「そるじゃぁ・ぶるぅ」の部屋で待つ間に日は暮れ、夜桜の時間。
ゼル先生から内線電話で呼び出しがかり、校庭の方へと出掛けてゆくと。
ジョミー「凄いや、ライトアップされてるよ!」
ブルー 「ライトアップとは風情が無いねえ…。花見提灯に篝火だよ?」
キース 「提灯だけかと思ったんだが、篝火とはな」
ブルー 「夜桜には必需品だって! 最近はライトが主だけどさ」
ちゃんと本物の篝火なんだ、と生徒会長は得意そう。
桜を照らす暖かな焔と爆ぜる火の粉はなかなかに情緒がございます。
ゼル 「おお、姫君たちの御到着じゃな」
全員 「「「姫君?」」」
ブラウ 「見せてもらったよ、雛祭り! みんな揃ってお姫様ってね」
ジョミー「あ、あれは……やりたくてやったわけじゃなくって!」
ブラウ 「知ってる、知ってる。自主的に女装したのは一人だけだろ?」
そうだったよね、とウインクされて激しく咳き込む教頭先生。
エラ先生が背中を擦っていますが、他の長老の面々は…。
ゼル 「おかまは放っておいてもいいじゃろう。まあ、座れ」
ヒルマン「君たちと宴会は初めてだね。楽しんでいってくれたまえ」
ブラウ 「うんうん、お弁当も追加でバッチリ用意したしね」
さあどうぞ、と配られてきたのは二段重ねのお弁当。
教頭先生のゲホゲホも収まり、みんなで蓋を取ってみれば。
ぶるぅ 「わーい、今年も美味しそう!」
ゼル 「そうじゃろう、手抜きは一切しておらんぞ」
ブルー 「追加の方が多かったのに流石だよね。ゼルのコネに感謝だ」
ジョミー「コネって何?」
ゼル 「ふっふっふ。食材を融通してくれる友には事欠かんわい」
追加を作る時間が足りない料理は料亭からの調達品。
プロ級の腕を持つゼル先生、あちこちに板前の知り合いがいるそうで。
ゼル 「長い休みには手伝いに行くこともあるんじゃぞ」
斬新なメニューの勉強も兼ねて料亭の厨房でお手伝い。
ゼル先生の花見弁当だけでも参加した価値がありましたよね!