☆要らない六月
さて、六月。そろそろ梅雨の走りかという頃合いですが。
シャン学メンバーが浮かない顔で眺める先には、今月分のカレンダー。
シロエ 「…いよいよですね…」
キース 「来てしまったな…」
ブルー 「六月は無くてもいいんだけどねえ…」
サム 「どうせ祝日だって一つもねえしな」
無くたって別に困りはしない、と意見が一致。
ジョミー「六月ってさあ…。何かいいことあったっけ?」
マツカ 「ジューンブライドはこの国の気候には向きませんしね」
スウェナ「思いっ切り梅雨っていうだけなのよね、六月って」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 六月はホタルさんが飛ぶよ!」
去年はみんなでホタル狩りだよ、と言われてみればそのとおり。
しかし…。
キース 「あのホタル狩りも大概だったような気がするぞ」
シロエ 「オスのホタルを探していた人がいましたね」
ブルー 「レアものだから、と頑張ってたねえ…」
ホタルイカとホタルを勘違いして、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「あの根性を他に向けてくれればマシなのに…」
シロエ 「言うだけ無駄だと思いますけど」
キース 「実に無駄だな、俺たちはババを引きまくりだ」
ジョミー「だけど今度は特に効き目は無いんだよね?」
ブルー 「無い筈だけどね?」
見た目だけだ、と生徒会長が眺めるカレンダー。
今月の分にデカデカと書かれた文字はスッポンタケ。
ブルー 「でもねえ…。本当にスッポンタケと言うのは…」
キース 「分かっている。見た目の酷さは松茸以上のキノコだな?」
あえて調べてはいないんだが、という言葉に頷く御一同様。
外見の猥褻さゆえに学名までが猥褻なキノコ、それがスッポンタケ。
キース 「それをあの馬鹿野郎が探しに来るのか…」
ブルー 「ぼくたちにも一緒に探せと言いにね…」
シロエ 「カレンダーに書かれちゃいましたしね…」
だから六月なんか来なくて良かったんです、とシロエ君。
けれど来てしまった恐怖の六月、シャン学メンバーの運命や如何に?
2014/06/01 (Sun)
☆偽物でいこう
六月なんて来なくて良かったとか、無くていいとかいう意見。
嘆きまくりのシャン学メンバー、今月のミッションはスッポンタケで。
サム 「キヌガサタケなら良かったのによ…」
ジョミー「あれだってスッポンタケなんだよね?」
キース 「らしいな、属名から先が違うようだが」
シロエ 「それでもスッポンタケの仲間ですよね?」
キヌガサタケで手を打ちましょう、とシロエ君。
シロエ 「まるで無縁のキノコってわけじゃないですし!」
スウェナ「それもいいわね、スッポンタケには違いないものね」
マツカ 「キヌガサタケなら、ぼくの家の竹藪にも生えますよ」
サム 「いいじゃねえかよ!」
それにしとこうぜ、とサム君も乗り気でございます。
サム 「要はスッポンタケを探せって話なんだしよ」
キース 「探しておいた、と先手を打って差し出せばいいか…」
ジョミー「そうだ、料理もしておけば?」
シロエ 「いいですね! 料理してしまえば何が何だか」
キース 「…分からない…かもな?」
それだ、とキース君がグッと親指を。
キース 「探して料理もしておいたんだ、と恩を売るとするか」
シロエ 「ある意味、一石二鳥ですね」
スッポンタケ探しを避けられる上に恩も売れます、という素敵な見解。
シロエ 「そうと決まればマツカ先輩の家の竹藪ですよ」
マツカ 「けっこう出ますよ、雨上がりの日が狙い目なんです」
キース 「サクサク採って料理だな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 中華料理でいいよね!」
キース 「食えれば何でもかまわんが…」
ジョミー「美味しい方が喜ばれるよ、きっと」
サム 「うんうん、思い切り恩を売ろうぜ!」
スッポンタケには違いないんだ、と開き直りのシャン学メンバー。
シロエ 「でもって、先手必勝ですよね」
キース 「あいつが来る前に片付けないとな」
ジョミー「雨上がりが狙い目で休みの日かな?」
天気予報はどんな感じだ、と皆で調べておりますが。
産地偽装どころかモノが偽物?
2014/06/02 (Mon)
☆雨上がりを狙え
ソルジャーと一緒にスッポンタケを探すのが今月のミッション。
それを避けたいシャン学メンバー、偽物を差し出すことで意見が一致。
キース 「マツカ、キヌガサタケは雨上がりの日に出るんだな?」
マツカ 「普通の日でも出ますけど…。雨上がりの日が多めです」
キース 「よし! 確実にゲットするなら其処だ」
雨上がりっぽくて休みの日だ、と決意も新たに。
キース 「しかしだ、週間予報だと今週末は…」
シロエ 「晴れそうですねえ、生憎と…」
サム 「早めにゲットしておかねえとよ、手遅れになるぜ?」
ジョミー「だよねえ、スッポンタケ狩りに来られたらアウト」
その前に何とか手を打つべし、と思いはしても。
キース 「くっそお…。気圧配置からしても今週末は駄目か」
シロエ 「思いっ切り快晴で晴れマークですよ」
スウェナ「人工的に雨を降らせるのはどうかしら?」
キース 「人工降雨か!?」
アレをやるのか、とキース君といえども唖然呆然。
キース 「素人に出来る技ではないぞ」
ジョミー「ほら、サイオンでパパッとやるとか!」
サム 「それなら出来るかもしれねえな!」
スウェナ「そこまでしなくても出来るわよ」
水道か井戸とホースがあれば、とスウェナちゃん。
スウェナ「要は竹藪に雨が降ったらいいんでしょ?」
ジョミー「あー、水撒き!」
キース 「なるほどな…。人海戦術で打ち水か」
まるで無駄ということもあるまい、と一同、納得。
キース 「マツカ、竹藪の辺りに水はあるのか?」
マツカ 「水道も井戸もありますけれど」
シロエ 「やりましょう!」
週末に向けて水撒きです、とシロエ君がブチ上げまして。
シロエ 「雨上がり並みの水撒きだったらバケツでしょうか?」
サム 「別にホースでいいんでねえの?」
キース 「そうだな、ホースの方が楽だな」
シロエ 「週末を目指すってことは金曜ですよね!」
金曜はサボッて水を撒くべし。
マツカ君の家の竹藪でホースで人工降雨ですよ!
2014/06/03 (Tue)
☆料理で誤魔化せ
雨上がりの日が狙い目だというキヌガサタケ。
それをスッポンタケと偽り、料理してソルジャーに渡せばいいかも…。
シロエ 「金曜日の朝から水撒きしたなら、バッチリですよ!」
キース 「念のために木曜日から撒くのはどうだ?」
一日だけでは無理かもしれん、とキース君。
キース 「キヌガサタケが一日にどれだけ伸びるか知らんが…」
ジョミー「ああ、そっか…。二日がかりかもしれないね」
マツカ 「ぼくもその辺はよく知らないんです」
雨上がりに沢山あるのを見ているだけで、とマツカ君の貴重な証言。
キース 「万全を期すなら木曜日から水撒きしておくべきだな」
シロエ 「そうですね…。二日間も撒けば多分、確実に」
サム 「出るんじゃねえの? キノコは成長早そうだしよ」
ジョミー「金曜に出たらサッサと料理すればいいんだしね?」
キース 「そうだな、早ければ早いほどいいからな」
あいつが出る前にゲットするのだ、と拳をググッと。
キース 「金曜だろうが土曜だろうが、とにかくゲットだ」
シロエ 「でもって手早く料理を済ませて誤魔化すんですね!」
キース 「原形を留めないようにするための料理だからな」
サム 「みじん切りとか、そっち系だよな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 佃煮とかにもなるかもね!」
中華もいいけど佃煮もいいね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「キヌガサタケのお料理、調べておくね♪」
シロエ 「オリジナルでもいいかもですよ」
キース 「いいな、オリジナル料理で更に恩を売るか?」
サム 「あー! パワーアップ系の料理もいいよな!」
ジョミー「…でもさ、それってヤバくない?」
パワーアップされたらどうするのだ、と言われてみれば…。
キース 「そうか、あいつはイワシの頭も信心というか…」
シロエ 「形だけで御利益ってことでスッポンタケに走ったような」
ブルー 「それで合ってる」
パワーアップ系の料理はダメだ、と生徒会長。
佃煮くらいで丁度ですかね?
2014/06/04 (Wed)
☆水撒きでいこう
マツカ君の家の竹藪に出掛けて、木曜と金曜はせっせと水撒き。
そうしてキヌガサタケをゲットし、スッポンタケだと偽る予定ですが。
ブルー 「料理して誤魔化すという案はいいんだけどね」
キース 「パワーアップ系のオリジナル料理は災いを呼ぶか…」
ブルー 「まず間違いなく地獄行きだね」
パワーアップしたソルジャーに巻き込まれるのだ、と恐ろしい台詞。
ブルー 「一度食べれば二度、三度って勢いだよ、きっと」
シロエ 「二度、三度ですか!?」
ブルー 「そして二度目ともなれば誤魔化せないしね」
キース 「間違いなく同行しやがるからな…」
ジョミー「キヌガサタケで済ますわけにはいかないよね…」
ブルー 「本家を探しに行く羽目になるよ」
一同 「「「うわー…」」」
それだけは嫌だ、と一同、真っ青。
なにしろ本物のスッポンタケは見かけからして猥褻なキノコ。
キース 「そういうブツに会わないためにも水撒きを、だな…」
シロエ 「頑張らなくてはいけませんね」
マツカ 「じゃあ、木曜から水撒きですね」
ホースとかを用意しておきますよ、とマツカ君。
マツカ 「二日間も水撒きしたなら確実に出ます」
サム 「よっしゃあ! キヌガサタケをゲットだよな!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ レシピも調べておくね!」
キース 「料理さえすれば勝ちだしな」
シロエ 「ええ。スッポンタケの件は解決ですよ」
とにかく料理して差し出すべし、と偽装計画進行中。
シロエ 「焼いても炒めても形さえバレなきゃ完璧です!」
サム 「うんうん、でもって美味けりゃいいって!」
キース 「キヌガサタケなら食って応援だのと言われても、だ」
ジョミー「ぼくたちも平気で食べられるしね!」
キヌガサタケなら通常の中華料理の食材。
シャン学メンバー、食べる気満々ですけども。
ぶるぅ 「えとえと、形が分からなくって…」
??? 「却下!」
却下、と生徒会長お得意の台詞。
しかしその声、別の方から聞こえたような…?
2014/06/05 (Thu)
☆見たくない現実
キヌガサタケをスッポンタケに偽装し、ソルジャーに料理を渡す計画。
形が分からないよう調理すべし、と相談の真っ最中なのに。
ぶるぅ 「えとえと…。却下?」
ブルー 「ぼくは却下と言っていないよ」
キース 「俺も言ってはいないんだが…」
じゃあ誰が、と顔を見合わせるシャン学メンバー。
シロエ 「確かに却下と聞こえましたよ」
サム 「俺も聞いたぜ、空耳じゃねえよ」
マツカ 「ぼくも却下と聞いたんですが…」
スウェナ「聞こえたわよね?」
ジョミー「うん、ぼくも聞いた」
確かに聞いた、と口々に言いつつ、しかし後ろを振り向きはせずに。
キース 「つまりだ、ぶるぅ。誰も却下はしていない」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 形が分からないようにお料理だね!」
??? 「だから、却下と!」
いい加減に現実というものを見ろ、とテーブルの上に足がドカンと。
嫌と言うほど見慣れたソルジャー(会話表記はAブルー)のブーツ。
ブルー 「やめたまえ! 土足厳禁! それにマナー違反!」
Aブルー「どっちがマナー違反なんだか!」
よくも綺麗に無視してくれて、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「さっきから却下と言っているのに、聞きもしないし!」
ブルー 「そもそも君なんか呼んでないから! それに、足!」
Aブルー「緊急事態と見たから来たけど?」
このバカどもが、とテーブルをブーツの踵でゴリゴリ。
Aブルー「スッポンタケは形が貴重! 形が大切!」
ブルー 「その足、床に下ろしたまえ!」
Aブルー「スッポンタケの形を残した料理にするなら下ろす!」
一同 「「「ええっ!?」」」
Aブルー「よくも大切なスッポンタケを…」
形が分からないように料理するなど論外だ、とゴリゴリゴリ。
Aブルー「それで、返事は?」
一同 「「「は、はいっ!!!」」」
Aブルー「よし!」
よく出来ました、とブーツは床へと下りましたけども。
勢いだけで「はい」と答えてしまったシャン学メンバーの運命は?
2014/06/06 (Fri)
☆聞いていない人
スッポンタケの偽装計画。キヌガサタケを形を残さず調理しての偽装。
ところが相談中にソルジャー登場、テーブルに足まで乗せて脅して。
Aブルー「いいかい? スッポンタケの形は残す!」
一同 「「「はいっ!」」」
逆らったら絶対に後が無いのがソルジャーなるもの。
勢いどころか脊髄反射で「はい」を連発のシャン学メンバー。
Aブルー「いい返事だねえ…。それでスッポンタケ狩りはいつ?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「料理法の相談をしてたってことは決まったんだろ?」
日取りの方も、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「ぼくも是非とも参加したいし、日を教えてよ」
一同 「「「………」」」
もしや、と青ざめる御一同様。
ソルジャー、話を途中からしか、いえ、最後しか聞いていないのかも。
Aブルー「ハーレイも来ると言っていたしね、いつなのかな?」
ブルー 「君のハーレイまで誘ったのかい!?」
Aブルー「そりゃねえ、形が御利益たっぷりそうだし…」
おまけに地面から生えるのだし、と言うソルジャー。
Aブルー「大地のパワーも宿っていそうで、生えてるのを是非!」
ブルー 「採集したいと?」
Aブルー「採るのもそうだし、拝むのも大事!」
まずはスッポンタケに敬意を表して観察だそうでございます。
Aブルー「ハーレイと二人でじっくり眺めて!」
ブルー 「…それで?」
Aブルー「なにしろ恥知らずなキノコだそうだし、あやかりたいと」
一同 「「「え?」」」
Aブルー「ぼくのハーレイは見られていると意気消沈なヘタレ!」
そこの辺りを是非治したい、とソルジャーは真顔。
Aブルー「猥褻な姿を晒して生える恥知らずっぷりを是非!」
ブルー 「ただのキノコだから! 形だけだから!」
Aブルー「効けばいいんだよ、結果的に効きさえすれば御利益!」
スッポンタケは形が大切、猥褻な姿が更に大切との主張ですけど。
キヌガサタケを偽装どころか、スッポンタケ狩りに行かされるのでは?
2014/06/07 (Sat)
☆食べられる御神体
マツカ君の家の竹藪でキヌガサタケを採り、スッポンタケと偽る計画。
最後の部分だけを聞いたらしいソルジャーに踏み込まれまして。
Aブルー「世界的にヤバイと評判の猥褻さを是非、拝まないとね」
ブルー 「拝んだって御利益は無いんだよ!」
御神体じゃないんだから、と生徒会長、必死の反撃。
ブルー 「御利益だったら神社に行って拝んできたまえ!」
Aブルー「木の根神社ならもう行った!」
あれも素晴らしかったんだよねえ、と語るソルジャー。
Aブルー「自然の造形でああなるなんてさ、松の木の根なのに」
ブルー 「だからこその神社で御神体だよ!」
Aブルー「スッポンタケだって同じ理屈だと思うけど?」
自然の産物、とソルジャーは真顔。
Aブルー「地面からニョキッと生えるんだろう? 猥褻なのが」
ブルー 「そ、その点は認めるけれど…」
Aブルー「じゃあ、御利益もきっと凄いよ」
ブルー 「スッポンタケを祭った神社は無いから!」
Aブルー「それは効かないからじゃなくって、キノコだからだよ」
食べられるキノコなのが敗因、と言われましても。
ブルー 「食べて応援なお饅頭とかじゃあるまいし!」
Aブルー「そっち系だよ、効くから食べられちゃうんだよ!」
御神体として祭られる前に食べられるのだ、とソルジャー、主張。
Aブルー「お祭りしちゃったら御利益を一人占めとはいかないし…」
ブルー 「それで見付けた人は食べると?」
Aブルー「そのとおり! 食べて御利益を一人占め!」
ぼくもやりたい、とズズイと前へと。
Aブルー「ハーレイと二人でしっかり眺めて、しっかり食べる!」
ブルー 「それじゃ二人で行けばいいだろ!」
Aブルー「一緒に探してくれると言ったよ、君たちも!」
だからカレンダーに書いてあるのだ、と鋭い指摘。
Aブルー「それで、いつ?」
一同 「「「………」」」
スッポンタケ狩りは確定したも同然ですが。
学名からして猥褻なキノコをソルジャー夫妻と採りにお出掛け?
2014/06/08 (Sun)
☆この日に行きたい
もはやスッポンタケ狩りに行くしか無さそうなシャン学メンバー。
一緒に出掛ける約束だったと主張するソルジャー、日取りをお尋ねで。
Aブルー「探しに出掛ける気だったらしいけど、いつなわけ?」
ブルー 「まだハッキリとは決めてないから!」
Aブルー「じゃあ、料理の方法を先に相談してたんだ?」
キース 「…そういうことだ」
この際、少しでも先延ばしにしたいスッポンタケ狩り。
キヌガサタケの偽装計画は料理のみだ、と誤魔化すことに。
Aブルー「だったら日取りはこれから決める、と」
ブルー 「そうだけど…」
Aブルー「ぼくの希望を言ってもいいかな?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ちょっと気になる日があるものだから」
もう最高の吉日なのだ、と話すソルジャー。
Aブルー「君たちは土日がいいんだよね?」
シロエ 「六月は祝日が無いですからね」
Aブルー「そういう意味でもピッタリの日が!」
しっかり土曜日、との言葉で土曜に死亡フラグが。
キース 「…土曜日か…」
ジョミー「法事で逃げるの、無しだからね!」
サム 「だよなあ、そういうのは俺も感心しねえぜ」
一緒に死のう、とサム君、キース君の肩をガッシリと。
キース 「…わ、分かった、死ねばいいんだな?」
Aブルー「なんで死ぬのさ、スッポンタケには毒は無いだろ」
ブルー 「別の意味で死ぬ目に遭うんだよ!」
Aブルー「分からないねえ、御利益たっぷりのキノコなのにさ」
これだから価値の分からないヤツは…、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「でもまあ、お蔭で見付けたら全部貰えるしね?」
ブルー 「どうしても採りに行きたいわけだね」
Aブルー「決まってるだろう! それで希望の日を言ってもいい?」
ブルー 「…好きにしたまえ」
Aブルー「だったら、6月21日! ガッツリ土曜日!」
此処がいいのだ、と指差された吉日とやらの6月21日ですけれど。
カレンダーに書かれた文字は仏滅の二文字、どの辺が最高の吉日だと?
2014/06/09 (Mon)
☆パワフルな吉日
スッポンタケ狩りに行くならこの日だ、とソルジャー御希望の21日。
最高の吉日らしいのですけど、カレンダーには仏滅の文字が。
キース 「…おい、本当に21日なのか?」
22日の間違いじゃないか、とキース君。
キース 「22日なら大安なんだが…」
サム 「だよなあ、おまけに日曜日だぜ?」
シロエ 「最高の吉日と言うんだったら、22日じゃないですか?」
何か勘違いをしていませんか、とシロエ君も。
シロエ 「日付を一日間違えてるとか、そういう感じで」
Aブルー「それは無い! ちゃんと確認してきたから!」
ブルー 「……誰に?」
Aブルー「こっちのノルディ! 相談するならこっちの世界で!」
でないと吉日を選べないのだ、とソルジャー、ニッコリ。
Aブルー「ぼくの世界とは何かと違うし、吉日だって変わりそうでさ」
キース 「あんたの世界じゃ、仏滅は吉日に含まれるのか?」
Aブルー「仏滅も何も、そういうのが無いし!」
ブルー 「ノルディに騙されていないかい?」
どう訊いたのだ、と生徒会長。
ブルー 「どういう風に吉日の相談を持ち掛けたわけ?」
Aブルー「スッポンタケ狩りに出掛けたいから、って訊いたけど?」
シロエ 「すると天気の関係でしょうか?」
マツカ 「21日は特異日でしたか?」
梅雨の間でも晴れが多いとか…、とマツカ君の意見は一理あるかも。
Aブルー「晴れが多いかどうかはともかく、特別らしいよ?」
一同 「「「特別?」」」
Aブルー「21日は夏至だってノルディが言ってたけども」
一同 「「「あー…」」」
そういえば、と納得の御一同様。
仏滅とも書いてありますが、夏至の二文字も確かにあって。
キース 「…分かった。昼間が一番長い日だから選ばれたんだな」
シロエ 「明るい間は探しまくれということですか…」
Aブルー「それもあるけど、夏至はなんだかパワフルらしくて」
その日を勧められたのだ、との話ですけど。
夏至がパワフルって、どういう意味…?
2014/06/10 (Tue)
☆不思議なお導き
21日が最高の吉日だから、とスッポンタケ狩りを所望のソルジャー。
なんでも夏至で、昼間の時間が長いだけでなくパワフルだとか。
ブルー 「夏至がパワフルってどういう意味だい?」
Aブルー「ノルディにスッポンタケ狩りに行くんだって言ったら…」
そういう意図ならパワフルな日に、と夏至をオススメされたのだとか。
Aブルー「なんかね、ミッドサマーとか言ってたかなあ?」
ブルー 「確かに夏至だね、ミッドサマーは」
Aブルー「そのミッドサマー? 昔から有名なんだってね」
ブルー 「そりゃまあ…。ぼくたちの国では単に夏至だけど」
国によっては夏至祭もある、と生徒会長。
ブルー 「でも、パワフルって…。祭りだからかい?」
Aブルー「祭りの話は聞かなかったよ、パワフルな日としか」
ブルー 「それじゃ、どういう意味でパワフル?」
Aブルー「ズバリ、性欲をかき立てる日!」
一同 「「「性欲!?」」」
有り得ねえ、と驚愕の御一同様。
しかしソルジャー、チッチッと指を左右に振って。
Aブルー「なんか裏付けもあるらしいんだよ、民俗学的な」
ブルー 「…民俗学的?」
Aブルー「ミッドサマーから九ヶ月後に生まれる子供が多数!」
ズバリ男女の出会いの日なのだ、と威張られましても。
ブルー 「いったい何処のデータなわけ?」
Aブルー「それがね、世にも不思議な御縁としか! もうお導き!」
ブルー 「…お導き?」
Aブルー「そう! 国の名前を聞いた時には感動したねえ…」
ブルー 「何処の国なのさ?」
Aブルー「聞いて驚いてよ、節分祭で出会った福の神の国!」
一同 「「「福の神!?」」」
福の神とはもしかして…、と一同、ガクブル。
キース 「…ま、まさかと思うが、その国はだな…」
ジョミー「サンタクロースの国の隣の…」
サム 「ドクツルタケの国のことかよ!?」
Aブルー「ピンポーン♪」
はい、正解! と悦に入ってるソルジャーですが。
福の神ことドクツルタケとは、節分祭の…。
2014/06/11 (Wed)
☆何処までも祟る
スッポンタケ狩りは21日にすべし、とソルジャー希望の夏至ですが。
性欲をかき立てる日だそうで、民俗学的な裏付けもあるとか。
キース 「…ど、ドクツルタケの国のデータか…」
Aブルー「凄いだろ? これが御縁でなければ何だと!」
まさに御利益パワーへの道で、お導きだそうでございます。
Aブルー「いやもう、あの人はまさに福の神だねえ…」
キース 「俺に言わせれば疫病神だが?」
Aブルー「そんな失礼な物言いをしない! 福の神様に失礼だから!」
キース 「どの辺がどう福の神なんだ!」
Aブルー「ちゃんと裏付けまで運んでくれたよ、ミッドサマーの!」
性欲が思い切り高まる日だと証明された、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「この素晴らしい御縁を生かして、スッポンタケ狩り!」
ブルー 「ぼくたちにすれば迷惑なんだよ!」
Aブルー「でもねえ、先月からの約束だから!」
行って貰う、と強気のソルジャー。
Aブルー「いいかい、21日の土曜日だよ? この日が大切!」
ブルー 「理由を聞いたら避けたいんだけど!」
Aブルー「ダメダメ、御縁は大切に! そして御利益最大限!」
実に素晴らしい出会いだった、とソルジャー、ウットリ。
Aブルー「節分祭へ行くバスで会ったというだけなのにねえ…」
シロエ 「ぼくたちには地獄の一丁目でしたよ!」
サム 「なんか次から次へとなあ…。ロクな目に遭っていねえよな」
キース 「まったくだ。例の饅頭もあいつのせいだし」
ジョミー「何から何まで、イングリッドさんのせいなんだよ!」
もう嫌だ、とジョミー君の絶叫。
ジョミー「死の天使って名前をつけたの、正解だったよ!」
キース 「…今から思えばハマり過ぎだったな、あの名前はな…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ イングリッドさん、いい人だったよ!」
Aブルー「ホントにいい人だったよねえ?」
まさに福の神、と喜ぶソルジャーですけれど。
シャン学メンバーにすれば延々と祟る死の天使な上、ドクツルタケ…。
2014/06/12 (Thu)
☆夏至の日が大切
夏至は性欲をかき立てる日だというソルジャーの主張。
裏付けになるデータとやらが、よりにもよって因縁の人の国のもので。
キース 「…ドクツルタケの野郎、いったい何処まで祟るんだ…」
シロエ 「子々孫々までって気がして来ますよ…」
Aブルー「いいねえ、孫子の代までってことは子孫繁栄!」
まさに子宝、性欲をかき立てる日に相応しい、とソルジャーの仰せ。
Aブルー「やっぱりあの人は福の神だよ、間違いなし!」
ブルー 「それは君だけに限定だから!」
Aブルー「ぼくだけじゃないよ、ハーレイもだよ!」
夫婦揃ってお世話になってる、とニコニコニコ。
Aブルー「バスで貰った性技上達のお守りは大活躍だし!」
ブルー 「もういいから!」
Aブルー「次は是非とも、ヘタレを直して更なるパワーを!」
ブルー 「直さなくていいから!」
Aブルー「ダメダメ、スッポンタケの恥知らずっぷりは必要だよ!」
見られていてもガンガンやらねば、と言われましても。
ブルー 「やられる方は迷惑だから!」
Aブルー「別にいいだろ、減るもんじゃなし!」
ブルー 「減るんだよ!」
心神耗弱で病院送りになりそうだ、と生徒会長。
ブルー 「そうでなくても精神的に参っているのに!」
キース 「まったくだ。毎月毎月、次から次へと!」
Aブルー「それが福の神のお導きだよ、ぼくとハーレイへの!」
そして今月はスッポンタケ狩り、と拳をググッと。
Aブルー「いいかい、21日だからね!」
シロエ 「22日にしませんか? 大安ですから」
Aブルー「仏滅なんかより、絶対、夏至! 夏至が大切!」
其処をよろしく、と笑顔で強調。
Aブルー「性欲をかき立てる日にスッポンタケ狩り! それが最高!」
ブルー 「…雨の場合は?」
Aブルー「雨天決行! シールドを張ってでもスッポンタケ狩り!」
この日を逃してなるものか、と決意のソルジャー、雨でもやる気。
雨が降ってもスッポンタケ狩り、いっそカンカン照りの方がマシかも?
2014/06/13 (Fri)
☆抜くのも大切
スッポンタケ狩りは雨天決行、何が何でも夏至の日なのだという主張。
日取りにこだわるソルジャーですけど…。
Aブルー「ああ、そうだ。スッポンタケ狩りの面子だけどさ」
ブルー 「ぼくたちは抜けていいのかい?」
Aブルー「抜けていいわけないだろう!」
抜けるだなんて縁起でもない、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「せっかく吉日を選んでるんだし、縁起も担ぐ!」
一同 「「「縁起?」」」
Aブルー「いいかい、基本は抜かず六発!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ヌカロクだってば、抜かないことが大切なんだよ!」
ブルー 「退場!!」
さっさと出て行け、と生徒会長、怒りの形相。
ブルー 「その先、喋ったらブチ殺すからね!」
Aブルー「うーん…。それじゃ縁起は担いでよ?」
ブルー 「担ぐから!」
ぶるぅ 「えとえと…。スッポンタケって抜かなくていいの?」
シロエ 「抜かないと採れない気がしますが…」
Aブルー「そっちは抜いてもいいんだよ!」
時には抜くのも大切だから、と謎の発言。
Aブルー「抜かずに溜めるとムラムラするとか言うからねえ…」
キース 「何の話だ?」
Aブルー「スッポンタケだよ、いわゆる臨戦態勢の!」
シロエ 「…はあ…。それじゃ採ってもいいんですね?」
Aブルー「採る前にまずは観察だけどね」
恥知らずで猥褻な姿をとくと観察、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「ぼくのハーレイと一緒にしっかりと!」
ブルー 「はいはい、分かった。さっさと帰る!」
Aブルー「帰るけど、その前に面子のことで」
ブルー 「まだ何か?」
Aブルー「戦力は多い方がいいからねえ…。是非もう一人!」
一同 「「「え?」」」
Aブルー「こっちのハーレイ!」
是非とも面子に加えたい、と言われて絶句の御一同様。
キース 「教頭先生を巻き込むのか!?」
サム 「マジかよ、相手はスッポンタケだぜ?」
どうなるんだ、と上を下への大騒ぎですが。
教頭先生も一緒にスッポンタケ狩り?
2014/06/14 (Sat)
☆面子は多めに
逃げられないらしいスッポンタケ狩り、戦力は多い方がいいのだとか。
ソルジャー、教頭先生も面子に加えたいと言い出しまして。
Aブルー「一人でも多い方がいいしさ、ハーレイも是非!」
ブルー 「ぼくは誘いに行かないからね!」
Aブルー「御心配なく。ぼくが誘うから」
ブルー 「どうやって?」
Aブルー「猥褻なキノコを採りに行くんだ、って言うんだけれど」
ブルー 「ちょ、ちょっと…!」
せめてスッポンタケと言ってくれ、と生徒会長。
ブルー 「猥褻なキノコはあんまりだから!」
Aブルー「見ればバレると思うけど?」
ブルー 「そりゃそうだけど…」
Aブルー「だから全然、無問題! それじゃ帰りに誘っておくね!」
またね、とパッと姿が消え失せまして。
ブルー 「…なんでハーレイまでスッポンタケ狩りに…」
ぶるぅ 「えとえと…。スッポンタケって美味しいの?」
ブルー 「美味しいらしいよ、キヌガサタケと同じで高級食材」
一同 「「「えぇっ!?」」」
ブルー 「中華風のスープにして良し、炒めて良し!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お料理、とっても楽しみ!」
レシピを探しておかなくっちゃ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「スッポンタケ、沢山採れるといいね♪」
キース 「…そ、そうだな…」
シロエ 「見付からなかったら二度、三度と動員されますしね…」
サム 「早いトコ見付けて縁を切ろうぜ」
ジョミー「だよねえ、勝負は夏至の日だっけ?」
キース 「まったく嬉しくない理由でな」
ブルー 「ぼくにも想定外だったよ…」
夏至だなんて、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「あんな恐ろしい日だとは知らなかったさ」
キース 「単に昼間が長いだけの日かと思っていたが…」
シロエ 「世界はホントに広いですねえ…」
ブルー 「仕方ない。もう諦めてスッポンタケ狩りに専念しよう」
夏至の日は晴れるように祈るのだ、と覚悟を決めたようですけども。
猥褻だと噂のスッポンタケには会えますかねえ…?
2014/06/15 (Sun)