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恵方巻を食べる時は恵方に向いて目を閉じ、一言も喋らず頭の中で願い事。
これがお約束でございます。
坊主宣言撤回の最後のチャンスを恵方巻に託すジョミー君、究極の恵方巻
スポットとされる恵方社の前で深く一礼、続いて二礼目。
柏手の方もパンパンと二回、そして提げていた小袋の中から恵方巻を。
キース 「よし、ここまでは問題なし…と」
ブルー 「後はジョミーの根性だよね。ちゃんと神様に届けばいいけど」
サム 「ここの神様って誰なんだ?」
ブルー 「恵方と言えば歳徳様だよ」
シロエ 「トシトク様? なんですか、それ」
ブルー 「陰陽道で、その年の福徳を司るという女神様。恵方においでだ」
キース 「それも知らずに恵方巻を食っていたのか?」
シロエ 「え、だって。恵方ですから、いい方向なのは確かですしね」
ブルー 「そうだよ、いい方向だと分かればいいのさ。さて、ジョミーは…」
マツカ 「真剣なんじゃないですか? うるさくしたら悪いかも…」
ブルー 「他人の会話が気になるようでは言語道断。雑念はアウト」
ハーレイ「…ジョミーに何かあったのか?」
ブルー 「朝から行った七福神巡りで坊主祈願をしちゃったんだよ」
ハーレイ「坊主祈願?」
ブルー 「うん。甘酒で酔っ払っちゃって、お坊さんになれますようにって」
それを撤回するらしいよ、と生徒会長。
教頭先生も「それは真面目に祈願しないとな」と納得です。
一番に並んだ甲斐があった、と喜んでおられますけど、当のジョミー君は。
ジョミー(えっと、お願い事、お願い事…。坊主宣言撤回で!)
黙々と頬張る恵方巻。
お喋りが禁止でなくても、丸かぶりですし、まず喋れません。
ジョミー(お坊さんにならずに済みますように。お願いします、切実です)
ぼくには後が無いんです、と懸命なジョミー君ですが。
高級料亭の恵方巻はダテではなくて、いつの間にやら味わっていたり…。
お願い事より、舌先でとろける絶妙な具材。
そんな態度でいいんでしょうか…?
