☆九月はまだ残暑
カレンダーは九月になりましたけれど、暑さ寒さも彼岸まで。
夏休みが終わってしまったに過ぎず、まだまだ残暑というシーズンで。
ジョミー「今日も暑いよね、明後日はまた学校かあ…」
ブルー 「嫌ならサボるって手もあるけれど?」
君たちは特別生なんだから、と生徒会長。
ブルー 「毎日サボって、ぼくの家でゴロゴロ出来るんだけどね?」
シロエ 「それはそうなんですけれど…」
キース 「ずっと真面目に出席したしな、今更それは…」
スウェナ「暑いからって、サボるのもどうかと思うわよね?」
ブルー 「つくづく損な性分だねえ…」
特別生には出席義務も無いというのに、とフウと溜息。
ブルー 「でもまあ、君たちがそれでいいなら、真面目にやれば?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 学校のある日は、おやつ、作るよ!」
ジョミー「正直、それが目当てかも…」
サム 「俺たちの場合はそうだよなあ…」
キースたちと違って部活も無いし、とサム君も。
サム 「放課後にぶるぅの菓子が食えるのは大きいしよ」
ジョミー「だよねえ、サボッても食べられるんだろうけど…」
スウェナ「授業に出た分、御褒美感覚になるのよね」
働かざる者、食うべからずよ、という話。
キース 「そうだな、働いているのは俺だけだしな」
シロエ 「キース先輩、副住職と二足の草鞋ですからねえ…」
サム 「うんうん、月参りで遅刻も普通にあるしよ」
マツカ 「そういえば…。御布施は貰ったんですか?」
一同 「「「御布施?」」」
何の話だ、と皆の視線がマツカ君に。
マツカ 「お葬式ですよ、先月の」
一同 「「「あー…」」」
スッポンタケか、と蘇る先月の記憶。
マツカ 「あれだけ盛大にやったからには、かなりの御布施が…」
シロエ 「そうでした! キース先輩、どうだったんです?」
キース 「お気持ちで、とは言ったんだが…」
ジョミー「凄かったとか?」
沢山貰ったんなら奢って欲しい、と注文が。
誰だってそう思いますよね?
2015/09/01 (Tue)
☆下世話ですけど
九月に入って新学期スタート、初の週末は生徒会長の家でダラダラ。
そこでキース君への質問、御布施は沢山貰ったのかと下世話ですけど。
ジョミー「キースが個人的にやってたんだから、お小遣いだよね?」
サム 「だよなあ、アドス和尚は知らねえんだしよ」
シロエ 「元老寺に納める必要なんかは無いですよね、御布施」
マツカ 「お役所も把握してないですから、キースが貰える筈ですよ」
何処にも申告しないんですから、とマツカ君。
マツカ 「キース、気を付けて下さいよ? 税務署には」
シロエ 「ぼくたちが何処かで喋らない限りは、バレませんってば」
ジョミー「言えてるね! だったら、口止め料ってことで…」
何か奢って、とジョミー君が抜け目なく。
ジョミー「ファミレスもいいけど、沢山貰ったんなら高いお店とか!」
サム 「悪くねえよな、いつもはブルーの奢りだけどよ」
たまにはキースもいいじゃねえか、とサム君も支持。
サム 「葬式は俺たちも参加したんだし、パアーッと豪華に!」
スウェナ「いいわね、お葬式でも色々御馳走して貰っただけど…」
シロエ 「和洋中と揃ってはいたんですけど、テーブルがアレじゃ…」
お葬式用の祭壇を使ってビュッフェというのは、と零れる溜息。
シロエ 「スッポンタケの遺影も位牌もありましたからね」
ブルー 「おまけに献杯だったしねえ…。乾杯じゃなくて」
お祝いモードで突っ走るんなら乾杯でいいのに、と苦い顔。
ブルー 「細かいトコだけ、決まり通りにお葬式でさ…」
サム 「基本を押さえていたってことはよ、御布施だってよ…」
シロエ 「大いに期待出来そうですよね?」
それで沢山貰えたんですか、と下世話な質問、再び。
シロエ 「ぼくは相場は知りませんけど、破格だったとか?」
キース 「確かに破格な金額ではあった」
ジョミー「やったね、今日はキースの奢りで決まりだよ!」
何処へ行こうか、と躍り上がったジョミー君。
打ち上げですかね、お葬式の?
2015/09/02 (Wed)
☆御布施の行方は
八月の末にキース君がやらされた、スッポンタケの後付けお葬式。
御布施は破格な金額だったらしくて、奢りに期待なシャン学メンバー。
シロエ 「キース先輩の奢りで打ち上げなんですね、お葬式の!」
サム 「いい感じだよな、何を食べるか決めようぜ」
ジョミー「まだ暑いからさ、スタミナがつくのがいいかもね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 焼肉のお店にする?」
いつもブルーが連れてってくれる高いお店、という提案。
マツカ 「あそこだったら美味しいですしね、そうしましょうか」
スウェナ「一番高いコースを頼むのもいいわね」
ぶるぅ 「えとえと…。そしたら予約だよね!」
電話しないと、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大張り切り。
ぶるぅ 「個室でお願いしなくっちゃね!」
シロエ 「もちろんですよ! でないと騒げませんからね」
サム 「それじゃ、よろしく頼むぜ、キース」
お前の奢りな、とサム君がポンと肩を叩くと。
キース 「…悪いが、俺にはそんな金は無い!」
一同 「「「ええっ!?」」」
キース 「ファミレスも無理だ、正直言って!」
サム 「お前、もう使っちまったのかよ!?」
まだ1週間しか経ってねえぜ、と呆れるサム君。
サム 「何に使ったんだよ、そんな大金」
シロエ 「博打で全部すったんですか?」
キース 「勝手に話を作り上げるな!」
破格だったと言っただろうが、と怒鳴る副住職ですけれど。
ジョミー「破格の御布施を貰ったのにさ、ファミレスも無理って…」
スウェナ「どうやったら全部使っちゃえるのよ、1週間で」
マツカ 「株にでも投資しましたか?」
それなら分からないことも…、とマツカ君の読み。
マツカ 「最近は変動が激しいですから、暴落したら終わりですしね」
キース 「俺は株など一切やらん!」
シロエ 「それなら何処へ消えたんですか?」
サム 「マジで気になる所だぜ、うん」
なんで全額パアなんだよ、とサム君でなくても訊きたい所。
真相は如何に?
2015/09/03 (Thu)
☆お坊さんの相場
スッポンタケのお葬式を後付けでやったキース君。
破格の御布施をソルジャーから貰った筈なんですけど、寂しいお財布。
サム 「ファミレスも無理って、まず有り得ねえぜ」
シロエ 「そうなんですか、サム先輩?」
サム 「月参りでもよ、多い家だとこのくらいだって聞くからよ…」
そう言って立てた指が1本、ファミレスだったら十人は余裕。
スウェナ「月参りでそれなら、お葬式だと十倍よねえ?」
サム 「十倍どころじゃ済まねえよ! 相場はコレだぜ」
坊主が一人でこのお値段、と指が十本。
サム 「格安コースで坊主お任せ、それでもよ…」
シロエ 「指が三本では足りないんですね?」
サム 「ギリギリいけるかどうかってトコだぜ、三本分だと」
どんな坊主が来たって文句は言えねえコース、とキッパリと。
サム 「菩提寺コースでこの値段はねえぜ、もう絶対に」
スウェナ「出せなかった時はどうなるのかしら?」
サム 「言いたくねえけど、坊主の格が落ちるらしいぜ」
住職だとか副住職の代わりにバイトの坊主が、と怖い話が。
一同 「「「バイト?」」」
サム 「檀家さんが少なすぎて食えねえ寺も多いからよ…」
ブルー 「アルバイトをするお坊さんだっているんだよ」
シロエ 「それじゃ、キース先輩がお葬式をやった以上は…」
サム 「少なくともコレだけは貰った筈だぜ」
コレが相場な、と指が再び十本ババーン! と。
サム 「しかも破格って言ってるんだし、相場がコレだし…」
シロエ 「二十本分は貰ってますね?」
サム 「甘いぜ、坊主の破格は桁が違うしよ」
二倍なんてケチなことは言わねえ、と現場を知る者ならではの台詞。
サム 「十倍を超えて初めて破格ってトコだぜ、うん」
シロエ 「だったら、指が百本ですか!」
スウェナ「ファミレス千人コースよね?」
サム 「間違いねえよ!」
どうやったらソレが消えるんだよ、とサム君が呆れ返ってますけど。
副住職は何をやったと…?
2015/09/04 (Fri)
☆一晩でパアです
スッポンタケのお葬式でキース君が貰った御布施の金額。
ファミレスだったら千人分はいけるとサム君が暴露、なのに無いお金。
シロエ 「キース先輩、本当に何をやったんですか?」
スウェナ「ファミレスも無理って、どうやったら浪費できるのよ!」
サム 「一週間で消える金額じゃねえぜ、どう考えてもよ」
ブルー 「そうでもないけど?」
ぼくだったら一晩で充分パアに、と生徒会長、ニンマリと。
ブルー 「パルテノンに行ってお茶屋遊びをすれば一晩で!」
シロエ 「そういえば、アレは高いんでしたね?」
マツカ 「確か、お坊さんにも人気のスポットですよ」
サム 「そのコースかよ…。アドス和尚も好きだもんなあ…」
キースも親父さんの血を引いてたか、とサム君、溜息。
サム 「んで、面白かったのかよ、お茶屋遊びは」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ とらとらもやった?」
一同 「「「とらとら?」」」
ブルー 「ジャンケンみたいな感じのゲーム! お茶屋遊びの定番で」
けっこう楽しい、とシャングリラ・ジゴロ・ブルーならではの台詞。
ブルー 「他にも遊び方は色々だけど…。何をしてきたわけ?」
キース 「何もしていない!」
ブルー 「ちょ、ちょっと…。君はいつから通になったと?」
一同 「「「通?」」」
ブルー 「お茶屋遊びだよ、何もしないコースは通だと相場が…」
高いお金をポンと払って舞妓さんたちを遊ばせるだけ、と生徒会長。
ブルー 「好きに遊んで、と言えるレベルの達人はあまり…」
マツカ 「そうですね…。気を遣わせないで遊んで頂くとなると…」
シロエ 「難しいんですか?」
ブルー 「相槌とか、色々タイミングがね…」
外したらただの無粋な人だ、とバッサリと。
ブルー 「遊び方を知らないから放置なんだな、と思われるんだよ」
シロエ 「だったら、キース先輩は…」
ブルー 「アドス和尚と行くのか、坊主仲間か…」
かなり場数を踏んでいる筈、という発言。
キース君、遊び人ですか…!
2015/09/05 (Sat)
☆何もしない達人
スッポンタケの後付けお葬式で貰った御布施が、一週間でパアに。
生徒会長の読みではお茶屋遊びで、キース君は何もしていないそうで。
シロエ 「キース先輩がお茶屋遊びの達人だったなんて…」
スウェナ「意外すぎるわよ、そのスキル」
サム 「俺だって信じられねえ気分だけどよ…」
何もしなかったんなら達人だよな、とサム君も認めるしかない模様。
サム 「ブルーが言うなら間違いねえし…」
マツカ 「ぼくだって、そうだと聞いてますしね」
お茶屋遊びで何もしない人は究極の「通」だという話。
マツカ 「そこまでの人は滅多にいないそうですよ」
ジョミー「キースの年だと、余計にレアだと思うけど…」
ブルー 「レアどころじゃないよ、天然記念物でも足りないよ!」
ぼくでもキースの年の頃にはそれどころでは…、と生徒会長。
ブルー 「お茶屋遊びもしていなかったね、ハッキリ言って!」
シロエ 「キース先輩の方が上なんですか!?」
会長よりも、とシロエ君が唖然。
シロエ 「…キース先輩、何処で修行を積んだんです?」
キース 「何もしていないと言っただろうが!」
サム 「それだけのスキルを何処で、ってシロエは訊いてんだよ!」
いったい誰と遊んだんだよ、とサム君の質問ですけれど。
キース 「遊ぶも何も、そんな金は俺は貰っていない!」
一同 「「「は?」」」
破格の御布施を貰ったのでは、と首を傾げる御一同様。
サム 「貰ったんだろ、破格の御布施というヤツをよ?」
キース 「それは確かに受け取ったが…」
シロエ 「ファミレスだったら千人コースじゃないですか!」
サム先輩から聞きましたよ、とシロエ君の鋭いツッコミが。
シロエ 「なのに貰っていないだなんて、有り得ませんが」
サム 「政治家だったら定番だけどよ、その言い訳」
キース 「俺は真実を述べているだけだ!」
ジョミー「嘘くさいけど?」
嘘の匂いがプンプンするけど、という指摘。
破格の御布施ですもんね?
2015/09/06 (Sun)
☆御布施の使い道
スッポンタケの後付けお葬式でキース君が貰った、破格の御布施。
ファミレスだったら千人はいける金額だというのに、貰ってないとか。
ジョミー「どう聞いても嘘だよ、貰ってないだなんて」
シロエ 「キース先輩、理論が破綻してますよ?」
貰ったと言っておいて貰っていないは無いでしょう、とキッツイ一言。
シロエ 「政治家でもそこまで言いませんから!」
サム 「貰っていないの一点張りだよな、政治家だとよ」
ブルー 「一切記憶にございません、とかね」
確かそう言った人がいた筈、と生徒会長も糾弾モード。
ブルー 「グダグダ言わずに吐いた方がいいよ、本当の事を」
シロエ 「お茶屋遊びでも、ぼくは軽蔑しませんから」
サム 「坊主も色々付き合いあるしよ、仕方ねえよな」
マツカ 「断りにくいお誘いというのもありますからね」
気が乗らなくても出なきゃいけないパーティーだとか、と御曹司。
マツカ 「キースもそれかもしれませんよ。お茶屋遊びは」
スウェナ「そうねえ、お世話になった誰かを招待したのかも…」
シロエ 「スキルの高さは気になりますけど、そういうことなら…」
御布施がパアでも仕方ないですね、とシロエ君も納得。
シロエ 「それで、お茶屋遊びは素敵だったんですか?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 御飯、美味しかった?」
キース 「だから、俺は一切何もしてはいないと!」
お茶屋遊びどころか、御布施は一切使っていない、と話はループ。
キース 「貰ったんだが、あんな金額ではどうにもならん!」
一同 「「「は?」」」
キース 「CDが一枚買えるかどうかだ、その程度だ!」
一同 「「「CD?」」」
CDというのは音楽が聴けるアレだろうか、と一同、目が点。
シロエ 「あのぅ…。プレミアがついたCDですか?」
サム 「すっげえ誰かの限定品かよ?」
キース 「握手券もつかないレベルなんだが!」
本当にただのCDなんだ、と言われましても。
破格の御布施じゃないんですか?
2015/09/07 (Mon)
☆お気持ちでどうぞ
キース君がスッポンタケの後付けお葬式で貰った、破格の御布施。
CDが一枚買えるかどうかという金額だそうで、しかも普通のCDで。
シロエ 「破格の御布施はどうなったんです、CDだなんて!」
サム 「どの辺がどう破格なんだよ、相場がコレだぜ?」
そう聞いてるぜ、と指が十本。
サム 「でもって坊主の破格とくればよ、この十倍はよ…」
キース 「確かにそれが世間の常識なんだが!」
相手は世間のヤツじゃなかった、と天井を仰ぐ副住職。
キース 「御布施はどれほど包めばいいか、と聞きやがったから…」
ブルー 「そう言ってたねえ、それで?」
キース 「お気持ちで、と答えておいたら、そうなったんだ!」
額面通りに受け取りやがった、とブツブツと。
キース 「御布施と言いつつ、あれではお車代にもならん!」
サム 「お膳料にも足りねえよなあ…」
シロエ 「そうなんですか?」
サム 「お膳料だと、指半分って所だぜ、うん」
お車代でもその程度は…、と相場に詳しい坊主見習い。
サム 「それをCDも買えねえ値段って、ツイてねえよな」
キース 「まったくだ。…ファミレスでバイトした方がマシだ!」
シロエ 「特殊な仕事なんですけどねえ…。お葬式なんて」
時給が凄い筈なんですが、とシロエ君も唖然呆然。
シロエ 「それだけしか貰えないオチでしたか…」
キース 「あんな祭壇まで買ってやがったし、期待したんだが!」
ブルー 「本当に相手が悪かったよね、うん」
あの日のビュッフェな食事も相当高かった筈、と生徒会長。
ブルー 「まさか御布施をケチっていたとは思わなかったよ」
キース 「俺も正直に言えば良かった、相場をな!」
こうなるのなら、と恨み節。
キース 「後付けなんだし、相場以上でもいけた筈なんだ!」
ブルー 「オプションをつけたら高くなるしね、何でもね」
キース 「あの野郎…!」
破格の意味が逆なんだ、と呻いてますけど。
お気持ちで、と言った責任は…?
2015/09/08 (Tue)
☆お気持ちな御布施
スッポンタケの後付けお葬式でキース君が貰った御布施。
お気持ちでなどと言ったばかりに、本気でお気持ちな金額だったオチ。
シロエ 「破格の御布施ではありますねえ…。逆の意味なら」
サム 「そんな値段で葬式をやった坊主はいねえと思うぜ」
ブルー 「無いだろうねえ、貧乏寺でも有り得ないね!」
ジョミー「ホントに無いわけ?」
キース 「貴様も少しは勉強しておけ、将来に向けて!」
でないと俺のようになる、と副住職も半ばヤケクソ。
キース 「月参りでもCDぐらいの値段だったら顰蹙なんだ!」
サム 「檀家さんの懐具合によるんだけどよ…」
ブルー 「月に一度のことだからねえ、もう少しはね…」
余裕があるなら包むものだ、と銀青様も。
ブルー 「それが無理ならお茶とお菓子をお出しするとか」
キース 「労って下さる檀家さんなら、CD価格でも気にせんが…」
もっと安くても気にしないが、と合掌を。
キース 「子供の小遣いくらいの額でも、有難がって下されば…」
サム 「分かるぜ、一人暮らしのお婆ちゃんとかな」
キース 「棚経の時にもあるからな…」
この金額は無いだろう、と思うような御布施、と副住職。
キース 「しかし、精一杯の気持ちをこめて下さったら文句は言わん」
サム 「うんうん、冷たいおしぼりとかよ」
それだけで報われた気がするよな、とサム君も分かっている様子。
サム 「でもよ、ジョミーの場合は駄目っぽいよな」
キース 「ロクに勉強していないからな、いろんなことを」
お気持ちで、と言った場合にCD価格になるであろう、という予言。
キース 「坊主は威厳も大切だからな、なめられると俺の二の舞だ」
ジョミー「なめられてたのかな、その御布施…」
キース 「そうでないなら、なんだと言うんだ!」
ジョミー「キースにも責任、あるんじゃないかと思ってさ」
キース 「なんだと、貴様!」
どうして俺に責任が、と怒鳴ってますけど。
説明不足とか過失はありそうですね?
2015/09/09 (Wed)
☆お気持ちな値段
キース君がスッポンタケの後付けお葬式で貰った御布施、CDな価格。
それも普通のCDが1枚買えるかどうかという金額で…。
ジョミー「キースにも責任あると思うよ、説明不足だし」
キース 「どの辺がだ!」
ジョミー「お気持ちってヤツだよ、それじゃ通じないよ」
こっちの世界の人でもアヤシイ、とジョミー君の指摘。
ジョミー「お菓子とかをさ、持って行く時にもソレ言わない?」
シロエ 「そうでした! 気持ちばかりですが、って言いますよね」
スウェナ「確かに言うわね、ちょっとした贈り物の時には」
ジョミー「ほらね、こっちの世界でもそういうノリなんだよ!」
そしてCDの値段があったらお菓子も買える、とキッパリと。
ジョミー「安いヤツなら三十個くらいは買えそうだしさ…」
サム 「もっと安いのあるんじゃねえのか、土産物とかよ」
一同 「「「あー…」」」
それは言えてる、と納得のお土産物なお菓子の値段。
シロエ 「高いお菓子は高いですけど、安いのだったら…」
サム 「小学生でも買って帰るぜ、修学旅行の土産とかでよ」
マツカ 「すると、キースは説明不足だったというわけですね」
ジョミー「絶対そうだよ、キッチリ説明しておかないと!」
相手は別の世界の人間なんだし、余計にそうだ、と厳しい言葉。
ジョミー「お気持ちでって言った以上は、キースも悪いよ」
シロエ 「過失ゼロとは言えませんね…」
スウェナ「ゼロどころじゃないわよ、完全にそうよ!」
キースの過失、とズバリ決め付け。
スウェナ「自分の過失を棚に上げるのは良くないわ」
シロエ 「過失だったら諦めるしかないですね…」
CDも買えないような御布施でも、とシロエ君も。
シロエ 「言うべき所はしっかり言わなきゃ駄目ですよ」
キース 「坊主はそうはいかんのだ!」
一同 「「「えっ?」」」
キース 「お察し下さい、という姿勢が坊主の基本だ!」
料金表さえ無いだろうが、と副住職。
お寺にそんなの、無いですねえ…?
2015/09/10 (Thu)
☆お気持ちじゃ困る
お気持ちで、と言ったばかりにCD価格な御布施を貰ったキース君。
値段を説明しない方が悪い、と過失責任を逆に問われてますけれど…。
シロエ 「料金表が無いというのは分かりますけど…」
スウェナ「お察し下さいって、どういう意味なの?」
キース 「そのままの意味だ、察して下さいと!」
推測してくれとも言い換えられるか…、と副住職の説明で。
キース 「坊主が値段をハッキリ言うのは顰蹙なんだ!」
シロエ 「でもですね…。会館とかだと料金は決まっていませんか?」
キース 「お任せコースで頼むのならな!」
会館が手配した坊主でやるなら定価もあるが、とブツブツと。
キース 「坊主持ち込みだと、寺によって値段が変わるんだ!」
シロエ 「…それもやっぱり、お気持ちですか?」
キース 「そうなるが?」
そして普通はそのように…、とサム君の方を指差しまして。
キース 「サムが言ってたヤツが相場だ、普通は知っているものだ!」
シロエ 「知らない人も多そうですけど?」
スウェナ「お寺と付き合いが無ければ、普通は知らないわよね?」
キース 「そういう人でも分かる仕組みに出来ている!」
他の檀家さんに訊けばそこそこ分かる、という話。
キース 「親戚に訊くとか、付き合いのある人だとか…」
ジョミー「そういうツテの無い人だっていそうだよ?」
キース 「だから、たまにはババを引くんだが!」
こんな筈ではなかったというケースもゼロではない、と副住職。
キース 「もっと貰える筈だと思ってやった葬式でハズレだとか!」
シロエ 「ハズレだと何か困るんですか?」
キース 「法衣のメンテナンス代が馬鹿にならんのだ!」
盛大にやるとなったらお袈裟もいいのを使うから、とブツブツブツ。
キース 「スッポンタケのも張り込んだのに…。上等のを!」
サム 「ボストンバッグに入れて来たよな?」
キース 「それでダメージ大なんだ!」
皺が寄った分のメンテ代が、と嘆き節。
赤字決算になったとか?
2015/09/11 (Fri)
☆火の車だそうです
スッポンタケの後付けお葬式の時に、キース君が着ていた上等な袈裟。
専用の鞄を使わなかったせいで皺が出来たとかで、メンテが大変。
キース 「お袈裟は専門の店でしか扱えないんだ、皺取りも!」
シロエ 「それって値段が高いんですか?」
キース 「安く済むわけがないだろうが!」
相手は専門店なんだぞ、とキース君が嘆くメンテ代。
キース 「衣のクリーニング代だって馬鹿にならんのに…」
スウェナ「それだけで御布施が吹っ飛んだとかじゃないわよね?」
キース 「吹っ飛んだが?」
もう跡形もなく消えてしまった、というのが法衣のクリーニング。
キース 「それよりも高くついたのがお袈裟のメンテだ!」
ジョミー「もしかしなくても赤字なわけ?」
キース 「赤字どころか火の車だ!」
俺の財布は炎上している、と取り出した財布の中身はそれなり。
シロエ 「…あのぅ…。中身は入ってますけど?」
キース 「空では何も出来んだろうが!」
サム 「前借りかよ?」
キース 「おふくろを拝み倒してな!」
なんとか貰っては来たんだが…、と眉間に皺が。
キース 「今月はお彼岸でリーチだからな、坊主仲間が」
サム 「あー…。エール交換の季節かよ」
キース 「お盆が終わってホッとする間もなく来やがるからな!」
そして副住職デビューなヤツらも出て来る季節、と業界事情。
キース 「そういうヤツだと、お祝いを包むことになるし…」
サム 「エールだけでは済まねえんだな?」
キース 「この業界はな!」
副住職デビューな法要の場合、お供えの数が物を言うとか。
キース 「立派なお供えを贈るとなったら、相応の金が必要に…」
ジョミー「それじゃ、それだけ前借りしたって…」
キース 「間違いなく全部吹っ飛ぶんだ!」
シロエ 「火の車って、そういう意味でしたか…」
キース 「財布の中身は入っていてもだ、ボウボウに炎上中なんだ!」
臨時収入でもない限り、という赤字っぷり。
破産も時間の問題かも…?
2015/09/12 (Sat)
☆破産の危機です
スッポンタケの後付けお葬式をやったお蔭で、キース君の懐が大赤字。
法衣や袈裟のメンテ代が嵩んでしまって、只今、激しく火の車で。
キース 「いっそバイトに行きたい気分だ、会館へ!」
サム 「無茶を言うなよ、アドス和尚に即バレするぜ」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「この業界は狭いからねえ、おまけにキースは特別だから…」
下手に若いから面が割れる、と銀青様からも断言が。
ブルー 「会館はやめておきたまえ。リスクが割に合わないから」
キース 「分かっている! 親父にバレたら、バイト料がパアだ!」
シロエ 「横から持って行かれるんですか?」
キース 「違うな、振込先を元老寺にされてしまうんだ!」
俺は見事にタダ働きだ、という嘆き。
キース 「小遣い稼ぎの托鉢は璃慕恩院の許可が出ないし…」
スウェナ「あら、托鉢って許可が要るの?」
キース 「托鉢用の許可証が要るんだ、それが無ければ偽物なんだ!」
許可証無しでやったとバレたら後が無いし、とブツブツと。
キース 「親父以上に恐ろしいのが璃慕恩院の御裁きで…」
ブルー 「最悪、僧籍剥奪だしねえ…」
ジョミー「そうなんだ? じゃあ、ぼくも托鉢しようかな」
無許可でやったら坊主にサヨナラ、と言ってますけど。
ブルー 「それ以前に、お経が読めるのかい?」
サム 「お経が読めなきゃ托鉢は無理だぜ」
ジョミー「え、えーっと…。南無阿弥陀仏は?」
キース 「それだけで済むわけなかろうが!」
念仏行脚の方ならともかく托鉢は無理、と副住職。
キース 「罰当たりなことを言っていないで、勉強をしろ!」
サム 「そうだぜ、でないとキースの二の舞だしよ」
ブルー 「坊主の場合は臨時収入は難しいからねえ…」
飛び込みの法要なんかはまず無いし、と絶望的な話。
ブルー 「つくづく馬鹿をやったよねえ…」
キース 「まさか赤字になるとはな…」
破産も時間の問題かもな、と超特大の溜息が。
既に秒読み状態ですか…?
2015/09/13 (Sun)
☆破産しそうです
スッポンタケの後付けお葬式をやったキース君、破産の危機だそうで。
財布の中身は入っていたって、全部出てゆくお金というオチ。
キース 「…このまま行ったら、月末を待たずに破産だろうな」
シロエ 「そこまで危ないんですか、キース先輩?」
キース 「お彼岸が控えていると言ったぞ、そこで全額パアなんだ!」
どんなに節約しても無駄だ、と天井を仰ぐ副住職。
キース 「お彼岸が済んだら無一文だから、破産も時間の問題だ」
サム 「マジかよ、もう一度前借りしろよ」
キース 「今回限りという約束だったし、二度目は無いな」
破産の二文字がヒシヒシと…、と肩を落とすしか無いらしく。
スウェナ「臨時収入は絶望的なの、何かあるかもしれないわよ?」
キース 「今月がお彼岸でさえなければな!」
シロエ 「お彼岸だと臨時収入のクチは無いんですか?」
キース 「お盆の次の月がお彼岸なんだぞ、寺との縁が深い月だ!」
普段は寺に来ないような人までやって来るのがお彼岸だとか。
キース 「逆に言うとだ、坊主を家まで呼ぶ代わりにだ…」
シロエ 「向こうから来るというわけですか?」
キース 「そういうオチだ! 家に呼んでは貰えないんだ!」
月参りを臨時で頼む人が限りなくゼロに近付く月だ、と血を吐く叫び。
キース 「臨時で入った月参りだったら、御布施も多めで…」
マツカ 「でも、御布施はキースの懐に入らないんじゃないですか?」
キース 「臨時で頼むような人だと、チップがあるんだ!」
一同 「「「チップ?」」」
キース 「正しく言えば心付けだが…。どうぞ、とチップが」
御布施の他にも金一封が、と坊主の世界のチップ事情。
キース 「チップは俺が貰っていいんだ、御布施とは別になるからな」
スウェナ「そのチップが今月は期待出来ないわけなのね?」
キース 「まず無理だろうな、あったとしても一軒くらいか…」
焼け石に水で俺は破産だ、と絶望的な懐具合。
スッポンタケ破産と呼ぶべきですか?
2015/09/14 (Mon)
☆破産した時には
スッポンタケの後付けお葬式をやったばかりに、破産の危機な副住職。
臨時収入も絶望的な状況だとかで、破産に向かってカウントダウン。
シロエ 「キース先輩が破産したら、スッポンタケ破産ですよね?」
一同 「「「スッポンタケ破産?」」」
なんだそれは、と目を剥く御一同様ですが。
シロエ 「色々と名前が付くじゃないですか、ナントカ解散とか」
キース 「それは政治の世界だろうが!」
シロエ 「せっかくですから、名前が付くのもいいんじゃないかと…」
サム 「うんうん、一生忘れねえよな、名前があったら」
スウェナ「スッポンタケ破産も悪くないわね」
いつ頃に破産するのかしら、とスッポンタケ破産が楽しみな人も。
スウェナ「破産した時は貸してあげるわよ、お小遣いくらいは」
キース 「物凄い利子がつくんじゃないだろうな?」
スウェナ「どうしようかしら…?」
シロエ 「スウェナ先輩、高利貸しの基本はトイチですよ」
十日で一割はお約束です、と恐ろしすぎる入れ知恵が。
シロエ 「それで儲けたら奢って下さい、スウェナ先輩!」
スウェナ「そうねえ…。だったら沢山貸さないとね」
キース 「貴様ら、俺のピンチを分かっているのか!」
ジョミー「スッポンタケ破産が迫っているのは分かってるってば!」
キースが駄目ならスウェナの奢り、とジョミー君。
ジョミー「破格の御布施は駄目だったからさ、スウェナの奢りで」
スウェナ「いいわよ、キースが嫌だと言っても貸し付けるから」
シロエ 「頑張って下さい、スウェナ先輩!」
サム 「悪ィな、俺もスウェナにつくぜ」
奢って貰ってなんぼだしよ、とサム君も副住職を見捨てた模様。
サム 「シロエ、借金の証文、作ってやれよ。スウェナ用によ」
シロエ 「いいですね! ゼロは多めに改ざんですね!」
ジョミー「うん、二つほどね!」
キース 「頼むから、もうやめてくれ!」
俺は本当に後が無いんだ、と焦りまくりのキース君。
スッポンタケ破産の次は闇金…?
2015/09/15 (Tue)