☆クリスマスはあっても
夏休みとくればお盆がセットで、お坊さんにはハードなイベント。
お寺でクリスマスツリーはアリでも、お盆休みは無いのが実態。
シロエ 「フライドチキンが届くんですか、クリスマスには…」
キース 「気の利く檀家さんがいて、寺に小さい子供がいればな」
スウェナ「凄いわねえ…。フライドチキンは生臭ものでしょ?」
サム 「直球ド真ん中で肉だよなあ…。ニワトリだけどよ」
まあ、托鉢で「すき焼き」のお接待な寺もあるし、と僧籍な人。
サム 「クリスマスくらいは、フライドチキンも許されるよな」
キース 「普段から駄目なわけでもないが? ウチの宗派は」
ブルー 「その辺は緩い宗派だからねえ…。肉も魚もオッケーで」
お供え物だとアウトだけれど、生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「御本尊様に供えるお膳は、精進料理と決まっているし」
シロエ 「クリスマスでも、フライドチキンは駄目なんですね?」
キース 「それは基本の基本だな。お釈迦様の時代は許されたが」
一同 「「「へ?」」」
どういうことだ、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「ずっと昔は、フライドチキンもオッケーですか?」
キース 「お釈迦様も召し上がっていたと思うぞ、鶏肉を」
マツカ 「ああ…。フライドチキンは、まだ無さそうですね」
キース 「どうなんだか…。調理方法としては、あったのかもな」
お釈迦様の国は料理も色々、とカレーな国の話へと。
キース 「食文化が豊かな国だから…。カレーだけじゃなくて」
ブルー 「他の国へと伝わる途中で変わったんだよ、事情がね」
いつの間にやら肉が禁止に…、と解説が。
ブルー 「お釈迦様も食べたい可能性はあるね、フライドチキン」
シロエ 「そうなんですか…。供えてみたらどうでしょう?」
キース 「それよりも前に、お盆休みが欲しい気分なんだが…」
ブルー 「一生、無理だと思うんだけどね?」
副住職になった以上は、もう無い筈だ、とキッパリと。
お坊さんですしね?
2017/07/16 (Sun)
☆七十歳を超えろ
夏休みになったら来るのがお盆で、お坊さんにはお盆休みも無し。
お盆を控えて卒塔婆書きまで、一年で一番ハードなシーズン。
キース 「副住職になるのを早まったような気がするな…」
ジョミー「もっと遊んでおくべきだったって?」
キース 「そんな所だ。同期には、今もフラフラしてるのが…」
気ままにバックパッカーだとか、とブツブツと。
キース 「サッサと副住職になったら、出世も早いと思ったし…」
シロエ 「そうなんですか?」
キース 「坊主としての経験値が上がれば、僧階も上がる」
きちんとやることをやっていれば、と副住職。
キース 「坊主の世界にも課題は色々、それを早めに片付けて…」
スウェナ「あら? でも、ブルーが言ってた道場には…」
シロエ 「先輩は行っていないんですよね、住職の修行道場は」
キース 「そ、それは…。俺の年だと、急がなくても…」
まだまだ余裕は充分にある、と言ってますけど。
シロエ 「そっちを先に済ませて下さい! サボってないで!」
サム 「だよなあ、僧階とは別の話らしいし、頑張れよな」
出来るだけ早く偉い坊主になってくれ、と僧籍な人も。
サム 「例の弟子をよ、破門できるクラスの坊主でないと…」
シロエ 「存在意義がありませんよね、ハッキリ言って」
スッポンタケさえ消えてくれれば平和なんです、とシロエ君。
シロエ 「会長だったら、破門する資格があるそうですから」
キース 「その件なんだが…。何年ほどかかるものなんだ?」
最短コースで答えてくれ、という質問。
キース 「院殿号の弟子を破門する資格は、何年くらいで…」
ブルー 「手に入るかって?」
さて…、と考え込む生徒会長、いえ、伝説の高僧、銀青様。
ブルー 「緋色の衣は欠かせないから、七十歳超えは必須だね」
一同 「「「七十歳!?」」」
ブルー 「その年までは着られないんだよ、そういう決まり」
どんなにキースが頑張っても、と挙がった年齢の壁。
七十歳超えですか…。
2017/07/17 (Mon)
☆七十歳までは長い
夏休みと言えばセットなのがお盆、お坊さんにはハードな季節。
キース君も卒塔婆書きが仕事ですけど、お坊さんの資質が問題で。
シロエ 「キース先輩が七十歳になるまで、無理なんですか?」
マツカ 「最低ラインもクリア出来ないわけですね?」
スッポンタケを破門するための…、と一同、愕然。
スウェナ「それじゃ、絶望的じゃない! 何年かかるのよ!」
サム 「三十年とかで済まねえことは確かだぜ…」
ジョミー「だよねえ、七十歳だしね…」
最低ラインに到達するのが七十歳じゃあ…、と嘆く声。
ジョミー「そこから修行を続けない限り、無理っぽいんだし…」
ブルー 「まあねえ…。緋色の衣になっただけでは駄目だよね」
その程度の坊主は山ほどいるし、とバッサリと。
ブルー 「後はキースの努力次第で、根性次第って所かな」
キース 「な、七十歳を超えて、まだ修行なのか!?」
ブルー 「君も坊主の端くれだったら、分かる筈だけど?」
坊主は一生、修行じゃないか、と涼しい顔。
ブルー 「最高齢での荒行を記録更新する人もいるしね」
キース 「そ、それはそうだが…。そうなんだが…!」
ブルー 「だったら君も同じだよ。もっと修行を積まないと」
院殿号の仏様より偉くなるのが必須の条件、と銀青様。
ブルー 「君の方が上になって初めて、破門もオッケー!」
キース 「り、理屈は分かるが、そう言われても…」
シロエ 「ぼくもガックリしましたよ。先が長すぎて」
せっかく希望が見えたのに、とシロエ君も心底ガッカリな様子。
シロエ 「つまり先輩が七十歳にならない限りは…」
マツカ 「スタートラインにも立てませんからね…」
待ってる間に状況は悪くなる一方ですよ、と御曹司も。
マツカ 「例の人は、長生きしそうですから」
サム 「あー…。ブルーより百歳も若いもんなあ…」
ジョミー「三百歳はとっくに超えてるけどね…」
まだまだ元気で達者だよね、と誰もが思い浮かべている人。
若いですよね?
2017/07/18 (Tue)
☆二人三脚は嫌だ
夏休みになれば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなイベント。
卒塔婆書きに追われるキース君ですけど、一番弟子の件が問題。
シロエ 「キース先輩が七十歳になるまでに、何が起こるか…」
マツカ 「例の人は充分、健在だろうと思いますしね…」
SD体制の世界か何かは知りませんが、と御曹司。
マツカ 「あれだけしぶとい人なんです。まず死にませんよ」
ブルー 「だろうね、シャングリラの危機がどうとか言ってても」
口先だけで余裕はたっぷり、と生徒会長も見切っている様子。
ブルー 「ぼくとは経験値がまるで違うし、生き残れるよ」
シロエ 「会長もそう思いますか?」
ブルー 「うん。シャングリラが沈むことなんか、無いね!」
ついでに例の人も死なない、とキッパリ、スッパリ。
ブルー 「なんだかんだと出入りするんだよ、こっちの世界に」
一同 「「「うわー…」」」
その展開は嫌すぎる、と誰もが泣きそう。
スウェナ「何十年も続くのね? スッポンタケの法要が…」
シロエ 「お盆の棚経もセットものですよ」
サム 「でもって、秋のキノコ狩りまでセットだぜ?」
スッポンタケ狩りにも付きまとわれる、という指摘。
サム 「梅雨のシーズンは逃げ切れたけどよ、秋はヤバイぜ」
ジョミー「ガチでキノコのシーズンだもんね、秋だけは…」
ブルー 「よほどの異常気象にならない限りは、そうなるね」
秋をすっ飛ばして冬が来るなら別だけど、とブツブツブツ。
ブルー 「ぼくたちの未来は、スッポンタケと二人三脚なんだよ」
一同 「「「に、二人三脚…」」」
あんなモノと、と顔面蒼白の御一同様。
シロエ 「キース先輩だけで済まないでしょうか、二人三脚」
サム 「俺も捻挫とか骨折してでも、逃げ切りたいぜ…。ソレ」
ジョミー「あんなのと足を結ぶよりかは、骨折だよね?」
スウェナ「粉砕骨折してもいいわよ、全治数ヶ月で!」
二人三脚をしないで済むなら、という嫌われっぷり。
無理ないですけど…。
2017/07/19 (Wed)
☆骨折しても無駄
夏休みとくればセットなのがお盆、お坊さんにはキツすぎる季節。
卒塔婆書きに追われるキース君ですけど、今は責められ中で…。
サム 「キースが七十歳になるまで、スッポンタケつきかよ…」
シロエ 「そこがスタートラインです! 先は長いんです!」
マツカ 「延々と続いていくわけですよね、二人三脚が…」
スッポンタケの法要に棚経、季節になったらキノコ狩りも、と。
マツカ 「ぼくも骨折したいです。二人三脚から降りられるなら」
ジョミー「だよねえ、ホントに骨折してリタイヤ出来るなら…」
ちょっと二階から飛び降りてもいい、とジョミー君。
ジョミー「だけど骨折り損だしね…。骨折しても痛いだけでさ」
シロエ 「それは間違いないですね。車椅子でも法要ですよ」
サム 「うんうん、椅子席で参加っていう扱いでよ…」
結ばれた足は解けねえから、とサム君も絶望的な表情。
サム 「あの馬鹿野郎が飽きねえ限りは、二人三脚だぜ」
ブルー 「もっと面子は多いけれどね、二人じゃないから」
??? 「そう! 頼もしい面子が七人もいるし!」
八人かな、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「ぶるぅを入れたら八人だしねえ、こっちのメンバー!」
キース 「あんた、何処から湧いたんだ!」
Aブルー「え? ぼくのシャングリラから来たんだけど?」
まだまだ安泰そうで良かった、と満面の笑み。
Aブルー「スッポンタケが破門されたら、大変だからね!」
シロエ 「ぼくたちは破門して欲しいんですけど!」
Aブルー「ダメダメ、ぼくの大事な心の癒しだから!」
破門だなんて、とんでもない、とソルジャー、力説。
Aブルー「アレのお蔭で、もう毎日が漲りまくりで!」
ブルー 「分かったから! いいから、サッサと黙りたまえ!」
シロエ 「ぼくたちは迷惑してるんです!」
Aブルー「何を言うかな、開放的な夏こそセックス!」
スッポンタケにも頑張って欲しい、と言われましても。
嫌すぎますよね?
2017/07/20 (Thu)
☆幽霊の方がマシ
夏休みと言えばお盆がセットで、お坊さんにはハードなシーズン。
キース君も卒塔婆書きですけれども、只今、別件でもめる面々。
シロエ 「夏か何だか知りませんけど、もう嫌ですよ!」
サム 「うんうん、スッポンタケだけはマジで勘弁だぜ」
幽霊の方がまだマシだ、と霊感持ち。
サム 「見てしまったらゾッとするけど、それだけだしよ…」
ジョミー「幽霊だったら、楽しみ方もあるもんね…。夏の定番!」
シロエ 「ジョミー先輩の好きな、心霊スポット巡りですね?」
ジョミー「そう、それ、それ! 心霊スポットも怖いけどさぁ…」
スッポンタケほど怖くないよね、と言い切る人。
ジョミー「いざとなったら、ブルーが祓ってくれるしさ…」
ブルー 「アテにしてくれても困るんだけど?」
スウェナ「そうよ、君子危うきに近寄らず、って言うじゃない!」
ジョミー「それはそうだけど…。それが通じない相手もいるから」
近寄らなくても、寄って来るのがスッポンタケだ、という指摘。
ジョミー「避けようがなくて、どう転がってもついて来て…」
シロエ 「キース先輩が七十歳になるまで、ストーカーですね…」
マツカ 「七十歳になってくれても、其処がスタートラインです」
戦いの日々は其処からなんです、と少年漫画の打ち切りっぽく。
マツカ 「其処から先が何年かかるか、謎ですよ?」
シロエ 「そうでした…。会長みたいには上手くいかないかも…」
キース 「おい、俺を馬鹿にしてるのか!?」
シロエ 「馬鹿にしたくもなりますよ! この状態じゃ!」
誰がスッポンタケを持ち込んだんです、とブチ切れる人。
シロエ 「お蔭で余計な人も来ますし、散々ですよ!」
Aブルー「余計な人って、ぼくのことかい?」
ブルー 「他に誰がいると!? 君でなければ!」
Aブルー「ずいぶん酷い言いようだねえ…。毎日苦労してるのに」
シロエ 「聞き飽きました!」
SD体制でも強く生きてるじゃないですか、とツッコミが。
間違いないですね?
2017/07/21 (Fri)
☆持ち込みは嫌だ
夏休みに入れば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなイベント。
今の季節は卒塔婆書きで多忙、そんなキース君が皆の災いの元。
シロエ 「SD体制で苦労してるか知りませんけど…」
ジョミー「その分、ぼくたちに苦労をぶつけて来てるよね…」
スウェナ「苦労だったら、まだ可愛いわよ! 災難よりは!」
一同 「「「あー…」」」
確かに災難よりは可愛い、と誰もが納得する「苦労」。
シロエ 「苦労は買ってでもせよ、とか言うんですよね…」
マツカ 「ええ…。ぼくの父なんかも言ってます」
サム 「マツカみたいな御曹司でもよ、そう言われるけどよ…」
災難の方は、誰も欲しがらねえよな、とサム君も。
サム 「災難除けとか、厄除けだとか、人気だしよ…」
シロエ 「災難なんかを買ってしまったら、大惨事ですよ!」
ブルー 「中身にもよるけど、モノによっては命が無いねえ…」
だけど苦労で死ぬことはない、と生徒会長。
ブルー 「過労死と苦労は明らかに違うし、別物だよね」
Aブルー「ちょっと待ってよ、ぼくが災難を持ち込んでると?」
シロエ 「そうですけど?」
今の流れで分かりませんか、とシロエ君、流石の辛辣さ。
シロエ 「何かと言えば災難ですよ! もう、てんこ盛りで!」
サム 「間違いねえよな、災難を持ち込む所はよ…」
ジョミー「持ち込み料を取っても、持ち込むだろうしね…」
ブルー 「取るだけ無駄だよ、そんな料金!」
余計に増長するだけだ、とキッツイ一言。
ブルー 「料金は払ったんだから、と開き直って災難倍増!」
一同 「「「うわー…」」」
それは困る、と泣きたいキモチの御一同様。
シロエ 「持ち込み料は要りませんから、引き取って下さい!」
スウェナ「いいわね、それ! 持ち込む代わりに回収なのね?」
ブルー 「なるほどねえ…。責任を持って引き取れ、と…」
Aブルー「引き取るって…。何を?」
スッポンタケなら喜んで、と言ってますけど。
もしかして、思う壺ですか…?
2017/07/22 (Sat)
☆引き取りを希望
夏休みとくればお盆がセットで、お坊さんにはハードなシーズン。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、他の面子は話が別で。
Aブルー「スッポンタケなら、喜んで全部、引き取るよ!」
一同 「「「全部?」」」
Aブルー「キノコ狩りで見付けた分はもちろん、世界中のを!」
纏めて引き取り、とソルジャー、笑顔。
Aブルー「でも、そうするにはキースの協力が必須だよねえ?」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「有難いスッポンタケでなければ、意味が無いんだし…」
引き取ったスッポンタケの法要にはキースが必要だろう、と。
Aブルー「キースを貰って行ってもいいかな、この際だから!」
キース 「そ、それはどういう意味なんだ!?」
Aブルー「そのまんまだよ、ぼくのシャングリラに御招待!」
エアコンは完備で、セミもいないし、とニコニコニコ。
Aブルー「卒塔婆書きにはいい環境だよ、間違いなく!」
キース 「し、しかし、道具が…! 筆や硯や、他にもだな…!」
Aブルー「電動卒塔婆削り器だったら、買ってあげるよ!」
ぼくの世界でも動かせるように、調整だって…、という申し出。
Aブルー「来てくれるんなら、部屋もいいのを用意するから」
キース 「は、墓回向はどうなるんだ…!」
シロエ 「墓回向なんて、していないんじゃないですか?」
毎年、お父さん任せでサボリなのでは、と鋭いツッコミ。
シロエ 「丁度いいですから、この夏休みは、消えて下さい!」
ジョミー「それ、いいよね…。キースが消えたら、棚経だって…」
サム 「アドス和尚が一人になるしよ、事情は変わるぜ」
お供の俺たちは要らねえんじゃねえの、とサム君も。
サム 「スクーターを追って自転車で走るの、キツイしよ…」
ジョミー「ぼくもキースと自転車で走るの、キツすぎるしさ…」
Aブルー「なるほど、みんなも喜ぶんだね、キースがいないと!」
そういうことなら貰って行こう、と言ってますけど。
災難の代わりにキース君を?
2017/07/23 (Sun)
☆持ち帰りがいいね
夏休みになれば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなイベント。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、それに対して提案が。
Aブルー「キースがこっちに来てくれるんなら、頼もしいしね!」
シロエ 「ぼくたちも、とても助かります! そうなったら!」
ジョミー「お盆の棚経、今年だけでも休めるんなら最高だよ!」
サム 「俺は殆ど覚えちまったし、1回くらいはサボっても…」
将来には特に響かねえよな、と僧籍な人も大賛成。
サム 「今年のお盆は、家でゆっくり朝寝坊するぜ!」
スウェナ「そうよね、棚経は朝が早いし…。6時出発でしょ?」
ジョミー「違うよ、一番最初の家に着くのが6時なんだよ!」
6時から拝み始める以上は、もっと早くに出発だ、という証言。
ジョミー「法衣も着るしさ、起きる時間も早すぎるくらい…」
サム 「御本尊様の前でお勤めしてから、出発だしよ…」
一同 「「「うわー…」」」
いったい何時に起きているんだ、と誰もが驚く棚経の日。
シロエ 「キース先輩が拉致られた時は、棚経はパスですね?」
サム 「そりゃそうだろ。キースが家にいねえんだから」
ジョミー「キースが留守なら、ぼくたちが行く義理は無いしね…」
アドス和尚が一人で回ればいいじゃないか、とジョミー君も。
ジョミー「前は一人で回ってたんだし、出来る筈だよ」
Aブルー「うんうん、みんなが喜ぶコースが持ち帰りだね!」
持ち込みの代わりに「お持ち帰り」か、と眺める先に副住職。
Aブルー「キースさえ貰って帰ってしまえば、棚経も…」
ブルー 「君のシャングリラで出来ると思うよ、バッチリと」
棚経用のお膳なんかも、今どきは売られているからね、との助言。
ブルー 「フリーズドライとか、冷凍だとか、こう、色々と…」
Aブルー「そうなのかい?」
ブルー 「家で作るのは大変だという声が多くて…」
Aブルー「なら、安心だよ!」
今年の棚経は、シャングリラで! と言ってますけど。
マジですか…?
2017/07/24 (Mon)
☆別世界で卒塔婆を
夏休みとセットで来るのがお盆で、お坊さんには厳しいシーズン。
卒塔婆書きに追われているキース君を、持ち帰りたい人が約一名。
Aブルー「棚経のお供え物はともかく、お膳は大変そうだしね」
ブルー 「精進料理で、しかも品数が要るからね…」
シロエ 「いつもは、ぶるぅが作っているんですよね、あのお膳」
スッポンタケの棚経の日には…、とシロエ君。
ぶるぅ 「そだよ、小さなお膳に少しずつでも、手抜きは無し!」
スウェナ「ホントに小さいお膳だものねえ…。オモチャみたいに」
マツカ 「ままごとに使えそうですよね…。立派すぎますけど」
ブルー 「ウチのは本物の漆塗りだからね。手入れも大事で…」
漆が剥げてしまわないよう、色々と気を遣うのだ、と生徒会長。
ブルー 「でもまあ、ブルーが用意するなら、普通のでいいね」
Aブルー「何を言うかな、もちろん、いいのを用意するよ!」
キースを持ち帰っていいんだったら、お膳も買う、と立てる親指。
Aブルー「帰りにキースと仏具屋に行って、選んで貰うよ!」
キース 「ま、待て! このまま連れて帰るつもりか!?」
Aブルー「早い方がいいかと思ってさ…。善は急げと言うからね」
キース 「し、しかし…!」
俺のノルマの卒塔婆の山が…、と慌ててますけど。
Aブルー「ぼくのシャングリラで書いてくれればいいんだよ!」
シロエ 「ですよね、電動卒塔婆削り器も提供するんでしょう?」
Aブルー「それも仏具屋で買えるのかなぁ?」
ブルー 「店頭には出ていないだろうけど、頼めば奥から…」
出してくれるよ、と銀青様からの助言。
ブルー 「遠慮しないで、キースを持って帰りたまえ!」
Aブルー「元老寺の方は、放っておいてもいい…のかな?」
ブルー 「ぼくから言い訳しておくよ。何とでもなる筈だから」
キース 「そ、そんな…」
Aブルー「じゃあ、ぼくとシャングリラに帰ろうか!」
その前に仏具屋に寄るんだっけね、とワクワクな人。
拉致で決定なんですか?
2017/07/25 (Tue)
☆仏具屋に行くなら
夏休みに入ればお盆もセットで、お坊さんにはハードなイベント。
卒塔婆書きに追われているキース君を、拉致したい人が登場で。
Aブルー「仏具屋は何処にあるんだっけ…。ぼくは詳しくなくて」
ブルー 「その心配は無用だよ! キースがいるなら」
サム 「うんうん、仏具屋は顔パスの筈だぜ。御用達でよ」
璃母恩院とは違って、元老寺の…、とサム君からも太鼓判。
サム 「寺と仏具はセットものだし、店も歓迎してくれるぜ」
Aブルー「それは良かった! じゃあ、早速!」
スッポンタケの棚経用のお膳を買わなくちゃ、と喜ぶソルジャー。
Aブルー「今までは此処で借りていたけど、今年は自前!」
ブルー 「いいのを選んで貰いたまえ。キースはプロだし」
Aブルー「もちろんだよ! 予算をケチるつもりも無いしね」
もっと他にも要るものは…、という質問。
Aブルー「どうせだったら、出来るだけのことをしたいから!」
ブルー 「うーん…。お金に糸目をつけないのなら、お鈴かな…」
Aブルー「おりん?」
それは何だい、とソルジャー、怪訝そうな顔。
Aブルー「おりんというのは初耳だけど、高いのかい?」
ブルー 「チーンと鳴らすヤツのことだよ、アレがお鈴で…」
サム 「あー…。金のヤツとか、あるらしいよなぁ…」
シロエ 「あります、あります! よく広告で見かけますよね!」
大黄金展とかのイベントで…、とシロエ君。
シロエ 「凄い値段でキンピカですけど、アレを買うんですか?」
ジョミー「なんだか成金趣味っぽいけど…?」
ブルー 「そうでもないよ。金のお鈴は音がいいから…」
由緒ある家でも買う時は買う、というのが黄金のお鈴。
ブルー 「取り寄せ品になっちゃうけれどね、買う価値はあるよ」
Aブルー「なるほどねえ…。金というのはポイント高いね」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「なんと言っても、アソコは金だし!」
スッポンタケのために買おう、と乗り気な人。
お膳と、金のお鈴まで…?
2017/07/26 (Wed)
☆異世界で卒塔婆を
夏休みとくれば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなシーズン。
卒塔婆書きに追われているキース君を、拉致りたい人が颯爽と。
Aブルー「金のお鈴は、スッポンタケにピッタリだよ!」
ブルー 「余計なことは言わなくていいから!」
Aブルー「そう言わずに! セックスに欠かせないのが金でさ…」
その金で出来たお鈴だったら、スッポンタケも大喜びだ、と。
Aブルー「キースがチーンと鳴らしてくれれば、漲るよ!」
キース 「お鈴を馬鹿にするのか、あんた!」
Aブルー「違うよ、褒めているんだよ! 素晴らしいと!」
だから黄金のお鈴もよろしく、とニコニコニコ。
Aブルー「仏具屋さんで注文するから、最高級のを教えてよ」
キース 「た、高いんだが…! なにしろ金で出来ているから…」
Aブルー「でも、いい音がするんだろう? その上、金だし…」
スッポンタケが漲りまくるに違いない、と自説を展開。
Aブルー「とにかく、今から仏具屋にね! まずはお膳から!」
キース 「俺の立場はどうなるんだ!」
Aブルー「ぼくのシャングリラのお客様だよ、特別待遇!」
こっちの世界の食事がいいなら差し入れも…、と満面の笑み。
Aブルー「畳の部屋が要るんだったら、畳も買うから!」
シロエ 「いいですねえ! サッサと持って帰って下さい!」
Aブルー「もちろんだよ! さあ、行こうか!」
君の荷物や卒塔婆も、ぼくが運ぶから…、と張り切る人。
Aブルー「先に元老寺に寄った方がいいね、コース的には」
ブルー 「うん。その前にアドス和尚に電話を…」
キース 「何をする気だ!?」
ブルー 「しばらくウチで預かるから、って」
今年のお盆はウチで修行だ、と伝説の高僧、銀青様。
ブルー 「その名目なら、アドス和尚も納得だからね」
キース 「卒塔婆のノルマはどうなるんだ!?」
ブルー 「要は書ければ問題ないから、オールオッケー!」
ブルーの世界で書いて来たまえ、と突き放し。
拉致で決定みたいですね?
2017/07/27 (Thu)
☆異世界で書くなら
夏休みとセットで来るのがお盆で、お坊さんには厳しいイベント。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、拉致されそうで。
Aブルー「卒塔婆を書くには、どういう部屋がいいんだい?」
キース 「あんたのシャングリラに無いのは確かだ!」
Aブルー「そう言わずにさ…。ブルー、ちょっと訊くけど…」
こっちにもシャングリラはあるんだっけね、と生徒会長に視線。
Aブルー「ぼくの世界のとそっくりらしいし、君に相談!」
ブルー 「何をだい?」
Aブルー「卒塔婆を書くのに向いている部屋と、棚経用と!」
ピッタリの部屋を教えて欲しい、と質問が。
Aブルー「居住区も基本は同じだろうから、何処がいいかな?」
ブルー 「うーん…。畳は買って帰るんだよね?」
Aブルー「畳でないと気分が出ないだろうし、何枚でもね!」
天体の間に敷き詰めたっていいくらいだよ、と太っ腹な人。
Aブルー「でも、広すぎてもアレだから…。どの辺がお勧め?」
ブルー 「居住区にある会議室かな、ちょっと小さめの」
Aブルー「長老会議に使うヤツかい?」
ブルー 「うん、そのくらいで丁度だと思う」
卒塔婆を干しておくスペースも取れるし、と銀青様。
Aブルー「卒塔婆を干す?」
ブルー 「墨で書くから、きちんと乾かさないと駄目なんだよ」
キース 「余計なことまで教えるな!」
ブルー 「でもさ…。ちゃんとした環境が必要だろう?」
卒塔婆干し用の木の枠も買って貰いたまえ、と更なる入れ知恵。
Aブルー「木の枠って…?」
ブルー 「何本も並べて干す枠なんだよ、お寺には必須!」
Aブルー「それも仏具屋にあるのかい?」
ブルー 「基本だからね!」
頼めば店の奥から出て来る、とレクチャーが。
ブルー 「電動卒塔婆削り器とセットで買うのがいいね」
Aブルー「ありがとう! 畳は畳屋で買えばいいよね」
キース 「そ、そんな…!」
ブルー 「最高だろう?」
今年の夏はエアコン完備で卒塔婆書きだ、とプッシュ。
決定ですか…?
2017/07/28 (Fri)
☆お盆休みをゲット
夏休みとくればお盆がセットで、お坊さんにはハードなシーズン。
キース君も卒塔婆書きに追われてますけど、ソルジャー、乱入。
Aブルー「毎年、みんなに愚痴ってるよね、卒塔婆書き!」
シロエ 「そうなんです。ノルマがどうとか、部屋が暑いとか」
ブルー 「今年は聞かずに済むと思うよ。キースが不在で!」
其処のブルーが連れて帰るからね、と生徒会長、ニコニコニコ。
ブルー 「キースもお盆休みが取れるし、いいんじゃないかな」
キース 「お、お盆休み…?」
ブルー 「欲しいと言っていただろう? 夢の休暇をゲットだよ」
卒塔婆書きからは逃げられなくても、お盆休みは確定だから、と。
ブルー 「棚経に行かずに済むってだけでも、素敵だろう?」
Aブルー「待ってよ、スッポンタケの棚経は!?」
ブルー 「それくらい大した数じゃないから…。1件だしね!」
本当だったら、その日に何軒回ることか、と銀青様。
ブルー 「其処を1件だけで済むから、休暇も同然!」
サム 「だよなあ…。御本尊様にお勤めするのもねえし…」
ジョミー「それまでの間も、毎日のお勤め、サボれるよね?」
アドス和尚はいないし、御本尊様も無いし、という指摘。
ジョミー「涼しい部屋で、卒塔婆だけ書けばいいんだからさ!」
スウェナ「そうよね、最高の贅沢だわよ!」
マツカ 「それで間違いないですね…。キースの夢が実現します」
存分にお盆休みを取って下さい、と御曹司も。
マツカ 「せっかくですから、ぼくたちも何処かに行きますか?」
シロエ 「いいですねえ! マツカ先輩の別荘ですか!」
マツカ 「お盆は何処も一杯ですから、そうなりますね」
ホテルを探すより、ウチにどうぞ、とお誘いが。
マツカ 「別荘も色々ありますけど…」
ジョミー「お盆を満喫できる所がいいな!」
シロエ 「こんなチャンスは、そう無いですしね…」
キース 「き、貴様たち…!」
俺だけ置いて行くつもりか、と叫んでますけど。
先に出発するのでは?
2017/07/29 (Sat)
☆お盆休みに期待
夏休みとセットで来るのがお盆で、お坊さんには厳しいイベント。
お盆休みが無いわけですけど、今年のキース君にはありそう。
シロエ 「嫌ですねえ…。キース先輩は別行動でしょう?」
スウェナ「置いて行かれる前に、キースが先に出発だわよ」
Aブルー「その通り! 早く行こうよ、仏具屋は何処だい?」
ブルー 「仏具屋もいいけど、その前に元老寺の方へ頼むよ」
キースの荷物とかがあるから…、と生徒会長。
ブルー 「卒塔婆は後でも充分だけれど、お泊まり用の荷物がね」
Aブルー「なるほどねえ…。着替えだけあればいいけれど?」
他のは船で揃うから、とソルジャー、自信満々で。
Aブルー「合成モノも多いけれどね、大抵の物は置いてるよ!」
ブルー 「それは良かった。じゃあ、アドス和尚に電話をしよう」
キース 「待ってくれ! 本当に俺に行けと言うのか!?」
こいつの世界で卒塔婆を書いて棚経なのか、とガクガクブルブル。
キース 「とても危険な世界だと聞いたが、俺の命は…!?」
Aブルー「心配ないって! ぼくのハーレイは優秀だよ!」
お客様を迎えているとなったら、普段以上に慎重な航路、と。
Aブルー「人類軍に出会わないよう、細心の注意を払うってば!」
ブルー 「そうらしいから、安心して一緒に行きたまえ」
キース 「そ、そんな…」
Aブルー「荷物を持ったら、仏具屋だからね!」
棚経用の上等なお膳と、金のお鈴をよろしく頼む、と注文が。
Aブルー「電動卒塔婆削り器と、卒塔婆干しの枠はプレゼント!」
シロエ 「良かったですねえ、キース先輩!」
サム 「今年のお盆は、思い切りゆっくり休めるぜ!」
んで、俺たちもお盆休みな…、と僧籍な人。
サム 「お盆休みって何年ぶりだか、記憶にねえぜ」
ジョミー「早くから巻き込まれていたもんねえ…」
シロエ 「スッポンタケの棚経だけでも、年単位ですよ!」
やっと普通のお盆が来ます、とシロエ君も感激。
キース君がいないと平和ですよね!
2017/07/30 (Sun)
☆地縛霊は嫌だ
夏休みに入れば来るのがお盆で、お坊さんにはハードなシーズン。
お盆休みも無いわけですけど、今年のキース君にはありそう。
Aブルー「それじゃ貰って帰っていいかな、此処のキースを!」
ブルー 「遠慮なくどうぞ。君の世界にキースはいないし」
Aブルー「いたとしたって、坊主じゃないのは確実だしね!」
坊主でなければ意味が無いから、とソルジャー、笑顔。
Aブルー「キースのお蔭で、この夏も充実のセックスライフ!」
シロエ 「ぼくたちは充実のお盆休みを楽しみますよ!」
マツカ 「別荘の用意は任せて下さい。花火大会はどうですか?」
スウェナ「いいわね、みんなで見物しましょ!」
今年は棚経も無いんだから、と盛り上がっている御一同様。
ジョミー「キースがいないと、本当に平和になるんだねえ…」
サム 「坊主の勉強は嫌じゃねえけど、棚経はキツいしよ…」
スクーターを自転車で追うのはハードすぎる、とサム君も。
サム 「ブルー、アドス和尚によろしくな! 俺も休むって!」
ブルー 「もちろんだよ。ジョミーも休みで決定だよね」
さて…、とスマホを取り出しましたが。
キース 「待ってくれ! 俺は命が惜しいんだ!」
ブルー 「アドス和尚なら大丈夫だよ。ぼくが話をつけるから」
キース 「そっちじゃなくて、こいつの世界が問題だ!」
出先で死んだらどうしてくれる、とソルジャーを指して顔面蒼白。
キース 「お浄土があるか怪しいモンだし、時期も微妙だし…」
一同 「「「時期?」」」
キース 「ウッカリ死んだら、俺の初盆は来年なんだ!」
一同 「「「ええっ!?」」」
今年じゃないのか、と誰もがビックリ。
キース 「細かい話は省略するが、来年まで放置プレイになる!」
Aブルー「えーっと…? それじゃ、キースは?」
キース 「最悪、あんたのシャングリラで地縛霊だが」
Aブルー「それは困るよ!」
地縛霊は要らない、とソルジャー、ドン引き。
持ち帰りを諦めそうな所で、中継終了~。
2017/07/31 (Mon)