シロエ 「入るでしょうねえ、アレがハイライトですし」
キース 「ハイライトだけで充分だ!」

しかし…、とキース君の顔に不安の色が。

キース 「足をついたら、罰ゲームか…?」
Aブルー「それもいいねえ!」
キース 「うっ…!」

墓穴だったかも、とキース君、顔面蒼白。

キース 「いや、何も無いなら、その方が…!」
Aブルー「じゃあ、ぶるぅ次第ということで!」

プレゼントを貰うのは、ぶるぅだし、とソルジャーの言。

Aブルー「でもまあ、上手く回れさえすれば…」
シロエ 「何も起こりはしませんからねえ…」

明日から練習あるのみですよ、とシロエ君。

シロエ 「手拍子の方は任せて下さい!」
一同  「「「イイネ!」」」
Aブルー「はい、決定! 練習一択!」

当日に期待してるから、と笑顔ですけど。
32回転…。


2023/12/12 (Tue)



☆膝もポイント


12月の最初の土曜に決まったブツが、クリスマスの企画。
翌日の日曜ですけど、朝から生徒会長宅に集った御一同様。

シロエ 「おはようございます! 今日からですよね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースの32回転!」

どっちになるかな、とワクワクしているお子様。

ぶるぅ 「アヒルちゃんかな、黒鳥かな?」
サム  「まず、着ぐるみがあるわけだしよ…」
ジョミー「どう転がっても、アヒルだよねえ?」

しかも、みにくいってつく方のヤツ、とジョミー君の苦笑。

ジョミー「華麗に回れるわけがないしさ」
シロエ 「ですね、プロなら別ですけれど」
スウェナ「どうかしらねえ、身体能力は高い筈よ、キース」
サム  「まあなあ…。んでも、来ねえぜ?」

初日から早速サボリかよ、とサム君が眺める扉の方。

サム  「どうせ上手くは回れねえ、って」
ジョミー「サボリの線は無いと思うよ、下手だった時は…」

罰ゲームの危機になるかもだし、とジョミー君の指摘。

ジョミー「ただの遅刻の方じゃないかな、罰礼とかで」
キース 「悪かったな!」
ジョミー「あっ、来た! 罰礼で当たり?」
キース 「他に何があると!」

二百回もやらせやがって、とキース君が顰める顔。

キース 「朝から膝が笑いそうだ!」
ブルー 「気の毒だとは思うけど…」

練習は待ってくれないから、と生徒会長。

ブルー 「32回転は、膝もポイントだしね」
キース 「そうなのか?」
ブルー 「だって、上げてる方の足はさ…」
スウェナ「回りながら、曲げたり、伸ばしたりよ?」

ついでに角度も大切だわね、とスウェナちゃんの豆知識。

スウェナ「曲げた時の角度を、綺麗にキープしていれば…」
ブルー 「高得点に繋がるらしいよ、コンクールの時は」
キース 「俺は、コンクールに出るわけでは…!」
サム  「でもよ、評価するのは、あのぶるぅだぜ?」
キース 「それはそうだが…」

目が肥えているとは思えんぞ、と言ってますけど。
どうだか…。


2023/12/13 (Wed)



☆欠点を残したら


12月の最初の日曜ですけど、生徒会長宅に来ている面々。
今日からクリスマスパーティーに向けて、キース君が練習。

シロエ 「ぶるぅの目が肥えているかは、謎ですけれど…」
ジョミー「今どき、技術とかだけだったら、素人でもさ…」

録画を見ながら評価出来るよ、とジョミー君。

ジョミー「スローで再生して、採点くらいは誰だって…」
サム  「ちょっと知ってりゃ、出来るよなあ…」
ブルー 「大相撲でさえ、ソレだからねえ…」

素人がやるんじゃないけれど、と生徒会長も。

ブルー 「どっちが先に土がついたか、録画したヤツを…」
シロエ 「行司さんとかが眺めて、チェックですしね…」
ジョミー「ぶるぅも、充分、やりそうだってば!」

画面に定規を当てるかもね、とジョミー君の怖すぎる読み。

ジョミー「膝を曲げてた角度を測って、ダメ出し!」
スウェナ「90度以外は認めないわけね?」
ジョミー「そうじゃないかな、ぶるぅだし…」
シロエ 「着ぐるみですから、少しは誤魔化せそうですよ」

本当に、ほんのちょっぴりだけですけれど、とシロエ君。

シロエ 「罰ゲームが嫌なら、技を磨くのがオススメです」
キース 「足を下ろさないように、だけではダメだと…?」
サム  「ぶるぅなんだぜ?」

万全を期した方がいいんでねえの、とサム君も。

サム  「現に、こないだのバク転でもよ…」
ジョミー「完璧なトコまで、技の方は出来てたんだよね…」
シロエ 「なのに、結果はアレでしたしねえ…」

ダイブで火だるまショーですよ、とシロエ君が竦める肩。

シロエ 「欠点を残していたら、負けです!」
サム  「そう思うぜ?」

磨いとけよな、とサム君、目がマジ。

サム  「膝の角度は90度でよ…」
ジョミー「足は絶対、下ろしちゃダメでさ…」
シロエ 「32回転をキメない限りは、死ねますよ?」
キース 「しかしだな…!」
ブルー 「まあねえ…」

決めるのは君だし、好きにすれば、という声が。
正論ですね?


2023/12/14 (Thu)



☆入れ物も全力で


師走に入って最初の日曜、生徒会長宅に来ている御一同様。
今日からキース君が練習ですけど、万全を期すかが問題で。

シロエ 「確かに、決めるのはキース先輩ですよね」
サム  「駄洒落かよ?」
シロエ 「あー…。技をキメるかどうか、もですね」

寒い駄洒落になっちゃいました、とシロエ君が竦める肩。

シロエ 「練習する気が無いんだったら、放置ですよ」
ジョミー「だよねえ、こっちも忙しい身だし」
キース 「は?」
ジョミー「キースの入れ物作りだよ! アヒルちゃんのさ」

肝心の入れ物が無いと怖いし…、とジョミー君。

ジョミー「絶対、全力で期待して来るってば!」
シロエ 「出来が悪いと、ぼくたちだって死ぬんです」
スウェナ「アヒルボートの再現だものね…」

材料が簡単になるだけで、とスウェナちゃんも。

スウェナ「キースが真面目にやらないんなら、放置よね」
キース 「どう放置なんだ…?」
シロエ 「もちろん、チェックなんかはしません」

上手か下手かも評価しません、とシロエ君、即答。

シロエ 「アヒルボートの方しか、見ていませんからね」
ジョミー「ブルーと、ぶるぅは暇だろうけど…」
ブルー 「君たちが投げた役目を、なんで、ぼくたちが!」
ぶるぅ 「そだよ、お料理もしなきゃいけないし…」

キースにかかってられないもんね、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「チラ見くらいは、してもいいけど…」
ブルー 「ぼくも、派手に転んだ時くらいなら…」

音で振り返ってあげるけどね、と生徒会長の冷たい声音。

ブルー 「同じ手を貸すなら、キースよりはさ…」
ぶるぅ 「ぼく、アヒルちゃんの方がいい!」
ブルー 「手の貸し甲斐もあると思うんだよね」

キースと違って…、とニッコリと。

ブルー 「キースは技が上達するってだけで…」
ぶるぅ 「進化しないもんね…」
キース 「進化?」
ぶるぅ 「そだよ、シロエもいるんだもん!」

アヒルボートが進化するかも、と跳ねるお子様。
進化って…?


2023/12/15 (Fri)




拍手[0回]

☆スキー場もいいね


紅葉にはまだ早い週末、生徒会長宅に来ている面々ですが。
ソルジャーも来て、アヒルボートの今後について検討中で。

キース 「俺に選べと…?」
Aブルー「選ばないなら、現状維持でマツカが持ってさ…」
シロエ 「イベントの度に登場ですよね、間違いなく」

年内は特に思い付きませんけど…、とシロエ君が傾げる首。

シロエ 「それとも、早めのスキーでしょうか?」
Aブルー「あー、クリスマスもいいけどねえ…」
ジョミー「その前にスキーも楽しそうだよ!」

学校は休んでしまえばいいし、とジョミー君。

ジョミー「スキーに行くので休みます、って欠席届けで!」
一同  「「「イイネ!」」」

でもってアヒルボートの出番、と誰もがワクワク。

Aブルー「マツカ、スキー場も持っているのかい?」
マツカ 「父の会社の傘下に幾つかありますよ」
サム  「マジかよ、だったら、バックカントリーもよ…」
マツカ 「貸し切り状態に出来ますね」

松茸狩りの時と同じに、と御曹司。

マツカ 「アヒルボートが崖から落ちても、安心です」
キース 「死ぬだろうが!」
Aブルー「ちゃんとサイオンでガードするから!」
キース 「そう言われても…!」

松茸山も大概だったぞ、とキース君、ガクブル。

キース 「それ以上の地獄というヤツだろう!」
Aブルー「でもねえ、アヒルボートがある以上はさ…」
シロエ 「どう使われても、耐えるしかないと思います」

嫌なら処分なコースですよ、とシロエ君の冷たい視線。

シロエ 「幸い、今なら処分する案が出てますし…」
ジョミー「お焚き上げを選べば、消せるよね…」
Aブルー「円満にね!」

ぼくのぶるぅも賛成だから、とソルジャーの言。

Aブルー「どうするんだい、法衣でバク転、火渡りか…」
シロエ 「残しておいて、好きに使われるかです」
キース 「しかしだな…!」
Aブルー「練習さえすれば、いけるって!」

失敗したって焦げる程度、と言ってますけど。
火渡りですか…?


2023/11/16 (Thu)



☆昼間が良さそう


紅葉狩りには早すぎる週末、生徒会長宅で過ごす御一同様。
ソルジャーも来まして、アヒルボートの今後を検討中で…。

シロエ 「いいですか? 紅葉狩りはまだ先ですよ?」
ジョミー「四連休って話も出たけど、火渡りだとさ…」
サム  「日帰りだよなあ、夜じゃ映えねえしよ」

キースがバク転するトコが、とサム君の意見。

サム  「火祭りは本来、夜だけどよ…」
ブルー 「火渡りだったら、昼間の所も多いよね」
ジョミー「それに法衣は、黒いわけだし…」
Aブルー「昼間の方が、断然、良さそうだよねえ…」

25日でどうだろう、とソルジャーの提案。

Aブルー「そこなら、ハーレイも休みが取れるしさ!」
シロエ 「キース先輩、充分、練習出来ますよ!」

三週間もありますからね、とシロエ君。

シロエ 「頑張っていけば、アヒルボートを消せますし…」
Aブルー「ぼくのぶるぅも、文句は全く無いからね!」
キース 「焦げるか、今後もオモチャにされるか、か…」
ジョミー「どっちにするわけ?」

ぼくはどっちでもいいけどさ、とジョミー君には他人事。

ジョミー「火渡りするなら、練習は応援するけどね!」
シロエ 「ぼくも全力で応援しますよ、毎日!」
Aブルー「放課後、ぶるぅのお部屋でやるのかな?」
ブルー 「オススメは、此処の屋上だよ!」

高跳びの要領でポールを置いて…、と生徒会長。

ブルー 「バク転で飛べるようになったら、焚火もさ…」
ぶるぅ 「バーベキュー用のヤツで出来るもん!」
一同  「「「イイネ!」」」

それで練習、と誰もがプッシュ。

シロエ 「キース先輩、いけますよ!」
Aブルー「練習場もバッチリだしね!」

嫌なら、お焚き上げは不可、とソルジャー、ピシャリと。

Aブルー「どうするんだい?」
キース 「最初で最後のチャンスかもな…」
Aブルー「だろうね、ぶるぅがアレを手放すなんて…」
キース 「やってやる!」

死ぬ気で飛ぶしか、とキース君の悲壮な決意。
バク転…。


2023/11/17 (Fri)



☆晩御飯も出ます


紅葉にはまだ早い週末、生徒会長宅に来ている面々ですが。
ソルジャーも来て、紅葉狩りの日取りと趣向がついに決定。

Aブルー「オッケー、それじゃキースは明日から練習!」
シロエ 「放課後は、此処なわけですね?」
ブルー 「そういうことだね、ぶるぅのお部屋から…」

瞬間移動で来ればいいよ、と生徒会長が立てる親指。

ブルー 「柔道部の練習が終わった後で、みんな揃って!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 毎日、お客様だね!」
ジョミー「えっ、ホント? 晩御飯つき?」
ぶるぅ 「もっちろ~ん!」

お客様には晩御飯だもん、と料理上手なお子様。

ぶるぅ 「どんどん食べてね!」
一同  「「「やったーっ!」」」
Aブルー「都合で、ぼくも混ざってもいい?」
キース 「やめてくれ!」

あんたが来たら殺されるヤツ、とキース君、ガクブル。

キース 「絶対、ぶるぅがついてくるしな!」
Aブルー「あー…。それはそうかも…」
キース 「火渡りだけで勘弁して欲しいんだが!」

この通りだ、とキース君が土下座で床に擦り付ける額。

キース 「その代わり、今夜から前日までは…」
Aブルー「特別に何かしてくれるのかい?」
キース 「スッポンタケのために、お念仏だ!」

御本尊様の前で五体投地で…、と必死すぎる提案。

キース 「いつも罰礼でやっているアレを、十回で!」
Aブルー「なるほど、効果がありそうだよねえ…」
ブルー 「十回じゃ甘いよ、百回だね!」

本気で誠意を見せたいんなら、と生徒会長、いえ、銀青様。

ブルー 「そのくらい、軽いものだろう?」
キース 「う、うう…」
Aブルー「じゃあ、百回ということで!」

ビンビンのガンガンでお願いするよ、と嫌すぎる台詞。

Aブルー「ぼくのハーレイが、漲るようにね!」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「分かってるってば、百回で!」
キース 「承知した…」
Aブルー「商談成立!」

ぼくは来ないから練習を、と笑顔ですけど。
ハードなのでは…?


2023/11/18 (Sat)



☆積み重ねが大切


紅葉狩りは25日に決定、けれど趣向が大問題なのが今年。
アヒルボートのお焚き上げで火渡り、やるのはキース君で。

シロエ 「おはようございます! 今日から練習ですね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 昨日は土曜で、今日もお休み!」
ジョミー「でも、例の人は来ないもんねえ…」

安心、安全、とジョミー君、親指をグッと。

ジョミー「ところで、キースは?」
スウェナ「遅いわねえ…」
サム  「親父さんに捕まったとか?」
シロエ 「朝からヘマでもやったでしょうか?」

いつもなら、もう来てますよね、とシロエ君も。

シロエ 「罰礼なのかもしれません」
ジョミー「あー…。ただでも百回、増えてるしね…」
サム  「親父さんにも食らったら、ダメージでかいぜ」

そのコースかも、とサム君が言った所で、来たキース君。

キース 「すまん、遅れた…」
サム  「罰礼かよ?」
キース 「プラス、昨日の約束の分で…」

真面目に膝が笑いそうだ、とキース君の深い溜息。

キース 「今日のバク転の練習なんだが、休んでいいか?」
一同  「「「は?」」」
キース 「このコンディションでは、出来る気がしない…」
ブルー 「ダメダメ、日々の積み重ねだよ!」

膝の故障じゃないなら練習、と生徒会長。

ブルー 「いいかい、五体投地でお念仏は前日までだし…」
シロエ 「リスクは常にあるわけですね?」
ブルー 「そう! 当日だってヤバいと思わないかい?」
サム  「確かに、それは言えるよな、うん」

当日の朝は早いにしても…、とサム君、うんうん、と。

サム  「親父さんは、もっと早起きだしよ…」
ジョミー「朝のお勤め、サボれないしね…」

条件が今日と同じになるかも、とジョミー君の鋭い指摘。

ジョミー「だったら、慣らしておくべきだよね!」
シロエ 「まあ、鉄則ではありますね」
キース 「しかしだな…!」
ブルー 「じゃあ、好きにすれば?」

当日、黒焦げになるかもだけど…、と突き放し。
練習不足…。


2023/11/19 (Sun)



☆最低限なガード


紅葉狩りは25日ですけど、今年は火祭りで火渡りな企画。
アヒルボートの処分を兼ねて、キース君が法衣でバク転で。

キース 「黒焦げのリスクは無いと聞いたぞ!」
ブルー 「そりゃまあ、サイオンでガードだからさ…」
ぶるぅ 「死ぬ心配は無いと思うの!」

そこはバッチリ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も太鼓判。

ぶるぅ 「でもでも、寸前まではいくかも…」
キース 「なんだって!?」
ブルー 「だって、ぶるぅとブルーなんだよ?」

ガードするのが、と生徒会長の冷静な意見。

ブルー 「法衣が軽く焦げるくらいは、ありそうだけど?」
ぶるぅ 「足袋もちょっぴり、焦げちゃうかもね…」

あと、髪の毛も、と怖すぎる読みが。

ぶるぅ 「法衣には穴で、髪の毛はチリッと…」
ブルー 「なるんじゃないかな、練習しないで挑めばね!」
キース 「マジか…」
ブルー 「もしかして、気付いていなかったとか?」

あれだけ嫌がってたくせに、と生徒会長が突き付ける指。

ブルー 「だとしたら、君も甘すぎだって!」
キース 「寸前とまでは思わないしな!」

まさか火の中に落ちるとか、とキース君、ガクブル。

キース 「黒焦げは無い、と言うだけで…」
ブルー 「丸焼けの危機なら、あるだろうねえ…」
シロエ 「きっとガッツリ、背中合わせというヤツですよ」

落ちても死なないだけでしょうね、とシロエ君も。

シロエ 「ついでに言うなら、脱出もですね…」
ブルー 「自力だろうねえ、火傷しながら」
キース 「そこまでなのか!?」
ジョミー「火ぶくれは出来ないだろうけど…」

全治三日はいくかもね、とジョミー君。

ジョミー「アヒルボートの時だって、全治三日だし…」
シロエ 「基準にはして来そうですよね、その日数を」
ブルー 「人体実験の経験者だけに、そこはキッチリ…」
スウェナ「読んで来そうね、焦げ具合とか火加減を…」
キース 「怖すぎるぞ!」

ギリギリ命が無事なヤツか、と真っ青ですけど。
そうかも…。


2023/11/20 (Mon)



☆中止した場合は


紅葉狩りは25日に決定、けれど今年はトンデモな企画が。
アヒルボートのお焚き上げでして、キース君が火渡りで…。

ブルー 「安心したまえ、死にはしないから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくと、ブルーもいるしね!」
キース 「ギリギリまで傍観者だろうが!」

あいつらのガードが優先で…、とキース君の怒声。

キース 「これはマズイ、と思った時しか…」
ブルー 「うん、出て行きはしないけど?」
ぶるぅ 「そだよ、邪魔しちゃダメだもん!」

だって、ぶるぅの企画だもんね、と大真面目なお子様。

ぶるぅ 「アヒルボートを処分するんだし…」
ブルー 「やり方がお気に召さなかったら、尾を引くよ?」

お焚き上げの中止も有り得るよね、と生徒会長の指摘。

ブルー 「そうなった時は、焦げたアヒルボートをさ…」
シロエ 「修復して、また使うんですね?」
ぶるぅ 「ぶるぅ、とっても気に入ってたから…」

そうだと思うの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。

ぶるぅ 「マツカ、修理は出来るんでしょ?」
マツカ 「そうですね…。素材が木ですし、樹脂とかで…」
シロエ 「補強していけば、バッチリですよ!」

でもって塗装もやり直して…、とシロエ君。

シロエ 「元通り、綺麗に直せますって、あれくらい!」
ぶるぅ 「よかったあ! きっと、ぶるぅも喜ぶよ!」
キース 「俺は嬉しくないんだが!」
ブルー 「でもねえ、法衣でバク転、それで火渡り…」

そういう条件なんだからさ、と生徒会長、ピシャリと。

ブルー 「練習をサボッて焦げた場合は、チャラかも…」
キース 「チャラだって!?」
ブルー 「たとえ火の中に、真っ逆様でもね!」
ぶるぅ 「火渡り、出来てないもんね…」

絶対、中止になるコース、と恐ろしすぎる発言が。

ぶるぅ 「それでいいなら、今日は練習、お休みで…」
ブルー 「かまわないけど?」
キース 「いや、根性で練習する!」

膝が笑っていようがな、と方向転換ですけど。
頑張るしか…。


2023/11/21 (Tue)



☆ポールはコレで


紅葉狩りは25日ですけど、トンデモ企画が決行される件。
アヒルボートをお焚き上げして、バク転で火渡りな約一名。

ブルー 「うん、練習すると決まれば、早速…」
ぶるぅ 「屋上に行って、ポールを置いて、と…」

みんなで行こう! というわけで、屋上へゾロゾロと移動。

ぶるぅ 「はい、ポール! バーは、この高さから!」
キース 「それは物干しとか言わないか!?」
ぶるぅ 「そだよ、高跳びのポールよりかは…」

ずっと低めだし、いいと思うの! と飛び跳ねるお子様。

ぶるぅ 「アレはキースの背よりも高くて…」
ブルー 「飛ぶのに、棒も使うしねえ…」
キース 「それは棒高跳びだろう!」
ブルー 「細かいことは、どうでもいいんだよ!」

まずは練習、と生徒会長が指差す物干し。

ブルー 「バク転で、パッと飛び越すトコから!」
キース 「おい、この竿は、ちゃんと落ちるのか?」
ぶるぅ 「えっ? 物干しだから、竿は落ちないように…」
ブルー 「工夫してあるよね、普通はね!」

屋上は風が強い日もあるし、と生徒会長、しれっと説明。

ブルー 「高跳びのバーとは、そこが違って…」
ぶるぅ 「練習、真剣勝負だよね!」

失敗したら竿に激突、と家事万能なお子様も。

ぶるぅ 「背中にガツンが嫌なら、高く飛べばオッケー!」
ブルー 「そう、竿よりも高い所をね!」

頑張っていこう! と生徒会長。

ブルー 「これさえ飛べるようになったら、火渡りもさ…」
ぶるぅ 「法衣で、余裕でいけるもん!」
シロエ 「確かに、高さは必須ですよね…」
ジョミー「バーより、物干し竿だよね…」

逃げ道なんか無いんだし、と誰もが納得な物干しと竿。

ブルー 「さあ、勢いをつけて、バク転で飛び越そう!」
キース 「この高さをか!?」
ブルー 「アヒルボートの高さを考えて!」
シロエ 「ですね、おまけに火柱で…」
キース 「くっそお…!」

飛んでやる、とキース君、バク転ですけど。
越えられますか…?


2023/11/22 (Wed)



☆ハードすぎる練習


紅葉狩りを25日に控えて、キース君が挑む火渡りの練習。
アヒルボートを処分するには、法衣でバク転で火渡りで…。

キース 「うわっ!」
一同  「「「あー…」」」

ガツンと鈍い音が響いて、キース君の背中が物干し竿に。

シロエ 「思い切り、ぶつけたヤツですね…」
ジョミー「ズルッと滑り落ちたもんねえ…」
キース 「うう…」
ブルー 「休んでいないで、早くリベンジ!」

でないと竿の高さが上がるよ、と生徒会長。

ブルー 「目安としては、半時間ごとに…」
ぶるぅ 「5センチずつ上げていく予定!」
一同  「「「げっ!」」」

キース君でなくても仰天ですけど、生徒会長、涼しい顔。

ブルー 「火柱の高さは、風向き次第で上がるしねえ…」
ぶるぅ 「一気にパアッと燃えるよ、焚火」
シロエ 「爆上げに備えておくわけですか?」
ブルー 「ピンポーン!」

今の高さでもギリギリだしね、と容赦ない台詞。

ブルー 「当日、落っこちてもいいと言うなら…」
キース 「嫌すぎる!」

飛ぶぞ、と必死に練習なわけで、やがて夕方。

シロエ 「キース先輩、やれば出来るじゃないですか!」
キース 「黒焦げは御免蒙りたいしな!」
ブルー 「オッケー、明日から放課後に!」

此処で練習、と生徒会長の命令が。

ブルー 「でもって、法衣も持って来たまえ!」
キース 「明日からか!?」
ブルー 「当たり前だよ、早めが大切!」

法衣にも慣れておかないと、と納得な理由。

ブルー 「落ちてからでは遅いしねえ…」
キース 「承知した…」

そして翌日、放課後の練習開始ですけど。

キース 「おい、コレは何だ?」
ブルー 「バーベキュー用のコンロだけど?」

まだ今日は点火しないから、と生徒会長。

ブルー 「物干し竿の下に置くから、バク転で!」
ぶるぅ 「法衣で上手に飛び越えてね!」
キース 「まさか、明日には…」
ブルー 「点火だよ!」

早めの練習が大事だよね、と言ってますけど。
火渡り…。


2023/11/23 (Thu)



☆爆竹が入るかも


紅葉狩りは25日ですけど、キース君にはハードな練習が。
アヒルボートのお焚き上げで火渡り、法衣でバク転なヤツ。

ブルー 「今日は感覚を、しっかり掴んで!」
キース 「法衣は今日が初なんだが!」

明日は点火と言われても…、とキース君の悪い顔色。

キース 「法衣でバク転だけでもキツイぞ!」
ブルー 「そうだろうけど、焦げないように飛ぶにはさ…」
ぶるぅ 「早めの練習がいいと思うの!」

今日は法衣でバク転をマスター、と竿を指差すお子様。

ぶるぅ 「コンロに火が無い間にね!」
キース 「くっそぉ…」

飛んでやる、と晩御飯まで必死に練習。

ブルー 「お疲れ様! 明日から火渡り、頑張って!」
ぶるぅ 「法衣の補修は任せといてね!」
シロエ 「今日も何回か、ビリッと音がしてましたしね…」
キース 「直せるんなら、文句は言わん!」

穴が開こうが焦げようが、と叫んで迎えた翌日の放課後。

ブルー 「はい、飛んで!」
キース 「まさか、コンロの火力というヤツも…」
ぶるぅ 「今日は弱火で、だんだん強くしていくよ!」
一同  「「「うわー…」」」

ハードすぎる、と誰もがドン引き。

ジョミー「紅葉狩りの前日とかだと、MAXかもね…」
ブルー 「当たり前だよ、コンロも増やして!」
キース 「何故、増えるんだ!」
ブルー 「アヒルボートのサイズを考えたまえ!」

コンロが一台で足りるとでも、と正論が。

ブルー 「落ちないためには、練習あるのみ!」
キース 「マジか…」

だが、死ぬよりはマシだからな、とバク転で火渡り。

ブルー 「はい、お見事! 明日は中火で!」
キース 「無理すぎるんだが!」
ブルー 「でもねえ、MAXで練習を1週間は…」

しておかないと、と生徒会長。

ブルー 「当日は、中に爆竹が入ってるかも…」
キース 「言わないでくれ!」
シロエ 「爆竹ですか…」
ジョミー「ぶるぅだしねえ…」

それに派手だし、と高まる外野の期待ですけど。
さて…?


2023/11/24 (Fri)



☆紅葉狩りと趣向


なんだかんだで25日で、紅葉狩りにお出掛けする日の朝。
生徒会長のマンション前の駐車場に集合、ワクワクな面々。

シロエ 「おはようございます! 紅葉狩りですね!」
マツカ 「暑くて心配しましたけど、見頃だそうですよ」
??? 「いいねえ、いつもの別荘だね!」

よろしく、とソルジャー(会話表記はAブルー)も登場。

Aブルー「ハーレイも無事に休暇が取れたし…」
??? 「皆さん、よろしくお願いします」

お世話になります、とキャプテン(会話表記はA船長)も。

A船長 「素敵な趣向があるそうですね」
??? 「かみお~ん♪ 火渡り、楽しみ!」

待ってましたぁ! と悪戯小僧(会話表記はAぶるぅ)。

Aぶるぅ「アヒルボートは、惜しいんだけど…」
Aブルー「お祭りだから、許すそうだよ」
Aぶるぅ「キースの芸が見られるも~ん!」
キース 「俺はやりたいわけじゃない!」

仕方ないからやるだけだ、とキース君の悲壮な表情。

キース 「マツカ、サッサと出発で頼む!」
マツカ 「お焚き上げが取り消しになる前に、ですね?」
キース 「当然だろう!」
シロエ 「偉そうに言ってますけど、知りませんよ?」

手配はマツカ先輩ですし、とシロエ君。

シロエ 「マツカ先輩、そうですよね?」
マツカ 「いえ、そんな…。場所を提供するだけです」

後は必要なものくらいで…、とマツカ君、控えめ。

マツカ 「皆さん、マイクロバスの方へどうぞ」
一同  「「「オッケー!」」」

さあ出発だ、と紅葉で色づく山を幾つも越えて、別荘へ。

ぶるぅ 「わぁーい、別荘!」
マツカ 「お食事は桟敷でよかったですよね?」
Aブルー「もちろんだよ!」

紅葉を見ながら昼御飯だ、と一同、桟敷ですけれど。

Aぶるぅ「わあ、アヒルボートがあんな所に!」
マツカ 「下は砂利の方がいいですからね」
ぶるぅ 「そだね、焚火だし…」
キース 「おい…」

薪の量が凄くないか、とキース君の引き攣った顔。
そうかも…。


2023/11/25 (Sat)



☆欠かせない足場


紅葉狩りはマツカ君の別荘、まずは桟敷で昼御飯ですけど。
遠くに見える庭の砂利の上に、アヒルボートや薪がドンと。

マツカ 「アヒルボートを丸ごと、燃やすんですから…」
シロエ 「あのくらいの薪は要りますよねえ?」
キース 「だったら、あのデカい台は何なんだ!」

ボートと薪の両脇にあるヤツ、とキース君が指差す台。

キース 「レンガを積んだように見えるが…」
マツカ 「ええ、耐火レンガが置いてあります」
ジョミー「焚火をするから、安全のため?」
マツカ 「それもありますけど、キースの補助と言うか…」

足場みたいなものですよ、とマツカ君の説明が。

マツカ 「アヒルボートの下にも薪がありますし…」
サム  「あー、高さが上がっている分な?」
マツカ 「そうなんです。無事に飛ぶには欠かせませんよ」

台から台へと飛べば絶対、安全ですし、と柔和な笑み。

マツカ 「あれだけ練習したんですから、正確に…」
シロエ 「バク転で飛んで、着地をキメれば完璧ですね!」
スウェナ「流石、マツカは気が回るわねえ…」
キース 「どの辺がだ!」

分かってたんなら、何故、その練習を…、とキース君。

キース 「あれだけ日数があった以上は、出来た筈だぞ!」
マツカ 「お祭りというのを考慮しました」

競技とは違いますからね、とマツカ君の言。

マツカ 「正確さよりも、お楽しみ要素が求められます」
Aブルー「いいねえ、実によく分かってるよ!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ 失敗したら、真っ逆様ーっ!」

とっても楽しみ! と悪戯小僧もピョンピョンと。

Aぶるぅ「お昼が済んだら、火渡りだよね!」
マツカ 「そうです、まずはお食事を…

お召し上がりになって下さい、と御曹司。

マツカ 「その後、あちらに御案内します」
Aブルー「キースも、しっかり食べておきたまえ」
A船長 「最後の晩餐かもですし…」
キース 「昼飯だ!」

ついでに死ぬ気も無いからな、と叫んでますけど。
頑張るしか…。


2023/11/26 (Sun)



☆言い間違えた人


マツカ君の別荘で紅葉狩り、桟敷で豪華な昼食でスタート。
食事が済んだら火渡りの時間、砂利が敷かれた庭が舞台で。

ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理も、紅葉も最高!」
A船長 「今年も来られて良かったですよ」
Aブルー「まだまだ、お楽しみはこれからだよ!」

何と言ってもキースのダイブ、とソルジャー、笑顔全開。

Aブルー「法衣でバク転、焚火の上を華麗に飛んで!」
A船長 「ダイブだと、焚火に突っ込みませんか?」
Aブルー「ごめん、ウッカリ…」

言い間違えたね、と自分の額を小突く人。

Aブルー「ジャンプだったよ、ダイブじゃなくて!」
A船長 「でしょうね、一瞬、驚きましたが」

そういう趣向になったのかと…、とキャプテンの苦笑。

A船長 「バク転ダイブで、火だるまショーかと…」
Aぶるぅ「ソレ、面白そう!」

火だるまショー! と飛び跳ねる悪戯小僧。

Aぶるぅ「要は死ななきゃいいんだし!」
キース 「ちょっと待て!」

なんだソレは、とキース君、顔面蒼白。

キース 「まさか、法衣で火だるまになれと…?」
Aぶるぅ「そだよ、新品、買えばいいも~ん!」

マツカに頼めば楽勝だよね、と怖い台詞が。

Aぶるぅ「ねえねえ、マツカ、頼んでもいい?」
マツカ 「いいですよ。帰るまでには用意出来ます」

キースにジャストサイズのヤツを…、と御曹司。

マツカ 「執事に頼んで、届けさせますね」
Aぶるぅ「やったー! バク転、火だるまショー!」

うんと勢いよくダイブしてね、と注文が。

Aぶるぅ「大丈夫、ちょっぴり焦げるだけだよ!」
キース 「火だるまだろうが!」
Aぶるぅ「外はパアッと、中はちょびっと!」

法衣は燃えても、火傷は赤くなる程度、とニコニコニコ。

Aぶるぅ「全治三日なら、いいと思うの!」
シロエ 「軽傷というヤツですね」
Aブルー「火だるまショーで決定だよ!」
一同  「「「イイネ!」」」

見ごたえバッチリ! と盛り上がってますけど。
火だるま…。


2023/11/27 (Mon)



☆嫌なら残すだけ


マツカ君の別荘で紅葉狩りですけど、とんでもない企画が。
法衣でバク転、火渡りなヤツが、火だるまショーに変更で。

キース 「どの辺が、どう、イイネなんだ!」
Aブルー「何もかもだよ、素敵じゃないか!」
Aぶるぅ「やめてもいいけど、アヒルボートは返してね!」
キース 「うっ…」

ソレは困る、とキース君の悪い顔色。

キース 「今でさえ、この始末なのに!」
ブルー 「残った場合は、火だるまどころじゃないかもね」
シロエ 「そう思いますね、処分出来るチャンスの方も…」

これが最後じゃないでしょうか、とシロエ君の冷静な分析。

シロエ 「残れば、まずはスキー場で落とすヤツからです」
Aぶるぅ「その次は、何にしようかなあ…」
ジョミー「氷の上もいいんじゃないかな、湖でさ…」
サム  「凍ってる上を滑らせるのな!」

氷が割れたらドボンでよ、とサム君も乗り気。

サム  「んで、俺たちは、安全な場所でワカサギ釣りで」
一同  「「「イイネ!」」」
キース 「殺す気なのか!」
サム  「死ぬわけねえって、水なんだしよ」

火だるまショーとは違うんだぜ、とサム君が立てる親指。

サム  「スキー場にしても、雪ってことはよ…」
ジョミー「絶対、安心、安全だよね!」
Aブルー「オッケー、それじゃ残すってことで!」
キース 「断固、断る!」

今日限りで縁を切るからな、とキース君、拳をグッと。

キース 「飯が済んだら、着替えて来る!」
Aぶるぅ「えーっ!?」
キース 「今日なら、燃やしていいんだろうが!」
Aぶるぅ「そうだけど…」

残念だよう! と膨れるお子様。

Aぶるぅ「もっと、こう…」
Aブルー「足場を高くするとかさ!」

華麗にダイブ出来るように、とソルジャーの笑み。

Aブルー「でもって、足場の間も広くして!」
マツカ 「落ちるしかないヤツですね?」
Aブルー「そう、真っ逆様に!」
キース 「げっ!」

真面目に死ぬ、と絶叫していますけど。
ショーですしねえ…?


2023/11/28 (Tue)



☆爆竹の方がマシ


マツカ君の別荘で紅葉狩り、桟敷で豪華な食事な御一同様。
その後はアヒルボートを燃やして、キース君が火渡りで…。

Aぶるぅ「足場、3メートルは欲しいの!」
マツカ 「それは高さの方ですね?」
Aぶるぅ「そう! 間は4メートルくらい!」
キース 「マジで落ちるしかないだろうが!」

どう飛んだって真っ逆様だ、とキース君、顔面蒼白。

キース 「しかし、やるしかないんだな?」
Aぶるぅ「アヒルボートは惜しいもん!」

この条件でしか燃やしちゃダメ! と悪戯小僧の注文が。

Aぶるぅ「嫌なら、残しておくもんね!」
キース 「くっそぉ、着替えて飛んでやる!」

死ぬ気で飛ぶぞ、と食事を終えて、着替えた法衣。

キース 「もう一度聞くが、全治三日で済むんだな?」
Aブルー「それはもう! だって今後も大切だしねえ…」
Aぶるぅ「死んじゃったら、キースで遊べないもん!」
キース 「そこなのか…」

だが、それだったら死なないな、と決意を固めた人。

キース 「やるぞ、お焚き上げを始めてくれ」
マツカ 「はい。皆さんも安全な場所で御覧下さいね」
一同  「「「もっちろ~ん!」」」

砂利の庭に移動で、ぐるりと囲んだ、お焚き上げの場所。

Aぶるぅ「食事の間に、足場の調整、出来てるね!」
Aブルー「マツカは仕事が早いよねえ…」
マツカ 「いえ、それほどでも…。キース、準備は…」

よろしいですか、と足場の上へ声掛けで。

マツカ 「いいなら、点火させますけれど」
キース 「点火でいい!」

サッサと済ませたいからな、とキース君の怒声。

マツカ 「では、始めますね」
キース 「うわっ!?」

燃え過ぎだぞ、と上から悲鳴で、凄い火柱。

マツカ 「えっと…? 確かにそうですね…」
Aぶるぅ「火だるまショーだし、着火剤なの!」
サム  「火に油かよ!?」
シロエ 「爆竹よりも酷かったですね…」
キース 「だが、飛ぶしか…!」

南無阿弥陀仏、と叫んで華麗にバク転。
お念仏…。


2023/11/29 (Wed)



☆パンイチで踊れ


今年の紅葉狩りは桟敷で御馳走の後で、キース君が火渡り。
アヒルボートのお焚き上げでして、法衣で華麗にバク転で。

Aぶるぅ「かみお~ん♪ ダイブ成功!」
Aブルー「一気に火だるま、法衣は実によく燃えるよね!」
Aぶるぅ「そだね、やっぱり、ダルマさんの服だし!」

火だるまショーにはピッタリかもね、と跳ねるお子様。

Aぶるぅ「普通の服より、うんとヒラヒラしてるから!」
シロエ 「フリルじゃないと思うんですけど…」
サム  「でもまあ、ヒラヒラしてるんでねえの?」

俺たちの服に比べればよ、とサム君、うんうん、と。

サム  「んで、火だるまで放置なのかよ?」
Aぶるぅ「もっちろ~ん! だって、火傷はしてないし…」
Aブルー「アヒルボートも、まだ燃えてるしね!」
A船長 「しかし、キースの服がですね…」

心配になって来たのですが…、とキャプテンが指差す火柱。

A船長 「よく見えませんが、パンイチなのでは?」
Aブルー「あー! そうか、今すぐ出さないと!」
Aぶるぅ「えーっ!?」

タオルがあればいいじゃない、と文句なお子様。

Aぶるぅ「着て来た服があるんだし!」
シロエ 「言われてみれば、そうかもですね…」
Aブルー「オッケー、鎮火したらタオルということで!」
キース 「早く出せーっ!」

熱いし、服も燃え尽きたぞ、とキース君の絶叫が。

Aブルー「大丈夫! 全治三日だし、タオルもあるし!」
キース 「どうしろと!」
Aブルー「我慢した後は、お風呂に入って、服だってば!」

煤も取れるし一石二鳥、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「パンツがある間は、そこで踊っていまたえ!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ みんな、手拍子!」

ぼくが歌うよ、と「かみほー♪」で踊る注文までが。

Aぶるぅ「はい、スタート!」
Aブルー「手拍子もね!」
シロエ 「では、景気よくいきましょう!」
キース 「馬鹿どもがーっ!」

無理すぎだぞ、と叫んでますけど。
今月、これにて中継終了~。


2023/11/30 (Thu)




拍手[0回]

☆案を出さないと


さて、11月。早い所は紅葉なシーズン、観光の季節到来。
とはいえ、紅葉には早い週末、生徒会長宅に集う御一同様。

シロエ 「紅葉、まだまだ先ですよね…」
ジョミー「雪国じゃないし、高い山があったら別だけど…」
サム  「今月の下旬くらいでねえの?」

見頃ってヤツ、とサム君が眺める壁のカレンダー。

サム  「23日頃から混みそうだぜ」
スウェナ「飛び石だけど、連休だわねえ…」
シロエ 「24日に休みを取ったら、四連休ですしね」
ジョミー「道路が渋滞するヤツだよね…」

マツカに期待、とジョミー君の視線がマツカ君に。

ジョミー「今年の紅葉は、どういう趣向?」
マツカ 「それは皆さん次第ですよ」

日帰りにしても、旅行にしても、と御曹司の笑み。

マツカ 「お好みに合わせて手配しますから、お楽しみに」
一同  「「「イイネ!」」」

だったら案を出さないと、と盛り上がる面々。

ジョミー「旅行がいいかな、四連休で!」
シロエ 「紅葉狩りに行くので休みます、ですか?」
サム  「あー…。グレイブ先生の嫌味な…」

欠席届けで言われそうだぜ、とサム君の苦笑。

サム  「諸君、いい御身分だな、って眼鏡をよ…」
シロエ 「押し上げて、ジロリと見るんですよね」
ジョミー「いいって、いいって、細かいことは!」

実害は何も無いんだしさ、とジョミー君。

ジョミー「ただの嫌味で、仕返しも無いし…」
スウェナ「そうね、ぶるぅじゃないんだし…」
ぶるぅ 「んとんと、ぼくじゃない方だよね?」
スウェナ「ごめんなさーい!」

ついウッカリ、とスウェナちゃんが押さえる自分の口。

スウェナ「あっちが印象深くって…」
シロエ 「分かります。なんと言っても…」

日頃から半端ないですし、とシロエ君の相槌。

シロエ 「松茸狩りだって、大概でしたよ」
サム  「俺たちに被害は無かったぜ?」
キース 「誰のお蔭だと思ってるんだ!」

胸に手を当てて考えてみろ、と怒鳴ってますけど。
何を…?


2023/11/01 (Wed)



☆怪我のレベルは


紅葉狩りはまだ先な週末、生徒会長宅に来ている御一同様。
四連休を狙う話が出ていますけど、どうするかは好みとか。

ジョミー「誰のお蔭って言われてもさあ…」
シロエ 「キース先輩のは、自業自得と言いませんか?」

細かいことは忘れましたが、とシロエ君。

シロエ 「アヒルボートの言い出しっぺは、別ですけどね」
ジョミー「ちょ、そこで話を振らないでよ!」
キース 「言われてみれば、お前だったな…」

バナナボートと言い出したのは、とキース君の苦い顔付き。

キース 「そのせいで、俺はアヒルボートに詰められて…」
サム  「山を下ってたんだよな、うん」
キース 「しかも2回だ、1回のつもりだったのに!」
スウェナ「仕方ないでしょ、ぶるぅが気に入ったんだから」

二度目があったのは当然だわね、とスウェナちゃん、断言。

スウェナ「もう1回、って言われなかった方が奇跡よ」
シロエ 「言えてます! 時間的には、おやつの後に…」
ジョミー「やれる時間はあったよねえ?」
ぶるぅ 「そだね、山は日が暮れるの、早いけど…」

アヒルボートも速いんだし、と話はスピードの方へ。

ぶるぅ 「あと1回は出来たと思うよ!」
キース 「それは本気で死ぬヤツだろうが!」
シロエ 「そうでしょうか? 結局、全治三日でしたよ」
マツカ 「柔道部だって、休まなかったですよね」

問題無かった証拠ですよ、とマツカ君の鋭い指摘。

マツカ 「青アザが消えるのに、三日なだけです」
ジョミー「確かに、全治三日が本物だったら、柔道は…」
シロエ 「ハッキリ言って、ストップがかかりますね」

傍から見ても分かりますから、とシロエ君。

シロエ 「教頭先生が止めますよ」
マツカ 「ええ、本当に」

その辺の指導は厳しいですし、とマツカ君も。

マツカ 「要は、キースが言ってるだけです」
シロエ 「軽傷どころか、かすり傷ですよ」
キース 「おい!」

他人事だと思いやがって、と文句ですけど。
正論では…?


2023/11/02 (Thu)



☆貸しだそうです

紅葉の見頃には早い週末、生徒会長宅で過ごしている面々。
四連休を狙う話から、先月の松茸狩りが話題になりまして。

キース 「どの辺が、かすり傷なんだ!」
シロエ 「え、だって…。あんなの、怪我に入りませんよ」
マツカ 「柔道部だと、普通にあることでしょう?」

なんと言っても格闘技です、とマツカ君、キッパリ。

マツカ 「それに、ダメージにしてもですね…」
ジョミー「柔道部だったら、デフォだよね?」
マツカ 「いえ、柔道部の話じゃなくて、お寺の方です」

いわゆるキースの日常ですよ、とマツカ君の穏やかな笑み。

マツカ 「アドス和尚に罰を食らったら、どうですか?」
サム  「あー…。罰礼、1セットが百回だっけな」
シロエ 「五体投地でお念仏とかいうヤツですよね…」
マツカ 「そうです、アレを食らった日のキースだと…」

朝の時点で相当、疲れていますけれど、とニッコリと。

マツカ 「それに比べて、アヒルボートの場合はですね…」
シロエ 「元気でしたね、文句はうるさかったですけど」
マツカ 「そうでしょう? ダメージも軽かったんですよ」
スウェナ「説得力が半端ないわね、ソレ…」

アヒルボートより、アドス和尚が上なのね、と賛同の声が。

スウェナ「だったら、カエル袋みたいに定番化しても…」
マツカ 「問題は無いと思っています」

あくまで、ぼくの私見ですが、とマツカ君の控えめな言。

マツカ 「もっとも、出来る場所が限られますから…」
ジョミー「だよねえ、動画の拡散も怖いし、通報だって…」
サム  「ソレさえなけりゃ、紅葉狩りでもよ…」
キース 「やめてくれ!」

もうそれ以上は言わないでくれ、とキース君、顔面蒼白。

キース 「悪かった、アレはあくまでかすり傷で、だ…」
マツカ 「ダメージの方も、軽めだったんですね?」
キース 「罰礼よりは、遥かにな!」
マツカ 「そういうことなら、この件は…」

貸しということにしておきます、と笑顔ですけど。
怖い気が…。


2023/11/03 (Fri)



☆貸しにするなら


紅葉にはまだ早い週末、生徒会長宅でのんびりな御一同様。
四連休を作って紅葉狩りとか、そういう話も出てますけど。

キース 「貸しというのは何なんだ!?」
マツカ 「言葉通りの意味ですけど?」

ダメージ軽めな弁解ですよ、とマツカ君、ニッコリ。

マツカ 「そうだったことにしておきます、と言ってます」
キース 「裏がある気しかしないんだが!」
マツカ 「そうでしょうねえ、貸しですから」

チャラとは全く違いますし、と顎に当てる手。

マツカ 「というわけで、アヒルボートは残しておきます」
一同  「「「げっ!」」」

そういえば、と誰もが愕然。

ジョミー「アレって、処分していなかったんだ…?」
マツカ 「これといった指示も無かったですし…」

普通は保管しておきますよね、と正論すぎる台詞。

マツカ 「ですから、きちんと倉庫に置いてあるんです」
キース 「何処だ、倉庫は何処にあるんだ!?」
マツカ 「言えません。言ったら、夜中に忍び込んで…」

火をつけて逃げるヤツでしょう、とマツカ君の瞳がマジ。

マツカ 「放火は重罪になりますしね…」
シロエ 「犯罪者の身内は要らないんですね?」
マツカ 「いいえ、キースのためですよ」

犯罪者になったら大変ですし、と気遣いモード。

マツカ 「場所を知らなければ、放火は無理ですから」
シロエ 「マツカ先輩、流石です!」
ジョミー「思い遣りってヤツも半端ねえよな」
キース 「とてもそうとは思えんが!」

今の流れで、何故、そうなる、とキース君の引き攣った顔。

キース 「どう考えても、俺には後が無いだろう!」
マツカ 「さっき、貸しだと言いましたよね?」

ぼくの胸だけに収めておけば安心です、と温和な笑み。

マツカ 「アヒルボートの所有権は、ぼくにありますから」
サム  「あー…。使うには、マツカの許可が要るのな?」
マツカ 「ええ、その方向で考えています」

キースさえ貸しでいいのなら、と言ってますけど。
決めろと…?


2023/11/04 (Sat)



☆借りを作るなら


紅葉狩りには早すぎる週末、生徒会長宅で過ごす御一同様。
四連休を作って旅行な話も出ていますけど、今は別件で…。

キース 「マツカに借りが出来るだと!?」
マツカ 「何か問題でもありますか?」
キース 「ありすぎだろうが!」

自分が一番分かってるよな、とキース君の良くない顔色。

キース 「お前のスキルと、隠してる爪は半端ないんだ!」
マツカ 「それほどでもないと思いますけど…」
キース 「そういう姿勢が怖すぎてだな…!」

生きた心地もしないヤツだ、とキース君、半ば逃げ腰。

キース 「お前に借りが出来るよりかは…」
??? 「呼んだかい?」

ぼくを、とソルジャー(会話表記はAブルー)が出現。

一同  「「「ひぃぃっ!!!」」」
Aブルー「失礼だねえ、人をオバケみたいに…」

もっと礼儀を心得たまえ、とソルジャー、不満そうな顔。

Aブルー「まあいいけどね、最初から期待してないし…」
キース 「あんた、何しに現れたんだ!」

誰も呼んではいないだろうが、とキース君の怒声。

キース 「サッサと帰れ、今は取り込み中だしな!」
Aブルー「それで呼ばれたと思ったんだけど?」

マツカより、ぼくがいいってことで、とソルジャーの言。

Aブルー「借りを作るなら、ぼくの方ってね!」
キース 「そ、それは…!」

言葉の綾というヤツで、とキース君、必死の言い訳。

キース 「確かに、チラと思いはしたが…!」
Aブルー「思ったんなら、呼んだも同然!」

それで、マツカはどうなのかな、とソルジャーの問い。

Aブルー「アヒルボートのことなんだけど…」
マツカ 「所有権のことですか?」

買い取りのご相談でしょうか、とマツカ君。

マツカ 「そういうことなら、執事に伝えておきますが」
Aブルー「えっ、買い取ってもいいのかい?」
マツカ 「そうですねえ…。どうしましょうか…?」
キース 「売らないでくれ!」

真面目に殺されるだろうが、と悲鳴ですけど。
ヤバいのでは?


2023/11/05 (Sun)



☆著作権がある人


紅葉にはまだ早い週末、生徒会長宅に来ている面々ですが。
四連休を作って旅行な相談、其処へソルジャーが現れて…。

マツカ 「借りを作るなら、ぼくより、こちらでしょう?」
Aブルー「そう聞こえたけど、みんなはどう?」
シロエ 「ぼくにも、そのように聞こえましたね」
ジョミー「ぼくもそうだよ、マツカだけは、って全力で…」

否定したよね、キースはさ、とジョミー君の見解。

ジョミー「サムとスウェナは、どう思う?」
サム  「俺もそっちに聞こえたぜ」
スウェナ「私もだわね」

マツカに借りは嫌なんでしょ、とスウェナちゃんも。

スウェナ「だから、その人が来たんじゃないの」
シロエ 「思いっ切り、召還しましたよ」
キース 「俺は、そういうつもりでは…!」
ジョミー「キースは毎回、そのパターンだから!」

疫病仏はダテじゃないよね、とジョミー君、深い溜息。

ジョミー「マツカ、いいから売っちゃってよ!」
マツカ 「えっと…? アヒルボートをですか?」
ジョミー「そう! 一応、ぼくが言い出したんだし…」

著作権が少しはあるかも、と怖い台詞が。

ジョミー「ぼくの分ので、売る方向でね!」
マツカ 「確かに、発案者はジョミーですから…」
サム  「おっ、権利ってヤツがあるのかよ?」
マツカ 「譲渡や処分に、少しは口を出せますね」

本当に少しだけですが…、と御曹司。

マツカ 「ジョミーがダメだと言った場合は、厄介です」
ジョミー「いいって、ぼくは賛成だしね!」
キース 「ちょっと待て!」

なんでお前が仕切るんだ、とキース君、顔面蒼白。

キース 「マツカが商談中だろう!」
Aブルー「あっ、そこは認めてくれるんだ?」

売買するっていうことで、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「ジョミーも、いいって言ったしさ…」
マツカ 「分かりました、執事に伝えておきます」
キース 「待てと言うのに!」
マツカ 「誰にです?」

該当者が三名いますけれど、とツッコミが。
その通り…。


2023/11/06 (Mon)



☆一言で済みます


紅葉狩りにはまだ早すぎる週末、生徒会長宅で過ごす面々。
四連休を作る話からズレて、ソルジャーまでが登場でして。

マツカ 「いいですか? まず、ぼくと、そちらの方が…」
Aブルー「商談中というヤツなんだよ!」

アヒルボートの件について、と大きく頷くソルジャー。

Aブルー「これで二人になるわけだよね?」
マツカ 「はい。それから、アヒルボートの発案者の…」

ジョミーを加えて三人ですよ、とマツカ君が折ってゆく指。

マツカ 「待てというのは、この三人の中の誰ですか?」
キース 「全員に決まっているだろう!」

誰が聞いても、そうなる筈だ、とキース君の叫び。

キース 「誰か一人に絞れるような問題か!」
マツカ 「ああ、なるほど…。問題が大きすぎるんですね」
Aブルー「らしいね、キースの意見も聞け、と?」
キース 「被害者は俺しかいないんだからな!」

どう考えても俺だけだろう、と握り締める拳。

キース 「一言くらい、言わせて貰っても…!」
マツカ 「罰は当たらない、と言いたいんですか?」
キース 「他に何があると!」

俺は命の危機なんだしな、とキース君が吊り上げる眉。

キース 「所有者が誰になるかは、大いに問題なんだ!」
マツカ 「分かりました。そういうことなら…」

一言どうぞ、とマツカ君、穏やかな笑み。

マツカ 「誰が持つのがいいんです?」
キース 「うっ…」

いきなり聞かれて、言葉に詰まってしまった人。

マツカ 「どうしたんですか、此処が問題ですよね?」
キース 「そ、それはそうだが…」
マツカ 「たった一言で済むんですよ?」

持って欲しい人の名前だけで、とズバリと提示された内容。

マツカ 「さっきキースが挙げた中から、一人でしょう?」
キース 「そう言われても、いきなりだな…!」
マツカ 「要は、決まっていないんですね?」
Aブルー「らしいね、ついでに四人目はどう?」

ぶるぅも欲しがりそうだから、と言ってますけど。
正しいですね…?


2023/11/07 (Tue)



☆指名はお好みで


紅葉にはまだ早い週末、生徒会長宅に来ている面々ですが。
四連休を作って紅葉狩りの話が、ズレてソルジャー登場で。

マツカ 「ぶるぅですか、確かに欲しがりそうですね」
キース 「いや、三人で充分だ!」
マツカ 「では、三人で決めますから」
キース 「何だって!?」

何故、そうなる、とキース君、愕然。

キース 「何処から、そういう展開に!」
マツカ 「一言どうぞ、と言いましたよね?」
Aブルー「なるほど、今ので三人がいい、と答えた、と…」

じゃあ、三人で相談しよう、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「三人で持っていいわけだしね!」
マツカ 「ええ。ぼくは一人と言ったんですけど…」
シロエ 「キース先輩の意見は尊重すべきです!」
サム  「うんうん、一人じゃ物足りねえ、ってな!」

この際、三人でいいんでねえの、とサム君も。

サム  「管理はマツカで、ジョミーに権利が少々で…」
Aブルー「ぼくも所有者の一人ってね!」
キース 「それだけは無い!」

俺が言いたいのはソレじゃなかった、とキース君の絶叫。

キース 「四人目まで入って相談だけは、断る、と!」
Aブルー「そうは聞こえなかったけど…」
マツカ 「困りましたね、誰が持つのがいいんでしょう?」
キース 「そ、それはだな…!」

そこで詰まって沈黙な内に、ソルジャーの声が。

Aブルー「えっと…。マツカ、四人目、オッケーかな?」
マツカ 「ぶるぅから連絡が来ましたか?」
Aブルー「そう! 今さっき、起きたみたいでさ…」

やっと話に追い付いたようだよ、とニコニコニコ。

Aブルー「欲しいから、数に入れてくれ、って…」
マツカ 「いいですよ。キース、四人に増えましたけど…」

誰にしますか、とマツカ君の問い。

マツカ 「今なら、好きに決められますよ?」
Aブルー「誰になっても、文句なんかは…」
ジョミー「言わないってば!」
マツカ 「ぼくもです」

どうぞお好きに、と台詞は寛大ですけど。
詰むヤツ…。


2023/11/08 (Wed)



☆レンタルもいいね


紅葉狩りには早い週末、生徒会長宅で過ごす面々ですけど。
四連休を作る話から、ソルジャーが来てしまったわけで…。

Aブルー「ぶるぅが、お願いしたいってさ!」
キース 「嫌すぎるんだが!」
Aブルー「じゃあ、ぼくは?」
キース 「同じ穴のムジナというヤツだろう!」

あのぶるぅと、とキース君、拳をグッと。

キース 「断固、断る!」
シロエ 「すると残りは、二人ですね?」
マツカ 「そうなりますね、ぼくか、ジョミーか…」

どちらなんでしょう、とマツカ君が傾げる首。

マツカ 「ぼくなら、現状維持ですけれど…」
シロエ 「ジョミー先輩だと、どうなるんです?」
ジョミー「うーん…。キースに貸しを作れるわけだし…」

それもいいかも、とジョミー君が立てる親指。

ジョミー「後は、レンタルするとかさ!」
一同  「「「レンタル?」」」
ジョミー「そう! そこのブルーも、例のぶるぅも…」

お金には不自由してないもんね、とジョミー君。

ジョミー「エロドクターがバックについてるし…」
シロエ 「そうでした! マツカ先輩には敵わなくても…」
ブルー 「いわゆる富裕層ではあるね」

別荘だって持っているし、と生徒会長のお墨付きが。

ブルー 「つまり、高値で貸し出したい、と…」
ジョミー「ピンポーン!」

嫌ならキースが身代金を出せばいいよ、と笑顔な人。

ジョミー「これで頼む、と積んでくれればチャラだよね」
シロエ 「でも…。キース先輩、赤貧ですよ?」
ジョミー「払えないのは、分かってるって!」

だから絶対、無理なヤツで…、とニコニコ。

ジョミー「ぶるぅか、そこのブルーがさ…」
Aブルー「言い値で借りればいいんだね!」

お安い御用、とソルジャー、即答。

Aブルー「それなら、ぼくはジョミーを推すよ!」
シロエ 「そういうのも楽しそうですね…」
マツカ 「ええ、面白いと思います」
キース 「決め付けるな!」

俺はまだ何も言っていない、と悲鳴ですけど。
誰にすると?


2023/11/09 (Thu)



☆預かり物です


紅葉にはまだ早い週末、生徒会長宅に来ている面々ですが。
四連休を作る企画が、どう間違ったかソルジャーが登場で。

マツカ 「でも、残りは二人だけなんですよ」
ジョミー「四択よりは、決めやすいよね!」

ぼくか、マツカか…、とジョミー君。

ジョミー「早く決めないと、ホントに勝手に決めるから!」
マツカ 「ジョミーにお譲りしましょうか?」
ジョミー「貰えるんなら、欲しいけど…」
キース 「嫌すぎるぞ!」

お前の場合はレンタルだろうが、とキース君の怒声。

キース 「何処かの馬鹿とか、ぶるぅとかにだ…」
Aブルー「君、今、馬鹿と言ったかい?」
シロエ 「言いましたねえ、キッチリ聞きました!」
サム  「俺も聞いたぜ、何処かの馬鹿、と」

真面目に命知らずだよな、とサム君、うんうん、と。

サム  「要するに、誰が持っていてもよ…」
シロエ 「自分で首を絞めるんですね?」
サム  「そうとしか思えねえじゃねえかよ」

現状維持でいいんでねえの、とサム君の意見。

サム  「マツカが持ってりゃ、いつでも使えるしよ…」
スウェナ「メンテも完璧そうだわねえ…」
マツカ 「それはまあ…。大事な預かり物ですし」
キース 「誰が預けたんだ!」

所有者はお前の筈だろうが、とキース君。

キース 「預かるも何も無いだろう!」
マツカ 「いえ、この場合は公共の利益がですね…」

優先されると思いますが、とマツカ君、目がマジ。

キース 「どういう意味だ!」
マツカ 「えっと…? キースは確か、法律の専門家を…」
シロエ 「目指してましたよ、ずっと前には」
マツカ 「そうですよね? なら、公共の利益くらいは…」

基礎知識ではないでしょうか、と御曹司の指摘。

マツカ 「他の皆さんに説明するなら、社会一般の…」
ブルー 「利益になることを指してるんだよ」
マツカ 「つまり、皆さんのお楽しみが…」
シロエ 「優先なんですね!」

マツカ先輩個人よりも、とシロエ君の纏め。
預かり物…。


2023/11/10 (Fri)



☆置き場所が問題


紅葉狩りには早すぎる週末、生徒会長宅で過ごす御一同様。
四連休な計画も出ていますけど、ソルジャーが来まして…。

Aブルー「なるほどねえ! マツカが所有していても…」
マツカ 「皆さんのご要望に、いつでも応えられるよう…」

メンテナンスとかが欠かせないんですよ、とマツカ君。

マツカ 「ですから、大事な預かり物というわけです」
Aブルー「いいねえ、やっぱり、此処はマツカがさ…」
サム  「持っているのが一番だぜ、うん」

それがいいよな、とサム君も。

サム  「ジョミーも、それで文句ねえだろ?」
ジョミー「そうだね、ぼくが貰っても、置き場所とかが…」
シロエ 「無いでしょうしね、ジョミー先輩の部屋…」
ジョミー「ベッドを撤去しないと無理かな…」

アヒルボートを置くとなったら、とジョミー君が傾げる首。

ジョミー「ベッドをやめて布団にしたら、いけそうだけど」
スウェナ「でも、そこまでして貰う気は無いんでしょ?」
ジョミー「当たり前だよ、布団よりかはベッドだよ!」

寝心地がいいのはベッドだしね、とジョミー君。

ジョミー「キースだったら、布団で慣れているけどさ」
サム  「けどよ、キースが名乗り出てもよ…」
シロエ 「アヒルボートは譲れませんよね?」

置き場所には不自由しないでしょうけど、とシロエ君の言。

シロエ 「なにしろお寺で、スペースは充分ありますし」
サム  「元老寺、無駄に広いよな」
ジョミー「本堂は流石にダメだろうけど…」
スウェナ「宿坊に置いたら、ウケそうじゃない?」

棺桶だなんてバレないでしょ、とスウェナちゃん。

スウェナ「入口に置いて、インテリアにすれば…」
シロエ 「お賽銭が来るかもですよ!」

なんと言っても、お寺ですしね、という声が。

シロエ 「像とかがあれば、お賽銭でしょう?」
ジョミー「あるあるだよね…」
サム  「けど、小銭だぜ?」
Aブルー「あのねえ…」

キースに譲ってどうするんだい、と顔を顰める人。
確かに…。


2023/11/11 (Sat)



☆御朱印よりかは


紅葉にはまだ早い週末、生徒会長宅に来ている面々ですが。
四連休を作る話がズレて、ソルジャーも来てしまいまして。

シロエ 「あー…。キース先輩が所有者な前提ですよね」
スウェナ「宿坊に置くなら、そうなるわよねえ…」
Aブルー「お賽銭とか、そういう問題じゃないし!」

キースが持っても仕方ないだろ、とソルジャーの正論。

Aブルー「元老寺の人気なんかは、どうでもいいよ!」
サム  「だよなあ、来る人が増えたってよ…」
ジョミー「お賽銭だと、小銭だしねえ…」
Aブルー「問題は、其処じゃないってば!」

たとえ稼げてもキースはダメ、とソルジャー、拳をグッと。

Aブルー「キースで遊べなくなるからね!」
シロエ 「そうですねえ…。御朱印なら稼げますけれど…」
Aブルー「御朱印って?」
シロエ 「一種のスタンプみたいなモノです、色々と…」

集めてる人も多いんですよ、とシロエ君の解説が。

シロエ 「お寺や神社が出すんですけど、人気ですよね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ アヒルちゃんなら欲しい!」

アヒルちゃんの御朱印、貰いに行く! と跳ねるお子様。

ぶるぅ 「ねえねえ、キース、作る気、ないの?」
キース 「それくらいなら、お焚き上げだ!」
ぶるぅ 「えーっ!?」
キース 「俺の棺桶なんだからな!」

寿命がいくらあっても足りん、とキース君の渋面。

キース 「御朱印を出して稼ぐよりかは、燃やした方が…」
シロエ 「言い出しましたよ、キース先輩じゃダメですね」
Aブルー「そうだろう? 始末したがる方だしさ…」

燃やすだなんて、とソルジャーも。

Aブルー「そんな終わりじゃ、ぼくのぶるぅも…」
ジョミー「納得するわけないよね、うん」

学園祭なら分かるんだけど、とジョミー君。

ジョミー「後夜祭でパアーッと燃やすとかはさ…」
シロエ 「定番ですよね、飾り付けとか」
Aブルー「なんだい、後夜祭というのは?」

火祭りみたいなものなのかな、と聞いてますけど。
違う気が…。


2023/11/12 (Sun)



☆後夜祭がいいな


紅葉狩りには早すぎな週末、生徒会長宅で過ごす御一同様。
ソルジャーまで来て、今の話題はアヒルボートの件でして。

シロエ 「えっと…。打ち上げみたいなものでしょうか」
ジョミー「学園祭の最後を飾る感じかな?」
Aブルー「そこで色々、パアーッと燃やして…」

火祭りになるわけなんだね、と斜めに解釈している人。

Aブルー「でもって、火の上を飛び越えるとか?」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「違うのかい? お祭りだって言うからさ…」

そういうヤツかと思ったんだけど、とズレた発想。

Aブルー「こう、カップルだと手を繋いだりして…」
シロエ 「焚火を飛び越えるんですか!?」
Aブルー「あれ? 火祭りと言えばソレだろう?」
ブルー 「文化が違う所だってば!」

馬で飛び越える国もあるね、と生徒会長。

ブルー 「でも、この国では飛ばないよ!」
シロエ 「せいぜい、火渡りくらいですよね」
Aブルー「何だい、それは?」
ブルー 「焚火の上を歩いて渡れば、無病息災とか…」

修行でやってる人もいるね、と解説が。

ブルー 「お坊さんじゃなくて、山伏だけど」
Aブルー「山伏?」
ブルー 「お寺の行事にも出て来たりするよ」

普段は山とかで修行がメイン、と生徒会長。

ブルー 「火渡りの時は、お寺でやるのが多いかな」
Aブルー「なるほどねえ! じゃあ、さっき言ってた…」

後夜祭ってヤツをやるのはどう、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「紅葉狩りの時に、アヒルボートを…」
シロエ 「お焚き上げして、お祭りですね?」
Aブルー「そう! でもって、キースが…」

火渡りを披露すればいいよ、と怖すぎる台詞。

Aブルー「地味に渡るんじゃなくて、飛び越える方で!」
キース 「それは普通に死ぬヤツだろうが!」
Aブルー「大丈夫! ぼくの世界には、耐火グッズが…」
ジョミー「バッチリあるって?」
Aブルー「プラス、サイオン!」

死ぬ心配はゼロだよね、と太鼓判ですけど。
火渡り…?


2023/11/13 (Mon)



☆持ち出すためには


紅葉にはまだ早い週末、生徒会長宅に来ている面々ですが。
ソルジャーまでが出て来たわけで、紅葉狩りで後夜祭な案。

シロエ 「サイオンですか、それだけでいける気がします」
ジョミー「だよねえ、耐火グッズが無くても」
Aブルー「あっ、じゃあ、そうする?」

その方が面倒が無くていいしね、とソルジャーの言。

Aブルー「耐火グッズだと、船の備品を持ち出しだしさ」
サム  「持ち出し禁止なヤツなのかよ?」
Aブルー「そうじゃないけど、何に使うかチェックとか…」

一応、決まりがあるものだから、と納得な理由。

Aブルー「でないと、ぶるぅが勝手に借りてく可能性がね」
シロエ 「悪戯防止で、貸し出しチェックなんですか!?」
Aブルー「だって、ぶるぅだよ?」
一同  「「「あー…」」」

何に使うか分からないヤツ、と納得度数が大幅にアップ。

スウェナ「でも、ぶるぅなら、チェックしてても…」
シロエ 「黙って持ち出し出来るでしょう?」
Aブルー「それとこれとは、別なんだよね…」

ぶるぅを理由に、ぼくまで監視してるわけ、と溜息な人。

Aブルー「船の備品で、大人の時間は困るらしいよ」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「こう言ってるから、察して欲しいな」
シロエ 「分かりましたよ、要はサイオンだけで…」

済ませておきたいわけですね、とシロエ君も深い溜息。

シロエ 「シールドすれば、耐火グッズより凄いですし…」
Aブルー「そうなんだよ! キースには是非、普段着で…」

焚火を飛び越えて欲しくって、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「芸があったら、もっといいよね!」
ジョミー「バク転しながら飛び越えるとか?」
Aブルー「いいね、ソレ!」

今から練習すればいけるよ、と乗り出す膝。

Aブルー「失敗したって、焦げるだけだしね!」
キース 「黒焦げだろうが!」
Aブルー「ううん、ちょっぴり焦げ臭いだけで、御愛嬌!」

死なないことは保証するよ、とグイグイグイ。
バク転…。


2023/11/14 (Tue)



☆チャンスを逃すと


紅葉狩りには早すぎる週末、生徒会長宅で過ごす御一同様。
ソルジャーも来まして、後夜祭で火渡りという案が出た今。

シロエ 「そういえば、法衣でバク転、なかったですか?」
サム  「あー…。あったよな、法衣で出来るって…」
ジョミー「ネットで流行った動画だよね?」

本堂で法衣でバク転するヤツ、とジョミー君。

ジョミー「つまり、キースの火渡りもさ…」
シロエ 「法衣でいけると思うんですよ!」
一同  「「「イイネ!」」」

どうせやるなら法衣がいい、と誰もがプッシュ。

スウェナ「お坊さんには正装だものね、やるべきよ!」
ジョミー「私服なんかより、ずっといいよね!」
シロエ 「そうでしょう? オススメです!」
Aブルー「いいねえ、ぼくのぶるぅも大賛成だよ!」

思念がピョンピョン弾んでるよね、とソルジャーの笑顔。

Aブルー「というわけで、キースは明日から練習!」
キース 「なんだって!?」
Aブルー「アヒルボート、処分したいんだろう?」

お焚き上げにはコレしかないよ、とソルジャー、目がマジ。

Aブルー「この機を逃せば、いつになるやら…」
シロエ 「冬場は橇にもなりそうですよね、アレ」
ジョミー「スキー場で上から落とすって?」
シロエ 「いえ、やるんならバックカントリーです!」

他のお客様に迷惑ですし、とシロエ君。

シロエ 「ついでに障害物も多めで、良さそうですよ」
サム  「うんうん、木とか生えてるもんな!」
キース 「やめてくれ!」

恐ろしすぎる、とキース君、ガクブル。

キース 「下手をしたら崖から飛び出すだろうが!」
シロエ 「そうですけど?」

でも、アヒルボートがあるんですしね、と正論が。

シロエ 「バーベキューの時には、急流下りもいけますし」
キース 「そ、そんな…!」
Aブルー「残しておいたら、そうなるだろうね」
キース 「どうしろと!」
Aブルー「君が選ぶんだよ!」

お焚き上げするか、残しておくか、と二択ですけど。
どっち…?


2023/11/15 (Wed)



拍手[0回]

カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
最新CM
[06/12 みゆ]
[06/12 Qちゃん]
[06/09 みゆ]
[06/09 Qちゃん]
[05/15 みゆ]
最新TB
プロフィール
HN:
みゆ
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
アクセス解析
カウンター
アクセス解析