開運祈願の御祈祷済みという高級料亭の恵方巻。
同じ食べるなら最高の場所で恵方を向いて、と生徒会長は申しております。
今年の恵方は北北西ですが、磁石なんかを使わなくてもドンピシャという
凄いスポットがあるそうで…。
キース 「恵方社のある寺には何度か行ったが、恵方社は見た覚えが無いな」
ブルー 「とても小さな祠だからね。祠を乗っけた石の台座が回るんだよ」
シロエ 「中華料理のテーブルみたいですね」
ブルー 「理屈としては似てるかな。土台の上に円形の台座で、その上に祠」
毎年、大晦日の晩にお坊さんが祠に祈祷し、その後で数人がかりで台座を
回して祠の正面を恵方に向けて、再び御祈祷。
それが『恵方の改め式』で、お参りした人には年越し蕎麦のお接待が。
ジョミー「ちょ、ちょっと待ってよ。お坊さんが祈祷するわけ?」
ブルー 「お寺の境内なんだから、当然だろう。それが嫌なら残るんだね」
ぼくたちだけで出掛けるから、と言われてジョミー君は大慌て。
最強の恵方巻スポットを逃すわけにはいきません。
ジョミー「行くってば! もう後が無いし!」
ブルー 「その勢いで頑張りたまえ。さて、どうやって行こうかな?」
ぶるぅ 「近所の公園、誰もいないよ」
ブルー 「あ、本当だ。だったらパパッと飛んじゃおう」
寒いですからコートを着込んで、瞬間移動でいざ出発!
恵方巻が入った料亭の袋は「そるじゃぁ・ぶるぅ」が提げています。
降り立った小さな公園を出て、少し歩くと石の玉垣と石の鳥居が。
シロエ 「ここでしたか。ずっと神社だと思ってました」
ブルー 「山門が無くて鳥居だからね。だけどホントにお寺なんだよ」
本堂はあっち、と示された先にお堂と庫裏がございます。
しかし境内の殆どを占めるのはパワースポットで知られた池。
ブルー 「うーん、やっぱり先客多数か」
キース 「おい、ライバルは多いぞ、ジョミー」
境内にはズラリ行列が。
恵方社の前で恵方巻、と並ぶ人たちの最後尾は何処に…?
