☆梅雨が来れば憂鬱
さて、六月。そろそろ梅雨の季節が近付き、真夏日もしばしば。
休日は生徒会長宅でダラダラ、そういうシャン学メンバーですけど。
シロエ 「じきに梅雨だと思うんですけど…。憂鬱ですよね」
マツカ 「毎日のように降りますからねえ、仕方ないですけど」
サム 「そういうモンだと分かっていても、気が滅入るぜ」
毎日、毎日、雨ばかりじゃ…、とサム君もぼやく梅雨なるもの。
サム 「おまけに最近は、ゲリラ豪雨も普通にあるしよ…」
シロエ 「雨が降るのは、まだいいんです。雨そのものが問題です」
一同 「「「へ?」」」
シロエ 「雨後のタケノコってよく言いますけど、それよりも…」
梅雨の季節はキノコ天国ですよ、とシロエ君。
シロエ 「ありとあらゆるキノコが顔を出しますからね」
一同 「「「うっ…」」」
アレも来るのか、と思わず身構える御一同様。
ジョミー「も、もしかしなくても、スッポンタケが…」
シロエ 「出て来るんですよ、梅雨の季節は!」
一同 「「「うわー…」」」
そんな迷惑なモノは要らない、と誰もがワタワタ。
サム 「サマツだったら歓迎だけどよ、気の早い松茸…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ サマツで土瓶蒸しとか、いいよね!」
ブルー 「美味しいキノコも沢山顔を出すんだけどねえ…」
キヌガサタケも美味なんだよね、と生徒会長。
ブルー 「一日で姿を消してしまう分、レア度も高くて!」
シロエ 「グルメ談義はいいんです! 他のキノコの話なんかは!」
目の前の危機を察して下さい、と超特大の溜息が。
シロエ 「いいですか? キース先輩は今も現役なんです」
サム 「先月、追い出し損ねちまったもんなあ、座禅な宗派に」
誰かさんが邪魔をしたせいでよ、と出て来た文句。
サム 「キース、お前が何とかしろよな、スッポンタケは」
キース 「いや、しかし…」
サム 「一番弟子だろ?」
弟子の面倒は師僧が見るモンだぜ、という指摘。
面倒、見きれるんですか…?
2017/06/01 (Thu)
☆看板を背負え
梅雨の季節が到来とあって、シャン学メンバーが恐れるのがキノコ。
スッポンタケも出そうなだけに、キース君に集中する非難の視線。
サム 「今でもアレが弟子ってことはよ、責任持てよな!」
スウェナ「そうよ、宗派を移ったんなら、誰も文句は言わないけど」
シロエ 「残留しちゃいましたしね…。誰かさんの助命嘆願で」
ブルー 「他所の世界の、シャングリラの仲間の命を盾にしてね!」
見殺しになんか出来ないじゃないか、と生徒会長、ブツブツブツ。
ブルー 「やる気を失くしてしまった時には、船が危ないなんて!」
ジョミー「えげつない脅しだったよねえ…。あれってさ」
シロエ 「まるで、ぼくたちが極悪人みたいに聞こえますしね…」
マツカ 「たかがスッポンタケなんですけどね…」
そんなモノのせいで人が死ぬのはちょっと…、と御曹司も。
マツカ 「ぼくたちさえ我慢してれば、丸く収まるわけですから」
サム 「そうは言ってもよ、全部キースのせいなんだぜ!?」
ババは一人で引いてくれよな、と注文が。
サム 「こう、なんつーか…。スッポンタケ御用達って感じで」
シロエ 「いいですね、それ! 御用達ですか!」
スウェナ「その看板をキースが背負うってわけね、自分一人で!」
頑張りなさいよ、と背中をプッシュ。
スウェナ「御用達と言えば名誉なものでしょ、思いっ切り!」
ブルー 「そんなトコだね、なかなかなれるものじゃないから」
お寺の御用達になるのも大変、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「是非に、と申し込んでも蹴られる世界だからね」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「一種の名誉職だから…。誰でもいいわけじゃないんだよ」
お店の格とか色々なものを問われるね、という説明。
ブルー 「御用達になれば、それに相応しい振舞いとかも必須!」
サム 「いいじゃねえかよ、御用達!」
キース 「ご、御用達だと…?」
それはどういう代物なんだ、とキース君の問い。
御用達って…?
2017/06/02 (Fri)
☆御用達にも色々
梅雨の季節の到来とくれば、顔を出すのが様々なキノコというヤツ。
スッポンタケも例外ではなくて、それを恐れるシャン学メンバー。
サム 「キースがスッポンタケの御用達なら、任せられるぜ!」
キース 「それは何だと聞いている! 御用達だと言われても…」
サム 「知らねえ言葉じゃねえだろう? 坊主なんだしよ」
璃母恩院の御用達の店も多いぜ、とサム君の指摘。
サム 「仏具はもちろん、お香の店とかも御用達じゃねえかよ」
ブルー 「変わったトコだと、洋菓子屋なんかもあったりするね」
一同 「「「洋菓子屋!?」」」
それは和菓子屋の間違いでは、と誰もがキョロキョロですけれど。
ブルー 「嘘じゃないってば、もう本当に洋菓子屋だよ!」
シロエ 「ケーキなんかを扱うんですか、そのお店は?」
ブルー 「どっちかと言えばクッキーとかかな、日持ちするから」
お供え物に良し、お使い物にするのも良し、というのが洋菓子。
ブルー 「もっと専門に特化してるのがパン屋かな」
一同 「「「パン屋?」」」
それがお寺にどう役立つのだ、と意味が不明なパン屋なるもの。
サム 「パン屋って…。俺もジョミーも、パンは食ってねえぜ」
ジョミー「璃母恩院の修行体験、朝から麦飯一択だよね…」
スウェナ「そういえば…。だったら、パンの出番が無いわね」
シロエ 「お坊さんたちも麦飯ですよね、トーストじゃなくて」
パン屋の出番は何処にあるんです、という質問。
シロエ 「食べる機会が無いんだったら、御用達の意味が…」
マツカ 「ゼロじゃないかと思うんですが…」
出番が無いのに、御用達にはしないでしょう、と御曹司も。
マツカ 「お寺にも何かメリットが無いと、御用達の看板は…」
ブルー 「パンの出番もあるんだよ! 高校野球とか!」
一同 「「「高校野球?」」」
ブルー 「宗門校が試合に出るなら、差し入れにね!」
もちろん他のスポーツでもいい、パンの差し入れ。
御用達の店、恐るべし…。
2017/06/03 (Sat)
☆お得な方がいい
梅雨の季節の到来と共に、やって来そうなのがスッポンタケ。
出て来る前に押し付けてしまえ、とキース君を御用達にする企画が。
シロエ 「パン屋が御用達というのは、お坊さん用じゃなくて…」
マツカ 「宗門校への差し入れ用ですか…。奥が深いですね」
ブルー 「御用達の看板は、それこそ色々! 意外な店が御用達!」
ともあれ、名誉な看板には違いないからね、と伝説の高僧、銀青様。
ブルー 「店主はもちろん、店員の質も問われるものだよ」
シロエ 「看板に恥じないようにですね?」
ブルー 「そうなるねえ…。品行方正は基本のキかな」
脱税なんかは論外だよ、と厳しいのが御用達の店への縛り。
ブルー 「御用達の看板で商売するなら、清く正しくしないとね」
シロエ 「だったら、キース先輩が御用達でも同じですか?」
スッポンタケの、という質問。
シロエ 「清く正しくやっていくのが、今後のキース先輩だとか?」
ブルー 「うーん…。お寺の御用達とは違うし、どうなんだろう…」
サム 「相手はスッポンタケだもんなあ、偉そうだけどよ」
キースが凄い戒名をつけてしまったせいで、と唸るサム君。
サム 「その辺の下手な名士なんかより、遥かに上っぽいよな」
ブルー 「名士どころか、大臣経験者でも院殿号は貰えないよ」
シロエ 「そこまで凄かったんですか、スッポンタケの戒名は!?」
ブルー 「元ネタが鯨の戒名だしねえ、推して知るべしだよ」
それほど偉い戒名持ちなら、御用達がいてもいいだろう、との話。
ブルー 「清く正しくの件はともかく、キースが看板を背負うのは」
シロエ 「師僧と御用達とだったら、どっちの方がマシですか?」
それによります、とシロエ君の問い。
シロエ 「お得な方を選びたいですから…。ババを引くよりは」
サム 「だよなあ、損がいかねえ方な」
シロエ 「どっちなんです、マシになるのは?」
まずは情報が大切ですよ、と言ってますけど。
御用達の方がお得なんですか…?
2017/06/04 (Sun)
☆無茶でも応えろ
梅雨の季節が到来とあって、スッポンタケも出て来そうなシーズン。
キース君に押し付けるのがいいだろう、と御用達にするという話が。
シロエ 「会長、どっちなんですか? お得になるのは」
サム 「師僧だと上から目線だけどよ…。御用達だと違うかもな」
ジョミー「看板で商売しているんだから、頭が上がらないかもね」
スウェナ「そうよね、下手をしたら看板を取り上げられるし…」
御用達の方が立場が弱いのかしら、とスウェナちゃん。
スウェナ「其処をハッキリさせておかなきゃ! 真相はどうなの?」
シロエ 「御用達に任命しておいた方が、いいんでしょうか?」
ブルー 「立場だけで言えば、御用達になると絶対服従だよね」
一同 「「「絶対服従?」」」
ブルー 「看板を取り上げられたくなければ、服従あるのみ!」
どれほど無茶な注文が来ても、応えてなんぼ、という答え。
ブルー 「生産能力を超えていようが、キッチリ納品するんだよ!」
シロエ 「えっと…。例えば、どんな感じでしょうか?」
ブルー 「さっきのパン屋の話で言ったら、宗門校が勝ち進むと…」
サム 「どうなるんだよ?」
ブルー 「納めるパンの数が、ガンガン増えていくってね!」
応援団も増えていくものだから…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「しかも試合が詰まって来ると、毎日のように納品で…」
一同 「「「あー…」」」
試合の間隔が短くなるのか、と誰もが納得。
ジョミー「間に三日とか空いていたのが、一日とかになるんだ…」
サム 「それで納めるパンの数まで増えちまうとよ…」
シロエ 「生産能力を超えちゃうんですね、一時的に?」
ブルー 「そういうこと!」
でも注文は注文だから…、と厳しい顔つき。
ブルー 「出来ません、では済まないからさ…」
シロエ 「どうするんです?」
ブルー 「自腹でバイトを雇うんだよ!」
一同 「「「うわー…」」」
其処までなのか、と驚く御一同様。
御用達は大変そうですね…?
2017/06/05 (Mon)
☆下僕らしいです
いよいよ梅雨の季節が到来、梅雨と言えばキノコでスッポンタケも。
姿を見せることは確実、キース君を御用達にしてしまえ、との声が。
シロエ 「自腹でバイトを雇ってまでも、間に合わせるんですか?」
ブルー 「それが出来なきゃ、御用達としては失格だからね!」
スウェナ「で、でも…。パンの代金は払ってくれるんでしょ?」
サム 「タダで寄越せってことはねえよな、商品だしよ…」
生産能力をオーバーしてまで納品だから、と皆で言ってますけど。
ブルー 「もちろん、タダとは言われないけど…。お志だよね」
一同 「「「お志?」」」
ブルー 「お寺の御用を引き受けるからには、お代もお気持ち!」
シロエ 「お気持ちって…。それは、お寺次第ということですか?」
もしかして全額貰えないとか…、とシロエ君の問い。
シロエ 「赤字を覚悟の大幅値引きが、当たり前でしょうか?」
ブルー 「御用達の看板で商売している以上はねえ…」
マツカ 「利益をお寺に還元しろ、という意味ですね?」
ブルー 「平たく言えば、そんなトコかな」
パンをお納め出来る分だけ、有難いと心得る世界なのだとか。
ブルー 「御用達から外れてしまえば、納めたくても無理だしね」
ジョミー「なんか思いっ切り、足元を見てるみたいだけど…」
ブルー 「そうだけど?」
ずっと昔から、御用達と言えばそういうものだ、とキッパリと。
ブルー 「宗門校が決勝戦に進むとなったら、更に値引きだね!」
一同 「「「うわー…」」」
バイトを雇うだけでは済まずに、出血大サービスな展開。
シロエ 「それは滅茶苦茶キツイですよ…。半端ないですね」
ブルー 「基本が絶対服従だからね」
嫌なら看板を返せばいいのだ、と伝説の高僧、銀青様。
ブルー 「看板を下ろさずにいたいんだったら、服従あるのみ!」
シロエ 「下僕ですね…」
サム 「間違いねえよな…」
御用達なるものは下僕らしい、と顔を見合わせる御一同様。
さて、どうする…?
2017/06/06 (Tue)
☆尻拭いもやります
いよいよ梅雨のシーズン到来、キノコが続々と出て来る季節。
スッポンタケも来るのは間違いなくて、キース君に任せたいわけで。
シロエ 「御用達の看板を貰ったが最後、下僕みたいですね…」
スウェナ「自腹でバイトを雇うんでしょ? 赤字を覚悟で」
マツカ 「更に大幅値引きとなったら、商売としてはキツイですよ」
でも、御用達の看板のお蔭で、普段は利益が上がるんですし…、と。
マツカ 「長い目で見れば、その方がいいわけですよね…」
サム 「損して得とれって言うヤツだよな、マジでキツイけどよ」
ジョミー「キースがスッポンタケの御用達なら、下僕だよね?」
スウェナ「それっぽいわよね、スッポンタケの意向で動くんだし」
赤字だろうが、自腹でバイトを雇う方だろうが、とスウェナちゃん。
スウェナ「スッポンタケの御用達なら、法要かしら?」
ブルー 「そうなるだろうね、事あるごとに導師を務めまくりで」
シロエ 「いいじゃないですか、御用達! 今よりも!」
サム 「俺たちを巻き込んで突っ走るよりも、御用達だぜ」
スッポンタケの顔色を伺いながらの坊主稼業な、とニヤニヤニヤ。
サム 「お彼岸も、お盆も、スッポンタケに絶対服従でよ…」
シロエ 「最高ですねえ! 責任を自覚して貰うにはピッタリです」
スウェナ「師僧だったら偉そうだけれど、御用達だと下僕だものね」
ジョミー「アレは弟子だ、って言い逃れるのも無理になるよね」
スッポンタケの方が偉いんだから、というツッコミ。
ジョミー「今だと逃げを打ってるけどさ…。それが不可能!」
サム 「弟子の不始末って言えなくなるよな、御用達だとよ…」
ブルー 「無理だろうねえ、看板で商売してるからには」
どんな無茶にも応えてこその御用達だし、と銀青様。
ブルー 「御用達なんだから、尻拭いだって必要だよ!」
一同 「「「尻拭い?」」」
ブルー 「注文の数の間違いとか!」
発注された数が間違っていても、店の責任だとか。
マジで…?
2017/06/07 (Wed)
☆謝るのは御用達
梅雨のシーズン到来とあって、出て来そうなのがスッポンタケで。
キース君をスッポンタケの御用達にしてしまえ、との声が高まり中。
シロエ 「発注された数が間違っていても、店の責任ですか?」
スウェナ「間違えたのはお寺の方でしょ、お店は悪くないじゃない」
ジョミー「だよねえ、お寺が謝る方だと思うけど…」
ブルー 「甘いね。御用達になった以上は、頭は下げるだけ!」
謝りに行くのが当然のことで、その逆は有り得ないのだとか。
ブルー 「伝票にどう書いてあっても、間違えたのは店なんだよ」
サム 「マジかよ、寺が百個と言って来てたら百個かよ?」
本当の注文は十個でも…、とサム君、確認。
サム 「百個のパンを納めに行ってよ…。十個だったら…」
ブルー 「ウチは十個しか注文していない、と言われるねえ…」
シロエ 「そ、それじゃ、残りの九十個は、どうなるんです!」
ブルー 「店が勝手に間違えたんだし、売り捌くだけだね!」
急いで店に持って帰って、棚に普通に並べるのだ、という返事。
ブルー 「九十個が売れてくれればオッケー、そんな世界だよ」
シロエ 「売れなかったら大変ですよ! パンなんか!」
ジョミー「賞味期限とか厳しいもんね…。モノによっては」
ブルー 「それでも「間違えました」と持って帰るんだよ!」
頭を下げてお詫びをして…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「絶対服従の世界だと言っただろう? 御用達になると」
シロエ 「だったら、キース先輩がスッポンタケの御用達だと…」
サム 「スッポンタケの代わりに、キースが詫びるのかよ?」
弟子の不始末では済まねえのかよ、と質問が。
サム 「何もかもキースが悪いってことで、間違いねえか?」
ブルー 「そうなるねえ…。スッポンタケが何をしようとね!」
シロエ 「それ、最高じゃないですか!」
スウェナ「今よりも、ずっとお得そうよね!」
師僧よりかは御用達ね、とスウェナちゃんも。
お得感、半端ないですしね?
2017/06/08 (Thu)
☆御用達がいいね
梅雨のシーズン到来とくれば、出て来そうなモノがスッポンタケで。
キース君を御用達にしてしまえ、と考え始めたシャン学メンバー。
シロエ 「キース先輩がスッポンタケの御用達だと、お得ですよ!」
サム 「弟子の不始末で逃げられねえってトコがいいよな」
ジョミー「お詫びは形ばかりだもんねえ、弟子の不始末」
マツカ 「すまん、と頭を下げて終わりなのがキースですよ」
でも、御用達だと、そうはいかないでしょうね、と御曹司。
マツカ 「スッポンタケの方が悪くても、キースが謝るわけですし」
スウェナ「理不尽なことでも、引き受けるのが御用達よね?」
シロエ 「注文の数が間違っていても、店の責任らしいですし…」
サム 「うんうん、注文した寺が間違えてる時でもよ…」
百個のつもりで千個と言っても、寺の方では百個だよな、と。
サム 「残りの九百個は店が引き取るらしいしよ…」
ジョミー「ソレで行こうよ、御用達! キースの立場!」
一同 「「「いいね!」」」
ネット上よろしく、一斉に上がる「イイネ!」の声。
シロエ 「もう御用達で決まりですよ! スッポンタケの!」
ジョミー「看板を貰えば確定だよね、御用達で」
スウェナ「とても名誉な看板なんでしょ、御用達!」
背負いなさいよ、と見詰める先に副住職。
スウェナ「いいわね、スッポンタケの御用達になるのよ!」
シロエ 「辞退しないで下さいよ? とても有難いお話ですから」
キース 「ま、待て、どの辺が有難いんだ!?」
一同 「「「御用達!!!」」」
誰でもなれるものではない、とズズイと迫る御一同様。
シロエ 「さっき会長が言いました! 御用達になるのは難しいと」
マツカ 「資質を問われるらしいですしね、色々と」
とても名誉じゃないですか、と御曹司の意見。
マツカ 「なりたくても、なかなか厳しい道だと思いますけど…」
ブルー 「御用達だからねえ…」
誰でもいいとは言えないんだ、と銀青様。
キース君の運命や如何に?
2017/06/09 (Fri)
☆定価が無い世界
やって来たのが梅雨のシーズン、スッポンタケが出て来そうな季節。
この際、キース君に押し付けるべく、御用達にする話が進行中で…。
シロエ 「誰でもなれるものじゃないなら、なるべきですよ!」
マツカ 「キースにとっても、悪い話じゃないと思いますけれど…」
キース 「どの辺が悪くないと言うんだ!?」
サム 「決まってるだろ、名誉なトコだよ。御用達だぜ?」
いくらスッポンタケにしたって、御用達となったら名誉だから、と。
サム 「俺たちがなろうとしても無理だし、理解しろよな」
ジョミー「ぼくが名乗りを上げてみたって、断られるよ!」
スウェナ「そうよね、御用達になる条件は厳しいらしいもの」
サムやジョミーじゃ、とても無理ね、とスウェナちゃん。
スウェナ「キースだからこそ務まるのよ! 御用達が!」
サム 「おう! 法要を千回と言われた時には千回な!」
シロエ 「スッポンタケの方が間違えていて、百回だった時ですね」
サム 「そう、それ、それ! 残りの九百回はキースが被って」
法要の費用は持ち出しで…、と強烈すぎるのが御用達。
サム 「パン屋なんかでも、お志なら、坊主は当然、お志だぜ」
シロエ 「元からそういう世界ですしね、定価が無くて」
ブルー 「お寺の世界は、明朗会計とはいかないからね」
だからこそ有難味もあるというもので…、と伝説の高僧、銀青様。
ブルー 「お金で買えないものがある、って感じになるだろう?」
シロエ 「それで定価が無いんですか?」
ブルー 「分かりやすく言うなら、そうなるね」
だから定価がある時もある、と続く解説。
ブルー 「拝観料とか、お守りなんかは定価なんだよ」
シロエ 「お守りは、お金で買えない方が良さそうですけど?」
ブルー 「行かないと売ってくれないだろう?」
一同 「「「え?」」」
ブルー 「通信販売は不可なんだよ! 代参だけだね!」
お金で買えないモノだけに…、とキッパリと。
そういうお守り、ありますよね?
2017/06/10 (Sat)
☆お金じゃ買えない
やって来たのが梅雨の季節で、スッポンタケも出て来るキノコ天国。
そうなる前にキース君に押し付けよう、と御用達に任命するつもり。
シロエ 「通信販売は不可のお守りですか…。ありそうですよね」
ブルー 「ありそうどころか、有難いモノほど、そっち系だよ!」
マツカ 「例えば、どういうお守りですか?」
ブルー 「万病に効くとか、安産だとか…。切実なヤツかな」
何としてでも欲しい系のに多いんだよ、という解説。
ブルー 「学業とか縁結び系のヤツだと、通販のお守りも多いけど」
スウェナ「そうよね、けっこう売ってるみたいよね…」
シロエ 「それはニーズの関係でしょうか? 数が売れるとか」
ブルー 「違うよ、切実さが低い分だけ、量産型で」
御利益の方も少なめかもね、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「それなりに祈祷はしてるけど…。でも…」
ジョミー「手抜きしてるとか、そういう感じになるのかな?」
ブルー 「そうじゃなくって、お参りしていない所が駄目なんだよ」
参拝もせずに、御利益だけ欲しいと言われてもね…、とブツブツと。
ブルー 「其処の神様や仏様への、ご挨拶が抜きなわけだから…」
シロエ 「失礼だ、ということになるんですか?」
ブルー 「平たく言うなら、それで合ってる。挨拶は基本!」
きちんと参拝して挨拶をすれば、御利益だって得られるのだとか。
ブルー 「それで通販不可なんだよ。代参は代理が行くわけだしさ」
スウェナ「お参りしたのと同じ効果があるわけね?」
ブルー 「そう! どうしてもお参り出来ない人も多いから…」
そっち系のお守りになれば、定価があっても無いようなもの、と。
ブルー 「まずは参拝するのが大切! 入手困難なお守りは!」
ジョミー「それを転売したヤツなんかは駄目なわけ?」
ブルー 「効くわけないよね、どんなに大金を支払っても!」
一同 「「「うーん…」」」
定価で買えるお守り系でも、まず参拝から。
お金じゃ買えない、奥の深い世界…。
2017/06/11 (Sun)
☆お志も変わります
いよいよ梅雨のシーズン到来、スッポンタケも含めてキノコの天国。
厄介なブツはキース君に押し付けようと、御用達にする算段中で。
シロエ 「定価で売ってるお守りにしても、定価は無いんですね?」
ブルー 「通販不可のタイプになると、代参の人に頼まなくても…」
交通費とかが必要だよね、と生徒会長、いえ、伝説の高僧、銀青様。
ブルー 「何処から出掛けて行くのかによって、旅費が変わるし」
サム 「あー…。日帰り出来ねえ距離とかだったら半端ねえよな」
ジョミー「宿泊費がかかってくるもんね…。それに食費も」
スウェナ「お守りの他に、色々と出費を伴うわけね…」
確かに定価じゃなさそうだわ、とスウェナちゃんも納得。
スウェナ「定価はあっても無いっていうのが、よく分かったわよ」
シロエ 「そういう世界がデフォなんですね、お寺という所は」
ブルー 「うん。だから法要とかの費用が、お志になるわけだよ」
明朗会計とは無縁な世界、とキッパリと。
ブルー 「同じ法要でも、頼む人によって変わって来るし」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「どういう人が依頼したかで、お志が変わるわけ!」
お施主さんの懐具合だよね、という話。
ブルー 「その人なりの精一杯なら、安い法要にもなるんだよ」
シロエ 「じゃ、じゃあ…。マツカ先輩の家なんかだと…」
ブルー 「お志と言いつつ、札束になるのはガチだろうねえ…」
一同 「「「さ、札束…」」」
どの辺がお志なのだ、と誰もが驚く札束なるもの。
ジョミー「それは気持ちって感じじゃないから! 札束なんて!」
ブルー 「でも、誰かさんだと持って来てるよ?」
何処の誰とは言わないけれど、とヒソヒソ声。
ブルー 「でもねえ、キースが御用達になると…」
シロエ 「あの費用も下がってくるんですか?」
ブルー 「スッポンタケの意向次第だね!」
一同 「「「いいね!」」」
費用が下がるのは大いに結構、と頷く面々。
キース君の取り分、減りますしね?
2017/06/12 (Mon)
☆お志はお気持ちで
梅雨のシーズン到来とあって、スッポンタケも込みでキノコの季節。
キース君に押し付けておくのが吉だと、御用達にする話が進行中。
シロエ 「スッポンタケの下僕な上に、取り分も減るわけですね?」
ブルー 「あくまでスッポンタケの気持ち次第になるけどね」
お志をどうするかは…、と生徒会長、いえ、伝説の高僧、銀青様。
ブルー 「沢山包もうと思った場合は、お志も高めになるよ」
ジョミー「だったら、やっぱり札束なわけ? これから先も…?」
スウェナ「誰かさんのバックボーンは、エロドクターだものね…」
もう思い切りリッチな人で…、というのがドクター・ノルディ。
スウェナ「ちょっと食事に付き合っただけで、お小遣いでしょ?」
マツカ 「そうらしいですね、せっせと貢いでいるみたいですし」
サム 「つまり金には困らねえんだし、札束じゃねえか?」
シロエ 「その可能性も大きいですね…」
スッポンタケに賭けている人ですし…、とシロエ君も溜息。
シロエ 「キース先輩の取り分は、減らない勘定ですか…」
ブルー 「どうだろう? ああ見えてケチな所もあるから」
一同 「「「へ?」」」
ブルー 「他に優先すべきことがあるなら、そっちが優先!」
漢方薬とか、高いホテルに泊まるとか…、と生徒会長の指摘。
ブルー 「あっちのハーレイと楽しむことが最優先だよ」
シロエ 「それじゃ、スッポンタケの法要と重なった時はですね…」
ジョミー「法要の費用をケチってくることもあるのかな?」
ブルー 「キースが御用達に決まった時はね!」
御用達の立場は下僕だから、とキッパリと。
ブルー 「格安の法要を注文されても、断ることは出来ないし…」
サム 「いいじゃねえかよ、キースが持ち出しでやらされるなら」
シロエ 「ぼくも最高だと思います。キース先輩には似合いですよ」
ジョミー「うん、御用達にするのが一番だよね!」
下僕な上に、自腹で法要をする立場、と誰もがプッシュ。
キース君、ピンチ…?
2017/06/13 (Tue)
☆お志はワンコイン
やって来たのが梅雨の季節で、スッポンタケも現れるキノコの天国。
キース君に全てを押し付けようと、御用達にする企画が進行中で…。
シロエ 「もう、御用達にしてしまいましょう! この機会に!」
サム 「思い立ったが吉日だしよ、決めちまおうぜ!」
キース 「ま、待て、俺の立場はどうなるんだ!」
ジョミー「立場って…。スッポンタケの御用達だよ」
御用達の看板を背負えばいいだけ、とスッパリと。
ジョミー「看板に相応しく下僕になって、法要の方も格安コース!」
スウェナ「誰かさんには、思い切り値切って欲しいわよね」
シロエ 「札束どころか、小銭で頼んで欲しいですよ!」
マツカ 「小銭で法要を頼むんですか…?」
いくらなんでもあんまりでは、と御曹司。
マツカ 「キースの懐には打撃ですけど、小銭というのは…」
サム 「分かってねえなあ、今どき流行りの価格設定」
シロエ 「ワンコインは人気ですからね! どんなモノでも!」
法要がワンコインでもいいじゃないですか、と強烈な意見。
シロエ 「それで全部を用意してたら、大赤字ですよ!」
キース 「当然だろうが! 花くらいしか買えないぞ!」
サム 「何か問題あるのかよ?」
キース 「法要は何かと物入りなんだ! 坊主の方でも!」
法衣のクリーニング代も要るから、と言ってますけど。
サム 「それを引っかぶるのが御用達だろ、頑張れよな!」
シロエ 「とても名誉な看板ですから、背負って下さい!」
スウェナ「誰でもなれるものじゃないのよ、有難いのよ!」
もっと有難がりなさいよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「その看板さえ背負っていたなら、安泰でしょ?」
ブルー 「うん、メリットは大きいね。御用達という看板は」
シロエ 「じゃあ、それで! キース先輩は今日から御用達です!」
一同 「「「いいね!」」」
キース 「俺の人生を、勝手に決めるな!」
イイネで済まさないでくれ、と慌てる副住職。
御用達コース、確定ですか…?
2017/06/14 (Wed)
☆イイネが流行り
梅雨のシーズン到来とあって、スッポンタケも顔を出しそうな季節。
キース君に全てを押し付けるべく、御用達にする企画が突き進み…。
シロエ 「世の中、イイネでいいんです! 時代ですから!」
サム 「イイネも使いようだしよ…。たまに炎上するけどよ」
ジョミー「スッポンタケの御用達なら、炎上してもかまわないよね」
困るのはキースだけなんだから、とジョミー君。
ジョミー「炎上した時も、御用達が全部かぶるんだと思うけど…」
シロエ 「下僕だったら、そうなりますね…。尻拭い役ですから」
スウェナ「火消しをするよう頼まれた時は、断れないわよね!」
ブルー 「まあね。…そのための御用達とも言うねえ…」
看板のお蔭で儲けているなら、リスクも当然、背負うべきだとか。
ブルー 「火元になった原因にもよるけど、場合によっては…」
シロエ 「御用達が後始末をするんですね?」
ブルー 「商売とは直接関係なくても、頼まれればねえ…」
其処までやるのが御用達で…、との怖い解説。
ブルー 「だからキースも、スッポンタケの全てを背負う覚悟で!」
キース 「まだ背負うとは言っていないが!」
??? 「ぼくもイイネをさせて貰うよ!」
流行りだからね、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「イイネのボタンは見当たらないけど、イイネを1つ!」
一同 「「「イイネ!!!」」」
張本人が「イイネ」をするなら、大歓迎なシャン学メンバー。
シロエ 「それじゃ、賛成なんですね? 御用達に!」
Aブルー「なかなか素敵な話だからねえ、聞いていたけど!」
ワンコインで法要が出来るなんて、と嬉しそうな人。
Aブルー「浮いたお金で、ぼくのハーレイと食事にお泊まり!」
ブルー 「君のことだし、そうなるとは思っていたけどね…」
Aブルー「有効活用しなきゃ駄目だろ、お小遣いは!」
キース 「俺は大赤字になるんだが!」
ワンコインで法要が出来るわけが…、と顔面蒼白。
やらされそうですね?
2017/06/15 (Thu)