☆涼しげな卒塔婆
さて、八月。いよいよお盆の季節到来、お坊さんたちが多忙な季節。
キース君も本気でリーチですけど、息抜きとかで生徒会長宅に登場で。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
シロエ 「キース先輩、卒塔婆書きの方はどうですか?」
キース 「この期に及んで、親父が押し付けて来やがった!」
五十本も、とウンザリな顔。
キース 「どう考えても今夜は徹夜だ、でないと絶対、間に合わん!」
スウェナ「だったら、此処でサボッていないで書きなさいよ!」
マツカ 「そうですよね…。ぼくもその方がいいと思います」
お盆は目の前じゃないですか、という指摘。
マツカ 「十三日には迎え火ですよね、墓回向とかもあるでしょう?」
シロエ 「マツカ先輩も詳しくなりましたよね…」
サム 「嫌でも覚えてしまうと思うぜ、ダチが副住職ではよ…」
ジョミー「ぼくとサムだって、お盆は手伝わされるしね…」
今年も棚経に行かされるから、とブツブツと。
ジョミー「キースがいるだけで迷惑なんだよ、ぼくたちは!」
キース 「貴様ら、俺の苦労も知らないで!」
卒塔婆書きのキツさも知らないくせに、と文句たらたら。
キース 「親父にクーラーを禁止されてて、暑さが半端ないんだぞ!」
シロエ 「え? 今年はとても涼しく書ける筈ですけど?」
酷寒地獄だと言いましたよね、とツッコミが。
シロエ 「スッポンタケの卒塔婆を書いたら涼しいですよ?」
スウェナ「そうよね、それとも書いた後なの?」
とっておきの涼しい卒塔婆、と質問ですけど。
キース 「…それがだな…」
サム 「書いてねえのかよ、例のジキジキ」
ジキジキなるもの、お釈迦様の国でソルジャーが仕入れて来た言葉。
サム 「手本の梵字は貰っているだろ、書いちまえよ」
シロエ 「素敵に涼しくなれますよ!」
スウェナ「書いた後だって涼しそうよ?」
ブルー 「部屋に隠すしかないからね…」
アドス和尚にバレたら後が無いから、と銀青様。
ごもっとも…。
2016/08/01 (Mon)
☆後が無い卒塔婆
八月に入ればお盆も目の前、キース君の卒塔婆書きも真面目にリーチ。
アドス和尚にも押し付けられて、今夜は徹夜と言いつつサボリで…。
シロエ 「スッポンタケの卒塔婆も、先輩のノルマの内ですよ?」
サム 「そうだぜ、御布施を貰った以上は書かねえと」
キース 「俺も分かってはいるんだが…」
どうにも気分が乗らなくて、と超特大の溜息が。
キース 「卒塔婆にあんな文字を書くのかと思うとだな…」
スウェナ「何を言ってるのよ、単にジキジキって書くだけでしょ?」
シロエ 「それとスッポンタケの戒名ですよね、とても立派な」
キース先輩がつけたとバレたら後が無いヤツ、と怖い指摘が。
シロエ 「さっき会長も言ってましたよ、書いた後には隠すしか…」
ブルー 「無いだろうねえ、他の卒塔婆と一緒にしてはおけないよ」
キース 「その辺もあって、ギリギリまで引っ張りたいんだが…」
卒塔婆を部屋に隠しておくのも大変だから、と。
キース 「今の季節は親父がしょっちゅう踏み込んで来るし…」
サム 「あー…。お盆前だし、仕方ねえよな」
ブルー 「坊主にとっては、一年で一番忙しくなる時期だしね…」
何かと用事も増えるであろう、と合掌を。
ブルー 「いきなりガラリと襖が開くのはお約束かな」
キース 「あまりにも危険すぎるんだ! 例の卒塔婆は!」
親父が見付けたら、絶対ガン見、とブルブルブル。
キース 「此処の梵字は何の意味だ、と言い出すんだ!」
シロエ 「ツッコミどころは其処ですか?」
院殿号な戒名じゃなくて、とシロエ君の疑問。
シロエ 「戒名の方も問題があると思いますけど…」
キース 「戒名だけならそうなるんだが、未知の梵字が問題だ!」
意味不明だけに注目される、と竦める肩。
キース 「親父もダテに坊主をやってはいないから…」
ブルー 「見た瞬間に分かるだろうね、普通じゃないと」
キース 「そうなんだ!」
これは何かと訊かれるぞ、と悪い顔色。
ジキジキですしね?
2016/08/02 (Tue)
☆ジキジキで検索
いよいよお盆が迫って来たのに、卒塔婆書きに追われているキース君。
スッポンタケの卒塔婆も書いていないとか、なんともリーチな状況で。
サム 「あー…。親父さんだと分かっちまうよな、梵字くらいは」
キース 「分かるどころか、その場で読むぞ!」
シロエ 「でもですね…。読まれた所でジキジキですよ?」
ジキジキの意味は知らないでしょう、という指摘。
シロエ 「誰かさんの話じゃ、今どきの言葉みたいですしね?」
マツカ 「バックパッカーが教えた嘘が元ネタらしいですから…」
サム 「バレねえんじゃねえの、ジキジキの意味」
キース 「馬鹿野郎!」
貴様ら、ちゃんと調べたのか、と突き付けるスマホ。
キース 「お釈迦様の国と、ジキジキで検索してみやがれ!」
一同 「「「えーっと…?」」」
どうなるんだろう、と検索ワードを打ち込む御一同様。
サム 「マジかよ、夜はジキジキってトップに出てくるぜ?」
シロエ 「ジキジキの意味も書いてありますよね…」
キース 「分かったか! 今はそういう時代なんだ!」
知っているヤツは知っているから、と言われましても。
シロエ 「引き受けたのは先輩ですよ? 御布施を貰って」
スウェナ「注文通りに書かないっていうのは、マズイと思うわよ?」
ブルー 「そうなるねえ…。明らかにルール違反だよ」
坊主の世界では許されない、と伝説の高僧、銀青様の仰せ。
ブルー 「キッチリと書いてなんぼだね。何が起ころうとも!」
ジョミー「スリル溢れる卒塔婆ってことでいいじゃない!」
涼しくなるよ、とジョミー君も。
ジョミー「今夜は徹夜って言ってたんだし、涼しい気分で!」
サム 「予報じゃ今夜は熱帯夜だぜ?」
涼しい卒塔婆にピッタリじゃねえか、と激励が。
キース 「やかましい! 書くのも、親父に殺されるのも俺だ!」
シロエ 「ベッドの下に隠しましょうよ」
キース 「俺は布団だ!」
安全な隠し場所は無い、という叫び。
布団ではねえ…。
2016/08/03 (Wed)
☆和室じゃ無理です
お盆が目前に迫ってくる中、まだ卒塔婆書きが終わらないキース君。
スッポンタケの卒塔婆も書けていなくて、隠し場所が家に無い有様で。
シロエ 「そういえば和室でしたっけ…。キース先輩の部屋は」
マツカ 「ベッドの下には隠せませんね…」
ジョミー「畳を上げたらいけるんじゃない?」
畳の下なんか誰も見ないよ、と素晴らしいアイデアですけれど。
キース 「畳を上げている真っ最中に、親父が来たらどうするんだ!」
一同 「「「あー…」」」
ありそうだよな、と誰もが思うタイミングの悪さと鉢合わせ事故。
シロエ 「キース先輩のリアルラックはどうですか?」
キース 「リアルラックがどうだと言うんだ!」
シロエ 「いえ…。悪くないなら、畳の下でも大丈夫かと…」
現場を押さえられなかったら安全でしょう、という意見。
シロエ 「いい方なんですか、リアルラックは?」
キース 「俺に訊くまでもないだろう!」
サム 「多分、キースが一番運が悪いぜ、俺たちの中じゃ」
ジョミー「だよねえ…。スッポンタケもキースが自分で呼んだし…」
キース 「呼んでいないが!」
ブルー 「弟子にしたのは君だろう?」
とても立派な戒名をつけて…、と容赦ない声。
ブルー 「諦めて卒塔婆を書くんだね。弟子のためにも!」
シロエ 「先輩の一番弟子でしたっけね、スッポンタケは」
スウェナ「もう思いっ切りの腐れ縁よね、地獄までついて行きそうよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お盆は地獄もお休みだよ!」
だからお盆があるんだもん! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「スッポンタケも沢山帰って来るよね、向こうから!」
サム 「院殿号の仏様だぜ、地獄じゃねえと思うけど?」
ぶるぅ 「もちろん、阿弥陀様の方!」
蓮の花も今がシーズンなの! と弾ける笑顔。
ぶるぅ 「素敵な卒塔婆を書いてあげてね、ジキジキなのを!」
キース 「じ、ジキジキ…」
真面目に親父に殺されそうだ、と抱える頭。
死亡フラグ…?
2016/08/04 (Thu)
☆お役所だそうです
お盆が其処に迫っているのに、卒塔婆書きが終わらないのがキース君。
今夜は徹夜で五十本だとか、スッポンタケの卒塔婆もまだらしくて。
ぶるぅ 「卒塔婆にジキジキ、頑張ってね~!」
キース 「それを書いたら、俺の命が無さそうなんだが…!」
サム 「いいじゃねえかよ、時期的にお浄土直行便だぜ?」
地獄も休みになるんだからよ、と斜めな励まし。
サム 「きっと受け付けはもう締め切りだぜ、一足お先に」
シロエ 「ありそうですよね、地獄がお役所なんだったら」
ブルー 「昔から立派なお役所だけど?」
天国はともかく地獄の方は、と生徒会長、いや伝説の高僧、銀青様。
ジョミー「地獄ってそういうトコだったわけ?」
ブルー 「君も坊主の端くれだったら、そのくらい知っておきたまえ」
サム 「そうだぜ、基本のキなんだからよ」
シロエ 「有名な話なんですか?」
ブルー 「閻魔様が裁判官って所で、普通はピンと来ないかい?」
一同 「「「あー…」」」
確かにお役所っぽい感じ、と納得の響きな「裁判官」。
ブルー 「地獄の鬼だって公務員だよ、だからお盆は休むわけでさ」
シロエ 「お盆休みは、地獄の都合だったんですか!?」
スウェナ「知らなかったわ、恩赦ってわけじゃなかったのねえ…」
キース 「おい、騙されるな!」
お役所はともかく、お盆休みの方は嘘だ、という声が。
キース 「お盆は地獄送りになったヤツらの休みでだな…!」
サム 「別にどっちでもいいと思うぜ、受け付け終了だったらよ」
シロエ 「ですよね、受け付けていないんだったら安心ですよ!」
此処で死んでも大丈夫です、とシロエ君まで。
シロエ 「スッポンタケの卒塔婆を頑張りましょう!」
マツカ 「お浄土しか開いていないというのは素敵ですよね」
ブルー 「ぼくもそう思うよ、心をこめて書くんだね」
キース 「ジキジキをか…?」
ブルー 「そう、直々に!」
師僧手ずから、と強烈なプッシュ。
直々に卒塔婆書きですか…。
2016/08/05 (Fri)
☆卒塔婆は早めに
もう目前に迫ったのがお盆、けれど終わらないキース君の卒塔婆書き。
今夜は徹夜で五十本だと騒いでいるのに、スッポンタケ用も必要で。
ブルー 「早めに仕上げておいた方がいいよ、ジキジキだけに」
キース 「遅いほどいいに決まってるだろう、あんなヤバイのは!」
親父にバレたら、もう本当に後が無いんだ、とブルブルと。
キース 「出来ればお盆の直前くらいに書きたいんだが!」
ブルー 「君の気持ちは分かるんだけどね、経験の方はあるのかい?」
キース 「当然だろうが、来る日も来る日も卒塔婆書きだぞ!」
今夜も五十本なんだ、と言ってますけど。
ブルー 「それは普通の卒塔婆なわけでさ、定番だろう?」
キース 「何の話だ?」
ブルー 「ジキジキだってば、一度も書いてはいない筈だよ」
そんな梵字を卒塔婆には…、という指摘。
ブルー 「書き損なったら大変だろうと思うけれどね?」
サム 「あー…。電動卒塔婆削り器は使えねえよな、元老寺だと」
キース 「た、確かに家にはあるんだが…」
俺は使わせて貰えないんだ、と副住職。
キース 「心をこめて自分で削れ、と親父のヤツがうるさくて…」
ブルー 「ほらね、後回しにしてると失敗するよ?」
ジキジキの最後の一画でモロに失敗だとか、と嫌すぎる話。
ブルー 「失敗したのを削るのは何かと厄介だから…」
キース 「それで早めに書けというのか、余裕がある間に」
シロエ 「一理ありますよね、練習だって必要ですよ」
ぶっつけ本番ではリスクが高くなりませんか、と話は書道へ。
シロエ 「練習してから書いた方がいいと思いますけど」
キース 「そ、そうか…。失敗したら目も当てられないな」
今夜、キッチリ書くことにする、と固めた覚悟。
キース 「後は森の中に隠すとするか」
一同 「「「森の中?」」」
キース 「他の卒塔婆と一緒に積んでおいたら、まずバレない!」
俺の部屋より安全だろう、と溢れる自信。
本当にそれでいいんですか…?
2016/08/06 (Sat)
☆森の中はアウト
お盆が目前に迫って来た中、今夜は徹夜で卒塔婆を書くのがキース君。
スッポンタケのも書くのだそうで、書き上がったら隠し場所は森。
キース 「木の葉を隠すなら森の中、と昔から言葉があるからな」
シロエ 「そうですねえ…。五十本単位で卒塔婆ですもんね」
スウェナ「混ぜておいたらバレないわね、きっと」
キース 「親父も面倒がってチェックしないし、あそこにしよう」
卒塔婆を積んである部屋があるから、という話ですけど。
サム 「それって名案っぽいんだけどよ…。ヤバくねえか?」
キース 「親父だったら、書いた卒塔婆は放置だが?」
誤字が無いかをチェックした後は積み上げて終わり、とキッパリと。
キース 「俺に押し付けたノルマの分もノーチェックだ!」
シロエ 「どうしてなんです、その辺は厳しそうですけれど…?」
キース 「卒塔婆に関してはアレルギー反応が出るらしい」
長年、卒塔婆書きに追われまくったせいで、と合掌。
キース 「書き上げた後は出番が来るまで、絶対に見ない!」
サム 「その出番だけどよ…。最終日だよな?」
お盆の施餓鬼で登場するんじゃねえのか、とサム君の質問。
サム 「あそこで供養で、それから墓地に持って行くんじゃあ…?」
キース 「だから、その前に俺がコッソリ回収してだな…」
サム 「マジでその日まで、誰も触りに来ねえのかよ?」
施餓鬼に来ねえ檀家さんも多い筈だせ、と流石な知識。
サム 「その辺を考えて並べてあるんじゃねえのかよ、アレ」
キース 「そ、そういえば…」
シロエ 「並べるっていうのは何なんです?」
ブルー 「施餓鬼供養では卒塔婆を読むしね、読み終わった分から…」
サム 「檀家さんが貰って、自分の家の墓まで持ってくんだよ」
確実に来ている檀家さんの分の卒塔婆は読むのが早め、と。
サム 「でねえと、待たせちまうからよ…」
キース 「そうだった…」
それを忘れていた、と青ざめる副住職。
森の中は無理っぽいですね?
2016/08/07 (Sun)
☆卒塔婆は実家で
いよいよお盆が目前ですけど、卒塔婆書きに追われているキース君。
スッポンタケのも書くのが仕事で、隠し場所が無いのが大きな問題で。
キース 「いったい何処に置けばいいんだ、あんなヤバイのを!」
サム 「でもよ、引き受けた以上は、責任を持って書かねえと…」
ブルー 「坊主失格ということになるね、卒塔婆を無視では」
しかも御布施を貰っておいて…、と軽蔑の眼差し。
ブルー 「どうしても困ると言うんだったら、相談に乗るよ?」
キース 「本当か!?」
ブルー 「どうせ今年も、ウチで棚経になるんだからねえ…」
シロエたちまで動員されて、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「とんだ災難だよ、スッポンタケが帰って来るなんて」
シロエ 「あー…。理屈だとそうなりますね」
スウェナ「お盆に仏様が帰って来るのが家だものねえ…」
スッポンタケの実家なのね、と嫌すぎる例え。
スウェナ「山ほど帰省して来るわけよね、此処にゾロゾロ」
ブルー 「ぼくの親戚ではない筈だけど…。もう、なりゆきで」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も、お膳、頑張る!」
精進料理でお迎えしなくちゃ、と張り切っている人もいますけど。
マツカ 「此処がスッポンタケの実家だったんですか…」
シロエ 「そうみたいですね、全く気付いていませんでした」
ブルー 「ぼくは諦めの境地だよ。それで卒塔婆の件だけど…」
このくらいで預かってもいいけれど、と指が一本。
キース 「そ、それは…。有難いんだが、高すぎないか?」
ブルー 「貰った御布施が飛びそうだって?」
キース 「そうなるんだが…」
ブルー 「嫌なら別にいいけれど?」
たったこれだけで命が買えたら安いけどね、という仰せ。
ブルー 「アドス和尚に卒塔婆がバレたら、即死だよ?」
キース 「うっ…」
ブルー 「ぼくなら瞬間移動で引き取って隠せるんだけど?」
キース 「分かった、頼む!」
その金額で命を買うことにする、と商談成立。
これで卒塔婆が書けますね!
2016/08/08 (Mon)
☆卒塔婆あります
スッポンタケの卒塔婆の件も解決、いよいよ今年のお盆が開幕。
棚経に来るのが十四日とあって、生徒会長宅に早朝から揃う御一同様。
シロエ 「毎年ですけど、なんでこんなに早いんですか!」
スウェナ「仕方ないわよ、サムとジョミーは昨日の夜から元老寺よ?」
マツカ 「始発のバスでは間に合わないって話ですしね…」
朝イチで棚経に行くお宅には…、というのが棚経事情。
ブルー 「アドス和尚とキースが手分けしたって、丸一日だし…」
シロエ 「朝の六時にスタートっていうのは分かりますけど…」
此処に来るのはもっと遅いじゃないですか、とツッコミが。
シロエ 「棚経の合間に拉致するんでしょう、例の人が!」
マツカ 「そういうパターンですけどね…」
スウェナ「早めに準備したいっていうことなのよね、その例の人が」
ブルー 「そうなるねえ…。お膳とか、お供え物だとか…」
おまけに今年はアレもあるから、と指差すのが壁際の卒塔婆。
シロエ 「キース先輩の力作ですね、会長がぼったくったヤツ…」
ブルー 「失礼だねえ、預かったと言って貰えるかな?」
きちんと毎日、粗相がないよう扱っていた、と威張る人。
ブルー 「院殿号の仏様だし、御布施を貰ったからにはねえ…」
??? 「君の心遣いが嬉しいねえ! スッポンタケも喜ぶよ!」
いよいよお盆だ、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「これがジキジキな卒塔婆なんだね、スッポンタケの!」
ブルー 「キースが命を懸けて書いたよ、バレないように!」
アドス和尚が寝ている間にコソコソと…、と説明を。
ブルー 「書き上がったから引き取ってくれ、と思念波がね!」
Aブルー「バレたらヤバイらしいけれどさ…。普通だよ?」
シロエ 「ぼくにも普通に見えますけど…」
ブルー 「それは素人さんだからだよ!」
Aブルー「プロの目で見たら?」
ブルー 「怪しすぎだよ!」
ジキジキな梵字と院殿号の戒名なんて、と噂の卒塔婆。
普通ですけどね…?
2016/08/09 (Tue)
☆位牌もあります
やって来ました、棚経の日な十四日。ソルジャーもパッと御登場。
スッポンタケの立派な卒塔婆もあるのが今年で、ジキジキな卒塔婆で。
ブルー 「プロの目で見たら、アレはジキジキなんだってば!」
シロエ 「謎の字にしか見えませんけど?」
マツカ 「お釈迦様の国の字なんか読めませんしね、ぼくたちは…」
素人ですから、とマツカ君も。
マツカ 「院殿号の戒名だったら分かるんですけど…」
Aブルー「素敵だよねえ、立派な卒塔婆! スッポンタケ用の!」
ジキジキな卒塔婆できっと漲るに違いない、と嬉しそうな顔。
Aブルー「これで今年の棚経は完璧! 位牌も用意して貰ったし!」
シロエ 「キース先輩の血と汗と涙の結晶ですよ、それも…」
ブルー 「そっちも届けて来たからねえ…。「これで頼む」と」
スウェナ「あら、位牌は自分で持って来たわけ?」
卒塔婆は瞬間移動なのに、と不思議そうな顔のスウェナちゃん。
スウェナ「位牌もついでに頼めばいいのに、どうしてかしら?」
シロエ 「卒塔婆と違って、隠せるからじゃないですか?」
ブルー 「そうらしいねえ、荷物の中にコッソリとね!」
だから隠して持って来たわけだ、とつまらなそうな顔。
ブルー 「こっちの方も頼んでくれたら、もっと御布施が…」
シロエ 「ぼったくるつもりだったんですね?」
ブルー 「ついでだからねえ、卒塔婆があるなら位牌もね!」
是非とも運ばせて欲しかったのに、とブツブツと。
ブルー 「それなのに、届けに来るなんて…。つまらないったら…」
Aブルー「ぼくはどっちでもいいんだよ! 棚経が出来れば!」
今年もよろしく、とやる気満々、お供え物も山と持参した様子。
Aブルー「さあさあ、みんなで用意する!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お膳はもう出来てるよ!」
Aブルー「ありがとう! 花はこの辺でいいのかな、と」
ぶるぅ 「いいと思うよ、果物がここ!」
みんなも用意を手伝ってね、と無邪気な声が。
逃げ道は無いようですね?
2016/08/10 (Wed)
☆立てたい卒塔婆
今日はいよいよ棚経とあって、朝早くから生徒会長宅に集う面々。
スッポンタケの卒塔婆もある中、張り切りまくるのがソルジャーで…。
Aブルー「この真ん中にね、卒塔婆をドカンと置きたいんだけど!」
シロエ 「スペース的に無理だと思いますけど…」
Aブルー「横にして置くなら、場所が足りないだろうけど…」
立てておいたらいいじゃないか、と指差す棚経用の祭壇。
Aブルー「こう、バースデーケーキみたいに! 卒塔婆が主役で!」
シロエ 「卒塔婆はただの板ですから…。立てられませんよ?」
Aブルー「分かってないねえ、こう、蝋燭の要領で!」
台があったら立つじゃないか、と眺める先にお供え物のスイカ。
Aブルー「これに刺したら立つんじゃないかな、いい感じに!」
シロエ 「重量の関係で、スイカが負けると思いますけど!」
Aブルー「だからさ、スイカの周りをガッチリ固めればいいんだよ!」
他の色々なお供え物で、とニッコリニコニコ。
Aブルー「重いヤツだとカボチャがそうかな…。サツマイモとかも」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ もっとカボチャを買ってくる?」
それともトマトがいいのかなぁ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「スイカを網に入れれば、もっと安定するよね!」
Aブルー「ああ、なるほどね! 網ごと押さえれば安心だよねえ…!」
スイカが入っていた網は何処だったっけ、と探しに行く人。
Aブルー「あった、あった! まだゴミ箱には捨ててなかったよ!」
シロエ 「本気でスイカに刺す気なんですか、その卒塔婆を?」
Aブルー「だって、せっかくの晴れ舞台だしね!」
位牌だけだとつまらないから、とスイカを突っ込む網袋。
Aブルー「この上からドンと刺せばバッチリ!」
ぶるぅ 「そだね、スイカの真上からだね!」
Aブルー「それじゃ刺すから、みんなで押さえてくれるかな?」
一同 「「「ちょ、ちょっと…!」」」
マジですかい! と凍るご一同様ですけれど。
スイカに卒塔婆はアリですか?
2016/08/11 (Thu)
☆卒塔婆とスイカ
いよいよ棚経の日ですけれども、スッポンタケの卒塔婆が大問題。
立てて飾っておきたいソルジャー、スイカに刺すと言い出しまして…。
Aブルー「ほらほら、押さえて! スイカを網ごと!」
ぶるぅ 「えとえと、その前に網に他のお供え物とかを…」
重石の代わりに固定した方がいいと思うの! と、もっともな意見。
Aブルー「なるほどねえ! カボチャとかサツマイモとかを!」
ぶるぅ 「そうなの、紐で結ぶとかして、外れないように!」
Aブルー「いいねえ、それじゃお願い出来るかな?」
ぶるぅ 「オッケー!」
卒塔婆の重さはどのくらいかな、と手際よく結んでゆくお供え物。
シロエ 「ほ、本気でスイカに卒塔婆ですか?」
Aブルー「いいと思うけどね、せっかく書いて貰ったんだから!」
ブルー 「スイカに卒塔婆ねえ…。聞いたことさえないけどね?」
Aブルー「いいんだってば、ぼくが飾ると言ってるんだから!」
刺したら映えるに違いない、と卒塔婆を抱えるソルジャーですけど。
Aブルー「あれ? 待ってよ、まさにジキジキだよ、これは!」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「ジキジキだってば、スイカにグサリと刺すんだから!」
スッポンタケがスイカの奥の奥までズンズンと…、と紅潮する頬。
Aブルー「スッポンタケがスイカを貫くんだよ! 奥の奥まで!」
一同 「「「うわー…」」」
その発想はまるで無かった、と一同、ドン引き。
シロエ 「な、なんてことを言うんです! 卒塔婆ですよ!?」
マツカ 「そうです、キースが命を懸けて書いたんですけど!」
Aブルー「うん、ジキジキと書いてくれたよ!」
お釈迦様の国の言葉でセックスだよね、というのがジキジキ。
Aブルー「スイカに刺したらそのものだよねえ、グッサリと!」
ブルー 「卒塔婆をなんだと思ってるのさ!」
Aブルー「決まってるじゃないか、スッポンタケの分身だよ!」
スッポンタケ自身と言ってもいいかも、とウキウキと。
いいんですか…?
2016/08/12 (Fri)
☆卒塔婆で奥まで
棚経の日が来たんですけど、大問題なのがスッポンタケの卒塔婆。
ソルジャーがスイカに刺すと言い出し、おまけにジキジキという発言。
Aブルー「素晴らしいよね、卒塔婆がスッポンタケそのものに!」
ブルー 「そんな目的に卒塔婆を使わないでくれたまえ!」
Aブルー「ぼくがお金を払ったんだよ、注文したのもぼくだから!」
好きに使っていい筈なのだ、と卒塔婆を抱えて満面の笑顔。
Aブルー「これをスイカにグッサリと! まさにイチモツ!」
一同 「「「イチモツ?」」」
Aブルー「分からないかな、ズバリ、男のシンボルだよ!」
男なら誰でも一本持っているもので…、と得意げに。
Aブルー「スッポンタケは形がイチモツそのものだからね!」
一同 「「「うわー…」」」
聞きたくなかった、と頭を抱える御一同様。
シロエ 「…アレは学名も酷いんですよね?」
Aブルー「何を言うかな、立派じゃないか、恥知らずな男根!」
まさにスッポンタケな学名、と名は体を表すのがイヤンな現実。
Aブルー「この卒塔婆だって、その心で! 恥知らずに!」
ブルー 「…其処のスイカに突き立てたいと?」
Aブルー「奥の奥まで突っ込みたいねえ、ズンズンと!」
ぶるぅ 「えとえと…。スイカ、割れちゃわない?」
シロエ 「そういえば、夏の海辺の風物詩ですね…」
スイカ割りは、という話も出たんですけど。
Aブルー「もちろん、気を付けて貫くよ! 割れないように!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ サイオンを使うんだね?」
Aブルー「そうだよ、相手の身体を傷付けちゃうのは下手な証拠で!」
セックスは痛くしないのが鉄則、と威張り返る人。
Aブルー「相手がそういう趣味でなければ、優しくね!」
シロエ 「…スイカはそっち系かもしれませんけど?」
マツカ 「割られるのがお約束ですからね…」
Aブルー「スイカの趣味は今は無視だよ、卒塔婆の方が大切だから!」
貫いて真ん中に飾らなければ、と主張する卒塔婆。
本気らしいですね?
2016/08/13 (Sat)
☆手伝うジキジキ
棚経の日を迎えたんですけど、スッポンタケの卒塔婆の扱いが問題。
ジキジキだからとスイカに刺したいソルジャー、目指すはエロいブツ。
Aブルー「スイカが優しくされたいかどうか、そんなのはスルー!」
シロエ 「本気で卒塔婆を刺すつもりですね?」
Aブルー「そうやって飾れば、何処から見たってジキジキだからね!」
きっと卒塔婆も喜ぶだろう、と両手でしっかり構えまして。
Aブルー「重石の用意も出来たようだし、スイカを押さえて!」
シロエ 「ぼくたちがですか!?」
Aブルー「スッポンタケの世界に恥は無いしね、大丈夫だよ!」
見られていたって意気消沈にはならない筈だ、とキッパリと。
Aブルー「手伝われたって平気な筈だよ、ヘタレじゃないから!」
一同 「「「手伝う?」」」
Aブルー「そうだよ、スッポンタケとスイカのジキジキをね!」
ぼくがスッポンタケを手伝って、君たちはスイカのお手伝い、だとか。
Aブルー「スイカも嫌とは言わないからね!」
シロエ 「…嫌とか以前に、意思表示をしていませんが!」
Aブルー「嫌よ嫌よも好きの内とか言うんだろう?」
嫌とも言っていないわけだし、オールオッケー! と自分ルールで。
Aブルー「さあ、押さえる! 其処のスイカをみんなでしっかり!」
ブルー 「ぼくは抜けさせて貰いたいけどね?」
Aブルー「君とぶるぅは外れていいかな、サイオンが半端ないからね」
下手に干渉し合ったりすると、スイカがパアに、という話。
Aブルー「割れてしまったら元も子もないし、他の面子で!」
シロエ 「ぼくたちですか!?」
Aブルー「他にいったい誰がいるのさ? ああ、そうだ…」
スウェナも外れて、とシッシッと。
Aブルー「スッポンタケが目指すのは兄貴な世界だからね!」
シロエ 「男だけでやれと言うんですか!?」
Aブルー「そうだよ、兄貴の世界に女性は不要!」
シロエ 「そ、そんな…」
マツカ先輩とぼくだけですか、と嘆くだけ無駄。
犠牲者様は二人…。
2016/08/14 (Sun)
☆やるならスイカ
お盆の棚経の日ですけれども、スッポンタケの卒塔婆が大問題。
スイカにグサリと刺したいソルジャー、男子二名を手伝いに指名で…。
Aブルー「兄貴でジキジキな世界にようこそ! スイカを押さえる!」
シロエ 「嫌だと言ったら、どうなるんですか?」
Aブルー「スイカの代わりに、君に刺してもいいんだけれど?」
ズボンの後ろに刺して立てれば完璧だよね、と怖すぎる意見。
Aブルー「緩いようなら、ベルトでギュギュッと締めればね!」
シロエ 「ぼくに卒塔婆を背負えとでも!?」
Aブルー「本当にグサリと刺されるよりかはマシだと思うよ」
バックバージンを奪われたいなら別だけれど、とニヤニヤと。
Aブルー「初めての人には、あくまで優しく! 出来る兄貴ならね!」
マツカ 「ぼ、ぼくは遠慮しておきます…!」
スイカを押さえることにします、と即断したのがマツカ君。
マツカ 「ぼくで良ければ、一人で押さえますけれど…」
Aブルー「そうだねえ…。どうしようかな、シロエも捨て難いしね…」
シロエ 「いえ、ぼくもスイカを押さえますから!」
Aブルー「バックバージンの方はいいのかい?」
ジキジキな卒塔婆で貫いたっていいんだけれど、と構える卒塔婆。
Aブルー「大丈夫だよ、ちゃんと優しくするから!」
シロエ 「遠慮しときます、ズボンの後ろに刺される方も!」
Aブルー「えーっ!? つまらないねえ、せっかくなのに…」
まあいいけどね、とスイカに視線。
Aブルー「要はジキジキを体現できればいいわけだから…」
シロエ 「マツカ先輩、押さえましょう!」
マツカ 「こうですね!」
どうぞ遠慮なく刺して下さい、と押さえるスイカ。
Aブルー「逃げないように押さえていてよ? せーのっ!」
シロエ 「ひぃぃっ!!」
振り上げられた卒塔婆がスイカにグッサリ。
マツカ 「あ、網は破れていませんね…?」
シロエ 「スイカの方も…」
ヒビも入っていないんですが、と。
流石はサイオン、まるでマジック…。
2016/08/15 (Mon)