☆朝からコレばかり
キース君とお供のサム君を迎えて始まりました、スッポンタケの棚経。
ついでにソルジャーが頼んだパワーアップのお経とやらも。
キース 「多くの技を行いて、自らそのパワーを強くせん…」
Aブルー「いいねえ…」
ブルー 「シーッ!」
棚経中の私語は慎めとばかりに、銀青様からお叱りの「シーッ!」。
キース 「…これ諸仏の教えなり。…南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
サム 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」
坊主二人「…南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
南無阿弥陀仏の連呼の中、副住職がキンキンと鳴らす叩き鐘。
坊主二人「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏~…」
キース 「…はい、皆さん、よくお参り下さいました」
シロエ 「えーっと…。敬語ですか?」
すっごく珍しいんですけど、と言われてハッと我に返った副住職。
キース 「しまった、今のは職業病だ」
サム 「朝からずーっとコレばかりだからよ…」
条件反射で出て来るんだろ、と言ったサム君も今は普通モードで。
サム 「やっぱ緊張するんだよ。年に一度の棚経だしよ」
キース 「失敗は許されないからな。…こればっかりは」
Aブルー「ありがとう、パワーアップのお経も唱えてくれて」
どうぞ、とソルジャーが差し出した御布施。
キース君はサッと法衣の袖に突っ込みまして…。
キース 「行くぞ、次!」
サム 「はいっ!」
Aブルー「それじゃ送らせて貰うから。次の家まで」
キース 「当然だ!」
あんたの都合で呼びやがって、と出てゆこうとする副住職ですが。
Aブルー「あ、そうそう。お盆は16日までだよね?」
キース 「分かり切ったことを今更聞くな!」
Aブルー「だったら、17日でいいから…」
キース 「は?」
Aブルー「スッポンタケのお葬式をお願いしたいんだけど!」
キース 「誰がやるか!」
Aブルー「…いいのかい? 次の棚経に大幅に遅刻しちゃっても?」
瞬間移動が出来なかったら遅刻だよね、と凄い脅しが。
棚経なコンビに大ピンチ?
2015/08/16 (Sun)
☆間に合わない自転車
スッポンタケの棚経が無事に終わって、次の家へと急ぐ副住職ですが。
瞬間移動で送る筈のソルジャーが凄い脅し文句を。
Aブルー「スッポンタケのお葬式をしてくれないなら、遅刻だね」
キース 「あんた、いったいどういうつもりだ!」
サム 「喧嘩していないで行こうぜ、次!」
次の檀家さんの家まで全力で走れ、とサム君が先に玄関の方へ。
サム 「自転車で急げばなんとかなるぜ、きっと!」
キース 「間に合うわけがないだろう!」
檀家さんの家と此処との間は5キロもある、という叫び。
キース 「時速60キロで漕いでも5分かかるんだ!」
一同 「「「「うわー…」」」
ロードバイクならともかく、ママチャリでは無理な時速60キロ。
サム 「マジかよ、5分でも遅刻スレスレだってえのによ!」
キース 「だから、こいつを説得するしかないんだ、この馬鹿を!」
Aブルー「馬鹿っていうのは、ぼくのことかい?」
キース 「他にどういう馬鹿がいるんだ!」
サッサと俺たちを送り届けろ、と副住職の怒り。
キース 「でないと棚経をチャラにするからな!」
Aブルー「そんなことをしたら、やり直しに来て貰うから!」
また棚経の途中で拉致する、とソルジャーの方も一歩も譲らず。
Aブルー「君は一言、うんと言うだけでいいんだよ!」
キース 「誰が葬式を引き受けるか! 後付けなんぞで!」
Aブルー「じゃあ、遅刻」
さようなら、と玄関の方を指差すソルジャー。
Aブルー「サムと一緒に走りたまえ。今からだと時速70キロかも…」
キース 「うっ…」
ヤバイ、と腕時計に目を遣った副住職の額に汗が。
キース 「た、頼む、俺たちを送ってくれ!」
Aブルー「スッポンタケのお葬式は?」
キース 「17日は後片付けもあるから、そこは無理だが!」
Aブルー「他の日にやってくれるんだね?」
キース 「また、予定を見て連絡する!」
元老寺に帰らないと予定が全く謎だから、という絶叫。
引き受けるんですか?
2015/08/17 (Mon)
☆自転車ごと次へ
後付けでスッポンタケのお葬式を引き受けない限り、瞬間移動は無し。
ソルジャーに脅されたキース君、棚経のスケジュールがギリギリで。
Aブルー「棚経が終わったら、また連絡をくれるんだね?」
キース 「約束する! お盆の直後は何かと無理だが!」
Aブルー「ありがとう! それじゃ棚経、頑張って!」
サムと二人で行ってらっしゃい、と取り出したるは栄養ドリンク。
Aブルー「これはぼくからの差し入れだから! グッと一気に!」
キース 「…怪しい中身じゃないだろうな?」
Aブルー「その心配は要らないよ! 市販品だしね!」
サム 「割とよく見るヤツだぜ、コレ」
キース 「蓋は緩んでいないようだし…。頂いておくか」
感謝、と飲み干す棚経コンビ。
キース 「御馳走になった。…それでは、頼む」
Aブルー「うん、最初からの約束だしね。ファイト、一発!」
栄養ドリンクのCMよろしく叫んだソルジャー、サイオン発動。
棚経コンビは自転車ごと次へと向かったようで。
シロエ 「…間に合ったんでしょうか?」
Aブルー「それはもう! 予定より早いくらいでね!」
遅れを取り戻して充分な余裕が、と笑顔のソルジャー。
Aブルー「今年も無事に棚経が出来て良かったよ。スッポンタケの」
ブルー 「ドサクサ紛れにお葬式まで注文出来たって?」
Aブルー「ぼくは最初から、そういう勘定でいたんだけれど?」
一同 「「「うわー…」」」
計算ずくか、と愕然とする御一同様。
シロエ 「じゃあ、キース先輩はハメられたというわけですか?」
Aブルー「人聞きの悪い…。頭脳派の勝利と言って欲しいね!」
自転車で棚経に突っ走るだけのキースより冴えた頭脳の勝利、と。
Aブルー「キースがもう少し冷静だったら、ぼくの負けだし!」
一同 「「「はあ?」」」
Aブルー「考えてみてよ? 瞬間移動が出来る人間、一人かい?」
ぼくの他には誰もいないかい、という質問。
瞬間移動って、生徒会長にも出来る筈でしたよね…?
2015/08/18 (Tue)
☆忘れた出来る人
後付けでスッポンタケのお葬式を引き受け、棚経に向かったキース君。
しかし策士なソルジャー曰く、ハメたのではなくて作戦勝ちで。
Aブルー「瞬間移動なら、そこのブルーも、ぶるぅも出来る!」
シロエ 「そ、そう言えば…。会長も、ぶるぅも…」
マツカ 「瞬間移動は得意技ですよね…」
忘れてました、とマツカ君までが。
マツカ 「話の流れで、出来る人は他にいないという気になって…」
シロエ 「ぼくもです。スウェナ先輩もそのクチですよね?」
スウェナ「私なんかより、出来る二人が問題じゃないの?」
自覚ゼロだったんじゃないかしら、という指摘。
スウェナ「ぶるぅは仕方ないけれど…。ブルーの方が問題だわよ」
ぶるぅ 「んとんと…。すっかり忘れちゃってたぁ!」
ブルー 「…ぼくもだよ。ついつい、話に飲まれてしまって…」
キースがリーチで焦っていたから巻き込まれた、と生徒会長。
ブルー 「棚経の遅刻は許されないしね、坊主には…」
シロエ 「会長にも、キース先輩のパニックが移ったんですね?」
ブルー 「職業柄、棚経が先に立っちゃって…」
キースには悪いことをしちゃった、と反省しきり。
ブルー 「ぼくが一言、送ってあげると言ってれば…」
シロエ 「お葬式は断れたわけですか…」
マツカ 「キースも運が無いですね…」
Aブルー「ぼくには運があったけれどね!」
これでお葬式をして貰える、とニコニコと。
Aブルー「日にちの指定が出来るんだったら、大安がいいな!」
一同 「「「大安?」」」
おめでたい行事に向いている日が大安では、と驚く御一同様。
シロエ 「どうして大安になるんです?」
Aブルー「スッポンタケのハレの日だしね!」
これで非の打ち所がない仏様に、と満面の笑顔。
Aブルー「大安が無理なら友引なんかも…」
ブルー 「お葬式に友引は無しだから!」
シロエ 「やめて下さい、殺す気ですか!」
ぼくたちまで、という悲鳴。
友引、すなわち友を引く。ダメダメですね?
2015/08/19 (Wed)
☆呼ばれたい人
スッポンタケのお葬式には吉日がいい、と言い出したソルジャー。
第一希望は大安ですけど、無理なようなら友引でもいいという発言で。
Aブルー「どうして友引は駄目なんだい?」
シロエ 「ぼくたちが危険だからですよ!」
Aブルー「殺す気ですかって言っていたけど、どういう意味?」
ブルー 「友引は文字通り、友を引くっていう意味だから!」
お葬式にしたって同じ、と生徒会長、眉間に皺を。
ブルー 「友引の日にお葬式をしたら、呼ばれちゃうんだよ!」
シロエ 「一緒にお葬式をしようと誘われるんですよ!」
Aブルー「素晴らしいじゃないか! 一緒だなんて!」
スッポンタケに呼んで貰えるなんて、とソルジャー、感動。
Aブルー「それは是非とも友引にやって、呼んで貰わないと!」
シロエ 「お葬式に呼ばれるんですけれど?」
そして自分のお葬式を出す羽目に…、と顔を顰めるシロエ君ですが。
Aブルー「早い話が、ぼくも昇天出来るんだろう?」
シロエ 「…昇天と言うか、お浄土行きですね」
Aブルー「最高だよ! スッポンタケに呼ばれてお浄土への旅!」
きっと素敵に違いない、とソルジャーの瞳がキラキラと。
Aブルー「今までに無いエクスタシー! まさに絶頂!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「セックスだってば、もう文字通りにイけるんだろう?」
スッポンタケに呼んで貰って天国へ、とグッと拳を。
Aブルー「だから是非とも、友引に! スッポンタケと絶頂へ!」
ブルー 「あのねえ…。君はそれでいいかもしれないけどね!」
他の連中はどうなるんだい、と睨み付けている生徒会長。
ブルー 「呼んで貰っても、何の役にも立たないんだけど?」
シロエ 「そうですよ! 普通に死ぬっていうだけで!」
Aブルー「うーん…。本当に死んでしまうって?」
ブルー 「君の場合も、どっちかと言えばそうなるよ!」
都合のいいように解釈するな、と銀青様の仰せ。
どう考えても、本物のお浄土行きになりそうですよね?
2015/08/20 (Thu)
☆避けたい友引
お葬式には向かない友引、スッポンタケにその日を希望のソルジャー。
一緒に天国に行くとかなんとか、要はアヤシイ天国の方で。
ブルー 「君が思っているような天国には行けないから!」
Aブルー「そうかな、相手はスッポンタケだよ?」
きっと素晴らしい天国へ、と未練たらたら。
Aブルー「あの姿だけに、間違いなく絶頂だと思うけど!」
ブルー 「腹上死って言葉もあるしね、そっち方面も有り得るね」
Aブルー「ちょっと待ってよ、縁起でもない!」
それじゃハーレイはどうなるんだい、と青ざめる顔。
Aブルー「ハーレイがポックリ行っちゃうわけかい、友引で?」
ブルー 「全く無いとは言い切れないねえ、君は結婚してるんだし」
夫婦は一心同体と言うし…、と生徒会長。
ブルー 「必ずしも君に限らないかもしれないよ。引かれるのはね」
Aブルー「ぼくの代わりにハーレイの方で、ホントに死ぬ方?」
ブルー 「リスクは高いと思うけど?」
それでも友引にやりたいのなら御自由に、と突き放し。
ブルー 「ただし、ぼくたちは出ないから!」
シロエ 「ええ、自分の命は自分で守るのが鉄則ですしね」
Aブルー「それじゃ、大安なら出てくれるんだね!」
一同 「「「うっ…」」」
しまった、と口を押さえても後の祭りでございます。
Aブルー「良かったよ! せっかくのお葬式だし、人は多い方が!」
ブルー 「…身内だけで送るというのも流行りだけれど?」
シロエ 「そうです、その方が心のこもったお別れがですね…」
盛大にやると肝心の家族が霞みがちで…、と門前の小僧。
シロエ 「キース先輩も言ってましたけど、見栄を張るよりは…」
ブルー 「ゆっくり送ってあげるのがいいと思うけどね?」
ぼくもお勧め、と銀青様もプッシュですけど。
Aブルー「その点だったら大丈夫だよ!」
ブルー 「何が?」
Aブルー「家族並みに付き合い、深いから!」
スッポンタケと君たちの仲、とイヤンな言葉。
腐れ縁ではありますね…。
2015/08/21 (Fri)
☆会場は此処で
大安の日にスッポンタケのお葬式をしようと決めたソルジャー。
シャン学メンバーにも出ろということで、付き合いは深いという指摘。
Aブルー「初めてスッポンタケに会った時から一緒だったし!」
シロエ 「ぼくたちは連れて行かれただけです!」
Aブルー「でも会ったよねえ、有難いお姿のスッポンタケに!」
そして去年は初盆もやった、とニコニコニコ。
Aブルー「あの時も君たちが来てくれたんだし、お葬式にも!」
ブルー 「…断ると言ったら?」
Aブルー「もう強引に出席だよ! それに会場は此処だから!」
ブルー 「ぼくの家でやると!?」
Aブルー「君も言ったよ、身内でゆっくり送ってやれって!」
それには此処がピッタリで…、と見回すリビング。
Aブルー「スッポンタケにも馴染みの場所だし、静かだし…」
ブルー 「だからと言って、なんでぼくの家で!」
Aブルー「それじゃ訊くけど、元老寺でやってくれそうかい?」
お寺でお葬式もするようだけど、という質問。
Aブルー「ぼくがサイオンで操作しなくても、出来るわけ?」
ブルー 「…そ、それは…」
シロエ 「アドス和尚が怖そうですよ、スッポンタケなんか…」
マツカ 「キースの命が危なそうですね…」
スウェナ「危ないどころか、確実に半殺しにされるわよ」
罰礼と言っていたかしら、とスウェナちゃん。
スウェナ「南無阿弥陀仏で五体投地を千回じゃないの?」
ブルー 「三千回かもしれないねえ…」
シロエ 「スクワット並みだと言ってますよね、あの罰礼…」
Aブルー「ほらね、キースに大迷惑だし!」
だから此処で、とソルジャー、断言。
Aブルー「それが嫌なら、何処かの会館を借りるけど?」
一同 「「「うわー…」」」
本格的すぎる会館コース。そんなものよりは…。
ブルー 「分かった、ぼくの家でいいから!」
Aブルー「ありがとう! とてもいい日があるんだよ!」
大安で、おまけに日曜日で…、と笑顔ですけど。
それは結婚式向けなのでは?
2015/08/22 (Sat)
☆この日に決めた
スッポンタケのお葬式は生徒会長の家で、と決めたソルジャー。
希望の日取りは大安吉日、しかも日曜日という目出度すぎるもので…。
シロエ 「お葬式に大安の日曜日ですか?」
Aブルー「もう、最高だと思うけどねえ! スッポンタケには!」
ブルー 「どう考えても、結婚式にピッタリの日だと思うんだけど?」
Aブルー「分かってないねえ、そこがまた素晴らしいんだよ!」
結婚式はとても大切なイベントで…、とソルジャーは笑顔。
Aブルー「結婚式の夜と言ったら、初夜! もちろんセックス!」
ブルー 「…それで?」
Aブルー「スッポンタケにも、是非あやかって欲しくてねえ!」
この良き日に、とニコニコニッコリ。
Aブルー「初夜のためにあるような日にお葬式だよ、絶倫だよ!」
ブルー 「あのねえ…。お葬式と結婚式とは別だから!」
Aブルー「いいんだってば、スッポンタケのは後付けだから!」
色々な意味で掟破りで結婚式にも負けないイベント、とグッと拳を。
Aブルー「それに、おめでたい日なんだから! 間違いなく!」
ブルー 「…どういう意味で?」
Aブルー「お葬式をしていなかったスッポンタケのハレの日だよ!」
これで立派に押しも押されぬ仏様だ、とソルジャー、力説。
Aブルー「今まで以上のパワーを授かる日だから、吉日だってば!」
ブルー 「…どうしても大安にやりたいと?」
Aブルー「友引は駄目だという話だしね!」
ちゃんと候補は決めてあるのだ、と指差す壁のカレンダー。
Aブルー「30日の日曜日が大安だから、そこがいいなと!」
ブルー 「…キースに日取りを選ぶ権利は?」
Aブルー「お盆が済んだらいいと言ったよ、キースはね!」
海の別荘から帰った後なら充分だろう、とニンマリと。
Aブルー「だから30日は空けておいてよ?」
シロエ 「30日で決定ですか!?」
Aブルー「キースの物分かりが良ければね!」
その日で決まり、と言ってますけど。
副住職に逃げる権利は無さそうですね…?
2015/08/23 (Sun)
☆日は押さえました
30日の日曜日は大安、スッポンタケのお葬式だと決めたソルジャー。
棚経が無事に終わって大満足で、夜まで居座り、生徒会長に注文を。
Aブルー「悪いけど、キースの家に電話をしてくれるかな?」
ブルー 「なんで、ぼくが!」
Aブルー「まだ連絡が来ないからだよ、キースから!」
お葬式の日取りが決まったのに、とブツブツと。
Aブルー「棚経はもう終わってるよね、だから連絡しなくっちゃ!」
シロエ 「キース先輩、今日は死んでると思いますが…」
Aブルー「死んでるって…。キースもお葬式なのかい?」
ブルー 「ものの例えだよ、討ち死に中だよ!」
炎天下の棚経でダウン中だから、と生徒会長。
ブルー 「だから電話をするだけ無駄だね、出てくれないよ」
Aブルー「個人的な方の電話だったら?」
ブルー 「電源を切って爆睡中!」
元老寺の電話だったらイライザさんが出るけれど…、という話。
ブルー 「でもねえ、取り次いでくれないだろうね」
Aブルー「うーん…。だったら、奥の手で!」
一同 「「「奥の手?」」」
Aブルー「ちょっと行ってくる!」
叩き起こして頼んで来る、と姿が消滅。
シロエ 「まさか、瞬間移動ですか!?」
ブルー 「そのまさかだよ、本気で叩き起こしているよ…」
これじゃキースも冷静な判断が出来ないだろう、と合掌を。
ブルー 「…やっぱり引き受けちゃってるし…」
一同 「「「ええっ!?」」」
ブルー 「寝ぼけ眼で手帳に書いてる、30日って」
一同 「「「うわー…」」」
決定なのか、と愕然とする間に戻ったソルジャー、御機嫌で。
Aブルー「やったね、30日でオッケーだってさ!」
シロエ 「キース先輩はどうなったんです?」
Aブルー「手帳に書いたら、バタンと倒れて寝ちゃったけれど?」
ブルー 「君は何処まで自分中心なわけ!?」
Aブルー「全てはスッポンタケのためだよ、これで完璧!」
後は立派なお葬式を、と満面の笑顔。
本気で後付け、やらかすんですね?
2015/08/24 (Mon)
☆用意するものは
棚経で疲れて討ち死にしていたキース君を急襲したソルジャー。
寝ぼけている所へ捻じ込んだスッポンタケのお葬式、30日の大安で。
キース 「俺はいつの間に引き受けたんだ! 葬式なんぞを!」
Aブルー「棚経の日だよ、ちゃんと頼みに行ったんだから!」
君が手帳に書いたんじゃないか、とソルジャーがゴネる海の別荘。
Aブルー「後付けだけれど、立派なお葬式にしてやりたいしね」
キース 「あんた、本気でやらかす気か?」
Aブルー「当たり前だよ、何を用意すればいいんだい?」
お葬式のための準備があるから、と言われましても。
キース 「普通の葬式じゃないからな…。色々な意味で」
シロエ 「相手はスッポンタケですからね…」
キース 「その上、既に初盆も棚経も済んでいるという所がな…」
何をやったらいいのか全く分からん、とブツブツと。
キース 「読経はともかく、他の部分が全く応用出来んのだ!」
サム 「分かるぜ、ご出棺も何もねえもんなあ…」
ブルー 「もう形だけでいいんじゃないかな、それっぽく」
キース 「やっぱり、あんたもそう思うのか…」
それしかないか、と腹を括った副住職。
キース 「とにかく遺影を用意してくれ。これは必須だ」
Aブルー「遺影というのは何なんだい?」
キース 「仏様の生前の写真を引き伸ばして飾るわけなんだが」
Aブルー「なるほどね! スッポンタケの写真を用意する、と」
記念写真を撮ってあるからアレで、とニコニコと。
Aブルー「スッポンタケ狩りの時に、それは凄いのを!」
ブルー 「写真まで撮っていたのかい?」
Aブルー「あやかりたいしね、あの恥じらいのない姿に!」
遺影はバッチリ、と立てる親指。
Aブルー「それで、他には?」
キース 「祭壇と黒白の鯨幕と…。そうだ、喪服を忘れるなよ」
Aブルー「喪服ね、分かった!」
キース 「後は俺への御布施も頼む」
そんなトコだ、とサックリ終わった打ち合わせ。
後は30日を迎えるだけみたいですね?
2015/08/25 (Tue)
☆招待状まで準備
そんなこんなでやって来ました、スッポンタケのお葬式の日が。
生徒会長の家が会場とあって、シャン学メンバーも集まりましたけど。
シロエ 「…招待状が来るとは思いませんでしたよ、お葬式の」
マツカ 「ぼくもです。確かに日時は分かりやすいですが…」
サム 「これって婚礼用のヤツだろ、寿のシール」
招待状が入った封筒の裏に寿なシール、しかも金色。
ブルー 「間違いなくソレだと思うけどねえ?」
ジョミー「喪服で来いって書いてあったけど、制服でいいよね?」
ブルー 「学生の場合は制服だね、うん。ぼくは衣だけど」
職業柄、と生徒会長は緋色の衣。他は制服、喪服はゼロで。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼくも幼稚園の制服だよ!」
シロエ 「可愛いですよね、何処のですか?」
ブルー 「ぼくの知り合いがやってる所!」
お寺が幼稚園をやっているのはよくある話、と生徒会長。
ブルー 「こういう時に備えて買ってあるんだよ、制服を」
シロエ 「ある意味、抹香臭いですね」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅ! 抹香臭いのは大歓迎だよ!」
お葬式だし、と出現しました、言い出しっぺが。
Aブルー「ぼくもバッチリ喪服でキメたよ、この通り!」
ブルー 「わざわざ買って来たのかい?」
Aブルー「スッポンタケの晴れ舞台だしね!」
買わずにどうする、と黒のスーツに黒のネクタイ。
Aブルー「遺影もちゃんと用意して来たし、もうバッチリ!」
??? 「本日はよろしくお願いします」
お集まり下さって感謝します、とキャプテン(会話表記はA船長)も。
A船長 「スッポンタケが立派な仏様になれる日だそうで…」
ブルー 「どうだかねえ…。後付けなんかは聞いたこともないしね」
Aブルー「黒白の幕は此処でいいかな、こんな感じで」
ブルー 「いいと思うよ、祭壇は其処で」
Aブルー「分かった、それじゃ瞬間移動で!」
一同 「「「うわー…」」」
ドンッ! と本格的な祭壇。
こんなのも売っているんですかねえ…?
2015/08/26 (Wed)
☆晴れ舞台なんです
スッポンタケのお葬式用にと瞬間移動で出て来た祭壇。
あまりにも本格的な代物とあって、誰もがポカンと口を開けるだけで。
シロエ 「あんなの、売っているんでしょうか?」
サム 「お寺用の通販カタログだったら載ってるけどよ…」
素人さんでも買えただろうか、とサム君も首を傾げるしかなく。
サム 「買えたとしてもよ、後の使い道が全くねえぜ」
Aブルー「そこはケチケチしないってね! 晴れ舞台なんだから!」
ジョミー「だったら、やっぱり本物なわけ?」
Aブルー「決まってるじゃないか! ちょっと情報を操作して!」
買ってみましたー! と威張るソルジャー。
Aブルー「処分はどうとでもなるからね! サイオンで燃やすとか!」
A船長 「あなたの力なら一瞬ですしね」
一同 「「「うーん…」」」
そこまでするか、と呆れ果てていたらチャイムの音がピンポーンと。
ぶるぅ 「あっ、キースだ!」
キース 「…不本意ながら来てやったぞ」
なんだって葬式の後付けなんか、と呻く私服の副住職。
Aブルー「その格好でやるのかい?」
キース 「着替えるんだ! 衣で家を出られるか!」
親父にバレたら命が無いし、と法衣用ではないボストンバッグ。
キース 「この中に全部詰めて来たんだ、これが位牌だ」
Aブルー「ありがとう! 何処に飾ればいいんだい?」
キース 「真ん中に遺影を据えてだな…。その前だな」
Aブルー「分かった、早く着替えて来てよ!」
キース 「鳴り物の用意も忘れるなよ?」
アレが無いと何も始まらないからな、と着替えにゲストルームへと。
Aブルー「鳴り物って、木魚と鐘だよね?」
ブルー 「その置き方は間違ってるから!」
サム 「左右が逆になってるぜ、逆」
手を交差させて叩くことになるぜ、とサム君も指摘。
サム 「それじゃドラマーになっちまうしよ」
Aブルー「じゃあ、それでいこう!」
賑やかなお葬式にしたいじゃないか、という主張。
木魚と鐘でドラマーですか…?
2015/08/27 (Thu)
☆ドラマーでいこう
本物志向の祭壇まで出て来た、スッポンタケの後付けお葬式。
キース君が法衣に着替える間に置かれた、木魚と鐘の位置が逆とかで。
Aブルー「キースもプロのお坊さんだしさ、逆もいけるよね?」
サム 「出来ねえことはねえだろうけど…。ちゃんと直しとけよ」
Aブルー「ドラマーだって聞いてしまうと、直す気は無いね!」
派手に演出したいんだから、とソルジャー、譲らず。
そこへ黄緑色の法衣に立派な袈裟のキース君が戻って参りまして。
キース 「準備は出来たか? おい、鳴り物の場所を間違えるな!」
Aブルー「あっ、そのままでいいんだよ! 叩けるだろう?」
キース 「なんだって?」
Aブルー「こう、手を交差させてドラマー風に! サムに聞いたよ!」
キース 「…ドラマーだと?」
何事なんだ、と睨まれたサム君、慌てて「違う」と否定。
サム 「俺は置き場所が間違ってるって言っただけでよ…!」
シロエ 「そうです、左右が逆だからドラマーになってしまうって…」
Aブルー「素敵じゃないか、ドラマーだなんて! これでお願い!」
スッポンタケも喜ぶだろう、と満面の笑顔。
Aブルー「君もプロなら、注文に応じてこそじゃないかと…」
キース 「くっそお…。やってやれないことはないが、だ!」
実例もあるし、と苦い顔付き。
キース 「坊主仲間に経験者がいた。法要を始めたら逆だったそうだ」
シロエ 「どうなったんです?」
キース 「置き直した方が顰蹙だからな、そのまま続行したらしい」
一同 「「「うわー…」」」
Aブルー「いいねえ、ドラマーなお葬式!」
是非ともそれで、という注文。
キース 「仕方ない…。始めるが、あんた、お焼香は知ってるか?」
Aブルー「お焼香?」
キース 「あんたが喪主なら一番手だぞ」
Aブルー「喪主ってなんだい?」
キース 「葬式の時にトップを務める、仏様の親族なんだが!」
それも分かっていなかったのか、と天井を仰ぐ副住職。
こんな調子で大丈夫ですか…?
2015/08/28 (Fri)
☆とにかく派手に
スッポンタケの後付けお葬式、木魚と鐘はドラマー風にという注文。
それはさておき、喪主が何だか分かっていなかったらしいソルジャー。
Aブルー「お葬式の時のトップねえ…。ぼくなんだろうね?」
A船長 「ソルジャーの方が立場が上ですからね、キャプテンよりも」
キース 「あんたで決まりか…。お焼香の方は分かるのか?」
Aブルー「初耳だけど?」
キース 「それも知らずに葬式を頼みやがったのか!」
よくも、と奥歯をギリギリと。
キース 「サム、教えてやれ!」
サム 「えーっと、それが香炉でよ…。その真ん中にこんな具合に」
こっちのお香を乗せると煙が、という説明。
サム 「細かい作法はもう仕方ねえな、とにかく出来れば」
Aブルー「お焼香ねえ…。これは大事なことなのかい?」
キース 「葬式に出たら、お焼香するのは常識だ!」
普通は親族は最後なんだが…、と副住職。
キース 「掟破りな後付けだからな、順番を変えることにした」
ブルー 「なかなかナイスなアイデアだよ、それ」
差別化を図るのはいいことだ、と銀青様も頷きまして。
キース 「あんたのお墨付きなら安心だ。では、始めるぞ」
Aブルー「はい、盛大に拍手、拍手~!」
キース 「黙っていろ!」
何処の葬式に拍手があるか、と始まった読経。
キース 「願我身浄如香爐~…願我心如智慧火~…」
Aブルー「うんうん、いいねえ…」
ブルー 「シーッ!」
粛々と進むお葬式ですけど、木魚と鐘とが見事にドラマー状態で。
Aブルー「ドラマーで頼んで良かったよ! 見た目に派手で!」
キース 「………。それでは、ご親族の方からお焼香を」
Aブルー「待ってましたあ!」
颯爽と立って行ったソルジャー、お香をギュッと鷲掴み。
Aブルー「お葬式おめでとう、スッポンタケ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
香炉にドバッとブチまけられたお香、サイオンの効果かブワッと炎上。
凄い煙が発生してます、まさかのスモーク演出ですか…?
2015/08/29 (Sat)
☆お焼香スモーク
スッポンタケの後付けお葬式、掟破りなだけにお焼香の順が親族から。
喪主のソルジャーがお香てんこ盛り、凄い煙がモクモクと。
シロエ 「何するんですか!」
Aブルー「お葬式には常識なんだろ、だったら煙も派手にしないと!」
サム 「こんなんじゃねえよ、やりすぎ…ゴホッ!」
マツカ 「け、煙が…ゲホッ!」
お香の煙は強烈なだけに、ゲホゲホゴホゴホ、凄い騒ぎに。
キース 「南無阿弥陀ゲホッ、南無ゴホッ陀仏…」
Aブルー「ゲホゲホ言わずに、お経よろしく!」
キース 「ゲホ阿弥陀仏、ゴホ阿弥陀仏…」
ドラマー状態で木魚と鐘を鳴らしつつ、お焼香を促す副住職の手。
A船長 「私でしょうか?」
Aブルー「君だと思うよ、お香はドバッと!」
A船長 「分かっております、煙はよろしくお願いします」
あの手のサイオンは不得手でして、とキャプテンも握った大量のお香。
A船長 「お葬式おめでとうございます、スッポンタケ!」
Aブルー「おめでとう、スッポンタケ!」
またまたブワッと凄い煙で、もう完全にスモーク演出。
Aブルー「次は誰かな、とにかく派手にやってよね!」
A船長 「煙はブルーが出してくれますから、皆さん、よろしく」
一同 「「「………」」」
そんな、と煙の中で一同ゲホゲホ、けれど副住職の声。
キース 「ゲホッ、お焼香が終わらない間は、ゴホッ…」
シロエ 「何なんです?」
キース 「そ、葬式の…ゲホッ、締めのお経が…ゴホッゴホッ!」
どうやらお焼香が終わらない限りは、終わらないのがお葬式っぽく。
Aブルー「ほらほら、みんな拝んでくれないと!」
A船長 「スッポンタケを祝ってやって下さい、皆さんも」
キース 「ゲホ阿弥陀仏、ゴホ阿弥陀仏…」
早くしてくれ、と副住職のゼスチャーが。
サム 「し、仕方ねえ…。ゲホッ、成仏しやがれ!」
Aブルー「いいねえ、他のみんなもね!」
スモーク、スモーク! と明らかに勘違いしている様子。
後付けは何でもアリですか?
2015/08/30 (Sun)
☆締めはシンバル
掟破りなスッポンタケの後付けお葬式、お焼香の煙でスモークを演出。
派手にやりたいソルジャーなだけに、全員にスモーク強制で。
Aブルー「サムみたいにドバッとお香をね! はい、次の人~!」
シロエ 「ゲホッ、ゴホッ…」
Aブルー「そこでスッポンタケに一言! おめでとうとか!」
シロエ 「に、二度と戻って来ないで下さ…ゲホッ!」
Aブルー「やり直し!」
もっと心のこもった言葉を贈るように、とダメ出しが。
Aブルー「他のみんなも気を付けて! はい、シロエ!」
シロエ 「ほ、本日はおめでとうございます!」
ゲホッと咳き込みつつ二度目のお焼香、モクモクと煙。
Aブルー「途切れないように、次の人!」
ジョミー「お葬式万歳!」
マツカ 「心からお祝い申し上げます!」
スウェナ「末永くお幸せに~!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ うんと幸せになってね!」
ブルー 「スッポンタケを浄土に送る、倫王院殿法界善根大居士~!」
お焼香を終えた生徒会長、シンバルのようなものをジャーン! と。
キース 「南無ゲホ陀仏、南無ゲホ陀仏…」
ブルー 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏~…」
ジャーン、ジャーン! とシンバルが響く中、読経終了。
キース 「南無阿弥陀仏…。ゲホッ、終わったぞ!」
Aブルー「ありがとう! なんかシンバルまで出て来ちゃったし!」
A船長 「スモークとシンバルで盛り上がりましたね、良かったです」
ブルー 「これは妙鉢と言って立派な鳴り物だから!」
Aブルー「だけど、見た目はシンバルだしね!」
お経はドラマー風で締めがシンバル、とソルジャー、感激。
Aブルー「でもって、後は宴会だよね!」
一同 「「「宴会?」」」
Aブルー「賑やかに飲み食いすると聞いたよ、ノルディから!」
キース 「こらあっ、祭壇はテーブルじゃない!」
Aブルー「いいんだってば、ビュッフェにピッタリ!」
お葬式の後は大宴会、と祭壇にズラリ御馳走が。
罰当たりな中、中継これまで~。
2015/08/31 (Mon)