☆機転が利く人
さて、10月。厳しかった残暑も終わって、爽やかな秋。
生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、食欲の秋の真っ最中で。
ジョミー「うん、美味しい! ぶるぅの料理はホントに最高!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ これからが御飯の美味しい季節!」
みんな夏バテにサヨナラだもん、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「どんどん食べてね、おかわりも沢山作ったから!」
スウェナ「デザートも期待していいのよね?」
ぶるぅ 「もっちろ~ん! おやつも、それに晩御飯も!」
一同 「「「やったー!!!」」」
晩御飯も期待、と上がる歓声。
シロエ 「いいですよねえ、食欲の秋!」
サム 「もう今月は法要もねえし、食い放題だよな!」
マツカ 「法要でも、美味しく食べましたけどね」
秋のお彼岸、と御曹司の笑み。
マツカ 「誰かさんだけ、ションボリ沈んでましたけど…」
シロエ 「すぐ立ち直ったじゃないですか、逞しく」
キース 「俺が機転を利かせたからだぞ、最後の最後で」
一応、戒名を読み上げてやった、と副住職。
キース 「ギャーギャーうるさかったからなあ、あの馬鹿が」
ブルー 「まあねえ…。法要がパアになる危機だったからね」
シロエ 「先輩も人が好さすぎですよ」
放置プレイで良かったのに、とシロエ君の溜息。
シロエ 「スッポンタケの戒名なんかを、読まなくっても…」
キース 「それはそうだが、絶対、後で恨まれるんだぞ」
サム 「次のお彼岸まで引き摺りそうだぜ」
キース 「だろう? そうならないよう、恩着せがましく…」
勿体を付けて読んでおいた、と立てる親指。
キース 「あの馬鹿が条件を満たしてないのに、タダ働きで」
シロエ 「流石です! そこまで考えていたわけですね?」
キース 「正直、事情はサッパリだったが、空気を読んだ」
ブルー 「なにしろ、号泣していたからねえ…」
キース 「もうダメだ、とな」
あいつが泣くなど前代未聞だ、と副住職。
腐ってもソルジャーですもんねえ?
2018/10/01 (Mon)
☆プロの心意気
生徒会長宅で食欲の秋なシャン学メンバー、話題は秋のお彼岸。
とっくに終わった後ですけれど、ソルジャーの泣きが傑作で…。
キース 「あの馬鹿野郎が大泣きとはな…。たかがキノコで」
ブルー 「ブルーにとっては、ただのキノコじゃないからねえ」
キース 「まあ、そうなんだが…。あそこまでとはな」
この世の終わりのような感じで…、と今も呆れている模様。
キース 「しかも後から理由を聞いたら、もう半端なくて…」
シロエ 「先輩、食事中なんですけど!」
スウェナ「かまわないじゃないの、笑えるんだから」
ジョミー「そうだよ、ぼくも気にしないってば」
ここにキツネはいないもんね、とジョミー君。
ジョミー「それに化かされても、もう肥溜めは絶滅してるし」
サム 「お前なあ…。サラッと言うなよ、その単語を」
マツカ 「タブーな言葉が出ちゃいましたし、解禁ですよね」
遠慮なく語り合いましょう、と御曹司も。
マツカ 「キツネがいたなら、お風呂が怖いんですけれど…」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 化かされて肥溜めだよね!」
ジョミー「そう、そう! ソレが無いから、絶対、安心!」
気にしないで誰かさんをネタにしよう、と突き上げる拳。
ジョミー「探しに行くかと思ったんだけどな、最初の内は」
シロエ 「ぼくも正直、そうでした」
ブルー 「覚悟はしたよね、仕方ないな、と」
なのに空振り、と生徒会長。
ブルー 「妙な所でヘタレだったよ、あっちのブルーは」
キース 「あんただったら、そこでやるのか?」
肥溜めの肥をゲットなのか、とキース君の問い。
キース 「なりふりかまわず探し出して来て、供えるとか?」
ブルー 「当たり前だよ、ぼくはプロなんだから!」
お供え物のためなら自分を捨てる、と銀青様。
ブルー 「それも出来ないようではねえ…」
キース 「銀青の名が泣くわけだな?」
ブルー 「もう間違いなく、号泣だよね」
お彼岸の時のブルー並みに、とキッパリと。
流石ですよねえ…?
2018/10/02 (Tue)
☆お供えの真髄
生徒会長宅に集ったシャン学メンバー、話のネタはソルジャー。
お彼岸に肥を供えられずに、号泣していたヘタレなわけで…。
ブルー 「お供えのためには命も捨てるのが、仏道なんだよ」
キース 「まったくだ。実践するかどうかはともかく」
シロエ 「そうなんですか?」
ブルー 「うん。有名な話があるからねえ…。お供えは自分」
一同 「「「へ?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
シロエ 「自分を供えるって、どういう意味です?」
ブルー 「そのまんまだよ、自分の丸焼き」
一同 「「「丸焼き!?」」」
ブルー 「ウサギだったからね。お釈迦様の前世の話なんだよ」
ずっと昔のことなんだけど…、と生徒会長、神妙な顔。
ブルー 「ウサギのお釈迦様が、飢えた聖者に出会ってさ…」
キース 「焚火の中にダイブするんだ、食べて貰おうと」
一同 「「「うわー…」」」
なんという、と誰もが仰天。
スウェナ「それでウサギはどうなったのよ?」
ブルー 「こんがり綺麗に丸焼きになって、食べられたわけ」
キース 「すると空から花びらが降り注いでだな…」
ブルー 「聖者は更なる悟りを開いたと、お経にあるんだ」
そのくらいの自己犠牲の精神が大事、と生徒会長。
ブルー 「丸焼きに比べれば、肥を持ってくるくらいはねえ…」
キース 「お安い御用と言いたいわけだな、あんたの場合」
ブルー 「みんなが許してくれるんだったら、何杯でも!」
肥汲み用の桶で貰って来るよ、と溢れる自信。
ブルー 「ぼくなら、そこまで出来るんだけど…」
キース 「あの馬鹿野郎はコケたんだな」
おんおん泣き喚いてやがっただけで…、と副住職の深い溜息。
キース 「ソルジャーの名が泣くと思うんだがな」
シロエ 「男がすたるというものですよ」
ブルー 「プライドが無いと言うべきか…」
ジョミー「恥なら無いと思うんだけど」
ブルー 「うーん…」
言われてみれば…、と唸る生徒会長。
正しい指摘ですよね?
2018/10/03 (Wed)
☆評価が変わります
生徒会長宅で昼食中のシャン学メンバー、話題はソルジャー。
お彼岸の法要で泣き喚いたわけで、情けない話なんですけれど。
ジョミー「プライドはともかく、恥は無いと思うよ、絶対に」
ブルー 「確かにねえ…。ブルーの場合は、全く無いね」
キース 「あの馬鹿野郎に恥じらいがあったら、もっと平和だ」
一同 「「「うーん…」」」
ごもっとも、と誰もが頷かざるを得ない現状。
シロエ 「スッポンタケの法要なんかも、無いでしょうしね…」
スウェナ「節分に変な祈願をされることも無いわよ」
ジョミー「ね? だからさ、恥は気にしないんだよ」
マツカ 「かき捨てというヤツなんですね…」
プライドは高い気もするんですけど、と御曹司も。
マツカ 「プライドが邪魔をしたんでしょうか? 肥は」
ブルー 「どうなんだか…。プライドの方も微妙だしねえ…」
キース 「ブン投げてやがる時もあるしな、プライドを」
ブルー 「だからこそ、許せないんだけどね」
あそこで肥を持って来なかったのが…、と生徒会長、ブツブツ。
ブルー 「持って来てれば、少しは見直したのに」
シロエ 「見直すんですか!?」
ブルー 「後で笑いのネタにはするけど、根性だけはね」
そこまで命を懸けているなら仕方ない、という話。
ブルー 「何かといえば法要にしても、付き合う程度に」
キース 「それは言えるな、迷惑ではあるが」
毎回、お供えが肥というのも酷いんだが…、と副住職。
キース 「だが、法要にかける根性は認めてやってもいい」
サム 「だよなあ、肥の持ち込みだしよ…」
ゲットするのも大変そうだぜ、とサム君も肥の評価は高め。
サム 「この国にはねえし、他所の国でもよ…」
シロエ 「大都会だと絶滅してそうですよね」
ブルー 「ド田舎にしか無いだろうねえ、あんな代物」
ジョミー「それを探して来てこそだよね?」
ブルー 「そういうこと!」
法要の施主に相応しく…、と言ってますけど。
コケたんですよね…?
2018/10/04 (Thu)
☆お供え物の常識
生徒会長宅に集うシャン学メンバー、迷惑なソルジャーが話題。
お彼岸の法要でゲットし損ねた肥、それが酷いという展開で…。
ブルー 「法要のお施主様というのは、こう、色々と…」
キース 「気配りをして然るべきなんだ」
シロエ 「事前に、ですね…?」
キース 「ああ。寺へはもちろん、来て下さる方にもだな」
あらかじめ挨拶に行っておくのが常識、と副住職の渋面。
キース 「だが、あの野郎は挨拶なんかはスルーだし…」
スウェナ「一方的に頼まれるだけで、私たちの都合は無視よね」
サム 「キースの都合も無視してねえか?」
ジョミー「うん。毎回、強引に決めちゃってるよね…」
気配りも何も…、とジョミー君も。
ジョミー「ああいう態度じゃダメなんだ?」
ブルー 「決まってるじゃないか。基本からメチャクチャ」
キース 「あいつが檀家さんだったら、親父と大喧嘩だな」
でもって破門だ、と吐き捨てるように。
キース 「なのに俺の場合は、それも出来んし…」
ブルー 「君が戒名をつけたからだよ、そこの所は」
キース 「分かっている。だから文句は言えないんだが…」
ブルー 「気配りの件は、注意したくもなるポイントで…」
今回、意地悪してやった、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「仏様が喜ぶお供え物を用意するのは、大切だしね」
マツカ 「それは法要でなくても言えることですよね」
シロエ 「毎日のお供えというヤツですか?」
ぼくの家にはお仏壇が無いんですけれど…、とシロエ君の問い。
マツカ 「ええ。好物を頂いた時は、真っ先にお仏壇ですよ」
シロエ 「そうなんですか…」
マツカ 「仏様が先です、それから人間が頂きますね」
お仏壇があれば…、と御曹司。
マツカ 「普段でも、そんな具合ですから…」
ブルー 「法要の時には、心をこめてお供えを用意しないとね」
ジョミー「仏様の好物を?」
キース 「季節が合えばな」
旬でなければ仕方ないが…、と副住職の答え。
明快ですね…?
2018/10/05 (Fri)
☆喜ばれるお供え
先月のお彼岸の法要の件で、ダメダメなのがソルジャーの態度。
スッポンタケが喜ぶ肥を用意しなかったことが、問題で…。
キース 「真冬にタケノコを用意しろとは言わないんだが…」
ブルー 「春なら用意するべきなんだよ、仏様の好物の時は」
お施主様に誠意があるんだったら…、と銀青様のお言葉。
ブルー 「お寺でやるから、お膳はお任せという形だとさ…」
キース 「法要の後の宴会の席で、タケノコを出すのが常識だ」
シロエ 「そこまでですか?」
ブルー 「心のこもった、いい法要にしたいのならね」
そして故人を偲ぶわけだよ、という話。
ブルー 「だから応用も利くわけで…。精進でなくても宴会で」
キース 「故人の好物でしたから、と魚なんかを出すんだ」
スウェナ「それが法要の基本なわけね?」
ブルー 「形だけでいいなら、この逆で全くかまわないけど…」
キース 「仏様に喜んで貰いたいなら、このコースだな」
もちろん宴会では仏様用のお膳も用意するものだ、と副住職。
キース 「それなのに、あの馬鹿野郎と来たら…」
ブルー 「用意しようとさえしなかったしねえ、肝心の肥を」
ジョミー「つまり、話になってないわけ?」
ブルー 「最低最悪としか言いようがないね」
仏様への敬意も何も…、と生徒会長、ブツブツブツ。
ブルー 「誰が聞いても、そう言うと思うよ、プロの坊主なら」
キース 「まったくだ。お供えが何かは、別の話で」
肥を供えるなど、普通には有り得ないからな、と苦い顔。
キース 「しかし相手はスッポンタケだし、肥が供養だ」
ブルー 「そう教えたのに、ギャーギャー泣き喚くだけで…」
あれじゃ話になりやしない、とお手上げのポーズ。
ブルー 「まあ、これから先も肥の用意はしそうにないし…」
キース 「その点については安心なんだが、釈然とせんな」
シロエ 「やっぱり肥は必須でしたか…」
ブルー 「あの流れならね」
喜んで用意するべきだった、と言ってますけど。
肥ですしね…?
2018/10/06 (Sat)
☆ダブルは勘弁
先月のスッポンタケの法要、ソルジャーが用意すべきだった肥。
お供えとしてはアレなモノでも、供養のためには必須アイテム。
シロエ 「肥を用意しなかったのが、とても問題なわけですね」
キース 「ああいう態度でいいというなら、俺の方でも…」
ブルー 「マニュアル通りに扱っておけば充分なんだよ」
お施主様にその気が無いんだからさ、と生徒会長。
ブルー 「今までの熱意は何処へやらだし、喚かれてもねえ…」
ジョミー「悪いのは、あの迷惑な人ってこと?」
ブルー 「もう間違いなくそうなんだけど…」
サム 「あの日のキースは、神対応というヤツだったぜ」
戒名だけでも最後に追加したんだからよ、とサム君の言。
サム 「スルーで終わっても、かまわねえのに…」
スウェナ「そうよね、キースもお人好しだわよ」
マツカ 「放置しないで、ちゃんと拝んだわけですしね…」
素晴らしすぎです、と御曹司も。
マツカ 「お坊さんなら、そうあるべきだということですか?」
キース 「それもあるがだ、今後のための保険だな」
一同 「「「保険?」」」
キース 「恩を売るだけ無駄な相手だが、それでも一応…」
売らないよりは売る方がマシだ、と副住職。
キース 「自分のことは棚上げするのが、あの馬鹿だしな」
シロエ 「逆恨み回避対策ですか?」
キース 「身も蓋も無い言い方をすれば、それで正解だ」
次の法要で二回分を、とゴネられそうで…、とフウと溜息。
キース 「法要のダブルは、流石に御免だな」
ブルー 「許されるのは、繰り上げ初七日とかまでだよね」
一同 「「「繰り上げ初七日?」」」
なんだソレは、と顔を見合わせる御一同様。
キース 「知らんのか? 葬式の続きに初七日をするんだ」
シロエ 「えっと…? 七日経った、と数えるんですか?」
ブルー 「うん。仕方ない時は、四十九日までならオッケー」
一同 「「「四十九日!?」」」
いくらなんでも凄すぎないか、と誰もが仰天。
許されると…?
2018/10/07 (Sun)
☆繰り上げの限界
秋のお彼岸にやったスッポンタケの法要、ソルジャーが大泣き。
危うく法要が出来ない所を、神対応をしたのがキース君で…。
シロエ 「あのですね…。四十九日って、四十九日ですよね?」
キース 「満中陰だな、忌明けと呼ぶ方が一般的か」
シロエ 「やっぱり…。忌明けだったら、仏様は、そこで…」
キース 「お浄土に到着ということになるが」
目安としては…、と副住職。
キース 「最後の裁判が開かれる日で、終わればお浄土だな」
ブルー 「ぼくたちの宗派だと、その考え方は無いんだけどね」
シロエ 「どういうことです?」
ブルー 「お念仏さえ唱えていれば、必ず極楽往生だから」
裁判を受ける意味が無いんだ、と銀青様の解説。
ブルー 「だから代わりに待期期間ということで…」
一同 「「「待期期間?」」」
ブルー 「お浄土で必要な知識を教わる、修行期間だよ」
キース 「この世で修行を終えていたなら、修行は要らん」
二十五菩薩や阿弥陀様のご来迎で、そのまま往生、という話。
キース 「だが、そこまでの人は滅多にいないし…」
ブルー 「四十九日の間、修行を積んでお浄土行きだね」
スウェナ「それじゃ、お葬式の日に四十九日って、何なのよ?」
ブルー 「もう思いっ切り、ショートカット!」
本来、有り得ないスピードだよね、と生徒会長。
ブルー 「だけど世の中、どんどん忙しい人が増えるし…」
キース 「法要の度に集まれないから、四十九日までは…」
ブルー 「繰り上げを認める形になってるんだよ」
一同 「「「うーん…」」」
なんだかスゴイ、と誰もがポカーン。
シロエ 「それが通るんなら、法要のダブルも出来そうですね」
ブルー 「素人さんはそう思うだろうけど、そこまでは無理!」
キース 「別途、日を設けないと、ダブルでは出来ん」
シロエ 「決行したら、どうなるんです?」
キース 「阿弥陀様に対して、失礼にあたる」
俺は絶対に御免だからな、と副住職、ブルブル。
そりゃそうですね?
2018/10/08 (Mon)
☆ダブルはダメです
スッポンタケの法要がコケる所を、神対応をしたのがキース君。
法要をダブルで頼まれるよりは、済ませた方がマシなんだとか。
キース 「あの馬鹿野郎は言いかねないしな、法要のダブルを」
サム 「だよなあ、自分のことしか考えていねえしよ…」
キース 「そうだろう? あのままで終わるわけがないんだ」
次のお彼岸で取り戻そうとするな、と副住職が振っている首。
キース 「お中日は年に2回しか無いし、ダブルで来るぞ」
シロエ 「他の日だと意味が無いからですね?」
キース 「ああ。あの馬鹿も、それは承知の筈だ」
仏教の知識はサッパリだがな、とブツブツブツ。
キース 「それでも、有難い日だけは把握していやがるし…」
ジョミー「別の日に法要をやり直すよりは、ダブルなんだね?」
キース 「間違いなく、春のお彼岸の時にリベンジだな」
それだけは勘弁願いたい、とキース君、合掌。
キース 「そうなるよりかは、あそこで戒名を読む方がマシだ」
ブルー 「お中日の法要をダブルだなんて、阿弥陀様もねえ…」
シロエ 「お困りになるってことですか?」
ブルー 「うん。お優しいから、仏罰は無いだろうけど…」
失礼すぎる話だしね、と銀青様も。
ブルー 「しかも一介の仏様の都合で、ダブルは最悪」
サム 「院殿号を持ってやがっても、キノコじゃなあ…」
キース 「俺の失敗まで、阿弥陀様にお詫びしないとならん」
院殿号を出したのは俺なんだし…、と副住職の嘆き節。
キース 「お前たちに責められているのに、阿弥陀様にまで…」
シロエ 「仏罰でもいい気がしてきましたよ」
たまに叱られてみたらどうです、とシロエ君。
シロエ 「そうなれば先輩も、もっと反省するでしょうから」
キース 「だが、法要をダブルが大前提だぞ、かまわんのか?」
シロエ 「そ、それは…」
マツカ 「キツイですよね…」
キース 「分かったか!」
俺の機転に感謝しろよ、と威張ってますけど。
そこで威張れる立場ですかねえ?
2018/10/09 (Tue)
☆威張れない立場
お彼岸のスッポンタケの法要、神対応でこなしたのがキース君。
ソレをしないと次の法要がダブルだそうで、誰もが嫌がる展開。
キース 「少しは俺の有難味というのを、噛み締めてくれ」
スウェナ「確かに、法要のダブルは嫌すぎるわよね…」
シロエ 「でもですね…。諸悪の根源は、キース先輩ですよ?」
どう転がっても変わりませんが…、と冷静な指摘。
シロエ 「本当に有難い人材だったら、そうはなりません」
サム 「言えてるよなあ…。院殿号なんか、出さねえしよ」
ジョミー「威張れる立場じゃないと思うよ、キースの場合」
キース 「うっ…」
痛い所を突かれてしまって、グウの音も出ない副住職。
キース 「すまん、調子に乗りすぎた」
シロエ 「分かってるんなら、いいですけどね」
ブルー 「何も間違っていないからねえ、シロエの言い分」
坊主の視点で見てもダメだね、とキッツイ言葉が。
ブルー 「君は軽率すぎたんだよ。手遅れだけどさ」
サム 「どうにもならねえみたいだしなぁ…」
ブルー 「出しちゃったモノは、撤回不可能」
??? 「うん、お蔭様で助かってるよ!」
いつもどうも…、とソルジャー(会話表記はAブルー)登場。
Aブルー「食欲の秋だね、今日の料理も美味しそう!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ いらっしゃい!」
沢山食べてね、と飛び跳ねる「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
Aブルー「ありがとう、ぶるぅはいい子だね!」
キース 「…あんた、今頃、何しに来たんだ?」
Aブルー「もちろん、お彼岸のお礼だよ!」
法要の御利益に心から感謝、と笑顔全開。
Aブルー「ぼくのハーレイも漲りまくりで、性欲の秋!」
ブルー 「やめたまえ!」
下品な物言いは最低だから、と生徒会長が吊り上げる眉。
ブルー 「まだ言いたいなら、サッサと帰る!」
Aブルー「来たトコだから!」
一同 (((嬉しくない、嬉しくない…)))
おまけに誰も呼んでいない、と御一同様の心の声。
無駄ですけどね…。
2018/10/10 (Wed)
☆止まらない喋り
誰も呼んではいないというのに、来てしまったのがソルジャー。
お彼岸のお礼だと言ってますけど、お礼イコール下品な台詞。
Aブルー「キースのお蔭で助かったよ! 心から感謝!」
キース 「もう、そこまででいいからな」
Aブルー「そう言わずに! 本当に、この秋も夫婦円満で…」
ハーレイが毎晩、張り切ってるよ、と止まらない喋り。
Aブルー「だからね、もっと漲るべきだと思うんだよね」
キース 「あんたが思うのは勝手なんだが、喋らなくていい!」
Aブルー「ダメダメ、それじゃSD体制と全く同じだよ」
キース 「どの辺がだ!」
理不尽なことは言っていないぞ、と副住職。
キース 「非人道的な社会システムと一緒にするな!」
Aブルー「でも、同じだし…。言論の自由が無いってトコが」
キース 「その点だったら、俺たちの世界も変わりはない!」
常識に欠ける言葉は除外だ、とキース君の反撃。
キース 「SNSでも炎上するんだ、容赦なく!」
Aブルー「そうらしいけど、その前の発言は自由だろう?」
キース 「やかましい! 自由にも限界はある!」
ツイッターだって、そうなんだからな、と握り締める拳。
キース 「呟いたらアウトな言葉もあるんだ、あの世界は!」
Aブルー「そうなのかい?」
キース 「呟いた途端にアカウント凍結、それが普通だが?」
そのせいで事故も起こるんだがな…、とフウと溜息。
キース 「ブチ殺す、とツイートしたら凍結だから…」
シロエ 「あー、知ってます! 夏にあった事故!」
サム 「蚊に刺されたヤツのツイートだよな?」
スウェナ「有名よね、アレ…」
ブチ殺すのは蚊だったのに…、とスウェナちゃん。
スウェナ「宣言したら凍結されちゃったのよね」
Aブルー「そんな事件があったのかい?」
キース 「監視しているのは機械だからな、融通が利かん」
Aブルー「この世界でも?」
キース 「それが現実だ!」
だから自由に喋りまくるな、と釘ですけれど。
効きますかねえ?
2018/10/11 (Thu)
☆喋りは問題なし
呼んでいないのに出て来たソルジャー、いつもの調子で発言を。
それを止めたいシャン学メンバー、キース君が攻撃の先頭に。
キース 「いいな、自由にも限界はある! 何処の世界でも!」
Aブルー「でもさ…。此処で喋るのは自由だよね?」
キース 「はあ?」
Aブルー「だから、ツイッターとかじゃなくって!」
みんなの前で喋るだけならいいんだろう、と太々しい顔。
Aブルー「アカウントも何も関係ないしね、此処だったら」
キース 「なんだって…?」
Aブルー「炎上だってするわけがないし、問題なし!」
SNSをやってる人がいても平気、とニコニコニッコリ。
Aブルー「ぼくの言葉をウェブに上げたら、アウトだろうけど」
キース 「常に炎上しかねんからな、あんたの台詞は!」
Aブルー「ほらね、ぼくの代わりにアップした人がアウト!」
シロエだろうが、ジョミーだろうが…、と見回すソルジャー。
Aブルー「いくらでもアップしていいからね!」
シロエ 「やりませんから!」
Aブルー「だったら更に問題ないよね、まるで全く!」
困る人なんかいないじゃないか、と料理をパクパク。
Aブルー「それでね、スッポンタケの話なんだけど…」
キース 「誰も聞きたいとは言っていないが!」
Aブルー「社会的にはオッケーだよねえ、この話題」
キノコまでダメとは言わないだろう、と立てる親指。
Aブルー「秋はやっぱり食欲の秋で…」
キース 「やめないか!」
Aブルー「人の喋りを先取りしないでくれたまえ!」
性欲の秋と言う気はないし…、と反撃が。
Aブルー「秋はキノコが美味しいんだよ」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 炊き込み御飯とか!」
キノコ、いいよね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
ぶるぅ 「キノコ料理のリクエストなの?」
Aブルー「まずは材料の調達から!」
一同 「「「ま、まさか…」」」
Aブルー「キノコ狩りに行こうよ、みんなで!」
行楽の秋も最高だよね、と満面の笑顔。
キノコ狩りですか…。
2018/10/12 (Fri)
☆キノコ狩りも色々
行楽の秋はキノコ狩りを、と笑顔で言い出したのがソルジャー。
美味しいキノコ料理のためには、材料からだそうですけど…。
シロエ 「なんで、ぼくたちまで巻き込むんですか!」
Aブルー「巻き込むって…。キノコ狩りの趣味は無いのかい?」
シロエ 「ありませんってば!」
Aブルー「本当に…?」
松茸狩りは嫌いなのかな、という質問。
Aブルー「高いらしいね、確実に採れる松茸狩りは」
キース 「あんたが言うのは、有料の観光松茸山か?」
Aブルー「そう、ソレ、ソレ!」
採った松茸を料理してくれるヤツ、と頷くソルジャー。
Aブルー「山で食べるなら、すき焼きが定番なんだって?」
キース 「そのようだな」
Aブルー「お持ち帰りの分も入れたら、凄く高いんだろう?」
ブルー 「山の手入れが高くつくからだよ、あの手の山は」
人の手が入らない山は荒れてしまうから…、と生徒会長の解説。
ブルー 「木や下草が茂ってしまうと、松茸が出なくなるし…」
シロエ 「そう聞きますね」
ブルー 「観光用の松茸山は、オフシーズンの手入れが大変!」
まるで全く儲からないのに、地味な作業がドッサリと…、と。
ブルー 「下草刈りだの、木の枝打ちだのと、重労働で…」
スウェナ「その分が、松茸のシーズンに上乗せされるのね?」
ブルー 「うん。それに、せっせと手入れしてもさ…」
松茸の出来は気象条件に左右されるよ、と溜息が。
ブルー 「今年は沢山採れそうだ、と思っていても…」
キース 「シーズンの最後まで好調かどうかは、謎だしな」
ブルー 「そうなった時のリスクも含めて、高めになるよね」
ついでにバーゲンになることもない、とキッパリ。
ブルー 「本日で松茸狩りはおしまい、って時でも定価!」
シロエ 「厳しいですねえ…」
Aブルー「そういうキノコ狩りでも、嫌いなのかな?」
シロエ 「そ、それは…」
Aブルー「楽しそうだよね?」
値段が高い松茸狩りは…、とソルジャーの問い。
否定出来ませんね?
2018/10/13 (Sat)
☆太っ腹な招待
行楽の秋はキノコ狩りだ、と言ったソルジャーなんですけれど。
喜ぶ人は皆無な所へ、有料松茸山の話が出て参りまして…。
Aブルー「どうなのかな、高い松茸狩りでも楽しくないと…?」
シロエ 「い、いえ…。ぼくは経験がありませんけど…」
Aブルー「楽しそうだと思うわけだね?」
シロエ 「は、はい…」
お値段の分は楽しめそうです、と頷くしかないシロエ君。
シロエ 「松茸は確実にあるわけですし、すき焼きもついて…」
Aブルー「最高に贅沢なキノコ狩りだよ、有料の観光松茸山は」
今なら開催中なんだよね、とニコニコニッコリ。
Aブルー「食欲の秋で、行楽の秋! みんなでキノコ狩り!」
シロエ 「……ご招待ですか?」
サム 「タダで行けるんなら、キノコ狩りでも話は別だぜ」
ジョミー「だよねえ、観光松茸山!」
それで貸し切りだと、もっといいな、とジョミー君。
ジョミー「その日に採れた松茸は全部、ぼくたちのだとか!」
スウェナ「いいわね、リッチに松茸尽くし!」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ 焼き松茸とか、土瓶蒸しとか!」
もちろん松茸御飯も炊くよ、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も。
Aブルー「じゃあ、決まり! 次の土曜日なんか、どうかな?」
シロエ 「今の所、天気は良さそうですね」
Aブルー「それじゃ、土曜日で…。よろしく、マツカ」
一同 「「「はあ?」」」
なんでそうなる、と一同、目が点。
シロエ 「あ、あのう…。何て言いました?」
Aブルー「マツカによろしく、って! そうだよね、マツカ?」
マツカ 「え、ええ…。松茸山の貸し切りプランですね?」
一番いい山を用意しますよ、と御曹司の笑顔。
マツカ 「予約が入っているお客様は、他に振り分けますから」
Aブルー「ありがとう! 君の家なら確実だと思って…」
マツカ 「任せて下さい、山は幾つもありますので」
シロエ 「奢りじゃなかったんですか!?」
どうしてマツカ先輩なんです、とシロエ君、アタフタ。
そりゃそうですよね…?
2018/10/14 (Sun)
☆ご招待が別物
次の土曜日は観光松茸山へお出掛け、しかも豪華に貸し切りで。
ソルジャーの提案に飛び付いた面々ですけど、妙な展開に。
シロエ 「マツカ先輩にお任せだったら、費用はですね…!」
マツカ 「もちろんタダで来て頂けますよ、ぼくの友達なら」
シロエ 「いえ、そうじゃなくて…!」
その人が払うものだとばかり…、と指差す先にソルジャー。
Aブルー「えっ、だって…。ぼくはイマイチ分かってないしね」
シロエ 「何がですか?」
Aブルー「こっちの世界の仕組みとかが…。観光松茸山も」
申込み先も知らないんだよ、と酷すぎる発言。
シロエ 「なのに言い出したんですか? 行こうって!」
Aブルー「楽しそうだし、きっとスッポンタケも採れるし…」
マツカ 「ぼくは気にしていませんから。皆さんでどうぞ」
両親だって喜びますよ、と人が好すぎるのが御曹司。
マツカ 「帰ったらすぐに手配しますね、最高の山を」
Aブルー「ありがとう! 送迎とかも頼めるのかな?」
マツカ 「瞬間移動でも大丈夫ですし、そこはお好みで」
Aブルー「流石、普通の観光松茸山とは違うね!」
瞬間移動もお咎めなし、とソルジャー、大喜びでして。
Aブルー「じゃあ、来週の土曜日に! またねー!」
キース 「待て、打ち合わせはどうするんだ!」
Aブルー「またブルーにでも連絡するよ!」
ハーレイの時間が空いたみたいで…、と帰るらしい人。
Aブルー「ぶるぅ、料理のテイクアウトをお願い!」
ぶるぅ 「うんっ! 出来てる分は、全部詰めるね!」
Aブルー「多めに頼むよ、ハーレイと青の間に籠るから!」
ぶるぅ 「オッケー!」
キッチンで好きなだけ注文してね、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
Aブルー「ぼくはキッチンから直接帰るよ、時間が惜しいし」
ぶるぅ 「かみお~ん♪ ちょっと行ってくるねー!」
Aブルー「次は観光松茸山でね! それじゃ!」
キース 「マジか…」
どえらいことになったような、と副住職の呟き。
想定外ですね…?
2018/10/15 (Mon)