☆夏には怖い話
さて、七月。まだシトシトと梅雨真っ盛りな、そういう週末。
生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、怖い話に興じる会とかいう話。
シロエ 「夏と言ったら怪談ですしね、怖い話の王道は!」
サム 「でもよ、今日のは違うじゃねえかよ…。怖い中身が」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ぼく、この間、ぶるぅに会ったよ!」
遊びに来てくれたの! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」は御機嫌。
ぶるぅ 「凄く満足の三日間だったって! 大人の時間で!」
一同 「「「うわー…」」」
マジだったのか、と一同、ガクガクブルブル。
サム 「覗き放題三日間とか聞いてたような気がするぜ…」
シロエ 「ええ、気のせいではないですね! ぶるぅが覗くと!」
マツカ 「青の間を三日間覗き放題コースですよね?」
スウェナ「そうよ、そう言ってあの迷惑な人を止めたのよ!」
もうちょっとで兄貴なバーに行っちゃうトコを、とスウェナちゃん。
スウェナ「あれから一度も来ない所が怖いのよねえ…」
ブルー 「丸三日だしね、腰が立たないってこともあるけど?」
一同 「「「腰?」」」
ブルー 「大人の時間はそういうものだよ、腰が大切!」
腰は男の命と言うし…、と合掌を。
ブルー 「丸三日間も兄貴な毎日、腰も立たなくなるかもねえ…」
キース 「なるほど、それで静かなわけか…」
シロエ 「でもですね…。流石にそろそろ来そうな頃で…」
サム 「怖い話ってのがソレだってえのが…」
もうちょっとマシな話はねえのか、という質問。
サム 「キースにネタはねえのかよ?」
キース 「生憎とウチの寺には、心霊現象というヤツは…」
ジョミー「無いっていうわけ、ケチっぽいよね?」
お寺だったら七不思議くらい装備してくれ、と注文が。
ジョミー「それでこそ立派なお寺なんだと思うけど!」
ブルー 「璃慕恩院にも七不思議はあるねえ、昔から」
キース 「ウチには無いぞ!」
無くても別に困りはしない、とバッサリと。
そうなんですか…?
2016/07/01 (Fri)
☆掛軸があります
夏と言ったら怖い話だ、と盛り上がるシャン学メンバーですけど。
キース君が言うには七不思議が無い元老寺。別に困りはしないとかで。
キース 「七不思議などは、あっても無くても特に問題ないからな」
ジョミー「あった方が断然、楽しいじゃない!」
シロエ 「ですよね、子供にも人気が出そうですけど…」
サム 「だよなあ、肝試し会場とかにはピッタリだぜ、うん」
もっと地域に貢献しろよ、という意見。
サム 「夜に行ったら確実に出るとか、そっち系でよ」
キース 「出ると評判の掛軸だったら、今も俺の家にあるんだが?」
一同 「「「掛軸?」」」
キース 「忘れたのか、ぶるぅが出て来たヤツだ! あっちの世界の」
一同 「「「あー…」」」
忘れてた、と誰もが綺麗サッパリ忘却していた、昔の出来事。
シロエ 「掛軸の中から出ましたっけね、あっちのぶるぅは」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お月様の絵から世界が繋がったんだよ!」
スウェナ「そうだったわねえ…。あれが最初の出会いだったのに…」
マツカ 「今では、すっかりレギュラーですよ…」
もうこの世界に馴染みまくりで…、とマツカ君が振っている頭。
マツカ 「きっと今月も期待してますよ、お中元に」
キース 「そうか、そういうシーズンなのか…」
シロエ 「あの掛軸って、逆には使えないんですか?」
一同 「「「逆?」」」
シロエ 「ええ、逆です! こっちに出て来られるわけですし…」
逆に向こうへ送るとか、と画期的なアイデアが。
シロエ 「あれを開くだけで、向こうへ送れたら便利でしょうね」
サム 「いいじゃねえかよ、そのアイデア!」
ジョミー「それって抑止力にもなるよね、来ちゃった時に」
スウェナ「掛軸を開いてもいいか、って脅すのね!」
効きそうじゃない、と煌めく瞳。
スウェナ「送り返されるよりは、きっと静かにする筈よ!」
シロエ 「そう思うんですけど…」
どうなんですか、と生徒会長に視線。
送り返すことも出来るとか?
2016/07/02 (Sat)
☆掛軸では不可能
夏にはセットものの怪談、そういう方へと向かったシャン学メンバー。
元老寺に今もあるらしい掛軸、其処から来たのが別世界の「ぶるぅ」。
シロエ 「あの掛軸を封印したのは、会長ですよね?」
ブルー 「そうだけど…。アドス和尚に頼まれたからね、よろしくと」
キース 「あんたが封印してくれて以来、ただの掛軸なんだがな…」
あれを持ち込んだ檀家さんが引き取ってくれなくて、という裏事情。
キース 「元が亡くなった爺さんの道楽で、いわくつきでは…」
シロエ 「魑魅魍魎が出るって話でしたよね、月下仙境とかいう軸で」
スウェナ「そういう名前だったわねえ…。だから月の絵で」
ブルー 「あの月から時空が繋がってたんだよ、あちこちに」
シロエ 「ですから、逆に使えませんか?」
封印を解いて、今度は吸い込む方向で…、と。
シロエ 「迷惑な人の世界限定で、開いた途端に吸い込まれるとか…」
サム 「それが出来たら、怖い話もしなくて済むぜ」
マツカ 「迷惑な人が来ても、掛軸で脅せますからね…」
おかしな話になった時は、とマツカ君も頷くアイデアですけど。
ブルー 「それが出来たら苦労はしないよ、相手はアレだよ?」
一同 「「「アレ?」」」
ブルー 「ぼくよりも経験値が遥かに上なタイプ・ブルー!」
あれを吸い込む仕掛けなんかは作れない、とアッサリお手上げ。
ブルー 「向こうも充分、承知だからねえ…」
シロエ 「つまり掛軸は使えない上、抑止力にもならないんですね?」
ブルー 「ならないねえ…。元老寺のお宝になるってだけだね!」
キース 「今は古いだけの掛軸に過ぎないんだが…」
骨董屋に売ったら足が付くしな、と苦々しい顔。
キース 「仕方ないから、たまに虫干しして管理している」
シロエ 「掛軸の脅しも効かないだなんて…。どうするんです?」
キース 「どうとは?」
シロエ 「じきに来ますよ、怖い話をしに!」
誰かさんが、とブルブルと。
百物語の会ってわけでもなさそうなのに…?
2016/07/03 (Sun)
☆来てしまった人
夏と言ったら怖い話で、生徒会長の家に来ているシャン学メンバー。
もうすぐ誰かさんが怖い話をしに現れるそうで、防ぐ方法は無い模様。
キース 「あの掛軸が使えない以上は仕方あるまい」
サム 「覚悟は出来てるって言うのかよ?」
キース 「完璧とは言えないが、そこそこはな」
??? 「それは良かった! キースの覚悟が出来てるならね!」
よろしく、と飛び込んで来たソルジャー(会話表記はAブルー)。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
Aブルー「お世話になるよ、そこのケーキを貰っていいかい?」
ぶるぅ 「食べ放題だし、好きなだけ食べてね!」
Aブルー「ありがとう! 疲れた時には甘い食べ物が一番だから!」
もう本当に疲れちゃったよ、と手づかみのような勢いで。
Aブルー「まさか、ぼくのハーレイがあんなに凄かったなんて…!」
ぶるぅ 「えとえと、ぶるぅが覗いてたヤツ?」
Aブルー「そう! ぶるぅが喋りに来てたのかい?」
ぶるぅ 「うん、この前! とっても楽しかったって!」
青の間に兄貴シリーズのBGMでしょ、と無邪気なトークが炸裂。
ぶるぅ 「ズンドコ節だけ抜いて、ランダム再生、エンドレスって!」
Aブルー「そうなんだよ! エッチな兄貴も、イケナイ兄貴も!」
ぶるぅ 「兄貴のテーマが凄かったっていうのは、本当?」
Aブルー「分かってくれて嬉しいねえ! もう最高でさ、アレが!」
奥の奥までズンズン行くぞ、って曲だから、と大はしゃぎ。
Aブルー「あのハーレイが奥の奥まで! ズンズンと!」
ぶるぅ 「それ、物凄くいいんでしょ?」
Aブルー「イイねえ、何回イッたか分からないほどで!」
ぶるぅもカウントを放棄したよ、と笑顔全開。
Aブルー「最初の間は熱心に数えていたんだけどさ…」
ぶるぅ 「数え切れなくなっちゃったの?」
Aブルー「指が足りなくなったらしいね、頑張ったのに…」
ブーツを脱いでも、足の指は十本で終わりだから、と。
二十回は超えたんですね?
2016/07/04 (Mon)
☆盛り上がるトーク
夏は怪談の季節ですけど、別の意味で怖い話をしに来たソルジャー。
青の間に兄貴シリーズのテーマを流して、キャプテンが励んだ三日間。
Aブルー「ぶるぅの指も足りなくなるほど、イっちゃうなんてね!」
ぶるぅ 「んとんと…。いっぱいイッたら凄いんだよね?」
Aブルー「凄いなんていうモンじゃないねえ、あのハーレイだよ?」
ヘタレの筈のハーレイが励んでくれるなんて、と歓喜の表情。
Aブルー「しかも、ぶるぅが覗いてるのに…! 直ぐ側で!」
ぶるぅ 「ベッドの所にいたって、ホント?」
Aブルー「そう、もう本当にベッド周りをグルグルでさ…!」
さっき足元にいたかと思うと枕元に、とウットリと。
Aブルー「覗き放題で、ぼくとハーレイの大事な所もじっくりと!」
ぶるぅ 「ハーレイ、凄く漲ってたって聞いたけど…」
Aブルー「もうビンビンのガンガンだよ! 漲りまくりで!」
あれこそリアル・スッポンタケだ、と凄い台詞が。
Aブルー「ハーレイのアソコに、スッポンタケが降臨だよね!」
ぶるぅ 「もしかして、降りて来ちゃったの? スッポンタケが?」
Aブルー「降りて来たねえ、ズンズンズンと、奥の奥まで!」
あのハーレイにスッポンタケのパワーがビンビン、と大感激で。
Aブルー「兄貴なバーに出掛けているより、断然、あっち!」
ぶるぅ 「ぶるぅも楽しかったらしいよ、喜んでたもん!」
Aブルー「感謝してるよ、ぶるぅには! いつもは迷惑してるけど!」
ハーレイの本気を引き出してくれたし、と褒めちぎり。
Aブルー「しかも、丸々三日間! もう、本当に壊れそうでさ!」
ぶるぅ 「壊れなかったの、大丈夫?」
Aブルー「あのくらいのパワーが欲しかったんだよ、だから全然!」
これからもお願いしたいくらい、と怖すぎる台詞。
ぶるぅ 「また三日ほど覗いて貰うの?」
Aブルー「それもいいけど、兄貴なバーもさ…」
捨て難いよねえ、と兄貴なバーに未練たらたら。
この展開って、ヤバすぎませんか…?
2016/07/05 (Tue)
☆トークなら覚悟が
怖い話がお似合いの夏に、怖すぎる話をしにやって来たソルジャー。
三日間もキャプテンが励みまくったのが兄貴、リアル・スッポンタケ。
Aブルー「あんなハーレイを体験しちゃうと、欲が出るよね!」
ぶるぅ 「ぶるぅの覗きじゃ駄目で、バーなの?」
Aブルー「覗きも素敵なんだけれどさ…。たまには違う味だって!」
食べたくなるのが人情だから、と舌なめずりを。
Aブルー「どうかな、キース? 君の覚悟が出来ているなら…」
キース 「何の覚悟だ、バーに行く話か?」
Aブルー「それに決まっているだろう! 覚悟は出来てるんだよね?」
キース 「違う、あんたの勘違いだ! 俺の覚悟は別件だ!」
あんたがしに来る怖い話に備えただけだ、とガクブルと。
キース 「丸三日間の報告だったら、聞くだけの覚悟はしていたが…」
シロエ 「ぼくたちもそうです、夏は怪談の季節ですから!」
Aブルー「怪談だって? それで掛軸の話だったわけ?」
ブルー 「そうだけど? 迷惑な君を追い返せたら、っていう夢で!」
夢だけどね、とお手上げのポーズ。
ブルー 「君はこうして来てしまったわけで、どうにもこうにも…」
Aブルー「それじゃ、覚悟は兄貴なバーとは違ったわけ?」
キース 「違いすぎるが!」
トークなら好きに喋ってくれてもいいんだが、と悪い顔色。
キース 「だが、バーの件は御免蒙る! お盆も近いし!」
Aブルー「お盆が近いのと、どう関係があるんだい?」
キース 「俺がリアルに忙しいんだ! バーへ遊びに行く暇は無い!」
Aブルー「此処で遊んでいないかい?」
遊んでるように見えるんだけど、という指摘。
Aブルー「この調子で兄貴なバーもよろしく!」
キース 「駄目だ、お袈裟を持ち出す余裕も無いからな!」
Aブルー「えっ、キンキラキンのアレが駄目なわけ?」
キース 「ショボイので良ければあるんだが…」
俺用のだから格が激しく落ちる、という話。
アドス和尚の袈裟でなければ、立派な兄貴になれないと…?
2016/07/06 (Wed)
☆お袈裟にもルール
「ぶるぅ」の覗きがセットの青の間、丸三日間も励んだキャプテン。
それを満喫したのがソルジャー、今度は兄貴なバーに行きたいとかで。
Aブルー「キースが使える、えっと…。なんだっけ、キンキラキンの」
キース 「お袈裟だ、そのくらいは覚えてくれ!」
Aブルー「無理だよ、スッポンタケや兄貴と関係あるならともかく」
ただの坊主のコスチュームでは…、と覚える気などナッシング。
Aブルー「それで、君用のヤツはショボイわけ? キンキラキンが」
キース 「…親父のヤツがキンキラキンなら、俺のはキだな」
Aブルー「キの字だけ? たったそれだけ…?」
キース 「仕方ないだろう、格が落ちると言った筈だぞ」
着られるお袈裟にも決まりがだな…、と坊主ルールの解説が。
キース 「お袈裟のサイズも、着られる模様も色々とあって…」
シロエ 「あー…。それでイライザさんからキース先輩に…」
スウェナ「管理係が移ったってわけね、より詳しい方に」
キース 「そういうことだ。プロなら間違えないからな」
親父だけが坊主をやっていた頃は、特に問題無かったんだが…、と。
キース 「爺さんがいた頃は親父の係で、それから後がおふくろで…」
シロエ 「キース先輩が参入した今、管理は先輩なんですか…」
キース 「アレを出しておけ、で通じるからな。親父にすれば」
サム 「イライザさんだと無理なのかよ?」
キース 「もう少し詳しく説明しないと、違うのが出る可能性が…」
模様とかがな、と振っている頭。
キース 「だから今では俺の係だが、そのくらい細かいブツなんだ!」
Aブルー「見る人が見れば分かるのかい?」
ブルー 「一目で分かるよ、どの程度の坊主なのかはね」
駆け出しの坊主か、経験を積んだ坊主なのか、とキッパリと。
ブルー 「キースのショボイ袈裟だと駄目だね、偉く見せるのは!」
Aブルー「そうなんだ…。それじゃ、立派な兄貴には…」
見えないんだ、と考え込んでいるソルジャー。
さて、どうなる?
2016/07/07 (Thu)
☆お袈裟で偉さが
「ぶるぅ」が覗く中、丸三日間も励んだらしいキャプテン。
大満足なソルジャーですけど、兄貴なバーにも行きたい気持ち満載で。
Aブルー「…キースが偉い兄貴に見えなきゃ、やっぱり駄目かな?」
キース 「あんたの期待に添うのは無理だと俺は思うが!」
所詮はショボイお袈裟の坊主だ、という激白。
キース 「お袈裟さえ立派なのを持っていればだ、なんとかなるが…」
ブルー 「衣の方は墨染でキメればいいからねえ…」
Aブルー「墨染というのは、キースが着ている黒いヤツかい?」
ブルー 「そうだね、着られる色としては一番下なんだけどさ…」
サムやジョミーでも着られる色だ、と生徒会長、いや銀青様。
ブルー 「だけど、誰でも着ていいから! ぼくなんかでも!」
サム 「うんうん、璃慕恩院のお偉いさんでも着てるしよ…」
キース 「いわば坊主の基本だからな、どうとでもなる」
どんな僧階の坊主も着ていいコスチューム、と。
キース 「衣の色とは無関係にだ、偉く見せられるブツがお袈裟で」
Aブルー「ショボイお袈裟で墨染だったら、どうなるんだい?」
ブルー 「普通、見向きもされないねえ…」
せめてキースの萌黄色だね、と解説が。
ブルー 「自分に自信がある人だったら、下の僧階のも着るからさ」
Aブルー「それのギリギリが萌黄ってこと?」
ブルー 「ショボイお袈裟でも、まあ、見られるかな、と…」
Aブルー「その程度なわけ?」
だったら話にならないじゃないか、と困り顔。
Aブルー「ぼくは遊び慣れた立派な兄貴と行きたいのに!」
キース 「今月は無理だと言っている!」
お袈裟は持ち出せないし、お盆も近い、と苦い顔。
キース 「卒塔婆書きが俺を待っているんだ、もうリーチだ!」
Aブルー「ああ、卒塔婆! あったね、それが!」
キース 「なんだって?」
Aブルー「卒塔婆と言ったら、法要だよね?」
兄貴なバーもいいけど、スッポンタケの方も大切、と瞳がキラキラ。
また法要をやらかしたいと?
2016/07/08 (Fri)
☆卒塔婆を書くなら
青の間で「ぶるぅ」が覗きまくりの中、丸三日間も励んだキャプテン。
それで満足すればいいのに、兄貴なバーにも行きたい人がソルジャー。
Aブルー「兄貴なバーが駄目となったら、スッポンタケをさ…」
キース 「どうしろと言うんだ、この俺に!」
Aブルー「スッポンタケは君の弟子だろう? この機会に是非!」
兄貴なバーに行けないのなら、弟子の面倒を見てくれ、だそうで。
Aブルー「また法要の方を頼むよ、せっかくだから!」
キース 「だから忙しいと言っている! 卒塔婆書きで!」
Aブルー「その卒塔婆だよ、スッポンタケの分もよろしく!」
心をこめて書いて欲しい、と注文が。
Aブルー「立派な卒塔婆が欲しいよねえ…。漲れるように」
キース 「卒塔婆の規格は決まっているが!」
Aブルー「そうなのかい?」
キース 「何処の寺でも、今の季節は卒塔婆の包みが大量にだな…」
業者から届くものなのだ、と憂鬱そうな副住職。
キース 「それを端から書くのが坊主で、俺は泣きたい気持ちだが!」
シロエ 「でもですね…。卒塔婆プリンターもあるんでしょう?」
キース 「ウチの寺には入っていない!」
あの親父が買うわけがなかろうが、と歯軋りを。
キース 「俺の小遣いで買うには高いし、全部手書きだ!」
Aブルー「いいねえ、それじゃ心をこめて立派に書いてやってよ!」
規格が決まっているというなら字を立派に、という注文。
Aブルー「こう、効果のある書き方とかは無いのかな?」
キース 「効果だと?」
Aブルー「そうだよ、天国へ向かって一直線に!」
駆け昇れるようなヤツがいいねえ、とウットリと。
Aブルー「アッと言う間に絶頂ってヤツで、もうイきまくりで!」
キース 「坊主の世界に天国の概念は無いんだが!」
Aブルー「そうだったっけ? ちゃんとあったと思うんだけど…」
キース 「それを言うなら、お浄土だろうが!」
よくも間違えてくれやがって、と怒りMAX。
覚えろと言うだけ無駄なんじゃあ?
2016/07/09 (Sat)
☆蓮の花はお浄土
兄貴なバーにも是非行きたい、とソルジャーが頼んでも忙しい季節。
お盆に向けての卒塔婆書きなシーズン、とても動けないのがキース君。
キース 「この時期、俺はただでもキレそうなんだ! それをだな!」
Aブルー「お浄土も天国も、似たような場所だと思うんだけど…」
どっちも死んだら行ける所で、素敵な場所で…、と煌めく瞳。
Aブルー「前から君に頼んであるしね、天国の蓮の予約をね!」
シロエ 「蓮っていうのはアレですか? 阿弥陀様から遠いヤツで…」
Aブルー「そう、それ! 遠いほどいいねえ、阿弥陀様からは!」
ハーレイがヘタレてしまうからね、とニコニコと。
Aブルー「ぶるぅの覗きも、丸三日間が限界だったから…」
キース 「それがどうした!」
Aブルー「阿弥陀様の視線があると困るんだよ、いつも言ってるよ!」
阿弥陀様から一番遠い蓮の花がいいと頼んでいる筈、と悪びれない人。
Aブルー「その天国の蓮をよろしく! 天国に行ってもヤリまくり!」
キース 「お浄土だと言っているだろうが!」
何処の天国に蓮があるか、とブチ切れそうな勢いで。
キース 「天国の方を希望だったら、教会の方に行ってくれ!」
Aブルー「えっと…。天国は管轄が違うのかい?」
キース 「今更だろうが、寺がお浄土で、天国の方は教会だ!」
Aブルー「ああ、お寺…。そういうことなら、お寺でないとね!」
ぼくたちは今も地球を目指しているものだから…、という話。
Aブルー「テラ繋がりで、絶対にお寺! お寺の天国!」
キース 「あんた、お浄土を覚えるつもりは無いんだな?」
Aブルー「なんでもいいんだよ、行ければね!」
キースがガイドをしてくれるんだろう、と正論が。
Aブルー「だからね、スッポンタケが凄い勢いでイけるようにね…」
キース 「卒塔婆に何を書けと言うんだ、アレは定型文だ!」
Aブルー「そうだっけ?」
意味不明の字が書いてあったような…、と傾げている首。
それって、いわゆる梵字ですかね?
2016/07/10 (Sun)
☆お経は泣けます
兄貴なバーに行きたいソルジャー、けれどキース君が多忙なシーズン。
卒塔婆書きで忙しいと聞いた途端に、今度は卒塔婆に突っ走る人。
Aブルー「卒塔婆に書いてある意味不明の字があるだろう?」
キース 「やかましい! あれも一種の定型文だ!」
Aブルー「定型文って…。文章になっているのかい、あれは?」
サム 「そうじゃねえけど、あの字に意味があるからよ…」
シロエ 「らしいですよね、梵字でしたっけ?」
お釈迦様の国の文字だったような…、と門前の小僧っぷりを発揮で。
シロエ 「仏様を表しているんじゃないですか、アレ?」
キース 「それで正解だ、他にも色々意味はあるがな」
サム 「坊主をやるなら、アレも習うしかねえらしいしよ…」
なんだって外国語が必要なんだか…、と深い溜息。
サム 「それも超絶古典なんだぜ、他所の国のよ…」
シロエ 「凄く大変じゃないですか! アレで古典を読むんですか?」
キース 「坊主にとっては必須の知識だ、読むのも書くのも」
でないと卒塔婆も書けないからな、と副住職。
キース 「有難いお経も、アレで読んだら泣けるんだが…」
シロエ 「どう泣けるんです?」
キース 「そのまま訳したら、「象が水を飲みに来ました」とかな!」
一同 「「「えーっ!?」」」
どんなお経だ、と誰もが愕然。
シロエ 「象っていうのは、仏様の像じゃないですよね?」
キース 「鼻が長くて、耳がウチワのような象だが?」
動物園では人気者だな、と象の説明。
キース 「そう言われても困るんだ! 読む方としては!」
シロエ 「ですよね、それを真面目な顔して木魚を叩いて…」
スウェナ「読むってわけよね、お経バージョンだと?」
キース 「そうなるな。…知ってしまうと酷なものだぞ」
舞台裏を…、と複雑な顔。
キース 「しかし坊主には必須だし…」
Aブルー「待ってよ、お経はそういう中身なのかい?」
お釈迦様の国の言葉なだけで…、という質問。
象ですしねえ?
2016/07/11 (Mon)
☆お経を訳したら
兄貴なバーに行きたかったソルジャー、けれどキース君が多忙な季節。
お盆を控えて卒塔婆書きですけど、それに書く梵字からお経の方へ。
Aブルー「象が水を飲みに来ました、っていうのがお経なのかい?」
キース 「この国の言葉に直訳すればな、とあるお経を!」
シロエ 「つまりマジネタなんですね?」
ジョークじゃなくて、とシロエ君からも質問が。
シロエ 「他にも色々あるんでしょうか、有難いお経の言葉には?」
キース 「知らなかった方が幸せな中身は沢山あるぞ」
サム 「マジかよ、あれってそうなのかよ!?」
キース 「サムもジョミーも、いずれは知ることになるだろうな」
坊主の道を本格的に進み始めたら…、と視線をチラリ。
キース 「期待しているぞ、俺の後輩が早く入学することを!」
ジョミー「ぼくは嫌だと言ってるし!」
サム 「そう言うなって。俺と行こうぜ、専修コースで」
シロエ 「頑張って下さい、サム先輩! ジョミー先輩も!」
ジョミー「行かないってば!」
ブルーが勝手に弟子で登録しただけだから、とブーイング。
ジョミー「それに外国語の古典なんかは、やりたくないし!」
キース 「学べば、お経が楽しくなるぞ。…舞台裏だがな」
シロエ 「でも、有難いお経がどうしてそうなるんです?」
象が水を飲みに来る話だなんて…、と、もっともな疑問。
シロエ 「象なんか普通じゃないですか。お釈迦様の国では」
キース 「だからそうなるんだ、日常風景を綴ったら!」
一同 「「「は?」」」
キース 「お釈迦様と、お弟子様の日々を綴っているんだ!」
お経の世界はそういうものだ、という解説。
キース 「お釈迦様が仰ったこととか、なさったことを…」
シロエ 「普通に作文してるんですか?」
キース 「身も蓋も無い言い方をするならな!」
Aブルー「それがお経というものなのかい?」
キース 「基本はそうだが?」
あんたもお経を知りたいのか、と言ってますけど。
ソルジャーですよ?
2016/07/12 (Tue)
☆お経を知るには
兄貴なバーに行きたいソルジャー、けれど相棒のキース君が無理すぎ。
お盆を控えて卒塔婆書きな日々、それに書くのが梵字ですけど。
Aブルー「つまりアレかい、梵字で書いたら日常もお経?」
キース 「お釈迦様の有難い生涯だからな」
Aブルー「象が水を飲みにやって来たって、有難いと?」
キース 「そうなるらしいな、舞台裏では」
まさかそういうオチだったとは…、とキース君も知らなかったとか。
キース 「お経は、ガキの頃から親父に叩き込まれたんだが…」
シロエ 「どういう意味かは、全く知らなかったんですね?」
キース 「知るわけなかろう、外国語で、しかも古典なんだぞ?」
ブルー 「それにね…。お経の本だと、ちゃんと訳されてるから」
お釈迦様の国の文字から、この国の人でも読める文字に、と銀青様。
ブルー 「最初にキッチリ訳した人がアレだよ、孫悟空の人」
一同 「「「あー…」」」
いたな、と誰もがピンと来る人、とても有名なお坊さん。
ブルー 「あの時点で、もう原型を留めていないから…。元のお経は」
シロエ 「それをわざわざ習うんですか? 原文で?」
ブルー 「お経の世界を深く知ることも必要だからね」
キース 「正直、俺は知りたくなかったがな…」
なんとも空しい気分になった、というのがお経の舞台裏。
キース 「誰が思うか、あんな中身の作文だなんて!」
Aブルー「その作文に使うってヤツが、梵字なんだね?」
キース 「正確に言えば、使われた文字と言うべきか…」
お経が書かれたのは遥か昔だ、と説明が。
キース 「お蔭で立派な古典なんだ! お釈迦様の国の言葉でも!」
ブルー 「今の人には通じない言い回しも多いからねえ…」
お釈迦様の国へ聖地巡礼に行っても、言葉が問題、と。
ブルー 「習ったから通じる筈なんだ、と喋ったってさ…」
キース 「古すぎて駄目だ、と聞いてるな」
時代劇の台詞の世界なんだ、と分かりやすい例が。
それじゃ確かに、死語だらけかも…。
2016/07/13 (Wed)
☆お釈迦様と豚カツ
兄貴なバーに行きたいソルジャーですけど、キース君が駄目なのが今。
お盆を控えて卒塔婆書きな季節、その卒塔婆に書く梵字が話題。
キース 「言い回しも死語なら、単語も思い切り古いらしくて…」
ブルー 「断片だけでも通じたらマシ、って感じなんだよ」
シロエ 「でも、その言葉を習うんですね?」
キース 「知らない言葉を書きまくるなど、論外だからな」
観光土産のTシャツとかならオッケーだろうが、と挙がった例。
キース 「単にお洒落だ、とデザイン的に採用するならいいんだが…」
ブルー 「坊主の世界でそれはちょっとね…」
キース 「意味も分からないで書くとだ、有難味も何も…」
シロエ 「でもですね…。意味が分かったら空しいんでしょう?」
お経の中身、という指摘。
シロエ 「象が水を飲みに来るって他にも、あるんですよね?」
ブルー 「あるねえ、知ったら脱力しそうなお経が色々」
スウェナ「なんだか複雑な気分だわ…。お経の中身が作文だなんて」
マツカ 「ぼくも初めて知りましたよ…」
父の知り合いにはお釈迦様の国の人もおいでですけど、と御曹司。
マツカ 「あの方たちにお経を渡せば、訳して貰えるわけですね?」
キース 「ハッキリ言うがな、失望したくなければやめておけ」
ブルー 「ぼくも賛成。最悪、レシピな中身になるから」
一同 「「「レシピ?」」」
ブルー 「献立と言った方がいいかな、お釈迦様たちの食事だよ」
一同 「「「あー…」」」
ますますもって日常だよな、と脱力している御一同様。
シロエ 「献立色々なお経なんですね。これを食べた、と」
キース 「そんな感じだ。…豚カツとかな」
一同 「「「豚カツ!?」」」
何故に豚カツ、と一同、ビックリ。
キース 「俺は嘘などついていないぞ、お釈迦様の最後の晩餐だ!」
シロエ 「それが豚カツなんですか?」
キース 「柔らか豚だ、直訳すれば」
どういう料理か謎なんだそうで、豚カツと覚えるんだとか。
マジですか?
2016/07/14 (Thu)
☆真面目に豚カツ
兄貴なバーに行きたいソルジャー、けれどキース君が忙しすぎる季節。
お盆を控えて書くのが卒塔婆で、梵字から話題はお釈迦様へと。
シロエ 「柔らか豚って…。それがお釈迦様の最後の晩餐ですか?」
マツカ 「いいんでしょうか、豚だとお肉ですけど…?」
ブルー 「お釈迦様の頃だとオッケーなんだよ、肉を食べるのも」
ジョミー「えーっ!? 今だと精進料理って言うくせに!」
キース 「坊主も世につれ、と言った所か…」
本当にオッケーだったんだ、というのが「柔らか豚」。
スウェナ「それはいいけど、最後の晩餐って言ったわよね?」
シロエ 「地味に宗教が違っている気がしますけど?」
キース 「お釈迦様的に、そうするつもりは無かったろうが…」
最後の晩餐になってしまった、と言われましても。
シロエ 「それってどういう意味なんです?」
キース 「お釈迦様は、食中毒でお亡くなりになったんだ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
柔らか豚にあたったのか、と顔を見合わせる御一同様。
ジョミー「それで最後の晩餐なわけ? 豚カツが…?」
キース 「柔らか豚が覚えられないなら、豚カツで覚えるのが吉だ」
試験の時には、豚繋がりで点がもらえる、とのアドバイス。
キース 「白紙で出すより豚カツだ。今の内から覚えておけ」
ジョミー「ぼくは坊主はお断りだし!」
サム 「そう言わずによ…。俺と一緒に修行しようぜ」
ジョミー「嫌だってば!」
絶対嫌だ、とギャーギャーと。
ジョミー「お経の中身はよく分かったから、余計に嫌だよ!」
Aブルー「そうかなあ? ぼくは勉強になったけれどね?」
キース 「あんた、分かってくれたのか?」
Aブルー「多分、お経の真髄ってヤツを」
ダイレクトに理解できたと思う、とニコニコと。
Aブルー「つまりさ、お経はお釈迦様の国の言葉だろう?」
キース 「ほぼ死語だがな」
Aブルー「それで充分!」
死語でも古典でも言葉の内、と言ってますけど。
どう理解したと…?
2016/07/15 (Fri)