☆立派なのが欲しい
スッポンタケにつける戒名、ソルジャーの御注文では院殿号で大居士。
しかも絶倫と男根を織り込めという無茶ぶりで。
Aブルー「人となりはコレでオッケーだろう? 是非、立派なのを!」
キース 「そんなのを俺にどうしろと!」
Aブルー「つけてくれたら位牌だけで我慢しておくよ、うん」
つまらないのを名付けた場合はお仏壇をよろしく、という怖いお言葉。
Aブルー「元老寺がスッポンタケの菩提寺ってことで、お仏壇をね」
キース 「預けるつもりか!」
Aブルー「うん。場合によってはお墓も買わせて貰おうかと」
キース 「そ、それは困る…!」
親父が何と言い出すか、と真っ青なキース君ですが。
Aブルー「情報操作はお手の物ってね。ぼくでも檀家になれるんだよ」
キース 「う、うう……」
ソルジャーなんぞを檀家にしたら、後々までも引き摺りそうで。
しかしピンチの副住職を救える人材は一人しかおらず。
シロエ 「会長、なんとかならないんですか?」
ブルー 「嫌だよ、この流れだと矛先がそれたらぼくの方に!」
Aブルー「銀青様でもかまわないけど…」
ブルー 「断固、断る! ぼくはお寺も持ってないしね」
だから頑張れ、と生徒会長、キース君を励まし、敵前逃亡。
Aブルー「なんか頑張れって言っているけど? 早めにお願い」
キース 「く、くっそお…」
ギリッと唇を噛んだキース君。
キース 「仕方ない…。書くものを寄越せ」
Aブルー「つけてくれるのかい?」
キース 「あんたは絶対、引き下がらんしな!」
渡された紙にサラサラ、倫王院殿法界善根大居士の文字。
キース 「これでいいなら位牌も作るぞ」
Aブルー「本当かい?」
キース 「白木で作って今年限りの使い切りだが、それで良ければ」
Aブルー「ありがとう! これで初盆はバッチリだよね!」
キース 「なら、明日にでも取りに来い」
作っておこう、と開き直りの様相ですが。
スッポンタケの戒名に院殿号で大居士だなんて、大丈夫ですか?
2014/08/16 (Sat)
☆副住職のサービス
ソルジャーの御希望、スッポンタケの戒名に院殿号と大居士。
あまつさえ絶倫と男根を入れろと言われ、倫王院殿法界善根大居士に。
Aブルー「位牌も作ってくれるだなんて嬉しいねえ…」
キース 「あんたが毎年、真面目にお盆をやるとは思えないからな」
一回限りで粗末になってもいい位牌で、とキース君。
キース 「お盆が済んだらゴミに出しても別にかまわん」
Aブルー「本当かい?」
キース 「お供え物専用のゴミステーションがある筈だ」
紙に包んで其処に捨てろ、と真っ当な指示が。
キース 「それなら別に粗末にならんし、問題ないぞ」
Aブルー「分かった、こっちの世界でゴミに出すことにするよ」
それじゃよろしく! とソルジャー、姿を消しましたけれど。
サム 「おいおいマジかよ、マジで位牌を作るのかよ?」
キース 「作る分には書くだけだしな。卒塔婆のついでだ」
サム 「でもよ、あの戒名はヤバイんじゃねえか?」
シロエ 「いくら先輩が副住職でも、勝手に戒名、出せるんですか?」
ああいうのは色々と難しいんじゃあ、とシロエ君の疑問。
シロエ 「院号は値段が高いと聞いていますが…」
ジョミー「思いっ切りタダで出しちゃったよね?」
サム 「院号どころか院殿号だぜ、普通はつかねえ戒名だぜ?」
そんな凄いのをスッポンタケに…、とサム君、オロオロ。
サム 「親父さんにバレたらどうすんだよ!」
キース 「ジョークだと言っておくまでだ」
一同 「「「ジョーク!?」」」
キース 「そもそもアレはパクリだからな」
ブルー 「パクってるねえ、鯨を丸ごと」
一同 「「「鯨?」」」
ブルー 「鯨の戒名をパクッてチョチョイと置き換え」
キース 「そういうことだ。元ネタはな…」
鱗王院殿法界全果大居士なのだ、と来ました、ネタバレ。
サム 「パクったのかよ…」
キース 「注文だからな」
鯨並みのをつけてやったまでだ、ということですが。
パクリといえどもそれっぽいのが副住職の技?
2014/08/17 (Sun)
☆お盆はきちんと
スッポンタケの戒名はコレ、と鯨の戒名をまるっとパクッたキース君。
翌日、生徒会長宅で白木の位牌を大公開。
キース 「どうだ、立派な位牌だろうが」
サム 「これって葬式の時に使うヤツじゃねえのか?」
キース 「その通りだが、こいつ自体は普及品の量産品だ」
仏具屋が扱う代物なのだ、という話。
キース 「ウチも纏めて買ってるんでな、一つ消えても問題はない」
サム 「親父さん、数えてねえのかよ?」
キース 「雑事は俺の管轄なんだ!」
数の管理も仕事の内だ、と数字を書き換えて来たようで。
キース 「あいつを檀家に加えるよりかは、この方がマシだ」
Aブルー「こんにちは!」
位牌は出来た? と噂のソルジャー御登場。
Aブルー「うわあ、けっこう本格的だね」
キース 「本物の位牌を作るまでの間に使うヤツだからな」
Aブルー「それを一回限りの使い切りでいい、と!」
キース 「この際、サービスしておこう。お盆はきちんとやるんだぞ」
Aブルー「もちろんだよ! お供え物をするんだっけね」
キース 「生臭いものは一切禁止だ、精進で頼む」
それから蝋燭とお線香だ、とアドバイス。
キース 「後は南無阿弥陀仏の心で」
Aブルー「プラス棚経でパーフェクトだね!」
キース 「棚経だと?」
Aブルー「うん。位牌さえあればやると言ったよ、お盆の棚経」
だからよろしく、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「スッポンタケの仏様をしっかりおもてなし!」
キース 「ちょっと待て!」
何処へ棚経に行けというのだ、と大慌ての副住職でございますが。
Aブルー「此処でいいんじゃないかな、別に」
ブルー 「なんでぼくの家に!」
Aブルー「何かと出入りしやすいから」
キース 「俺はお盆は忙しいと何度も言っただろうが!」
Aブルー「瞬間移動で運んであげるし、是非とも此処で棚経を!」
一軒に五分もかからないだろ、と必要な時間はバレている様子。
ただでも忙しい棚経の最中に追加でもう一軒ですか?
2014/08/18 (Mon)
☆棚経をお願い
お盆に備えてスッポンタケの位牌をゲットしたソルジャー。
これで用意は出来たとばかりに棚経を希望、生徒会長の家でやるとか。
Aブルー「仏様にはおもてなしって君が言ったよ、だから棚経!」
キース 「なんで俺が!」
Aブルー「ブルーは棚経はしないと言ったし、君だけが頼り!」
初盆だけにしっかりおもてなしを、とソルジャー、グッと拳を。
Aブルー「棚経だけはしてあげたいんだよ、スッポンタケに!」
キース 「俺は忙しいと言っただろうが!」
サム 「そうだぜ、朝も早くから自転車で必死に走ってるしよ」
ジョミー「あれはキツイよ、もう一軒なんて冗談じゃないよ」
キース 「見ろ、こいつらが証人だ!」
こんな猛暑にやってられるか、という話ですが。
Aブルー「ショートカットのサービス付きでも?」
一同 「「「ショートカット?」」」
Aブルー「一軒余計にお願いする分、五分は必要みたいだしねえ…」
キース 「読経に三分、前後の挨拶で合計五分が目安だが」
Aブルー「だから、その分! 移動時間をサービスで!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「分からないかな、瞬間移動で間をサクッとすっ飛ばす!」
移動に五分以上かかりそうな所を瞬間移動、とニコニコニッコリ。
Aブルー「此処へ棚経に来て貰ってさ、次の家まで瞬間移動で!」
キース 「送迎付きということか?」
Aブルー「そうだよ、本来なら自転車で走ってる時間で棚経を!」
キース 「つまりだ、俺は自転車で走る代わりに…」
Aブルー「棚経をやってくれればいいんだよ!」
どう? と瞬間移動の技を持つソルジャーならではの提案。
キース君は首を捻りまして。
キース 「なるほどな…。それなら檀家さんに迷惑はかからんか…」
Aブルー「君も楽だよ、自転車で走らずに済むんだからさ」
キース 「よし、引き受けよう」
Aブルー「そうこなくっちゃね!」
早速始まる打ち合わせ。
今年のお盆は生徒会長の家で棚経、それもスッポンタケの初盆ですか?
2014/08/19 (Tue)
☆棚経はみんなで
スッポンタケのために棚経をすれば、棚経のルートをショートカット。
瞬間移動でサービスする、と言われたキース君、引き受けてしまい。
シロエ 「どうしてお盆に朝っぱらから呼ばれるんです!」
マツカ 「お盆だからじゃないでしょうか…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
今日はみんなで棚経だよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
いわゆる生徒会長宅ですが、集合時間が午前六時で。
シロエ 「始発のバスでも無理だったんですが!」
スウェナ「マツカが車を回してくれなかったら来られなかったわ」
ブルー 「仕方ないだろう、これがブルーの注文だから」
Aブルー「悪いね、ぼくは棚経初心者だしね?」
とりあえずコレは忘れずに持って来たんだ、と白木の位牌が。
Aブルー「キースはコレとお線香だと言ってたっけね」
ブルー 「プラス、蝋燭!」
Aブルー「そう、それそれ! でもって、せっかく初盆だから!」
シロエ 「お供え物でも買ったんですか?」
Aブルー「もちろんだよ! ぶるぅにチラシを貰ってね!」
昨日、買い出しに行って来たのだ、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「お盆にはおもてなしが大切なんだとキースに聞いたし」
ぶるぅ 「えとえと…。みんなで用意をするんだよね?」
Aブルー「なにしろ、ぼくには分からないからねえ…」
シロエ 「ぼくたちに祭壇の準備をしろと言うんですか?」
Aブルー「初心者だからね、指導をお願いしたくって」
シロエ 「会長に頼めばいいでしょう!」
本職ですよ、と指差しましたが。
Aブルー「その本職が、棚経は揃ってお迎えするものだと」
シロエ 「ぼくたちは家族じゃないんですが!」
Aブルー「家族同然のお付き合いだと思うけどねえ?」
ブルー 「とにかく、そう言って聞かないんだよ」
Aブルー「おもてなしセットは買って来たから、並べてくれる?」
スーパーのチラシに載っていたものは揃えて来た、という話。
どうやら初盆、本格的にやらかすつもりのようですねえ?
2014/08/20 (Wed)
☆棚経にテーブル
やって来ました、スッポンタケの初盆とやら。
棚経に備えて招集されたシャン学メンバー、お供え物を並べる役目で。
Aブルー「リビングを使っていいと言われたし、そこにお願い」
シロエ 「あのう…。和室じゃなくっていいんですか?」
マツカ 「あそこなら阿弥陀様もおいでですが」
ブルー 「ぼくが却下した!」
大事な阿弥陀様をスッポンタケの初盆如きに貸せるか、と生徒会長。
ブルー 「だから普通でいいんだよ! そのテーブルで!」
シロエ 「はあ…。分かりました」
Aブルー「まずは位牌が一番奥だね、この辺かな?」
よいしょ、とテーブルの上座の側に位牌がゴトンと。
白木に墨で倫王院殿法界善根大居士の戒名が輝く立派なもので。
Aブルー「うん、こうすると一段と映えるね、スッポンタケの位牌」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お花はここでいいよね!」
Aブルー「ありがとう! 悪いね、一晩預かって貰っちゃって」
ぶるぅ 「お花はデリケートだから、萎れちゃ大変!」
Aブルー「ぼくの青の間には花瓶自体が無いからねえ…」
バスルームに突っ込んでおくしか無くて、と壮絶な台詞。
Aブルー「ウッカリお湯でも入れようものならアウトだしね?」
ブルー 「バケツくらい借りればいいだろう!」
Aブルー「面倒なんだよ、お供え物は冷蔵庫に入れればいいけどさ」
とにかく沢山買って来たし、とソルジャー、威張り返っております。
Aブルー「蝋燭とお線香のスペースは、っと…」
ブルー 「蝋燭が此処で、お線香が此処!」
Aブルー「なるほどねえ…。それじゃ残りのスペースを使って」
ブルー 「お供え物とお膳だね」
Aブルー「任せといてよ!」
どっちもバッチリ用意したのだ、と自信たっぷり。
Aブルー「お膳は盛り付けて貰ってあるしさ」
シロエ 「誰にです?」
Aブルー「ぼくのシャングリラの厨房のクルー!」
ちょっと意識を操作して作って貰ったのだ、という話ですが。
お盆の仏様用のお膳、別の世界で作ったヤツでも大丈夫?
2014/08/21 (Thu)
☆お膳でおもてなし
いよいよスッポンタケの初盆、棚経の日の朝でございます。
お膳は用意してきたらしいソルジャーですけど、シャングリラ製とか。
Aブルー「キースが来るのは午前中だし、朝食用でいいんだろ?」
ブルー 「まあね。お盆のお膳は一日三食が基本だからね」
シロエ 「最近は作り物のお膳もあるみたいですね」
スウェナ「調理済みのを盛り付けるだけね?」
シロエ 「そうじゃなくって…。食堂とかの見本みたいなヤツですよ」
素材は樹脂だか蝋なんだか、という話。
シロエ 「仏具屋の広告で見かけたんです、腐らなくって便利だと」
マツカ 「お盆の間、それを供えっぱなしですか?」
シロエ 「そうなんでしょうね、毎年使えてお得だとも」
ブルー 「なんだかねえ…」
お膳は飾りじゃないんだから、と生徒会長の嘆き節。
ブルー 「そんなのよりかは、三食、お茶だけでもお供えすべきだよ」
Aブルー「おもてなしが大切なんだよね?」
ブルー 「御先祖様に家でゆっくりして頂くのがお盆だからね」
Aブルー「その点、ぼくのお膳はバッチリ! きちんと朝食!」
まあ見てくれ、と保冷ボックスから朱塗りのお膳が出て参りまして。
Aブルー「お膳は此処でいいのかな?」
ブルー 「ちょっと待った!」
Aブルー「なにか?」
ブルー 「それの何処がお膳なんだって!?」
Aブルー「えっ? ちゃんとキースに教えて貰って買ったんだけど?」
仏具屋さんで、とソルジャー、自信満々。
Aブルー「でもって、朝食をしっかりご用意!」
ブルー 「間違ってるから!」
Aブルー「なんで? 御飯とおかずと汁物とかだろ」
ミニサイズでちゃんと作らせたから、と言われましても。
ブルー 「お盆のお膳にソーセージとかは有り得ないから!」
Aブルー「でも、ぼくのシャングリラの朝食メニューで…」
ブルー 「牛乳も卵料理もアウトなんだよ!」
お盆のお膳は精進料理、と銀青様の一喝ですが。
別の世界で作らせたお膳、内容からしてダメダメでしたか…。
2014/08/22 (Fri)
☆ダメすぎるお膳
棚経に備えてソルジャーが用意した朱塗りのお膳と、盛られた朝食と。
シャングリラの朝食メニューのミニサイズだそうで…。
Aブルー「栄養たっぷり、充実の朝食なんだけどねえ?」
ブルー 「ポタージュスープもスクランブルエッグもダメだってば!」
Aブルー「まさか、サラダしか使えないわけ?」
ブルー 「トーストはアリかもしれないけどねえ…。だけど!」
トーストに添えたバターがアウト、と厳しいお言葉。
ブルー 「パンの素材というんだったら仕方ない。でもねえ…」
Aブルー「バターもやっぱりダメなのかい?」
ブルー 「厳密に言えば精進じゃない! お膳には不向き!」
お膳はキッチリ精進料理、と大却下ですが。
Aブルー「じゃ、じゃあ、お膳はどうしたら…」
ブルー 「無しでいいだろ、キースは蝋燭とお線香でいいと言ったし」
Aブルー「それじゃ、ぼくの気が済まないんだよ!」
スッポンタケの初盆なのに、と嘆くソルジャー。
Aブルー「お世話になったスッポンタケだし、おもてなしを!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お膳、作り直しても間に合うよ?」
Aブルー「本当かい!?」
ぶるぅ 「野菜とか沢山買ってあるから、作ってもいいよ♪」
Aブルー「ありがとう! スッポンタケも喜ぶよ!」
ぶるぅ 「オッケー、直ぐに作ってくるね~!」
お膳を抱えて出てゆきました、「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ソルジャー、ホッと安堵の吐息。
Aブルー「良かった、お膳が用意出来そうで」
ブルー 「ぶるぅにしっかり感謝したまえ!」
Aブルー「それはもちろん! で、お膳がまだでも…」
お供え物は並べていいよね、とスーパーの袋がドッカンと。
Aブルー「チラシのを端から買って来たから、どうぞよろしく!」
シロエ 「とにかく並べればいいんですね?」
Aブルー「そう!」
マツカ 「まずは果物から並べましょうか」
この辺りから…、と並べ始めた面々ですが。
チラシを参考に買って来たなら、お供え物はきっと大丈夫ですね?
2014/08/23 (Sat)
☆お供え物はコレで
スッポンタケの初盆のために、とお供え物を山ほど買ったソルジャー。
並べろと言われ、手伝い始めたシャン学メンバーですけれど。
シロエ 「マツカ先輩、果物はこれで全部ですか?」
マツカ 「そうみたいです。あ、それと…」
シロエ 「蓮の葉っぱって…。これもお供え物なんですか?」
マツカ 「この上に色々と乗せるんですよ」
この辺のものを、とホオズキなどをヒョイヒョイと。
スウェナ「そんなのもあるのね」
マツカ 「お仏壇が無いとやらないでしょうねえ…」
ブルー 「流石はマツカ。ぼくとしても鼻が高いよ、うん」
シロエ 「マツカ先輩は会長の弟子じゃないんですけど!」
ブルー 「似たようなものさ」
マツカ 「…そうでしょうか…」
お坊さんになる予定は無いんですが、と言いつつ、サクサクと準備。
蓮の葉の上に綺麗に盛られた、お約束のお供え物とやら。
マツカ 「えーっと、後は好きに並べればいいと思いますよ?」
シロエ 「じゃあ、こっちの…。って、何ですか、これ!」
これもお供えするんですか、と唖然とした顔で掴んでいる品。
Aブルー「もちろんさ! 活きのいいのを買って来たしね」
シロエ 「お刺身ですよ!?」
Aブルー「うん。精がつくよう、ドンと豪華に!」
大トロなんかも入ってるヤツ、と盛り合わせパック。
シロエ 「お刺身は有り得ないと思いますが!」
Aブルー「だけどチラシに書いてあったよ、お刺身セット」
シロエ 「なんですって!?」
ブルー 「見間違えたんじゃないのかい?」
そもそもお盆は精進料理、と生徒会長。
ブルー 「お膳もぶるぅが作り直しているだろう!」
Aブルー「だけど、確かにぶるぅに貰ったチラシにあった!」
ブルー 「お刺身セットが?」
Aブルー「それだけじゃなくて、他にも色々!」
ブルー 「嘘だろう?」
Aブルー「嘘じゃないって、端から買って来たんだから!」
まあ見てよ、とスーパーの袋に手を突っ込んでおりますが。
お刺身セットの他には何を…?
2014/08/24 (Sun)
☆アウトなお供え物
棚経に備えてお供え物を準備中のシャン学メンバー。
しかしソルジャーが買って来た品、お刺身盛り合わせパックだそうで。
Aブルー「お刺身を買ったら、これも忘れちゃいけないってね!」
マツカ 「…お寿司ですか…」
シロエ 「カッパ巻とかなら、まだ分かりますが!」
なんで普通の握り寿司ですか、とシロエ君から文句再び。
シロエ 「これだって生臭ものですよ!?」
ブルー 「お刺身と同じでコレはダメだと思うんだけどね…」
Aブルー「でも本当に書いてあったよ、チラシには!」
それからコレも、とスーパーの袋から出て来た代物。
ブルー 「…なんで冷やし中華?」
Aブルー「だからチラシにあったんだってば!」
早く並べて、と言われましても。
お刺身セットに握り寿司はどう考えてもアウトな上に冷やし中華。
シロエ 「…ハムが入っていますよね?」
マツカ 「卵も駄目なんじゃないですか?」
スウェナ「冷やし中華も駄目よね、やっぱり…」
ブルー 「アウトだろうねえ、冷やし中華も」
Aブルー「ぼくはチラシに載っていたのを買ったんだってば!」
果物も蓮の葉っぱも一緒に載ってた、とソルジャー、力説。
Aブルー「それを端から買い揃えたのに、どうしてダメだと!」
ブルー 「神様はともかく、仏様には生臭ものはダメなんだよ!」
Aブルー「スッポンタケは元は神様なんだし、いいと思うけど!」
ブルー 「君の理屈は坊主の世界じゃ通らないから!」
Aブルー「ぼくはチラシに騙されたわけ?」
せっかく頑張って買って来たのに、と志だけは立派ですが。
ブルー 「いくら頑張っても、このお供え物は評価されないよ」
Aブルー「お刺身もお寿司も冷やし中華も?」
シロエ 「そのチラシにはなんて書かれていたんですか?」
Aブルー「お盆のおもてなしに、って!」
ブルー 「おもてなしの意味が違うんだよ!」
よく読まなかった君が悪い、との指摘ですけど。
お盆のおもてなしのチラシとやらは、熟読しないとダメなんですか?
2014/08/25 (Mon)
☆お盆と言ったら
スーパーのチラシを参考にしてお供え物を買ったソルジャー。
お盆のおもてなしに、と書かれていたとかでお刺身や冷やし中華など。
Aブルー「チラシだったらちゃんと読んだよ、それに持って行った!」
シロエ 「買い忘れたりしないようにですか?」
Aブルー「そうだよ、そして載ってるのをちゃんと端から端まで!」
花も蓮の葉もスーパーで買った、とソルジャーは言っておりますが。
ブルー 「…そのチラシ、区分けをしてなかったかい?」
Aブルー「区分け?」
ブルー 「本日の特売品とか、お盆用品とか、そんな感じで」
Aブルー「もちろんあったさ、それのお盆用品を買ったんだけど!」
ブルー 「おもてなしで?」
Aブルー「そう、お盆のおもてなしにって書いてあったのを!」
お刺身も握り寿司も冷やし中華もちゃんとあった、という話。
Aブルー「後はお菓子とか、そういう感じで」
ブルー 「お菓子は買わなかったんだ?」
Aブルー「スッポンタケが好きそうな感じじゃなかったからね」
お菓子じゃ精がつきそうにないし、という仰せ。
Aブルー「あの恥じらいのない姿を保つためには、お菓子より食事!」
ブルー 「だけど食事は精進料理と決まってるんだよ!」
Aブルー「でもスーパーで売ってたからには、今はこうだろう!」
時代と共にお供え物も変わるのだ、と自説を展開。
Aブルー「御先祖様がお刺身好きならお刺身とかさ!」
シロエ 「会長、今はそうなんですか?」
ブルー 「それだけは無い! ブルーの勘違いだから!」
おもてなしの意味を間違えてるから、と指をビシィと。
ブルー 「お盆と言えば帰省ラッシュで、実家を目指して帰るもの!」
Aブルー「…実家?」
ブルー 「君の世界には無いだろうけど、生まれ育った両親の家!」
Aブルー「そんな習慣があるのかい?」
ブルー 「どっちかと言うと、そっちがメジャー!」
棚経よりも実家に帰省、と生徒会長。
お仏壇は無いという家も多い昨今、確かにそっちが主流かも…。
2014/08/26 (Tue)
☆間違えたおもてなし
お供え物を買う参考に、とソルジャーが持って出掛けたチラシ。
おもてなし用と銘打った品物を買ったそうですが、おもてなし違いで。
ブルー 「お刺身だのお寿司だのっていうのは、お客様用!」
Aブルー「スッポンタケだって、お客様だよ?」
お盆に帰っておいでになるんだから、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「スッポンタケの実家は山なんだろうけど…」
ブルー 「実家も何も、スッポンタケは仏様だから!」
Aブルー「だけど、お盆に帰省するんだし…」
ブルー 「お盆の帰省は生きている人のものなんだよ!」
実家に帰って賑やかに談笑するものだ、と生徒会長。
ブルー 「嫁姑のバトルなんかもよくあるけれども、お盆は帰省!」
Aブルー「それでお刺身だとかお寿司だとか?」
ブルー 「冷やし中華も帰省した人のおもてなし用だよ!」
Aブルー「せっかく端から買い揃えたのに駄目なのかい?」
ブルー 「キースが見たら確実に顔を顰めるね」
下手をすれば棚経をパスされるかも、と大真面目な顔。
ブルー 「やる気があるのかと怒鳴り散らして帰って行くとか」
Aブルー「それは困るよ、棚経はやって貰わないと!」
ブルー 「じゃあ、お刺身とかは片付けたまえ」
君の世界に送っておけば「ぶるぅ」が食べるさ、と手をヒラヒラ。
ブルー 「無駄にしないなら、それがお勧め!」
Aブルー「うーん…。棚経のためなら仕方ないか…」
パッと消えました、お寿司やお刺身、冷やし中華。
ソルジャーの世界に送られたものと思われます。
Aブルー「これでいいだろ、お供え物は完璧だよね?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お膳、作って来たよ!」
全部精進料理なの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「野菜の煮物にキュウリの酢の物、他もきちんと!」
Aブルー「ありがとう! 後はキースを待つだけだよね!」
ドキドキするよ、とソルジャーは期待に満ちた表情ですけど。
スッポンタケの棚経とやらは、果たして上手くいくのでしょうか?
2014/08/27 (Wed)
☆時間はたっぷり
お刺身だの冷やし中華だの、とソルジャーが用意した邪道なお供え物。
なんとか片付き、精進料理のお膳も出来て後は棚経を待つばかり。
Aブルー「そろそろ約束の時間になりそう!」
ブルー 「あと二軒回ったら、自転車で移動時間が十分だっけね」
Aブルー「キースの話ではそうだったから、そこで瞬間移動だね!」
棚経のために猛暑の中を自転車で走るキース君。
長い移動を瞬間移動で助ける代わりに、余った時間で棚経を希望。
Aブルー「今年のキースのお供はジョミーがやってるんだね」
ブルー 「アドス和尚を拝み倒したらしいね、キースにしたい、と」
シロエ 「キース先輩の方が見逃してくれる率、高そうですしね」
マツカ 「お父さんの方は厳しいと評判ですからねえ…」
たかが棚経、されど棚経。
檀家さんの前で失敗をすれば、アドス和尚なら後で間違いなく雷で。
ブルー 「ジョミーもたまには厳しく躾けて貰えばいいのにさ」
スウェナ「お坊さんの覚悟も出来てないのに、絶対に無理よ」
Aブルー「よし、あと一軒! でも、棚経って…。短いんだねえ?」
三分ほどしかお経が無いよ、とソルジャー、ブツブツ。
Aブルー「あんなので本当に効果があるわけ?」
ブルー 「棚経はそういう約束だから!」
Aブルー「本当に? お経をショートカットかい?」
ブルー 「数をこなすには仕方ないんだよ、ギュッと濃縮!」
日頃のお経を濃いめに煮詰めた有難いもの、と生徒会長。
ブルー 「坊主も心をこめてるんだし、効果は絶大!」
Aブルー「だったら、オプションとかは無いかな?」
一同 「「「オプション?」」」
Aブルー「十分間の移動をぼくが縮めてあげるんだよ?」
時間に余裕が出来る筈だ、という指摘。
Aブルー「一軒に五分と言ってたんだし、充分余裕が!」
ブルー 「それで?」
Aブルー「余った時間を有効活用!」
スッポンタケのために是非オプションを、と御希望ですが。
まさかそれって御祈祷とかではないでしょうね?
2014/08/28 (Thu)
☆棚経にオプション
スッポンタケのための棚経、ソルジャーが時間を捻出するわけですが。
瞬間移動で時間に余裕が出来そうだから、とオプションを希望。
ブルー 「オプションって何さ!?」
Aブルー「今後も絶倫でお願いします、と御祈祷をね!」
ブルー 「棚経はそういうものじゃないから! おもてなしだから!」
Aブルー「だからきちんと準備したじゃないか、お膳とか!」
ブルー 「お膳はぶるぅが作り直したんだけど!」
Aブルー「でも、果物とかはぼくが買ったんだよ!」
おもてなしの心をアピールしたい、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「ほんの短いお経でいいから、エッセンスを!」
ブルー 「エッセンス?」
Aブルー「今後も絶倫、よろしくお願いいたしますって!」
ブルー 「無茶だから!」
シロエ 「あのう…。お取込み中ですが、そろそろ時間じゃあ?」
Aブルー「いけない、棚経が終わりそうだよ!」
危なかった、とソルジャー、スタンバイ。
次の移動先までの十分間が勝負でございます。
Aブルー「よし、キースもジョミーも自転車に乗った!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お玄関まで自転車付きでいいからね!」
Aブルー「ありがとう! それじゃ早速!」
サイオンが発動した様子。
直ぐにピンポーン♪ とチャイムの音が。
ぶるぅ 「来たよ、キースもジョミーもお坊さんなの!」
Aブルー「本格的なスタイルだねえ…。お坊さんかあ…」
キース 「暑い所を助かった。立派な祭壇が出来てるようだな」
お膳もあるとはいい心掛けだ、とキース君。
キース 「それでは早速、始めさせてもらう」
Aブルー「ジョミーはただの見習いなのかい?」
キース 「ろくにお経も読めないからな」
Aブルー「そうなんだ? ときに、お願いがあるんだけれど」
キース 「なんだ?」
Aブルー「スッポンタケの御利益パワーをアップさせたくて!」
そういうお経を追加してくれ、という御注文。
御利益パワーとくれば絶倫、ソルジャー、本気で言っちゃいましたよ!
2014/08/29 (Fri)
☆オプションを追加
法衣姿のキース君とジョミー君が登場しまして、いよいよ棚経。
ところがソルジャー、スッポンタケのパワーアップのお経をつけろと。
キース 「なんなんだ、それは!」
Aブルー「時間に余裕はある筈だろう? ここは一発!」
短いのでいいから御利益パワーに効くお経を、という御注文。
Aブルー「ちゃんと御布施も用意してるし、なんとか頼むよ!」
キース 「やらなかったら、どうなるんだ?」
Aブルー「えっ? 帰りの瞬間移動は無しで」
自転車で続きを走ってくれ、と言われましても。
キース君たちが次に移動する先は遥か彼方で、どう考えても大遅刻。
キース 「…そ、そうなったら他のお宅の棚経までが遅れるんだが!」
Aブルー「こうしてる間に時間はどんどん減っているけど?」
シロエ 「せ、先輩…。残り時間がヤバイですよ!」
キース 「く、くっそぉ…」
もうヤケだ、と祭壇が設えられたテーブルの前にきちんと正座。
後ろにジョミー君が控えております。
キース 「おい、蝋燭と線香だ!」
ジョミー「はいっ!」
棚経三昧の成果か、「うん」ならぬ「はい」。
ジョミー君が蝋燭とお線香に火を点けまして。
キース 「他のみんなも、せめて合掌くらいはしてくれ」
一同 「「「はーい!」」」
ソルジャーも皆と一緒に正座で合掌。
いよいよ棚経開始とはいえ、お経の意味はサッパリ不明で。
キース 「のうまくさらば たたぎゃた ばろきてい…」
ますますもって謎の呪文が。
スッポンタケにはコレなのだろうか、と考える御一同様ですが。
キース 「もろもろのヘマをなすことなく、多くの技を行いて…」
一同 「「「???」」」
キース 「自らそのパワーを強くせん、これ世間の教えなり」
何故か挟まった口語のお経。
後は滔々と読経とお念仏でして、キース君、ハハーッと深く一礼。
キース 「拝んでおいたぞ、スッポンタケ」
これで完璧、と誇らしげな顔。
大感激のソルジャーですけど、効くのは呪文なんですか?
2014/08/30 (Sat)
☆棚経パワーアップ
スッポンタケのための棚経、無事に終了。
注文通りに御利益アップのお経までついて、ソルジャーいたく感激で。
Aブルー「ありがとう! 謎の呪文がパワーアップの秘訣なんだね!」
キース 「いや、あれは棚経の基本だが…」
Aブルー「じゃあ、オプションはどれだったわけ?」
キース 「言っただろうが、もろもろのヘマをなすことなく、と」
Aブルー「ああ、パワーを強くせん、とか何とか!」
沢山の技をこなせばパワーもアップ、とソルジャー、納得。
Aブルー「これでスッポンタケもより強くなるよ、はい、御布施」
キース 「有難く頂戴しておこう。では、先を急いでいるんでな」
Aブルー「任せといてよ、ジョミーと一緒に瞬間移動!」
ソルジャー、棚経の面子を自転車ごと瞬間移動させまして…。
Aブルー「うん、棚経も無事に終了ってね!」
ブルー 「お盆の間は三食、お膳の用意が要るよ? それとお念仏」
Aブルー「分かってるって! お膳も次からパーフェクト!」
ベジタリアン向けで用意させよう、と自分の世界へお帰りに。
どうやらお盆の間中、付き合わされそうなシャン学メンバーですが。
シロエ 「パワーアップのお経なんかがあったんですねえ…」
ブルー 「あるわけないだろ、アドリブだよ」
一同 「「「アドリブ?」」」
ブルー 「七仏通誡偈っていうのがあってね、それのパクリさ」
諸々の悪をなすことなく多くの善を行いて、自らその心を強くせん。
これ諸仏の教えなり、と説かれるそうで。
シロエ 「それじゃ、キース先輩が唱えてたヤツは…」
ブルー 「何の効果も無いってね。だけどブルーは喜んでたし…」
それで良かろう、と伝説の高僧、銀青様。
ブルー 「真面目にお盆をやらせるまでだよ」
シロエ 「例の位牌をゴミステーションに捨てる日まで、ですね…」
マツカ 「お盆の間中、ぼくたちもお念仏ですか…」
キースの苦労が分かった気がする、とぼやく面々。
とんだお盆になりそうですけど、中継終了~。
2014/08/31 (Sun)