☆お中元と御礼状
イングリッドさんからのお中元ですが、のし付きな上に手紙も一緒に。
マツカ君宛の手紙と思われるだけに、生徒会長が開封する運び。
ブルー 「マツカ、開けてもいいんだね?」
マツカ 「はい。御礼状を書く都合もありますから」
シロエ 「もう書かなくてもいいんですよ!」
サム 「放置しとけよ、こういうのは!」
マツカ 「でも…。父が早めに書くようにと」
訳して貰わないと出せませんから、というのは正論ですが。
キース 「定型文で出して貰えないのか?」
マツカ 「今後ともよろしくお願い申し上げます、ですか?」
キース 「…そういえば会社宛に届くんだったか…」
マツカ 「そうです、ですから定型文だと…」
シロエ 「今後もよろしくになるわけですね?」
マツカ 「会社ですから…」
サム 「今後もよろしくはヤバすぎるぜ!」
そうならないように書いてくれ、と縋るような気持ちの御一同様。
マツカ 「頑張ってみます。ただ、御礼状ですし…」
Aブルー「今後もよろしくでかまわないじゃないか!」
福の神との御縁は末永く、と割り込むソルジャー。
Aブルー「本当に素晴らしい人だったから!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ イングリッドさん、いい人だよね!」
ねーっ! と意見が一致する二名様。
頭を抱える一同ですが、此処まで御縁が続いたことは確か。
キース 「…縁が切れるといいんだが…」
サム 「祈るしかねえな…」
ジョミー「それで、手紙は?」
ブルー 「ちょっと待ってよ?」
生徒会長、封筒を開けて折り畳まれた便箋を開き。
ブルー 「うん、普通に時候の挨拶だよ。でもって…」
ぶるぅ 「ねえねえ、お菓子は?」
ブルー 「お気に召して頂けたようなので、って書いてあるね」
ぶるぅ 「ジンジャークッキー、入ってるんだ!」
ブルー 「そうらしい。それと限定商品だそうだ」
一同 「「「限定商品?」」」
ジンジャークッキーの他に限定商品。
名物のお菓子、夏季限定とかいう感じでしょうかね?
2014/07/16 (Wed)
☆夏場のお菓子
お中元の中身はジンジャークッキーと、限定商品だそうでございます。
限定と聞けば期待するのが人情というものでして。
シロエ 「夏ですからゼリーとか、そっち系でしょうか?」
サム 「ドクツルタケの国でも夏はゼリーなのかよ?」
キース 「どうだろうな…」
イングリッドさんに付けた渾名がドクツルタケ。
サンタクロースの国の隣にお住まいで。
ジョミー「水羊羹とかの線は無いよね?」
キース 「外国にあると思うのか、それが」
ジョミー「そっか…。だったら、ゼリーで合ってるのかな?」
シロエ 「寒天ってこともないでしょうしね…」
スウェナ「葛きりもトコロテンも無いわよ、きっと」
ゼリーであろう、と決め付けている御一同様ですが。
ブルー 「…ちょっと待って。寒天も葛きりもトコロテンもあるかも」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「イングリッドさんの国のお菓子じゃないらしい」
シロエ 「でもですね!」
外国には無いお菓子ですよ、ともっともな意見。
シロエ 「この国独自のお菓子なんです、寒天とかは!」
キース 「昨今は外国でも寒天を料理に使うとは聞くが…」
サム 「菓子と料理じゃ全然違うぜ?」
ジョミー「そうだよねえ?」
なんで寒天、とジョミー君。
ジョミー「おまけにトコロテンとか葛きりだなんて無いと思うけど」
ブルー 「…外国ならね」
キース 「もしかして俺たちの国の菓子なのか!?」
気に入りの味で取り寄せているとかなのか、とキース君の叫び。
キース 「ドクツルタケの味覚は確かなんだろうな?」
ブルー 「さあ…? 試食したとは書いていないし」
サム 「投げっぱなしかよ!」
シロエ 「お中元カタログで決めたんでしょうか?」
ブルー 「そうじゃなくって、この国の知り合いが調達したとか」
キース 「お、おい、まさか知り合いとかいうヤツは…」
一同 「「「も、もしかして…」」」
イングリッドさんの知り合いとやら。
そのお知り合いは、もしかしなくても…?
2014/07/17 (Thu)
☆福の神とお使い
イングリッドさんからのお中元の中身の限定商品。
お国のお菓子ではなくて、この国に住む知り合いが調達したとかで…。
キース 「その知り合いはアレか、マツカの親父の会社の社員の…」
シロエ 「マツカ先輩が身バレしたという人ですか!?」
まさか、と青ざめる御一同様。
名前は知らねど、イングリッドさんの知人でバイク乗りの男性がソレ。
サム 「とんでもない荷物を寄越したヤツかよ!?」
ジョミー「お饅頭とか、お守りとか…」
Aブルー「福の神のお使いかい?」
そうなのかい、とソルジャーの赤い瞳がキラキラ。
Aブルー「確かテーマを決めて回ってくれたとかで色々…」
シロエ 「あんなのは二度と要りませんから!」
Aブルー「何を言うかな、福の神だけにお使いもついてるってね!」
神様にはお使いがつくらしいし、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「牛とかウサギとかあるんだってね?」
キース 「まあ、そうだが…」
Aブルー「福の神だと何になるかな、そういうお使い」
シロエ 「さ、さあ…。恵比寿様なら鯛を持っていますが」
キース 「コレというのは思い付かんな」
Aブルー「じゃあ、鯛ってコトにしておこうかな」
お使いの鯛の出番だといいな、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「今回も鯛が奔走してくれたとか?」
ブルー 「…そうだとしたら?」
Aブルー「おめでたいじゃないか!」
まさにメデタイ、と上がる歓声。
Aブルー「鯛じゃアレだし、メデタイ様と呼ばせて貰うよ」
一同 「「「め、メデタイ…」」」
そんな鯛はお呼びじゃない、と一同、愕然。
シロエ 「か、会長…。メデタイが出て来たんですか?」
ブルー 「出て来たと言うか、出掛けたと言うか」
キース 「何処へだ!」
ブルー 「お祭り見物」
一同 「「「祭り?」」」
ブルー 「趣味のバイクでちょっと遠出を」
Aブルー「メデタイ様が!?」
期待できそう、と拳を握るソルジャーですが。
福の神様のお使いとやらがどんな祭りに…?
2014/07/18 (Fri)
☆メデタイ様と祭り
ソルジャー期待のイングリッドさんからのお中元。
限定商品を調達したという人を福の神のお使い認定、メデタイ様とか。
Aブルー「メデタイ様は何のお祭りに出掛けたんだい?」
キース 「あんた、メデタイ様で決定なのか?」
Aブルー「もちろんだよ! もっと早くに気付けば良かった」
前に色々貰った時に、と語るソルジャー。
Aブルー「山ほどのグッズに木の根まんじゅう、素晴らしかったし!」
シロエ 「ぼくたちにとっては迷惑ですから!」
Aブルー「君たちは真価が分かってないんだ、メデタイ様と福の神の」
万年十八歳未満お断りでは仕方ないけど、と深い溜息。
Aブルー「福の神もメデタイ様も、福を運んでくれるんだよ」
キース 「あんた限定の福だろうが!」
Aブルー「ぼくだけじゃないよ、ハーレイもだよ」
夫婦というものは一心同体、と言われなくともバカップル。
Aブルー「夏至の日効果も抜群だったし、今度は何を貰えるのかな?」
キース 「あんたの世界にすっこんでろ!」
Aブルー「SD体制で苦労しているぼくに引っ込めと言うのかい?」
一同 「「「うっ…」」」
ソルジャーの必殺技、SD体制攻撃炸裂。
こうなっては手も足も出ない御一同様、耐えるしかなく。
Aブルー「それで、メデタイ様は何処のお祭りに?」
ブルー 「此処からはかなり離れているねえ、バイクならでは」
Aブルー「ふうん? メデタイ様が出掛けるからには特別なお祭り?」
ブルー 「国際的に有名なお祭りらしい、と書いてあるけど」
一同 「「「国際的?」」」
ブルー 「おまけにこの国有数の奇祭だってさ」
一同 「「「奇祭?」」」
それはまた、と首を傾げる御一同様。
キース 「寺の祭りか、それとも神社か?」
ブルー 「神社らしいよ、鍛冶の神様」
シロエ 「…鍛冶の神様なら普通ですね?」
キース 「特にアヤシイ感じはしないが…」
しかし、と悩むキース君。
メデタイ様が出掛けてゆく辺り、あまり普通じゃなさそうな気も…?
2014/07/19 (Sat)
☆珍しい御利益
福の神ことイングリッドさんのお使いだから、と名付けたメデタイ様。
鍛冶の神様のお祭りに行ったそうですが、国際的にも有名な奇祭。
キース 「奇祭というのが気になるんだが…」
シロエ 「でもですね、特に変だと思わなくても奇祭ですよ?」
キース 「松明を担いで練り歩くだけでも奇祭だったな」
そういうのもアリか、とキース君。
キース 「鍛冶の神様なら火とも無縁ではない筈だしな」
ジョミー「松明なのかな?」
シロエ 「国際的に有名でも不思議じゃありませんね?」
火祭りの類はウケるようですし、という意見。
シロエ 「会長、やっぱり松明ですか?」
ブルー 「練り歩くという点では似たようなモノかな」
キース 「祭りは練り歩くものが多いと思うが…」
サム 「だよなあ、神輿とかを担いで行くしよ」
ブルー 「このお祭りもメインは御神輿らしいんだけど…」
だけど、と言葉を濁す生徒会長。
ブルー 「国際的に有名になった理由は御利益の方で」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「コレに効きます、って謳った神様が珍しいらしい」
キース 「何に効くんだ!?」
ブルー 「…病気だけど?」
キース 「それ自体はよくある話だな。珍しい病気か?」
ブルー 「どうだろう? 有名な病気ではあるけどねえ…」
シロエ 「国際的に有名だとか?」
ブルー 「そういう意味ではメジャーだね、うん」
知らない人は少ないだろう、という話。
シロエ 「それなのに効く神様が珍しいんですか?」
キース 「需要と供給のバランスが悪いということだな」
今どきは何処も争って御利益を増やすものだが…、と流石は副住職。
キース 「こじつける勢いで御利益を拡大するのは珍しくないぞ」
ジョミー「なんか有難くないんだけど…」
キース 「鰯の頭も信心から、と言うだろうが!」
ブルー 「言ったもの勝ちだよ、この世界はね」
神様でも仏様でも同じ、と生徒会長。
そんな御時世に効く神様が珍しかったら、有名なのも当然ですよね!
2014/07/20 (Sun)
☆メデタイ様の慧眼
ソルジャーがメデタイ様と名付けた、イングリッドさんのお知り合い。
お祭り見物に出掛けたようですが、御利益が珍しいとかで。
Aブルー「メデタイ様がどうしてそんな祭りに?」
キース 「確かにな…。バイク乗りだと聞いたが、病気か?」
シロエ 「国際的に有名な病気なんですよねえ?」
ジョミー「でもって、扱ってる神様が少ないんだよね?」
いったい何の病気だろうか、と悩む御一同様。
Aブルー「メデタイ様が病気となったら、ぼくとしてもね…」
キース 「困るんだろうな、あんたはな」
Aブルー「これからも色々と欲しいからねえ、素敵なものを」
ブルー 「そういう心配は全く要らないと思うけど?」
メデタイ様は病気ではない、と生徒会長、スッパリと。
ブルー 「そんな祭りに行ってる段階で充分、健康!」
キース 「そうなのか?」
サム 「病気に効くんじゃねえのかよ?」
ブルー 「正確に言えば予防に効果!」
シロエ 「治すんじゃなくて予防ですか!」
ブルー 「だから国際的に有名なんだよ、そのお祭りが!」
参拝しておけば感染予防に御利益絶大との話。
ジョミー「何の予防に御利益絶大?」
ブルー 「…エイズだけど?」
一同 「「「エイズ!?」」」
それはまた…、とソルジャーに注がれる皆々様の視線。
キース 「なるほど、メデタイ様は見る目があるな」
シロエ 「罹りそうだと思ったんですね、分かります」
Aブルー「なんでぼくが!」
ブルー 「君の世界ではどうだか知らないけどねえ、此処ではねえ…」
キース 「男性同性愛者が罹るケースが多数だからな」
Aブルー「へえ…。それじゃ、ぼくたちの健康を祈ってくれたんだ?」
なんて素晴らしい人だろうか、とソルジャー、ウットリ。
Aブルー「それで参拝のお土産とかが!」
ブルー 「…まあ、そうかな…」
Aブルー「食べると予防に御利益たっぷりなお菓子がギッシリ?」
早く開けろ、と瞳がキラキラ。
エイズ予防に御利益絶大な祭りの参拝土産って…?
2014/07/21 (Mon)
☆拡大する御利益
福の神と呼ばれるイングリッドさんのお使い、メデタイ様。
エイズの予防に御利益絶大なお祭りに出掛けた上に、参拝土産までが。
Aブルー「有難いねえ、健康を祈って下さるだけでも嬉しいのに」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ イングリッドさんのお中元、開けていい?」
ブルー 「…ちょっと待って。一応、心の準備を」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「なにしろ祭りが祭りだから…」
キース 「エイズ予防の祭りだろうが」
単に御利益の問題だけだ、とキース君。
キース 「そこのバカどもが罹らないんなら問題なかろう」
シロエ 「そうですよね?」
心の準備など不要であろう、と結論付けた御一同様ですが。
ブルー 「さっきの話を聞いてなかった? 御利益の話」
ジョミー「エイズ予防だよね?」
ブルー 「その前だよ!」
一同 「「「前?」」」
ブルー 「キースが言ったよ、御利益は拡大してゆくものだと」
キース 「確かに言ったが、それがどうかしたか?」
ブルー 「エイズって病気はいつからあるわけ?」
一同 「「「さあ…?」」」
いつだったろう、と悩んでも学校で習うわけもなく。
シロエ 「ぼくたちが生まれた時にはありましたよね?」
キース 「それは間違いない」
サム 「でもよ、新しい病気だって聞いた気もするぜ」
スウェナ「そうだったかもしれないわねえ…」
新しい方じゃないかしら、とスウェナちゃん。
スウェナ「百年は経ってないわよ、きっと」
ブルー 「甘いね、もっと新しいってね」
キース 「新しかったらマズイのか?」
ブルー 「御利益は拡大するんだよ? 拡大するには元が必要!」
火のない所に煙は立たぬ、と生徒会長、キッパリと。
ブルー 「エイズ予防に効くんです、って神社を作るのは邪道だよね」
キース 「そうなると新興宗教になるな」
ブルー 「だろう? だったら、神社は元からあるんだ」
由緒正しい神社なのだ、と言われましても。
エイズ予防に御利益絶大な神社の何処に問題が…?
2014/07/22 (Tue)
☆御利益とルーツ
福の神ことイングリッドさんのお使い、メデタイ様が出掛けたお祭り。
エイズの予防に御利益絶大な神社のお祭りらしいですけど。
ブルー 「いいかい、由緒正しい神社だってことは古いんだ」
キース 「それは当然、そうなるだろうな」
ブルー 「だけどエイズは新しいんだよ。新規の御利益」
シロエ 「扱ってる所が少ないんですよね?」
ジョミー「需要と供給のバランスだっけ?」
キース 「他の神社が目を付けていないだけだと思うが…」
エイズ除けだからな、とキース君。
キース 「どちらかと言えばコッソリ参拝したいだろうし」
マツカ 「そうですね…」
シロエ 「罹る可能性があるんです、とバレバレですしね」
Aブルー「そんなに恥ずかしい病気なのかい?」
サム 「あまり言いたくねえだろうなあ、普通はよ」
Aブルー「そうなんだ? そんなお祭りにメデタイ様が…」
ぼくたちのために行って下さったのか、とソルジャー、感激。
Aブルー「お土産はお守りとかなのかな?」
ブルー 「多分ね…」
Aブルー「開けてもいい?」
ブルー 「まだ他のみんなの心の準備が出来てない!」
キース 「どういう覚悟が要るんだ、それは」
ブルー 「拡大解釈される前だよ!」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「エイズ除けの間は何だったのか、ってこと!」
新規の御利益を作り出すには基本が必要だそうでございます。
ブルー 「ずっと昔から神社もお祭りもあったんだよ、うん」
キース 「まるで無関係な御利益が増える例も多いが?」
学問の神様が交通安全を扱うとか、と挙げられた例。
キース 「エイズ除けでも問題ないんじゃないか?」
ブルー 「そっち系ならね」
一同 「「「そっち系?」」」
ブルー 「無関係なのを持って来たならただの商魂!」
キース 「まさか、エイズ除けが出て来ても当然なのか?」
Aブルー「なになに、何か素敵な神社?」
男同士のカップルに御利益絶大? と、期待の瞳。
そんな神社がありますかねえ?
2014/07/23 (Wed)
☆無理すぎな御利益
イングリッドさんのお使いなのだ、とソルジャーが決めたメデタイ様。
エイズ除けのお祭りに行ったらしいのですけど、伝統ある神社。
ブルー 「エイズ除けだと主張するだけの根拠がねえ…」
Aブルー「もしかして男同士のカップル限定の縁結びだとか?」
結婚しているぼくたちには意味が無いけれど、と言いつつも。
Aブルー「極楽でも同じ蓮の上を目指すからには縁結びもいいね」
ブルー 「はいはい、ガッチリ手を握り合ってのセットものってね」
Aブルー「何を言うかな、手を繋いだだけじゃ足りないし!」
肝心の部分をガッチリ結合、とグッと拳を握るソルジャー。
Aブルー「スッポンタケの御利益パワーで漲ってるしね」
ブルー 「まだ効いてるわけ!?」
Aブルー「うん、ビンビンのガンガンだよ?」
ぼくのハーレイ、と悪びれもせずに。
Aブルー「それでどういうお祭りなのかな、そのお祭りは?」
ブルー 「…メインは御神輿らしいんだけど…」
キース 「普通だな?」
シロエ 「御神輿はお祭りの基本ですよね」
ブルー 「そうなんだけどね、ただの御神輿じゃないらしい」
一同 「「「は?」」」
ブルー 「元々は商売繁盛で…」
ジョミー「鍛冶の神様なら普通じゃない?」
ブルー 「そこから御利益拡大コースを辿っていてさ」
御他聞にもれず増えたのだ、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「子孫繁栄に夫婦和合と増えまくった末に」
一同 「「「…末に…?」」」
夫婦和合は今や危険を招く言葉という認識。
その上にまだ何かあるのか、と身構える御一同様ですが。
ブルー 「性病除けっていうのが出て来て、そこからエイズ!」
一同 「「「性病除け!?」」」
ブルー 「そう書いてるよ、この手紙には」
キース 「鍛冶の神様が何処からそういう御利益になるんだ!」
ブルー 「だから拡大解釈だってば!」
拡大できるだけの根拠があるのだ、と言われましても。
鍛冶の神様の御利益が性病除けだなんて、無理過ぎませんか?
2014/07/24 (Thu)
☆恥知らずなお祭り
ソルジャーの福の神なイングリッドさんのお使い、メデタイ様。
お祭りに出掛けたまではいいのですけど、鍛冶の神様なのに性病除け。
キース 「拡大解釈にしても無理すぎな御利益だろうと思うが!」
Aブルー「ぼくは効くなら何でもいいよ?」
罹る予定は皆無らしいくせに、心遣いが嬉しいのだとか。
Aブルー「お土産も期待出来そうな感じ!」
ブルー 「…その読みは多分、外れてないかと」
キース 「ただの性病除けだろうが! それとエイズと!」
せいぜいお札だ、と叫ぶキース君ですが。
シロエ 「でもですね…。さっき夫婦和合がどうとかと」
Aブルー「それもあったねえ! ますます期待が高まってくるよ」
ブルー 「…他のみんなは死ぬ気でいた方がいいかもしれない」
サム 「そこまでなのかよ!?」
ジョミー「なんでお祭りのお土産でそうなるわけ?」
ブルー 「…奇祭だから」
キース 「それは聞いたが、何か問題でもありまくりなのか?」
ブルー 「問題どころか…」
生徒会長、フウと超特大の溜息。
ブルー 「スッポンタケの比じゃないお祭り」
一同 「「「ええっ!?」
ブルー 「恥じらいの無い御神輿が練り歩くんだよ」
Aブルー「なんだって!?」
その御神輿とはもしかして…、と乗り出すソルジャー。
Aブルー「スッポンタケみたいな御神輿だとか!?」
ブルー 「…そうらしいんだけど…」
一同 「「「……嘘だ……」」」
ブルー 「だけどキッチリ書いてあるんだ、この手紙に!」
松茸の形の御神輿が沢山出ていたそうです、と書かれているとか。
一同 「「「ま、松茸…」」」
ブルー 「御神輿の中に乗ったり、御神輿の形がそのものだったり」
キース 「それは猥褻すぎるだろう!」
ブルー 「だけどキチンとお祭りなんだよ、露店も沢山出てたって」
Aブルー「素晴らしすぎだよ!」
スッポンタケを上回る恥知らずっぷり、と大感激のソルジャーですが。
そんな恐ろしい祭りのお土産、いったい何だと…?
2014/07/25 (Fri)
☆実在するお祭り
福の神なイングリッドさんのお使い、メデタイ様。
お祭り見物のお土産をくれたらしいのですけど、トンデモな祭りで…。
キース 「…なんで鍛冶の神様でスッポンタケな神輿になるんだ…」
ブルー 「ぼくだって理由はサッパリだよ!」
でも、と生徒会長、ブツブツと。
ブルー 「鍛冶と言ったら金属だしねえ、その辺なのかな?」
Aブルー「なるほど、金だって金属だからね!」
大人の時間に金は大切、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「スッポンタケな御神輿だなんて、御利益ありそう!」
シロエ 「…会長…。本当なんですか、そのお祭りは?」
ブルー 「かなまら祭りで調べるといいです、と書いてあるしね…」
キース 「つまり実在するんだな!?」
Aブルー「かなまら祭り! そこのパソコン、借りてもいい?」
ブルー 「却下!」
猥褻物を検索しないでくれ、と生徒会長、怒りの形相。
ブルー 「いいからサッサとお土産を持って帰りたまえ!」
Aブルー「貰っていいんだ?」
ブルー 「開けなくていいから! もうそのままで!」
ジンジャークッキーだけを置いて行け、という的確な指示。
ブルー 「ぶるぅ、とにかくその箱を開けて」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ジンジャークッキーだよね!」
熨斗紙と包装紙を剥がして箱をパカリと。
ぶるぅ 「わぁーい、こっちがクッキー!」
Aブルー「お菓子の絵だけで分かるよね。ぼくのはこっち、と」
よいしょ、とソルジャー、自分用らしき箱を取り出しまして。
Aブルー「限定商品なんだよね?」
ブルー 「お祭りのお土産らしいしね」
帰ってゆっくり開けたまえ、と優しい微笑み。
ブルー 「君のハーレイと二人で楽しんでくれればいいから」
Aブルー「それはダメだよ、マナーに反する!」
一同 「「「マナー?!」」」
Aブルー「御礼状を書いて貰わなくっちゃいけないからね!」
福の神様とメデタイ様に、と言われましても。
モノを見ないで御礼状は確かに失礼ですけど、中身を見ろと?
2014/07/26 (Sat)
☆開けたらお土産
世にも恐ろしい、スッポンタケのような御神輿が練り歩く祭り。
イングリッドさんのお使いと名高いメデタイ様からの、祭りのお土産。
Aブルー「どんなお土産かを見ないで御礼状は失礼だよ、うん」
ブルー 「…それはそうだけど…」
キース 「どうせロクでもない菓子だ!」
シロエ 「前のお饅頭の親戚ですよ、きっと」
開けなくても想像がつきますから、とシロエ君。
シロエ 「御礼状なんかは定型文で充分なんです!」
キース 「そのせいで御縁が今も続いているようだがな…」
サム 「ドクツルタケとは縁が切れたと思ってたのによ…」
Aブルー「こういう御縁は末永くだよ!」
メデタイ様もいらっしゃるから、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「せっかく買ってきてくれたんだ。見てみないとね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お饅頭だといいね!」
Aブルー「美味しかったし、食べて御利益だったしね!」
今度はどうかな、と箱を包んだ紙をベリベリと。
シャン学メンバー、生きた心地もしないのですが…。
Aブルー「さて、と…。あれ?」
ぶるぅ 「お菓子じゃないの?」
Aブルー「梱包材かな?」
布だ、と引っ張り出したソルジャーですけれど。
Aブルー「これは凄いかも!」
一同 (((さ、最悪…)))
Tシャツにババーンと印刷されたスッポンタケならぬ御神体。
夫婦和合の文字も躍って、如何にもソルジャー好みの品。
Aブルー「もしかして、これも?」
ぶるぅ 「わあ! そっちはハーレイの分だね、きっと!」
見るからに大きなサイズの同じTシャツ。
ソルジャー夫妻がペアルックをするには丁度いいかも。
Aブルー「是非ハーレイと着てみたいねえ!」
キース 「…好きにしてくれ」
Aブルー「うん! スッポンタケ狩りのユニフォームにするよ!」
一同 「「「えぇっ!?」」」
Aブルー「だって。ぼくたちの仲は秘密なんだよ、一応は」
だからこっちでペアルックだ、と言われましても。
夫婦和合なスッポンタケで…?
2014/07/27 (Sun)
☆お土産ペアルック
ソルジャーの福の神、イングリッドさんのお使いとされるメデタイ様。
スッポンタケな御神輿が練り歩く祭りの土産にTシャツを。
Aブルー「これは絶対着なくっちゃ! ハーレイとペアで!」
ブルー 「青の間で着ればいいだろう!」
Aブルー「もちろん着るけど、お日様の下でも着ないとね!」
夫婦の時間だけではもったいない、という仰せ。
Aブルー「まずはペアルックで夫婦の時間をじっくりと!」
ブルー 「そんな時間に着ていたシャツを着て来ると!?」
Aブルー「ちゃんと洗えば問題ないだろ!」
現にそういう服で来てるし、と言われて仰け反る御一同様。
キース 「あ、あんたは何を考えてるんだ!」
Aブルー「普通だけど? ソルジャーの衣装でヤることも多いし」
同じ服が山ほどあるからどれがどれだか…、という話。
Aブルー「大人の時間に使ってた分も着て来た筈だよ」
ブルー 「だからと言って!」
Aブルー「このシャツだって似たようなもの!」
スッポンタケ狩りにはコレを着て…、とソルジャー、ウキウキ。
Aブルー「きっと御利益パワーがググンと!」
一同 「「「………」」」
ソルジャー夫妻がスッポンタケで夫婦和合なペアルック。
なんということをしてくれるのだ、と泣きの涙の一同ですが。
Aブルー「さて、と…。うわあ、お守りも色々揃っているねえ!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 松茸、いっぱいだね!」
Aブルー「でもって、こっちが限定品の御神体饅頭かあ…」
一同 (((要らない、要らない…)))
Aブルー「震えなくっても、これはぼくたち専用だから!」
食べて応援用ではないのだ、と説明書きを読んでいるソルジャー。
Aブルー「食べれば夫婦和合に御利益、夜のお菓子だって!」
ブルー 「はいはい、分かった」
Aブルー「それでこっちは、と…。何だか厳重な梱包だねえ?」
壊れ物の夜のグッズだろうか、と訊かれましても。
ぷちぷちシートにくるまれたブツが何だか、知りたい人がいるとでも?
2014/07/28 (Mon)
☆壊れ物なお土産
スッポンタケな御神輿が練り歩くお祭りのお土産、実に強烈。
もう沢山だと言いたくなる中、ぷちぷちシートにくるまれたブツが…。
Aブルー「何だろう? そこそこ重さはあるんだよ、うん」
ブルー 「こっちに渡してこなくていいから!」
Aブルー「でも、二つあるし…」
キース 「二つならペアのグッズだろう!」
Aブルー「だよねえ、だけど…。ぼくとハーレイとで使えって?」
そういう夜のグッズがあったかなあ? と悩むソルジャー。
Aブルー「ぼくはともかく、ハーレイにグッズを使いはしないし…」
ブルー 「君たちの夜の生活までは知らないよ!」
Aブルー「結婚してからはグッズはあんまり…」
ブルー 「グダグダ言わずに持って帰る!」
Aブルー「御礼状を書いて貰うためには披露しなくちゃ!」
よし、とソルジャー、ぷちぷちシートに手をかけまして。
Aブルー「夜のグッズで理解不能なら解説するから!」
キース 「解説は要らん!」
ブルー 「やったら叩き出すからね!」
Aブルー「でもねえ、御礼状の都合が…。あれっ?」
此処に紙が…、と出て来た栞のようなもの。
Aブルー「なになに、伝統の飴細工…?」
一同 「「「飴細工?」」」
Aブルー「夫婦和合に御利益絶大、御神体の形をしております…?」
一同 「「「えぇっ!?」」」
まさか、と絶句の御一同様。
ソルジャーの方は御神体の形と知ってウキウキと。
Aブルー「飴細工だからキャンディーだよね?」
ブルー 「…ま、まあ、普通は…」
Aブルー「舐めてじっくりお楽しみ下さい、と書いてあるから…」
ぷちぷちシートを剥がすと、今度は普通の包装紙。
飴細工とだけ書かれた紙を開いてみれば。
一同 (((うわー…)))
Aブルー「素晴らしすぎだよ!」
ブルー 「早く片付ける! 猥褻だから!」
Aブルー「こんなキャンディー、初めて見たよ!」
木の根まんじゅうの比じゃないリアリティー、とソルジャー、感激。
こんな飴細工を売ってもいいと?
2014/07/29 (Tue)
☆気配りの飴細工
ソルジャー夫妻の福の神なイングリッドさんのお使い、メデタイ様。
スッポンタケ神輿な祭りのお土産を寄越した中に、トンデモな飴細工。
Aブルー「スッポンタケも凄かったけれど、そのものだね、これ!」
ブルー 「早く片付けてくれたまえ!」
Aブルー「棒つきキャンディーになってるんだよ、ほら!」
ここに割り箸、と得意げに割り箸を握るソルジャー。
飴細工だけにイヤンな形をした物体が割り箸の先にドッシリと…。
Aブルー「これは気分が盛り上がりそうだよ、舐めてるだけで!」
ブルー 「いいから帰る!」
Aブルー「このキャンディーは白いけれども、こっちもかな?」
一同 「「「白?」」」
飴細工だから白で普通、と思った御一同様ですが。
Aブルー「ハーレイ色のキャンディーだったら嬉しいんだけど…」
一同 (((ハーレイ色…?)))
なんだそれは、と訊き返す前にソルジャーが開けたもう一個。
飴細工と書かれた紙を外して…。
Aブルー「やったね、ハーレイ色ってね!」
ブルー 「コーヒー味か何かだから!」
Aブルー「だけどハーレイの色だよ、これは!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キャンディー、茶色と白だね!」
Aブルー「ぼくとハーレイに合わせてくれたらしいね!」
メデタイ様に大感謝、とソルジャーは感激の面持ちで。
Aブルー「ぼくがハーレイ色のを舐めて、ハーレイが白、と!」
ブルー 「もういいから!」
Aブルー「いいねえ、気分はシックスナインってね!」
一同 「「「しっくすないん…?」
Aブルー「ああ、君たちは知らなかったねえ!」
ブルー 「退場!!」
Aブルー「待ってよ、飴細工の下にもまだ箱が…」
これでラスト、と引っ張り出したソルジャーですが。
Aブルー「見てよ、夫婦和合の子宝飴だって!」
ブルー 「開けなくていいっ!」
Aブルー「ダメダメ、全部披露しなくちゃ!」
そして御礼状を書いて貰うのだ、と御機嫌ですけど。
箱の中はギッシリ、イヤンな形の飴細工とか…?
2014/07/30 (Wed)
☆感謝な定型文
福の神と名高いイングリッドさんからのお中元。
メデタイ様が買って来たという恐ろしい形の飴細工の他に、子宝飴も。
Aブルー「こっちはどんな感じかな?」
ブルー 「開けなくても大体、分かるから!」
Aブルー「そう言わずに! 全部見てから御礼状!」
どうぞよろしく、とマツカ君をチラリと見遣って箱を開ければ。
Aブルー「凄いね、全部金色ってね!」
ぶるぅ 「キンキラキンの松茸、いっぱいだね~!」
Aブルー「このリアルさは松茸よりもスッポンタケだよ!」
ぼくのハーレイが漲ってくること間違いなし、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「ぼくとハーレイ色の飴細工に、コレに、Tシャツに…」
マツカ 「け、結構なお品を有難うございました、と書いておきます」
Aブルー「よろしくって書くのも忘れないでよ?」
マツカ 「…は、はい…」
キース 「馬鹿、書くな!」
マツカ 「で、でも、御礼状には定型文というものが…」
ぼくが書かなくても誰かが書きます、と気弱な声。
マツカ 「書き忘れたんだな、と訳す社員が書き添えますよ」
一同 「「「うわー…」」」
Aブルー「福の神とメデタイ様との御縁は末永く、ってね!」
それじゃよろしく~、とお土産を抱えてソルジャー、トンズラ。
自分の世界の青の間に当分、おこもりかと。
サム 「…なんかエライことになっていねえか?」
ジョミー「凄いペアルックが出来ちゃったよ…」
キース 「御礼状だが、あんた、代わりに書けないか!?」
言葉が分かる生徒会長を御指名ですけど。
ブルー 「ぼくの住所がバレるじゃないか!」
マツカ 「父の会社から送る場合は、文章チェックがあるんですよ」
ブルー 「会社同士で失礼がないよう、当然だね」
キース 「つ、つまりだな…」
ブルー 「今回も御礼状は感謝な定型文なんだよ」
一同 「「「ひぃぃっ!!!」」」
もう駄目だ、と泣けど叫べど逃げ道は無し。
どうか御縁が切れますように、と祈りまくっている中、中継終了~。
2014/07/31 (Thu)