☆入学しても同じ
さて、四月。シャングリラ学園は新年度で、ついでに入学式も。
特別生なシャン学メンバーの場合、入学式で一からスタートでして。
ジョミー「やっぱり1年A組だったね…。毎度のグレイブ先生でさ」
サム 「仕方ねえよ…。俺たち、ブラックリスト入りなんだぜ?」
シロエ 「ぼくたちのクラスの担任になると、特別手当でしたっけ」
スウェナ「そうらしいわよね…。グレイブ先生、逃げないわけよ」
ミシェル先生のためにも頑張るわよね、と挙がる愛妻の名前。
スウェナ「夏休みには、特別手当で豪華に二人で旅行なんでしょ?」
ブルー 「そうらしいねえ…。他の先生には譲らないと思うよ」
マツカ 「ブラウ先生が、名乗り出た年があったと聞きますけど…」
シロエ 「それって、ずっと昔ですってば!」
今じゃグレイブ先生で固定ですよ、と嘆き節。
シロエ 「担任も面子も固定で、またまた一年生なんですよ!」
サム 「同じクラスになったヤツらは、災難だけどよ…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年も抜き打ちテストだったね!」
入学式の日に、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「他のクラスはテストなんかはしないのに…」
シロエ 「今じゃ名物らしいですしね? 悲劇の1年A組だとかで」
サム 「クラス発表の時に、泣いているヤツがいたもんなあ…」
ジョミー「無理ないよ…。入学早々、人生終わったわけだし」
あまりの酷さに、新入生すらもが知っている1年A組の恐怖。
ジョミー「グレイブ先生もアレだけど、ブルーの悪戯とかもね…」
ブルー 「でも、君たちの中では、それは些細なことだろう?」
今となっては…、と生徒会長の指摘。
ブルー 「ぼくの悪戯なんかは、既に話題にもならないし!」
シロエ 「そうでした! 1年A組も大したことはないですね…」
ジョミー「もっと遥かにタチの悪い面子がいるからさ…」
一同 「「「………」」」
そうだったっけ、と視線が向かった先に約一名。
同じ1年A組の生徒ですけどね…?
2017/04/01 (Sat)
☆時効まで一万年
入学式を済ませて、またまた1年A組になったシャン学メンバー。
悲劇のクラスらしいですけど、もっと迷惑な面子が中にいるそうで。
シロエ 「キース先輩のせいで、延々とババを引きまくりですね…」
マツカ 「また本人に自覚が無いのが酷いですよ…」
サム 「うんうん、普通はデカイ顔していられねえよな」
こんな風に休日にブルーの家に遊びに来るなんて、と呆れた表情。
サム 「自宅謹慎とか、もっと反省の色ってヤツをよ…」
スウェナ「示して欲しい気がするわよねえ…」
ジョミー「今も全然、謝る気配は無いけどね!」
黙って座っているだけじゃん、と誰もが睨み付けている先に副住職。
ジョミー「春のお彼岸にも派手にやられたんだよ、ぼくたちはさ!」
シロエ 「ええ…。例によって、スッポンタケの法要でしたね」
マツカ 「千年先まで法要をするそうですからね…」
諸悪の根源は誰でしたっけ、と御曹司でさえも冷たい視線。
マツカ 「まあ、逃がしたりはしませんけどね、ぼくたちも」
シロエ 「当然ですよ! たとえ地獄の車が迎えに来ようとも…」
ジョミー「キースは断ってくれないとね! 極楽のお迎え!」
キース 「待て、まだ言うのか、それを!?」
もう時効では…、と焦ってますけど。
シロエ 「時効になるわけないでしょう! 千年先まで!」
ブルー 「千年先でも甘いと思うよ、一万年でもね!」
サム 「そこまでなのかよ?」
ブルー 「思いっ切り罪が重いだけにね!」
懲役が百年とかでも普通にあるだろ、と言い出した人。
ブルー 「ぼくたちの国には無いヤツだけどさ…」
スウェナ「あるわね、そういう判決がバンバン出る国…」
シロエ 「じゃあ、一万年先にしておきましょう!」
今の所は…、と仮決めされた時効の件。
シロエ 「其処までは有罪確定です!」
キース 「な、ならば、俺はお浄土には…」
一同 「「「無理!」」」
地獄が似合いだ、と揃った声。
キース君、リーチっぽいですねえ…?
2017/04/02 (Sun)
☆世界の終わりまで
またまた1年A組になったシャン学メンバー、今の話題はキース君。
諸悪の根源で迷惑かけまくりな人、1万年先まで有罪確定だそうで。
キース 「い、一万年先になるのか、スッポンタケの件の時効は?」
シロエ 「そのくらいは充分、いくだろうと思いますけどね?」
サム 「十万年でもいいような気だって、してくるからよ…」
キース 「じゅ、十万年……?」
それはあまりに長すぎないか、とビビってますけど。
ブルー 「五十六億七千万年と言われないだけ、まだマシだろうね」
シロエ 「なんですか、その地球誕生からよりも長い年数は?」
ブルー 「弥勒菩薩様がおいでになって、この世が全て極楽に…」
サム 「なるらしいよな、お釈迦様がお亡くなりになった後によ」
流石に其処までは要求しねえ、と温情判決。
サム 「世界の終わりみてえなモンだし、酷すぎるからよ…」
スウェナ「そうねえ、世界が終わる日くらいは無罪でもいいわよ」
キース 「ま、待て! 最後の一日だけが無罪か!?」
ブルー 「それでもいいかもしれないねえ…」
スッポンタケが延々と追って来るなら、最後の一日だけでも、と。
ブルー 「ぼくたちが法要を続けているなら、そのくらいはね!」
シロエ 「五十六億七千万年先までですか…」
ジョミー「それって、何回忌になっているんだろ…?」
サム 「五十六億七千万回忌にプラスアルファじゃねえの?」
今やってる分は、誤差でオマケの範囲内だぜ、と仰ぐ天井。
サム 「千回忌までやっていたって、五十六億七千万じゃあ…」
シロエ 「数の内には入りませんねえ、千なんかは…」
考えただけで気が遠くなりそうです、と正直な感想。
シロエ 「でも、このままだと、そうなりますよね?」
ブルー 「誰かさんが飽きるか、お浄土に行かない限りはね!」
キース 「五十六億七千万年先までか!?」
ブルー 「君のせいでね!」
戒名なんかをつけるからだ、とキッツイ一言。
五十六億七千万年先までですか…?
2017/04/03 (Mon)
☆信士でいいのに
新年度も1年A組になったシャン学メンバー、キース君を追及中で。
スッポンタケの法要の件で、五十六億七千万年先まで有罪だとか。
ブルー 「君が戒名さえつけなかったら、こんなことには…」
シロエ 「なっていませんよね、其処は間違いないですよ!」
サム 「また、ゴージャスなのをつけやがるから…。院殿号だぜ」
スウェナ「どうして並みのをつけなかったのよ!」
普通にナントカ居士で良かったじゃない、とスウェナちゃん。
スウェナ「ナントカ院ナントカ居士で充分だったのよ!」
サム 「院居士は別に要らねえと思うぜ、ソレも上等だしよ…」
一同 「「「え?」」」
サム 「院号と居士は、寺はそうそう出さねえモンなんだよ」
ちゃんとした寺になればなるほど…、という解説。
サム 「寺に貢献したのかどうか、ってトコをチェックで…」
シロエ 「え、でも…。その辺に溢れ返っていませんか?」
マツカ 「よく聞きますよね、ナントカ院もナントカ居士も」
サム 「適当につける寺や坊主も、けっこういるしよ…」
金さえ積んだら、つけるって寺も、と裏事情を暴露。
サム 「居士なら幾らで、大居士なら幾ら、って感じでよ…」
一同 「「「うーん…」」」
地獄の沙汰も金次第なのか、と誰もが驚く戒名の付け方。
シロエ 「ということは、スッポンタケのは上等すぎなんですね?」
ブルー 「破格も破格って所だよねえ、信士でいいのに」
一同 「「「紳士?」」」
ジェントルマンがどうしたのだ、と一同、キョロキョロ。
シロエ 「あのぅ…。スッポンタケは紳士なんですか?」
ジョミー「紳士っていう気はしないよねえ…」
サム 「いや、その紳士じゃねえと思うぜ」
戒名の方の信士だからよ、という指摘。
サム 「基本の基本で、誰でもいけるヤツな!」
シロエ 「じゃあ、それにしておけば…」
ブルー 「有難味はゼロだね!」
法要も何も無かっただろう、と生徒会長。
キース君の責任、重そうですね?
2017/04/04 (Tue)
☆ポンの字があれば
スッポンタケの件で、五十六億七千万年先まで有罪っぽいキース君。
法要の方もアレですけれども、そうなった原因は戒名だそうで。
ブルー 「ナントカ信士とつけておいたら、きっと今頃は…」
シロエ 「何も起こっていなかったんですね、法要とかも?」
ブルー 「何の変哲もない仏様ではねえ…。もう、それっきりだよ」
崇められることは無かったであろう、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「たまに思い出しても、本物の方に走っただろうね」
サム 「山に生えてるスッポンタケかよ?」
ブルー 「そう! あっちの方にも御執心だし…」
キノコ狩りに燃えていたんじゃなかろうか、との話。
ブルー 「人工栽培に着手するとか、今とは別の方向性でさ」
一同 「「「うーん…」」」
そっちの方がマシっぽいな、と誰もが思う「本物萌え」。
シロエ 「法要よりかは、キノコ狩りの方がマシですよね…」
ジョミー「五十六億七千万年先まで、法要よりはね…」
スウェナ「つまり、キースが悪いのよ! どう考えても!」
立派過ぎる戒名を奮発するから、こんな悲劇に、という指摘。
スウェナ「どうして、信士にしなかったのよ!」
シロエ 「そうですよ! スッポン信士で充分でした!」
サム 「あー…。それでもいいよな、漢字を思い付かねえけどよ」
ジョミー「ポン友って言葉が無かったっけ?」
朋友と書いてポン友なのでは、と出て来た「ポン」の字。
ジョミー「ソレさえ入れておいたら、スッポンタケっぽくてさ…」
サム 「違いねえな。ダテに僧籍は持ってねえな、ジョミー!」
やるじゃねえかよ、とジョミー君の肩をポンポンと。
サム 「それに比べて、キースの野郎ときたら…」
シロエ 「鯨の戒名をまるっとパクッて、あの始末ですしね…」
ブルー 「オリジナリティーに欠けているんだよ!」
キース 「い、いや、それは…」
ブルー 「将来は、戒名ソフト?」
それに頼る坊主になりそうだよねえ、と深い溜息。
戒名ソフト…?
2017/04/05 (Wed)
☆戒名をパクるな
スッポンタケの件で、五十六億七千万年先まで有罪らしいキース君。
立派すぎる戒名さえつけなければ、と責められているんですけれど。
シロエ 「えっと…。戒名ソフトって、何ですか?」
ブルー 「そのまんまだよ、戒名管理用のソフトがあってさ…」
スウェナ「パソコン用なの?」
ブルー 「流石にスマホ向けは、まだ無いようだね」
インストールしたい坊主は多いらしいけど、という話。
ブルー 「なにしろ、優れものだから…。戒名ソフトは」
シロエ 「どんな感じのソフトなんです?」
ブルー 「戒名の候補を色々と挙げてくれるんだよ!」
俗名その他を入力すれば、と説明が。
ブルー 「こんな感じでどうでしょう、とズラズラとね…」
シロエ 「サム先輩が言ってた、信士や居士というヤツもですか?」
ブルー 「もちろんだよ! ナントカ信士にナントカ居士、と」
しかも過去につけた戒名も管理してくれるから、と言われましても。
シロエ 「えっと…。それに何の意味があるんです?」
ブルー 「前にも言わなかったっけ? 被っちゃ駄目だと」
マツカ 「そういえば…。同名はアウトでしたっけ」
戒名ダブルブッキングでしたよね、と御曹司。
マツカ 「そういう時しか、戒名はつけ直せないとか…」
ブルー 「そうなんだよねえ、だからスッポンタケのも、そのまま」
今更、信士に直せやしない、とブツブツブツ。
ブルー 「そんな戒名をつけるキースは、戒名ソフト頼みかと…」
キース 「親父が許すと思うのか!? そんな付け方を!」
卒塔婆プリンターも導入していないのに、とグッと拳を。
キース 「戒名ソフトは禁止だ、禁止!」
ブルー 「ふうん…? でもねえ…」
パクッた戒名をつけるような君にはお似合い、との指摘。
ブルー 「君さえオリジナリティーを発揮していたら、今頃は…」
サム 「あの馬鹿野郎は、本物萌えになっていやがったぜ」
法要の代わりに本物の方に走っていやがった、と。
そうでしょうね?
2017/04/06 (Thu)
☆本物に萌えなら
スッポンタケの件で、五十六億七千万年先まで有罪らしきキース君。
立派な戒名さえつけなかったら、今頃は本物萌えだと責められ中。
サム 「あの馬鹿野郎が本物萌えだったら、きっとマシだったぜ」
シロエ 「キノコ狩りのシーズン以外は無事でしたよね…」
スウェナ「それはどうだか分からないわよ? 人工栽培があるもの」
スーパーのキノコは一年中売られているじゃない、とのツッコミが。
スウェナ「マイタケもエノキも、シメジもあるわよ」
シロエ 「そうでした…。最近は工場で栽培してるんですよね」
ジョミー「菌床栽培って言うんだっけ? 土も要らないんだよね」
マツカ 「シイタケも原木じゃないそうですしね…」
スッポンタケだって、いけるでしょう、と御曹司。
マツカ 「その気になったら、工場でも建ててしまいそうです」
サム 「エロドクターがついていやがるもんな…」
ブルー 「ノルディの財布をアテにするんなら、工場もいけるよ」
シロエ 「あれっ、でも…。工場は何処に作るんでしょう?」
こっちの世界じゃ、何かと厄介じゃないですか、という声。
シロエ 「あの人の存在は、一応、秘密なんですし…」
一同 「「「あー…」」」
工場はちょっと無理かもしれない、と思った御一同様。
ジョミー「せいぜい、ハウス栽培かな? 何処かの山の中で」
シロエ 「それが安全そうですよね…」
ブルー 「あっちの世界のシャングリラでも、いけそうだけどね!」
アレでも食用になるキノコだから、と生徒会長。
ブルー 「なんとでも言い訳できそうなんだよ、やるとなればさ」
シロエ 「非常食用だとか言い出すんですね?」
ジョミー「あんなの、栽培していいのかなぁ…」
いろんな意味で酷すぎなのに、と言ってますけど。
ブルー 「甘いね、ブルーの本気を舐めちゃ駄目だよ」
シロエ 「萌えが最優先ですか?」
ブルー 「ブルーだけにね!」
迷惑なんかは全く考えないであろう、と合掌を。
アレをシャングリラで栽培…?
2017/04/07 (Fri)
☆本物萌えもいいね
スッポンタケに戒名をつけてしまった件で、責められ中のキース君。
それさえ無ければ、今頃は本物萌えになっていたかもな誰かさん。
シロエ 「迷惑なんかは顧みないで、アレを栽培するんですか…」
サム 「あっちの世界のシャングリラでかよ?」
ジョミー「問題が山積みっぽい気がするけどなあ…。アレなんだし」
スウェナ「どうなのかしらね、ただのキノコかもしれないわよ?」
なにしろ世界が違うから、と大真面目な人。
スウェナ「子供は人工子宮から生まれて来るんでしょ?」
シロエ 「そういえば…。スッポンタケの形なんかは無意味ですね」
マツカ 「少なくとも、子授けは無縁な世界でしたね」
サム 「あー…。有難味以前の問題なのかよ、あっちだと…」
ただのキノコな、と納得の声が。
サム 「食えるってだけのキノコにすぎねえ世界なわけかよ…」
シロエ 「本物萌えの人がいたって、特に問題なさそうですね」
マツカ 「新しいキノコを栽培するというだけですか…」
??? 「いいねえ、そういう本物萌えも!」
凄くいいかも、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「ぼくのシャングリラでスッポンタケ栽培なんだね!」
ブルー 「君は何処から湧いたんだい!?」
Aブルー「お花見の帰り! ちょっと北の方まで行ってて!」
ノルディとデートをしてたんだよね、と悪びれもせずに。
Aブルー「ぼくのハーレイは、今日は忙しくて…」
ブルー 「そんな理由で浮気なのかい、君という人は!」
Aブルー「浮気じゃないよ、単なるデートでお花見だってば!」
ブルー 「それを浮気と言うんだよ!」
君の本命はノルディじゃないだろ、と生徒会長、ブツブツと。
ブルー 「おまけに仕事で忙しいのに、放ってお花見するなんて…」
Aブルー「ハーレイは分かってくれてるよ!」
ブルー 「どうなんだか…」
Aブルー「それより、本物萌えだってば!」
それについて是非、語りたい、と言われましても。
本物萌えですって…?
2017/04/08 (Sat)
☆本物萌えなら可能
スッポンタケの戒名がどうのと揉めている所へ、湧いたソルジャー。
本物萌えについて語りたいとか言い出したオチで、誰もがガクブル。
ブルー 「本物萌えについて語りたいって…。いったい何を?」
Aブルー「もちろん、本物萌えだってば! スッポンタケの!」
これが語らずにいられようか、と頬が紅潮。
Aブルー「あの素晴らしいキノコを栽培するのが本物萌え!」
ブルー 「栽培しろとは言ってないから!」
Aブルー「でも、気付いたんだよ! その素晴らしさに!」
栽培するなら何でもアリだ、とニコニコニッコリ。
Aブルー「ぼくの夢だった、仁王スッポンタケも出来そうで!」
一同 「「「仁王スッポンタケ!?」」」
Aブルー「そう! 巨大化しちゃった外来種ってヤツ!」
色々と制約がありすぎて駄目だったけど、と瞳がキラキラ。
Aブルー「工場とかで栽培するなら、それも出来るよ!」
シロエ 「いったい何をする気なんです!?」
Aブルー「スッポンタケにとって、最高の条件を用意ってね!」
デカければデカイほどいいじゃないか、と燃えている人。
Aブルー「どういう条件で大きくなるのか、細かくチェック!」
ブルー 「…君のシャングリラで?」
シロエ 「他所でやるなら、止めませんけど…」
Aブルー「ダメダメ、ぼくの世界じゃ人手不足で!」
今だってギリギリなんだから、と指をチッチッと。
Aブルー「ぼくの我儘を聞いて貰うには、時間外労働一択で!」
ブルー 「記憶を消して、後で激励するだけ…ってヤツかい?」
Aブルー「その通り! ソルジャー直々の激励だからね!」
皆が感激のイベントなのだ、と涼しい顔。
Aブルー「でもねえ…。スッポンタケの栽培は、ちょっと…」
ブルー 「じゃあ、どうすると?」
シロエ 「ぼくたちをアテにしてないでしょうね?」
サム 「俺たちだって忙しいんだぜ?」
Aブルー「そう言わずに!」
一緒に本物に萌えて欲しいな、という希望。
萌えてくれ、ですって…?
2017/04/09 (Sun)
☆本物萌えと法要
スッポンタケの戒名の件で揉めていた所へ、やって来たソルジャー。
本物萌えがいいんだそうで、一緒に萌えろと言い出す始末。
Aブルー「君たちも是非、本物萌えで! スッポンタケの!」
シロエ 「それは、どういう萌えなんですか!」
Aブルー「君たちが言っていたんじゃないか! 本物萌えって!」
ぼくが本物萌えだったら…、と夢を語った筈だ、とツッコミ。
Aブルー「そっちの方がマシだっただとか、どうこうと!」
シロエ 「待って下さい、本物萌えに走った時にはですね…」
戒名の件は忘れてくれるんですか、という質問。
シロエ 「二度と法要とかはしないで、本物萌えで一直線ですか?」
サム 「あー…。そこの所はキッチリ訊いておかねえと…」
ジョミー「ダブルで食らったら、たまらないもんね…」
Aブルー「えっ? もちろん、ダブルに決まってるけど!」
有難い戒名を貰ったからには法要だって、と続ける気満々。
Aブルー「そして、法要をやらない時には本物萌えだよ!」
一同 「「「うわー…」」」
まさかのダブルか、と声を失う御一同様。
シロエ 「そ、そんな…。ダブルというのは反則ですよ!」
Aブルー「どの辺がだい?」
シロエ 「本物萌えに走るからには、戒名の方は忘れて下さい!」
Aブルー「君の考えの方が、反則じゃないかと思うけど…」
どうなんだい、と視線の先に副住職。
Aブルー「ちょっと訊くけど、ご先祖様を放棄するのはアリかい?」
キース 「はあ?」
Aブルー「ご先祖様だよ、法要をしないで放置でオッケー?」
キース 「い、いや、それは…」
年忌法要のご案内などは、必ず送っているもので…、との答え。
キース 「無視が続くと、場合によっては無縁仏様ということに…」
Aブルー「無縁仏になった時には、どういう扱い?」
キース 「墓は整理と言うか、撤去で…。無縁仏として纏めるな」
Aブルー「ほら、やっぱり!」
放置した時はアウトじゃないか、と逆襲が。
戒名の方も大切に…?
2017/04/10 (Mon)
☆法要には見返り
スッポンタケなら本物萌えもいいね、と言い出したのがソルジャー。
ところが本物萌えの一方、戒名も大切にするとダブルになった攻撃。
Aブルー「スッポンタケが無縁仏だなんてね、最悪だから!」
キース 「い、いや…。アレの場合は、ご先祖様も何もだな…!」
シロエ 「意味が無いと思いますけれど! キノコですから!」
季節になったら勝手に生えて、勝手に去っていきますから、と。
シロエ 「先祖供養とか、法要なんかとは無縁ですってば!」
サム 「うんうん、お浄土だって関係ねえしよ…」
Aブルー「分かってないねえ、そこを大事にしてこそなんだよ!」
きちんと法要をしているからこそ、御利益だって…、という意見。
Aブルー「法要って、そういうものだろう? 違うのかい?」
キース 「御利益を貰うためではなくて…。ご先祖様を思って…」
Aブルー「お盆やお彼岸なんだろうけど、見返りはゼロ?」
そんな状態で、誰がお金を払うんだい、と据わっている瞳。
Aブルー「法要はタダじゃないんだから! 見返り無しだと…」
シロエ 「誰もやらないって言うんですか!?」
Aブルー「だって、そうじゃないか! 見返りゼロだなんて!」
誰だって、やりたがらないだろう、とグッと拳を。
Aブルー「御利益の無い仏様だと、無縁仏になるんだよ!」
一同 「「「へ!?」」」
Aブルー「何の見返りも貰えないなら、お金を払う人はいないよ!」
それで廃れてしまうのであろう、と凄い解釈。
Aブルー「その点、スッポンタケは合格! 御利益絶大!」
キース 「それは、あんたの思い込みだ!」
Aブルー「違うってば! 現に今だって!」
春のお彼岸の法要パワーで漲っている、と絶大な自信。
Aブルー「ぼくのハーレイは、ビンビンのガンガン!」
ブルー 「下品な話は、やめたまえ!」
Aブルー「御利益なんだよ、だから法要も今まで通りに完璧に!」
それに加えて本物萌えも…、と忘れていない人。
本気でダブルでやる気ですか…?
2017/04/11 (Tue)
☆法要に飾りたい
スッポンタケなら本物萌えも、と言い出したのがソルジャーなのに。
法要の方も今まで通りにやりたいそうで、かてて加えて本物萌え。
Aブルー「本物萌えもやるんだったら、法要だって盛り上がるよ!」
シロエ 「どう盛り上がると言うんですか!」
Aブルー「それはもちろん、祭壇とかの飾りだってば!」
生花に加えて、スッポンタケも山と鏤めたい、と恐ろしい台詞。
Aブルー「本物を栽培してるんだったら、もうドッサリと!」
シロエ 「スッポンタケを飾る気なんですか!?」
Aブルー「いいと思うけどね、もう採れたてのピチピチのを!」
生きのいいのを祭壇に飾れば、御利益だって…、とニコニコと。
Aブルー「子授けパワーもググンとアップで、パーフェクト!」
一同 「「「ひいぃっ!!!」」」
そんな祭壇は見たくもない、と一同、ドン引き。
シロエ 「あ、悪夢ですってば、あんなのが山ほどあるなんて…」
サム 「夢にまで出て来そうだぜ、ソレ…」
スウェナ「キース、なんとかしなさいよ! この件を!」
法要は坊主の仕事でしょうが、と視線が副住職に。
スウェナ「第一、キースの責任なのよ! スッポンタケは!」
シロエ 「そうです、先輩が全責任を負うべきです!」
キース 「い、いや、しかしだな…!」
Aブルー「飾っていいよね、うんと生きのいいスッポンタケ!」
栽培工場から直送なんだよ、と赤い瞳がキラキラキラ。
Aブルー「仁王スッポンタケだって、その内にね!」
シロエ 「要りませんから! キース先輩、早くして下さい!」
ジョミー「そうだよ、サッサと断ってよ!」
キース 「う、うむ…。殺生はいかんな、殺生は」
それは良くない、と副住職が繰る左手首の数珠レット。
キース 「スッポンタケを供養するのに、スッポンタケはマズイ」
Aブルー「どうしてだい? 御利益が凄くありそうなのに!」
キース 「殺生は駄目だ!」
スッポンタケといえども、無益に殺すな、と合掌を。
確かに殺生かも…。
2017/04/12 (Wed)
☆法要には花です
スッポンタケなら本物萌えも、と言い出したソルジャーが暴走中で。
法要の時にはスッポンタケを飾りまくるとの主張、迷惑すぎる話。
キース 「いいか、スッポンタケにも命があるんだ!」
Aブルー「それはまあ…。キノコでも生き物には違いないよね」
キース 「分かっているなら、話は早い。無益な殺生はやめてくれ」
祭壇に飾るなどは、とんでもない、と顰める顔。
キース 「飾られたスッポンタケは、全部、命を失くすんだぞ!」
Aブルー「えーっと…。それは引っこ抜かれたからかな?」
キース 「その通りだ! 引っこ抜くにしろ、折るにしろ…」
そこで命が終わるじゃないか、と副住職。
キース 「スッポンタケを供養するのに、殺してどうする!」
Aブルー「殺すって…。ぼくは華やかに飾りたいだけで…」
キース 「それがいかんと言っているんだ!」
何本のスッポンタケの命を奪うつもりなんだ、とギャーギャーと。
キース 「スッポンタケを供養したいなら、殺すのは駄目だ!」
Aブルー「じゃあ、訊くけどさ…。祭壇の花はどうなるのさ」
キース 「花?」
Aブルー「いつもドカンと飾ってるじゃないか! 色々と!」
法要には花がセットものだよ、とソルジャー、学習済み。
Aブルー「あの花だって、とうに命が無いわけで…」
キース 「うっ…」
Aブルー「元老寺でも、ご本尊様には花を飾るんだよね?」
その辺の所はどうなるんだい、と厳しいツッコミ。
Aブルー「そういう花でも命を奪っていると思うよ、ぼくは!」
キース 「そ、それは…。そうなるのかもしれないが…」
Aブルー「今までに何か不都合なことがあったのかい?」
花を飾っている件で…、とソルジャー、ズズイと。
Aブルー「それが一度も無かったんなら、スッポンタケだって!」
キース 「ま、待て、オッケーだと言う気か、あんた!?」
Aブルー「問題無いと思うんだけど?」
スッポンタケを飾るのが駄目なら、花だって、だそうで。
この展開はヤバイのでは…?
2017/04/13 (Thu)
☆花は欠かせません
スッポンタケなら本物萌えもいい、と盛り上がっているソルジャー。
法要の祭壇にもスッポンタケを飾りたいそうで、あんまりな展開。
Aブルー「スッポンタケが飾れないなら、花も駄目だよね?」
キース 「そ、それは…。花というのは大事なもので!」
Aブルー「どんな具合に?」
キース 「ほ、仏様には欠かせないものだ! ずっと昔から!」
何処の寺でも、仏壇でも…、と焦りまくりの副住職。
キース 「花は必ず供えるもので、無理な場合は造花でもだな!」
Aブルー「ふうん…? 造花というのもアリなのかい?」
キース 「寺では有り得ないが、仏壇ならな!」
花を絶やさないのは難しいだけに…、と今時な事情。
キース 「特に夏場は傷みやすいし、造花も仕方ないとも言う」
サム 「あー…。棚経では流石に見ねえけどよ…」
キース 「月参りに行くと、さほど珍しくもないぞ」
ご高齢の家に多いんだ、と意外な話。
シロエ 「ご高齢って…。そういう人こそ、本物の花でしょう?」
スウェナ「そうよね、信心深い人ほど造花は供えないような…」
キース 「ご本人も、そうなさりたいんだが…。諸事情あってな」
花屋が遠いとか、水を替えるのが大変だとか、と。
キース 「ウッカリしていると枯らしてしまうし…」
サム 「枯れた花だと、失礼ってことかよ?」
キース 「そういうことだ。みっともない花を飾るよりかは…」
造花で我慢して頂くという姿勢になる、との造花な理由。
キース 「たとえ造花でも、花は絶やさん。これが基本だ!」
Aブルー「ほらね、ぼくが言うので合ってるじゃないか!」
キース 「はあ?」
Aブルー「花は必ず要るものなんだよ!」
命がどうこう言う前に、とソルジャー、逆襲。
Aブルー「だから、スッポンタケだって! 飾って良し!」
キース 「スッポンタケの供養に、スッポンタケを持ち込むな!」
Aブルー「飾りだってば!」
花かキノコかの違いだけだ、との主張ですけど。
さて、どうなる…?
2017/04/14 (Fri)
☆供養に使ったら
スッポンタケなら本物萌えもしたい、と言い出したのがソルジャー。
法要の祭壇にスッポンタケを飾るとの主張、迷惑すぎる展開でして。
Aブルー「花かキノコかの違いだけなら、スッポンタケもOK!」
キース 「それは違うと! スッポンタケの供養だろうが!」
Aブルー「何か問題でもあるのかい?」
キース 「スッポンタケを供養するのに、スッポンタケはない!」
供養するブツを殺してどうする、と副住職の見解。
キース 「日頃の殺生を詫びると言うなら、まだ分かるんだが…」
Aブルー「スッポンタケを飾っちゃ駄目なのかい?」
キース 「飾るためには、折るなり切るなりするんだろうが!」
その段階で殺生になる、と鋭い指摘。
キース 「スッポンタケの供養に、他のスッポンタケを殺すな!」
シロエ 「言われてみれば、そうなりますね…。殺すんですしね」
ジョミー「アウトっぽいよね、法要のために殺生だしさ…」
Aブルー「でも、祭壇の花はどうなるんだい!?」
それに仏壇の花だって…、とソルジャー、反論。
Aブルー「アレは殺してないとでも? 花の命を!」
キース 「花を供養しているわけではないからな!」
Aブルー「それなら殺していいわけなんだ?」
キース 「殺すんじゃない! 花はお浄土で咲き誇るんだ!」
供養している仏様の周りで咲き誇るのだ、と言ってますけど。
Aブルー「だったら、スッポンタケもそれで良くないかい?」
キース 「なんだって?」
Aブルー「スッポンタケの周りで生えまくるんだよ!」
祭壇に飾った分が、お浄土にニョキニョキ生えるのだ、と笑顔全開。
Aブルー「それで問題ないと思うけどね、祭壇の飾り!」
キース 「しかしだな…!」
Aブルー「本物萌えなら、極めてこそだよ! スッポンタケを!」
シロエ 「極めるために飾るんですか、祭壇に…?」
Aブルー「出来れば、仁王スッポンタケをね!」
一同 「「「うわー…」」」
ソレか、と一同、ガクガクブルブル。
ヤバイのでは…?
2017/04/15 (Sat)