☆賑やかに行こう
マツカ君のお祖父さんの別荘の桜、見頃が四月の半ばでございまして。
普通の桜が終わってからの二度目のお花見、いよいよですが。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お花見弁当、作ったよ!」
サム 「すげえや、ドッカン豪華版だよな」
マツカ 「ジンギスカンも一応、用意はしたんですけど…」
一同 「「「ジンギスカン?」」」
マツカ 「出がけに言われたんですよ。今年も用意しましたから、と」
一同 「「「えーーーっ!?」」」
去年のお花見、ソルジャーの主張でジンギスカンで煙がモクモク。
あまりに珍妙すぎたらしくて、執事さんが覚えていたようで。
マツカ 「気配りらしいんですけれど…」
シロエ 「マツカ先輩。ぼくたちのセンス、疑われてませんか?」
マツカ 「…どうなんでしょう…」
怖くて訊けませんでした、との答えに天を仰ぐ御一同様。
只今、生徒会長が住むマンションの駐車場で集合中。
キース 「花見でジンギスカンにされているのか、俺たちも」
ジョミー「なんか不幸な巻き添えだよね…」
サム 「まあ、ジンギスカンも美味いんだけどよ」
シロエ 「不味くはないですね、お花見にちょっと合わないだけで」
それで諸悪の根源は…、と見回したものの。
シロエ 「来てないですね、バカップル」
ブルー 「その内に来ると思うんだけど…」
キース 「遅刻とはいい度胸だな?」
スウェナ「マイペースな人だし、仕方ないわよ」
ジョミー「いっそ無視して先に行くとか!」
サム 「やったら後が恐ろしそうだぜ」
キース 「多分な。…ん?」
駐車場の向こうに人影が。
バカップルかと眺めてみれば…。
Aブルー「ごめん、ごめん、遅くなっちゃって!」
一同 「「「え?」」」
どう見てもキャプテン(会話表記はA船長)が二人。
しかし二人もいるわけがなくて。
ブルー 「な、なんでハーレイを連れて来たわけ!?」
Aブルー「お花見だから!」
賑やかに行こう、と言われましても。
教頭先生も一緒にお花見ですか?
2014/04/16 (Wed)
☆増やされた面子
シャン学メンバー、生徒会長が住むマンションの駐車場に全員集合。
バカップルが来ればお花見に出発、と待っていれば何故か教頭先生が。
ブルー 「ハーレイを呼んだ覚えは無いけど!」
Aブルー「お花見なんだよ、宴会は賑やかにやるのが一番!」
ブルー 「ハーレイは去年も来てないし!」
Aブルー「いいじゃないか、今年は参加ってことで」
ブルー 「でも、お弁当の数が足りないし!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ おかわり用に多めに作ってあるの!」
だから全然大丈夫、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「だって、ぶるぅも来るもんね!」
Aブルー「頼もしいねえ、こっちのぶるぅは大食いだしね」
ねえ? と眺める先に「そるじゃぁ・ぶるぅ」のそっくりさん。
いわゆる「ぶるぅ」(会話表記はAぶるぅ)でございます。
Aぶるぅ「わぁーい、お弁当! 沢山あるの!?」
ぶるぅ 「うんっ! それにジンギスカンもあるんだって!」
Aぶるぅ「やったぁー!」
キャイキャイと騒ぐお子様が二人。
それはともかく…。
ブルー 「なんだってハーレイなんかとお花見になるのさ!」
Aブルー「え、だって。面子は多いほどいいじゃないか」
ブルー 「勝手なことをしないでくれる!?」
たまたまお弁当は足りたけれど、とブツブツブツ。
ブルー 「こういうのはねえ、ちゃんと予め人数を決めて!」
Aブルー「違うよ、臨機応変でなんぼ! それでこそソルジャー!」
ソルジャー稼業も大変なのだ、とソルジャー、力説。
Aブルー「ミュウの救出なんか、予定も何も。ねえ、ハーレイ?」
A船長 「そうですねえ…。急な出撃も多いですしね」
そして人数が増えるのです、と言うキャプテン。
A船長 「救出したら、即、食事も必要になりますから」
Aブルー「足りないからって我慢しろとは言えないものね」
ブルー 「君の苦労と手腕には敬意を払うけどねえ…」
だからと言ってハーレイなんぞ、と文句たらたら。
教頭先生の立場はどうなるのでしょう?
2014/04/17 (Thu)
☆応援団をよろしく
いざお花見へ、という段になってバカップルが連れて来た余計な面子。
教頭先生が増えてしまって、生徒会長は御不満ですが。
ブルー 「ハーレイなんかが何の役に立つのさ、お花見で!」
Aブルー「決まってるだろ、宴会の面子!」
面子は多ければ多いほどいい、とソルジャーの主張。
Aブルー「なにしろ応援団だしねえ?」
一同 「「「お、応援団…」」」
思い出したくもないイヤンな単語。
しかし全く通じていない人が役一名。
ハーレイ「応援団とは何の話だ?」
キース 「…い、色々と事情がありまして…」
シロエ 「正直、言いたくないんですけど…」
ハーレイ「ふむ…。何かスポーツでもやるのか、花見で?」
Aブルー「スポーツと言うより運動かな?」
ハーレイ「運動ですか?」
Aブルー「そう、運動! ぼくと、ぼくのハーレイの共同作業で!」
ハーレイ「は、はあ…。二人三脚の類でしょうか?」
Aブルー「さあ、どうだろうね?」
知りたかったら見学ツアーを用意するけど、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「お花見の席でやるのは流石にマズイようだし」
ブルー 「当たり前だよ!」
Aブルー「というわけでね、是非にと言うなら場所を改めて」
そして是非とも応援よろしく、とニコニコニコ。
Aブルー「応援用のアイテムは用意してきてあるから!」
ハーレイ「…アイテム…ですか?」
Aブルー「これが無くっちゃ応援団は結成不可能!」
ブルー 「もういいから!」
妙な話に付き合う気は無い、と生徒会長、一刀両断。
ブルー 「ハーレイだけでも沢山なんだし、もう充分だよ!」
Aブルー「じゃあ、こっちのハーレイも一緒にお花見だね?」
ブルー 「嫌だと言っても連れて行くんだろ!」
Aブルー「それはもちろん!」
ブルー 「だってさ、ハーレイ。恩に着るんだね、そこのブルーに」
ハーレイ「あ、ありがとうございます!」
応援団も頑張ります、との仰せですけど。
教頭先生に務まるのでしょうか、例のイヤンな応援団…。
2014/04/18 (Fri)
☆応援団に期待
なんだかんだで教頭先生も加わってしまったお花見の面子。
面子が揃えば出掛けるのみで、マツカ君が手配したマイクロバスへと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
Aぶるぅ「しゅっぱぁ~つ!」
一番前の席に座ったお子様が二人。
可愛い声で出発進行、アルテメシアの北を目指して走るのですが。
ブルー 「まったく、なんでハーレイなんか…」
ハーレイ「そう言うな。役に立つことがあるかもしれん」
ブルー 「役に立つ? 君が?」
ハーレイ「応援団がどうこうと言っていたしな、あっちのブルーが」
応援団なら多少は心得が、と教頭先生。
ハーレイ「柔道部は大学生とも交流があるしな」
ブルー 「…それで?」
ハーレイ「大学へ行けば応援団が闊歩しているし、こう、色々と」
ブルー 「門前の小僧で覚えたって?」
ハーレイ「ああ。素人よりかはマシだと思うが」
ブルー 「ド素人の方がいいんだよ!」
あんな応援団のプロは要らない、と生徒会長、吐き捨てるように。
ブルー 「ブルーが勝手に、結成だとか再結成だとか!」
Aブルー「呼んだかい?」
ブルー 「呼んでないっ!」
Aブルー「でも、ぼくの名前が聞こえたような…」
ハーレイ「応援団の話をしておりまして」
Aブルー「なるほどね!」
応援団ね、と最後尾のシートでソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「ハーレイ、今のを聞いたかい?」
A船長 「応援団の話だそうですね」
Aブルー「有難いねえ、こっちのハーレイを誘って良かったよ」
A船長 「本当ですねえ、応援して下さる方が増えるとグッと効果が」
Aブルー「応援団の効果は抜群だしね!」
今日も期待だ、とソルジャー、キャプテンの首に腕を回して。
Aブルー「まずは誓いのキスと洒落込もうってね」
A船長 「いいですねえ…」
Aブルー「ハーレイ、今日も愛しているよ」
A船長 「私もです、ブルー…」
たちまち二人の世界に突入、バカップル。
応援団なんかを結成せずとも、既に無敵で最強なのでは?
2014/04/19 (Sat)
☆バカップルとバス
応援団の話が出たから、と熱いキッスなソルジャー夫妻。
バスの一番後ろのシートで二人の世界で、教頭先生には目の毒っぽく。
ハーレイ「…な、何故、応援団の話でああなるのだ?」
ブルー 「さあねえ?」
ハーレイ「応援団と言えば男の世界で、あれとは程遠そうなのだが…」
ブルー 「そうだっけ? 女性の応援団長もいたよ」
キース 「いたな、男よりも男らしいとかで」
サム 「ごついのかよ?」
ブルー 「ううん、普通に美人だったよ」
ただし、と生徒会長、重々しく。
ブルー 「応援団長な彼女に、平常モードのぼくでは勝てない」
シロエ 「そこまで美形なんですか!?」
ブルー 「顔じゃなくって声の方だよ」
一同 「「「声?」」」
ブルー 「応援団といえば発声が凄い。そして彼女は男性並み!」
その声たるや応援団員も足元に及ばない大音量だそうでして。
ブルー 「高校生のぼくだと負けるね、銀青の方なら勝てるけどさ」
キース 「坊主は声量も大切だからな」
スウェナ「そういうものなの?」
キース 「何処でもマイクが置いてあるとは限らんしな」
シロエ 「あー…。お経の声が聞こえなかったらダメですよね」
ブルー 「坊主は声が命なんだよ、こんな具合に」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「カーーーーーッ!!!」
いわゆる「喝」という一声。
バカップルもビックリ、抱き合ったままで周囲をキョロキョロ。
Aブルー「な、な、何?」
A船長 「何なのでしょう?」
ブルー 「目の毒なんだよ、さっさと離れる!」
Aブルー「えーっ? せっかくドライブしているのにさ」
それにバスは有難い乗り物なのだ、と切り返し。
Aブルー「こうしてくっついて乗っかっていると御利益が!」
ブルー 「それは路線バス限定だから!」
ハーレイ「…路線バス?」
Aブルー「去年も今年も凄くいいものを貰ったんだよ!」
ブルー 「もういいから!」
喋らなくていい、と怒鳴る生徒会長ですけれど。
まさかこのバスも猥談地獄へ?
2014/04/20 (Sun)
☆路線バスの御利益
マイクロバスの中でも抱き合い、イチャイチャベタベタのバカップル。
その片割れのソルジャー曰く、バスは有難い乗り物だそうで。
Aブルー「路線バス限定か何か知らないけど、ホントに凄くて!」
ハーレイ「はあ…」
ブルー 「そこで相槌を打つんじゃないっ!」
Aブルー「せっかく聞いてくれてるんだよ、白けるじゃないか」
ブルー 「周りが真っ白に燃え尽きるから!」
Aブルー「そうかなあ?」
盛り上がる方だと思うけどな、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「だってさ、夫婦和合に御利益絶大!」
ハーレイ「…路線バスが…ですか?」
Aブルー「少なくとも二年続けて凄い御利益を貰えたしね」
ハーレイ「…バスからですか?」
Aブルー「バスに乗ってたお客さんだよ。ねえ、ハーレイ?」
A船長 「ええ。本当に素晴らしいものを頂きまして…」
お蔭様で絶倫です、とキャプテンもニコニコしております。
A船長 「男の自信が湧いてくると言うか、もう毎晩が楽しみで」
Aブルー「そうなんだよねえ、疲れ知らずで徹夜な勢い!」
ブルー 「やめたまえ!」
Aブルー「なんで? バスに乗ったら貰えるものだろ、あの御利益」
ブルー 「勘違いだから!」
普通はそうそう貰えないから、と生徒会長、ビシィと指摘。
ブルー 「去年も今年も、たまたま当たりが悪かっただけ!」
ハーレイ「それはどういう意味なのだ?」
Aブルー「あっ、聞きたい? こう、凄い形の御利益パワーが!」
ハーレイ「形?」
Aブルー「ズバリ、松茸!」
去年が飴で今年がお守り、と威張るソルジャー。
Aブルー「松茸の形と言ったら…ねえ?」
A船長 「もうお分かりかと思いますが…」
ハーレイ「…ま、松茸…」
Aブルー「しかも今年はお守りの後に更に素敵なプレゼントが!」
ハーレイ「プレゼント…?」
ブルー 「いいから、そこまで!」
その先を言ったら放り出す、と怒りの生徒会長ですが。
山越えのドライブ、そろそろ終点が近付いてきたようですよ~!
2014/04/21 (Mon)
☆とにかくお花見
松茸お守りだの去年貰った子授け飴だのと、バスの御利益語りまくり。
そんなソルジャーのトークにキレそうな生徒会長ですが。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 桜の別荘、見えて来たよーっ!」
Aぶるぅ「わぁーい、桜が一杯だぁーっ!」
お花見弁当とジンギスカンだ、と「ぶるぅ」の歓声。
Aぶるぅ「今年も沢山食べるんだもーんっ!」
Aブルー「ぶるぅ、デザートも忘れちゃいけないよ?」
Aぶるぅ「うんっ! みんなで食べて応援だよね!」
ハーレイ「…食べて応援?」
Aブルー「喋りたいけど、なんかバスから放り出されるみたいだし?」
ブルー 「当たり前だよ!」
いい加減に黙れ、と生徒会長、ブチ切れ寸前。
ブルー 「もう目的地が其処だから! 目の前だから!」
Aブルー「桜だねえ…。ご覧よ、ハーレイ、桜も祝福してくれてるよ」
A船長 「地球の桜は格別ですねえ、しかも今年は御利益も…」
Aブルー「御利益はお花見宴会だけどね」
ハーレイ「食べて応援と宴会は何か関係が?」
Aブルー「それはもう! バスの中で貰ったお守りの後にいい物が!」
A船長 「素晴らしい応援グッズでして」
ハーレイ「はあ…」
ブルー 「やめたまえ!」
とにかく花見だ、と生徒会長が叫ぶ間にバスは別荘の駐車場へと。
ぶるぅ 「着いたよーっ! お花見、お花見!」
Aぶるぅ「お弁当ーっ!」
それにジンギスカン、と先を争って降りるお子様二人。
シャン学メンバーもバカップルをガン無視したまま下車しまして。
シロエ 「凄いですねえ、此処の桜は」
マツカ 「ちょうど見頃で良かったです」
サム 「弁当食おうぜ、やっぱ庭だよな!」
キース 「せっかく花見に来たんだからな」
ジョミー「ジンギスカンは?」
Aブルー「それをやらなきゃ、お花見じゃないし! 肉でパワーを!」
A船長 「御利益もいいですが、やはり体力をつけませんと…」
それでこそ夜も頑張れるのです、と自信満々で語るキャプテン。
ジンギスカンでパワー充填、プラス御利益?
2014/04/22 (Tue)
☆お花見には宴会
マツカ君のお祖父さんの別荘に到着、桜満開。
お花見とくれば食べねば損々、豪華お花見弁当にジンギスカンでして。
ぶるぅ 「えとえと、お弁当、沢山あるからねーっ!」
Aブルー「頼もしいねえ、松茸も入っているのかい?」
ぶるぅ 「松茸?」
シーズンじゃないよ、と目を丸くする「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「松茸、入ってた方が良かった?」
Aブルー「そりゃまあ…ねえ…。ハーレイ、君もそう思うよね?」
A船長 「御利益絶大ですからねえ…」
ブルー 「やめたまえ!」
小さな子供を巻き込むな、と柳眉を吊り上げる生徒会長。
ブルー 「ジンギスカンがあれば充分だろう!」
Aブルー「パワー充填も大切だけどさ、やっぱり御利益!」
ブルー 「お花見はそういう席じゃないから!」
Aブルー「だけどさ、みんなは応援団だし」
ブルー 「とにかく今はお花見だから!」
まずは宴会、と生徒会長、バカップルを押しのけて仕切っております。
ブルー 「お弁当とジンギスカンは同時進行でもいいのかな?」
ジョミー「あれば食べるよ、もちろん焼くし!」
シロエ 「ここは賑やかにいきましょう!」
ブルー 「それじゃ始めようか、炭火も熾してくれてあるから」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お肉も野菜もどんどん焼こうね!」
Aブルー「いいねえ、ぼくのハーレイに肉を沢山頼むよ」
ぶるぅ 「うんっ!」
始まりました、お花見の宴。
ジンギスカンで煙がモクモク、それを食べつつお花見弁当。
キース 「カオスではあるが、実に美味いな」
スウェナ「桜も見頃で良かったわよね」
マツカ 「そう言って頂けると嬉しいですよ」
シロエ 「マツカ先輩、感謝です!」
盛り上がる中、教頭先生も馴染んでおられて。
ハーレイ「いやあ、呼んで頂けて良かったです」
Aブルー「お花見は賑やかにやらないとね?」
A船長 「ブルーが面子は多いほどいいと言いましてねえ…」
来て下さって嬉しいです、と和やかですが。
その面子とは例の応援団では…?
2014/04/23 (Wed)
☆お花見に和菓子
満開の桜の下で豪華お花見弁当とジンギスカン。
ソルジャーが連れて来てしまった教頭先生も交えて、賑やかですが…。
Aブルー「そろそろいいかな、注目、注目~!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「この辺りでおやつもいいかな、と思うわけだよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 桜餅にお団子、持って来たよ!」
Aブルー「いいねえ、ぜひ出してくれたまえ」
ぶるぅ 「うんっ!」
お茶も淹れるね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ドカンと出ました、花見団子に桜餅。ついでに緑茶と、好みで抹茶。
マツカ 「あっ、お茶を点てるなら手伝いますよ」
ぶるぅ 「えとえと、お抹茶、何人分?」
キース 「俺は抹茶で」
Aブルー「ぼくも! お砂糖とミルクたっぷりで!」
シロエ 「…それは違うと思いますが…」
ぶるぅ 「んとんと…。今日のはそういうお茶じゃないから」
苦い方だよ、と言われたソルジャー、「じゃあ、要らない」と。
Aブルー「ぼくは甘いのが好きなんだよ。普通のお茶にする」
A船長 「私は抹茶でお願いします」
ハーレイ「ほほう…。通でらっしゃいますねえ」
A船長 「こちらの世界の和菓子には、やはり抹茶が一番かと」
Aブルー「そうかなあ? でもまあ、和菓子は素敵だよねえ」
御利益のあるお菓子もあるし、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「実に素晴らしい文化だよ、うん」
ハーレイ「御利益ですか…。厄除けなど色々ありますが」
Aブルー「そんなのよりもっと凄いのもあるよ」
ぼくも最近知ったんだけど、という台詞に青ざめるシャン学メンバー。
キース 「…く、来るぞ…」
シロエ 「こ、これは来ますね…」
ハーレイ「何がだ?」
Aブルー「食べて応援、木の根まんじゅう!」
ハーレイ「木の根まんじゅう?」
Aブルー「夫婦和合に御利益絶大、大勢の人に食べて貰うと…」
A船長 「応援パワーを頂けるのです!」
有難いことです、とキャプテン、合掌。
イヤンな形の例のお饅頭、ついに出番が来たようですねえ…。
2014/04/24 (Thu)
☆知らなかった人
桜を愛でつつ、お花見弁当にジンギスカン。
たっぷり食べたらお菓子の出番で、桜餅やお花見団子なのですけれど。
Aブルー「御利益絶大なお菓子のためにも、まずはお茶だね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 緑茶に抹茶、お待たせ~!」
はいどうぞ、と好みのお茶が配られまして。
Aブルー「うん、桜餅もお花見団子も美味しいねえ…」
A船長 「地球の桜には似合いますねえ…」
ハーレイ「すみません、先ほど仰ったお饅頭というのは何ですか?」
一同 「「「ひいぃっ!!」」」
なんてこったい、と満開の桜を仰ぐシャン学メンバー。
イヤンな形の木の根まんじゅう、御存知ないのは教頭先生お一人で。
ハーレイ「なんだ、どうした?」
ブルー 「禁句なんだよ、そのお饅頭!」
ハーレイ「禁句?」
Aブルー「何を言うかな、有難いお饅頭を禁句だなんて」
そもそも木の根まんじゅうは…、とソルジャー、威張り返って。
Aブルー「松茸のお守りをくれた人がね、後で送って来てくれたんだ」
A船長 「それは素晴らしい松茸の形のお饅頭でして…」
ハーレイ「松茸?」
Aブルー「そういう形の御神体だよ、木の根神社の」
松の木の根っこが御神体で、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「その御神体を象ったのが木の根まんじゅう!」
ハーレイ「は、はあ…」
Aブルー「特大サイズは引き出物でさ、貰って帰った人は一家で!」
A船長 「食べて頂けると皆様の応援パワーが届くそうでして」
ハーレイ「お、応援…?」
Aブルー「夫婦和合を食べて応援するんだよ!」
A船長 「実は、私とブルーも皆様に応援して頂きました」
お蔭様で素晴らしい御利益が、とキャプテン、絶賛。
A船長 「その節には皆様に大変お世話になりまして…」
Aブルー「なんだかギャーギャー言ってたけどねえ、効けば充分!」
ハーレイ「で、では、仰っていた応援団とは…」
Aブルー「それだけど?」
なにか、とソルジャー、極上の笑み。
木の根まんじゅう特大サイズ、登場、秒読み?
2014/04/25 (Fri)
☆本場で買った人
ついに明かされた応援団とイヤンなお饅頭との関係。
夫婦和合に御利益があるらしい木の根まんじゅう、今にも出そうで…。
ハーレイ「た、食べて応援するのですか!?」
Aブルー「ぼくたちの夫婦和合をね。そうだよね、ハーレイ?」
A船長 「今回も是非、皆様に応援して頂きたいと思っております」
どうぞよろしくお願いします、とキャプテン、深く一礼を。
A船長 「そのためにお誘いさせて頂きました」
ハーレイ「わ、私をですか!?」
Aブルー「他に誰がいると?」
一人でも多い方がいいんだ、とソルジャーの主張。
Aブルー「この前はブルーも食べてくれたし!」
ハーレイ「…た、食べたのか、ブルー?」
ブルー 「不本意ながら! 逆らえないから!」
Aブルー「拒否した人は口に放り込むと言ったからねえ、瞬間移動で」
サム 「それくらいなら潔く食うよな、普通はな」
シロエ 「思いっ切りの黒歴史で、忘れたいですけどね!」
Aブルー「失礼な! 御利益のあるお饅頭なのに!」
キース 「あんたたち限定の御利益だろうが!」
Aブルー「それで充分!」
あれは応援グッズだから、とソルジャー、余裕。
Aブルー「今日もしっかり買って来たから! ちゃんと本場で!」
ブルー 「迷惑なんだよ!」
Aブルー「しかも今回、御利益ググンとパワーアップ!」
一同 「「「パワーアップ?」」」
Aブルー「ただの特大サイズじゃないから! 特注だから!」
一同 「「「特注?」」」
Aブルー「行ってみるものだねえ、本場ってトコは」
お菓子の栞を取っておいた甲斐があった、とパチンとウインク。
Aブルー「木の根神社にお参りしてから、お店に行ったら」
ブルー 「中の餡子でも違ったわけ?」
Aブルー「そうじゃなくって、受注生産の特大サイズ!」
キース 「…なんだか嫌な感じだな?」
シロエ 「この間のよりヤバイんでしょうか?」
まさか、と青ざめる御一同様。
特大サイズも大概でしたが、特注となるとアレを上回る代物が…?
2014/04/26 (Sat)
☆出来たての特注品
夫婦和合を食べて応援、特大サイズの木の根まんじゅう。
本場のお店に買いに出掛けたソルジャー、特注品をゲットしたらしく。
Aブルー「受注生産の特注品だよ、もう御利益が楽しみで!」
A船長 「いいものが手に入りましたよね」
ブルー 「披露はしてくれなくていいから!」
Aブルー「ダメダメ、お披露目しないと御利益も無いし!」
披露してこその特注品だ、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「お店で特大サイズを見てたら、特注品もあります、とね」
ブルー 「…言われたわけ?」
Aブルー「そうなんだよねえ、分かるのかな?」
店番のお婆さんに声をかけられたそうでございます。
Aブルー「凄い御利益で、夫婦和合にバッチリ効くって言われてさ」
ブルー 「…それで?」
Aブルー「もちろん、その場でガッツリ注文!」
A船長 「今日に合わせて注文しまして、出来たてです」
ブルー 「まさか二人で取りに行ったとか?」
Aブルー「決まってるじゃないか、ハーレイを自慢したいしね」
A船長 「お店の皆さんも前途を祝福して下さいまして…」
Aブルー「食べて応援してくれてたよね、特注品の付属サービス!」
特注品と同じ材料で作った小型の木の根まんじゅう。
お店の人たちがその場で食べて夫婦和合を応援だとかで。
Aブルー「お店の人まで応援してくれたんだしねえ?」
A船長 「皆さんもよろしくお願いします」
ブルー 「わ、分かった! 分かったから!」
Aブルー「分かってくれた? それじゃ早速、披露しようか」
A船長 「そうですね!」
Aブルー「ちょっと待ってよ…。はい、お待たせー!」
パッと出ました、前に見たよりも大きな箱。
しかし包装紙は間違いなく木の根まんじゅうのもので。
キース 「…で、でかくないか?」
ジョミー「特注品って、特大よりも…」
Aブルー「ビッグサイズに決まってるだろう!」
ジャジャーン! と包装紙を剥がすソルジャー。
見るも恐ろしいイヤンな形の巨大まんじゅう、ドドーンと登場?
2014/04/27 (Sun)
☆感動の特注品
イヤンな形の木の根まんじゅう、よりにもよって特注品。
特大サイズを上回るビッグサイズの箱を取り出し、笑顔のソルジャー。
Aブルー「凄く大きな箱だろう? これぞ幻の特大サイズ!」
一同 「「「幻?」」」
Aブルー「形があまりに露骨なんでね、姿を消したらしくてさ」
ブルー 「消えて当然だよ!」
あんな形のお菓子なんて、と生徒会長、ギャーギャーと。
ブルー 「それを復活させて来たわけ!?」
Aブルー「たまに注文が入るらしいよ、そういう人には食べて応援!」
A船長 「お店の皆さんの応援が実に有難かったです」
ブルー 「はいはい、分かった」
特注品の木の根まんじゅう、お買い上げの人を食べて応援。
お店の人の熱意溢れるサービスつきで、ソルジャーは御機嫌上々で。
Aブルー「お店の人が食べてくれたのは同じ材料の小型だけど…」
A船長 「小さいと言っても普通サイズです」
Aブルー「君たちも見ただろ、お土産サイズの木の根まんじゅう!」
キース 「…あれが小型か…」
シロエ 「特注品のサイズは考えたくないですね…」
Aブルー「超特大だよ、だけど是非とも完食してよね!」
食べて応援なんだから、と箱をズズイと押し出しまして。
Aブルー「しかも大きいだけではないわけ!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ぼくもハーレイも完成品を見て大感動!」
A船長 「もう見るからに効きそうでして…」
ハーレイ「松茸形だと伺いましたが?」
ブルー 「余計なことは言わなくていいから!」
ハーレイ「し、しかし…」
夫婦和合と聞いてしまうと、と頬を赤らめる教頭先生。
ハーレイ「やはり後学のためにだな…」
Aブルー「だよねえ、ブルーとの結婚式には絶対、オススメ!」
ブルー 「要らないから!」
Aブルー「遠慮しないで、しっかり拝んで!」
A船長 「拝むだけでも御利益パワーが漲りそうです!」
せーの、と箱の蓋に手を掛けるバカップル。
箱を開けるのも夫婦仲良く、どんな中身が出て来るのやら…。
2014/04/28 (Mon)
☆露骨すぎるブツ
拝むだけでも御利益パワーが漲りそうな、木の根まんじゅうの特注品。
どんな代物か一同ガクブル、ソルジャー夫妻が箱の蓋を二人一緒に。
Aブルー「はい、こんなの~!」
A船長 「この素晴らしさをご覧下さい!」
蓋がパカッと開いて、中から超特大の木の根まんじゅう、御登場。
あまつさえデカイだけではなくて。
Aブルー「見てよ、この色! 効きそうだろう?」
A船長 「もう本当に男の自信が漲ってくると言いますか…」
ハーレイ「は、はあ…。確かにそういう色ですねえ…」
Aブルー「本物の金箔を貼ったんだってさ!」
一同 「「「…き、金箔…」」」
燦然と輝く木の根まんじゅう、黄金の色でございます。
イヤンな形で金色とくれば、男性のアレを連想するしかないわけで。
Aブルー「幻になるのも当然だよねえ、この露骨さ!」
A船長 「直接的な表現の凄さに感動しました!」
是非とも御利益を頂かなければ、と笑顔のキャプテン。
A船長 「食べて応援、よろしくお願いいたします!」
Aブルー「夫婦和合は大切だしね? もちろんパワーをくれるよね?」
キース 「…こ、この前のよりデカイんだが…!」
Aブルー「面子は一人増えてるじゃないか、大丈夫だよ!」
それにぼくたちも多めに食べるし、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「金色のパワーをバッチリ身体に取り込まないと!」
A船長 「これでビンビンのガンガンだそうです、そう聞きました」
ブルー 「誰が言ったのさ!」
Aブルー「売ってたお店のお婆さんだよ、ねえ、ハーレイ?」
A船長 「金箔は神社で御祈祷済みだと仰いまして…」
Aブルー「御神体の松の根っこみたいに疲れ知らずで臨戦態勢!」
目指せヌカロク標準装備! と叫ぶソルジャー。
Aブルー「というわけでね、切り分けるから!」
A船長 「愛の共同作業を再びですね!」
タンタカターン♪ と、歌いながらの入刀式が始まりまして。
切り分けられてゆく木の根まんじゅう、もはや食べるしかなさそうな?
2014/04/29 (Tue)
☆パワーをよろしく
イヤンな形の木の根まんじゅう、ビッグサイズな上に金箔仕上げ。
あまりに露骨な代物ですけど、ソルジャー夫妻は満面の笑みで入刀式。
Aブルー「タンタカターン♪ …っと!」
ハーレイ「羨ましい…」
ブルー 「なんだって!?」
ハーレイ「い、いや…! け、結婚式にはあの曲だな、と…」
A船長 「もちろんです! 愛の共同作業に欠かせません」
さあどうぞ、と切り分けられた超特大の木の根まんじゅう。
しかし…。
ブルー 「なんだか妙な切り方だねえ?」
Aブルー「御利益パワーが特に漲るのが先っぽらしくて」
A船長 「お店のお婆さんが、この部分は食べておくべきだと…」
ブルー 「誰が食べるのさ?」
Aブルー「引き出物なら貰った人だけど、ぼくも食べると言ったしね」
A船長 「そういう場合は新郎新婦が率先して此処を」
いわゆる松茸の傘の部分が御利益絶大らしいのですが。
ブルー 「だったら、そこは二等分だろ!」
キース 「前のも二人で食べてただろうが!」
Aブルー「それはそうだけど、そっくりさんに食べて貰えば!」
A船長 「食べて応援のパワーが一層強くなるかと!」
是非よろしく、と指差す先っぽ、四等分に切られております。
Aブルー「はい、一つは君に…ね」
ブルー 「要らないし!」
Aブルー「ダメダメ、こっちのハーレイも一つ食べるんだよ」
ハーレイ「私もですか?」
A船長 「御利益パワーで男の自信が漲りますよ」
Aブルー「いつかブルーと結婚する日に備えて、是非!」
ハーレイ「ああ、なるほど…。男の自信も兼ねていますか!」
では、と教頭先生、パックリもぐもぐ。
ハーレイ「ほほう…。なかなかの味わいですね」
A船長 「ありがとうございます! 私も漲って来ましたよ」
Aブルー「さあさあ、みんなも食べて、食べて!」
A船長 「漲るパワーを是非ともよろしく!」
どうぞどうぞ、とシャン学メンバーにもイヤンなお菓子が。
なんとも悲惨なお花見ですけど、ヤバくなる前に中継終了~。
2014/04/30 (Wed)