☆原因はお十夜
さて、十月。めっきり涼しくなってきまして、金木犀の香りなども。
例によって生徒会長宅でダラダラ、そういうシャン学メンバーですが。
シロエ 「キース先輩、もうすぐお十夜じゃないですか?」
サム 「へえ…。シロエも詳しくなったじゃねえかよ」
ブルー 「いいことだねえ…。仏の道に入るんだったら紹介するけど」
ぼくの知り合いのお寺で良ければ、と生徒会長、いえ銀青様。
ブルー 「ぼくはジョミーとサムで手一杯だから、他所のお寺を」
シロエ 「いえ、遠慮します!」
サム 「おいおい、ブルーの紹介だぜ? いいトコ行けるぜ」
普通だと行けねえようなお寺に、とサム君、流石の事情通。
サム 「一般人は入れねえトコでも行けそうだけどよ」
ブルー 「それはもちろん。どういうお寺を希望なのかな?」
厳しい所から、勉強に力を入れている所まで…、と嬉しそうな顔。
ブルー 「シロエだったら勉強がいいかな、学問中心」
スウェナ「いいお坊さんになれそうね、それ」
サム 「法話向きかもしれねえなあ…。頭がいいしよ」
シロエ 「ぼくはやるとは言っていません!」
なんだって坊主なんですか、と仏頂面。
シロエ 「お十夜の頃だと思っただけです、それだけです!」
マツカ 「でも…。どうしてお十夜が出て来るんです?」
シロエ 「キース先輩の転落の原因、ソレだったな、と」
一同 「「「は?」」」
なんのことだ、と顔を見合わせる御一同様。
サム 「転落って…。キースはお十夜にデビューしたんだぜ」
スウェナ「そうよ、お十夜の時に副住職になったのよ?」
シロエ 「それです、お十夜デビューですよ」
同期の人のお十夜デビューでお供えが…、という話。
シロエ 「そのためのお金が足りなかったのがマズかったかと」
サム 「あー…。アレで法要、引き受けちまって…」
ブルー 「地獄の沙汰も金次第とは言うんだけどねえ…」
まさに地獄になったんだっけ、と回想モード。
例のお彼岸の法要ですね?
2015/10/01 (Thu)
☆散華で選択ミス
生徒会長宅でダラダラしているシャン学メンバー、話題はお十夜。
キース君の転落の原因はソレだとの指摘、先月のお彼岸の法要が問題。
シロエ 「本当に地獄でしたしね、アレは」
ブルー 「酷かったからねえ、誰のせいとも言いたくないけど」
もう罰当たりの極め付けで、と生徒会長、いやいや銀青様。
ブルー 「どう転がったら、散華がアヤシイ形になるのさ!」
サム 「キースの選択ミスって、言えねえこともねえけどよ…」
シロエ 「そうなんですか、サム先輩?」
サム 「散華の形で有名なヤツは二つあるしよ…」
キースが撒いたのが仏様の背中の光背で…、という説明。
サム 「もう片方だと、花びらの形がモロってトコで」
一同 「「「花びら?」」」
ブルー 「こんな形になるんだよ。ほらね」
生徒会長が宙に取り出した散華、蓮の花びらのような形で。
ブルー 「こっちの方だと、何処から見たって花びらだよね」
サム 「それにしとけば良かったのに、って思うわけだぜ」
シロエ 「本当ですね…。キース先輩のミスですね」
なんであっちにしたんですか、という質問。
シロエ 「いい法要にするっていうんで、喜ばれる方を選んだとか?」
キース 「別の意味でな!」
俺は有難い方を選んだんだ、と拳を握る副住職。
キース 「同じ散華なら、御仏縁の深い形を、と!」
ジョミー「先に心配しなかったわけ?」
キース 「俺には、アレは光背以外に見えんのだ!」
物心つくよりも前から寺の育ちで…、と奥歯をギリギリ。
キース 「何処かの馬鹿とは違うんだ、出来が!」
シロエ 「…お坊さんとしてはエリートなんでしょうけど…」
サム 「エリートどころかサラブレッドってヤツだぜ、キースは」
スウェナ「それが裏目に出ちゃったのねえ…」
ジョミー「仏様の背中、大変なことになったみたいだし?」
マツカ 「何かを背負っているそうですしね…」
二刀流だとか言ってましたよ、と深い溜息。
罰当たりな話でしたっけね?
2015/10/02 (Fri)
☆逆さ吊りの危機
スッポンタケのお彼岸の法要でキース君が選んだ散華。
有難い形をチョイスしたのに、トンデモな形に見えてしまったオチで。
サム 「ひでえ話だよな、仏様の背中をドえらいことにしやがって」
シロエ 「酷すぎましたよ、あの解釈は…」
スウェナ「そういう伝説があったみたいよ、仏様とは違うけど」
一同 「「「は?」」」
伝説ってなんだ、と怪訝な顔のシャン学メンバー。
ジョミー「誰かが二刀流なわけ? アレを背負って?」
スウェナ「バイかどうかは知らないけれど…。大きすぎた人の伝説で」
シロエ 「背中に背負っているんですか!?」
スウェナ「そうらしいわよ、前だと邪魔だから背中に回して」
ブルー 「あったっけねえ…。先っぽに頭巾を被せてるんだよ」
そして子供を背負っているふり、と生徒会長も知っている様子。
ブルー 「ドテラを着込めば、そういう感じに見えるしね?」
サム 「なんか特大すぎねえか、ソレ?」
ブルー 「伝説というのは大抵そうだよ、話が大きくなるもので…」
シロエ 「それは言えてますね、話に尾ひれがついちゃって」
だから今回も警戒しないと…、と声をひそめてヒソヒソと。
シロエ 「仏様の背中にアレというのが定着したら大変ですよ」
サム 「璃慕恩院に顔向け出来ねえことになるよな、キース」
ブルー 「内輪ネタで完結している間はセーフだけどね…」
キース 「璃慕恩院に聞こえるよりも前に、俺の命が消える筈だぞ」
親父に本気で殺される、と副住職が肩をブルッと。
キース 「阿弥陀様の背中がアレだとなったら、逆さ吊りだな」
シロエ 「そこまでですか!?」
キース 「あの親父なら、やりかねないんだ!」
有難い処刑方法だから、と言われましても。
シロエ 「逆さ吊りの何処が有難いんです?」
スウェナ「キリスト教なら十字架よねえ?」
キース 「仏教だと、お盆繋がりになるんだ!」
逆さ吊りは、という絶叫。
何処がお盆と繋がるんでしょうね、有難い処刑方法とやら…?
2015/10/03 (Sat)
☆お盆と逆さ吊り
スッポンタケのお彼岸の法要で使われた散華、仏様の光背に似た形。
それがトンデモな形に見えた誰かさん、大感激だったわけなのですが。
シロエ 「キース先輩が逆さ吊りで処刑って…。何処がお盆ですか?」
スウェナ「お盆は卒塔婆書きと棚経で地獄の筈よね、キースは」
マツカ 「ぼくもそれしか知りませんけど、逆さ吊りですか…」
何処がお盆と繋がるんでしょう、とマツカ君にも謎なお盆繋がり。
マツカ 「長年、キースを見て来ましたけど、逆さ吊りなんて…」
シロエ 「逆立ちだってしてませんよね、お盆の頃に?」
スウェナ「知らないわねえ…」
そういう芸を披露したなら忘れない筈よ、という意見。
スウェナ「だって、キースが逆立ちするのよ? お坊さんの格好で」
シロエ 「それは一生忘れませんねえ…」
マツカ 「忘れるどころか、バラ撒く人も出て来そうですよ」
今の時代はアッと言う間に何でも流出しますから、と周りをチラ見。
マツカ 「写真を撮って、ネットにUPで拡散ですね」
シロエ 「…ぼくは怖くて出来ませんけど、ジョミー先輩なら…」
サム 「やるだろうなあ、命知らずだしよ」
ジョミー「うん、ぼくだったらバラ撒くと思う」
お坊さん姿のキースが逆立ち、とニヤニヤと。
ジョミー「バラ撒かなくても、色々と使えそうだしね?」
シロエ 「脅すんですか、ジョミー先輩?」
ジョミー「そうだけど? ネットにUPが嫌ならコレ、って」
一同 「「「うわー…」」」
一生エライ目に遭いそうだ、と誰もが恐れる脅迫ネタ。
ジョミー「でもさあ…。キース、逆立ちしていないしね?」
スウェナ「それが謎よね、逆さ吊りとお盆が繋がらないわよ」
逆立ちを見た覚えなんかは…、と首を傾げるスウェナちゃん。
スウェナ「キース、いったい何をしたのよ?」
シロエ 「早めに吐いたら、楽になれると思いますけど?」
キース 「お盆と言ったら逆さ吊りだ!」
まんまなんだ、と言われましても。
お盆の何処が逆さ吊りだと…?
2015/10/04 (Sun)
☆お盆は逆さ吊り
スッポンタケのお彼岸の法要で使われた散華、勘違いをした誰かさん。
仏様が背中に背負ったヤバイ代物、アドス和尚の耳に入れば大惨事。
キース 「お盆の元はウラバンナで…。その意味が逆さ吊りなんだ!」
シロエ 「それじゃ、お盆という言葉自体が逆さ吊りですか?」
ブルー 「そうなんだよねえ、素人さんは馴染みが無いだろうけど」
坊主の世界じゃ基礎知識で…、と銀青様も。
ブルー 「ジョミーはともかく、サムは気付いていたかもね」
サム 「お、おう…。自信が無かったし、言わなかったけどよ」
スウェナ「すると、ホントに有難い処刑方法なのね?」
逆さ吊りは、とスウェナちゃん。
スウェナ「アドス和尚ならやりかねないわね、逆さ吊り」
マツカ 「虐待とかは全く気にしてなさそうですし…」
シロエ 「キース先輩も頭が上がりませんからね」
文字通りに上がらないわけですが…、と肩をブルッと。
シロエ 「逆さ吊りだと、どう頑張っても頭は下のままですから」
ジョミー「思い切り、頭に血が上るよね…」
マツカ 「下がるんですけど、上がりますよね」
キースの血管が危ないですよ、と冷静な意見。
マツカ 「普段の血圧は知りませんけど、気を付けた方が…」
キース 「俺だって充分、承知している!」
まだお浄土には行きたくないんだ、と副住職もガクブルと。
キース 「逆さ吊りにされてお浄土行きは絶対に嫌だ!」
サム 「俺たちはアドス和尚に喋るつもりはねえけどよ…」
シロエ 「ぼくたちも命が惜しいですしね」
下手にチクッたら一蓮托生っぽいですよ、とブルブルブル。
シロエ 「どうしてそういうことになった、と突っ込まれます」
ジョミー「ありそうだよね、それ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お彼岸の法要をやっただけでしょ?」
マツカ 「そのお彼岸が問題なんです、中身の方で」
キース 「いい法要にしてやったのに…!」
恩を仇で返しやがって、と拳を握っていますけど。
自業自得と言いませんかねえ…?
2015/10/05 (Mon)
☆その名を出すな
スッポンタケのお彼岸の法要のせいで、仏様の背中が大変なことに。
光背どころかトンデモなモノを背負っているとか、二刀流だという話。
キース 「あの馬鹿野郎がロクでもないことを言ったばかりに…!」
シロエ 「でもですね…。キース先輩が別の散華を使っていれば…」
サム 「防げたんだぜ、あの勘違い…」
ブルーが見せてた方のヤツなら、と坊主見習い。
サム 「あっちだったら、どう間違えても花びらだしよ…」
シロエ 「ヤバイ形には見えませんよね…」
キース先輩も過失がゼロじゃないですね、とキッツイ一言。
シロエ 「誰かさんの日頃の言動からして、避けるべきでした」
スウェナ「そうよね、火のない所に煙は立たぬ、なんだし」
キース 「俺は被害者だと思うんだが!」
ジョミー「だけど、ガッツリ儲けてたよね?」
御布施が山ほど、と痛い所をグッサリと。
ジョミー「いくら金欠でも、御布施を貰って文句を言うのはさあ…」
シロエ 「お坊さんとしてどうかという気はしますね、確かに」
キース 「だからだな! 俺の金欠もあいつのせいで、だ!」
ブルー 「シーッ!」
その名を出すな、と生徒会長。
ブルー 「噂をすれば影なんだからね、それから言霊!」
キース 「す、すまん…。だが、仏様の立場がだな…!」
シロエ 「もう忘れるしかないですよ!」
水に流しておしまいですよ、と忘却のススメ。
シロエ 「あの人だって忘れたかもです、喉元過ぎれば!」
ブルー 「言っちゃ駄目だと言っただろう!」
シロエ 「すみません…」
ついウッカリと、と周りをキョロキョロ。
シロエ 「今の、聞かれていませんよね?」
ブルー 「そうだと思いたいけどねえ…」
サム 「何かって言うと覗いてやがるし、危ねえけどよ…」
一同 「「「シーッ!!!」」」
サム 「め、面目ねえ…」
ブルー 「みんな、危機感、無さすぎなんだよ…」
壁に耳あり障子に目あり、と生徒会長、警戒モード。
相手は地獄耳ですからねえ…?
2015/10/06 (Tue)
☆チョイスが問題
仏様が背中に背負った光背、トンデモなモノだと信じたソルジャー。
その名を出したらやって来るから、と生徒会長も恐れているのが実情。
ブルー 「口は災いの元なんだよ。気を付けないと」
キース 「俺も分かっているんだが…。何もしなくても地獄だったぞ」
シロエ 「散華のことなら、キース先輩にも過失がありますよ」
ブルー 「まるで無過失とは言い切れないねえ…」
散華のチョイスを間違えたのは本当だから、とキッパリと。
ブルー 「特注したって良かったんだよ、君のセンスで」
シロエ 「あんなの、特注出来るんですか?」
ブルー 「お金さえ出せば、いくらでもね!」
法要の中身に合わせて形を変えてもオッケーだから、と生徒会長。
ブルー 「同じお寺でも、お月見の日だったら丸い形とか」
サム 「あるらしいよな、そういうのもよ」
シロエ 「キース先輩も特注しとけば良かったですねえ、丸い形のを」
キース 「…そうかもしれん。だが、丸はヤバイかもしれないな」
スウェナ「あら、どの辺が駄目なのよ?」
キース 「丸い所だ!」
丸と言ったらスッポンなんだ、とイヤンな名前が。
シロエ 「そ、そういえば…。月とスッポンって言いますよね?」
ブルー 「それもあるけど、スッポン自体が丸なんだよ」
甲羅が丸いものだから…、と声をひそめてヒソヒソと。
ブルー 「丸鍋というのはスッポン鍋のことだしね」
シロエ 「だったら、丸い散華も駄目ですね…」
キース 「あそこでウッカリ撒いていたなら、喜ばれるだけだ」
一同 「「「あー…」」」
モノがスッポンタケの法要、スッポンな散華は死を招くだけ。
サム 「やっぱり、普通に花びらのヤツにするべきだったぜ」
マツカ 「勘違いのしようが無いですしね…」
シロエ 「キース先輩、痛恨のミスってヤツですね」
キース 「有難いのを選んだつもりだったんだが…」
俺の命が散りそうだ、という嘆き節。
元老寺の露と散るんですかね、アドス和尚にバレちゃって…。
2015/10/07 (Wed)
☆泥を塗った背中
仏様の背中の光背をトンデモなモノだと信じたソルジャー。
キース君が選んだ散華が光背の形、それをアヤシイ形に誤認なわけで。
キース 「親父にバレたら、俺は確実に殺される!」
サム 「璃慕恩院だと、お前の僧籍ヤバイんじゃねえの?」
シロエ 「やっぱり剥奪されるんでしょうか?」
ブルー 「場合によっては、そうなるかもねえ…」
ぼくでも助けられないかも、と銀青様までがお手上げな様子。
ブルー 「坊主たるもの、仏様を敬ってこそだから…」
シロエ 「不敬罪ですか?」
ブルー 「そんなトコだね、坊主の世界は厳しいんだよ」
スウェナ「お座敷遊びはオッケーなのに、不敬罪だとアウトなのね…」
サム 「仏様のお蔭で食べていけるのが坊主だしよ…」
その仏様の顔に泥を塗ったらおしまいだぜ、とサム君、ブルブル。
シロエ 「キース先輩は背中に泥を塗ったんですけどね…」
ブルー 「泥くらいで済めばいいけどねえ…」
肥を塗ったようなものだから、と厳しい御意見。
サム 「うんうん、鶏糞とか馬糞並みだぜ、あれは」
キース 「恐ろしいことを言わないでくれ!」
ブルー 「だけど、そのくらいの勢いだよ?」
もはや普通の肥ですらない、と生徒会長。
ブルー 「仏様の御慈悲を請うしかないねえ、前非を悔いて」
キース 「それは分かっているんだが…」
五体投地でお詫びの日々で、と懺悔モードはいいんですけど。
キース 「下手にやったら親父にバレるし、そう沢山は…」
ブルー 「だったら、此処でやって行ったら?」
キース 「そうするか…」
ブルー 「三千回はしないと駄目だよ、本気のお詫びは」
キース 「そこまでなのか!?」
ブルー 「言った筈だよ、仏様の背中に肥を塗ったと!」
全身全霊でお詫びしたまえ、と指差された床。
ブルー 「塗りたくった肥を君の身体で拭うつもりで!」
キース 「そうか、拭くのか…」
人間トイレットペーパーな五体投地か、という覚悟。
肥を拭くならそうなりますね?
2015/10/08 (Thu)
☆回って肥を拭け
仏様の背中に輝く光背、それをトンデモなモノにしてしまった副住職。
お詫びに五体投地を三千回だそうで、背中の肥を拭う気持ちが大切。
ブルー 「君の全身で肥を拭くんだよ、心をこめて!」
キース 「分かった、トイレットペーパーに徹してお詫びしよう」
シロエ 「ウォシュレットはつけなくてもいいんですか?」
スウェナ「そういう物もあったわねえ…」
つけておけば、と無責任な声が。
スウェナ「肥を拭くんでしょ、頑張りなさいよ」
キース 「俺は便座ではないんだが!」
ブルー 「心をこめてと言った筈だよ、便座だろうが便器だろうが!」
トイレ掃除も修行の一つだ、と銀青様の厳しいお声。
ブルー 「トイレの肥も拭うつもりで、お背中の肥を拭いたまえ!」
サム 「そのくらいはしねえと、仏様に申し訳ねえぜ?」
キース 「…そ、そうか…。そうかもしれないな…」
シロエ 「キース先輩の過失が原因ですからね?」
頑張って拭いて下さいよ、とギャラリーはあくまで無責任。
シロエ 「ちゃんとカウントしますから。三千回ですね?」
ブルー 「心からのお詫びをするのならね!」
キース 「…お背中をお拭きするのだな…」
俺の身体で、とハハーッと土下座。
キース 「南無阿弥陀仏…」
サム 「頑張れよな!」
シロエ 「三千回だと、時間も相当かかりそうですね?」
ブルー 「まあねえ…。でも、ノンストップがお約束だから」
飲まず食わずで三千回、とキース君に下された恐ろしいノルマ。
ブルー 「でも、ぼくたちには関係無いしね、ただの紙だし」
一同 「「「はあ?」」」
ブルー 「トイレットペーパーが勝手に回転してるだけ!」
カランカランと三千回ほど回るだけ、とバッサリと。
ブルー 「放っておいてもいいと思うよ、数えさえすれば」
シロエ 「トイレットペーパーの回転ですか…」
サム 「まだ十回も回ってねえけどな」
先は長いぜ、と同情の目が。
回り回って三千回とは、キツそうですねえ…?
2015/10/09 (Fri)
☆ズレないで回れ
仏様の背中に燦然と輝く光背、トンデモなモノだと思ったソルジャー。
原因を作ってしまったキース君、五体投地を三千回でお詫び中。
キース 「南無阿弥陀仏…」
シロエ 「今ので二十回ですね。…まだまだですよ」
スウェナ「バレエの大回転にも足りてないわよ!」
アレは三十二回転だから、と格調高い芸術の名が。
スウェナ「キースも頑張って回らなくちゃね、三千回を」
マツカ 「バレエとは全く違いますから、まだ楽でしょうか?」
シロエ 「あっちの方は、軸足がズレたら台無しですしね」
ブルー 「トイレットペーパーだって同じだよ!」
軸がズレたら外れて転がる、と生徒会長、すかさずツッコミ。
ブルー 「床に転がったトイレットペーパーは使えないしね!」
サム 「元から床だぜ、キースの場合は」
ブルー 「床じゃないから! 仏様の有難いお背中だから!」
全身で肥を拭っているのだ、と銀青様。
ブルー 「綺麗な紙でなくちゃ駄目だよ、失礼だから!」
シロエ 「それは確かにそうですね…」
ジョミー「汚れた紙で拭いたら余計に汚れるもんね…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ズレないで三千回転なんだね!」
頑張ってね~! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」がピョンピョンと。
ぶるぅ 「んとんと、今で何回目かなあ?」
シロエ 「今ので丁度、三十二回目ってトコですね」
キース 「…南無阿弥陀仏…」
サム 「三十二回目、キメろよ、キース!」
ピシッとシャキッと、と声援が。
キース 「南無阿弥陀仏…」
ブルー 「うんうん、上手に拭けました!」
顔と身体で、と銀青様の評価。
ブルー 「先は長いから、気を抜かないで!」
??? 「えーっと…。キースは何をしてるんだい?」
一同 「「「!!?」」」
誰だ、と振り返ってみればソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「今日も何かの法要なのかな?」
キース 「見て分からんのか!」
俺の努力が、と怒鳴ってますけど。
五体投地はどうなりましたか?
2015/10/10 (Sat)
☆お盛んなんです
仏様の背中に輝く光背、それをトンデモにして肥を塗ったのが副住職。
五体投地でお詫び中ですが、其処へ来たのが元凶のソルジャー。
Aブルー「南無阿弥陀仏は分かるけど…。這いつくばってるし…」
キース 「やかましい! これはお詫びだ、三千回だ!」
今の俺はトイレットペーパーの境地なんだ、と副住職の叫び。
キース 「仏様の背中をお拭きするんだ、俺の全身全霊で!」
Aブルー「どうして背中を拭くことになるわけ?」
キース 「あんたが言い出したんだろうが!」
光背を侮辱しやがって、と怒りでブルブル。
キース 「その分のお詫びが必要なんだ! あんたもやれ!」
Aブルー「えーっと…。仏様の背中には超特大のアレがあるんだし…」
トイレなのは理解出来るけど、とソルジャー、首を傾げまして。
Aブルー「そうやって必死に拭いてるってことは、お盛んなんだね!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「溜まっているのをせっせと抜くから、紙が必要!」
迸るアレを拭きまくるんだね、と更に激しい勘違い。
Aブルー「噴き出す子種をキースが全身全霊で拭く、と!」
キース 「き、貴様…!」
なんというものを拭かせるのだ、と額に青筋。
キース 「いや、その前に、仏様は世俗とは無縁でいらっしゃる!」
Aブルー「ふうん…? だけどスッポンタケも今や立派な仏様だし!」
きっと背中に大きいアレを背負っているのだ、とニッコリと。
Aブルー「それでね、ぼくはそういうスッポンタケに会いたくて!」
一同 「「「えっ?」」」
背中にアレなスッポンタケなら仏様。お葬式も済んでいるわけで…。
シロエ 「お浄土まで行ってくるんですか?」
Aブルー「なんで、お浄土が出てくるんだい?」
シロエ 「仏様がいらっしゃる場所は、お浄土じゃないかと…」
キース 「さっさと死んで詫びて来やがれ!」
Aブルー「嫌だね、人生これからなんだから!」
ぼくが見詰めるものは現実、と言われましても。
仏様ならお浄土ですよ?
2015/10/11 (Sun)
☆現実で会いたい
仏様の背中にトンデモなモノを背負わせてしまい、お詫び中の副住職。
三千回の五体投地をするべく頑張っていれば、出て来たソルジャー。
Aブルー「ぼくが会いたいのは、ちゃんと現実のスッポンタケだよ!」
キース 「山に行ってくればいいだろうが!」
もうシーズンだ、とキース君の怒り。
キース 「本物が山に生えているから、好きに拝んでこい!」
Aブルー「それが出来たら苦労はしないよ」
一同 「「「は?」」」
ソルジャーの得意は瞬間移動。山に行くなど朝飯前で。
シロエ 「あのぅ…。山なら、あそこに見えてますけど?」
サム 「うんうん、去年行かされた山はアレだったぜ」
ジョミー「山ほどあったし、今年もあると思うけど?」
Aブルー「そんなのは普通のスッポンタケだよ!」
ぼくが会いたいヤツとは違う、とソルジャー、キッパリ。
Aブルー「もっと有難いのに出会いたいんだよ!」
キース 「…あんた、夏の間に行き損ねたな?」
北の大地に、とキース君からツッコミが。
キース 「絶滅危惧種が出たとか言ってたアレだろうが!」
一同 「「「あー…」」」
アレか、と脳裏に蘇るアカダマスッポンタケとか言うモノ。
シロエ 「シーズンを逃したんですね?」
マツカ 「あっちの方だと、もうストーブの季節ですしね…」
Aブルー「違うよ、アカダマスッポンタケとは別件で!」
ブルー 「…もっとアヤシイのが出たって言うならお断りだよ!」
さっさと黙って帰ってくれ、と扉を指差す生徒会長。
ブルー 「キースのお詫びも済んでいないし、忙しいんだから!」
Aブルー「お詫びしなくても、スッポンタケは気にしないから!」
背中に特大のアレを背負って二刀流だし、とニコニコニッコリ。
Aブルー「そういう背中に相応しいヤツに会いたいわけ!」
キース 「早くお浄土に行きやがれ!」
Aブルー「ダメダメ、ぼくは現実が大好きだから!」
この世で会うんだ、と言ってますけど。
仏様はお浄土ですってば…。
2015/10/12 (Mon)
☆アテはあります
仏様の背中にトンデモなモノを背負わせた罪で、五体投地なキース君。
お背中に塗った肥を拭うべく努力中なのに、ソルジャー御登場で。
Aブルー「背中に背負った特大のアレに会いたいんだよ!」
キース 「お浄土に行けと言ってるだろうが!」
サム 「参考までに、お浄土はあっちな」
夕陽が沈む方向だから、とサム君が指差す西の方向。
サム 「お彼岸のお中日には、ズバリそっちに沈んでいたしよ」
シロエ 「遠慮しないで行って下さい、止めませんから」
Aブルー「ぼくは現実を希望なんだよ!」
現世利益と言うんだっけか、と半端に仏道を齧った模様。
Aブルー「是非ともこの世でお会いしたいと! 超特大の仏様に!」
キース 「くどいようだが、仏様に会うならお浄土だ!」
Aブルー「でもねえ…。まるっきりアテが無いこともないし…」
一同 「「「はあ?」」」
どういうアテだ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「生き神でしょうか、確かそういうのがいますよね?」
マツカ 「いますね、小さな女の子のが」
スウェナ「スッポンタケとは繋がらないわよ、女の子よ?」
サム 「だよなあ、俺も違うと思うぜ」
Aブルー「女の子じゃないと思うけどねえ…?」
ぼくが言ってるアテってヤツは、とソルジャー、首を捻りまして。
Aブルー「それにさ、二人セットらしいし」
シロエ 「…二刀流ですか?」
Aブルー「スッポンタケは二刀流だけど、そっちはどうかな…」
二刀流だと背中に背負っていないと駄目で…、とブツブツと。
Aブルー「筋骨たくましいのは確かなんだけど、背中の方は…」
シロエ 「いったいどんな仏様ですか?」
Aブルー「阿吽の呼吸で頑張るのかなあ、よく知らないけど」
一同 「「「阿吽の呼吸?」」」
漫才だろうか、と深まる謎。
シロエ 「二人セットで阿吽の呼吸なんですね?」
Aブルー「そうらしいけど?」
その仏様がぼくの期待の星なんだけど、と言われましても。
誰なのかサッパリ謎ですよねえ?
2015/10/13 (Tue)
☆二人セットです
仏様の背中にトンデモなモノを背負わせてしまい、お詫び中の副住職。
其処へ来たソルジャー、背中にアレなスッポンタケに会いたいとかで。
Aブルー「二人セットで阿吽の呼吸な仏様がいれば!」
シロエ 「…奇跡でも起こると言うんですか?」
Aブルー「アテだと言ったよ、奇跡よりかは可能性が高いんだよ!」
スッポンタケに会える可能性が…、とソルジャー、強調。
Aブルー「その仏様がついているだけで、素敵に変身出来るから!」
一同 「「「変身?」」」
Aブルー「そうらしいんだよ、ぼくの希望も叶いそうで!」
超特大のスッポンタケにきっと会えるに違いない、と瞳がキラキラ。
Aブルー「だって、シメジが特大になったらしいしね!」
一同 「「「は?」」」
シメジというのはキノコだろうか、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「それって、キノコのシメジですか?」
Aブルー「もちろんだよ! 他にどういうシメジがあると?」
ブルー 「…シメジが巨大化するのかい?」
仏様のパワーとやらで…、と生徒会長も怪訝そうな顔。
ブルー 「そういう御利益の仏様かい、二人セットで?」
Aブルー「御利益の方は知らないんだけど…。でも、セットだし!」
これでも調べて来たんだから、と威張るソルジャー。
Aブルー「お寺の入口には飾ってあるのが普通らしいけど?」
一同 「「「入口?」」」
Aブルー「飾りなのかな、こう、両側に!」
キース 「ちょっと待て!」
もしかしなくても仁王様か、と待ったを掛けた副住職。
キース 「二人セットで阿吽と言ったな、仁王様なのか!?」
Aブルー「そう、その人だよ! 仁王様だよ!」
実に素晴らしい仏様で…、とソルジャー、合掌。
Aブルー「仁王シメジという凄いシメジがあるらしくって!」
一同 「「「仁王シメジ?」」」
Aブルー「そのシメジが超特大だっていう話でさ!」
シメジとも思えないサイズのシメジらしい、という話。
そんな代物があるんですかね、本当に?
2015/10/14 (Wed)
☆仁王様なんです
五体投地で仏様にお詫びを、とキース君が頑張る所へ来たソルジャー。
超特大のスッポンタケに会うのが目標、アテにするのは仁王様だとか。
Aブルー「ぼくも独自に調べてたんだよ、キノコなニュースを!」
ブルー 「そんなの、調べなくてもいいから!」
Aブルー「ダメダメ、ホットなニュースはチェックしなくちゃ!」
アカダマスッポンタケの例もあるし、とソルジャー、指をチッチッと。
Aブルー「ああいう有難いモノもあるから、要チェック!」
ブルー 「キノコのニュースを?」
Aブルー「スッポンタケに出会ってからはね!」
御利益のためには努力も必須、とキノコに燃えている様子。
Aブルー「お蔭で巨大シメジのニュースを発見!」
ブルー 「…それで?」
Aブルー「見付けた人の話だとねえ、こんなサイズで!」
これで一株、と両手で抱えるほどのサイズを作ったソルジャー。
Aブルー「普通のシメジより遥かに巨大で!」
シロエ 「でしょうね、それはシメジのサイズじゃないですよ」
Aブルー「畑に勝手に生えたらしくて、見付けた人もビックリで!」
ブルー 「…そうなるだろうね、そのサイズじゃね…」
ニュースになるのも当然だろう、と生徒会長、フウと溜息。
ブルー 「そのシメジが仁王シメジだと?」
Aブルー「そう書いてあったよ、現在、分布を拡大中で!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「何処に上陸したんだっけか、順調に北上してるんだよ!」
元々は別の国から来たらしい、という話。
Aブルー「この国の気候がマッチしたのか、頑張ってるって!」
キース 「それは外来種と言わないか!?」
Aブルー「何処の原産でもかまわないんだよ、大きければ!」
仁王様の名前でシメジも巨大化、とソルジャーの理論が超展開。
Aブルー「きっとスッポンタケだって!」
ブルー 「も、もしかして、君がアテにしてるのは…」
Aブルー「仁王様だよ!」
そういう名前のスッポンタケ! と言われましても。
あるんですか、それ?
2015/10/15 (Thu)