☆新年が来ました
あけましておめでとうございます。今年も新年は元老寺から。
元旦の朝もまだ暗い内から、響き渡る元気なお子様の声。
ぶるぅ 「かみお~ん♪ あけましておめでとう!」
一同 (((も、もう朝…?)))
ぶるぅ 「起床、起床ーっ!!!」
早く起きてね、と廊下を跳ねてゆく「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
シロエ 「ね、眠いです…。昨夜は思い切り凍えたのに…」
サム 「続きに修正会だったもんなあ、毎度のパターンで」
ジョミー「椅子席が貰えないのも、お約束だよね…」
あれで疲労がドッと来てさ、とブツブツブツ。
ジョミー「除夜の鐘を撞けたの、本当に1時前だったしさ…」
マツカ 「雪も普通に降ってましたし、寒かったですよ」
キース 「おい、貴様たち!」
元日からサボるつもりなのか、と副住職が襖をガラリと。
キース 「初日の出を皆で拝まん限りは、おせちも無いぞ!」
一同 「「「はーい…」」」
これも毎度のお約束だ、と仕方なく向かう山門の所。
アドス 「おお、皆さん、お揃いでお越しになりましたな」
イライザ「さあさあ、並んで下さいね」
アドス 「よろしいですな? 二礼二拍手一礼ですぞ」
では、と皆で昇ってくる初日に向かってパンパン柏手。
アドス 「本年もよろしくお願い申し上げます…!」
一同 「「「どうぞよろしく…!」」」
ハハーッとお辞儀で、迎えた朝日。
アドス 「では、庫裏の方へどうぞ」
イライザ「お雑煮も、おせちもありますからね」
ぶるぅ 「わぁーい!!!」
御馳走、御馳走、と「そるじゃぁ・ぶるぅ」も駆け込む庫裏。
アドス 「それでは、此処で改めまして新年のご挨拶を…」
キース 「親父、法話はお断りだぞ」
親父の話は長いからな、と副住職、ピシャリ。
アドス 「これは失礼…。あけましておめでとうございます」
一同 「「「おめでとうございます!」」」
イライザ「さあ、皆さん…」
お雑煮からどうぞ、と配られるお椀。
新年おめでとうございます!
2019/01/01 (Tue)
☆元日からピンチ
今年も元老寺で元旦を迎えた、シャン学メンバー。
初日の出を拝んだ後は庫裏でお雑煮、おせち料理もたっぷり。
イライザ「お雑煮は、おかわりもありますからね」
アドス 「どうぞ遠慮なく召し上がって下さい」
一同 「「「ありがとうございまーす!」」」
いっただっきまーす、と一同、お雑煮をパクパク。
ぶるぅ 「んとんと、おせちも貰っていい?」
イライザ「ええ、お好きなだけどうぞ。追加しますから」
ぶるぅ 「わぁーい! これと、これと…。これもーっ!」
和洋中と揃ったおせちに、「そるじゃぁ・ぶるぅ」も大喜び。
ぶるぅ 「美味しいーっ! えっと、次はこれと、これと…」
サム 「マジで美味いよな、此処のおせちって」
アドス 「銀青様には、最高のを用意しませんと…」
ブルー 「悪いね、毎年、押し掛けちゃって」
大人数で…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「今年は都合で減っていたかもしれないのにねえ」
アドス 「はあ?」
ブルー 「他所のお寺に行こうとしていたみたいでさ…」
一同 「「「わーっ!!!」」」
ヤバイ、と慌てる御一同様。
シロエ 「い、いえ…。たまには他所のお寺もですね…」
マツカ 「いいかな、という話が出ていただけです」
サム 「うんうん、大晦日がワンパターンだしよ…」
ちょっと話題になっただけで…、と誰もがワタワタ。
ジョミー「逃げようだなんて思ってないから!」
スウェナ「ええ、ちょっとした好奇心よね」
キース 「ほほう…? 俺には違って聞こえたがな」
脱出計画を練っていたような…、と副住職の鋭い視線。
アドス 「なんと、脱出計画ですと…?」
シロエ 「冗談です!」
本当にほんのジョークなんです、とシロエ君、必死。
シロエ 「本気で言うわけないでしょう! 脱出なんて!」
ジョミー「そうだよ、おせちも待ってるし…」
キース 「逃げて、戻って来る予定だったのか?」
タダ飯を食いに…、と副住職が吊り上げる眉。
ヤバイのでは?
2019/01/02 (Wed)
☆ヤバすぎる流れ
元老寺で元旦を迎えたシャン学メンバー、いきなりピンチに。
大晦日の夜に立てた脱出計画、それを責められそうでして…。
シロエ 「タダ飯だなんて、とんでもありません!」
ジョミー「そうだよ、ちゃんと修正会までには戻って…」
キース 「つまり、逃げる気だったんだろうが!」
他所の寺で除夜の鐘を撞こうと…、と睨む副住職。
シロエ 「ですから、毎年、ワンパターンですよね、と…」
スウェナ「いつも此処でしょ、だからたまには他所のお寺で」
サム 「撞いてみるのも悪くねえな、っていう話でよ…」
キース 「要するに、逃げる気満々だった、と…」
あそこで俺が部屋に入らなかったなら、と副住職、腕組み。
キース 「どうやって逃げる気だったか知らんが…」
マツカ 「す、すみません…。ウチの車を呼ぶつもりで…」
サム 「あっ、馬鹿野郎! 言ってどうするよ!」
マツカ 「いえ、ウチの車ですから、修正会までには…」
ちゃんと戻って来られるんです、と御曹司。
マツカ 「タクシーと違って、渋滞以外は時間厳守で」
ジョミー「そうそう! だからホントに、他所のお寺でも…」
シロエ 「タダ飯にはならなかったんですよ」
キース 「ほほう…。なら、訊くが…」
どうして実行しなかったんだ、と副住職の問い。
キース 「そういうことなら、俺に一言、断ってだな…」
アドス 「お出掛け下されば、誰も文句は申しませんぞ」
なにやら妙な話ですな…、とアドス和尚も。
アドス 「せがれに発見されたからと言って、何も遠慮は…」
イライザ「要りませんわよね、他所にお出掛けなさっても」
お出掛けになれば良かったのに…、とイライザさんまでが。
イライザ「それとも、ウチのキースが何か…?」
アドス 「理不尽なことを申しましたかな? 修行不足で」
シロエ 「い、いえ、決して、そんな理由じゃ…!」
キース 「そうだとしか聞こえないだろうが!」
ウチの除夜の鐘に文句があるか、と副住職。
マズイですね…?
2019/01/03 (Thu)
☆お屠蘇をどうぞ
今年も元老寺で迎えた新年、シャン学メンバーを襲った災難。
除夜の鐘を他所で撞こうとしたのがバレて、只今、ピンチ。
キース 「何もやましい所が無いなら、他所で撞ける筈だ!」
シロエ 「そ、それは何も無いんですけど…。でも…」
ジョミー「今後のことを考えるとさ…。此処で撞いた方が」
アドス 「ほうほう、せがれの顔を立てて下さいましたか」
実に有難いお話ですな、とアドス和尚は上機嫌。
アドス 「せがれのためにと、ウチの寺で撞いて下さったと」
シロエ 「ええ、まあ…。そういうことになりますね」
アドス 「恐れ入ります。さあさあ、お屠蘇を」
ググーッとどうぞ、とシロエ君に差し出す盃。
シロエ 「あ、あの、ぼくは未成年ですから…!」
アドス 「そう仰らずに、景気よくどうぞ」
シロエ 「じゃ、じゃあ…。一杯だけ頂戴いたします」
アドス 「いい酒ですしな、ご遠慮なく」
トクトクトク…とお屠蘇が盃を満たし、シロエ君、グイッと。
シロエ 「うーん、なんだかカッとしますね、身体の中から」
アドス 「お屠蘇は薬酒でございますからな、温まりますぞ」
シロエ 「そうみたいです。…ときに、先輩」
一同 「「「はい?」」」
誰のことでしょう、と頷く御一同様。誰もがシロエ君の先輩。
シロエ 「あっ、先輩と言えば、キース先輩ですから」
キース 「俺なのか…。今度は俺に酒を注げと?」
シロエ 「それもいいですね、日頃の行いが行いですし…」
お正月くらいは仕えて貰いましょうか、と妙な台詞が。
サム 「お、おい、シロエ…。お前、なんか変だぜ?」
シロエ 「そうでしょうか?」
ぼくは至って正気ですけど、と何やら据わっている瞳。
シロエ 「お屠蘇で頭が冴えました。いつも以上です!」
キース 「まさか酔ってはいないだろうな?」
スウェナ「シロエが飲んだの、見たことないわよ?」
シロエ 「ぼくだって、飲めば飲めるんです!」
ですから注いで貰えませんか、と盃を。
大丈夫ですか…?
2019/01/04 (Fri)
☆お屠蘇を飲んだら
元老寺でおせちなシャン学メンバー、シロエ君にはお屠蘇が。
アドス和尚が注いだ薬酒で、グイと飲み干して、据わった瞳。
シロエ 「キース先輩、こう、なみなみとお願いします」
キース 「これは本物の酒なんだが…。大丈夫なのか?」
シロエ 「もちろんです! 先輩だって飲むじゃないですか」
忘年会とかだと飲むんですよね、とシロエ君。
シロエ 「去年の暮れにも、参加していた筈ですよ」
キース 「わ、分かった…。そういうことなら、まあ、一杯」
シロエ 「ありがとうございます。頂戴します」
ググーッと一気に盃を空けて、「おかわり!」の声。
シロエ 「どんどん注いで頂きましょうか。お正月ですから」
キース 「返盃は無いのか、俺だけが注いで?」
シロエ 「そんなの、あるわけないでしょう!」
自分の立場が分かってますか、と吊り上げる眉。
シロエ 「ぼくたちが此処で除夜の鐘だった理由とか!」
アドス 「せがれの顔を立てて下さったのでは…?」
シロエ 「とんでもないです、そもそもはキース先輩が!」
アドス 「せがれが何か…?」
御迷惑でも…、とアドス和尚の困惑顔。
シロエ 「話せば長くなるんですけど、何年前だったか…」
キース 「おい、シロエ…?」
シロエ 「先輩は黙っていて下さい!」
その口が災いを呼ぶんですよ、と机をダンッ! と。
シロエ 「キース先輩が余計なことをやったお蔭で…!」
アドス 「皆さんを巻き込みましたかな…?」
シロエ 「はいっ!」
今も絶賛巻き込まれ中です、とシロエ君の返事。
シロエ 「キース先輩が坊主なばかりに、色々と…!」
アドス 「なんですと!?」
おい、本当か、とキース君を睨むアドス和尚。
アドス 「いったい何をやらかしたのだ、未熟者めが!」
キース 「ち、違う! シロエは酔ってて、言いがかりで!」
シロエ 「ぼくは酔ってはいませんから! まるで全く!」
逃げを打たないで下さいませんか、と言ってますけど。
酔ってますよね?
2019/01/05 (Sat)
☆大トラの気配
元老寺で迎えた新年ですけど、お屠蘇が入ったのがシロエ君。
いい感じに瞳が据わっていまして、既に漂う大トラの気配。
シロエ 「ぼくは至って正気です! 今も、普段も!」
キース 「い、いや、明らかに酔ってるぞ、お前…!」
俺の部屋に布団を敷くから…、と副住職。
キース 「酒が抜けるまで、ゆっくり休め。その方がいいぞ」
シロエ 「それも余計なお世話なんです、いつもと同じで!」
アドス 「いつもというのは、何ですかな…?」
せがれが坊主だと問題でも…、とアドス和尚の問い。
アドス 「皆さんには日頃から、お世話になっておりますが」
シロエ 「そうですねえ…。お世話させられてばかりですね」
アドス 「世話と申しますと…?」
シロエ 「巻き込まれた挙句に、法要三昧と言いますか…」
お盆も、お彼岸も酷いモンです、とシロエ君の激白。
シロエ 「何かと言ったら法要なんです、先輩のせいで!」
キース 「わーっ!!!」
なんてことを…、とキース君、顔面蒼白。
キース 「いいから、向こうで寝て来てくれ!」
シロエ 「どうして寝ないといけないんです!」
キース 「どう見ても、酔っ払っているからだ!」
お前の酒は絡み酒だ、とシロエ君を抱えるようにしまして…。
キース 「ちょっと、こいつを寝かせてくる!」
シロエ 「ぼくは、まだまだ飲み足りませんが…!」
キース 「それなら、心ゆくまで飲め!」
それから寝ろ、とシロエ君の盃にお屠蘇をトクトクと。
キース 「もう一杯いけ、景気よく、グッと!」
シロエ 「話が分かるじゃないですか」
キース 「一応、お前の先輩だからな!」
今日は大いに飲んでくれ、とキース君の顔に張り付いた笑み。
キース 「ほら、もう一杯! 酒は百薬の長と言うしな」
シロエ 「御馳走様です、もう一杯お願いしたいです」
キース 「そうだな、遠慮しないで行け!」
シロエ 「そのつもりですよ!」
無礼講で行こうじゃありませんか、とニコニコ。
まだ飲むと…?
2019/01/06 (Sun)
☆お屠蘇で絡み酒
今年も元老寺で迎えた新年、お屠蘇でシロエ君が大トラに。
いわゆる絡み酒というヤツでして、ピンチに陥ったキース君。
シロエ 「どんどん注いで頂きましょう! 無礼講で!」
キース 「あ、ああ…。まあ、なんだ、もう一杯…」
シロエ 「もちろんですとも!」
飲まなきゃやってられませんよ、とシロエ君、グイッと。
シロエ 「どうせ今年も法要三昧、そんな感じの一年です!」
キース 「それを言うなと言っている!」
シロエ 「いいじゃありませんか、嘘じゃないですから!」
ですから、お正月くらい…、と盃を空けまくりまして…。
シロエ 「キース先輩、分かってますか? そもそもは…」
一同 (((つ、ついに言うのか…!)))
アドス和尚の前でスッポンタケの戒名の件、と御一同様。
キース 「な、何だ、シロエ?」
シロエ 「もう何年になるんでしょうねえ、えーっと…」
ひいふうみい…、と折ってゆく指。
シロエ 「思えば、長い歳月が…。考えただけで眩暈ですよ」
キース 「そ、それはいかん! 寝た方がいい!」
シロエ 「いえいえ、まだまだ…。って、あれ?」
いつの間に分身したんですか、とキース君を指差すシロエ君。
シロエ 「分身したって無駄ですからね、これについては!」
キース 「俺は分身してはいないが?」
シロエ 「逃げないで下さい、嘘八百で! それに分身も!」
二人になっても責任は軽くなりませんよ、とギャーギャーと。
シロエ 「どっちの先輩も同罪なんです、三人だろうと!」
キース 「また増えたのか?」
シロエ 「しらばっくれないで頂きましょう!」
なんで四人に増えるんですか、とブツブツブツ。
シロエ 「言ってる端から五人目だなんて、反則ですから!」
キース 「いや、俺は何も…! 俺は一人で…!」
サム 「うんうん、そこは間違いねえぜ」
キース 「サム先輩は黙っていて下さい! ここは一発!」
殴った方が、と繰り出した拳がスカッと空振り。
外れましたね…?
2019/01/07 (Mon)
☆酷すぎる絡み酒
今年も元老寺で新年ですけど、シロエ君がお屠蘇で大トラに。
キース君が分身したとか言った挙句に、空振りなパンチも。
シロエ 「どうして其処で躱すんです! ぼくのパンチを!」
キース 「俺は躱してはいないんだが!」
それに殴られる筋合いも無い、と副住職、焦りの表情。
キース 「お前、さっきから言うことが支離滅裂で…!」
シロエ 「8人に増えないで頂きましょうか、その前に!」
一同 (((は、8人…)))
どれだけ増殖してるんだ、と誰もが驚くシロエ君の酔い。
サム 「な、なあ、シロエ…。マジで寝た方が…」
マツカ 「そうです、飲み過ぎは怖いんですから」
スウェナ「急性アルコール中毒もあるのよ、冗談は抜きで」
シロエ 「その心配は要りませんったら!」
いざとなったら特効薬がある筈です、と溢れる自信。
シロエ 「キース先輩を崇める誰かさんなら、持ってます!」
ブルー 「もう、そのくらいにした方が…」
誰かさんが来たら困るじゃないか、と生徒会長。
ブルー 「すまないけれど、布団を用意して貰えるかな?」
アドス 「はあ、お安い御用でございますが…」
ほれ、イライザ、とアドス和尚が促しまして。
イライザ「ええ、直ぐに御用意させて頂きますわね」
キース 「すまん、おふくろ」
イライザ「いいのよ、これもおもてなしですもの」
イライザさんが出て行った途端、シロエ君が睨む副住職。
シロエ 「分身の術を使った挙句に、ぼくを隔離ですか?」
キース 「そうじゃなくてだ、ゆっくり休んで貰おうと…」
シロエ 「殴らないことには、収まりませんが!」
今度は避けないで頂きましょう、と殴った拳が再び空振り。
シロエ 「往生際の悪い人ですねえ…。なら、もう一杯!」
キース 「本当にマズイと思うんだが…。これ以上飲んだら」
シロエ 「特効薬がある筈なんだ、と言いました!」
キース 「アテになるか!」
あいつも今頃は新年会だ、と怒鳴ってますけど。
別の世界の人ですよ?
2019/01/08 (Tue)
☆誰かさんは誰だ
今年も元老寺で迎えた新年、シロエ君が大トラになりまして。
キース君が分身したとか文句をつけて、まだ飲む気の今。
シロエ 「大丈夫ですって、来る時はちゃんと来ますから!」
キース 「だが、元日に来たことは一度も無いぞ!」
シロエ 「そりゃそうでしょうね、パーティーらしいですし」
キース 「なら、それくらいでやめておけ!」
特効薬は届けて貰えないぞ、と副住職。
キース 「おふくろが布団を敷いているから、とにかく寝ろ」
シロエ 「まだ、先輩を殴ってないです!」
イライザ「お待たせしました、お部屋の用意が出来ましたわ」
キース 「らしいぞ、シロエ」
さあ、寝るんだ、と言ってますけど。
シロエ 「いえ、先輩を殴ってからです! その前に一杯!」
キース 「エロドクターの世話になりたいのか!?」
あの馬鹿野郎が来ない以上はそうなるが…、という指摘。
キース 「あそこなら新年もやっているしな、大病院で」
アドス 「…今、妙な単語が聞こえたぞ」
新年早々、坊主とも思えないような…、とアドス和尚の睨み。
アドス 「何処のお医者様かは知らんが、失礼だろうが!」
キース 「す、すまん、つい…!」
アドス 「それから、誰かさんというのは誰だ?」
その方もお医者様なのか、と質問が。
アドス 「特効薬を持っていらっしゃるなら、名医らしいな」
キース 「そ、それは…! な、なんと言えばいいのか…」
アレは医者ではないと思う、とキース君、ワタワタ。
キース 「スキルはともかく、資格なんぞは持っていなくて」
アドス 「ほほう…。現代のブラックジャックか」
なんと立派な方ではないか、と思い切り、斜めな解釈。
アドス 「お前も、なかなか隅に置けんな」
シロエ 「隅と言うより、放り出したい気分ですけど!」
アドス 「せがれが何か、御迷惑をおかけしましたかな?」
シロエ 「さっきから、そうだと言ってます!」
本当に迷惑ばかりなんです、とシロエ君。
どうなりますやら…。
2019/01/09 (Wed)
☆酔っ払った末に
今年も元老寺で新年ですけど、シロエ君がお屠蘇で大トラに。
キース君に絡みまくって、挙句にソルジャーの話題までが。
アドス 「皆さんに御迷惑と申しますと…。どのような?」
シロエ 「そうですねえ…。何かと言えば法要とかで…」
キース 「ち、違う! 法要はブルーとセットもので!」
銀青様の所でお世話になると必然的に…、と必死の言い訳。
キース 「親父も知っているだろう! お彼岸のお中日は!」
アドス 「うむ。銀青様が御指導下さっている、と…」
いつもお世話になっております、と生徒会長にお辞儀。
アドス 「お蔭様で愚息も、なんとかやっておりまして…」
シロエ 「それが悪いと言うんです、ぼくは!」
アドス 「法要はお嫌いでしたかな?」
シロエ 「普通、素人さんは好きじゃないです!」
抹香臭いだけじゃないですか、とズケズケと。
シロエ 「なのに、キース先輩が次から次へと…!」
キース 「いいから、お前は布団で寝てこい!」
シロエ 「でもですね…って、また分身ですか!」
10人になっても無駄ですからね、と振り上げる拳。
シロエ 「全部端から殴っていったら、一発くらいは!」
サム 「おい、やめろって!」
シロエ 「覚悟ぉーっ!!!」
ぶるぅ 「いたぁーっ!!!」
ゴツンと音で、吹っ飛ばされた「そるじゃぁ・ぶるぅ」。
スウェナ「ちょ、ちょっと! 何するのよ!」
ぶるぅ 「うわぁぁぁん、痛いよ、痛かったようーっ!」
シロエ 「え、えっと…? キース先輩は…?」
サム 「てめえが間違えて殴ったんだろうが!」
キースの野郎は無傷じゃねえか、とサム君の怒声。
サム 「酔っぱらいは引っ込んで、寝て来やがれ!」
イライザ「そうですよ。お友達が待ってらっしゃいますわ」
キース 「ああ。あっちの部屋で大勢、お待ちだからな」
シロエ 「ぼくは酔ってはいませんから!」
イライザ「ほら、いらっしゃい」
お友達と遊びましょうね、とイライザさんの笑顔。
強制隔離…?
2019/01/10 (Thu)
☆酔っ払いは退場
今年も元老寺で迎えた新年、シロエ君が大トラになりまして。
キース君と間違えて「そるじゃぁ・ぶるぅ」を殴る有様。
イライザ「さあさあ、向こうにもお友達がおいでですよ」
キース 「ゆっくりしてこい、酔いが醒めるまで」
シロエ 「いいえ、まだまだ言い足りないことが…!」
キース 「後で聞くから、とにかく寝るんだ!」
特効薬が期待できない以上はそれしかない、と副住職。
キース 「どうせ、あいつは来ないんだからな!」
サム 「そうだぜ、二日酔いで困るのはお前だしよ…」
イライザ「お布団は敷いてありますから、どうぞ」
キース 「さあ、行くぞ。誰か手伝ってくれ」
腕に覚えのあるヤツがいい、とマツカ君を指名。
キース 「柔道部で鍛えた腕の見せ所だしな」
マツカ 「はい! ちょっと失礼しますね」
グイと捩じ上げるシロエ君の腕。
マツカ 「お部屋に案内して貰えますか?」
イライザ「ええ、こちらですわ」
シロエ 「何するんですかーっ!」
キース 「いいから、お前は退場してくれ…!」
暴れるシロエ君を引き摺り、キース君とマツカ君が廊下へ。
シロエ 「離して下さい、話はこれからなんです!」
キース 「分かった、分かった」
マツカ 「後から、じっくり伺いますよ」
離せ、戻せという声が遠ざかって行きまして…。
アドス 「えらい騒ぎになりましたな…。お元日から」
ブルー 「すまないねえ…。まさかシロエが絡み酒とは」
サム 「気持ちは分からねえでもねえけど…」
アドス 「その件ですがな…」
せがれに何か問題でも…、とアドス和尚の深刻な顔。
アドス 「どうも只事ではなさそうですが…」
ブルー 「うーん…」
ちょっと事情が込み入っていて…、と生徒会長。
ブルー 「キース抜きだと、話が厄介かなぁ…」
アドス 「それでは、せがれが戻りましたら、改めて…」
ブルー 「うん、その方がいいと思うよ」
こじれないのが一番だしね、と爽やかな笑顔。
どうなるんでしょう?
2019/01/11 (Fri)
☆導火線になる人
元老寺で大トラになったシロエ君、強制的に退場ですけれど。
アドス和尚が聞いてしまった、誰かさんのことが問題でして。
キース 「戻ったぞ。…なんとか寝かしつけて来た」
マツカ 「大イビキですけど、まあ心配は要らないでしょう」
あの程度なら…、と座敷に戻った御曹司と副住職。
ブルー 「お疲れ様。ぶるぅも、殴られたトコは大丈夫だね」
ぶるぅ 「うんっ! 痛かったけど、もう平気!」
サム 「はた迷惑な酔い方しやがって…」
ジョミー「恒例にならなきゃ、いいと思うよ」
一回くらいは御愛嬌、とジョミー君、なかなか寛大。
ジョミー「年がら年中、災難を呼ぶ人もいるしさ」
一同 「「「あー…」」」
多分、今年もそうだろうな、と溜息な所へアドス和尚が。
アドス 「もしかして、せがれがソレですかな?」
マツカ 「い、いえ…。別にキースは、そこまででは…」
ジョミー「もっと上級クラスがいるから、導火線くらい?」
サム 「いいじゃねえかよ、その言い方!」
まさしく導火線って感じだからよ、と大きく頷くサム君。
サム 「こう、ジリジリと燃えてった先で大爆発な!」
スウェナ「そうねえ、爆弾の本体は他にあるわよね」
キースは起爆剤だわよ、とスウェナちゃんも。
スウェナ「でなきゃアレよね、花火職人」
一同 「「「花火職人?」」」
スウェナ「打ち上げるのはプログラムでも、並べるのは…」
マツカ 「人力ですねえ、今の時代でも」
キースは花火を設置していくわけですか…、と御曹司。
マツカ 「それがバンバン上がるんですね、毎回、毎回」
スウェナ「そうなのよ!」
今年も上がりまくりだわよ、とグッと拳を。
スウェナ「回避できるとは思えないわよね、どう考えても」
ブルー 「無理だろうねえ、既に年中行事だから」
アドス 「せがれが関わる法要が、皆さんに御迷惑を…?」
ブルー 「ぶっちゃけ、そういうことになるかな」
平たく言えば…、と生徒会長、いえ、銀青様。
さて…?
2019/01/12 (Sat)
☆花火みたいな人
お元日からシロエ君が大トラ、そういう年明けな今年の新年。
アドス和尚が聞き咎める中、問われているキース君の責任。
アドス 「せがれが法要に関わると、何か不始末でも…?」
ブルー 「立派に務めは果たしているけど、なんだかねえ…」
スウェナ「とにかく抹香臭くなるのよ、キースのせいで!」
法要に強制参加になるから…、とスウェナちゃん。
スウェナ「サムとジョミーは、お坊さんだから、いいけれど」
ジョミー「よくないよ! ぼくたちだって、迷惑だってば!」
サム 「だよなあ、棚経は仕方ねえけどよ…」
お彼岸は確実にババってヤツな、とサム君も。
サム 「なんで毎回、ああなるんだか…」
アドス 「サム殿でもキツイ状態ですかな?」
サム 「あ、う、うん…。正直、アレは疲れるぜ」
やってられねえ、と広げる両手。
サム 「マジでキースが導火線だしよ、シャレにならねえ」
アドス 「さっき花火と仰いましたが、そこまで酷いと…」
スウェナ「超弩級だわよ、尺玉なのは確実だわね」
ブルー 「それより、スターマインじゃないかな…」
尺玉も入っていそうなヤツで…、と生徒会長、いえ、銀青様。
ブルー 「もう景気よくバンバン上がって、時間も長くて」
マツカ 「あらゆる花火が上がりますしね、スターマインは」
ブルー 「そう! 仕込んだ花火の種類次第で、どうとでも」
キースの場合はソレだと思う、とキッツイ言葉が。
ブルー 「下手するとアレだね、下では仕掛け花火まで」
サム 「ナイアガラとかをやってるのな…」
ブルー 「花を添えるといった感じで、華やかにね」
キース 「おい、お前たち…!」
そこまで俺をコケにするのか、と言ってますけど。
アドス 「銀青様に向かって、その言いよう…。お詫びしろ」
キース 「し、しかし…! 言いたい放題なのは、こいつで」
アドス 「そういう調子で、毎度、御迷惑を…」
口の利きようが問題なのだな、と情けなさげに。
勝手に納得しましたね…?
2019/01/13 (Sun)
☆迷惑のお詫びに
シロエ君の大トラに始まり、大荒れな今年の元旦ですけれど。
アドス和尚の頭の中では、キース君の口の利き方が問題に。
アドス 「銀青様にも、その言いようだと、他の皆様には…」
サム 「ぶっちゃけ、半端じゃねえよな、毎回」
スウェナ「いいようにされてるわよね、実際…」
キース 「お前ら、俺を窮地に追い込みたいのか…!」
正月早々何をしやがる、と焦りまくりの副住職。
キース 「親父がキレたら、本気でどうにもならんのだが!」
アドス 「なるほど、なるほど…。いつも、この調子で…」
マツカ 「ええ、まあ…。そんな所でしょうか」
ご理解頂けましたでしょうか、と御曹司までが。
マツカ 「法要の度にこういう具合で、ぼくたちとしては…」
ジョミー「ホントにキツイものがあるよね、耐えるだけでも」
アドス 「左様でございますか…。ウチの愚息が御迷惑を…」
まことに申し訳ございません、とアドス和尚、頭を深々と。
アドス 「キース、一年の計は元旦にあり、でな」
キース 「お、親父…?」
アドス 「初詣の後で罰礼三千回じゃ!」
キース 「さ、三千回…!?」
それはあまりに酷いのでは、とキース君、真っ青。
キース 「せめて千回にオマケしてくれ…!」
アドス 「やかましい! シロエ殿も眠っておられるし…」
時間はたっぷりあるじゃろうが、と容赦ない言葉。
アドス 「じゃが、その前に初詣じゃ。檀家さんがじゃな…」
イライザ「そろそろ、お越しになりますからね」
キース 「は、はいっ! こら、サム、ジョミー!」
お前たちも早く支度をしろ、と睨みましたが。
アドス 「今年は、お前だけでいいんじゃ!」
キース 「なんだって!?」
アドス 「御迷惑をおかけしたなら、お詫びに休んで頂く!」
サム 「マジかよ、此処でダラダラしてていいって?」
アドス 「どうぞ、ごゆっくりお休み下され」
ジョミー「バンザーイ!」
やったね、と歓声を上げるお坊さん組。
今年は幸先、良さそうですね!
2019/01/14 (Mon)
☆日が悪いそうです
お元日は元老寺の庫裏でダラダラ、そんなシャン学メンバー。
幸先のいい年明けだった、と喜ぶ内に早くも成人の日が。
サム 「今年はマジで調子がいいよな、今のトコはよ」
スウェナ「そうねえ、誰かさんも未だに来てないし」
シロエ 「最長記録じゃないでしょうか、来なかった日数」
ブルー 「その分、来たら荒れそうだけどね…」
この連休が無事に済むとは思えない、と生徒会長。
ブルー 「ぼくたちの世界は連休だけどさ、向こうはさ…」
ジョミー「こっちと暦が違うもんねえ…」
シロエ 「ついでに、日が悪い気がします」
一同 「「「へ?」」」
日が悪いとはどういう意味だ、と誰もがキョトン。
キース 「おいおい、今日は友引だぞ?」
マツカ 「ですよね、どちらかと言えば吉日ですよ」
サム 「葬式がアウトなだけの日なんでねえの?」
友引の何処が悪いんだよ、と僧籍な人。
サム 「葬式もねえし、縁起がいい日の間違いじゃねえの」
シロエ 「いえ、友引は悪くないんです。祝日の方が…」
一同 「「「祝日?」」」
祝日といえば目出度い筈だが、と首を傾げる御一同様。
ジョミー「祝日って確か、旗日って言うんじゃなかったっけ」
マツカ 「ええ。昔は国旗を飾ってお祝いしたそうですよ」
サム 「ちっとも縁起は悪くねえよな?」
ブルー 「そう思うけど…」
ぼくの知識でも引っ掛からない、と生徒会長にも謎な模様。
ブルー 「いったい、今日の何処が悪いと言うんだい?」
シロエ 「分からないんですか、成人の日ですよ?」
サム 「俺たちとは縁がねえ日だよなあ…」
スウェナ「その意味なの?」
永遠の高校1年生だし…、とスウェナちゃん。
スウェナ「祝日らしくないってことで」
シロエ 「そうじゃなくって、成人というのが問題なんです」
キース 「すまんが、全く理解不能だ」
シロエ 「キース先輩の場合は、特にそうかもですね…」
思いっ切り腐れ縁ですから、という台詞が。
どういう意味だと…?
2019/01/15 (Tue)