神楽舞の練習を始めることになったキース君。
よりにもよって前半は扇、後半は神楽鈴を持って舞うというのがお約束。
お雛様でお馴染みの檜扇ですけど、閉じたり開いたりは難しく…。
巫女さん「右手は動かさずに左手だけ! もっと滑らかに!」
キース 「こ、こうですか?」
巫女さん「開く時には水平に! そこは斜めではありません」
ビシバシとしごかれまくって、お次は神楽鈴を扱う練習で。
それが済んだら舞の稽古でございます。
巫女さん「はい、ここで両手をかざして左右に開く!」
キース 「は、はいっ!」
巫女さん「足がお留守になってます。同時に左へと動きませんと」
素人さんには難しそうな動きとはいえ、キース君には散華などの基礎が。
法式で身体に叩き込まれた所作の応用で、どうにか形になるようで…。
巫女さん「では音楽に合わせてみましょうか。私も舞いますから」
キース 「よ、よろしくお願いいたします…」
雅楽会員たちが楽器を奏し、キース君と巫女さんが揃って舞を。
まずは扇で、後半は神楽鈴に持ち替え、シャンシャンと。
ブルー 「うん、良かったんじゃないかな、お見事、お見事」
シロエ 「先輩、負けていませんでしたよ! 凄かったです!」
キース 「そ、そうか? し、しかしだな…」
明日は一人で舞うんですよね、とキース君は不安そうですが。
巫女さん「あら、お一人の方がいいのかと思いましたけど…」
雅楽会員「お一人では不安でらっしゃいますか?」
キース 「そ、それは……。やはり素人ですから心配で…」
ブルー 「なるほどねえ…。それじゃ、例年どおりでいこうか」
キース 「どういう意味だ?」
ブルー 「いつもは神楽舞の巫女さん役は四人なんだよ」
キース 「四人だと!?」
巫女さん「一人舞と四人舞では違いますから、追加で練習しませんと」
キース 「な、なんだって?」
ちょっと待ってくれ、とキース君は顔面蒼白。
追加練習の方はともかく、四人舞だと晒し者度もアップですか?