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シャングリラ学園つれづれ語り

☆桜は咲いたのに


さて、四月。世間はお花見で浮かれる季節。
シャン学メンバーも花見の宴を繰り広げるべく、絶賛計画中ですが…。

サム  「どうするんだよ、今年も学校の桜は思い切り逃したぜ?」
ジョミー「ブルー、まだ大丈夫って言わなかったっけ?」
ブルー 「仕方ないだろう、急に暖かくなったんだから!」
シロエ 「フィシスさんに占って貰うべきでしたね、吉日を」
キース 「まったくだ。それが確実だったのにな」
ブルー 「ぼくの女神はぼく専用だよ」

デートの吉日ならばともかく、無関係なものは頼まないとか。

ブルー 「フィシスも一緒のお花見だったら頼んだけどね」
シロエ 「頼めば良かったじゃないですか!」
キース 「面子が増えても全く問題無いだろう?」
スウェナ「フィシスさんも一緒って楽しそうよ?」
ブルー 「ぼくはフィシスと楽しみたいんだ」

プラスぶるぅで充分なのだ、と生徒会長。

ブルー 「だから昨日は三人で…ね。ちょっと夜桜」
一同  「「「ずるい!!」」」
ブルー 「学校のじゃないよ、もっといい場所」
シロエ 「何処なんです?」
ブルー 「パルテノンのとある料亭の庭の桜さ」
キース 「…そ、そうか…」

それは俺たち向きではないな、とキース君が言い、一同、納得。
シャン学の面々がやりたい宴会、高級感はお呼びではなく。

ジョミー「普通に騒いで遊べる所って、学校が穴場だったのに…」
キース 「一週間前までに届け出だからな、仕方ない」
シロエ 「先生方の宴会に紛れ込むのはどうでしょう?」
サム  「あー、長老の先生のヤツな!」

アレならいいか、と期待の視線が生徒会長に向かいましたが。

ブルー 「それが生憎と今夜らしくて」
ぶるぅ 「お弁当は今から作って間に合うんだけど…」
ブルー 「一応、訊いてはみたんだよ。でも断られた」
ぶるぅ 「ゼルのお料理、余分に作ってないからだって!」
一同  「「「あー…」」」

そりゃ駄目だ、と誰もがガックリ。
今年もお花見難民ですかねえ?

2014/04/01 (Tue)

 

☆穴場があります


せっかく桜が咲いたというのに、穴場な学校の桜は貸し切り失敗。
長老の先生方の宴会に混ぜて貰うのも断られてしまい、お花見不可能。

ブルー 「もう少し早く気付けば良かったんだけどね」
サム  「ゼル先生の料理はこだわりだもんな、仕方ねえぜ」
キース 「ご自慢の料理を披露出来ないなら駄目だろうな」

ゼル先生、料理の腕はプロ顔負け。
学校の食堂の隠しメニューに『ゼル特製』があるくらい。

シロエ 「学校でお花見コースは壊滅ですか…」
ジョミー「どこか穴場って残ってないの?」
キース 「去年も言ったが、璃慕恩院の境内に見事な桜が」
ジョミー「お寺は嫌だよ!」
マツカ 「…もう少し先でもいいんでしたら、去年の場所が」
サム  「あったな、マツカのお祖父さんの別荘がよ!」
シロエ 「いいですねえ!」

マツカ君のお祖父さんの別荘の桜、見頃は四月の半ば頃。
峠を二つほど越えた先ですが、確かに穴場で。

ジョミー「遅れる分には別にいいよね、同じ桜だし!」
キース 「得をしたような気分もするしな、二度目の桜で」
マツカ 「でしたら今年も手配しますよ」
ブルー 「いいねえ、それでお願いしよう」
マツカ 「分かりました。ちょっと訊いてみます」

マツカ君、お馴染みの執事さんに電話。
折り返し電話がかかって来まして。

マツカ 「大丈夫だそうです、桜も平年並みの開花じゃないかと」
ブルー 「ということは…。12日辺りがいいのかな?」
マツカ 「お勧めはそこの土日だと言ってましたね」
ジョミー「ゆっくりするなら土曜日だよね!」
キース 「そうなるな。すると…」
ブルー 「12日だよ。マツカ、それでお願い出来るかい?」
マツカ 「はい。帰ったら手配しておきますよ」
ジョミー「やったね!」

大歓声のシャン学メンバーですが。

??? 「楽しそうだねえ…」
一同  「「「!!?」」」

背後から嫌というほど聞き覚えのある声がしたような。
振り返って見るのも嫌っぽいですが、もしかして…?

2014/04/02 (Wed)

 

☆割り込みたい人


学校の桜の貸し切りコースを逃してしまったシャン学メンバー。
今年もマツカ君のお祖父さんの別荘の桜、と決まった所で背後で声が。

??? 「春はやっぱりお花見だよね、うん」
一同  「「「………」」」

無視とばかりに一同、沈黙。
振り返ったら負けだと後ろは見ずに。

ブルー 「別荘までの送迎もお願い出来るんだよね?」
マツカ 「もちろんです」
ぶるぅ 「わぁーい、お花見ー!」
??? 「ぼくも送迎をお願いしたいな」
キース 「今年も二度目の桜を拝めるというのは有難いな」
シロエ 「そうですよね! マツカ先輩に感謝ですよ」
??? 「ぼくからも感謝! 地球の桜は素晴らしいしね」
一同  「「「………」」」

ガン無視していても勝手に話を進める人が。
振り返ったら最後だと分かってはいても、此処まで来ると…。

ブルー 「誰も呼ぶとは言ってないから!」
??? 「去年も行ったし!」

今年も行くんだ、とソルジャー(会話表記はAブルー)、割り込み。

Aブルー「ぼくは桜が大好きなんだよ、知ってるくせに!」
ブルー 「はいはい、分かった」
Aブルー「地球に辿り着いて平和になったら家を建ててさ」

庭に桜の木を植えるのだ、と夢は大きく果てしなく。

Aブルー「でもって、春はハーレイとお花見するんだよ」
ブルー 「うんうん、君の夢だったよねえ」
Aブルー「だから、それまでは代わりの桜でお花見だってば!」
ブルー 「君のシャングリラにもあるだろう、桜!」
Aブルー「ダメだよ、地球の桜でなくっちゃ!」

ハーレイも楽しみにしているのだ、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「今年の桜は何処にしましょうか、って言っててねえ…」
ブルー 「だったら勝手に出掛けたまえ!」
Aブルー「それも行くけど、二度目の桜があると聞くとね」
ブルー 「そっちも他所のを探して行けば!?」

北の方なら見頃はまだ先、と生徒会長は言っておりますが。
それで断れるような相手では無さそうですけどねえ?

2014/04/03 (Thu)

 

☆お花見は一緒に


桜はやっぱり地球の桜だ、と降ってわいたソルジャー、お花見を希望。
今が見頃の桜はもちろんのことで、二度目の桜も見逃せないらしく…。

Aブルー「北の方へ行けば、二度目どころか三度目もあるよね」
ブルー 「だからそっちへ行ってくれと!」
Aブルー「機会があったら何度でも!」

地球の桜は何処で眺めても美しいのだ、とソルジャー、ウットリ。

Aブルー「シャングリラの桜とは味わいがねえ…」
ブルー 「もう分かったから、君のハーレイと出掛けたまえ!」
Aブルー「12日だよね、予定は空けとく」
ブルー 「それはぼくたちのお花見の日で!」
Aブルー「一緒に行ってもかまわないだろ、応援団だし」
ブルー 「応援団?」
Aブルー「もう忘れた? 此処の全員、応援団だよ」

ぼくとハーレイのための応援団だ、と言われましても。

キース 「そんなものになった覚えは無いが」
シロエ 「ありませんよね?」
サム  「俺も記憶にねえんだけど…」

知らないよね、と顔を見合わせるシャン学メンバー。
ところがソルジャー、指を左右にチッチッと。

Aブルー「都合の悪い記憶は手放したいのが人情ってね」
キース 「何のことだ?」
Aブルー「自発的に結成された応援団じゃないからねえ…」

忘れたくなるのも無理はない、と意味深発言。

ジョミー「応援団って…。運動会とかの?」
Aブルー「広い意味では運動だろうね」
一同  「「「運動?」」」
Aブルー「夫婦和合の時間は運動! パワーが必須!」

そして君たちは応援団だ、とビシィッと指摘。

Aブルー「食べて応援もしてくれただろう!」
一同  「「「た、食べて応援…」」」

脳裏に蘇るイヤンな記憶。
節分祭への道中で出会った外国人女性からの贈り物。

キース 「あ、あの嫌な形の饅頭か…!」
シロエ 「た、食べて応援とか言われましたね…」

サーッと青ざめる御一同様、身に覚えというヤツが山というほど。
夫婦和合の御利益があるというお饅頭なら確かに先月…。

2014/04/04 (Fri)

 

☆忘れたいお饅頭


一緒にお花見に出かけるのだ、とソルジャー、譲らず。
シャン学メンバーを応援団呼ばわり、言われて蘇るイヤンな記憶が…。

キース 「あ、あの恐ろしい饅頭はだ!」
シロエ 「自発的に食べたわけじゃないですから!」
ジョミー「そうだよ、脅されて食べただけでさ!」
サム  「食わなきゃ口に放り込むとか言ったじゃねえかよ!」

サイオンで、というサム君の台詞に一同、コクコク。

サム  「あんな饅頭を食ったばかりに応援団は酷すぎるだろ!」
キース 「俺は正直、忘れたかったぞ!」
Aブルー「実際、今まで忘れてたくせに!」

ぼくの大事な木の根まんじゅう、と恨みがましい視線のソルジャー。

Aブルー「あのお饅頭は夫婦和合に御利益バッチリなんだから!」
キース 「あんたがそう言って食わせたんだ!」
Aブルー「だって、栞に書いてあったし! そうしろと!」

イヤンな形の木の根まんじゅう、形は高級な松茸そっくり。
御神体を象ったとかで、特大サイズだと引き出物用。

Aブルー「引き出物にして大勢の人に食べて貰えば御利益アップ!」
シロエ 「ぼくたちは迷惑だったんですよ!」
ジョミー「あんな形のお饅頭なんか、ぼくは食べたくなかったし!」
Aブルー「だけど全員、食べたじゃないか!」
キース 「それ以外に道が無かっただろうが!」
Aブルー「ぼくもハーレイも応援して欲しかったからねえ…」

だから二人で入刀式だ、とソルジャー、得意げ。

Aブルー「夫婦の愛の共同作業! 食べやすい形に綺麗にカット!」
キース 「思い切り押し付けてきやがって!」
Aブルー「美味しかったと思うけど?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 皮も餡子もいい味だったよ!」
キース 「味は悪くはなかったんだが、あの形だけは最悪だ!」
シロエ 「そうです、あれを食べたのは黒歴史です!」
Aブルー「黒歴史だって!?」

失礼な、とソルジャー、柳眉を吊り上げてますが。
何の形かモロ分かりな御神体のお饅頭なぞ、食べたら黒歴史確定では?

2014/04/05 (Sat)

 

☆黒歴史なお饅頭


お花見に一緒に行きたいソルジャー、持ち出した話題が応援団。
夫婦和合を食べて応援してくれた筈だ、とお饅頭の話をしたものの…。

Aブルー「ぼくとハーレイを応援したのが黒歴史!?」
キース 「大事な部分をサラッと抜かすな、饅頭だろうが!」
シロエ 「あのお饅頭を食べさせられたのが黒歴史ですよ!」

出来れば一生忘れたいです、とシロエ君。

シロエ 「味はともかく、形を忘れたいんです!」
キース 「あんな饅頭は二度と御免だ!」
Aブルー「形が最高だったのに! 有難い御神体なのに!」

おまけに御利益たっぷりなのに、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「黒歴史だとか、応援団になった覚えはないとか…」
キース 「記憶から消し去りたいからだ!」
シロエ 「消したくなければ黒歴史なんて言いません!」
サム  「うんうん、いい思い出ってのは忘れねえよな」
Aブルー「いい思い出じゃなかったわけ!?」

あんな素敵なプレゼントが、と言われましても。

キース 「ハッキリ言わせて貰うがな…。あんた以外は喜ばん!」
Aブルー「ぼくのハーレイも喜んでたし!」
キース 「それはあんたの同類だからだ!」
Aブルー「同類だって!? せめて一心同体と!」

夫婦なんだし、と文句たらたら。

Aブルー「どんどん酷い言われようになってる気がするんだけど?」
ブルー 「気のせいじゃないね、もう帰れば?」
Aブルー「まだお花見に行ってもいいって言われてないし!」
キース 「ここまで嫌われてまだ来る気なのか!」
Aブルー「応援団のくせに嫌うって何さ!」

あんまりだ、とソルジャー、ブチ切れ。

Aブルー「そこまで言うなら、いっそ、この際!」
一同  「「「???」」」
Aブルー「応援団を再結成だよ、それならいいだろ!」
一同  「「「再結成?」」」
Aブルー「食べて応援、木の根まんじゅう! 買ってくるから!」

お菓子の栞を残してあるのだ、と勝ち誇った笑顔。
シャン学メンバー、大ピンチでは…?

2014/04/06 (Sun)

 

☆お花見にお饅頭


どうしてもお花見に行きたいソルジャー、持ち出したものは最終兵器。
応援団を再結成すれば、お花見に同行も問題ないとか。

ブルー 「ちょ、ちょっと…!」
Aブルー「何か?」
ブルー 「さ、再結成とか、食べて応援とか、本気なわけ?」
Aブルー「本気だけど? 木の根まんじゅうも欲しかったしね」

最終兵器な木の根まんじゅう、イヤンなお菓子の正式名称。
男性のアレの形をしている松の木の根を象ったもので、御神体の形。

Aブルー「ホントに御利益バッチリだったし、また買いたくて」
ブルー 「君のハーレイと食べればいいだろ!」
Aブルー「…それでもいいけど、特大の魅力は捨て難いんだよ」
一同  「「「…と、特大…」」」

特大サイズの木の根まんじゅう、食べて応援がお約束。
引き出物にと配られた場合、家族で食べて新郎新婦を応援でして。

Aブルー「大勢の人に食べて貰って御利益ググンとアップだしね?」
キース 「さっきも言ったが、迷惑だと!」
シロエ 「本当にアレは黒歴史ですよ!」
Aブルー「じゃあ、応援団の再結成は?」
シロエ 「お断りします!」
Aブルー「だったら、お花見!」

ぼくも行きたい、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「混ぜてくれるなら応援団の件は保留でいいよ?」
ブルー 「…保留って?」
Aブルー「またの機会に二度、三度! 食べて応援、御利益アップ!」
キース 「まだ食わせる気か!」
Aブルー「保留だからねえ、いつかはね? でもさ…」

お花見に混ぜてくれない場合は即発動! と拳をグッと。

Aブルー「お花見の席で応援団を再結成だよ、持ち込みで!」
一同  「「「持ち込み?」」」
Aブルー「お菓子の差し入れ、木の根まんじゅう!」

もちろん特大、と恐ろしい台詞。

Aブルー「宴会の席に合うと思うよ、あのお饅頭」
ブルー 「…そ、それは…」
Aブルー「桜の下で賑やかにいこう!」

応援団の再結成だ、と主張されましても。
満開の桜にイヤンなお菓子は最悪としか…。

2014/04/07 (Mon)

 

☆季節に合わない


お花見に混ぜてくれない場合はイヤンなお菓子、とソルジャー、宣言。
男性のアレを象った木の根まんじゅうを持ち込み、食べさせるそうで。

キース 「なんでそういう差し入れになる!」
Aブルー「応援団の再結成には欠かせないから!」
ブルー 「迷惑だってば、あんなお饅頭!」
Aブルー「だけどシーズンぴったりじゃないか!」
一同  「「「シーズン?」」」

なんのこっちゃ、と一同、目が点。
木の根まんじゅうの形は松茸、松茸といえば春ではなくて。

ブルー 「季節違いだと思うけど?」
キース 「季違いだな」
Aブルー「キチガイだって!?」

ぼくは正気だ、とソルジャー、柳眉を吊り上げております。

Aブルー「このぼくの何処がキチガイだと!」
ブルー 「季節違いと言ったんだよ!」
Aブルー「君はそうかもしれないけどねえ、そこのキースが!」

確かにキチガイと聞こえたのだ、と怒りの形相。

Aブルー「そこまで言うなら覚悟の方もバッチリだろうね?」
キース 「あんたが何を聞いたか知らんが、俺はあくまで潔白だ!」
Aブルー「確かにキチガイと言ったじゃないか!」
キース 「だから季違いだと」
Aブルー「また言った!」
キース 「やかましい! 俺は高尚な話をしている!」
Aブルー「キチガイの何処が!」

そんなモノの何処が高尚なのだ、とソルジャー、怒り狂ってますが。

キース 「俺は季が違うと指摘したんだが?」
Aブルー「気が違うなんて、失礼以前の問題だから!」

ブチ殺す、とエライ騒ぎになりそうですけど、キース君はサラリと。

キース 「あんた、俳句を知らないようだな」
Aブルー「…はいく?」

車に乗せて貰うアレだろうか、と首を捻っているソルジャー。

Aブルー「それとキチガイがどう重なると?」
キース 「俳句は短歌で、季節を詠むのがお約束だ。それが違う、と」
ブルー 「季節違いだと季違いなんだよ」

分かったか、と生徒会長。
とはいえ季節違いだからと例のお饅頭を却下出来ますか?

2014/04/08 (Tue)

 

☆お饅頭の精神


イヤンな形の木の根まんじゅう、松茸形でございます。
それが季節にピッタリと言ったソルジャー、季違いと指摘されまして。

キース 「春に松茸は季違いだ。あれは秋だからな」
ブルー 「そういうわけだよ、何処がシーズンぴったりなんだか…」
Aブルー「季違いじゃないし!」

ついでにキチガイの方でもない、とソルジャー、強気。

Aブルー「ぼくは至って正気だから! 本当に春にピッタリだから!」
キース 「どの辺がだ!」
Aブルー「木の根まんじゅうの精神だよ!」
一同  「「「…精神?」」」
Aブルー「精神で分からなければスピリット!」

あれは春にこそ相応しいのだ、と言われましても。

ブルー 「スピリッツならまだ分かるけどねえ、お花見だから」
ぶるぅ 「スピリッツって、なあに?」
ブルー 「蒸留酒のことさ、お花見にはお酒って人も多いし」
シロエ 「でも、ぼくたちは飲めませんよ?」
キース 「そういう以前に、今は饅頭が問題なんだぞ」
Aブルー「そのとおり! 木の根まんじゅうはまさに春のもの!」
キース 「…地元じゃ春が旬なのか、あれは?」

花見団子的な存在なのか、とキース君。
年中無休で売られる名菓であっても、旬があるものはあるわけでして。

ジョミー「桜餅とか、年中あるけど…。桜だから一応、春だよね?」
サム  「でもよ、あの菓子は松茸なんだぜ」
マツカ 「形だけ…ですけどね」
Aブルー「そう、形! そこに木の根まんじゅうのスピリットが!」
キース 「あんな代物に精神なんぞがあってどうする!」
Aブルー「あるんだってば!」

しかも春だ、とソルジャー、拳をグッと握って。

Aブルー「夫婦和合と子孫繁栄、これこそ春の精神だから!」
一同  「「「は?」」」

そんなモノに精神も春もあったものか、と一同、呆れておりますが。

Aブルー「分からないかな、春なんだよ!」
一同  「「「…春?」」」

木の根まんじゅうの精神は春。
どうこじつけたら春なんていう結論に…?

2014/04/09 (Wed)

 

☆春のお菓子の謎


男性のアレを象った形の木の根まんじゅう、精神は春だそうでして…。
だからお花見に相応しい、とソルジャー、力説しております。

Aブルー「夫婦和合に御利益絶大、まさしく春のお菓子だってば!」
キース 「…悪いが、あんたの話は俺にはサッパリ分からん」
シロエ 「ぼくたち、知識不足ですから」

万年十八歳未満お断りです、とシロエ君。
その手の知識不足は常識、ましてこじつけなど分かる筈もなく。

サム  「分かんねえよな、決定的に」
ジョミー「なんか知らないけど、あのお饅頭は二度と御免だし!」
スウェナ「私も嫌だわ、おまけに応援団なんて…」
マツカ 「あのう…。お花見に御招待すれば断れるんじゃあ?」
ブルー 「此処まで来たら手遅れって気もするけどねえ?」
一同  「「「手遅れ?」」」
ブルー 「妙な主張を始めちゃったし、嫌なフラグが立った気がする」
Aブルー「あっ、分かる?」

お花見にはあのお饅頭だ、とソルジャー、ニコニコ。

Aブルー「押し掛けにしても、御招待にしても、あれを是非!」
一同  「「「ええっ!?」」」
Aブルー「春のお菓子だと言ったからには持ち込まないとね」
キース 「…そ、それは……」
シロエ 「とても、非常に困るんですが!」
サム  「去年の方がまだマシだったぜ、ジンギスカンな」
一同  「「「あー…」」」

お花見にはジンギスカンだと煙モクモクだったソルジャー。
イヤンな形のお饅頭よりは、ジンギスカンがマシというもので。

Aブルー「ジンギスカンより木の根まんじゅう! それが最高!」
ブルー 「だから持ち込まなくていいから!」
Aブルー「でもさ、精神が春なんだよ? 今がシーズン!」
ブルー 「その理屈、ぼくにも分からないんだけど」
キース 「あんたでも意味が不明なのか?」
ブルー 「うん。…残念ながら何が何だか」

別の世界の文化は守備範囲外だ、と生徒会長は申しておりますが。
木の根まんじゅう、ソルジャーの世界のお饅頭ではないようですけど?

2014/04/10 (Thu)

 

☆こじつけと捏造


イヤンな形は松茸そっくり、御神体を象った木の根まんじゅう。
春に相応しいから是非お花見に、とソルジャーは持ち込みたいそうで。

Aブルー「あのお饅頭は春そのものだよ、もう絶対に外せないって!」
ブルー 「どういう根拠でそうなるのさ!」
キース 「あんたの世界の理屈で決めるな!」
Aブルー「異文化も何も、君たちの世界のお饅頭じゃないか」

その精神もまたこの世界のもの、とソルジャー、胸を張りまして。

Aブルー「別の世界から来たぼくでも分かるし!」
ブルー 「だけど、ぼくには分からないから!」
Aブルー「…本当に?」
ブルー 「意味不明としか言いようがないし!」
Aブルー「じゃあさ、君も知ってるコトだった時は持ち込んでいい?」

木の根まんじゅう、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「拒否されたって持ち込むけれどさ、こう、許可を得て!」
キース 「迷惑なんだと言ってるだろうが!」
Aブルー「味の方は保証付きだけど? ねえ、ぶるぅ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 美味しいお饅頭だったよね!」
キース 「小さな子供を巻き込むな!」
Aブルー「子供だからこそ正直なんだよ、あれはホントに美味しいよ」

みんなで食べよう、とゴリ押しモード。

Aブルー「でもって、どうせなら許可付きで!」
ブルー 「許可するつもりは全然無いけど、こじつけはちょっと」
キース 「捏造はもっと許し難いぞ」
シロエ 「その可能性もありますね…」
サム  「なんか最近、流行りだしな?」

捏造ってヤツが、とサム君、ブツブツ。
確かにニュースで華々しく流れているのが捏造ネタで。

ブルー 「こじつけどころか捏造だって?」
Aブルー「捏造なんかはしないってば!」

絶対やらない、とソルジャー、至って真剣な顔。

Aブルー「ぼくの大事な木の根まんじゅうにかけて!」
キース 「あんな饅頭に誓われてもな…」

シロどころか真っ黒な感じなんだが、とキース君。
黒歴史だったお饅頭だけに、捏造疑惑も真っ黒かも?

2014/04/11 (Fri)

 

☆売られている春


ソルジャーがお花見に持ち込みたいお菓子、木の根まんじゅう。
イヤンな形のお饅頭としか思えないのに、春のお菓子だと言われても。

Aブルー「本当に春のお菓子なんだよ、捏造じゃなくて!」
キース 「いや、捏造としか思えんな」
ブルー 「でなきゃ、こじつけだね」
Aブルー「絶対に違う!」

こちらの世界では春のお菓子だ、と話はループ。

Aブルー「ぼくの世界でもそうなるかもだけど、モノが無いしね」
ブルー 「あんなお菓子があちこちにあったら最悪だってば!」
Aブルー「有難い木の根まんじゅうなのに…」

元ネタになった御神体にも失礼だろう、とソルジャー、ブツブツ。

Aブルー「そもそも御神体からして春のものだしね」
一同  「「「はあ?」」」

松茸の形の御神体の何処が春だ、と更に深まるワケワカランな謎。
木の根神社の御神体とやら、松の根っこの筈でして。

キース 「…松というのは春だったか?」
ブルー 「いや、松は季語には含まれてないよ」
シロエ 「捏造の線が濃くなりましたね」
サム  「どう考えてもそっちだよなあ?」
Aブルー「失礼な!」

木の根まんじゅうと木の根神社様にお詫びしろ、と強気のソルジャー。

Aブルー「春と言ったら春なんだってば、ああいう形は!」
キース 「意味が分からんと言ってるだろうが!」
Aブルー「それじゃ訊くけど、春が売買されているのも知らないと?」
一同  「「「…春?」」」

そんなものを何処で売っているのだ、と顔を見合わせる御一同様。

ジョミー「お花見の席とか、そういうヤツかな?」
マツカ 「有料の桟敷席なんかもありますね」
シロエ 「でも、それはお花見限定ですよ?」

あのお饅頭とは重なりません、とシロエ君。

シロエ 「ただ、他に有料の春っていうのが浮かばなくて…」
Aブルー「ポピュラーじゃないかと思うけどねえ?」

思い切り歴史がある筈なのだ、とソルジャー、自信満々ですが。
春を売買するという商売、そんなに有名なんですか?

2014/04/12 (Sat)

 

☆売り買いする春


イヤンな形の木の根まんじゅう、その精神は春なのだとか。
それを唱えるソルジャー曰く、春を売買する商売があるそうでして…。

Aブルー「ぼくの世界にもある商売でね、メジャーなんだよ」
キース 「あんたの世界にあると言うなら、花見は消えたか…」
Aブルー「お花見だってちゃんとあるけど?」

でなきゃシャングリラでやっていない、と威張るソルジャー。

Aブルー「そのために桜も植えたんだよ! お花見用に!」
シロエ 「ということは、お花見も普通にあるんですね?」
Aブルー「あるねえ、こっちの世界ほど凄くはないけど」

いわゆる名所という場所が無い、と言われて納得。
地球が一度は滅びた世界に由緒正しい桜の名所がある筈もなく。

Aブルー「桜がドッサリあるってだけでは味わいがねえ…」
キース 「風情が無いというわけか」
Aブルー「そうなんだよね。その点、こっちの世界は合格!」
ブルー 「だからと言って押し掛けて来なくてもいいじゃないか!」
Aブルー「マツカの別荘の桜も気に入ったんだよ!」

だから木の根まんじゅう持参で、とニコニコニコ。

Aブルー「それで、分かってくれたかな? 売り買いする春」
キース 「いや、分からん」
ブルー 「…そろそろ口を噤んでくれる?」
一同  「「「え?」」」

何故だ、と生徒会長に視線が集中。

キース 「何か問題でもあったのか?」
ブルー 「大有りなんだよ、ブルーの言いたいことは分かった」
シロエ 「何なんです?」
ブルー 「…春の精神」
ジョミー「分からないよ、それ」
Aブルー「春を売り買いすると言ったら! 人類最古の職業で!」
一同  「「「は?」」」
Aブルー「どんなに取り締まっても無くならないという凄い職業!」
キース 「…取り締まるだと?」
Aブルー「分かってくれた? 大学にも行った君が有望!」
一同  「「「大学?」」」

生徒会長には意味が分かって、大学生でも有望だとか。
ソルジャーの言う人類最古の職業とやらの正体は…?

2014/04/13 (Sun)

 

☆大学生のお楽しみ


人類最古の職業だという、春を売り買いする商売。
大学生のキース君なら分かりそうだ、とソルジャーは自信満々ですが。

キース 「なんだって俺が有望なんだ、俺は仏教専攻で!」
Aブルー「だけど大学、行っていたよね?」
キース 「とっくの昔に卒業した!」

ついでに法律はやっていない、とキース君。

キース 「俺がやったのは法は法でも仏法の方で!」
Aブルー「それが何か?」
キース 「取り締まりだとか、そっち方面は詳しくはない!」
Aブルー「そうなんだ? でもねえ、大学生なら行くんじゃないかな」
キース 「やかましい! 俺の大学には法学部は無い!」

ゆえに法律の講義など無い、とブチ切れ寸前。

キース 「あんた喧嘩を売っているのか、元法学部志望と知ってて!」
Aブルー「違うよ、法律の講義に行くんじゃなくって…」

どっちかと言えば課外授業かな、とソルジャー、ニッコリ。

Aブルー「講義が終われば色々あるよね、コンパだとかさ」
キース 「それがどうした!」
Aブルー「二次会、三次会に行くのもいいけど、男はやっぱり!」
ブルー 「退場!!」

サッサと出て行け、と生徒会長、レッドカードを出しております。

ブルー 「もういいから! お花見の面子には入れておくから!」
Aブルー「それはどうも。でもさ、木の根饅頭の精神だけは」
ブルー 「それも要らないから!」
Aブルー「ここまで喋って中途半端はねえ…」

聞きたいよねえ、と言われましても。

キース 「…嫌な予感しかしないんだが…」
Aブルー「えーっ? ノルディの話じゃ大学生のお楽しみだ、と」
ブルー 「帰りたまえ!」
Aブルー「そう? まあ、ぼくもソープは好みじゃないしね」
一同  「「「…ソープ?」」」
Aブルー「あっ、石鹸の話じゃないからね?」
キース 「帰ってくれ!」
Aブルー「ダメダメ、最後まで語ってから! ソープというのは!」

まあ喋らせろ、と独演会モード。
ソルジャーの話、聞き続けても大丈夫ですか?

2014/04/14 (Mon)

 

☆春を楽しむ人


お花見の面子に加えたというのに、まだお帰りにならないソルジャー。
イヤンな形のお饅頭の精神だけは語りたい、とソープがどうとか。

ブルー 「本当にもう要らないから!」
Aブルー「中途半端は良くないよ。ソープ、すなわちソープランド!」
ブルー 「退場!!」
Aブルー「おっと、危ない」

生徒会長が投げつけたレッドカードをかわしたソルジャー。

Aブルー「ソープじゃ春を売ってるんだよ、いわゆる売春!」
一同  「「「…ば、売春…」」」
Aブルー「これで分かった? 春というのは!」
ブルー 「死にたいわけ!?」
Aブルー「ううん、全然。まだまだ春を楽しみたいしね」

ぼくのハーレイと毎日が春! とブチ上げまして。

Aブルー「というわけでさ、木の根まんじゅうの精神は春なんだよ」
ブルー 「いいから、さっさと帰りたまえ!」
Aブルー「お花見には来ていいんだよねえ、ぼくもハーレイも」
ブルー 「ぶるぅつきでもかまわないから!」

お帰りはあちら、と生徒会長、ドアを指差しております。

ブルー 「お花見ジンギスカンでもなんでもいいから!」
Aブルー「ありがとう! じゃあ、木の根まんじゅう持ち込みで!」
一同  「「「ゲッ!」」」
Aブルー「ちゃんと特大を買って来るから、応援よろしく!」

夫婦和合を食べて応援、とパチンとウインク。

Aブルー「春に相応しいお菓子だしねえ、盛り上げなくちゃね」
ブルー 「盛り下がるよ!」
Aブルー「ぼくとハーレイが盛り上がったらいいんだよ、それで」
キース 「あんたは何を考えてるんだ!」
Aブルー「御利益で更なるパワーアップ! 春だから!」
ブルー 「君は年中、春だろう!」
Aブルー「それはそうだけど、盛り上げたいわけ!」

それじゃ楽しみにしてるから、とパッと姿が消え失せたものの。

キース 「…あの饅頭がまた来るのか…」
シロエ 「黒歴史が繰り返すんですか…」

人生終わった、と落ち込む一同。
今年のお花見はイヤンなお饅頭で大荒れかも…。

2014/04/15 (Tue)





 

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