☆忘れてもいいから
大勢の人が除夜の鐘を撞いて流す煩悩、普通はそれっきりですが。
その煩悩を拾いたいのがソルジャーなわけで、止まらない喋り。
Aブルー「忘れてもいいから、今は話を聞いて欲しいね!」
シロエ 「迷惑ですから! 誰も聞きたくありませんから!」
キース 「まったくだ。寺を預かる俺としてもだ、そんな話は…」
お断りだ、と副住職も睨んでますけれど。
Aブルー「まだ預かっていないだろう? 副住職だし」
キース 「なんだって?」
Aブルー「お寺のトップは、住職だったと思うけど?」
君じゃなくって、お父さんのアドス和尚だよね、とツッコミが。
Aブルー「除夜の鐘を仕切る力さえ、持っていないくせにさ…」
キース 「やかましい! 重箱の隅をつつくんじゃない!」
Aブルー「図星らしいねえ…。おっと、話がズレちゃった」
今はキースの話じゃなくて…、とソルジャー、軌道修正。
Aブルー「除夜の鐘の話をしてたんだっけね、どう大切かを!」
シロエ 「思い出しましたから、もういいんです!」
Aブルー「どうなんだか…。じきに忘れるらしいしねえ…」
除夜の鐘までは覚えておいて、と赤い瞳がキラリーン! と。
Aブルー「除夜の鐘を撞くと、エロい煩悩も流れ去るから…」
ブルー 「君も煩悩を流したまえ! 除夜の鐘を撞いて!」
Aブルー「そんな気は無いし、ぼくのお目当ては流れたヤツで…」
年が明けたら、こっちの世界に拾いに来なきゃ、と輝く笑顔。
Aブルー「そのための日もあるみたいだしね!」
ブルー 「その先、禁止!」
Aブルー「だけど、ホントにあるんだからさ…」
みんな気付いていないだけで、と大真面目な顔。
Aブルー「姫はじめって言葉もあるのに、どうしてだろう?」
ブルー 「無関係だからだよ、最初っから!」
Aブルー「ぼくには、そうは思えないけど?」
ブルー 「もういいから! 君の勝手な思い込みだから!」
いい加減にして帰って欲しい、と生徒会長。
どう考えても、無理っぽいですね…?
2017/12/16 (Sat)
☆ぐるっと回って
大晦日には除夜の鐘を撞いて煩悩を流し、新しい年を迎える習慣。
そういうことになっているのに、珍説を唱える人がソルジャー。
Aブルー「ちゃんと覚えてよ? 除夜の鐘で流した煩悩はさ…」
ブルー 「もう喋らないで、サッサと帰ってくれたまえ!」
Aブルー「ダメだってば! 本当に大事なイベントだからね!」
誰も価値が分かっていないだけだ、とソルジャー、自信満々で…。
Aブルー「大晦日の晩に流された煩悩は、ぐるっと回って…」
一同 「「「…………」」」
Aブルー「太陽系の惑星みたいに、決まった周期で一周してさ…」
ブルー 「惑星と一緒にしないで欲しいね!」
君だって地球が大切だろう、と生徒会長、必死の反論。
ブルー 「周回軌道がどうのこうのと、其処で言わない!」
Aブルー「どうしてさ? 一番分かりやすいじゃないか」
決まった周期で回るモノなら、惑星はその代表格だ、と大真面目。
Aブルー「煩悩の場合は、丸二日かけて回って来るんだよ!」
シロエ 「はいはいはい…。分かってますから、もういいです!」
その先の説明はして頂かなくても結構です、とシロエ君。
シロエ 「それより、帰って迎春準備をして下さい!」
サム 「それがいいよな、暮れは忙しいモンだしよ…」
師匠でさえも走るから師走、とサム君も。
サム 「俺のお師僧様はブルーだし、走らねえけど…」
キース 「俺の親父は走ってやがるな、もうバタバタと」
正月飾りとかの準備に、鏡餅とかの手配などなど…、と副住職。
キース 「あんたも帰って、船の仲間を手伝ってやれ!」
Aブルー「ぼくが手伝うと、却って迷惑かけそうだしねえ…」
だから手伝わなくていいのだ、と無駄に誇らしげ。
Aブルー「おっと、また話がズレちゃってるから!」
ブルー 「明後日の方にズレちゃったままで、かまわないから!」
Aブルー「そうはいかないよ、煩悩の軌道の話だっけね!」
回って戻って来るのがミソだ、とニコニコ。
それがどうしたと?
2017/12/17 (Sun)
☆軌道計算と観測
大晦日に除夜の鐘を撞いたら、一年の間に積もった煩悩とお別れ。
清らかな心で迎える新年、ところが流れた煩悩が目当ての人が。
Aブルー「除夜の鐘で流れた煩悩が、周回するのに丸二日間で…」
ブルー 「そんなの、誰も数えてないから! 最初っから!」
シロエ 「軌道計算をしてる人だっていませんよ!」
第一、観測していませんから、とシロエ君も顔を顰めてますけど。
Aブルー「今はそうかもしれないけどさ…。ずっと昔は…」
キース 「観測していたと言いたいのか!?」
Aブルー「ぼくは、そうだと思うんだけどね?」
何処の世界にも、偉大な人はいるものだ、と指差す窓の外。
Aブルー「あの太陽にだって、天動説と地動説がさ…」
シロエ 「確かに昔は、天動説が常識でしたけれどね…」
Aブルー「地動説を唱えて、破門になった人もいるんだろう?」
教会のお偉いさんを怒らせちゃって…、というソルジャーの話。
Aブルー「破門が解けるまでに、何百年とかじゃなかったっけ?」
キース 「百年単位かどうかは知らんが、死後の話だな」
Aブルー「ほらね、そのくらい偉大な科学者ってヤツが…」
ちゃんといたわけで…、とパチンとウインク。
Aブルー「それと一緒で、除夜の鐘で流れた煩悩だって…!」
ブルー 「誰かが観測していたと? でもって、軌道計算まで?」
Aブルー「ピンポーン!」
その結果が今でも残ってるしね、と得意げな顔。
Aブルー「煩悩が回って戻って来る日が、姫はじめの日!」
ブルー 「おかしなことを言っていないで、帰りたまえ!」
Aブルー「復習の時間だと言った筈だよ、解説しなくちゃ!」
姫はじめの日の夜に煩悩が戻って来るのだ、と輝く瞳。
Aブルー「だから、その夜にセックスに励むと、煩悩ゲット!」
ブルー 「いいから黙る! 珍説は語らなくていいから!」
Aブルー「ぼくは大切さを説いてるんだよ、除夜の鐘のさ!」
語りまくって何が悪い、と黙る気は無し。
まだ喋りまくるつもりですね…?
2017/12/18 (Mon)
☆陰陽師のお仕事
大晦日に撞くのが煩悩を払う除夜の鐘。清らかな心で迎える新年。
普通の人だと、そうなりますけど、真逆な考え方のソルジャー。
Aブルー「軌道計算をしてくれた人に感謝だよ! 思いっ切り!」
ブルー 「誰も観測なんかしないし、計算だってしないから!」
Aブルー「さっきも言ったよ、偉大な人が存在した筈!」
記録が残っていないだけで…、と止まらない喋り。
Aブルー「きっと陰陽師の人じゃないかな、暦作りが仕事だし…」
キース 「陰陽師の仕事に暦作りは入っているが…」
シロエ 「どうして知っているんです? そんなことまで」
知らない人の方が遥かに多そうですが、とシロエ君の問い。
シロエ 「今の時代に、陰陽師と聞いてイメージするのは…」
マツカ 「呪文を唱えて悪霊退散とか、そんな感じですよね?」
サム 「だよなあ、暦作りの仕事なんかはマイナーだぜ…」
華々しい活躍に目が行くもんな、とサム君も。
サム 「式神を使って自動ドアとか、そういうヤツな」
ジョミー「あー…。誰もいないのに、門扉が勝手に閉まるヤツ!」
スウェナ「けっこう有名な話よねえ…。暦作りの方と違って」
注目されるのは、そっちだわね、とスウェナちゃん。
スウェナ「暦なんて何処から聞いて来たのよ、それが不思議だわ」
Aブルー「ノルディに教えて貰ったんだけど? 陰陽師のことは」
一同 「「「へ?」」」
どうして陰陽師について知りたいのだ、と誰もがキョトン。
ブルー 「えーっと…? なんで陰陽師が気になったわけ?」
Aブルー「もしかしてミュウの一種かもね、と思ったから!」
サイオンを使えば、式神のように見えるであろう、と得意げな顔。
Aブルー「多分、サイオンだったんだよ! 式神の正体は!」
ブルー 「うーん…。サイオンが無い人は、暦作りが仕事だと?」
Aブルー「ピンポーン! だけど、暦を作るにはさ…」
色々と観測しなくっちゃね、と言い出した人。
煩悩が流れる軌道を計算した人、陰陽師ですか…?
2017/12/19 (Tue)
☆陰陽師なら分かる
大晦日には除夜の鐘を撞いて、一年の煩悩を払うものですけれど。
真逆な考え方の人がソルジャーで、新年に拾い集めに来る煩悩。
Aブルー「正確な暦を作るためには、色々観測! 気の流れも!」
ブルー 「それは間違ってはいないけど…。気の流れとかは…」
シロエ 「まあ、必須ではありますよね…。五行思想で」
どういう具合に気が流れるかが大切で…、とシロエ君も。
シロエ 「確か龍脈って言うんでしたか、強い気の流れを」
ブルー 「そうそう、そして気が流れ出す場所が龍穴だけどさ…」
真っ当な気の流れが大事で、他は要らない、と生徒会長、苦い顔。
ブルー 「陰陽師は穢れを払うのが仕事で、煩悩なんかは…」
Aブルー「でも、分からないと話にならないじゃないか!」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「悪い気の流れも掴んでいないと、邪気を払えないよ」
そうじゃないのかい、と突っ込まれれば、その通りかも。
ブルー 「うーん…。それで煩悩の軌道も観測してたと?」
Aブルー「そう! 何日かかって戻って来るのか、キッチリと!」
そして、その日が姫はじめの日、とニコニコニッコリ。
Aブルー「エロい煩悩を拾うためには、吉日なんだよ!」
ブルー 「絶対、違うと思うけれどね?」
Aブルー「証拠が残っていないだけだよ、エロい話だから!」
そっち系の話は秘密だよね、と聞く耳さえも持たない人。
Aブルー「だから新年は、煩悩ゲット! こっちの世界で!」
ブルー 「好きにしたまえ、君の流儀で」
気が済んだのなら、サッサと帰れ、と右手をヒラヒラ。
ブルー 「暮れは何かと忙しいしね、ぼくたちも!」
Aブルー「分かってるってば、またクリスマスイブに来るから!」
今年も楽しくパーティーだよね、と消え失せた姿。
ブルー 「まったく、もう…。毎年、毎年…」
シロエ 「クリスマスのパーティーは、いいんですけどね…」
なんで大晦日になると酷いんでしょう、と嘆き節。
相手はソルジャーですもんねえ…?
2017/12/20 (Wed)
☆忘れてしまいたい
大晦日が来たら除夜の鐘を撞いて、一年間の煩悩を洗い流すもの。
けれど真逆な人もいまして、ソルジャーの場合は欲しいのが煩悩。
シロエ 「忘れたいですね、この話…。大晦日までに」
サム 「そこは心配いらねえんでねえの? それまでによ…」
キース 「クリスマスという、一大イベントがあるからな」
ついでに、ぶるぅの誕生日だし…、と副住職。
キース 「あの馬鹿野郎も来やがるわけだが、飲んで騒いで…」
ブルー 「ご機嫌で帰って行くだけだからね、あっちの世界へ」
ジョミー「そうだよねえ…。イブの夜は泊まって行くけどさ…」
スウェナ「除夜の鐘の話なんかは、しないわよねえ…」
パーティーに燃えているだけで、とスウェナちゃんも。
スウェナ「あっちのシャングリラと、掛け持ちみたいだし…」
ブルー 「らしいね、クリスマスパーティーにダブルで出席だよ」
それだけに頭がクリスマスに染まっているんだろう、と生徒会長。
ブルー 「ウッカリ除夜の鐘の方へと行こうものなら…」
キース 「あいつの世界でも喋っちまって、事故処理がだな…」
一同 「「「あー…」」」
別の世界で遊びまくっているのは内緒だった、と一同、納得。
シロエ 「話を聞いてしまった人の、記憶処理とかが要りますね」
マツカ 「面倒なことは嫌いだそうですし、そういったことは…」
ブルー 「出来ればやりたくないだろうから、スルーなんだよ」
自分の世界でヘマをやらかさないように…、と深い溜息。
ブルー 「こっちで、やりたい放題をしたら、あっちでもさ…」
シロエ 「思いっ切り、地が出そうですしね…」
飲んだ勢いで喋りまくって…、とシロエ君の相槌。
シロエ 「じゃあ、クリスマスは安全圏ですか…」
ブルー 「そういうことだね、だからクリスマスで忘れるべき!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 今年もパーティーやろうね!」
一同 「「「おーっ!」」」
パーティーで全部忘れてやるぞ、と突き上げる拳。
それが一番かも?
2017/12/21 (Thu)
☆パーティーの日です
ソルジャーにとっては煩悩が大事な、大晦日に撞かれる除夜の鐘。
その件は忘れたいのがシャン学メンバー、クリスマスを迎えて…。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
一同 「「「メリー・クリスマス!!」」」
お邪魔します、と生徒会長宅に集うクリスマス・イブ。
ぶるぅ 「じきに、ぶるぅもブルーも来るから!」
シロエ 「…来ちゃうんですね…」
ブルー 「気にしたら負けだよ、それにあっちのハーレイも…」
来るんだしね、と言い終わらない内に、元気な声が。
??? 「かみお~ん♪ メリー・クリスマス!」
??? 「「メリー・クリスマス!」」
現れたのが別の世界からのお客様。(会話表記はAがつきます)
ぶるぅ 「わぁーい、ぶるぅだぁ!」
Aぶるぅ「久しぶりーっ! 御馳走、いっぱい!?」
ぶるぅ 「うんっ! 沢山あるから、好きなだけ食べてね!」
クリスマスと、お誕生日のパーティーだもん、とニコニコニコ。
ぶるぅ 「クリスマスは、ぼくたちの誕生日だしね!」
Aぶるぅ「サンタさんが来た後に、またプレゼントだもんね!」
賑やかに騒ぐお子様が二人、もうそれだけで華やぐ空気。
ジョミー「今年も楽しくなりそうだよね、クリスマス!」
ブルー 「ぶるぅが腕を奮ったからねえ、御馳走もケーキも」
Aブルー「早くパーティーしようよ、パーティー!」
ぼくのシャングリラでは、始まってるよ、と促すソルジャー。
Aブルー「だよねえ、ハーレイ?」
A船長 「ええ。ニューイヤーのイベントと同じくらいに…」
大切な節目のイベントですから、とキャプテンも。
A船長 「ただ、いかんせん、物資などが…」
Aブルー「こっちと比較にならないから…」
ゴージャスなのは、断然、こっち、と揃う声。
A船長 「今年も、賑やかに参りましょう!」
Aブルー「まず、乾杯だよね!」
ブルー 「…ぼくの家なんだけどね?」
何故、君たちが仕切るのだ、と不満そうですけれど。
お約束ですよねえ?
2017/12/22 (Fri)
☆シャンパンを開けて
クリスマスには二日連続でパーティー、それが毎年の行事でして。
イブを祝ったら、翌日は「そるじゃぁ・ぶるぅ」のバースデー。
Aブルー「誰が仕切ってもいいじゃないか! 楽しければ!」
ブルー 「それはそうだけど、君たちはゲストで…」
シロエ 「会長、今は余計なことを言わない方が…」
世の中、平和が一番ですよ、とシロエ君。
シロエ 「此処で素直に仕切らせておけば、こう、最後まで…」
Aブルー「うん、和やかに終わるってね!」
揉め事なんかは起こらないで…、とソルジャー、得意げ。
Aブルー「それとも喋って欲しいのかな? ぼくという人に!」
一同 「「「うわー…」」」
それだけは嫌だ、と顔面蒼白の御一同様。
シロエ 「か、乾杯しましょう、喋るよりも前に!」
ブルー 「いいシャンパンを取り寄せたんだよ、最高のをね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 子供用のもあるからねーっ!」
開けて、開けて! と指差すシャンパンのボトル。
Aブルー「いいねえ、流石は地球のクリスマス!」
A船長 「私たちの船だと、合成物になりますからねえ…」
シロエ 「あれっ、奪って来ないんですか?」
A船長 「船の人数が半端ありませんから…」
奪ったくらいじゃ追い付きません、とキャプテンの解説。
A船長 「皆に公平に渡すとなったら、合成物になりますよ」
Aブルー「だから、クリスマスも、ニューイヤーもさ…」
みんなでパーティーを催す以上は合成物だ、とソルジャーも。
Aブルー「その分、ここは有難く、飲もう!」
Aぶるぅ「ねえねえ、開けていいよね、コレ!」
ぼくも飲むも~ん! とサイオンで栓を抜きまして…。
Aぶるぅ「わぁーい、シャンパンシャワー!!!」
Aブルー「あっ、ちょっと!」
ブルー 「もったいないから! そうじゃないから!」
一同 (((あのシャワーのお値段、いくらだろう…)))
凄すぎるかも、と目を剥くしかないシャンパンシャワー。
乾杯よりも遥かに華やかですよね?
2017/12/23 (Sat)
☆華々しくパアに
クリスマスイブを迎えて、生徒会長宅でパーティー開幕ですけど。
悪戯小僧な方の「ぶるぅ」が、かました高級シャンパンシャワー。
Aぶるぅ「かみお~ん♪ シャンパンの噴水、楽しいよね!」
Aブルー「ぶるぅ、次々に開けなくてもいいから!」
A船長 「そうです、そのくらいで止めて下さい!」
ポンポンと景気よく栓が抜かれて、既に5本目。
Aぶるぅ「シャンパンは、浴びても美味しいよ! 泡立ち最高!」
Aブルー「ボディーソープとは違うから! 飲む物だから!」
A船長 「貴重な地球のシャンパンです! 飲んでこそです!」
一同 (((無理、無茶、無駄…)))
どうせ未成年は飲めないから、と見守るだけのシャン学メンバー。
シロエ 「今年のパーティーは、もう開幕から派手ですねえ…」
ジョミー「あのシャンパンって、高いんだよね?」
ブルー 「言いたくないけど、相当なお金が泡になったかな…」
まるで花火だ、と生徒会長、ブツブツブツ。
ブルー 「花火大会の尺玉なんかは、高いからねえ…」
キース 「そのくらいの勢いで金がパアなんだな?」
シャンパンシャワーで…、と副住職。
キース 「どうせだったら、ウチの寺に寄進して欲しかったが…」
一同 「「「シーッ!!!」」」
今の時期に寺の話題を振るんじゃない、と誰もが唇に当てる指。
キース 「す、すまん…! だが、シャンパンはだ…」
ブルー 「思いっ切り、泡と消えたよね…」
Aブルー「ぼくも泣きたいキモチだよ! もう1本しか…」
ボトルが残っていないじゃないか、とソルジャー、泣きそう。
Aブルー「後は子供用のシャンパンばかりで、ノンアルコール…」
Aぶるぅ「シャンパンが無いなら、焼酎を飲めばいいんだもん!」
まるで何処かの王妃様の台詞。
Aぶるぅ「酔っ払えたら、いいんだも~ん!」
Aブルー「そうなんだけどね…」
ブルー 「それだけではねえ…」
なんてこったい、と部屋中で零れる溜息。
1本残っただけでもマシ…?
2017/12/24 (Sun)
☆とにかく飲ませろ
高級シャンパンがシャワーと化した、生徒会長宅でのパーティー。
残った1本のボトルで乾杯、クリスマスパーティーが開幕で…。
一同 「「「かんぱーい!!!」」」
Aブルー「地球の未来に!」
A船長 「来年こそ、地球に行けますように!」
一同 (((混ざってる、混ざってる…)))
パーティー掛け持ちの反動だよね、と納得の音頭。
ブルー 「あのねえ…。此処は腐っても地球だから!」
Aブルー「そうだったよねえ、ウッカリしてたよ」
A船長 「私もです。こちらの世界で、テラと言ったら…」
Aブルー「お寺だよねえ、キースの家みたいな!」
御本尊様がいらっしゃって…、と物騒すぎる話題。
シロエ 「いえ、その話はいいですから! 飲んで下さい!」
ブルー 「お寺じゃ飲酒はご法度なんだよ、忘れた方が…」
Aブルー「あれっ、飲んだら駄目なのかい?」
キース 「当然だろうが!」
葷酒山門に入るべからず、という文言もあるほどだ、と副住職。
キース 「俺やブルーの宗派には無いが、飲酒は禁止だ!」
Aブルー「うーん…。じゃあ、その話は置いといて…」
シロエ 「飲みましょう!」
さあ、どんどんと飲んで下さい、と指差す酒類の瓶。
シロエ 「シャンパンはパアになりましたけど、他のお酒は…」
マツカ 「無事ですからねえ、お好きなだけどうぞ」
Aブルー「じゃあ、有難く…」
A船長 「頂きましょう!」
御馳走の方も…、と賑やかに始まった飲めや歌えの宴。
Aブルー「いいねえ、本物の地球のお酒は…!」
A船長 「するすると喉を通りますよね!」
Aぶるぅ「お料理も、最高!」
飲んで食べてで過ぎてゆく時間、たちまち夜になりまして…。
Aぶるぅ「サンタさんが来る時間だから、寝るね!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 後は、ごゆっくり!」
Aブルー「言われなくても、楽しくやるから!」
一同 (((その調子で…!)))
徹夜だろうが構うものか、とドンチャン騒ぎ。
飲ませておけば平和ですしね?
2017/12/25 (Mon)
☆飲ませてサヨナラ
とにかくソルジャーには飲ませておけ、という趣旨のパーティー。
ドンチャン騒ぎで深夜から夜更けへ、そしてクリスマスの朝へ。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ サンタさん、来たよーっ!」
Aぶるぅ「ぼくもプレゼント、いっぱい貰ったーっ!」
キャイキャイと跳ねて来た、お子様が二人。
ぶるぅ 「今度は、ぼくたちのお誕生日パーティー!」
Aぶるぅ「また御馳走と、お酒が沢山!」
Aブルー「ああ、おはよう。もう朝だって?」
でもって、パーティー再びだって、と輝く瞳。
Aブルー「気分一新、盛大にお祝いしなくちゃね!」
A船長 「ぶるぅたちの誕生日ですからね!」
一同 「「「ハッピーバースデー、ぶるぅ!!」」」
徹夜明けのシャン学メンバーですけど、パチパチと拍手。
シロエ 「さあ、飲みましょう! 景気よく!」
ぶるぅ 「お料理、ちゃんと作ってあるからねーっ!」
ブルー 「お酒も山ほど追加したから、どんどん飲んで!」
買出しに行って来たんだからね、と生徒会長、得意げな顔。
ブルー 「瞬間移動で、世界の名酒を!」
Aブルー「なんだ、時々消えていたのは、ソレだったんだ?」
ブルー 「それはもう! メスカルもあるよ、通向けだけど!」
ちょっと芋虫が入ってるけど、とニコニコニコ。
一同 「「「芋虫!?」」」
ブルー 「メスカルと言えば、芋虫なんだよ! 本物の証!」
リュウゼツランから作るお酒で…、と解説が。
ブルー 「ボトル詰めの時に、リュウゼツランにつく芋虫を…」
ぶるぅ 「1匹、仕込んでおくんだって!」
Aブルー「いいねえ、精力がつきそうで!」
流石は地球だ、と弾ける笑顔。
Aブルー「マムシ酒より、よく効くのかな?」
ブルー 「ハブ酒なんかも買っておいたから!」
Aブルー「気が利くねえ! 精力がつくお酒のオンパレード?」
ブルー 「満足して帰ってくれたまえ! そして年越し!」
もう年明けまで来るんじゃない、と生徒会長。
手切れ金ならぬ、手切れ酒ですか…。
2017/12/26 (Tue)
☆御機嫌でサヨナラ
クリスマスの日は、「そるじゃぁ・ぶるぅ」の誕生日パーティー。
生徒会長が用意した名酒の数々、ソルジャー、いたく御満悦で。
Aブルー「飲み終わったら帰れってことでも、これは嬉しいよ!」
A船長 「本物の地球のお酒ですしね、それに精力が…」
つくとなったら有難いです、とキャプテンも感激の面持ち。
A船長 「思い切り飲んで、飲みまくりましょう!」
Aブルー「ぼくたちの未来に乾杯だよね、地球の未来にも!」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ ぼくも乾杯するーっ!」
この芋虫も貰っていい? と無邪気な質問ですけれど…。
Aブルー「それは駄目! 芋虫はハーレイ用だから!」
A船長 「…私ですか?」
Aブルー「精力剤になるんだからね、君が食べなきゃ!」
ハブ酒のハブも君用だから、と言い切るソルジャー。
Aブルー「君が漲ってなんぼなんだよ、ぼくじゃなくって!」
A船長 「そ、そうですか…。この芋虫を…」
Aブルー「メスカルと一緒に、グッと一気に!」
いや、噛み締めた方がいいかな、とニコニコニコ。
Aブルー「よく噛んだ方が効きそうだしねえ、芋虫も、ハブも!」
一同 (((うわー…)))
スゲエ、と誰もが目を剥く中で、キャプテン、芋虫を口の中へと。
A船長 「…………。こう、味わいがありますねえ…」
Aブルー「それは良かった! お次はハブの方も頼むよ!」
A船長 「はい、お任せを!」
一同 (((…アレも噛むんだ…)))
恐ろしすぎる、と一同、ガクブル。
Aブルー「ハーレイ、ハブの味はどうだい?」
A船長 「いい感じに焼酎が染みていまして、美味しいですよ」
一同 (((ゲテモノだから!)))
半端ねえな、と見守る間に、次々とボトルが空になりまして…。
Aブルー「今年のパーティー、最高だったよ!」
A船長 「いいお酒を頂戴いたしました」
Aぶるぅ「かみお~ん♪ また来年!」
よいお年を! と、ほろ酔いで帰っていった人たち。
これで平和になりましたかねえ?
2017/12/27 (Wed)
☆パーティーの後は
二日連続のパーティーが終わり、お帰りになった異世界のお客様。
部屋には空のボトルが山ほど、脱力のシャン学メンバーですけど。
シロエ 「…一応、これでおしまいですよね? 今年のゴタゴタ」
サム 「年内は二度と来ねえと思うぜ、あいつらはよ…」
今までのパターンからしても、と頷くサム君。
サム 「こっちは正月の準備でバタバタ、面白くねえから」
ジョミー「本当の意味で忙しいのは、一人だけだけどね…」
他は高校生とお子様、とジョミー君が見回す部屋。
キース 「…社会人は俺しかいないからな…」
サム 「おまけに坊主じゃ、もう思いっ切り、リーチだよな…」
ブルー 「のんびり遊べるのも今日までだよねえ、キースの場合」
キース 「ウチは親父が厳しいからなあ、もう無理だな…」
同期の中には、年末年始は海外に行くヤツもいるのに、と溜息が。
キース 「住職になったら忙しくなるし、今の内だ、と…」
マツカ 「キースは副住職ですし…。仕方ないですよね」
ブルー 「副住職でも、遊べる人はいるんだけどねえ…」
キースは師僧が悪かったよね、と同情の瞳。
ブルー 「まあ、除夜の鐘は今年も手伝ってあげるから」
キース 「有難い。修正会の方も頼んでいいか?」
ブルー 「それはもちろん。導師はお断りだけど」
その代わり、今年も宿をよろしく、とニッコリ。
キース 「おふくろが、とうに手配済みだ」
ぶるぅ 「んとんと、おせちも?」
キース 「早くから注文していたぞ。和洋中とな」
ぶるぅ 「わぁーい!」
とっても楽しみ! と飛び跳ねるお子様。
ぶるぅ 「キースの家でお泊まりするの、最高だもーん!」
ジョミー「お寺ライフも、ついてくるけどね…。抹香臭いのが」
スウェナ「仕方ないわよ、宿坊に泊めて貰うんだもの」
シロエ 「キース先輩、準備、色々と頑張って下さいね!」
キース 「宿命だしな、頑張るとするか」
俗世とは暫くお別れだよな、と残念そう。
名残の宴も閉幕ですね…。
2017/12/28 (Thu)
☆寒すぎる大晦日
クリスマスが済んだら、1週間もないのが大晦日までの残りの日。
アッと言う間に大晦日でして、元老寺に集ったシャン学メンバー。
シロエ 「寒いですねえ、今年の冬は半端ないですよ」
ジョミー「これって雪がチラつくパターンで、除夜の鐘までに…」
スウェナ「凍えそうよね、だけど順番待ちなんだし…」
並んで待つしか仕方ないわね、という大晦日の夜。
マツカ 「除夜の鐘さえ撞いてしまえば、暖かいんですが…」
シロエ 「おぜんざいのお接待、今年もテントがありますしね…」
サム 「早く食いてえけど、鐘を撞かねえと駄目だしなあ…」
暖冬だったらマシだったのに、とサム君もぼやく長い行列。
サム 「手伝いの方に回れば良かったかな、俺も…」
ジョミー「どうせ明日には手伝いだもんね、ぼくとサムはさ」
シロエ 「そうでした! 檀家さんの初詣のお手伝いでしたね」
サム 「数に入れられちまってるしなぁ…。逃げられねえよ」
炬燵にも入れねえのによ、とブツブツブツ。
サム 「炬燵はアドス和尚が入って、キースが控えで…」
ジョミー「ぼくたちは、思いっ切り端っこだしね…」
ストーブは置いてあるんだけれど、と嘆き節。
ジョミー「それでも今より寒くないしさ、やっぱり手伝い…」
サム 「今年はしとけば良かったかもなぁ、庫裏もテントも…」
ジョミー「ストーブが置いてあるもんね…」
暖かそうだよ、と気分はマッチ売りの少女かも。
ジョミー「いいなぁ、ブルーとぶるぅはさ…」
シロエ 「準備が出来てから登場ですしね、キースを連れて」
ぼくたちとは格が違いますよ、と視線は庫裏の方へと。
シロエ 「暖房が効いてて、温かい食事なんかもあって…」
サム 「言わねえでくれよ、惨めになってくるからよ…」
ジョミー「来年も寒さが厳しかったら、坊主の特権、使うかも…」
スウェナ「ジョミーが坊主をやる気になるほど、寒いのよね…」
なんで今年は厳冬なのよ、とスウェナちゃんも。
ラニーニャですしね?
2017/12/29 (Fri)
☆早く鐘を撞いて
ジョミー君が坊主をやりたくなるほど、寒さが厳しい大晦日の夜。
お坊さんなら庫裏やテントで、ストーブつきで待てる除夜の鐘。
ジョミー「キースも暖かい部屋にいるよね、アドス和尚も…」
サム 「マジで手伝えば良かったぜ…。下働きでもよ…」
シロエ 「あと少しだけの辛抱ですよ、除夜の鐘さえ始まれば…」
列は前へと進みますしね、とシロエ君が眺める鐘楼の方。
シロエ 「最初の鐘だけ会長が撞いて、後は一般人ですから」
スウェナ「締めもブルーが撞いてるわよねえ…」
マツカ 「伝説の高僧ですからね…。緋色の衣で」
サム 「アドス和尚が有難がるのも、無理はねえよな…」
今日だって迎えは黒塗りのタクシー、という生徒会長の待遇。
サム 「俺たちは路線バスで来たのに、あっちはよ…」
シロエ 「悠々と御到着でしたからねえ、山門前に…」
おまけに行列しなくていいし、とシロエ君までが羨ましそう。
シロエ 「ぼくも今日だけ坊主になるとか、そういうのは…」
サム 「あのなあ…。甘く見るなよ、坊主ってヤツを」
ジョミー「お盆の棚経も手伝いたいわけ?」
シロエ 「いえ、それは…!」
一般ピープルで充分です、と一気に逃げ腰。
シロエ 「どんなに寒くて、マッチ売りの少女でもですね…」
マツカ 「お坊さんの修行は御免ですよね、棚経だって」
おとなしく並んで待ちましょう、と御曹司も。
マツカ 「除夜の鐘さえ撞いてしまえば、おぜんざいです」
スウェナ「早く食べたいわね、これだけ寒いと…」
サム 「おっ、出て来たぜ!」
ブルーたちがよ、と指差す先に法衣の生徒会長たち。
シロエ 「ぶるぅは今年も小坊主スタイルですか…」
マツカ 「一休さんみたいで可愛いですよね、似合ってますよ」
ジョミー「早く鐘撞き、してくれないかな…。マジで凍えそう」
サム 「年越しのフライングってヤツはねえから、諦めろよな」
時間にならねえと撞かねえよ、というのが除夜の鐘。
カウントダウンですね?
2017/12/30 (Sat)
☆無我の境地で
寒さが厳しい大晦日の夜、除夜の鐘を待つシャン学メンバー。
ようやく生徒会長たちが登場、鐘楼の方へと向かってゆきまして。
シロエ 「いよいよですね、今年の残りもあと少しですよ」
マツカ 「来年こそ、いい年にしたいですよね」
サム 「ブルーの法力に期待だぜ。キースは期待できねえし…」
今だってブルーの先導役だし、とサム君の口から厳しい評価。
サム 「そうでなくても、あいつのせいで散々な目によ…」
スウェナ「災いを持ち込むことにかけては、天才的よね…」
ジョミー「諸悪の根源、キースだもんねえ…。いろんな意味で」
来年こそ平和にやりたいよね、とジョミー君も。
ジョミー「除夜の鐘にお祈りしようかなぁ…。キースの対策」
シロエ 「それより悪霊退散ですよ、誰のこととは言いませんが」
マツカ 「駄目ですってば、除夜の鐘は煩悩を流すんですよ?」
切なる願いを流してしまってどうするんです、と御曹司。
マツカ 「普通に撞くのが一番です。無我の境地で」
一同 「「「あー…」」」
危うく失敗するトコだった、と一同、納得。
シロエ 「じゃあ、来年もいい年に、と祈るだけですね?」
マツカ 「そうです、そうです。あっ、撞きますよ!」
生徒会長がゴーン…と撞いた1つ目の鐘。
サム 「やっと始まったぜ、これで行列も進むよな!」
シロエ 「鐘を撞いたら、あっちのテントでおぜんざいです!」
スウェナ「早く食べたいわね、もう凍えそうよ」
ジョミー「無我の境地で撞くんだからさ、おぜんざいもさ…」
今は忘れて鐘を撞こう、とジョミー君。
ジョミー「そうすれば、きっと来年はいい年に!」
マツカ 「ええ。来年こそ平和に過ごしたいです、1年を」
サム 「マジで、いい年にしてえよなあ…。無我の境地な!」
シロエ 「今年の締めは、その言葉ですね」
一同 「「「無我の境地で、いい新年を…!」」」
迎えなくては、と向かう除夜の鐘撞き。ゴーンと一発。
皆様も、どうぞ、良いお年を~!
2017/12/31 (Sun)