☆七月になっても
とんでもなかった六月も終わり、いよいよ七月。
しかしスッポンタケ狩りのトラウマ、今も尾を引いているようでして。
ジョミー「…ホントに今月、大丈夫なんだろうね?」
キース 「あくまで希望的観測だからな…」
シロエ 「旬じゃないっていうだけですから」
スウェナ「条件が揃えばマズイのよね?」
マツカ 「キノコですからね…」
気象条件さえ整えば危ないですよ、とマツカ君。
マツカ 「ぼくの家の竹藪のキヌガサタケでもそうですから」
サム 「梅雨じゃなくても生えるのかよ?」
マツカ 「七月前半は梅雨ですし…。その後もたまに」
ジョミー「ちょ、ちょっと…。七月いっぱい危ないわけ!?」
マツカ 「安全だとは言い切れませんね…」
一同 「「「うわー…」」」
今月もレッドゾーンだったか、と誰もがガクブル。
ジョミー「誰さ、今月は大丈夫だって言い出したの!」
ブルー 「君たちが勝手に決め付けたんだろ?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ まだまだシーズンらしいよ!」
スッポンタケは秋まで採れるの、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「今度はきちんとお料理したいな♪」
サム 「あの臭いのをかよ!?」
ぶるぅ 「ブルーが洗えば大丈夫、って!」
ブルー 「味は悪くないらしいんだよ、うん。むしろ美味しいとか」
キース 「しかしだ、あいつらでも逃げた匂いだぞ?」
ブルー 「どうなんだか…」
しっかり拝んで回ってたしね、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「匂いがする度に出掛けてただろう、わざわざ拝みに」
キース 「それはそうだが…」
ブルー 「しかも何本あるかもカウントしてたし!」
次回の下見はバッチリなのだ、とブツブツブツ。
ブルー 「絶対、また来る! スッポンタケ巡りに!」
シロエ 「でも、あれ以降は姿を見ていませんよ?」
ブルー 「忘れたのかい、夏至の日効果を!?」
盛り上がっている間は来るわけがない、と言われましても。
夏至の日効果って、どういう効果でしたっけ?
2014/07/01 (Tue)
☆夏至の日の効果
スッポンタケ狩りに出掛けた翌日以降、姿を見せないソルジャー夫妻。
生徒会長曰く、夏至の日効果で盛り上がっているとかいないとか。
シロエ 「…夏至の日効果って、例の吉日のことですか?」
キース 「有難くない由来があったな、何処の国とは言いたくないが」
ジョミー「祟られまくりの因縁の国だよ…」
サム 「うんうん、ドクツルタケの出身地な」
忘れたいぜ、と呻くサム君。
サム 「なんで延々と祟られるんだよ、節分の話だっていうのによ」
シロエ 「考えたくないですが、御縁ってヤツじゃないですか?」
サム 「あんなのとかよ!?」
シロエ 「まるで無縁ってわけじゃないですよ、マツカ先輩とか」
一同 「「「あー…」」」
ドクツルタケこと、節分祭へ行くバスで出会ったイングリッドさん。
国際宅急便をくれた宛先はマツカ君のお父さんの会社という事実。
キース 「…マツカが身バレしたんだったな」
シロエ 「それさえ無ければ、変な荷物は来ませんでした!」
ジョミー「イヤンなお饅頭とかね…」
サム 「だったら御縁は続くのかよ!?」
シロエ 「後は神様次第としか…」
キース 「……神様か……」
今は忘れたい言葉だな、とキース君が唱える南無阿弥陀仏。
キース 「普通、神様は有難いものだが、スッポンタケがな…」
シロエ 「あれを拝んで回った誰かがいましたからねえ…」
キース 「挙句の果てに引っ込んでやがるようだがな」
シロエ 「いわゆる夏至の日効果ですね…」
南無阿弥陀仏、とシロエ君までが。
シロエ 「来ないっていうことは、やはり効果があったんでしょうか」
ブルー 「鰯の頭も信心から…だしね」
大いに励んでいるのであろう、と生徒会長も南無阿弥陀仏、と。
ブルー 「あんな吉日に拝んで回れば効果大かと」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ セーヨクをかき立てる日だよね!」
セーヨクってなあに? と、無邪気なお子様。
夏至は性欲をかき立てる日との伝承、ソルジャー夫妻に効果大?
2014/07/02 (Wed)
☆神様より仏様
忌まわしき思い出、スッポンタケ狩り。
性欲をかき立てる日だという夏至の日でしたが、効果はあったらしく。
キース 「…拝んだだけで効果があったということは…、だ」
シロエ 「また来ると思っておくべきでしょうね」
ブルー 「夏至の日限定だと言いたい所なんだけど…」
無駄だろうねえ、と生徒会長、超特大の溜息を。
ブルー 「もはや御神体認定だからさ、スッポンタケが神様だよね」
キース 「あんな神様は要らないんだが!」
シロエ 「スッポンタケが神様だったら、仏様に縋りたくなりますよ」
ジョミー「えっ、ホント!? シロエも坊主を目指すんだ?」
一緒にやろう、と大喜びのジョミー君ですが。
シロエ 「拝むだけなら在家の信者で充分ですしね」
ジョミー「えーっ? ぼくは仲間が欲しいんだけど!」
サム 「俺がいるじゃねえかよ、仏の道に精進しようぜ」
ジョミー「お断りだってば!」
ブルー 「じゃあ、神様でいいのかい?」
スッポンタケとかスッポンタケとか…、と生徒会長。
ブルー 「スッポンタケでなくても神様は実に沢山あって」
キース 「あの手のヤツは多いしなあ…」
シロエ 「仏様にはそっち系のは無いんですよね?」
キース 「基本的に無い」
それ専門の仏様というのは無いのだ、とキース君は真面目な顔で。
キース 「だからだ、この際、全員で仏の道に走れば…」
シロエ 「逃れられますか、スッポンタケから!?」
マツカ 「イングリッドさんとの御縁も切れるんでしょうか…」
お中元のシーズンが実は怖くて、とマツカ君。
マツカ 「友好的な企業らしいんですよ、イングリッドさんの会社」
キース 「お中元が来るんじゃないだろうな!?」
マツカ 「…父に訊いたら、会社宛には毎年届くと」
シロエ 「それじゃ、下手をしたらマツカ先輩にも…」
マツカ 「御礼状を出しましたからね、前の荷物に」
一同 「「「うわー…」」」
なんてことを、と叫ぶ御一同様ですが。
御礼状は世間の常識ですよね?
2014/07/03 (Thu)
☆御礼状が大切
スッポンタケを拝んだ御利益か、はたまた夏至の日の効果バツグンか。
あれから来ないソルジャー夫妻ですけど、脅威が別の方向から。
シロエ 「マツカ先輩、なんで御礼状なんか出したんです!」
マツカ 「ぼく宛に頂いた荷物でしたし、お礼は言っておかないと…」
キース 「それは分かるが、何と書いたんだ?」
マツカ 「普通ですけど?」
キース 「いや、どういった文面なのか、と」
マツカ 「けっこうなお品を有難うございました、と」
沢山頂きましたからね、とマツカ君。
イングリッドさんから届いた荷物は確かに中身が盛り沢山で。
キース 「その礼状は何処の言葉だ?」
マツカ 「父に訊いたら、会社の人が訳してくれるということで…」
キース 「普段の言葉で書いたのか!?」
マツカ 「ええ。…いけなかったでしょうか?」
キース 「訳した文面は見たんだろうな?」
マツカ 「見ましたけれども、意味がサッパリ分かりませんし…」
とりあえずサインはしておきました、との話ですけど。
キース 「…かなりヤバイな…」
シロエ 「マズイですね…」
マツカ 「何がです?」
キース 「どう訳されたのかが問題だ。有難うはともかくとして…」
シロエ 「けっこうなお品がどうなったか、ですね」
マツカ 「そのまま訳したと思いますけど?」
キース 「そいつがヤバイと言うんだ、俺は!」
日頃の付き合いとやらで分からないのか、とキース君。
キース 「国民性ってヤツにもよるがだ、他所の国の人は大抵は…」
シロエ 「額面通りに受け取りますよね、お礼とかは」
サム 「どういう意味だよ?」
キース 「素晴らしいものを有難う、と本気で思っている方向で」
シロエ 「見事に曲解するんですよ!」
ジョミー「じゃ、じゃあ、あの国際宅急便の中身のお饅頭とか…」
キース 「妙なグッズも、もれなく感謝と取られただろうな」
一同 「「「えーーーっ!!?」」」
妙なグッズに感謝の心の御礼状。
まさか死を招きはしないでしょうね…?
2014/07/04 (Fri)
☆御礼状と御縁
節分祭へのバスで出会った外国人女性、イングリッドさん。
国際宅急便で色々頂いたから、とマツカ君が御礼状を出したとかで…。
キース 「その調子だと、だ。お中元が怖いと言っていたのは…」
シロエ 「単に御縁が続くってだけのことなんですか?」
マツカ 「…そのつもりでした…」
普通にお中元が来るのだとばかり、とマツカ君。
マツカ 「…もしかして、お中元が届いたとしたら、品物は…」
キース 「ジンジャークッキーであるよう祈っておけ」
マツカ 「祈った方がいいレベルですか!?」
キース 「最悪のケースは覚悟した方がいいと思うぞ」
シロエ 「ぼくもです。ただ、希望的観測としては…」
マツカ 「何かありますか?」
シロエ 「外国在住って所でしょうか」
そうそう簡単に妙なグッズは…、とシロエ君は真面目な顔。
シロエ 「何処の国にもあるんでしょうけど、御利益を考えると…」
ジョミー「この国のでなくちゃいけないよね!」
マツカ 「だったら今度は大丈夫かもしれませんね」
キース 「そこに望みを繋ぐしかないな」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ジンジャークッキー貰えるの?」
マツカ 「どうだか分かりませんけどね」
ぶるぅ 「来るといいなぁ、イングリッドさん、いい人だもん!」
お中元ーっ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は飛び跳ねてますが。
キース 「まさか今月も怯える羽目になるとはな…」
サム 「だよなあ、別方向から来るとは思わなかったぜ」
シロエ 「スッポンタケだけ警戒してればいいと思っていましたよ」
ブルー 「ぼくもイングリッドさんは盲点だったよ」
場合によっては非常にマズイ、と生徒会長、苦い表情。
ブルー 「御礼状を額面通りに受け取られていたら、大惨事ってね」
キース 「やっぱり、あんたもそう思うか?」
ブルー 「うん。…そして信仰が更に深まる」
一同 「「「信仰?」」」
ブルー 「福の神だよ!」
信者が一名、と生徒会長。
イングリッドさんの信者がいましたっけね…。
2014/07/05 (Sat)
☆福の神と信者
ドクツルタケと呼ばれるイングリッドさん、節分祭からの御縁ですが。
バスで会っただけの彼女を福の神と呼ぶ人が約一名。
ブルー 「ぼくたちとしては縁が切れてるつもりだけどねえ…」
キース 「福の神だと言ってやがるな、確かにな…」
シロエ 「もはや信者のレベルではあります」
スッポンタケの時にも福の神だと言ってました、とシロエ君。
シロエ 「夏至の日効果の裏付けデータのある国に住んでるから、と」
サム 「どうするんだよ、夏至の日効果はバッチリなんだぜ?」
ジョミー「お中元なんか届いたりしたら、絶対来るよね」
キース 「来るだろうな」
そして率先して開けやがるのだ、と苦い表情。
キース 「中身がジンジャークッキーならいいが…」
ジョミー「この前みたいなことになったら…」
シロエ 「会長が言う通り、ますます信仰が深まりますね」
ブルー 「現時点ではブルーのために現れたような人だしねえ…」
ぼくたちには最悪の出会いだった、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「バスの中で話しかけられた時に無視すりゃ良かった」
シロエ 「そうですね…」
キース 「だが、無視したら俺たちの方に来たんじゃないか?」
サム 「英語を封印していやがったんだぜ、何も通じねえよ」
スウェナ「そうだったわねえ…」
ウッカリ言葉が通じた辺りが不幸だったか、と思いはしても。
こんなオチになると神ならぬ身の知る由もなくて。
ジョミー「外国からの観光客には親切に、って思うもんねえ」
ブルー 「ぼくもそのつもりで対応したのに…」
ぶるぅ 「でもでも、とってもいい人だったよ?」
マツカ 「悪い人ではないとは思うんですけどね…」
色々と勘違いが重なっただけで、とマツカ君。
マツカ 「それと、ぼくの身元がバレたのが災いしたかと」
キース 「ドクツルタケに悪意はないんだろうが…」
派手にあちこちズレまくりなんだ、とキース君の嘆き。
諸悪の根源、本当はソルジャー夫妻じゃないかと思いますけどねえ?
2014/07/06 (Sun)
☆お子様の主張
ソルジャーが福の神と呼ぶ外国人女性、イングリッドさん。
マツカ君が御礼状を出したばかりに、お中元が届くかもしれない今月。
シロエ 「お中元が届いた時には要注意ですね」
マツカ 「…ぼくの家で処分しておきましょうか?」
キース 「その手があったか!」
サム 「わりィけど頼みたい気分だよな、それ」
ジョミー「イングリッドさんの好意は無にしちゃうけどね…」
シロエ 「この際、背に腹は代えられませんよ!」
マツカ先輩の家で開けて下さい、と言うシロエ君ですが。
スウェナ「普通のお菓子とかだったらどうするの?」
ぶるぅ 「ジンジャークッキー、食べたいよう!」
マツカ 「お菓子だったら持ってくる、というのでどうでしょう?」
ぶるぅ 「お饅頭だって美味しかったよう!」
松茸の形のお饅頭、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は膨れっ面。
ぶるぅ 「みんな文句を言ってばかりだけど、美味しいよ、あれ!」
キース 「確かに美味い饅頭ではある。しかしだな、ぶるぅ」
ぶるぅ 「イングリッドさんのお中元、ぼくが開けたい!」
シロエ 「でもですね、場合によっては大変なことに…」
ぶるぅ 「ブルーたちだって、親切だもん!」
特大のお饅頭を買ってくれたよ、とソルジャー夫妻まで善人扱い。
ぶるぅ 「大きなお饅頭も美味しかったあ!」
サム 「でもよ、あれって俺たちにはよ…」
ぶるぅ 「嫌がる方が変だもん!」
スッポンタケだって嫌がる方が変なのだ、という主張。
ぶるぅ 「美味しいって書いてあったもん、スッポンタケ!」
キース 「中華料理用の食材だったか?」
ぶるぅ 「そうだもん! ちょびっと臭いっていうだけだもん!」
採って来てお料理したいんだもん、と流石はお子様。
トンデモな形については全く認識出来ないようで。
ぶるぅ 「みんなで勝手に決めないでよ!」
キース 「だが…」
ぶるぅ 「おやつ作ってあげないからね!」
御飯も作ってあげないもん、とストライキ宣言。
これは実際、ピンチかも?
2014/07/07 (Mon)
☆ストライキは困る
イングリッドさんに貰った何処かの名物、松茸の形のイヤンなお饅頭。
気に入ったらしい「そるじゃぁ・ぶるぅ」はお中元にも期待大。
ぶるぅ 「お中元、勝手に開けちゃうんならストライキだもんね!」
キース 「ま、待て、ぶるぅ!」
ぶるぅ 「お菓子も御飯も勝手に作ればいいんだよ!」
勝手にやるなら食事もおやつも勝手にどうぞ、と言われましても。
キース 「め、飯はともかく、菓子はだな…!」
ぶるぅ 「買うとか、キースの家から持ってくるとか!」
お供えがあるでしょ、とズバリと指摘。
ぶるぅ 「本堂にお供え沢山あるよね、あれでいいでしょ!」
シロエ 「ご、御本尊様のお下がりですか!?」
キース 「思い切り抹香臭いんだぞ、あれは!」
ぶるぅ 「知らないも~ん!」
ぼくとブルーの分は作るんだもん、とプイとそっぽを。
ぶるぅ 「ぼくにお菓子をくれないんだもん、当然の…えとえと…」
ブルー 「報いだね、其処は」
ぶるぅ 「そう、報い! 当然の報い!」
嫌ならぼくにもお菓子を頂戴、と、お子様、最強。
ぶるぅ 「みんなで勝手に食べちゃわないで!」
キース 「誰も食うとは言っていないが!」
ぶるぅ 「勝手に処分するって言ったぁーっ!」
シロエ 「で、でもですね、それには深い理由ってヤツが…」
ぶるぅ 「そんなの、ぼくには関係ないもん!」
お菓子も好きだしスッポンタケも、と立て板に水。
ぶるぅ 「スッポンタケはお料理したいし、お菓子は食べたい!」
キース 「断った場合はストライキなのか?」
ぶるぅ 「そうだもん!」
一同 「「「うわー…」」」
まさに降ってわいた別口の危機。
兵糧攻めならぬ御飯とおやつのストライキ。
キース 「…ご、御本尊様のお下がりでいいか?」
ジョミー「それくらいなら自前で買うよ!」
シロエ 「夏休み中、ずっとですか?」
一同 「「「…夏休み…」」」
それはマズイ、と気付いた御一同様。
イングリッドさんからお中元が届いても、処分不可能?
2014/07/08 (Tue)
☆ストライキは嫌
おやつも御飯も作らない、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」の凄い宣言。
イングリッドさんからのお中元を開けさせない限り、ストライキとか。
ジョミー「夏休み中、ずっと自前で買うのはキツイよ…」
サム 「小遣いが早々に底を尽くぜ?」
キース 「だろうな、普段の調子でいけばな…」
いつも食べているお菓子や食事。
「そるじゃぁ・ぶるぅ」が作るのであれば、費用は一切不要ですが。
シロエ 「あのレベルのお菓子は買ったら思い切り高いですよ」
キース 「菓子もそうだが、夏休みとなると飯の方がな…」
サム 「基本、ブルーの家で食ってるもんなあ…」
スウェナ「外食も買うのもキツすぎるわよ」
ジョミー「だよねえ、一週間くらいで赤字かな?」
ブルー 「甘いね、三日くらいだね」
ぼくの家の食事を舐めるんじゃない、と生徒会長。
ブルー 「日頃から食材はケチッてないし!」
ぶるぅ 「マザー農場からも色々貰っているんだもん!」
頑張ってね、とニコニコニッコリ。
ぶるぅ 「ぼくに作って欲しいんだったら、お中元!」
シロエ 「でもですね、あれは非常に危険なもので…!」
ぶるぅ 「美味しいお菓子が一杯だったよ、危なくないもん!」
キース 「ぶるぅ、その辺はブルーの意見も聞いてくれ!」
ぶるぅ 「えとえと、ブルー…。イングリッドさんのお中元…」
ブルー 「仕方ないねえ、欲しいんだったら」
キース 「おい!」
あんたも迷惑を蒙ったろうが、とキース君の鋭い指摘。
キース 「そして今回も蒙りそうだが、どうするつもりだ!」
ブルー 「どうするも何も、ぶるぅの御機嫌は取っておかないと」
キース 「あんたの飯とかは作って貰えるらしいじゃないか!」
ブルー 「その他の面で困りたくないからねえ…」
掃除洗濯、他にも色々…、と家事をズラズラ。
ブルー 「ストライキされたくないんだよ、ぼくも」
ぶるぅ 「わぁーい、お中元ーっ!」
貰うんだもん、と言われましても。
お中元はホントに来るんですかねえ?
2014/07/09 (Wed)
☆お中元の季節
「そるじゃぁ・ぶるぅ」のストライキ宣言に負けた皆々様。
おやつに食事に家事の危機とくれば仕方なくって、もはや祈るばかり。
ジョミー「おはよう!」
キース 「七月も無事に此処までは来たが…」
シロエ 「お中元は今がシーズンですよね?」
キース 「ああ。ウチにも檀家さんから色々とな」
サム 「気は抜けねえってことだよなあ…」
スウェナ「そうなるわねえ…」
ところで一人足りないんだけど、とスウェナちゃん。
スウェナ「マツカはまだなの?」
キース 「そういえば遅いな」
ジョミー「遅刻したことないのにねえ?」
これからブルーの家に行くのに、と皆で首を傾げる集合場所のバス停。
サム 「あのバスじゃねえか?」
シロエ 「普段だったら一台早いと思うんですが」
キース 「なんだか嫌な予感がするな…」
同じ系統のバスを一度見たんだ、とキース君が眺めるバスが来る方。
キース 「俺が一番に着いたからな。マツカも来たと思ったんだが」
ジョミー「乗ってなかったんだね?」
キース 「あいつは早めに着くタイプなのに…」
サム 「それって嫌なフラグじゃねえだろうな?」
シロエ 「まさか例のヤツが届いた…とか?」
スウェナ「イングリッドさんのお中元?」
それだけは嫌だ、と顔を見合わせる中、バスが停まりまして。
マツカ 「すみません、一台乗り遅れました」
ジョミー「それはいいけど、その紙袋…」
マツカ 「出がけに父に渡されたんです」
キース 「来たのか!?」
マツカ 「…すみません、届いてしまいました…」
キース 「なんで抹殺しなかった!」
バレずに処分できた筈だ、という指摘。
キース 「何も律儀に提げて来なくてもいいだろう!」
マツカ 「ぼくだってそう考えましたよ」
シロエ 「それじゃ、どうして…」
マツカ 「とりあえず部屋に隠しておこう、と持って行ったら」
キース 「何が起こった!?」
荷物がいきなり喋ったのか、と言いたい気持ちは誰もが同じ。
真相は如何に?
2014/07/10 (Thu)
☆叱られたんです
マツカ君の所に届いてしまった、イングリッドさんからのお中元の品。
処分するべく自分の部屋へと運んだというマツカ君ですが。
マツカ 「バスの時間も迫ってましたし、隠しておこうと」
キース 「そいつは分かる。親父さんの目もあるだろうしな」
マツカ 「ですから、ダミーを持つつもりでした」
似たようなサイズの品物を何か…、と頭の回るマツカ君。
マツカ 「もしかしたらとは思ってましたし、空き箱とかを用意して」
サム 「すげえな、そこまでしてたのかよ!」
マツカ 「途中で捨てて来るんですから、空き箱でないと」
キース 「なるほどな。そこまで準備をしたというのに何故なんだ?」
シロエ 「そうですよ、どうして持って来たんです!」
マツカ 「…不可抗力と言うか、何と言うか…」
持って来る気は全く無くて、とマツカ君は激しく困惑顔で。
マツカ 「似たサイズの箱はコレだな、と出そうとしたら」
キース 「消えていたのか!?」
シロエ 「お掃除の人に捨てられましたか?」
マツカ 「いえ、ぼくの私物を入れている場所には触りませんよ」
空き箱はちゃんと所定の位置に…、という話ですが。
キース 「だったら、どうして本物の箱が!」
マツカ 「…叱られたんです…」
キース 「親父さんにか!?」
マツカ 「そうではなくて…」
父よりもずっと怖かったです、と言われましても。
シロエ 「マツカ先輩のお母さん、優しいんじゃあ…」
ジョミー「執事さんとか?」
マツカ 「多分、若干二名ほどです」
一同 「「「二名?」」」
誰だ、と首を傾げる御一同様。
キース 「心当たりが無いんだが…」
マツカ 「ぼくも思いませんでしたよ! 監視付きだなんて!」
一同 「「「監視?」」」
マツカ 「ダメダメダメ~ッ! という凄い思念波が」
キース 「ま、まさか、そいつは…」
マツカ 「…ええ…」
子供の声と、妙に馴染みのある声でした、という証言。
若干二名の思念の主とは、もしかしなくても…?
2014/07/11 (Fri)
☆処分しないで
イングリッドさんからのお中元の品、処分しようとしていたマツカ君。
ところが若干二名の思念波に「ダメ」と叱られたそうでして。
ジョミー「こ、子供っていうのは、ぶるぅとか?」
マツカ 「それ以外には誰もいないでしょうねえ…」
ぶるぅは二人ほどいるようですが、と深い溜息。
もう一人というのはソルジャーの世界の悪戯小僧で。
マツカ 「もう一人の方のぶるぅだったら終わりですよ」
シロエ 「いろんな意味で終わりでしょうねえ…」
キース 「それで、どっちのぶるぅだったんだ?」
マツカ 「いつもの方だと思いますよ」
ダメの叫びに「ぼくの!」と主張する思念が混じっていたとか。
キース 「ぼくのだと主張するんだったら、ぶるぅだな」
ジョミー「お菓子、欲しがってたもんね…」
シロエ 「ぶるぅはいいとして、もう一人が心配なんですが」
サム 「うんうん、俺もそっちが気になるぜ」
マツカ 「…そ、それが…」
どうしてバレていたのでしょうか、とこの世の終わりのような表情。
マツカ 「あの調子だと、多分…」
キース 「ちょっと待て! やはりそいつは!」
マツカ 「…会長の家に行けば居るんじゃないかと」
ジョミー「それってやっぱり…!」
サム 「もしかしなくても、あいつかよ!?」
誰も名前を口にしようとしない状況。
言霊とやらを恐れているのか、はたまた縁起を担いでいるか。
マツカ 「とにかく、そういう理由で処分は不可能だったんです」
キース 「おまけにあいつが待っているのか!?」
マツカ 「一応、覚悟はして下さった方が…」
一同 「「「うわー…」」」
なんてこったい、と夏の青空を仰ぐ御一同様。
ジョミー「…行きたくなくなってきたんだけれど…」
キース 「俺もそうだが、夏休み中の飯と菓子がな」
シロエ 「イングリッドさんのお中元…」
サム 「渡さなかったらストライキだっけな…」
お中元を楽しみにしている「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
肩を落としてトボトボ行くしか…。
2014/07/12 (Sat)
☆やはり居た人
マツカ君が処分し損なってしまった、イングリッドさんからのお中元。
生徒会長の家で到着を待ち受けている人がいるとかいないとか。
キース 「…いよいよか…」
ジョミー「チャイム、押したくないんだけれど…」
シロエ 「サム先輩が押せばいいんじゃないですか?」
朝のお勤めに通ってる分、慣れてますよね、と振られた役目。
サム 「俺が押すのかよ?」
ジョミー「適任だよ!」
サム 「でもよ、中には多分あいつが…」
押す、押さないで揉めている内に玄関の扉が中からガチャリと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
一同 「「「ひいぃっ!!」」」
ぶるぅ 「ビックリしてないで入って、入って~!」
お中元~! と飛び跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
キース 「やはり一人はぶるぅだったか…」
マツカ 「そうらしいですね、処分しなくて良かったです」
サム 「本当にそう思っているのかよ?」
マツカ 「…いえ…。ぶるぅだけならいいんですけど…」
キース 「覚悟はしているが、俺の覚悟で足りるかどうか…」
ジョミー「キースで足りなきゃ、ぼくは死ねるよ!」
ぶるぅ 「早く、早くぅ~!」
リビングの方から呼ぶ声が。
もはや逃げ道は無いに等しく、重い足を引き摺って入ってゆけば。
ブルー 「やあ、ずいぶんと時間がかかったねえ?」
??? 「待ちくたびれたよ、早くから来て待ってるのにさ」
一同 「「「………」」」
居たか、と固まる御一同様。
いわゆるソルジャー(会話表記はAブルー)がソファに居まして。
Aブルー「福の神からお中元だってね、もう楽しみで楽しみで!」
キース 「なんで分かった!」
Aブルー「ぶるぅが毎日歌っていたしね、お中元の歌」
一同 「「「歌?」」」
Aブルー「そうだけど? なんか替え歌で」
ぶるぅ 「もういくつ寝ると~、お中元~♪ だもん!」
お中元にはお菓子つき、紙を剥がして開けましょう、と替え歌。
早く来い来い、お中元、とは無邪気ですけど…。
2014/07/13 (Sun)
☆最強のタッグ
イングリッドさんのお中元を待っていたという、どこぞのソルジャー。
しっかりどっかりソファに居座り、ニコニコと。
Aブルー「本当にお中元を貰えるなんてね、まさに福の神!」
ぶるぅ 「イングリッドさん、いい人だもんね!」
Aブルー「そうだよね?」
ぶるぅ 「ねーっ!」
若干二名が「いい人」コール。
そしてサクサクと用意して出される各種の飲み物、ついでにお菓子。
ぶるぅ 「届けに来てくれてありがとう! はい、おやつ!」
Aブルー「処分しようとしたマツカの分は要らなくないかい?」
ぶるぅ 「持って来てくれたからサービス、サービス!」
はいどうぞ、とマツカ君の前にもきちんと。
ぶるぅ 「マツカ、お中元、開けてもいい?」
マツカ 「あ、は、はいっ!」
キース 「ま、待て、ぶるぅ!」
ぶるぅ 「捨てろとか処分とか言う人の意見は聞かないも~ん!」
開けさせてくれなきゃストライキ、と最終兵器。
ぶるぅ 「お昼御飯からストするよ?」
一同 「「「うっ…」」」
ぶるぅ 「開けていーい?」
シロエ 「ど、どうぞ存分に開けやがって下さい!」
なにやら敬語が変ですけれども、土下座せんばかりの御一同様。
マツカ君は紙袋の中から包装された箱を取り出しまして。
マツカ 「ご、ご存分に…」
ぶるぅ 「うむっ、一同、大儀であった~!」
何処の上様だ、と突っ込みたくなるこの台詞。
箱を受け取った「そるじゃぁ・ぶるぅ」ですけれど。
ぶるぅ 「わぁーい、お中元ーっ!」
Aブルー「ぶるぅ屋、そちも悪よのう…」
もそっとこっちへ、と悪代官もどきな台詞のソルジャー。
ぶるぅ 「ぼくのだもん!」
Aブルー「沢山入っていそうだし…。きっと、ぼく宛のも!」
ぶるぅ 「そっか…。それで朝から待ってたんだっけね」
Aブルー「そう! だから一緒に開けようよ、うん」
よいではないか、よいではないか、と加速する時代劇もどき。
上様と悪代官とのタッグともなれば、もはや手出しは不可能ですよね?
2014/07/14 (Mon)
☆お中元と手紙
お中元を開けたい「そるじゃぁ・ぶるぅ」と、ソルジャーと。
イングリッドさんはいい人だと主張する若干二名で、いざ開封の儀で。
ぶるぅ 「んとんと…。今度もキッチリ包んであるね」
Aブルー「中身が期待出来そうだねえ?」
ぶるぅ 「お菓子、いっぱい入ってるといいね!」
Aブルー「木の根まんじゅうの夏バージョンとかね!」
一同 (((要らない、要らない、要らない…)))
シャン学メンバー、プルプルプルと首を左右に。
木の根まんじゅうとは、松茸の形のイヤンなお饅頭でございます。
キース 「俺は普通にジンジャークッキーを希望だが?」
Aブルー「ああ、この前も入っていたねえ!」
ぶるぅ 「美味しかったよね、種類も色々!」
入ってるかな~、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は包みを剥がして。
ぶるぅ 「わぁーい、ホントにお中元ーっ!」
キース 「のし付きなのか…」
シロエ 「思い切り本格的ですね…」
マツカ 「父の会社には毎年届くと聞いてますから…」
やり方をご存じなのでしょう、とマツカ君。
箱にキッチリ「お中元」と書かれた熨斗紙がババーン、と。
Aブルー「これは期待するだけの価値があるねえ!」
ぶるぅ 「あれっ、お手紙ついてるよ?」
Aブルー「本当だ! ぼく宛かな?」
ウキウキと伸ばされたソルジャーの手を、生徒会長がピシャリ。
Aブルー「何するのさ!」
ブルー 「マツカ宛に来たお中元だよ? 中身はともかく」
キース 「確かに手紙はマツカ宛だろうな」
マツカ 「どうせ読めないと思うんですが…」
ブルー 「向こうは言葉が通じるつもりでいるからねえ…」
シロエ 「会長、よろしくお願いします!」
読んで下さい、とシロエ君が言い、マツカ君も。
マツカ 「お願いします、ぼくには読めませんから」
ブルー 「了解。ぶるぅ、手紙くらいは読んでもいいよね?」
ぶるぅ 「イングリッドさんのお手紙、教えてー!」
早く、早く! と無邪気なお子様。
お中元に添えられた手紙の文面や如何に?
2014/07/15 (Tue)