☆サボリの言い訳
どう足掻いても、イングリッドさんから届くであろうお中元。
合宿などで不在の間に届いてくれれば、と誰もが祈る気持ちなわけで。
シロエ 「マツカ先輩が合宿をサボると、誰か困りますか?」
マツカ 「どうでしょう? 父には何か言われそうですが…」
合宿が辛くて逃げ出したのかと訊かれそうです、という返事。
マツカ 「でもまあ、多分、その程度ですね」
シロエ 「だったら、用事でサボッたというのはどうでしょう?」
一同 「「「用事?」」」
シロエ 「合宿中でも色々ありますし…。後輩が病気になるだとか」
サム 「あー! マツカが付き添いで戻るってヤツな!」
そういうパターンはありそうだよな、と頷くサム君。
サム 「マツカは面倒見が良さそうだしよ、そういう係も…」
シロエ 「大いに有り得ると思うんですよ。キース先輩とかよりも」
キース 「そうだな、俺とシロエは技の指導で残されそうだし…」
ジョミー「教頭先生の次に強いの、キースとシロエらしいもんねえ?」
マツカ 「ええ。ぼくはまだまだ追い付けません」
付き添いで誰か戻るんだったら、多分ぼくです、とマツカ君も納得。
マツカ 「父に訊かれたら、それにしますよ。日帰りでした、と」
サム 「よっしゃあ! これでお中元が消えても大丈夫だぜ!」
キース 「後は、俺たちの留守中に届いてくれるのを祈るのみだな」
スウェナ「大丈夫なんじゃないかしら? 今日まで届いてないんだし」
ジョミー「だよねえ、狙ったように明日ってことは無さそうだよね」
明日はブルーの家で夏休みの計画を立てる日、と予定の確認。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ みんなで遊びに来るんだよね!」
シロエ 「お世話になります、朝からよろしくお願いします」
ぶるぅ 「任せといてよ、おやつに御飯!」
キース 「俺も根性で卒塔婆を書くぞ、明日に備えて」
ブルー 「頑張りたまえ、副住職」
楽しい夏休みに出来るように…、と生徒会長。
夏休み、いよいよ明日からスタートですよ!
2015/07/16 (Thu)
☆朝から待ち合わせ
やって来ました、夏休み。今年は7月18日からというお得な日程。
初日は生徒会長の家に集合、計画を立てるのが恒例の行事ですけれど。
ジョミー「おはよう! 流石、キースはやっぱり早いね」
キース 「卒塔婆書きは待ってくれんしな。朝一番から書かないと」
涼しい内が仕事がはかどる、と待ち合わせ場所に一番乗りで。
キース 「朝のお勤めが済んだらサクサク書いてだ、それから飯だ」
ジョミー「…そこまでなわけ?」
キース 「お前もいずれ、寺を持ったら分かるだろう」
お盆の卒塔婆の大切さが…、と言われてもジョミー君は馬耳東風。
ジョミー「あっ、あのバスでサムたちかな?」
キース 「おいこら、俺の話を聞いているのか!?」
ジョミー「おはよう、サム! それにシロエも!」
サム 「もう来てたのかよ? スウェナもいるぜ」
スウェナ「おはよう、ジョミー。早かったのね」
ジョミー「今日から夏休みだと思ったらワクワクしちゃうしね!」
朝も早くに目が覚めちゃって、と夏休みモード。
ジョミー「何処に行こうか相談なんだし、もう楽しみで!」
シロエ 「おはようございます、ジョミー先輩。キース先輩も」
キース 「来たか、これで全員揃って…はいないか、マツカか」
サム 「そういや、マツカ、まだ来てねえなあ?」
バスの時間はどうなってんだよ、とサム君、運行状況をチェック。
サム 「定刻通りに走ってるよな、乗り遅れかよ?」
シロエ 「そういうことも全く無いとは言えませんねえ…」
マツカ先輩は真面目ですから、とシロエ君。
シロエ 「乗り遅れても、律儀に次のバスを待ってるタイプですから」
キース 「そうだな、タクシーを飛ばすことは滅多に無いな」
ジョミー「運転手付きの車だって家にあるのにね…」
スウェナ「そこがマツカのいい所なのよ、お金持ちっぽくなくて」
サム 「心構えが違うんだぜ、きっと」
使うだけの成金とは一味も二味も…、という話に頷く面々ですが。
さて、マツカ君は?
2015/07/17 (Fri)
☆有り得ない遅刻
夏休みの初日な7月18日、生徒会長の家へ行こうとバス停で集合。
ところがマツカ君がまだ現れず、遅刻だろうと待つシャン学メンバー。
シロエ 「でも、マツカ先輩が遅刻って珍しいですよね?」
キース 「そう言えば、早めに来て待っているタイプだったな」
ジョミー「キースの早さには負けるけれども、早い方だよね?」
スウェナ「最後に来ること自体が珍しいわよねえ…」
サム 「うんうん、バスの時間にもよるけどよ」
渋滞とかが無ければマツカは早い筈だよな、とサム君も。
サム 「寝坊もしそうにねえよな、あいつ」
シロエ 「マツカ先輩に限って、それは無いですね」
キース 「俺なら出がけに親父に捕まるパターンもあるが…」
ジョミー「マツカのお父さん、それはやらないよね?」
マツカを捕まえても何も得はしないし、とジョミー君。
ジョミー「卒塔婆なら代わりに書けるだろうけど、会社の仕事は…」
シロエ 「マツカ先輩にやらせようって方が無理ですよね」
キース 「パーティーの代理なら、まだ分かるがな…」
そっちだったら代わりに出たっていいんだろうが、と副住職も悩み中。
キース 「他の仕事は思い付かんぞ、マツカでも出来るようなのは」
シロエ 「マツカ先輩、どうしたんでしょう?」
サム 「病気とかなら連絡が来るよな、思念波もあるしよ」
スウェナ「それじゃ、やっぱり遅刻かしら?」
ジョミー「珍しく寝坊しちゃったかもね」
目覚ましが壊れるってこともあるし、と言われてみれば。
キース 「なるほど、そいつは不可抗力だな」
シロエ 「壊れていたなら鳴りませんしねえ…」
サム 「でもよ、マツカの家なんだぜ?」
誰か起こしに来るんじゃねえか、とサム君の指摘。
サム 「朝飯もリッチに食ってるんだからよ、そっち系でよ」
ジョミー「そうだね、朝御飯の桁が違ったっけね…」
キース 「卵料理も好きに選べるようだしな…」
寝過ごしても起こして貰えそうだぞ、との説ですが。
はて、マツカ君は…?
2015/07/18 (Sat)
☆遅刻した御曹司
シャン学メンバー、生徒会長の家から近いバス停で集合中ですけれど。
何故だかマツカ君が遅刻で、普段だったら有り得ない現象らしく。
シロエ 「起こしてくれる人もいそうなのに遅刻ですか…」
キース 「今は真夏だが、雪が降りそうな気がして来たぞ」
サム 「有り得なさから言ったら、それくらいだぜ、マジで」
雪が降っても不思議じゃねえよな、とサム君が空を仰いだ所で。
ジョミー「あっ、あのバス、マツカが乗ってるヤツじゃないかな」
スウェナ「そうねえ、あれに乗ってるといいんだけれど…」
サム 「乗ってなかったら、家に電話した方がいいんじゃねえか?」
誘拐されたって線もあるし、という言葉に一同、ガクブル。
ジョミー「ま、まさか…。でも、マツカなら…」
シロエ 「お金持ちですしね、その可能性も全く無いとは…」
キース 「狙うだけの価値はあるだろうしな、国外逃亡型でもな」
サム 「ドローンでかよ?」
キース 「ドローンは流石に無理だと思うが、手段は色々…」
本気で誘拐しようと言うならプロ集団も、と話は怖い方向へ。
キース 「海外からでも来る時は来るぞ、いろんなルートで」
スウェナ「身代金が凄い値段でも、マツカの家なら払えるわねえ…」
シロエ 「あのバスに乗ってるといいんですけど、マツカ先輩…」
誘拐されていませんように、と祈る気持ちのシャン学メンバー。
その間にもバスは近付いて参りまして。
サム 「おっ、乗ってるじゃねえかよ、一番前に!」
シロエ 「良かったですねえ、誘拐じゃなくて!」
大きく手を振るシャン学メンバー。バスが停まって…。
マツカ 「すみません、遅くなりました!」
キース 「いや、無事だったのなら充分だ」
マツカ 「は?」
シロエ 「誘拐されたかと思ったんですよ、遅かったですから」
マツカ 「え、ええ…。ちょっと…」
サム 「何かあったのかよ?」
マツカ 「そのぅ…」
口ごもっているマツカ君。
言いにくいことでもあるんでしょうか?
2015/07/19 (Sun)
☆待たされた御曹司
皆が誘拐かと心配する中、遅刻して来たマツカ君。
無事だったのかと喜ばれているのに、言いにくいことでもありそうで。
キース 「どうしたんだ、親父さんに何か言われでもしたか?」
マツカ 「…そんな所です。出ようとしたら「ちょっと待て」と」
シロエ 「マツカ先輩まで卒塔婆書きですか!?」
サム 「それはねえだろ、アドス和尚じゃねえんだからよ」
ジョミー「でも、お父さんに引き止められる用事って…」
マツカには無いんじゃなかったっけ、とジョミー君も。
ジョミー「マツカが代理で出来る仕事は無い筈だよ?」
スウェナ「そうだったわねえ…。マツカ、遅刻して何をしてたの?」
マツカ 「…していたと言うか、待っていたと言うか…」
一同 「「「待っていた?」」」
何を、と首を傾げるシャン学メンバー。
サム 「お客さんかよ?」
マツカ 「いえ、そうじゃなくて…。父の会社の得意先の…」
シロエ 「マツカ先輩、会社の仕事もしてたんですか?」
マツカ 「ノータッチですよ、高校生ですから」
ジョミー「じゃあ、なんで得意先の人を待ってたわけ?」
マツカ 「それが…。人を待つなら、まだいいんですが…」
待っていたのは荷物なんです、と言われてみれば大きな紙袋が。
キース 「ま、待て…! 得意先からの荷物と言ったか?」
マツカ 「ええ。…届いてしまったんです、例のお中元が」
一同 「「「お中元!?」」」
それはアレか、と一同、ドン引き。
シロエ 「ドクツルタケのお中元ですか?」
マツカ 「はい…。朝一番で届いたらしくて、会社の方から連絡が」
それで父に引き止められたんです、と申し訳なさそうなマツカ君。
マツカ 「お友達も楽しみにしておられるだろう、と言われたら…」
ジョミー「誰も楽しみにしていないんだけど!」
キース 「どちらかと言えば、その逆でだな…」
シロエ 「いない間に届いてくれれば、と思ったんですが…!」
お中元、最悪のタイミングで来てしまいましたよ…。
2015/07/20 (Mon)
☆フリーパスの荷物
合宿などで留守の間に届けばいいのに、と誰もが願ったお中元。
運悪く届いてしまったとかで、マツカ君の遅刻はお中元の到着待ちで。
サム 「来ちまったのかよ、あれだけ来るなと言ってたのによ…」
シロエ 「あと三日ほど遅く届けば良かったんですが…」
マツカ 「すみません…。父の会社も今日は基本は休みなんですが…」
こういう荷物もあるということで宿直が、と謝るマツカ君。
マツカ 「宿直がいなければ良かったんでしょうが…」
キース 「その人が届けに来たというわけか…」
マツカ 「いえ、父の車の運転手が取りに行きました」
急ぎの荷物というわけで、と深い溜息。
マツカ 「放っておいたら、連休明けまで会社に起きっ放しですから」
ジョミー「そっちのコースで良かったのに…」
キース 「俺も真剣にそう思う。しかし、マツカの親父さんは…」
スウェナ「事情を御存知ないものねえ…」
シロエ 「まさか中身は猥褻物だとも言えませんしね」
サム 「それってバレたら犯罪じゃねえか?」
猥褻物が外国から届くってのは、というサム君の意見。
キース 「言われてみれば…。普通は何処かで没収だったな」
シロエ 「その筈です。なのにサクッと届いてますよね」
ジョミー「あちこち買収しているのかな?」
サム 「ドクツルタケならやりそうだぜ」
考えたくもねえけどよ、と眺める先にお中元入りの紙袋。
サム 「此処で開けても、きっと警察は来ねえんだよ」
シロエ 「来たとしたってスルーですよね、この中身…」
キース 「今まで一切お咎め無しだけに、そうなるだろうな」
俺たちが通報したって「何も無いですよ?」と言われるんだ、と。
キース 「気のせいだとか、そんな感じでおしまいだろう」
シロエ 「ドクツルタケ、半端ないですね…」
サム 「金が有り余っていやがるんだぜ」
ジョミー「現金でくれればいいのにね…」
その方がよほど嬉しいのに、と足取りも重い御一同様。
お中元、来ちゃいましたしね…。
2015/07/21 (Tue)
☆ヤバくない荷物
来てくれるなという願いも空しく、届いてしまったお中元。
生徒会長の家に到着したシャン学メンバー、もう早速に愚痴モードで。
キース 「来るなというのに来やがったんだ、これが!」
マツカ 「父に引き止められなかったら、こんなことには…」
シロエ 「マツカ先輩の家から勝手に消えた可能性も…」
サム 「ツイてねえんだよ、俺たちはよ…」
ジョミー「よりにもよって今日だもんねえ…」
スウェナ「運が悪いにも程があるわよね」
どうして今日に届くのかしら、と肩を落としているスウェナちゃん。
スウェナ「まさか狙ってはいないでしょうけど…」
ブルー 「それは無いだろうね、いくらなんでも」
ついでに警察とかを買収の線も無いだろう、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「そういう細工をしたんだったら、ぼくでも分かるし」
キース 「サイオンでか?」
ブルー 「残留思念のようなものだね、ヤバイ代物は分かるんだよ」
そういう意味では善意しか感じないのがコレ、と指差す荷物。
ブルー 「もう本当に善意の塊、喜んで貰おうと詰めてる心が…」
サム 「コレから伝わってくるのかよ?」
ブルー 「うん。イングリッドさんの弾む気持ちが」
キース 「しかしだ、たまに悪意も感じるんだが…」
ブルー 「それも一種のジョークなんだよ、ブラックジョーク」
だからホントに善意なんだ、と生徒会長もグチグチと。
ブルー 「あまりに善意の塊だからね、わざわざ買収しなくても…」
キース 「スルーされるというわけか…」
ブルー 「あの手のチェックはヤバイ物を優先するものだしさ」
全部をチェックしてたら時間もコストもかかりすぎ、と。
ブルー 「だからスルッと通過なんだよ、今回も」
シロエ 「中身はやっぱりヤバそうですか?」
ブルー 「透視したいとも思わないよ!」
Aブルー「お中元、届いたんだって!?」
ブルー 「もう来たのかい?」
なんて早いんだ、と一同、頭痛。
ソルジャー、監視モードで待ってましたね?
2015/07/22 (Wed)
☆お中元と御布施
生徒会長の家に運び込まれた、イングリッドさんからのお中元。
到着を嗅ぎつけたらしいソルジャー、いそいそと来てしまいまして…。
Aブルー「嬉しいねえ…。君たちと一緒に開けられるなんて!」
ブルー 「持って帰ってくれていいんだけれど?」
こんな所で開けなくても、と生徒会長、手をヒラヒラと。
ブルー 「お礼状はマツカがきちんと書くから、ご心配無く」
Aブルー「それは駄目だよ、心がこもった贈り物だと君が言ったよ!」
善意の塊らしいじゃないか、と取られた揚げ足。
Aブルー「きっと素晴らしい贈り物だから、見てくれないとね!」
ブルー 「ぼくたちは迷惑なんだけど!」
Aブルー「でもねえ、せっかくの贈り物を無視というのも…」
マナー違反じゃないだろうか、という指摘。
Aブルー「お中元は夏の挨拶なんだろう? きちんと受け取る!」
キース 「あんたにだけはマナーを言われたくないんだが!」
Aブルー「そう言う君もね、ブルーと一緒でお坊さんだろう?」
礼儀作法も大切な筈、と痛い所をグッサリと。
Aブルー「サムもジョミーもお坊さんだし、こう、有難く!」
ブルー 「御布施だったら頂くけれどね、変な代物は…!」
Aブルー「そうだっけ? 御布施は断れなかったんじゃあ…?」
確か托鉢、と言い出すソルジャー。
Aブルー「これをどうぞ、と差し出されたものは断れないかと…」
シロエ 「あー、そういうのがありました!」
キース先輩から聞いたことが、とシロエ君が手をポンと。
シロエ 「生きたウサギを突っ込まれようが、持って帰ると!」
サム 「あったな、そういう話もよ」
キース 「俺の宗派の托鉢の話じゃないんだが!」
座禅を組む方の宗派のことで…、と慌てるキース君ですけれど。
Aブルー「つまり、ウサギは実話なんだね?」
キース 「うっ…」
Aブルー「ほらね、変な物でも御布施だったら貰わなくちゃね!」
御布施は頂くと言ったっけねえ…、とニヤニヤと。
生徒会長、墓穴ですか?
2015/07/23 (Thu)
☆御布施だと思え
イングリッドさんからのお中元、出来れば開けたくないのが生徒会長。
御布施だったら有難く頂く、と言ったばかりに、ソルジャー、逆襲。
Aブルー「生きたウサギも托鉢だったら断れない、と…」
キース 「ま、まあ、そうだが…」
Aブルー「そのウサギは食べちゃいけないんだよね? お坊さんだし」
キース 「小屋を作って寺で飼ったと聞いているが…」
Aブルー「なるほどねえ! 逆に面倒を蒙ってしまっても有難く!」
ウサギ小屋作りに餌代と余計な手間がかかっても、と頷くソルジャー。
Aブルー「御布施がそういうものだったらさ、このお中元も!」
ブルー 「お中元であって、御布施じゃないから!」
Aブルー「でも、お坊さんとして受け取るべきだと思うんだよ!」
それがマナーと言うものだろう、と指をビシィ! と。
Aブルー「貰って嬉しいものだけ受け取るというのはどうかと…」
ブルー 「君にだけはマナーを言われたくないね!」
青の間の掃除もしないような君に、と生徒会長、プリプリですけど。
Aブルー「だったら、マナーのお手本よろしく! ちゃんと開けて!」
ブルー 「…ぼ、ぼくはちょっと…」
Aブルー「ふうん? いいけどね、ぼくが開けてみるから」
キース 「持って帰って開けてくれ!」
Aブルー「ダメダメ、マナーの問題だから! 御布施だと思って!」
君も有難く頂戴したまえ、とお中元の箱に手を掛けるソルジャー。
Aブルー「えーっと…。いつもの国際宅急便だね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お菓子と小物って書いてあるよ!」
Aブルー「ぼくは小物が楽しみで…。ぶるぅはお菓子の方だよね?」
ぶるぅ 「うんっ! ジンジャークッキーあるといいなあ!」
名物だもんね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が覗き込む中、開封の儀。
Aブルー「うん、お菓子の箱が一杯だよ」
ぶるぅ 「わーい、ジンジャークッキーだあ!」
Aブルー「でもって、下が…」
ぼく宛かな? と引っ張り出した手紙。
他の中身は何でしょうねえ?
2015/07/24 (Fri)
☆開放的なシーズン
ドクツルタケことイングリッドさんからのお中元、ソルジャーが開封。
お菓子が沢山入ってますけど、他にも荷物と手紙なんかが。
Aブルー「手紙の宛名は、と…。御一同様だね、うん」
一同 (((嬉しくない、嬉しくない…)))
Aブルー「ということは、ぼく宛じゃないから! 君が読む!」
福の神様の国の言葉は君とぼくしか分からない、と生徒会長を指名。
Aブルー「君が音読しないんだったら、ぼくが読むけど!」
ブルー 「そ、それは…!」
Aブルー「もちろん思いのままに訳すよ、名文で!」
ブルー 「そんな酷いのは要らないから!」
どう訳されるか分かったものじゃない、と生徒会長が引ったくる手紙。
ブルー 「えーっと…。夏のご挨拶をお届けします、と…」
キース 「俺たちは求めていないんだが!」
Aブルー「ぼくは熱烈に歓迎してるよ、福の神様は何と?」
ブルー 「名物のジンジャークッキー色々、お召し上がり下さい…」
シロエ 「…普通ですね?」
ジョミー「普通だよね?」
サム 「忘れたのかよ、この先が問題なんじゃねえかよ!」
なんかアヤシイ物の説明、と顔を顰めているサム君。
サム 「公爵だとか、メデタイ様のチョイスだとかよ…」
一同 「「「あー…」」」
出だしは毎回普通だった、と今更気付いた御一同様。
キース 「それで、その先はどうなっているんだ?」
ブルー 「夏は開放的なシーズンですので…って、嫌な予感が…」
マツカ 「北の国の人は夏の太陽が好きなものですが…」
冷たい川でも平気で泳ぎに行きますが、という話。
キース 「なるほどな…。水着なら開放的というのも分かる」
スウェナ「この国でも夏はそう言うわよね?」
ブルー 「そうなんだけど…。だけど、相手が相手なだけに…」
Aブルー「開放的なシーズンだと、大いに期待が出来そうだねえ!」
ブルー 「何に?」
Aブルー「当然、中身に!」
夏こそセックス! とブチ上げるソルジャー。
解放的な気分でですか…?
2015/07/25 (Sat)
☆夏と言えば薄着
ドクツルタケことイングリッドさんからの手紙、生徒会長が音読中で。
夏は解放的なシーズンがどうこう、期待出来ると喜ぶソルジャー。
Aブルー「夏はやっぱりセックスなんだよ! 開放的に!」
ブルー 「君の場合は、一年中って気もするけれど?」
Aブルー「それはまあ…。動物と違って、人間だからね!」
一年中、いつでも発情期! と威張るソルジャー。
Aブルー「動物だとねえ、色々と縛りがあるみたいだけど…」
ブルー 「ぼくは君にも縛りが欲しいよ!」
Aブルー「えっ、やりたいと言うのかい?」
君も変われば変わるものだね、とソルジャー、感激。
Aブルー「それじゃ早速、今夜にでもね! 開放的な気分でいこう!」
ブルー 「…なんの話なわけ?」
Aブルー「ぼくを縛りたいって言うんだろう? 大歓迎だよ!」
ハードなヤツでもソフトなヤツでも、とウキウキと。
Aブルー「使えるアイテムが入ってないかな、そのお中元に」
ブルー 「…もしかしなくても、君が言うのは…」
Aブルー「君の御希望のSMだけど?」
夏こそ開放的にSM! とグッと拳を。
Aブルー「君がそういう気分になるのも、開放的な季節だからで!」
ブルー 「勘違いだから! 縛るの意味が別物だから!」
Aブルー「何を縛るんだい?」
ブルー 「一年中がシーズンだという君の欲望!」
せめて春だけとかにして欲しいものだ、とブツブツブツ。
ブルー 「年がら年中、そういう話を聞かされてると頭痛がね!」
Aブルー「なんだ、SMかと思ったのに…」
ちょっと残念、とフウと溜息。
Aブルー「それで、福の神様の手紙の方は?」
ブルー 「…薄着の季節のナイトライフにピッタリです…?」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「ナイトライフで薄着かい?」
ブルー 「主人と一緒に選びました、と書いてあるけど…」
Aブルー「DVDは?」
ブルー 「それも入っているみたいだけど…」
薄着の季節のナイトライフ。
いったい何が来たんでしょう…?
2015/07/26 (Sun)
☆サイズも合います
薄着の季節のナイトライフにピッタリです、というお中元の中身。
ドクツルタケことイングリッドさんと、ご主人の公爵が選んだもので。
Aブルー「DVDは嬉しいねえ…。それでナイトライフの方は?」
ブルー 「お好みに合うといいのですが、って…」
Aブルー「今までハズレが無かったからねえ、今度も合いそう!」
ブルー 「…サイズもきっと合う筈です…?」
一同 「「「サイズ?」」」
何のサイズだ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「服でしょうか?」
キース 「サイズと言ったら、服だの靴だのが定番なんだが…」
Aブルー「ぼく用に何か送ってくれたのかな?」
ブルー 「主人が贔屓にしている店です、品揃えはとても豊富です…」
Aブルー「うんうん、それで?」
ブルー 「セクシーランジェリーは此処のが一番です、って…」
一同 「「「セクシー…?」」」
如何にもヤバそうな響きの言葉に誰もがガクブル。
キース 「その先は読んで貰わなくてもいいんだが…!」
シロエ 「ぼくも遠慮しておきたいです!」
Aブルー「そう言わずに! キッチリ聞くのがマナーだよ!」
せっかくのお中元なんだから、とソルジャー、譲らず。
Aブルー「いいねえ、セクシーランジェリー! まさに開放的!」
ブルー 「メンズですから、カップルでどうぞ…」
一同 「「「メンズ?」」」
男性用な上にバカップル用か、と一同、愕然。
シロエ 「男性用なんかがあったんですか…!」
ブルー 「…公爵だからね…」
キース 「公爵はゲイだと聞いているしな…」
Aブルー「カップルってことは、ハーレイ用のもあるんだね!」
ぼく用だけじゃないんだ、と狂喜のソルジャー。
Aブルー「どうやってサイズが分かったんだろう、福の神様に!」
ブルー 「…目測ですが、間違いないと思います…?」
一同 「「「目測?」」」
ブルー 「バスでチラリと見ただけですけど、仕事柄…」
ミリ単位でも見分けられます、という話。
それって、誰が…?
2015/07/27 (Mon)
☆ミリ単位でいけます
ドクツルタケことイングリッドさんからのお中元、バカップルに下着。
サイズはピッタリ合う筈だそうで、目測でミリ単位でも見分けるとか。
キース 「誰なんだ、そのとんでもないヤツは!」
シロエ 「ぼくもミリ単位は流石に無理です、プロの仕事ですよ!」
ブルー 「…バスで見掛けた時にサイズを把握しておいたそうです」
彼は役立つ友人です、と読み上げた生徒会長、手がブルブルと。
ブルー 「あの人だよ、マツカのお父さんの会社の…」
Aブルー「メデタイ様かい!?」
ぼくとハーレイのサイズを覚えて下さったんだ、とソルジャー、感激。
Aブルー「バスの中を通って行ってただけなのにねえ…!」
キース 「偵察に乗って来やがったんだっけな、ドクツルタケの前に」
サム 「何の仕事をしてやがるんだよ、ミリ単位ってのはよ!」
シロエ 「ぼくも気になります、マツカ先輩」
どういう仕事の人ですか、とシロエ君も。
シロエ 「機械に強い職人系かと思うんですけど…」
マツカ 「…メカニックですよ」
一同 「「「メカニック?」」」
マツカ 「父の会社のレースカー部門の凄腕なんです」
キース 「そう来たか…」
ミリ単位でもいけるだろうな、と副住職までが納得の職業。
キース 「そして測っていやがったんだな、バカップルのサイズを」
シロエ 「その人もゲイじゃないんでしょうか?」
スウェナ「ありそうな話ね、同好の士だけに見て行ったとか…」
サム 「でもよ、ノーマルだって聞いていねえか?」
ブルー 「その筈だけどね…」
でも、ミリ単位で測っていったのは事実らしい、と生徒会長。
ブルー 「カップルで開放的なナイトライフをお楽しみ下さい、と…」
Aブルー「嬉しいねえ! 開けてみてもいい?」
ブルー 「セクシーランジェリーは君の世界で開けたまえ!」
Aブルー「だって、サイズがピッタリだっていう話だし…」
開けて確かめないと失礼では、と箱を抱えているソルジャー。
試着してみるつもりですか?
2015/07/28 (Tue)
☆確かめたいサイズ
バスの中でチラッと見掛けただけのバカップルのサイズ。
目測で測ったというメデタイ様からの情報を元に、お中元に下着で…。
Aブルー「本当にサイズがピッタリでした、って報告しないと!」
ブルー 「試着するのは君の世界でいいだろう!」
Aブルー「それじゃ駄目だよ、お礼状に心がこもらないよ!」
本当にピッタリな姿を見てくれないと、と譲らないソルジャー。
Aブルー「ちょっと待ってよ、ハーレイも呼ぶから!」
一同 「「「え?」」」
Aブルー「今ならブリッジも抜けられそうだし…」
ブルー 「君のハーレイが他人の前で試着できると!?」
ただの下着でも難しそうだ、と生徒会長の指摘。
ブルー 「ヘタレなんだし、絶対に無理!」
Aブルー「そうか、セクシーランジェリーだっけ…。無理かなあ?」
ブルー 「ぼくに訊くまでもないだろう!」
Aブルー「分かったよ…。それじゃ、これで」
パッと箱ごと消えたソルジャー。
キース 「帰ったのか?」
シロエ 「そうみたいですね、アッサリと」
サム 「良かったじゃねえかよ、後はマツカのお礼状だぜ」
マツカ 「いつものように書いておきますよ。でも、サイズの件は…」
サム 「スルーしとけよ、触れなくてもよ」
キース 「ありがとうございました、と書けばいいと思うが」
ブルー 「うん、ピッタリでしたと書かなくてもねえ…」
いいであろう、と生徒会長も。
ブルー 「要は感謝の心が伝わればいいわけで…」
マツカ 「分かりました。帰ったらきちんと書いておきます」
ジョミー「良かったね、今度は普通に終わって」
シロエ 「どうなることかと思いましたけどね…」
試着なのかと焦りました、とシロエ君が言った所へ。
Aブルー「はい、お待たせーっ!」
一同 「「「!!?」」」
Aブルー「やっぱり、みんなに見て貰わないと!」
??? 「お邪魔します」
御無沙汰してます、とキャプテン(会話表記はA船長)までが。
まさか試着をしに来たんですか…?
2015/07/29 (Wed)
☆ピッタリなサイズ
バカップルへのお中元はセクシーランジェリー。
サイズがピッタリとの話ですけど、キャプテン連れで来たソルジャー。
Aブルー「聞いてよ、もう本当にサイズがピッタリだったんだよ!」
A船長 「目測だけでミリ単位で測れる方だとか…。驚きました」
熟練のクルーでも難しいです、とキャプテン、感動の面持ちで。
A船長 「シャングリラで其処までの人材となりますと…」
Aブルー「ゼルの直属で二人くらいかな?」
A船長 「そのくらいだと思います。しかし、年季が違いますから」
Aブルー「そうなんだよねえ、ぼくたちの世界じゃ百歳超えで…」
ミュウだからね、という話。
Aブルー「だけど、メデタイ様はあの若さで測れちゃうんだよ!」
A船長 「福の神様のお使いに相応しい方かと…」
ブルー 「はいはい、分かった。マツカ、お礼状をよろしく」
マツカ 「ええ、ピッタリでしたと書いておきます」
サイズの件は書かないと駄目でしょうから、と生真面目ですけど。
Aブルー「それじゃ心がこもっていないよ、ちゃんと見る!」
ブルー 「こんな所で試着しないで欲しいんだけど!」
Aブルー「大丈夫だよ、もう着てるから!」
この服の下に、と指差されても。
ブルー 「…君はともかく、ハーレイの方は?」
Aブルー「ヘタレの方なら問題無し! こんなのだから!」
ジャジャーン! とサイオンで消えてしまったキャプテンの制服。
一同 「「「!!?」」」
ブルー 「…なんだい、それは?」
Aブルー「ちょっとレスリングみたいでカッコイイだろう?」
A船長 「透けるのが少し恥ずかしいですが…」
このくらいなら、と言うレースのボディースーツ。
Aブルー「ほらね、ハーレイにジャストフィットで!」
ブルー 「…そうみたいだねえ…」
Aブルー「ぼくにもカップル用で同じのが!」
A船長 「もう、グッとくるセクシーさでした、素晴らしいです」
ソルジャー用のもピッタリだった様子。
メデタイ様の眼力、恐るべし…。
2015/07/30 (Thu)
☆ピッタリなんです
目測でミリ単位まで測れるらしいメデタイ様。
それに基づいて送られて来たセクシーランジェリー、ピッタリでして。
Aブルー「ハーレイのはこういう感じだけどね、他にも色々!」
ブルー 「君のもピッタリだったというのは分かったから!」
Aブルー「それじゃ駄目だよ、しっかり見ないと!」
ブルー 「君のハーレイのと同じで水着もどきだろ!」
Aブルー「同じヤツをね、披露しても仕方ないんだよ!」
ぼくはハーレイほどヘタレじゃないものだから、と威張るソルジャー。
Aブルー「もっと素敵にジャストフィットなのを見て欲しいね!」
A船長 「私としては見せずに独占したいのですが…」
ブルー 「ほら、君のハーレイもこう言ってるし!」
Aブルー「でもねえ、この手の下着は見せてなんぼで!」
こんな感じ、と脱いでしまったソルジャー、パンツ一丁。
一同 「「「………」」」
Aブルー「ぼくのお尻にピッタリだろう?」
ブルー 「いいから、サッサと服を着たまえ!」
Aブルー「でもって、ここをこうするとねえ…」
A船長 「いけません、ブルー! その先はですね…!」
Aブルー「君がするべきことだって?」
じゃあ開けてみて、とニコニコと。
Aブルー「この部分が実にセクシーなんだよ!」
キース 「それは猥褻の間違いだろうが!」
Aブルー「そうとも言うけど、もう本当にサイズがピッタリだし…」
A船長 「ええ。ブルーに合わせて誂えたように…」
ブルー 「退場!!」
こんな所で始めるな、と生徒会長、怒りのレッドカード。
ブルー 「もう見なくても充分だから!」
Aブルー「だけど、他にもいろんな下着があるわけで…」
A船長 「どれもピッタリかと思うとですね…」
ブルー 「お礼状はマツカが書くから、見本だけ見ればいいんだよ!」
キース 「正直、見本も要らんくらいだ!」
Aブルー「分かった、それじゃ福の神様によろしく!」
メデタイ様にも、と姿が消えたバカップル。
誰もが溜息、今月これにて中継終了~。
2015/07/31 (Fri)