☆侮れない外来種
アッと言う間に今年も終わりな師走到来、いわゆる暮れという頃合い。
街にクリスマスソングが響いて、賑やかな季節でございますが。
シロエ 「いくらなんでも、もう大丈夫な気温ですよね?」
キース 「12月に松茸を貰った経験は流石に無いな」
スウェナ「これで当分大丈夫よねえ、変なキノコは」
サム 「そうだと思うぜ、来年がまたヤバイかもしれねえけどな」
ジョミー「でも、焦ったよねえ、仁王スッポンタケ…」
本物だったら終わりだったよ、と肩を竦めるジョミー君。
ジョミー「全部オニフスベだったから助かったけどさ…」
ブルー 「そうとも言い切れないけどね…」
一同 「「「え?」」」
ブルー 「一個くらいは混じってたかもだよ、仁王スッポンタケが」
シロエ 「あれって実在するんですか!?」
ブルー 「現時点では、出たというニュースは無いけどさ…」
外来種というのは何処から来るかが謎なのだ、と肩をブルッと。
ブルー 「行った先でさ、思わぬ変化を遂げるってことも…」
サム 「何か実例でもあるのかよ?」
ブルー 「このくらいの大きさの魚が、とある国にいるわけだけど…」
生徒会長が両手で示した、五十センチほどの魚のサイズ。
ブルー 「元のサイズはお馴染みなんだよ、この国だとね」
シロエ 「海の魚ですか?」
ブルー 「違うね、普通は金魚鉢かと」
一同 「「「金魚鉢?」」」
そんなデカイ魚が金魚鉢に入るだろうか、と顔を見合わせる御一同様。
キース 「アレか、寺とかに多い陶器のデカい鉢のことか?」
ブルー 「一般家庭用だけど?」
シロエ 「入り切らないと思いますが!」
ブルー 「元のサイズと言った筈だよ、本当だったら入るんだよ!」
この大きさになる前ならば、と生徒会長、至って真剣。
ブルー 「金魚すくいで貰えるサイズで可愛いんだけどさ…」
ジョミー「待ってよ、それって金魚なわけ!?」
冗談だよね、と確認が。
いくらなんでも五十センチの金魚は存在しませんよね?
2015/12/01 (Tue)
☆巨大化する金魚
ソルジャー夫妻の仁王スッポンタケの夢を砕いた、オニフスベの群れ。
一つくらいは本物かもと言う生徒会長、五十センチの魚がどうとか。
ジョミー「それって金魚のことじゃないよね、鯉だよね?」
シロエ 「鯉なら大きくなりますからね」
サム 「でもよ、金魚すくいに鯉が混じるって有り得るのかよ?」
キース 「アバウトな業者なら、それもアリじゃないのか?」
鯉も小さい頃には金魚と変わらん、というキース君の読みですけど。
ブルー 「違うね、ぼくが言うのは本物の金魚すくいの金魚!」
ジョミー「この大きさだって言わなかった!?」
こんな金魚がいるわけがない、とジョミー君の手が示す五十センチ。
ジョミー「これじゃ鯉だよ、どう考えても!」
ブルー 「この国だったら、いいトコ、三十センチだけどさ…」
どんなに育ってもそれが限界、と生徒会長、大真面目な顔。
ブルー 「でもねえ、外来種になると…。同じ金魚がドカンと大きく」
シロエ 「この国の金魚が何処かの国で巨大化ですか?」
ブルー 「そうらしいんだよ、メイプルシロップで有名な国で」
一同 「「「ええっ!?」」」
メイプルシロップで有名な国は、サトウカエデの葉が国旗な国で。
サム 「マジかよ、あそこで巨大化かよ?」
ブルー 「捨てないで下さい、って通達が出てるらしいんだよね」
シロエ 「何処に捨てるんです?」
ブルー 「その辺の川とか湖だよ。其処に捨てると育つんだよ!」
天敵がいない上に水が合ったようだ、と生徒会長。
ブルー 「繁殖した挙句に巨大化なんだよ、この大きさに!」
シロエ 「この国だと真面目に有り得ないんですが!」
キース 「本当にそんな巨大サイズに育つのか?」
ブルー 「育ったからこそニュースになってさ、ぼくが見たわけで!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ すっごく大きい金魚だったよ!」
ブルー 「だからね、仁王スッポンタケも…」
外来種なら起こり得るのだ、と恐ろしい話。
本物、混ざってましたかねえ…?
2015/12/02 (Wed)
☆ヤバすぎる外来種
ソルジャー夫妻が仁王スッポンタケだと思った、オニフスベですけど。
本物が混ざっていたかもだそうで、根拠は巨大化した金魚。
ブルー 「普通の金魚が五十センチに育つんだからさ、外国ではね」
シロエ 「…仁王スッポンタケも有り得るということですか…」
キース 「金魚がそれだと、あるかもしれんな…」
全部オニフスベだったと思いたいが、と複雑な顔のキース君。
キース 「俺の五体投地が功を奏して、オニフスベだといいが…」
サム 「仁王スッポンタケが混ざってたんなら、キースの勝ちだぜ」
見事に腐ったオチなんだからよ、とサム君の解釈。
サム 「オニフスベと一緒に腐ってカビでよ」
シロエ 「それは言えますね、キース先輩の法力ですよ!」
キース 「仏様が評価して下さったと?」
ブルー 「どうなんだかねえ、仏様の御心は本当に分からないから」
罰当たりな発言のせいで腐ったかもだし、とツッコミが。
ブルー 「そっちの罰なら、キースの法力は関係無いよ」
キース 「そ、そうか…。俺もまだまだということなんだな…」
ブルー 「当たり前だよ、ぼくの境地には三百年は早いよ!」
法力だなんて厚かましい、と生徒会長、いや銀青様。
ブルー 「これからも精進あるのみなんだよ、仏の道は!」
キース 「そうだな、毎日が修行だったな」
サム 「頑張ってくれよ、仁王スッポンタケはマジで御免だぜ」
ジョミー「でもさあ…。ホントにヤバそうだよね」
もしかして時間の問題なのかな、と怯えた表情。
ジョミー「今年は無事に切り抜けたけどさ、来年は…」
シロエ 「そうならないよう、除夜の鐘で流してしまいましょう!」
アレで煩悩が流れますから、と冴えたアイデア。
シロエ 「みんなで揃って鐘を撞いたら流れ去りますよ!」
スウェナ「いいわね、大晦日は今年も元老寺よね!」
キース 「煩悩を流すなら確かにアレだな、間違いなく」
仁王スッポンタケを流すとするか、と副住職。
水洗トイレじゃあるまいし…。
2015/12/03 (Thu)
☆詰まったら困る
ソルジャー夫妻が仁王スッポンタケだと信じたブツは、オニフスベ。
そういうオチで終わったものの、侮れないのが外来種だと恐れる面々。
キース 「今年の除夜の鐘は気合を入れて撞けよ、お前たちも」
シロエ 「もちろんです! 仁王スッポンタケを流すんですから!」
サム 「綺麗に流れて欲しいぜ、マジで。…詰まらずによ」
ジョミー「詰まるって…。それって、最悪だし!」
下手に詰まったら来年も来る、とジョミー君でなくても怖い結末。
スウェナ「詰まっちゃったら流れないわよね?」
マツカ 「そういうことになるんでしょうね…」
シロエ 「ヤバすぎですよ、詰まった時は高圧洗浄でいきましょう!」
一同 「「「高圧洗浄?」」」
シロエ 「水回りとかが詰まった時には最強です!」
大抵の物は流れますから、とシロエ君のお勧め、高圧洗浄。
シロエ 「いっそ最初からやっておきますか、詰まらないように?」
サム 「どうやるんだよ、除夜の鐘で高圧洗浄ってのはよ」
シロエ 「多分、気合が大切ですから…。こう、力をこめて」
キース 「それはかまわないが、鐘を割るなよ?」
ヒビが入ったら修理費用が馬鹿にならん、と副住職の苦い顔。
キース 「ほどほどの力でやってくれ。壊さんようにな」
シロエ 「ええ、頑張ります! 力一杯!」
ブルー 「力もいいけど、お念仏の方も大切だよ」
お願いします、と祈りの気持ちもこめたまえ、と生徒会長。
ブルー 「仁王スッポンタケを流して下さい、と拝む気持ちで」
シロエ 「分かりました、力とお念仏ですね!」
ジョミー「詰まっちゃったら終わりだもんね…」
ぼくもお念仏を頑張ろう、と普段よりかは前向きな姿勢。
ジョミー「綺麗に流しておかないと…。あんな物はさ」
サム 「金魚みてえなことになったら悲惨すぎだぜ、スッポンタケ」
ブルー 「外来種は本当に怖いからねえ、いろんな意味で」
上陸されたら駆除をするのも大変で…、という話。
増えた後では手遅れですしね?
2015/12/04 (Fri)
☆迷惑な外来種
仁王スッポンタケは来なかったものの、金魚も巨大化するのが外来種。
来てしまったらエライことだ、と除夜の鐘で流すつもりの御一同様。
ジョミー「そうだよね、外来種の駆除は大変だって聞くもんね…」
キース 「天敵がいないと最強だからな、あの手のヤツは」
ブルー 「しかも巨大化する例があるしね、金魚みたいに」
本当に苦労しているようだ、と生徒会長が言うメイプルシロップの国。
ブルー 「捨てないで下さいという看板が切実だったよ」
サム 「五十センチになっちまうんじゃあ、シャレにならないよな」
シロエ 「おまけに美味しくないでしょうしね…」
マツカ 「外来種の魚は、この国でも嫌われ者ですからね」
色々と料理を作ってみても駄目みたいで…、とマツカ君が言う通り。
キース 「肥料にするのが一番らしいな、処分方法としては」
ブルー 「そうらしいねえ…。でも、巨大スッポンタケだと肥料は…」
無理じゃないかな、と生徒会長。
ブルー 「大して養分も無いんだろうし、干したらロクに残らないし」
スウェナ「外来種の藻とかも困るみたいね、増殖した後は」
サム 「腐って匂いが酷いらしいよな、増えまくった末によ」
シロエ 「ですから、水際対策ですよ!」
仁王スッポンタケの上陸を阻止しなければ、と除夜の鐘をプッシュ。
シロエ 「何が何でも流すんです! 大晦日に高圧洗浄です!」
ジョミー「ぼくも頑張るよ、キースに法衣を借りようかな…」
キース 「やる気になったか、ついにお前も」
ジョミー「アレを引き摺らないためだったら、法衣くらい着るよ!」
サム 「その意気だぜ、ジョミー! 俺も今年は法衣でいくぜ」
貸してくれよな、とサム君も。
サム 「マジで今年で終わらせたいしよ、スッポンタケ」
シロエ 「心をこめて流しましょう! 詰まらないように!」
ジョミー「みんなで高圧洗浄だよ!」
キース 「壊すなよ?」
くどいようだが鐘を壊してくれるなよ、と念押しが。
修理費用が高いですしね?
2015/12/05 (Sat)
☆ゴーンと鳴らして
可愛い金魚も巨大化するらしい、外来種という生き物の怖さと迷惑さ。
仁王スッポンタケが来たら大変だ、と除夜の鐘に賭ける御一同様。
キース 「いいな、鐘を壊したら修理費用は出して貰うぞ」
サム 「そこまでの力は誰もねえんじゃねえの?」
シロエ 「会長だったら分かりませんけどね、サイオンを使えば」
釣鐘くらい割れるんじゃあ…、とシロエ君の意見。
シロエ 「ですから、気を付けるべきなのは会長ですよ」
ブルー 「あのねえ…。ぼくはこれでも高僧なんだし、祈る方だよ」
シロエ 「南無阿弥陀仏で高圧洗浄ですか…」
ブルー 「他に何があると? 鐘を撞くのは一瞬じゃないか」
ゴーンと一発撞くだけの間に唱えられるのはお念仏くらい、と銀青様。
ブルー 「下手に真言を唱えるよりかは、お念仏だよ」
キース 「間違いないな。お前たちも力任せで行くより、お念仏だ」
ジョミー「分かってるってば、だから法衣を借りるんだよ!」
サム 「ジョミーがその気になってるほどだし、これはいけるぜ」
もう確実にスッポンタケを流せそうだ、とサム君もやる気満々で。
サム 「俺もバッチリ法衣でキメてよ、ゴーンと一発…!」
??? 「同じ一発なら、奥の奥まで来て欲しいけどね?」
一同 「「「!!?」」」
何事なのだ、と誰もが驚くソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
キース 「あんた、いったい何しに来たんだ!」
Aブルー「ちゃんと言ったよ、同じ一発なら奥の奥までズンズンと!」
夫婦の時間はそれでこそだ、と斜めな発言。
キース 「俺たちは今、除夜の鐘の話をしているんだが…!」
Aブルー「知ってるってば、アレで流れた煩悩がとても大切だしね!」
それを回収するために夫婦で励むのが姫はじめだから、と笑顔全開。
Aブルー「来年も大いに励まなくっちゃ、と思っていたら…」
一同 「「「思っていたら…?」」」
まさか墓穴を掘ったのでは、と顔面蒼白になった面々。
除夜の鐘の話は禁句でしたか…?
2015/12/06 (Sun)
☆流すだけ無駄
仁王スッポンタケには除夜の鐘で流れて貰おう、と決めた面々ですが。
話の最中に出て来たソルジャー、除夜の鐘の煩悩ゲットに燃える人。
Aブルー「君たちが除夜の鐘の話をするから、是非聞かなくちゃと!」
シロエ 「聞いていたんですか!?」
Aブルー「いつも通りに、ぼくの世界のシャングリラからね!」
壁に耳あり障子に目あり、とソルジャー得意の覗き見の出番。
Aブルー「スッポンタケを流そうだなんて、とんでもないよ!」
シロエ 「ぼくたちは縁を切りたいんです!」
ジョミー「高圧洗浄で流すんだからね、ぼくも法衣を着るんだよ!」
キース 「言っておくが、除夜の鐘に手出しはさせんからな!」
撞きたいのなら正面から堂々と来い、と副住職。
キース 「列に並んで撞いてくれ。おぜんざいのお接待もある」
Aブルー「流す方ならお断りだね、ぼくは煩悩を拾うんだから!」
そして姫はじめに励むんだから、と嫌すぎる台詞。
Aブルー「だから仁王スッポンタケを流しても無駄! 拾うから!」
一同 「「「うわー…」」」
そういうオチか、とガクガクブルブル。
シロエ 「流した端から回収ですか!?」
Aブルー「当たり前だよ、高圧洗浄か何か知らないけどね!」
ついでに素敵な閃きゲット、とニコニコと。
Aブルー「外来種は大きくなるんだって? 巨大金魚とか」
ブルー 「君は最初から聞いていたわけ!?」
Aブルー「仁王スッポンタケの名前が聞こえたからね!」
大いに望みが出て来たし、と嬉しそうな顔。
Aブルー「今年のは腐らせちゃったけれども、来年こそは!」
ブルー 「迷惑だから!」
Aブルー「ぼくとしては是非、会いたいわけだよ、超特大のに!」
奥の奥までズンズン来そうな巨大なのがいい、という話。
Aブルー「それで閃いたのが外来種で!」
ブルー 「元からそれだと言ってたけど?」
Aブルー「いそうな所に気付いたんだよ!」
仁王スッポンタケの元に出会えそうな場所、と言ってますけど。
本当に…?
2015/12/07 (Mon)
☆なんでもアリな国
除夜の鐘で仁王スッポンタケを流そうと計画していた、御一同様。
ところがソルジャーに聞かれていたオチ、外来種に心当たりが云々と。
Aブルー「外来種っていうヤツはアレだよね、他所から来るヤツ!」
ブルー 「そうだけど? もう思い切り迷惑なヤツで!」
聞いていたんなら分かるだろう、と生徒会長、厳しい口調。
ブルー 「爆発的に増殖するとか、とても困った存在なんだよ!」
Aブルー「らしいね、金魚も五十センチになるみたいだから…」
この国のヤツが他所に行ってもいいわけだ、と妙な台詞が。
ブルー 「この国のヤツって…どういう意味だい?」
Aブルー「ごくごく普通のスッポンタケがお引越しだよ!」
他所の国にね、と言われましても。
ブルー 「それは迷惑すぎるから! 行った先の国に!」
キース 「あんた、生態系を破壊する気か、何処かの国で!」
あんたの世界の地球は滅びていなかったか、とキース君のツッコミ。
キース 「そういう世界から来ているくせに、破壊活動に走る気か!」
Aブルー「外来種のせいで滅びたわけではないと思うけど?」
地下に分解不可能の毒素が溜まって、海もどうのと怖そうな話。
Aブルー「何も棲めなくなっちゃったんだよ、外来種どころか!」
ブルー 「それで外来種でも歓迎なのかい、君の頭は?」
Aブルー「強く逞しく生きられるならね!」
スッポンタケにも強く生きて欲しい、と斜めな解釈。
Aブルー「何処かの国でドカンと大きく! やって良ければ!」
ブルー 「最悪だから! 下手をしたら外交問題だから!」
Aブルー「うるさいらしいね、他所の国はねえ…」
この国はなんでもアリだというのに、と頭を振っているソルジャー。
Aブルー「クリスマスを祝って、除夜の鐘を撞いて、初詣でさ!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「三つとも違う宗教じゃないか、年末年始の定番だけど!」
他所の国だと普通は混ぜない、と鋭い指摘な宗教問題。
なんでもアリには違いないかも…?
2015/12/08 (Tue)
☆裏切り者は誰だ
仁王スッポンタケが外来種なら、この国のを他所にと言うソルジャー。
外交問題になると叱れば、この国だったら大らかなのにと反撃が。
Aブルー「違う宗教を三つも並べて年末年始! 素晴らしいよ!」
キース 「俺の家にはサンタクロースが来ないんだが?」
シロエ 「そうでしたよねえ、先輩の家は厳格だとかで」
サム 「アドス和尚は厳しさが半端ねえもんなあ…」
Aブルー「そうなんだ? だけど、普通はお寺もクリスマスだよね?」
ブルー 「大きな声では言えないけどね…」
大抵の寺はやってるだろう、と銀青様の証言が。
ブルー 「檀家さんには見えない所にクリスマスツリーで」
Aブルー「ほらね、やっぱりこの国は基本が何でもアリで!」
キース 「否定はせんが…」
Aブルー「だったら、仁王スッポンタケだって大丈夫だよ!」
きっと元気に生きてゆける筈、とグッと拳を。
Aブルー「持ち出すのが駄目なら、持ち込む方で!」
ブルー 「なんだって!?」
Aブルー「他所の国から連れて来るんだよ、スッポンタケを!」
ブルー 「ちょっと待った! 君は別の世界の人間だから!」
変に干渉しないで欲しい、と生徒会長、ソルジャーの貌。
ブルー 「ぼくもソルジャーとして、其処の所は譲れないよ!」
Aブルー「分かってるってば、実行犯はぼくじゃないから!」
一同 「「「へ?」」」
実行犯とは何のことか、と一同、キョロキョロ。
シロエ 「…誰か共犯者がいるんですか?」
キース 「俺たちの中に裏切り者がな」
それ以外は考えられないだろう、とキッパリと。
キース 「こいつの存在は俺たちしか知らん。だからだな…」
ジョミー「ぼくは裏切らないからね! 法衣も着るって言ってたし!」
スウェナ「私も違うわ、買収だってされてないわよ!」
サム 「俺も絶対、裏切らねえよ!」
マツカ 「ぼくにも、とてもそんな勇気は…」
シロエ 「じゃあ、誰です?」
裏切り者は、と言われましても。
普通、自白はしませんね?
2015/12/09 (Wed)
☆前科者が一人
この国のスッポンタケを国外に持ち出し、仁王スッポンタケにする案。
それは駄目だと叱られたソルジャー、ならば持ち込むと言い出して。
Aブルー「そんなに目くじら立てなくても…。誰が実行犯なのか」
ブルー 「其処の所は大切なんだよ! 外来種だけに!」
誰が裏切って持ち込むつもりだ、と生徒会長も糾弾モード。
ブルー 「共犯者になる人間は自白したまえ、今の間に!」
キース 「普通は吐かんと思うがな? この状況で」
ジョミー「いくら貰ったわけ!? 御布施ってヤツを!」
シロエ 「キース先輩だったんですか、裏切り者は!?」
キース 「誰がやるか! モノはスッポンタケなんだぞ!」
二度と関わりになりたくない、と憤然と。
キース 「アレに関してはババを引きまくりだ、協力はせん!」
サム 「他の話だったら乗るのかよ? 御布施次第で」
スウェナ「乗っていたわよ、ほら、後付けでお葬式ってヤツ」
マツカ 「そういえば…。お金に困って引き受けてましたね」
ぼくに相談してくれていれば…、と御曹司。
マツカ 「お小遣いから用立てましたよ、必要なだけ」
キース 「なんだって!?」
シロエ 「マツカ先輩なら楽勝ですよね、言われてみれば」
キース 「どうして言ってくれなかったんだ! ああなる前に!」
マツカ 「出過ぎた真似は良くないかと…」
キースの立場もありますから、と控えめ発言。
マツカ 「現に、自分で解決してましたしね」
キース 「俺はスッポンタケの葬式を引き受けさせられたんだが!」
Aブルー「あの時は本当にありがとう! またよろしく!」
ブルー 「…やっぱりキースが怪しいかな…」
御布施を貰えば何でもやるかも、と疑いの眼差し。
ブルー 「お寺ってヤツは色々な悪事の隠れ蓑に使われやすいしね」
キース 「違う、俺じゃない!」
シロエ 「早く吐いた方が身のためですよ?」
キース 「俺は誓って潔白だ!」
あいつの片棒を担ぎはしない、と言ってますけど。
前科一犯ですからねえ?
2015/12/10 (Thu)
☆売っていない魂
金魚も巨大化する外来種なるもの、スッポンタケでもいけそうな感じ。
却下されたソルジャー、外国から持ち込む気で、協力者がいる筈。
スウェナ「どう考えてもキースよねえ…」
シロエ 「前科があるだけに、他の誰よりも怪しいですよ」
キース 「断じて違う! 俺はスッポンタケに魂を売る気は…!」
ジョミー「売った後だと思うけど? 後付けお葬式をやったんだから」
サム 「うんうん、見事に売り飛ばしてたぜ」
金に困って、とキッツイ突っ込み。
サム 「暮れだからよ…。また同じことになったんじゃねえの?」
シロエ 「何かと物入りな時期ですからね…」
マツカ 「副住職ですから、お歳暮も贈るでしょうからね」
Aブルー「そう、それなんだよ! まさにお歳暮!」
シロエ 「やっぱりキース先輩でしたか…」
お歳暮を贈るお金が足りなかったんですね、と冷たい視線。
シロエ 「スッポンタケに魂を売るのは勝手ですけど…」
サム 「外来種は感心しねえよな?」
スウェナ「場合によっては犯罪になるかもしれないわよ?」
ジョミー「現場を押さえらえたらヤバイかもね?」
シロエ 「どうして罪を重ねるんですか、先輩は!」
キース 「だから違うと!」
本当に俺は無関係だ、と慌てる副住職ですけれど。
サム 「見苦しいぜ、キース。証拠は上がっているんだからよ」
シロエ 「お歳暮だと確かに聞きましたしね」
キース 「違うんだ! あんた、なんとか言ってくれ…!」
俺の無実を証明してくれ、とソルジャーに縋る見苦しさ。
ブルー 「見損なったよ、君がそこまで情けない男だったとは…」
キース 「違うと言っているだろう! お歳暮の件は!」
Aブルー「違うだろうねえ、キースは関係ないからね」
一同 「「「は?」」」
だったら誰が犯人なのだ、とポカンとしている御一同様。
シロエ 「サム先輩ですか?」
スウェナ「ジョミーかしら?」
キースでないなら誰が、と首を傾げてますけれど。
全員、怪しいオチですか?
2015/12/11 (Fri)
☆買収はお手の物
ソルジャーが外国から持ち込もうと目論んでいる、スッポンタケ。
何処かに協力者がいる筈ですけど、怪しそうだったキース君はシロで。
ジョミー「マツカなのかな?」
シロエ 「有り得ませんよ、マツカ先輩に限ってそういうことは!」
Aブルー「無関係でもないけれど?」
一同 「「「ええっ!?」」」
まさか、とマツカ君に集中する視線。
シロエ 「もしかしてアレですか、検疫の人を買収だとか?」
マツカ 「いえ、ぼくは何も…!」
サム 「でもよ、無関係じゃねえって聞こえたぜ?」
小遣いで買収出来る筈だよな、とサム君の指摘。
サム 「使える金の桁が違うしよ、俺たちよりゼロが幾つ多いか…」
マツカ 「違います、ぼくじゃありません!」
キース 「しかし、あいつが言った以上は、お前だろうが!」
嘘をつくとためにならないぞ、とキース君との立場が逆転。
キース 「役人の世界は賄賂が横行するらしいからな、裏側で」
シロエ 「王道ですよね、政治家とかがパクられる時の」
スウェナ「言いなさいよ、いくら払うのよ!」
其処の迷惑な人の代わりに、とソルジャーを指差すスウェナちゃん。
スウェナ「こんな人と組んでも、ロクなことにはならないわよ!」
サム 「だよなあ、ロクな死に方もしねえぜ」
キース 「まだ間に合うなら、白紙に戻せ! 検疫破りは御法度だ!」
マツカ 「ぼくはホントに知りませんってば…!」
相談もされていないです、とマツカ君はアタフタしてますけれど。
ブルー 「でもねえ、ブルーも君だと言ってるしね?」
マツカ 「違いますってば、濡れ衣です!」
Aブルー「うん、濡れ布巾は必要かもしれないね!」
一同 「「「濡れ布巾?」」」
Aブルー「スッポンタケを持ち込むにはね!」
乾いちゃったら駄目だから、と大真面目な顔。
Aブルー「適度な水分、それから温度!」
キース 「おい、マツカ」
これでも違うと言い張るのか、と氷の瞳。
自分が疑惑をかけられただけに、怒りMAX…?
2015/12/12 (Sat)
☆クロらしいです
ソルジャーが外国から持ち込みたいらしい、外来種なスッポンタケ。
協力者かと疑われたキース君はシロで、無関係ではないのがマツカ君。
キース 「ハッキリ言え! なんだってこいつと組んだんだ!」
マツカ 「し、知りません…! ぼくは本当に何も知らないんです!」
サム 「やってねえとか潔白だとか、キースも言っていたけどよ…」
お前の場合は逃げ切れねえぜ、とサム君も畳み掛けるように。
サム 「無関係じゃねえって言ってやがるし、クロじゃねえかよ」
シロエ 「ええ、明らかにクロですね。しかも濡れ布巾ですよ」
スウェナ「持ち込む用意は出来ている、って感じよねえ…」
ジョミー「だよね、後は飛行機に乗せるだけとか」
適当なケースか何かに詰めて、とジョミー君までが。
ジョミー「検疫の人を買収してあれば、検査しないで通るよね?」
キース 「考えたくはないが、そうなるだろうな。そしてだ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 金魚さんみたいに巨大化だね!」
とても大きなスッポンタケになるんだよね、と無邪気なお子様。
ぶるぅ 「何センチくらいになるのかなあ? うんと大きい?」
Aブルー「1メートルは欲しいトコだね、どうせだったら!」
キース 「この国の生態系を破壊する気か!」
Aブルー「どうだろう? そんなに狂いは出ないんじゃないかな…」
ドカンと大きくなるだけで、とソルジャー、顎に手を当てまして。
Aブルー「DNAが殆ど同じだったら、その辺は問題なさそうだしね」
一同 「「「DNA?」」」
Aブルー「多分、同じだと思うんだよ! 99・9パーセントほど!」
一同 「「「へ?」」」
どういう根拠でその数字が、と誰もが唖然としておりますが。
Aブルー「なにしろ、松茸がそうらしいから! そこの国のは!」
一同 「「「松茸?」」」
Aブルー「そうだよ、ぼくはバッチリ覚えているよ!」
松茸を貰う人の話、と言うソルジャー。
そんなの誰か貰ってましたか、マツカ君の家に届くとか…?
2015/12/13 (Sun)
☆ドツボでストーカー
外来種なスッポンタケの持ち込みを目論むソルジャー、DNAの話を。
国産のと99・9パーセント同じだという松茸がどうの、と。
Aブルー「この国のヤツと殆ど同じな松茸、毎年届くって!」
シロエ 「マツカ先輩、そんなモノまで貰うんですか?」
サム 「国産に不自由しそうにねえけど、付き合い広いし…」
そういう御縁で届くんだったら納得だよな、と視線をチラリ。
サム 「でもって、そいつを買われたのかよ、其処の誰かに」
キース 「そのようだな。松茸は検疫を通過しているんだろうが…」
ジョミー「スッポンタケはマズイよねえ?」
ブルー 「しかも繁殖させる気だしねえ…」
なんだってマツカは片棒を担いでいるんだか、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「何か弱みでも握られたのかい、ブルーは手段を選ばないし」
マツカ 「違いますってば、ぼくは本当に無関係です!」
スウェナ「関係があると言われていたでしょ、逃げるだけ無駄よ」
キース 「まったくだ。見苦しいにも程があるぞ、マツカ」
それに弱みを握られたんなら、早く手を切らないとドツボだから、と。
キース 「俺のようになるぞ、スッポンタケに付き纏われて」
シロエ 「ストーカー並みに絡まれてますしね、キース先輩…」
サム 「うんうん、下手に戒名をつけちまったのが悪かったよな」
一生アレに追われるんだぜ、と気の毒そうに。
サム 「そんなヤツが二人も出来ちまったら、俺たちも困るぜ」
ジョミー「キースだけで充分、迷惑だしね」
スウェナ「マツカはキッパリ断るべきよ! どんな目に遭っても!」
マツカ 「断りようが無いんですけど…」
何も引き受けていませんから、と困惑の極み。
マツカ 「どういう関係でぼくに来たのか、謎なんですよ」
Aブルー「君も分かっていないのかい?」
マツカ 「本当にぼくが関係者ですか?」
Aブルー「知り合いだったよ、間違いなく!」
その松茸を貰ってる人、という証言。
やはりマツカ君のお父さんとか?
2015/12/14 (Mon)
☆忘れ果てていた名前
外来種のスッポンタケを持ち込みたいソルジャー、外国の松茸に着目。
DNAが国産品に酷似で、それを貰っている誰かがマツカ君の近くに。
サム 「やっぱりマツカのお父さんかよ?」
Aブルー「血縁者ではないと思うけど?」
マツカ 「そんな知り合い、いませんよ!」
Aブルー「忘れたのかい、メデタイ様を? みんな揃って!」
あの素晴らしい人を忘れるなんて、とソルジャー、呆れた顔。
Aブルー「福の神様のお使いの人だよ、イングリッドさんの!」
一同 「「「ドクツルタケ!?」」」
忘れ果てていたドクツルタケことイングリッドさん、公爵夫人。
ひょんなことから繋がった御縁、北欧にお住まいの人でして。
Aブルー「メデタイ様は、マツカのお父さんの会社の人だしね!」
一同 「「「うわー…」」」
忘れていた、と愕然とする御一同様。
マツカ 「そ、そういえば…。ぼくの写真が切っ掛けでした…」
シロエ 「社内報に載った家族写真で身バレでしたね…」
Aブルー「メデタイ様のお蔭で、福の神様と御縁が続いてるんだよ!」
そしてメデタイ様の家には福の神様から松茸が…、と言うソルジャー。
Aブルー「いつも送ると言っていたしね、福の神様は!」
ブルー 「まさか、君はそのルートからスッポンタケを貰おうと?」
Aブルー「いけないかい? DNAは似てると思うんだけど!」
99・9パーセントといかなくっても、と溢れる自信。
Aブルー「松茸がそれだけ似ているんなら、スッポンタケだって!」
ブルー 「絶対に検疫を通らないから!」
Aブルー「福の神様なら大丈夫だよ、きっと考えてくれる筈!」
お歳暮の品に紛れ込ませるとか…、とニコニコと。
Aブルー「だからね、マツカに期待なんだよ!」
マツカ 「…何をです?」
Aブルー「ちょっと頼まれてくれないかな、と!」
マツカ 「はい…?」
Aブルー「お歳暮はきっと届くだろうから…」
お礼状に一筆書き添えて欲しい、と注文が。
なんと書けと…?
2015/12/15 (Tue)