☆ビジュアルが最高
スッポンタケの棚経の日ですけれども、お供え物に無いスイカ。
高級品のメロンが最高、そういうチョイスになっているのに…。
Aブルー「黒玉スイカだったっけ? それに替えられない?」
一同 「「「へ?」」」
Aブルー「お供え物だよ、メロンもいいけど、黒玉スイカ!」
そのビジュアルが気に入った、とソルジャーが握り締める拳。
Aブルー「マツカの記憶を、ちょっと読ませて貰ったけど…」
マツカ 「なんですって?」
Aブルー「大丈夫、スイカのトコだけだから! 夏祭りの!」
他の記憶は覗いてないよ、と悪びれない人。
Aブルー「いいねえ、爆弾みたいなスイカ! 真っ黒でさ!」
マツカ 「茎の部分が導火線っぽく見えますからね…」
Aブルー「そうなんだよ! 爆弾そのもの!」
是非とも黒玉スイカが欲しい、とソルジャー、スイカに御執心。
Aブルー「普通のスイカに卒塔婆もいいけど、黒玉の方なら!」
シロエ 「……ロクでもないことを考えてますね?」
Aブルー「何を言うかな、とても建設的なことだよ!」
同じオブジェを作るんだったら、黒玉スイカ、と拳をググッと。
Aブルー「漲るパワーが、きっと違うよ! 同じスイカでも!」
シロエ 「爆弾スイカだからですか?」
Aブルー「そう! そこに卒塔婆が奥までズンズン!」
もう最高のセックスだよね、と嫌すぎる言葉。
Aブルー「ぶるぅ、お願い! 黒玉スイカを買って来てよ!」
ブルー 「やめたまえ! 小さな子供を巻き込むのは!」
Aブルー「だったら、君が買って来てくれる?」
ブルー 「うっ…」
なんで、ぼくが…、と生徒会長、ドン引き。
ブルー 「君の憧れなんだろう! 自力で解決してみたら?」
Aブルー「ああ、なるほど…。ぼくが自分で仕入れに行けば!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 気に入ったのを選んで買えるよ!」
Aブルー「確かに、そうだね! ぶるぅ、果物屋さんは何処?」
オススメの店を教えて欲しい、と行く気満々。
本気なんですね…?
2018/08/16 (Thu)
☆買いに出掛けました
スッポンタケの棚経を控えて、お供え物にこだわるソルジャー。
再現したいのがスイカに卒塔婆で、おまけに黒玉スイカを希望。
Aブルー「爆弾スイカは絶対、欲しいよ! オブジェ用に!」
ブルー 「またしても、ぼくに恥を晒せと?」
Aブルー「前にもあったオブジェなんだし、問題無し!」
キースが顔を顰めるだけで、とソルジャー、全く気にせず。
Aブルー「とにかく黒玉スイカだよ! ぶるぅ、お店は?」
ぶるぅ 「んとんと…。品揃えがいいのは、あそこかな?」
アルテメシアで一番有名、と店名を挙げる無邪気なお子様。
ぶるぅ 「いろんな果物を揃えているから、安心だよ!」
Aブルー「ありがとう! ちょっと行ってくる!」
じゃあねー! と瞬間移動で消え失せた姿。
シロエ 「…行っちゃいましたよ?」
マツカ 「すみません、ぼくが余計なことを言わなかったら…」
スウェナ「気にしなくてもいいわよ、そこは」
どうせスイカの出番だったし…、とスウェナちゃんの溜息。
スウェナ「単なる皮の色の違いよ、それだけのことよ」
シロエ 「それはそうなんですけどね…」
ブルー 「品の無さに拍車がかかったという気はするねえ…」
よりにもよって爆弾ときたよ、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「棚経を何だと思っているのか、もう呆れるしか…」
シロエ 「きっと、お祭りの一種ですよ」
マツカ 「仏事だという認識だけは皆無でしょうねえ…」
そもそも仏教を理解してないみたいですから、と御曹司も。
マツカ 「自分に都合のいい所だけを取り入れてますよ」
シロエ 「神様も仏様も、ごっちゃですしね…」
神仏混交を地で行ってます、とシロエ君の指摘。
ブルー 「その考え方も、まあ、間違いではないけどさ…」
シロエ 「敬う気が全く無いって所が、問題です!」
マツカ 「本当にいいトコ取りですからね…」
スウェナ「挙句にスイカに卒塔婆なのよ!」
黒玉スイカもいい迷惑だわ、という声。
確かにそうかも…。
2018/08/17 (Fri)
☆音で分かります
スッポンタケの棚経のために、スイカを買いに出たソルジャー。
爆弾のように見える黒玉スイカで、オブジェを作るのが目的。
シロエ 「黒玉スイカに迷惑ですか…。そうかもですね」
マツカ 「普通の人が買ったら、食べるだけですからね…」
卒塔婆を刺すことは無いでしょう、と御曹司。
マツカ 「黒玉スイカは、スイカ割りには使わないでしょうし」
シロエ 「お値段高めのスイカだったら、勿体ないですしね…」
スイカ割りには向いてませんよ、とシロエ君も。
シロエ 「とはいえ、いっそスイカ割りの方がマシだったかも」
ブルー 「それは言えるね、妙なオブジェにされるよりはね」
Aブルー「…呼んだかい?」
何か用かな、と瞬間移動で戻って来たのが迷惑な人。
シロエ 「……。本当に買って来たんですね?」
Aブルー「もちろんだよ! お店で一番大きいのを!」
とても立派な爆弾だろう、と黒玉スイカを抱えてニコニコ。
Aブルー「これに卒塔婆を奥までズンズン!」
ブルー 「いいけどね…。ところで、君が買ったスイカだけど」
Aブルー「凄いだろう? 黒くてツヤツヤ光ってて!」
ブルー 「メスなのかな?」
それともオスのスイカだろうか、と生徒会長の問い。
Aブルー「えっ?」
ブルー 「夫婦和合なら、まあ、どっちでもいいんだけどさ」
Aブルー「ちょ、ちょっと…! スイカに性別があるのかい?」
ブルー 「さあ? ぼくも詳しくないんだけどさ…」
プロだと音で分かるんだよね、と振っている首。
ブルー 「コツンと叩けば分かるらしいよ、スイカの品質」
シロエ 「あー、知ってます!」
熟練の人の技なんですよね、とシロエ君。
シロエ 「スイカの性別も分かるとは、知りませんでしたけど」
ブルー 「ぼくも知らないけど、もしかしたらさ…」
Aブルー「分かるかも、って?」
ブルー 「うん。君がこだわらないなら、どうでもいいけど」
別にオスでもメスでもいいよね、と言ってますけど。
スイカに性別…?
2018/08/18 (Sat)
☆プロにしか無理
スッポンタケの棚経のために、スイカを買って来たソルジャー。
黒玉スイカで御満悦なんですけど、生徒会長からのツッコミが。
ブルー 「君がオブジェを作るとしてさ…。どっちが好み?」
Aブルー「どっち、って?」
ブルー 「オスのスイカか、メスのスイカかっていう所だよ」
夫婦和合なら、王道はメスのスイカだけどね、と生徒会長。
ブルー 「でも、君の場合は歪んでいるから、オスなのかなと」
Aブルー「そ、それは…。もちろん、オスの方がいいけど…」
きっとオスだと思うんだけど、と眺めている大きな黒玉スイカ。
Aブルー「一番大きいヤツを買ったし、これはオスだよ!」
ブルー 「どうなんだか…。大きいってトコが曲者だよね」
Aブルー「オスは大きいものだろう? 強いんだから!」
ブルー 「その認識は間違ってるよ。生き物は多種多様だから」
SD体制の世界じゃ分からないかもだけど…、とフウと溜息。
ブルー 「メスの方が大きい生き物は沢山いるからねえ…」
シロエ 「ああ、アンコウとかは、そうらしいですね!」
マツカ 「オスは小さくて、メスにくっついてるらしいですね」
寄生と言ってもいいくらいに…、と御曹司。
マツカ 「そうなるとスイカも、大きいからと言って…」
シロエ 「オスだとは限らないわけですね」
ブルー 「そう! まあ、どっちでもかまわないけど」
ブルーが満足しているんなら…、と視線をスイカに。
ブルー 「買って来たなら、後は卒塔婆を刺すだけだからね」
Aブルー「待ってよ、ぼくはオスの方がいいんだけれど!」
同じオブジェならオスのスイカ、とソルジャー、困惑。
Aブルー「オスかどうかは、お店で分かる? 持って行けば?」
ブルー 「無理じゃないかな、スイカのプロは主に農家で」
シロエ 「売り物は普通、叩きませんしね…。お店とかでは」
Aブルー「そ、そんな…。それじゃ、オスのが欲しければ…」
農家に行くしか無いんだろうか、と慌てるソルジャー。
そうなりますね…?
2018/08/19 (Sun)
☆オスが欲しければ
スッポンタケの棚経用に、ソルジャーが買って来た黒玉スイカ。
けれど問題はスイカの性別、オスのスイカが欲しいソルジャー。
Aブルー「農家の人なら調べてくれる? これがオスかどうか」
ブルー 「…お金も払っていないのに?」
第一、自分が出荷したスイカかどうか…、と生徒会長、苦い顔。
ブルー 「他所で買ったのを持って来て、尋ねられてもねえ…」
シロエ 「農家の人も困りますよね、そんな質問」
Aブルー「そうなるのかい? だったら、オスのスイカは…」
買い直さないと駄目だろうか、とソルジャー、真剣。
Aブルー「黒玉スイカを作ってる農家に行かないとダメ?」
ブルー 「それが世間の常識だよね」
シロエ 「農家だったら、スイカも山ほどありますからね…」
マツカ 「きっといいのが買えますよ」
畑で一番立派なのを買って来られますよ、と御曹司も。
マツカ 「暑くならない間に行く方が、農家の人も喜びます」
シロエ 「ですよね、今なら暑さも、まだマシですし…」
炎天下のスイカ畑は、農家の人も嫌がるでしょう、とシロエ君。
シロエ 「急いで行って来て下さい! オスが欲しいなら!」
Aブルー「う、うん…。でも、黒玉スイカは何処の農家が?」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 有名なのは、この辺りかな?」
このスイカも其処、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」が挙げた場所。
ぶるぅ 「スイカの農家は沢山あるから、端から回れば!」
Aブルー「オスのスイカに出会えるわけだね、最高の!」
急いで買いに行かなくちゃ、と瞬間移動で消え失せた姿。
シロエ 「行っちゃいましたね、スイカの買い付けに…」
ブルー 「このまま戻って来ないと、うんと平和だけどねえ…」
棚経も無事に終わるだろうし、と生徒会長。
ブルー 「オスのスイカを探してる内に、タイムオーバーで!」
シロエ 「もしかして、それが狙いでしたか?」
ブルー 「決まってるじゃないか!」
嘘も方便、と得意そうにニヤニヤ。
そう来ましたか…。
2018/08/20 (Mon)
☆オスが欲しくても
スッポンタケの棚経用にと、ソルジャーが入手した黒玉スイカ。
ところがスイカは性別不明で、オスを買うには農家へ行くのみ。
スウェナ「オスのスイカは嘘だったのね? 最初っから」
ブルー 「あるわけないしね、そんな代物」
スイカに性別なんかは無い、と生徒会長、キッパリと。
ブルー 「あ、この話、ブルーには聞こえていないから」
シロエ 「ちゃんとシールドしてるんですね!」
ブルー 「それもあるけど、今のブルーの頭の中はさ…」
オスのスイカで一杯だから、とニヤニヤニヤ。
ブルー 「今、一軒目を訪問中だよ、スイカを買いたい、って」
シロエ 「スイカ農家ですか…。どんな感じです?」
ブルー 「畑へどうぞ、って案内されて行く所!」
直接買いに来たんだからね、と生徒会長、サイオンで覗き見中。
ブルー 「まずは畑でお好みのを、っていうのが親切な農家!」
シロエ 「オスのスイカという件は…?」
ブルー 「聞き間違えか何かだろうと思っているよ」
なにしろ朝から暑いからねえ…、という説明。
ブルー 「好きなスイカを選んでくれれば、品質をさ…」
シロエ 「熟練の技で確かめてくれるわけですね?」
ブルー 「そう! プロの農家がコツンと叩いて!」
甘味や食べ頃なんかをズバリ、と言ってますけど。
マツカ 「あのぅ…。オスかメスかは分かりませんよね?」
ブルー 「それが分かるなら、ぼくもビックリ」
シロエ 「誰かさん、どうするんでしょう? 分からないなら」
ブルー 「別の農家に行くと思うよ、大急ぎで!」
見る目のあるプロを探しにね…、と涼しい顔。
ブルー 「オスのスイカが欲しいわけだし、ブルーも必死!」
一同 「「「うーん…」」」
果たして見付かるのかどうか、と皆が傾げる首。
シロエ 「そんなスイカがあるんでしょうか…?」
ブルー 「さっきも言ったよ、存在しないと」
マツカ 「見付からないんですね?」
つまり帰って来ないんですね、と御曹司。
いい流れですね…?
2018/08/21 (Tue)
☆オスを探す間に
スッポンタケの棚経用に、ソルジャーが欲しいのが黒玉スイカ。
それもオスのを欲しいとあって、只今、農家で買い付け中で…。
マツカ 「いくら農家を回ってみたって、無いんですしね…」
ブルー 「無い袖は振れぬ、と昔から言うほどだしね」
シロエ 「でも、誰かさんはあると信じてますからねえ…」
見付かるまで帰って来ないでしょうし…、とシロエ君も。
シロエ 「その間に棚経の時間が来るわけですね!」
ブルー 「うん。キースの方は、棚経の予定がビッシリだから」
来たらサッサとお経を上げて、次に行くだけ、と生徒会長。
ブルー 「ブルーがいなくても、細かいことは気にしてないよ」
シロエ 「えっと…。その場合、お布施はどうなるんですか?」
高額なお布施を約束していた件は…、とシロエ君の問い。
シロエ 「まさか、お布施は踏み倒すとか…?」
ブルー 「そんな外道なことはしないよ」
シロエ 「払うんですか、あんな金額を!?」
縁もゆかりも無いスッポンタケに…、と驚いてますけれど。
ブルー 「あの金額は出さないよ。相場通りの分だけかな」
マツカ 「ぼくで良ければ、代わりに支払いますけれど…」
喜んで出させて頂きます、と御曹司、流石の太っ腹。
マツカ 「皆さんのためになるわけですから、そのくらいは」
ブルー 「いいって、いいって! お金は大切!」
無駄金を払う必要は無い、と生徒会長、右手をヒラヒラ。
ブルー 「ブルーが留守なら、キースは普通に拝むだけだし」
一同 「「「あー…」」」
ただの棚経になるわけか、と一同、納得。
ブルー 「だから問題は全く無いよ。気にしなくても」
シロエ 「会長、いい手を考えましたね!」
もう本当に裏技ですよ、と大感激のシロエ君。
シロエ 「誰かさんも文句は言えませんしね、そうなっても」
マツカ 「留守にした自分が悪いんですしね…」
ブルー 「そういうこと!」
オスのスイカを探してね…、と生徒会長、ニンマリ。
極悪なのかも…?
2018/08/22 (Wed)
☆買い付け中です
スッポンタケの棚経用に、ソルジャーは黒玉スイカの買い付け。
農家へ出掛けてオスのを買おうと、只今、努力中ですけれど…。
ブルー 「よし、ブルーがスイカ畑に到着したよ」
シロエ 「黒玉スイカを選ぶんですね?」
ブルー 「お好きなのをどうぞ、と言われてるトコ」
スイカ畑は広いんだけど…、とサイオンで覗き見中の生徒会長。
ブルー 「オスかメスかは、サイオンじゃどうにもならないし」
スウェナ「じゃあ、どうやって選ぶのよ?」
ブルー 「とにかく大きいのを、端からチェックすると思うよ」
シロエ 「まずは一番大きいスイカを探すんですか…」
この暑い中、ご苦労様です、とシロエ君、言うのは口先だけ。
シロエ 「どうせサイオンでシールドですよね、日光とかは」
ブルー 「そこはブルーだし、当然だよね」
だけどスイカを選ぶのは手作業、と指をパチンと。
ブルー 「生中継でどうぞ! これが今のブルー!」
一同 「「「おおっ!」」」
サイオン中継の画面が出現、大喜びの御一同様。
シロエ 「うわぁ、本当に暑そうですねえ、思いっ切り」
マツカ 「農家の人は汗だくですね」
スウェナ「でもって、誰かさんは…」
スイカ探しに燃えているわね、とスウェナちゃんの呆れ顔。
スウェナ「迷ってるみたいね、どれが一番大きいか」
シロエ 「どれも立派なスイカですしね」
Aブルー『うーん、悩むなぁ…。やっぱり、コレかな?』
これでお願いしようかな、とソルジャーが選んだ黒玉スイカ。
Aブルー『すみませーん! コレ、どうかな?』
農家の人『はいはい、こちらのスイカですね』
お待ち下さい、と屈んで、スイカを拳で軽くコッツン。
農家の人『いいと思いますよ、身が詰まっていて、甘みの方も』
Aブルー『食べ頃のスイカということかな?』
農家の人『そうですね。直売所向けに取ってある分です』
Aブルー『なるほど。棚経用にも良さそうだね』
今日だもんね、と喜ぶソルジャー。
トントン拍子なのでは…?
2018/08/23 (Thu)
☆オスのをよろしく
スッポンタケの棚経用にと、スイカを買い付け中のソルジャー。
黒玉スイカを栽培している農家に出掛けて、畑でスイカ選び。
農家の人『棚経用にお求めでしたか。だったら、お値段は…』
Aブルー『もしかして、サービス価格にしてくれるのかい?』
農家の人『ええ。ご先祖様を大切になさるのは、いいことです』
半額にさせて頂きますよ、と農家の人の素敵な笑顔。
シロエ 「ちょ、ちょっと…! 割引価格だそうですよ?」
スウェナ「ご先祖様とは違うじゃないの、スッポンタケは!」
マツカ 「伝えたくても、この状況では無理ですしね…」
サイオン中継なんか、普通の人には言えませんよ、と御曹司。
マツカ 「あの様子じゃ、じきに戻って来ますよ、此処に」
シロエ 「そうですよね…。半額で黒玉スイカを買って」
ブルー 「大丈夫! まだ、これからが問題だから!」
慌てるには早い、と生徒会長が指差す中継画面。
Aブルー『このスイカが気に入ったけど…。これはオスかな?』
農家の人『はあ?』
Aブルー『そこが大事な所なんだよ、オスかメスかが!』
ぼくが欲しいのはオスのスイカで…、とソルジャー、真剣。
Aブルー『メスのスイカじゃ、意味が無いしね…。どっち?』
農家の人『つまり、スイカの性別ですか?』
Aブルー『そう、そう!』
スイカのプロなら分かるよね、と期待に輝く瞳。
Aブルー『オスじゃないなら、別のスイカを探さなくっちゃ!』
農家の人『そのために、いらしたんですか?』
Aブルー『プロの農家にしか分からない、って聞いたしね!』
だからよろしく、と深々と下げている頭。
Aブルー『半額サービスも嬉しいけれど、まずオスのスイカ!』
農家の人『オスですか…』
スイカ栽培は長いんですが…、と農家の人。
農家の人『オスかメスかを調べてくれ、と仰るんですね?』
Aブルー『うん、買いたいのはオスのスイカだからね!』
早く調べて、とニコニコニコ。
そもそも、スイカに性別、無いんですけどね…?
2018/08/24 (Fri)
☆プロの商才
スッポンタケの棚経のために、農家に出掛けているソルジャー。
お目当てはオスの黒玉スイカで、炎天下の畑に出てまして…。
Aブルー『お店でスイカを買ったんだけど、オスかどうかが…』
農家の人『分からなかったわけですね? それで、こちらへ』
Aブルー『そうなんだよ! 農家の人なら分かるから、って!』
コツンと叩けば分かるんだよね、と頭から信じ込んでいる人。
Aブルー『これがオスなら買って帰るし、メスだったら…』
農家の人『別のスイカをお求めになる、と…』
Aブルー『うん。出来れば大きいスイカがいいけど』
この際、贅沢は言わないからさ…、と謙虚な姿勢。
Aブルー『小さめのスイカでも、オスならオッケー!』
農家の人『オスですか…。わざわざお越しになったんですし…』
此処は熟練の技の見せ所ですね、とスイカを見詰める農家の人。
農家の人『お待ち下さい、すぐに確認しますので』
Aブルー『ありがとう!』
一同 「「「ええっ!?」」」
スイカに性別は無かったのでは、と一同、ビックリ仰天。
シロエ 「確かめるって言ってますけど、どういうことです?」
マツカ 「雄花とか雌花なら分かりますけど、実の方ですよ?」
ブルー 「うーん…。商才に溢れた人だったかも…」
スイカ販売の腕もプロかも、と生徒会長が眺める画面。
ブルー 「出荷用と、直売用とを分けるほどだしね…」
シロエ 「まさか、オスだとデッチ上げる気なんでしょうか?」
ブルー 「その可能性が高いよ、これは」
スイカは売れてなんぼだから、と生徒会長、深い溜息。
ブルー 「ヤバいかもねえ…」
シロエ 「そ、そんな…」
困惑する御一同様を他所に、スイカ畑では…。
農家の人『此処を叩けば分かるんですよ。オスかどうかが』
Aブルー『本当かい? それで、このスイカは?』
農家の人『もう間違いなく、オスですね』
Aブルー『じゃあ、これを貰うよ!』
半額サービスだったっけね、と喜ぶソルジャー。
オスをゲットですか!?
2018/08/25 (Sat)
☆スイカをゲット
スッポンタケの棚経のために、農家にお出掛けしたソルジャー。
オスの黒玉スイカがお目当てですけど、凄腕なのが農家の人で。
農家の人『どうぞ、半額でお持ち下さい。ご先祖様のために』
Aブルー『ありがとう! 此処まで来て良かったよ!』
農家の人『いえ、こちらこそ。お役に立てて何よりです』
こちらのスイカで良かったですね、とハサミで茎をチョッキン。
農家の人『お持ち帰り用の網に入れますから、家の方へどうぞ』
Aブルー『網もサービス?』
農家の人『もちろんですよ。余計なお金は頂きません』
冷たいお茶も飲んで行って下さい、と至れり尽くせり。
シロエ 「ど、どうなってるんですか、コレ…!」
ブルー 「農家の人のスキルが高すぎたんだよ、ブルーの勝ち」
スウェナ「ちょっと、勝ちって、どういうことよ!」
ブルー 「めでたくオスのスイカをゲットで、意気揚々とさ…」
此処に帰って来るんだよ、と生徒会長、ブツブツブツ。
ブルー 「もう絶対に、間に合わないと思ったのに…」
シロエ 「キース先輩が来る時間までは、余裕ですよ!」
マツカ 「そうですね…。農家でお茶を御馳走になっても…」
スウェナ「お釣りが来るわよ、時間ってヤツに!」
何が半額で、何が冷たいお茶のサービスよ、とキレそうな人。
スウェナ「炎天下で農家を回りまくって、コケればいいのに!」
ブルー 「ぼくもコケると信じていたから、あのアイデアを…」
ぶつけたのに、と生徒会長が嘆いている誤算。
ブルー 「一軒くらいは、もしかして、とも考えたけど…」
シロエ 「その一軒に当たったんですね、初っ端で!」
あの迷惑な誰かさんは…、とシロエ君も頭を抱えてますけど。
農家の人『ご苦労様でした、いい棚経になりますように』
Aブルー『こちらこそ! お茶も美味しかったよ』
農家の人『スイカを育てた自慢の井戸水ですからね』
Aブルー『本当に感謝、このスイカにもね!』
どうも、とソルジャー、深々とお辞儀。
買い付け、終了…。
2018/08/26 (Sun)
☆買って来ました
スッポンタケの棚経用にと、スイカを買いに行ったソルジャー。
オスのスイカなど無いというのに、農家の人の機転でゲットで。
シロエ 「どうするんですか、買えちゃいましたよ!」
マツカ 「意気揚々と戻って来ますよね、じきに…」
スウェナ「私たちが何をしたって言うのよ、またババだわよ!」
ナイスアイデアだと思ったのに、と騒ぐ間に、揺れた空間。
Aブルー「ただいまーっ! 立派なオスのスイカが買えたよ!」
ブルー 「そうなんだ…。帰りも早かったよね」
Aブルー「行った農家が大当たりでさ、美味しいお茶まで!」
しかもスイカは半額なんだよ、と得意そうに抱える黒玉スイカ。
Aブルー「店で買ったのより大きいし…。それにオスだし!」
ブルー 「それで、どうするって?」
Aブルー「もちろん、棚経の準備の仕上げだってば!」
祭壇の用意は出来ているしね、と卒塔婆を手に取りまして…。
Aブルー「ちゃんと網にも入れてくれたし、固定してくれる?」
一同 「「「は?」」」
Aブルー「卒塔婆を刺しても倒れないように、きちんと重石!」
網の端を押さえるモノを置いてよ、と注文が。
Aブルー「なんと言ってもスイカは丸いし、転がるからね」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ お漬物用の重石でいいよね!」
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
それに比べて君たちときたら…、と冷たい視線が。
Aブルー「突っ立っていないで、ぶるぅを手伝う!」
シロエ 「なんで、ぼくたちまで巻き込むんです!」
Aブルー「棚経は、とても大切だから!」
農家の人も言っていたしね、とニコニコニッコリ。
ぶるぅ 「はい、重石! シロエはそっちに置いてくれる?」
シロエ 「え、えっと…?」
ぶるぅ 「マツカはこっちで、ぼくが此処! これでいいかな」
Aブルー「うん、いい感じ! 後は卒塔婆を奥までズンズン!」
一同 「「「うわー…」」」
ソルジャーが構えている卒塔婆。
スイカにグッサリ刺すつもりですね…?
2018/08/27 (Mon)
☆割れるかもです
スッポンタケの棚経のために、スイカを買って来たソルジャー。
念願の黒玉スイカのオスで、それに卒塔婆を突き刺すつもり。
Aブルー「重石も置いたし、これでオッケー! 行くよ!」
ブルー 「ちょっと待った!」
大事なスイカが割れてもいいのか、と生徒会長の「待った」。
Aブルー「えっ、割れるって…。大丈夫だよ、前にもやったし」
ブルー 「それは知ってるけど、今度は黒玉スイカだからね…」
卒塔婆を刺したら割れてしまうかも、と真面目な表情。
Aブルー「どうして、そういうことになるのさ?」
ブルー 「普通のスイカとは違うからだよ、実の性質が」
皮の色が違うみたいにね、と指差すスイカの真っ黒な皮。
ブルー 「スイカ割りじゃないけど、割れやすいトコが」
Aブルー「でも…。ぼくはスイカを叩くわけじゃないし」
卒塔婆を刺そうとしてるだけだよ、と言ってますけど。
ブルー 「そこが問題! 石とかの目って、知ってるかい?」
Aブルー「なんだい、それは?」
ブルー 「プロの石工が石を割る時は、目を狙うんだよ」
割れやすい場所があるんだよね、という説明。
ブルー 「一番硬いダイヤモンドでも、金槌で叩けば…」
シロエ 「ああ、知ってます! 割れる場合があるそうですね」
ブルー 「うん。黒玉スイカはダイヤじゃないけど…」
包丁を入れる場所によっては、パッカンと…、と生徒会長。
ブルー 「こんなに簡単に切れていいのか、っていう勢いで!」
Aブルー「じゃ、じゃあ…。下手に卒塔婆を突き刺したら…」
ブルー 「木っ端微塵とはいかなくっても、真っ二つとか」
割れるリスクが高いかもね、と黒玉スイカをまじまじと。
ブルー 「リスクを覚悟でやるんだったら、止めないけどさ」
Aブルー「そ、そんな…。割れてしまったら、元も子も…」
ブルー 「無いだろうねえ、夫婦和合どころか、破局だよね」
シロエ 「そうなりますよね…」
DVで離婚ってトコでしょうか、とシロエ君も。
割れるんですしね?
2018/08/28 (Tue)
☆割れるのが嫌なら
スッポンタケの棚経用に、ソルジャーが買って来た黒玉スイカ。
卒塔婆を刺そうとしてるんですけど、割れる恐れがあるとかで。
Aブルー「割れたら破局って、じゃあ、このスイカは…」
ブルー 「卒塔婆は刺さずに、供えておくのが吉だろうね」
割れてからでは手遅れだから…、と生徒会長、大真面目な顔。
ブルー 「DVで離婚なスイカになったら、御利益どころか…」
シロエ 「逆効果にしかならないでしょうね、どう考えても」
Aブルー「それは困るよ、ハーレイと破局になるなんて!」
あの世まで別れるつもりは無いし、とソルジャー、真っ青。
Aブルー「なんで最初から言ってくれないのさ、その話!」
ブルー 「たまには苦労もいいかと思って…。農家で買い付け」
Aブルー「その前は、ちゃんと店に行ったよ!」
ブルー 「キースたちは今も棚経中だよ、それに比べれば…」
大した苦労じゃない筈だよね、と突き放し。
ブルー 「とにかく卒塔婆は諦めた方がいいと思うよ」
Aブルー「だったら、普通のスイカを買って…!」
ブルー 「間に合わないよ、じきにキースが来る時間だから」
Aブルー「そ、そんな…!」
あんまりすぎる、とソルジャー、パニックですけど。
シロエ 「黒玉スイカが割れやすいとは、知りませんでしたね」
マツカ 「ぼくもです。まあ、割れなくて良かったですよ」
スウェナ「割れてたら今頃、大惨事だわよ」
ブルーが博識で良かったわね、とスウェナちゃんが言った所で。
ブルー 『ホントに割れるわけないだろう?』
一同 「「「ええっ!?」」」
ブルー 『シーッ!』
誰かさんには聞こえていないけどね、と生徒会長の思念が。
ブルー 『嘘八百だよ、ブルーは恐慌状態だけどさ』
シロエ 『大丈夫なんですか、そんな大嘘…?』
ブルー 『棚経さえ無事に終わってくれれば、それでオッケー』
シロエ 『極悪ですね…』
ブルー 『嘘も方便!』
覆水盆に返らずなんだよ、とシャアシャアと。
凄い悪知恵…。
2018/08/29 (Wed)
☆時間切れです
スッポンタケの棚経用にと、ソルジャーが用意した黒玉スイカ。
卒塔婆を突き刺すつもりだったのに、割れる恐れがあると判明。
Aブルー「ぼ、ぼくの大事なオスのスイカが…!」
ブルー 「潔く諦めて、サッサと座る! キースが来るから!」
Aブルー「だけどオブジェが無いんだよ! スイカと卒塔婆の」
ブルー 「卒塔婆は本来、そういうモノとは違うから!」
お盆にお墓に供えるものだ、と銀青様。
ブルー 「スッポンタケにはお墓が無いから、キースがさ…」
シロエ 「後でお焚き上げするんですよね、コソコソと」
他の卒塔婆の中に混ぜて…、とシロエ君が語る舞台裏。
シロエ 「アドス和尚にバレないように、こう、自主的に…」
ブルー 「うん。暑い中では大変だろう、って代わるんだよね」
お焚き上げはアドス和尚の管轄だしね、と銀青様も。
ブルー 「キースも苦労をしているんだよ。棚経以外にも」
Aブルー「で、でも…。せっかくスイカを買って来たのに…!」
無駄骨だなんて、と嘆く所へチャイムの音がピンポーンと。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ キースとジョミーが来たよ!」
キース 「邪魔するぞ。しかし今年は、迎えは無しか」
ジョミー「いつもだったら、瞬間移動でショートカットなのに」
Aブルー「ご、ごめん…!」
忙しかったから忘れてたよ、と慌てるソルジャー。
Aブルー「次のトコへは送るから! ちゃんと!」
キース 「当然だな。あんたのお蔭で余計な距離を走らされた」
ジョミー「外は思いっ切り暑いのにね」
ホントに酷い、とジョミー君からも文句が。
ジョミー「涼しい所で待ってたくせに、忘れないでよ!」
キース 「まったくだ。では、始めるぞ」
おい、とジョミー君に促す蝋燭とお線香の準備。
ジョミー「準備オッケー!」
キース 「よし。みんな、きちんと座っているな」
一同 「「「はーい!」」」
Aブルー「じ、時間切れ…」
何も準備が出来なかった、と呆然ですけど。
お膳も花とかも完璧ですよね?
2018/08/30 (Thu)
☆無事に終わりました
スッポンタケの棚経用にと、黒玉スイカを用意したソルジャー。
けれどオブジェは作れないまま、キース君が来て棚経スタート。
キース 「のうまく さらば たたぎゃた、ばろきてぃ…」
Aブルー「は、始まっちゃった…!」
ブルー 「シーッ!」
静かにしたまえ、と銀青様の睨み。
Aブルー「でも、こんなのじゃ御利益が…!」
キース 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」
とても短いのが、棚経仕様のお経というヤツでございまして。
キース 「はい、皆さん、よくお参りでございました」
一同 「「「ご苦労様でーす!」」」
ブルー 「ほら、早くキースにお布施を渡す!」
次に行かなきゃ駄目なんだからね、と急かす人。
Aブルー「え、えっと…。何も無かったし、割引とかは?」
キース 「あんた、阿弥陀様を馬鹿にしてるのか?」
なんて態度だ、と副住職が吊り上げる眉。
キース 「そういうことなら、今の読経を取り消すが」
Aブルー「それは困るよ、だけど高すぎ…!」
キース 「だそうです、阿弥陀様。のうまく しっちりや…」
ブルー 「うん、始まったね、取り消しの陀羅尼」
唱え終わったら全てがパアに、と銀青様。
キース 「じびきゃなん、たたぎゃたなん、あんびらじ…」
Aブルー「す、ストップ! ちゃんと支払うから!」
勘弁してよ、とソルジャーが差し出す分厚い熨斗袋。
キース 「分かったようだな。ついでに瞬間移動も頼むぞ」
Aブルー「次の家までだよね、ジョミーとセットで」
キース 「俺たちが乗って来た自転車もな!」
失礼するぞ、とお布施を受け取り、次の家へと出発で…。
Aブルー「どうしてこういうことになるのさ、酷すぎるよ!」
ブルー 「これが本来の棚経だからね、何も問題なし!」
シロエ 「今年は平和に終わりましたね、良かったですよ」
Aブルー「良くないってば、ぼくの努力が…!」
オスのスイカも報われないよ、と絶叫していますけど。
今月、これにて中継終了~。
2018/08/31 (Fri)