☆歴史が変わる時
さて、二月。一年で一番寒い季節で、立春の前の日が節分。
どう過ごすべきか悩むシャン学メンバー、ちなみに平日ですけれど。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 午後の授業はサボリなんだね!」
ブルー 「ぶるぅの部屋に来てるってことは、そうなるねえ…」
ジョミー「授業も飽きるよ、毎年、毎年、おんなじだから」
いつまで経っても高校1年生の繰り返し、というのが特別生たち。
シロエ 「時事問題が変わる程度ですよね、授業の中身…」
マツカ 「教科書の方は、そうそう変わりませんからね…」
ブルー 「よっぽどの事件が無いと変わらないねえ、残念ながら」
昔、歴史がまるっと変わったくらいの事件、と言われましても。
サム 「なんだよ、それ? 歴史なんかが変わるのかよ?」
ブルー 「君たちの年では知らないかもねえ、ゴッドハンドは」
一同 「「「ゴッドハンド?」」」
凄腕の医者か何かだろうか、と誰もがキョトン。
ブルー 「医者じゃないんだな、在野の考古学者というヤツで」
キース 「…もしかしてアレか、石器を捏造したヤツか?」
ブルー 「ピンポーン! 若いのに、よく知ってたねえ…!」
キース 「どういう犯罪に当たるのか、と読んだ覚えが…」
法律家を目指していたからな、という副住職の「かつての夢」。
キース 「あのせいで、人生が変わったヤツまでいたというのに…」
シロエ 「何なんですか、その事件は? 石器でしょう?」
ジョミー「石器なんかで、人生、変わってしまうわけ?」
ブルー 「旧石器時代が丸ごと消え去ったからね!」
専門に研究していた人の人生がパア、と。
ブルー 「教科書も専門書も軒並み書き換え、大損害だよ」
シロエ 「その人、責任、取ったんですか?」
キース 「名前を変えて逃げたという話だが…。酷い事件だった」
サム 「俺たちもソレで逃げられねえかな?」
シロエ 「誰かさんからですか?」
無理でしょうね、と首を振るシロエ君。
誰かさんというのは、やっぱり、あの人?
2017/02/01 (Wed)
☆逃げられない運命
節分をどう過ごすべきかと、授業をサボッているシャン学メンバー。
もちろん節分当日もサボリですけど、今の話題は旧石器の捏造事件。
シロエ 「石器の捏造した程度なら、それで逃げられますけどね…」
ジョミー「ぼくたちの場合は無理っぽいよね、相手が悪くて」
スウェナ「下手なマスコミより怖いわよ?」
壁に耳ありどころじゃないわ、とスウェナちゃん。
スウェナ「名前を変えて逃げてみたって、追って来るわよ、絶対に」
ブルー 「サイオン・パターンは変えられないしね…」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「固有周波数みたいなモノだよ、分かっちゃうんだよ!」
サイオンを使っていない時でも、個人が特定可能だとか。
ブルー 「整形手術で顔を変えても、変えるだけ無駄」
一同 「「「うわー…」」」
歴史を変えた犯罪者よりも「酷い」扱いか、と誰もが愕然。
シロエ 「じゃ、じゃあ、何をしても無駄ってことですか?」
ブルー 「残念だけど、打つ手は無いね!」
サム 「明日の節分にも来やがるんだよな、あいつ…」
ブルー 「正確に言うなら、「あいつら」だけどね」
もう間違いなく来るであろう、と嫌すぎる予言。
ブルー 「集合場所を訊いて来たからねえ…」
一同 「「「ひいぃっ!」」」
またか、と誰もが泣きたいキモチ。
ジョミー「い、いっそ行き先を変えるとか…」
キース 「馬鹿野郎! 俺の家がターゲットになりかねん!」
シロエ 「そうですね…。下手に変えようとした時は…」
マツカ 「キースがロックオンされそうですよね…」
なまじ副住職だけに…、という指摘。
マツカ 「大人しく、いつものお寺にしておく方が吉ですよ」
サム 「だよなあ、元老寺で暴れられたら悲惨だしよ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 明日は七福神めぐりだね!」
ブルー 「それしか無いねえ、キツイけどさ」
キース 「頼む、俺のためにも耐えてくれ!」
明日はサボリで毎度のコース、と決まった予定。
どうなるやら…。
2017/02/02 (Thu)
☆逃れたい行き先
節分は七福神めぐりにお出掛け、そういう計画なシャン学メンバー。
もちろん学校の方はサボリで、生徒会長のマンション前に集合で。
ジョミー「おはよう! やっぱり今日は逃げられないよね…」
シロエ 「集合場所を訊いて来た、と会長が言ってましたしね…」
サム 「顔を変えても逃げられねえのが、俺たちだしよ…」
仕方ねえよな、と朝から漂う絶望感。
スウェナ「サイオンのせいで、個人が特定可能だなんて酷いわよ!」
マツカ 「あんまりですよね、そんな仕組みだとは思わないですよ」
シロエ 「キース先輩には、もう完全に死亡フラグですよね…」
キース 「言わないでくれ…。何処へ逃げても、無駄らしいからな」
あの馬鹿野郎が追って来るんだ、と副住職の嘆き。
キース 「おまけに寺までロックオンだぞ、御利益だけで!」
シロエ 「神社の方に回せないんでしょうか、同じ御利益なら」
ブルー 「無駄だろうねえ、なにしろ神仏混交だからね!」
七福神めぐりがモロにソレだ、と生徒会長、いえ銀青様。
ブルー 「これから行くのはお寺だよ? 七福神めぐりだけど」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 恵比須様とか、一杯だもん!」
一同 「「「あー…」」」
お寺と神社が混じっていたか、と思わず仰いでしまう空。
ジョミー「いっそ大雪…。それで交通がマヒしてしまえば…」
シロエ 「行かなくて済むかもしれませんね!」
サム 「キース、雪乞いの祈祷はねえのかよ!?」
キース 「そ、そんな祈祷は知らないが…。だが、あるのか?」
スウェナ「スキー場とかが、やっているでしょ?」
雪不足の時に、とナイスな発言。
スウェナ「だから効くんじゃないかしら? お念仏でも!」
シロエ 「そう言えば、オールマイティーですよね?」
サム 「五体投地で出来ねえのかよ? 雪雲を呼んで来るとかよ」
ジョミー「それだよ、やれば出来るかも!」
キース 「…雪か…」
あの馬鹿野郎さえ来なければ、と視線が空へ。
雪乞いをすると…?
2017/02/03 (Fri)
☆雪乞いのヤバさ
節分は七福神めぐりでお寺にお出掛け、それがシャン学メンバー。
ところが毎年降ってわくのが災難な人で、回避したいのが今の心境。
シロエ 「キース先輩、なんとか雪雲を呼べませんか?」
マツカ 「思い切り晴れてますけどね…。寒いのは確かですけれど」
ジョミー「望みはゼロじゃないと思うよ、ゲリラ豪雪とか!」
一同 「「「ゲリラ豪雪?」」」
なんじゃそりゃ、と誰もがキョトン。
ジョミー「ゲリラ豪雨っていうのもあるしさ、雪バージョンだよ」
スウェナ「局地的に降ればいいわけね? 桁外れの雪が」
ジョミー「そう、そう! もう思いっ切り、ドッカンと!」
キース 「それは迷惑にならないか? 被害がかなり大きそうだが」
積雪荷重を越えたらヤバいぞ、と耳慣れない言葉。
一同 「「「積雪荷重?」」」
キース 「このくらいの雪なら耐えられる、という建築基準だ」
雪が降る辺りの市町村なら、それが決まっているものだ、との話。
キース 「雪国だったら、1メートルかもしれないが…」
シロエ 「この辺りだと、どうなんですか?」
キース 「俺も数値を聞いたことはないが、少ない筈だぞ」
30センチもあれば上等だろう、と。
キース 「多少の余裕はあると思うが、それを越えたら…」
サム 「ヤバイのかよ?」
キース 「家は倒壊しないとしても、カーポートなどは…」
屋根が落ちても不思議ではない、と語る大雪の破壊力なるもの。
キース 「俺の雪乞いで被害甚大だと、申し訳なくて…」
ブルー 「屋根瓦が落ちるとか、雨樋が壊れるとかもあるしね…」
一同 「「「うーん…」」」
誰かさんの被害を避けようとしたら、他の人にかかりそうな迷惑。
サム 「雪乞いは駄目かもしれねえなあ…」
シロエ 「スキー場なら、問題ないんですけどね…」
ブルー 「むしろ大歓迎だろうけど、こういう町では…」
キース 「マズイと思うぞ」
道路が凍る程度の雪ならいいんだが、と曇らせる顔。
加減するのは無理ですよね?
2017/02/04 (Sat)
☆雪乞いをしたい
節分は七福神めぐりでお寺に行くのが、シャン学メンバーのお約束。
けれど毎年、やって来るのが困った人で、切実に回避したいのに…。
シロエ 「雪乞いをしたら、一般の人に迷惑がかかるわけですね?」
キース 「このくらいの雪を降らせて下さい、と注文は出来ん」
それが出来たら、副住職などやっていない、と深い溜息。
キース 「俺の年では緋の衣とはいかないが…。それなりの地位で」
スウェナ「緋の衣なら、其処にいるじゃない!」
シロエ 「そうでした! 会長だったら、出来るんじゃあ…?」
注文通りに雪を降らせることが、と眺める先に伝説の高僧、銀青様。
シロエ 「会長、雪をお願いします! 交通がマヒする程度のを!」
マツカ 「気温が下がれば、3センチもあれば充分ですよね」
スウェナ「その筈よ? よくニュースにもなってるもの」
都市は積雪に弱いというのが常識でしょ、という指摘。
スウェナ「1センチだけでも、凍結したらアウトじゃないの」
シロエ 「ですよね、今から気温を氷点下に下げて…」
サム 「3センチも降れば、もう走れねえよな…」
バスも車も、とサム君も。
サム 「スタッドレスでも、凍ったら無理らしいしよ…」
ジョミー「らしいね、食い込んでくれないから」
キース 「滑って終わりだと聞くが…。あんた、出来るのか?」
どうなんだ、とキース君も見詰める、緋色の衣を着られる人。
キース 「雪さえ積もれば、バスは走って来ないと思うが!」
ブルー 「普通のバスならそうなんだけどさ…」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「ぼくたちが乗る予定のバスは特別だから…」
走れると思う、と言われましても。
サム 「チェーンでも巻いて来るのかよ?」
ブルー 「違うね、人海戦術だよ!」
一同 「「「人海戦術?」」」
ブルー 「うん、文字通りに人間が頼りなんだけど…」
一同 「「「…人間?」」」
そんなものがどう役に立つのだ、と誰もが悩む人海戦術。
何をやらかすと?
2017/02/05 (Sun)
☆人海戦術は一人
節分は七福神めぐりのためにお寺へ、シャン学メンバーの年中行事。
ところが毎年、やって来るのが余計な人。回避するには雪だとか。
シロエ 「雪が積もっても、確かに人は動けますけど…」
サム 「バスや車は無理じゃねえかよ、人間が何をするんだよ?」
ジョミー「たまに押したりしてるけどさ…。動かないヤツを」
だけど限界がある筈だよね、とジョミー君。
ジョミー「雪が降ったら、車が放置になってる所も多いらしいし…」
キース 「恵須出井寺の近くもそうだな、あそこは山の上だから」
スウェナ「登り口で既に無理なんでしょ? あの山の下の住宅地」
シロエ 「そうです、そうです! 動かない車が乗り捨てって噂で」
マツカ 「タクシーも断るそうですよ? とても行けないと」
乗車拒否にはならないんですよね、と噂に高い雪の坂道。
マツカ 「他にも幾つもありますよ。配車さえ断られる場所が」
ジョミー「プロでもソレだよ、しかもタクシーでさ…」
サム 「バスを動かせるとは思えねえよな、人力ってヤツで」
何人がかりで押すんだよ、とサム君も首を捻る路線バス。
サム 「人海戦術で走らせるのに、何人必要なんだよ、それ…?」
ブルー 「さあ…? 全部で何人になるかは聞いてないけどさ…」
シロエ 「バス会社の人が総がかりですか?」
ブルー 「どうだろう? バス一台に一人だから」
一同 「「「一人!?」」」
誰もが耳を疑う人数。相手は路線バスだけに。
キース 「一人で何が出来るんだ! 路線バスだぞ!?」
シロエ 「僻地を走るミニバスだったら、まだ分かりますけど…」
サム 「あれでも下手なマイクロバスより大きいぜ?」
一人で押せるわけがねえだろ、という僻地向けのバス。
サム 「でもって、俺たちが乗るのは普通のバスでよ…」
ジョミー「一人なんかじゃ押せないよ?」
キース 「押せたらギネスものだと思うが…!」
有り得ないぞ、と誰もが思う少なすぎる数。
たった一人で何が出来ると…?
2017/02/06 (Mon)
☆有り得ない人数
節分は七福神めぐりにお寺へ行くのが、シャン学メンバーのお約束。
けれど毎年、降ってわくのが迷惑な人で、回避するのに雪を希望で。
キース 「どうやって路線バスを押すというんだ、たった一人で!」
シロエ 「引っ張るにしても無理すぎですよ、一人だけだと!」
ジョミー「何か特別な機械でもあれば、出来そうだけどさ…」
筋力をサポートする特殊スーツとか、という声も。
スウェナ「あー…。あるらしいわよね、病院とかだと」
マツカ 「そうらしいですね、腰とかへの負担を減らすためのが」
サム 「でもよ、そういうのは高いんじゃねえか?」
マツカ 「高いでしょうね、ぼくは値段は知りませんけど…」
恐らく半端ないでしょう、と御曹司も言うロボットスーツ。
マツカ 「路線バスよりは安いでしょうけど、でもですね…」
シロエ 「その路線バスを、一人で押せるロボットスーツですよ?」
キース 「有り得ない値段になりそうだな…」
それくらいならバスの運行を取りやめた方が、と現実的な意見。
キース 「あのバス会社が潤っているとは思えんぞ」
シロエ 「赤字だとは聞いていないですけど、儲かってる話も…」
スウェナ「聞かないわよねえ、観光地を走る路線は多いんだけど…」
サム 「やっぱ無理そうだぜ、一人でバスを押せるスーツはよ…」
買えねえだろ、とサム君も。
サム 「それともアレかよ、何かの実験でタダなのかよ?」
シロエ 「実験ですか…。それならタダかもしれませんね」
キース 「たまに僻地でやるようだな」
そういうケースか、と生徒会長に向けられる視線。
キース 「僻地ではないが、実験に協力中なのか?」
ブルー 「そうじゃないけど…。あのバス会社の伝統だから」
一同 「「「伝統?」」」
ブルー 「その道ひと筋、もう雪の日は任せてくれって勢いで!」
キース 「…いつからなんだ?」
ブルー 「昔からだよ!」
バスの運行を始めた頃からじゃなかろうか、との話。
そんな時代にどんな技術が?
2017/02/07 (Tue)
☆雪国から来たバス
節分は七福神めぐりのためにお寺へ、シャン学メンバーの年中行事。
其処へ来るのが迷惑な人で、雪でバスが止まればいいと思うのに…。
ブルー 「あのバス会社は根性なんだよ、元が雪国の会社だから」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「もう思いっ切り雪深い場所の会社でさ…」
元々はね、とダテに長生きしていない様子。
ブルー 「アルテメシアと、其処を結ぶ鉄道を計画してたくらいで」
キース 「そう言えば、聞いた気もするな。あそこの社名は…」
シロエ 「会社の名前がどうしたんです?」
キース 「ごくごく普通に聞こえるんだが、実はだな…」
このアルテメシアと、とある雪国の地名が混ざっている、との話。
サム 「あー…。そう言われてみりゃ、そうかもなあ…」
ジョミー「混ぜてあるわけ、地名が二つ?」
ブルー 「実はそうなんだよ、いつか鉄道で結ぶ日のために」
予算不足でポシャッただけで、という遠い昔の会社の事情。
ブルー 「だからノウハウがありまくりでさ…。雪国仕様の」
キース 「しかしだな…。いくら雪国でも、路線バスを一人では…」
ジョミー「押せないだろうと思うけど?」
シロエ 「でも、バスの運行を始めたような時代からですよ?」
ロボットスーツは有り得ませんが、と冷静な意見。
シロエ 「きっと方法があるんです。一人で押してゆくための!」
サム 「俺たちが思い付かねえってだけで、常識かもなあ…」
雪国の人にしてみれば、との声も。
サム 「路線バスとか、大型トラックを一人で押すのが」
ジョミー「そうなのかなあ? よく立ち往生してるけど…」
大雪の度に、立ち往生とか孤立のニュース、とジョミー君。
ジョミー「常識だったら、そうならないと思うけど?」
ブルー 「なにしろ時代が変わりすぎてねえ…」
キース 「それはどういう意味なんだ?」
ブルー 「普通は、アレを装備していないと思うんだよね」
雪道を走る車なんかには…、と言ってますけど。
何を装備すると…?
2017/02/08 (Wed)
☆チェーンなのかも
節分は七福神めぐりにお寺へ、それが年中行事なシャン学メンバー。
なのに迷惑な人がやって来るわけで、大雪で止まって欲しいバス。
キース 「雪道でも走れる便利な何かがあるんだな?」
シロエ 「チェーンだったら、今も現役じゃないですか!」
サム 「スタッドレスが普及してても、普通にあるぜ?」
ジョミー「でもさ、チェーンを自分でつけられない人も多いって…」
一同 「「「あー…」」」
そういう話も確かに聞くな、と誰もが納得。
ジョミー「チェーンがあっても、つけられないんじゃ意味ないし…」
キース 「最初から車に積んでいないというわけか!」
シロエ 「道交法的にどうかは知りませんけど、バレませんよね…」
チェーンを積んでいるかどうかは、とシロエ君が言う、取り締まり。
シロエ 「トランクを開けて、チェーンは確認しませんよ」
ジョミー「立ち往生した後になったら、調べて罰金だとしても…」
サム 「普通は大雪、想定してなんかいねえよな?」
チェーンを載せるスペースがあったら、他のを載せるぜ、と。
サム 「趣味の道具とか、載せたいものは多いだろうしよ…」
シロエ 「分かります! ぼくが車を持っていたなら、ソレですよ」
キース 「つまり、チェーンか? 例のバスのは」
雪道走行の基本だからな、とキース君。
キース 「そして人間が一人というのは、チェーン要員か!」
ジョミー「確かジャッキで上げるらしいし、もう一人いれば…」
シロエ 「簡単なのかもしれませんね。運転手だけでやるよりも」
チェーンなのか、と出て来た結論。
シロエ 「スタッドレスの時代になって、忘れ去られた道具ですね」
ブルー 「どうだろう? もっと前から忘れてそうだよ」
一同 「「「へ?」」」
スタッドレスが無かった時代に、チェーン無しは無理。
キース 「チェーンじゃないのか?」
ブルー 「もっと日常的なヤツだよ!」
昔は何処の家にもあった、と言われましても。
いったい何が…?
2017/02/09 (Thu)
☆掃除機に敗れたモノ
節分はお寺で七福神めぐり、シャン学メンバーの年中行事ですけど。
迷惑な人がやって来るわけで、大雪で止まって欲しいのが路線バス。
シロエ 「チェーンの他に何があるんです! 雪道用の道具が!」
キース 「昔は何処の家にもあったと言うがな…」
そんな時代に、何処の家にも車があるか、という疑問。
キース 「今でこそ車はデフォ装備かもしれないが…」
ジョミー「ずっと昔は、無い家の方が多かった筈…だよね…?」
シロエ 「マツカ先輩の家だったら、昔からあるんでしょうけどね」
マツカ 「それは…まあ…。そうらしいですけれど」
詳しいことは知らないんです、と何処までも控えめな御曹司。
マツカ 「でも、対向車も来ない時代があったそうですよ」
キース 「やっぱりな…。車も無いのに、雪道対策は要らん!」
サム 「だよなあ、肝心の車が家にねえのによ…」
道具だけ持っててどうするんだよ、とサム君も言ってますけれど。
ブルー 「車用だとは言ってないよ、ぼくは一言も!」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「あくまで日常に生きてた道具なんだよ!」
今は掃除機に淘汰されたけど、と面妖な台詞。
一同 「「「掃除機!?」」」
ブルー 「ルンバの登場を待つまでもなく、遥か昔に!」
生存競争に敗れて消えたツールだ、と生徒会長。
ブルー 「今でも、お寺じゃ暮らしに生きているけどね…」
シロエ 「キース先輩、お寺だそうです! 何なんですか!?」
キース 「いや…。何のことだか、俺にもサッパリ…」
まるで謎だ、とブツブツと。
キース 「掃除機に敗れて、消えたツールと言われても…」
ブルー 「本堂では使ってないかもだけど…。庭じゃ使うよ」
一同 「「「庭?」」」
はて…、と首を捻っている御一同様。
ジョミー「庭って、何さ?」
キース 「あんたが言うのは、境内のことか?」
ブルー 「そう。掃除の時の必須アイテム!」
無ければ何も始まらないよね、と。
どんな掃除道具…?
2017/02/10 (Fri)
☆チリトリとセット
節分は七福神めぐりでお寺へ、それがシャン学メンバーの年中行事。
けれど乱入するのが迷惑な人で、大雪で止まって欲しい路線バス。
キース 「掃除の時の必須アイテムと言われてもだな…」
シロエ 「雪道で役に立ちそうなものがありますか?」
キース 「…強いて言うなら、チリトリかもしれん」
あれを使って雪かきをするヤツもいるから、と。
キース 「坊主仲間に聞いたことがある。デカイので雪を掬うとな」
一同 「「「へ?」」」
キース 「積もった雪にチリトリをブチ込んで、こう…」
ドカンと纏めて掬って捨てる、との実に合理的な使い方。
サム 「あー…。それじゃねえかな、雪を掬って捨てるんだぜ」
ジョミー「それなら走れそうだよね…。雪だらけになった道路でも」
スウェナ「チリトリがある家、きっと少ないわよね…」
掃除機があれば要らないもの、と出て来たチリトリなる道具。
スウェナ「確かに一人で充分そうだわ、チリトリがあれば」
シロエ 「でもって、普通は車に積んでいませんよね、それ…」
マツカ 「普通どころか、まず積みませんよ」
忘れ去られたのも納得です、と御曹司も。
マツカ 「本場の雪国でも廃れたでしょうしね、チリトリなんかは」
ジョミー「チリトリかあ…。あったら便利そうではあるよね」
キース 「雪国から来た、バス会社ならではの知恵だったか…」
雪が降ったらチリトリなのか、と誰もが感心しきりですけど。
ブルー 「惜しいね、チリトリじゃないんだな、これが」
シロエ 「じゃあ、何なんです?」
ブルー 「チリトリとセットになってるヤツだよ」
そう言えば分かる筈だけど、とのヒント。
キース 「まさかと思うが…。箒なのか?」
ブルー 「ピンポーン! 雪の日は箒の出番なんだよ」
一同 「「「箒!?」」」
ブルー 「そう! 運転手の他に箒を持った人がついてて…」
キース 「道路の雪を掃いて行くだと!?」
本当なのか、と一同、ビックリ。
箒さえあれば走れるバス…?
2017/02/11 (Sat)
☆強すぎる路線バス
節分は七福神めぐりでお寺へお出掛け、シャン学メンバーのお約束。
ところが来るのが迷惑な人で、路線バスが止まる大雪を希望。
キース 「人海戦術だとは聞いたが…。本気で箒で雪を掃くのか?」
ブルー 「そうなんだよねえ、今どきレトロな竹箒でね!」
一同 「「「竹箒!?」」」
それは確かに、普通の家には無さそうなブツ。庭掃除用だけに。
キース 「だから境内だと言ったのか…。本堂ではなくて」
ブルー 「本堂の方も箒だろうけど、そっちは箒が別物だから…」
雪を掃く発想は出ないかと思って、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「とにかく竹箒で道路を掃く! 雪が積もれば!」
キース 「…アレなら掃けるかもしれないな…。どんな雪でも」
ジョミー「それ、どういう意味?」
キース 「凍結寸前の重い雪だろうが、半ば凍ったヤツであろうが」
溝掃除にも使う箒だけに…、と流石な「現場」にいる人の声。
キース 「泥でもザカザカ掃ける箒が、竹箒なんだ」
シロエ 「じゃあ、最強じゃないですか…。相手が雪なら」
ブルー 「そういうことだね、だから、あのバスは強いんだよ!」
あのバスの後ろをついて走れ、と「通」なら知っているとか。
ブルー 「大雪が降り始めた時には、下手に自分で走るよりもさ…」
キース 「あのバス会社のバスが来るのを待つと言うのか!?」
ブルー 「そう! 除雪された道路を走って行けるからねえ…」
スリップも事故の心配も無し、との凄い裏技。
ブルー 「急がば回れの感覚なんだよ、要はバス待ち!」
シロエ 「車で行くのに、路線バスが来るのを待つんですか…」
ブルー 「目的地まで、無事に行きたければね!」
そのバスに乗って行くのが、今日なんだけど、と嫌すぎる話。
ブルー 「雪乞いをするだけ無駄だと思うよ」
キース 「そ、そうか…。雪を端から掃かれたのでは…」
シロエ 「バスは来ますよね…」
大雪だろうが当たり前に、と絶望の声。
七福神めぐり、確定ですね…?
2017/02/12 (Sun)
☆やっぱり来た人
節分は七福神めぐりでお寺へ、シャン学メンバーの年中行事なのに。
毎回、来るのが迷惑な人で、雪で行けなくなれば、と望んでも…。
キース 「雪乞いで大雪を降らせてみても、あのバスは来るのか…」
ブルー 「他の会社のだと、完璧に立ち往生なコースだけどね…」
あのバス会社のバスだけは駄目だ、と生徒会長が振っている首。
ブルー 「積雪記録を更新しようが、走行記録を更新なんだよ」
一同 「「「うわー…」」」
どんな雪道でも走って来るとか、大雪に期待するだけ無駄。
サム 「行くしかねえんだな、七福神めぐり…」
ブルー 「そうなるねえ…。じきに集合時間になるしさ」
キース 「またエライ目に遭わされるのか…」
??? 「こんにちはーっ!!!」
何を悩んでいるんだい、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
シロエ 「な、なんでもないです!」
Aブルー「そうなのかなあ…? ハーレイ、どう思う…?」
??? 「よく分かりませんが、放っておけばよろしいのでは?」
七福神めぐりが大切です、とキャプテン(会話表記はA船長)まで。
A船長 「今年もよろしくお願いします。福を沢山頂きませんと」
Aブルー「ここでお願いしないとねえ! 一年分の夫婦円満!」
一同 (((人生、終わった…)))
また大恥をかかされるのだ、と誰もが泣きたいキモチ。
キース 「いいか、行き先は寺なんだからな! 敬意を払え!」
Aブルー「払ってるってば、ちゃんと毎年!」
A船長 「お賽銭も入れておりますし…」
七福神様に心からの敬意を払っております、と自信満々。
A船長 「福笹を頂いて、絵馬に夫婦和合と書き込みませんと…」
Aブルー「節分って気がしないもんねえ!」
さあ行こうか、とバス停の方へ向かう人たち。
シロエ 「…もう終わりですよ…」
キース 「終わったな…」
Aブルー「さあ、早く、早く! バスが来るからね!」
お寺へゴー! と言われましても。
待っているのはドツボでは…?
2017/02/13 (Mon)
☆福が来そうな酉年
節分は七福神めぐりでお寺へお出掛け、シャン学メンバーのお約束。
其処へ毎年、乱入するのがソルジャー夫妻。当然のような顔で。
Aブルー「何をしてるのさ、早くバス停に行かなくちゃ!」
A船長 「皆さんも、バスの時間に合わせて集合なさったのでは?」
一同 「「「………」」」
もう駄目だ、と立っているのが「死亡フラグ」というヤツ。
シロエ 「人生、終わりましたよね…」
キース 「終わったな…。もう、どうしようもない勢いで…」
Aブルー「何を言うかな、ぼくたちの人生はこれからだよ!」
何処かの少年マンガ雑誌の打ち切りみたいな、ソルジャーの台詞。
Aブルー「大いに盛り上げていかなくちゃ! 今年は酉年!」
A船長 「如何にも福が来そうな年です、ええ、本当に」
一同 「「「へ?」」」
酉年は何かあっただろうか、と首を傾げる御一同様。
キース 「おい、酉年は縁起のいい年だったか?」
シロエ 「知りませんけど…?」
ブルー 「申年が去ったという意味では、いい年なんだけど…」
一同 「「「申年?」」」
それも知らない、と謎が重なりましたけど。
Aブルー「はい、バス停にご到着~! バスは、まだかな?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今は此処だよ!」
一つ前のバス停にいるみたい! と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
Aブルー「あー…。ホントだ、そういう表示だね」
A船長 「一つでしたら、じきに来ますね」
早くお参りに行きたいものです、と言っている間に…。
ぶるぅ 「バスが来たよーっ!」
Aブルー「さあ、乗って、乗って!」
A船長 「私たちの席は、此処でよろしいですね」
一番後ろの席に座ったキャプテンの膝に、ソルジャーがストンと。
Aブルー「バスの中から、密着座りで運気上昇!」
A船長 「この座り方で行けば、夫婦和合も完璧ですよ」
一同 (((た、他人のふり…)))
Aブルー「あ、ちょっと…!」
申年というのは何なんだい、と振られた話。
他人のふりは…?
2017/02/14 (Tue)