☆二月にはコレ
アッと言う間に一月も終わり、二月到来でございます。
二月三日は節分ですけど、はてさて今年はどうしたものかと悩む面々。
ブルー 「七福神巡りは行きたいんだけどねえ…」
シロエ 「福を逃す手はありませんしね、せっかく開催されるのに…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年もみんなでお参りしようよ!」
キース 「恒例の行事ではあるんだが…」
あったんだが、とキース君が言えば、一同、ドッと溜息。
ジョミー「ぼくが甘酒で酔っ払って坊主宣言した年とかさあ…」
キース 「何処ぞのバカがとんでもない祈願をした年とかな」
シロエ 「去年も壮絶でしたけどねえ?」
出掛ける路線バスの中から既に、とシロエ君。
サム 「あのバスの中で福が貰えると思ってやがるし…」
ブルー 「馬鹿が密着して座っていればね!」
あのスタイルが災いを呼ぶのだ、と生徒会長の嘆き節。
ブルー 「なんだって膝に座って行くのさ、ブルーはさ!」
キース 「バカップルならではの座り方でアピールなんだろう」
シロエ 「そして本当に福が来てしまいましたしね…」
それも超特大の凄いのが、と言われて一同、ますます溜息。
サム 「あいつらにとっては福だけれどよ…」
シロエ 「ぼくたちにしてみれば災いです!」
マツカ 「そうなんですけど…。七福神巡りはどうするんです?」
キース 「あいつら抜きで行けるものなら行きたいんだが…」
ブルー 「それだけは絶対、無理だろうね」
嗅ぎつけるどころかスタンバッているに違いない、と生徒会長。
ブルー 「もう間違いなく組み込まれてるよ、年中行事に」
サム 「そこまでなのかよ!?」
??? 「もちろんだよ!」
明後日だよね、と出ました、ソルジャー(会話表記はAブルー)。
Aブルー「今年もバッチリ福を呼ぼうと!」
ブルー 「また来るんだね?」
Aブルー「ぼくのハーレイと一緒にね!」
休暇の申請もちゃんと出した、と威張り返っておりますが。
節分はまたまた荒れ模様ですか…?
2015/02/01 (Sun)
☆路線バスで行こう
節分と言えばお寺に出掛けて七福神巡り、それが恒例なのですけれど。
どうしたわけだが不幸の連続、バカップルのせいで昨年も受難。
ブルー 「来てくれなくてもいいんだけどね?」
Aブルー「何を言うかな、大事な年中行事なんだから!」
今年も路線バスで行くのだ、と言い張るソルジャー。
Aブルー「あのバスの中で福が来るしね、絶対、乗らなきゃ!」
ブルー 「じゃあ、ぼくたちはタクシーで行くから」
Aブルー「それは厳禁! みんなでお参り!」
みんな揃って出掛けなければ福を逃す、と独自の主張。
Aブルー「逃げた所で強制連行、瞬間移動で引き戻すから!」
ブルー 「路線バスに?」
Aブルー「当たり前じゃないか! 今年もしっかり福を呼びたいし!」
しっかり呼び込んでガッチリ掴む、とグッと拳を。
Aブルー「お正月の煩悩ゲットは上手くいったし、節分だって!」
ブルー 「欲張らなくてもいいじゃないか!」
Aブルー「ダメダメ、チャンスは掴んでこそだよ!」
きっと今年も素敵な福が…、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「また素晴らしい人に会えるといいんだけれど…!」
ブルー 「柳の下に二匹目のドジョウはそうそういないよ!」
Aブルー「でもねえ、去年はちゃんといたから!」
ドジョウどころか福の神がね、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「メデタイ様やら公爵やらと、もう最高の福の神で!」
ブルー 「あんなのはもう要らないから!」
キース 「あんたにとっては福の神でも、俺たちにとっては最悪だ!」
ジョミー「公爵夫人でもドクツルタケだしね…」
名前通りに死の天使だ、とジョミー君。
昨年のバスで出会った外国人女性、イングリッドさんのことでして。
サム 「ああいうのは二度と御免だぜ、うん」
シロエ 「もう会わないとは思いますけどね…」
Aブルー「ぼくはもう一度会いたいけどね!」
福の神になら何度でも…、と言って帰って行きましたが。
来たる節分、シャン学メンバーの運命や如何に…?
2015/02/02 (Mon)
☆福を貰いに
いよいよ来ました、節分の二月三日でございます。
ソルジャー夫妻も一緒に路線バスに乗り、七福神巡りに出発でして…。
Aブルー「おはよう! 今日はよろしくねーっ!」
ブルー 「…よろしくしたくないんだけれど…」
Aブルー「何を言うかな、ちゃんとハーレイも連れて来たしね!」
ほら、とソルジャーの隣にキャプテン(会話表記はA船長)が。
A船長 「よろしくお願いいたします。今年も福を頂きませんと…」
Aブルー「行きのバスから掴まないとね!」
ブルー 「あの座り方はやめて欲しいんだけど!」
Aブルー「あれこそが福を呼ぶんだよ! 間違いないから!」
それで、乗るバスはどれだったっけ…、とバス停の表示の方へ視線を。
Aブルー「これだったっけ?」
キース 「…俺の家に行くならその路線だが?」
ブルー 「乗って行けば?」
キースの家まで、と生徒会長、ツンケンと。
ブルー 「そっちもお寺には違いないしね、元老寺もね!」
キース 「一応、本堂で豆まきもやるが…」
Aブルー「でも、内輪だよね?」
キース 「それはそうだが…」
Aブルー「七福神巡りも無いんだよね?」
キース 「俺の家にはいらっしゃらないからな」
Aブルー「じゃあ、要らない!」
七福神巡りの無い節分なんて…、とソルジャー、フンと鼻を鳴らすと。
Aブルー「福笹を貰って絵馬にしっかり祈願の言葉!」
ブルー 「また書くわけ?」
Aブルー「あれは最高に効くからね! ねえ、ハーレイ?」
A船長 「効きますね! 夫婦ならではの御利益を頂けますからね!」
一同 「「「うわー…」」」
ソルジャー夫妻が絵馬に書くもの、「夫婦和合」の四文字で。
ブルー 「…でもって叫んで回るんだね?」
Aブルー「耳の遠い神様がいらっしゃると教わったからね!」
キース 「それは恵比寿様限定だ!」
ブルー 「全部の神様に叫ばなくってもいいんだよ!」
恥ずかしいからやめてくれ、と一同、祈りの表情ですが。
相手はバカップル、まあ無理でしょうね?
2015/02/03 (Tue)
☆恒例の座り方
シャン学メンバーの節分と言えば、お寺に出掛けての七福神巡り。
行きのバスから災難を呼び込みがちな昨今、今年も危ない予感は充分。
Aブルー「夫婦和合はしっかりお願いしないとね!」
ブルー 「だからと言って、大声で叫ぶ必要ないから!」
キース 「やるなら恵比寿様だけでいいんだ、恵比寿様だけで!」
Aブルー「でも、聞き届けてほしいからね!」
念には念を入れて叫んでおくのだ、と決意は固く。
Aブルー「ハーレイと息を合わせて叫ばなくっちゃ!」
A船長 「大切なお願い事ですからね」
ブルー 「…もういいよ…」
諦めてるよ、と生徒会長が肩を落とした所へバスが到着。
シロエ 「あっ、来ましたよ!」
Aブルー「コレなのかい?」
キース 「…違うと言っても、俺たちが乗ったら乗るんだろうが!」
Aブルー「決まっているじゃないか! 今年もお参りするんだから!」
さて、と勇んで乗り込むソルジャー、それにキャプテン。
バスの車内をグルリと見渡し、「よし」とばかりに。
Aブルー「良かったねえ! 今年もあの席、空いてるよ!」
A船長 「福を運んでくれる席ですね!」
座りましょう、と一番後ろの座席にドッカリ、その膝の上に…。
Aブルー「落っこちないように抱えていてよ?」
A船長 「お任せ下さい!」
キャプテンの膝の上にソルジャー、密着座りのバカップル。
Aブルー「ぼくたちの隣も空いてるけどーっ!」
A船長 「どなたかお座りになりませんかーっ?」
一同 (((た、他人のふり、他人のふり…)))
あの二人とは無関係だ、と離れて座る御一同様。
「発車しまーす!」と運転手の声が。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ しゅっぱぁ~つ!」
キース 「地獄行きのバスでないことを祈るぞ、切実にな」
ブルー 「ぼくも心から祈っているよ」
Aブルー「大丈夫だってば、今年も素敵に!」
A船長 「福が来ますよ!」
保証します、と諸悪の根源に言われましても御利益はゼロ。
七福神巡りはどうなるんでしょう?
2015/02/04 (Wed)
☆目が合ったら負け
ソルジャー夫妻と路線バスに乗り込み、七福神巡りに出発ですけれど。
今年も最後尾の座席に陣取り、密着座りのバカップル。
Aブルー「今年もいいもの、貰えるといいねえ!」
A船長 「どういう福を頂けるでしょうね、楽しみですよ」
Aブルー「ねえ、君たちも福が来るように祈っていてよ!」
どうぞよろしく、と叫ぶソルジャー。
Aブルー「誰か乗って来たら狙い目なんだよ、きっと福の神!」
キース 「そうそう上手くいくわけがあるか!」
シロエ 「シーッ! キース先輩、あそこの二人は他人ですよ」
キース 「…そ、そうだったな…」
俺としたことが、と失言に気付いて周囲をキョロキョロ。
幸い、乗客は至って少なく、耳の遠そうなご老人ばかりで。
キース 「どうやら聞こえなかったようだな、俺の台詞は」
サム 「そうなんでねえの? 無反応だしよ」
シロエ 「このまま最後まで乗り切りましょう!」
バカップルの方は見ちゃいけません、とシロエ君。
シロエ 「視線を合わせたら負けなんですよ」
キース 「それは確かに間違いないな」
ジョミー「前を向いてるのが一番だよね!」
そうすれば後ろは見なくて済むし、と至って名案。
ブルー 「それに限るね、振り返ったら負けだってね」
サム 「振り向いたヤツは自己責任だよな、どうなってもよ」
シロエ 「そんなトコです、無視しておくのが一番です!」
マツカ 「君子危うきに近寄らず、とも言いますからね」
あくまで他人のふりをしましょう、と知らん顔を決め込む御一同様。
一方、バカップルの方はと言えば…。
Aブルー「誰かいいもの、くれないかなあ…」
A船長 「現時点では無理そうです。新しい乗客に期待しましょう」
Aブルー「そうだよねえ…。あれっ?」
A船長 「どうかしましたか?」
Aブルー「ううん、バイクが追い越していったよね、って」
A船長 「そのようですね」
バイクで行く人もいるのでしょうか、と眺めてますが。
そんなの何処でも走ってますよ…。
2015/02/05 (Thu)
☆バイクとお坊さん
節分はお寺の七福神巡りなシャン学メンバー、それにソルジャー夫妻。
バスの最後尾で密着しているバカップルは放置の面々ですが。
キース 「あいつら、今年も調子に乗りやがって!」
シロエ 「ですから、気にしたら負けですってば」
サム 「無視しておくのが一番だぜ、うん」
ブルー 「ぼくからもそれをお勧めするね。…あれっ?」
シロエ 「会長、どうかしましたか?」
ブルー 「ううん…。いや、ちょっと」
バイクだな、と思ってね、と生徒会長。
ジョミー「バイクって普通だと思うけど…」
シロエ 「節分寒波の真っ只中に走るのは尊敬しますけどね」
キース 「寒風をモロに食らうからなあ…」
あの手の乗り物、とキース君も走り去ったバイクを見送りまして。
キース 「月参りも冷えると親父が愚痴っているしな」
シロエ 「お父さん、バイクでしたっけ?」
キース 「スクーターしか乗れんだろうが! 坊主だけに!」
サム 「あー…。法衣、メチャクチャになっちまうよなあ…」
キース 「親父も若い頃には憧れだったらしいがな」
大型バイク、と言われてビックリ、御一同様。
ジョミー「それってキャラが違ってない?」
シロエ 「ですよね、激しく似合わない気が…」
キース 「おふくろが惚れたくらいなんだぞ、若い頃ならマシだろう」
ブルー 「言われてみればイライザさんは美人だねえ…」
選び放題だったろうに、と生徒会長、妙に納得。
ブルー 「なるほど、アドス和尚も若い頃にはイケメンだった、と」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースもイケメンだもんね!」
シロエ 「お母さんの血かと思ってましたが…」
ジョミー「実は美形のサラブレッド?」
サム 「分かんねえなあ、人ってえのはよ…」
キース 「まあ、今ではスクーターが似合う坊主なわけだが」
シロエ 「先輩もいつかはスクーター、って言ってますもんね」
キース 「そういうことだ」
まだスクーターの許可が下りないキース君。
月参りもけっこう大変ですよね?
2015/02/06 (Fri)
☆お寺は効きます
七福神巡りに向かうバスの中、話題はバイクからスクーターへと。
寒い中での月参りはとても大変だ、とお坊さんの話に移り変わって…。
キース 「俺たちの宗派はまだマシなんだがな、托鉢も無いし」
シロエ 「無かったですか? 先輩、やってましたよね?」
キース 「あれは有志の集まりでだな…。修行とは違う」
やらねば駄目だというものではない、とキース君。
キース 「しかしだ、これから行く寺だと托鉢は必須だからな」
ジョミー「そうだったわけ?」
キース 「その程度のことは基礎知識だ! 坊主になるなら!」
ジョミー「ブルーが勝手に決めただけだし! 無関係だし!」
シロエ 「でもですね、あのお寺で坊主宣言しましたよね?」
お接待の甘酒で酔っ払って、と厳しい指摘。
シロエ 「宣言したからには坊主で決まりだと思いますが」
ジョミー「平気だってば、お願いしたって効かないと思うよ、あそこ」
Aブルー「効かないだって!?」
なんてことを、と後部座席から飛んで来た声。
Aブルー「あのお寺はよく効くんだよ! 七福神巡り!」
A船長 「それは間違いありません! あれ以来、夫婦円満で!」
Aブルー「もうビンビンのガンガンだしさ、絶対、効くって!」
一同 (((…他人のふり、他人のふり…)))
またも地獄に一直線ではたまらない、と無言の御一同様。
Aブルー「どうかしたわけーっ!? 返事が無いけどーっ!」
A船長 「あっちは放っておきましょう。御利益が逃げてしまいます」
せっかく有難いバスに乗っているのですし、と言うキャプテン。
A船長 「このバスでこうして座っていれば福が来る筈ですし」
Aブルー「ああ、そういえばそうだったねえ!」
そういう福も要らないから、と一同、ガクブル。
キース 「…今年は無事に着けるんだろうな?」
シロエ 「着けるといい…んですけどね?」
どうなんだろう、と遠い目になるシャン学メンバー。
今年のバスは無事に着くのか、はたまた猥談地獄再び…?
2015/02/07 (Sat)
☆バスの中が危険
節分と言えば七福神巡り、今年もお出掛けなシャン学メンバー。
けれども路線バスの中が問題、御利益希望のバカップルが密着座りで。
Aブルー「今年も福が来るといいねえ!」
A船長 「二年連続でいいものを頂けましたからねえ…」
一同 (((要らない、要らない…)))
誰も来るな、と祈り続ける御一同様。
幸か不幸か現時点では耳の遠そうなお年寄りばかり。
シロエ 「この様子だと大丈夫ですか?」
キース 「分からんぞ? 先は長いからな」
サム 「油断してたら食らうもんなあ、変な攻撃」
去年の変な外国人とか、一昨年のお年寄りの団体とか…、と。
サム 「どっちも斜め上ってヤツだぜ、想定外でよ」
シロエ 「それは確かに言えますねえ…」
ジョミー「誰か乗って来たら要注意ってコトになるのかな?」
ブルー 「多分ね…」
何処に災難が転がってるやら、と生徒会長もブツブツと。
ブルー 「あの座り方が問題なんだよ、それだけで人目を引くからね」
シロエ 「もう見るからにバカップルですしね…」
キース 「バカップルどころか最悪なんだ、アレは!」
もう要らん、と言った所でバス停で停車。
後ろの扉がプシューッと開いて、一同、緊張。
??? 「すみませーん!」
一同 (((???)))
乗り込んで来た大柄な男性、キャプテン並みの長身でして。
それがドカドカと車内を通過で、前まで行って。
男性 「このバス、此処へ行きますか?」
運転手 「あー…。それは別ので…」
男性 「そうですか…。じゃあ、どうすれば?」
運転手 「降りて頂いて、このバスでですね…」
それに乗って此処で乗り換えて、と案内している運転手。
男性 「ああ、分かりました。お世話になりました」
運転手 「そのバスだったら直ぐに来ますよ」
男性 「ありがとうございます!」
プシューッと前の扉が開いて、男性は降りて行きましたけど。
降りる直前にバカップルをガン見、やっぱり誰でも気になりますよね?
2015/02/08 (Sun)
☆バスでビクビク
気を抜いたら今年も地獄行きかも、と怯えるシャン学メンバーですが。
バス停で乗って来た男性はそのまま車内を通過で、下車して行って。
キース 「とりあえず、今のは無事に済んだか…」
シロエ 「そうみたいですね」
運転手 「ドアが閉まりまーす!」
バス停の男性に次のバスだ、と手で合図している運転手。
男性も頭を下げて御礼で、バスは再び走り出して。
サム 「心臓に悪いぜ、誰か乗ってくる度にビクビクなのかよ」
ジョミー「去年と一昨年が最悪すぎたんだよ」
スウェナ「あんなのは二度と御免だわ」
シロエ 「今年も来たら三度目ですけど…」
スウェナ「そこは突っ込む所じゃないわよ!」
誰も乗って来ないことを祈りましょ、とスウェナちゃん。
キース 「そうだな、それが一番だな」
マツカ 「誰も来なければ、何も起こりませんからね」
シロエ 「キース先輩と会長の法力で何とかならないんですか?」
キース 「俺にそこまでの力は無いしな…」
ブルー 「バスが公共の交通機関でなければ、少しはね…」
人が来るのを避ける呪文もあるんだけれど、と生徒会長、遠い目で。
ブルー 「地域の皆さんの足になってる路線バスでは使えないよ」
キース 「ご迷惑になってしまうからな…」
マツカ 「走って来たのに乗りそびれた、というのは悪いですしね」
シロエ 「それじゃ、このまま運任せですか?」
サム 「マジで心臓に悪いってのによ…」
俺の小鳥の心臓が…、という台詞に一同、思わず爆笑。
ジョミー「サムの心臓が小鳥だったら、ぼくは何だろ?」
キース 「俺はガラスのハートだな」
サム 「違いねえな!」
小鳥だ、ガラスだと笑い合いながら視線をチラリと後ろに。
キース 「あいつらの心臓はスチール製か?」
シロエ 「毛が生えてることは確かですね」
ジョミー「きっとウニみたいな感じなんだよ、毛よりもトゲだよ」
あの座り方がウニの証明、との言葉に大爆笑。
ウニのカップル、災いを呼ばなきゃいいですけどね?
2015/02/09 (Mon)
☆気になるバイク
心臓に毛が生えているどころか、ウニ並みと評されたソルジャー夫妻。
立派なトゲを生やした心臓でもって、相変わらず密着座り中で。
Aブルー「さっきの男の人は残念だったねえ…」
A船長 「期待出来るかと思ったのですが、駄目でしたね」
何かくれるどころか降りてしまいましたしね、とキャプテン、溜息。
A船長 「大柄な上にライダージャケット、珍しい人種でしたから」
Aブルー「そうなんだよねえ、あまり見かけないタイプだよね」
ああいう人が福をくれたら最高なのに、と愚痴るソルジャー。
Aブルー「お年寄りもいいけど、若い人の方がね!」
A船長 「現役の人だと、色々と詳しいでしょうしねえ…」
Aブルー「グッズもそうだし、お守りとかもね!」
A船長 「女性専門の方でも、充分に役に立ちますからね!」
精力剤とかは共通ですし、とアヤシイ話題がチラホラと。
ジョミー「…また始まったよ…」
シロエ 「他人ですよ、他人」
キース 「そうだ、俺たちは他人だからな。あくまで他人だ」
同じバス停で降りるというだけのことだ、とキース君。
キース 「それまでは振り向かないことだ」
サム 「だよなあ、視線が合ったら終わりだぜ」
シロエ 「確実に巻き込まれますからね」
知らんぷりに限るんですよ、と一同、前方を向いておりますが。
Aブルー「あれっ、今のバイク…」
A船長 「どうかしましたか?」
Aブルー「猛スピードで追い越してったけど、さっきの人が…」
A船長 「は?」
Aブルー「あのバス停で降りてった人じゃないのかなあ…」
同じライダージャケットだった、とソルジャー、首を捻って。
Aブルー「それにさ、少し前に追い越してったバイクも…」
A船長 「同じバイクだと仰るのですか?」
Aブルー「そんな感じがするんだよねえ…。でも…」
A船長 「何か?」
Aブルー「バイクは二人乗りなんだよ」
だからやっぱり別人かな、と言ってますけど。
さっきの男性はバイクじゃなくってバス待ちですよ?
2015/02/10 (Tue)
☆バス停が怖い
このバスは此処へ行きますか、と乗り込んだものの降りて行った男性。
大柄だったその男性では、とソルジャーが首を捻ったバイク。
Aブルー「さっきの人なら一人でバイクに乗ってるだろうし…」
A船長 「ヘルメットを被ってますからねえ…」
Aブルー「そこなんだよ。顔が見えないから、誰なんだか」
A船長 「二人乗りだったなら別人ですよ、きっと」
Aブルー「うーん…。ただならぬ御縁を感じたけどねえ…」
でもサイオンで追い損なった、と残念そうに。
Aブルー「あれっ、と思った時には行っちゃってたしね」
A船長 「ですが、あなたならば追えるのでは?」
Aブルー「過ぎ去ったものより、目先の福だよ!」
次は誰が乗って来るだろう、と瞳が爛々。
シロエ 「何処かの馬鹿がまた期待してますよ」
キース 「俺たちは他人だ、関係無い」
ジョミー「そうだよ、赤の他人だってば」
サム 「おっ、次のバス停は安全みたいだぜ!」
マツカ 「誰もいませんからね」
運転手 「通過しまーす」
降りる人も無く、通過したバス停。
一同、ホッと安堵の吐息で。
キース 「一つクリアしたな」
ブルー 「先は長いけどね」
Aブルー「福はまだまだこれからだってば!」
一同 (((他人のふり、他人のふり…)))
バスはひた走り、次のバス停が近付いて参りましたが。
シロエ 「誰かいますね、バス待ちの人が」
サム 「乗って来ねえと思いたいぜ」
キース 「そうだな、それが一番だ」
ついでに見ないようにしよう、と顔までそむけるシャン学メンバー。
バス停で停車、後ろのドアが開きまして…。
??? 「ハロー!」
一同 「「「は?」」」
外国人だったか、と振り返った一同、見事に目が点。
キース 「あ、あんたは…!」
シロエ 「な、なんで…!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ イングリッドさんだあーっ!」
また会えたあ! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
去年のバスの外国人女性が、何故このバスに乗って来たんでしょう?
2015/02/11 (Wed)
☆乗って来た人
バス停に着く度ガクガクブルブル、怯えまくりのシャン学メンバー。
其処へ乗り込んで来た外国人女性、なんと去年のイングリッドさんで。
Aブルー「ハーレイ、福の神様が来て下さったよ!」
A船長 「有難いですねえ! どうぞ、隣が空いておりますが」
こちらの席へ、とキャプテンが示した最後尾の座席。
密着座りのバカップルしかいない席だけに、充分空いているものの。
女性 「いえ、けっこうよ」
一同 「「「ええっ!?」」」
確か喋れない筈だったのでは、と一同、ガン見。
去年出会ったイングリッドさん、英語も封印、母国語のみだった筈。
女性 「えーっと…。此処がいいかしらね」
キース 「うわ、来るな!」
シロエ 「ぼ、ぼくたちの方へ来ないで下さい!」
女性 「通路を挟んでいるからいいでしょ」
此処が一番良さそうだから、とイングリッドさんが腰掛けた席。
二人用の席に並んだ面々とは通路を挟んで向かいの一人用で。
女性 「やっぱり間違いなかったわねえ、このバスで」
一同 「「「は?」」」
女性 「闇雲に乗っても無駄になりそうだから、先に偵察をね」
一同 「「「偵察?」」」
女性 「一人乗ったでしょ、別のバスにしますと降りた人が」
あれが偵察部隊なのだ、とイングリッドさん。
女性 「それからバイクに乗せて貰って追い越したのよ、バスを」
Aブルー「もしかして、あれがメデタイ様かい!?」
女性 「メデタイ様?」
Aブルー「あ、ごめん。ぼくが勝手に付けた名前で、メデタイ様」
マツカのお父さんの会社にいるって人、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「いつも福をくれる人のお使いだからね、鯛にちなんで!」
A船長 「恵比寿様が鯛を持っておられるそうでして…」
Aブルー「それと、おめでたいって言葉を掛け合わせたんだよ!」
女性 「メデタイねえ…。それもいいんじゃないかしら」
おめでたい人には違いないから、とスラスラ普通に。
去年の謎言語は遊ばれてたとか…?
2015/02/12 (Thu)
☆実は喋れた人
バスに乗って来たイングリッドさん、この国の言葉をスラスラと。
去年は英語も封印しての旅で、謎言語だったことから出会った筈で…。
キース 「あんた、この国の言葉が喋れたのか!?」
女性 「日常会話くらいならね」
ブルー 「それじゃ去年のぼくの努力は…。無駄だったわけ?」
通訳は要らなかったのか、と愕然とする生徒会長。
ブルー 「…親切に声をかけたつもりでいたのに…」
女性 「あら、色々と楽しかったわよ?」
向こうのお仲間のお二人さんも、と指差す後部座席のバカップル。
シロエ 「あそこの二人は他人ですから!」
女性 「そうじゃないって分かっているわよ、去年からね」
Aブルー「ありがとう! いつも色々送ってくれて!」
女性 「どういたしまして。主人のチョイスも気に入ってくれた?」
Aブルー「それはもう! 貴重な無修正DVDだしね!」
女性 「良かったわ。ウチだとゴミな扱いなのよ、あれ」
私はゴミに出したいんだけど、主人がねえ…、とイングリッドさん。
女性 「貴重な愛の思い出だから、って溜め込んでるのよ」
Aブルー「それじゃ、やっぱり、あの主演男優って公爵なのかな?」
女性 「大当たりよ。あの人、根っから出たがりだから」
Aブルー「ドラマ仕立てでゴージャスだったよ、ロマンスグレー!」
とても気に入って何度も見てる、とソルジャー、ニコニコ。
Aブルー「あんなお宝なら、いつでも歓迎!」
女性 「主人のチョイスは正しかったわけね、ダビングしたヤツ」
Aブルー「コレクションを全部見たいほどだよ!」
女性 「主人も撮った甲斐があったわねえ…」
あんなゴミを、とゴミ扱いには揺るぎなく。
女性 「捨てる神あれば拾う神あり、ってこのことかしらね」
Aブルー「ぼくにとっては、君が福の神だよ!」
女性 「そうらしいわね?」
Aブルー「メデタイ様までついてるんだし、もう最高!」
今後もよろしく、と言ってますけど。
バスは今年も地獄行きですか…?
2015/02/13 (Fri)
☆悪意は無かった人
節分祭行きのバスに、何故か乗り込んで来たイングリッドさん。
日常会話は実はペラペラ、後部座席のソルジャーとも盛り上がり中で。
女性 「メデタイ様ねえ…。とてもナイスなネーミングだけど」
Aブルー「ホントにそういうキャラなのかい?」
女性 「でなきゃ偵察に乗って来ないでしょ、このバスに」
今日は有休を取ってお休み、とニッコリと。
女性 「私の代わりに走ってたわけよ、バスを探しに」
キース 「なんで俺たちを追ってくるんだ!」
女性 「楽しいからに決まっているでしょう?」
同じ休暇ならグッと楽しく、と美人なだけに天使の微笑み。
女性 「去年の面白さが忘れられなくてね、今年も来たのよ」
シロエ 「…そ、それは去年の猥談地獄のことですか?」
女性 「そうなるわねえ…。でも!」
去年のアレはわざとじゃないのよ、と大真面目な顔。
女性 「お守りを集めていたのは本当だったし」
キース 「狙ったように妙なのを集めていなかったか!?」
女性 「キノコが可愛いと思っていたのよ、嘘じゃないわよ」
ブルー 「君はキノコが好きだったのかい?」
女性 「私と言うより、メデタイ様の方かしらねえ…」
松茸を毎年送っていると言ったでしょうが、という指摘。
女性 「松茸は欲しがるし、好物はキノコの炊き込み御飯だし…」
シロエ 「それでキノコにこだわったんですか?」
女性 「この国の人はホントにキノコが好きなのね、と」
キース 「そこは間違いないんだが!」
確かに松茸は高級品で人気なんだが…、と呻くキース君。
キース 「だからと言って集めなくても!」
女性 「別にいいでしょうが、私の主人もゴミを集めてるし」
Aブルー「あのDVDはゴミじゃなくて立派なお宝だよ!」
女性 「主人が泣いて喜びそうねえ…」
Aブルー「あんなゴミなら、もういくらでも!」
喜んで貰って観賞するよ、とソルジャー、力説しておりますが。
イングリッドさんは今年も災いを呼びますか…?
2015/02/14 (Sat)